智絵里｢あのっ…さ、サイン、貰えますかっ！｣ - 1529001008

1：このSSの登場人物は18歳以上です：2018/06/15(金) 03:30:08 ID:MKlixJtQ0: 暇潰し用に立てとくスレ

気まぐれ更新
2：このSSの登場人物は18歳以上です：2018/06/15(金) 03:34:01 ID:MKlixJtQ0: 凛｢え……？｣

智絵里｢……/////｣

凛｢…………｣

ほぼ腰を直角に折り曲げた態勢で……

色紙を差し出したまま震える､１人の少女の姿｡

凛｢こ、こんにちは？｣

智絵里｢こんにちわっ！｣←お辞儀中

凛｢とりあえず、その……顔、上げて｣

智絵里｢っ！？｣

智絵里｢し、失礼しましたッ｣ｶﾞﾊﾞｯ

凛｢うわっ！？あ､えーとその……｣

凛(うわぁ、如何にも"女の子"って感じ)

凛(かわいい子だな)

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3：このSSの登場人物は18歳以上です：2018/06/15(金) 03:41:48 ID:MKlixJtQ0: 凛｢とりあえず……ここのプロダクションの子､だよね？｣

智絵里｢は､はいッ！アイドル部門の緒方智絵里です､よろしくお願いしますっ｣

凛｢ああ……そうなの､うん。モデル部門の渋谷凛です……｣

凛｢一応､歌手の真似事もやってます……よろしく､ね？｣

智絵里｢はいッ！ "アネモネ"も"トリニティ"も毎日聴いてます！大ファンです！｣

凛｢えっ////｣

凛｢え、それ本当？　ありがと///｣

凛｢で､その……サイン？｣

智絵里｢ッ！！はいっ、この色紙にお願いします！｣つ色紙＆ペン

凛｢　　｣

凛(うわぁー……マジか)

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4：このSSの登場人物は18歳以上です：2018/06/15(金) 03:44:24 ID:MKlixJtQ0: 凛(まさか､こんなシーンの当事者になる日が来るとは)

凛｢うん……でも､サインの練習してないし､ただの署名みたいになるけど｣

凛｢それでもいいなら……｣

智絵里｢き、気にしません！寧ろレアで嬉しいですからっ！｣

凛｢そ、そう？じゃあ……｣

…………

凛｢こんな感じで……って予備の色紙無いけど｣

凛｢大丈夫？こんな感じで｣

智絵里｢うわあ……字､上手いんですね｣

智絵里｢あ､いえっ！大丈夫です！ノープロです！｣

凛｢の、ノープロ｣

智絵里｢はい！とても嬉しいですっ！ありがとうございます！！｣

凛｢どういたしまして……？｣

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5：このSSの登場人物は18歳以上です：2018/06/15(金) 03:47:16 ID:MKlixJtQ0: 智絵里｢ぉ､お時間取らせてすみませんでしたっ！｣

凛｢い、いいよ。私も嬉しかったから｣

凛(どうせ今日は､もうレッスンも撮影も無いし)

智絵里｢本当にありがとうございます。じ､じゃあ私はこれで！｣

智絵里｢これからも応援してますね！｣

凛｢うん。が､頑張ります……またね｣

智絵里｢はい！｣

智絵里｢ひゃー……！｣ﾀﾀﾀﾀ…

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6：このSSの登場人物は18歳以上です：2018/06/15(金) 03:57:24 ID:L0sBSqmo0: 凛｢……｣(ﾟДﾟ)ﾎﾟｶｰﾝ

凛｢……｣

凛(中２の時に街でスカウトされて……マネージャーの気まぐれで歌にも手を出してから､それなりに業界に居たけど)

凛(……サインなんて､初めて求められたよ。……それも華のアイドルさんから)

凛(大した宣伝もしてないのに……ああいうファンも出来るものなんだなぁ)

凛(ふふ、まあ悪い気分じゃないかな)

凛(…………)

凛(オガタさん、か)

凛｢かわいい子だったなぁ……｣ﾎﾟﾂﾘ

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7：このSSの登場人物は18歳以上です：2018/06/23(土) 00:54:19 ID:IRgvLOc60: ―――後日

＞＞都内の某教育機関

凛｢……ってことが､こないだあってね｣

凛｢身内と幼馴染み以外でサインあげたの初めてだった｣

安藤｢へー女の子から､それもアイドルの子ねぇ｣

凛｢中学生くらいで……クローバー柄のワンピ着てたな｣

凛｢かなり可愛い子だよ。流石はアイドル様って感じした｣

安藤｢……罰ゲームとかじゃね｣

凛｢………………｣

安藤｢ご､ゴメン冗談｣

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8：このSSの登場人物は18歳以上です：2018/06/23(土) 00:55:36 ID:IRgvLOc60: 安藤｢しかし……正直､羨ましいのが本音だけどさ｣

安藤｢ニッチなとこ攻めてきたね､そのアイドルの子も｣

安藤｢山ほど居る流行りモデルへ目向きもせず……凛だよ？｣

凛｢まあね……同じプロダクションだけど､大した宣伝もしてないし……｣

凛｢あ､でも私の出した曲､毎日聴いてますって言ってたな｣

安藤｢……曲？なんだそりゃ｣

凛｢友達の出した曲ぐらい憶えていてよ｣

凛｢ほら､ "アネモネスター" とか "トリニティフィールド" とか……｣

安藤｢……｣

凛｢おい｣

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9：このSSの登場人物は18歳以上です：2018/06/23(土) 00:56:45 ID:IRgvLOc60: 安藤｢いや……トリニティの方は､いま思い出したけど……｣

安藤｢アネモネ……｣

凛｢何でトリオ曲が大丈夫で､肝心のソロ曲は思い出せないの｣

安藤｢いやートリニティは残ったよ､印象｣

安藤｢何たって他２人も有名じゃない方だけど､凛が更に無名で､殆ど食われてたし｣

安藤｢アタシ､ストアのコメ欄で凛がアウェー過ぎて超笑ったもん｣

凛｢……｣

安藤｢唯でさえコメ１０個に届く程度なのに､その半分近く "渋谷凛て誰？" でさ｣

安藤｢いやーあれは､友人としちゃ腹が痛いし鼻が高かったね(笑)｣

凛｢…………｣ﾌﾟﾙﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

安藤｢曲？普通に良かったよ､普通に｣

凛｢うるさーい！｣

安藤｢うひょー｣

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10：このSSの登場人物は18歳以上です：2018/06/23(土) 00:58:40 ID:IRgvLOc60: ――
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安藤｢で､その……オガタチ･エリちゃん？｣

凛｢オガタ･チエリ｣

安藤｢そのチエリちゃん､漢字はどう書くのさ？ウチってSNS奨励されてるし､調べればイロイロでるんじゃないの？｣

凛｢……あ､そういえば……そうだよね｣

安藤｢アンタ､ツイもインスタも基本やらないタイプだもんね｣

凛｢でも……漢字までは訊かなかったな。オガタは多分 "緒方" 辺りだと思うけど｣

凛｢チエリは､ちょっとバリエーションが豊富だね……｣

安藤｢うん……まあとりあえず "緒方チエリ" とウチの社名で検索して……と｣つスマホ

安藤｢うーん……｣ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ

凛｢出てる？｣

安藤｢チョイ待ち……｣

安藤｢……ウチの会社のことしか出ない。SNSアカも見当たらないんだけど｣

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11：このSSの登場人物は18歳以上です：2018/06/23(土) 01:00:18 ID:IRgvLOc60: 安藤｢どっかの中学のバレー部のことが下の方に出たけど……こりゃ無関係だよねー多分｣

安藤｢結論。鍵アカか､そもそも作ってないか｣

凛｢そっか……私と気が合うのかもね。更新とか面倒だし｣

安藤｢…………｣

安藤｢そういや､こないだアイドル部門で新プロジェクトが立ち上がった話があるけど｣

安藤｢もしかして……その時に入った新入りの子なんじゃないの？｣

凛｢新プロジェクト？｣

安藤｢うん……何ていう企画かは見てないけど｣

安藤｢割と結構な人数､募ったみたいな話は聞いたよ｣

凛｢へー……仮にも大手だねウチ。企画ポコポコ立ち上げられるんだから｣

安藤｢まーバブル生き残った程度には力も有るしね｣

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12：このSSの登場人物は18歳以上です：2018/06/23(土) 01:46:39 ID:IRgvLOc60: 安藤｢それはそうと私さぁ､１人アイドル部門に仲良い子が居るんだけど｣

凛｢仲良い子？｣

安藤｢仕事で一緒になったのが縁でさ｣

安藤｢一度だけ屋台ラーメン一緒したこともあるんだ｣

凛｢……随分と大衆的な交流法だね。モデルのくせに｣

安藤｢私らだって仕事離れりゃ､ただのＪＫだもの｣

安藤｢まあ何やかんや仲良くなったワケ。私と凛ほど､マブダチじゃないけどね｣

凛｢…………｣

安藤｢そんな目するなよゥ｣

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13：このSSの登場人物は18歳以上です：2018/06/23(土) 01:47:29 ID:IRgvLOc60: 安藤｢名前は市原仁奈。私らとタメで……｣

安藤｢まあチョイと変なトコはあるけど､良い子だよ｣

凛｢変なトコって？｣

安藤｢単にコスプレ趣味があるだけ｣

凛｢…………｣

安藤｢で､その市原さんなんだけど……｣

安藤｢私の記憶違いじゃなけりゃ……｣

市原｢まーまー市原さんてば､今度から始まる企画のオーデをパスしまして……｣

市原｢何とソロ曲まで頂戴するのが決定しやがりましてなー｣

市原｢子役脱却の第一歩目から大躍進でごぜーますよ､後で不幸ありそうでこえー｣

安藤｢みたいなこと､言ってた気がするんだよね｣

凛(……なるほど変なトコありそうだ)

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14：このSSの登場人物は18歳以上です：2018/06/23(土) 01:48:35 ID:IRgvLOc60: 凛｢その今度から始まる企画って……｣

安藤｢うん､多分その通り｣

安藤｢市原と､そのチエリちゃん？同じ企画に居るんだと思う｣

凛｢……なるほど｣

安藤｢私､市原と連絡取り合えるけど……後で訊いてみる？チエリちゃんのこと｣

凛｢…………｣

凛｢……いや､気遣いは良いけど大丈夫かな｣

安藤｢あらそう？｣

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15：このSSの登場人物は18歳以上です：2018/06/23(土) 01:50:03 ID:IRgvLOc60: 凛｢うん……ファン以前に同僚だし､挨拶くらい自分の脚で行くよ｣

凛｢それに……あまり親しくなる気も無いしね｣

安藤｢あらら､良いの？折角のファンだよ？｣

凛｢知らない？渋谷凛って､そんな人付き合い上手い方じゃないんだ｣

凛｢日常を一緒に歩くのは､私には安藤だけ居れば良い｣

安藤｢うーわ気障。キモっ｣

凛｢愛してるよ､私の魂に変えても｣

安藤｢ヤメロ､昼食べたモノ無駄にさせないで｣

凛｢はは……｣

凛｢…………｣

凛｢実際のとこ､もう一度会ったら何も言えなくなりそう｣

安藤｢なはは､アンタ目線の圧力アレだから余計だもんね｣

凛｢コミュ障(予備群)はツラいよ……｣

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16：このSSの登場人物は18歳以上です：2018/07/03(火) 06:26:07 ID:T30Eottg0: ―――別の日

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