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【伝奇】東京ブリーチャーズ・壱【TRPG】

197尾弐 黒雄 ◇pNqNUIlvYE:2018/04/13(金) 13:34:24
最初に人を殺したのは、苦痛から逃れる為であった。
呪具として改造された魂は、製作者の意図に従い動かねば、耐えがたい苦痛が与えられるからだ。

次に人を殺したのは、苦痛を味わいたくないが故であった。
呪具に刻まれた呪いの通りに人を殺せば、自分は痛くないからだ。

更に人を殺したのは、母の温もりを求めたが故であった。
標的(オカアサン)の胎内(ナカ)に戻れば、幸せに生まれ直す事が出来ると思ったからだ。

尚も人を殺したのは、自分が知らない幸せを持つ人間を憎むが故であった。
誰かが自分と同じ様に苦しんで死ねば、少しだけ気持ちが晴れる気がしたからだ。

そうして、次も、次も、次も。

殺して殺して
 殺して殺し。
呪って呪って
 呪って呪い。

やがて異形の霊体(カラダ)を手に入れて
九十九の神と呼ばれる存在に成り果てて
電子の海を揺蕩う、人の噂に力を与えられ
製作者の意図をも超え、とうとう人智を超えた霊災と化した頃

人を殺すのは、人を殺す為となっていた。
自身の力に抗えずに無様に死んでいく人間を見る事に、愉悦を感じる様になったからだ。

百を越える年月を経た、コトリバコ。
『ニホウ』『サンポウ』『シッポウ』
彼等は、時を経て哀れな被害者から本物の怪物と成り果てた。
人を殺す為に殺す、救えぬ怪物と化したのだ。


そして今、その三体の怪物の殺意は一人の男に向けられている。

尾弐黒雄

喪服を着こんだ悪鬼。
腕力と頑強さを武器に、有象無象、魑魅魍魎共を捻じ伏せる悪意と暴力の権化。
その尾弐への奇襲を成功させたコトリバコは、今や尾弐の体を玩具でも扱うかの様に粗雑に――――破砕していた。

呪詛の強酸を浴びせかけ、巨大な腕で頭を掴み、アスファルトへと叩き付け。
脚を掴み振り回し、離れた位置に在る商店のコンクリの壁へと放り投げ。
それを餌を放られた犬の様に追いかけると、その拳で、或いは掴んだ瓦礫で、殴りつけ、踏みつける。
尾弐を破壊する三体のコトリバコ達は、本当に楽しそうに。まるで子供の様に無邪気な笑みを浮かべている。

これだけ壊れにくい玩具を手にしたのは、初めてだったのであろう。
自身の手で命を奪う行為への興奮に、本物の赤子の様な笑い声を挙げる彼等。


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