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【伝奇】東京ブリーチャーズ・壱【TRPG】
177
:
品岡ムジナ ◇VO3bAk5naQ
:2018/04/13(金) 13:23:13
「なるほど確かにクソガキの癇癪から他の子供を守ってやるのも……大人の役目ですな」
尾弐と品岡は東京ブリーチャーズにおける『大人』……実年齢ではなく立ち回りとしての大人という立場だ。
無論そこには荒事担当というポジショニングの理由も含まれているが、それだけではないと品岡は思う。思いたい。
たとえ盃を交わしていなくとも、一方的に慕っているだけだとしても。
尾弐と品岡は義兄弟だ。――兄貴分の信頼には、応えるのが舎弟の身上だ。
「ほな、兄貴が三匹引き受けてくるっちゅうさかい……ワシは二匹ばかし相手にしようかね」
懐から煙草を取り出し、片手で火を点ける。
肺一杯に煙を吸い込んで吐き出した彼の眼前には、二体のコトリバコが凍結から復帰し動き始めていた。
牛程度の大きさの『イッポウ』とライトバンほどの『ロッポウ』。
イッポウはコトリバコの中においては最下位だが、それでも複数人を容易く殺める呪詛を持っている。
ロッポウに至ってはその強力さを語るべくもない。
スレッジハンマーを肩に担い、煙草を挟んだ指先をクイクイと曲げて二体のコトリバコを挑発する。
「来いやガキども。たかだか百年ぽっち生きた程度で図に乗るんちゃうぞ。大人の怖さ教えたるわ」
――――!――――!!
言葉として認識できない金切り声を挙げながら、まずイッポウが飛び掛かってきた。
最優先目標として橘音を狙うようだが、武器を構えて敵対した者を放置しておくほど愚かではないらしい。
先程尾弐をハメたように、コトリバコ達は急速に成長して知恵をつけ始めている。
始めている、というのがキモだ。完全に手をつけられなくなる前に潰してしまえば憂いはない。
「あの馬鹿が季節考えずに吹雪吹かすせいで寒かったやろ。ワシ気遣いの達人だからそういうの分かっちゃう」
アスファルトを蹴立てて向かってくるイッポウに、品岡は指先の煙草を弾いて飛ばした。
形状変化により巨大化しながら宙を舞う煙草。燃える物が大きくなれば、当然火種も大きくなる。
燃え盛る30センチほどの松明と化した煙草の先端がイッポウに直撃し、その額を焼いた。
――――!!
煙草には魔除け、炎には浄化の意味がある。妖怪であれば少なからず苦手とされる組み合わせだ。
悲鳴にも似た声を上げて怯み、一瞬立ち止まるイッポウ。
品岡は空いた手を筒状に丸め、口元に当てた。
「せやから温めたるわ」
丸めた掌に満たされたのは、彼が体内に収納しているものの一つ、ガソリンだ。
品岡はそれを思いっきり吐息でイッポウ目掛けて吹き付けた。
形状変化で巨大化――単純に量を増やした大量のガソリンが、霧状にイッポウを濡らす。
煙草の火種がそれに引火した。
――――――!!!
ボンッ!!と大気の爆ぜる音と共にイッポウの全身が引火したガソリンで炎上する。
継ぎ接ぎだらけの肉体が焼け爛れ、あたりに肉の焼ける悪臭が漂った。
それを眺めていた品岡は、やおら身体をくの字に折った。
「後ろから来ても当たらへんで。ワシ背中に眼ぇついとるから」
彼の頭のあった空間を豪腕が薙いでいった。
凄まじい脚力によって品岡の背後に回り込んだロッポウが、彼の頭を吹き飛ばさんと殴りかかったのだ。
だがそれは『背中に眼をつけた』品岡によって躱され、カウンターのようにロッポウの頭部にスレッジハンマーの先端が突き刺さった。
品岡ムジナの常態は中肉中背の男性だ。
一般人よりかは鍛え込んであるが、それでも重量5kgを超えるハンマーを手足のように振り回すには困難な体型である。
だが彼には形状変化がある。小さくしたハンマーを振りながら、インパクトの瞬間だけ元の大きさに戻す。
そうすることで、まるで小枝を振るうような軽さと速さで鈍重なハンマーの一撃を繰り出せるというからくりだ。
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