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SS投下所

76妄想民:2020/05/18(月) 16:44:37 ID:WyEfe38s
本スレ>>2408で投下したエピローグを少し手直し


後日談というか、今回のオチ。

「つまり阿良々木君は殺し合いの中でもハーレムを作ろうとして性癖を暴露した変態だった、ってことね」
「っておい!人の話をどう聞いたらそういう総括になるんだよ!」

僕は、あの混沌とした大事件から帰還できた後、不在期間に何があったのかを戦場ヶ原に問い詰められて、洗いざらい隠さずに全てを話した。
―――だけど、どれだけ僕の事を貶めたいんだよ、この女は!

「まぁ、阿良々木君のことだから、いつも通り首を突っ込んでいつも通り大変な目に遭ってきたのね」
「なんだよ、こんな出鱈目な話、お前は信じるのか」
「そりゃあ、私からあなたに聞き出した話だし。阿良々木君、こういう時に嘘を交えて話す事はないだろうし」

そう言った後、戦場ヶ原は急に体を動かし。

「とにかく、お疲れ様」

そして、僕の頭を撫で始めた。
いやはや、男子である僕が同級生の女の子に撫でられるだなんて。
普通逆だろ。こういうの。男子が女子を撫で撫でするのが定石だろ。
でもまぁ、こんな風に誰かに頭を撫でられるのって、いつ以来だろうな。
こうやって誰かに褒められながら、顔を見つめられると。
―――すっげー嬉しいけど、すっげー恥ずかしいじゃん!



「そういえば阿良々木君、『七瀬かりん』って知っている?」
「……一応、まぁ知っているけど」
「あら意外、何でも知らない阿良々木君がアイドル事情に詳しいだなんて」
「いやそこまで言ってないけど、何だよ急に」

その名前を聞いたとき、僕はドキッとした。
だって、僕がその名前を初めて聞いたのはあのバトルロワイアルの最中、八神マキノの口からであって。
その事については、(特に必要ない情報だと思って)戦場ヶ原には伝えていない。
なのに、なんでこんなタイミングで?

「ちょっと前に亡くなった彼女について、巷で色々と噂が流れているのを聞いてね」
「噂?それ、誰から聞いたんだ?」
「羽川さん」

やっぱり羽川か、だと思ったよ。
ホント、お前は何でも知っているな。
―――とまぁ、僕は脳内でいつものアレを再生しているところだが、話から少し脱線しそうなので今回は割愛させてもらう。

「それで、どんな噂があるんだ?」
「例えば、とある地方都市に亡霊として現れた、とか」

それも、マキノ経由で聞いていた都市伝説の一つである。
というか、僕も実際にその亡霊『鋼人七瀬』とあの場所で遭遇したのだが。
あの時は逃げるので手一杯で、その一度っきりで再会することはなかったが。
―――ただ、あのときの『彼女』の異質さは、今でも忘れられない。

「とある掲示板でその亡霊はでっち上げで、掲示板の管理人こそ七瀬かりんだ!、なんて誰かが論破したとか」
「なんだそれ」

それは初耳だ。
たぶんそれは、本物の亡霊を見ていない人がトンデモ推理をしたのか。
はたまた、何か意図を持ってそんな推論をでっちあげたのか。
とにかく、僕の知らない世界で知らない戦いがあったのだろう、と特に気には止めないでいよとした。
が。

「そしたら、死んだはずの『七瀬かりん』が本当に生きて見つかった、って噂も流れ始めたそうよ」
「……は?」

なにそれ。
その噂が本当で、『七瀬かりん』が生きていたというのなら。
じゃあ、僕があそこで見た『鋼人七瀬』は。
一体、何なんだ?

「な、なんで死んでたはずの人間が生きて出てくるんだよ」
「さぁ、わからない。私も、噂で聞いた程度だし」

戦場ヶ原から要領を得ない変な話をそこまで聞いたところで。
僕の携帯電話に、メール着信のお知らせが届いていた。


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