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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第四章

340明神 ◆9EasXbvg42:2019/09/23(月) 23:48:24
こいつが自分のしたことに自分で責任をとるのなら、俺はもう何も言わない。
こいつが呼び付けて、死んでいったブレイブ達の恨み節は、俺が代弁するべきじゃない。

「私の立場でこんなことを言うのは些か不義理かもしれないけど……。
 君たちには、死なないで欲しい。世界を救うだけではなく、生きて帰って来て欲しい。
 ――何より。君たちが戻らなければ、私は五穀豊穣君に絞め殺されてしまうからね」

「へっ、お前に言われなくたって死ぬつもりはねえよ。あいつらを死なせるつもりもない。
 生きて帰らなきゃ、お前がブレイブ達の墓参りすんの見れねえだろうが」

「ははっ!そういえば約束をしていたね。うん、それが良い。
 全部終わったら、私もまた旅に出られる。君と諸国を巡れる日を、楽しみにしているよ。
 ……そして見届けてくれ。私の、贖罪を」

何に満足したのかぴくちりわかんねえけど、バロールは微笑みだけ残して去っていった。
え?マジ?あいつホントに雑談だけして帰りやがったよ!?

「……あ、あれ?」

ふと、身体を締め付けるような酸欠の苦しみが、綺麗に失せているのに気付いた。
走り終わってからまだ5分も経ってない。
起き上がると、立ってるのもつらかった疲労感もまたさっぱりなくなっていた。

回復魔法?バロールがやったのか?いつの間にかけたんだアイツ!
呪文はおろか予備動作すら見えやしなかった。
これが十三階梯筆頭。これが、アルフヘイム最強……。

まぁでも疲れ取れたならもうけもんやな。お風呂入ってこよーっと!
上機嫌で大浴場に向かう道すがら、石油王の姿を見つけた。
宴が解散になったあとこいつはずっとバロールの所で議論していた。
バロールが風呂上がりってことは、一旦休憩に入ったってところだろう。

「石油王」

俺は夜風に当たる石油王に声をかけて、その隣の手すりに身体を預けた。
話しておきたいことは一杯あった。これからどうするのかとか。
……あるいは、これまでの旅の思い出話とか。

だけど、うまく言葉にならなかった。
どうやっても、こいつに翻意を促すような、引き止めの台詞が出てきそうで。
それが無意味なことくらい、俺にもわかった。


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