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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第三章

259明神 ◆9EasXbvg42:2019/03/10(日) 19:28:43
俺は墓標代わりの大剣の前で、両手を合わせて祈った。

バルゴス。悪かった。死なせるつもりはなかったんだ。
そして、お前がバフォメットと対峙してたおかげで、俺たちは致命的な挟み撃ちを受けずに済んだ。
ありがとう。……って言っちまったら、またお前は怒るかな?
俺がこの先死ぬことがあったら、あの世でもっかい詫びるよ。どうせ行くところは同じだ。

隣でしめじちゃんも手を合わせている。彼女は何を祈ってるんだろうか。
一通り心の中でつぶやき終えた俺は、ゴロツキの指示通りに回れ右した。

「待ちな」

いつの間にか墓標まで歩いてきていたゴロツキが、俺の背後から声をかけた。
振り向くと、鞘に収められた大剣が放物線を描いて迫る。
反射的に掴めば、ずしりと筋を痛めそうなくらいの重さを感じた。

「墓標代わりもこれでお役御免だ。他に弔いに来る奴なんかいねえし、デカくて正直邪魔だったんだ。
 傭兵の形見はタグで十分、その剣はあんたが持ってけよ」

「良いのかよ。ちゃんと手入れされてるし、結構な値打ちモンじゃねえのかこれ」

「言ったろ、バルゴスは嫌われ者だった。この路地裏に置いといたら、遠からずブチ折られちまうだろうよ。
 そいつはバルゴスが、担げる奴が居なくなった"重み"だ。
 あいつのこと、忘れたくないんだろ。ならあんたが背負って前に進め」

「……分かった」

大剣を身体に括り付けるように背負って、俺は路地裏を出る。
足がガクガクするほど重たいけど、それでもカジノで背負ったしめじちゃんよか軽い。
いやでもマジで重いな……バルゴスの怨霊でも憑いてるんじゃねえのこれ!

俺は大剣をインベントリにしまおうとして……やめた。
これくらい担げなきゃ世界なんか救えねえよな。

だから背負って行こう。――少なくとも、なゆたちゃんの家に帰るまでは。


【リバティウム編終了。エンバースにウザ絡みする】


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