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【伝奇】東京ブリーチャーズ・壱【TRPG】

134尾弐 黒雄 ◇pNqNUIlvYE:2018/04/12(木) 22:24:41
>「あたしは――」

進むか、退くか。
尾弐が祈に行った『未来を問いかける』行為は、ある意味では酷く冷酷な行為である。
何故ならば、己の意志で決めた未来には嘘が付け無いからだ。

己が光を夢見て選んだ道がその実、死出の旅路であったとして。
それが他者に押し付けられた道であれば、怨み言の一つも零せよう。
けれど、自身の意志で、自身の言葉で決めた未来であるのなら、そこに他者は介在しない。
自身の責任の元に、ただ純然とした過程と結果のみが刻まれる事となる。
非道く冷たい孤独の旅路。己が未来を己自身で選んだ者は、それを延々と歩く事となるのである。

だから――――故に。

未来を選ぶことを求めた尾弐黒雄は、多甫祈が選ぶ未来を見届けなければならない。
例え尾弐に、彼女が瞳に讃える澄んだ光を見る資格がなくとも。
言葉を交わす事さえもが、本来許されざる行為であるとしても。

選んだ道を見届けなければならない。
それが、尾弐の責任だからだ。

尾弐は視線を逸らす事無く祈の言葉をじっと待ち――――だが。
祈が口を開く直前に、その妖怪は現れた。


>「ご紹介に預かった品岡や。まぁ自己紹介せんでも皆ワシの顔は知っとるやろ」

「……いや、まあ一週間前にも葬儀の席で遭ったしな」

無遠慮に室内に踏み入り、手近に在ったソファーに腰かけたその男の名は、品岡ムジナ。
東京に縄張りを持つ暴力団の構成員にして、顔の有るノッペラボウ。
尾弐が思案していたコトリバコの呪いを欺く手段。その中の鬼札にして、化かし、騙し、欺く事に関する専門家。
ブリーチャーズの中においても、どこか毛色の違う存在。
彼はその手でルービックキューブを、文字通り弄びながら……恐らく、立ち聞きしていたのであろう。
祈から呪いの矛先をそらす為の一手を語り出した。

>「――ワシはのっぺらぼう、"騙し"の専門家や。呪いだって騙してみせたる」

そして……彼自身の能力の事であり、当然と言えば当然なのだが。
ムジナが語った意見は、尾弐が想定していた呪詛対策の一つと完全に一致していた。

「色々言いてぇことはあるが――――まず、誰がアニキだ。お前さんと杯交わした覚えはねぇぞ化かし屋。
 こんな善良なオジサンをVシネの世界に巻き込むんじゃねぇよ」


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