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仮投下スレ
308
:
低迷の原因は手前の中から
◆7fqukHNUPM
:2015/09/13(日) 23:19:53 ID:eQQbHSfc0
あまりにも聞き覚えのある声――この島でいちばん最初に目撃した『恐怖』が、テレビ画面の向こうに姿を現した。
「……………え!?」
腐乱死体を引き連れ、高坂穂乃果を殺害しようとした男。
ランサーはキャスターと呼んでいた、あのランサーでも逃亡を選択する絶対的な危険人物。
「皆様、各々方の知己朋友の消息を案じ気が気でないことでしょう。
一体どこにいるのか、今も健在なのか、確かめたくて仕方がないことでしょう」
その放送に動揺したのは、高坂穂乃果だけではなかった。
(ジル・ド・ㇾェだと……!?)
偶然による同性同名にしては、よくある名前ではない。
それはまさに、複数の名前を使い分けてきたラヴァレイ――その正体の、真の名前である。
その名前を騙る、魔術師らしき男。
滅多にないことだが、彼の意識にはその男にばかり目が向くという隙ができた。
「さぁみんな、入っておいで」
ブラウン管のなかで口上を述べていたキャスターは、画面の外に待機していたらしき『何者か』を招く仕草をする。
そして、それぞれに痛々しく血止めの布を巻いた少女が三人、その映像へと映し出された。
「アキラ君。この映像は、遠見の水晶玉のようなものかね?」
「えっと、これはテレビって言って……あ〜、どう説明したらいいんだろ」
それまで『原理のよく分からない娯楽製品』ぐらいにしか思っていなかった『テレビ』とはどういう仕組みなのか、ラヴァレイは晶へと問い詰めていた。
だから、穂乃果の小さなつぶやきを、その時ばかりは聞き逃した。
「ことりちゃん……」
せっかく思い出せたのに、なぜその彼女が『そこ』にいるのか。
その放送は穂乃果にとって、『最悪』が形になったようなものだった。
それは、ずっと一緒にいたいと思っていた親友の姿で。
その親友は、首元に怪我でもしているみたいにきつく布を巻いていて。
その親友は、キャスターの危険性などなにも知らないかのように、淡々とキャスターの招きに従っていて。
高坂穂乃果は、たしかにキャスターの操るゾンビを目撃していた。
しかし、そのゾンビは墓から蘇ってきた亡者――誰が見ても腐乱死体だと分かる容貌だった。
だから、穂乃果の中では『キャスターの操るゾンビ』と『南ことり』は繋がならない。
「不肖ジル・ド・レェ、僭越ながらこの可憐な少女達を保護させて頂いております。
ご友人の方々は是非とも放送局までお越し下さい。彼女達もきっと喜ぶことでしょう」
『怪我をした南ことりは、極悪人であるキャスターに騙されて連れてこられている』という光景にしか受け取れない。
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