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【艦これ】艦隊これくしょんでエロパロ14

1管理人:2014/08/19(火) 09:40:02 ID:???
DMMのブラウザゲーム、艦隊これくしょん〜艦これ〜のエロパロスレです。
エロ妄想なりSSなりご自由にどうぞ。
シュチュやネタ妄想雑談しつつ、ゆるーく行きましょう。

SSは形式不問、長いのも短いのもエロいのもエロくないのもご自由に。
リョナ・強姦・死姦・スカトロ・ふたなり・性転換などの特殊嗜好を含む内容は注意書き必須

百合・女性提督ネタは百合スレで、こちらに投下の場合は注意書き推奨
【艦これ】 艦隊これくしょんで百合 ←検索したら出ます

■■禁止事項
批難中傷・荒らし
SS作者以外による改変/改竄および他スレへの投下
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上記を行った場合は警告なしで削除とホスト規制します。

※次スレは>>980を踏んだ人が立ててください。

公式
http://www.dmm.com/netgame/feature/kancolle.html

艦これエロパロ避難所板
http://jbbs.shitaraba.net/otaku/16725/

保管庫
http://www55.atwiki.jp/kancolle_ero/

第二避難所
http://jbbs.shitaraba.net/otaku/16725/

618名無しの紳士提督:2014/10/09(木) 20:09:53 ID:VNNA4pGE
後ろからだと深く入って気持ちいいらしいけど
どんな顔をしているのかがわかりにくいしなあ
鏡なんて使ったら羞恥プレイになっちゃうし

619名無しの紳士提督:2014/10/09(木) 21:42:13 ID:f86RQzNM
艦娘を建造しているとごく稀に男が生まれることがあり、それが艦これでいう「提督」になるってのは…

620名無しの紳士提督:2014/10/09(木) 21:54:46 ID:VRqD6Mls
以前酔いどれだがレディーな隼鷹SS書いた者です
エロ2〜3割残りネタ(しかも艦娘のイメージぶち壊しまくりんぐ)なSSが出来たので投下します
一応物語的には隼鷹SSの流れですがあまり関係ないです
思いっきりイメージぶち壊してるのでご注意下さい
それでは投下します

621名無しの紳士提督:2014/10/09(木) 21:55:25 ID:VRqD6Mls
『スモーキング・ブギウギ』


「ああっ、俺そこ弱いのわかって…くふぅンンッ!」
「天龍そこがいいんだよな。相変わらず良い反応だ。装甲帯も衝撃次第で性感帯だなんて全く愛されボディだな。俺の攻めは差し詰め8インチ砲並みってか。」
「んなろ、調子に乗るんじゃねえ!って、アアンッ、やっぱソコ駄目だ…やぁん!」

 旦那こと提督の邸宅で夜な夜な繰り返される戦闘、正に夜戦。そして嬌声を上げる新妻の天龍。この一人と一隻は二ヶ月前に式を挙げたばかりの新婚で、この邸宅も今までの官舎から結婚生活の為に用意した新居である。さすがは将官デキる男だ。
 それは兎も角、提督は天龍の如何にも防備の弱そうな脇腹を舐め上げ甘噛みしながらも片手を回し抱き付き、空いた手で乳房をもみ上げる。

「いいおっぱいだな。愛宕風に言うと大容量タンクだな。」
「ったくこんな時に他の艦娘の名前言うなよな、雰囲気台無しだぜそれと…あんまり強く揉まないでくれよ…形が崩れちまう。」
「悪かったな、じゃ今度龍田でも呼んで「天龍ちゃんより私の方が上手いのよ〜」とか言わせる3Pなんかどうだ?」
「…それだけは願い下げだ。同型艦にこんな恥ずかしいとこ見せられっかよ。ってキャぁン!ち、乳首弾くのはよせっ!」
「それはそうとすっかり勃っちゃってるぞ両方共。俺達の子供には悪いが先に御賞味させてもらうぜ。」

 提督はわざとちゅう、ちゅう、と音を立てて天龍の乳首を吸う。両方均等に吸い終わると天龍はふわぁぁ…と力の抜けたようにダブルベッドに倒れこんだ。
 天龍の秘所はディープキスから続く一連の愛撫でしとどに濡れている。提督はすかさずそそり立ったままの一物を天龍の秘所に挿入した。あまり使い込まれてない、というか夫のしか知らないその蜜壷は少しばかりの抵抗感を与えつつずっぷりとそれを迎え入れる。

「くぅ!い、いきなりかよ!いつものアレ…は無しかよ。んんっ、しっかし提督のは相変わらず、結構…おなかにずっしり来るな…」
「家じゃ提督じゃなくて貴方って呼べって言ってるよね?で、いつものアレって何の事かな天ちゃん?きちんと言ってもらわないと解らないよ。」 
「天ちゃんって言うなぁあ!アレって…それ…そ、その…ク、クンニ…」
「(この辺でおいとくか)まあ良く言えました。天龍ちゃんはクリオナ大好きだからクンニも絶対ハマるわよ〜って某軽巡の情報は正しかったな。」
「(龍田あのヤロー旦那にいらん事吹き込みやがって、クソッ憶えてろよ)そ、それであ、貴方シテくれるのか?」

 提督は首を横に振りそのまま腰を前後に優しく振った。肉筒はゆっくりとだが天龍の意思とは間逆に締め付け始める…んんっ、と曇った声と共に天龍の吐息がもれる。ふぅ、んん、くぅ…

「んん、悪いが今日は先に中で出したい気分なんだ。クンニは後のお楽しみという事で。楽しみはとっておかなきゃ。」
「ず、ずりぃぞお前…でもっそれじゃ垂れてきたその、お前の、その、アレを自分で舐めちゃう事に…くうん!」
「まあたまには面白いんじゃないか。そんなんでもないと自分の味見なんてする気にならんし。」

622名無しの紳士提督:2014/10/09(木) 21:56:10 ID:VRqD6Mls
 一物を一旦一気に奥まで突き刺す、また入り口と奥の間で前後左右に緩急付けて運動させる。それを続けていると天龍の肌も上気してきた。ここぞとばかりに堰が切れた様に提督の一物から精が放たれる。

「ウッ!やっぱ天龍のは具合がいいな。いつやっても新鮮な感触ってとこか。」
「ああ…出されちまった…俺の下腹が一杯なのになんだかぞわぞわが続いて、でもあたたかいヘンな気分だぜ…」
「多少は中でイってくれたようで旦那冥利に尽きるな…さて細君殿のお望みの事をしてしんぜよう。」
「お前ヘンな口調すんなよ調子狂うんだよ。ま、まあ頼む。」
「『貴方お願いしますわ』は?」
「そんな言い方したくねーよ!拡げて待ってんだからさっさとしろよすげー恥ずかしいんだぞ!」
(相変わらずそこら辺は慣れてないよなぁ顔真っ赤っ赤だし、さてしますか)

 一物を引き抜き、先ほどまでそれの捻り込まれた箇所をぺろぺろ、ぴちゃぴちゃと必死に舐める提督。舌を一箇所に留まらせず縦横無尽に走らせる。小陰唇、膣口、そして天龍の大好きな刺激を与えるクリトリス…

「くぅん、ひゃぁん…こ、こんなに早く…きちゃうなんて、おかしいぜ…あぅぅ。」
「ん?早速俺のザーメンが垂れて来たか。うーん微妙な味だな…これはすぐゴックンする気になるのも解る。しかも天龍のと混ざってるってのがエロいな。」
「そ、そんな恥ずい事言うなー!好きで濡れてんじゃねーぞ(って好きだからこんなに濡れてるんだよな…)ってやばいヤバイ、クリ攻めすぎ!てっぺんがイイ!あぁっダメだ…ぜ!!ん、………っ!!」

 達してしまった天龍が暫く余韻に浸っている間にすかさず後戯に入る。最初のキスとは優しめの軽いキスを交わし、一物を添える程度に天龍の秘唇に埋めつつもまだ牝の臭いを充満させている軽巡洋艦を大事に、そっと、とても優しく抱きしめた。
 そして先ほどから攻めていた性感帯付近をこれまた優しくゆっくりとさする。天龍は言葉も出ずとろんとした視線を旦那に流しつつ、そしてキューッと抱きしめ返す。

(俺たち幸せだよ。この鎮守府で俺を一番良く知ってくれた娘と、軍艦なのに夫婦になれたのは正に椿事だ。有り得ない幸福だ) 
(こんな俺でも戦い以外の悦びを見出してくれた提督、お前が愛おしいぜ…)

 その後のピロートークで妻はすっかりリラックスしてうとうと気味だ。専ら愛を語るというか、天龍の事になると目の色が変わる龍田の話が多かったが。
 龍田は提督の仲介、というか合コンで知り合った提督の同期の航空艦隊司令官の基地で偵察巡洋艦兼航空救助補助艦として出向している。風の噂ではその司令官とかなり熱愛で、天龍の事は横に置いても仕方ない位だそうだ。
 提督は満足げにベッドの後ろの小机から煙草を取り出し、包みごと机でトントンと叩いてから一服した。

「なあお前、じゃなかった貴方、いつも終った後煙草吸うよな。なんか感じ悪ぃーんだけど。」
「そうかすまん気を付ける。でも学生時代からの癖で、ちょっと運動すると一服したくなるんだ。」
「運動?他の女ともか?おいてめえ事と次第によっちゃ…」
「いやそういう意味じゃ無くて、訓練とか実戦で体動かした後の事だぞ。上級生から「こいつタバコも吸った事ねえのか」って面白がって吸わされたんだよ。」
「それで覚えて鬼みたいな助教や先輩の目を盗んで吸ってたっけな。たまに見つかって連帯責任で全員袋叩きにされてたよなー懐かしいな。」
「貴方も結構大変だったんだな。俺は同僚で吸う奴が居ないんで未だ吸った事無いけどなー」

623名無しの紳士提督:2014/10/09(木) 21:56:55 ID:VRqD6Mls
 提督の目にちょっと意地悪な瞬きが光った。そして自分の吸ってる煙草を天龍の口に差し込み、

「ぷはっ!いきなり何すんだよ!俺は吸った事ねーって言っただろ。」
「まあ天龍ものは試しに吸ってみろよ。これフィルター無いから唇を口の中に入れる感じで、唇を巻き込んで咥えてな。で、口の中でふかしつつ煙を肺に少し入れる感じで吸うんだ。」
「ゴールデンバットって書いてあるな…ってこれ一番安い煙草じゃねぇか。なんでこんなビンボ臭いもん吸ってんだよ。軍人だったら普通誉とかだろ。」
「吸ってみて一番美味かったからかな。俺的にはセッタやマルボロ、ラークなんかは煙草っぽく無いし、ピースやハイライトも何となく合わない。まぁ両切りタバコが好きなだけなんだが。しんせいはあんまり売ってないのでバットと。わかばとエコーも嫌いじゃないけど。」
「バットだって当たりなら結構美味いんだぜこれが。味は濃厚というかキツイけどな。」

 天龍はものは試しとばかりに提督に言われたとおりにバットを吸ってみる。口の中を荒らすような熱い煙がぷはっと吐き出される。

「げほっ、げほっ、うぇぇなんだこりゃ?しっかし酷い味だわ辛いわ…これのどこが美味いんだ?訳解らないぜ。ぜってーボイラーに悪いよな。」
「まあ慣れればこの濃厚ないかにもタバコだっ!って味が好きになるぞ。それに煙草吸ったら…天龍のいつも持ち歩いてる大層な得物に負けない貫禄が付くぜ。」
「余計なお世話だっつうの!だからこれからセックスの後の煙草は無しな。わかったかあ・な・た。って気持ち悪ィなこの言い方。」
「はいはい可愛いお嫁さんに免じて止めますよ。」

 暫くは夫たる提督もそれを守っていたが、一月も経つと事後の煙草は元に戻った。
 その度に妻の天龍は煙草を勧められ吸っているうちにいつしか二等喫煙巡洋艦、平たく言えばヤニ臭い軽巡女になってしまった。
 それが鎮守府を揺るがす一大事件になろうとは…


「最近町内、特に鎮守府の周辺にゴミの投棄が多く、町全体が汚濁しているとの苦情が来ています。」

 秘書艦の飛鷹は報告を読み上げた。どうも町全体で路上のゴミが多くなっているようだ。だがそれが鎮守府に何の関係が?飛鷹は続ける。

「何でもこの町を象徴する鎮守府自体がかなり汚れており、所謂『割れた窓ガラス理論』で周辺に波及しているのでは?と町議会より通達が来た次第です。」
「割れた何とかは、確か1枚割れたのを放置するといずれ全てに被害が及ぶってやつだな…確かに最近建物の壁が汚れたりやたら煙草の吸殻が捨てられてる事が増えたような。」

 飛鷹は尚も続ける。クンクンと部屋の臭いを嗅ぎながら。

「確かに煙草の吸殻と包み紙は頻繁に落ちてますわ。施設科から溝に詰りまくって困るとの報告もありましたし。」
「この前来たお偉いさんも「君ちょっと汚いよ」って言ってたから急いで控え室や会議室とか掃除させたんだが・・・」
「しかしここに酷く散らかしたり汚したりする部署ってあったか?この前俺をはめた明石の工廠は妖精さん総出でISOなんちゃら取得できっちり片付いてたし。」

 頭を悩める提督。そもそもこの鎮守府で煙草を吸いそうなのは先程の視察や会議に来るお偉いさん方と出入りの業者、それと一部の人間の軍人や軍属、自分ぐらいか…それも灰皿や喫煙所でしか吸わないから散らかすことは無いだろう。
 まさか艦娘が吸ってる!?艦船とはいえ女子だぞ?かつて喫煙が当然だった大の男でも肩身の狭い昨今、艦娘が煙草をスパスパ吸いまくってるのは色々ヤバい。鎮守府のイメージダウンもいい所だ。

624名無しの紳士提督:2014/10/09(木) 21:57:40 ID:VRqD6Mls

「…飛鷹、失礼な事を聞くが煙草なんて吸ってないよな?」
「何言ってるんですか、航空母艦は火気厳禁ですよ。うっかりガソリンにでも引火したら大爆発轟沈ですし。」
「だよなぁ…(コイツにゃこの前一服盛られたからあまり信用できんが言われりゃそうだな。赤城や翔鶴、うちで未実装の大鳳辺りはそこら辺真面目やろ)」
「それと飛鷹型航空母艦は自分で言うのも何ですがパーティーの常客なので、船臭がタバコ臭くてドレスにでも移ったらとんだ恥さらしですわ。ま、殿方が休憩中吸うのは構いません。」

 まあ別の視点から探ってみようと思い、思考を廻らせる。喫煙しそうな艦娘ねえ…先ず思いつくのは摩耶かな?でも粋がってるだけなとこあるからまぁ無いな。
 陸奥これも無い。色んな意味で火遊び厳禁艦だ。長門が花火してるのも嫌がるぐらいの。そいや火遊びと言えばあいつ以前モテまくってそこら中…

「何考えてるんだ?」

 目の前に陸奥の同型艦長門が立っている。提督は思わず慄いた。

「な、何だ長門いきなり。」
「何だじゃない戦果報告に来た。喜べ深海棲艦旗艦を連戦連続撃破したぞ!」

 長門は戦果を誇り語るがその実喜びのあまりはしゃぎたさそうだ。提督は疑念をぶつけてみた。

「長門、もしもの話だが艦娘でタバコを吸いそうなのって思いつくか?ビッグ7の勘でもいい。最近吸殻がやたら落ちてるらしいんだ。」

 暫しうーんと考え込む長門。だが少しばかり重い口を開きだした。他の艦の悪口や密告は嫌う性質だから。

「分からんが…強いて言えば武蔵と霧島辺りだろう。一緒に組んだ戦隊でほんの少し匂いがした。戦艦連中で吸いそうなのはそれ位だな。」
「私は陸奥が火にうるさいし煙草を吸う気持ちは理解出来ん。金剛は英国時代やってたかも知れんが、ここに来て長いしすっかり抜けてるだろう…」
「伊勢型は日向が砲塔爆発事故を起こし、瑞雲も積んでるから火気にも気を配ってる筈だ。後は扶桑型が煙管吹かすぐらいか。昔の芸者や遊女みたいにな。でも「お帰りなさいご主人様」って三つ指付くタイプだからそれも無い。」
「(大和さんは我が鎮守府では永遠に未実装だし、比叡と榛名が抜けてる気がするが)ありがとう長門、とりあえず武蔵と霧島に会って話してくる。」

 提督と飛鷹は武蔵の部屋に向かったが、その前に売店に寄ってお茶菓子を買う。幾ら司令官とは言え最強戦艦の部屋に手ぶらで行きづらいのだ。売店を覗くとこの前の『試験』とやらで提督を散々な目に会わした明石が居た。

「こんにちは提督。この前は色々お世話になりました。お陰様で良いデータを取る事が出来ました。」
「今日は明石が店番か。って上官に酷い事すんなよ!実験するなら他でやれよ全く、お陰でクラクラのまま踊ってまるで16ビートだったぞ。」
「まぁ鎮守府中で深海棲艦の脳波パルスに一番類似していたのが提督のですから…それはそうと最近妙なものが売れまくって。歯ブラシと芳香剤、ザクトとタバコライオンっていう歯磨き粉。」
「ん、歯ブラシとかは兎も角、後は煙草を吸う俺ら一部の人間ぐらいしか不要なものだな。(やはり艦娘が吸っている…それも多くの)」

625名無しの紳士提督:2014/10/09(木) 21:58:34 ID:VRqD6Mls
 そして武蔵の部屋のドアをノックする。「入っていいぞ」との返事だが正直緊張してしまう。恐る恐るドアを開けると武蔵と何故か霧島が居てお互い葉巻を吸っている。部屋中独特の香りが漂い二隻とも如何にも重鎮という貫禄だ。

「ごほっ、流石にこれはキツイです。専用のガスライターまであるじゃない。」
「武蔵、霧島…お前達葉巻なんか吸ってるのか。(まるでヤ…いや会長と取引先の社長みたいだな)」
「丁度低速艦と高速艦の戦術考察をしていた所だ。葉巻はな、このコロナサイズ一本で一時間弱は持つ。吸ってる間話を進めて終ったら切り上げるのに丁度良いんだ。」
「お菓子ですか提督有難うございます。私は日頃喫煙とは無縁ですが、武蔵さんとちょっと込み入ったお話をする時だけ吹かす程度です。」
「あとな、この葉巻カッターを深海棲艦の前でシャキン!とするだけでびびって退散するのも出て来てな…」

 映画とかでよくあるマフィアの拷問そのものじゃないかと、初めて深海棲艦に気の毒さを覚えた。そして武蔵は咥えていた葉巻を提督の前に付き付け、

「何なら提督も味わっていくか?吸いかけだが。」
「いや、その、遠慮しとくよ女の子と間接キスってのはな…新妻の手前も有るし…」
「女の子と、か…ふふ天龍殿が羨ましい妬けるな。(この男なかなか妻一筋で義理堅い所あるな。そういう所に惚れそうだ)」

 やりとりを見ていた霧島は思い出したように重要な事を言った。

「潜水艦隊と水雷戦隊、遠征艦隊を調べてみてはどうでしょう?忙しくてつい喫煙に走りそうだと思います。」
「怪しいな。重巡達から聞いたが、駆逐艦や潜水艦が今使ってない第二講堂に集まってるらしい。」
「霧島と武蔵の言う通りかもしれない。ここんとこ激務と言えば特にオリョクル組と東京急行班だ。飛鷹悪いがひとっ走り見に行ってくれ。」
「低速艦に不向きな任務ですよ。まあ行って来ますわ。」

 飛鷹は渋々第二講堂に向かった。12ktぐらいの経済的船速で。だが5分後ぐらいにどう見ても25kt以上の速さで血相を変えて戻ってきて、

「ぜーぜー、てっ、提督!今すぐ第二講堂に向かって下さい!大変な事になってます!」
「ひ、飛鷹一体何があったんだ?!とりあえずお前はここで休め。」

 提督は急いで第二講堂に向かい観音開きの扉を開けた。そこで見たものは…

「電の本気を見るのです!(ごくごくっ、すぱーっ)」「電マルボロもう二箱目、コーヒーだって10杯目、寝られなくなるわよ?(ごくり、ぷはーっ!)」「コーヒー飲むんよ。(ごくごく)」
「メシウマ!の後の一服(ぷはっ)キタコレ!!」「駆逐艦と侮るなよ、わかばだって吸えるぞ。(ゴホホッ、ぷはーーっ)」「メビウス1ミリ、これなら行けそうです。(すぱーっ)」
「今日もオリョクル明日もオリョクル、飲んで吸わなきゃやってられないでち!(ごくごく、すぱーっ)」「海のスナイパー、イムヤだって負けてられないわ!(缶ピースを抱えて、ぷはーっ!)」
「好きな銘柄?ボクはセッタのBOXだね。(すぱすぱっっ!)」「皐月それおいしくないわよ。如月はセッタでも断然ソフト派ね。(ぷはーっ!)」「煙管で小粋!これこそ粋ってもんだね!(すうっ、ぷはっ)」
「…怒ってなんていないです…(ぷはーっ)」「弥生さぁんメンソールなら何でも良かったんじゃない?(すぱぱっ)」「ゴロワーズいいところ沢山知ってもらえると嬉しいです。(ごくん!ぷはーっ)」
・・・・・・・・・・・・・

 部屋中紫煙が立ち込めて霞んでる様。中には煙を輪っかで吹きだしている親父みたいな艦娘もいる。壁は煙草のヤニでベトベト。提督は唖然とし言葉も出なかった。

(一体なんだこれは…艦娘が集団喫煙、それも駆逐艦と潜水艦が…ってなにげに古鷹まで居るなんてしかも黒タバコ吸ってるだと?!)
(鎮守府は乙女の園の筈なのに、これじゃ底辺男子校かそれ以下じゃないか)

626名無しの紳士提督:2014/10/09(木) 21:59:09 ID:VRqD6Mls
「おい、お前達何故煙草なんか吸ってるんだ!一体誰に教わった!俺は吸うけど、お前達に吸えなんて一言も言ってないぞ!!」

 部屋の中からバラバラに声が飛び交う。

「んー誰だったっけな?」「確か…天龍さんかな?」「天龍!」「天龍だ、遠征の時に仕込まれた。」「まー他の軽巡も吸ってると思うよ怒らないから。」
「て、天龍…(マ、マイワイフじゃないか。もしかして俺が夜な夜な天龍に吸わせ続けたのがここまで広がったというのか?!)」
「…うちらは最初煙草吸う集まりやなかったんよ。」

 部屋の片隅に居た黒潮がぽつりぽつりと話始めた。

「どういう事だ黒潮?」
「出撃後の息抜きに駆逐艦や潜水艦で集まって、お茶を飲む会してたんよ。でも煙草吸うんが出てきてなぁ…他の皆に広まってしまったんや。一服後のブラックコーヒーが美味いってな。」
「うちはどういう訳か船体が受けつけへん。煙草に依存できない性質で、浮くのもなんやからコーヒーだけ飲んでたんよ。」

 大変な事態に陥っていた。提督の目の届かない所でこれ程煙害が蔓延してるとは。鎮守府周辺の吸殻や空き箱の出所は間違いなく彼ら。でもどうすればいい?と悶える提督の後ろから、

「あーら提督お久しぶり〜で、この様は一体何なのかしら〜?」

 とても聞きなれたが久々な声…間違いない天龍型軽巡二番艦龍田だ。でも何故此処に?

「龍田いつの間に?お前は出向してたんだろ?」
「ちょっとお使いに参りましたわ〜ついでに少々肩慣らしをしましたけど…」

 龍田の後ろに天龍とその他水雷戦隊の旗艦達が転がっている。いずれも損傷は軽微だが龍田にこてんぱんにのされたのは間違いない。

「天龍は兎も角神通、川内、五十鈴お前達は改二だろ!一体どうしたんだ?!」
「そ、それが奇襲に対応して全力運転したらすぐ息があがって…負け言言いたく無いですが機関がおかしいんです。」
「速度も全然出なくて…旧式巡洋艦にどうして…」
「タールとニコチンでボイラーやタービンが汚損して、煙草のヤニが船体くまなくこびり付いていればそれも当然ですよ〜」
「龍田ごめん…俺が駆逐隊や軽巡の皆に吹き込んだばっかりに…遠征艦隊だけじゃなく水雷戦隊にまで恥かかせちまって…」
「天龍ちゃん〜貴方には猛反してもらいたいのよ〜尤も貴方に限らず艦娘は女…新しい命を宿す身っていう自覚が足りないんじゃなくて〜?」

 周囲の皆が一斉に「ドキッ!」とするのが提督にも伝わってきた。見た目幼い駆逐艦だって立派な大人の船体だから(航洋能力的に)。
 古鷹は「龍田さんの言う通りだね…もうゴロワーズ止めます。」と呟いている。ま、彼とか居てもおかしくなさそうではあるが。

627名無しの紳士提督:2014/10/09(木) 21:59:52 ID:VRqD6Mls
「で、天龍ちゃんに煙草を教えたのは誰かしら〜?」
「(俺が軽率だった…後先を考えずに妻にしてはならない事をやってしまってた…)ハイ、私です。ごめんなさい、すみませんでした…」
「なら組織の長として責務を果たす事ね。」

 加賀はいつも通り冷静な口調で言う。どうやら飛鷹に聞いたか騒ぎを知った空母達も駆けつけたようだ。翔鶴が助け舟を出す。

「随伴艦艇の防災・健康上、航空戦隊の方で前々から調べてましたがここまでとは。煙害とは恐ろしいです。」
「喫煙を止めるには船乗り等の間で行われてた半年単位の強制煙草無し生活など色々有りますが…有効なのは病院の禁煙外来ですね。」
「数ヶ月単位のプログラムで少しずつ禁煙していくのですが、全額鎮守府や提督の年俸負担だと艦娘にも「他所の金だから別に止められなくてもいーや」と思う子が出るのである程度は当艦負担とします。」
「やっぱ俺のお給金も関わってくるのね…」
「自業自得です。」
「ですね加賀さん。ついでに乱れてるという噂の加賀さんのも…っと、ちょっとでしゃばり過ぎましたね。」

 加賀の翔鶴への視線が一瞬強くなるそして返し刀。

「五航戦に劣る所などありません。当然提督も率先して禁煙作戦に身を投じて下さい。」
「ハイ分かりました…(ああ、愛しのバットが…)」
「そりゃ俺より辛いだろうけどさぁ…夫婦で一緒に禁煙しような、あ・な・た(あっ、すんなり言えた!なんかこれだけで禁煙出来そうな感じだぜ!)
「天龍ちゃんも〜私の彼もちょっと脅したらあっさり飲む・打つ・買う止めたから頑張るのよ〜提督も。」
「(龍田の脅し口って同期のアイツ死の恐怖を味わったな可哀想に)そ、そりゃ勿論ばっちりするさ、夫婦舟だしな俺たち。」
 
 というわけで鎮守府挙げての大禁煙作戦が実行される事となった。周辺の病院の禁煙外来は一杯になったが徐々に喫煙艦はその数を減らしゼロになるまでの辛抱だ。艦では無いが提督も含めて。
 とはいえ止められない艦娘も居るかもしれない。が完遂するまでこの作戦が終る事は無いだろう。
 それを横目で眺める二隻の超弩級戦艦。

「解決の糸口が見えた様だな。我々も論議の葉巻は控えるとしよう。」
「それがいいです。金剛を呼んで紅茶でも入れましょう。」
「止めとけ、話がバーニングラブ!になる。」


[完]

628名無しの紳士提督:2014/10/09(木) 22:04:58 ID:VRqD6Mls
おしまいです 7レス使ってお目汚しすいません
むかーしゴールデンバット吸った時思いだしたら思い付いたんよこのネタ…
ちなみに筆者が学生時代に同級生の間で流行ってたのがジタンとジョーカーでした
うちの鎮守府は絶対に吸わせないぞ!俺提督も永久禁煙中だぞ!

629名無しの紳士提督:2014/10/09(木) 23:21:11 ID:f86RQzNM
乙ー!

630名無しの紳士提督:2014/10/09(木) 23:33:53 ID:psJPc1YQ
乙ー
自分の鎮守府だったら〜ってのはあるよな
俺提督の執務室にはいい酒が並んでるはずだ

631名無しの紳士提督:2014/10/09(木) 23:45:29 ID:VRqD6Mls
>>630
響辺りが勝手にカルーアとウオッカ混ぜてブラックルシアン呑みそう
ちなみに葉巻は昔安いの一回吸ったけど30分ぐらいかけてウィスキー三杯ぐらいのめる

632名無しの紳士提督:2014/10/10(金) 00:12:10 ID:UJaof3JI
>>631
確かにカルーアもあるしウォッカも2種類は置いてあるが・・・w
焼酎とビール意外は何だかんだあるな、勿論嫁にしてるのが千歳なだけあって日本酒もばっちり
葉巻はやったことが無いから分からんなぁ

633名無しの紳士提督:2014/10/10(金) 00:13:08 ID:e.SJEFLI
乙、時代的に吸うことに抵抗はないだろうなぁ

響だよ
鎮守府前で葉巻をふかしていたらまた国会で問題になったよ

634名無しの紳士提督:2014/10/10(金) 00:15:58 ID:p.uvHsDU
もし自分の鎮守府だったら、か
多分、何時秘書艦の娘に嫌われても良いように常に秘書艦引き継ぎ用の書類を用意してるんだろうな……

635名無しの紳士提督:2014/10/10(金) 04:35:13 ID:pHWWRWAQ
ケッコンオコトワリ勢を孕ませるには

636名無しの紳士提督:2014/10/10(金) 06:50:15 ID:Wvha2uYE
>>611 その後、後任の提督が前任者失踪のきな臭さに気づき、他の誰にも相談せずに単独でその艦娘本人にカマをかけてしまい…ってとこまで思いついた。あとはエロ成分をどう補完するかなんだよな…

637名無しの紳士提督:2014/10/10(金) 07:01:31 ID:e.SJEFLI
>>634
向こうはいつ沈んでもいいようにとか思ってそう

638名無しの紳士提督:2014/10/10(金) 08:53:15 ID:ugJ7i542
おっつー
嫁天龍ちゃん可愛い

639名無しの紳士提督:2014/10/10(金) 11:35:34 ID:gqjAKP8w
>>635
姉さま第一主義のうちの嫁の山城をなんとかしてくれるSSはよ
とりあえず姉さまから説得してもらうように頼み込むかなぁ

>>633
喫煙への抵抗感があまりないのは有るな
うちの婆ちゃんは女が吸うのははしたない派だが
(某ストパンの主人公の設定生年月日とほぼ同じ歳なので…色々と萎える)
武蔵が運よく帰還したらマッカーサーの真似してごっついコーンパイプふかしてそう

640名無しの紳士提督:2014/10/10(金) 14:28:19 ID:D90dpf6Y
果たして扶桑姉様離れした山城は山城なんだろうか

641名無しの紳士提督:2014/10/10(金) 14:48:51 ID:e.SJEFLI
恩賜の煙草とかあったし、今でもレーションに煙草入ってるとこあるし切っても切り離せないのだ。

642名無しの紳士提督:2014/10/10(金) 15:12:01 ID:JcOGmmgc
>>640
シスコンを外したら山城に何が残るのか、と言われると…
不幸を愚痴る短髪の黒髪美人…姉様とキャラが丸かぶりだな。
まあ、姉離れした自立した?山城も見ては見たいけど。

643名無しの紳士提督:2014/10/10(金) 18:17:43 ID:BDpI27V2
>>642
依存対象が変わるだけかもしれない

話変わるが陽炎の薄い本探してたらこんなん見つけた
http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1399389192

644名無しの紳士提督:2014/10/10(金) 18:20:03 ID:/fzklslQ
>>643 姉様の代わりに提督に依存してくれるかもよ。

>>641 艦娘は元が戦艦とかだからか煙草の悪影響を受けなさそう。すごくうらやましい。

645名無しの紳士提督:2014/10/10(金) 18:27:16 ID:gqjAKP8w
提督依存山城・・・凄いヤンデレ臭でむせる
そーいや大昔アオシマの1/700山城組み立てたなあ、今思うと凄いトラウマなのでそれ並のを・・・

>>641
恩賜の煙草は吸った人の話だと辛かったらしいな
那珂ちゃん辺りが楽屋裏で吸ってそうな

646名無しの紳士提督:2014/10/10(金) 22:54:07 ID:/fzklslQ
もしも山城に刷り込みの性質があったらってのを思いついた。誰得かもしれんが。

647名無しの紳士提督:2014/10/10(金) 22:58:14 ID:rSiSoCyc
職場で休憩中に携帯で如月のSS書いていて
一瞬うつらうつらとした時に、職場に如月が来るという夢を見た俺……

最近色々ありすぎて気が滅入ってきちゃって、
今書いているSSも初期のプロットから二転三転四転して
もう自分の勝手な追い詰められた鬱屈した気持ちや経験からくる何かが混じっちゃって……
それでもハッピーエンドに持っていくのが俺のポリシーだが
今書いているSSに限らず素直に幸せなだけのものを書けないものか
なんかどうしても波乱を入れちゃうんだよなあ……

648名無しの紳士提督:2014/10/10(金) 23:52:06 ID:vJAucgs2
まぁそんな時こそ睦月型のちっぱいについて徹底議論したらいいのよ
何でもいいので文月ちゃんのちっぱいください
文月ちゃんのちっぱいになりたい

649名無しの紳士提督:2014/10/11(土) 00:02:09 ID:D7fgqji.
アイス以外でも煙草とかお酒でキラキラするシステムが導入されてもいいんじゃないかな。すげえアレな気もするけど。

650名無しの紳士提督:2014/10/11(土) 00:13:56 ID:FuKyLA3U
※登場する艦娘は全て20才以上です

651名無しの紳士提督:2014/10/11(土) 00:35:08 ID:D7fgqji.
>>650 そういやそうだったな(笑)ビスマルクはビール好きだと名言されてるけれど、やっぱりそれ以外にも艦娘によって好みとかあるんだろうな。>>644みたいに煙草もノーリスクで吸えそうだし。

652名無しの紳士提督:2014/10/11(土) 00:44:56 ID:D7fgqji.
大型艦、バケツで飲んで、バケツにリバース。

6532-683 大井:2014/10/11(土) 01:03:52 ID:6iflvcQ6
ボイス更新来たから非エロ投下する
メンテ前に書いたから雰囲気違うかもしれないけどそこは目瞑ってくだち

6542-683 大井:2014/10/11(土) 01:04:31 ID:6iflvcQ6
『提督を信じてた僕が、とても馬鹿みたいだよ』

…………。

『あんなに提督を慕っていたのに、最低ですわ』

……五月蝿い。

『私、感情表現は苦手ですけど、もう提督には嫌悪の感情しか出ないわ』

五月蝿い。

『大井っちが言った筈だよね? 裏切ったら沈めるって。まあ今の提督には弾薬使うのも勿体無いんだけどさ……』

五月蝿い!

『だからさ、沈んだ大井っちのいる海は触らないで、どこかで飛び降りてよ』

五月蝿いっ!!

……………………
…………
……

6552-683 大井:2014/10/11(土) 01:05:14 ID:6iflvcQ6
「……っ! ……っ」

口をぱくぱくさせるが、思うように声が出なかった。
自分の意識が静かに浮上した今、既に動悸は不健康なまでに著しく激しい物になっている。
自分の中では悪夢に分類されたそれは、不本意ながら脳に深く刻み込まれてしまった。
大勢の艦娘らに糾弾され、下衆を見るかのように酷く濁らせた目で自分を見限ったのち向こうへ行ってしまう夢。
背景もまた自分の今の精神状態を表すような、荒んだ灰色であった。
勿論これは実際に起きた事ではないのだが、これから起きる正夢と言う奴なのではないかと勝手に恐怖する。

――唯の夢じゃないか。馬鹿馬鹿しい――

精一杯の虚勢を張ってそう自分に言い聞かせ、
目から距離のある真っ暗闇が広がる天井から逃げるように寝返りを打ち、布団を頭まで被る。
明日も仕事なのだ。睡眠時間は今しかない。
それなのに……。

――"飛び降りてよ"――

虚勢は虚勢にしかならなかった。
布団を被ろうが瞼を閉じようが、夢の余韻は絶たれず、瞼の裏で尚再生し続ける。
寝付こうと数分そうしていても動悸は収まらない。
耐え切れなくなった自分はやがて飛び起きて軍服を羽織り、
私室を飛び出し執務室箪笥の一番動きの悪い引き出しに組み付く。
その中のまた一番奥の陰った隅に置いている物に手をつけた。

そして、多くの艦娘が眠る庁舎を抜け出した。

……………………
…………
……

6562-683 大井:2014/10/11(土) 01:05:56 ID:6iflvcQ6
「……あら?」

大破入渠から復帰し、どうせなら添い寝でもしてあげようかと思い立ったがマルヨンマルマル。
支援艦隊として敵艦隊の隅から忍び寄るくらいに気をつけて一切の音を殺して扉を開けたが、
その向こうにはまず音を立てる物が何もなかった。
ベッドの中がもぬけの殻だ。
その文字通り脱皮でもしたみたいに、布団が乱雑に床に放られている。
今の時間はマルヨンマルマルを過ぎた頃。
休養の時間真っ只中のこの時間に私室にいないとなると。



――いた――

魚雷発射管を外した代わりに足に装着した探照灯が、寂れたベンチを照らす。
誰もいない、空高くそびえる敷地内の明かりが届かないそのベンチに、その人はくたびれたように腰掛けて項垂れていた。
軍帽を被らない提督が、面倒臭そうに座ったままでゆっくりとこちらへ振り向く。

「…………」

元からなのか、探照灯が眩しすぎるのか、提督は弾薬よりも目を細めて眉間の皺の明暗を強く表していた。
背もたれからは紫煙がくゆり、一層この人の今の状態が良くないことを表す。

「修復が終わったなら寝なさい」

口を開けば、普段の調子に靄がかった声が発せられた。
そんな声の提督の追い払う命令は、私の耳には届かない。
傍まで近づくと足に装備した探照灯がこの人を照らさなくなり、
月明かりさえも雲で塞がれているので視界はほぼ漆黒の青に染まるが、
見下ろすとベンチの上で小さな火が灯っているのが分かるので、それを取り上げるのに難はなかった。
案外この人は抵抗しない。
私はそれを地面に叩きつけて、艦底である丈夫な靴で踏みにじる。

「何のつもりだ」

この人の声に静かな憤りが含まれた。
玩具を取り上げられただけでそんな声に変わるなんて、子供みたい。

「また買ったんですか」

「……さあね」

この人は私の追求には応じようとしない。
斜に構えている、ように見せかけている証拠だ。

「提督が煙草なんか吸っているようじゃ、私達が提督を守る意味がなくなるんですよ」

「お前等が守っているのは国民だろ」

「提督は国民ではないと言うんですか?」

6572-683 大井:2014/10/11(土) 01:06:31 ID:6iflvcQ6
立って向き合おうとしない提督に追求はやめない。やめてはいけない。
確かに国民を守るのが私達の使命だけど、それ以上に守りたいものがあってもいいじゃないですか。
駄目だと言うのならそれは私達艦に自我を持たせた神様にでも言って欲しい。
理論の伴っていない言葉しか返せないこの人は今虚勢だけで保っている。
この姿勢を撃ち崩すべく、私は敢えて辛辣な言葉を並べ立てる。

「提督のこんな姿を他の艦が見たら、どう思うんでしょうね」

「五月蝿い」

「悩むのは誰しもあると思いますけど、それを誰にも打ち明けないで自分の体を傷つける提督は、軟弱で臆病者です。
なんでこんな人が提督なんかやっているのか甚だ疑問です」

「……っ」

斜に構えているというか、この人は逃避しているだけ。
遂にはこうして顔さえも逸らして再び項垂れてしまったこの人は、ただ臆病なだけなのだ。
この人のこういったところは呆れるし腹立たしいけど、一番気に入らないのはまた別のところにある。

6582-683 大井:2014/10/11(土) 01:07:03 ID:6iflvcQ6
「結婚までしたのに水臭くありませんか」

「お前にぶつけたって何もならん」

「提督にとって結婚とはなんなんですか。強い絆を結んだのは私の思い上がりだったんですか」

「…………」

「……はあ」

溜息が零れる。
以前からも度々提督のこうしけた姿は見てきたけど、
今のような関係ではないそれまでは煮え切らない思いのままあまり注意してこなかった。
しかし今は違う。
もうそれまでとは違い、嫌な事悲しい事をぶつけ合っても何ら問題はないはずですよね。
もっと私を頼ったらどうなんですか。
仕事の補佐をするだけの秘書以上に頼ったらどうなんですか。

「こっちを向いてください」

「……? んむっ……」

…………。

「ぷぁっ、おま、いきなり……!」

「何かあったら煙草に当たるのはもうやめてください」



「キスの味が煙草臭いのは嫌ですから」

悲しみに暮れる夜もそろそろ更けてきた。
水平線から顔を出そうとする日の淡い光の下、
隙だらけな提督の驚いた顔を尻目に、提督のポケットの中の紙の箱を力の限り握り潰した。

6592-683 大井:2014/10/11(土) 01:08:09 ID:6iflvcQ6

----

時刻はマルハチマルマル。
鉄や鋼が金槌に鍛えられ押し込まれる、耳をつんざく音が響く。
上から日課とされている開発任務の催促を消化しにやってきたのだが、
それについて自分は起床時から全く思考の一枚も重ねておらず、形式上終わらせる事しか考えていなかった。
と言うのも、艦に必要な装備は一通り揃い、
資料に登録出来ていないものといえば酷く製造が難しい極一部の精密な設計のものだけだからである。
そういったものは製造コストが資源に嵩むので、それなら今あるものでやりくりする方針で行く。
空母を例に挙げれば、普通の彗星やら流星やら烈風だけでも十二分な戦力となり得るのだから、
震電とかいうものを製造してみる気はない、という事だ。
冒頭に話を戻すと、そういった理由で自分は端から大井に適当な砲を作らせて報告書をでっち上げるつもりでいた。
時間もかからずに中型艦以下にはお馴染みの十四サンチ単装砲が一丁仕上がり、
大井も反論する様子は見受けられなかったので本題に入る。
話の内容が内容なので、自然と自分の口調は堅い物になる。

「検討した結果、大井は単装砲を捨て、九三式酸素魚雷を従来の二十発から三十発に換装してもらう。異論は……」

「あの。他の艦も、強くしてあげて?」

あるか、と問おうとしたのだが、大井から帰ってきたのは通論とも異論とも判断しかねる言葉であった。
至極穏やかでふわりとした控え目の笑みを浮かべて傾げる艦首、
そしてわざととしか思えない素っ頓狂な論点のずらし方に、たちまち自分の口調も崩れる。

「……他の艦の事よりも、第一に自分の事を気にしてくれ」

「私はもう充分強くなったからいいんです。それよりも北上さんや木曽ちゃんにあげた方がいいと思うんですよ」

確かにそういう選択肢もある。
しかし、兵装実験も兼ねて最先端を走るこの装備こそ、魚雷の扱いの練度が一番成熟した大井に託したいのだ。
それともう一つ。
身も蓋もない事なので口には出さないが、世のあらゆるところで特化型はバランス型よりも有利になるのだぞ。
大井は富士山にも届く程どんどん尖らせて行きたい。

「……そういうことなら、喜んで頂きます」

意外と素直に受け入れた大井は、早速装備換装の為奥のカーテンに向かい手をかけ、何事か振り向く。
綺麗な長髪を予兆なく さら、と揺らして振り向く大井の顔は、
その笑みに楽しげな成分がよく見ないと伺えない程度に盛られていて……。

「私の着替え、覗きます?」

阿呆な事を言ってないでさっさと済ませてきなさい。
両腕両足の装備を変えるだけだろうが。

「っふふ」

6602-683 大井:2014/10/11(土) 01:08:44 ID:6iflvcQ6
数分後、大井は戻ってきた。
魚雷は九三式酸素魚雷のままに、発射管を零式五連装発射管へと姿を変え、
それを両足に四基、両腕に二基搭載している。
大井は初めての五連装発射管が新鮮なようで、それらを手で撫でながら呟く。

「この魚雷火力、うまく使って欲しいなぁ……」

これらの発射管は開発したものではなく、
この鎮守府の戦果功績が認められて試験運用の名目で上から支給された物だ。
試験運用と言っても返す義務はないそうなので気楽なものだ。日々の報告書の作成は一枚増えるだろうが……。
自分もこの目で見るのは初めてで、大井が腕の発射管を眺めている傍で跪き、足の発射管を眺めて弄くり回す。

さわさわ。さわさわ。すりすりすりすり……。

「提督も気になります? 更にいっぱい付きましたよね、って……。
触りすぎなので提督に三十発、撃っていいですか」

「提督が艤装の検査をするのがそんなに悪いか」

「途中から艤装じゃなくて足触ってますよね」

「ついでに船体も磨こうと思ってな。お前はいつでも綺麗でいて欲しいからな」

「いい加減にしてくれないと私、本気にしちゃいますよお?」

状況によってはこの科白は昂りの材料になりそうだが、声色が威圧感を含んでいたので仕方なく離れる。
優しい目尻を貼り付けた笑みはそのままに、
眼力を強めるという器用な顔が出来る大井はいつまで経っても照れ屋だ。全く。

「朝からこんなところで盛らないで下さいね」

その言葉の裏を突こうものなら、局部に魚雷が飛んで来かねない事も考えて自粛しておく。
スキンシップを拒まれた自分は、単細胞生物の如く深く考えずにこのような科白をのたまった。

「足触っただけなのに、水臭いね」

……………………
…………
……

6612-683 大井:2014/10/11(土) 01:09:47 ID:6iflvcQ6
「…………」

この人のセクハラを止めながらも、長い月日の付き添いの下、
昔の私が知ったら怒り狂いそうな気持ちを私は秘めていた。
私からあっさり離れながらも恥も捨てて愚直に不満を漏らす提督に、私は距離を再び縮めようと一歩前に出る。

「もう少しだけなら触っ……」

「提督!」

提督以外の者には聞こえないように発した小さな声は、大きな声に叩き伏せられた。
提督の向こうにいた声の主は、大本営からの任務通達を担当する軽巡大淀さんだった。
大淀さんが探しに来るという事は、何か緊急の通達があったに違いない。
だから、提督が即座にそちらへ意識の全てを向けるのは何ら間違っていない。
間違っていないのだが、腑に落ちない。

「大淀? どうした」

せっかく縮めた距離も、また開いてしまう。
よく考えれば私は秘書なのだから、提督と同じように私も大淀さんの知らせを聞きに行けばいい筈なのだが、
提督との戯れを妨害された挙句に一人取り残されたような処遇で、その場に立ち尽くしてしまった。

「……ああ。……ああ。分かった、ありがとう」

最後にいくつかの書類を渡してから、大淀さんは凛とした面持ちを崩さぬままその場を立ち去った。
戻ってきた提督も、気を引き締めた面持ちに切り替わっていた。

「急で悪いが、用事が出来たから留守番を頼む。午前の演習は休みになるそうだ」

「……分かりました」

何か良くない事でも起きたのかと思ったら、そんな事はなかった。
でも、午前の演習がお休みになるって事は、用事は午後までかかるという事よね。
演習が出来ない。せっかくの五連装魚雷が試せない。
残念だなあ……。
…………。

ぎゅ。

「え……?」

6622-683 大井:2014/10/11(土) 01:10:37 ID:6iflvcQ6
暫く思考が止まり、次に我に返った時には強い力で暖かいものに包まれていた。
目前にあるのは、提督の肩?
抱き締められている?

「ほら、出かけるからって悲しそうな顔しない」

「……し、してませんよ。自意識過剰も程々にしてください」

口では微動だにしない姿勢を演じつつも、
本当のところは間近で感じるこの人の匂いだとか熱だとか、
私の腕と肩をいっぺんに包むこの人の腕、押さえるように腰に添えられた手の感触が気になって仕方がなかった。

「そうか? それにしてはさっき何か言いかけてなかったか」

「提督の空耳ですっ」

「……ふうん」

ここはうるさい工廠なのに。
まして小さい声だったはずなのに。
確かに全く聞こえないような声だったら口に出す意味がないとはいえ、聞こえていたなんて。
あそこで大淀さんが来ていなければ、
多分私は勇気が羞恥心を上回ったままこの人の好きにさせていたかもしれないけど、
あの戯言をこんな形で受け止められてしまっては、時間差も手伝って羞恥心が勝る。
私は何を言っているんだろう、という自己嫌悪に滅多刺しにされるのだ。
そんな私の心情などお構いなしに、この人はいっそう抱擁の力を強める。

「勝手にするけどね。何せ昼過ぎまで帰って来られないんだから、私も補給しておかないと」

「はぅ……」

「あー、暖かい……」

急な用事ではないんですか。
こんな事をしている場合ですか。
秘書として言える事は沢山あるのに、
締まらなくなった蛇口のようにそんな事をのたまうこの人の離す気配のない抱擁に、私は……。

「……熱くなってきてないか、お前」

「っ!」

この人の声色から、口の端が天に向かっているのは容易に想像が付くのだけど、
とうに突っぱねる選択肢を失っていた私は何も出来なかった。

昼過ぎまで、出撃も演習もなく、この温もりもないのだから。

6632-683 大井:2014/10/11(土) 01:11:14 ID:6iflvcQ6

それからは提督の気の済むまでそうしていた。
それから惜しむ間なく別れて、自室に戻ろうとして私は不意にある事を思いついた。

――そうだわ。昼過ぎまで帰って来られないって言ってたんだから、お弁当でも――

食事なんかしている時間はないかもしれない。
手に余らせて迷惑がられるかもしれないけど、知った事か。
思いついてしまった以上、ここで何もしないという選択はない。
実のところ土曜日のカレー以外は殆ど料理はしていないけど、
カレーが作れるなら不味い物は出来ないはずだ。
そう気を持って、朝食時を過ぎた厨房へ向かう。

私の運の悪さが災いしたのか、単に食材の仕入れ作業にでも行ってしまったのか、
頼みの間宮さんは不在だった。
勝手ながら厨房を借り、何とか残っていた少ない食材を駆使して、一つの包みの開発に成功する。
成功……したのかしら。
時間もないし簡単なもので仕上げたけど。
兎に角、提督の身仕度が終わっていないかが心配だ。
包みを抱えて小走りで玄関口へ向かうと、あと少しのところで大淀さんを見つける。

「はぁ、大淀さん! 提督もう行っちゃいました!?」

「ええ、今し方出ましたけど」

何てこと。
ということは、大淀さんは提督を見送ったところか。
一方の大淀さんは、私の手に持っているもので察したようで、どう反応すべきか困ったように苦笑する。

「あら、残念でしたね……」

6642-683 大井:2014/10/11(土) 01:11:48 ID:6iflvcQ6
「作戦が悪かったわ……」

あるいは私の運が悪かったか。
机に突っ伏して腕を枕にしてそう嘆いても、提督の手元にこの包みは渡らない。
自動車だから、空母に頼み込んだところで航空機の燃料が持たないだろう。
そうして行き場を失ったこの包みを持ち、私は執務室で一人退屈の渦中に巻き込まれる事となっていた。
こういう時って、駆逐艦は他の艦と違って大人数で集まって好きに動くのよね。
でも騒がしいのはどちらかといえば好きじゃない私は、それを見習う気にはならない。
それは私だけでなく、北上さんや木曽ちゃんもまた同じ。
北上さん、大丈夫かな……って、そういえば早い昼寝と洒落込んだんだった。
普段の招集頻度は高い方だから、こういう時があれば身を休めようとするのは己の為になるだろう。
ああ、炬燵に突っ伏してぼんやりつらつらとそんな事を考えているうちに、私も睡魔に襲われていく。
姿勢が悪かろうと、こうなると今更自室まで体を動かすのは億劫だし……。
大人しめな色合いの包みを穴が空くほどじっと睨んでいたが、私の意識は段々と低下していった。

……………………
…………
……

6652-683 大井:2014/10/11(土) 01:13:51 ID:6iflvcQ6
「作戦が悪かったわ……」

あるいは私の運が悪かったか。
机に突っ伏して腕を枕にしてそう嘆いても、提督の手元にこの包みは渡らない。
自動車だから、空母に頼み込んだところで航空機の燃料が持たないだろう。
そうして行き場を失ったこの包みを持ち、私は執務室で一人退屈の渦中に巻き込まれる事となっていた。
こういう時って、駆逐艦は他の艦と違って大人数で集まって好きに動くのよね。
でも騒がしいのはどちらかといえば好きじゃない私は、それを見習う気にはならない。
それは私だけでなく、北上さんや木曽ちゃんもまた同じ。
北上さん、大丈夫かな……って、そういえば早い昼寝と洒落込んだんだった。
普段の招集頻度は高い方だから、こういう時があれば身を休めようとするのは己の為になるだろう。
ああ、炬燵に突っ伏してぼんやりつらつらとそんな事を考えているうちに、私も睡魔に襲われていく。
姿勢が悪かろうと、こうなると今更自室まで体を動かすのは億劫だし……。
大人しめな色合いの包みを穴が空くほどじっと睨んでいたが、私の意識は段々と低下していった。

……………………
…………
……

6662-683 大井:2014/10/11(土) 01:14:42 ID:6iflvcQ6
不定期に開かれる軍の会議にやっと終わりの鐘が鳴り響いた時、時計の時針は無慈悲にも正午を通り過ぎていた。
議題の一つ一つの話が回りくどいし長ったらしい。
おかげで尻が痛い。

正午は現代日本人にとって二度目の食事時だというのに、
鎮守府の門を通った時、時計の時針はその重要性を吐き捨てるように大幅に過ぎ去っていた。
庁舎に入り、まず持って行くように言われた書類を置いてくる為に真っ先に執務室へ向かう。
歩く足を止めず扉を叩きもせずに開けたが、自分はそれを反省する事になる。

「おっと……」

畳の中心に設置した机で大井が突っ伏していたからだ。
自分がいない執務室にまさかいるとは思わず、反射的に姿勢を正す。
それから自分は音を立てないよう細心の注意を払って扉を閉め、畳に上がり込んだ。
手持ちの書類を机にそっと置き、大井の傍に置かれている包みに意識を向ける。
これは何だろうか。
外からの手触りからこれは弁当箱だと察した。
ではこれは誰のだろう。
こんなものを執務室に持ってくる時点で候補は大幅に絞れるが、確信もない。
食事なら食堂を使えばいいのだから、大井が弁当を持つ意味が分からない。
まずこれを作ったのが大井という確信もないから、大井が寝ている手前誰に聞けばいいかも分からない。
自分が出かける直前、自分は大井から何も言われていないのだ。
どうしたものかと何気無く大井の寝顔を見やった。

「すー……、すー……」

朝の工廠で見せた、あの悲しむような寂しがるような顔はなかった。
大井は絶対否定するだろうが、
自分が出かけると言った時に見せた口角を落とした顔、気落ちした様子を表す声の抑揚のなさは、
落ち込んでいるという事が手に取るように分かりやすいものだった。
それだけにこの安らかな寝顔を見ると安堵するものだ。
その安眠を邪魔しないよう、普段よりも慎重に頭を撫でる。

「ていとくぅ……、んふふー……」

するとどうだろう。
大井は目を瞑ったまま突然口の幅を大きく広げ、大井らしからぬ間抜けな声を漏らしたではないか。
寝息がそのまま続いているから、起きてはいまい。

「おい、しい……ですか……、すー……」

夢でも見ているのか。
寝言で大体察した。
そこの弁当は手をつけてしまっても問題なかろう。
大井なりに男が持つのに合う物を選んだ気遣いが伝わってくる包みを解いてゆく。
箱を露わにし、黒塗りの箸を手に取った。

6672-683 大井:2014/10/11(土) 01:15:23 ID:6iflvcQ6
思えば、大井にさせている料理の殆どは土曜日のカレーであった。
なので大井はカレーに関しては高い練度を発揮出来るが、カレー以外ではそうはいかない。
あまり余計な負担をかけないようにと思っていたが、これはこれであまり良くないのでは、と思ってしまった。
カレーは毎週少しずつ出来が良くなっていったが、変化したのはカレーだけだったようだ。
大井の作ったであろう弁当は、不味い訳ではないが、とても美味しい、とも言えないものだったのだ。
カレー以外は殆ど演習させていないから、恐らく下ごしらえだとか、調味料だとか、火の通し方をまだよく知らない。
レパートリーが不足しているのだ。
これはいけない。
自分の為に出してもらえる飯が美味いに越した事はないのだ。
そうだ。それなら演習をしよう。
興味があって人並みに出来るくらいまで勉強した自分が少し口出ししようかと、
持ち帰ってきた書類を仕分け、少しでも時間の許す限り執務を進めながら考えていた。
勿論大井の寝息を聞きながら。



「んっ、んんん〜……!」

筆を置き背を伸ばす。
もうヒトヨンマルマルだ。
午後に演習があるため、あまりのんびりしてはいられない。

「大井、起きろ」

呼びかけて肩を揺する。
大井が瞼をゆっくりと半分開いた。
起動し切っておらずという具合に、顔を上げるにも時間をかける。

「あ……、ていとく……」

目を覚ますにはまだ時間がかかりそうだが、自分は構わず用件を口にする。

「さて、時間もあまりないから、少し私と演習しようか」

「……分かりました」

本当に分かっているのか。
顔でも洗わせに洗面所へ向かわせた方がいいだろうか。
とか考えている間に、何やら大井は行動を見せる。
一体全体どういう理屈か、大井はこちらへ四つん這いで近付き、私の首に両腕を巻き付けてきた。
突然の事に自分は後ろに倒れかけたが、間一髪両手を畳に付き事なきを得る。
しかしこれは同時に、抵抗する手段を失っていた事に自分は気づけないでいた。
そして。

6682-683 大井:2014/10/11(土) 01:15:59 ID:6iflvcQ6
「んんっ!?」

なんなんだ。
何故自分は大井に唇を奪われ、好き勝手に弄られているのだ。

「ちゅ、ちゅぱ、……んん〜、んぅんぅ、ちゅる……ぅ」

しかも舌を差し入れ、私の口を開けさせようと歯茎を舐め回し、歯を突つく。
混乱した自分は素直に口を開いてから後悔した。
阿呆か、自分は。
頭の中で反省文を原稿用紙に長々と書かせる暇がある訳なく、
立てこもり犯のようにいとも簡単に舌を同じものに捕まえられてしまう。

「んっ、はむ、ちゅく、んぁ、ちゅる、ふぅ……、えへへー……」

大井らしからぬ間抜けな声を漏らす辺り、まだ寝呆けているに違いない。
そんな調子の大井相手に情けない事だが、碌に抵抗もできずに気の済むまでされてしまった。
こんな事をする意図があったつもりは毛頭ないので、さっさと息を整えて止めにかかる。
大井は言っていた。朝から盛るなと。
どっちが。

「はぁ、はぁ。おい、目を覚ませっ」

口を離した時が隙と見て、倒され気味だった体勢を直す。
畳に付いていた両手を大井の肩に置いて揺らすという少々強引な手を使う。

6692-683 大井:2014/10/11(土) 01:16:59 ID:6iflvcQ6
「……ぁ、あら? 提督、帰っていたんですね」

やっと目を覚ましてくれたらしい。
これで妙な展開は静まると安堵したが、その油断が自分の落ち度だったのかもしれない。

「提督、どうして口の周りをべとべとにしてるんですか。汚いので早く拭いてくださ……」

「お前の所為だ馬鹿」

「……え? あれ、だって、提督、夜戦の演習って……」

「……お前は白昼から何の夢を見ていたんだ」

「……夢?」

大井のその呟きを最後に、見つめ合う事数秒。
きょとんと垢抜けた顔はぼっと赤くなり、困ったように目尻と口角が下がる。
大井が目を下に逸らす。
何やら口を動かしているようだが、よく聞こえない。
大丈夫か、と問おうとするその直前。



「提督の馬鹿ーっ!!」

バチコーンッ!!

「ぐふっ、大井……、私が何をした……」



Oh, ジーザス。
艤装を付けていない艦娘の底力を渾身の平手打ちで表現された自分は、盛大に体を壁に叩きつけられる。
理不尽さとデジャヴと、大井の柔らかかった唇の感触を走馬燈のように思い出しながら、意識を失ってしまった。

……………………
…………
……

6702-683 大井:2014/10/11(土) 01:18:08 ID:6iflvcQ6
その晩。
床に就いた自分は眠るまでに多少の時間が必要そうなので、
駆逐艦イ級の数を数えるのに必死でいた。
リラックスしないと眠りには就けないのに必死とは、寝る気あるのかと突っ込まれても反論一つできない。
そう自嘲していると。

もぞもぞ……。

「!」



「夜戦……、しないんですか?」



ジーザスは言っている。
ここで引くべきではないと。

6712-683 大井:2014/10/11(土) 01:18:40 ID:6iflvcQ6
終わり
愛してますが聞けなくなったのは残念だよ〜

672名無しの紳士提督:2014/10/11(土) 02:03:15 ID:spaJNjTI
おつ
時報の大井っちはものすごくはっちゃけてたなw

673名無しの紳士提督:2014/10/11(土) 04:16:31 ID:FuKyLA3U
この野郎末永く爆発しやがってください
「愛してます」は大井改の方なんかねえ

674名無しの紳士提督:2014/10/11(土) 06:18:50 ID:rwEAjfPo

マジで聞けなくなったのか。なんかショックだわ…

675名無しの紳士提督:2014/10/11(土) 06:28:06 ID:ENFVDGRY
大井さんかわいい!乙っす

>>674 ショックをショタに空目した

676名無しの紳士提督:2014/10/11(土) 11:05:25 ID:buTxlFc2
乙です
呑んだくれ隼鷹SS〜艦娘集団喫煙SSみたいな一発ネタしか書けないので色々参考になります
というか相変わらず大井さんかわいい・・

677名無しの紳士提督:2014/10/11(土) 11:23:17 ID:V7mtq2Wc
やはり古女房大井…


>>676
長編は後から来た人は最初から読まなきゃいけないから辛いんだぜ
もっともここはwikiあるからまだ楽だが

6782-683:2014/10/11(土) 19:11:18 ID:geEd6i8c
Chakuriki Wikiに海上自衛隊の食事について

・小型艦では調理するスペースが無いので冷蔵庫に弁当の形でしまっておいてレンジでチンらしい。
・決して不味くは無いが味気無いのは否めない為、ちゃんとした金曜カレーが食べたいと思っている隊員もいるそうな。
・質の良い食材は潜水艦に優先して配分されるらしい。

ってあるから弁当の話書いたんだけど海軍ではどうだったんだろうか
まず大井が小型艦なのかもわからないけど絶対大型艦ではないだろうと思って

679名無しの紳士提督:2014/10/11(土) 20:26:36 ID:Ho1V9Wz.
>>678
まず駆逐艦、潜水艦はひどい
つーか潜水艦は訓練報告書に「もっとこまめに補給が出来れば生鮮食品が食べれるので指揮もあがるぶん、戦果も期待できるからして」
って毎回書いてるレベルだったよ…昔調べた時の話
生鮮食品については今の海自も対して変わらないが、冷蔵冷凍設備が揃ってることや
冷凍野菜果物、ドライフルーツのお陰で昔よりはかなりいいらしい
大井さんは資料ないけど、古い艦だし、大きさ的にも重巡洋艦や空母ほど美味しいものがくえたとは思えない
駆逐艦と同等か少しマシレベルじゃなかろうか

後、それ小型艦といってもミサイル艇とかそんなレベルよ

680名無しの紳士提督:2014/10/11(土) 20:58:15 ID:buTxlFc2
>>677
というわけで連作続けられる方に感服する
自分なんて一発ネタでしょっぱい花火みたいなの上げるのが精一杯だしなあ
 


潜水艦限定だが食事だと有名どころでは
http://www.warbirds.jp/truth/ijn-sub.html
の後半に少し記載があるな
少ない補給拠点+長距離作戦が非常に多いのでそうなるらしい
一応小型潜水艦も同様の調理設備はあったっぽいが

681名無しの紳士提督:2014/10/11(土) 21:38:21 ID:9mIiINj6
じゃあ潜水艦娘なら比叡さんに勝てるのか!

682名無しの紳士提督:2014/10/11(土) 21:43:06 ID:9mIiINj6
>>652 語呂は良いけど冷静に考えるとひどい状況だなw

683名無しの紳士提督:2014/10/11(土) 23:10:35 ID:geEd6i8c
>>679-680
そうだったのか
要するに史実で豪華な飯が食えたのは戦艦と潜水艦だけか
とすると比叡があれな理由が尚更わからない


連作言うけど俺は大井でしか妄想が捗らないだけだよ
色んな艦書きまくる人裏山だよ

684名無しの紳士提督:2014/10/11(土) 23:59:45 ID:zvbp5G3Y
長編は書くとなるとそのSSの設定とかも覚えておかないとな
後になって書いたものとで矛盾したらアカンし

685名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 01:53:10 ID:cYbWPmA6
>>684 そういう場合って書きながら設定していくのかな?やっぱり事前に設定決めてから書いてく方がセオリーなのか。

>>650 駆逐艦は下戸と文字通り浴びるように飲んじゃう娘の両極端なイメージがあるな。

686名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 02:36:12 ID:TvQLGtgw
>>680
あったけど使えるのは海上移動してる間だけで、戦闘海域では湯煎した缶詰だったらしいしのう…

>>683
第二次の潜水艦の食事は酷いぞ
なんせ湿気が多いから生鮮食品なんで一週間ともたない、その分を他で補うためにビタミン剤支給したり、バターライスなんてのも考案してる、後固形ケチャップなんてのもあってだな。
その分所謂レトルト食品なんかは優先して配備されたそうだが→http://mukankei151.blog47.fc2.com/blog-entry-7818.html

687名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 02:39:19 ID:cYbWPmA6
>>683 俺の脳内設定では比叡さんは元々それなりに料理ができたんだけれど、ある日金剛にイギリス流の調理方法を教わってから今みたいになったってことにしてる。

6882-683:2014/10/12(日) 02:46:37 ID:Ff/T/eIg
>>685
参考までに
俺は最初一発ネタのつもりで書いてたから何も考えてないよ
ただ今後もしも続ける気力が今後起きたらって事を考えて
細かい描写は意識して避けて書いてた
あらかじめそういうところ曖昧にさせておけば後で書きながら設定肉付けしていける

>>686
あーやっぱり潜水艦は思った以上に大変なんだね……
でもここまで食品開発に力を入れてたのは日本くらいなんだろうな

689名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 03:27:55 ID:cYbWPmA6
>>644 加賀さんなんか特に煙草に強そう。ニコチンや一酸化炭素なんて自慢の体温で焼き尽くしちゃいそうだ。…加賀さんごめんなさい。もう体温のことでおちょくったりしません。だから火のついた煙草をこっちに近づけるのはやめてください。

690名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 09:27:29 ID:1isrSzc6
海軍で食で悲惨なのは陸戦隊や湾港警備隊、沿岸砲兵等の地上部隊かな
実際に居た人の話し聞いたけど兵站線が断たれると近所に展開してる陸軍同様最終的に飢餓状態になるので、軍艦に乗ってれば飯にだけは一応苦労しないのに・・・と言ってた
流石に艦これSSでこの辺ネタにするのは無いな
陸揚げした艦載砲が馴れ初めでそこの隊長とラブロマンスになる艦娘とかぐらいしか思いつかん

>>686
個人的にかわいそうなのはUボートの「噛みゴム」だと思う
口臭や歯槽膿漏防止等でガム常用してるサブマリナーだけどガムの原材料が入手困難になってしまったので合成ゴムの板を噛んでたそうだ
汚くなったら洗ったり拭いたりしてまた噛む…
という訳で潜水艦の艦娘はよくガム噛んでるイメージがあるな
「オリョクルは(くちゃくちゃ)疲れる(くちゃくちゃ)でち!」

691(・ワ・)削除なのです!:(・ワ・)削除なのです!
(・ワ・)削除なのです!

692名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 09:58:21 ID:1isrSzc6
>>691
すまんなちと筆が滑り過ぎた
今プロット状態なのが陸軍に編入された海軍陸戦隊のお話なので(あかんこの時点でやっぱおかしいかもしれんな)
南方に展開してたのは調べれば調べるほど悲惨なのでその辺は置いといてソフトにしてハッピーエンドで着地させようと努力してるんだ
まあ陸で戦った海軍さんという特異な雰囲気だけでも伝わればいいんだが難しいよというかどこまで艦これ要素入れるか試行錯誤しているよ

693名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 10:11:41 ID:1isrSzc6
まぁ当然艦これ要素をメインにしてあとは場の空気だけ漂わせる添え物にすればいいだけかな
誰得なのは否定しないが

694名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 10:15:37 ID:TvQLGtgw
日本は天然ゴムあったから、ガム支給には困らなかったらしいな、支給困る頃にはそれどころじゃなかったし
ドイツはWW1でもゴム不足に苦しんでコルクタイヤとか使ったからしゃーない

695(・ワ・)削除なのです!:(・ワ・)削除なのです!
(・ワ・)削除なのです!

696名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 10:17:58 ID:OP/4A0t2
あきつ丸「米を炊きながら薪の煙を出すなとか一休さんレベルのとんちを要求する陸軍に比べれば海軍はまだましであります」

697名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 10:43:21 ID:68FuCRfc
艦これがきっかけで軍や歴史を調べて色々詳しくなってる人もいるとは思うけど、
たまについていけない話題もあるからあんまり濃い話題は控えて欲しいや
小説にそういう話を組み込むこと自体は面白いと思うけど雑談はもうちょいライトなのがいい

698名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 10:43:37 ID:T0Y6of5w
>>695
こういう雑談からネタが生まれることもあるしねぇ、大体原作がある程度史実ネタ入れてるしな

現状に問題提起なり規制するなら、ここじゃなくて議論スレでやってほしい

699名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 11:31:44 ID:1isrSzc6
>>695
そりゃ史実ネタは入ってても全然関係の無い世界観だから全くもって至極当然です正しい
でも自分はミリオタ崩れ(四次資料すら持ってない)上天邪鬼な性分なのでエロ前の語り1割+エロパロ9割の前者の部分に人が誰もやりそうにない
自分の趣味嗜好をぶち込んで自爆してしまうのでもしSS見かけたら嗤ってやってほしい
しかし残りのエロ難しい!パロに全力投入だっ!とエロ薄くなってしまうのが力量の無さで恥ずかしいよ全く
ちなみに海軍陸戦隊にいった人の話は艦これやるまで思い出しもしなかったので艦これには感謝している

エロじゃないけど
http://www.geocities.jp/tokuyaro/haguro0.html
艦これメインの筆者じゃないそうだが個人的にはこれにエロと萌えを充分投入したぐらいが理想かな

>>697
>>698
自分が言うのもなんですがこの辺でおいときましょうか
色々スレ荒らしてすいません反省してます

700名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 14:24:41 ID:cYbWPmA6
>>698 おかげで艦娘の料理の腕前=元の艦の台所事情というのは間違い(ソースは>>683)ということもわかったしな。

話変わるけど提督をハメるために艦娘が料理とか飲み物に何か盛るってシチュは意外と少ないんだよな。

701名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 15:05:36 ID:4KpKRdR.
少ないというか今まであったっけ? このスレで
割と考えやすいシチュだと思うけど確かに見ないな

702名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 15:22:29 ID:LU2N3iVE
前にあったSSにあったけど、艦娘自体腕っ節が強いからなんじゃないの?
それならモノに頼らなくていいんだし。

703名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 17:33:26 ID:TvQLGtgw
>>702
腕っ節に自信のない駆逐艦が盛ったのはある
http://www55.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/565.html

後は成る程提督に媚薬…そういうのもあるのか的なやつ
http://www55.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/566.html

後は例のベッド下祥鳳さんも盛ってた
基本艦娘側が盛っても騙して悪いがにしかならんからねぇ

704名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 18:30:13 ID:fKitAALM
艦娘の力でだいしゅきホールドされたらジークブリーカー状態になるのでは

あれやな、艦娘側が自ら力弱くするためにあえて薬使うのもありだな。
少なくとも前の地上では最強提督は薬使わざるをえない

705名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 19:10:24 ID:cYbWPmA6
>>704 艦娘はそういうことわかっててきちんと力の加減をしてる気がする。…長門は力いっぱい提督を抱きしめてくれそうだけど。

706名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 20:40:21 ID:LU2N3iVE
二次創作の提督って、外見は男や女、ロリショタに動物までいろいろいるけど、性格は多くが似たようなのばかりで艦娘みたいに個性的といえるキャラは少ない気がするのだが…
艦娘と絡ませる以上、作者の扱いやすいキャラのほうが好まれるのだろうか?
(エロ系の作品の提督に個性を求めるのも野暮だと思うけど)

707名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 20:41:17 ID:IHwyIGrM
そもそもサイズ的に人間サイズなのか?
艦載とかできないだろそれじゃあ

708名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 20:47:21 ID:TvQLGtgw
>>706
濃すぎると提督メインになるからではないだろうか?

誘っていたが、冗談としか思われずけんもほろろな対応をされた龍田ついに薬をもる

709名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 20:53:54 ID:kmTEIs4E
艦娘の腕力というのも実艦の馬力基準にしちゃうと割ととんでもない事態が多発することになるので要注意……

710名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 21:10:54 ID:JFB..AQ6
媚薬が必要な場合を考えて見る


「やっぱり、初めては提督から求めて頂きたいので……」
誘い受け希望な場合


「逃げられないって言ったでしょ? 全部出しちゃいましょう、子種」
浮気と勘違いされた場合


「姉様を正気に戻すため……、提督に執心するなんて姉様がおかしくなった……、だから、気づかせないと……」
ただのメンヘラ


「なんでや、なんで起たへんのや。おかしいやろ、ウチ、こないアピールしとるのに、なぁ、なんでや?
せや疲れてるんやろ、明日は任せとき、ウチが全部片付けたるさかい。やから、やから、明後日になったら一つになれるって、愛してくれるって約束してや。
なぁお願いや、やないとウチ、おかしくなってしまいそうなんや。胸の奥でコレはなんて呼ぶんやろ。
分からへん。分からへんのや。抱きしめて、口づけ交わしてしたら、そしたら良くなると思うんや。やから、」
提督が巨乳じゃないとダメだった場合

711名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 21:17:33 ID:9x0blzwQ
自分が書いてるのはほとんど自分の性格や考え方、経験とか入れてるな
ただ自分を出しすぎているとどう考えても好かれるわけがないって感じと自覚しているから
一応それなりに美化してたりもする
醜い点も話に上手に盛り込めるならそれはそれでいいかもしれないが

712(・ワ・)削除なのです!:(・ワ・)削除なのです!
(・ワ・)削除なのです!

713名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 21:54:37 ID:cYbWPmA6
>>709 艦娘にセクハラするのって命がけなんだな…

714名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23:16:54 ID:OP/4A0t2
濡れ場のリハビリがてらに書いた駄文ですが投下します


※キャラ崩壊してるかも
※独自設定っぽいのあり


海沿いのある町の、その外れにぽつんと佇むコンクリートの小さな建物。
訪れる者のいないこの建物に提督が一人と艦娘が一人、ひっそりと暮らしている。

それほど大きくない町の、更にその郊外だけあって、周りには海以外何もない。
とは言え、別にこの提督が極度の人嫌いだとか、人目を憚るような訳があるとか、極秘任務に就いているとかいう訳ではない。
いや、任務と言えばそうなのだが―

数か月前、人類は深海棲艦と無期限の停戦状態に入った。
深海棲艦側としては、既に人類に対抗するだけの組織も、それを維持するだけの兵站もなく戦争を継続するのが困難になった。と言うのが一番の理由だ。

開戦当初こそ人類に対し攻勢に出ていた深海棲艦だったが、当初の計画よりも早く、そして広範囲に拡大した戦線は、やがて兵站の限界を超えてしまった。
その上緒戦の勝利によって徐々に現場至上主義が蔓延り、司令部を無視しての更なる戦線拡大が恒常化し始めた。
しかしこうした野放図な戦線拡大がいつまでも続く訳がなく、やがて最前線でも補給が滞り始めると、孤立した前線の艦隊は真っ先に人類側反攻作戦のターゲットとされた。

人類側の高度に組織化された軍隊や、大量投入される艦娘やその他の兵器、それらを維持するだけの生産力と兵站管理能力の前にこうした艦隊は次々と掃討され、
各海域で戦線の崩壊が起こると、士気低下や補給の停滞、更に現場至上主義の弊害として命令系統が混乱。
平然と命令無視や残党の軍閥化が頻発し、もはやだれが敵なのかも分からなくなってきていた。

こうして四分五裂した深海棲艦は急速に弱体化、戦争の継続はおろか、上層部はまともに命令に従う戦力がどの程度残っているのかも把握していなかった。
―上層部もまた、そうした問題より自分の軍閥の拡大に重きを置いていた。

こうして始まった泥沼の内部抗争により人類との停戦を申し入れ、人類側もこれに対していくつかの要求をのむことを条件に停戦に応じた。
結局、戦争という行為に関しては、有史以来それを繰り返している人類の方が一枚も二枚も上手だったという事だ。

この停戦により各地の鎮守府や泊地とそこに溢れかえる提督や艦娘はその存在意義が薄れ、多くは除隊か、沿岸監視の名目で各地に飛ばされた。
その沿岸監視とは名ばかりの飼い殺しにあるうちの一人が、この小さな建物に暮らす提督である。

715名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23:22:48 ID:OP/4A0t2
「おはようございます提督。ご飯にしましょう」
その飼い殺し提督と一緒にいるのが、今や彼の艦隊に唯一所属している艦娘となった伊勢であった。
戦後、他の艦隊に引き抜かれたり、自ら希望して解体され、普通の女性として除隊した者達が多い中、彼女は最後まで艦隊に残っていた。

「ああ、用意してくれたのか。済まないな」
寝ぼけ眼で小さな卓袱台に並べられた二人分の朝食を見て、提督は申し訳なさそうに言う。
「気にしないで。さ、食べましょ」
伊勢はそう答えながら提督を促し、自分も卓袱台の前に座る。

「「いただきます」」
二人向かい合って朝食をとりながら、提督はふと伊勢を見つめる。

「どうしました?私の顔に何かついている?」
「いや、見慣れたと思ったが、艤装をしていないと小さく見えると思ってな」
最近、伊勢は艤装をしていない時間が増えた。
以前の様に戦う事がなくなったので当然と言えば当然だが、身軽な今の姿は彼女を妙に小さく見せる。

やがて食事を済ませた二人は一緒に食器を洗い終えると、それぞれの業務に就く。
といっても大したものではない。
伊勢は外していた艤装を装備し、浜辺に出て瑞雲を発進させる。
名ばかりとは言え沿岸一帯の監視が任務である以上、日に何度かこうして哨戒を行い、ついでに感覚を忘れないために自主訓練を行う。

提督は周辺の見回りや施設内の保守点検、昨日までの報告の作成、時折司令部で行われる合同演習や図上演習等が仕事となる。
勿論、どちらも一日中やっている訳ではないため、他にやることがあるとすれば施設内やその周辺の清掃、海岸のゴミ拾いぐらいだろうか。
それでも陽の傾き始めるころには大体が終わってしまう。

飼い殺しと呼ばれる所以はここにある。
何重にも警戒態勢が敷かれ、無条件降伏に近い条件を呑ませて停戦した今、
深海棲艦が近海まで現れることはなく、辺鄙な田舎町の郊外で事件など碌に起こる訳もない。

一度砂利道でパンクしていた車を見つけ、ジャッキを持ってきてタイヤ交換を手伝ったこともあったが、精々その程度だ。
無論、こうした業務に大した報酬がある訳でもなく、
提督には最低限の生活物資の補給がある代わりに、戦時中に比べれば雀の涙ほどの給与で糊口をしのいでいる。

716名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23:26:41 ID:OP/4A0t2
この日も何ら変わりなく、西の空がオレンジ色に染まるころにはすべての業務を終えて提督が風呂を、伊勢が夕食の準備を始めていた。
こうした代わり映えしない日々や旨みの無い待遇に嫌気がさして除隊するものも多く、軍縮を迫られている上層部としてはそれが狙いでもあった。

「さて、今日も一日平和だったな」
提督は風呂を洗いながらこの頃この時間の口癖となった言葉をつぶやく。
伊勢からも特に何の異常もなかったとの報告を受けているが、そもそも異常があったためしがない。

「……これなら辞めたくなる奴が多いのも分かるな」
そう言いながらも提督はそのつもりは無かった。

それから暫くして、風呂の準備が整うとほぼ同時に夕食も完成した。
いつも通り、二人ともまずは先に風呂に入り、それから夕食となる。
普段なら二人分の食事が並ぶだけの食卓に、提督の懐では少し無理をした銘酒の小瓶が置かれている。

「「いただきます」」
いつもの通りの夕食に加えてコップ酒が追加された卓袱台。
しかしコップは三つ出されていた。

三つ目の前には何人もの名が刻まれた位牌が一つ。
今日はかつての仲間の命日だ。

戦争末期、深海側最後の抵抗とされた激烈な戦闘があった。
練度の足りない新兵たちまで駆り出し、補給も受けられないままに戦いを挑んだ深海棲艦の敗北は最早目に見えてはいたが、
それでもいくつかの艦隊との間では死に場所を求めたような古参兵の猛烈な抵抗に遭い、少なからず損害が出た。

その損害の一つが、この提督の艦隊。
そこには改装を終えたばかりの伊勢の妹もいた。

それからすぐに戦争は終わった。
仇討ちも弔い合戦もなく、その機会は永遠に失われた。
そして今、こうしてその死を悼むことが残された二人に唯一出来る事だった。

717名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23:29:22 ID:OP/4A0t2
その夜、二人は同じ布団の中にいた。

「伊勢……今日もいいか?」
「はい。提督……来て」

上になった提督が伊勢の首に手を回し、唇が触れ合う。
提督の舌が伊勢の歯の間から口の中に滑り込み、伊勢の舌とくちゅくちゅ音を立てて絡み合う。
それに合わせて提督の腕が伊勢の背中に回り、伊勢と密着するように強く抱きしめる。

互いが互いの舌を味わい、一度口を離して見つめあい、また再び口と舌が交わる。
口の中を十分に味わうと、興味の対象は下に移る。
提督の手は伊勢の形の良い胸に伸び、その広い掌で揉みしだく。

「んっ…!くふっ……」
乳房の形が変わる度に伊勢の口から声が漏れる。
いつもの黒インナーは着ずに、肌の上に直接白い上着を着ているため、少しはだけさせるだけで提督の手が直に伊勢の乳房に触れる。

手だけでは足りなくなったのか、提督は乳房の先端に吸い付き、舌先での愛撫を始める。
「ひゃん!あっ、ああっ」

提督の舌が何度も往復し、伊勢も何度も嬌声を上げる。
提督によって徐々に敏感になってきた伊勢の体は、舌が通る度に快楽の津波が押し寄せ、艶のある声が闇に響く。

口を乳房で塞いだまま、指は伊勢の股間に滑り降り、彼女の秘所に少しずつ侵入していく。
「ひゃっ、ああっ!提督っ!!ていと―くひゃあ!」
提督の指が、くちゃくちゃと湿った音を立て、伊勢の中へと沈んでいく。

「ふあっ、くうっ……!ううぅ……!!」
母乳を求める子牛の様に、提督の指は伊勢の蜜に向かって進み、トロリとしたそれを全体に纏わらせていく。

「くひっ!!ひううっ!!はぁ……はぁ……はぁああっ!!」
汗ばんだ伊勢から放たれる雌の匂いが、提督の嗅覚に絡みつく。




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