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幸男くんは皆に愛されて。【パロディ】

1涼幸°:2014/06/16(月) 22:56:17 ID:r81ypI8w
設定

青峰大輝(17)
弟LOVE。ブラコン。
勉強できない。だがバスケはできる。

青峰幸男(10)
兄大好き。誰にも渡さねーぞ状態。
勉強はできる。算数得意。バスケ大好き。


この二人が主な主人公ですね。
あとは、キセキとかいろいろ←
更新速度は遅め(かも)です。
なるべく早く更新したいな!的な←

2涼幸°:2014/06/16(月) 23:12:34 ID:r81ypI8w
「だいき兄!」
「…んー?」
「遅刻すんぞ!起きろよ!わわっ!!」
「幸、うるさい…」
「ちょっと…起きろよー!遅刻するってばー!」
「大丈夫…あと5分…」
「黄瀬くん待ってるんだよ!」
「…うざ…マジかー…」

いつもの日課が兄の青峰大輝を起こすことの青峰幸男。
呆れているが兄が大好きだから許す。

「ほら!早く着替えて!」
「あー、ねみぃー」
「遅くまで起きてたから…」

ネクタイを持ちながらそう言う幸男に兄はキュン、とくるしかないのだ。

「ほら!パンくわえて!鞄持って!」
「ほっほー!(ちょっとー!)はへほ!(まてよ!)」
「…一緒に行ってあげるから」

ん、と小さな手を出す。
その手を取って抱っこする兄。

「…何?」
「…いや、今日も可愛いなぁ、と」
「可愛くねぇし…だいき兄はかっこいいよ」

そう言って頬にチュッとする弟の仕草に兄は困っているのだ。

「(こんな可愛い子外に出したくない)」

と、毎朝思っているのだ。

「幸、知ってる奴でもついてっちゃダメだぞ?特に黄瀬と黒子」
「えー?黒君優しいよ?黄瀬くんは変態だけど…」
「いいから、な?」
「…うん、分かった」

頭を撫でて玄関を出る兄と弟。
朝から兄は弟の可愛さに困っては朝からブラコンを発揮しているのだった。

3涼幸°:2014/06/17(火) 22:17:59 ID:r81ypI8w
「あー、青峰っち!幸くん!!」
「うげ、マジでいたのか…」
「だから言ったじゃん」

玄関を出れば笑顔な駄犬…黄瀬涼太がいた。
兄は嫌そうな顔をしてそんな顔に苦笑する弟。
と、弟を眺めてる変態な駄犬。

「っつか、何で幸くん抱っこされてるんスか…」
「え?だって、だいき兄にチューしたから」
「…え!?ズルイっス!!」
「ズルくねぇよ、幸は俺の弟なんだし」
「ズルくねぇよ、だって、俺だいき兄のこと大好きだもん」

そう言って兄に抱きつく弟、幸男。
そんな弟を見て兄はさらに、外に出したくないと思ったのだ。

「俺もチューしてほしいっスぅぅぅ!!」
「やだ、俺の唇はだいき兄のもんだもんっ!」
「うぐっ……!!可愛すぎっス!!」
「えらいぞー、幸…さっすが、俺の弟だ…」
「なのに、こんなに足がスベスベなんですよね…」

…ん?何だ?と皆が思ったであろう。

「……うぅっ!!黒君!やめてぇっ…///」
「…!テツ!!!!」

下を見れば弟の足をスベスベとしている影の薄い少年。黒子テツヤ。

「あーっ!!抜け駆けはよくないっスよ!!黒子っち!!」
「抜け駆けとは人聞きの悪い言い方ですね。廻でいいですか?」
「すんませんっした!!」

弟は兄にクタ、と寄りかかっていた。

「おはようございます、青峰くん、幸男くん。」
「……」
「青峰くん…そんなに睨まないでください…」

ガルルル…と威嚇をしている兄に弟は。

「だいき兄、平気だよ、ちょっとくすぐったかっただけだから」
「幸…そうか?」
「うん」

ならいいや、と力いっぱい抱き締める兄に弟は苦しいよ、と微笑むのであった。

「…何でこんなデレッとした兄を好きになったんでしょうね、この天使様は」
「本当っスよ……あー、幸くん欲しいっス」
「本当ですよ…」

目の前でイチャつく(?)ブラコン兄弟を眺めて言う二人はため息をついた。

4涼幸°:2014/06/18(水) 00:19:54 ID:r81ypI8w
「幸くん!おいで!」
「でも…っ」
「…今日だけだからな」

ジロッ!と黄瀬を睨む兄。
トテトテ、と腕を広げてる黄瀬に歩み寄る弟。

「…たんじょーびおめでとー」
「うぅっ!ありがとーっス!!」

ぎゅぅぅっ!!と抱き締める黄瀬に弟の幸男は「苦しいよ、りょーくん」と言った。

「へっ!?りょ…りょーくん!?」
「りょーたって名前だろ?だからりょーくん」

ニコッ!と無邪気な笑みを向ける弟に兄は複雑な気持ちになった。

「…ちっ」
「だいき兄?」
「別に、なんでもねぇ…」

クルッ、と背中を向けてしまった兄にシュンとなる弟。

「ゆ、幸くん!大丈夫っスよ!青峰っちは幸くんのこと嫌いにならないっス!」
「……ほんとに?」
「もちろんっス!」
「…絶対?」
「うん!」
「…だいき兄ぃ…抱っこ…」
「…やだ」

可愛い弟のお願いをちょーーーーーー珍しく断る兄に黄瀬は驚いた。

「えっ!?何言ってるんスか!?」
「やだっつたんだよ、聞こえなかったか?」
「いや、聞こえたっスけど…」
「…何回も言わせんな、駄犬」
「ひどっ!…幸くん?」
「…りょーくんのお家行く…」

ギュッ、と黄瀬に抱きつく弟。

「…いや、いいっスけど…幸くん、青峰っちはいいんスか?」
「だって…だいき兄に嫌われちゃったもん…」

うぇぇー…と泣き出す弟にズキッと心が痛む兄。

「…青峰っち」
「りょーくん、もういいよ…嫌われちゃったんなら…」

無理に笑う弟を黄瀬は抱っこする。

「…りょー…くん?」
「幸くん、黄瀬幸男になればいいっスよ」
「…てめっ、ふざけんな…!」

そう言えば黄瀬の頭を叩く兄。
それに驚く弟を見て兄は黄瀬から弟を奪った。

「…だいき兄?」
「ごめんな、ただ、黄瀬にヤキモチやいてただけだよ」
「…俺はだいき兄だけしか見てないよ?」
「うん、ごめんな…」
「…チューしてくれたら許す」
「くはっ、いくらでもしてやるよ」

と、額や頬にキスをする兄。

「(俺の誕生日なんスけど…)」

そう思いつつも弟の幸くんが笑顔になれば黄瀬も自然と笑顔になった。

5涼幸°:2014/06/18(水) 14:05:28 ID:r81ypI8w
「ただいまー…」
「あ、大輝…あら?幸男と一緒じゃないの?」
「は?」
「幸男、学校かまだ帰って来てないのよ…」
「はぁ!?」

手に持ってた鞄を落としてしまった兄。
そりゃ、そうだ。大事な可愛い弟が6時になっても帰っていないのだから。
兄は母の言葉も聞かずに家を飛び出した。

「…幸っ!」

家の近くのバスケコートのある公園へ行くもいない。
いるのはその辺にいる普通の中学生だ。

「くそっ……何処だよ!」

と、プルル、と兄の携帯が鳴った。

「…赤司!?」

電話をかけてきたのはボクサカオマコロで知られてる赤司征十郎だった。

「何だ!こっちは今忙しいんだ!!」
「そうか、幸男がいるがまた後でかけ直すとしよう」
「…!?ちょ、ちょっ!待て!」
「忙しいのだろう?」
「幸といんのか!?何処にいる!?」
「落ち着け、今は俺の家にいる」

通話を終わらせれば急いで赤司の家へ行く兄。



一方、赤司の家では。(赤司side)

「うっ…うぅ…」
「幸男、今は大輝が来るよ」
「う、ん……っ、うぇっ…」

何があったか簡単に説明すれば、下校中に知らない男につけられて走って逃げたら丁度僕の家の近くのだったのだ。
そして、安心と兄に会えない寂しさで泣き出してしまったのだ。

「幸男、大丈夫だ…幸男をつけてた男を見つけ出して絶対逮捕させるから…」

ギュッ、と抱き締めて泣き止ませようとするも簡単には泣き止まない。

「幸男、どうしたら泣き止んでくれるんだい?」
「うっ…ごめ…んなさ……でも…っ」

泣き止まないのではなく泣き止めないのだ。
知らない男につけられた。それが小さな心に深く傷ついてるのだ。
小さな傷と大きな恐怖心があるのだ。

「うっ…だ、いき…兄ぃ…」

ピーンポーン…。
グッドタイミングでインターフォンが鳴った。

「…来たようだね」
「うっ…ぐすっ、だいき…兄ぃ…っ」

弟を抱っこして僕と幸男は玄関へ向かった。
ガチャ、とドアを開ける。

「幸…っ!!ハァ…ッ、ハアッ…」
「だ、いき兄ぃ…うぇっ…うぁぁぁっ……」
「幸…?」

僕は幸男を大輝に渡す。
幸男はギュゥッ!と大輝に抱きつき泣く。

「おい、赤司、何があったんだよ…」
「実はな……」

何があったかを大輝に伝える。

6涼幸°:2014/06/18(水) 14:36:45 ID:r81ypI8w
(青峰兄side)

赤司に何があったか全部聞いた。

「…んなことが…クソッ!誰だよ…」

腕の中でぎゅっ、と俺の服を掴んでスヤスヤ、と眠る弟を見て呟く。

「…まぁ、だいぶ傷ついてるようだから…ずっと一緒にいてあげるといいよ」
「…あぁ、サンキュな」

お礼を言い家へ帰る。

「…幸…俺がずっと守る…絶対に」
「…ん…だい、き…兄…」

スリ、と頭を擦り付け微笑んで言う弟、幸をギュッとさらに抱き締める。

「たーだいまぁ」
「幸男!…良かったって、寝てる?」
「あぁ、いいや、このまま寝かせとくよ」
「分かったわ」

お袋にそう言い2階へと行く。
幸の部屋にランドセルをおいて俺の部屋へ行く。
幸を俺のベッドへ下ろす。

「…ん…ぅ…すぅ」
「くそっ…ぜってぇ見つけてやる…!!」

制服を脱いで部屋着へ着替える。
その間もずっとイラついていた。
俺の弟をストーカー…いい度胸してんじゃねぇか…。

「…ん、だいき…兄?」
「幸…おはよ」
「…うん」

起き上がる幸はどこか寂しそうで辛そうだった。
ベッドの縁へと座り幸を膝へ乗せて抱き締める。

「…だ、いき兄?」
「大丈夫、俺がぜってぇ見つける。幸の傷も癒す」
「…ふぇっ……だ、いき兄ぃ…」
「いいよ、泣いて…」

背中をさすりながら幸を抱き締める。
…俺の可愛い弟に手を出すやつはぜってぇ許さねぇ。

「…だいき兄ぃ…っ」
「ん?どうした?」
「…も、平気」
「そうか?」

俺はもうちょっとこうしてたいけど……。

「うん、ありがと…だーいすき」

フニャ、とした笑みでお礼を言われそのあとに続くさらに可愛い言葉。

「幸…いつか俺、幸のこと襲うかも…」
「ふぇ?」
「…何でもない」

チュッ、と頬にキスをして額にもキスをする。
幸はくすぐったい、と微笑み言う。

「だいき兄、好き…だから、これから守ってね?」
「…っ、ったりめーだろ!バカ…」

上目遣いで言ってくる幸にズギャン!となったも仕方ない。
だって、幸が可愛すぎるから。

ずっと守る。一生守り続けるよ。

7涼幸°:2014/06/19(木) 21:53:27 ID:r81ypI8w
チュンチュン…。
ピーンポーン…。

ある日の休日9時頃に家のチャイムが鳴った。

「……ん?だぁれ?」

チャイムで目が覚めた幸男は目を擦りながら玄関へ向かう。

ガチャ…。

「おっはよー!!大ちゃん!……って…ええぇっ!?」
「……っ!!ひっ…うっ…」
「えっ!ちょっ、まっ…どーしよ!」

目の前には桃色の髪をした少女。桃井さつきがいた。
桃井は大輝の友人である。
元々女子の苦手な幸男にはどうすればいいか分からず泣き出してしまう。

「ちょ!泣かないで?ね?」
「ひぅっ…うっ、うぇっ…」
「どーしよ!大ちゃーんっ!!」
「……うっせぇな…ってさつき!…幸!?」
「うっ…だ、いき兄ぃ…」

さつきの大きな声に目が覚めた大輝は玄関へ行く。そこには見知った顔の友人と泣いている大好きな弟。
駆け寄って幸男を抱き締める。

「どうした?大丈夫か?」
「大ちゃんが優しい!あ!もしかして、その子が弟くん?」
「あぁ、ま…とりあえず上がれよ」
「お邪魔しまーす!」

ポンポン、と背中を叩き幸男をあやす友人に驚く声をあげつつも上がるさつき。

「ひっ…うっ、だいき兄ぃ…」
「大丈夫、大丈夫…な?」
「…ぐずっ、ん…」

チュッ、と額にキスすればなんとか泣き止む幸男に安心する兄。
そして、そんな兄弟の姿に微笑むさつき。

8涼幸°:2014/06/19(木) 22:12:53 ID:r81ypI8w
「で、何しに来たんだよ…」
「えっとね、おばさんから伝言あずかってさ」
「伝言?」
「今日、二人しかいないからご飯作りに行ってって!」
「……あー…そう」
「だから、ご飯作りに来たんだ」
「いいよ、作らなくて…」
「え?どうして…?」
「お前の料理、殺人料理になんだろーが!」
「えぇー!そう?」

ガンッ!とショックを受けるより自覚していない友人に呆れてため息を漏らす。

「…だいき兄…抱っこ…」
「ん?あぁ、おら、おいで」
「…ん」

大輝の後ろに隠れてた幸男が言った。ノロノロ、と大輝の前へ行き向い合わせで抱きつく。

「可愛い…幸、こっち向け」
「…ん?…わっ」

上を向いた幸男に頬をくっつけグリグリとする。

「なんだよ、くすぐったいよぉ…」
「んー?幸は笑顔が一番可愛いよ」
「可愛く…ないよ、だいき兄はずっとカッコいい」

目の前の光景に桃井の中で何かに目覚めそうだった。

「だ、大ちゃん」
「あ?」
「幸男くんちょうだい!!」
「ハァ!?やだよ!!」
「何この天使!超可愛い!!!」

目をキラキラさせながら幸男に近づく桃井にまた瞳に涙がたまる幸男。
そんな弟の様子に気づいて立ち上がる。

「幸、桃井に近づいちゃダメだぞ?」
「へ?あ…う、うん??」
「大ちゃん酷い!!」
「お前に近づけたら幸の命があぶねぇよ!」
「これでも大ちゃんの彼女なのに!!」
「……え?」

ふざけて言ったさつきの一言に幸男が固まる。

「…幸?」
「…だ、だいき兄……かのじょいたの?」
「い、いや?いねぇよ……?」
「…桃井さんが…だいき兄のかのじょって……」

ふぇぇん、と泣き出す弟に慌てるもジロッ!と桃井を睨む。
そんな桃井は慌ててキッチンへ行く。

「幸、彼女なんていねぇから…」
「…ほんと?」
「幸しか好きじゃないよ…」

そう言ってチュッと頬にキスをする兄。そんな兄に幸男もチュッ…と兄の頬にキスをする。

「…絶対かのじょつくらないでね?」
「……うん」

ぎゅぅっ!と抱き締めてくる弟にデレデレの兄にキッチンで隠し撮りをしてる桃井。

今日も青峰家の兄弟は安定のブラコン発揮してます。

9涼幸°:2014/06/21(土) 18:30:28 ID:r81ypI8w
「だいき兄!」
「あ?幸か、触んなよ」
「…え?」
「触んなっつたの?聞こえねぇの?」

グイッ、と幸男の髪を引っ張る大輝。
痛みに顔を歪めるもやめない大輝に幸男は恐怖でいっぱいの顔をする。

(こんなの…だいき兄じゃない…!)

「ひっ…!」
「俺に話しかけんな、俺に触んな、いいな?」
「ひっ…!わ、わかっ…た……」
「あ、ついでに俺、お前のこと弟として見てないから」
「…っ!!」

冷たい目でそう言い去っていく大輝。

「うっ…な、で…」

その場に座り込んで泣いてしまう幸男。


「…き!!………ろ!!…幸!起きろ!」
「…んっ…ふぇ?」
「大丈夫か?汗すごいし、泣いてるし…心臓の動き速いし…」
「…だ、いき…兄?」
「ん?…わ、何だよ…」
「うっ…うぇ…っ……」
「…よしよし…大丈夫」

目を開ければそこにはいつもの優しい表情をしてる兄がいた。
抱き締めて背中をさすってくれる優しい兄が。

「夢を、見たの…」
「夢?」
「だいき兄が、俺に触るなとか…弟として見てない…とかっ…」
「…はぁ?」

グズグズ、と泣いてる幸男に戸惑う大輝。
ためいきをついてギュゥッと抱き締める。

「…幸、大好き…俺が幸に触れるなって言ったぁ?幸に触れられたり触れれなかったら死んじゃうぜ?俺」
「……え」
「弟として見てない?幸のことは大好きだし、ちょー可愛い弟として見てるって」
「…恥ずかしいよぉ…」

そう言いつつもスリ、と顔を擦り付ける。

「…ありがと…」
「おう」
「だいき兄だーーいすきっ!!」
「俺も、幸大好き」

そう言い抱き締め愛また眠りにつくプラコン兄弟。
兄はいつかきっと弟に対する感情が恋愛になるであろう……。←

10涼幸°:2014/06/22(日) 12:18:35 ID:r81ypI8w
「ただーいまー…」
「あ!だいき兄だ!お帰りー!!」

ドタドタ、と走って兄を迎えるのは弟の幸男だ。

「ただいまー…って、誰か来てるのか?」
「あ、うん紫原くんが来てる」
「…紫原?」
「うん」

それにしても、靴は小さい……。

「とりあえず、挨拶すっか…」
「うん、紫原くーん!」
「…ん?どうした?あ、お邪魔してます」
「……あー!紫原の弟!?」

そう、遊びに来てたのは紫原敦の弟の紫原康だった。

「紫原康です」
「…こう?」
「はい?」
「にしても、似てねぇな」
「あのね!紫原くん、今日お泊まりなの!」
「へー、紫原の喧嘩したか?」
「いえ?ただ、幸男くんが好きだから来ただけです」

……好きだから?ってどういうことだ?
友達として好きってことだよな?

「もー、断ったじゃんよー俺はだいき兄ひとすじなの」
「振り向かせれればいいだけじゃん?」

あ、恋愛感情としてだった。

「…はぁ…もーいいや、とりあえずゆっくりしてってな」
「はい、ありがとうございます」

ピーンポーン…。
家のチャイムが鳴った。誰だろう?

「はぁい?」
「…あー、幸ちんだー」
「あわわっ!!あっ君!どしたの?」
「康がいなかったからさー」
「康くん?康くんいるよ?」
「マジで?」
「康くん、今日お泊まりだよ」
「えっ!?聞いてないよ?」
「兄貴に言っても意味ねぇじゃん」

来たのは大きな妖精。紫原敦だった。

11涼幸°:2014/06/27(金) 20:16:41 ID:r81ypI8w
「あっ君、康くんが心配だったんだよねー」
「はぁ?そんなわけねーし」
「えー、違うの?」
「兄貴に心配されても嬉しくねぇし」
「あー、分かる分かる」
「えっ!?幸!?」
「うそうそ、だいき兄にされるなら何でも嬉しいよ」

そう言って幸男は大輝の方へと行き抱きつく。
そうすれば大輝が喜ぶことを幸男は知っているのだ。

「…だいき兄?わわっ!」
「もー、ビックリした」
「ごめんごめん」

ギュゥッ!と抱き締め合う青峰兄弟と違い睨み合っている紫原兄弟。
何故こうも兄弟として違うのか。
青峰兄弟が正常なのか…。紫原が正常なのか……。

「だいき兄、だーいすきっ!」
「幸男くん、可愛い……」
「幸ちん、天使ー」
「え?ひぎゃっ!!」

皆して幸男に飛び付く。

「うわぁぁぁっ!!」
「テメーら飛び付くなぁぁっ!!」

一番したになった大輝は幸男を抱き締めたまま叫ぶ。

「幸ちんが」
「幸男くんが」

「「可愛いのがいけないっしょ?」」
「声合わせて言うな!!」
「えー、可愛くないよー?」
「「「いや、可愛いから」」」
「えっ…」
「幸男くんのためなら何でもするよ…」
「幸ちんのためならお菓子あげるー」
「幸男のためなら何事も全力で取り組むし、何でもやるし」

「…皆、俺のこと好きすぎでしょー」

なんて冗談は皆に通じるわけがない。

「「「当たり前でしょ!」」」

そう言って今日も幸男くんは愛されてるのです。

12涼幸°:2014/07/08(火) 07:15:24 ID:r81ypI8w
「………」
「………」

ここはファミレス。今は緑間と青峰がにらみあっている。
そして、青峰の腕の中には苺パフェを食べている。

「何でだよ!」
「だから、一日だけでいいと言っているだろう?」
「だから!何でだよ!理由を言え!」
「お前…昨日がなんの日か知らないのか?」
「七夕だろ?昨日は幸と一緒にちらし寿司食ったし、短冊にも願い事書いたし、一緒に寝たし」
「そんなことは聞いてないのだよ!!」

そう、昨日は七夕。つまり、緑間の誕生日なのだ。
だから、一日だけ一緒にいたいと言うことなのだが……。

「七夕以外に何かあったかぁ?」
「…しんくんの誕生日とか?」
「…っ!」
「あぁー、そういえばそうだったなぁ、おめでとさん」

なんと、青峰は忘れていた。しかし、勘がいい幸男は言い当てた。
だが、青峰に祝ってもらいたい訳ではない。幸男に祝ってもらいたいのだ。

「…ん?わっ!」
「幸……」
「…わかった!」

そう言えばテテテ、と走ってどこかへ行ってしまった幸男。その背中を見送る緑間。

「いいのか?」
「おう、誘拐されてもすぐ見つけれるからさ」
「そうか……」

そう言って青峰と緑間は黙って幸男を待った。



「真くん!真くん!」
「お、おけーりー」
「ただいま!だいき兄!」
「よしよし、ちゃんと買えたな…えらいえらい」
「えへへっ…」

そして、幸男はとあるものを緑間に渡す。

「真くん!ハッピーバースデー!」
「……!!お、おしるこ?」
「好きでしょ?真くん。一日遅れちゃったけど、おめでとう」

そう言って、緑間の頬にチュッとキスをする。

「…!!」
「おい!幸!んなことしろだなんて言ってねぇぞ!」
「だって、おれが今考えたもんっ…わわっ!」
「ありがとうなのだよ……」
「どーいたしましてなのだよ!」
「…ちっ」

嬉しくて嬉しくて言い足りないが緑間は最高の誕生日になった…と思った。

『だいき兄!』
『あ”?…』
『……怒んないでよ…だいき兄にしかココにチューしないもん』
『……幸、愛してる、可愛い…天使』

13涼幸°:2014/07/11(金) 00:26:06 ID:r81ypI8w
ゴー…ゴー…。

外からは激しい風の音。
そんな中、幸男は布団にくるまってビクビクしていた。風の音が怖いのだ。

(だいき兄のとこ…行きたいけど……)

時刻は夜中の2時を指そうとしていた。
そう、今は台風が接近してきている。
雨はパラパラと降ったりザーザーと降ったりなのだが、風だけはどうしてもやまない。

と、ドアの向こうからドアが開く音が。
2階建てのこの家の2階は幸男と兄の大輝の部屋しかない。あとは、奥にトイレがあるだけだ。
だから、部屋から出たのは大輝なわけで…。

ジャー…バタン…。

トイレから出たのか足音が近づいてくる。このチャンスを逃したらきっとないだろう。
幸男はそーっと布団から出てドアを少し開ける。

「……だ、たいき……兄ぃ……」
「…ん…?幸…?どうした…」
「い…一緒に……寝ていい?」
「怖いのか?ほら、来いよ」

部屋に入る直前で大輝を呼ぶのに成功した幸男。
無事一緒に寝ていいことになった。
部屋から出て大輝に抱きつく。

「……風スゲーなぁ…」
「…うん、怖い」
「大丈夫、俺が守ってやっから」

ギュッと抱きつきあいながら寝た青峰兄弟。

14涼幸°:2014/07/29(火) 14:56:24 ID:HottoeqM
「幸くーん!ハッピーバースデーッ!!」

今日は青峰家の次男。青峰幸男の誕生日。
だから、赤司家でパーティが開かれている。

「幸男くん!その服装可愛いっ!さっすが大ちゃんの弟くん!」
「青峰の弟なのに、兄の方は何故こんなんなのだよ」
「こんなって何だよ!」
「まんまの意味なのだよ」

ギャーギャーと青峰と緑間が言い合う。

「幸男、肉じゃが食べるかい?」
「うんっ!!食べるっ!」
「幸ちーん、お菓子食べるー?」
「飴食べたい!」
「はい、どーぞ」
「ありがとっ!」

赤司に肉じゃがを取ってもらい、紫原に飴をもらう。

「幸男くん、ケーキ食べる?作ってきたの!」
「えっ、あっ…えっと…うっ…」
「…!幸っ!」

泣きそうになる幸男の元へ緑間と喧嘩してた青峰が走ってくる。

「さつき!お前の料理を幸に食わせんな!」
「何よっ!!ほら見てよこれ!」

パカッと開けた箱には綺麗なショートケーキがあった。

「…さつきにしては上出来じゃないか」
「でっしょー!」
「でもさー、見た目がよくても味がダメじゃん、いつも」
「「「「あー…確かにそうだな(っスね/なのだよ)」」」」

紫原の発言に赤司と黄瀬と緑間と青峰が同意した。

「けど、今回はちゃんと出来てるかもしれませんよ」
「んなに言うならテツ食ってみろよ」
「いや、僕はお腹いっぱいですので」
「でも、食べても死んだりしないでしょ?」
「幸、さつきの料理は食べるなって言ったよな?」
「そーだけど……」

ブー…と頬をふくらます幸男。
そこにいた皆がズギュンッ!となった。

「…でも、誕生日に苦しみを味わいたくないだろ?」
「そうだけど……」
「幸ちん、だめ、絶対」
「…皆がそこまで言うなら…」
((((ホッ…))))
「も、も…桃井さん……ご、めんね?」
「…!いいの!気にしないで!」

そう言って幸男の命は助かった。

15涼幸°:2014/08/30(土) 16:57:13 ID:qE2LFqwM
「よしっ、こんなもんか」
「…?だいき兄、どっか行くの?」

夏休みに入って桐皇学園は合宿を行うことになった。

「合宿に行くんだよ、4泊5日」
「4日もいないの……?」
「まぁ…そーだけど……」
「俺も行く…っ」
「は?」

ギュッ、と抱きつきボソッ、と言う幸男。

「だいき兄と一緒に行く…!」
「いや、ダメだろ」
「…翔一に聞いた?」
「……ハァ…わーったよ、聞いてみる」
「うん!!」

携帯の電話帳を開き今吉に電話をかける大輝。

『なんや、めずらしいやないの』
「あー…ちょっとユキに代わるわ」
『?』

携帯を幸男に渡して自分で言ってみ、と勧める大輝。

「も、もしもし」
『ゆきちゃんやないの、どうしたんや?』
「合宿行っていい?」
『ん?』
「合宿…だいき兄と…一緒に…」

だんだん不安になり幸男の目には自然と涙が…。

『あー!泣かんとき!!一緒に行っていいか?まぁ…いいんとちゃう?』
「ほんとに?」
『ゆきちゃんにワシも会いたいし』
「ありがと!翔一!」
『相変わらず呼び捨てかいな…』

そんな会話をしていると幸男の耳に当たってた携帯がフ、となくなった。

「んじゃ、また合宿んときに」
『ちょ、青峰…』

プッ、と通話を終わらせた。

「ユキ、支度しろよ?明日からだから」
「うん!」

大輝のベッドの上から降りて自分の部屋へ走ってく幸男。

「…合宿か…ユキがくんなら真面目にやるかな」

そんなことを呟いて幸男の支度を手伝いに行った大輝。

16涼幸°:2014/09/05(金) 00:15:29 ID:qE2LFqwM
〜合宿1日目〜

「……」
「はわわわわわっ!!」
「青峰ぇっ!!」

「あンだよ?」
「はい…?」

宿泊所へ向かうため学校へ集まった桐皇学園のバスケ部員。
桜井と桃井は頬を染めており、今吉は笑顔で、若松は大輝を呼んだ。
が、青峰は大輝と幸男がいるので二人で返事をしてしまった。

「…は?」
「若松ー、青峰の弟やで?」
「おと…弟?!コイツに!?」
「そうやて言うとるやないの」
「青峰、幸男です……」

ペコリ、とお辞儀をして言うも若松の声の大きさに少しビビッてる幸男。

「ん、ユキおいで」
「うん…」
「キャーッ!!」

しゃがんで幸男を呼ぶ大輝。
幸男が後ろを向いた瞬間桃井が悲鳴をあげた。

「なんや!どうした!桃井!」
「ぺ、ペンギンさんのリュックッ!!幸男くん可愛いっ!!」

今吉と若松はズコッ、とこけ桜井はなぜか謝っていた。

「ほな、監督はまだ来ないみたいやし先行くか」
「だいき兄ぃ…監督さんって怖い?」
「ん?いや、わかめだ。安心しろ」
「わかめ?」
「そ、まぁ、見れば分かるよ。とりあえずバスに乗ろうな?」

幸男と手を繋いでバスに乗り込む大輝。

「青峰もお兄ちゃんなんやなぁ…」
「あいつ、幸男くんがいるから真面目にやるだけだろ」
「まぁ、いいじゃないですか。たまには」
「あ?」
「ひっ!すいません!!偉そうにしてすいませんっ!!」

ゾロゾロ、とバスに乗り込んで行く。

「だいき兄!がっしゅく、楽しみだね!」


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