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第一外典:魔法少女管理都市『瀬平戸』

74名無しさん:2019/03/24(日) 23:52:56


「そもそもの話。私達が認識していたゲームマスターはただ一人だった」

謀略と策謀に生きる来栖宮にとって、情報は場合によっては戦闘能力を優先するほどに重要である。
潜伏している間とてそれを欠かしたことはない。そして、その間、確認することが出来たゲームマスターは、当然の話であるが、たった一人だけ。
それが複数偏在するというのであれば、してやられたというほかあるまい。存在しないと思いこんでいた、存在しないはずのそれを調査など、考えようも無い。
その場にいる全員が、この謎が解き明かされることを望んでいる――――

「立夏。貴女が生徒会にいる間、ゲームマスターがそういう素振りを見せたことは?」

「え、いや、そういうのは……あったら、報告する、し……」

話を振られた此花は、首を振って否定する。
その言葉に嘘偽りはない。此花立夏はこの中の誰よりも内部事情に詳しく、そして本来観測されていたゲームマスターに詳しい者である。
裏切り――――は、少なくとも、二人に間柄では有り得ないと仮定して。来栖宮は、話を続けることになる。

「私達のロワイヤルに、ゲームマスターはたった一人しかいない。それに――――私達にとっては、こういってはなんですが、“向こう側”のほうが馴染み深い。
 機械的にすら見える、魔法少女の、ロワイヤルの運営機構。それがゲームマスター、それでは、貴女は、何者ですか。

 突如として、私達の前に現れてみせた。貴女は、一体」

その視線が、鋭く彼女を射抜いた。いくら先の状況を助けられたとは言え、眼の前の相手は到底信頼できるものではない。
魔法少女ロワイヤルを開催し、殺し合いを誘い、致命的な後遺症を与えるアイテムを配布し、最後の一人になるまで殺し合いを続けさせた。
特にこの、来栖宮という少女にとっては――――それを受けたゲームマスターと呼ばれた少女は、その唇をわずかに開いて、言葉を紡ごうとして。


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