【攘夷でしょでしょ】私説・日本開国譚【ヤレヤレ開化】その６
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／::::::::::::::: ..:::::::::::::::i､::::::::::::::::::::'､':,. ／ ヽ 前スレの埋めネタを作ろうとしていた＞１は、
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i ...::::::|'､ヽ;::::::::::::::|,!:!__ﾘ,,'iヽ::l''､:'､ / / 30レスに満たない作品に手間取っているうち
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l:::::::::::::::i',i ':i ,メ､ ＼;:l 'ﾞ `､ !::::/l ...::::::/｀`ヽ 残レス数が残り僅か！
l::ヽ:::::ヽ:i,レ',.ﾞ-‐'''' ',/'/..::::::::::/ l'ヽ;､
i:::::>､:ヾ,' / _,.. -‐'ヾi ,ﾚ'::::::::::;r':.. / i_＼
i:::i. `'‐,ゝ i" '! ,.‐''" :::::::::::iﾞ::::::::...／. ﾉ 'i 慌てて別の埋めネタをデッチあげたんだってさーｗ
!::＼ `ヽ ':, l{ ..:::::／::L,. ‐'":::::;／ !
l::::::::`''‐r＼ ヽ.,＿_,.ノィ'‐-‐''"'ｫ‐--,ﾞ弋''''"::::::;.ノ
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i:::::/ i:::ハヽ｀''‐､／l＿_＼,| ／ ヽ--､,.ﾆ=‐--‐'"
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,／::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ だから近日、元埋めネタを完成させて、最初に投下する予定
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/:::::::::::::::::;:::::∧:::::::ﾄ､:::i､::::::i:::`､ 何気に前スレとおなじ流れ。様式美化の悪寒・・・
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し' '､`´ヽ,
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注意点（更新）
その１．鬱ネタです。R18表現は原則として使いませんが題材の関係上、暴力的・性的・差別的な表現が含まれます
特定の政治・宗教・人種および団体に故意に加担や中傷誹謗の意図はありませんが、それらに関する議論
を呼びやすいと思います。苦手な方は読まずにそっとスレを閉じてください
その２．過度のネタバレや、ヒートアップした煽りや荒らしはお控えください
前スレ
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/15956/1451624975/l50
４スレ目
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12973/1428252538/l50
３スレ目
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12973/1383056844/l50
２スレ目
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12973/1367717580/l50
１スレ目
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12973/1348143321/l50
＞１の前作（完結）
アヘン戦争とは何だったのか １
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/otaku/12973/1288505205/-100
アヘン戦争とは何だったのか ２
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/otaku/12973/1289978794/-100
アヘン戦争とは何だったのか ３
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/otaku/12973/1306059804/-100
| : l l: :. l
| ,. -┴┴- ､ﾉ
| . '´ ＼
ﾚ'´ .i:{ 神 ＼ヽ ＼ 前スレ 埋めネタの補足です
〃 .:从 : 从 :}: ヽ
// . : :/ ＿ヽ } . : ,Lﾚｲ : : l
/ : :/´ _,_,｀メ､: :./,_,ﾚﾊ : : } 足立教授は、近代化の阻害につながる中国専制社会の
〃 ヽ . : | 行｡ V行.｡V : : :}
.′ : :＼ :| ヽ りｿ ﾋｿﾉﾉ レ^ヽ 弊害を自己発見した中国の英知として、顧炎武（1613-1682）
l | : :い ￣ ＿ ￣ ﾊ }
l | : :Ⅵ ヽ_ノ . ｲノ / という明末清初の儒学者と、当スレでもご紹介した清末民初の
l |＼ :{: : :｀ﾌ ー一 ＜ > ⌒ V
ヽl ｀ー一 ｀¨´ヽ: ﾊ __ ノ/ ヽ ジャーナリスト兼政治家・梁啓超（1873-1929）を重視しています
/⌒介⌒V }
} L} 「￣￣｀ヽﾉ
∧__ﾉ `ーl : ．./ ヽ
/ ﾊ l ｃ ： / }
/ / } ﾉ ．： / /`ヽ ＿＿
/ / ﾚ'´：： ./ / ﾊ ．∴｀ヽ
/ ﾉ /．：．･/ ＿__ノ ノﾉﾊ ：∵： ＼
_,. -ヘ
＿ _. -≠彡-‐'⌒l |
{┌-ミ_=- ､＿ ／ ／￣ こ._ l !
. l:{ 乙 ＞-…｀ｰ∟〈 ＝ !|
|! て／ i「 '／ ｀丶. 乙 ｌ!
！ / |i 〃 ﾞ: _ご /
＼! 神 ＿ 厶 ﾞ: / 津田左右吉と顧炎武、こんど図書館で探してみようかなと、>1は思案中・・・
|ﾐl弋{ |＼ノWｲ彡'′|! ∧
トlト入_ｨ丿f云ヽ_|′ |l ／V∧ ともあれ今日は、ここまで
|!ﾊfﾘ } ﾋリ ﾉ | ﾉﾆヽ V∧
l∨ ｰ´ ｀ ´ ノィﾚイ斤,ノ ! ハ
｀'＼ ＿ ／ｰ个ｌ 人 i}
|j＞ ､＿. イ,ノjノ人|ヽ/｝ ｀'
´ 斥`┼y'7入匕_ ∨ ′
/廴こ山三＿〕ｊ｢ヽ
| |￣ | |! |
やはり相容れんな
戦国時代に宣教師達が持ち込んだのは、アメリカの近代化された唯一神ではなくて、教皇一派の手垢の付きまくった中世的四文字。
基本的に、葬式集団に牛耳られていた儒教と大差ない。
そういった宗教組織の影響をシャットアウトして、独立宣言に謳われる様な神が現れる。
教皇のパペット人形と化した神の元では、個人と神の契約は果たされず、絶対性に基づく個人の信仰の自由や、思想の自由は認められず、部分的な発露が圧政に潰されるだけだった。
北米で近代化が進められたのに、南米のカトリック圏じゃ専制政治しか生まれなかった理由を、考えるべきでは。
どちらにせよ、また先進国のキリスト教と、バチカンやスペインのキリスト教を同一視して羊頭狗肉で売りつけに来てるだけだわな。
既得権に狂った儒教もカトリック教会組織も、ノーサンキュー。
考え違いしたのが、絶対君主に祭り上げたりしたけど、ごく一時期の事で、この方法論で一定の近代化はきちんと果たしている。
キリスト教の神を戴きながら、バチカンとの腐れ縁を清算できなかった宗教事情の国々よりは、少なくともはるかにマシだわな。
未だに、議会制も根付かずに法案の一つも通らないのだから。
宣教師が持ち込もうとして神は、近代思想に繋がる神ではなく、教会組織に組み込まれて、バチカンの財布に繋がる神さまだから。
カトリック教会組織の影響力を削ぐ事なくして、西洋の近代化は果たせなかったからだよ。
作者さんは、キリスト教や西洋というものを、酷く単一的かつ同質のものと考えすぎる。
近代化に高いレベルで成功した国など、同じ神を戴いても僅かだよ。
それが全てと勘違いしてないかな。
西欧の複雑な地形や、宗教の分派が刷新を可能として近代化を果たした。
カトリック単独では、儒教のように腐敗と停滞に陥っただろうね。
事実、儒教と同じ轍を踏んで凋落していった。
それに日本を巻き込まない方がいい。
◆これが日本◆
だから、バチカンやスペインの縄張りと違って北米は近代化できた。
それを意図的に混同して、近代化を餌に入信を迫るなら悪質なペテン行為と言われても仕方がない。
教会組織と癒着した、独立宣言の神に宣誓するとか、ありえないでしょ。
近代化した北米の宗教文化と、あくまでも意固地に既得権を維持しようとしたカトリック保守派の宗教文化じゃ全然違うだろうに。
散々、独立宣言的な考え方や、政教分離に反対して邪魔してきたのに、近代化の伝道師を騙るなんて図々しすぎないかな。
結局は、儒教やカトリックのように前近代的な宗教文化を刷新できないので、近現代的な考え方に馴染めない。
定められた身分制度の維持や、宗教組織の優越による統治や生活にしか馴染めないのだろうな。
大航海時代に、自国民の血を大量に流してでも宗教を近代的に刷新して捉え直した国々だけが、近代化に進む宗教文化を手に入れる事ができた。
キリスト教の光とやらを中世的な形で盲信した連中は、21世紀になって落ちぶれきってから、ようやくそれに気づいた。
未だに単にキリスト教だから文明的だろうと、19世紀の感覚でやり続けるだけなら、スペインやポルトガルは永久に一般レベルの近代化など無理だろうね。
相変わらずAAのチョイスには悪意を感じる、そこが感に障って反論したくなるんだよなw
イザナミについては何か「輸入された」神話の疑惑も有るんだよな
後神々の序列から言えば天地開闢からの別天津神・神世七代と続く最後の神で一対の夫婦神
日本創造の際「オノゴロ島におりたち」と有り天地を創った地母神的性格ですらない
前スレ985の「母権社会から父権社会に移行したことの反映」ではない
筆者の日本神話理解へのツッコミはこれくらいにして次の足立啓二の論について
ここの評論は面白いな
専制国家史論は現在絶版中らしいな
だから自分で読んで評論するのが難しい
最後アメリカ
アメリカで宗教対立が起こらなかったのは単に国土が広い＋宗教的権威が上位になかった事だな
国家や宗教組織が、欧州の様に過度に介入してこない宗教の在り方を求めた。
実際、建国初期は、宗教諸派による熾烈な主導権争いがあって、醜い争いを繰り広げたけど、結局はジェファーソンらの手によって公認教会制度は廃止されて自由に選べるようになった。
国家権力や宗教組織と切り離された、今の我々がイメージするような信仰の自由の元に安全を互いに確保しあった信仰形態が生まれるのは、ようやくこのあたりから。
ここに現れた神は、宗教社会学者のロバート・ベラーが述べた、限りなくキリスト教に似ているが、キリスト教の神ではない新しい形態の信仰だった。
過去との連続性を相当に意識しているが、新しい時代の現状や要請も強く反映された際どいバランスの上に成り立っている新しいタイプの国教に近いものだった。
中国の官僚組織に左右される人治国家と大差ない。
行政の正当性や科学の真理が、バチカンの都合に塗れた神学的見解によって決定されるから。
儒教よりましだったのは、神の名の下に、そういった一部の人間組織が真理を決定する体制にノーを突きつけた事。
独立宣言の新たな市民宗教によってキリスト教の近代性を謳い上げるなら、当然、絶対性と真理の間に巣食い続けたバチカン教会組織の廃除をしなければならないだろう。
大航海時代に海外布教で勢力を盛り返して、儒教と同じ特権階級に居座り続けようとしたカトリックの全面的受け入れとは、根本的に反する。
神というのは、司馬遼太郎が言うようにあくまでもフィクションの産物で、そのフィクションを軸に西洋は近代化を果たした。
しかし、軸自体はフィクションなので、それこそ科学的見地や真理に耐えられない。
植物を絶対性に基づいて、科学的に分類を始めたとき、最終的に創造主や聖書も同じ見地に晒され、厳しく裁断される運命にあった。
実際、西洋近代化とキリスト教が不可分というなら近代化の厳しい負担やしせんを、その軸である創造主は受け続けなければならない。
最終的に創造主というフィクションを信じられなくか、盲目的に宗教を信奉するかのどちらかでしかない。
結果、キリスト教は今の現実社会のように著しく衰退するか、原理主義化する。
キリスト教と西洋近代化はは不可分と誇るよりは、カトリックが行き詰まって衰退したように近代化と呪われた連結の為に、必須な伝統的宗教がズタボロに引き裂かれる心配の方が先に立つ。
なので、バチカンカトリックの海外布教も、近代化をもたらす、という論法なのかね。
当時の日本に来ているキリスト教は、新大陸やフランス革命で近代化を果たした、対極にいる宗派や組織なんだか。
宗教文化が国のいく末を決めるというなら、まさにその通りで、彼らの宗教文化は新大陸とは真逆に反近代国家の成立には実に有効だった。
いい加減、過激な残酷描写を駆使したり、異教を叩いたり、別の流れのキリスト教徒の手柄を横取りして、バチカンやスペインをさも近代的と見せかける誤魔化しは止めた方がいいんじゃないか。
前スレでも書いたが、そういう見せかけで誤魔化す論法は、全く近代的な議論の姿勢とは言えない。
>>1でもないのに長文垂れ流す人が住み着いてるのかｗ
じゃないと、宣教師を送り出していた国々が教皇至上主義とか反近代に走った理由が説明できない。
たぶん上手く短くまとめてくれると思うね。
リベラルなキリスト教徒の近代化の動きに反発した保守派キリスト教徒たちは、反近代化路線を突き進み、影響力を与えられる国々も巻き込んで自滅しましたとさ。
イエズス会は、そんな教皇サマに絶対服従の忠犬集団で、日本以外でもよく追い出されている。
宗教改革が始まる前は、ラテン語を読めない民衆は聖書が読めないから、全て教会組織の言う事を盲信しなきゃいけなかったからね。
儒教体制と大差ない盲信関係の世界。
近代化とキリスト教は不可分という時、そういう流れを忌み嫌った反近代的なキリスト教も含まれるのかいな。
教皇至上主義者とか、聖書原理主義者とか。
まさか、キリスト教全てが近代化に向かうなんて超拡大解釈はしないよね？
荒らしだな
儒教文化の酷さを強調して、新大陸の近代化の成功したキリスト教徒と比較して、日本に根付かせようとされている宗派も、同じだなんて錯覚させるような、ペテンじみた手はねw
一向一揆を知ってる世代だったら対応が違ったかもね
バチカンやスペインが本当にやりたいのは、本国と同じ教会組織による支配体制だから。
そういうのを排除するのに、西洋は革命騒ぎや宗教戦争を繰り返し、新大陸まで逃亡してりした。
その上で、時代の流れに適応しようとする意志のあるキリスト教徒だけが、宗教や社会システムを絶対の概念の下に再構築して、近代化を果たした。
バチカンやスペインの宗教や教会システムは、そういったものに反発する立場だったから近代化に失敗した。
日本は最初から健康体だったから開国後にすぐに近代化に追い付けたし、キリスト教という病原菌が入って来ても病に冒されなかった
近代化に失敗した国々が反動的に、そういった方向に突き進んで、またよく自滅している。
アメリカの市民宗教や象徴天皇制みたく、宗教を再調整しつつ、影響力はある程度残すようなバランス感覚のある国々が、やはり上手くやれてる。
キリスト教が近代化の淵源になったの歴史的事実かもしれないが、それでキリスト教全てが近代化したかというと違うし、将来的にも、不可分の関係であるかとも言えない。
近代化した国々では、キリスト教は廃れていってるから。
特に中世的キリスト教世界を維持し続けようとする宗教路線など論外だろう。
例えるなら、日本なら一向宗一揆、欧州ならカトリック
それが出来ないんなら近代化なんて諦めろよと
やってる事だけみたら
徳川は正しい判断してるよ
根絶やし以外方法が無かった
信仰してしまった人は本当に気の毒だけど
治療するには患部だけじゃなく健全な細胞ごと切除する必要がある
中国専制社会が近代化の阻害してるというが何故か宣伝戦だけは日本より中国の方が上手い
コレについての評論はないな
まあ1は前にアヘン戦争スレとかやってるから省いてるんだろうが
ようは近代化しなければ戦争に勝てないって言ってるだけでしょうが！
日本がキリシタンを受け入れていたら明治維新などあり得なかったと思うがなw
宗教に支配されない社会が作れるようになれて近代化
我々が必要とするのは、宗教をパラダイムシフトさせた流れで、宗教や信仰そのものじゃない。
ただ、そういう人間たちでも内村鑑三みたく、教会組織みたいのはいらないって考え方だったからな。
キリスト教なら独立宣言でもカトリック保守派でも何でも同じという作者さんは、明治人より考え方が杜撰じゃないの。
そのタネ本を読み込んでるみたいだけど、自説に都合の悪い箇所とか、他の一般的常識レベルの歴史知識をオミットしてるから、当時のカトリックに改宗すると楽々近代化とか抱腹な意見が飛べ出すんじゃないの。
独立宣言後のキリスト教徒からは学ぶこと事はあっても、バチカンやスペイン人からキリスト教を通して、信仰の自由やら近代化を学ぼうとは思わないな。
一冊の本を読んで分かった気になって、木を見て森を見ずの典型になってないか。
それで余計な宗教内乱やら、イスラムとの宗教戦争に巻き込まれるぐらいなら、今のままで充分。
理由が作者さんの、キリスト教徒じゃないから真の近代化じゃないとか、あやふやな印象論だけじゃな。
それなりの技術立国で近代システムが根付いてうるなら、それてわ問題ないじゃないの。
カトリックに改宗したところで、韓国やら南米は科学力が優れたり、近代政治がキチンと根付いたりしたの？
だいたいご本人だって、浮世のしがらみか改宗しないで仏教徒のままなのに、近代化は理解したと豪語してるんでしょ。
そうやって、キリスト教と近代化に関する書物を読んで理解すれば済む話じゃないのw
自分が改宗もしないのに、他人に無理に薦めるもんじゃないよ。
昨日読んだけど当時の中国と現在の中国も
全然変わって無いじゃん
イギリス視点のアヘン戦争みると経緯は
話し合いしてみたら交渉者全員激怒して征韓論に傾いた
明治政府の対朝交渉とおんなじなんだね
やっぱ野蛮人とか交渉無理なんやなぁ・・
スペインなど中国と同じレベルで21世紀まで、まとも近代化しろと世界に怒られ続けた。
だいたい、貿易で不均衡が起こったからってアヘンなんぞ売るのは外道の所業に変わりないわな。
キチンと生糸や俵物などの輸出品開発をして、貿易問題を解決した日本を見習うべきじゃない。
法的にはどうあれ、アヘン売りつけておいて、トラブったから戦争とかどうなんだと、イギリス議会でも戦争に義がないとして否決した議員も多く、かなり拮抗した上での可決だったから。
ほんの僅差で開戦可決に至ったのは、イギリス人自身が認めた後ろめたさの表れだろう。
近代法を振りかざして、相手の粗から自己正当化ばかりしても、そんな国が本当に文明国の名に値するかね。
その原因がかくも不正な戦争、かくも永続的に不名誉となる戦争を、私はかつて知らないし、読んだこともない。
今私と意見を異にする紳士は、広東において栄光に満ちて翻った英国旗について言及された。
だが、その旗こそは、悪名高い禁制品の密輸を保護するために翻ったのである。
確かに中国人には愚かな大言壮語と高慢の癖があり、しかも、それは度をこしています。
しかし、正義は中国人の側にあるのです。
異教徒で半文明的な野蛮人たる中国人の側に正義があり、
他方のわが啓蒙され文明的なクリスチャン側は、正義にも信仰にももとる目的を遂行しようとしているのであります。
華夷秩序と近代貿易のルールの正しさの戦いなど、とても言えんでしょ。
清国は専制ルールを振りかざして、イギリスは経済のための自己正当化に走っただけだから。
文明国を任じるキリスト教徒なら、法的にもモラル的にも清国の野蛮を非難しつつ、法治国たる自国の欺瞞に言及するのは故なしとは言えないだろうね。
彼らは野蛮、不正と相手国を非難しつつも、同じような自分たちの不正は正当化する。
二枚舌と揶揄されるのは、故なしではないよ。
信仰の自由を相手国に押し付けながらも、自国ではカトリックやユダヤ人などの異端、異教徒を迫害し続けた。
前首相のブレア氏も、在任中はカトリックに改宗できなかった。
謳っている綺麗事はともかく、現実はともかく世知辛いよな。
で「仲間」にするとしたら中国と英国どっち選ぶよ？ｗ
で「仲間」にするなら中国と英国どっち選ぶ？ｗｗ
真面目に生糸や俵物などの輸出品開発をして貿易黒字にした新井白石さん一択でしょw
不法入国した宣教師にも優しかったしね。
次点で清国をズタボロにけなしつつ、自国のアレさ加減を指摘したグラッドストンオジさんかな。
清国のDQN役人に不法投棄されたからって密輸品のアヘンの末端価格にブチキレて仕掛けた戦争だよなあ。
わずか9票差で戦争にもつれ込んだグダグダなイギリスの内情を見ると、どっちもモラルが著しく欠如して低レベルな争いをしてるとしか。
つーか、モロにアヘン密輸入や開戦を促進してたイギリス議員たちが用いた正当化そのもの。
中華貿易が打破されたのは結果論に過ぎないし、本音はインドの植民地経営のためにアヘンを売りさばく必要がどうしてもあっただけで。
70年代や80年代の本を読んでも、すでに作者さんが述べたような正当化論には言及してあって、単なる後付けの言い訳に過ぎないねと喝破されてる。
禁教時代にバチカンやスペイン相手に、現代の信仰の自由を持ちたすとか、自説に優位になるように近代思想を都合よく持ち出してるだけだわな。
今回の独立宣言も同じで、その宗教と近代化の関係がバチカンやスペインなどの当時の宣教師に通づるかは、はなから都合よくオミットしてるわなw
今回のタネ本を読んで、ご理解されたのなら、我々も同じように本で済ませたいよね。
明治の福沢諭吉なども、キリスト教と近代化の関係に言及して、だいたい同じような事を言ってるけど、改宗はしてなくて本で理解して口だからなあ。
1
元埋めネタ：キリシタン事始め
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文献史料で確認できる最初のキリシタンは、パウロ・ヤジロウ（以下、弥次郎）という・・・
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パウロ・ヤジロウ（1511? - 1550?）
（演者：ちよ父 ＠あずまんが大王）
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かれこそは、かのフランシスコ・ザビエルをして日本布教を決意せしめたキーパーソンなのだが・・・
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/:::::::::::::::r'⌒ヾ:{
}:::::f｀ヾr' } ､__}
ソ ゝ_¨ ヽ ﾏ八
ﾘ⌒｀ヽ ｒ_〉
-ー＜￣ ミｰ ´ > いざ、日本へ・・・
＿,ィ´ ､ ミ､ ￣｀ヽ
ﾉ | ＼＿
ハ ヽ ! イ{
_)⌒ヽ } j! ＿ / ﾊ
/ヽ } / j! ヽ ト､ / ､ ハ
/´ ﾊ ハ ＼ ､ ヽ ｒ'ー､ メ､
ﾉ ー､ } / ﾊ ヾ､ Yハ ィ}
/⌒ヽ ／{! ', ＼ ヾ{ ヽ' ／ ｀ヽ
ｊ Y′ V ､ } У ',
/ ｊ ヽ ､ j }. j}
__ { ,′ }､ ＿＞ｒｫ＝ニﾆ｢ト､ノ ヽ {
[ﾑ ; / ｀ゝニﾆ└'ニニニニﾆ{ ', |!
ﾏﾑ i { /ニニニニニニニニﾑ ﾉ 八
ﾏﾑｊ { ｢´ニニニィニニニニﾆ} ｒ' _､＿ ）ー― ､
..-┘:ゝｒ'ハ !ニニニﾆ7ニニニニニ {_八_）-｢7 /７ [7 }
/´::::::::/｀ヽ≧〈 ニニニニ}ニニニニﾆｲ イ￣ ７ ﾉ/ ￣＿ノ
/::::::::::/ 聖.... ミヽ ニニニニｊKニニニノ｣ ＿ノ ｊ ノ /イノｚｚ｢¨
. /::::::::::└ミ. 書 ｀ｊ ニニニﾆﾊニニニニ7 /ｒ-ｒァ￣ ７￣￣7｀ヽ_
. {￣￣:≧:ｭ､:マ .... / ﾏニニﾆ]ニニニﾆﾆ｣ ￣マ＿ / / ド㍉ｭ｡､
｀ マ:::::::::::::::::::ヾ､/ ニニニ]ニニニニ7 ￣｀マ＿≧＿/ ╋｀~㍉ｭ｡､
｀ ー― '´ ニニﾆ]ニニニニ′ ｀~㍉y､ ｀~㍉ｭ｡､
}ニニﾆｊニニニﾆ ｀~㍉ｭ｡､ ｀~㍉
フランシスコ・ザビエル（1506-1552）
（演者：ハワード・フィリップス・ラヴクラフト ＠クトゥルフ神話）
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ほかの多くのキリシタンとおなじく、彼にもまた日本側史料において特定できる人物の記録が、無い
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: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :._ -=≦三三三ﾊ ¨ ヽ:.:.
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ィ升三三三三三三! .／:.:.
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ／ 仁三三三三三三/ ／: : : :.
: : _ ------ ､- ._: : : : : : : : : : : : :.／ {三三三三三三 / ´: : : : : :.
≦三三三三三心 ¨ 、: : : : : : : : :｀ ._匁三三ﾆ=-…' ´: : : : : : : :.:.:
三三三三三三三ﾊ ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.
三三三三三三三ヲ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:
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なによりザビエルを日本に連れてきたのが彼の唯一の歴史的意義で、その後の活動がどうにも精彩を欠くのである
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まずかれは、期待されていた通訳・教師としての適性に限界があった。頭は良く、西欧学問の優等生ではあったが
日本では学のない一般人にすぎず、デウスを「大日」と語訳するなどして、ザビエルの宣教の出鼻をくじかせた
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HAHAHA
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:::::::| ＜●＞ ＜●＞ |:::::::::＜ 日本人に伝わるよう努めた結果・・・仏教用語を使いまくってしまった
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:::::| ヽフ |:::::ﾉ ﾉ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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r;ニニニニﾆﾆﾆﾆヽ
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|--ｰ'､-r┬ｧ;T'j''┬t┬i 「パウロは無学で、彼の書いたものは語訳だらけ。日本の
. | ｌ ｌﾚ ノ ヽノ ｀ヽヽ.}
| ｌ ｌ ● ● ｌ ｌ ｌ 知識人が笑わずには読めないほど下手であった」
| ｌ ｌ⊂⊃ ⊂ｌ ｌ ｌ
| ｌ .ト ｰｰ ﾉｌ ｌ ｌ
| ｌ ｌ . |> l_￣/'/￣/￣/ （1601年刊 トゥルセリニ著「ザビエル伝」）
. | ｌ ｌヽ / ￣ ) / と)
| ﾘ:::::::|_}--j-イ__/＿/ノ
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ただし公平に言ってザビエルも弥次郎も「宣教師が日本語に習熟するまでの、やむを得ぬ代打役」と割り切ってはいた
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5
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ザビエルが鹿児島を発ち、平戸へ出航した1550年8月───弥次郎は離脱し、故郷の鹿児島に留まったのである
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, ｰ'"´ ￣￣ﾞゝ
／ l
..／゛ ｌ
／ﾞﾞﾞ'i .ゝ ＼,,,,..,,／￣ﾞ'-、
平戸 ,,、ﾞ''､ ｀゛｀^'ｰ- -､ ,,,,,,,／ /
● ｀'l" / / _／
.＼ ＼ ./ | 〈､
.,,,,,.ﾞ'､ !、 .ｒ'"^.ｌ. .,,,､ ,,,,,,,,! ., ､、 .｀ﾞﾞﾞﾞ´./
.! ｀'ｯヽ ｀ｰ,,ゝ l-'"゛ ｀''" ｀ｉ ゝ-､
＼ ゝゞ l,ﾞ,,,,、 .ｌ、 ヽ /
ﾞ'､ _,..､ | .ヽ, ,／'-､,,、 .,. _ゝ
!._..-'´ / / ／ ,./ .｀^^゛ ./
ﾞ'ィ" l,ﾞ ､ / . /
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lﾞﾞ'" .| ,ﾉ
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ヽ .__. | .
| ./ `'i ｀''-、 ,ﾉ
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/'''" ..ｌ . ! ..... / /
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ｨ′.. ／
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ﾍ ,ﾍ
/ ヽ, ::.
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″<●> <●>::. まあ、地元に家業と家族がいる身だし・・・
｜ ::::.
｜ フ :::::::::. 仏門との緊張関係が強まる中で、地元の信者を託されているしな……
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そしてそれ以降、かれの消息は曖昧となり、歴史の闇に埋もれる───
ルイス・フロイス「日本史」は「棄教したかどうかは不明だがキリシタン活動から離れ、中国で倭寇として戦死」とある
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と,-‐ ´￣: ::::::::::::::::::::::::::::::/ /:::::::::::r(:::::::::`'::::::::::::::::::::::く
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|i::::!:::::::i::::::::::i:li 人 : : 八/|＞ヽ{＜＼厂 仏敵退散！
li !:::ｉｌ::::::::i::::::i::::ｉ|{: : :＼: : }人 f⌒ヽｨ∠}}／} 退散退散、さっさと退散、しばくぞ！
j| iｌ:::ｉ|::::::::l::::::l::::::lｉ＼r‐-ヽ{ ∠ｽ夭K__::ｭｭ:／
jl j|:::ｌ|i::::::::::::::li::::::|ｊﾙ从｣L..{fう}｝廴トイ_/
i|iﾉL｣|li::::::::::::::::::::::::::::::::.:.: ／┘ヽJ｢_７
!f⌒Ｙヾ:::::::::::::::::::::::::.: ／ ﾋ7
|i!::::::｝ }:::::::::::::::::::::::::≠´
{廴::ﾉ厶ニ=-一 ' ´
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￣∠／￣￣ モウダメポ。寧波に逃げよう・・・
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,.'.,.~､,＾,v＾ｗ､,＾､!ヽｗヽ
/:: :: ::; ;:∧:::i ::::::::;::;:::;:::;:i.
i::::;::/|/｛/ ､:{ヾ;ヾ;:::;:::;::;::l
|:::/l!,.+‐!､ ゝ‐ヾ､ヽ;:::;::;;;}
.|::::i./.{_:::｝ .l,､:::｝i |::::;::::;;;l ……と、いうわけでザビエルさまと別れて、５か月後のこと───
.l::::;;l ゝ'‐ ‐'-'､’|::::;::::;;;|
,ヘ!,:::;;;'､ 丶 ,.|:::::;:::i:;|
＼'､::;;;;;;;;＞ 、‐っ ,._ ´/|:::::|:;||;| 仏僧の迫害が激化して弥次郎はんも、鹿児島におれんようになって
i＼.､i| l ｀ ´ || ./ |::::ﾉ〃>、
ヽ:;.＼.､ .i ||/ |::/〃/ 〉 しもうてな。ひとまず中国に避難したんやけど、それが運の尽きで…
/ ｢｀ヽ(ヽ. ト-‐||__ l:/〃/／ ヽ
./ .｛,'二､ゝ. 〉 V/ニ､ヽ.'"i }
,〉 {,'二｀ゝ＼.!!{/ニ | i. 〈
〔二二 〉 ＾ ｿ !! し'i l 〉二二〕
/ ／ / !! ヽ ＼ |
メンデス・ピント（1509または1514-1583） ポルトガルの冒険商人。「東洋遍歴記」著者
（演者：春日歩 ＠あずまんが大王）
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弥次郎の知己でもあるメンデス・ピントによれば、寧波に亡命する寸前、海賊の襲撃で殺されたという
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と、いうわけで。実像にせよ最期にせよ謎だらけの弥次郎の、記録に残されている事実をひもといてみよう・・・
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|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣´|
| /ヽ . !
| / ＼ . l ＼ |
| / ｀´ _ ＼ !
| .! __ . ,'.f::! > ヽー 、 !
| l〈 |;;|,｀ ｀ ゛´ '´ , ‐､ ､|
| | ｔｰ' ´ ｀､ゝ_i|
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,ー-'' ! i .!
| ! ╋ ! |
| | | ..!
| ! | !
| .〉 / │
| ,/ ｨー-､
| / ,ノー---＜´ _>
| | ／´ ￣￣´｜
| .‐'´ | 非常口
| │｀ヽ、 | EXIT
＼ ! ヽ ヽ
ヽ〉 ヽ---------------ゝ
主要参考文献 ： 梅北道夫著「ザビエルを連れてきた男」
宮崎正勝著「ザビエルの海」
岸野久著「ザビエルの同伴者アンジロー」他
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弥次郎は鹿児島人。武家か富商かは判然としないが身分のある、半倭寇ともいうべき交易業者だが───
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:!::::<.（::）.>:::::<.（::）.>:::::::! |i おはんを生きてもどすわけには、いかんとです！
.!.:.:.:.:.:.:.:.:､:_,__;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l
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j!从...:...:...:...:...:...:...,.:;＼ ,; .:,;＼,: . ;.
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.:‘ % И...:...:...:...:...:...:/ ヽ: ,;: .,:ヾ ;.,.. __/ /
,:; ‘ i! ﾚ从...:...:...:...:.{:, ;. .; :,. :丶 ハ /
. ;‘:; ‘:., ＼...:...:...{ 丶 `rf‐‐く }r ‐‐ ｧ'
,;.’ ∴’ ' 个sｧ''^~￣＼|ヽﾄ､__ `' {_ ＼__ ／
__i{..｡s*''^ ‘':., ‘:. {_{_l /⌒ヽ __
‘ .ｨf^~ ． ‘:. ｀Ｙ ﾉ
ｉ| f! ‘~㍉ ． ． ‘:. ゝ- '’
. :'’ || i{ ｊ! ， ', ‘:.
ﾉ j! ', ‘
‘~ || j! j! ', }! |
|| j! / j! ', }! | i
|| j! 〃 j! ', }! | | i
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商取引にからんで仲間と揉めたあげく相手を殺してしまい、両親からも絶縁されて追われる身となる
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￣{
／ u. | __
, .| ／ ｜
, *ﾟ .ｆ￣ｨ示ヽ ｀ ´u. |
, *ﾟ ヽ{三ﾆﾘ } | ひとまず知り合いの寺に、匿ってもらったが・・・
＿＿,／ u. ￣ r‐ｧミ､.|
／ _／ u. ､_ V.三}. |
./ {／ u. {｀ ¨ゝ _ ゞソ }| もう日本国内に、逃げ場所はない───
{ ｜ ヽ - ' .|
| 、 u. | ！！！ そうだ、ならば海外に行く手立てがある！
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‘， ヽ |
‘， } .|
､ | .|
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p p
,.ｬ‐-､ー-- ､‐-､
,p ,. ' ,},,,...,,! ﾉ,,..,,!ヽ
p.ﾄｌl' λ￣ハ λ¨''ヽ ヽ
ｌ_L||ゝ ,' ﾉ_,,,,,,_ﾉ ,'ノ＿_ﾉ ,／
!,,_｀~¨'''',ﾍ,,||＿＿,',r‐''ｭ',／）二)
iｪｪｪ ' ＝= ,,, ,, =＝ ｪェ'ﾃ'''~
lゝ,,,,,＿＿＿＿＿＿,,,,,ノ/
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そこで彼が思い出したのが、錦江湾入口の山川港に停泊しているポルトガル船団だった
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さいわい商売がらみで弥次郎と知己の仲だったヴァス船長が、話に乗ってくれた
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／l 、
／ |,,_ / l
/:: ~-' l ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
/:::: l ＜
/::::: | ,. | 実は、かくかくしかじか
l:::::: | / / !
|::::::: | ' / .＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
l::::::: レ' ／
|::::::::: ／
／:::::::::::/''''''''i:::::::::::|ヽ:::ﾄ、:::::::::ヽ
/:;ｲ::::::/l/､ |:::∧::レﾍ|´ヽ::::::::::::! わかった！ 弥次郎殿には、商売で世話になってきた仲だしね！
|//:;ｲ::| ｀ヽ､｣/ -ﾍ! |ﾍ:::::::::|
|/ l'|:| ,-―― ――‐-､ }:_::::::|
{j:ﾉ／／／／／／／／ /:|/ヽ:| マラッカで良ければ出国の件、エロエロに一肌ぬいであげる！
. 〃 /:::|::: |/
八 r―― '´￣｀ヽ /:::::|- ' 文字どおり大船に乗ったつもりで、こっちに任せなさい
|:::::ヽ Ｌ ＿ __ﾉ｜:::::|
!:::::::| ｀丶 ￣￣ イ |:::::::|
ポルトガル船長アルヴァロ・ヴァス
（演者：黒沢みなも ＠あずまんが大王）
, -......―........､
,イ:::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;ヽ
/..........,,;;,.......................,,,,,,,,,,',
/::::::::::/ ヽ::::::::ﾄ､::;;;::::;;;;;;;;;;', っ あー。でもごめんなさい。私の船はまだ、鹿児島で商売があるのよね・・・
ﾊ::::::::::i ノ i:::ﾊi ヽi､::::;;;;;;;;;;i
ﾚﾍ:::ﾄi ＿ i/ ＿ ヽ;;:::_;;;;;i っ つ
{.i::| ´ ｀ ´ ｀ |::::k }ﾉ 友人のフェルナンデス船長が出港するから、かれの船に乗るといいわ！
.!:i ' ' ' _＿ ' ' ' .i::::|ノ
.|ﾍ i } / :::|ｿヽ、 紹介状、書いてあげる・・・
.|::::｀ﾄ __.`ｰ' _ ´! :::::| ヽ
.|.::::::| {.{ ￣ヽ |:::::::| '､ ＿
!:::ﾊiヽヾ.｀ｰ､ ,.-'!::::ﾄi| ヽ:::
V ヽヽ ,V. | i. ':;
i ｀`ー＝'. | |: ..
／l 、
／ |,,_ / l
/ :::::::~-' l
/ :::::::::::: l
/ 「●」:::::::::::::: | ・・・・微妙
l :::::::::::::「●」 |
| ::::::::lゝ:::::::::: |
l :::::::::::::::::::::::::: |
| :::::::::::::::::::::::::::::::: |
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と、いうわけで。ヴァロ船長の友人フェルナンデス船長への紹介状を書いてもらった弥次郎は、深夜の闇
にまぎれて潜伏先の僧院から出発。弟と家臣の2人を連れ立って、薩摩の山川港をめざしたのである
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メンデス・ピントの「東洋遍歴記」によれば、馬で逃げてきた弥次郎らをピント自ら、ボートで出迎えたさい・・・
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＿ __ __ 〉
l l ロロ l l l l 〈
l ＼ l__l l__l /７ 〉 くそっ、もう追手が……！
| |＼l l`ヽー―／ ＼ / / 〈
l＿l l /_/ 〉
l ＼ 〈 捕まってたまるものかー！
l u. ＼ 〉
l ＼ 〈
人 ＜●＞ ＜●＞ /＼ ＼ ∨∨∨∨
/ /ヽ、 ､_---_, /l ＼ ヽ /
/ / ＼_ ｀ー' ＿／ l l l /
/ / ￣｀ー'ヽi ＼l し' ,-＾
し' ＿-‐'￣
ー―､＿＿＿＿ _,-―――'
`ー――'￣￣￣
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┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
,rt､ ,-‐､ | ,rt､ ヾミ |二| ＜待て弥次郎！
ハハ彡 /ト'ヾヽ l=j, (,、 i`i`彡0ｆト'ヾヽ ヽﾐ彡/ |二|
ゞゝ──ゝ ／､ ゝX 彡ゝoノ ハハ/ソ/⌒ゝ / ゝ 彡ゝoノ /| iヽ |二| ＜逃がすかこのー！
( ' Y''''ノ＼ 彡 ／､ ゝx彡ヾ > ）､__ノ彡ﾐ= | 、ノ 彡くﾐヽノﾐ= o,| ||ol. |二|
`‐'￣＼ ヽノ ( ' Y''ノ 彡く/彡' ＼ `‐' ヽ____/ゞ | ヽ へ /〈|`‐' |〉 |二|
''''''''"""""￣￣￣ 〉____,／ | `‐'ヽ ヽノ |/／ | | |川ﾘ ｰ' | ,;' ) / c|､____, |っ へ |二|
""""￣￣ ／＼|ﾘjilji 丶ゝヽ〉____,／ゝヽｰ' / | y ノヽ | / (ヽ | 川ﾘl | ,;' ). |二|
-‐ _,,. ．-‐ ヽｿゝゝ `''' 川ﾘ| `''' ,'ヽ 丿 ／＼// // ヾ| ヽ |ｰ| / / (ヽ ／ |二|
-‐ _,,. ．-‐ ,-‐'''" ゝ ノ-ー'7ゝ ゝ ゝ' ヽ ヽ ヽｿゝ/ // /ゝ ﾉ ゝﾉ ゞ ／ヾ, ヽ'
_,,. -=━━| -ー / 彡 ／ / ／ . .. ヽ 〉 ノｿヽ/ゝ . . /ゝ /ゝ /⌒､ヾ
-‐'''""-‐'''ヽヽヽ/ ／ .:-‐' / ／/ ／ . // ／ ゝ /ゝ ／／ ||()|（＼ヾ
,,,-‐'''"" _,..:-/／,..:-‐'"/／ /／_,..:'_,..:' /ゝ／ < < ／ / || |（丶|
-‐'''"",,,,, /ゝ /ゝ /／ _,..:' ／ ゝ` ／ / / ||()|（丶|
-‐'''""_,..:-‐'"_,..:-‐'" /ゝ ／ ／ ／ ／ // / // / ＼|（丶|
_,..:-‐'"_,..:-‐'"_,..:-‐'"_,..:-‐'"_,..:'' _,..:' ／ ／ ／／ ／ ／ / / / / ＼＼|
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鉄砲を持つ２３騎の騎士（騎乗の武装兵ら）の追手が追いかけてきて
「人殺しを引渡せ！」と浜辺から凄んでくる、きわどい救助だったという
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ピントの著作には誇張や伝聞が多く、信頼性に「難あり」とされるものの。弥次郎との関係についてはイエズス会の報告書
と照合できるため信頼度が高い。ともあれピントによれば弥次郎は３６、７歳。家柄の良さげな好人物だったという
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,, /ヽ
/ ヽ i ',
/: ヽ,｣. ',
/:: _ i
/:: ,....,., ri:::l>.! _,.. -,'ニニ=
t;:''ﾆ二,'''‐ ､_ i::: くl;;;;ﾚ' `" l--‐;:'ﾆ-'''"
｀`''‐ ﾆ,'‐-+- ‐r''i´ l￣ ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
｀`'i‐ ヽ' | ＜ 追手が迫っている。一刻も早く沖合の船まで乗せてってくれ！
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i:::. !
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ヽ:::::::................:::. ヽ
__,. ‐'":::::::::;:--‐‐､::::. ',
`''-､;;;;;;: ‐'" ヽ::. l
ヽ,l
彡
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＜ ゴルァそこのボート！ 殺人犯の逃亡を支援した奴も同罪と見なすぞ！
,. ‐''":::::::::::::;::::`'-､ 岸辺から必死にハンケチ振って騒いどるんで、
／::::::::::::::;;:::::/ ヽ:::::::::ヽ
_ /:::::::::::::／/／ `､::r､:::ﾞ, ついノリで助けてもうた・・・まあ乗りかかった舟や、
─── .l ヽ ,'::::::::::::iﾞ ○ `' i::::i
＼ ＼ !::::::::::::| ○ l::::| ／ 〉） 一緒にトンズラするでー！
─── ﾞ／ ＼!::::::::::::! ,.._ !:::!／＼/
ヽ／ ＼::::::::! ! ｀`''7 !::| ＼/ ／l /｀l
──── ヽ |::::::| l, / ノ::i / ／ l / ｜
`､ i:::::l､ヽ.,_ `''''" _,..イ:::::i / / l / |
───── ﾞ､ ヽ;i ＼ヽ,.二l￣_,l |:::/ / / |
ﾞ､ ヽ`､ | ／ ﾚ' / / |
────── ﾞ､ ／ `ﾛ''" i. / / く●〉 く●〉|
／＼ / || |／ l l.／ヽ
＼──~~'''''ー‐=､,, / || | ＿,,,､=‐ー'''''~~: :／
.ヽ:────────~~''''''''-----------ー''''''''~~~~￣────: : : /
.＼─────────────────────── : : ／
｀'-､─────────────────────: : ／
｀''ｰ─────────────────:: : : -‐'″
〜〜〜〜'〜-〜..､､､,,,......,,.........,,....................,,,,,,....,,......,,,,........､〜'〜-〜〜〜〜
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ところが闇夜の海上のことでもあり・・・弥次郎の救出依頼に応じたポルトガル船は、紹介状の相手ではなかったのだ
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┌┐
/~'７;; |/~''7 〜〜〜 〜〜〜
〜〜〜〜 （ （￣| （
､___｀t-'ーｲゝ-i ┌┐
ヽ]￣二二二７ /~'７;; |/~''7
〜〜〜〜 〜〜 ""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 （ （￣| （ ＜ フェルナンデス船はこっちだお
┌┐ ､___｀t-'ーｲゝ-i
/~'７;; |/~''7 〜〜〜 ヽ]￣二二二７
（ （￣| （ ""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜
､___｀t-'ーｲゝ-i 〜〜 ┌┐
ヽ]￣二二二７ /~'７;; |/~''7 〜〜〜
""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜 （ （￣| （ ＜ うちはジョルジェ船だお。でも乗せてやるお
〜 ､___｀t-'ーｲゝ-i 〜〜
〜〜 〜〜 ヽ]￣二二二７
〜〜〜 〜〜 ""〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜 〜〜〜
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_＿_
.:.´.:.:.:.:.:.:.:.｀:.、
／.:.:.:.:.:.:.:/vヽ:.:.:.:.:.＼
//.:.:.:.:.ｉ:.ｨ.:l ｌ:ﾊ:.|:.:.::.ﾊ
ｉ.ｲ.:.:./l:ハｊ |' ﾊjリ!:.:.:i ソーリー、弥次郎ｗ ミーはフェルナンデスじゃあーりませーん
|ｈi{ ‐ｔッ ｔッ‐ ﾘ^ｉ:| ﾌﾟｯ
|い! l)ノ.:|
_l.:.人 ｒ―‐nrｎ人:.:.:.＼ バット、これも神のお導き・・・
ノ／ |:.ヽ_ ￣ ｢!l.l い ＼:.:.:.ヽ
（./. ｎ |::::.ヽ.￣.| | ヽ:.:ﾉ ノープロブレム！ マラッカまで乗せてってあげマース♪
. / ﾉ_L '⌒ iミ_.乂_ 人 ハ:.ヽ
/ /´ｰ'{ ./ ::::: Ｋ／ ヽ. i:.ﾉ
. /. ／|､_ ツ l . . Y:. ＼ |′
/ / .弋_外.:::::::|::::.::.:/,: ﾄ､::.. ヾ
. / ..::::ン.::::::,:|:::::://.:::|ｏ＼::. ',
l .:::::／ 〉、:: : |. / .|: ﾄ､:. i
ヽ.:__:／ ./ | .|ｏ ! `ー
ポルトガル船長ジョルジェ・アルヴァレス
（演者：谷崎ゆかり ＠あずまんが大王）
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というわけで1546年11月、弥次郎は山川港から出発するジョルジェ船長の船に乗り、まんまと国外脱出した
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のちに弥次郎は、「この偶然こそデウスの導きだった」と、述懐している。ジョルジェ船長はザビエルの親友だったのだ
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／l 、
／ |,,_ / l
/ :::::::~-' l
/ :::::::::::: l
/ 「●」:::::::::::::: | 船長どの。わたしはどこに逃れても、罪のおそろしさから
l :::::::::::::「●」 |
| u ::::::::lゝ:::::u:: | 逃れられないのです、どうしたらいいのでしょう？
l :::::::::::::::::::::::::: |
| :::::::::::::::::::::::::::::::: |
. - ' ´ ￣ ｀ ｰ ､
／::::::::_:ｧl/ﾞ`''´l::､::::::`ヽ
/::::::://l/liヽ l:l_l_li､::::::ヾ､
/:::::li/ _ _ ´! !｀l!::::ﾄiﾞ:i｀
'::;:-| ￣ ヽ､.._ l:::::} ﾘ
.. l::{ ､.l .. __'__ ./､::ﾘ
/´ﾂ ‐'´-.､ |:::ヽ､ i l ' }::l ミスター弥次郎。ミーたちが信じてるデウスは、悔い改める者を、
{ ﾄ! /::::::::::ﾄ､ '､ / /ノ::::|
. ﾞ､ }／:::::::::::/:::｀iヽ､`ー'__... ィ´::::::::l 赦してくださいマース！ マラッカでグレートな司祭ザビエル様に
}-‐r‐r'､:::::::::::::::::::/´'7 ‐｀-└､:::::::::::::::::li､
l }. ‐'' `ヽ､/_ l l |:::::::::::::::::::::::ヽ 会うのデース！ 信じるモノの魂は救われマース
〈 .:..:..:〉.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.￣｀ ー=､__::::::::::::／
l .:..:..:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀`ヽ<
. | .:..:.|´｀ ´￣｀ー' ヽ_ -､:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:/ヽ__
. l .:..:.|`ヽ . -／ ｀` ´｀ ーヽ.. l､::::ヽ
/ .:..:.!､/>'- '´ .:..:..:. ヽ ＼:::）
. 〈 .:..:..ィ!_..:..:.__. -'´￣｀ ー-‐ ' ヽ､ } ヽ
＼ ＿ . .ィ':::::::ヽ.:..:..:..:..:. ヽ/ ＼
j::::::::::::＼.:..:.
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船上でこの船長からキリスト教のありがたさと高徳の聖者ザビエルの話を聞いたかれは、洗礼の決意を固める
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＿＿ﾛﾛ ＿＿ﾛﾛ ＿＿ﾛﾛ ＿＿ﾛﾛ ＿＿ﾛﾛ ＿＿ﾛﾛ ＿＿ﾛﾛ
|＿ | |＿ | |＿ | |＿ | |＿ | |＿ | |＿ |
＿| | ＿| | ＿| | ＿| | ＿| | ＿| | ＿| |
|＿＿| |＿＿| |＿＿| |＿＿| |＿＿| |＿＿| |＿＿| ﾛ ﾛ ﾛ ﾛ
_,,,,,,,,,,,＿_
,-'":::::::::::::::::::::~"''ｰ,_
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/:::::::::::::::::::::ハ:::::;:::::i､::::::::::: ﾞ､
/:::::::;;:::::/l:::/::::::l:::ﾊ:::l_ヽ;:::::::::::i
/::::::::ﾄl､/ l:/:::::::::ﾒ i／~lヽ::::r-,| ＨＥＹ───ユーはだんだんデウスを信じたくなーる、信じたくなーる……
i/l::::/l `' ､::_;:::;_, ／ .ﾉ::::`i:} l|
' {l:/l ヽ.,_ノ:::::::::::::`ー '´::: lﾉノ:|
とl _ノl /:::::::::|
i:::ヽ i"~~~~~￣ | ./_::::::::::',
,'::::::::＼_＼ ﾉ.i'7 "''ｰ､:＼
/::::::::／ 丁`''''''''フ" / .| ヽ:::＼
/:::::::/ | ヽ.. rｰ/ | f~＼_＼::）
ノ:::::::/ , | ,入 /r-､ | >'´::.ヽi/
く:::::::::/ l! '''´ ', / ` (´.ﾍ :::..}
ヽ;:::/ i | Y Ｙこ､_,ﾉ
Y .| | :::..... | ....::::: |＼.ノl
/ ヽ, | | |::::::i､:l
>--､＿.| | .lﾊ:::l `
/ ./ | | / .ヽi
-―￣￣ ｀ ―-- _
, ´ , ~ ￣" ー _ …おお、話を聞けば聞くほど確信したっ…！
_／ / ,r ｀ 、
, ´ / / ,ﾍ ヽ わたしの救いは、そこにある…。
,／ ,| / / ｌ| i ,／
と,-‐ ´￣ / / r( j' く
(´＿＿ ､ / / `( u ,ﾍ ヽ ← ちなみに改宗前の時点では、真言宗に属していた
￣￣｀ヾ＿ し u l| i _>
,＿ ＼ ﾉ(`' _＿ -‐ ´
(＿_ ￣~" ＿＿ , --‐一~⊂ ⊃＿
￣￣￣ ⊂￣ ＿＿⊃
⊂＿＿＿＿＿⊃
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ピカリオ
だがマラッカに着いてみると、ザビエルはモルッカ諸島に出張中で不在。代わりに対応した教区司祭は、冷淡だった
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r;ニニニニﾆﾆﾆﾆヽ
,--―| |::::::::::::::::＠:::::::::::::||
|:::::::::::| |::::::::::::::::Π::::::::::::|| ほうほう、日本人ですか───珍客キタコレｗ でもねえ・・・
. |::::::::::| |::::::::::::!ﾆ ﾆ!::::::::||
|;:::::::::|_|::::::::::::::::|_|::::::::::::||
|--ｰ'､-r┬ｧ;T'j''┬t┬i ザビエル師も非西欧人の改宗がアテにならないことには、苦慮しており
. | ｌ ｌﾚ ノ ヽノ ｀ヽヽ.}
| ｌ ｌ ● ● ｌ ｌ ｌ ましてねえ───奥様は異教徒なんでしょ？ 別離してから出直してください
| ｌ ｌ⊂⊃ ､_,､_, ⊂ｌ ｌ ｌ
| i⌒ヽｌ （_.ノ ﾉｌ ｌ／⌒)
| ヽ ヽx＞､ __, イ＼ｌ ｌヽ／
. | ∧__,ﾍ::::::＼＿》::::::::ｌﾘ| ﾊ
| 〈 ﾘ :::::::::Π::::::::/ /'´
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||
||
||
/ヽ.､ ,:' ヽ.||
,':::::::: ヽ.__.,:': ::::::||
i:::::::::::::::::::::::::::::::::||::ヽ
l: :: :::::::::::::::::::::::::::||:::::::::l やっぱ縁が無かったのかな？
,|=================!
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l 是非もなし、日本に帰ろう・・・
l..:.::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
. |..:.::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
|...:::|: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i （捕まるかも知れないが、その時はその時だ）
|...::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
ﾞ､:ﾉ.. :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
l....: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
＼ . ...::::::::::::::::::::::::::::::::::l
l .. :::::::;;;;;;;;;;;;;::::::::::::ﾉ
|. ..::::/ i:::::::::/
! ..::/ !::::::/
｀´ ｀ ´
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落胆して一度は引き返すも、日本まであと２０レグア（１１２キロ）の近海で四日四晩の大嵐に遭い───
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,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ｌ /:::::::::ｲ::::/｜ピカッ！:'/,:'/,: ' /
/,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:' / / ,:'/,: ' / ' ｌ:::::::ヽ>::::> ｌ/,: ' / ' / /
:'/ /' / / ,:'//,: ' / ' / / ,:'/,。 。 /' / / ,:'/,: ' / ' | ＼:::::::::>::>｜'/,: ' / ' / /
,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:'/,/::::／／ / / ,:'/,:'/,: ' / ' /
:'/ /' / / ,:'//,: ' / ' / / ,:'/ , :'/ /' / / ,:'/ ,: ' /ｌ ＼::＼::ヽ |/ ,:':'/,: ' / ' / /
/,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:' / / ,:'/,: ' / ' / /::::/ >::> ｜| / ' / /
/' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' / / ,:'/,: ' / ' / / ,:'/, / / i ＼::＼::ヽ' /:'/,: ' / ' / /
:'/ /' / / ,:'//,: ' / ' / / ,:'/,。 。 /' / / ,:'/,: ' / ' / ｌ <::::< >::>| ｌ ' / ' / /
/,: ' / ' / / ,:'/, :'/ /' /。っつっっつっつﾟ/ / ,:' / / ,:'/,: ' / ' / / /::::/!::/ ｌ / ' / /:'/,: ' /
/ / ,:'/,: ' / ' / / ,:''__っﾟー＝＝っ。つ つ。っっつ ザッパーン,:'/,: ' / | ＼::＼ヽ ｜ｌ: ' / ' / /
/' / / ,:'/,: ' / ' /,,ｒ'"~ __。っつっっつつﾟっっつ。,:'/,: ' / ' / / ,/:::://ｌ ' / ' / /:'/,: ' /
:'/ /' / / ,:'/ ／ ,,ｒ'"彡三三。ヽ っ。つ っ。つ / ,:' /,: ' / ' | ＼::＼ヽ ｜' / ' / /
/,: ' / ' / / ,:／ ／／彡≡≡≡ミミ っ。つ。っつつ/ ,:'/, / / ,:'/ . . . . :/:::://ｌ::::i:/ ' / / ,:'/,
,:'/, :'/ /' ／ ／／／／／ ,:'/, ヾヾヾ っ。っっっ/ ,:'/, / / ,:'/ . . . . : :| /::::/ /ｌ::::ｌ / / ,:'/,: '
/' / / ,:'/／ ／／／／／／:'/,: ' / ヾヾヾヾっっ。っ。っ/ ,:'/, / / ,:'/. . . ! |::::::| ヽ ＼:: / / ,:'/,: '
:'/ /'／ //////／／／ ' / ' / /i i i彡っっ。つﾟっ/ ,:'/, / / / / ,:'/, :'/ /' / / ,:'/,: ' /
彡彡ミ／ ////////// / 彡彡ミミ===彡彡っ。。つ っ。彡彡ミミ彡彡ミミ彡彡ミミ彡彡ミミ彡彡ミミ彡ミミ
彡 ／ /////////////彡彡ミミ ≡≡≡彡。つ っ。≡≡彡彡ミミ≡彡彡ミミ彡ミミ≡彡彡ミミ彡彡ミミ
／ /// i i i i i i i i i 彡彡ミミ彡彡ミミ⊂彡。彡ミ≡彡彡ミミ≡≡ﾟ彡。ミミ≡≡≡彡彡ミミ彡彡ミミ彡ミミ
彡彡// i i i ヽヾヾヾヾ。ヾヾヾﾟつっっ。三彡彡ミミ三三三三彡彡ミミ三三三三三彡彡ミミ三彡ミ。っつっ。彡ミミ
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命からがら中国の港に舞い戻る。弥次郎も、この奇運に神意を感じざるをえなかった
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∧ ∧ 故郷を目前に、九死に一生・・・
,.' ﾞ,_,' ﾞ:,
/ ', 偶然とは思えぬ
_,. ' ,' ﾞ, ｰ:::., .........._ _
,. ,.:::.､ ,.,. - ,.- .､ ,. ' ´ . ,' ﾞ, :::::::｀::.､::::::::::
_ ,. '::｀::...､ , ',..:':::::::::..'::,:::::::::::::::::｀:' `:..、' i ｉ :::::::::::::::`::.､:
,...:'´;::::::::::;:::':::::::`::...､,..- '´ ,:':.､:::::::::::::::::.`:.､:::::::::::::::::::::::｀::-. /. ﾄ､ ::::::::::::::::::::`:
::.､..._ ,. 、_,..:',´::;: ' ,..:'､´::｀::::::::::;. '´ ,..':;::::::':,::::::::::::::::::::..｀:､:::::::::::::::::::::: /,l ﾄ,.ﾞ, :::::::::::::::
,｀､ ｀､':::::::::::'´::::::::;. - ‐; ' ,.'::'´;:::::::::':,::::::::::::::::::::::::::':､:::::::::::::::: , '.,'.! .! ',.', :::::::::::::
:´, ' ｀ ､,. '..::::::;. ':';`:､´:;:: '´ ,':::::::::::｀:::..､:':,:::::::::::::::::::::::::::｀::､:::;::.. l ｉ .ｌ ｉ ｉ i :::::::::::
:.'.,. ‐ ':;:'´ ,..:':::;: - ' ´ ,. ,'::::::::::::::::::::::::｀:;:､:::::::::::::::::::::::::;::´:::::: l i ', ,' ! ! :::::::::
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::::::; '. ' ´ ,.:'::;' ,.:'::::::;. ' ,..:'´:::::::::::`､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: `::.､::::::::::::::::::::::::::::: '､ _ ,' . ,.:::::::::::::::::
::;::'´ ,.':::::; ,':::::;: ' ,.:': ;::::::::::::::::::...`､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: __ ,,,,,,,, .......... ,,,,,__,,::: i ハ ! ':::::::: __ ,,,,,,,,,,,,,
' . : ,':::::::;.',.' '´ ' ´ ;::::::::::::::::::::..... `:､::::::::::::::::::::::::ｒ‐''"`‐-､;;;;;;;;,,,,,,,,,,,,.:::::::｀:.‐'､_/ .ﾞ､..ﾉ-' '"´￣ ....:::: ´,...
_,,､ ､､,,_
, ' ´ `ヽ
/ _,､.ヽ、iヽ `、
,' / '¨｀ ヽｔ´V｀Ｙｈ
ﾚﾊV ○ ○ | |ﾉ
ﾚ} ､_,_, J ｜| あら、弥次郎さん・・・あなた、なぜ中国にいるの？
| |｀ヽ 、＿, ィ'´ | |
| | ﾉ !､ | | フェルナンデスと、マラッカに行ったものとばかり───
W イ ||` ､ｊ
,'´ ||＿＿＿ｌｌ }
i |￣￣￣ '/ ,'
ｌ ｌ / /
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そこで偶然が重なる。紹介状を書いてくれたヴァス船長に再会したのだ
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::::::::::::::::::::::､::.＼ヽ、:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
_, ｒへ::::::::::.ヽ＼:.＼`ヽ､:::::ヽ ､::::::::::::::::::ﾍ
|i ＼::::::::ﾍヽ: : ＼:::ト､::::::::::::::::::::::::::ﾊ
|l ＼:::::ﾊ '´ヽ,.＝:ﾊ＼::::::::::::::::::::::::l
|, .'"` ＼::::i i |`ｲ个ﾊi ＼:::::::::::ｒ'ヽ|
|_,_-_､ ＼:l V ソ!｝ ! li:::::::li〈｀ }
l/{ ﾉﾘi ｀ ‐一'´ !::::::::il l ｝ なるほど、事情は分かったわ
li |`个}i} |::::::::l｝ﾚ.l
､ ゝ- ' |::::::::レ' 神意は、あなたの改宗を望んでいる───
='´ , |::::::::|
ﾘ::::::::l
., /:::::::::::| これからマラッカに行くから、乗っていきなさい
l､ ￣ ,.ｲ::::::::::::::l
|:ヽ、 ／ |:::il:::::::::::|
|::l ｀ ｰ､._ ／, -'´:| |:::::::::::|
|::l ＼` - ､. ___, ィ_, '´.:..:.:.:.:ｌ:::::::::::::|
|::l トl-- /..:.:.:.:.:.:.:.:.:.::／|:::::::::::|
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＜マラッカ＞
_,,,,､､､,,,_
_,,...r‐''":::::;:::::;::::::ﾞ''::‐､,
lﾞ､ ／'7::::::;/l:::/ ﾞ ﾞヾ;:ﾄ;:::ﾄ;::::':, /l
| ヽ ' /ﾚ|'l/ ~|ﾒ､, _,!|‐'ヾ ﾞ'i:::'., / | ミーの目に狂いはアーリマせんデシター
| ﾞ､ ﾚ=l! !~ ~! /f=ヽ / |
| ヽ, { i/ ﾞ'‐--‐' ﾞ'‐--‐' l !}i,.／ l
ﾞ! ／ >､ ﾞ,i /￣￣￣￣ﾞ､ !_'r'''＼＼ .! ミスター弥次郎の身に起きた奇蹟は、デウスのご意思
ヽ／ ﾞヾﾞ､ { } ／ ＼/
＼ ﾞ'‐､ヽ ノ,.r'" /"'':::, デース。バプテスマを受けることがユーの使命デース！
ヽ ~"'''､‐ｧ ''"~ ,／:::...../
/...＼ " r''"::::::::..../
(....::::::::| |:::::::::::::....＼
＼....:::| !::::::::::::::......ﾉ
＼..', ﾞ､:::::::....／
r,-‐'..l ＼::..(__,,,,,,
~""ﾞ', ヾ_;;:-''~
/ ,ﾞ
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再挑戦の決意を胸にヴァス船長とマラッカにおもむいた弥次郎は、ジョルジェとも合流
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／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼ ／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ ﾚ',;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i.
ｌ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｌＶ ﾚｉ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i.
ｌ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／´_）;ﾍ! !;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i ザビエル様は今、結婚式の
ｌ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／ ´ｉ;;;;| !;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i.
＼;;;;;;;;ｗ''´＿_,／|;;;;;| !;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i. 司会中デース。ハリアップ善！
／: : : : : : : : ｀ヽ. |;;;;;| /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼
/: : : : : : : : : : : : : : :＼ Ｗ ／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;〉
i: :V: : : : : : : : : : : : :i;.:／: i ＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/'
|: : :|: : : : : : : : : : : : ::|/ : : : | , 、 ,､ / ｀ｰ:､;;;;;'';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;(
|:::::::|: : : : : : : : : : : : : |l:: : : : : !. / ＼ / ＼ / /|ｌ;/ ＼;;;;;;;;;;∧;;;;;/＼;ｉ､
＼|: : : : : : : : : : : : : :l､: : : : : ∧ ｌ ￣ l _／´ / | ﾚレ' ∨ |
. | : : : : : : : : : : : : : : ＼ : : : : :＼ ｌ | ／!､,､_／ | |
| : : : : : : : : : : : : : : : : | ＼ : : : : :〉 < ● > < ● > i,／ ノ´ | 〉
| : : : : : : : : : : : : : : : | ｀i-ｰ''｀i, ､__,､__, ´'uｗ!' 〈:_:_:_.＿＿＿＿＿＿|
. | : : : : : : : : : : : : : i Uw｀ｌ !, ｀ー´ | |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i
└:-:､:_:_:_:_:_:_:_:_:＿＿_＿| l｀｀´ | |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
|:::::::::::::::::∧:::::::::::::::::| | ｉ. ｉ | |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
. |::::::::::::::::i i:::::::::::::::::| |: : | ｉ. .ｉ ,| |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
|:::::::::::::::| |::::::::::::::::| |: : : .!､ ＼ / /'| |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
〉:::::::::::::| |:::::::::::::::| |: : : : ＼___） （＿/ | |￣￣|￣￣￣|￣￣|
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. |:::::::::::::::!' |::::::::::::::| |: : : :,―､ / | | | |
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紆余曲折・艱難辛苦のかいあって1547年12月、マラッカの「丘の聖母教会」にて・・・弥次郎、ザビエルとの邂逅を果たす
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― : : : :ヽ /＼ ＼ ／ ／ | / / ' ∨{: : : :i / / {: : : : :＼
: : : :-=彡' /＼ ＼ ,／ ／从从 从 / ∧ '人__:人/ / ゝ--=ミ:ヽ
／ , , ＼＼／ 从X从X从X从X从 / ∧ , ,／/ , ﾊ
, ,=- , 从:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:i:从 ／ ', ', / / };}
{ '=-／ 从:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:从 ﾚ ' }:}
| ｉ i／ 从:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:从 ｉ i / /ヽ / ヽ {:{
. | | /从:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:i:i从/ | / / y ', ヾ
. | |i / 从:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:i:i从 | | , _ _
. | |l,/ 从 :ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:i:从 | l 〈〔:〕〉〈〔::〕〉 ', ないすとぅみーとゆー！
. | | 从:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ从 ; r ､! , ノー Y⌒ ー､
/ ; ! 从:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ从 ＼ ＼ i ｀´ － ﾉ
. / , / 从:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:从 ＼' j ＼ {
/ ∧ V ／ 从从:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ::ｉ:ｉ:ｉ从 ＼' ,' i |
./ / ', ∨ ／ 从从从从从从从 ＼/ ' | |i
/ ／⌒ヽ. ∨ ／ / | ／ ／ ＼/ / 人 ,八
/ /: : : : : ） ∨ / l／ ／ ＼/ ' ＼ _ r' ／
{ ,: : : : 彡ﾍ ∨/ { ／ ／ ＼ / / ∨ ∨ -=ミノ: : :
,.ｘzzzzzｘ、 「信頼できるポルトガル商人たちから重大な情報をもたらした。
,ｲ///=‐='//ヽ つい最近発見された日本とよぶ大変大きな島のことだ。
,':Y´ ｀℡ 日本人はインドの異教徒とは比較にならぬ理性と知識欲があるので、
ｌ:::》＿__ ＿__ {/ｌ インドより成果が上がるという
ｌ:: :::::::::::八::ｪｪ::: V_
ｌ::::.ヽ /!_ イ ﾘ 商人たちとともに来た弥次郎は、犯した罪を神に赦してもらうため告解したいという
乂::::} }::::::ﾘ` ｌ !ﾉ 彼に会えたのは大きな喜びである。彼はかなりポルトガル語が操れる・・・」
ｌ::V:::::―- ﾉ
i:::::::::::＿,.ｲｌ （ザビエル書簡1548年1月20日）
,小:::::::::::ｌ 人
／:::| ゝ==< | ＼
──────────────────────────────────────────────────
折しもザビエルは、モルッカ諸島を視察してきたばかり。インドと同じく「野蛮」で、西洋人の指導なくしては信仰を維持でき
ない民に見切りをつけた矢先に初めて、自発的に信仰を求めてくるアジア人に遭えたのだ。彼の感激は大きかった
──────────────────────────────────────────────────
/ﾆ=/ __ , ィ=x、
/ﾆ=/ (:.:.:.:)__ ,ィ斗⌒ヾ
{ﾆﾆﾚ'⌒V´,:⌒ヽ （=-( ）
__ __ -‐=ﾆ二三≧=x、_人.: .: .: .::） __)ﾆ=)
)i ／⌒ヽ ´ ￣ ｀ヾﾐx、 ー ´ __ -=ﾆ＞´
（__ｰ' ノ⌒)′ r≧x、_ -=ﾆ三＞´
__,_ノ,, ,,,,,__ }ミﾆ=ﾐ、‐=＞´
___ ,..イ:Y ,__二} ／_二ﾆ=- rミニ=ﾑ＜
⌒ ヽ /ｰ=ﾆ{〃赱ﾉ (（ 〃r弐癶、 〈三二ﾆム⌒ヽ
L{L{/ﾉYﾆ=-‐/／ ヾ ｀ｰ=≠' _V三二ﾆ=i ﾊ
´⌒＞＜ ｰｧ （ r-､ ; し ﾏ三二ﾆ=-} /ハ
L{/ ヽ ∨/ ヽ,..｀ヽ _ﾉ Ⅴ三二ﾆ/ -=ﾆi
/ V}/ __, V三二/=- -=} 日本人こそ、これまで発見された中で最良の知的民族…
. i ‐=}/ ,ィ三ﾆミx、 / ／⌒:）ﾆ=-:/
. } '⌒ヽ′⌒￣ ｀ヾ, )/⌒ {j/‐=ミ/ 私自自身か別の適任者が2年以内に、布教に向かわねば
/:=- _, ムぅノ /-ﾆﾐ/
__ } / ／'⌒Ｖ
⌒ ヾ:ｉ{ }ｰ＜´ ヽ}／
､)}八 , ⌒ヽ }ｉ}V／
／⌒丶 ...__ / `く
‐（￣ ´ V/ {//⌒ ヽ
{ｉL{ｉｉ{Lｉ{ｉ;,V/ V/⌒ ＼ }
ー‐==ﾆ彡（＿_ ___ -‐= ￣￣) ヽ V
≫´ ／ ／:::丁￣ ／ V/
／l /｀l
／ l / ｜
/ l / | ？
/ ￣ |
/ | ｉ⌒l
/ く●〉 く●〉|｜ |
l lﾉ l ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
｜ フ ノ ＜ もしもーし
｜ | | |´ ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
｜ | | |
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弥次郎はザビエルの勧めによりゴアにむかい1548年3月、連れの２人と共に、イエズス会の聖パウロ学院に入学───
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ー-､
＼__,-､
）
（_
ヽ＿_
,-､-､ヽ イ ン ド
,､`--' / ,､ /ヽ
ヽ￣￣ ／ `'`ｰ' ＼
＼ i~ゝ ( j
`ー‐' | /
| 「`'
| ／
〉 ／
|◎ゴア _,-'
. | /`'
| /
| ､-'`'
| /
ヽ （ ,-、
＼ /⌒` / ヽ
`ー―' { |
ヽ＿ノ
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|
i . ' ﾁｭﾝﾁｭﾝ...
, '
○ ― ‐ ‐
ヽ [三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
|
,;:⌒;~:ヾ | |￣￣|￣￣||￣￣|￣￣||￣￣|￣￣||￣￣
(.;::）:):^;,:. | |// |// ||// |// ||// |// ||//
.;ヾ..ゝヾ):) | | //| //|| //| //|| //| //|| //
￣￣￣￣￣￣￣￣￣|ｉ┳┳┳┳┳┳┳┳┓ ,' ┏┳┳
＿＿＿＿＿＿ ||┃┃┃┃┃┃┃┃┃＿┃┃┃
;;｛ 聖パウロ学院 ｝.;;;;||╂╂╂╂╂╂╂╂╂―╂╂╂
￣￣￣￣￣￣ |ｌ┃┃┃┃┃┃┃┃┃ ┃┃┃
||┻┻┻┻┻┻┻┻┛ ┗┻┻
￣ ￣￣ ￣￣￣￣ ~
ﾍﾍ_ η
/ΦΦ ソ
ζ ∀ | ←ちなみにザビエル師に会う前からこの神学校への
υ /
| イ/ 入学は、ポルトガル商人から勧誘されていたらしい
￣￣￣￣￣
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教師を務めた神父は、日本人の学習力に感心する。特に弥次郎はマタイ伝を二度も聞けば暗唱できる、学院一の優等生
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vvvv
○ ○
｜ﾛ | ＜ ハローエブリニャン（←優しい読者にはラテン語にみえる）
（ つ つ
,ｲ │
// |:!
//,. -/r‐- ､| !
/,/ ./ | _」 ﾄ､
/.＼`/ |二...-┘ ヽ
. i ,.>､;／ｰ- ､ l はろーえぶりにゃん！
! ∠..＿;'＿＿＿_＼ |
∩ ,!ｲｉ´●｀> <´●｀> ｀＼.､ヽ. （ふふふ・・・私には、通常の異教徒の3倍の学習パワーがある！）
| |／'´ | ￣､_,､_, ￣ |＼ ヽ、
. | |＼ | !.ノ | `''-;ゝ
＼ ＼| |. ‐''´
＼| ╋ | ← 1548年5月20日、供の2人とともに受洗。洗礼名パウロ・デ・サンタフェ
| | |
| | |
.| | |
| l ∪
| /
＼ ./
－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
.....
, -'´::::::::::::::::｀ヽ､
/::::::::::::::==::::ミィ::ｌ 「弥次郎によれば、日本人はすぐに信者になることはない。教義を討論し、
l:/'"´ |:|
ｈ! .V 私の言行の一致を検討する試験期間が、半年はかかるだろうとの由・・・」
{;ｊ .--:‐- ,r‐-.|!
ヾ!､..:::::::::::ﾉ ヽ::::ﾉ! （ザビエル書簡 同上）
ｌヽ ¨´ l__ |
｢ゝ､_ ＿_ ﾉ＿
＿/ ........`‐ ´ ‐::/,ｲ/::.. ﾊ
／ ::::::--､＿::__」＿ イハ:::::::::＞ー---
/ .::::::::＿, -- '´ ＼-'ﾉ-‐ヽ'´:::::､:::::::::::::｢::
───────────────────────────────────────────────
なお知日家ジョルジェ・アルヴァレスは、ザビエルの依頼に応じ「日本報告」を書いている。抜粋すると以下の通り
───────────────────────────────────────────────
,. -‐ ´￣ ｀ ｰ ､
_,.. - ' ´:.:.:.,､ ,, ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ､
,.‐':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ |:.;ﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ 「日本人は欲張りではなく、親切である」
,.ｧ-'／:.:./:.:./l:./ l:.l__l:.,ﾊ:.:.､:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
／:./:.:.l:.:./'"li｀ヽ l/,..|/`lヽﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
/:／l:./:l,.ｲ , ｧ'ﾊ' ﾄ :ﾊﾞヽ' |:::::::::::::.:.:.:.l 「知的好奇心が強いので、西欧について知りたがる」
i/ ﾚ'|;ハ| | ﾄil;;;| i:i;;;ｿ | |:::.ィ ‐､:::::.:.l
,'} ! ゞ-ﾞ ` - ﾚ' { ` }:::::.:l
il ´ ヽ ) ﾉ:::::.:| 「礼儀正しく、穏やかに話すのを好む。ポルトガル人は
l ー--‐ｧ _ ／:::::::.:.:|
ｒ ､ 〉.､ `ｰ- ' ,.ィ´:::::::::::::.:.:.:| 大声で話すので粗野だと思われている」
,... | .ｌ i `､ /:.::::`ヽ､ , '´ |:::::::::::::::::.:.:.:!
ヽ ヽ | l l | _,.ノ:.:.::::::::::::::` ｰr-‐ '´ {:::::::::::::::::::.:.:.:＼
＼ ヽ､ ! l | r‐､ ／:.:.::::::::::::::::::::::::::::::} '､:::::::::::::::::::::::::.:.:.:＼
. ＼ ヾ､ ヾ ﾄ-ヽ､ {:.:.:.:::::::::::::::::::::_,.-r_' ___ >`,ｰ- ._:::::::::::::::.:.:.:.＼
＼ ヽ ! ! i.!_ヽ:.:.:::::,. -‐ ' ´ ､`､` '_,. -',´ィ' ｰ ､_:::::::::.:.:./
`､ ' ヽ＼/ `ヽ`ﾆﾆ' -‐ '´ ＼:.／
`ヽ､_ ﾚ' 〈_
/ｰ-=‐- .. _ﾄ､ ! ヾ:＼
l /l 〉 i ヽ:::.}
_,-‐―--､
_-'′ ヽ、
／//」／|lヾ＼ヽヽ
/^;. イ'､__, ヾ ＼ヽ、l 「私たちが知る限りの日本全土において、
l 〈 l_＿_／ｿ _ `ｰ ' ヽ|
ヽ、 `<::`ヾ､ ､ |/￣| ∂）l 言語は一つのみ！」
ヽ;ｰ'＼;;::::;＼ ＼`ｰ‐' ／ |
/ . ＼;::::;;;＼ `,ｰ-;_'_＿ 〈
. /,イ ＼::/:::;￣:;ｰ'::;;;;::::;;＼ .〉 （『日本報告』は、ザビエル書簡1548年1月20日付コーチン発に同封された）
. ' / _ /;;;;::::;;;;::::;;;;::::;;;;::::;;＼'
|／ | ／〉､::;;;､::;;;;::::;;;ｒ､:;;;;::::;;＼
. ＼/ /::;;;;::::;;;;::::;;;;/ ＼;;;::::;;＼
───────────────────────────────────────────
日本人の資質を、高く評価する商人たちの報告もさることながら。単一言語の国という情報が、インドや
インドネシアで現地語の多様さに辟易していたザビエルの心を動かしただろうことは、想像に難くない
───────────────────────────────────────────
,.ｨﾆ三三三ﾆ=ｘ､
,ｲﾑ=ﾆ三三三テ三℡
/'´ ヾ三三X
, V三三ｌ
ｌ V三三!
ﾋ=ミ､ 彡ﾆ=- Ｖ三人
Y丕う ィ丕ﾆ‐ i´/⌒i インドに続き、モルッカ諸島でも布教結果は失望続きだったが……
ｌ ﾘ i 厂ｊ. ｌ
i / ι' ﾘ 持つべきは良き友。君ら商人が、最良の成果をもたらしてくれたよ
i ｀='´｀ L彡'
i ＿＿ /|
i ー ,.ｲ |_
i ／ λヽ
廴＿＿,. イ ,.ｲﾘ三℡._
,不、 ,.イ /三三三＞ _
_,. ＜三| ＼_,.イ /三三三三三三＞
,. ＜三三三ﾆﾄ､/三ﾍ.／ /三三三三三三三ニ
,.＜三三三三三ﾆｌ l三| /三三三三三三三ﾆﾆ
／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼ ／;;;;;;;;;;;;;,';;;;;;;;;;;＼
/;;;;;;;;;;;/゛!;;;;;;;;'､;;;,､;;;;;;ヽ /;;;;;;;;;;/i;;;/ ｀i;;i､;;;;;;;;;i.
v'i;;;;;;/-‐ ｀!;;;;i｀Vｰｖ､;;;;ｉ ﾚｖ;;/|/‐V V‐V､;;;;;;i.
ﾚｉ;ﾚ'!'|ﾟ;;ｌ V |ﾟ;;ｌ｀i |;;6ｉ （5|' i´ｌ;ﾟ;| ｌ:ﾟ;|｀ｉ '6);;;i.
|;;|/// 、 ///U,|;;|ﾉ ti 丶 i‐';;;;;;＼ 「「私どもの目利きを認めていただき光栄の至り！
|;;;|＼ ┌─,ｉ ／|;;;| /;;;;!､ ┌─┐ ,.!;;;;;;;;;;;;;;;
|;;;|／..｀ i ￣.イ´::::|;;;;|7ｰ､＿ く;;;;_;;;;;;｀,,i.｀ｰ‐'イ;;;;;;;;;;;;;;;;;;; そう、日本人は他の非西欧人とモノが違います！」」
VVi i::::::ト ／|::::::レ': /: : : :｀-､／i´|:'i:':'ｉ´ /:｀:＼;;;;;;;;;;
/: : : ! L::::| /:::｣/: : ｙ: : : : :／ : : :i: |::L::|ヽ ノ/:::｣ ／:｀‐､;;;
〈: : :Y: :＼:::!､ ,/::／: : : :|￣ヽ/: : : : :_:i´: ＼:::!､,/::／: : : /: : :｀
/: : : :|/: : : : :｀ﾛ´: : : : : 〈 /: : : :／|〈:: : : : :｀ﾛ´: : : : : :|:_: : :
く: : : : :/｀ｉ: : : : :L｀＼／: :/i. /L:_:_:/|=,'! |: : : : : ∧_: : : : : ::|;;｀､:_
〈´: //´ﾖ_） |: : : : : ｀:ー:┐: : :〈:_ミ:｣ / |;;| : : : : |: : :＼: : : : |｀V
!､|.|.__ﾌ´ |_:_:_:, ､:_:, ､__:_:_:_:/ ,| 〈ｎ,J;;;L:_: : : _: : : : : :_:_:_|
i:::|:::|:::|::::|::::/::|::|!､_U i´i;;;;;;;;|::｀:-:´:｀:＼､::/:i:i
|::::|:::|::::|::::|:/::::|:::|:::|::| /./;;;;;;;|::::|:::|:::|:::|::::|:::|::::|::|
/|::::|::::|::::|::Y:::::|::::|::::|::| /./;;;;;;;;;|::::|:::|:::|::::|::::|::::|::::|::|
|/::::|:::::|:::::i'::::::|:::::|:::::|::| |;;;|;;;;;;;;|::::|:::|:::|:::::|::::|::::|::::|::!＼
L::::|::::::|:::/::::::|::::::|::::::|:| |;;;|;;;;;;|::::|:::|:::|::::::|::::|::::|::::|:::|::/
＼!_:_|-/_:_:,:!:_:_:|_:／´ ｀|:::::|:::|:::|::::::|:::::|:_:_i‐'i￣
! / / └i'´￣｀ｰ|´｀‐i´ |
!./ / | | | |
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蛇足ながら・・・ザビエルの出張先だったモルッカ諸島現地人へのイエズス会の評価は、以下のごとく散々である───
──────────────────────────────────────────────────
-─- ､ ＿_ f⌒ヽ八ゝ--' 丿 ＼ ＼/ / / /
, ´ ￣｀丶、 ｛二つヽ ￣￣ ヽ ヾ / /
／ ､ ＜⌒ヽ＼ ｛-‐;ﾍ { r‐'ｘ , ｝ ∨./
′ ＼ ＼ ` 〈 くﾍ 丶｀ｰ-ゝ ノ ,′γヽ V
/ ﾄ､ ヽ ヽ ､ ヽ ＿〕{丶＼｀ ｰ- ） / 乂ﾉ }
/⌒ヽ ' l |ハ ', ヽ ﾍ !＼} ＞（_ ＿_>､＼ ｀ ー＜＿,. ´ 丿
{‐- ､ ﾄ､{ | { | | l | ', ∨∨ ﾄ､ }i ﾄ､ ／: : : （＿_, ＼｀ ＜ ／ 父ちゃん！ 今夜の飲み会の
/ >'o ア { V |', .ﾄ､{ u ﾄ/∨}ハ八}∨: : : : : : : （ ,.ィ＞ . _二ニニ二工´
ゝﾆ二＞､{ ', VトLﾍ{__ヽ__, ∨／ },、/: : : : : : : : : :｀T´; :{ } 丶 、ヽ メインディッシュになってくれ！
. / | ＼ ∧ Ｖ{ ＿＿ ´￣｀ ／ｊ/イ.: : ;ｨ : : : : ／ l!:ゝ-- 介ｘ } }‐'′
/ / （ ! ｌ {ﾍ ＼ ／ ＿＿_ u 〃∧ }ｉ: X {: : :/:/ l|: : : : / j : :｀T´:｀７ﾊ ダチに先約ずみなんだ！
{/{ ﾊ､{ 弋ﾍ ｀ ミ=- |──ﾍ |!人,ﾊ八/:::〉､:/l/＿＿|_:/_:厶≫≪7: : : : : |
八 | }/}__ f//,＼ ＞ ､ | レ'//厶斗し' {/ ＞ ミ !/}:厶≫≪７ : : : : : |
ヽ{ 个:､ヾ//,ハ＼ `トミ=‐＜_７///｛{´/´ハ i{:::::::/｀ /ヘ＼_:_:/.: : : : : : :|
⊂ニﾆ、 ｀ヾ V/ヘ}'////////////Ｙ ヽ }ﾄ､ ゝ-′／: : : :｀: :7 : : : ｌ.: : : :| ＜ ざけんな息子！ ダチのおやじの
⊂ニﾆ′ V///////////////ﾊ Y｀′ u ／イ: : : : /}/: : : : :l: ;ﾊ:/|
r一' ／ ヽヘ、/////////／ﾍ ｊミ=‐- -/: : :／: : : : : : /|/ ＼ 肉を食ったのはお前じゃろ
｀¨⌒l7ァｧ' ／ ＼'/////／ : : :ヽノ＞ ´￣￣｀ ＜ }／}／}/}/ ノ､
|'/八 / ＼/／: : : : :／´ ＼ ｘ＜´ ＼
インドネシア・モルッカ諸島の未開人モブ（＠これはゾンビですか）
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
_,,,......,,, 「島々の住民はとても野蛮で、裏切り行為に満ちている。皮膚は黒いというより茶褐色で、
,,,''" ﾞ''丶
i;;:::::＿::::_:::_ :::＿ヽ きわめて恩知らずである。戦闘が起きた際、殺された側は殺した側に食べられる・・・
!:::::ノ ノ ー l
r､| ｲﾟj` 'lﾟj`l 大宴会をひらく時、老いた父親を持つ人には老父を食肉として提供するよう依頼があるが、
､_: ｀ ' ｀ ﾉ
ヽ､ ー- ／ 代わりに別の宴会では別の人の老父の提供があるむね、約束が交わされる」
`i -'イ_
⌒/＼／ /￣⌒ヽ
l.／╋/ ヽ 「島ごと・時に村ごとに言語が違うが、マレー語は通じる。文字が無いのが最大の欠点である」
（1546年5月10日付アンボイナ発イエズス会書簡））
─────────────────────────────────────────────────
食人上等のヒャッハー世界に殉教覚悟で赴いたザビエルだったが、報告どおりほぼ無文字社会だったことに失望・・・
─────────────────────────────────────────────────
´ 、´ └'ノ | ｛| し''⊃
／ ＜⌒T爪 -――‐- /ﾞ） ' / /つ-__ ／ 彡彡彡
／ ＿≫くo〈/: ＼. ヽ⌒ ､〃〈／／) ／ 彡彡彡
／／ : : : ／L,ﾞ : :/: : ./ ＼ ＼ ﾉ{ ） (／） （ 彡彡彡
∠二 : イ: : :/: : / :/:/:.|: /:|: | ⌒＼| |ノ ／ ）)
. ﾉ: : / : : | /|/|Ｘ|/ |: |:│|: | : ∨| | ,.ｰ‐'′ ／)ﾞ）)
｀､ フ: :ﾞ: : : :斤:::〒 _ﾚ匕|/:/ : : :り |／ _＿_＿ ／ /７/ 'つ
. ＼∠ｲ:│ : : ｉ代_丿三 Ｔ:::〒|/|/} l∨ ／ `ﾄミ { ヽ j´
＼|:八|: : : |u 弋.ノ/: : /ィ/ ,′.::/ .:: / 丶、ヽ. ﾞイ
＼ 7Ｖ八: : | ／） /: : /_,,/ '/.: / .:: /::. /: ＼l |
} │:::| ´＼|＞r:----‐个／ /:|ｉ.::. .::.:: |/ﾄ､|/|:.::. ∧| :|X| :. ＼| ほっほっほっほっ
|＿_,ﾉ:::::{ヽ ｰ|::::|⌒¨￣ __,,.. -‐く |ｉ.::.|.::.::.斤:::〒|/|/／| :|X|.::.|＼|
ﾉ￣ ::::::::: ｰ==┘::{ ∠ ／⌒Yﾍ ∧|ｉ.::.|.::.: i代_丿三 T::〒广|.::.| |
！:::::::::::::::::::::::::::::::::::∨／ | . /::::八/|.::.::.i|u ｰ'/.::. ﾚiﾉ '
│::::::::::: : : : : :ノ:::::: ﾉ´ / │ ∨:::/ ｀Vi/| （＾ ) /.::.:|::j'´ ／
│:::::::::::::::::::: : : :_／ / 〈::_/ /|:::::〉≧=‐--＜i/|/|/／
│:::::::::::::::::::::广7 ,′ / ＼_/ /|／ﾚ'∨ |::::L. '´
ﾉ=-::::::::::: -=l＾7ﾞ , / ∧ { {_// ,.斗┴┘ ※ごく一部が、アラビア文字でマレー語を読み書きした
::::::::::::::::-=ﾆ7/ ,′ ./ / 〈::: / / ／⌒}
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
___
,.:＜:::==ミ::､ 「住民同士で多くの戦争があるので非常に危険である。住民は野蛮で文字を知らない
i:r'"´ u. ﾊ
|:{＿__ ,...._ {:| 憎む人に毒を飲ませて多くの人を殺す。（中略）これらの島々にタバロスという人々が
j::}::;;;::八:::ｰ:)Vﾊ
{::〈ｰ '.:i__｀¨´ ｉ | いる。出来る限り人を殺すことを至上の幸福とする。噂では、殺す者がいないと自分の
ヽ:ﾊ .:::{ u. |´
}::i -‐- ﾉ 息子や妻を殺すという。彼らは多くのキリスト教徒を殺している───」
|､: ._⌒ イﾊ
／{ ヽ __／ }、
_ イﾆﾆ＼u. /ﾆ丶、 （1548年1月20日付コーチン発ザビエル書簡）
_ .＜ﾆﾆﾆﾆﾆニ＼_ /ﾆﾆﾆニ=- _
/ﾆﾆﾆﾆ＞ﾆﾆﾆﾆﾆニ＼ﾆﾆﾆﾆニ/ﾆニヽ
──────────────────────────────────────────────────
と、まあ・・・ほうほうの体で同諸島から引きあげた直後にザビエルは、単一言語で文字が普及している日本を知ったのだ
弥次郎の才能と「日本報告」もあいまって、かれは日本での布教を決意。マラッカの、官民あげての協力をも取り付ける
──────────────────────────────────────────────────
,.. -――― ､
.ｨ////////////// ::..
////////////////// :::..
////////}´¨¨´￣￣ ヾ:::::::.
//////r ' :::::: マラッカ長官殿。我らの聖なる企てに、ご助力ねがいたい！
////// ::::::
///// ｀¨ﾞミx, ,::::::
｝＼/ ﾓ折ｧ} r:::::::: l｀ヽ、
{ l! :,:::::: l! i ｀ヽ、
ゝ=' :,: / ヽ-一'′ ＼＿ ィ
ﾊ ´｀ｰ ' ／ ,. ‐''"｀`'' -､ |
', ／ ＿ ::' ／ .r''" ,> ヽ＿
: ` 、 〃 ´ ￣:: |. ///// ‐ _.,.. ‐''":/ ／
` ､ ,:: l ///// /::::::::::/ ／
＼ ` ｧ-‐'′ ＞ / / /:::::::::/ i
:.:.:.ヾ /＼ ! / ' /:::::::／´ヽ ヽ
:.:.:.:.:.＼ ./.:.:.:.:ヾ ト､__,.ノ /// /::::, '-､ ノ 〈_
＼:.:.:.:.:.＼ /.:.:.:.:.:.:ハ､＿ ヽ. /// // /::::/ ,ノ／ヽ 〉
:.:.:i}:.:.:.:.:.:.:}ｨ.:.:.:.:／.:.:.:.:＼ 〈 / / /:::::::ゝ'" ノ r─'′
:.:.'='"¨¨｀Y}:.／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾ ! / /::::::i´､ノ ,／ヽ |
:.:.:.:.:.:.:.:.:./ ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:, ､一'′ /// /, /::::::::`ｧ‐'" ,.ﾉ ヽ＿
:.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝ.ｲ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:､ ヽ /// ///::::::::::,へ､,. イ ／
_,.-――-.,_
／: :: ::: :::: :::::::＼
／/ﾉノ/ハ ) ヽ: ::: ::ヽ
/: ::/'-‐- -‐､,ヾ､: :: :::ヽ
/: :: l ＿＿ 〉》: ::/ヽ::l
/: :: :〈 ( / /:: :: :ヽ’/l ザビエル師。「渡りに船」ですよ、お互いに！
/: :: ::: :::＼｀ｰ'´ /: :: ::: :::: ::::l
/｀ー--､,.._＿ /: :: :: ::: :::: ::￣｀￣::: ::: ::::: :::::: :|
〈 l/￣｀ー--､_＿,,.-―､: :: ::: :::: :::|
ヽ、 | ヽ⌒ヽ: ::: :::: :|
＼ | ヽ ｀ー |
｀ー-､,.__l ＼ |
マラッカ長官ドン・ペドロ・ダ・シルヴァ（演者：美浜ちよ ＠あずまんが大王）
※インド航路を拓いたヴァスコ・ダ・ガマの五男
＿＿＿＿＿＿
_ | 双嶼炎上中 |
｀)） |￣￣￣￣￣￣ ジ
（ ） ∧ ジ ャ
（ ） <⌒> （⌒ ⌒) ャ |
ｳｰｳｰ.（ .人 ／⌒＼ ＼（ ,, ⌒）／/ | ン
人／ ヽ ＿＿____］皿皿［-∧（ ⌒ ,, ,, ） ン
（ ( )( ) ）三三三∧_／＼_|,,|「|,,,! （ ,, ） !!!
＿_|￣田￣田 /￣￣Π . ∩ |'|「|'''|「（ ）
/＿_,|==／＼＝ﾊ,￣￣|「|ｶﾞｼｬｰﾝ |「| | * +
/_| ﾛ ﾛ 「￣￣￣ | | 田 |「|∑田 田 |「|［［ *
|ll.|ﾛ ﾛ,/| l⌒l.ｌ⌒l.| | |「| |「|ﾐﾐﾐﾐﾐﾐ ++*:
λﾜｰ ∧ λﾜｰ λﾜｰ
λﾜｰ | | λﾜｰ λﾜｰ
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
_,,,､-───--､,,_
,,,r:':::::::::::,,,--‐‐--､::::::::ﾞヽ､
／:::::::::::／ , r ハ､ ,ﾞ＼:::::::::＼
/i）:::::::::/ //A/| ヽi-i､ ヽ:::::::（(',
///:::::::::ﾘﾚ/'＾ ｀ヽi ﾄ'::::::::ヾ､i
/ノ::::::::::::::::ﾊ 'ﾞ⌒ﾞ' '⌒ﾞ' i｀:::::::::::::ヽi
,'::::::::::::::::::::::::! i￣￣i |:::::::::::::::::::::l
,':::::::::::::::::::::::::::ヽ、 ヽ､,,ノ ,,ノ::::::::::::::::::::::::l
,'::::::::::::::::::, 'ﾞ⌒ﾞヽ､ﾞ''──''´r‐､‐-､:::::::::::::::l じつは昨年（1548年）、われらポルトガル人の交易拠点、
く::::::::::::::::::/ ,ｪr─----,~´ i':::::::ﾞi ﾞ､::::::::::::ゝ､
ノ´::::─-､/,,,,,,,_ヽ=、＿___/＿i＿＿i＿ ﾞ､::::::::::::ヽ,_ 浙江のリャンポー（双嶼）港が、密貿易をとりしまる明軍の
i::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ'''ヽ,────‐t─''''''''''''''''''''''''~:::::}
i:::::::::::::::::::::::::::::::::::／ ﾞ､::::::::::::::::::::::::::::::::/ 手で破壊されてしまいまして。交易業が南極のように
ﾄ;:::::::::::::::::::::::,,-‐'´ ＼:::::::::::::::::::::::::/
i:ヽ､,,,,-‐‐''~ ﾞ'ヽ､;;,:::::::::::/ お寒い状態なの。あなたの話、乗らせてもらいますね！
,':::::/ ﾞ~i'''i´
,'::::/ ﾞi,::i
i::/ ﾞi:i
i:/ ﾘ
ﾚ | ※この時代、まだ南極は発見されていません
──────────────────────────────────────
この時代の明朝は、鄭和の遠征時代（1405-1431）から一転し、海禁に尽力していた……
──────────────────────────────────────
ﾉｲ: : : : / ,,-=＝ﾐヽ､ ,,=＝'ﾞﾞﾞ}: : : : : : : : : : : : : :
从 : : : f ´ ｀ヾゞ､ ｨ'ﾞﾞ´ |: : : : : : : : : : : : : :
ｉ|: : : : :| ＿,,,,,,,,,,,, ヽ:::. .::: ,,-─-,,,,､l: : : : : : : : : : : : : あたしの宝船が長さ１３７m、幅５６mあったって？
l|: : : : :| ゞ=二{:::::}ﾆゝ ＜ﾞ{::::::}ﾆ≫ヾ､: : : : : : : : : : :
ﾉ: : : : : } ｀二二ﾆ／ .:: ＼ヽﾆニ''´ ヾ : : : : : : : : :
/: : : : : :l ． . .:: ::. 〟 ヾ: : : : : : : : 木造船の構造的にねーよｗ 出土品からみて精々
/: : : : : : :|:: ／ `＼ ヾ: : : : : : :
: : : : : : : |::: / （ r､ ,ｨ､ ）ﾍ ． . : :::::l: : : : : : 長さ５０ｍよ！ キリンビールでも飲んでオチツケｗ
: : : : : : : |:::: / ｀´ ｀ー'´ ~ ヽ .: : ::::::|: : : : : :
: : : : : : : |: : :: .::ﾞ ,,─‐､__,,─､ ヽ . : : :::::ﾞ､ : : : :
: : : : : : : :l: : : : :: -‐弋─----──-､ ...: : : : ::::} : : : :
: : : : : : : : l: : : : : / ｀''─---─'''´ ｀ . : : : : :::: ::::::} : : : :
鄭和（1371-1434）
明朝の武将。ムスリム出身の宦官で、アフリカまで航海してのけた。経歴が濃いわりに個性は不詳
（演者：マツコ・デラックス ＠実在人物ＡＡ）
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
ﾋﾟｼｬｯ…
┏━━┯━━┓
┃ | ┃
┃ | ┃ ＿＿＿＿＿
┃ ＼[明]┃|関係者以外|
┃ [◎]| ....┃| 立入禁止 |
┃ ／ .....┃ ￣￣￣￣￣
┃ | ┃
二二二二二>┨ | ┠<二二二二二二二二二二二二
.─────┸――┴――┸――――――――――――
、
ー、 7レ-､ 七. 七
/ ' | ﾉ （乂ヽ （乂ヽ あ ぁ 〜
_.. -‐ .._ .... _
,. _.．-‐ '' ￣ ¨ ､_／￣ ` ､
,／ ,､ ヽ、ヽ ＼_ ＼ヽ
i i ,' ＼_」.ゝ-ト､ ヽヽ..__ ＼ ､
! /」/ ￣_.ゝ-┬､ ＼| ﾞ, ￣￣｀‐
-,'i/_,. -‐ ` ′ │ i ､ _
/ '´ _,. -‐ ヽ ! }TT ー- 、 、
ヽ _,. -‐'´ ﾞ,. ,'ヽノi ! |:.:.:.:.:.:.:.ヽヽ
| | _ノ/_,.ヾ∠/.:.:.:.:.:.:.:.:.:} ,
_」､ ヽ _,. -‐'´ ／ !|:.:.:.:.:.:.:｀ヽ／.:.:/,
_ 〕 `_ ､`ー ´__,..． '´ | , ﾘ:.:.:.:.:.:.:r‐:.:.:／ ′
:.|:｀´:.｀:ヾ￣ ＼ _」 〉ﾌ.:.:.:.:,;.:.|:.:／
∧:.:.:.:.:.:.:.:ヽ┐!ヾ:.´:.:.!//:.:.:.:.:.:ヾ:／
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沿岸交易都市の発展は皇帝専制の脅威と目されたので、しばしば倭寇対策を口実に介入されたのである
そもそも鄭和にしてからが冊封体制の「海洋拡大版」にすぎず、持ち出しの多さゆえ、竜頭蛇尾が運命づけられていた…
──────────────────────────────────────────────────
_,....-‐ー-..､,-‐-:.､
,...-‐:;.r:'"ﾞ::::::::::ﾊ:::::::::::::ﾞ'::.､::::ﾞ':､
. ,.:'ﾞ::::::::/:::::::::/:::/::! ﾞ､l_,;;:､::､:::､:::::::ﾞ'､
,'::::::::::::,ﾞ:;'|::i:::!:''/'|_ ﾞ'!,.ﾞ;::!;:::i:::'i:::::::::ﾞ､ …と、いうわけで。起死回生のため、日本市場に本格参入したいの♪
. l::::::::::::::|:!:|::|::! |'";;､ i:;;,, !ﾞ':lri::i::__:::::ﾞ,
|::::::::::::;::r'"l| ! l. { ;; } !;;ﾘ |'! ￣
|::::;:-''ﾞ '､ (_'､ ' '''ﾞ , .! ただ……布教団を便乗させてくれるポルトガル商人が、居なくてね───
ﾞ''ﾞ ﾞ' ‐'ﾞ':､_ ー .／
|ﾞ'' ‐- r<ﾞ 中国経由で商売できない日本直行便は、コスパが悪すぎて辞退者続出・・・
／|_ _.／ ﾞ' ‐､
r'ﾞ ﾄ ｧ' ,. ‐'ﾞヽ
,'ﾞ'i-i |./ r,.‐'ﾞ .／ﾞﾞ '! 仕方なく、中国人に強よ……もとい名乗りを上げてもらうべく、奔走中だよ
|',i ﾞ' |'-‐'' ,. / |
. -―-......_
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._:.=―'''
,':.:.:.:.:.厂￣￣ ',
i:.:.:.:.:.:.} ´￣｀ ｝ それは残念
ｒ＝､:/ ニ_ ,ﾆ,
| ｒｙ ヽ ｔッ )） (ｧ｛ できればキャラック船で、安全に航海したいのだが・・・
ヽ ', /
〉‐l `l __,ノ..,
' ＼ , -= '
___ﾉ ＼ ￣´i―- ＿_
ノ| <＼ ＞―‐ ' ＼ 丶
／ l ＼＞-＜ /ヽ ヽ l
／ .| ∨ |＼ ノ―┘丶 ヽ !
／ ／∨ ∨ .∨ | / ﾄ 丶 ヽ !
／ ／ ∨ ∨ Ｙ /:/ .l l l l |
,.-、
/ﾌ /｀i / ヽ ＨＡＨＡＨＡ
i i / レ' ヽ
. ｌ l / _ ,r-;､ ヽ
.! ! ./<{ }〉 ｀'ｰ'.' i いえいえ。唐船に便乗客として訪日するほうが、好都合です！
! ｉ /. ￣ﾋﾌ !
. ヽヾ ヽヽ
ヽ i'､ヽ （マラッカ長官に交易の思惑が絡むのは、やむを得ないにせよ───）
l |. i. i
| ╋ ｌ l. ｌ 商人と共に訪日すれば下心を勘ぐられ、痛くもない腹を探られるだけです
. i l. l l
i l. l l
i ,! `'
i /
i, r-, ./
ヽ ,! i, /
ヽ.ﾉ ヽ.ﾉ
────────────────────────────────────────────
そこで「海賊」とあだ名される中国人船長に、白羽の矢が立つ。かれの船の水夫は、すべて中国人だった
────────────────────────────────────────────
ー=彡':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＜
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レ' ',::::::／,rx .{:::::::/ ,ィﾁ心､ヾ∨:::ﾉｰ-､::::::::＼
ヽ/ .V)ﾊヽ::/ ﾄｲし:::ﾘ ノ ∨⌒ }:::::／´
}ゞ' 乂zzツ _ノ ノ／ まあ、行けというなら行くアルが……「中国を経由せず
／￣＼ ゝ ` ,.ィー'"
/ ／⌒Y 〕ト 0 __|￣／＼ 日本に直行せよ」というのは、聞いたことないネ
ゝ〈__,.ｨｉ「 ｡．.,/∨_/ﾆ二ィ／{__／ﾍ
x癶oﾟ･；;'::ﾟ。Ｙ´￣ (二) { /ｰ‐ﾍ
くく＞┴───-ミ ∨ー''ハ
Y//////////////ミs｡.,--〈⌒＼ }
∨/////////////////`'く_ﾉヽ_ノ_ﾉ
∨//////////////////ﾑノ'´
寸/////////////////イ|
`'＜//////////＞''" | |
|＿二二二￣＿＿＿,ハ
| | {
ﾗﾄﾞﾛﾝ
中国人「海賊」アヴァン（演者：テンカワ・アキト ＠機動戦艦ナデシコ）
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
ノ|
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T'''''''''''''''''''7
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'───ii-- ‐'!
|￣~~~~~""""';;'''' ─‐┐ |
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λ |.! λ, 仝| |ゝ､ ￣￣￣"""""|＿＿＿___! ,.ｲ
!ﾍ. Y ｎ !!ゞl''''|!__|ー‐｀ー──-----!＿＿＿ |､ ,/,'
( ｀┬┬‐┬（ _ ﾞヽｌ!__!_!_!-r──ァ-----ﾞ＼ ＼ ,/,'
! .┼┼‐┼‐ゞ｀ヽ ｀ヾTT''Tﾆニｺ_||┼┴┼＼ ＼＿__//
!─────| Y´ l_lﾆl__!!~二''|!､!￣ﾞ|llﾆl|ﾞニil戉iニｿﾚ/
| | ゝ ｀'' - !! L,,|_|!ﾍﾍ、|￣l|￣ﾞ|!三ン ﾉ/
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ゝ､´ ! ｀ii''‐'-｀ .,''ｰ- ゞ,_'''´ ＝=i==＼＼＼＼＼＼＼'
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/:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:/＼:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ 中国の「海賊」よ。 「ご協力」に感謝するね
/:.:.:/:.:.:.:|:.:.::.:.:.:/ ＼:.:.:.＼:.:.:.＼:.:.:.:.:.:|:.:.:.::|､
/.:.:.:/:.:.:./ｌ:.:.:/:.:/ ＼:.:.:|＼:.:.:|＼:.:.:.|:.:.:.::l:.:ヽ
,!:.:.:./:.:.:./ |:.:/|:./ ＼ｌ ＼ｌ ＼ｌ -‐､|:.:.:.:.＼ 布教団が成功すれば、銀産国日本との本格交易
|:.:.:/:.:.:./ ｌ/ ﾚ ,,x=＝=x､ ´ ）:.:.:.:.:.:ヽ
|:.:/ｌ:.:.:/ ,,x=＝= ´ | ） i:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ および拠点の確保も期待できる・・・
|/:.:|:.:/ｌ ~ ､､ ｌｿ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
/:.:.:|/ ,| ､､ ' _ノ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
ｌ:.:.:.:.:.｀ｌ _ --―''' ￣ | ｌ ｀ヽ､:.:.:.:.:.:. 君こそはマラッカ商人たちの、期待の星なの！
,!:.:.:.:.:.:.::ｌ |: / | / `ｰ､:.:.
|:.:.:.:.:.:.:.:ヽ ｌ/ | / `
|:.:.:.:.:.:.:.:/ ＼ ヽ 丿 ／|
|:.:.:.:.:.::/ ｀ｰ-､ ｀ ‐- -‐ '′ ／ |
|:.:.:.／ ｀ ‐- -‐ '' ´ |
`''′ | ／｀ｰ-､
,.イ: : : : : : : : : : : : : : : : :ヾ⌒
≦彡: : : : : : : : : : : : : : : : : : :.＼_
ｰ=彡ィ: : : : :ｨ: /∧ﾐx: : : : : : : :ｘく´ 望外の言葉ね。報酬のほうも期待させてもらうの事
'フ/: : :/}/-ﾊハﾘ≧爪=: : : :＼_`
/ィ彡{ｲ 代ﾘ`′"´ﾋﾘ>｀Y辷ﾐ￣｀
′ ヾｔ , 〃 ｀ （フン。海上タクシー代わりだけじゃ、割りに合わないネ
__入 _＿ /､
r＜三圦 ¨ .ｲ三≧ｭ、 契約違反だけど厦門に寄って、密貿易で一稼ぎしてやるヨ）
|///7ｧミ＞､ ／辷彡'//ｲ
|/////|:o≧三´=彡'/////,|
ｒ彡////|:o/∨::Ⅳ////////L_
.．=√三≧＝=ミo辷三孑//////≦/ヘ、
,.イ//////ハ/`ｰ=ミ辷//////≧=彡７/////`ミ:､
/////////∨////////三三≧//r=ﾐ://///////ハ
.′///////ハ//////////////,〃辷ｲ//////////∧
j///////////ﾐx/////////////////////////////∧
,. -──- ､.
,. ‐-.､,.‐'´ `‐､
／ ／ ／ /／|. ﾄ ヽ ヽ
, ' , ' .,イ _∠!/ | ! ヽ !ヽ. ヽ ヽ __ むろん出せる限りの報酬は払うよ。ただし見聞役は同行させる…
/ /／/ ｲ/ / |￣ヽトヽ. ! / ヽ
/ ' ,ｲ /,ィｬ､ ‐ｭ ､ ヽ i l ヽ あと、念のため君の嫁さんは、人質として預からせてもらうね
/ ／|/l ! {,,il| {,,,,ill|ヽ ヽ|-､/l i
,' ／ ,' ゞﾘ ゞッ ,ｲj } i. !
. ! ,.‐'´ l '" 丶＿＿_ ''''' ,_ﾋノ ｉ │ なおザビエル師の日本到着を報告する書状を持たずに、
. ｉ, ‐'´ ヽ､. |' | ／'´ ヽ. |
` ､ヽ.＿,ノ , ‐'! ヽ | ここマラッカにもどった場合は、財産も没収だよ！ いいね？
` ‐r ' | ヽ !
／￣￣￣｀ヽ ヽ!
∠..、 ヽ
/￣ ｀ヽ.､ ﾞ､
/‐- ､ |.|_ l
! ヽ!└- ﾆﾆﾆﾆﾆニ!
| ヽ |! /|
∠__＿:::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀＼:::::::::::::::::::::::::::＿ゝ
／::___::::::::::::::::::::__::::::::::::::::::_:::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀＼ ,
／´:::::::::,..-ｰ'／´:::::::::::／´::::;::.-ｰ'"´::/::::::::::::::::-＜、 て_
/／ﾉ::::,／::::／:::::::::::::::／::::;;-/ヽ;::-''ﾌ:;l:::::::l:::::::::::::｀＜ そ
,／::／::::,/ /.､:::::_,...ィｯ;-'ﾞTイﾆ'､ヽ,:';／l:::::::/l::::::::::::::::｀＼ （
/;:ィ:::::／r'">､ヽl´ ´ ､ﾞ廷_ｿ.''^'' /::;イ∧:::::::::::｀ﾞ＜
/;ィ:::::::l ("ﾃ u. ｀ﾞ /''",弐'"|ヽ:::::::::､::::;ヽ
'''"）::.ﾍヽ､ u. ' t'ﾘ,L/::::|:::::::::::｀< なっ？！！
,.ィ-､;::::〉‐､ ,>′|::::/ l::::;l::::／
__,.､__r" ヽ.ｼ' l ,.-'"ﾞヾﾞ,ヽ､_ ,l/ ,|::::l,/
｀-'l ｀ﾞヽ._ヽ. ,/ .lﾞ,ﾌ" ,/ /／
| | ,.-''''ヽ / ヽ l' ,ﾉ′ ／ っ
,ｲ | ,ィ"| / ﾞ､ ,/ ／ っ つ
l | ''" ﾞ .| / ､_ ｀ﾞ''"／
'ﾉ l, ,/ ノ｀ﾞ'''ー-<__
, ﾍ/.,＿_ ,ィ'､| ,.-｀'､
/ ｀7 l" ﾞ| ,／ |
/ /-､ .| ／:､ ├-､
;' 〈''ヽ.｀ヽ､___,l.（ ｀＼ .| ﾞヽ､
＿. . . -. . . . .
,. . . :'"´: : : : : : : : : : : : ｀: . 、
＿＿ ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
, . '´ : : : :｀/: : : : : : : :/: : : : /: : : :∧: : : }: : : : ＼
／: : : : : : : :/: : : : /: : :/ : : :／i: : ／ : ヽ: : :|: : : : : :ヽｰ-､
/ : : : : : : : : /: : : : /: : :/ : : /: : :l: /: : : : : V: i: : : : : l: :',: : ヽ
./ : : : : : : : : ,': : : : :/: : ;ｲ: : :/￣￣ ｰ'′ '､__l＿: : :: }: :.',: : : ',
/: : : : : : : : : :{: : { / l /,r-―-､: : : : : : : : :ﾘ: :ヽ .| :',: : : ',
. / : : :| ＿ | /: : l/.／⌒ヽ : : : : : : : ,-‐.､: :', .ﾄ, ',: : : l 残当でしょー？
/ /´: : :ヽ/: : : { | l:::l .} . : : : : : : /,_ } ', i､ | ', } : : l
/ .,ｲ/ /: : 〉 : : : i ', .'-' ,ﾉ. . : : : : : :.| U.l }./V: .', | l
, ／ .ヽ i: : ( : : : : ゝ-' /:f i ) ', l l 中国人の、まして「海賊」を信じるほど
l ／ ＼ , ´ .|ﾉ/ l
l ／ ｀ー'、 ＿ ,'-'ヽ ...l 私らポルトガル人は、甘くないよー
l ＿／ ＼ '--' ／ ＼ .,'
￣ ｀ , .、 , '" ＼_/
|: : ｀: . .、 _ , '"
_}: : : : : : : : : |
／､/: : : : : : : : : :ﾄ､
,. . : '"´: : : ＼＿ : : : : : : 'l ＼
／: : : : : : : : : : : :＼:｀: : : : ￣l: : :＼
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＼ ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::＼
＼ ,.:':::::::::::::::::::::::::/:::ﾟ｡:ヽ::::::::::::::::ヽ::::::::ヽ
/::::::::::/:::::: |::::::/:::::::|l:::ﾄ廴从::::::::ﾑ::::::::::.､
ヽ ./:/:::::::/:::::::::ﾚく从:::::八ﾊィfミxﾟ｡:::::::', :::::::::':.
＼{:ハ::::l{:::{:::l::lｨﾁﾊ ヽ( じツ.)ｱ}::::::::}:::::::::::::ﾍ アヴァン！ あなたが好き勝手やると、
lﾄ､ ',::ﾊ::乂:癶じｿ ｀¨う ﾉｲ::: ﾊ::::::::::::∧
｀¨fs｡＿__{o゜ ' ＿_ r､__彡::/:::ﾟ。:::::/::∧ 私が「ピー！」されてしまうのコト！
ﾏ///ノゝ Ｖ´ ) ＼:_:_,ｲ::::::::,::::::::/::∧
ヘ､ '////＼:ヘ､ ｀¨´ トxl::::::::|::::::::::/::∧ 出来心だけは、ペケポンあるよー
へ､. '/// ア/`:.､__｡o≦,ｨ彡イ{:::::::|::::::::::厂￣¨ v
へ ﾏ{ ,ｲ'/::::::{二ﾌ彡'" ﾉ,l:::::::|777,' /zs｡
＼ ﾏ .///::::::::}ヽ ﾏﾑ .{/ﾘ:::::::|///l ////心､
ゝ-ｱ:::::::::i ｀ヽ}lﾘ／´ ヾ':::::: |///| ﾑ'/////ﾑ＿_
＼ /::::::::::i jl|{ ,::::::::::}//,'l ﾊ///////}_ノ
アヴァンの嫁
（以下、アヴァン船の関係者モブ ＠機動戦艦ナデシコ）
∧∧
／ 明＼
（ ；｀ハ´） ひーっ！ わたしの大事な嫁に
（ つ つ
（ ヽノ おいたしちゃダメの事ヨ〜！
し （＿）
↑
アヴァン
─────────────────────────────────────────────────
二年間の布教の生活費や教会建設費として胡椒５．７トン、日本国王に献上する総額２００クルサード分の音楽時計・
オルゴール・メガネ・装飾付き火縄銃・水晶ガラス・緞子・ワイン・書籍……マラッカ長官肝入りの支援は、莫大だったが
─────────────────────────────────────────────────
_,,,.. --- ..,,,__
,, r''" `ヽ､
／ , .∧ `'､
// , i / ,/ 'i i, , 'i
',i' , /ﾌ'メi_/ '､i_i,_L,, i ',
_,,_ ,/ ,,i / ,,r==､,,'' _,,,ﾆ,,i 'i,i i i,
./ 'i ./ i. ﾚ'i `' i/ﾚ'! ', じゃあ、がんばってねー
|. i i '､ i r─---┐ i i ',
_,,L,,_ i, i `'i,. i i ,' ／ ', アテ ローゴ！
,r''" `'i'､! /ヽ, '、 ﾉ ./''" i
／ -─'''''''‐く ﾄ-､,／ ﾌ-､`ｰ‐ '",,_-''" ', i
i ＿,,,,,__ﾉ ,i.i. `'ヽｰ" 'ヽ, ￣￣''ｰ0'i ヽ i
'i ）i i `ヽ `ヽ,,`>､,,,,,,L_ ＼,,,j
'､ ─--r' i i i ヽ,
＼,,＿_,,ノ-,i,i i 0 i ',
i, // ,, -' i 0 ', i
＼,__// _,, -ｧ'''" i 0 ', i
￣ﾞﾞﾞ￣ i i 0 ', ',
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
,.ｨﾆ三三三ﾆ=ｘ､
,ｲﾑ=ﾆ三三三テ三℡
/'´ u. ヾ三三X
, u. V三三ｌ
ｌ V三三!
ﾋ=ミ､ 彡ﾆ=- Ｖ三人 ・・・・
Y丕う ィ丕ﾆ‐ i´/⌒i
ｌ ﾘ i 厂ｊ. ｌ （まずは、無事に航海することだな…
i / u. ι' ﾘ
i ｀='´｀ L彡' あの中国人船長、腹に一物ありそうだ）
i ＿＿ /|
i ー ,.ｲ |_
i ／ λヽ
廴＿＿,. イ ,.ｲﾘ三℡._
,不、 ,.イ /三三三＞ _
_,. ＜三| ＼_,.イ /三三三三三三＞
,. ＜三三三ﾆﾄ､/三ﾍ.／ /三三三三三三三ニ
,.＜三三三三三ﾆｌ l三| /三三三三三三三ﾆﾆ
<ﾆ三三三三三三ﾆ! ﾉ三{ /三三三三三三三三三
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船主には微妙な不安を抱えつつ1549年6月24日、ザビエル以下の布教団は、マラッカを発つ。神父トルレス、コルドバ
出身の修道士フェルナンデス、弥次郎含め日本人3人、中国人信徒マヌエル、インド人信徒アマドールの計8名であった
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越冬を組みこんだ中国経由の習慣航路を望むアヴァンと、契約通り日本直行を望むザビエルは、船上でよく衝突した
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／..:::::::;ノ::::: ..:::::::/:::::::::..:::::::::::|::::::::l::::::::::::::::::::.. ::::::::::::::::::.. ::::＼
";::-'''"/:::::::::,..::::::/l:::::::::::l..::::::::::|:::::::::l:::::::l:::::::::::l:::..､:::::::::.. ::::::＼ヾ:､
´ /:::::::;:イ:::::/::;|:::::::::::l::::::::::::l:::::::::l:::::::.l:::::::::::l:::::::ヽ:::::::::,､:::::::ヽ
/::::／ /..／/::::ｨ:::::::,ｲ::::::::::ﾊ::::::::|ヽ::::l､:::::::::l､:::::::lヽ::,l' ヽ､::::ヽ
''"´ ´ |ﾞ'l::/ |:::::/_|::::,ｲ:::l .|::::|:::l ﾞ､:l ﾞ､::::__L､:::lｨ,|'" ｀ﾞヾ
.l'∧'"l::::/｀_ﾞ7ﾄ､_' , l:::l､:L,斗七_､ .|, ﾞ､::rﾘ （ふん。おまえらの思い通りにはならん！
.ﾞ､､.l 'l::/'ｬ込:ﾘ｀'｀ ﾞl:|.ﾞ､|".辷'_;ﾘﾝ,.|',∧l′
ﾞ'､ﾍl' ﾞ l,<'ﾞ 航海は、こっちのペースを守らせてもらうの事
,..-l｀ﾞ､ , / ﾞlヽ､
,.::-ー'''''''''''''" l ﾍ l; ,.ｲ l ｀ﾞ'''ｰ-.､ 越冬がてら厦門で一稼ぎするのは、既得権ね）
l l'ヽ. ,.......__,､ ,.ｲ,l l ｀ﾞ'
l l.l ＼ ｀ ￣.´ ／ ﾚ .l
l ﾞ''､. ＼ ,／ ﾉ l
,l ﾞ､_ ｀ー‐' ,...ィ' ,イ. ﾍ
/ l｀ヽ､ ／ l' / ﾍ ﾍ
/ ,.-'"l .|_ ｀ ´ 'l ' ﾍ ﾍ,
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
ｵ､ｵ、ｵﾜﾀｰｵﾜｵﾜｵﾜﾀｰ♪
＼ ｵｵｵｵﾜﾀｰｵﾜｵｵﾜｵﾜﾀ／
♪＼(^o^) ♪
＿ ) > ＿ ｷｭｯｷｭ♪
／.◎。／◎｡／|
＼(^o^)／.|￣￣￣￣￣| | ＼(^o^)／ ←船神をおがむジャンクの船長と船員たち
) ) .| |／ ノ ノ
(((( >￣ > )))) ＼(^o^)／ ((( <￣< ))))
) )
((( >￣ > ))))
/＼ 『心の不安定なのは不信者のつねで、船長は進路を日本にとるのを止め、理由もなくあちこち
|V ヽ
|/____†_| ♀ 投錨した。せっかくの好天と順風を利用できず季節風の時機がすぎ、越冬しかける羽目になった
（_.；´_v｀）∥
/ ~〉†〈/つ また、船長と水夫らが船に積まれた偶像を絶えず尊崇する所作を観るのも苦痛だった』
ノ ノ| |...∥
´〜（_＿）,__）∥ゝ （ザビエル書簡 1549年11月5日付）
↑
ザビエル
, -──‐ 、
, --'´ ｀ヽ、
／ / ＼
/ ／ // ＼ ヽ
| / //小 ｉi ヽ ヽ
| ,--/ / ナヽ′i }} ヽ| | i
', /厶{{ /{ｨLj::}` } 厶ﾄ! | | |
',{Lr ヽ { `＝' .ノ-イiﾉﾘ / /ﾙ!!
∠二二丶､ヽ`┐ ヽ 〈ヾﾟ' / ／〃 ありがたき船神さまよ！ 我らの日本直行は、はたして
,r'"´￣｀ヽ､＿／ ＼ ｀"く ‐- ､__´ /"´
_／ ｀` ー ､ `丶、 ヽ ヽ＼ - , '⌒ヽ 吉凶いずれなりやー？ 風は今宵も、順調なりやー？
／ / ヽ＼ ｀了 /⌒ヽヽ､ __ ∠ , -‐-＼ ,-,
／ r＜ ／ |ヽヽ | 〈 ﾄ-ｲ |/ ／, '´ ヽヽ,＿ / /
r'´ , イ /| ヽヽ | ｝ } } ﾊ/ / /￣__ ＼/ ′
`ー─ '´ j ￣￣￣￣｀ヽ /| | } | / 〈 /弋 } i`┴‐┤ / ／ | !
/ T / // / ＿>-'´ ﾄ､ `ー个┴‐ ｧ し| / rへ、ﾊ
/ / / / / // / ＼ | ＼ | / / ヽ.」__ > ､_ﾉ ﾄ､__
/ / / / / ／＿__／ ＼ ヽ | /| 〉 ヽ＿_, //∧
船員Ａ
___ アイヤー「中国に寄港するが吉なり」と？ 残念無念、されど
,...:::'´:::::::::`ーく
ノ::::::tzzz∠rzx:::＼ 神籤が導く船神様の託宣なれば、逆らえば大凶アル！
{::::::/ ｲ二ノ＾_Y::/⌒ }＾Y
(＼＿ ﾉ::(`'" _ 〉 ,ｲｹﾉ
ヽ'//＼--､ ＾ヽゝ､ '´ ￣〈 __////}⊃
//////}//}ーミ＾^=- ..,,_ , --t‐‐‐-ミヘﾉ､＿≧s｡si(＿＿ -‐-ミ _,,.. ＜＾＼, ィ升Ⅵ/,ﾑ⊃
__ノ､////ｱﾐ// ∨ ∧ ｀`＜ ﾍ'´￣ ,ハ＿￣「/{＼￣￣ Y /￣ } ヽ_,.}/彡--､ｿ､
_／／丿/ '⌒≧s｡∨ ∧ ｀ヽ､ ﾟ。 / :}／＞'´∨∧ l: / ／ / / ｰ｀
ｰ'ｰ'ー'´ ＼} } ｀丶､ Y＿{ /{／: : : : :∨∧＿__}/ ／ /____/
￣＾^'=- ,,_ ,ﾊ＿∨∧: : : : : : :ヽ￣ﾏ__∨ / ｡s＜
＞s｡ / } |ﾊ ＼: : : : : : ∨ | } /＜
∨ 乂___＼＿｀`丶､: : } /___/
∨ ⌒＾^'=-／ {
船員Ｂ
/＼ 『かれらは始終くじを引き、航路の運勢を偶像に尋ねる。（占いの結果があてにならぬことは）彼ら
|V ヽ
|/____†_| ♀ が我々に与える宣言（ルール）と同じだ。（一貫性も無く）今まで良かったことが、悪いとされる』
（_.；´_v｀）∥
（ザビエル書簡・同上）
(;ﾟдﾟ)(;ﾟдﾟ)(;ﾟдﾟ)ﾎﾟｶｰﾝ
──────────────────────────────────────────────────
ｻﾎﾞﾀｰｼﾞｭ
ザビエルは中国船の、恐らくは契約違反の口実であろうデタラメな「呪術航法」に、不満をぶちまけている。果たして・・・
──────────────────────────────────────────────────
彡 彡 彡 ゴオオオ...........
彡 ﾌﾞﾜｯ 彡 彡 彡
へﾍ./ゝ、 彡 彡
ﾉ＼ | / ,' ' 彡 彡
ｿ ＼|/ ∧＿∧ 彡
￣￣￣ ＼(´･ω･｀) 彡 彡
彡 ０⊂ ヽo 彡 彡
彡 ヽU Uゝ 彡
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿: : : : : : : /: : : : : : : /: : : : /: : : : : : : : : : : : :/ : : : / : : : : : : : : :
二 二二二二二二二二二＿＼.: : : /: : : : : : //: : : : : : /: : : : : : /: : : : : : : /: : : : : : : //: :
＼＼/: : : : : : : : : :/ : : : :/ : : : : : :/: : : : : : : //: : : : : : : : : : :
| !: : : : : : /: : :/ : : : : : : : : : : :/ : : : : : : :/: : : : : : : /: : /: :
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿｣__|: : : : : : : : :/ : : : /: : : : : : : : : : : : : : : :/ : : : : : : : : :/ : : :
三＿三三三三三三三三三三／ﾄ､＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
‐´0 〈＿ 三三三三三三三／|! l|二二二二二∧＿∧二二二二二二二二二二二二二二
｀Д）／フ!三三三三三ﾞ／|!l |! i| （Д｀u ）っ
○∠／'''l| 三三三三／|!l |! i|! i| と }：{ / ＜ 大変だ、嵐だぞ！
___{o| |l′.l| 三三三／|!l |!l |!l |!l |＿＿＿＿ / ﾊ ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿ノ| |l ,／:三三ﾞ／|!l |!l |!l |!l |／＿∠＿＿ （＿_ﾉ L＿）∠＿＿＿∠＿＿＿∠＿＿＿
三 └‐'" 三三.／|!l |!l |!l |!l |／＿＿＿∠＿＿＿∠＿＿＿∠＿＿＿∠＿＿＿∠＿＿
三三三三三／|!l |!l |!l |!l |／∠＿＿＿＿∠＿＿＿∠＿＿＿∠＿＿＿∠＿＿＿∠＿
三三三三／|!l |!l |!l |!l |／＿＿＿∠＿＿＿∠＿＿＿∠＿＿＿∠＿＿＿∠＿＿＿∠
三三三／|!l |!l |!l |!l |／＿∠＿＿＿∠＿＿＿∠＿＿＿∠＿＿＿∠＿＿＿∠＿＿＿
─────────────────────────────────────────────────
船頭多くして何とやら。船がぐずついているうちに季節風の時期が過ぎ、南シナ海名物の台風に遭ってしまうのである
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揺れる船上で、中国人従僕マヌエルが船内の排水槽（ポンプ）の水中に落下する事故が発生
────────────────────────────────────────
'⌒ヽ⌒⌒) つ
⊂ ヽヽ| |/ ／ ドボン！！
⊂。 ） っつ
ヾヽ /／／ ｡｡ﾟo｡ﾟo ｡ﾟo
￣￣三三二≡三≡（（ | || |||））≡三二三三￣￣￣￣￣
三二三ヾ＝＝ｿ≡二三三
｡ﾟo｡ﾟo ｡ﾟo
｡ﾟo｡ﾟo ｡ﾟo
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ぷか
ぷか
〜 〜 〜 _ﾆ≧￣ヾ'⌒ー ､_
〜 〜 彡:::::::::::::::::::::::::::::;;;;;＜｀
〜 〜 _,......_ _7:::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;_:;＼
_rｰ_二ﾆ=─￢'￣￣' ´￣⌒「`￢へ（,ｲ::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;）ヽ
〜 _ -( く _ - ヽ:.:.＼ヾ＼:::::::::::::::::::::::::::::::;;;／ ﾉ
_ -.:´: : : :ヽ､｀二`ー─ 'フ'￣ ＼:.:.:＼ヾヽ_::::::::::::::;＿;:-' _r'
／ : : : _ - ´ ￣／ ／ ヽ:.:.:.:.｛:.i￣`ー'⌒_ r､ _ ノ
へ:_／ 〜 _ノ ／ `ｰ-!:.:ヽ--‐イ／ ﾚ'
ノノ 〜 _.........｢ ／ |:.:l:.:.＼_ 〜
ﾉ _,.. -'"￣｀ヽ::＼ ｿ {:.:ヽ:.:.:.:.:｀`ー- ､ ＿
_,, -=‐く ＼:::＼ _, -/ 八:.:.:.:.ー:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
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:::::::::::::::::::＼ ＼ゝ‐ ´ -'⌒ノ/ ／ ノ ｀丶、＼:.:.:.:.:.:.:￣
::::::::::;::::-－,} ノ _ - ´ ／／ / ／ ＼ ＼.:.:.:.:.:
ﾆ-´‐' ﾌ／::ヽ ／／ ﾉ / ／ノ 〜 ｀＼_￣｀
ノ／:::::::::::| ／ ノ 〜 （ ｛ _／ 丿 〜 ￣
/／:::::::::::::::::＼/´／ ｛ `´ ／ 〜
ノ/::::::::::::::::;;;／ ノ 〜 〉ゝ.-.イ
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苦心して引きあげたときマヌエルの意識は無く、ザビエルはかれが死んだものと思ったが、「神の思し召し」
で奇跡的に意識をとりもどす。頭部に外傷を負いその治癒にはなお日時を要したものの、快復したという
────────────────────────────────────────────
／l 、
／ |,,_ / l
/:: ~-' l ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
/:::: l ＜
/::::: | ,. | 逆さまのまま長いこと水に漬かって
l:::::: | / / !
|::::::: | ' / .| いたから、死んだものと思ったぞ…
l::::::: レ' ／ ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
|::::::::: ／
,,.--､ ,--.､
（;;;;;;;;;＞-─-＜;;;;;;;ﾉ
`y,r‐‐､ ,r--､Ｙ´
| l、;;;;ハ;;;;;;ﾉ | 謝謝。わたしも、寿命が縮む思いでしたのこと
! ` " ` " ,'
`'‐┬----＜
ﾄ､,,＿_,,,,,メ
i;;;;;;;;;;;;;;;;;;i;;;ﾞi
ﾚi;;;;;;;;;;;;;;;ト､|
|￣￣ |
し'⌒ヽﾉ
マヌエル（演者：ぱんだ ＠あずまんが大王）
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ところが一難去ってまた一難。皆がマヌエルの蘇生に気を取られている内にも、荒天の悪化待ったなしで・・・
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〈::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;／;:;:＞ﾍヽﾆ二ﾆﾆ,,〃´:i;:;:ﾜ ＼ /⌒ヽ
丶=.,､、_;:;:;:;:;:;:;:;＞-":;:;:;:;:;:;:ﾌ不不,!~:;:;i:;ﾊ/ ――フ ノ
¨`∨:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;／:;:;:;:;:;／;:;:;:;:!;:;:;:ゝ ... ／ |
,' ∨へ;:;:;:;:;:;:;:;:_ｼ-､_,-‐っ‐;:;:;:;:/;:;:!;:;:;〈 ... ／⌒ヽ_ノ ○
!:,:,:,:,:,:,:,:ヽ-‐′ '',:,:,そ､;:;:;:;:;:;j:;:;／
i;' ／ ':,:〈:;:;:i''~/~
l ／ ,:,:,＞‐′
l ／ ,＞"
y' ＞‐"′
／ ＞＜
∨ ,-ﾍ‐"ll !;;;;;;`-,､_ ,､
ヽ ＿ __ ,ﾉ′ﾑ !;;;;;;;;;;;;;;;;;三;;〕}＞-n=､
／ / ヽ、~´:::::::..〆==＝＝三=;ｼﾞ;;;;;;;;;l |}}|
∨ ＼_＞^`-‐i'¨ .`￣ ¨ `平｀.oヾ＜_＞′
∨::...........:::／ `＝一 '"
ヽ‐-─ﾁ'′
!:|;;;;;;;;;|
∨;;;;;;i′ │││ │ │
_∨;;;;ﾄ、 ─┘ 丿 レ ツ
ヽヾ､/ i
を、_ ﾗ
!､ ,_ゝ_≡≡＝＝≡≡＝＝―
∨､=＝ﾆ!≡三三三二二＝――
∨ ハ、───
∨､＿,,ｿ ヽ ヽ
｀¨¨¨~ ノ ノ
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/￣｀ヽ
/⌒ヽ / ＿＿＼
/ ∧ __∠ '´ ￣｀ ､
/ ﾏ⌒Y´￣ ヽ ちょ、ちょと助けてアル！ わたしもバランス崩してしまったの事！
/ ゝ-ｲ ', ヽ `ﾄ､ ヽ }
/ } { l | |_∟ｿ }´从乂乂
: / :| { 乂レ'´|/|/ ○∨＼ っ っ っ
::/ | :l 〉､ 从 ○ '''} ヽ っ っ っ
/ | 从{ 卞､ﾊ '''' ＿ ﾊ￣}フ っ っ っ
: | |ゝs｡ﾑ ﾍ (＿/ У ､ヽ
: | | ∨l!ーﾟﾟ⌒ゝ､／ ﾉノ
: | | }/Ｙ::::::::::::l! '，￣￣})
＼/乂ハﾊノ /::::|::::::::::::::l! ',￣￣
アヴァンの娘
＿/＼／＼/＼／|＿
＼ ／
＜ どぼーん！ ＞
／ ＼
￣|／＼/＼/＼/￣
∠__＿:::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀＼:::::::::::::::::::::::::::＿ゝ
／::___::::::::::::::::::::__::::::::::::::::::_:::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀＼ ,
／´:::::::::,..-ｰ'／´:::::::::::／´::::;::.-ｰ'"´::/::::::::::::::::-＜、 て_
/／ﾉ::::,／::::／:::::::::::::::／::::;;-/ヽ;::-''ﾌ:;l:::::::l:::::::::::::｀＜ そ
,／::／::::,/ /.､:::::_,...ィｯ;-'ﾞTイﾆ'､ヽ,:';／l:::::::/l::::::::::::::::｀＼ （
/;:ィ:::::／r'">､ヽl´ ´..||||､ﾞ廷_ｿ.''^'' /::;イ∧:::::::::::｀ﾞ＜
/;ィ:::::::l ("ﾃ u. ｀ﾞ /''",弐'"|ヽ:::::::::､::::;ヽ
'''"）::.ﾍヽ､ u. ' t'ﾘ,L/::::|:::::::::::｀< あっ！！娘が海に落ちたアル！
,.ィ-､;::::〉‐､ ,>′|::::/ l::::;l::::／
__,.､__r" ヽ.ｼ' l ,.-'"ﾞヾﾞ,ヽ､_ ,l/ ,|::::l,/
｀-'l ｀ﾞヽ._ヽ. ,/ .lﾞ,ﾌ" ,/ /／
| | ,.-''''ヽ / ヽ l' ,ﾉ′ ／ っ っ
,ｲ | ,ィ"| / ﾞ､ ,/ ／ っ っ っ
l | ''" ﾞ .| / ､_ ｀ﾞ''"／
'ﾉ l, ,/ ノ｀ﾞ'''ー-<__
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
〃´
／⌒ヽ ＿＿_{{ ﾄ､
/ ／⌒X´￣｀ヽ｀ヽ }_,. イ_,. __／⌒ヽ
,.イ / /／Y⌒X／ ／rﾍ! ー＜_/ ／⌒ヽ
{ { __／／ /冫' / / { / | i ヽ X⌒Y、 ヽ }
`ー＝彡' ／《/ /〃 レイ{ ﾄ､ ! :| V》! } } 人__)Y_}）
（＿_／´ ／/ { |.!{{.斗=ミ。 r jｨ=ミ刈:! i《､/ /| {`ー〃 ⌒ヽ
〃⌒≫/ /∧. { !ヽﾄﾄゞ, ,ゝ‐､ Y | | }}{ { | `=彡'⌒)ﾊ }
ヾ._{{ { ! 川 ハ V∧ {{ {: : : :} }}从,.j/人 ヽ ! ＼ _ノノ
乂 」_ _レ' ハ-彳 | !人 ι: : :ﾉ uイ {{ { ﾄ､ ＼＼ バーバ、ヂョーミンガ！
| 「 しｲ{__ﾉ }ﾄ､j∧{_冫､｀こ{{_,.ｨ升! } ,≧ミ､ :! ＼ } ヽ （父ちゃん、たすけて）
| {ﾄ､__人___／八)Y´/ ﾊ u/ ヽﾉｊ/ {{ }} ハ ､__）ﾉ 人ﾊ
乂_≧=-〃／,. イ_/ .{__! ∠､ :! ￣＼乂し'ー彳 ｀Ｙ´ jﾉ
{{ { / ￣》 》 ＼| __V 乂 八 ／
乂ゝ| /,.イ￣ ＼ |∧ /＼{ `ー=彡
レ'/ / V V / `┐
彡彡ミミ彡彡ミミ彡彡ミミ彡彡ミミ彡彡ミミ彡ミミ彡彡ミミ彡彡ミミ彡彡ミミ彡彡ミミ
ミミ彡ミミ三三三三彡彡ミミ三三三三三彡彡ミミ三彡ミ。っつっ。彡ミミ三三三三三彡ミ
彡ミ≡彡彡ミミ≡≡ﾟ彡。ミミ≡≡≡彡彡ミミ彡彡ミミ彡ミミミ≡≡≡彡彡ミミ彡彡ミミ彡ミ
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今度はアヴァンの娘が揺れる甲板から、海に落ちる。救う手立てもないまま皆の目の前で、娘は大波に呑まれたという
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──────────────────────────────────────────────────
「人々は大声で叫び、昼も夜も悲しみ続けた。我らも同情にたえなかった。だが命の危機は去らず、船員らは偶像を拝み
多数の鳥を殺し、飲食物と共に供えた。（中略）海が静かになった後も気持ちは重かった」（ゴア宛て1549年11月5日書簡）
──────────────────────────────────────────────────
_, -‐-,､
,-‐'´ ｀'＞‐-,,､
←─‐/ ヽ__
＞ ￣ヽ
／ ﾊ ヽ
∠＿__ ｯ _／l ／ | |l ハ なあ、南蛮の坊さんとその従者らよ・・・
/／/ﾇ／／ゝィ 斗|/､ﾘ ﾉ
' |ﾒ[ト＼＿ ｨ彳二┐弋.ヒ＿c､ ヽ､ 船長の嬢ちゃんがあんな不幸に遭ったのは、何故だと思うアルか？
| '‐ﾟ[ ] ゞ=ﾟゞ}-‐一ﾚゝう」ゞ-‐`
ヽ￣ /`──┘ タ|__
| ｲ/_| ,_、 广|孑´
ヽ､}ｪｭuzzェア` ,儿ィゞ
| ｀｀'''' _,ィ'´／ `|
| ／ ￣ ト
｀‐-─<ｲ／| /ハ
/ ＼ヽ ／ ＼
船員Ｂ
｀ミ王三三三三三三三三三三三三三三三三三ﾐl
ヾ王王三三三三三三三三三三三圭三三三三ミﾍ
ヾ王王三三三三三三シ"三三王王ﾘ戒王王王ミﾍ
､ゞ王王王王王ﾘミミﾐｮ､|圭圭ｿl||/ｨｲ戎王王王王l 船神に祈り神籤に託宣をもとめた結果、原因が分かった！
ﾞ》王王王王王ﾞ<弋＞ﾃ弍Ⅷ' 》ｲ≪iチﾌ王ﾐfﾍミ/
" |fr≡王王ﾐ ｀ﾞ¨¨´フ｀iゞ. "ﾐ''¨ﾞ´'"..:〉王ﾍﾉ"
_,r=-‐-ﾐiﾞ ´ /l ;.:. ｀` .:.:"'7王式 マヌエル、きさまのせいだ！ きさまが溺死しておれば、
ｆ´ ﾊ 〈/__;.:.:.. .:.:.:./王《
_ -‐- ､ l ﾍ､ __ﾞー___ .:.:./王|l从 お嬢が波にさらわれ死ぬことは、なかったのこと！
,ｘ''"´ ｆ》 l:ヽ l〉￣￣ ﾞi /.:l王王从
ｘ''" ,,r‐'"ﾍ ､ ,ノ＼∧ l ﾉ /.:/王ﾘﾉﾉ-‐‐-- ､
_,,,===|/:::::::::::ﾍ､｀￣_ﾉ:::::::ヽ ヽ ゝ＝''" ,/.:.///"´/ ヽ
,,.:‐´::::::x::::::i::::::::::::::;;;;::｀￣::::;::::::::::::ヽ｀￣¨¨´＜´ソ--‐‐‐ ､ ＼
:::::::::::x ::::::::::ﾊr'"´ ∨::::::::;::::::::::::::::｀¨¨"´::::::::::::::::::::::::::::::::.:.ヽ ＼
::::::::::l/:::::::::::::;ﾍ ∨::::::::;::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::/:::::::::::／ ﾍ ﾞヽ:::::::::;:::::::::::::::::
::::ｆ :::::::::;;ｆ､ ﾍ ﾉ--､:::';::::::.:.:.:
:::∧:::::/ ヽ､ ｀>'"´ ヽ::l
船員Ｃ
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
,,.､ ,.. _
i';;:,:ﾞ- ‐ -､;;;;::;i っ つ
.i',,,-､ ,-‐､ ヾ', っ っ
i`!;;;,.j i;;;;;;j 〉 （そ、そんなん言いがかりアル・・・）
.i ,;-;‐:､ ," _,,
` ‐'-''-';-;"‐-､-､─ -,､,';;;!
i;;;;;;;;;;;/ ヾ;;;;;;i i'''
.i`''''''" ＿ __二 _,,i､
i;;;;i^i;;;;i" !;;i ヾ;j
`''' `'' "
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だがその後も、台風を危惧して越冬（および、寄港がてらの密貿易）を主張する船長に、ザビエルは強く抗議している
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＿＿
,. -''""~ ~`''丶､、
,. '~ ﾉし ＿ ヽ
⌒`- 、 ⌒ <"~◎~"> `、
) `‐-‐ ' i
⌒) っ っ っ っ 丿 ∧∧
ζ ε ）---νννννν '’ ／ 明 ＼
三三三三三三三三三三三三三三三三二-￣￣.... （ ｀ハ´ ） いまや台風銀座の季節・・・
三三三三三三三三三三三三三三二- （´__]l[__`）
三三三三三三三三三三三三二- . |＿_|_＿| 君子危うきに近寄らずアルヨ
三三三三三三三三三三二- （＿,,X,＿）
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
: : : : : : : : : : : : : : ' ., . . . . . `ヽ､.,.:＜:::==┛┗
: : : : : : : : : : : : : : : : ' , . . . . . .: i:r'"´ . ┓┏ 中国での越冬、まかりならぬ！
: : : : : : : : : : : : : : : : : :' , : _,.: : :.|:{＿__ ,...._ {:|
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ':,: : : :.ij::}::;;;::八:::ｰ:)Vﾊ
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.: : :..{::〈ｰ '.:i__｀¨´ ｉ | 君らが航海中に我々をどれだけ欺瞞し、約束に
: : : : : : : :＿_: : : : : : : : : : : : : :.ヽ:ﾊ .:::{ |´
: ,. ＜´ ,. イ: : : : : : : : : : :彳ﾍ!| (}::i -‐- ﾉ）/i'´`ヽ 違反してきたか、マラッカ長官に報告するぞ！
≫: : : : : : : : : : : ＿: :i' くﾍ(|､: ._⌒ イﾊ.)ｲ´ヽ . . ＼
∧. . . . . . . . , イ: : : :ヽ､: ／{ ヽ __／ }、.: j. . . . . .`ヽ､
..イ´￣｀`. . . .,---- ､. . . . . . .i. . ./ﾊ＞､ ｲ!テ´: :.i-.イ￣￣`ヽヽ
≫---＜ ／ ハヽ. iヽ∧. . ヽ iヾ:} {::|ﾊ. . ../. .__. . .,ィ. . .ノハ
. ＜´ r､'､ _ .＜ニr-＜ﾔi j. . ハ.l.i:) i/i 7. . .／＞'´. r-'´ ｝
:.r､:.:.:.:.∧ニニv':r-j: :i: /: :/ﾊｲ フ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝=y
:.{ミヽ廴三三三i|: :i: :i:ィ',: i---' /ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニイ
:.:`ヽ:::::｀`ヽ､く:::ハ､ヽ_ヽ_人j=-'＜.ir:Y r-7／ ＞ ' ﾉ´￣7'´
:.:.:.:.:.:.｀`ヽ､:::::::::::::::i:::＞ ､:く ':,ヽ､=､_,.{_／イ´_,. -‐' .イ:::/
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それでもザビエルの要請を黙殺して中国への寄港を強行しようとしたアヴァンだったが、折しも
明軍が密貿易の拠点を破壊した直後のこととて、沿海域の治安は緊張していた……
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／
|> ／'
!! ／'
ｌl ,／ﾉ
!ﾚ' ﾉ F' ／､
／f'~ . || ／'. ト'
／j' ｌl !!／ﾉ : ＜ おーい、そこの船！ いま越冬目的で
／; 'ﾞ !! ／ﾉ :
_ l~~) ／ノ ｌl ／'ﾞ!! : 寄港するのは、危ないのことよ！
!ﾞi~~ ／ノ ｌl ／' || ＿;,,
ｌ lﾞｰ-´- ､.,,,__ ｌl /¨¨~j~￣--‐ |
. l ! ~~¨'''' ー‐-‐' 7
─i、＿＿＿ ＿＿＿,/───
￣￣￣￣￣
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＼ ／: : : : : : : : : : : : : : ｲ: : :{ヾ:＼: : : : : :` :.､ ` :v////////
丶 ／: : : : : : :〃: : :/:.ィ: /i:!:ﾊ :| `ｘ,＞:､ : : : : : :` :.､ ` :.v/////
＼ ／:イｧ: : :／/: : :,ｲ／ .!::ハ::{≧r≦´ヾ｀ヾﾊヾ:∧: : : : ` :.､ Y////
＼ /／ 〃/イ:.:./: :／Yヾr〈|/く 才〃/7ﾃ≧ﾐｘヾﾄﾐ{ : : : : : : :∧ V/// えっ！ そりゃマジあるか？
＼ ./:ｨ: : 〃イｨ7:ｿУ_′: .j/ _辷ｚ:::ノ 〉ｧヾハ: : } : : : ∧ V///
. ＼〃7: :/:.:./r=彡 ＼: . ￣ / Ⅵﾊ: : : :.∧ V//
Ｙ/: ｨ: :./ ヽ. ＼: . u. u. }/ }: :. :.:.∧ V/
|j∧7〃 ;} ` ＼: . ′ .Y.: :=ﾐ:∧ V/
| /:.ｲ ＼: . u. /:.:./ィﾍ:∧ ∨
丶 | }/ ! ､ ._ .．- ､ :. 丶: . u. /.:./ .辷:ﾍ:∧
＼ﾍ ′| ｒ`-一＝= ゞ :. ＼: . /／,斗彡 >.:∧
ヾ ！ -―:=ｧ u. ` :.､ 〃 厶才" ＞ミ､:_＿__
_＿__ _:Ｌ_} ` :.、.．彡' ＞
=ﾆ三三三ﾆ=＜.:＜::７ ．＜ ＞:":::::
=７ﾆ=‐＜::::::::::::::::::::¨::…- ．. ．＜ ＞.:":::::::::::://
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福建省の港に入港しようとしたアヴァンの船に1隻の同業者の帆船が近づき、『港は多数の海賊に
占領されているから、上陸したらそれが最後だ』と忠告を受けたと、ザビエルは報告している
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＜福建省・ショウ州港＞ ※ショウは、さんずいに「章」
／
|> ／,/
!! ／ 7 ／
ｌl ／ 7 |> ／,/
!ﾚ' 7 F' ,／､ !! ／ 7
／ ,' !! ／,/ト' ｌl ／ 7
／ { !!／ 7 : !ﾚ' 7 F' ,／､
／ ! ,／ ,' : ／ ,' !! ／,/ト'
_ l~~) ,／ 人／ .八: ／ { !!／ 7 :
!ﾞi~~／＿,,, -─'ｉi'~¨'' ‐-ヽ､''ｉi¨''_.-_､...／ ／ ! ,／ ,' :
ｌ lﾞｰ´-- ､.,,,__ ｌl /¨¨.|> ／,/ .._ l~~) ,／ 人／ .八:
. l ! ~~¨'''' ー‐- !! ／ 7 .!ﾞi~~／＿,,, -─'ｉi'~¨'' ‐-ヽ､''ｉi¨''_.-_､
─i、,.rﾆﾐヽ､_,;,_,;:,._ .ｌl ／ 7 ── ｌ lﾞｰ´-- ､.,,,__ ｌl /¨¨~j~￣--‐ |
~~~~~~ .!ﾚ' 7 F' ,／､ ~~¨'''' ー‐-‐' 7
／ ,' !! ／,/ト'..,.rﾆﾐヽ､_,;,_,;:,._ ＿＿＿,/───
／ { !!／ 7 : .~~~~~~ ¨¨''''''''''ー─----
／ ! ,／ ,' :
._ l~~) ,／ 人／ .八:
.!ﾞi~~／＿,,, -─'ｉi'~¨'' ‐-ヽ､''ｉi¨''_.-_､
.ｌ lﾞｰ´-- ､.,,,__ ｌl /¨¨~j~￣--‐ |
l ! ~~¨'''' ー‐-‐' 7 ｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞ……
.─i、,.rﾆﾐヽ､_,;,_,;:,._ ＿＿＿,/───
~~~~~~ ¨¨''''''''''ー─----
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
,ィ
|レ7 ／ //／´￣￣乙＿
,r一ｲ!...::::::: ´￣￣｀`ヾミ
r':::::::::::::::::::: 二ヽ､
=彡::::::::::::::::: ｀ヽ
／::::::::::::::: ....... ヽ
//::::::::::::::::::::::::::: ..::: / ::::ﾄ､ |
〃ｨ:::::::::::::::::::::::::::〃:: /| //| /| トﾄ､ :::.. :::::ﾄ| ! なるほど・・・港が「敵の船」でいっぱいネ
|::::::::::::rﾆヾ!:::/ｲ／ ｨ〒ヾ､ | j 斗ヽ:::::::||::|ﾘ
j|:::::::::{⌒〉 V u. `´{_jﾄｲ` |//L!}/:h::::|ﾚ' 寄港＆越冬は、断念するね
ヽ::::::ヽ､ゝu. ヾ-' u. ､ヾ' {::ハ/
r----ヽ:::/ u. > ト| !
ﾄ､::::::::::::ヽ、 ､ u. r_､ ／
| ＼::::::::::::＼ ＼ ／
rｲ ＼:::::::::::::`ｰ ､__`ヽ､__.／￣ヽ、 ＜海賊ではなく、密輸を取り締まる官軍の臨検部隊だったと思われる＞
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散々ザビエルを手こずらせてきたアヴァン船長もやっと諦め、かつて琉球人が拓いた航路へと、舵を切る
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丿 |＼
／ | `‐-〆
,､ .ノ r`´ ノ
r-‐‐-､ ,-‐' ￣ ﾚ＾‐-､丿
ﾉ `, ,,,r‐-, } r‐＾,
. r‐'´ ,' ＿ノ / ／｀ヽ r‐´ { }
ﾉ ,' `-, ｀´ ／ ｀ヽ / /
,' , ' ' `‐´｀_つ ｀'‐-､ ヽ ,､ ノ |
'､_ , -､__ , ‐ ' ノ く } 丿｀´ ｛
く 丿 ＿| ,-‐-‐' _ r'
ヽ '-‐'´~ο ﾆ二 -‐‐､ r-‐＾´.ﾞ"
,-‐-､ ,‐-､_ ヽ ｏ r'´ヽ ｨ二コ ヽノ
-‐'´ ｀ヽ , ､ ,, ' `‐) } .}
｀‐´ ｀-‐´ ＜ ｀‐´
） ｡°
ノ ▲ ＜ 是非もなし……台湾海峡を抜け琉球弧に沿って、薩摩に向かうアル
r'´ ↑
丿 οアヴァンの船
ノ´, っ °
,､ , - ' / / 。｡ °
￣〉 r---‐' ´ ｀~´ { 丿
`‐` ｀´
────────────────────────────────────────
そして1549年8月半ば。53日もの航海の末───ザビエルと弥次郎、ついに鹿児島に上陸・・・
────────────────────────────────────────
<鹿児島>
,..:'´,..:'´,..:'´,..:'´,..:'´,..:'´,..:'´,..::'´,..:'´,..:'´,..:'´,..:'´,..:'´＼ﾞヾ:::ﾞヾ､::｀ヾ::::::＼ |￣|
,..::'´,...:'´,...:'´,..:'´,...:'´,...:'´,...:'´,...:'´,..:'´,,..::'´,..:'´,..:'´,..:'＼｀ヾ::､ﾞヾ::ヾ:::`ヾ:ヽ |￣￣￣￣￣|
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_＿｀: ..､__｀゛ r──‐‐┐＿__ヾ:::｀ヽ､ /三三三三三三三三三三三/＼
-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_.／＼￣＼￣＼ ..| |三三|¨:ﾄ､l￣|| 丁ＴＴT.┐/三三三三三三三三三三三三三ﾑ
￣￣￣￣￣￣￣￣￣||￣￣￣￣ｌ|ｌ￣￣￣￣￣::|＼＼ | |--‐‐| |__|___||__廴|二lﾆl |¨| __|_||──── l__／￣:|￣..|
田 田田 田田 ||「」 「」 「」ｌ|ｌ─────┴‐ ＼＼-─ ￣＿ -=ﾆ二三三三 l￣￣ |丁二二二二匕ィｧ…|￣..|
|￣￣￣| ..|| ＿＿__ｌ|二二二二二二二二二|-=ﾆﾆ二二三三三三三三三|＿＿__|‐|┴┴┴┴┴／／丁￣|
￣￣￣￣二二二ﾆ=-..|l｡o≦＿＿＿＿斗rf .| | || || l|. ｌ| ∩ XXXXXXX|￣￣|^＼fzzzzzzｭ二二二二二二二二二二
￣￣￣￣| ||三||三||;;;||;;;||;;ｌ||;;;|;;|..│ |/⌒||-┴┘| | /‐‐‐‐／{二|二二廴___＼二入斗rヤ¨¨￣ ／´´´´´´´´´
| ||三||三||;;;||;;;||__||_ﾉﾉ‐┴ノXX八 厂￣|‐‐‐/￣￣丁￣＼ ‐─斗ｬヤて／ ／ {:.:.:.:...... 〜
|厂￣7T'''7__||三||三廴匸コｌ‐┐___ _,.斗弌￣￣￣|--'￣￣￣|斗t≦ ／ / /────':.:.:.... 〜〜
二二二二|三三|-r彡 .l |XXXミx‐┘ 斗t≦ ＞匕 ￣￣￣￣￣￣￣￣ {-----'￣￣:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:....
x^x^x^Y=- ¨´ |＿__|ＸＸＸＸ＞＜ ＞''“´ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.〜〜〜 ~~~ 〜〜 〜
x^x^x''´￣ ＿＿＿＿＿＿,.ィ⌒＞＜⌒ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
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〜〜〜 ~~ 〜〜 ~~~ 〜〜〜 ~~~ 〜〜 ~~~ 〜〜 ~~~ 〜〜〜 ~~~ 〜〜 ~~
,.ｘzzzzzｘ、
,ｲ///=‐='//ヽ
,':Y´ ｀℡
ｌ:::》＿__ ＿__ {/ｌ イエズス会発足から、はや15年。ついに理想の布教地に到着した……
ｌ:: :::::::::::八::ｪｪ::: V_
ｌ::::.ヽ /!_ イ ﾘ 聖母マリア様。この天恵に感謝いたします！
乂::::} }::::::ﾘ` ｌ !ﾉ
ｌ::V:::::―- ﾉ
i:::::::::::＿,.ｲｌ
,小:::::::::::ｌ 人
／:::| ゝ==< | ＼ ヘ_へ
_ - ´ｌ :::::::|'´ 》::::《｀ | ｌ｀ ｰ _ . / | そういえば、イエズス会の保護者は聖母でしたな
´ ／ | /::::::ﾍ | ＼ ｀ |<0><0>| |
ｌ | ,.:::::::::::‘ | ｌ | ∀ |ノ 我らの出会いが聖母教会だったのも、主のご意思かと
､:::／´::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ:::;ゝ ハア・・・
'"／:::::/:::::::::::::/:::::::/:::::/l:::::l:::::::l::::l:::::::､:::::::::::::::::::::::＼::::｀ヽ
´:::::::/::::::::::::::/:::::::,ｲ::::,ｲ,ｲ::::l::::::l;::;ハ:::::::lヽ:::､::::::::::::::::::＼::::ヾ
:::::,/:::::::::/::::/|::::,/ |::/l_',.l:::::l:::::|､l__ ヽ::::l ﾞl:;ﾊ:::l::::::::::::::::::＼::: やれやれ……とんだ船旅だったね
;イ:::::::::/;、::l -七_二,´ ﾞl ,ﾊ:::| ,.｀二､トl'､ l:::l:;、::::＼:::::::ヽ
/:::::::/:::::}､l' -イ´r-':::）ﾞ ﾞ ﾞ､l ' r-'::::）ﾞｧ' .V'ｨ l:::::::::::ﾞ､ヽ､ 旨味が無いどころか、大事な娘まで失って───
,,／l:::::ｨ l〈ﾞr､ ﾞ ﾞｰ‐′ ﾞl ﾞ'--'′ r'l 'ﾉﾞヽ､::::ヽ
,..l／/;∧ ﾞﾍ , Ｕ lノ,ノ､｀ﾞ'ｰ｀ゝﾞ_
´:::::::::::/ ＼､ 〈ｌ /;-" ﾞl::::::::::::::::｀ﾞ
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:::::::::::| l::::＼ ﾞヽ､ ／' /:::::| .ﾞ､:::::::::::
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∧ ☆
＜終＞
∨
ヾ､‐-､､,,_ ヽ、
_,｀ゝ::::::::::.≧ヽヾｭ、
. ｰ‐=≦´.::::::::::::::::::::::::::::::::ﾑ ﾑ_,,,,,,,,＿
_,,＞::::::::::::::::::::::::::::::::＞ゝj;::::::::≦､
弌::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::フ弌::::::::::ﾑ
. _,イ::;ｨ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
弌::;イ´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミヽ
∠彡::;ｲ::::::アｲ!:::::;ｲ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼｀
ﾞア;イィ／}寸､∨ﾑｲヽミ､::::::::::::::::::::::::::､､＼
"アﾘ }i ):::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::､ヾ､ 自分もなんだか、生きる気力を失くしてきたのコト
ﾑ ヽﾏ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ア≧ｭ、
,,ﾑ ''ﾏ:::::::::::::::;;､ィ≦二二ﾆﾆⅣ お空に見慣れぬ星まで見えてきたし・・・あれ、日本特有の星アルか？
／ﾆﾑ }::;;ィ≦二 二二ニニニ∥
／ニ彡≦ﾐ彡三三 二二二二ﾆ∥
j{ミニﾆ彡≦三三三ﾆ ニニニニ彡;〉
,/|三三三三三三彡ニニニ彡彡彡ﾑ>
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アヴァン船長は鹿児島に到着後、死亡。死因は不詳。「親切な男だった」とザビエルは、11月15日付の書簡で悼んでいる
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ｰ=彡: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :'"才;::::::::::::::::::::::::::::::::::::。::::::::::::::::::::::::::::
ﾆ三: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ミ:､::::::::::::::。:::::: :::::::::::::::::::: ..::::: . ..::::::::
フィ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヾ:､::::::::::...... ....:::::::゜:::::::。::::::::::::::::: ゜.::::::::::::
イ: :,ｨ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;ｨ;ﾊ:jﾊ:;:;､::;ｨ从;ﾊ;:::::::＼::. .:::::。:::........ . .::::::::::::::::::::。::::::::: . . . .::::
.:::::::i::::/Ⅵｲ;ﾊ_∧」┼十大八ハｦ-‐ﾐ:::::::: :::::::::.....:☆彡:::: ::::::::::゜:::::::::: ...:: :::::
_:::::::ｲ!三二￣ﾌ::::::::::::::::::::::::::;イ:/⌒j }::: :::::::::::::::::: . . . ..: :::::::::::.... .... .. .:::::::::
辷_:::{:::::::il::::il:::::::::::::::::::::::::::;ノ !;' ﾑｼﾉ:::: 君の知っている「海賊」は死んだアル
厶匕ヾ:､:il:::il::::::::::::::::,::イ´ " ,≦;:::::::::::::...゜ . .::::::::: ...... . .::::::::........ ..::::
_ﾑ=ｧヾ､:jL:;．-‐" /::::::l::;;;;;:.... .... . :........ . .::::::::::::::::::::。::::::::: . . .
￣ヽゞ ／:::::::_L斗::::::::...... ....:::::::゜:::::::。::::::::::::::::: ゜.::::::::::
r'::丶`ニ¨’ ∠:;斗匕::::::::::::。:::........ . .::::::::::::::::::::。::::
ヾ:ｬ､ヽ ．-―┴’::::::::::::::::::::::.::::::::::::::::::::。::::::::::: . . .
ヾ:V⌒j´:::::::::::::::::::::::::::::::;厶匕:::::::...゜ . .::::::::: ...... . .::
∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧
（ ）ゝ （ ）ゝ（ ）ゝ（ ）ゝ ﾑﾁｬｼﾔｶﾞｯﾃ・・・
i⌒ / i⌒ / i⌒ / i⌒ /
三 | 三 | 三 | 三 |
∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪
三三 三三 三三 三三
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⊂⊃
_,.. - ‐- .､ ,,, - ‐ - ､
／/ ,, ,,ヾ`,'" ヾ~`i じつはこの私も、上陸以後の記録が無いのこと。やはり船旅での波乱が祟ったかもネ
!､.| ● ● |.ﾉ i''"
i ー'ー /_＿ ＿ ,,." 私といい船長父娘といい、船旅で無駄にひどい目に遭うだけの奇妙な人生だったアル
` ‐ - ‐ ,'"| | |"~~| | | |
| | | | | | | |
'- ' '- ' '- ' '-'
────────────────────────────────────────────────
なお例の中国人信徒マヌエルも、前後して死んだ可能性がある。残りの船員は11月、季節風でマラッカへ出発した
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────────────────────────────────────────
ともあれ。弥次郎ふくむザビエル一行は役所に届けを出し、ひとまず帰宅・逗留の許可を得る
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#;' ;,;'. メ ':;,: [市民権・営業権の認定・取消・修
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_
┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃
┸──┸┐ ====================┌┸──┸┐＿＿＿＿＿＿┌┸──┸
15番 ｜ ｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉ||||ｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉｉ||｜ 16番 ｜__lﾆﾆl＿l||l＿ｌﾆ｜ 17番
────┘ =======||||==========||└────┘__lﾆﾆl＿l||l＿ｌﾆ└────
||[[[[[[[[[[[[[[[[||||[[[[[[[[[[[[[[[[|| .|l＿lﾆﾆl＿l||l＿lﾆﾆl＿l|
∧＿∧ =======||||==========|l 〃ﾉﾉ＾ヾ |l＿lﾆﾆl＿l||l＿lﾆﾆl＿l|
（´∀｀.*） [][][][][][]||||[][][][][][][][]|| ﾘ´－´ﾙ |l＿lﾆﾆl＿l||l＿lﾆﾆl＿l|
Α＿Α ────‐,──,─────∧ ∧───────────────
（. ・） ￣￣￣￣|￣￣|￣￣￣￣￣( ； )￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
（ ） |￣￣| / ﾞ^ﾊ
｜ ｜ ｜..＿＿＿＿| |＿＿＿＿＿ｿ |＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
（__.（＿_） .ﾉ_,､ﾘ_」
／ i .／ヽ,
/::: | ／ ',
/::::: "" i
/:::::: u. l
/:::::: i ・・・さて。私にとっては、ここからが本番だ
/:::::: u. |
/:::::: u. |
/:::::: | 指名手配犯として終わるか、ともかくも異国の情報と
/:::::: |
/::::: ヽ 要人を帯同してきた功績で、赦免を得られるか……
/::::: ',
//::::: ',.
/::!:::::: 丶 !
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
＜役所の窓口＞
,
ヽ 、 / |
＼ `丶 -―-' ､|
＼ ' ｡ ｡ヽ はーい、こちら窓口。ご用件をどうぞ
i ＿ i
ヽ `ｰ' ﾉ ……えっ？ 「外国の使節」？ っていうか案内役は、「お尋ね者の弥次郎」？
`>ー一γつ
/Ｕ_＿_ |
∠（ ヽ＿/| えーと。上に知らせるので、今日のところは帰宅していいよ。沙汰は追って知らせます
/`,ｰ‐γヽ
（ / ＼）
（演者：わらびー ＠あずまんが大王）
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
┃|::::::::::::::::::::::::::::::::: | |:::::::::::::::::::::::::::::::: |┃
┃|:::::l￣￣￣￣|::::::| |:::::l￣￣￣￣|:::::|┃
┃|:::::|:::::::::::::::::::::|::::::| -=:::::|:::::::::::::::::::::|:::::|┃
┃|:::::!:::::::::::::::::::::!::::::| |:::::!:::::::::::::::::::::|:::::|┃
┃|:::::|:::::::::::::::::::::|::::::| -=:::::|:::::::::::::::::::::|:::::|┃
┃|:::::!:::::::::::::::::::::|::::::|. ｶﾞﾗｯ |:::::!:::::::::::::::::::::|:::::|┃
┃|::::├┬┬┬┤:[|| -=[|├┬┬┬┤::::|┃
┃|::::├┼┼┼┤::::| |:::├┼┼┼┤::::|┃
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
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,.ﾍ,. ,r:ﾍ,
/:::::::Ｖ:::::::::ヽ
/:::::::::::::::::::::::::i, ただいまー。かくかくしかじか。お客さんを連れてきたぞー
. /7 r'ﾆ二二二二ﾆ､). ＿
iﾞ ! / <●> <●> ヾ, ｀ヽ､
. l ! l ,//, _ ｀ヽ
i, ヽ, ! 匸｢ /:シ,.-ﾆ._
ヽ、'ｰ┘ ⊂ﾆ二.｀ ）
｀' ｰ! ╋ ん!ゝ ヾ,~
| ｀~''´ i,
＜弥次郎の家族＞
lヽ- 1
（ﾟヮ°）
lヽ､､,uｰイj-`､ ￢ 〜♪
| ／ ＼|
/ ○ ○ l＝= お帰り！ もうご町内は、あんたの噂でもちきりよぉ。キリシタン？ なにそれ面白そう
{ ､__,＿, !` ‐ ､
ヽ. ‘､_,ﾉ / `‐､ とにかく珍しい異国の使節を連れ帰るなんて、我が家の誉れ♪
⊂.ゝ､.＿＿__..∠__）-──‐'
（演者：ねここねこ ＠あずまんが大王）
──────────────────────────────────────────────────
はたして罪人・弥次郎は一転、ご当地ヒーローにジョブチェンジ。自宅は見物客で賑わう。「長官から住民まで、温かく
もてなし、ポルトガル情報を聞きたがった。弥次郎の改宗も変だと思わず、賞賛した」（ザビエル書簡1549年11月5日付）
──────────────────────────────────────────────────
＜before＞
.／世 間＼ ｎ∩ｎ
|/-O-O-ヽ| |_||_||_∩ 殺人犯・ヤジロー許すまじ！
.6| . : )'e'( : . |9.∩ ー|
｀‐-＝-‐ ' ヽ ） ﾉ そもそも事件が起きる前から、「アイツはいずれ問題を起こす」と心配していたんだ！
＜after＞
ｸﾙｯ
.／世 間＼ ｎ∩ｎ 彡
|/-O-O-ヽ| ∩ || || | 郷土の誇りヤジロー先生、ご帰国おめでとうございます！
.6| . : )'e'( : . |9.|^ ^ ^ ^|^i
｀‐-＝-‐ ' ヽ ノ 俺も心の底では「ヤジロー先生は、お尋ね者で終わる人じゃない」って、信じてたんだ！
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
＜半ば野次馬の訪問客＞
＼ 弥次郎どのは居ますかー？ ／
＼天竺の高僧とやらに会わせてくだされ！／
＼ 異国の話を、聞かせてくだされ ／
__, --､ , , ,,､-､
,,､-､ ,､-､ ヽ Ｏ ヽ ,､-' | ,､-' | ＜ Ｏ ヽ
＜ Ｏ ヽ / Ｏ ＞ .`i. ｀ｙ Ｏ i / Ｏ. i i ｀､
l ｀､./ . l l ./ l l . l | ｀､
. | /. | . | /. | | | | ｀､
（演者：はと ＠あずまんが大王）
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さらに清水城で島津貴久の引見を受けた弥次郎は、殺人の罪を公的に許される。9月29日にはザビエルが召し出される
──────────────────────────────────────────────────
_,..-‐'‐‐‐ '-...._
.／ .＼
.／＝=‐､ ii ヽ
i .||_ i
..r‐-| i,.. ‐-､｀ヽ､__／ ||..- .i |,.-､ （南蛮との交易は、当方とて望むところ。外国情報もほしい。それにこの
..|ハ.ﾚ__｀ヽ､__ﾞヽ ／_}}..-"ヽ.| ハ.|
..| Fﾍ| {｀ﾞ ‐-｡ﾆ川ﾆ｡-‐"´} |/ﾞ } | | 南蛮坊主の本尊は『大日』か・・・ふむ、仏門の一派といったところかの？）
.ﾍヽ{'_|彡ー‐‐‐' i i ﾞー‐‐‐"ﾐi .} /
.＼ヽヽ､｀~~./{_ ._}ヽ~´|~,ィ'ﾚ ／
.ー| i ／´ ~~ ｀＼ .i .|-" ・・・よかろう、わが領内で「布教したい」との願い、公認してやろう
| ﾘ i |
i､i.ir-‐"~~~ﾞ‐-､j < 上京もかまわぬが戦乱の時勢のことゆえ、しばし待たれよ
i" ｀ i‐----‐iﾚ }_
i"ヽ､ rｧ‐‐y／ ／ .}
／i､ // ./二...-‐.／7~ﾞ‐-､
/ .| V / ト､-､<7 / Y
| |./ / ii |', ', ', ＼ i .|
島津貴久（1514-1571） 島津氏15代目当主
（演者：大盛 ＠ＤＲＧＯＮ ＢＡＬＬ）
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
. -―-......_
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._:.=―'''
,':.:.:.:.:.厂￣￣ ',
i:.:.:.:.:.:.} ´￣｀ ｝
ｒ＝､:/ ニ_ ,ﾆ,
| ｒｙ ヽ ｔッ )） (ｧ｛ ・・・オブリガード、
ヽ ', / ﾍ ,ﾍ
〉‐l `l __,ノ.., タカヒササマ / ヽ, ::.
' ＼ , -= ' / ::. ←とりあえず母・妻・親戚・
___ﾉ ＼ ￣´i―- ＿_ / :::.
ノ| <＼ ＞―‐ ' ＼ 丶 ″<●> <●>::. 知人など、縁者を片っ端
／ l ＼＞-＜ /ヽ ヽ l ｜ ::::.
／ .| ∨ |＼ ノ―┘丶 ヽ ! ｜ フ :::::::::. から改宗させた
／ ／∨ ∨ .∨ | / ﾄ 丶 ヽ ! / ╋ ..::::.
──────────────────────────────────────────────
ともあれ。弥次郎が歴史に役目を果たしたのは、布教活動の端緒をひらいたこの引見までと見ていいが───
──────────────────────────────────────────────
il'.ﾞﾞ"'.=:､,
il' . . . . .｀ ﾞ'=:､
. il' . . . . . . . . .｀ﾞ'=;;､
,,_ lll . . . . . . . . . . . . ｀ﾞ'=;､
,i|ﾞﾞﾞ"''＝;;､_ ill . . . . . . . . . . . . . . . ｀'=;､
il' . . . . . . .ﾞﾞ''=;;､. lll . . . . . . . . . . . . . . . . . .｀'=;,
. lll . . . . . . . . . . ｀ﾞ'=;､ ,,､;;'!! . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .｀'=
ill . . . . . . . . . . . . . .｀ﾞ". . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .｀
lll . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
lll . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .,.､､,- - ､, . . . ..
lll . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .,.ril|lllllllllli;, ﾞ';: . .
. lll . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . / !lllllllllllllll; ,r'. . ..
. lll . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ,' ﾞ'llllllllllllljr'". . . . .
lll . . . . . . . . . . . ,､r､.‐‐ - ､., . . . . ﾞ'''‐--- ﾞ''''" . . . . . . ..
. lli . . . . . . . . ,r'llllllllllllli;, ,'. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
,,.､､ lli . . . . . . ./ '!lllllllllllllll; ,r' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
. il'. . .ﾞ'i;, 'll; . . . . . ,' ﾞ'lllllllllllljr'" . . . . . . . . . . .,;' . . . . . . . . . ..
. 'li,. . . .ﾞl;, .'ll, . . . . .'‐----‐ﾞ''"´ . . . . . .,. _,､-'''''".'; . . . . . . . . . ..
. 'l;, . . . ﾞl;, 'li, . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .｀ﾞ~､ ﾉ . . . . . . . . . .
'l;, . . . ﾞ'l;, 'li, . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ﾞゝ-‐'' . . . . . . . . . . ..
'l;, . . . ﾞ'i;, 'li, . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
'l;, . . . .ﾞl;,, 'li, . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ╋. . . . . . . . . . .
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,ィ:::｀::ー:... ､
/:::::::::::::::r'⌒ヾ:{
}:::::f｀ヾr' } ､__}
ソ ゝ_¨ ヽ ﾏ八
ﾘ⌒｀ヽ ｒ_〉
-ー＜￣ ミｰ ´ >
＿,ィ´ ､ ミ､ ￣｀ヽ
─────────────────
ザビエルについて、もう少しだけ続けよう
─────────────────
──────────────────────────────────────────────────
ザビエルの最優先課題は、言うまでもなく日本の宗教の調査である。かれは訪日してすぐ、仏寺への接触を開始している
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〕≡＝＝＝＝＝＝≡〔
l"l l l ｌ"l
､__,.ﾉ.ｨ ｌ l ト !.,__,.
ヾ;;≦;;_''介 介''_;;≧彡
＼¨''〒〒〒〒〒iii〒〒〒〒〒''¨／
｀"¨ ≫≡≡≡≡≡≡≡≪.¨"´ _,,..， -=
ミ＝孑"´ ｀"マ＝ｽ,─────‐┴‐ッ ∠
- Ω.,, ＿＿＿＿＿＿マﾐ丈二ニ≡＝＝＝＝＝＝＝≡ニ二孑ﾁ才＿＿＿＿＿_,∠Ω===
ｎ'´ ;;;｀ｎrrrrt‐ｪ‐ｪ‐ｪ‐ｪ‐ァ､|干|,r;;TiTiiiiTTiTiiiliiiTTTiiiiTiT;;;y,|干ﾚｬ|;T|;Ｔ|;Ｔ|;Ｔ|;Ｔ|rrｎ'´ ;;;｀ｎ
|ii|ﾆ!ニ|ii|ililili|mlmlmlmlm}ニ{区}・{-l+liiiiiil;;|+liiiiliiiil;;l;;liiiiii|+|-}・{区}ニ{区区区区区|ililili|ニ!ﾆ|ii|
'ゞ､,;;;;ツ^"¨~~￣￣￣￣=],,[==Д======!=======!=====.Д.==];;[=￣￣￣￣￣~"ゞ､,;;;;ツ''
|;;;;;| '''''''' ／ ＼ '''''''' |;;;;;|
,r‐;;;;;;;ｰ､ ／ ＼ ,r‐;;;;;;;ｰ､
＝===＝ ／ ＼ ＝===＝
＼ ＷＥＬＣＯＭＥ！ ／
､
〈＼ _ ／〉 __,)ヽ.
/ ＞充＜ヽ . ' ＜´､ソフ
. | |iﾉ＼__>iﾘ iﾐ//ﾞノ ）ﾘゝ
从D|ﾟ ヮﾟﾉﾊ 旦 乂.[ﾘﾟ ヮﾟﾉ!
⊂)!芥ｉつ ┃ と.》氷{つ
迂瓧! ┃ ｙﾞ_ｊ_j
ヒＩｿ ┃ ｀{ﾓｔ.{
──────────────────────────────────────────────────
一方「インドから来た」ことが誤解を生み、てっきり本場の仏門が来たと思いこんだ仏僧は当初、ザビエルを大歓迎する
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──────────────────────────────────────────────────
ちなみにザビエルら西欧人にとり仏教は、この時点でほぼ未知の存在。弥次郎から聴取した曖昧な知識が、全てだった
──────────────────────────────────────────────────
r;ニニニニﾆﾆﾆﾆヽ
,--―| |::::::::::::::::＠:::::::::::::|| 「シャカはほぼ90歳の時、弟子を集めて己の死を予言し、皆の前で死んだ
|:::::::::::| |::::::::::::::::Π::::::::::::||
. |::::::::::| |::::::::::::!ﾆ ﾆ!::::::::|| 火葬にして灰を埋葬すると、シャカが姿を現し白雲に乗り、天に上った」・・・
|;:::::::::|_|::::::::::::::::|_|::::::::::::||
|--ｰ'､-r┬ｧ;T'j''┬t┬i
. | ｌ ｌﾚ ノ ヽノ ｀ヽヽ.} 「シャカの弟子の一派が中国に渡り、中国全土を改宗させ、中国の既成
| ｌ ｌ ● ● ｌ ｌ ｌ
| ｌ ｌ⊂⊃ ⊂ｌ ｌ ｌ の偶像と寺院を破壊した。彼らは中国から日本にも来て、同じことをした」・・・
| ｌ .ト ｰｰ ﾉｌ ｌ ｌ
| ｌ ｌ . |> l_￣/'/￣/￣/
. | ｌ ｌヽ / ￣ ) / と) ＜1548年・聖パウロ学院長ランチロット編「日本情報」＞
| ﾘ:::::::|_}--j-イ__/＿/ノ
ｒffff''-､
ｒ'￣￣`ヾ
f ぅ ぅ Yi 微妙に、デジャブも感じますな……
i J iﾒ
｝ = / 弥次郎のいう御仏とは、インドに布教した聖トマスと関係あるのかも？
イヽ､__, ｲヽ
_,,,--‐'´:::|丶i＞＜i::ヽ､
／:::ヽ:::::::::/:::|::::､ ,｝:|::::ヽ 日本の宗教家が「非常に高潔な生活をしている」ことも、確からしい…
Y::::::::::Y::::::::::::|::::ﾄ ｝::､:::::ヾ
/::::::::::::::｝:::::::::::::|:::ｙiヽ/｝::::〉:::::ヽ
. |:::::::::::::ﾉ::::::::::::::::|::::::|//|//|::::|:::::〉 だが男色の罪が蔓延しているとの由。やはり神の掟には反している
. /::::::::::::::｝:::::::::::::/::::::///|//|::::|::/i､
/::::::::::::::::|:::::::::::::::｝:::ﾂ///|//|::::|::::ヽ
｛:::::::::::::冫､:::::::::::::|//////|//|::::|下´
ヽ:::::::::::::::::Y:::::::::///////|//|::::|::ヽ
ヽ:::::::::::::〈:::::::////////|//|::::|:::::ヽ
＼::::::::::ヽ:/77777777|77|::::|::::::ヽ
〉::::::::／｀ヽ//////////::::|::::::::::〉
────────────────────────────────────────────────
ともあれザビエルも、日本の高僧に接するとその人徳・学識を率直に畏敬しており、この時点では蜜月の関係だった
────────────────────────────────────────────────
/::::::::ｋ'ノﾉ: ｨ' .: : : :忍室 : .. . : : : : 'ノﾉ:ノ: : /､
/::::::::::::仄｢ｉ.:´: : : : : : : : : : : : : : : : : : :仄｢ｉ.:: : : /＼
/:::::::::::::/ﾑ_i| : : ___: : : : : : : ∧ __ : : : :: /ﾑ_i|_: :::: : |
/ :::::/｢`ト|Ｎ: :´,ｲ｀/＼ : : / ヽ: 7ヽ: : :ト|Ｎ:||: ::: : .:| 〜♪ 殿さまの紹介があったとはいえ。うちのお寺の門前での
,'.:: : : :.}［II)!i }: :/ ﾚ' ＼/ V Ⅵ: : │: : : : : : !
. !: : : : .::|:.! |」」.//:| .ィ＝ﾐ ィ＝ミ ! ∧:::.:.:.:.: : : | 説法を聞いたときは正直、面食らったよ。でも───
i: : : : : .:! l |:;| ﾉⅣ |::.:.:.:.:::.: : |
|: : : : : .:| |/ri＾ixx ､__, xxrvｨ: | : : : : : : :ｉ
|: : : : : .:| .〉、`ｰ-､ .___ ,．-‐' /__. | : : : : : : :| キリシタンってのも、面白そーだね
|: : : : : : ! .l ｀ｧ__ 〉‐‐┤＿r ｲ.／l＼.!:: : : : : : .:|
|: : : : : : | .／ | l´: : : `i i´: : : `i./ |::.: : : : : : :|
|: : : : : : | / : l /` ‐イ､ヽ、`l ‐-t'/. 卍 |::.: : : : : : :|
文勝忍室 （?－1556） 島津家の菩提寺（曹洞宗・福昌寺）・第15世 住持
仏照大円禅師の称号を賜る
ｒffff''-､
ｒ'￣￣`ヾ
f ぅ ぅ Yi 「彼は学識、生活態度、品格、80歳という年齢などの点で、当地の人々から
i J iﾒ
｝ = / とても尊敬されている。『東堂』という、司教に該当する地位にある」
イヽ､__, ｲヽ
_,,,--‐'´:::|丶i＞＜i::ヽ､
／:::ヽ:::::::::/:::|::::､ ,｝:|::::ヽ （ザビエル書簡1549年11月5日付）
Y::::::::::Y::::::::::::|::::ﾄ ｝::､:::::ヾ
/::::::::::::::｝:::::::::::::|:::ｙiヽ/｝::::〉:::::ヽ
────────────────────────────────────────────────
「彼はいまや私の大親友である。他の坊さんも民衆もみな、喜んで私たちと親しくなる」（ザビエル書簡・同上）
────────────────────────────────────────────────
_, _-_―_- ､
, -- ,--‐､--ﾆ=､'' ､
／ , , ＼ .'., ヽ ヽ 「幸いなるかな心貧しき者、天国はその人のもの也」との由───
/ / l i ヽ '; lヽ !
/ ., l | l ::l l,| .l |Xl |
!'| l ゝ、|':, .:/_,.イ'; | lヽ!l 浮世では己の命すら虫けら扱いの匹夫でさえ、天国の門をくぐりうる
l ヽ l r;;=;; ､ .,/ r;=:;-,! l .lﾞll|
!i .,ｲ}.ｲヒ_i ヽ' ´. ヒ_,! // /!.ﾉ､ 教法とは何ぞや？ ぜひとも研鑽し、これを習得したき所存！
ヽヽ l"" . "" ', '/ | ヽ
ﾞ' .人 ir￣ヽ ィ ／ | .lヽ. ',
! |!ヽ..、 _,ﾉ ,イ! /／,ﾉﾉ| ヽ.l
ヽ !--/=ﾆﾆ´=ｲ─'ヽ／l ! ',
<::::!;;;;;;;l|l;;;;;l / !´-<'i3ヽ／ l ',|
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
＿＿
＿/／￣´ あげくうちの若手僧が２人、貴殿の説法を聞いて「師事したい」と
,.､ri .／忍室,｀＼..r i､
, へ / .|l' i , l / | l ヽ 申し出ているので、許可した。面倒を見てやってほしい───
/:::::::::::＼ / i.| ./ ヽ| ＼ l/l .l , へ
./::::::::::::::::::::ヽ. . | il. l￣＿_￣ ! / | |／::::::::::＼
l::::::::::::::::;､:::::::::::＼ヽ| ヽ.ノ ,.|/ _.l／::::::::;:::::::::::::ヽ 拙僧も貴殿の教法に関心がある。聞かせてほしい
ヽ＼::::: l ｀|ヽ::::::::/ ｀ ,―＜‐＜:::;:::::::／ |:::::::::::／,>
―￣' l l￣ヽ ,ﾍ/iノ| ／￣| | ヽ￣― '
| | | | l | 卍 l l
l .l l l | .l .| /
──────────────────────────────────────────────────
ちなみに忍室とザビエルは、「霊魂の不滅」について対話している。ザビエルの評言しか残っていないが、すれ違った模様
──────────────────────────────────────────────────
,.ｨﾆ三三三ﾆ=ｘ､
,ｲﾑ=ﾆ三三三テ三℡
/'´ ヾ三三X
, V三三ｌ
ｌ V三三! 「（忍室和尚は）霊魂が不滅であるか、身体とともに滅びるものであるか
ﾋ=ミ､ 彡ﾆ=- Ｖ三人
Y丕う ィ丕ﾆ‐ i´/⌒i について定見が無いと見える。ある時は肯定し、別の場合には否定する」
ｌ ﾘ i 厂ｊ. ｌ
i / ι' ﾘ
i ｀='´｀ L彡' （ザビエル書簡1549年11月5日付）
i ＿＿ /|
i ー ,.ｲ |_
i ／ λヽ
廴＿＿,. イ ,.ｲﾘ三℡._
,不、 ,.イ /三三三＞ _
_,. ＜三| ＼_,.イ /三三三三三三＞
,. ＜三三三ﾆﾄ､/三ﾍ.／ /三三三三三三三ニ
__/ﾑ＼ ＿＿＿
, '´//￣＞｀´": : : : : : ｀ ー‐-- 、
/: ://／": : : : : : : : : : ": : : : : : : : ＼ ,.-
/: :/／ : :／ : : : : : : : :/´:忍室 : : : : : :y: :′＼
/ : / : : ／: :／: : : : : : /: :{ : : : : : : ＼: /: :/: : : :＼
/: :/: : : :′: :/: : : : : : ／/: :ﾊ ＼ V -〈: : : : :人
./:::///::/: : : /:/_____/ // / ', ハ '. ﾄ､: :＼: :|: :|: :|
/: : :{.{/ ﾊ: : : : :７ / / ｀/: : / ﾚヽ: :|: :| |: :人: : : //从|
. /: :ﾉ从/ {i : :l : ﾊ ｆﾃｧz､{: : { ＿__ヽヽ : :/ : : : : /// : : |
/ : : : : : : ∧: :|/::人j{ ﾋし} V .ｆﾃｧz｀ ＼/: | : : : : |: : : : : :| 「霊魂の不滅」ねえ・・・決めかねるな、それは
. /: : : : : : : ,': : ヽﾚ介r 込ﾉ { ﾋ し} / : :|,' : : : :|: : : : : :|
,′ : : : : : /:: : :/ ! |」」 "" , .込_ﾉ ./ : :/| : : : : :|: : : : : :|
. ′: : : : : :/: : : 厶匕/__ヽ v‐ 、 ""/: :／/: : : : : :|: : : : : :|
′: : : : : :/: : : : : | ＿`⊆二⊇ヽ..ノ .／／. /: : : : : : : : : : : : |
. /: : : : : : :/ : : : : ／ ／厂┤`ｰ‐ｧ 彡彦 /: : : : : : :|: : : : : : :|
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霊魂を巡るキリシタンと仏僧の討論といえば、朝山日乗が逆上して醜態を見せ、信長に窘められた逸話が有名だが…
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永禄12年（1569年4月20日）・京都 妙覚寺 ※ 2013/05/05(日)投下分参照
|＼ /＼ / | ／/ /
＿| ＼/＼/ ＼／＼/ |∧／ /／/
＼ お前を殺して、その霊魂と. /
∠ やらを確かめてやる！. ＞
／＿ ＿ ＼
￣ / ／∨| /Ｗ＼ /＼|＼ .| ￣
/／ |/ ＼/ ＼|
__
/へヽ , -‐-ミ＜}}
/⌒)'´: :{:日乗 ', :ヽ
./ : 〃: : :/＼: : : ﾊ : : .
/ : /{: :i :/ ＼_＼/ノV : 〉
./: : {ハ: Ｎ ＞ ＜ Ⅳ
/: : :ハ込{ ⊂⊃ ⊂}::}
, ': : : ' ＼乂 ／ﾉ ノj/ -‐ '´￣￣｀ヽ
／: : : : { ∧fうvぅ爪:| . ／::::::::､:::::::::::::::::::::::::::ゝ
〃: : : : : :| , -‐|/ﾆニ}ﾆﾊ::| . .∠::::::::::::::/ ＼::::::、∪::::人
./: : : : : : : :|￣{.卍.{ﾆニ7ﾆｱ八 .ノ::::::/::::/ノ ＼ヽ＼∪::::＼ お・・・オチツケ
': : : : : : : : :}／ ＼ `ｰｧ＜} : : : ヽ ... ｲ /:::/○ ○ |::::::|:::::::「
{: : : : : : : : /＼_/ ｀T ヽノ: : : : : :ﾊ .|ﾊ::::{⊃ ､_,､_, ⊂⊃l三]ゝ
|i : : : : : : / ヽ＞+イ ｝: :: : : ﾉﾘ . /⌒ヽ_､ヽ、 ゝ._）⊂=ｿ/⌒i .ﾍ
. 八: : :/}／ ﾏﾆﾊﾊ （: : :__彡' .... ＼ ／:::∨/────./ / ノ ＼
. ＼{ ′ ﾏﾆﾊﾊ j/´ . 〈:::／ ﾉ＿╋＿＿ ﾍ._ ∧￣´ ／
＼｣┘ ＼ ∥∥ 人:::::::::丿￣￣
朝山日乗（? -1577) ロレンソ了斎（1526-1592）
日蓮宗の怪僧 （演者：KAITO ＠VOCALOID）
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
,ﾍ 、
へ/ ＼∧/｀ 、
|＼/ / ＼ ヽ Ｖ｀、
. ゞi ヽ＼ ヽ, ∨ ヽ
. i＼ ＼丶 ! / ,∨!
ゝヽヽ ,.／⌒＼ ヽ !/⌒ヽ/ i/i （あのなー、宗論で手を出したら、無条件で負けだろ）
. ＼＼ { ヽ/ ', i ｿ
ﾍヽゝﾞi { ノ ＼ }ソ
. ＼｀ヾ.ゝ ● ● ｌ 日乗は面目を失ったな（ヤレヤレ）
ヾ（| ⊂⊃ ､_,､_, ⊂l
i⌒ヽ.、 （_.ノ ﾉ ／⌒)
. ヽ ヽx＞､ __, イEi~:::ヽ／
. ∧__,ﾍ}Ei、＿ ＿.Ei|',:／
ヾ_:::ッ}i i'￣~ii￣ヽir'
織田信長（演者：ベジータ ＠ＤＲＡＧＯＮ ＢＡＬＬ）
──────────────────────────────────────────────────
忍室は平常心を失うことなく、ザビエルに相対し続けた。ザビエルも宗教者の勘で、忍室の知性と精神に敬愛を覚えた
──────────────────────────────────────────────────
┌────────┬:::⌒>
└‐┬―――――┬‐┴ ､_::>
＿_////| intelligence .| ｢//ﾊ
）:::::トミメー―――――＜二二二ミﾒ､ (⌒'⌒)
｝:::::〉／: : : : : : 忍室: : : : : : ＼ く:::::::〈 ＼／
＼У: : : ⌒: : : | : : : : } ⌒: : : : ヽﾉ::::::/ (⌒'⌒)
, :/: : : : : ハ : : |: : : : ハ: : : : : : : :ﾟ｡ ｲ ＼／
: :′: : : :ｘf示云､ : : /ィ示ミｘ : : : : |{ |
|人.: : .:〃んィし} ＼｛ んィし} Y: : : 八|
|: : :＼: l{ 乂__:ソ 乂__:ソ : : :/.: .:|
|: : : :/＼{ ァ‐‐ｖ┐ 厶イ: : : :|
|: : : {///≧=‐-ゝ---:'‐=≦////|.: : .:|
|: : : |////|⌒Y::::〔_〕:::::Y⌒}////|.: .: :|
|: : : :V//ﾝ |::::::|z|::::: | ∨//ﾝ: : : :|
ﾉ: : : : : :/ ノ≧=V=≦ヘ | : : : : |
. .: : : : : : / 《二二卍ニニﾆ》 | : : : : :.、
. ｛ : : : : :/ ⌒Y^Y⌒Y^Y ） : : : 丿
＼: : ｛ 廴} 廴} ｰ='ﾞ -‐=彡
｀¨ﾟ⌒
67
────────────────────────────────────────────────
なおこの時の討論の手がかりは、福昌寺の二代後の住持と思われる僧と、宣教師アルメイダの会話から窺える・・・
────────────────────────────────────────────────
＜ザビエルが鹿児島を退去した11年後＞
、 ..，
.ﾞ''i､ ,,-
ヽ,,＿＿_
.,,-ｰ￢''''''''ﾍ-,, ﾞﾟ''"
.／＾,―､、 ｀'i､
,/ ,i´ .ﾞV'￣＾＼ .`ヽ
.,i´ .,i´ .lﾞ .ﾞl .:ヽ 目を患ってらっしゃると聞いて、
.,i´ .lﾞ .,●| ﾞl .:ヽ
.| .| l i● l.| .| 良く効く目薬を持参しました。
._| }、 l ﾞ / ﾞl
.,i´.｀''ｰ､,＼､／ ﾞl, ,/ .,,--i､ .|
.ﾞl＿ `'''ｰ-､､二ニ-‐'゛ .｝ .|
..ﾐ. ⌒''-､, ._,‐ ..,i´ .|
.ﾟ'y､ ﾞﾞ''ｰ-､､,,,,,､,,r‐'゛ .,／ .|
.._,,,,,.,i´ ﾞﾞｰ-,,,,,_ ,,,,／ .|
薬.／ﾞ゛ .｀ .｀ﾞ"'''ｰ'''''"゛ ,lﾞ
＼、 , .|
`'―ト ╋ / |
.| | ， .ﾞl
ﾞl l .／ |
.,N勹=． ﾞl、.,,i´ ﾞl，
/｀lﾞ lﾞ /'ﾞi､ ﾞ~゜ ;''ﾋ
.| .,-i､ ! .|、 |ﾞl、
.| .lﾞ ﾞl .,!.`'i､ ..,ﾉ .|
.ﾞl ヽ,,,/ ,lﾞ .`ｰ------rrｔｔ―ｰ'"、 .,!
.＼ ,ノ :ﾞl2 .,! },,,/
ルイス・デ・アルメイダ(1525-1583)。日本最初の南蛮外科医
（演者：Q太郎 ＠オバケのQ太郎）
_,,.., _,,.....,......,,_ ,,_
/ ./＼ ,.-''´ ＿i ＿. ｀ ヽ.、 / ! l
/ ./ﾆ=/ - -‐'‐- _,,..!, =| .!ヽ
/i:,::::ヽ'/ヽ, 玄済 、、 '; /:::;/ !
.!/ ヽ:::::! .!// ヽヽ' i'::::/ !
./ ヾ:| .// / , , ., ., , ヽヽ|-'i .| これは、かたじけない・・・
i l .| !./ ./| i l l l.|.l i.ヽ i :li | .l
l .| l .i ./ Ll-|-! .| -lr-|、,|:, .l | l |
.| .l .!l .l .!,,,,,,,l、':,.l ./ ,,,,l,,、l ! .i.l | .l
.l | | l |｀ ﾞﾞﾞﾞ｀ ヽ'ﾞ ´ﾞﾞﾞﾞ´ !':/.!|;| l .|
! l .lﾞiヽ!,ヽ、 _'_ ,/;// .l | .l
.! | .l | ヽ,.!..,.., - ..__.. .r ''´/./ .| .l |
/ l | .l ヾ>-'- ,...,.-' .!、'ﾞ .l .| l
/ ! .l .|,. -i'"l.! ,, ./;~;!, ,, /;"iヽ.、 | .l .|
/ .! ,!.,:' | ﾞヾ;/;i' ‐|ヾ;' ' | 卍ヽ !.| .!
/ / / ! l ,..l.__,.l., l ! ! !
福昌寺の第１７世住持・雲舟玄済
─────────────────────────────────────────────
「５０歳くらいのその僧は、（かつて）ザビエル師と非常に仲が良かったという。彼は目を病んでいたので、
私は目薬を持参した。かれは私をとても厚遇し、次のように言った」（アルメイダ書簡1562年10月25日）
─────────────────────────────────────────────
_,,.., _,,.....,......,,_ ,,_
/ ./＼ ,.-''´ ＿i ＿. ｀ ヽ.、 / ! l
/ ./ﾆ=/ - -‐'‐- _,,..!, =| .!ヽ
/i:,::::ヽ'/ヽ, 玄済 、、 '; /:::;/ !
.!/ ヽ:::::! .!// ヽヽ' i'::::/ !
./ ヾ:| .// / , , ., ., , ヽヽ|-'i .| ところで、私はザビエル殿がかつて自分に説いたことを
i l .| !./ ./| i l l l.|.l i.ヽ i :li | .l
l .| l .i ./ Ll-|-! .| -lr-|、,|:, .l | l | 本当に知りたいと思っているのだが、良い通訳が居なくて
.| .l .!l .l .!,,,,,,,l、':,.l ./ ,,,,l,,、l ! .i.l | .l
.l | | l |｀ ﾞﾞﾞﾞ｀ ヽ'ﾞ ´ﾞﾞﾞﾞ´ !':/.!|;| l .| 理解できなかった・・・良い機会なので、貴殿に問う
! l .lﾞiヽ!,ヽ、 _'_ ,/;// .l | .l
.! | .l | ヽ,.!..,.., - ..__.. .r ''´/./ .| .l |
/ l | .l ヾ>-'- ,...,.-' .!、'ﾞ .l .| l
/ ! .l .|,. -i'"l.! ,, ./;~;!, ,, /;"iヽ.、 | .l .|
/ .! ,!.,:' | ﾞヾ;/;i' ‐|ヾ;' ' | ヽ !.| .!
/ / / ! l ,..l.__,.l., l ! ! !
_,,.., _,,.....,......,,_ ,,_
/ ./＼ ,.-''´ ＿i ＿. ｀ ヽ.、 / ! l
/ ./ﾆ=/ - -‐'‐- _,,..!, =| .!ヽ
/i:,::::ヽ'/ヽ, 玄済 、、 '; /:::;/ !
.!/ ヽ:::::! .!// ヽヽ' i'::::/ !
./ ヾ:| .// / , , ., ., , ヽヽ|-'i .| 人間の死後には、何が残るのか？
i l .| !./ ./| i l l l.|.l i.ヽ i :li | .l
l .| l .i ./ Ll-|-! .| -lr-|、,|:, .l | l | 創造主は存在するのか？
.| .l .!l .l .!,,,,,,,l、':,.l ./ ,,,,l,,、l ! .i.l | .l
.l | | l |｀ ﾞﾞﾞﾞ｀ ヽ'ﾞ ´ﾞﾞﾞﾞ´ !':/.!|;| l .| なぜ季節の変化があるのか？
! l .lﾞiヽ!,ヽ、 _'_ ,/;// .l | .l
.! | .l | ヽ,.!..,.., - ..__.. .r ''´/./ .| .l | なぜ土地は揺れるのか？
/ l | .l ヾ>-'- ,...,.-' .!、'ﾞ .l .| l
/ ! .l .|,. -i'"l.! ,, ./;~;!, ,, /;"iヽ.、 | .l .| なぜ雨は降るのか───
/ .! ,!.,:' | ﾞヾ;/;i' ‐|ヾ;' ' | 卍ヽ !.| .!
/ / / ! l ,..l.__,.l., l ! ! !
/
＿＿|∠￣
／ 三ヽ￣
/i ｡ll ｡! ≡l ・・・・
|_i､__ﾊ__ﾉ ≡l
{-──- ) ≡}
丁￣￣ 彡{
ｿ / ノ彡}〉
ＵT ノ彡{
_〉 彡L
(＿ヽ_＿二ニﾆ)
──────────────────────────────────────
「これらの質問に答えると、かれは非常に喜んだ」（アルメイダ書簡・同上）という……
──────────────────────────────────────
ｌ
⌒＼|／⌒
／´ ￣￣ ｀＼
/ / ⌒ヽ ⌒ヽヽ
/ | | | |
ｌ ,-ヽ ・|・ | |
( ＼ | / ,へ｀ー‐⌒ー⌒ヽ
.＼ ｀ ｌ ｌ ｀ー ⌒ーイ ﾉ ´)
ヽ ＼＼－､－､ ／／ ／
| ヽ､ｰ──´／ｌ／
| ￣￣ |
| ╋ |
＿ . -―━━―-ミ ／ﾆ＼
. : : : : : : : : : : : : : : :-=ﾆア二／＼＼
／: 玄済: : : : : : ＼ -=ﾆア二／: : : : :＼＼
. : : : : : : : : : : : : : : : : ＼_ｱﾆ／｛: : : : : : : : ＼｝
/: /: /: :｛ : : : : : : : : : : : : 〈ﾆ〈: : : ＼: : : : : : : : :＼
/: /: /: : :｛＼ : : : : : : : : : : : ＼_＼: : :｝: : : : : : : : : : ＼
′: :/: ｛: :｛斗-‐-ミ : : : : : : : : ｛＼_＼｝: : : : : : : : : : : : :
{/｝:｛ ｛｛: :｛ 恣-く ＼: : : : : : :｛___:＼｛: {｛: : : : : : : : : : :
｝八｛｛Vﾍ ]jﾘ ノ ＼: : : : :｛ ｝ : ｛: {｛: : : : : : : : : : :
__,ノ ^~ ＼ : : ｝/ : : ｛: {｛: : : : : : : : : : :
｛ ｝: 〈/:/: : :｛: {｛: : : : : : : : : : :
｝/ ∨ / : ｛ ｛ : : : : : : : : : : :
r__ァ ｝ ∨／ ｛ ｛: : :＼: : : : : : :
´ ／ ｛ ｛: ｛: : : : ＼ : : : :
__〉 >―ﾍ: : : : : : : : ＼ : :
/ ｝ ┐｛_ ＼iｰ=≦⌒ ＿＿／ : : : : : : : : : : ＼
｛__｛__/ﾆニ＼_｝__｝ ｛ { : : : : : : : : : : :
／￣ ＞‐━'´ ＿｝ ／〉 ｛ { ／￣￣＼ : : : : : : : : : :
｛ _／二｝__／ /∧｛ } 卍 ＼: : : : : : : : :
/ ＜⌒＼｛_ ' /｝｝}/ ＿ : : : ＼: : :
/ /二二＼ ｝＼ ／∧ //｝｝/〉 ｛＼: : ＼:
/ /＼ニニﾆ｝ /｝ ｝ ／｝:/ .′ {｛//// ｛ ＼ : :
/ / >ニﾆﾆ｛斗‐ｧV /:/ { ￣〈/ ｝} ｝: :
───────────────────────────────────────────────
宗教と科学が未分離だったこの時代。知的欲求の強い仏僧は、宣教師のバックにある西洋学問に知性を刺激
されていたのだ。忍室も、仏教哲学とは異なる一神教の霊魂の概念に触れて、自問自答していたのかもしれない
───────────────────────────────────────────────
r‐‐､
,. - ､///| ヽ'´ ￣￣ ｀: ‐- ､
,. : ´: : : : //厶 : : : : : : : : : : : : ､: :＼ ＿_
／: :: : : : : :У: : : : : : :忍室 : : : : : :ヽ: : ＼| || |, - ､
／ : : : : : : , ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ハr=-| || |: : : : :ヽ
／ : : : : : : : /: : : : : : : : ∧: : : : : : ､: : : : : : :∨iｉ| || |: : : : : :
／ : : : : : : : ／ : : : : : : : :, ｀ヽ : : : : : i ',: : : : : : :∨| || |: : : : : :
／ : : : : : : : : ,': /i : : : : : : 'ｚz､ ',: :: :: : :|⌒: : : : : : :ik| || |: : : : : :
／: : : : : : : : : : / /. !: : : : ／ん:ハ ヽ : : : ｌ ＿',:: : : : : }iУ´ヽ: : : : : なんだか私も、キリシタンになってみたい
／ : : : : : : : : : : 从:ﾉ {: : :〃个乂:ツ ｀ ,:::个i,ハ,: : : : : !´ {: : : : :
／: : : : : : : : : : : : /ﾉ'´ 八: : :ハ| ヽ:圦::リﾊ: : : :/ ', : : : : って気が、しなくもなくなってきたよ
／: : : : : : : : : : : : : /´ ∨ﾘ 八 ! `¨´/∧: :从 i : : : :
: : : : : : : : : : : : : : / 丶, ＼ !`ｰｰｯ ｲ:／|, ′ ',: : : :
: : : : : : : : : : : : : / ` ＼` ´ イ,､／, - ､ i: : : : だが拙僧も、島津の殿様の菩提寺で
: : : : : : : : : : : : / ／⌒ ､こ,. -‐=≦｀, , ', : : :
: : : : : : : : : : : / , '/: : ::∧∧ヽ: : : : :/ｉ| ハ i: : : 住持の身・・・立場上、できないがな
: : : : : : : : : : / γ i: : ／i ,.-∨: : : :/, ||, } ', : :
: : : : : : : : : / / l／: :/ /: : : ヽ : /: : / 卍 / i : :
: : : : : : : : / { ／ : : / /: :┌ ┐从:/ / ',: :
: : : : : : : / |. / : : : / /: : : : ￣: : r＝ﾆﾆﾆ＝‐､ i: :
: : : : : : / | ｌ : : : / /: :: : : : : : : ::ｌ: : : : : : : : : :| ', :
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ヽ ＞／｀≧､_ u ､__,ィ' ⌒ヽ ＞ /
ゝイ （ y‐｀ト} ﾐ '´y- Yへ
/ ﾍ u ｛__,｝ i {__.｝ kﾍ〃 （ お師匠───そのザビエルとかいうの信じちゃダメ、絶対！
ヽ(♭ ￣ 〈| ￣ J ♭ﾉ|
ヽ〉 U ＿., - 、 jー' そいつは己の本尊を「大日」じゃなく「デウス」と言い換え始めた。仏門に非ず）
ヽ,_ u ヾ_,ニニ__） ／
|＞-､_ ,.イ＿
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
仏僧モブ（＠HUNTER×HUNTER）
───────────────────────────────────────────────
忍室は諧謔に満ちた、率直な人物だったらしい。ザビエルが、座禅を組む禅僧を目にして尋ねた時のこと───
（フロイス「日本史」６より）
───────────────────────────────────────────────
＜座禅中＞
､_ ハィ _
ﾄ､┘::::::::::::::::::::::l
､」:::::::::::::::::::::::::::::/
',:::::::z`｀`｀'^'^’^! , --､, --､
､ ',;:::Z ヽ､ , ' } ／ ｀ヽ
､ /::::ヽ／|{ﾍ Ｏ-､ｒP (‐ｌ｀ヽ' {ｨ ノｌ'´ ヽ ',
|ヽl:::::::::::::::::::::ﾚ:/ｚ ゝ-'ヽ ' ) ､ ﾊ L / / ,ィ }､ } } }
',ヽl:::::::::::::::::::::::::::::::イ ヽ'=== / マ ∠' ｏ` 'ｏﾊ) /
',::::::::､;:::::::::::::::::::::::::/i`ゝ,＿//´ , ＝ヽ く ､_, _l /
}-､:｣ ｎヽ-' ｎＺ;:::｢::::V{ ＞ｒ､ｲ‐'oｿﾉ'oヽル )=-ｒイ´ノ
（ﾍ ● ● |ﾉ::::::::::::', イヾ! ､_,_, ﾉ ／:::::||::ヽ
｀ヽ､_ ヽﾌ , -',:::::::::::::::> ) ＞.--ｚ'´ /:::::::::||:::::',
￢に ｀ Ｔ´二lイ:::､ｒ-く｀ヽ､, ィ `'（ ＞ﾆ二_二ｲ＿
,､」＝=」┐,ぅ_::」 ｀ヽ::::/:::`ー'::::<ｌ:ﾉ|ｒ､ノ ヽ､_／
レ'｀ヽ'^'ｰへﾉ ﾉ' へ‐‐‐‐┘`'
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
,.ｘzzzzzｘ、
,ｲ///=‐='//ヽ
,':Y´ ｀℡
ｌ:::》＿__ ＿__ {/ｌ 彼らは、何をしているのでしょう？
ｌ:: :::::::::::八::ｪｪ::: V_
ｌ::::.ヽ /!_ イ ﾘ
乂::::} }::::::ﾘ` ｌ !ﾉ
ｌ::V:::::―- ﾉ
i:::::::::::＿,.ｲｌ
,小:::::::::::ｌ 人
／:::| ゝ==< | ＼
___ ___
/_rz＞-‐…‐-＜zｭﾑ
,イ|=|／彡 r+ =ミ....＼|=|ﾐ ﾌﾝ !
{::::/7...／忍室丶....ﾍ.ﾊ|=|::｝
|:::i|/../......｛..........j|..i....l...V’::|
|:::｛....|..ﾄ.ｊ人....../ﾙｊL.l.....｝::::! まあ「心を空にして我を忘れ、精神を統一する
|::::{....|.Ｙfｔ㍉Ｖ ｲf_テ|.../i:::::|
|:::::Ｎﾚ:| ｀´ , ｀´ |/| |:::::| 修行をしている」と言いたいのは、山々だが・・・
|:::::| ﾄﾊiヽ -.- ｲj;ﾉ |:::::|
|:::::| }＞＜{ |:::::|
|:::::| ,, -z/ ＼_／ﾞ'ﾄz- ､|:::::|
|::Ｙ r/ ＼伝／ ﾊ Ｙ:|
|:::| /＾ )ｱ( ﾑ卍|::|
|:::| ｛ 「ニ| ¨¨ ｝ |::|
|:::r-==ﾄ､ | | ｲ==ｭ::!
|::「二ﾆ}｝ヽ | | く｛ﾆニ|:|
.| l |: .::| |:::. | l ＼
.l ヽ l:: .::l l::::. l _.. -i ヽ
| lヽ＼|:: .::::|_... --|:::. | | l:. i l
|､::＼l:: | .::::l l::::/ z=＝-､!::. |ヽ | そんな有意義な黙想をしている者は、一人もおらん・・・
l::ヽ::. |:. l .:..::::| z=＝'' |::/ i.|:::::::|.| /::::. l 'l
.:|:､:丶:l:::.:| .::::::イ´::::::::| l/ |ﾞ-‐' l/:::::::: |
:::l::＼:iﾞl:::::l:::::i::/ 丶-―' ' ' l:::::::: |.l ある連中は過去数か月、信徒たちからどれだけの収入を
忍室 .::|ヽ､::| ヽ::|:/|/､ !::::::::l
.::::l ヽ､ ＼:::::ヽ , -ｧ /.|::::i:::| 得たかを数えており、他の連中は、どこに（転勤すれば）
:::::| ｀ ヽ::::::＼ ￣ ,ｲ l:/|:/
:::::::l _｀i :､ヽ｀ ‐‐ --':::::l ノ ' よりよい待遇が得られるか、またある連中は気晴らしや
.::::::;:| ! !_ ｀ ﾄ:､:::::::::::|
.::::::/:l / ｀ ー---､ |＿::::::l 暇つぶしを考えている───
.:::::::/:::| ／ ,. - ､L!-､＼:|
.:::::::/::::,' r'｀丶､ ／ |ヽ| ヽ l:l
.::::::::/::::/ ／´ ｀ ー ´ 卍 .l li!. ＼|:|
.:::::::/:::::/ ／ ￣ ヽ | |.l|ヽ lil:l
. :::::::/:::::/ / l l l |ヽﾉ.ヽ!
,.ｘzzzzzｘ、
,ｲ///=‐='//ヽ ﾀﾗｰﾘ
,':Y´ u. ｀℡
ｌ:::》＿__ ＿__ {/ｌ
ｌ:: :::::::::::八::ｪｪ::: V_ ・・・・
ｌ::::.ヽu. /!_ イ ﾘ
乂::::} }::::::ﾘ` ｌ !ﾉ
ｌ::V:::::―- ﾉ
i:::::::::::＿,.ｲｌ
,小:::::::::::ｌ 人
／:::| ゝ==< | ＼
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ひょっとしたらこの辛辣な批判は、改悛の過去を持つザビエルの胸をも、疼かせていたかもしれない・・・？
以下、またも脱線の余談になるが───
────────────────────────────────────────────
＜現在＞
,.ｘzzzzzｘ、
,ｲ///=‐='//ヽ
,':Y´ u. ｀℡
ｌ:::》＿__ ＿__ {/ｌ
ｌ:: :::::::::::八::ｪｪ::: V_
ｌ::::.ヽu. /!_ u. イ ﾘ
乂::::} }::::::ﾘ` ｌ !ﾉ
ｌ::V:::::―-u. ﾉ
i:::::::::::＿,.ｲｌ
,小:::::::::::ｌ 人
／:::| ゝ==< | ＼
●
●
●
＜過去＞
-─ ､ , -──- ､
, - ─｀＜::::::::::::::::::::::::ヽ
／::::::::::::::::::::ヾ::::::::::::::::::::::::::｀- ､
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/:.:.:.:.:.::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/: : : : : : ::::i: ::::ﾊ:: :::::::: : :::ﾄ:::::::: : i: : :::::::::::ヽ
/: : /: /: ::::::|:::/ .V::ﾄ::::::: :::| ＼::: :V: : :::::::::::|
|: :/: /: :/:::::|/ _ノ .V| ヾ:::::::| ∨::i::::::::::::::::::}
ﾚ.|:.::::|:::i:::::/| ､ﾊi ＼::::|｀^ｰV::ﾄ::::::::::::::::ヽ
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若き日のザビエル（演者：伊藤誠 ＠School Days）
─────────────────────────────────────────────────
1530年。名門パリ大学の哲学課程を修了し学士の称号を得たザビエルは、前途洋々たる将来を得々と学友に語った
─────────────────────────────────────────────────
/: : /:: : : / : : :.!:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ', 俺、これから故郷に戻って、司教になって、のんびり暮らそうと思うんだ
/: : /: : : 斗--､ :|: : : : :|: : | ,ィＴ: ',: : :ヽ : !
|: : |: : : : : |: / ＼: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ﾄ､:|
|: : |: : : : /!/ ⌒ヽ| :/ |:./⌒ヽＶ: |.: : : | V 天下のパリ大卒のわが学歴なら、司教になるのもたやすいこと───
＜ : _: : : / 〈 ノ |/ ﾚ ヽ }|:./ヽ: : :|
＜:: |. 小{ _,,.. - ､-.,_ ﾚ{: :.|ヽ:| 安定した高収入ゲットで人生、勝ち組ｗｗｗ
厶ﾍ ﾊ ､ {ﾊ,;' （(
＼_! ' ! ( ( ヽ) ﾎﾜ〜ｯ
ヽ 'ー―-- ／ ヽノζ
___,ｒ| ＼ ／ |￣￣￣|(^)
／:/::::| ＼ ヽ _ , ィ´ | ''..,,''::;;⊂ニヽ
／::::::/::::::| ＼ ´ ∧＞､ .| .,,:: ;;;;ン=- )
／:::::::::::/::::::::| ＼ / ! ,ｒ-''⌒＾ニ);;;;ヽニノ ヽ
.／ .:/ .:::} : ..:} ＼:ヽ::＼:::::::::＼:::::::＼
〃 .::/ .:::;ｲ .::! .:::! }::::ヽ.:::ヽ::::: :: i:::::::ﾍ
/..:/ .:/ :,'::. .::::/│:::| ::::| |:::::::', .:::l:::::V ::|:::::::::ﾍ
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./:::,' :::| .:::|l .:!:/:＿/:::/!::,' ｧ-z=≠く |::::j::|:::::}!:::l:::::::::::::|
/ .:::| .:::| .::斗::七-‐/／ j:/ 汀!l{:::::::ﾊ㍉:l::|::::::{::::|:::::::::::ﾊ
.ｌ|::::::| .:::|.::::: |Ⅵzf斥 / V廴_ﾉij }::!ｌ|::::::|::::|:::::::::::ｌ|
}!:::::| | :::l::::::::| ,ｲ!{::::::ﾊ ゞ-=≠ Ⅵ:|::::::i::::}:::::::::::::i ・・・・・
八 :::l:ハ ::',::::: |{代廴.ﾉij ｌ|::::∧::::::::::::::::|
.ﾍ:::ｌ ::＼::ヽ::::＼ ゞ'"¨ ::} ﾊ/ .::ヾ:::::::::::,'
.ﾍ:', :::::`ﾄ::::＼:ﾆ=- /｀| ::: :::＼:::::;
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イグナチオ・デ・ロヨラ（1491－1556）
イエズス会初代総長。ザビエルの「魂の父」。バスク人
（演者：桂言葉 ＠School Days）
/.:://.:.:/.::.:.:.:.:/.:.:.:.:/..:.:/::,ｲ.:.:/:.:. ::::|.:.:.:.:i.:.:.:.:i.:.:.:.:.:i.:.::..:.:|
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. |i |:.:.:i､i:.:.:.:i i:ﾒ=ｪく´ /／:::;=―ｪｭ,,,._|;/｀|.:.:.::ｉ.::.:i.:..::i.:|.:.:.:.:| ねえ、ザビエル君───
i |:.:.ハ:.:.::.|ｹ{f::::::i}` /'´:; '"{i:::::ﾀﾒ､. |.:..:i.:i.:.:i.:.:.:i.:|.:.:i.:.:|
. ｀i;i i::.:.:|.: {i:::::ｿ. ´ {i::::::::::|"'|.:.:/.:i:::i.:..::i.::|:.:.:i.:.:ﾄ,
'i, ｀i;;;|;;;`≡~ .... ｀'≡ﾆソ /.ｲ.:.:i.::i..:.::i.::|:.:..::i.::| i､
|｀ﾄ､;"""., "";;:;:~"'ｿ'~|.::.:i:'´.:.:.:.:.:|.:.:.:.:i.::| ii
|.: i:::: ｀ ,,,,,,,＿___ ´ .|.::.:i.:.::.:.:.:.::|.:.:.:.:::i::| ii
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/: : /:: : : / : : :.!:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
/: : /: : : 斗--､ :|: : : : :|: : | ,ィＴ: ',: : :ヽ : !
|: : |: : : : : |: / ＼: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ﾄ､:|
|: : |: : : : /!/ ⌒ヽ| :/ |:./⌒ヽＶ: |.: : : | V
＜ : _: : : / 〈 ○ |/ .ﾚ ○ } |:./ヽ: : |
＜:: |. 小{ _,,.. - ､-.,_ ﾚ{: :.|ヽ:| はい？ 何っすか、ロヨラさん
厶ﾍ ﾊ ､ {ﾊ/ V
＼_! u ' ! （目が怖えーよ。そういえばこいつ、もともと軍人あがりだっけ）
ヽ ﾏ¨`ー―ｧ ／
___,ｒ| ＼ ｀ ー‐ ´ ／
／:/::::| ＼ ヽ _ ィ´
／::::::/::::::| ＼ ´ ∧＞､
／:::::::::::/::::::::| ＼ / !＼::`ｰ- ､
／::::::::::::::::::::::::::::::: ﾄ､::ヽ:::::::::::＼::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/::/::::::::::::::::: /::: ∧:! ヾ:::＼:::::::::::ヽ:::::::::::::::::::ヾ::::::::::::::::::::::::::::::＼
|:::i:::::::::::::::: / ::::::| |::! ＼::＼::::::::: !::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
|:::|:::::::::::::: ':::::::::::| j_| .. -─十::|:｀ ､ :| ::: ::::::::::::::|:::::::::::::::::::i::::::::::::
|:∧::::| ::::::|:::::::::√i::l _ __ |::::|::::::| :::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::i:::::::::::
|:| |:::| ::::::|:::::::ハ j/ｨ≡tiミ |::,ｲ!:::i| :::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::i:::::::::: 君が大学で学んだ学問は、
|:| |:人 ::::|::::: |:::::/ l | i/ |:::::i| :::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::i:::::::::
|:| i::::| ＼l:::::::|:::::i ､ ﾉ / |:::从 :::::::| ::::::::::::|:::::::::::::::::::::::i:::::::: 君に何を与えたのだろう？
ヾ.､ ヾ:＼ ＼乂:, ´,,,, |/;;/:! : :::|:: ::::::::::|::::::::::::::::::::::::i:::::::
＼ ーゝ ゞ:/＼ ´ ;/ ;|::::::::|:: ::::::::::|:::::::::::::::::::::::::i:::::
く /;;;;;| ::/ :::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::i:::: どんなに富を手に入れても、
＼ __ ;;;;;|:::/ :: ::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::i::::
＼ ,;;; j/ :::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::i::: 清らかな魂を失えば何の価値も無い
＞,. ─…；イ ::::::::::::::::::|::::::::::::::::l::::::::::::i::
／√ | :::::::::::::::::∧::::::::::::::l::::::::::::i:::
／ / ｲ :::::::::::::::::| ゝ:::::::::l::::::::::::i:::
／:::::::/ 〆 | :::::::::::::::::::::| ::::::::＼::::l::::::::::::i:::
/ ::::ノ ／ ィ:::::: | :::::::::::::::::::::| ::::::::::::::＼::::::::::::i
/: : /:: : : / : : :.!:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
/: : /: : : 斗--､ :|: : : : :|: : | ,ィＴ: ',: : :ヽ : !
|: : |: : : : : |: /l|l|＼: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ﾄ､:|
|: : |: : : : /!/ ⌒ヽ| :/ |:./⌒ヽＶ: |.: : : | V
＜ : _: : : / 〈 {} |/ .ﾚ {} } |:./ヽ: : |
＜:: |. 小{l|l|l| _,,.. - ､-.,_ ﾚ{: :.|ヽ:|
厶ﾍ ﾊl|l|l| ､ {ﾊ/ V
＼_! u ' ! それは、その・・・・
ヽ , -- ､ ／
___,ｒ| ＼ ｰ'⌒ｰ' ／
／:/::::| ＼ ヽ _ ィ´
／::::::/::::::| ＼ ´ ∧＞､
／:::::::::::/::::::::| ＼ / !＼::`ｰ- ､
/ : : : : : : : : : : :/: : :| : : : : : : :/.:: | :| |: :|:: |: : : : : : : : : : : :l
. / : : : : : : : : : : :/: : : :| : : l : : :/.:: │:| |: :|:: |: : :| : : : : : : : : l
/: : :/ : : : : : : : /: : : : :| : : i : :/.:: ! :| |: :|:: |: : :| : : : : : : : : l
. /: : ,ｲ : : : : : : : / : : :/: :| :._⊥/-─‐ ! :l .|: :| ──- .. |:|: :l!: : :l : : : : : |
/: :/ │: : : : ｌ : : !: : : :|:,.イ´.: l/.:::::::::: /:/ |: :|:::::::::::::... ｀メ |: :|!: : :l : : : : : |
,' : ,′ | : : : : ｌ : : |: : :.イ:/|: : :/-─＜ /:/ |: :| ＞─‐--､｀下y'| : : l: : : : : :| 世界を手に入れたところで生命を
│: | | : : : : | : : |: : : :|:.:_,.ｨ≠≦三ﾐ ／'" |: :l 彡三≧ｪx |/ ヽ: : :l : : : : :|!
│: | | : : : : | : :│: : :l,ｲィ'::l|li|l|li|!:| | / |::l|il||i|li:ヾ;､ | : : :| : : : : i:! うしなえば、何の益もあるまいに！
│: ｌ ｌ: :/: : :| : : l : : 〃 {:::::l|l|l|l|l|::| j,′ |::l|l|l|l|l|::::}ヽゝ : : :l : : : :,ハ
|: :,′ ∨: : : :l : : l : : : l: .∨:!!|l|ll!!::| |:::!l!|l|l!!::/ /} : : /: : : :/ : :l
|: ′ ∧ : : : |∨ l: : : :|: :',∨:::::::::::j_ {::::::::::::::/ // : :/| : : :/ :| : l
i,′ / ヽ : : | ∨ : : : |!.:ハ＞=≦三三 三≧==＜. //: : /: | : :/ : :| : |
／ | ＼| : ∨ : : ﾊ : :{三三三三 三:. 三三三三ムイ: : :| :/ : : :| : |
| : |: : : :|＼: {＼乂三三三 i!三三三三三三三/ :| : : :|/ : : : :| : |
| : |: : : :| : :ヽ＼ ￣ ＿Ξ三三三三三,/| : |: : : : | : : : :| : |
| : | : : : |: : : :|｀ |lヽ、 ´￣｀ 三三三三:,イ: :| : |: : : : | : : : :| : |
| : | : : : |: : : :| : |l |: |li:..、 三三三三才il| :l : :| : |: : : : | : : : :| : |
. ／: : : :u: : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : : : : : : : : : : : : : :.、: : : : :u: : : ヽ
. /: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
/: : /: : : 斗--､ :|: : : : :|: : | ,ィＴ: ',: : :ヽ : !
|: : |: : : : : |: / ＼: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ﾄ､:|
|: : |: : : : /!/ ⌒ヽ | :/. |:./⌒ヽＶ: |.: : : | V
＜ : ｣_: : / 〈 （・） |/:::::::ﾚ（・） }|:./ヽ : |
＜:: |. 小{ _,,.. - :::::::::::､-.,_ ﾚ{: :.|ヽ:|
厶ﾍ ﾊ ::::::::::::::::::::､::::::::::::::: {ﾊ/ V ・・・・・・・・
＼_! u ＿ ' !
ヽ ／ ｀t u ／
___,ｒ| ＼ { / ／
／:/::::| ＼ ヽ ｀_⌒ ィ ´
／::::::/::::::| ＼u ´ ∧＞､
／:::::::::::/::::::::| ＼ / !＼::`ｰ- ､
::::::::::::::/:::::::::∧ /二＼ |::::::ヽ::::::::::::＼
──────────────────────────
（ロヨラの）言葉の剣は、若きザビエル（の心）に突き刺さった！
──────────────────────────
γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
｜ 世界を手に入れても─── |
乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
／ ／: : : : : : : : : :丶
| /￣: : : : : : : : : : : : : : :＼
_ --／＼── ､: : : : :丶､::::::::::::: : : ＼
／: :／': : :.:: : ::. : : : :＼:::: : :＿＼::::::::::::::::::::≧
／: : :/:/: : : ::::l､:::::::::: : ::: l:､::::::＼- iT:-::::::::::::/'´
. /: : : :/:::|: : : l :::| .Xゝ::::::l:A| ヽ ＼::＼::::::::::::::::/
l:: : : ::|::/|: :､::l ､:|'´ >=ヾﾚl |＼:::::::::::::/
|==＝V-､::::l､ヽヽ ",, ,, { / ヽ--〈
|:::: :::::::l::::l､::| ＼､ < ＿＿_∠二＼__
|:::::::::::::|::::::ゝ-､ |ヽ__ .／: : :ヽ: ＼＼: : : : ヽ
|/::::::::::|::::::::::| , - ' /: : : : : : ヽ: ＼＼: : : :ゝ-､
/::::::::::::::::|::/:::l / |: : : : : :::: : l : : :､ ＼ //_ヽl
|::::::::::::::::::|:|:; ┴.､､ 人 | : :::::／: : : l : ::::ヽ /／::￣＼__
|::::::::l::::::::r: : : : : ::＼ヽ､＼ /|::::／:: : : : : ::､:::::/ヽ/: : : : : : :ｲ: :ヽ
ﾚ､|l:|､:::::|: :r---､: : ヽ ヽ l:ヽ( ): : : : : : : : :::::l:::/:::::|: : : : : : : lヽ: : :i
lヽ ＼|::/ 丶-i ＞-／)|: : : : : /: :::::/:/:::::::|: : : : : : :/: :i : : :､
|:| |_/L:::::>:|: : : :::/: : ::::l::::::::::::::|: : : : : : |: : : l＿/:､
､､ l ￣ |: : ::::/: : : ::/::::::::::::::|: : : : : : l: : : |: : : : ＼
ヽ＼ ＼ | :::／: : :::::::|:::＼:::::::|二二二|: : : :ヽ: : : : :＼
γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
｜ 生命を失えば、意味が無い───！ |
乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `、
,': : : : ; : : : : .l : : : : : : : : : : : : : : :,
/: : : : : .l : : : : ! :.l゛"ヽ: : : : : : : : : : i
,': : : : : : :l : : : :/:./ }:.ﾄ､: : : : : ト､:l
l : : : : : : :! : : /:.ｲ - ―サ十: : : : |}!八
.ﾊ: ﾄ; : : : : i :ｲl;ｲi! ﾃ〒モｷ: : : : :ﾚi : :.＼
! !:|ヽ: : : : 伐い ゛、 弋; ; ﾊ: : : : :|八: : : :`ー―‐ - ､
ヽ 丶: : ﾐ ゞﾉ ≠ .ﾙl : : :| }` ､: :＿: ; :_:ノ~ヽ-､
＿＿＿＿_`_ヽゝ、ヽ ．・： .|: : : | ,;ﾉ l i `ｰ - 、
ﾋニニニニニ=ｦ￣￣` ´￣￣￣￣￣ //・．l l }! `ヽ、
/ !ｿ;:i ､．； 〃. ”.ﾉ i! ﾉ i!
/ ‘,，j;:;:;:;し';:;:;‘，,;);(； / , ' i! ＿ ﾉノ ,; i
~~~~~i~~~i~~~~~i~~~~~~i~:~: l／ ． ゛ " i! ￣ 7 〜 ,.ｨi!
l : : :l .ヽﾊ l: : :.| ；(;;;)・. ; i! ﾉ ／.i!
| : : :l ゛! i!: : l ‘ " .;i! { . / .i!
ﾙ: : :| /`/´,`ｰﾍ ! : | ﾉ /`/´,`ｰ､_ .ｲi!
ﾘkｿk' < .ｨ '`―ゝ、ﾙﾘ 冫、 , イ ―k' < ､´ / ｬ──―
| ヽ!_ﾍ_ﾙ' ￣ ` ´ ヽﾍ_l ﾉ /
──────────────────────────────────────────────────
当時のザビエルは母や兄との死別が相次いで弱っており、目先の幸福に囚われていた
だが姉マグダレナ（1533年逝去）の「ザビエルは教会の柱となる」という予言通り、イエズス会結成の礎石がここに築かれた
──────────────────────────────────────────────────
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : : : : : : : : : : : : : :.、: : : : : : : : ヽ
. /: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
/: : /: : : 斗--､ :|: : : : :|: : | ,ィＴ: ',: : :ヽ : !
|: : |: : : : : |: / ＼: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ﾄ､:|
|: : |: : : : /!/ ⌒ヽ| :/ |:./⌒ヽＶ: |.: : : | V
＜ : ｣_: : / 〈 {} |/ ﾚ {} }|:./ヽ: : | ロヨラよ。あなたを、魂の乳・・・父と呼ばせていただきたい！
＜:: |. 小{ _,,.. - ､-.,_ ﾚ{: :.|ヽ:|
厶ﾍ ﾊ （ ( ､ ) ） {ﾊ/ V
＼_! ) ） ＿ ' （ ( !
ヽ （ ( ／ ｀t ) ） ／
___,ｒ| ＼ { / ／
／:/::::| ＼ ヽ ｀_⌒ ィ ´
／::::::/::::::| ＼ ´ ∧＞､
／:::::::::::/::::::::| ＼ / !＼::`ｰ- ､
|.:.:.i.:.::.:i /i.:.i i.:.:.:.:.:.:/ .//: |:|.|.:.:.:.:.:i.:.:.:.:|
.|.:.:.:i.:..:.:i.:.:._i_i:iｒ'~＾.i~:.::／ .//: '''''''ーｪ/. |.:.:.:.:.:i.:.:.:.:.|
|ヽ,:.i:.i:.:.iｒ'´i:::||::::ー::ｫト /'´: :ｒ:=‐-;/ `.|..:.:.:.://.:.i.:::| （ＡＡのせいで、いろいろ不穏当な遊びがありましたが）
|.:.:.:ヽﾄ,i.:.:|.:.:|ｒ=(.f"::"j'ﾄ /:: ´ ｒ'f"ｦ:ｫ;;j|.:.:／/.:.:..i.:.::|
/.:i.:.:i.:.ヽ,ﾄ:.:.ヾ:i::::`''"~´::: .: ''"`''-''::x ﾘ,ｨ:.:/.::i.:.::i.::.:.:ﾄ, 友よ。気を取り直して共に歩みましょう、「神の道」を！
.:.:i.:.:i.:.:.::ﾄi`'ト､:.ﾐ､_ .:i .ｒ''´;::'.|／:.:.i..:.:i.:.:.:.:i.:|
:.|.:.:i.:.:.:.:i.:.::＼ト'ﾄ=,,__ ::" :,'.:.:.:.:/.::.:i.:.i:.:.:.ﾄ,|
.|.:.:i.:.::.:.:i.:.:.::i.:.:´.ト､:::: ''' ‐.'' ／.:.:.::/..:.:.:.i.:.:ｉ.:.:.:.:iヾ､
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.:.:.:.i.:.:.:.:.:i.:.:.:.:i.:.:.:.:i.:/ー|`‐ ､__ ｒ ´.|＾`.V.:.:.:/.:.:.:.::..:i.:.:.:.:i.:.:.:.:i ヾ,
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'i. i:.:.:.::i.:.:.::.:.:i..i ヽ, /.i.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i .| .＼.:.:i.:.:.:.:.i ヾﾞ､
..i i.:.:.:.:.:i.:.:.:.:.::.:i ヽ / i.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i .| /.|.:.:i.:.:.:.:i ヾゞ ＜脱線終了＞
───────────────────────────────────────────────
ともあれ───宗教は、真理を求める人間の、知的渇望の所産である
そして日本人は、「理性の宗教」キリスト教の理想的な布教対象であるというのが、ザビエルの結論だった・・・
───────────────────────────────────────────────
.／::::: ／ /: : : |: l: : : :.ﾄ､:::: __r┤: :忍室 :/: /:.｀ﾒ |':::| V: : :',_ ／
.￣￣ /: :/i: : :.|:. :.:.:.ﾄ､｀´:. :.:.|: : : : : :.:/: /ｌ: / }: :| l : : : l
/: :/. |{: :.:|:.:.:. :.ﾄ､＼____.|: : : : ／／ // l: ├‐´l: : |: | ──
./: :/ |.:.:.:ﾊ: : :.:.V＼: : : :`寸´／/／'---､ .∧:.:l ｨﾎ}: : |: |
/: :/ .||: : ∧: : : :V＼＿__ノi<x､{'.-＝≦ ､ _ｊ/ .{iﾘﾊ: :.}: | .＼
,ｲ : :l. │: :.ｌ.:.i＼: : :V r‐＜}人: : lイ/r..::jcミ ｀´"∨:./
.／/i: ll l .│: :.| .ﾄ､ :＼∧ ハ ﾄ､.l 乂zン ヽ ﾊ/
.／: /.│ﾊ:l. |: :.:.| .| : ＼: ＼ヽ .ﾊ l ｌ l , . ､丶 /
/:. :./ │{ l:ｌ |: :.:.ﾄ､i＼: :.＼: ｀｀ー-､.:.:.| _ ｧ / どうかしたか？ 顔色が悪い…
/: : : l. |:.| |:l |: :.:.| ＼:＼／＼:＼} ＼ﾄ､ ｀ ｰ /
/: /: l. |:.| l l l: :.:.|: :r'´＼:＼: : ＼:＼ ＼ ,r_＿＿＿／
.{: : :l.:.:.l. |:.| |:.l .|: : :ﾚ' /》' ,>､:＼: : ＼:＼ Y
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
,ィ:::｀::ー:... ､
/:::::::::::::::r'⌒ヾ:{ っ
}:::::f｀ヾr' } ､__} っ っ い、いえ。なんでもありません……今日はもう帰ります
ソ ゝ_¨ ヽ ﾏ八
ﾘ⌒｀ヽ ｒ_〉
-ー＜￣ ミｰ ´ > （ 「もし私たちが日本語に堪能ならば、多数の信者が生れることは疑いない
＿,ィ´ ､ ミ､ ￣｀ヽ
ﾉ | ＼＿ 我らの主が、早く私たちを日本語のできる人間にするよう願ってやまない」）
ハ ヽ ! イ{
_)⌒ヽ } j! ＿ / ﾊ （ザビエル書簡1549年11月5日付）
─────────────────────────────────
だがザビエルは、ユダヤ教もイスラムも無い新天地・日本に喜ぶあまり───
─────────────────────────────────
「日本人は、私の見たいかなる異教国の国民よりも理性の声に従順だ
.....
, -'´::::::::::::::::｀ヽ､ 非常に克己心が強く、談論に長じ、質問は際限なく、知識欲に富む……
/::::::::::::::==::::ミィ::ｌ
l:/'"´ |:| 彼らは地球が球体であることも、太陽の軌道も知らなかったが、宣教師の
ｈ! .V
{;ｊ .--:‐- ,r‐-.|! 説明に満足すると、熱心に他の人々に伝えてやまない」
ヾ!､..:::::::::::ﾉ ヽ::::ﾉ!
ｌヽ ¨´ l__ | （ザビエル書簡1552年1月29日付）
｢ゝ､_ ＿_ ﾉ＿
＿/ ........`‐ ´ ‐::/,ｲ/::.. ﾊ
／ ::::::--､＿::__」＿ イハ:::::::::＞ー---
/ .::::::::＿, -- '´ ＼-'ﾉ-‐ヽ'´:::::､:::::::::::::｢::
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|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,'
!:::::::::::::::＿:::::::::::::::::::::::＿::::::::::::| おれは忍室和尚ほど、お人よしではない！
|::::::::::__＞:::＼:＿::／:::::::レl::::::|
',:::::::＞ :::::::::::::::::::::::::::::::∠:::::|
',__:{ '`'‐ .,_:::::::::::::::::_,. -''`'},...| 日本にも、古来より尊い信仰がある───
/ﾍヾ f'て::)`::::::r''て:カ /ﾍ 〉
ヽ{〈 ', :::::::::|::::::: ,'::: / やつらの好きにさせるわけには、行かぬ
ヽ-ﾍ :::::::┘:::: ヒノ
ﾄ､ :::-‐‐-::::::／|
_| ｀'::::.,｀¨´:／:: ﾄ､
. _,. ‐'", ┘ :::::::｀¨´:::::::: ＼｀' ､
,. - '" ＼.,_::::::::::::::::::::::::::／ ｀' - .,_
ヽ ＼::::::::::::::::::／ /＼
! :::::::＼:::::／::::::::: | 卍＼
| :::::::::::::::::::::::::::::::: | ヽ
─────────────────────
宗教が持つ、恐ろしい別の要素を忘れていた・・・
─────────────────────
/´ヽ
{ i
| ',
| ', 「今まで東洋で見いだされた国の中で、日本だけがキリストの
l ', ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
l ‘, 御教えを自分の力で永久に伝えることに適した国である。
l , ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
l ‘,
,.-ｆ⌒` ー- ､ ', しかし、それは、非常な困難のうちに実現するであろう───」
｜八､＿ﾉ 丶、ヽ
, -‐| ＼_ ｀¨丶、 （ザビエル書簡1552年1月29日付） 傍線は＞１
{ | 〈 ￣ ＼ ',
.| '､ ＼／ }＼ ',
／', ＼ -､ ヽ / ヽ
｛ 丶、 ＼ ヽ.)/ }
', 丶、 ｀¨T/ !
丶 ..,,_ ` ＼_.)ﾉ' /
l｀ ー' | /
l 八 /
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.: ﾍ ＼| l/ |／ /
', !li|!li|!li|!ll|l|l|l|l|l|l|l|li|!li|!li|!li|l|l|l|l|l|i|!li|!li|!li|!li|!li|!li /
', |!li|!li|!ll|l|l|l|l|l||!li|!li|!li|!l|l|l|l|li|!li|!li|!li|l|!li|!lil|l /
', l|l|l|i|l|l|l|l|!li|!li|!lil|l|l|l|i|!li|!ll|l|l|!i|!li|!|!li|!li ／￣｀ヽ、
', l|l|l|li|!li!li|!li|!lil|l|l|li|!li|!li|!li|!li|!li|!i|!li / 勝 !
＿ ', l＼i!li|!li|!li|!l|l|l|l|li|!l|i!lil|l|／l l 手 !
／ ＼ ', l ＼!li|!liil|l|l|l||i!li|!li／ | ／l l な l
/ ・ 言 | ', 卜! ＼|!li|!li||l|l!／ l／ |,ｲﾍ 事 /
| ・ い | ', く /´＼ ＼li／ ／＼ > ヽ、 ／
| ・ や | ,ヘﾐ ｒ‐＼ |!li|l|ll||!li|!l|i／⌒ヽ ｨ /⌒! ￣
| ・ が | { fﾊl / ｒ‐､ヾ|!lil|!lil|l|,.ｲ ｒ‐! l l/ｒﾍ l
| ・ っ ﾄ ヽ弋ﾊ l {;;;;;l! ﾞl|l|l|l|lil l!;;;;;} l リ/
ヽ ・ て / ヽ y ! ﾞ=' i!li|l|l `='' l ソ/
＼＿_ノ ゝ-l /ｰ‐'
ヽ、 ／
l＼ ﾋﾆミﾖ ,.ｲ
八k-‐ｨl ヽ ／ |ーﾝ从
ｊ､_从-‐ "´ く ＞─ ＜ └-ｒ ヾz
乂‐' 卍 ﾍ ', / / ﾊ＿_ ｀ ‐-廴ｨ
ﾊ ヽー─ ､ , --─/ ｒ' ・ 勝｀! ﾞ -y
/ ﾍ ヽ / l ・ 手 i ﾊ
/ ﾍ ヽ / l ・ だ l / l
/ ﾍ ヽ / ヽ.・よ_/ / l
────────
すなわち・・・
────────
,.ｨﾆ三三三ﾆ=ｘ､
,ｲﾑ=ﾆ三三三テ三℡
/'´ ヾ三三X
, V三三ｌ 山口で布教していたら、
ｌ V三三!
ﾋ=ミ､ 彡ﾆ=- Ｖ三人 「中国人が知らないのに、なんで真の宗教と言えるか！」と
Y丕う ィ丕ﾆ‐ i´/⌒i
ｌ ﾘ l|il|l|i i 厂ｊ. ｌ ヤジられてしまった。どうも日本人は、中国崇拝熱が強すぎる
i / ι' ﾘ
i ｀='´｀ L彡'
i ＿＿ /| ・・・よし、「将を射んと欲すれば何とやら」、中国でも布教しなければ！
i ー ,.ｲ |_
i ／ λヽ
廴＿＿,. イ ,.ｲﾘ三℡._
,不、 ,.イ /三三三＞ _
_,. ＜三| ＼_,.イ /三三三三三三＞
,. ＜三三三ﾆﾄ､/三ﾍ.／ /三三三三三三三ニ
,.＜三三三三三ﾆｌ l三| /三三三三三三三ﾆﾆ
<ﾆ三三三三三三ﾆ! ﾉ三{ /三三三三三三三三三
※1551年11月15日、豊後より出国。広東省に向かう。
（ハッキリいって、この人の布教は計画性がない。突発的な泥縄方式）
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,/ |j ,j |! l }; ＼ `:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
l , /! _|! {! jし､. , ＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::::::::::::::::
| ,;! /ｿr＝ｷzN三7 ,l! ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,.: : '7::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
! , {三三Z卞ﾍ三三入}! _,ノ:::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,..:.:.´:::::::/::::::::::,.zＺ::::::::::::, -､:::::
, |! 1三「´ 弋､ ＼::::::::::::::j＼::::::::::::::::::::::::::::,..:.:.´:::::::::::::::/'"´￣７:::::::::::::/r- !::::
,' , 7Zソ ： ふ i! ＼N卞､:::::｀::::::､:::::,...:::'´::::::::::::::::::: ::::: r==z、＼::::::/んY j:::::
|N 三7 ：.. ざ ﾉ1 ＼ '人::::::::::::::｀::::::::::::::::::::::::::::::::,.z＜ j:::/ f!ソ,人::'
! {{Ｚ ： け !三}} Y' ト 、:::::::::::::::::::::::::::::::::,.ィ´::::: ,' ７ｨえ／. :: ｀
, 三, ： ん VZく 、 ∨,!::::::ト､:::::::::!::::::::::イ弋ｿ::::::_:,' __,.ィ´. :: ::::
! YZ っ な 三}}、 ', ∨＼弋ｿﾍ:::,V'´:::::{::::::::::,.ノ´:: : ／. :: :!.: : ／
/∧ rfZ三≠- , ! ,/∨::ﾉL::::::::/::::::::::::::::￣:.::::: : :: ／. :: :: : |: ／
! ,! '}}三Zz ,.イ三「￣ l ＼⌒::::::::＼::::::::::::::::::::: .::::: : ／. : :: / / , '
＼ドﾍ、 , ＼三Zzz,_ノf∨{Y' -= ,.､ | ｀＞､:::::::-=三ﾄ､::::::.:::: ／ . :::: / 'ﾞ /
}}Zヘ、＿,￣⌒ーﾍ ,. ＼ l i| , l ｀' ､::::::::::.::::::, ＜｀ｰ ､. : l / 卍'
/ ＼ ｀ｰ‐一'ﾍ ＼ /
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ｌ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〉 ＼＿＿＿＿＿ﾉ ,､. l |/ 〉
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. ,ｨ彡三ﾆﾐヽ_ !:::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ィ彡'⌒ヾﾐヽ.､_ ,! L.-ヾ=,' l | l |
ミﾐ ー､＿ |:::::::::::::::::::::::::::::::::､ 彡彡 ー― ,.-'´ _, - '_´ | .! . | .l
ミミ､ ＿ ー､＿ !:::::::::::::::::::::::::::::::/ 、 、 ／´ (_,.- '´| L-'´ _) l,i | .!
＼ k‐'´. ﾉ(¨ヽ....,.-‐ ',:::::::::::::::::::::::::::,'_ ＼ ＼ ,.-'´ ,.-'" i' l
. l! ｀ヽ、⌒ Yil !:::::::::::::::::::::::::ｉ ｀ヽ、 ヽ ヽ ｛,.- '´| | i' /.
| 入 ＼、||、. !:::::::::::::::::::::::ｌ ／ へ ､|,i '-'´
／￣￣￣￣｀ヽ. ! / ﾘ｀ー―'ﾍ ヽ.ｉ:::::::::::::::::::::ｊ ./ ､ :l ､
l C O M E S ﾒ l f´ ヽ . ヽ::;;;;;;;;::ｒ"ｉ l ｒ‐ ﾘ ‐-､
ヽ＿＿＿＿__/ |. {_ ｀V .`ｰ=ﾆ ｨ' ﾌ¨ ,ﾍ / ‐-､
／ ／ヽ ｀‐-､―-､ ＿_!ﾆ == _ Y 卍 f‐ '' "~￣￣｀ﾄ- ､ ヽ､ ―-
/ / ／ ｀､ ‐i､_〉 こ｀ヽ、 ､ _ ! ﾉ ﾉ( ﾉ :i ィ彡'⌒ヾﾐヽ..
{ ....｀‐'´ } ー‐' "~ ヽ /il .⌒...::::::::, ﾑ ー-- ＿ .彡' ヾ 三
､..:: ヽ;:;:;:;: ⊂´、 ,､＿ ､ ...／ l!、 ﾉ、;:;: l ￣￣
ｨ彡三ﾐヽ ＼ ｀ ‐-､_;: ｒ‐' ノ / ｀~￣￣ ＼,.. -‐' 乂;:;:;: !
ィ彡'⌒ヾﾐヽ､＿＿ ＿ _ . `ｰ-､;:;:; Τ~ ｰ' ―---‐｀ー--‐'' "~ ｀､;:; l
ー―'´ ￣ ヽ `､ } `､
_, ｲ｀ ..:: ｀) Y ::,,,,,,. ｀ヽ.
/`l _ (＾ｒｭｨ'´ ,.r― ' ヽﾆ,へ ;;,, う
.,､. l |/ 〉 ￣ ｀＾¨
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,! L.-ヾ=,' l | l | | R O C K ．．． |
,.-'´ _, - '_´ | .! . | .l ＼＿＿＿＿＿＿/
(_,.- '´| L-'´ _) l,i | .!
,.-'´ ,.-'" i' l
｛,.- '´| | i' /.
､|,i '-'´
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
┃ ┃
┃ 神 と は 社 会 の 別 名 で あ る ┃
┃ ┃
┃ 足立啓二著「専制国家史論」第Ⅲ章第１節３（２）より .┃
┃ ┃
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}lililililililil／ |lililililililililililililililililililililili/ ＼lililililiヽ
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. /lililil／ 八lililililililililililix=ミlililililil| ∨lili
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, ilililili/ ＼li〈＿::/ｨ笂 Yヽ |lilili
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lililｉ/ 込 `::,:::`::::八: : ､_へ-ミ |lilili
ｉlｉ/ ,. '⌒＜＞―イ::::::ヽ:{ ＼_＼＼＿ |lilili
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） 本編につづくっ！ （
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, ‐'"￣￣｀ヾ!」￣! | | |:j!
, -/ i| /＼ i ﾄ ヽ. |,r-- '"i |//l
／ / l /!ﾑ' ｰ.ゝ┴ ､ﾄﾚ､＿＿_i／:/::||
/ || l.ﾚ┴ ､ ゝ┬ i'i i! i'ｰｯﾋ:ｿメ､ヽ;l
! ﾘﾙ t-r ' l l !人l｀ﾂ,.!/ ヽ ヾ!
! ／'､｀ l |,ｒ ‐ '￣ 〉/ r､rｸ／ i ',
レ ' ｀ゝ､!_ ,. - ='- " }y' ノ !
/ /~ i ／ ／ i ,. 'l
>､/ ヽ ｒ ' ／‐- -+ ' ／ヽ
／ i',K.､ , ‐i"ー レ’ヽ iヽ
87
【追記】
／ ＼
/ __,ィ⌒ヽ_
／´ ￣￣ ｀ヽ
, ／_/ ,.ｲ ＼'´￣`ヽ､
/ =ﾐ/｀/ | | ﾟ｡=ミ ｀Y 30レス以内の埋めネタだったのに、どんどん膨張したわね……＞１のバカ
l／vﾂ| / .|,,_| | }i:i:i:i:Ｙ |
Y r |/ -=x |ヽ | ﾊi:i:ツ ﾉ
| ､ 乂心 / | | 厂 ／ ちなみに弥次郎は、天皇の在り方から釈迦の入滅まで、じつに多彩な日本
八 / / / ／ ／{
r≧=- -/ /__/ .イ { | 情報をイエズス会を通じて西欧にもたらしたわ。中でも＞１が個人的に興味
|／∧ｰ / { 〉 / | 八
ﾉ::::/i:i:ﾊ/ |::ﾟ｡ , , ヽ ぶかく思ったのは、九州南端の日本人庶民である彼が、北海道（蝦夷）の
. /:: /ｰ‐{ ﾊ .|:::::＼/ / }
...Y:::::::{i:i:／:: | |'￣ Ｖ / ／ アイヌについて、すでにかなり正確で詳しい情報を知っていたことね
__
へ ./ﾆ ＼
/ﾆﾆﾆ＼_/ﾆﾆﾆﾆ＼
,ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆハヽ＿＿＿
ー, ,ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-- --=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=-
' /∧ {ﾆ=- -=ﾆ_三ﾆ=---示=ヽﾆﾆﾆ=- '" へ
. ' /∧ _ -=ニ=- ” イ::ヽヽ 〈 {::::} 〉V '" / ／
' /∧_ -=ﾆﾆ r'' ヽ ゝ:ﾉ ' ｀¨,´ .， ./ /
. ' /∧=ﾆﾆﾆ., ､-〜ﾉ ， .ﾉ /
' /∧ ， ゝ' , ／ /
. ' /∧ ,; Ⅵ.／ なお梅北道夫氏によれば「永禄三年（1560年）六月三日、
' /∧ .} ./ / ╋ :.
. ' /∧ , , | 山川港と根占港の間の沖合で南蛮船と中国船の交易上の
' /∧ { { r==､__ } ｼｹﾞﾋｻ
r-/ | |------------ F彡-==T=ミ､ 紛争が起こり、仲裁に入った池端弥次郎重尚なる人物が
〕 '/| |----------==≦ llニニ|ﾟ o }}
}≧| |=≦ﾆﾆ.oﾆﾆﾆ..ｏ彡llﾆｏ彡⌒}’ 銃弾で死んだ」と、鹿児島県の古文書「日吉池端古文書」
|.ｏ.| | ,ｏﾆﾆﾆﾆ=- '" ￣ .|
|¨ .ゝ'.∧￣￣ , にあるそうだ。梅北氏は「池端＝弥次郎」と、推測している
, ' /∧ ，
， ' /∧ ，
.， ' /∧ / むろん決め手は無い仮説。だが弥次郎を知る資料としては
､. ' /∧ /
＼ ゞ ' 彡' 膨大な史料を駆使した労作でもあるので、一読の価値がある
{ ＿,彡 ./
， / ， .:/
， ./ :， ./ それでは、また……
ゝ ' ゝ '
いや、またキリスト教＝理性の宗教とか言ってるけど、そんなの近世・近代でようやくって話しだから。
それ以前は盲信の時代で、図書館焼いてたれんちだから。
で、近代化して、ちょっとマシになったらイエズス会などの教皇直属の連中は、その成果を組織のメンツのためにドブに投げ捨てた連中だから。
例によって、場当たり的なイメージ操作で歴史の本筋はガン無視だなあ。
宗教が社会文化なら、カトリック直系布教はノーサンキュー。
幕末になって、まともに近代化できるキリスト教徒から付き合った方が良かったのは、歴史が証明しているよね。
幕末、清国の惨状を聞いた日本人は諸外国と条約を結んだ時、阿片の持ち込みを、厳禁して、外国も全て認めた。
まあ、イギリスは懲りずに民間を通して密輸してるんだがw
清国の対応はアレだったとしても、麻薬の大量輸入など違法というのは当時の国際社会でも常識だったわけだ。
他国も麻酔や嗜好品として流通してるからいいだろ、というイギリスの詭弁は日本も含めて麻薬ビジネスの温床になってしまったが。
盲信宗教と阿片の弊害を防いだだけでも、後のリセット的な開国には有利だったね。
いや141-142、内容について批判しろよ
キリスト教布教での日本側の資料が無いのは国史でもない一個人の来訪が大した反響がなかったという証明だろ？
弥次郎のデウス＝大日は彼のキリスト教理解が低い所為だしザビエルがそれを咎めなかったのも本国的にはマイナス
そして仏教は欧州に取って未知の宗教（インドじゃ既に廃れた）、ただ東南アジアでは小乗仏教が隆盛してそこでの情報が欠如してるのは奇妙
後また朝山日乗、奴は仏教の代表者じゃねえ！
全体的に話が二転三転して埋めネタらしい纏まりだった（つまり何が言いたいのか判らん）
正確にはインド哲学の一派
龍樹（ナーガールジュナ）が大乗化したのが中国に入って土着化、中国で国教とされてた時期もあったが明代清代には既に邪教・秘密結社化してしまった
最終的に、近代理性を受け入れて、政教分離や信仰の自由を認めたのはどちらだったか。
その理性の宗教が、ザビエルらの本国や布教地でもたらしたものは、近代理性のひかりに満ちた国々になったのか。
ザビエルが宗教者として真摯であったとしても、彼のいう宗教の理性を短絡的に肯定する気にはなれないね。
レンコンじゃなくて連呼ね。
仏教は、元をただせば哲学であり、宗教的な部分は土着信仰が些か付いただけのものだから、日本の民族宗教とは言い難いよな。
西洋人が批判した偶像崇拝も、元をただせばインドに流れ着いた西洋人が勝手に作ったものが伝わっただけだけど、破壊の対象になったw
儒教もしかりで、これも中華と違って絶対的な原理ではなく、学問や教養に過ぎなかった。
ああはなにたくないだろ、
仏教とか中国っぽくって悪いイミージにしてキリスト教はカッコよく理性的にしたろ。
といった西洋趣味を満足させるだけの内容じゃない。
仏教は残念ながらインド哲学だけどw
しかし、阿片戦争の頃と同じ手段しか使えないのかね。
中国がいくら酷かろうか、それで相対的にイギリスやイエズス会が正しい正義の味方になるわけでもないのだがw
阿片の密売やら、現地人の子をさらって洗礼させたカトリック布教まで擁護しなければならないとは大変だw
寧ろ、知性の高い先進国では追い出されるか廃れていった。
アメリカの高学歴エリートほど、無宗教だったり、ビル・ゲイツみたくインド哲学から新たな発想を見出したりしてる。
政治家の汚職は蔓延し、摘発に対する捜査妨害、または違法な捜査とw
経済も過去最悪の状態に陥る可能性が。
莫大な数の、理性の宗教の信徒は何やってるのw
まあ、それ以前が独裁政権と教会が癒着した儒教国家なみの専制政治だったから仕方ないか。
ほんと、口先だけで現実の結果が伴わないよね。
これで他の宗教よりも理性的で契約や法律を遵守する宗教文化ですとか、よく臆面もなく言えるものだわ。
忍室和尚も、欧州で腐敗堕落した為に、多くの国に見限られて、信徒とお布施が激減した為に、この国まできたと知ったらどう思ったのかな。
どんなに素晴らしい教えでも、宗教が組織に胡座をかいて俗世にのさばると、どこも堕落しますなあ、とでも思ったのかもねw
仏教徒や神道関係者じゃなくても、当時の宣教師とキリシタンの関係はギクシャクしてた。
まあ、スペイン圏はこの先の歴史で上手くいくという事がほぼないから当然なのだが。
理性の宗教を一番気取ってるくせに、儒教国家なみの低レベルをひた走る。
清国末期とスペインの凋落期の歴史を読むと失笑が止まらないので困る。
宗教は社会文化の基であるというのは、真実であるにしろ他宗派あり、多面的で時代により大きく変化するキリスト教を短絡的に捉えすぎてないか。
作者の勧める当時の宣教師の宗教形態は、本当に時代の進歩に適応できて、近代理性をもたらしてくれる宗派ですか？
本人たちの祖国や布教地で、近代化に軒並み失敗してるのに、中国とか無理に引き合いに出して強弁されても説得力がね。
共通点は「カトリックと格闘して」脱宗教化がなされた地域のみ
って事でええんやないか？
結局政治と宗教の分離もできんような愚民には自力の近代化不可能なんやろ
当時のアメリカの有り様を見たトクヴィルが余りに従来の宗教観や国家形態と違うので懸念を抱いて書いた著作が、近代保守主義の源流になったほど。
キリスト教圏全てが近代化したのではなく、政教分離や教会組織の特権を剥奪したエッジなキリスト教徒だけが、新たな宗教観の下で近代化に成功した。
寧ろ、近代化による特権の剥奪や影響力の低下を嫌って邪魔をし続けた。
終いには、近代化の必要性を説く身内の聖職者を問答無用で破門していった。
カトリック神学内では、理論も科学知識も一貫性があったが、それ以上は先がなかた。
寧ろ、カトリック神学の権威が脅かされるようになると、かつての宗教改革以前のように、教会に都合の良いように勝手な解釈を始めた。
ザビエルらが誇った宗教の理性とは、そんな紐付きの理性だった。
改宗すれば、近代思想に自動てきに導いてくれるものではなかったのは、彼ら自身の祖国や宗教組織が証明している。
現在のスペインや南米でもカトリックは減少し続けているが、その理由の一つが教義の捉え方が頑迷すぎて時代に合っていないとの事。
相変わらずAAのチョイスに悪意を感じるから反発したくなる
結局ザビエルのやってる事ってアポも取らず相手を見下し都合の悪い事を隠し自分のしたいように行動する欧州人の典型なんだよ
日本側の資料が無いのは日本人にとって重要じゃなかったという証明でしかなかった
日本側の接触した忍室文勝も一地方の寺の住職でしかなく初めてキリスト教と接したが弥次郎の翻訳が悪かったのか
キリストの教義を誤解してしまったのが話の流れで判る（１の意図する所とは違う？）
独立宣言以降のリベラルなキリスト教なら、受け入れる価値もあれば危険性も少ないと思う。
トクヴィルがビックリするぐらい政教分離が徹底して、異教徒もOKと書かれてるから。
カトリック直系組織には、口が裂けても言えない宣言だよねw
それも、近代的とはいえないセコい手段でw
一つは、儒教や仏教徒の悪い所だけ強調して、相対的なカトリックを真逆の宗教だと持ち上げる。
別に儒教がいくら酷くても、カトリックがその正反対の善性を持つとは限らないのだが。
共産党が儒教を強く否定しつつも、彼ら自身が多大な問題と欠陥を抱えているのに変わりないのと同じ。
日本での縄張りだけを意識した仏教徒と、世界から異教や異端を、根絶しようとしたカトリックと、どっちが宗教的に恐ろしいかって言われればねw
聖職者の堕落についても、完全におまゆうw
日本で言えば、仏教徒が堕落しすぎて半分ほどの信徒に宗旨替えされて、アイルランド辺りまで立派な高僧が布教しに行ってる状態のわけだw
カトリック教会組織の影響力の排除に神経質に拘った独立宣言を持ち出して、カトリックの近代化への有用性を語るとか、無茶苦茶。
自説に有利になる様に問題点や現実の歴史には目を瞑り、都合の良い部分だけ切り抜いてパッチワークしてるだけだな。
だから流れで近代までやると、ボロが出るから個別のネタ投下しかできない。
前後のつながりのないパッチワークで本来の歴史の流れを誤魔化すしかないからね。
作者さんが何を言いたいのかわからないってのは、藁人形理論やパッチワークでカトリックの正当化を図るから、論旨やネタが切れ切れになるからだよ。
仏教は、釈迦が言った事を弟子がバラバラに解釈してたから。
カトリックのように、一貫性や統一性はなかったから、すきっり理論的に感じたってのは分かる。
三蔵法師も、それで天竺まで原典を、求めて行ったのだから。
まあ、その神学から教会組織の都合を差し引いて、本当の意味での真理や理性には到達できなかったわけだが。
寧ろ、緻密に構築した神学が仇になって、前にも進めず、時代を戻すわけにもいかず、彼らは袋小路に入りこんでしまった。
自分が>>1と同レベル、いや、人様のスレでやってるんだから、
それ以下の存在だと分かってないとは、たまげたなぁ
欧州より数百年早く、信長という為政者によって為されたものだからなー
作者さんが引き合いに出した独立宣言とかのキリスト教スタイルがそうだね。
キリスト教を軸に、近代化という構造改革を進めていくグループ。
そしてそれは、旧来的な教会組織の中世的な宗教スタイルを排除する事で、ようやく可能になった。
新大陸やスペインから独立した地域、イギリスやフランス、イタリアなど教会組織の影響力を排除した地域のみが、それが可能だった。
教会組織と癒着しすぎたスペインとその植民地群、ドイツのプロテスタントの聖書原理派が支配した地域など。
これらの国々の近代化への停滞は、21世紀にもつれ込むほどの深刻なものだった。
当然だが、それを軸に使った難儀な社会の構造改革を行わなければならない。
それを可能にした信仰形態と、社会環境が整っていた国々は実のところ、キリスト教国でも多くはない。
最大の障壁は、そういった構造改革を嫌った教会組織の存在だった。
欧州での宗教改革の煽りを受けて、失地の代替として海外布教を推し進め、教会組織の勢力回復を目指した活動だった。
近代化するのに、とても適した宗派とは言えなかった。
寧ろ、欧米の先進国と同じく宗教勢力を完全に抑えて、欧米の社会システムを模倣した日本の方が非キリスト教徒でも、ましな近代化をした。
例え本家との誤差があろうとも、教会組織に引きずられた他のキリスト教国と比べれば社会環境の条件という点では有利だった。
多大な犠牲者には同情するが、宗教勢力の強すぎる影響力の排除というのは人類の発展のためには避けて通れない命題だった。
その犠牲を支払った国々だけが、ようやくキリスト教の中にある概念を活用して近代化を始める事ができた。
近現代になると、教会組織の利権が絡むから、理性の革新ができなくなる。
宗教が社会を作るというなら、その通り。
ザビエルの祖国や、彼らの布教地では法治も契約も尊重されない独裁政治がはびこる。
若い娘と結婚したくてカトリックを捨てた英国王の方が、近代化という点ではザビエルよりは役に立っている。
潔癖症の方には、受け入れられないだろうけど、歴史の因果関係は善悪ではないからなあ。
フランスにしろイタリアにせよ、独立宣言の影響がなければ近代化できなかったし、それを最後まで邪魔したのは教会組織なんだから面の皮が厚すぎる。
国民全てがキリスト教徒なんだから、さぞどこよりも早く、作者さんの言う契約と秩序を重んじる法治国家で独裁政治など欠片もない理想社会を築いたんだろうねw
野蛮な儒教も神道も仏教もなく、100パーセントがキリスト教徒なんだから、そこから生まれる社会は、作者さんの論に従えばカトリック宗教形態の賜物そのものなわけだw
落ち着きたまえよ
理性の宗教云々はザビエルや、あるいはその他宣教師のキリスト教の評価だよ
そんなもんいくら批判しようが＞1にはなんのダメージにもなってないよ
だってその同時代の日本の仏教界も腐敗してたんだから
だから１を論破しようとするなら別の方向から攻めないと
批判してるのは、キリスト教を支配していた教会組織に対して。
最終的に、いくらキリスト教の教義から真理や近代理性を抽出しても、彼らが邪魔をするからね。
それこそ、独立宣言を起草したトーマスジェファーソンのように、異教徒もカトリックも認めた上で、政教分離を徹底するキリスト教徒なら大歓迎だろう。
誰だって、独立宣言を書いたキリスト教徒は歓迎するが、異端審問官は歓迎しないだろう。
彼が編集したジェファーソン聖書は、古来の聖書の奇跡や迷信部分を切り捨てて、道徳や規範だけを切り抜いたもの。
そこまで革新して、ようやく近代化や近代理性の扉が開かれる。
近世から現代まで、そういった革新を怠り、政教分離も満足に試みず、国教の地位にしがみついていた宗派や宗教組織が、後になってから近代化の伝道師を騙るなと。
しかし、彼ら自身が古い宗教形態に、近現代まで囚われる宗教体質だったあり、宗教勢力として残存したから、結局は長いスパンで見ると停滞の歴史を刻んだ。
強大で進んでいたスペインが、アメリカやイギリスにあっさり追い抜かれた原因だね。
キリスト教徒の革新性を、彼らは使わなかったし、そこから導き出される近代理性には身を瞑って、旧来的な理性のみを信奉した。
仏教が腐敗したとしても、カトリック教会組織のような影響力は持っていなかったから、歴史の大勢には影響しなかったから、それこそ近代化論にはどうでもいい話し。
それは、日本の江戸時代や近現代を、見れば分かる。
他方、政教分離が進まなかった儒教圏や教会組織の支配下では宗教の腐敗がダイレクトに社会に影響して、近現代までもつれこんでいるね。
短く刻んできたが長文なのは変わらないし、教会批判なのは同じじゃないか！
ちょっとイエズス会を調べたけどやっかいなのはあいつ等が同時代的に「進歩的」活動をやっていたって事だよ
科学にも精通する司教とか奴隷貿易を批判する司祭とか出てくるしアメリカ大陸ではインディアン保護にも邁進してた連中も居て
その事が原因でヨーロッパで迫害を受けた訳だよ
これが１の論理を補強してる要素
だからいくらキリスト教組織批判しても１には何のダメージも与えてない
別のアプローチから批評するべきだろう
例えば現在のヨーロッパで混乱が生じてるけど何故近代化を果たした欧州がこれほど衰退したのか？そこから考えよう
彼ら西洋人自身が使った言葉なら、反教権主義だね。
キリスト教のそれまでの教会の過剰な介入を批判して、不必要な影響力を排除しようとするもの。
これをキリスト教批判とか言ったら、キリスト教先進国は、全部キリスト教を否定した事になるよw
まあ、いわば過剰に介入してくる親相手に、義絶はしないけど、あれこれと生活に口出しさせないようなもの。
ある奴隷制に反対した聖職者は、植民地の教会は奴隷で溢れていると嘆いたそうな。
実際、ローマ教会は自分たちの、威信に繋がるうちは、科学の発展や近代思想の前身にも力を注いでいた。
しかし、それらが進化論や政教分離などまで高まると態度を硬化させて反近代化に走った。
そういう反動主義を批判した聖職者は破門や左遷の憂き目にあう。
途中までは確かにいいだろうけどね。
それらを推し進めた結果が、教会の不利と分かると、19世紀のある時期からは進む事が無理だった。
その結果が、いまのスペインや南米の現状だよ。
彼らの近代化は、教会の狭い都合のなかで、18世紀程度までしか通用しないものだった。
中学の歴史の教科書にも載ってるようなレベルの話なんだけど、
本国と離れ過ぎて異国の地で論破されまくられた結果棄教寸前まで追い込まれちゃったのがイエズス会の宣教師なのよね
「あっ、ウチらの宗教の教えって間違ってるやん？」って気付いちゃった一部の人が進歩的になった…っていうより、現地に感化されちゃったっていうかー
Wiki見て初めて知ったわ
近代思想や近代科学を真っ向から否定して、ローマ教会の特権を主張してた。
そんなローマ教会に不満を持ったフランスやイタリアは、教育の場からカトリックを締め出した。
というか、当時の学校がほぼ教会の支配下にあった。
そんな当時の事情を見ると、日本にカトリック系大学を設立した意図が見て取れる。
最初から、教会組織の地盤がなくて、政教分離を徹底してたアメリカは除いて。
彼らも、近代思想や近代科学をキリスト教が生んだと承知していても、旧態然とした教会組織には我慢がならなかったらしい。
そういった強大な宗教組織に悩まされなかった日本人は、水と同じでタダかつ安全にキリスト教文化が輸入できると考える。
キリスト教を全面否定するのは間違いだろうが、個人的嗜好で全面的に肯定するのも危険だろう。
キリスト教を据え置いて近代化したアメリカやフランスやイタリアでも、その取り扱いを巡って厳密なルールが定められたり、多大な流血沙汰が起きた事には留意する必要があるだろう。
反教権主義への反動から、また極端なカトリック教会主義に回帰してしまったスペインなどは失敗例のいい例だな。
日本は宗教の有用性も危険性も熟知してたんだよ、だからキリスト教を禁教にすることが出来た
日本でキリスト教が猛威を奮わなかったのは仏教で既に通った道で予防も対策も既に出来てたからだよ
キリスト教的な考え方は、必要だったろうね。
しかし、幕末まで待てば、アメリカ的な政教分離したキリスト教が入ってくるんだから、史実通りの方がリスクが少なくて済むってだけ。
慌ててスペインやバチカン経由で、キリスト教を輸入しても彼ら並みになるのがせいぜいでしょ。
だから、アメリカを除いて、だいたいの国々が近代化に合わせた大改造が必要になる。
それで、バチカンやスペインみたいな旧体制が頑固に根を張りすぎた連中は、極端な反教権主義に走って共産化したり、またその反動で教皇至上主義に凝り固まる。
そんなこんなの迷走を繰り返して、どんどん脱落していく。
バチカンやスペインなんかとズブズブになっても、何もいい事ないのは彼ら自身が証明してくれてる。
アメリカ経由で来た方がいいか、スペイン経由できた方がいいかってだけで。
前者だとだいたいの国は、なんとか近代化してるけど。
後者だと、例外なく失敗して破綻してるw
本当に長文ばっかりというか、毎回同じ内容をよくそんなに一人で書けるな
しかも障害児童相手に。
日本人修道女が見て見ぬふりをした嫌疑とか。
いい加減、近代化して聖職者の婚姻を認めればいいのに。
社会や個人の事よりも、教会のメンツばかり優先する体質は21世紀になっても変わらないね。
まあ、独立宣言が生まれても、バチカン自体はちっとも近代化に理解を示さず、20世紀になってようやく、教会は近代化にどう対応すべきかなんて検討し始めるんだから仕方がないw
真面目に近代化したキリスト教徒が一緒にされたら、彼らに失礼だよな。
つ リベリア
アメリカも大概失敗してる 日本がチートなだけじゃ
>>195
＞毎回同じ内容をよくそんなに一人で書けるな
キリスト教に親兄弟・恋人を殺されたか何かされたんだろw
誰だって、アメリカ人やイギリス人、もしくはフランス人に近代化を語られるのは、まああり得ると思うでしょ。
でも、スペイン人やバチカン関係者に、俺たちの宗教文化を見習ってキチンと近代化するよーに！なんて、偉そうに説教されたらアホかと思うに決まってるわな。
それを、セコい印象操作でグダグダと混同させようとする作者氏のやり口がね。
中世で少しばかり進んでいても、結局は近代化できないんじゃ儒教と変わらんじゃない。
昔の栄光を引きずって、いつまでも勘違いして説教垂れるのも似てるな。
独裁政権の虐殺との関与をカトリックが取りざたされてもめてたなあ。
21世紀でも、この体たらくなのに、日本人を近代化に導いてやるとか言われてもなあ。
まず、自分たちの事をなんとかしたら。
こんな高齢になって発覚するんじゃ、他国と同じく組織ぐるみで隠蔽し続けて、何十年も経ってから露見したケースだな。
南米では、マスコミの監視が先進国ほど厳しくないから問題のある聖職者の逃げ込み先になってるとか。
契約と法秩序を重んじ、近代化をもたらす理性の宗教とはウゴゴゴゴ。
キリスト教を迫害した日本人を没義道だ偏狭だと告発するわけにはいかない。彼らは分別を失ったネロのような連中とは違う。
日本人は、キリスト教を研究して、それを優れたものであると素直に認めた。
彼らの目に、キリスト教の半分は極めて危険な政治的策謀であると見えたのは、一体誰の責任なのだろうか。
宣教師たちが、イスパニヤの征服者たちと常に行動を共にし、征服者たちはあたかも十字架の栄光のために行動していたかの如くであったということを忘れてはならないだろう。
ヨーロッパによって発見された国々の民にとっては、当時最強国の一つイスパニヤは、いわばとりわけ苛酷な天災であった。
日本におけるキリスト教布教を思い立たせた真意を知り、厚顔な偽善者どもの陰謀のために日本の安寧が乱れ、内乱の危険性を考慮するならば、キリスト教迫害当時の日本側のあの苛烈さを責めるわけにはいかない。
キリスト教の聖職者は、他の宗教と比べて格段に清廉潔白とか頭から信じ込んでいる、怖いぐらい単細胞な方よりかは世俗に通じた知性があったようだw
キリスト教文明は、そういう差別とは無縁じゃなかったのかなあ。
まあ、独立宣言を出したといっても、第二次世界大戦後も、白人と黒人が同じ席に座ると殴られる文明社会だから、驚く事もないか。
近代化という薄いベールを剥ぎ取れば、本音や中身はコロンブス時代から、さして変わらんのじゃないのか。
自分はそう言う所を問題にしたい訳じゃ無いんだよな・・・
偶々ヨーロッパはギリシア・ローマと地続きでその遺産を継承しイスラム関係でインドから数学・哲学すら輸入し
それを発展させた経緯から自然科学が発展、そこから近代哲学が派生して「近代化した」だけなんだよな
後発の日本が地理的に出遅れてるだけなんだが
日本人またはアジアがヨーロッパに思想的に劣ってる訳じゃ無いんだ
外洋航海技術にしても必要がなかったから発展しなかったからであって開国して60年で巨大戦艦建築は基礎技術蓄積の関係で当然と言える
日本は「鎖国」して良かった
何度も言ってるが、時代の革新を受け入れて近代化を果たしたキリスト教徒は寧ろ尊敬してるよ。
ただ、それ以前の野蛮な西洋の体質も引きずっている事実があるから、作者さんみたく無邪気にマンセーできないだけでw
宗教の腐敗と排他性で自滅したのは、神道・仏教徒だったのかバチカン・カトリックだったのか、中学生レベルの知識でも分かる。
南米と同じく、今でも数パーセントの権力者と富裕層が国を食い物にしてる。
アフリカで高額を払って絶滅危惧種をハントして謝罪に追い込まれた立憲君主とか。
民主化したと言うが、近世の腐敗体制は南米と同じく、ずっと維持されたまま。
アメリカの成功をちゃっかりダシにして、キリスト教文明圏は全て近代化するとか、独裁者を許さない世界とか、近代ルールが守られる世界とかw
経済発展がまるでない分、同じ圧政を敷いているにしても儒教圏より酷いw
神道のせいで国体明徴宣言やって立憲主義否定した大日本帝国批判かｗ
国体明徴とやらが出るまでは、普通に立憲君主制をやっていたと言う事じゃないか。
大恐慌の影響で、後発の近代国家の議会政治が混乱しただけ。
運用は従来の天皇機関論の立憲君主制のままで、天皇自身も世論に押し切られただけだから、戦後の混乱からの回復も早かった。
比べて、作者さんオススメのバチカンやスペインのカトリック宗教文化圏では、そもそも近代政治まで行ってないから、ひたすら独裁と宗教との癒着で現在までグダグダやってる。
未だにスタートラインにも立てない北朝鮮やらスペインを見習えとか大マジで言ってたけど、今となっては笑い話にしけならないねw
真っ当な近代国家にも、政治の混乱時期があるけど、そもそもロクに近代化してない国々がそれを指摘して、さも自分たちはマトモみたく振る舞おうとするけど、話しのすり替えでしかないね。
日本やドイツが迷走した時代があったとしても、北朝鮮やスペインの近代化を見習えとかあり得ないw
キリスト教徒ばかりで、邪悪な神道・仏教徒の邪魔も一切ない国々。
スペインや南米を、近代化させて下さいよw
作者さんの、お望み通りに、邪悪な異教徒も殲滅されて、公正で科学知識溢れるキリスト教国が大昔から支配なされた祝福の土地ですよw
邪悪な日本とは違って、さぞ法治や科学がどこよりも進んだ地上の楽園なんでしょうなあw
政治や宗教の腐敗・独裁もなければ、識字率も高く、道徳に満ち溢れて、普通に暮らしていても内戦国と同じくらいの死者が出る事もないでしょうなw
だから、キリスト教が近代化をもたらしたってことは無いと思う
単に一極集中じゃなかっただけで
それが、全ての人間は等しく人権が保障されて、誰でも弁護士つけて裁判を受ける権利を有するような、近代制度の礎になった。
前近代では、地方領主の胸先三寸で処刑とかだからね。
その点では、キリスト教デイスとか言われてるが、作者さんよりの意見だわ。
そこに、宗教組織の都合や思惑が、うんざりするほど入り込んでしまうからね。
キリスト教が他の一神教より近代化に有利だったのは、教祖がそもそも司祭階級の頑迷に反抗的な姿勢だった事、宗教組織の腐敗が進んで衰退する事で、近代化に益する宗教文化だけを拾い上げる事ができた点。
最盛期には、全ヨーロッパの三割の土地を支配して腐敗の極みにあったカトリック支配下では、それらは叶わなかった。
新大陸で信仰の自由は認めても、国教や教会組織の専横は排除できたアメリカの独立宣言などで結実する事がようやくできた。
それは、当時としては思想や科学の分野で優れていたのは事実だろうね。
ただし、萌芽は生みだしても、それを起点にして組織やシステムの、抜本的な更新はできなかった。
それをやってしまえば、教会組織の既得権を失い、政治的発言権もなくすからね。
だから、逆に反近代主義に暴走して、終いには民衆に恨まれまくって、頑迷な教皇が死んだときに棺が川に捨てられそうになったりした。
カトリック教会組織が本格的に近代化に取り組むのは、バカな抵抗が無意味とようやく悟った後で、第二次大戦後以降から。
日本人は、鎖国する事で細やかな近代化の萌芽と引き換えに、バチカンの影響下に入る事なく、そういった迷走に付き合わずに済んだ。
こっちはヨーロッパの「近代」を問題にしたいのに焦点が暈けるじゃないか
鉄砲持っていたから近代なのか？教会のオルガンが近代なのか？僧侶が宣教師に論破されたから近代なのか？
（論破された奴は別に日本の宗教界を代表してる訳じゃ無い）
戦国当時の日本人がありがたがったヨーロッパの事物の何処に近代化と何の関係があるというのか
ネジにしてもヨーロッパで必要があったから出現したのであって東洋でネジが必要な工芸品など無かった
力学的知識が東洋に無かったという事もないし大学に相当する物も寺院で代用できた
単に18世紀以降ヨーロッパに勢いがあってアジア地域が衰退期に入っていただけじゃないのか？
そう言うことをテーマに雑談したかった
初期の近代科学に担ったのかが、そういう熱心な宗教心に燃えたキリスト教徒たちだった。
それが、人体ならば細胞の一つ一つ、物質なら元素の一つ一つまで解明して、その働きまで体系的に構築していった。
ネジがどうとかよりは、学問の形態が近代と前近代とは決定的に違う。
儒教圏では、いくら頑張っても、そこまで偏執的な意欲をもって知識を構築しようとはしなかっただろうね。
まあ、カトリックも最初は乗り気だったけど、後から手の平返したけどw
死後に人間がどうなるなんて、誰にも証明できないんだから。
宣教師の本は結構読んだけど、だいたい死生観の違いを述べるにとどめて、どっちが正しかったとか書いてる著者は皆無だったね。
仮に巧みな弁論で優位に立ったとしても、それは口がよく回ったってだけで、どっちの死生観が正しいかとは別の話しだし。
また、無邪気に作者さんがキリスト教が勝った勝ったとはしゃいでいるけど、よほど頭が単純にできているんだろうね。
ただ、近代化までは上がらないし逆に退化させる
日本の近代化だって戦国時代の時点で仏教勢力を駆逐出来てたのが大きいわけで
他民族征服は聖書でも認められてる正しい幸福追求手段だから問題ない
いくら、殉教だの立派な宣教師だけを、恣意的にピックアップしてもさ。
大航海時代の海外布教の本質は、カトリックの腐敗からの失地補填・体制維持・宗教支配に他ならない。
自分たちの本国や、広大な植民地で近代化に逆行してた連中が、日本だけ都合よく成功に導くとは思えないねw
きちんと頭しぼって工業化しないと。
カトリックも、あの時点でもっと反省して近代化に理解を示せば凋落を防げたかもしれないのに。
なまじ、海外布教がそれなりに成功したから、また意固地になる余裕ができちゃって。
あの当時のバチカン直系の海外布教は、植民地には停滞と地獄しかもたらさないし、送り出してる方も没落の原因になるし。
ほんと、何の救いもない災厄としか言いようがない。
そんな物いくら批判しようが＞１には届かないとは思うが？
スペインやポルトガルが近代化してないとは当たらない、もしそうなら未だにスペイン辺りでの戦争は馬上槍持って騎馬戦してるわ
場合によっては、事典にもそう書かれてしまっているw
スペイン史を読むと、中国とか朝鮮と同レベルのお笑い歴史が楽しめるよ。
今でも、まともに法案一つ通るのも困難な空転ぶり。
海外布教によって、日本が楽々近代化とか豪語するなら、送り出してる国々や布教が成功した国々がどうなったかを調べるのは当然だと思うがねw
気の利いた中学生でも、それくらいは確認するんじゃない。
その当時者国を外して、国教だのバチカンの介入だのを排除したアメリカなんかを唐突に持ってくる方がおかしい。
日本に関する海外布教に言及するなら、黒船まで来なかったアメリカより、スペイン・ポルトガル、それから南米とかでしょ。
スペイン神父曰く、独裁者はキリスト教徒を恐れる。
笑えないスペインジョークw
恣意的にもほどがあるよw
日本の近代化の場合は、多くのキリスト教国でもできていない普通選挙を早くから実施してるのに、キリスト教徒じゃないから、本当の近代化ではないとかイチャモンレベルの鬼判定なのにw
相次いだからだろう。その当時の運用者（国民）に合わない制度を議会での取引で導入したせい。
復元能力だって、ちゃんとあった。
片方、保守派のカトリックは独裁政権との癒着を大戦後もずっと続けていた。
近代化したからこそ、アメリカでも初期から危惧されていた衆愚政治の陥穽に嵌った。
儒教の腐敗体制がアレだとしても、スペイン流のカトリックを選ぶとかありえない。
当時、宣教師たちに近代性の萌芽があっても、全然伸び代がなくて、脱落していくのは彼ら自身が証明している。
敗戦だの禁教などの惨状にショックを受けて、早く開国すれば早く近代化できるとか考えちゃうのは、よくも知りもしないで北朝鮮を地上の楽園とか褒め讃えてたおバカさん達と同レベル。
単に、キリスト教に入信して洗礼を受ければ近代化できるとか、バカにもほどがある。
そんな簡単な方法で近代化できるなら、ブラジルだのメキシコだのでも、とっくに先進国の仲間入りしてるよ。
ちょっと考えれば分かりそうなもんだが、中途半端なインテリ気取りほど北朝鮮を地上の楽園とか、思い込みだけで言い出す。
知識にかぶれて、常識的な判断力が失われるんだろうな。
信仰の自由を認めながら、アメリカ人がカトリックをずっと目の敵にしたのかとか、少しは考えなきゃ。
かのＫＫＫ団なんかも、黒人の他にカトリック信徒を的にかけて殺害してたからね。
グロい話しになるが、被害者のペニスを切り取って、それを食わすとか洒落にならない方法で。
まあ、作者さんの白人イメージでは、彼らは排泄もしない綺麗なアイドルみたいな存在なんだろうけどw
今回のは、そもそも近代化できなかった連中から、近代化をレクチャーして貰おうってんだから、どうしたって迷走してイメージ操作や、都合の良い論理の切り貼りになるよな。
それでも、名誉白人的なプライドが邪魔してか、止める事も修正する事も出来なくて、ゲリラ投稿とか上辺だけ取り繕ってるけど。
まあ、アヘン戦争にしても列強諸国は互いに持ち込みを厳禁して、イギリスでも時刻に蔓延しないやうに厳重な注意を発してから輸出しているからなあw
おまけに、明治初期でもイギリスは官民がグルになってアヘンの密輸を日本にも企てたオマケつき。
日本を侵略する気満々ですなw
何だかんだ言って日本は「鎖国」をしていたけど海外の情報収集を怠らなかったし（不完全だが）
戦国が終わって内需拡大期に入って国民生活も向上してるから江戸時代は暗黒時代じゃねえもんな
大体幕末の外交交渉記録見ても不平等条約を結ばされたけど外国に押し切られてないし高い金払わされたけど最新の武器すら手に入れて
実戦で運用すらしてる
まるっきりの蛮人ではない
結局、非キリスト教文明が、安全かつ効率的に近代化しようとするなら。
まず、劣悪な宗教文化と、社会システムを強制移植してくるバチカンの海外布教を防がなければいけない。
その後で、自国内の文明を発達させてから西洋文明で遅れた面を、スペインだのが衰退して、まともな国際ルールが定まった時代に受け入れる。
それができた、地理的に恵まれて、文明が発達した地域が日本しかなかったってだけで。
単に同じキリスト教だから、全部近代化なんだー、とか思い込みたいのは、ロビンソン・クルーソーの時代の時代感覚しか持ってないアナログすぎるサル真似日本人だよw
作者さんが激賞する殉教や宣教師を生んだ文化とは、数世紀に渡ってどんな近代化の成果を出したんでしょうかねw
江戸時代を野蛮と見下せるほど、ご立派な宗教文化や文明の進歩をされたのでしょうかねw
同じキリスト教徒にも野蛮さと愚劣さを嘲笑されてる連中ですけどw
相互主義をキチンと守って、カトリック以外の宗教を迫害し、有用な人材を追放。
独裁者に反対するキリスト教徒は、反体制派の赤ちゃんを誘拐して媚を売るほど反骨精神が旺盛。
広大な植民地でも、極端な搾取や大土地所有は存在せず、社会の進歩を妨げる事もない。
そして、21世紀には、近代法治においても科学力にしても非キリスト国の日本などよりも遥かに発展した地上の楽園を築いている。
日本も開国してれば、そんなバラ色の世界だったのにねw
当時の日本は、ザビエルやフロイスが報告したように信仰を選択する自由があって、夫婦で別々の信仰を持つのは何の不思議ではなかったと。
方や、キリスト教の方は宗教戦争が激化して、最も排他性と攻撃性が強まった時代に海外布教を行ったのが大きな不幸だったと。
まあ、霊魂が永遠に不滅だとかいうのは、どうにも証明できず、仏僧の厳しいツッコミに四苦八苦しただけだったみたい。
そういう仏僧側の質問は、本国やバチカンには一切報告せずに握りつぶしてたらしいねw
都合の悪い事は、なんでも隠したり見なかった事にする。作者さんが宣教師を好きなワケだw
思考法が似通いすぎてるw
信長もインチキ宗教に対して似た様な事をしたと思ったけど、当時の日本人は寧ろエラくラディカルだなw
日乗は別に日本の宗教界を代表する人物じゃなかった訳だけど当時のキリスト教宣教師の傲慢な言動が鼻について嫌悪感を持ってた身には納得の話
大体日本側に記録が無くて宣教師側にしか記述がないとか胡散臭すぎるんだよね
宗論問答は単に織田信長が一向宗攻撃に利用したのが理由で残ったんだろう
>>248
別に浄土真宗はインチキ宗教じゃないぞ(きちんとした教理を持った宗教で、それをインチキ呼ばわりすると全ての宗教がインチキになってしまう)
仏教はキリスト教より長い歴史を持ってるからその手の問答に長けていてその影響を受けてる地域ではキリスト教は全く普及してない
キリスト教は侵略で相手の文化を破壊しその上で布教してるから流布してるのだ
別段教理が優れてる訳じゃない
無辺という坊主が、不思議な力を使えると言って、民衆から金を巻き上げていた。
噂を聞いたノブナガが、直々に調べて不思議な術を使ってみよと言うと、ただの詐欺師であることがバレてしまった。
その場は追放で済んだか、後に余罪が明らかになると再逮捕されて、取り調べの後に処刑された。
哀れに思ったノブナガは、雨漏りの修繕費を、その寺に出してあげたそうな。
宣教師が書き連ねた様に、仏僧に激しい敵意だけを抱いていただけでないのよねw
いわゆるお天道様に顔向きできないってやつ。
その天道の枠内ならば、諸宗教がいくつあっても構わないという考え方だった。
だから天道思想に著しく反しない限りは、いくら武士政権と戦争しようが落着点を探して手打ちができた。
作者さんがキリスト教だけ差別意識で弾圧されたと大騒ぎしてるが、話しは逆で。
キリスト教側の方が、そういった日本の宗教事情を受け入れられなくて、他宗派の完全撲滅を期したために禁教された。
天道思想のルールに乗って、他宗派との共存に意を砕けば、結果はもっと違ったものになっただろうに。
最初に支配領域で、他宗派の徹底弾圧と虐殺を始めたのはキリスト教徒側だったのは忘れてはならないだろう。
最初は作者さんのいうように、統一制とか一貫性に惹かれて入信するんだけど。
キリスト教に深く接するうちに、宗教の矛盾や齟齬に気づいてしまって離れる。
近代思想は、キリスト教から民族宗教や迷信部分を切り離してから成立したけど、それが当時の宣教師にはできなかった。
というか、それからもずっとできないw
大航海時代がほぼ上限で、他のラディカルに無駄や矛盾を切り離していく外部と大きく差が開いていく。
『最初に支配領域で、他宗派の徹底弾圧と虐殺を始めたのはキリスト教徒側だった』
もし宜しければソース文献を提示頂けますでしょうか。
いつ、どこで、誰が最初に起こしたのか知りたいので。
例えば宣教師たちは、大村純忠に対して何度も異教根絶を要求して、最初は拒否していた純忠も押し切られて、弾圧に踏み切らざるをえなかった。
寺社仏閣の破壊は徹底を極めて、神官僧侶はいうに及ばず、改宗に同意しなかった一般人も虐殺の対象となり、領内は荒れて領民は純忠と宣教師を恨んだ。
迫害から逃れようとした仏僧までも追われて殺され、その遺骸は便所に捨てられたそうな。
今では、そこにお堂が建っている。
フロイス、オルガンティーノを始めとした宣教師は書簡に飽きるほど異教の殲滅を書き記し、スペイン流の法律で取り仕切る事を画策していた。
これは、教会の他に救いなし、という当時のキリスト教徒の同じ神を拝む宗教はおろか、同じキリスト教内でも他宗派を一切認めない異常な宗教的排他性によるものだった。
16世紀の大航海時代に、その宗教観が世界に大災害をもたらし、その後、ようやく信仰の自由という概念が生み出されて矯正された。
もっとも、教会組織が他宗教を形だけでも認めるのは20世紀の公会議まで待たなくてはいけない。
いえ、『資料』を提示して頂きたい旨申し上げました。
大村純忠は養子として入った小国の主としては普通に優秀な為政者です。
人口の規模及び動機も流石に『キリスト教による』虐殺と言うには話が弱すぎます。
まさか松田毅一氏良い所採りのWikipedia引き写しですか？
あと直に『世界の話』に飛ぶのはどうかと。
各列強の植民地に於ける搾取や虐殺はイギリス及びオランダの方が遥かに深刻です。
欧州騒乱の発端である30年戦争もプロテスタントの筈の『プロイセン』が発端では？
そもそも、当時のバレレンの長だったコエリョが純忠の領内に一人の異教徒も居ない様にすると公言して、宣教師側の記録に残ってるからなあ。
当時の宣教師が信徒をけしかけて、寺社仏閣を攻撃させてたのは宣教師側の記録にもよく残ってるし。
島原の乱でも、僧侶はいうに及ばず、改宗に応じない人間への虐殺が横行して複数の記録に残っている。
作者さんがイメージ操作するように、単なる被害者でもなければ、理性的に宗教活動をしてたわけでもないんだよなあ。
そんなご立派な宗教なら、本国でも植民地でも、もっとマシな事をせいよと。
キリスト教徒は自国でも植民地でもグダグダなのに、日本だけ理想的に楽して近代化とか甘すぎるんじゃないの。
『大村郷村記』の提示ありがとうございます。
言いっ放しのレス多い中で誠実さを示して頂いた事を感謝します。
ただ御承知でしょうが『郷村記』は江戸中期に大村藩が成立させた物です。
天正二年の記述を如何程鵜呑みにできるかはもはや想像力の域かと存じます。
『権門体制論』はご存知でしょう。キリスト教がそれ程脅威であれば
中世の九州に於いて少なくとも『寺社並み』の勢力を維持出来ていなければ成り立たないのでは？
正直大村純忠個人の寄生虫以下の規模と感じます。
あと『カトリックとプロテスタントの虐殺がどっちがマシな虐殺か』
これを『答える気にならない』は些か疑問です。
仮にカトリックを批判されるのであればその筋を通して頂きたい。
いい加減な論者ほど両者を混ぜて誤魔化しています。
貴殿が其様な卑怯な論者でない言を信じます。
>>262
例え江戸期に成立しようが何もない所から行政資料を79巻も編纂できよう物が有るだろうか？
まず先時代の資料があってそれを元に編集して出来た物だろう？
講談とかとは違うよ
>>257
＞普通に優秀な為政者
それこそ印象論だなぁ
256 252本人じゃないので憶測だが大村純忠を例に挙げたのは彼が日本におけるキリシタン大名の第一人者だからだろう
事実九州地域においてキリシタンの一大勢力だったわけだし
それと30年戦争は十二世紀頃から来るカトリック対プロテスタントの対立の最後の大戦争
改革派からのカトリックへの「反乱」だからプロイセンとか関係ないぞ(これにもイエズス会が関係してる)
記述は簡素に、住居していた僧侶たちが殺害されたと。
特に疑う理由もないと思いますが。
宣教師の自国や植民地で、散々殺し合いとか虐殺をしているのに、何で日本の宣教師や信徒だけ例外に綺麗なキリスト教徒になるのやら。
それこそ、偏った妄想の類ではw
地盤がなくとも、貿易の利益を餌に大名を動かす事ができた。
ただの寄生虫が6万人も強制改宗できますかねw
この上からの改宗は、イエズス会以外の宣教師にも批判されてましたが、実際に自分たちで首を絞めた結果になったわけですが。
プロテスタントとカトリックの虐殺の背比べには、本当に何の意味があるか分かりません。
多い方が悪で、少ない方は問題なしとでも。
なんか、そこまでカトリック擁護してプロテスタント叩きする理由が理解不能ですね。
特定の宗派に肩入れしすぎてるとしか。
ご自身は平気で自分にご都合の良い解釈をなさるのに実にご立派。
よく、自分に甘く他人に厳しいとか言われませんか？
正直大村純忠個人の寄生虫以下の規模と感じます。
もうちょっとツッコミさせてもらうと戦国時代に六万人はかなりの勢力、寄生虫以下とは到底言えない
返信ありがとうございます。
残念ですが私は１さんではありません。
管理者さまへ問い合わせて頂いても私自身は問題ありません。
貴公の誤解は納得行くまでお問い合わせ下さい。
嫌疑を掛けられたままでは筋が通りませんので
結果が出ましたら是非ご報告お願い致します。
特に私自身はカトリック擁護？論者でもありません。
スレの流れが『カトリック批判』、『キリスト教への批判』、
一緒の文脈で語られていたので『筋を通せ』とは書きました。
『擁護（嫌な言葉です）』をレスに書いた覚えもありません。
誹謗なさる前にまず根拠をお示し下さい。
所で私の質問はお読み頂けたでしょうか？
貴公のご持論は興味深く拝聴致しました。
『権門ですらない正直微妙な規模（寄生虫以下云々は此処で使用）のイエスズ会に
大村純忠支配の小国を 『六万人規模で』 強制改宗を実行させた記述を
『鵜呑みはどうか』と問いました。
資料の記述（しかも数の話）の解釈話を
『現代の史家によって位置も確認されて、被害範囲も特定できる』
とは中々手慣れてますね。
別に実在の否定はいないのに。この手の話のすり替えは
貴公がよくやる手口ですか？
見習わないよう勉強させて頂きました。
もし本当に私の質問が『事実の有無』に踏み込んだ記述に読めたなら
お互いの国語力に問題がありますね。
以後はもっと丁寧に揚げ足？取られぬよう精進します。
『鵜呑みは流石にどうでしょう』を『事実の否定』に読まれては叶いません。
『＞中世の九州に於いて少なくとも『寺社並み』の勢力を維持出来ていなければ成り立たないのでは？
正直大村純忠個人の寄生虫以下の規模と感じます。
もうちょっとツッコミさせてもらうと戦国時代に六万人はかなりの勢力、寄生虫以下とは到底言えない』
この貴公のレス拝見しアレ？いつ六万人の『強制改宗者』が『寄生虫以下』になったの？
と目眩がしました。
コミュニケーションは大事ですね。
あと３０年戦争で
『改革派からのカトリックへの「反乱」だからプロイセンとか関係ないぞ(これにもイエズス会が関係してる)プロイセン等プロテンタスト諸国』の上に
え！『イエズス会』は関係していてプロイセン王国関係ない！？
もう『イエズス会は裏柳生か！』
レベルの楽しさなので、是非もっとお話お願いします。
いや ID:rzPprP3U0は自分じゃないよ？ 自分の書き込みは263と267の二つだけ
安価間違ってるよ
しかしずいぶんな長文レスだな 貴公とかキモい！
自分のレスへの回答にしては論点が混乱してる
自分で
「『＞中世の九州に於いて少なくとも『寺社並み』の勢力を維持出来ていなければ成り立たないのでは？
正直大村純忠個人の寄生虫以下の規模と感じます。」として置いて
「この貴公のレス拝見しアレ？いつ六万人の『強制改宗者』が『寄生虫以下』になったの？
と目眩がしました。」とは何なの？
自己レスで「寄生虫以下の規模と感じます」としてるじゃないの！こっちの方が目眩がするわ
訂正：プロイセン王国→プロイセン公国
正直、三十年戦争はプロイセンそれ程活躍してませんね。
ポーランドとスウェーデンを地域から駆逐したフリードリヒ・ヴィルヘルムの印象が強すぎて
必要以上の描写をしてしまいました。この点謝罪致します。
ID:KJlPtD7E0様
安価違いでご迷惑お掛けして大変失礼致しました。
ところで私の１さん疑惑はお問い合わせ頂けましたか？
目眩の件、そうですね。整理致しますと
私：『寺社等の権門でもないイエズス会は大村純忠の寄生虫以下の規模では？』
ID:rzPprP3U0氏
『6万の領民を強制改宗させて主要な寺社仏閣を焼き払い、
居住する僧侶を殺害したなら十分な規模』
『ただの寄生虫が6万人も強制改宗できますかね』
私： 『いえ、それがおかしいから質問したのですが』
以上が要因です。分かり辛い文＆長文失礼致しました。
長文な理由は、レス消費多いと
『おっ投下か→『フザケンナ！』な気分を何回も経験したからです。
まあ、大村郷村記が単なる物好きの落書きではなく、きちんとした行政機関が公的資料のために作成したもので。
多大な時間と労力をつぎ込んで作り、衆目に晒されながら使われるのを前提にしてますからねw
下手なデタラメ書いたら、責任者の首がとびますよ。
寧ろ鵜呑みにできないのと主張するなら、よほどの強い疑義を示さないと笑われますよw
唐突に三十年戦争でプロテスタントがどうのこうのとか言い出して、こちらが目眩がしますw
カトリック擁護の為でないというなら、精神分裂の類でしょうかw
カトリック擁護はしないけれど、プロテスタントの虐殺の方が酷いだろと、そういう取り繕った偽善は余り感心しませんねw
ご心配ありがとうございます。
＞大村郷村記が単なる物好きの落書きではなく、
きちんとした行政機関が公的資料のために作成したもの
はい。知ってます。ツッコミはお好きで誰も質問に答えて下さらないので
『そんな事書いてあったかな？』と
以前保存した大村郷村記PDF当たったらウソこかれてました。
お笑いになるならID:rzPprP3U氏へにお願い致します。
三十年戦争の意義がご理解頂けず残念です。
＞プロテスタントの虐殺の方が酷いだろと、そういう取り繕った偽善
こう感じるレスありましたら提示願います。
当方の意図は『どっちもうんこ』
以上です。
訂正。
お笑いになるなら
ID:rzPprP3U0 氏へお願い致します。
資料に目をきちんと通される方は、大村池田分の箇所に僧侶殺害の記述はきちんと載っているのがご確認できる事と思われます。
プロテスタントは、もうなんと言っていいやら。
お子さんを相手にしている気分になってきましたよ。
まあ、当時の日本の寺社仏閣の破壊や僧侶の殺害とは何の関係もなく、規模はどうあれ虐殺は虐殺という常識的な意見にようやく落ち着いてよかったです。
こちらからは、ずっとそう言ってるんですがねw
どうにも、勘違いや返答のミスが多く、混乱を招く人ですね。
大村家では、6万人の強制改宗があり、寺社仏閣が破壊され、居住していた僧侶たちが殺された。
これは、信頼できる資料に記載されている。
で、宜しいですか。
あと、カトリックの虐殺もプロテスタントの虐殺も、どっちも虐殺でお終いでいいですかねw
キリスト教というのは、一神教でありながら、その捉え方によって非常に多様な宗教文化を生み出した宗教です。
アメリカでは、独立初期から異教を含む信仰の自由と国教の廃止が制定されました。
片方、スペインなどでは中世さながらの権力と宗教の癒着が20世紀でも行われ、信仰の自由もありませんでした。
カトリックにもプロテスタントにも、地域や歴史の流れにより、様々な層があるのが現実です。
人類の歴史で明記するような最上のものもあれば、底抜けにどうしようもない流れもあります。
日本人がキリスト教文明を何らかの形で受容するならば、まずその多様性を考慮し、地域文化や歴史の流れから推測して、適切な流れを選ぶべきでしょう。
他の世界やその後の歴史結果を考慮するのは、ごくごく当然の判断材料だと思いますが。
あなたがまともな判断力をお持ちならば、作者さんのように実験の成功例だけを集めて正当化するようなやり方よりは、成功例も失敗例もきちんと踏まえた上で考慮するのが賢明と考えられると思いますが。
『寺社仏閣が破壊され、居住していた僧侶たちが殺された』
→全く否定してませんよ。もう三回はレスに書きましたよ。
大村郷村記の該当箇所も目を通しましたよ。
レスにも書きましたよ。資料は読めて他人のレス読めませんか？
『6万人の強制改宗』ですね。
はい、だからその出典下さい。改宗事業の論文読んでいたので
『どうやって万６万の住民を改宗したのか』興味ありますので。
特に『強制改宗』と『統計した期間』の部分です。
その『信頼できる資料』を教えて下さい、と書いています。
最初から何度も。いい加減酔っぱらい相手してる気分です。
＞作者さんのように実験の成功例だけを集めて正当化するようなやり方よりは、
成功例も失敗例もきちんと踏まえた上で考慮するのが賢明と考えられると思いますが。
私のレスにそのような箇所ありましたら具体的に提示ください。
『実験の成功例』ってどのレスですか？
やっぱりもう酔っぱらってます？
何度読み返しても、最初からその様な
事は書かれていないと思いますが、また筆が滑ってしまったのでしょうかw
筋がどうこう言う割には、すり替えがお上手ですね。
やはり、他人に厳しく自分に甘い性格なのではw
確か、フロイスの書簡だと思いましたが、たまにはご自分で調べたらどうですかね。
大村市立資料館でも6万人と書かれていますし、大村藩の人口が江戸初期で6万人前後だったと思うので、妥当な数字かと思いますが。
また、細かい数の大小や差異でせこくイメージ操作ですかねw
酔っていないで素面でそれなら、やはり精神分裂のケがあるのでしょうかw
本当の意味で改宗した人間は、宣教師の勇み足と日本側の懸念に板挟みになって苦しみますし。
寺社仏閣が破壊されて、快挙を嬉々として書き連ねているフロイスの文書を読むと、到底キリスト教の布教が成功して、強固な地盤が築けるような精神性や賢明さは感じられませんね。
取りあえずwikipediaで確認するとルイス･フロイスの報告書が最初の事例を記述してる(1563年11月14日)
>>257
松田毅一氏良い所採りのWikipedia引き写し云々呼ばわりするならまず原典を示してwikipediaを編集すれば良かろう？
それと後の文章はキリスト教を擁護してるのかイギリス・オランダに罪をなすりつけてるのか判らんw
>>262
突然権門体制論を引けらかせて何が言いたいのか？戦国期の日本には75万人のキリシタンが居たから寺社並みの勢力が在ったはずだし
wikipediaには６万人の出典は松田毅一の大村純忠伝だな
強制改宗云々は>>260のレスからでレスした本人じゃないから知らん！ただし大村領に６万人キリシタンが居たのは事実
かなりの大勢力だ
＞『実験の成功例』ってどのレスですか？
これは自己に対するレスじゃないぞ？かなり血が上ってるようだクールダウンをお奨めする
ああ貴公ですか。レスに特徴ありますね。判別し易い文体で助かります。
いやまあまあ調べました。本職ではありませんので低レベルですが。
大村郷村記の村の記述勘定したりして。
でも天正二年以降の数年間の人口（仮）との計算が合わなくてですね。
受洗の研究をされた方の論文を拝見しましたが、
作業量的に短期間で数万人は『無理じゃね？』な感想しか出て来ない訳です。
もう受洗代わりに海にでもにでも飛び込ませているのかレベル。
イエズス会のシステムはガチに受洗させるの手間が掛かる筈なんですよ。
現代のアレやコレと違って。
そもそも『六万人』が一定時期の延べ人数なのか
聖職者の助言でクーデター起こした結果一晩で起きた奇跡（棒）なのか
少ない数の論文等数字だけ見ても都合良く引用されている訳ですよ。
もちろんネットはもっと酷いですが。
『フロイスかコエリョがホラ吹いたのと違うか？』とも何度か考えましたが
ソレは忌避感ありまして。ソレ疑いだしたらお終いだ、的な。
盆に実家帰った際にでもフロイスの書簡その他引っ張り出して再確認します。
『強制性』の問題は『六万人』との混じり方が複雑そうなので別に考えます。
＞確かに貴方の言われる通り、所詮は貿易の利益を目当てにして、
宣教師に押し切られただけの、混乱と反感を招くのみの、
形だけの愚かな改宗事業だったにすぎないかもしれませんね。
↑
コレに異論は全くありません。
愚痴ばかりで失礼。
どうも。
返信ありがとう。
うん。色々済まなかったね。色々。
権門体制論は超基本だし、別に引けらかすレベルの話じゃないと思っていたんだ。
悪く取ってしまったなら書き方がダメだったのだろうね。すまない。
＞６万人の出典は松田毅一の大村純忠伝だな
↑
この数字の出典が欲しかっただけなんだ。キツい書き方だったね。すまない。
＞『実験の成功例』ってどのレスですか？
これは自己に対するレスじゃないぞ？かなり血が上ってるようだクールダウンをお奨めする
↑
IDが錯綜しているけど多分君宛のレスではないと思う。誤解させたならすまない。
しばらくフロイス書簡（読みたくない…）や他の宣教師の手紙でも読んで
君のアドバイス通りクールダウンするよ。
ありがとう。
そうそう。自分は先祖代々の高野山真言宗の檀家生まれなんだ。
だからカトリックもルター派教会も
話題の（笑）モルモン教も擁護する気ゼロだ。
『どいつもこいつもクソだ』と言いたかったけど書き方が悪かったね。すまない。
因みに相場で大損こいた高野山真言宗も擁護する気ゼロだ。
盆前で寺も卒塔婆代その他毟る気満々だ。スパモン教に改宗したいくらいだ。
最後に。
やたら改行多いのは自分のレスをスマホで確認したい、
その一点だけなんだ。読みづらかったならすまない。
直す気はゼロだ。では仕事だ。君に幸運がありますように。
実際、大村純忠も寺社への援助を打ち切れば自然に衰退していくだろうから、と宣教師側の要請を緩めようとしましたし。
強固な寺社の地盤に業を煮やして、当時、龍造寺に圧迫されていた純忠に、貿易なとの援助をチラつかせて無理に強権を発動させた。
6万人改宗とかは、自分たち以外の宗教施設や神職を完全に放逐してから、形だけでも無理やり囲いこんだだけのものでしょう。
当時のイエズス会への他の修道会からの批判にも、上から言われて改宗しただけで、キリスト教の事を全然分かってない信徒たちだったと記されてますし。
たかだか一地方の信徒を囲い込むだけの為に、バカな行動を起こしたものです。
寺社側には、またとない正当防衛の根拠となり、宗教的な面倒ごとを嫌う統治者には強い猜疑の目を向けられる。
ザビエルやヴァリャーノは、まだしも仏僧との交友関係を、本音はどうあれ友好的なものにしようと気をつけていましたが、カブラルとかコエリョとか、信仰に酔って何が起こるか予測もしなかったのでしょうね。
まあ、どちらかというとザビエルらが特殊で、カブラルらの方が当時のキリスト教徒のスタンダードな考え方でしょうが。
そりゃ、宗教対立では、殉教者とか日乗とかしか書かない、見ない。
近代化でも、成功した先進国しか出さない。
それじゃ、どんなキリスト教文化でも、何一つ問題もなくメリットばっかの、非常にご都合主義な宗教になるわなw
しかし、そんな主観だけで都合の良いサンプルばっか抜き出した歴史解釈に何の意味があるんだろうな。
それこそ、作者さん自身が否定した儒教の人間的な主観に塗れた非近代的な考え方じゃないのかw
啓蒙思想の発展に寄与したとあるよ？←これって「遅れてる」東洋思想が「進んでる」西洋思想に影響を及ぼした事にならないか？
ヨーロッパが何から何まで他より進歩してた事にはならない事例だわ
福沢諭吉なんかも言ってたように、儒教の教えはともかく、国教化されると腐敗し易いものになってしまった。
カトリックなんかもそうだけど。
西洋だと、宗教戦争やらアメリカの新しい宗教観によって風とうしが良くなったから、新しい変化ができた。
宗教戦争もなく、アメリカの実験の結果もなく、カトリック単独では近代化なんてできなかっただろうね。
どんなに優れた宗教や思想があっても、それが単独支配する地域は、停滞傾向にある。
作者さんが、アメリカの宗教を単なるキリスト教と捉えているうちは、永久に近代化なんて理解できてないだろうね。
あれは、多くの学者先生が指摘するように、ユダヤ・キリスト教文化の最大公約数をくくり出した、新しい市民宗教というものだから。
古い体質に引きずられた儒教圏やカトリック国、プロテスタント原理主義の地域では、そういったものが生まれなかった。
だから、今でも独裁と迷走を繰り返している。
参考文献の一つベネディクト・アンダーソン著「想像の共同体」を、ひさびさに読み返し中……
***********************************************
生存報告だけでは芸がないので、創作リハビリがてら短編投下スレに投下した拙作のほうもご案内しておきます
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/15956/1459063417/844-912
毎回ワンパで、よく飽きないね。
仏像を叩き割って薪にしたとか、上から小便を掛けたとか、他宗教をともかく悪魔の企みと延々と連呼し続けるとかw
キリスト教徒の敵意は、綺麗な排他性なのかなw
『想像の共同体』とはまた着火率高そうな薪だ…
そういうのを、泥縄という。
偏向がひどすぎて、真っ当な論理構築なんかできないんだから短編だけやってりゃいいのに。
次は少しは近代的に筋が通った中身のある話しになるのかね。
考えがいちいち甘すぎる。
こういうのは上手いよね1は(^ω^)
基本的に本を読むのは良いけど、それを咀嚼してちゃんと自分の考えに昇華するには「教養」が必要なんだよね
想像の共同体も「反論」が存在する事は留意した方が良いと思うけど
有名な学者先生の論を、つまみ食いして補強しようとしても、所詮は土台がアンバランスすぎるから無駄。
他所の鳥の羽で着飾ったカラスに過ぎない。
それとも、またアニメみたいな善玉と悪玉に単純に色分けした幼稚な宗教観を晒すのか。
著名な学者や、その著作をつまみ食いして、もっともらしく虚勢を張るのか。
少しは、中身があって筋が論理的で説得力があり、評価できるモノを仕上げる気持ちはあるのかね。
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┃｜ 前説：「天下」と「ウェストファリア」のジレンマ ｜┃
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┃ 角川書店編 「日本史探訪」１１巻 キリシタンと鉄砲伝来 ┃
┃ ┃
┃ 高山右近（一）の項より抜粋…… ┃
┃ ┃
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＼ 《 三三三三三三三三三=
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.ｲ::::ｫ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::| !::::::::ﾑ ヾ::::::::::::ﾑ,.-ヾ:::::::::ﾑ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾑヾi､
i:ﾚ'´i::::::::::ｨ::::::::::ﾊ::::::::::::| ヾ:::::::i､ ,.ｨﾍ::::::::ﾑ´ ヾ::::::ﾑ::::::::::レ '´ ヾ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾑ
|::::::::/ ﾏ:::::::i! ﾏ::::::::| ヾ::::冫ﾚ '´ ヾ::::::ﾑ ヾ:::ﾑ::::::ト、 ヾ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾑ
!:::::/ .i:::::::,. ﾏ:::::| ,.ｨiﾍ::::i ｨｪ-ー 一 ヾi､::::::::::ヽ ヾ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〉 「私は信者としての
!:/ ヾ:::` ー.ヾ::| ヾir '´!{､trっ ﾉ i:::::::::､:i､ ﾉ:::::::::::::::::::::::::::::::／
ｿ ﾘ ､;:;:;:;: ` -｀ー- ' !::ﾄ::::i ヽ ／::::::::::::::::::::::::::::／ 高山右近を考えた時」
､;:;:;:i ,.'´ ／/／/ ｿ:|ヾ:i ｲ::::::::::::::::::::::::::､:::::ヽ､
､;:;;/ ﾘ! ヽ ｲ:::::::::::::::::::::::::::::::iヾ::iヾi､
. / |! く:::::::::::::::::::::::::::::::::::::i !::i ヽ
/ ´ ﾏ:::::::::::::::::::::::::::::::::::| !:i `
` 、 ﾏ::::::::::::::::::::::::::::::::| !
､ ＿,.ノ / ﾏ::::::::::::::::::::::::::::::|
､ -ー ' ´ ￣ / ﾏ::ｨ-ー ' ´￣￣￣￣￣ ｀i
ヽ / ,.ｨ ' ´ !、
ヽ / ,.ｨ' ´ !
三浦朱門（1926－2017） 作家。カトリック信徒。妻は曽野綾子
（演者：陸奥九十九 ＠修羅の門）
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／ ￣￣／
＿＿__/ ∠ ＿ ――
／ ／
､-‐―'´ ト､ ト､ | ／
＞ |＼|,-､＼| ,-ヽ/ ∠
／ ,-､Ｎ ,--､ ,-､ | ／
￣ ＞ | 6 |＿・ ・_| {／ 「おれか、デウスか、
∠＿ ヽ._ '"" ＿ ゞﾞﾞ |
￣ヽへ. (へ7 ／ どちらを選ぶか」
| ､ ￣／
＿,へ ￣l-‐､
／ ＿ ＼―〜'| ＼
| （ 豊 ） ＼ / |
豊臣秀吉
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,:::::::〃:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
::::::::|l::::::ｌi:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
|:::::::｣L:::｣L::::::」::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
ｰﾍ _,. -―｜::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. ・・・・・・・・・
lﾊ 仡厂 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
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〈 |:::::::|::::::::::::::::::|ｌ:::::ｌ:::::::::::::::::.
:. ｜:::::|::::::::::::::::::||:::::|::::::::::::::::::.
|ゝ- |:::::::|i:::::::::::::::::||:::::|::::::|L ┘
|::::} |:::::::|L -‐t..､,二､￣
|::::: ｰ=≦ └ ´,. :,.ﾆ≠´ :､
L -‐ 斗 彡'´ -=ﾆ ￣）｀ヽ
∠=‐ ´ ,. ´ ／￣::＞┴- ､
{ ／ ／:::::／ {
/{_＿／ /::::::／ ､ l
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高山右近
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○
о
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:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::ﾑ
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::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾚ'::::::ナ-/:::::::/ |::::::i' .ﾏ::::ﾘ ヾ::i
::::::::::::::::::::::::::::::::::::r - ､:::::::/´/::／ /:::::／｀` |::::/ i::::! ヾi
::::::::::::::::::::::::::::::::::{ i:::::/ '´ ､i:／z |:/ |::/ ｀
::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ {ﾊ::! ｀¨´ ´! '´
::::::::::::::::::::::::::::::::::::入. ! .ﾘ ヽ 「いちばん面白いと思うのは、
｀ヽ､:::::::::::::::::::,. '´ ゝ
｀ヽ､::,. '´ ::. `ー-―- ノ´ 豊臣秀吉にこう迫られたことです」
｀ヽ､ ::.. ,. '´
ヽ ::... ,.'
ヽ / ー イ
/::::::::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾑ
i::::ｲ::::ﾊ::::::ｲ::::/ ﾏ:::::::|ヾ:::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾏヾi
i:/ |:ﾚ-サﾄ刄' !::::::|,.z迂::ト!:::::ﾑ:::::::::::::::::::::::::ﾑ
ﾘ ｿ | |:/__∨ ヾ::| ヾ::::i ヾ::ﾑ:::::::::::::::::::::::::ﾑ
|｀`t-ｩｸ ｔ-ｪ-ｩ,.._ヾi:::::く´ ヾ::::::::iソ
ﾊ -´ ﾉ ｀こ' '´ ｿ|:::iﾄ ｀i:::::::i 「そのように聞くということが、そもそも日本的ですね」
i!:| 、 / |W ノ:::::リ
j:. ` u j ﾊ ／:::::／
､ ﾉ r':::::::::i´
ヽ r--- 、 |:::::::::ﾘ
｀､ ￣ ´ _...:: .|:::::::ﾘ-、
|::::.... _...:: |:::ﾉ ヽ
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:::::::::::::::::::::::/::::::::::::/ ___i:::::::::::::::::/ |::::::::::::! ﾏ::::::::::} ,.ｚｔｒｆﾍ::::::::::::ﾑ｀ﾊヾ::::::::::i ヾi 「戦争中に、キリスト教信者
::::::: r - ､:::i::::::::::::/-ー|::::::::::::::≠===ｚ ､ |::::::::::! ﾏ::::::::ﾚ '~´ ヾ::::::::ﾑ' i ヾ:::::i '
:::/ i:::::::::::/ . |::::::::レ´ ￣ ` ┐:::::/ ﾏ::::::!＿,,,,.... ｚｩー､:::::::i iヽ ヾ:i はみな言われたんです」
/ |::::::::/ |:::::∠zzzz＿＿＿ |::::/ ﾏ:::! ヽ､こク'´ へ:::::i } ﾄ、 `
. ﾉ:::::::::i `|/~~ヽ､こﾆノ'´ |:/ i ソ ー- ､ ｚ'´ ヾ:|. / ､｀ ヽ､
/i:::::::::::| .、 , イ'´ ﾚ i !' |`/ ｀ヽ､
＼ ハ:::::::::::| ｀~´ ! i i/ i ｀､ ヽ､
::::::＼ !:::::|リ } i i! ､ ヽ､
::::::::::::＼ !::::i `| / i! ヽ ヽ､
:::::::::::::::へ:::::i, ｀ / i! ､ ヽ
＿人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人＿
＞ 天皇に忠節を尽くすのか、キリストに忠節を尽くすのか ＜
￣Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ￣
/ ￣｀ヽ
＿＿＿__ ____ ∠,,__/_''_=!
ィ ´ ィ ´/ ／ ｀＞ﾄミ'〈
{ ィ ´／. /／ / /´＿ヽ／
＼／ ／ ／ ./ /Ｔ´ ｀ ｰ- ､
／ ／/ .／ / / ゝイ‐- ,,_ノ__｀)ヽ､ , ィ - ､
／ ／ ./ ／ ノ / / ￣ゝ-' /●）. 〉
/ ／ イ ／ ./ミﾐ７ ﾉ､_） /
l／ ／ ／ ／ ／＼≡{ ヽ ノ｀ｰ ､
.／ ／ ／ / ／ j! ￣ﾄ ヽ ゝ-､ ヽ､
,' / ／ ./ .／ / ! l ヽ † Y )
< /y′ / ／ / j .l! ＼ ヽ /⌒!
) 〃 /´ / / .lヽ }! ＼ И仆
У ／ / ｲ ! / l! -‐=＝＝Ｔ ',
/ ／ / ／/ ﾘ { l { _ .ｌ ﾉ
. / ／ / / / Ｙ l! ヽ ）｀ ｰ- } l!
/ ／ / / / } ﾊ _,, -'--{ l ﾉ_,, -‐´｀ヽ
.／ / / / /ヽ_ /＼ `ー─‐' l ´ _,,-､ ヽ
￣｀ヽ_＿＿,-=-'‐--'､＿＿./ !＿＿＿__つ ヽ＿__ ィ´ '- ′
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⌒ア :::::::::::::::::::::::::::::::::}::::::::::ﾉ＿
ィ::::::::::彡个:::::::／::::::ﾉ::く:::::::＜⌒
>:::::rへ::,ｨ::,ｨ:::／}:::::ﾊ:::ぃ､::::Y
_f二ヽ:::::::ゝ.,_{ }/-ｔｯ≧ﾚ＾ r}ﾉ::::}ﾊ}
＿＿/__}￣ }ハ{_ﾍ ＼ , 八 「……と。そういう聞き方というのは、
-‐´ .} }-┐ ＼｀ ー - ／::
／ rﾉ`ー‐1/´⌒ヽ‐-､ 、｀ ー ´ 、:::::::: とても日本人的なんです」
／ .f {::::;;;;;;;;;/::::::::::/::::::::::}_＼. ＼ ＼::::
, ´ ﾄ };;;;;;;;;;;::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;{::::Y＼ r‐-＼ ＼::::
／ ／ | λ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::;;;;;;;{ ＼ ＼ ＼::::
/ ＿──- .,_ ,ｲ{｀＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ﾉ、 ∨ ＼::::
{／ '´ ,. - ､ _／＼＼ ｀''=ー----ァ''" ＼ ﾞ , ∨ ＼::::
／ ／ 二=-‐'''" ＼｀ 二ノ ＼ ﾞ , ∨ ＼::::
／ ／ ／／ .｀ ー-ｧﾍ i ﾞ , :} }::::
／ / / /、 } | У :::::::,ｲ::::
./／ / / / ! ! ﾉ / ハ::::/〈::::
＼ヽ l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l /／
＼ ／
二 全然宗教というものがわかっていないのです 二
／/ ＼
// l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l ヽ＼
-=:::::::::::::::::::::::::レ ＜レ ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
,................::::::イ ｚ' ,.＞ - ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ~
-ー―ｩ:::::::::::/ . / ｨ ,__,.ﾉ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾑ
,.ｨｆ::::::::::::::/ ./ ／ ノ:~´ｨ'｀つ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾヽ
'´ ￣. ,.ｨｩｸ i! ´ /,イ ..z::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
,.fﾞｸ'ﾞ/ i' ,z::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ:i （農業がうまく行くよう、『稲荷に命令する』って
´ 彳ﾉ / /:::ﾊ::::i:::::::::i､:::::ﾑ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ｀
{ ｲ::::!:;!::::lヾ:::::i_ゞ:::::i,.ヾ:::::::::::::::::::::::::::::::ﾘ ノリの人だから、仕方ないともいえるが……）
λ i! /|::::!;:;ヾ::krfﾍ:::i'´ヾ:i. ヾr'´ ヾ::::::::::ﾉ
! | /;:;:!:i';:;:'´ﾍi､ ヾi ,,..` ゞt、 i::::::ﾘ
人 /;:;:;:;!|;:; ｀`ー一´ / |:::i.`､ !:/
,.´7 ､ ノ;:;:;:;:;_ / 从i ノ:::ヽ､
. / イ;:;:;:;:;:;:;:;:ヽ ﾉﾉﾘ ／:::::::::::::::ヽ.
/ / _＿ く:i:::::::::::::::::ヾヽi
/ /、 ゝ―｀ / `!ヾi,ﾞヾ:i,ﾞヾ:i,
. / / ､ ノ !| ` `
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━━━━
━━
-‐ ￣￣ ｀丶、
／ ヽ
/ / /〃/{ { ヽ ｀ヽ. ∧ ……と言うのが、三浦先生の慨嘆なわけだが―――
ｌ / /斗/ハ ｨｰ‐ 、 ∨ l
{ { ﾚﾃく ヽi>==、＼ ヾ│ 僭越ながらここの＞１の意見は、やや異なる
乂l f r'ﾊ r'ﾊ 7ﾊ＼ﾘ l
.八,}弋ｿ 弋ｿｿﾉ ） 八
ノイ }ゝ" ｀_ "" { {´ 丶＼ 出来星大名あがりの為政者である秀吉は、権威の源泉である宗教
／ ,＞‐r＜_∧!＞､ ＼丶
, -‐" ! ヽ{>ﾛ<ﾌ〈. | ＼ の利用価値と危険性には、本能レベルで敏感だったと考える
// ／ / y ゝ { ;ヽ ,ｉ 丶.ヽ
{八 〃 ﾊ { ,.-'‐!、 }_ = ゝ、__i、 }ヽ } }
)/ ヽ（. ヽ人,i' .,. i' ｀ﾞゝノヽl_ ヽ! ヽjｲノ
" ｀ / / ゝ,.| l __.!,ｒ'/ ｀‐´ "
/｀ V ｌ .,′´´
｀ｰ'′ ├-/
￣
司会：渡良瀬準（演者：渡良瀬準 ＠はぴねす！）
＿＿
, ‐ ´ ｀ヽ
／..:／.:/ .;ｲ :. :.丶.:.: ＼
〃:.:./ .:./:.:/小:.: ',:.:.ヽ:.:.:. ',
l:{.:./ .:./':__j:! l ヽ_:.ヽ:.:.＼:.:.! そして秀吉が属していた時代の日本は、宗教的世界観そのものを
ｉ:}:ﾊ .:7ｨ=ﾐj:ハ >=ミヽ:.:ﾍヾ、
､_メ!.:i.:.ﾊ r'_;j r'_;j ∧:.:}:.fヾ 中華由来の素材に極めて多く負っていた前提も、忘れてはならない
乂;ｲ.:.∧.:::: ::::./ｲ V:.:.| ﾘ
_／ j/_:ﾉ:.介 .､ ｀´ ,.イ:.l:|:..|:.:.:.!
´/:.:,':.:.:j:|:ﾉｰf夭‐ﾍ :j:|:.:ｌ:.:.:.:!
/.:.;ィ7´ｌ:|＼/ﾑﾍ／｀l:| ｀ヽ.:.:i
/.:/i // !| に不こ) !|l /!:.:.i
, '´ ＼
／／ ,イ ＼
/ / / / l l ヽ
/ / ./ /ｨl .ｲ l .! ﾄ ﾊ
. / / ./ /ハl/ i l ヽヽ＼'､､ l
/. l 十ナ-ｪ､_ ﾘ __Ｘ‐弋＼ ＼ l たとえば……秀吉は“天下人”だ―――
/// ｌ ｌ l V,ィ示` ` ´ rァ‐-､ヽ、 ＼ ＼ l
. // j :l l ﾄ､{ ｈ:::::}. ｈ::::::::i:l ト ヽ ヽ. ﾊ
// .j :l l ﾊ. ､ﾉ::ﾘ ,_ﾉ::::::ﾘ’ l l＼ ', ', ｌ ﾊ この、武家政権特有の和製漢語一つとっても、
／ .l l |i. l -ゞ'’, ゞｚッ’ j i lﾉ ＼ ! ｌ ﾊ
l l /.|l | l " "" ﾉ l l_ノ ,入i ｌ ヽ 「神国日本」と西洋との懸隔が潜在している
V / ｌ| | 小 ⌒ ./ /ム-' ｌ ヽ
. // l //i ＼ / / / ヽ
ﾚ j // |ﾚ ’. > 、 _. _/ / / ヽ
ﾚ/ ／ ,へ ヽ---ェﾆ-‐'ﾌ /7/ ｉ ＼
／'／ ｨiﾍ ＼／ニ-===ノ /ｦｲ l l ＼
//' ／ |Lヽ-ﾆﾆヽ＼ ／／￣li l l .l ＼
-―//‐' ／ ＼ Ｖ'／ | l ｌ ｌ ＼
／／¨ﾌ/ / 〉ハヽ | l l .l ヽ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ちなみに「天下人」が確認できる最古の史料は、「川角太閤記」（1621年）。源頼朝の「天下の草創」や信長の
「天下布武」に如実に顕れているが、この「天下」という概念は本邦武家政権の始まりから終りまで、つきまとう
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「天下」は、近代以降の領域主権と同義ではない……王権の神聖化と密接に繋がる、空間認識用語である
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿＿
／￣}＼ ＿＿＿_ ＼ﾆ＼
{＿／i:i:ｉ:＼ ＜ニニニﾆ ＼ ヽ.ﾆ| ＿
. ＼:i:i:i:i:i:i:i:i:＼ ＼ニニニﾆ＼|ﾆ|´ニニ＼
＼:i:i:i:i:i:i:ｉ:i＼ ＼二二二二二二二二＼
＼:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:＼/￣( , ― ､!ニニニニニニニニﾆﾆヽ＿＿＿
＼:i:i:i:i:ｉ:ｉ:i＼ ＼ ニニニニニニニニニニニニニニニニ＞
＼:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:ｉ:i＼ ﾉ｀ヽ、ニニﾆﾆ/|ﾆﾆ/|二./! /|ニニニ＜_
＼:i:i:i:i:i:i:У⌒{ ﾆﾆﾆﾆﾆ{ И/ |ﾆ/ j/ ﾉ二ニﾆﾆ／ 日輪の子たるオラには、本朝の天下だけ
(_'_つ､{ ）゛ﾉ＼ ﾆ 〃N≧ﾐ |/ ,ｨ≦ 1ﾍ}ニ／
(___ノｧ￣:i＼ }､ |!c｀( じ> <じ ) /ぅ/ニフ じゃ狭すぎる！ 震旦（中国）の天下を従え
｀ｰ´､＼:i:i:ｉ:＼ ヽ_＼{ ￣｀ r ,´￣/ ´
＼＼:i:i:ｉ＼ }￣＞ ￣ イー1 、 寧波に移り、天竺（インド）の天下をも頂く！
}､ｰ＼:i:ｉ:＼ : :＼｀ヽ - ﾉ : : | ヽ
｀ｰ､:＼:i:ｉ＼: : :＼,／:(豊_j | ,,､,,､,,､,,､,,､,,､
｀{: :＼:ｉ:＼ ／: : : ／ } j{爻爻爻爻爻ﾒ
_L＼:＼:ｉ＼-＜ / j{爻ﾒ~~~~~~~~
＿＿r┘｀ ｰ=ﾆ{＼' ／ ヽ , - ' j{爻ﾒ
／: : : : : : '乏三三｀ヽ)'､／_}'´:}￣｀ヽﾒ
_/: : : : : : : : :}三／￣ ゞ=ｲ:＼:＼ : : : : :＼￣ ｀ヽ
／:/: : : : : : : : : : : : : : : :/州||: j: :＼:): : : : i: :|┐ |
/: :/: : : : : : : /: : : :/:/ : /州ﾘ||〃: : : :＿_: :ﾉ // ノ ､
＼ ､: : : : : : /: : : :/-'- /州ﾘ州￣＼: : :-_:_:_／､＿ |
＿＿＿｀ヽ: : : : :{: : : :/ ｀ヽ~｀´ ＼ ￣〈 ｀ー' > }- 、
／ ＿_／- ､－y_ﾌ´ ￣｀ヽ／￣） ＼ ￣｀￣￣´ |
/ / ヽ' }＿ ／ ´ ヽ (｀ヽ _ノ
′ {｀ =====_r―' ＼ / } ｿ )
{ ／ ￣￣￣ ＼ / ( /
､ / / ＼ ／￣￣￣＼ ヽ――'
｀{ { У⌒) | |
＼＿＿、 | /＿＿_ノ
＼＿＿＿＿＿＿＿人＿＿＿＿＿／
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「天下」とは、天命をうけた「天の代理人」たる有徳の天子（天朝）が、統治する空間であり―――
郊祀（天子による天への祀り）と宗廟祀（天子の祖先への祀り）の二本柱を根幹とする、礼に基く統治構造のことである
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
-┼- -┼-. ￣フ .i 、 ┼-┼- -┼、＼ .i 、
-┼- . ,-┼/-、 ∠ニ、.| ヽ | J. / | | ヽ （天円地方）
αヽ. .ヽ__ﾚ ノ o,ノ ヽ/ ' ヽ＿__ ./ J ヽ/
天 意. ヽ 丶 ＼
....＼ ヽ ヽ ヽ
／ / ヽ ＼ ヽ ヽ
/ | ヽ ＼ ＼ ヽ ゝ (宗廟祀)
ﾉ 丿 ＼ 天 ＼ ヾ
ﾉ | | 丶 ＼ ＼ (郊祀)
/ ＼ ＼／|
ﾉ | | ＼ 命 | ↑
／＼ ＼ | （ ↑
／ ＼ ／ | ） （
／ ＼ ￣￣￣￣￣ （ ）
／＿ ＼ ） （ 高祖（王朝創業者）の血統
￣ | な 民 ..天|￣ ノ⌒￣⌒γ⌒￣⌒ゝ / /
| い...意 子| ノ 天 朝. ゝ / /
| で.. の 様| 丿 ゞ ＿/ ∠
| ね....コ . に| 丿／|／|／|／|＼|＼|＼|＼|＼ゝ .＼ ／
| ！ .ト. な| │ V
――| と 忘 っ|――――――――――┼―――――――――――――――――
/ い れ てヽ 巛巛巛巛巛巛巛巛 人巛巛巛巛巛巛巛巛巛巛高徳さ
う .も
気 | -┼、＼ .／ i 、 . .┼-┼- -┼、＼ i 、
持 | / | < | ヽ .| J . / | | ヽ
ち . ヽ＿/ ./ J . .＼ ヽ/ ' ヽ＿__ . ./ J . ヽ/ ' （四海の内こと天下）
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「天下は天子の徳に応じて自在に伸縮し、明確な境域というものが存在しない」（壇上寛著『天下と天朝の中国史』 3p）』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
化外之地
┌───┐
│ 北狄 │
└───┘
.＿,,,,,,＿
._,,―''''"ﾞﾞ″ ￣ﾞ"''ｰ-.,,
,,／" ｀ヘ､、
_／ 朝貢国 ｀'-、
.／ ＿,,,,,__ .＼
／ .,,.-‐''"ﾞ＾ ⌒'''ｰ-,, .＼
,i´ ._／゛ .外臣 ｀'-、 .ﾞヽ
.,i´ .／ .＼ .ヽ
,lﾞ .,/ ..,,,.-----,,, ＼ .ﾞl
./ / ..／゛ 内臣 ﾞ＼、 ヽ .ﾞl
┌───┐ lﾞ lﾞ ,i´ ,,,.､､, .ヽ ﾞl .ﾞl ┌───┐
│ 西戎 │ | | / .ノ゛ ﾞ'i､ .ﾞl .| .| │ 東夷 │
└───┘ | | | lﾞ 天子 .} .| .| 〕 .└───┘
| | ﾞl、 ＼、 ,,／ .,lﾞ lﾞ |
.|、 ﾞl ＼ .￣゛ .／ ,lﾞ ./
ﾞl .ヽ .`'-､_ .._,／′ ,/ .,lﾞ
ﾞi､ ヽ ｀ﾞ^''""゛ ノ 丿
.ヽ ＼ .,／ ./
.ヽ ﾞ'-､ _,／ .ノ
.＼ .`''ｰ-､,,,,,,＿_,,,,,,,.―''" ,／
.`-、 ,／
｀'-､, ..,,／′
｀''ｰ-＿_ ._,,,,―'''ﾞ｀
｀ﾞﾞﾞ"'''''''''''''"ﾞﾞ＾
┌───┐
│ 南蛮 │
└───┘
┌────────┐
│ 「詩経」小雅・北山.├──────────――───――┐
└┬───────┘ │
│ 溥天（ふてん）の下、王土に非ざる莫（な）く、 .│
｜ │
│ 率土（そつど）の浜（ひん）、王臣に非ざる莫し .│
｜ │
└──────────────────────―――┘
-―＝＝―-
イ __.｡o≦≧o｡. ミメ
ヽγ´:::::::::::::三三圭圭≧o｡. メ
〈 ';:::::::::::::::::::三三圭圭圭≧o｡ ＼
fヽ ';:::::::::::::::::::::三三圭圭圭圭≧o｡ ¨＜
ﾙj }::::::::::::::::::::::::::三三圭圭圭圭圭ミﾒ､ ¨＜
〈 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミ圭圭圭ﾐﾒ､ ｰ
Y::::::::::≦圭圭≧o｡::::::::::::::::::::::::::::::ミ圭圭圭≧ュ つまり……
ﾉ:::≦圭卅二三圭圭圭圭圭≧::::::::::::::ミ圭圭㌢
イ:::::圭㌢川乂ヾ,;rf彡::::::::::::::｀¨＜圭圭≧:::::::::〈廴
r γ 彡:::::::::::圭:::{ミ≧ ﾐ㌢ でﾝヾ::::::::::::::::::::::::｀¨弋¨¨¨¨⌒´ 天子の徳が天井ブチ抜けば、「天下」が
| :圭:::::::::::≦圭::::::杙ｵ ´￣ |::::::ヾ::::::::::::::::::::::::::≧彡
弋 ﾏ圭＞ ¨´弋::::ｉ〈 ,､ヽ;... ﾉﾊ:::::ﾄ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ 地上全土を覆うことも、理屈では可能！
¨´ .)ハ ｀ __ ... //川|＼ヾ::::::::::::::::::::::::｀ヾ:::::::ゝ
/::::::. ﾏ二二ヽ ./::::::::r X:::::::::::::::＼､:::::::＼ゞー
/::::::::::. γ ｉ! 彡ｲ ｰ≦ |≧＼､:::::::ヾ:::::::::::＼
彡 从:::: 辷ニ 彡 ノ f´r ￣ ﾏ::::::::::刈::::::::ヽ｀ヾ::: いや、本来そうあるべきなのだ！！
/∧ ￣川 ゝ--=≠ ｲ ｉ!ｉ!k .ﾏﾑ:::::∧:::::ヾﾒ ﾙ'
/ ｉ!ｉ! 洲廴 イ / :::ｉ!ｉk ﾏ///∧:::::| |
/ ｉ!ｉ |//ゞ＝≦ ｡o≦ｉ ::ｉ!ｉ/ ////㌢ｿ乂ﾉ
ゝ :ｉ! |//}三≧≦三=ｉ ｉ!ｉ/ ./////ゞヽ ﾞｰ
__..... -‐＝＼ j㌢三≡=⌒ｰ ｉ! ｲ {//////:::|｀ヽ
|| __........__ γ´ γ´/ ｉ! ﾞヾー ノ ゞｰ ｀ヾ//ﾘ ｉ!≧ュ
|| |ｉ//::::::::::::::::::ｉ! { / ｉ! .／__＿ ｀¨ ・ ． ｀¨ |//::::
_|| ||///::::::::://ｲ ヾ ゞ ／::::::::::::::::::::::::::..... ｀¨ … ．j//:::::
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
中二病患者がｗｋｔｋする要素（拡大志向）が標準装備されているので、大陸の英傑とラノベの題材にお勧めではある
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
-‐ ￣￣ ｀丶、
／ ヽ
/ / /〃/{ { ヽ ｀ヽ. ∧
ｌ / /斗/ハ ｨｰ‐ 、 ∨ l 詳しくは、壇上寛博士の『天下と天朝の中国史』がお勧めだが……
{ { ﾚﾃく ヽi>==、＼ ヾ│
乂l f r'ﾊ r'ﾊ 7ﾊ＼ﾘ l
.八,}弋ｿ 弋ｿｿﾉ ） 八 この世界観には、基本的に国境の概念がない。異民族社会は
ノイ }ゝ" ｀_ "" { {´ 丶＼
／ ,＞‐r＜_∧!＞､ ＼丶 「禽獣であり、刑を以て威（おど）す」（春秋左氏伝）と定義される
, -‐" ! ヽ{>ﾛ<ﾌ〈. | ＼
// ／ / y ゝ { ;ヽ ,ｉ 丶.ヽ
{八 〃 ﾊ { ,.-'‐!、 }_ = ゝ、__i、 }ヽ } }
)/ ヽ（. ヽ人,i' .,. i' ｀ﾞゝノヽl_ ヽ! ヽjｲノ
" ｀ / / ゝ,.| l __.!,ｒ'/ ｀‐´ "
/｀ V ｌ .,′´´
｀ｰ'′ ├-/
￣
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
｜ よって欧米の近代国家が持ちこんだ「対等外交」という概念は、成立する余地が無く…… |
乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
.....:::::::|
x≦彡::::::::::::::ｉ!
x≦圭圭圭≧彡::::::|k
......:::::γ__ﾞ寺x⌒寺圭圭彡:::ﾋ}k
.........::::〃彡 弋 (うﾐ寺 ﾉ:::刈圭圭:::ﾏ}k
......::::::::::::::::::::∥ :.:.｀::´:.:.:彡ｲ 斗圭圭:::::::ヾ 今、漢は蛮夷においては天子と称し、
:::::::::::::::::::::::::∥ :.:.:.:.:.:.:. ::::拆ヾ圭圭:::::::::::廴
::::::::::::::::::::::::::ｉ! ...:.:.:.:.:.:.:. :::ﾔｉ´圭圭}≧:::::::::ﾘｰヽ 王侯（国内）においては皇帝と称す！（礼記）
::::::::::::::::::::::::从 f´r:.:.:.:.:.:.:.廴__..:.:.:} ⌒ヾ㌢¨¨¨ﾞ´ 〉
≧ー≠ー- ﾐ ﾞヾ≧ｰ ﾞ寸ﾃ ' ﾞー… ¨⌒´
//// γヽ | ゝ ｀¨ ＜ ミﾒ
/// ///:| | 彡＝ x ｲ//
/〈 ////:| |＼ .:.:.:∥从 __
/∧ ﾏ//::| | ≧x:.:.:.:ﾙ ´ ___ ｀ヽ
//∧ ﾏ/ｿ |x≦三三/ .／//// }
//// ヽ !三三三/ ////// .／
￣ x≦㌢ マ三三 ////㌢ ／
ｘ≦ ミ
｀寸≧
γ,､__ ﾏ≧
*' ｨ＜｀ヾ ノ
r 弋X_) ﾊ おれら「蛮夷」なんぞ、靴下に詰まったクソ以下ってか？
ヽ |
f- / 廴 面従腹背待ったなしですわコレ
rゞ＝一' 彡ｲ ﾊ
.,､__ 〉ｰ ,､__ ｲ
ｉ 廴__ ___∠ __.｡o≦
.ﾉ≧彡ノ _二ｱ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
ｉ r≦´ ∥.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
f´ ヽ| ___∥.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そのため日本も倭の五王（５〜６世紀）以後、中華に対抗すべく自らを「小天下の天子」と規定。独自の天下観を育んだ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
,､ .ノ
r-‐‐-､ 蕃国 ,-‐' ￣ ﾚ＾‐-､丿
ﾉ `, ,,,r‐-, } r‐＾,
. r‐'´ ,' ＿ノ / ／｀ヽ r‐´ { }
ﾉ ,' `-, ｀´ ／ ｀ヽ / / ←夷狄
,' , ' ' `‐´｀_つ ｀'‐-､ ヽ ,､ ノ |
'､_ , -､__ , ‐ ' ノ く.蕃国.} 丿｀´ ｛
く 丿 ＿| ,-‐化内. _ r'
隣国 ヽ '-‐'´~ο ﾆ二 -‐‐､ r-‐＾´.ﾞ"
,-‐-､ ,‐-､_ ヽ ｏ r'´ヽ ｨ二コ ヽノ
-‐'´ ｀ヽ , ､ ,, ' `‐) } .}
｀‐´ ｀-‐´ ＜ ｀‐´ ←夷狄
） ｡°
ノ
r'´ o ←夷狄
丿 ο
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
/:::::::::::::/:::::/::::::::::i:::::::::::::＼::::::＼
. /:::::/:::: /::: ∧::::::::::ﾄ::::＼::::::::＼::::::＼
/:::::/::::::::|:: / |＼:::::| ＼ ＼::::::::ヾ::::::::. 日本を中華（化内）に見立てた日本版天下が定まったのは
:::::::|::::|::: |:/ .|日＼! ＼ ＼::::::}:::::: |
:::::::|::::Ⅳj′＿ .>──-}::八::::::| ７０１年制定の大宝律令からでな。「王化のおよばぬ化外」
.|::八:::|￣r≠z ｀ヽ ´ rt==z∨ :::∧::ﾙ
.|∧:::::| ﾋ//ｿ .l 乂;/ｿ .∨/¨}:: | に該当するのは「隣国」たる唐、「蕃国」たる新羅と渤海―――
.| ∨:ﾄ､ | }′/∨
. ∨ハ ,j /.／:|
. 乂八 厂/:/ ならびに「夷狄」の蝦夷・隼人・南島人と、規定された
. ∨＼ ￣￣ ｲ::/!/
{＼ ／ :!/
∨|｀＞─ ＜ |=z_
八 ／ 八＼
／| ､ / .|:::: ＼
擬人化 日本 （演者：キョン ＠ハルヒシリーズ）
.i::::::::::::::::::::::::::::::i::::::/|::::::::::::i:::::::::::::i:::::::::::i
i::::::::::::::::::::::ｨ::::/|:::/ |:::::::/ |::::::i::::i::::::::::::::i
. i::::::::::::::::::::::i.i::/ |/ |::::/日|:::/i:::i､:::|:::::::::i
. i:::::::i:::::::i:::::i ﾘ──-､.|ノ .ﾚ i' |::::|:::::i::i
. i:::::::i:::::::i:::::i ─--､ |::::|:::::iｨ
i::::l´i:::::::i:::i ,z＝=､ ｿ::::|::::/
i::::| ri::::::i`| " z==;, ﾉ:::/|::/
.ﾞ'il k..i:::::i i !::::ﾉ |/
i::＼_ヽ| i !:丿
i',,::i ! ﾉ .!ｿ ……ということで、以後よろしくな！
i::i ! ､ ┌─--､ /
_,,.i. ヽ. ＼ 丿 /
. ∧ ﾞ'､ ヽ ￣ ／ あ、ちなみに「唐土からみて東」なので、国号は日本にしたぞ！
∧;:;:ヽ ﾞ' , ヽ ／
./;:;:ヽ;:;:;:;:ヽ ﾞ' ､ ｀ .┬.´ﾐ､, （『弘仁私記』序）
;:;:;:;:;:ヽ;:;:;:;:;:ヽ .' i ｀:;:;:;:; ﾍ
_＿__._ _
└‐ｫ |UU `
くノ ＼ ,,_人､ノヽ
)ヽ （ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ ) て
／^⌒`Y´^＼ ._ _
ＵＵ/7
くノ
,r'ｧ´:.;.;r'´;.-.:,､.:,´:.:.:.:.:.:.｀:.:.:.:.:-ヽ
. ,':.;ｨ'/:.:/／ヽL|:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ.
|/i':.;l.:/l〈u. 隋/:./:.:.:.:,!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾞ、
l/|ﾘ/_.| /／!:.:.:/:.:.:.:.:,!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l.
V 似 '＜/_／!:./:.:.;/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
/ _ノ Zヽ｀7ｲ:.:,/:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,! おのれ倭国……「天を兄とし、日を弟とする」（『隋書』倭国伝）だの
| l ｀¨´ /;／:.:.;/.:.;.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
| r､ u. ´ /..-Z-く:.:.:.:.:.:.:.:./ あげく国書に「日出づる処の天子」だのと―――無礼な蛮夷めが！
| ､ ｀ヽ ´ ノ7,. /:.:.:.:.:,:.;/
l ｀¨′ _,.二r;‐' ィ／/'′
ヽ､＿ ＿,.. ´ ｹ,!ヽ､
__.......-‐::´／::〉、 ／ ,/:::::|::::ヽ、
r::７::::::::::::::::::/:::::/ ヽ ／ /::::::::|::::::::::＼
擬人化 チャイナ （演者：コンピ研部長 ＠ハルヒシリーズ）
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
皮肉にも同じ「天下」ゆえに、日中には隔りが生じた。一神教の下、王権間の相互干渉が活発化した西欧と対照的である
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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ちなみに江戸時代には「よく考えたら日本という国号じたい、中国という存在に依存しているんじゃね？」という事で……
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ﾉ.:.ヽ:.:.:.ヽ:.:.:.ヽ:.:.:.:.:´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::ﾊ､
〈.:.`ヽ.:.:::::::::::::.::, -‐-‐- ､.:::::.:.:.:::.:.l:.:ﾊ ::ヽ
（.::::::::｀:.:.:.:.,. '"´ ￣￣ ｀`ヽ.:.:.l.:::::::::.:.ﾊ:::::::::ヽ
) :: :ヽ:.:. ／ ＼.:.:.:.::〕:::::::::::::)
. （ . . .:.:.:::::::/ ヽ 入| |:::薔:::::::ﾉ｀丶
＼.:.:.:.::::/ / ′朱l | l ｢:::| |:::::::ﾉ !
Y.:.:.′ ,′! l | | }ﾉ..:.| |:::::ﾉ | 〜♪
. ゝ┤ | |｜ l | l （. .:://.::∧ |
l !| _|＿Lｊ､ l ｜ _／|_/ l | ）//.::/ ｌ | 中国の文物は日本の文物より（むろん南蛮の邪宗だの
|八 l l l{＼|｀ヾﾄ､l､／￣l/｀刈Y北Ｌ.,′ | |
,ノ弋i⌒iヽヽl 丶甘´ ヽ甘イく.＾}, | ﾋｼ''′| | 天竺由来の仏門より）、ずぅーっと優れているのだわ！
（ ∧ xx 、 xxx,＿ｲく_ノ⌒ｰく、| |
廴 ,ハ_rz.､ ヽ .lｧｰ┐／ |,ｧ,ｫ }-‐_イﾉ| |
く }ｎ:..:.::::::} } i:`ヽ._／ /{/ }ｲ /:.:}´}| | ｲﾃﾞｵﾛｷﾞｰ ｺﾉ ﾜﾀｸｼ
`7〈:..:..:._廴. | |:::_}/ _.ノ / , ﾌ/ノ | | その 教 義 をもたらす朱子学者こそが、日本一の優良種！
{入彡-―‐ﾐi 乂/ /´ ／ ル厶{┐ | |
`弋| ﾘ / / ん､_ノ¨7彡'/, | | 異論は認めないのだわっ
i |,/ .′ |′ / ,厂 | |
l. ／ .′ | ,ん,′ | |
| / / { /. ヽ. | |
i / i ∧_,.ノ´ | |
ヽ. /{ }ノ ｀¨¨ﾌ | |
朱子学（演者：真紅 ＠Rozen Maiden）
┓・・ ┓・・ ┓・・ ┓・・ ┓・・ ┓・・
┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛
/ / /《彡X＜＞¨￣ ..:/::.:.:/:: /:.:::/..:/:::/:...:i.: l::..:.
. / / / / ノ公イトﾝﾉ} .::/:./:/:.::/ :: / ./ :/国 :ﾚ:':.:.:.:
/ /::::/:. / 〃 // ||r¨. .. ./:: :.:/::{ / ./ ./ // /::..
. / /..:: :: :/ }} .}}.:... || /..::/.:../ .i /:ﾊ!_,/,〃 / ./// .／ :::.::
.. / /:.:.: :. /:.. / /..||化/ i...:.:| ./ｲ＞ニヽ．／／／ .／::.
. / /:::. ./:::..../ ./:.: ¨//.:ﾊ:::|i :|/ ﾐ（・） ヾ 彡ｲ..／/.:. /
../ /:.:.. /:::::::/ . /::: il i::.i: .ﾄ 从 / `¨=- " i./ ／.:／
.. / ./.. : ./ . /::. ﾊ.} ,|..::!ハ . { ￣ Vイ..／
..:::... ..:... : / ./ ./:::i| l |:::∧ | _ V´
/ .::i / .::/..:..イ .:/.:.:.:l.:...l |./ ヽ r ':.::/ ・・・・・
./ /. /.:./:{ / :::::| :..l |{ ーrｰ'.:: /
./ ./:::::::/ / ::∧ .| |=>､ , イ{ i..:::/ （は？ 異国にかぶれ己に箔をつけるは、貴様とて同じこと）
}.:...:/ : : / i ::i l.::| |,,イ} ＞ _ ノ ヽﾊ｛
／ :::{ ..l :l l::| | // Ⅶ}}
＿＿＿＿＿ ┌┐┌┐ ＿＿
＼ | | .| | | | |
＼ .| レﾍ Vﾍ | |
＼ .└─'￣＼ |_∧_.|
.＼ ＼ ＿__,ン￣フ
＼ |へへへヘ ＿,＞' ./
.＼ ＼ | ∧∧/
＼ ＼ | ∧∧/ `'
＼ ＼ |／ `'
＼ﾍ|
-‐ ￣￣￣ 、
イ ハ l 国 、
∠∠、 /| | | { ヽ＼
__ ｨ≠￢:::i l /ｰト ｌ l ヽ ＼ '. ＼
／ｲ;小ヽノ::/ | | ｜ ＼ ヽ ＼ ﾞ, ｌ l ヽ 万世一系の皇統を守る本朝を、易姓革命を繰り返し
〈:{_/:/ |:|`ー' | |､rr==≧ﾐﾒ、 ＼ i ｲ | j '
ヾ:/ |:|｜ | ｌ `＿ゝ'ノヾｰ | ／ |/|.′ l 今や満州族の皇帝を戴く隣国より卑下するとは何事！
// |:|∧ | ｀''"￣` lイ=ﾐﾒ､lﾉ ′| |
/::/ |:| ヽ '、 、 ヽ'_ﾍ / / /| |
. /::/ |::| ＼ ヽ ／ ゛''/ イ／ jﾉ 逆に考えるのよぉ。「日本こそが中華」なのよぅ！
/{:::{ ﾚ′ |｀ ＼ r＝ｰ ､ ハ ﾉ }
､ / ￣ /| ｜ ￣`ー' / ／ ｲ
::::V / | | ｰ ニ´- ' ノ
―‐ 、 ､ / ！ | イ ｜
::.::.::.:..＼＼′ / ｌ ｜ ＿＿_ ＼ , i´ l |
.::.::.::.::.::...＼＼/ | |７/::.::.::.::＞ﾄ二. | ｜ |
::.::.::.::.::.::.::.:..＼＼_,l |/.::.::.:／ ´ 小:ﾄ＼｜ ｌ |
.::.::.::.::.::.::.::.::.::...＼ヾl |::.::.::.{::{__ ｲ:| |:| }::}| | |l
::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::ｌ ∥ l＼.::.`ー'::|:| |:lV:/ | ｌ | l
.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:l || | ヽ::.::.::.::|:| ﾄ-く | | | l
国学（演者：水銀燈 ＠Rozen Maiden）
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
それを良しとしない新興勢力・国学者が、ジョジョ的な逆転の発想のはてに「中朝事実」
（by 山鹿素行）なる論をぶちあげるに至るのだが―――それはまた、別の話……
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
それはともかく。日本の以下の面子も、言うなれば“神国製天下”のパーツなわけで―――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＼ │ ／
／￣＼ ｱﾋｬ
─（ ﾟ ∀ ﾟ ）─
＼＿／
／ │ ＼
＿
／￣￣＞v´ ∠
/ U i イ￣^ヽ＿ヽ ,､
| ! |/／///!i ｀ヽ _ /ﾉ､ ｱﾒﾉｼﾀｼﾛｼﾒｽｵﾎｷﾐ
| | k-ﾐ/' / |ﾒ ! ,ｒ〈 ｀ﾔﾉ 日出処の 治 天 下 大 王 のもと、日ノ本もまた震旦・
|ｲ(! ﾋソ ﾑﾘ ∧|´ ヽ 〉
Vﾍ ﾄ､,-､ ｀/ﾚ/神 __Y 天竺と並び立つ天下なり。和を以て貴しとなすべし！
／｀ヽ戈V7´|/ ／
／/￣ヽ、V∧ /／
∠／ ー分<─'´ （といっても、ほんとはお前ら、目障りなんだけどね……）
ヽ ー孑 〈 ﾄ､ ヽ
ﾍ ／ヽ ∨__jヽ!
┌───┐
│ 神道 │
└───┘
＿＿＿
,ヘ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ 「「（ほんとはお前ら、邪魔なんだけど）異議ナーシ！！」」
「￣:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.〈
＿_r:.:.．-──- ､:.:.:.:.:.:.:.:.:〉 rｭ､,. -卍 : -. .､
|:.:.ｨ:j'/ 朱 ＼:.:.:.:.:.」 rf三≧=ｪｪｪｪｪｪ〈/ｲ.:.:.:,:ｨ: :.､: : : : :ヽrz
. ｆ´￣∨// / ､ ヽ:.:./ . . { {ﾆ三三三三三,': : :./､ |: :.i ヽ:ﾊ: : : {_}ｨ心、
人_⊂ﾉ从ﾅﾒ !! i /ｆ´￣ヽ... { {,三三三三三.:.: :.:/ ヽ:.! ∨:.:.iﾆ三三≧=zｭ､
/:.:.:.:/ iT==ミゝ ノﾅﾅﾒ｛ つ__丿. ヽ寸三彡'7: :寸ｉ:.:./ ＞ ｀ ＜ ｉ:.::.!|三三三三三心、
..ｲ:.:.:.:〈._| | i'""＿_ ==ミｲ∧:.:.:.:〈... /: : :.∧:⊂⊃ r―┐⊂⊃ :八三三三三三三}}
_／_厶:.:./:.:.| | ﾄ （ ﾉ""/ 厶ｨ:.:.:.:.:ヽ. . /: : : / 八 |::::::::| 厶ｲ彡': :｀寸三r'ニ彡′
./ i‐一" `i:_:_:ゝゞ∧マ777iヽ .i:.:.l:.:.:.:.:.:.:ﾉ. . ／: : :.:/ Ⅷ＞ ゞ- ' イ彡' i: : : : :{三} 彡'
x─ミ { { ﾚﾍ:.:.:㍉ｫ介.///:.弋!≦‐一 ' ／￣〉.... ／: : : : :/ ｀ヽ }ﾚﾍ::ｨ >″ : : : : : ゞく
. ｉ i￣｀ヾﾐ ､ ﾞヾﾄ:.:././ﾊ:.>､/ラ'{:.∨/￣〉／ｨ⌒./... ／ : : : : : / /::/７:::{／ ∨ : : : : : ヽ
. | | ｀V∧ У厶== 7:.:.:.:.:ゞ._´./ ﾑイ ｛ ｛ . ｨ . ,.:': : : : : : ／ /::/ /:::::ｉ ∨: : : : :.:∧
┌───┐ ┌───┐
│ 儒学 │ │ 仏教 │
└───┘ └───┘
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
“神仏習合”も、“天下”が潜在的上位概念として神と仏の媒介機能を果たしたと推測すると、腑に落ちたりする
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿__ ＿__
//⌒ヾ.､ ,ヘ＿＿＿_＿ //⌒ヾ.､
// , ＞｀´ |: : ｀ヽ: : : : : : ｀ヽ､.// ゞ,
// ／,: : :. :.:. :.|: : : : : : :.:. :.￣｀ヽ《〈／｀ヽ,//
〈《／／:. :.: : : : :.ﾄ､:. :. :.: :. :.:.:. :.＼: ＼ヽ: : : く
/／: : : : : : : : i:.| ＼: : : :＼: : :. :.＼:.:＼i: : : ヽ
//: : : : : :i:.: : :.∧{ 神＼＿__＼:. : : :.＼: :＼: : : ',
/'i : : : : : : | : r十､i! '´｀ヽ､｀'.＼:.: : : :＼i｀ヽ: : i
|: : : : :| : |: : : l . ｨ=≠ｧﾄ､: : : : ＼j:. :.|
|:.:.ﾄ､:∧ハ: : {气ﾃ､ f'´V爪__/∧jiFﾄ､ : : }: : | 平安時代には朝廷肝いりで“神前読経”が
|:.:.| ﾍﾄ､ヽﾊ: ﾊ､ Vi'} ヽ 辷ｯ/ {::（i_l::|_ﾉ＼j:.:.:.|
|:.:.| ヾ､: jﾊiハ｀‐´ , ￣;;;;; 〉-イ¨:/: : : :|:.:| 盛んだったの。で、「日本後記」大同四年
|:.:.| ｀i＼ヾ人''' _ . イ /::,ｲ:. :. ::.:|:.:|
Ⅵ l: : : :》vっ≧‐ ┐'´＿ノ}, /: / |: : : :.:.|::.| （809年）の記事にこうあるわ……
|: : : i|ヽ, -‐/ ハ￣ i/: / .i:.: :. :. |:.:|
|:.|: :.i|/ ./,ｲ__入 .〃 /｀ヽ.!:.:. :. :.|.:.|
＿＿__ |:.|: :.ll ／ij/´/ ＼,ｲ' :/ ',.: : : : |:..| 「天下諸国の名神のために、大般若経を
,． ´:::::::::::::::｀ヽ |:.|: /''´ ／: :/＿__ /.:./ 卍 l: : : : |:.:| ~~~~~
/7i､:::::::::::::::::::::::::＼ |:.i/{ /: : :/ ｀ー´ i : :i |: :. :.:.|.:.| 書写して読後供養した」と───
i::{」 V´:::::::::::::::::::::::::＼ 〉':７-/:.:.:./ |.:.:.| il |:. :.:. :|:.:|
|::::| ﾄ》､::::::::::::::::::::::::::::', /::::/ /: : :/ ｀ー-''’{: : |ﾉﾚ'⌒ﾛ,ﾄ:.: :.:.il.:.|
|::::| |i::::}:::::::::::::::::::::::: :: ﾄ､ /::::/ /: : :/ |:il:.| |::::: :¨:::::|: : :.|l: |
ヽ.| |::::il::::::::::::::::／ ::::: | ::Yヽ/ /: :.:./ /lﾊ:.| | :::::::::::: |.: : :|l :|
| ｌ___|＿ , ＜:::::::::::::::::::::／ /:. :.:/ _, イ | || | :::::::::::: | : : l }:.l
| |￣´ ＼＿__／ ./.:.:.:./ ＿人 | | :::::::::::: ﾄ､: :| l/
|: :| ,＿/ ,〈_:.:.:/ `＼ | :::::::::::: | }:.|
|: :| ＿/¨7 厂｀:/ ＼l::::::::::::::::', l:|
,ｲ : | 《/___/: : :__/: : :.∧ i|::::::＿__∧ ||
ミ≡./: : ハ＝彡「￣::::ムイ:::::＼／:::::＼ ／{::::::| i! i! i!ﾊ|
/: : 人__} 乂､: : :／::::::::/:::::::::::/::::＼ ／::::::| ::::| i! i! i!|∧
＼/ `ｼﾞ､ ::::::::/:::::::::::/:::::::::::|＼＿___／ ::::::::∧ ::| i! i! i!|_.∧
`7ｧ､/:::::::::::/ ::::::::::::|:::::::::::>､＼__ イ ', | i! i! i!|＿∧
, ‐ ´ ￣￣ ｀ヽ､
／ ､ ､ ＼
,.'.／ .:/ ;小:.. ヽ:. :＼:.:.ヽ
. //:.:.:.:/.:./:. ./ i ヾ:.:.丶:. ...ヾ:ｰ'､ ゆえに。日本は「デウスが創造した天地の一部」なのか、「天子様の
//,':.:... :.:厶:./- ヽ 弋:.‐＼:.:.:. 丶:＼
! |:l:j:.:.:´/ ｨ天t､ ｨ天女､-､:.. ﾍ､:.ヽ 神権が及ぶ普天の下」なのか、という宗教的世界観の衝突が生じる
! | :.!.:.:.:ﾊ´ち;;;j ち;;;;j !K }ヽ:.､.! ヽ! ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ヽヾj:.ノ小 ｀::::. ' ::::´ ﾊイ: |｀ﾘ ノ
､_ノｲ:..:.:ﾘ;:ゝ-‐っ ｰ- ｲ:.ｌ::|:. i | 内戦を統一したての武家政権が、己が獲得した“天下”と、切支丹の
／´/:.:／ ‐＜＞.､ _., .イ_.l:.:ｌ::|:. i |
／＿/∠ ｧ┐l !ﾉーｿﾉl ￣ ヽ､｣::|:. .:i:ﾊ 思い描く“天地”の差異に無知・無関心だったとは、考えにくい……
, ./´ ｀∨イしﾘ / ハ ／ ヽ￣｀ヽﾊ
／ |=＝＝=､∧/ ＞‐/{ヽ‐‐< l l ヽ r/７-､_
, ' / / / 7〃 {{ヾ〉＼ |／￣ | 厂し' / /┐
. / / / ／ {{. ＼ | | ,/＝(_/_/_,人
| / / イ o. {{ ＼| l/ 'ヾ､/
/ r'´ ￣￣￣￣￣ ｀丶､｀ヽ､
丶.ヽ､ ｀丶.丶、
｀丶｀丶、 ＿＿＿_ ＼ ＼
｀＞'´ ￣｀ヽ､ _} ｝
,.-‐ｧ'′ ｀く ‐∧ ∧ そういえば＞１の前作「アヘン戦争」スレは、
／ / / ,ｲ| | ヽ /:厂｀ヾ､/＿〉
. ／ ／ / / /| l | ﾄ､ | l | | |:{ ヽ ｀ヽ 清朝の「華夷序列の天下」が、イギリスと
/ ／ /| l lﾚ廾| N l弋_工lメ ｜|:| ､ ヽ |
{.ｲ ／| | | 伐ﾆミ ヽヽr〒ﾃﾐl| l_ |:ﾄ、 l | |/￣￣￣＞ 対決したという案件だね
|／ ／!ﾊ、ヽ._ﾄh::::｝ ｈ::::ｌﾘ ! }|:| ヽ、l| | ト┬＜￣
{＼ ／l / |l | ヽ {_l `ｰ' , `ｰ'/, ﾚ' |:| l | l| /|ｌr┴＜
>､ヽ「∨ |｜ | ヽ、 ﾏ￣} // /,ｲ ﾄヽﾉ l∧ ! {＿＿ ＼
// _〉､ヽ.｀ヽ､/,l｜ ﾄ､∧ ＞､ニィ彡/ /|/_|/Ｖl:| ヽ| | ｀ヽj
. //_ﾉ 、＼ }/ | l |ﾚ=≠=､/斤＝彳/::::::;:｀ヽ !:ｌ /｀ー--､
/:ハ ､ ＼ﾉ／:| | | |<´::::／/ｌ { /,|/:::／:::::::::lヽヽ. ﾉ|ヽｨ―‐'′
|::l ﾄ､_ ＞'´ :::::| ﾚN/ ／／l ﾄ､∨/::: /:::::::::::::::ﾄ､＼ヽ［_丿 |
|::l し'´:::::::::::::::::| /ﾍニ／ /:| |::/V:::::l/::::::::::::::::::|ﾉ ＼ヽ. |ｰ1
|::| 〉::::::::::::::::::::::|{ // {::| |/:::::::::: | ::::::::::::::::::|―‐､ ヽ} r┴く
ﾚ' /∧:::::::::::::::: ∧ //! V/:::::::::::::: |::::::::::::::::::::!ｰ-┘ └r‐'´
// ヽ.:::::::::: / ::::Ｖ ｀､ [/!:::::::::::::::: |::::::|::::::::::::| ｜
司会相方：三塚井ドクロ（演者：三塚井ドクロ ＠撲殺天使ドクロちゃん）
-‐ ￣￣ ｀丶、
／ ヽ
/ / /〃/{ { ヽ ｀ヽ. ∧ と、いうわけで。以下は、前作「アヘン戦争」スレの
ｌ / /斗/ハ ｨｰ‐ 、 ∨ l
{ { ﾚﾃく ヽi>==、＼ ヾ│ おさらいを兼ねるが……
乂l f r'ﾊ r'ﾊ 7ﾊ＼ﾘ l
.八,}弋ｿ 弋ｿｿﾉ ） 八
ノイ }ゝ" ｀_ "" { {´ 丶＼
／ ,＞‐r＜_∧!＞､ ＼丶
, -‐" ! ヽ{>ﾛ<ﾌ〈. | ＼
// ／ / y ゝ { ;ヽ ,ｉ 丶.ヽ
{八 〃 ﾊ { ,.-'‐!、 }_ = ゝ、__i、 }ヽ } }
)/ ヽ（. ヽ人,i' .,. i' ｀ﾞゝノヽl_ ヽ! ヽjｲノ
" ｀ / / ゝ,.| l __.!,ｒ'/ ｀‐´ "
/｀ V ｌ .,′´´
｀ｰ'′ ├-/
￣
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
＜1840年＞
. ´.:: ￣ ::: :::: ｀ 、
／.:::／´￣￣英￣ ｀ヽ.:::＼
／ .:: :/ ＿＿ ______ ＿ ∨::::＼
. '.::／/./ ´ : ::::::::::::::::::::::::::::: ｀ ∨ :.:::ヽ
/／ ./::::/.::/ .::::::::::ｌ ::::::::::::::::::::::::∨::/ハ
く / .:: !.:::i: ｌ.::::::::::i:::::::::ｌ::l:::::::::. :::∨.:/::ﾊ
/.:::＼/. ::::::ｌ:: |l::|＼.::/ｌ::::::: ｌ::l::::::::::i:::::::V.::::: . Y チャイナの欽差大臣・林則徐が、英国人の
. .' .::///. :: ::: |､从:! Y::|、:::::|人 ／} ::::: i::::::::::ｌ i
. .' .:///:!:!::::::::ｌ| ＼ﾘ 从j ＼_!:／＼j :::::::|l＼::::ｌ l アヘンを没収して廃棄した……？
ｌ .::ｌ:| | l::!.:::::::ﾘ≧=`ー' )/ =≦.!::::.:::|l∨::::ｌ ｌ
| .::|:L|:从 .:::〈 《{上jﾄ、 ｨj上jﾘ》.:.:::: ﾘム.: ｌ |
| .::| ::ｌ::!:人 .:∧""" . """/.:::::/.:!::!:::::| |
| .::| ::|::!: :: V:::人 /.::: /.:ﾘ:::!:::::| |
| .::ｌ ::ｌ::!:::::::i :::::::＼ r ‐r'〉 . ｲ.:: /:::/:::::|:::::ｌﾘ
. 从::!:: 从 ::: ! :::i:::: :::＞ ￣ . イﾘ/ /:::/::::::ﾘ.: 从
) :/: ∧::从八::/ . :} ￣ {∨.ｲ::/:::ル'イ )
N{＞──へ!. :「 N::/｀ ー＜ __
／ 「 | | : : : : : : : :| ／⌒ ＼ |: : : : : : : :/ / /＼
/ | .| | : : : : : : : :| 二⌒ 二 | : : : : : : / / / ヽ
/ 从从 : : : : : : : |: : : : : : : :.|: : : : : :./ / / i
擬人化 英国（演者：涼宮ハルヒ ＠ハルヒシリーズ）
． ── ､
／:./ニ英ニヽ:＼
./:.:/:.:ハ:.:.:.､:.:.:.:ｉ:.:ﾄﾟ， 林大臣が、わが商務総監チャールズ・エリオットの手紙の文言「両国」を
i:ｲ1:/＼ ＼:lＸ´:|:.:ｋﾊ
|:ｌ_|:.lエｴ ｴエ|:.:|」:.| 「この世のいかなる場所も、天朝と対等に非ず」と咎めて突き返した件も
|:.:.|:.l ‐─v |:.从:.!
|:从:ト. |-─-| ｲ|/:.l:.ﾘ 聞き及んでいるけれど……要は「対等じゃない相手には、何してもいい」ってか？
ィ斧i: :≧==≦: :i〕ド｡
/ Ⅵi: :|──|: :i:i/ .ハ
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
(⌒ヽ＿＿〃⌒ヽ
｀ヽヽ＿___|/⌒’
/二二二二ヽ ∫ ちなみに作家の橘玲や外交官の松本太は、アヘン戦争を
ヽｲ/rノﾊヽﾊ/
ｲirｧ^ヮ^八 ゞ二ﾌ) 「華夷秩序とウェストファリア体制の衝突だった」と、指摘している……
ミ≡=､ ﾉﾘヽi允iヽ､{(･ω･ `)
ミ_三{}===(≪/_j咫_》う)）=＝☆
彡≡'" `ｰ(_ﾉ丿‐' （ 橘玲著 「橘玲の中国私論」226p ・ 松本太著 「世界史の逆襲」105〜107p）
☆＋。+ 。"`,
+ ★ ☆＋
＊`ﾟ 。 ﾟ
ﾟ。 + ♂
o°.。
(ﾟAﾟ;)（'∀`）(゜д゜)(`皿´)(;´Д｀)(ﾟдﾟ)(・∀・)( ﾟДﾟ)(´３｀）(|| ﾟДﾟ)((；ﾟДﾟ)(･∀･∀･)(;´Д｀)（ﾟДﾟ ）
(;´Д｀)(ﾟдﾟ)(・∀・) ＿,-=＝＝=ヽ((；ﾟДﾟ)(･∀･∀･)(;´Д｀)(ﾟAﾟ;)（'∀`）（ﾟДﾟ ）./`ヽ―ｰ､（ﾟДﾟ ）
゜д゜)(`皿´)(;´Д |＼､ ＿_| ＼、(・∀・)( ﾟДﾟ)(´∩ _∩|| ﾟДﾟ)(ﾟAﾟ;)（'∀`／ |＿_ `ヽフｌ
(・∀・)( ﾟДﾟ)(´3 .| ＼<￣ ＼ ＼ (ﾟAﾟ;)（'∀`）（ ´ー`）(`皿´)(;´Д｀) ／ ――／ |
(゜д゜)(`皿´)(;´Д`ヽ、 ＼、 |＿||――┬――-∪-∪―┬-- ､__|| ／ ／ ／
(|| ﾟДﾟ)((；ﾟДﾟ)(･∀･∀・）||､―'´二.―――┼――――――┼-､＿＿二ヽ､_ ||／ ／(ﾟAﾟ;)
( ﾟДﾟ)(´３｀）(|| ﾟДﾟ) .／／|―二― (´,_ゝ｀)―――────|─＿＿＿―ヽ､|＼/ ／（'∀`）
(ﾟAﾟ;)（'∀`）(゜д゜.／'´／／|――-二( ) ── ヽ(`Д´)ノ<ﾀﾞｳﾞｧｲｯｯ. ヽ―┤＼＼((；ﾟДﾟ)(`皿´)
(゜д゜)(`皿´) ／ ／´／／|／―￣ | ｜ | ( ) ￣`ヽ､|＼ ＼ ＼（ﾟДﾟ ）
(ﾟAﾟ;)（'∀`） |_`―- ､/_∠ (＿)＿) ノ ヽ ＼＞―'´｜(`皿´)
( ﾟДﾟ)(´３｀） ＼二`ヽ､＿`ヽ､＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_,､――'´／―彡|（ﾟДﾟ ）
(･∀･∀･)(;´Д｀)＼`ヽ､__`＼＿_|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|,､--―'´／'´（ﾟДﾟ ）（ﾟДﾟ
＜1648年10月24日・ウェストファリア条約の締結シーン＞
────────────────────────────────────────────────
すなわち宗教戦争が生んだウェストファリア体制では、「全ての国は主権（神の権利）を持つ対等の存在」であり……
~~~~~~~~~~~~~~~~
「国と国との関係は条約によって規定される」───
────────────────────────────────────────────────
────────────────────────────
それは確かに、華夷序列の清朝には意味不明だったにせよ……
────────────────────────────
＿＿ﾛﾛ ＿＿ﾛﾛ ＿＿ﾛﾛ ＿＿ﾛﾛ ＿＿ﾛﾛ ＿＿ﾛﾛ ＿＿ﾛﾛ
|＿ | |＿ | |＿ | |＿ | |＿ | |＿ | |＿ |
＿| | ＿| | ＿| | ＿| | ＿| | ＿| | ＿| |
|＿＿| |＿＿| |＿＿| |＿＿| |＿＿| |＿＿| |＿＿| ﾛ ﾛ ﾛ ﾛ
ｨ彡三ﾐヽ __ __ /｀ ｨ彡三ﾐヽ
彡'⌒ヾﾐヽ ／:::::::::::::::::ヽ. ー彡'⌒ヾﾐヽ
ヾ､ .. _/:::::::::::::::::::::::::::ﾍ-､ . /
＿ ｀ー―' 〈/:::::::::::::::::::::::::::::::V/ . ｀ー―'
彡三ミﾐヽ... . /l::::/:::::,'::::::::i:::::::l::!:ﾊ 彡三ミﾐヽ
彡' ヾ､ ＿ノ . ~|::::l:::::/:::::::::l:::::::l::i:!｣ ＼＿ ヾ´ ´ミ
｀ー ' 八:{::::{:::::::::/:::::/:::ﾘﾊ. ｀ー ´
,ｨ彡三ﾆﾐヽ ＿_ノ , r.ﾞﾄ{八::::/リj:∧〕ト､ ,ｨ彡三ﾆﾐヽ
彡'... . / Ⅵi| .:.:.:.｀'': : . |iⅣ ', . ミ'
＿ ＿＿ ノ i. |i| : : : : : : : :|iﾄ､ ＿!.... ＿
,ｨ彡'... . 〈 i≧─‐‐─ ┘ｊﾊ:.:.:.廴 ,ｨミ'
| | ￣￣￣￣´. i: ￣「
| ｜. ＿ノ ｜. |
|. |. ∧ . 〈 γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
/. ′. 英 〈 i. ﾊ . ｜ ───もう、我慢の限界……！.. |
′. / 〈 /. : . 乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
. ′ /:_.. -=ﾆﾆ=- _ : V :
. ′: V:::-rｧ'´￣￣i:ト‐::{ヽﾉ. :
. ′: /::::::::|'::::::::::::::: |:|:::::::l:∧. :
尓ﾆj::::::::::| :::::::::::::: l::|:::::: l::∧三三ﾄ
「 | ﾘ:::::::: |:::::::::::::::::|::|::::::::l/:∧ 丁)ﾉ
. ｰ| i:::_.. - ￣i￣⌒L.._::l:/::::i 厂
. Ⅵくﾊ l `ト､i'´
＿刃 ‘ _＿_l ′
| |:i:|. Y´:::::::::| ー―‐ 7
| |:l:| 、:::::::::|:::::::::::::::::′
Ⅶ l:|. ヽ:::: : |::::::::::: : ′
Ⅵl:| i::: : ｜:::::::::::′
Ⅴ| |:::::::::|:::::::: : ′
` .|:::::::::|:::::::::::′
───────────────────────────────
「圧倒的強者を蔑む」という最悪の選択をしたことに、変わりはなく───
───────────────────────────────
-─‐-
／:. .:.:./ニ英 ＼
/ヒ:7:.:./:.l:.:.:.:.:.:＼}:、.... ヽ､_,人_,ノ､_,从,人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1
f三仏./:.:./{:八:.:.:.:ﾄ､:.:.:li:.、 ） ﾜﾀｼ
_＿∧__ノ（|:.:.:K じト＼{ィl:.:.ﾘ:.:ﾄ ‐=､´ 清国よ。英国は貴国の“叩頭の要求”も、
⌒7:.:.:ィ:.:.:.:|:.:.:| "" じｱｲ:.:.:|..... ）
/:／/:.:.:.从:.:.{ .厂) /:.:|:.:.ﾉ ） 公文書における“英夷”という蔑称も拒否する！
" /:.:.:.厶:.lヾト 二 .イﾄ:.:.Ｘ. ）
.ｲ二ハi:i: :＼ 〔:.:.:i:.:.:.| ⌒ , '⌒r‐v'ヽｨ'⌒Ｙｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､
/ ヽ:i:iｘ: : :Ｖ二l:トミ′
／ ＼i:ix: ∨ ∨∧
.／ i } ＼i:ixヽ. V ∧
, l _ イ ＼i:ﾊm}: : ﾊ
〈 .-─Ｋ´ ∨ ヾ刈: ｲ }ﾟ，
ヽ { ヽ にｨ介 ､/ ∧
∨ ＼ 〈r=====r=|:ﾄﾚ、} ∧
＼ ハ / : : : : : : : |:トﾒ:＼ .}
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
どん！
どん！
⌒:;' どどん！
;:⌒ヽ :':; :;⌒:;ヽ
:;） :;,. ,.. ⌒ヽ (; ⌒ :;
(:; ,;: ::;;） (: ) ;, ⌒ヽ:;
;) :;) :;; :;) :;;(:; :;）
; Oヽ. （:;; (: Oヽ. ; ;) （;;: Oヽ ;:); ::）
（:;. ヽ､.ﾉヽ :(::; ヽ､.ﾉヽ (:;' ヽ､.ﾉヽ ;:')
＼＼ （;::,. ＼＼ (; ＼＼
＼＼ '" :; ＼＼ ＼＼
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i＼,)lヽ､ | | : '_ | /二ﾆii i＼,)lヽ､ | | : '_ | iiﾆ二ヽ .i＼,)lヽ､
二ﾆii .と,.!､ヾ＼ ;. !!, . . |ii (ﾟДﾟ,ｨ; と,.!､ヾ＼ ;. !!, . . |二ﾆii (,,ﾟДﾟ) と,.!､ヾ＼ ;.
Дﾟ,,)________ ＼ ヽ,)>､) i⌒,) （ ⊃//と ________ ＼ ヽ,)>､) i⌒Дﾟ,,) （ つﾆ)⊃ ＼ ヽ,)>､)
と )|::::::::;;;;;;| /,ﾆi〈二〈,.ｨ /,ﾆ､ヽ;:ヽ | `'| |::::::::;;;;;;| /,ﾆi〈二〈,.ｨ /,ﾆ､ヽ ::ヽ | |::::::::;;;;;;| /,ﾆi〈二〈,.ｨ /
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＿人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人＿
＞ パーマストン流 自由貿易精神注入キック！ インプットしたかゴルァ ＜
￣Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ￣
__ ＿
ヽﾆヽﾆiヽ
｝ ヽ
i｀V ,-‐─ヽ
ｙ'´ ヽ
ﾍ - - ── ,..--､ , -､ ｛ ヽ
-ﾄ──---､.....＿ - ─＝＝ r─‐-､ ,-‐'´ ｀ ヽ i
| 英 ￣￣｀ ─--へ--､__ ｛ ヽ'´ ＼ i
i /::::::::::::::::::::｀`ー-､... ト､＿ ＼ 清 ヽ i
i i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀.┴'‐-‐'｀ヽ、 >､ | N i ぃ…入力済（棒）
.i ＿,...-───-､ __ゝ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V ´ ヽ, l i i、
i─'´￣ 7｀`ー─────----- ､...＿ ﾛ{ ﾉﾉ i , N 〉
| ｛::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::‐〈〉─‐〈〈 i / ﾊ! /
| ,..-‐'´￣￣｀ ‐-､.ゝ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i } ｝ i/ /V /
ｊ,. -‐'´ ‐ ‐ ── ｀￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ ─'ﾛ{＿,,...ﾉノ / / /
/ ‐‐ ─＝ ,...----────'´ヽ},､ ／} ノ / /
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
＜1842年8月29日・南京条約＞
∧_∧ _ _ ∧_∧
._（;;;ﾟハ） . |lﾆﾆl | | （дﾟ=）
| （#清..つ__|lﾆﾆl |_|⊂ 英.=）| ＜ んじゃ香港島割譲・賠償金・5港の開港・貿易自由化の件、よろしく
| （;;;;;; |￣l￣￣￣||￣￣￣l￣| = ）|
|――lｌ; l .|￣￣￣|!|| |￣￣￣|..| .l――l
o
Ｏ
／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
| ……我知道了（とはいえ。賠償・割譲はともかく―――朝貢の廃止など、前代未聞のコト＞＜）
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そしてその敗北は明らかに、従来型の夷狄（遊牧民・倭寇）相手の敗北とは、異質だった……
中華世界は、究極的には敵の文明システムに……すなわち「ウェストファリア体制」に―――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＼ /: : : : : :ハl＼; : ト、: : : : : : : : : :.:＼ ／ ／
＼ /: : : : : :＞ ＼l ＼ト、: : : : : : : : ＼ ／
/^ヽ: : : :／ ＼ト、: : : : : : :＼ ／
＼ ＼ / ヘ |: : :/ ＼: : : : : : ／、 _ -‐ ´
＼. / /ノ: :/ ヘ | ｀＼:＼ーヽ -‐'"´
＿__j |/: ノ __＼. | ./ /:;＼i
|: : :.| . /:.:/ ´ ｔテ‐≧__ノ / /／´
/: : : し': :/ ￣＿>, ｒ≦＿__、 /
＼: .ソ厶/ /＜tｊ ヽ. ′ノ -‐‐‐‐ "´
_/^7 ./／ / ＼ ｀ ´ ／ 従属を強いられているんだ！！
／/レ′{ ／ 、 / /
＿＿__/ |. ヽ／ ._ -‐ _ - ´ ノ
/ 八 l ＼ |^ｌ ヽ ` -、_ .／ ｀゛ ー- 、_
{ ＼ '、 ＼＼＿_ 〉/ ／ ＼ ｀゛ ー- _
| ヽ ヽ＼｀‐---‐'´ ,. ィ´} ＼
| ＼ ＼ ￣ ／ / .|＼ ＼ ＼
清朝の宮廷世論
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
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／
＿＿＿ __
´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:..､
.／:.:.:/.:.:.:./ 二英二X:.:＼
/:.:.:.:./:.:.:.:/／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:ヽ
′:.:.ｲ:.:.:.:.:. / ＼:.:.:.:! X:.:.:.:ﾏ:.:ﾟ，
|:.:.:.く_j:.:.:.:.:.:.!⌒ ーﾍ:.:.l/ハ:..:.:.ｌ:.:.:i
l:.:.: /,:|:.:.:.:|:.:| V＿ /:.:V〕:.:.| ホームでボロ負けしたあげく対等外交ってだけで、そこまで不満？
l:l:.〈/:.|:.:.:.:.Ｖｰ一 , "！:.:.|:.:.:ｌ:|
lﾊ:.:.:.:.|:.:.:.:.:| "" 从:.:|:.:.:リ
| }:.:.:.|:.:.:.込、 ⌒＾ .ｲ:.:.:.:ハ/ っていうか、まともに条約の合意事項も履行してない癖に……
,ハ:.∧:.:.:.:lV≧=‐- イ:.:l:.:.:/
／} ヽメ: ＼ /ト/!:ｲ ． （やはり北京に大使を派遣しなきゃ、話が進まない。もう一発カマシとくか）
/⌒ヾ:i:i: : : : : V⌒ヽ: : : i:i:ト.
〃 ＼:i:i、: : V⌒！: : i:i:|！
圦 ヽi:〕ｉト:ヽ | : : ｉ:ﾘハ
}: :》 }＼i: ＼Ⅵ : // ﾟ，
廴} ＼! ＞…ミ:ｲ厶==、ヽ
！ ∨ ヽ }
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ｳｪｽﾀﾝ･ｲﾝﾊﾟｸﾄ
中華の「天下」が 西 力 東 漸 の前で、無力な姿を晒す―――前代未聞というも想定外のこの事態を、当時の儒学者
はどう定義して把握したのか……？ 前作の元ネタ「失敗の中国近代史」（別宮暖朗著）によれば、以下の如しである
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿
.,'´r=英ﾐ､
i 《ﾘﾉﾊ从)〉
从(l|ﾟ ヮﾟﾉﾘ ＜ ただのアヘン商売には興味ありません。中国で自由貿易したい者は、
⊂lｊ京iつ
ぐ/_ｌ〉 英領香港ならびに広州、福州、廈門、寧波、上海に来なさい！
し'ﾉ
／￣￣￣￣＼
|) ○ ○ ○ (|
／″Hong Kong ＼
（( (( (( ／＿＿＿＿＿＿＿＿＼
￣ ＼＿＼＿_／＿／ ￣
／||
／ ::::||
／:::::::::::||＿＿＿＿
|:::::::::::::::|| ||
|:::::::::::::::||│ ／ ||
|:::::::::::::::||￣＼ ||
|:::::::::::::::|| 三）─ .||
|:::::::::::::::||＿／ ||
|:::::::::::::::||│ ＼ || γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
|:::::::::::::::||∧ ∧ || ｜ 天下が、「天下の外」に負けたのコト―――. |
|:::::::::::::::|| ⌒ヽ. || 乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
|:::::::::::::::||∧ ∧ i . ||
|:::::::::::::::|| ⌒ヽ... ||
|:::::::::::::::|| 三 i .||
|:::::::::::::::||,,／＼」......||
＼:::::::::::||￣￣￣￣
＼ ::::|| 三三
＼|| 三
⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ
○
о
｡
＿＿＿__
, ＜" ﾞ .ヽ､
, イ , , , , ﾞヽ、
,.ｲ ／ ,.ｲ ,.ｲ ∧ 、 ヽ、
/ ,ｲ ,ｲ / ./i! ', ヽ ヽ ヽ
// / / ./ ,' i! ', ヽ .ヽ ﾞ,
.// / / / / i! ', ､ ヽ ヽ ',
/ ,' .,' / / ./ i! ', ヽ ヽ, ､ ヽ.i
/ ,' .,' ! / ', .,'イ ! ヽ､＿ ヽ ヽ ﾞヽ,ヽ いじましくも、興味深い表現だ。忽然と現れた絶対的支配者を、
,' ! ! ! i " ! ! ﾞ ヽヽヾ､ヽヽ .ヾ、 ヽ、
,' ! ! ! !､イ示ヽ､ , イ千示ヾ,､ヽヽ i 「天下」の経験知では理解できないこの恐怖。即ち是「天下の外」
i i .,'i ! ∧. 弋;汐 弋zz汐 .,〈ヽヽヽ i
! i ! i /ヾ, ::::::::: , ::::::::::::::/イiヽ.!i '､i
!.! ! ! / .∧.""" """,ｲ i ! i ! 中華から「天下」思想を輸入した日本人にも、胸が痛む話や
ﾘ !i i / i .ヽ、 - - .／ .! i ', i !
/ /,ｲ ,' i i＞､ , イ､ ! ! i ', ! i
/ ,ｲ i ,' ! !"く! .＞ ＜ , イ .i! i i ', ',',
/ｲ ! ,' i,,, ノ ￣!ﾞ! !ﾞi ヽ_! i ', ',',
/ / .,'.＞''".//ヾ,､ ,' ∨ i , イ, イ!｀i 、 .', ',',
,ｲ / ,イ // ヾヽ, イiﾆ!ヽ",イ .i i ! ＞ ､ ',',
r──────────────────────
│
│ 日本人が「胸が痛くなる」？ 笑わせるな！
│
└──────────ｙ──────────
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r‐-ミ::::: ＼
:::::::::::::::::::::::＼￣￣￣ |＼{＼＼＿＿＿＿
::::::::::::＼￣￣ | ｀`∨:::::::::::::::::＼
::::::::::::＿〉 .| 〈￣＼::::::::::∧
:::::::::: フ l , ∨/::/∧
:::::::::/ ,. ∨::/::∧
::::: / | ∨:/::::::,
::::::| -------ミ ｜ |:::::::::::|
:::: | --＼:::＼＿_ }. | |:::::::::::|
＼| 斗---rr:::::::::ノノ ｨ |:::::::::::|
＼ ﾘ ￣ /ﾉ |:::::::::::|
::〈 ミ=- ,,__, /｛. |:::::::::::|
::「 三三 ∨ |:::::::::::|
ノ ∨. |:::::::::::|
＿ ∨ |:::::::::::|
| _ ノ |:::::::::/
| ´ |::::::/
__,,.. -- / |:::/
＼ / .|/
≧=- |
ニニニニ 〕iト / |
￣￣＼二ニ}{ニ〕iト ..,,＿__/
/////｜ニﾆ}{ニニニニ{
/////｜二ﾆ}{ニニニニ{￣＼
, '" ￣ ｀ヽ
/／ ＾ヽ ',
.///f / j ヽ ﾍ !
ノｲl | ﾚﾄ'Vハ斗ﾄ､_＞
lﾊj | ○ ○ |ﾚV
ﾉ火ヽ"V￣}"/ﾞ) { おっと、その声は？
// 匸 }>示iくこ八
.// ! / /《小.》｢｀ヽ ヽ
V{ !ヽノ {： ﾄ-ｲｉ }
ﾚl∧く 人__j /八/
／ ｀7´/ l |'´
.`‐r＜/＿_!｣
| / /
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
＜1895年＞
,イ ゝ > 〈llll├/-'==-=__ /
' l /´ﾊ /ヾﾍll / 'ｨ' 'ｨ ミ ､ 'フ ヽ､_,人_,ノ､_,从,人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1
' 人`}l ヾﾍll/!/ ／三= ﾐ 彡... ）
/´ ヽﾑ ィ' ´ Vill _三 ,ｲ ‐=､´ 下関条約には断固、反対する！
l ・ 〉ﾍ::l ・ ﾉN／ﾊ /===z ）
iト= ｲ/〉ミミ ､-彡'ﾉｨﾑ/ }`==三,... ） 挙人（科挙の受験生）１３００人と共に、「公車上書」を天朝に奉る！
!l i ' ` =--､`＝, /::::l::::::ﾉ ,=＝ ）
`ll l´' ￣ `! l/::://l/:::￣ﾉ ll... , '⌒r‐v'ヽｨ'⌒Ｙｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙ
lll l z__ !l./::/彡 ﾍ::::／ｲ ll
! ゞ'´ ﾉll l /彡 ／ '彡`ｿ
, zィ´l ｽ￣ l ﾑ/-'￣ /::::l /' }}
彡／ Lミ三彡ﾚ 7::ノ / /
彡'／ `ミ＝'´ ∠ .／ .／
梁啓超（1873－1929）
（演者：ロシウ・アダイ ＠天元突破グレンラガン）
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
１８９５年。清朝は日清戦争で、なじみ深くも（勝手に）蔑視していた「小日本」に完敗―――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
／／ /／ / ／ ＿_ ヽヽ
/ / 〃-― ､ヽl_/／￣ ヽ ヾ:', /l 「西欧列強は知らず、小日本なら楽勝」だった筈！
!/ ,'/´,ニﾐｰ'ヾ 〈_ -ﾟ=≦三´ ':::'. _ 〃::!
l. / ｡）｢ ､ u V ヽ:::::{
',l..__.／' ``, '' ￣ ｀ヽ ヽ ｲ` 〉:::´::ﾌ 皇帝は自らを罰する諭を発し北京を棄て、国が
i , ' _ ,, -､＿_ゝ ､/ /:::::::/
r!u ｨ' ,, ィ:.'l::::::::::::::::::l:.:.:.', ﾄノー―－= ､ 焦土になり敗北しようとも、講和を拒否せよ！
ﾄl ヽ`¨:.:.:.:.; ｧ―--- ┴､:.} ﾊ/ l ／ ` ､
, -‐ ヾ､ ';.:.:.／: : : : : : : : : : :V .// ! ./ ,ゝ､
, ＜ `ヽ !:.(_,, -_‐二二`ヽ.ノ .// ,' ヽ , ,' ｨ ／
, ヘ､＿ ／＿＿__ lヽ `ｰ ''ﾆ...__ ￣ .／/ ! ヽ ／, ' ／
￣￣¨`´ ､ ￣ ', ヽ. ／.／ ,ｲ ` ./ /
｀`ヽ ヽ ヽ､＿___,, ＜, ' / l ヽ/
` ､ ､_＞ '´ ／' ,' /
¨ '' ‐- ..... ' / ,'
∧
ﾊｵ
＼ 好ーーーーーーーッ！！／
∧＿∧∧＿∧ ∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧
（ ） （ ） （ ） ）
∧＿∧∧＿∧∧＿∧ ∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧
（ ） （ ） （ ） （ ）
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
＜:::::::::::::::::::::::::::
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/::::::::::/::::/:::,::ｲ:l::::l::::l:::::::::::::ﾍ
,ｲ::::/::::/::::/:::/ |:l::::|::::|::::::ヽ::::::: さよう。中国人のいじましい合理化は、彼らの「天下」設定
| |::::|:::::|::::z孑''u. |ﾍﾞ≧ﾄ､::::::::ﾊ:::::
| |::::|:::::|/zzzzzz zzzzzﾞヽ::::ﾊ::::} では「東海にうかぶ粟国（小国）」ポジションにすぎなかった
| |::::|::::从 乂ｿ 乂ｿ ,〉）ヽ:|:::l
人人::ﾍ:::|／／／／／／l'::::::ｿ::::| 日本に惨敗することで、決定的に破綻してしまう
ｰ=ﾆ~::ｲ弋ﾍﾍ:::＼ ⊂ﾆつ uノ::l川川::::|
______ノ /::::::_r,､__.....l＞､ ＜´ :::ゞ:〈 :|
＜1894年9月17日・黄海海戦にて＞
~~~~
_ｨ†N==ｭ_ ~~~
/互巫乢/"/L ~~
Lｪｪｪｪｪｲ"/L｜彡~ ＜ おーい中国艦「済遠」「広甲」、負けを認めたなら降服せいや
｢[･ω･`]ｲL/｜彡
∥￣￣￣７/ /彡 君ら、19世紀以降の海戦では前代未聞の敵前逃亡だよ？ 国恥もんだよ？
∥＝＝＝／ /彡
`ミ＼j＿／ ／彡
ミヽ＿_／彡
////
丗丗丗_n/L //
∠]_[∠／|ﾆﾄ┐
[｀ハ`；|]／／/ ＿人人人人人人人人人人人人人人人人人人＿
_L三三三L／ / ＞ 三十六計、逃げるにしかずのコト！ ＜
／/＝＝＝／ / . ￣Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ￣
∠_/＿＿_／ ／彡
＼ ψ ／彡
ミ＼＿＿_彡彡
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
/:.:/ |:.:.:/ u. || ＼:.:.:.:.:|
/:.:.,' |:.:／/ u. | ＼:.:.:.:|
./:.:.,' .|:.:.:/ u. |:.:.:/
/:.:.:,' .|:./ -=三ミｪ ﾉ ｪ彡气ミｪ |:./ ( そうだ……われら中華の士は、現実を直視
,':.:.:.,' /⌒|/ ＿＿夊入zl 〈 z少ォﾒ＿＿_ . |/⌒ヽ
｛:.:.:.l |ｨ丶| ｲ (::O::)ヽ .| 弋 イ(::O::) `, | /⌒ | する勇気が無かっただけなのだ―――）
';.:.:.|. |ー｀| ﾐ､ _＿_ ｫ .｝ ､ _＿__ ｨ .|/ヽ､/|
';.:.:l .|へﾊ 三二ニ ミ三二彡 .|ヽー､l
';:.:l .|(〈 | u. | | 〉 / |
';:.| .ヽ＼| |ｨｯ .| -‐'' /
';:l . ＼_| ヽ ｨ u. |ー‐ '′
l:| | u. |
l:| .ハ ＿＿＿＿＿ ﾉ
.l:| ／＼ ′ ヽ ／
l:| .／:.:.:.:.:.:.ヽ ￣` ／|
l| ／:.:.:.:.／(￣|＼ ／ |｀ヽ
／:.:.:.:.:.:.:| ヽ､|. ＼ .／ |ｨ |
.ｲ:.:.:.:.:.:.:.:.:.| ヽ. ＼ ／ ┌‐''´. |
i､ ,ノ,l.r''_,.L.ィ.＿,
､l :iｲ '" '_,. " ;:／ 「西太后は、最期まで清朝が受けた屈辱を自覚できなかった
i, :_,;'∠､;_ ,. - ; :.｀`':､._
,,..-‐- ..、 ,ﾉﾆ-ぅ'`-､''Yヾ ::: .:､'"´
l: 紅: ::;i:l::;;v､ {Ξ=三' ﾉ､ｨ,',i､ ､ ヾ､ 『洋鬼子がいくら暴行略奪しても、いずれ文明世界の圏外に
l: 茶: ::;i:l` ,ゝ,`､ t=Ξ='‐くノ';;k'ﾞヽ,i ､ゝ
l: : ::;i:lr`.くﾞ' ヽ '-i._,,... ,ｼ 'ゝ,N` 去るだろう。シナは元通りの姿になる』と、楽観していた」
ヽﾆ二ニｿt-ﾆri, ,' ﾞ'i.,,,.／,.r‐''",.r->､..,,,＿
`､. - i ,.i"入 ／'/',.'',r',r';='´゛''ｰ ､
i´i'ー'"l ,.r,'ﾞ/｀i' >,'/././ /./,r' ヽ （中山理訳『完訳・紫禁城の黄昏』第４章より）
i)i l、 ,/','// ,ｉ /,.',' /./,.' // l
/ ,'ﾞ'''''' ヽ ,r'/,'.,'/ i/ ,'.,' ,'./././ ﾚ l
l i'r''" ,',',','i' /' ,' ,' ,'.,' ,' ,'r'ﾞ ,'
', l'`ｰ､ｉi'i i.l /,'.,' ,' ,'.,'./ ,i'ﾞ ,ノ
l i'ﾞｉ l.i.i.i.il /,'.,' ,' ,'.,'.,'.r'-,､ /
l ,' l.i.,'i l,/,' ,' ,' i i_ﾑr'~~ﾞ`ヾ､-.、 /
`ｰ-r‐''" l : ,./
Ｒ．Ｆ．ジョンストン（1874－1938）
エディンバラ出身。宣統帝 溥儀の家庭教師。「紫禁城の黄昏」の著者
（演者：ゴドー ＠逆転裁判）
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
/:.:.:.／ ';.:il:.:／ ´ ´ ￣＜:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
,':.:/〈 l l ヽ'′ ｀ミ:.:.:.:.:.:.:.:.:|
,':.:,' .ヽ!-ｧ､. ', ヾ:.:.:.:.:.:.:.|
/:.:,' .／／ / i ＿＿_ ';.:.:/ ｀ヽ
. /:.:./´／ .／ /`i l /z≦∠´￣｀` .V/´｀ .} （この期におよんで己をあざむく余裕など、我らには無い……）
/:.:.:,' / ,ｲ／ / .ﾑ ' ' ´z''マフ` iiliiiili ﾌ //、
. /:.:.:.:l/ /./ ,ｲ iｰ l ｀` `ー ′ .ﾚ' /:.:.:ヽ.
{:.:.:.:.:l '`′ ハ l l ┌ベ、:.:.:.:ﾊ
. ';.:.:.:.l ﾊ { 〈 _ / lヽ:.:.:.:|
. ';.:.l:.! l ヽ､_.ﾄ、 `＿__ / ﾚ |:.:./
. ';.:N ! ヽ. ｰ ` ／ ／ /V
r‐X! l , ゝ、 , ' ／ / ヽ_
/ 〈 ﾉ , ィ ´ ／:.:`Zヽ´ ／ ｆ ハ / ト､
――――――――――――――――――――――――――――
この時こそ、華夷序列を含む「天下」なる観念上の宇宙が―――
――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
実はとっくにガラガラポンしていたことを、中国人が自覚できた瞬間だった―――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
;;;;;;//:, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, /＼/＼:::::＼/＼ /〉 |｡o≦////ア´ ,.ィ升//＞'´
;;;;//:, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, /､: : ＼/＼:::::＼/＼// ∨ﾍ//ア´,.ィ升//,＞'´,.ｨi「///
;;//:, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :, :,＿:,_/ ＼: : :＼/＼::::::＼// 「//ア´,.ィ升//＞'´,.ｨi「///＞'´
//:, :, :, :, _:,.､‐ァ==ミ:, :, :, :, :, :,:,:,:/;;;;;;;/ヽ＼/＼: : :＼/＼::::::/ ∨ィ升//＞'´,.ｨi「////＞'´,.ィ
-= ￣: : ／､ ＼:, :, :, :, :, :/;;;;;;/;;;;;;;;〉: ＼/＼: : :＼/::/ ∨/＞'´｡si〔////＞'ﾞ,.ィ升//
: : : : : : :／///,＼ ＼＿＿ノ圭/三二ヽ: ::＼/＼: : : :/ヽ ｡∨｡ｏ个//,＞''´,.ィ升//,＞'
: : : : :／:, :＼///＼ ＼}圭圭/〉三二ﾆﾐs｡: :＼/＼:/|＼＼ ／,｡o∨//＞''´。s个//＞'´ィ升
: : :／＼:, :, :＼///＼ {圭圭/三三三三/＼: :＼/〉|＼＼＼ ／｡oﾑ＞∨｡o≦///＞'´｡s升//＞
／////,＼ :, :, ＼///＼ }圭圭圭彡'´￣｀'寸/,＼ 〈::|＼＼＼| ∨彡ﾑ｡o ∨//＞''´｡oi〔//＞''´｡o
｀'巛///,'＼:, :, ＼///∨;;;;;;;;/ ＜//ミs｡ `'寸/7//:|＼＼＼|. ∨｡oﾑ::＞∨｡o≦///＞'´｡o个//
ﾟ。 :, ＼////＼ :, :, ＼//ヾ: :/ s｡:, `'＜//,ﾐs｡ ｀':://::|＼＼＼| ∨彡ﾑ｡o ∨//＞''´,.｡s个///＞'
/ﾑ :, : `寸////≧=---＼:: :/ //,≧s｡:, :,`'＜//＞,//ﾆ|＼＼＼|. /lﾆY｡oﾑﾏ＞∨｡s≦////＞''´,.｡s
'//,>､ :, : 寸////ﾏ三三/ :,/ ｀`＜//≧s｡:, :,`'＜//ﾆ::|＼＼,N __ | |ﾆi|彡´,.｡t≦∨///＞''´｡o≦///
////,＼:, :, `弌//ﾑ＼_/ / / : : ｀`'＜//≧s｡ /∠つ三ミs｡ｿ |:::|￣| ＿_ _|_|,｡+'" ,.ィ㌻ ∨｡o≦/////＞''"´
￣ﾏミh｡ .; :｀ﾏ/ﾑ / / :, :, :, :, :, ｀`''＜// /圭圭彡ク￣ |｀ﾞ`'ｫ'´|:|:|:| ／Ｖ∧ ,,.ィ㌻ ,.ィ㌻.:∨///＞''"＿: : :
∨//ﾐh｡ ﾏ/,〉 ／￣ヾ≧s｡ :, :, :, :｀`::/=ニ二三:{:::: : |::|ニ|= |ニニニニｉ|//,|V∧㌻,.ィ㌻,.ィ㌻.∨'" ／/ヽ'"
厂＿￣_..::: ∨/;;:;:;:. ｀Y///≧s｡: : :,/ ＿ -=ﾑ:::: |::|ニ|=::|ニニニニ |//,| V∧㌻ ,.ィ㌻ ィ㌻V＞''":;:;:/ ＼
,.｡i〔;;;;／:;: `ヽ//;;:;:;:;:;:::. ヽ￣＼//≧s｡/三三二ﾆ=─::Ⅵ::|ニ|=:ｉ|ニニニﾆ:: |//,|=:V∧ィ㌻,.ィ㌻.｡s(:;:;:;:;::::.:...{ ／
／;;;;;;;;;/:;:;: : . }:;:;:;:;:;::::.:.′ |:::. `ーr‐く⌒ヽ ＼/; ＿＿/_/ニ|==|二二二二:|//,|＝V∧,.ィ㌻ /:::::|＼:;:;:;:;:;:;:;＼
___/;;;;;;;;;;;;;/:;:;:: : . /:;:;:;:;:;:::::ﾉ ﾉi;;;,,,,,}__ﾉ };;;;ﾊ `く＿＿彡__:＞-┴＜__彡-=ﾆ／ ／⌒ヽー- |::::::|／⌒＼:;:;:;:;:;＼
:.;:.;:.;:.;:.;:.;/-_-_-_-_-_-_-_-_≧s｡__彡久-_-_-_-_-_=──=彡-_-_-_'´:, :, :, :,-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_=≦-_-_-_-_-_-_-_-_
-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_ :, :, :, :, :, :, :, :, :, -_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_
＜STEP1＞
┏━━━━┓
┃ ∧＿∧ ┃
┃（ ´∀｀） ┃
┃ 北狄 ┃
┏━━━━━╋━━━━╋━━━━━┓
┃ ┃ ∧∧ ┃ ┃
┃ ∧∧ ┃／ 中＼ ┃ ∧＿∧ ┃ ∧＿∧
┃ (,,ﾟДﾟ) . ┃（ ｀ハ´） ┃..<ヽ｀∀´>. ┃ (´・ω・｀)
┃ 西 戎 ┃ 中華 ┃ 東夷 ┃ 小日本
┗━━━━━╋━━━━╋━━━━━┛
┃ ㍊㍊㍊ ┃
┃ ㍊㍊㍊ ┃
┃（ ´∀｀） ┃
┃ 南蛮 ┃
┗━━━━┛
∧∧
／ 清＼ 。 ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
（, ｀ハ´） ／ | 世界は中華帝国を中心とした │
（＿|] ： |]つ ＜ 朕の国アル！朝貢するアル！ |
|＿__,：__| .＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
. （＿_）＿）
===================================================================
＜STEP2＞
ｱｲﾔ！白人のダンナ様！
お許し下さいｱﾙ！ ＿＿
∧∧ |英〓|
／清 ；＼ ━━━━ お為ごかしで英国の資産に手を付けやがって、
；;;；;、（｀ハ(:;(⊂＝⊂≡ ＜_ﾟ ＃ 三
(っΣ⊂≡⊂＝ ⊂≡ ⊂) このウソツキ民族がッ!!!!
/ ) ﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ ( ＼
( /￣∪ ∪￣＼ )
===================================================================
＜STEP3＞
＿＿＿__ 見えないアルヨ
|| | ∨
|| 現実∧_∧ ／清＼
|| ＼( ･∀･) (｀ハ●)
||￣￣⊂ ) ( と)
. 凵 し`Ｊ U U
∧
／￣￣￣ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
| だからさー。「英夷」が大英帝国であるように、「倭人の小日本」も大日本帝国なの…… |
| |
| おれらも列強とおなじ文明国なの。そんなわけで、下関条約よろしくな！ |
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
_... ―‐-..､__
,.ｨ'´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ
／::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
/:.:.:.:.:.:,ﾍヘl＼／l/l／ﾌ:.:.:.∧ （『小日本＝列強』が成立するなら……『西欧列強＝天下の外』なる式は、欺瞞だ
|:.:.:.:.:.ｩ <:.:.:.:.:.|
{:.:.:.:./ u. Y:.:.:.} ＳＴＥＰ１の前提も、成立しない―――天朝の華夷序列は、幻想だったのだ！）
.|:.:.:.:| |:.:.:.|
.ﾊ|:.:.:.ｉ ヘﾐ≧ｪ ｬ彡ｱﾍ |:.:ハ
ｉﾍ|:.:.:.l y‐tヶｫ ｨ‐ｔヶｫ |/ヘ.ｉ
乂ﾍ:∧ `ー‐′ `ー‐′|_ノ /
゛∧丶 | |ー'′
/:.∧ ＼ ヽ ‐ /
＿＿
, ‐ ´ ｀ヽ
／..:／.:/ .;ｲ :. :.丶.:.: ＼ ……ちょっと忙しく脱線してしまったが、帝国主義の時代に
〃:.:./ .:./:.:/小:.: ',:.:.ヽ:.:.:. ',
l:{.:./ .:./-‐:! l ヽ:.‐-:.:.:.＼:.:.! 西欧が非西欧にもたらした、近代という脅威の本質は―――
ｉ:}:ﾊ .:7ｨ=ﾐj:ハ >=ミヽ:.:ﾍヾ、
､_メ!.:i.:.ﾊ r'_;j r'_;j ∧:.:}:.fヾ
乂;ｲ.:.∧ /ｲ V:.:.| ﾘ じつに非西欧社会の“宗教的世界観”の、駆逐にこそあった！
_／ j/_:ﾉ:.介 .、 ° ,イ:.l:|:..|:.:.:.!
´/:.:,':.:.:j:|:ﾉｰf夭‐ﾍ :j:|:.:ｌ:.:.:.:!
/.:.;ィ7´ｌ:|＼/ﾑﾍ／｀l:| ｀ヽ.:.:i
,. -――‐-- ､
ヽ (´ ￣￣｀`丶`ヽ、
ヾ=-,. ---- ､ ｀丶ヽ、
_／ ｀ヽ='-' ∧
／´/ //ﾊｌ､ l l l⌒ヾ-'､ この辺の主張は、以前ご紹介したパンカジ・ミシュラ著
/ィ f l ｨTﾄ ,lｨTTﾄ! l ! ＼l _
/ ／,l Vlr;=､ ,ｨ=､l ! ﾄ､ヽ ヽY_,＞､ 「アジア再興」の流れだね（※2016年4月投下分）
r‐､ﾚ'／/lヽﾄ ﾋﾘ, ﾋｿ} /)'lハﾉ ﾘ-､ ||
ヽヽ'ヽ ﾘ! |`ﾄ､ ワ _//ｲｲ|‐' ∨ ヽ-ヽjl
/{`ヽ〉 Y´!l l∠ﾆ了´ｲ/‐'､'ヽヽ r┴-〃 ちなみにムスリムの史家も以下の通りで、明らかに認識は共通してる
〃〈ﾆヾノ ! ﾊl＞ｲ/ハｲ'／´ ﾄ､ヽヽ'jﾞT〃
〃 ,lフ´ l,ﾙ'イ〃'´ｿ´! ､ !' ヽヽ〃
|| >、 l/ 〃{{､/ /l! ﾞ|ﾆﾌ `〃＞
｀ / ﾄ､ /ハヾ |ヽ〉 { || ! 〃|
l! ＼ ｿ {_} |ト! o `ﾊ l l |l !
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
┃ ┃
┃ 「１８世紀も末になると、ムスリムは自分たちがヨーロッパに征服されていると思い知り、恐怖にかられ始めた……...┃
┃ ┃
┃ 虐待されず、統治されてさえいないのに、都市でも村でも家庭でも、生活のあらゆる面で外国人に従属していた」 ..┃
┃ ┃
┃ ┃
┃＜タミム・アンサーリー著 小沢千重子訳：「イスラームから見た『世界史』」第13章「改革運動」の項より編集引用＞ ┃
┃ ┃
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
脱線ついでの蛇足だが、三つ子の魂なんとやら。中共の（痛い形での）先祖返りが止まらない
1987年、「解放軍報」掲載論文で「戦略的辺境論」なる主張を提起したが、どう見ても「天下」です本当にry
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
, ＜ヾ7,,、
／ミミﾐﾐ}}}ソゝ、
/彡/ヾ:::::ﾞﾞﾞf ｧヽ彡 「戦略的辺境」は領土・領海・領空に制約されず、総合国力の増減
／彡' -ｯ__ﾌ:::f__,,,、}ミ、
f{{（）ﾞj__.f::::::),--{:::::ヾ{彡ﾐ によって伸縮する。地理的国境から外に出て「戦略的国境」を長期
ヾ--'f{ ｀¨´, l.lヾ‐'ﾞゞ-‐'
ヾ_-tヽ, ' ヾﾆ'｀ jｿﾉ にわたり支配すれば、「地理的国境」を拡大することが出来る！
__,.}-, l ', ´三三｀ /f´ _
ｆf //ﾞl lミヽ ::::: ｀/ｿlｿ,ﾞﾍ
l {{（ﾞi .l lミミヽ＿＿/彡l /l l}
_,l l l l ﾄ、ｌミ,r--‐‐v---_l'_} j {
,--τ// /j_ヾlﾐ{ rr j ヾﾞ ヽlヽ ヽ
. ｧ‐ｽ‐'´¨ヽヽ ヽ__／￣jﾌlミ、て ''}ヽ｀ , }、 ヽ__}ヽ_ _
//彡',l l l l l.l ll ｀´l _,／ ﾍミ｀ ｧ--'jヽ--'l ヽヽll lll l ll ;ヽ__
三略研究院高級顧問 少将（1987年当時）・徐光裕
（演者：ロベスピエール ＠ナポレオンby長谷川哲也）
===================================================================
, ' '´￣ ヽ ヽ
／／ _ .. .:-‐ ─ .._ ) )
( ( , '´ '´ <,
＿＿＿ ,
.,. ＜ ｀} ,／ ／}. ,. .| ＼
／／ ｲ .メ､_＿∠:'/ / } }＼ ヽ
/ / , , '::| ,≫≠ｘ /ノ |八__ヽ|_ .}ヾ､ なるほど。それで21世紀現在、南シナ海を絶賛埋め立て
/ ／′ ,' / |::| 〃｡z:=､ '’ / ,zzx.|､ .} } ｀ ､
ﾞ´ .i , | / .|::| {{ {心::::} .r=｡､'}} } /} } <￣ ―――って、そういうの良いから！ 本題に戻ろうよ！
.| , ' l ./ /:/ ⊂_ゞ-‐’､. {じ::}} |!ﾉ .,:1 !/ ＼
{ / ,' i｜ ,ム'| |ヽヽヽヽヽヽ ﾟ-‐'⊃}.ノ .| |:| 丶＼
', /.| ! ',|./{ ,|l .| ／￣｀ヽ､..＿. ヽヽ/} i .|!:| }＼}￣
∧ { }'| i:::|ﾞ , | .l v' ヽ) ,.' .|/|::| / もともと、日本の「天下」の話でしょ？
/:/ ヽ .| / {::|!. ｀! |. { ／ ／| | }|::|/
. /:/ V' |::|}／⌒ヽ-｡. _ ‐--‐ ´ ,.イi .| /|/|::|
/:/ |／ }ヽ＼ 7 -i‐へ,/ | |／ |::|
:/ ,' {.ﾞヽ／>､ ヽ／>､ L_」 |::|
/ ､ γ へ< Y ヽ ./:/
,{ ＼. 〈 ヽヽ } } /:/
|! ヽ_ ヽ く └ /┐ | /_/
|! ー/〈〉丶 }ヽー }｜ L_
,i'y ／ ＼ /} } ／ | /
/ V ゝ､ ＼/ /､}/ 〉 〈
〈. V ／ ヽ /､＿ ノ .＿',
}. V ＼＿/＼ )
＿＿
＿__,. ＜ ＞ 、
／_, ／ ／ ｨ ﾊ ヽ ､fj＝ミ ……って、あれ？
. ≠フ. /ｨ / ./// j/ ', ﾄ, ', ﾟ , ヽ＼
-=彡' 〃 l , /ﾚ'r匕 ト-V∨ ∨ .∧ヾ、
_／=‐ｨ>' ∨}' ◯ ◯ }l ﾄ,',、 ', そういえば日本のアレンジ版「天下」は結局、どこでどうなった？
／>' ! , /| ,,,, ,,,, ﾘ|/ |Ⅵﾍ｜
. ／, ' |ﾊ i {.ﾄ､ ,. ィi| ,' ',ﾊ j 幕末も攘夷攘夷というわりに、下関戦争も薩英戦争も、野党兼
∨ //.Ⅵ ,r≠≧=号＝≦ﾚﾚ' j/|:i ',ﾊ
. // ヾ,'::{:::::::}==大==}___,.r-､ Ll |::| 地方自治体のやんちゃで終わっているような……
|:| {:: i::::::::∨/|l＞i´ Y{ } |:」
ヽ_,. ィ:::::::i:::::::::::￣:i:::::| ./∧ｲ
,. ＜:::::::::::::::::∨:::::::::::::::::::}':____j'
. ／:::::::::::::::::::::::／-≧====y'
＿ ＿ ＿__ っ っ つ
´ ｀ヽ、 っ っ
／ ＼ヽ＼ それがその……もともと、借り物思想だったとはいえ……「清朝の天下」
, ' ＼.､ﾊ
. / ｌ { : .＼: .＼＼ ｀ｰ廴_ が英国に負けると、征夷大将軍は「天下の主」である事を都合よく失念。
. ,′ / .八!＼ﾄ､斗匕￣ヽ､ ＼＼
ｌ ｌ | {.ﾄ､＼ ＼ ,ｨ斗ｪ=ﾐｧ ､_ヾ: . ﾊ ヽ 天下様の義務（攘夷）を尻込みした為、「天下」は自動的にフェードアウト
| ! || .ｨＴ弋, ＼ ﾞＶｭ:::::;Ｙ´り: ﾊ :.ﾘ ）~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
. !.! |l i| ｀辷ツ !Ｙ. ; :jノ
.l ﾊ ､ : :小 /⌒ :::: ﾉ:.ﾊ: : ; :＼ その代わりに幕府は開国交渉を通して、主権国政府の前身となるのです
. 乂 ﾊﾊ. : :l;ﾍ、::: ｀- ' ／Ｖ: :ﾊ : ; : : ＼ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ノ ﾉﾉ}: :ﾘ : i:｀::ー―､‐', ィ´⌒Ｖ:廴.; :ヾ: :＼
ﾉ.:/. : .!: i : i ::「 Ｖ ﾍ ,ｨ》ー‐'i⌒＼ : ＼
. ／イ: : : ｨT! ￣く≫|ｉ }≪／ lｌ.| 〉 : : '.,
. ,!: /´ Ｖ《 l二ﾆ{_}ﾆコ ll | ／ }＼: :ﾊ
,′{ ＼ Ｖ《 |_/ |＼_| 》/ / .|: : .:, :ﾊ
,′:.| ＹＶ《 // | Ｖ 》/ ! !＼:ﾊ: ﾊ
. /: : :∧ !. Ｖ《// ! Ｖ .》/ | ｜: ﾊ:ﾊ: |
ヽ | |,' |::::|::::|｀ﾄ! ''' "´ ､ ﾊ|::::.::i ! `''ｰ‐ だがよく考えてみると どこかおかしい―――
ｉ |::::|::::l::::|ﾄ､ /:::|:::::::| ヽ
ﾊ:: l: ::|::::|::::iﾊ ＼ ´ ｀ .イ:|!:::ﾊ:::::|
∧: !::::i:,.-､｢|∧ ＞ ､ _,. ＜:i::|:::|:::::.ﾍ:::ﾍ 幕府が己の“天下”に、自信を無くしたにしろ。さりとて
/::::: _厶イ .／ |:.:.|` ｰ-L＞､:::::::|::|:::|:::::::::.`iｰ＼ ﾛｼﾞｯｸ
. /＞＜ ＼ ﾍ. i:.:.i ,'!ﾊ| `＜ｭ」::|::::::::.:.∧ `ｰ 西欧の世界観を正確に理解して信頼関係を結べるか
. ,ｲ-― ､` ､＼ ヽ|,ｲ /_||__〉 ﾊ｀ヽ :::::.:.:.∧
/ :: :: :: :: ＼ ＼`'''" `''ｰ-ｲ＞=＜ヽ | !:: ﾍ:::::.:.:.∧ といえば それはまったく、別問題のはず……
,i :: :: :: :: :: :: :＼ ＼ く／,' ﾊ ﾄ､＼ ｀ | |:: :: }:::::::.:.:.ﾍ ~~~~~~~
. /:| ／￣＼:: :: :/:ヽ ヽ // ,':: ﾍヽ ) | |:: :/!:::::∧::.:.ﾍ
/::::| :: :: :: :: :ヽ::/:: :: ﾍ ﾍ く/ /:: ::.∧. | |,ｲ/:::::::::::ﾍ:::.:.ヽ
八:/: :八 .:.:.:.: ' .:.:.:.:./f'′ｊﾉ: | 「西欧列強のロジック」をどう定義するかは人それぞれかもに
_／ /: :/; :个 . 丶 ,.イ.:l: : : : : :|
_厶イ: : : |: :rく≧-≦ﾟ┐! :|: : : : : :. せよ。一つだけ、どうしても外せない要素がある。それは……
/: /: : :rl:|爪 f{ f{ 爪l:|､:_: : : : .
. /: 厶-‐八l ＞'宍'＜⌒^l:|＼ ｀ヽ: :.
/: :f{ / | く／:介:＼ > l:| } /}: |
/ : /| ＼' :| ／ﾚ lﾚﾍ :{ ; / ；.:|
/ : //| ; :|/ l| ﾟ. .; ｆ |: :.
/ : //: | ｉ｜ , |. l| 丶 l l |: : ＼=‐- ミ
. ,./ : //: : | |└' ! ol|. |＼| i| '|: : : : 丶 ＼
. ／/ : //: : /| | / ; =ﾆ|ﾆ= | ;!､ |/ |､: : : : : :＼ ＼
〃 / ／/: ／/| |′ v|i l| | /; ﾒ |: ＼ : : : : : ＼ ）
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
その源流はウェストファリア体制であり、さらにこの体制は、「三十年戦争の申し子」という性格を帯びており―――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＜1631年5月20日・マクデブルク＞
.＼ ﾞl ｌ .、│ . ｌ 〉へ::.:/ﾇ/〉 l /
｀''″ﾞヽ 廴） .ヽ /'个ｙ´￣Lﾑ、 . │ /
ｌ ! ﾉ⌒i 廴 ノ| |:.'.;| [] . :::.ヒ! .│ {
l ...ｌ .!. ._.、 そ lﾞ .lﾞ |;'.:.| . : : : :ﾛ.::|. ﾉ ｲ ilﾞ ノ/
! ヽ|../:/＼..ヽ ! .,! |.:::;|.: :.: :.:.::.:.::.:|. ./ し' { ,ﾉ./
┌个┐| | .:_|＿＿＿. .i | .ｌ,〃 |_.' |.::.:..:.[]::.:.::.:| ｀Y ｌ ／./
| .:|...:|/:/...:.:|..: : : : : :.:｀L..r─┬i. / て.ﾄ､ ...//| |.: :.: :.:.:.:.:..::| } .| ﾉ ./
＼ | └┴┬i::::|==========|: : ://__.... .l. ノ （.rr┴' | |.:.::.[]:.:: : : :|./ / .ヽ, .／ ./
:::...>、 .|[]..::[]. 〈〈::::|::::::[]::::.:.:[]..r､.､ , `Y |.]:]:: : | | :.:: ::..::.::.:::.|. ┌::､ ...../〉..／ { /
‐く.:〈 ,、 |. : : : :.: :＼:|:::::::::::::::::::::/. ,ﾉ） : :〉〉 .!.| 人.:: : :| | : :.::.::.:::..::.:|-┘:::L、r‐//┐ ,、.廴ｨ
.: ::L└i _ .||＿ | : : : : : :、 〉.,./〉::::::;;:.｀Y´（: : :〈 ' ..,/ く、::..::.::_|:::/Tl::::;二/ﾑ、| || ＿r─. ｛
::.: :└i:| //＼| ::::ﾄ､＿_ : : :||＿'/ヽ､ ∥::..| ） ､..〉. ／ }.:./rへ/ﾚ.丿）.:>┘/ﾄ┘.//::::.｀L「|-┘ 、.ﾄyｨ
工エ::「 /〈. ::〈|-､_/::::::..＼r':.|.::[,.__,ﾉ ） ' / (＿,ﾉ） （:::::::::::::::::::::: ＼ﾉ!.＿_./ (.L:冂_|.ﾉ!. .::::::ｉr==| |.::,ﾉ）[]:}iｌ|{´
: :∠7ﾍlｺ:::|:.:..|-i_::_r√ソ＼> （. (＿,／ （＿＿） ::::::::::::::::::::::ゝ／ ,）.|＿...| ＼.==ｌ|＿..｀Y´（.─|i|l|
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
_,ノ ,,へ,_,r,=ン-ヽ ,l'' ,r-､_ヽミ ,/.
/ "-==､ 'l, i /_,,`''-､}=,ﾉ 神 なくして
(_,,､-ｰ'' ,ｭ,> ヽ、 ｀i,'l`'-`=-〈ﾐ（
'''"￣´´ ,l ._ゝ､､,｀ ヽ彡ヽ 解放のカタルシス
ヽ _,,ノ ,r" ,ｎ r )､ ,〉ミ `:、はありえねェ
＿＿ , -'"_,,,､／`- " "_ ´､,/ミ彡三ﾌノー---ー
./ -'", ,,､=ニ二ヽ'lΞメミへミー-`ヾｌ_,,
こr'" l r''" ／_ニ" -┴'/,lミ､ヾ、_,,(ヽ,l｀ｰ__
'"ヽ_,, l 'ヾ-ー‐'＜_,,, _,,r'" { /ミﾐヾ、丶` 、_,
ｯ_./ ｀ ヽヽ ,､-ー-┤!ミ''-ミ､ｷ-
｀''ー-i_, 'i, 'ヽ、 ｨ, ',l=-ﾄl'"l
､ ヽ’､ヽ (" `'' シ､ 丶＼
フーゴー・グロティウス (1583-1645)
（ 演者：範馬勇次郎 ＠バキ）
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そして三十年戦争が「西欧世界の内戦」であり、同時に 宗 教 戦 争 でもある以上……「列強のロジック」の―――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＼─|──|──|──|──|──|──|─―|――|――|――|――|―／
│ │
― その精神的バックボーンは、キリスト教だということだ――― ..―
│ │
／─|──|──|──|──|──|──|─―|――|――|――|――|―＼
〈⌒〉 ,. -､
〈＾＾〉 ｀Yﾊ 廴ノ,
癶 代 Yヘ 〈_ノ,
Lﾊ」 jﾘﾊ. { .ﾉ, ｿ＾ヽ
〈ii〉 { ′ {'"ﾞﾞ ヽ ∨＼＼
ハ │,,, , .|:〈〉 ﾍ__j_ﾊ ヽ_〉，
. / ﾊ |_ - ..′ |::.〈〉 〈〉ﾍ__〉 〈 :::::::..
,ｨ f{ |i |1_j:= f t ', {:: 〈〉 〈〉 ∨, 〈〉〈 ::::.
／::′ /| ﾉ| |i ﾊ_j:= E t ′ '/: 〈〉 〈〉 ∨, 〈〉〈〉:::..
／:::::,′ /::| E| [l ﾛ i!:= E t | ＿＿ '/: 〈〉 〈〉 ∨, 〈〉〈〉 :::..
／_.:::::::′ /.:.:| __I. ｡ ｡ ｡ I E| [l .ﾛ i!:= E t f´ ＿＿｀ヽ 〈〉 〈〉 ∨, 〈〉〈〉 ::::..
/'´/:ヽ,′ / .::::| /_∧ﾊ ﾊ ﾊ八E| [l ﾛ | = Ｅ t ﾊ'´K＾ヽ ｀ヽ) ｡o=≠Vﾆ,. 〈〉〈〉 ::::::.
/ /::::/ /⌒ヽ| / |::::||｀¨¨¨´,'| lハ [l ﾛ | ' ´ ｀ `∧乂__人／ﾍ'´ _ ∨∧ 〈〉,｡==
_,/ /::::/ ,' ＿_ ,√＾Y:::|| | | ト } [l ﾛ | '/ ＞「「＜＿ノ´乂＿==彡 ∧
/__,/::::/ ,' ＿_ .] |::::|| |Lﾘ: :辷癶ﾛ | |i 〈三三ア￣|￣ ＞s｡ :..:..|i, ∨∧
___/::::/ ,' ＿_ _j＿__|/｀`ー‐‐'〈∨:::|/:ヽ ＼: | ,ｲ__＞--＜／ ＼ : : : :|ｉ, ∨
__/::::/ /〉 ,' ＿‐‐ /〉 〕＿__|' :::/＾ii⌒| ∨〕 | : ::|:|＾|::| /| { √∨ヘ∨／ヽ ハ : : : |i. ∨
_/::::/､ // _' ＿‐‐ // j{ 7＿__|i::: :ハ||ハ| |￣ト _|:|: |::| |/ ) {＼八＞ ○ ＜ﾊ／ 〈￣￣｀ヽ､. ∨
/:::/::::::｀¨¨〈／ ──‐ニ_ ,j{ _]______|i::::::辻||辻| |⌒|竺〔|i: :|::|__／ ＼jIL| ゝミ___彡'＾ヽ／／,┬==≦ハ
__/:::::::::::::: / ‐‐‐─ニ_￣￣]_______|ｉ＼,辻||辻| |丁|⌒||＼,ィ=ミﾆﾆﾆjIL∨(__)ヽ/(___)ﾊ〈::::::∧｀`''''"|i
/ﾌ7ぅo｡._/ ‐‐‐─ニ_ - ]______..|ｉ:::::::厂二二_,|_|.:|⌒||ﾊ/::::::::::∨__,jILﾆ_＿─'/,＿─ ∨:::∧: : : : |ｉ
/////////≧xー‐‐ニ_ -ﾐ ]_______|i:::::::⌒Y^ヽ__,ﾊ: :|⌒||:::|ハ:::ハ|i___jIL::ﾆ＿_─'/,＿─. ∨ _ -ｾ二二
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よく言われる定義として、ウェストファリア条約により欧州では「神権の時代」から「人権の時代」に移行した、とされる
政教分離の原則が根付き、もって「主権国家が、宗教を統制する時代になった」と―――
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:l{::::（/:/:{ /::::::::／:/::::::::ﾉ::::ｊ/::::／:}:::::::::::::::::::＼... 厂l‐┤| | （_／
::ヽ::::i::{::::＼|:l:::::/::::/::::／::::ｊ/::::::::::::/:::::::::::-‐:::::::::）./ / | |￣ （
:::::::＼::＼::::ｌ:|::::{:ｊ/:::::/::::／:::::::__／::::彡'´三::::≦ 〈_/_ ＼_> ≧
‘,:::＼:::::_::＼レ'"::::::/::;ｨ}:::|:::|:ﾊ ｀}::::::::彡'´￣:_,ノ.┌┘ｰ‐┐ （___
::＼ﾐﾐ/:/:::/::::::_;:;ｨｆ:::l| |::}:::}::::} }:::::::::-‐=::::::＼. ￣| 厂| | ／
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:::::::::| l|:|::::|:::| |/ ｊ/／::::￣｀ﾞヽ ＼__:::::二ニ=::} ┌┘ー‐┐ ＞
､:::::ﾉ＿|:l::::l|::| ｊレｆ::::::／⌒ﾞ'ー' ｀ヽ::::::::__,ノ ￣| |￣}ﾉ ≧
､:::{::::::::::::＼| |ｒ':::::::;ｨz=--＜,_,ノ ＼:::＼ |」 （
... ∧ヾ｢⌒ヾ::八{乂:;ﾉ/__ｆｨｊ__,ノ＾ }:::::::） ┌──┐ ＞
. /:/＼{ 〈_ｆﾅ_} に二 =ー---- |::::/ . │｢￣ |│ （
::/ ‘. ー/ 〈 厂 |::'⌒ｊ...|_,ニニ_ｊ ＼
. ﾟ （ _j---ｧ'＾ヽ ;:::::::/ r┴|┐ ／
∧ ｀ーr‐' ;::／ 7/L｢ （
. /::∧ ＿, -── ､ ｢￣） /〉/〉 ＞
/::/::/ﾟ }--ーｰ ﾆﾆ＼ ≧ 〈/〈/ （
／::/::/ ｡ ！ / / | ,゜ ） 〈〉〈〉 ｆ⌒
:／:::/ ,ノ‘｡ | { / ／| / '⌒Ｙ＾Ｖ⌒Ｙ⌒ヽ
::::／ ノ＾ l ＞─一'ｰ‐ﾉ , ′
,ﾉ ∧ ￣￣￣￣__, ／
ノ ノ ‘｡ 7´￣￣ヽ ／
） ,ﾉ ｡
´ ）ﾉ 人＿＿＿__,
（ ﾉ ＿_| i
╋
ローマ教皇インノケンティウス10世（1574-1655）
（演者：前田慶次 ＠花の慶次）
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現に時のローマ教皇インノケンティウス10世は、大勅書「ゼロ・ドムス・デイ」にて同条約を、「不当・邪悪etc」と痛罵した
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しかし。＞１が思うにこれを以て「キリスト教への幻滅」とか「教会の衰退」と見なすのは、早計というも表面的だ……
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ﾉｰﾓｱ･ﾏｸﾃﾞﾌﾞﾙｸ !
／::::::::::::::::::::::::ヽ _ノ
/::::::::::::::!＼::::::::::::::::＼ ┌' ｶﾄﾘｯｸ
/::::::::/l l:::! /,＞ﾄ､:::::::::ヽ} おまえら旧教徒は、
,'::l::::/|`ﾄ､!;!/'´＿ｊ ヽ:::::::::'| ﾌﾟﾛﾃｽﾀﾝﾄ
{/l::::ﾄl￣冫_, -‐､ .八!:::::::::| 新教徒を殺す気ですう ―――
l l:::{ ｀´｢ｖﾍ/∨`ヽ⌒!:::::::::|
l::::ﾄ､｜ ,､ /∨::::::＜
/::::l::::`|/∨` '__`__, ｣::::::::r:|
/::::/- ､二￣| , -‐/|:::::| | 幺.ク ⊥ 十
/::::/: : : : : :L,＿ ＿,ノ /:::::l｜ 小.巴. 乂`｣
/:::/.: : :/: : : :(ニ夫ニ)/:::::/｜
／,ｨ. : : :/: : : : : : /: : ヽ/::::::/ |
／／/: : :.:i: : : : : : : : : :／::::／: : | 新教徒を殺す気
. ／／.／: : : : !: : : : : : : : /:::::::/: : : : |
／／ 〉, : : : : ヽ : : : : : : {::::::::{ : : : : | ですう ぅ ―――
（::::{ /ｒ': : : : : : :）、: : : : :.ﾏ:::::ﾍ : : : :＼
|::::::::::: i /::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
殺 |:::＿,ﾉ { :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ
|::-―-､`:::::::::::;:::::;:::::l:::::::::::::::::::ﾊ
り |::::::〃:::::;/::::;/::::/|::::!|::::|l:::::::::::::::l
. |::://:／/／/!::/ !::l !::l !::::::::::::::l
ま. |/ /｀'メ､ / l/ |:l l::| l:_:::::::::ﾘl
|┌rｧ―-ﾆﾐ:､,/ ﾘ ／ﾔ´! ﾘ|:ﾊﾉ
せ | ﾍ弋＿ノ` / ﾔ￣ﾌﾗ' ﾘく￣｀''ｰ-､
l ,' ` ´ '｀｜ |
ん l { l ,
＞ ! ,'.ノ
ｲ＼ ,r―――‐ｧ / そうならないためのウェストファリア条約（1648年）なのよ……
＿＿／｜ ＼ / / ／
V ﾍ ＼ l ＼`ー---―' , ＜
: !: :ﾍ┼｀ ‐ _ ｀ . _ r＜ ﾍ : : ＼
: }: : : ＼┼┼┼i /┼┼ﾍ : : : ＼
/: : : : : :.ヽ ┼┼l /┼┼┼:〉 : : : :.＼
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つまるところウェストファリア体制とは、分岐化した西欧キリスト教徒たちの“共倒れ防止システム”にほかならない
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よって「人権」とは、多様化した神の子羊（信徒）をあまねく保護する概念……現代人は政教分離を「宗教の世俗政治
への、介入の阻止」とする見解に偏りがちだが、政権が宗教的に中立である事が前提の社会に、馴れている為だろう
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＼ ／〃'/ ヽ}ヽﾄ､＼!`::.::.::.::. ', / i.Y ヽi--------ヽ::::,--､
,. -―- く.＼ //'ｲ､ ー'rt示_ ヽ_;_,ノ/::.::.:::.i / .|.ll llゝ＝=´´￣ l:::::i
〃/ハﾊﾍ. Y.＼. ,r{〔i}-r ‘ｰく j､yf'ヽ::.::.::. /. l .l! .ll / // l::::::l
＿/-‐ ―- i i ＼._, -'_ト!r′`ー‐ ' fゝｸ{ ﾘ:::.::.:/ ノ !//l!//////// .l:::::::l
´. { ''' ''' l｀}７ー､ ＼ ,r{八 ､_ u {Yj'ィ´i::､:/. 丶 "/////// l;:l::l::l
＼っ _,.ィ"';. ＼ ',.ヘ 人人人人人人/ ､_ _＿,,,..., /::/:::lｒ
,ィ斤r'´￣〉. ＼ ＜ 子 か ＞ ﾞ ヽ___ノ //レｒ
./´ﾚこ.ﾍ冫´ '＾ヽ ＜ 羊 わ 子 .＞ ヽ , ｒ=＝ー-
ｲ_〃 ,〃 .ﾍ ＜ の い ＞ ー--r'
――――――――――――＜ 予 い 羊 ＞――――――――――――
／::::::::|::::::/|::::!::::lヽ::::::::::::::::::＜ 感 よ ＞::::::::::::l l::l.!.uヽl ヽ／,.. ＼l_､:::::
./::::::::／.i:::/ l::/∠...ヾlヽﾞﾞ!l:::::＜. !! ＞.:::::::::::l''丶､,､l ヽ''´ , r‐'''"ﾞi´l:::::
ﾞ,,i!ll/_ヽ､lﾞ′'ﾞrｔ:::::::::l''.ﾞﾞ!..ヽ!::::/::∨∨∨∨∨∨.::::::::::::::､.＿,,ー,,、 'ヽ-‐''".l:::::
τ:::::i" !:::::ノ ﾞ .ﾞl::/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽﾚ＼､:::::::::'＼ _丶ﾞ' ./////:::::
./｀ ﾞ'''' ./;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i ( ＼.:::::::::ﾞ､ﾞ"////ﾞi //////i:::::
. / / !"‐-ヾiﾚヾヾヾ;;;r ;;i ゝ ＼::::::ﾞ、//// ' u ./::::::
. il. ,,､､､､､､,,, /. (l、_,ノ ヽ _ ノui!l＾ー―-- ＼::::ﾞゝ、. ＿_ /:::::::::
,il’ヽ / ヽ /(( l///////////i!ノ ` ヽ. ))）） ＼::.:ﾞ::::-..、" /::::::::::::
ilﾞ .l:l､ヽ、 ﾉ / ／＼ー―― ﾗ ／::::lヽ:::::::ヽ. ＼:::::::::::::ﾞ ''ー':,.'l::::::::::
_. -―――-- ._
.ｲ/レ '´ ｀ヽ
ゝ.‐' _..ヽヽ
／／ / ヽ ヽ
|/ // // / | l ヽ ヽ .i この神聖不可侵な平和を締結することが、
l/./ l l .| | |. |ヽ ﾄ､ | i .|
ゝﾄ､ ﾄ|=ﾄ|､ | |=ヽ l‐ヽ| | ﾉ | いかなる難事業であったか―――
} `|y''Rj l | '´Rjヽy|/lｲ l
. | l.|`┴' ﾉヽ | ┴‐' | l i |
| .| l ､_. / l l | （シラー著「三十年戦史」より）
| .| |＼ ‐_‐- ｲ l l l |
＿ |_..,l_.l_,..｀r､ _,. | l .l l l |
( ￣ / .ｲｰ`二 -‐''"ﾑﾉへ､｜ l |
｀'ｰ､ (__ﾌ く ′ 彡 ﾉ `ﾌ⌒┴- ､
`y､/ ヽ､ _. -''´ (二) ｀'''ｰ-､
.l./ ﾉﾆ l 二￣_√ニ''i ゝ __.. -‐'''ﾌ
| { └'└`´ii `´ -┘└' `iー''' ´ {-‐'''´
フリードリヒ・フォン・シラー（1759-1805）
ドイツの詩人、歴史学者、劇作家、思想家
（演者：シーラ・ラパーナ ＠聖戦士ダンバイン）
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然るに同時代の日本は、そもそも特筆レベルの禁教国。さんざん描いてきたがキリシタンに人権のジの字も無い
なお「当時は欧州だって」云々は、比較対象として不適当。日本はまだ、禁教時代の古代ローマの段階
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☆
☆ r‐┐ ☆ ﾟ*。 ／） ＿人人人人人人人人人人人人人人人人人人＿
,+’ ☆ ｉ ｉ х ）ヽ ／／） ＞ 邪宗門、キリシタンは滅すべし！ ＜
.｡*'ﾟ ,.x''’ ｉ ｉ ﾟ*。／__彡'′'／ __ /〉__ . ￣Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ￣
r‐┐ .｡o☆o｡.｡o+*'´ ｉ ｉ ／__彡 _彡 ｱ´_ `'v‐､)
ii ｉ νﾟ ％ ｉ ｉ ィ斤ｱ´ __彡' {t汀 灯｣ ___
ｉｉ ｉｉψ' ﾟ。 ： ：ィ斤z／ __彡i´ 7i⌒}‐v‐ｧ ｉ ｉ
|ｉ ｉ|∬ ∬ニﾕﾕユ| |‐≪く____rへ,i r勺=ﾆｨ‐-‐' しヘ,_____＿ｉ ｉ
ｉｉ ｉｉⅦ ¨ｰ==中 !ィ=vｱ‐‐七ｦ! レ'‐‐‐》ｧ==ｧ=ｧ‐‐‐‐┴===ミ>
ii i ％ ｡ﾟ ： ：=ミ_》 ＼ i ｉ ｦ冖ｉ‐〈 ｉ ｉ
｀¨´ ‘'+ｏ☆o*'’ﾟ'*o｡. ｉ i ＼ ＼´ ／/⌒´ i 入 ｉ ｉ ／）
ﾟ'*o｡. ﾟ'*｡ ｉ ｉ )ﾍ ミ､／／ ﾄ､ ＼ ｀¨´ ／_彡
ﾟ'*｡ （＼ｉ ｉ )ﾍ）ー'′ ﾄﾐk ＼ ／ _彡
☆ （＼＼｣ 厶 ｀ヽ、_,,／ﾄﾐﾄk_,.ィﾍ〉 ／ _彡
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
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´: : : : : : : : : : : : :｀ヽ、
／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : _ヽ
／ .:.:.:.:.:.:/.:.:.: /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::::ヽ
/.:.:/:.:.:.:.: / .:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::ヽ
/.:.:/.:.:.:.:. / .:.:.:/│:l :.:.:.:.＼.:.:.: ヽ::::::::::::::ヽ 鎖国下の日本は蘭学を除き、中国起源の思想で充たされた
ｌ.:.:/.:.: /.:.,' .:.:.:/.:.:l.: | ＼.:.:.: 丶.:.:.:.::ヽ::::::::::i
| .:|.:.:.:.| .:ｌ.: __/.:.:ハ |::::ヽ_＼＿_＼.:.::::::ヽ､:::; 人為的な閉鎖空間。それが近世の「天下」の、本質―――
| .:|.:.:.:.|.:イ.:./.:.:/.:ハ!:::::::＼-＼.:.:.:.ヽ.:.:.:.:.ヽi
.l .:|.:.:.:ﾊ.:.jｨ::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::心､_.:ヾ.:.:.:.｀ヽ
.l .:|: :ﾉﾍ小:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::│.:lﾍ＼:::::､.:.＼
.| .:! ﾉ ハ{ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::│.:|.:.!.:.:ﾊ |＼.: ヽ 江戸時代をミクロに見る限り、実感は湧かないが……
ノ ｲ.:.: /てﾍ , /!.:.j´j.:/｝}:| | ヽ.:}
/.: /.: /しゝ、 __ ／./.:/.:／|ノ人! j/
/.: /.: /.:./.:.:..:＞ イ_l.:./.:/|´.:.: |.:. ｌ.: |
/.:.,.':. / j:/.:.:.:./ l_,ﾊ` ‐- ＜｜_,,Ｖ.:厶l.:.:.:. |.:. ｌ. |
/／.:／ /.:.:.:./／/ｌ ヽ ／＼_, '7/＿ヽ.:.: !.:. ｌ.: |
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武家政権は封建制の必要が生んだ、優れて実務的組織である。皇室権威を制約するなど一見、神権政治とは縁遠い
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（(
彡⌒ ミ
（_´＾ω＾）
/~ ヽｙ/~＼ ||
/ ）＝∞ =/__フっ
~（＿__Ｙ＿_）┳┳
⊂ニニニニニ⊃
・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━
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│ 18世紀半ば ・ 大阪 堂島米会所 . │
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|＿_:|_|
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ| | |ﾆﾆﾆ∧
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＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_/ ∧
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿/ ＿ ∧ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ／＾＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆl
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＿＿＿＿＿＿＿＿＿_/ |_|_| ゝ＿＿＿＿_|＿|_|_|＿|＿＿＿＿＼
＿＿＿＿＿＿＿＿_／ ￣ ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_＼
＿＿ :::||| ＿ |￣ .|￣
エ エ::|:|_|_|:|エ :エ||| |_|_| ｪｪ| ＿＿＿_ ＿＿＿_ :|
エ::: |:|_|_|:| エ ||| |_|_| | ||_|_|||_|_|| ||_|_|||_|_|| .:|
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::: エエエ||| ＿ ＿＿.-::|: ￣￣￣ ＿_＿. ￣￣￣ |
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￣∩ ￣￣ ::エ |||: | |＿| )ﾆ)ﾆ)ﾆ)ﾆ)ﾆ)ﾆ)ﾆ)ﾆ)ﾆ)ﾆ)
￣|＾|＿＿＿＿＿＿|||＿ﾆ=-=ﾆ￣ ＜)'´
| :| ＜)＞'´
二)二)二)二)二)二)二)二)二)二)二)＞'´
◆ □ ＜ 旗振り通信と飛脚を組みあわせて、江戸〜大阪も最短１００分で通信可能！
＼(^o^)／ 現代の基本的な先物市場の仕組みを備えた、世界初の整備された先物取引市場だよ！（wikiより）
._∧ _ ∧_∧∧_∧___ . ∧_∧ ∧_∧
::::ﾟД） | | ＿ （ ﾟ）~￣|l l l| （;;; ﾟ）~￣|￣|ﾟ=）
::::::::::つ__|_| |＿| |￣￣|つ__,|l l l| [][] |￣￣|_つ | l~l~l
::::::::::::|￣l￣￣￣| |￣|＿＿|￣￣￣￣￣￣|＿＿|￣￣￣￣
―-l:l .|￣￣￣| | | |~l .| | .|￣|二二二|￣ | |￣| |￣￣|
￣'‐''''-' '-' '-' '-' '-' '―――' '-' .'-'
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江戸時代、仏門は牙を抜かれ公儀の統制下にあり、元禄・化成の町人文化が発展し、近代資本の原形が生じていた
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／ ヽ:::::::::::
／ :::::'､ :::::ヽ::::::::::
/ ＼ ､ ::::ヽ ::::::::ヽ:::::::
/ ,ｲ|`.x''::ヾ`.､ :::＼ :::::::｀`‐-.､:: だがマクロに見れば中国じこみの“天下”という、紛れもなくウェスト
{ {.l:l /.｀`＜'､ヽ:::::｀`.､,,＿＿:::::::::::＼
{:|::::',::::::::',l:ﾚﾞ＿_＿｀`‐｀i::r'⌒ヽ::::::::￣｀`‐-ゝ ファリアと対決する運命にある宇宙観を、墨守してもいた―――
l:ﾄ;::::',::::::::',l:lﾍ.)::ﾉ .7 .|::|ヾﾆ }:::::::::::::::::::
ﾘ.ﾍ;::ﾍ:::::::ﾍ ｀y'ﾞ .|::| .l /:::::::::::::::::::
.∨ﾍ::::; ' ´ |::|./ ﾉ:::::::::::::::::::::: 何せ神国の天下は「キリシタン死ね死ね団」、ウェストファリアが生んだ
ヾ |::|r(´::::::::::::::::::::::::
ヽ |::| '､::::::::::::::::::::::: 原則は「キリスト教徒は皆イキロ」だ。接触即衝突の構図だったわけ
‐- |::| .ヽ::::::::::::::::::
｀ヽ .|::| ヽ､:::::::::
',::ヽ､ |::|'"⌒ヽ､ ￣￣ ちなみに壇上寛著「天下と天朝の中国史」は、こう指摘する
ﾍ:::::`ー'".|::|: : : : : ﾍ , -'"
ヽ;／ リ｀`─-- ､ ノ
・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ 第10章 ： 華夷変態と中外一家 「日本型華夷秩序」より ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
『鎖国によって中国の大天下から完全に離脱した日本は、周囲に蝦夷、朝鮮、琉球、オランダ（南蛮）などの四夷を
配し、日本固有の天下を築き上げた（中略）。ただし、日本型華夷秩序は鎖国体制下に特有のものではなく、
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
全時代を通して存在した（中略）。観念的には四夷を配し（中略）、小帝国の体制を維持していた』（傍線は引用者）
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
＿ノ三三ﾆ≡=- -=≡ﾆ三三＼
Ｆ￢≠=≡三三ﾆ≡= ﾐ｀ヽ､ . ／ -‐= ﾆ三三三ﾆ≠￢|
|l ￣¨¨ ￢ー-､ヾ＼ ／_,, -―￢ ¨¨￣ l|
|l {｛￣￣￣￣｝}. l|
. .|l } | | { l|
. .|l 天下と天朝の中国史 } | | { 壇上寛 l|
__
／ ＼
／ ＼
/ 北は ﾍ
. 丿 蝦夷 〉
,,ｒ----―--√ ,ヾ⌒ヽ, 个‐‐‐ー---≒ |､＿∧＿λ＿＿,|
/ / ﾞi, ii | │
√ i ヾ ｜ | な ┐日 ヽ
i | | i | ら 大 本 〉
__,丿 / 人 人,_j ん .天 が i
,ゞ~ _,z---=七ヾ´ _,,-‐-,,, ﾞﾞゝ‐‐‐‐‐a,_ ノ か 下 突 ,ゝ
／ ／ ﾍﾞ ㍉ ｀＼ ｀ヽ な └ 如 i
〈.. 朝鮮.. 〈 i ...Edo .〉 〉 } │ .み {
＼ ＼ ゞ .ノ ／ ﾉ !!! た ､
ゝ.、 ﾞﾞーー---v ｀ﾞ‐-‐ﾞﾞ _,v‐‐-‐‐ヾ ｀i い i´
｀~Y ﾞY そんな /ﾞ /∥ に 〉
i | 広くない | i ヽ , -=＝=- ､ ／
{ i 海 i } ／,｀ヽ 幕府 ＼
. 〈 ﾞ:; / }／ ′ヽ ヽ
. └─-----,,_ 南は ﾞ--ゞ _,,r----- ／ /／｀,､ }
ﾞゞ 琉球まで ／ ／ ／ ' 'ヽ ;
∨ / / ／ ／ /
. 和蘭 ＼ ／ ／ヽ ／ ／ ／
. ＼_／ ／ / λ´￣
／ ＼ |
／ ｀ー──ィ
・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━
『日朝間で交わされる国書の宛名は（中略）、＜日本国大君＞という特別の外交名義が使用された（中略）。中国の
爵制的秩序では国王は皇帝（天子）の臣下であり、さらに清に冊封された朝鮮国王と対等になるのを嫌ったことによる
（中略）。その背景にあるのは意識するしないにかかわらず、両国の上に覆い被さる大天下の暗黙の秩序である。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
けっきょく大天下を離脱したはずの日本ですら、大天下の論理から自由ではなかった―――』（傍線は引用者）
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＿ノ三三ﾆ≡=- -=≡ﾆ三三＼
Ｆ￢≠=≡三三ﾆ≡= ﾐ｀ヽ､ . ／ -‐= ﾆ三三三ﾆ≠￢|
|l ￣¨¨ ￢ー-､ヾ＼ ／_,, -―￢ ¨¨￣ l|
|l {｛￣￣￣￣｝}. l|
. .|l } | | { l|
. .|l 天下と天朝の中国史 } | | { 壇上寛 l|
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日本研究家のイタリア人に言わせると、中国の方こそ「あまりにもスタティックで、世界から孤立した」
文化だという（ヴィットリオ・ヴォルピ著・原田和夫訳「巡察師ヴァリニャーノと日本」289p）……
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. :. :. :.: .: .:. i! i.:'; ﾞ.:.:::l;| `ｰく_ ,.ｲ ,.ｲ.:::::.> ‐- ､､ 人 . :
. :. :. :.: .: .:. i! i.:'; ﾞ.:.:::l;| `y'´ イｿ/.:／.:.:.::::::::::::`, Y´ .: ．
. :. :. :.: .: .:. i! i.:'; ﾞ.:.:::l;| 〃介7.:::!.:.:.:::::::/.::::::::::::::i ヽ)
. :. :. :.: .: .:. i! i.:'; ﾞ.:.:::l;| 〃,fｼ//.:::!.:.:::::::/.:::::::::::::::::| . :
. :. :. :.: .: .:. i! i.:'; ﾞ.:.:::l;| ,.ｲ/ ,fｼ//:イ.:.::::::::!.::::::::::::::::::::! ,
. :. :. :.: .: .:. i! i.:'; ﾞ.:.:::l;| ﾍ ,'.:.::l.,fｼ//.::/.::::::::::::ﾄ､.::::::::::::::::l ｡
. :. :. :.: .: .:. i! i.:'; ﾞ.:.:::l;| ⌒ i.::::::!ｼ//.::/.::::::::::::::ﾄ.:ヽ.:::::::::::::〉 . .:.:.::::
. :. :. :.: .: .:. i! i.:'; ﾞ.:.:::l;| l.::::::!//.:./.:.::::::::::::::.',.::::::::::::::::〈 .:. :. :.:.:.:.:::::
孔子（演者：ラプラスの魔 ＠Rozen Maiden）
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鎖国期日本は中国じこみの「天下」という宇宙を、宗門改という思想統制で辛くも維持していた、神権社会である
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-‐ ￣￣ ｀丶、
／ ヽ ……と言っても、納得できない人も少なくないだろう
/ / /〃/{ { ヽ ｀ヽ. ∧
ｌ / /斗/ハ ｨｰ‐ 、 ∨ l
{ { ﾚﾃく ヽi>==、＼ ヾ│ 何故かというに。現代日本人は惰性であれ、自分の意志で宗門を継いでいる
乂l f r'ﾊ r'ﾊ 7ﾊ＼ﾘ l
.八,}弋ｿ 弋ｿｿﾉ ） 八 そのため＞１もそうだが個人の感覚としては、宗門改の不都合を実感できない
ノイ }ゝ" ｀_ "" { {´ 丶＼
／ ,＞‐r＜_∧!＞､ ＼丶
, -‐" ! ヽ{>ﾛ<ﾌ〈. | ＼
// ／ / y ゝ { ;ヽ ,ｉ 丶.ヽ
{八 〃 ﾊ { ,.-'‐!、 }_ = ゝ、__i、 }ヽ } }
)/ ヽ（. ヽ人,i' .,. i' ｀ﾞゝノヽl_ ヽ! ヽjｲノ
" ｀ / / ゝ,.| l __.!,ｒ'/ ｀‐´ "
/｀ V ｌ .,′´´
｀ｰ'′ ├-/
￣
-------------------------------------------------------------
【 「宗門改」以前 】
_｢Yﾌ ,､ ) ,、
,'´ /⌒ ヽ rﾍ))'´｀⌒ヾ)),ｧ
! / ハヽ! ﾌｨiミ ノ ﾘハﾘ{
lﾍ| ﾟ ヮﾟﾉﾘ ＜ 氏子です.. ﾉ ｿﾞ瓦ﾟ ヮﾟﾉ!'ハ ＜ 仏門××宗です
とi､!i/!つ ./イ とﾉ｣Y,)つヾ',
く/_|l.〉 (´ ゝ <_ﾉyゝ__ソﾉ
し'ﾉ .｀ｰ' しｿ ｀ｰ ′
|￣ |
＿| |＿
＼ ／
＼／
【 「宗門改」施行中 】
_｢Yﾌ ,､ ) ,、
,'´ /⌒ ヽ rﾍ))'´｀⌒ヾ)),ｧ
! / ハヽ! ﾌｨiミ ノ ﾘハﾘ{
lﾍ| ﾟ ヮﾟﾉﾘ ＜ 氏子です.. ﾉ ｿﾞ瓦ﾟ ヮﾟﾉ!'ハ ＜ 仏門××宗です
とi､!i/!つ ./イ とﾉ｣Y,)つヾ',
く/_|l.〉 (´ ゝ <_ﾉyゝ__ソﾉ
し'ﾉ .｀ｰ' しｿ ｀ｰ ′
|￣ |
＿| |＿
＼ ／
＼／
【 日本国憲法20条・「信教の自由」施行中 】
_｢Yﾌ ,､ ) ,、
,'´ /⌒ ヽ rﾍ))'´｀⌒ヾ)),ｧ
! / ハヽ! ﾌｨiミ ノ ﾘハﾘ{
lﾍ| ﾟ ヮﾟﾉﾘ ＜ 氏子です.. ﾉ ｿﾞ瓦ﾟ ヮﾟﾉ!'ハ ＜ 仏門××宗です
とi､!i/!つ ./イ とﾉ｣Y,)つヾ',
く/_|l.〉 (´ ゝ <_ﾉyゝ__ソﾉ
し'ﾉ .｀ｰ' しｿ ｀ｰ ′
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禁教という柵が設けられようが撤去されようが、柵を越えるモチベなき多数派に損も得もない。下戸は禁酒を苦にしない
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ところが実はこれが、意識のトラップ。「柵の外」で邪宗門が絶賛炎上中だったのが、不可視化されている―――
神権制度の本質は「天下」という柵そのものである。氏子・仏門は「柵」を意識できないが故、柵に生を許されたともいえる
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【 「宗門改」施行中 】
─┐∥─┐∥─┐∥─┐∥─┐∥ ─┐∥─┐∥─┐∥─┐∥─┐∥
─┘ ─┘ ─┘ ─┘ ─┘ ─┘ ─┘ ─┘ ─┘ ─┘
) ､ )ヽ （
) （ （ ）ヽ ； ・ ） ; '
( ) ` （ ( ） ） （ （ ）ヽ ( ､ ）ヽ ；
; : , ) ) )ヽ（ ( :（ ） ヽ､） ） （ （ ） ）; （ （ （､ :
； ・ ）ヽ (丶 )ヽ （ （ ） （ ;; ;､: ; ;）__） ） （____） ） ）） ；
)`､ （ （ .） ）ノ | : ) ＿,,,-､__ ;; .､ （／（＿）ヽ ）ヽ ;;
. ／＼ .／＼ .／＼ .／＼ .／＼
. ／ .＼ ／ .＼ ／ .＼ ／ .＼ ／ .＼
│ .││ .││ .││ .││ .│
│ .││ .││ .││ .││ .│
┤ 神 .├┤ 国 .├┤ 之 .├┤ 天 .├┤ 下 .├
│ .││ .││ .││ .││ .│
┤ .├┤ .├┤ .├┤ .├┤ .├
│ .││ .││ .││ .││ .│
│ .││ .││ .││ .││ .│
＿＿＿ ___,. -- _
,. ＜ }ノ ＞ 、
. ／.／ ｲ| / / , ＼
/ / , ' ., ' |:}' /／ ､ ‘ ,
. /／′ ,' / |:l. 〃 , , } ‘,
´ i , | / ,i|::! /_ イ ／} / ､ .ﾄ， ﾄﾗﾌﾞﾙﾒｰｶｰ
. |. , ' l ./ .!|::| /／メ < /／,' } | i‘, それって、問題なの？ 一 神 教 を潰しただけなのに
. { / ,' i｜ , ﾆ||::| ,.ｨ示芯}ミメ､. /／} ﾊ ./ ｜.ﾟ,
', /.| ! ',| { ,|l::| | |.圦_以 /´ x=ﾐ「 / ./ |
. ∧ { }'| i ‘ , |: l ', ! ゞ-く_ ::::::::::::::::んﾘ 》' .／ ,| | 理屈の上での「神権か・人権か」なんて話より、絶対
/:/ ヽ .| ﾟ, ｀!::| ', { ::::::::::::厶ｨ 厶イ{ ,'| |
/:/ ﾉ /! ﾟ, .|::| ﾄ､. ､_ _ ’ / :!.|.| ', ,' }/ 多数の宗派に、支障が無かった……これが大事だよ
. |::| イj,ﾊ ﾊ iV|::| |、 ,ｲ |.| !,:∨
. |::| V_彡<.Ⅵ', !:＞ ,. ＜ | ./ﾘ |.ﾟ,::ﾟ,
. |::|. , : ´￣≧ｘ ﾟ,ﾑ:, ! _/,.≧チ} , '| ,:| / ﾚ ',::',
. |::| , '::::::::::::::::::::: ﾍﾟ,ﾑ＼,.ｲﾊ/l／ﾚ j/,' /. }:::|
. |::| ./::::::::::::::::::::::::::::::i:ゞ:::＼＼!＼ :|:::|/ |:::|
, '" ￣ ｀ヽ
/／ ＾ヽ ', 開 国 し た か ら に は 、 問 題 で す 。 なにせ……
.///f / j ヽ ﾍ !
ノｲl | ﾚﾄ'Vハ斗ﾄ､_＞
lﾊj | ○ ○ |ﾚV 開国後の本邦は、禁教の潜在的根拠「天下」を密かに放棄。「列強の国際秩序」を受容する！
ﾉ火ヽ"V￣}"/ﾞ) { ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
// 匸 }>示iくこ八 そして対李朝外交や日清戦争も、実はウェストファリアの精神に基いてこそ正当の根拠を得る
.// ! / /《小.》｢｀ヽ ヽ
V{ !ヽノ {： ﾄ-ｲｉ }
ﾚl∧く 人__j /八/
／ ｀7´/ l |'´
.`‐r＜/＿_!｣
| / /
. , -=≡ミx､
. 〃 -‐ ' ヽ´￣｀丶
. ∥ ／ / ﾊ ヽ ヽ
{{ ｲ / |i .} } i ∨ﾊ つまり「鎖国が続けば、迫害は無問題」ってこと？
/７ |ノ八 ./｀ヽ∨ │ }
ﾚNヽｌ● ヽ/ ● ｜ i | ＞１もしょせん神国サイドじゃないですかヤダー
. { i |｜_,､_, |｜ ! ７ﾄ |
. /⌒ヽl ﾍ |｜ゝ._） |｜ ﾚ/⌒i |
＼ .| | ＞,､ __ イァ/ ./ |
. ＼| | :::＼;;;╋;;;;;／ヽ=/ :|
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
＜1875年9月20日・江華島事件＞
,: ´ ⌒＾ ヾヽ
_ 《-《 (,, ""⌒ '' .. " ヾ ）
＼F>> . ,, . :::::::（ ﾉ( ソ( ､ﾉノ..:::.... ,,..:::...:: ..
＿.＿..z∠iＥ>>∠∠..＿.､､＿ ... . ,, :::::::'''(, イ")ﾉ::..:::::,,:::"─ｧ〃―┐〃―┐〃
＜《≡ヨ((￣lニl￣.. ll￣ll＿＿0 . . .,,, :::::（’''....ノソ),,::: ／､ _____| ＿_| ……
￣―＝〃l_〃――￣z￣ ..... . .ノ(~〜ノ（’''''ソ､' :::: . ,,:::::
. . .. ∠ ,,（、、...,,,Y),,,ノ:.:）,, ,ﾂ.. ::::
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ｳ ｪ ｽ ﾄ ﾌ ｧ ﾘ ｱ
>1が思うに―――神国が“天下”を緊急避難の力技で、ほぼ無自覚のうちに西欧キリスト教徒仕様の体制へと
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
切り換えたことが戦前日本の狂気と迷走の、そもそもの真因である……（おいおい描くと思うが）
~~~~~~~~~~
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
宗教を軸に考えれば、分る話だ。“天下”の住民（日本人）に、ウェストファリア起源の諸制度を「理解し、使いこなせ」と
いうのが本来、無理ゲーのはず。しかも「そもそも、そんなモチベ無いし……」というツッコミを、別にしてさえの話である
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
/__｀ﾆﾆ=== /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
／ /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ＼
／:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.ヽ:.:.ヽ:.ヽ ｵ ﾌﾞ ﾂ
7:.:.￣￣:.:.:.:.:.:/:.:.:/:.:./:./:.:.:/:.:./:.:.:./:. l:.l:.:.ｌ:.:.:.:i:.:.:.:.i:.:.i ＼ “徳川将軍家の天下”の下。切支丹は消毒なの……
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:., {:.:.:i:/:.≧ｭ､/:.:／ |:.:|:.|:.:.|:.l:.:.l:.:.:.:l l:l __
＿___:.:.:.:.:.:. / { i:.:.:.l ,イﾁ示ヽ ,x≦ﾆ7:./:.:/l:.:.:.:! ﾘ ,ｲ ‘，
＿＿ ＼:. /＿ヽ ト､:.:l 辷シ ら:/ゝ:.:./:.!:.:.:/ ／ヽ＜ ､ ヽ::...........,
―――ﾆﾆﾆﾆ＼ |:.＼{ , ｀ '／:／:./:.:.// ヽ ＼ ＼::::::::::＼
---- ､ ヽ:.:.{ ヽ＿ ≠-----≠_|:／:.:.//､ ｀ヽ＼____ﾉ:::::::::::::::､
／::::::―― ::::::ゝ. : ': /／ /: : : : : : : : : :.｀ヽ / ＼ /ヽ ＿__ﾉ:::::::::::::::::::::::::::::::|
::/:::::／ ￣／: : : : :__/ /: : : : : : : : : : : : / ｀ヽ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::､
/::／／ ／: : γ:.:.:.:.ヽ ／: : : : : : : : : : : : /{＿__ヽ、 ヽ::::::::::::::::ほむほむ::::::| 転びます勘弁してください……
{:/ / ／: : : : :.{:.:.:.:.:.:.ﾉ }: : : : : : : : : : : : :/::::::::::《 ¨¨¨¨¨:::::::::::::::::l:::::::::::::l:::::::::::::::!
{:{ ', i: : : : : : :.ゝ__／／: : : : : : : : : : : : /::/::::::/ ―――‐ ､:::::::::::::::|:::::::::::::l::::::::::::::::､
::‘，i l: : : : : : / /¨¨: : : : : : : : : : : : :.:/::::{:::::::{＿＿＿＿／::::::::::::::::|:::::::::::::|:::::::::::::l:::l
ヽ::ヽl l: : : : / / i : : : : : : : : : : : : : : /::::::i:::::::::|: |::ﾄ ,:::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::::::::|::::::::::::|:::|
----∨: : :.{ / i!: : : : : : : : : : : : : :/:::::::::l::::::::: !:::|ﾞｉ ,::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::|::::::::::::|:::|
､ ∨: :.i i ／: : : : : : : : : : : : :./､::::::::::::::::::: |::|::l' l::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::|::::::::::::|:::|
≧-- ∨ ゝ': : : : : : : : : : : : : : :./: : :.｀ ヽ ≠ |::|::| ,:::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::|::::::::::::|:::|
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ﾁ ｯ ﾌﾟ
ところが……そんな国が“天下”をかなぐり捨て開国するやいなや。「列強カジノの、ボード上の仮想通貨」ではなく―――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
,,-‐‐‐ - ､
／ ｀ ヽ､
,,= ､ ,'/ ヽ､
〈 ヽ.｀ヽ、 ｊ ｊ ﾞヽ
ヾｲヽ. E ヽ、 ', ', India ヽ
ヾ"ゝ､..g...ヽ ',∧ ', __ ゝ＜辷辷-､
＼-'ゝ、 y.＼ ∨ヾ ｊ ,,＜ ,,＞-'''' ￣ ￣｀ヽ､
ゝ､ ゝ､ p.＼ .＼,,＼ ,ﾉ＜､-''´ ﾞヽ
ヽ／ゝ､ t.ヽ ゝヽ､｀ヽ､__ イ､ ／ ヽ
＼ｲ,,ゝ,ｨ ﾞヽヽ_∠フ辷-イ､／ ',
｀-" / // i
/ ゝ'/ i
/ヽ/ China ,!
ﾄ､// .,'
i i ,'
ｉ｀ｊ /
',,ｊ ,/
ヾ、 ／
ヽ ,,-"
＼､ ,,,-‐'"
｀'''''‐---‐'''"
英_
, ´,r== ､ヽ ＜ It is time of begin the betting !
!くｌ人ﾉ从)ﾄ､∩
Wﾘ ｀ヮ´ﾉiﾉノ＿＿
（入 ⌒＼つ ／|
ヾヽ ／＼⌒)..／ |
|| ⌒|￣￣￣|
´ | |
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ﾌﾟﾚｲﾔｰ
地球上で唯一、「ウェストファリアのルール」に順応した非西欧系 列 強 として、西欧のゲームに参加し始めた―――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
|;;;;:::::::::::::::::::::| ノし
|;;;;::::::_,英__:::::| て
.|;;／´ ｀lヽ| (
,|{´}::: ｀ヽj
.{{..|_,,iiiiiiiiilllllllllljii＼
｀}!!!''´ .|:ﾞ;ヽ /￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
{:: j .i | .|''-!, ＼ | そろそろ混ぜろよ. |
,rヽ .'!: |. .|◎|: .| 丶、ゝ ヽ＿ ＿＿＿＿＿＿/
.ﾉ._,,,!r--.,,,__ヽ:.|. |:. .|:／----- ,,,___ ... ∨
ノ!!!´ .-'''ﾞﾞ◎二,,＼,r!,-''_二ﾞ||!_ !|||!｀ ー--'''ﾞﾞﾞ
γ´ .!||i -''ﾞ￣ ￣ヽ)_,￣,,,j||!,,, !||| 日本
/ .!||!j ,,r'''ﾞ￣_二)´ー‐‐!!!,,,,,_ .j|||! ＿
/ .!|||j .／￣ ._,,,r'´ラ|||! _,,,r'''ﾞ￣
.＼ .!||j／ |￣￣￣￣ﾚ_i,,,,--'''ﾞ￣
仏.ヽ, ._／ | .!!|!! |
ヽ-'ﾞ .| .!||||! |
」 .| .!!|!! .|
_,,,r''ﾞ .|＿＿＿＿＿|
''ﾞ .!三三三三三!
・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━
＿__ //⌒ヽヽV´::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
r.､ |＿__＼ 〈/ ／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ､ヽ::＼
(o._ﾉ,＿＿ ＼＼ 〈／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼＼::|
,r､ フ:::::::::::::＼ヽ i i V::::/￣7777T￣￣＼::::rvi､＼ けっきょく日本という「小天下」は、どれほど重大な影響を中国
/ .i i⌒i::::::::::::::::::| | | |. Y //〈ﾘﾙ' | |千ﾄ ＼(_):::＼ヽ
| | | |o:::::::::::::::! ! ! ! | | ﾘ祭ﾐ Vﾊﾑﾃﾙ､ i i､::::::::::ﾘ から受けていようが実の所、中国とは全く異質な社会だった
| | lー'::::::::::::::_// j ! |i ヽ 辻ｿ i際ﾐ iﾍ＼ﾘ_::／
i ヽヽ::::::::::::/,ユ,／／ ノノﾉ从 r-､ `ﾟ' |.|ﾘ＼Σ
＼ ヽ二二〈,w'ﾕ/ ｀| | | |,ヽ、 ｰ' , ｨji/ i | ﾘ むしろ「天下」から解放されて以降が、本領発揮という流れだ
`ー――-くr-┴i .////リ√tfr'―ツﾘ | |リ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ヽ/ ∧r､ /／r-､ｴン､i===/ﾑｯ'￣￣ヽ、
V￣二) //／⊂H⊃ 〉ﾏ//:::::::::::::::::::::|
| i r--)/ノ::>-ィ::::ス＿ﾉ///::::::::::::::::::::::::|
i、 '￣);:`::/ /::::::| |:://ﾘ,:::::::::::::::::::::::ﾉ|
＼V∧::::::T::o:::::ﾚヽ!:::ﾚ::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ＼
/ノ V∧::::ll:::ll:::::ll::::::::＼____::_::_::_::＿／＼ ＼
/XXXXV∧_ll:::ll:::::ll:::::::::::::::::/|::::::::::/:i|＼＼ ＼ ＼
/::::::::::::::::/ /´ ＼:::ｌl::::::::::::::::|::|::::::::::|:::l!＼＼＼ ＼ ＼
, :': : : : : : : : : : : : : : : : : : : `:..、
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
,:': :／: : :. : : : : : :./: : : l: : : : : : : : : : : :':.
/: :/: : : /: : /: :〃:'|: : : ::!: : l: : : : :l: : : : : '.
. ,': ::,': : : /: : /: //:,' .l:.ﾄ,: ::l: : :l: : : : : l: : : : : :' これはまさにパラドックス―――
|: : |: : : l: ::/l::/ ,':/ |:.', V:l: : ;l: : : : : V: : : : ::l
l: : l: : : :l: :,'-!_'-|,'‐' ヾ -ヾﾍ:_: : : : : :V: : ::l:.:| 現に欧米人も、いまだに違和感を覚えているらしい
l: : :V: : :V!ｵ芍斗 乍芍=ﾏｪ-: : :.ヽ: :.|: |
. V: :.ヽ: :ﾊ 弋,ﾉソ 乂じﾉソ 》ヾ､: : ヘ: :|
V: :l: ＼ヽ , ー‐ ´ !:.ﾊ: :ﾄ,: ﾊ;!
V:|: /: l |:.l V!:}:/: l -, , -ｒ 、
,': : ﾄ.、 lﾌ::.ヽ ,ｨ' l-:': : : : : :', , - ´_ノ -―' 〃 }
/: : :.l:l::.丶 ゝ- ' ィ':j ,':: : : : : : : ﾊ / '´ ‐‐.::／.／
/: : : ::l |: :r-| ` - ´ ,'-//: : : : : : : : : :'. l , ´￣- ´ ／
/: : : : :..l l/ ¨｀` - 、 / //V: : : : : : : : : ﾊ '. ｧ－ ´
. , -ナ- ‐―.; l / ', / , ' V:_:_:_: : : : : 、:', r二￣￣ 二7
/ 、 l l 、 / V , / / ヽ:', l ￣￣ |
. / ヽ !l ヽ x≦三三ﾌ/ミzx' j ヽ, | |
/ l |.! Y////／//V,'///ハ ./ V l l
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
┃ ┃
┃ 「欧米の人間はいまでも明治維新の位置づけに苦しんでいる。ヨーロッパを中心とするわれわれ欧米人の歴史的 ..┃
┃ ┃
┃ 宇宙では、ウィーン会議だのウェストファリア条約だの『意義深い』出来事に事欠かない。だが明治という時代は、....┃
┃ ┃
┃ そこにまだ織り込まれていないのだ。しかし非欧米人は明治維新をよく知っている。これを学び、羨む人が大半だ」.┃
┃ ┃
┃ ┃
┃＜フランク・ギブニー著 堺屋太一監訳：「太平洋の世紀」上巻・第4章「世界のなかの日本」より編集引用＞.. ┃
┃ ┃
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
＞' ´ ＞Y ｀`ヽ､
,__,ｲ ,. i:i / ＼
/ , ' /i:j /' ./ ／／ ﾄi i i ﾍヽ
/ ,ｲ// i ,/‐､ｲ／ 7./ i | i ' ﾑ
,/ , '7// .l／izｚzxヽ､/ｲ .!|Vj ! ﾍ
／i ／ i// |. ヾﾄ::::斗 彳´ ﾘﾆi` ' i | ,ハ ふん
/ j/ y':/ j _ヒzソ i沁ゞ //i∧ i
./ //! .// | ﾑリ|.//∨ .ﾍ !
' // i //.i .∧ .| _＿_ ' ｀`.i ' ∧V .iヾ 「近代思想とキリスト教は、絶対に切り離せない」
j::,′lﾘ// , .i,.! ,': : : :/ 从 i::i j
|::| // j ,ハ |ヽ:.､ ヽ--' .イ 7 .iﾘi::iⅥ なんて、白人の傲慢な西欧中心史観だよ！
|::| i::'| ∧ ﾄ V i .∧ ＞ . ＿. イi | / ﾚ' !:i
|::| i:::|´ V ヽA V rt r＜ /: : T' ,′ .i::i
|::| `´ .ィ:/ヾ/t|_j-i /: : : :i .ｲ: ＞ｘ _ j::i
|::| ,.イ:xz===イハヾヽ/: : : : :i´: : : : : ／ヽ
|::| 7: : //: : /::::/ i:::ヽ ヽヽ: : : |: : : : :./: : : ハ
＜:::::::::::::::::::::::::::....
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/::::::::::/::::/:::,::ｲ:l::::l::::l:::::::::::::ﾍ
,ｲ::::/::::/::::/:::/ |:l::::|::::|::::::ヽ:::::::.
| |::::|:::::|::::zﾅﾅ |.ﾍ弋ｵﾐ::::::::ﾊ:::::. だが西欧中心史観を感情的（又は道義的）に否定するだけでは、
| |::::|:::::|/ __ ｲ:::心ヽ::::ﾊ::::} ﾌﾗﾝｸ･ｷﾞﾌﾞﾆｰ
| |::::|::::从Y⌒'' , ｌ:::::ﾉ 〉）ヽ:|:::l 知日派米国人史家すら悩む「明治の特異性」への回答にならない
人人::ﾍ:::| ┌‐┐ .,|'::::::ｿ::::|
ｰ=ﾆ~::ｲ弋ﾍﾍ:::＼ 弋 ノ ノ::|川川::::|
______ノ /::::::::川:川 l＞ イ仄:::|川川::::| 思うに―――やっぱ大事なんですよ、視点を変えてみるのも
/::/:ｲ川:川/ ｀¨M¨´ 〉:::|川川::::|
/:::/r'''￣{{ ＞ｲ从＜´｀￣}}￣｀ヽ
/::::/ | || く__, ｲ.|.ﾄ､__> }} |
/::::/::::|. || / /│| | || Y. |
/: . /: . :/: .;ｲヽ: . ＼: ＼: . : . : . : . ＼: . ヽ
/:/ /: . : j: . | | ＼ . :＞:‐＼‐:‐:-: . : . ＼: ｷ＝=､ 「西欧人の近代精神の主要材料となったキリスト教は、
,: /: ,′: .:.|: .:.| | `く . ,rテ气ﾐ､┬i- ､: . ヽ:', j!
j/ｌ: .|: . : .:.| ,斗1 Ｙ.Ｖi ::: レﾄj: |) }＼: V', ﾘ 近代以前の神国にとって何だったのか？」 という視点に
|! |: .|: . : .イ ,.rテミ V､:::_ ｿ |:.| ノ: . :ヽj. :,
|! |: .|: . : .小〈.Ｖi: ﾊ `ｰ '′ |:.|´ヽ: . : . : .',
l! |: .|: . : . }小.弋zﾝ xww. j:.j: : : : : : : : : :, 「見たくないもの」こそが盲点になるのは、よくある話だし
ヽ:j: . : . ﾚ1ハ wx ' _ . ,.ｲ|:.|: : : : : : : : : ',
ヽ: . /|:.|!: i＞ .. ､ ﾉ ∠ |:.|: : : : : : : . : : ;,
.|:.||: |八 : : i:`７ ￣ ＼|:| |:|:: . : ',: : : : : ,
|:.||: | ＼:|: ｉ{ ヽ:|: : . : . ,: : : : :',
.|:.||: | `)小 ヽ. ヽ;: . :,: : : : . : .,
.|:.||: | ,i八 丶: : : : : : : : : . : ',
|:.||: |＿ /' ＼ 〈: : : : : : : . : . ,
＿＿＿＿＿_
-‐ ´￣￣￣￣￣ ~゛'' ‐-
∠ ／／ ヽ＼
／ﾉ ｛ ｛`ヾ -‐…・・・…‐-ミ ＼＼
／／ ヽ ＼j .∠ 一 `ｰ一' ｀ヽ ヽ ヽ⌒ー
/, ′ 冫z ／ , ' ／ ｀ヽ ＼／／｝ ', /λ
. 〃 i孑 ´ ／ , ′ :.;ハ ノ入_ ノ ,人,' ,′
,' , γ 〆 〃 / / ,､ .:.:.;∧ ∨彡孑 一' / /
. / ／ ／' /／ / , ′ :i ', .:.:.:.:.', ﾏ／.:.:.:.ヽ 〃/
. |' ／ ／ ､〃 /ﾘ ｌ :! ヽ ､ .:.:.:.:.} ﾊ .:.:.:.:.;∧ ｛
ィ／' , ′ /{ 斗七爪｀ヽ!､,| ∨孑廾ト ､ .:.:.:.:.:.:.:.', ヽ
／ , ′ /｛. i／ { ,ﾊﾄ ,､ ﾊヾ ヾ ＼ .:.:.:.} ＼ 八 .:.:.:.:.:.:', ,|､ も う て ん
/ l | / / 〃λ :| , ﾄz竓芹ミx x竓ﾘミx .:.:.:.:.:.:.ヽ | l
,/ | |f , ｲ /∧ |/,! 从 r'乂'! r'乂'､!ﾘ } i .:.:.:.:.:.:.:.:l | ',
|'冫/ ./i / ,ﾊﾄ 八ヾ ∨ツ ∨Ｚツ } .:.:.:.:.:∧:ﾘ i
λ∨ / .|' / 从 ' ト ヽ ' ｲ / ! .:.:.:.:ﾉ }:ﾊ !
{/i ', ,′冫 ﾉﾙ' { | ハ, ,､ ｡ ﾙ ′ / .:.:.〃 ﾉ' ′|
' ﾏﾍ ｛ //)イ ', ﾄ ! 个o｡ f' i / / 彡 .:.从′ / /
｀┘ｊ 〃 ヽｊヽｿ／｀ヽ_ / ﾄ ＜〃 ノ .:.:ノヽｊ / /
/ { f.､ / /`Y´￣ﾉ'´ﾙ'r‐､ ｰ=彡ｊ'/ / /
. ｲ ,. -‐一' ﾊ / /γYヽ, -‐´=＝ﾆ＼丶 く_／
|' ／: : : : : : ヽ , ′/ノ /〆´ f : : : : : ヽﾉ丿
l| /: : : : : : : : : 冫 ´￣ ｝｀ヽ,/: : : : : : / /ヽ
｛| } : : : : : ／´7 '`ｰ-┐┘‐-┐､ : : : / /: : : ＼
＿＿
, ‐ ´ ｀ヽ
／..:／.:/ .;ｲ :. :.丶.:.: ＼
〃:.:./ .:./:.:/小:.: ',:.:.ヽ:.:.:. ',
l:{.:./ .:./':__j:! l ヽ_:.ヽ:.:.＼:.:.!
ｉ:}:ﾊ .:7::::::::::::::::::::::::::::ヽ:.:ﾍヾ、 何せこの問題に踏みこむと、いろいろ不愉快な黒歴史が
､_メ!.:i.:.ﾊ::::::::::::::::::::::::::::∧:.:}:.fヾ ｶ ﾚ ﾗ
乂;ｲ.:.∧ /ｲ V:.:.| ﾘ 出てきやがる上、切支丹が「敗者である」ことも相まって……
_／ j/_:ﾉ:.介 .､ － ,.イ:.l:|:..|:.:.:.!
´/:.:,':.:.:j:|:ﾉｰf夭‐ﾍ :j:|:.:ｌ:.:.:.:!
/.:.;ィ7´ｌ:|＼/ﾑﾍ／｀l:| ｀ヽ.:.:i 「切支丹の定義づけが弱いままだ」と、要はそれが言いたいわけで
/.:/i // !| に不こ) !|l /!:.:.i
/.:/| ヽl ｌ !|/〈/ i| ヽ｣ !| !./│:.:.i
./.:/: | | | !l: i|: ＼!l│ |:.:.: ',ヽ
＞ ¨¨¨¨¨ア
＞ -‐=≦ ア /
＞ -‐=≦ ／／
／／ -‐―‐‐- ミ 幕藩体制下に居場所が無かった、ファナティックな異物―――
/ /＿＿ : :´: : : : : : : : :_:_:_:_:_:_: :〕iト
≧=‐―／: : : : : : : : : : : : : }}: : : : : :＼: : : : ヽ それ自体は、様々な視点から語り尽くされていると思うけど？
＿_ ／: : : : : : : : : : ‘:,: : : :{{: _:_:_:_:_:_: ヽ: : : : :＼
／ : : /: : : : : : : ‘:,: : : : :.‘:,: : :}}{------} ／}≧=‐- -‐==‐‐＜
／: : : :./: : : : : : : : : ‘:,: : : : : ‘:,: {{‘,---- /-‐=｝ニニニニニニニﾆ≧=‐-
. ／: : : : : /: : :. :.|: :| : : : : ‘:,: : : : : ‘:,}}: :〕-‐='′ ｝ニニニニニニニニニニニ=〕iト
/: : : : : : : |: : : : :.|: :l､.:. :.|: : ‘:,: : : : : :{{:（ ｝二二ニニニニニニニニニニニ ＼
. /／|: : : : : ハ: : : :.|: :| ヽ斗-‐ ‘,: : : : : }_｛｀¨¨¨¨ ｝二ニニニニニニニニニニニニニ 丶
|: : : : / }: }: ∧／,-‐|/＼: |: : : : / （｀¨¨¨¨¨´ ｝二二二二二二ニニニニニニニニニ〉
|: : : / {: {＼∧ ,ィf笊ミﾒ、: : : ::ゝ-（｀¨¨¨¨´ イ｛二二二二ニニニニニニニニニニニ/
|: : / Ⅵ /ヽ{ ∨ﾘ:|: : : : :{{:ﾝ!〕iト､_／:.:.:|｛斗＜≧=‐- 二ﾆ=‐---ニニニニニ/
|: / /:｛: :∧ Ⅵ:|: : : : :}}ノ|----|: : : :.!: :. :. :.|: /|: : /二二二ニニニニニニ/
|/ /: ｛: : :.ﾉ ´ |: : : : :{{: :|----| : : : | : : : : |}}=|: /ニニニニニニニニ ア´
. /: :.｛: : :ゝ､ :!: : : :/}｝:.|----| : : : | : : : : |{{=|/二二ニニニニニニ /
/: : :｛|: : : : :.〕iト='｜: :./ {{ : |----| : : : |: :.∧: !}}二二二ニニニニニニ/
∧{＼{:|: : : /:.:.:/ | : /- }｝: |----| : : : |: /ﾆⅥ{{二ニニニニニニﾆア´
|: : ∧: / _j:./ニ {{ : |----|Ⅵ : |/ニニ }}ニニニニニニ ア´
|: / |/ ｡o≦ニニﾆ}}ﾆ｝ ｛ﾆト､|二ニﾆ{{ニニニニニア´
|/ イニニニニニ{{ﾆ｝ ｛二二ニニﾆ}}ニニニ=ア´
＿__
´ ｀ 、
／ 丶
/ ＼
. / ／ ヽ
/ィ / /ﾊ ∧ なるほど日本史の枠内では、彼らは“狂い咲いたあだ花”です
／ / / __ ／ / / lﾊ | l i ﾄ､
／ /／ ィ´／｀／ ／ 斗-､. | l i l ! だがそこで止めずに、敢えて世界史的意義も考えるべきかと
/ イ /／／-r==ミ r=ミ| | l i l ﾉ
l ／ /{ {/ 人 {{ 以シ 似ﾉ} / /l/ｲ
し /人 ∨川小xxx 、xx/ / / ｲ 从|
. //〃⌒ヽ厂ﾄ)}＼ ー' ィ7 /／/ヽ{ ∧ ゆえに以前、以下のような“引き”を用意したわけで―――
// { i| V}＼｀T７´ / ／ノ ∨ ＼
／/ ,小、 .し'ﾉ人 N∧_／l/l }＿ ＼ （やっと伏線回収の時きたれり）
／ / ∧ ＼ ＜三≧｢≦ﾆ>／ /＜ ｀ヽ ＼
／ / / ∧ ＼ | ｦｲ｀ﾄ､ｰ〈/ ／ /￣｀ヽ ＼ ＼
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
_ -‐…‐-
，‘ `ヽ､
|
_｣LL｣ _
／ ＼ ‘
/ ∨ ，
乂__,ノ
′: : i
! : {: i: .:: | ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
! :j {: : : :i: :.: | i ┃ 切支丹とはいったい、何者だったんだ───？
! j :{: : : :i: :.: | |i ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
!:′ {: : : :! :.: j jj
,ｨi{ ヽ : .: |j芋ミﾄ､
ﾊ州ｉ : i j{ニﾆ州
i{ニﾆｉ : ! :i:! i jｱ
√ ^{ : : :|i∨ノ.. }
＼__( : ヽj ∨_ノ
人ﾆ'， : :{:. ∨}
⌒⌒ﾑ : v ∨
.. (ニ∨ : v ∨､
. _ ‐=≦ニ＼: v ∨＼
{‐=ニニニニﾆ＼､ v . ∨:..＼
`､‐=ニニ=‐ ‐={ﾆ丶 ＼ : : : ＼
/≧=-‐…ｧ≦ﾆ∧ﾆ〕iト ヽ: : : :＼＼
. /┼╋┼アニニニ∧ニニ 〕iト : : : : : : :.
/ .┼╋アニニニﾆ/ ∧ニニニ√＼:: :: :: :: .i :
√ ┼アニニニニ７╋ ∧ニニ７╋{ ヽ: : : : :.} }
＿＿＿_
,. ‐''"´ ｀ ｰ- ､
／ ＼ ＼
,ｲ ＼ ＼::: : ＼
/ / ! :| :|ヽ＼ ＼:::::. ヽ
,' .:/ .::::/ ,' :,' .::iハ . ヽ:::: :::ヽ:::::. ﾍ
i .:/ ::／ / ::/!: .::,' | |∨:|ﾍ:::: : :::ﾍ:::::::ﾊ 神国の 「 天 下 」 には、切支丹の居場所が無かった……
| .:,' ／ .:/ ::/,' :::/ |:.! |:.:| |∨::::::::∧::::::i､ ~~~~~~~~~~
| .::i:./ .:::,ｲ ::＿/:::/ ﾘ !斗f‐-､::::::::::ﾊ::::| !
|／:|/ :／,ィ"´／:｀` / |/'_｣」. i:`: :::::::|::::| | 然るに居場所が無いはずのものが、死に物狂いで自らの
,ｨ| / ::::::／i,.＞''"ｱiヽ /´::::}`.|:::::::::::::ｌ::::| |
/ | ,'::::／{ rT{::::::::::r ! {:::::rﾘ ∥:: :::::/ﾄ､ﾊ| 存続を賭け、恐怖の迫害をサバイバルしようとした―――
{ | {::/::::::ヽ|:|乂､_,ﾉﾘ ヾ之' ,'|::::::::,'. | 乂
ヽ | |,' |::::|::::|｀ﾄ! ''' "´ ､ ﾊ|::::.::i ! `''ｰ‐
ｉ |::::|::::l::::|ﾄ､ /:::|:::::::| ヽ
ﾊ:: l: ::|::::|::::iﾊ ＼ ´ イ:|!:::ﾊ:::::|
∧: !::::i:,.-､｢|∧ ＞ ､ _,. ＜:i::|:::|:::::.ﾍ:::ﾍ
/::::: _厶イ .／ |:.:.|` ｰ-L＞､:::::::|::|:::|:::::::::.`iｰ＼
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
＼ヽ l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l /／
＼ ／
二 .その凄まじい情熱は、そもそも何に起因するのか？ 二
／/ ＼
// l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l ヽ＼
/´￣/7＞ｒ―┬―－┬－- ＿＿
/////////| |l｜ ｜ ｜ | ｌ l |/ﾊ＞, , 、
{/////////| || l l | ｜ | ｜ | ｜|//|/////＞, , ,､
, -――≠/////////| || l l╋| ｜ | ｜ | ｜|//｝///////////＞-‐ヘ ＿
／/////////////////,'| ｌ| l l | ｜ | ｜ | |/ｰ≠――――――--/､////へ
{///////////,'７´/////,'| ! | | ' l l | |///ｲ/////////////////￣/7ｰミ＞､＿
V///////////l'///////,| ! | ｜ ｜ |'///|/////////////////////////////ヽー- 、
ヾﾐ//// / ／ 弋//////_ゝ┴───┴─┴‐く///ｊ/////////////_/_/_/_///////////ﾉ三ﾆノ
￣ ￣ ￣￣ ￣ ￣￣￣￣￣ ￣￣￣￣
＼ヽ l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l /／
＼ ／
二 そこに踏みこんで、彼らを“定義”するべきかと…… 二
／/ ＼
// l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l｜l ヽ＼
＿＿＿ ___,. -- _
,. ＜ }ノ ＞ 、
. ／.／ ｲ| / / , ＼
/ / , ' ., ' |:}' /／ ､ ‘ ,
. /／′ ,' / |:l. 〃 , , } ‘,
´ i , | / ,i|::! /_ イ ／} / ､ .ﾄ， 世界史的意義？ いや、普通に国内問題として島原
. |. , ' l ./ .!|::| /／メ < /／,' } | i‘,
. { / ,' i｜ , ﾆ||::| ,.ｨ示芯}ミメ､. /／} ﾊ ./ ｜.ﾟ, で鎮圧され、世界に何の影響もなかった狂信運動……
', /.| ! ',| { ,|l::| | |.圦_以 /´ x=ﾐ「 / ./ |
. ∧ { }'| i ‘ , |: l ', ! ゞ-く_ んﾘ 》' .／ ,| |
/:/ ヽ .| ﾟ, ｀!::| ', { 厶ｨ 厶イ{ ,'| | それがＦＡじゃダメなの？
/:/ ﾉ /! ﾟ, .|::| ﾄ､. ､_ _ ’ / :!.|.| ', ,' }/
. |::| イj,ﾊ ﾊ iV|::| |、 ,ｲ |.| !,:∨
. |::| V_彡<.Ⅵ', !:＞ ,. ＜ | ./ﾘ |.ﾟ,::ﾟ,
. |::|. , : ´￣≧ｘ ﾟ,ﾑ:, ! _/,.≧チ} , '| ,:| / ﾚ ',::',
. |::| , '::::::::::::::::::::: ﾍﾟ,ﾑ＼,.ｲﾊ/l／ﾚ j/,' /. }:::|
. |::| ./::::::::::::::::::::::::::::::i:ゞ:::＼＼!＼ :|:::|/ |:::|
,. ‐ ￣￣ ｀ヽ､
／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
/.:.:.:.:./.:.:.:./.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
/.:.:.:.:./.:.:.:./l:|:.l:､:.:.:.ヽ:.:.:.:.ヽ.:.:'; ダメ。実にダメ。ペリカ長者の某班長が降臨するレベルでダメ
/.:.:.:l.:.:!.:.:.:./ |:l|:!:､ヽ.:.:ヾ:､:.:.:.＼|
/.:.:.:.:|.:.l -‐/'/l:!|! ヽ｀ ｰ-ﾊ＼.:.:.:ヽ
/:.:.:.:.:.:l:.l ｨ_¨ヽ! | | ｨ_¨ 丶､ヾ:､ヽ:.:ﾊ 実は……＞１に重要な示唆を与えてくれた歴史家が一人、居られまして
|:./:.:.:.:.|:ｌ r'::::::} r':::::::::}:.:.|'ヽ l＼:';
|/l:.:.:.:.:l:.! ゝ- ' , ゝ-- 'l:.:l ﾉ:.| ヾ すなわち山本博文教授の著書「殉教」が、今回の考察の中核となります
|'∧:.:.:.:l:.':､ '"'" '"'u"' /!/,:':.:.:.|
/ ヽ:.:|__::丶､ ｎ ,.ｨ':.//:.l:.:.:.:.:!
/´ヾ 7'ｰr,!｀ ´ ﾄ/ｲー-､:.:.:l
;' ヽ, / ./:ﾉｰf夭‐ﾍ// ／ ヽ.:.l
_!_,..∠､ / ＼/ﾑﾍ／/ l !:.l
＿＿＿
（⊂ニニ⊃）
￣￣￣ ﾄ､ ＿
,. '´￣￣`ヽ､＿__ ∨ヽ ＞!i//＼
,.イ ┘└ヽ `ヽ､ ∨/＞i7//i/////
, イ￣ , i ∧ ┐┌ ﾍ ﾄ､ i/7////∧////
,ｲ_ 7! .,'i |: :ヽi､ ､ ﾄ∨ |/iX////////ﾑ////
〃 i i'∨｀`:::::＂ヾヽ ﾄ, i, | ヽーxi7/////////////＼// ・・・・・
{ A ﾊ | ,x-､:::::::::::'⌒`i ! ,ィ'７ ,.ィ∨/7///////////////＞
Vi `i {i _'_, ,' .,ﾘ.{//iX//////////////////∧
ヾ .ﾚ! ヽ､ ,.ｲ､ i.{ ,ｲ////////////////X '´ ＼j∧
八{ﾚ､＿_,＞- ＜/|Vﾑイ//////////////ﾄ＜＞xi
y'´: : :.7ハ/--Y,.ィjzテ////r个iﾍ/X-'´Ⅵ
/: : ヽ: ヽ: :＜ﾏ/////////T.ﾉ i ヽ.}//テ ヽ!
i: : : : :.',: : ＞ｲ/////////iY7 .ｲ
,ｲ: : : : : /: Nｲ////////r'ヽii|': ﾍ ∧ ← いいかげん前フリが長すぎるのを自覚し、
/___,.-,r--v'///＞i '´i.i )ソ: t.ノ: : ハ ﾊ
／: : :.／! { .{,ィ´: :.i: :i // i:./:i: : : : : : r-.' 納得していないけど自粛モード
{: : :_,ィ!i_ヽ-チ'´: : |:.i j.,' !:'､: : : : : :／
t_zz＜-イ/: : : : : i7 { { ':.it ＼__／
,ィ: : : : : :.7_/∠{: : ヽ
,.ｲ : : : : : : /----iﾍ: : : :ヽ
〃 .: ..: ! lヽ ヽ... ヽ:::.::.
.,'..〃..:::: } .::i .:l }ﾊ :ヽ::::ヾ:::::ヽ
l .::://.::;:', 〃../〃::/ i:l ',.:i',ヽ::::',:',::ヽ',
l.:://:／//::://::::/ il i_Li_ヽ::::l:::l::::i::! ともあれ以上の前提を念頭に、切支丹のエピソードを羅列していこう
.|:::::'ノノﾅ ﾌｻフ｀ / ｲ _ぃ::::::::l:::l::::| i
.|:::::ノイﾒi" ___ ﾁ´:7` ! ::::::i:::l::::| i
. | l:〃（ﾔ"i: =＝ﾐ i､::ゎ l::::::::lﾘiヾ乂 一見ランダムなチョイスだが、かれらの信仰生態の特徴と言動を、
| :|:::::ヾ､i::i ヾ_" ,ﾊ::::;;;;l li 乂､
| ::ﾚ:::::::::i::i . ' /:::i::::',:l 吟味する材料として……然るのち、＞１なりの定義を語る形になる
| :::i :::::::i:! 丶 ｀ｰ' ／ :i::::i:::,i
| :::i :::::::::l ‐- ｒ‐' :i::::i:::::| 「ヽ
| ::::i :::::::ﾉ l／´ヽ :i:::|::::i ｉ l
| ::::::::／ ／;;;;;;;;;;;;＼ｭ ､ﾘ l ｌ ,.┐
| ::／ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀ヽ;ヽ.ｲ l/ /
/´ l;;;;;;／/;;;;;;;;;;;;;;;l／;ヽ ,' l
／ i , ｲ;;/;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;l;;;;;;;;;;＼ l
／ ', ／;;;;;l/;;;;;, -'´;;;;;;;;;;;」ヽ;;;;;;;;;/ ﾉ
―――――――――――――――――――
「キリシタンとは、何者だったのか」を―――
―――――――――――――――――――
-‐ ￣￣ ｀丶、
／ ヽ
/ / /〃/{ { ヽ ｀ヽ. ∧
ｌ / /斗/ハ ｨｰ‐ヽ ∨ l そんなわけで。“お品書き”は、以下の通り！
{ { ﾚﾃく ヽ＼{ヽ＼ ヾ│
乂l f r'ﾊ __ 7ﾊ＼ﾘ l
(⌒⌒) .八,}弋ｿ ''⌒ｿﾉ ） 八
. ヽ〃｀ひ､ ノイ }ゝ" ｎ "" { {´ 丶＼
／ rz-､_ ,＞‐r＜_∧!＞､ ＼丶
. , -‐" とノハ/ ヽ{>ﾛ<ﾌ〈. ヽ ＼
// ／ / ヽ､__,／∨{ j>＜__〉＼ 丶.ヽ
. {八 〃 ﾊ { /{ / 大 , < }ヽ } }
)/ ヽ（. ヽ人{ >‐ヽ/ j ＼／ ∨} ﾉ ヽjｲノ
" ｀ ′ ヽ ﾍ_,ん</__j＿{_／ (（ ( "
/ / | l
/ / .| l
/｀ V ｌ .,′
｀ｰ'′ ├-/
￣
┏┓ ┏┓
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┃｜ ｜┃
┃｜ その１：フランシスコ・カブラルの動揺 ｜┃
┃｜ ｜┃
┃｜ その２：ペトロ岐部の約束 ｜┃
┃｜ ｜┃
┃｜ その３：大友宗麟の陰謀 ｜┃
┃｜ ｜┃
┃｜ その４：山本博文の驚愕 ｜┃
┃｜ ｜┃
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┗┛ ┗┛
／／ ｀`ヽ､＼
（ ( ) ヽ
＼ ｀ー --,． '"´ ￣￣｀`ヽ -- '_ ノ
｀ー-／ ＼
, ⌒／ , / 〃 , ､ ヽ. ､ ｀V´￣＼
／/ .:/ .:.:.::|::|.:.:|::|.:::|.:.:ﾄ､__,:::.ヽ＼ ﾄ､ ＼
/.:.:::|;;|.:.::::::|::|::∧|ヽlヽl´ヽlヽ.::l L.ヽ|＼ |
/.:.:.:.::l;;||:.:.:.:|ｨﾚ'⌒l 〒=ﾐ､ ﾊ | l |＼ | 目次はスレタイとおなじ、ハルヒシリーズだね───
/.:/|:::/l/||::::::l/l/,ィﾃ ﾋzｼ 1 | |.:::| Ｎ ＼|
|/ |/＼:||＼::ﾍ. 弋ｿ ､ ｰ / lﾉ.:.::| |
|.:/l.:::;ﾍ.' ' ' r‐┐ ' '〃 〃.::/ リ 分る人には分るはずだけど、キリシタン史の中でも
|/ |.:/|:::.>.、 ｀ｰ _ .イ 〃 |/
|/ .|/＼::|「(￣-‐ 7 /⌒ヽ わりと「癖がある」とされる御仁の名前が、チラホラ……
/l ￣_ >只く ／ / ',
_／ ＿／/ ﾑﾑ./ _,/ i
_, ． '´ / , イ / ∠__ |
/ ､ / / l i | / i |
l `ーくi.:::',.:.:.:.:l i:.:.:.:.:| / |.:| |
l ﾊ.::l .:.:.:l i:.:.:.:.:!. /. |::| l
! /.ﾉノ _ﾉﾉ !/ ､ |::| !
! ＿_ノ〈く _,⊥⊥＿ノ V´1 !
,. '"´ _厂 ｀7 ｀7´ l 〈 / !
／ ,． -─┘ ﾉ ﾉ l ＼ !
／ ／ ｀`フ´ _ノ l ＼_＿／
く > ´ ￣｀`ヽ∠ .:.:/ l ＼
＼ ＼ /⌒ヽ/ l ＼
＿
'´ ｀ヽ
.j /rノﾊヽﾊ でもネタバレは厳禁ということでよろしく
ｲi(|＾ヮﾟﾉﾙ
ﾉj〈_j条iつ､. ,.==､ とりあえず次回は、「その１」を描き切ろうと思う
-===(（（.Uj_ヽ,>===|(ﾟ,)+@
し'U ｀==´
━━━
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|＼
[|[|| To Be Continued....! >
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|／
今回の主題となった「天下」という歴史的な名詞についての考察ですが、今になって見ると言及するのが、やや遅かった
かもしれません。一見、宗教性を感じないうえ日常で抵抗なく使用される名詞ですので、自分も見過ごしておりました。
しかしよく考えてみると華夷序列社会と神国、さらにモンゴルやコリアやヴェトナムも「天下」という“空間認識用語”を、
元より実相はちがえど共有していた。当スレの主題と不可分な要素であると気づき、前説に採用したしだいです。
ウェストファリアについて言えば、17世紀当時はローカルだったヨーロッパの地域秩序にすぎませんでした。それが欧州の
覇権により、国際秩序という「大正義」になったわけです。大上段に言えば世界で唯一「神権から人権に移行した社会」が
東アジアの「天下」を含め、神権しか知らなかった他の人類社会を駆逐したのが、「近代」なる時代の特徴ではあるまいか
そして、いみじくもフランク・ギブニー氏が示唆するように……現代の国際秩序がヨーロッパ起源であり、かつその源流が
「カトリックと、カトリックから派生したプロテスタントの“親子喧嘩”」である以上───
「その歴史の系譜にない」日本が世界で唯一、欧化政策（文明開化）の鮮やかな成功例となれたのは何故か？ これが
密かな、世界共有の疑問になっている。氏によればこの疑問こそが、かれが直接対談した鄧小平や趙紫陽や朴正煕や
サダト、ラテンアメリカの学者たち等々、第三世界のほぼ全ての政治家や学者に共通する「心のうずき」であるという……
この疑問を自分なりに考えて見るに……そもそも日欧それぞれの「勝者が書いた歴史」だけを突き合わせても、
「天下の物語」と「ウェストファリアの物語」が、平行線をたどるだけ。食い合わせが悪くて「消化不良」になるわけです。
その状態の放置が、疑問が疑問のままになってしまう原因じゃないかとまあ、そのように考えているしだい……
─…─-
:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
／. -─…─＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
. /厶-英‐……─ヽ:.:.:､:.:.:.:.:∧
':.:.:.:.:l:.:.:.:.ﾄ､..:.:.:､:.:..:.l:.:.:.f⌒ヽ:∧
!:.:.:.:. ､Ｘ: ｊ:.:.:..:.:..:/斗!:.:.:.! _У:.∧
. 「|:.:.{:.:.:ﾑ=ﾐ|:.:/}:.厶=ﾐj/ :.}く ＼.:.:.:
. く|:.:.::.从 以 ﾋゾ: : :|ヽ:. 、 ヽ.:i
|:.:.:. ﾊ 丶 |:.:.:.ﾚ':.l ヽ/:.i| ←ちなみにこの国は三十年戦争ではほぼ空気で、新教側なのに
|:.:.:.:.込、 ､ _ .|:.:.:从:.!／:.:.:.ﾘ
乂:.:.:.:.:.心､ __,...イ :|. :/:.:/l:.:.:;/.ﾙ′ 戦勝国にはなれずじまい。戦勝国フランス（旧教国）とは対照的
ヽ人ﾊ:.:: :i{ :..:: :ヽ／ / ＼!￣｀ヽ
. ｀ヽ: 八llﾊ￣ . ／j ヽ └-､
´ ﾘ } ／/i/ ＼ }
{! /i/ｒ=====､ ＼∧
∨/i// ＞､.__＼}
∨ｲ;{. ¨ﾄ､
宇宙観の否定、分かるような分からないような…
そういうのに対して日本や中国以外、例えばタイとかトルコはどんな感じで受け止めたのかな〜
>かれが直接対談したトウ小平や
になります。
三十年戦争で、新旧のキリスト教徒が
妥協して、一定の相互尊重が生まれたのは
それこそ、凄惨な内ゲバなくしては
ありえなかった。
叡智というより、統治上、キリスト教徒
しかいない欧州は、地形的にも政治的にも
他方の殲滅が無理だったから、妥協せざる
を得なかった。
カトリック一極支配の時代は、平気で
殲滅ばっかして、作者さんのいう
キリスト教精神を背骨にした
人権も信仰の自由も、精神の自由も
なかったんだからさw
プロテスタントの発生と宗教戦争が
もたらしたキリスト教の近代化の手柄を
バチカンやスペインなどの頑迷な
保守派が、近代化が成功してから
俺たちも功労者だぜとか、厚かましすぎる。
仏教もキリスト教も変わらんよ、日本は戦国時代で置いて来た
だから鎖国してようが禁教してようが開国したら欧州列強と肩を並べることが出来たわけだし
鎖国＝準備期間で間違っては無かったと思うよ、現に日本以外のアジアはボロボロだったもの
さながらのカトリックの一極支配で、
新教も異教も認められていなかった。
布教地でユダヤ人を異端審問にかけて
焼き殺したザビエルらに、近代的な
信仰の自由を守れだのいう資格があるとでも。
宗教の多様性を認めていた日本人が
カトリックを禁止したのは、
単に彼らが三十年戦争の後の
近代的センスを持った信仰車じゃなくて
カトリックの勢力拡張にしか頭にない
中世レベルに逆行していく問題だらけの
負け組に堕ちていく宗教グループだったからだよ。
バチカンやスペインからは、作者さんの
提示した三十年戦争後のキリスト教の
近代化の成果など期待できないのは、
彼らの信仰形態や、それを押し付けられた
布教地が証明してる。
改宗しなければならないと、セコく
強迫観念を植え付けようとしてるけど。
そもそも儒教の本場だった中華や、
その直弟子だった朝鮮と違って
根本的に日本は儒教文化ではない。
影響は確かに受けているけど、
儒教圏やイスラム圏が、骨髄まで
染み込んでいるのに比べれば、
やはり教養レベルでしかない。
その顕著な差が、幕末から明治にかけての
日本と他の儒教圏との隔絶だった。
カトリックにも儒教にも染まらず、
三十年戦争後の教会組織が後退した後で
キリスト教徒達が練り直したシステムを
模倣したから、儒教世界に引きずられた
中華や朝鮮と違って、近代化に成功した。
日本の成功は、アメリカのように海を
隔てた為に、巨大な教会組織に邪魔される
事なく、三十年戦争後の成果を上手く
自己流にコピーできたからだけじゃない。
作者さんの前提だと、日本よりブラジルや
メキシコの方が有利に近代化できるはずだけど。
向こうは、数世紀前に、ほぼ異教を駆逐し
100パーセント、カトリックになってるw
そんなに長文書いて主張したいことがあるんだったら
AA作品にすれば？
一聴したところ作者自身が「自分の論理空間（天下）」に対して反論（天下の外）を無視してるなぁw
端的に、素直に考えて、文明開化にキリスト教エッセンスは関係なかったと言うことでは？
別に、カトリック保守派なんかが全行程して、キリスト教社会全体が一気に近代化したわけじゃないからね。
殺し合いの継続が難しくなって、勢力均衡の上に渋々と合意したってのが実情で。
まあ、そこから始まったのは確かだけど。
けど、諦めの悪い法王なんかは、新教徒が虐殺されると祝報をしたためてたりするから。
条約の意味や意義をキチンと理解して、内外で近代化に有効活用したキリスト教国なんて、一部の先進国だけだね。
後は意義が分からなくて、迷走するバカな国々が多い。
それこそ、儒教文化が捨てられない中華圏と同じで。
極大的に拡大解釈して、戦国時代の
カトリック布教・改宗を正当化してるだけ。
ウェストフェリア条約の意義や意味を、
バチカンやスペインは、自国や布教地で
近代化の為に有効活用したか、というと
全くそんな事はなくて。
カトリック一教しか認めないで、
それに拘泥しすぎて、衰退していった
連中が、ウェストフェリア条約で
正当化を図ったり、儒教にこだわり過ぎて
衰退して中国を停滞を笑えるのかと。
むしろ、中華圏と違って目と鼻の先で、同じキリスト教徒が近代化しているのになにをしてたんだと。
他国が植民地にされて、最後に日本に来たから近代法治などを高いレベルで身につけねばならなかった。
そういった意味では、内心ではウェストファリア条約に不満たらたらで、中世の栄華よもう一度、よバチカンやスペインなんかよりかは、条約の意味や意義を真剣に学んだ。
キリスト教徒の系譜ではないけど、作者さんのいうウェストファリア条約の系譜では、スペインなんかよりは遥かに真剣に学んでいただろうね。
キリスト教から、普遍性を高めていく事で、近代思想や近代科学は派生したけど。
普遍性を高め過ぎた事で、迷信部分を含んだ宗教としては、どんどん希薄になっていった。
ヤハウェが七日で世界を創ったという神話よりは科学的な解釈を述べるようになった。
成功したキリスト教先進国で、無神論者が増えていくのと同じ。
日本人が後乗りしたのと同じく、彼らもキリスト教を信じてなくても、その系譜に平気で乗っかっている。
なんども言ってるように、作者さんが非キリスト教徒だけど、必死に西洋近代化を理解して説明してるのと同じだね。
何故、明治の人間が、自分と同じアプローチをしたと考えないのか不思議。
自分でやってるように本を読めば、分かる話しだよね。
作者でもないのに長文連騰する人は、いい加減自分でスレ立てろよ
日本は時代に合わせて、キチンと対応していくけど。
相変わらず、狭い知識を拡大解釈した、都合の良い決めつけだけだなあ。
なんか１の論を補強してるように見える、一見反論してるように見えるけどね
もっと根本的な部分で１の論は破綻してる、所詮他人の論を切り貼りしてだけなので個々の論に矛盾があるんだよ
日本と同じく、宗教の選択権は領主だけにあり、領民はそれに従うだけ。
個々人の信仰の自由が保障されるのは、アメリカの憲法を待たないといけない。
カトリック保守派の国々なんか、ウェストファリア条約の時代から、全く進歩しない。
他の信仰の自由を認めず、教会の一極支配と特権に見苦しくしがみついて近代化を邪魔し続ける。
近代化したキリスト教徒たちが経験した産みの苦しみなんぞ全くしていない。
そういう連中の宗教文化の系譜が、当時の大航海時代の海外布教。
その時、スペインも最近になってようやく新教徒の信仰を認めるようになったと話したそうなw
まあ、それすらも建前で、実質は作者さんみたく上部だけの理念しかなくてカトリック一極でしかなかったのだが。
明治頃に、ようやく建前だけの信仰の自由を保障した連中が、戦国・江戸時代でどうやってそれを教えるってんだろうねw
宗教裁判所でバンバン、異端や異教を拷問・処刑してた。
今でも歴史的施設として残されて、ユーチューブなんかで中の様子が見れるね。
大航海時代から20世紀の独裁者と結んだ条約を見ると、本音は全く変わってないのが分かる。
日本と中国の「天下」概念は根本的に違うものなのだった。
＞「その歴史の系譜にない」日本が世界で唯一、欧化政策（文明開化）の鮮やかな成功例となれたのは何故か？
そんなの、通った道が違うだけで日本の方が先に結論に辿り着いて鎖国に入った、それだけの話じゃね？
たとえ１氏の見解に納得できなくても
多大な労力でスレを作っている作者さんへの敬意を
忘れずにいたいものです
明治の頃には、すでに理神論や無神論者が西洋でも増えていた。
その派生こそキリスト教文化だったにせよ、いつまでもキリスト教徒でしか近代化は理解も運用もできないなんて主張するのは、驕っただけの差別的見解でしか。
西洋の近代化の成果を拡大解釈して、21世紀にもなってキリスト教文明圏しか近代化できないとか主張しても、共感や理解を得るのは難しいんじゃないかな。
それこそ「大唐帝国」が西方で異民族国家と国境紛争を繰り広げてる時点で天下の概念が消滅変化したと言える
唐人が天竺と呼んでた存在には朝貢をさせようなど考える事もしなかった
（例えその頃のインド地域は戦乱の世で唐など比べるものでもない規模の国家群しか無かったわけだし）
>>391
結論って何？何か書こうにも論理がバラバラで良く判らんぞ？鎖国自体は日本だけの専売特許じゃない
>>393
「近代化」という概念が曖昧なんだよ、現在アフリカの土人すらスマホを使いこなす時代
かつての大英帝国ですら何か気に入らなければ国家分裂の危機に陥る事がある、近代的理性の人間なんてそうそう居ない証明なんだな
鎖国時代の間に準備は整ってたことじゃないんかなと
個人の信仰の自由などに向かう代わりに、逆に意固地に古い宗教体制にしがみつく連中も多かった。
その代表例がスペインだろ。
逆に、宗教を整理してあった日本の方がそういった体制に巻き込まれずに、新しい時代に対応できた。
キリスト教徒100パーセントの国で、信仰の自由がつい最近までなかった国々なんて結構ある。
ageてる人のレスは何か的外れ
信仰の自由とキリスト教が近代化を用意したという1の論理は無関係
もしかして最後の書き込みかも知れないからそれだけは言っておく
つーか、近代化全般に対して、カトリック保守国は失敗してるからなあ。
独裁政権とカトリック組織が組んだ体制を、教権的ファシズムというけど、主に大航海時代のスペインやポルトガルの事なんだよね。
信教の自由などの近代的な人権はいうに及ばず、議会制も敵視して、同じ西洋人にも白い目でみられてた。
経済や産業も、大航海時代の収奪経済だから破綻して西洋の底辺国。
海外布教が日本に近代化をもたらすどころか、宣教師たちの祖国は大航海時代の影響でジリ貧状態ねんだよな。
まあ、盲信と収奪経済しかやってないから、自業自得にもほどがあけどw
教権的ファシズムは、大航海時代以降のスペインやポルトガルね。
しかし、反宗教改革のために海外布教や植民地獲得などしたから、逆に両国は近代化に失敗したんだよなあ。
バチカンと縁が切れなくなって、共に盲信と反近代の道を歩んで共倒れ。
植民地からの収奪に頼るだけだから、産業が育たず、独立戦争で痛い目にあった後に経済破綻。
仏教用語になるけど、因果応報という言葉が似合いすぎるw
欧米で「信教の自由」が完全に保障された国家も皆無（イギリスの英国国教会って別にカトリックと思想対立してるわけでもない）
新教（プロテスタント）も別にキリスト教の枠内から外れてるわけでもない、寧ろ上からの改革が行き届きやすいカソリックよりも頑迷な原理主義に陥りやすいと言う欠点がある（牧師事に解釈が変わってしまう事もある）
スペイン・ポルトガルなどのあるイベリア半島は歴史的に少数民族が乱立しやすい地域で民族的統一が出来なかったから近代化に出遅れた一面がある
そこと日本の鎖国と近代化には無関係
以上1の論理とかすりもしないという事だ
他方、スペイン・ポルトガル両国は先行して植民地を大きく獲得していったのに、そこから得た利益の多くは貴族などの浪費に消費されていった。
それでも植民地を支配してた頃は、ギリギリ体面は保てたけど。
独立後から、もう経済がまわらなくなってしまった。
あの両国が唯一必死にやった努力って、独立を阻む邪魔をするのに莫大な軍事費をドブに捨てた事かなw
ちなみに、ハリーポッターのラスボスに差別主義の影響を与えた魔術師の名前はサラザールにちなむ。
まあ、2次大戦後も秘密警察を使ってカトリックの支配を遂行してた人物だから。
幾ら罵倒しても1には届かないよ
1はキリスト教の教義が自然科学を発展させたと本気で思ってるんだから
中国などを代表する東洋で自然科学は発達しなかったとか真面目に考えていたんだろう（それは錯覚なんだがw）
1の論理を突き崩すには挙げられた事例を一つ一つ反例を挙げて反論するしかない
それこそ、プロテスタントの原理主義が支配的だった地域は、優等生のドイツでも近代化が停滞してた。
仮に作者さんのいう通り近代的法治や近代的科学がキリスト教から発生したとして。
その前提を正しいと仮定したとしても、全てのキリスト教信仰文化が近代に向かうとは限らないってだけの話し。
そりゃ、教皇至上主義だとかプロテスタント原理主義の信仰から、どうあがいたって近代化なんてできないだろうからね。
スペイン・ポルトガルは、当時のカトリック布教の中心の当該国で、カトリック原理主義を貫いたせいで、議会制民主主義などの代わりに、独裁政権とバチカンが癒着して教権ファシズムに行き着き、今のお荷物国家になったから挙げてるわけで。
毎回、一部のキリスト教徒のみが実質的に成功まで行き着いたものを、さも西洋全般で達成したかのようなレトリックをよく駆使されるからねw
まあ、キリスト教側の失敗例や問題点には頑なに目を瞑る人間性だから何を言っても届かないと思うけど。
ウェストファリア条約を結んだでけで、キリスト教の差別や排他が近代的に払拭されたなんて笑い話だと思うよ。
概念はともかく、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツなどでも中世的な異端・異教に弾圧と虐殺は近現代まで尾を引いている。
仮定の話だとしても、近代化にかこつけて何もかも正当化する悪しき帝国主義的な詭弁にすぎないね。
16
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イ ハ l 古 、
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__ ｨ≠￢:::i l /ｰト ｌ l ヽ ＼ '. ＼
／ｲ;小ヽノ::/ | | ｜ ＼ ヽ ＼ ﾞ, ｌ l ヽ 万世一系の皇統を守る本朝を、易姓革命を繰り返し
〈:{_/:/ |:|`ー' | |､rr==≧ﾐﾒ、 ＼ i ｲ | j '
ヾ:/ |:|｜ | ｌ `＿ゝ'ノヾｰ | ／ |/|.′ l 今や満州族の皇帝を戴く隣国より卑下するとは何事！
// |:|∧ | ｀''"￣` lイ=ﾐﾒ､lﾉ ′| |
/::/ |:| ヽ '、 、 ヽ'_ﾍ / / /| |
. /::/ |::| ＼ ヽ ／ ゛''/ イ／ jﾉ 逆に考えるのよぉ。「日本こそが中華」なのよぅ！
/{:::{ ﾚ′ |｀ ＼ r＝ｰ ､ ハ ﾉ }
､ / ￣ /| ｜ ￣`ー' / ／ ｲ
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―‐ 、 ､ / ！ | イ ｜
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古学（演者：水銀燈 ＠Rozen Maiden）
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それを良しとしない新興勢力・古学派が、ジョジョ的な逆転の発想のはてに「中朝事実」
（by 山鹿素行）なる論をぶちあげるに至るのだが―――それはまた、別の話……
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＜というわけで、本編投下前の小咄＞
仄いrく艾艾艾艾癶、
r巛Uj〉j〉j〉::::::::::::::::::::辷う、 ､
. ｎrｎrｎrｎrｎrｎrｎ:::::::::::::::::::辷う、 ＼
／乂乂乂乂乂乂乂ｎrｎ:::::::::::::::辷う、 ヽ
／￣ 乂乂ｎrｎ::::::::::辷う、
＼ 乂乂ｎ::::::::::rう)、
/ 古 :.＼ ＼ 乂ｎ:::::::::rう) ′ まあ国学も、俗に「古学」と称することはあるけれど……
ｉ : : ::::::. ヽ :.＼ 乂辷辷く ′
::|:. ￤ :...:|....: i :::| _}L.:. 艾艾艾＼
::|:: |:::::ｌ|:.. . .::::::|:: 斗r七' |l ￤ Y⌒Y^ ＼ | 今回の文脈でいえば、日本の儒者たちの中から生まれた
::|:: |:: 八:::::::::::::|ｌ::ｌ::| 〕斗ぅ弌7. |ｌ |: V⌒ト､ ＼＼ |
: |:八:. ､:::: ヽ :::::::八乂{ｱ乂`ｰク |l ﾊ:. | |ｌ ＼ ＼＼ 復古的思想運動としての「古学派」なのよねぇ
: |::::: ＼＼⌒＼/ ''¨゛´ 八Λ|:: | |:) 八. ＼ |
八::::::::::|＼ 托笊! ./ .:/ ..:|:: ﾊ! ,.:代＿＿___＼＿＿
:. ＼ : |＼＼`ｰ1 /／〉..:/|. / 「 ::|ｌ |. ) )
＼ 丿:::::ヽヽ込､ /／ ′/ :|ｌ | ( ぶっちゃけた話、「私」の配役を誰にするかで悩む前に、
＼ 乂__込、 _ ｰ ./ / |ｌ ﾄ､
. （ |:l ＼ ＼ ./ /:/... 八|: |:::＼ 肝心の文章を再チェックすべきだったわぁ
＼|:l:: |:ﾊ ヽ イ..::/ /:/ /|:: |: |:::::::::＼
|:l:: |:: |: |: 个ヲ 厂 ハ/ 厶仏:::/＾|:: | . ├――=ミ
|:l:: |:: |: |: | ﾉ/: 厂＼彡く／|..../: : |:: |: |
|:l:: |:: |: |: ｜}/ 厂￣ ,ィ__八/: : : |:: |: |
(~)
γ´⌒｀ヽ 前回の投下からしばらく経ってから読み返して気が付いたものの、後の祭り……
{i:i:i:i:i:i:i:i:}
（u ´-ω-） ともあれ余りにも初歩的なミスでした。弁解はしません
（:::::::::：:::）
し─Ｊ
,. -ｭ,ﾆニ弌垳ト､
／r'^ _rﾍ-ﾍ/＾ヽr宀､
/!７ト､7′ 〃 ｌ ヽ ヽ
、 / l//L｣| ∧ｌ | ! |l古｜ ! ヽ
|:l / 〃 ||丁l トH､lV| |l /l } l |
ヾヽ / 〃 |l | ｌ抔卞｀ヽ{ /-ト/ //ﾘ ・・・・それにしても、またしても間が開いたわねぇ
＼ ヽ:∨ |」 /ｌ| ｌﾄヽ￣ ﾚ'戎ｼ' ／ ′
⌒ヽ!ヽ._j＼＼ / 八 |ヽ __ ' ∠r1=彳 えーと。予告によれば「その１：フランシスコ・カブラルの動揺」だっけ
::..::..::..::..::..｀::..::ヽ/ ﾊ ヽ‐ >､ ,. イ| }::..｀ヽ、
::..::..::..::. ／⌒ヽ､ヽjノヽ.∨r 芥､/:./ /::..::..::.､＼
::..::..::.::./:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾ⌒Tlヽ｝l,ハ/-/ 〈::..::..::.｀ヾ＼ヽ ちゃんと変更なしで進められるのぉ？
::..::..／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨_ || ヽ:ﾚ':.:ヽ::..::..::.くヽ.j
::.r'´.:.:.:..::.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨_ ||ｰrﾍ.:.:、:.:.＼ヽヽ:〉
仆､ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ∨_l〉 ri心:.:',:.:.:.:.:ヽ｝
′ ＼_.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ∨_ ゞ=仆ヽ.:.:_ノ
, 〉个､:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.∨_ ｌ }〉:.}'´
| く_/^ﾄ､>:.∧:.:.:.:.:.:.:.:.:. ∨_ﾘ 〈|:.ハ
| //:.:.:||:.:./ ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨┐r':.:{ ､ヽ
!| //:.:.:.:||:./ ｝:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨.:.:.:.| l |
＿
/;;;人
. /;;/ﾊヽヽ その点はご安心を。ただ、「せいぜい150レス以内」と踏んでいたものが、
/;;ﾉ´・ω・)ゞ
/////ｙミミ 膨らみに膨らんで400越えという、作者自身も来とうはなかった領域に！
し─Ｊ
／ | ‐┼‐ | , ´ ――― ＼ て_
`, |, (ﾌｰ ..!/／.:.:.:.:.:.:.:{古}:.:.:.:.:.＼ ヽ そ_
| ＿ '、:.:. -―――- ､:.:.ヽ ' （
| ―‐､ ./:.: ｲ 〃| |! ｌ ＼:.:.ｌ！
i ノ 水}｝_| i l.i |ｌ |l !i l i ｛{水}｝ 分量多すぎィ！
ｊ つ l: | |｀卞､」 || |l斗匕ハ|从ﾄl
`､ _ll＼|イ≡ﾐﾄ､ハﾉ'才≡ミj|｜ |
＼,､-‐-､/i 从ﾄ ゞ==彡 ゞ==彡|｜ | 誰が読むのよそんなもの
ヽ|ハ l ! |
|.l ﾄ r=== ､ u .ｲ | :|
| | ｜＞ |lliiiiiiiill|_ .イ、| | |
,. -――- |,.| |:l ＼:.:.:∽:.:.:.:./ ｌ ト､ |_, -――- 、
{:::::::::::::::::::::::::::ｌ.:.| |:l ｰ介ー ' , /.:.:ハ::::::::::::::::::::::::::〉
ヽ:::::::::::::::::::::::ｌ.:.:.| |:ｌ 〜〜〜〜〜/ /.:./.:.:.:.ｌ::::::::::::::::〈￣
￣￣〉:::::::::l.:.:.:.| |:ﾍ / / /.:.:.:|:.:.:.:.:.ｌ:::::::::::::::/
. 〈::::::; ｲ.:.:.:.:.ヽ|:.:.:ヽ {勾} ´ノ.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:ｌ＼::::::/
￣ ｌ.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.:.ｰrｫr＜:.:.:.:.:.:.ﾉ:.:.:.:.:.:.:ｌ ￣
ヽ:.:.:.:.:.:{><}:.:ーﾚﾊＬﾉ:.:.:.:.:.〉{><}:.:.:ノ
｀｢:.:.:ﾊ.|:.:.:.:/.:.l|:.:.:.:.:.:./:.:.:ﾊ::/´
:(~):
:γ´⌒｀ヽ: ええ。そんなわけで前編と後編に、分けさせていただきます
: {i:i:i:i:i:i:i:i:}
:（ ；ω；）: ちなみに後編のほうも、遅くとも８月中に投下しますんで
:（:::::::::：:::）:
: し─Ｊ:
___r=y＝ｰ＝冖-ｨrｔ=､
／___ｆ〆::::::::::::::::::::::::::::::Yごｿ＼
／__ｆ〆:::::::::::::::::_ｙ＝ｰ￢冖￢―-＼ ／
／ .{f7::::::::: イ厂 ;′ ｀＼ / /
/＿＿{ｆ|:::::／ ｌ ｌ ｜ 古ヽ ', ヽ / /
. /〈匚／ｲﾄ＼ | ｜ | ', ｉ ヽ∨ / ／ ／／
/ ￣7 |l|___}〉 ∥｜ | { | | ∨ ／ ..::／
. / // |:|￣ | || l | | ﾄ | ∥ ; ', Ｙ ／.::∠ まさかと思うけど、「その２」以降も
/ , / l |:| l┼ヽ＼ |｜| ＼ ｜ﾊ / ｜ | |: l::.::.::.:／
／ |:| | |:|', |ヽー=≧ｘ、ヽ ﾞ, //_｣./ｌ | ｜|:ﾘ::.:／ ／ おなじ調子なのぉ？
／ |:| | |:| ヽ | u. 弋_リﾉヾ'ｰ |/ィ,T7/ ／ｊ / /::.::.::.∠ -‐::.::.
|:| | |:| ﾄ ヽ ￣ ゝ' /´ |::::／::ｲ::.:／.::.::.:: -―
／ ｜ | ＼ ＼u. / ／::.::.::.::.:／＿＿ ｰ―
＼／ ∧ |＼ ￣ _＿_,. ' ／´::.::.::.::.::.::.＜二 ＿ ￣￣
＿__ ＼ / ∧ ﾄ ＼ ￣｀ イ |::.::.::.＜￣￣￣ r―一
::.::.::.::＼＼/ /.::.ﾍ ∨＞=＞ _ ∠::.::.:| |::.::.::.::.::.＞ ＿＿￣￣￣
::.::.::.::.::.::.｀ ＜´＼ﾍ. ∨::/∧:ﾄ＼く＿＿_| |￣￣ｰ―::.::.::.::.:ー- ::.::.::.::.
::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.＼ ﾞﾍ ∨/ |:|:::://::.::.::.::.:| ∧＿＿ー＜ ￣￣￣｀`￣
::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::ヽ ヽ V |:|::〈〈::.::.::.::.::.| / ＼::.::.::＼ ＼
いえいえ、＞１は反省のできる男
(~)
γ´⌒｀ヽ さような事は決して……
{i:i:i:i:i:i:i:i:} ＿＿＿＿＿
（ *´・ω・） | じゅかい →|彡
(:::O┬O ￣￣ ||￣￣ﾊﾟﾀﾝ
◎-ヽJ┴◎ ｷｺｷｺ ||
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「ない」と言いたいのは山々だが、＞１が反省するのは手遅れになってからだから確約不能。ともあれ本編スタートします
──────────────────────────────────────────────────
＜小咄 end＞
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┃｜ ｜┃
┃｜ その１：フランシスコ・カブラルの動揺 ＜前編＞ ｜┃
┃｜ ｜┃
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／//////////////////＞ ,_ ｀ ＜////////////////////////////ヽ
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／／／ ／///////////////////／ //////／|､＿＿__ 二ﾆ=---―//////,i
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. ｀¨¨¨¨¨¨¨／/////////////////////l ,ｨｆ´ ｎ ヽ／ ／／____/ ＿|__｣/,／|///////////// |
. ／／￣￣／///////////////,l/ l! {ﾘ }／二二二,ｨｆ'´_￣￣j}＼ j//////////////|
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. / ／/////／ /////￣￣￣￣＼.ﾞﾐ三三彡二二二二ﾆr‐､ ／/////////////////∧
／/////／ /////ｰ――＜￣￣＼ｰ‐┐ 〈{ ￣￣ ＼_）＿ ／//////／ }/////////i＼ ＼
//////／ // ／ ＼ ＼ ,|＿_ ｀三ヲ///／￣ } |//////// ∧ ＼/ヽ
. //// ／ ／/.ﾞ(___ノ￣￣￣＼ ＼ | | ｀i ／// ／ ＿,ノ／//////////∧ ｀ヽl}
. ///／ ／////./ ￣￣＼ ＼ | r‐|├一'’￣＼ _／//,／ (＿__／////////∧/|＼∧ }!
/ ／＿＿／//////.{＿＿___ ＼ ﾉ ＼{_|__|┘ ／//／ ／///////////// | }/| ＼ヽ ノ
／￣￣￣￣￣////.../ ＼＿_ ＼＿_) | ヽ ／//∠ イ人////////////ﾄ､ | |/| ＼＼＿
///.. / ＼ ￣匚) | // ｰ ／､/// ／ ∨//////////,| }| ヽ| ￣￣
//／ . { ー≧=ー‐―一' │ │///// /// _／ /∨/////////,| ﾘ l|
/／ | | ｌ | //／| //〈￣ / ＼////////| |
. ／. ﾄ､ | │.// | ′￣＼ / /＼///// | ノ
／} ＼ | |.// /╋ ／ヽ / / 丶///|
主要参考文献 ： 日本巡察記（ヴァリニャーノ 著、松田毅一他 訳）
日本史（ルイス・フロイス 著、松田毅一・川崎桃太 訳）
日本教会史（ジョアン・ロドリゲス著、大航海時代叢書）
巡察師ヴァリニャーノと日本（ヴィットリオ・ヴォルピ 著、原田和夫 訳）
教会領長崎（安野眞幸 著）
バテレン追放令（安野眞幸 著）
イエズス会の世界戦略（高橋裕史 著）
キリシタン大名（岡田章雄 著）
通辞ロドリゲス（マイケル・クーパー 著、松本たま 訳）
バテレンの世紀（渡辺京二 著）
宗教で読む戦国時代（神田千里 著）
―――――――――――――――――――――――――
イエズス会の第三代布教長フランシスコ・カブラル―――
―――――――――――――――――――――――――
＜1572年2月・織田信長訪問時の岐阜城門前にて＞
,. :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
/::::::::::::::::::::::,.:::::::::::::::::::::::,:::::::::::::::::::::::::ヽ
|:::::::::::::::::::/ !:::::::::::::::::/ ヽ:::::::::::::,::::::::::',
ヽ::::::::::::::,' ＿,..ヽ::::::::::/ ._｣:::::::::/ ',:::::::::|
|:::､;:::::::|´ ＼::| l:::ノヽ |:::::: |
|_::! /｀ﾞ ｀ ´ ! |:::__|
/ ｀l! _ _ ' ! , ヽ
| ヽ| ( ｀ ( ｀ |/ |
l !l (´ (´ |ﾉ /
ヽ、| ｀´ , ､ ｀ l_,ノ
', ﾉ::ヽ
ヽ _ ／:::::::::',
＼ '--' , ‐'::::｀ヾ､─'
＿__r.l｀ヽ ､ ＿＿,. - '´‐ ､ 二￣
,r'´ ! ｀ ー--‐ '´,.-/ ' ｀ヽ､
/ ', ｀ ー‐'ﾞ´ ' ヽ
/ _,. --､ ..- -.,,_ , .-- ,
/ ／ - ､,. ＼ .i´ Υ. `i
/ / - ､_ !＞ ' ====| | |
/__/ - ､ !_! ＼ ノ＼ ノ
|, 'l _ ヽﾉ ￣ ￣ ,
／ ! ﾉ >- ' ╋
/ ｀ヽ-イ !
/ / / |
フランシスコ・カブラル（1529 - 1609）
イエズス会宣教師・ポルトガル人（ただし家系はスペイン系の貴族）
ver.1（演者：野比玉子 ＠ドラえもん）
ｶﾞﾔ
ｶﾞﾔ
ｻﾞﾜ
ｻﾞﾜ
Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y ＜ あのバテレン、目が４つもあるぞ・・・
:::Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y
::人:::人:::人:::人:::人:::人:::人:::人:::人
:::Ｙ:::::Ｙ:::::Ｙ:::::Ｙ:::::Ｙ:::::Ｙ:::::Ｙ:::::Ｙ:::::Ｙ:
（※ルイス・フロイスによれば、カブラルが滞留した宿屋の二階に、見物人が強引に侵入を試みる騒ぎだった）
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
おそらくクリスチャンである・なしに関わらず、日本人には最悪のイメージで語られる宣教師であろう
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿
／￣￣￣｀＼ /´￣｀ヽ｀'ｰ-､
./ , ィ /´＼ ヽ / ヽ ｜
| / ﾚ'-' ､_ヽ! ⊂二__Ｚ二|ﾆ=､!____|__ カブラル？ 典型的レイシストだろ？ ムカつくわ〜
| /_V （__）ｰ（__)| 'ﾇ|=ミ.ー╋‐ }三三彡
|ﾊﾆ _ ｣ "| l 〈_ ,. | ミ５)三
/____ ´┌--, | | r==､_,┐ イ三ミ
／――｀丶､ ￣ / ヽ ￣ ／｀＼
／ ＼ ／ ｀￣￣ヽ∠-‐''"´｀ヽ
ヽ /_ l
/ ｀ヽ!ｊ |
/ ﾘ |
⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ
○
о
｡
-‐ ￣￣ ｀丶、
／ ヽ
/ / /〃/{ { ヽ ｀ヽ. ∧
ｌ / /斗/ハ ｨｰ‐ 、 ∨ l
{ { ﾚﾃく ヽi>==、＼ ヾ│ ……と、いうのが、宗旨に関わらず日本人一般のイメージだが―――
乂l f r'ﾊ r'ﾊ 7ﾊ＼ﾘ l
.八,}弋ｿ 弋ｿｿﾉ ） 八 正直、この通説には疑問が残る
ノイ }ゝ" ｀_ "" { {´ 丶＼
／ ,＞‐r＜_∧!＞､ ＼丶
, -‐" ! ヽ{>ﾛ<ﾌ〈. | ＼
// ／ / y ゝ { ;ヽ ,ｉ 丶.ヽ
{八 〃 ﾊ { ,.-'‐!、 }_ = ゝ、__i、 }ヽ } }
)/ ヽ（. ヽ人,i' .,. i' ｀ﾞゝノヽl_ ヽ! ヽjｲノ
" ｀ / / ゝ,.| l __.!,ｒ'/ ｀‐´ "
/｀ V ｌ .,′´´
｀ｰ'′ ├-/
￣
＿＿＿ ___,. -- _
,. ＜ }ノ ＞ 、
. ／.／ ｲ| / / , ＼
/ / , ' ., ' |:}' /／ ､ ‘ ,
. /／′ ,' / |:l. 〃 , , } ‘,
´ i , | / ,i|::! /_ イ ／} / ､ .ﾄ，
. |. , ' l ./ .!|::| /／メ < /／,' } | i‘,
. { / ,' i｜ , ﾆ||::| ,.ｨ示芯}ミメ､. /／} ﾊ ./ ｜.ﾟ,
', /.| ! ',| { ,|l::| | |.圦_以 /´ x=ﾐ「 / ./ | 奇をてらっても無駄だよ
. ∧ { }'| i ‘ , |: l ', ! ゞ-く_:::::::::::::::: んﾘ 》' .／ ,| |
/:/ ヽ .| ﾟ, ｀!::| ', { :::::::::::::::: 厶ｨ 厶イ{ ,'| | そこはわりと動かぬレベルの定説なんだから
/:/ ﾉ /! ﾟ, .|::| ﾄ､. ､_ _ ’ / :!.|.| ', ,' }/
. |::| イj,ﾊ ﾊ iV|::| |、 ,ｲ |.| !,:∨
. |::| V_彡<.Ⅵ', !:＞ ,. ＜ | ./ﾘ |.ﾟ,::ﾟ,
. |::|. , : ´￣≧ｘ ﾟ,ﾑ:, ! _/,.≧チ} , '| ,:| / ﾚ ',::',
. |::| , '::::::::::::::::::::: ﾍﾟ,ﾑ＼,.ｲﾊ/l／ﾚ j/,' /. }:::|
. |::| ./::::::::::::::::::::::::::::::i:ゞ:::＼＼!＼ :|:::|/ |:::|
' / /::: ,.ｲ ::: / |:: /´ | :::|! ::::: |＼:::
.| ' / .'.::... / !: / |:::! !::::ﾊ ::::::|:::::＼::::
.| | ::!:::::| ::::j -‐|‐|─ ﾄ::| l::::| -‐─ヽ--ヾ::::
i⌒v::::|! ::|::::::ｨ:´::| |: | |:::| ゝv ゝ:::::ヾ::::::ヽ
| v ::| i: l ::∧:::::| V -- ゝ ＼ __ ＼::::＼
| |:::|:: !:::l:::| ヽ_:l _ ＿＿ ＿＿`_ー せやかて工藤。カブラルのイメージは基本的には、
| | ::ﾊ::ij:::ﾊ::!イ`弋ゝ-'フ｀` ´ !ノ__フハ
| | :::|:V:::::::ヽヽ ￣ ｀ ´ かれを更迭したヴァリニャーノの「人事考課」……
, -v ,イ V::| ::::::ハ::＼ ::::::::::: ,. ::::::::::::::
, -<. `| ` ヽ| :::/ゝ∧`´ <:i
, '⌒ヽ ヽ ヽ ヽ/ﾍ/::l!
! | | -.ﾊ V|!:::∧
l ｰ| | r ﾄi_ﾉ ゝ |:|:::|:::,.＼ ´ ｀ . イ
| 人 i´ﾄ l_ﾉl ﾉ/:::j:/::|::::ゝ.､ イ:::: |:::::
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
＿_
, -―＝＝≦ 三｀ヽ
,≦三三三三三三三三 }
／三三三三 ∨ / ヽﾆ !
/三三三三三三! { ∨
ﾆ三三三三三>‐ ┃
|三三三三三 { ｒ‐ 、
|三三三三三∧ ﾉ
三三三三ﾆ＞ ￣ヽ
ヽ三r､三＞ }
/ /
r＝=‐- ＿ /
}:::::::::::::::::::::::::::::＞ 、 イ
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞ ､-‐
.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::╋､
.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
アレッサンドロ・ヴァリニャーノ（1539－1606）
イエズス会巡察師・イタリア（ナポリ）人
（演者：野比のび助 ＠ドラえもん）
-‐ ￣￣ ｀丶、
／ ヽ 歴史は勝者が書く。「カブラル断罪史観」は本来、切支丹や宣教師の
/ / /〃/{ { ヽ ｀ヽ. ∧ ﾌﾟ ﾛ ﾊﾟ ｶﾞ ﾝ ﾀﾞ
ｌ / /斗/ハ ｨｰ‐ 、 ∨ l 内ゲバの結果「勝った側による、負けた側への評価」にすぎない……
{ { ﾚﾃく ヽi>==、＼ ヾ│
乂l f r'ﾊ r'ﾊ 7ﾊ＼ﾘ l
.八,}弋ｿ 弋ｿｿﾉ ） 八 我ら異教徒はカブラルを好きになる義理が無いのと同じレベルで、
ノイ }ゝ" ｀_ "" { {´ 丶＼ ~~~~~~~~~~~
／ ,＞‐r＜_∧!＞､ ＼丶 ヴァリニャーノの考課を鵜呑みにする義理もないはずだ
, -‐" ! ヽ{>ﾛ<ﾌ〈. | ＼
// ／ / y ゝ { ;ヽ ,ｉ 丶.ヽ
{八 〃 ﾊ { ,.-'‐!、 }_ = ゝ、__i、 }ヽ } }
)/ ヽ（. ヽ人,i' .,. i' ｀ﾞゝノヽl_ ヽ! ヽjｲノ
" ｀ / / ゝ,.| l __.!,ｒ'/ ｀‐´ "
/｀ V ｌ .,′´´
｀ｰ'′ ├-/
￣
＿＿
＿__,. ＜ ＞ 、
／_, ／ ／ ｨ ﾊ ヽ ､fj＝ミ
. ≠フ. /ｨ / ./// j/ ', ﾄ, ', ﾟ , ヽ＼
-=彡' 〃 l , /ﾚ'r匕 ト-V∨ ∨ .∧ヾ、
_／=‐ｨ>' ∨}' ◯ ◯ }l ﾄ,',、 ', まあストイシズムに徹すれば、そういう原則論もアリだろうけど……
／>' ! , /| ,,,, ,,,, ﾘ|/ |Ⅵﾍ｜
. ／, ' |ﾊ i {.ﾄ､ ,. ィi| ,' ',ﾊ j でもカブラルが反日的だったことは、今さら疑う余地ないでしょ
∨ //.Ⅵ ,r≠≧=号＝≦ﾚﾚ' j/|:i ',ﾊ
. // ヾ,'::{:::::::}==大==}___,.r-､ Ll |::|
|:| {:: i::::::::∨/|l＞i´ Y{ } |:」
ヽ_,. ィ:::::::i:::::::::::￣:i:::::| ./∧ｲ
,. ＜:::::::::::::::::∨:::::::::::::::::::}':____j'
. ／:::::::::::::::::::::::／-≧====y'
＿
／:..: : : : : `::、
/: : : /: : : : : : へ
,': : : :l: : : : :j: /: ﾊ:', 否定はしないが、実態の精査は必要かと―――
l; l: : :l: : : : ,',ｨ':/ : :l
l:,:l: : :l: : : /ハ:{,)ﾄ:ﾘ
l: l: : .l:.: : : : : l: l:l ,′ 実の所ここの＞１、「カブラルは犠牲になったのだ」と結論しています
l: :!: :,:l: : : : : :.l l:l
l::,': : l;!: : : : : :lL;! 宣教師たちの陰湿な権力闘争、古くから続く「ヴァリニャーノ善玉史観」
,.ｧ: : : :l.:l:: : : : : :, ヽ、
,イ/: : : : l: l: : : : : : ', ＼ とでもいうべき「通俗」史観、その犠牲に……！
,' l': : : : :l: :.l: : : : : : ﾊ ／ l
l ,/: : : : :,': : l: : : : : :',:.:'/ l
__,. -─-- ､_
, - ' _,´ --──‐- ）
,ｲ´__-＿＿_,. -‐ '__,. - '´
`ー----, - ' ´￣ ｀` ､＿_
__,ｨ ヽ. ｀ヽ.
, '⌒Y / ､ヽ ヽ ヽ.
／ / i /l/|_ハ li l i li ﾊ
. // 〃 /l i|j_,.//‐'/ lTト l､l j N i |
{ｲ l / l li //___ ﾘ_lﾉ lル' lハ. ｿ ＿＿＿◎_r‐ﾛﾕ
i| /ﾚ/ｌ l l v'´￣ , ´￣`イ !| ｌl,ハ └─‐┐ナ┐┌┘ ＿ ヘ＿＿＿＿
ハ| ll∧ﾊヽ ﾄ､ '''' ｒ==┐ '''' /l jﾊ| ll ll /./┌┘└┬┘└┼────┘ﾛｺ┌i
〃 ∥ ﾚ'¨´ヽiへ. _ ､__,ﾉ ,.イ/|/ ﾉ ll l| <／ ￣Ｌ.l￣￣Ｌ.ｌＬ.! ┌┘|
ｌｌ ll { ⌒ヽ_/ } ｰ‐＜.__ ′ l| ∥
∥ ∥ ヽ, ／､ 〈 |:::::::| ｀ヽ ∥
∥ {. ﾊ ヽ Y｀‐┴､::::v l ∥ でもそれ自爆じゃない？ 「カブラルを弁護したら、悪玉しか居ない
∥ |ｉヽ{ ヽ_ゾﾉ‐一’::::ヽ. | ∥
∥ |i:::::｀¨´-- :::......:...:.:.::.}| ∥ 世界になったでござる」になっちゃう予感がするんだけど？
∥ |i::::::ヽ._:::_:::::::::::::::::::_ノ | ∥
∥ |i::::::::::::ｉ＿__:::::::::::/ |
jj::::::::ｒ┴-- ｀ｰ‐ '⌒ |
〃:::::::ﾏ二 ＿,ﾉ
//::::::::::::i ｰ 一 '´￣::.
,','::::::::::::::i::::::::::::::::::::::i::::::ヽ
――――――――――――――――――――――――
ま、なったらなったで。それまでのことではある―――
――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ともあれまずは、ヴァリニャーノのカブラル評を羅列しよう（主に1580年10月27日、豊後臼杵発の総長宛書簡に基く）
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【イタリア・ローマ。イエズス会本部にて】
_,,,......,,,
,,,''" ﾞ''丶
i;;:::::＿::::_:::_ :::＿ヽ
!:::::ノ ノ ー l
r､| ｲﾟj` 'lﾟj`l 総長猊下。ヴァリニャーノ巡察師からの書簡の件ですが……
､_: ｀ ' ｀ ﾉ
ヽ､ ー- ／ 思うに日本布教区は、かなりグッダグダというか―――
`i -'イ_
⌒/＼／ /￣⌒ヽ
l.／╋/ ヽ
＿＿
. -‐……‐-ﾐ ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀丶
ｒ‐‐'"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼／＿.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,． ＇￣ ￣´"' ､.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}
}.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,． ´ ｀丶､.:.:.:.:.:＼
ノ.:.:.:.:.:.:.:.:／ / ト |＼ |＼ 丶.:.:.:.:.:ﾊ
＼.:.:.:. ／ / | ＼｜ ＼ | ＼ ｀､／.:.:|
. j__,:'ﾞ | j|i ＼ ＼ ＼ ｀，_ノ
／:/ ┌… _二ﾆ=-jh, ＼ ＼ ＼ ﾏ==ミ
／.:.:.:| ／j' ∥ ＿州|i :.、＼ '.:.:.:.:.:｀丶 頭痛いなア、もう……
／.:.:.:.:.: i{ :j ∥ 7｢ j乢|ⅰ :, ＼ |＼辷⌒
く.:.:.:.:.:.: ／{ i' # 洲i「 |人 :, ＼ ::. ｜ |.:.:.／
＼_／.:.:.:|i, | j| i| i|i|／i| |i, ｋ |＼ ::, |＼|.:./
|_____,圦| i| i| i|i i|i, |i, | ＼ |＿ :. i､j| ∨
j |}h, |i | |iハ i|i, |i, √￣＼|＼ : i| i| ハ
川 |i,|i | り 折i, i| / |'Fさち笊ミﾒ ｉ| i| ｉ |
ノ'i|i i| |＼j| l＼ ﾋ癶 ﾉ.:/ / 辷ぇ:::ﾉﾘ .ハ i|,小,ⅰ |
{ i|i i|i, i,､ | |､__√:::::)／ / ﾟ ﾟ /_,∧ト㍗ j 人
{ i|i i∧‘, ｀＼:|､ ￣|:::::::::! ∠三ｰ } .|｀'く )
人 i|i从 ＼､ ＼｀`丶::::-:.-- イ三ﾆ- | ＼
√ ＼|i:{ ＼ ＼ ‐ ‐ﾆト _ ｡si〔三ﾆ- |‐ ＼
|三三刈二ｰ 丶､ ‐ ‐ ﾆ7二二二─/‐ ‐ ,こ─
. |三三ﾆた二‐ ‐ ｀丶､ﾆ/＼ｰ‐ / .i ,こニ‐ ／
|三三ﾆ{二二─‐ ‐ ‐ |＼｜╋. ../ ....| ,こﾆ‐ ／ |
. |三三ﾆﾉ二≒二 ｰ | ' |.. . . / .....|: |二ー/
|三三:ﾁ二二≒二ー √.:.＼__／⌒＼ .....| |二‐/ |
. |三三ん二二二辷‐ ‐ /.:.:.:.:.: ハ.:.:.:.:.:.:.: ＼ |--/ﾆ
. |三㌻二二二ﾆﾆ辷‐ ‐/.:.:.:.:.: 〈___〉.:.:.:.:.:.:.:.:.:}ﾆ=- _|‐/ニ ／ ,
|三二二二二二ニ─ /⌒¨¨´/◇|｀¨¨¨⌒ﾟｿニ ‐‐/ﾆ／ ′
|三三三三三二二‐ /_,／⌒´| |⌒＼_／⌒＞ -/／ ＿ }
|三三三三㌻''＜ニ/-く.:.:.:.:.:. | ◇|.:.:.:.:.:.:>‐‐ ﾆ /-ﾆ三三三-,_ 〈
. |三三三㌻ / ｀¨＼ ｀¨¨ 冖￢…─---=ﾆ二厶=-‐……‐--
|三三ア / / }三三三三三三二二二二二── ‐ ‐ }
クラウディオ・アクアヴィーヴァ（1543－1615）
第五代イエズス会総長（在職は1581年から没年まで）。ナポリ人。ヴァリニャーノとは同郷の学友
（演者：清浦刹那 ＠School Days）
,.，;;‐''´⌒ヽ___／⌒`〜､
｢;;;;;;＞'"´￣｀'￢‐-ﾐ;;;;;;;;;;;｀ヽ､
〈;／:::__:::r‐:､＿r--､::::ヽ;;;;;;;;;;;;ﾉ
/:::::::::!::::ヽ::::::､::::＼:::＼::::',;;;;;;;{
. ,'::::::jヽ|､::::::::::::::',:::::::::丶八::};ヽ<
j::::::::!;;;i;;;Y::::::::::::lV:::::::::::ﾊ::::ﾍ;;;;;;ヽ
|::::::::| ',|､:::::::j-V/l::::::::!::::::Ｖ´~
l::::::::}'⌒ ﾘﾍ::::/,ｨ=ミi::::::ﾘ:::::∧ ヴァリニャーノのカブラルへの考課は、以下の通りだけど……
}::::::::l代ら! }/ﾞ弋ら} !::/ﾞY:::::∧
. {::::::从 ゞﾂ / "¨¨ﾉｲ,ノ::::::::ｉY! まさにクソみそ。真偽はどうあれ、同じ職場には置けないわね―――
. l::!|:::::人 _ ｲ~:::::::l::::ﾉ ﾘ
',|V:::::::i、>..､__ ,.イ l､:::::::::ﾘﾊ:!
V::::{∨Ｖ´) ／ ｀ヾく{ `
ヾ ,／./ .／ >、
／ {／ ／;ﾊ
. ,'/ __╋＿ ／:;:':::::::.
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
＿__ , - ､
, ─ ､）
/ノ |
_/ （・| 「結局のところ、あんたらは日本人だ」というのがカブラルの口癖だ
U ○
＿＿＿) 日本人が彼をいかに嫌悪したとて、無理もない！
（＿＿/
＼──´
ヽ
i
╋
＿∧＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
／ ＼
,.＿＿＿＿_
__ ,,..'::´::::::::::::::::::::::::::｀::ヽ
／::::::::::::::::::::::,.::::::::::::::::::::::::::::ヽ ∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
(::::::::::／ゝ:::::/ ＼::::/ヽ＼::::::::::ヽ. ＜ 日本人は自尊心が高すぎる！ 厳格に取り扱うべきよ ＞
＼:::(,／ ゞ- , '´ ゞ ヽ 丶::::::::::::|... ＜ 誤った低級な国民であることを、自覚させなければ！ ＞
∨ .∨ .ヽ |:::::::::/ . ＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶ
| .●.| ● |－-|/´丶
i.iヽ ,.ﾉゝ., ＿__ノ / |
. ヾ| ｀－´ゞ ,. --- ., .,__,/＿
| (´_,.／ ｀;, /::::::::___ゝ
ゝ ＼,.－- ´ ｀ ) .／;;;;;;;;＞
｀ゝ ,--－－´／_|ヽ,.____
_.. ｀'.----,´ ´ / ｀ヽ
// | ╋ ＼ /| ヽ
┌――:､
|＼| .|
∠⌒ ヽ ￣ ヽ|
／ / .ヘ Vﾚイ
∠イ /|/Lィ_･_} u ｌ |
|／| （__ｎ ＿ | | 言うてくれるな、コノー！
| /┌┐ } ﾊ_へ＿
ﾍ 二 イ／／／ ＼_
／ ト----／／ ￣￣￣ ＼
| ゝ╋／／ ヽ
/ / /|. く }
キリシタンのモブ（演者： ＠キン肉マン勢）
（ ⌒⌒ ）
| | |
＿＿_, - ､
／ ＿＿＿）
/ | ノ i カブラルは日本の風習を嘲笑し、
. i __| （・|
| ( ○ いたずらに日本人を立腹させている！
ヽ／ /⌒ヽ＿＿つ
_| |二⊃ (＾ヽ、
| ＼ ヽ──､ （⊃`ヽ)
/ ＼￣j￣＼／＼へ ノ
| `７╋ ＼｀>
＿＿＿＿＿∧＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
／ ＼
＿＿
,.,,..::´:::::::::::::丶
／::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/:::::::::::. ヽ,.::::::__::::::::::::::-;.,
{::::::::::/ ／)ノヽ)::::ノヽ:::::) 日本人修道士は、ヨーロッパ風の衣類も帽子も着用しないこと！
/´｀::ﾉ- / _´||／ ヽ,
. | .iＩ ´ | ﾟノ.|＜ /ﾉ 食事や睡眠の待遇も別とする！
／_ゝ__ ゝ- ´ ゝー´|
￣／ ゝ i´￣￣｀丶- ゝ ﾉ あとポルトガルの宣教師は、日本の野蛮な習慣に順応すべからず！
,.--,_￣／ ゝ ─-─ ´／
-´ | ヽ ヽ ｀￣￣--´ ヽ
ﾉ ゝ ／´╋/ | |
. .....::::::::::::::......
. ／:::::::::::::::::::::::::::::｀ｰ.､
. /::::::::::::::::::::::::ﾉヽ:::ハ::::::）
. ,'::::::::::/／};;ノ｀ヽ}/´｀ヽ'l
l:::::::::/ / r ､l r ､ ｌﾊ だってさー。日本の風習はきわめて滑稽で醜悪だもの
ゝ-ﾐ｀¨¨ヽ 人 }! }
. { ハ ｰ― フー' l'′ 笑えるわマジでプークスクス
ゝ-..､ ヽ￣￣ ﾌ ﾉ
. ‐=彡::::::::ト ､ ＼_／ ／
. ￣{i三≧=‐‐r ´
／: : : : : : : : :｀ヽ
／: : : : : : : : ╋: : : :＼
{: : : : : l: : : : : : : : : :..ｌ:.:}
. |: : : :..:.|: : : : : : : : : :.:ｌ:.:|
. |: : : : :.|: : : : : : : : : : :l :|
. |:.:. : :.:.|: : : : : : : : : :.:.ｌ:.|
|: : : :.:.|: : : : : : : : : :./: |
|: : : : :|: : : : : : : : :.:{: :.:|
----------------------------------------------------------
∧
__/＿:.__
／: : : :：|: ノ三ﾐヽ
/: :＿: : :：|ミ三三ﾐﾊ
! (ヽ∪ﾌ)：|ﾐ(ヽ∪ﾌ)ﾐ! マジむかつく
| : :￣ : : ：|ミ三三彡i!
ｌ: : : : : : :：| : : : : : : : ｌ
∨ﾉ : : : ：|ミｚｚｚ.､: :;'
＿＿＿|∨ﾉ : : ：|: : : : ヾ}/|＿＿＿
＿＿＿／: : :;;;;;;;;;;;| ＼ｲi::：|: : : : ／ .|__: : : ;;;;;;;;＼＿＿＿
＼;;;;;;;;;;: : : :;;;;;;;／ノ | 丶:⌒:;:イ 乂＼: : : ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／
＿Ｌ;;;; : : : ;;;;;/ | ￣ | ＼ :;;;;;;;: : イ＿＿
╋
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
なお、ヴァリニャーノの初来日（1579年7月25日〜）で彼を何より驚かせたのは、「カブラルの依頼で
増派した宣教師が日本語を解しておらず、一握りの日本人通訳頼みになっていたことだ」そうである
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
,-――――´￣ヽ
/ ,-―――┬､_|
,-､i ／ ノ ヽ i 数年前、カブラルは「宣教師が不足している」と増員を熱望していた……
i ┼ (・ ) /
ノヽ_ ⊂⊃ 〈 現に1575年から78年10月までのあいだに、イエズス会員は3倍（44人）に
／:::::::i )
／::::::::::::::＼ -´￣￣ヽ､＿ノ 増えたが今度は「扶養できない」と言い出し、彼らへの語学教育も疎かだ
/:::::::::::::::￣ヽ､_｀――― -´ヽ
i:::::::::::::::::::::::::::::::::￣￣｀-:::::::::::!
|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ ､::::::::::| 日本人だけでなく、西欧の宣教師からも苦情が殺到している
ヽ:::: ､::::::::::::::::::::::::::::::ﾒ-┤ ::::/
/:::::::::ヽ::::::::::::::::::::::人 /::::/
i::::::::::::::｀――― ´ V_ ／
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿∧＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
／ ＼
, ── ､
／ ヽ
i ／)ノ- )ノ-)ノ
!__/─| ・|< |
（ ` － ゝ- ! 日本語は難解だから、才能があっても告解を理解するのに
∑＼ （⌒ ─┘ﾉ
, -/＼_`_┬´ ´ ６年は要する。布教は１５年かかる。当面は布教できない
／ ＼/ヽ/ヽ
／ ／ ╋ ! ＼
i |/ ﾉ＼ .ヽ
＿＿
,.ｨ':´ : : : : : : : : : :｀丶 ミ
／/:／／l: : ﾊ: ､: : : : : : :ヽ ,.--/⌒l あのー。カブラル布教長は我らが要望しても、日本語
／⌒`／丶､ ／ /:/:／ .| : :| jﾉ ＼: : l : : : ',.／:::::ノ!:::::|
∠:::::::::／:::::,@:::}, ' !:/:/-― ヽ: l ―-.＼| : : |: '､:::::｀-'::::::j を学ぶ場所も教師も、提供してくれないのです……
/:::::::￣｀丶::X:::／{ l/Vz=＝ ヽ| ＝==ｭ |: : :ﾊ: :ヽ::::::::::／
{:::::::::::::::::::丿／ ヽ ／｛"" ""/: :/ツ: : :＼／ .､
`丶､＿_／ `-''"ゝ､ ｒー､ ,./ ／::::ゝ､: : : ` ､＿）:) 布教する相手の言葉が分からなきゃ仕事になりません
￣￣￣￣´='ィ_,,-''´ `ー---ー''
＜キリシタン大名の証言＞
＿＿ ＿
,イ´::::::::::::::::￣｀TT´::::::::::｀ヽ
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::| !:::::::::::::::::::::ヽ.
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| l:::::::::::::::::::::::::ﾊ
,'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!_|:::::::::::::::::::::､:::::',
,'::::::::::::;::::::::::::::::::::::::::::::/ﾊｌ:::::;:::::::::::::::::ヽ:::l
!::::::::::/:::::::::::::::::::::::;ｲ::人ｿ､::::ﾄ､::::::';::::::::}::j まあ、この際だから言わせていただきますがね
';::::::::{:::::::::/::::::::;イ/ノ ヽ:ハ::::::';:::::j:ｲ
',:::::::';::::::{:::; イ-‐''´ j __ヾ,､:j:;ｲ/､
}=＝ヽ::Y ´ _,ィ_ﾉ ヽ´ ｔ ､ヽｌ::_::::＼ 宣教師の皆様が日本の習慣を学ばないでいると、
/:::::r' ﾍ:::| -, ､__, イ } ｀ー -ﾘ ヽ:::::ヽ
ｲ:::::::i hヾ ー' ｒ､ ﾉ ｀ｰ ! j::::::ﾊ::', 素で無礼というか気の利かないことになるというか……
/::::::::::::} ) l ,,,ィ'' '''''´ ) l /:::::::::ﾊ:j
,':::;::::::::::::ヽ__ｊ ヽ '''''''' __, ィ=ｼ´ /'::;:::;:::::i:j´
!:;ｲ:::;::::::::::;::ﾊヽ ､__,,ィ´ --―', /:;イ::ﾉ::ノﾘ 日本の美しい習慣も、理解すべきというか―――
';| ';::ﾊ:::ﾄ:::';::::ヽ＼ ￣ {:/ノ-‐'
ヾ ヽ!ヽ:ヽ::ﾊ:::ヽ'｀ヽ＿_,,ｨ:､._＿ﾉ::|
|ﾘﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ
ｒイ ｊ ｀ヾｰゝ､_;‐-- r'´
ィ | ヽ _ ｊ/ ヽ＿
--'´ | ￣ ｀ー､ｒ－'´ ｊ ｀ヽ_
´ ｀ヽ rー‐, ｌ ｌ￣7 / ｀¨＼
＼ ヽ､ ｊ╋| レ' ノ
有馬プロタジオ晴信（1567 - 1612）
（演者：クロトワ ＠スタジオジブリ）
_ . . -――‐. .、
_ - ´.: : : : : : : : : : : :ヽ
f´::_ -‐ ￣￣￣￣ ‐-|
|´ f⌒l |
｜ _ -‐=ﾆ三三三ﾆ=-|
｣≦三三三三三三三三＞
f^Ｙ｀ ｰ ｧ ‐．＼ ／．､‐ 'V ^l われらが神社仏閣を破壊したのは、司祭殿が「教理に
｜ﾘ -‐ ｀ニ´ {｀ ﾆ´ V｜
. 〉 ＿ ⊥-､__,ゝ--┐ ∨ 反する」というので、不本意ながらやったまでのこと……
{ ,＼三彡￢==＝'、 }
>､ ' ′ ｀ ,ｲ
- ￢ｧ-‐=￢´＼ ー ､ _ - ´ﾉ｀ ￢ｧｧｧｧr‐- ､‐- ．..
_/_/: : : : : : : : : : :＼: :.｀ ｰ ､＿＿_ - ´: :／: : : : ////: : ＼＼＼ : : ｀
: : : : : : : : : : : : : : : : ｀ ｰ ､:[ﾆ]:||:[ﾆ] :／: : : : : ////: : : : : :￣￣: : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :｀¨丁Τ¨´: : : : : ／/／ : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : l二╋二l: : : :／/／: : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : L_｣: : : ／/／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
大村バルトロメウ純忠（1533 - 1587）
（演者：モウロ将軍 ＠スタジオジブリ）
＜: : : : : : : : :＞ .
＿ ／: : : : : : : : :j! : : : : : ｀ヽ
ﾉ: : : : : : : : : : : ／{: : : : : : : : ∧
/: : : : : : : : : ｲ / ｀¨ヽ: : : : : :∧
/: : : : : : ﾊ/ｿ ｿ jハ: : : : : :} 私はカブラル殿から洗礼を受けた身ですし、個人的
ﾘ : : :γ , ｀￣ ｀__ ヽ: : : : :!
ヽ: : : | ≦´ｰ､==〈:::::::::::::}￣｀ }: :r ヽ 友人ですから批判めいたことは言いたくないが……
ゞ: :ゝ〈:::::::::::ﾉ} : ヽ¨¨¨ : : : y .}
＞:| ヽ ｱ : : : ; ｲ 有り体に申し上げれば教会の態度には、不満もある
{ ∧ ＿ ｸ｀ : : : -
ヽ ∧ ／ ´￣ . : : : }: :!
∧ . : : : ｲ : :! 日本人を改宗させたいのなら日本語を学び、日本の
ヽ . . . . : : :＜: : }iリ
｀ー―=＝´ ! 礼法に合う暮しをすべきです。まあ、司祭方もおいおい
| i i |
ｒ＜￣ ヽ r ´￣ ￣ | 賢明になっていくと信じておりますよ―――
}､ ヽ | !
ｲ;{≧ｭ､_ , ╋ ､. ｘ≦ ｿ;＞
,＜;;;;;;;|≦=ｨ´ : : ﾊ==≦j!;;;;;;;;;;;≧=-
ｰ=≦;;;};;;;;;;;;;;;;>／ : : ゝ ,ｲ;;;;;;;;;;;;{;;;;;;;;;;;;;;;;≧=ｰ
ｰ=≦;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;/ ,′ ∧;;;;;;;;;;;;;;;;;∨:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
大友フランシスコ宗麟（1530 - 1587）
（演者：ムスカ大佐 ＠スタジオジブリ）
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
＿＿, - ､
. ／, ─── ､) ……大名方からも、多くの批判と助言を受けている。もはやイエズス会不振の原因は明白だ
// / ヽi
|_| ┃ ┃ | カブラルを個人攻撃する気はないが、かれの布教方法は誤っている！
（ ⊂⊃ ヽ
>､ ＿＿_ノ ﾉ .nｍ━･~~~
／ ＼─── ´ヽ､ /)- |
/ ＼--／ | ￣|＿丿
| ╋ | ||
! / ﾉ |
`iヽ__ノ━━━━ヽ､__ﾉ
ヽ､ |＾ヽ､__ノ
￣￣￣` - ′
,. ‐ ￣￣ ｀ヽ､
／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
/.:.:.:.:./.:.:.:./.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
/.:.:.:.:./.:.:.:./l:|:.l:､:.:.:.ヽ:.:.:.:.ヽ.:.:';
/.:.:.:l.:.:!.:.:.:./ |:l|:!:､ヽ.:.:ヾ:､:.:.:.＼| なお、「カブラルは日本人のポルトガル語やラテン語教育にも不熱心
/.:.:.:.:|.:.l -‐/'/l:!|! ヽ｀ ｰ-ﾊ＼.:.:.:ヽ
/:.:.:.:.:.:l:.l ｨ_¨ヽ! | | ｨ_¨ 丶､ヾ:､ヽ:.:ﾊ だった」という。つまり日本人を、二流の修道士として通訳として用いる
|:./:.:.:.:.|:ｌ r'::::::} r':::::::::}:.:.|'ヽ l＼:';
|/l:.:.:.:.:l:.! ゝ- ' , ゝ-- 'l:.:l ﾉ:.| ヾ という当人の方針にさえも、矛盾しているわけで……
|'∧:.:.:.:l:.':､ '"'" '"'u"' /!/,:':.:.:.|
/ ヽ:.:|__::丶､ ｎ ,.ｨ':.//:.l:.:.:.:.:!
/´ヾ 7'ｰr,!｀ ´ ﾄ/ｲー-､:.:.:l
;' ヽ, / ./:ﾉｰf夭‐ﾍ// ／ ヽ.:.l
_!_,..∠､ / ＼/ﾑﾍ／/ l !:.l
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
＿＿_ ,－ ､
／´＿_＿_＿__ ) かくなる上は元凶カブラルを排除し、この
/ / ／ ヽ ｌ
. l | ┃__┃ | ､ 私自身が差配するしかない！
/⌒` （＿ ） ヽj
ヽ_ , ─ ､＿＿_つl
,－´ｌ / / ﾉ / )
／ |ヽ ヽ､_＿＿_ / ／ (＾ヽ/ /､､
ｌ ｀ ー──,‐ ´＼ ｌ ）(ﾉﾉﾉ
ヽー───/ ヽ／ヽ __ ノ
. ＼ ╋ / | /l
ヽ ／ ヽ /.ﾉ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ヴァリニャーノはさっそく「改革」に手を付ける。日本語辞典と日葡辞典の作成と、宣教師の日本語教育の充実である
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
,－､ ＿＿ 本格的に日本人司祭を育成せよ。欧州人は日本人の国に住んでいる。日本人なくして日本の
（────､ヽ
// ＼ | | イエズス会は存続しない。なお、今後日本布教区は本部と連絡を密にするように―――
| / ヽ l_ |
/ ⊂⊃ ）
!⊂＿＿＿ ﾉ＼ ともあれだ、カブラルの前任者トルレスの提唱していた日本文化尊重の姿勢に戻すべきだ
＼ヽ＿＿ノ ／ ＼
/ `───／ ヽ
/ ╋／ i
/ ／ !
＼⌒＼/⌒＼ ノ
.. ／{／
＿＿ .. ／￢／
,.,,..::´:::::::::::::丶.. ＿__
／::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ...... `７└―
/:::::::::::. ヽ,.::::::__::::::::::::::-;., ￣￣
{::::::::::/ ／)ノヽ)::::ノヽ:::::) 馬鹿なことを！ 方針を変えるのは誤りです。日本人の助言に従えば
/´｀::ﾉ- / _´||／ ヽ,
. | .iＩ ´ | ﾟノ.|＜ /ﾉ イエズス会は破滅する。教えるのはあくまでも欧州からわざわざやって
／_ゝ__ ゝ- ´ ゝー´|
￣／ ゝ i´￣￣｀丶- ゝ ﾉ 来た、我々でなければならない！
,.--,_￣／ ゝ ─-─ ´／
-´ | ヽ ヽ ｀￣￣--´ ヽ
ﾉ ゝ ／´╋/ | |
――――――――――――――――――――――――――
カブラルはかなり激しい抵抗をしたが、もちろん、却下である
――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
その過程で語学に天性の才をもつ通事ロドリゲスや、やうほう軒パウロなどの人材が台頭……
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
, ─ ､ ／ ⌒ ＼
／ ＼ / ヽ
/ , －´ ￣￣￣ ─ ､|
/ ／ , ───── ＼
| / ／ ヽ
／ ／ |/ / ⌒＼ ／ヽ ヽ
／ / / ヽ l / ヽ ｌ / ヽ
／ ｌ / / ⌒ヽ /⌒ヽ l
／ | ｌ | （‘ｌ | |（‘ｌ | | 聖体パン食ってる場合じゃねえ！
／ | | l ｌ ＿ l ｌ ｌ
／ ／ l | ` ー ´ (二) ー ´ | 語学はまかせろー
／ ｌ ｌ ＿＿＿ !
／ ／ ヽ ヽ ヽ／´ l /
／／ lヽ ヽ ﾉ─-､ ﾉ /
／／ /ヽ＼ ヽ ／_＿__ﾉ＿ ／ ／
／ / ＼｀ ｰ` ‐─────── イ ／
／ / ｀ －──/⌒／´ー‐─´＼ ／ ／
／ / ＼ ヽ_/ ＃╋:＃ ヽ ／
>´⌒ヽ ♯＃ ／⌒ヽ ／
ジョアン・ロドリゲス（1561－1633）
イエズス会宣教師・ポルトガル人
（演者：ドラミ ＠ドラえもん）
/￣` ―――- 、
ヽ,-――――-､ ヽ 「同僚たちは日本で文法書と辞書を作製、多くの書物を刊行した
/, -´ ` ､ ヽ ヽ
l ー' `ー ヽ l | これにより、優れた能力を持たない者でも一年足らずで告解を聴き、
／ （￣ ） |,ｰ､|
/ ￣ ', 日本人と交際できるようになった。才ある者なら一年で説教が出来る」
・━（,,＿＿_,, --" , 6 /
ヽ `-'`''―-,,_ （1595年11月23日付イエズス会総長宛て書簡）
_ -´ ` -- ,,＿＿,, -- ":::::l::::/::::::::::`''―-,,_
‐ : ,-―‐-,, ｰ, , ｰ、l /:::::::::::l l::::::::::::::::::::::,::
_ ´:::::::/ ￣)l:::::>＼／/:＿＿| |:::::::::::::::／::::
/::::::::::::::l ￣￣`) /:::::::ｌ ／:::::＼:::::::::',:::::::::::/::::::::::
l ::::::::::::::::| ￣￣` ）╋::ｌ／:::::::::::::::>:::::::::',:::::/:::::::::::::
| :::::::::::::::ヽ ―-､/ ヽ／:::::::_,,--''´::::::::::::::v::::::::::::::::
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
後年、ヴァリニャーノはこのように“己の成果”を誇っている。その得意や思うべしだが―――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ともあれ「イエズス会と教会を自滅に追いやる」唯一の元凶とされた「横暴なるカブラル」は、布教長の座を降板する
形としては1580年8月30日付でカブラルが総長宛に解任願いを提出、翌年秋に受理の流れだが、事実上の更迭である
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＜1581年＞
／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
| ヴァリニャーノ巡察師はこのたび、カブラルを布教長から解任。師によりますと |
| |
, ─── 、 | 「カブラルは教養が足りず、独断専行的であり、怒りやすい。日本の布教は. |
/ / )ノ )ノ ) ） .. | |
. | //－ ､ －､| | イエズス会の会憲によってではなく一人物の横暴のもとにある」と散々で…….... |
!__.|-| ・|・ | ... | |
（ｒ ` － ゝ－| . ` ー――――――､ ,, ――――――――――――――――――――――――― ''
＜＼ , ﾉ l ／
／| ｀､─┬､´ ﾚ′
／ ヽ／ヽ/ | i ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
| ／ ╋ﾉ | l＼
|＿|__ / | |＼＼ TV
￣＼､､）￣￣￣￣￣＼ | ＼＼
.＼ | l＼ ＼＼
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
＿
｡ ≧s｡
／ ＼
/ ヽ
/ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ﾑ
＼/ | ／／￣￣＼ ／￣￣＼|
￣∥ .|∥ / ∨ |
∥ .| | | ●│● |
{ |.-‐| ∧ _ /ヽ
Y''¨ﾟﾞヽﾁ ＼＿＿／ ´ )─ "ヽ丿
l ( ヽ }
人 ソ ＿＿ /
｀‐''ゝ､ ／
丿ﾞ''‐- -‐''"
_／＼＿＿＿, ゝ‐┬‐-､
／ ＼ ∧ / ＼
{ ﾞ'‐-‐"╋‐-‐" }
日本副管区長ガスパール・コエリョ<1530-1590>
ポルトガル人。秀吉の伴天連追放令に際会。宣教師というよりヘタ打った外交官のイメージ
（演者：野比のび太 ＠ドラえもん）
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
後任はガスパール・コエリョ。1582年1月6日付で着任。日本布教区が副管区に昇格したため、初代副管区長でもある
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
だがカブラルに反省の色はなく、ヴァリニャーノの方針を執拗に批判。然し流石に居たたまれず、自ら異動を申し出る
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
( ⌒ )
γ⌒ ⌒ヽ
ゝ ノ
| l |
,.＿＿＿＿_
__ ,,..'::´::::::::::::::::::::::::::｀::ヽ
／::::::::::::::::::::::,.::::::::::::::::::::::::::::ヽ
(::::::::::／ゝ:::::/ ＼::::/ヽ＼::::::::::ヽ もう、巡察師殿のやり方にはついて行けない！
＼:::(,／ ゞ- , '´ ゞ ヽ 丶::::::::::::|
∨ .∨ .ヽ |:::::::::/ 日本以外の任地を希望いたします
| .●.| ● |－-|/´丶
i.iヽ ,.ﾉゝ., ＿__ノ / |
. ヾ| ｀－´ゞ ,. --- ., .,__,/＿
| (´_,.／ ｀;, /::::::::___ゝ
ゝ ＼,.－- ´ ｀ ) .／;;;;;;;;＞
｀ゝ ,--－－´／_|ヽ,.____
_.. ｀'.----,´ ´ / ｀ヽ ←布教長辞任後も、兼務していた豊後地方長は継続していたと思われる
// | ╋ ＼ /| ヽ
';, ';,. ';
;, ﾞ';. r､ ∩ ';
ﾞ､ ﾞ';, ＿＿, - ､ ﾞ'､'v'ﾆﾆッ
ﾞ'､ ,;' ／, ─── ､)! rﾆ>ﾉ l |
ﾞ';, .;:' ,// / ヽi r'r‐,⌒ﾞ/
';...;ﾞ |_| ┃ ┃ | ﾞY´ / それは残念（棒）
ﾞ''''（ ⊂⊃ ヽ l 'ﾞi
>､ ＼＿_ノ ﾉ i l ならばマカオでのさらなる活躍を期待しよう
_,,..-‐‐'''''''fﾞヽ─── ´^､-----､ l l
r'''´ , i '､ ｀ﾞ'''''''´ / ,' ｀ﾞ'‐､_ l l
_,.-‐''´ l i i. l ﾞ'､ _/ ,' /'､i .l
f´ l ﾞ,,i l ｀ﾞ''''''''´ i ,'" ,' l. l
l ヽ__,,l ゝ! ╋ V i i､ l
l i ｀ﾞ￣´iﾞ:: :: l/----ゝ､___､__,ﾉ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
かくして1583年2月19日、カブラルは口之津より出港して離日。マカオのサン・パウロ学院長に赴任する
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
／￣￣￣￣￣￣＼
/ ）
｜ ノノ＿ノノ＿ノノノ
｜ / / ヽ/ ヽ |
｜i⌒ ─| ・ | ・ | |
｜ ∂ ＼＿_人___/ |
｜｜ っ ｜
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
:::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::
::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::
, ── 〟 さよなら〜
/ ヽ
| |
(＼ /) ∩/)ヽ
〜〜〜〜〜〜〜〜 ヽ､＼へ／ノ／ ／〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜 l──l／＼／〜〜〜〜〜
／ ￣￣ ヽ／
／ヽ| |
⊂ ／| ─ |.
/// | ￣￣￣|
|＿＿＿|
| | | |
__|─| ヽ／＼
( =|＿| ヽ/⌒ヽ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━─────────────────────────
＿＿, - ､
／, ─── ､)
// / ヽi
|_| ┃ ┃ | ＜ じゃ、あとは任せた。私はカブラルより一足先に、マカオに向かう
（ ⊂⊃ ヽ
>､ ＼＿_ノ ﾉ 日本人の少年使節たちを、欧州に派遣する企画があるのでね！
／ ＼─── ´ヽ､
.ｨ⌒ヽ i⌒ii⌒i ｨ⌒ヽ
(（､､､（((＼ﾆﾆﾆ／))）, , ,）) ﾄﾞﾙﾝﾄﾞﾙﾝ
＿~l |(Θ)| l~＿
.( _.l l ⌒ l l._ )
＼ I |ｉ⌒ｉ|. I ／ ﾊﾟﾗﾘﾗﾊﾟﾗﾘﾗ
⊂ﾆUl lUﾆつ
.i___j
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
なおヴァリニャーノ自身はカブラルより一年はやく1582年2月20日、第一次の日本巡察を終えて離日している
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
その後カブラルはさらにインドのゴアに転任するが、インドでもヴァリニャーノとの確執は続いていた
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, ──- ､
＿__ , - ､ （ （ (ヽ、 ＼
, ─ ､） ＼ iノ-､ －ヽ＼ ヽ ／
/ノ | | ・|・ |-|___ﾉ 巡察師猊下、あなたは間違っておられる！
_/ （・| ／ (| ー､`－´（⌒i） ＼
U ○ ヽ (⌒ヽ | |ゝ イエズス会に、あまりにも多くの日本人を受け入れている！
＿＿＿) ＿∩ ` ┬´ イﾉ∈ヽ
（＿＿/ ∈ ） /＾l￣￣（__ノ__/
＼──´ ￣ヽノ＼/ .|─╋─-| ＼
ヽ ＼ /_＿＿＿ﾉヽ ﾉ
╋ `-´ |＿＿＿_| ￣
| / |
,.}{.、
,.:'ﾅﾎﾔ:､
／ﾉ ﾟ ヽヽ. ＜マーハタジマッタ
j| ／（●）, 、（●）.＼ j|
. f .｀i / ,,ノ(、_, )ヽ、,, ::::.｀i f .｀i
_}Ii.I{ | _,;‐＝‐ヽ..::::::::::::| ,}I!I:{
下了 ,人 ﾉ:い,.:ｫ'' ｀ニニ´;; `ぇy'.八. 人. 下了
| :| }I i{ |i / ＿;:Yf,,.-－―――－- ,iY＿.::ヽ. ,ｌ|. }i I{ | :|
! ::!. ｜:| .iHh ｌれ|∩ｌ|:┌三三三三三┐:|l∩|iう:l frti. ! :| | . ::|
{-‐-} ｜::! ｌ￣├三三||: | |';';';';';_;;_';';';';';| | :||三三┤￣:i ｜.:l .{-‐-}
. | ::l {‐ } ｌr‐i | |f⌒i ｌ|: | ｌ';':'父乂父､';ｌ | :|ｌf⌒i | | r‐i:| {‐::} .! :::l
| :::|. ｜ :l || |.| ｌ| .l:||: | |i'乂:ri‐i:i:乂'i| | :||| .l:ｌ | l l:ｌ i :| | :::|
. ├－┤ j,.. :! .ｌ ﾆ. ! !;:三:;ｌ|: | ｌl;王;lｴｴl;王;lｌ | :|ｌ;:三 :! !. ﾆ.:l j :!. ├:‐::┤
｜ ::| | ::! .|r‐i | ｌf⌒i ||: | |l:干:ri‐i:i:干:l| | :||f⌒i ｌ | r‐i:| | :| | .:::|
_| :::|＿.ｌ ..;:| ＿＿,ｌ|__l | ||＿.l:ｌ|, ﾆ;l;王;lｴｴl;王;l;ﾆ ;|ｌ|＿.l:| | |__|:!＿＿,l .;;r!';ﾐ;ヾ;'ゝヾ|_
. i 「 ￣,r;';';,、― ―i―i―i―i―i―l.-l--l--l--l--l--l.-l―i―i―i―i―i―i fバヾ';;:゛ヾ;,ヾ
ｌ.「 f;';'';ゞ';ヾ;:ヾ.,i￣i￣i￣i￣i￣i￣l.~|￣l￣l￣l￣l￣ｌ~.i￣i￣i￣i￣i￣i￣i,ﾉヾ';ゝ;'::;;ゞ';:;ゞ
r'ゞ;;ヾ;';;ｿ;ｨ;';ゞ'::┴:┴;┴;┴;┴:┴‐;;:┴;┴:┴;┴;┴:': :┴;┴;┴:┴:┴‐':.ヾ''ゞ:;ヾ;:/';ツ゛
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1592年〜97年までは重職インド管区長の任にあったが、その期間中、ヴァリニャーノが所用でゴアを訪れるとカブラル
は待ちに待った復讐を敢行。手を回し、彼のインド巡察師の職を解かせている（以後のヴァリニャーノは日本巡察師）
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＜1595年10月31日＞
i|||||ミ,' ./ ',ﾐl|l|l|l|l|l|l|l}l|
/⌒V | ／￣￣｀ ,＿',ﾘ|l|l|l|l|l|l||l|
{ l ,' | ﾆﾆﾆヾ i|ﾘ/l||l|l|l|l|l| カブラルさんにケンカ売った奴が、インドでのさばるなっつのｗ
ヽ i | 卞O≧ , ___|ﾘ|l|l|l|l|l|l|l|l|
|ハ | ￣ l ≦O|>/l|||/｀,||l 総長訓令の結果、おめ゛え゛ーーのせき゛ね゛ぇーーか゛らー！
||||||! | l ﾘ l|l|l /|l|l
＿__||||||l ^ ^ / //／|l|l||l
_,,.-‐''" ||||||ﾊ ,' _,,.-‐ー-､ : /' ,'l|l|l|l|l|l|
_,,.-‐''" ||// ∧ ヽ、￣￣ >,' ／ /l|l|l|l|l|l|l|
ﾉ∧ | ＼ 丶ﾆﾆ／ ／/l|l|l|l|l|l|l|l|
/ l ＼ ／l|l|l|l|l|l|l|l|l|l l|
/ l ＼, ,. ＜ /l|l|l|l|l|l|l|l|l| ﾘ
＿＿, - ､
／, ─── ､)
.// / ヽi
,|_| ┃ ┃ |
（ ⊂⊃ ヽ
>､ ＿＿_ノ ﾉ
/ ＼─── ´
..ﾉ /＾ /⌒l ~）_） ← この後、1597年4月23日にゴアを出立。以後は同地を訪れていない
| ｀､_＾＾ ノ |
/＿＿／⌒ｌ | |
| |― | |￣ |＿
,｀ ― -.| | | ）
| ￣） ￣
／／ ｀`ヽ､＼
（ ( ) ヽ
＼ ｀ー --,． '"´ ￣￣｀`ヽ -- '_ ノ
｀ー-／ ＼ 筋金入りの反日家な上、性格も悪い、と―――
, ⌒／ , / 〃 , ､ ヽ. ､ ｀V´￣＼
／/ .:/ .:.:.::|::|.:.:|::|.:::|.:.:ﾄ､__,:::.ヽ＼ ﾄ､ ＼ こんなの宗教は別にして、擁護の余地ないじゃん
/.:.:::|;;|.:.::::::|::|::∧|ヽlヽl´ヽlヽ.::l L.ヽ|＼ |
/.:.:.:.::l;;||:.:.:.:|ｨﾚ'⌒l 〒=ﾐ､ ﾊ | l |＼ |
/.:/|:::/l/||::::::l/l/,ィﾃ ﾋzｼ 1 | |.:::| Ｎ ＼|
|/ |/＼:||＼::ﾍ. 弋ｿ ､ ｰ / lﾉ.:.::| |
|.:/l.:::;ﾍ.' ' ' r‐┐ ' '〃 〃.::/ リ
|/ |.:/|:::.>.、 ｀ｰ _ .イ 〃 |/
|/ .|/＼::|「(￣-‐ 7 /⌒ヽ
/l ￣_ >只く ／ / ',
_／ ＿／/ ﾑﾑ./ _,/ i
／ ヽ:::::::::::
／ :::::'､ :::::ヽ::::::::::
/ ＼ ､ ::::ヽ ::::::::ヽ:::::::
/ ,ｲ|`.x''::ヾ`.､ :::＼ :::::::｀`‐-.､:: うーん。でもヴァリニャーノの断罪も辛辣すぎて、かえって眉唾にみえる
{ {.l:l /.｀`＜'､ヽ:::::｀`.､,,＿＿:::::::::::＼
{:|::::',::::::::',l:ﾚﾞ＿_＿｀`‐｀i::r'⌒ヽ::::::::￣｀`‐-ゝ
l:ﾄ;::::',::::::::',l:lﾍ.)::ﾉ .7 .|::|ヾﾆ }:::::::::::::::::::
ﾘ.ﾍ;::ﾍ:::::::ﾍ ｀y'ﾞ .|::| .l /::::::::::::::::::: なにより奇妙なのは、日本でここまで「総スカン」だったのに、その後の
.∨ﾍ::::; ' ´ |::|./ ﾉ::::::::::::::::::::::
ヾ |::|r(´:::::::::::::::::::::::: 経歴に響いていない。離日後は順調に昇進し、トラブルも起きていない
ヽ |::| '､:::::::::::::::::::::::
‐- |::| .ヽ::::::::::::::::::
｀ヽ .|::| ヽ､:::::::::
',::ヽ､ |::|'"⌒ヽ､ ￣￣
ﾍ:::::`ー'".|::|: : : : : ﾍ , -'"
ヽ;／ リ｀`─-- ､ ノ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ヴァリニャーノもカブラルの信仰・賢明・勇気に加えて「統率力」を認めており、現に以後も重要な役職を任された
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿＿
＿__,. ＜ ＞ 、
／_, ／ ／ ｨ ﾊ ヽ ､fj＝ミ
. ≠フ. /ｨ / ./// j/ ', ﾄ, ', ﾟ , ヽ＼
-=彡' 〃 l , /ﾚ'r匕 ト-V∨ ∨ .∧ヾ、
_／=‐ｨ>' ∨}' ◯ ◯ }l ﾄ,',、 ', つまり、かれの履歴は「通説」と矛盾するとでも？
／>' ! , /| ,,,, ,,,, ﾘ|/ |Ⅵﾍ｜
. ／, ' |ﾊ i {.ﾄ､ ,. ィi| ,' ',ﾊ j まあそんなの、日本との相性が主因とみれば説明つくでしょ……
∨ //.Ⅵ ,r≠≧=号＝≦ﾚﾚ' j/|:i ',ﾊ
. // ヾ,'::{:::::::}==大==}___,.r-､ Ll |::|
|:| {:: i::::::::∨/|l＞i´ Y{ } |:」
ヽ_,. ィ:::::::i:::::::::::￣:i:::::| ./∧ｲ
,. ＜:::::::::::::::::∨:::::::::::::::::::}':____j'
. ／:::::::::::::::::::::::／-≧====y'
-‐ ￣￣ ｀丶、
／ ヽ
/ / /〃/{ { ヽ ｀ヽ. ∧
ｌ / /斗/ハ ｨｰ‐ 、 ∨ l それでもそれゆえに布教長として孤立したなら、「組織の長」としては不適格
{ { ﾚﾃく ヽi>==、＼ ヾ│
乂l f r'ﾊ r'ﾊ 7ﾊ＼ﾘ l ところが実際には、管理ポストで経歴を積み重ねている―――
.八,}弋ｿ 弋ｿｿﾉ ） 八
ノイ }ゝ" ｀_ "" { {´ 丶＼
／ ,＞‐r＜_∧!＞､ ＼丶
, -‐" ! ヽ{>ﾛ<ﾌ〈. | ＼
// ／ / y ゝ { ;ヽ ,ｉ 丶.ヽ
{八 〃 ﾊ { ,.-'‐!、 }_ = ゝ、__i、 }ヽ } }
)/ ヽ（. ヽ人,i' .,. i' ｀ﾞゝノヽl_ ヽ! ヽjｲノ
" ｀ / / ゝ,.| l __.!,ｒ'/ ｀‐´ "
/｀ V ｌ .,′´´
｀ｰ'′ ├-/
￣
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
かれが度胸のある人物で、かれなりに日本人信徒に献身的な側面があったことも間違いない
異教徒である大友宗麟の妻がキリシタンの家臣を死罪にしようとした際は、体を張って助命せしめている
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
<1575年>
,..-─‐-..､
/.: : : : : : : .ヽ ＜ おいこらエステヴァン。仏寺に、護符を取ってまいれ
R: : : :. : ｐq: :i}
|:.i} : : : :_{: :.ﾚ′ なお信仰を理由に断ったら、死刑だからな！
ﾉr┴-＜｣: :j|
/:r仁ニ= ﾉ:.ﾉ|! _
/:/ ＝ /: :/ }! |〕） )）
{;ﾊ＿＿,ｲ: :f | ／´
/ }rﾍ ├--r─y／ ｼｭｯ
／ r'‐-| ├-┴〆ｼｭｯ ﾊ,,ﾊ ｼｭｯ
仁二ﾆ_‐-イ | ｜ ﾊ彡（ ﾟωﾟ ),ﾊ
| l i 厂 ￣ニﾆ￢ （ ﾟωﾟ )ミ（ ﾟωﾟ ) でも、お断りします
,ゝ､ ＼ ＼ ＿＿厂`ヽ.. と ミ ╋ つ
/ /＼_i⌒ﾄ､_ ノrr- } ⊂ ､ ／
└-'￣. | |＿二二._｣｣__ノ ..し'
大友宗麟の妻・奈多夫人
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
⌒ ⌒
（ ）
| | |
, ── ､ __
／ ヽ
/ ／）ノ)ノ
| /／/⌒ヽ
ヽ /）─| ミ| キリシタンの家臣は、デウスにそむかない事柄では主君の命に従います
∠ （| |. ヽ__ノ>
∠＿ ／ ` ／＾＼__ > このたびは教えに反したから、従えなかっただけ。処刑は酷です！
ﾉ （＿＿
/￣￣＼┌─ ′ /＾－､
/￣￣￣⌒ヽ （ 丿
╋ /￣/
＼/ /
,,..-――‐-..,,_
_,,..-''"´ ｀ヽ
／ /l ',
. ／ /l./ l l うーん……エステヴァンの態度にも、問題があるとは思うのだが―――
／ /l/ ヽlヽ、 __ l
./ {,.-､_,,.-､ ヽ ./ ヽ ', ともあれ死刑命令は撤回させるゆえ、安心いたせ
７ ..／／ ,.-''_,,-､ __ ヽﾄl ち l ヽ
. 从/ ./ /'"´_,,-''∠.、 ._.ハ }
/ ./ / /-‐{::::::::::::} l ヽ从ﾘﾄ.、
./ '´ />''二二つ´ .| ./ .l:::｀''-,､＿_
/ ´／L ､ | / l::::::::::|::::::::::::｀"'''‐
./ / 丶==-‐' ／ ／ .,'::::::::::|::::::::::::::::::::::::
/ / ,,.-''"ヽｰ ／ ／ ／,':::::::::::|:::::::::::::/:::::::::
./ __.ノ‐''":::::::::::::::｀/:¨´∠＼∧,,.-''_,.イ::::::::::::|:::::::::::,'::::::::::::
. __l＿＿__.l>、:::::::::::::::::::::::/:::::::::／⌒ヽ''"´ ./::::::::::::::|::::::::::l:::::::::::::: ←この時点では未改宗
┴―――‐┴.､:::::::::::::::::::::>::::/ ./ ', /:::::::::＿_|::::::::::|::::::::::::::
.',::::::::::::::::::::::::::::{:::::::::::::::::::::ヽ/ l ',"´::::::::::::〉::::::::::::::::l:::::::::::::
, ‐ ´ ￣￣ ｀ヽ､
／ ､ ､ ＼
,.'.／ .:/ ;小:.. ヽ:. :＼:.:.ヽ
. //:.:.:.:/.:./:. ./ i ヾ:.:.丶:. ...ヾ:ｰ'､ ……と、いうわけで。あらためて具体的な
//,':.:... :.:厶:./- ヽ 弋:.‐＼:.:.:. 丶:＼
! |:l:j:.:.:´/ ｨ天t､ ｨ天女､-､:.. ﾍ､:.ヽ カブラルの軌跡を追ってみたい
! | :.!.:.:.:ﾊ´ち;;;j ち;;;;j !K }ヽ:.､.! ヽ!
ヽヾj:.ノ小 ｀::::. ' ::::´ ﾊイ: |｀ﾘ ノ
､_ノｲ:..:.:ﾘ;:ゝ-‐っ ｰ- ｲ:.ｌ::|:. i | あと、変則的だけどカブラルの配役ＡＡも、ここで選手交代だ
／´/:.:／ ‐＜＞.､ _., .イ_.l:.:ｌ::|:. i |
／＿/∠ ｧ┐l !ﾉーｿﾉl ￣ ヽ､｣::|:. .:i:ﾊ この先は、野比玉子から別キャラに変更するよ！
, ./´ ｀∨イしﾘ / ハ ／ ヽ￣｀ヽﾊ
／ |=＝＝=､∧/ ＞‐/{ヽ‐‐< l l ヽ r/７-､_
, ' / / / 7〃 {{ヾ〉＼ |／￣ | 厂し' / /┐
. / / / ／ {{. ＼ | | ,/＝(_/_/_,人
| / / イ o. {{ ＼| l/ 'ヾ､/
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
＿＿＿
. ／´ ´⌒ヽ
/ ／ ） ノ） ノ） 丿
/ /ノ／⌒ヽ/ ⌒ヽ! AA配役的に、当初は「メガネキャラ＆のび助と一対になる」玉子一択だったものの……
| / l | |､
V｀ヽ「￣l ・ｌ＜ ﾉ i ストーリーが長くなるわ玉子のＡＡ在庫は少なすぎるわで、破綻しちゃったのよね？
ｌ ｀ ー ´ ７ ´ ヽ
＞ｰ､ , ───,┘ﾉ
´Ｚ＿ヽ､ ( ＿＿_ ノ ／
ﾉｰ｀──､‐ ´
／＼ _／＼/ ＼ (~)
/ ､ ╋ ヽ ヽ/ ） ヾ . γ´⌒｀ヽ ついでに言えば、のび太（コエリョ）との関係を考えても
l ＼ V ￣二) . :::::::::::.: . .. {i:i:i:i:i:i:i:i:} . . . .: ::::::::
ヽ ＼ ／＼ __ノ .ノﾉ :::::::: :.: . . /彡ミ゛ヽ;)ヽ、. ::: : :: お気に入りの配役だったんですが―――是非も無し
. ＼ ヽ ／ ／/ ::::::: :.: . . / :::/:: ヽ、ヽ、i . .:: :.: :::
〉＼ ／! / ￣￣￣（_,ノ ￣￣ヽ､_ノ￣
＜びふぉー＞
／￣￣￣￣￣￣＼
/ ）
｜ ノノ＿ノノ＿ノノノ
｜ / / ヽ/ ヽ |
｜i⌒ ─| ・ | ・ | | ―――ま、それはこのさい、やむを得ないこととして……
｜ ∂ ＼＿_人___/ |
｜｜ っ ｜ 私ことカブラルが、反日的になっちゃったのは―――
/ ＼ ﾉ
/WWW ＼ ⌒ ／
￣￣￣￣
┏ ┓
┣━━━━━━━・・・・・・・・┃
┗ ┛
NOW LOADING.....
.
＜あふたー＞
.. /⌒i /`l _ ,､
_,,..､ .| / ,..-､ ,､. l |/ 〉 .〈 .| ,.-､
l l | /´ l,､_ノ ,l | l |ﾚ' _,,」 .｀'´ 〉 _,,..、 ,..､
| i' '´_,,、 ,! L.-ヾ=,' l､_,.. ､ 「Zノ ヽ ｀ｰ､ ／ ア
.| し''´ 」 _,.-'´ _, - '_´ ﾞl_,〉 ヽ､ 'l ／ ／
.| ,,.-''´ (_,.- '´| L-'´ _) ｀ｰ',／ /
| .| ,.-'´ ,.-'" ／ /´
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. ///ﾚ'´￣￣＿＿＿＿/ ∨/ﾄ､////////∧ ≧ ｷﾘｼﾀﾝ ＜
////|／￣////////// jﾚ'}l｢ }/ﾊ //////i.... -=ニ どう考えても日本人が悪い！！ ≦
. _,ノ イ/l///////////// ‐ァ'⌒厂ﾘﾄ､}'//////l ≧ ≦
￣ |////////////l// ´ rfi{ ﾉ j}〉/////∧. ／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼
. |/////////// /人 ﾐﾄ、Uﾘ ,ノ|///////∧
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| l/ ＼ ＼/ ／ |
| { ヽ } ／ / |
フランシスコ・カブラルver.2
（演者：黒木智子 ＠私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!）
=ニ二二ニ=
, -―- 、
/⌒Y / ､ ﾍ ヽ
. ,ｲ /l i!_/iハ!Tﾄi､ N. |
i/! i /! | l/r=､ r=､i/.!ハ! ﾌﾟｷﾞｬｰ
iハi! ﾚ‐ﾄ､''┌┐''ﾉﾚj.i! i!
i! i! l ‐､ﾉ)ｰ＜_ i! i! どう見ても配役からして自爆キャラです本当にｒｙ
i! i! .`ﾄ.ｲy 〉-､:i、i. i! i!
i! |`ｰ '￣ ::::::}| i!
i! |:::`ー:::::::ｰ'.| i!
./:::i三｀ー' _ﾉ
/:::::::`ー'￣ヽ
-‐‐- 、
. ／ ├ ､
／ -‐- ､| ヽ 大切なことはカブラルが是か非かではなく、かれの“言い分”を知ること
＼ ／ ヽ ﾊ
. 〉' i iﾊ ＼ ￣￣｀ヽ あと、この人はフィジカルな意味でも頭痛もちだから、煽るようなこと言わんといて
i _i｣| }ハ-‐ﾊﾊ‐ｧく {⌒)
| ´ｉ｣」_j ｊ.ィﾃラｉ|) ﾉi|＿
. 从 爪Vﾂ ~´,,,ﾙ'Y´ /＾ヽ . ＿
ヽヽ.! ﾄ .''｀ ｖ┐.イ|ノ { ＼
|｀ヽ 「 厂ヽ二|、 ヽ /､
| | { 、 ﾉoヽ ＼＿､_/ ＼
| |∧ Ｖ [[準]] ﾉ ＼ 〉
| |｜￣｀ヽ.＿ ｏ＞くノﾉ / /｀ヽ
| ｜|｜ | }≧＝ o｀ヽ / / '.
| ｜|｜ | /´￣ / / ｜
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1533年。フランシスコ・カブラル、アゾレス諸島サン・ミゲル島（759平方キロ。奄美大島くらい）の、貴族の家に誕生……
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＜サン・ミゲル島のイメージ映像＞
／ヽ
,／/ ｀ｰ-､
__r‐/ / ! .ヽ ＼
__/ i ." i !.､ ﾞlゝ .l＝ｰ..,i-､ √/冖ｌ_/⌒/'ｰ､ _
／∨ ＼/ ｀'-､ !.! .|、│ ﾞ'‐ ` .ヽ ! ﾞﾝ'⌒゛ / ` ./ ..ｌﾞ''"゛ ＼,..ｰ､ メ＼
.／ .／ .i ＼ ﾞﾆ=- ﾞxX彡爻爻爻ミﾐ￢--爻炎ﾐ--xX爻ｰui_爻X-..＿ ,-ﾞヽ､_｀';;､＿＿＿／ |.､ ＼＿＿＿＿＿＿＿＿
／,/ ／ .ｌ : -;;'"彡爻爻ミ璽目旧[]璽旧「幵幵冊龠彡爻爻ミXxﾚ! rv-'/ .,! .<ﾞヽ_,ﾞヽ＿ ｀ﾞﾞ'ｰ龠爻ﾐXﾆ:::::.::.::.:::::::.....:::::.:.::.::.::::
.┴-←''二=-‐､,,. ⌒`ｰ､璽幵「璽冊[]目高龠璽幵xx＿_xX爻ﾐﾐｉl!爻l／./ .ll, .ｌ .｀''-ﾐr￣ﾞTTi冖￣ ::::::: .....:::::.:.::.::.:::::::
≠ﾆ'"゛/ | ＼.｀ﾞ''ｰ---..__xX「高[]龠爻ミﾐ''‐爻.-＝―--二＝ィ⊇＿____爻爻炎二＝=-,,..ﾆi !.......:::::.:.::.::.::::::: ::: ..:: .:.::... .... ....
.彡爻ミ/ ! ｀';;v-八´ ｀'-､爻iii,i...､二=爻（= ‐ 二 ≡= 三 =ﾆ ）,龠龠爻ミﾐtｒ'"... ... :::..:.............:::::.:.::.::.::::::: ... :::..:......
璽￣´彡爻炎ミｰ'l―xX彡爻爻爻ミﾐヽ二_ ｀ﾞﾞ'|‐==＝广＝＝ .....::::: .:.::.::. :::::::.. ...:::::.:.::.::.
.傘ﾐr─-'"￣´.! ﾞ''ーt- ＿x彡爻龠爻ミﾐ___ヽi,,ヽ ... ... :::..:.............:::::.:.::.::.::::::: ... :::..:.............:::::.:.::.::.::::::: ::: ..:: .:.::... .... ....
.....:::::.:.::.::.:::::::.....:::::.:.....:::::.:.::.::.:: :::::.....::::: .:.::.::.:::::::.::.::.:::::::.....:::::.:.::.::.:::::::
... ... :::..:........... ..:::::.:.::.::.::::::: ... :::..:.............:::::.:.::.::.: :::::: ::: ..:: .:.::... .... .... :::..:.............:::::.:.::.::.::::::.::.:::::::
＿＿ ＿,
, ＜::::::::::::::::::::::::ノ
／::::::::::::::::::::i::::/::::::＼
／::::::::::::::::::: :::::|::/ ヽ:::::::ﾍ
／::::::::::::::::::::::::::::/|/､＿ }::::::ハ
´￣ |:::::::::::::::::::::/ / 〈●〉ｌ小N ogyaaa
. /:::（|:::::::::／､_,､_, "" lｉ|ノ ﾐ
i⌒ヽ :::::／ （_.ノ ﾉi|__／⌒)
/ヽ ヽx＞ ､ __, イｌ:::/| ヽ／
/:::::∧ 人l||l,三| /ｌ| |l||l 从
. /:::::::l:::::( ⌒ ) V ／ | ( ⌒ )
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
アゾレス諸島はポルトガル沖約1000kmの大西洋上に浮かぶ、「新領土」（1427年に発見）であり―――
かれはその出生からして、大航海時代の申し子だったといえる
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――
本土ポルトガルのリスボンとコインブラに学び、軍人としてキャリアをスタート
―――――――――――――――――――――――――――――――――
._,,,,,,,,,,,__,,,,,,,,_
,.イ'//////////＞- _ ﾄ, .__,.
／//////////////////＞‐--イﾉ .｀!::｀::77
（､ ＿_,..イ/////////////////////////／ /::::::/:/
｀"ーｧ/////////////////////////く /::::::/:/
_,.イ/////////////ﾊ'////////////∧ ./::::::/:/
//////////////-V////////////ハ ./:::::/:/
,ｲ///////////!'/ ヽ////////////ハ .../:::::/:/
,イ／.!//⌒!////,l,.|'厂下､ ＼/////////､//＼ /::::/:/
l/,{ !ゝ|////,l 乂..ソ, ＼'///////!｀ー '"´.:::/_,什7
l//＼｀l////,l `ｰ ‐ 〉V/////,l /,-､/--/
l//////////,! V/////! /ゝ-1::::/ ───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
ｌ'//////////,! ` - /!////,l _ﾉ!::::::/:::/.... 1550年、インド副王アフォンソに随伴してインドに赴任 ┃
j////////V//ト .ｲ }ﾊ/// {ヽ.フ{ミ/｀!
ﾉ/ｲ///////V/,! ｀ - イ//l ' 'ﾌ ..勹T:‐-/ / ...┃ ホルムズ海域で、トルコ艦隊との戦闘に参加
,ｲ/ .|'//////∧V,ﾊ｀ ‐- ,ｋV,//八／／二.⊃ ｀|::::/ /-､ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
／" .l'///////∧ヽ,ﾍ. {:::::::V/// /'´フ.二ﾆ) ｒ‐' ヽ.
ゝ:__,. ｒ'T'´￣｀ヽ、ヽミ 7 l ' ｒ'ヽ ,.ﾆ⊃ l ｀!
{/:::::::.:::l_,:-:::::::::::::＼｀ヽｨ'〈 | ﾄ､ l l /
ﾘ::::::::／:ｒ'´￣｀ヽ::::::ヽ. ｀ ゝi、 ﾉ ,.┴､ ／
l:::::::/::/::::::::::::::::::::､::::::ヾY´ﾊl l´ /‐- ､｀ヽｒ'
i:::l:/::/:::::::::::::::::::::::::､:::::::ヽ＼「二ﾆ7、 /二ﾒ､:::＼::｀7
|::l::i::{::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::ﾞﾄ､ヽ:::::::/ /‐‐{f､::ヽ､.:::ﾞ/
l:::i::l::l::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::l::ヽl::::/ /::::::::::::::ヽ::_):/
ヽ:ヽ::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::､:::i:::::|７,/::::::::::::::::::::::/´
ヽ:ヽ::::＼:::::::::::::::::::::::::::::｀ヽｰｨ'´::::::::::::::::::::::/
iヽ::＼:::ヽ:::::::::::::::::::::::::::/ﾘﾊ::::::::::::::::::::::::/
l:::i:::::::ヽ::ヽ、:::::::::::::::::/:/:リ:::::::::::::::::::::/
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ｲﾝﾄﾞ
しかし現地でイエズス会と交わり信仰に目覚め、1558年に叙階。なお叙階に先立ち修練士の長に任命されるほど高評価
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,,,─:ﾞ : : : : :＼
/ : : : :／＾＼: : ヽ
|: : : ／一 -＼;|
|:__:/ <（ﾟ) <(ﾟ)| イエズス会へようこそ
（t ' ゝ |
＾ヽ、 ヽ_フ 丿
__i`__-__┐´ ∩/＾ヽ
/＾ ＼; ;∧;/＾ヽ | ｀ヽ ﾉ
| i ╋ | ＼／＼／
／／//////////////////////////////＼＼
＿＿＿＿／／//////////////////////////////////＼＼
＼＿＿＿／|///////////////////////////////////// ヽ/,
.. ＼//// ＼＿/////////////////////////////////////,
. ＼/ / ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ﾄ､￣￣￣￣ ／//,
/ /＼__i＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿______/ ∨--―― //////,
. / /////l//////////////////////// V/////////////,
. /／//l///l///////////////////////--─代/////////////＼
//////|// | /////////////////////j ｰ‐=ミx/|////////|////＼
／///|// |// | ////////////////////ノ jハ////////|￣￣￣
. ／＿____/|// |// |/////////////////|// |/////// | ふえぇ……イエズス・マリアのことで
|/// |// |////////////|'/// jノ ｀ミﾄ､zｚ,x彡' |////////|
|/// |// |/////////// ｛//／ ^'⌒￣ |'///////∧ 頭一杯で、もう軍務に集中できないよ
|/// |// |////////// |/ , ／／／／ イ////////∧
|/// |// |//////// ／￣￣＼／⌒ヽ. ////|//////∧
}/// |// l'//////／/ j／⌒＼__,ﾉ ＼ / |///| //////∧
/////|// l'//////｀/｀ヽ／ j ＼＼ _} ／/ |'///|'///////∧
. //////|// l//// （_（__／ ／ヽ／￣￣＼|ィ7/// |/// l/////＼//ﾊ
.. ///////|// |///////|‘ｰ(￣￣￣￣＼厂ヽﾉ //// /////|//////| ＼/＼
／＿|///／|//∧//＿＿| ｀ ｰ┴―く_, ＼/}_＿＿_//////l//////| ￣￣
￣ |///|/ ∨/∧ | { } ∨ ////＼////////|
|/∧|／ ∨/∧ / | |ヽ i ∨/／ ＼//∧//
. |/ 八 |＼/ ∨ | | { i ∧ ∧/ ∨
/ ｉ │ ＼'，./ ′ i | ∧ ∧
. / | | / / 人 l | ∧
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1561年以降、主にゴアで活動。神学教授や修道院長を歴任。彼と交わった同輩たちからは賞賛の声も高かった
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
l;;:l i;;:::::└ｰ┐ ┌ー┘:::::;;;! l;;;;ヽ
l;;:l i;;::::::::::::::::| |:::::::::::::::::;;;;! l;;;;;;;|
l;;:l i;:::::::::::;;;;;l＿_!;;;;;:::::::::::;;;;! l;;;;;;;|
l;;| i;;_;;ｧｱ'/ﾞ`ﾞ'''""ヾﾐ丶､;! l;;;;;;;;l
ﾞｙ''7 /;'ｲl _!l .! !`〈;;;;;;;;| 説教に大いなる才能があり、イエズス会への愛情と
,;' ;'.!,.iｲ'l"!｀ ´ !l｀!|､;';:ヽ;;;l
. ;;' i .|'l .|ヾ_ﾞ __ﾘｿiﾉﾘ.: : Y 本質への理解が、とても深い人物ですね
. ,;l l .::!iﾞ;ｬ''"ﾞ` "￣ヾ;';'ﾄ､; ,:!
,:' .l!l ::{ﾊ ﾞ､"" , """;'';: lﾘ' ;.:}
ﾞ､';.:!ﾐゝ ､_ ,,. ;ﾑ' !;',';'ﾊ 元インド副管区長メルショール殿は「インドでイエズス会員になった者の
ﾒ!|ヽ';:,`;.､ _,.、 ,,.ｨ'",;' j',';'ｲ.! ﾞ､
,'ハ'; ';:.';,';::|ｼ./.j''´'"!,;';';,',;'' .;. '; ` 中で、カブラルほど学徳が進歩した者はいない」とべた褒めです！
/,',:i_ヾ,jｨ-ｒy././;`ﾊ ''y',',';＿ﾊ ::',
/´.:｀i l;::::リ,' j .ﾚ ,' ;'ノ';','';;;;;;;;'',ゝ､;
,'!. ::l |;;:::;;| ' i'''i',',';;;;;;;;;;l i .:}
ﾉ:l ::! !;::::;;! ﾉ:::i; {;;;;;;;;;;i l ..::!
＿＿＿_
ゝ／: : : : : : : : :＼
／: : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : : :┌---,----i─
| : : : : : : :| / /i＾i | ただし、短気で議論好きで頑固なところはあるけどね
| : : : : ,--v |_|_ﾟ| |
|: : : : | d. '┐ おのれの短所を、自戒する努力はしている……
ヽ: : :ヽ_ ┌── |
ヽ;;／ ＼／ /
_|＿＿__┌ - ′ あと、ひ弱ではないが病気がちで、頭痛・胸痛になることが多い
/:_:_:_:_:_:_:_:＼ ∩
/ / ￣ヽ, ╋「 / ~￣,⊃
| i ＼ | ／＼ ノ
／ ヽ:::::::::::
／ :::::'､ :::::ヽ::::::::::
/ ＼ ､ ::::ヽ ::::::::ヽ:::::::
/ ,ｲ|＼ ::ヾ`.､ :::＼ :::::::｀`‐-.､::
{ {.l:l __,＞＜'､ヽ:::::｀`.､,,＿＿:::::::::::＼ そんな彼ではあるが、この時点では日本との接点はなかった・・・
{:|::::',::::::::',l:l ＿_＿｀`‐｀i::r'⌒ヽ::::::::￣｀`‐-ゝ
l:ﾄ;::::',::::::::',l:lﾍ.)::ﾉ .7 .|::|ヾﾆ }:::::::::::::::::::
ﾘ.ﾍ;::ﾍ:::::::ﾍ ｀y'ﾞ .|::| .l /:::::::::::::::::::: 実のところカブラルの日本赴任は偶発的な事件の結果で、しかも
.∨ﾍ::::; ' ´ |::|./ ﾉ::::::::::::::::::::::
ヾ |::|r(´:::::::::::::::::::::::: 赴任前からケチがつきまくるトラブル続き。かれが日本を「鬼門」
ヽ |::| '､:::::::::::::::::::::::
‐- |::| .ヽ:::::::::::::::::: と見なしても、不思議じゃないレベルだった
｀ヽ .|::| ヽ､:::::::::
',::ヽ､ |::|'"⌒ヽ､ ￣￣
ﾍ:::::`ー'".|::|: : : : : ﾍ , -'"
ヽ;／ リ｀`─-- ､ ノ
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
,，::´::::::::::::::::::::::爻女三ニ=-
乂__／:::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾆ三≒三二ﾆ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::=ﾆ≒三二
＿彡'::::::::::::::::::::::::::::::::::::}ﾊ::::::::::::::ニき二ﾆ
//::::::::::::::::::::::::::::::::::::::; ';:::::ﾑ:::::-=キﾆ= え？ いまさらだけど、来日前から不幸モード？
／ ′:::::::::::::::::::::::::::::::::::;'´u}::/ }::::ニ代二
､__彡'′ i{:::::::::::::::::::::::::::::/}:::::/云ﾆ==ミ:::::::‐|::::≒
i|::::::::::::::::::::::::::/ ,'::://{ { } } }::::::::::|:::::ニ
八::::::::::::::::::::え_/::/_,八ゝ'.厶ｲ:::::::ﾆ|:::::三
/::::::::::::::::::::／´ / ´′ ¨¨⌒７::::::::-|::-トﾆ
/:::::::::::::::::Y( {Ｊ ､＿ ＿_, ｕ/:::::::::::::l::ﾆ{二
_厶イ::::::::::::::{:::＞:...｀ ´..イ:/:::::::::::::::汽キ=
i{ ::::::::ﾄ､:::::::::::::r}｀ ´{、/:::::::::::::::/::::ｷ≒
八::::::::| l|:::/:／{＼_＿_／}/:::::::::::::::/:::::::キニ
ヽ斗rビ7 {＼{///}_ ,::::::::::::::::;ｰｧミﾆｷﾆ
/V∧ i{ 人 Ｖ╋ /:::::::::::::::/ / ≒ﾔ=
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
さて、この時期。おりしも黎明期の日本布教に大きな功績のあった宣教師コスメ・デ・トルレスが、戦国乱世の
真っただ中にある「異世界」での布教活動でオーバーワーク待ったなし、疲れ果てていた……
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
⊂ﾆつ ⊂ﾆつ ⊂ﾆつ
⊂ﾆﾆヽ⊂ﾆﾆヽ⊂ﾆﾆヽ
ノ_ﾉ ノ_ﾉ ノ_ﾉ ○ ｏ 。
__
. ＾ヽ／乂＞n 、 長崎の開港も、間近だというのに。この体ではもはや、
. /u ／nヽ-r'__ヽ＿＿r―
{ 〈＿／ ｀/rｧ'# # #ﾉ# # あの港で故国の船を見ることは、かなうまい―――
ｌ‐/ ／￣# # # # # #
└ﾍ ／# # # # # # # #
厂￣# # # # # # ## # #
. ／# # # # # # ## # # # # #
第二代布教長コスメ・デ・トルレス（1510-1570）
スペイン出身の宣教師。現地文化を尊重する「適応主義」で布教の効果を上げる
（演者：フニャコフニャ夫 ＠ドラえもん）
===================================================================
,.-、
/ﾌ /｀i / ヽ HAHAHA
i i / レ' ヽ
. ｌ l / _ ,r-;､ ヽ
.! ! ./<{ }〉 ｀'ｰ'.' i 私の紹介エピソードでは省略されていたが、
! ｉ /. ￣ﾋﾌ !
. ヽヾ ヽヽ じつはトルレス師も、私と同行していたのだよ！
ヽ i'､ヽ
l |. i. i
| ╋ ｌ l. ｌ
. i l. l l
i l. l l
i ,! `'
i /
i, r-, ./
ヽ ,! i, /
ヽ.ﾉ ヽ.ﾉ
弥次郎
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ちなみにトルレスは、ザビエルの盟友にして日本布教の後継責任者。弥次郎とともに来日した、例の一行の一員である
初の訪日ミッション最後の生き残りであり、ザビエルが短期間で離日した事を思えば「実質的開祖」というべき人物だった
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿
／ ／＼
. ／ ／ 書＼
∠_／ 聖 ＼ ＿＿_ll＿＿
＼ ＼ ＼ 〈＿＿ ＼
. ＼ ＼ r―┐ /_＼()ノ二_‐--r'
. ＼ ＼ ｀7 | { ≧{ ３ }ー'⌒Y とはいえ引継ぎせずして退任などと、無責任なことは出来ん！
＼ ＼ / ／＼{ ｰ―Ｃヽー' r'
＼ ＼/`〈 ＼ , -――- ､ | _r―-､
￣ ＼ 〈 (二二二) 〉 ノ｝＿＿＿＿〈_{二 |
＼ `ｰ‐――‐' ´ { {二 ﾉ
＼} ＿＿＿ノ^ー‐'
{ ╋ }
{ }
＿＿＿__/〉
〈＿＿＿＿_＼ r‐- ､
/_ｚ≦_≧= ､＼〉 {二 } わしが居なくなって布教長が空席のままじゃあ、
. (ｌ{_３__}_３__}―ヽ} 〔{ー }
{ C---､ _}） /二二} あとがこまるじゃないか！
Ｙ (￣￣）） ﾉヽ/ /
ゝ ﾆﾆ イ=彡 ﾉ /
／ `ｰ―――‐‐' /
. ／ / ╋ {
ノ＼ ′ {
. ⊂´ 〉ｰ{ {
ﾉ ／ } {
〈//// { }
. ｀¨´
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
次のことを考えて手を打てるトルレスは、1560年代後半からインドの上司に、新しい布教長の派遣を催促していた
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ｎ
. -‐‥' '‥‐- 、
〈＿＿＿＿＿＿〉 後任の件、よろしく！
| （_乂_ﾉ ｀ヽ
｢￣ ゞ｢ ３￣￣|‐'⌒Y
. 〔ト---Ｃー----' u r'
. ､ ｢＼＿
＼二二ヽ ﾉ ﾉ ｀`丶
. ／￣} マﾆィ--‐=彡 ＼＿＿
{ ニ} {ヽ｀╋¨¨´ ＼
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
. -――- .
. ´ ｀ ､
／ ＼
, ' ,ｨ､ ヽ
/ ,/ ,.ｲ ∠ __＼ .
| / ∠_/ ／￣＿_ ＼ ',
/ ∠ﾆ,/ ／ ]｢:ｎヽΥ ヽ | できれば私自身が、日本に行きたいくらいなのですが……
,/ ／| ]｢n:ﾚ' ||:::J:::| | | ｒ‐-､ |
｀⌒∨! |{:Ｊ| `ー ' ﾉ/ /ヽ| | インド管区長の重責を預かる身としては、そうもいかないし―――
ﾚ! ¨´ｒ' ﾚ └ｧﾉ |
l|| ｀ イ／ |
八 ｰ一 /￣ |
|>､ ,.ｲ｢ |
l 个n｡.. ＿_ ... イ | |
| | _| ,..ィﾆニ>､
| | __/７千ニ＞ｧ'⌒＞- ､ l!
| ﾚイ/ ∨=イ´ ／: ::／ ヽ. |
| ,//::└― =￢′: :/ V |
| ﾚ′: : : : : : : : : : : ,' }l |
j/: : : : :╋ : : : : : : ::l! j_ ′ |
{{: : : : : : : : : : : : : : ::{ ﾉﾆ＞ _｣ |
インド管区長アントニオ・デ・クアドゥロス（1528－1572）
（演者：リルル ＠ドラえもん）
＿__
,..................................ト....,
／..............................7...................,
／................................ /}...........,{........',
....................................../ ........./ ', ......′
,′............./ ... /../.../_ｰi..... / ﾊ.......′
ｉ.........Y⌒′../≠才癶,,l..../r≦ﾆ{.......′
|..........{ .} .../|／圦rｸ |./ xf斥, ..... i と、いうわけでラミーレス司祭。あなたをトルレスの後任とします
l....|.....', }ｌ./ ﾉ′ ゝrｸ{....... |
|.ノ .. 人}/ ′ l.i.......| 日本人を霊的に征服する、尖兵となってください！
／............. / ∧ r= ｧ 从 ....|
／＿彡イ...... / /ト . ／...........|
. ／ ,，7|..ｉ.....|....../.......| ト。 ,.イ...............人
. /..／ ./.ｌ|..| ......../ ........| T〔............................＼
/../ /.....|..|......./ /.f─| .|-ミ、.........､................＼
. /../ .／ ......|..| i....../....|: :￣ミ、 .-一゛/.............＼................丶
. {...{ ..............人|_| .. {一ゝ、: : : :Ｙ.: .: : :_〈.､..................＼................＼
.＿／丶丶.......＞'’.::| .. {. |.: .: :｢￣.: : :Ｔ爪 : : :| 〕'ーﾄ､............................丶 ＿＿__ ノ
⌒フ........＼Х.: .: .: .:| .. {. |: : : : : : : ╋/ : : : : :| , : : :∧...........丶............＿＿＿彡′
/................′.＼ : :人.. }. i: : : : : : : : / : : : : : :| i: : : : ∧...................................丶
＿＿
＼ ＼/⌒ｱ
_∠ ￣￣ ╋ ⌒⌒ヽ 召命ｋｔｋｒ、謹んでお受けします
. ／ ＿ ＞
〈 ／ 〉´￣￣｀〈 ￣＼ ＼ うまく言えないのですが、もはや逃れることのできない運命を感じます
. ／〈＿__／ ＼＿_〉 ` ､ V
￣〉 〈三二 ﾐ ｨﾆ二三〉 | ＼〉＼
. ｲ 八_弋ﾂ^弋ﾂ__,ノ __,| ＼ 〉/∧
ﾉ { （_r ､_r ､_） / /lヽ }///∧
⌒ｱ ∠二二二二二 ｲlﾉ/ /)ﾉ/／ ]∧
. / 〈┴┴┴┴┴=彡' ｲ__／ 「卍] |
. ｀ｱ ｀¨¨¨¨ ¨¨¨¨´ |＼ﾉ 「卍] |
）／| イ ／|／/｢卍 /卍 卍|
´ |／ j／)ノ⌒Y / ｢卍 / | |
￣|￣＼＿/ 「卍」 |卍|
| /| ＼＿＿|／
|＿/ ｜ /
{:::::} |＿/
ﾉ:::::} {:::: }
／::::::ノ ﾉ:::: }
｀¨¨´ ／::::::ノ
｀¨¨´
日本布教長（仮）ペドロ・ラミーレス
（演者：オシシ仮面 ＠ドラえもん）
――――――――――――――――――――――――
……というノリだったかどうかは、知る由もないが―――
――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
スペイン人宣教師ラミーレスはマラッカから中国にむかう途中、南シナ海のタイランド湾で遭難死してしまう
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
（ヽ､ ＿ヽ､ )＼ ヽヽ
＿ヽ､ ⌒ ヽ､ ＼＼
＼￣ __ ）ﾉ ヽヽ
∠⌒ ／ ） ⌒ヽ | |
） ╋／￣ﾞ- く ＼ ﾉﾉ
／ ／ﾉ＾)＿＿_)ノl ヽ＿//
/ /／(／ !＿|＿| ヽ三ヽ
ﾚﾍ |j(／l_／ |ノヽ |──)
ﾉ （／l_／ ／⌒| | | | ! |二 二ヽ
／ |_／＿＿| | | -| | ﾉノ ﾉ── ､)
/ `───| | ﾉ -| | |／（()） ヽ
／⌒） ∧ ヽ／_／／ /j()ﾉ＿ (()) i
/／ ﾉ |_／／ ／￣￣｀＼ ((）） j
（ﾍ ￣ | ヽ ＼ /
）／（／) ／ ⌒ |⌒ヽ |＼ /i＼ /| )ヽ
|/ | ! / | ﾉ | ( (
)ヽ | / / （ ((| ） ヽ
( ） | / / ヽ| （ ）
） （ ､ / ） |ヽ､_ _＿ ﾉ ） （
（ ヽ （( / /－､| （ ヽ ←遭難のイメージ映像です
（ ） ） )ヽ ヽ_ノ | | ヽ ノ ）
） （ （ ノ ） | | （ ( （ （
（_ ノ ）（ （ （ / ／＾) ） ） ）
） / / / （ （ _ノ
（/__/／/ ）／/ ／/
.ﾄ､. /ヽ |＼ /ヽ /”ﾞｫｖ' ./／ /／ /
|. ヽ./ ヽ! .`､/ ヽ,/ ' /＿ ＿
: --! ,,,,, ,,,,, ￣.／
＼ ,illllli,,,,,,,,, lllll llll ／
＿ヽ ,llllllllllllllll!' ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,, ￣￣￣''_,-
＼ ,illll!' ,illll!' !!!!lllll!!!!lﾞ｀ ,,, ,,, ,r-'''ﾞ￣
> ﾞﾞﾞﾞ' .,illlllﾞ lllll| llllllllll!!!!! llll !ll! iiii,, ＜_.
／＿ .,illlll' ,,,,,,,llllll,,,,,,,,,， ,,,iillll!!ﾞ ＞
￣／ ,llll!!' lllllllllllllllll!!!l_ :ll!!!ﾞﾞ゜ ＜_
＜1568年＞
_ ..-‐..........￣ミﾄ､
／...................................ヽ
. /.....................,，/......../........,
'...／..... 才'’ /.....／,,__,.....i
／..斗 〃_笊,'..／ ｘ=ﾐ, ',...} 布教にリスクは、つきものとはいえ……
,..Y´｀{ 乂り／ { り //
i...{ , ｀¨ ; ｝ 藤子キャラ路線の一択では、エンドレスで遭難がループする懸念もある
|...ゝ., i. ､ __ 从
|.............ﾄ､ .ｲ..|
|............｣|. ＞‐-r＜ .......| 厄払いを兼ねて、ここはAA配役を変更したカブラルを投入してみましょう！
ｌ ‐━┛, ､ {､_...........|
. / } ', 丶,_／ ミﾄ､..|
/ }.:.:└‐──┘:l i.|
. / , /: : : : :╋ : : : : :', |.|
/ /_′.: .: .: : : : : : : : :}.!.|
. / /}.: : : : : : : : : : : : : :/ l..|
::::::::::::::::::::::::::::::::::::|ヽ::::i､::::::::/
冫:::::::::::::::::::::::::::::/ ｉ::::|ヽ::::l
|::::::::::::::::::::::::::::::/｀￣|:/ーi::| （メタネタは華麗にスルーするのが、大人の優しさってもんやで）
|::::::::::::::::::::::::::::/ .辷 '＿_ !l
!::::::::::::::::::::::::::/彳l | l ｀ l 謹んでお受けします。マラッカとマカオを巡察ののち、日本布教長に就任します
l:::::::::::::::::;ｲ::/ 丶｀´ ノ,〃ﾊ.
ヽ::::::::::::/ｿｲ'' ‐- 二 =戔ｿ::ヽ
丶::::／ /:::::::ヽ
ヽ::::ヽ ｰ-- _フ ,./::::::::/::ヽ
ヽ::::/l::ヽ､￣ /::::::::人::::::::｀ - イ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
かくしてラミーレスの殉職というアクシデントにより、日本布教の任がカブラルに転がり込んだわけである
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1568年8月、カブラルはマカオに到着。だが出帆が遅れに遅れ、そこで一年も待機する羽目になる
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＜マカオ＞
|::::::::::::::::::::::::: :::::::::::::/ |::::::::::::l | | | llll |
|＿＿::::::::::::::| 〉:::::::〈 〉::::::::〈 | | | llll |
::::::::::::::::＼::::: /::::::::::::丶 |:::::::::::: | | | llll |
:::::::::::::::::::::＼ :::::::::::::::::l |:::::::::::: | | | llll |
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::::::::::::::::::::::::::| ::::::::::::::::| ／, ,, ,, ,, ,, ,, ＼.| | llll |
::::::::::::::::::::::::/ /, ,, ,, ,, ,, ,, ,, ,, ,, ,＼ llll |
:::::::::::::::::::::/ /ィ, ,, ,, ,, ,, ,, ,, ,, ,, ,「 ヽ llll | ← 赴任する前からgdgdフラグ立ちまくり
::::::::::::::::::/i ／ |, ,, ,, ,, ,, ,, ,, ,, ,, ,/ ､,llll＼ |
:::::::::::::::::::::「￣＼ ／ ⊥＿ ＿ ＿＿_ ∟＿ ヽ,, ＼ !
:::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ （＿ ） ﾉ― 、 ＼_.|
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼― ￣￣ ￣￣ ― ヽ ＼
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ ヽ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l二二二二二二二二二二二二〉
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣| |
===================================================================
r‐‐- ミノ〉
__ ／⌒丶、 ｀丶
/} /⌒丶乂ノ＼ ＼
{/〈 ３ ﾉ⌒丶 ＼＿〉
／| `ーC_ ３ 〉､ }__ いつになったら、後任が来るのやら……
〈 人 /⌒ヽヽー‐′ ｰヘ ｀ヽ
Ｖ 〈 〈__） 〉 ﾉ ﾉ 〉＿＿__ わが上司は、締め切りを守れない漫画家のようだ！
／￣｀ヽ } (_＞‐く＿＿＿ノ＾ア /ー‐┐ |
‐- / 〉} ／￣＼ ーr' / ｜ |
二ﾆ=‐〈 ノヽ/ } 〈 / 〔｜ |
ﾆ=-‐ `ー‐ ´ﾆ=-{ ﾉ＼ `ー‐} l｜ |
＼＿／ =- ヽ / ￣￣￣￣￣￣￣＼
ﾆ=- 「 ￣￣￣￣￣￣|
二二二二二二二二二二二二二二二二二二l ＿＿＿＿___,ﾉ
| | | |｜
| | | |｜
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そうこうするうちカブラルの日本布教に暗雲をもたらす問題が、マカオ待機の時点で起きてしまうのである
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＜1569年8月＞
γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
｜ カブラル司祭。ちょっとお話したいことがある |
乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
l /
. _ -=＝=- _ ′／
ト､ィ//////////////ヽ
冫/////////////////∧
/////1//ハ////}//////,} あん？
i///ヽ.l// ∨//ｨ!//////}
i/∧下Ⅳ ィぇ示}///-,//}
Ⅶ∧ﾋｌl .弋zｿ.}/// ﾉ//＼
Ⅵ杁 丶 ///イ/////ヽ
. ∨个 ゝ ' //ﾉ/////￣￣｀
. ,!/＞＜ /ｲ V///ヽ〕iト ､
//////イ ;/////＼ ヽ
. ｰ.ｲ/ィ､´ }///////＼.}
ⅵ ヽ }ﾊ////ヽ//ﾊ
| '， 丿 .}///| ヽ /}
| ﾞ， }///j ∨
i } //／ j .!
＿＿＿
γ￣ ￣ ｰ-
f＼/＼／＼／＼ ヽ
i ヽ､__ノ｀ヽ､, ＼/t i このたびインド管区長から、マラッカとマカオの巡察を拝命しました……
ｆ￣ｌ ∩ .∩ i i
ｔ 丿 .∪ ニ ∪ ﾚ⌒ヽ よって巡察師の権限は、わたしに移譲していただきたい！
f （ 丿 ６ i
l ￣!￣ ノ
.i __ i
ヽ(￣ ＿ -ｰ- ＿ ﾉ
／ ヽ-＜＿ _ -'′＼
／ ╋￣￣￣ ＼
ィ７///////////////＿_／＿＿__
／/////////////////////＼'/////
//////////////////////／ ∨／
///////////////////l}／ ｀ヽ Λ
/////////////////／ Ｎ }／}/∧
/////|/////////／ jノVﾊ///l'∧
/////|ｌ//////／ ／ | ｨk //| /|
ｰ==ニニ二二 ィ////lｨｆ劣｢ }//|∨
/////∨//////,l////|/ |廴ｆ ﾊ/|
//////∨/////,l///i | ﾐｰ=彡 }/{
///////∨//// ∨/{/ , /ｲ 何を言い出す？ そう言うからにはイエズス会員なのだろうが
////////∨//// ∨{ ｨ//{
///////// ＼////N c'つ |/| いったいどこの、何者なのかね？
//////＼////＼/ |ｰ‐ｆ〔 ∨
////////＼///////,＞|￣
//////////|￣￣￣ ／＼
/,|////|//ﾄ､{ / ＼
/,|////|//| ＼ i / }
Ｖ|////|人| ＼{ ＼|_
∨ / j ＼ ＼ ＼__〉
l ∨ ∧＼ ｢＼
,ｲ///////,ハ/////// ∨/////∧///////,ﾑ
ﾑ//////// ∨//// ∨////. ∨////,ﾊ/,ﾑ 私はオルガンティーノと申す
i//,'ヽ////｀ヽ__.∨// ∨//ノ´ ∨/// . W/i
l//} ヽ'/ ＿.∨￣/ ヽ ｀寸" ＿ ヽ/ .W/} 九年間も異教世界への伝道を
l//! , ´ ヽ γ´ ヽ .W/!
l/,'l. i ,..-.､ : :. ,..-.､ : レト、 総長に懇願し、念願かなって漸く
γ⌒ .l. l. i::::O::ｉ｜ .ｌ i:::O::::i l l ‘，
,' ､ | 、 乂ﾟ::ﾟﾉ., 弋ﾟ::ﾟ::ﾉ , l / .', 日本赴任を召命された次第……
i ﾊ , ヽ __ ' 二ニﾆ二 乂二 イ 〈 ). }
:. ﾚ , ´ ｀:. ヽ .:
v . : : : : : : : . . l .l . : : : : : : : : : . .v
, : : : : : : : : : : : ﾞ ､ , ｲ : : : : : : : : : : : : :
´ l : : : : : : : : : : ｀ T ´ : : : : : : : : : : : l｀
．＜ , l : : : : : : : : _ : : : : : : : : :. l l ＞ ．
. ．＜ l l ,..:::´:::::::｀:..、 l l ＞ ．
． ´ l : ,.::::::oﾟ::::::::::::::::ヽ .: .! ＞.．
,.イ :. ﾑ. i:::::::::::::::_:::::::::::::::i ,' l ＞.．
／ l .ﾑ ';::::::::γ__ヽ::::::::ﾘ / .: ｀
../ ', ﾍ 〉::´::::::::::::::｀:::く / .,'
.' ‘，. ヽ 乂::::::::::::::::::::::ノ , ' /
‘， 丶 ￣￣￣ ｲ /
ヽ ｀ ´ , '
｀ - ＿ - ´
╋
オルガンティーノ・ニェッキ・ソルディ（1533－1609）
イタリア人宣教師。宇留岸伴天連（ウルガンバテレン）とよばれる
（演者：剛田 武 ＠ドラえもん）
＿-───-､
／:::::::ﾄ､i＼/＼::::＼
{ヾ/＞v､／:::::::::＼r‐ 「要するに―――あんたがグズグズしているうちに、俺の出番に
〉 { ０}::::|/／::::::::::::
ゝ ,=}==､::::::::::::::::: なっちまったってことさ。さっさと俺に席を譲れ！」
/ ｀ｰｧ‐':::::::::::／|::
| r‐ }::::::;:＜＼ j:::
r──､ ／＼ゝ-＜￣＼__＞:::::
│ ─i⌒ヽ ＼ (￣::::::::::／: （ カブラル師の任務と私の任務に、重複部分があるのは混乱の元…
│ ─|＿ハ / ￣ニ二￣:::::::::
│ ─､i .} / | ╋ {:::::::::::::: とはいえ時系列的には、恐縮ながら上書きされたものと愚考します）
＼ ー' /＼/ | ヽ:::::::::::
ヽ-＜ | ヽ:::::::
ヽ/////////////////////////ﾞヽ
. `7////////////////////////∧
ﾞ/////////////ﾄ､////////////', おーい、「建前」と（本音）が逆になってるよー
. ｌ/////////////√ヽ/ ﾊ'////////l
. l/////////////7=‐ ∨ l'////////l
. l////////////l ,r 〒 ア .///rf///! 単にクアドゥロスが、こっちの状況を知らずに やらかしただけやん
. ／/////////x// ヾ≡彳////｝}//,'|
. ／-‐''V/////／ﾉ ////ｼ///|
ペ ∧//／ ｀ ﾊ///ハ//ﾊ
. ッ //,∨/＞､ ゝ, ィ////ﾞ////ハ
. ／////////／ ,- .个///〃//////∧
／-=彳/// ／ ´り У//ｲ/////////ヽ
〃/ ／ ヽ `ー－'´/／ ‐- .///////ヽ
。ィ ヽ ╋ -- :／ ／ ｀ヽ//lヽ/ﾊ
. しﾞ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
カブラルは、「管区長が自分のマカオ在留を知っていたなら、オルガンティーノを任命しなかったはず」と主張
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
--―――-
ｧ7ﾌ////////////// ≧ ､
／////////////////////////＼
／////////////////////////////,ヽ
//////////////////////////////// ∧
. /'////////////////////∧'///////////∧
/'///////////////////// ∨,|､/////,∧/ ∧
. /'///////////////////// V| ∨//// ∧/ ∧
//|///////////|/////|/// ,|ィ´|///////|'//∧ それに―――いくら信仰を同じくするイエズス会の
. ///|///////////|/////l//{＿_／ lﾉ__|//|////,| ////＼＿
.. ////|///////////l////'∧/｢／,ィ忖テミ､/l////|////ト---' 兄弟とはいえ…東洋の海で、しょせん君は外国人
／//＿｣///////////|//// ∨ｌ ｱ じ }「|/// |////＼ ~~~~~~~
. ￣￣ |/////////|/∧//{ ヾ ﾘ |///,|'//////＼__
. ∨///////,|/ ∨ | ﾐﾄ､＿＿,ノ /}///|/////￣￣ ポルトガルの海で、思いのままに動けると思うな！
∧ ////// |{ Ｖ,| ノノノノノ ////|////∧ ~~~~~~~~~~~~~~~
. //∧//////|ﾄ､ ヾヽ ┐ ／//////////＼
. ////∧/////ll ＼＿＿__, イ ／///////////＼__＞
∠ イ///∧////lﾄ､ ＼__ __／ イ＿／|//￣∨/|/// ＼__
}'////∧///|//〕＞ ----‐＿_／/ | /,/ ∨,|∧/|￣
////|///＼｢ |￣ / | /￣ヽ / Ｖ / ､＿∨ } |
／￣￣|//l／ ヽl / |Ｖ| /|___/ ∨ ￣￣}j/
|厂{ | ＼ | /'⌒i / ／{ ＼
. ﾉ | ／l/ ╋| /＼／ ＼￣￣￣￣｀ ＼
/} | |／ | j_/ ＼ ､＿＼
. -=ﾆ三ﾆｽ= ､
,' ./ ｀>'｀ヽ^ヽ^ヾ.
.人ﾘ ´ (9 (9 i､ えっ？
!∂′ (二 ) ヽ
〉、 ! }
／i { ‐ｧ ﾘ
／ { 丶 ､_) ,〈
丶 ` - . ＿ . イ `.
｀ ‐- 一 ´ , i
╋
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
マカオは、ポルトガルの「ナワバリ」である。マカオの社交サロンで（スペイン系とはいえ）ポルトガル貴族のカブラルが、
「イタリアの農夫のせがれ」オルガンティーノより有利な立場を維持することが出来たのは、残念だが当然のことだった
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人＿
＞ 我ら仲良しポルトガル！ ボッチなんかいやしない！ マカオ世論はカブラル一択！ ＜
￣Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^ＹＹ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^￣
. .-─‐-. . __ . .-─- . .
／. . . . . . . 1. . ＼ -──- ／. . . . . . . . . . ＼
/ . . /. . . . . / . . . . . . 、＿ .:.´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ /. . . . 从. . . . . .ヽ. . .
. . /. :／ﾚｉ∧ﾍ: . . .＿ ＞ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. . . . . :/ 丶 . . . . . . . .
{ . 从≧ｘ ｘ≦V: . .＼.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:.:.:.:. | . . :/≧x ｘ≦ﾍ. . . ト
: N弋か 弋か从./ 厂|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ .:.:i:.:.:.:.:.:.､| . :{代リ 弋リ｀}: . .｢
ﾉ: : : 〉 丶 /.:/ j |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ ／ Ｖ.:.:.:.:.:.:.:.:＞ﾍ 丶 ﾉ: : ﾍ
７: : :∧ ´ ` ｲ 人 :| .:.:.:.:.:.:.:.:. :.:/ィﾞ示了|.:.:.:.:.｢ {ﾍ: 人 ´ ｀ ／: : :ゝ
. Vﾍ: : : :＞ ＜. : : :厂 /.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:/.:/ 乂ｚツ |.:.:.:.:.| }ﾍ: : ＞ ＜: : : ﾙ
γ ￣{ 〈:::〉 〉ｰ 、 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./V ｀ /|.:.:.:.∧ ｘー─{ 〉 〈 ト ＿
ﾚ ＼ Ｖ├{ V У.:.:.:∧.:.:.､Ｎト ´__｀ ＜.:.:.:/:.:.:.:.＼＼ V├{∨ ∧
. 〈 葡 :::|rγヽ Ｖ⌒{.:./.:∧.:.:.|.:.ノ､__ 斗.:.:.:./ /.:.:.:.:.:i⌒ j:::|rγヽ ､
/ ∨ j::::|{ } Vﾚﾍ.:.:＼| ∨::::∨￣/ 1 .:.:.:.:.:.| ∨葡 |:::|{ } 7
{ニニニ} |／ ノ } 〉 V 葡 }::::rγ´ヽ ﾚ从 ﾍﾉニニ} j／ ノ i／∧
ヽ| 斗 ／ 仁ノ、 r″ ∨ j}::ﾉ ﾉ∧ 〈｣ 斗 ／ 辷 ノ
∧ ／:| ∧ Ｖ──┤ ／ ／´ } 〉 ∧ ／| ∧ V
＿＿＿_
/Vﾊﾆﾆﾆﾆ＼ mamma mia！
'⌒ヽ __ノ^≧::::Ｙ。＾YVﾊ
/ V_八 （_＿人__ノ ,}ﾆ| ＜_) ﾎﾟﾙﾄｶﾞﾙ
| (_ノ（__人＿＿'＿_ J o ^Y 何よ！ あんたたちみんなで、
ト---く 〉:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ ノ ｲﾀﾘｱ
∧ ＼(＼:.(＾Y⌒):.ﾉ / あたし一人を いじめるのね！
＼ ＼｀ニニニ.イ＼＿
＼/ ￣￣￣ ＼
∧／＼ ∧ 伊 |
| ╋ ＼／＼/「| |
| 广⌒ヽ
く (__ |
|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ==- _人_＿ノ
|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ|
ﾏﾆﾆﾆﾆﾆハﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|
／`マﾆﾆﾆ| |ﾆﾆﾆﾆﾆノ_
乂_＿＿＿| |＿＿＿＿_)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
むろんオルガンティーノも、やられっぱなしではない。イエズス会総長に、カブラル罷免を直訴している
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
（ ）
（､ , ,）
|| |‘ ,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,;;;;;;,,,
∧∧∧∧∧∧∧ ______;;;;;;''''" ''';;;;;;;;,,,
／￣￣￣￣＼ ＜ 直訴だ！.. ＞ / _ﾉ_ﾉ:^) ''';;;;;;;;;,,,
ｌ ∨∨∨∨∨ ｌ ＜ ＞ / _ﾉ_ﾉ_ノ ／） ''';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
| ＼()／ | ∨∨∨∨∨∨ / ﾉ ﾉノ／／
(| (（・） （＜） |) __ / ______ ノ 「カブラルの性格、とくに自己過信と名誉欲は目に余る」
| ⊂⊃ | _.. r（" `ｰ" 、 ﾉ
| .| ⌒ ＼.ｌ／ ⌒ | | _. - '"´ "-､ ﾞ ノ 「自らに服従し畏敬する者には盲目的愛情を示すいっぽう、
|. ｌ ＋ ＋ ＋ ＋ ﾉ | ' " _.. `ー''"ｰ'"
ｒ＼＿＿＿＿＿／"´ __ '"´ -"￣ "-￣ヽ 反する者を嫌悪する！」
/ ----,,, ,,_.- ' " /" ＿ ----ヽゞ;;;,, ,,,,:;;;;;;;;;;;;;;;;;;
'''''─ " （___-" ヾ ヽヽヽヽ'';;;;;,,,. ,,,;;;;‐″
| _..ヾ ヽヽヽヽ '';;;;,. .,;;;;;;'
| ,,,-‐ '"´ ヾ__)__)__)_) ''';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ,,.,;;;;‐'''
│ "─r'--,,,,,--''''''''
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
r;ニニニニﾆﾆﾆﾆヽ
,--―| |::::::::::::::::＠:::::::::::::||
|:::::::::::| |::::::::::::::::Π::::::::::::||
. |::::::::::| |::::::::::::!ﾆ ﾆ!::::::::||
|;:::::::::|_|::::::::::::::::|_|::::::::::::|| 「カブラル師は布教長として不適切」か―――うーん、だがしかし……
|--ｰ'､-r┬ｧ;T'j''┬t┬i
. | ｌ ｌﾚ ノ ヽノ ｀ヽヽ.} 身分・経験・学歴……どこから見ても上位者は、カブラルの側ですしねえ
| ｌ ｌ ● ● ｌ ｌ ｌ
| ｌ ｌ⊂⊃ ⊂ｌ ｌ ｌ
| ｌ .ト ｰｰ ﾉｌ ｌ ｌ （もう、しゃーないわコレ。現場に丸投げしちまえ）
| ｌ ｌ . |> l_￣/'/￣/￣/
. | ｌ ｌヽ / ￣ ) / と)
| ﾘ:::::::|_}--j-イ__/＿/ノ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
元をただせばインド管区長の任命書の不備・不明確さがケンカの発端であり、一方的な裁定は難しい
歴史家・松田毅一氏も、オルガンティーノのカブラルへの人格批判は「当を得ていない」と指摘している
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
かくして反目は未解決のまま1570年6月18日、カブラルとオルガンティーノは文字通り呉越同舟で、天草の志岐に上陸
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ﾊ ／: : : ::::| ,ｨｼﾞ //
/: :', .|| : : : : ::| ,ｨｼﾞ //
|| ::::| || : : : : ::| ,ｨｼﾞ //
|| ::::| || : : : : ::| 宀=- ,ｨｼﾞ | //
|| ::::| || : : : : ::| ＼ｨｼﾞ ⌒＾^''=､- //
|| ::::| || : : : : ::| ,ｨｼヽ ∨/
|| ::::| ||: : : : : :| ,ｨｼﾞ '. //
||￣ || : : : : ::| ,ｨｼ | // |
,,...,,,,,.､-||-､ ||: : ノ￣｀ヽ ,ｨｼﾞ |￣| } .// |
＿＿＿||廴｀ヽ､ ||￣} } ,.ｨｼﾞ |＿| ﾉ // j __
二二二|||::≧s｡.,｀ー "ﾞ'''"||｀/ / ,ｨｼ__ | __∠＿__,//＿ノ | :|
::::::::::::::::|||:::: ||::::::≧o｡.., ||/＿＿/＿＿,ｨｼﾞ.|＿￣ ─- ..,,__//___∠＼＿＿__ |_,|
======||ト．||｀`ﾞ'‐:|::ト:｀`'|トニニニニ,ｨｼｨ癶ー- 二_ー----://-----||-|-|-|-||,,,,＿|､＿|二二二|ﾆl＿
￣￣￣ ＼｀|ト．i:i:ｉ|::廴ｉ:「|ト.．｀`''=-,ｨｼﾞ´:.:.:.:.ゝ-､､..,,__￣￣ //¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨￣ ／ア |::::|仁仁仁仁仁仁
-_-_-_-_-_-＼ヽ`ｰ|::|i:i:｀`||ｰ廴「iT,ｨｼﾞ_,.ィ㌻ﾆ=- :.:.:.:.:.:.:ﾞﾞﾞﾞ//〜〜〜〜〜〜彡:.:.:.:.ﾄ廴|≡≡≡≡≡≡
-_-_-_-_-_-_-_＼｀'|::|｀弋:||}}ト,.ｨ彡,ｨ㌻''「Ｔ'=- _￣ ｰ=ﾆ=//＿:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:‘，`ー─────
-_-_-_-_-_-_-_-_-＼|｀ヽ､||::::::{{i}}//≧s｡`'-|i:i:|､.._「Ｔ=- //￣ ｰ-=ﾆ=-_ .,_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ゝ〜〜〜〜ー--
-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_〕ト．|ト::弋ﾉﾉ:::｀`'＜:ｉ:ｉ|i:i:|..,,_｀`rr彡'i:i「i:i=- ＿ ￣ ─-=ﾆ＝─- ｡｡..,,＿＿
-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_〕ト::`ヽ､｀''＜:: ｀`''＜|:i:i:i:,ｨ|:|癶｀'' =- .,,__i:ｉ:|i:「iTi=- ..,,_ ￣ …─--
.-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-〕ト．｀ヽ､｀' ＜::::::｀''/////ｱi:i:i:｀`'=- .｀|i:i:i:|廴i:i:i:i:i:i:i:i:i「「iＴi=- ｡｡..,,__
-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_〕ト:::｀ヽ､.:|｀''ト }i{しﾉl{`''＜i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:|i:i:i:|- _￣ =- ..,,_i:i:i:i:i:i:i:ｉ:|i:i:i:|￣
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-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-〕iト．≧s｡., ｀`丶､:::::::::: ｀|´:::|i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:「iT:=- |i:i:i:|__
-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_＞＜i:i:≧s｡., ｀`丶､::|::::_|｀`''=- i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:ｉ:|i:i:i:|i:i:｀
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-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_-_≧s｡i:i:i:i|￣ |i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:≧=- ｀`'' :|i:i:i:|i:i:i:
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
7月の現地（志岐）会議へと「新参者2人の権限」争いが、持ちこされてしまうのである
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
¨i_ ＞'´ {三三三{,ｲ三三三三三三三三三三三三::
―‐. ､ .ヽ三三ﾆ'.,}三三彡'´ヽ三三三三三三三三
― ､＼ .∧三三ﾆヾ¨¨´ }∧三三三三三三三::
', ｀ ..ミ、ﾍ三三三:ヽヽ∨ ﾉ . ∨三三三三三三ﾆ
..｀丶、 斧｀ヽ'.,三三三｀ﾌﾉ.､...{／∨三_,..:≦三}三ﾆ:
｀丶、 .'.,､三:::, './/.,' ﾄ､__,..::≦三三ﾆﾉ::／}:
.｀ ｰ―.' ｀¨´.ィ.,' | .}三三三ﾆ＞'¨´¨´..// ､ ＿ ＿ ＿
｀'ー―― ミ｀ヽ ＿, .{三三＞'´__ ., ﾞ'´ ゝ:::: '´::::::::::::::::::::::＞ ､
. ＿ ∧.ヽ.ﾊ ＜ ○ .} / ﾋﾞｷ /:::::::::::::::::::::::i::::/､:::::::::::ヽ、
_, '´ .'., .} ∧ ｀ ― '´ ../... 〃:::::::::::::::::::::/|:/ ∨::::ﾍ::::＼
¨¨¨¨ヽ .｀ | ', . , ﾚ:::!:::::::::::::::::/ /､＿ i::::|::::∧￣｀
.,ｨ, ― ､ ..| , ../. ノ::::|::::::::::::／:::: 〈●〉|:::.|、:::∧ ﾋﾞｷ
/ ／...{ .| |/ / ´￣i::|::::::／､_,､_, """.i::::|ﾉ:::::::∧
´ ,ｲ:｀ヽ .. ,...,{ ,.ﾞ (⌒ヽ|／ ⌒ (⌒ヽ_j::/::::::::::::::ﾍ
＿_ ＼:::∧ ,.', ' } ., ' ｀｀y:|::::l＞,､ __, ｀｀y / へ::::::ﾄ､ ﾍ
_, '´ __ ｀_ ..丶、'ｰ／.../ .,..' V S / |::/ ヾ |三/ / / i:::::| ヽ
/ ./ ｀丶、丶、 ｀.´ , ' ／. , ' ｀ヽ|' ヾ╋ /｀ヽ< ノ:::::|
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
n
. ∠二二二ヽ っ
/＿r‐＼}{／┐ つ
Y⌒ 人__+ﾉ､+_ﾉ 待望の後任が来たかと思ったら、不安要素満載の
. ｰr |i| `ｰ'_ }ﾊ＿_
r‐┴――＜ﾊ__}ﾉ＿三} 厄介事を持ちこまれてしまったでござるの巻
. / ＿＿＿{＿三}
. __ 〈 〉 ___
／ }／`ー――――'‐//´ 〉
. { `r{＿＿＿＿＿＿＿l {ｰ/
`ｰ‐' `ｰ'
＜現地布教団＞
∧,,∧ .∧,,∧
∧∧(´‐ω‐｀)(´‐ω‐｀)∧∧ まあ、来てしまったもんは しゃーねーか……
(´‐ω‐) ∧∧) ( ∧∧(‐ω‐｀)
｜ Ｕ (´‐ω‐｀)(´‐ω‐｀) と ﾉ （ドッチがとは言わないけど）
ｕ-ｕ （l ) ( ﾉ u-ｕ
`ｕ-ｕ' `ｕ-u'
【会議中】
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
| ==========. | ともあれカブラル師には第三代布教長に就任していただき、
|;;;;;;;; ＿／|/￣＼/￣￣ ;;;;;;;;|
| ;;;;;;;; ∧,,∧. / ∧,,∧ ;;;;;;;;; | オルガンティーノ師には、京都で孤軍奮闘している地方長
| (｀・ω・)/ (・ω・´) ; |
∧,,∧ .￣￣( つ￣￣( ) ∧,,∧ ルイス・フロイス師を助けるため、上京して貰います
( ｀・ω) .／￣￣￣￣￣￣￣￣￣lll(ω・´ )
| つ、＿ Σ ⊂ |
∧,,∧ゝ-／ ／ ／ ＿ ─＼ノ
( ｀・ω)／＿ ￣ ＼ ＼ ∧,,∧
| つ／ ／ ￣ ⊂(ω-｀ )ヽ
ゝ／ ￣＝ o ⊂二ノ ）
|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
……と、いう流れになった。この種の内輪もめが玉虫色の決着になるのは、欧州人も日本人と変わらないようだ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
. / ／ ／' /／ / , ′ :i ', .:.:.:.:.', ﾏ／.:.:.:.ヽ 〃/
. |' ／ ／ ､〃 /ﾘ ｌ :! ヽ ､ .:.:.:.:.} ﾊ .:.:.:.:.;∧ ｛
ィ／' , ′ /{ 斗七爪｀ヽ!､,| ∨孑廾ト ､ .:.:.:.:.:.:.:.', ヽ
／ , ′ /｛. i／ { ,ﾊﾄ ,､ ﾊヾ ヾ ＼ .:.:.:.} ＼ 八 .:.:.:.:.:.:', ,|､
/ l | / / 〃λ :| , ﾄz竓芹ミx x竓ﾘミx .:.:.:.:.:.:.ヽ | l
,/ | |f , ｲ /∧ |/,! 从 r'乂'! r'乂'､!ﾘ } i .:.:.:.:.:.:.:.:l | ', あれ？ これって、つまり……
|'冫/ ./i / ,ﾊﾄ 八ヾ ∨ツ ∨Ｚツ } .:.:.:.:.:∧:ﾘ i
λ∨ / .|' / 从 ' ト ヽ ' ｲ / ! .:.:.:.:ﾉ }:ﾊ !
{/i ', ,′冫 ﾉﾙ' { | ハ, ,､ ｡ ﾙ ′ / .:.:.〃 ﾉ' ′|
' ﾏﾍ ｛ //)イ ', ﾄ ! 个o｡ f' i / / 彡 .:.从′ / /
｀┘ｊ 〃 ヽｊヽｿ／｀ヽ_ / ﾄ ＜〃 ノ .:.:ノヽｊ / /
/ { f.､ / /`Y´￣ﾉ'´ﾙ'r‐､ ｰ=彡ｊ'/ / /
. ｲ ,. -‐一' ﾊ / /γYヽ, -‐´=＝ﾆ＼丶 く_／
|' ／: : : : : : ヽ , ′/ノ /〆´ f : : : : : ヽﾉ丿
l| /: : : : : : : : : 冫 ´￣ ｝｀ヽ,/: : : : : : / /ヽ
｛| } : : : : : ／´7 '`ｰ-┐┘‐-┐､ : : : / /: : : ＼
＿＿
, ‐ ´ ｀ヽ
／..:／.:/ .;ｲ :. :.丶.:.: ＼
〃:.:./ .:./:.:/小:.: ',:.:.ヽ:.:.:. ',
l:{.:./ .:./':__j:! l ヽ_:.ヽ:.:.＼:.:.! 御意。上位者カブラルを布教長として戴きつつ、活動拠点では両者
ｉ:}:ﾊ .:7ｨ=ﾐj:ハ >=ミヽ:.:ﾍヾ、
､_メ!.:i.:.ﾊ r'_;j r'_;j ∧:.:}:.fヾ を隔離させた。九州をカブラル、京都をオルガンティーノが担う……
乂;ｲ.:.∧.:::: ::::./ｲ V:.:.| ﾘ
_／ j/_:ﾉ:.介 .､ ｀´ ,.イ:.l:|:..|:.:.:.!
´/:.:,':.:.:j:|:ﾉｰf夭‐ﾍ :j:|:.:ｌ:.:.:.:! 京都の重要性を考えれば、オルガンティーノも「実」は得られたと言える
/.:.;ィ7´ｌ:|＼/ﾑﾍ／｀l:| ｀ヽ.:.:i
/.:/i // !| に不こ) !|l /!:.:.i
/.:/| ヽl ｌ !|/〈/ i| ヽ｣ !| !./│:.:.i
┌────────────────────────────────────────────┐
│ │
│カブラル来日当時のイエズス会は組織上、日本布教区をインド管区の下位組織とし、 │
│ │
│さらに五畿内を「上」、西九州を「下」と呼び、二大教区に分けていた。 │
│ │
│ヴァリニャーノ来日後、日本布教区は日本準管区に昇格し、「都教区」「豊後教区」「下教区」に再編される...│
│ │
└────────────────────────────────────────────┘
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
とまれようやく重責から解放された前布教長トルレスは、カブラル来日から四か月たらずの10月2日、天草志岐にて逝去
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
⊂⊃
__
. ＾ヽ／乂＞n 、 じゃ、じゃあ後はよろしく！
. /u ／nヽ-r'__ヽ＿＿r―
{ 〈＿／ ｀/rｧ'# # #ﾉ# #
ｌ‐/|i| ／￣# # # # # # ←享年６０
└ﾍ ／# # # # # # # #
厂￣# # # # # # ## # #
. ／# # # # # # ## # # # # #
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
､＿ ＿＿ _＿
ゞ:::::::::::::::::::::::::::::: ヽ､
／:::::::::: :::::|::::/､:::::::::::＼. ,,,､. -ｰｰｰ- ．.,,_
. ／:::::::::::::::::: :::|::/ ∨::::::::: ヽ f:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;"'．
∠::::l:::::::::::::::::::::/|/､＿_∨:::::::::::.ヽ...... γヽ|/＾∨＼＾μ＾_,,∨|:i
｀| ::::::: ::::::::/ / 〈●〉.ｌ:: :ﾄ､::::∧ i 人iｊ ( ･ ﾉ___,ヘ ljfヽ
／⌒):::::::/ """ i:: :|ノ::::::∧ __弋/ _,,_ ( ￣ ) ヽﾉ
/ ｙi::::／ __, |:: |:::::::::.ｌ::ﾍ ..／￣ l < ｀ヽ ￣!￣ ト、
（ ／ｽ.ゝ､_ ｀´ ィ<|:: |_:::::::.ﾄ､:ﾍ i `< ﾉ i ヽ
'<／ |l:::: i "Tーイ'＾ｧレ'ｌ_::::::.ｌ ヾ ＼ ｀ヽ、__ __) ﾉ i
. /＼,,ｔ|ｌ:::: ｌ'ヾ::|╋/::/／l/ ヽ､::i . ＞ ..,,＿ ￣ ／
/:::::::::|::|ｌ:::: l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |:::i ╋￣￣
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
カブラルとオルガンティーノの確執がこの苦労人の寿命を縮めるのにどれだけ影響したかは、神のみぞ知るってとこか
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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
なおトルレスが開港に尽力した長崎港が南蛮船（ポルトガル船）の初来航を迎えたのは、彼の死の翌年のことであった
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:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i!:.:.:.:.:.:.:.:.:.||:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
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∠∠ﾆ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: :. :.:.:.:.辷辷辷辷辷辷|:::|辷辷辷TTT:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
└┴‐┘￣￣二ﾆ=- ＿:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:寸i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ｉ:|:::|i:i:i:i:i:i:i:ノ__ム:.:.:.:.:.:.:.:.: .ﾆ||ﾆ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
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───────── |: : : : ::::| ,| ﾛ ﾛ ﾛ ﾛ ﾛ ﾛ ﾛ|」┘」 | ／／ : : : : : : : :
＿＿＿＿＿＿＿＿___└──┘ " | ﾛ ﾛ ﾛ ﾛ ﾛ ﾛ ﾛ|」┘／__ -く ／: : : : : : : : : : :
| ﾛ ﾛ ﾛ ﾛ ﾛ ﾛ ﾛ|,／／＼ __＼: : : : : : : : : :
_ -――- ､
／ : : : : : : : : : :＼
〈:_ - ﾆ 二◯二二｛ トルレス殿も、パライソより長崎港の成功を見ておられるだろうか？
. }､´: : : : : : : :_;_;_;_;〉
} ヽ-=‐_￣ =-‐ }__r-､__ 生きている内に、見届けさせてやりたかったが―――
_（(｝ _｀‘'"､ {‘'" ﾏ ﾏ厶:｀＼
／三 | ´,ィ 三ｰ '三= }ﾑ ｰ ': : :∧
. ／´: : : :-ヽ ⌒´ ﾉ:| | : : : :V: ∧
. /: : : : : -‐ : : ≧=‐- -=≦´ : :| |: : : : r┐:∧
′.: : : : : : : :/´ : : : ╋ ', : : : : :| |: : ｢|:|-|:}: :ﾑ
大村バルトロメウ純忠
日本初のキリシタン大名
,ィ:::｀::ー:... ､
/:::::::::::::::r'⌒ヾ:{ . ＿＿＿__/〉
}:::::f｀ヾr' } ､__} .. 〈＿＿＿＿_＼
ソ ゝ_¨ ヽ ﾏ八. /_ｚ≦_≧= ､＼〉
ﾘ⌒｀ヽ ｒ_〉. .. (ｌ{_３__}_３__}―ヽ}
-ー＜￣ ミｰ ´ > . { C---､ _}）
＿,ィ´ ､ ミ､ ￣｀ヽ. Ｙ (￣￣）） ﾉヽ
ﾉ | ＼＿ ゝ ﾆﾆ イ=彡 ﾉ
ハ ヽ ! イ{ ／ `ｰ╋――‐‐'
＿＿＿＿＿＿ _＿＿_ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿__,
＿√￣￣￣￣￣Z＿＿＿＿＿＿√￣￣Z＿＿√￣￣￣￣￣￣￣￣￣Z＿＿＿
￣ ￣￣￣￣￣￣ ￣￣ ￣￣￣
＿＿
, ‐ ´ ｀ヽ
／..:／.:/ .;ｲ :. :.丶.:.: ＼
〃:.:./ .:./:.:/小:.: ',:.:.ヽ:.:.:. ', 見様によってはカブラルの登場をもって、キリシタン
l:{.:./ .:./-‐:! l ヽ:.‐-:.:.:.＼:.:.!
ｉ:}:ﾊ .:7ｨ=ﾐj:ハ >=ミヽ:.:ﾍヾ、 布教は第二期に移行したともいえる―――
､_メ!.:i.:.ﾊ r'_;j r'_;j ∧:.:}:.fヾ
乂;ｲ.:.∧ /ｲ V:.:.| ﾘ
_／ j/_:ﾉ:.介 .、 ° ,イ:.l:|:..|:.:.:.! 前任トルレスはザビエルに心酔し彼と共に来日した、一心同体の腹心
´/:.:,':.:.:j:|:ﾉｰf夭‐ﾍ :j:|:.:ｌ:.:.:.:!
/.:.;ィ7´ｌ:|＼/ﾑﾍ／｀l:| ｀ヽ.:.:i いわばザビエルの、延長線上の人物……
/.:/i // !| に不こ) !|l /!:.:.i
/.:/| ヽl ｌ !|/〈/ i| ヽ｣ !| !./│:.:.i
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
いっぽう後任カブラルが日本に配属された経緯は、すでに見てきたように不測の事態が生んだ「瓢箪から駒」―――
ことさら日本に思い入れを持つ「志願者」ではない。前任者と比較すれば冷淡に見えるのは必然の成り行きであろう
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
`ｰ---/ .:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ ｀ヽ..:| .:.:.:.:.:.: |.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :. . .
/ .:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.￣¨７‐- .,,_ | :ﾄ､| .:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :. . .
.′ .::′.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: /-‐─ 丁厂| .:.:.:. ′.:.:.:.:.:.:.:.: :. . .
..:.:ｉ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ .| .:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: :. . . 言い換えれば、よけいな感傷もない
| .:.:.:.:{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ |:.: / .:.:.:.:.:.:.:/.:. :. . .
/^1..:∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ ミ===＝¨7 ..|.:/ .:.:.:.:.:.:.:/.:.:.: :. . .
,′ l:/ {.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:/ ///////.: j/ ..:.:.:.:.:.: /.:.:.:.:. :. . . 教会と日本社会の関係の確立を、
i | .!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{.:.:.:.:.j/. i ′ｉ..:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.: :. . .
| ! . {:∧.:.:.:.:.:.:.:人/ r---イ .:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.: :. . . 客観的に考えることもできるわけだ
.,r‐-| L_ ∨∧ /. |: : : : ! ..ｲ .:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :. . .
, r‐イ ハ /^┤ . ∨/＼ {＞. ｌ ﾉ .イ / ..:.:.:. /＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.: :. . .
/ 1 | | / |=彡ﾍ/.:.:.:.{////＞ _ .`ー' ´ j/ ..:.:.:.: / /＼.:.:.:.:.:.:. :. . .
! L_人_ノ ! ∨/.:{≪〃 〃{! ＼＿＿／/ ...:.:.:.:/ / ＼.:.:.:. :. . .
└r' ﾉ ∧/:.{ {{ {{ { /╋ヽ /...:.:.:.:.:/ / /＼.:. :. . .
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
.│ でも、やりにくいよなア。着任早々、京都と九州が派閥分裂しちゃった格好じゃん
＼ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
＼/ ∧＿∧ｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ･･
（ ´Д｀） ∧＿∧
/ ＼／ ）（´Д｀ ） __
/ ＼___／/ ╋ ＼
＿＿ .| | / /＼＿ ＿ ＼ ＼＿＿＿＿＿
＼ ￣￣￣￣￣￣（__ノ ＼ ＼__） ＼
||＼ ＼ .||＼ ＼
||＼||￣￣￣￣￣￣￣||￣ ||＼||￣￣￣￣￣￣￣||￣
|| ||￣￣￣￣￣￣￣|| || ||￣￣￣￣￣￣￣
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
もちろん日本布教長であるカブラルも1571年〜翌年、および74年の二度にわたり上洛し、五畿内を歴訪しているが……
（二度目に関しては、教会新築その他の事務処理案件のためフロイスとオルガンティーノの要請を受け、応じたもの）
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
|. ::::::::::::::::: |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|≡≡≡
|. ::::::::::::::::: |＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|-===-
|. ::::::::::::::::: | |／／| 京 都 駅 東 口 | ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼| :: ||::::...
|￣￣￣￣| |／ | ┌──┬─────┬──┐├────┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼| :: ||::::...
| | |＝＝| ｜..//..[二二二二二二二] // ｜│ .(びゅう)├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼| :: ||::::...
| | | | ｜￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｜｜....|￣￣￣├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼| :: ||::::...
| ( ) | | | ｜ ( ) ( ) ( ) ││....|／／ ├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼| :: ||::::...
| 只 ８ 8 .| | | ｜ 只 只 ８ 只 ８８ 8..││....|／ ／├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼| :: ||::::...
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ ||￣
. ＿＿＿
7ﾌ////////≧ ､
. ﾄ､＿__／///////////////へ、
＼//////////////////////へ、
///////////////|/////////へ、
. //|//|///////////｢＼//ﾊ///＼//＞ 色々あったにしろ布教長としてはオルガンティーノの成功を
. ＜__ｉ/|//|///////////| ⌒Ｖ _V////へ
|/|//|///////////| _,ｚｆ斧ﾊV////∧ 望んでもいるし、その成果を確かめにも行かなきゃ―――
|/|//|////////ﾊ//'´ 乂歹ﾊ////,ﾄ､＼_
|/|∧{//////|/{ j/ =ｧ７＾j |///∧ ￣
乂 ∨//|//|ﾊl / 、 //|////人＿
∨/{/,人 ｰ . ｨ{//j＿＿ﾊ}￣
. }/人//,|≧=ｚ┬ァ /￣＞ ／￣＼
／＾Ｖﾊ//|//／ﾉ＼_,/ / ハ__＼ノ
乂 Ｖ^二{ ﾄ-〈 r〈 / / ∨ ∧
/ 二{ | ﾉ Y＾ｉ／ | ∧
. | ｢ l_| { } } ∧
. }＼人 ＼人 ∧ |Ｖ ∧
. |＼_,ﾉ!＼ O ヽ/ ＼ | ∨ ∧
. | | ∧ 〈 ヽ |＿∨／
. ＼ / ＼ / ＼
. 一' 〉 O ＼__/ ＼
―――――――――――――――――――――――――
京都はこのあと、オルガンティーノの「牙城」と化していく
―――――――――――――――――――――――――
＜京都＞
＿＿＿＿＿＿
＿_|＿＿|＿＿|＿ , ‐''´ .＿＿＿＿＿ ｀''‐.,＿_|＿＿|＿＿|＿＿
＿_|＿＿|＿＿|＿_／, ‐''‐''´ | .｀''‐.,＼＿_|＿＿|＿＿|＿＿
_＿＿|＿＿|＿＿/;;/ | 丶ヽ＿＿|＿＿|＿＿
＿|＿＿|＿＿|＿|;;;|li .| .il|;;;|＿|＿＿|＿＿|＿
_＿＿|＿＿|＿＿|;;;|li .| .il|;;;|＿＿|＿＿|＿＿
＿|＿＿|＿＿|＿|;;;|li .| .il|;;;|＿|＿＿|＿＿|＿
_＿＿|＿＿|＿＿|;;;|li ／ | ＼ il|;;;|＿＿|＿＿|＿＿
＿|＿＿|＿＿|＿|;;;|li ＿| | .|＿ .il|;;;|＿|＿＿|＿＿|＿
_＿＿|＿＿|＿＿|;;;|li .| .il|;;;|＿＿|＿＿ .∧
＿|＿＿|＿＿|＿|;;;|li .| .il|;;;|＿|＿＿| <○>
_＿＿|＿＿|＿＿|;;;|li .| .il|;;;|＿＿| ∧∧ ||.＿
＿|＿＿|＿＿|＿|;;;|li .| .il|;;;|＿| (・∀・).|.|＿＜ 羅城門どすえ！
.＿＿＿＿＿＿＿|;;;|li＿＿＿＿＿|＿＿＿＿＿_il|;;;|＿＿.（ つ
∪∪ ||
-─-
／::::::::::::::::::::::::::::::::＼ ＿＿＿
/∧／〈 ∩ 〉＼∧∧ ／ ＼ カブラルを日本から追い出せなかった
// ..::::::::::ゝ,乂ノ::::::::::::.. } ( ／ ﾍ ｼ ﾏ
＿＿＿＿ /⌒Y :::::::::::i⌒i::::::/／::::::::: |-､ 〉(_／ | のは残念だが、京都はわが管区……
./ ＿＿ ） .{ (ﾉ :::::::::::ﾞ┴'::::::::::＜￣::.. K) } i (＿／ |
ｲ ＿__ Ｙヽ￣7 (￣￣￣） ヽノ⌒'ゝ─( う /＼ 奴の好きにはさせんぞ！ ﾑﾋﾋﾋﾋ
| ヽﾉ | イ ( ￣|￣ ) } ゝ-く__／ ＼
| ￣ヽﾉ / .| |＼ | ＿／| | | |
／ヽ r‐ )ァ ﾍ ＼|￣Tー┬一T |／ | | |
.／ ＼ ノ/ ＼ ｀ ┴､__|＿,┴'´ / | /
{ / ＼ ／ ﾄ､ /
＼ ,/ ｀ー─-､＿, -─' | ｀ー───'
＼ ／| |
｀ー‐ ´ / ╋ |
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
……なんか悪い顔しているがじっさい現地文化を尊重する適応主義で、大きな成功を収めた
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
_ . -‐===‐- . _
. ＜ミミミミミミミミミミ＞ .
／ミミミミミミミミミミミミミミﾐ∧
ん､シヾシヽ／>-＜ ` <ミミミ_∧ ……と、いうわけでルイス・フロイス都地方長※
. , '¨` ｀ ∨ミミ_∧
! _ , ‐ ､ ∨ミミ.∧
! ′ヽ i . ∨〃 ¨`. これまで孤軍奮闘、よくぞ布教の地盤を築いてくだされました
l ! ･i ､’ ﾉ ⅵ / }
〉 `ｰ ´' ￣` ｀¨ （) i これからは私も助力します。共にカトリックを広めて参りましょうや
.′ { ノ ﾉ
{ ￣ _ . -‐ ｧ `¨ｿ`ｰ- ._
. (_ . - ﾗ'´ ./ /
､ ＼ / ./ /
丶 ｀ヾ._ ノ ／
＞ ._ ￣ . ＜ ※ この時点では「上地方」だが、便宜上「都地方」で統一
/｀ ── ´
/ ╋
......
,...'::::::::::: ﾞ:::::､
, " :::`::､
, ./ / , / ﾞi::::ヽ､
,"/ / ! ! ﾞi::::::､ﾞ､ っ
i ! ! !........i!...............ﾞi::::::ﾞiﾞi
i, i {:::::l::__,-{i}ｲ;::::::::ﾍ!i-:::}::i つ っ
,i ! i Y",_____､¨¨¨¨ｨ=､ﾞ/::/
, ".:;':､ i ､.:| "､ｭｾｨ iｦ/|::::/ ……アッハイ
,"/:;'::;':､| .､ ､:| " ,::":i:::il､
i !:::::;:':::::>, ﾞ､ヽ ､ ｨｩ:::,ノ::;':::i:ﾞi ... ┌────────────────────────┐
!i:::::i::::::::i::! , ﾞ､.: ｀__,- ｲ´:_;'::::::::l:/..... │以前、一コマだけ若年時の野比父が配役されましたが、....│
ﾞ ､,"￣￣i ! , ､ﾞiｴ､ｪ"ｨ-､: :/:;':;'::i". ／─┐│ │
," `､ !､ i::!::i: :╋: : ﾞ} l::::;'::;:/ . ＼─┘│こちらもカブラルとの配役バランスにより、変更します │
i i ﾞ､::i:::lj!: :/¨l､: :}ﾞｧﾞ､::/j └────────────────────────┘
ルイス・フロイス（1532-1597）
ポルトガル人。ごぞんじ「日本史」の著者。1566年〜1576年まで五畿内の布教長
（演者：成瀬優 ＠私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!）
.,.....≦三三三三三三三三三≧:.､
../三三三三三三三三三三三三三ヽ
|三三三三三三三三三三三三三三:ヽ
|三三三ﾆﾄ､三三::ﾄ､三:∧三三三三三:ヽ もちろんフロイス司祭がポルトガル人であり、カブラル
{三三ﾆ:|ﾆ', ｀'＜ﾆ:| ..｀::´:::::..ー‐ ､三三ﾆ∧
∨ﾆ,ヘ_}ヽ{ {､ ｀..:::::::::: ∨三三:∧ 布教長と浅からぬ仲であるのは、承知しておりますが……
ﾍ:〈 ::::::::::::::::::.',ヽ::::::::::::::::::::: ...∨: ／¨i::'
ヽ'., .::::::::::',彡 ::::::: .',/- ,} }:.|
r', ::: ,' } ／, '.',} ともに日本で働くイエズス会員！ わだかまりの余地は
',∧ ! __ .,´., ﾞ ﾍ
' ,ﾍ '＜／｀ .,¨´ ﾍ ありません！
｀ﾊ .ﾊ .∧
,.∧ r ‐_‐ｯ. ..,' .}
} .,', . ｰ‐ .,.ﾞ , . ,
,' .. ハ . ＞'´ ./ ,ｲ
,' .,' ', .／. , ' . .}／... ／
＿_,.ィ∨,ﾞ .ヽ ＿＿,.ｨ´ / / ／
, ‐ ' ¨´ ヽ ╋ ./／ / ／
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, " ﾞ ､
," / / / ､ ､､
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. ,".i ! i......._L,-:::::::::::ﾒli､::::i ﾞ. っ っ つ
,ﾉ !: ﾞ､::ﾝｲ".!i!""""",-´ヽ:,! ﾞl
/..::､: ﾞ､ﾞ>",ｲ寇ﾊ 偬ﾊ{ ," っ っ つ
/ .:::::;､: : ﾞ､.| ﾍ弋ﾘ ヾ´l .|/
/, .:: ::;'::ヽ.:: ヽl " ’ "|i |､ ……それは論じるまでもないことね
i"i ..;:':::::::,､:::ヽ 丶､ {￣/ ／:i !i}
{.! :,:,::::::"::::､::: ヽ ヽﾞ ｰ--"..´:::/ l |i} 君のような新たな人材が現れたことこそ、喜ばしいわ！
｀､ :__,-ｰ‐´i::::: ヽi}≧'ﾞ､ｰ､ｰ/i l!i}
/' ﾞヽ i::::. ﾞl}: :{ﾞ╋: :} {:::i../!}
/ i, i:::::::i}: :/¨､: : }､丶/ﾞi
ﾞ ﾞｰ":::/ 丶"´ 丶 i
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ここで少し、この創作会話の背景を解説しよう。フロイスはリスボン生まれながら、16歳でインドのゴアに渡っており……
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東京外国語大学の資料（COSMICA1994ⅩⅩⅣ収録『フランシスコ・カブラルの二通の書簡』）によれば―――
カブラルがゴアにおいて、教鞭を執っていた時期には……
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〔二二二二二二二二二二二二二二二二二二二〕
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,'´ ｀ゝ
ｲ ﾉ)ﾉヽヾ
从ﾘﾉдﾟﾉζ
ﾉ!⊂╋つ从
｀ﾉi i i〉'
|＼￣￣￣￣￣￣￣￣＼
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|＼_⊂〔￣￣￣〕 |＼__と〔￣￣￣〕 |＼_⊂〔￣￣￣〕
| `l |ﾆ_ l |￣| | | `l |ﾆ_ l |￣| | | `l |ﾆ_ l |￣| |
| |.| | l＼| |＿| | | |.| | l＼| |＿| | | |.| | l＼| |＿| |
| | | `l ＿_ | | | | `l ＿_ | | | | `l ＿_ |
l | |_| |_l l | |_| |_l l | |_| |_l
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
カブラルが僅かに年少であるフロイスの、教官だったらしい。要するに両者は、師弟の仲。1572年9月23日付カブラル
書簡にも彼が初上洛したさい「フロイスが変わらぬ愛で迎えた」とあり、来日前からの知己であることを裏付けている
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
｀ヽ /{ _________ ／
＼ /:::{ .........:::::::::::::::::::::::::::::::::::...... ／ ----/-
u. ＼ ｛::::::＼／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: / （_∧
＼ 丶 }::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::./＿_/__
u. ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: { / 、 さ .香 ク
u. | ﾟ｡ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::... ∠{X..:::::. せ .炉 ソ
| u. ’ ::::::::::::::::::::::::::／｝:::::::::::::/}:::::::::::::::::::::::::::::::::::. や の
| /________j___::::::::::::::::::／¨´::::::::::::::/,_}::::::∧::::::::::::::::::::::::ｉ が .匂 可
| .′ _ _/ ::::::::::::／ヽ /::::::::::/__,ﾉ／ヽ }:::::::::::::::::::::::| っ い 愛
| | (_∧ .::::::::ｨｉ} } /::::::::, 〃¨¨ヽ :::::::::::::!:::::::::| て プ い
| | 七_ ｛:／ /:::::／ ‘，|::::::::::::|:::::::::, ン 弟
| (乂 ) } ミ===彡/::／ {ｉ} } |::::::::::::|::::::::′ プ 子
ｌ す:、///／´/////ミﾄ､_______/ /::::::::::::|:::::::{ ン め
/ | ん ﾟ。'⌒ ヽ /////// ¨¨¨¨´ /／⌒ヽ::::::::{
. | ／ | ﾟ｡ヾ=========ｧ ／す rf┘::::::::.
/ / ト } ﾉ し'´ ィ ｝ん ｀ヾ::::::::::::..
ゝ.___, ｀¨¨¨¨¨ ｝¨¨｛¨¨¨¨¨¨／￢ノ ……－.､:::::::::::､
. / ノ す{ ｝~´ ＼:ﾄ､::＼
/ / ∧ ／ ん ゝ.._____,ノ＿／__ /:| ＼;;＼
. / / / ｀¨¨¨¨¨´ ／ ╋/ __／ ..イ::::|
_,ノ__,ノ_,ノ ／ / (／＼ ,. ´}::ﾊ:::::/
あ ´ /ｲ ∨
↑
フロイス
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/￣/ゝ ,＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_______________|_|＿＿＿＿__
／￣ /_|ﾛ|_|ロ| 口 口 口 口 口 口 口 口 口 口 |ロ|JR| |_|ロ| 口
／ |,,,| [__]￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ﾞ[__]￣ | | [__]￣￣￣
く|_＝＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_________|_|＿＿＿＿___
/＿＿__ｲ◎〓◎ ￣￣￣￣￣￣└───┘￣￣￣￣￣ ◎〓◎ ◎〓◎
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後にフロイスはカブラルの人事により、都地方長の座をオルガンティーノに譲った後はカブラルの居る豊後に異動した
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＿＿
＿__,. ＜ ＞ 、
／_, ／ ／ ｨ ﾊ ヽ ､fj＝ミ
. ≠フ. /ｨ / ./// j/ ', ﾄ, ', ﾟ , ヽ＼
-=彡' 〃 l , /ﾚ'r匕 ト-V∨ ∨ .∧ヾ、
_／=‐ｨ>' ∨}' ◯ ◯ }l ﾄ,',、 ', えーと。つまりフロイスは、「カブラル派」ってこと？
／>' ! , /| ,,,, ,,,, ﾘ|/ |Ⅵﾍ｜
. ／, ' |ﾊ i {.ﾄ､ ,. ィi| ,' ',ﾊ j
∨ //.Ⅵ ,r≠≧=号＝≦ﾚﾚ' j/|:i ',ﾊ
. // ヾ,'::{:::::::}==大==}___,.r-､ Ll |::|
|:| {:: i::::::::∨/|l＞i´ Y{ } |:」
ヽ_,. ィ:::::::i:::::::::::￣:i:::::| ./∧ｲ
,. ＜:::::::::::::::::∨:::::::::::::::::::}':____j'
. ／:::::::::::::::::::::::／-≧====y'
＿＿＿_
,. ‐''"´ ｀ ｰ- ､
／ ＼ ＼ っ つ
,ｲ ＼ ＼::: : ＼ っ
/ / ! :| :|ヽ＼ ＼:::::. ヽ
,' .:/ .::::/ ,' :,' .::iハ . ヽ:::: :::ヽ:::::. ﾍ それは否。フロイスはオルガンティーノとも馬が合ったし、
i .:/ ::／ / ::/!: .::,' | |∨:|ﾍ:::: : :::ﾍ:::::::ﾊ
| .:,' ／ .:/ ::/,' :::/ |:.! |:.:| |∨::::::::∧::::::i､ ヴァリニャーノが来るとあっさり従い、直属の部下になる
| .::i:./ .:::,ｲ ::＿/:::/ ﾘ !斗f‐-､::::::::::ﾊ::::| !
|／:|/ :／,ィ"´／:｀` / |/'_｣」. i:`: :::::::|::::| | 敵を作らず長いものに巻かれる、小心な日和見主義かと
,ｨ| / ::::::／i,.＞''"ｱiヽ /´::::}`.|:::::::::::::ｌ::::| |
/ | ,'::::／{ rT{::::::::::r ! {:::::rﾘ ∥:: :::::/ﾄ､ﾊ|
{ | {::/::::::ヽ|:|乂､_,ﾉﾘ ヾ之' ,'|::::::::,'. | 乂 なお、ここの＞１は「他人に思えない」と共感しているとか
ヽ | |,' |::::|::::|｀ﾄ! ''' "´ ､ ﾊ|::::.::i ! `''ｰ‐
ｉ |::::|::::l::::|ﾄ､ /:::|:::::::| ヽ
ﾊ:: l: ::|::::|::::iﾊ ＼ ´ イ:|!:::ﾊ:::::|
∧: !::::i:,.-､｢|∧ ＞ ､ _,. ＜:i::|:::|:::::.ﾍ:::ﾍ
/::::: _厶イ .／ |:.:.|` ｰ-L＞､:::::::|::|:::|:::::::::.`iｰ＼
―――――――――――――――――――――――――――――――
ただしフロイスは、心情的にはカブラルの理解者だったふしもある―――
―――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
フロイスの「日本史」はカブラルに好意的といってよく、かれの精力的な仕事ぶりに多くのページを割いている
「日本史」の「きれいなカブラル」を読む限り、カブラル悪玉論など並行世界かスピンオフかってレベルである
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＜第一次上洛旅行＞
､ ＿ ＿ ＿
ゝ:::: '´::::::::::::::::::::ヽ､
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/:::::::::::::::::::i::::/ヽ::::::::::::::::ヽ、
＿〃::::::::::::::::/|:/､＿ヾ:::::_:::::_:::＼
く ● >i:::::::::／ / ⌒ ;::く ● >￣｀
＼／ノ:|:::／､_,､_, """i::::|＼／､
/⌒ヽ_/ﾍ ゝ._） j /⌒i:::::::ﾍ
＼ /:/::::ﾉ＞,､ __, イァ/ /::::::ﾄ､ﾍ
. / /／, ヾ |三/ {ﾍ､__∧::::::i ヽ
｀ヽ< / ヾ╋ ./ヾ__彡':::::::|
＼ あ、そーれ 布・教・長！／＼ はい、布・教・長！ ／＼ もひとつ、布・教・長！／
.∧＿∧∩ ∧＿∧∩ ∧＿∧∩ ∧＿∧∩ ∧＿∧∩ ∧＿∧∩ ∧＿∧∩ ∧＿∧
（ ´）/ （ ´）/ （ ）/ （ ）/ （ ）/ （｀ ）/ （｀ ）/ （｀
＿∧∩ ∧＿∧∩ ∧＿∧∩ ∧＿∧∩ ∧＿∧∩ ∧＿∧∩ ∧＿∧∩
´）/ （ ´）/ （ ）/ （ ）/ （ ）/ （｀ ）/ （｀ ）/
∩ ∧＿∧∩ ∧＿∧∩ ∧＿∧∩ ∧＿∧∩ ∧＿∧∩ ∧＿
）/ （ ´）/ （ ）/ （ ）/ （ ）/ （｀ ）/ （｀
＼
￣ヽ、 _ノ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
｀'ｰ '´
○
Ｏ
,...........____
,. " , ﾞ 丶､ ドヤァ！
, ", ./ , / ﾞ､
/ / ./ / /, i ヽ 「堺、河内国、摂津国、及び都のキリシタンが彼（カブラル）の訪問に
/ /: i{::::-|‐‐/ji::::::::::::.... | ﾞi
ｲ !:: i ｶ"＿¨¨ ￣¨ ヽ_;::ji...ﾞi よって慰められるところは大きかった。即ち彼はザビエル神父いらい
／ /i::: i. i' "￣丶 ヽ､::;!
／..::,::": i:::: : ⅵ " ,==､/ ﾞ,! 京都地方に来た、最初の布教長であった！」
/: .::::::;:::'::::､::::: ヽ. ,､___ ' " / i ./
i.:;:::::::;:':::::::;:'::､::::. ヽ i: : : / ./. !:/ （『日本史』第一部９５章）
i::i::::::i::::::::;'::::::､::::: ﾞ､ 、 ¨ , ノ i ﾊ
ヽ､::;-ｰ-､_::::::ﾞi:i:::. i ﾞlｰv/´::::::::i::: ､ ﾞi
, " ﾞ､ ｀l::::: i i|ﾍﾊ_}_,__､::ﾞi::: ,ﾞl
," ﾞ､ |::::: j j: : { }: : :ﾞ|¨ﾞl:::: !i |
,' i ﾉ ﾊ::::丿: ╋{: : :ﾞ| ﾘ:::ﾒi!ﾉ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ただし自身の後任となったオルガンティーノの活躍も公平に、高く評価していた。1577年9月19日付書簡（日本通信）
では新築教会のデザインの工夫で「イタリア人なるオルガンティーノ」が才能を発揮したことを、特筆して激賞している
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＜1576年12月末日＞
＿＿
./三三三三三ハ
i/ヽ' ｀'´ ヽ'’ヽ'’i;i
_i{<≧ﾄｭ ぇ≦ゝ i;_ __人__
i .,’ 'T;T i 'T;T f{ﾊ... ｀Y´ それでは、今後はわたしがフロイス師に代わり、
i i ￣ i ￣ i/
{ ， ヾ' ， }’ 都地方長の任に就かせていただきます！
ハ ｀ ｰ ´ /
_.-lヽ ノ i ､
_. -‐´ ｀ヽ｀ﾆ ─ ﾆ´ '’ ｀ ‐- ､ これまでお疲れさまでした
／ ｀￣￣´ ヽ
╋
__________
, ´ ｀ ヽ､
, ´ , ﾞi ､ ､ ヽ いやなに。こちらこそ、あなたが後任なら安心です
,'/, /, . l} i i ヽ,
i'! i !i} i!}, !} ﾞi ﾞ,
l{ {: :_l-: : : : :'lV|: ｀ヽ|} :i . （主なるデウスは充分な才能と徳を、彼に授け給うているから……）
! l:´:, =-￣￣｀イー､ } , ::i ､l
ﾞ、ﾞ､ｲ穹} {晟ﾘﾒ | ﾉ ::i ヽ （『日本史』第二部２５章）
ﾞ, .! ゛″ ゛"' |ﾉ ﾉ.:i､ ヽ
/i ∧ ｀ / / :::i::､ ヽﾞ､ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
/i : : ﾞ..､ ゜ ´ , ./ / .::::i､:ヾ::: ヽ.ﾞ､... ┃
{i | ﾞ : :i: : ｀＞イ´ / / :::::i'::i::: ヽ:::::i!::} ┃ フロイス自身にも人望があって、京都を離任するさいは
{i..! ､｀: : : ｨｰ､/ﾍ"/, ::!.::::/::::":::::::i:::::∥.... ┃
ﾞ､､ ､ ::,ｰ"i: : :{¨}"! i..::::::/￣＾゜｀…､ ┃ 多くの地元のキリシタンが見送り、名残惜しんだという
,ｰ,' ,l": :/╋､: : ､∥ /" ﾞ､.... ┃
' / ﾞヽ:/ l: : : ﾂ ､/ ヽ... ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
彼の「日本史」はイエズス会の、いわば社史。カブラルとオルガンティーノの確執やカブラル辞意の裏事情は黙殺され、
関係者（宣教師や切支丹）への筆致は総花的。彼らの裏の関係を知る史料として価値が低い点は、否めないが……
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
∧__∧
く｀∀´ > お手元の「社史」をごらんください。創業者もその側近や重役たちも、みんな有能かつ仲良し！
と ⊂）
|￣￣￣￣￣￣￣| 「出来る人たちの団結」あっての、わが社の今日なのです
| |
∧__∧
く；｀∀´> （史料はそうだけれど）……まあ、自社への愛に満ちた史料であることは分りました
（つ/⌒と)
|￣￣￣￣￣￣￣|
| |
=============================================================================
......
,...'::::::::::: ﾞ:::::､
, " :::`::､
, ./ / , / ﾞi::::ヽ､
,"/ / ! ! ﾞi::::::､ﾞ､ 私って、立場が複雑なんですよね。“あの二人”の板挟みポジで
i ! ! !........i!...............ﾞi::::::ﾞiﾞi
i, i {:::::l::__,-{i}ｲ;::::::::ﾍ!i-:::}::i
,i ! i Y",_____､¨¨¨¨ｨ=､ﾞ/::/ 九州と京都で“派閥争い”が生じた際は立場上、私もオルガンティーノ
, ".:;':､ i ､.:| ::::::::::::::::::::::::::::/|::::/
,"/:;'::;':､| .､ ､:| " ,::":i:::il､ と同じ陣営だったので……その時点ではカブラル師と距離が生じたし
i !:::::;:':::::>, ﾞ､ヽ ､ ｨｩ:::,ノ::;':::i:ﾞi -=3
!i:::::i::::::::i::! , ﾞ､.: ｀__,- ｲ´:_;'::::::::l:/
ﾞ ､,"￣￣i ! , ､ﾞiｴ､ｪ"ｨ-､: :/:;':;'::i"
," `､ !､ i::!::i: : { }: : ﾞ} l::::;'::;:/
i i ﾞ､::i:::lj!:╋¨l､: :}ﾞｧﾞ､::/j
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
組織上ライバルでもあった「無能なトラブルメーカーの布教長」をあえて取り繕っただけにしては、「やりすぎ」な印象もある
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
￣￣
／ / ＼
/ / / / / ,
/ {_ｰ┼匕___ / } ′ それでも無能の烙印を押されての失脚は、余りに酷―――
:'ｉ | |ィ芥ミ ｀ヽ＼ j |
,ﾞ | | l弋少 芥ﾐyﾍ_/ かれにも美点や功績はあった。そこは公正に書き残します
____,,,...ノ | l { 。 ' vｿ / |
／ __入...丶 ＼ / } o/ |
/イ ,｡ '°............ヽ..... :, ｰ ′ ｨ..i {.い、
ｲ../..／. -＜⌒ }.}...}....|￣/..{... |. | 丶 ヽ
乂,. '" ｀ ｰ┐ﾉﾉ {＼....ゝ{...... } i
,. ´ ／￣ヽr┐ト入 ､ -- |i｀ヽ......... |
／ ／ ｨ／´:.l.｣＼ ヽ |i }リ.......}/
/ 厶 /:.:.＊ ＊辷ヽ Ｙ╋ ,仏 .:ﾉｰｲﾚ′
| '′ {_{:.:.:.:.:.:.:辷 }.ﾉ ／＊∨ー ′
｀¨¨¨´ | ゝ:.:.:.:.:.辷 r=xz-勹ｦ.:.:.:.}
=============================================================================
＜1578年・豊後府内＞
／////////////////////≧x.＿_＿_＿_＿_
/////////////////////////ヽ、__ ＿ _. ィ.＼ ひしっ……！
/////////////////////////////////〃. ＼
///////////////////////////////／. : : ヾ
.////////////////////////////バ ＼
////////////////////// ハ/ ////' ヽ
/////////////／ ﾞ.//////￣∨¨V//', │
///////////∠ﾕ l///// _＿ 1// ! │ ＜ 布教長、よくぞご無事で！ 主の御慈悲に感謝します！
/////////γニヽ l//// γヽ `////l /
/l////////{ { } ! 1//.' ｉf ｌ } /'////ﾞ. ／
ハﾞ//////兮ゝ-ｼ ///′ 弋シ/|////7 . : ／＿ 「あ、ああ。途中で刺客の待ち伏せ情報があってね。幸い、
/∧/////ｌ xwx . /／. xwx 八/// :.: _ ．ｒ≦三￣ ハ
//∧////| ／ ´ ／// ｒｰ＜´ ∧ 避けて通れたよ―――異教国での布教は、命がけだ……」
////ヽ/ 代 cっ イ´ ｀ ｰ- ． ∧
r ==─:＼/ﾞ,｀ _. _, イ ´￣ ｀Y ＞ .､
ヽl￣ヽ´ イ＜ ! イ⌒7
＼‐', _ ,イ´ ; ﾍ
.′ ハ
..廴厶イ´ / フ ロ イ ス ∧
,.＞≦ｆ´ヽ ﾊ
.∠ｒ '" Ｙ ヽ '.
,＞'"´ ﾄ, ｀ヽ '.
＿_,.＞ ''"´ ｌ '. ＼ ＼ ;
ヽ | ／ ｌ ﾊ ＼ ヽ. i
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1578年9月30日付書簡ではキリシタン大名の大友宗麟が衰運にある中、カブラルが待ち伏せする刺客の手を逃れて
肥前国からぶじ豊後府内に生還したことを、深い同情と強い歓喜をこめて書き記している。敬愛していたには違いない
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
それがフロイスの主観だとしても……かれがカブラル評価に筆を費やしている背景は、一考の余地がある
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
, ‐ ´ ￣￣ ｀ヽ､
／ ､ ､ ＼
,.'.／ .:/ ;小:.. ヽ:. :＼:.:.ヽ
. //:.:.:.:/.:./:. ./ i ヾ:.:.丶:. ...ヾ:ｰ'､
//,':.:... :.:厶:./- ヽu.弋:.‐＼:.:.:. 丶:＼ ちなみにフロイスが「日本史」の執筆を始めたのは、1583年の秋
! |:l:j:.:.:´/ ｨ天t､ ｨ天女､-､:.. ﾍ､:.ヽ
! | :.!.:.:.:ﾊ´ち;;;j ち;;;;j !K }ヽ:.､.! ヽ! つまり“失意の”カブラルが、すでに離日した後だ―――
ヽヾj:.ノ小 ｀::::. ' ::::´ ﾊイ: |｀ﾘ ノ
､_ノｲ:..:.:ﾘ;:ゝ-‐っ ｰ- ｲ:.ｌ::|:. i |
／´/:.:／ ‐＜＞.､ _., .イ_.l:.:ｌ::|:. i | しかも「日本史」の校閲担当者は、例のヴァリニャーノ……
／＿/∠ ｧ┐l !ﾉーｿﾉl ￣ ヽ､｣::|:. .:i:ﾊ
, ./´ ｀∨イしﾘ / ハ ／ ヽ￣｀ヽﾊ
／ |=＝＝=､∧/ ＞‐/{ヽ‐‐< l l ヽ r/７-､_
, ' / / / 7〃 {{ヾ〉＼ |／￣ | 厂し' / /┐
. / / / ／ {{. ＼ | | ,/＝(_/_/_,人
| / / イ o. {{ ＼| l/ 'ヾ､/
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
｜ 見ようによってはヴァリニャーノの人事への、婉曲な抵抗とも受け取れる？ |
乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
＿＿, - ､
. ／, ─── ､)
// / ヽi
|_| ┃ ┃ | ｶﾀｶﾀ
（ ⊂⊃ ヽ
>､ ＿_ ﾉ .nｍ━･~~~＿
＼＿＿＿ ／ | |￣￣＼ ＼
＿＿_／ ╋.. ＼＿ | | |￣￣|.
|:::::::/ ＼＿＿＿ ＿ | | |＿＿|
|:::::::| ＼＿＿＿＿|つ |＿_|＿＿／ ／
|:::::/ |￣￣￣￣| 〔￣￣〕
, :': : : : : : : : : : : : : : : : : : : `:..、
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
,:': :／: : :. : : : : : :./: : : l: : : : : : : : : : : :':. ここから脱線気味になるが、ぶっちゃけて言うとヴァリニャーノ
/: :/: : : /: : /: :〃:'|: : : ::!: : l: : : : :l: : : : : '.
. ,': ::,': : : /: : /: //:,' .l:.ﾄ,: ::l: : :l: : : : : l: : : : : :' はフロイスに対しても、その考課は以下のように えらく辛辣だ
|: : |: : : l: ::/l::/ ,':/ |:.', V:l: : ;l: : : : : V: : : : ::l
l: : l: : : :l: :,'-!_'-|,'‐' ヾ -ヾﾍ:_: : : : : :V: : ::l:.:|
l: : :V: : :V!ｵ芍斗 乍芍=ﾏｪ-: : :.ヽ: :.|: |
. V: :.ヽ: :ﾊ 弋,ﾉソ 乂じﾉソ 》ヾ､: : ヘ: :|
V: :l: ＼ヽ , ー‐ ´ !:.ﾊ: :ﾄ,: ﾊ;!
V:|: /: l |:.l V!:}:/: l -, , -ｒ 、
,': : ﾄ.、 lﾌ::.ヽ ,ｨ' l-:': : : : : :', , - ´_ノ -―' 〃 }
/: : :.l:l::.丶 ゝ- ' ィ':j ,':: : : : : : : ﾊ / '´ ‐‐.::／.／
/: : : ::l |: :r-| ` - ´ ,'-//: : : : : : : : : :'. l , ´￣- ´ ／
/: : : : :..l l/ ¨｀` - 、 / //V: : : : : : : : : ﾊ '. ｧ－ ´
. , -ナ- ‐―.; l / ', / , ' V:_:_:_: : : : : 、:', r二￣￣ 二7
/ 、 l l 、 / V , / / ヽ:', l ￣￣ |
. / ヽ !l ヽ x≦三三ﾌ/ミzx' j ヽ, | |
/ l |.! Y////／//V,'///ハ ./ V l l
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
,-――――´￣ヽ
/ ,-―――┬､_|
,-､i ／ ノ ヽ i
i ┼ (・ ) / （文才はあるから直属秘書として使うが、組織の長としては不適格だ…）
ノヽ_ ⊂⊃ 〈
／:::::::i ) ﾌﾛｲｽ
／::::::::::::::＼ -´￣￣ヽ､＿ノ 宣教師としての彼は、慎重さに欠けること甚だしい。会の外部の人と
/:::::::::::::::￣ヽ､_｀――― -´ヽ
i:::::::::::::::::::::::::::::::::￣￣｀-:::::::::::! 会話するさい、警戒すべき相手にも口が軽い。誇張癖があり、小心者
|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ ､::::::::::|
ヽ:::: ､::::::::::::::::::::::::::::::ﾒ-┤ ::::/ で些事にこだわり、中庸を保ちえない―――
/:::::::::ヽ::::::::::::::::::::::人 /::::/
i::::::::::::::｀――― ´ V_ ／
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ゴア時代の上司の「判断力優秀。文筆・事務・語学に長け、饒舌」というフロイス評に比べ、はるかに辛い考課である
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
,. ‐ ￣￣ ｀ヽ､
／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
/.:.:.:.:./.:.:.:./.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
/.:.:.:.:./.:.:.:./l:|:.l:､:.:.:.ヽ:.:.:.:.ヽ.:.:';
/.:.:.:l.:.:!.:.:.:./ |:l|:!:､ヽ.:.:ヾ:､:.:.:.＼| ｲﾝﾄﾞｱ ｱｳﾄﾄﾞｱ
/.:.:.:.:|.:.l -‐/'/l:!|! ヽ｀ ｰ-ﾊ＼.:.:.:ヽ 文人にありがちだが、布教者としての度胸や機転には欠けていたのだろう
/:.:.:.:.:.:l:.l ｨ_¨ヽ! | | ｨ_¨ 丶､ヾ:､ヽ:.:ﾊ
|:./:.:.:.:.|:ｌ r'::::::} r':::::::::}:.:.|'ヽ l＼:';
|/l:.:.:.:.:l:.! ゝ- ' , ゝ-- 'l:.:l ﾉ:.| ヾ
|'∧:.:.:.:l:.':､ '"'" '"'u"' /!/,:':.:.:.| カブラルが「日本語は難解ゆえ、欧州の司祭は当面、使い物にならない」
/ ヽ:.:|__::丶､ ｎ ,.ｨ':.//:.l:.:.:.:.:!
/´ヾ 7'ｰr,!｀ ´ ﾄ/ｲー-､:.:.:l と言ったときは、フロイスのことも念頭にあったはず
;' ヽ, / ./:ﾉｰf夭‐ﾍ// ／ ヽ.:.l
_!_,..∠､ / ＼/ﾑﾍ／/ l !:.l
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
,
／,{ _ -―‐- _
,'///( ,. ＜//////////////＞ 、
`ｰ-,.イ'/////////////////////,＼
／//////////////////////////,ヽ
. ,.'/////////////////////////////∧
////////////////////////////////∧
'/////////////////!ヾ//////////////ﾊ 「フロイスは日本語にもっとも習熟し、習得して16年になるが
i'///////////////// ∨/////////////,i
j/////////,ｲ/// j// V/////////////,i いまだ異教徒に説教するだけの勇気が無く、日本人の助手
／/////////-///' // ￣￣｀ヾV////////////!
,.イ＞'"//////__‐/／ '"-‐_-===‐-､l///////////,! だのみ。そのことを深く苦悩している……」
￣´ ./////,.灯::;ﾊ` ´ {::::;;r.j.ﾉl///////////ﾊ
. /////ﾊ l.乂zﾘ ヽ= ' .l/////////////＼
i//////`', 、 .////////////////,＞- _,
ｌ///!///ハ //////////////ト--― '"
. !//.l//////ヽ 一 イ/////////////∧
. l'/ .ｌ////////,＞ _ .、 ´ ////!///////////∧ （時日不詳だが、1576年に開催された口之津での
ﾞ{ l///////////////ﾊ .////ノ∨//////////,ﾍ
l//////////'"￣／ｒ} l/// 〉///////////,ﾍ 協議を報告するヴァリニャーノ宛てカブラル書簡より）
l'///////// /./ !ヽ ,. l'// // ｀＜////////ﾍ
. V///////! /./,..--{r､ l// ./ / ,.. ヽ///////ﾍ
V////// .l l// l╋./ ヽ.l'{ ./ / ／ .!'//////∧
ヽ//// ／ l ,!:;::' ./ ヽ!/ / / .l///////ハ
ヽ'/ ! l /:::l / l-―' ./ .ｌ///////ハ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
とはいえ報告者としてのフロイスの文才は、当時から名声が高かった。だからこそ当時のイエズス会総長
メルクリアンは「日本布教史」を編纂する必要を感じたとき、その執筆者としてかれを指名したのである
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
/: . /: . :/: .;ｲヽ: . ＼: ＼: . : . : . : . ＼: . ヽ
/:/ /: . : j: . | | ＼ . :＞:‐＼‐:‐:-: . : . ＼: ｷ＝=､
,: /: ,′: .:.|: .:.| | `く . ,rテ气ﾐ､┬i- ､: . ヽ:', j!
j/ｌ: .|: . : .:.| ,斗1 Ｙ.Ｖi ::: レﾄj: |) }＼: V', ﾘ フロイスの遺作「日本史」は、ヴァリニャーノの秘書としての仕事
|! |: .|: . : .イ ,.rテミ V､:::_ ｿ |:.| ノ: . :ヽj. :,
|! |: .|: . : .小〈.Ｖi: ﾊ `ｰ '′ |:.|´ヽ: . : . : .', の合間を縫って脱稿した、まさに心血を注ぐ労作だった。だが
l! |: .|: . : . }小.弋zﾝ xww j:.j＿:.',: . : . : .,
ヽ:j: . : . ﾚ1ハ wx ' _ , ,.ｲ|:.| >ﾍ_,: . : . : ', ヴァリニャーノの対応は、かなり非情かつ非協力的だった……
ヽ: . /|:.|!: i＞ .. ／ .|:.|' ﾄ､;; . : . : . ,
j: / .|:.||: |: . ,.斗孑 .ｧく ／|:.| /＼＼: . :,
|/ |:.||: |／ 〃 ∧y ／{ .|:.|;;／ , rﾆ＼;＼: ,
.|:.|l:/ .|lヽ__/__ V__ V |:.|´ , ' ／ /;￣ヽヽ
|:.|∧ |l に不こ) |:.| ,' ./ / }:l
|:.{ ヽ l| 〈/ i| ヽ｣ |:.|;' / |:|
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
＜1593年・マカオにて＞
......
,...'::::::::::: ﾞ:::::､；
, " :::`::､；
, ./ / , / ﾞi::::ヽ､ ﾊｧﾊｧ
,"/ / ! ! ﾞi::::::､ﾞ､；
i ! ! !........i!...............ﾞi::::::ﾞiﾞi； あ、あの……巡察師―――
i, i {:::::l::__,-{i}ｲ;::::::::ﾍ!i-:::}::i；
,i ! i Y",_____､¨¨¨¨ｨ=､ﾞ/::/；
, ".:;':､ i ､.:| "､ｭｾｨ |i|i|i|iiｦ/|::::/； お預けした「日本史」の件、どうなってます？
,"/:;'::;':､| .､ ､:| " ,::":i:::il､；
i !:::::;:':::::>, ﾞ､ヽ ､ ｨｩ:::,ノ::;':::i:ﾞi； 一刻も早くご推敲戴き、ローマに送って出版の運びとしたいのですが
!i:::::i::::::::i::! , ﾞ､.: ｀__,- ｲ´:_;'::::::::l:/；
ﾞ ､,"￣￣i ! , ､ﾞiｴ､ｪ"ｨ-､: :/:;':;'::i"；
," `､ !､ i::!::i: : { }: : ﾞ} l::::;'::;:/；
i i ﾞ､::i:::lj!:╋¨l､: :}ﾞｧﾞ､::/j；
､ - ,＿＿
(､ ─── ,＼
i/ ヽ､丶丶
| ┃ ┃ |_| えー？
/ ⊂⊃ ）
~~･━ｍn. （＼_＿ノ ､<
| -(丶 ､/｀ ───／ ＼
（__＿|￣ | ＼--／ 丶
| | ╋ |
| ヽ ＼ !
ヽ ､/━━━━ノ__/i`／
⊂＾_､/＾| ､/
｀ - `￣￣￣￣￣
,;''';,;' ;'''';;;,,,;''' ';,;'
'''; '''';;;;; ,,,,;'';,
,,,;;'' ';, ,;
,,,,;;;;;;;''''''';;;,,,,,;' -―- 、 ,,,;;; '''''';;,,,,
{:::::::::::::::::::::::ヽ､_ ,;'' ;' ''';;;;,,,
''''''''''. Ｖ r‐ ￣｀ヽ_ :::::::: ‐- 、 ,;''';,;' ;'''';;;,,,;''' ';,;'
;;;'';.. . / / ヽ:::::::::::::::ヽ､ '''';;;;; ,,,,;'';,
,,,,;;;;'''''';;;;;,,,,;;;;'''''',,,,;;''''.. ,‐レ' , } ヽ:::::::::::::ﾊ ''''';;;; ,,,;;;''';;'
,;,, ,,,,,,,;;;;;;;''''''';;;,,,,,;' { 〃:::::::::::､ ﾉ V::::::::::::}
､ / ′::::::::::: |! V:_:_::/
/ （ ⌒ ヽ ′ ｒ ´ ヽ あのさー、君。十年もかけて、冗漫にすぎる長文を
{ r ー ´ し }
＼ ／ _ノ ダラダラ書きすぎたんじゃない？ こっちは忙しいんだ
ヽ､ ｀ ー―‐ ‐ ´ /´
_＞‐- ＿＿ イ:::::}
-‐=:::::::::::::::/ ／:::::::::ヽ､ もっと短くまとめてもう一度、再提出してくれたまえ
, ´::::::::/::::::::::∨､＿_ _ ,イ::::::::::::::::::::::＼
／:::::::: :/::::::::::∨╋ イ:::::::::::::::: ／:::::::::::ﾊ
／:::::: ヽ､_|:::::::::::::{ ／:::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::ﾊ
／::::::::::::::::::::￣ 7-r‐＝＝‐- ＿イ::::::::::::::::::::::::::::}
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､ ::::::::::::::::::: :├‐ ‐┤::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
ヽ:::::::::::::::::::: | V:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /
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この時ヴァリニャーノは校閲の約束をサボり、フロイスから督促されると「詳細を知るのには役立つだろうが、ローマで
広く世に提供するなら年報一冊位に縮めよ」と回答した。元々、フロイスの年報を大幅に削除修正する上司でもあった
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ヴァリニャーノの名誉のために言えば、現に多忙なかれの就寝時間は夜中の０時〜３時まで。闘病経験も多く、インド
でペストに罹ったり腫瘍の摘出手術を受けたり、長崎では1590年、１か月も寝たきりになったりしているのだが……
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......
,...'::::::::::: ﾞ:::::､
, " :::`::､
, ./ / , / ﾞi::::ヽ､
,"/ / ! ! ﾞi::::::､ﾞ､
i ! ! !........i!...............ﾞi::::::ﾞiﾞi
i, i {:::::l::__,-{i}ｲ;::::::::ﾍ!i-:::}::i は……はあ―――
,i ! i Y",_____､¨¨¨¨ｨ=､ﾞ/::/
, ".:;':､ i ､.:| "､ｭｾｨ |i|i|i|iiｦ/|::::/
,"/:;'::;':､| .､ ､:| " ,::":i:::il､
i !:::::;:':::::>, ﾞ､ヽ ､ ー:::,ノ::;':::i:ﾞi
!i:::::i::::::::i::! , ﾞ､.: ｀__,- ｲ´:_;'::::::::l:/
ﾞ ､,"￣￣i ! , ､ﾞiｴ､ｪ"ｨ-､: :/:;':;'::i"
," `､ !､ i::!::i: : { }: : ﾞ} l::::;'::;:/
i i ﾞ､::i:::lj!:╋¨l､: :}ﾞｧﾞ､::/j
......
,...'::::::::::: ﾞ:::::､
, " :::`::､. ．‥……………………………………………………………‥．
, ./ / , / ﾞi::::ヽ､ ：
,"/ / ! ! ﾞi::::::､ﾞ､ ｡o○ この10年間、時には一日10時間も費やして書いたのよ…?
i ! ! !........i!...............ﾞi::::::ﾞiﾞi ：
i, i {:::::l::__,-{i}ｲ;::::::::ﾍ!i-:::}::i ： 分量は承知のはず……私の健康がすぐれないことも！
,i ! i Y":::::::::::::::::::::::::::::::/::/ . ：
, ".:;':､ i ､.:| " ::::::::::::::::::::::::/|::::/ ： 書き直しなどしていたら、こっちの寿命が尽きてしまうわよ！
,"/:;'::;':､| .､ ､:| " ,::":i:::il､ .. ：
i !:::::;:':::::>, ﾞ､ヽ ､ ー:::,ノ::;':::i:ﾞi..... ‘‥……………………………………………………………‥･’
!i:::::i::::::::i::! , ﾞ､.: ｀__,- ｲ´:_;'::::::::l:/
ﾞ ､,"￣￣i ! , ､ﾞiｴ､ｪ"ｨ-､: :/:;':;'::i"
," `､ !､ i::!::i: : { }: : ﾞ} l::::;'::;:/ ←AAのせいで分かりにくいが、すでに還暦越え
i i ﾞ､::i:::lj!:╋¨l､: :}ﾞｧﾞ､::/j
＜1593年＞
ある日バチカンに、極東からの手紙が届きますた・・・
＿＿＿＿＿
/ ヽ＿＿__／/
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￣￣￣￣￣
r;ニニニニﾆﾆﾆﾆヽ
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|--ｰ'､-r┬ｧ;T'j''┬t┬i
. | ｌ ｌﾚ ノ ヽノ ｀ヽヽ.}
| ｌ ｌ ● ● ｌ ｌ ｌ
| ｌ ｌ⊂⊃ ⊂ｌ ｌ ｌ おんや？ この総長宛書簡、東洋に派遣されている
| ｌ .ト ｰｰ ﾉｌ ｌ ｌ
| ｌ ｌ . |> l_￣/'/￣/￣/ フロイス神父からの直訴状か。前にも来てたような……？
. | ｌ ｌヽ / ￣ )直/訴と)
| ﾘ:::::::|_}--j-イ__/＿/ノ
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
￣￣
／ / ＼
/ / / / / ,
/ {_ｰ┼匕___ / } ′
:'ｉ | |ィ芥ミ ｀ヽ＼ j | 総長猊下！ 巡察師は多忙を理由に検閲の約束を果た
,ﾞ | | l弋少 芥ﾐyﾍ_/
____,,,...ノ | l { ' vｿ / | さず、わが「日本史」のローマ送付を拒んでおられます
／ __入...丶 ＼ / } / |
/イ ,｡ '°............ヽ..... :, ｰ ′ ｨ..i {.い、
ｲ../..／. -＜⌒ }.}...}....|￣/..{... |. | 丶 ヽ しかしわが余命はいくばくもありません。巡察師の要求通り
乂,. '" ｀ ｰ┐ﾉﾉ {＼....ゝ{...... } i
,. ´ ／￣ヽr┐ト入 ､ -- |i｀ヽ......... | 書き直すなど、不可能です。原型のまま送付したき所存！
／ ／ ｨ／´:.l.｣＼ ヽ |i }リ.......}/
/ 厶 /:.:.＊ ＊辷ヽ Ｙ ,仏 .:ﾉｰｲﾚ′
| '′ {_{:.:.:.:.:.:.:辷 }.ﾉ╋／＊∨ー ′
｀¨¨¨´ | ゝ:.:.:.:.:.辷 r=xz-勹ｦ.:.:.:.}
ﾚ ｰ=┴ '⌒'､ ノﾒ:.:. ノ
／ 7¨¨/
,. / /
´ } ′
／厂}ヽ .′ / / .′
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1593年1月18日および11月12日、イエズス会総長アクアヴィーヴァ宛ての書簡で、フロイスは悲憤も露わに直訴を重ねた
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だが願い叶わぬまま1595年、フロイスは長崎に戻り、二六聖人殉教に際会。その報告書を最後に、97年7月8日に物故
（なお同報告書は偶然ヴァリニャーノの検閲を免れたが、気づいたヴァリニャーノが封印を指示。20世紀にようやく公開）
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
r‐┬‐‐，， ,,,、 ,r,!r‐i､ ,,,-､--┬-┬-┬┬┐
| l | ﾞ│ヽ_ _,,,,,,,,,,,,,,,,----:-r,''i,|-、ﾞl''''''"ﾞ″ .,,| | │ lﾞ ,! |
| .| |， ｀―‐'''''''''''''''"ﾞ"゛ ||ﾞi､`'i､'-,.＼,,_,,,､-┤ lﾞ .| l | . |
| l |_＼,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,ｭ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,||,,,,,|,,,,,ﾞl,,,,,,,,,,,,,,,,,,,| | lﾞ .,,! ,! .|
| l ﾊI I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I| l l | | | |
| ∥ .l|I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I | .lﾞ ﾞl ﾞl| | |
| |.| |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|l .l l ﾞ| lﾞ .| | | ←享年６５
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
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|. | 書 庫
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人 Ｙ |: | ||
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／ /| （Д｀ ； ） (三三ヾヽ)）
. (三三l/l （ ） (三三｀；ヾﾟ|
, (三三l/l￣/￣ /l￣￣| (三と＿ﾉﾞヾi
／ (三三l/ (三三/ | γ'＿＿ゝ
／ | （＿）､＿）
l二二二二二二二二二二二|
| |／ | |
|__| |__|
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
彼の「日本史」はマカオのマカオ司教座聖堂に留め置かれ、そのまま忘れ去られてしまう
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＜1835年＞
'" ..i | / 'ﾘ′／ .（: . { / .:7⌒ヽ ` ＼ 、 从
〃./ / ./ . / .＼.V .: .{ ” ヽ Ｖ⌒`
/ し 〃/ ! ./ ` :..、ヽ ＿＿ .ヽ、 } | ,；
/゛ / / ,iソ゛ 从 ）. ..／|: : :.:::| .)`ー' ,ﾉ
" / i./ ⌒ヽ、 （ ' . l | : : : :| （ . .:.:r' ”
〃 / }て | |: : :. .:| ； . ヽ,.ソ 从
./.! ! ｒ人 { .| |: : : :.:| ,; .: ., / ⌒ヽ`－ｧ
i i.l",! i′ }. :. ﾉ , | |:|ｌ＝=| ...／ }／
.,ill | l /{ 从,,ノ.:／ ,; | |:|》: ::::| （ ...i'1.. .
./ﾘ ,! ./ }/ . i'`'i ⌒ 、 . ,, ／| |:|＼ : | . .... |;'| ,、
. i''i.! .ｌlﾞ |;`;|. ∥ .: .〕 .| |:| || | ./＼ ＿.|;'| /.:〉
| | .!. .;､ /l、 .. i'1 ||／> r┘.:| |:| ||::| | ∥‐┘ .:|';|──へ./.:/＿r‐
││./ ｌ ,, /゛│ ../〉 |;|＿r／／ /|￣＼:| |:| ￣ .:〃..／>.::|;'|:::::::::::::::/.:/:::::::::::
. ｌ l .! .ﾈ ! |. .| r‐//┐_|:|::::::::;⊥、r/.::| .:::::::|／＼/＼ 《／／ ..:::|;'|:::::[]::::/.:/]:::::::[]::
! ｌ l. : ! .} {. !､::://:::::::::::::::::::r| .::| /.:::::<＼／ 〈:::.:... ＼ 》 ' .::::::::/|＼＿ｎ::::::::::::::::::::
ヽi .|| l、.ｌ /.. .|;､＼::::::::i'|::::::r┴冂、 .:::::|::＼＼ _＿＿__:::::.:..〉″へ:::::/ .| |: : : |:|::::::::l`!へ、
ｰ|. | ″. . ∥ .ｌ/. ニニニニﾆｌ.r┴､_|_|_|:>:::::＿＿＿|」＿＿:l;_;_/／..::. ｀〈 -..＿、. .::::| |: : :
､ │. ..､ .!| ,:;;}┬┴┬┴┬┴┐::| .:::|_rｪ┘＿＿;!＿__;!＿＿;|＿;_;:::.:／ : :| ｀'､｀'-､. .| : :
..ヽ、i,,ﾄ. ..ｶ, | ｌ |┴┬┴┬┴┬┴┤ .:|＿;!＿＿;!＿＿:l＿＿;!＿＿;|<___;_/＼_;. ＼ ヽ, .i..
・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━
＿＿
, ‐ ´ ｀ヽ
／..:／.:/ .;ｲ :. :.丶.:.: ＼
〃:.:./ .:./:.:/小:.: ',:.:.ヽ:.:.:. ',
l:{.:./ .:./-‐:! l ヽ:.‐-:.:.:.＼:.:.! その後１５０年近い時をへて18世紀に写本されるが、原本は火災で焼失
ｉ:}:ﾊ .:7ｨ=ﾐj:ハ >=ミヽ:.:ﾍヾ、
､_メ!.:i.:.ﾊ r'_;j r'_;j ∧:.:}:.fヾ 写本も放置されて散逸した。1894年、リスボンの王宮図書館で発見された
乂;ｲ.:.∧ /ｲ V:.:.| ﾘ
_／ j/_:ﾉ:.介 .、 ° ,イ:.l:|:..|:.:.:.! のを皮切りに各地で見つかり、20世紀、やっと刊行されるに至る……
´/:.:,':.:.:j:|:ﾉｰf夭‐ﾍ :j:|:.:ｌ:.:.:.:!
/.:.;ィ7´ｌ:|＼/ﾑﾍ／｀l:| ｀ヽ.:.:i
/.:/i // !| に不こ) !|l /!:.:.i ※なお総論と地域別記述を著した「日本史」第一巻は、目次を除き未発見
/.:/| ヽl ｌ !|/〈/ i| ヽ｣ !| !./│:.:.i
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
天正遣欧少年使節を企画した一代のプランナー・ヴァリニャーノ。だが彼のフロイスへの塩対応が、
値千金の史料「日本史」を、散逸の危機に追いやった―――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
', ' ;' ;:::; ,..':::::;' ,:::::::::::::::::;' ,...',:: ' ,.....':::::::::::::::::::::;
:::'., ,:::, ,.':::::::;' ,'::::::::::::::::;' ,..'; ' , ', ' ',:::;::::::::, '
';::::', ,:::, ,:::::; ' ,.':::::::::::; ' ,..', ' ,' ' ' '
';::', ;::, ,:::;' ,.':::;::::; ' , ' '
' ', ;:; ;::; ,' ' , ' ,
;:'.., ' ; ,::; , , ' ,....;' '
' '., ; ,:; , ' ,...'::; '
' , , ; , ,..':::::; ' , ,......', '
' , ,':;::; ' ,....::'::::::::::::'::::::'::;:::' , '
, - ､ ,....':::::::::::::::::;::::; ' '
/＿, ｀二＝‐-､ ,..':::; ' ' ' ' ,':::;':::;':::;'::,_,
/／ ⌒ヽヽ l
l ｌ l _l
(/ (・） ┃ 6 )
l （＿ ） '<
（ ノ_
ヽ￣｀' ,-‐´￣ <
￣/::::::::::::::::::::::ヽ
╋::::/::::::::::::::::::::::l
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l:::::::ｌ＿::::::::::::::::::|:::::::l
ヽ:::::::::>::::::::::::::::/::::/
l￣l^lヽ l二二ヽ:::::::::::ﾉ二 ヽ
l二 l / /／::::::::::::::｀ー´:::::/＿ヽ
ヽ ヽ/ ＼:::::::::::::::::::::::::::<
lﾆ__ヽ／｀-- ,,＿_,, --"／⌒/
(⌒ /
lﾆ￣ﾆ￣ﾆl
'-' '-'
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
その存在自体は欧州でも知られていた大著が再発見されたのは、彼のあずかり知らぬ後世の偶然でしかない―――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
実はヴァリニャーノ、フロイスの死後に故人の「日本史」と、全く同じテーマ（日本布教史）の執筆に着手している
もともとこの件、かれ自身が執筆を担当する予定だったともいう。ともあれ部下の遺作は、死蔵のままである
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿＿, - ､
. ／, ─── ､) 「日本キリスト教の起源と発展……」第1巻、完成っと―――
// / ヽi
|_| ┃ ┃ | ｶﾀｶﾀ
（ ⊂⊃ ヽ 続く第2巻は第三代布教長カブラル、第3巻で初代副管区長コエリョ、第4巻で
>､ ＼＿_ノ ﾉ .nｍ━･~~~＿
＼＿＿＿ ／ | |￣￣＼ ＼ 第二代副管区長以降を、著述する。全5巻といったところだな……
＿＿_／ ╋.. ＼＿ | | |￣￣|
|:::::::/ ＼＿＿＿ ＿ | | |＿＿|
|:::::::| ＼＿＿＿＿|つ |＿_|＿＿／ ／
|:::::/ |￣￣￣￣| 〔￣￣〕
・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━
|| // /_//_/ ￣ ￣
| |/ / ＿＿＿ ＿＿, - ､
￣-―― ／, ─── ､)
/^ヽ // / ヽi
ヽ´⊂） |_| ┃ ┃ | , - ､ うーん。でも忙しいし、とりあえず第1巻以降は後回しにしよう！
|＼ ／ ＼ （ ⊂⊃ ヽ（⊃ _）
| ＼ ＼ >､ ＼＿_ノ ﾉ ＼ ＼
| ＼. ＼ ───―´ノ ／
| ＼ヽ ＼-- ╋ ／
| | ／ ~|
|━━━━━━━|
∧∧
ヽ(･ω･)/ ｽﾞｺｰ
＼(.＼ ノ
､ﾊ,,､ ￣
￣
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
だが1601年7月25日、第1巻（ザビエル〜第二代布教長トルレスまで）を脱稿したところで、エターになってしまう
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
かくしてお鉢は、多才なジョアン・ロドリゲスに回る。だがかれの「日本教会史」も当時は刊行されず、これまたｇｄｇｄとなる
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＜1625年前後の時期・マカオにて＞
＿ ,－､ o o
／ | ノ､ ﾟ o 日本管区長マテウス・デ・コーロス猊下から、執筆代行を頼まれたけど―――
/__（￣ ヾ ~ ヽ ﾟ。
!_ ＼丿 | ° わたしの原稿も、上司は形だけ「続けろ」というだけ。誰が面倒を見てくれるのやら……
ヽ） ＼ ／＼
d__,へ ／ ◎
◯__ ﾉ
(ヽ ／
ヽソ
＜彼は著作の末路を悲観し、「虫と火に食いつくされて終わる」と予言。現に「日本教会史」の後半部分は散逸した＞
・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━
⊂⊃
＿＿, - ､
／, -───､）
// / ヽ i
|_| / ヽ ｜ ははは、なんだか私が「無用の混乱を起こして、引っ掻き回しただけ」
（ ⊂⊃ ヽ
＼ ＼＿／ ﾉ みたいな描写になっているねえ。私はあくまでも完璧を求めただけなのに
／ ＼──－ <
/ ＼─-/ ヽ
| ╋/ | |
.!_ ﾉ ! ←1606年没
ヽ丿━━━━ ヽ/
（ |＾ヽ _＿）
,-――――´￣ヽ
/ ,-―――┬､_|
,-､i ／ ノ ヽ i ヽ | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |／
i ┼ (・ ) / 三 三
ノヽ_ ⊂⊃ 〈... 三 問題は、他界したフロイスの遺作「日本史」だ ――― .三
／:::::::i ). 三 三
／::::::::::::::＼ -´￣￣ヽ､＿ノ. 三 私の方針に逆らって失脚したカブラルを、評価しすぎている . 三
/:::::::::::::::￣ヽ､_｀――― -´ヽ 三 三
i:::::::::::::::::::::::::::::::::￣￣｀-:::::::::::! 三 あれが世に出たら、私の方針の是非こそが問われるかも？ .三
|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ ､::::::::::| 三 三
ヽ:::: ､::::::::::::::::::::::::::::::ﾒ-┤ ::::/ ... ／| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |ヽ
/:::::::::ヽ::::::::::::::::::::::人 /::::/
i::::::::::::::｀――― ´ V_ ／
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
以下は、＞１の邪推ではあるが……フロイスの「日本史」に、彼にとっては「葬りたい史実」があったのかも知れぬ？
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
......
,...'::::::::::: ﾞ:::::､
, " :::`::､
, ./ / , / ﾞi::::ヽ､
,"/ / ! ! ﾞi::::::､ﾞ､
i ! ! !........i!...............ﾞi::::::ﾞiﾞi
i, i {:::::l::__,-{i}ｲ;::::::::ﾍ!i-:::}::i 言っとくけど私、ヴァリニャーノが上司になった以上は彼の派閥に入る事を
,i ! i Y":::::::::::::::::::::::::::::::/::/
, ".:;':､ i ､.:| " ::::::::::::::::::::::::/|::::/ 躊躇しなかったわ。もちろん彼への賞賛の筆も、惜しんでいないのよ？
,"/:;'::;':､| .､ ､:| " ,::":i:::il､
i !:::::;:':::::>, ﾞ､ヽ ､ ー:::,ノ::;':::i:ﾞi
!i:::::i::::::::i::! , ﾞ､.: ｀__,- ｲ´:_;'::::::::l:/ 「彼はまるで天の御使いのように日本を助けるためにやって来た」と……
ﾞ ､,"￣￣i ! , ､ﾞiｴ､ｪ"ｨ-､: :/:;':;'::i"
," `､ !､ i::!::i: : { }: : ﾞ} l::::;'::;:/
i i ﾞ､::i:::lj!:╋¨l､: :}ﾞｧﾞ､::/j
＿＿
, ‐ ´ ｀ヽ
／..:／.:/ .;ｲ :. :.丶.:.: ＼
〃:.:./ .:./:.:/小:.: ',:.:.ヽ:.:.:. ', そりゃ相手は上司。ヨイショはお約束でしょ、保身的に考えて……
l:{.:./ .:./':__j:! l ヽ_:.ヽ:.:.＼:.:.!
ｉ:}:ﾊ .:7ｨ=ﾐj:ハ >=ミヽ:.:ﾍヾ、
､_メ!.:i.:.ﾊ r'_;j r'_;j ∧:.:}:.fヾ だがやはり相性は悪かった。カブラルと近かったことも、一因かも分らんね
乂;ｲ.:.∧.:::: ::::./ｲ V:.:.| ﾘ
_／ j/_:ﾉ:.介 .､ ｀´ ,.イ:.l:|:..|:.:.:.!
´/:.:,':.:.:j:|:ﾉｰf夭‐ﾍ :j:|:.:ｌ:.:.:.:!
/.:.;ィ7´ｌ:|＼/ﾑﾍ／｀l:| ｀ヽ.:.:i
/.:/i // !| に不こ) !|l /!:.:.i
/.:/| ヽl ｌ !|/〈/ i| ヽ｣ !| !./│:.:.i
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
直属秘書に登用したのも、フロイスが余計なことを欧州に書き送らぬよう「手元で監視していた」と、疑えないこともない？
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と、いうわけで。ここから暫しヴァリニャーノ及び（その腹心となった）オルガンティーノの側に、視点を移してみるが―――
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＿＿, - ､
／, ─── ､)
／'⌒`ヽ、 // / ヽi
ヽ、┗ ノ |_| ┃ ┃ |
`ーｰ' /⌒`（ ⊂⊃ ヽ .／'⌒⌒ヽ、
,-ｰｰ-､ .||￣￣ >､ ＼＿_ノ ﾉ （ ┃ ⌒ヽ
/ ┃ ） || ／ ＼─── ´ヽ､ .＼ ━┛ ）
.（. ┃ ） ||. / ＼╋／ | ＼
ヽ､＿＿,ノ || | ／ | ||
／||'''''`iヽ__ノ━━━━ヽ､__ﾉ
／ ヽ､ |＾ヽ､__ノ´ ￣ ＼
`＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝'
＞''´二二二二二二二二}is。
＞''´二二二二二二二二二二二ﾆヽ
.／二二二二二二二二二二二ﾆﾆ}i｀ヾﾆヽ
ｲ二二二二二二二二二二i! ‐=ﾆミ .ヾiム
/二二二二二二二二二二ﾆﾘ ＞＜ .ヾﾑ,ｨ二.ヽ
'二二二二二ﾆﾆﾆﾆ/ ｀''＜ﾆ∥ ／二ﾆﾆ}is。 .ﾏ', {:.:.:.ヽヽ
. '二二二二＜二ﾆﾆ/ ｀ ／二＞',ｨzzz､､ .ヾ､｀"''ヽ ∨
..{ﾆiﾄ,二二/: : :｀''＜/ ｲ二.／ｲゞ､;;;;ヽヾ'' ヽ｀ヽヽi ∨
. Ⅷi!ヽ二/: : : : : : __,,,,。 .ゝ匁ｲ .∧ん斧;;;ﾘﾉ .＼:.ﾉ } i
Ⅷi: : ｀'':.＞ﾆ二二二ム:.ｨ''´∨ 乂i{__,匁ゞ=イ ヾﾉ ,'
Ⅷ,: : : :ﾑﾆ＞''´二｀''´:.:.:.ヽ ∨ ￣｀｀" .Ⅵ
ﾏ',: : : i/＞'´;ｨs､;;ヽ＼): :∧ .ヽ .∨
,。.ﾏ,: : : :/∧{匁リ;;;;}イノ: : .∧ ヽ ヽ, .',
..ﾊ==､',: : : : 乂ゞﾆ.ゞ'´: : : : : : : 乂__ノ,ｭ:.:) ､:.:.:. ,
.Ⅷ:.:.:.:)',: : : : : :￣ : : : :.(:.:ｯv､ノ´:.: .ノﾄ:.:. .},,_
..∨{:.:.:.:.}: : : : : : : ﾉ｀"´.∧:.:.丶_,,。s≦イ .} i! ｀"
.∨､:.∧: : : : : : : : : : : : : :.∧ イ.＞''／/:.:. i
＼＼:.',: : : : : : : : : {: : : :＞'´＞''´＞´.ノ:.:.:. ,
.＼｀',: : : : : : : : : : ／ﾐｰ=ﾆ二二´＞''´＞''""''＜ ,'
ゝ∨: : : : : : : : : : : ゝ,:.:.｀￣´＞''´ ): : : : : :/
∨: : : : : : : : : : : : : : : : / ／: : : : ／
ヽ: : : : : : : : : : : : : : : ､ ＞''´: : : : :／
}i.､: : : : : : : : : : : : : ゝ イ: : : : : :＞''´
/:.:.:}is。: : : : : : : : : : : : : : : : ＞''´
.{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｰ=======ｰ ╋
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ヴァリニャーノは同じイタリア人であるオルガンティーノとの関係は激しく良好で、彼への評価は以下のようにべた褒めだ
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＿＿＿＿＿
r' ,v^v^v^v^v^il
l / jニﾆｺ iﾆニ!. ベンヴェヌート、ミヤコへ！ 信長の表敬訪問には、私が随伴いたします
i~^' fｴ:ｴi fｴｴ)Fi
ヽr ＞ V
l !ー―‐r l
__,.r-‐人 ｀ー―' ﾉ＿ ∩ ⊂ゝ
ノ ! ! ﾞｰ‐--￣--‐'"ハ ~^i |ヽ i三 |
ヽ ! ヽ､＿ ╋＿.ノ i ＼ i ） ‐ﾉ
ヾV / ! ／.入 ／ /
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
,－､ ＿＿
（────､ヽ
// ＼ | | 彼（オルガンティーノ）は良き宗教者で徳も高く、良識もある
| / ヽ l_ |
/ ⊂⊃ ） 日本人との対し方では、特別の手腕を持っている―――
!⊂＿＿＿ ﾉ＼
＼ヽ＿＿ノ ／ ＼
/ `───／ ヽ このため修道院の内外で必要とされ、日本人の間で権威を高めた……
/ ╋／ i
/ ／ ! （1584年12月12日付、コチン発書簡）
＼⌒＼/⌒＼ ノ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
上記書簡でヴァリニャーノは「本当はコエリョより、オルガンティーノをカブラルの後任にしたかった」と、吐露している
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-‐ ￣￣ ｀丶、
／ ヽ
/ / /〃/{ { ヽ ｀ヽ. ∧ そうしなかったのもオルガンティーノが「日本人を救う活動に没頭しすぎる」とか
ｌ / /斗/ハ ｨｰ‐ 、 ∨ l
{ { ﾚﾃく ヽi>==、＼ ヾ│ 「物惜しみしない彼の勇敢さが、かえって心配」とか、「同じイタリア人をヒイキ
乂l f r'ﾊ r'ﾊ 7ﾊ＼ﾘ l
.八,}弋ｿ 弋ｿｿﾉ ） 八 していると疑われたくないから」等々、フォローしまくってるほどなのだが・・・
ノイ }ゝ" ｀_ "" { {´ 丶＼
／ ,＞‐r＜_∧!＞､ ＼丶
, -‐" ! ヽ{>ﾛ<ﾌ〈. | ＼ それは“ことの本質”ではない！
// ／ / y ゝ { ;ヽ ,ｉ 丶.ヽ
{八 〃 ﾊ { ,.-'‐!、 }_ = ゝ、__i、 }ヽ } }
)/ ヽ（. ヽ人,i' .,. i' ｀ﾞゝノヽl_ ヽ! ヽjｲノ
" ｀ / / ゝ,.| l __.!,ｒ'/ ｀‐´ "
/｀ V ｌ .,′´´
｀ｰ'′ ├-/
￣
＿＿＿_
,. ‐''"´ ｀ ｰ- ､
／ ＼ ＼
,ｲ ＼ ＼::: : ＼
/ / ! :| :|ヽ＼ ＼:::::. ヽ 後述するが、コエリョの副管区長への登用はカブラル更迭
,' .:/ .::::/ ,' :,' .::iハ . ヽ:::: :::ヽ:::::. ﾍ
i .:/ ::／ / ::/!: .::,' | |∨:|ﾍ:::: : :::ﾍ:::::::ﾊ で生じた在日宣教師たちの動揺を、防ぐ人事に他ならない
| .:,' ／ .:/ ::/,' :::/ |:.! |:.:| |∨::::::::∧::::::i､
| .::i:./ .:::,ｲ ::＿/:::/ ﾘ !斗f‐-､::::::::::ﾊ::::| !
|／:|/ :／,ィ"´／:｀` / |/'_｣」. i:`: :::::::|::::| | その一方で巡察師でさえ、オルガンティーノのふるまいに
,ｨ| / ::::::／i,.＞''"ｱiヽ /´::::}`.|:::::::::::::ｌ::::| |
/ | ,'::::／{ rT{::::::::::r ! {:::::rﾘ ∥:: :::::/ﾄ､ﾊ| 無視しきれない欠点があったことを書き残している……
{ | {::/::::::ヽ|:|乂､_,ﾉﾘ ヾ之' ,'|::::::::,'. | 乂
ヽ | |,' |::::|::::|｀ﾄ! ''' "´ ､ ,,,,, ﾊ|::::.::i ! `''ｰ‐
ｉ |::::|::::l::::|ﾄ､""゛ /:::|:::::::| ヽ
ﾊ:: l: ::|::::|::::iﾊ ＼ ｀ ´ .イ:|!:::ﾊ:::::|
∧: !::::i:,.-､｢|∧ ＞ ､ _,. ＜:i::|:::|:::::.ﾍ:::ﾍ
/::::: _厶イ .／ |:.:.|` ｰ-L＞､:::::::|::|:::|:::::::::.`iｰ＼
. /＞＜ ＼ ﾍ. i:.:.i ,'!ﾊ| `＜ｭ」::|::::::::.:.∧ `ｰ
. ,ｲ-― ､` ､＼ ヽ|,ｲ /_||__〉 ﾊ｀ヽ :::::.:.:.∧
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「宣教師はみな彼を見習うべき」と、讃えつつも。やはり低学歴で出自が低いがゆえの短所には、言及している
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＼
お 手 ほ ＼
れ に し |
の 入 い .＿-───-､
. や れ も ／:::::::ﾄ､i＼/＼::::＼
り .る の {ヾ/＞v､／:::::::::＼r‐
か の は .〉 { ０}::::|/／::::::::::::
た が ゝ ,=}==､:::::::::::::::::
さ ./ ｀ｰｧ‐':::::::::::／|::
° | r‐ }::::::;:＜＼ j:::
. ＼＿r──､ ／＼ゝ-＜￣＼__＞:::::
│ ─i⌒ヽ ＼ (￣::::::::::／:
│ ─|＿ハ / ￣ニ二￣:::::::::
│ ─､i .} / | {::::::::::::::
＼ ー' /＼/ | ╋:::::::::::
ヽ-＜ | ヽ:::::::
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
＿＿, - ､
. ／, ─── ､) やはり知性には欠ける……会員仲間と意思疎通が少なく、規則や規律を学ばない
// / ヽi
|_| ┃ ┃ | 上司の命令に反しても、自分が感知したことを頑固に押し通してしまう……
（ ⊂⊃ ヽ
>､ ＿＿_ノ ﾉ .nｍ━･~~~
／ ＼─── ´ヽ､ /)- | （1593年『イエズス会名簿』より）
/ ＼--／ | ￣|＿丿
| ╋ | ||
! / ﾉ |
`iヽ__ノ━━━━ヽ､__ﾉ
ヽ､ |＾ヽ､__ノ
￣￣￣` - ′
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「その情熱があるからこそ、成功している」とえこひいき擁護しつつも。独断専行タイプである点には、気が付いていた
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_,，〜ﾞ´／'///////////////////////////////////∧ ；
；＿＿／///////////////////////////////////////i {
..＼///////////////////////////////////////////,l
ヽ _＼＿＿/￣￣ | 7〈＿＿_____////////////////////,l i オルガンティーノのヤロー！
｀^~¨ /__/＿__|__厶'|＿＿＿_l|二二二{ニﾆﾆ|////////│
l'//////|/ |//////∧////////// l//////// | {
|'////,ｨｆ厂｀ヽ|//// / V///厂V/// l////////,l ； 上司格の私の罷免を本部に直訴するなんて
( │///代 rｔ，｀l////,| ヒニN∟{__ i////|'///////∧ ，
)│///ハ 廻 |////| rｔｘ､∨｀i}|////|////////∧ ^ヽ 度胸良すぎ！ 下剋上も極まれりだろ！
，|//// iミ=ｰ彡 ﾚ'∨/| 廻ﾘ ﾘ////,l//////////＼__
l/////ｌ ､ ∨| ﾐﾄ､＿__,ノ }/////,l/////////｢￣
；〉///八 ￣ /／///│'///////∧ ;、
,， ／//////l＼ }三 ー ﾆ二＼ ／ﾉ//∧////////// ∧ ^ヽ，
,. ／////////,l// ＞ ー―一' ィｉ〔 //// }///////////∧
ﾞ ￣￣|///////|／ 〕¨¨¨｢ /‐//／i |////}////|＼/∧_
. ,ﾞ |'///／∨ │ ＼ ∧ ／l | /////|////| ￣￣
} |/／/￣￣＼ │ ∨ 〉‐〈 / 〈 /// !////
{ l/ / ヽ |＿＿＿__╋ Vヽ l |// j'///
` / | ‘, ／ ∨ } }│j/；' |'//
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
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o
＿＿＿_
,. ‐''"´ ｀ ｰ- ､
／ ＼ ＼
,ｲ ＼ ＼::: : ＼
/ / ! :| :|ヽ＼ ＼:::::. ヽ
,' .:/ .::::/ ,' :,' .::iハ . ヽ:::: :::ヽ:::::. ﾍ
i .:/ ::／ / ::/!: .::,' | |∨:|ﾍ:::: : :::ﾍ:::::::ﾊ
| .:,' ／ .:/ ::/,' :::/ |:.! |:.:| |∨::::::::∧::::::i､ だがこの欠点こそ、カブラルからすれば組織人として
| .::i:./ .:::::,ｲ ＿/:_;ノ ﾘ l`ｰf‐-､::::::::::ﾊ::::| !
|／:|/ :／,ィ"´／:.:/ / |/'_｣」. i:`: :::::::|::::| | 容認できなかっただろうことは、容易に予測できる……
,ｨ| / ::::::／i,.＞''"ｱiヽ /´::::}`.|:::::::::::::ｌ::::| |
/ | ,'::::／{ rT{::::::::::r ! {:::::rﾘ ∥:: :::::/ﾄ､ﾊ|
{ | {::/::::::ヽ|:|乂､_,ﾉﾘ ヾ之' ,'|::::::::,'. | 乂 ともあれ来日前からの宿敵オルガンティーノのカブラル
ヽ | |,' |::::|::::|｀ﾄ! ''' "´ ､ ﾊ|::::.::i ! `''ｰ‐
ｉ |::::|::::l::::|ﾄ､ /:::|:::::::| ヽ 批判は、割り引く必要がある
ﾊ:: l: ::|::::|::::iﾊ ＼ (⌒) .イ:|!:::ﾊ:::::| っ つ
∧: !::::i:,.-､｢|∧ ＞ ､ _,. ＜:i::|:::|:::::.ﾍ:::ﾍ
/::::: _厶イ .／ |:.:.|` ｰ-L＞､:::::::|::|:::|:::::::::.`iｰ＼
/rゝ_‐-.､ ｲ .ィ
乂r::::__ゝ＼ |ﾚ' /
_ .. -─'── - ､ rｰ..､|' /ｰr-ｫ
' ´ ＼::!::V:::/ |:_j___
／ ::::::ヾ:::l /／／ヽ::ヽ
' / ヾ::::::V/∠ __ |::/
/ ｲ ｨ' ﾄ., V !::::::ﾄ///´｀ヽi'
/! _/_|__./ ﾄi j __ゝ ＼ |/l ﾊ/⌒i
. / ' / /j_.| l｀ |ハ.ヽ. `., V /::| さて。オルガンティーノとカブラルの確執で有名なのは、適応
/ l l / イ::ﾚ､ ＼ヽ_ゝ_ ヽ,. ＼|_
i l |: ! r::::::j イ:::::ヽﾄi|＼ ハヽ 主義をめぐる論争。とくに服装問題だ。オルガンティーノは
| ﾉｲ | ゝフ r::::__ハ├､＼ /:: i|ヾ!
(_／ | ハ :::::: ー' | |ﾇ,ﾚ/l:::: ｲ.ノ トルレスの適応主義を是とし、絹の着物姿で活動したのだが…
/ ﾊ-ゝ ′ ::::::: | ﾚ'l::/!:::/::j
､ _,j／ ' ゝ. ｀ ´ . イ＜ ﾋ-―_フ
,` r ´ - 、| |
_／ ;; i ／" i |
_,.--イ ; ﾚ;´ _,.|ﾉ 、 __,.,
,ｲ l ;,'' ／ ヽ. i
./.:i / | ,,;'' ／ ', 'i
/ ;: i,/ | ;;' / /´ i !
/丶;: i ,i;;' , ' ,/ | 'i
i ;!i r‐''´ ミ‐ ._ ,:'/ ! !
ri ', Y~`〜ミ_‐- `'- ., ;ﾚ′ |: /
f´i , L-‐ ''´ ｀'‐- .,‐- `! ／ i /
| ヽ , | ^ヽ/ , ´ ／ | /
/ ヽ ! i━⊇j━━━━/ ,. ' , ´ 「´
_
/.ヘ . -‐…‐- 、 x.､
// ヽY _ '''二二 _ヽﾉ//} }
ｊ i /7´ ｀丶//
／ ⌒Ｖ// ＼
〃〃 ∨i /// / i i iﾊ
/// ﾉ //ｱ二メ./ i ! i i !
. /// ／ ﾙ〃んﾊ/ ﾉﾅメ ii∧ いっぽうカブラルは来日早々「清貧の精神に反する」と、非難した…
Ｎ/ ／ i i i l ﾋ:ン んﾊ! // ﾊ
//ﾚﾙ'/i 从 i i ｜''' r , ゞ'厶ｲ从 i｜
. // // ﾙﾉハ i 个ト . __ ..イﾙ爪/ }}ﾊﾉ 宗教家として真面目ともいえるが、頭の固い西欧中心主義者による
// // Ⅵ仄二ﾆr'"´￣｀Y´ ﾉﾘ
. // // r‐=≧≦//:::/:.:.:.:.:.:.|_彡' 日本へのディスりにも見える話だよねえ……
〈/ 〈/ ___｣{〃ｊｊ｀ヾ{::〉/.:.:.:.:.:.:.:.|
-‐=＝ ニ二 =彡く′ jj::::ｉ.:.:.:.:.:.:.:.:ﾉ
（( ＿＿__ .. -=r.::i ヽ〃::/.:.:.:.:.:.:./|
￣￣￣ |:::.:.、 ∨.:.:.:.:.:.:.:i.:.|＿＿＿
|:::.::ﾊ /.:.:./.:.:.:.:.i.:.:.:ﾉ.:ﾉ.:.:.:.:.＼
＿＿＿_
,. ‐''"´ ｀ ｰ- ､
／ ＼ ＼
,ｲ ＼ ＼::: : ＼
/ / ! :| :|ヽ＼ ＼:::::. ヽ
,' .:/ .::::/ ,' :,' .::iハ . ヽ:::: :::ヽ:::::. ﾍ
i .:/ ::／ / ::/!: .::,' | |∨:|ﾍ:::: : :::ﾍ:::::::ﾊ
| .:,' ／ .:/ ::/,' :::/ |:.! |:.:| |∨::::::::∧::::::i､
| .::i:./ .:::,ｲ ::＿/:::/ ﾘ !斗f‐-､::::::::::ﾊ::::| !
|／:|/ :／,ィ"´／:｀` / |/'_｣」. i:`: :::::::|::::| |
,ｨ| / ::::::／i,.＞''"ｱiヽ /´::::}`.|:::::::::::::ｌ::::| | ……微妙に誤解っす。少なくともカブラルは「主役」じゃないし
/ | ,'::::／{ rT{::::::::::r ! {:::::rﾘ ∥:: :::::/ﾄ､ﾊ|
{ | {::/::::::ヽ|:|乂､_,ﾉﾘ ヾ之' ,'|::::::::,'. | 乂
ヽ | |,' |::::|::::|｀ﾄ! ''' "´ ､ ﾊ|::::.::i ! `''ｰ‐
ｉ |::::|::::l::::|ﾄ､ /:::|:::::::| ヽ
ﾊ:: l: ::|::::|::::iﾊ ＼ ´ イ:|!:::ﾊ:::::|
∧: !::::i:,.-､｢|∧ ＞ ､ _,. ＜:i::|:::|:::::.ﾍ:::ﾍ
/::::: _厶イ .／ |:.:.|` ｰ-L＞､:::::::|::|:::|:::::::::.`iｰ＼
,, - ´￣￣￣｀ ､
,. ´ ヽ、
／ 、＼
ｨ´ / ヽ ヽヾ;ト､
／ / l r i 丶 ', l;| ＼
／ / / ,l l ﾄ､ i ', !l;| ヽ
/ / ,' / / / ! ! l l ', ! l };| ﾞ ､
ノ i j ! l , ィ＝=､! ;l |l_L=＝- ､l ! |;| i ',
/ l ｌ | ! 〃 / / _ | ﾊ l !| ヽ l＼| l;;| } l i 「主犯」じゃない？
l /| | ﾊ l ;'≠ニヽl l ヽl ﾘr z==x､ﾊ } !;;| l l', l
ﾚ' ! ﾘ ', '､ lｲ /:::::ヽV ｲ/:::::ヽヽ〃 ﾒ,l;| i ! l !l
l ∧ ハ、l ﾄ;::::::r} ト::::::ｒ} / /｀l;|/ |、 l ﾘ
', / l;|｀| N ゞ--'′ ゞ＝'' / i_ノl;| lﾊ l
', / !;l ! ﾊ／/〃" 丶 ´" // / ,'l ｌ;| / l ,ｲ
V l;'ﾊ l ゝ ., ､ ,' / ,ｌ l;;l/ ﾚ'|;l
!;l !l'､ |ヾ≧ｭ .,＿ , イ-i / / ｌ/l;;l l;l
l;;l ﾘ ', l＿∨lr‐/ゝ_;;／ j ん-─‐|;;ﾄ､ l;|
|;;! ／〆｜ ￣, - 'ｨ天ヘ、 l ,' ,´|;;| ヽ__,､|;l
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ﾌﾟﾛｸﾗﾄﾞｰﾙ
事の発端は、冒険商人あがりの修道士アルメイダがイエズス会に入会し、財務担当官として辣腕をふるった時点に遡る
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
| ／
|／
, ─ ￣￣ ─- _￣￣ ぼくの人脈で、イエズス会をマカオの生糸貿易に参入させましょう！
／ ヽ
/ ／￣ヽ／￣ ヽ ｌ
/ | O | O | | ……ぼくの病院経営も正直ものいりで、私財を投げうっただけでは
| | 人 ﾉ |
| >-─´-｀─-< | 継続もおぼつかないのが実態だし―――
/￣ , -─- ､__ ｀￣ヽ |
ゝ￣￣＿＿＿___ ￣ ﾉ |
￣￣ ￣￣ l . ／.壱／／万:／|
ノ | | ＼ |≡≡|__|≡≡|彡|＿＿＿＿
￣ヽ ╋ |￣ . .. ／￣／／|≡≡|__|≡≡|／.壱／／万:／|
| | |≡≡|__|≡|≡≡|__|≡≡|≡≡|__|≡≡|彡|
| | |≡≡|__|≡|≡≡|__|≡≡|≡≡|__|≡≡|彡|
l | |≡≡|__|≡|≡≡|__|≡≡|≡≡|__|≡≡|彡|
⊂＿＿＿＿＿＿＿＿__⊃ |≡≡|__|≡|≡≡|__|≡≡|≡≡|__|≡≡|／
ルイス・デ・アルメイダ（1525 - 1583）
ユダヤ系ポルトガル人。日本の「間引き」に衝撃を受け、乳児院を開設
（演者： Q太郎 ＠オバケのQ太郎）
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
異色の経歴ゆえ「構成員の自己犠牲のみに頼る援助は脆い」という世知に長けた彼は、会の経済的自立を優先した
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
おかげで「清貧」とは言い得て妙な、慢性金欠だった日本のイエズス会も裕福になり、服装も華美な絹の着物に変化…
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＜びふぉー＞
..＿＿
「#｜ † ｜
! .ﾉﾘﾉ）ﾘ）〉
ﾉ!ﾘ!ﾟ－ﾟﾉｌ! みんなビンボが悪いんや……
(.ﾘ⊂i十iつ
く#_|j〉
し'ﾉ ﾎﾞﾛ…
! !
● ● ● ---++：
i i
＜あふたー＞
|:::::└┐┌ｰ┘::::::::://:::::::::::::＼
|:::::::::::::| |::::::::::::::::://:::::::::::::::::::::〉
. |::::::::::::| |::::::::::::::://::::::::::::::::::::/
|::::::_＿二＿_::::://:::::::::::::::::::/
ふぁさっ… ／´//l : !: : !: : :｀:`´､:::::::::::::::/
,ヘ /: : /:A-! |l: :|-ト､: :l: : ＼::::::/
／ ＼. .. { :| ﾄl:f仡ﾍ!ヽ!ﾁ示ミ! | :l : Y なんて素敵にジャパネスク！
ヘ ヾ .... ヽ!ヽ!:j`ｰ'' , ゞﾆﾉ!:ﾊ l: : ﾍ
/ 丶 ＼ . |/ゝ". ｬｰｧ ""//-' ! : : ヽ
/ ｀ ヾ.. /: / |＞.、_. ｬ/:/| : :|: : : : `､
,'＾¨ ‐ _ ＼. /: ///7-〃┴7:/´〃: : : : : : ヽ
.! ` ､ヾ 、 //ﾞ! /",＾"‐-‐ ､ : : : : : : :: : :＼
r┴── --- ╋ ---､_-‐‐-ヽ_ ｰ､_// ! { / /^ヽ : : : : : : : : : :＼
| _ - r'´－_'ﾐ ヾ! ! ゞr‐-_､/ ｀､: : :: : : : : ＼ :＼
.! _ -‐ " , ' ｰ´‐ﾍ ヽ }~,ﾞi､ゞ-〃 __ } : : : :: : : : : : ＼:
rゝ " , ' ／ ｀ >､ /V {{.!((品))''7;. ′: :: : : : : ＼: : : :＼
ﾞ､ , ' ／ ∠___､ / } ヾr7＝ﾂｰ' ,': : : :: :: :: :`､: :`､ : : : `
､ , ' ／ ／ V ﾞ, !/!.!/ ,:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::＼: :＼:
,ゝ' ／ ／ ,' 丶〈// i': :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :`､ : ＼
ヽ .／ ／| i ヾr' ｜: :: :: :: :: :: :: :: :: :: : : : : : : ＼: :
＼ ／ ／i!| ! i ヽ ｜: :: :: :: :: :: :: :: :::::::: :: : : : :
>' ／l },'!i ', i / ｜: :: :: :: :: :: :: :: :: :: : : : : : : ＼
＼ ／〃!〃! i , i / |: :: :: :: :: :: :: :: :: : : :
｀ヽ／//,/!v∧ヾ i ! / .|: :: :: :: :: ::`: `、}ヽﾉ
,!/〃 !}{ ', ヽ | ! |: :: :: :: :: ヽﾊﾉ
,!/〃| lﾄ､ .} .! l .! ､l: :: :: ヽﾊﾉ
キャー！ ワー！
ワー！ ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ
ウォー！
Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y
:::Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y
::人:::人:::人:::人:::人:::人:::人:::人:::人
:::Ｙ:::::Ｙ:::::Ｙ:::::Ｙ:::::Ｙ:::::Ｙ:::::Ｙ:::::Ｙ:::::Ｙ:
ｌ
⌒＼|／⌒
／´ ￣￣ ｀＼
/ / ⌒ヽ ⌒ヽヽ
/ | | | |
ｌ ,-ヽ ・|・ | |
( ＼ | / ,へ｀ー‐⌒ー⌒ヽ 軍資金はまかせろー！
.＼ ｀ ｌ ｌ ｀ー ⌒ーイ ﾉ ´)
ヽ ＼＼－､－､ ／／ ／
| ヽ､ｰ──´／ｌ／
| ￣￣ |
| ╋ |
r;ニニニニﾆﾆﾆﾆヽ
,--―| |::::::::::::::::＠:::::::::::::|| ＋ ｷﾞﾝｷﾞﾗﾘｰﾝ ! ﾆ ｻﾘｹﾞﾅｸ…
o. |:::::::::::| |::::::::::::::::Π::::::::::::|| ＊ __人__
. |::::::::::| |::::::::::::!ﾆ ﾆ!::::::::|| ｀Y´
☆ |;:::::::::|_|::::::::::::::::|_|::::::::::::|| *
|--ｰ'､-r┬ｧ;T'j''┬t┬i やっぱり目立たってなんぼでしょ！
. ＊ | ｌ ｌﾚ ⌒ ヽノ ⌒ヽヽ.} ☆
＋ | ｌ ｌ ● ● ｌ ｌ ｌ o. ﾄﾞﾚｽｺｰﾄﾞ
o. | ｌ ｌ⊂⊃ ､_,､_, ⊂ｌ ｌ ｌ 適応主義バンザイ！ 綺麗なシルクの KI・MO・NOで好感度アップ♪
o. ＋| i⌒ヽｌ （_.ノ ﾉｌ ｌ／⌒)
| ヽ ヽx＞､ __, イ＼ｌ ｌヽ／ 外見は大事やで〜。なんてったって、アーイドールやでぇ〜
. ☆ | 人l||::::::＼＿》::::::::::ｌﾘ||l 从
| ( ⌒ ) :::::::::Π::::::::/:( ⌒ )′ ＊
＿＿_,､..、
::::::::::::::::::::ヽ
::::::::::::::::::::::ヽ オーイ
:::::::::::::|/lﾊﾊ|
::::::::::（ ￣|」 ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
::::::::::/ 〉 ＜ 君たち、いいのかそれで？ われわれ欧州人には堕落にしか見えんぞ
::::::::/ ／ ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
::::::/￣
::::/￣ ＼
::/ ／＼
/ ／ | ﾉﾉﾉﾉ
―′ 〈 ｿ 丿
在日ポルトガル人
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
なるほど日本人の反応は、良好だったにせよ……在日ポルトガル人がインド管区に「通報しますた」のが運の尽き
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
──────
／ ヽ / ＼
/ ∨∧ ヽ ヽ
/ ／ / /∨ 丶 ヽ
/ / ｱ / 丶 ∧ ヽ│
│/│ _∀--ゝ_ ∀-∀ヽ∨∧│
│ ∧/ ├-┤ ヽレ∧
│ ヽ ＿＿/ │ ヽ＿＿__/ ６∧
│＼| | ｜/ ヽ ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
レ ∧ 丶 ∪ ﾉ │ ＜ かくかくしかじか。軍資金が手に入ってから、何気に悪乗りしている気がする
│ | ＼ ⊂⊃ ／||│ │ ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
│ || | ＼ ／ || | |
| || | ||丶--- │ ||│ ||
_ ..-‐..........￣ミﾄ､
／...................................ヽ
. /.....................,，/......../........,
'...／..... 才'’ /.....／,,__,.....i
／..斗 〃_笊,'..／ ｘ=ﾐ, ',...}
,..Y´｀{ 乂り／ { り //
i...{ ′｀¨ ; ｝ なーにが適応主義ですか（怒）！
|...ゝ., i. r‐ ｧ 从
|.............ﾄ､ .ｲ..| 贅沢は敵よ！
|............｣|. ＞‐-r＜ .......|
ｌ ‐━┛, ､ {､_...........|
. / } ', 丶,_／ ミﾄ､..|
/ }.:.:└‐──┘:l i.|
. / , /: : : : : :╋ : : : :', |.|
/ /_′.: .: .: : : : : : : : :}.!.|
. / /}.: : : : : : : : : : : : : :/ l..|
..................................................................................................................................................
, '" ￣ ｀ヽ っ
c /／ u .＾ヽ ', っ
.///f / j ヽ ﾍ ! 思えばこれが……その後の東洋布教で連綿と争われ、中国で典礼問題に発展する
ノｲl | ﾚﾄ'Vハ斗ﾄ､_＞
lﾊj | ＞ ＜ |ﾚV ）） 「適応主義」と、それを批判する「原則主義」の、おそらく最初の衝突だった！
（（ ﾉ火ヽ"V￣}"/ﾞ) { ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
// 匸 }>示iくこ八
.// ! / /《小.》｢｀ヽ ヽ ある意味、これが今回のテーマなので覚えておいてほしい！
V{ !ヽノ {： ﾄ-ｲｉ }
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
インド管区長クアドゥロスは早速、イエズス会員の絹衣着用禁止令を発布。布教長に任命したカブラルに指令書を託す
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
_ .......... ＿＿__
,................＿...........__＜, __,ﾉ 服装の乱れは心の乱れ！
/...........／ __＼､......__...＼ . ）
/.........../ ,斗=ﾐ､.＼__ｖ...⌒ヽ -=ﾆ カブラル布教長（仮）！ 管区長命令よ。たるんだ
′r‐ﾐ_{. ″じ.:} ,才ﾐﾄ､...＼ ,）
ｉ....{( ヾ り}′＼....', ⌒ヽ 駐日司祭らを、ビシッと引き締めて来なさい！
|....ゝ.. __ __ _′ l ヽ} ﾉ-､
|..............| 、 ¨゛ / ⌒ヽ, -､/^ヽ｢｀
|..............| ト｡. _ イﾉ ＿
ﾉ..............| ≠{′'’ ￣￣￣
／.../..........人,,_／／ _ ,，
. ／....../.......／ 丶／ r‐ ’
／......／......./ , ／￣ミ:､ {
／......／ ....... / / ⌒ヽ. .: .: : : : : :ヽｌ
. ／........................./ '⌒7.: .: .: ╋: : : : : : : : :|
/............................/⌒ {.: .: .: : : : :ゝ- . . : : :{
. /..... ／................/ .∧.: .: .: .: : .: : : : : : :∧
......./.................../ /.....' , .: .: : : : : : : : : : : :＼
. i..../.................../ /............' , .: .: .: : : : : : : : : : :丶
, -―=､‐- 、
／ ＼ 丶、
／/ ヽ 丶
/ , ﾉ '
/ / ＞=＝≡≡≡ﾆ二.,_ /
｛ 丶 ／ ／::::::::::'( ラジャー。おまかせ
丶 / -‐=テヒ斗ｬｆ:::::::::::＼
／ ィ´::::::::::::::::√ {::;;刈::::::::::::::::ミ=- （現地ボケした連中に、新任トップの威厳を示すアイテムにもなるし）
〔 イ:::::i!::::::::l:::::i::√,, ゞ彡ｷi:::::::::::ﾊ
|::::/!::::::::|:::::i/ :'::'::':: !::!:::::::::ﾊ
N::| i!:::::::Ｎi:|｀､ ノ ／|::|:::::::::::::ミ=-
八l〝::|:::ﾄ-----r '´ ∨|::|::::::::::::::!
从::ｷ:::::::∠j -‐ /j/ ＞､:::::|
/ｲ:::xヤ/ii/ｰ-‐'´ /' / ､_Vﾘ
|/ {ﾍ〃⌒i 〈 ￣L_
｢| V ⌒Y╋ ‐-＼ ＼
/! _/ ｀Zﾉ ｀}iト､ ＼
／ ／ i| _／ﾊ /ﾊ ＼ ヽ
〃 ´ 乂l V ﾊ ﾊ/ﾊ ＼ ﾍ
/ _ イ V ﾊ ' V ﾊ ヽ ﾍ
丶--‐'´ 〉＼ V ﾊ { ヽ'/＼ ヽ ﾊ
／ V/,ﾏ冖￢==―-今s }_レ‐ﾔ′
〃-‐ ―- ﾏ￢ｷ/ / / / / / ﾊ } '、
/ｱ¨´√√￣丁ﾏﾆｷ / / / / / /∧ { r､ , ,,〉
/ノ _,/_,/_ ゝ} /ﾊ' / / / / / /∧ J | ljﾉ
↑
指令書在中
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
当然カブラルは、この指令を来日早々の志岐会議で徹底させる。だが現場では不評で、異議の声が多数派だった
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
｜ ……と、いうわけで。諸君の仏僧のマネごとみたいなオシャレは、私の着任を以ておしまいだ――― |
乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
r-v､
/|.-|^|_
r'─┴!iﾕiﾜ┴──┐
| l
| 通 達. l
l |
| |
| 絹衣着用禁止 . |
! |
／ ＼
／ ￤ ＼ ﾌﾞｰﾌﾞｰ !
/ | ∧
/ / ∧ ∧
/ %ﾟ ／ ∧ | | | | えー？ 管区長は現場のこと知らないから好き勝手
i / ／| / ', | | | |
| % ─ﾁ /|| 厶＿乂_! ! く| 言えるのよ。日本人は外見を重んじる国民なの！
｜ / ／ ,ノ 八 ／ ￣厂| |_／|
Ｎ | 厶イh_〈／〉 ／〉 _r==4ミx| |[※|
| 】 | ／[f⌒Y＾ ﾚ' / ﾞ[f⌒Yｱ＾| |_／| 黒い木綿服なんて、ダサいキモいと軽蔑されるだけ
|ﾉ | た { } ／ { } ｨ| ｱ⌒I |
｜ f＾ﾏ 亅 Vしｿ Vしｿ ＾|,/ /_｣| これはキリスト教の権威にかかわる問題なのよ？
j 八 心厶 ＾⌒´ ｀⌒＾ イ} Ｖ/ﾞ⌒ﾄ､
/ ＼_]人 : 厶,.ノ ハ
. / ‘⌒ヽ 厂 ﾊ
. / ＼ ー‐ 一 ／ ',
/ ＼ ／ /,
イ |＞ n＜|i ┃ /,
ﾄ、y ┃ ／| ￣ | ⅱ ┃ /】
| Ⅵ ┃ _／]} ＼＿ ＿／ ℡_ ┃ ∫ 】
| | ┃ ＿_ｧヤ^＾ ∫ /￣] [|＼ 《￣＼ | | ¶
＿__厶イ㌃’ / ∫ 少x%==宀x| _》 ♪∞L_ ｜
／] / ∫ /∨.:. .:.:.:.:. .:.| ｱ! ‘． ￣＞く＿＿
j [ / ∫/ ∨.:.╋.:.:.∧ / | ‘． ￣入
九州担当の宣教師モブ（演者：今江恵美 ＠私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!）
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
カブラル1572年9月23日付書簡によれば、彼の初上洛のさいは「洋装での長旅は敵の標的になるので、生命の危機が
ある」と、周囲から熱心に和装を説得されたという。だがカブラルは修道服で押し通し、もちまえの勇気を示している
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
,.---､
「,|__ †_ |
/. ﾉﾉ'ヾﾘ , ｿ ﾀ ﾅ ﾏ ﾝ ﾃ ｰ ｵ ｺ ﾛ ﾅ
. 川i ﾟ.ｰﾟﾉl 《|》 ＜ 修道服も修道士用マントも捨てて頭頂部剃髪も隠し、絹服か仏僧装束になされませ！
ﾉ⊂!| 十）⊃||
/.!＿_i. ||
~ じ'ｿ ||
――-
／ ＼
／ ＼
／ ＼
〃 ＿ ヽ
∥ ..´.::::::::::.≧ _
∥ ／.:::::::::::::::::∧:::::::::.ヽ ∨ ｿ ﾀ ﾅ
∥ / .::∧::::::::::::/―ヽ:::::::::.V たしかに修道服は日本人には異相ゆえ、石を投げる人も居る
' /.::::/ '::::::::/ __ ∨.:::::i ' i
∥ /.::〃￣ヽ!:::/,〃 ヾ!:∧:| / | だが神のお力が働くとき、勇猛な獅子も温和な子羊になる！
∥ /.:::/{ l;/ 八 八ーl! ′ l
. ∥ ｨ .::从 ` ｰ‐_"――≧≦､ 八 '.
. ∥ /.:::::::八￣ i ≧ｰ} / V ひとたび改宗した日本人は、我らの粗衣を模範としている！
∧ /∧::::∧ ヽ j ／ V
/∧ 八:::. ヽ ／| }
∧ ﾉ.::::::::::::.≧ ＿_ -≦::::::.V /
＼/.::::::::::::::::::::::ニニ〃.:::::::::::::::〉 ＿／
|:::::::/.:::::::::::::人 ∥.:::::::::: ／ ／￣￣丶
|::::/|::::::::::／､ ヽi:::::::::::::/´￣ V
|:/ !::::::/ ╋ |::::::::::/ ' V
∥ !:::::l |:::::::/ ／ ∨
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
結果、公方も信長も「貧弱な衣を着た」自分を尊重したと豪語している。まあかれの「肩書」も、モノをいったとは思うが
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――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ちなみに数少ない「カブラルの友人」とされた大友宗麟も、カブラルの粗末な服装に大いに心を動かした人物である
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/ヽ、 ヽ
／ .l ',
／ | l
_,,..／l,..-''´ .l /
_／ l .i
／ ,..-‐--..,,_ ,,..-''"｀.ﾉ､ﾘﾉ
ﾆヽ l _,,..､-､ l r T丶.l | 以前はイエズス会員といえば、商人のようであったが―――
..ヽヽ| -ゝ'-' | ｀''"´ l/
.ζ} l ,'
＼' , 〉 i いまや修道士だ！
.i｀¨l、 ,'
i |ヽ ＿＿＿_ /
ヽ､|. ヽ "''―''" ./
.{ | ＼ ￣ / ｀ヽ、
/:|＼ .｀''-..,,＿__ ..イ ）-､ ＼ ‐-､
／::::l ｀''-,,_ |/|､::::＼__ .＼ ＼
::::::::::'.,.、 ｀''‐--,､ ./７ |::::::::::ヽ｀"''‐--＼-..,,__＼
:::::::::::::'.,｀''-..,,＿ └.ヽ/ノ .|__:::::::::ヽ::::::::::::::::::＼::::,,.-‐-､
::::::::::::::::＼. ￣"''/￣￣｀ヽ､"''-'..,,_:::::::::::,,.-''" ヽ__
:::::::::::::::::::::＼――‐-l ヽ .ヽr''" ,,..-=--､| .ヽ
＿＿::::::::::::::::＼ .| ｀''-.,,_/ ''"´ l__ﾉ
:::::::::/::::::::::::::::::::｀"''-| / -‐''"￣ヽl::::',
:::::::〈::::::::::::::::::::::::::::::::| / ＿＿ l::::::',
::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::| / ｀l::::::'
大友フランシスコ宗麟
ｨ ´ ￣ ミｘ
. .＞´ ,;:/ ./////ヽ _丿
x＜~´ｨ/ ｨ::{ /..///.ｨ/////≧＝7
}l ./ ,'{ .,':::/ / .'r ´////////＞'′
j;...., Y,V .,::,' /し )､ヽ/// ｲ///´
/::ｨ :! ′ :{:/ ｔ___ /.ヌ｀_+//∧ これこそが我らの真の姿です（ｷﾘｯ！
..{{::{, V }: ', .,／ ‘匕7/,ｲ
＞´≧::､,__ V ﾑ::. V..._ ´ /／ |
＞ ´ ´￣≧=-､ 三ﾆ=:､V::{.ヽィ'ブ∧/ハ
:/.＞ ´ ＞≧=- ､ ｀ヽ、 ＞､{
,´＞: ´~ ＞イ~~ / Y、＼ ＞､
´ ＞ ‘ ,＞:´ ｨ::::ｨ::/ :/ j:}jl ',:} V }
イ ,＞:::´ ,::'::::＞´ :/ ｨ:╋ y;::}l :, ',
:::＜´ , ｨ::::＞´ ｨ::/ ,ｨ //:/ /:: }
:::::::＞ ´ ｨ:::::/ .／ :/,::/ :/{::::j
＞ ´ ＞´::::／イ:,.' :/,::/ ./:;:}:{:,
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
カブラルの決意は、賛意はともかく敬意を得た。九州の司祭は、修道服への回帰を受け入れたのだが―――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
／ . .:.＼
/ Ο . ..: .:.:.
i ° . . .: .:.:i
{ 観測気球. . .: .:.:}
. . . .: ..:.:'
. . . .: .:.:' . -‐…‐- ミ
＼ _. . .:／ . :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..
｀¨ﾑ〉¨´ ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.⌒:
| /￣ 二二ﾆ=-/⌒} ﾄ､ :.:.:.:.:.i.:.:.:i＼ まあ、たしかに「業務命令」ですしね……
| ／.:.:.:.;./.:/ｲ.:/ ｨ=ミj､:.:.:.:.:.:. }＼}､:.:.ヽ
| { .:.:.:.:/x=ﾐ jﾉ {ﾉr} 》.:.:.:.:.:.}:.:..ヽ＼:..ゝ でも京都のフロイス地方長とオルガンティーノ
| {ｲ .:.:.:《 ﾉr} ゞﾟ jｲ.:.:.:.::ﾊ:.:.:.八 ヽ〉
| V八{ ゞﾟ ' ﾑ .:.:/'ﾉ.:.:.:.:.:..＼ 司祭は、指令なんかどこ吹く風の絹服ですよ？
| ぃ 、 ノ ムｲく:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..＼
| 込、 ｨ'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..＼
| {.:.:.:.｀ :...,_ ィ |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..＼⌒ヽ 綺麗を武器に、布教効果も上げているとか
| {∧.:.:.:.:._人_＿_,.ﾄ､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..＼⌒ヽ
| ｎ _ ⊥└ 7´ ト､_∧ ﾄ､〉､:.:.:.:.:.:.:.:..＼⌒ヽ
∠ ミi ｉ /⌒ヽ. / ‘､ }┤ } 〉＞ ､..:.:.:.:..＼
{ ,-ミ} { 《/ ∧ ＞ ＼/ у く ﾊ:.:.厂⌒ヽ
ヽ仄 } 《ノ ｀ ､ ＼/ ／___ヽ !ﾉ
∧ ∧ / ..:У `ｰ-╋,／ ￣ :._{__
《』 ∨ /＼ / .:/ .:.:.} .:.:.}三}
{∨ ｀¨ヽ .:/:.:.:.. . .:.:.:' . ..:.:/三{
v . : .:∧:.:.:.. . ..:.:.:′ . ..:.:/ {´
＼ . : .:/ '.:.:.. Ο} ..:{:. {
＿＿ ＿,
, ＜::::::::::::::::::::::::ノ.... i ７
／:::::::::::::::::::::::::::/:::::＼ ﾚ
／:::::::::::::::::::::::::::::::/､:::::::::ﾍ . O
／:::::::::::::::::::::::: ::::|:::/ ∨::::ハ
／:::::/:::::::::::::::::::::::::/|/ ､＿ ｌ小:N （またしてもオルガンティーノ！）
´￣/ |::::（|::::::::::／ / 〈●〉lｉ|ノ
/::::|:::::::::::::／ ､_,､_, ""ﾉ iﾄ､
/::::::|:::::::／＞ ､ __ ,l⌒ヽ|:::ﾍ
. /／/|:／ヽ ＼ヽヾ三| ｉ ｉ::::iヾ
／ /::|,ミ_ コ ヾ､ ╋ﾂl |:/
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
カブラルの膝元で木綿服に戻った九州の宣教師たちはフリーダムな京都に嫉妬し、京都と九州は本格対立し始める
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
/,:'::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::┛┗
'/ / / }、 ..┓┏
,'/ _....-::::/:::::::::::／／::/::::::/:, |::::::!::::::::::::::l
}!:::|:::::::::/_＿＿:∠! ::/::::::/:/___!＿|::::::::!::::ﾊ 布教長。管区長の指示に従順な私たちが（そのせいで）
}!:::|::::::/'::::::／/' |:/|:::::/:/__ |/ !|::::::|:::l.ｲ
}ﾊ:|::::::::!;ィﾁ云=ミ/ /／|/ィﾁ云≧ﾘ::::::|::::;ｲ 布教に苦労している一方、規律を破る京都の連中が
|::|:|::::::::|K |::rて}~`/' / {:rて} ヾ>::::::.ｲ :!
|::|ヾ|:::::|ヾ cしリ ::::::::::::::: cしリ.ｲ:::::;ｲ' |:::| 活躍しているなんて、それこそ組織の示しがつかない
∧ヽ ヽ::ヽ ゝ─" ::::::::::::::: ｀─' /:ｲ// ∧:l
/::/:::::＼ ヾ l ／´ /'.ィ´::::∧ 話ですよねぇ？ いちど、ガツーンと叱責してくださいよ
/::/:::::::::::::::`:. ､＿ ＿, /´::::::::::::::::ﾞ．
. /::/::::::::::::::::::::::::... ／ ::::::::::::::::::::::::.
/::,'::::::::::::::::::::::::::::::::::_､ ..ィ::::| :::::::::::::::::::!::::::::::.
/::::|::::::::::::::::::::::::::::::::/ {|｀ ー ´ |!ﾞ．:!::::::::::::::::::::|::::::::|::
|ハ|::::::::::::::::::::::::＞ｧ ＼_ ／ V:::::::::::::::::::::|::::::::|::!
|! |ヽ_::::-‐≦/ | ∠ニ「ヽ. l≧-､_::::::::::|:::::::,'|:!
_...-‐≦ / .| ｲiiiiiiiiiiiiiヽ| | ヽ ≧-:::::/_ﾘ
/ | / | / |iiiiiii╋iiiiﾊ /| ヽ ≧-,､
////{/////////////////////////////}/////// } Ｖ////////////i|
////{/////////////////////////////}///////人 }/∧/////////i|
////{/////////////////////////////}/////// j/ Ｖ////////|
////{/////////////////////////////}//////. U }「 /////////i|
////ﾞ//////////////////////////// l}///// .:}!////∧////i| わ、わかった。今回の初上洛では
////∧////////////////////{///// !////.三三三三三 .////| ∨//,
/////∧ //////////////////∧/// j/／ 刈////| }/// その件も協議して、指令の徹底を図る…
//////∧'/////////////////.' ｉ/,{ ﾉ´ U .{///│ }//
///////∧////////,{i///////,! |/,{ !///,! j/
////////∧/////// {///////,{ 乂.-､ _ 从//,! だから、そんな怖い目で睨むな！
/////////∧///////{ヽ///// { . `ｰ‐ '´ ｀ ー‐ ' .. ｲ ////
//////////,ﾍ//////∧ ＼ ///{. U .' ' . イ//|////
//////////／＼ ////∧ ＼/ ト . . イ// |//i|///
/////// ／ ＼,///∧ ＼ ｀＞‐-r‐ ´ |///|//i|//
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
この奇妙な対立を解消する必要にせまられたカブラルは京都に赴いたさい、協議の席で改めて指令を徹底したのだ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
.´. . . . ヽーｧ
/ . : : : . . . . . ∨
′. : : : : : . . . . . . . ∧
i.:.:.i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: .:.:.:.:/ ＿. . . . . ､ あのさあオルガンティーノ。これは管区長の指令なんだ
.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. .:.:.:/´ Vi. . . .i ＼
/.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: / .:.:/斗ぉｰ‐|.:.:.. .| ト ＿ ＞ 私と共に来日した君は本来、私と同じ取り締まる側だぞ
ノ.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ .:/ |.:.:.:. | |
⌒/.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.{.:.:/ ∨ ﾞ`ー=彡|.:.:.:.:.:.:.
/.:.:.:.:.: |.:.:.:.:.:.:.:|∨ ＿_ ﾞ""ﾞ/.:.:.:./.:.:.:.＼ フロイス地方長も、とぼけて流されてちゃ世話はないな
′1.ｉ.:.∧.:.:.:.:.:.:ト ´ ⌒ ` イ /.:./.:.:.:.ﾄ- 丶
ﾚ |∧.:.:.丶 .:.:.:| ≧≦ ト|/.:./.:.:.:.:.:.:.、
. | V´ ＼:j ＼∧.: :∧／ /／ ｀ヽj⌒
. ∧ }.: { 〃 ∧
/ ､′ .:.:.:.:ｉ i .′ 、
rヘ | i.:.:╋ レ へ
, -―――-､
/∨∨∨ ＼ | ......
／ ￣＼ |（ｰ）（ｰ） |_| ,...'::::::::::: ﾞ:::::､
| ＞⊂⊃ 6） , " :::`::､
＼＿／ （ | | . , ./ / , / ﾞi::::ヽ､ っ っ っ
⊂-― ､ ノ. ,"/ / ! ! ﾞi::::::､ﾞ､
/ ￣￣￣￣ ＼. . .. i ! ! !........i!...............ﾞi::::::ﾞiﾞi っ っ っ
/ | ╋ ／ ）ヽ . i, i {:::::l::__,-{i}ｲ;::::::::ﾍ!i-:::}::i
, ―,-´｀ , ―ヽ￣ ／ | ,i ! i Y",_____､¨¨¨¨ｨ=､ﾞ/::/
〃 _ノ 〃＿| ＿ ／ | . , ".:;':､ i ､.:| "､ｭｾｨ iｦ/|::::/
￣￣ > | ,"/:;'::;':､| .､ ､:| " ,::":i:::il､
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
カブラルからじかに指令を受けた直後は修道会服に着替えたオルガンティーノだったが、しょせん鬼の居る間だけの事
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1581年、ヴァリニャーノが初上洛した折には、地方長オルガンティーノは元どおり絹製の、日本の着物姿になっていた
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
/ ・ ・
ノ─┬─- ／⌒＼
│ ／⌒＼ ／ ＼
│ -┬- ＼＿／ ）
. │ ・ ・ ノ -┴- ／
-─┼─- ,,-､／'､,-､._, ／
. │ ___|::::::::::::::::::::::::" ,l..､ （
／ │ ＼ __ｌ::::::::::::::::;;.__,:_::::::::::::::::::', ＼
│ !:::::::,..-,,ﾞ_......,,,,,,ﾞ ＼:::::::ィ" ）
',-ｯ' /＞'i､ /＜'､｀''tﾐr'く （＿／ 大事なのは結果ですよ結果！
, ‐''''ｰ､ ., 〃 !-''ｲﾞ⌒ﾞiｰ' ☆ |､.ｌ ﾌｧﾝ
/＿. ! ｌ.,..|☆ 'ｰt'''" / _＿,,,, 私はこの衣装と説法で、信徒を獲得したんです！
,／'"ﾞ￣''',, ｝ ,.r" ,lﾞ__ ..-.'''''"ﾞ´´ﾞﾞ''''､ ｌ _...／
／ .'-､. ｀'､ ﾘ｀ﾞﾞ゛ |.',__,..-'" .,..-.､ ヽ .|',:;:;:;:;:;＼
/ ｀"'､ ﾞl l │ ! ', .,―-.../ . ! ,' .! l:;:;:;:;:;:;:;:＼
l.／ ｀､ ', .,,'''''ﾞ', ヽ ヽ .（ ,.. '".ノ/ｌ !:;:;:;:;:;:;:;:;:;＼
i| ',, ‐ヽ／.!._..／ _,,-'"＼.＼＿｀`'''"ﾞ´,, ;;／ ｌ_,,.ヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:＼
/"゛ _,.../ / .l:;:;:;:;:;:;:;:;|ﾞ''''ｰ｀-｀-｀''''"_..-'''ﾌ ヽ､___.... --‐
ｌ. ´ .! ／ :;:;:;:;:;:;:;:;:;|../i--―ｰ / ｌ ﾘ'-、
l ゝ-''''" . l:;:;:;:;:;:,..‐ゞ ヽ、 . / ｌ ',::::｀'-─
| i:;:;:;／ / ヽ､_ .／ l /::::::::::::::: ←着物です
', ,ﾚ‐゛ ,,ii".! † / /:::::::::::::::::
! ／ _,,.-'/^l ', ／ /::::::::::::::::::::
ヽ ﾞ''"｝ . /:::::::ヽ.ゝ､ ／ ／:::::::::::::::::::::::::
｀'ｰ..＿_____,,,,..､ -‐l!／::::::::::::::｀''-､＼.._ . ／ .／::::::::::::::::::::::::::::
/::::::::::::::::::::::::::::::::::｀'‐､,ﾞﾞ''ｰ ...／ .／:::::::::::::::::::::::::::::::::::
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ﾞ'''―‐ '":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
＿＿, - ､
／, -───､）
// / ヽ i
|_| / ヽ ｜ うーん……私も服装は「一部和風も可だが、清貧であること。基本は修道服」と、裁決するよ
（ ⊂⊃ ヽ
＼ ＼＿／ ﾉ
／ ＼──－ < むろん日常の習慣・儀礼・食生活等は、日本文化に順応すべきだが
/ ＼─-/ ヽ
| ＼/ | |
.!_ ╋ ﾉ !
ヽ丿━━━━ ヽ/
（ |＾ヽ _＿）
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
というわけで、服装規定ではヴァリニャーノもインド管区長と変わらぬ裁決ではあった
ただしヴァリニャーノも「日本諸事要録」８章にて、「日本では、高位の聖職者は豪華でないと蔑まれる」と指摘している
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
､＿ ＿＿ _＿
ゞ:::::::::::::::::::::::::::::: ヽ､
？ ／:::::::::: :::::|::::/､:::::::::::＼
. ／:::::::::::::::::: :::|::/ ∨::::::::: ヽ 服装問題に関して言えば、私はインド管区長のメッセンジャー兼
∠::::l:::::::::::::::::::::/|/､＿_∨:::::::::::.ヽ
｀| ::::::: ::::::::/ / 〈●〉.ｌ:: :ﾄ､::::∧ 代行者にすぎんぞ。主犯あつかいは不当だな
／⌒):::::::/ """ i:: :|ノ::::::∧
/ ｙi::::／ __, |:: |:::::::::.ｌ::ﾍ
（ ／ｽ.ゝ､_ ｀´ ィ<|:: |_:::::::.ﾄ､:ﾍ
'<／ |l:::: i "Tーイ'＾ｧレ'ｌ_::::::.ｌ ヾ
. /＼,,ｔ|ｌ:::: ｌ'ヾ::|╋/::/／l/ ヽ､::i
/:::::::::|::|ｌ:::: l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |:::i
／￣￣￣￣￣＼
/ ,∨∨∨∨∨
/ ／ ／ ＼ | 分ってねえなー。これだから軍人あがりはｗ
| / ,（･） （･） |
(6 ⊂⊃ |
| ＿＿＿l＿，| 顔の見えない管区長より、じかに命令を押し付けてるアンタこそが
| ＼＿＿/ ／
／| ／＼ 現場サイドからは“Ａ級戦犯”として記憶されるのさｗ
╋
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
-‐ ￣￣ ｀丶、
／ ヽ
/ / /〃/{ { ヽ ｀ヽ. ∧
ｌ / /斗/ハ ｨｰ‐ 、 ∨ l なるほど原則主義者とはいえ。もともとカブラルは「上層部の（嬉しくない）
{ { ﾚﾃく ヽi>==、＼ ヾ│
乂l f r'ﾊ r'ﾊ 7ﾊ＼ﾘ l 通達を現場サイドに徹底させた、恨まれ役の中間管理職」でしかない
.八,}弋ｿ 弋ｿｿﾉ ） 八
ノイ }ゝ" ｀_ "" { {´ 丶＼
／ ,＞‐r＜_∧!＞､ ＼丶
, -‐" ! ヽ{>ﾛ<ﾌ〈. | ＼
// ／ / y ゝ { ;ヽ ,ｉ 丶.ヽ
{八 〃 ﾊ { ,.-'‐!、 }_ = ゝ、__i、 }ヽ } }
)/ ヽ（. ヽ人,i' .,. i' ｀ﾞゝノヽl_ ヽ! ヽjｲノ
" ｀ / / ゝ,.| l __.!,ｒ'/ ｀‐´ "
/｀ V ｌ .,′´´
｀ｰ'′ ├-/
￣
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ともあれヴァリニャーノによるカブラル断罪は、かれがカブラルの宿敵オルガンティーノと手を結んだことも一因である
カブラル更迭とコエリョの登用にオルガンティーノの関与があったことは、当人の総長宛書簡（1589年）で判明している
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿＿＿
××│| ／＿＿ ヽ〟
××│| ／ |⌒ヽ＼| ヽ
──┘|／ |+ |─ｌ- ､ |
￣￣￣| cーU # ﾉ / っ
| ／ ⊂＿／ ⌒ヽ＼ﾍ／ っ
|／ ⊂ｊ ﾞ .へ
￣￣￣| (ヽ∩ヽ二二 ／／ ヽ
| ／ 三 ｊ￣￣￣ ） l
＿＿＿|／ ￣ ￣￣╋| | ───
| ／ ,－┼ｰ──| ￣￣￣
| ／ /´ヽ／ヽ＿|._＿＿ノ､＿,－ ､ ⌒ ヽ
＿＿＿|／ ! //ヽ／ ＼ | |__ l ── ）
／. ＼ __ﾉ ￣￣|ｰ ! ￣￣（ ノ
／ `ー′
／ ：：：：：：：：：：
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
,.. -ｪ=ﾆﾌﾆ= ､
. //,ｨ^ヾ/ ｀"＾ｰ}
i l l l ｺ ﾍ ﾉ-､ 九州の布教を都とおなじく発展させたいのでしたら、次期布教長には
, -y' ' ' ' ' ｰ〈
-{ 丶 } コエリョ師こそが適任でしょう。かれは冷静で勇気がある。日本人の友です
ヽ ＼ . ´
` ＞ ‐-r ´
ー---ﾍ｀ヽ ,－､ ＿＿
╋i ｝... （────､ヽ
| 〉. // ＼ | | 君の助言に同意する
| / ヽ l_ | ｷｮｳﾄ
/ ⊂⊃ ） とにかく､カブラルはいかん。君の管轄を見て痛感した
!⊂＿＿＿ ﾉ＼
＼ヽ＿＿ノ ／ ＼
/ `───／ ヽ
/ ＼／ i
/ ╋ !
＼⌒＼/⌒＼ ノ
＜1581年、初上洛したヴァリニャーノと都地方長オルガンティーノの会話＞
＿＿
, ‐ ´ ｀ヽ
／..:／.:/ .;ｲ :. :.丶.:.: ＼
〃:.:./ .:./:.:/小:.: ',:.:.ヽ:.:.:. ', 要するにオルガンティーノとヴァリニャーノは、ツーカーの関係―――
l:{.:./ .:./-‐:! l ヽ:.‐-:.:.:.＼:.:.!
ｉ:}:ﾊ .:7ｨ=ﾐj:ハ >=ミヽ:.:ﾍヾ、
､_メ!.:i.:.ﾊ r'_;j r'_;j ∧:.:}:.fヾ ヴァリニャーノもまた、巻きこまれた結果であれポルトガルとイタリア
乂;ｲ.:.∧ /ｲ V:.:.| ﾘ
_／ j/_:ﾉ:.介 .、 ° ,イ:.l:|:..|:.:.:.! の対立、また京都と九州の派閥争いから自由ではいられなかった……
´/:.:,':.:.:j:|:ﾉｰf夭‐ﾍ :j:|:.:ｌ:.:.:.:!
/.:.;ィ7´ｌ:|＼/ﾑﾍ／｀l:| ｀ヽ.:.:i
/.:/i // !| に不こ) !|l /!:.:.i
/.:/| ヽl ｌ !|/〈/ i| ヽ｣ !| !./│:.:.i
| | | ,′ , ｲ′ﾍ, ﾄ､ ﾍ, ﾍ,
| | | /| /| | l | | | | それもだけどこの人、フロイスへの仕打ちもけっこうキツイし
│ │ l 八 / |/ | ,.ｲ ﾄ､| | | | │
│ │ l ∨ ｣＞く `'＜,_ ﾊ | j i
│ │ | 厶ｨ斗扞Tｧ r于ﾃミメ、 l / l| 組織の長にしては、人の好き嫌いが激しすぎる感じ！
| 八 八 ヽf＾)-y仆､ 刈 ::::::::::: ﾄ､ .刈`《V./ ﾘ
ﾚ､ ＼ ＼|/ .人 Ｖ//（ :::::::::::::::::: |Ｖ//（ YY＾l k ﾄ､
. 〉 〉、 ＼/〔 ｛ ゞﾆ ┘ .、 └ -ﾆﾟ_,/ .j l | 》 |V》,
_,《V ＼j＼j| ` ` ,ノ / / |│|V》 | V》,
《Ｖ | ∧ ＼_ （´ ｀） __／ _/ ,ﾉ│| V》＼j
V{ │ r―宀冖 ￣￣ ￢┐ ,／￣￣ ￣￣￣ミメ.ﾘ V》,
′Ｖ .小 | | | / | /V》,
, ‐ ´ ￣￣ ｀ヽ､
／ ､ ､ ＼
,.'.／ .:/ ;小:.. ヽ:. :＼:.:.ヽ
. //:.:.:.:/.:./:. ./ i ヾ:.:.丶:. ...ヾ:ｰ'､
//,':.:... :.:厶:./- ヽ 弋:.‐＼:.:.:. 丶:＼
! |:l:j:.:.:´/ ｨ天t､ ｨ天女､-､:.. ﾍ､:.ヽ
! | :.!.:.:.:ﾊ´ち;;;j ち;;;;j !K }ヽ:.､.! ヽ!
ヽヾj:.ノ小 ｀::::. ' ::::´ ﾊイ: |｀ﾘ ノ ……やっぱ―――そう思う？
､_ノｲ:..:.:ﾘ;:ゝ-‐っ ｰ- ｲ:.ｌ::|:. i |
／´/:.:／ ‐＜＞.､ _., .イ_.l:.:ｌ::|:. i |
／＿/∠ ｧ┐l !ﾉーｿﾉl ￣ ヽ､｣::|:. .:i:ﾊ
, ./´ ｀∨イしﾘ / ハ ／ ヽ￣｀ヽﾊ
／ |=＝＝=､∧/ ＞‐/{ヽ‐‐< l l ヽ r/７-､_
, ' / / / 7〃 {{ヾ〉＼ |／￣ | 厂し' / /┐
. / / / ／ {{. ＼ | | ,/＝(_/_/_,人
| / / イ o. {{ ＼| l/ 'ヾ､/
＞' ´ ＞Y ｀`ヽ､
,__,ｲ ,. i:i / ＼
/ , ' /i:j /' ./ ／／ ﾄi i i ﾍヽ
/ ,ｲ// i ,/‐､ｲ／ 7./ i | i ' ﾑ
,/ , '7// .l／izｚzxヽ､/ｲ .!|Vj ! ﾍ
／i ／ i// |. ヾﾄ::::斗 彳´ ﾘﾆi` ' i | ,ハ え―――何？ ヴァリニャーノの件、
/ j/ y':/ j _ヒzソ ::::::::::::::: i沁ゞ //i∧ i
./ //! .// | ::::::::::::::::: ﾑリ|.//∨ .ﾍ ! まだ終ってないの？
' // i //.i .∧ .| _＿_ ' ｀`.i ' ∧V .iヾ
j::,′lﾘ// , .i,.! ,': : : :/ 从 i::i j っ っ
|::| // j ,ハ |ヽ:.､ ヽ--' .イ 7 .iﾘi::iⅥ
|::| i::'| ∧ ﾄ V i .∧ ＞ . ＿. イi | / ﾚ' !:i
|::| i:::|´ V ヽA V rt r＜ /: : T' ,′ .i::i
|::| `´ .ィ:/ヾ/t|_j-i /: : : :i .ｲ: ＞ｘ _ j::i
|::| ,.イ:xz===イハヾヽ/: : : : :i´: : : : : ／ヽ
|::| 7: : //: : /::::/ i:::ヽ ヽヽ: : : |: : : : :./: : : ハ
- ﾍ
/ ﾊ ＼ ／／:ﾊ ',
, ,::::::＼＼ -―― - ／／::::::::::} }
{ {::::::::／´: : : : : : : : : : : : ｀:.:､::::} }
{ {::／: : : : : : : : : :.:.:＼: : ＼: :＼ }
{ {': : : : :./: :/:{: {: : : : : ＼: : ＼: :ヽ
{/: : : /: /: : ,: :{: {: : : : : : :.:＼: : ＼ﾊ ﾋﾄﾄﾅﾘ
,: : : : , :./_{_,,;..斗 {＼:≧x,,＿:､＼: : ＼ さよう。断罪された側の為人だけあげつらうのは、不公平！
{: : : :.{:.:{斗示ミ{:.:{ ヽ斗示ミ: : }＼: : ヽ
{: : : :.{:.:.ｆ ）::::}乂. ）::::::} Y: : :.:.＼.: . 断罪した側の予備知識も必要。というわけでヴァリニャーノ！
{: : : :.{:爪乂zソ 乂z:ソｲ} : : : : : ）ﾉ
{: : : :.{: :.} ' 从: : : : /'、
{ｉ: : : :}: 入 ― ､ /.:':{: : : : : : :､ 若いころの彼は、じつは凶状持ちの不良だったりする！
. 八: : :.}: :}:个.｡._ {:::::::::::} _イ : : {: : : : : : : :＼
. ／: :.:＼:.}: : :_: :__:f≧===≦/ }_____:{: : : : : : : : :.:.＼
／: : : : : :.:｀r' ／ヽ ヽ ¨ハ¨ ／ r-ヽ-: : : : : : : : : : :＼
. ／: : : : : : : : /:{ { /￣_{_）ｘ卩x ゝヽ ＼ }ヽ: : : : : : : : : : :.＼
.. ／: : : : : : : : : :/ 人{/ /￣_}ゝイ´}､ﾉ⌒ヽ } }ﾉ...}: : : : : : : : : : : : :.＼
／: : : : : : : : : : :/ヽ.....＼ ´⌒ヽ､....yﾉ-' .ィ......./.∧: : : : : : : : : : : : :.＼
:': : : : : : : : : : : :.:/: : }..........{...ヽ.＿_}...}.{..{ ／....}....././: : :､ : : : : : : : : : : : : : ＼
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
,ｲ ,ｲ
∠二＞ ,.イﾚ ﾚ
.∠二＞ ／_/ .,ｲ／!
／／ rz＿ . ／ ／´
／／ r‐' rz/. ﾚ'.| |／!
|/ ￣.|_〉 ／ ／
ﾚ'.| |
|/
_ｚ-‐━‐-ミ
,.イ／ニﾆ二三厶
／ '’）ﾆ二二三三厶ヽ
j{ /ゝ‐'’ニニ二三三ﾄ､} }
{∧ﾆ/＾{ﾆ二二三三/ ’,}_／＾＾)
{{ ゝ ヽ=ﾆ二八=/ ,ｲ} }i:＞'’
トゝ ト､＿ ｀ｰ‐一'’／ j//´
＿_ゝ､_Ⅵi{ ￣フ⌒ヽ-‐'’′ __ __
/｢{=Y__}ｺ} ｀ｰ一'’;i }i ﾄ, i{/ / }／ _）
{_/ ゝく__/ｺ}厶_ﾑ{ {:{ }i }iﾉ´ヽｧ /ニ=ゝ'’_）
￣ﾏニ二三{_)＞＾ｰ^ｰ'’ヽＯx＜{二三>'’_）
｀}ﾆﾆ二}／} : }ﾟ｡ ﾟ｡} : : Ｙニ二二三}'’)
ゝﾆニ}′{ : :{ﾟ ｡o} : : ﾑ｀¨ｰ‐-==ｲ'´
｀¨´ r≦ﾆにｺ}三コ}
ｨ≧x≧>x r<{く_ｨｚx
ゞ=‐'⌒¨´ ｀¨ヾ=ﾆ彡
若き日のアレッサンドロ・ヴァリニャーノ（演者：ジャギ ＠北斗の拳）
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ﾉﾙﾏﾝ
そう。北欧系のナポリ貴族ヴァリニャーノ家の出自である彼は、少年時代は苦労知らずのやんちゃ坊主―――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＜ヴェネツィア領：パドゥア大学＞
├─┤
|| ◎ ||
___┬┬┬┬┬┬┬|| == ||┬┬┬┬┬┬┬＿
|二二二二二二二二|| 田 ||二二二二二二二二|
| 田 田 || 田 田||=:|| == ||::=|| 田 田 || 田 田 ||
|――――――――|| 田 ||::―――――――::||
|￣￣￣ ||￣￣￣|| ;;|| == ||::::||￣￣￣||￣￣￣||
:(:::)| 田 田 || 田 田||=:|| == ||ﾞ=||..田 田 ||..田 田 ||::(::)::):::::
:::|| |――――――――|| 田 ||::―――――――::||:::||::||::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::: :::::::::::::::::::::::::: ::::::: ::::::::::::::::::::
､､,,___,,,,ｨ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
,,,､､-''ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
""´ r":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
／彡:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
／''''ｰｧｰ- ､､,,,＿＿＿＿＿＿＿二二== ､ ::::::::::::::
/ l||/l.|{: l| 从W _,,,､-ｧ ﾞヽ {ヽ, l｀''''ｰz-､ :::
| l|,l'､{ | ﾞ､,,t 'ｰ<､ﾟ-''´ l| |.l,f'l ヽr'´/ ﾞ'
,' ﾞヽﾞ'',,r oヲﾏ ｲ.| |）ﾘ / | オヤジが教皇（パオロ4世）と親友だったコネで、
ノ ヽ｀" ´: i , -､ l|'"l |l./ ｨ' |
|', ::: ｀´_´ l l|〈／'| | 司教座聖堂の参事会員になれる段取りだったのに……
ﾞ""'' ､ ,,､-――l| ', r;;:::=-， ヽ ll|ﾘ/: | |
ﾞ'<,＿＿＿_'､ ヽ ﾞ "ﾞ 人// |: | 肝心の教皇がおっ死んで、出世コースがパア―――
ヽ'''-､;;;;;;;;ヽ,|;ヽ, ,､ ' :::/ﾘ |: |
ヽ ヽ;;;;;;;;;;､-'ﾞ'' ､ ,,,,､-''´ /./ / l |
ヽ ,,> ''´ ） ,､ '´/ / / l | まあいいか、気を取り直して大学で勉強の続きだ
ヽ ,､-'" ／l '" / /／ l |
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
名門パドゥア大学で、ルネサンス人の典型ともいえる教育環境に過ごし法学を修めるも―――父親の人脈
頼みだった安易な出世コースがフイになり、何気に失意の大学生活を送っていたのが災いしたのか？
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
,r彡"::::::;r''":::::::::::;;;（:::::;;;;:::::::::::::::::::::;;ヽ;;;;ヽ;;;;;;ヽ;;'､
／::"::ﾉ:::ii":::::::::::::::;;r-､r'''''' ､ヽ､:::::::::::;;;;;ヽ从ヽ;;;;;ヽ|
（ｲ/／:::::彡::::::::|:::t(＿＿＿__））::|:;;;:::::;;;;;;;;;;ヽ;;;;;ヽ;;;;;ヽ
〉:::/::::::/:::::::|:::i::}::|l ,,,,,ｏ ,,,,,, ﾉ|ｲ|;;;::::;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;ヽ;;;;',
（:::ｲ::::::::::::::::j::|ﾘﾘノ――――tｲii|l::|;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;y
ヽ||::i::::::::;;ノノ'＿＿ ､ ｀｀'ｰ､;;从;;;;;ヽ;;;;;;;ヽ;;;;;;', ＜ 北斗正史こそ大正義。「極悪ノ花」は黒歴史
､,ﾉノ{::"'〈 '" ﾐヽ ｀~~~~~~｀'':ヽ::~''ｰ､ヽ;;;;;;ヽ;;;}
ｰ ''''t::::;;', ｰ'''""'ﾝ ヽ:'=＝ミ､;;;::::',t::;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;ﾘﾘ 「実は良い人」設定など、読者は誰も望まない
ヽ::::l ::/ '':::::::};;ﾘ~'iｰ､;;;;ヽ;/
､,,,ノ1:l ､ :::::::ﾘ/)"ﾘ;;;;;~';;/
')', ''マ ::::::::/ ／;;;;;;／"
-ｰ '､ ､ｰ- ､,, :::::::: 'ﾘ~;;;;;;;;;;|;;|
. ヽ, ｀'_''''" :::::／ |ｲ;;;;;;;;;;;ヽﾐ
ヽ ,,､ '"ﾉ: i〉人从从;i
,仝ｰ- ≦--―― ''' "~'''ｰ､i||}ｶ
,,､- ''"￣￣￣ ~'' -､ ﾉノ:::}＿
i! .、 .,ｲ .,ｲ
､＿ .､{ ＼〉＼/::i, ィﾞメ_,ｨ彡ﾞ
、 ﾞﾐ.､）:::::::::::::::::/,:／::::::::iﾞノ＿__
ﾞミ彡:::::,:/人::::∥彡┐:::::'''"／
-‐=ﾐ::::::::::i.i |! ﾞｰ‐'' .}i｀Y::::└彡'
-ゞ‐､::ﾉ ｀｀ ' ﾉ､ｨ'''ﾐ≧‐
| r､.|__＼ ,.ィ炙|| j |
人ヽ i弋蕀ゝﾉ ｨ'ﾞ.竸ノ |／
.从 ￣ﾞ゛ i| /i
／ﾞ {ム 'l .ｲi ＼ なん……だと―――？
.ｨ彡＼ ‐ =.‐ ／iﾉヽ
_,,..ﾉ┤:` --."卜､
,ｪｪ､ : : :/ﾞ､ヽ ,:|: : : ≧､
.／ ゝ: :{‐‐‐--､ _,＼: :＜゛
/ ＼: ‘､＞‐-----弌: : : :＼_
i i: : :∨////////∧: : : :/､
从 .|: :___|_,.．-､,.‐‐､/.∧: :/ |,-‐‐┐_
/ .／:（ ､＿__人 |//.∧{ r‐ﾄ.,ィ''" ）
/ |: : / } }///:::|i |､ ゝ-''"_ ﾏ
, |: 人 .ﾞｰ‐‐-.〈ｰ彳///|i.乂‐ﾉ､, ''" .〉
i .从／i_ -.........///////.ii ﾞ７ `''" /
i ＿__.ノ.ィ ､＿＿_.〉//////.| / :::/
| / i ／//////////.i､／ ./
/ ＼_..／i////////////| | i
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| .／: : : : |.////////// | .| .／
└‐‐‐‐‐‐彳 : : : : : |///////////|: ::|ｰ‐彡
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1562年11月28日午前2時（←時間帯に注目）。彼はフランチェスキーナ・トゥローナという女性と、何かで口論した末……
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
,､-'" ...::／ t '､,,,',:::: :::::::::::: / :::'''''':::::~''ｰ- ､､'､ ::::''":::::::从::ヽ/:从;;;;;;;
,､- "'´｀ :::／ / ~''''''''´/ ヽ :;;ﾘこ/ :::::::::: ''''':::::::::ヽ ::::::::〉;;l|リ::::::;;､-'"
,､-'" ,, ,､-ｰ'⌒ﾞ 'ｰ､ / ::::／ / :/|l'､:::::::::jﾐ../ ::::::::::::::::::::::::: ''''':::::::ヽ ::::ﾘ;;;tl|:;;;､-'´"´
ヽ ／彡シ三ﾐヽ）)）ヽ､／ / ::/ / l|::｀'''''´';;;l ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ヽ /;;;;;､-'／ :::::
ヽ ,､／从///ミ从从从ﾉ''ｰ､ / :::/ / l|::::: :::::';:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'､ノ..／／ :::::::::::::;､←ヴァリニャーノ
t ィ(彡''"//;;;;;;;;;;;;､- ll||-､;;彡) :::/ / l|ヽ､,,,､-'''- ､ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::／／ :::::;;､- ''":::::
', ミ;rｰ"//;ｲ彡' ,,,从l__';;;ミ=）/ / l| | ｀''ｰ､ :::::::::::::::::::::::／／ ,､-'"::::::::::ｰ'''''"
| ､､シ::;;/|;;;|从,､-'" ,,>≧' ､;;;ﾗ l| l ~' ､::::::::::::::::::／,,､-'" :::::::'''" ,,,,,､-'"
| ヽ彡从ii从ﾐゝ=ァ:: {ｨ均; ''i;;;( l| l ヽ,::::::;;;､"'" ;;;;､ -ｰ '''":::::::::::::::::
. | ｲヲ从;;;ﾘﾘ'ｨr均'ﾉ: ﾞ''´ lﾘ' | '､ ,,r''",,､- '"´:::::::::::::;;､-:::::::::::::::::::
| ,ﾂ＝=;;;;ｲ::::｀´ ,;;ｯ |ﾞ ヽ / ''"::::::::::::::::::::;;､- ''"::::::::::::::::::::::
. | | "{;;;ｬi々{::::: ,;.､ l,, ,, ヽ ノ-ｰ''''""彡＿,,,､-ｰ三ニ＝=:::::::::::
| l| ｀'､' ､',,,'､､:: ' ''´ ,';;;;r(''ｰ､ ヽ ,､-'" ,,,､-ｰ '''":::::::;;;､-ｰ '''' """""" '''''
. | |l| '､;|､;;;;;ヽ'::､､ , ,, ,,,,/r '｀j ノ ヽヽ''ｰ､､, ヽ ,､ '´彡''" :::::;;､- ''"::-ｰ ''''''''""""""" '''''
| l||| ｀'ｰ､tヽ;;ヽ::::::::::;;;;/／／ ::;;;ｲ ／彡,､-'" ;;､- ''"- ''"つ ニﾆ=
| |l|| ／ノ::::::::ヽ::::;;/ l /"::::::::::;;;/::::''" / ／ ''":::::''"''" (＿
', ||| ,' l i ｲ::::::::::::::::ヽ//ﾉ/ :::::::::;;;/::''" D /／''"´ :::::: '''" ,､- '''''' ｰ-､'ｰ ､
t_ | }} ｲ / ＿_::::::::::;;;;//／ E /彡''"-''" 彡'" ｀'ｰ､::'ｰ､
'､ } l||/ ﾘ￣i:',::''"}}//" T ０ﾘ彡''" ,,r''" ヽ::::ヽ
'i, {:: ::j| /￣ l| 从 N ０ /彡'" ／ （''ヽ ll|:::::ヽ
j:ヽ ヽ;;'"llﾘ;;;;,,,､/ A ０ //''" ／::／ ヽ::ヽ ヽ;;::ヽ
＼ ＼////
/ ＼/
/ ヽ / / ヽ -─|i──li───|i──|i-/
/{ ∨ / iｌ 絶対に、許さない……！ ,li
/∧ ., ∨/. /ー|i──l|───l|───|iヽ'
. // ∧ { ///
/ // } jヽ._ }///
/{ ノヾ|`ミz､ ヽ }// /
. // ＼ |:::: :.{ ヽノ///
// //`|:::: : :i¨ヽ/ /
/ // |:::: : :i |/
|:::: : :i |
|:::: : :i | /
|:::: : :i | ./
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. / ∧:: : :i |//
. / .//∧ : :i |/
. /// ∧ :i | ./
// //ヽi |/
/ / ＼|
───── ‐ ─ ── ───── ‐ ─ ── ───── ‐ ─ ── ───── ‐ ─ ──
＿人人人人人人人人人人人人人人人人人人＿
＞ これでもくらえ、このクソアマがああ！ ＜
￣Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ￣
,.:::''::´::￣::`:::.、 i| |i
／:::::::::::::::::::::::::::::ヽ i| |i
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::} i| |i
l:::::::::::::ゝ－－－－ ι i| |i
|::::::::::::） ◯ ○ （ i| |i
,ｌ::::::::::::η ||||||| ゝ i| |i
ゝ---η. ||||||| ゝ i| |i
/≦ ヽ .| | ≧ i| |i
／ |* *| ヽ i| |i
/ , | * | | ,i| |i ジャギーン！
| | | * |/ / i| |i
ヽ、 ヽ､--- / /| i|i |i
/ ,＼ ＼, / | i|i |i
| ヽ＼ ゛^`1 j|i i|i
／ /￣ﾞｉ, ^ ,.,r'. j|i ＼ i|i
( / `＼ ' ＼ヽ ヽ i|i
`ー‐'′ ＼ // |__ i|i
＼;; ＼,, ＿) i|i
＼,:;＼ " i|i
＼,// i|i
`ｰi|′
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ナイフで彼女の顔を刺し、なんと14針も縫う大怪我を負わせてしまうのである
――――――――――――――――――――――――――――――――――
/l/|
＞ー―― |｜|
￣￣￣/ / |/|/
/ / ∠二＞ ／/
/ / ∠二＞ ／_／
/／ ／／ __
／／ ＿|└ ┐ ＿＿＿
|/ └┐｢∨ └― /
|/ Γ ／ /|/| //
ﾉノ |/l/／/
∟/
彡彡
";;;;（""彡彡 :∴: :;． ;. .: :｀：: ∵:゛
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;イ三;;;;ｲ::: ;;; :゛;∴゛` ;｀: :゛;:`´..;．∴;．｀:'：
i;;ﾘ;;;;;;;;Y;;;l ⌒ﾐi|;;"ii;;彡ﾐ;;;､ ゛;．゛;． ; :″:: :゛;. :∵゛ ;． :'-､
ﾚﾘ;;;;;;ﾘﾘ;;ﾄ从（jミﾐｰ''" ,t;;;､ 从;;＼r' ... ;`∵: ;`;.:`´..; ` ;．゛;．: ::゛;．゛;．
ｯ从（;;(从ミﾐﾐ｀' ､ ,､-''" '､;;;;从＼ 狂 く ;.・:゛∴;．゛;．: ::゛;．″:: :゛;∵゛ ;
;;|l;;;;;;ﾄヾ~' ､ミ ~'''ミﾐ', ○ ,,'､;;;;;;;＜ ∵∴゛;．゛;．:: `； :; ｀, ・
;;t（（((ヽ;;;;~' ､~'';;;;､ヽ;;ヽ-'" ｀'ｰ-=| っ
;;;;ヽ､､ﾐﾐミ'''ミミ;;ヽ､;;;ヽ)） U ―＜
;;;;;;;;;;､ﾐﾐﾐミ､;;;;ヽヽ））;;ﾘi|: ,､ ,,,,,ろ て
;;;;;;;;;;;;;;ﾐ ヽ;;ヽ､;;;）''i|,,i|;;;;彡''､､ ）
:ヽ;;;;;;;;;;} ､ヽ;;tゝj',,､;;;≦≧ミ､ヽ / る
::'､;;;;;;;;;;ﾄ)）;;;;;i;;;l:::/;;r'（9Ｏ::）,r' ::::"￣） //
:iiヽ;;;;;ii|| ､i|;;）;)|::i|:;;'､ ｀'シ'"" ::::::: /､ ・・
:i|ﾘ);;从;|i;;;;;;;;;;;;ヽ::"":::｀´::" ij ::::::ｲ /'''"￣ヽ rｰ
iｿﾉ从|};;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ:::::::::::::::: ' ､;;;;r;;フ" ﾚ'"￣ヽ/
{{( l;;;;;|i|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ::::::::::: :::::::::､"
t;;;l|i;;;;;;;;〈t;;;;;;;;;;;;;ヽ:::::::::::: ,;;;;彡'''ｰｧ-'
｀''ｰ､;;;;;;;;;ヽ''-､;;;i､;;;ヽ::::::: ::::::: ;;;'- ''"´ ::;;"
｀､､;;;;;ミｧシ､;;ﾐi;;;;;;ヽ::::::::::::: ､,;;::､ '´
｀''''''''" ヽ;;;;;;;;;~''-､::::::: :::::::....
｀'' ､;;;;;;;;;;;;~''-､:::::::::::::::................::::;r'
|;;;;;;;;;;|ヽ;;;~''-､::::::::::::::::::::／
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貴族の子弟のこととて、腕のいい弁護人を得て減刑されたとはいえ。これほどの狼藉に、懲罰が課されぬ筈もなく……
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＿＿＿_
∧＿∧ ヽ＝＠=ﾉ
（； ・∀・） （,, ´∀｀）
( (つ(つ∝∝∝と ）
ﾉ ｒ ヽ 人 ヽ
（＿,ハ＿,） （＿ヽ＿,）
↑
ヴァリニャーノ
───── ‐ ─ ── ───── ‐ ─ ── ───── ‐ ─ ── ───── ‐ ─ ──
＜お灸を据えられ中＞
．-＝ニ二ニ＝=- ．
,イニニニニニニニニﾆﾆ＞、
,ｲニニニニニニニニニニﾆﾆ:ム
. /ニニニニニニニ＞'' ´ ﾉニﾆﾆ:ﾑ .. ...:.:: ＿
i-‐ｙ''´_￣--─x.ﾞY γ´ /ニニニ', .. :.: ..:.:... i´ ￣ /
. { i l´:::::::::::::::::::::|｜o ./ ノィニニﾆﾆ; : : ..:.: {..＿ /￣l ＞､
. {} l l:::＿＿_::::::: ｌ｜o / jニニニﾆ} ..:: .: .. ::. ├--| ｢l | ／
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,.-.l |:::: ', |::::', }:::l {ニﾆﾆ> ''´ ｜｜ニニニニニニ＞ ､ ﾏ７ヽ
. 乂. ', ヽニ', |つ} .!:ﾉ ﾉ . j:≫''´ ｜｜ニニニニニニニﾆﾆ{ { }
,r‐‥- ゝ--──‥… '' ´ ｜｜ニニニニニニニﾆﾆ',ヽ._,'
. {.i ＿ ＿ ..... ＿├┤三三二ニニニﾆﾆ＝ヾ-'
ゞー-- ‐‥─-- --─‥ ￣ ｀ ￣ ´ .¨¨
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ヴァリニャーノは拘禁され、多額の罰金および被害者への賠償金と治療費を課され、ヴェネツィアを四年間追放される
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
この事件が、ヴァリニャーノの転機となる。かれは毎日、自らを鞭打ち、死の床に伏せるまで己の愚行を悔悟し続けた
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＜鞭打ちの苦行中＞
/（ ,rl
)ｰ―'" ﾞ''´ ヽ
＿_r" ７
,､-ｰ - ､ ＞ |
,､ '";;;;;;;;;,, ヽ ヽ ヽ
／从;;;;;;;;;;;;;;: ::.. ｀､ ＿＿） う ﾌ
/;;､ﾍiﾍ;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,,〉〉〉l ＼ /
l{''､ヽ,,､-―=ｧヽ;z-､.ﾉｲ ） （
|､ﾞ､l（|=∠ﾟヽl:: lﾞ:=ﾞ'ﾘ ｲ / ぎ フ
|tﾞﾟ=ﾞ｀三彡ﾆこﾆﾆミt } /| /| ） ＞
lヽ｡{::|｀'´::´,,r==､l|||l:} |. _ / :| /:| ） /
l;;;;|{:::|: {: j-､r､;;|ﾘ:| }.ノ|:||､ ,/:::::|. /:::| ） ゃ |
,､ |;;;;|::／|:}: {ヽ |ﾘ'l | / ||::｀ﾞ'"､:::::|/:::::| / ヽ
':'､ |ﾚlヽ､ノ､ ヽ三ﾂ, /｀::´Y||:::::::::..ヽ:/:::::::| / (￣
､ ';:::'､ ,r''''ヽﾞl|', :: ヽヽ ﾞ-ｰ''"/,､-ｰ '||~'''''' ''､ ヽ二二) ＼ あ （
',ヽ ';:::::'､ /Yﾍl| |/ﾊ ,､-ｰ｀''''''''､":´ ||ノヽﾞ'ｰ､ヽ ヽ￣ヽ l| ∫ （
';:::ヽ ';::::::ヽ,-''-､ ,､-'ヽ::::'''" ..:::ヽ:..､从||）､r" ::::::l |＝='､ l| ∫ rヽ
';::::::>ｰ';;､-'"o , 入~ｰ､l ', ﾉヽ ', ;从||'''ｰ :::|. }ヽ ﾘ∠､＿ ∫ 」
〉'´,､-ｰ―､'"o ﾟoヽ ヽ,}.| ｀ﾞ´ l 从 ､, ::::l. ', ヽ lﾘ ,､-'ヽ （
{／ '" ｀ﾞﾞ'' ､＼ﾟ､ '´ﾍヽ|||::::::''" l| l| ＜_rﾞ ::::ヽﾞ､ ヽ l| l:::::::::| ,r､ r'
/ / {:: t ﾊ. l| l| l| ....::::::/| |:::::..............:::::::l| | ｲr|::::::::::|／::::ヽ/ヽ|
. / l| ﾞ' ､::::... |l: | l|,,|| || ......:::::::::::ノ ｀ｧ､,,,,,,,,,,, ､､-ｰ<| |￣／::::;;;,,::::::(⌒:ﾐl| lﾞヽ' ､
l l| :::::::ヽl | ／ |〉从'､....::::::::::::,､-'´⌒'´ ::::| | r":::;r'f ）（::':（~ヽ / l| ヽ
', l '::､www''""ヽ ヽ::|l / | l| ',:::::,,､-'"､::: ,､ '' }､￣｀ヽ... ::::t| ';:::::l,,"'､ ヽ}ﾞトｰ' ./ ﾘ l|
ヽ:r''''''''' ｰ-､ ',l. // |〉l.}'" ,､ '´ 〈,,､〉 }､..... ::l|l (:::人 ヽ,,,,ﾉ ／ / |
. /r' ヽ､:::::::::::::ヽ;;;;,, j // / l| ||''''""" ／ ,,､-ｰ-､}:::::::.. ::l|l/´'yノ,ｰ'´ .／ ／ ./
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥
━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥
━━━━━━━━…‥
━━…‥
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
時として3日3晩断食することもあり、さらに、その死に至るまで苦行用のシャツを身にまとい続けていたという……
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
━━…‥
━━━━━━━━…‥
━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥
＜苦行用のシャツをまとって、すっかり人（AA）が変わったヴァリニャーノ＞
； ` ＿＿, - ､ ・´ ；
： ` ／/￣￣￣ ､) ・ ： ・
・； | / ⊂⊃ i ； ； ・ ガァァアアアアアァァァアアアアアアアアアァァァァッ！！
・ （ ヽ!il|!li|ヽ：'・
i ヽ|!il|li/ヽ 今の私は昔の私ではなァァァァァァイッ
>､ ヽ／ ﾉ
／,"⌒:::::──―-´⌒ヽ､-、
／:::::::::::::::::::::::::::::＼--/::::::::::＼ー- ､ ,､
,、 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ/::::::::::::::::ヽ､::::: !￣⊃/ 〉
ゝヽ､⊂´|::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::╋::::::::::::::::::::::::i:::::::| ､＿,ノ
ヽ､＿,- !::::::::::::::::／,:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::i
`ヽ__／ ヽ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|
/━━━━━━━ヽ､_ﾉ ←どう見ても苦行用のシャツ
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
／＿＿＿＿＿＿,､＿＿＿＿i
（ _ - ´￣￣ ＼_＿）
＼ ）
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
-‐ ￣￣ ｀丶、
／ ヽ
/ / /〃/{ { ヽ ｀ヽ. ∧ ……とまあ何気に水戸光圀にも似た、元ヤンの更正「感動」物語―――
ｌ / /斗/ハ ｨｰ‐ 、 ∨ l
{ { ﾚﾃく ヽi>==、＼ ヾ│ 事件後の彼は勉学に励み、イエズス会第三代総長をして「入会した会員
乂l f r'ﾊ r'ﾊ 7ﾊ＼ﾘ l
.八,}弋ｿ 弋ｿｿﾉ ） 八 の中で、天分に秀でた博士２人」の１人に数えられるほどの大秀才になる
ノイ }ゝ" ｀_ "" { {´ 丶＼
／ ,＞‐r＜_∧!＞､ ＼丶
, -‐" ! ヽ{>ﾛ<ﾌ〈. | ＼
// ／ / y ゝ { ;ヽ ,ｉ 丶.ヽ そしてその後半生は、東洋布教史上の偉人として記憶されたが……
{八 〃 ﾊ { ,.-'‐!、 }_ = ゝ、__i、 }ヽ } }
)/ ヽ（. ヽ人,i' .,. i' ｀ﾞゝノヽl_ ヽ! ヽjｲノ
" ｀ / / ゝ,.| l __.!,ｒ'/ ｀‐´ "
/｀ V ｌ .,′´´
｀ｰ'′ ├-/
￣
＿＿＿_
,. ‐''"´ ｀ ｰ- ､
／ ＼ ＼
,ｲ ＼ ＼::: : ＼
/ / ! :| :|ヽ＼ ＼:::::. ヽ
,' .:/ .::::/ ,' :,' .::iハ . ヽ:::: :::ヽ:::::. ﾍ
i .:/ ::／ / ::/!: .::,' | |∨:|ﾍ:::: : :::ﾍ:::::::ﾊ 傷害事件からも、波長が合わぬ相手に辛辣な傾向は明らか
| .:,' ／ .:/ ::/,' :::/ |:.! |:.:| |∨::::::::∧::::::i､
| .::i:./ .:::,ｲ ::＿/:::/ ﾘ !斗f‐-､::::::::::ﾊ::::| !
|／:|/ :／,ィ"´／:｀` / |/'_｣」. i:`: :::::::|::::| | 意見や派閥を異にする相手に呵責ないことは、かれの
,ｨ| / ::::::／i,.＞''"ｱiヽ /´::::}`.|:::::::::::::ｌ::::| |
/ | ,'::::／{ rT{::::::::::r ! {:::::rﾘ ∥:: :::::/ﾄ､ﾊ| カブラル断罪の厳しさを考える上でも、参考になるかと
{ | {::/::::::ヽ|:|乂､_,ﾉﾘ ヾ之' ,'|::::::::,'. | 乂
ヽ | |,' |::::|::::|｀ﾄ! ''' "´ ､ ﾊ|::::.::i ! `''ｰ‐
ｉ |::::|::::l::::|ﾄ､ /:::|:::::::| ヽ
ﾊ:: l: ::|::::|::::iﾊ ＼ ´ イ:|!:::ﾊ:::::| っ
∧: !::::i:,.-､｢|∧ ＞ ､ _,. ＜:i::|:::|:::::.ﾍ:::ﾍ
/::::: _厶イ .／ |:.:.|` ｰ-L＞､:::::::|::|:::|:::::::::.`iｰ＼
／／ ｀`ヽ､＼
（ ( ) ヽ
＼ ｀ー --,． '"´ ￣￣｀`ヽ -- '_ ノ うーん……まあ巡察師も、欠点のある人間なのは分るけど
｀ー-／ ＼
, ⌒／ , / 〃 , ､ ヽ. ､ ｀V´￣＼
／/ .:/ .:.:.::|::|.:.:|::|.:::|.:.:ﾄ､__,:::.ヽ＼ ﾄ､ ＼ でもカブラルが更迭されたことは動かないし……フロイス
/.:.:::|;;|.:.::::::|::|::∧|ヽlヽl´ヽlヽ.::l L.ヽ|＼ |
/.:.:.:.::l;;||:.:.:.:|ｨﾚ'⌒l 〒=ﾐ､ ﾊ | l |＼ | はともかく、全体としては人望が無かったんじゃ？
/.:/|:::/l/||::::::l/l/,ィﾃ ﾋzｼ 1 | |.:::| Ｎ ＼|
|/ |/＼:||＼::ﾍ. 弋ｿ ､ ｰ / lﾉ.:.::| |
|.:/l.:::;ﾍ.' ' ' r‐┐ ' '〃 〃.::/ リ
|/ |.:/|:::.>.、 ｀ｰ _ .イ 〃 |/
|/ .|/＼::|「(￣-‐ 7 /⌒ヽ
/l ￣_ >只く ／ / ',
_／ ＿／/ ﾑﾑ./ _,/ i
, ‐ ´ ￣￣ ｀ヽ､
／ ､ ､ ＼
,.'.／ .:/ ;小:.. ヽ:. :＼:.:.ヽ
. //:.:.:.:/.:./:. ./ i ヾ:.:.丶:. ...ヾ:ｰ'､ 否。服装問題でも分るがカブラルは九州の布教団は、掌握しています
//,':.:... :.:厶:./- ヽ 弋:.‐＼:.:.:. 丶:＼
! |:l:j:.:.:´/ ｨ天t､ ｨ天女､-､:.. ﾍ､:.ヽ ヴァリニャーノが初来日し、九州に滞在していた時期の話だけど…
! | :.!.:.:.:ﾊ´ち;;;j ち;;;;j !K }ヽ:.､.! ヽ!
ヽヾj:.ノ小 ｀::::. ' ::::´ ﾊイ: |｀ﾘ ノ
､_ノｲ:..:.:ﾘ;:ゝ-‐っ ｰ- ｲ:.ｌ::|:. i |
／´/:.:／ ‐＜＞.､ _., .イ_.l:.:ｌ::|:. i |
／＿/∠ ｧ┐l !ﾉーｿﾉl ￣ ヽ､｣::|:. .:i:ﾊ
, ./´ ｀∨イしﾘ / ハ ／ ヽ￣｀ヽﾊ
／ |=＝＝=､∧/ ＞‐/{ヽ‐‐< l l ヽ r/７-､_
, ' / / / 7〃 {{ヾ〉＼ |／￣ | 厂し' / /┐
. / / / ／ {{. ＼ | | ,/＝(_/_/_,人
| / / イ o. {{ ＼| l/ 'ヾ､/
┌─────────────────────────────┐
│※ヴァリニャーノ第一次日本巡察は、1579年7月25日〜82年2月20日 .│
│ │
│ なお、第二次日本巡察は、1590年7月21日〜1592年10月9日.. │
│ 最後の第三次日本巡察は、1598年8月5日〜1603年1月15日.. │
│ │
└─────────────────────────────┘
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
＜1580年7月ごろ・九州にて＞
＿＿＿＿＿
ゝ／ ＼ /
/ ＿＿＿＿＿＿＿ヽ
| | : : : : : :＼_人ノ: : :| ／
| | : : / ⌒ ヽ: :/ ⌒ ヽ
/＾v─ i | | ヴァリニャーノ巡察師が「インドと京都、どっちに行くべきか相談したい」とな？
（（ |:ｄ: :♯| ((・|・)) !
ヽ: : /＾ヽ､ ＿ ノっ ＿ ﾉ－､
|: :| ＼_／＾＼／＾＼_:ノ
|: :| ＼
/⌒＼ヽ （⌒ヽ⌒） ））
| ＼＼_／＾＼_／ﾉ ＿＿＿＿＿
| ＼─┬─ ´ | | ._ _ _|_
|. ＼. ＼ |╋ ＼ | | |i| |!|（＿）
| ＼ ＼.／￣￣） | |i| |!|（＿) ←通知状
＼ / ￣) |┌┐ |
↑コエリョは、この時点では下教区長
┌──────────────────────────────────────┐
│ │
│ ※日本布教区は1580年6月24日にヴァリニャーノが定めた「日本布教長内規」により、... │
│ 「都」、「豊後」、「下」の三教区に仕切り直された。「下」は大友領（豊後）を除く九州を指す. . │
│ │
└──────────────────────────────────────┘
─────────────────────────────────────────────────
来日して一年を経た当時。ヴァリニャーノは、インドから「大変！ トラブル続出なの。すぐ帰ってきて」と催促されていた
─────────────────────────────────────────────────
＿＿_ インド人完全無視チャーハン、完成！
{彡叉ﾐ} ∧,,∧
つωと (`・ω・´） ｡･ﾟ･⌒） ﾍ⌒ヽﾌ⌒ ３
l l m9 ｏ━ヽニニフ)) ｡･ﾟ･::::） ( ・ω・ ） ）
しー-Ｊ. しー-Ｊ ━ヽニニフ し─-Ｊー J
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
＿_
, -―＝＝≦ 三｀ヽ
,≦三三三三三三三三 }
／三三三三 ∨ / ヽﾆ !
/三三三三三三! { ∨
ﾆ三三三三三>‐ u. ┃ ……だが今ゴアに戻るとなると予定していた五畿内の巡察ならびに、
|三三三三三 { ｒ‐ 、
|三三三三三∧ ﾉ 第一回日本布教会議の開催も、断念するしかないが───
三三三三ﾆ＞ ￣ヽ
ヽ三r､三＞ }
/ / 戻るべきか、残るべきか……カブラルとコエリョにも、相談してみるか……
r＝=‐- ＿ /
}:::::::::::::::::::::::::::::＞ 、 イ
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＞ ､-‐
.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､
.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::╋
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
＿＿＿／///／/////////////////////////////////////＼＼
. ＼///////／ //////////////////////////////////////// ＼＼＿＿,ノ
. ￣￣／ ///＿ ---───── ∧― __///////////// ￣￣／
/ ￣ / ∨ |￣￣＼ ///////厂
. / / /＿ --─ ///////￣￣/─-∨￣￣l￣￣￣////////ﾊ わざわざ相談するってことは、
/ / /￣///////////////////// ∨//////////////////,|
/ / //////////////////////// ｕ |// ////////////////| 日本に未練があるってことだ！
ﾚ'i /// /////////////////// へ､＿＿_|'// ///////////////│
│//∧/////////////／l'////┏━━┓|/∧ ////////////// ∧
| |// │//////////// /'///. ┃┏┓┃ﾚ }}////////////////∧ 巡察師が京都のオルガンティーノと
. l |/ //////////// //,／ ┃┗━┛ ﾉﾘ/////////////////∧
. ∨ ∨'/////∧// /／ ,＿,ｨ仆ｆ|///////////////////＼ 会えば、いろいろ面倒くさいぞ！
∨///// Ｖ イ ヽ ｀ﾞ¨¨¨´ |////////////////＼＿＿＞
∨///{ ｕ , へ､＿＿＿ ///////////////////＼
}/// | / ／´ :::::ヽ ｕ /ﾉ////////////////////＼
／ﾚ⌒ヽ､. ヽ、 ヽ、＿ :::ﾉ , ｲァー‐く`￢ : ｌ::|//////////////＼ ←この時点ですでに失脚寸前
/ / ／ ,へ. ｌ| ` ､ ￣￣￣, ' ｒｰく ＼. |｀ ﾄ､:.ｌ::ｌ//////////＼/＿__＼
. / .| ' / ／ヽ| ＞= ｧ ￣ /＾ヽ ｀ ヽ. | 〈 ヽ::| ￣￣＼'////＼
. / | / | ／⌒/╋＼. | ./ / | | ／ ヽ/////|
_____＿
＼,. : ´: : : : : : : :｀: . 、
. ７.: : : : : : : : : : : : : : :＼
. /.: : :_;. -‐.ﾆヽ、人__ノ‐-f
ｉ: : : :{ / ｎ Ｙ ｎ ｀Yﾞ
l: : : :j__{ U ! ｕ ﾊﾞ
{/⌒′ヽ ノゝ､__,.ｲ}ﾉ 御意。せっかく巡察師を、ゴアに厄介払いする好機が来たのです
{ r} U ￣＿ ‐' }
｀ ｰ ､ '´ ｀ｧ'′/ なんとしても活かさねば！
ノヽ ｰ -‐' ／
イ{ ＼｀二/´ト､
/ } ヽ ／ ╋ヽ/ }｀ヽ
/
. ハ _ - ―‐- ._
{/,ゝ､＿,. ＜/////////////＞ 、
V////////////////////////＼
｀/////////////////////////,ヽ
///////////////////////////∧
/////////////////////////////∧ だが当の私が離日を勧めても、腹の底を見抜かれる……
. //////////////////////ﾊ'///////ハ
/////////////////////// ∨///////ﾊ
. ///////////////////////ー-V///////ﾊ ヴァリニャーノは来たる日本布教会議で、わたしが築いて
///l/////////////// !////＿,..-V///////ﾊ
/／ !'////////////// l'///,.ィｆﾃ巧∨//////ﾊ きたものを奪うか、否定する算段……開催されたら終りだ
. '" ;////////////// !// 乂ｚタノ !'//////∧
ﾊ///////////// j'/ ` ー:":.:j////////ﾍ
. ﾊ'////////////{ ﾉ' ' :.:.:.:.U:.:ﾊ/////,V//ﾍ
////V/////////,ﾍ ,ｲ//////ハ'///＼
. //////V/////＼///´、 ｀ イ///////ヽ/ハ｀"＜,＞- _
. ／///////＼////ヽ,＼/へ.- iｰ.､//＞-―- ヽ/,ﾍ ￣
,.イ///／'////''"｀"＜ゝ ! ',｀ ` ﾉ l ＼ '. ∨ﾍ
-‐'"////イ////// l ! ヽ--＜､ l ヽ : Vハ
//＞'" l////// .l l / {;╋;;;} ＼l > !. Vハ
. l/////l .l !/ 〉;;;;;〈 ｌ ＜ !. Vハ
＿＿＿＿＿
／´ ｀＼
ゝ/ _＿＿＿＿＿＿＿_ヽ
/ | ヘ､ ノ⌒ |
| | ／ ￣｀ヽ / ￣｀ヽｌ 私もお力添えします。二人で直訴しましょう！
l | ｌ ｌｊ | lｊ l
ヽ |＿| | |
/⌒` ヽ ｌ ﾉ､ ともかく巡察師がオルガンティーノと結託する可能性は、高い───
| ) ｀ ー─ ´ っー ´ ｌ
ヽ__ ／⌒＼＿＿＿_つ ﾉ 京都勢とわれら九州勢のパワーバランスを維持するためにも、阻止するのです！
＼ （ _＿＿＿＿_ ノ ／
>ー───､─ ´
/ ＼ ／ ＼/ ＼
ｌ l ╋ |／＼
├─┤ |､
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
後年のオルガンティーノのイエズス会総長宛て書簡によると、この時カブラルはヴァリニャーノを非難し、またカブラル
とガスパル・コエリョ両名が「インド人を援けるべし」との口実のもと、「『京都地方を訪れることは不要』と言った」という
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿＿＿
, ´//////////＞ ､
／//////////////////＼/ 巡察師。日本巡察が未完了であっても、
'///∠∠∠∠∠∠､///////ゝ─
/イ￣＿＿ ＿ ＜///// ∧ いまは一刻も早くゴアに戻るべきです！
| / __ ヽ ／＿ ＼ ＼////∧
. r‐| / ◎ } }' /◎ヽ , ∨/// }
{ | |／¨ | ´─､ } ｜＿ レ- ､/ ､ ＿ ＿ ＿
､ ヽ r､'ヽ / / } ゞ,:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ノヽ
{＼{ ￣￣ ｀ ─‐ ′/} {ﾉ } ／.:/.:::::::/::/::::::.:.:.:.:.:.ヽム
ゝ＿_ ノ}￣ :＼ ＿＿_ ノ:::| __ノ. {:.:/:::::::::/i/､l:.:.j:.:.:.:.:.:.:.::
r──‐ }:::::::::::::::::::::::::::::::::_::| / ∨:::::／､＿ |:./:.:|:.:.:.:.:::: そうそう。日本のことは私らに
ゝ＿＿ ＼ }::::::::::r‐‐､:::::::／ }:, /| |／ 〈●〉ｲ::.:.|__:ヽ:::
/─／ ' r- }:::::::::＼ ￣ // /ノ＼ .. /! ､_､_,""" |:.:.:.| }:.:.＼ 任せとけば安心だっての！
廴 { , i＼ ｀ ‐- :::￣￣ ／ / /ヽ . /:ﾊ {_ﾉ |:.:.:.|ノ:.:.:::::
{＿ フイ |--｀ ‐- 二二二 ´ // ', ... /:::(｀ ＝ -r-rム:.:.:|:.:.:.:.:::
{＿_ノ / V´ ＼／/ , ..... |:::::ト､ | / | |:.:.∧:.:.:.::::: ぶっちゃけあんたは邪魔なの
｀ ─ ´───── ╋ } } . |:::::::.:.:T7_╋,j |:./ ヽ:.:.:::
＿＿, - ､
. ／, ─── ､)
// / ヽi
|_| ┃ ┃ | ・・・・
（ ⊂⊃ ヽ
>､ ＿＿_ノ ﾉ .nｍ━･~~~
／ ＼─── ´ヽ､ /)- |
/ ＼--／ | ￣|＿丿
| ／ | ||
! / ﾉ |
`iヽ__ノ━━━━ヽ､__ﾉ
ヽ､ |＾ヽ､__ノ
￣￣￣` - ′
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
この時のカブラルとコエリョの態度はヴァリニャーノ自身の述懐からも裏付けが取れており、事実とみて良かろう
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＜京都＞
╋
∠￣＼∩
|/ﾟUﾟ|丿 ＜ かくかくしかじか。九州の連中が、妙な動きしとりまっせー
〜（｀二⊃
（ ヽ/
ﾉ>ノ
UU
＿＿＿＿＿
／￣:::::::::::::::::::::::::::￣＼
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/:::/＼／＼／＼／＼／＼:::`、
..i:::/ ~＼ ／~ ｀i::i カブラルとコエリョめ―――
_i:::i. /⌒＼__j !_／⌒ヽ i:::i_
/_ ヽ i ・ i i ・ i i::rｰ、 ザケんなちくしょー！
.l i i ＝｀ｰｰ', -ｰ-、｀ｰｰ' == / i
{ fj { .} !) }
.∨ ｀ｰ-ｰ′ ∨
--ｰi iｰｰ--
i _,. ._ _,.．- ．._ i
ヽ -'''" "'''''" "'' /
ヽ ／
＞、 ＜
ｰｰｰ------ｰｰｰ´
╋
__
/
/
.,
三三 . / ､＿
,..::≦三≧x 三三 ,.ﾞ 三 ヴァリニャーノ巡察師よ・・・
./三三:ト､三ﾊ .,.' 三三
',ﾆﾄ､}｀´..::::. ',r} / ｀.ー '/ 私が管轄する五畿内には、必ず参られますよう！
' ,ﾄ:'´‐}｀ヽ ﾊﾘ'.,＿_, ' ¨¨ /ー‐---- '
∧ﾍ .｀¨´ } .',ヽ _,.イ-
∧.ヽ ´｀ ﾊ__}/ ,'´ 三三 三
__, -‐ '´ ﾄ,ヽ｀¨ ´ .／― '´ } ｀ _ｰ―‐
‐ '´ '.,ヽ｀.__,ｨr {7 ヽ ¨¨´
｀丶、./ / / 三三 三, ―
三三三三三 ＼＿, ＜ . ＿, ´
.､ ╋ ヽ ｀丶、
ヽ ｀'＜ ￣
､ .｀ 'ー――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
この情報をキャッチした地方長オルガンティーノは「自分が駐在している五畿内へ来訪されるようにと強要した」という
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1581年3月8日、ヴァリニャーノはフロイス随行のもと豊後府内を発ち、同月17日に堺に到着。以後、五畿内を巡り
九州の悲観的様相とは似つかぬ楽観的状況に刮目する。京都では信長に謁見し、安土では協議会を開催する
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
|＿＿＿ 冫⊂⊃､´/
＿＿, - ､ . / ,、 ∧∧ ＼
／, -───､） / ┌!ヽ(*ﾟーﾟ)／）'＼/￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
// / ヽ i . ./ ┌─'└‐┐とﾉ_ノ | 巡察師様。4月3日の復活祭は高槻の信徒と共にお祝い下さい
|_| / ヽ ｜... ′ ￣| |￣∪ノ ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_
（ ⊂⊃ ヽ ,ｨ | | ,ｨ o | |[][]| |[][]| |[][]| i
＼ ＼＿／ ﾉ.... :(ｼ' └' (ｼ∧∧° | |[][]| |[][]| |[][]| |[
／ ＼──－ <. |`j ┌──┐| （,, ） :| ￣ ￣ ￣ ￣
/ ＼─-/ ヽ | .| /|￣[ † ]￣|⊂ ヽ ﾘへへヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘ ヽ
| ╋/ | | /￣ヽ|::回茴茴回| （＿＿,） |_,/_,/_,/_,/_,/_,/_,/_,/_/_,/_,/_,/_,/ / /. ′
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
,.. -ｪ=ﾆﾌﾆ= ､
. //,ｨ^ヾ/ ｀"＾ｰ}
i l l l ｺ ﾍ ﾉ-､ ね♪ 畿内を見ればカブラルがどんだけ無能か、
, -y' ' ' ' ' ｰ〈
-{ 丶 } 巡察師もお分かりでしょう……
ヽ ＼ . ´
` ＞ ‐-r ´
ー---ﾍ｀ヽ ,－､ ＿＿
╋i ｝... （────､ヽ
| 〉. // ＼ | | ああ、そこは分っている―――
| / ヽ l_ |
/ ⊂⊃ ）
!⊂＿＿＿ ﾉ＼
＼ヽ＿＿ノ ／ ＼
/ `───／ ヽ
/ ＼／ i
/ ╋ !
＼⌒＼/⌒＼ ノ
――――――――――――――――――――――――――――――――――
そしてこのときオルガンティーノとの面識を持ち、完全に意気投合したのである
――――――――――――――――――――――――――――――――――
（_（_（_, ヽ
, ─── ､ (⊃＿ ノヽ
┃ ┃┃ /ＷＷＷ ＼ ＼ ｌ ｌ
┣━ | | ｌ ＼ｌｌ／ ヽ/＾ヽﾉ | なにを勝手に、巡察師を追い出そうとしてんだよ九州勢！
┃ | | (| （｡） ∠ ﾉ !
┃┃ | | / （二） / ⌒ヽ | | / そうは問屋が卸さねえってんだ
━╋┓ /| l _ /＼ ＼| ｌ ｌ く
＼＼ ┃┃ |＼/ |/| （＿＿／ ＼ ヽ ﾉ // ＼
＼＼ ＿| ＿└ ヽー`ｰ`─ ´ ／´
☆ ＼ （ヽ ＼ | ￣￣￣ ╋/ ⌒ヽ
／⌒ヽ ∠ ＼＼／ヽ ｌ ￣￣| 二|
／ ／＼ |／ヽ／＼ ヽ_ﾉ ヽ､＿ ヽ＿,_ﾉ
ｌ＿／＼／＼ ／＼／ ￣ ＼ ￣￣￣
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
＿＿
, ‐ ´ ｀ヽ
／..:／.:/ .;ｲ :. :.丶.:.: ＼
〃:.:./ .:./:.:/小:.: ',:.:.ヽ:.:.:. ', バテレン追放令の直前、コエリョが秀吉に西欧軍船をねだられた際の
l:{.:./ .:./-‐:! l ヽ:.‐-:.:.:.＼:.:.!
ｉ:}:ﾊ .:7ｨ=ﾐj:ハ >=ミヽ:.:ﾍヾ、 やりとりを、オルガンティーノが本部にチクっていた逸話を思い出して
､_メ!.:i.:.ﾊ r'_;j r'_;j ∧:.:}:.fヾ
乂;ｲ.:.∧ /ｲ V:.:.| ﾘ 戴きたい―――この両名の関係も、平穏と言えない実態がうかがえる
_／ j/_:ﾉ:.介 .、 ° ,イ:.l:|:..|:.:.:.!
´/:.:,':.:.:j:|:ﾉｰf夭‐ﾍ :j:|:.:ｌ:.:.:.:!
/.:.;ィ7´ｌ:|＼/ﾑﾍ／｀l:| ｀ヽ.:.:i
/.:/i // !| に不こ) !|l /!:.:.i
/.:/| ヽl ｌ !|/〈/ i| ヽ｣ !| !./│:.:.i
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ともあれコエリョは出自がカブラルとおなじポルトガル貴族のせいか、かれの忠実な部下だった
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿＿＿＿＿_
-‐ ´￣￣￣￣￣ ~゛'' ‐-
∠ ／／ ヽ＼
／ﾉ ｛ ｛`ヾ -‐…・・・…‐-ミ ＼＼
／／ ヽ ＼j .∠ 一 `ｰ一' ｀ヽ ヽ ヽ⌒ー
/, ′ 冫z ／ , ' ／ ｀ヽ ＼／／｝ ', /λ
. 〃 i孑 ´ ／ , ′ :.;ハ ノ入_ ノ ,人,' ,′
,' , γ 〆 〃 / / ,､ .:.:.;∧ ∨彡孑 一' / /
. / ／ ／' /／ / , ′ :i ', .:.:.:.:.', ﾏ／.:.:.:.ヽ 〃/
. |' ／ ／ ､〃 /ﾘ ｌ :! ヽ ､ .:.:.:.:.} ﾊ .:.:.:.:.;∧ ｛
ィ／' , ′ /{ 斗七爪｀ヽ!､,| ∨孑廾ト ､ .:.:.:.:.:.:.:.', ヽ
／ , ′ /｛. i／ { ,ﾊﾄ ,､ ﾊヾ ヾ ＼ .:.:.:.} ＼ 八 .:.:.:.:.:.:', ,|､ ……でもなんでまた、九州の宣教師たちは
/ l | / / 〃λ :| , ﾄz竓芹ミx x竓ﾘミx .:.:.:.:.:.:.ヽ | l
,/ | |f , ｲ /∧ |/,! 从 r'乂'! r'乂'､!ﾘ } i .:.:.:.:.:.:.:.:l | ', 京都のオルガンティーノとヴァリニャーノ
|'冫/ ./i / ,ﾊﾄ 八ヾ ∨ツ ∨Ｚツ } .:.:.:.:.:∧:ﾘ i
λ∨ / .|' / 从 ' ト ヽ ' ｲ / ! .:.:.:.:ﾉ }:ﾊ ! 巡察師の接触を嫌ったのかな？
{/i ', ,′冫 ﾉﾙ' { | ハ, ,､ ｡ ﾙ ′ / .:.:.〃 ﾉ' ′|
' ﾏﾍ ｛ //)イ ', ﾄ ! 个o｡ f' i / / 彡 .:.从′ / /
｀┘ｊ 〃 ヽｊヽｿ／｀ヽ_ / ﾄ ＜〃 ノ .:.:ノヽｊ / / その二人が意気投合するのは、あくまでも
/ { f.､ / /`Y´￣ﾉ'´ﾙ'r‐､ ｰ=彡ｊ'/ / /
. ｲ ,. -‐一' ﾊ / /γYヽ, -‐´=＝ﾆ＼丶 く_／ 日本で接触してからのことだよね？
|' ／: : : : : : ヽ , ′/ノ /〆´ f : : : : : ヽﾉ丿
l| /: : : : : : : : : 冫 ´￣ ｝｀ヽ,/: : : : : : / /ヽ
｛| } : : : : : ／´7 '`ｰ-┐┘‐-┐､ : : : / /: : : ＼
,' ｝ 冫 : : ／／/ ‐-｛ λ ￣ ノ: : : : : :∧
/: . /: . :/: .;ｲヽ: . ＼: ＼: . : . : . : . ＼: . ヽ:::::ｲ-
/:/ /: . : j: . | | ＼ . :＞:‐＼‐:‐:-: . : . ＼: ｷ;;／二ヽ、
,: /: ,′: .:.|: .:.| | `く . ,rテ气ﾐ､┬i- ､: . ヽ:':;;;;;ﾆ二:ヽ
j/ｌ: .|: . : .:.| ,斗1 Ｙ.Ｖi ::: レﾄj: |) }＼: V::::::｀ヽ ヽ', 服装規定を契機に、九州と京都にカブラルとオルガンティーノ
|! |: .|: . : .イ ,.rテミ V､:::_ ｿ |:.| ノ: . :ヽj.:i::/i:ｉl ',
|! |: .|: . : .小〈.Ｖi: ﾊ `ｰ '′ |:.|::::::::::::::〃!:l::ll の個人的確執を越えて地域対立が生じたのは、すでに見て
l! |: .|: . : . }小.弋zﾝ xww j:.j::::::::::::〃!:l::l
ヽ:j: . : . ﾚ1ハ wx ' _ ., ,.ｲ|:.|ヽ::／l:i::';:l:ｌl きた通り。それに加えてこの時期には、信徒獲得の成績に
丶jヽ: /|:.|!: i＞、 ／ |:.|-┴ ､';:ヽ:ソ
ﾉ ヽ/ |:.|｀ ー .ｧく ／|:.| /＼ “地域格差”が生じていたのが、主因だと思われます
_ノ |:.| / |:.| ／
人 ｜ グラフで比較するとそれほど差はない
｜
├ むしろ九州の方が高く感じられる
｜ ┌┐ ┌┐
｜ ││ ││
├ ││ ┌────────────┘│
｜ ││ │┌────────────┘
｜ ││ ││
└─────────
九州 京都
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
＿ __＿__
|r‐' ∧／ヽ__, ｀ヽ、
|| (/ ｰ' ､__ー┐:.
(⌒ﾝ ｉ⌒ (￣｀ヽ |__j
(⌒i ハ _＿ _〕ー'′ ６）
r‐―┤ ＼ { ヽ ￣￣￣l {
「ﾆﾆl ! } ＼ ＼, -r― ､/ ｜
ゝ二l＿＿_ハ 「＼_ { / r'__／}
l `ー… ¨￣ゝ､＿＼＿_ﾉ＿_,.へ、
ヽ / __ /
＼ / ╋ ／{｛ ｛
､ ＿ ＿ ＿
ゝ:::: '´::::::::::::::::::::::＞ ､
/:::::::::::::::::::::::i::::/､::::::::::::ヽ、
〃::::::::::::::::::::::|::/ ∨::::ﾍ::::＼
ﾚ:::!:::::::::::::::::/|/､＿ i::::|::::∧￣｀
ノ::::|::::::::::::／ /,.-‐‐,||::.|､:::∧
´￣i::|::::::／ ｀‐-‐'|:/ノ:::::∧
,:::|::ﾍ r‐-､ |||!:/:::::::::::::::ﾍ
/:::|:::::/⌒l ｀ﾆ｀, イ／ ::::::::ﾄ､ ﾍ
/:::::|::/ / .|三/ /／￣ヽ:::::i ヽ
/:::::::|::| l ヾ╋ / ヒ二彡,:::::|
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ぶっちゃけると九州の布教は多事多難だったのに対し、京都の布教は旭日昇天だった―――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
､ ＿ ＿ ＿
ゝ:::: '´::::::::::::::::::::::＞ ､ {
； /:::::::::::::: :::::::i::::/､:::::::::::ヽ、 ；
〃::::::::::::::::::::::|::/ ∨::::ﾍ::::＼
ﾚ:::!:::::::::::::::::/|/､＿ i::::|:::∧￣｀ ｶﾞｸｶﾞｸ
ノ::::|::::::::::::／ / 〈●〉|:::.|､:::∧ ;
´￣i::|::::::／ ､_,､_, """.|::/ﾉ::::::∧ オルガンティーノのアホは、巡察師とはヘタリア仲間……
. |::|／u. { } _ l/::::::::::::::∧ {
；: /:::lr'⌒)､ ._￣_ (´ j___:::::::::::::ﾍ 意気投合されて、私を潰すため共闘されたらヤバい。妨害せな！
ｶﾞｸ … /:::::/ヾ三} ｌ＿__/{彡'´} i::::::::ﾄ､ ﾍ ；
i::::::|ｌ ﾉｌ |╋//| l ,ｲ::::::| ヽ
; |::::::| ゝｰ' ∧! //∧＿_j/ l::: ::| ;
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
=ニ二二ニ=
, -―- 、
/⌒Y / ､ ﾍ ヽ
. ,ｲ /l i!_/iハ!Tﾄi､ N. |
i/! i /! | l/r=､ r=､i/.!ハ! ﾌﾟｷﾞｬｰ
iハi! ﾚ‐ﾄ､''┌┐''ﾉﾚj.i! i! あ、なるほどね。そこで翌年夏の「ヴァリニャーノ巡察師と
i! i! l ‐､ﾉ)ｰ＜_ i! i!
i! i! .`ﾄ.ｲy 〉-､:i、i. i! i! オルガンティーノの接触妨害」って話につながるわけか！
i! |`ｰ '￣ ::::::}| i!
i! |:::`ー:::::::ｰ'.| i!
./:::i三｀ー' _ﾉ
/:::::::`ー'￣ヽ
/rゝ_‐-.､ ｲ .ィ
乂r::::__ゝ＼ |ﾚ' /
_ .. -─'── - ､ rｰ..､|' /ｰr-ｫ
' ´ ＼::!::V:::/ |:_j___
／ ::::::ヾ:::l /／／ヽ::ヽ
' / ヾ::::::V/∠ __ |::/
/ ｲ ｨ' ﾄ., V !::::::ﾄ///´｀ヽi'
/! _/_|__./ ﾄi j __ゝ ＼ |/l ﾊ/⌒i カブラルは日本布教長なので、京都の功績も彼に帰すると
. / ' / /j_.| l｀ |ハ.ヽ. `., V /::|
/ l l ﾒi" |/ ＼ヽ_ゝ_ ヽ,. ＼|_ 言えなくもないし、九州も不利な条件下で健闘したのは事実
i l |: .| __ ＼|＼ﾄi|＼ ハヽ ｵﾙｶﾞﾝﾃｨｰﾉ
| ﾉｲ | ｯ==ﾐ ‐___ ｜､＼ /:: i|ヾ! ) なのですが……宿 敵 が絶好調というのが大問題で───
(_／ | ハ :::::: "￣ヾ | |ﾇ,ﾚ/l:::: ｲ.ノ
/ ﾊ-ゝ ′ ::::::: | ﾚ'l::/!:::/::j
､ _,j／ ' ゝ. ｀ ´ . イ＜ ﾋ-―_フ
,` r ´ - 、| |
_／ ;; i ／" i |
_,.--イ ; ﾚ;´ _,.|ﾉ 、 __,.,
,ｲ l ;,'' ／ ヽ. i
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カブラルにとっては宿敵の支店長にくらべ、自分直属の店が見劣りする中で本店の査察が入る状況。これはピンチだ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
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それもあってかカブラルは「日本の布教の未来は、きびしい」という、悲観的な報告書を欧州に送っていた
果たして1574年7月、ヴァリニャーノ巡察師は東洋赴任の船旅の途上、モザンビークでカブラルの報告書に接し仰天する
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|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.＼
| .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: .:.:∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＞
ト.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./_ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:〈
／ 〉 .:.:.:.:.:.:.:.:.:/ ｀ｉ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. はっきり言おう！
. 〈／ 〉.:.:.:.:.:.:.:.:./辷＿ﾚ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}
. 〈 ／ 〉.:.:.:.:/ .:/ ん ﾊ.:.:.:.:.:.:.∧.:.:.
`＜ィ .:.:.:/ ﾚ' 弋ンん.:.j.:.:./ V 日本のイエズス会は、没落の危機に在る……
| .:./∨ `ｰ=彳.:.:/|.:/ /
|.:/ ￢ ｲ.:.:/ '′
|:′＞─=≦.:.:.:.:.:.〈
|／ / ＼.:.:.:.:.:.:.:､＼
／ ヽイ ＜⌒ 〉.:.:./.:.:/⌒
. 〈 ／ 〉､ / ﾚヘ/
〈 ／ 〉 ､ /
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/≦ ヽ≧ ≦三三 ＝=-
{ l l -ｧ, =- 。
{ .l l ｧ, ≧=- 。 ←
/ l l≦｀Vヾ ヾ ≧
l ---l l-- -l l
| ｀^^ ｀^
┌────────────────────────┐
│ ショックのあまり、若き日のＡＡに戻ったヴァリニャーノ ...│
└────────────────────────┘
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
カブラルの1572年9月29日付書簡、ついで73年9月8日書簡でその「悲観論」に接したヴァリニャーノは京都で
オルガンティーノに出会うまでの期間、カブラルの「悲観論」に、強い影響を受け続けることになる……
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
､ ＿ ＿ ＿
ゝ:::: '´::::::::::::::::::::ヽ､
／:::::::::::::::::::::::::）└::＼
/:::::::::::::::::::i::::/ヽ::⌒::::::::ヽ、 まずは喫緊の課題として、宣教師の増員が必要
〃::::::::::::::::/|:/､＿ヾ::::::::ﾍ:::::＼
ﾚ:::i:::::::::／ / 〈●〉;:::|、:::∧￣｀
ノ:::|:::／､_,､_, """i::::|ﾉ::::::∧
/⌒ヽ_/ﾍ ゝ._） j /⌒i:::::::ﾍ
＼ /:/::::ﾉ＞,､ __, イァ/ /::::::ﾄ､ﾍ
. / /／, ヾ |三/ {ﾍ､__∧::::::i ヽ
｀ヽ< / ヾ╋ ./ヾ__彡':::::::|
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：,.:::''::´::￣::`:::.、：
：／:::::::::::::::::::::::::::::ヽ：
： /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}：
： l:::::::::::::ゝ－－－－ ι： 「（カブラルの報告に接するまで）日本からは、ただ、良いことだけが報告
： |::::::::::::） ◯ ○ （：
：,ｌ::::::::::::η Ｕ|||||||U ゝ： されたからヴァリニャーノも、日本を輝かしい初代キリスト教会のように
： ゝ---η. ||||||| ゝ：
： /≦ ヽ .| | ≧： 考えていた」（日本までヴァリニャーノに随行していたロレンソ司祭の述懐）
： { l l |* *| | l：
： { .l l .| † | .| l：
：/ l l | * | l l：
：l ---l l-- -l l：
：| ｀^^ ｀^：
,ｨz=ミ、
rl fﾑ>〉::::} っ っ
j｣ ＿ _〈勿くこi っ っ
＿ 斤夭f批｀}_)￢＜_ノハ 〉 ともあれカブラルの要請に応えよう！
〔_7 7{ f⌒ヽ＜ﾆミｰ个z≦升/
/i/ィ.人 / ￣｀ヾｱr‐'￣￣l__ 日本向けに増援の司祭を送るんだ！
_r≦ニ∨/f∧Vな≧{ /＞ ミ辷ノ r――こi〕ト,
/∠V⌒7 /｀ヽ l ﾄ毛vﾉ __l-（ ＞--ィ＼三ﾆ三ﾄ､ﾊ
{ｲ{ 〕C// 〉ifﾊ (⌒Y´`{/=)ﾆ≧ニニ{‐{≧===ヽ} 〉
. Vﾄ个-く ｼｲ/｀fこrヘ>ｲ＝＝〉⇔ﾑV{斗z∠ ﾉｲ/
`＜ニ＞ ' ｀ ー==｀ ー‐＝＝＝' ＜ﾆﾆ＞ '
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
かくして1575年4月に3名、翌年13名、翌々年9名と、ヴァリニャーノ来日前に宣教師増員が図られた
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
あげく、ヴァリニャーノ来日時にはあべこべに「『養えないし、これ以上イラネ』になってしまった」と、いうのだが……
奇妙なことに1577年9月1日付の総長宛書簡を読むと、増員を得たにも拘わらずカブラルはなおも不足を訴えている
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿＿ ＿,
, ＜::::::::::::::::::::::::ノ
／::::::::::::::::::::i::::/::::::＼ . 人
／::::::::::::::::: :::::::|::/ ヽ:::::::ﾍ ｀Y´
／::::::::::::::::::::::::::::/|/､＿ }::::::ハ 今この国で不足しているのは、日本語のできる宣教師ですよ！
´￣ |:::::::::::::::::::::/ / 〈●〉ｌ小N
. /:::（|:::::::::／､_,､_, "" lｉ|ノ
/:i:::::::::::／ ﾉi|ﾄ､ なお総長猊下の良きご指示のおかげで、日本にも聖職者の養成学校が
. /::::|::::／ x＞､ __, イｌ:::::|::ﾍ
/::／|´::ｌくﾐヽ ﾍ三l ﾉi::::::ｉ::ヾ 建てられるまでに漕ぎつけました。大友の殿様の協力も取り付けたし！
. ／::::::|::::|( ⌒ ) ╋ ／ ( ⌒ )
-､
（ ヽ
ヽ,_ ＼ ､ ＿ ＿ ＿
/ﾞi､｀ﾞ""ﾞヽ ゝ:::: '´::::::::::::::::::::ヽ､
/ ｀'i ﾞ､ ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ とにかくデウスの説法をもとめる諸国の需要に、マンパワー
l, _／ヽ .入 /:::::::::::::::::::i::::/ヽ::::::::::::::::ヽ、
ヾ､ ／ .ﾉ 〃::::::::::::::::/|:/､＿ヾ::::::::ﾍ:::::＼ が不足して応じられません。100名でも足りません。
｀ｰ'く ／.＼. ﾚ:::i:::::::::／ / 〈●〉;:::|、::::∧￣｀
＼＼＿ ノ:::|:::／､_,､_, """i::::|ﾉ:::::::∧ 京都にも増員が7、8人は必要だし、大村の地でキリシタン
( __ノヽ__/ﾍ ゝ._） j /⌒i:::::::ﾍ
. ＼＼ | l ＞,､ __, イァ/ /::::::ﾄ､ﾍ を十分育てるには30名は必要なのです
/＼＼ | ヾ |三/ {ﾍ､__∧::::::| ヽ
. ｀ヽ<＼＼ ヾ╋ /ヾ__彡'::::::|
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
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o
＿＿
＿__,. ＜ ＞ 、
／_, ／ ／ ｨ ﾊ ヽ ､fj＝ミ
. ≠フ. /ｨ / ./// j/ ', ﾄ, ', ﾟ , ヽ＼
-=彡' 〃 l , /ﾚ'r匕 ト-V∨ ∨ .∧ヾ、 あれ？ 言ってることが、「聞いてた話」と違う……
_／=‐ｨ>' ∨}' ◯ ◯ }l ﾄ,',、 ',
／>' ! , /| ,,,, ,,,, ﾘ|/ |Ⅵﾍ｜
. ／, ' |ﾊ i {.ﾄ､ ,. ィi| ,' ',ﾊ j
∨ //.Ⅵ ,r≠≧=号＝≦ﾚﾚ' j/|:i ',ﾊ
. // ヾ,'::{:::::::}==大==}___,.r-､ Ll |::|
|:| {:: i::::::::∨/|l＞i´ Y{ } |:」
ヽ_,. ィ:::::::i:::::::::::￣:i:::::| ./∧ｲ
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さよう。カブラルは、日本人への教育にしろ宣教師への日本語教育にしろ、当初から否定的だったわけではないのだ
「日本史」第一部112章は、増援司祭に日本の言語・習慣の教育を手配する、カブラルの迅速な手腕を記述している
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿＿
, ‐ ´ ｀ヽ
／..:／.:/ .;ｲ :. :.丶.:.: ＼ それも彼個人ではなく、イエズス会としての方針だったことが窺える
〃:.:./ .:./:.:/小:.: ',:.:.ヽ:.:.:. ',
l:{.:./ .:./-‐:! l ヽ:.‐-:.:.:.＼:.:.!
ｉ:}:ﾊ .:7ｨ=ﾐj:ハ >=ミヽ:.:ﾍヾ、 加えて「悲観論」とはいってもそれは信者の増加にいかに対応
､_メ!.:i.:.ﾊ r'_;j r'_;j ∧:.:}:.fヾ
乂;ｲ.:.∧ /ｲ V:.:.| ﾘ するか、という話。“成長企業”の、贅沢な悩みというべきだ……
_／ j/_:ﾉ:.介 .、 ° ,イ:.l:|:..|:.:.:.!
´/:.:,':.:.:j:|:ﾉｰf夭‐ﾍ :j:|:.:ｌ:.:.:.:!
/.:.;ィ7´ｌ:|＼/ﾑﾍ／｀l:| ｀ヽ.:.:i
/.:/i // !| に不こ) !|l /!:.:.i
/.:/| ヽl ｌ !|/〈/ i| ヽ｣ !| !./│:.:.i
' / /::: ,.ｲ ::: / |:: /´ | :::|! ::::: |＼:::
.| ' / .'.::... / !: / |:::! !::::ﾊ ::::::|:::::＼::::
.| | ::!:::::| ::::j -‐|‐|─ ﾄ::| l::::| -‐─ヽ--ヾ::::
i⌒v::::|! ::|::::::ｨ:´::| |: | |:::| ゝv ゝ:::::ヾ::::::ヽ とはいうものの。カブラルが頼みの綱としていた
| v ::| i: l ::∧:::::| V -- ゝ ＼ __ ＼::::＼
| |:::|:: !:::l:::| ヽ_:l _ ＿＿ ＿＿`_ー 九州のキリシタン大名は、戦国末期の苛烈な
| | ::ﾊ::ij:::ﾊ::!イ`弋ゝ-'フ｀` ´ !ノ__フハ
| | :::|:V:::::::ヽヽ ￣ ｀ ´ 政情の渦中に在り、ピンチの連続でもあった
, -v ,イ V::| ::::::ハ::＼ ::::::::::: ,. ::::::::::::::
, -<. `| ` ヽ| :::/ゝ∧`´ <:i
, '⌒ヽ ヽ ヽ ヽ/ﾍ/::l!
! | | -.ﾊ V|!:::∧
l ｰ| | r ﾄi_ﾉ ゝ |:|:::|:::,.＼ ´ ｀ . イ
| 人 i´ﾄ l_ﾉl ﾉ/:::j:/::|::::ゝ.､ イ:::: |:::::
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カブラルの「悲観論」は、実は九州におけるキリシタン大名の栄枯盛衰を抜きには、語れない―――
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カブラルが後ろ盾として頼っていたのは、1563年に洗礼を受けた日本初のキリシタン大名・大村純忠であったが……
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,. : ´: : : : : : :｀丶、
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ノ三三三三≧ｭ ＼ﾉ
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}r｀， 〈 ’} ‐- Y＾ヽ
′/ 、 ｀ ´ f.〉|
{ _..≧=＝==ｧ ､ /{
' ｀_-⌒― "´〃 ┌ 丶
{ ｀ - ′ ‐〈
､ヽ __ ／.: : : :_｣≧==ｧ‐-. . ＿
|｀ｰr--‐￢冖:´ : _:-‐:ｘf}}㌢"´: : :／＿ -≧=- . 、
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／- ´: _／∠: : : :ｘf}}㌢"´: : : : : : : : : : : : : : : : ／: : : : : : : : : :＼
/: : : :∠╋_／:,ｨf㌢´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ／: : : : : : : : : : : : : : ＼
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───── ‐ ─ ── ───── ‐ ─ ── ───── ‐ ─ ── ───── ‐ ─ ──
ﾊﾞﾊﾞ ﾊﾞﾊﾞﾊﾞ ﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ
ﾊﾞﾊﾞﾊﾞ ∧＿,∧ ﾊﾞﾊﾞ ∧＿∧ ﾊﾞﾊﾞﾊﾞ
∧＿∧ﾊﾞ( ´・ω・∧＿∧ (・ω・｀ ) ∧＿∧
（´・ω・）＝つ≡つ);;)ω(;;(⊂≡⊂＝（・ω・｀）
(っ ≡つ＝つ (っ╋⊂) ⊂＝⊂≡ ⊂)
/ ) ﾊﾞ∧＿∧｜ x ｜∧＿∧ ﾊﾞ ( ＼
( /￣∪ﾊﾞ ( ´・) ∪￣∪(・｀ )ﾊﾞﾊﾞ ∪￣＼ )
ﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ/ ) ﾊﾞﾊﾞﾊﾞ ( ＼ ﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ
ﾊﾞﾊﾞﾊﾞ `ｕ-ｕ'. ﾊﾞﾊﾞﾊﾞ ﾊﾞﾊﾞ `ｕ-u'
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
最初の開港地 横瀬浦はかれが改宗した年に敵の手で焼かれ、大村純忠は周辺諸侯からの攻撃を、一身に浴びた
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1572年には大村の居城が松浦、後藤、西郷家の連合軍に囲まれ九死に一生のありさま。長崎も深堀家に脅かされる
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_ -――- ､
／ : : : : : : : : : :＼ っ
〈:_ - ﾆ 二◯二二｛ っ っ
. }､´: : : : : : : :_;_;_;_;〉
} ヽ-=‐_￣ =-‐ }__r-､__
_（(｝ _｀‘'"､ {‘'" ﾏ ﾏ厶:｀＼ ／─┐ 俗にいう「三城七騎籠」の籠城戦で１５００人の寄せ手
／三 | ´,ィ 三ｰ '三= }ﾑ ｰ ': : :∧.... ＼─┘
. ／´: : : :-ヽ ⌒´ ﾉ:| | : : : :V: ∧ を援軍が来るまで約８０人で持ち堪え、勇名をはせる
. /: : : : : -‐ : : ≧=- r_ｪrｑ ´ : :| |: : : : r┐:∧
′.: : : : : : : :/´: : rf七r=┘ : : :| |: : ｢|:|-|:}: :ﾑ （ただし衰退も余儀なくされた）
|: : : : : : : : :/ : : :/⌒ｰ}}う┐.╋:| |: : ０:◯{: : :ﾑ
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. ,': : : : : : ＼;_;＼.: : : :_＞‐ ´: : ://.: : : : : : : : : : :}-く
{: : : : : : : : : : : ￣￣: : : : : : : ://|: : : : : : : : : : : :| 〉
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＼
＼ ギャアアアアッッ！！！！ .＼＼ ヒィィ
.＼ﾁｭｰﾝ ＼ ＼ ＼
＼ ＼ .＼ﾁｭｰﾝ ・ ∧_∧ .＼ﾁｭｰﾝ
・ .＼ﾁｭｰﾝ ＼∧＿∧ （・∀・； ＼＼ ∧ ∧
＼ ､,.λ∧ ｹﾞﾌ ・ ´Д｀；） i i’)) ＼ (；ﾟДﾟ)
ｸﾞﾎﾞｱ,,, ､,.,,,,.,,,） ノ・;;(#ﾞ;;0ﾞ),,, ∴､／ ／ ､ノ⌒;;,､,.､,. （､.,,,.,,.,,つつ
＜@;;, (ﾒ_;;｡#)@;;';;@）（@∴U(ﾞｐ;`;,)ξ;,と@;, (､0;'｡#)っ@）~ と´#;;ﾒつ#!i;-ﾞ)っ
"'`''"";""ﾞ'";;'""∵""''"""ﾞ'" ~;ﾞ`'ﾞﾞ;''∨"" "'`;"""∵∵`'
＜1577年＞
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
／ /
__ ＿__ ／__ /
.γ ／ ｀ヽ{ ‘, .／
_／:. ∨ ﾉ .／
{:i:i:i:. :i:i:i:i:i:. 〈 ／
／／ ｀ヽ { ／
{ {フ }／ 大村君。君の強敵だった松浦と後藤は
／ ゝ人＿＿___,，' 〈
__ ／ ∧ ー ‐ ノ￢=x 僕に降ったけど、キミはどうする？
冖 ^＼＼ x≦ ≧=- ―― イ＿ ＿乂＿＿__
___〈ヽ ＼ 〉ﾉ┐ <三三二二彡 ／ ‐＝=‐＼
r￢⌒ ^＼i:i:i:i:i:i:〈/ ―===彡 ＿r======ミx ｰ==ミ 〉
〈 ヽi:i:.,/ ／ ヾ｀ヽ / }
__／ ヾ三ﾆ=- ｀`‐―‐- ,_/ ) }i }＼ ,
rx￢ ／ ⌒'＼ 丶 __ 〃ミ=- ／ }i } } ′
∨〉__／ Ⅵ＼ ｰ===-‐ ｰ=彡.}i } } /
}i:i:i:i:＼ ヾ / / / ／
{i:i:i:i:ﾉ ≫x ‐=ﾆ三ﾆ=- __／￢￣/´
＼<二ﾆ== ≧=---￢冖⌒￣⌒ 〈
/ 〕ト ー=====― ｰ=彡 >
,′ ≧=――――――=≦￣}
., =- -=ﾆ二二二二二}
.{=- -=ﾆﾆ二二∧
Ⅵﾆ=- -=ﾆ二二二二',
Ⅵニﾆ=- -=ﾆニ二二二二二ヽ
/丶ﾆﾆ=- -=ﾆﾆニニニニ二二二二＼
, ′ ＼ﾆﾆ=- -=ﾆ二二二二ﾆ=- -=ﾆ二二|
／ -=＼二二二二二二二／ -=ﾆニニニ二二|
.／ -=ﾆニニ＼二二二ニニ／ -=ﾆﾆニニ二二|
/ -=ﾆニニ二二＼二二二ﾆ{ -=ﾆﾆニニ二二|
./ -=ﾆニニニ二二二＼二ニﾆ{ -=ﾆニニ二二二/
龍造寺隆信（1529 - 1584）
肥前の戦国大名。怪力無双の肥満体で、「肥前の熊」の異名を持つ。島津・有馬の連合軍に敗れ戦死
（演者 ： プーさん ＠くまのプーさん）
,l|||||||||||||||||||||||ll
|||||||∧＿∧|||||||ll
|||||'（； ´Д｀）|||||ll せがれを人質に差し出しますので、ご勘弁を……
|||||（ つ .†つ,||||ll
|||||||,〉 〉 〉,,||||ll
lll|||,（_＿）＿）|||||ll
↑
純忠
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
さらに佐賀の龍造寺隆信が勃興。フロイスから「カエサル以上」と評されたその用兵で、純忠を従属に追いやってしまう
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
いっぽう島原の有馬義貞は、実弟である大村純忠を通じて改宗を打診してきたのだが―――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
/⌒ ＞ ￣ ＼
{ ィ´ ｨヽ.
ーァ´ ｲ ,,イc0c｀ヽ､_} ﾊ
_ノ //／ﾆ ７⌒ﾏニｰ､ミヽ ＼ ヽ
７ ﾊ{´ﾆ(¨ﾏ{ し_ｊﾆｊ /´ｲニﾟ≧}､ ＼ 弟・純忠の宗門と、信頼関係を築きたく思う
/ ｊ ムｭ､ヽﾆ＼ヾｰイノニニニノﾆｊﾊ ｌハヾ､＿ﾉ
ｊ/ ｊ l厂ﾟ7ィ⌒ヾ≧≦ィ´ ヾﾏニリ | ! わが領内に、イエズス会員を派遣して欲しい
ゝｰイﾊイ i|ト､/ / ｊハﾆﾆハト､ヽ､_Vﾊoﾆｊ ﾄｊ
ヽ{ﾊ ﾚ|!ol!Vイ彡／ Y ヾ_＞チ{ﾊ lj ﾏゝ,ｲ ｚｧ‐,
ﾉ7从|! |ｱ‐ｚ三ﾆ｀ {ｊ ´z,,ｔｫﾄャ} ﾘ_ｿ }从 ≦三ﾘ |
八ヾﾄ{ ´7~､芯ト ヽ ´ ゞ-'^_ﾉｿ 八 ≦三三三ｊ ｌ
ゝ､ﾄ ヽ ﾟ¨ :i イノ三三三三三７ ｊ
／ ヽ ､! , / ｌ三三三三三三' /｀ー_
／ { ＼ ､＿ __, / {三三三三三三 ｲーミ＼＞ ._.
-―'￣／ /ヽ ｀ ､｀こ｡´ ／ｲ ゞ-＝＝ﾆ三三/ } ヽ ヽ
＿/￣ ﾉ' /｀ーﾍ ＞z､ ｨ { ｀ヾ/ ,イヽ ! }!
」７´ zｱ=ｲ／ / ハ ﾉ/ ハ ヽ ﾉ / /ニoﾑ ﾘ ｊ
r彡´ノ ／ノ{ /{ ／ { ｌ i ｊ/／ ヽ' / ／´ / /ニニニｌ / l!
_イ=≠イ ハ ! ｲ| ｌ ﾊ ! ｊ ＼ / ／ / /ニニニニ /
ｊ7／ ゝL＿ｲヽ {! l! ｊ ﾑ し ヽ, ノ ｒ‐´ ｲ ﾉ ﾑニニニﾆ| /
´７ ヽ_// ﾏ| } ! ﾟヘ ｲ ／ ムニ/ ヾﾆ! /
有馬アンドレス義貞（1521 - 1577）
有馬晴信の実父
（演者：クシャナ ＠スタジオジブリ）
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
､ ＿ ＿ ＿
ゝ:::: '´:::::::::::::::::::::ヽ､
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ ｳｰﾝ
/:::::::::::::::::::i:::::/､::::::::::::::::ヽ、
〃::::::::::::::::::|::/ ヾ:::::::::ﾍ::::＼ （でも純忠殿に、「生命の危機があるから棄教すべき」と勧めたことも
ﾚ:::!:::::::::::::/|/ ､＿ i:::::::|、∧￣｀
ノ::::|:::::::::::/ /. 〈●〉:::::.|ﾉ::::∧ あると聞くし……ポルトガルとの交易目当てかも？ 要警戒―――）
´￣i::|::::::／ ､_,､_,"""j::::/:::::::::::ﾍ
/:::|:::::/⌒l _ _, イ／ ::::::::ﾄ､ﾍ
/:::::|::/ / .|三/ /／￣ヽ:::::i ヽ
/:::::::|::| l ヾ╋ / ヒ二彡,:::::|
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ようやく1576年に受洗が実現したのもつかの間、有馬義貞は一年もたたずに、癌で死去……
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
.＿
＼ヽ, ,、
`''|/ﾉ
.|
＿ |
＼｀ヽ、|
＼, V
`L,,_
|ヽ､) ,､
/ ヽYﾉ
/ r''ヽ、.|
| `ｰ-ヽ|ヮ
| `|
|. |
ヽ、 |
＼ .| /⌒ヽ
＼ ／ /⌒ヾ,_
／ ／ ｀ - _
/ ／ , ─-､ , ─-､＼
/ / 〃⌒ヽＹ/ ⌒ヾ l
/ / ∪ |
| | ⊂二￣￣| |￣二⊃ l
| L＿＿_ 二'-J ﾚ‐′＿ノ
| | 「l iｺ ￣ー￣「l |
───── ‐ ─ ── ───── ‐ ─ ── ───── ‐ ─ ── ───── ‐ ─ ──
＼ 殿の死は神仏の懲罰！／
<ﾊ>., -卍 <ﾊ> ､_ __
/ l/ r , ﾍ i､. ゝ ヽ っ
| lノi ﾉ)ﾉヽ.）l. ｲ i ｲﾉﾍ)ﾘ ゝ っ
| [ii]0 ﾟ ロﾟﾚ' | ＝つ≡つ. ﾉ i廻._廻|i. ゝ
/ っL_) 〈〉(_」≡つ＝つ ｽ/〈╋i〉iﾊ ゝ
（ /. く,_/i_iヽ> ）... でん!-!-ゝう
. V ＵＵ V. （_ﾉ ヽ_)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
彼の葬儀をキリスト教式に行うことを主張したカブラルは仏僧からの激しい反抗と非難を受け、有馬家は暫しのあいだ
仏門とキリシタンの内紛状態に陥る。後継者の晴信が政治的思惑もまじえて受洗するのは、1580年3月のことになる
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そんな中、イエズス会員に最大の歓喜をあたえたのは北九州のラスボス・大友宗麟の改宗であったが……
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿ ,.-::……::-.､ ＿ _,,, _
_, . :::_´;;;_:::.:.:. :.:.:.:.:丶:::. ヽ‐- .、 ,:彡＞''｀ ‐＜ミゝ､
. ,.ィ::´::::''::´:.:.:.:.:.:￣｀:-..､¨“''‐､ヽ、ヽ: :）. ,.ｲ//,ﾞ ﾟ- ､ ヾﾐミ｀ﾐヽ.
. ／:::::::;;:::::-:.:.､:.:.:.:.:.:.:..:.:.:::::.｀:.:..､_｀二´イ /´彡,'ｿ _二ヽ ｀ヾﾍ;ﾊ
. /::::::::::;;;;:.:.:.:.:.:.:.:.¨“ヽ￢‐ .､:.:.:.:.:.:.:ヽ. i/彡ｿ,／{:乞>ヽj_,∠._‐- .Y .ﾘ
; ::::::::::.:.:.:.:.｀:..､._:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、 .｀ .､ :.i´ヾ､ v' ,Y ｀“＝ｲ !::::::..ヽ_,ﾞﾉﾘ
i ::､:::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀:.､ﾞ' ､:.:.:.:.:.:＼ .＼_..ノ !({ :. r''"´. ゝ･.，!｀“''" l,ｿﾞ
,':::.:.:.ヽ: : :_＞ ､:.:.:.:.:＼ ｀ヽ:./´.ヽ ゝ.j :. ｢ミぇx.、 ヽ.. /ｧ
. ,':::::.:.:.:.:.:.: : : : : ',.｀ヽ:.:.:.:‘， ｀ｰ-'ﾞ /:: :. ヽ::::::::::::≧ｯ' ;ﾞｿ
. ,ﾞ:::::.:.:.:.:.:.:.:. : : : : :', .ヾ､ ﾞi _ {{ ﾍ. :. ::..｀“''ｰ'''" /´
!:::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : : : : :.i´:.:.:.:｀¨ ｀ヽ´: : :二＞‐- ．_ _i'ﾞ.ﾍ、::ヽ::.. ｀ ::'. ,'
!:::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : :｀;.:. : : : : : . ‘，:ヽ、,r‐､''“¨ ｀''‐ヽ、.＼:.:.:.≧:: ．．イ
. i::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : !:.:.: : : : : : : ', : : :￣:.:.i _,, -─ ≧x--‐==彡ヽ.._
八::.:.:::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:: :, ｲ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..i : : :.:.:.:.:.} ,∠、 i'.├--‐ '':.´: : : ｀ 、
｀ ､:::::::.:.:.:.:.:.:.:,:.:':.:.:ゝ､::::.:.:.:.:.:.:.:.ノl : : :.:.:.:.:.! .i .ヽ l: : : : :. : : : : : ,,ヽ-‐‥＝､- ､
｀ ､_ :.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:,;ﾆ_'''''“´:｀ヽj:.: : : :.:.:.ゝ_ﾉ- '' ´:‘， .l:γ'': :“ ¨ ￣ ｀ .､:.: : : : : 丶. ＼
ヽ.￣¨¨¨:.:´:.:.: : :.丶:.:.:.:.ノ::}::.: : : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.} ,'.,': : : : ゝ､:. : : : ﾞ､ ヽ
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ヽ、::::.:.:.:.:.::::／::.:.:.:.: : :::::.: : : : . . :.:/ ／ ; : : : o ﾟ ｀ヽ: : :. l､
｀¨¨¨¨´!:::.:.:.:.: : : : ::::.:. : : : : : : . . .´‐''´ .; : : : . .,ﾊ : : 八_ ; .ヽ
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';::.:. : : :.:､: : : .ヾー-.､-─,一 '' ´,..:. 丶: : : : : : : : ::c::: : : : :／:::{ : : : : . ﾞ; ﾟ,
';:::.:.:.:.: : ｀ｰ+-ヽ: . :.ゝ: : ´ :' ｀ｰ｀' :､: : : : : :: : : :.／' :.:::::.:..: : : : : . ; . ',
＿_
,'´ ｀ゝ
ｲ ﾉ)ﾉヽヾ
从ﾘﾉワﾟﾉζ 素敵！ 抱いて！
从{ つと)从
｀ﾉi i i〉'
｀t_ヮ'
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1578年8月25日にカブラルの手で洗礼を受けてから4か月後、島津家に耳川の戦いで大敗。以後、没落コース待ったなし
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ｷﾞｬｱｱｱｱｱ！！ ヒィィィ
―‐―― ＿-ﾋｭﾝ―‐――・
.ﾁｭｰﾝ ― ＿-ﾋｭﾝ―‐ -───・ ―‐―― ＿-ﾋｭﾝ―‐――・
‐――＿―― ── ﾁｭｰﾝ ・ ∧_∧
・ -───・ ∧＿∧ （・∀・； ‐――・ ∧ ∧
―‐―― ＿-ﾋｭﾝ―‐―・ ､,.λ∧ ｹﾞﾌ ・ ´Д｀；） i i’)) ＼ (；ﾟДﾟ) ｺﾛｻﾚﾙ！
ｸﾞﾎﾞｱ,,, ､,.,,,,.,,,） ノ・;;(#ﾞ;;0ﾞ),,, ∴､／ ／ ､ノ⌒;;,､,.､,. （､.,,,.,,.,,つつ
＜@;;, (ﾒ_;;｡#)@;;';;@）（@∴U(ﾞｐ;`;,)ξ;,と@;, (､0;'｡#)っ@）~ と´#;;ﾒつ#!i;-ﾞ)っ
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┌冖-┐ i二二OO ./ ／/ ,..-‐－- ､、
,.┘', 冖 | | 〔／ / ,ィ":::::::::::::::::::;;;;;:ii>;,、
､_'___ﾉ)ﾉ i二二.」 / /:::::::::::::::;;;;;;;;iii彡" :ﾔi､
┌冖-┐ i二二ﾆi . / ,ｨi::::::::::::;:"~￣ ::i||li わが十字軍がぁ……
,.┘', 冖 .i二二ﾆi 7_／/|:::::::::j'_,.ィ^' ‐､ _,,. ::iii》
､_'___ﾉ)ﾉ i二二ﾆi . / |:::i´｀ `‐-‐"^{" ｀ﾘ"
n r―-､ /. ヾ;Y ＿ ,.,li｀~~i
ｌｌ ( (ﾉﾉ)_） / i r' ,..二''ｧ ,ﾉ
ｌl i-i .｛ i /''"´ 〈/ /
ｌ| | 二i ￣フ i ! i {
|l ,.┘└-i ／ i ｜ | !
ｌl ､_'_ﾉ￣ > i | ,. -､,...､| :l
ｌ| ０ ＼ i ｉ i | l
|ｌ i二二ヽ . ﾄー- .i ｜ { j {
ｌl ﾉﾉ .|＼/ i、 ｀''''ｰ‐-' }
ｌｌ ノ/ iヾ ヽ '' .:/
|ｌ ┌冖-┐00.{ ｀` ‐- ､、ノ
. ｎ. ｎ. ｎ ┐┌┴┐. l
|! |! |! | |二二､ l
o o o └┴―-i,へ l
／ ヽ
､ ＿ ＿ ＿
ゝ:::: '´::::::::::::::::::::ヽ､
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/:::::::::::::::::::i::::/ヽ::::::::::::::::ヽ、
〃::::::::::::::::/|:/､＿ヾ::::::::ﾍ:::::＼
ﾚ:::i:::::::::／ / 〈○〉;:::|、:::∧￣｀
ノ:::|:::／ ､__/|"""i::::|ﾉ::::::∧
/⌒ヽ_/ﾍ .ゝ_/ j /⌒i::::::ﾍ
＼ /:/::::ﾉ＞,､.||_, イァ/ /::::::ﾄ､ﾍ
. / /／, ヾ||三/ {ﾍ､__∧::::::i ヽ
｀ヽ< / , ||╋ ./ヾ__彡':::::::|
, '" ￣ ｀ヽ
/／ ＾ヽ ',
.///f / j ヽ ﾍ ! と、いうわけで。保護者のキリシタン大名が衰亡するたんびに、教会は大ピンチ……
ノｲl | ﾚﾄ'Vハ斗ﾄ､_＞
lﾊj | ○ ○ |ﾚV
ﾉ火ヽ"V￣}"/ﾞ) { 「布教長カブラルが日本の教会について悲観的であったのも怪しむに足りぬ」とは、
// 匸 }>示iくこ八
.// ! / /《小.》｢｀ヽ ヽ 松田毅一先生の評言だ
V{ !ヽノ {： ﾄ-ｲｉ }
ﾚl∧く 人__j /八/
／ ｀7´/ l |'´
.`‐r＜/＿_!｣
| / /
__,. -─-- ､_
, - ' _,´ --──‐- ）
,ｲ´__-＿＿_,. -‐ '__,. - '´
`ー----, - ' ´￣ ｀` ､＿_
__,ｨ ヽ. ｀ヽ.
, '⌒Y / ､ヽ ヽ ヽ.
／ / i /l/|_ハ li l i li ﾊ
. // 〃 /l i|j_,.//‐'/ lTト l､l j N i |
{ｲ l / l li //___ ﾘ_lﾉ lル' lハ. ｿ ＿＿＿◎_r‐ﾛﾕ
i| /ﾚ/ｌ l l v'´￣ , ´￣`イ !| ｌl,ハ └─‐┐ナ┐┌┘ ＿ ヘ＿＿＿＿
ハ| ll∧ﾊヽ ﾄ､ '''' ｒ==┐ '''' /l jﾊ| ll ll /./┌┘└┬┘└┼────┘ﾛｺ┌i
〃 ∥ ﾚ'¨´ヽiへ. _ ､__,ﾉ ,.イ/|/ ﾉ ll l| <／ ￣Ｌ.l￣￣Ｌ.ｌＬ.! ┌┘|
ｌｌ ll { ⌒ヽ_/ } ｰ‐＜.__ ′ l| ∥
∥ ∥ ヽ, ／､ 〈 |:::::::| ｀ヽ ∥
∥ {. ﾊ ヽ Y｀‐┴､::::v l ∥
∥ |ｉヽ{ ヽ_ゾﾉ‐一’::::ヽ. | ∥
∥ |i:::::｀¨´-- :::......:...:.:.::.}| ∥
∥ |i::::::ヽ._:::_:::::::::::::::::::_ノ | ∥
∥ |i::::::::::::ｉ＿__:::::::::::/ |
jj::::::::ｒ┴-- ｀ｰ‐ '⌒ |
〃:::::::ﾏ二 ＿,ﾉ
//::::::::::::i ｰ 一 '´￣::.
,','::::::::::::::i::::::::::::::::::::::i::::::ヽ
＿＿＿_
,. ‐''"´ ｀ ｰ- ､
／ ＼ ＼
,ｲ ＼ ＼::: : ＼
/ / ! :| :|ヽ＼ ＼:::::. ヽ
,' .:/ .::::/ ,' :,' .::iハ . ヽ:::: :::ヽ:::::. ﾍ
i .:/ ::／ / ::/!: .::,' | |∨:|ﾍ:::: : :::ﾍ:::::::ﾊ
| .:,' ／ .:/ ::/,' :::/ |:.! |:.:| |∨::::::::∧::::::i､ では同じ時期、バテレンのアイドル
| .::i:./ .:::,ｲ ::＿/:::/ ﾘ !斗f‐-､::::::::::ﾊ::::| !
|／:|/ :／,ィ"´／:｀` / |/'_｣」. i:`: :::::::|::::| | オルガンティーノはどうだったか？
,ｨ| / ::::::／ﾒi ___ /´::::}`.|:::::::::::::ｌ::::| |
/ | ,'::::／{ rTl ,ｯ=＝=ﾐ .{:::::rﾘ ∥:: :::::/ﾄ､ﾊ|
{ | {::/::::::ヽ|:|::! ,. -､ ヾ之' ,'|::::::::,'. | 乂 カメラを畿内に移してみよう！
ヽ | |,' |::::|::::|｀ﾄl／ ／ ､ ,,,,, ﾊ|::::.::i ! `''ｰ‐
ｉ |::::|::::,／ ／"゛ /:::|:::::::| ヽ
ﾊ:: l: ,.イ ノ⌒j、 `ー ´ ,. イ:|!:::ﾊ:::::|
∧: ／ r' _ ノ }-‐'――＜ i::|:::|:::::.ﾍf⌒ヽ /＼
┌―‐z不 l ‘7＿_ノ ,r―――ー’ |:::|:::::::::{.;.;:;:;: ）／ │
. ＞ ´ { { ｀ヽ ／ ,.'!ﾊ| `＜ｭ」::|::::__/＼;;;／ /＼__>
。o．.斗ﾟ ´ ヽヽ. ｰ〈ｲ /_||__〉 ﾊ｀ヽ ::＼ / / 〉_
_ﾉ ｰｧ , ´ _人_イ_＞―､ }ｰ-ｲ＞=＜ヽ | !:::｀|￣ :_:_:_:| / / 〉 ‐┐
｀j,.- ﾟ ／ ,. イ｀Y´{´ 廴._ }__ﾉ(／,' ﾊ ﾄ､＼ ｀ | |:: ::￣￣〈 | ！ / / ｲ
／ ／／￣＼:: :: :/:ヽ ヽ .// ,':: ﾍヽ ) | |:: :/!:::::∧＼￣ ┘/ ／､
ノ ト ん: l:: :: :: :: :ヽ::/:: :: ﾍ ﾍ く/ /:: ::.∧. | |,ｲ/::::::::::/ └::＼: .＼
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
＜畿内＞
,,,.;;:;ii''''ji;;;;,,,...、
;-''~^:;''~^:;''~~^'i:､';.
';ヽi~П=ﾛ=ﾛ=__,.:;i
_/i~~i.m,|_|m,||=,n,,h、
_/i~|m|_|ППП|..|n||m|h
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';,. ~^'=、_ =='''''''''',''==i-' ;'"
,;..;;'"'';.;、.;''=,,,＿,',,='~;..'"``"';,'
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1577年に都地方長に昇進したオルガンティーノは、上洛中だった信長に年始挨拶して大歓迎を受け、京都に新築した
「聖母被昇天の教会」についても賞賛される。果たしてこの建築は洛中を越えて評判となり、都民の敬意を勝ち取った
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「二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二l
| 「二二二二二二二二二二二二二二二二二 l |
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|l |_」 ─────────────‐ L_| l|
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するとここ２，３年、教会から遠ざかっていた河内の豪族・三箇頼照が突然、過去にも増して熱狂的信者に回帰―――
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,.ィ/´ ,. ‐'",-, Ｏ', ／"/./
／ '／ _,.'-‐ ''" ￣｀ｰ 、 ／' ./ /
ﾉ; 'Ｏ,..-‐'" ,ｲ//,ヽ /ﾊ.!
'彡, ／ ／,_}///ハ /" ﾘ
' ｿ;／ ／ :"∨////,} / /!
,. '" ／-ｰ'ｰ-.ｊ///// /!=＝￣/
. /,＞‐--,．._ ／, 丶ヾ'／ l/ /／
乂//／ -―｀￣´ｰ.'ﾉ, ;.j /'
. 7 ＿ -＝ 、 ' ﾊ; : ｿ 〈〉
;／ ＿,,... ＞ ､`ー-‐' ｀――-------,..-‐. '"､⌒ 、 オルガンティーノ師の諫言、耳に痛い……
/ ,. '" ／ヽ: :丶: : : : :＞- .＿＿＿ ,.. ＜/,. ' ｀ 、ヽ } 〈〉
. / .／ .,: : ＼: ヽ: : : : : : : : : : :.:ヽ::::::::::::::::::::::{ .{ ヽ. ＼.ヽ! 信仰を怠ってきたことを償わねば！
. , .' ,: : : : : :ヽ: : : : : :＿＿: : :.ヽ╋::::::ヽ::::::入,:ヽ ＼ ヽ.) 〈〉
/ / ,: : : : : : : : : : : i: : :! : : l l : : : ヽ.ヽ::::::::::::::::/,.`ｰ,ゝ'_.）ｰ'
, /: : : : : : : : : : :ヾ: : :ｌ: : :.ｌ:l: : : : : '; : ＞--' ,ｲ ,.' l
/: : : :｀: : : : : : : : :i: :/l: : :.ｌ:l: : : : ､、! ｌ ,ｲ , ' ｌ l
,: : : : : : : : :＼: : : : l/: :￣￣: : : : : :＼､..,ｲ .,ｲ .! !
. /: : : : : : : : : : : : : : : l: : : : : : : : : : : : : !ｲ＼､ｲ .l
/{: : : : : : : : : : : : : :＿:{: : : : : : :,: : : : :.ｲ///,ｲ＼、 !
./:〈: : : : : : : : : : : :￣: : : :'; : : :.／: : : ;ｲ/,/ .ｲ .l ` .!
: : :ｿ: : : : : : : : : : : : : : : : ﾉ: : : :ｰ-: ;ｲ 〈/,ｲ､ ! l
: : /: : : : : : : : : : : : : : : : : ',: : : : :.,ｲ ,ｲ: ﾄ､ヽ ! l
､: : : : : : : : : : : : : : : : : : 〉: : ;ｲ ,ｲ: : / ヽ〉 l
三箇サンチョ頼照（生没年不詳）
バテレン追放令の時期、オルガンティーノを小豆島に疎開させた。その後の動向は不明。彼の親族からは、殉教者
やマニラ追放になる者が続出。ただし孫は棄教し、備後福山藩・水野氏に奉公。改易に遭い、市井に埋もれている
（演者：ユパ・ミラルダ ＠スタジオジブリ）
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領内の異教の寺院をことごとく破壊して、人々を驚かせる
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::::::::::::....... . . . ,ノ (,.ﾉ,､ヾ , .,;ﾉ （;. （:, ,）:. . . . .......:::
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:::::::::::::::....... . . .,）:. , 从ヾ;. '',人ヾ,´:. . . .:::::
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_,.-､ ｀`＼ ／´ ＼: : : : : : : : : : : : : : : :／: : : : : : : : : : : : :｀ヽ- ､ ,く ,- ､__
／~´Y--i /¨i､.人 ´~"''‐- ;;;;;;;;;;; -'''" ' ' ' : : : : : : : : : : : : ／r‐､/ ＼ i
./ ／´ ／__/′＼＼ ／∧/ ＼ .} `
./ ｉ´／ ｀> ､. ＼`丶､_ _,... ､-┬-- ､ ...,_ _,.．-'''" .／iL ＼..:::::::',::::}::::::
{ /./ ０ ＼ ｀＞ゝ､ ＼｀`ー-┬‐'"~／ | ＼ ′｀/ﾞ/‐-'／ ／x＜j ヽ }::::::::i:::::|:::::
し〈_./ | /¨￣´ ＞x ＼_,,,-''´'''''’｀ﾞヽ-､_ ,.-'''"‘''ﾞ`´~≧／ .x＜ `ヽ､.j .}:::::::| _人_
/／ .＞＜ ｀＞彡 ﾐ ＜´ ＞‐''" '〉jヽ′:::::::::
＼ ＞＜ ｀＞x x＜´ ＞‐''" .....::::::::::::::::::::_,
｀ ＜__ ｀＞＜ ｀＞x x＜´ ＞‐''ミ ...:::::::::::::::::::＿／¨
｀ヽ､ ヽ ｀＞＜ ＞＜ _,,.＞-‐''" ,, ,,ﾐミ .:::::/:::::::／
｀`ヽ , - 、 ｀＞＜ ＞＜ _,,.-‐''"＞x,,,;;从ミ㍉. __ ..::::::::ト--′
| {ヽ_ノ,ー 、__ ≦--‐'x" ｀＞x ＿ r‐､(.o.)::::::/
| | ~ .{ヽ_,ｲ{ 。)、 ｀＞＜ ｀＞x_j｀-| }::::/
| | .| | ｀´ｲ ╋ ｀＞＜ ｀＞＜|::::}
| ! .| | .| ｀＞＜ ＞x
人. ` ‐ヽ＿| .| /| .＞i＜ ｀＞x
ﾄ､_ ヽ_,ノ ノ ヽ-′::::｀＞＜ ｀＞x
〉、 ＿_,,..-‐''´::::::::::::::::::::::::::::::人 ｀＞＜ ｀＞
_,.-‐'´ ＼ -‐ｰ一'"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::` ､ ｀＞＜
／ ＼｀`丶､__.................:::::::::::::::::::::::::::::::::::::_,.．､,.．-'''"／:::::::: ｀`丶､. ｀＞x
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オルガンティーノの部下ステファニーノ司祭が、その土地の二百人の一向宗門徒に洗礼を授けた
4月7日の復活祭で三箇サンチョは、受洗した累計一千名を供応。邦楽や舞踊を催している
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
∧＿∧ ;;;♪〜
（ ´∀｀） ∧ ∧ ;;;;;;;♪::::::: tttttttt ∧＿∧ ♪::: ∧＿∧ ∬
┃（ （⌒＼ (*ﾟーﾟ)_ （ ）／ )) (´⊆｀ ) ┓〜;;;;♪（・∀・ _ ∥υ
┃ つ━＼╋ )━┃ | .（⌒＼ ⊂ つ （ （⌒＼ ┏（ （ 〆 ）
┗ |⌒|⌒| ⌒＼《┃ つ━＼╋ )━ ｜ Ｗ | ＿＿ つ━＼╋ )━ ...┃ つ━)╋━（━
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┴ ⌒|⌒ |￣￣￣￣￣￣| ⌒|⌒ ┃ ┃ ⌒|⌒ ⌒†⌒
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
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..,,､‐'''''／::::::::::::::::::::::::::::::::: ,,､‐" ヽｰ､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
..,'''"／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ,／ ﾞｰヽ､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;__,,､‐‐,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
／/:::::::: :::::::::::::.／ ､'''""￣￣￣ ／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
../i:::::::: い す ::::::::／ （ ） ／ ／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
../|::::::: .と す :／::.... .／ ..... ／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
//i:::::: し め :::::::::::::::::.... ／ . ／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
//ヾ::: い :::::::○:::::::::::::::／ ::::.............. , '/ ｀ﾞ''ヽ､ ﾉ､ゞ､､,,,/､､,,;;;;
;;;;;;;;;|:: 風 :::::::::::::::::::::／::::::::. .／:::" . ,､ｿ''",,,,,､ /ヽ
;;;;;;;;;;i: よ .::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::: ／: ゞ,,,,./''""´
;;;;;;;;;;ヽ ::::::::::／:::::::::::::::::::::::::.//:: ,,／
;;;;;;;;;;;;;;ヽ ::::::／::::::::::::::::::::::::::::://:::: ,,／::::
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::.／::::::::::::::::::::::::::::::::://:::::.... 彡:::::...
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;;;;;;;;;;;;;;;;;／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::://:::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::::....
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
高槻でも改宗者が続出。領主・高山右近の不在中でも318名が受洗。河内の若江・岡山でも教会新築と改宗が相次ぎ、
復活祭以降、勢いは激化。オルガンティーノは「河内だけで三千人の改宗があった」と、来日前のヴァリニャーノに伝えた
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿ __＿__
|r‐' ∧／ヽ__, ｀ヽ、
|| (/ ｰ' ､__ー┐:. 「祭壇及び聖堂に用いるカーペット、金襴やビロードの祭服、美しい画像
(⌒ﾝ ｉ⌒ (￣｀ヽ |__j
(⌒i ハ _＿ _〕ー'′ ６） をお送り願います。日本の異教徒は、外形に動かされて改宗することが
r‐―┤ ＼ { ヽ ￣￣￣l {
「ﾆﾆl ! } ＼ ＼, -r― ､/ ｜ 多いのです」（1577年7月21日付ヴァリニャーノ宛て書簡）
ゝ二l＿＿_ハ 「＼_ { / r'__／}
l `ー… ¨￣ゝ､＿＼＿_ﾉ＿_,.へ、
ヽ / ╋ __ /
＼ / ∧ ／{｛ ｛
＼
￣ヽ、 _ノ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
｀'ｰ '´
○
Ｏ
,...........____
,. " , ﾞ 丶､
, ", ./ , / ﾞ､
/ / ./ / /, i ヽ
/ /: i{::::-|‐‐/ji::::::::::::.... | ﾞi
ｲ !:: i ｶ"＿¨¨ ￣¨ ヽ_;::ji...ﾞi
／ /i::: i. i' "￣丶 ヽ､::;!
／..::,::": i:::: : ⅵ " ,==､/ ﾞ,! 「日本人は新奇なことを好むことを、オルガンティーノは心得ていた」
/: .::::::;:::'::::､::::: ヽ. ,､___ ' " / i ./
i.:;:::::::;:':::::::;:'::､::::. ヽ i: : : / ./. !:/ （『日本史』第二部２５章）
i::i::::::i::::::::;'::::::､::::: ﾞ､ 、 ¨ , ノ i ﾊ
ヽ､::;-ｰ-､_::::::ﾞi:i:::. i ﾞlｰv/´::::::::i::: ､ ﾞi
, " ﾞ､ ｀l::::: i i|ﾍﾊ_}_,__､::ﾞi::: ,ﾞl
," ﾞ､ |::::: j j: : { }: : :ﾞ|¨ﾞl:::: !i |
,' i ﾉ ﾊ::::丿: ╋{: : :ﾞ| ﾘ:::ﾒi!ﾉ
「主な祝日に、華美で盛大な祝祭を興行。見物に来た人々は信徒の団結と愛に心を動かされ、説教を聞いて改宗した」
「（三ケ、若江、岡山、高槻の）信徒らの間に慈善活動の聖なる競争が起こり、それぞれの能力に応じた救貧活動を
競い合った。その地の主だった殿たちは信仰により遠方から集まった人々に食事を与え、慈悲の業が高まった」
（『日本史』第二部２５章）
久 r≦八 ':.:.＞＜￣＞:.:.:.:.＼
乂.><´ ｀ i／／＾＼ ＼:.:.:｝
＿ 〔 ｭ i |／｀ ⌒＼ .ﾏ'
⌒｀ヽ | ｀ | 符 符 l |.｜
ヽ ヽ 、 _ |ﾘ ｌ l |.｜
， ， /⌒＾⌒＼. |ﾄ （￣） l '
----- | / ≦ニ≧ .＼＿_.. | ＼ ￣ ／j ’ | --------
/三三三三＼. | ’-彡元<・><・>ｈ≧=-⌒ | ー ， -≦ ＿＿＿＿ ≧-
／＾ V≧=- 、 ，⌒ヽ 〈 |ﾉ￣. | | | / ／―――――＼ ヽ
ァ´ | 近 近 Vﾊ Z -ｧ 、 | l ﾜ /| ⌒ヽ_ | |-〈 | ,’ィ , / ヽ/
〉 l ⊂ 、 レ’ ／ / ' _ , 人≧=-=≦ 人 /八 , , -≦.| / /∨∨ , __＼ | /
⌒l r彡 ） 「￣／ ' _ /≧＿╋＿＿≦ ヽ , -≦ l , x今 ｀ 今 ヽ l
斗 、＿_ , ' | / 乂＿＿乂_ ＿＿ ' -≦ ╋ .| | ｀´ ｀´ ∨、 ｀ヽ
＼ ≧ｓ ＿ ｓ≦ ' | | , --::::::::::::::::::::::::::::く / ／ | " - ┐ / 人 ハ
／￣／ 、 , | ／ ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼_ ' .人 '. 人 ヽ⌒ ﾉ ー リ
⌒Y , ' , ／| ｀⌒:::::::::::::::::/＼:::::::::::::::::〈 | ' ヽ レ ＼ ¨ ／ レレ ／
／〉ﾑ ,―― ' , | 、. | l::::::::::⌒::/ ⌒、ヽ:::::::::' 、 ／ ---- ｀ 、 ― 、 |
／＾〉 ╋, , | ＼ | ｰ斗:::/ｨュ、 , ｲﾕ Y::::Ν / ￣ 〕ニ/ ∨ ∨ニ=-> - ＜ ￣￣￣｀ヽ
. ／〉 ' / /. | ＼ ./ |:/|ゝ ノ￣ゝ ノ::ｈム ' / / ,|, ∨ γ ___ |
、イ " ,. | | | ' -- ┐ ﾉ｀' ' ' .ハ. ∨｜ 〈〈〈〈 ╋-- 、 |
/ | ∧. 人 .ｖ⌒ｿ 、<´ ' , | | .| ー… ハ〉〉〉_ ￣￣￣￣/.
/〉 /. | , ＜ ≧ ￣ ≦ / ' | | .| /∨ / ｛ ｝ | 、＿＿'」.
/ ／. | , ヽ | 」╋L | /｀― ミi ヽ ' .∨/⌒i' ｝ | .| V￣UU:.
., ／ | γ ￣ | .／ ﾏ ｀/ .| x≦' 、 .Y＾≧ｓ。 , ,:.
-‐ ￣￣ ｀丶、
／ ヽ
/ / /〃/{ { ヽ ｀ヽ. ∧ ……とまあ、オルガンティーノがうまくやっていたのは確かだ
ｌ / /斗/ハ ｨｰ‐ 、 ∨ l
{ { ﾚﾃく ヽi>==、＼ ヾ│ 好循環が生じたことも相まって本人も、やや極端な親日家になっている
乂l f r'ﾊ r'ﾊ 7ﾊ＼ﾘ l
.八,}弋ｿ 弋ｿｿﾉ ） 八
ノイ }ゝ" ｀_ "" { {´ 丶＼ 厳格な原則主義者カブラルより、柔軟な適応主義者オルガンティーノの
／ ,＞‐r＜_∧!＞､ ＼丶
, -‐" ! ヽ{>ﾛ<ﾌ〈. | ＼ 方が、初期の布教者としては適性が高かったことは、間違いない……
// ／ / y ゝ { ;ヽ ,ｉ 丶.ヽ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
{八 〃 ﾊ { ,.-'‐!、 }_ = ゝ、__i、 }ヽ } }
)/ ヽ（. ヽ人,i' .,. i' ｀ﾞゝノヽl_ ヽ! ヽjｲノ
" ｀ / / ゝ,.| l __.!,ｒ'/ ｀‐´ "
/｀ V ｌ .,′´´
｀ｰ'′ ├-/
￣
／／ ｀`ヽ､＼
（ ( ) ヽ
＼ ｀ー --,． '"´ ￣￣｀`ヽ -- '_ ノ ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ
｀ー-／ ＼ 要は、演出がうまくてノリのいい“お祭り男”か……
, ⌒／ , / 〃 , ､ ヽ. ､ ｀V´￣＼
／/ .:/ .:.:.::|::|.:.:|::|.:::|.:.:ﾄ､__,:::.ヽ＼ ﾄ､ ＼
/.:.:::|;;|.:.::::::|::|::∧|ヽlヽl´ヽlヽ.::l L.ヽ|＼ | そういえばヴァリニャーノの「天正少年使節団」にも、
/.:.:.:.::l;;||:.:.:.:|ｨﾚ'⌒l 〒=ﾐ､ ﾊ | l |＼ |
/.:/|:::/l/||::::::l/l/,ィﾃ ﾋzｼ 1 | |.:::| Ｎ ＼| オルガンティーノとおなじ匂いを感じるんだけど
|/ |/＼:||＼::ﾍ. 弋ｿ ､ ｰ / lﾉ.:.::| |
|.:/l.:::;ﾍ.' ' ' r‐┐ ' '〃 〃.::/ リ
|/ |.:/|:::.>.、 ｀ｰ _ .イ 〃 |/ 目立つイベントを好む気質で、馬が合ったのか……
|/ .|/＼::|「(￣-‐ 7 /⌒ヽ
/l ￣_ >只く ／ / ',
_／ ＿／/ ﾑﾑ./ _,/ i
, ‐ ´ ￣￣ ｀ヽ､
／ ､ ､ ＼
,.'.／ .:/ ;小:.. ヽ:. :＼:.:.ヽ
. //:.:.:.:/.:./:. ./ i ヾ:.:.丶:. ...ヾ:ｰ'､
//,':.:... :.:厶:./- ヽ 弋:.‐＼:.:.:. 丶:＼ かもですな。ただまあ、カブラルならずとも思うんだけど……
! |:l:j:.:.:´/ ｨ天t､ ｨ天女､-､:.. ﾍ､:.ヽ
! | :.!.:.:.:ﾊ´ち;;;j ち;;;;j !K }ヽ:.､.! ヽ!
ヽヾj:.ノ小 ｀::::. ' ::::´ ﾊイ: |｀ﾘ ノ 基本的に、“政治環境”という前提においてオルガンティーノが、
､_ノｲ:..:.:ﾘ;:ゝ-‐っ ｰ- ｲ:.ｌ::|:. i |
／´/:.:／ ‐＜＞.､ _., .イ_.l:.:ｌ::|:. i | 下駄を履かせてもらえるポジションにいたのも、疑う余地がない
／＿/∠ ｧ┐l !ﾉーｿﾉl ￣ ヽ､｣::|:. .:i:ﾊ
, ./´ ｀∨イしﾘ / ハ ／ ヽ￣｀ヽﾊ
／ |=＝＝=､∧/ ＞‐/{ヽ‐‐< l l ヽ r/７-､_
, ' / / / 7〃 {{ヾ〉＼ |／￣ | 厂し' / /┐
. / / / ／ {{. ＼ | | ,/＝(_/_/_,人
| / / イ o. {{ ＼| l/ 'ヾ､/
,, - ´￣￣￣｀ ､
,. ´ ヽ、
／ 、＼
ｨ´ / ヽ ヽヾ;ト､
／ / l r i 丶 ', l;| ＼
／ / / ,l l ﾄ､ i ', !l;| ヽ
/ / ,' / / / ! ! l l ', ! l };| ﾞ ､
ノ i j ! l , ィ＝=､! ;l |l_L=＝- ､l ! |;| i ',
/ l ｌ | ! 〃 / / _ | ﾊ l !| ヽ l＼| l;;| } l i ……そっか。新参宗教を成功させる真の功労者は、
l /| | ﾊ l ;'≠ニヽl l ヽl ﾘr z==x､ﾊ } !;;| l l', l
ﾚ' ! ﾘ ', '､ lｲ /:::::ヽV ｲ/:::::ヽヽ〃 ﾒ,l;| i ! l !l 布教者自身じゃなくて彼らを保護する政権だよね
l ∧ ハ、l ﾄ;::::::r} ト::::::ｒ} / /｀l;|/ |、 l ﾘ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
', / l;|｀| N ゞ--'′ ゞ＝'' / i_ノl;| lﾊ l
', / !;l ! ﾊ／/〃" 丶 ´" // / ,'l ｌ;| / l ,ｲ つまり、ほんとうの畿内布教の功績者は―――
V l;'ﾊ l ゝ ., ､ ,' / ,ｌ l;;l/ ﾚ'|;l
!;l !l'､ |ヾ≧ｭ .,＿ , イ-i / / ｌ/l;;l l;l
l;;l ﾘ ', l＿∨lr‐/ゝ_;;／ j ん-─‐|;;ﾄ､ l;|
|;;! ／〆｜ ￣, - 'ｨ天ヘ、 l ,' ,´|;;| ヽ__,､|;l
l;;lイ / ! l ／／¨//,'Ｙ ,ﾍヽ| !、 : |;;| ＼},|;|
z以 i ! Ⅳ/／ // ,' l ! ヽｌ ハ ,' 以 / ﾊ
,く ／ |／ ヾヽ／/ , ' l､＼ ｿ } l / / / ＼
γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
｜ 畿内に君臨し、おのれを遮る全てを粉砕した天魔・信長…… .|
乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
/ヽ
／//ハ
, ｲ x:＜//////ﾊ
/'/ﾚ///////////| .／|
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ﾄ ////////////////////,|
|ﾊ,|////////////////////! ,
|//////////////////////:イ
|/////へ///////／ .Y/////
＼V/// ヽ//／ |〃///
ヽ| ,Y,へ. ｀´ x;;､yf //ｬ
ヽ<ﾊ弋爻ﾐ.ﾙｫ爻ｦ !ノ
ヽ', ﾄ. .,ｲ´
|> 、 一 ' .／ ﾄ
,ｯｪ／| ＞-＜ l＼ｯ.､_
_,.．-‐7/八=----= v =-- フ /////777ｫ
l/////////＞ー ,,,,,,,,,,, -＜///////////ヽ
／V///////////////////////////// ﾄ
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l V///////////////////////////ﾞ丶、. '､＼
｀ ､ / .V///////////////////////// ﾞ丶
| ; V//////////////////////// ＞ 、 ', ｀
.. ﾄ ; V////////////////////// ￣〃
| ; .>､/////////////////// ／ ヽ '
. ﾊ ', | .V/////////////////‐ - v=' ヽ
{ ｀ ィ’ |//////////////＞ ´
, Y !///////////／., ． _ ,,.. ＜
r' - ‐ = 7 .///////////,( ／, イ ,. ＜
! i ////////////>＜/,ヽ_ ／
| | '///////////////////ハ
| ,,ノ '////////////////////ハ
. } 孑弋 i//////////////////////,l
ﾊ ヽ lｫ|//////////////////////,!
織田信長（1534 - 1582）
ちなみに「第六天魔王」という中二病っぽい二つ名は、フロイス書簡（1573年4月20日付、インド
管区長宛て）の記載に依拠する。「天台座主沙門」信玄に対抗して、そう自称したとの由である
（演者：ベジータ ＠ＤＲＡＧＯＮＢＡＬＬ）
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
オルガンティーノが都地方長に就任したのは1577年初頭。信長が琵琶湖岸に安土城を築いた翌年にあたる
すなわち信長の天下人としての地位が、名実とも揺るぎないものとして確立した時期と符合するのだ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
//////////////////V
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//////////////´ ヽ./V
////////,,_ /// '/V
/////＞.´ミ Y/ヽ 刈ﾄ. ﾐ
////| ,,,_ヲ レ' 下圦 ﾐ
///∧ ! | ミ，
＝＝ﾊ ゝ. ﾊ .ｔﾐ，.!
ゝ ´ ｀´¨斗
〃. V
; >、 、 ＿.ゝ
; ;;>、 ｰ
; ;;;;;>、. ／
ヽ ; 〃｀ヽ ＿／
ﾄ ヽ /
/∧ ヽ
///>、 ヽ
V///＞- 、
Y//////ハ
fＺ ＺY
λ 艾艾艾艾 λ
| l | l | l | l | l | l |
r≦ﾘ.| l | l | l | l | l≧ｭ
8ーr∞∞∞∞∞r‐8'
|ｌ7ﾏ| |王| |7ﾏ|
＿莖莖莖莖莖莖莖＿_
Ｃ_ｨ彡=ミソzzz彡=ミｿzzつ
＿＿__|‐┼┼＝＝┼┼┤＿＿
i||i:i:i:f‐|∩ｈ」zzzzzz」∩ｈ|‐Yi:i:i||i
i||i:i:i:寺莖莖莖莖莖莖莖ア:i:i:i:||i
i||i:i:i:i:i:i:>､|..レ'／ヽ`ﾄ､ﾉイ:i:i:i:i:i:||i
,斗i:i:i:i:i:i:レ'´r'´ゝ=x' ＼`寸:i:i:i:i: ||i､
tr≦i:i:i:i:i:i:レ'´r'´／王王王>､ヘ､`マi:i:i:i:i:≧zｭ
|¨㌻´｡s个≦王王王王王≧x `トミs｡Τ
＿____r≦≧-‐‐'ＴＴＴＴＴＴＴＴＴＴＴＴＴＴＴＴ`ー`ｰ≧zｭ
r'77イi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:xヘ､
L∠」t────────────────‐‐个f¨Τ`ｰ
___,.ィ彡イi:|三三三三三三三三三三三三三三三三三三三」i:ミs｡.,__
(i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:ィ=ミi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:斗=ミi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:彡ﾞ. _, -=ニ=- 、
￣|──‐┼┼‐‐────────────‐ ┼┼───┤. iﾐヾヘﾂヽヘ.〉、
|l|三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三||≧ｭ｡＿ Π ( ･) ･ ｿ,｝
/しﾍノしﾍｱ-/ヽ-/ヽ-/ヽ-/ヽ-/ヽ-/ヽ-ヽ/-ヽ/-ヽ/-ヽ/-＼i:i:i:i:i:i:i:i:彡ﾞ Y (二 ) ､ﾉ
∧ﾍノしﾍｱ-/ヽ-/ヽ-/ヽ-ヽ/-ヽ/-ヽ/-ヽ/-/ヽ-/ヽ-/ヽ-/ヽﾑ三三|l|__. ､ ! ﾘ
. /しﾍノし,∧-/ヽ-/ヽ-/ヽ-/ヽ-/ヽ-/ヽ-/ヽ-/ヽ/ヽ-/ヽ-/ヽ-∧ﾍＸＸＸＸﾍ.... ` .＿ . ´
. /しﾍノし,∧-/ヽ-/ヽ-/ヽ-/ヽ-/ヽ-/ヽ-/ヽ-/ヽ-/ヽ-/ヽ-/ヽ-/ヽ-ﾍXXXX≧ｭ ╋
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ちなみにヴァリニャーノは、1581年開校の安土のセミナリオ（校長オルガンティーノ）をして、「二年間で、他の修道院の
全期間に勝る働き」と絶賛。校長への賛辞ではあるが、＞１に言わせれば「織田家の平和」の威光をこそ思い知らせる
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
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＼ﾆ|三|￣|三|＼ﾆ＼
_',|三|二|三|＿｀i¨∧
__ﾉ＞-ｰ‐┯━┬＜＼〉
＼| ／＼_|_∩_」∩|`i´
癶ﾆ- .左=====／／＼＼￣丁¨T'㍉============片
只=-∠_ ＼:;:, ;:.,ﾆ=- ／＿＿__／／＿＿＼＼_|＿|／＿ｒ、::::::::::::::::::::::::| |i,
癶:; :;＼:; :¨ﾆ=‐＼_;:; :;: ::; :ﾆ=- _ ／::::＼丁¨|¨¨|¨¨|¨¨|¨¨|¨¨|¨¨|¨¨¨|＼__>:::::::::::::::::::::::| | i,
／癶 ＼:; :＼:; :;: :; :; ::¨ﾆ=- _ :: ;: ;:.＼ ／::::::::::: :: l三|三|三|三|三|三|三|三¨|／::::::::::::::::::::::::::::弌≧s｡.,
／／ﾆxへ ＼;: :＼;:; :;: :;: :;: :;: :;: :;: :;: :;: :;: ＼:::::::::::::／⌒＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::癶:::::::::::::::
＿ ／／ﾆ／三／＼＼;:; ::;: :;:; ;:;:; ;:;: :::; ;:; ;:; :;: :;:: ;::＼ﾆﾆｨ'´￣｀丶>ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆシ'⌒'くﾆﾆﾆ
;: :;:¨" '' ｰ- .._／／ﾆ／三／|＿|__≧s｡.,＿ ;:; ;:: ::;: :;: ;:; ;:;; ;:; ;:; ;:; ;:; ＼.|二二二|7＿|＿|＿|＿|＿|＿|＿|＿|＿|＿|＿|＿|＿|＿|
:::::::::::::::::::::::＞''~.ィi〔ﾆイ⌒Vﾆﾆ|＿＿_|ﾆﾆ|＿_|≧=‐ __ ;;: :;: :;; :; : : ｀'＜ニニ|三¨|三|三|三|口|三|三|口|三|三|丁|二|丁|三|
＜_:_:_:_:_:__う爪ﾆﾆﾆニ|i:i:i:i| |:| |:| | |￣¨Ｔ=‐- __:;: :;:｀'' ＜777777777777777777777777777777777777
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ＺＺＺＺＺＺＺＺＺＺＺＺZZ|i:i:i:i[二二二二二|i:i:ｉ:|三三三三三三三三三三三二二二ニﾆ=- T|￣/777777777777777777777777777
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
信長が既存宗教へのカウンターパートとして、宣教師をわざとらしくも あてつけがましく贔屓していたのは、周知の通り
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＜1572年2月・岐阜城におけるカブラル・フロイス・ロレンソ了斎らとの引見にて＞
'//////ﾚi／⌒＼ ＼ ／ ／⌒ヽ ﾄJ'///////／ 「神仏の像は偶像。神道は偽りに満ち、イザナギやイザナミも
＼//i⌒Ｖﾚイ⌒｀ ＼ ／ ´⌒`トﾊ／⌒!//／
__ ＼| '! |. Oﾄ ｲO | ! / |／ __ 死すべき人間の創作」か……ふむ、これに勝る正当な教えは無い
:::::＞|. '! └ﾆ￣ﾆ┘ └ﾆ￣ﾆ┘ / |＜:::::
:::/￣＼ ,ﾑ '"""""´ ｣ヾ｀"""""ﾞ ,' ／￣ヾ
/ /＼__'、 ;仆‐--‐1ﾌ /ﾆイ 伴天連らの教えと 予の心は、なんら異ならぬ！
――‐|::::::::::::':、 | ⌒ヽ| /:::::::::|―――
. |:::::::::::::::＼ | | ／::::::::::::|
＿＿_,l::::::::::::::::::::::＼ Ｌ,_,」 ／::::::::::::::::::|＿＿___
. |::::::::::::::::::::::::::::＞..ニ..＜:::::::::::::::::::::::|
／.:.:.:.:/ . . . . . . : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
／.:.:.:.:.:.:′ . . . : : : : : : :ｉ|: : : : : :ﾍ: : : .:.:.:.:. っ っ
7 .:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.: . . / . . . :/ : : :ｉ|: : : : .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、
/.:/.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.′ . . : : .:.:.:./丶 .:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.ト:.:.＼ っ っ
. /.:.:.:.:.:ｉ|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ 斗.:∧.:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.、￣
/.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|!.:.:.:.:.:/.:.:.:./´ Ｖ .:.:.:.:.:.:.ｉ|.:.:.:.:.:.:.::＼
.:.:.:.:.:.:.:. |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| .:.:.:./ }.:.:/ 斗‐=ミ､ｉ.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:i:.:. ＼ （でもそれ、白山権現に誓うんですよね分かります）
.:.:.:.:.:.:.:. |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧.:.:/ /／ "⌒⌒ `|.:.:.:.:.:.:.:|＼.:.:. ∧ ￣
.:.:.:.:.:.:／ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:′∨ﾞ/´ , ∧.:.:.:.:.:.; ＼.:.:i:.＼ 殿下ご自身から食膳を供されましたこと、恐悦至極です
.:.:.:i ∧ 丶.:.:.:.:.:.:.:ｉﾄ 、 , ｲ ｉ.:.:.:.j/ ∧:| ￣
ﾚ从i::∧ ＼.:.:.:.:.|、:::＞ ＿ ＜:::/ !.:.:j/ /.:::i:|
.|::::∧ ＼.:.| ＼:::.＼ ／.:::／ j.:j/ /.:::: |′
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
＿＿
, ‐ ´ ｀ヽ 信長・信忠父子の宣教師への好意は九州にさえ届き、教勢拡大に寄与した
／..:／.:/ .;ｲ :. :.丶.:.: ＼
〃:.:./ .:./:.:/小:.: ',:.:.ヽ:.:.:. ',
l:{.:./ .:./-‐:! l ヽ:.‐-:.:.:.＼:.:.! とはいえ専制志向の信長のキリシタン保護は、やはり「一時的な共闘関係」で
ｉ:}:ﾊ .:7ｨ=ﾐj:ハ >=ミヽ:.:ﾍヾ、
､_メ!.:i.:.ﾊ r'_;j r'_;j ∧:.:}:.fヾ あり……「織田家の天下」でも、いずれ用済み扱いにされた公算は高いと思う
乂;ｲ.:.∧ /ｲ V:.:.| ﾘ
_／ j/_:ﾉ:.介 .、 ° ,イ:.l:|:..|:.:.:.!
´/:.:,':.:.:j:|:ﾉｰf夭‐ﾍ :j:|:.:ｌ:.:.:.:!
/.:.;ィ7´ｌ:|＼/ﾑﾍ／｀l:| ｀ヽ.:.:i
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
というのも1569年4月、信長がフロイスに与えた布教許可（朱印状）は、あくまで信長個人の独断だった（将軍義昭も追認
するが）。にも関わらず信長は、法的に不安定な立場の改善を試みる宣教師側のアプローチ（天皇謁見）を突き放した
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＜1581年7月 安土における宣教師の協議会にて＞
| / ＼ j冫｀ヽ ／
| | ヽ / | 卜 | ／ 予が居る所では、汝らは他人の寵を得る必要がない―――
|| /＼ ヾｰ' | / ／
| |/´ ∨/ ´' -,,,＿ なぜなら予が国王であり内裏であるからだ！
| ||＼ _ム,,,,,,,,､__──'''''´
|､_| / ,, ヽ､
） ｀ ´ 〉 ヽ
/,, /| , /: ! ヽ､
｀~'''‐'､ /;; ! ＼
￣
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
......
,...'::::::::::: ﾞ:::::､
, " :::`::､
, ./ / , / ﾞi::::ヽ､
,"/ / ! ! ﾞi::::::､ﾞ､ 信長は傲慢かつ、非常に不遜な人物です
i ! ! !........i!...............ﾞi::::::ﾞiﾞi
i, i {:::::l::__,-{i}ｲ;::::::::ﾍ!i-:::}::i 何度も天皇への謁見を乞うたのですが、とりつく島もなく……
,i ! i Y",_____､¨¨¨¨ｨ=､ﾞ/::/
, ".:;':､ i ､.:| ::::::::::::::::::::::::::::/|::::/
,"/:;'::;':､| .､ ､:| " ,::":i:::il､ それどころか、ものすごく不愉快そうな態度になるのです
i !:::::;:':::::>, ﾞ､ヽ ､ ｨｩ:::,ノ::;':::i:ﾞi -=3
!i:::::i::::::::i::! , ﾞ､.: ｀__,- ｲ´:_;'::::::::l:/
ﾞ ､,"￣￣i ! , ､ﾞiｴ､ｪ"ｨ-､: :/:;':;'::i"
," `､ !､ i::!::i: : { }: : ﾞ} l::::;'::;:/
i i ﾞ､::i:::lj!:╋¨l､: :}ﾞｧﾞ､::/j
､ - ,＿＿
(､ ─── ,＼
i/ ヽ､丶丶
| ┃ ┃ |_| ……了解した。信長政権の下では、天皇への拝謁は断念する
/ ⊂⊃ ）
~~･━ｍn. （ _＿ ､<
| -(丶 ､/｀ ───／ ＼
（__＿|￣ | ＼--／ 丶
| | ╋ |
| ヽ ＼ !
ヽ ､/━━━━ノ__/i`／
⊂＾_､/＾| ､/
｀ - `￣￣￣￣￣
＜以上、1584年12月13日付 加津佐発のフロイス書簡より＞
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明らかに信長に（一時）利用されるだけの、薄氷を踏むがごとき構図ではあった―――
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丶 ＼ ＼ "丶 '';;;;;;,,
＼ ,, _ | '';;;;;,,
＼＼ 丶＼ ､/ 丶| '';;;;;;,,
＿＼ 丶 ,ﾞ/"､丶| 神社仏閣は、天下布武の ';;;;;,,
/''''''＼"''‐=､‐‐─丶ｌ |丶| '';;;;;; ∴
/:::::::::::::::丶＝/:＼ 丶 ,/冫 .抵抗勢力……削ぐのがデフォだがや ;;;;;;; ｶﾞｯ ∴;:,.∴
:::::::::::::::::::|,＝＼:::"'‐丶 ､/ﾞ ;;;;;;;; ヽ卍ノ∴;:.,
::::::丶::､:| | "'＼::::::丶＼::::＼ ;;;;;;; ＿ノ;:,.∴;:,.
::/ｌニ,-‐"'＼___ ||￣ 丶::::::::: 丶 ;;;;;;; （
/ 丶/丶 "|二二ニｌｌ |::::::::::: | ;;;;;;;;
丶 ＼､丶 |二二二ニ＼/-,,,::::::､/"＼ ､,|丶 ､, ;;;;;;;;
"丶 ＼丶-/─‐-,,二ニ| | "''ｌ::::::::::::| 丶| |,,,ｌ | ,;;;;;;''
| 〉､/''''''''''''‐-"'‐// ＼,'--‐ﾞ ｌ| / ,;;;;;;;
-‐丶 |::::::::::::::::::::::::::＼,ｌ "'‐-,､､/ ''‐-, ,,;;;;;;'
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＼丶 '‐/:::::::::::::::::::丶:::::::::::::::＼ ,,,'''';;;;;;;,,
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／￣￣￣＼＿＿＿
〈 ／
-─'⌒ヽ‐ ､ ／
／/: : : : :ｉ : ヽ: : ＼ (＿＿＿ﾉ
ｉ: :/: : : :ﾄ､|: : : ﾄ､: : :ヽ
{: :|: : :∧ノ＼_ﾉ 人ﾉ乂乙
| : ＼〈 ,,ノ ー'〈ﾘ ﾉ
ﾉ : 弋ト＞〃 З 人 そんな天下人の背中に、いつもニコニコ
／: : : : : !: l≧ｎｎz彡:|
⊂コ: : : : : :|: |ﾆ皿皿:vリ 這いよる新興勢力。それが畿内のキリシタン！
//|::| : : :r<ﾞ|:/〈_人ﾉ : ＼
∨ ∟ﾆ{;;;;＼zz╋#: : :∧ﾘ
(人r､＼;;;;;;;;;;|ﾉ丿ノ ﾉ
/:/
/:/
ゞ⊃
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それでも畿内という九州より富強な地域においては、覇を唱えた一強政権が後ろ盾なのである
その事実が両地域の布教に、決定的落差を生んでいた―――
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然るに信長の威を借りれる畿内の信徒がヴァリニャーノには九州より純粋に映り、「真の門から入った」と差別化される
いきおい、ウルガン様のポイントも高まろうというものである
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_＿ _
. : : ´: : : : : : : : : : : .
／: : : : : : : : : : : : : : : : :＼
/: ／: : : : : : : ﾊ: : : :丶: : : : : ., ただしこの見解はカブラルも同意見で、「交易目的の九州より、
/:/: : : : : : l: : /l{ ヽ.: :{: :.＼: : : :′
/:/／/: :j :/l: / { ＼l＼: :＼: : :' 畿内の信仰が純粋」と、書簡（1572年9月23日付）で評している
j:ﾊ: :/: :__;/斗f'′ 丶ｰ_､｣_l_: : :'ト |
{ 厶': : : :灯f心. イ汀心 ﾊ: :|i :|＼
_乂i:l: : : : ｝ V)ツ V)ツ/ 八|i :| ）
八:/: :八 .:.:.:.: ' .:.:.:.:./f'′ｊﾉ: | ｽﾄﾚﾝｼﾞｬｰ
_／ /: :/; :个 . 丶 ,.イ.:l: : : : : :| つまり・・・非当事者ゆえの「認識の限界」で、両者は同レベルだ
_厶イ: : : |: :rく≧-≦ﾟ┐! :|: : : : : :.
/: /: : :rl:|爪 f{ f{ 爪l:|､:_: : : : .
,｡ , 二二二二二 、
（ （ ＼＼
＼ヽ,｡- ‐ ‐-｡、 ） ） ここの＞１に言わせれば「天下人の保護」を受けられる信徒と、
=彡'⌒ ＼ ヽ,∠∠、
__／ // / ﾊ ヽ, ヽ《 ＼ 切実なサバイバルを生きる信徒の差異にすぎないって話だね
. :=' " ￣／,ｲ /,/仄/,小卞ﾄJ、 .》、 、
,, ／／ :| 小ﾙ=､ 什メ、〉 j! ,、 ﾟv=::. ､
〃 》彳／::ﾚ;从ﾉ}⌒ じﾂ〉 ' 圦 ヽ| ＼＼
｛{ /:/'ﾚイ::////八 {⌒) ｀/ / 刈 } ﾄ､ ﾄﾘ オルガンティーノがガンダム乗りなら、カブラルは旧ザクか…
`ﾆﾕ /:/ .j/ｲイソｨ介: , ｰ' .ィ ,仆(ﾊﾉ ﾚ介jﾉ ／／
.':/ ﾚ′厶ｲ ,.ｲ〕尤｢厶ｲ )人 ｌ 〈／
ｌ { rく 〈〈.Ｘ// ｧ'⌒ヽ小,. //
{ { | ∨{ | | }〈 Y ∨/
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
それを「オルガンティーノの手腕 ＞ カブラルの偏狭さ」に落としこむ「ヴァリニャーノ善玉史観」は、初期イエズス会の
内紛という“誤差範囲の事象”を「西欧中心史観」で過大評価しているだけのように、＞１には思われる
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
, :': : : : : : : : : : : : : : : : : : : `:..、
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
,:': :／: : :. : : : : : :./: : : l: : : : : : : : : : : :':.
/: :/: : : /: : /: :〃:'|: : : ::!: : l: : : : :l: : : : : '. まあそれはともかく。畿内布教の手柄をひっさげたオルガン
. ,': ::,': : : /: : /: //:,' .l:.ﾄ,: ::l: : :l: : : : : l: : : : : :'
|: : |: : : l: ::/l::/ ,':/ |:.', V:l: : ;l: : : : : V: : : : ::l ティーノが巡察師ヴァリニャーノをとりこめば、カブラルの
l: : l: : : :l: :,'-!_'-|,'‐' ヾ -ヾﾍ:_: : : : : :V: : ::l:.:|
l: : :V: : :V!ｵ芍斗 乍芍=ﾏｪ-: : :.ヽ: :.|: | 命運が尽きるのは、目に見えていた……
. V: :.ヽ: :ﾊ 弋,ﾉソ 乂じﾉソ 》ヾ､: : ヘ: :|
V: :l: ＼ヽ , ー‐ ´ !:.ﾊ: :ﾄ,: ﾊ;!
V:|: /: l |:.l V!:}:/: l -, , -ｒ 、
,': : ﾄ.、 lﾌ::.ヽ ,ｨ' l-:': : : : : :', , - ´_ノ -―' 〃 }
/: : :.l:l::.丶 ゝ- ' ィ':j ,':: : : : : : : ﾊ / '´ ‐‐.::／.／
/: : : ::l |: :r-| ` - ´ ,'-//: : : : : : : : : :'. l , ´￣- ´ ／
/: : : : :..l l/ ¨｀` - 、 / //V: : : : : : : : : ﾊ '. ｧ－ ´
. , -ナ- ‐―.; l / ', / , ' V:_:_:_: : : : : 、:', r二￣￣ 二7
/ 、 l l 、 / V , / / ヽ:', l ￣￣ |
. / ヽ !l ヽ x≦三三ﾌ/ミzx' j ヽ, | |
/ l |.! Y////／//V,'///ハ ./ V l l
・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━
,,､,､,
__ { i＿ _
_ri_> ｀' ー' )
} <＿ｧ
n>､_ 〈 ヽ ヽ
ヽ ∨ <__ ゝ _>
ﾚ'´(_ﾉ } ／
{ i＜}/ } ＿_
</｡_/ / . ,'´ ｀ゝ
< / . ｲ ﾉ)ﾉヽヾ かくなる上は、ヴァリニャーノ巡察師は上京させない！
く _ } 从ﾘﾉдﾟﾉζ
） /く /... 从{ つと)从 何としても下教区（九州）に囲いこみ、「神輿」として祭り上げておく！
<＿ （ ﾉ と｀ｰ' ｀ﾉi i i〉'
｀'厶-'.. ｀t_ヮ'
＜1579年7月25日・島原 口之津＞
ｎ
| |
i! | |
|| ,ﾞ| | ＋
|| ll / | | ┼
|| || ./ | | ｏA
|| || / .| | _ 口｢i|┐
||i｀`''"||ｰ-- __/___,,,,| |ﾍ ┬┬┐ _,､,､,､＿＿／: :`丶､,､,､_ﾊ_ -ｒ|￣|√|ﾆ。
ﾛ;';';';'ｒ口;';'/￣￣＼;';';'| | }＿＿/二二廴ノ_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:く｀¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨ｱ二二{￣
￣ 7￣￣7￣|¨¨¨ﾞ|￣￣￣丈￣￣￣￣/ ≧=‐-----=≦──‐≧=‐
¨¨¨＾¨¨¨´≧=‐‐=≦三三三三二ﾆﾆ二´ : . : : : : : : : : : : :
:. . . . . 二二二 二二 二二二二 . . : : : : : :- : : : : :_ :
: : . . . .-. . . . . ﾆ. : : : -: : : : : . . . . _. . . : : : : : : : :-: : : :
＿＿, - ､
. ／, ─── ､)
// / ヽi
|_| ┃ ┃ | やあカブラル布教長。ようやく会えてうれしい。手紙は読んだ
（ ⊂⊃ ヽ
>､ ＼＿_ノ ﾉ .nｍ 日本は難しい布教区で、苦労の連続らしいね
／ ＼─── ´ヽ､ /)- |
/ ＼--／ | ￣|＿ ﾉ
| ╋ | ||
! / ﾉ |
`iヽ__ノ━━━━ヽ､__ﾉ
ヽ､ |＾ヽ､__ノ
￣￣￣` - ′
__ --……─-- ..,__
. , , zァ７/////////////////７ｧ､
. (乂__／/////////////////////////＼
＼／///////////////////////////∧
/////////＿＿＿＿∧_＿/////////,∧
. ///ﾚ'´￣￣＿＿＿＿/ ∨/ﾄ､////////∧ ようこそ日本へ、巡察師！
////|／￣////////// jﾚ'}l｢ }/ﾊ //////i
. _,ノ イ/l///////////// 三三三 }'//////l
￣ |////////////l// 三三三 j}〉/////∧ 日本では布教長であるこの私カブラルが、「顧問」として
. |/////////// /人 . ー＝＝‐ .|///////∧
. | r-､_.! /i/i/i ,:----、 /i/ｉ_.rく＼ .///////＼_ 面倒を見させていただきます！ 手取り足取り、
j/ / )r-､ {::::::::::::::} （｀ヽ＼ヽ ＼ .////｢￣
. / .′/ / ) ヾ::::::::::ﾉ i ﾉ ` l.////l 揺りかごから墓場まで！
. /{ ' iく ＞ . ＿ ＿／ ／ ///∧
＜ ＼ ヽ（r､/__) ｎ／ ｲ､_.r-､ //∧
厶イ// Ζ } //⌒U( ｲ､＿_ノ⌒ .＼./∧
|// { r─z rｲフ/／＼ }＿几ｨ⌒´|.///////////∧
|/ |.| | ￣ ７っ ) |.//////////,＼‘,
l{ |/＿／ / | |╋/ ∨ ＼ ｀ ､/＿__ ////|＼
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
というわけで来日初期には滞在先（九州）の政情もあいまって、ヴァリニャーノはカブラルの指南を受ける立場だった
そのせいか？ 1579年12月5日付の総長宛書簡におけるヴァリニャーノは日本に悲観的なばかりか、ディスってもいる
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
,-――――´￣ヽ
/ ,-―――┬､_|
,-､i ／ ノ ヽ i 『この国の事情を考えると、溜息と悲嘆と不安だけだ
i ┼ (・ ) /
ノヽ_ ⊂⊃ 〈 尊師自ら当国に来て、実見されたい―――』
／:::::::i )
／::::::::::::::＼ -´￣￣ヽ､＿ノ
/:::::::::::::::￣ヽ､_｀――― -´ヽ 『日本人は偽装的で不正直だ。それを知らずに、外面の良さに騙されて
i:::::::::::::::::::::::::::::::::￣￣｀-:::::::::::!
|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ ､::::::::::| 彼らを賛辞し、“素朴で信心深い”などと報告する宣教師が多すぎる！』
ヽ:::: ､::::::::::::::::::::::::::::::ﾒ-┤ ::::/
/:::::::::ヽ::::::::::::::::::::::人 /::::/
i::::::::::::::｀――― ´ V_ ／
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
,. ‐ ￣￣ ｀ヽ､
／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ 「教化よりも、少数の信徒を迫害から逃がすので頭が一杯」な実態だった
/.:.:.:.:./.:.:.:./.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
/.:.:.:.:./.:.:.:./l:|:.l:､:.:.:.ヽ:.:.:.:.ヽ.:.:'; そうだから、カブラルの唆しというより、状況への共通認識ではあったろう
/.:.:.:l.:.:!.:.:.:./ |:l|:!:､ヽ.:.:ヾ:､:.:.:.＼|
/.:.:.:.:|.:.l -‐/'/l:!|! ヽ｀ ｰ-ﾊ＼.:.:.:ヽ
/:.:.:.:.:.:l:.l ｨ_¨ヽ! | | ｨ_¨ 丶､ヾ:､ヽ:.:ﾊ 着目すべきは、ヴァリニャーノが「現地の報告がなってない」と
|:./:.:.:.:.|:ｌ r'::::::} r':::::::::}:.:.|'ヽ l＼:'; ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
|/l:.:.:.:.:l:.! ゝ- ' , ゝ-- 'l:.:l ﾉ:.| ヾ 言い出していることだ……
|'∧:.:.:.:l:.':､ '"'" '"'u"' /!/,:':.:.:.|
/ ヽ:.:|__::丶､ ｎ ,.ｨ':.//:.l:.:.:.:.:!
/´ヾ 7'ｰr,!｀ ´ ﾄ/ｲー-､:.:.:l
;' ヽ, / ./:ﾉｰf夭‐ﾍ// ／ ヽ.:.l
_!_,..∠､ / ＼/ﾑﾍ／/ l !:.l
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
で、同書簡でも触れられているのだが……ヴァリニャーノは早速、日本からの報告書のシステム改革に着手している
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿＿_ ,－ ､
／´＿_＿_＿__ )
/ / ／ ヽ ｌ あー。日本布教団の諸君！ ちょっと私から、改革案がある
. l | ┃__┃ | ､
/⌒` （＿ ） ヽj 各地の地方長が、総長宛に送ってくれる「日本通信」の件だが……
ヽ_ , ─ ､＿＿_つl
,－´ｌ / / ﾉ / )
／ |ヽ ヽ､_＿＿_ / ／ (＾ヽ/ /､､
ｌ ｀ ー──,‐ ´＼ ｌ ）(ﾉﾉﾉ
ヽー───/ ヽ／ヽ __ ノ
. ＼ ╋ / | /l
ヽ ／ ヽ /.ﾉ
＿＿, - ､
／, -───､）
// / ヽ i
|_| / ヽ ｜ これまでは地方長ごとにテンデンばらばらに送られてきたことで、
（ ⊂⊃ ヽ
＼ ＼＿／ ﾉ 認識の不一致が放置され、情報の共有化が図られなかった―――
／ ＼──－ <
/ ＼─-/ ヽ
| ╋/ | | 今後は日本布教長を編集責任者とし、布教長の責任において一括管理・監督してもらう
.!_ ﾉ ! ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ヽ丿━━━━ ヽ/ ポルトガル定期船の出航にあわせた期日管理と、報告内容への上長の承認を徹底する！
（ |＾ヽ _＿）
＼エーーーーーーーッ！？／
∧＿∧∧＿∧ ∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧
（ ） （ ） （ ） ）
∧＿∧∧＿∧∧＿∧ ∧＿∧∧＿∧∧＿∧∧＿∧
（ ） （ ） （ ） （ ）
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この改革はカブラル失脚後も継続するが、実施当時の状況としては布教長カブラルの権限強化に寄与するものである
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿＿_ ,－ ､
／´＿_＿_＿__ )
/ / ／ ヽ ｌ 『日本の群衆の改宗は、領主たちの命令により行われたもの
. l | ┃__┃ | ､
/⌒` （＿ ） ヽj 領主の目的は、ポルトガル貿易による収益への期待にすぎない
ヽ_ , ─ ､＿＿_つl
,－´ｌ / / ﾉ / )
／ |ヽ ヽ､_＿＿_ / ／ (＾ヽ/ /､､ 然るに報告者たちはすべてを大いなる霊的熱情と描写し、あるいは
ｌ ｀ ー──,‐ ´＼ ｌ ）(ﾉﾉﾉ
ヽー───/ ヽ／ヽ __ ノ 一人の例を、全日本で生じたかのように記している！』
. ＼ / | /l
ヽ ╋ ヽ /.ﾉ
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
_,,,,,,,,,,,__,,,,,,,,_
. ,.イ'//////////＞- _ ﾄ,
／//////////////////＞‐--イﾉ
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｀"ーｧ/////////////////////////く
_,.イ/////////////ﾊ'////////////∧
. //////////////::∨///////////,ハ
. ,ｲ///////////!ﾞ/:::::::ヽ////////////ハ
,イ／.!//⌒!////,l,.l':::::::::::::::＼/////////､//＼
l/,{ !ゝ|////,l:::::::::::::::::::::::::＼'///////!｀ー '"´
. l//＼｀l////,l 〉V/////,l
l//////////,! V/////!
ｌ'//////////,! ` - /!////,l
j////////V//ト .ｲ }ﾊ/// ……
ﾉ/ｲ///////V/,! ｀ - イ//l ' V/
,ｲ/ .|'//////∧V,ﾊ｀ ‐- ,ｋV,//八、 ｿ,
／" .l'///////∧ヽ,ﾍ. {:::::::V//ハｰ'''"
l/////∨/,∧＼ ゝｰ`;::::::ヽ//∧
. ｊ//// ヽ'/,∧ ＞ ､:::::::::V/,∧
. ///,/ －- }//∧､ ╋ ,＞､:::V/∧
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そして、おそらくカブラルの影響であろう。当初はヴァリニャーノ自身、かなり否定的な日本観の持ち主だった
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿＿
, - ￣｀ ヽ
／: 、 ､ ｀ヽ
, ': : . ＼ ヽ : : ＼
,': : : :, . . , ｲ: . ', ', ヽ丶ヽ: : : : :ヽ さて……問題は、（カブラルの影響下にある）ヴァリニャーノが
; : : : ;': ; ; i : i l; : : :'; : '; : : : ｀ヽ｀ｰ:-:､ﾄ､__
,' ;': : /: ; i:i| : i !:lヽ: : '; : :: ;: : :､: ＼:ヽ｀ー､｀ ディスっている「偽りの報告書」が、具体的に誰の報告を想定して
ｌ ; : :,': :l: i|-!‐ｌ-',i ヽ､ヽｘ‐:-;--:､ :｀ヽ: ヾヽ!
i i : ;i: : :ｲ ,ｒ≠ミ､', ｒ≠ミﾚﾄ- ､: ﾊ: ﾊ いるのか、という点だが……
!ﾊ : !: : ﾊ〈Ｖi: ﾊ ｀ V､:::ﾊｿ |ｿ/ ヽ!:ｿ
ヽ!: ヽ : ハ弋ｚﾝ 弋ｚﾝ j lノ: : : ハ
Yﾉヽ: Yﾊ´xxx ' xxxｲ| |: : : : : :ﾊ カブラルの宿敵オルガンティーノのそれが含まれただろうことは、
ノ メ Y l:!:ゝ ｰ ' イ: :.| | : l: : : : :ﾊ
´ T: : :｀jﾉ:l|: |: : ＞, く´ ﾄ,: : :! |: : i: : : : :ﾊ 想像に難くない……
ｌ: i :ノ : j: :i:ィﾉ￣ﾊ ｲ￣ 〉｀!:|‐,--: : : : :ﾊ
ｊ: l: :i:r ﾉ _ ィノｲ ﾄ!ｊﾉヽ〉ミ､ l:|/ ｀ヽ: :',ﾊ
ｲ: j: i/ /, ７ｒー‐､ｵ,'⌒｀ヽ､ヽ!| イﾊ : ',:ヽ
/:j / /ヽ ｌ ｊ ' ´(⌒ヽYィ⌒) ｀i ∨ / i: : :',: ヽ
/:/; :./ ｨﾉ ﾊ､ _ノ l. ∨ｭ ﾉ l: : ﾊ: : :＼
. /j:/: :/ ｲ ﾊ ＿--｀_Y´-―､ ｿヽ i: : :ﾊ: : : :＼
//:/: /ｲ !l X´. / !| ヾー､ノ j ＼ l: : : :ヽ: : : : ＼
───── ‐ ─ ── ───── ‐ ─ ── ───── ‐ ─ ── ───── ‐ ─ ──
-――-
≦ ≧
／ ＼
〃 /＼／＼／＼／＼／＼／＼ ∨ 「日本人は全世界で最も賢明で、理性に従う。怒りを外に現す
. l ./ -‐､ -―- 、 丶
l ′ '´ __ __ Y:i のを嫌う。忍耐強く度量がある。交際は丁重である」
. | ′ γ´ ヽ γ´ ｀ ! |
_ | | i | ! ● | |〃ヽ （1577年9月20日付フェラーロ宛書簡）
'´ ｀i| 乂 ⌒ﾉ ゝ .ノ i|
| ´ヽ ｀¨´γ ￣ヽ ｀¨´ =- 〃|
| r -= ゝ ﾉ ! ﾘ 「信仰のことはともかく、我らは彼らより顕著に劣っている。
八 ∥ T , ├'
｀ | _ -‐" 日本語を学んでのち、かくも明敏な人はいないと考える」
八 =‐- ----‐ ￣ ﾘ｀ヽ――-
'"´ ' （1577年9月20日付イエズス会総長メルクリアン宛書簡）
／ ＼ ／
彡
＞ ．. ＿ . ．＜
╋
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
松田毅一も指摘するようにこのオルガンティーノの日本観がヴァリニャーノにも、大きな影響を与えるに至る
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿＿
＿__,. ＜ ＞ 、
／_, ／ ／ ｨ ﾊ ヽ ､fj＝ミ
. ≠フ. /ｨ / ./// j/ ', ﾄ, ', ﾟ , ヽ＼
-=彡' 〃 l , /ﾚ'r匕 ト-V∨ ∨ .∧ヾ、
_／=‐ｨ>' ∨}' ◯ ◯ }l ﾄ,',、 ', 言い換えればカブラルは、ライバル（オルガンティーノ）を掣肘する
／>' ! , /| ,,,, ,,,, ﾘ|/ |Ⅵﾍ｜
. ／, ' |ﾊ i {.ﾄ､ ▽ ,. ィi| ,' ',ﾊ j のに焦って、任地（日本）そのものまでディスっちゃってた感じ？
∨ //.Ⅵ ,r≠≧=＝＝≦ﾚﾚ' j/|:i ',ﾊ
. // ヾ,'::{:::::::}==大==}___,.r-､ Ll |::|
|:| {:: i::::::::∨/|l＞i´ Y{ } |:」 かれ自身、京都の信徒への好感度は高かったのにねぇ……
ヽ_,. ィ:::::::i:::::::::::￣:i:::::| ./∧ｲ
,. ＜:::::::::::::::::∨:::::::::::::::::::}':____j'
. ／:::::::::::::::::::::::／-≧====y'
＿＿
, ‐ ´ ｀ヽ
／..:／.:/ .;ｲ :. :.丶.:.: ＼
〃:.:./ .:./:.:/小:.: ',:.:.ヽ:.:.:. ',
l:{.:./ .:./-‐:! l ヽ:.‐-:.:.:.＼:.:.! しかしその努力も空しく、ヴァリニャーノは日本布教区の内情を把握
ｉ:}:ﾊ .:7ｨ=ﾐj:ハ >=ミヽ:.:ﾍヾ、
､_メ!.:i.:.ﾊ r'_;j r'_;j ∧:.:}:.fヾ するにつれ、日本の布教を自分色に染めようと画策しはじめる―――
乂;ｲ.:.∧ /ｲ V:.:.| ﾘ
_／ j/_:ﾉ:.介 .、 ° ,イ:.l:|:..|:.:.:.!
´/:.:,':.:.:j:|:ﾉｰf夭‐ﾍ :j:|:.:ｌ:.:.:.:!
/.:.;ィ7´ｌ:|＼/ﾑﾍ／｀l:| ｀ヽ.:.:i
/.:/i // !| に不こ) !|l /!:.:.i
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
つまるところ、よくある話。雲の上から天下った大ボスと、古参の現地ボスの主導権争い。ドメルとゲールの不和である
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ヴァリニャーノは1580年6月24日付で『日本布教長内規』を発布。指導者として采配を振るうべく、組織に手を付ける
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
,／ ＼
／ ＼
/ ヽ
./ ﾊ./ゝ、 __ ヽ
i ,ﾍl ヾ. ｀,,'ﾆ¨--¨ﾆ､‐-''´ヽ i （ だいたい日本布教区内部の力関係は、読めてきた……
! l ヽ. 7"::;:::::＿::､ヾﾞi _ヾ､ ﾊ ﾃﾞｪｯｷﾚｴ
: i丶. l::::k'_´_o__ﾞ,!:::7 7;:::＼ﾞ¨" ,l, おれはカブラルが、邪 魔 者になったぞ！
: ｌ丶 ﾞー───‐' . k'^ヽ、ﾞi ﾉ
: ゝ ,ｧ''''"￣￣￣''ー''¨ヽ｀ﾟ'-ﾞ_,! 丿
:.. ,〉 ,.'",ｎ. rャ ,-､ ﾞヽ､ ,ﾉ まずは主導権を握るため、組織構造に手を付けるか――― ）
l: :ｉ |:::| |::::| .i:::::| ;ﾍ _ヽ.,!
| :ｌ _,レﾍ. |:::::! !:::::l ,l:::;! i:.:i 〉
} :! '´ ,} |:::::l !::::::! ,!:::;! ;': 7,!
! :l ,/l. !:::::! ｌ::::::l ,!:::;! 〃.7.l ,ﾊ
: .／i. ,/::::ゝ.l::::::し'::::::i. ,!:::;!.〃,/ ｀ー‐'" ,}
:..／ ｀ー､":::::::::::::::::::::::::::::::¨:::::ﾚ'!_/ ,/
:.:l : : :: ゞ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ゝ.,,,＿,,,,／
:;' ; : :: ｀ヽ、::::::::::::＿::::::::/ l
; ,' ; : :: ￣￣:::: ,' ￣ ; i､
╋
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
,,､,､,
__ { | | i＿ _
_ri_> ｀'. . . | | 豊ー' )
} 下 | | 後 <＿ｧ
n>､_ 〈 ヽ ...| | ヽ ＜ パカッ！
￣￣￣￣￣￣￣ ￣￣￣￣￣
＿＿, - ､
. ／, ─── ､)
// / ヽi
|_| ┃ ┃ | ＜ 日本は広大な島国ゆえ、布教の効率化を図りたい。教育機関の分散も兼ねてね
（ ⊂⊃ ヽ
>､ ＼＿_ノ ﾉ 今後、九州布教区は「豊後」と「下」に分け、「都」と合わせ三教区に再編するよ！
／ ＼─── ´ヽ､
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ヽ ∨ <__ ゝ _>
ﾚ'´(_ﾉ } ／
{ i＜}/ } ＿_
</｡_/ / . ,'´ ｀ゝ
< 下 / . Σｲ ﾉ)ﾉヽヾ あ、あれ？
く _ } 从ﾘﾉдTﾉζ
） /く /... 从{ つと)从 ただでさえ五畿内より小規模なはずの九州布教区が、さらに細分化
<＿ （ ﾉ と｀ｰ' ｀ﾉi i i〉'
｀'厶-'.. ｀t_ヮ' されちゃってるんですけど？ っていうか私の直轄区（豊後）、せまくね？
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
建前としては「日本人むけ教育機関の分散・効率化」であり、豊後は「下と京都の通路となる
『日本の中央』ゆえ、布教長の在所に適する」とされているが……
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
.. ／⌒ヽ
( ＾ν＾）
/ ヽ
| | | | ← ヴァリニャーノ
| | | |
｜| ｜|
し| i |J＝二フ
.| |｜ ;
｜ ﾉ ﾉ ・
.| .| （ ；
/ |＼.＼
し' ￣
_,,.., ,,,_
/ ,'/;;| /3 `;; ;ｰっ
l |;';;| | ⊃ ;;;) ￣' (⌒_つ
`'ｰ-^ --‐'' '''''"
都 豊後 下
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
＿＿,,,,,..... -一ｧ
/￣.:.:.:.:.:.:.:＼..-──--､,!
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／ ,!
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..i 断 だ ,!
/.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.i る が .,!
/:.:.:.:.:.:/-、:.:.:. ヽ ,!
. /:.:.:.:.:.:/ ヽ:.:.:/.〉 ＿＿,.,!
/.ｌｌ:.:.:.:./ .|:. /／ヽ.:.:.:.:.,!
/:/|:.:.:.:/ 丿 ＿ｌ/＿＿ ',.::.:.,!
. /./ |:.:.:/ ｌ ∥∥ !》;/ ヽ:,!
/:/ .| / .', 丶' ;丿 ;;;;| ,! 「巡察師の方針は将来、不適当だと判る
. / j/ ≦三彡 //: ,,!
/ / ､ /／:,! あなたが去れば紙上の空論となる」
. / ／:.:.:.,!
/ 丶 ─--─ _ﾌ ／:.:.:.:.: ,!
. ヽ､ ｀￣￣￣ .／:.:.:.:.:.:.:.:.,! （1580年10月の総長宛ヴァリニャーノ書簡の証言）
. ｀`ヽ.､_ --‐‐ ィ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:_.,!
｀`ヽ..､.. | _,＿-‐''´,!
｀`ヾ､ ,!
｀`ヽ,,!
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＞１が思うに、真の目的は「九州勢分割」によるカブラル弱体化であろう―――果たしてカブラルは反発する
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ト--‐=≦//////////////////////////////γ／
. ＼/////////////////////ﾊ/////////////| / ＿|＿ ＼
｀ ＜///////////////// ∨///ﾞヽ//////,' |＿___
'/ /////////////// ´￣V/厂ヾ,./////| ／| ヽ
. lｼ/////////////// _∨._ ∨'///| ｌ （_ノ ＿ノ
l./////////////// 'x＝=-ｪ、' .Vｿ//| |
l.////////////// 仡j;;;rﾊ /ｌ'///! ｌ lヽ│/ ／
. l ///////////, ′ 弋ｚｘり' x幺ｌﾞ///| ヽ＿ノ !ｰ┼‐ |‐┬
. 'ﾞ/////////xく. ミ＝≠彡ﾞ ｌ/// | |./│ヽ l |
∨,///／/ｲ ､ ｌ/// .| ー┼─ └── ｌ |
. 〉//〈 ′ .｀i`ｧｰ-- ､ l////| ｰ┼－
∧//l ヽ. ﾚ' ' イ7// | _⊥_ l |
/ ∧/|//＞ '､ ﾉ ィ///7////.| (__丿 ヽ レ |
/／/ヽ|//////＞ _ _ ´ L//7///// | l
／ ////////// ｆく j .ハ)'/////＿| . _＿|＿ _ノ
. /////////. ﾍ ｀ ‐ ─ ´ ,//／‐- ＼ .＿|
. ///// -‐ ´ ＼ ／./／ .| .（＿|
///／ ｀ ╋- ´ ′ | ノ
＿
＿＿＿ |//|__
／::､_::､:::::::::::::＞...､ |//|: |
,r-､ /::ﾄ､＼＞二二＝､:ｉﾊ, .|//| :|
.|.ロ.| r-､ /:::::ﾄ､ﾆ.。{,rｪ-､ヽ r-ｉ} .|//|: | そうかい。かえって日本から離れられなくなったな…
.| .| .|.ロ| ,､ {:::::::ーｧ.。｀ー--'" .ﾄ-i_,. .|//| :|
.| .| .| ..| / 〉,ry ./V:::::ミﾆ_,ｨ ｰｧfi.fi.fi.fi.f゛__ .|//|: | ﾀ ｲ ﾏ ﾝ
.',＿_', ｷ ﾊ .| .}ﾞ,/ i＼_/＿V::::::／/￣i .||.||.||.||.i_／ｌ |//|-| ならば貴様の運命を決める、第一回日本布教会議
∨ /ﾊ-{ｰ-|-|ｰ,}-} .ヽ/／ニﾆﾐ< ./二ﾇ ＿/ヽ,/ｉ |//|亠､
|,＿///_//////i! .Y＿ ｀ヾ ヽ＼ T l ｀ヽ_Yフ ,ﾞrｧ.'┴ｲ と しゃれこもうか……
{////////////| ../ ｀ 、 |＼_〉/| _ :｀ヽ、,Y-､ .〈 <::::｀iJrm、
＼//////////}／｀ヽ、_,ｨ个､/ : : : ヽ＼╋ヽ*V.＼}__ﾉ ,＼XXXX}
.＼////////l////} ),.-┼J : : : : : : :.l:}__,人*}: :/||::::::::::/｀ｰ一"
.￣￣＼／⌒＼jツ. l: : : : : : : : : l } * }_ } : ﾊヽ;:／
＼＿_ノ/ i! : : : : : : : : ｌ }.￣ﾞ}^ }､ : >'"
￣ .｀ー -r- .＿l },￣}*ｲ￣
,r-(二二二[二]ﾆﾄ､
/: : : :￣ ー. ､:::::::ｲ: :｀ヽ、
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
第一回日本布教会議は臼杵（豊後）・安土（都）・長崎（下）の三教区で個別に会議を実施する形式で、全司祭が出席した
1580年10月の臼杵を皮切りに、翌年7月にはヴァリニャーノの初上洛を兼ねて安土へ、そして12月に長崎という順番だ
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＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__
||￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣||
|| 今日の議題 ||
|| ||
|| 第一回日本布教会議 ||
|| ||
∧,,∧ 。 _||＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿［三］＿||_
(´・ω・) ／ .└┬┬─────────ｰ┬┬┘
. （∪ つ ││ ││.∧,,∧
`ｕ-ｕ' ∧,,∧.┷┷ ┷┷( )
( ) ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣⊂ ((￣￣)
(￣￣)) つ ＼||￣||∧,,∧
∧,,∧||￣||／ ＼ ( )
( ) ／ ⊂ ((￣￣)
(￣￣)) つ ＼||￣||∧,,∧
||￣||／ ＼ (
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
|::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::∧:::: ＼＼＼/
|::::::::::::::|:::::::::::::: /::::::::::::::::::リ::::::′:::::::::三三 ′ 輪 イ イ 巡
|::::::::::::::|:::::::::::::/::::::::／ }::::::::::::/ ／/ ::三 廻 ン .ン 察
|::::::::::::::ﾚﾍ:::::/::::::: ′ j:::::::: / ／}:ノ __,｛三 転 ド ド .師
|::::::::::::::::::: ∨::::: /、 /:::::::/／斗 ''"´ }三 任 か に め
|::::::::::::::::::::::::::::::/() ｀ / :::::/ ´ （） }三 を .ら .転
/::::::::::::::::::::::::::::/ ::::::::/ }三 繰 イ 任
. /:::::::::::::ﾟ，::::::::::::| /::::／ ______,ノ:三 り .ン し
厶イ:::::::::::ﾟ｡:::::::::::|ミ=/:／ ===彡:::三 返 ド ろ
::::::::::::::::ﾟ:::|::|:::|.／ι 、 ι三三 せ の ！
. /:::::::::::::::::|::|::|:::|＞ ＿＿_ ｨ:三三 //
/:::::::::: ／/|::: ‘｡|::::::::::::＞ ｀¨¨´ ＜三三三 ‥
. /:::::::::::::::::::－::::::::::::::: ／| ＼ － ´ イ:::三三三
. ／::::.イ::::::::::::::::::リ ¨¨¨´ │ --＜ ／／／/∧
´ |:::::／{ ﾘ | /i:i:i:i:i:i:i:∧.／／／／∧
j／ ､ ＼{:i:i:╋:i:i:i:ｉ∧ ／／／/∧
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
先述の、カブラルとコエリョによるヴァリニャーノの上洛妨害は、この時期に起きた案件である
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「三教区あわせて一会議」なので議題はほぼ統一されており、個々の分会ごとの記録はない。とはいえヴァリニャーノは
「日本布教長内規」を通して自身の主張を明らかにしており、ある意味、それに反対するカブラル更迭の査問会だった
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ ｀Y´
| やべぇよ……やべぇよ…… |
ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿,ノ
γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
| 布教長と巡察師の、ガチバトルだぜ――― |
乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
＿ ／"￣￣"''ヽ _,, -‐- ,,_
.＿ /L. "ヽ i_l￣l＿ | .∠
/L. ''.! o l .| ｌ0 ○ ] .| ./l l＿__
! o l l・ l ', l ● [ .| |0 ○ ]
l・ l .,' ol./´ ＼ l0 ○ ]＿,,,,..| .| ● [
l o l >､「/ ＼__,>､,r'''" | |0 ○ ]
. l l / ／〈 ｰ' ヽ |｀i__i´￣
l ﾉ l .l ／ ╋ l,r‐';"´〉 ,r'",r''"
l,--､l / l ,l / / 〈 /'-'フ" <
＿,r==' ﾉ`〉 l / / / l ヽl／"''''''''"
_,r‐'" ／ 〈 l''''''フ´ l / ﾉ ╋/
‐‐''''フ" ,r''l_,.ノ／ .（ ./ / / /
‐＜ﾆ--‐‐''" ／ / /｀''ヽ､,_ ノ / /
＿r=ﾆ>-==‐'ﾌ ／ ,..ノ >' ,-ﾑ、'
／;'／｀>=｀ヽ' ,r'" ＞-'" _,..r―-'´｀ヽ / /
l､／lｃ'｀‐'｀l__,.r'",r'" ,rーl", ､ ヽ'ー''
γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
| だが階級から言えば、布教長に勝ち目は無ぇ…… |
| |
| 負け組に味方したら、日本じゃうだつは上がらねぇ....|
乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
イエズス会は「総会長（初代イグナチオ・ロヨラ）―総会長顧問―巡察師―管区長―準管区長―布教長」という、軍隊
的なヒエラルキー組織である。巡察師ヴァリニャーノは布教長カブラルよりはるか上級であり、勝負はすでに見えていた
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
γ⌒丶
/ =O=ヽ
￣(,,ﾟДﾟ)￣
/”つ Ｃ′
人 Y
(( (( （__（__）
＿＿__ ＿＿__ ＿＿__ __＿＿＿＿o
Ｌ＿_o__|＿ Ｌ＿_o__|＿ Ｌ＿_o__|＿. / ╋ /
Haa Haa Haa （,, ´∀｀） （,, ´∀｀） （,, ´∀｀） /＿＿＿＿/
＿＿__ ＿（ つΥ⊂＿（ つΥ⊂＿（ つΥ⊂ ＿＿__ ./
Ｌ＿_o__|＿ Ｌ＿_o__|＿ Ｌ＿_o__|＿ Ｌ＿_o__|＿ Ｌ＿_o__|__/
〜 （ ；´３｀） (( ((（,, ´∀｀） （,, ´∀｀） （,, ´∀｀） （,, ´∀｀）./
〜（ つ ⌒ つ ＿（ つΥ⊂＿（ つΥ⊂＿（ つΥ⊂ （ つ つ
〜 人 Ｙ Ｌ＿_o__|＿ Ｌ＿_o__|＿ Ｌ＿_o__|＿ 人 Ｙ
（__（＿） (( ((（,, ´∀｀） （,, ´∀｀） （,, ´∀｀） (( （__（＿）
（ つΥ⊂ （ つΥ⊂ （ つΥ⊂
人 Ｙ 人 Ｙ 人 Ｙ
(( (( （__（＿） （__（＿） （__（＿）
ZUM！ ZUM！ ZUM！
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
／ ￣ ヽ
-: :―- 、 / _＿ ― - まあ、そもそも初代総長の私が元軍人なもので……
／: :_:_: : : : : :＼ { , - : : : : : : : : : : : : : : ＞
/: : : : : : :ヽvﾊ: : :.ヽ、＿__ ノ ／: : : : : : : : : : : : : : : -― ミ:.、 どうしても組織にハートマン軍曹のDNAが入ります
. /: :/: : ; /: : :} ,!:.}: : : : ー -一:彡: : : : : : : : : : : : : ＜ ヾ
/,ｲ:,!: : :l:.l:ハ:.!､_k;ﾊ;!:}: : : : : : : : : : : ノ: : : : : : : : : :, '⌒)! __ _＿ -―- 、
{:!,: {: : :T:ｻﾇ'ﾘ 弋:｣ﾙﾍz:._:_:_:_:_:_:_:_:_: : : : : : : : _;∠_ ィ´,fｒ=ミｰ ﾆ -;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ ）
У:ﾊ: :从代:ﾉ ､ r'///////////＞一ァ77/// / {{ ∠_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ
／/: : :个: ミ≧ f⌒) /＼///ム斗イ/////////// ム-≧=彡ヘ ´"'／ ／
/ /: :/: 人:_: :,;＞≠≦rｚｧ7//´////////////////fr‐' ｝
! ,:: :/: f＼＿〉////////////////////ム/-――一'
Ｖ: : {: :.{:∧: :{////////////ム斗ｧﾇ￣ _＿_ / ／／
{: : : |: :.ﾄ: : : :ゝ//////＞イ╋/////ﾉ, :'.: : : : :ヽ
{: : : |: :.l: :ﾐ:､: : V//／ﾑ/////////f’: :.;_: ⌒);ﾊ;! /／
{: : : {: : : : : :ヽ: :.＼/////7ｧ イ///{:.:／ ノ ′
.ゝ: : ヽ: : : : : : : : : :ヽ/////////０ﾊ , へ ／
`､: : :.＞､: : : : : : :}////０//////',_∠＿＿＞-､
￣ ` ー 二/////////////〉ｰ- ＿＿__{
_∠ -〈///////////／ ＼ ﾉ
｢￣＿ 一 ＼/////＞ ＼ ＼ _ ∠
イグナチオ・デ・ロヨラ（1491－1556）
イエズス会初代総長。ザビエルの「魂の父」。バスク人
（演者：桂言葉 ＠School Days）
=≡≡二＝≡=二≡=≡=≡=二≡=≡≡二＝=≡
=≡ ≡二＝
≡= 勝負あったな・・・ =≡
=≡ ≡二＝
=≡≡二=≡≡=二≡=≡≡=二≡=≡二＝=≡＝
--- 、///
／:::::::::::::::::::::＼///
/::::::::::::::::::::::::::::::::＼_///
-=彡:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ,///
|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨//
|:i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨/ メルクリアン総長あてに、解職届を出そう。巡察師にも通告する……
リ !:|｛::::::::::::::::::::::::::::::::::}ヾ/
リ ∨ ＼::::::::::::::::::リ//, なに、どうせ超遠距離の船便だ。受理されるまで時間はある
│ ＼ﾄ､::::::::l////
│ } ヾ:ノ//// ///
│ ′ ＿_/_/_//// 会議では、せいぜい悪あがきさせてもらうさ―――
│ ./ ／: . : . :.////:、/
_,.、 ,ﾉ /: {: { . : . : /////∧/
《 ﾄ､__／ ./:::: {: {: . : {i:i:i:i:i:i}///}
｝┴{ __,,ノ:::::: い:.. : ...:}i:i:i:} ///
,ゝ‐'＜: : : ＼::: ＼_:_._:.}i:i:i:}/;ノ
／: : : : : : : : : : : :＼ }i:i:i:}//
. /: : : : : : : : : : : : : : : : ｀:ー――‐}i:i:i:}//
/: : : : : : ﾉ`ーｧ､--------－－ ´}i:i:i:},/
〉―ｧ―′ / У ---------=≪彡′
ゝ ───- ､
／_＿＿＿＿＿ヽ
/ | ノ ─ ､－ ､|
! __|─| //|ヾ |
（ U － o-U l
| /⌒ヽ__U＿__） 布教長……
ヽ､ヽ ＿＿_ /ノ
／＾＼／╋ﾉ＼
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ローマでイエズス会総長に抜擢された「キャリア組」巡察師 ＶＳ インドで現地採用の「ノンキャリア組」布教長―――
勝負は明らかだった。“ヴァリニャーノ追い出し作戦”が頓挫すると、カブラルは1580年8月30日付で辞意をしたためる
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
なお、当時の通信事情の哀しさでカブラルら在日宣教師団が、知る由もないことながら―――
カブラルが解職届を宛てたイエズス会総長メルクリアンは、実はこれに先立つ1580年8月1日に逝去していた
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
, ´,二二二二二 ヽ
( ( _＿＿＿＿ _ ) )
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, ‐:´: : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
/:／／/: : : : : :i: : : :i: : : : : : : : :ﾊ: : ﾊ
,':/: /: /: : : :/: : i: : : :.i: : : : : : : : : :.',: :.ﾊ
i:/:./: /: : : : i: : /i: : i: :.i: : i､: : : : : :'､:.',: : l
.i/:/i: :i: :i: i:.:.i:./ i: : N: :i､: ',ヽ: ',:.:. : i: :i: :.i
i/ i: :.i: : :i: :i:,/ i: :i '､:.i ヽ: ヽ.',.:.: :i: :i: ﾘ まさかの出オチですが、故人メルクリアンです
i i: :i.i: : i: :.i'`ト廴'､i '､i. ,斗ｾﾁヽ:.:i: i:.ﾘ
i: i i: : i: i. ｀ヽ ´ i:i:ﾘ/
V:..i: i:.V ヾ=='ﾞ ヾ=='ﾞ i:i:.ﾘ,､
i:ヽi , /: i/: :'､
〉: i.ﾍ /: /: i: '､ﾊ
/: :'､i: :.:> ､ ⌒ ,.イ: i/:i: :.i: :.',:ﾊ
/:./: : ヽ:.i: :.| ＞ ＜.|: : : : : :i: :.i: : '､ﾊ
/:/i: : : : :.,､-ﾘ .|-､: : : :.i: :i: : :i i: i
i:/ i:.,､ ＜. Y / ゝi ＞ ､,i: i: : :i i:.i
,､ィ'´ ', / ,' ` ､, i/
／:::::i ',‐-､ ,､-‐/ |::`ヽ､
./::::::::::i '､ .╋. / i::::::::::ﾍ
第四代イエズス会総長エヴェラルド・メルクリアン（1514－1580）
（演者：加藤乙女 ＠School Days）
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
ヽ /:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:. i:.:＼: :i: :V:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:.∧
乂 /:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:.ヾゞヽ'ｰ' !:.:ｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:.∧
／i:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:.:.:j |: :i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:.∧
. ／ j:.:.:.:.:.:. | :.:.:.:.:. i |: :i! :.:.:.:.i: : ',.:.:.:.:.:.:.:.:: :.∧:.:.i
. ／ i:.:.:.:.:.:. |:.:.:.: :.: | |: :ﾊ:: :: :ﾊ: : ｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i: :i
. ￣フ !: /:.:.:. |.:..:.:.:. 丁≧=ｰ- ! ,' .!: : .'-‐=≦丁 ', :.:.:.:.:.i: :i
V !/ :.:.:.: |:.:.:.:: : ｨf示≧r､.l/ j.: :,',.ｨ≦示x : :i.: ::.:.:.:Ⅳ よってカブラルの解職届を受理したのは、
￣ i:.:.:.:.:.:/| :.:.:.::. |.{r';;;:::::i !::/ fr';;;::ﾘ j.: :i: :i :ｉ:.:.!′
| :.:.:.: { |:.:.:.::.:.:j.弋z沙 i/ 弋zツ ! /: :Ⅳ / 後任である このあたし。以後よろしく！
|:.:.:.:.: ｀|:.:.:.:: : | , _ ..． - ‐ ―― ､'
|:.:.:.:/: :|:.:.:.:: : | ,.. -‐ '´ 丶
|:.:.:.:i : :| .:.:.:. ＿ゝ..::':´／ ヽ
|: , ｧ フ ￣: ::::::::::::／ { ､
. ／ ':::::::／::::::::::::::::::/ { i :
// ::::::::::::::::::::::::::::::::/ i ! i i
,′::::::::::::::::::::::::::::::::::i ヽ i i i }
. i,' ::::::::::::::::::::::::::::::::::: ｉ ､ ! .ｉ } ,ｲ
. | ::::::::::::::::::::::::::::::::::: ∧ ヽ i ﾉ ﾉー‐‐' /
. i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ヽ丶.._ ｰ=-'ーｧ‐'ー‐= ﾆ.. ＿..／
第五代イエズス会総長クラウディオ・アクアヴィーヴァ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ただしこの人事情報が日本と中国に届くのは、1582年まで待たねばならない―――そして後任アクアヴィーヴァ総長と
ヴァリニャーノの個人的関係が東洋での布教活動にも色濃く反映していくことになるのだが、そこは後編で触れる
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
,．-- 、 -‐ ￣￣ ｀丶、
／ ／￣l ／ ヽ
,/ / ./ / / /〃/{ { ヽ ｀ヽ. ∧
| ! / ｌ / /斗/ハ ｨｰ‐ヽ ∨ l ともあれカブラルの運命を決める、日本布教会議の開催が決定する
l l / { { ﾚﾃく ヽ＼{ヽ＼ ヾ │
＼|_／ 乂l f r'ﾊ __ 7ﾊ＼ﾘ l
| | 八,}弋ｿ ''⌒ｿﾉ ） | だが実はその前に、カブラルとヴァリニャーノ、ヴァリニャーノの側近
| | ノイ |ゝ" ｀ "" { {´ |
| | | .| l ｀>､｀_´_ ,イ | | i | ロレンソおよびアルメイダの間で「予備会議」が設けられた（1580年夏）
| | .| .| |_/:::ｺｿ ＿/i | | | .|
r┴っ∩ |／, ,へ∠,へ / ７ﾄ､| ! ! 議題は、以下の通り―――
Yﾆっ! ｌ /// ,{ (_r 」' / ＼ ! .|
}ﾄ7ｿ/< / l/ ７ ∧ ヽ、 / / ;| |
【予備会議の議題】
Λ∨∧∨∧∨Λ∨∧∨∧∨Λ∨∧∨∧∨Λ∨∧∨∧∨Λ∨∧∨Λ∨∧∨∧∨Λ∨∧
× ×
× １．ゴアから日本副管区の完全独立 ×
× ×
× ２．長崎・茂木の譲渡 ×
× ×
× ３．日本布教区の三分割（下・豊後・都） ×
× ×
× ４．布教の統轄（布教長の任期を三年に限定する） ×
× ×
× ５．各教区のセミナリオ関連 ×
× ×
× ６．日本人聖職者の養成の件 ×
× ×
× ７．日本人をイエズス会に採用する件 ×
× ×
× ８．日本人在俗聖職者に関する件 ×
× ×
× ９．日本司教が着座すべきか否か ×
× ×
×１０．在日イエズス会員の絹衣着用の件 ×
× ×
×１１．布教をさらに拡大すべきか、あるいは現有信徒の信仰深化に専念すべきか .×
× ×
×１２．教会に奉仕する日本人の処遇に関する件 ×
× ×
∨∧∨∧∨Λ∨∧∨∧∨Λ∨∧∨∧∨Λ∨∧∨∧∨Λ∨∧∨∨∧∨∧∨Λ∨∨∧∨
＿＿
, ‐ ´ ｀ヽ
／..:／.:/ .;ｲ :. :.丶.:.: ＼
〃:.:./ .:./:.:/小:.: ',:.:.ヽ:.:.:. ',
l:{.:./ .:./-‐:! l ヽ:.‐-:.:.:.＼:.:.!
ｉ:}:ﾊ .:7ｨ=ﾐj:ハ >=ミヽ:.:ﾍヾ、 この予備会議の議題は、その多くが本会議とかぶっている
､_メ!.:i.:.ﾊ r'_;j r'_;j ∧:.:}:.fヾ
乂;ｲ.:.∧ /ｲ V:.:.| ﾘ このうち「１１」は全員が、布教拡大方針を採ることで一致した
_／ j/_:ﾉ:.介 .、 ° ,イ:.l:|:..|:.:.:.!
´/:.:,':.:.:j:|:ﾉｰf夭‐ﾍ :j:|:.:ｌ:.:.:.:!
/.:.;ィ7´ｌ:|＼/ﾑﾍ／｀l:| ｀ヽ.:.:i いっぽう「１２」については、カブラルだけが孤立している……
/.:/i // !| に不こ) !|l /!:.:.i
/.:/| ヽl ｌ !|/〈/ i| ヽ｣ !| !./│:.:.i
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
ﾟ･ *: : *･
*･ ゜ﾟ･ * : .｡. .｡.: *゜
* ･゜ ﾟ･ *: . .｡.: *･ ゜ﾟ ･ * :..
｡. ･ ･*:.｡ ∧,,∧ .∧,,∧ .:* ･゜
∧∧(´・ω・｀)(´・ω・｀)∧∧ 教会で雇用している日本人の処遇は、
(´・ω・｀).∧∧) (∧∧(´・ω・｀)
｜ Ｕ (´・ω・｀)(´・ω・｀) 厳格さよりも温和をもって接するべきだよ
ｕ-ｕ （l .† ) ( .† ﾉ
`ｕ-ｕ' `ｕ-u'
､ ＿ ＿ ＿
ゝ:::: '´::::::::::::::::::::ヽ､ 人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人
／:::::::::::::::::::::::::）└::＼ . ＜
/:::::::::::::::::::i::::/ヽ::⌒::::::::ヽ、 ＜ 異議あり！ 適時、愛情を示さねばならぬのは
〃::::::::::::::::/|:/､＿ヾ::::::::ﾍ:::::＼ ＜
ﾚ:::i:::::::::／ / 〈●〉;:::|、:::∧￣｀.... ＜ 当然だが、厳格なことが必要！
ノ:::|:::／､_,､_, """i::::|ﾉ::::::∧ . ＜
/⌒ヽ_/ﾍ ゝ._） j /⌒i:::::::ﾍ . YYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY
＼ /:/::::ﾉ＞,､ __, イァ/ /::::::ﾄ､ﾍ
. / /／, ヾ |三/ {ﾍ､__∧::::::i ヽ
｀ヽ< / ヾ╋ ./ヾ__彡':::::::|
／／ ｀`ヽ､＼
（ ( ) ヽ
＼ ｀ー --,． '"´ ￣￣｀`ヽ -- '_ ノ
｀ー-／ ＼
, ⌒／ , / 〃 , ､ ヽ. ､ ｀V´￣＼ あ、この辺はわりとイメージどおりかな
／/ .:/ .:.:.::|::|.:.:|::|.:::|.:.:ﾄ､__,:::.ヽ＼ ﾄ､ ＼
/.:.:::|;;|.:.::::::|::|::∧|ヽlヽl´ヽlヽ.::l L.ヽ|＼ | 日本人に塩対応する宣教師……
/.:.:.:.::l;;||:.:.:.:|ｨﾚ'⌒l 〒=ﾐ､ ﾊ | l |＼ |
/.:/|:::/l/||::::::l/l/,ィﾃ ﾋzｼ 1 | |.:::| Ｎ ＼|
|/ |/＼:||＼::ﾍ. 弋ｿ ､ ｰ / lﾉ.:.::| |
|.:/l.:::;ﾍ.' ' ' r‐┐ ' '〃 〃.::/ リ
|/ |.:/|:::.>.、 ｀ｰ _ .イ 〃 |/
|/ .|/＼::|「(￣-‐ 7 /⌒ヽ
/l ￣_ >只く ／ / ',
＿ ＿ ＿__
´ ｀ヽ、
／ ＼ヽ＼
, ' ＼.､ﾊ そしてもう一つの注目点が、順不同だが「６」と「７」、
. / ｌ { : .＼: .＼＼ ｀ｰ廴_
. ,′ / .八!＼ﾄ､斗匕￣ヽ､ ＼＼ つまり日本人への教育や、イエズス会への採用に関する議題だ
ｌ ｌ | {.ﾄ､＼ ＼ ,ｨ斗ｪ=ﾐｧ ､_ヾ: . ﾊ ヽ
| ! || .ｨＴ弋, ＼ ﾞＶｭ:::::;Ｙ´り: ﾊ :.ﾘ ）
. !.! |l i| ｀辷ツ !Ｙ. ; :jノ
.l ﾊ ､ : :小 /⌒ :::: ﾉ:.ﾊ: : ; :＼
. 乂 ﾊﾊ. : :l;ﾍ、::: ｀- ' ／Ｖ: :ﾊ : ; : : ＼
ノ ﾉﾉ}: :ﾘ : i:｀::ー―､‐', ィ´⌒Ｖ:廴.; :ヾ: :＼
ﾉ.:/. : .!: i : i ::「 Ｖ ﾍ ,ｨ》ー‐'i⌒＼ : ＼
. ／イ: : : ｨT! ￣く≫|ｉ }≪／ lｌ.| 〉 : : '.,
. ,!: /´ Ｖ《 l二ﾆ{_}ﾆコ ll | ／ }＼: :ﾊ
,′{ ＼ Ｖ《 |_/ |＼_| 》/ / .|: : .:, :ﾊ
,, - ´￣￣￣｀ ､
,. ´ ヽ、
／ 、＼
ｨ´ / ヽ ヽヾ;ト､
／ / l r i 丶 ', l;| ＼
／ / / ,l l ﾄ､ i ', !l;| ヽ
/ / ,' / / / ! ! l l ', ! l };| ﾞ ､
ノ i j ! l , ィ＝=､! ;l |l_L=＝- ､l ! |;| i ',
/ l ｌ | ! 〃 / / _ | ﾊ l !| ヽ l＼| l;;| } l i
l /| | ﾊ l ;'≠ニヽl l ヽl ﾘr z==x､ﾊ } !;;| l l', l なんか、「当初はカブラルも積極的だった」という、
ﾚ' ! ﾘ ', '､ lｲ /:::::ヽV ｲ/:::::ヽヽ〃 ﾒ,l;| i ! l !l
l ∧ ハ、l ﾄ;::::::r} ト::::::ｒ} / /｀l;|/ |、 l ﾘ 意外な話だったんだよね……？
', / l;|｀| N ゞ--'′ ゞ＝'' / i_ノl;| lﾊ l
', / !;l ! ﾊ／/〃" 丶 ´" // / ,'l ｌ;| / l ,ｲ
V l;'ﾊ l ゝ ., ､ ,' / ,ｌ l;;l/ ﾚ'|;l
!;l !l'､ |ヾ≧ｭ .,＿ , イ-i / / ｌ/l;;l l;l
l;;l ﾘ ', l＿∨lr‐/ゝ_;;／ j ん-─‐|;;ﾄ､ l;|
|;;! ／〆｜ ￣, - 'ｨ天ヘ、 l ,' ,´|;;| ヽ__,､|;l
l;;lイ / ! l ／／¨//,'Ｙ ,ﾍヽ| !、 : |;;| ＼},|;|
-‐ ￣￣ ｀丶、
／ ヽ
/ / /〃/{ { ヽ ｀ヽ. ∧ それが……この会議におけるカブラルは、我々が良く知る「日本人の教育や
ｌ / /斗/ハ ｨｰ‐ 、 ∨ l
{ { ﾚﾃく ヽi>==、＼ ヾ│ 受け容れに冷淡な論客」としてふるまうのです―――もっとも、かれを含めて
乂l f r'ﾊ r'ﾊ 7ﾊ＼ﾘ l
.八,}弋ｿ 弋ｿｿﾉ ） 八 全員が、「日本人へのラテン語教育」については賛成しておりますが
ノイ }ゝ" ｀_ "" { {´ 丶＼ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
／ ,＞‐r＜_∧!＞､ ＼丶
, -‐" ! ヽ{>ﾛ<ﾌ〈. | ＼
// ／ / y ゝ { ;ヽ ,ｉ 丶.ヽ
{八 〃 ﾊ { ,.-'‐!、 }_ = ゝ、__i、 }ヽ } }
)/ ヽ（. ヽ人,i' .,. i' ｀ﾞゝノヽl_ ヽ! ヽjｲノ
" ｀ / / ゝ,.| l __.!,ｒ'/ ｀‐´ "
/｀ V ｌ .,′´´
｀ｰ'′ ├-/
￣
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
争点となったのは、神学・哲学などの高等教育に関する問題だった。それを「日本人に授けるべきか否か」……
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
' / /::: ,.ｲ ::: / |:: /´ | :::|! ::::: |＼:::
.| ' / .'.::... / !: / |:::! !::::ﾊ ::::::|:::::＼::::
.| | ::!:::::| ::::j -‐|‐|─ ﾄ::| l::::| -‐─ヽ--ヾ::::
i⌒v::::|! ::|::::::ｨ:´::| |: | |:::| ゝv ゝ:::::ヾ::::::ヽ
| v ::| i: l ::∧:::::| V -- ゝ ＼ __ ＼::::＼
| |:::|:: !:::l:::| ヽ_:l _ ＿＿ ＿＿`_ー これにカブラルは反対したのだが、じつはこの問題に
| | ::ﾊ::ij:::ﾊ::!イ`弋ゝ-'フ｀` ´ !ノ__フハ
| | :::|:V:::::::ヽヽ ￣ ｀ ´ ついては、かれも孤立していたわけではない
, -v ,イ V::| ::::::ハ::＼ ::::::::::: ,. ::::::::::::::
, -<. `| ` ヽ| :::/ゝ∧`´ <:i
, '⌒ヽ ヽ ヽ ヽ/ﾍ/::l! わりと意外？ な人物が、カブラルと結託している
! | | -.ﾊ V|!:::∧
l ｰ| | r ﾄi_ﾉ ゝ |:|:::|:::,.＼ ´ ｀ . イ
| 人 i´ﾄ l_ﾉl ﾉ/:::j:/::|::::ゝ.､ イ:::: |:::::
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
｜ ラテン語のみならず、「哲学・神学についても日本人に教授すべきか」ですと？ |
乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
| ヽ.＿ﾉ ヽ＿ノ 三三 !
v -――---―‐‐--､ 三三 |
ゝ __,......._____..........＿ ｀ｌ 三三｜
ヽ、 ....................,ﾉ 三三. !
丁￣ ￣￣￣￣ 三三. |
| / ≡三三 ﾄ、
レ′ / 三三三..| l
／ ／三 〃三三 |｜
/ _-ｒ' 三. / 三三. ﾚ′
{ l | 三三 ／ 三三 〉
`ｰ′| 三三. |
r ‐┴ ､ ヽ、.._＿＿.三三 〉-、
L{_.....:::.｀ ‐-､ ＝= ___)
`ー‐---―'^ー‐-〜'＾￣￣
γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
｜ やれやれ。じつにナンセンスな論点ですな……. |
乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
| /￣⌒￣ヽ |
⊂＼／ ヽ ￣~￣ ﾉ ＼／⊃
＼／| ｀￣￣ |＼／
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
_ _ _
|/| l_ｌ l_ｌ
|/ｌ＿__ ＿_ ___
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|/i ￣ ￣ ／//
V ＜///
ヽ /
. ⌒＼|/
／´ ￣￣｀＼
/ / ⌒ヽ ⌒ヽヽ.... 人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人
ｌ | ・|・ | | ＜
| l l､ j | ＜ 日本人に神学等の高等教育をさずける件には、私は断固として反対する！
| /⌒｀ー ⌒ ｰ⌒ヽ .. ＜
| ＼ ﾄｪｪｪｪｪｲ ﾉ Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`Ｙ`
/ ｀ ー── イ､
（／ ╋ _|､）
| / ｀｀ヽ
_ﾉ | （_） |
ヽ､＿＿＿＿ノヽ __ ノ
＿＿ ＿,
, ＜::::::::::::::::::::::::ノ
／::::::::::::::::::::i::::/::::::＼ . 人
／::::::::::::::::: :::::::|::/ ヽ:::::::ﾍ ｀Y´
／::::::::::::::::::::::::::::/|/､＿ }::::::ハ
´￣ |:::::::::::::::::::::/ / 〈●〉ｌ小N 援護射撃(ﾟ∀ﾟ)ｷﾀｺﾚ!!
. /:::（|:::::::::／､_,､_, "" lｉ|ノ
/:i:::::::::::／ ﾉi|ﾄ､
. /::::|::::／ x＞､ __, イｌ:::::|::ﾍ
/::／|´::ｌくﾐヽ ﾍ三l ﾉi::::::ｉ::ヾ
. ／::::::|::::|( ⌒ ) ╋ ／ ( ⌒ )
/
＿＿|∠￣
／ 三ヽ￣
/i ｡ll ｡! ≡l
|_i､__ﾊ__ﾉ ≡l
{-──- ) ≡}
丁￣￣ 彡{
ｿ / ノ彡}〉
ＵT ノ彡{
_〉 彡L
(＿ヽ_＿二ニﾆ)
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
＿＿
＿__,. ＜ ＞ 、
／_, ／ ／ ｨ ﾊ ヽ ､fj＝ミ
. ≠フ. /ｨ / ./// j/ ', ﾄ, ', ﾟ , ヽ＼ あれ？ 意外……
-=彡' 〃 l , /ﾚ'r匕 ト-V∨ ∨ .∧ヾ、
_／=‐ｨ>' ∨}' ◯ ◯ }l ﾄ,',、 ',
／>' ! , /| ,,,, ,,,, ﾘ|/ |Ⅵﾍ｜ このスレにおいても、アルメイダは「日本人の味方」
. ／, ' |ﾊ i {.ﾄ､ ,. ィi| ,' ',ﾊ j
∨ //.Ⅵ ,r≠≧=号＝≦ﾚﾚ' j/|:i ',ﾊ 扱いというか、「善玉」イメージだったはずなのに
. // ヾ,'::{:::::::}==大==}___,.r-､ Ll |::|
|:| {:: i::::::::∨/|l＞i´ Y{ } |:」
ヽ_,. ィ:::::::i:::::::::::￣:i:::::| ./∧ｲ
,. ＜:::::::::::::::::∨:::::::::::::::::::}':____j'
. ／:::::::::::::::::::::::／-≧====y'
-‐ ￣￣ ｀丶、
／ ヽ
/ / /〃/{ { ヽ ｀ヽ. ∧ じつはこの件ではアルメイダこそが急先鋒で、いわばカブラルの
ｌ / /斗/ハ ｨｰ‐ 、 ∨ l
{ { ﾚﾃく ヽi>==、＼ ヾ│ 鉄砲玉役―――強硬な反対論者として、ふるまっていたりするんＤＡ
乂l f r'ﾊ r'ﾊ 7ﾊ＼ﾘ l
.八,}弋ｿ 弋ｿｿﾉ ） 八
ノイ }ゝ" ｀_ "" { {´ 丶＼
／ ,＞‐r＜_∧!＞､ ＼丶
, -‐" ! ヽ{>ﾛ<ﾌ〈. | ＼
// ／ / y ゝ { ;ヽ ,ｉ 丶.ヽ
{八 〃 ﾊ { ,.-'‐!、 }_ = ゝ、__i、 }ヽ } }
)/ ヽ（. ヽ人,i' .,. i' ｀ﾞゝノヽl_ ヽ! ヽjｲノ
" ｀ / / ゝ,.| l __.!,ｒ'/ ｀‐´ "
/｀ V ｌ .,′´´
｀ｰ'′ ├-/
￣
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
日本の窮民を哀れむあまり裕福な交易商人の身分をなげうち、医療活動に励んだ筋金入りの親日家
アルメイダがこの件で明確な拒絶を示したことは、カブラル悪玉史観を考察する上でも参考になるだろう
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿＿＿＿＿_
-‐ ´￣￣￣￣￣ ~゛'' ‐-
∠ ／／ ヽ＼
／ﾉ ｛ ｛`ヾ -‐…・・・…‐-ミ ＼＼
／／ ヽ ＼j .∠ 一 `ｰ一' ｀ヽ ヽ ヽ⌒ー
/, ′ 冫z ／ , ' ／ ｀ヽ ＼／／｝ ', /λ
. 〃 i孑 ´ ／ , ′ :.;ハ ノ入_ ノ ,人,' ,′
,' , γ 〆 〃 / / ,､ .:.:.;∧ ∨彡孑 一' / /
. / ／ ／' /／ / , ′ :i ', .:.:.:.:.', ﾏ／.:.:.:.ヽ 〃/ でも適応主義を促進させていたアルメイダ
. |' ／ ／ ､〃 /ﾘ ｌ :! ヽ ､ .:.:.:.:.} ﾊ .:.:.:.:.;∧ ｛
ィ／' , ′ /{ 斗七爪｀ヽ!､,| ∨孑廾ト ､ .:.:.:.:.:.:.:.', ヽ と原則主義者のカブラルでは、あんまり
／ , ′ /｛. i／ { ,ﾊﾄ ,､ ﾊヾ ヾ ＼ .:.:.:.} ＼ 八 .:.:.:.:.:.:', ,|､
/ l | / / 〃λ :| , ﾄz竓芹ミx x竓ﾘミx .:.:.:.:.:.:.ヽ | l 相性よくない気がするんだけど？
,/ | |f , ｲ /∧ |/,! 从 r'乂'! r'乂'､!ﾘ } i .:.:.:.:.:.:.:.:l | ',
|'冫/ ./i / ,ﾊﾄ 八ヾ ∨ツ ∨Ｚツ } .:.:.:.:.:∧:ﾘ i
λ∨ / .|' / 从 ' ト ヽ ' ｲ / ! .:.:.:.:ﾉ }:ﾊ !
{/i ', ,′冫 ﾉﾙ' { | ハ, ,､ ｡ ﾙ ′ / .:.:.〃 ﾉ' ′|
' ﾏﾍ ｛ //)イ ', ﾄ ! 个o｡ f' i / / 彡 .:.从′ / /
｀┘ｊ 〃 ヽｊヽｿ／｀ヽ_ / ﾄ ＜〃 ノ .:.:ノヽｊ / /
/ { f.､ / /`Y´￣ﾉ'´ﾙ'r‐､ ｰ=彡ｊ'/ / /
. ｲ ,. -‐一' ﾊ / /γYヽ, -‐´=＝ﾆ＼丶 く_／
／: : : : : / 八 `ｰ一 γ λ ! ' |､
f´ : : : : : / ヽ | 〃 { } 丶 /: :＼
＿＿
, ‐ ´ ｀ヽ
／..:／.:/ .;ｲ :. :.丶.:.: ＼
〃:.:./ .:./:.:/小:.: ',:.:.ヽ:.:.:. ',
l:{.:./ .:./':__j:! l ヽ_:.ヽ:.:.＼:.:.! おっしゃる通り。慈善事業で名高いアルメイダですが、彼が導入した生糸
ｉ:}:ﾊ .:7ｨ=ﾐj:ハ >=ミヽ:.:ﾍヾ、
､_メ!.:i.:.ﾊ r'_;j r'_;j ∧:.:}:.fヾ 貿易で帳簿外の裏取引が恒常化していた旨、カブラルにチクられています
乂;ｲ.:.∧.:::: ::::./ｲ V:.:.| ﾘ
_／ j/_:ﾉ:.介 .､ ｀´ ,.イ:.l:|:..|:.:.:.!
´/:.:,':.:.:j:|:ﾉｰf夭‐ﾍ :j:|:.:ｌ:.:.:.:! まあ彼らとて、金の卵を産むガチョウを飼っていたわけじゃないので……
/.:.;ィ7´ｌ:|＼/ﾑﾍ／｀l:| ｀ヽ.:.:i
/.:/i // !| に不こ) !|l /!:.:.i
/.:/| ヽl ｌ !|/〈/ i| ヽ｣ !| !./│:.:.i
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
と、いうわけで。やや煩瑣ながら予備会議の件を、しばし脇に置き・・・「原則主義者」カブラルと
「適応主義者」アルメイダの確執についても、触れておきたい
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
__,,,,.. --_─_一_-_-､-､､,,,,__ ｷﾞﾘ
ﾋﾞｷ ,r'´-_-_‐_‐_‐_‐_-_-､`-､ミ｀ヽ ヾ`ヽ､
／,r',.-_‐_‐_‐_‐_-_-､ヾ ヽ ヽ丶､`ヾ ､ヽ 予備会議では、結果的に結託しているけれど……
/(.'´_-_‐_‐_‐_-_-､ヾヽヾ ）)） ), ）) ） ）),）))ﾍ
l(i,i'´⌒ヾﾄヽ､ヾ ヾ ヾ ）)_,ｨ,'ｲ」〃川 jﾉjﾉjﾉ｝
!iゝ⌒)）}!ヾﾍヽ ）,ｨ_'ｲ」〃'″ ﾌ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l ﾋﾞｷ カブラルは天敵でこそあれ、仲間じゃない。かれが来日して
ヾ､ニ,,.ﾉﾉ〃ｨ":::::::::::::: /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!
/ ノ'' ll ''ヽ ﾉ（ |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| からは事実上、イエズス会の幽霊会員にされてたんだ！
| （●） （●）⌒ .＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
| /￣⌒￣ヽ |
| | .ｌ~￣~ヽ | |
| ヽ ￣~￣ ﾉ |
| ￣╋￣ |
..................................................................................................................................................
⌒フ≠==ミ
／／::::::::::::::::＼
∠ィ::/::::/::::/:j、:: ﾊ
|:|::ｌｌ::::l::::/:/__∨::|L_ もしアルメイダがわたしを恨んでいるとしたら、それこそヤンキーの
|:|:八/ｌ/l:/┰_ﾉ|::|l⌒
|:|:::/＞r--rくjﾉ|::|l 逆切れでしかないね。なんだい、この腐敗の温床みたいな裏帳簿
ノﾊ/ V:::V ｀V八
⌒∨ l: ╋ ｌ ∨⌒
|_＿l⌒Yi⌒l＿_| これはローマの総長に報告し裁可をもとめるべき案件だよ！
((_ξ帳lil簿ξ_)）
|三三三三三三三三三三三|
|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|
| l / V⌒Ｙ⌒Vハ | |
| l く. |::: : |::: : | 〉| |
| | ll三|::: : |::: : |三 l | |
| | l| ||::: : |::: : || | | |
| | l| ||::: : |::: : || | | |
| | l| ||::: : |::: : || | | |
| | l| ||::: : |::: : || | | |
|三三| [ （::::::（::::::::::）] |三三|
￣^ ￣
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
日本退去後にカブラルはさっそく、在日イエズス会の「銭ゲバ」商売を告発している―――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＼ ｶﾀｯ ｶﾀｶﾀｯ ｶﾀｯ ／
､＿ ＿＿ _
ゞ:::::::::::::::::::::::::::ヽ､
＿＿＿＿＿＿__ ／::::::::::::|:::::/､:::::::::＼ ﾌﾟﾛｸﾗﾄﾞｰﾙ
￣￣￣￣￣￣| | /:::::::::::::::::|:::/ ∨::::::::ヽ 「財務担当官は手持ちの生糸による利益が多額であるのに
＿＿＿ | |. /:::::::::::::::::/|/ ､＿ﾘ|::::::|:::∧
──┐| | | |:::::::::::::::::/ / 〈●〉从:::|､::∧ 満足せず、商人らの生糸を掛けで買い占め、転売して
＿__|│ .:| | |:::::::::::／ ､_,､_, """ i::::::|ﾉ::::∧
|┌‐┘ :| | |:::::／ﾍ. ゝ._） j::::::|:::::::::::ﾍ ３〜４，０００クルザドも稼いだ」、送信、っと―――
| |＿＿＿＿_:|_| |:::´|| l＞,､ __, イ .|::/|>､::::ﾄ､ﾍ
| | ＿ 入￣| ｜ヾ |╋/ .|/ト ､＼| ヾ
__|_|＿_ ／/┌‐｀─────┬─┐ヽ ミ| ※マカオ発の総長宛てカブラル書簡（1584年10月5日付）より
ヽ|/
／￣￣￣｀ヽ、
/ 〆 ﾐ ヽ
/ ／,, ,,＼ | そうは仰るが、好きで理財蓄財を、やってるわけじゃないんです
| （○） （○）||| |
| /￣⌒￣ヽ ×| 異教の国で喜捨のみに頼っていては、会の組織機能を維持するのは不可能だし……
| | .ｌ~￣~ヽ | |
|＃ヽ ￣~￣ ﾉ |
| ￣╋￣ ＃ |
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
-‐ ￣￣ ｀丶、
／ ヽ
/ / /〃/{ { ヽ ｀ヽ. ∧
ｌ / /斗/ハ ｨｰ‐ 、 ∨ l
{ { ﾚﾃく ヽi>==、＼ ヾ│ ・・・じつはこれも、原則主義者と適応主義者の対立点の一つだった
乂l f r'ﾊ r'ﾊ 7ﾊ＼ﾘ l
.八,}弋ｿ 弋ｿｿﾉ ） 八
ノイ }ゝ" ｀_ "" { {´ 丶＼
／ ,＞‐r＜_∧!＞､ ＼丶
, -‐" ! ヽ{>ﾛ<ﾌ〈. | ＼
// ／ / y ゝ { ;ヽ ,ｉ 丶.ヽ
{八 〃 ﾊ { ,.-'‐!、 }_ = ゝ、__i、 }ヽ } }
)/ ヽ（. ヽ人,i' .,. i' ｀ﾞゝノヽl_ ヽ! ヽjｲノ
" ｀ / / ゝ,.| l __.!,ｒ'/ ｀‐´ "
/｀ V ｌ .,′´´
｀ｰ'′ ├-/
￣
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ちなみにカブラルのチクりが功を奏し1585年末〜89年、教皇からの年金（６千クルザド）と引き換えに、イエズス会
の生糸貿易が禁止されたものの……いたずらにマカオ経済に混乱をきたすだけに終り、撤回されている
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【交易関係者の回答】
ﾊﾟｯ ﾊﾟｯ ﾊﾟｯ ﾊﾟｯ ﾊﾟｯ ﾊﾟｯ
[つり] [ヲタ] [池沼] [厨房] [氏ね] [終了]
∥∧∧ ∥∧∧ ∥∧,,∧ ∥∧,,∧ ∥∧∧ ∥,∧∧ いまさら既存システムを壊して、上手く行くとでも？
∩・ω・｀)∩・ω・｀)∩・ω・｀)∩・ω・｀)∩・ω・｀)∩・ω・｀)
（ ）. （ ）. （ ） （ ） （ ） （ ） これだから宗教原理主義者は嫌なんだよ
｀ｕ-ｕ´ ｀ｕ-ｕ´ ｀ｕ-ｕ´ ｀ｕ-ｕ´ ｀ｕ-ｕ´ ｀ｕ-ｕ
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
､ ＿ ＿ ＿
ゝ:::: '´::::::::::::::::::::ヽ､
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/:::::::::::::::::::i::::/ヽ::::::::::::::::ヽ、
〃::::::::::::::::/|:/､＿ヾ::::::::ﾍ:::::＼
ﾚ:::i:::::::::／ / 〈○〉;:::|、:::∧￣｀
ノ:::|:::／ ､__/|"""i::::|ﾉ::::::∧
/⌒ヽ_/ﾍ .ゝ_/ j /⌒i::::::ﾍ
＼ /:/::::ﾉ＞,､.||_, イァ/ /::::::ﾄ､ﾍ
. / /／, ヾ||三/ {ﾍ､__∧::::::i ヽ
｀ヽ< / , ||╋ ./ヾ__彡':::::::|
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
原則主義者は「資金難なら、ポルトガル国王の支援を仰げ」と主張したが、ザビエル以来の適応主義者は
「独立採算制のほうが日本社会に浸透しやすいし、臨機応変な活動もできる」と、考えていたのである……
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＞ ´￣ﾝ´ ￣｀丶、
／ { ＼ イエズス会がピンチと聞いて、私もしんぱいだわー（棒）
/ ／ _葡 ヽ∧
∧// ／ ＼＼ ! l （そっちが頭を下げれば）布教保護国として、手を貸して、あ・げ・る♪
l 」/／/ ｀丶ヽ _」 l
ｉ､Φイ-一 二ﾆ=YΦｊ ﾊ
|∧∧!´ｨ云 示ﾃトｊ ,ｲ ∧ （もちろん、ヒモつき……人事や運営には、今まで以上に介入するけど）
| ﾍ ヾ' じﾘ ゞツj' / ,ﾍ ∧
} ﾄ､ゝﾐ､"" ' "",从ノ ＼ ＼
ﾊ ヽ∧＼ ー' ／{ i ヽ＼ ｀￢=‐-､
/ }! ヽ ｀T ｰ '"| | | ゝ ＼ ヽ＼
i ﾉ ﾊ /ﾊ,ﾉ ｀]∧ lヽ ＼＼ ＼ ｀Yﾄ､
|/ {、l { L_ / } |＞ｭ、 ｀ヽ＼ ヽ ﾘ !
i ,ｨi ﾍヾヾ.! '７ / ｊ ＿Y Y ヽ ヽ {
| / | | ﾄゝ|三三ミ/ // / l | ト､Yゝ
Y | lﾍ! ｊ'⌒￢/ !ﾚ'ｲ! | ! |} }
ﾉ } ! | ! ｊ /∧! / ノﾚ′
/ | ヽ＼ ∨ / / /＿＼ ∨ j ﾄ!
j | ∨∨Y!´ｦ／ / /⌒ ──┴ｭｊ/ﾙ'ﾊゝ
/ ∨ ∨＼|/' ／７ ｒｔ‐￢¨´ ′
|. | ＞ﾐｖイ ｒ'′ ∨ _/
| ﾉ ゝ イｺ二 {、 ､ ﾄ ＼!
/ ＼＿_ ﾊ } Ｙ ∧ !.＼_＼
/ ｊ | |丁Ｔ∨ﾃ/ ,ｲ' ｲ∧ ∨⊥｀´
. / /´￣￣ ｀ヾヽﾚ' ゝ! ゝ∨ゝ､__
i / ＼＼_ ﾍ´ ＼｀￢=┬‐
| / / ＼ ｀￢=‐-､ ∧
,」 | / ｊ ｀＼ ｀＞ ∧
擬人化ポルトガル（演者：喜緑江美里 ＠ハルヒシリーズ）
, ----、 No, thank you.
/,;;;;::::::::::.ヽ
{;;;;;;;;:::::::::::::} （そうは行くかよ……ただでさえ、カブラルのみならずポルトガルの宣教師どもが
..L;;;;;::::::::::::｣
..幺 , ￣予. 国民感情まるだしなもんで、統制に苦労しているってのに！）
(,ﾆi＿_ﾍ＿. iﾆ,)
!::::::::;;;::::::!
L_｣´｀L_｣
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ﾌﾟﾛｸﾗﾄﾞｰﾙ
というわけで。イエズス会の財務担当官として、布教の「生ける車輪」と呼ばれたアルメイダと新任布教長カブラルの仲
は、最悪だった。カブラル在任中のアルメイダは公的活動を干されたらしく、イエズス会の記録からも、しばし姿を消す
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
三三三三三三三三三三三三三ﾆ＞´［ [ ィfア//////ﾊ ∨/三≧=- .マ
三三三三三三三三三三三三三 「「 ［.|:::::::::::::::::::::/::::|.//∧ :...:. Ｖ三ﾆ‐
三三三三三三三三三三三三三 {{ヽ ［ |:::::::::::: /＞Y:::| ヽﾉ.∧:..:.. V二=‐ 死 モ 卑しい金儲けに手を染めるのは、
三三三三三三三三７⌒7／⌒｀二二二ﾆ/＞ ´ メ::/ ､＿__..＼.:.j 〉三ﾆ‐
三三三三三三＞ ´/:／/ .:.///r‐‐ '´¨ ー／.|::/ 弋ツ i: .:/三ﾆ‐ を .ン 信仰のつまずきをもたらす！
三三三三 「「 / ..:.:/ .:.:.//r‐{ｉ ', ｰ,＜ .' /::::,:::::｀ー‐',:./ ∧三=‐
三三三三 !｛乂､ ,' .:.:../ ..:〃/「i ﾍj {_／ ￣＼.＿_ ノ / ./} } 〉､三ﾆ=‐=ﾆﾍ .に
三三三三ﾉﾘ .: .:.: / ..:{{⌒} 从 |:.:.:.ﾆ=-t≦ﾆ､ ヽ イ /} } }} 〉ｰ--ミニﾆ=-
三三ｒ=彡' ／.:..:. ／ ..:入 ｛ｰ彡､ー'ヽナ///〉 〉ー'// / / } } }} // ヾ jj＼三ﾆ
メ⌒¨／／ .: ／ .:／＼`ｰ＞‐ﾍ__／＼/// ╋／/ / / } } } }〉/ fj }i:...jj 〉})
.＿＿
/
＿＿＿＿＿|∠二＼
／￣ ::::::::: :::＼ ＼ ヽ | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | ／
./ ::::::: :::;;;ヽ 三 三
|../⌒ヽ ./⌒ヽ ::;;;;; | . 三 僕の経済重視・現実重視路線は『ユダヤ的』ってか……. 三
| | , | | 、 | :::;;;;;; | 三 三
.| |、 丿::ヽ＿/＿ ::;;; | . 三 ユダヤ系の僕にそれを言うのは、きついよカブラル.... 三
.（ _＿￣￣￣＿:::::￣ |;:::;; |... 三 三
. （ .￣￣￣ ￣__;/:::::;;;;|... ／| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | ヽ
￣|￣￣￣￣￣ ::::;;; |
╋ / ;;| :::;;;:;;;; |
|／ ;;;／ :丿:;;;;.. |
/ ;;／;;;;;; ノ ::::;;; | ← カブラル着任直後から三年ほどは消息が完全に途絶えており、
|_/;;;;;;; ノ :::::;;;;;;;;;ヽ
| :::::::;;;;; ) 「カブラルの手で反省房に幽閉されていた」説まであるとか
＿/＿、 ヽ______;;;;;;;;;;;;;＼
.. (┌::: ＼＿＿＿ヽ＿----ー;;;;;;;;;
￣─￣
, '" ￣ ｀ヽ
/／ ＾ヽ ',
.///f / j ヽ ﾍ ! なお、ここでふと思い出すのは、大友宗麟とカブラルの「友情」を
ノｲl | ﾚﾄ'Vハ斗ﾄ､_＞
lﾊj |.'て) 'て)|ﾚV ヴァリニャーノが総長宛書簡で、以下のようにディスっていたこと……
ﾉ火ヽ"V￣}"/ﾞ) {
// 匸 }>示iくこ八
.// ! / /《小.》｢｀ヽ ヽ
V{ !ヽノ {： ﾄ-ｲｉ }
..................................................................................................................................................
＼ 南蛮船交易、マジうめー♪ ／
,..-‐－- ､、
,ィ":::::::::::::::::::;;;;;iii>;,、
/:::::::::::::::;;;;;;;;iii彡" ::ﾔi､ 十 〇
./::::::::::::;:"~￣ ::i||li 十 ＼ でしょ？ それなら今後も、仲良くしましょー ／
十 |::::::::::j'_,.ィ＞､、 .:::iii》 o 。 ° 十 ､ ＿ ＿ ＿
十 lヾi´｀, `‐-‐"^{"^ヾﾉ"―-､ + ゝ:::: '´::::::::::::::::::::ヽ､
,.-''"￣~~"''' ,.,li｀~~ へ ヽ + 〇 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/ ／￣~''''ー――‐''"~ _,.ﾍ l. o /:::::::::::::::::::i::::/ヽ::::::::::::::::ヽ、
/^!__ /`ー'ヽ＿_,､＿_,､＿_,.-‐' ＼ ｌ 〃::::::::::::::::/|:/､＿ヾ::::::::ﾍ:::::＼
|/ ,.┴､ l――---､――-､ ＼＼ 利権＼ 十 ﾚ:::i:::::::::／ / ⌒ ;:::|、:::∧￣｀
/ / ／ヽ ＼ ／⌒'"￣`'"⌒ ＼＼_....-‐'''ｌ ﾊﾞｸﾊﾞｸ ノ:::|:::／､_,､_, o""i::::|ﾉ::::::∧
.| ／つ `ー'----ノ￣￣ヽー''"＼ｌ__,.-く￣`ヽ /⌒ヽ_/ﾍ。/⌒l._）｡O j /⌒i:::::::ﾍ ｶﾞﾂｶﾞﾂ
ヽ＿_（＿＿＿.......... -―＜_＿＿_ノ―'''" （ 人￣ ＼ ＼ /:/::::ﾉ/ /__, イァ/ /::::::ﾄ､ﾍ
＼ `ー---‐'"ノ .╋. ＼＼＿＿人 (￣￣ ｌ... . 从 l||l ,///ヾ |三/ l||l人.∧::::::i ヽ
￣￣￣￣ `ー-----ヽ、 (~￣ノ ( ⌒ ) / ヾ╋ ./ ( ⌒ )::::::::|
＼＿＿ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
Ｖ
＿__ , - ､
, ─ ､）
/ノ |
_/ （・| 「キリシタン大名らがカブラルを忌避するなか、大友宗麟だけは
U ○
＿＿＿) カブラルの執り成しによるポルトガル船の利益があったから、
（＿＿/
＼──´ ある程度の愛情を示した」
ヽ
╋
|
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
しかし……そもそもカブラルが、交易めあての改宗を嫌う「原則主義者」だったことを思うにつけ。
ヴァリニャーノの「断罪」が公正かどうか、的を射たものかどうか、疑問は残るのである―――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
,／,,....- `ヽ､
／ 丿 ‐‐'''' ''‐､.... ヽ
/ '^ﾆ/ /￣ヽ..._ー‐‐ ＼ ＼
│ ./ _ノ" ゛`ｰ‐-、 ´ ｀ 、 ヽ
_ノ1 _ノ´.- _ ,.... －..､ ﾞｌ； ,, ﾞヽ ! l 教会から岬へ向かい「償いの行列」を行う
ｌ ﾉ"１ｿ/｛ヽ/彳' -'ン/ ＼ ﾞ1 |
ｌ丿 －''心.._ｰ彡 ＿__ ヽ ヽ i ＼. ! キリシタンに、感銘を受けたのだ―――
!亅'ン ,.へ-_^ ノ'│｀ ｀￣ヽ i | |
ﾞ￤ / // （_） 丶￤＼＼＼ ｌ _/ﾞ|
ヽ 《ﾉ .__ _＿....│ │ ヽ! 改宗の意志は、虚言ではないぞ！
ヽ イl｀ゝ、 ‐'''ﾏＴﾏｉ'‐ │ / ﾉ
〈ﾍ `´ i ﾞ'´ │ﾝ ノ
_..-一‐ﾍ〕 | ''ン'/´
_..-'" ! （ 、 |/
,.--,,..-'" 丶 ` ___,,..- ノ |
／ 丿 ,..へ ＼ － ／ |
__....-'''" ! ,ノ'" ヽ ヽ. ,／ │
-‐''"´ ﾍ .／ｰ- ／^ﾞ''‐ ＼ ヽ￣ ＼
`－‐1 ⌒＼ 1 i ＼ ﾞｰ-..,,＿ ___,,....,,__
／ ヽ | ! l 广‐- .-‐''' ~￣ ＼
. _ -=＝=- _
ト､ィ//////////////ヽ
冫/////////////////∧
/////1//ハ////}//////,}
i///ヽ.l// ∨//ｨ!//////} 「ポルトガル船を自領に誘導するための打算だ」と疑う司祭が
i/∧下Ⅳ ィぇ示}///-,//}
Ⅶ∧ﾋｌl .弋zｿ.}/// ﾉ//＼ 多いのです。むろん、味方は喉から手が出るほど欲しいが……
Ⅵ杁 丶 ///イ/////ヽ
. ∨个 ゝ ' //ﾉ/////￣￣｀
. ,!/＞＜ /ｲ V///ヽ〕iト ､ しばし見極めさせていただきます
//////イ ;/////＼ ヽ
. ｰ.ｲ/ィ､´ }///////＼.}
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
＿＿
, ‐ ´ ｀ヽ
／..:／.:/ .;ｲ :. :.丶.:.: ＼ カブラルは大村純忠の兄・有馬義貞にたいしてさえ、この塩対応・・・
〃:.:./ .:./:.:/小:.: ',:.:.ヽ:.:.:. ',
l:{.:./ .:./-‐:! l ヽ:.‐-:.:.:.＼:.:.!
ｉ:}:ﾊ .:7ｨ=ﾐj:ハ >=ミヽ:.:ﾍヾ、 宗麟は、そのカブラルと友誼を持った。両者の間にはヴァリニャーノ
､_メ!.:i.:.ﾊ r'_;j r'_;j ∧:.:}:.fヾ
乂;ｲ.:.∧ /ｲ V:.:.| ﾘ の酷評からは伝わらない“宗教的な繋がり”も、あったんじゃないかな
_／ j/_:ﾉ:.介 .、 ° ,イ:.l:|:..|:.:.:.!
´/:.:,':.:.:j:|:ﾉｰf夭‐ﾍ :j:|:.:ｌ:.:.:.:!
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
それはともかく。「神とマモン（富）に同時に仕えることはできない」（マタイ６．２４）がゆえに……
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＜１５５５年＞
γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
| イエズス会員ですか。ご身分は？ ＞
ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__,ノ
/
| , -―-‐‐
| ／
,. -‐ ￣三 ‐- レ'_, -―- ､_
／ 三 三ヾ、 ￣
／ 三三＼
/ /⌒ヽ / ⌒ヽ 三三. ヽ
ｌ l _｜ ｜ _ | 三三 | まだなり立てで……平の修道士です
| | ‘’| | ‘’｜ 三三 ｜
| ヽ.＿ﾉ ヽ＿ノ 三三 !
v -――---―‐‐--､ 三三 |
ゝ __,......._____..........＿ ｀ｌ 三三｜
ヽ、 ....................,ﾉ 三三. !
丁￣ ￣￣￣￣ 三三. |
|╋/ ≡三三 ﾄ、
レ′ / 三三三..| l
／ ／三 〃三三 |｜
/ _-ｒ' 三. / 三三. ﾚ′
{ l | 三三 ／ 三三 〉
`ｰ′| 三三. |
r ‐┴ ､ ヽ、.._＿＿.三三 〉-、
L{_.....:::.｀ ‐-､ ＝= ___)
`ー‐---―'^ー‐-〜'＾￣￣
! !
● ● ● ---++：
i i
＜１５８０年＞
γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
| イエズス会員ですか。ご身分は？ ＞
ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__,ノ
/
＿＿|∠￣
／ 三ヽ￣
/i ｡ll ｡! ≡l
|_i､__ﾊ__ﾉ ≡l だいぶ皺も増えましたが……平の修道士です
{-──- ) ≡}
丁￣￣ 彡{
ｿ † ノ彡}〉
ＵT ノ彡{
_〉 彡L
(＿ヽ_＿二ニﾆ)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
医師免許を持つインテリでありながらアルメイダは1555年に入会してから25年間、冷遇に甘んじる
これで屈折しなかったら、嘘だろってレベル
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
／ ヽ:::::::::::
／ :::::'､ :::::ヽ::::::::::
/ ＼ ､ ::::ヽ ::::::::ヽ::::::: ｲ ﾙ ﾏ ﾝ ﾊﾟｰﾄﾞﾚ
/ ,ｲ|`.x''::ヾ`.､ :::＼ :::::::｀`‐-.､:: 平修道士アルメイダがマカオでねんがんの司祭に叙任されたのは、
{ {.l:l /.｀`＜'､ヽ:::::｀`.､,,＿＿:::::::::::＼
{:|::::',::::::::',l:ﾚﾞ＿_＿｀`‐｀i::r'⌒ヽ::::::::￣｀`‐-ゝ やっと1580年。この予備会議の直前のこと。天草布教の責任者として
l:ﾄ;::::',::::::::',l:lﾍ.)::ﾉ .7 .|::|ヾﾆ }:::::::::::::::::::
ﾘ.ﾍ;::ﾍ:::::::ﾍ ｀y'ﾞ .|::| .l /::::::::::::::::::: 表舞台に復帰できたのは、カブラル失脚の時期と符合している……
.∨ﾍ::::; ' ´ |::|./ ﾉ::::::::::::::::::::::
ヾ |::|r(´::::::::::::::::::::::::
ヽ |::| '､::::::::::::::::::::::: なおアルメイダの司祭叙階は、来日したヴァリニャーノの口利きだそうな
‐- |::| .ヽ::::::::::::::::::
｀ヽ .|::| ヽ､:::::::::
',::ヽ､ |::|'"⌒ヽ､__ノ￣ヤ
ﾍ:::::`ー'".|::|:/ ..∧∧ V
ヽ;／ リl / ﾊ. V
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
┃ ┃
┃ と、いうわけで。予備会議席上のアルメイダに戻る・・・ ┃
┃ ┃
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ヽ|/
／￣￣￣｀ヽ、
/ ヽ ｶﾌﾞﾗﾙ
/ ＼,, ,,／ | （え？ 布教長に睨まれて長らく冷や飯食いだったボクをさしおいて、日本の信徒が
| （●） （●）||| |
| /￣⌒￣ヽ U.| 思うがまま高等教育を受け、教会の高位の職階に上り詰めていくわけ？）
| | .ｌ~￣~ヽ | |
|U ヽ ￣~￣ ﾉ | ・・・・・･･･ｺﾞｸﾘ。
| ￣╋￣ |
ヽ|/
／￣￣￣｀ヽ、
/ ヽ （ボクは、日本人信徒を助けるためなら喜んで身命を捧げられる―――
/ ─,, ,,─ |
| （─） （─） |
| /￣⌒￣ヽ .| でも……でも25年も下積みを余儀なくされたボクを、恵まれた教育環境のもとで
| ヽ ￣~￣ ﾉ |
| ￣╋￣ | 父子より年の離れた日本人の学童たちが易々と、乗り越えていくのだけは……）
・
・
・
,,,;;;'''''' '''';;;;;;,,,, '''';;;;,,,, ''';;;, ,,,,;;;;'''' ''';;;;,, '''''';;;;;;,,,,,;;;;;;;;''''''
''''''''' ''''''';;;;;;,,,, ''';;;; ;;'' ,,,;;;;;''''' '''';;;;,,, '''';;; ''''';;;;;;;,,,,,,
''''''''';;;;;;;;,,,, ; ;' ,,,,,,,,,,;;;;;'''' '; ''''';;;;;,,,
''''';;;;;;;,,,,,,, ''';;, ー――-―――(X)―一 ''' ' ''';
'''''''''''';;;;;;;,,,,,,, ,,,;;;,,, ＼ー-:;､＿;少､＿, -一／ （考えられない。とうてい受け入れられない―――）
,,,,,,;;;;;;;;;''''';;;;;;;;,,,,,,;;;''''' ''''';;;;;;;,,,,, ＼ ヽ ｡,三r'｡ノ ／ ,,,;;'''''';;;,,, ,,,,,;;;;''''''
,,,;;;;''' ''';;;'' ,, | ::::ノr￢ヽ::::: | ' '''''';;;;;,,,,;;;;''''''';;,, ,,,;;''
,,,,;;;;;;''''''' ;' ,,,,;;;,;''' ∧ :::::::::::: ∧ ,,,,;;;'''' '';;,, ''';;;;;;;,,,,,,,;;;'''''
' ,,,;;;'''''' ／ ::...ー―一 '..:: ＼ '';;' ';, '''';;;;;''
''';;;,,,,, ,,;;;;''' _,. -一'´ ..:::ー-::ゝ::/::-一::.. ｀:;ー-;:,.､ ;, '';,,,;';,,;''
''';;, ,,,,,,,,,,;;;;;;;'''''''' ／ .......::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::........ ＼←暗黒面に堕ちたアルメイダ
'';;;;;;;'''';;;;;,,,,,,,,;;;;;;'''''''''''' / ......::::::::ー――-:::::::::::::::-―一:::::::::::.... ヽ ';, ,;
{ .:::: .:/ .:::::::::::::.. . ╋ .:::::::::::::. Y:. :::::: } ''''';;;; ,,,;;;''';;'
j: . ::::: .:{::. :::::::::::::::: . :|: . ::::::::::::::: }:: ::::: ｲ '''';;;;; ,,,,;'';,
,;,, ,,,,,,,;;;;;;;''''''';;;,,,,,;' | :::::: ::ゝ. :::::::::::::: . ;: . ::::::::::::: ,ｲ:: :::: } ,;''';,;' ;'''';;;,,,;''' ';,;'
,,,,;;;;'''''';;;;;,,,,;;;;'''''',,,,;;'' ﾄ､: .:::: ;:ｲヽ ::::::::::: .:ハ :::::::::: ,人; :::: j ,;'' ;' ''';;;;,,,
;;;;;'' ''';;;;;''';,,,,;;;'''; } ::::: :;ﾉ }....ー一......:::::::::......ー一....{ ﾄ. ::::: ｲ ,,,;;; '''''';;,,,,
;;;''; ＿ ハ ::::: ;j ヽ、: :: :: :..:::::..::::::..: :: :: : イ ｛: :::: ﾊ ＿_ ''''';;;;,,,,,, ''';;,
,,,,,;;;;'''; ／ ／|:.. い :::: | } .:::::::..::::::::.. { １ :::::: Y .:|＼ ＼ ,,,,;;;;;
,,,,;;;;''''' ／ ／ ::|::.. } :::::: { ﾄ､ ::::::::r:::::::::: j } :::: { .: :|: : ＼ ＼ '''';;;,,
,⊥^'| : :|:.. j :::: } } ....::::::::::::::... { j ::: } .:.:|: : |^'⊥ ';,
.／ ／|::| : :|:: . { ::: ,ﾉ / ....:::::::::::::::::::::::::::::.... ヽ { .:::: ,ﾉ .:.:|: : |::|＼ ＼
.／ ／ |::| : :l:. . ／ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣'＼ ::|: : |::| ＼ ＼
＿＿＿_
,. ‐''"´ ｀ ｰ- ､
／ ＼ ＼
,ｲ ＼ ＼::: : ＼
/ / ! :| :|ヽ＼ ＼:::::. ヽ ここの＞１も、予備会議の時のアルメイダの思惑は想像する
,' .:/ .::::/ ,' :,' .::iハ . ヽ:::: :::ヽ:::::. ﾍ
i .:/ ::／ / ::/!: .::,' | |∨:|ﾍ:::: : :::ﾍ:::::::ﾊ しかないが……与える待遇や教育が高ければ良いってもん
| .:,' ／ .:/ ::/,' :::/ |:.! |:.:| |∨::::::::∧::::::i､
| .::i:./ .:::,ｲ ::＿/:::/ ﾘ !斗f‐-､::::::::::ﾊ::::| ! じゃない、という考え方が、必ずしも「差別的」カブラルだけの
|／:|/ :／,ィ"´／:｀` / |/'_｣」. i:`: :::::::|::::| |
,ｨ| / ::::::／i,.＞''"ｱiヽ /´::::}`.|:::::::::::::ｌ::::| | 専売特許じゃなかったことを、ここでは指摘しておくしだい
/ | ,'::::／{ rT{::::::::::r ! {:::::rﾘ ∥:: :::::/ﾄ､ﾊ|
{ | {::/::::::ヽ|:|乂､_,ﾉﾘ ヾ之' ,'|::::::::,'. | 乂
ヽ | |,' |::::|::::|｀ﾄ! ''' "´ ､ ,,,,, ﾊ|::::.::i ! `''ｰ‐
ｉ |::::|::::l::::|ﾄ､""゛ /:::|:::::::| ヽ
ﾊ:: l: ::|::::|::::iﾊ ＼ ｀ ´ .イ:|!:::ﾊ:::::|
∧: !::::i:,.-､｢|∧ ＞ ､ _,. ＜:i::|:::|:::::.ﾍ:::ﾍ
/::::: _厶イ .／ |:.:.|` ｰ-L＞､:::::::|::|:::|:::::::::.`iｰ＼
. /＞＜ ＼ ﾍ. i:.:.i ,'!ﾊ| `＜ｭ」::|::::::::.:.∧ `ｰ
. ,ｲ-― ､` ､＼ ヽ|,ｲ /_||__〉 ﾊ｀ヽ :::::.:.:.∧
・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━
_ -- 、
/#ｉ＼ ／#####}
/#####＼ -－ ￣￣ ＼
|#####i／ ／ ￣￣￣ ＼
l###／ ／/ ｀ヽヽ 日本人をイエズス会に入会させるのは慎重であるべき
l#ｉ/ / 、 , , 、, , i
∨ ｉ / 亢i /亢i |
| l { 匕ｿ {匕ｿ | 西欧人と異なり天賦の才なく、徳を修める力も無い
| | ー C ー l
／￣ヽ / 気の弱い情緒不安定な国民で、宗教を分かってない
⌒ヽ ＼ ＼ └─‐ ′ / /⌒ヽ
{ へ[三三三三三三三三三]／{ }
ゝ-イ ／ 〃╋ヽ＼ i ゝr－ （1598年2月28日付、長崎発 総長宛書簡より）
＼ l | 乂Ｔノ | l /
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
のちのことになるが日本通ジョアン・ロドリゲスも、カブラル的辛辣さで日本人受け容れに苦言を呈している
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＿＿＿ ___,. -- _
,. ＜ }ノ ＞ 、
. ／.／ ｲ| / / , ＼
/ / , ' ., ' |:}' /／ ､ ‘ ,
. /／′ ,' / |:l. 〃 , , } ‘,
´ i , | / ,i|::! /_ イ ／} / ､ .ﾄ，
. |. , ' l ./ .!|::| /／メ < /／,' } | i‘,
. { / ,' i｜ , ﾆ||::| ,.ｨ示芯}ミメ､. /／} ﾊ ./ ｜.ﾟ, これもわりと意外な感じ。直前の1597年、２６聖人殉教
', /.| ! ',| { ,|l::| | |.圦_以 /´ x=ﾐ「 / ./ |
. ∧ { }'| i ‘ , |: l ', ! ゞ-く_ んﾘ 》' .／ ,| | に遭遇している人物だけに……カブラルと同類なのか
/:/ ヽ .| ﾟ, ｀!::| ', { u. 厶ｨ 厶イ{ ,'| |
/:/ ﾉ /! ﾟ, .|::| ﾄ､. ､_ _ ’ / :!.|.| ', ,' }/
. |::| イj,ﾊ ﾊ iV|::| |、 ,ｲ |.| !,:∨
. |::| V_彡<.Ⅵ', !:＞ ,. ＜ | ./ﾘ |.ﾟ,::ﾟ,
. |::|. , : ´￣≧ｘ ﾟ,ﾑ:, ! _/,.≧チ} , '| ,:| / ﾚ ',::',
. |::| , '::::::::::::::::::::: ﾍﾟ,ﾑ＼,.ｲﾊ/l／ﾚ j/,' /. }:::|
. |::| ./::::::::::::::::::::::::::::::i:ゞ:::＼＼!＼ :|:::|/ |:::|
＿＿
, ‐ ´ ｀ヽ 財務畑の人だけど、頑固で西欧人にも辛辣な人物ではあったらしい
／..:／.:/ .;ｲ :. :.丶.:.: ＼
〃:.:./ .:./:.:/小:.: ',:.:.ヽ:.:.:. ',
l:{.:./ .:./-‐:! l ヽ:.‐-:.:.:.＼:.:.! この発言だけを切り取れば、ロドリゲスもかなり日本に失望しているのは
ｉ:}:ﾊ .:7ｨ=ﾐj:ハ >=ミヽ:.:ﾍヾ、
､_メ!.:i.:.ﾊ r'_;j r'_;j ∧:.:}:.fヾ 確かだけど。日本人の几帳面さや名誉心や親切心は、評価しております
乂;ｲ.:.∧ /ｲ V:.:.| ﾘ
_／ j/_:ﾉ:.介 .、 ° ,イ:.l:|:..|:.:.:.!
´/:.:,':.:.:j:|:ﾉｰf夭‐ﾍ :j:|:.:ｌ:.:.:.:! 日本文化に造詣が深くて、宿敵だった禅僧にすら強い敬意を抱いたようです
/.:.;ィ7´ｌ:|＼/ﾑﾍ／｀l:| ｀ヽ.:.:i
/.:/i // !| に不こ) !|l /!:.:.i
/.:/| ヽl ｌ !|/〈/ i| ヽ｣ !| !./│:.:.i
・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━
, － ､
/⌒＼ /＿＿_ヽ_
ｌ ／´ _＿＿＿__＼
| / ／ ⌒ ⌒ ヽ
V / /⌒ ⌒ ヽ 「日本の禅僧は怠惰でも凡庸でも柔弱でもなく、常に確固不動である」
l l | | ﾟ| | |ﾟ | l
. | ｌ ー oｰ |
ｌ | ） ｌ
ヽ ヽ ｀ー´ /
>━━━━,-､━ く
/ ／ ╋ ヽ ヽ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
事実ロドリゲスの日本愛は強かった、1610年に追放され中国に移った後も、再赴任を請願し続けた
人生最後の書簡（1633年）では、36年前（26聖人）の日本人殉教者の名を銘記して、これを偲んでもいる
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
' / /::: ,.ｲ ::: / |:: /´ | :::|! ::::: |＼:::
.| ' / .'.::... / !: / |:::! !::::ﾊ ::::::|:::::＼::::
.| | ::!:::::| ::::j -‐|‐|─ ﾄ::| l::::| -‐─ヽ--ヾ::::
i⌒v::::|! ::|::::::ｨ:´::| |: | |:::| ゝv ゝ:::::ヾ::::::ヽ 実は彼の手厳しい日本人評は、日本人の入会者が複数
| v ::| i: l ::∧:::::| V -- ゝ ＼ __ ＼::::＼
| |:::|:: !:::l:::| ヽ_:l _ ＿＿ ＿＿`_ー 脱会したさい書かれたもの。背信の実害に関する報告
| | ::ﾊ::ij:::ﾊ::!イ`弋ゝ-'フ｀` ´ !ノ__フハ
| | :::|:V:::::::ヽヽ ￣ ｀ ´
, -v ,イ V::| ::::::ハ::＼ ::::::::::: ,. :::::::::::::: それだけ脱会が、宣教師には打撃という事でもある
, -<. `| ` ヽ| :::/ゝ∧`´ <:i
, '⌒ヽ ヽ ヽ ヽ/ﾍ/::l!
! | | -.ﾊ V|!:::∧
l ｰ| | r ﾄi_ﾉ ゝ |:|:::|:::,.＼ ´ ｀ . イ
| 人 i´ﾄ l_ﾉl ﾉ/:::j:/::|::::ゝ.､ イ:::: |:::::
＿＿＿_
,. ‐''"´ ｀ ｰ- ､
／ ＼ ＼
,ｲ ＼ ＼::: : ＼
/ / ! :| :|ヽ＼ ＼:::::. ヽ
,' .:/ .::::/ ,' :,' .::iハ . ヽ:::: :::ヽ:::::. ﾍ そしてカブラルの日本人への厳しい姿勢も、じつは
i .:/ ::／ / ::/!: .::,' | |∨:|ﾍ:::: : :::ﾍ:::::::ﾊ
| .:,' ／ .:/ ::/,' :::/ |:.! |:.:| |∨::::::::∧::::::i､ おなじような“ある出来事”が元になっている―――
| .::i:./ .:::::,ｲ ＿/:_;ノ ﾘ l`ｰf‐-､::::::::::ﾊ::::| !
|／:|/ :／,ィ"´／:.:/ / |/'_｣」. i:`: :::::::|::::| |
,ｨ| / ::::::／i,.＞''"ｱiヽ /´::::}`.|:::::::::::::ｌ::::| | それが何であるかは、後編にて語る……
/ | ,'::::／{ rT{::::::::::r ! {:::::rﾘ ∥:: :::::/ﾄ､ﾊ|
{ | {::/::::::ヽ|:|乂､_,ﾉﾘ ヾ之' ,'|::::::::,'. | 乂
ヽ | |,' |::::|::::|｀ﾄ! ''' "´ ､ ﾊ|::::.::i ! `''ｰ‐
ｉ |::::|::::l::::|ﾄ､ /:::|:::::::| ヽ
ﾊ:: l: ::|::::|::::iﾊ ＼ (⌒) .イ:|!:::ﾊ:::::|
∧: !::::i:,.-､｢|∧ ＞ ､ _,. ＜:i::|:::|:::::.ﾍ:::ﾍ
/::::: _厶イ .／ |:.:.|` ｰ-L＞､:::::::|::|:::|:::::::::.`iｰ＼
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
それはさておき。続けて本会議でのカブラルＶＳヴァリニャーノ（&オルガンティーノ）の対決を、見ていこう……
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＜第一回日本布教会議＞
【臼杵会場】
∧,,∧((ｎ∧,,∧ ヾ
∧ (´・ω・) |(・ω・｀)∧∧
( ´・ω) Ｕ) ヽ o (・｀ )
｜ Ｕ ( ´・) (・｀ ) と ﾉ
ｕ-ｕ （l ) ( ﾉu-ｕ
`ｕ-ｕ'. `ｕ-u'
【安土会場】
c ､ , っ
∧,,∧((ｎ ∧,,∧
∧ (´・ω・) |(・ω・｀；)っ∧
( ´・ω) Ｕ) ヽ c彡・｀ )
｜ Ｕ ( ´・) (・｀ ) と ﾉ
ｕ-ｕ （l ) ( ﾉu-ｕ
`ｕ-ｕ'. `ｕ-u'
【長崎会場】
o
∧,,∧ ∧,,∧=,,∧i!i
Σ(´ω(;;o=(ω； =；ω)o从
( ´・ω) Ｕ)ﾐヽ, o=∠´ )ｎ
｜ ＵΣ´・(;;(0ﾐo从o=0 と、 <__
ｕ-ｕ (, っ<￣￣)ｎｎ `ｕ一'
`ｕ-ｕ' `c , -一'
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
第一回日本布教会議のアジェンダは２１項目にわたるが、ここでは＞１が興味を抱いた二つの争点のみ挙げる・・・
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
_ｚ-‐━‐-ミ
,.イ／ニﾆ二三厶
／ '’）ﾆ二二三三厶ヽ
j{ /ゝ‐'’ニニ二三三ﾄ､} }
{∧ﾆ/＾{ﾆ二二三三/ ’,}_／＾＾)
{{ ゝ ヽ=ﾆ二八=/ ,ｲ} }i:＞'’
トゝ ト､＿ ｀ｰ‐一'’／ j//´
＿_ゝ､_Ⅵi{ ￣フ⌒ヽ-‐'’′ __ __
/｢{=Y__}ｺ} ｀ｰ一'’;i }i ﾄ, i{/ / }／ _）
{_/ ゝく__/ｺ}厶_ﾑ{ {:{ }i }iﾉ´ヽｧ /ニ=ゝ'’_）
￣ﾏニ二三{_)＞＾ｰ^ｰ'’ヽＯx＜{二三>'’_）
｀}ﾆﾆ二}／} : }ﾟ｡╋} : : Ｙニ二二三}'’)
ゝﾆニ}′{ : :{ﾟ ｡o} : : ﾑ｀¨ｰ‐-==ｲ'´
｀¨´ r≦ﾆにｺ}三コ}
ｨ≧x≧>x r<{く_ｨｚx
ゞ=‐'⌒¨´ ｀¨ヾ=ﾆ彡
┌─┐ ┌─┐
.1 .「 .,7 ,f´
| | ,/ /'
| l､,,/ /',. ‐ '二一勹
.| ,/' / /´ /／
ｌ､__/ l .` ｰ ､
`ｰ-､ /
／/ _,/ ,ノ
∠-- 二 - ''´
､ ＿ ＿ ＿
ゝ:::: '´::::::::::::::::::::ヽ､
／:::::::::::::::::::::::::）└::＼
/:::::::::::::::::::i::::/ヽ::⌒::::::::ヽ、
〃::::::::::::::::/|:/､＿ヾ::::::::ﾍ:::::＼
ﾚ:::i:::::::::／ / 〈●〉;:::|、:::∧￣｀
ノ:::|:::／､_,､_, """i::::|ﾉ::::::∧
/⌒ヽ_/ﾍ ゝ._） j /⌒i:::::::ﾍ
＼ /:/::::ﾉ＞,､ __, イァ/ /::::::ﾄ､ﾍ
. / /／, ヾ |三/ {ﾍ､__∧::::::i ヽ
｀ヽ< / ヾ╋ ./ヾ__彡':::::::|
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「有能な善玉ヴァリニャーノ ＶＳ 無能な悪玉カブラル」という通説の是非を問う意味でも、注目してみたい争点である
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
|| ||
|| 【争点その１：日本布教区の昇格問題】 . . .||
|| ||
|| ∧ ∧ 。 ||
|| ( ,,ﾟДﾟ)／ ||
￣￣￣￣￣￣￣ﾉ つ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣
/ ￣￣￣ /|
|￣￣￣￣| |
￣￣￣￣￣￣￣￣|＿＿＿＿|/￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
∧,,∧ ∧,,∧
∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧
( ´・ω) Ｕ) ( つと ﾉ(ω・｀ )
｜ Ｕ ( ´・) (・｀ ) と ﾉ
ｕ-ｕ （l ) ( ﾉu-ｕ
`ｕ-ｕ'. `ｕ-u'
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
-‐ ￣￣ ｀丶、
／ ヽ
/ / /〃/{ { ヽ ｀ヽ. ∧ まず、日本の教区としての地位問題―――
ｌ / /斗/ハ ｨｰ‐ヽ ∨ l
{ { ﾚﾃく ヽ＼{ヽ＼ ヾ│
乂l f r'ﾊ __ 7ﾊ＼ﾘ l インド管区から完全に分離独立させるべきか、はたまた
(⌒⌒) .八,}弋ｿ ''⌒ｿﾉ ） 八
. ヽ〃｀ひ､ ノイ }ゝ" ｎ "" { {´ 丶＼ インド管区の下部組織として留め置くか……？
／ rz-､_ ,＞‐r＜_∧!＞､ ＼丶
. , -‐" とノハ/ ヽ{>ﾛ<ﾌ〈. ヽ ＼
// ／ / ヽ､__,／∨{ j>＜__〉＼ 丶.ヽ ヴァリニャーノはすでに総長の指示を受けてはいたのだが、
. {八 〃 ﾊ { /{ / 大 , < }ヽ } }
)/ ヽ（. ヽ人{ >‐ヽ/ j ＼／ ∨} ﾉ ヽjｲノ 注目すべきはカブラル以下の在日神父らの反応だ
" ｀ ′ ヽ ﾍ_,ん</__j＿{_／ (（ ( "
/ / | l
/ / .| l
/｀ V ｌ .,′
｀ｰ'′ ├-/
￣
／／ ｀`ヽ､＼
（ ( ) ヽ
＼ ｀ー --,． '"´ ￣￣｀`ヽ -- '_ ノ
｀ー-／ ＼ 「昇格」とやらに、どんな実質があるかはともかく……
, ⌒／ , / 〃 , ､ ヽ. ､ ｀V´￣＼
／/ .:/ .:.:.::|::|.:.:|::|.:::|.:.:ﾄ､__,:::.ヽ＼ ﾄ､ ＼
/.:.:::|;;|.:.::::::|::|::∧|ヽlヽl´ヽlヽ.::l L.ヽ|＼ | これは日本人を低評価するカブラルが渋い態度で、
/.:.:.:.::l;;||:.:.:.:|ｨﾚ'⌒l 〒=ﾐ､ ﾊ | l |＼ |
/.:/|:::/l/||::::::l/l/,ィﾃ ﾋzｼ 1 | |.:::| Ｎ ＼| 高評価するオルガンティーノとヴァリニャーノが推進の
|/ |/＼:||＼::ﾍ. 弋ｿ ､ ｰ / lﾉ.:.::| |
|.:/l.:::;ﾍ.' ' ' r‐┐ ' '〃 〃.::/ リ 急先鋒でしょ。それが「昇格」である以上はね
|/ |.:/|:::.>.、 ｀ｰ _ .イ 〃 |/
|/ .|/＼::|「(￣-‐ 7 /⌒ヽ
/l ￣_ >只く ／ / ',
_／ ＿／/ ﾑﾑ./ _,/ i
――――――――――――――――――――――――――――
……と、思うのが普通なのだが。わりと意外な反応になっている
――――――――――――――――――――――――――――
,;^,^,ヽ
. ;^|, |, |━･~
＿＿, - ､ r|, |, |, |, }
／, ─── ､)| （ |
// / ヽi ! ｀´. ﾉ
|_| ┃ ┃ | | 入 / さて、諸君。かねて懸案になっていた、「日本布教区の地位」に
（ ⊂⊃ ヽ ／
>､ ＼＿_ノ ﾉ ／ 関してだが……諸君の腹蔵なき意見を聞きたい
/ ＿＿ ── ´/
(＿＿＿）╋／ /
／ /
. ゞ／::::::::::::::::/i::::/ ヽ:::::::::::ヽ
＼ /::::::::::::::::::::/ |:/､＿ ∨:::::::::＼ はーい、我々は完全に分離した日本管区の設立に
l:::::::::::::::::::/ / 〈●〉 l::}-、:::::::＼
l/i:::::::::::::/ ,""" l::i ,!::::::::::::＼ 賛成いたします！ 信徒増加といいコレジオなど
― |::::::::／ r´｀´ヽ l:::}´::::::::::::::::::::＼
|::／、 ヽ、_,ﾉ j::::ト､:::::::::::::::::::::::::ヽ 諸機関の充実といい、すでに実質を伴っております！
. ｒ- ,_ ／.」::::ヽ , _＿__,. イll:::::lヽ＝_____:::::::::::::
. l、 ~'''TTﾄ、::ﾊ,ヽ l===l l::::l //- .,::::::
ヽ、 .l l l ',::::', ＼ヽ l╋l l::::l //
｀ｰ.l_l_l__',::::',__ ＼yV/ﾚ 〈ー'ヽ
＼ ヽ _.,‐-‐‐ ､ i.!^i^i､＿ / ／
(（〜〜〜/ ⌒ヽ/＼|‐-‐‐ ､
〈((（ )ｿ从ﾙﾘﾉlﾉｿ`〜〜〜＜》 「「「さんせーい！」」」
⊂i､ﾟーﾟi.i(.ii!､ﾟヮ ﾟ!〈(ﾉﾘlﾉ人(ヽ〉
iij木 ij.i./〈{H}〉 .ﾘ､ﾟヮ ﾟi从 ＿＿
〈_|.i.i.i.（_〈|i_|iヽ○ﾆ ○ﾆ)ﾊ＼／
しヽ丿l l l ＼ヾヽ ⌒´
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
＿＿＿＿＿＿＿
| |
|／＼／＼／＼ |ぷん
ぷん | （・） （・） ）
| |＿Ｃ＿＿_ ＃ | ○
... ○ | |＿＿＿| |｜｜ 反対！ 日本はインド管区にとどめるべきである
.. ....| ＼＼＿＿＿＿＿／ | ｜
＼ ＼＿＿| |＿＿／ ／
＼ ＿＿＿＿＿＿／
｜＿＿╋＿＿＿|
｜＿＿＿＿＿＿|
｜＿＿＿＿＿＿|
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
然るにカブラル、コエリョ、フロイスら主だったメンバー２１名が日本管区の設立に賛同したのに
対し、オルガンティーノを含む５人の少数派が、従来通りインドの下位に甘んじることを主張した
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
その結果、日本の「副管区」昇格が決定。シナ布教区をその傘下に置くのだが……
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
布教区 副管区 管区
┝━━━━━┿━━━━━┥
';, ';,. ';
;, ﾞ';. r､ ∩ ';
ﾞ､ ﾞ';, ＿＿, - ､ ﾞ'､'v'ﾆﾆッ
ﾞ'､ ,;' ／, ─── ､)! rﾆ>ﾉ l |
ﾞ';, .;:' ,// / ヽi r'r‐,⌒ﾞ/ じゃ、とりあえず「あいだ」を採って、副管区ということで……
';...;ﾞ |_| ┃ ┃ | ﾞY´ /
ﾞ''''（ ⊂⊃ ヽ ｲﾏｺｺ! . l 'ﾞi
>､ ＼＿_ノ ﾉ i l
_,,..-‐‐'''''''fﾞヽ─── ´^､-----､ l l
r'''´ , i '､ ｀ﾞ'''''''´ / ,' ｀ﾞ'‐､_ l l
_,.-‐''´ l i i. l ﾞ'､ _/ ,' /'､i .l
f´ l ﾞ,,i l ｀ﾞ''''''''´ i ,'" ,' l. l
l ヽ__,,l ゝ! ╋ V i i､ l
l i ｀ﾞ￣´iﾞ:: :: l/----ゝ､___､__,ﾉ
l ,' l ﾞ､ .::l
! ,' l:... .::::l
,' i _l::...... '､
l ﾞﾍ,＿＿＿,,,>ﾞ'､ ::.... l＿＿＿__
./l | ﾄ､ﾄ､!::::::::::::::::｀'ゝ､, :::.. ..::::...,r‐'´:::::::::::::::::::::: ﾞﾞ''‐-､
ﾚﾚﾚ'::::ヽ::::::';:::::::::::::::::ﾞ'､ﾞ'､_ _,-'ﾞ/:::::::::::::::::::::::／r::::::::::: ヽ,
i::::::::::::::ﾞ､::::i:::::::::::::::::::::'､::::ﾞ',ｰ ‐‐''´::/":::::::::::::::::::::/::::/r､:::::::::::::::l
､ ＿ ＿ ＿
ゝ:::: '´::::::::::::::::::::::＞ ､
/:::::::::::::::::::::::i:::::/､:::::::::::ヽ、
〃::::::::::::::::::::::|::/ ∨::::ﾍ::::＼
ﾚ:::!:::::::::::::::::/|/､＿ i::::|::::∧￣｀ （「あいだを採る」っていうけれど、２１：５なんだから多数決的には無用の
ノ::::|::::::::::::／ / 〈●〉|::::|､:::∧
´￣i::|::::::／ """ |:/ノ:::::∧ 気がするよ―――この件、巡察師の方で「結論ありき」だな……）
,:::|::ﾍ r‐-､ ,:/:::::::::::::::ﾍ
/:::|:::::/⌒l ｀ﾆ｀, イ／ ::::::::ﾄ､ ﾍ
/:::::|::/ / .|三/ /／￣ヽ:::::i ヽ
/:::::::|::| l ヾ╋ / ヒ二彡,:::::|
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
日本布教区の「地位向上」には「反日カブラル」こそが積極的な多数派で、「親日オルガンティーノ」は
消極的な少数派というのも、奇妙な構図に見えなくもない……
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
三三ﾆ:／ヽ三/. / ｀ヽ::／ ﾊｨヽ{ ＼:::{｀ヽ三三三ﾆ
三三,'´ ヽ' .{. / }｀ ,.イ, ― ミﾐ､ ∨∧ﾏﾑﾆ
三三! u. ﾊ､ / /..イﾆ,.' ｀ ｀´ .}三三
ヽ:}ヽ} { ',',_ }...::::三三:::::::::......... u. .|三三
'{ .'., ﾊ ヽ::::::::::::::::::::::::::: ............. |三三 （ 日本が管区に昇格してしまうと、出自・学歴に優れた高位
' .r‐｀―〈､.}.ヽ :::::::::::::::::::::::::: :::::. u. !／￣
. ヾﾉ¨ﾌ::::::'.,! { ::::::::::::::::::::: . :: .., .| .／} の神父たちが来日し、私の上のポストを占めるだろう―――
. ∧ ::::::::::: } ＿__.::::::::::::::::: / ./ }...ｰ,'
',/ /. , __ ｀ヽ ｀ヽ / ﾞ ,ﾞ
.∧ .',｀__ _｀ヽ}ヽ ´ . ､_/ ./ こっちはカブラル一人でも、手こずったというのに……）
∧ ',｀¨ヽ｀｀ u. | .,.ｲ
.ヽ ', .,'‐.' ,
ﾞ, r―――――┐ .ヽ ..,' .|
.ﾊ ﾚﾞ￣￣￣｀¨¨.´ } , ..|
/ ヽ , ―― ､ .´ /. : .|.,
＿＿＿__/ ....∧ ／ .::: ／
../ ∧ ., イ .:::::／
,ﾞ .∧ ／ :／
.,.:≦三≧x
/三三三三≧x
,'ｨヽノヽィ!三三ﾆ丶
.,.ｲ{:{ﾘ｀ヽｰ‐ヽ三_, -.､:} （ せっかく布教に適した新天地に来れたのに、いたずらに既得の
,.イ. ）｀¨´ ｀¨ }ﾆ},イ} .}.!
｀ヾゝ ｀ 〈__ハ/ ,',.ﾞ 自由裁量権を失うリスクは、できれば取りたくない―――
〈-.､ ー ./',彡/,ﾞ
r｀ｰ' ,'.´ ﾊ}
｀}｀ヽ ,' |..ﾞ,_ うだつの上がらない平民出のたたき上げ司祭としては、ここは抵抗せねば）
（ イ |.. }
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
, ‐ ´ ￣￣ ｀ヽ､
／ ､ ､ ＼
,.'.／ .:/ ;小:.. ヽ:. :＼:.:.ヽ
. //:.:.:.:/.:./:. ./ i ヾ:.:.丶:. ...ヾ:ｰ'､ まあ、以上の“独白”は調査能力不足の＞１による、勝手な
//,':.:... :.:厶:./- ヽ 弋:.‐＼:.:.:. 丶:＼
! |:l:j:.:.:´/ ｨ天t､ ｨ天女､-､:.. ﾍ､:.ヽ 憶測ではあるが……手がかりが無いわけでもない
! | :.!.:.:.:ﾊ´ち;;;j ち;;;;j !K }ヽ:.､.! ヽ!
ヽヾj:.ノ小 ｀::::. ' ::::´ ﾊイ: |｀ﾘ ノ
､_ノｲ:..:.:ﾘ;:ゝ-‐っ ｰ- ｲ:.ｌ::|:. i | 会議の席上でオルガンティーノは、会の上長の「任期」に拘っている
／´/:.:／ ‐＜＞.､ _., .イ_.l:.:ｌ::|:. i |
／＿/∠ ｧ┐l !ﾉーｿﾉl ￣ ヽ､｣::|:. .:i:ﾊ
, ./´ ｀∨イしﾘ / ハ ／ ヽ￣｀ヽﾊ
／ |=＝＝=､∧/ ＞‐/{ヽ‐‐< l l ヽ r/７-､_
, ' / / / 7〃 {{ヾ〉＼ |／￣ | 厂し' / /┐
. / / / ／ {{. ＼ | | ,/＝(_/_/_,人
| / / イ o. {{ ＼| l/ 'ヾ､/
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
／￣￣￣￣￣＼
/ ,∨∨∨∨∨
/ ／／ ＼.|
| / ,＞ ＜ | ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
(6 ⊂⊃ .| .| 布教長（副管区長）の任期は５、６年程度に制限すべきである
| ＿＿l＿，.| ＜
| ／ / ／ | 教区長も３年に限るべきである！ 巡察師よ、ぜひご検討を！
／| ￣￣￣／＼ ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
╋
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ﾀﾝｺﾌﾞ
来日いらい１０年も居座った目の上の宿 敵 カブラルに辟易してか、自分の上司格ポストの在任長期化を彼は嫌った
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
その一方で日本人聖職者の育成には、強い意欲を見せた。セミナリオの校長に就任したのを見るにつけ、
ﾆﾎﾝ
適応主義の一つの帰着点として、現地にかれの“子飼い”の信徒が繁栄することをこそ望んだのであろう
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿ __＿__
|r‐' ∧／ヽ__, ｀ヽ、
|| (/ ｰ' ､__ー┐:.
(⌒ﾝ ｉ⌒ (￣｀ヽ |__j
(⌒i ハ _＿ _〕ー'′ ６） 今こそ この国に、私が愛する讃美歌が満ちる時！
r‐―┤ ＼ { ヽ ￣￣￣l {
「ﾆﾆl ! } ＼ ＼, -r― ､/ ｜
ゝ二l＿＿_ハ 「＼_ { / r'__／}
l `ー… ¨￣ゝ､＿＼＿_ﾉ＿_,.へ、
ヽ / __ /
＼ / ∧ ╋／{｛ ｛
♪ ＼＼ ♪ ぼえ〜ぼえぼえ〜ホゲ〜〜オエ〜ギア〜 ♪ ／／ ♪
♪ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧∧ ♪
♪ ∧ ∧(ﾟ0 ﾟ*)∧ ∧(ﾟ0 ﾟ*)∧ ∧(ﾟ0 ﾟ*)∧ ∧(ﾟ0 ﾟ*)∧ ∧(ﾟ0 ﾟ*)∧ ∧(ﾟ0 ﾟ*) ♪
(ﾟ0 ﾟ*)∧ ∧(ﾟ0 ﾟ*)∧ ∧(ﾟ0 ﾟ*)∧ ∧(ﾟ0 ﾟ*)∧ ∧(ﾟ0 ﾟ*)∧ ∧(ﾟ0 ﾟ*)∧ ∧
♪ ∧ ∧(ﾟ0 ﾟ*)∧ ∧(ﾟ0 ﾟ*)∧ ∧(ﾟ0 ﾟ*)∧ ∧(ﾟ0 ﾟ*)∧ ∧(ﾟ0 ﾟ*)∧ ∧(ﾟ0 ﾟ*)♪
─♪──(ﾟ0 ﾟ*)|†. ∪(ﾟ0 ﾟ*)|†. ∪(ﾟ0 ﾟ*)|†. ∪(ﾟ0 ﾟ*)|†. ∪(ﾟ0 ﾟ*)|†. ∪(ﾟ0 ﾟ*) |†. ∪ ─♪──
| †.∪ | | †.∪| | |†.∪. | | | †.∪| | .| †.∪| | |†.∪ | |〜♪
♪ | | U U .| | U U | | U U. | | U U .| | U U | | U U ♪
U U U U U U U U U U U U
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＞１のこの憶測が正しいとすれば……適応主義者オルガンティーノはその極端な“任地ぼれ”により、日本という
布教区そのものにとっては大局的に有利・有益であろう昇格を、私情で阻止していたことになる
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
／ ｀ヽ
/ ＼ '，
' ／ ﾊ :， ': '，
,: , ﾞ／ / ./:/ |ﾍ }:. }:Vﾍ
y":/ .:::/､.,/j/ :|.._Ⅵ,,:! vヾ
/..:/ ノｨ==ミ` j ｨ=x! |:::::! イタリア人らしく信徒への家族愛は本物だったが、「異世界で俺ツエー」を
'/:::{ .ｲ Viｿ vｿ ヾ:::j
;/::::::k: {从. , /:|:ﾚ′ 地で行った典型ともいえる。布教が合法化していたら、用済みにされたかも
/.::://:::｀`:l:!込、 _ 八:|:{
,..:::::://, -=ミ:l:lミi个. .__ . .＜::::...ヽ::、
／／ｲ:〃 / /ヽ:, ､ ｀`Y{ {:::::V∧::v::::., 禁教m9(^Д^)ﾌﾟｷﾞｬｰで孤塁を守る立場となり、皮肉にもその悲運は免れた
／／::'::::::j-‐''_ノ.......}h :､ c_j}{xヽ:::::､:ﾍ::V...ヽ
_
/.ヘ . -‐…‐- 、 x.､
// ヽY _ '''二二 _ヽﾉ//} }
ｊ i /7´ ｀丶//
／ ⌒Ｖ// ＼ ｱｯﾄﾎｰﾑ ｼｽﾃﾑ
〃〃 ∨i /// / i i iﾊ なんだか、家族経営から全国規模の企業に成長した会社とかで、
/// ﾉ //ｱ二メ./ i ! i i !
. /// ／ ﾙ〃んﾊ/ ﾉﾅメ ii∧ 「創業時の功臣」にありがちな運命の人だったわけね……ｗ
Ｎ/ ／ i i i l ﾋ:ン んﾊ! // ﾊ
//ﾚﾙ'/i 从 i i ｜''' r , ゞ'厶ｲ从 i｜
. // // ﾙﾉハ i 个ト . __ ..イﾙ爪/ }}ﾊﾉ
// // Ⅵ仄二ﾆr'"´￣｀Y´ ﾉﾘ
. // // r‐=≧≦//:::/:.:.:.:.:.:.|_彡'
〈/ 〈/ ___｣{〃ｊｊ｀ヾ{::〉/.:.:.:.:.:.:.:.|
-‐=＝ ニ二 =彡く′ jj::::ｉ.:.:.:.:.:.:.:.:ﾉ
（( ＿＿__ .. -=r.::i ヽ〃::/.:.:.:.:.:.:./|
￣￣￣ |:::.:.、 ∨.:.:.:.:.:.:.:i.:.|＿＿＿
|:::.::ﾊ /.:.:./.:.:.:.:.i.:.:.:ﾉ.:ﾉ.:.:.:.:.＼
|::./.:.ﾄ.、/.:.:./.:.:.:.:.:.j／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
／Ｖ.:.:.:ヽ:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:.:.:.:.:.:.:.:>､￣￣
／.:.:.:.i.:.:.:.:.）ｉ.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ ∨:.:.:／ヽ ＼
. ／.:.:.:.／ｊ.:.:.:.:i丿:.:.:.:.:.:.:.:/ Y厂 ＼＼ ＼
. ／.:.:.:.厂／ヽ:.:イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i 〃 ヽ ＼ ﾉ>
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|| ||
|| 【争点その２：教会への長崎の寄進問題】 .||
|| ||
|| ∧ ∧ 。 ||
|| ( ,,ﾟДﾟ)／ ||
￣￣￣￣￣￣￣ﾉ つ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣
/ ￣￣￣ /|
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∧,,∧ ∧,,∧
∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧
( ´・ω) Ｕ) ( つと ﾉ(ω・｀ )
｜ Ｕ ( ´・) (・｀ ) と ﾉ
ｕ-ｕ （l ) ( ﾉu-ｕ
`ｕ-ｕ'. `ｕ-u'
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_ ＿＿＿＿
´: : : : : : : : : : : : :｀ヽ、
／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : _ヽ
／ .:.:.:.:.:.:/.:.:.: /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::::ヽ
/.:.:/:.:.:.:.: / .:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::ヽ
/.:.:/.:.:.:.:. / .:.:.:/│:l :.:.:.:.＼.:.:.: ヽ::::::::::::::ヽ
ｌ.:.:/.:.: /.:.,' .:.:.:/.:.:l.: | ＼.:.:.: 丶.:.:.:.::ヽ::::::::::i さて。布教会議なるカブラル追放会議でここの＞１が
| .:|.:.:.:.| .:ｌ.: __/.:.:ハ | ヽ_＼＿_＼.:.::::::ヽ､:::;
| .:|.:.:.:.|.:イ.:./.:.:/.:ハ! ＼-＼.:.:.:.ヽ.:.:.:.:.ヽi 注目した、もう一つの問題点だが……
.l .:|.:.:.:ﾊ.:.jｨ仔ﾃ女 ヽ ｧ7仔i心､_.:ヾ.:.:.:.｀ヽ
.l .:|: :ﾉﾍ小ﾍ::::::j| ｌﾍ::::::j|│.:lﾍ＼:::::､.:.＼
.| .:! ﾉ ハ{ r'仁j r'仁リ│.:|.:.!.:.:ﾊ |＼.: ヽ 日本では肯定的に観られることの多い“適応主義”の、
ノ ｲ.:.: /てﾍ. , ./!.:.j´j.:/｝}:| | ヽ.:}
/.: /.: /しゝ、 ,- -､ ／./.:/.:／|ノ人! j/ あまり知られていない側面をも語る部分となる
/.: /.: /.:./.:.:..:＞ ￣ イ_l.:./.:/|´.:.: |.:. ｌ.: |
/.:.,.':. / j:/.:.:.:./ l_,ﾊ` ‐- ＜｜_,,Ｖ.:厶l.:.:.:. |.:. ｌ. |
/／.:／ /.:.:.:./／/ｌ ヽ ／＼_, '7/＿ヽ.:.: !.:. ｌ.: |
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
,－､ ＿＿
（────､ヽ
// ＼ | | さて、在日司祭諸君。ごぞんじのとおりこの布教会議においては、
| / ヽ l_ |
/ ⊂⊃ ） イエズス会の将来を考えるうえで避けられない、喫緊の課題がある
!⊂＿＿＿ ﾉ＼
＼ヽ＿＿ノ ／ ＼
/ `───／ ヽ 大村バルトロメウ殿からの、例の申し出の件だが……
/ ╋／ i
/ ／ !
＼⌒＼/⌒＼ ノ
【長崎】
／＼ ＼.|| ＼/|[] [] []|二二二二二二. / |＼／＼
＼／ :|| . | :|二二二二二二/. |＼＼／
／＼ :|| || || |＼＼＼／＼
＼／ :|| || [] [] || ＼＼＼＼／／
<＼. .|| || || |＼＼＼＼
＼ ＼> ||. ＼__:[]:__／ | :￣|￣￣
===========┘ ￣￣ ＼: :| (二)
† ＼|―――
――――＼ _|||_
||三三|| ＼ _| | |_ ＿＿
||三三|| ／ | | | . | ＼----,
――――／| ＜二二二＞＿＿＿＿_／７＿＿／７＿ | |￣＼ ､／＼
|TT| |:::;;:::;;| || i⌒i ||/￣|,,,,,,,,,,,,,／''''/＾i,,,,／''''/＾i,,,| ＼＼／ ＋. ＼
|TT| |:::;;:::;;| || ===.|| |,,,,,,,,,,,,,＼/[||]|,,,,＼/[||]|,,,,| . | > ＋<><>
￣ |:::;;:::;;| ／￣￣￣＼ |,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,| |／ ＋<><>
|:::;;:::;;| ／＿＿＿＿＿＼ |＿＿＿＿＿＿＿＿＿_| .＼ <>
―――|:::;;:::;;| | （十） | | |.|／＼.＼
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
_ -― 、
,．: :´: : : : : : : : :＼
／: : _..．-――ｎ‐- ､:〉 ヴァリニャーノ巡察師殿。ものは相談なのだが―――
〈_ - ´ _..．-―‐U‐-､｣
| _ - ´.:_..．-=＝＝=-{、
L -=≦三三三三三三> 長崎と茂木の地を、イエズス会の教会領として寄進したい
/､ー ´, -‐．ﾐx. ィ．-､ /､
r' ､ - ､ーｧ' ヽ - ' Υ 領内の司法と行政は、教会に委任する。予は交易から
{ り ＿_ ｛ ､_｣＿_ }
ヽィ { ｛ ､ ＼__.. -‐-､／ ｝, 得られる関税のみ、権利を確保できれば十分である
{ ヽ ｀ ー - ‐ ´ ' ＿＿_ _
ヽ ‐- _ノ‐x≪>／__／／: : :｀ヽ
＿ ＿｢lヽ、＿_ ､ ノx≪>'": └―‐'´: : : : : : : :＼
_／／／: : : ヽ｣|:.|＿〈_:_:_＞‐x≪>'": : : : : : : /: : : : : : : : : : : : ＼
／:└‐ '´: : : : :_:/ 〉_: : : ╋: x≪>'": : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : :∧
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
日本に「教会領」が生れる……ローマがこれを知れば、驚愕することは間違いなかった。しかし“適応主義者”の
ヴァリニャーノは大村純忠のこの破格の申し出を、このさいぜひ受諾しようと目論んだのである
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿＿, - ､
. ／, ─── ､)
// / ヽi おそらくローマの総長は日本の領主による長崎寄進の動機と、これを受けた
|_| ┃ ┃ |
（ ⊂⊃ ヽ ばあいの我々の理由。双方について、厳しく問いただしてくるだろう
>､ ＼＿_ノ ﾉ .nｍ
／ ＼─── ´ヽ､ /)- |
/ ＼--／ | ￣|＿ ﾉ まあ、そこは私が説明するとして……布教会議では司祭諸君の、賛否を問いたい
| ╋ | ||
! / ﾉ |
`iヽ__ノ━━━━ヽ､__ﾉ
ヽ､ |＾ヽ､__ノ
￣￣￣` - ′
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
＞' ´ ＞Y ｀`ヽ､
,__,ｲ ,. i:i / ＼
/ , ' /i:j /' ./ ／／ ﾄi i i ﾍヽ
/ ,ｲ// i ,/‐､ｲ／ 7./ i | i ' ﾑ
,/ , '7// .l／izｚzxヽ､/ｲ .!|Vj ! ﾍ
／i ／ i// |. ヾﾄ::::斗 彳´ ﾘﾆi` ' i | ,ハ ざけんなボケ！ 神国ニッポンの領土を
/ j/ y':/ j _ヒzソ i沁ゞ //i∧ i
./ //! .// | ﾑリ|.//∨ .ﾍ ! 植民地にされてたまるか！ 大村純忠は
' // i //.i .∧ .| _＿_ ' ｀`.i ' ∧V .iヾ
j::,′lﾘ// , .i,.! ,': : : :/ 从 i::i j 最悪の売国奴に決定！
|::| // j ,ハ |ヽ:.､ ヽ--' .イ 7 .iﾘi::iⅥ
|::| i::'| ∧ ﾄ V i .∧ ＞ . ＿. イi | / ﾚ' !:i
|::| i:::|´ V ヽA V rt r＜ /: : T' ,′ .i::i
|::| `´ .ィ:/ヾ/t|_j-i /: : : :i .ｲ: ＞ｘ _ j::i
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
日本に「教会領」が生れる……ローマがこれを知れば、驚愕することは間違いなかった。しかし“適応主義者”の
ヴァリニャーノは大村純忠のこの破格の申し出を、このさいぜひ受諾しようと目論んだのである
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// / ヽi おそらくローマの総長は日本の領主による長崎寄進の動機と、これを受けた
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（ ⊂⊃ ヽ ばあいの我々の理由。双方について、厳しく問いただしてくるだろう
>､ ＼＿_ノ ﾉ .nｍ
／ ＼─── ´ヽ､ /)- |
/ ＼--／ | ￣|＿ ﾉ まあ、そこは私が説明するとして……布教会議では司祭諸君の、賛否を問いたい
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ヽ､ |＾ヽ､__ノ
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,/ , '7// .l／izｚzxヽ､/ｲ .!|Vj ! ﾍ
／i ／ i// |. ヾﾄ::::斗 彳´ ﾘﾆi` ' i | ,ハ ざけんなボケ！ 神国ニッポンの領土を
/ j/ y':/ j _ヒzソ i沁ゞ //i∧ i
./ //! .// | ﾑリ|.//∨ .ﾍ ! 植民地にされてたまるか！ 大村純忠は
' // i //.i .∧ .| _＿_ ' ｀`.i ' ∧V .iヾ
j::,′lﾘ// , .i,.! ,': : : :/ 从 i::i j 最悪の売国奴に決定！
|::| // j ,ハ |ヽ:.､ ヽ--' .イ 7 .iﾘi::iⅥ
|::| i::'| ∧ ﾄ V i .∧ ＞ . ＿. イi | / ﾚ' !:i
|::| i:::|´ V ヽA V rt r＜ /: : T' ,′ .i::i
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202
-‐ ￣￣ ｀丶、
／ ヽ
/ / /〃/{ { ヽ ｀ヽ. ∧
ｌ / /斗/ハ ｨｰ‐ヽ ∨ l で。結論から先に言うとヴァリニャーノの目論見は、首尾よく成功！
{ { ﾚﾃく ヽ＼{ヽ＼ ヾ│
乂l f r'ﾊ __ 7ﾊ＼ﾘ l
(⌒⌒) .八,}弋ｿ ''⌒ｿﾉ ） 八 迫害の危機がつきまとうキリシタンの「安住の地」を築くため、
. ヽ〃｀ひ､ ノイ }ゝ" ｎ "" { {´ 丶＼
／ rz-､_ ,＞‐r＜_∧!＞､ ＼丶 イエズス会が長崎の「領主」になってしまう。治外法権キタコレ！
. , -‐" とノハ/ ヽ{>ﾛ<ﾌ〈. ヽ ＼
// ／ / ヽ､__,／∨{ j>＜__〉＼ 丶.ヽ
. {八 〃 ﾊ { /{ / 大 , < }ヽ } }
)/ ヽ（. ヽ人{ >‐ヽ/ j ＼／ ∨} ﾉ ヽjｲノ
" ｀ ′ ヽ ﾍ_,ん</__j＿{_／ (（ ( "
/ / | l
/ / .| l
/｀ V ｌ .,′
｀ｰ'′ ├-/
￣
((＿＿＿＿＿＿)) ,､
{＼ .ﾄ, _.. ── .._ ／└ ヵ
{ Νﾞv'´ ｀ <､ /
_＼ / `x ハ /､ ヾ＿＿＼
∠＿. / i. `メ､ヽ/ ∨／ﾚ |!
. (｀ヽ､〃 /ゝ {.／ -‐''´~`'^"｀ヽ､', |!､ _ Ｏｈ Ｎｏ！
ヽ／＼. ﾑ{ { i , '´｀ー─--‐ ､ } |＼>´､)
＼:::::::ヽ,{ {,'{.∧／＼,へ／＼} ﾘ! |／:::／
ヽ;:::::::ゝjﾍ{＿＿... __ ...._ノ, ' | i丿:／ ))
(( ＿＿＿_ゞ" ｀>‐-───‐ <, ﾚ' ｀´ ＿＿＿_
(￣|:::::::::::::::::三 ／::::｀[二><二]´:::＼ 三:::::::::::::::|￣)
￣￣￣￣ ／:::::／ゝ::∧∧:::::}＼::::＼ ￣￣￣ ￣
ミ ／:::::／ 〉::|. ： .|::::{. ＼::::＼ 彡
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
浅見雅一著「概説キリシタン史」（79p）によれば裁判権の一部をふくむ権益の大半は大村純忠にあり、「純忠に非常に
有利な条件」。有事には大村家への返還も可能としていたことから、イエズス会も「領有意識は強くなかった」とみられる
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
だが布教の拠点としては、当初から重視された。あげく長崎の存在じたいが、宗門の運命をも支配するものになっていく
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
_. -―- ._
, ＜//////////＞ー-- ｧ
,ｲ//////////////////く
/////////////////////､-ゝ､
'/////////////////////ハ
. fヽ .l///////////////ﾊ'////∧`＼ 巡察師。長崎の件につきましてですが、私が思うに……！
', ､ !'//////////////＿V/////＼ ヽ
. _ , , !'//////////l'/,ｲ巧"ｿ〉//////＞ 、 ,ﾉ
ヽ＼ , V//////,!V,{. V{乂ｿ,ﾉ////////////,7ア
` _ ‐ _ ､ V,/////,! ヾ、' ｀ "./////////////,＞､
｀ ,. ヽ ＼///ﾊ ｒ ; イ＜////////＞- _⌒
. ／ , ヽヽ/ハ`ｧ';;∨ ､ ∨///∧＜/////＞ 、
. , ´,.イ ,:' ´ '､Vﾄ/ヽ;;;; _ ､ ヽ///ハ ヾ', ⌒`
. 、'_,.／ / /`ー ´,. ＞、丶､ ';;;;;, 〉 ノ､ﾊ ヾﾊ ｿ
/ノ 乂.ヽ- ' ｀ " ';;;;;;;, ノ ､ ＼ ｿ
. ´ ￢- :::::::::╋':;;;;;;;;;,,V!丶 ヽ
, l.＼;;;;;;;;;,,,,,,,,--―ァ
, ; /、- ::::;;;;;;;;;;;／ ヽ
〉、 ､ ' ﾉ ヽ ￣ ＼ ､
/ -‐' ﾉ _,,ﾉィ ､ i ｰ _
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
| /
| /
, ‐ ´ ￣￣ ｀ヽ､
／ ､ ､ ＼
,.'.／ .:/ ;小:.. ヽ:. :＼:.:.ヽ
. //:.:.:.:/.:./:. ./ i ヾ:.:.丶:. ...ヾ:ｰ'､ で。この件に関しての、カブラルの意見を語る前に……
//,':.:... :.:厶:./- ヽ 弋:.‐＼:.:.:. 丶:＼
! |:l:j:.:.:´/ ｨ天t､ ｨ天女､-､:.. ﾍ､:.ヽ ﾏｴﾌﾘ
! | :.!.:.:.:ﾊ´ち;;;j ち;;;;j !K }ヽ:.､.! ヽ! 「教会領長崎」についての、長い長い脱線をしたくなってしまった
ヽヾj:.ノ小 ｀::::. ' ::::´ ﾊイ: |｀ﾘ ノ
､_ノｲ:..:.:ﾘ;:ゝ-‐っ ｰ- ｲ:.ｌ::|:. i | そんなわけで。しばらくカブラルは、登場しなくなる―――
／´/:.:／ ‐＜＞.､ _., .イ_.l:.:ｌ::|:. i |
／＿/∠ ｧ┐l !ﾉーｿﾉl ￣ ヽ､｣::|:. .:i:ﾊ
, ./´ ｀∨イしﾘ / ハ ／ ヽ￣｀ヽﾊ
／ |=＝＝=､∧/ ＞‐/{ヽ‐‐< l l ヽ r/７-､_
, ' / / / 7〃 {{ヾ〉＼ |／￣ | 厂し' / /┐
. / / / ／ {{. ＼ | | ,/＝(_/_/_,人
| / / イ o. {{ ＼| l/ 'ヾ､/
＿_
∧＿∧
/.╋V＿∧
＿_/ V＿∧ .／X＼ , へ、
∧＿∧ V＿∧ ｪｪｪｪｪ ／XX.XX＼ ヽフ
/.□.V＿∧ | | ＿＿＿＿_| |圭| .／XXXXXXXX＼ /7
/ V＿∧ | | , ヘ、_人__人ヽ|圭|、 |圭圭╋圭圭| //
/ 日 日 V_....∧| 日 | ／╋ ＼__人__人__人＼ ＿＿＿ .|圭圭圭圭圭|ﾆﾆノ
|. , へ 、 .| ￣ |／ [Jam] ＼__人__人__人＼ ヘ土土土＼. |圭圭圭圭圭|
l. II二II二II | | || r..⌒ヽ ||| |[__][__]| ||..／ﾆニ＼土土土＼|圭圭圭―圭|
| ||口|口|| | 日..日..日 | || |o===| ||| |[__][__]| || l-ｒ-i--[：二╋：]. l圭r'⌒v圭圭|
| || .o|o. || | | || |====| ||| E二二ｺ.|| |‐|゜|─|――─| |圭|゜ |圭圭|
￣￣￣￣￣ ￣￣￣￣ ￣￣￣￣￣￣ ￣￣￣ ￣￣ ￣￣￣ ￣￣￣￣￣
＼＿＿＿＿＿＿＿＿ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
O ﾓﾜﾓﾜ
o
, '" ￣ ｀ヽ
/／ ＾ヽ ',
.///f / j ヽ ﾍ !
ノｲl | ﾚﾄ'Vハ斗ﾄ､_＞ 織豊政権時代の日本に咲いた西欧インフラのあだ花、教会領長崎！
lﾊj | ＞ ＜ |ﾚV ））
（（ ﾉ火ヽ"V￣}"/ﾞ) { カブラル評伝にかこつけて、その誕生と末路についても触れておきたい所存―――
// 匸 }>示iくこ八
.// ! / /《小.》｢｀ヽ ヽ
V{ !ヽノ {： ﾄ-ｲｉ } 従って、いったん前編をしめくくる。後編前半は「教会領長崎の略史」からスタート！
ﾚl∧く 人__j /八/
━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━
. ／//ﾚ'´￣ ＿___/ |//|＿＿＿ ＼///∧
｢￣ / _ -‐ｧァ7ﾌ//￣//／__／￣ |/∧///////￣￣///∧
|＿_i_ ｧ7ﾌ/////////////////〔＿＿＿__ﾚ_ ∨,/////////////∧ （好きにしろ・・・だが、ちゃんと“戻って”来いよ？）
| //|/////////////////////ｧｆ´ ｆ笊斧h 》 |///////////////∧
|// l//////////////////／´ 辷ﾋt互 ノ }////////////////∧
Ｖ l ///////////////l / ｀ﾐ三三三彡 ///////////////////＼
. l////////////// l/ ／／／／／ /////////////////｢＼＿＼
. ｌ/{∨'//////∧/ ヽ /イ/////////////// | ￣
. И ∨////// { ﾌ ////////////////∧
ヾ ＼////{ r‐__,ｨ ニニ ヲ'´ ///////////////|＼∧
}V//,ｉ ｀こ¨¨´ ｨ/////////////// | ＼'，
. /∧///＞ ,_ ´ |///////////////∧
. ///,∨//{///＞ ___ ´ |////＿＿＿＿＿＿∧
/／//,∨/|/////////∧ |////_／ ／ ｀ヽ
／ ////∨,|/////＿__／l ／!/// ／ ＼
. {////∧,＼￣/ ＼ ／ │ / ／ ＼
╋
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
その点は無問題。ただし後編の前半ではカブラルが、ほぼ空気であることをご了承ください
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
, r ー .､
i! /.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
ｔ､ ,i.i, ._／.:.:.:.:ゞ､_:.:＿i 後編に続くッ！
'i,ヽ__,i,,,,i,/_>'i.:.:.:.:>｀ミァii/,ri'
.＿_ ,》´ー- ､ ヽ-!､i'.:.:Z//∠'_/ ,r､ ,r､
｀' .i´.i ＿__ヽ_ ト､｀Y´ﾄ､.:.:.:} _/ i /' ~!
.l.:.:ヽi ´ _,,,,X,,,╋.|.:ヽ-|￣/＿ / ./､､,,//)
i.:.:.:.:!､ ､ ／＞ラ--/~.i ⊂ﾌ,＞-ァ--ｧ､､_ /三i¨¨/
》,.:.:.:.:ヽ､ヽ__ i.:.:/.:.:.:/.:.:/.:.:,i .// ' /.:.:.:,i.:.:.:.:i'｀7.:.ヽ:.:i
ハ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀7ーヽ＿＿, r'ー ←' ､,, |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i___/-'
/_.:.:ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ ト-+‐个.:.:| ｀¨''' ー-‐''''¨´
￣｀iヽ､.:.:.:.:.i_ >-+-|'-､.:.:|
|!!!|||ヽ､/ ［￣|￣］ ｀ i!
.i!.:.:.:.:￣ミミ ￣￣i
i.:.:.:.:´｀¨ヽ､.:.:.:.:.:,.:｀¨'' - ､､,,_
.|,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ､
.|ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:トー''''''¨´.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
ゝ.:.:ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i｀¨'''' - ､,,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ､
ヽ.:.:｀y' ,､r -┴ ､.:.:.:.:.:.:.:｀¨'' - ､:..::.:.:.:.:>´>
ヽｘ'／,r'''¨￣ヽ,）｀¨''ーュ____,,,,,,,.:.:／／i
t ､, ／,r| ト､,,,,,,,,,､| ,<´:.:.:.:.:.:＞ゝ´'´.--,!
｀'i､_>／ iヽ、｀''' -‐/ .iヽ､ヽ､ ／ ｀､＼ ブ
_＿/.:.:/ ,.へ､!、 ｀ -イ´ ,i':.:.:.:｀>´ ,rヽ､ 入>
＼ ｀i/ ｀ヽ､ ヽ､ _ノ ,i':.:.:.:.:/ 'ヽ､_／
i~//｀ヽ､ ｀´/ i'ミﾒ､/ /｀ヽy'´
＜}/ ｀ヽ､｀ゝ / /:.:.:＞ ｀''／
ri ,へ ､ ｀´/´ ／:.:.:.:/ ∠フ´
i.{ ｀ヽ_7/´ i'.:.:.:.:.:.:.:ヽ､／
/.:.:｀'''' Y´ ト ､:.:.:- ､ i
i'.:.:ー-.:.:{ ｀ヽ､}ヽ.:.:.:.:＼
|＿＿.:.:.:'i ｀'''ー ､｀ュ
206
. ／⌒ヽ / ⌒ ヽ
/ , ─`ｰ'─－ ､i
ｌ／ , ────＼
/ ／ ⌒ u. ⌒ ヽ
/ / u. ､〟 ､〟 ヽ
ｌ / /⌒ヽ ⌒ヽ ! 借金で目が回りそう
l | u. | （| |） | |
ヽ ｌ `ｰ/￣￣￣￣￣7 “銭ゲバ”と言われようと、稼がないと……
ヽ ヽ / 督促状 /
〉━━/⌒ヽ /＾ヽ
/ ＿ヽ__ノ ヽ_ノ
_ l 「 |_＿＿＿＿＿ｌ
ｒ'o7┤ ヽ､＿＿ノ/
｀ ヽ＿＿＿_┌＿_ | ←
（＿＿＿＿）_＿ ）
お付き合いいただき、ありがとうございました
布教の尖兵イエズス会はアジア世界できわめて多様な顔を見せましたが、「軍資金」獲得のため交易という、なまなましい
実業に手を染めていたことが果たして是か非か……仮に非だとして、その上で欧州王権とも距離を置いてどこまで何が
出来たかということを考えると、やはり近代以前の時代の制約下では、やれることを全てやっていた結果には違いない
ちなみにアルメイダ亡き後、彼に劣らぬ財務担当官として活躍したジョアン・ロドリゲスも相当にあこぎというか、あざとい
商売をしていたそうな。キリシタンではあるが商売敵の原田喜右衛門のごときは宣教師の贅沢を、辛辣に貶しています
ただし権力の保護を得られない異教国では、金銭だけが頼りになりがちなのも事実で、財政はつねに火の車だったとか
貧困者と寡婦と孤児への施しはもとより、1595年に長崎のイエズス会は信仰のために追放された670人の信徒を扶養
しており、さらに交易船の海難事故による損失もあり、かててくわえて日本では、有力者に陳情するときの贈答品は事実上、
得られる返礼の二倍を要する慣習が、重い負担だったとのこと。宣教師だけでなく西欧商人にも不評な、当時の慣習でした
まあ、教会が隠ぺい体質なのは、今も昔も変わらんからなあ。
彼らは、自分たちが唱える神の教えよりは、己の保身や欲望に忠実。
ペンシルベニア州の大陪審が関係者への聞き取りや内部文書の調査を行い、１４日、報告書として発表したものです。
報告書では州内の教会で３００人以上の神父が７０年にわたって児童に対し性的虐待を行っていたとしています。
被害を受けた児童は１０００人以上にのぼりますが、記録が残っていなかったり被害を名乗り出ないケースも多く、実際の被害者は数千人にのぼる可能性があるということです。
報告書ではこれらの虐待は教会によって組織的に隠ぺいされていたと結論付けていて、ペンシルベニア州の司教らの対応を批判しています。
要は、大の大人を襲うと反撃されたり、後で訴えられたりするから怖くてできない。
それで、弱くて社会経験がない子供を狙ってるわけね。
で、万が一訴えられたら組織ぐるみで脅して黙らすと。
・・・最低最悪だなあ。
病気の女の子が、見舞いにきた神父に襲われたとか
神父が性虐待した少年に、仲間の神父たちに彼が獲物だと分かるように、金のネックレスをかけさせていたとか
聖職者は「原則的に」結婚できないから、しわ寄せが弱者にきて、神父たちは身内を庇いあって隠ぺいを続ける
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┃｜ その１：フランシスコ・カブラルの動揺 ＜後編＞ ｜┃
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＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::進:::::た::::十::::.
. ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::め:::::だ::::年::::.
. ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::日::::以::::.
＼::::::::::::::::::::::::::::::::::/＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::本::::上::::.
＼:::::::::::::::::::::::::::ｌ 丶::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::布::::::::::::.
ｌ:::::::::::::::::::::::::l ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::教:::::::::::::.
....................... . ｌ:::::::::::::::::::::::::| "/ ＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::を:::::::::::::.
得....修....幾... .::::::::::::::::::::::::l / 丶::::::::::::::::::::::::::::::::::進:::::::::::::.
た....羅....千.. ∧:::::::::::::::::::::l / ―＼ヾ:::::::::::::::::::::::め:::::::::::::.
メ.....場....の.. '∧::::::::::::::::::|/ ／ !ｌ ＼::::::::::::::::::::::::::::::::::.
ン.....を....苦.. ∧:::::::::::::: l ／/､ヾ ｌ } ｌ＼::::::::::::::::::::::::::::.
タ......く... .悩. '∧:::::::::::::.V v/｜ ∥ / / / ＼:::::::::::::::::::::.
ル.....ぐ.....と. ､:::.＼:::∨ V/! ∥ /// / ＼:::::::::::::::.
を......り.......... ＼:::.＼::..、 ∨ / '/ / じ ヽ::::::::::.
な.....抜.......... ＼:::.＼＼ ー‐ " ／ l::::::::::.
め.....け......... ＼:::ｌ＼＼￣ " |::::::::::.
る.....て.......... / ＼ヽ U |::::::::::.
な.................... / ` |::::::::::.
........................ ヽ ﾉ::::::::::.
.
〃 .: ..: ! lヽ ヽ... ヽ:::.::.
.,'..〃..:::: } .::i .:l }ﾊ :ヽ::::ヾ:::::ヽ
l .::://.::;:', 〃../〃::/ i:l ',.:i',ヽ::::',:',::ヽ',
l.:://:／//::://::::/ il i_Li_ヽ::::l:::l::::i::!
.|:::::'ノノﾅ ﾌｻフ｀ / ｲ _ぃ::::::::l:::l::::| i
.|:::::ノイﾒi" ___ ﾁ´:7` ! ::::::i:::l::::| i
. | l:〃（ﾔ"i: =＝ﾐ i､::ゎ l::::::::lﾘiヾ乂 前回のあらすじ！
| :|:::::ヾ､i::i ヾ_" ,ﾊ::::;;;;l li 乂､
| ::ﾚ:::::::::i::i . ' /:::i::::',:l
| :::i :::::::i:! 丶 ｀ｰ' ／ :i::::i:::,i
| :::i :::::::::l ‐- ｒ‐' :i::::i:::::| 「ヽ
| ::::i :::::::ﾉ l／´ヽ :i:::|::::i ｉ l
| ::::::::／ ／;;;;;;;;;;;;＼ｭ ､ﾘ l ｌ ,.┐
| ::／ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀ヽ;ヽ.ｲ l/ /
/´ l;;;;;;／/;;;;;;;;;;;;;;;l／;ヽ ,' l
／ i , ｲ;;/;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;l;;;;;;;;;;＼ l
／ ', ／;;;;;l/;;;;;, -'´;;;;;;;;;;;」ヽ;;;;;;;;;/ ﾉ
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＜1580年＞
,－､＿＿ / ... ヽ､_,人_,ノ､_,从,人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1
＼ （ ─── ､ ヽ ／ . ）
// ＼ | i ‐=､´ 長崎モロタ。適応主義の大勝利！
| / ヽ |__|. ）
/ ⊂⊃ ）(ヽ／)､ , '⌒r‐v'ヽｨ'⌒Ｙｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ
/ヽ∩⊂───┐ ﾉ＾＼ ／ ））
ヽ､ / ＾＼＼ ＿ ノ ィ ＼
/ ｀Τ＿ ／ ヽ ────
/ | | ／ | ￣￣￣
! | ╋ /
`─ ヽ ＼__／ ─────
,-v-､>━━━━━━ヽ＾ヽ ￣￣￣
| | | | ドタ ドタ
（（ ヽ__ 人 ／＼＿ ノヽ__ﾉ _ - ､ ,⌒ヽ
￣￣
､ ＿ ＿ ＿
ゝ:::: '´:::::::::::::::::::::ヽ､
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/:::::::::::::::::::i:::::/､::::::::::::::::ヽ、
〃::::::::::::::::::|::/ ヾ:::::::::ﾍ::::＼
ﾚ:::!:::::::::::::/|/ ､＿ i:::::::|、∧￣｀ あのー。原則主義者として一言……
ノ::::|:::::::::::/ /. 〈●〉:::::.|ﾉ::::∧
´￣i::|::::::／ ､_,､_,"""j::::/:::::::::::ﾍ
/:::|:::::/⌒l _ _, イ／ ::::::::ﾄ､ﾍ
/:::::|::/ / .|三/ /／￣ヽ:::::i ヽ
/:::::::|::| l ヾ╋ / ヒ二彡,:::::|
, '" ￣ ｀ヽ
/／ ＾ヽ ',
.///f / j ヽ ﾍ !
ノｲl | ﾚﾄ'Vハ斗ﾄ､_＞ でもまあ、結論から先に言っちゃうと―――
lﾊj | ○ ○ |ﾚV
ﾉ火ヽ"V￣}"/ﾞ) {
// 匸 }>示iくこ八 長崎が「教会領」になったことは（同時代の証言は残っていないものの）、
.// ! / /《小.》｢｀ヽ ヽ
V{ !ヽノ {： ﾄ-ｲｉ } 日本人の大多数に決定的な疑念をもたらしたであろう、強烈な愚策だった
ﾚl∧く 人__j /八/
／ ｀7´/ l |'´
.`‐r＜/＿_!｣
| / /
＞ ¨¨¨¨¨ア
＞ -‐=≦ ア /
＞ -‐=≦ ／／
／／ -‐―‐‐- ミ 当然でしょ……ぶっちゃけこんな決定を下した時点で、
/ /＿＿ : :´: : : : : : : : :_:_:_:_:_:_: :〕iト
≧=‐―／: : : : : : : : : : : : : }}: : : : : :＼: : : : ヽ ヴァリニャーノは「禁教令のA級戦犯」というのがFAだよ
＿_ ／: : : : : : : : : : ‘:,: : : :{{: _:_:_:_:_:_: ヽ: : : : :＼
／ : : /: : : : : : : ‘:,: : : : :.‘:,: : :}}{------} ／}≧=‐- -‐==‐‐＜
／: : : :./: : : : : : : : : ‘:,: : : : : ‘:,: {{‘,---- /-‐=｝ニニニニニニニﾆ≧=‐-
. ／: : : : : /: : :. :.|: :| : : : : ‘:,: : : : : ‘:,}}: :〕-‐='′ ｝ニニニニニニニニニニニ=〕iト
/: : : : : : : |: : : : :.|: :l､.:. :.|: : ‘:,: : : : : :{{:（ ｝二二ニニニニニニニニニニニ ＼
. /／|: : : : : ハ: : : :.|: :| ヽ斗-‐ ‘,: : : : : }_｛｀¨¨¨¨ ｝二ニニニニニニニニニニニニニ 丶
|: : : : / }: }: ∧／,-‐|/＼: |: : : : / （｀¨¨¨¨¨´ ｝二二二二二二ニニニニニニニニニ〉
|: : : / {: {＼∧ ,ィf笊ミﾒ、: : : ::ゝ-（｀¨¨¨¨´ イ｛二二二二ニニニニニニニニニニニ/
|: : / Ⅵ /ヽ{ ∨ﾘ:|: : : : :{{:ﾝ!〕iト､_／:.:.:|｛斗＜≧=‐- 二ﾆ=‐---ニニニニニ/
|: / /:｛: :∧ Ⅵ:|: : : : :}}ノ|----|: : : :.!: :. :. :.|: /|: : /二二二ニニニニニニ/
|/ /: ｛: : :.ﾉ ´ |: : : : :{{: :|----| : : : | : : : : |}}=|: /ニニニニニニニニ ア´
. /: :.｛: : :ゝ､ :!: : : :/}｝:.|----| : : : | : : : : |{{=|/二二ニニニニニニ /
/: : :｛|: : : : :.〕iト='｜: :./ {{ : |----| : : : |: :.∧: !}}二二二ニニニニニニ/
∧{＼{:|: : : /:.:.:/ | : /- }｝: |----| : : : |: /ﾆⅥ{{二ニニニニニニﾆア´
|: : ∧: / _j:./ニ {{ : |----|Ⅵ : |/ニニ }}ニニニニニニ ア´
|: / |/ ｡o≦ニニﾆ}}ﾆ｝ ｛ﾆト､|二ニﾆ{{ニニニニニア´
|/ イニニニニニ{{ﾆ｝ ｛二二ニニﾆ}}ニニニ=ア´
／二ニニニニニ}} ｝ ｛二二ニニ{{二二ニ /
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1587年の豊臣秀吉による問答無用の没収も、さらにバテレン追放令も、長崎の姿を目にしたことと無関係ではなかろう
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|
| ☆ 長崎港湾前検問所 ☆ |
| |
| |￣￣￣￣￣￣￣￣| |
| | ＿＿＿_ ＿＿＿| ＿＿＿＿＿ |
| | ヽ=＠＝ﾉ ヽ=＠=.| | 出入人数.| |
| | （´∀｀ ） （・∀・；| |異教 1人| |
| | （ V ） （. Ｖ | |宗門. 79人| |
| | | ｜ | ｜ | ,| ￣￣￣￣￣ |
|＿＿＿＿＿_,| （＿(＿_） （＿(___ |＿＿＿＿＿＿＿|
ノ⌒＼
i!. ＼
ｌｌ. ＼
,....-- '´￣｀ -..、_ ＼
. , '´ ノ / ｀ヽ ヽ
. Y ｌｌ i! ｌ ヽ ） ｀. は－い。こちら教会領・長崎港の出入口でーす。キリシタンはゆっくりしていってね！
ｌ 〈_ノル＼乂_リ从／人ノ i ｾﾞﾝﾁｮ
ｌ l i' (ﾋ_] ﾋ_ﾝ i ｌ i! なお、異教徒は ぱーどれ様の許可がなければ、港には出入り不可だよｗ
ｌ〔ｌ .!'" ,＿__, "' i i. ｌｌ
ｌ .i人 ヽ _ﾝ 人 i i!
i! ! .＞,､ _____, ,.イルｌ_,ゝ J ＜天正九年、正法ノ者一人モ長崎ニ出入ナラザル様ニ、奇観（教会）ヨリ法度スル也＞
╋
※江戸時代の文献『長崎邑略記』（東大附属図書館所蔵）より
・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━
＿
＼＞ .,
V::::::＼
_,. -＝- ミ ∨::::::∧
. ｀ ＜::::::::::::::＼}::::::::::::ﾞ=-ミ っ っ
＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ っ っ
＿＿＿ﾏ:::::::::::::;:イ::::/:;:::::::::ﾊ ＿＿__
｀ ＜::::::::::::::::::: /ﾐ.|::/:厶-::::/::::::::::::::::::::::＞
_,,_,,__ ＿__ マ:::__:{V - {/}' -ﾑｲ}::::::::::≦─z
rf^; ; ; ; ; ＼｀ ＜::::::{ﾍ',:｛ o o ｝ ^Y:::＞ ´ え？ 南蛮のバテレンどもが差配しておるのかや
ゞ- '´￣ ヽ;,∧ ,r人_:! , ‐､_,. -､ ,' .ｲ∠´
ﾏ;＞ ´ V込｛＿ ＿｝人', ｀ｎ__ 交易と水上航路の要となる、新興都市を……
/ ,...､r‐, .} Vﾍ≧==≦/: : / ﾉ::} ｀ｰ,
｛ r厂ﾄ-V: : : : ＞ .,／r=ﾐ}＜⌒＼ ｆ´ｰ
. 从 {f^Y:/ ｀Y: : : : : : : :{豊′ ｀’
＞ .」＜⌒zzzzzzzz≦:＞ .,_
豊臣秀吉（1539 - 1598）
（演者：孫悟空 ＠ＤＲＡＧＯＮＢＡＬＬ）
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
この長崎・茂木寄進の理由を「大村家がイエズス会に負っていた負債の抵当」とする説もあるが……
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
|ヽ＿／ヽr'（ ノ（／| ,,､-ｰ ―- ､,
､,r､| ｀''"（ ,､ '" つ ｀ﾞ' - ､ lヽﾚﾚヽ／l＿ｲ_
ﾞ''イ ／ と ヽ, ＼―'
７ ／ "" ｰ ヽ ﾉ
┃ よ. こ 借 / / ,ｨ rニ ', ＜ 思
┃. く と 金 （ /:| ,'/lrﾚ"(ﾞ（"（ l つ い
┃ 思 を し ＞ / :| ,'| （,,（ﾞ,,r--ｰ―-==;z ､ r､r､ | ろ だ
┃ い た ,ｲ / : :| ,'lﾞﾐo 〈" :,,､-ｰ ､;;Y /:|｀ﾞ''ｰ､ノ ﾉ .jY､ | ） し
つ だ | / ::::::| l|ﾞﾐｏ ヽミ::ﾞ' ﾞﾞｰ-ﾉ :/ /::,､;;; ､｀' ､ｿ ノﾘr }∠ て
// せ ,「 / ::::::::| lヽ(｡/-yｰｰ-ミﾆ;;"ノ', :}::ﾞ -2,,ﾞi,l::::ﾞl"彡 ﾘｲ ろ. み
・・ （ / ::::::::::|. ,':::| |::::: | ､:::| ,,､::〉:::::''ｰﾞ'､''- ､;;彡'",,,／ｲ う ろ
＿（_,/::::,､- ､| ,'::::| |: l| l: | | l:: |;;/ :/ r,ｧ":::｀ﾞ＞ｰｰｲ) ,, ｲ / //
） ／ ''ｰx三＝､-＼' ::::|ll| |;|.l |;;| l: |;;;/ / ./;;/ / /ﾌ::: ::イ:::/／＿ ・・
ﾚ"ﾌ／~| ＿ ,､ ,/ _彡"´￣ ヽ:ヽヽlﾚl |;|.l |;;| l |;;;/ / /;;/ / /// /〉 :::/ ::/ ￣∠＿＿ （￣
:::::,､-|/ ,'"V .N'''"/-ｰ-､"ﾞ } l|::|ヽ: ', |;|.l |;| l |;;/ / /;/ / /// // :: /::::/ /| /::::| /ヽ|
:::／´ ,,､ﾉ _/::l :/ｰ '''''''ﾞ .::| ::ﾉ:/::ﾘ:::ヽ:ﾞj;|.l |;j l |;/./ /;/ /,///:/;/ /::: / ./::| / : ::ﾚ'"W"
/ ／ノ',／:::::::| { .::j-彡"::ノ::l|:: l'':::ヽ|:ヽ;|;| l /;/ ,／/::／/／|ｲl|::/ /::::| /:::::::::/
j／ :::', ...::::| ::' ､,,,,,,,,,､-'===彡'"::/::: ',::::::::::'ｰ-､ﾞ::::::ﾞ''::∠／;;ｨ'": //;;|ﾉ ./::::: | /:::::::::/ ／/
:::.........Y ..:::::l ,,;;;| :: :::::::::::|~ヽ:::"／"" 三ﾐ ',::::::::}}::::::::::~''ｰ'''"´::::::::ヒノ:/ノ /::::::: | /::::::::::/ ／:::/
::::::::ｲj:{::::::;r'Y'" | :::::::::::::ﾉﾐ: |:: /:::::..,､- '''ｰ､ヽ :}}､:::::::''",､ ''""彡 ::'" /｀'､/::::::::: |/::::::::: / ／:::: /
:::::::::j l|ﾞﾚ'" ', ﾋ-ｰ '''" |:::l|:::／ｨ-ｰ' ',| }} ::: ／彡 彡 ::" / ヽ:｀ﾞ''ｰ､:::::::::/／::::::::/
｀'ｰ､ ,r':::,r'' '"´￣ | ＼〉"╋" 彡 ::'" / 〉 ｀ﾞ'／:::::::::::/
彡"" :: l| /l| ／:::::::::::: /ｰ､
::::::::::::/ ヽ､
,l|||||||||||||||||||||||ll
|||||||∧＿∧|||||||ll つ……つまらないものですが長崎などいかがですか？
|||||'（； ´Д｀）|||||ll
|||||（ つ †.つ,||||ll
|||||||,〉 〉 〉,,||||ll ←純忠
lll|||,（_＿）＿）|||||ll
――――――――――――――――――――――――――――――――――
これはいわゆる「為にする議論」の類いであろう。一義的な動機はあくまでも
「龍造寺家の脅威からの回避策」であり、その点はまず動かない。なぜなら……
――――――――――――――――――――――――――――――――――
ｶ ﾔ
【長崎の外】
ウォー！ / _,,.. -─┸‐- .､.._. おのれー！
ギャー 丶 ,. ‐''"´ : ｀`'‐.､ ／
ヽ＼ ,.‐´ : ｀‐.､ ワー！ワー！
／ : ＼. ／
,i´ : `:、
/ 1580年 .: ヽ. ぢぐじょー！
,i 北九州対抗 : i、
.i 長崎争奪戦. : .i. ∧＿∧
.i 会場蚊帳 : .l . （´Д｀ ；）
| : |. Ｕ Ｕ ） ←純忠
| : | （__（＿_つ
`ー-､_ : _,.．-ｰ''
｀`‐-､._ : _,,.;:-－''"´
. ~｀`''=ー-､..,,__,,.．-一='''"~´
：,.:::''::´::￣::`:::.、：
：／:::::::::::::::::::::::::::::ヽ：
： /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}： 「寄進」とおっしゃるが、いまや長崎湾口の領主・深堀家の軍が、市に迫っているし！
： l:::::::::::::ゝ－－－－ ι：
： |::::::::::::） ◯ ○ （： しかも龍造寺と結託した町の有力者が深堀とも繋がり、自治都市化待ったなしですけど？
：,ｌ::::::::::::η Ｕ|||||||U ゝ：
： ゝ---η. ||||||| ゝ：
： /≦ ヽ .| | ≧：
： { l l |* *| | l：
： { .l l .|* ╋| .| l：
：/ l l | * | l l：
：l ---l l-- -l l：
：| ｀^^ ｀^：
―――――――――――――――――――――――――――――――――
この当時の長崎は大村家の衰退により、戦場区域になっていたからだ―――
―――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
要するに純忠は……なかば自分の手を離れかけていた不良物件こと「力の真空地帯」を、教会に丸投げしたのである
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
,.:::''::´::￣::`:::.、
／┛┗::::::::::::::::::::ヽ
/:::::┓┏::::::::::::::::::::::::}
l:::::::::::::ゝ－－－－ ι マジで、どないせえと？
|::::::::::::） ◯ ○ （
,ｌ::::::::::::η ||||||| ゝ
ゝ---η. ||||||| ゝ _,,..-‐-､,
/≦ ヽ .| | ≧ ,､r''" `'､
{ l l |* *| | l / u. ﾞl
{ .l l .|* ╋| .| l 〈_,,,,-､ u. ﾞl とりあえず長崎の地頭に、援軍は
/ l l | * | l l ,r'~nｮｪ ,r ､ ﾞl､
l ---l l-- -l l / ゞ u. i l ） 送る……町方は一定の自治権を
| ｀^^ ｀^ こﾐ彡 / `i
〉 ｀` i _,､-‐'i 認めれば、教会の管理に服する筈
ﾞi i_,,､ｨ‐'"´ _〉､
. ,>-----‐''´ _,,.､-‐''"´￣
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
-‐ ￣￣ ｀丶、
／ ヽ
/ / /〃/{ { ヽ ｀ヽ. ∧ 1580年。寄進の協議と同時進行で起きていた、大村方の長崎甚左衛門と
ｌ / /斗/ハ ｨｰ‐ 、 ∨ l
{ { ﾚﾃく ヽi>==、＼ ヾ│ 深堀・西郷連合軍の合戦で前者が勝つことにより、辛うじて寄進は成立……
乂l f r'ﾊ r'ﾊ 7ﾊ＼ﾘ l
.八,}弋ｿ 弋ｿｿﾉ ） 八
ノイ }ゝ" ｀_ "" { {´ 丶＼
／ ,＞‐r＜_∧!＞､ ＼丶
, -‐" ! ヽ{>ﾛ<ﾌ〈. | ＼
// ／ / y ゝ { ;ヽ ,ｉ 丶.ヽ
{八 〃 ﾊ { ,.-'‐!、 }_ = ゝ、__i、 }ヽ } }
)/ ヽ（. ヽ人,i' .,. i' ｀ﾞゝノヽl_ ヽ! ヽjｲノ
" ｀ / / ゝ,.| l __.!,ｒ'/ ｀‐´ "
/｀ V ｌ .,′´´
｀ｰ'′ ├-/
￣
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
大村純忠は行政実務を教会に押しつけつつ長崎の自立にはストップをかけ、一方で関税は確保した。大家ポジである
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
/-ﾆ二二二二二二／-=ミ
. /-ﾆﾆ二二,. -=ミ^~ Y
/-ﾆ二 〈⌒ ヽ `､ ﾉ ＿___ 大村君。龍造寺の軍門に降ったならば、忠誠の証しとして
. /-=ﾆニニ〉 〈〕ﾄ^⌒´¨｀ヽ
/-=ﾆニニ/ ∨ﾊ Y^寸 長崎は、ぼくに譲ってもらいたいんだけどなあ？
. Ⅴ-ﾆﾆ二/i{ ___〉 {_i:i:i: }:::::〈 ｌ{ ∨
ｰ=ミ-ﾆ二/i:ﾊ i:i:i:i: :} :::::| l{ ∨
.＼＼≦i:i:i:i:, / ∨/:::::::| ＿_ﾘ
＼ 丶〉i:i:i:i::::ト ., { (//) }:::::＼|≦⌒Y⌒ヽ
＼丶〉i:i:.⌒l::::::::≧=- ノ::::::{ }
＼／:i:i:. |/|:::::::::＼ニニTニ::::::::::{
. ＼:i:. |へ:::::::::::, /:::/⌒´＼〉
∨ j⌒}::::v::::/ 乂 ﾉ ﾊ
. ∨ ＼::::/ ≫'ﾞ￣ ≫==彡､__/
. ＼ j/ .〃 / ~＾⌒Y＾´
＼:. ﾞ''≪ i{ __ノ }i
＼,:. ﾞ''≪==从 ___ ﾘ
_〉.:.:. ＼ ', ｰ=≦⌒≧彡
_７ﾞi∧:.:. ` ､ `､ ＼ ／
_7i:i:i:i∧.:.:.:.:. ` ､., ＼ ／
_〕i:i:i:i:i:∧:.:.:.:.:. }i≧=- _＿＿彡 ﾞ
_〕i:i:i:i:i:i:i:i〕ト.,:.:.:.:.:.... .. .. . ___彡^^
_〕i:i:i:i:i:i:i:i:i:. . .≫======彡⌒￣´
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_
／
| ｱｰﾋｬﾋｬﾋｬ、あいにくあの町はイエズス会に寄進してます。“神への寄進”なので取り返せませーん
＼
￣V￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
∧ ∧
(,,ﾟ∀ﾟ) （ 長崎を召し上げられてたまるか！ 苦肉の策だが、この口実でいくしかない……）
./ †.|
（＿__ﾉ ←純忠
／
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
, ‐ ´ ￣￣ ｀ヽ､
／ ､ ､ ＼
,.'.／ .:/ ;小:.. ヽ:. :＼:.:.ヽ この「神仏への寄進」というのがポイントで、寄進主は取り戻せない
. //:.:.:.:/.:./:. ./ i ヾ:.:.丶:. ...ヾ:ｰ'､
//,':.:... :.:厶:./- ヽ 弋:.‐＼:.:.:. 丶:＼ かわり「本主権」は主張できるという、近代的所有権とは異質なもの
! |:l:j:.:.:´/ ｨ天t､ ｨ天女､-､:.. ﾍ､:.ヽ
! | :.!.:.:.:ﾊ´ち;;;j ち;;;;j !K }ヽ:.､.! ヽ!
ヽヾj:.ノ小 ｀::::. ' ::::´ ﾊイ: |｀ﾘ ノ 銀英伝に出てくる帝国自治領フェザーンに、ちょっと似たポジかも？
､_ノｲ:..:.:ﾘ;:ゝ-‐っ ｰ- ｲ:.ｌ::|:. i |
／´/:.:／ ‐＜＞.､ _., .イ_.l:.:ｌ::|:. i |
／＿/∠ ｧ┐l !ﾉーｿﾉl ￣ ヽ､｣::|:. .:i:ﾊ
, ./´ ｀∨イしﾘ / ハ ／ ヽ￣｀ヽﾊ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
なお純忠は長崎以前に横瀬浦を開港したさいも「入市制限令」を布告。司祭を使って異教徒を排除していたのだが……
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
|l ili l ili iliii|i|/ （ﾟ）（ﾟ）ミ
|l il(⌒) lilii i/ ﾉ ミ 殿様の命により、ぱあでれ様の意にそむく
|l / ヽ iliii| つ （
,-､ |li|┓━ @il| ノ ー､ 異教徒は港から追放や。むろん寺社は潰す
＼＼ |li| ━ ||liilii ／ †. 人 ｀i
＼＼ | >kkk<i ii / ,ｿ. / ) |
/// .＼＼（´;ω;`） ※从三从三ﾐ／ / / | / (メ
| | | ⊂ （ つニ二二二二Σ＞ ＿＿＿ / ／ ⌒ 、ヽ
＼＼＼ ／(/ノ＼ ＼ ／／／｜ i|＼ （＿＿＿二二二)ミﾘ ( < ヾ ）
／ ／_） （_＿）／／／__ゝ ＼ ⊂＿） ⊂＿）
'､／
・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━
／⌒ヽ
（ l
,,... -‐‐‐- ､ _ .） .ﾉ
シ´ ｀ヽノ
..／ ｀ヽ、
/ .／ ／ ヾ、
./ ///､,ｨ' /! .ヽ
l :::,..、 .7l/_L/,_ﾄ/ ! ,ｲ ,｀､ ﾌﾌﾌﾌﾌ
| :::l l.〉| 〈. '｀７-ヽ.｀iＸ | ./ , ;i. i:.. l
| : ::l ( .l 、ｉ ｀ヾ;シ^' |__,ノ_ノ/::! , l::::|
l :.:::し, | ﾍゝ ´ｨ=z､_7／//:::/! これぞ慈悲深きデウスの思し召し。遂に我ら切支丹も、異教徒
l: :::: :!il l ､ ゞ-',.゛イ〃:／
! :::.:::::!.| .! _ ...._ ´ ﾉ | ::| におびえず暮らせる「神の平和」の町を、手に入れた―――
/ l ::.:: !.| | 、. ｀ ｰ ' , ｲ,. ｜ ::|
/ / : | | | ＼ ,. イメ. ｜ ::|
/ / .::: .| | | _≧-≦:::::::::::| | . ::| まずは、市内のお掃除から始めますか……
/ .:/ ::: .ﾉ /￣~∧ ,ﾍ￣~ヽ | |. ::::|
/ ..:::γ二二＿ ／;;;;;;;ノ_ ╋ ｷ;;;;;;;;;ゝ___|__/と
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
果たして長崎が教会領となりキリシタンが市政の権を独占すると……迫害時代とは別の顔、彼らの忌々しい本性が炸裂
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
彡(ﾟ)(ﾟ) 異教の偶像はこうやで ./ ヽ
彡 と |┓━|
＿ ／ ） | ━ |
ぅ／ / // >kkk<
ノ ,/ /' 神宮寺
＿＿＿＿＿ ,.／ ／/ | ｳﾞｫｷﾞｯ!!
（＿＿＿＿＿二二二二) ﾉ （ |
^^^' ヽ, | | |!I!I!I!I!I!|
ｿ / |!I!I!I!I!I!.| ｼｸｼｸ・・・
ノ / ') |!I!I!I!I!I!.| （;ω;`）⌒ヽ （;ω;`）⌒ヽ （;ω;`）⌒ヽ
／ ノ/ / |!I!I!I!I!I!| と｡と,ノ､(,/_つと｡と,ノ､(,/_つと｡と,ノ､(,/_つ
・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━
／⌒｀ヽ、
___ / ､__） / ─
. , '´⌒'"ヽ. __ { ─ -Ｈ┐ ＿ /〉
｛ （（从从)）/ぅ)) | o´
ﾉj､ゝ>ヮ<ﾉﾘ.／
_／ノ'とﾘ.l†.lﾘ／ 長崎ご町内の偶像を薙ぎ払え！
(´（ (┌'込ｪｪl〉）)
｀ ` `￣｛／ '′ 焼き討ちは主の審判！ 自然現象とおなじなのです
-━━‐
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
教会領化した翌年の「天正9年10月」、長崎市内にあった神宮寺その他が破却され、切支丹は「天ヨリ自然ト是ヲ焼亡ス」
と罵りつつ、改宗運動（諸人ヲ扇惑〆己ガ宗ニ入レ）に熱狂したという（『長崎縁起略件』・『長崎実録大成補遺』）
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
以前、切支丹による神仏の破壊行為の記録に根拠が怪しいものも混じるむねご紹介したが（2014/01/19(日)投下分）、
ｶﾞ ﾁ
神宮寺の件は史実。三箇サンチョを見るにつけキリスト教は、日本の宗教生態系を食い荒らす外来種ではあった……
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
, '" ￣ ｀ヽ
/／ ＾ヽ ',
.///f / j ヽ ﾍ ! 江戸時代には正法回帰運動の下でこの神宮寺跡地に神社が建てられ、キリシタン礼拝行列
ノｲl | ﾚﾄ'Vハ斗ﾄ､_＞
lﾊj | ○ ○ |ﾚV の記憶を打ち消すため「オクンチ祭り」が始まる……上記文献「長崎実録」に、「今ノ諏訪社」は
ﾉ火ヽ"V￣}"/ﾞ) {
// 匸 }>示iくこ八 元々は「神宮寺ト云フ大寺」であり、「支院末坊八十箇所」あったと、伝わっている……
.// ! / /《小.》｢｀ヽ ヽ
V{ !ヽノ {： ﾄ-ｲｉ }
ﾚl∧く 人__j /八/
／ ｀7´/ l |'´
.`‐r＜/＿_!｣
| / /
| | | ,′ , ｲ′ﾍ, ﾄ､ ﾍ, ﾍ,
| | | /| /| | l | | | |
│ │ l 八 / |/ | ,.ｲ ﾄ､| | | | │ 要は時系列や破壊対象の名称などの詳細はどうあれ、
│ │ l ∨ ｣＞く `'＜,_ ﾊ | j i
│ │ | 厶ｨ斗扞Tｧ r于ﾃミメ、 l / l| やらかす時はやらかしてるじゃない。ふぁっく邪宗門！
| 八 八 ヽf＾)-y仆､ 刈 ::::::::::: ﾄ､ .刈`《V./ ﾘ
ﾚ､ ＼ ＼|/ .人 Ｖ//（ :::::::::::::::::: |Ｖ//（ YY＾l k ﾄ､
. 〉 〉、 ＼/〔 ｛ ゞﾆ ┘ .、 └ -ﾆﾟ_,/ .j l | 》 |V》,
_,《V ＼j＼j| ` ` ,ノ / / |│|V》 | V》,
《Ｖ | ∧ ＼_ （´ ｀） __／ _/ ,ﾉ│| V》＼j
V{ │ r―宀冖 ￣￣ ￢┐ ,／￣￣ ￣￣￣ミメ.ﾘ V》,
′Ｖ .小 | | | / | /V》,
＞' ´ ＞Y ｀`ヽ､
,__,ｲ ,. i:i / ＼
/ , ' /i:j /' ./ ／／ ﾄi i i ﾍヽ
/ ,ｲ// i ,/‐､ｲ／ 7./ i | i ' ﾑ そもそも、過激すぎてわれわれの立場からすれば大村純忠は
,/ , '7// .l／izｚzxヽ､/ｲ .!|Vj ! ﾍ
／i ／ i// |. ヾﾄ::::斗 彳´ ﾘﾆi` ' i | ,ハ 「犯罪者が権力者になった」以外の何者でもないよ
/ j/ y':/ j _ヒzソ i沁ゞ //i∧ i
./ //! .// | ﾑリ|.//∨ .ﾍ !
' // i //.i .∧ .| _＿_ ' ｀`.i ' ∧V .iヾ ハッキリいってキリシタンに改宗すると日本人はどいつも
j::,′lﾘ// , .i,.! ,': : : :/ 从 i::i j
|::| // j ,ハ |ヽ:.､ ヽ--' .イ 7 .iﾘi::iⅥ こいつも、気が狂ってしまうようにしか見えないんですけど？
|::| i::'| ∧ ﾄ V i .∧ ＞ . ＿. イi | / ﾚ' !:i
|::| i:::|´ V ヽA V rt r＜ /: : T' ,′ .i::i
|::| `´ .ィ:/ヾ/t|_j-i /: : : :i .ｲ: ＞ｘ _ j::i
|::| ,.イ:xz===イハヾヽ/: : : : :i´: : : : : ／ヽ
|::| 7: : //: : /::::/ i:::ヽ ヽヽ: : : |: : : : :./: : : ハ
, '" ￣ ｀ヽ
/／ ＾ヽ ',
.///f / j ヽ ﾍ !
ノｲl | ﾚﾄ'Vハ斗ﾄ､_＞ コエリョのさしがねッス
lﾊj | ○ ○ |ﾚV
ﾉ火ヽ"V￣}"/ﾞ) {
// 匸 }>示iくこ八 たしかに大村純忠は熱心なキリシタンですが、改宗後にも出家入道して理専と号したり、
.// ! / /《小.》｢｀ヽ ヽ
V{ !ヽノ {： ﾄ-ｲｉ } 三城の城内に千手観音を祀ったり、伊勢神宮の御師からお札を受けたりと、当初は
ﾚl∧く 人__j /八/
／ ｀7´/ l |'´ われわれとおなじ、多神教社会のありふれた日本人だったのですが―――
.`‐r＜/＿_!｣
| / /
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1572年に来日し、カブラルによって下地方長に就任したコエリョは1574年11月、純忠に会見。領内の完全改宗を要請
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
_＿＿＿
＼ ／＿＿_ ヽ,, このたび敵将の西郷純堯に勝てたのは、デウスのご加護によるもの……
─ |－､ヽ | ヽ
／ |＜ |─|_ | 一切の偶像崇拝を根絶なさいませ！ 異教徒が居ない世にするのです
,-､ q－ # 6） / ∩
. （ ヽ､￣￣） ＼／ / ）
. ＼ ＼二＿___| ／ ／ そもそもそれを成すべきお方が出家って、なに考えてるんですか？
. .（（ ＼/｀ヽ──|ヽ／ ））
（⌒￣|￣ |￣|￣⌒⊃
,－､￣￣￣|＿＿＿|￣￣￣
l ￣|￣|￣ |
ヽ__, ───-､_＿__|
＼＼ | |
_ . . -――‐. .、
_ - ´.: : : : : : : : : : : :ヽ
f´::_ -‐ ￣￣￣￣ ‐-|
|´ f⌒l | あ、あれ―――？ それがキリシタンのルールだったの？
｜ _ -‐=ﾆ三三三ﾆ=-|
｣≦三三三三三三三三＞
f^Ｙ｀ ｰ ｧ ‐．＼ ／．､‐ 'V ^l （ううむ……周囲を敵に囲まれたわが大村家の、唯一の味方が
｜ﾘ -‐ ｀ニ´ {｀ ﾆ´ V｜
. 〉 u. ＿ ⊥-､__,ゝ--┐u. ∨ イエズス会である今―――キリシタンの掟を受け容れる他ないか）
{ ,＼三彡￢==＝'、 }
>､ ' ′ ｀ ,ｲ
- ￢ｧ-‐=￢´＼ ー ､ _ - ´ﾉ｀ ￢ｧｧｧｧr‐- ､‐- ．..
_/_/: : : : : : : : : : :＼: :.｀ ｰ ､＿＿_ - ´: :／: : : : ////: : ＼＼＼ : : ｀
: : : : : : : : : : : : : : : : ｀ ｰ ､:[ﾆ]:||:[ﾆ] :／: : : : : ////: : : : : :￣￣: : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :｀¨丁Τ¨´: : : : : ／/／ : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : l二╋二l: : : :／/／: : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : L_｣: : : ／/／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ||: :／/／: : : : ==== : : : : : : :┌┬┬
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
フロイスによればこの時期の大村領は、キリシタンはまだ少数だったという。然るに強制改宗政策で事態は一変する
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
神社仏閣は破壊され放火された。しかもコエリョは仏僧の抗議に「知らぬ存ぜぬ」と、黒幕であることを否定した
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ﾊﾟﾁ , ,ヾ､―───────────‐
` ヽ、 ,ﾉ ）´( ､ ゝ ／ ／ ／ ／ ／
) Y 人 ヽ)ゝ'／ ／ ／ ／ ／ ,
(:.､）ﾉ' ﾉ ,（ ` ﾊﾟﾁ ／ ／ ／ ／ ／
ﾊﾟﾁ _,ノ t ヽ―――――――――‐
｀ﾍ( 从;: .;､丿）ﾉ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣
. i /_） ,; ;,,. Y ┌──┬──┐ ` .
⌒ヽ .;: ::;, ヽ | │ │ l! l! l! .! :
丶 _人ﾉ, ;: ; ( | │ ｜ l! l! l! l! l!
ヽ .;: ;,ﾉ └──┴──┘ l! l! l! l! l!
__ . -‐…‐- . へ
,∠ﾏﾊ : : : : : : : : : :｀ヽﾚ⌒ヽ
／⌒ヾﾏﾊ : : : : : : : : : : : :｀ヽ
〃: : : : : }:ﾏﾊ: : : : : :／}: : : :}: : :.
/.′ : : : /: :以 : : :／:ｉ:ｉ, : : :/|: : :} 門徒が改宗するのはやむを得ぬ
// : : : : :厶彳: .:{: /i:i:ｉ:ｉ/: :／} !: : ′
. // : : : : :∧:f＾!: : :|/:i:ｉ:ｉ:/／i:ｉ/: | :/ しかし寺院や仏像には手を出すな！
// : : : : :∧: :{圦: : |:i:i:i,／:i:i:i:/ : j/
. // : : : : :/／⌒:. ヽ: |⌒ｰ〜〜{ : /
// : : : : :/ 卍 !㍉､{(⌒＞ イ／
.′: : : : :/ １ |イ }｀７ 爪/ ′
; . : : : : :/`ｰ '|==='|.ﾉ_｣ /: : :/ｎ /）
ｉ :ｉ: : : : ′ !ﾆニ|仁_] : ∠⌒Y∠ﾉ)
| :i: : : : | |ﾆニ||ニア´ﾆニ} |-‐ぅ ｎﾊﾍ
| :i: : : : | |ﾆニ}∠ﾆﾆﾆﾆﾆ} |ｧ´⌒'///j
| :i: : : : | |ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニﾚ 1‐┬‐ ' ´
| :i: : : : | {ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=‐≦ﾆ{ {__/
, ─── ､
／＿＿＿＿＿__ ヽ〟ヾ
(（ |/ ─ ､ ─ ､＼ | ヽ
| | l | | 私の目的は救霊です。寺院・仏像の破壊ではありません（棒）
| / |ヽ !─ｒ-､ﾉ
（＾ヽー ﾍ ` ー ´ﾉ| 6 !
`ー ､⌒｀ー─ ´ | _ﾉ ﾉﾉ ただ、もしあなたが改宗しお寺が教会になるのなら、あなたも
＼⊂二 ﾉ /＼
､────´／ /＼ この土地に留まることができましょう……
￣￣￣/「/＼/ /＾ヽ
i |╋ | |
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1575年10月の書簡でコエリョは「二万人の人々と二百人の仏僧が洗礼を受けた」と、報じている
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ヽ、 ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,. -:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ
＼＿＿_/:.::＿＿＿__／_,. -‐:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧
`ー／＿＿,.--､／:.:.:／＿_／:.:.:.:.:.:.:.:.∧
／:／:.:.:.:/r' ／:.:.:.／／ /.:.,イ:.:.:.:.:.:.:.:∧
,. '´／/＿＿{∠:.:.-‐'／ ＼/／ /:/:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ
_,. ' ´:.:.:／／:.:／/´ .／／ -､〃ヽ /:/:.::.:.:.:.:.:.:.:ﾄ､!
／／__＜:∠＞'´「/ ／／ /// } /ｲ:.:/:.:.:.:.:.!:.:.| .|| いやはやキツイ！ 幕末の苦闘から玉音放送に至る神国
／／￣￣＼_{＿＿ヽ.∠イ / ,!/:.:.:.:.:.:/:.:/ |!
／:./ ヽ〈 ￣￣＼ .! '⌒) r, ヾ _//」:.:.:.:./:.:/ ,ﾘ の不幸メニューを阻止する唯一の手段と、分っていても……
:.:.:.:| ∧ /´ヽ＞ ､ //ｲ´:/:.:.:／/:.:./ /
:.:.:.:| ∧ / ／／^ヽ___￣:.／／イ:.:.:./j:./
:.:.:.:| |ハ ' ／^ヽ＿｀ヽ ´ /:.／ 〃 この神社仏閣の天敵をフォロー・容認するのは無理ゲー！
:.:/ | / ヽハ 〈ノ ＼＞'___/／ ／
:.ヽ ! { ,.イ￣! }ヽ＼ >｀ヽ
:.:.∧ ＞ !／ /_」ﾄ､ r―_- ､
,, - ´￣￣￣｀ ､
,. ´ ヽ、
／ 、＼
ｨ´ / ヽ ヽヾ;ト､
／ / l r i 丶 ', l;| ＼
／ / / ,l l ﾄ､ i ', !l;| ヽ
/ / ,' / / / ! ! l l ', ! l };| ﾞ ､
ノ i j ! l , ィ＝=､! ;l |l_L=＝- ､l ! |;| i ',
/ l ｌ | ! 〃 / / _ | ﾊ l !| ヽ l＼| l;;| } l i そんなの、飛躍した仮説だってば
l /| | ﾊ l ;'≠ニヽl l ヽl ﾘr z==x､ﾊ } !;;| l l', l
ﾚ' ! ﾘ ', '､ lｲ /:::::ヽV ｲ/:::::ヽヽ〃 ﾒ,l;| i ! l !l
l ∧ ハ、l ﾄ;::::::r} ト::::::ｒ} / /｀l;|/ |、 l ﾘ 過去の選択が未来を決めるとしても、キリシタンは
', / l;|｀| N ゞ--'′ ゞ＝'' / i_ノl;| lﾊ l
', / !;l ! ﾊ／/〃" 丶 ´" // / ,'l ｌ;| / l ,ｲ 単に滅ぶべくして滅んだファクターというのが主流史観
V l;'ﾊ l ゝ ., ､ ,' / ,ｌ l;;l/ ﾚ'|;l
!;l !l'､ |ヾ≧ｭ .,＿ , イ-i / / ｌ/l;;l l;l
l;;l ﾘ ', l＿∨lr‐/ゝ_;;／ j ん-─‐|;;ﾄ､ l;|
|;;! ／〆｜ ￣, - 'ｨ天ヘ、 l ,' ,´|;;| ヽ__,､|;l
＿＿
＿__,. ＜ ＞ 、. ノし
／_, ／ ／ ｨ ﾊ ヽ ､fj＝ミ. て
. ≠フ. /ｨ / ./// j/ ', ﾄ, ', ﾟ , ヽ＼ (
-=彡' 〃 l , /ﾚ'r匕 ト-V∨ ∨ .∧ヾ、
_／=‐ｨ>' ∨}' ◯ ◯ }l ﾄ,',、 ', あっ！ それはそうと本題はどうなったの。「適応主義」が、
／>' ! , /| ,,,, ,,,, ﾘ|/ |Ⅵﾍ｜
. ／, ' |ﾊ i {.ﾄ､ .□. ,. ィi| ,' ',ﾊ j 教会領を正当化する「側面」であったウンヌンってやつ・・・
∨ //.Ⅵ ,r≠≧=＝＝≦ﾚﾚ' j/|:i ',ﾊ
. // ヾ,'::{:::::::}==大==}___,.r-､ Ll |::| 説明プリーズ
|:| {:: i::::::::∨/|l＞i´ Y{ } |:」
ヽ_,. ィ:::::::i:::::::::::￣:i:::::| ./∧ｲ
,. ＜:::::::::::::::::∨:::::::::::::::::::}':____j'
. ／:::::::::::::::::::::::／-≧====y'
,. : : ´: : : : : : ｀: .､
／: : : : : : : : : : : : : : ＼
＿ /: : : : _ノ ／: : / : : : : : : ヽ
(⌒7´.:二￣-,イ: :ﾅメ､,ｲ./! : : : : ﾊ
／イ.:/-､:／r,≠ﾐ､／// l_ﾄ､: : : : :'. そうそう、つい先走ってしまいましたが……
/ /l ｲ /l':::::ｄ 》／ リ｀ﾘ.i: : : :l
/./i .ゝ !{ ゞﾆﾂ ,ｨf示/ｲ : : : ｌ ここで問題になるのは、寄進と言う行為の本質だな
// ∧/ ヽ|! ' ' ' , 〈::ﾟｿ// : : ∧j
//_/ノ＞ ⌒ヽ ､__ , ,´,/: : : :/
, ´￣ ／ !_ _ イ : : : /
/＿ ／ ,.イ : : ￣: : : :l: : ／
／￣｀ラ ／ | : : : : : : : : ! /
..................................................................................................................................................
＿＿ ＿,
, ＜::::::::::::::::::::::::ノ
／::::::::::::::::::::::::::::/:::::＼
／:::::::::::::::::::::::::::::::/､:::::::::ﾍ
／::::::::::::::::::::::::::::::i:::/ ∨::::ハ
／:::::/:::::::::::::::::::::::::/|/ ､＿ ｌ小:N （ 何はともあれ、忘れるなよ……今回の主役が私だという事を！）
´￣/ |::::（|::::::::::／ / 〈●〉lｉ|ノ
/::::|:::::::::::::／ ､_,､_, ""ﾉ iﾄ､
/::::::|:::::::／＞ ､ __ , イ|:::::|::ﾍ ← この人の出番は、後半まで待つんじゃよ
. /／/|:／ﾐヽ ＼ ﾍ╋| ｉ::::::ｉ::ヾ
／ /::| ( ⌒ ) ヾ､ ∨／( ⌒ )
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そもそも寄進というのは、荘園制の一類型である。現地勢力が土地への権利を
確かなものにするため、権威ある寺社を「権門」として土地を寄進するのだ―――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿,
_,..-:‐:‐/:ヽ‐:─‐-.-:'´::/
,.イ´: : : : : : : : :|:: : : : : : ::＜､
r:‐::-ｨ´: : : : : : : : :;ｨ: : :|:::. : :､:: : : : : :｀ヽ、
V::::::::|: ::/: : : ;: : :/ |::.: :|ヽ､:: :ｉ::､:: : :＼:: .:＼
〉:::::::|:/: : : :/:: :/ |:.: :l神∨:|::ﾍ::: : : :＼::.: :＼
/:::::::;/:/: : :/|:.:/-‐' |:.:/ ｀ｰ|-:l､::ﾊ:::.: : :: :ﾊｰ--`
/::::_:_'ﾌ': : :/_ｊ;/___､ ｊ;/ ,__ｊ:;/ヽ::.:|:::. : :ｉ:: :|
￣|: ::::|:.: :/::| ﾏ弐ｵ゛´ 'ﾁ弐７ﾊ:;!:::.: : :ﾄ､:|
|: :::|: :/ﾍ:| ､V:::;ｊ |ｨ::;ﾘ,'ﾊ::∨::.: :l ` 地元の地主が、けっこうな土地を「寄進」してくれたけど……
|:ｉ:::|:/ゝ__, "￣ ｀ ￣"{:::ｉ::::∨::/ ﾓｸﾞ
|:| :::::::|:::|｀ヽ、 )─' ,ｨ::::|:::.::∨| ﾓｸﾞ まあ早いはなし開墾・開発地の税金逃れの、片棒担ぎよね
|:| : :::::|:::| ｀ ｰ-;ｒ -r‐_'´ .|::::|:::: :ｉ:.:| ﾓｸﾞ
|:| : :::::|:::| ,.-‐'´{゛＼_/ }`ｰ-.､::::: :|:.:|
|:| : :.:::|:::|,/ ,.. ＼,ｨ:ﾍ,/ ､ ﾊ::: :|:.:|
|:l: : :::::|::::ｊ ｉ: }::"} ',: }:: :|:: |
|.:|: : ::::|:::{, |:､:... ..|:::::|:... ..,ﾉ: |:: :|:: |
|::|: : ::::|:::| |:::ﾞ "|::: :| "|:: |::: :|:: |
|::|: : ::::|::::|. _|:: ..:|::::::| |;:: |::: :|: :|
|:.:|: : :::|::λ ｀ヽ､＿ヽ;/＿_/' '}::: :|: :|
j;ﾉ|: : ::|:::::|｀ヽ､ ＼ / /::ｉ:.:.:ﾄ､:| ,≡、
＿＿__..|: : :|::::ﾘ＿,ﾉ＼. __＼ ./ _ /;{::|:::.:|__`＿＿.|"::: |＿ ＿__
|:.:;ｲ::/ / ｀Ｙ⌒゛Ｙ´ ｀ヽλ::: :| ..::|::::: ;| ./ / |
ﾉ'" |/ .:::::{ {_＿_,,ゝj_ｊ,ｊ,ﾘ;ﾊヽ:| ::/"ヽ.￣..::/ _,/ ,,|
:::::ゝ γ'"￣ヽ::"￣ヽ.ｊ ゛￣ ゛￣ ￣
..::::::｀ヽ､ ;{、 ＼::. ヽ、_＿_＿＿＿＿＿＿＿
￣￣￣"￣￣￣￣￣ `゛｀ヽ、､:.. .;}､ .... ,}
}.､_＿,,l }.､＿,,l
{;;;::.:.:.::| {:;;｀:.:.:ｊ
..................................................................................................................................................
ずーり T T
ずーり ,／´￣｀｀:ヽ, ,／´￣｀｀:ヽ,
/留保物 :::::::/留保物 ::::ヽ
|ん` ×× :::::||ん` ×× :::::| ｵｵ…
T ヽ××× ::::/ ヽ××× ::::/ T o . ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
,／´￣｀｀:ヽ, '''''''''''''´´ ｀'''''''''''''´´ ／´￣｀｀:ヽ, ＜ 寄進主には主体性があり、莫大な土地の
/留保物 ::::ヽ 寄進主 / ::::ヽ . . |
|×´ん` × :::| (＾-＾) | ::::| .. | 留保物も、維持できるという仕組みですね
ヽ××× ::::/ T 人ﾍ )ﾍ T ヽ ::::::/ ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
｀'''''''''''´´'／´´￣｀:ヽ, .／´´￣｀:ヽ,｀'''''''''''''´´
/ 留保ゝ::ヽ./ 留保ゝ::ヽ
ずーり | ×ヽ ´ん|| ×ヽ´ん|
ヽ ××ゝ::/ヽ ××ゝ::/ ずーり
＿＿＿＿
イ¨: : : : : : : : : : ￣ ＞ 、
. イ: : : : : ＿＿___: ＿: : : : : : }
{: : : : イ ￣ ヽﾉ
!イ γ ⌒ヽ .i
.| ＞ ´ : ¨￣￣ ﾆﾆ=} 要するに長崎の南蛮交易で生ずる関税は大村家
|。≦≧ ´: : : ,r -- ──- 一ヽ
r- ﾄヾ ＿ ＞ ｲ＼ .∠= 、 .! 、 のもの。そして「権門」であるパードレ殿と宗門の
! 、 ｲ ・ ) .ヽ! ,ｲ ・ } } i
{ .iﾙ - ﾆ¨ L ¨￣ Ⅵ 市民は碇泊料と年貢、さらに迫害なき「約束の地」
７ ,ｲ ,、 ,、 ） 、
{ ≦三三≧≦三三７ .! を得る……一石二鳥と云うわけだ
｀. ! | , / r--- 、 ヽﾉ ﾉ
＿＿_ - 一ｲ 、 ＿ ¨￣ ー‐ ¨￣ ﾉイヽ、
＞ イ ¨７: : : : : : : : : : ヽ ¨ : : : ヽ ⌒ , イ .ｲ: : .ー─- 、ー-- 、
, ´ : i ! !: : : : : : : : : : ￣ ＞ 、: : ＞」¨¨! ー― ＜. イ : : : : : : / /: : : ＼ ヽ .＼一 、
／: : : : ¨￣: : : : : : : : : : : : : : : : : : ＞ 、｀.＜!＿ｉﾆ =イ : : : : : : : : / /: : : : : : ＞ーイ: : : :ヽ
／: : : 、: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ニヽ╋/__ : : : : : : : : : ／ ／: : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
., ´ : : : : : !: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | !: : : : : : : ／ ／: : : : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : : ヽ
,.:::''::´::￣::`:::.、
／:::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}
l:::::::::::::ゝ－－－－ ι
|::::::::::::） ◯ ○ （ （なるほど。日本の宗教勢力はそういう手を使って、信徒の生存圏を
,ｌ::::::::::::η ||||||| ゝ
ゝ---η. ||||||| ゝ 確保していると……われらも土着化をめざし、利用させてもらいますわ）
/≦ ヽ .| | ≧ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
{ l l |* *| | l
{ .l l .|*╋ | .| l
/ l l | * | l l
l ---l l-- -l l
| ｀^^ ｀^
＜大村家は年間三千クルザード、イエズス会は碇泊料一千＋年貢三百クルザードの収益を得たという＞
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
で……適応主義者ヴァリニャーノはこの現地システムに、まんまとフリーライドしてしまう。思うにこれも適応には違いない
「郷に入っては郷に従え」とは言い換えれば、「郷において利用可能なシステムを、利用し倒すのも可能」という事だから
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿＿＿ ___,. -- _
,. ＜ }ノ ＞ 、
. ／.／ ｲ| / / , ＼
/ / , ' ., ' |:}' /／ ､ ‘ ,
. /／′ ,' / |:l. 〃 , , } ‘,
´ i , | / ,i|::! /_ イ ／} / ､ .ﾄ，
. |. , ' l ./ .!|::| /／メ < /／,' } | i‘,
. { / ,' i｜ , ﾆ||::| ,.ｨ示芯}ミメ､. /／} ﾊ ./ ｜.ﾟ,
', /.| ! ',| { ,|l::| | |.圦_以 /´ x=ﾐ「 / ./ | ちょっと待ってよ。その場合「権門」っていうのは
. ∧ { }'| i ‘ , |: l ', ! ゞ-く_ んﾘ 》' .／ ,| |
/:/ ヽ .| ﾟ, ｀!::| ', { 厶ｨ 厶イ{ ,'| | 日本の神仏限定のはずなんじゃないの？
/:/ ﾉ /! ﾟ, .|::| ﾄ､. ､_ _ ’ / :!.|.| ', ,' }/
. |::| イj,ﾊ ﾊ iV|::| |、 ,ｲ |.| !,:∨ ｸﾞﾚｰｿﾞｰﾝ
. |::| V_彡<.Ⅵ', !:＞ ,. ＜ | ./ﾘ |.ﾟ,::ﾟ, たしかにこの時点では、禁教以前だったんだけど
. |::|. , : ´￣≧ｘ ﾟ,ﾑ:, ! _/,.≧チ} , '| ,:| / ﾚ ',::',
. |::| , '::::::::::::::::::::: ﾍﾟ,ﾑ＼,.ｲﾊ/l／ﾚ j/,' /. }:::|
. |::| ./::::::::::::::::::::::::::::::i:ゞ:::＼＼!＼ :|:::|/ |:::|
＿
'´ ｀ヽ
j /rノﾊヽﾊ はい、正解。むろん西欧にも有名な“ピピンの寄進”があり、寄進システム自体は理解を共有
ｲi(ﾟヮﾟ|ﾉﾙﾘ
_, ,_ ノi条iノ)八 できる概念だったものの……神国サイドにしてみれば、シロアリに家を貸すのと同義だ
（`Д´；）⌒⊃
○ ⊂ノ´
（※引用文はノンブル107に続く）
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「教会領長崎」著者の安野眞幸氏いわく。イエズス会は布教の過程で日本の神仏に非和解的な戦いを続けることに
より、「寄進を永久に保証する神仏の権威そのものを、その根底から掘り崩すことに全力を注いでいた」のである……
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
,r' ,r ー ､ ＼
/ニニ 〈 ‐l‐ﾉ‐〉 ､＿ ヽ, __
ノ ＿__＼秋/ ｀ー､_｀/'.l / /
くr;￣: : i : j､: ￣i' ｰ-､_ .ヽﾉl /￣ ￣￣ｌ
,rーー - - - ､ /; j : : :jl.:/ |:l'､; :lヽij: : :｀ヽ, | ￣| l￣l l
.l . ＼ l/|: : : l l/ﾆ.ij ＼jr-、; i、:lr' l__/ ﾉ_ﾉ
| ＼ ﾚ､:i､|l i:.:i i::.ﾉl.〉jヽl
l ＼ |: :l.､ ' j: : ::l ○
i ,>; :.l‐i、 'ー ' ﾉl: i :i ／ 〉
＼ ／ l:i :| ｀' ､._ ,.ｨ'" |:.j :i l￣ r'"
＼ _. ヽ .j､:|_,ノ:::） ﾉ:｀‐|/'^ ￣| ｜
＼ ／ .＼r‐､r<,.､_::ヽ、 ./:::::::／'／｀ヽ. └┘
｀ｰ '" i＼r' r‐,く::::＼ /:::／'／ /. | ○＿
l. l / / ,＞､╋,:.-..く .ﾉ '、 / /
|. └ ､ ' /ヽ.:ﾊ:.:.:.:.:.:）、 i、/￣ ￣￣ｌ
ﾉ ,)ｰ-,) l"二.ヽ/ 'rー ' " ﾉ ￣| l￣l l
く,;;'ｰ-‐/ ./ rl ,-'_, ＼└rー'" ', l__/ ﾉ_ﾉ
l.ー/ .i､:.:.ﾌ｀iヽ､r-.l ､_i. 'i
. | / l ｀'" ＼.＼＼｀'ー- ､ i. ○
l, i ｀ｰ＼＼. ヽ r-、 _
l / ＼＼ ＿ .） ヽ_ﾉ ﾉ 〉
'ー'－―-､. . . .,r-ｰ':::ヽ.＼i-､ ＿/ ./
/::::::::::::i:::::i:::::::::i:::::::i:::::::::, ＼ ｰ―-､ ｌ＿__/
/:::::;::::::::i:::::i:::::::::i:::::::l::::::::::i, ﾉﾉ￣￣＼＼
/::::::;:::::;::::i:::::i:::::::::l::::::::i:::::::::.'. （.（ .〉-＼
/:::::::i::::::i:::::i::::::::::::::i:::::::::l::::::::::::i,＼＼ ／ ／
i':::::::::i:::::::i::::::i::::::::::::::i::::::::::l;:::::::::::i ＼｀く ／
l:::::::::;l::::::::l::::::i::::::::::::::i:::::::::::l::::::::::::i ｀ｰ'"
|::::::::l::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::i;::::::::::〉
.rー､ __ ＿＿＿__ , ､__ | ｌ ＿
ノl--┘ └-- へ、 | | 'ｰ┐ rー' rーー‐､ | .r' | | ＼｀ヽ ,r-､
（__ﾉ￣￣￣￣/____) | | lﾆﾆﾆ ﾆﾆl ￣／／ l / | | r‐;ヽﾉー/ /,.__＿r-､
l｀ヽ, l^l . | l_ __| l､__ __く__'ｰ､ﾉノ ､┘ l/ ) / / / r'^''^
/ ./ | ヽ ＿/l、__ｌr' o i､_〉( ｒ-､ﾉ ﾉ ヽ_／ ／ / /､_/ /
/ / i、 ＼,__ / __, ｀'ー‐' ヽ.二.ノ ／ ／ ＞ く_
r-' ノ ＼___r'^ _'メ、 -=ﾆ- '" -=ﾆ-- '"ヽ ヽ、
￣ (＿＿
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
教会法が治める「キリシタンの安住の地」長崎は、ヴァリニャーノの指示で洋式軍備を強化。神国の中に欧州が出現した
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
.`'--,,,,,_
.、 ﾞﾞl ,,''''''''''''''
..ﾞi､ │ ／￣￣￣￣￣￣| /.'"
ヽ,,,,__、 .ｾ―――――i､ ｜ |￣￣￣￣￣(◎ ,lﾞ
ﾞl、 | ￣￣|￣￣￣ /｀ ,,‐
、 ﾞl. .!、. ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣| ,lﾞ ／
,/ ﾞl .ヽ. | |二二| ／￣￣￣￣| / .} 'i
,/｀ .| |￣￣￣￣￣￣＼￣￣＼ ＼ . | |￣￣￣￣(◎
/ ﾞ l、 ／￣| |￣￣￣|ヽ ＼ ＼ | | . ￣￣|￣￣,-----――‐''''''''''''ヽ、
ﾞi､ |. ｜ | |￣￣￣(◎ ＼ ＼￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣i´
,,,-‐ .ﾞ l、 |. ｜ | ￣￣￣ |二二| l.ﾞ - ＼
._,,,―'"゛ ._,,ﾞl-￢'''''''''''-、| |￣￣-￢'''''''''''''''''''''''''''''''''''''''ｰ,,、 丿 ._、 ー-,,、 ｀'i､
,ｒ'"｀、 'i､ ﾞ'-、 ,,／｀ ,ｰ''''"゜ .,,〟 ＼ ／ ,/ﾞ,、 ｀ﾞ"'''ハr‐―
.,／ ‘'､、 ﾞ'┐ ﾞ'r,′ ,! ゜ .ヽ 'f,''"ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾐﾞ“''''ヽ、 ‘ `'-､,、 、 | ‘'ヽ
..................................................................................................................................................
＿_
∠＿::_｀ヽ
/| {_r.大=z_>:} 教会領・長崎防衛のため弾薬、武器、大砲その他の軍需
_/::| /l ||.|}.}{.{|.}7||:| /|
/⌒i￣::(__ﾄﾉ|ｰ=┴幵:」 __/::|.／/ 供給が重要である……茂木要塞と、連絡通路も然り！
r'´￣｀ﾍ､＿__）〈 ...::::::/-､=)l:（(__/l
:Y''´￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ ....:::::}!!!!三三| ｀╋.:. +ﾍ=ト､＿_ﾄ､
.／⌒ヽ ﾍ................::::::::::::::::/ ::::::::ﾉl三三三| :::i::.:. ＼三＼ } 敵からの攻撃にそなえ、要塞化に使う経費は惜しむな！
{:::::::::::::::}:::|::::::::::::::_::::::-ー'r-､::::::/||三三三| ..:::+i:::.:..ｨ ﾍ三=〉|
人ヽ---' ／_..＞‐＜（_に）_）|:::}ノ|||l三三三/::::::::::ili:::::::..... |三=l::| 火砲配備の為ポルトガル船から年に１５０ドゥカド徴税する
｀ー-―'''' }:(_＿,,,イ:::jイ|||||三三/::::::::::::"*`-::::::::::j三=l::|
}:(＿____／ |/||||三三j..:.::.. .:..i::::.......::::/三/j.:.| また長崎防衛のため、ポルトガル人の移住も勧誘する
|/|||三三j:...::....::...i::::...:::.../三/:::. ´＼
|/|三三/:::...:::....il:::....:::./三ハ:::::......／＼
な ん だ あ そ の 目 は ！::./三〈 ＼／:::::::::: （『日本布教長内規』より要約引用）
/三三/ .:::....:::il:::...:::::|/三l| ＼:::::::::::
,.ｨ::'"´｀`ヽ､
／::::::::::::::::::::::::::ヽ
./:::::::::::-/l､_-::::::::::/) 防衛のため妻帯したポルトガル人が多数、居住するよう努めよ
`>~ rｪｭ〕|.| |〔ｪｭ`i 彡
彡., ´г|.| ﾄ┐i.r､ ir i' 長崎に城壁をめぐらせ、それらポルトガル人を要塞に配置する
i.iii::::i ii::::l.l l.....l.ll:::l|||::| ∧
.ﾄ .|:lll:::::ll!:::::ll/:::::|/::::l l:::l ,' ',
i`､ l `､ _l:l.l.|ヽ､:::::::::::::::::／.| |_.,i l.､ .,' ', もちろん長崎市民も資質と能力に応じて、全員が武器を
', `､ .l `､ヽ_l､ `ｰ ‐ '/ l_ ノ rヽl `､ /_ ', ／
', `<'"／////,j ', .ゝr' ／ ／｀ ー､ `､ ｀ .ヽ / / 持ち、有事に備えてもらう―――
', ,r/////／＿ `､ ╋ ／ .｀ヽ,r .､ i ' , r '`ゝ､./
､ｰ ,,_ ,r'´ ///,／ ,_, ﾐ .｀> ／ / i,r '´ ヽ
＼ .｀` i i//l ｼﾍ ／‐ 、 ./ .i.`i､､ /
,r＼ 〉l//l / ヽ /r ‐ ､ .i `` i-ｰ､ . ﾍ （『日本布教長内規』より要約引用）
i' ,i＿.｣// l .}/ ヽ! i ヽ
i i////,/ ゝ､ /.l l l i
/.// l////i ｀ ´)￣ヽ､ ノ /, l/i/i iii.. .
..................................................................................................................................................
＜ヴァリニャーノが見込んだキリシタン市民兵のイメージ映像＞
__)
ゲ ゲ .__､ﾄ（､ヽVｨｒ__,,_,ヽ よ 必 見 ヒ
ラ ラ. ⌒ヽ ゞ､ヾ __ノィ(__} ｜ 死 ろ ャ
,.::=､..ｨ ｨ( r‐={{ｖ´=,,..__ ｀ヽ.ﾉ | の ！ ッ
{{::::::::::ﾉ ゞ l!ヾｨ 7 ._,r ヽ,. ！ .顔 ハ
ゞ≠'-.､ ／´_￣ヽヾ .ﾚ´_,.ゞィ．ｧｰ ヾ） を .異 ハ
./ }! .l!__ .ﾉ__〉=__ヽ彡 〈 ｨ.ﾌ「､ﾐ= _;;; ヽ 教 ハ
{ i:: ,, rヾ}ﾚ _>__ ｀ }ｨ { r >'_ ..-.ィ!{ ) 徒
ヾ,ｧr'´ヘ lj:i}:} ' } ヾ}! ::: )" ヽ ヾ:::γ l! l;) の
ｨｧ.∧ゝｨ::ﾍ 〉/{ _⌒´,, /.ィ < .ﾊ '.. ﾉ 〉;⌒ヽ/⌒＼/⌒＼/⌒ヽ.
///i{;;ヽゞ_// ゝ;;;;;;>=-――.ｧ‐/´.ゝ 辷´, /;;;;;;;}} }}.「////⊂⊃7
≦´＿＿彡≧../ ;/´ /.::/ ::/ ヽ._ ..ィ';;;;;〃}} }} |/////////
77￣ 7√《oo＿_〃::...ノ .ゝ7 ::::{{_ ;;}ﾄ;;;;;;;;;/ .}|:.. }| l!_///＞＝＝
/ / ｀ヽ{二╋|!:: ／;;./::. {{ ''¨ヾ;;ﾉ }!:::: o..ﾉ八 Vｲｖ´}ii∈∋
{辷.ｲ r‐‐.､ T {::__:彡ｲ∠;;/:o::. {{ Ｏ :ヾoo○〃O:::彡ｲ;|| } .|!ii} |ii/ 7::
/≧{ ＼_.｀ヽ三彡´.,イゞ=､、:::{{ゞ-╋=＝‐{{彡ｨ「;;; |l/ V ./i/ /_
7＼ ＞''￣, 7 ､_/ ヽ≧ｧゝ￣ヽ＼{__{{ || |}ﾄ-､ (´ /ﾉ }
八 r/_ノ´二 Yﾍ::_ :}ヽ ;;;l|| | | | | ll{8┏‐|r―‐‐‐'｀ヽ ｲ´,ィヘ
{{⌒ヾ l__ﾉ´ 7 {'' 「ﾉlll＼;;;;;} | | | | | ll{8┗‐ }｀ー‐､ﾉ__ .) 〉 i{ll| | | l
ヾ99//⌒ヽ | :7ヽ..イ彡'彡ヾ;ｿ l | | | | ll}|辷=‐ {辷__ﾉ|⌒ヽ__ .ﾉ}}////
〉「ヾl{三三} )ﾉ./三彡' 彡ｲ}}| | | | | | ﾉ三ﾆ≧{二ﾆ}|!iii{{ミ三三彡'
＞' ´ ＞Y ｀`ヽ､
,__,ｲ ,. i:i / ＼
/ , ' /i:j /' ./ ／／ ﾄi i i ﾍヽ ちょっと待って
/ ,ｲ// i ,/‐､ｲ／ 7./ i | i ' ﾑ
,/ , '7// .l／izｚzxヽ､/ｲ .!|Vj ! ﾍ
／i ／ i// |. ヾﾄ::::斗 彳´ ﾘﾆi` ' i | ,ハ ポルトガル人の要塞兵？ それも「妻帯」って、家族ぐるみの移住？
/ j/ y':/ j _ヒzソ i沁ゞ //i∧ i
./ //! .// | ﾑリ|.//∨ .ﾍ ! それって、かなりマズイんじゃ
' // i //.i .∧ .| _＿_ ' ｀`.i ' ∧V .iヾ
j::,′lﾘ// , .i,.! ,': : : :/ 从 i::i j
|::| // j ,ハ |ヽ:.､ ヽ--' .イ 7 .iﾘi::iⅥ っ っ
|::| i::'| ∧ ﾄ V i .∧ ＞ . ＿. イi | / ﾚ' !:i っ
|::| i:::|´ V ヽA V rt r＜ /: : T' ,′ .i::i
|::| `´ .ィ:/ヾ/t|_j-i /: : : :i .ｲ: ＞ｘ _ j::i
-‐ ￣￣ ｀丶、
／ ヽ まあ、民族を越えて「同じ宗教の仲間を救う」というロジックなんでしょうがね
/ / /〃/{ { ヽ ｀ヽ. ∧
ｌ / /斗/ハ ｨｰ‐ 、 ∨ l
{ { ﾚﾃく ヽi>==、＼ ヾ│ すでに遡ること1566年の時点で、大村純忠が後藤貴明に攻められそうに
乂l f r'ﾊ r'ﾊ 7ﾊ＼ﾘ l
.八,}弋ｿ 弋ｿｿﾉ ） 八 なった時、現地（福田港）にいる大勢の居留ポルトガル人が純忠のもとに
ノイ }ゝ" ｀_ "" { {´ 丶＼
／ ,＞‐r＜_∧!＞､ ＼丶 自発的に駆けつけて、援助を申し出たことがあったそうな
, -‐" ! ヽ{>ﾛ<ﾌ〈. | ＼
// ／ / y ゝ { ;ヽ ,ｉ 丶.ヽ
{八 〃 ﾊ { ,.-'‐!、 }_ = ゝ、__i、 }ヽ } } ＜1566年11月15日付、福田発ジョアン・カブラルの同僚宛て書簡＞
)/ ヽ（. ヽ人,i' .,. i' ｀ﾞゝノヽl_ ヽ! ヽjｲノ
" ｀ / / ゝ,.| l __.!,ｒ'/ ｀‐´ "
/｀ V ｌ .,′´´
｀ｰ'′ ├-/
￣
..................................................................................................................................................
γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
｜ その時はポルトガル人が所持する火縄銃の提供という形だったが……「参加」は、時間の問題だったかも |
乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
__r=f2=ｪ―‐f==========i――――t====f~i=
r‐――==='''ｰ´ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣ｿ――――'~~~~~~
l| _, /~~!(ソー―´￣￣￣￣
l,,,,,...==―~~~ ~''
| | | ,′ , ｲ′ﾍ, ﾄ､ ﾍ, ﾍ,
| | | /| /| | l | | | | 「大勢」って……この時代に？
│ │ l 八 / |/ | ,.ｲ ﾄ､| | | | │
│ │ l ∨ ｣＞く `'＜,_ ﾊ | j i 定住者のポルトガル人が、そんなに来れるもんなの？
│ │ | 厶ｨ斗扞Tｧ r于ﾃミメ、 l / l|
| 八 八 ヽf＾)-y仆､ 刈 ::::::::::: ﾄ､ .刈`《V./ ﾘ たとえマカオやゴアの出身者が、大半だったとしても……
ﾚ､ ＼ ＼|/ .人 Ｖ//（ :::::::::::::::::: |Ｖ//（ YY＾l k ﾄ､
. 〉 〉、 ＼/〔 ｛ ゞﾆ ┘ .、 └ -ﾆﾟ_,/ .j l | 》 |V》,
_,《V ＼j＼j| ` ` ,ノ / / |│|V》 | V》,
《Ｖ | ∧ ＼_ （´ ｀） __／ _/ ,ﾉ│| V》＼j
V{ │ r―宀冖 ￣￣ ￢┐ ,／￣￣ ￣￣￣ミメ.ﾘ V》,
′Ｖ .小 | | | / | /V》,
, :': : : : : : : : : : : : : : : : : : : `:..、
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
,:': :／: : :. : : : : : :./: : : l: : : : : : : : : : : :':. 「大航海時代」をなめたらアカン
/: :/: : : /: : /: :〃:'|: : : ::!: : l: : : : :l: : : : : '.
. ,': ::,': : : /: : /: //:,' .l:.ﾄ,: ::l: : :l: : : : : l: : : : : :'
|: : |: : : l: ::/l::/ ,':/ |:.', V:l: : ;l: : : : : V: : : : ::l 拠点となる教会と、それに付随する生活インフラを「基地」
l: : l: : : :l: :,'-!_'-|,'‐' ヾ -ヾﾍ:_: : : : : :V: : ::l:.:|
l: : :V: : :V!ｵ芍斗 乍芍=ﾏｪ-: : :.ヽ: :.|: | として設けてしまえば、そこを頼って五月雨状にやってくる
. V: :.ヽ: :ﾊ 弋,ﾉソ 乂じﾉソ 》ヾ､: : ヘ: :|
V: :l: ＼ヽ , ー‐ ´ !:.ﾊ: :ﾄ,: ﾊ;!
V:|: /: l |:.l V!:}:/: l -, , -ｒ 、
,': : ﾄ.、 lﾌ::.ヽ ,ｨ' l-:': : : : : :', , - ´_ノ -―' 〃 }
/: : :.l:l::.丶 ゝ- ' ィ':j ,':: : : : : : : ﾊ / '´ ‐‐.::／.／
/: : : ::l |: :r-| ` - ´ ,'-//: : : : : : : : : :'. l , ´￣- ´ ／
/: : : : :..l l/ ¨｀` - 、 / //V: : : : : : : : : ﾊ '. ｧ－ ´
. , -ナ- ‐―.; l / ', / , ' V:_:_:_: : : : : 、:', r二￣￣ 二7
/ 、 l l 、 / V , / / ヽ:', l ￣￣ |
. / ヽ !l ヽ x≦三三ﾌ/ミzx' j ヽ, | |
/ l |.! Y////／//V,'///ハ ./ V l l
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
因みにインドのゴアでは、1540年には既にヨーロッパ系住民が一万人に達しており、現地住民との結婚も奨励されていた
という。いっぽうマカオは1610年代にポルトガル人が一千人、徴兵可能人数は推定２〜３割。長崎も近似値かと思われる
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
長崎市街地を原爆から守ったことで有名な金毘羅山（366ｍ）の山頂から神宮寺を経て海にいたる場所は、中世において
は「森崎」とよばれる岬であり、「岬の教会」（サン・パウロ教会）が建てられていた。当時はポルトガル人居留地でもあった
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
森崎・「岬の教会」
＿ :;:;:;;:;::;:;:;;:;::;:
. .√:;::;:廴
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; .. |;:;;:;::;:;:;;:|.Γゝ
.._＿_|;:;;:;::;:;:;;:|亠ｉ ヽヘ
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; ∧へ |:;＿|;:;;:;::;:;:;;:|::;:;|:::;:;:;|＿_
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; |:;;:;::;:マ＿ .＿....|:;|:;;:;|;:;;:;::;:;:;;:|::;:;|:::;:;:;|:;::;:|
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; |:;;:;::;:〈|;:;;;:レ ; | |;|:;;:;|;:;;:;::;:;:;;:|::;:;|:::;:;:;|:;::;:|＿
:.. . :. .. . :;:;:;:;.:;...:;:;:;.:;.::..:;:;:;::;:|::;:;|:::;:;:;| 」V;:;;|
.,.;:;::'''""""''''''''"''''"'''''''''''''''':;:;:'''""''''"":;:;''"'';:;,.,., :;:;:;:;;:;:;:;.:;... . |::;:;|:::;:;:;| |;:;;;:;;:|
_...:;;:''"'" ""''''''''':::::......"""''''''"""''''… ,.;:.,..,;:;:;:,.,._,:;:;...,,,...,,,,,,,:|::;:;|:::;:;:;| |;:;;;:;;:|
.,;: _... .,.,;:;:;:,.,.,_ . :. .. . :.:.. .. . . _,,...;:;:;;:''""'''"";:;.:;;'' ::.....;;;:.; "''"''';:;:;;,,.._
.....,,,,,;:;'''"'''" ....,,_,,,...;. . . :. ....,,,,__...,,;:;'''""''''::;;;;.......,,,,...;: """''''''''"''''"'''''''''''''''':;:;:'''""''''"":;:;''"''
,.,;:;:;:;:;'''"""""" ...,,,;:;;:;,,,..;:.;:;;:;;::''"" ;;;;;;;;;;;''''''"""'''"""" ""''''''''':::::......"""''''''"""''''…
.,;:,.'""""'''''''::::;:;:;;,..,,.,.,:;;:'""'''''''' . :.. . :. "';:,.__, ""''''''''':::::......"""''''''"""''''… .,.,;:;:;:,.,.,_
..................................................................................................................................................
＿
'´ ｀ヽ ｶｰｻ
.j /rノﾊヽﾊ イエズス会士の住居である修院は要塞であると同時に、倉庫や店舗を兼ねていた
ｲi(|＾ヮﾟﾉﾙ
ﾉj〈_j条iつ､. ,.==､ ポルトガル商人も、この聖堂を住居としていた―――
-===(（（.Uj_ヽ,>===|(ﾟ,)+@
し'U ｀==´
━━━
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
なおイエズス会の軍事活動は、日本限定の特殊事案ではない。ヴァリニャーノはインドでも、現地イスラムの襲撃（視点を
変えれば、重商主義の欧州人に殴りこまれたイスラムの反撃）に悩まされ、ポルトガル人守備兵の重要性を訴えている
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＜インド ゴア近郊＞
＿＿＿＿＿＿
_ | 教会炎上中 |
｀)） |￣￣￣￣￣￣ ジ
（ ） ╋ ジ ャ
（ ） <⌒> （⌒ ⌒) ャ |
ｳｰｳｰ.（ .人 ／⌒＼ ＼（ ,, ⌒）／/ | ン
人／ ヽ ＿＿____］皿皿［-∧（ ⌒ ,, ,, ） ン
（ ( )( ) ）三三三∧_／＼_|,,|「|,,,! （ ,, ） !!!
＿_|￣田￣田 /￣￣Π . ∩ |'|「|'''|「（ ）
/＿_,|==／＼＝ﾊ,￣￣|「|ｶﾞｼｬｰﾝ |「| | * +
/_| ﾛ ﾛ 「￣￣￣ | | 田 |「|∑田 田 |「|［［ *
|ll.|ﾛ ﾛ,/| l⌒l.ｌ⌒l.| | |「| |「|ﾐﾐﾐﾐﾐﾐ ++*:
λﾜｰ ∧ λﾜｰ λﾜｰ
λﾜｰ | | λﾜｰ λﾜｰ
..................................................................................................................................................
,｡≦ﾆ二三ミ｡、 「サルセッテでは現地支配者が武力蜂起して教会を幾つも破壊し、
|! /ﾆﾆ二三三三㍉
|i /ﾆﾆ二三三三三㍉ 大勢のキリスト教徒を殺害した！ ゴアから２グレアの土地でだぞ
|:'， {二二三三三三}^'’∧
|∧ {/从从三ﾆ==一'’zｭ .} ２００人ほどの兵を派遣すれば、キリスト教徒を救えたはずだ！」
ﾄ､ .|i:∧ (_) ﾏ:::<Oﾌ::} {:<Oﾌ:} }
. ﾏﾑ |i:i:∧ }iゝヽｚ≦//-≦´i i{ } ィ
ﾏ:i:＼ |i:i:ｉ:∧ .イﾍ }i }i }i/:ﾑ::|i |i |ｉ i{ } ／/ （1577年9月16日付、ゴア発総長宛書簡）
. ﾏi:i:i:>‐┴―‐ゝゝ:_ﾑ_}i }/::ﾊ }:i{ i{ }i_i{_} ／ :/
ﾏ≦二≧｡._ -――一'ー込}::}i__}i_}i ｢ヽｰ-:.､ ___／ /
/厶ﾆ二ｱ￣ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}三≧｡. }Ｉ斗＼ { :/ .イ'’
⌒ __r'’:.:.:.:.:.:∨厶≦⌒ :.:.}i 寸三イ／､ニヽ ⌒ヽ. x<>'’
.｡＜´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ、:.:.{__,.イ .／ ヽﾆﾆ＼ >イ´>'’
. /.:.:γニミ.:.:.:.:.:.:.:.:γﾆニミ:.:.ヽ } ╋:i{､: ＼二ﾍ {__／
. {.:.:.:.{ﾆﾆ二}:.:.:.:.:.:.:.:{ニ二二}.:.:.:} .}／ } }i{. ヽ:. ﾍ三ヽ. __}
. {.:.:.:.ゝﾆﾆｿ.:.:.:.:.:.:.:.:.ゝニニｿ.:.:/} j＿_,} }/{. }:. ＊个ミx}ゞぅﾉ
ゝ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／‐'=ﾐ⌒／,: }. }i:. 寸ﾆ}i､＾
＞=―‐一'’⌒`ー―一'}} __}={ { } }i:. }二}i ＼
/{ i{ {ゝ‐一ト-::､:_:_:_:_:_:ノ厶イ´}ニﾆ} } ; }i:. ＊ }ニ}ｉ >､_
{.:{_i{´.:.:.:.:／ゝ､:_:_:_:_:_:_:_:}}＿／ニニ} } .ﾑ斗'ゝ:.、 .:/二}i >､.:.:｀ヽ、
{.:.:.:.:.:.:.:人_:_ﾑ::::::::::::::::::::::}} }二ニ} }/'´ _〕＊｀ヽv{ﾆﾆ}ｉ_／.:.:.:｀≧｡、ヽ、
ヽ:.:.:.:./.:/.:.:.:.:.ゝ------'厶＜´ニニ} }≦´〕⌒ヽ/::/ニﾆ}i´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀＞:.>､
【と、いうわけで。リスボンにて……】
「長崎で、家族単位の移民募集」？
| 乗って見るか、このウェーブに……
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_r' ヽ-､_＿___ | ,..ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｛
|-‐ｭ | 〃::::,.-‐､_,.-､_,...:::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ
i ｀¨‐､_ __ | 廴_（ , -‐､ (_::::::::::::::::::::::::::::::ノ
/ ¨ ¨ｰ､ | ∨/`ｰ' ）::::::::::::::::::::::::::|
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/´ ｀ヽ､ | ， ｀´ .i::::::::::::f´
r' r‐'´ | | ソ }:::::::_丿
/ , ‐′ | / ┌一U^u^ ､
,ノ 「¨´ |. / | Х＼__
_,／ 〉 |. 〈 | ／ .／ ｀丶
ﾉ 、___ / |. ｀ヽ | .／ / ＼
r' ｀i ｀¨¨ |. |__ | / / ＼
`●｝ リスボン ‐､ スペイン |. ┌' __人__./ /
‘‐┐ __ノ | ｀ヽノ´ ./､ |
ノ f´ | |::::＼ ﾉ
） |__ | !:_/ ∨
l , 一′ | i¨i
／ ノ | |:::i
└-‐､__ / |
｀¨¨¨`ｰ ､ |
ヽ |
逸話モブ（演者 ： ＠クレヨンしんちゃん勢）
ｿﾞﾛｿﾞﾛ…
／⌒ヽ､
ﾉ⌒⌒⌒⌒⌒ヽ／ヽｉｒ /〜⌒〜⌒〜⌒〜⌒〜⌒〜ヽ.
｜人つ人つイつ の r:::::::::'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::）~~~~ ~~~~~~'-,^^^^"'-
ｒ⌒ヽ|￣`ﾒ､ル_,.イ´￣ | （:::::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＿ノtｭ､ﾞ ,'ィt 或ｱﾁ`､~"'- ,,,,,）
| ,ィ或tｭ､,'ィt或ｱﾁ| )::::::(￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣| ヽ 二ノ ` ‐''"´ ;,
ンイ ヽ 二ノ ﾄ` ‐''"´ ＼ （::::) | ﾄｪｪｪｪｪｪｲ, :
| ′ ﾄｪｪｪｪｪｪｲ,._ 〉 |)::::( く三) (三ｼ . | ヘヾ'zｪｪｪッ',ｼ ,:'
| ヘヾ'zｪｪｪッ',ｼ' | |:::::） ￣`ﾒ､_,ルｨ ､_,.イ´￣, .ｌ､ ` ｰ--‐ '" ､, '"
ヽ＿＿` ｰ--‐ '"' ＿ノ ::::| ､,ィ或tｭ､ﾞ:ミ {,'ィt或ｱﾁ |::::~,/'"/~~~~~/'"/~ヽ
ﾉ::::::::￣￣￣￣ :∧ｒ⌒ヽ|. ｀ヽ 二ノ ﾄ ` ‐''"´ | `,-' `,-' ::::::ヽ ……どーもどーも。聖教の新天地
（::::::::::/ V三'|:::/ ヾ| ヾ ,r'､ ヽ |￣￣￣￣￣￣￣|:::::::ヽ
／::::::::::| ￣`ﾒ､_V ｨ､_,.| ,/ﾞｰ､ ,r'ヽ |＼ ／ ⌒＼ |::::::| 長崎の繁栄に寄与すべく引っ越して
/::::ｒ⌒ヽ| ､,ィ或tｭ､ミ {'ヽンイ ,ノ `'" ,丶. |ヽノ ヽ／⌒ヽノ |::::::|
〈:::::::| ｀ヽ 二ノ ﾄ ` ‐''|. ′ ﾄｪｪｪｪｪｪｲ,._ 〉∴ |ｭ､ﾞ:ミ {,'ィt或ｱﾁ |::::::| きた、標準的ポルトガル人一家です
〈::::::::ゝ＿ｲ ,r'､ ヽ | ∴∵ ヘヾ'zｪｪｪッ',ｼ'∵∴|ノ ﾄ ` ‐''"´ |ヽ⌒ｒ
レっ::::::::::ヽ ,/ﾞｰ､ ,r''ヽ | ∵∴∵ ` ｰ--‐ '"''´∵∴| i ,､ ,..､ヽ |
ヽ〜´~ヽ ,ノ `'" ,丶| ∵∴∵∴∵∴∵∴∴ |ﾄｪｪｪｪｪｪｲ,._〉 | 日本の皆さん、プラゼール！
＼ ﾄｪｪｪｪｪｪｲ,. | ∵∴∵∴∵∴∵∴∴∵|ヾ'zｪｪｪッ',ｼ 、ン
ヽ ヾ'zｪｪｪッ',ｼ ＼ ∵∴∵∴∵∴∵∴／_` ｰ--‐ '" ＿＿_／
` ｰ--‐ '" ￣￣￣￣￣￣￣￣ ￣￣￣￣
／ニニニニニニニニニニニニニヽ おう、待っていたぜ……
’ニニニニニニニニニニニニニニ ﾊ
ｉニニニニニニニニニﾆ}ヽｨニニニニｉ| おまえらには日本のキリシタンとともに、この長崎に
|ニニニニニニニニ /}/ /∨ヽニニﾆ|
. ﾄ.!ニニニニニニ==─…ﾐｘ 0 ／》ﾆﾆﾆ│ カトリックの橋頭堡を築いてもらうからな！
Ⅳ≧ー…ｬ77//--｡-ｫ///l} 0 彳ニニﾆ|
》 f77ﾊ ∨/≧==彡//ノ 《ニニニl| ﾄ
｀7 V//} ∨////厶イ==ﾐ iニニニ| |∧
⌒i￣ ＿＿￣￣´ 》//∧ lヽﾆﾆﾆl| |/∧
ﾄ ∨ .//| ﾄ. {7∧ ∨///i| ∨＼ニゝ ＿＿ | ∧
|∧ ∨//| |∧ ∨∧ ∨//l| ｉ}///777{厂三{ | /∧
|/∧ }ヽ/| |/∧ ∨∧ ∨/l| ﾘ }////|∧三≧| ∧.=
| ∧ ､|__i/| |//∧ 》/∧仆ー=彡' '/// l|/∧三 i| 三
| /∧ ≧彡. 》====≦/// l i '//三| ∧三| 三
＼ | ∧イ三／三》 ∨//// j ｌ //三 i| /∧ .乂＿_ノ三
/∧.| /∧.／三 ィ/╋∨/// / '//三三| //∧三三三三
＿＿
, ‐ ´ ｀ヽ
／..:／.:/ .;ｲ :. :.丶.:.: ＼ とは、いうものの―――トラブルが起こらないわけがない
〃:.:./ .:./:.:/小:.: ',:.:.ヽ:.:.:. ',
l:{.:./ .:./＼:! l ヽ:.:／.:.:.＼:.:.!
ｉ:}:ﾊ .:7ｨ=ﾐj:ハ >=ミヽ:.:ﾍヾ、 生活・儀礼習慣全般の差が大きすぎる異民族が、隣人になったのだ
､_メ!.:i.:.ﾊ r'_;j r'_;j ∧:.:}:.fヾ
乂;ｲ.:.∧ /ｲ V:.:.| ﾘ 宗教はどうあれ日本人とポルトガル人の緊張関係はすぐに発生した
_／ j/_:ﾉ:.介 .､ ⌒ ,.イ:.l:|:..|:.:.:.!
´/:.:,':.:.:j:|:ﾉｰf夭‐ﾍ :j:|:.:ｌ:.:.:.:!
/.:.;ィ7´ｌ:|＼/ﾑﾍ／｀l:| ｀ヽ.:.:i
..................................................................................................................................................
ゞ-二二 〈 ヽ/。N !:::::〉
――＼ｒ‐‐〈/ / j r、 ヾ/ヽ--、
Y__ .＼./ __ ｧ ﾏｬｒ／ ＼
| /-- イヽtソ ! ＼
', / ./ | 。| ', o ヽ 、 ∧
', ヽ/ / ./ , |＼ .,
-ソ＿＿ ./o / ., o ﾉ ヽ 7
f-‐‐‐ ＞-‐‐ ヾ )辷一彡 ., `¨`
., __| ／ ￣ ,
, , イ .| ／ ,
, ォ ., | / .ォ /
, | , .t イ/、 / ／ / ./
, | | イ: : : ヽ 、 /ヽ / / /
/ .} ７'': : r''¨ ヽ、: : fヽ / / { f
f¨¨ヽ! j: :ｒｿ/ 〉／-＼rヽ ヽｲ イ r--'.,
.! ., イ ／: :/辷 (__f¨＼ﾍ、/ .| .|
! .! / ｆ: : : :..|＞＜ .|',: : : :ヽヽ .! ,'
} 乂 / /: : : :..ｆ| , 、j i .',: : : :./ Y ノ 〈
/＿＿ヽ` ''ヽ__ イ人__ｬ-' ｰ イ_ノ イ＿＿ﾍ
：,.:::''::´::￣::`:::.、：
：／:::::::::::::::::::::::::::::ヽ：
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： l:::::::::::::ゝ－－－－ ι：
： |::::::::::::） ◯ ○ （：
：,ｌ::::::::::::η Ｕ|||||||U ゝ：
： ゝ---η. ||||||| ゝ：
： /≦ ヽ .| | ≧：
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： { .l l .|╋* | .| l：
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：| ｀^^ ｀^：
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ヴァリニャーノ自身、日本は西欧とは「全てアベコベ」で、「他国民と順応しないよう、故意に研究したかの様」と評している
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
フロイス「日本史」（第三部４章）いわく。「ポルトガル人の習慣や行動様式は日本と相反したので、交易船が入港するたび
喧嘩や騒動が起こる。そのつど司祭が『公平な仲裁役』として働いたが、その苦労は味わった者でなければ分からない」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＜日葡双方から板挟みボッコされるコエリョ副管区長の図＞
`r r' ＼ `
) （ ､ﾊ, ＼ ,,_人､ノヽ
, '´⌒`Y´⌒` ^ < て )ヽ （
, ./'Y''~ヾ＿＿＿' - ＜ ＞─
`＝/ ＼ ) て
＿ イ（ｽｒー＿ .i , _ ／^⌒`Y´^＼
∠＝､‐（;｀ヽl （__) ヽ | ‐ ｒ-く } }ﾆヽ
{: ｀ヾ=-､＼‐( _)_|__/ l :',-' に| ` ､ﾊ,
ヽ､_ ｀ヽ`'''Tヽ､_ / ヽ_ノ´｀ ^ < てヽ
ヽ二‐､: ｀ヽ† `i ､＿ノ _ ＼ ./'Y''~ヾ'
}、 ＼: ＞ ／ ｀ヾ ← フロイスによればコエリョの病死
｣ ヽ ',└ T￣ヽ､_ |‐､ :/ （ ､ﾊ,
ヽヽ、＼ ﾉ リ` ｀`''"⌒` ^ < て ,､ / は、この心労も一因だったとか
` ｢､ ｀ー＼ Yノｒ_」 ./'Y''~ヾ ｷ人_,/
＼ ,,_人､ノヽ ／ ,----二､）ヽ_ｌ┐ _r^‐へ_ ） て
(´ )ヽ （ ヽイ/;;;;::;;:､-‐''"´ _,,､､ Y ） /´⌒Y,.
＜ ＞ ∠-‐''" ,､--､:}:''"::::::::::｀＼ ､ﾊ, ＼
`) て /;-ﾆア´ }ｌ::::::::::::::::::::::::ゝ_ ^ < て ＼r' ＞
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
,. ‐ ￣￣ ｀ヽ､
／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
/.:.:.:.:./.:.:.:./.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
/.:.:.:.:./.:.:.:./l:|:.l:､:.:.:.ヽ:.:.:.:.ヽ.:.:';
/.:.:.:l.:.:!.:.:.:./ |:l|:!:､ヽ.:.:ヾ:､:.:.:.＼| コエリョの件は怪しいが、「裏付けとなる現実」あっての話ではあるだろう……
/.:.:.:.:|.:.l -‐/'/l:!|! ヽ｀ ｰ-ﾊ＼.:.:.:ヽ
/:.:.:.:.:.:l:.l ｨ_¨ヽ! | | ｨ_¨ 丶､ヾ:､ヽ:.:ﾊ 法整備が未熟な当時。宣教師が、異文化間の調整役を果たしていたわけだ
|:./:.:.:.:.|:ｌ r'::::::} r':::::::::}:.:.|'ヽ l＼:';
|/l:.:.:.:.:l:.! ゝ- ' , ゝ-- 'l:.:l ﾉ:.| ヾ
|'∧:.:.:.:l:.':､ '"'" '"'u"' /!/,:':.:.:.| 移住組すらまだ新顔だった寄進直後の長崎も、むろん例外ではない―――
/ ヽ:.:|__::丶､ ｎ ,.ｨ':.//:.l:.:.:.:.:!
/´ヾ 7'ｰr,!｀ ´ ﾄ/ｲー-､:.:.:l
;' ヽ, / ./:ﾉｰf夭‐ﾍ// ／ ヽ.:.l
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
果たして教会領になって間もなく。長崎で、移住してきたポルトガル人と日本人のトラブルのはてに、刃傷事件が勃発する
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＜1581年＞
（::::::::::::::::::::::::::::＿_::::::::,_,く＼ この豚ァッ！ 使用人だと思って卑しめやがって
厂ゞ｀ヽイ｀´ﾍ,,' ｀'´ゞイ゛ ＼ﾉ
く. / | ヽ ,/ ＼_ ゝ テメエの下僕なんざ、もうウンザリだ！
ヽ/ | Y ヽ丿
ゝ_ | ,_＿,ゝ⌒'^ i
|｀丶┘丁 ヽ、 ｜
ｉ ,′ ﾍ !
| ′ ﾉ 丿
i i ,'`-=‐}
| ﾉ |::::::::/ ダンッ！！
|ゝ,_,ﾉ |::::::/
|::::::::,' |:::,' iヾ,_
-=三i:::::/三三ﾆ ﾉ::ゝ、从-ミニ- ぐえええええっ
.-=三三三|:,'三三三 トイくゝ、ゝ. ｉ三三ニ-
-=三三八三三 ＿`-圦 ｀ヽ,(`ﾉ∠-ﾆ_ .,'〇,
.-=三-=三,'⌒ｉ三 ＼ ゝ `ｰ ' ,ゝ ヽ＼（ 廴/ﾘ
-=-=三!个 ｉ三 ﾆ=! ) ゝ ． ｀ヽヘ'-‐'ニ-
--=ﾆゞノﾆ=-ﾆ=ゝ._⌒ '√⌒ ／::｀く/三三三ニ-
=ﾆﾆ=￣ ． ／::::::::::::ヾニ-
`ゝ l ／::::::::::::::::::::ヽニ-
`くiV:::::::::::::::::ヽ_::::::: !_三ニ
｀＼::::::::: |- ｀┐_,フニ-
`ゝ::::〉-ニ-
レ'
..................................................................................................................................................
＿_
|!::::::::＼ .. -‐ ／
＼ ‐- ／i!'´￣￣ヽ__／ おのれ日本人め、よくもわが父ブリブリザ・エーモンを……！
＼ /‐､ ／⌒l ヽ
i ヽ./ / i このアクシ・ヨンカメン、かならず仇を討ってやる！
|ヽ __人__／ |
└r‐ ､_／￣￣i -┘ .／⌒ヽ
, -- ､ ! ,.＜::ヽ .!､_... -‐ ￣/ i
/ ,.‐‐! 〈:::::::::::ノ/ } .} ./､ .| （でもアイツ、めちゃくちゃ強いし―――闇討ちにしよっと）
. ｉ i ゝ ＿_.. ＜f｀ヽ^ヽ .i / ｀l
! _／ヽ_ ヾ三f´ i ! / l
∧ { ヽ .| ､ ー- ∨ |
/ ヽ〉 ノ .! ー .､ }｀ヽ､ |
/ .／ r' ＼ , ! .!
/ 「 ! ./ ヽ.＿＿ < ／ .′
{ ､ ヽ _∧ ..＞ ´ ￣ ｀ ＜__＞'
､ ヽ __/ ヽ-'ヽ |
ｰ＜ ∨ , -‐- ､ _.. -､
――――――――――――――――――――――――
遺恨を抱くポルトガル側の、闇討ちだったものの―――
――――――――――――――――――――――――
| | ∧＿∧ ／
＼ ＼＿（´Д｀；）／
＼_､ .／／ ／⌒＾⌒￣二二二二二⊃
｀i／／ ／人_ _ノ´
／ ｀iﾐ i 彡/
／ ∧＿∧ )
／ （Д｀ ）~＼ ＼ 父の仇め。これでもくらえ、リスボンの赤い雨！！
／ ／´ ⌒ー、＼ ＼
／ ／ ,入 ﾄ、 ＼ ゝ 〉
彡 ／ ／ ＼ λ 〉( ﾉ
/ ／ ＼⊂二二ノ i /
ι´ ＼ y 〉( ヽ、
/ /｀＼｀ヽ_っ
/ /＼ ＼
不意打ちとは卑怯なり、くらえサマーソルトキック！！
/)￣￣￣＼
/ ( ＼ ・ ’。 . `
/ ）￣￣＼ ＼ ‘ 丶 ∧_∧
/ |￣￣＼ ＼ ヽ ・、（｀； ）
/ ノ ＼ ヽ | ／⌒￣￣⌒ヽ
/ |￣￣＼ ヽ ｉ / ／＼ ＼
/ |￣＼ ヽ ： ＿＿＿／ ／ ＼ ＼
./ | ヽ ／ ） / /
へ、 ノ | ノし ／ /^￣￣￣＼ | / /
/ ＼ __ ,, - ' " ヽ （ ／ ／ ＼ ＼ ιuuuヽ
/ ／＼ ＼＿ /-、＿ ＼ て／ ／ ＼ ＼
/ / ＿＼ _ノ ) ＼ ＼ （＿） ＼ ＼
し」 （、∀ , ）￣ｉ ／ > ） （ ＿/__/＿// ＼ ＼
∨￣∨＼／ / ／ ⌒ / / ＿＿ ヽ ）
./ / / / / | （
（ ヽ、 / // / し’
ヽ＿つ /
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
仇の日本人もつわもので、致命傷を負いつつも逆襲したため、結果は相討ちとなった
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――
だがポルトガル人が息を引き取る直前に教会に逃げこんだため、
殺された日本人の兄弟や仲間が教会を包囲する騒ぎになってしまった
――――――――――――――――――――――――――――――
╋
┃
.／＼
.／／＼＼
.／／ ＼＼
.／／ .仝. ＼＼
.／／ i燹! ＼＼
.／／ ＼＼
<／ ＼>
| | ,.---､ と……とりあえず教会の中へ
| ,r'全ﾐ､.. | 「,|__ †_ |
| |田l田| | /. ﾉﾉ'ヾﾘ , 暴徒の襲撃に備えなければ！
| |田l田| | . 川i ﾟ.ｰﾟﾉl 《|》
| |田l田| | ﾉ⊂!| 十）⊃||
__辷辷辷辷 iﾆﾆﾆﾆﾆﾆi 辷辷辷辷 /.!＿_i. || ::∧,,∧:: 私闘で、ご迷惑おかけします
辷辷辷辷辷 iニニニニニi 辷辷辷辷'..... ~ じ'ｿ || ::ミ；o ﾟ,,ミ;;ミ
⊂;，;:,'∵;.;，;:,'∵;.⊃
..................................................................................................................................................
ミﾐY,
γ 〈 /⌒Ｌ、
ミﾐﾄ-r 〉_____ / }
γ´￣￣├杏｝{ ) //｀ヽ /
＼{⌒ヽ__｀¨´ xく ____ _// ｝/
{ //⌒／<⌒一⌒>'´ ｛=='└っ) / けっ！ ポルトガル人どもがお仲間をかばおうってか？
艾_{／／/ <ﾆﾆ> ＼ 〈_,}}y xｭﾉ
〈_／ ,/ __7TTTTﾅ ｰ┘〈/ 教会だからってかまうことねえ、やっちまえ！
／'Y ⌒Y^'|川 | {_
{_彡| | |/⌒ヽ^Y
)⌒ｒ〉y／／| | ＾Y ;ｉ |
｛, 〉圧三ｪ| |/〉|: i| |
｝ ,ﾍＬ三三:| |〈/|: i| |
｛ { }ﾆ 厂 ,| | |: i| |
r三Vｿイ Y T,乂ｿ:::i|／
-‐‐〈zzz〉工工工乂_____ｿ
（ { y ｧ==i ﾆﾆ７ ｀¨¨´
｀¨¨´ | j_|ｰ;;ｰfTｰ′
ﾔ_j_| ::::ｉ|ﾘ
Чｉ ｉ:::ｉ|
乂ｿ ﾝ′
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
このとき教会が両者共有の宗教上の最高権威だったことが、和解の「乳化剤」として機能した
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
,.:::''::´::￣::`:::.、
／┛┗::::::::::::::::::::ヽ
/:::::┓┏::::::::::::::::::::::::}
l:::::::::::::ゝ－－－－ ι 殺られたポルトガル人が、チンケな奴だったのは認めよう……
|::::::::::::） ◯ ○ （
,ｌ::::::::::::η ||||||| ゝ だがしかし。日本人の魂を救うための教会を大勢で包囲するなど、もってのほか
ゝ---η. ||||||| ゝ
/≦ ヽ .| | ≧
{ l l |* *| | l 和解してくれないのなら教会は有馬に引き払うが、それでいいのか？
{ .l l .|*╋ | .| l
/ l l | * | l l
l ---l l-- -l l
| ｀^^ ｀^
ｒﾊﾄ､:::::.、
∧:::::::::::::::＼_
V::::::::::::::::::::::::{_， っ つ
V::::::::::::::::::::::::Yゞ っ
V:::::: ‐‐- 、:::::彡 あ、あの……つい興奮してしまいました。去るのだけはご勘弁を
, ′!::::::::::::／ ヽ:::ミ
i ＼::／ u. ﾔ:::ミ
ｒi:::::::::ｪ:::::::::::::1,,__{:::::ミ 教会の破損部分は日本人が修復するし、事件の関係者は追放するし
〉''=‐⌒==‐ ´￣t）:::::ミ
i ⊃ ､_,､_, ⊂⊃人::::::ゞ 今後は聖堂に逃げこんだ人と司祭の安全を、尊重すると誓います！
∧ l ／. 〉::::::ゞ=-
/⌒ ヽ=≦ ∧＿＿___／ x≦ﾆﾆﾆ/ ⌒i
＼ ＼.○ゞ====-‐○ﾆﾆﾆﾆ=/ /
＼ } Ⅳ i ゞ====-/ /
＼ .::Ⅳ ╋ |::::::|ﾔ/ /
..................................................................................................................................................
＿＿
, ‐ ´ ｀ヽ
／..:／.:/ .;ｲ :. :.丶.:.: ＼
〃:.:./ .:./:.:/小:.: ',:.:.ヽ:.:.:. ',
l:{.:./ .:./-‐:! l ヽ:.‐-:.:.:.＼:.:.! このときヴァリニャーノは教会（＝要塞 兼 商館）の撤収をちらつかせ、
ｉ:}:ﾊ .:7ｨ=ﾐj:ハ >=ミヽ:.:ﾍヾ、
､_メ!.:i.:.ﾊ r'_;j r'_;j ∧:.:}:.fヾ 日本人を従わせる。“神の平和”コミュニティは早くも築かれつつあった
乂;ｲ.:.∧ /ｲ V:.:.|
_／ j/_:ﾉ:.介 .、 ° ,イ:.l:|:..|:.:.:.!
´/:.:,':.:.:j:|:ﾉｰf夭‐ﾍ :j:|:.:ｌ:.:.:.:! 日本人とポルトガル人は合同ミサをおこない、信心の涙を流しつつ
/.:.;ィ7´ｌ:|＼/ﾑﾍ／｀l:| ｀ヽ.:.:i
/.:/i // !| に不こ) !|l /!:.:.i 和解したという
/.:/| ヽl ｌ !|/〈/ i| ヽ｣ !| !./│:.:.i
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ポルトガル王権とは一線を画す布教組織とはいえ。「ポルトガル人家族の移住と定着」を明言したヴァリニャーノの方針
を安野眞幸著「教会領長崎」は、ゴアやマカオと同じ「長崎の植民地化」を目指していたのでは、と推測している。が……
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
‐
＿＿＿＿ ＞七千//／
ヽ///////.＼ ／///// ／
＼///////.＼ //＞―＜
⌒＞―‐ミｘ:}., ' 、ヽ ＜ Obrigado！
.／斗＝＝ﾐx. ヽ 、` .
/´ ヾ.∨、 .,
! ﾏ{ ,
! i! :!
∧ ., .,
イヽ、 ./ /. 乂
ｒ‐＜ .メ ﾞ};;≧―――‐≠――≦::::{::::!`ヽ ゛⌒i
ｰ＜ ./:::|:::::::::|:::::::::|::::::|:::::::::::|:::::::::{:::::::. ` ¨´
./::::/::::::::::|:::::::::|::::::|:::::::::::|::::::::::{::::::::ヽ
`≠:::::::::/:::::::::|::::: !:::::::::::|:::::::::::{:: ノ
⌒冖ﾆﾆ‐≠ ＝‐―冖¨´
ﾍ≦.v≧ﾉ
.ﾉﾆ人ﾆ ヽ
‐＜ ＞‐
,,､,､､,,,';i;'i,}､,､
ヾ､'i,';||i !｝ 'i, ﾞ〃
ﾞ､';|i,! 'i i"i,
`､||i |i i l|,
',||i }i | ;,〃,,
.}.|||| | ! l-'~､ミ
,＜.}||| il／,‐'liヾ;;ミ
.{/ﾞ'､}|||/／ .i| };;;ミ ､__从_/し､,
/⌒ヽr－、 _. Yﾆﾆｺ iﾆニｺ i|,];;彡 ｀ ､) そ
モ.や.i! ::.'´ / ･ヽ. ifｴｴi fｴ:ｴ) .H;;;ﾐミ ､_） ふ家 (´
.ヒ..っ.i! ,, `●. { ＜ ｧｿ '';;,;'' ﾞ};;彡ﾐ ） .え族 て_
.く た i! r－､ ｰrｲ ﾞi !ー―'j .'~ ||^!,彡ミ ＜ るが （
ん.ね.＞..ヽ :::､==´=} ﾞi .｀ー‐' .;;:;li, ﾞiミミミ=｀) . よ ,ゝ
！ i!ヽr=> `ﾍ>V⌒)''}￣~フハ,“二ﾞ´ ,;／;;'_,;,7''~~,-'':） !! (
./ |'/,ﾌ7 /⌒i://_ / | | `ー-‐'´_,,,-',,r'~`ヽ';;:;;;´⌒V＾'^Y ｀
`ー' ､' ' ﾚi ノ',r'~ `V ヽニ╋ニ二､-'{ 十 ）＿＿;;;;/
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「植民地」は現代人・安野氏の定義。当時の意識では「布教と交易の拠点」に、日欧の融合社会を創りたかったのだろう
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
, ' '´￣ ヽ ヽ
／／ _ .. .:-‐ ─ .._ ) )
( ( , '´ '´ <,
＿＿＿ ,
.,. ＜ ｀} ,／ ／}. ,. .| ＼
／／ ｲ .メ､_＿∠:'/ / } }＼ ヽ
/ / , , '::| ,≫≠ｘ /ノ |八__ヽ|_ .}ヾ､
/ ／′ ,' / |::| 〃｡z:=､ '’ / ,zzx.|､ .} } ｀ ､ ､__人__人__人__人__人__人__人__人__人__
ﾞ´ .i , | / .|::| {{ {心::::} .r=｡､'}} } /} } <￣ _）
.| , ' l ./ /:/ ⊂_ゞ-‐’､. {じ::}} |!ﾉ .,:1 !/ ＼.. . _） 要らんわ、こんな融合！
{ / ,' i｜ ,ム'| |ヽヽヽヽヽヽ ﾟ-‐'⊃}.ノ .| |:| 丶＼.. .. _）
', /.| ! ',|./{ ,|l .| ／￣｀ヽ､..＿. ヽヽ/} i .|!:| }＼}￣ _） いますぐ攘夷を決行して！！
∧ { }'| i:::|ﾞ , | .l v' ヽ) ,.' .|/|::| / ）
/:/ ヽ .| / {::|!. ｀! |. { ／ ／| | }|::|/ ⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y
. /:/ V' |::|}／⌒ヽ-｡. _ ‐--‐ ´ ,.イi .| /|/|::|
/:/ |／ }ヽ＼ 7 -i‐へ,/ | |／ |::|
:/ ,' {.ﾞヽ／>､ ヽ／>､ L_」 |::|
/ ､ γ へ< Y ヽ ./:/
, '" ￣ ｀ヽ っ
c /／ u .＾ヽ ', っ
.///f / j ヽ ﾍ ! すんません。痛恨のＡＡ選択ミス続出です！
ノｲl | ﾚﾄ'Vハ斗ﾄ､_＞
lﾊj | ＞ ＜ |ﾚV ）） 配役チェンジしますんで、もう少しだけおつきあいを！
（（ ﾉ火ヽ"V￣}"/ﾞ) {
// 匸 }>示iくこ八
.// ! / /《小.》｢｀ヽ ヽ
..................................................................................................................................................
＜と、いうわけで。出でよ みんな大好き金髪美少女！ お口直しの差し替えＡＡキタコレ＞
＿＿＿
´ ｀ /〉/〉
／ ＼/○ﾊ- .,
, ／ < Ll| ＼
／ / l ﾄ､ |＼__＼-ﾐ ＼‘， ＞
/ / ∧{＼| ＼ 廴 ＼｀ ヽ＼＼ ', ', ､＼
. ′ {人 ｨ´ ___ ￣ }ヽ}ﾊ}ﾉ! ﾊ＾ ヽ
ﾚ{ ヽ{ ｘ=ミ ｸ_)うト､ } ／ }: 人_
八 :〃ｌ 0 ｌ ｌ 0 | } }／ 八 (｀ =‐--- '
ヽ{ヽ } ､）ﾉ 、 )ﾉ ﾉ- ､ / ー'
}/}/// ' /// /⌒ }
{ ( ノノ Japao...
、 ¨ ィ^ｰ ´
＞ ＿_ イ⌒)
∧ |＼
逸話モブ（演者 ： ＠きんいろモザイク勢）
_ ＿ ｨｆ^rｘ、
⌒>'´ く||○|| ＼_
／ ／ ＼)＼i|| ヽ
人 // | iﾄ､ ∨ハ ﾉ
)//l ./ﾄ ∧ |／ |/ /} (
/∧|..:/ ∨ ＼| ＼| // ＼
r_､ ／ 从 =≡ ≡= |r'∨/| _} わたし達が日本にいられるのもパードレ様のおかげ！
X^/⌒ﾞ ( (ﾊ '' ''' _人__ | (_
`ｰ- .. ｀ ﾉ介 _(_ヽ.. イ ⌒)ﾊノ 感謝の気持ちを忘れずにだよー……長崎市民の皆さん、
｀ ､_.. __」[_|／> 、
｀ _{[_,,. ´__]} ＼ 力を合わせて聖なる教えの町を守りましょう！
| /╋ 〈 ＼ 丶
ﾉ.〈∧ ∨〉 {ヽ ＼
〈 | | } ＼ ＼
ヽ､人＿人＿人＿人＿人＿人＿人＿人＿人＿人＿人＿人＿人＿人＿人
､）
_) ポルトガルっ子ポっちゃーん！ ぽ、ぽーっ、ポアアーッ!! ポアーッ!!
）
⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ
|| |! / ／
|| | / ／
ポアーーッ ,-‐-､ ／ ／
,. - ─- 、 |_!_!ｭ } ／
/ ノノノノハヽ `'}‐┴､ ポ、ポォォォーッ！！
i ,-､_{＿＿＿ l' ,. -─- ､ ｛￣｀{ ／
} | r} ` / -' | |`i ／ ,ﾍr^､ | }_, ,! -‐- ､ ／
{ 'ｧ' `ー'/,_ ）!／ﾘノ二二jﾉノ`i, / ＿i
,-ｿ ､ ノ/ﾆ| `i／/ - r {⌒ / |＿_∠＿_,へ ／￣￣ヽ ,-rrr､
/#＼ ､ `='ノ iﾆij ,ﾆﾞ | ｀i /| r､/＿＿,|￣/ ノノﾉij iっ,!,!,!
＼＃i＼ ￣,ﾉ`i ヽ |r┼-､ i' v{_ （__ﾊ_! | _ノ^i'_ﾌ'i,! `i {
＼i＃|＼==|/`|＼＼`ｰ| ´|ﾆ､ヽ | i ` ,.-ｉ{ }､|- ,-'i |＼_|>
＼|ヽ ｝ ﾉ i ＼ | 〉' `ｰ'/ ,<j 二ﾉ /ｿ ヽ._`ﾌｧ-ｧr{`ｰ-1
Ｏ|/╋ |l/ i ﾉ´| / /_ノ＼＼ "{ヽ /ｉ｢|i､rr､/|ﾍ! /ﾉ |
| ﾘ /∧ V_i/ ヽ_|＼ノ|ﾍ !| !|.| | |/ |-── '
|０` | / ヽ＿/|＼ ､ `| {| |゛゛|╋ |
| | /ﾉ | ＼ ﾘ ╋ | ﾉ ri ﾉ |
-‐ ￣￣ ｀丶、
／ ヽ 当時も適齢期の白人女性の容姿は、概して日本の男性に
/ / /〃/{ { ヽ ｀ヽ. ∧
ｌ / /斗/ハ ｨｰ‐ヽ ∨ l 好評だったようだ。それを示唆する説話が、残っている
{ { ﾚﾃく ヽ＼{ヽ＼ ヾ│
乂l f r'ﾊ __ 7ﾊ＼ﾘ l
(⌒⌒) .八,}弋ｿ ''⌒ｿﾉ ） 八 面白いので、すこし煩雑になるが紹介しておこう
. ヽ〃｀ひ､ ノイ }ゝ" ｎ "" { {´ 丶＼
／ rz-､_ ,＞‐r＜_∧!＞､ ＼丶 （※ ただし＞１の演出が混じっています）
. , -‐" とノハ/ ヽ{>ﾛ<ﾌ〈. ヽ ＼
// ／ / ヽ､__,／∨{ j>＜__〉＼ 丶.ヽ
. {八 〃 ﾊ { /{ / 大 , < }ヽ } }
)/ ヽ（. ヽ人{ >‐ヽ/ j ＼／ ∨} ﾉ ヽjｲノ
" ｀ ′ ヽ ﾍ_,ん</__j＿{_／ (（ ( "
/ / | l
/ / .| l
/｀ V ｌ .,′
｀ｰ'′ ├-/
￣
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
=================================================================
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
／ ‐- .,, ＼＿_,ノ
/ ＼`ｰ-----＜
. ,' ＼ ＼ ｀ ,
. { ＼ ', ､ ',
. { { { ＼＼＼', ｝ ｝ } } そんなわけで―――
八人人 ／ ,.、ヽ } ｜ ｜ ! }ﾉ
}::ヽ r'ﾟじ ．} / | } } },ノ 私が南蛮娘役ということで、よろしく
ゞ=彳:::::} ､_,.ノ / } } /,ノ,ノ
. {:::::〈 ｀７ / / ./‐'´
八{:::::＼ - {／{ ／／ ',
. ヾ{ヽ::＼_,. イＶ{／ ／￣ヽ
}_;ノ}_;ノ ',／ ,. -―',
/{ .／ ､',
/{/{/ ' ',
/./ / ',
{/ / { }
／／ } ',.:|
, '／ ,' }:|
/ / ｛:|
逸話モブ （ 演者 ： ＠四畳半神話大系 勢 ）
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慶長10年（1605年）の話。相国寺という、島原に取り残されていた寺の春千代なる稚児が、南蛮人の娘に一目ぼれした
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
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／: : : : : : : : : : : : : ＼
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : .
. ′ : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
, : : : : : : : : : : :i: : : : : : : : : : i
. / : : : : : : :i : : : :|i: : : :/.:i : : :ハ
. ／ : : : : : : : ﾉ＿__ﾉー-ｲﾉムイi: : :
. / : : : : : : : : : :{二,,_ ｀ '´___,, ﾉ : :∧ （ 困ったわー。自然が私を呼んでいる……
. { : : : : : : : : : : : v::::广 ｲ:::广7 ／ : :ヽ
. ヽ{: : : : : : : : : : :＼ ・′ : : : : : ） 海辺の岩間に身を隠して、ちゃっちゃと済ませちゃおっと）
. ＼: :ｉ: : : : : : :(⌒ ' ﾉ: : : : ﾉ :／
. ｀｛＼ : : : : :＞ ‐ イー==彡
ー-(⌒} ｛
. _＿__┌┴ ‐く＼_＿__
, ＼ ,小、} ｀ヽ
. ′ ヽ∧|・｢ ヽ } }
ｉ ヽ ＼} ・＼ ﾘ ＼＼
∧ } ｰ=彡' ヽ ＼
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
|: /
ｘ ＊ . . --―‐- |/-―- .
(⌒) . : : : : : : : : : : : : : : : : : : . : . . .＼
(⌒※⌒) ／. : : : : : : : : : : : : : :／⌒ヽ . : . : . : ヽ
． （__人__） /} : : : : : : : : : : :.: イ´ ‐-ミ |: : :/: . : . : .
ｏ 乂 : : :／⌒ヽ:_:／ | -ミ Y :/: : : : : : ;
* / . : :/ jﾉ ､ ｛:ﾊ Ⅳ}: : : : : :/ 栗色の髪も、青い目もうるわしい……
(⌒) ′ : : :| ＼ __,ノ_厶: : : : /
(⌒※⌒) 人: : : : :､_＿ ｛ry 〉;／ 南蛮娘は、羽衣をまとう天女のようだ！
（__人__） ＼: : : : : :{ _＿__ ｀∧´/: :}＼
｡ ＼ : : ∧ |::::::::: ｀ヽ ヽ=く｛￣
／｀ヽ=ミ__ ___ {: :/ | ｀ヽ::::::::ﾉ ﾉ
r‐┴(_＿,,ノ-┴‐-｀＞ｘ ﾘ' ､＿ﾉ／ ／ まずは、名前と住所を知らねば話にならん
／:ﾉ.:／ Y --､／ ／
／:.:〈 j_／ ｛ ＼ ／ 後をつけてみよう！
:.:.:.／ヽ___ / ﾉ / ヽ ＼ ／ ｀¨´
／ ｀ヽ/ / / : ＼ ／
′ , ｉ ヽﾍ (⌒) ｏ °
/ ,′ | ／）＼ (⌒※⌒)
. / ′ | ／／ ＼ + （__人__）
/ ｉ |＿__／／| ＼
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
春千代に尾行されているとも知らず、南蛮娘は海辺で大きな岩の下をまわった。春千代も急いで
岩の下をまわったが、ふしぎなことに娘の姿は消えており、岩に白波が打ち寄せるだけだった……
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:::::::::::::::.:... ...:.......: :;' ';;::::...: :.. :. ::.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::: :... :.i i .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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::::::::::::::............: .: ..: :ヽ ..... ...:::: , : :.. :.......:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::.:..: :.. ... `' ‐ - ‐ ''": .:..: ..:: .::::::::::::::::::::.::::::::::::::::::.::::::.:::::.::::::.:::::::.::::::.:::::
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^＾^
^＾^ ＾^＾^ ^＾^
／￣ヽ
| ヽ ＼ ＾^＾
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,/ , ヽ,,,
''''''＿＿ ／ |＿'''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''',,,,,,,,,,,,,,,,,,,
| / ＼ ヽ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ー―――'''''''''''''
/ ＼＜ ﾌﾞﾘﾌﾞﾘﾌﾞﾘﾌﾞﾘｭﾘｭﾘｭﾘｭﾘｭﾘｭ！！！ﾌﾞﾂﾁﾁﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾁﾁﾁﾁﾌﾞﾘﾘｲﾘﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞｩｩｩｩｯｯｯ！！！！
＿＿/ , ' ヽ |＿＿
/ | ￣￣￣￣ー――――
' '''' ''' ' '''' '''''''' '' '' '''''''' '' '' ''''''' ''
/..:::::::::::::::::::::::...｀丶
. ⌒^´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::...＼
/ ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.... ..＿__
｛ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ∠.
::::::::::::::::::／|::ﾄ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: _ノ しまった―――見失った。手がかりゼロだ……
V＾j:::::::::/ |::; ＼__:::::::::::::::::::::::::／
｛::::::::::::ﾉ -‐ﾍ::、 ¨＾＼::::::::::::::/
∨⌒｢Y ‐ヵヽ___/ ヵ‐ Y]:;厂 だが、諦めないぞ。意地でも探し出してやる！
八 ヽ..__ノ j ヽ.___ノ / ノ
ｰﾍ . /¨´
＼ ,...、 ／
_〕 ..__. ｲ_
_.. ‐=≦[ ｌ l ]≧=- .._
／ ＼ ／ ｀ ､
/ 丁二丁 ヽ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
数日後。探し回ったあげく神父に出くわした春千代は「同じ南蛮人なら知ってるかも？」と思い、問い合わせた。すると…
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
┌
│ お悩みから救って進ぜよう。では、教会の中にどうぞ
│
└───────────ｖ───────────┘
:.:.:::::::::::::... ｶﾞﾁｬ …… .:.:::::::::::::::::.:.
.:.:.:::::::::::::::::... ..:.:.:::::::::::::::::::
:.:.:::::::::::::::::::|＼ 二二二二 二二二 ／|:::::::::::::::::::.:.:..
:.:..::::::::::::::::::|::::|l ＿ l|::::|:::::::::::::::::::::::.:...
.::::.:.:.:::::::::::::|::::|l |†:::::) :l|::::|:::::::::::::::::::::::.:...
. .:::::::::::::::::::::::|::::|l (::::::::;;) l|::::|:::::::::::::::::::::::.:...
＿＿ : :::::::::::::::::|::::|l .ん:::::::ゝ l|::::|::::::::::::::::::::::＿＿
￣￣|::::::::::::::::::::|::::|l |::::::::|〜 .l|::::|:::::::::::::::::.:..|￣￣
|,,＿＿＿;;|::::|l＿＿_/;;;;;;;;ヽ＿＿,,,l|::::|:::::::::::::::::.:.:|
￣￣i| : : ::::::::::|／￣ ￣ :::::::::::::::. ￣￣＼|:::::::::::::::.::.:|i￣￣
￣￣.:.::::::::::.:::..:. ..:.::::::::::::::::::.:... .:.:::::::::::::::::..￣￣
､
. ヽ}:Y（
ﾉ::::::::ｰ-
..:::´::::::::::::::::::::::::｀丶、
／.:::::{::::::::::::|::::::::::::､:::::::::ヽ
. / .::::::::::ヽ -┴- .::ﾉ :::::::::::}
ｉ :::::{::::／ ｀ヽ:::::}:ﾘ ステラ・マリスの像の前で、あなたの苦しみを懺悔なさい。救われます
､::::∨ ‐､ / Y::/
. __厶::{ ＼ヽ 'ﾉ 〃⌒Y
｛ ｰ-ヾi i⌒ / （＞１の意訳 ： 改宗予備軍ごあんなーい。話は改宗してからだよ。
. ＼ l __＿＿__ ＿／
,. -‐｀ ￢ ｀寸VVVVVア｜ヽｰ- .._ ヨーロッパ女性は100%キリシタンだからね。異教徒にはやらないよ）
/ ,.ゝ､ ＼n_n_〆 ﾉ } ｀ヽ
. ′ / ｀ ー-- ＜ / ｜
. i _＿＿_/ ∨ , |
. | : : : : / 人_＿__, i ｜|ﾉ / |
ﾉ : : : / / ｝ﾉ ﾉ,ﾉ ∨ |
γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
｜ どうです？ あなたが懸想するその娘より、さらに神々しい御姿でしょう…… |
乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
, '"´ﾞ 丶 ､
,／ _ ＼
/ /／~~ ~~ﾞ＼l ﾞi
,': : : ,' ,､ ﾞi ﾞi
i; :; .,' ;;;､､ " ﾞ ､､,,,i ﾞi
i';:;:;. l ",,,,,,, ,,,,,,,, ', ﾞi
.i;;::;; | ゛'=='''i "==''ﾞﾞ | ',
,':: ;; l, ;} ;| '
l ; ; |' , '､., /| '
/ : .|l:::lﾞ ､. ￣ ,, " ;;| ﾞ､
/ :. il::::.}::::::ﾞ"''" |l :;| ヽ
./ :. i!l :|:::::::: |l :| ＼
／ : ; i!!l ﾉﾞ ､,, ,, "', ':| ＼
／ : :; ; i!!;(ﾍ';;, ﾞ"" ,,ノﾉ,''i| ﾞ､
/ ;: :; : :: ,!l; ;ﾞ､;;, ﾞﾞﾞ"" ,,/ ,' :l| ;: ﾞ､
/ ,:; ;:; : :: : i'i; ; ﾉ＼_ _／i ; ;|i ;: : ﾞ､
/ ,:: :;: ,: : : il 丿ﾞ､ ﾞ" ,' ﾞ､ ' i| :; : ﾞ
," ,::; ::; ,; : i| i":; ;; '| ; ﾞi
i ;: :;; ;; : i|,, i ,,, / ,;| ; |
i' ;: :::;; ,:;; ,li__,ノ. ..l | l ﾞ､ :;;| ; |
l ;:: ::;;:: ,;;;; | i | ', ,' ;;ﾞl ; |
..i' ;: ::;;;;' ;;; | l | l /,,;; | ; |
.i' ; :;;;'' ;; | ﾉ .| l ;' ;. | .; |
i' ;;;' ;; ::: i|._:,,,,,,,,;;ﾉ | ﾞ､__ ; :;;| .; |
| ,;' ,; ,; , ;: ; ; .;i ,,,;;;人;,,_;} ij ' ﾞ､ﾞﾞﾞi, ; |
|::;::' ;; ;;; ; ; ; ; l';';' ;';'j :;;; '; ''; |
-ﾐ└'´.:::::::::::::::.... ＼
／ ...:::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ヽ
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ',
.::::::::::::::::::::::::_,ｲ::::::::::::::::::::::.. }イ
{ .:::::::::::::::::::::::/ ‘;::::〈＼:::::::::::::. ＞
-ｯ'´乂_）::::::::::::::::::::::} __ ＼:.＼＼:::::::::: ノ¨´ _
／ / ]i :::::::::::::::::::::ﾉ '⌒`ｰ `'￢,小丁}丶､ ／ 弓
.:ｯ'´ / 八/⌒ヽ::::r' / 六::)' }-ﾍ、 {/＿__ ∠´
/:/ 〃 { { ｀「 { 丿 ヽ｀¨「 ￣￣
/:ﾉ ‘ ` ｰ‐ ﾞ´ /
/::{ ； ﾞ. ＞ｒ‐'＾ ＼ ,.., / ……これは、いかなる女神の像なんだ？
｛::八 } ＼ ＼''"ﾌ｢＞ ..__ ／
’::::..＼ﾉ ｀丶、 ヽ ＼ﾉ::::::::::::｢
＼::::} _j、 ／ヽ::::::::ノ
｀7'＾ ::｛ 厂└'ﾞ
｀７ .:::::::::〉 ﾊ
＼::三{ ｲ::::} ﾉ^ ‐ｭ
¨气 ﾉ⌒¨´ _弖
＼___ .. ｘ<＿ -=''
r／＿/,. -‐ｧ‐-､,_ ヽ,}_
,イ´ / ヽ､ ヽ,}､
/ / / /, ヽ＼ ヽ}、
/ / /l、//! ! ヽ. l,}ヽ
! ｉ / .! ＼ | | ! l ヽ!} !
! | i | l ! | l. | -┼‐ l |ｌ |
! l､ l ヽﾊ| ヽ!ヽ!＼. ! 、 ! ,!! |
V| ＼|、_＿_-, __＼! ＼ | / l. l
| l i ￣￣ ‐弋ｚク７}/ ,ﾊ. !
| l ! "" ￣ ｲ }'ｿ !
| l !、 , ""/ ,'´ 丶 ,. -‐ ☆
| | ! 丶、 ｀ ￣ ,/ / /＾! ´ヽ
| | !、 `_,_ｪ- -r － ''",′,' / ,/ 丶
| l. ! ! ヽ,r'´::{ _r '`ヽ, i ir '-､＾ヽ ヽ ヽ
| l! l Kく. >ﾍ､Ｖ´;::/:::v' ヽ,ｌ l{__r ' 〉ヽ i i
!ハN::::Y::::::::::`;／:::::::Ｖ´ ,! !`ヽ`r‐ ' i. l |
／:::::::::::::,.{::::::::::´::::::::::::::::! /l. /::::::::/ ! |ヽ!
＼:::::::::＼丶 ;;_::::::::::::_;;;ノﾞヽ! /:::::::;/ ヽ | l
＼::::::::::ｿ::::::::::::::::::::::ヽヽ | ! ￣i､ ｌ ,l ,′
. └`=,/＼:::::::::::::::::::::, ﾍ. N ｌ 丶 !、 / !/
/:::::::::;`:::::::::::イ::::::::ヽ! / ヽハ/ ′
,′:::::/::::::ｉ::::::::::ヽ:::::::::', / ′′
聖母マリア（生没年不詳だがカトリックによれば9月8日生まれ）
ナザレのユダヤ娘。日本国の守護聖人
（演者：リリアーヌ ＠怪物王女）
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
.. ―-､
／.:::::ヽ／ ＼
／.:::::::ｰ-′ ＼＼_＿__
ｰ=彡:::::::::::ｰ-i ＼_ﾉ） ﾉ 海の星の聖母。無原罪の御宿り……
⌒ヽ:::::::::::ｰ-ﾍ、 ／
i::::::::::, -一￢ ￣￣／ すなわちイエズスの母マリアさまの像でございますよ！
乂:::::{ ⌒て ／
｀≧=-イ / ＿
トﾄ､ ﾄ､ ／ : : ＼＿_ノY´ ノ＿
ト|｜{ | | ／￣｀ヽ: : : : :_:_:_／:}＜＿,,ノ
ヽヽヽ｀| にｰ┐ ＼: : : : : ／ ＼
＼_＿__ ｜ ｜i ￣￣ :
| | |,ﾉ ╋ i | i
｜ | | |ﾉ |
.ィ ＿
（::｛_／..............丶、
／ ..:::::::::::::::::::::::::...＼
/ .:::::::::rﾍ、:::::::::::::::... ｀ フ
乂_）::::::::ﾉヽ､＼{＞ｘ::::.＜
（:::::;三/（ ）-{（ ）/￣
Y 「 ‥ {）
ヽ.._ 、 ／⌒ （要するに、切支丹の女神だよな―――待てよ？）
ﾄ､ ´￣ﾉ
| Tﾆ´
-‐…=ﾍ. v‐- .._
/ V冖ﾍ ｀ヽ
、 ｝ ｌ l ’、
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
春千代の師匠である相国寺の住職は、当然のことだがアンチキリシタンである。つねづねこう言っていた
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ｨ:´: : : : : : : : : :､
r:/: : : : : : : : : : : : : : :,:
/::/: : : /: : : :;: :/V: : : : Vﾊ
f }:: :{: : : :;: : : ::/}:/ V:',: : : }: :',
{..|: : :,: : : l: : :/ ,:/ .V}: : :,': : :,
ﾊ }: : :V: : :}: / / r＝x: : :，: : ::,
rｨ Y ､,:V: :ノ ,じ:ﾒ: :/: : : : :,
r´},ィ示ミｘ､V', ;:/: : : : : : , この島原に残っているお寺も、今やこの相国寺くらいなもの―――
/-≦; ; ; ; ; ; ;y ヾ ヽ､ ＿ ,イ /}: : : : : : ::,
V; ; ; ; ; ; ; ; ;;' :j ::{､ |: : : : : : : , わが弟子たちよ。せめて、そなたらだけでもキリシタンには染まるなよ
V; ; ; ; ; ; ; ;;}＜ >､_ <´ ＞､__: : : : : :
}; ; ; ; ; ; ; ;; V /r=:j､ / / :ヽ,: : :
|; ; ; ; ; ; ; ;} V/ ｝;｛ ,:V/ } 卍:}: : ::,
}; ; ; ; ; ; ; , ﾞ ; } ' j＿_ :;: : : :,
|; ; ; ; ; ; ; | | :| r―t:/ ￣ ,': : : ::}
|; ; ; ; ; ; ; | | :| / /: : : : :|
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
／＼
____ ／
__ （ r' ___ ／| }
／ ｀` ´ ｀>' {
／Y⌒Y〉 ,′
｛ ／7 ∧／ 'ｰ∠ {
／>'ﾌ´￣｀`ヽ /⌒Ｙ { /／｀ﾞ __.. 、 ,>､_ ＼＼
└(....（_ノ { Ｏ ｝` ..._ ＿ ｛ （ __)､>ﾍ } ｀¨＼ ￣
V ,ﾉ ｀Ｙ｀`ヽ、 7 ／ ﾚ〜‐┘ ...__ ＼
｛_/`￢x、 / ｛`叭 r／ , ＝ミヽ[￣ （あれ？ つまりロミジュリ状態っていうか、
〃 ｀ｧ' ＼/／//>、 __⊂(_,ヶ ヽ}
｛ ／ _. ／｛////ﾊ／///>｛ └しj } 俺の片恋って、始まる前から終ってる？）
｀7¨´ ／ V//////////∧ {_/
／｜ '<///////>' ｝_／
｜ ／ ； 「`<//>'′ /
！ ／ ｛ |／V´ /
]／ } /
{ /
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その夜―――恋の病に煩悶する春千代は幻影に誘われるまま、教会に忍びこんで聖母マリア像を盗み出す
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|
|＿∧ ｿ〜…
|´∀｀）
| ／
|. / ←春千代
|/
|
___
'´,ｨf尖ゝ
| ´iﾉﾉ从 〉
Λj (ｌ|｀ｰ´ﾉ|
（ .ﾉ⊂ﾘ美)ﾘつ
（ つノ爻爻ヽ ＜ さあ、一緒に参ろうか……
｜ ..`~じｿ~´
（_＿）＿） ﾖｯｺﾗｾ
………………………………………………━||：
＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
≧ ＜
≧ 浄土にて結ばれようぞ！ 南無阿弥陀仏！ .≦
≧ ≦
／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼
ざ っ ぱ ー ん
ﾟ ﾟ ｡ ﾟ ﾟ ｡ 。 ﾟ ﾟ ｡
ｃ ,,, , ｡ ﾟ ,,,,_ ｡
ｃ/´ｃ" ﾐﾞヾ'〜'〜 γ´'" ミヾっ
ｃ///,:'⌒ヾヾ vヾ' ////,:'⌒ヾっヾっ
ｃ"ｃ,, ｃ" ﾟ ｡ )､ 〜''^' ,i// ｀ﾍっっ
ｃ ﾟ |i|!) ソ !li,'i,( ﾟ
ﾟ ｡ i ノi|!ﾞ.;il| ,,iｌｌ! 。 ﾟ
・ ｡ ;､ ノiｌ|! .,:;. ｊil;:ｖ'ｌｌ!ヽ ・ ﾟ
〜'〜'〜'〜'〜'〜'人人,,,人〜'〜'人,,人,ﾝヽ､。〜'〜'〜'〜'〜'〜'
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そしてその聖母像を、南蛮娘を最後に見た海辺まで運んで、念仏をとなえながら共に入水したという―――
禁じられた恋に狂う彼の目には、マリア像が南蛮娘に見えていたのである（出典：谷真介「キリシタン伝説百話」）
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
□
┌──┐
└──┘
┌──────┐
└──────┘
/: . /: . :/: .;ｲヽ: . ＼: ＼: . : . : . : . ＼: . ヽ:::::ｲ-
/:/ /: . : j: . | | ＼ . :＞:‐＼‐:‐:-: . : . ＼: ｷ;;／二ヽ、
,: /: ,′: .:.|: .:.| | `く . ,rテ气ﾐ､┬i- ､: . ヽ:':;;;;;ﾆ二:ヽ
j/ｌ: .|: . : .:.| ,斗1 Ｙ.Ｖi ::: レﾄj: |) }＼: V::::::｀ヽ ヽ', 何気に、ハニトラ布教があったことを窺わせる伝説だったので
|! |: .|: . : .イ ,.rテミ V､:::_ ｿ |:.| ノ: . :ヽj.:i::/i:ｉl ',
|! |: .|: . : .小〈.Ｖi: ﾊ `ｰ '′ |:.|::::::::::::::〃!:l::ll ご紹介した。現在でも部活・宗教・政治運動に、ついて回る話だ
l! |: .|: . : . }小.弋zﾝ xww j:.j::::::::::::〃!:l::l
ヽ:j: . : . ﾚ1ハ wx ' _ ., ,.ｲ|:.|ヽ::／l:i::';:l:ｌl
丶jヽ: /|:.|!: i＞、 ／ |:.|-┴ ､';:ヽ:ソ フロイスも、キリシタン娘が求婚者に改宗を要求し呑ませて
ﾉ ヽ/ |:.|｀ ー .ｧく ／|:.| /＼
_ノ |:.| / |:.| ／ いたことを、（もちろん美談として）紹介している―――
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
. ,:^:::.:::::.:/:::.::::.:;:':::.::::.::::.:1:::::､:::.:::､::::ヽ:::.::::.:::::ヾ;:ヽ
/::::/:::.::/::::/:::;ｲ:/::::.::::.::::i:::::kヾ:i､::::.::::ヾ ､__,．:i;:::'、 ∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
.':::/!:::.:::j::::/::::/ﾚ1:::.::::.::::.:}!::::lﾍ 'll>i::::::::ヾ ) ( .:1:N z ..＜
;':/ j::::.::::|::::j:::7､j! レ=-ー'ﾟ ^"／,.'｡ニﾐT^::. ⌒..::::}!::ヽ ﾐ ....＜ 当たり前じゃないですかっ！
{7 lj:::.:::jﾚ:r''ｒー-ﾐ= ^´r':ヽ ﾘ}:::/: ::::::.::::l::::::::、 〈_ .＜
{! ^''フ'´:::::い. {::::1 i;::::} !:::. ::::.::::.:::|:::::ｉ:ﾍ ,｝ ..＜
./::;r:::.::ﾍ丶 ヾ::ﾉ ///// '‐ﾞ// /::;r'::::::::::::::i:::::1:::! > ＜ いつ迫害者にジョブチェンジするか判らない
Σ /::/:::::.::::∧ ////// _,....,_ ./::/::::::::::::j:::::;:::::j!:::} ...＜
Z /:/::::.::::.::::::１ ,rー‐'"´ ヽ/:/:::::.::::::ｼ|::/::::/1:ﾘ .＜ 異教徒と所帯もって、どうするんです？
i::ｲ:::.::::;r|:::::::'、 { i:j1::::::::;r:=jﾉxjｼ’ l/ .＜
lj {::.:::/ l::::;ィ:｀丶..ヽ _,.｡イﾍ:::::/ﾞ../:::.:::.ヽ ' ＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶＶ
{! Ｖ:/ .ﾚ^ l-‐'ﾞ7イ｀:'::::r‐＜´ ／ ,∨.:::/:::.:: :::.:::、
｀' /::::j::: ::.::| ,rﾍ、 _,ノ'┐:::ﾘ:::.::: ::.:::.:1 z
レ‐ミ::lニニくjｰヒ-r―‐ヽ{:::.:::.､:::.:::.::i, }
ｊﾞ r'^.．へ.ﾄk _<,.j__lﾆiＹﾞ´, ヾ:::.:::.::￣^::7 ｀
｝ { -=ーvﾉ:{'^╋/ ･Ｖ1Y´ . ヾ=、:::.:::.::ﾍ
,.ｨj ｰ-ﾉ::::://../ ・ ヽ Y´ Vj:::.:::.:::.:::ヽ
, ‐ ´ ￣￣ ｀ヽ､
／ ､ ､ ＼
,.'.／ .:/ ;小:.. ヽ:. :＼:.:.ヽ
. //:.:.:.:/.:./:. ./ i ヾ:.:.丶:. ...ヾ:ｰ'､
//,':.:... :.:厶:./- ヽ 弋:.‐＼:.:.:. 丶:＼ あー、また変な飛び入り単発キャラのキリシタンが……
! |:l:j:.:.:´/ ｨ天t､ ｨ天女､-､:.. ﾍ､:.ヽ
! | :.!.:.:.:ﾊ´ち;;;j ち;;;;j !K }ヽ:.､.! ヽ! だが流石にこの脱線パート、そろそろ切り上げた方が―――
ヽヾj:.ノ小 ｀::::. ' ::::´ ﾊイ: |｀ﾘ ノ
､_ノｲ:..:.:ﾘ;:ゝ-‐っ ｰ- ｲ:.ｌ::|:. i |
／´/:.:／ ‐＜＞.､ _., .イ_.l:.:ｌ::|:. i |
／＿/∠ ｧ┐l !ﾉーｿﾉl ￣ ヽ､｣::|:. .:i:ﾊ
, ./´ ｀∨イしﾘ / ハ ／ ヽ￣｀ヽﾊ
／ |=＝＝=､∧/ ＞‐/{ヽ‐‐< l l ヽ r/７-､_
, ' / / / 7〃 {{ヾ〉＼ |／￣ | 厂し' / /┐
. / / / ／ {{. ＼ | | ,/＝(_/_/_,人
| / / イ o. {{ ＼| l/ 'ヾ､/
. ///////////////,l}////∧//////∧
/////|//|////////,||/// } ∧//////∧
. //////|//|∨l//////|l///ハ ∧//////∧
'//////l/斗 ￣￣￣ 二 ., L'/|////////,
/////,|l/｣／⌒ ｀ヽ |////////,l そうはいきませんよ。“ハニトラ”なんて斜に構えた、21世紀
/／|/|//, / |///////}/|
. |/l､//, '///////ﾊﾉ の神国サイドの視点で言われっぱなしにされては……
. ∨ {/∧ ＝彡 ////////
|//∧ ＝彡 , ""ムｲ⌒)／
|///ハ"" , - ､ __ ／
|/∧/人 ､ 丿 ／Vﾚ
∨ Ｖ ≧=- ... イ{
r ､＿ _ ノ⌒ﾉ У⌒ー ､
r─ ' ヽ_ /|:::::::::::/ ／::::::::::／⌒
ー─‐┐ ﾊ / V:::::::{╋｀ /:::::::::::／ , |
_..く ＞…・― ＜)ーｭ
. /＼<／ _ 斗r__)ニr＜_)｀ヽ＼ヽ
/) ／ ／(_)__ノ::::::::::::::::::::::::::::ヽ)＼
[_ / /__）:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::⌒)
/:::ｺ.′′)::/::::::::::::::::::::::::|:::::::ﾄ､:::::::::::::::.
|::::} ^v、ｲ:/::::::::::/|:::::::::::::|:::::::| |::::::::::::::::| 現にその「キリシタン伝説百話」にもキリシタンの潜伏時代、
|::::{ O〈::::〈::::::::::＼L:::::::::::|::::::／:::::::::::::|ﾘ
|:/, |::|´＼:::::|￣ , u ,￣::::::::r' 入り婿に密告された一家の、哀話伝説があるのです！
〈/ .:::| |＼〉::| ∩ ∩ .:::::: |
|:: .:::::| |::::::::::| ∪ ∪ {::::::::
〈/:::: |_|::::::::::| ''' '''u八:::/ あるとき平戸島の潜伏キリシタンの家庭に、素性の知れぬ
＼{＼|:::::::ト.... ー イ::::::/
///ハヽr⌒ヽ: l＜_:::/j/|/}/_ 流れ者が入りムコしたのです―――
i////// ヽヽ |┐╋:} )/ハ /⌒＼
////／＼)ﾉﾉJ ｀ー―――ｲ // ﾉ
..................................................................................................................................................
γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
｜ 当初は家人らも、婿には宗門のことを伏せていたのですが……妻に子供が生まれて、安心したのが運の尽き！ |
乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
妻 子
∧ ∧ ∧ ∧ （子供もできたことだし、そろそろ明かしてもいいわね……）
(,,＾ー＾(ﾟヮﾟ*)
| つと | 今まで黙ってたけど、うちの家はキリシタンの宗門なの
〜（ とノ〜
U＾U
え、マジかよ・・・・・・・
￣￣￣￣￣∨￣￣￣
∧∧
（ﾟДﾟ ;）⌒ヽ ←夫（入りムコ）
U‐U^(,,⊃'〜
・
・
・
＼ちょっとうんこして ／
＼くるからまってて／
＿＿＿＿＿__ ＿＿
|| ＿＿ || |番所|
|| ｜ ｜ || ￣￣
＿＿ _ ∧∧. || ￣￣ ||
――― （ﾟДﾟ ）.. || ◎||
⌒ヽ ￣￣￣ / つ _つ.|| ||
人, ’ ’, 人 Ｙ. ||. |三三| ||
Y⌒ヽ）⌒ヽ､ ）し'（＿）. ||___＿＿＿___.||
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
秘密を明かしたとたん、ムコ殿が逐電。やがてその家に、捕吏が押し掛けたという―――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
一家はいそいで藪の茂みの中にかくれたが、赤子が泣きだしたため発見され捕まり、根獅子の浜辺に引っ立てられた
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＜陰暦8月26日、夕方のことと伝わる＞
∧＿∧
∩ ○ （ ・∀・）っ
∧∧ 从 @ ∧＿∧⌒ヽ と@;ﾞ;''⊂∴@;"ﾞﾞ;)：";:ﾞ､
∑ (；T0ﾟ)っ;';：彡"（・∀・ ）,ヽ ヽ /∑ヽ∧∧ "`;@⊃
と,,,,､/＿;;'二l=Ｏ=し'＿） （＿_） （＿⊂(l|>O<)つ
";∵`ヾ
`;@つ
..................................................................................................................................................
‐=＝=‐
／////////////＼
/ニ＝‐ ─ ー＝ニ ヽ
. //////|//|//ⅱ///}///ﾊ
'//////|//|//从//Ｎ///Ｎ ご近所では「親切な一家」として、とても評判がよかったそうです
{///// √ ￣ ￣ ｀仄jﾉ
V/////| － － //ﾊ
. Ｖ////| ﾉ }'//} しかし夫の裏切りで妻とその両親や弟たち、あげく密告者の血を分けた
＼//ﾙ 、 ‐ イﾉVﾘ
_,.＞/{ ＼/ 斥 .,_ 子供。計６人が囚われ、他の人とともに浜辺で処刑されてしまったのです
. ｌ////｢≧╋≦}'//ｌ
. |///ﾚL三ｒt三｣'//|
,|///|//|II|：|II|/}//| “こっちの視点”で言わせてもらえば、異教徒は配偶者ですら危ないのです
／ |///l/:::|IIl:::|II|/}//|
〈rｯ‐|///l::0::::::::0ノY//,|
. ／::::|///l:::::::::::/´ l'//,|
／::::::::::|///|::::::0〈 .l'//,|
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
なお死体は海に投棄されたが西風で浜に戻され、埋葬される。その際その「お六人様」の遺体が不明になり伝説化する
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ともあれ「敬う神の共有」は、通婚における重要案件。やはり「神とは社会の別名」なのである―――
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__
.......::::::::::: 、
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
. ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
/::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.... ……なので「南蛮人＞異教徒の日本人」の不等式が、成立します
/.:::::::::::′:::::::::|::::::::::::::|::::::::: |:::::::::.
.′::::::::::|::::::::|::::L::::::::|:::|⌒＼|::::::::::::. わたしのばあい、旦那はポルトガル人。これで安全です
|/|:::::::::::|:／⌒ __ |:::::::::::::|
｜:::::::::| __ 〃⌒ |:::::::::::::
. ∨:::::::::.. 〃⌒ . ///.:::::::::::::
∨::::::::∨// r ::::::::: /
∨::::::人 ノ ｲ:::::: /
rﾐ ＼::::::|::≧ :::r- イ:/|:／|/
|ヽ＼_ ＼{ _/＼／ヽ.._＿ ,ｨ /^7
、 ｛＼ イ ┌―-r-＜⌒: : /＾＼ /ノ /
＼ ｀ヽ , / ｜: |ﾆﾆﾆ|ﾆ|ﾆﾆﾆ|:｜ ハ / /
ヽ 〈 / .': : ::７ﾆ/o |ﾆ|￣ : |/ ∨ ／
∨､ |.: : /ﾆ/╋_|ﾆ|┐ : | ___/ /
| ∨＼|: : :＼|: : : :／: |: : :|／ / ′
{ ∨｜: : :O: : : : :O: |: : :|／７ |
/ ＼｀ヽ }
. / , ヽ } ﾉ
. , / ./l: l＼ Y
{ , / ! | ＼ l}／ 、 ＼
l | l /,z斗- ＼／l} -－ 、 ﾄ. }
| | l :ｌ/ ＼＼ ＼l} ＼ 、 |ﾊj
l | ∧ | 丶＼ ｀ ＜ ＼ﾊ l 「安心」じゃなく、「安全」というところがミソですネー
. l :| ∧ | ｀ ー―― 、ﾉ
} :ｌ ! ∧! /l ヽ } あ、ちなみに私は長崎で生まれたハーフです
| li ∨ i{ ,z=＝=ミ ,z=＝ミ. , |,ハj
| | { ∨ ∧ x:x:x: x:x:x: { .!
| l ヽ∨ ∧ ; !
}/ . l l r ― ┐ ノ ./l
/ / l |＞ . _ ゝ. ノ . ＜ ﾊi!
. / / l !::::::j｀ヽ、 ー rt::::≦ |∧
.. / / ! |:::::＼ ∧╋∧::::::::::)＼ | .∧
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キリシタンと西欧人の結婚やハーフの子供も長崎では徐々に増加し、市民と西欧人の縁戚関係も増えていく
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ｺｰｶｿｲﾄﾞ
だがハーフモデルに需要が無い当時。西欧人と通婚しやすい点も、異教徒の同族からキリシタンが忌まれる原因となる
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＿
＿ __ | {_, .{＾l lニｺ ,-、
{ { ｌ二ｺ _l^''ﾟ_'┐ | ,､`ｰﾍ { .| ＿ ｎ__,.｡、 / /
‘､ 1 rｰ'^}└'Ｌ>｀’└'ﾞ `'''^ .レ' `‐┘lﾆ, r‐ｉ〈 / /
ヾ,> ￣ L} `'〈_ ,x`ｰ┐
r'''j､ .jl'::::､,.｡r::ｰ:::‐:.､.,.x::┐ ｀'''^lﾆ'ヽ
弋 i、 V／::::;::i:::::l:::::::ヾ::=ｲ <ノ
ヽ ヽ. 7:::/::iTl':::::i!::::i:::::V:1
ヽ. ヽ,.ｲ:l:L:l'l L:::j1l:::j::::}::::j
r=z､rー へ､r7:ﾍ r= =z.}::::ｌ:::/_
{ /^ ,r ヾ:;L'' r┐_''/:::jｼ'<.ヽ
./ Vj i/kl、 |／ '､ ﾉr=k｀ｨ/'jｼ‐= '^'‐ゝ=-､
/ ,..! l',_ `｀ヾ､x.l}'’f╋{=L／ '‐<´ }、ヽ
ノ ('1.|..,,` .r=/'! ヾﾐ/ V :l ､ L ＼ﾉﾐ1(
.／ .入ﾄ.､ (.> '''ﾉ.| 〈 .f{ i .ハjヽ{｀,ﾐiﾄ}.V'＾} :ヽ
／./´.r'芍iィ=v-､'1 ｀}`'ﾄN' ｉY ﾞJ `ｋ j! .}、
_ｨ'/ / / ｲﾞﾐYミl'ァﾍ`､L...〈 .lﾊ{ﾍ`ﾞ ヮ _ノ'´ '＾ｿﾉﾉ _,,
=´ ノ ./ /jｰfL/'| }: l. 1 ﾉ'て...i,）｀丁:r<ミ}_ヽ ´ i f_
／ヽj.ｲ .ﾉハ ｌ| ｲ }:、j１} (ﾐj.ﾊミj{ｼヾ'ヽi {ﾐj=lｦ
..................................................................................................................................................
＿＿ _
. : ' ´イ ≧xミ
／ | l" , -‐ ＼ え？ キリシタンってあんな薄気味わるい髪の色や
. : ´ ' ミﾐ ＼ ヽ
/ ii ＼ ヽ ', 丶 目の色をしている連中と番って、妙なガキこさえてんの？
/ i i i i i i ﾐ=‐-
,' , | l i i i i i i ﾊ
i! i!. | | | ', i| |. i i i! i i ﾊ
| ﾊ. i ﾍ i! ',. i| |. i i i| i i 从
{|￤ i iヽii i i| |i | i! ii i| | i |ﾘ そういうことが起こるから、おれはデウスが嫌いなんだよ……
. i! i| ii .i i |ﾊ＼ i i i|､, |i |/ﾏi i! .i| | i |__
i| { {i {i|从ﾘ≧i .i|.i!i!|i.斗≦-i!i!i| | |^j:.:.:≧x ､
. ﾍ ii i!弌 ヾ' i! i!州ﾘ 、ヾ' ,刋.i| |ﾘ.| ∨.: .: .: .｀ .､
. x ≦¨iﾚ∧ ￣ 丶 ￣ j ﾊ iﾘ i.:.i ∨: : : : :.:.:.:.＼
|.:.:.:.:.:.:.:.:.i ', i| ﾊ /ﾉ.:/ /: : : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:i
. |.:.:.:.:.:.:.:.:.:i i i＼ ` ／i /´.:/ /: : : : : ::.:.:.:.:.:.:.::|
. |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i!从V丶 ' 二` ∠ ,ノi!ﾘ:.:./ /. : : : : : :.:.:.:.:.:.:.:.::|
. |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧ ∨.ヽ _ ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ .／.:.:.:. : : : : : :.:.:.. : : :|
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|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:iﾏ: .∧ ∨: : : ,､.:.:.:.:.:i .i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:..: : : : : : :|
非キリシタンの日本人モブ（演者：＠とある魔術の禁書目録勢）
┃┃ ┃┃ ┃┃ ┃┃
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┃ ┃ ┃ ┃ ┛ ┛ ┛
━━┛ ━━┛ ━━┛ ━━┛
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:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::: l::::::: | ｜ 異物―――いな汚物は、消毒しろ…… |
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: -‐ 1:::::::::::::::::::::::::::::::/::: i/Λ: / .... 乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
::::::::::::::::::::::::::: -‐ }::厂｀＼::::::::::::::/:::::Ⅵ､|/ }/
::::::::::::/￣ _ j/ ｀¨¨¨ /;:::::::::::::{
::::::::::::､ ､ , 、 /::::::::::/
::::::::::::::::､ ヽ ｰt- _ -‐'´ ﾉ /::::::::::::{
::::::::::::::::::::､ `'＜`ー＜＿.. -ｧ='´ /:::::::::/:N
::::::::::::::::::::::＼ ｀¨¨¨¨¨¨¨´ .イ::::::::: : ::|
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::::::::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::N{
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i､::::i :::: i＼|
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| ヽ|＼::|
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 厂＼ `|
::::::::::::::::::::::::::;､:::::::::::::::::::::::::/ 〕ト-〜ミ、
.
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ﾓ ﾝ ｺﾞ ﾛ ｲ ﾄﾞ ｺｰｶｿｲﾄﾞ ﾈｸﾞﾛｲﾄﾞ
近世日本の美的通念では「日本人＝中国人＝朝鮮人 ＞ 西欧人＞＞＞越えられない壁＞＞＞黒人＝動物」がＦＡ
鎖国時代の長崎の遊女は「日本人行＞唐人行＞阿蘭陀行」とランクづけされ、黒人が日本の遊女を買うのは厳禁だった
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
_ . _---- . .
/⌒＞-: : : : >:__: : : : : : :.＞ ､_ノ)＿_
. i /: : : : : : : : : : ｀: : : :.＼| 又: : : ｀､
_}/: : : : : : : :,_: : : : : : : : : :| λ`ｰ‐､: :＼
/ /: : : : : : :.:./ ヽ: : !: : : : : :廴ノ ﾑ:.::.:.:.:＼: :.＼
(_/: : :.:.:|:.|: : l:| |: |:.!:|: :.|: : :.|厶く__| l:.:.:.:.!:.:ヽ:.:.:ヽ
ハ: :!: :|:ト|｣_ﾊ| }/|:.!｣:-:|:. :. |:.:.:.:.:} }ﾉ:.:.:.:.}:.:..ﾊ:.:.:.:) わたしたちは、自慢の黒髪を黒く保つため必死なのに…
|:ハl|:.::jﾙｨﾃﾄﾘ /ｰjﾙﾃ=Ⅳ/ﾘ:__:.:,' ,:.:.:.:/:.:./:.:|:.: '
l:.:.:从j从ﾞ ㌧j 匕ｿﾚ' (ﾊУ /:.:.:/:.:.∧:.:l:/
:.:.ヽ|:.:.ﾑ ｀ ､ ￣ r'ノ' /:.:.:/:.:.:.{ )从 南蛮の女は、なぜ金髪になりたがる？ 引くわー
＼:|:.:.:八 _ .ィ´ /:.:.:/!.:.:.:.:| 〃:.:.'
)::./ i＞. ｀ . ´ 」､ /:.:.:/:.l:.:.:.:.:|ﾉﾉ:.:.:.|
/:.:/､ヽ!:.::.:.}｀＝く＿_／ ∨:.:.:/:./|:.:.:.:..!´ l:.:.:|
/:.:/ ヽハ:ノ! / ＿＿_,∨/ /八:.:.:.:.l j:. ,′
{:.:.:{ }:.:ﾘ:.:j / ／ Vi:.:ﾚ':.:.ヽ:.:.:∨:/
ヽ:.:l /:./}:/ _ノ厂二三ﾐ､ l V/:.:.:.ハ:.:.:.V
(と /:./// /〃 .′ |､|{:.:.:./ ;.:.:.:l
｀(:.:(// // ノ i; |卞､:.:! |:.::ﾉ
):.):( // { |i | |:.:|:.:l レ′
..................................................................................................................................................
, － ､ 【 ジョアン・ロドリゲス著「日本教会史」 第一部より要約引用 】
/⌒＼ /＿＿_ヽ_
ｌ ／´ _＿＿＿__＼
| / ／ へ / ヽ 「日本人女性は髪を黒く染め、金髪をとても忌み嫌う」（第七章 第一節）
V / /⌒ ⌒ ヽ
l l | | ﾟ| | |ﾟ | l
. | ｌ ー oｰ | 「日本人は（北方人ほど極端ではないが）白色人で、丸顔で顔立ちはよく、顔つきは内陸
ｌ | ） ｌ
ヽ ヽ ⌒ー ´ / のシナ人に、鼻筋や黒髪や黒眼は朝鮮人に似ているが、広東人には似ない。かれらは
>━━━━,-━､ く
/ ／ ╋ﾌ ヽ ヽ 大きく高い鼻、豊かなヒゲ、青い眼や赤毛や金髪を、全て欠陥と見なしている」（第十章）
ジョアン・ロドリゲス
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1639年になると寛永13年令により長崎の日欧カップルとハーフの子が計287人、国外（マカオ・ジャカルタ）に追放される
中には、過去にポルトガル人と同棲していたのを咎められ、夫や子から引き離された日本人家庭の主婦まで居たそうな
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
┌────┐
│返品不可│
/:└────┘::::ヽ
/:::.::::.::::/::::r:::.::::.:1:::.::::.::i
.j:::.::::.:::::7:::.:j!::::.:::i::}::i!:::.::::}
. {:::.::::.::::.l‐'‐く'=-ﾍ:jﾘ1:::i::iﾘ 旦那はポルトガル人だけど貿易関係者じゃなかったせいで、
:i:{::;::.::.:::} ｀7T
'､:i:::::;:::l ＞ ＜./:::} 国外追放まったなし――― (´；ω；`)ｳｯ…
ﾍ:::j;_:l. ― ﾉ:::ﾘ
/⌒ﾟV^7'T^Tｼ'ﾉﾚ'
j 1 lﾍノ,.r‐Tヽ-へ
./^! .|,ｨ^|╋,｡.､_,⊥L
,.｡-┴┴‐┴-=＜､__)ﾐ )__
./_j_r-､二二_r-､^iT1-.､^'く^くkヽ.、
.ｲ7_i! } l (ﾊ).i7 / !_i'Tト､i_＼ヽ 'ﾐk }j:､
l_|_l_{｜|_|_|_j7 ﾉi_|_|_|_|1V1_ﾄ､1ノﾘ}.|.｝
jﾉT'{ .|====/ /======1１ _!.トi_V_i_7
/)i_l_lヽ_'ー‐',ノj_|_|_|_|_|_i_l.l.l_i_|_l_i_{]_１
. {l_|_|_|_|_|￣l_l_|_|_|_|_|_|_|_|_|ﾍ_l_}_i_l_i_i_l}
V|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_j_i}_|〈,j_l_l_|,ﾘ
:.... . ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧
... ..:（ ）ゝ （ ）ゝ（ ）ゝ（ ）ゝ
.... i⌒ / i⌒ / i⌒ / i⌒ / 邪宗門一味だから仕方ないね。処されないだけ儲けもの……
.. 三 | 三 | 三 | 三 |
... ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪
三三 三三 三三 三三
三三 三三 三三 三三
..................................................................................................................................................
【寛永13年令より要約引用】
〃"ﾅ'⌒ ~´ﾍﾍ^ ｼｮｳﾄﾞｸ
// ,ﾊﾉﾉｿヽｿﾊ 「南蛮人の子孫は残してはならないの。違反すれば本人は死 罪 だし、一族も連座なの」
ﾊ ヾl.ﾟ -ﾟﾉ!.ﾉ
○７|..7⊃ 「南蛮人が長崎でもうけた混血児、および混血児を養子にした父母は本来、全員死刑だけど
./ｿ､j､iヾ.
/~(_>!（_>｀. 今回は助命し追放するの。再び日本に入国すれば死罪だし、文通する者も死罪なの―――」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
出島完成後はオランダ人も日本女性との結婚を禁じられ、日本の遊女に失恋して自殺未遂する者や貢ぐ君が出る始末
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＜1659年晩秋＞
∥
∥
∧∧ /ヽ
/⌒ヽ)つ| たった三日間の逢瀬だったけど、
i三 |ヽ_/
〜三 | 日本の遊女に本気になっちゃった
(/~∪
三三 彼女と結ばれないのなら、死んだ方がまし……
三三
三三
オランダ人外科医マルティン・レメイ
..................................................................................................................................................
＜1821年＞
_
_,,..-'"~,~'' v’ _,.,.,.,_
｛Y"_,.`''~´ {i! _,,,,.;;;i;:l!'""''!l,._
￣"t;v' :i! ／" "'" ＼
ヾi! i! /_" ヽ.
ヽ. `-' } _ / ; l
ヽ.__;_},,｝ ; . ｝ ; ' ｲ |
l.＼..__/ _ .} _／.ハ }
゛､ }`i' .l"~￣{ ,/ ヽ; /
} l l { }.〈 { l
｛ } 〈; .｝ /／ ,| l.
| l l l // .i i'
/ }. { ｝ /_〈 ,! 〉
,.zk_/ /k._) '-^'
∧＿∧
（ ´∀｀） なじみの遊女の糸萩に、ラクダのつがいをプレゼントするよ！（※もとは将軍への献上品だが辞退された）
（ ｀∽)
｜ ｌ ｜ 興行師に売れば、いい値段がつくはず！（※じっさい見世物小屋に売れた）
（＿__）__）
オランダ商館長ブロンホフ
..................................................................................................................................................
＜1825年＞
／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
| お文ちゃん、結婚しよう。僕と一緒にオランダに来てくれ！
＼ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
|／
＿
〃 ｀､
彡三三(( ))/ヽlV<> ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
lミﾝﾊﾞWｻ''､ﾟヮ ﾟﾉミ ＜ 国禁の駆け落ちキタコレ。というわけで、丸山遊郭から逃げてきちゃった♪
lミｱ ｀д) ||__| |つ ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
l´~`i__| /lつ.al l
ヽ_二二ノ__/__l_ゝ
,/ l,ヽ(/ ヽ)
| 人 ヽ
L,,--<／`J
| |l､二>
(二)
オランダ商館員テルユウ（名前は日本側の記録のみ）
（密出国から16年後、お文あらためアンナから大阪の実家に、本人の頭髪をそえた手紙が到着
『息子が生まれ多くの使用人もいる豊かな暮らしだが、やはり故郷が恋しい』という文面だった）
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
また商館員の妻を含め、白人女性が日本に入国することも禁じられる。鎖国は人種主義を、色濃く帯びたのである……
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
_＿__ r==ミ、
´ ＞v⌒ヾヽ
___.ノ ｀ヽ／ヽ_ノ丶
⌒＞ ￣￣ ＜φ／ 八 !// ＼∧＼
. ＼/ |/--＼{`ー‐‐t=ミ､＞＼
Уア / | /∧ /ｲ |-‐‐ ‐‐-| ＼ト '＼
/ ム斗 ｰ--∨ ∨ヽ､{ (_) (_) | | /{＼ 17世紀の日本人は、黒髪最高！ だったんや……
〈/ イ /-‐ ＼/ ‐‐- ∨ |＼| } | |_) |＼ ､
___;ノ }∧ (_) (_) |＼j＼l! i ､ r┐__,.ノ! ! |＼ヽ 「きんいろモザイク」なんて、いらんかったんや―――
人 j ﾉ_) ＼| |r==/ rｰi==ﾐ! |＼丶
)八 ( ＞ 只 ＜ _)ノｲ.ﾉﾉ_［三lj三]____| |ヽ l !＼＼
｀` ..ノ><__〉､＼ ヽ 〃 |____〈╋〉_____j |⌒i | !＼＼
/［三lj三] >､ヽ {{ l____/ |______| ! l | !＼＼
〈 l| 〈╋〉 / 〉ヽ〈 ) l___/ |_____ﾉｲ__.ﾉ ! !＼＼
∧ ! } /!＼|`ｰ|__〈 ＼j______Ｙ___| 八､＼＼
.＼ ､ ＼_j ＼t‐ｔ一＼i￣j__/ ＼{______|| | | ))＼ ､
＼ ＼ ヽ ､ | | ＼| |＼ / /}__{ ＼|l._____|| | |ヽ ＼ ＼
..................................................................................................................................................
＿＿
, ‐ ´ ｀ヽ
／..:／.:/ .;ｲ :. :.丶.:.: ＼
〃:.:./ .:./:.:/小:.: ',:.:.ヽ:.:.:. ', 白人女性をわざわざ禁じたのも、禁じる前は少数であれ来ていたからで、
l:{.:./ .:./-‐:! l ヽ:.‐-:.:.:.＼:.:.!
ｉ:}:ﾊ .:7ｨ=ﾐj:ハ >=ミヽ:.:ﾍヾ、 現にハーフには白人を母とするケースもあった。要は「邪宗門の苗床」だな
､_メ!.:i.:.ﾊ r'_;j r'_;j ∧:.:}:.fヾ
乂;ｲ.:.∧ /ｲ V:.:.| ﾘ
_／ j/_:ﾉ:.介 .、 ° ,イ:.l:|:..|:.:.:.! なお出島成立（1634年）を過ぎる事1817年。商館長ブロンホフが嫁を同伴した所
´/:.:,':.:.:j:|:ﾉｰf夭‐ﾍ :j:|:.:ｌ:.:.:.:!
/.:.;ィ7´ｌ:|＼/ﾑﾍ／｀l:| ｀ヽ.:.:i 将軍裁可で追放される。これが公儀が個人特定で認識した、初の白人女性だ
/.:/i // !| に不こ) !|l /!:.:.i
/.:/| ヽl ｌ !|/〈/ i| ヽ｣ !| !./│:.:.i
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ある意味で寛永13年令は、ヴァリニャーノ路線の最終的敗北をも意味したといえよう―――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿
／:..: : : : : `::、
/: : : /: : : : : : へ
,': : : :l: : : : :j: /: ﾊ:',
l; l: : :l: : : : ,',ｨ':/ : :l ハーフタレント全盛の現代からは、隔世の感もなくはないが……
l:,:l: : :l: : : /ハ:{,)ﾄ:ﾘ
l: l: : .l:.: : : : : l: l:l ,′
l: :!: :,:l: : : : : :.l l:l ヴァリニャーノの「異人種移民の抱き合わせ」布教が、神国サイドの「侵略への
l::,': : l;!: : : : : :lL;!
,.ｧ: : : :l.:l:: : : : : :, ヽ、 警戒」を、視覚レベルで高めたのは事実。本来の目的からすれば逆効果だった
,イ/: : : : l: l: : : : : : ', ＼
,' l': : : : :l: :.l: : : : : : ﾊ ／ l
,. ＜ ＼_
／ ≧ｘ
_ノヽ ／ ＼ ＼
,. : ´ ヾ::L / l| ﾟ , ﾟ,ﾍ
／ i:ﾑ /. ,' ; l| ,:! l| ﾊ ﾟ,ヾ
' Vﾑ. ｌ ,' ｜ l| ,':| .ﾄ, l| |｜i 侵略種に「畑」を貸すバカがいるもんか
. , iVﾑi. ,' /! /| ノ/ .! }ﾘ--､ l} |' ! l
_, ,' }.‘,‘:,. |. /_}/-i ７ |/ -:', /ﾄ !ﾘ ! 神仏の天敵の繁殖地なんて、作らせないよ……
′ | / |Vﾑ |-‐/〃-‐j/ / ,ｨ〒ﾃ.|ﾟ, ,' 、 ﾟ,
,'| ,' LｉVﾊ | ./ _,. ィ￢ ｂり { ﾘ }.∧:‘,､ ',
,'｜ ,′ | ',}:::} _,xﾁz:刈 ｀彡' i }',ﾊ.Vﾑヾ、 異教の異人種は、移住したけりゃ宇宙にすればいい
, i ﾟ, i .!/ }|:::| ｀夊c::ソ ,ｨ/////ヽ// } !｜.! Vﾑ
V { .ｉ ', ‘, .| |、-|:::| ､ ‘,￣=彡 / |Ⅵﾘ .Vﾑ 宇宙に適応して、ジャミラにな〜れ♪
∧ﾟ, |, ‘, ヾ、 ヽl ｀ .|:::|V .＼ 、 __, ｨ , ' | ﾘ Vﾑ
|:::|ヽ {‘, :ﾄ､ ! ト､ }'|:::|.‘ , ‘, ｀ ´ .ｲ ! ,' .|:::|
|:::| ＼i |ﾟ ,/￣￣｀ |:::| ‘ , ‘, ____,／/| | / .|:::|
|:::| リ {,: /::/ ｀ 、＼ ＼ ﾚ j/ .| ,' }' .|:::|
|:::|. ／ /::/ ヾ′ ＜ ＼ j/ |:::|
|:::| ／. /::/ ＼ ｀￣ |:::|
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ただし……敢えて念を押しておきたいのは、人種的な拒絶はあくまでも「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」の
“袈裟”にすぎず、“坊主”に該当するのは、あくまでもキリスト教だった点である
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
／. . . . . . . . . . ､. . . . . . . :. ＼
/:. . . . .|.|.|､ . . .ヽ.＼. . . .＼:. :. :ヽ ,ﾉ
/:. . . . . .|.|.| ヽ . . . ＼.＼. . . `:. :. ┴＜
/:. . l . . . .|.|.| ＼. ＿_.＼.ヽ､ :. :. :. :. :. :.＼ ちなみに江戸時代、拷問に屈して棄教した白人司祭は
j:. . . |. .l ,斗H ´ ＼. . . ｀＼.ゝT. .T. Tヽ . 〉
|:.:.. ..|. ｲ:.: |.|.| ＞‐テミ,|. .|-､|:. :| 〉/ 帰化を命じられ、日本人妻をめとっている―――
|:.:.. ..|. .|: ‐Hﾘﾐ ｲ トｭ:::: ﾘ . | } }:.:.:| 〃
|:.:.. ..|. .|ヽ.j ,. 弋匕ｚｿj . | ﾉ: ..|
|:. :. .ヽﾊ z=＝'′ | . |ｲ: . : | 宗教が同じなら、白人通婚はタブーではなかったわけだ
ヽ :.＼ .ﾊ ' | . |.|:. :..:.|
_r‐く＼:.:ヽ:ﾊ､ ｰr7 .イ| . |:|:. :.:.:|
/ .＼ ＼ヽ:.l:.イ＞ .._|j , '′ l.| . ﾄi: . : .|
{－‐マ_く Ⅵ:.// /ﾊ ﾌ|| ／..| ./ ヽ :.:.|
| 二ヽj ミ .＞'､..上_ｊﾉ || /1 |/ ／＞L.＿
ヽ しj| i Y ､ ／-､|| _/ .| /l.／／／ ／.ヽ
／／ ｀`ヽ､＼
（ ( ) ヽ
＼ ｀ー --,． '"´ ￣￣｀`ヽ -- '_ ノ
｀ー-／ ＼
, ⌒／ , / 〃 , ､ ヽ. ､ ｀V´￣＼
／/ .:/ .:.:.::|::|.:.:|::|.:::|.:.:ﾄ､__,:::.ヽ＼ ﾄ､ ＼
/.:.:::|;;|.:.::::::|::|::∧|ヽlヽl´ヽlヽ.::l L.ヽ|＼ |
/.:.:.:.::l;;||:.:.:.:|ｨﾚ'⌒l 〒=ﾐ､ ﾊ | l |＼ | 生涯不犯を誓う聖職者にとっては、それも屈服のうちだよ
/.:/|:::/l/||::::::l/l/,ィﾃ ﾋzｼ 1 | |.:::| Ｎ ＼|
|/ |/＼:||＼::ﾍ. 弋ｿ ､ ｰ / lﾉ.:.::| |
|.:/l.:::;ﾍ.' ' ' r‐┐ ' '〃 〃.::/ リ
|/ |.:/|:::.>.、 ｀ｰ _ .イ 〃 |/ 司祭への拷問の中には、日本の女囚と同室に監禁して
|/ .|/＼::|「(￣-‐ 7 /⌒ヽ
/l ￣_ >只く ／ / ', 性行為を促すなんて、奇妙なものまであったそうだから
_／ ＿／/ ﾑﾑ./ _,/ i
_, ． '´ / , イ / ∠__ |
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
いっぽう広東では1552年、「ひげを生やし、大きな目を持つ者は中国に入るな」と露骨な人種拒絶の高札が立ち、マカオ
のみ居留地とされる。日本から追放されたロドリゲスは、そのマカオで「日本人は中国・朝鮮人より外人に親切」と書いた
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
なお南蛮人や紅毛人と比べると、いっそ落差が清々しいくらいではあるが……
これとほぼ同時期の明清交代期。鎖国のたてまえにも関わらず日本は、結構な数の中国難民を受け容れている
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
,＿
＿丿 ＼ ,
ﾍ__九 厂 ヾ_ｒｨ
Γ´ ｀i. ￣二丶 __i
ｒ‐-‐ｰ´ ＼ ｒ‐´ /
7 ゝ‐‐--─一´ ／
ゝ 1644年 ＜¨^^¨
｝ 二ｧ
.｛ .「明」→「清」 く
｀弋 ﾍ
丶＿ i
￣｀‐-‐わ 丿
ｉ´ / ,ッ
ヽ ,＿__ ＿r´ ソ
｀ヾ ｀ｰ‐tt‐´
｛＿}
''';;';';;'';;;,.,
''';;';'';';''';;'';;;,.,
;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
vymyvwymyvymyvy、
ヽ(ﾟдﾟ)vヽ(ﾟдﾟ)yヽ(ﾟдﾟ)v(ﾟдﾟ)っ
⊂( ﾟдﾟ ) と( ﾟдﾟ ) 〃ﾐ ( ﾟдﾟ )っ ( ﾟдﾟ )つ
ゝηﾐ ( ﾟдﾟ )っ ﾐ） ⊂( ﾟдﾟ ) .(彡η ｒ
しu(彡η ｒ⊂( ﾟдﾟ ) .ゝ.η.ミ） i_ﾉ┘
. i_ﾉ┘ ヽ ηミ）しu
（⌒） .|
三`Ｊ
_ -──‐ ､
_ -=ﾆ￣ : : : : : : : : :､: ー-､
＜´ : : : : :/ : : : : : : : : : : :＼: :.∧
／ : : :./! : ∧ : : :.∧: : : ､:} : :.∧
／.: :／.:/＼:/ ∨: / ∨.:八: :i :.:∧
∠二イ: : :.| |:/＼ 日 ／∨ |:.:|: : :.:|
|: ﾊ .| ￣￣ ￣￣ !.:ﾊ:八ﾑ
|/ .|::| ￣￣ TTT ! | 〉 ｀
|::| | | | Ⅳノ
. Ⅳ＼ ＿＿＿＿ ／.|
｀{＿＿＿＿|イ从/
/ ∧ 厂￣|＼__
／ 〈厂V ／::::::/:::＼
／:::::::: |:::: |／:::::::: /:::::::::::＼
擬人化日本（演者：キョン ＠ハルヒシリーズ）
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作家の堺屋太一によれば「日本の歴史上、規模において明治維新後と双璧となる、中国人移民の大波だった」とか
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＿人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人＿
＞ 清朝の支配から逃れて参りました明朝遺民です。日本に亡命させてください！ ＜
￣Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ￣
＿＿__r----..､
人＿:: :::「｀ヽ: :: .＼_ヘrヘ._
｛:: :: :: :: , : :. :. :: ::. ヾ丶::. :: _}
〉:: ;; , ' "‐ ￣ ｀ ヽ,ヾ ヽ:: ::廴/.... ,‐ｧ、 ＿ ＿ ,‐ｧ、
｛:: :;; ／ / 朱l i ｌ .}: }::.３.... 〃ﾍ 》≦´ : : : : ､:｀ヽ〃ﾍ 》
}:::// ﾄ､ i | iｌ ｊ // |ｲ1 ｀|:: ∧|ヽ... 《〈 ／ : : 卍: i; : : : ヽ《〈 ⌒ヽ
>;从 |ノv! ｌﾉﾚ｀ヽ ./__/ /:.r' | i :/,: : : 人: : :| ＼: : : : ゛ヾ: : :.i
vi小ｌ● ● 川薔ﾖ i: | !〃: : ノ ヽ :!｀ヽ＼: : i: : i : : :l
!|l | |､_,､_ | | | |ﾉ i: i. |ﾚ! / ● ﾘ ● i:＼|┐!:. : :.l
|ﾍ .| | { } .| | j / ｌ: !.. |: Vｌ |｜､_,､_, |｜|:.:/=」 |:.: : :.l
lr'⌒)､._￣_ (´ j ァ |: | /⌒ヽﾍﾍ |｜ ゝ.._） |｜j//⌒i !:. :. :.l
/ヾ三}ヽソ／:{彡'´}=ﾍ |: |.... ＼ //:::＼＞,､ __, イ7､〃 ⌒ヽ: : : :i
|:::::::::ﾉ(ー―‐;|:::::::::l::=ﾍ |: | . //::::::::::/7 V{__}＼/ヽ|::::::::/ 7: : : : !
ゝｰ'∧ﾉ三三∧:_:_:jヽ=ﾍ |: |.... ゛‐-- "7 ハ == トｰ- /| : : : :ﾉ
朱舜水（1600-1682）などの儒学者 心越禅師（1639-1695）などの禅僧
-‐━━‐-
／ ＼ ／￣￣￣￣￣￣￣￣
／ ／
| よくぞ日本に参られた。
.′ |
i ‐Ξ‐Ξ‐ | 中国の学問・文芸を
j_,,,,,,_‐Ξ‐Ξ‐ _,,,,,,,,,,,_ |
／｛￣￣＼‐Ξ‐／￣￣￣ │ 本邦に伝える事業に、
└|￣‐rd‐￣｝=｛ ‐rｄ─‐ ￣i／ |
|___j＼_,ノ〈｝＾｛〉＼___,ノ ___j | 協力してほしい
| ｝ 丿
｛ ｝ ⌒＼
. ∧ ＾ｰ'＾ ｉ__ ＼__＿＿＿＿＿＿___
∧ ⌒'====='⌒ ｉ |∨:.、
. ,心, ｰ─ ／ | |│::::＼__＿___
＿＿／:::::::i〉 ィ( j |:::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::| 〕ト---- ／ ∧:::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::| 八 ／ /::::::::::::::::::::::::::::
徳川光圀（1628-1701）
第二代 水戸藩主。明治維新の思想的バックボーン・水戸学の源流。講談の題材として、時代を超えた勝ち組となる。
（演者：芹沢達也 ＠ラーメン発見伝）
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
とりわけ知識人層（文人）は、各地の大名に優遇された
あたかも「キリシタンの世紀」と入れ替えるかのごとき、神国の思想・宗教の「補強材」として……
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
さて。脱線しすぎたので元に戻す。教会領となった長崎は、二重の柵と大砲、洋式軍艦を装備。長崎近郊のキリシタン
は一家族あたり１名が、有事に備え火縄銃を支給されたという。眉唾だが、教会側史料ではその数三万に達したそうな
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. :.: .｡: .: .:. :. :. :. :. :. :. :. :. :.: .: .:. :. :. :. :. :. :.: .:. :. .:゜:. :. :. :. .: :.. .:. :. :. .: .:゜ .: .: .: .:. :.
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. :.:゜ .: .: .: .:. :. : . .: . :.: . :.: .: .: : .: .: :゜ : :. :. . : .: : . . : . :. : .
.: .: .: .: .:. .,．-─-､ ,．-─‐-､
: .: ゜ .:. ,!_.:.: :.:__ | . l::::. :. .: . .|
.: .: .:.:. : /.:.:.:.＿ __」 ./:.＿_., -‐ヽ
.:.: ,r'´￣｀ヽー-､/．-'‐─ - ＜丁_ _」
／ 戈Y´ , ィ ⌒ヽ/ | |｀ー─<二li|rrrrrrrrrrrｭ
.: .::_ノャ八 ./:. | U_ノ牛ﾆﾆﾆﾆ)二)─ ─' |! i!
. :.:.:.:/:.:.::::;;//ﾆヽ. /:.:.. L_ﾉ┴ヽ ｀>孑刃{ ￣￣｀ ￣￣ ´ ￣￣ ￣
::. :.:..:/.:.::::;;;//辷7 ＼j|:.:.:.:. . 爪_ 丿／ //ヾ＼.
ﾄ､.:./.:.:::;;;;// （__）＼/ヽヽ:.:. .: . ,ｲ/ﾉ_,／＿,// ＼＼ ＿
:::ﾄ､ ￣／/_￣￣｀ヽ ／＼＞─'´ ￣￣ ￣￣.￣ :; : ' :; : ｀`'' ー─-、、
;;::二二 ノ:.:.:.｀丶、 ＼／ ' :; : ' :; : .,.:,..:.. .,.:,..:.. .,.:,... .,.:,..:..
,ｲ;;;:.:.:.:/::.:.:.::/:::.: :.ﾄ､＿」! ... ,... ... ,... ... ,... ....,.:,..:.. .,.:,..:..
/;;;;;:::/::/:::.:/::::::::. i::.:.::Y´ :; : .,.:,..:.. .,.:,..:.. .,.:,..:.. .,.:,..:.. .,.:,..:.. .,.:,..:..
..................................................................................................................................................
, '" ￣ ｀ヽ
/／ ＾ヽ ',
.///f / j ヽ ﾍ ! この時点でイエズス会は、長崎領主として日本国内の
ノｲl | ﾚﾄ'Vハ斗ﾄ､_＞
lﾊj | ○ ○ |ﾚV パワーゲームに参加したといっていい……
ﾉ火ヽ"V￣}"/ﾞ) {
// 匸 }>示iくこ八
.// ! / /《小.》｢｀ヽ ヽ しかも長崎と茂木では、イエズス会の上長が任命したキリシタンが
V{ !ヽノ {： ﾄ-ｲｉ }
ﾚl∧く 人__j /八/ 司法権を握ることで、西欧ベースの教会法が施行されていた※
／ ｀7´/ l |'´
.`‐r＜/＿_!｣
| / / ※微妙な立場を意識してか、死刑は執行されなかった
＿＿
, ‐ ´ ｀ヽ
／..:／.:/ .;ｲ :. :.丶.:.: ＼
〃:.:./ .:./:.:/小:.: ',:.:.ヽ:.:.:. ',
l:{.:./ .:./＼:! l ヽ:.:／.:.:.＼:.:.! そして―――
ｉ:}:ﾊ .:7ｨ=ﾐj:ハ >=ミヽ:.:ﾍヾ、
､_メ!.:i.:.ﾊ r'_;j r'_;j ∧:.:}:.fヾ
乂;ｲ.:.∧ /ｲ V:.:.| ﾘ 自衛のため洋式武装した長崎キリシタンは、さっそく
_／ j/_:ﾉ:.介 .､ ⌒ ,.イ:.l:|:..|:.:.:.!
´/:.:,':.:.:j:|:ﾉｰf夭‐ﾍ :j:|:.:ｌ:.:.:.:! 教会の天敵である最強の覇者に、試されることになる……
/.:.;ィ7´ｌ:|＼/ﾑﾍ／｀l:| ｀ヽ.:.:i
..................................................................................................................................................
{⌒ヽ
／{ ﾉ ､
／ ヽ
／＿ V＿＿
} rｭ ヽ V.:::::::::.ヽ
▼.:.:.:.:.:.:.:.:.: /.:::::::::::::::}─ ､
＼＿ ﾍ ／.:::::::::::::／.:::::::::::.＼
丶_ノ ／.::::::::::::::／.:::::::::::／￣＞──＜
＼__／.:::::::::_ ＜::::::::::::／ .／ ＼ ｀ ､
{＿__ ＜::::::::::::＞ ´ / i ＼. ヽ
{:::::::::::::::::＞ ´ ￣￣ 丶 :| '
／￣/￣￣￣｀Y´ ＼ ' '
/ ,' :| ', ' }
ｶﾞｼｬﾝｯ！ / :| }､ ノヽ
| { .| :| ,:::} ─ i ',
| .|l | | ..::| :| /- { | :|
|l─|l─ 、 |l .l ;__／ :::.＼ 人 ／ ﾉ| :| :|
／／二二二ヽ |l─|l─ 、 / / :::::::｀ ─ ´ ｀ ─── ´ .(／ | :| :|
/ ./ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ／／二二二ヽ : ::::::::::| :| | (＿ノl ! :|
. , ,仁ﾆ＞r‐r‐/ ./ニニﾆﾆﾆﾆﾆ', ;:::::::::|:. :| | ／ (__丶 {
. { .{ニﾆ{ { { ! !ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ}__ ..::::::::::ｲ:.､＿＿.ノ､ ＿_____ ノ ／ ＼ ! ',
', ﾏニﾑ | | ｌ ｌﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ} || | | / Y´ | ,
＼Vニ＞─‐ﾏﾑﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ ; 、＿＿.人＿＿___ ノ ,/ | | ヽ }
... ｀|l ─|l─ ´ ＼＼ニﾆﾆﾆ／＿ ノ / | i ､ i / ! Ⅵ
|l | |l ‐|l─ ´ / .| | .} , / , |
| .| |l ＼ / ! | , .／＼ ', | |
|l .| |l ─‐ ' , /_ イ ＼ ', | |
|l ｶﾞｼｬﾝｯ！ |l |l ./ ', ／ ヽ ', ! |
| |l |l | ./ ', / / ､ ', .Ⅵ |
「肥前の熊」龍造寺隆信
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1584年3月下旬。龍造寺隆信は肥後国・島原城をかこむ島津・有馬の連合軍に、決戦を挑んだ。これを島原合戦という
フロイスによれば隆信は「キリシタン宗団の大敵」であり、「日本史」第二部第51章によれば以下のように公言したという
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
,.．- ''"￣￣｀丶、
__. ィ´: : : : : : : : : : : : : :＼
Y⌒ ー '' ￣｀: : : : : : : : : : : :＼__
: : : : : : : : : : : : :｀ヽ: : : : : : : : : : :/
{::::::::::::::::::::::::: : : : : : :｀ 、 : : : : : : {
,ｨzzzk⌒)::::::Y⌒ヽ::. : : : : : : : : : : : : : :! 肥前の国から、キリシタンをことごとく滅ぼす……
入ﾆﾆｿ ｀ヽ::::ゝ._ノ:::::. :. : : : : :'; : : : : : ′
( ￣ ﾏ:::::::::::::: : : : : : : :}: : : : /
ﾄ . ,.ィ ＼::: : : : : : : : : : : : :. ' コエリョ副管区長。勝利のあかつきには君を、磔刑にしてあげる
｀ ｰ ｧ≦ﾆﾘ ＼: : : : : : : : : ／
＼ r'ﾑ_シ′ ｀ .,__.．≦zzｪ､ 長崎は兵士の労苦にむくいるため、とことん破壊し略奪しつくす
ﾄ､丶.,__. ,ィ仁Yニニニ∨
八仏、 __..．ｭ≦洲|{ﾆ !ニニニﾆV
/ / ｀ｰ=三三三ﾆ癶i{夊{ﾆiニニニﾆﾆV
./ / ` ー-- ''" }ﾄ､ﾐx､{＞''"￣￣ ∨
/ /: : : : : :′: : : : : : : :jiﾆ≧=〔: : : : : : : : :.∨ （南蛮貿易にさえ一枚かませてくれれば「教会のお友だち」
,' /: : : : : 人: : : : : : :_:_: ﾏ三三ﾑ、:.:. : : : : : :∨
,'./ﾆﾆﾆ二＿￣: :￣: : : : : ￣￣:::::〕: : : : : : : : :} に、なってあげてたのに。残念だなあ……）
_l/: : : : : : : : : ￣~''=‐- .._: : : : : : ::::}: : -─-: : :.|
,ｨ＾{ ､r､ : : : : : : :_: : : : : : : : : : : : : : : }: :: : : : : ｀: :!
{ﾆl |ﾆ}| | ,. -- ., | | : ,fﾍ、: ::..,r‐┬'´⌒*_!_ ‐-、 /
辷三ﾉ| |:Y⌒ヽ :| |,:仁} |ﾄ､:Y.^ヽ }| ｀|i: : : : Y
|: i: :.| | { } :| |二｜!ﾆ} {二 }」| :| : : : : |
}: l: :.l.」､｀二´ﾉ| |ﾆﾆ.{_|ﾆ}入二ﾆ|─ｭ |: : :i: :ﾘ
.八_ゝ., : : : : : : : ｰへ二二ﾉ: : ｀￢:|─ｭ |: : :i,ｨ
ヽ: : : : : : : : : : : : : : : :, ': : : `┬=1.__ノ
＼: : : : : : : : : : : : : ′: : : : :| !: : |
・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━
./:::::::::::::::::::::_,,.. --─ｧ──､:::::::::
/:::::::,. -'''"´ u. ／ u. '::::::::
.{:::／_,.-─- ､ _／￣ ｀ヽ '::::::
＼ / ￣~￢､ Y rｫ ＿_}::::: 来るべきときが、来たか……
| rｫ i| `’ } └_
| `’八 ノ=-''"
ゝ.,_ ／r‐ ー‐f¨ i ,ｨ劣 “教会の敵とのアルマゲドン”が。
| ￣ ` u. | _| i ﾏ丞
八 r ＿__|￣]─ヽ 我らは島津と結び、有馬殿をお助けする！
＼ ｰ''" r' 「 }￣
γ ￣｀ヽ ┌≧=ｪｪ..／{ /｀ ┬=ﾆ
{ ｀' ー─‐/ ｀ ｰ-} |-､
´￣ ／{ __} ﾉヽ ヽ
＼ ''" 〉 ｀´ ノ }
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
カブラルと共に九州を担当してきたコエリョは、キリシタン大名が弱すぎて教会守護者として頼りない現実を痛感していた
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿＿＿
．-‐ '''""~ ｀ﾞ''ｰ-､ キョド
／ ＼V
／ ＼
/ ヽ せっかく手に入れた信徒を、戦乱のたびに摺りつぶされる……
/ __,,.. ．-‐ '''""~;;;;;へ｀ﾞ''ｰ-､, |
´. |;;;;;;;_＼し ﾉ（;;;;;／---;;;;;;;;;;;;;;;| | 何としてもキリシタンたちが安住できる“約束の地”長崎は、
;;;;／ ヽi;;;;;/´ ＼;;;;;| / ））
__|/ ┰ V （ ・ ）. . |;;;;;ヽ ／￣ヽ 守り抜かなければ―――
/ | . i . |￣￣´ |
ヽ ヽ ∧ . / し ６ |
＼/ ＼_＿ / ＼ ＿＿ ／ 丿
| （⌒ ｀ﾞ''ｰ-、 ／´＿＿
ヽ / | ／ ヽ
ヽ ＼;⌒ _,,..-‐ｰ-､_ / | ／ |
ー―´＿＿＿ ＿／ // ヽ
キョド ヽ＼ /＼ /ヽ ＼
| ╋/ ＼／ ＼ ＼
| | ＼ |
__／.:::::::::::::::::::::::::...ヽ
x｀.:::::＞-'''''''''''''''ｰ＜.ゝV
＞ fナーヽ ナーヽ∨; i
＼ |ｌ ・ }{ ・ } ｝::!! 主のご加護を祈り、必ずやこのアルマゲドンの危機に打ち克たねば―――
｀h/ゝ __ ノcゝ __ノ＼, ､!
|;{ ヾ ! ﾉ 聖トマス・アクィナスよ、我らの正戦を嘉し給え……
｀ﾍ ー-./＼ ｊﾞ
ゞ､ ﾉ ゝﾞ__
＿ イ ｝｀ｰ｛, ーイf::. ヽ､
ゝ ＿､（ ﾅ´.:.:.:{.:.::. ゝヽ
,ﾍ´.:.:ヽｲ´.:.:.:.:.:i!.:.:.:::..＿（
ﾒ.:.:}.:.:.:.:╋.:.:.:.:.:.:.:}.:.:／ ∨
／.:.:.:{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i∧
＼ヽ l｜l｜l｜l l｜l｜l｜l l｜l｜l /／
＼ ／
二 戦わなくちゃ現実と！ ...二
／/ ＼
// l｜l｜l｜l l｜l｜l｜l l｜l｜l ヽ＼
,. -ﾆ￣￣::::ヽ￣｀::..,
／:::::::::::::::Xゝｊ＿jﾘ:::::::::::::ヽ
／::::::::::::::::::ﾉ_,,..、 ｀´ﾞ｀╲::::i
/::::::::::::::::::_//"二_ ヽ !、 ﾊj
i'"´,,.ｚェヲｰl ｨﾓｦ ｀ヽﾞｰ, i´､__{
.. l./´ヽ'´ .ﾉ 丶｀¨￣´ 丿ﾊﾇ ﾋﾒ{ l
ｊ ｒ｀丶¨ l.` ー- ´ ,)ーi´
{ i´ら ､ l , ､´,､ l
. ヽｒ- ｿ!. ', ,ｲ ｀ { ,' マルチリヨ。貴殿の出番です
.l ｌ ', ､ー-ｲ /
「¨ミ>､ ヽ、 ⌒ / 日頃の訓練を活かし、教会の敵から宗門を守るのです！
ノ ＼ 丶 ゝ ＿／
／ ＼. ＜, -‐´
,' "´ ￣｀ ＞ ヽ /__,
╱ ／ ',, ╲ 「∧!
,.' ｀¨´￣ ', メ{ ﾒ､
. / ,.. ⊥ .,,_＼ ╋
,' ,. zヲ'"´ ｀ﾞ丶､ {_
; ／.／ ﾊ ｊ
.i /／/ ∨
.i ,' / ﾞハ
_,,..........,,_
, ＜////////＞ 、
,.ｲ'//////////////丶
/////////////////,'ハ
'///∠∠∠∠∠//////ﾊ 必ずや猊下の期待に、応えてごらんに入れます―――
. i/,l.l.￣Τ￣￣￣ｌ.!//////!
{/,l.lr- ､::::::r―ぅ:::!ｌ//////|
V,!|::￣::!:::::￣´:::::l.ｌ/////ﾘ ポルトガルの大砲は、日本でははなはだ珍しい兵器……
V.!:::::::::ｌ:::::::::::::::::::l.!/////
＿_ _,....-::'l｣::::::::::l::::::::::::::::::j､＜/ノ, 敵勢を恐れさせるのに、これ以上のものはないと存じます
'"/////＞:::::::::::::::::/'l:ヽ:::::::;:::::::::::::::/:::!::｀ｰ-,-
/////／::::::::::::::::::〃:l:::';＼::l:::::::::;:ｲ::::/:::::://::::
/////':::::::::::::::::::::〃ヽ::::ヽ::｀￣::::::::::::':::::://:::::::
╋
キリシタンのモブ（演者： ＠キン肉マン勢）
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
このとき、恐らくは長崎で選抜されたのであろうマルチリヨなる切支丹の砲兵が、従軍している
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――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
日本の国内戦であることから、ポルトガル人がじかに参戦するのを避けていたであろうことは想像に難くないが……
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――― ､
／::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/:::::::::::::::┌＝＝＝＝=ii わたしは大村領の者だが龍造寺に殺されかけて、命からがら高来へ
ｌ::::::::::::::::::| | ｌﾆﾆl | ｌﾆl||
|::::::::::::::::::| | | || 逃げてきたキリシタン……迫害者の侵略を、座視するわけにはいかない
|::::::::::::::::::| | | ||
|:::::::::::::／|. | / ＿＿
ﾚ.ィ￣ ｀:‐‐､...__|_/／::::::::::::::::＼
/ ＿ ／ ￣ ／::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/ ／ ￣ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
|╋ |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
..................................................................................................................................................
_＿＿＿
_､必米米):.:.:.:.:.:.ヾ
r≦ 米米米米):.:.:.:.:.:.:.:.:≧､
＼ ￣￣￣￣￣￣ ／
＼ ／ ＜ 点火の役は、マラバル人（インド西岸人）の俺がやります！
/｀ ー――― ≦
, ∨
r‐ о о ＿＿＿⊥＿＿
l {:.i ＿_ | | ＿_1... ／ ┃┃┃┃┃ ＼
八::l 丶 _’> < ’ノ ! |━ ＿ ┃ ＿ ━|
/ ヽ , ヽ... | ／ ＼ ／ ＼ |
＞ " 八 ＼ 二二二ﾉ/ヽ } .... | ￣￣￣ ￣￣￣ | ＜ 砲弾と火薬の装填は、カフル人
´ 丶 ー‐ "/1'//,.. |━ ／ ＼ ┗━|
〃 ―‐ ､ ＼ ノ ｌ//∧ |━ ● ● ━━| （モザンビーク人）に任せろ
/ ｀` ､ ￣ ｌ///∧ |━ ／￣＼ ━━|
∥∥ ∨.:. ＼ !'////l |━ ＼￣／ ━━|
∥∥ v/, 丶ヽノ//// | ＼ ┃ ￣┃┃┛／
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興味深いことに、大砲を操作する助手としてインド人と黒人奴隷が参加している。長崎の国際都市化を、如実に顕す話だ
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マルチリヨは有馬の陣所に据えた２門の砲の照準を島原城にあわせて砲撃し、敵の城中を恐慌に陥れる
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＜島原城の包囲戦＞
＿ /
/＿） ／| ／￣ /￣） /| , l /
/＿） ／￣| （＿Ｔ （＿/ / |／/ ・
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;; ;;;;; '''::::;;,,,
__＿＿ (ﾆ┌i――L二()┌,┐ ;; ;;;; :::;;
￣I.../ ￣ヽ| | i^ i （二二二（二（ﾆﾆﾆﾆﾆ;; ;;; :;;;;;;;
／ ￣ヽ ＿ lj ﾟД) | | i_i |二i)/; .| ;; ;; ;;;;;
ﾚ"・ ／ ￣ヽ＝..○ |o| .| (ﾆ9 0 | . ;; ;;; ;;;;
（ つﾚ"´Д｀） ⑪) ,）] | :; i ; : | ;;;;;;;;;;;;;;
/ / つﾆ∩> ﾚし |＿.|＿_＿＿＿＿_|
（＿ 〉 〉_,＼,,､､､､--┴===l┴--i=,i､､;;,,,,,,＿,､_,,_
（ [=]_}--―,{__T_}--└!==―――------{_「=]_
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／ ヽ:::::::::::
／ :::::'､ :::::ヽ::::::::::
/ ＼ ､ ::::ヽ ::::::::ヽ:::::::
/ ,ｲ|`.x''::ヾ`.､ :::＼ :::::::｀`‐-.､::
{ {.l:l /.｀`＜'､ヽ:::::｀`.､,,＿＿:::::::::::＼
{:|::::',::::::::',l:ﾚﾞ＿_＿｀`‐｀i::r'⌒ヽ::::::::￣｀`‐-ゝ 「多数の砲弾は木造の家に入って大きな音を立て、この珍しい物への
l:ﾄ;::::',::::::::',l:lﾍ.)::ﾉ .7 .|::|ヾﾆ }:::::::::::::::::::
ﾘ.ﾍ;::ﾍ:::::::ﾍ ｀y'ﾞ .|::| .l /::::::::::::::::::: 驚愕による城内の女子供の叫喚は、有馬晴信の陣にも届いた」と、
.∨ﾍ::::; ' ´ |::|./ ﾉ::::::::::::::::::::::
ヾ |::|r(´:::::::::::::::::::::::: 1584年8月31日付フロイス書簡は証言している……
ヽ |::| '､:::::::::::::::::::::::
‐- |::| .ヽ::::::::::::::::::
｀ヽ .|::| ヽ､:::::::::
',::ヽ､ |::|'"⌒ヽ､__ノ￣ヤ
ﾍ:::::`ー'".|::|:/ ..∧∧ V
ヽ;／ リl / ﾊ. V
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
引き続く沖田畷における龍造寺軍との決戦でも、船上からの砲撃を実施。島津の罠にかかった敵兵に、大打撃を加える
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
r───‐┐
| r─‐ｧ ./
└┘ / ./
. ＼ く／
__＼ _
/__|//＼_ /二ゝ | |
{ ./７! | t┴┴x | |
r---t-､＿/ .j!__.ノ､. ¨7 .,ｲ l. | |
￣¨'ﾚ（__/_）_ .| .|ヽ ヽ |---||_|、 | |
. /__ r'=v }. _ ./ / |_/ .|_/l .| ＼ | |
>レ' ￣`< |l ＿{_/. .|_l .{_| l_,| ＼ | |
/ ,ヽ_l. !} |ﾚ,､{_!￣ヽ ○-､ ..l_,|. |l. ─‐| |=rｭ‐--.｡/¨l
. /､_|i. | |ﾞ .l_l |`ｰt'!. /､. ヽ .||. |_| ￣|_./. `¨^ヽ
r‐'' /└tt|-tt┤ .／l＿|_|/|__.X／.ヽ .||_ ./､＿_∠.}
￣ |_l|_l'/./. -=={＝≠=|{ノ / ∧ |._rt!| ○- ''￣） / ,､. ヽ Ll
`ｰ” 'ｰ’| | _ゝ_{.x（二）.V ./´ .x彡-､/ ／ 》､》
. _ |l |-.| `~~,ｲ__/ / {＿,彡'. X ヽ/
/ ＼ |l. / ＿＿＿___.`ｰ’ `" | / / z○─-v'7
. 升=≦ X __ l ＿___ | .〈二フ___ （二） |. ＼__ﾄ//
. / ヽ__.〉-t{__}_.|__| | | |_|''/ r'',ｲl{ # ＼ヽ___|t‐ '
/､＼ﾊ V / .} / /. , -xﾆﾆ-''´／ヽ # ∧!┬┤
. | ヽ ヾ¨.ｺ＿__r' く／ ._／ ヽ-- '’ └t''´ .∧ﾊ ',
. / | ﾚ , | _ ./ {-x _／ ヽ .| ヽj
〈＿／ヽ/ ／ヽ .ヽ | |. ヽ{○`! | ＼_|
ヽj _,| .l ＼ ヽ. | |. /ノ
. `~~ `ー'’ .| |
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※AAはイメージです
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〈＼ー‐‐／〉
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| ,.イニニﾆﾆ|＼- ､|
＿ Y((;;)) ／＼ ,((;;))Y
／ ＿ ｀ ﾑ ∨ ∨ /|7 ｡s＜￣ ｀
/ ,ィ升ﾆミx ﾟ。ヽ ..|￣|‐ﾑ ﾏﾆﾆﾆ/ ::/‐‐|￣| ／ / ,イニミx ﾍ
{ {ニニニﾘ } ＼ー┴=ﾍーﾍ { {__ノ＾＼ー┘／ { {ニニニﾘ }
ﾟ。 乂ﾆﾆア / ＼/＿乂乂＿乂乂＿_∨ィ´ ﾟ。乂ニﾆア ′
ゝ ｡s彡 へ､ | | ｡si( ゝ _,ノ
￣⌒≧s｡ ヽ | | Ｙ´ ｡s≦⌒￣
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| r‐'´＿＿＿{__¨¨´ / ＿＿∨｀¨¨´」＿__| |＼
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,, ヽ _,-==s｡､_ | .lﾞ |_| |__|
ー- ,. 'ミミ￣｀ ヽ圭圭≧.| .| ＿
;;;;;,, ./ミミミミミミミ､' ,圭圭 | .llﾆri､,,,,,、.｡､_ /.;.;.;.;｀.;.;ー- ,,,___ ,.:-:.､
;;;;;,,, {ミミミミミミミミミ}圭圭| .|圭ﾞ''r、 ~`'i､圭圭≧s｡､:､ー--｡､_.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;{.;.;.;.;}
;;;;,, 、ミミミミミミミ,'圭圭 .| .|圭圭｀ﾞ!r,、.ﾞl､圭圭圭圭',圭圭圭}',i',ヽ､s｡､_ ¨´i
--－－ .ヽミミミミミミ, '圭圭 . | .|圭圭圭.ﾞヽ/圭圭圭圭||}}圭圭圭}||} } }圭圭圭i',
／ .' ,＿ミ, '圭圭圭.r" .|圭圭圭圭圭圭圭圭圭ノ圭圭圭}ﾉノﾉ圭圭圭|!ﾉ
, ' ;;;;;;;;;;;;;; | .| ￣￣￣￣/¨¨¨¨¨ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ¨¨¨ ___,,,,,,,,,,,
／ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;; |｀ .| /.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;●圭圭圭
;;;;;;;;;;;; ｀!i,,,/ ./.;.;.;.;.;.＿.;.;.;.;.;.;____,,,,二二二二
;;;;;;;;;;;;;;; (￣ヽ(￣ヽく ）.;.;●圭=-二二圭.lﾞﾞﾞﾞ!
;;;;;;;;;;;;; ＼ノ ＼ノ' | |..;.;.;.;.;.;.;.;.;.;●圭=-..i ! lﾞﾞﾞﾞ!
./.;.;.;.;.;.／ _ノ..;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;/_ .| | i !
/.;.;.;.;.;.;..￣..;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;// ｀ｰ" | .|
/.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;// . r-┐ ｀-"
｀ ＜.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;// ..;､_j .r-┐
;､_j
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＿人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人＿
＞ ﾊﾟｰﾃﾙ･ﾉｽﾃﾙ･ｸｲ･ｴｽ･ｲﾝ･ｾﾘｽ･ｻﾝﾁﾌｨｾﾂｰﾙ･ﾉﾒﾝ･ﾂｳﾑ ! ＜
￣Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ￣
（天にまします我らの父よ、願わくば御名の尊ばれんことを）
――――
／ ＼
/ ＼
/ / ニニニ＼ |
/ // < ＼＼＼. |
l // ＼_> /＼＼|
| // /<_>.//
∠ニニ./ / //
＿＿_/ | ―:v――:､ .//
/ / ／ ＼ ＼ |
／ ＼ ＼
―――＜ ／ }
＼ ヽ. ／ ／ ∧ ＿＿
| | ／ ∠＿/ ＼ ＼
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
フロイスによれば砲兵は跪いてパーテル・ノステルの祈祷を唱えてから砲撃を開始し、味方の兵もこれに唱和したという
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ヽ､_,人_,ノ､_,从,人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉ
）
‐=､´ 有馬勢よ。おはんらはゼズス・マリアの名を唱え突進されよ。拙者ら島津は八幡大菩薩を呼び進むでごわす！
）
, '⌒r‐v'ヽｨ'⌒Ｙｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿﾄ､!ｙﾍ!ｿﾄ､!ｙﾍ!ｿﾄ､!ｙﾍ!ｿﾄ､!ｙﾍ!ｿﾄ､!ｙﾍ!ｿﾄ､!ｙﾍ!ｿﾄ､!ｙﾍ!ｿﾄ､!ｙﾍ!ｿﾄ､!ｙﾍ
／ ヽ| lヽ / ｌ ヽ＼. | || ヽ＼ ,、 ||ヽﾉ
/ ヽ ヾヽ,.ﾐ-､/ 丿 ,.. ＼ヽ. | || ,..＼ヽ. ／ ＼.|| （
,.. ./ ノl￣ヽ ミ || ／ ＼ ヽ＼| || .／ ＼ヽ＼ ／ ● ＼ ）
／ ＼／'''‐-,,,,,__＿＿,,-‐' /ヽ_ﾉ ミ || ／ ● ＼. ＼| || ／ ● ＼ヽ＼ `''ｰ---ｰ''くヽ'
／ ● /"'''‐-,,,,,＿＿＿,,-‐' / ヽ彡 || `'''ｰ---,-､く | ||ヽ `'''ｰ---ｰ'''く ヽ＼ノ `ｰ'`ヽ ヽ
`'''ｰ---/"'''‐-,,,,,＿＿＿＿,,-‐'' ,/彡 ||ノ_,,`ｰ／ .＼ヽ. | ||ヽ＼ ノ_,,`ｰ'`,⌒`ｌヽ、. ;"'''ｰ- .,,_`ｌヽ
/ ノ`ｰ' "'''‐-,,,,,__＿＿＿＿,,-‐'' 彡 ||ﾉ /／_,,,......,,,_＼. | || ヽ＼､,,-‐''ヽ ,/`l ヽ / ● _,.-'" /_
/ ヽｙ,;--ｰ‐""'''‐-,,,,,_ヽ ノヽ、 彡 || | `'ゝﾉ、,_､ ,ヽく | || ヽソ-ー''''''`ヽ' | /_,.-‐''"/`ヽ／
／ // ~""','､,,ノ`y彡 |' ／丿//ｙ//,⌒`、 | ||_ ヽ＼ヽ、. ノヽ、/丿 ﾉ_.／ヽ
／,,-‐'''""~""'''‐-,,,,,_ /ヽ /l | く,ーく| `'''' Lヽ ヾゝ,| ||ヽ ＼ /ー''' 彡 ヽ| ヾ / /
''" // `ｙヽノ`ー' |. /|ｰ-ヽ、ヽ ./ /（ レ'ノヽ / ≡ /ヽ___／ヽ、ヽ-‐､ノ|
,,,-‐'''""~""'''‐-,,,,_ ／ 丿ヽ | , //|'''' ‐-ヾ)う"''' ‐- ,,,l' `'゛/ | ー';''' / ヽ、 ヽ-ー'' ヽ、
// `ｙ':/‐' | .// | / "く`"''' ‐/ / /. （ くヽ､ノ＼ /≡/ヽ彡ヽ
..................................................................................................................................................
., -、,. -─- 、⌒〉
{ } ヽ_ r'⌒)
ヽ、 ,,-‐‐ ‐‐-、 iヽ、 J
{ 、_(o)_,: _(o)_ヽ/ ヽ/∪
! >:: } / 丶
l /( [三] )ヽノ‐''> ＜ つわぁぁぁああああ！
i⊂}＿＿ ｀二´‐'´__/＿_ 楽勝だと思ったら伏兵だった〜
ヽ ‐- 、二`ヽ/〉⊂ニニ⊃)
| /／￣￣）j~U^∪ヽ
ノ ` ‐-Ｌ!--‐''（´ ）
`i''ー----‐ ''"´ ヽ、＿＿／
! } ｀ }
!. , -‐- 、. ノ--─ '
ヽ、_{. ｀ヽi'⌒i
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
はたして薩摩の十八番“釣り野伏せ”にひっかかった龍造寺隆信は、惨敗のあげく自身が戦死。長崎は一息つく
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
, ── ､
ゝ／ ＿＿＿_＼
/ | / /⌒ヽｌ
l |_＿| ・ |
| /⌒ ヽ＿ ﾉ o よくやってくれた、マルチリヨ。海岸の敵勢をみごと撃退し、一発の砲弾で10人の
ヽ ヽ_ _＿＿ ｌ
＼／ | / ﾉ 敵兵を倒すほどの活躍をしたとか―――有馬プロタジオ殿からも「南蛮の大砲は、
l ｀ｰ__´／
ｌ二二二ヽ 千人の兵より戦果を上げた」と、大いに感謝された
| /⌒ヽ╋
/;;;;;;;;;;::::::::::::::::;:: ＼
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::: ＼
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::...
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／￣ヽ::::::;;;;;;:::::
|;;;;;;;;;;;;;;／ へ ＼::::...
l;;;;;;;;;／ ／;;;;;;::＼ ＼:::. いえ。教会のため義務を尽くしたまでのこと……
｀ｌ／ ／;;;;;;;;;;:::::::::＼ ＼:::;;,,...
|_;／;;;;;;;／ ];;;;;;:::::::..＼ ＼;;;;;;;::....
＼;;;;;L イ;;;;;;;;;;::::::::....＼ ＼;;;;;;;;,
＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼ ＼;;;;
＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ_｣
＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/´ γ::::::
＼;;;;;;;;;;;;;;／ /::::::
╋:::::::
..................................................................................................................................................
,⊆) ｎ
.└っ ） ⊂⊃. /厶__ o o o
.└‐' └'^ｰ┘..
__________
, ´ ｀ ヽ､
, ´ , ﾞi ､ ､ ヽ
,'/, /, . l} i i ヽ,
i'! i !i} i!}, !} ﾞi ﾞ, （島原城には大村家の兵も三百人ほど居たのを思うと、喜べない気分……
l{ {: :_l-: : : : :'lV|: ｀ヽ|} :i .
! l:´:, =-￣￣｀イー､ } , ::i ､l それに「イエズス会は、日本国内の軍事に不介入」というのが鉄則！
ﾞ、ﾞ､ｲ穹} {晟ﾘﾒ | ﾉ ::i ヽ
ﾞ, .! ゛″ ゛"' |ﾉ ﾉ.:i､ ヽ
/i ∧ ｀ u. / / :::i::､ ヽﾞ､ たとえキリシタン大名であっても、「日本の国内戦に西欧の大砲を
/i : : ﾞ..､ ´ ゜ , ./ / .::::i､:ヾ::: ヽ.ﾞ､
{i | ﾞ : :i: : ｀＞イ´ / / :::::i'::i::: ヽ:::::i!::} 提供してはならない」のが、建前だし……まずいことしたかも？）
{i..! ､｀: : : ｨｰ､/ﾍ"/, ::!.::::/::::":::::::i:::::∥
ﾞ､､ ､ ::,ｰ"i: : :{¨}"! i..::::::/￣＾゜｀…､
,ｰ,' ,l": :/╋､: : ､∥ /" ﾞ､
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
デリケートな問題への抵触を恐れてか、フロイスは「日本史」（第二部53章）ではカフル人とマラバル人についてのみ書き、
ｷﾘｼﾀﾝ
照準をあわせる砲手の日本人は「居なかった」が、「敵が密集していたので大戦果を上げた」と、とぼけている―――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
| | | ,′ , ｲ′ﾍ, ﾄ､ ﾍ, ﾍ,
| | | /| /| | l | | | |
│ │ l 八 / |/ | ,.ｲ ﾄ､| | | | │
│ │ l ∨ ｣＞く `'＜,_ ﾊ | j i なにが「中立厳守、軍事介入は厳禁」なんだか！
│ │ | 厶ｨ斗扞Tｧ r于ﾃミメ、 l / l|
| 八 八 ヽf＾)-y仆､ 刈 ::::::::::: ﾄ､ .刈`《V./ ﾘ 思いっきりバトルフィールドの一角に参加してるよ！
ﾚ､ ＼ ＼|/ .人 Ｖ//（ :::::::::::::::::: |Ｖ//（ YY＾l k ﾄ､
. 〉 〉、 ＼/〔 ｛ ゞﾆ ┘ .、 └ -ﾆﾟ_,/ .j l | 》 |V》,
_,《V ＼j＼j| ` ` ,ノ / / |│|V》 | V》,
《Ｖ | ∧ ＼_ （´ ｀） __／ _/ ,ﾉ│| V》＼j
V{ │ r―宀冖 ￣￣ ￢┐ ,／￣￣ ￣￣￣ミメ.ﾘ V》,
′Ｖ .小 | | | / | /V》,
, :': : : : : : : : : : : : : : : : : : : `:..、
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
,:': :／: : :. : : : : : :./: : : l: : : : : : : : : : : :':. まあこれ以前から、内心はどうあれキリシタン大名の兵站
/: :/: : : /: : /: :〃:'|: : : ::!: : l: : : : :l: : : : : '.
. ,': ::,': : : /: : /: //:,' .l:.ﾄ,: ::l: : :l: : : : : l: : : : : :' には協力していたわけですしおすし
|: : |: : : l: ::/l::/ ,':/ |:.', V:l: : ;l: : : : : V: : : : ::l
l: : l: : : :l: :,'-!_'-|,'‐' ヾ -ヾﾍ:_: : : : : :V: : ::l:.:|
l: : :V: : :V!ｵ芍斗 乍芍=ﾏｪ-: : :.ヽ: :.|: |
. V: :.ヽ: :ﾊ 弋,ﾉソ 乂じﾉソ 》ヾ､: : ヘ: :|
V: :l: ＼ヽ , ー‐ ´ !:.ﾊ: :ﾄ,: ﾊ;!
V:|: /: l |:.l V!:}:/: l -, , -ｒ 、
,': : ﾄ.、 lﾌ::.ヽ ,ｨ' l-:': : : : : :', , - ´_ノ -―' 〃 }
/: : :.l:l::.丶 ゝ- ' ィ':j ,':: : : : : : : ﾊ / '´ ‐‐.::／.／
/: : : ::l |: :r-| ` - ´ ,'-//: : : : : : : : : :'. l , ´￣- ´ ／
/: : : : :..l l/ ¨｀` - 、 / //V: : : : : : : : : ﾊ '. ｧ－ ´
. , -ナ- ‐―.; l / ', / , ' V:_:_:_: : : : : 、:', r二￣￣ 二7
/ 、 l l 、 / V , / / ヽ:', l ￣￣ |
. / ヽ !l ヽ x≦三三ﾌ/ミzx' j ヽ, | |
/ l |.! Y////／//V,'///ハ ./ V l l
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
寺領の資格で日本に根拠地を作っておいて、「日本の政治に関与しない」などと
建前を言いつのる方が、無理ゲーというか奇麗事すぎるというか……
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
いずれにせよ。龍造寺が倒れたところで、教会領長崎が安泰になったとはいえない。戦後は大村家とともに有馬家も
長崎の交易利権に食いこんでくるが、その有馬のバックにいる薩摩は異教徒なのだ。昨日の友は今日の敵になりうる
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
-―- ､＿
／: : : : : : : //:￣:￣:ヽ.
/: : : : : : : : ://: : : : : : : : :. こたびのご加勢、痛み入る。謝礼と申し上げては何だが
{: : :/: : : : : {/! : : : : : : : : ﾊ
}: / : : : : : ｣/{: : : : : : : : / j 浦上村を教会に寄進する※。今後は大村家とともに我が
人y':/: ｲ: ｲ⌒}: i: : : : :l : : /
／:イノ_＜彡{!＿ｊ|: ﾄ:､: : :{=≠､ 有馬も交易でよしみを深めて参りますが、両家は縁戚
/:/:/:rl| ＿ゞ､jﾉ T ヽｚ=≧､!: :ﾊ￣￣ ミ
/ｲ: j:/| l! ´ヾ=ﾍY｀7ｱｔｫ-､ }:Tヽ:l} ＼ ゆえ、なんら問題はありません
{ ﾘ:/:/:ﾊ ｌ ｀￣ｲﾘ ミー¨- |:j /:ﾘ! (_ヽ
|ﾊ: {/:∧ / : . ﾘ/:// }ﾊ
／ {ﾊﾄ:/:ハ ｚ=ヽ ィｚｘｭ ┐ｲ/ィ´ | iﾄ
イ ヾ|:/:|ﾄｰ=ニ＝－'´ / ｊ ! (ｒﾉ ハ
イ { ｀ヾﾄ､ｚ￣ｧ,,ｨz彡' / .ｊ ｊ ｌ |!､
イ ﾏ ヾ:ﾊ: : :_ﾉィ V / , ｊ ﾏﾑ
/ マ ｀ヾ＜＿{ ＿ノ （_,/ / ﾏム
,ｨ7 ｀ー ＝=＝╋ ﾍ / / ヾ＼
〕 ｒ- , ﾏﾑ´ﾍ / / ＼
（＼ゞ- ﾏﾑ__ﾍ, (oﾘ / 丿 ｀
／/ ＼ ﾏ＞'' イ／ ミ
// ヽ ヽ. （_ﾘ ィ ／
/ ＼ ｀ー ＿ ｒ ､ (し ィ 彡' ※実態は、実効支配の追認だったと思われる
＿＿__
ゝ／＿＿＿＿ヽ
/ | , ─ ｗ－､! は、はあ……
| __|-| +|+ |
（ u ｀ー oー | （たしかに有馬殿はキリシタンだが……島津家の存在感が増したのが嫌すぎる！
/ヽ､/＾＼__／ ﾉ
ｌ､(uu ー,─ ､´ 龍造寺を屠るほどの強兵集団が、獲物を独り占めにする誘惑にいつまで抗えることやら？）
ｌ ＼ __／┬ ′
ざっざっざっ・・・
／ ／ ／ ／
.. ／.. ／.. ／ ／
／￣〈 ／／￣〈 . ／ ／￣〈 ／／￣〈 ／
l/",ニヽ~'ヽ／ l/",ニヽ~'ヽ／ l/",ニヽ~'ヽ／ l/",ニヽ~'ヽ／
ﾉl_[,#ﾟ -) 0´| ﾉl_[#ﾟ -) 0´| ﾉl_[,#ﾟ -) 0´| ﾉl_[,#ﾟ -) 0´|
( _ii＿／_ノ ( _ii＿／_ノ ( _ii＿／_ノ ( _ii＿／_ノ
|ヽ0´| |ヽ0´| |ヽ0´| |ヽ0´|
ﾉ／'i'i'iゝ ﾉ／'i'i'iゝ ﾉ／'i'i'iゝ ﾉ／'i'i'iゝ
／(/´"J ／(/´"J ／(/´"J ／(/´"J
..................................................................................................................................................
o
/´￣｀ヽ
{{ ﾘ
,＞──ゞ── 、 っ っ
／.: : : : : : : : : : :',: : ＼ っ っ
. /: : : : : : : : : : : : : :.} : : : :ヽ っ っ あのーすみません、こちら長崎―――
|: : : :./: : : /: :{: :{ : :j :', ',: : ｉﾄ
|: : : ,{: : :./:／ヾﾍ∨///＼:}:ゝ
|: : : :'＼〈´ ○ ○ jイ rvﾍ┐ なぜか大村領の西彼杵半島まで、島津が出張っている件について
|: : : :.ｉ: :｢ U ｃっ U .ﾉ, ｲ ﾌ
|: : : :.|: :|≧=‐- -‐=≦´:'､_＞'" 状況が剣呑すぎて、夜もおちおち眠れません
|: : : :.|: :|:::{{ 〈_,╋〉 }}::,ィ´|
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣Z＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
つ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..
ﾉ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨ まずい……
ゝ.::/｀ﾞ´ゞ¨ヾﾞ´￣￣``¨´ﾞ}::::::::::::::::::::::::::}
∧::}､ ＿ u. |::::::::::::::::::::::::ﾞ 島津のキリシタン嫌いは定評がある
j /´ ｀,{ ,ノ / ｊ::::::::::::::::::::∨
. ｢l{｀fｯﾐ｝ ,{ﾑx<Z二｢｀ヽｿ.:::, - ､.:.:/
｀ゝ¨ﾆﾅｰﾊi^ｆ¨tチ,.ヌ l}:::ノ⌒} |::.ﾞ 下地区のキリシタンたちはすでに、「島津が来れば
∧ 〈､_,.. `．ﾞ￣ ..ノ.V_) ノﾉﾞ
', ＿ ￣￣ /(__,ノ´ 全ての教会が滅亡する」と、戦々恐々だ―――
ｉ ‐-｀丶 u. / ﾚﾍ
ﾊ ／ ／ ゝ,
ゝ＿＿__ .. ＜ ／ ｊ ヽ
厂＼ ＿＿＿ノ ,ノ ⌒＼__
. -‐/}V｀7⌒｀ヽ く.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:/／⌒＞､
／.:.:／ﾉ｀i/ ゝ╋ 人/ ＼:,/.:.:.:.:.::,/／.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
／.:.:／／.:.:.:i／ } ,／.:.:.:｀.:.:.:.:.／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:V
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1585年3月3日付けのフィリピン・イエズス会員宛ての書簡でコエリョは、フィリピン総督に「異教徒に大いに悩まされて
いるキリシタン大名を支援するための、兵士と弾薬と大砲と糧食を積んだ軍艦２，３隻」を派遣するよう、要請している
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
果たして危惧は、大当たり。1586年10月までに薩摩軍は「定航船の利益がほしい」と、長崎をあっさり占領
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ヽ､_,人_,ノ､_,从,人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1
）
‐=､´ 長崎のうまか利権、おいどんらも「相伴」させてもらうでごわす！
）
, '⌒r‐v'ヽｨ'⌒Ｙｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿﾄ､!ｙ
,〜-,〜-,〜,
ｻﾞﾜｻﾞﾜ. |_長 崎 |
_|_~~~~~~~~ ｻﾞﾜｻﾞﾜ
_i .i-.､
rii | i_,! 'ｰ'l |,_l"'i ﾄ, ;; )
_ __.ﾞ| '" ." |__ (;;::; ) ゞ;;;;;ゞ
└┘ i.L,r-''"i￣￣i~~ﾞ"i''-.,」_.|_iーi 从_ (;; ) 丿;::.;:
┬─┬ﾄ''l"~￣|￣￣|~ﾞ"''i.|..|,,__~".''''ーk,,i=i、.rii l"l,,|~炎)(;;
┴┬┴ri'"~|□￣|￣~"l''ｰ| |_~"'l'''' iｰ-i-.ﾆＬ." 从人 _从
┬回┬r''l"~￣|￣￣|~ﾞ"''i.|~",-､.=､~|~"'l''.ｰiｰ-.|'"|_._|__|~i''i|
┴┬┴ri'"~|□￣|￣~"l''ｰ|~"|;;;|.|;;| .~"|".' ''l -i |r''i"□_| ~!|
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨・・・・・・
(´) (｀) (´) (´) (｀) (´) (´) (｀) (´) (´) (｀) (´) (´) (｀)
. .ﾍ⌒ヽﾌ ε ⌒ﾍ⌒ヽﾌ ε ⌒ﾍ⌒ヽﾌ ε ⌒ﾍ⌒ヽﾌ . ε ⌒ﾍ⌒ヽﾌ
( ・ω・） （ ( ・ω・） （ ( ・ω・） （ ( ・ω・） （ ( ・ω・） ﾌﾞﾋｰ
ヽ_ヽ-ヽヽ ノ,ノーヽ_ヽ-ヽヽ ノ,ノーﾉ_ﾉ-ﾉﾉ ノ,ノーヽ_ヽ-ヽヽ ノ,ノーﾉ_ﾉ-ﾉﾉ
. ε ⌒ﾍ⌒ヽﾌ ε ⌒ﾍ⌒ヽﾌ ε ⌒ﾍ⌒ヽﾌ . ε ⌒ﾍ⌒ヽﾌ
（ ( ・ω・） （ ( ・ω・） （ ( ・ω・） （ ( ・ω・） ﾌﾞﾋｰ
ノ,ノーﾉ_ﾉ-ﾉﾉ ノ,ノーヽ_ヽ-ヽヽ ノ,ノーﾉ_ﾉ-ﾉﾉ ノ,ノーヽ_ヽ-ヽヽ ←薩摩では豚は「歩く野菜」扱い
..................................................................................................................................................
__,冖__ ,､ __冖__ / ／/
`,-. -､'ヽ' └ｧ --'､ 〔／ / ､-―――- ,
ヽ_'_ﾉ)_ﾉ `r＝_ﾉ / / ＿＿＿＿ 丶
__,冖__ ,､ ,へ ,ｨ: |／ ＿ ___Τ
`,-. -､'ヽ' く <´ 7_／/ | / Ｖ 丶|
ヽ_'_ﾉ)_ﾉ ＼> / |-| (:)|(:) ||
n 「 | /丶_ (6 ｀_―´っ-,' .｝ ＿＿＿
ｌｌ |｜ .,ﾍ / ヽ / ￣￣Τ／ ＿＿/ ＿)
. ｎ. ｎ. ｎ ヽ二ノ__ ｛ `（ ￣￣￣ |￣￣ | ､し )
|! |! |! _| ﾞっ ￣／ _ ＼_／╋＼_| ＿＿＿| ＿丶＿/
o o o (,･_,ﾞ> ／| /
ゝ ───- ､
／_＿＿＿＿＿ヽ
/ | ノ ─ ､－ ､|
! __|─| //|ヾ | 有馬どの！ これはいったい、どういうことですか？
（ U － o-U l
| /⌒ヽ__U＿__）／) せっかく龍造寺が敗れ、大村純忠どのの地位も回復したと喜んでいた矢先なのに！
ヽ､ヽ ＿＿_ /ノ（⊃ ）
／＾＼／╋ﾉ＼／￣／
,ｨ'´::::::＞─｀ヽ､
/::|::／::::::::::::::::::ﾉ､
ｲ: 0:::::::::::::ヾ､:;ノ:::::ﾐ､ っ っ
/ r｡､从､:::::;､::::::::::/ っ っ す、すまん。その……
ゝr,,, Y'イ::::::j/
／ .'r= ,,,,,ノ 彡ヘ 島津に強制されて、やむをえず尖兵を演じるほかなくてなあ……
,イ{: : : :ゞ=彳--'´: : :ﾉ: ＼
/: : :∧: : : : ヾ､＿_／:/: : : :.＼
./: : : : :∧: : : : ╋: : : :/: : : : : : :ﾍ
'¨｀ヾ､: ミﾍ: : : : : : : : /: : : : : : : : :ﾍ
:.:.:.:.:.／｀Y｀ヽ､＿＿＿＿＿: : : : : :ﾊ
:.:.／::::::::∧:.:.:.:.:｀ヾ＼: : : : : :ヾ､__,ﾉ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
フロイスによれば このとき有馬は手先として使役され、その片棒を担ぐはめになっていた
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
｜ ククク・・・・・・そうビクつきなさんな、バテレンの頭領さんよ |
乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
, ─── ､ ノし
ゝ／ ＿＿＿__＼ て
/ | ノ／⌒ ヽｌ (
/ |＿| (・|
| /⌒ | |
| | ) ヽ､＿ ﾉっ
ヽ ヽ_ ）
＼／ ／⌒ー─´
l､＿＿┬─ ´
/ ＼／ ＼ｌ＼
ｌ ╋ l
.
┃
┃
┃ ┃ ┃ ┃
┃ ━┛━┛ ┃ ┃ ┃
┃ ━━┛ ┃ ┃
┏━┛ ┃ ━━┛
┃ ┃ ┃
━┛ ━━━━━┛ ━━┛
, ‐'´ ＿ ＿`‐､
∠ -‐'' ／ ｌ|| ｌ|| l|l ||l `‐､￣
, ' ｌ|| ｌ|ｌ , l|ｌ ヽ
. / l|| ｌ|| ,ｨ /l/| ||ｌ 、ヽ
/ ｌ|| ,ｲ ./! / | / | lll ﾄ､ ||l |l l＼!
. ,' ,.イ l|| / l ll/ l |l/ | ll/ ｌ | l ||l |
／ | lll /| / | / | / | / ヽl !.ヽﾄ、 ||
. | / :l lll /─|/‐-l/、 l/ ,. -─ヽ!ｰ` ヽ |ll |ll | おれたち薩摩の者は、なにもキリシタン憎さ（だけ）で
l ll / | r:､ / ` '´ ヽ ,r‐､ |
! ./ |/| |ll|.＝＝＝=｡== ==｡=＝＝＝ |l|ｌ|'-､ l ! 長崎を占領しているんじゃない―――
|/ | | | ｀ ｰ--‐ ' | : ｰ--‐ ' ´ | !｀ i | ||
| | ! ::| : | .|ヽｌ l !
／ｌ |l| :::| : |ｌｌ!_ﾉ.,' !＼ 島津の目標は、あくまでも全九州制覇！
／ `ｉ| r_::| : _， :| |_ノ ,' ＼
_, ｲ ヽ 、 ｰ' , ,|,! ll ,' ト 残るは豊後の、大友だけだ……
-‐' ´ .| ヽ ￣￣￣￣￣￣￣￣ ／:| / !
-‐' ´| |;;ヽ ＿＿_ .／:: :| l / :|
. | |;;;;;;;＼ ￣￣ ／::: │/ |
| !;;::::::::::＼ .／:::: |/ :|
. | l;:::::::::::::::::＼ ／::::: | |
| :|:::::::::::::::::::::::`ｰ:':::::: | |
. | |:::::::::::::::::::::::::: | !
| |::::::::::::: | |
. | _,.. -‐' ヽ | ｀` ‐- ､. |
擬人化島津（演者： アカギ ＠アカギ）
_,,.. - 、 ,. ''" ﾆ=- 目標達成のため、長崎には資金面でご協力願うだけの事―――
_,. -ﾞ'" " ﾞ " " " "￣~ﾞ'' - .,,
７i " " " " " " " ヾ" ーﾞヽ
/,. " " " " " " " " " "i; 、 " ヽ それに有馬殿の手前もある。あんたらが従順に接収に応じて
/,." " " " " " " " " " " i; 、" i
／ " " " " " " " " " "" " i. ﾞ , さえくれれば、何も教会まで取って食おうとはしないさｗ
"7 " " v ｖ ﾍ、ヽヾヾ i i i＼i
l" " ノ / / i / ヽ !_Aﾘ|ﾉ!'!'!
_,,.､､ｨ､Vノﾞ-＝-､､!/ _,.ゞ､､Yﾍﾚ''-､､,, ） ）
_,,.､-‐''"´ / i, ｰ==。=、_ｯ‐‐ ､｡==-' !!:::::::',:: 〃 ｀''‐ ､
,､‐''"´ / ', ｀ー ,､''" ヽ, `ﾞミ,''‐-､,'′::::::!:（',; ヽ
,/ ':, ,' l ':,,.､ '" ヽ, ＼ ` ､ ヽ,:::: l _;;ﾘ ':,
ヽ', i ,､ '" ､ ＼ ヽ,_ ヾ二二で)″ !
':, ! ,r" :. ﾝｰ' ､ ﾞ! },,,ヽ, ':､'､〉 ／／ ｌ !
_ ',. / :. ／ ! ! ! ヽ ;ﾍ 〃;／ l
‐､ヽ ',. / ﾝ､､..,,,__,,.. -{ r/ l‐--‐' ゝｰ' 〃／ ｌ
ヽ ヽ. ',. / /, ｀! __,' f,'"_,, - '' !
｀｀' '- ﾐ､ ! / / ':, ゞ-' i!´ l
l .::/| ::∧ :|:::::::::: //::/| :| :| Ｖい ＼ ＼
| ￢ト､_| ＼八::::::::::::://::/ :| ::/|:ィ∧ :iﾊ│ ／ ／
|:::::::Ｌ.斗≧ｧ＜＼::／ .::厶斗≦| / |: i八| ＼ ＼
:.. :::::〃 ん'//し ／＼／ ん/ しﾍ |:: | | ＼ / / とか何とか云いつつ港の交易船を、かたっぱしから
:::::.. Ⅵ{ iｈ{ :::::} i ih{::::} i }Ⅳ::/ │广⌒ﾞ 〈 〈
::::::＼(こ乂____ソ 乂__ソつ厶/::: /|/ 〉 〉 接収しやがって！ マモンに仕える異教徒め！
ﾊ ::::::::::ゝ : : : : . ' : : : : ∠:::: .ｲ 〈
|人丶::::::＼: : : : : : : : : ／:::: ｲ:ﾘ 〉
:::::::＼::＞⌒ ⌒ｱＴ|/|/ /／
:i圦 ⊂ﾆ＝=ー- ｲ::: ｉ八 ／
＼ :|i::个ト ＜::i::|:: ｉ ＼
╋
＿＿＿
ゝ／ ＿＿__＼
. i | ノ－､i
| __.|─| +|.
（（ヽ （ U `－ ＾､
ヽ/ l` 〜〜┘ 何という事か……“神の平和”の都市が、いまや異教徒の思うがままとは！
| └─ ､
j二二ヽ￣
/| i ⌒l
/＾! |￣|╋
.uu|─-| |
（ ヽ__,- uuヽ､
￣（＿＿|＿ ﾉ
γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
｜ そこまでだ、島津と有馬。わが領内から、お引き取り願おう……. |
乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
: ,Li､.,‐ .,!,,-:,、 ,、 ._,,,-､、 ,,- .,、 、 .,、 .i､
: |lﾞ.〃 ,,,rrヽ.,i´ .,ｉﾞ‐''"゛ ,,,/,,,,-‐'ﾌ′ ,,-''| | .ﾞL,/.|、 .|
: |ﾞl .,/',i´,-､/ ,i´ ｀'-,,"~ﾞ＾ .,／ _,,,／" ﾞl .|! |｀ .|│lﾞ
: | ﾞl" lﾞ.,i´ .lﾞ ,/ 'l-､_ `'-,、''ﾞ‐''"゛│ .,､| ./lﾞ ,ト | .ﾞllﾞ
｜ |｛ | /｀ ﾞl、｀ﾞ''ｰ､,,`-,、 /｀ ,i´ |i,,,,i| /.| ./ ｀
｀| l.|、 | / ﾞ'=,、 .ﾞl,,,,!-ﾐ'､|'i､ .,lﾞ‐'ﾞ",/ |,/ ﾚ′
: | ヽヽ,'ilﾞ ﾞヽ,_ ._,,-｀'i､ ﾞl .,|=二"
.,,| ｀''ﾘ｝ ｀ﾞﾞ｀ ﾞ│|,ﾆ",|
"｀ .,ﾉ ﾞl ｀!ﾞl ./
.,,‐｀ | ,,､i､ ﾞl.ﾞl/
,i´ ﾞl、 -‐l二" ﾞl l ん？
.ヽ ﾞl ｀7ｯ,. ﾞl l
.ヽ │ .'''''''''―--,,,,ﾞl ｀'-,,ﾞl
ヽ、 ﾞl、 .--､,,,,,,ﾉ
ヽ ﾞi､ ／ `'-､、
ﾞ‐ ﾞ‐ .'" ｀'｀
, -─── ､ /
ゝ／ ＿＿＿＿＿__＼ ／
/ | / ヽ|
/ | / ⌒ ヽ/⌒ヽ| ￣
| |─| (・|・) |
V⌒｀ ヽ | ﾉ
/ ￣￣) |＼`ー─ ﾍー つ おお、その声は？
| 二 | | `ー─┬─ ´
| ノ､ ＼⌒ヽ⌒)_ ( ⌒＼
/` ー/ヽ ヽ､ 二二二ノ （ _)､ ヽ
/ / ＼／＼/＼ l ｰ ﾉ
ヽ_ .╋./ ＼／ ＼ _／
,/ ,ｲ ,ｲ
／〈 ////
/ / ／| ﾚ ﾚ
/ / l | , ―― ､_ ., イ ,ｲ ,ｲ
/ / l | '――'''''' ／／ .//// , イ
/ / l l ／／ ﾚ ﾚ ／／
/／ Y ／／ ／／
/ ／'" ／'"
_ -――- ､
／ : : : : : : : : : :＼ 龍造寺から人質のせがれを取り返し、後顧無き今……
〈:_ - ﾆ 二◯二二｛
. }､´: : : : : : : :_;_;_;_;〉 ぱらいそへの土産に、武将としてあと一働きしておかねばな！
} ヽ-=‐_￣ =-‐ }__r-､__
_（(｝ _｀‘'"､ {‘'" ﾏ ﾏ厶:｀＼
／三 | ´,ィ 三ｰ '三= }ﾑ ｰ ': : :∧ 不肖の甥と異教徒が宗門に害をなすのを,、見過ごす気はない
. ／´: : : :-ヽ ⌒´ ﾉ:| | : : : :V: ∧
. /: : : : : -‐ : : ≧=‐- -=≦´ : :| |: : : : r┐:∧
′.: : : : : : : :/´ : : : ＼ ', :╋ : :| |: : ｢|:|-|:}: :ﾑ
|: : : : : : : : :/ : : γ^ヽヽヽヽ: ｢|:| |: : ０:◯{: : :ﾑ
. ': {: : : : : : /: : : {三.} 〉 〉 〉 〉|l|二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾆ=-
. ' : : ＼: : : :{: : : : :ヽ Ｌ/_/_/_(_〉｣/: : : : : : : : ﾑ.:／:〉
. ,': : : : : : ＼;_;＼.: : : :_＞‐ ´: : ://.: : : : : : : : : : :}-く
{: : : : : : : : : : : ￣￣: : : : : : : ://|: : : : : : : : : : : :| 〉
{: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : //: :|: : : : : : : : : : : '､ _/
ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : ／ . : : :|: : : : : : : : : : /､
／＼､: : : : : : /:７: : : :／／: : : : :|: : : : : : : :.／: : ＼
／: : : : : :≫=- :/::/ : :／／: : : : : : : | : : : : ｘ≪ : : : : : :}
/: : : : : : : : : :｢ヽ/::/_／／: : : : : : : : :_｣ -=≪: : : : : : : : /
. { : : : : : : : : : : ∨r/-‐ ´￢＝＝==＝￢ ´.: : : : : : : : : :/
. {: : : : : : : : : : :/::/: : : : : : : : : : : : : : : :/.: : : : : : : : : :／{
＼: : : : : : : :/::/: : : : : : : : : : : : : : : :/: : : : : : : _ - ´: : ﾑ
}＼: : : :./::/: : : : : : : : : : : : : : :／: : : : _ - ´: : : : : : : ﾑ
. |: : :＼:/::/: : : : : : : : : : : : : :／＼_ - ´: : : : : : : : : : : : :}
. | : : : /::/.ｰ―------r―‐ ´ ﾏ: : : : : : : : : : : : :/
. !: : :/::/ : : : : : : : : : :｜ ＼ : : : : : : : : イ
|: :/::/: : : : : : : : : : : .:′ ｀Τ三三三厶
|/::/.: : : : : : : : : : : :/ | 三三三三 ＼
〈;;/: :: : : : : : : : : : :/ |=三三三三三}
ヽ、: : : : : : : : ｲ ｀ ＜ 三三三ノ
｜三三三三ﾆ| ｀￣￣´
| 三三三三ﾆ{
/三三三三三j
/三三三三三./
. {三三三三三./
ヽ三三三=／
｀￣￣´
───────────────────────────────────────────────
大村領で長年布教していた宣教師ルセーナによれば、純忠は「薩摩支配下で晴信に委託されている内海・外海の
領地を回復することに決め」、薩摩と有馬の連合軍を駆逐。西彼杵半島の東・西岸および長崎を奪還したという
───────────────────────────────────────────────
＼ ちょっと用事を思い出したんで帰るわ。アディオス！ ／
／＼ ／＼ ／＼
／有＼ ／__薩_＼ ／__薩_＼.／有＼ ／__薩_＼
（lili・Д・）（； ´Д｀） （； ´Д｀）（lili・Д・）（； ´Д｀）
＜ﾆｹﾞﾝﾅｧ!! / つ_つ / つ_つ / つ_つ / つ_つ / つ_つ
人 Y 人 Y 人 Y 人 Y 人 Y
し'（＿） し'（＿） し'（＿） し'（＿） し'（＿）
..................................................................................................................................................
, ── ､
ゝ／ ＿＿＿_＼
/ | / /⌒ヽｌ 感謝の言葉もありません、バルトロメウ殿
l |_＿| ・ |
| /⌒ ヽ＿ ﾉ o
ヽ ヽ_ _＿＿ ｌ （正直、大村殿が龍造寺の配下だった時期にはかなりギクシャクしていたが……
＼／ | / ﾉ
l ｀ｰ__´／ やはり持つべきものは、教会を守ってくれる有能な軍事指揮官だ）
ｌ二二二ヽ
| /⌒ヽ╋
_,,..-‐-､,
,､r''" `'､
/ ﾞl なに。宗門の事を除いても、おのれの縄張を荒らされて
〈_,,,,-､ ﾞl
,r'~nｮｪ ,r ､ ﾞl､ 黙っているわけにはいかんのでな……それに先刻も
/ ゞ lili i l ）
こﾐ彡 / `i 申し上げたとおり、これが武将純忠の、最後の一花だ
〉 ｀` i _,､-‐'i
ﾞi i_,,､ｨ‐'"´ _〉､
. ,>-----‐''´ _,,.､-‐''"´￣ ゝ
／,ｨ>--‐‐''''""´_,,,,,....,,,,,_ l
╋ <,ｨゞ ､ｨ'´ ｀' l
ノ △ ヽ _,,､-‐‐- ､,,_ﾞi l
／ (フ ◇ _,.､-‐''''''''''‐-､, l
／ (フ ,ｨ'´ `i､. l
/ ,ｨ´ `､ l
, ── ､
ゝ／＿＿＿＿__ヽ
| | / －､ －､|
|__|─| ・|・ | えっ？
（ ` － o－ |
＼ __＿っ ﾉ
/ヽ､__─､- ´
/＾＼／＼/ヽ
| | ╋ | |
, ＜ ￣ ヽ
／ ＼
／ ＿ -― 、 u. ヽ ﾊｧﾊｧ
, イ ´ ＼
/ u. , -―一 、
, 冫≧ 、 , ≦≧ 、 ∨
ﾊ ´ ￣ ≧{ ; ヾ≦≦_、 ¨ ／¨｀.、 わしの余命は、もう幾ばくも無い……
i 冫 ., ￣仍人 ´ {仍! lilililil 人 }
i7 、,'￣i¨´ ヽヽ 一 ´ {, ´ 人
, u. , 、ヽ¨￣ ´ u. ; .iノ7
i 、≦≧ー ´≧、 , ｉ一 ´ヽ
| , 'ゞ≧尓ﾆﾆ弌≦≧ｲ ' }
＿___! ! r───一j j ,' ＿. ＜
＞ ´／／! 、 ´￣￣￣｀¨¨´ . ＜ !一 、
, ´ ｀ ===＜! .i＞ . , __ ＜ ＞ ´: : : : ＞一 - ＿__
/: : : : : : : : : : ヾ| i ＞ . . ＜ ＿ ＞ ´: : : : . ＜ ／ ＞ヽ
, : : : : : : : ＿／ヾヽ__.l二二二＜─－＜ : : : : : : : . ＜ ／ イ: : : : :
/: : : : : : : /{γヽ ∠_: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : { ヽ ／ ＞ ´: : : : : : :
／: : : : : : : : 〉 ゞ╋ /7: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＞ー＜ ´: : : : : : : : ＞
, ´: : : : : : : : : : ヽ／ヽ_/7: : : : : :!＞ 、: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＞ ´: : :
─────────────────────────────────────────────────
大村バルトロメウ純忠は翌1587年6月23日、咽頭がんと肺結核で病死する。享年５５。秀吉の九州平定の際は病床に
在り、嫡子喜前が代理で出陣した。死の床で「教団を守るため戦ったが、荷が重かった。模範になれなかった」と述懐
─────────────────────────────────────────────────
─────────────────────────────────────────────────
コエリョは、大村純忠や有馬晴信と個人的には、不仲だった。純忠の臨終に際しては、看取ることを拒んだという
彼らが弱小大名の悲しさで教会の迫害者（龍造寺や島津）との取引に応じたり屈服を辞さない点が、不満だったらしい
─────────────────────────────────────────────────
( ,ゞ ─┴"─"､) _
､ゞ" ＼=
ヾ／ ＿＿＿＿＿＿＿_ヾ
｀ﾞ/ | ヽ､_（_)ノ |｀
ヾｌ | ／´⌒ ヽ／ ⌒ ヽｌ
=| | | |・ | ダメだこりゃ。やっぱりこの人、頼りにならない
ｰＹ⌒ヽｌ─ｌ ・ｌ､ ｌ､
| ） ｀ｰ─‐,／ﾍ､ー‐〈 ﾉ
ヽ_ " ｀ ｌ 嫡子のサンチョ殿は、まだ20歳に届かぬ若年だし……
>､ ,－───､ヽﾉ
, ヘ ｀(_∠ ､───-､ソ 長崎もこの先どうなることやら
/ ＼ ＼／＼ﾉヽ
ｌ ヽ ..╋ | ｌ
| |. | |
::::::::::::::::; -―- ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〃
::::::::::／ ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::l{ 考 ね 今 よ
:::::::::′ グ ﾞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゞ、 .え. な 夜 し
::::::::| ウ :|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≫ .よ い. は ！
::::::::ヽ ﾟ ﾉ:::::::::::::::::::::_ = _:::::::{{ う で
:::::::::::::` ､＿＿ 〃::::::::::::_ - ﾆ二二ﾆ:: ゞ､ ﾟ
::::::::::::::::::::::::::::::::｀＼; - ﾆ二二二二二二.ﾆ:=zzzzｫ ＿＿＿__...x
:::::::::::::::::::::::::::_ -:ﾆ二二二二二二二二二二二 ,}厂￣￣￣::::::::
::::::::::::::::::::z ﾆ二二二二二二二二二二二二二二二 =- _::::::::::::
::::::::::::::::::仁二二二二二二二二二二二二二二二:=‐:::￣:::::::::::::
::::::::::::::::仁二二二二二二二二二二二二二二二 !:::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::ムi二二二二二| || |二二二|:::::::::::::::::::::::::::
_r――z_|二二二二二=======#:======::二二二|￣￣ﾞ―'￣丁
|二二二二二| || |二二二二二二二二
二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二
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これは＞１の仮説だが……副管区長コエリョは「九州の戦国大名の世界」に、「順応」してしまったのである―――
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＜1586年5月4日・大阪城＞
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ｎ |:ｌ||l∧|||,ﾊl|「」‐| | |,,,| l|│ .| |_「｀|￣|T＞ ´ ,｡s≦≧s｡., ｀寸i:i:i:i:i＼ |￣| |ヽ.| |＿ ┌┐___ .___ |￣:|
|_|Ｔ|:|l￣|||¨ﾞ||Tア´￣｀ヽ|_l|┴‐|─┴| |＞ ´ ,.ｨ'´| |:::||个||:::|_〕ト｡ `'＜i:i:i:ﾐh｡.,.|＿| || | |冂 x-‐-ミ＿「| |‐| :|
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三三三三三三三三三三＞''"-=ﾆ=-‐ ￣ γ´｡o≦⌒癶⌒≧s｡｀ヽ､ ￣ -=ﾆ=-＿`'＜三三三三三三三三三三
_二ﾆ=--─ ＿二 -=ﾆ ￣ L|￣⌒≧=-‐''"｡イｰｧｧｧ彡'＾'ミｧｧャヤis｡.,｀`''＜⌒￣ L| ￣ ﾆ=- 二__ ｰ-=ﾆ二＿
｡sｬヤ广「￣ | | ⌒＞‐''"~｡o≦⌒ // /￣丁￣|∧∨ ⌒≧s｡｀`''＜⌒ | | ￣¨仁ﾆ=- ..,,_
＿＿＿
／´ ｀＼
ゝ/ ヽ これが織田信長公の後を継いだ、関白秀吉の居城か……
/ ｌ
,ｌ |､
ｌ | /| | かれを味方につけられるかどうかに、我らイエズス会の未来がかかっている！
ヽｌ､ ／ヽ!ﾉ
ヽ＼ ／ ＼ ／ ﾉ キリシタン大名を味方につけてきた“経験値”を、いまこそ活かす時機！！
｀ ｰｌ＿＿＿_ｌ－´ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
/_＿＿＿__ヽ
/ ｀ヽ
_,:'" : : : : : : : : : : : : :: : : :: :ﾞ'::､
,:' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `､
,' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ﾞ:
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :i
i: : : : : : : : : : : : : : : : : :: : : : : : : : : : : | 関白殿下におかれましては、ご機嫌麗しゅう……さて本題ですが
l: : : : : : ,-´^´´￣´´´｀｀￣｀｀-､; : : : :|
i: : : : :r´ ヾ: : :i
|:､: : r ヽ､ﾞi : l 島津の暴虐により、我らが友人・大友フランシスコ様が存亡も
/ヾ::/ｿ ‐‐--､ , , ,_ノ^＼ヽ l::l"ﾞヽ
'､ (ヾ,, r‐‐--､_`il,iﾞ__-‐‐==､ |lヽ l 危ういありさま。なにとぞ殿下の武威により九州に平和を
ヽ､`| ＼（゜ c/;;i＝i c ）ﾞ／|l'ﾉ/
ヽ| 弋_／⌒⌒）. ヾ__＿_ノ´ /l.,/ もたらしていただきたく、陳情に仕ったしだい―――
__,∠| ､ .／ ／ ／ ） / 入─､､,,_
_,.-´'" |.r- |./ﾞ ,／ ／ /_!／` / .l /./ ~＼
_,､-‐´'" |.| / / / / ／ヽ / / ./ `:,,､_
‐'" |.| ﾉ / .ﾉ / ￣￣｀ .ﾉ / / / ﾞ''｀,,､_
. ﾉ/ ノ / / .／ .／ ／ _/ `
/ / /.／ ／ _／ ／
ﾉ , `ﾞ ／―''' ／
| ﾉ╋￣
、/////////＼j//////∧
＼/////////////////└ /
,ィ ￣￣｀ヽ┘///////////////////｀ヽ /
／//////////////／}///／////／}////’, i
////////////////／{/// j{///ィ冖/////L ＿jｌ
`'＜//////////{｢ィ´i/ヾ |i／/⌒/ヾ}///////il おう。オラもオラの九州停戦令※ を無視して九州で
-―――ｧ//////i{ /{i｀ヽ ｀ '⌒ヾ ////////ｉl
//////////〃´ヽ>, {_ 卩 卩 _}ィｼ⌒ｉ/////l 我意をふるう島津を、放置する気はねえ……
`'＜///////{ハ ﾑ '"⌒¨ ｣〉 ¨ﾞ⌒｀ }ハ}///￣|
`'＜///V 〈 ﾑ r､_ ｀´-ｧ┐ /〉ﾝﾞ/////|
＞/＼__jl ｀ｰ‐' /／//＜_￣l 大船に乗ったつもりで安心しろ
´￣￣¨ヽiム. ´¨｀ /￣i￣￣ 丶
| ＞ . . ＜ ! ＼
、 ／| ＼ ｀ー ´ / j{＼＿, ー――
／i>′ ｀ ∨/ r'" // ヾ}＞‐i_,, -―――‐‐-
iｰ< _,ｲ ＿＿_∨＿／/＿＿＿ .／ i｢ ／
rt'´i { {`ー ¨´ ｀¨´ / ／ そうそう、あとお前らの宗門の件だが―――
／〈 { 〈 | j{ ヾ
. ヾ l ヽ ―- ..i.. -― ｣｢ /
※惣無事令のこと。秀吉が朝廷の権威のもと、大名間の私闘を禁じた法令
_.. ..‐::´／
_/::::::::::::/
＿/:::::::::::::/ ＿＿＿_
,..::::´:::::::::::::::::::::￣:::::::::::._／
／:::::::::::::::::| ヽ､:::::;::::::::::::／
/:::::::::::::::::::::|´|ヽ |/_:::.::／
_ .. -─':::::::::::::::､::|｀' , .!::∠
｀'' ‐-.._:::::::;-‐､｀（●） （●） |::::｀::-､ オラも総見院さま（信長の法名）の政令を
=ﾆ二::::::::::::::::|６ ＼＿＿_／､｜ -──｀
‐=.二;;;;;｀‐ｔ ＼／ ノ 引き継ぐゆえ、案じることはないぞ
│ /
＼ ﾟ, | / ＿_ ノ
x ＼ ′ / ｀ヽ Ｍ
｀ x l x≦三≧x _ _／
＼!≦三三三三三≧x Ｊ
xく三三三三三三三三三X
/三三三三三三三三三三三Y Ｓ
ムV三三三三ﾘ´/ ／￣ﾟﾟﾟヽｒ┛
. 【三三ヲ/二Yi】_ﾑ_/ ___Yﾞ_Yﾘ Ｋ
. 【三三li|i _ｘ}ヾ | l┃ 八ﾟﾉ,ﾞ ？
∨/三ム し' k∪ X ム‐､ ﾊ i
. 》ミ三彡'¨ ┃＼ `ｰ━彡_丿 レﾞ┝x X⌒
/>/_ ＼ `ｰ ､_ ┗ｧ | } ∨
ノ＿ ¨＞､ ＼ x ￣ ’＿ ﾘ |
＞━x _｀>‐ｘ ＿_＿フ ｘ＼r' 入
/ 7´ 丿 )'¨X /＼｀ }
┃ ﾟｰく_〃.ノ 片 八 X＿丿
. 八 ＿ ┃ ｀¨
｀ー─'7ﾟ¨＞‐━━く
. ム'´ ＼
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大阪城謁見の数日後、北政所を通して得た特許状は「全領内での布教許可・軍の宿泊所の割り当て免除・その他の
賦役や租税の免除」という破格の待遇。しかも文書に朱印を捺すのではなく秀吉自らの署名という、異例の厚遇だった
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／/////////////////////////// ヽ
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{//r‐ ＼//} （ここで媚びておいても、損は無い！
{/ | ／ ￣￣￣＼ ／ ￣￣ ＼ |/}
∨| ′ ─ | ─ ､ i ｜| 上手く行けば、彼こそが我らのシャルルマーニュになる！）
'| { / ◎} | {_◎ { }─| |
r |￣{ ノ ／ λ ＼ { | !ﾉ
＿{ } ､ ￣ ／⌒＼ ￣ ／ ｜‐┐
{ ＼ ｀ ─‐ ´ { } ｀ ─ ´ ／ }
_ - ── ‐- _＿＿＿ ノ
ゝ ＿ T | |
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| | ＿ ＿ | |
r､ | { ＼＿／ } .|＿|_
＼｀ ─ ‐ ─────‐ ´ ノ
＼＿ ／
/ ￣￣￣￣￣￣} ￣
}＼ ∧ }
, ＼＿＿ / ＼_}.
/￣￣＼ |╋
, } | |
/ / | |
.
::::::,ｲ'¨¨¨¨¨¨¨'''"""'''ﾞ""""""""ﾞｊ::::::::::
::::| _,.. -- ､ j::::: :::::
::::| ＿＿__ ｲ ｀ヾ___止-- 関白殿下。御出陣のあかつきには、キリシタン大名は
:::::´/ ｀ ｘi .|＞´∨:
ﾍ,| l |≠ｊ| ｊ ヾ こぞってお味方いたします。なに、我らイエズス会の
ﾄ'. .ｊﾍ ヽ メ
｀ヽー―― ｀∧ - -- ＿ 声がかりがあれば、拒む者がありましょうや―――
｀∧ ! ┐ ｊ ｢
ヽ､ k ＿ / |
＼ -‐=ﾆ ¨-´ / ﾄ､
＼ ／ ∨∧
ヽ . ＜ / ｊ
`ー―´ ／ .ﾉj
╋
＿＿
／:::／
＿/:::∠_＿＿
／ ::::::::::: ∠_ '_
/ :::| Ｖ ＼|丶:::／ 、 ﾋﾟｸｯ
＿/ :::Ｎヽ ノ|/∠
＜＿ :::ﾐ(●) (●)|: ＼
＜＿:(６ ＼＿＿／ |"￣ お、おう……
＜二＞ ＼／ ノ
, -‐. . . . . . . . . . . . . . . . . . .
ｒ'´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
, '´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
, ': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
,': : : : : : : : : : :／` ‐ ､_: : : : : : : : : : : : : : :
,': : : : : : : : : ／ ` ‐､: : : : : : : : : : :
, -‐‐ﾍ/￣ヽ: : : ,ｒ'´ _ 'ト ｀ヽ: : : : : : : : 加えるに。我らはすでに、殿下の唐入りへの大望も
/:::::::::::::/ /ﾍ !: :/ ｢ ＞､'､ヽ-､ ｀ヽ: : : : :
/::::::::::::::l ｌ ｒﾍ: /:::: （;;;;;＼＼ヽ ｀ヽ: : : 聞き及んでおります―――外征のあかつきには、
/:::::::::::::::::l ヽﾉ Ｖｌ::::: ヽ､`ｰ'ﾍ lヽ'|l__ ヽ:
_/l::::::::::::::::: l ,' '､::: ｀-､ ソ へｌ ＞ー‐ -､ さしあたりポルトガルの軍艦二隻をご用立てする所存……
:l |:::::::::::::::::::ヽ,' ヽ:_ ,rうノ￣｀ヽ､ ／
;l |::::::/￣￣/;| ｀ ー' "´ /
;l, |:::/ |ｌ;ｌ / l
:::::l;;{ /ｌ / ',: （日本人の軍事能力なら、中国に勝つのは難しくない
/:::::::', / ', ｢ヽ _ ヽ,
;;;;;;;;;;;ヽ l ', ｀ヾｰ- ､_ ` ｰ ｀` - -‐ このさい中国人も改宗できれば一石二鳥。夢が広がりんぐｗ）
::::::::::::::＼ ヽ ｀
╋
＼|＼／￣￣￣￣￣￣＼
＼
／＼
＼／| ／| ／
＼| | ／＼| ／ ／￣
`／ |／￣＼|／ |／￣
`|／ ＿＿ ＿
／
／
|
| ● ● ふうん、そうかぁ……
――――― / ―
＿＿＿
ゝ／＿＿＿＿＼
| | / － ､－､|
|__|─| ＾|＾ | ではでは、わたしめは宗門の信徒と部下の司祭らに
（ `－ o－ !
__∩ ヽ､ ＼￣／ノ ∩__ 殿下から有難いお言葉を賜りました旨、さっそく
∈ |￣￣ ▽▽￣￣| ∋
￣￣￣| ╋ |￣￣￣ 伝えに参ります！
＿＿ |＿＿＿ |
─── i |
-､__＿>─┬ く´ヽ
/ | ／ |─|＿
| __/￣￣ (＿＿ ）
／ ￣￣／
＿＿__/ ∠ ＿ ――
／ ／
､-‐―'´ ト､ ト､ | ／
＞ |＼|,-､＼| ,-ヽ/ ∠
／ ,-､Ｎ ,--､ ,-､ | ／
￣ ＞ | 6 |＿・ ・_| {／
∠＿ ヽ._ '"" ＿ ゞﾞﾞ | おう、お帰りはソッチだ。気をつけてな！
￣ヽへ. (へ7 ／
| ､ ￣／
＿,へ ￣l-‐､
／ ＿ ＼―〜'| ＼
| （ 豊 ） ＼ / |
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| | | |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ０ || て
| | | |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|| て ﾊﾟﾀﾝ
| | | |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|| (
| | | |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::||
| | | |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::||
| | | |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::||
| | | |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::||
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
｀ ､:::::::｀丶:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾘ _, -y
-- _ ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/＜::::::::／
｀ ､::::::＞x'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
_ -`::::::::::':::;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ／
-=≦::::::::::::::::::::::::::{:/::::::::::_;:::::::::::／:::::::::::/:::::;::::::∠_
￣｀ ＜:::::::::::::::::/:::::／´/:::::／ｲ::::::: ／::／::::::;: '´ ・・・・
｀ヽ:::::::}:／{ ／::r彡':::::_;:／}:ィi},'::::∠_
__ -=ﾁ:::::::ﾍ、', {-tｯ､> ´ｨtｯ__ﾉ ,レ' ﾊ
｀ ー─‐z=‐:::::: ﾊ ｀￣ i -￢ /ﾄ､｀ヽ |
, '{ ﾄ､ _ゝ'_ ｲ ﾊ:ヽ ヽlヽ
,.ｨ/ j ＞ __ イ:|:{./ }:::ﾑ i }
√ i::/ ,:' ＼ ｛ ,' }' 从:::ﾑ ∨
/ ー- _::. :ヽ＼__i__|_ ｲ:::::::::::} !|
{￣ - _ ｀ ､ , '´ ／::::::::::::::::l i!
/ :/ ／ | }.ｲ
ﾄ､ .i ､{ ／ | ./.｜
', ＼! | ヽ ﾘ,ｨ' .ﾘ
', {｀＼ ／' } ∠ィ
_＼ r､ ﾉ ／
ゝﾆﾆ ﾊﾉ V ､___彡' “宗門の大名を糾合”とか……
` ゞ､ } ﾟ,
＿,､ヽ、__/ ｰ- _ “唐入りに船を提供”とか……
γ´｀ヽ二二二二二ム
{ _}二二二二二ﾝヾ いっぱしの戦国大名みたいな物言いだぞ？ コエリョ副管区長
} }二二二二ﾆ,ﾊ !
j }二二二ﾆﾆ/ .} |
,'. ﾉ二二ニニ〈 V 〉
,′ /ー─ ￢ﾑｲ j ;ﾟ,
i 〉 i::. ﾍ l j｜
ト-〃 l:::' } }ニ7
├ ┤ , }' ､_, } / ,:./
弋_ﾘ:. r::' j:. ヽー'´
j ',::::. _／ｲ::. :'〈_
l f:彡'/:::､:. }
}、 〃ヽ::. ー' ﾉ: }_
/ヾ:::..::, ' ,i{. ∨:. ∧
/ヾ ー ' /:( }:/_ }ハ
} :. ／ .:/ |ト==' ,' ﾊ
ﾉ ｝--:i´ / }::.. <:/ }
┃┃ ┃┃ ┃┃ ┃┃
━━┃ ┛┛ ━━┃ ┛┛ ━━┃ ┛┛ ━━┃ ┛┛
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. ￣｀ 、 ＼ | ',｜ヽ ＼ | |. l / / /
＼ ＼ { ', ' , - _ﾍ | } / / , / / /
-- =- _ ヽ >=ミ ／ ／ '⌒ヽ .! / / _ - ミ､ / ／ , ' ,
￣ ‐- _ミY :/ // , へ V,/-='´￣ ∨＜ ／ /
＿＿＿_i__, i / / , ' 亠‐ヾ | ／
'´￣ :「 ＼ / | :′/ ﾄ:' ,. ┐∠＿__
_,. -=ﾟ, { Y ', 、｜ ,′ , Υ .ｲ }- __
ﾟ, ', r', { ! i - _ _ - } ,'/∨./￣￣ ￢
_,. -=ﾍ L:',｀ ｰ, |_ ｀ヽ r '´ _, - ﾌ´ ,' } ,'｀ ､
,. ＜ , へ、ゝ; ', 弋:ッ､ ___}{__,. 弋ツ-- ' ,'r ／ ＼
,: ／／＞' ┬, -',|--￣ ￣--＝- :┬く ｀ ､ ＼
, ' ∠イ l ', ｌ、 ,' ト ,_ ＼
/ , ' ,. = | ﾟ, r -､j 〉 ､ ,' :l≧=- ._ ＼
/ ／ :| :ﾄ､ ´￣￣｀ ｲ ｜ ＼＞ _
. / ／__＞'´:j ',:>､ ￣` ,. く:/ |｀ ､ ＼_
/ r=,ｲ:{'´ _,ﾉ ', ',:::::＼ .イ::::: / 廴_ ｀ ､i: : ヽ
-=7: :{: : l ´ :', ﾟ , ::::￣￣::;:: ::/ / l: : : :
: : {: : |: : ﾟ, .:::', ‘ ,｀ヽ:::::::/: : : / / }: : : :
: : : : :.ﾟ,: : ﾟ, ＿＿＿__‘ , ‘ , :' : : , ' / j: : : :
: : : : : : : : :ﾟ,￣ ￣ =-､ ／. -=￢ ￣￣￣￣ ,': : : :
ヽ | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |／
三 三
三 なんとも太っ腹に……いな不躾に、オラの帝国である日ノ本の ..三
三 三
三 内側に踏みこんでくるもんじゃねえか、南蛮坊主よ――― ...三
三 三
／| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |ヽ
||
x个x
〈,ｨ⌒'y〉
/ | | ,
/ (()) ′
/ ,ｲ0ﾄ､ﾑ
. //_| || |_ﾏ〉
| || |
i Y⌒⌒Y i
ﾊ ＿人_人_人＿ ﾊ
l二l」,.｡o个个s｡., |」二l
. | ,.イ＞'´￣｀'＜ア'Y :|
j{〈 | |弋ﾆﾆサ| { 〉:}i
＿＿＿ ＼j{:ﾄ､ | | /Y_Ｙヽ | |i | }i／
, ｡o≦| | :| j{ {＼ﾞi| | | |: | | | |i／| }i
...| :| | :| ＼i{ { i| |トｰ|:::|‐イ| | i| }i／
. |,.｡s≦|二二二:| ＼i{ {＼ i| |弋二二ナl:|／i| }i／
ﾞ.|,.｡s≦| | :| i{ {＼ i| |／ |: | ＼ l |／i| }ｉ.┌─── ┬.┐
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| ﾞヽ、 ﾞl ヽ .| .| ﾞl .r
.|.,〆"ﾞﾞヽ lﾞ l lﾞ ,! ﾞl ,lﾞ
.ﾞlﾞ‐'"ﾞl~ﾞ''ﾞl |ヽ .| ,/ .lﾞ ! ,/
|‐,,＼ | .ﾞl|`'ﾞl、 | .,/｀.,lヽrﾞ,,ｨ"
ﾞl, ﾞﾞ'''｀| ｀ /ﾞ'|l、 .lﾞ ,／,r从ﾚ''lﾚﾞ _,,,,,,,,!
`" ヽ,,,、 .ﾞ‐'"ﾞﾞl lﾞ.,／,ｔ'ﾘ｀｀,lﾞ ./｀ ."'~~ｰ-、
`ﾞﾞﾞﾞ'''＝二'ｰ .'"｀ .ﾞ'ﾞ ,/｀,/ _、
ﾞﾞ'ｰ .､,,ﾆﾆ" /､,,,―‐''''"ﾞ＾
、 lﾞ ﾞ,/'ﾞ｀
ヽ 、'=v,> ./｀
.ﾞl＼、 ﾞ二" .／
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ﾞl、 ｀ヽ、 _,‐lﾞ｀
` `'ー-ｰ'ﾞ,i´.lﾞ
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ヽ | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | ／
三 三
三 そもそも「教会領長崎」ってのは何なんだ？ なぜ異国の坊主が日ノ本の領内で 三
三 三
三 「権門」になっている？ そうでなくとも神社や寺とは、揉めてばかりの輩だろうが… 三
三 三
／| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |ヽ
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ちなみにこの時点で、すでに兆候はあった。謁見を済ませたコエリョ一行を追うように、役目がら
その場に居合わせたキリシタンの武士が使者を出し、コエリョに注意を喚起している
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＿＿_
, -‐ ' ´ : : :´ﾞ ' - ､
〈 : : : : : : : :l
', : : : : : : l
l : : : : : : l
l , -―‐-, ｨ１
__ l -― ／::::::::::::::／ /:.:ﾄ､
l＞'´:.l ／:::::::::::::／ ／.:.:.l::::〉
（.＿_.／:::, - ﾆ '´ ／ｚ:.:.:./'´ まずいことをなされたな……関白殿の面前での、あの傲慢なものの言いよう
V 7ﾌ´ , -tj､、 tメ、
tｭ__／ ー '_ﾉ ＼
-‐_f,ﾌ´ ﾆ二.ﾌｦー- l ） あの座にいる全ての者に、不快感を持たれた―――
´ ゝﾄ--､ ￣´/‐ ／´
r‐又＿ ,r'⌒)-‐ ' ´ﾌ
〈 f´ﾆﾌ=＝〈__
| {__／＼/ ,∠ -､＼
｣-_､ ./ ／ __.／ ヽ l
i┴ー-:ｿl╋ 〉/ -― , !
｜ |/ ／,ｲ / |. ＿__
ｌ ﾊ,∠ノ /／, -- 、ヽ
! lヽ , ／／ ! |
, -:l l ,. -／／/ / /
/ ヽ ,.-‐'"￣二) :/ （ノ
ヽ ヽ __／! -､ノ´:/
丶､ | |L -- ､ノ: : :/
l}」丶､!／／ : : : : : /
/|｜／／ | : : : : :ヽ
l ／／ l : : : : : : :ヽ
ｱ ｲ ﾘｮｳｻ
安威シモン了佐 （生没年不詳・1611年まで生存記録あり）
キリシタン武士。秀吉の祐筆。バテレン追放令に際しては表向き棄教するも、
裏ではオルガンティーノと協力して信徒を保護していた
（演者：バロン ＠スタジオジブリ）
, ─── ､
ゝ／ ＼
/ _＿_＿_＿＿_＿_＿_ヽ
/ | / , ─ ､ － ､ヽ|
ｌ | / ヽ/ ヽｌ
| |＿| vｖv l ｖvｖ | あれ？ もしかして滑った？
Y⌒` | | |ヽ
| ) ヽ､ ＿ ノO､＿ ノｌﾉ （でも関白殿下、すごく上機嫌だったし―――
ヽ_ ﾉ
/⌒＼ ３ ／ とりあえず、いまの路線でいくしかないし）
| |｀ ー──┬┬ ´
| |＼ ／╋/| |
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とはいえ。すくなくとも九州平定までは表向き、秀吉とコエリョの蜜月が続いたのも確かである
1587年5月28日。関白秀吉は九州平定のため、降伏したばかりの肥後国・八代城に陣を置くのだが……
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j_ 人l、
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/{ﾆ7丁￣入仁!
ト}人{⌒}TT{⌒}j个:､
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....._ ／ノ::´ノ／:ノ:丿}`つ):ハヾ｀ヽ､_＼－ ‐- ...___
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_ __ ,．‐…‐-ミ /ﾏﾊ
_ . : : .:⌒｀: : : : : : : : . ヽﾏﾊ＾ヽ
/∧ /. : : : : : : : : : : : : : .＼: : :ﾏﾊ : :.
γ//｀厂. : : : : : : : : : : : : : : : : :.' , :ﾏ/ : :', 今までの諍いを思えば、恥を忍んでのことになるが……
|〈〈::/ . : : : : : :/{i : : : : : : : : : : : . ｉ､} : : : :.
|: :∨.: : : : : : :,' 八 : : : ｉ|>､ : : : : : ｢l|:. :. : :i 助命嘆願に手を貸してはくれまいか、コエリョ副管区長猊下
.| : :|. :i : : : : : 1__ﾉ｀ヾ、 i|x≦､: : : ::|ll| : : : : l
..|: :｜个: : : : : ﾚ示ﾐヽ jＮ{r勿!}､: : :|ll| : : : : :l
|: : :ﾚ' | :i : : : :｛r勿} ゞｃっ : : :|l｣: : : : : :l
.|: : : : ::|八: : : :.ｃっ´ ' '' } : :,' | : : : : : l
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.|: : : : : ::| _ヽ!└=} x≪}__ ￣`|: : : : : : :.l
|: : : : : :.:| /⌒ ｀{i . :厂ﾍ､: . : .ﾘ‐-ミ : : : : : : :l
.| : : : : : : | ｉ ､ ,'{i ∧__∧ : 〃 ', : : : : : : l
| : : : : : : :| | }/ {k: :/ ,' V/: :', 卍} : : : : : : l
| : : : : : : ::| r==ミ/. : . :/ ′: : : : :∨ {: : : : : : : :l
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
このとき城内には軍民あわせて数千人の老若男女が捕虜として抑留され、処分の沙汰を待っていた。かれらは
コエリョが「関白殿下の昵懇」と聞きつけ、助命嘆願の仲介を依頼。嘆願者の中には多くの仏僧が含まれていた
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
／￣｀7
/| ／ /
/ !/ / ＿＿
」 ′ ／´￣ ｀＞
／ ／
/ ／ 「城中の捕虜の命を、助けてくれ」と？
l / ｒ三ﾐ iﾄ∧ ∠＿＿
＿ｊ { ,⌒､Ⅵ ｒ⌒! ／´ おう、ならばコエリョ殿。あんたに華を持たせてやるぞ！
-=＜´ ,ﾙ! 〈 ｄ b }彡 ／
_＞ 〈う｀ ⌒ っ⌒ﾘ＞'-
￣｀＞ ゞ ｀ー-´ ﾉ
´￣￣｀丶 ＿＿／
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○
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／´ ｀＼
ゝ/ ＿＿＿_＿＿＿＿ヽ
/ | / ＿ ＿ヽ |
/ | ／ ヽ / ヽｌ
ｌ | ｌ | l ご案じめさるな。われらキリシタン宗門への関白殿下のご愛顧ぶりは、
| |─| / | ヽ ｌヽ
／Y⌒ヽ ヽ _＿_ ノ ﾍ ＿ ノ､ﾉ 並々ならぬもの。皆さまの助命釈放の知らせを、私に託してくれました
/ | ) /⌒ヽ ｌ
l ヽ__ ＼ ﾉ つ
ヽ .> ､ ` ー─ ⌒ｰ─ ´
＼／ ヽ>ー───＜
＼ ＼ ／ ＼ /l ヽ
| .╋. | |
| |￣ｌ
/ /::/ ／ .: / | i:. :. ＼ヽ' l
/ /:;/ / l:: /! ::l::. :|;:: ::: i;; ! |
/ i:::i / |::. l L::/|::::. l.ヽ: :| | |:::| l
/ ,:ヽ::|i l:::|´ |:! ヽ:::::. :/ ト､ l i. レ. |
.:::/ l i :::|;z＝s､ ＼:::/ |:::ヽ / .|i.| l
.::::/ .|.il .::::l:! ,, ,, ヾ =＝s:: / ./!.!l ', MJSK?
.:::::/ /;;l :::|'! , - ﾞ､ ,, ,, |｀/: / |::l ヽ
. .:::::/ ヾ､;i ::|:! i ! /!'::: / l:::| 戦争が終り平和になったら、説教を聞いて改宗しちゃう！
.::::::/ __<ヽ;l__ヽ､ ヽ._ ノ .／//::／ |:::l
:::|::l / ｀<ﾞr-ﾞ' ‐丶-‐＜´!-/:／｀ヽ l::::l
:::l::|. / r|:::::::::::/_| !ヽ:::::|'i / |. |::::',
:::|::l l , - ､<ヽ:::::/､´ l ＼:l/卍._ l. l:::::ヽ
:::l:::| |/,.;';;/ヽ|;;LV_;;;;;;i'´｀i;.,:-‐＜´:;;>'´i |::::::::＼
::::|:::l ,ﾚ;;;/ ／ ｀ﾞ '´ ヽ| | l:::::::::::::
:::::l::::| /;;;/| i ､ |__ O V E ? ﾉ::l l､ |:::::::::::::
::::::|:::l /;/ /l _,!､::｀::::..､ ,......::'_:::ﾉ |iヽ l::::::::::::::
:::::::l:::|./;/ ,ﾍl ´ ｀ヽ:::::::｀:::-:::'::´:::_/´＿ ｀ |l;;;＼ヽ:::::::::::
::::::::|::l;;;i i;;;;;;;;｀ヽ―‐'‐ ､:::::_:::::／￣ ＿...ノ;|l;;;;;/ ＼:::::::
:::::::::i/!;| |;;;;;;;;;;;;;;￣ﾞ-;;＜/ ＼ﾞ二:;＜;;;;;;;;;;;;;l |;/ ヽ::::
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しかもフロイスによれば……この八代城の陣中でも秀吉は、コエリョを大阪城のときにも増して歓待してくれたという
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さらにこの陣中で、秀吉はコエリョが引率してきた多くのポルトガル商人を目にする機会を得る
かれが聖職者以外の西洋人を見るのはこれが初だった。華やかな洋装や腰に帯びた剣を、秀吉は大いに珍しがった
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∧
∧,ｨ´￣￣￣｀ヽ、
│|ｌ ｌ二二二二l ｌ
│|L,| l::l l::l |_」
│| ヽ__ .ノ
lﾆﾆｌ∠l└r‐:|￣￣|
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ﾑ-'ﾞ∨` ＼／
ｒ┴イ´|─┤
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,. '´ ::-─- .._:: ｀' .,::::::::::::: ｀, :: }
／..:::::::::::::::::::::::::::::｀' .,:: ＼ ::::::::: }／￣｀`ヽ､
─- .._ ::::::::::::::::::::::::::: ＼ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::..＼＿＿＿＿
｀丶､ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: _.. 停泊先の領主から保護を受けられるよう、特許状を与えよう
＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::‐-=ﾆ二.._
. ''"ﾟ~￣~ﾟ"'':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: あと、水深が許すならばポルトガル商船を、堺に近い港にも
／ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /.:::::::／| ::::::: //.::::::::::::::::::::::::::::::_..､
''"ﾟ~￣￣￣~ﾟ"'' ::::::::// :: ／ |:::::／/ :: ／／^',:::::::::── よこしてほしい
‐- ..._::::::::::::::::::::::| :// :／ ﾉ／ _､-ニ／／|│::::::::::::::_..
｀丶､:::::::::::|/于㍉､_ _..ィヅ │ /) |/─-=ﾆ｀
／..::::::::{∧'､ ゞ'^ -‐'''"´ / ／ ,. ''"~￣
. ／'"~￣￣＼'､｀￣´ | /¨´ l´
. 二..ノ l｀丶､＿
丶、 ─ ／ l >へ、
. ／＞''"| lﾞ'ｰ─''"／ l,. '´ .:,,. ''"
／/.:/ ∧ ｌ ∠=-‐… ,. '´.:,. ''".............
. _.. -‐／ ../ :｛'''"~￣~"'''"´ ,. '´.:,. '´...............,. '´
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, ──- ､
ゝ／＿＿＿＿＿_＼
/ | / , － ､ － ､ｌ （貿易誘致きたこれ。これで勝つる！）
l | / l ｌ
l |─| ＾|＾ | ポルトガル船が入港できる水深の港さえ見つかれば、ご意向に添えましょう！
Y⌒ ` ─ ﾍー ヽ
ヽ_ |`───┘ﾉ
∩ ヽ､_ヽ＿＿／／ ∩
┘`ー┬─´＼／＼/ー┬─´ └-､
＿ _＿|＿ ノ .╋. |＿|＿＿＿三
| |
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しかしそれは、管理貿易をもくろむ秀吉による“長崎没収の布石”として、用心すべきだったかも知れない―――
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とはいえ7月12日。博多に到着した秀吉は、引き続きコエリョを厚遇。それを目にした部将らは、秀吉の歓心を買いたさで
コエリョを取り巻く。さらに高山右近に棄教を迫る4日前の7月20日。秀吉はコエリョから深堀純賢の海賊行為を聞くや・・・
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
.. ∨ / '.::.::.::.::.::.:: / .::.::.::.::.::.::.::.::.::.::／: : : : _､‐゛ ', .::.::.::.::.::.::.::/ .:.:: ｵ ﾗ
. ∨ /.::.::.::.::／ , .:: .:: .::.::.::.::.::.::.／: : : : :／ '" } .::.::.::.::.::.::/| |.::.: 長崎の敵は、天下人の敵！
∨.::.::.:／ : : ' .:: .::.::.::.::.::.: ／: : : : :／ ＼ ／ , .::.::.::.::.:::::|｜!.::.:
, .:: ／: : ／_ｉ .:: .::.::.::.::. ,: : : : : :／}ﾐ ､ _,. -=三/ .::.::.:: ｨ ) | ,::.::
. / ／: :.／ / | .:: .::.::.::.::/ : : : ／ :∧＼:.､ _,. -=三=-7// .:: .::.::.／ {／ /.::.:: 海賊・深堀家は改易だがや！
j:/_､‐゛ ' へ.::.:/.::.::,: : : :/ :| ./.:∧､乂ﾘ{ {ゞ-=彡＜_,ソ＿/ / .:: .::.／ ,...::.::.::
＼ ＿ } ∨.::.::/.: : :/ｉ | .:/ ∧｀⌒}ー> ゞ-'"ﾞ￣￣ /.::_､‐゛ ゝ イ.::.::.::.::.
＼ / ＼､r―,:} .:.:, .: : :/.:| | :/ / :.､ } /^ ｀¨´ / '" / /.::.::.::.::.::.::
＼ ヽ ＞ ''“￣￣ “' ＜ヽ|＼:/_ ヽﾉ' _⌒ _.. . .-=彡.::.::.::.::.::.::
＼､ ＼ア' ` <'⌒ヽ／ 〈_彡' r‐一 ⌒ _､‐゛.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:
＼⌒>' ヽ／／ /: : /＼ヽ￣___ ,〉 ／ .::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::
{ :/ ∨／/. : .::.::.::.:＼ ___,／ .::.::.::.::.::.::.::.::<⌒ー―――
7 /. : .::.::.::.::.::.::.::ー. : .::.::.::.::.::.::／＿ 二ﾆ=- ‐ …
へ { } /.::.::_,,..二ﾆ= - ‐ … '' “￣
―{/ ｀`〜､―― _ ￣
＼ ｀`〜､、
. ／∧ ＼
.／ , ∧ )ー≠一ミ人 ハ _
/ / } て:i／_-_-_-_-_-＼{ ｀`〜､、 ∧_∧
/ )'_-／_-_-_-_-_-_ ヽ {/ ｀`〜､、 ⊂二二う *Д）つ ←深堀純賢
ｒ‐/ { {_-/_-_-_-_-_-_-_-_ { /: :/ ｀`〜､、 ’：・：．:：
| , `ー {./_-_／ ＿＿＿＿ ヽ /: :/.::.::.::.::.::.:: ｀`〜､、
, -─- ､
／ ﾞヽ､
/ _ -- ､─, -- __.ヽ.
.|┌ｿ.⌒ヽ､./⌒ﾞ''､!ヽ|
!|. | 几.Y ..几 |_|.|､
,､「.l .ﾉソ 人λゝ ﾉ.l.l
( .｀ ゝ--,,'∩ﾞ -_''ﾞ .'~ﾞ) 我らを長年、苦しめてきた深堀がゴミのようだ……
ﾞゝ┬T.~ ｀ﾞ~TＴ'''~
l | .| | l 関白殿のキリシタン宗門への信任は、疑う余地も無い！
| i . i rへ ,, ' 7 l | |
.| | .(~｀ ー - -'-'.つ |
| | .｀ﾞＴ -.-＋ヤ' | 右近殿やオルガンティーノに渋い顔をされた時は不安だったが、杞憂で何より！
l ! 斤-､ 人ﾉ､. !
/ ~） ╋ ハ
──
, ´////////////////｀ ､
／//////////////////////// ＼ ﾎﾟﾜ〜ﾝ
∠ ────── - ＜///////////＼
/ - ─- ＿＿_ ｀ ､////////∧ /
／ ＿ ＼ ＼///////∧─
/ ／ ． } }/ ／．＼ ', ＼///////＼
| ／／￣ ' { ─､ } | }//////// } 長崎の…宗門の…ひいては我が世の春きたこれ
| ￣ _ / { ＼｜ |＿＿|/////////}
入 { ヽ , ｀ / }/////////
{⌒ヽ{ ｀ ─ ´ ＼ ＿＿／ }/￣￣ヽ/
＼ ＿ _ / }
￣￣￣＼￣￣ ヽ ＿ ＿ -‐ / {_} }
ヽ / , ′
| ＿＿ | ＿／
| ゝ＿ ＼ ,' /
{ ＼__!＿＿ ＼ } ／ ／__
＼ ＿ ￣￣￣￣ _ ＜ }
￣/￣ ￣￣￣ / ＼
{ /＿／ヽ/￣￣＼ ／ ／
, } ╋ ｀ { {
/ | ゝ ,
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
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, ‐ ´ ￣￣ ｀ヽ､
／ ､ ､ ＼
,.'.／ .:/ ;小:.. ヽ:. :＼:.:.ヽ ―――と、いうわけで。秀吉の厚遇ぶりはほとんど畳みかけるレベル
. //:.:.:.:/.:./:. ./ i ヾ:.:.丶:. ...ヾ:ｰ'､
//,':.:... :.:厶:./- ヽ 弋:.‐＼:.:.:. 丶:＼
! |:l:j:.:.:´/ ｨ天t､ ｨ天女､-､:.. ﾍ､:.ヽ この時点でコエリョが舞い上がっていても、彼をKYと責めるのは酷
! | :.!.:.:.:ﾊ´ち;;;j ち;;;;j !K }ヽ:.､.! ヽ!
ヽヾj:.ノ小 ｀::::. ' ::::´ ﾊイ: |｀ﾘ ノ だろう。どう見ても秀吉は「上げて、落とす」効果を狙っていた……
､_ノｲ:..:.:ﾘ;:ゝ-‐っ ｰ- ｲ:.ｌ::|:. i |
／´/:.:／ ‐＜＞.､ _., .イ_.l:.:ｌ::|:. i |
／＿/∠ ｧ┐l !ﾉーｿﾉl ￣ ヽ､｣::|:. .:i:ﾊ
, ./´ ｀∨イしﾘ / ハ ／ ヽ￣｀ヽﾊ
／ |=＝＝=､∧/ ＞‐/{ヽ‐‐< l l ヽ r/７-､_
, ' / / / 7〃 {{ヾ〉＼ |／￣ | 厂し' / /┐
. / / / ／ {{. ＼ | | ,/＝(_/_/_,人
| / / イ o. {{ ＼| l/ 'ヾ､/
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追放令発布の際、人身売買などに関する秀吉の詰問にたいしコエリョの弁明が自爆めいていたのも、難詰がそもそも
「根耳に水」だったことを勘案すべきであろう。何より時系列的には、詰問した時点で追放令は決裁済みだったのである
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
, '" ￣ ｀ヽ
/／ ＾ヽ ', むろんコエリョが「地雷を踏んだ」のは、間違いないにしても―――布教を容認する
.///f / j ヽ ﾍ !
ノｲl | ﾚﾄ'Vハ斗ﾄ､_＞ 気が多少でもあったら不満は早めに指摘して、改めさせていたはずなわけで……
lﾊj | ○ ○ |ﾚV
ﾉ火ヽ"V￣}"/ﾞ) {
// 匸 }>示iくこ八
.// ! / /《小.》｢｀ヽ ヽ
V{ !ヽノ {： ﾄ-ｲｉ }
,. -――‐-- ､
ヽ (´ ￣￣｀`丶`ヽ、
ヾ=-,. ---- ､ ｀丶ヽ、
_／ ｀ヽ='-' ∧
／´/ //ﾊｌ､ l l l⌒ヾ-'､
/ィ f l ｨTﾄ ,lｨTTﾄ! l ! ＼l _
/ ／,l Vlr;=､ ,ｨ=､l ! ﾄ､ヽ ヽY_,＞､
r‐､ﾚ'／/lヽﾄ ﾋﾘ, ﾋｿ} /)'lハﾉ ﾘ-､ ||
ヽヽ'ヽ ﾘ! |`ﾄ､ ワ _//ｲｲ|‐' ∨ ヽ-ヽjl コエリョに軌道修正のチャンスをいっさい与えず、おだてて油断させる
/{`ヽ〉 Y´!l l∠ﾆ了´ｲ/‐'､'ヽヽ r┴-〃
〃〈ﾆヾノ ! ﾊl＞ｲ/ハｲ'／´ ﾄ､ヽヽ'jﾞT〃 権謀術―――秀吉はやはり専制君主の器。その陰険さに痺れる憧れるｗ
〃 ,lフ´ l,ﾙ'イ〃'´ｿ´! ､ !' ヽヽ〃
|| >、 l/ 〃{{､/ /l! ﾞ|ﾆﾌ `〃＞
｀ / ﾄ､ /ハヾ |ヽ〉 { || ! 〃|
l! ＼ ｿ {_} |ト! o `ﾊ l l |l !
l! ／ 〉三l ｀ヽヽ! l !| j
l! ／ l } l l＼ ｀`ｰ-!... _!| !
..................................................................................................................................................
／/
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-/ '´,.ｨ::oヽ` ヽ ,.-―-､ /::／ ／ ／/ ｲ _/
..l |c:::::::/ l＿/ ,ｨ:::oヽ.',/ | ／￣ ＼ ＼ ヾ
. ヽ ｀¨¨´ / l c::::ﾉ /l / ／ ヾ､ ｜] |/＼／
///＞――‐' ヽ｀¨´ /ノ |/| /／ |/| /､
ﾉ) //// ﾉ O＿_|, §)／
-==- .／ く､ Ｊ
.＼ ー ／ ￣ フ` ヽ
＞..,,_ _,,..＜`￣￣,二ヽ ヽ＿＿＿ノヾ
ノノ, ￣ | /:::::::::＼ ＼／
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( ´д)ﾋｿ(´д｀)ﾋｿ(д｀ ) ( ´д)ﾋｿ(´д｀)ﾋｿ(д｀ ) ( ´д)ﾋｿ(´д｀)ﾋｿ(д｀ )
( ´д)ﾋｿ(´д｀)ﾋｿ(д｀ ) ( ´д)ﾋｿ(´д｀)ﾋｿ(д｀ ) ( ´д)ﾋｿ(´д｀)ﾋｿ(д｀ )
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フロイスは「日本史」で、肥後八代に集結した異教徒が、「関白がどのように伴天連たちを遇するかを、いわゆる鵜の目
鷹の目で観察していた」と指摘している。秀吉も彼らの注目を意識し、どう振舞うのが効果的か計算していたに違いない
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そして、運命のバテレン追放令を翌々日にひかえた７月２２日―――
高山右近はフスタ船に座乗していたコエリョを訪問、物騒きわまりない忠告をしている
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: : : .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
: : .:::〃:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
: |: :::||:::|::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::||:::|
: L.::｣Ｌ」_＿_｣::::::::::::||:::::::|L::::::::::::_＿_」Ｌ」 まもなく、悪魔による大いなる妨害と反撃が始まるように思えてなりません
: ::| ――- .,_￣￣ ￣´ _,. -― ':::::::
: ::| ､斗rぅ示､｀` /´,ｨぅ芯＾ｱ ;:::::::::
: ::| ｀ ､Ｖrツ ゝ , ､ Vrツ' ;:::::::::: そうした事態に、十分な備えが必要です！
: ::| u. | ;:::::::::::
: ::| u. | ﾊ::::::::::
: :ﾊ -ノ u. ｀ヽ:::::::
: :|∧､ u. _＿_ __ / 丶
: :|/∧＼ (二二ﾌ′ ,. 'ﾘ
: :|∨∧ ＼ ｰ ∠7/
刈 Ｖ∧ 、 ,.ｨ劣'ﾞ/
ﾊ `＜､ ｰ-､ ｀ｱ壬二ｱ /
＼ ` ー‐――一'／
╋
高山ジュスト右近（1552 - 1615）
キリシタン大名。「日本教会の柱石」
（演者：ハク ＠スタジオジブリ）
＿
｡ ≧s｡
／ ＼
/ ヽ
/ ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ﾑ
＼/ | ／／￣￣＼ ／￣￣＼|
￣∥ .|∥ / ∨ |
∥ .| | | 〇│〇 |
{ |.-‐| ∧ _ /ヽ
Y''¨ﾟﾞヽﾁ ＼＿＿／ ´ )─ "ヽ丿
l ( ヽ } え
人 ソ О /
｀‐''ゝ､ ／
丿ﾞ''‐- -‐''"
_／＼＿＿＿, ゝ‐┬‐-､
／ ＼ ╋ / ＼
{ ﾞ'‐-‐" ﾞ‐-‐" }
, ── ､
／＿＿ ヽ〟
l－＼ | u. ヽ
|・ |─|__ |
c ー ′ 6） u. / 何か、手がかりになりそうな話でもご存じなのですか？
└─ ､ ＼ ／
⊂＿ ＿＿l
＿∩_＿/ ── l
. ∈ | | ｌ⌒ｌ |
,..-‐'''"￣￣ `'丶、
,／ ＼
/ ヽ,
./ l
/ | ||＿|l＿＿li_li__l|＿_| |
l 「‐二‐-.._ __.-─ | |
.| | ､_(ﾟ,;) l', '(ﾟ,;)ﾌ.| | いえ……
| | u. | /| |
.| |､_ `' u. ﾄ'| | ことさら特別な情報を、得ているわけではないのですが―――
.| |:::ヽ u. ＿ /::::| |
|_ |:::::::::＼ ´ - ／::::::::| |
` - ､|::::::::;;;;:| `丶- '"|;;;;;;;;:::::|__, l
＿l. i '''‐-ゝ､＿__,∠＞'`i─ ､ _
_,. ─''" `i‐-.._＿ ＿,,..-‐'' ├-,､
_,.-| | ￣╋ |. | ヽ
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このとき右近がなぜ嵐を予測できたのかは、歴史の謎である。何かを知っていたことは間違いない
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いずれにせよ……急転直下の追放令に際会した時、コエリョ副管区長が正気を保てなかったとしても驚くには値しない
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ｒ―〜'⌒つ ｏ ｒ〜―――――――――――――――――――――――――――――――――――――‐ ､
｜|￣￣し' ￣U￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|｜
｜| |｜
｜| バテレン追放令 |｜
｜| |｜
｜| １．日本は神国。キリシタン国が邪法を広げるのはけしからん |｜
｜| |｜
｜| ２．大名が領内で改宗事業を進めて寺社を壊すのは前代未聞。大名は知行地に、一時の行政権が. |｜
｜| |｜
｜| あるだけだ。天下の法に従い施行するのが役目なのに、いい加減なことをするな！ |｜
｜| |｜
｜| ３．仏法の敵は日本に置けないから、バテレンは20日以内に帰国せよ。虚偽申告しての滞在はNG |｜
｜| |｜
｜| ４．でも黒船との交易は今後もしたいから、よろしくね〜（チラリ） |｜
｜| |｜
｜| ５．そんなわけで商人にかぎらず、法を妨げない限りキリシタン国からの往来は無問題だよ〜（チラチラ） |｜
｜| |｜
｜| |｜
｜| 天正十五年六月十九日 |｜
｜|___＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿___ ＿___ ＿＿___＿＿＿＿＿__ ﾉ.ﾉ
└───────────────────────────────一' ー一' ーｕ─〜───ｕ──'
::::::::::::::: ヽ,,
::::::::: ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,'i,
:::::::: i~ ,------,i
::::::: :ｉ i' ,;-'i
:::::: :i i i ・i
::::: _i,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,i `','''i;
:::/~,,~~,~_ ___''',,,,,,,,,,,,,/i;
::i ,,ｄ ,,;'""" `';,,, " `i;
::i,,___ i ,,,,,,,,,, `'----'"
::::::: i i'" ";
::::::: i `-、.,;''
`'-----j
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かくてノンブル20の続きとなる。「それゆえ秀吉によって『バテレン追放令』が出され（中略）、没収されてしまった…ただ
ひたすらキリスト教の神だけを見詰めているイエズス会士たちには想像できない事柄だったろう（「教会領長崎」196p）」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
<1587年7月24日>
＼ﾞ
ヾ ､ ＿ゝヾ
＼::ヾγ::::::::::ﾉ＿
〈＼ く::::::/ゝﾉヽ)::∠
＼＼∠::6 ( ･ ･|／
〈＼ ､ ゛ｰ^ ﾉ バテレンを追放ついでに、長崎は“返して”もらうでよ！
,⌒)＼ У (`ヽ
/ ／) ＼( 豊ﾉ ｿ オラの直轄領とし、佐賀の鍋島直茂を代官に任ずる！
/_/ 〈 E _|ﾆ, ｲ
じJ /￣￣ノ)￣ヽ
〃 ヾ ｲ
γ^)⌒(⌒j⌒)⌒ヾ
｡＿((⌒J長)⌒(崎))⌒))
ﾟ￣ (⌒)⌒j⌒))⌒)⌒J)
ヾ＿)) ､, )ι)) ､, ノ
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f´,.--──────---､ヽ
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l:::::::| |:::::::::::::::::::|＿|::::::::::::::::::| |:::::::| そ
!::::::| |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| |:::::::!
L;;;'-〉-ｧ-ーr┬┬ー-ｬ-〈-'､;;」
| : : :{ :/_,.ノ l: :! : !ヽ､:,_! : :!: : : ! なんで？
. l: : ,' :!/,.'⌒ヽﾞ､lヽ:!,.'⌒ヾ､ :! : : l
,!ｨ"!: :l〈ﾄ.ｨj::} U ﾄ.ｨj::}〉Nヾ､: l
. 〃l: : :! : !弋zﾂ/////弋zﾂ.,'ノ､: :ヾ',
!{. l: : :! :',!`; ,. ⊂⊃ ,､rく : : :＼:}ｌ:ﾞ､
ヾ ',: : ',: :',: :／<≧≦∩ヾﾉ＼: : :〃ヽ:ﾞ､
', : ヽ :ヽ:::/>'r､::「￣￣j`<: : : : : : : : ＼
. ヽ: :ヽ :`〈￣￣`!l 〉〉 : : : : : : : : : ＼
ヽ: :ヽ:/ ｲヽ 人 : : :: : : : : : : : : ＼
・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━
／￣￣￣￣￣＼
/ ,∨∨∨∨∨
/ ／／ ＼.|
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(6 ⊂⊃ .| .| コエリョのヘマのせいだ！ 大阪城で謁見のおり、高山ジュスト殿や私が
| ＿＿l＿，.| ＜
| ／ / ／ | 横でさんざん気を揉んでいたのに、武力や政治力を誇示しやがってからに
／| ￣￣￣／＼ ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
╋
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
オルガンティーノによれば彼と高山右近は大阪城の謁見にて、「すべりまくる」コエリョを軌道修正すべく
必死で横から口を挟もうとしていたが、コエリョの通訳を務めていたフロイスに遮られてしまったのだという
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
フロイス
↓
∧＿∧
( ﾟωﾟ ) 通訳はまかせろー
Ｃ□ l丶l丶
/ ( ) やめて！
（ノ￣と、 ｉ
しーJ
↑
オルガンティーノ
・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━
|三三三三::,.ヘ三三}｀'＜イ:::::::::::...｀'＜三三
|ﾆ|＼三: ／ .ヽﾆ/ ／,ｲ:::::::U:::::::::::::::::::::::::
|ﾆ| }.ヽｲ .､ ::｀ﾞ.,'::,.'./三:／ ＞'´ .:::::::::::::
ヽ:! ',ヾ二丶、.ヽ :::::::::::::::,.イ.,.イ......::::::::::::U:::
'} ミ ｀丶丶、::::::__,.ﾞ＞'.＿__::::::::::::::::::::::
, { . __ ｀ヽ}:::::::｀:´.::/. 。 .＼:::::::::::::::
} ヽ ., ´ 。＼..:::::::::::::::/＿＿_,...::‐:'::::::::::::: （コエリョといいフロイスといい、空気読めないのか？）
ヽ {__, .'´ }: :::::::::::::::::::::::::::::: .:
' ..r―.'´..:::::::: ,'.:. ,.ィ',::::::::::::::::::::::...U .::::
.} .! .: __ {::: . ___､}::::::::::::::::::::::::.. .::::::
.', { ..:: :::｀¨´:::::::::: :::::::::. :::::::::::::::
ﾍ..', .::::: ヽ :::::::::: ::::::::. :::::::::::::
＿＿＿＿＿＿∧, ::::::. ..r―- r―― ､ ::. :::::::.::::::::::::::
'ﾍ.ヽ ::. {／￣￣￣｀ヽ ヽ..:::::::::::::::::::::
／／／ ﾞ,∨ ', ..ヽ}:::::::::::::::::::::::
. /// ../ .,.ﾍ ∧ /:::::::::::::::::::::::
./ ..{ '..ヽ ｀'ー――― '.:::::::::::::::::::::::::
/ ',.∧ ＼ ..::::::::::::::::::::::::::::::
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
むろんオルガンティーノも、追放令をくらった「責任の所在」をめぐる当事者の一人である点、割り引くべきにせよ……
京都勢と九州勢では、「天下人の心象」を忖度するスキルに落差が生じていただろうことは、否定しがたく思われる
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
( ⌒ ⌒ ）
（ ）
（､ , ,）
|| |‘
／￣￣￣￣＼
ｌ ∨∨∨∨∨ ｌ
| ＼()／ |
(| (（・） （＜） |) ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
| ⊂⊃ | ／ ルイス・フロイス！ バテレン追放令の一件、あんたも戦犯だからな
| .| ⌒ ＼.ｌ／ ⌒ | | ＜
／ |. ｌ ＋ ＋ ＋ ＋ ﾉ |＼ ＼ コエリョの九州での影響力を、得意げに吹聴するマネまでしやがって！
／ ＼＿＿＿＿＿／ ＼ ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
／ ＿ ＼
/／￣￣(＿） ╋.. |
|ししｌ＿ｌ （ | |
|（＿⊂､＿_） | |
＼_＿＿_/ | |
......
,...'::::::::::: ﾞ:::::､
, " :::`::､
, ./ / , / ﾞi::::ヽ､
,"/ / ! ! ﾞi::::::､ﾞ､
i ! ! !........i!...............ﾞi::::::ﾞiﾞi っ っ
i, i {:::::l::__,-{i}ｲ;::::::::ﾍ!i-:::}::i っ っ
,i ! i Y",_____､¨¨¨¨ｨ=､ﾞ/::/
, ".:;':､ i ､.:| "､ｭｾｨ iｦ/|::::/
,"/:;'::;':､| .､ ､:| " ,::":i:::il､
i !:::::;:':::::>, ﾞ､ヽ ､ ｨｩ:::,ノ::;':::i:ﾞi
!i:::::i::::::::i::! , ﾞ､.: ｀__,- ｲ´:_;'::::::::l:/
ﾞ ､,"￣￣i ! , ､ﾞiｴ､ｪ"ｨ-､: :/:;':;'::i"
," `､ !､ i::!::i: : { }: : ﾞ} l::::;'::;:/
i i ﾞ､::i:::lj!: :/╋: :}ﾞｧﾞ､::/j
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ここで興味深いのは、古株であり在京時代はオルガンティーノと連携してもいたフロイスが、旧カブラル派で九州勢でも
あるコエリョ側に、染まっている点である。かれの性格と言えばそれまでだが、九州の現実がそうさせたのではないか
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――
とはいえ。九州勢のヘマが「諸悪の根源」かどうかは、疑問が残る―――
―――――――――――――――――――――――――――――――
＜1569年4月20日＞
朝山日乗
↓ ロレンソ了斎
(⌒⌒) ↓
ﾓﾁﾂｹﾖ,、 l|l l|l ,、 . __＿
／ｰ》'´｀⌒ヾ‐》, / ｨﾘル,､ゝ キャーｗｗ
∧∧ミ ノ ﾘハﾘ/ ﾚ､ﾙ>ヮ<)
(；゜Дﾞ瓦｀д´ﾉ") ヾ<,三,_ﾌﾉｼ
ヽ 、と'^)ﾌﾘl^)´ ..... ／ ） ）
〜〉 <v/_j_((´ゝ . <＿丿 ,ゝ
(_ノ ヽゝ_）､_)ゞ' ）） .. 〃
⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ
○
о
｡
／ ￣￣／
＿＿__/ ∠ ＿ ――
／ ／
､-‐―'´ ト､ ト､ | ／
＞ |＼|,-､＼| ,-ヽ/ ∠ お、フロイスか。かつてロレンソ修道士が、日乗上人を論破した宗論を
／ ,-､Ｎ ,--､ ,-､ | ／
￣ ＞ | 6 |＿・ ・_| {／ 覚えているだろ―――実はあの場には、オラも同席していたんだ
∠＿ ヽ._ '"" ＿ ゞﾞﾞ |
￣ヽへ. (へ7 ／
| ､ ￣／ もし今だったら、僧侶にあんな無礼はさせない。オラが即刻、処してやるからな！
＿,へ ￣l-‐､
／ ＿ ＼―〜'| ＼
| （ 豊 ） ＼ / |
・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━
￣￣
／ / ＼
/ / / / / ,
/ {_ｰ┼匕___ / } ′
:'ｉ | |ィ芥ミ ｀ヽ＼ j |
,ﾞ | | l弋少 芥ﾐyﾍ_/ で……でも、おかしいです。関白殿下は私のこともよく覚えて
____,,,...ノ | l { ' vｿ / |
／ __入...丶 ＼ / } / | おいででした。てっきり、古くからキリシタンのお味方かと……
/イ ,｡ '°............ヽ..... :, ｰ ′ ｨ..i {.い、
ｲ../..／. -＜⌒ }.}...}....|￣/..{... |. | 丶 ヽ
乂,. '" ｀ ｰ┐ﾉﾉ {＼....ゝ{...... } i
,. ´ ／￣ヽr┐ト入 ､ -- |i｀ヽ......... |
／ ／ ｨ／´:.l.｣＼ ヽ |i }リ.......}/
/ 厶 /:.:.＊ ＊辷ヽ╋ ,仏 .:ﾉｰｲﾚ′
| '′ {_{:.:.:.:.:.:.:辷 }.ﾉ ／＊∨ー ′
｀¨¨¨´ | ゝ:.:.:.:.:.辷 r=xz-勹ｦ.:.:.:.}
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
大阪城謁見のおり。秀吉は古い思い出話をもちだして理解者のようにふるまい、フロイスの警戒を解いているのだ
そう。フロイスが仏僧嫌いの信長におべっかで取り入り朱印状を得た直後に起きた、怪僧・日乗との宗論の件をである
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
コエリョら九州勢の“意識のありよう”が最後のダメ押しになったのは、否定できないにせよ―――
それでは「九州勢がもっとうまく立ち回っていれば、バテレン追放令は避けられたか？」といえば、答えはノーであろう
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
,:': :／: : :. : : : : : :./: : : l: : : : : : : : : : : :':.
/: :/: : : /: : /: :〃:'|: : : ::!: : l: : : : :l: : : : : '. 以前ご紹介した、「高山右近の領内の仏僧らがキリシタン排斥
. ,': ::,': : : /: : /: //:,' .l:.ﾄ,: ::l: : :l: : : : : l: : : : : :'
|: : |: : : l: ::/l::/ ,':/ |:.', V:l: : ;l: : : : : V: : : : ::l を陳情して秀吉に一蹴された」という逸話も、この時の話……
l: : l: : : :l: :,'-!_'-|,'‐' ヾ -ヾﾍ:_: : : : : :V: : ::l:.:|
l: : :V: : :V!ｵ芍斗 乍芍=ﾏｪ-: : :.ヽ: :.|: |
. V: :.ヽ: :ﾊ 弋,ﾉソ 乂じﾉソ 》ヾ､: : ヘ: :| 然るに追放令は、完全に真逆の主張というしかない。何これ？
V: :l: ＼ヽ , ー‐ ´ !:.ﾊ: :ﾄ,: ﾊ;!
V:|: /: l |:.l V!:}:/: l -, , -ｒ 、
,': : ﾄ.、 lﾌ::.ヽ ,ｨ' l-:': : : : : :', , - ´_ノ -―' 〃 }
/: : :.l:l::.丶 ゝ- ' ィ':j ,':: : : : : : : ﾊ / '´ ‐‐.::／.／
/: : : ::l |: :r-| ` - ´ ,'-//: : : : : : : : : :'. l , ´￣- ´ ／
/: : : : :..l l/ ¨｀` - 、 / //V: : : : : : : : : ﾊ '. ｧ－ ´
. , -ナ- ‐―.; l / ', / , ' V:_:_:_: : : : : 、:', r二￣￣ 二7
/ 、 l l 、 / V , / / ヽ:', l ￣￣ |
. / ヽ !l ヽ x≦三三ﾌ/ミzx' j ヽ, | |
/ r'´ ￣￣￣￣￣ ｀丶､｀ヽ､
丶.ヽ､ ｀丶.丶、 要は、「こう考えるしかない」ってことだよ―――
｀丶｀丶、 ＿＿＿_ ＼ ＼
｀＞'´ ￣｀ヽ､ _} ｝
,.-‐ｧ'′ ｀く ‐∧ ∧ 秀吉は、本音では日本の神仏を支持し、天敵キリシタンを
／ / / ,ｲ| | ヽ /:厂｀ヾ､/＿〉
. ／ ／ / / /| l | ﾄ､ | l | | |:{ ヽ ｀ヽ 敵視していた。追放令の文面通りに。それが全てで、本質
/ ／ /| l lﾚ廾| N l弋_工lメ ｜|:| ､ ヽ | ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
{.ｲ ／| | | 伐ﾆミ ヽヽr〒ﾃﾐl| l_ |:ﾄ、 l | |/￣￣￣＞
|／ ／!ﾊ、ヽ._ﾄh::::｝ ｈ::::ｌﾘ ! }|:| ヽ、l| | ト┬＜￣
{＼ ／l / |l | ヽ {_l `ｰ' , `ｰ'/, ﾚ' |:| l | l| /|ｌr┴＜
>､ヽ「∨ |｜ | ヽ、 ﾏ￣} // /,ｲ ﾄヽﾉ l∧ ! {＿＿ ＼
// _〉､ヽ.｀ヽ､/,l｜ ﾄ､∧ ＞､ニィ彡/ /|/_|/Ｖl:| ヽ| | ｀ヽj
. //_ﾉ 、＼ }/ | l |ﾚ=≠=､/斤＝彳/::::::;:｀ヽ !:ｌ /｀ー--､
/:ハ ､ ＼ﾉ／:| | | |<´::::／/ｌ { /,|/:::／:::::::::lヽヽ. ﾉ|ヽｨ―‐'′
|::l ﾄ､_ ＞'´ :::::| ﾚN/ ／／l ﾄ､∨/::: /:::::::::::::::ﾄ､＼ヽ［_丿 |
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
この辺りの騒動は以前の投下と、ダブるものの―――パニクったコエリョの動向と末路を中心に再現しておこう……
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
,. ':::::::::::::::::::::::斗 ,､￣￣､ 二_ ミﾒ､ “約束の地”が、よもや7年で潰えるとは……！
/::::::::::::::＞ ´ フ＾ ヽ、 , ＾丶_ ＼ f
j:::::::::::／/ _／ ﾍ ′ ーﾟ,!
/:::::: Y´_,.i- ´ - _ ! /_, z ‘, 有馬プロタジオ殿も、秀吉に人質を出すことは拒んだ
′:::::::i { =＝ミ ! ゞ'´ .}、
{::::::::::::| 〉 l〉- ､ 人｝ °o くせに、決起は拒む始末！
V::::::::::l／ 人 ノ __ﾉ __彡と＿つ
γ⌒ヽ て_ z-- ´ ⌒i }
{ ﾄ､ o し'´, ⌒ヽ_ _,. ､＿_ノ !
‘， ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::} ,:'
〕iト-ﾍ {::::::::;: -- ､__,. -- ､:::::::ﾘ , '
_ -- ミﾍ、 {:::::/: : : : : : : : : : : }__/ ,.ｲ
／ ∧ ≧ト _ー一 ´￣￣￣ ∠=ミ
. / ハ ∨ ＼ー- ＿__ ＜ ∧ ‘，
╋
・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
′: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
人 : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /
.. ｰ=ﾆ7: : ‘， : /: :}|: : :| : }| : : : : : : : : : : : : :人 （本邦の覇者を相手に、何ができるってんだか……
′: : 八: { : 八: : |/从: N: : ::|{: : : : :rく: : :ヽ
. ノィ : : :|: : 人.′ ＼廴八j ＼八: : :::::| : : : : i＼ しばらく頭を冷やされるがよかろう、コエリョ猊下）
}|: : : :|: /≦=- ．._ _. ．-= 刈: :ﾄ､: : : :|
从 : : 从 | r ‐ tッ> ｰ=<r‐tッ i|: :| ﾉ: : : |{
. } : : : : 八 ／｜ ｀ i|: :|: : : : :八
. ノ : : : :Ｎ : :＼ | ／′: : : : .′
´⌒ヽ: : | 人: :∧ ,,,｀ヽ ／,,,,,,,,,, }/{: :／:／
. ＼j゜:.:.:）′ﾟ. _＿ . -=彡 /:.:.）′:.:.ﾟ
/.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.∨}_ エ_＿／′:.:.:.:.:.:.:.:.:.｡
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.∨: /: : : :／:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.:.ﾟ::｡.
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:╋ : :／:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
コエリョが潜伏した有馬領及び天草諸島では、追放されてきた宣教師が皮肉にも現地のマンパワー不足解消に役立ち、
教勢が拡大したという。宣教師の潜伏に協力した有馬晴信は彼なりの流儀で、教団保護に懸命だったといえよう
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
だが晴信は、コエリョが申し出た武器弾薬の支援は拒否する。それがコエリョに、「見棄てられる不安」をもたらした
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
|
＼ ／
＿＿＿＿_
／ ヽ∟ ／＾ ＼
＿ /＿＿＿＿＿＿__ ヽ （_／ ヽ
|ノ─ ､／─ ､ヽ | ヽ （_＼／ .| （長崎に島津を入れた一件もある。やはり有馬殿では不安だ！）
,| ＼ |・ | | j ヽ `－ﾉ
. || 二 | |￣ ⌒ヽ′ / /
／ /ー C ` ─ ＼) _ﾉ / / 有馬領の高来にて協議会を開催する！（1589年2月11日）
! ⊂──´⌒ヽ ﾉ／（ / ﾉﾉ
＼ ＼_(⌒⌒＿） ／! ヽ､／ マニラに司祭ベルショール・モウラを援軍申請の特使として派遣する
` ,┬─_－ ´/ ヽ ／
/ |╋ ＼／ く
（（ /＼ ＼ ヽ
/, ─ ､/ ＼ /＼
. ( l l j ＼ ＿＿_ ／ ヽ
ｲ::/／,. ´￣￣｀＼ ｀ ＜:::::::::::::::::::::::＼
. /:/.／ ＼ , ｀ ＜::::::::::::::::ﾍ
/:// ` ､＼ Ⅵ ／二二ﾆ=-､＼::::::::::::∧
, - V'｛ - `ヾﾍ j/ _,. - ＼＼::::::::∧
. , ' ﾘ ∧ `ヾ / ≦==--- ヽ∨::::::: 禁じ手かもしれないが……
__ / ,} , ' ＼ _,../{ ￣｀`丶、 ﾟ,∨::::
｀` ._ ′{:/ ｀ ＿___彡{ } } }Ⅵ:: スペインのフェリペ２世陛下がポルトガル王位
＼ / -へ、. ﾘ. V:
. Y｀ヽ ＼ /i /::: を継承（1580年4月〜）している今。マニラから
≧=- _ / } ＿ ｀ ー- ＿__彡' | /:::
｀ヽ / i´ ｀ ｰ- ＿ /::__ スペイン兵の増援を求めることができる！
} .! 八 | ￣￣￣ ､ /'´ ヽ
二ﾆ=- ノ } ｀ ー- __| , ＼ ,.:
Y--〈 ｀ - __| ∧ ／}::: / 要塞防衛に限定すれば二、三百人もいれば…
ﾉ. ‘， ｀ 、 i ! / ｛::: , '
￣￣￣ Y {ヽ ＼/ / / ／
. ﾉ .| ＼ ー ´ /__彡'
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
宣教師には「政情不安の日本で反キリスト側が戦争の勝者になれば、パードレは殺されキリシタンとイエズス会に破壊を
もたらす」（高橋裕史著「イエズス会の世界戦略」233p）という、後に実現する恐怖への予感が、既につきまとっていた
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿＿＿_
,. ‐''"´ ｀ ｰ- ､
／ ＼ ＼
,ｲ ＼ ＼::: : ＼
/ / ! :| :|ヽ＼ ＼:::::. ヽ
,' .:/ .::::/ ,' :,' .::iハ . ヽ:::: :::ヽ:::::. ﾍ ただしコエリョも「反撃して広域領土を制圧する」思考はなく
i .:/ ::／ / ::/!: .::,' | |∨:|ﾍ:::: : :::ﾍ:::::::ﾊ
| .:,' ／ .:/ ::/,' :::/ |:.! |:.:| |∨::::::::∧::::::i､ あくまでも長崎をして追放令の及ばない「神の平和」こと、
| .::i:./ .:::,ｲ ::＿/:::/ ﾘ !斗f‐-､::::::::::ﾊ::::| !
|／:|/ :／,ィ"´／:｀` / |/'_｣」. i:`: :::::::|::::| | 治外法権状態を奪回することが目的だったと思われる……
,ｨ| / ::::::／i,.＞''"ｱiヽ /´::::}`.|:::::::::::::ｌ::::| |
/ | ,'::::／{ rT{::::::::::r ! {:::::rﾘ ∥:: :::::/ﾄ､ﾊ|
{ | {::/::::::ヽ|:|乂､_,ﾉﾘ ヾ之' ,'|::::::::,'. | 乂
ヽ | |,' |::::|::::|｀ﾄ! ''' "´ ､ ﾊ|::::.::i ! `''ｰ‐
ｉ |::::|::::l::::|ﾄ､ /:::|:::::::| ヽ
ﾊ:: l: ::|::::|::::iﾊ ＼ ´ イ:|!:::ﾊ:::::|
∧: !::::i:,.-､｢|∧ ＞ ､ _,. ＜:i::|:::|:::::.ﾍ:::ﾍ
/::::: _厶イ .／ |:.:.|` ｰ-L＞､:::::::|::|:::|:::::::::.`iｰ＼
| | | ,′ , ｲ′ﾍ, ﾄ､ ﾍ, ﾍ,
| | | /| /| | l | | | |
│ │ l 八 / |/ | ,.ｲ ﾄ､| | | | │ でもマニラのみならず欧州の軍にも、援助を乞うてるし！
│ │ l ∨ ｣＞く `'＜,_ ﾊ | j i
│ │ | 厶ｨ斗扞Tｧ r于ﾃミメ、 l / l| 異教徒サイドからいえば定番の、内政干渉から侵略コース！
| 八 八 ヽf＾)-y仆､ 刈 ::::::::::: ﾄ､ .刈`《V./ ﾘ
ﾚ､ ＼ ＼|/ .人 Ｖ//（ :::::::::::::::::: |Ｖ//（ YY＾l k ﾄ､
. 〉 〉、 ＼/〔 ｛ ゞﾆ ┘ .、 └ -ﾆﾟ_,/ .j l | 》 |V》,
_,《V ＼j＼j| ` ` ,ノ / / |│|V》 | V》,
《Ｖ | ∧ ＼_ （´ ｀） __／ _/ ,ﾉ│| V》＼j
V{ │ r―宀冖 ￣￣ ￢┐ ,／￣￣ ￣￣￣ミメ.ﾘ V》,
′Ｖ .小 | | | / | /V》,
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
この件、後にヴァリニャーノによって「コエリョだけが暴走していた」事にされてしまうのだが実はフロイスも賛成しており、
反対したオルガンティーノでさえ追放令の翌年、「秀吉の迫害はフェリペ二世が日本に宣戦できるレベル」と書いている
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
しかしながらマニラ当局に、わざわざ火中の栗を拾う義理のあろうはずもなく―――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
／:::::::::::／:::::::::::::::::::|:::::::|:::::|::::::::|::::::::::|::::::::::::l::::::::::::::::::
／:::::::::::／:::::::::::::::/:::::::|:::::::|:::::|: ＼|::::::::::|::::::::::::l::::::::::::::::::
／:::::::::::／::::::::::::::／::::::::: |::::::i|:::::|::::::::|＼ :::|::::::::::::l::::::::::::::::::
:::::::::::／::＿::::::イ:::::::::::::::: |::::::l|:::::|::::::::|::::::::┼―-::l::::::::::::::::::
:::::／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::」L::::|:::::|:::::::」:::≧＝ミ、::|::::::::::::::::/
／::::::::::::::::::::::,≠⌒｀ミ |:::::| 〃 }}}/::::::::::::::/::
::::::::::::::::::ﾟoO{{ }} ￣ {{ //0Ooﾟ::::/:::::
:::::::::::::::::::::::::ヾ≧==彡' ┌──┐ ゞ== 彡7:::::::::::::/::::::::
:::::::::::::::::::::/ wvwvw | | wvwvw/::::::::::::/:::::::::::
::::::::::::::::::::{ | | /::::::::::::/:::::::::::::: 援軍の件は「お断りします」AAryが、ＦＡです！
:::::::::::::::: 八 | | /::::::::::::/::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::＼ / Ｌ . ＜/:::::::::::/:::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::ー―― /＿＿_＿| レi::::/::::::::::/:::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ノーイ入/:::::::::/:::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／l>ロ／: /:::::::::/::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／/:／//|| ∨::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／ /: V///|| /::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::∠ __ /: : :</il |/::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::
擬人化スペイン（演者：周防九曜 ＠ハルヒシリーズ）
・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━
＼＼ /＿＿＿＿＿_＿＿_ ヽ
ｌ/⌒＼ｌ ｌ／ ⌒ヽ | |
| V |＿| ﾉ
| ≫|≪ | l/⌒ヽ なんたる薄情！
（⌒ヽ#ー∧ ー＃♯ |
＼ ＿＿＿＿＿ ／⌒ヽ _ノ 主は我らを見捨てたのか？
ヽ | |
| | l
| /⌒ヽ⌒ヽ ﾉ ﾉ
⊂二二二二二´／
,ー──´ﾉ､
/| ╋ ＼／ ヽ
γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
｜ 気でも狂ったのか、コエリョ副管区長？ |
乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
:::: ＿＿_＼
::::_|＿r',ﾆ｢ ｺｴ
:(6. _ヽﾞ=ﾟ｡ そ……その通信は？
:::: | 'vうｰ‐`
｀￣'
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿∧＿＿＿＿＿_＿＿_∧＿＿＿＿_＿＿＿
／
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣``￣￣￣´V｀￣￣￣￣￣￣￣￣通話中＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿∧＿＿＿＿＿_＿＿_∧＿＿
／
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣``￣￣￣´V｀￣￣￣￣￣￣￣
. |///∨∨∨∨////////////////////////////////|
. |// .! ! ! !/{///////////////////// }＼/∨∨＼!
. |j{ | | | | | |//////////////////|＼/ / / / }
. |ﾉ | | | | | ＼////////////////ﾉ ,/ / / / / } ./| 欧州の王権を引きこんだら侵略認定されて、
. { ＼＼＼ }/////////////// / / / / / } //|
. ∧ O /≧s｡,, ∨/////////////／／／ ／／ } .///| 国家間戦争まったなしだろ……
. j〉 O j{=_=_=_=≧s｡,,＞──＜二二二二ﾐ O / } ////|
j{/, 込=_=＼_ゞ'ヽ=_=Ｙ | /_=_=ィrｧ ｱ_=_=} O ノ ./////|
. j{/∧ O ⌒'＼_=_=_=_=_=_ﾉ .! j_=_=_≧=‐'_=_=./ O ／〉 //////| そもそもお前、1584年ごろから盛んにマニラと
/ ///| ＼ ≧=‐‐=≦ |八_=_=_=_=_＞''" ｲ ///////|
./ /// .| | 〉 ≧=‐ ￣ ‐=≦ //{ ////////| 通じてイエズス会以外の修道士を要請したり、
//// | |〉 ∨=.| ＼ ／ ,ｨi{ /〉 ∥/{ ./////////|
＼/ / !∧ V=| |ﾐh､ ,ｨi{ /=/ // ∥/j{ //////////| 軍事援助を請願していたよな―――
//＼ { 人_／| V| |_=_| /=/ /=/ // .∥//{ ///////////!
////＼ ／', '〉 .|_=_| /=/ /=/ |＼/ .////∧////////////
//////＼_／_=.∧_〉〉 |_=_| ,'=/ /=/ .∧ ｀ ///////〕ｈ､ /////// 「日本諸事要録」に違反している旨、訓告した筈
///////'∧=_=_=_=_∧|_=_| ,=/／=./／/∧＿///////////心'////
////////'∧=_=_=_〉_=_=_ ! /_=_=_=_=_=_=_=_=j{////////////ﾊ'//＿＿＿＿＿
/////////'∧_=_=_=〉.=_=.|／_=_=_=_=_=/_=_=_ j{/////////////,}_=_=_=_=_=_=_=_
//////////'∧_=_=_=〉_=_=_=_=_=_=_=_/_=_=_=.j{///////////// }_=_=_=_=_=_=_=_
///////////'∧_=_=_=〉╋.=_=_=_=_=/_=_=_=_=j{///////////// }_=_=_=_=_=_=_=_
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ヴァリニャーノが、コエリョの通報によってバテレン追放令を知ったのは1588年8月11日。帰国の途にある伊東マンショ
ら少年使節を帯同し、マカオに到着したときのことである。彼は武力防衛の許可を求めるコエリョを、一蹴した
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
,ｨz=ミ、
rl fﾑ>〉::::} ちょうど貴様の要望で、インド副王の使節をかねて巡察予定だったのが
j｣ ＿ _〈勿くこi
＿ 斤夭f批｀}_)￢＜_ノハ 〉 勿怪の幸い。貴様の罷免は決定事項だ。首を洗って待ってろコエリョ
〔_7 7{ f⌒ヽ＜ﾆミｰ个z≦升/
/i/ィ.人 / ￣｀ヾｱr‐'￣￣l__
_r≦ニ∨/f∧Vな≧{ /＞ ミ辷ノ r――こi〕ト,
/∠V⌒7 /｀ヽ l ﾄ毛vﾉ __l-（ ＞--ィ＼三ﾆ三ﾄ､ﾊ
{ｲ{ 〕C// 〉ifﾊ (⌒Y´`{/=)ﾆ≧ニニ{‐{≧===ヽ} 〉
. Vﾄ个-く ｼｲ/｀fこrヘ>ｲ＝＝〉⇔ﾑV{斗z∠ ﾉｲ/
`＜ニ＞ ' ｀ ー==｀ ー‐＝＝＝' ＜ﾆﾆ＞ '
ﾌﾟﾂﾝ
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿∧,､＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣`'`￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
ヽ | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |／
三 三
三 ヴァリニャーノ。あんたまさか―――この私に今回の危機の責任を全て被せて、“消す”おつもりか……？ 三
三 三
／| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |ヽ
|:::／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
,'|::::::::.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::':;:::::::::,'
ﾉ {:::::::::::::::::::::::;:::::::;':::::::::::::::l::::::::::::::::::;:::::::::::';:::: ∧
, -‐=ﾆｊ l:::::,:::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::;::::::::::::::::::::::::_::: j!≧=- ､ __
＜ | |:::,'.:;::::::::::::'::::::;i:::i:::::::ii::::::::::!::::::::::::::::::::.l!ﾞ{. ｊ{ ＞.、
／ ＼ | j;;;jiｲ::::ｊ!::li:::::::::;ｲli::::::ﾘ::::::::化:::::::ﾘ ヽ j | / ヽ
, ' ＼ i| .,∧ | 戈{}ｼﾍ,.|}H{| ＼＼ ＼| .∧ | / '.
. ' ＼ ｊ＿／ ﾞ:.ゝ .:￣ .ﾉ.j:i ヽ ＼＼ノ / ゝ i| ./ ∧
' ＼ 丶 ー― ﾞ. :.ハ ー― ´ ヽ! ／ |
ゝ / 丶 ヾjノ. / ／ |
ヽ､_＿ ヽｲ ヽ ´ ｲノ |
У ヽ￣｀ヽ､_ ヽ ／ ノi｀ー {
╋
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この時点でコエリョとヴァリニャーノの対立は、決定的になる……
――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1590年7月21日、ヴァリニャーノは長崎に上陸。第二次日本巡察が始まる。彼はコエリョを、厳罰に処する決意だった
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ｎ
| |
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|| ,ﾞ| | ＋
|| ll / | | ┼
|| || ./ | | ｏA
|| || / .| | _ 口｢i|┐
||i｀`''"||ｰ-- __/___,,,,| |ﾍ ┬┬┐ _,､,､,､＿＿／: :`丶､,､,､_ﾊ_ -ｒ|￣|√|ﾆ。
ﾛ;';';';'ｒ口;';'/￣￣＼;';';'| | }＿＿/二二廴ノ_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:く｀¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨ｱ二二{￣
￣ 7￣￣7￣|¨¨¨ﾞ|￣￣￣丈￣￣￣￣/ ≧=‐-----=≦──‐≧=‐
¨¨¨＾¨¨¨´≧=‐‐=≦三三三三二ﾆﾆ二´ : . : : : : : : : : : : :
:. . . . . 二二二 二二 二二二二 . . : : : : : :- : : : : :_ :
: : . . . .-. . . . . ﾆ. : : : -: : : : : . . . . _. . . : : : : : : : :-: : : :
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,,､-――― -､
,､ '" コ.. ＼
/ あ 勝 エ い ヽ
,ｲ / り つ .リ い ',ヽlヽ
／/,/ え こ ョ か ', l| |
|l从/| ん と が. ∫ l l|
/|/从|l|| の な お. ∫ |ﾘﾘ
（ ヽl|| l だ ど れ. ∫ l::ｲ
|＼ ｯｯ从;'､ // に ,'ﾉﾉ
之ﾞ lY ヽ;;;;ヽ ・・ ／ノノ
ミシﾐｲ ::::::｀' ､ヽ ,､ '´彡イ::
ミヽﾐ;;| | :::: ｲ::::l|l｀''ｰ――--ｧ '''''"ｲ彡;;彡三
（从ﾐ;j | :::::..ヽ:::::::::::::::／イ:::::::::::::/ｲ彡;;;;;;;;;彡
ｦ;;;;j r' ﾞﾞ'} l|:j//::::ﾘ..:ﾉ::::::::::: ノ( 彡;;;;;;;;;;彡
ｰラ;;;{ (:::::;;､;Y'"|} ''";;､-=､､,,,__;;ｯ' ｰ､;;;;;;;;;､､
イﾗ;;;;} ､ｰ;ｯ-;ﾐ;ﾞミ彡ィﾆ'='ﾆ≧:::::.. };;;;r''"|
//ｼ;;;| ｀"´ﾞj ﾞﾞンノ::::::::::"彡::::" ｲ;;/:::）j
|l| 从;t ﾞ' : :::"| ''彡 ､､,,::::彡 ／://''"ノｨ
lY/ｲ;;ヽ､ , '"(jl:. ''" ﾞﾘヽ" イ::/'""／;;;;
}ｲ/ｼ;;;', ｨ:':-彡"'´::... ｰ､ /::/~'''Y;;;;;;;;;
'"ｨ 从;;;;;t '､ミ=､ﾆﾐ ､;;;__ /:/::::: |〉;;;;;;
（从;-l| :'､ l|〉,,'''' '',ｨ''"´ ／ j::: /l|;;;;;;
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ｰ''":::::::::'''" ﾘ.| ::'､::ｲ::￣￣'"´ ,､ '":::､:::::... ﾞl;;;
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::::｀~´￣￣￣{{ヽ{::::: ﾉ- ｰ'''''"ﾞ''' ｰ '''''''
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ところがヴァリニャーノの再来日に先んずること、2か月前。失意のコエリョは、既に島原の加津佐にて逝去していた……
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＜1590年5月7日＞
=ニ二二ニ=
／ ￣￣ ヽ
/ ＿＿ |､
(|／ ￣ ヽ､
／ i／￣￣￣＼＼
三＼／ | > /⌒∋
(/U ヽ/⌒`|ヽ／ ＼)￣
i/￣ヽ ＼ |￣/i⌒､ ※フロイス「日本史」（第三部４章）によると、「長患いのすえ衰弱しての病死」
|￣￣| ` ┴┤|─ |
ヽ__丿 ! | 丿 ただし具体的な病名の記載は無い。もともと病弱で、胃が悪かったという
￣
x≦ニ三ﾐx、
,、 _i{/＾ｉﾆﾆニ三}i
}ｉ＼ {.,′:|ﾆﾆ二三}i /} ・・・・・・・
ヽ.:.:.ヽ.__}i.:.:.:.|ﾆﾆ二三}i､ /.:.}
ﾄ､_.ｨゝ'’.:.:.:.｀¨´.:｀ﾏ彡'.:.ム)ｚｧ,ｲ＿}_ .ィ:.7
>'.z≦三≧x｀ヽ.:.:.（__;ｨ〔ニ三ﾐ､ヽ.:.(__.;.<
〔:/´.:/´ ｀ヾﾄ､ヽｏ.:.ﾟ:)ﾆ二三}iﾍ.:ｏ.:ｏ.}
/ .:/ ＿__ }i＼ヽ:o´o}ニニ三}ト､￣´
{ ,.ｲ´￣ ｀:.(=＝≧≦ﾆ二二三ゝｲヽ
/.: }ﾆﾆ二二≧＝＝＝彳-ゝ、
,': ,.:斗''＾ヾ:. /ニニニ二二二三三}i.: :. }
{:..i{ ,:.／ﾆﾆ二二二二二三三}ﾄ､ :ﾊ}
} }:. ／三二ﾆﾆニ二二二三三i{〕::} }
{ _,.:=ﾐく{三三二二二二二二三三i{:::{:{.__,ﾑ、
〕:'’ : }三三二二二二二二三三i{:ム{､:. ヽ}_
ﾑ､＿＿_;ト､三二二ニ二二二三三｣:〔〕::〕ﾑr≦}
}: :_:_:_:_:_:_:_:} /ﾆﾆﾆﾆ}_}ﾆﾆﾆﾆ}_}｀`:ト､::rｭi{ｭｭｈ :}
〕)二二二ｺ} ﾑニニ二二Ⅵ:i:i:i:}ム:::::::::Y´:}ニ｢.: :}
{｀二二二ｺi }iﾆ二二二二Ⅵ:Ⅳニ}i::::::::|:::::})ｭh: :j
〔〕:｀￣￣´}i ﾑ二二二二二}:i:/ﾆ三}i:::::::|:::::ﾄ‐'ｰf´
}_o〈＿〉/ /二≧x､ﾆニ二}ｉ/厶斗'}ｉ::::::|:::::|ミxｨ}
に¨¨¨i〔 {二二二三≧ｭ≦三二ﾆ}ｉ:::::|:::::|iﾆニ}
/ニニ三} i{二二二三三}〔三三二ﾆ}i::::|:::::iにゞﾉ
{ﾆﾆ二三} i{ニニ二二三ﾊ三三ﾆﾆﾆ}i::::|:::::::i｢¨
ゞ.o_o_oﾉ i{ﾆニニ二三i{ }i三三ニﾆ}ｉ:::|:::::::｣
｀¨¨¨´ i{ﾆﾆ二二三i{ }i三三二ﾆ}i｀¨´
i{ﾆﾆ二二三} /}i三三二ﾆ}
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ｺｴﾘｮ
それでもヴァリニャーノは不肖の部下への憤懣を隠さず、1590年10月14日付の総長宛書簡で故人を散々に鞭打っている
曰く「妄想の中で理性を損ない」「対策に窮して妄想」「禁則事項を突発的に行った。かれは生来傲慢で衝動的だった」…
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
, -=＝=- 、
/ ヽ
i i 特使モウラから取り上げた「高来協議会」を読んで、事情は分かった……
l .ﾊ＿,r ､＿ﾍ. l
! ヾｬｭ王r:tｦ｝ l /|_ コエリョは狂乱状態にあったといわざるをえない―――
: ∧___< ヾ. 下丁斤!Ｌ,.!｀>./!_
i ｲ'ｿ ∧＼ ｀ﾍ.l |,l リヾ／､〈_,| ｀ヾ-､
| !_,r=ヾ'、 Ｙ｀ヽ、r彡。Vヾソ_ ｀ヽ
| .ヽ i Ｙ// ╋〉 。 .|::::| ｀¨7 / : なまじ武力があるから、おかしな方向に走ったのだろう
| ∨.ヾ ∨ｌ､＿_/＿,./::::::! rtﾞ三Y !
| | l/| /＿l_｡_∨'ヾ:l | に.７ !
| ∧ ｽｯ'､.._.土｡/ .! | √7 |
| .__l_ 〈/////７7ﾗー-,.､ |.Ｌ j .|
| ,-‐'ﾞ´_ ￣ﾞ''┼┴--{＿ ,' ﾐ､三ゝ、 ｀ヽ、＿|
／￣,.＞''ﾞ´ i rｪ rﾘ￣ヾｿ.テぇヾ⌒ヾ′ ＼
／＿／ ｀ヽ. ＿ヾ._ = !＞┬,r≠''¨ヽ. ,!＿＿
:::::::::::＼. __ ﾞヾ´::::::::::::::::＞ﾞ,ヘ ｒ､Y |.彡'ﾞ:::::::::::::
::::::::::::::::｀ヾ.´ ｀ヽ.＼;;;::＞'ﾞ´へ ヽﾍ_Ｌ!ヾ､__ノ:::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::.ヽ､__ノ ヽ ヾ、 ,.X≦￣:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::＼／ ＼.ヾXﾞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ソ.∧∨＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ. ∧∨ソ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::Ｙ い;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／ ヾ ' |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
..................................................................................................................................................
＿＿_
|| 大│
|| 特│
|| 価│
|l＿__｣
||
匚]
,,...､ ,,...､ .,,...､ ,,...､ .,,...､ ,,...､ .,,...､ ,,...､
,(●) ,(●) ,(●) ,(●) ,(●) ,(●) ,(●) ,(●)
/ ~ | / ~ | / ~ | / ~ | / ~ | / ~ | / ~ | / ~ |
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ヴァリニャーノは長崎に集積されていた武器・軍需品を密かに売却。砲弾はその年の定期船でマカオに搬出し、
現地の友人に買い取ってもらうよう指示。長崎の武装解除は、極秘裏のうちに完遂されたのである
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1590年8月13日〜15日、ヴァリニャーノは加津佐にて第二回協議会を敢行（参加司祭は24名。フロイスやオルガン
ティーノのほか、日本人修道士10名が含まれた）。コエリョの方針がいかに間違ったものであるかを力説している
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＜びふぉー＞
, -─ ７7ｰ- ､
／;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::＼
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::: i
λ ':;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::: | /!
i::::', .|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::| ./! /::|
|::::::, ∧ |从z､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,z从ｿ| ./::| /::: | まあ、そんなわけで新規まき直しだ……
|:::::ﾍ /::::! .i从入{＿＿,＿__ｿ从爪 /::: | ./:::::::| .／}
|_,,,,,,∨__,,|_ノゞミ廴亙_j人亙ノ从ﾝ 廴/:::::: |/::::::::::|／::::/
＿, イ´::::::::::::::／:.:/从}::! !::! !::::! !::::! !::! !:.:.:.:.:.⌒￣｀ヽ:::::/:::::::/ なおコエリョの後任には、ペドロ・ゴメス司祭を任ずる
≦´＿_::::::::::::::::／:.:.:.∧| J::| |::| |::::| |::::| |::| し!_;.:.:.:.:.:.:.:.７:::::/:::::::ム-
, イ´ r'"｀ーy‐-､＿ノ i l ｀ ヾ ﾍ/ ソ' ∨ | ＼.::.:.:.:/:::;ィ-‐==- ､:::
./:::::::::/ー- ､/ .} ｀ー､ｚ＿八 ∧j＿＞-‐'"｀Y´￣}::::::::::＿＿
::::::::::/ー- ､/￣｀/ ｀ヽ ／~´ レ-‐i─'":::::::::::::
:::::: /ー- ､/￣｀ﾉ | て ィ 廴＿}＿y-──
:::::/ー- ､/￣｀ﾉ そ´{ ╋| ∠´;;＞ {＿_l:::::::::::::::::
. /＿＿,≦ｰｭｿ ＜;;;;入 .| ∨ 廴_l´￣￣￣ ノ
／::::::::::::i! ⌒ ` | ￣二二´
・
・
・
＜あふたー＞
＿＿, - ､
／, -───､）
// / ヽ i 布教はあくまでも平和裏にね。潜伏活動はやむを得ない―――
|_| / ヽ ｜
（ ⊂⊃ ヽ 不幸中の幸い。「関白殿下の勘気は、一時的なもの」という観測もある……
＼ ＼＿／ ﾉ
／ ＼──－ <
/ ＼╋-/ ヽ 現に「20日以内に追放」などと謳いながら我々の潜伏を黙認しているし、京都や大阪の
| ＼/ | |
.!_ ﾉ ! 教会も閉鎖されたが破壊は免れている。長崎でも、乗りこんできた役人の態度は宥和的だ
ヽ丿━━━━ ヽ/
（ |＾ヽ _＿）
-―- 、
{:::::::::::::::::::::::ヽ､_
Ｖ r‐ ￣｀ヽ_ :::::::: ‐- 、
/ / ヽ:::::::::::::::ヽ､
,‐レ' , } ヽ:::::::::::::ﾊ 器用な日本人の手で日本語版の活字印刷機も
{ 〃 ､ ﾉ V::::::::::::}
､ / ′ |! V:_:_::/ 出来たことだし、まずは出版事業から始めよう
/ （ ⌒ ヽ ′ ｒ ´ ヽ
{ r ー ´ し }
＼ ／ _ノ それに私はインド副王の使節の資格で、関白殿下に
ヽ､ ｀ ー―‐ ‐ ´ /´
_＞‐- ＿＿ イ:::::} 謁見する予定だ。巻き返しのチャンスは、まだある……
-‐=:::::::::::::::/ ／:::::::::ヽ､
, ´::::::::/::::::::::∨､＿_ _ ,イ::::::::::::::::::::::＼
／:::::::: :/::::::::::∨╋ イ:::::::::::::::: ／:::::::::::ﾊ
／:::::: ヽ､_|:::::::::::::{ ／:::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::ﾊ
／::::::::::::::::::::￣ 7-r‐＝＝‐- ＿イ::::::::::::::::::::::::::::}
{::::::::::::::::::::::::::::::/ |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
:::::::::::::::::::::::::::｜ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
､ ::::::::::::::::::: :├‐ ‐┤::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
ヽ:::::::::::::::::::: | V:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /
..................................................................................................................................................
＿
'´ ｀ヽ 国家的禁教の嚆矢とはいえ。秀吉の妻・北政所にしてからがキリシタンのシンパとして、
.j /rノﾊヽﾊ
ｲi(|＾ヮﾟﾉﾙ バテレン追放令に苦言を呈していた時代だ。「揺り戻し」の余地は、まだ残されていた
ﾉj〈_j条iつ､. ,.==､
-===(（（.Uj_ヽ,>===|(ﾟ,)+@
し'U ｀==´
━━━
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1591年3月3日、ヴァリニャーノは聚楽第にて秀吉に謁見。ひとまずインド副王メネゼスの使節としてパイプを確保……
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＜天正少年使節団による洋楽演奏＞
___
７_y|
/⌒丶 <_/ /!
／^! ｲ :fｪ´r}l ///' _
!: : :L_イr､ ﾄ=tﾃ | /// /¨￣¨7
|: :/⌒ヽ: |ﾘ ゝく :! ./// ム r--tl
|: ﾑﾊr､/___丈c!V｀ヽ. ,.rtｭ'/./ |ﾘく＋!+
V /: ゝ='∨k}｀ヽ´＼＿__ _,.≠く: / // __,.弋､jにﾚ'＿,.._,.r─--=..__ _rｭ
}____ム: :r､: :ﾄ':ﾊ:::::::::::｀ヽ.ヽﾊﾉ: :,.-'//// /´¨ヽ＼ﾑf＞､ 弋ｿ_＿＿_/´￣7
f､__)｀ゝ: :＼｀ {'|::::::|｀ヽ::::∨r'j´ //// ヽ. ∨ ニヽﾃ7'´:::::::::＼ 丶f^ｭ'
|＼ } }: : : : ヽ_| !:::::j ｝::::! fゝ-'7/// ﾄ､ r=ゝ､─ /:::::r¨￣ヽ::::∨ | l
}､: ､! |: : : : : : 〉|::::::| ノ::::∧!:..::////ﾊ__＿ {＼} ＼j:::::/ L:::lr' :り
|___j ゝ: : : : /K|::::::ﾚ':::::ノ j:.://// / ﾌ} _ | ＞ /|:::::ﾄ､__,.≠＜__ l,;
/: : ∨ﾚjー､/: :/:::_,.≠ ／:.//// / ／: : :ー'f~f=-ﾏﾍ-rft__＿__ {＿＿＿＞,r､:::＼r'____ﾉ::::/
ktf､ｿ'j ∧7ﾊ ∨´:. ://// ¨´f､: :＜￣｀∨l=t=l |t_{-､_: : : ) |: : : : : : ｀ー|＼:::::::::::::::ノ
i / ヽ. (､:. :. :.:. :. 8f､ ∨: :｀´ヽﾉ !j}={ｿ !____ノ: : / ﾊ ゝ: : : : : : : : :i ＞-＜
| / ＼ ゝ--............_| ヽ. ∨: : : ｿリ｀¨´|ﾘ': : : : :ノ /ハ ∧: : : : : : : : ﾊ
ｿ / ｿ /｀＜ﾉ￣￣､ 〉､ｨｭ: : / !=､|´ レ: ﾑf^ノ＼ｿ∧: : : :∧: : : : :}
| } / ヽ/ ∨ノ }: : ＼7==､. /￣!: : :| { |: : : : / ∨: : ::|
|ヽノ ∧ / ,ﾊ ﾉ､: : :/::::::∧^∧::::::!: :∧ ∨: : :/ }: : : ﾉ
|: :/ ∧: :/ ﾉ / ヽ:/:::::::::::::∨::::::::ﾊ/､ ∨ ∨::/ |: : : |
|: :l |: : / / / /::::::::r､::::::::::r､::ハ::､ ∨ ∨ ヽ: : |
{___/ {___{ /____/⌒､_/:::::::/: ,ヽ:::::/: ヽ:::ハ:､ ∨-'､ }___ノ､
｛r､ﾘ ! r､＼ ／ゝノ| ´ー‐´ ー ヽー､7 |弋ノ＼ |ソ´｀ヽ-､
!___ﾉ ＞'｀ヽﾆｽ ﾑ´､__r´j__/ ∨_j＼__ヌ ==､ﾆﾆﾆﾆ
天正少年使節団（演者：デトロイトメタルシティ ＠デトロイトメタルシティ）
|＼
／￣＼| 丶
∠_ 丶 |＿
＼ 丶
／￣ /ｨ／/／丶 |_ アンコールたのむでや（×３回）
￣￣ﾌ(ヘ /"ヘ ﾉ _＞
＜_ T( ･| |･ )彳 _＞
丶 丶ｦ _ｿ_＞
_＞ー＜_
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さらに通辞ジョアン・ロドリゲスが交易の支障をちらつかせ、禁教は解かれないまでもささやかなグレーゾーンを獲得する
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人＿
＞ 我々ポルトガル商人は、イエズス会士の仲介なくして交易はしないからな！ ＜
￣Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ￣
,r',;'､:ヽ, ,r';;',''';ヽ, ,r';､";';ヽ
i:l'o'`o'l:i ｨたｭ'とi::l. 'iたｭ'とi'!
l:ﾄ､ヮ,.:|:!'',.'ｺっ,. ﾉゝiﾆi 7ﾉ''',コっ, ム､,iﾆiノゝ--､_
t;ｪ;'ﾆｺ ',Vﾉ'r'" '<,`''''''i ',Vﾉ r''" '<,`'''''''i ',Vﾉ.i-‐'''''ﾞ'′
l,__ﾊ__,l ￣l,__ﾊ__,l ￣l,__ﾊ__,l
//l l i'､ //l l i'､ .//l l i'､
くl_,l_,l_l..ゝ. くl_,l_,l_l..ゝ くl_,l_,l_l..ゝ
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＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
＼/ ｀ ヽ ）ノ
-┴‐- ､i,
-─‐- ､ヽ,
., ヽ, ｨ, , l 太閤殿下。１５９１年８月２３日付のポルトガル商人の抗議文は、お読みになったかと……
|〈ｶ ｶ） ll
｀ ´ ‐０ l
, -‐‐,' ,' 殿下は長崎代官（森勝信・鍋島直茂）に命じて、積み荷の黄金を安く買い叩こうとされたとの
',___/ / ,.（__ ）
.＝＝╋＝-|´ ／ 由……宗門取締りにかこつけて自由貿易を禁ずるなら、南蛮船は日本には来ますまい
＿＿＿_ヽ i '
ＸＸＸＸﾉ l
／l／￣/
／⌒/ | /＿
く￣ ヽ ／ っ
＜￣ Ｍ∧ 入 ｜＼ っ つ
＞ _V ヽ |／／∨_／
＼(a｜( ･ ･ )｜a)＞ えっ？
＜.｜` ^ `.｜＞
`─-`-─ ´
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
おりしも文禄の役の開始直後。軍資金捻出に懸命な秀吉が、長崎交易の統制を目論んで裏目に出たのが転機となった
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
イエズス会とポルトガル商人を別枠にできないと悟った秀吉は「南蛮人用」教会の再建と、司祭十人の長崎滞在を許可
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/ /
/ レ
| "
/ ＿＿
､ / / ＝< ヽ// 日本は、仏門は自由に選べるが、がんらいが神道の「神の国」だで……
､ﾍ / ／＼ ﾍ
- 'ﾍ / /゛ ﾍ | しがない庶民がキリシタンになるのは構わんが、とにかく宗門の話はしないで欲しい
V' /" U／ﾍ/ヽ
/ ／､ ／／￣/ Ｖ
￣| ／ﾍ､ﾘﾚλﾉ _ - 無論これからもポルトガル人は、良い交易相手として ひいきしていきたい！
| /L)~| ､￣ ""
ﾍ /゛ﾍノ ~ γ-､ （考えてみれば司祭に、個人的恨みはないし……インド副王への書状も、穏便にしておくか）
＼ ﾍ 丶~フ_／ ノ |
゛ ＼＼二 _// /
// ＿＿＿ヽ 'ー' ／≡
__ .__
/♯＼ ／♯ﾞ､
|♯ ,. -――‐- ._ ♯|
レ'´ _,,-‐――‐-､,_｀ヽ
/ ,､' " ﾞヽ ヽ
.. / / ― ― ヽ ﾍ 殿下。キリスト教では、実力行使による強制改宗は禁じられております！
,' / ,ﾞ‐‐" ,ﾞ‐‐" ﾞ, ',
! l | ① | | ① | l | むろん禁教の件は命に服するしかない旨、ヴァリニャーノにも伝えますし……
l l. ｀‐‐' Ο ｀‐‐' ! l
. ', ',. ＿_ / /
VV / /
＼ヽ＿＿_＿＿＿＿＿/／ （控えめな布教なら、お目こぼしかな……）
,└‐‐---/╋ヽ----┘、
／ / ﾋΤﾌ ヽ ＼
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
このロドリゲスの答弁を、現代のイエズス会神父マイケル・クーパー氏は「大友宗麟時代の豊後の仏僧が聞けば、冷笑
しただろう」と、評してはいるものの……ともあれ交易を人質にされた秀吉は、躊躇いつつも暗黙の内に譲歩したのである
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
□
┌──┐
└──┘
┌──────┐
└──────┘
/: . /: . :/: .;ｲヽ: . ＼: ＼: . : . : . : . ＼: . ヽ:::::ｲ-
/:/ /: . : j: . | | ＼ . :＞:‐＼‐:‐:-: . : . ＼: ｷ;;／二ヽ、
,: /: ,′: .:.|: .:.| | `く . ,rテ气ﾐ､┬i- ､: . ヽ:':;;;;;ﾆ二:ヽ ……というわけで以前の投下との重複もあるが、“教会領”
j/ｌ: .|: . : .:.| ,斗1 Ｙ.Ｖi ::: レﾄj: |) }＼: V::::::｀ヽ ヽ',
|! |: .|: . : .イ ,.rテミ V､:::_ ｿ |:.| ノ: . :ヽj.:i::/i:ｉl ', 長崎の成立と顛末を、駆け足でご紹介した―――
|! |: .|: . : .小〈.Ｖi: ﾊ `ｰ '′ |:.|::::::::::::::〃!:l::ll
l! |: .|: . : . }小.弋zﾝ xww j:.j::::::::::::〃!:l::l
ヽ:j: . : . ﾚ1ハ wx ' _ ., ,.ｲ|:.|ヽ::／l:i::';:l:ｌl 「無能コエリョがミスを犯したあげく暴走し、有能上司ヴァリニャーノ
丶jヽ: /|:.|!: i＞、 ／ |:.|-┴ ､';:ヽ:ソ
ﾉ ヽ/ |:.|｀ ー .ｧく ／|:.| /＼ が軌道修正で最悪の事態を回避した」という、通説通りの展開だ
_ノ |:.| / |:.| ／
,' , γ 〆 〃 / / ,､ .:.:.;∧ ∨彡孑 一' / /
. / ／ ／' /／ / , ′ :i ', .:.:.:.:.', ﾏ／.:.:.:.ヽ 〃/
. |' ／ ／ ､〃 /ﾘ ｌ :! ヽ ､ .:.:.:.:.} ﾊ .:.:.:.:.;∧ ｛
ィ／' , ′ /{ 斗七爪｀ヽ!､,| ∨孑廾ト ､ .:.:.:.:.:.:.:.', ヽ
／ , ′ /｛. i／ { ,ﾊﾄ ,､ ﾊヾ ヾ ＼ .:.:.:.} ＼ 八 .:.:.:.:.:.:', ,|､
/ l | / / 〃λ :| , ﾄz竓芹ミx x竓ﾘミx .:.:.:.:.:.:.ヽ | l うーん―――「元カブラル派」コエリョも、
,/ | |f , ｲ /∧ |/,! 从 r'乂'! r'乂'､!ﾘ } i .:.:.:.:.:.:.:.:l | ', ｶﾌﾞﾗﾙ
|'冫/ ./i / ,ﾊﾄ 八ヾ ∨ツ ∨Ｚツ } .:.:.:.:.:∧:ﾘ i 元上司に似て「残念な人だった」のは、
λ∨ / .|' / 从 ' ト ヽ ' ｲ / ! .:.:.:.:ﾉ }:ﾊ !
{/i ', ,′冫 ﾉﾙ' { | ハ, ,､ ｡ ﾙ ′ / .:.:.〃 ﾉ' ′| たぶん間違いないと思うんだけれど……
' ﾏﾍ ｛ //)イ ', ﾄ ! 个o｡ f' i / / 彡 .:.从′ / /
｀┘ｊ 〃 ヽｊヽｿ／｀ヽ_ / ﾄ ＜〃 ノ .:.:ノヽｊ / /
/ { f.､ / /`Y´￣ﾉ'´ﾙ'r‐､ ｰ=彡ｊ'/ / /
. ｲ ,. -‐一' ﾊ / /γYヽ, -‐´=＝ﾆ＼丶 く_／
|' ／: : : : : : ヽ , ′/ノ /〆´ f : : : : : ヽﾉ丿
l| /: : : : : : : : : 冫 ´￣ ｝｀ヽ,/: : : : : : / /ヽ
_
/.ヘ . -‐…‐- 、 x.､
// ヽY _ '''二二 _ヽﾉ//} }
ｊ i /7´ ｀丶// 辛辣すぎるヴァリニャーノを見ていると哀れな印象、無きにしも非ずかな
／ ⌒Ｖ// ＼
〃〃 ∨i /// / i i iﾊ
/// ﾉ //ｱ二メ./ i ! i i ! 懲罰の恥辱を味わう前に、死ねたと言える反面―――弁明する機会を
. /// ／ ﾙ〃んﾊ/ ﾉﾅメ ii∧
Ｎ/ ／ i i i l ﾋ:ン んﾊ! // ﾊ 「不可抗力」で永遠に奪われたことは、あるいは不本意だったかも……
//ﾚﾙ'/i 从 i i ｜''' r , ゞ'厶ｲ从 i｜
. // // ﾙﾉハ i 个ト . __ ..イﾙ爪/ }}ﾊﾉ
// // Ⅵ仄二ﾆr'"´￣｀Y´ ﾉﾘ
. // // r‐=≧≦//:::/:.:.:.:.:.:.|_彡'
〈/ 〈/ ___｣{〃ｊｊ｀ヾ{::〉/.:.:.:.:.:.:.:.|
-‐=＝ ニ二 =彡く′ jj::::ｉ.:.:.:.:.:.:.:.:ﾉ
（( ＿＿__ .. -=r.::i ヽ〃::/.:.:.:.:.:.:./|
￣￣￣ |:::.:.、 ∨.:.:.:.:.:.:.:i.:.|＿＿＿
|:::.::ﾊ /.:.:./.:.:.:.:.i.:.:.:ﾉ.:ﾉ.:.:.:.:.＼
, '´ ＼
／／ ,イ ＼
/ / / / l l ヽ
/ / ./ /ｨl .ｲ l .! ﾄ ﾊ
. / / ./ /ハl/ i l ヽヽ＼'､､ l
/. l 十ナ-ｪ､_ ﾘ __Ｘ‐弋＼ ＼ l
/// ｌ ｌ l V,ィ示` ` ´ rァ‐-､ヽ、 ＼ ＼ l ・・・・・・・・・・・・
. // j :l l ﾄ､{ ｈ:::::}. ｈ::::::::i:l ト ヽ ヽ. ﾊ
// .j :l l ﾊ. ､ﾉ::ﾘ ,_ﾉ::::::ﾘ’ l l＼ ', ', ｌ ﾊ
／ .l l |i. l -ゞ'’, ゞｚッ’ j i lﾉ ＼ ! ｌ ﾊ
l l /.|l | l " "" ﾉ l l_ノ ,入i ｌ ヽ
V / ｌ| | 小 ⌒ ./ /ム-' ｌ ヽ
. // l //i ＼ / / / ヽ
ﾚ j // |ﾚ ’. > 、 _. _/ / / ヽ
ﾚ/ ／ ,へ ヽ---ェﾆ-‐'ﾌ /7/ ｉ ＼
／'／ ｨiﾍ ＼／ニ-===ノ /ｦｲ l l ＼
//' ／ |Lヽ-ﾆﾆヽ＼ ／／￣li l l .l ＼
-―//‐' ／ ＼ Ｖ'／ | l ｌ ｌ ＼
／／¨ﾌ/ / 〉ハヽ | l l .l ヽ
＿＿
＿__,. ＜ ＞ 、
／_, ／ ／ ｨ ﾊ ヽ ､fj＝ミ
. ≠フ. /ｨ / ./// j/ ', ﾄ, ', ﾟ , ヽ＼
-=彡' 〃 l , /ﾚ'r匕 ト-V∨ ∨ .∧ヾ、
_／=‐ｨ>' ∨}' ◯ ◯ }l ﾄ,',、 ',
／>' ! , /| ,,,, ,,,, ﾘ|/ |Ⅵﾍ｜ ……どしたの？ 酢を呑んだみたいな顔して
. ／, ' |ﾊ i {.ﾄ､ ,. ィi| ,' ',ﾊ j
∨ //.Ⅵ ,r≠≧=号＝≦ﾚﾚ' j/|:i ',ﾊ
. // ヾ,'::{:::::::}==大==}___,.r-､ Ll |::|
|:| {:: i::::::::∨/|l＞i´ Y{ } |:」
ヽ_,. ィ:::::::i:::::::::::￣:i:::::| ./∧ｲ
,. ＜:::::::::::::::::∨:::::::::::::::::::}':____j'
. ／:::::::::::::::::::::::／-≧====y'
' / /::: ,.ｲ ::: / |:: /´ | :::|! ::::: |＼:::
.| ' / .'.::... / !: / |:::! !::::ﾊ ::::::|:::::＼::::
.| | ::!:::::| ::::j -‐|‐|─ ﾄ::| l::::| -‐─ヽ--ヾ::::
i⌒v::::|! ::|::::::ｨ:´::| |: | |:::| ゝv ゝ:::::ヾ::::::ヽ
| v ::| i: l ::∧:::::| V -- ゝ ＼ __ ＼::::＼ じつは歴史家の安野眞幸氏は、バテレン追放令の
| |:::|:: !:::l:::| ヽ_:l _ ＿＿ ＿＿`_ー
| | ::ﾊ::ij:::ﾊ::!イ`弋ゝ-'フ｀` ´ !ノ__フハ 「責任者」であり「生き証人」ともいえるコエリョが、
| | :::|:V:::::::ヽヽ ￣ ｀ ´
, -v ,イ V::| ::::::ハ::＼ ::::::::::: ,. :::::::::::::: あまりにもタイミングよく「死人に口なし」状態に
, -<. `| ` ヽ| :::/ゝ∧`´ <:i
, '⌒ヽ ヽ ヽ ヽ/ﾍ/::l! なったことに、強い疑念を抱いております
! | | -.ﾊ V|!:::∧
l ｰ| | r ﾄi_ﾉ ゝ |:|:::|:::,.＼ ´ ｀ . イ
| 人 i´ﾄ l_ﾉl ﾉ/:::j:/::|::::ゝ.､ イ:::: |:::::
――――――――――――――――――――――――――――――――――
以下は、あくまでも歴史家・安野眞幸氏の、ツイートじみた憶測ではあるが……
――――――――――――――――――――――――――――――――――
､_人_从_人__/
_）
,..r;;: （ 人) ) ,;｀ｰ､ | ヽ丶 _） 消 生
ヾゞ､ ゞ'´ '｀´ ｀ヾ､ ─|─ _） 毒 き
-‐':､ゞ'｀` ,l / | ヽ _） だ 証
ヾ､ ゞ;;. ,r-､ ｀ヾ､ ヽ､ _） l 人
, rヾ ,r!/r'ヽ '｀ ＼ ＿|＿ _） っ は
_,,,.,ﾉ､_ ヽ, ｀ゞ;; ;:､ ／| ｀) ！
,r‐'''" ,.r ,ｲ彡ミﾐヾ､ ｀` ´;;i V^V⌒W^Y⌒
__,.;;,ｨ'´ ,:;;;;彳彡ミ;j｀､ `i;:､ オ
;; ヾ､彡;;;ﾉﾘ;jjjjj;;;jr' i . ノ;;:'' ｀ﾞ｀､ ｀`ｰ､
彡冫;;il;;;ミ;;;;;y;ﾚ ,t'´ ,.､ｰ､ ゝ ｫ .＿_
;'ｲ;;;'ヾ｀`ヽ､ｨ;;i ,ri'´ ヽ ヾノ ,ry' il'Yﾞr ヽ､ ∠＿::_｀ヽ
j'´ '´ '´／ゞ';;::`´ヽ ｀`´ｰ ﾞi ;;: ,r' ) ,r､ /l {_r.大=z_>:}
/ ,;:' '´/ ｰ≡;i{､ ／ヾr'´ ,. '`;;:､ 〉ゝ .i￣::(__ﾄ||.|}.}{.{|.}7||:|／/
ｰr-､j ,! ,;',;'ｨ;;:ｲ''｀`ゞ､_,､-‐'´ヽ:;/ ､ ｀`ヽ ;:､ ｀' (´ ..ﾍ､＿__）.|ｰ=┴幵:」._/l
,,:' ｀`ゞ､,;;ゞ､ "´ｲ ,... `'彡 ,／´ ｀ヾ､ヾ ' ｰ､ ii;j ｀i;;!'´ﾆil';;;;ゞr.＿_ﾄ
' ｰ‐─ ,rｰ'ﾞｰ─-､_j;:r'´ ヾ,ゞ ､ ゞ,ﾐ;:l;;l ,!╋,!,i;;'´¨/
;. r-‐;;'"} ｀`ヾ､ ﾉ ,;;;: (i,;)））､,,:;!､__,:};!_,.､l
.... _,,,ｨ､ i 'ヾ人 ､}( / ノ ,r'i r'"ヾ-‐i‐-:;ｲ, / ヾ
,.r'´,ｨ'l､ _ｨ;;､ ､,.ミﾐ'´ ,;:'´ﾊ '´ ,j ,r' }ミ,r;}ゞ‐'─l:::.i ,jl
↑
コエリョ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
=================================================================
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
_,,. -＝.....- ,
； ｘ＜￣￣｀＼:::::::::::::ヽ、
,＾／/_二､;;､ ／ ヽ::::::::::::::＼
，’i／;;ヽｆ::i l_ﾉ ｒ:......＿ヽ:::::::::::::ヽ
； /メ;;;;;;;ﾝ´ ､｀／ , 二.;;;;;＼;ｊ:::::::::::::::i
； /;;;'´￣│ } i 〈 ｆ:::ﾘ l ￣｀ﾞj:::::::::::|
. /'´U 、 ヽ-' メ､｀宀ｰ.｀／u:::::::::::l ＼(^o^)／ｵﾜﾀ
,' / {⌒ヽ ； ｒ;;;;;;;ﾌﾞ f ｒ':::::::::::ﾘ
; ＼ ｀7ヽ| i Ｕ ノ;;;;;;;/ i,/::::::::::::/
. i ;/ー‐ ｒ';;;;;;;;ノ ｲ:::::::::::::/，
l＼ ,/ /;;;;／ i_i_::::／ ,’
l: : :＼ /;;/´ ＿ ヽ' {＾
∧: : :__ヽ.,__ _,.- ､ （ ﾉ ノ/ ；
＼ ｀;;ｱ'´;;;;;＼ ￣ ／
l ＼. /;l /;;;;／l ￣￣＼
| ＞､＿__／ / ＼
l ╋ l ／
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
コエリョは、ヴァリニャーノにより作為的に“消された”のではないか？ と、「毒殺」の疑義を呈している
（「教会領長崎」169ｐ）
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
根拠薄弱かつ極端な仮説にも見えるが「高来協議会」を深読みすると、コエリョのほうでも
「やられる前にやれ」的な願望を、吐露していたかのように読みとれる箇所がある……
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
r---､
l｀ヽ、ミヽ､ ,,..-‐''"´￣ ｀ヽ､
i: : : :｀ ' ‐､｀ヽ､ ,,..-‐''"´ ,,..-‐''"´ ￣ ´ l
l: : : : : : : : ｀ヽ ､｀ '‐‐' ´ ,.-‐''"´: : : : : : : : : : : :l
l: : : : : : : : : : : : ｀＝＝´: : : : : : : : : : : : : : : : : :l
l: : : : : : : : : : : : : l; ; ; ;l: : 高来協議会: : : : : : :l
l: : : : : : : : : : : : : l; ; ; ;l: : 議事録: : : : : : : : : : :l
l: : : : : : : : : : : : : l; ; ; ;l: : : : : : : : : : : : : : : : : : :l
l: : : : : : : : : : : : : l; ; ; ;l: : 1589年2月11日: : : :l
o
Ｏ
／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
, -──- ､
／＿＿＿＿＿ ヽ〟
|/⌒ヽ ⌒＼ | ヽ お集まりいただいた司祭諸君に問う！ バテレン追放令への対応策についてだ
| ．| ． |＿| !
＿| | !# ⌒V
ヽ `ーﾍ ー ′ _ﾉ 一つは、マニラへの軍事的テコ入れ要請の件。そしてもう一つは……
￣￣ヽ￣￣ ヽ ﾉ
＿＿|(二)ノ／
`ー─┬_イ
/|/＼/ヽ
| ╋ |
,....:ｒ…=::‐:-:.､
,ｘ≦´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼/__
. /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.‘，
{r-‐‐､─── ､ ‐─‐‐,‐┐. 目下のような状況においてヴァリニャーノ師が訪日することが、
. | ／ヾ== '" /` ＝''ヾ |:.:.
. |:!/ _ Y _ ∨|:.:} 「はたして是か非か」という問題だ……
/ヾr{ (・)}{(・) }ｒf゛',
{ {: ! ゝ _,ノ,r ヾ:. _彡'￤{: }
ゝ'ﾉ ｒ｀￣ ゝ ' ￣ ,r, }_,ノ もしも……もしもだ。ヴァリニャーノ師が主の御許にお召しに
. ＿＿ :. ゝ:.=x.. ____,,..:rく⌒/ ., ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
（＿_ ｀i..r=＼ ＼:::,r:.:.:.:.:.:.:,彡' ／-- .. なったばあい……その善後策を今から考えておくべきだ
(＿_, } ＼__ ｀ヾ＝＝''´,.:イ ∧ ~~~~~~~~~~~~~
r(＿_, } | ＼｀二二´/ | ∧
. / (＿＿,,ノ |_,rく¨¨⌒¨¨ヾ__|
/ / / } ╋ |l }
. / ゝ=' } } {! }
. { / }! |! }
＿＿
＿__,. ＜ ＞ 、 うーん、単に情勢を案じているだけのようにも採れるけどね……
／_, ／ ／ ｨ ﾊ ヽ ､fj＝ミ
. ≠フ. /ｨ / ./// j/ ', ﾄ, ', ﾟ , ヽ＼
-=彡' 〃 l , /ﾚ'r匕 ト-V∨ ∨ .∧ヾ、 問われた司祭らも「その場合は、こうすべき」的な回答をしている
_／=‐ｨ>' ∨}' ◯ ◯ }l ﾄ,',、 ',
／>' ! , /| ,,,, ,,,, ﾘ|/ |Ⅵﾍ｜ だけだし……確かに不穏な想定だから虚を突かれたとは思うけど
. ／, ' |ﾊ i {.ﾄ､ ,. ィi| ,' ',ﾊ j
∨ //.Ⅵ ,r≠≧=号＝≦ﾚﾚ' j/|:i ',ﾊ
. // ヾ,'::{:::::::}==大==}___,.r-､ Ll |::|
-‐ ￣￣ ｀丶、
／ ヽ
/ / /〃/{ { ヽ ｀ヽ. ∧ アッハイ、ここの＞１も面白い説なので、あえて紹介したものの……
ｌ / /斗/ハ ｨｰ‐ 、 ∨ l
{ { ﾚﾃく ヽi>==、＼ ヾ│ 「言われてみれば怪しいが、決め手には欠ける」といった所だとか
乂l f r'ﾊ r'ﾊ 7ﾊ＼ﾘ l
.八,}弋ｿ 弋ｿｿﾉ ） 八
ノイ }ゝ" ｀_ "" { {´ 丶＼ 高来協議会に参加した司祭は、コエリョ含め七名……
／ ,＞‐r＜_∧!＞､ ＼丶
, -‐" ! ヽ{>ﾛ<ﾌ〈. | ＼ すなわちフロイス、ゴメス、モウラ、レベロ、ラグナ。そして―――
// ／ / y ゝ { ;ヽ ,ｉ 丶.ヽ
{八 〃 ﾊ { ,.-'‐!、 }_ = ゝ、__i、 }ヽ } }
)/ ヽ（. ヽ人,i' .,. i' ｀ﾞゝノヽl_ ヽ! ヽjｲノ
" ｀ / / ゝ,.| l __.!,ｒ'/ ｀‐´ "
/｀ V ｌ .,′´´
｀ｰ'′ ├-/
￣
..................................................................................................................................................
γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
｜ 日本副管区におけるヴァリニャーノの真の腹心・オルガンティーノ…… |
乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
＿_
,.:≦三三 ｀ヽ
,'ﾆﾊ/:ー:‐.､三',
∧ﾞ:: :::::: .ﾚ'!::, あー、もうコエリョは正気じゃねえな……
.','ｰ' / '/::{
..| ｰ.､ .ﾊﾊﾉ
..|_{__, ＜ / 'ト､- ､＿＿＿__
. _| } ..} .,.'..,.イ . 〉 ｀¨丶、
. , -‐ 'ﾞ' .{ | /./イ ／ .,'
, ＜ { ｀ﾌ¨{´ , ' {
イ | .,ｲ', 0', . ／ .｀
/.... .ﾚﾞ ,' 0ﾊ/ .} /
./ ｀╋ ',{ .',
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ヴァリニャーノと太い繋がりのあるオルガンティーノの前で、先手必勝の暗殺勝負を匂わせるのはリスキーであろう
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――
ただし……ヴァリニャーノの熱い死体蹴りも、やや不自然ではある
――――――――――――――――――――――――――――――
.,. -─- ､
／,;:;:;;;;;:;:;:;:;:｀ヽ
,'.:..:.:.:.;;;;;;rrrr､:.:.:ヽ 彼（コエリョ）を一度で説得して、神の恩寵に従わせるのは困難だった
l::;ｨ'´;;;;' ｀ヽ｡-､ヽ.::!
{ﾐﾚ'"´. ,.. ¨¨｀,ｨ;;彡 その対策は人のわざよりも、むしろ神のわざに期待すべきであった
{ﾐ!. i i::i l.:::! l:l .l:! l;;彡
iﾄ､i i:::iﾉ:::l/::l/::!ﾉ:::|
ヽ入 ｀VⅥ /l /l
ﾄ､ `1 ﾐヽﾆﾆ彡'´ L､､､,,_ _./ ﾚ' ..!
ﾄ､. ! Vl ,..ィ´.:j! ',::,,,,,/ ,::′ ,' `ヽ`ヽ`Y´.:./l ｀`ヽ
| ヽ| 〃／.:.:.:.j!...',;,,/ ,::′,,,,,........ﾘ ﾉ.:::l / .l.:.:.:.:.／ﾄ､
,.ィ´ヽ ﾉ／ / ;;;'''ﾞﾞﾞﾞ｀,.''''ﾞﾞﾞ´ {: :i i!.::! ゝ ' ／.ィ´ `ヽ
ﾄ､/ ﾄ､, ´/ ./:::'' .人 ..:;;′ .人 .:i: :.! i!:::!.:.;.ィ彡'´ ;; .ﾞ､
l ﾊ V.:.:.i / ,:: ｀Y´.;;;′ ｀Y´ .!,..ィ"´`ヽ〃;;;:;:;:;:;:;;:;ﾞﾞﾞ´: .
l/.::',.:./.:.:.:j. /''"´ ....;;;;;╋ 人 (,,､､`Y.. ):::V´ : : :
{ V「88j/ ...;;;;;;; .:.:｀Y´ (´ _ﾉ(.. )::::::',､､､,,,__....: : : :
〉;; ぃ.::.i l..... ........:.:.:.;;;)｡k､ﾐヽ (´ _ﾉ(.. ).::::::!: : :.:.:.:.;;;;;;;｀`
/;; .い.::i l;;;;;;;;,､､ '''ﾞ""´ ..｀ﾞﾞﾞﾞﾞ'''''''''´( _ﾉ(.. ).::::ﾉ: :.:.:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;
,′ﾉ人 jりi ;: : : : :''''';;;;ゞ ::;; ...:.:.:.: .: .: .;;:i1 i爪ﾂ"´.:.:.;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
..................................................................................................................................................
／／ ｀`ヽ､＼
（ ( ) ヽ
＼ ｀ー --,． '"´ ￣￣｀`ヽ -- '_ ノ
｀ー-／ ＼
, ⌒／ , / 〃 , ､ ヽ. ､ ｀V´￣＼ なるほど。コエリョへの個人的感情はともかく。「責任者
／/ .:/ .:.:.::|::|.:.:|::|.:::|.:.:ﾄ､__,:::.ヽ＼ ﾄ､ ＼
/.:.:::|;;|.:.::::::|::|::∧|ヽlヽl´ヽlヽ.::l L.ヽ|＼ | の死」は、真相究明を妨げるのに……「都合の悪い人間
/.:.:.:.::l;;||:.:.:.:|ｨﾚ'⌒l 〒=ﾐ､ ﾊ | l |＼ |
/.:/|:::/l/||::::::l/l/,ィﾃ ﾋzｼ 1 | |.:::| Ｎ ＼| が消えてくれて一安心」としか、読み取れないよね―――
|/ |/＼:||＼::ﾍ. 弋ｿ ､ ｰ / lﾉ.:.::| |
|.:/l.:::;ﾍ.' ' ' r‐┐ ' '〃 〃.::/ リ
|/ |.:/|:::.>.、 ｀ｰ _ .イ 〃 |/
|/ .|/＼::|「(￣-‐ 7 /⌒ヽ
/l ￣_ >只く ／ / ',
_／ ＿／/ ﾑﾑ./ _,/ i
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
まあ憶測は憶測、深入りは避けるとして―――
意識的にせよ無意識的にせよ。ヴァリニャーノがコエリョを責める余り、本質を矮小化しているのは否めない……
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿＿
, ‐ ´ ｀ヽ 結局……潜在していた争点すなわち「貧乏くじ」を、コエリョが引いただけだしな
／..:／.:/ .;ｲ :. :.丶.:.: ＼
〃:.:./ .:./:.:/小:.: ',:.:.ヽ:.:.:. ',
l:{.:./ .:./-‐:! l ヽ:.‐-:.:.:.＼:.:.! 安野氏によれば「問題は、キリスト教が秀吉の天下の下に包摂され、
ｉ:}:ﾊ .:7ｨ=ﾐj:ハ >=ミヽ:.:ﾍヾ、
､_メ!.:i.:.ﾊ r'_;j r'_;j ∧:.:}:.fヾ 仏教の一派として他派と共存できるか否かだと思われる」わけで―――
乂;ｲ.:.∧ /ｲ V:.:.| ﾘ
_／ j/_:ﾉ:.介 .、 ° ,イ:.l:|:..|:.:.:.! （安野眞幸著「バテレン追放令」<175p>）
´/:.:,':.:.:j:|:ﾉｰf夭‐ﾍ :j:|:.:ｌ:.:.:.:!
/.:.;ィ7´ｌ:|＼/ﾑﾍ／｀l:| ｀ヽ.:.:i
..................................................................................................................................................
. - ‥‥ - .
／::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ ､
, .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ
/::::::::::::::::::::::::ｉ::::::::::::::::::::::::::::::.‘,
,::::::::::::::::::::::/{::|::{::::、:::::::::::::::::::::::} 「日本人は神仏の教えによって救いを得られぬことを悟り、
;:::/::: i:|::j//八乂＼＼､、:::::::::::::ﾊ
|/:从从'⌒ヾ 〃 ⌒ヾ＼::::/＾Ｙ 自ら社寺を破壊し、その上にデウスの聖堂を建てたのだ！」
jﾊ/'Ｙ弋佗>}ー{ ィ佗ア}⌒ﾘ）{ ｝
｛ 人 ﾉ ｉ ヽ. ﾉ ,､_ ノ
＼ﾊ｀¨¨´ j ｀¨¨´ ﾘ/ ＜バテレン追放令当日、秀吉から「なにゆえ神社仏閣
八 ^ｰ^ ｲ′
＼ ´￣ ｀ ／ ト､ を壊して坊主を迫害し、融和せざるか』と問われて＞
}ヽ ＿ ／ ／ /＼
. -‐/｝ ／ /: . .
／ : : /｛ _＿彡 /: . . :，
/: . , /ﾍＶ＼ . : . : ‘，
/: . / / `¨´ハ ／ : . . : ‘.
/: . / ╋ }／: . . : ，
/: . / ／: . . : ；
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
即ち「『神のもの』と『カイゼルのもの』の境界線をどこに引くべきかという難問」であり、よってコエリョであれ他の誰であれ
宣教師なら、上記の答えしかない。ただし彼は秀吉への軍役を教会の権利の担保にしようとして、誤解されたのである
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
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ともあれ……法的にはどうあれ長崎は、追放令の時点ですでに「キリシタンの牙城」としての性格が完成していた
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
-‐ ￣￣ ｀丶、
／ ヽ その結果もたらされた長崎の意義は、小さくは無かった
/ / /〃/{ { ヽ ｀ヽ. ∧
ｌ / /斗/ハ ｨｰ‐ 、 ∨ l
{ { ﾚﾃく ヽi>==、＼ ヾ│ 他領で迫害が激化しても、長崎だけは宗門ないし宗門シンパが公権力の
乂l f r'ﾊ r'ﾊ 7ﾊ＼ﾘ l
.八,}弋ｿ 弋ｿｿﾉ ） 八 中枢に居座り、最後までキリシタンの避難所として機能し続けることになる
ノイ }ゝ" ｀_ "" { {´ 丶＼
／ ,＞‐r＜_∧!＞､ ＼丶
, -‐" ! ヽ{>ﾛ<ﾌ〈. | ＼
// ／ / y ゝ { ;ヽ ,ｉ 丶.ヽ
..................................................................................................................................................
_,.r:'::^:::::^:::'::‐:.、
__ ／::::.::::.::::.::::.::::.::::.::::ヽ .rへr -、
r'⌒'ﾟ 1 ./::::.::::.:r::::.::;:.:!:::::::､:::､::::ﾍ i、 ﾉ
ヽ､ ﾉ ./::::.::::.:::j::::r:},l::!:::::i1}::::k:::i､} ヽ_／
｀＾ j::::.::::.::::.|::Tﾘ ヾ'ｰ'^└:ﾊ:;_jﾘ
1::::.::!:.:::.{´,.r=､ ==､{::１
r vﾍ lk:::.::!:::.:::i ､､､ ｀｀｀l::::}___,,__ ,∥'>､
ヽ.ノ ﾘﾍ:::k::::::ﾍ. _ワ,r:'^￣ ｀ﾞく,Oく,ヽ
ヾ>､:::N,z'ﾞ ／ ヽ. ヽ .{ (＾'７
,r{ j./ ,r! _ﾄ､, i V １ ｀丶、 ｀'ﾟ
.,｡rf///イ j /-|, / ヾ Ｎ、 ﾄ.! j {)ﾉ
ﾊ/>､/入{ィ lV､,_ ｀ ＜.、１Ｎ / (_,
'///iﾍ /r V１／ __ '''' 'fﾉ:' ｰく だって南蛮人は、欧州ルールが理解できて気心の知れた
Ｖ///kﾍ. i､''' ヽ ﾉ ノ''^ヽ,! ト､.}
1///ﾊﾉ_ノ;__Ｚﾆ'ｰｧ- '^ﾍ...,,__ j_,人 ｝ j/ キリシタン相手でこそ、安全安心な商取引ができるんだもの
V///１......／ 1 ｀~¨^´ rヘﾐ, '’
V///ｈr'^ j くﾆ,j'
,.メ/////i>x､..ノ l.} 異教徒も、築かれた“人脈”無くして流通は支配できない！
l. ´ヽ､///////j＞xr'^し:ｧﾘ
L,..｡...-‐^'=r＜////} ,テ
/ヽ､ .... .... { ｀^ ￣｀¨ ^!
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
長崎の教会領時代……それはコエリョの副管区長時代と、ほぼ重なる。思えば「交易の為の改宗」と揶揄された九州
布教区こそが交易のスキル・人脈を盾に信徒たちを最後まで守り、その終焉を飾る聖地になったのも、皮肉ではある
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
|￣|
| | ___ ＿ ＿ .＿＿_ ,x--､
| | ／ _ ＼ V∧ ∧/ ｜ ＿_| ( f"i ,i
| | | f | | V∧ ∧/ .| !--i >"く
| |＿＿_ | .!__j | V∧∧/ .| i―' （ <_X＼
|_＿＿＿| ＼＿_ノ V_,_V | ￣| `ー''^''゛
_..........-...―-... _ ＿＿ ＿＿ ___￣￣ ＿＿
, ＜:::::::::::::::::::::::::::::::::＞..､ | ＿ ヽ ｜ ＿_| / ._ 'i .r''⌒ ､ ｜ ＿_|
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ .| .|＿） ） | !--i j '-' 'i f .i⌒､_i .| !--i ＆ MONEY
./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::､＼ .| .i--‐' | i―' .j ,i―i ! { .{__,x -‐ '' '＝'- ._
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{::::::::::::::::::::::::::::::::/|:::::::::::i ､:::::::::::::::::i, ,､￣ ／ ＼ _ ,, _
|::::::::::::::::::::::;__／ .|::::ｧｬ:| ,X:::::l::::lヽi ｆ'| i, ／ ＼ ＞ V／_,､ヽ
/!::::::::::::::::::::／￣"ト/ l;! ＼|ヾi:| ' j ff'!i, 〃'/ , V' ､ .i ＼ ／!' ヽ,ヽ}
./:::i::::::::::::::|::::| ,__ 〃 ._ -''"j/!:::::| | l l i j { ､／V !＼斗‐'' ∧ ／ /i ノﾉノ
/::::λ:::::r-､'､::! "＞ . ￣"{）|:::::| ,ﾉ j .λ .|λ { / ~"'ヾl ＼!__, ∧ / |ヾi゜
/:::/ ＼| ゝ ヾ ''" } .|:::::| ｘ:':::`〈 ,X::＼ | /i/ _ "＾' ､ ＼ ∧ ／ , | `
/::/ 'ー へ （￣) , イ |:::::| ／:::::::::r ' ヽ:::::::＼ 'i' |} ＝=､ _ `'７＼,'i 'i j
./::/ ノ` ｫ- ､ -‐ ' V::i,.ィ"::::::::::／ V:::::::＼ |{ ' ' ' =＝ミ' j j-､| i|
'::/ xｒ‐ < ＼,ノ Yー―――‐:'":::::::::::::／ ＼::::::::＼ .|＼ .ｒ-.､ ' ' '| |ﾌﾉ , l
/ ／:::::::::{三ﾐ{†}=∃::::::::::::::::::::::::::::::＞'' ＼:::::::::`‐| i＞.､゜ ' ＿, ｘ<| |'i ! !
..................................................................................................................................................
＿＿ /
ゝ' ＿＿_＼ ／
|_ |: ;ゝ<>'{´
(( {d: #l _ ﾟ|ﾟ_j_ ＜ 長崎が“神の平和の都市”になったのは、我ら九州勢の功績だからな！
`i:「`‐〜ﾟ〜′
/＾ヾー'＾ｰｸ )) ＼
| ヽ￣†
＿
'´ ｀ヽ だがそれによって生じた“キリシタン社会の特異点”は、西欧社会を接ぎ木した治外法権……
j /rノﾊヽﾊ
ｲi(ﾟヮﾟ|ﾉﾙﾘ 秀吉がキリシタンを「脅威」と認識した、直接的な原因だろうね
γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
｜ それはそうと、いい加減にさらせよ……？ |
乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
, '" ￣ ｀ヽ て
/／ ＾ヽ ', そ
.///f / j ヽ ﾍ !
ノｲl | ﾚﾄ'Vハ斗ﾄ､_＞ あ―――
lﾊj | ○ ○ |ﾚV
ﾉ火ヽ"V￣}"/ﾞ) {
// 匸 }>示iくこ八
.// ! / /《小.》｢｀ヽ ヽ
V{ !ヽノ {： ﾄ-ｲｉ }
ﾚl∧く 人__j /八/
／ ｀7´/ l |'´
.`‐r＜/＿_!｣
| / /
.
r━-━[][] r━-━[][] r┐
_二二二_ _二二二_ くヽ r ┐. 〈 〈
L＿ ＿」 L＿ ＿」 V / / ﾉ ﾉ
} } } } ＿＿／ / 〈_/
〈_/ 〈_/ }＿＿_.／ ○
. ／／//////////////////////////////＼＼
＿＿＿＿／／//////////////////////////////////＼＼
＼＿＿＿／|///////////////////////////////////// ヽ/,
.. ＼//// ＼＿/////////////////////////////////////,
. ＼/ / ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ﾄ､￣￣￣￣ ／//,
/ /＼__i＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿______/ ∨--―― //////,
. / /////l//////////////////////// V/////////////, 一体いつになったら、今回の
. /／//l///l///////////////////////--─代/////////////＼
//////|// | /////////////////////j斗芋竿ミx/|////////|////＼ 主役＝私は登場するのかな？
／///|// |// | ////////////////////ｱ jハ////////|￣￣￣
. ／＿____/|// |// |/////////////////|// （) j》/////// |
|/// |// |////////////|'/// jノ / |////////|
|/// |// |/////////// ｛//／ ミﾄ､ｚｚ,x彡' |'///////∧
|/// |// |////////// |/ , ／／／／ イ////////∧
|/// |// |///////// ////|//////∧
}/// |// |//////// （＼__ __／) / |///| //////∧
/////|// |///////{ ＼_ ￣ _／ ／/ |'///|'///////∧
. //////|// |//////人 ￣ ィ7/// |/// l/////＼//ﾊ
.. ///////|// |////////〕≧=ｰ -‐r=≦////// /////|//////| ＼/＼
／＿|///／|//∧//＿＿__|/ ＼＿＿__／ |＿＿＿_//////l//////| ￣￣
￣ |///|/ ∨/∧ / | /ー一ﾍ | ∨ ////＼////////|
|/∧|／ ∨/∧ / │ / ╋ ﾟ | ∨/／ ＼//∧//
. |/ 八 |＼/ ∨ |＼∧ ∧／| i ∧ ∧/ ∨
/ ｉ │ ＼'， | ＼__／ | | ∧ ∧
. / | | | | | | │ | ∧
, '" ￣ ｀ヽ っ
c /／ u .＾ヽ ', っ
.///f / j ヽ ﾍ !
ノｲl | ﾚﾄ'Vハ斗ﾄ､_＞
lﾊj | ＞ ＜ |ﾚV ））
（（ ﾉ火ヽ"V￣}"/ﾞ) { おお、あやうく完全に忘れるとこでした
// 匸 }>示iくこ八
.// ! / /《小.》｢｀ヽ ヽ それではここで、時間を巻き戻しましょう！
V{ !ヽノ {： ﾄ-ｲｉ }
ﾚl∧く 人__j /八/
／ ｀7´/ l |'´
.`‐r＜/＿_!｣
| / /
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
と、いうわけで。長崎の運命を決めたそもそもの発端である第一回日本布教会議（1580年）のシーンに戻ろう―――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【第一回日本布教会議】
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
|| ||
|| 教会への長崎の寄進問題 ||
|| ||
|| ∧ ∧ 。 ||
|| ( ,,ﾟДﾟ)／ ||
￣￣￣￣￣￣￣ﾉ つ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣
/ ￣￣￣ /|
|￣￣￣￣| |
￣￣￣￣￣￣￣￣|＿＿＿＿|/￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
∧,,∧ ∧,,∧
∧ (´・ω・) (・ω・｀) ∧∧
( ´・ω) Ｕ) ( つと ﾉ(ω・｀ )
｜ Ｕ ( ´・) (・｀ ) と ﾉ
ｕ-ｕ （l ) ( ﾉu-ｕ
`ｕ-ｕ'. `ｕ-u'
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
=================================================================
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
,／ ＼
／ ＼
/ ヽ さて、司祭諸君。大村家から申し出のあった、長崎寄進の件だが……
./ ﾊ./ゝ、 __ ヽ
i ,ﾍl ヾ. ｀,,'ﾆ¨--¨ﾆ､‐-''´ヽ i
! l ヽ. 7"::;:::::＿::､ヾﾞi _ヾ､ ﾊ 俺としては勿怪の幸い、これを受けるのは上策だと考えている
: i丶. l::::k'_´_o__ﾞ,!:::7 7;:::＼ﾞ¨" ,l,
: ｌ丶 ﾞー───‐' . k'^ヽ、ﾞi ﾉ
: ゝ ,ｧ''''"￣￣￣''ー''¨ヽ｀ﾟ'-ﾞ_,! 丿
:.. ,〉 ,.'",ｎ. rャ ,-､ ﾞヽ､ ,ﾉ
l: :ｉ |:::| |::::| .i:::::| ;ﾍ _ヽ.,!
| :ｌ _,レﾍ. |:::::! !:::::l ,l:::;! i:.:i 〉
} :! '´ ,} |:::::l !::::::! ,!:::;! ;': 7,!
! :l ,/l. !:::::! ｌ::::::l ,!:::;! 〃.7.l ,ﾊ
: .／i. ,/::::ゝ.l::::::し'::::::i. ,!:::;!.〃,/ ｀ー‐'" ,}
:..／ ｀ー､":::::::::::::::::::::::::::::::¨:::::ﾚ'!_/ ,/
:.:l : : :: ゞ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ゝ.,,,＿,,,,／
:;' ; : :: ｀ヽ、::::::::::::＿::::::::/ l
; ,' ; : :: ￣￣:::: ,' ￣ ; i､
,r──‐‐ ､
/ ( .} } | | {＼ -─- ／} ＞─── ､
/ ゝ__|_|_|_|. Y´.::::::::::::::::::::.｀Y | | | | V
_ ノ // /｀￣￣´ .|::::⌒ :::::::: ⌒:::| |_|_|_|＿r': V
. ／ ノ./ / }::::●:::::::::::●:::{ ｀￣￣´ﾏ＼ ＼
./ / / ﾉ.::::::::::.▼.:::::::::::.', ﾏ ヽ. ＼
; _ イ { (ﾄ､＿＿_, ｲ) .} i V
| ﾉ─‐ ､ ∧ ＼＿＿／ .∧ | V
(＼ ´/ ￣ ヽ, -─- ／.::::≧s，＿__､s≦:::::＼ -─- ､__／⌒ヽ }
{_￣ { ＼ ＼ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ／ / ヽ. ',＼─ ´ |
＼＿__, ＼. -─- ', ￣￣￣￣￣￣￣ ／ / } ﾉ ｀ ‐- ﾉ
＼ 、＿＿ ', __／ ￣￣ ヽ| | ／ ￣￣ ヽ __ /￣｀ ─ ´ -─／
＼ ￣} / ＼. | | /￣ヽ イ
＞─ ´} / /＼ ＿＿＿ﾉ 、＿＿＿＿ ／ヽ {￣￣￣
Ｖ/ { ､__／ ＼__ ヽ } /
|___ / ／￣ | ￣＼ ﾏ＿} |,/
＼ ﾍ._/ { ＿ | ＿ .} }--}／
＞‐ {､＿_ {´ .:| ｀}______, } イ
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
_,,,,,,........,,,,_
.,...-''" ;;;;;:::::::::::::::ﾞﾞ''-.._
, ィ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::ヽ
,ｒ'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::ヽ
./;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.;;;;;;;; :::::::::::::::::::::..ｌ、 第一に、龍造寺の問題だ―――
l. ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; :;: ::::::::::::::::::::::::.ヽ
.| ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.,,,,_.;:;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::..!
.!.;;;;;;;;;;;;;;...,､ ﾞ'､ .ヽ '|ヽ::;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::.l きやつこそは大村家のみならず、九州の教会全体にとって大いなる
. ｝;;;;;;;;;;;;;;;│ﾞｉ,ﾉ.;;;;.|/ !:;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::: |
.l、...._,.. ｰ"_iii､...;;....;:.,//| ;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::: | 恐怖の的。やつが長崎を得てしまえば大村家のみならず、大友宗麟
ヽ.二,,,,=二: :.ｺl..テ;..ﾞ´,/ ;;;;;;;;: ::::::::::::::::::::::::ｌ
./.,!;ﾊ・ｰ"::::_l."/.;. ..┴./ ;;;;;;;: ::::::::::::::::::::::::ヽ も危ない。奴はキリスト教の敵であり、下教区は破滅に瀕するだろう
.lﾞ .ゞﾐ- -''''ﾞ"''..... ; . rｯ″;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::＼
.!ヘﾆ''―-..._ _..ヘ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ. /i
!､t;; .,i､.;;.'.l`i ; ｌ ;;;;;;.,i､、;:;;;;;;;;;;;;;:. : ::: :____._ ／ ./ i
ｌ.ｌ l;l .! !::..| l | ;;;./lヽﾞ“'''''''''''"ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ￣.ヽ ｌ .,!
ｌ, l.| | .!: l ;;│; | ./ ! ヽ ＼ ｌ .l
.ｌi｀- .凵_,,lﾞ.;: .l″ i. i .ヽ ,,..．.,ﾞｯ ./ !
.|i､ ﾞ､|'ti、.:::...; / /. .! .ヽ _.. -''"´: : │ !
. ｌ.＼ ｀''''''l″ .,i ｌ ﾞ!,i-‐''ﾞ゛: : : : : : : :./ .!､
.!. ﾞ'- ! .__,,ﾞ.. -'ﾍ .ヽ: : : : : : : : : : ./ | .ﾞ!〟
_ｚ=＝=ミ
＿_ /ﾆニニ三厶
∠ﾆミｭﾑ. ﾄ､ /{^{ﾍﾆニ三三} 第二・長崎は今や、日本のキリスト教徒の避難所だ
{二三/＾∧ .}i.ﾑ＿{ゝ＿ゝﾆ/´,r'､ } .ｲ}
ｨ>､{_{={__i{ﾆ} ィ:}i.:.ヽ.:∨マ)〕〔(コ/}i:ヾ. .ｲ.:,’ 第三・宣教師の生命財産の避難所でもある
/: : :/ﾆニ∧-' _＿/.:.:.｀¨´:.:/ i{.i{.i r; ; ;i r}i:.:ﾑっ-く.:.:./
. {: <ヽ二三}ｚ＜ --'＜:.:.:.:.:./ﾐ三ト､{_//ノ.:ゝ‐'’-――ゝ､ ,.ィ} 第四・長崎で得られる収益で、港のインフラはむろん
ゝく≧ｭ〈_ﾘ:. ｀ト､ノ.:.:.:/三三〕>､.:ヽ.:.:／∠三三＞､ﾑ:／
r―{≧x ￣ﾌ′:.｀¨´ ゝ、.:.:./≧ﾆイ_╋`'’.:'∠／⌒ヽ ヽ:.:.ﾏﾑ 領主への贈与や司祭館の生計もまかなえる
(ニコ三O≧x ＿≧三厶__;/´7フイ⌒ヽ,..:≦ﾌﾞﾍ ｀¨¨´
ゝ--{三O三≧マ´￣: { } { } { } ｀7-く / / '⌒>、 }i) 第五・将来の日本司教の着座に適切である……
ゝｲﾆO三三i{ : : : : :{_} {_} {_} : {､ ＼i{ ,.:'′ヽ,..:'’}′
｀ヾ=厶==rト､＿rﾍ.: : :_ﾑ斗、_,ﾉ'’ / _ }>ｲ}
￣｀¨ｰ=に}ｉ三｢ У /'’厶イ¨´ﾆi{
}｢≧zト≧zｲ===彡三三三三|
}三ｲi{__/}ﾆ三三三三三三三|
,.r―ﾏｱ{__}_i{.｀}=三三三三三三三|
,.ｲ:i:i:>'’／人:i:i:ヽ{ﾆ三三三三三斗＜
,.ｲ:i:i／／⌒ヾﾆヽ:i:i:i:i:i:i:i:i:i;≧=彡}‐'’
/i:i:i/:／ニニ三ヾ=}i:i:i:i:i:i:i:/ニ／ニ}i
,:'i:i:i:/'’ﾆニニ三三Ⅵ:i:i:i:i:i/,.イﾆニ三ヽ
,:':i:／二三三三三三}厶:i:i:/'’ニ三三三〈
/／ﾆニ三三三三三／￣´｀}ニニ三三三}
_｣Ｌ∟Ｌ｣_
ィi〔//////////〕iト
／//////////////////＼
///////////////////////∧ /
ﾊ/////////////////!///// ∨ /
. ∥V'//〕､,'////////// .!//／ ∨
. ∥ ＼/〕 ＼//////／ !／ ／| } そんなわけで。おれは大村家の申し出を受け、長崎を教会領と
j{ 〕iト． ｀¨¨¨¨´ ,, イ//,| ,'
从 ∨//{｀`〜､、_},､r''"~ ﾉ/// / して確保すべく、教皇とイエズス会総長に意見具申したい―――
＼ ＼込 ＿ノ／|＼≧=≦彡' /
`､ ￣￣ ]! .r ､ __ 〈_／〉
乂＿ﾉ ∧ ∧, ] |/| |/| /＼_／ いかがかな？ 司祭諸君
＼／∨〉∨〉 ∨〉] !/! !/!'〈∠≫
≪￣`''＜_｣Ｌ∟斗'匕＼≧=‐ﾐ＞─＜
／⌒／〉:::::/： ：＼:::::::＼ }//////＼
＞'~77／ /:::::/ ╋ 〉‐匕 .}////////＼
／////// ｀∨/≧==≦/// ∨////////,＼
///////∧ ＼//////／〉 }//////////∧
. //////////＼ ∨〉 ￣ |//∧ /'///////////∧
∥//////////∧ ∨〉┐ ∨//〉 ./＼/￣＼/＼ﾟ｡|/^〉
j{///////////／＼__ }'/〈 ｀¨´ ｀¨´ ＼_〉」⌒
∧￣＼
┌─ﾄ､ |￣＼ <￣|＼/: :〉＿/
_ -‐ ￣: : : :} 〉|: : : :/７＿|: :|／:／ | |
. 〈￣￣｀: :__: : :.┌─┐_:_:_/_/_| : : /⌒iｰ┘: : : :_:__｣＿|
|: : :.|￣ __]: : └─┘＼ : : : : :_:_:_:_:_ﾉ:_:_;ィ: : :. :. :.〉 〉
. |: : :.￣ __ : : ┌─┐: :}_:_:_／ : : : : } _:_:_: : :.-‐=⌒j＼
| : : |￣__]: : :.└─┘,人 _:_:_:_:_:_:/￣: :,ィ7: :}ｱ: :_)￣)
|: : :.￣: : ┌┐: :ｰ=<__/_У _:_:_:_:_{_: : :._〕/: : ∠): :)￣)
. |:_:_;ﾉ} : : └┘┌―‐┘＼/__ノ⌒ﾚ': : _:_:: : :.-┬く__ノ ＼
｢￣: : : : :.匚]: :￣￣￣}￣ r┐: : |: : : :／〉: :／ 〉∧ |
. ﾄ､__＼／: : :. :_:_:_:_:_:_:_:_:_:_| : : |__|: :＜￣＼/ : : ＼／ | |＿|＿＜￣￣￣ ＼ ／￣￣＼
. |_:_:_:_:__: : :.＜__＼￣￣＼ | : : r┐ノ |: : :. :.〉へ、_:_:￣: : |: : : : :.＼＼: : : : :. :.}ヽ/: : : : : : :. :.ヽ
＼___/: : : :／ )/: : : : ／ ト--' 「＼|: : :.;厶-‐┘: : ＼ / : : : : ＿_)_)|: : : : :./｀/ : : : : : : : : : j!
＿_／: : ／ ／/_:_:_／ ／|＼＿|＿_| : : : : : : : : : : : : /: : : :／ ＿ |: : : : :.{ /: : : : : : :. :. :._｣|
＼￣￣ ／ ＼＿_／ ＼: : : : :. :. : r‐┬ ┬――|: : : :{ ／/ 〉|: : : : :.j/: : : : : : : :／⌒}
￣￣￣ ＼ｰｧ : : └ ┘ └――|: : : :ﾚ' / //: : : : :./: : : : : : ／ ／
／￣: : : :｢ﾉ : : /＼: : :.│: : :. :. :.| (/: : : : :./ : : : : ／ ／
／ : : ／{: : : : :.／ ／）: : :.＼: : :. :./／ : : : : /: : : :／ ／
/(_: : ／／{: : :.／ ／ /: : ／ }ト--': : :. :. :.／ |: :／ ／
＼ ＼＼／ 人{_,／ ／__／ ／: : : : : : : :／ ／|/ ／
￣{_:_:_／ ／|￣￣ ／ ／￣￣￣__／ /{ /
＼＿／ |＿＿__／ ／ ／￣￣ __/ ∨
／ ／ ／ ／ ﾄ､
|／＿／ ( ﾉ ﾉ
＼＿__/／
.
,.:::''::´::￣::`:::.、
／:::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/:::::U::::::::::::::::::::::::::::::}
l:::::::::::::ゝ－－－－ ι
|::::::::::::） ◯ ○ （
,ｌ:::U:::::/// ||||||| // ゝ そ……その声は―――？
ゝ---η. ||||||| ゝ
/≦ ヽ .| | ≧
{ l l |* *| | l
{ .l l .|*╋ | .| l
/ l l | * | l l
l ---l l-- -l l
| ｀^^ ｀^
,
／,{ _ -―‐- _
,'///( ,. ＜//////////////＞ 、
`ｰ-,.イ'/////////////////////,＼
／//////////////////////////,ヽ
. ,.'/////////////////////////////∧ はい。適応主義の宿敵・安定と信頼の布教長カブラルです
////////////////////////////////∧
'/////////////////!ヾ//////////////ﾊ
i'///////////////// ∨/////////////,i イエズス会は大村家の長崎寄進の申し出に、だんじて
j/////////,ｲ/// j// V/////////////,i
／/////////-///' // ￣￣｀ヾV////////////! 応えてはならないと愚考いたします
,.イ＞'"//////__‐/／ '"-‐_-===‐-､l///////////,!
￣´ ./////,.灯::;ﾊ` ´ {::::;;r.j.ﾉl///////////ﾊ
. /////ﾊ l.乂zﾘ＿＿＿_ ヽ= ' .l/////////////＼ あ、むろんその帰結となる自衛武装なんて、論外の極み
i//////`',￣ 、 ￣￣.////////////////,＞- _,
ｌ///!///ハ //////////////ト--― '"
. !//.l//////ヽ 一 イ/////////////∧
. l'/ .ｌ////////,＞ _ .、 ´ ////!///////////∧
ﾞ{ l///////////////ﾊ .////ノ∨//////////,ﾍ
l//////////'"￣／ｒ} l/// 〉///////////,ﾍ
l'///////// /./ !ヽ ,. l'// // ｀＜////////ﾍ
. V///////! /./,..--{r､ l// ./ / ,.. ヽ///////ﾍ
V////// .l l// l::::::/ ヽ.l'{ ./ / ／ .!'//////∧
ヽ//// ／ l ,!:;::' ./ ヽ!/ / / .l///////ハ
ヽ'/ ! l /:::l / l-―' ./ .ｌ///////ハ
. i .! .!'╋l, ' V .{ .l////////ﾘ
{ ! .!:::::／ 〉 ', l'//////ﾊ'
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
しかるに長崎領有案（及び、その延長上にある軍備）にまっこうから反対したのが、“原則主義者”カブラル布教長である
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
-─…─-
／ ) ＼
/_
/ ﾆニ 〈 _ﾊ
i ﾆﾆﾆﾆ i
| ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ !
| ﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ | ……反対する理由を、聞かせてもらおうか
| /lvwﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニｗvvﾊ,│
∨ ﾄ． ﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ .ｨ１ 〈！
∧ {ﾆ(｀tｯｧ---ｬｔｯ´)ﾆ} ７ i
L,ﾊドヾ≧==/ハ==≦ イ^ヽ{ /l
|＼ .厂|ﾄ ー─:. ─一 /l＼ ./ :|
|＼ l 、 ∧ ＿_} `ト V| |l |l l| l| |∨/} }_∧ / l /:|
. -‐=| .∧ー─…=≦¨¨ | | `:トﾍ,ハ ,ハ/ ｲ才´| ﾉ ≧=‐-/ |- ..__
／ ,,,..│ V | /＼ | ≧==≦ | ／ l ./ :| 〕iト．
, { / | 〉 ' / 〕iド． } ╋} !イ ヽ | ゝ _j V ＼
./ ﾊ ′ ーr ＿ { | | ≧===≦ | | | ＿_ ヽ ,ハ
＿＿＿＿＿＿__
. _ ＜ ―――――― ＞ _
／／////////////////////＞ _
／／///////////////////////////＞ ＿,ノ}
. / //////////////////////////////////////
/ //////////////////////////////////ハ／
. / /////////////////////////////////＞ 〈
. / //＼///////////////////////_＞ｰく | ∧ そもそも、イエズス会の会憲に反しています
/ /////＼二二二二二二|二二/∧/,|＿＿|_____｣／∧
/ /////////////////／ }ト///ｲ ∨ﾄ､//////////∧ 「会による知行地の所有は、これを禁ずる」！
. ＿__/_///////////////'／)（ }///// _jレ∨/////////∧
.. ＼___//////////////／＼ﾄ- }l////,zﾃ'⌒=ミ i/////////{//＼＿__
} /////l//////l'// 0 i} }ﾐ/// ｱ 0 }//|//////∧////ノ
. / /////,l/////,人＿＿_ ﾉ }l/}/ i＿ ,人/j///////∧￣
. / //////,l/////{ ｀¨¨￣ ﾘ / ｀￣｀¨¨´//∧///////∧
. ∠ ｨ//////人///∧ ノ i /// ∨//////∧
. | |/////{ ＼//∧ /// i/////i/l/∧
| |/|///l ＼/,＞ｎ､ -‐ ‐- _ ィ'//| |/////l/|∨ﾊ
| l/|///| ／ | ＼/∧ ｀丁二丁´ /// | ∨///ﾊ/ V,i}
ﾚ |///| ／ | ｌ| }ﾊ/|＿_,人＿人＿／|/ｆ | ＼ ＼/ / }ﾘ
. j/＼} ∧l| ∨ [╋] |/ | ＿＿_ﾉ ／
. 〈 ／ | | | | │ ／ {
} l| | | l／ ／￣i
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
さよう。これはカブラルの言い分が正しかった。寄進の受諾はイエズス会の会憲に、まっこうから違反していたのである
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿＿ _
, ＜::::::::::::::::::::::::::::::＞ ､
i､ , ＜:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
|::::ー ‐ ´::::::::::ヽ::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
. ∨:::::::::::::::::::::::::::::::i､:::::::::|､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
. ∨:::::::::::::::::::::::::::::::i､:::::::::|､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
ゝ::::::::::::::::::::::::::::::| ＼: :| ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧ 巡察師は、会憲を守らせるのが職責のはず！
/::::::::::::::::::::::: :::| ／￣ヽ:::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::∧
/::::::::::::::::::::::::::::::|ー' ＿＿＼:::::::::|:::::::::|::::::::::::::::::::＞ ､
i:::::::::::::::::::::::::::::::::| ／ ＝､ ヾ:::::::::|:::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::＞､ その巡察師みずから会憲を破り、日本の諸大名から
|::::::::::::::::::::::::::: ::::| i ・ 〉／|:::: ::|::::: ::|::::::::::::::::::::::::::::::::::
|:::::::::::::::::::::::::::: :::| ゝ＝ ' |::::::/:::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::: 要らぬ誤解を買うのはいかな所存か？
|::::::::::::::::::::::: ::::::::| """" |:::/::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::
|::::::::::::::::::::::::::::::/、 __ |/|:::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::
|::::::::::::: ::::::: ::::/ r´ ＞､ / /|:::::::: :::|:::::::::::::::::::::::::::::::::
ヽ::::::::::::::::::::::/ 〈 〉 / /::::::::::, '｀＜::::::::::::::::::::::::::::
＼:::ﾄ､:::::/＞ ､ ｀ ＜ _ノ／ /::::::::::/ /｀＜::::::::::::::::::::
ヾ ∨:::::::::::::::::＞ ＝ ´ /:::::::::::/ :/ ｀ ＜:::::::::
. |:::::::::／|::r |ヽ´|::::::::::/ | ／＼
/::::／ |:::| | ヾ|:::::::::| | /
/／ |::::| ╋:| :|:::::::::| | /
／ /::::::| ヽ :|:::::::::| _| :|
,.:::''::´::￣::`:::.、
／┛┗::::::::::::::::::::ヽ
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l:::::::::::::ゝ－－－－ ι
|::::::::::::） ◯ ○ （ 「所存」は、すでに説明したとおりだ……
,ｌ::::::::::::η ||||||| ゝ
ゝ---η. ||||||| ゝ 逆に、布教長に問おう
/≦ ヽ .| | ≧
{ l l |* *| | l
{ .l l .|* ╋| .| l
/ l l | * | l l
l ---l l-- -l l
| ｀^^ ｀^
_,,,,........,,,,,,_
_..-''ﾞﾞ:::::::::::::::;;;;; ゛''-...,
／:::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼
／:::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`､
/..::::::::::::::::::::: ;;;;;;;;.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
/.:::::::::::::::::::::::: :;: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;, l
l..::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;:;._,,,,.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; |
l.::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;::,r'|' .,r'. ／.,､...;;;;;;;;;;;;;;.!
| ::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;:l. V.;;;;ﾍ,,/│;;;;;;;;;;;;;;;｛
| ::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;|`､', ,.:;....;;...,iii_゛ｰ ..,_.... ,.l 我々はすでに、迫害を受けて難民化する信徒の保護に
ｌ:::::::::::::::::::::::: :;;;;;;;;`､｀ﾞ..;モ..lﾆ.: :二=,,,,二.ﾉ'
./:::::::::::::::::::::::: :;;;;;;; `､┴.. .;`､゛L::::゛ｰ・ﾊ;i`､ 苦心しているのだぞ。かれらに安住の地を作らずして、
／::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;; ゝｧ . ; .....''゛ﾞ''''- -ｲｨ. ﾞl
iﾞｉ .／.:::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヘ.._ _...-―''ﾆヘ! いかにする所存か？ 君の御高説をうかがおう
l .i, ＼ _.____: ::: : .:;;;;;;;;;;;;;:; ,.､i,.;;;;;; ｌ ; i`l.'.;;.､i,. ;ﾅノ
l,. i. ,r'.￣ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ゛'''''''''''”ﾞ／l`､;;;.| l |..::! ! l;l ｌ.ｌ
l ｉ .／ ／ /. `､.| ;│;; l :.i | |.l /
.! i ヘ．..,, ／ /..i. l. :;.t,,_凵. -´/
.l i. : :｀゛''- .._ ./. /. .',. `､ ;..:::. ,iﾅ／ .,./
l i. : : : : : : : : :"ﾞ''‐-/ .ｌ .i, ゛l''''''´ .／/
_,, !ﾞ.| `､. : : : : : : : : : :/. ﾍ'- ..ﾞ,,__. ╋ -'ﾞ /
.... - ―― - .....
､＿＿／....................................＼
＼.......................................................＼
了.......................}＼...........................:. え？ ああ、その件ね―――
{........................厂 }.....／}.................}
{....................../ 二}≠..､}.................} 「迫害に遭い、逃げ切れなくなったらどうするの？」ってことでしょ？
{.................../ Π_ﾉﾉ 〉.................}
.... ＼.....／}/ ≧=彡' .................}
Y､ }.................＼ その時、やることといったら決まってるじゃないですか……
}＼ っ _..ィ.....}......./.....}.......＼
／.......... ┐ l┐}..../........}..r―┘
／...＿＿√∟ ┌┘./../ー -､...＼
￣/ l＼厂〕_／..../ ＼...}
{ l Lノ /:..ｲ }｢
{ l ╋ '"´ﾉ l }
{ l ＼{ } ／ !
_＿,..．-=≠=＿,..．-=≠=,..．-=≠=,..．-=≠=,,..．,..．-=≠=-,..．-=≠==≠,..．-=≠==x､＿
/´￣ ¨ ￣¨ﾊ
|I 『殉教』ですよ―――マルチリヨ以外、何があるというんです……？ I|
ゞx､_ _＿,,.. _＿,,.. _＿,,.. _＿,,.. _＿,,.. _＿,,.. _ _＿,,..＿,,..．ｨⅣ
｀ =≠彳⌒¨ヾ=≠彳⌒¨=≠彳⌒¨=≠彳⌒¨ｰ=≠=≠彳⌒¨=≠彳⌒¨彳=≠彳⌒¨⌒¨￣
.′:::::::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::::ﾟ::::::::::::::::/:::::│::::::::::;::::::::::::::::::}ｘく⌒ヾ､ : : : : : :ヽ
ｉ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::ﾟ::::::::::::::::/::::::::∧:::/::::}::::::::::::::::〃 Y::: : : : : :}
|::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::|:::::::::::::::::::::: /::::ｉ:::/ ∨:::::::::::::::::::::::j{ f:ﾊ } {: : } : : }
|::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::|:::::::::::::::::::::/::__jＩ斗‐=＝ミ:!:::::::::::,/圦 'ｰ' ;} {: :/ :'
/ .::::::::::::::::::::l:::::::::::::::|:::::ﾟ::::::::::::厶／ }小::::::: ′ `'≠彳 ∨ /
. /:::::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::|::::::::::::::::::::/ ん:ﾊ }:::::::/ ‐┐ﾊヽ ∨
.. /:::::::ﾉ::::::::::::::::::l:::::::::::::::|:::::::::ｉ::::::::《、 弋_ソ ﾉ::::::′ }
∠:::::イ::::::::::::::::::::ｉ|::::::::::::: |:::::::::|::::::::i弍:､ | :/ヽ
. ,:::::::::::::::::::八::::::::::::ｉ|:::::::::|::::::::| __`'ｰ=-‐ ﾊヽ /
ｰ=彡ク､::::::／:::::::::::::::::::|:::::::::|::::::::| _､ヽ`｀ . ｲ /:}
. }::::::::::::::::::: :::::::::|:::::::::|:::::::i| 、 `' ー=＝-‐ / ;′
. .:':::::::::::::::::::‘;:::::::::::::: 人 _八个ﾄ､ .′{
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カブラルは迫害への抵抗について、あくまでも日本人信徒に殉教を勧めていた。原則主義の真髄きわまれり
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
じじつカブラルは、自分自身が殉教を強いられかねない窮地にあって、「殉教の聖なる意義」を説ける人物だった
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
∧__,,∧ .カブラル師……改宗したいんだけどわが父が、「おまえが改宗するなら
（´・ω・`）
(つ と） 兵を率い、司祭を皆殺しにする」と息巻いております。そのことが心配で―――
｀ｕ―ｕ´
┏ ┓
┃ 田原シモン親虎 （生没年不詳。洗礼を受けたのは1577年4月） ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ 大友家の家老・田原家の嫡男（なお養子）。父・親賢は宗麟の妻（奈多夫人）の兄である ┃
┃ ┃
┃ 父により廃嫡されたあと耳川の合戦で戦死したとも、脱出して伊予で余生を過ごしたともいう ┃
┗ ┛
／/／////////////////////////////////////＼ ＼
＿＿__／/／/////////////////////////////////////////, ∧
＼///////////////／￣￣￣￣＿＿___|＿_ﾄ､二二ニ|ﾆ=ｰ/////,∧
. ＼＿/{／￣￣￣ _/＿＿／///////l// | ∨////,|///////// ∧
/ ＿＿／/////∧//////// l//,l ∨/// |/////////, i
. / |／////|//,|//// ∨////ｒｱ¨｢//￣｀∨///|/////////i ！
|////|//////ﾚ'7'|￣/｀ヽ |'///// _｣'/＿ ∨////////////l l ノープロブレム。我々は覚悟完了しています！
|////|//////// j|//― | //// ,ｨtﾃ芹芋斥ｩx///,|////////,l l
|////|//////厶ィｆ芹ミｘ | /// ん芥ﾄﾊ j}ﾄ//,|////l////, ！ 殉教バッチコーイなのです
|///│/////,ｌ｢ ん芥ﾊ＾ j/// _){::::}付 ﾘ///|////|////, ∧
∨,| l /////人 _){:::爿 /／ 弋立ヅ /// |////|////,＼ ＼
. ∨ |/////ﾊ 弋立ｿ / ー‐ ///,/|////|/////l/,＼ ＼__
∨////lﾊ ー‐ , /:/:/:/:厶ｲ//|////l|/////｢￣￣
∨///l∧ /:/:/:/: ヽ }//|//// |'////∧
∨//|//, ノ ／|//|/|///l|/////∧
∨/|/ 人 ｀ ―‐ ´ ／//////,|///l|///// ∧
///l/////＞ _ イ ﾄ､|/////,|///l|'///////＼
//／|∨///|////≧=- ___ ﾉ |/////////l| /////////＼
. /／ {/∨//{////////厂} ＿__／ ////／//// |////////////＼
／ |//∨/{/////／/ 厂 { ///／ ＼///,|/////////｢￣￣
. ∨ ∧/|￣￣ / /╋ ∨ //／ ￣￣￣＼//∧/|
∨ Ｖ| / / ∨ ／ ／ Ｖ/ }/|
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とは言うものの。長崎寄進の件を含め、布教会議における勝敗の帰趨については、もはや詳述するまでもないだろう
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┳ ┳ ┳ ┳ ┳┓┏
┃ ┃┃ ┃..┃ ┃┃┃
┗┛ .┗┛. ┻ ┛┗┻
.' ,ゝ-‐‐-.､ .,)´ ， .
/:::::::::::::::::::ﾞi,＿_
〃' ,'｀´. .i:::::::::::::::::::::::::}::::::::`:::ｰ-.､ ， ,ﾍ
` ,〃" λ､ `i:､_::::::::::,ノi::::!::::::::::::::::::::::::｀ヽ ´， カブラル布教長、失脚決定！
彡" {. ,_,i:`ｰ`::::'‐'´:::/::::::::::::::::::::::::::::::i 〟
． ﾒ ﾞ´{::::::::N:ｌ:ｌ:ｌ:ｌ:ﾚ:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ､ ･，
ﾉ" !::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`､〟'
. 〃 ｝:::::::::::::::::::::::╋::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ`
l|´ i:::::::::::::/`ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'､ 〃
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ｧ7/￣///////////7ァz､
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. ／////////l///|//,／|//// ////// / ﾚ /////////,、
＜＿/////////|///|//―|/7´￣ |//////＼__|//////l////＼
//////////|///ﾚ'´￣l/＼ ＼|///// ____|∧//////l￣￣｀
. ／//////////,|/// ｆ圭} ﾄ､|///| ,ｨ'"´￣｀ヽ//////|
／/////////////|//lﾄ､ 込ﾘ |// ｆ托} 人///| 人
////////////////,l//} 入＿,z彡 |/ ､込ﾘrイ//// j/
∨//////////,|////| /| （ ＼＼＼ ＼＼￣{ ｒ//// ´
. /////////___,l////,l N | リ'//〈
{//////／_ |////,│∪ '⌒ ｰ -- l|- ／/// ∧
////￣ l/////l ｀ 、 || イ//////Nｌ|
. ∨/ ｀ |/////l ＼ 丁¨Г l ! l//∧//,| ｌ|
i |'////∧ ／￣＼| Ul |//| V/| ﾘ
| |∨//{ ‘,／ }＿_ﾉ | | |＼{ ∨
| │∨| |___∧ | ╋| |＼ | l ∧ |
| | / ∨ l | | |/ |
┳ ┏━┓┏━┫┳━┓
┃ ┃ ┃┗━┓┣━
┻━┛┗━┛┣━┛┻━┛
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じっさい信徒にとり、カブラル路線が過酷なのは間違いない……だがその一方、宣教師が長崎という富裕都市を、
しかも武装させて確保していた事実が秀吉に、追放令の成就を急がせる追い風になったのも疑う余地がない
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
｡ o∞' * o ｡
｡* ° /⌒ヽ ﾟ *｡ 長崎バリヤー！ 安全圏が欲しいだけ。正当防衛です
Ｏ° __｛ ､__） ﾟ*:
.% , '´⌒'"ヽ. ﾟx
;ﾟﾟ i （（从从)）. ∮
$ ﾉj､ゝﾟ ｰﾟﾉﾘ Ο (⌒⌒) (⌒⌒)
∮ .／ノ/´╋ヽｖ/) ;ﾟ 川 川
ﾟ: ( （ ( |＼ ーﾊﾝ (Д´) ∧＿∧ ∧＿∧ 「安全圏＝利権独占」だろうが！
ﾟ｡ o ｀ ` l "l￣ ｡ ─ノ⊂（Д・ #）､（Д｀∧ ∧
｡ |/￣ヽ」 Ο ┌ < (^ニ /l .(Дﾟ# )
:o｡ +'ﾟ （_┌ （_ 凸ﾆ ○v
ﾟ * o .｡. .+* し l l l ＼
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
＿＿＿_
/Vﾊﾆﾆﾆﾆ＼
'⌒ヽ __ノ^≧::::Ｙ。＾YVﾊ
/ V_八 （_＿人__ノ ,}ﾆ| ＜_) つまるところ、「長崎港を手に入れたい」という野心が、
| (_ノ（__人＿＿'＿_ J o ^Y
ト---く 〉:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ ノ 秀吉を（バテレン追放令に）かりたてたのだ！
∧ ＼(＼:.(＾Y⌒):.ﾉ /
＼ ＼｀ニニニ.イ＼＿
＼/ ￣￣￣ ＼ イエズス会が長年こうむってきた難儀は、ほとんど全て
∧／＼ ∧ |
| ╋ ＼／＼/「| | この長崎の統治が原因で生じたものなのだ！
| 广⌒ヽ
く (__ |
|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ==- _人_＿ノ （1607年3月28日付の総長宛オルガンティーノ書簡）
|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニ|
ﾏﾆﾆﾆﾆﾆハﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|
／`マﾆﾆﾆ| |ﾆﾆﾆﾆﾆノ_
乂_＿＿＿| |＿＿＿＿_)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
追放令のはるか後年。オルガンティーノは「イエズス会が交易や統治に関与したことが、そもそも最大の失策だった」と、
他の宣教師と共に訴えている。適応主義者オルガンティーノが原則主義者カブラルを、暗に認めたかの如き文言である
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿_ -‐-- ｀丶 /lゝ[ ' ' " ､ ￣ ヾ
"｀‐ - __ ヽ,,,, |； / - ‐''''' " ´
゛ ､ ' |' ,・ ＿＿＿＿＿
_ - ――― _ ｀ fl/ i- ￣´´ -'''"´
--=＝二＿ _ | -! | _ ''"
--= ＿ ! ! " ,,'
｀ ヽ ,,!ヽ ' ､- '"
＼ ;;:.;; '
,,/ .,/
,,! |
,!,:!!
,|!:|:
|i./'|＿＿_
,, - ''"´::::::::::::::::::::::｀'' ‐- __
, "::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀''ヽ
, ､:::::::::::＿二二二-､:::::::､::::::::::::::::::::::::::::::
,,:":::::::::; lゞ::＿Ｙフ- ,,;;_::::::::::::::l
,, /::::::::::::{ /:::i / ` -_=:::::::: ｀
|/ /:::《ヘ_:::` - ＿＿yiii '::::::::|" l::::::ゝ
' ! " j,,, _ _ :: ,-]､ ―- = -ゝ_ !ヘ il::::::l
l l i.. ヽン .l.. / li_ '"_ﾝ;;ｺl ゛ゝ￣ヽ ,:::::::/
.! | ､ヽ i/ ゞ '"/ ｼ｀"l「 l´ ! _"―|ﾘﾐ,,-, l- " ,,
! ﾘ, | " l } / l , ,, / ｀ ‐ - ';;; " ! ゝ= `ノｯ‐'" 丶
l ヽ l | 二 ｲ / ン_∨ ` 「｀´＿＿二＿￣二,,-∨￣
_二〉 _シ＝ f=/ -il"| 〉" 二v､=' ヾ;;;;''
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
-‐ ￣￣ ｀丶、
／ ヽ
/ / /〃/{ { ヽ ｀ヽ. ∧
ｌ / /斗/ハ ｨｰ‐ 、 ∨ l とはいえ……上記書簡が、かれの後ろ盾だったヴァリニャーノの死※から
{ { ﾚﾃく ヽi>==、＼ ヾ│
乂l f r'ﾊ r'ﾊ 7ﾊ＼ﾘ l 一年以上を経てからのものである点を、ここの＞１はちょっと気にしている
.八,}弋ｿ 弋ｿｿﾉ ） 八
ノイ }ゝ" ｀_ "" { {´ 丶＼
／ ,＞‐r＜_∧!＞､ ＼丶 ＜※なおヴァリニャーノの命日は1606年1月20日、場所はマカオ＞
, -‐" ! ヽ{>ﾛ<ﾌ〈. | ＼
=ニ二二ニ=
, -―- 、
/⌒Y / ､ ﾍ ヽ
. ,ｲ /l i!_/iハ!Tﾄi､ N. | あっ（察し）―――
i/! i /! | l/r=､ r=､i/.!ハ!
iハi! ﾚ‐ﾄ､''┌┐''ﾉﾚj.i! i!
i! i! l ‐､ﾉ)ｰ＜_ i! i! ヴァリニャーノこそが、長崎の寄進を推進した張本人だもんね
i! i! .`ﾄ.ｲy 〉-､:i、i. i! i!
i! |`ｰ '￣ ::::::}| i!
i! |:::`ー:::::::ｰ'.| i!
./:::i三｀ー' _ﾉ
/:::::::`ー'￣ヽ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
なお、日本の歴史家の間では、追放令前後のコエリョの行動を断罪したヴァリニャーノが「愚者による破局を食い止めた
賢明な指導者」なのか、「すべての責任を部下になすりつけた、非情な保身家」だったのかが、一つの争点になっている
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
( ⌒ ）
（ ＼＼ /
, ─── ､ ／
ゝ／＿＿＿＿＿＼ ＿
/ | / ⌒＼/⌒ ｌ そもそも長崎の要塞化は、ヴァリニャーノ自身の指示によるものである
l |─| ・|∠ |
Y⌒ ` ー ﾍー ヽ 大村家や有馬家への兵站レベルの支援は、かれの駐日時から起きていた……
ヽ_ /⌒ヽ＿＿＿つ
ｌ | / _
>､ 二二二) | ） コエリョは巡察師の指示に従っただけなのに、全責任をなすりつけられた！
（（ ／ ＼／＼|──/ 二)
／ ｌ |＿＿|､ （_ﾉ ＜歴史家・高瀬弘一郎氏＞
/⌒ヽ／| |
x≦ニ三ﾐx、
,、 _i{/＾ｉﾆﾆニ三}i
}ｉ＼ {.,′:|ﾆﾆ二三}i /} いや、長崎の要塞化は深堀家の襲撃への、最低限の措置
ヽ.:.:.ヽ.__}i.:.:.:.|ﾆﾆ二三}i､ /.:.}
ﾄ､_.ｨゝ'’.:.:.:.｀¨´.:｀ﾏ彡'.:.ム)ｚｧ,ｲ＿}_ .ィ:.7
>'.z≦三≧x｀ヽ.:.:.（__;ｨ〔ニ三ﾐ､ヽ.:.(__.;.< ヴァリニャーノは1581年に示した指針ですでに、「相手が
〔:/´.:/´ ｀ヾﾄ､ヽｏ.:.ﾟ:)ﾆ二三}iﾍ.:ｏ.:ｏ.}
/ .:/ ＿__ }i＼ヽ:o´o}ニニ三}ト､￣´ キリシタン領主であっても援助は慎重にし、武器は与えず、
{ ,.ｲ´￣ ｀:.(=＝≧≦ﾆ二二三ゝｲヽ
/.: }ﾆﾆ二二≧＝＝＝彳-ゝ、 敵対領主をイエズス会の敵と呼ぶな。それは宗旨に反する」
,': ,.:斗''＾ヾ:. /ニニニ二二二三三}i.: :. }
{:..i{ ,:.／ﾆﾆ二二二二二三三}ﾄ､ :ﾊ} と、指示している。まして日本の政局に干渉するとは何事か
} }:. ／三二ﾆﾆニ二二二三三i{〕::} }
{ _,.:=ﾐく{三三二二二二二二三三i{:::{:{.__,ﾑ、 ＜歴史家・渡辺京二氏＞
〕:'’ : }三三二二二二二二三三i{:ム{､:. ヽ}_
＿＿
, ‐ ´ ｀ヽ
／..:／.:/ .;ｲ :. :.丶.:.: ＼ 別にコエリョの「無謀」を、擁護するわけではないが―――
〃:.:./ .:./:.:/小:.: ',:.:.ヽ:.:.:. ',
l:{.:./ .:./-‐:! l ヽ:.‐-:.:.:.＼:.:.!
ｉ:}:ﾊ .:7ｨ=ﾐj:ハ >=ミヽ:.:ﾍヾ、 ここの＞１はヴァリニャーノ懐疑派。かれ自身が龍造寺を警戒すれば
､_メ!.:i.:.ﾊ r'_;j r'_;j ∧:.:}:.fヾ
乂;ｲ.:.∧ /ｲ V:.:.| ﾘ こそキリシタン大名に肩入れし、会憲破りの長崎領有で自衛武装路線
_／ j/_:ﾉ:.介 .、 ° ,イ:.l:|:..|:.:.:.!
´/:.:,':.:.:j:|:ﾉｰf夭‐ﾍ :j:|:.:ｌ:.:.:.:! を敷いたわけで。秀吉は、その産物である長崎の姿を拒否したわけで
/.:.;ィ7´ｌ:|＼/ﾑﾍ／｀l:| ｀ヽ.:.:i
/.:/i // !| に不こ) !|l /!:.:.i
/.:/| ヽl ｌ !|/〈/ i| ヽ｣ !| !./│:.:.i
,. -‐＝ ＝‐- ._
／ ｀ヽ､_
, -‐＜ｱ´ / ＼＞ ､
／ ／ /l /| ﾞ< ｀ヽ、 ヴァリニャーノの「指針」も、偉い人は逃げ道を
. ／ / /〃|｜ |八. ﾄ､ Ｙ ＼
/ ., -､ / ., | l | ｊ｣⊥!._ ｣ ヽ. ⊥._V | ,. ,.-､.＼ 作れるし、現に作ったってことじゃないかな？
. /.イ V/ /{ | |,イ ||/八 | ヽ. ! ｀iヽ | ｌ ./ ｝＼ヽ
..ｆ⌒'＜ 八 Ｖ｛ | {从 l.八 |/ ヽ| ＼ ｊ.ハ | ｊﾉ 厶-‐ ¨￣〕
＞x._ ｀ ＾＼ ｀ヽ', ｛八 .| ｘ＝=､ ｘ=＝ｘ、}ｊ |ﾚ'´ / ｒ=ﾆ¨´
__〕 }ﾄ､ ､ ヽ.〃 V ﾉ { / └…-=ニ、
(´ ＿__ ､ﾉヽ.＼`ﾄ､＼"" ' "" / ／ .八 ノ ｒ‐--- -’
_＞'´ | Ｙ 八 ｆ´￣ ｀} ノｲ} , ,ｲ} ﾞｰ-=ﾆ.._
(´ _,. イ^} ﾉ. }｜ lヽ. ,′ ／// /{八 ､‐- .._ _〕
/ .lノ _,.=イノ /{ | {. | /＞ ､ ﾞｰ‐' . イ」.// /} {. ヽ .≧‐- .､ ヽ､} ＼
. / . (´_,／ ｲ八|八. V/ Ｌﾉ.≧=≦ .{ ./ , ' l.| }、 -‐ ＞ｘ､_〕＼＼
. / /. 〉 ` ー ' | ヽ 〈 { ｀7ノイ .ﾘ /ﾊ 丿 ＼＼
./ ./ .,′ | ＼〉ヽ ｰ＝=‐＝ア ﾉｲ } ／{､＼. ヽ.
′′ { |＿ ＼ ヽ / _,ノ{ ハ＼.＼
./ /｝ ∨￣二 ＼ ヽ. 〃 ／二￣ 八 ﾊ ヽ. ＼
/.,ハ } ＼ Ｖ/ ／ 〈 .ハ ',. ヽ. ヽ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
安野眞幸氏いわく。追放令のさい、ヴァリニャーノは現地に居なかったからこそ「理性」を保てたと見なせる反面……
彼の八方美人な指針が「（彼がさだめた路線にもとづく）現場にとって現実的だったかどうか？」には、首を傾げている
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
追放令にいたった責任のすべてを故人コエリョに押し付け、コエリョ派の司祭らを不問に付すことで「手打ち」にした
ヴァリニャーノではあるが―――かれ自身がまいた種を急いで摘んだ件は、手遅れなだけに見透かす者もいただろう
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
┌┐
｜｜ [][]
｜｜ ┌┐ i⌒ヽ､___, '⌒ヽ､___, '⌒ヽ､___, '⌒ヽ､___, '⌒ヽ､__
l ! ﾉ l ⌒ヽ､___, '⌒ヽ､___, '⌒ヽ､___, '⌒ヽ､___, '⌒ヽ､__!
ヽ、｀¨´ ノ
｀¨¨¨´
∧ ∧ ＿丿⌒|＿ ｏ=ｏヽ
(ﾟーﾟ*) (ﾟへﾟ*) (ﾟдﾟ∪ ・・・・・・・・・・・
ノヽ~ノヽ ノヽ~ノヽ ノヽ~ノ゛ヽ,
ん † ） ん † ） ん † ）
丿 八 ゝ 丿 八 ゝ 丿 八 ゝ
U〜U U〜U U〜U
証拠隠滅アル
／⌒ヽ ｻﾞｯｻﾞｯ
( ^八＾） .＿_
/ つ=O===|＿_）ミ.・
し―‐J ミ∵
￣￣￣￣￣￣￣￣ｌ;:;::;:;;;::::;::::;:;::;;;∩::::;;::::::|￣￣￣
|:::;::::;:;::;:;;;:;::::::;;::::;::;:;;;:;:.|
＼::::::::;::;:;;;:;::::::::::::;::;::ノ
.￣￣￣￣￣￣
, ----、
/,;;;;::::::::::.ヽ
{;;;;;;;;:::::::::::::} ふう……マカオに知己がいたおかげで、ぶじ長崎の大砲も処分できた！
..L;;;;;::::::::::::｣
..幺 , ￣予. これで関白からあらぬ疑いをかけられる懸念も、無くなるというものだ―――
(,ﾆi＿_ﾍ＿. iﾆ,) ~~~~~~~~~~~
!::::::::;;;::::::!
L_｣´｀L_｣
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ともあれ。「プレイヤーとしての巧拙」には、議論の余地があるにせよ―――コエリョはヴァリニャーノが創った“教会領と
いう鋳型”にこそ、縛られていた。彼にはその鋳型の中で九州の政情を泳ぐ選択肢しか、残されていなかったのである
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ヽ /
＼ ＿＿＿_ ／
ゝ／＿＿＿＿_＼
＼ / | / , － ､ －､l ／
i___|─| o|o | カブラル派だったわたしが、よりによって“ヴァリニャーノの教会領”と
i d ` － o－|_、
＿_＿ `-、 ,.-──┬ ┘∩∩∩ 命運を共にするはめになるとは……まこと、主の御心は計り知れない
/ ,-ヽ┐ ヽ （_(二二)_| |~ ￣￣~|
| || ()（⌒|￣￣＾＼┬､┬─'￣|⌒） ﾉ
ヽ. ､_`ﾞノ┘＾ ￣￣| ｀╋` |￣￣￣|´ ヽ
＼() |＿＿＿.| |＿＿＿）
（ ⌒ ）二__| /⌒＼二二 ∪∪∪
( /＾`─ `┬┴ヽ／＼/⌒i ＼＼＼
／／／ | ┌┴┘ ＼ / （ ⌒ ）
( ⌒ ） `- ′ `－′ （ ）
( ノ ／／／ヾ ☆
☆=＼＼＼（ ⌒ ） ── ( ⌒ )－( ⌒ ）／
（ ） 二二（ 丿＝（ ﾉ
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
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.| ' / .'.::... / !: / |:::! !::::ﾊ ::::::|:::::＼::::
.| | ::!:::::| ::::j -‐|‐|─ ﾄ::| l::::| -‐─ヽ--ヾ::::
i⌒v::::|! ::|::::::ｨ:´::| |: | |:::| ゝv ゝ:::::ヾ::::::ヽ それならいっそ「鋳型」そのものが無ければ、それ
| v ::| i: l ::∧:::::| V -- ゝ ＼ __ ＼::::＼
| |:::|:: !:::l:::| ヽ_:l _ ＿＿ ＿＿`_ー を「守る義務」と、もたらされる失策からも解放される
| | ::ﾊ::ij:::ﾊ::!イ`弋ゝ-'フ｀` ´ !ノ__フハ
| | :::|:V:::::::ヽヽ ￣ ｀ ´
, -v ,イ V::| ::::::ハ::＼ ::::::::::: ,. :::::::::::::: カブラル路線こそ、「有効な延命策だったかも？」だ
, -<. `| ` ヽ| :::/ゝ∧`´ <:i
, '⌒ヽ ヽ ヽ ヽ/ﾍ/::l!
! | | -.ﾊ V|!:::∧
l ｰ| | r ﾄi_ﾉ ゝ |:|:::|:::,.＼ ´ ｀ . イ
| 人 i´ﾄ l_ﾉl ﾉ/:::j:/::|::::ゝ.､ イ:::: |::::: ※（なお、延命と生き残りは別）
────────────────────────────────────────
と、いうわけで。超遠回りになったものの───「長崎寄進」をめぐる適応主義者ヴァリニャーノと
原則主義者カブラルの対立および、もたらされた結果について考察してみたしだいである
────────────────────────────────────────
､ ＿ ＿ ＿
ゝ:::: '´::::::::::::::::::::::＞ ､ っ
/:::::::::::::::::::::::i:::::/､:::::::::::ヽ、 っ つ
〃::::::::::::::::::::::|::/ ∨::::ﾍ::::＼
ﾚ:::!:::::::::::::::::/|/､＿ i::::|:::∧￣｀
ノ::::|::::::::::::／ / 〈●〉||:.|､:::∧ 布教会議の敗者である私を、あえて再評価してくれるのは結構だが……
´￣i::|::::::／ ､_,､_, """ |:/ﾉ::::::∧
,:::|::ﾍ ,:/:::::::::::::::ﾍ このパート───始めと終りに顔出ししただけじゃ……？
/:::|:::::/⌒l _ _, イ／ ::::::::ﾄ､ ﾍ
/:::::|::/ / .|三/ /／￣ヽ:::::i ヽ
/:::::::|::| l ヾ╋ / ヒ二彡,:::::|
・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━
＿＿
＿__,. ＜ ＞ 、
／_, ／ ／ ｨ ﾊ ヽ ､fj＝ミ
. ≠フ. /ｨ / ./// j/ ', ﾄ, ', ﾟ , ヽ＼ ふう、やっと区切りがついたんだね・・・
-=彡' 〃 l , /ﾚ'r匕 ト-V∨ ∨ .∧ヾ、
_／=‐ｨ>' ∨}' ◯ ◯ }l ﾄ,',、 ', でも。原則主義者の厳しさもあいまって、カブラルが日本人に
／>' ! , /| ,,,, ,,,, ﾘ|/ |Ⅵﾍ｜
. ／, ' |ﾊ i {.ﾄ､ ▽ ,. ィi| ,' ',ﾊ j 人望が無かったことは、ここの＞１も否定できないでしょ？
∨ //.Ⅵ ,r≠≧=＝＝≦ﾚﾚ' j/|:i ',ﾊ
. // ヾ,'::{:::::::}==大==}___,.r-､ Ll |::|
|:| {:: i::::::::∨/|l＞i´ Y{ } |:」 ヴァリニャーノは、「キリシタン大名からまで苦情を受けた」というし
ヽ_,. ィ:::::::i:::::::::::￣:i:::::| ./∧ｲ
,. ＜:::::::::::::::::∨:::::::::::::::::::}':____j'
. ／:::::::::::::::::::::::／-≧====y'
, '" ￣ ｀ヽ
/／ ＾ヽ ',
.///f / j ヽ ﾍ !
ノｲl | ﾚﾄ'Vハ斗ﾄ､_＞
lﾊj |.'て) 'て)|ﾚV ええ、まあ……
ﾉ火ヽ"V￣}"/ﾞ) {
// 匸 }>示iくこ八
.// ! / /《小.》｢｀ヽ ヽ
V{ !ヽノ {： ﾄ-ｲｉ }
ﾚl∧く 人__j /八/
／ ｀7´/ l |'´
.`‐r＜/＿_!｣
| / /
＿＿＿ ___,. -- _
,. ＜ }ノ ＞ 、
. ／.／ ｲ| / / , ＼
/ / , ' ., ' |:}' /／ ､ ‘ ,
. /／′ ,' / |:l. 〃 , , } ‘,
´ i , | / ,i|::! /_ イ ／} / ､ .ﾄ， なにか疑問でも？
. |. , ' l ./ .!|::| /／メ < /／,' } | i‘,
. { / ,' i｜ , ﾆ||::| ,.ｨ示芯}ミメ､. /／} ﾊ ./ ｜.ﾟ,
', /.| ! ',| { ,|l::| | |.圦_以 /´ x=ﾐ「 / ./ |
. ∧ { }'| i ‘ , |: l ', ! ゞ-く_ んﾘ 》' .／ ,| |
/:/ ヽ .| ﾟ, ｀!::| ', { 厶ｨ 厶イ{ ,'| |
/:/ ﾉ /! ﾟ, .|::| ﾄ､. ､_ _ ’ / :!.|.| ', ,' }/
. |::| イj,ﾊ ﾊ iV|::| |、 ,ｲ |.| !,:∨
. |::| V_彡<.Ⅵ', !:＞ ,. ＜ | ./ﾘ |.ﾟ,::ﾟ,
. |::|. , : ´￣≧ｘ ﾟ,ﾑ:, ! _/,.≧チ} , '| ,:| / ﾚ ',::',
. |::| , '::::::::::::::::::::: ﾍﾟ,ﾑ＼,.ｲﾊ/l／ﾚ j/,' /. }:::|
. |::| ./::::::::::::::::::::::::::::::i:ゞ:::＼＼!＼ :|:::|/ |:::|
, ‐ ´ ￣￣ ｀ヽ､
／ ､ ､ ＼ っ
,.'.／ .:/ ;小:.. ヽ:. :＼:.:.ヽ っ つ
. //:.:.:.:/.:./:. ./ i ヾ:.:.丶:. ...ヾ:ｰ'､ いや、実は＞１もスレ作りながら気づいたんだけど、そもそも
//,':.:... :.:厶:./- ヽ 弋:.‐＼:.:.:. 丶:＼
! |:l:j:.:.:´/ ｨ天t､ ｨ天女､-､:.. ﾍ､:.ヽ キリシタン大名のカブラルへの不満────あれ、「どこまで
! | :.!.:.:.:ﾊ´ち;;;j ち;;;;j !K }ヽ:.､.! ヽ!
ヽヾj:.ノ小 ｀::::. ' ::::´ ﾊイ: |｀ﾘ ノ 真に受けていい話なのか？」と、疑問になってきたそうで
､_ノｲ:..:.:ﾘ;:ゝ-‐っ ｰ- ｲ:.ｌ::|:. i |
／´/:.:／ ‐＜＞.､ _., .イ_.l:.:ｌ::|:. i |
／＿/∠ ｧ┐l !ﾉーｿﾉl ￣ ヽ､｣::|:. .:i:ﾊ
, ./´ ｀∨イしﾘ / ハ ／ ヽ￣｀ヽﾊ
／ |=＝＝=､∧/ ＞‐/{ヽ‐‐< l l ヽ r/７-､_
, ' / / / 7〃 {{ヾ〉＼ |／￣ | 厂し' / /┐
. / / / ／ {{. ＼ | | ,/＝(_/_/_,人
| / / イ o. {{ ＼| l/ 'ヾ､/
─────────────────────────────────────────────────
しょせん宣教師が、遠い欧州の上司にあてた通信である。当時の交通事情では、順調でも片道だけで一年半かかる
仮に、ダシに使われた日本人が確認の問い合わせを受けて否認しても、後の祭り。そもそも、そんな情報ルートもない
─────────────────────────────────────────────────
／＼
／ || .＼
／. .|| ＼_, ..__
,／ ,.个､r'´~:::::＼:::::::´゛`'i､
／ ／,.i'||::::＼::::::::::::::＼::::::::::: 'i,
／ ／ l､.||:::::::"＼;;_;ｨ' 'i;＼:::::: 'i,,r"´~,,ir-､,
／＿＿_／＿__ i､_||t;r'"´＿＼＿_'i､_＼,.r´`,r´ } ] もしもし、こちら豊後。え、「カブラル師が更迭された」？
＼ ＼ ヾ||,i ／ ゞ,イ゜ .r゜ } ]
＼ ＼ . ||{ゝ‐- <,...r‐=F,／"~｀゛'-､__.ﾉ_ .ﾉ しかも私の批判のせいで？ おかしいな、そんな筈は……
＼,. -‐ ''＼ﾞ´||iゝ∠..ﾉ＾ゝ.,,／i'"´~~゛'‐ 'i,_, li､.,_
／'＼ ':;|ﾚ''i, t . ／ >ｨ‐"´~‐- 'iO ,ﾉ}‐-｀`'i,
/ ＼ ,,.:;||;;;;;i, -／‐: ゞ'´~｀ 'i_,.ｨ'゜;;;;;;;;｀i. 'l,
,i ＼;;;;;;||;;;;;;;×＿＿_ノ`'´｀i i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀i 'l,
/ ::::::: ,;;;;;;;;＼||;／;;;;;;ﾐ≧≦彡"ﾉ人 ノﾉ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;´ ﾉ
,/ ::::::::.;;;;;;;;;;;;;;;||;;;;;;;;,r'´/ ヽノ|.;;;<｀-ｨ'´r';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; `l
/ :::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;||;;;;r'´ ,/ ╋ヽ`i.i.;;;;;｀´~~;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; l
……………………………………………………………………………………………………
＿＿, - ､ 生憎ですが16世紀において、無線はオーパーツですｗ
. ／, ─── ､)
// / ヽi ────────────── ,;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
|_| ┃ ┃ | ,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,, ,,,;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
（ ⊂⊃ ヽ ;;;;;''''" '''';;;;;;,, ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
>､ ＼＿_ノ ﾉ .nｍ;;''''" ;;;;;;;;;;;; ''';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;' ;;;;;;;;;;
／ ＼─── ´ヽ､ /)- | ;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ┃
/ ＼--／ | ￣|＿ ﾉ;,, ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..┣━┓
| ╋ | || ;;;,, ;;;;;;;;;; ,;;;;;;;;;;;;,;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;; ..┃□：：::
! / ﾉ | ''';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'' '';;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;; ┃田：：：::::
`iヽ__ノ━━━━ヽ､__ﾉ ''';;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;; ┗━：：：：::::
ヽ､ |＾ヽ､__ノ ──────────── ;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
￣￣￣` - ′ ──────────────── ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ,;;;;;;;;
＿＿
＿__,. ＜ ＞ 、
／_, ／ ／ ｨ ﾊ ヽ ､fj＝ミ
. ≠フ. /ｨ / ./// j/ ', ﾄ, ', ﾟ , ヽ＼ 大名たちのカブラルへのクレームは、「ヴァリニャーノの出まかせ」
-=彡' 〃 l , /ﾚ'r匕 ト-V∨ ∨ .∧ヾ、
_／=‐ｨ>' ∨}' ◯ ◯ }l ﾄ,',、 ', だと？ でも、さすがにそれは───
／>' ! , /| ,,,, ,,,, ﾘ|/ |Ⅵﾍ｜
. ／, ' |ﾊ i {.ﾄ､ ,. ィi| ,' ',ﾊ j
∨ //.Ⅵ ,r≠≧=号＝≦ﾚﾚ' j/|:i ',ﾊ
. // ヾ,'::{:::::::}==大==}___,.r-､ Ll |::|
-‐ ￣￣ ｀丶、
／ ヽ
/ / /〃/{ { ヽ ｀ヽ. ∧
ｌ / /斗/ハ ｨｰ‐ 、 ∨ l いや、だって冒頭の「大村純忠の、カブラルへのクレーム」
{ { ﾚﾃく ヽi>==、＼ ヾ│
乂l f r'ﾊ r'ﾊ 7ﾊ＼ﾘ l を再考すれば、どう考えてもおかしいわけで
.八,}弋ｿ 弋ｿｿﾉ ） 八
ノイ }ゝ" ｀_ "" { {´ 丶＼
／ ,＞‐r＜_∧!＞､ ＼丶
￣
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
_ . . -――‐. .、
_ - ´.: : : : : : : : : : : :ヽ
f´::_ -‐ ￣￣￣￣ ‐-|
|´ f⌒l |
｜ _ -‐=ﾆ三三三ﾆ=-|
｣≦三三三三三三三三＞
f^Ｙ｀ ｰ ｧ ‐．＼ ／．､‐ 'V ^l われらが神社仏閣を破壊したのは、司祭殿が「教理に
｜ﾘ -‐ ｀ニ´ {｀ ﾆ´ V｜
. 〉 ＿ ⊥-､__,ゝ--┐ ∨ 反する」というので、不本意ながらやったまでのこと……
{ ,＼三彡￢==＝'、 }
>､ ' ′ ｀ ,ｲ
- ￢ｧ-‐=￢´＼ ー ､ _ - ´ﾉ｀ ￢ｧｧｧｧr‐- ､‐- ．..
_/_/: : : : : : : : : : :＼: :.｀ ｰ ､＿＿_ - ´: :／: : : : ////: : ＼＼＼ : : ｀
: : : : : : : : : : : : : : : : ｀ ｰ ､:[ﾆ]:||:[ﾆ] :／: : : : : ////: : : : : :￣￣: : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :｀¨丁Τ¨´: : : : : ／/／ : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : l二╋二l: : : :／/／: : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : L_｣: : : ／/／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
, へ
,. -／ ,ﾘ￣ ｀ ヽ
} 彡 ,. / !
l /ィノ ' ＿＿＿＿ }
l-‐ _￣ , ､ , ､ヽ,
. (l ゝ' ＿`´ ｀´,,.ヽ
. ﾉ‐ ''"￣ ＿＿_` 、
／ ,.ィ"rｔj‐ ｊ'///＞ '
, ' / l - ' ヽ´
／ , ' ヽ,-‐'ｰ く、
,. ´ ／、 ,ｲ, ヽ
(＿,. -- --,一 '"＿ ー.{: ;}
, '" ￣｀ ‐ヾ､丶、ｿ'
, / ヽ ､
. / / }ｉ ╋
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
＿＿
, ‐ ´ ｀ヽ 純忠に破壊行動を促していたのは、なるほどカブラルやコエリョだが……
／..:／.:/ .;ｲ :. :.丶.:.: ＼
〃:.:./ .:./:.:/小:.: ',:.:.ヽ:.:.:. ',
l:{.:./ .:./-‐:! l ヽ:.‐-:.:.:.＼:.:.! 「神社仏閣ぶっこわし」は、オルガンティーノに「唆された」三箇サンチョだって
ｉ:}:ﾊ .:7ｨ=ﾐj:ハ >=ミヽ:.:ﾍヾ、
､_メ!.:i.:.ﾊ r'_;j r'_;j ∧:.:}:.fヾ やっている。こればっかりは原則・適応の別なく、布教の基本方針───
乂;ｲ.:.∧ /ｲ V:.:.| ﾘ
_／ j/_:ﾉ:.介 .、 ° ,イ:.l:|:..|:.:.:.!
´/:.:,':.:.:j:|:ﾉｰf夭‐ﾍ :j:|:.:ｌ:.:.:.:!
/.:.;ィ7´ｌ:|＼/ﾑﾍ／｀l:| ｀ヽ.:.:i
≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐≡二三二≡＝‐＝≡二三二≡＝‐
＿＿＿＿＿
／￣:::::::::::::::::::::::::::￣＼
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ .て_
/:::/＼／＼／＼／＼／＼:::`、 （
..i:::/ ~＼ ／~ ｀i::i
_i:::i. /⌒＼__j !_／⌒ヽ i:::i_
/_ ヽ i ・ i i ・ i i::rｰ、 ムッ？ なんだ、あの建物は？
.l i i ＝｀ｰｰ', -ｰ-、｀ｰｰ' == / i
{ fj { .} !) }
.∨ ｀ｰ-ｰ′ ∨
--ｰi iｰｰ--
i _,. ._ _,.．- ．._ i
ヽ -'''" "'''''" "'' /
ヽ ／
＞、 ＜
ｰｰｰ------ｰｰｰ´
╋
l!
}{
{:}
{ﾆ}
_.. ‐''￣ヽヽ､
__..__-‐＿＿＿＿`_､,`__､__,
￣｀.ヾ､=ヾ=ヾ= Ｙ=７'´￣
|＿＿＿_|＿|
,[＿＿＿＿_]＿]､
,_._-_'＿＿＿＿＿_ヽ､,.__`_､_
￣｀ヾ､==ヾ==ヾ=Ｙ'=７'´￣
|＿＿＿＿|＿|
,[＿＿＿＿_]＿_]
,_._-_'＿＿＿＿＿__ヽ､,__`_､_
￣｀ヾ==ヾ===ヾ=Y '=７'´￣
|＿＿＿＿_|＿_| ← 都から三レグワ（17キロ弱）離れた高い山にあるお寺
}}＿＿＿＿＿＿{{＿{
/ ￣＼
γ"⌒ ヽ ヽ ああ、あれですか……
i ｌ!从ﾉﾘ） ｊ
| リﾟ ｰﾟﾉﾘ 敵を呪うために、異教徒の尊敬を集めている仏寺でございますよ
/ と~╋つ
／// ﾉ＿_ゝヽ それが何か？
〃/ﾚﾙ i_/ J ヽヽヽ
＿-───-､
／:::::::ﾄ､i＼/＼::::＼
{ヾ/＞v､／:::::::::＼r‐ どうあっても、あの「悪魔に奉納された寺院」は破壊しなくちゃならん！
〉 { ０}::::|/／::::::::::::
ゝ ,=}==､:::::::::::::::::
/ ｀ｰｧ‐':::::::::::／|:: その代わりに天使の長サン・ミゲルを、都からも望見でき、かつ
| r‐ }::::::;:＜＼ j:::
r──､ ／＼ゝ-＜￣＼__＞::::: 拝むことが出来るほどの大きな十字架とともに、祀るべきだ！！
│ ─i⌒ヽ ＼ (￣::::::::::／:
│ ─|＿ハ / ￣ニ二￣:::::::::
│ ─､i .} / | ╋{:::::::::::::: （1577年9月21日オルガンティーノ書簡より）
＼ ー' /＼/ | ヽ:::::::::::
ヽ-＜ | ヽ:::::::
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
＿＿
, ‐ ´ ｀ヽ
／..:／.:/ .;ｲ :. :.丶.:.: ＼ ……などとオルガンティーノ、信徒たちの前で説教している
〃:.:./ .:./:.:/小:.: ',:.:.ヽ:.:.:. ',
l:{.:./ .:./＼:! l ヽ:.:／.:.:.＼:.:.!
ｉ:}:ﾊ .:7ｨ=ﾐj:ハ >=ミヽ:.:ﾍヾ、 ことこの件では、個人的な宿敵同士であろうがカブラルと
､_メ!.:i.:.ﾊ r'_;j r'_;j ∧:.:}:.fヾ
乂;ｲ.:.∧ /ｲ V:.:.| ﾘ オルガンティーノのあいだに、差別化は成り立たない―――
_／ j/_:ﾉ:.介 .､ ⌒ ,.イ:.l:|:..|:.:.:.!
´/:.:,':.:.:j:|:ﾉｰf夭‐ﾍ :j:|:.:ｌ:.:.:.:!
/.:.;ィ7´ｌ:|＼/ﾑﾍ／｀l:| ｀ヽ.:.:i
/.:/i // !| に不こ) !|l /!:.:.i
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ちなみにヴァリニャーノ自身が第一次巡察のさい、受洗した有馬晴信の領内で四千人に洗礼を授け、
かつまた迫害で棄教した七千人を立ち返らせているのだが―――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
,ｨ'´::::::＞─｀ヽ､
/::|::／::::::::::::::::::ﾉ､ ヴァリニャーノ師よ。イエズス会による戦災復興への喜捨、痛み入る
ｲ: 0:::::::::::::ヾ､:;ノ:::::ﾐ､
/ r｡､从､:::::;､::::::::::/ 礼と言っては何だが、領内の改宗事業に本腰を入れよう！
ゝr,,, Y'イ::::::j/
／ .'r= ,,,,,ノ 彡ヘ
,イ{: : : :ゞ=彳--'´: : :ﾉ: ＼ （受洗のとき、愛人と別れさせられたのは痛かったがな……）
/: : :∧: : : : ヾ､╋_／:/: : : :.＼
./: : : : :∧: : : : 且: : : :/: : : : : : :ﾍ
……………………………………………………………………………………………………
＜1580年の四旬節＞
＿＿＿, - ､
/＿＿＿＿＿）
. | | / ヽ || . ,、 ,、
|_| 0 0 ||＿ . r'ｰ》'´｀卍ヾ‐》, メーデー、メーデー！
（/ ⊂⊃ ヽ) | i iミ ノ ﾘハﾘ/!
! ﾄｪｪｪｲ ! | ! iﾞ瓦 >д< ﾉ!i| 心頭滅却してもやっぱり熱い！
,＼.___｀ﾆﾆ´__.／､. | !l! ! と.ﾌﾘ{つ!i! l
ゝ／ ￣￣￣ ＼ ／. ＼／╋＼／ .＼ (巛ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡）ミ彡ミ彡）ミ彡)
/ ＿＿＿＿＿ヽ | | ＿┌l⊂⊃l | ,,从.ノ巛ミ 彡ミ彡）ミ彡ミ彡ミ彡）ミ彡)''"
| | / ─ ､－､! | | / ∋ |＿＿人ノﾞ ⌒ヽ 彡ミ彡）ミ彡）ミ彡)''"
|__|─ | 0 .| 0 | | ／`, ,..､;;:〜''"ﾞﾞ ） 从 ミ彡ミ彡）ミ彡,,）
（ ` ─ o－i,,..､;;:〜-:''"ﾞ⌒ﾞ 彡 ,, ⌒ヽ 彡"
ヽ､ ﾄｪｪｪｲ::::::ﾞ:ﾞ '"ﾞ ミ彡）彡
／／ /ヽ─｀ﾆﾆ´ ｀`ﾞ⌒｀ﾞ"''〜-､:;;,_ ） 彡,,ノ彡〜''"
| | / ｀i'lノ）) / , ─│ ﾞ⌒｀ﾞ"''〜-､,, ,,,彡⌒''〜''
| | |￣| ／ ／| / （ (... .ヽ / |_＿__|
|_|／ヽ､＿／ ./ ` ─ /＼ /ヽ ￣ ＼
| | |───/＿＿＿＿i l＝＝＝＝＝＝＝l |＿＿＿＿＿ __＼
|／ ヽ── |＿＿＿＿__＼ l二|＾|二二|＾|二l 丿＿＿＿＿＿＿ |
l￣￣￣￣￣ | | | |. | | | | | | | |
|￣|￣￣￣￣.| |────| |. | | | | | |.──────| |
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
それと同時進行で、晴信が40以上の神社仏閣を撤去する現場に、居合わせてもいるわけで……
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿＿
, ‐ ´ ｀ヽ
／..:／.:/ .;ｲ :. :.丶.:.: ＼ 「カブラルへの批判」には、文化的差異にもとづく不満が目立つ
〃:.:./ .:./:.:/小:.: ',:.:.ヽ:.:.:. ',
l:{.:./ .:./':__j:! l ヽ_:.ヽ:.:.＼:.:.!
ｉ:}:ﾊ .:7ｨ=ﾐj:ハ >=ミヽ:.:ﾍヾ、 確かにそれは、「原則主義への不満」と通底している。だがヴァリニャーノは
､_メ!.:i.:.ﾊ r'_;j r'_;j ∧:.:}:.fヾ
乂;ｲ.:.∧.:::: ::::./ｲ V:.:.| ﾘ 「一神教である以上、避けて通れない対立点」まで、カブラルに背負わせている
_／ j/_:ﾉ:.介 .､ ｀´ ,.イ:.l:|:..|:.:.:.!
´/:.:,':.:.:j:|:ﾉｰf夭‐ﾍ :j:|:.:ｌ:.:.:.:!
/.:.;ィ7´ｌ:|＼/ﾑﾍ／｀l:| ｀ヽ.:.:i
/.:/i // !| に不こ) !|l /!:.:.i
……………………………………………………………………………………………………
＿＿＿__
ﾄ､＿＿_,ｚァ7////////＞ 、
＼/////////////////// ＼
､＿_,ノ{'/////////////////////ヽ
＼___/＼＿＿//////ﾊ//＿/////∧
/＼＿＿＿＿＿/ ∨￣///////,i
///////////// 厂 }//////////,l
___ |'//////////l'/示テカ///////// l
＼＼//|/////// j/ |しク |ｨ////////人＿
＼＼|'////ﾚ' , ミ==彡}////////ﾄ--'´
/￣￣＼/{ """" |'///////∧
/ ｰ┬一'＼＞ '⌒（ _ ィ/∧￣￣＼ /＼__
/| イ __ノ＼_>rｆ￣⌒ヽ j/ 〉 ／V /厂
ﾄ､二二ﾊ￣￣ |／￣￣l / く / |/ |
| / | ｢( ｎ/ /__ｉ / |ﾊﾉ ＿_
| / ､＿__∨ヽ＼ﾉ ∨ /￣ {/ ∧＿__________|￣ｌ|
| _ -‐ ￣|/}＼ 厂｢＼ | __／{￣￣￣￣| ||
￣￣￣￣￣￣￣￣. ﾆ=- ￣￣ ∨＼ ﾉ ,ﾉ ＼ | | ||
⊂ﾆニ⊃ ﾆ=- _ ｢￣く／ } | | ||
.. ＿_ { } ﾆ=- | l｀’＜ |＿＿＿__| ||
(＿_） ＼____／ ﾆ=- _ ｀’＜＿ノ / | ||
└┘ ￣ ﾆ=- _＼ / │ ||
(； ･`д･´)…ｺﾞｸﾘ…(`･д´･ ；) ＜ 修院では豚だの山羊だの飼い、牛を潰し、皮を干して売っている……不潔すぎる！
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
むろん、ヴァリニャーノによるカブラル評の全てが「出まかせ」ではあるまい。例えばカブラルは食生活でも「適応主義」を
拒み肉食を通したが、日本人は修院に漂う脂の臭いを嫌って寄り付かなかったという。誇張はあろうが、頷ける話である
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
,．-- 、 -‐ ￣￣ ｀丶、
／ ／￣l ／ ヽ
,/ / ./ / / /〃/{ { ヽ ｀ヽ. ∧
| ! / ｌ / /斗/ハ ｨｰ‐ヽ ∨ l とはいえ。やはりヴァリニャーノは、鵜呑みにはできぬ御仁―――
l l / { { ﾚﾃく ヽ＼{ヽ＼ ヾ │
＼|_／ 乂l f r'ﾊ __ 7ﾊ＼ﾘ l
| | 八,}弋ｿ ''⌒ｿﾉ ） | 必要に応じて割とやばいレベルの作為をやらかす人物である
| | ノイ |ゝ" ｀ "" { {´ |
| | | .| l ｀>､｀_´_ ,イ | | i | ことは、このさい知っておいていい……
| | .| .| |_/:::ｺｿ ＿/i | | | .|
r┴っ∩ |／, ,へ∠,へ / ７ﾄ､| ! !
Yﾆっ! ｌ /// ,{ (_r 」' / ＼ ! .| たとえば有名な、天正遣欧少年使節の件もそうだ
}ﾄ7ｿ/< / l/ ７ ∧ ヽ、 / / ;| |
ヾ-=ﾝ ﾍ. ｲ ! !〈_/ ヽノ i/ ﾊ | |
〈ヾ＿' ﾉV | j /ヽr‐y'⌒ヽi l
iー‐" ﾉヽ 〈. | V /,r }l !
……………………………………………………………………………………………………
＜1582年＞
,-――――´￣ヽ
/ ,-―――┬､_|
,-､i ／ ノ ヽ i 少年使節を、企画したは良いが……
i ┼ (・ ) /
ノヽ_ ⊂⊃ 〈
／:::::::i ) （大友宗麟殿に書簡を準備してもらえるだけの
／::::::::::::::＼ -´￣￣ヽ､＿ノ
/:::::::::::::::￣ヽ､_｀――― -´ヽ 猶予が、もはやない―――どうしよう？）
i:::::::::::::::::::::::::::::::::￣￣｀-:::::::::::!
|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾄ ､::::::::::|
ヽ:::: ､::::::::::::::::::::::::::::::ﾒ-┤ ::::/
/:::::::::ヽ::::::::::::::::::::::人 /::::/
i::::::::::::::｀――― ´ V_ ／
―――――――――――――――――――――――――――――
第一次日本巡察も末期のこと。ヴァリニャーノは悩んでいた―――
―――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「西欧キリスト教文明の偉大さ」を日本人に伝える「目撃証人」として、少年使節を欧州に送るイベントを思いついたは
いいのだが―――急に思いついたせいだろう、後援者の代表格たるべき大友宗麟に話を通す時間が、無かったのだ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
／⌒⌒￣｀＼
////////////｀ヽ 布教活動は拙速を尊ぶ。おれは嘘つきよりノロマの方が、でぇっきれえなんだ！
│ ////, 」n
,、 │ ∥ ゞ≠―メ〆ﾊ ＿
＼＼ヽ ∥ ゞミー-´ｿl ,J ,_yー´ ノ｀
ヾ＼ソー--,」 l l l l l J⌒χー-ー⌒￣￣////J＜´
_＞///＼＼ ／ ゝ ┤,∥ ///// ｋ´
／ー´┤──´￣ｿ∥し、/ －／ヽーー´⌒￣｀｀´
ゝ´ ////ＪＤ´。////＼／
（＿＿__ノ´∥Ｔ ╋ヽヽ/// ＼
│// ⅰ´ ﾄ｀ ﾍ //// ヽ
.│ // │ﾟｿ i_ ヾヽ //// ソ
……………………………………………………………………………………………………
|￣｀ヽ
|￣) (
| (＿ ＞
rzzz「」zzzｭ
|| /＼|| | ﾄ､_
|| / /|:|＼| | ⌒ヽ
／ ||＼ |:| |｀ヽ､|⌒ヽ＿＼
＝＝||＝==|:| ＝＝「」＝==
/＼|:| / 弋ﾃ | | |
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/ /.|:| ヽ |:| ', | | ヽ/ｌ
∠＿/_lﾆﾆl. ∨|:| ﾊ/.| |＼/ }
/￣＾^| |＝==|:| // | |. /__ノ
/＼ /.| | /丁.|:| // | |/＿ノ
/ ＼ | |/ 」_|:|_// lﾆニｌ__,ﾉ ／|
/ ／ / :| | |＿,|/ /|::| l | |ー‐-ミ
, ′≦∠＿|_|_／弋ア＼,/_,|::|__ﾉ |＿| 二ﾆ=-
_／ ＼ｰ-､＿＾^''‐|:|」__/ ノ|::|_ 「」＼＿二ﾆ=-
^弋二二ﾆ=-,--| |::.,＼_|:|:, /_ﾉ__|::|_≧ｭ ﾊ､
ヽzzz|zzzz^弋__ﾉﾉ‐/|:ﾚ' / |::| '/, 「l⌒⌒'「l
＼ | / / /,| |:. /メ ／ |::| ／厂Y^Y´~|
ﾄ､/ .//| |: V,ィ::| /`ヽ､,.ィ「i:i:ﾉ∠ﾆﾆﾑ_|､
⊥_＼// | | ′|::|/,.ィ升＞弋┬┬┬┬┼ｧ
＿_＼＼'′|::| ′,.ィ斗＜__,.ィ=＝＝ﾆﾆ＝==,ﾊ
￣￣/≧===≦斗rュﾆ/::/_|_|_}‐{＿}l＿l{＿}}_ﾉ}
{…─-----|ｰ{‐{…{￢{¨¨|¨|”|￣|”|“|'''ｱ
ゝ＿＿＿ ｀ｰ`ｰ`ｰ`ｰ}ΤＴＴ'ΠT'Τf´:. :. :. :. :.
￣￣￣￣￣￣￣≧o｡.,_￣￣￣￣:{┴┴‐| |┴┴}:. :. :. :. :. :.
: : : : : : : : : : :≧s｡.,＿弋二二|_|二ア:. :. :. :. :. :
: : : : : : : : : : : : : :`ヽ､:.:.￣:￣:￣:. :. :. :. :. :
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そうこうするうち1582年2月20日。少年使節（正使として伊東マンショと千々石ミゲル、副使として
中浦ジュリアンと原マルティノの計４名）は、ヴァリニャーノに連れられて出航してしまう
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そして1584年8月1日、リスボンに到着した少年使節は―――あら不思議、教皇・イエズス会総長・
スペイン＆ポルトガル国王あてに、しかと三侯（大友宗麟・大村純忠・有馬晴信）の書簡を、携えていた
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿＿＿ ）
／彡=＝=ミヽ ム
/ /r ╋ t. ﾍ r'
. / ,< 'ヽＷr ' >. ﾍ ﾉ ヘタリアのパスタ食いども！ このマンショ様が
/ ./｀￣' ﾞ￣´ﾍ. ）
. / ,/ Vﾆ;;;;;;ﾆV ﾍ / 大友のオヤジから手紙をあずかって来たぜ
/ 〃1 rl ´￣｀ l -=、
. / 〃/.| |:.:.:.:.:.:.:.l | || ゝ
/ 〃/ | L竺竺ｦ ,1.|| ) 夜露死苦！！
. / 〃/ /|ヽ､（##）／|| || ､つ
. 〃/ / |ヽｧ ´￣＼ ﾘ || く
〃/ / ／ { 二ミ.} ﾘ ﾌ
|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|
| |
| 拝啓。教皇台下 .....|
/ ￣￣￣￣ /＿＿＿_
/ 愛羅武勇 /ヽ＿＿／/
. / / / /
. / 大友ﾌﾗﾝｼｽｺ宗麟. / / /
/ ＿＿＿ ..../ / /
／ ／ ./ /
／ ／ / / ※1585年3月23日、少年使節は大行列を行ってヴァティカンに入り、
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣/ / /
￣￣￣￣ 教皇グレゴリオ13世の謁見を賜り、三侯の書状を奉呈した
……………………………………………………………………………………………………
＿ ,.....,
／､ヽ〉 .__/ ｒ-!,
〈 ､_〉'¨7./:::::ヽ-''"
,rｒｒｒ‘, .ｒ'"/::::::::/ ｒ－ ､
|.川 .||ノ.ヽ!::::::::/ 〈＾ヽ_/
ｒ－ヽ. |.......∧:::::/ _____ ;::::::::!
⌒Ｙ {...........∧::| /---､ヽ /::::::::;′
| !',..........∧| !^ ,. ----､ /:::::: /
| |∧.........∧ゝ/i:i:i;i;i;i;i;i:i＼:::/ ヒゲもなくオリーブがかった色で、ぶっちゃけ容貌は醜いけど……
ｒ! ﾄ､':,..........∧从/． ．从:i:}/
,. ---､ 〈 ｀¨´ ,圦........... ^..| .〈 __ |^!/ 行儀がよくて気品がある！
}^ヽ /::::人:::::ヽ ト-- イ|::∧......{.....ﾊ ﾏ::ソ ｨf{-----､
/ヽ ゞ:/ .ゞ-r! ; |.{::::: ＼...........≧≦/../........{.......＼
弋 ':,_圦 ､_,，./^{ ; 乂:::::::::＼...... |/Y^V............',.......... ＼
＼ ゝ-彳 |! .:{ .}::::::::::::::∨........{o.......r－ ､'､_..........
＼ | Ｘ、/ | √￣￣ ∨......‘,o.....辷、 .ﾏﾑ￣ ※少年使節はイタリア各都市で大歓迎を受け、市民らは
＼. ´.|o｀ } / ∨.....∧｡....｀¨ー≦┴--
.∧ ':, {′ /! .＼.......':,.................廴 少年らを聖者のように敬い、彼らの後をついて回った
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
少年たちはヴァリニャーノの指示で、外遊先ではイエズス会士を介した会話しかしなかった。一種の人寄せパンダである
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
／ ＼
／ ,ィ三ニヽ/ニ=-､ ヽ
, ' ／／ ＼ li ',
. / / / l li li l
/ / / ╋ l li. li l.
. / /:. :. .: .:: l li li l （うわー……たくさんの外国人が、まるでロックスターのように
/ /::..::..::::.... .....:::::..::...l li li l.
. / / ,' ::::::::::::::::::::::.... ..:::::::::::::::::::::: l li li l 扱ってくれる。正直クタクタだけど、ここは頑張らなくちゃ！）
/ / l :::::＜...●..>:: ::::く....●..＞. l li li l
/ l :::: .::: :::... ::. l li li l
./ ! :::: 〉 li li.l
l:.. :. :::l li li
ﾊ:::::... ヾニア ..::::l li li
/ l::::::::.. :. -=＝＝＝=-､ :. .::::::l li li ←帰国後、セミナリヨに復学した少年たちのラテン語学力は、中の下
./ ﾊ:::::::::. ヽril'"ｭililililililililililiｪ /! ::::::::l .li li
li. li::::::::. Vl/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;lil/ :::::::/ .li li ポルトガル語は少し嗜んだが感謝演説も用意された原稿で、本質は子役
li ヽ::::::.. ＼:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;li ::::/li. li. li
li |l |＼:::.. ヽ:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/ .::ｲ li li li.
li li ｌ ＼ ヽニ二ニ' ／ | li.li li
li li l. ＼ ‐----‐ ／ | li li li
……………………………………………………………………………………………………
＿＿, - ､
／, -───､）
// / ヽ i
|_| / ヽ ｜ 「日本語の読み書きすらまだ不十分だった子供を餌に、宣伝活動しただけ」？
（ ⊂⊃ ヽ
＼ ＼＿／ ﾉ いかんね、松田毅一の研究なんぞに毒された物言いは……
／ ＼──－ <
/ ＼─-/ ヽ
| ＼/ | | 豊後王・大友宗麟の書簡を携えた「正使」を敬いたまえ！ そうだろう、ペドロ・ラモン師？
.!_ ╋ ﾉ !
ヽ丿━━━━ ヽ/
（ |＾ヽ _＿）
,... -::─::- ....､
／:::::::::::::::::::::::::::::::＼
,:'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
/:::::::::::::;､::::::::::::/ヽ:::::::::,_::::::::::l ……
Ｌ;:::::::::/'' ヽ､::::/、 _ヽ､ﾊ ｀};へ!
｀ ┬' －､ ｀ －､ | r Ｌ...._
,..:lヽ | ・ | | ・ | ',ﾉ::::::::｀ヽ、
,/:::::::`l `- r `- /´:::::::::::_;<ヾ
´'ー--＼、 ｀ - , ｨ´￣｀ヾ´
ペドロ・ラモン（1550－1611）
スペイン人のイエズス会宣教師。1577年に来日。ヴァリニャーノにより臼杵修練院長に任命された
（演者：源しずか ＠ドラえもん）
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ここに奇妙な事実があった。使節が届けた宗麟・純忠・晴信の書簡は筆跡が同じで、三侯の自筆でないのは明白だった
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
, -───- ､
／⌒ ＼
/ ヘ ヽ なにが「正使」よ……
ヽ､（ （ （ ＼＼ ヽ
ト/＾ヽ ｰ/⌒ヽ ヽ |
| |（ﾟ）| |（ﾟ） | | ! 巡察師が豊後の殿様に無断で、使節を でっち上げただけじゃない！
/ ヽ__ｊ ヽ._ ﾉ ⌒ヽ/
ｌ ヽ U （ !⌒＼ しかも手紙には宗麟さまの花押まで偽造して、捺印しているし！
! `ー── ⌒ヽ .__ノ ヽ
＼ ＼ ﾉ ｲ ､ ヽ、＿ヽ
ヽ､ _ー＿ ／ ﾉ |＼
/ ＼.＿／ ﾉ ヽ
/＼／╋＼／ l
| | | |
| | | |
＼ ,, ─── ､ /
／ ヽ ／
─ / ／ ）ノ ）ノ ）ノ
i / ノ- ､ -ヽ | ￣
. !___.| |. /| |ヾ | |
i ヽ (ﾉ - ､ - ´ | そもそも伊東マンショは「豊後王の甥の従兄弟」なんかじゃないわよ！
. ／`-,､ /`─-─ ﾉ ﾉ
∠/⌒j. ヽ､ヽ＿＿ /／i⌒ヽ 豊後国内を さすらっていた卑しい浮浪児を、教会が引き取って育てただけ！
|＿ﾉ ,┴─┴､ |＿ﾉ
| .|／ .＼／ ＼j ＼j | ∫
∫| ! ﾉ ╋ | | ∫
∫ヽ__ ／| |＼_ /
. |＿＿＿＿|
／ ＼
ヽ ノ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
伊東マンショの素性についても、ヴァリニャーノの申告は不正確だった。ただしマンショは、大友の旧主である日向の
大名・伊東義祐の孫である。当時、落ちぶれていたのは事実だが血筋は確かで、その点ではペドロにも誤解がある
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
とはいえ。宗麟と面識のない少年使節が、宗麟が書いた覚えのない手紙で、欧州に出かけて無双したのも事実であった
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＜1587年10月15日付、生月発信の総長宛ペドロ・ラモン書簡＞
, ──- ､
／ ⌒ヽ
/ ／ ）ノ ）ノ ）ノ
ｌ / //⌒ ⌒ ! 日本人からスルーされている取るに足りぬ少年らを、欧州のそうそうたる貴顕……
| / |ﾟ） | |ﾟ）|| －､
Y⌒ ー ､ｰ ヽ|_ｊ | トスカナ大公やスペイン国王、あげく教皇が手厚くもてなしたのは、痛すぎる失策！
ヽ_ ＿ ﾉ ∈ヽ
／ ⌒＼ ///) ／/__/ ﾉ
∠ ノ ｌ` ｰ| |´ / /
￣ / ￣ / ノヽ､/ / ヴァリニャーノは西欧キリスト教世界を欺いたわ！ 通報します！
/⌒ヽ/ /╋| /
l / / |､_ノ
lヽ / |
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ＿＿＿＿＿＿＿＿／
| /
| /
. | |:::::::.:.:.:.:.:.!､;;,丿..........|. |
. ！ |:::::.:.:.:.:.:.:┌￢.............| |
. ,,:┤ l::::::.:┌ー┘ └┐......ｌ |
. ｨ'.:.:.:.:! |:::::::.└ー┐ ┌┘.....| !
!::::::::::! !::::::::.:.:.:.:.:.:| ｌ............l !
. |:::::::::::ｌ .|::::::::.:.:.:.:.:.:|.__」............! ｌ
!:::::::::::ｌ |::::::＿;;;;;;;;;;;;;;;＿::::::|.:.:|
!;::::;;;;;;> ※ｱﾒ､_ .//ﾉ/,ｸ7ｧ┤
Y´| ; |. |〃、_,,ﾆ''〃//､／ﾊ: !'
. ｌ:.l .::'λ !"`＝''" ゞ='',{:.l ・・・という通報が、イエズス会総長あてに届いているんだけど？
l:.| ,:〃.!:.ﾞ､""" ，"" ,!;.|
!:.ｌ; /'ゝ!､:ヽ ,.. .ノ!ｌ:.l 言い訳を聞こうか、アレッサンドロ・ヴァリニャーノ君
. l:.:|〃!|:.ｌゞヾ＞=┬-;＜´|:. !|:.l
. |:.:!/ｌ｛ {::.:..｀ヾ;､.__ﾞｰπi､:.!;'|:.!.|
!;:!l::!::ｌ!ﾊ;::::. ヽﾞ､￣´_ヾｌ |,'ﾉlﾘ|
ﾘｨ'l|:::|l:!::{ﾞ､:::. ヽ!::.ヽ ヽ＼'.:,|: !
ハ! lﾊi|:l::ヽヽ::.:. ﾞ､::.┘└ﾉ:ﾉ:丿
； ` ＿＿, - ､ ・´ ；
： ` ／/￣￣￣ ､) ・ ： ・
・； | / ⊂⊃ i ； ； ・
・ （ ヽ!il|!li|ヽ：'・
i ヽ|!il|li/ヽ ← この件で1589年、「弁駁書」を提出したものの。各方面から猛バッシング
>､ ヽ／ ﾉ
／,"⌒:::::──―-´⌒ヽ､-、 松田毅一氏曰く、弁駁書は「明確さを欠き、問題解決に至らない」との由
／:::::::::::::::::::::::::::::＼╋/::::::::::＼ー- ､
＿＿＿_
,. ‐''"´ ｀ ｰ- ､
／ ＼ ＼
,ｲ ＼ ＼::: : ＼
/ / ! :| :|ヽ＼ ＼:::::. ヽ
,' .:/ .::::/ ,' :,' .::iハ . ヽ:::: :::ヽ:::::. ﾍ ヴァリニャーノが当代の学者にして卓越した組織者であり、
i .:/ ::／ / ::/!: .::,' | |∨:|ﾍ:::: : :::ﾍ:::::::ﾊ
| .:,' ／ .:/ ::/,' :::/ |:.! |:.:| |∨::::::::∧::::::i､ ルネサンスが産んだ非凡な巨人であることは、確かだが……
| .::i:./ .:::::,ｲ ＿/:_;ノ ﾘ l`ｰf‐-､::::::::::ﾊ::::| !
|／:|/ :／,ィ"´／:.:/ / |/'_｣」. i:`: :::::::|::::| |
,ｨ| / ::::::／i,.＞''"ｱiヽ /´::::}`.|:::::::::::::ｌ::::| | 当時ならではの胡散臭い無茶をやってたのも、間違いない
/ | ,'::::／{ rT{::::::::::r ! {:::::rﾘ ∥:: :::::/ﾄ､ﾊ|
{ | {::/::::::ヽ|:|乂､_,ﾉﾘ ヾ之' ,'|::::::::,'. | 乂
ヽ | |,' |::::|::::|｀ﾄ! ''' "´ ､ ﾊ|::::.::i ! `''ｰ‐
ｉ |::::|::::l::::|ﾄ､ /:::|:::::::| ヽ
ﾊ:: l: ::|::::|::::iﾊ ＼ (⌒) .イ:|!:::ﾊ:::::|
∧: !::::i:,.-､｢|∧ ＞ ､ _,. ＜:i::|:::|:::::.ﾍ:::ﾍ
/::::: _厶イ .／ |:.:.|` ｰ-L＞､:::::::|::|:::|:::::::::.`iｰ＼
_, -,.ニﾆ二ヽ
Ｌ. ニ＝‐´＜__
, -√/ , ､ ､ヽ＼
/´/ / lL厶ﾍH､} ｌﾄ、| ま、「ヴァリニャーノによるカブラル断罪を、鵜呑みにすべきでない（キリッ」という、
!| l|ｲ{ lｋ= , =ﾐlﾉｌ И
. ∧l| ﾚﾍ.ﾄ､_{_ﾌ ノ从 l | ＞１の主張は別にしても……足元から造反者が出ているあたりヴァリニャーノ、
| lハ _,ﾉ〈丁:r ､ |
| ﾄ ﾄ､_)つ:ヽ.| | 部下には評判悪かったんじゃないの？
| |l::l￣::.::.::.ノ! |
| jj::.上‐-亠 |
〃::にﾆ-‐t‐'
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
蛇足だが。「密告者」ペドロ・ラモンとヴァリニャーノとの仲は険悪だったかといえば、さにあらず―――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿＿, - ､
. ／, ─── ､)
// / ヽi
|_| ┃ ┃ |
（ ⊂⊃ ヽ
>､ ＼＿_ノ ﾉ .nｍ━･~~~
／ ＼─── ´ヽ､ /)- |
/ ＼╋／ | ￣|＿丿
| ／ | ||
! / ﾉ |
`iヽ__ノ━━━━ヽ､__ﾉ
ヽ､ |＾ヽ､__ノ
￣￣￣` - ′
. ,. ‐ｰ '''' '''' ｰ- ､.
.__,／ . .ﾞ' ､
/ . . _ . ヽ
（ /（ ./ヽ. . （ .＼ . i
. ＼ .（ ヽ ( ´''ｰ-ゝ ｌ .i
i｀.ｰ-ゝ. ´''ｰ-ゝ ￣` i . !
ﾊ. .,'てゝ . .'てゝ .l√l
{ﾊ ゝ_ｿ _ ゝ_ｿ ６ﾉ
. .i ｀ ｀ ヾ ｀ ｀ ィ￣.｀ヽ,
／￣.ヽ、 ー- ,. ' ＼ .ヽ
/ ／ ヽ ,... _ ,. .ィ' ヽ､:l｀' ‐ゝ
,. '´::::::::::::::::::::::::::::::｀ー- ､
／:::::::::::::::::､::::::::::::::::r-､::::::::::::ヽ
/:::::::::::::::::::::::l ＼:::::::/´ ＼::::::::|
/::::::::::/＼::::::/_ l／ r ヽ i:::/
ｌ::::::::::/ / ﾚ' ヽ | l ﾚ|
|:::::::::| | _ ,| , r＝=､ |ヽ 私はヴァリニャーノ師に登用していただき、共にヨーロッパを出発した
|:::::::::| l,ｨ'´￣ ﾉ :::::::::::ヽ |
. i:::r‐ゝ :::::::::::::::::: _ l´ 「子飼い」の一人！ 彼のためなら私、一肌も二肌も脱いじゃいます！
Y ､ ::::::::::::::::: ﾄ､） |
! ヾ ｀ /
／´ ヽ-‐ﾍ ／::＼
＿,／::::::::::::::::::::/ ｀ ヽ､_ ィ´::::::::::::::＼
｀フ::::::::::::::::::::::／,,､_／ 'ヽ､￣￣j´＼_ヽ:::::::::::::::｀ヽ、
￣｀`ー─ '´/´ ヽ ｀７く、 | ｌ ｀iー--─ '´
| ﾄ､ / ╋ ＼|. | ヽ
､ ヽヽ/ _|,. -─ｧ‐ '´￣ヽ
l , -─‐'─ ''´ ￣, -‐'´￣｀ヾ、
Y _,. -‐ '´ ＼
lﾉ ,／＿_,,. ＿＿＿＿ /
（ '´ ￣｀ｰ' ､
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
, ‐ ´ ￣￣ ｀ヽ､
／ ､ ､ ＼
,.'.／ .:/ ;小:.. ヽ:. :＼:.:.ヽ チクった時の、激烈な非難の文書とは裏腹に……ラモン自身は
. //:.:.:.:/.:./:. ./ i ヾ:.:.丶:. ...ヾ:ｰ'､
//,':.:... :.:厶:./- ヽ 弋:.‐＼:.:.:. 丶:＼ ヴァリニャーノに恩義を感じ、忠勤に励む「子飼いの腹心」だった
! |:l:j:.:.:´/ ｨ天t､ ｨ天女､-､:.. ﾍ､:.ヽ
! | :.!.:.:.:ﾊ´ち;;;j ち;;;;j !K }ヽ:.､.! ヽ!
ヽヾj:.ノ小 ｀::::. ' ::::´ ﾊイ: |｀ﾘ ノ ＞１が思うにかれ自身、ヴァリニャーノの企てに関与していたかも？
､_ノｲ:..:.:ﾘ;:ゝ-‐っ ｰ- ｲ:.ｌ::|:. i |
／´/:.:／ ‐＜＞.､ _., .イ_.l:.:ｌ::|:. i |
／＿/∠ ｧ┐l !ﾉーｿﾉl ￣ ヽ､｣::|:. .:i:ﾊ
, ./´ ｀∨イしﾘ / ハ ／ ヽ￣｀ヽﾊ
／ |=＝＝=､∧/ ＞‐/{ヽ‐‐< l l ヽ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
このあたり、往年の碩学・松田毅一氏も「まことに奇怪なこと」だと評しているが―――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
推測することは、不可能ではない……というのも遣欧少年使節の件、宗麟とてまったく気づかなかった
わけではなく。ラモンは宗麟から、問いただされてしまったのである
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
／￣￣｀ヽ､
i |
,r┼､_ _ｌ_
l ヽ､_｀ー-‐'´ノ ） ねえ、ラモン師。どうしてポルトガルに、我が領内の少年らを送り出したわけ？
｀ir'ヽ､_ﾆニ,ﾆ',,､-'
ゞ ﾞｰ‐'~ｉﾞｰi 港じゃ母親たちが泣いて引き留めようとして、ひと騒ぎあったらしいけど
,`!ヽ _..' /_
／l､ヽ､ヽ､＿_,ｨヽ､｀''ｰ-､
, -‐''"| ヽﾆ‐-､｀`r'‐!_ ン i
／ | ヽ｀''‐ｿ╋lヽヾ'､, l l
／ ､ ヽ__ ヽ! l ゝr'7 l |
| ヽ / i /' ｌ i
i' | ヽ--ﾞ=''ﾚヽ'´ l |
＼＼＼＼､ 〈::::::::::::::::レへ:::::::::::::::::/ |::::::::::::;;;;:::::::::::::
＼＼＼＼＼ ゝ、:::::::::| ＼::::::::::| 了:::::::::/-､＼:::::::
＼＼＼、 ､ | ７ﾍフ―-､ ＼:::::| 、＼::::::| ヽヽ:::: （あ、宗麟さまが疑いの目で私を見ている。ヤバい！）
, ｲ //⌒l | ￣ >―＼| | |::::
/ ｒ| / { ・ / ! / /⌒l ヽ |::::
三 | {| { `ｰ' / / ｛.・ | | !:::: え、えーとですね！ それはですね……
三三 | / ＼__ｒ‐-､ { `ー' / ｜::
三三 ∨ {_ ＼＿_／ |:::
三三＿ | /⌒ レ
| ＼＿＿＿＿＿＿_
ゝ | ＼ {
三= ／´:::＼ ヽ ヽ
≡＝- ／:::::::::::::::::＼ ＼／´￣￣￣ヽ | 、__
／／ /:::::::::::::::::::::::::/ ＼ ＼ ＿＿＿,／ ／
_／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
, '´:::::::::::::::;::::::::::::::::::::;:::::::::::::::::::::::::::::::::::',
/::::::::::::::::／|:::::::::::::::, '_l::::::::::::::/ ＼:::::::::::::::!
|:::::::::::::::ﾚ '´l::::::::::/ ',:::::::::/＼ !:::::::::::::| よ、ヨーロッパの人たちに、これから交際の深まる
ヽ、:::::::| , ､.!::::/ u. 〉､:::ト、 ｀ ',:::::::::::|
｀ヽ,::! , ヽ| l ｀' | u. !r'´｀ヽ 日本人を、お披露目しようかと思いまして、その……
/l ｀ | i | ＿ | / |
| ト､_!r=- ､' u. r'´￣｀'::':::::::: l ! l─- ､
i !::::::::: r :::::::::::::::: ' /::::::::::::::＼
／l u. ヽ u. r_ '´::::::::::::::::::::::,＞
/::::::＼ ｨ-‐ 'ﾆﾆｱ ／ ｀ヽ:::::::ｰ-'-´ｧ
/ - '7:::::｀>､ ヽ'､__ノ ／l l--‐' ´
'ー‐イ ｀!丶 .,_ ,. ‐'´ ! |
l | ＿__>｀-'´'´ /ヽ l
/ ,. - '´/ ╋｀ ﾞ ヽ､ / ! ',
_,ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l￣｀ヽ:::::::::::::＼
／:::::::::::::,=､::::::::::::_,, -‐ｿノ ヽ:::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::/ ,r､'-ｧ――――-Y｀ヽ ',:::::::::､l/ ・・・・・・・ふーん
l::::::::::::::::::{ { i' ヽl l ヽ ',::::::::',
l::::::::::::::::::ﾊ ｀ ＼ } l:::::::::}
',:::::::::::::::::::::〉'i ｀´ ヽ:::/ﾉ ま、いいけどさ。母親たちが心配しているし、
',:::::,,..=ｰl/' l ,_ .',:/
＿,,...-t―-<ｰ‐- ,_ ヽ r-､ r'´ ちゃんと無事に帰国させといてね
"´ ヽ:::::::::＼ ＞ ､ ＼ ｀ヽヽ /
＼::::::::＼ ＞= ,,_ ＼ ｀ ｰ/
::::::::::::::::::::::::::::::::ﾏ:::::::::＼ ￣｀iｰ 、 .,' それと君ら、ボクのあずかり知らぬところで妙な企画を
:::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾏ::::::::::::＼＿ | ヽ ノ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾏ:::::::::::::::＼｀ヽ |,r―＜´ 立てる事があるようだけど、報連相はしっかり頼むよ？
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ー―- ､::＼ ｀ｰ-=、＿ 〉
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::t―=＝'::::::::＼/´╋､ ￣｀ヽ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ラモンはとっさに、こう答弁したものの―――何も知らなかった上で機転でごまかしたのか、知ってて嘘ついたかは不明
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
, -── ､
／ ＼
/ ヽ
（ /（ （ /＼ | どうしよう……すでにフィリピンの宣教師たちの中にも、嫉妬もあいまって
｀ｍn ｍn ヽ⌒ ｉ
ｌ ｌ l l ｌ ｌ ｌ !､∩ _ﾉ⌒＼ 「あの使節、胡散臭くね？」と、嗅ぎまわって噂を立ててる連中がいるのに
ヽ jヽ ﾉ ﾉ ＼ ＿ヽ
u |ー| ヽｰ |／/＾ヽ
u | |７｀| |/ /|
| l´|/| / |
ヽ__ ノ|. ヽ＿ / |
,... -::─::- ....､
／:::::::::::::::::::::::::::::::＼
,:'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::', （イエズス会が大友様の信頼を失うことになれば、責任問題だわ！
/:::::::::::::;､::::::::::::/ヽ:::::::::,_::::::::::l
Ｌ;:::::::::/'' ヽ､::::/、 _ヽ､ﾊ ｀};へ! 何より巡察師の忠臣だった私の地位が、入浴マニアのJSのお肌
｀ ┬'Y7ヽ ｀ Y ;ﾍヽ | r Ｌ...._
,..:lヽヽじl ヾじリ ',ﾉ::::::::｀ヽ、 よりもツルッツルのまっさらな白紙に堕とされかねない……
,/:::::::`l `´ r ￣ /´:::::::::::_;<ヾ
´'ーァへ、 ｀ - , ｨ´￣｀ヾ´
,.<／ ｀ヽｧ'´｀ヽｧ'´/ | 先手必勝！ 首謀者ヴァリニャーノを告発しておかねば！）
／ _Ｌ.＿＿/＿_ Ｖ- 、 !
,′ ￣ ` ｰ ､ ＿_ ｀`'′ ＼ ／ |
l ｀ヽ､ ,／ |
` ｰ┬─ ｧ- 、 ､ ﾄJ,ｨ< l
/j. / ｀ヽ_y'^'´ ｌ ヽ /
/ ﾊ__/ / l '､ !
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
, '" ￣ ｀ヽ
/／ ＾ヽ ',
.///f / j ヽ ﾍ !
ノｲl | ﾚﾄ'Vハ斗ﾄ､_＞ とまあ、ありふれた「組織内での保身が動機だったのでは？」
lﾊj |.'て) 'て)|ﾚV
ﾉ火ヽ"V￣}"/ﾞ) { というのが、ここの＞１の推測
// 匸 }>示iくこ八
.// ! / /《小.》｢｀ヽ ヽ
V{ !ヽノ {： ﾄ-ｲｉ }
ﾚl∧く 人__j /八/
／ ｀7´/ l |'´
.`‐r＜/＿_!｣
| / /
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
もともとヴァリニャーノ自身、使節をあくまで私的な場に留め、「帝王の公式謁見は謝絶する」方針だったそうだが―――
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γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
｜ 少年使節が欧州に…… |
乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
＿ ＿＿＿ ＿＿＿＿ ＿ ＿
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|＿ ￣| | |__,| | ＼ .| ○ ○ | ／ | | | |
＿| .l二. | ＿ | |￣￣￣| .|＿__| .|￣￣￣| | | | |
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＼ | |＼＼ | |-'''"`'ｰ-､.| ', / .|､,, ／ ／／／／
.|__,| ＼r''|__|ヽ,.r ・：,/".＼ ∨ ／・：`)"`)／□／□
・．, ＼ｰ'"＼ ；・＼,,.r─''"ﾞﾞ`‐-､/ r''⌒`／ ,--､・／／／,.．
・''"⌒ヽ､ {"∴ ＼ r''`"r､r-'''`ヽ､,, `) ／''"⌒r''"｀` ／r''"
,,.-＼. ／■＼ ∧∧ ∧＿∧ ∧∧ ∧＿∧ -､,,_
．",.r''" （´∀｀∩） (*ﾟーﾟ) （ ´∀｀ ） (ﾟДﾟ,,) （・∀・ ） `・
（つ 丿 とと ./ ⊂ つ（| つ （ つ
（ ヽノ 〜 / / ∧ ＼ | 〜 .| ト､ ＼
し（＿） し'し' （＿_） （＿_） .し'`Ｊ （＿_）（＿_）
……………………………………………………………………………………………………
＿_
／ ￣ ￣ヽ､ こ、これは……想定外のフィーバーぶり！
/ /j ∧ ヽ ヽ
| /ノノ､ ﾉ,,ノ-）丿 実態がバレたら泥船じゃないの。三十六計逃げるに如かず！！
!__/ | （ﾟ| |lﾟ）|l
ヽ丶（ヽ `- ゝ`-´i 〟〟
＝＝＝＝〜ﾞ〜ﾞ〜ﾞ.〜,ﾞ〜ﾞ〜ﾞ〜＝＝＝＝＝＝
∠⌒ヽ､ └┘ イ ヽ
/.ｒ｀_─ ´j┴-￣-j -ヽノ
|＾ﾐj// ／＾l /＼／ / ＼
|＿ノ／ / j╋＾/ ヽ /ﾉ＼
| | i |＾＾＾j= |＼/ ヽ
!､ ／ | |＾＾＾j | | |
￣ ヽ__!＾＾_j＿__| |＿.|
. ＿ /) ￣ヽ_ﾉ (＼/ i
／`-´￣(__) o ( ) ＾i | j
. /＿)＿(__) (__) （_.） （__) ヽ.
（ | `,──､)＿＿,─〜ノ
￣─ヽ| / ／＿＿,─ ´
/ ／￣ ＿
| ´⌒￣￣|￣ ヽ＼
ヽ＿＿＿ ,─┴─ヽ//）＼
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|__j |
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｀－′
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思った以上の おおごとになったことに「怖気づいた部下が、自己防衛に走った」というあたりが、真相かもしれぬ―――
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／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ー─=ァ
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./
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. /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／|.:.:.:.:.:.∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. それはそれとして……
ノ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／ |.:.:.:.:./ jﾍ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.､
`ー=ｧ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／=ﾐ j.:.:.:./斗‐＜.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ ｶﾌﾞﾗﾙ
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ ０ .:.:.:./ ０ }.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾚ⌒ また 私 不在で、話が進んでるぞ！
ノ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ー─‐ /: 〃 ー─‐ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、
'⌒/.:.:.:.:.:.:.:.:.∧i:|:ｉ:ｌ:i:|/ 、ｉ:|:ｉ:|:|:ｌ:|:i:l/.:/ヽ.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ
/.:.:.:.:.:/ ＼.:.:.:.､ ＿_ ノ.:/ .:.:.:.:.:.:.:.i
.:.∧.:.:i トミ.:＞ ´ ＿_ ｀ ＜.:.:.:/ V.:.:/./j
. ﾚ }ﾍ| ／ |: | ヽ.:ﾄ ／ｰ＼ ／i.:./ λ/ﾚ
У ∧j V 〉::〈 从 ｉ ､／!
〈 | i::::::i |:. ／／|
|ー──| |╋ｉ| j}／／─ﾍ
〉ー─‐ﾍ＼ |:::::::| ﾑ／──彳
/ / 〈 ヽ. l::::::::| /´ ｉ |
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
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＿＿＿＿
, - '" ￣｀ ヽ､
／ ヽ ヽ､
/ ヽ ＼ ＼
/ // ,ｲ 小 ヽ ヽ ヽ
/ // ﾉ / /ﾉ ハﾊ ﾄ､ ヽ ヽ ヽ ……おっと、そうでした。ではこの遣欧少年使節が派遣
i // ／ // // ﾉ l| i 爪 ヽ i､ ,i
.| //／ ／ノ＿//__/ i} _ＬLLﾑ､ i.ii ﾄ; されていた時期の、イエズス会内部の動向をご紹介
i ,イ .／,イフ／/／ ﾉ ,lムＬﾊ i i.! |.l
|／i/／ ,ｨｫ,,!ｨｴ亙Ｔヽ ｲ北ﾖT ! i i.! | | しよう。なお、当時すでにカブラルは辞任済みだ
/! i/// { iｨ! { iﾐ斗f!: : i汪it.' i i.i ﾄ､Ｖ
（ | i | /! i ＼! ゞ彡ﾕ' ｀ﾞ'' " ﾊ. /|ｉ /ヽ､_
｀ﾄ､ !' .! ! i !､ :::::::: ｀ ::::/i | .|__Ｖ
l i i i i | iヽ､ `ｰ' ／i i i､ | ＼_
ﾉ i ! .i _i_r | l､ ｀ ､_ _, ィ i i i ﾄ､ ヽ､
//.i .i__／,.ｨ| .| | ヽ､_|＞､ i i i i i ヽ! ＼
/, - ＜､ ヾﾐ | | ,小 }｀ｰ-､ i i i { ｀ ｰ
/／￣ヽ ヾ＼＿,ノへ__ノｨiﾆﾄV ヾ ﾄ､ ヽ. ヽ
/ ＼ヾ､ ｀ー／ ,イ大､ _ゞ il } ヽ ヽ ＼
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1585年12月24日、ローマ―――
――――――――――――――――
/. ヽ
|. |
l ;;,-~""";;;'''-;;;;__
ヽ (,.,;.,〜-ー''''~￣
＼ ／
` ー ─ '
.○⌒＼
∩ミ ∩ミ __l>o<l__ .(二二二) ｡ . .
い,,c'_ﾉ _|__〈ﾊ〉__|_ (；`・ω・） ｡･ﾟ･⌒）｡ ｡･｡・゜ ゜゜｡ ･｡゜.゜::.゜ ゜ ゜゜｡ ･ ｡ ゜ .。 .
. ﾍ⌒ヽﾌ⌒γ |///| |///| / ｏ━ヽニニフ)) ゜｡ ゜･｡゜ ゜.゜･｡゜゜. . .☆ 。。. ﾟ。 + 。
(・ω・ ） ）∽[￣￣￣￣]∽[￣￣￣￣] . 。 。ﾟ. 。 * 。, ´。. ﾟ。 ﾟ
しー し─J彡 ◎───◎. ◎───◎ ＝3 ＝3 ﾟ. ゜ ゜. 。 ﾟ., ,+ 。 ﾟ. ＋ 。
。 o °o 。 o ° o 。 。 。 o ° o 。
＿_ ＿ 。 ＿_ ＿ o o＿_ ＿ ° ＿_ ＿ 。
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＿|田|_|ﾛﾛ|_| ﾛﾛ|＿|田|.|ﾛﾛ|_| ﾛﾛ|＿|田|.|ﾛﾛ|_|田|._| ﾛﾛ|＿_|ﾛﾛ|_| ﾛﾛ|＿|田|.,,傘傘傘::::::::傘傘傘..,,,,傘傘...........
..................................................................................................................................................
,/7
/::::7 ｶﾘｶﾘ
, -‐/::::/ 、
/ /::::/ 丶、 ＿,, -‐
. -‐-､ 〈 ｲ'::::/'´: . 丶ｧ≦｀ヽ
. ´ ', く.l lレ'"￣￣ ヽ ヽ
. ´ ,. ' ￣￣ {_／ , - ､ l |
. ´ ,. '´ トr＜ _)ノ::＼ _} |
,.. : ´ ,. '´ .jﾌ........::::::::::::::::丶---‐＜_ﾉ∠ -‐
〃⌒＼ ,. '´ ’ ／
〈 : : : : : ヽ ,. '´ ／
ヽ、 ' ================================================''
｀ ー------------------------------ '´
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クリスマス・イヴを祝う市民らを尻目に。イエズス会総長が険しい表情で、ヴァリニャーノあての書状を認めていた……
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以下、総長の書状とヴァリニャーノの返信（1586年12月20日付け）で交わされた議論を、
会話形式にして進めてみる（ただし演出上、前後の状況の説明セリフも混ぜています）
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ﾄ､‐-ヽミ._:::::::::｀:::::::::｀ '＜.:::::::::::::::::::::::::::::＼ _.／ ! l::l ＼ ｀ヽ
l｀i::::＼:::::::::::｀:::::;::::::::::::::::::::::丶:::::::::::::::::::::::::::λ _ -‐ / l: l::', 、 ,ﾉ
l::l:::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::/ ﾞ´ / l: l::ﾍ _,ソ´
l::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::'‐‐-.､ ,.rﾘ _」:::ﾍ彡 '´
l::',:::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ;::::::::::::::::::::｀ ｰ--‐ ´::::ゝ' ﾞ´::::::::::::::::l
l::‘,:::::::::＼::::::::::::::::::::, ´:::＼::::::ヽ,､:::::V:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
l::::i',:::::::::::',｀ ＜:::/:::､ミ:::::::ヾ::::ﾊ ＼:∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
v:', ',::::::::::', / ,z=._＼ﾞ ﾐ::ﾍ＼'., i｀::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l ・・・・・・
ヾ::::::::'., / ,〈:x9ﾊﾞ' ＼.＼'., ﾐ;} l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
ヽ::::::ﾍ′l! ';r:;;l:l ｀ﾞ' ｉ j:::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧
|::＼:::ヽ 〈='j {.ｲ:::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧
l::::::::へ、:. У :.:!::::::::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧
|:::::::::::::j｀ ﾞ' :.:|:::::i::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧
|:::::::::::/ :.:!:::::l::::::::::::::::l!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧
!::::::::::ﾞ . .:.:|:::::l:::::::::::::::::l',:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧
l::::::::::::::::::＞.. '´ .:.:.:!::::i!:::::::::::::::::l ',:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ
|:::::::::::::::::::::::::ｉ ｀ .:／|::::ｌ!::::::::::::::::::ｌ ∨::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
i:::::::::::::::::::::::::l ｀ ´,イ|::::l ',:::::::::::::::::', ヾ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾘ
第五代イエズス会総長 クラウディオ・アクアヴィーヴァ
.
. , - ‐ , , イ ￣ ￣ ｀ ‐ -t
ャｰ '´ , ― ― 、 |
. { , イ::::!ヽ::::::::::::::;::::::::::::::::ヽ |
. i ／ヽ;:::::::::!:::::ヽ:::::::!::ヽ:::::::::::::::::＼ ﾉ
／:::::::::|:::ヽ::::!::::::::::ヽ::!::::::::＼::::::::::::::ﾊ ,}
l::::::::::::::::i:::::::ヽ!::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::ﾊ ＼
|::::::::::N::::|ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::l ヽ >
|:::::::::|ﾞﾞﾞヽN;:::::::::::::i::::::i::::::ヽ:::::::::::∧:::::::::::!_ノ
|:::::::::| V:!::::::::ﾄ::::ﾄ;::::::ヽ:::::::::::∧ :::::::! ヴァリニャーノ巡察師、お元気かしら？
|:::::::十―‐ 、Ⅵ:::::十;十弋:::Vi::::::::i:∧:::::::!
|:::::::::! ,ｨz=-. V V:::!;ェ===ュ::ﾄ:::::::::i、:!:::::::!
|::|:::::::! .ぅ;;;;l i:::| j ぅ;;;;;;:Ⅳ. V::::! i::::::::ﾊ あたしよ、あたし。あんたの元学友にして、いまや上役の―――
|::|::::::::} .込ﾘ |/ 込ツ .Ⅵ./::::::::::ﾊ
|::|::::::::ﾊ ｨーⅣ::::::::::::ハ
|::|:::::::::|:ﾄ、 ´ イ:::::::::::::::::::::::::::::!
|::|:::::::::|::| 丶,.. ￣ イ .|::::::::::::::::::::::!::::::!
|::|:::::::::|::| |:::::＞ .. ＜ ＿k-;:::::::::::::::::!:::::|
V:ﾄ:::::::|::|. ヽ:::::::::::ｲ , イ ヽ:;::::::::::::|::::|
. ヽ|ヽ:::::||. ヽ::／／ ｀＼::::|:/
. ヽヽ::::! ╋／ ＼
￣￣￣￣￣￣￣￣￣∨＼＿＿＿＿＿∧/￣￣￣＾Ｖ￣＼/∨＼＿＿＿∧/￣￣￣＾Ｖ￣＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
,.ｨ::'"´｀`ヽ､
／::::::::::::::::::::::::::ヽ おう、誰かと思えばクラウディオか。さっそくだが、お前に
./:::::::::::-/l､_-::::::::::/)
`>~ rｪｭ〕|.| |〔ｪｭ`i 彡 処遇を一任した（※）日本人少年、気に入ってもらえたか？
彡., ´г|.| ﾄ┐i.r､ ir i'
i.iii::::i ii::::l.l l.....l.ll:::l|||::| ∧
.ﾄ .|:lll:::::ll!:::::ll/:::::|/::::l l:::l ,' ',
i`､ l `､ _l:l.l.|ヽ､:::::::::::::::::／.| |_.,i l.､ .,' ',
', `､ .l `､ヽ_l､ `ｰ ‐ '/ l_ ノ rヽl `､ /_ ', ／
', `<'"／////,j ', .ゝr' ／ ／｀ ー､ `､ ｀ .ヽ / /
', ,r/////／＿ `､ ／ .｀ヽ,r .､ i ' , r '`ゝ､./
､ｰ ,,_ ,r'´ ///,／ ,_, ﾐ .｀> ╋ / i,r '´ ヽ
＼ .｀` i i//l ｼﾍ ／‐ 、 ./ .i.`i､､ /
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
※ヴァリニャーノはゴア到着（1583年11月）までは少年使節と同行したが、現地でアクアヴィーヴァ総長からインド管区長
の辞令を受けたため、欧州には同行できなかった。かれがゴアに帰着した少年らと再会したのは、1587年5月29日である
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
___
７_y|
/⌒丶 <_/ /!
／^! ｲ :fｪ´r}l ///'
!: : :L_イr､ ﾄ=tﾃ | ///
|: :/⌒ヽ: |ﾘ ゝく :! .///
|: ﾑﾊr､/___丈c!V｀ヽ. ,.rtｭ'/./
V /: ゝ='╋k}｀ヽ´＼＿__ _,.≠く: / //
}____ム: :r､: :ﾄ':ﾊ:::::::::::｀ヽ.ヽﾊﾉ: :,.-'////
f､__)｀ゝ: :＼｀ {'|::::::|｀ヽ::::∨r'j´ ////
|＼ } }: : : : ヽ_| !:::::j ｝::::! fゝ-'7///
}､: ､! |: : : : : : 〉|::::::| ノ::::∧!:..::////ﾊ
ﾜｰﾜｰ
.∧＿∧
∧ ∧ （;;;;;;;;;;;;;;;） ∧∧ ∧∧
(;;;;;;;;ﾟ )（;;;;;;;;;;;;;;.）∧∧ (;;;;;;;;;;ﾟ）(ﾟ *;;;;;;;) ｽｺﾞｰｲ
ﾉ;;;;;;;;;| |;;;;;;|;;;;;;|（;;;;;;;;;;） ﾉ;;;;;;;;つ |;;;;;;;;|
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
ヽ:.:.:.:.:.:.:/::::::::::::::::::::::::::/＿.￣￣!::::Ⅳ::::::::::ハ::::Ⅳ::::::!::::::::::':.
|:.:.:.:.:.|::::::::/:::::::::::::::/て二ﾐﾒ､ |:::/ !:::::::::/ l::ナメ.:::|:::::::::::::::.
ヽ:.:.:.:|::::::/:::::::::::::::イｲo:::じ! |/ :|:::::::/,≠!/=､､Ⅵ:::::::ヽ.:::::.
＼|::::/:::::::::::l::::/ハﾍ:::l l!。 ' l::::::/ 兀::::::乂 !ノ::::::::::入::::.
/::/:::::::::::/:::/ とつ￣｀ /:／ ol! じク' /:∧:::::::::! ヽ.!
／::/:::::::::::/:::入 ::::::::::: ／, ｀⊂⊃/片:::!::::::,' ﾘ
／::,イ:::::::::::/:::八 ┌─- ､_ :::::::::: /ﾊﾉ:::::!l:::/
＿_,.xく::::,/::::::::::::::/:::/:::::ﾍ. |:.:.:.:.:.:.:/ /_.ノ:::::::||:/ ああ、その件？ 最高よ。敬虔で従順、善徳で思慮深い！
_／::::／/::::::::／:/:::/:::::::::::}ヽ. ヽ:.:.:.ノ ,ｲて:!:::::::}イ
:::::／:::/:::::／::::/:::/::::／￣l! ＼ . ＜:::|:::::::|:::::::{ 彼らは大変なものを……あたしのハートを盗んでしまった！
イ:::,x'::::／:::::::/:::/,イ: : : (人. ｀ __. ＜:入:::::::::!:::::::l:::::､:ヽ.
..{:::ハ:,':::::::::::/::::/_/: : ヽ: : : :ヽ. _ イ⌒: ナ‐､|::::::ハ::::ﾄ､::＼
人{ ﾍ!:::::::/!:::::仁: : : : :＼: : : :ゝ-╋ : : : : : : {: : }ハ::::::::|!:::::} ＼:::} もう、がんがんプッシュして応援してるんだから！
￣￣￣￣￣￣￣￣￣∨＼＿＿＿＿＿∧/￣￣￣＾Ｖ￣＼/∨＼＿＿＿∧/￣￣￣＾Ｖ￣＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
,.:::''::´::￣::`:::.、
／:::::::::::::::::::::::::::::ヽ て
/:::::U::::::::::::::::::::::::::::::} （
l:::::::::::::ゝ－－－－ ι
|::::::::::::） ◯ ○ （ そ、そうか。喜んでくれて何より（なんだろう、この胸騒ぎ）……
,ｌ::::::::::::η ||||||| ゝ
ゝ---η. ||||||| ゝ
/≦ ヽ .| | ≧ それはそうと盟友のお前が総長になってくれたお陰で、おれも伸び伸びやれるぜ
{ l l |* *| | l
{ .l l .|*╋ | .| l 日本巡察の時に就任の連絡が届いていれば、もっと思い切った改革が出来たのにな
/ l l | * | l l
l ---l l-- -l l
| ｀^^ ｀^
.／ /::::::::::::::::::::::::|i＼MiiiiiV:::::i:::::::::ｉ :::::::::::::::::::::ﾊ
!:::::::::::|::::::::::::::|. V::::i::::::::::i::::::i::::::::::::::::::ﾊ
. |::::::::::::|::::::::::::::|. |::::i:::::::::∧::::!::::::::::::::::::ﾊ ……そう言われて、本題を思い出したわ。ねえ、アレッサンドロ
|:::::::::::::|::::::::::::::|ー- ＿ !:::!:::::::::ハ::::|:::::::::::::::::::ﾊ
⌒|:::::::::::::|::::::::::::::ﾚ==ュx T:ﾄ|::::::/‐弋Ⅳ::::l::::!::::!:::!
|:::::::::;-|::::::::::::::|{:;;;;;;;::ｉ ,ﾘ !:::/;ェi示V::::i::::|:::::|::| あんた、カブラル布教長を更迭して日本の布教体制を刷新した
|:::::::/,ｲ::::::::::::::|ぅ;;;;;;:ﾘ |:/ ぅ;;;;:i |::/::::ｲ::::ﾊj
. /::::::::ヽ.|:::::::!::::::|. 弋ツ / 弋ツ |/:::::/Ⅳ! んだってね。あんたの新方針「日本諸事要録」も、受け取ったわ
/::::::::::::::::|::::::|:::::::| , /:::/:! /
:::::::::::::::::::!::::::!:::::::| /:|/::::|
:::::::::::::::::::|::::::|:::::::|ヽ. ´ ｀ .イ:::::::::::::| こっちも忙しくて、ついさっき読み終わったばかりだけど―――
:::::::::::::::::::|:::::::!:::::::! ＞ . イ:::::::::::::::::::::|
::::::::::::::::::::!::::::l::::::::! ｀ ¨´ﾄ;:::::::::::::::::::::::::|
::::::::::::::::::::Ⅵ:::∨:::! / ヽ ;:::::::::::::::|
￣￣￣￣￣￣￣￣￣∨＼＿＿＿＿＿∧/￣￣￣＾Ｖ￣＼/∨＼＿＿＿∧/￣￣￣＾Ｖ￣＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
：,.:::''::´::￣::`:::.、：
：／:::::::::::::::::::::::::::::ヽ：
： /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}：
： l:::::::::::::ゝ－－－－ ι： 「ついさっき」？ 今更かよ！ あの著述は、おれの代理人を少年使節より
： |::::::::::::） ◯ ○ （：
：,ｌ::::::::::::η Ｕ|||||||U ゝ： 一足先にローマ入りさせてまでして、お前に届けさせたってのに……
： ゝ---η. ||||||| ゝ：
： /≦ ヽ .| | ≧：
： { l l |* *| | l：
： { .l l .|╋ *| .| l：
：/ l l | * | l l：
：l ---l l-- -l l：
：| ｀^^ ｀^：
jI斗 ──＜
／///////ノ}／}ﾐh､
//)＼/_｣Ｌ∟Ｌ｣_／]ノ心
}h､ィi }ニニニﾆﾉ ≧=‐/ﾊ ま、過ぎたことは仕方ねェ……
|i/ﾆﾉ⌒ ￣￣｀`〜､、> ≫/,
|{／r {i:i:} {i:i} ｨi{ ./≫/, それより聞かせてもらおうか、お前の見解を（ドヤァ）
|〉 |〉 |ｉ| |i:i:| |i:i| ∥i:} /////｝
|∧ .∧〉 !i| |i:i:| |i:i|∥i|＼/^7＼'/} /|
|/∧ .//∧ !i| |i斗f七Iてj{ /＼/＼ //|/|
|//∧ .///ヽ∨'" `'＜' ＼/＼ .///|/|
l＼ jI斗|///∧,'////,＼㍉ / / ∨/ﾊ .////|/|
∧'/＼／////|////jI斗ｆｾﾆ二}j{{⌒≧=‐' / / }/／) /////|/|
/ ∧'//,＼////≧≦＼_=_=_=_=!从 ' {i ／／( |〉 //////|/|
∧////＼/////／=}=_=_=./ }〉 j{ ／／_=_=≧s｡,,_! ∨///// |/|
. //∧///／///／_=_/_=_=_/ / ∧╋ j{ {_={_=_=_=_/////|/∧/////,|-=ミ
///////////／_=_=/=_=／ /' _j{ ＿ {_={_=_=__//////|//∧-‐=≦///〉
j`'＜///// ／=_=_=/_=／_､+''"~⌒ヽ ／ ~"'{_={=_==///////!///∧//////∧
. / `''＜/_=_=_=_=／'" ,ｨ( У ＿⌒＼/=/_=__////////|////∧////〈 ﾟ｡
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|.:.:i.:.:.:.i.:i.:.:.:.:.:ト',<ﾆ> /_,ｒ'´| /i.:.:.:.:.:|
|.:.:i.:.:.:.ｉ.:i.:.:.:.:.:|`ﾍ, /.:.:i.:.:.:':.:i.:.:.:.:/'|
|.:.:.i.:.:.:i.:i.:.:.:.:.:.| .` ､ .'~` ／.:.:.:.:i.:.:.:.:i.:.:.:/.:.:|
|.:.:.:i.:.:.:i.:i.:.:.:.:.:.| ` ､ ／.:i.:.:.:.:.:.:i.:.:.:.:i:.:/.:.:.:.:|
=≡≡二＝≡=二≡=≡=≡=二≡=≡≡二＝=≡
=≡ ≡二＝
≡= 批判させてもらう。実に憂慮すべきことだわ =≡
=≡ ≡二＝
=≡≡二=≡≡=二≡=≡≡=二≡=≡二＝=≡＝
,.:::''::´::￣::`:::.、
／::::::::::::::::::::::::u:::ヽ て ━━┓┃┃
/:::::U::::::::::::::::::::::::::::::} （. ┃ ━━━━━━━━
l:::::::::::::ゝ－－－－ ι . ┃ ┃┃┃
|::::::::::::）u ◯ ○ （ ┛
,ｌ:::::::u:::η ||||||| ゝ
ゝ---η. （_'ﾟ ≦三 ﾟ｡ ﾟ
/≦ ヽ≧ ≦三三 ＝=-
{ l l -ｧ, =- 。
{ .l l ｧ, ≧=- 。
/ l l≦｀Vヾ ヾ ≧
l ---l l-- -l l
| ｀^^ ｀^
.
,.:::''::´::￣::`:::.、
／┛┗::::::::::::::::::::ヽ
/:::::┓┏::::::::::::::::::::::::} ＼人_人,_从人_人_人,_从,人／
l:::::::::::::ゝ－－－－ ι . ） なんでだよ？ （
|::::::::::::） ◯ ○ （ ／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ
,ｌ::::::::::::η ||||||| ゝ
ゝ---η. ||||||| ゝ
/≦ ヽ .| | ≧
{ l l |* *| | l
{ .l l .| ╋*| .| l
/ l l | * | l l
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| ｀^^ ｀^
￣￣￣￣￣￣￣￣￣∨＼＿＿＿＿＿∧/￣￣￣＾Ｖ￣＼/∨＼＿＿＿∧/￣￣￣＾Ｖ￣＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
,／ ￣ ー 、
, _- 、 ,_ ／ _ ｀^ ￣ ヽ,
／ 丶丶.イ .:^ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ 、 ./
_ _ノ ,i＜丶.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:.:.ヽ.:.:^丶.:.:.:.:.:.:.:.ヽ l
l , イ.:.:l.:.:.:.:＼.:.:.:.:.:.:.｀ヽ.:.:.:.＼.:.:.:ヽ.:.:.:.:.:.:.:.ヽ,ζ
,ﾉ ´.:.:.:.:.:.l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..ﾞ.:.:.:.ヽ.:.:.:.:.:.:.:ヽ)
／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ.:.:.:.:.:.:.´ _
l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ.:.:l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:.:｀ ｀ヽ、 すでにカブラルから、あたし宛てに直訴状が届いてるわ
l.:.:.:.:.:.:.:.:l.:r ヾ ヾヽ:lヽ.:.:.:.:.:.l ヽ.:.ヽ ..:.,ィ.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ.:.:.:.:｀ ノ
.l.:.:.:.:.:.:.:l.:l ヽ.:.:.:.:l ヽ:V^ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ )
l.:.:.:.:.:.:l.:.:l 丶.:.:l ∠ ヽ_z=-tヽ.:.ヽ.:.:ヽ.:.:.:.:.:.｀ﾉ ´ 言いたいことは色々あるけど、とりわけ「注意と助言」の
l.:.:l.:.:.:l.:.:l￣ ‐-z ,＿ l.:l´ ,イﾃ:::::::::::::l ヽ.:.:ﾍ,:ﾍヽ.:.:.:.ヽ
l.:.:l.:.:.l.:.:.{ _,z=ｨ ﾘ ﾓ;;;;;;;;;;L .V, ヽi ヽ.:.:.:.:ヽ 項が問題。日本の礼法への順応を指示し、日本の仏僧
.l.:l.:ｲ:l.:.:.ヽ-イ::::::::::l .} ) λﾉ.:.:.:.:.:ヽ
}.:l:l.:l.:.:.:.:.} ﾏ;;;;;;ﾂ" ,＿,ノ.:.:.:.:.:.:.:.｀ , の階級制度を真似ることまで、やっているじゃない！
l.:l.:.:|.:.:.:./ " ﾉ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,.:.ヽ
.l.:.l.:.:.:.:.:.ヽ , - .、 ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀,ヽ:ヽ
l.:.:l.:.:.:.:.:.:.:.ヽ, ヽ .ヽ ／-,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀, ヽl あきれて、ものも言えないわよ！
l.:.:l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.丶 _ l,＿ -‐ イ l／ ￣ ￣/ヽ 、.:.:.:.:.l
l.:.l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:￣ ,r-l´ ／ /.:.:.:.:.:.:.ヽ,/
l.:lヽ.:.:.:.:.:.:.:λ.:.:.:.:.:.:.:.:.:／ / ／ /.:.:.:.:.:.:.:.:,ーゝ
ヽ:ヽヽ.:.:.lヽ:ヽヽ.:.:.:.／ l ╋ /.:.:.:.:.:.:.:./ ヽ
厶'´ ／ゝ/ | ＼ ＼ ＼｀｀ヽ ~ヾ ／
> ／;;{ / ./＾＼7l ＼ ＼ ` |
（ ／ /! / / 丶ﾍl. ＼ ＼ |
廴」〃ﾉ / '! l.::. ∨ﾍ ヽ _j
＼/´ |. /l＼ l:::/! 〉 | `､
,/i 斗: ト､ﾍゝ |/／! / !:. ',
/ ./ /|:.:. .|＾ヽヾﾒ/-‐ﾊ! /i ｌ::::. l
／ ./7 /::|::: l | 1|::| / ｌi' イエズス会員は、名誉や権勢より
/ / ﾚ::::::|:. ｌ ｌ ! ﾒ!::::k l l|ｌ
/ ⊿ :.:.:.:.:.:._|:. l| lー-L_ | /ヽ::l::|_,＿l´:. .:|:::. |ｌ 屈辱にこそ、甘んずるべき―――
. { /:::} .::／|´|:: !| l:l,斗♯≧vx､＿ﾆ/ ./| /__|;＿≧<|.ｌ .|li:::. /
│ハﾒイ:.:.:.:| |: l| il￣l〈小ﾒﾞcﾇゞ /／ .| ,/ィ代ofl/l /| ./）}:: ./ j 異教の階級をコピーするのは、危険な行為だわ！
ﾘ ﾚ/:.:.:.:.:| |:| || .::l |.弋彡_ｿ |/ .辷_孑!;l〉|│ / ｝//
∧:.:.:.:.:| |::| /:| :ｌ | _ﾉ│/ /;l./
/::::ﾐ:.:.:.:.:| |::i:|:::::| ::::.l ﾄ､ ､ , ィ ∨ /::::y
|:.:.:.:ﾍ:.:.:.:| l::lj:.:.:.! .:::.X l:..l`:::..._ ;ゝ , . ‐"´ |∠i:.:.:.::| ……あとさあ
|:.:.:.:.:lﾍ:.:.:| ｌ:::::::::|l ::::::|l:l:.ﾍ 丶､` ' ‐ T │ /.:.:.:/
|:.:.:.:.:.|:::. | ｌ:::::::::|ﾊ:.:.:.:||j ,ハ ヽ '´￣/ .| l:.:.:.Y|
|:.:.:.:.:.{:::::. | ﾍ::::ヾΛ::::| ｀ ﾍ / | l::::/!ｌ
i|.:.:.:.:.ヽ;;;.V ＼:`､ ＼| ﾍ. ╋/ | li/;;;;ｌ
＼:.:.:.:ゞ;;;| ヽﾍ, _ﾚ'＾＼!V/ゝへ、 | ｌ/;;;;ｌ
.
_,/ :.. ::.::::. :::::::::.. ::.. :::::爿
弋ｌi ::ﾄ〃1::::..:::::::::ﾄ､:::::::.::::::i
|ｉ :::|_＿ l::ﾄ:::::::|i:l_,.ゝ:::::::::::l
jl .::::l ＿_`i} V::j斗ぅﾃiﾄi:::::::| カブラルと見解をおなじくする在日イエズス会員たちからも、
ｌl ::::Ｔてテ| |/ ヾ'シl ﾄ:ｌ}::|
|l ::::ﾑ ｀=' f＾ヽﾉ:::::| あんたのやり方への強い非難が巻き起こっているわよ？
|l :::::｀ヽ、 -‐ { {:::::::/!
|ﾄ ::::::::::::::＞ ､.__,. ィ:ﾊ L:::::j
Nl:::ﾄ､:::ﾊ|:ﾚ7 `y〉 ヾ -､ その手紙の束を読まされるだけで、こっちは頭痛が痛いんですけど？
ヽl _>'´ | 〃＿_/_ / ,ヽ
／! 「｀ '７{ ＿__）{_ / ,ﾊ
/:::::l l ╋/ ＼__, -､. ￣_/::ヽ
{:::::::l l / ヾヽ Ｚﾝ::::::::::｝
……………………………………………………………………………………………………
＜在日イエズス会 陳情団＞
＿＿＿＿＿＿＿ ＿＿＿＿
l l | i
.l原則主義にYES.l |適応主義.i
.l l ○､ | i
(三}＿＿＿＿＿{三} 〉 〉 .-ｰ-| .にNO i
l l l l .rｰｰｰ､γ⌒ヽ'≡≡ f ．．!mn----nm r＝＝、
_______ /.l l / / iﾉノ ゞ i ’Дf ． ．i弋 Д/ /γ￣￣` i ゜Д゜j
f jjjjjjjjjjj/ ,l l f￣￣ヽ/ / r t ‘ｬ‘jｰ､ ノi Д j ( ノ （ ノノ人ヽ i＼∨ ＼
jjjqﾟАﾟjj. /...l ゝjｰ=,二ニ= i i__ i .i＿ヾ＿ ヽ＿i い、‘o‘丿ヽ i ＼ i＼＼
γ(三} 〈 Y ヾ￣￣ji ┌∪ｰ----ｰ∪ｰ∪---∪-------ニニ∪ニ∪-ｰｰ∪ｰ-ｰ∪┐
∨ / .｀. ..i ヾて i | l
t i | カブラルが正しい。ヴァリニャーノの新路線に反対！. l
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
さよう。おそらく九州の派閥ではあろうが……彼らはヴァリニャーノより、長年、現場を共にしたカブラルを評価したのだ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
_ イィ::::::::::::::ヽ､ |::::::::::::＼::::::ヽ:::::::::::::::ヽ ＼
.／ ／|::::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::＼ !:::＼:::::::::::::＼ ヽ
/ ／::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::＼::N:::::::ヽ ＼
/ ／::::::::::∧:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:ヽ::::::ﾍ ＼ あんたよりカブラルの方が、部下の信頼が篤いみたいね？
Y:::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::.::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::ヽ .ハ
. {:::::::::::::::::::::ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::i:::::::::i::::::::ヽ:::::ヽ::::::∧::::::ﾊ ノ
|::i:::::::::::::::::i ∨::::::::::::::::::::::::::N::::::N:::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::! .ζ" つらいわー、人望もないのに妙な「改革」を押し付けて現場
|::|:::::::::::::::| ∨:::::::::::::::::::::::|_メ:十弋¨::::ヽ::::::::::|:::::::::::::|γ
!:|::::::::::::十―‐十i::::::::::::::::::::| ｀;:| ∨:::::!:::::::::|:::::::::::::ﾄﾉ をかきまぜちゃうアイディアマン気取りが居るとつらいわー
!:::::::::::::z| .|:Ⅳ:::::::::::ｲ:i ェ===ュ:V::∧ :::::ﾄ ::::::::::iヽ
. |:::::::::::::|::| xｨｾ示示V::::::/ ﾘ fぅ:;;;;::::ﾘ弋:::::::::j i::::::::| ヽ
. |::::::::::::|:::{ {ぅ':;;;:i ヽ:::| 弋z;ツ Vﾊ::;{ ) .}::::::| ヽ ましてそいつが同じナポリ人で、盟友ときた日にはなのだわー
. |:::::::::::|:::∧ .弋沙 ヽ .}八::レ´::::::::! .i 丶
|::::::::::::|:::::::｀ ./-::ヽ:::::::::::::! ノ￣｀
|::::::::::::|::::::::八 ｀ ./:::::::::::::::::::::::::|´
|::::::::::::|:::::::::::::＼ ‐‐- ／|::::::::::::::::::::::::::ﾊ
|::::::::::::|::::::::::::::::::::丶.. . イ |:::::::::::::::::::::::::::ﾊ
|::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::丶 ＜ |::::::::::::::::::::::::::::ﾊ
￣￣￣￣￣￣￣￣￣∨＼＿＿＿＿＿∧/￣￣￣＾Ｖ￣＼/∨＼＿＿＿∧/￣￣￣＾Ｖ￣＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
,.:::''::´::￣::`:::.、
／:::::::::::::::::::::::::::::┛┗
/::::::::::::::::::::::::::::::::::┓┏ チクショー、カブラルとそのシンパどもめ！
l:::::::::::::ゝ－－－－ ι
|::::::::::::） ◯ ○ （ いいから俺の話を聞け、クラウディオ。全ては必要あっての深慮だ！
,ｌ::::::::::::η ||||||| ゝ
ゝ---η. ||||||| ゝ _＿ ＿
x≦ヾ＞ ､___ ＜ｲ≧x 二＿_） 三 ）
,'´｀`｝';';';'!* *!';';';'／ ＿ ￣
｛::::::γ"ヽ|*╋.|';';';{ ＿ 二 ）
`ｰ-,〉ー'j､_*__jijijij 三＿） ￣
７::::::::,云､:::::::ﾍ
／:::::::ノ ｀ヾ::::::ヽ /ヽﾞ /ヽﾞ /ヽﾞ /ヽﾞ
{:;;;;;;ソ ｝:;;;;;i
`ｰ'′ `ｰ''′
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
カクカク |￣￣￣￣￣|
| 説明中 |
|＿＿＿＿＿| シカジカ
, ノ ､ 、||
l（● ●）| ||
■ □ ■ □ ■ □ ■ □ | (_人_) | || □ ■ □ ■ □ ■ □ ■
ヽ ノゆ
/ ╋ ソ
|| 「
（| |
し Ｊ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●
●
●
ヽ》y´: : : ∧ハ::.＼ｌ＼i＼:.:.＼ /
／/:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.丶:.:.:.:.:.ゝ>
〃:.:.:.:.∧ |/|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｌ＼ ふーん……ま、あんたなりの道理は分ったわ。ひとまず適応主義とやらの採用
《､ｌ:.:.:.:.:.lkvゝ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| r《
|.:.:.:.:.:.l |:.:.:.:.:.:.:.:.､:.:.:.:.:.:|.:..:.:.|/ を許可します。でも聖書の精神と会憲を守り、行き過ぎが無いよう制御しなさい
|:.:.:.:.:.:|＿＿.| |:.:.:.:.:.ｌ:.:|＼:.:.:l:.:.:.:.|
ｲ:.:.:.:.:.:|＿＿_. |:.:.:.:/≦＿卞:.:.:.|:.|
|:.:.:.:. ¨弋.歹ﾘ/|:.:/ f !アﾗｧ|::/:.:.|
|:.:.:.:.:.:.| 辷ﾙ / 弋斗ｌ |/::::ﾒ| （こいつには85年始め、全東洋における最高責任者の権限を与えたばかり……
|:.:.:.:.:.:.ｲ､ ' ￣ ,/:|::::::::::l
|:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ､ ＿ ｲ:::l:::::::::::| 不具合があっても、当面はまかせるしかない。登用した私の立場もある―――）
|j|:.:.:.|::::ﾊ:::::::＞‐ - r.:´.:l::::::::.::::::/
lヽﾊ::::| |::_,-ﾒ､_ 人:::|:::::j:.:/:/
ﾍ|／/ |ヽ /ヽ‐'ヽ/ ｌ/
rｌ ｌ'´ ＿ヽ, /＿ >､
/::::|ヽ､ { >{╋}￢ } /:::::::|
|::::::::|::::......人,_ィl´ lヽ _/丶､_/::::/:::
￣￣￣￣￣￣￣￣￣∨＼＿＿＿＿＿∧/￣￣￣＾Ｖ￣＼/∨＼＿＿＿∧/￣￣￣＾Ｖ￣＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
, ----、
/,;;;;::::::::::.ヽ おう、東洋は俺にまかせとけ！ むろん助言を汲んで手直しはする
{;;;;;;;;:::::::::::::}
..L;;;;;::::::::::::｣ （ふう……危なかった。総長がマブダチじゃなかったら こうは行かねえよな、やっぱ）
..幺 , ￣予.
(,ﾆi＿_ﾍ＿. iﾆ,)
!::::::::;;;::::::!
L_｣´｀L_｣
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ヴァリニャーノはかなりの長文で弁明にこれ努め、方針の部分的修正にも応じた
とまれ彼がカブラル以下の批判勢力を圧倒し、東洋で長期政権を維持しえた背景として、総長とのコネは無視できない
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
|;;;;;;;;;く久ｨ ' '' ‐- ､,
|;;;;;;;::'''´ /l／ｌ_ﾉ' /ﾊ,､
|;;;;// /／ ' そりゃそうとイエズス会がマカオの商取引に関与している件、こっちにも
ムｲ ｲｌ:::.. '
七庁l / ／l/_ l::::::::￤ 悪評が届いているわ。あればっかりは、取り締まらせてもらうから！
l / /ｌ / l´lhj`ｌ::://
/l てl/ ｀'' ､::::|
l l ∥ ｌ _ ,ﾉ::ｌ
ゝl /..:ｌ ｀ _ _,.....:.:::::ｌj ,ｨz=ミ、
ヽ /ノﾉヽ ｌ_::::/ｌ::::/ｌﾉ rl fﾑ>〉::::} ……了解だ
ﾍl ,/､ |ノ ' . j｣ ＿ _〈勿くこi
l/´:::::::ヽ ヽ ＿ 斤夭f批｀}_)￢＜_ノハ 〉 （くそ、これもカブラルのチクりか！）
:::::::::::::::::::>､ {[╋ 〔_7 7{ f⌒ヽ＜ﾆミｰ个z≦升/
ｌ:::::::::::::::/:::i:/:::ｨ} /i/ィ.人 / ￣｀ヾｱr‐'￣￣￣￣l__
_r≦ニ∨/f∧Vな≧{ /＞ ミ辷ノ r――こi〕ト、/
/∠V⌒7 /｀ヽ l ﾄ毛vﾉ __l-（ ＞--ィ＼三ﾆ三ﾄ､ﾊ
{ｲ{ 〕C// 〉ifﾊ (⌒Y´`{/=)ﾆ≧ニニ{‐{≧===ヽ} 〉
. Vﾄ个-く ｼｲ/｀fこrヘ>ｲ＝＝〉⇔ﾑV{斗z∠ ﾉｲ/
`＜ニ＞ ' ｀ ー==｀ ー‐＝＝＝' ＜ﾆﾆ＞ '
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
-‐ ￣￣ ｀丶、
／ ヽ
/ / /〃/{ { ヽ ｀ヽ. ∧ しかし一方でアクアヴィーヴァは、上記やりとりで明らかなようにカブラルと同じ
ｌ / /斗/ハ ｨｰ‐ 、 ∨ l
{ { ﾚﾃく ヽi>==、＼ ヾ│ 原則主義者だった。日本を追われたカブラルがその後も東洋で重きをなし、
乂l f r'ﾊ r'ﾊ 7ﾊ＼ﾘ l
.八,}弋ｿ 弋ｿｿﾉ ） 八 最大野党として反ヴァリニャーノ派の重鎮たりえたのも、その為だろう―――
ノイ }ゝ" ｀_ "" { {´ 丶＼
／ ,＞‐r＜_∧!＞､ ＼丶
, -‐" ! ヽ{>ﾛ<ﾌ〈. | ＼
// ／ / y ゝ { ;ヽ ,ｉ 丶.ヽ
{八 〃 ﾊ { ,.-'‐!、 }_ = ゝ、__i、 }ヽ } }
)/ ヽ（. ヽ人,i' .,. i' ｀ﾞゝノヽl_ ヽ! ヽjｲノ
" ｀ / / ゝ,.| l __.!,ｒ'/ ｀‐´ "
/｀ V ｌ .,′´´
｀ｰ'′ ├-/
￣
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
いずれにせよ……バテレン追放令は「カブラルの時代」ではなく、「ヴァリニャーノの時代」の事案である
勅許を未取得なまま、意欲的な布教に走って目をつけられた「過失」の一端は、彼にも求め得るのではあるまいか？
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
にも関わらずヴァリニャーノが評価されるのは……彼が確立した「適応主義」が、現代のインクルトゥラツィオーネ（異文化
理解）理論の先駆者として評価が定着したこと。またそれを指針とした中国布教で、彼の愛弟子が名を残したことにある
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＊ _
＿r＠))ヾ_
┼ /:::::::::::::::::::彡ミ､ ×
/ `ﾐ彡l 「中国ミッションは見事な成果を上げている。
＊ |/ 丶 ﾉ彡|
| ┃ ┃ lﾐ彡ﾘ + 人間業ではなく奇跡のように見える」
/ ⊂⊃ ）`6 l''
. （＼_＿／ ,-′ （1603年11月12日付、総長宛書簡）
ヽ ＿＿＿ ／::ヽ ＋
x /:::::ヽ::y/::/:::l:::::ヽ
|::::|::: ::╋::/::::::|:::::::|
･･････････････････････････････････････････････････････････････････････････
|i / ,: |. ＞ｭ´
{li ヽ ,.´ _＞メ彡´
_ lュ /-ｭ( ／彡´
＼｀ ＜ _＿ _ ヽ7､,ｨfi圭笊笊圭ﾐｘ､ ／7´
ヽ｀ ー -=z...､｀ ＜ )ヽ/!>＼z圭圭圭圭ﾐ 0∨ /7´
. ∧ 丶｀ｭ､ ｀ヽ ソﾐ主ヾ､主主圭ﾐ ∨ｭ /7 _＿
∧ ヽ:::::∨ } ヽﾐ主主ヽ7､主主 ○彡ﾐ7ヾ／ _ ｀.....､
. ヽ }:::::::∨ ,ﾞ-< ＞- ､ﾐ主7圻lil .| /7__Z ／/￣￣￣ ヽ
＿＿＿＞ ､ ＼::::::ヽ/ ) { ( l! ＼ヽ7､__}:○lメ , ,).::::ﾞ ／￣
━- _ ＞- 一-ﾌ . / ｀ <｀ヽ､ ゝ､ヽ /. ／}.:::ﾞ ／
-=＝ ／ .∨ _/ ゝ-ユ,,,,,, ) ,ﾞ /ノ{＿_ ノ
/ 7 ∨/ ヽ ゝ -=＝:｀:::::/∨ﾐ彡ﾈ＼ _
ノ / { l -=ヽ ゝﾐx､ ,z彡 /´｀ー ﾞ { ｀
／ ./ ∧ γ´! ﾐ /´ ヽ i_l! { ､ ＼
彡´ ｿ 7 ∧ l／｀ヽ､ ﾐ l .! |ｿ ヾ ､ ヽ
ノ / / }ミ､ ´ｿ! , ∨､ ､ ヽ ゝ
_ノi /. / / l}::::::＼ l! . . ∨ヽ ヽ ヽ
／:::::::7 / ｿ / ﾘゝ､:::::::::::ヽ l ﾞ. }l {::ヾ´:...､ヽ ∨
:::::::::::/ / | |! /＞t -ｭヽ＼ ﾞ. l| ゝ:::::::::::::::::ヽl､ ∨
:::::::::/ｿ l l ./ / | lゝ ヽ i , } l }:::::::::::::::::::::| } l
::::::::::::{ / ﾘ liﾘ＞､｀, ー ┴.┴ - ＼ヽ } j .| |!:::::::::::::::::::::l ﾘ
::::::::::::ﾈ l } ( ﾉ/ ヽγヽ/ ヽ ゝj . / i }::::::::::::::::::::: ←儒者の服をまとい、中国人信徒に孔子や
::::::::::::::∨ { ﾘ､ ゝ ノ ゝノ ゝノ ／ヽ // lﾉ ﾄ l::::::::::::::::::::::|
::::::::::::::::∨ ∧. l::::::＞ .､ ╋ ＜::::::{ 丶ｲ. } ::::::::::::::::::::::::! 祖霊への崇拝儀式を容認して信徒を増やす
マテオ・リッチ（1552－1610）
イエズス会宣教師。イタリア人。アメリカの雑誌『ライフ』に、第二千年紀
（1000年-1999年）の100偉人の一人として選出される
（演者： 妖霊大帝オドローム ＠ドラえもん）
, '" ￣ ｀ヽ
/／ ＾ヽ ',
.///f / j ヽ ﾍ ! その意味でヴァリニャーノが「歴史上の人物」となったのは、不当ではないが―――
ノｲl | ﾚﾄ'Vハ斗ﾄ､_＞
lﾊj | ○ ○ |ﾚV
ﾉ火ヽ"V￣}"/ﾞ) { ヴァリニャーノによって否定されたカブラル路線のほうが、「じつは日本でのサバイバルには
// 匸 }>示iくこ八
.// ! / /《小.》｢｀ヽ ヽ 適していたんじゃないか？」、という疑念が、ここの＞１にはつきまとっている……
V{ !ヽノ {： ﾄ-ｲｉ }
ﾚl∧く 人__j /八/
／ ｀7´/ l |'´
.`‐r＜/＿_!｣
| / /
,, - ´￣￣￣｀ ､
,. ´ ヽ、
／ 、＼
ｨ´ / ヽ ヽヾ;ト､
／ / l r i 丶 ', l;| ＼
／ / / ,l l ﾄ､ i ', !l;| ヽ
/ / ,' / / / ! ! l l ', ! l };| ﾞ ､
ノ i j ! l , ィ＝=､! ;l |l_L=＝- ､l ! |;| i ',
/ l ｌ | ! 〃 / / _ | ﾊ l !| ヽ l＼| l;;| } l i
l /| | ﾊ l ;'≠ニヽl l ヽl ﾘr z==x､ﾊ } !;;| l l', l
ﾚ' ! ﾘ ', '､ lｲ /:::::ヽV ｲ/:::::ヽヽ〃 ﾒ,l;| i ! l !l えー、でも……
l ∧ ハ、l ﾄ;::::::r} ト::::::ｒ} / /｀l;|/ |、 l ﾘ
', / l;|｀| N ゞ--'′ ゞ＝'' / i_ノl;| lﾊ l
', / !;l ! ﾊ／/〃" 丶 ´" // / ,'l ｌ;| / l ,ｲ
V l;'ﾊ l ゝ ., ､ ,' / ,ｌ l;;l/ ﾚ'|;l
!;l !l'､ |ヾ≧ｭ .,＿ , イ-i / / ｌ/l;;l l;l
l;;l ﾘ ', l＿∨lr‐/ゝ_;;／ j ん-─‐|;;ﾄ､ l;|
|;;! ／〆｜ ￣, - 'ｨ天ヘ、 l ,' ,´|;;| ヽ__,､|;l
l;;lイ / ! l ／／¨//,'Ｙ ,ﾍヽ| !、 : |;;| ＼},|;|
z以 i ! Ⅳ/／ // ,' l ! ヽｌ ハ ,' 以 / ﾊ
∧,,∧
∧ ∧ (・ω・ ) ＜定時だ、定時だ
(ω・ ) 日⊂ ﾉ三
｜ Ｕ 三 u-ｕ
ｕ-ｕ
∧ ∧ ∧ ∧
( ・ω) ＜どこ飲みに行く？ (ω・ )＜和民でよくね？
｜ Ｕ 三 ｜ Ｕ 三
ｕ-ｕ ｕ-ｕ
･･････････････････････････････････････････････････････････････････････････････････････
-‐::::::::::::::::::::::::::｀丶、
. ＿＿＿__／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
＼::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i::::::::::::::::丶
｀”7::/:::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::
. ./::/::::::::: /::::::::::::::/:::::::::::::: ﾄ､::::::::::::::::::::
. /::/::::::::: /::::::::::::::/::|::::::::::: / V::ハ::::::::::::i
. ／::::′::::::/::::::::::::::/::: }::::::::::/ -‐┼‐‐}::::::::::::|
. _／:::::::／:::::::′:::::::::}/:::::/::::::::/ ｌ_ |::::::::::::| なっ？
. ｰ‐‐个ｉ::::::::ｉ:::::::::::::/:::::/:::::::; /⌒ヽ |::::::ｉ::八
|::|::::::::l::::::::::::′:/::: ／ 丶 ,ノ |::::::|::::::::＼
. ﾉ::|::::::::|::::::: /i:::/}／ | | | 八: |:〔￣￣.
. _／:::::|i:::::::|::::::/ }/ ′ ! !／i::::::::{::::＼
. ￣i::::|| :::::|::::::込 r――┐ イ::::::|:::::::::::::::::::＼.
. _／}: 八:::::{ハ{::::::≧ └――┘､:::::::::..|::::::::::::::个ｰ-.
ﾉ:::::::::＼{::::}_ノ⌒i ﾞ 、 .| Y＾V:{_::::::::::::: |
_／:＞‐… ＼ / { ＼__／ .| ∨＼:::::::::廴_＿
-‐ｧ{ / ‘， ／ : i＼ | ‘， ｰ，:::::::_:ノ
./:::| ./ ∨ ﾄ╋:{ V _〉 / V〔
/::::::! ｝￣￣:/ ､|: : :.| / '√ .′ {:::＼
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
=ニ二二ニ=
, -―- 、
/⌒Y / ､ ﾍ ヽ
. ,ｲ /l i!_/iハ!Tﾄi､ N. |
i/! i /! | l/r=､ r=､i/.!ハ! あえてボクがつっこんでおくよ！ カブラルって伴侶だった日本人修道士に
iハi! ﾚ‐ﾄ､''┌┐''ﾉﾚj.i! i!
i! i! l ‐､ﾉ)ｰ＜_ i! i! 逃げられたり、離れていった通訳に分派活動されたりしてたんだってね！
i! i! .`ﾄ.ｲy 〉-､:i、i. i! i!
i! |`ｰ '￣ ::::::}| i!
i! |:::`ー:::::::ｰ'.| i!
./:::i三｀ー' _ﾉ
/:::::::`ー'￣ヽ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
さよう。厳格なるカブラルは、ハートマン軍曹が訓練兵に嫌われるかのごとく、日本人の弟子に疎まれた
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
カブラルの通訳として二度の畿内巡察に同行した日本人ジョアン・デ・トルレスは、カブラルに不服を抱き離反してしまう
カブラルはかれを連れ戻すのに、大いに苦労したという（なお後年の1612年、ジョアンは不服従ゆえ除名されるに至る）
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
∧＿∧
('（‘∀‘ ∩ アディオス、カブラル！
ヽ ╋ 〈
ヽ ヽ
ヽ_ヽ＿）
／ | ‐┼‐ | ,，::´::::::::::::::::::::::爻女
`, |, (ﾌｰ ..!.乂__／:::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾆ三≒
| ＿ ' ./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::=ﾆ≒
| ―‐､ / '::::::::::::::::::::::::::::::::::::}ﾊ::::::::::::::ニき
i ノ 水}./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::; ';:::::ﾑ:::::-=キﾆ=
ｊ つ l′:::::::::::::::::::::::::::::::::::;'´u}::/ }::::ニ代二
`､ _l:::::::::::::::::::::::::::::/}::::: 斗匕ハ ;:::::::‐|::::≒
＼,､-‐-､/i |::::::::::::::::::::::::::/ ,':::/ '才≡ミ}::::::::::|:::::ニ
ヽ ::::::::::::::::::::え_/::/_, ゞ==彡 :::::::ﾆ|:::::三
/::::::::::::::::::::／´ / ´′ ¨¨⌒７::::::::-|::-トﾆ
/:::::::::::::::::Y( {Ｊ. r=== ､ , ｕ/:::::::::::::l::ﾆ{二
_厶イ::::::::::::::{:::＞:...|lliiiiiiiill| ..イ: /:::::::::::::::汽キ=
i{ ::::::::ﾄ､:::::::::::::r}｀ ´{、/:::::::::::::::/::::ｷ≒
八::::::::| l|:::/:／{＼_＿_／}/:::::::::::::::/:::::::キニ
ヽ斗rビ7 {＼{///}_ ,::::::::::::::::;ｰｧミﾆｷﾆ
/V∧ i{ 人 Ｖ╋ /:::::::::::::::/ / ≒ﾔ=
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
また天草で四年間、通訳として奉仕していたある日本人はカブラルに解職を願い出て、聞き入れられたのだが……
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＞+:‐: ´:￣: ￣: :`:'￣:l.､＿＿＿,／
／: : : : ／: : : : : : : : :/ : : l: : : :く‐´´
/: : : ／: : : : : : : :/: :/: : : : l: : : : ､:＼
l: : : /: : : : : : : : :/: /l: : : : ∧ l: : : :ヽ: :ヽ
/: :/: :/: : : _,:_∠Ｌ､:::/: : : /::::l l: : : : :ヽ: : ヽ
l: /://: : : : :／::/':::::/: : : /::::-H､: : : : : lト､: ヽ
l://://: : : ｲミ土=､_/: : :/:::::::::l∧: : :l: : :l ｀ヾ､
l/: :l l: : : ｲ:llo:::::::/:::/://:::テﾃヵl: : :ﾊ: : l （キリシタンの教義や説法の、かなめとなる内容は会得した……
l: : :l: l: :/.:l.:l し: 」:::::l/:'::::::P::::/'/l: : :l:N: :l
. l: : : W/: : N ､ `‐':::l::l: : lN V 教会で下働きを続けても うだつは上がらないし、ここらが潮時か）
. l: : : : :ﾊ: : : ト､ ー= ノlﾊ: :ハl
l: : : : : :､: : : 「ﾌ｀‐- ,､-┬:Ｔ´: :l l/
. l: : : : :,レ､: : :ヾ､ /､｀Y/:l:l: : l すんません、わたし通訳やめます
/: : :rﾆミミヽ: : ヾ､-─┤ `┤: : l
/: : /￣＼ヾヽ: : :ヾ､ ╋l ll: : l
/: : / ヽヾヽ: : lヽ l /l: : l
/: : / l ＼ヾ､: l ヽ l //l: :/
/: : :l l ハ ヾ､l､､l l////l
､ ＿ ＿ ＿
ゝ:::: '´:::::::::::::::::::::ヽ､
／::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/:::::::::::::::::::i:::::/､::::::::::::::::ヽ、
〃::::::::::::::::::|::/ ヾ:::::::::ﾍ::::＼ ……許可する（でもなんか悪い顔してんな、コイツ）
ﾚ:::!:::::::::::::/|/ ､＿ i:::::::|、∧￣｀
ノ::::|:::::::::::/ /. 〈●〉:::::.|ﾉ::::∧
´￣i::|::::::／ ､_,､_,"""j::::/:::::::::::ﾍ
/:::|:::::/⌒l _ _, イ／ ::::::::ﾄ､ﾍ
/:::::|::/ / .|三/ /／￣ヽ:::::i ヽ
/:::::::|::| l ヾ╋ / ヒ二彡,:::::|
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
彼はそのあと、一週間で小さな分派を作った。そのグループは、やがて千五百人にも達したのである
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
r-
＼｀Y⌒ヽ、
ヽ /
r┴─┴x
〉二二二}
├‐/⌒ | /ヾ、
│,ｲ ＿x‐──z r─‐' ｀一 ﾉ)
-─一'.└<´ .: .: ＜二￣ ＼ 〈/
. x- ´ .: .: .: .: .: .: .: .: ｀ヽ.: .: .: .: .｀. ､ } ﾄ､
／ . .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: | .: .: .: .: .: .: ＼ (し'´￣｀ヾ__)ﾉ
／ .: /.: .: / : .: .: : :|.: .: .: .: .: :ﾄ､.: .: .: .: ｀ヽ＿＼ ｀
/ .: .: /.: .: /.: .: :|.: .: .|| .: .: .: |.:.:| ∧.: .: .: .: .: ＼￣ ＿人＿
.: : :/.: .: /.: .: .: |.: :. 八.: .: .: | |:|/ 〉.: .ヽ.: .:＼:.＼ ｀> <´
. .: .:/. .: ://. : ＼|.: :/ ヽ.: :/: |ﾊ /ｲ∧.:.ﾄ､: .: }＼:.ヽ '⌒ `
. : :/.: .: : /.: .: .:./|｀>‐-､ ∨.:./少彡' ∨.: Y.:.|
.:/.: .: : /.: .: .:./ .!/ ￣|.:/ ≦三三 { : : |.: |＼ キリシタン説法を聞きたい者は、この指とまれ！
.: .: .:{.:|. .: .: /三三三三 l/ ・ヽ.:.＼| .: ＼
:.: .: .:N .: .:.∧ ノﾘﾅ ,ィ ハヽ.: .: .: .:.ヽ バテレンに頼るまでもない。私が説いて進ぜよう！
.: .: .: |.: .:/.:.:.＼イ彡' ／｀ｰ'＾ | ／:./ ).: ハ .: }
.:∨|Y´|.: {.: .: .: .ヽ { _.ﾉ_,イ Y／⌒Y }:ノ
.:∧| ゝﾍ.:|>､.:＼.: ＼＿ﾞ＞イ´｀Y i ﾄ､.八＿＿〉
.:∨. .: . |.:|.: .＼ :＼.: ＼＿__≧≠ﾉｲ }イ二二ミ、
.:/.: .: .: :|.:|.: l: .:.＼.: ￣￣.: .:｀ヽ╋二 ノ￣￣｀Y
./.: .: .: : :| : : |.:八イ｀ーx＿.: .: .: ￣￣｀ヽ j
: .: .: .: .: .: .: |/ /{:|∥/ ￣￣￣￣｀ヽ) /
: .: .: .: .: .: .: | / |:|::∧ /
: .: .: .: .: .: .: | { |:{/ ＼ ／
. ／ ＼／
＿／ ＿_ ＼
ヽ _ -‐= ¨¨ ￣￣/ | |￣＼ ＼
＼＿ -‐=ﾆ ￣ / |＿| l} ＼＿＿}
jﾚi厂}ﾄ､ﾉ| l| |
/ 人 V| lﾄ､ │
/| ｲ （i) }ﾊ/ | } ,
/ / / /j/ ｌ| | /
/ ／ ヽﾄN jﾚiｲ| l j/
l /／ ,│|l｢|｢ l |│ |
/| /l/ | ||│ | |ﾉ lﾄ､
/│/ j／＼＿＿ l | / | ＼
. { l/ / / ｲ l l| ヽ
／＼ ∧ /| / i ／ l| l ﾘ
/ ヽ / ∨/ |ﾄ､/ |_／ ﾄ､l| ′
∨ V l|__{ ﾉ ＼ l ﾘ ／
―――――――――――――――――――――――――――――――
分派の人々は彼の説教を求め、教会に属することを望まなくなったという
―――――――――――――――――――――――――――――――
＿＿＿ _＿
｀二ニ=､｀Y⌒r＜:´.:.|:.:｀ミ":.､
,,ｨ彡:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./´:.:.:.ヽ:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
-‐≦＿:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.ｌ:.:.!:.:.:.:.:.ヽ:.:.ｌ:.:.ヽ /⌒＼
／:.: :.:.:./:.:.:/:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽｌ:.:.:.:'. / }
/:.:. . .:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/;:.:.:.:./i:. . . . .ﾊ:.:.:.:.i l l
/:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:./ .!::.:.:.ハ/:.:.:.:.:.:.ﾍ:.:.:| | ｌ
/／!:.:.:.:./:.＞|､;_:.:／/ |:.:.:.ﾚ'´V:.:.:.:.:.:.:i:|:.:| | |
/´ .|:.:.:/:.:.:.:.:.|:.:.x≧､ |:./ ﾊ∧:.:.:.:|:i:.:| | |
|:.:,':.:.:.:.:.:.:i:ﾏﾃ示ﾐ､ ﾘ' ,,ｨｚ≦|:.:V:.:|:|ヾ〉_| ﾄ､
ィ≦|:.:{乂:.:.:.:.|八{ﾄ_jさ. '" ･ﾉﾘ:.:V:|:|:／ ､／ )
, -‐＝ニ三ニ{{:.|rx,-､,‐､ .〉ゞ‐′､'_,ｒ‐､／／￣｀ｰ´ / ' ｀ヽ
〃:.:.:.:.:, -―＝ニ三ゝY､_,､_r!ﾍi|||}}ﾊ } ／:.:./ _＿ 人＿ノ }
/{{:.:.:.:.:〃:.:.:;..-‐=ﾆ:／(二二二二}}||}}ノ／:.:.:／乂ノ//／ヽ＿､ (＿,, }
./:.:.ヾ:.:.:.{{:( ／:.:.:.( てノﾉヽﾕ:/ ／:.:人( /// ｀ｰへ､＿ノ
,':.:.:.:.:.:.)／ヽ)／:.:.:/:.:.:.:≧/￣｀ヽ､|||/ (:.:.:./ ) ///＿＿＿, ノﾉ )
|:.:.:.:.i.::{{ ,:':.:.:.:.:./:.:.:.:へ/ ／ﾉﾐ|/≦)/ ＿＿ | | |＼ ／ ／
|:.:.:.:.i:.:.ｉ /:.:.:.:.:.:{:.:.:.:ﾉ .乂_／／-||i´ ｀＞ ゝ＼.＼ ヽ- ´／
人:.:.:.ｉ:.:.|/:.:.:.:.:.:.:.{{＜＿＿彡'´∠ ╋＿／ / ＼ ヽﾆﾆ.／
＼:ｉ:.:.|:ｉ:.:.:.:.:.:.:.:ヾ;.;.;.:.〈,､､／.／ /-､ ｀ヽ. /. ＼_／
ヽ:.|:V´￣￣〕!|_!|二ミ／ ./ / ｀ヽ､∧ /三ニﾆ=‐-- ､.
. ﾞ|:.| 〔!|_!| /´⌒⌒ / ﾊ_V:.:.:.:.:.:.:.三二ﾆ=､＼
ﾍ;| ､_ }|_!| ／ / / ｌ } |:.:.:.:.:.:.:.:ﾐ:.:.:.､ ):.)
| ｀Ｙ〉ﾐ / / ｌ ｌ ｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ／"
ﾄ==ニﾆ|､===/､ ./ ｌ ｌ ｉ￣￣￣￣｀ﾞﾐ:.:.:＼
| |.￣ﾌﾆﾆﾆ/ﾆﾆﾆﾆ|ﾐ=､.__|ﾆ} ):.::)
| | ￣￣｀ﾄ――‐'ﾃﾐﾆ='￣ ／／
. ｌ ｉ | / ／"´
ノ∧∞∧ ∧∞∧ ∧∞∧ ∧∞∧
（ ´∀｀ ）〜 （ ´∀｀ ）〜 （ ´∀｀ ）〜 （ ´∀｀ ）〜
（ つ つ （ つ つ （ つ つ （ つ つ
ノﾉﾉﾉﾉﾉ,ヽ ノﾉﾉﾉﾉﾉ,ヽ ノﾉﾉﾉﾉﾉ,ヽ ノﾉﾉﾉﾉﾉ,ヽ
（＿（＿_） （＿（＿_） （＿（＿_） （＿（＿_）
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
カトリックにとっては異教徒以上の脅威にして、最大の悪夢……異端の萌芽である
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
. ＼/////////// ／/////////////////////////|/// |//////////////////∧
. ￣￣￣￣￣////////////////|///////////∧///|/////////////////// | あ……あいつ！
///////////＾|////_|/////////// V/∧////////////////// {
//////////,/ |/ /´ |/////////厶斗 jｆ´ ∨////////////////∧ 恩を仇で返すとはッ？！
////////// / | /､ |///////// | |//////////////////∧
. //////////_,ｨ'´￣ﾚ＼ヽ |//////ﾊ/／ | |////////////////////＼＿__,ノ}
. |///// /////l! ヽ |/////,| '|レ'´￣ j厂＼|///////////////////////////
|//// |////{ | 〔i〕 j}∨////| / |////////|/////////∧////／
|///{ |///∧ ∨///| 〔i〕 |////////|//////////∧￣
|// j/////i ｀ﾐ=--=彡,ﾉ ∨//,| /|////////|///////////∧
|/| |/////| ｢ ∨/ | ｀ﾞﾄ､＿＿／ /////////|////////////∧
|/l |/////{／／／ ＼ { ￣￣￣////////// /////////////∧
∨ /////圦 兀二二二入 ／／／ //／////// ///////////////∧
//////l/∧ | } ＿＿ ヽ } /／ |////// /////////////// //＼
. ／//////l'///＼ | |／ ／￣￣V ／ ｲ///// /////////////// ∧///＼＿
／////// ／////| ＼ ＼＿＿ _／ -ｧ´ |////￣j厂￣￣＼////////∧￣￣￣￣
. ＿／///////／//////| 丶 ￣￣￣￣ イ //// / ／ ∨///＼//∧
. ＼///////／//|///ﾊ/,| / ＞ー i´ ／ //// ／ ／ ∨////}'//∧
￣￣￣l'///∧//{ }/ / | /￣ヽ //// | / |/////ﾄ､//∧
. |/ ／ | ∨,{ / │〈 │ / } //／ | |/////,l ∨/,|
|//|￣| ∨,{ | ＼ |／|＿＿∧ /／ | | j'/////| V/|
|/ ∨{ ヽ| ／ │ | ╋│∨／ ――‐┘ | /￣|///| ∨
γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
｜ ククク……ざまア無いな、バテレンよ |
乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
＿l ､ ＿ ＿ ＿
＼ ゝ:::: '´::::::::::::::::::::::＞ ､
＜ /:::::::::::::::::::::::i:::::/､:::::::::::ヽ、 そ……そういう貴様は！
／ 〃::::::::::::::::::::::|:::/ ∨:::::ﾍ::::＼
ﾚ:::!:::::::::::::::::/|/､＿ i::::|:::∧￣｀
ノ::::|::::::::::::／ / 〈◎〉||:.|､:::∧
´￣i::|::::::／ ､_,､_, """ |:/ﾉ::::::∧
,:::|::ﾍ ゝ._） ,:/:::::::::::::::ﾍ
/:::|:::::/⌒l _ _, イ／ ::::::::ﾄ､ ﾍ
/:::::|::/ / .|三/ /／￣ヽ:::::i ヽ
/:::::::|::| l ヾ╋ / ヒ二彡,:::::|
／＼ ＼ ＿
.／＼＼ ＼ ＼ ／＼.＼
／＼＼ ＼＼／ ／ ＼ ＼.＼
／ ＼＼／.／￣ ＼／.／
／ ／| | | ￣ .＿ ￣ ＿
／ ／／| | _|＿＿＿ ／ ＼＼ ／＼＼
＼／／ .｜ ＿＿＿|＿| ＼ ＼＼ ／ ／ ／
￣ .| | | ＼ ￣￣￣ ／ ／
. | | | ＼＿＿＿.／ ／
. | ＿|／
/⌒＼r＜Zｖ‐-… ‐v=＜⌒ヽ
/: : : : :|| ｒ'彡: : : ⌒ヽ : :Ｖム＼: i
. : : : : : || ||彡／: : : :ｲ : :｝ﾏ|| ||: |
i: : : : イ|| ||／: : : ／/ : /: :.:}| ||: |
|: : : :|ﾉ ||__|ト,／≠-/ : :ィﾊ: :}| ||: | 見ての通り、商売がたきの仏僧―――
|: : : :| ┗|() ｝弋ケﾒ／ｆｹ'作≠┛:|
|: : : i| ｀爪 ｀¨ 丶 ｛ﾌ|:.:|: : :|
|: : : || ｿ| ＼ く フ イj |:.:|: : :| 大名を取りこむ改宗政策では良いようにやられちゃったけど、
|: : : || γ⌒ミへ ＞＜r-=ミ{|:.:|: : :|
|: : : || | }V-､＞-｢ ＼ V:|:i : | やはり血縁者なき異国での布教。脇が甘かったようねぇ……
|: : : || | } | ＼ | ヽ V:| : |
|: : : || Fﾆヘi_} | ｢ { ___ Ｙｚﾍ: :|
ｒ-､ |: : : || |二二| / 卍 ｌ ﾏ¨¨ ｝ﾆ∧:|
__,ィ｀- ）: : : || |二二|イ ｌ Ｖ |⌒ﾆﾊ!
（二つ ｢≧ﾆﾆミ二∧ ｌ ｌ |ﾆﾆニ|
Lつ,＿ノ|二二二Ｙﾆ{ ｝ ｌ ｌ |ニﾆｲ|
└''| ///|二二二二/ /へ ｌ ｴ］ |ﾆﾆ/|:|
|///ﾉ二二二／ /／ ｌ |(ｌ⌒{ﾆ|:|
＼_≧ﾆr=tＴ´／ ∧ ｌ | ト,|:|
|: :| : ﾘ /ﾍ /__i∨ |ｰr┘:|
|: :| ／ ＼ /i｢ | |｢´| : |
＿|／ ＼ / | !| ／|i ＼:ﾘ
/ ／ ／ / ＼/／ ||/ ﾊ ＼
｀｛ ／ / / | | | /
＼//＼＿_/ ／ 7_＿｣ i| |／ 〉
∨ ￣＼＿＿／(￣|_＿＿|Ｌ／|／
/ ／ ￣ヽ |
/ / ', |
/ / ', |
_＿__
／⌒￣￣￣ ／
＞‐= ´ ‐-ミ -‐ ´
/ ミx:.､ _＿__
〃_,..A…‐- ,, ＼≫x"ﾏﾊ
,' { / ＼ ｀ ∨ ＼ ヽﾏﾊ
ﾉ_｣ /-=彡 }＼ ﾏiヘ ＼ ﾏﾊ
{￣ j/ xｘｘXＸＸ : .＼ ﾏﾊ ｀ ｰ-ヽ》y〉 ラテン語の知識もろくにない通訳に、説法の大事な部分を
j ∧ | ＼. ﾏﾊ ∨
｛､＿ ノ {{∧ ｜ﾉ7＼ ∨∧ ＼ 惜しげもなく教えるやり方で布教すれば、こうなるのは時間
{ ∧∧ |7//7/ヽ厂 〉 ＼
', ノ ｀¨i .厂￣ i/.:／∧ の問題だった……下剋上は、日本の風土ぞ！
丶 j/く￣￣: :く///∧
､_＿__ ヽ`ー--ヽ//∧
ヽ-‐=ﾆ二￣二ﾆ､ ∨///∧
x≦⌒＞-ﾆ三_＿__彡ヽ∨///∧
> ´⌒ ｀込､ . : . : . : . : . : . : ヾ､'///∧
,' 卍 込､. : . : . : . : . ',. :. . ',＼//∧
i 込、: . : . : . : .}::i : . ', ヽ'/∧
rﾍ ／: : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ ／::ヽ
／:::::l ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼/:::::::/:＼
i:::::::::／: : : : : : : : : : : : : : :: : : : : : : : : : : : ＼::/⌒ヽ
l:::／: : : : : : : : : /l: : : : : : :lヽ:＿: : : : : : : : : : :li: : : :ヽ
l/: : : : : : -‐‐-/、l: : : : : : l'"ヽ: : ￣: : : : : : : : :l: : : : :.',
/l: : : : : : : : : :./ ｌ: : : : : :l ',: : : : : : : : : : : :l: : : : : :',
/:.l: : : : : : : : :./ ',: : : : : l ',: : : : : : : : : : :li: : : : : :.',
ヽヽ /: :.l: : : : : : : :./ - 、＼: : : :レ- ヽ: : : : : : : : : li: : : : : : :.', だから我ら仏僧は弟子に寝首をかかれぬ
/: : : l: : : : : : :/ ／⌒ヽ ヽ: : l ／⌒ヽ＼: : : : : : :l.l: : : : : : : :',
// ,': : : : :l: : : : : :ﾊ ＼l lヽ: : : : :,' l: : : : : : : :.', よう、少なくとも二十年は秘儀を明かさぬ……
,': : : : : :l: : : : :,':⊂二⊃ ' ⊂二⊃l: ヽ: : / l: : : : : : : : :',
ヽヽ i: : : : : : :l: : : :,':::::l ＿＿ /: : :.V l: : : : : : : : : ',
l: : : : : : : l',: : iヽ::::', i7 ヽ /l: : :/ l: : : : : : : : : :.'
. l: : : : : : : :! ヽ:l ヽ:::lヽ ヽ / ／ l: :/ l: : : : : : : : : : ',
l: : : : : : : :l. `! i::::l__.＞ .._ ` ‐ '" ／l l:/ l: : : : : : : : : : :',
l: : : : : : : : l l::::::ヽ‐‐､ l ─ '" l.＿ l: : : : : : : : : : : ',
. l: : : : : : : : :! ￣￣￣/: : l ,!: : ヽ l: : : : : : : : : : : :',
ｌ: : : : : : : : :l i: : : l _.. ノ: : : : : ヽ l: : : : : : : : : : : :.',
l: : : : : : : : :l ／l: : : /`Yヽ: : : : : : : : /‐-- ..＿ l: : : : : : : : : : : :
. ｌ: : : : : : : : :l _.. -‐ ': : : l: : :/::/ ヽl: : : : : : /: : : : : : : : : ヽl: : : : : : : : : : : :
l: : : : : : : : :.l /: : : : : : : : : l: :/:::〈⌒Y::l: : : : :./: : : : : : : : : : : :l.l: : : : : : : : : : : :
ヽ､_,人_,ノ､_,从,人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､ﾉv1人.ｨj､
）
‐=､´ 日本の既存宗教の駆逐を急ぎすぎて、足元がおろそかだったわね！ ざまあｗｗｗ
）
, '⌒r‐v'ヽｨ'⌒Ｙｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､!ｙﾍ!ｿ､ﾄ､
::::::::::::::::::::::/ ./::::: .......::／ -──- ,,,_: : : :／:::::::::'' : : : : : : :/: : : ￣ヽ
::::::::::::::::::/ /::::::..:::::::／: : : :...::::::::::::,,,-‐.×: :: : : : : : : : : : ::/.: : : : : : : ＼
:::::::::::::::/ .|:::/::::::::/: : : :...::::::::,-‐'': : ::/: : : : : : : : : : : : : /,:::::: : : : : : : ::
::::::::::／ .|/:|:::::/: : : .::::::,／: : : : : : /: : : : : : : : : : : : :∠,,|_:::: :: : : : |: : :
::::／ヽｰ-,,,,,,!'''''''-、.:::::／ _,,,,,,: : : : /: : : : : : : :,／ ::／: : : |:ヽ ::: : : .|: :
''' ヽ/ ∨':/､=''''￣ヾ､、.|: : : : :／／_.／: : : : : :.|::::: :: : : /:: : :
/ .|.. 'l:/: : : : : : : :ﾞll. |: ::／／-'''' : : : : : : : : :|::::::::: : :/::: : :
.| .!、. .ヽ: : : : :.|／: ´: : : : : : : : : : : : : |:::::::: : :/:::: : :
ー─‐.| : : :ゝ,,,_::::::人 ,ヽ、 .: : ニ=＝=、: : /:::::: : /::::::: :::
、/'｀'''､ : : : :|:::::::l:,´/: !、 !、::＼ l| : /::::::::／:::::: .l:: :
,.l ヽ: : : : ＼:::|.|/: : ヽ ｀ｰ,,,__,＞ :,-、: :.'':/::_,,:-''::::::::::/.|:: :/
ヽ: : : : :＼|_: : : : :ﾞ､_ l:: ＼./:::::::::::::/::::／:::|: /:.|
.＼ . : :..!: : : : :, : :ﾞ'''''ー-,,,/ﾞ'''' -､,,,,＿ ヾ ﾞｰ-,,,,,:/_／:::::/／: |
＼ : : : : | : : : : : : : : : . . ｀l:::::::::|、 ￣ ,-‐-､-、＿_ヽ、::::::/ｲ: : ::|
. . .＼: : : /: : : ,,,,,_: : : : : : :,,ノ: : : : ::l＼ /＼: :|´.. ＼:::: : : : : |
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.. │//////////////=ミ､|///////´￣￣jﾉ|/////////| i ヽ
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__Ｖ//│//////,{ l ﾋc' |/// / ｰ' ｲ/////∧//j ＼＼――――┐
. / ∨ ∨///// |とつ-イ// ミﾆ=とつ|'///// i// ′ ／⌒´￣￣￣＼
∨//// ﾄ､l{ ﾚ' ヽ ＿r'⌒ヽj｢| //// j/ / / /
. ∨//ﾄ､| 〕ト {⌒￣⌒´ ノ'´ ///// / / / /
. ∨/| ＞ ｰ----＜ ///// ＼l / 〈 / / /
――――――――――――――――――――――――――
そう。カブラルは気づいたのだ……「下剋上社会の危うさ」に！
――――――――――――――――――――――――――
, ‐ ´ ￣￣ ｀ヽ､
／ ､ ､ ＼
,.'.／ .:/ ;小:.. ヽ:. :＼:.:.ヽ
. //:.:.:.:/.:./:. ./ i ヾ:.:.丶:. ...ヾ:ｰ'､ 内戦が続く日本社会では身分が流動的であり、昨日の庶民が
//,':.:... :.:厶:./- ヽ 弋:.‐＼:.:.:. 丶:＼
! |:l:j:.:.:´/ ｨ天t､ ｨ天女､-､:.. ﾍ､:.ヽ 今日は大名。無論その逆も、頻繁に起こる。宗教もまた然り！
! | :.!.:.:.:ﾊ´ち;;;j ち;;;;j !K }ヽ:.､.! ヽ!
ヽヾj:.ノ小 ｀::::. ' ::::´ ﾊイ: |｀ﾘ ノ
､_ノｲ:..:.:ﾘ;:ゝ-‐っ ｰ- ｲ:.ｌ::|:. i |
／´/:.:／ ‐＜＞.､ _., .イ_.l:.:ｌ::|:. i |
／＿/∠ ｧ┐l !ﾉーｿﾉl ￣ ヽ､｣::|:. .:i:ﾊ
, ./´ ｀∨イしﾘ / ハ ／ ヽ￣｀ヽﾊ
／ |=＝＝=､∧/ ＞‐/{ヽ‐‐< l l ヽ
..................................................................................................................................................
ζト､ 〜 _..x≦////////////////////////ヽ／￣￣￣￣￣￣￣
λ|/////////////////////////////////////′
∨///////////////////////////////////
＼//////////////////////////////// l 私は日本人ほど傲慢で貪欲で不安定で偽装的な国民を
ヽ/////////////////////∧/////ｌ,//|
ヽ l ////////////////////,ｆｌlｌ∨/l/ｌｌll'/ | 見たことが無い。百姓でさえ内心で王たらんと思わぬ者は
｝| //////////////////// 斗七7Πｉｉl'/|
・ l..///////////////////lllｌｌｌｌｌl∨ｌｌｌｌｌｌｌｌlﾞ,| ない。生計が立たぬとき以外、服従の共同生活に耐えない
( ',ｿ/////////////////ｌｌlﾞ,γ"ﾞ｀ヽ `l|
) ﾊ'.///////////////,ｆｌｌl彳l （__) l /ｌl
ζ /,/V'//////////////ｌｌl 乂＿乂 〃lﾊ だがひとたび生計が立てば主人としてふるまう。
′/ ／∨// / / /／/／ ミ＝≠彡ﾞ lハ
ノ / ´ 'ﾌ/ヽ'////// ／ ￣ ι//∧ ゆえに彼らは自分の心中を隠すのを思慮深いこととする
〜 ( ///∨///,′ ｀ ///// 、
) /////V//lヽ _ -‐ ァ ιィﾞ//////＼ 子供のときから、偽る人間になるよう育てられる
ζ///ｲ// V/|//＞ ｀‘ー‐ ´ ´ 〉///-､////>．_＿＿＿＿
/／ !'///,V|//////＞ -- ´ .//／´ 7＾フ´ ヽ///∧
※後年、1596年のカブラル書簡
＿＿＿_
,. ‐''"´ ｀ ｰ- ､
／ ＼ ＼
,ｲ ＼ ＼::: : ＼
/ / ! :| :|ヽ＼ ＼:::::. ヽ
,' .:/ .::::/ ,' :,' .::iハ . ヽ:::: :::ヽ:::::. ﾍ
i .:/ ::／ / ::/!: .::,' | |∨:|ﾍ:::: : :::ﾍ:::::::ﾊ とはいえこうして見ると、カブラルの「反日」は教会が
| .:,' ／ .:/ ::/,' :::/ |:.! |:.:| |∨::::::::∧::::::i､
| .::i:./ .:::,ｲ ::＿/:::/ ﾘ !斗f‐-､::::::::::ﾊ::::| ! 雇用した日本人への不信感や不満が主体だ
|／:|/ :／,ィ"´／:｀` / |/'_｣」. i:`: :::::::|::::| |
,ｨ| / ::::::／i,.＞''"ｱiヽ /´::::}`.|:::::::::::::ｌ::::| |
/ | ,'::::／{ rT{::::::::::r ! {:::::rﾘ ∥:: :::::/ﾄ､ﾊ| 舶来の宗教組織にあえて職を求めた日本人の事、知的
{ | {::/::::::ヽ|:|乂､_,ﾉﾘ ヾ之' ,'|::::::::,'. | 乂
ヽ | |,' |::::|::::|｀ﾄ! ''' "´ ､ ,,,,, ﾊ|::::.::i ! `''ｰ‐ 好奇心も強いが癖のある者も少なくなかったに違いない
ｉ |::::|::::l::::|ﾄ､""゛ /:::|:::::::| ヽ
ﾊ:: l: ::|::::|::::iﾊ ＼ ｀ ´ .イ:|!:::ﾊ:::::|
∧: !::::i:,.-､｢|∧ ＞ ､ _,. ＜:i::|:::|:::::.ﾍ:::ﾍ
/::::: _厶イ .／ |:.:.|` ｰ-L＞､:::::::|::|:::|:::::::::.`iｰ＼
. /＞＜ ＼ ﾍ. i:.:.i ,'!ﾊ| `＜ｭ」::|::::::::.:.∧ `ｰ
. ,ｲ-― ､` ､＼ ヽ|,ｲ /_||__〉 ﾊ｀ヽ :::::.:.:.∧
_
/.ヘ . -‐…‐- 、 x.､
// ヽY _ '''二二 _ヽﾉ//} }
ｊ i /7´ ｀丶//
／ ⌒Ｖ// ＼
〃〃 ∨i /// / i i iﾊ
/// ﾉ //ｱ二メ./ i ! i i ! しかしまあ怒りにかこつけて、仏僧の弟子管理や統御法に言及
. /// ／ ﾙ〃んﾊ/ ﾉﾅメ ii∧
Ｎ/ ／ i i i l ﾋ:ン んﾊ! // ﾊ するあたり、何気にかれも日本の流儀に染まっているような…ｗ
//ﾚﾙ'/i 从 i i ｜''' r , ゞ'厶ｲ从 i｜
. // // ﾙﾉハ i 个ト . __ ..イﾙ爪/ }}ﾊﾉ
// // Ⅵ仄二ﾆr'"´￣｀Y´ ﾉﾘ
. // // r‐=≧≦//:::/:.:.:.:.:.:.|_彡'
〈/ 〈/ ___｣{〃ｊｊ｀ヾ{::〉/.:.:.:.:.:.:.:.|
-‐=＝ ニ二 =彡く′ jj::::ｉ.:.:.:.:.:.:.:.:ﾉ
（( ＿＿__ .. -=r.::i ヽ〃::/.:.:.:.:.:.:./|
￣￣￣ |:::.:.、 ∨.:.:.:.:.:.:.:i.:.|＿＿＿
|:::.::ﾊ /.:.:./.:.:.:.:.i.:.:.:ﾉ.:ﾉ.:.:.:.:.＼
|::./.:.ﾄ.、/.:.:./.:.:.:.:.:.j／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
／Ｖ.:.:.:ヽ:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧:.:.:.:.:.:.:.:>､￣￣
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
カブラル曰く。「（日本人通訳が）我らを見下げたことは一再に留まらない」、「日本人修道士が研学を終えてヨーロッパ
人と同じ知識を持つようになると、何をするであろうか」……明らかに彼は、日本人に主導権を奪われるのを恐れている
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
/: . /: . :/: .;ｲヽ: . ＼: ＼: . : . : . : . ＼: . ヽ:::::ｲ-
/:/ /: . : j: . | | ＼ . :＞:‐＼‐:‐:-: . : . ＼: ｷ;;／二ヽ、
,: /: ,′: .:.|: .:.| | `く . ,rテ气ﾐ､┬i- ､: . ヽ:':;;;;;ﾆ二:ヽ そしてこの見解は、カブラル独りにとどまらない
j/ｌ: .|: . : .:.| ,斗1 Ｙ.Ｖi ::: レﾄj: |) }＼: V::::::｀ヽ ヽ',
|! |: .|: . : .イ ,.rテミ V､:::_ ｿ |:.| ノ: . :ヽj.:i::/i:ｉl ', ヴァリニャーノと共に来日した神父ロレンソ・メシアも同意見だ
|! |: .|: . : .小〈.Ｖi: ﾊ `ｰ '′ |:.|::::::::::::::〃!:l::ll
l! |: .|: . : . }小.弋zﾝ xww j:.j::::::::::::〃!:l::l
ヽ:j: . : . ﾚ1ハ wx ' _ ., ,.ｲ|:.|ヽ::／l:i::';:l:ｌl 有名な元和の殉教者カルロ・スピノラもはるか後年、禁教下の
丶jヽ: /|:.|!: i＞、 ／ |:.|-┴ ､';:ヽ:ソ
ﾉ ヽ/ |:.|｀ ー .ｧく ／|:.| /＼ 1617年3月15日付の書簡で、カブラルと完全に一致した見解を
_ノ |:.| / |:.| ／
述べている……
..................................................................................................................................................
l「￣￣￣￣￣|i
__|| ||__ 「長年の経験により、日本人は修道士にすら向かない。まして司祭は無理だ」
| || (◯) || |
| || ＿ || |
| || ＿| |＿ || | 「日本人にラテン語などの知識を与えると、それを鼻にかけて西洋人司祭に
| || |＿ ＿| || |
l || | | i| | 使えるのを嫌がるようになる」
にLL＿＿ ＿＿,,,ｨに!
/^;!''',rﾓﾐ;, ftﾃﾐゞ1;ｈ
ヽ;;! ` ''´:; l｀`¨ j::ノ 「日本人司祭の数が増えると、必ず管区に対して反抗し、われわれを
`ﾄ､ ,ｨ,,,,,,,ゞ､ !:;:;ヽ
`i f;:;;;;;;;;;;;;;;! !;;;;;;ﾉ 追い出すようになるだろう」
ト..､ ´￣｀ ,r'にﾆｽ､＿
_ノ^ヽ｀ー‐''´ ,.へ;;;;;;;:;:;::::.ヽ
,r‐イ ｀ー一 'ﾞ ｀`ヾ;;;;;:;:;:i
_,,､-‐''´.:.ヽ ＼ ／ /^'''ｰ-､､
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼｀ ー--------‐ ´ ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.
ヽ＼.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:｀ー--------‐ ´.:.:.:.:.:.:.:.::／／
＼＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:┌─┐.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／／
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
なお同書簡によれば、マカオの日本人神学生らが、高等教育を受けられないことを不服とし騒動を起こしていたという
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
もっとも、スピノラの時代にはすでに南蛮の宣教師を匿うことすら命がけ。両者の関係もこじれるしかなかった事情もある
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＜1617年・長崎＞
|
|
＿＿___ |
. ／:::::::::::|:::＼|
/::::::::::::／:::::::::| γ´￣￣￣ヽ
. 〈=====ゞ::::::::::::| | （；ＴдＴ）｜
ゝ、ⅹ ` ､::::| .乂＿ ＿__ノ
. ヽ＿＿＿_:| ﾚ 「南蛮人の神父じゃ潜伏は難しい。変装しても外見ですぐバレる―――」
〔illlT Tiililililｌ|
il|= ＝ !ｉ| 「南蛮の神父は追い出して、マカオにいる日本人神学生を呼び戻そう」
||`ｰ＝‐'| |
ﾘ'i|||:|{｀´!ｌ| 「なんでもマカオでは、日本人修道士が排除されたそうだ。嫌な感じ！」
||:||(_{__|
||:|ゝ{__.! ∧,,∧ ∧,,∧
|:| ||:::| ∧ (´｀д´) (｀Д´ ) ∧∧
~. ||:::| ( ｀・Д) Ｕ) ( つと ﾉ(ﾍ・´ )
||:::| ｜ Ｕ ( ｀・) (・´ ) と ﾉ
￣| ｕ-ｕ （l ) ( ﾉu-ｕ
| `ｕ-ｕ'. `ｕ-u'
.
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＞１が思うに根本的な原因は、キリスト教が「神国の迫害対象」という大前提が、最後まで解決されなかった点にこそある
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ーr .､ ,.ｨ
V ＼ ,.zx.､. ,. ＜ /
＿ z ー ﾍ/.:.|:.:.ﾍﾄ､/ / 邪宗門に慈悲はないの……
,. z.:.:¨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＿ 人__人 ＿≦z_ｧ
. ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._.:z.一'’ﾄ.'｀Ｙ´｀Ｙ´jﾘﾍ:.:.:.ヘ, ,.z､
/:.:.:.:.:.:.:.,.z' "´ ..:: .｀ﾍ.| _.」ｲ__ .!:.:.:.:.:ﾘ .，＜＞"
/:.:.:.:,.z.'":: .: ..:: {ニﾗﾔ≦}´ ､j:.:.:.:.:/ ，＜＞"
ｲ从イ :::: .: ..::: イﾉ /、ﾍ ヘ'イ＜＞"
ﾔ/l′ :::::::. ..::::: .,.イ ./ l V ￣.ﾔ "
ﾔ ゝ .:::::::::: Y ./ ヾ とz__ノイ^＝ｰ.､
| .:::::: ,.ｨl_,/ . .: γ///////∧
,ｨz ，＜＞ "./ . .: .//////////ﾘ
ｌ. ,.ｲｸﾞ，＜＞" ...::::::/:::::.....::::...... //////////.ｿ
＿ ＿＿ 人 ＿＿＝ォ:::::::::::::::::::::/:::::_::::.... ｲ////////_,.ｲ
＞ ｀Ｙ´＞ー一" .〈 z⌒l＞ーイ::l::::､......./Y´
. ,.イ///＞" ヾ/__j 」_///ﾚ⌒ヾ_ン
／/＞"´ .| __ V;;;;;;;;;lー‐{;;/⌒ヾ _
. ￣ l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;j .ﾒー＜⌒ヽ n 「!」lｲ!ｨ
| ,.ｨｰﾗ¨￣￣｀ーイ"///////ﾍ .ゝ///,ン
| ////////////Y///////////ﾍ ///7´
＼七j//////////イ////////// _.//ゞ'///7
_ ___ ー＝七/////////////＞─＜////nJ ヽ/////7
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キリシタン弾圧係のお役人モブ（演者：高町なのは ＠魔法少女リリカルなのは勢）
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教会の職を得たキリシタンは、布教仲介者としての重要性にも関わらず「現地雇い」の壁にぶつかった
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ｌ￣￣ｌi ,.､ ｌｌ￣￣l
＿＿＿＿＿＿_|＿＿|l＿＿＿_,z_壬个爻_z､_＿＿＿ｌ|＿＿|＿＿＿＿＿＿
＼;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;:､'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::::／
＼;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::／人＼;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::／
＼;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;／／圭＼＼;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;:／
,ｨE＼;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::／ｲニニニニﾄ､＼;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;:／
, ｲ:ｌ:l:E圭＼;::'::;::'::;::'::;::'::;::'／イ三三三三三三ﾄ＼;::'::;::'::;::'::;::'::;::／
, ｲ:ｌ:l::ﾚ''´ ￣￣＼;::'::;::'::;::':／ｉﾆニニニニニニニニﾆｉ＼;::'::;::'::;::'／
, ｲ:ｌ:ｌ::ﾚ'´＿＿＿__ l三三三liY＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／Yl三三三l ＿＿＿＿＿_
,ｲ:l::l::ﾚ''´ ＼/＼/＼/i l三三三liil;;;;;／ ￣￣￣￣￣￣ ＼;;;;ｌil三三三l ﾄ､＼/＼/＼/
_,.,
,. -:`: :":￣:ﾞﾞ: :'':‐- :'": :|
／: : /: : : : : : : : : : : ; : : : :｢￣二: :_‐.､
, ': : : :/:.／: : : : :,: : :.ｨ::!: : : : j: : : :｀ヽ、｀`丶、
,': : : :./, ':::; : : : :./: :, ':|::!: : : : ;{: : . . ､ ｀ 、
i: : .:: :,!':::::/: : : ;/: ; '::::::!l: : ; : :ハ: : : : :､: : .ヽ
!: : :::/::::::/: : :7ﾌア'‐::::::l!: /: :.,'_;;;j: l: : : ヾ::､: :ﾞ:
.|: ; /::::::;,': : :/_l/＿__::::::j.:/ : /::::::::i:.|: : :i: l`ヾ: :l 間口が広くて面白そうだから、リスクをとって潜りこんだのに……
. ,!',/:;:イ,': :./!{Ｔ示干':::::;!/: :/ｨ夫ｫｷ|: : :l: :! ヾ}
/ｲj/:/_|:!: /::|::.!_ l｜::::/ｲ:./::l_ l | lﾊ{: : :{: :| いつまでアシスタントに甘んじればいいんだ？
/ !: :ﾞ ' ||;/::ｌ:|:::ヽ-' .::::::::::!/:::::iｰ' :::!:l'|: : ﾊ:｜
.!: :: ﾞl'||:::: ｉ:|:: ￣ '′ ￣ ・l::l !: ,' ﾞ:,!
j: : : l::l :::: :i:ﾄ,､ ,， _,..ィ:.|. |/ どうせ朝廷の勅許もなく広めている宗門。教義のツボさえ習得
/: : :/::;ｌ ::: : iﾍ. ｀ 7 ､-‐ｧ:'/|:l::::: :|
/: : ;!く . l: :: : :i.ﾞ:、 い｀ヾ､/ |:|:: : :| すれば「二次創作」でファンを奪っても、罰を受ける筋合いはない
/: :./＼＼.!; ; ; ;.i ﾞ:、-┤ || ﾄ.||: : :.|
/: :.{'＾ヽ ヽ.ヾ: : : :l ﾞ:╋| || |ﾊ|: : :.|
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
総じてキリシタン大名が弱小な地方政権にとどまり、遂に公認されなかった宗教である。教会と交渉し、
身分を保障してくれるバックが彼らには無い。動機はどうあれ向上心を持つ者は、謀反気を抱く……
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
だからといってヴァリニャーノ方式で彼らを入会させ現地聖職者として育成していくのも、底の無い風呂おけを満たそう
とするバケツリレーでしかない―――上昇志向を動機とする入会者が混入しやすい分、迫害に転ぶ者も増えてしまう
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿
／￣ヽ／∧ ￣ヽ ﾉi
./ /`´ {_ﾉ ､＼ (_ﾉ
i ／! ﾞヾ、
∠ｨ .| ､＿ ＼ｰ- _ ￣`ｰ ､__ ノ〉 ねんがんの修道士になれたと思いきや、当局の迫害ターゲット
| :j i ヽ. ＼__＞´:＼ ￣ ヾ.
∨ヾ､ ﾄ-! !'ﾌ .i＼:. ＼＝=ｰ-ｒゝ で最優先候補になっただけ。やってられませんわ……
ヽj | | {＿.}､__∨i::::iﾊ ∧／不
ﾉi | l | | .| iﾞＹl-! !＼. !:::i:::| .＿ ._
(_ﾉ ﾚ’ｒ‐ .ﾉ f .} ﾚ｀jﾉ_,ｲ `ｰﾞーf i__[!_ヽ ミ ╋
￣ ￣ ﾞー‐一ﾍt_人__ｊ
⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ⌒丶、＿ノ
○
о
｡
,.:::''::´::￣::`:::.、
／┛┗::::::::::::::::::::ヽ
/:::::┓┏::::::::::::::::::::::::}
l:::::::::::::ゝ－－－－ ι 故コエリョが「必要以上に寛大に、性急に」誰でも入会させたから、迫害を
|::::::::::::） ◯ ○ （
,ｌ::::::::::::η ||||||| ゝ 恐れて逃げ出す不名誉な脱落者が続出するのだ。今後は改めねば……
ゝ---η. ||||||| ゝ
/≦ ヽ .| | ≧
{ l l |* *| | l
{ .l l .| ╋*| .| l
/ l l | * | l l
l ---l l-- -l l
| ｀^^ ｀^
＿, -､_ ,- 、
／ /: : : V: : :ヽ
/＼ | : : : : lj : : :|
| i ヽ:_:ノヽ:_:ノ
j | ! デスヨネー（棒）・・・・・
| | _＿ ﾉ
ヽ､ ／￣ ￣＼
/ ヽ ← ｼﾞｮｱﾝ･ﾛﾄﾞﾘｹﾞｽ
/ -＠
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
第二次巡察のさいヴァリニャーノは以上のように故人（コエリョ副管区長）を責め、日本人の入会資格を厳しくした
ここでもヴァリニャーノの改革どおり動いたコエリョが悪者にされて、カブラルの厳格な方針が見直された形である
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
,:': :／: : :. : : : : : :./: : : l: : : : : : : : : : : :':. いっぽうで欧州人宣教師の立場を顧みれば、日本人の聖職者
/: :/: : : /: : /: :〃:'|: : : ::!: : l: : : : :l: : : : : '.
. ,': ::,': : : /: : /: //:,' .l:.ﾄ,: ::l: : :l: : : : : l: : : : : :' 育成では「知財」の大半が、自分らの持ち出し……なのに彼ら
|: : |: : : l: ::/l::/ ,':/ |:.', V:l: : ;l: : : : : V: : : : ::l
l: : l: : : :l: :,'-!_'-|,'‐' ヾ -ヾﾍ:_: : : : : :V: : ::l:.:| 自身、日本では迫害対象。ますます存在意義が削られる
l: : :V: : :V!ｵ芍斗 乍芍=ﾏｪ-: : :.ヽ: :.|: |
. V: :.ヽ: :ﾊ 弋,ﾉソ 乂じﾉソ 》ヾ､: : ヘ: :|
V: :l: ＼ヽ , ー‐ ´ !:.ﾊ: :ﾄ,: ﾊ;! モチベが下がって反発しても、残当ではある
V:|: /: l |:.l V!:}:/: l -, , -ｒ 、
,': : ﾄ.、 lﾌ::.ヽ ,ｨ' l-:': : : : : :', , - ´_ノ -―' 〃 }
/: : :.l:l::.丶 ゝ- ' ィ':j ,':: : : : : : : ﾊ / '´ ‐‐.::／.／
/: : : ::l |: :r-| ` - ´ ,'-//: : : : : : : : : :'. l , ´￣- ´ ／
/: : : : :..l l/ ¨｀` - 、 / //V: : : : : : : : : ﾊ '. ｧ－ ´
. , -ナ- ‐―.; l / ', / , ' V:_:_:_: : : : : 、:', r二￣￣ 二7
/ 、 l l 、 / V , / / ヽ:', l ￣￣ |
. / ヽ !l ヽ x≦三三ﾌ/ミzx' j ヽ, | |
..................................................................................................................................................
＿＿＿＿＿
_....‐ ｀:‐.._
,: :､
′ ﾐ､
,' 丶
}:: |
,: -‐' 二二ﾆ=‐､_ ! 久々にワロタ
lノミ､ _= _ｰ= ＝=｀ヽ ,⌒ヽｲ==ﾆﾐ)
/／ヽ| ｀ｰ -‐' { } ＝=|
/( | ﾊﾒ 冫 ﾄ ---| そもそも母国語訳の聖書すらご法度とされ、庶民への聖書普及を
〈 ､ ﾉ ｲﾉ __/ _ ゝ_ ! |
ヽヽ__〉ﾊﾊ ,.=--ヽ_ -ｧ ￣) ! 志した異端者は火刑に処されたのが、16世紀までの欧州なんだよな
＼＿ﾊﾒ / :::::::::::::::::::｀:::ｰ'..._ ,
/ ｲﾉﾒ ﾒﾊ:ヽ二ﾆ== ＿_:::::::::} /
/ ﾊﾊﾊ /:ﾒﾊﾊ｀＝ﾆﾆ二三{/::l/ / 新参のアジア人は、教会の知財保護意識の高さを知らないから困る
, ﾊﾊﾊﾒﾊﾊﾊハﾊﾊﾊﾒﾊハﾊﾊﾊﾒ|! /
__/＿＿_ ＞ｲﾉｲﾉﾊﾉﾉｲﾉｲﾉｲﾉﾉｲﾉｲﾉｲ/
／ ￣ﾊﾊﾊｲﾉﾊｲﾊﾊﾊﾊｲﾊｲﾊﾊﾊ
/ ﾊﾊﾊﾉﾍﾉﾍﾉﾍﾉﾉﾍﾉﾍﾉﾍﾉ
. / /＼ / /╋/ / }-､
ウィリアム・ティンダル（1494？ - 1536）
イギリス人司祭。英訳聖書の普及を企てたが、ご本人の生命ごと「封じられた」
（演者：リュウケン ＠北斗の拳）
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
しかしながら……カブラルに離反した通訳の逸話は、通訳布教に依存したがゆえに
宣教師の統御を離れて布教が拡大していた、当時の状況をも示唆しているといえよう
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
_ ＿＿＿＿
´: : : : : : : : : : : : :｀ヽ、
／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : _ヽ 通訳に限らず布教の担い手は、しばしばキリシタン自身…
／ .:.:.:.:.:.:/.:.:.: /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::::ヽ
/.:.:/:.:.:.:.: / .:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::ヽ
/.:.:/.:.:.:.:. / .:.:.:/│:l :.:.:.:.＼.:.:.: ヽ::::::::::::::ヽ ここで切支丹についてカブラルが抱いていた、意外な印象
ｌ.:.:/.:.: /.:.,' .:.:.:/.:.:l.: | ＼.:.:.: 丶.:.:.:.::ヽ::::::::::i
| .:|.:.:.:.| .:ｌ.: __/.:.:ハ | ヽ_＼＿_＼.:.::::::ヽ､:::; について紹介しよう。かれが山口で見聞したことの報告だ
| .:|.:.:.:.|.:イ.:./.:.:/.:ハ! ＼-＼.:.:.:.ヽ.:.:.:.:.ヽi
.l .:|.:.:.:ﾊ.:.jｨ仔ﾃ女 ヽ ｧ7仔i心､_.:ヾ.:.:.:.｀ヽ
.l .:|: :ﾉﾍ小ﾍ::::::j| ｌﾍ::::::j|│.:lﾍ＼:::::､.:.＼
.| .:! ﾉ ハ{ r'仁j r'仁リ│.:|.:.!.:.:ﾊ |＼.: ヽ
ノ ｲ.:.: /てﾍ. , ./!.:.j´j.:/｝}:| | ヽ.:}
/.: /.: /しゝ、 ,- -､ ／./.:/.:／|ノ人! j/
/.: /.: /.:./.:.:..:＞ ￣ イ_l.:./.:/|´.:.: |.:. ｌ.: |
/.:.,.':. / j:/.:.:.:./ l_,ﾊ` ‐- ＜｜_,,Ｖ.:厶l.:.:.:. |.:. ｌ. |
/／.:／ /.:.:.:./／/ｌ ヽ ／＼_, '7/＿ヽ.:.: !.:. ｌ.: |
,'' /: :;,ｒ‐‐〃´￣ゝ' r‐-..,,ｖ,r‐‐ｧ | l_＿//￣｀ヽ!: ヽ
／.:／/ i i .＞ｲ从＜´. ｀￣// / ヽ.ヽ
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
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ト _ .:.:´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀.:.､
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
〉.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｉ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
′.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i| .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
i .:.:.:.:.:.:.'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.廴_:.:.:.:.:.:.:.:. i
|.:.:|.:.:.:.:i.:.:.:.:.:/ .:.:.// jﾍ.:.:.:.:.:.:.:|
|.:.:|.:.:.:.:|.:.:.:./.:/.://斗=ァ｝.:.:.:.:.:.:| 「今日キリシタンになった者が、明日は他人を改宗させるのを見ると、
.:.:| .:.:.:.:.:.:/.:/.:/ 乂rﾂ/ /.:.:.:..:|
. / .:∧.:.:.:.∨j/∨、: : : : :/ィ.:.:.:/.:.ﾍ 私は非常に慰められるが、他方でまた当惑もしている―――」
/ ィ.:.:.:丶､人 __ ｲ.:.:.:.:/.:.:.:.:.ﾄ
|.:.r ⌒ ｰу≧=- ´〔_|.:.:../⌒へ.|:.:.:.、
.:.:/ 丶 / λ ／ |.:.:.i / ､.:.:.:＼ （以下、インド管区長あて1574年5月31日付カブラル書簡からの抜粋）
/.:.:{ Ｖ | Ｘ .∧.:.j〉′ 〉i￣￣
. /.:.:.:.} ヽ へ∨r╋ﾍ′∨ ∧|
/ ｲ〈 i 二|ヽ i／ ､ 〉、
|.:.:、 λ kﾉ j ／/ ｉ.:.:.＼
|.:.i ＼ / ￣〉´ ￣ V / /|.:i、.:.:＼
ﾚ.:〉 / ∧ 、 ｯ|.:| ￣￣
i / /ヽﾍ ＼ ´ |人
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
カブラルによれば、トビアスという盲人の琵琶法師が山伏たちを説破。その呪術にも打ち克って戒律に畏服せしめたり、
ミサ帰りの老婆が、帰路で悪霊憑きに悩まされる娘に出会ったので主の祈りで救い、洗礼を受けさせたりしていたという
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
山伏の呪術殺法うけてみよ！
￣∨￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
∧卍∧ﾊｧﾊｧ ∧╋∧
(#｀･ω･)＝つ ）（´く_｀ ） ｷｶﾅｲﾈ 日本の神仏はしょせん偽物。デウスの戒律のみが善にして真！
(っ ≡つ＝つ）＿ ）
/ ) ﾊﾞﾊﾞﾊﾞ ｜ ﾊﾟｼﾊﾟｼ
( /￣∪ ∪￣＼）
ﾅ､ﾅｾﾞ…
．+ ﾟ ･ +
ﾟ ∧∧∧∧ 祈祷師に頼んだところで、悪霊は祓えませんよ。その力を持つのはデウスのみです
(*ﾟー(,, )
( っと ヽ ＜ 現に救われて納得しました。さっそく教会に参ります……。
と__,)(,,_つつ
￣￣￣￣￣￣○￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
O 。
,ｨ _............._
. /,ゝ ＿,. ＜/////////＞ 、
{/////////////////////,＞､
`ゝ/////////////////////,ヽ 「貧しいながら純朴な人々が、使う言葉は拙くとも異教徒のかたくなな
//////////////l∨////////,ﾊ
. '//////////////トl,V////////,i 心を動かすのを目にすると、私は当惑させられてしまう。私が、熱い、
l'/////////////ﾘ !'ﾊ///////,ﾊ
l//!'////////;///ニﾘ__V////j//ﾊ 充分に練り上げられた論拠をもってしても、デウスの戒律が善いもので
. ﾉ//!////////j//´了::::刀'////,＼/＼
／ イ/V////／.// ｀ｰ一///////,∧￣｀ あると認めさせるのがやっとのこともしばしばで、彼らは変わらず
j//ゝ/／ /' ／イ///////ﾍ
//////ゝ. ´ ｀ u //////////,ﾍ 不信心のまま、説教の場から立ち去っていくからである」……
/////////＞ . _ イ.////////////,ヽ
. ////////// ／/{ ; .//////.＼/////＼＼
／/／!///// ./ ! ', ／!////,! 丶////ﾊ
ｰ '" .{//// ,' /l./╋;',!///V{ ヽ'///ヽ
V//. ;〈 ! j;;;;;;/ V/,{. ヾ、 ,. '" .i‐- ._ゝ、
{ヽ{ ' ／.l ,';;;;;;! ,∨{ ／ j
l ｀.! ', l/;;;;;;;;;!/ ,ゝ､. ' ／ ;
-‐ ￣￣ ｀丶、
／ ヽ
/ / /〃/{ { ヽ ｀ヽ. ∧
ｌ / /斗/ハ ｨｰ‐ 、 ∨ l この書簡からはカブラルの意外なほど謙虚な姿勢と、日本の一般信徒への
{ { ﾚﾃく ヽi>==、＼ ヾ│
乂l f r'ﾊ r'ﾊ 7ﾊ＼ﾘ l 率直な情が窺えるし、既に改宗運動が日本人の運動である状況も示唆している
.八,}弋ｿ 弋ｿｿﾉ ） 八
ノイ }ゝ" ｀_ "" { {´ 丶＼
／ ,＞‐r＜_∧!＞､ ＼丶
, -‐" ! ヽ{>ﾛ<ﾌ〈. | ＼
// ／ / y ゝ { ;ヽ ,ｉ 丶.ヽ
{八 〃 ﾊ { ,.-'‐!、 }_ = ゝ、__i、 }ヽ } }
)/ ヽ（. ヽ人,i' .,. i' ｀ﾞゝノヽl_ ヽ! ヽjｲノ
" ｀ / / ゝ,.| l __.!,ｒ'/ ｀‐´ "
/｀ V ｌ .,′´´
｀ｰ'′ ├-/
￣
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
...................＿
／::::::::╋::::::::::::::＼
r::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ だがイエズス会の教会組織に留まる限り、日本人は司祭になってもカーサの長には
（:::::::r'"￣￣＿_.｀>:::::::::}
>::::| .::::::::: {:::､;;::::::::::::ノ,_ なれず、レンデンシア※の長どまり―――ならば日本はイエズス会から独立すべき！
t:::::::::〈 '"｀´ ヽ;~ ｰ..::::::::::ヽ_
｀1::::::::::! ';;~1<_/:::::::::::::::::}
ノ::::::::::ヽ. ;; !-‐::::::::::::::::::::::y
ミ:::::::::::::y､_""">:::::::::::::::::〉 ※修院（カーサ）は長崎・京都・府内などの教区本部だが、レンデンシアは
ﾐ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ:ノ
.....:::::ヽ､:::::::::::::;.-::::::::::::ヽ 各地域に置かれる出張所。要は支店長どまりということ
:::::::::::〈 ,,``:::::ヽ:::::::::::::::ヾヽ.
､ ＿ ＿ ＿
ゝ:::: '´::::::::::::::::::::::＞ ､ {
； /:::::::::::::: :::::::i::::/､:::::::::::ヽ、 ；
〃::::::::::::::::::::::|::/ ∨::::ﾍ::::＼
ﾚ:::!:::::::::::::::::/|/､＿ i::::|:::∧￣｀ ｶﾞｸｶﾞｸ
ノ::::|::::::::::::／ / 〈●〉|:::.|､:::∧ ;
´￣i::|::::::／ ､_,､_, """.|::/ﾉ::::::∧ （まずいやん。こいつらきっちり統制せんでおくと、日本教会が
. |::|／u. { } _ l/::::::::::::::∧ {
；: /:::lr'⌒)､ ._￣_ (´ j___:::::::::::::ﾍ イエズス会の手を離れて独立しちゃうやん！）
ｶﾞｸ … /:::::/ヾ三} ｌ＿__/{彡'´} i::::::::ﾄ､ ﾍ ；
i::::::|ｌ ﾉｌ |╋//| l ,ｲ::::::| ヽ ｿﾘｬ ｿｳﾄ ｱﾝﾀﾀﾞﾚ?
; |::::::| ゝｰ' ∧! //∧＿_j/ l::: ::| ;
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
カブラルにせよ彼に同調する宣教師にせよ。かれらが不信感を抱き厳格に臨んだのは一般信徒ではなく、日本人の
助手である。“下位の同業者”となったかれらの野心が統制を乱し、日本教会が独立するのを恐れたのだ―――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿＿＿_ ／￣￣￣＼ ｺﾐｹｶｲｼﾞｮｳ
／＿＿＿ ＼ / ＿＿＿ ヽ 教 会 が 開店閉鎖状態なんです
／ |´・ω・`| ＼ / |´・ω・`| ＼
/ ￣￣￣ ＼ / _, ￣⊂二二) お助け〜
| i 新入組 ヽ､_ヽl | 溢れ組 |
└二二⊃ ╋ l ∪ | ╋ |
| ,､___, ノ | ,、 |
ヽ＿二コ/ ／ ヽ / ＼ /
_＿＿＿＿/__／´ ＿＿ヽノ＿___｀´
／: : : ,./: : : : : : : :/: : : :/: : , '/!: : : : : : |: : :|: : : : : : : : :
, ': : : :／/: : : : : : : :/: : : :/＿/ / l: : : : : : :|: : :|: : : :l: : : : : :
/: : :／ / : : : : : : :/: : : :/´: :/ l｀ |: : : : : : |: : :|､: : : !: : : : : : ﾌﾞﾝﾊﾟ
. /: :／ /,ｲ: : : : : /: : : : /: : / !:::::::l: : : : : ∧: : ! ＼: :!: : : : : : そういう皆さまは、「分館」のほうへどうぞ〜♪
/／ // |: : : : : :!: : : : ,! :::/:::::!:::::::::::!: : : :/ ヽ: :| ヽ｀ヽ､ : : : :
!' l: : : : : l: : : :/.|: ,':::::::!:::::::::::::!: : : !:::::::l: |:::::ヽ: ヽ: : : : :
| : : : : |: : :/ !|/'ｰ- |､::::::::::::::l: : l:::::::::', l:::::::::ヽ: ヽ: : : :
| : : : : |: :/l:::::|__ |::::::::::::::!: |:::::::::__'|:::::::::::ヽ;!､: : : :
|: : : : :,!: !: l:::::r ' i !:::::::::::::::| |:::::::::::/｀''―- ､ヾヽ: : :
!: : : ｲ|/: :,!:::::!ヽ-'/::::::::::::::::::l:!:::::::::::!_ /l: :∧: :
',: : l l |': / ｀ ｰ' | r‐' i ./ ! :/: :! : :!
ヽ:| | |: :{ l､ ヽ.ノ,. ' /:/ : : | : l
'.| | |: : ＼ ､__ ` '´ /:/ : : : ,!: |
| |: : : : |ヽ､ __,.、 `ｰ' ･ /:/: : : : :/!/
| |: : : : |: :／／ ヽ ,.. /:/: : : : :/´|: :
| |: : : : |/ / / ,'‐;!ー――,.i' ´-.//: : : : :/ : :|: :
| |: : :/7 / / / l｣ ,.. ''´:::::::::::::/': : : : : / : : |: :
| |: : ! |╋::::::::::::::::: , ': : : : : , ': : : : |: :
__ _,ｨ
, '´ <
ノ i ｲﾉﾍ)ﾘゝ こんなの放置していたら、異端の繁栄待ったなしだろ！
ﾌ |!廻_.廻!|
"ｽ/j〈i╋〉､ゝ
でん,ｊ-ｊ,ゝう
(_ﾉ ヽ_）
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
見方によっては日本人「同業者」の意欲・独立心に対する、逆説的評価とみることもできる……
マイナス方向での評価ではあっても、「能力の認識」には違いないのである
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＼ ／ ＼ ／
Ｘ Ｘ
／ ∩ ／ ∩
／ （ ⊂) ／ （ ⊂)
| |. | |
ﾄニｨ' ﾄニｨ'
| |. | |
＼ ヽ. r ‐､ ＼ ヽ r ‐､
＼ ヽ. | ╋ | ＼ ヽ. | 日 |
ン ゝﾄ - ｲ'/＞ー､_ ン ゝﾄ - ｲ/＞ー､_
/ イ（ ／ / ＼ / イ（ ／ / ＼
/ | Ｙ | / 入 ＼ / | Ｙ | / 入 ＼
（ | ：､ | / / ヽ、 l （ | ：､ | / / ヽ、 l
j | ： | / ｨ | | j | ： | / ｨ | |
くV ヽﾍ_ ヽ ＼ 仁 」 くV ヽﾍ_ ヽ ＼ 仁 」
ー 〕 ＼ 〉（⌒ノ ー 〕 ＼ 〉（⌒ノ
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////|//////////// V j} /////// ／ / （jﾘ ／ l} //////////
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/////,∨////////|ミ三三彡'⌒///,／ ミﾄn､ ノ/////////////
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/∨///∨//////│ ／ ヽ ／／／／／／／ ////////////
//,∨///∨////人| ｢ヽ /////////////
///∨///∨//////＼ ＼__ ￣} //////////////
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'////∨///∨/////////＼ ＼__ ／ ィ }//////////////
/////∨////＼//「￣￣￣ ＼ ハ￣￣￣￣ ´ |/////////＼＿_
.
／ ヽ:::::::::::
／ :::::'､ :::::ヽ::::::::::
/ ＼ ､ ::::ヽ ::::::::ヽ:::::::
/ ,ｲ|＼ ::ヾ`.､ :::＼ :::::::｀`‐-.､:: ちなみにカブラルは日本を去ったあと、スペイン・ポルトガルの
{ {.l:l __,＞＜'､ヽ:::::｀`.､,,＿＿:::::::::::＼
{:|::::',::::::::',l:l ＿_＿｀`‐｀i::r'⌒ヽ::::::::￣｀`‐-ゝ 国王フェリペ二世に書簡を出しており、そこで「中国征服」に
l:ﾄ;::::',::::::::',l:lﾍ.)::ﾉ .7 .|::|ヾﾆ }:::::::::::::::::::
ﾘ.ﾍ;::ﾍ:::::::ﾍ ｀y'ﾞ .|::| .l /:::::::::::::::::::: ついて剣呑な献策をしていたりするのだが……
.∨ﾍ::::; ' ´ |::|./ ﾉ::::::::::::::::::::::
ヾ |::|r(´::::::::::::::::::::::::
ヽ |::| '､::::::::::::::::::::::: かれはそこで、日本人と中国人について興味深い比較をしている
‐- |::| .ヽ::::::::::::::::::
｀ヽ .|::| ヽ､:::::::::
',::ヽ､ |::|'"⌒ヽ､__ノ￣ヤ
ﾍ:::::`ー'".|::|:/ ..∧∧ V
ヽ;／ リl / ﾊ. V
／ [二ﾆ≡只≡ﾆ二]
／ l ／λ＼ l
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
< ＜1584年6月27日付け、スペイン国王あてカブラル書簡＞
＼＿＿＿＿＿ ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
|
| 『中国を征服し、中国人全体を改宗するのは主への大きな奉仕であり、陛下の名声を高め、自由貿易が
|
| 王国に利益をもたらし、王室も関税収入を獲得。中国の財宝を得ることで、短期間で世界の帝王になれます
|
|
| 中国人は逸楽にふけり、臆病であるので征服は容易です』
|
|
|
| ∧∧
| ／ ＼ ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
| （ ；） ＜ 言いたい放題アルね・・・（汗
| （ Ｏ ） ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
| │ │ │
| （_＿）＿）
└――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
r─ ､
| ∨
{￣｀ | |
ヽ l |
∨ │ |
∧ ∨ l l
∧ V | |
‘。 }__｣ |／￣ ＼__
| / | ヽ
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/￣ └― } ,ﾉ /
/ ＿_／ ／ ／
, ／ ＼ ￣ (___／ |
{ ＼ │
ｵﾗｵﾗ ｵﾗｵﾗ ｵﾗｵﾗｵﾗ ｵﾗｵﾗｵﾗｵﾗ
ｵﾗｵﾗ∧＿∧ ∧＿∧∧＿∧ｵﾗｵﾗ
∧＿∧ハ;;(∩( ∩;;ハ),つ);ハ∧＿∧
（ ハ;;(とミ∧_il!|∧lll 彡＿∧彡つ);;ハ)
∧＿∧ﾐ(∩∧日∧彡づ);;∧__∧⊂)ｵﾗｵﾗｵﾗ
（ ハ(と≡⊂( ＾ω＾)⊇≡づ);;ハ ）__ ＼
(⊂ と＝ど(⊂ っ)づ＝つ≡⊃) ＼ )
/ﾍ＿∧〃∧__i!l|ミﾍ＿∧ミ＿∧ﾐ∧＿∧＼ｵﾗｵﾗｵﾗ
( ハ(と彡(ハ;;(し ﾐＪ);;ハ )つ);ハ)ミ⊃);;ハ) )
ｵﾗ(っ つ / )( ) ＼ ⊂)ｵﾗｵﾗ
ｵﾗ / ) `ｕ-ｕ'.ｵﾗ∪￣∪ｵﾗ`ｕ-u' ＼ｵﾗｵﾗ
,( /￣∪ｵﾗｵﾗ ｵﾗｵﾗｵﾗ ｵﾗｵﾗｵﾗ∪￣＼ )
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
-‐::::::::::::::::::::::::::｀丶、
. ＿＿＿__／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
. ＼::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i::::::::::::::::丶
. ｀”7::/:::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::
../::/::::::::: /::::::::::::::/:::::::::::::: ﾄ､:::::::::::::::::::: 『（中国人の惰弱の）例証として、十三人の日本人がマカオに渡来した
. /::/::::::::: /::::::::::::::/::|::::::::::: / V::ハ::::::::::::i
. ／::::′::::::/::::::::::::::/::: }::::::::::/ -‐┼‐‐}::::::::::::| とき、二〜三千人の中国人に包囲されたにも関わらず囲みを破り、
. _／:::::::／:::::::′:::::::::}/:::::/::::::::/ ｌ_ |::::::::::::|
. ｰ‐‐个ｉ::::::::ｉ:::::::::::::/:::::/:::::::;. '＿＿ .|::::::ｉ::八 中国の船を奪って脱出した事件があります。そのとき多数の中国人
. |::|::::::::l::::::::::::′:/::: ／ ｚ＝=ミ、 |::::::|::::::::＼
. ﾉ::|::::::::|::::::: /i:::/}／ 八: |:〔￣￣ が殺されたが、日本人は一人も殺されませんでした』
. _／:::::|i:::::::|::::::/ }/ ′ ／i::::::::{::::＼
. ￣i::::|| :::::|::::::込 """ ｒ ｧ ""イ::::::|:::::::::::::::::::＼
. _／}: 八:::::{ハ{::::::≧=‐- -‐ ﾄ､::::::::: |::::::::::::::个ｰ-
. ﾉ:::::::::＼{::::}_ノ⌒i ﾞ 、 .| Y＾V:{_::::::::::::: |
. _／:＞‐… ＼ / { ＼__／ .| ∨＼:::::::::廴_＿
-‐ｧ{ / ‘， ／ : i＼ | ‘， ｰ，:::::::_:ノ
./:::| ./ ∨ ﾄ╋:{ V _〉 / V〔
/::::::! ｝￣￣:/ ､|: : :.| / '√ .′ {:::＼
＿ _
'´ ヽ）
| l l iハX､ヽ | 「「「「中国キリスト教化計画ですか……ならば日欧連合部隊、
０ | (ｌ !ﾟ ヮﾟﾉl ０ ＿
-=='==-)芥i-=='==- , .,'｀'" ヽﾟﾍ 結成してもいいですよー♪」」」
i´￣｀ｉ't‐t'i´￣｀ｉ-==- ( (,i,从从,〉 .)
＿ ‐ ヽ'´￣ ヽ/ ‐' | ζ）､i.ﾟ ヮﾟﾉζ
'´ ゝ | ◎YA | ＿ '´ ｆ(つつ) ´ 「「「「ただし分け前のズルは仲間割れのもとなんで、
｛ﾞ{ 〈_ノﾚﾊ),》 .､＿ ノ..:'´ ｀ヽ＼ｌｉｌｌｉｌｉｌｌｉｌｉｌｌｉｌｉｌｌｉｌt＼
|lﾞヽ(l.ﾟ ｰﾟﾉ'ｌ|. j 〈,.,ﾊvﾊ)》 | ￣ ＼／ |￣ そこんとこヨロシクー」」」」
､'iiii＝＝○)≡ｌＵ| '(､v}.ﾟ ヮﾟﾉj)`._ｊ _／＼_ ヽ＿
(（_l_｀ー'｀- 'ヽ |Ｕｌ≡(○＝＝iii'
(_,ﾍ_) ＿j ／｀--'｀ｰ '
＿／ (_ﾉＪ
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
＿＿＿__
ﾄ､＿＿_,ｚァ7////////＞ 、 『私の考えではこの政府事業を行うのに、多くても一万の軍勢と適当な
. ＼/////////////////// ＼
. ､＿_,ノ{'/////////////////////ヽ 規模の艦隊で十分です。駐日イエズス会のパードレが容易に二、三千人
. ＼___/＼＿＿//////ﾊ//＿/////∧
/＼＿＿＿＿＿/ ∨￣///////,i のキリシタンを出兵できましょう。彼らは戦争の経験が豊富で、海・陸の
///////////// 厂 }//////////,l
. |'//////////l'/ _＿__ ///////// l 戦闘に勇敢な兵士です。２エスクードの月給で、喜んで征服事業に参戦
|//|/////// j/ ≡≡ ｨ////////人＿
|'////ﾚ'. "" .}////////ﾄ--'´ し、陛下にご奉公するでありましょう』
,r'⌒ ｰ:-‐:`-､＿ｰ'ｰ' ＿ ｊ'///////∧
. { { {{ {'´`ｭ|| ;}´￣￣￣⌒~｀｝
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
∧∧↓ 日欧の宗教結託に反対！
.／ 中＼ ＿＿__
（ ｀ハ´） ||反対|
(⊃ ⊃.||￣￣
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
カブラルはもともと、軍人出身である。“軍人の目”で採点した日本人への評価は、ポイントが高いといえよう
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
. ′.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i| .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
.i .:.:.:.:.:.:.'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.廴_:.:.:.:.:.:.:.:. i
.|.:.:|.:.:.:.:i.:.:.:.:.:/ .:.:.// jﾍ.:.:.:.:.:.:.:|
.|.:.:|.:.:.:.:|.:.:.:./.:/.://斗=ァ｝.:.:.:.:.:.:| ＿, ー廴 _
. ....:.:| .:.:.:.:.:.:/.:/.:/ 乂rﾂ/ /.:.:.:..:| _)二三三三｀≧ｰ廴 ＿
. .:∧.:.:.:.∨j/∨、: : : : :/ィ.:.:.:/.:.ﾍ -/⌒v-一 ´二三三三三二二二三三｀≧ｰ廴＿
.ィ.:.:.:丶､人 __ ｲ.:.:.:.:/.:.:.:.:.ﾄ 厶孑 ﾉ| ﾍ＝二二三三 ＼／｀ヽ三三≧三二二三三三三
.|.:.r ⌒ ｰу≧=- ´〔_|.:.:../⌒へ.|:.:.:.、 .一爪 _// / ｙ /( └ト、||_⊃) 二二l⌒ ー「~~~冖ー辷＝三≧三二
|.:. < ｀ ‐、´、|: ;; : ;;;;;;;;;;;; :::: :::: : :..: :::: : {_/:// / ( ＼ ﾍ ￣ ￣￣ ｀＞辷/｀ｰ
＼∧／ V:::: : ;;; : ;;;;; :::: :::: :..;;;;: : : ;;;;: :< l ( ゝ _＼ ｀V
/ |:::: :::;; : ;;;;; :::: :::: ;;;;;;; : : :;;;;;;;;;;; ＼ヽ丶＿) Y´
／ | _ ,厶イ:::: :::: ;;;;;;;; :::: :::: :;;;;;;;;;;:...:;;;;;;;;;;;;;;: : :￣二＞- ´
k ::::/::::`´:::: :/:::: :::: :::: ;;;;;;;;;;,,, :::: :;;;;;;;;;;;;＿ _, 一 ′￣
| ::::(:::: :::: ::::(:::: :::: :::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;／
|:::: |:::: :::: ::::|::: :::: :::: :;;;;;;;;;;;;;;;;; : :／
l:::: |:::: :::: ::::|:: :: :::: :::: ;;;;;;;;;;;;;:／
/:::: |:::: :::: ::::|:: :::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; |
/:::: ::::|:::: :::: ::::|::::.. : ;;;;;;;;;;;;;;;;;;:/
. /:::: :::: | :::: :::: : {::::::::: : ;;;;;;;;;;;;;;/
/: :::: :::: {:::: :::: ::::/＿ :::: :::: : ;;;;/
/一 、:::: :::: :::: ::::/ ｀丶、 /
/ _ 丶彡]厶 /｀ヽ◎＿ /::::＼
/￣ / /´二||彡/ /:::: :::: :>
＿_/ |＿＿』 / /:::: :::: く_
＿＿ 」￣￣ ｀丶、 /:::: :::: :::: ::⊃
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
＿
'´:::::::::::ヽ
ｌ ｉ〃∧弋f 「安いｗ 傭兵」とはいえ。日本人を「キリスト教圏拡大」に参加せしめ、軍務を委任する意志は明らか…
| (ｌ|ﾟ ヮﾟﾉl
| r |ｉ準i|っ ならば日本を「キリスト教圏の同盟者」として遇する可能性も、カブラルの視野には入っていたはずだ
/:|::l::|:i
｀i7i7´
| | | ,′ , ｲ′ﾍ, ﾄ､ ﾍ, ﾍ,
| | | /| /| | l | | | |
│ │ l 八 / |/ | ,.ｲ ﾄ､| | | | │ え、 ここの＞１の注目点はそこなの？
│ │ l ∨ ｣＞く `'＜,_ ﾊ | j i
│ │ | 厶ｨ斗扞Tｧ r于ﾃミメ、 l / l|
| 八 八 ヽf＾)-y仆､ 刈 ﾄ､ .刈`《V./ ﾘ そんなことより、征服事業にノリノリの聖職者
ﾚ､ ＼ ＼|/ .人 Ｖ//（ |Ｖ//（ YY＾l k ﾄ､
. 〉 〉、 ＼/〔 ｛ ゞ（｀)┘ .、 └ （｀)_,/ .j l | 》 |V》, っていうのが剣呑すぎて、ドン引きすべきでしょ
_,《V ＼j＼j| ` ∨／/／/ /／/,ノ / / |│|V》 | V》,
《Ｖ | ∧ ＼_ （´ ｀） __／ _/ ,ﾉ│| V》＼j
V{ │ r―宀冖 ￣￣ ￢┐ ,／￣￣ ￣￣￣ミメ.ﾘ V》,
′Ｖ .小 | | | / | /V》,
,. ‐ ￣￣ ｀ヽ､
／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ まあ、そういう時代だったとしか……それに、必ずしも本気とはいえないし
/.:.:.:.:./.:.:.:./.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
/.:.:.:.:./.:.:.:./l:|:.l:､:.:.:.ヽ:.:.:.:.ヽ.:.:';
/.:.:.:l.:.:!.:.:.:./ |:l|:!:､ヽ.:.:ヾ:､:.:.:.＼| せいぜい「アジア布教にテコ入れヨロシク」という、営業トークだったのかも
/.:.:.:.:|.:.l -‐/'/l:!|! ヽ｀ ｰ-ﾊ＼.:.:.:ヽ
/:.:.:.:.:.:l:.l ｨ_¨ヽ! | | ｨ_¨ 丶､ヾ:､ヽ:.:ﾊ ちなみにこの件では、ヴァリニャーノも同じ認識だったりする
|:./:.:.:.:.|:ｌ r'::::::} r':::::::::}:.:.|'ヽ l＼:';
|/l:.:.:.:.:l:.! ゝ- ' , ゝ-- 'l:.:l ﾉ:.| ヾ
|'∧:.:.:.:l:.':､ '"'" '"'u"' /!/,:':.:.:.|
/ ヽ:.:|__::丶､ ｎ ,.ｨ':.//:.l:.:.:.:.:!
/´ヾ 7'ｰr,!｀ ´ ﾄ/ｲー-､:.:.:l
;' ヽ, / ./:ﾉｰf夭‐ﾍ// ／ ヽ.:.l
_!_,..∠､ / ＼/ﾑﾍ／/ l !:.l
【1582年12月14日付マカオ発フィリッピン総督フランシスコ・デ・サンデ宛て書簡より】
‐ ￣￣￣ ヽ
／ ＼
／ ヽ 『日本布教は、神の教会にとり最も重要な事業の一つである
////( )＼ )＼)＼ヽヽ
（ししし⌒⌒⌒） ）⌒⌒⌒⌒） ） ） ） | なぜなら国民が非常に高貴で有能、理性に従うためである
l＼ ,ー,、‐/ |,ー,、―、／＼|/ヽ |
l＼／￣￣￣ ￣￣￣￣ ノ ノ ﾉ
l＼ ／了 | 了 /了 |了 ）￣| | | なお、日本は征服対象としては不向きである
＼ | | / | .| | .| .| | | | |
/| | .| | | .L.」 / | | | | | 国土が不毛且つ貧しい上、国民は非常に勇敢で、絶えず
∧| | | | .| L .| | .| | |J | |
（ ヽ| .| | | | | | | | ＼|ヽ | 軍事訓練を積んでおり、征服は容易ではないからである』
ヽ／|ヽ .|_| |_| .|_| .|_| ／ |
∧ /| | ＼＿＿＿＿＿＿＿ / / ヽ
/ ヽ/ |＿＿＿| ＼＿＿＿＿＿＿＿／| |＿ / | /|
|＼ /＿.」T ／| | ） / ＼＼＿/ . |/ |/|
.ー| .＼ 」 > ヽ ./ （ ）/ （ 」￣＼|＿＿
／￣ ＼_／ ／ |＿＿＿＼ ／＿＿＿＿／ | | //
＼ |＼ ／／ ヽノ .| | |＼ ／ ＼
＼＼ .| ） / ./ ι | μ | | |＿」 ／/彡 ＼_
.＼ ＼二＿＿.| | )αζ .╋ λρτ >>＿＿＿＿／ | ..＼
/￣` ―――- 、
ヽ,-――――-､ ヽ 『しかしながら、中国において陛下が行いたいと思っていることのために、
/, -´ ` ､ ヽ ヽ
l ー' `ー ヽ l | 日本は時とともに、非常に益することになるだろう。それゆえ日本の地を
／ （￣ ） |,ｰ､|
/ ￣ ', 極めて重視する必要がある』―――
・━（,,＿＿_,, --" , 6 /
ヽ `-'`''―-,,_
_ -´ ` -- ,,＿＿,, -- ":::::l::::/::::::::::`''―-,,_
‐ : ,-―‐-,, ｰ, , ｰ、l /:::::::::::l l::::::::::::::::::::::,::
_ ´:::::::/ ￣)l:::::>＼／/:＿＿| |:::::::::::::::／::::
/::::::::::::::l ￣￣`) /╋:ｌ ／:::::＼:::::::::',:::::::::::/::::::::::
l ::::::::::::::::| ￣￣` ）:::::::ｌ／:::::::::::::::>:::::::::',:::::/:::::::::::::
| :::::::::::::::ヽ ―-､/ ヽ／:::::::_,,--''´::::::::::::::v::::::::::::::::
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
要するに「日本は取り込むべき相手、中国は征服対象」という評価で、宿敵同士である布教長と巡察師は一致している
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
y-─-､
/ .＿＼
∧ｲノ 厂{ミZZｧ
人ﾉ:::ム=-y} 弋//ﾉ-､∧⊿
从z─-､::::＼.:ゞ-､ Ｌ＿i／::/
／ ヾ::ノ.:.:.:.:.i╋;＼::::::::{ , -─z===============z
／ |.:.:.:.:.:.:.:|,,ノi.....',ーi"L. ／yｰz__{三三三三三三三三{
. ／ZZz=-xzzzz,ノ.:.:.:.:.:.:.:.|＿|__.〈.:./ ｀ｰz==───{_/{二ソ¨￣￣￣￣￣￣￣￣
/::::::≦二二二才.:.:.:.:.:.:.:.:.:|＿|＿/ { !::::::::::::::::::弋三ノ
. {:::::::::::::::::::::::,'￣ヽ .:.:.:.:.:.:.:.::|_ノﾍ/.:.:.廴＿＿＞-一 '"￣´
. 廴＿＿＿人二ｿ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|_/i__ﾄ､＿＿ノ
}イ三三三ゞ斤ﾍ
|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ー'"ヽ
|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
. 弋.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ＼
｀ｰz≧z､＿.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ＼
|.:.:.:.:.:.:.:.:｀≧､.:.:.:.:.:.:.／ヽ､
|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l ＼.:厂:::::::::∧
|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| i::::::::r三三}
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. |＿＿＿＿＿＿| .∨:::::::::::＞ ‐ ＜ :::::〉 |::::::::／｀＞､::::､
,. ' ￣￣ ト､.／ヽ':::::::|＼::::::::::, ＜ヾ |:::::/ / ヽ:＞ ､
. / ￣￣._｣ ∧::::| ヽ/ ＼_|::/_ｿ ∧::::::＞､
. / ￣￣_〉 ∧/ ╋. |/ ∧￣￣ヽ
＿＿
, ‐ ´ ｀ヽ ここの＞１がこだわるのは、欧州人の評価が当時も「日本人＞中国人」
／..:／.:/ .;ｲ :. :.丶.:.: ＼
〃:.:./ .:./:.:/小:.: ',:.:.ヽ:.:.:. ', で、しかもザビエルやヴァリニャーノだけでなく、じつは「反日カブラル」も
l:{.:./ .:./-‐:! l ヽ:.‐-:.:.:.＼:.:.!
ｉ:}:ﾊ .:7ｨ=ﾐj:ハ >=ミヽ:.:ﾍヾ、 全く同じだったという点だ……
､_メ!.:i.:.ﾊ r'_;j r'_;j ∧:.:}:.fヾ
乂;ｲ.:.∧ /ｲ V:.:.| ﾘ
_／ j/_:ﾉ:.介 .、 ° ,イ:.l:|:..|:.:.:.!
´/:.:,':.:.:j:|:ﾉｰf夭‐ﾍ :j:|:.:ｌ:.:.:.:!
/.:.;ィ7´ｌ:|＼/ﾑﾍ／｀l:| ｀ヽ.:.:i
/.:/i // !| に不こ) !|l /!:.:.i
/.:/| ヽl ｌ !|/〈/ i| ヽ｣ !| !./│:.:.i
_ ＿＿＿＿
´: : : : : : : : : : : : :｀ヽ、
／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : _ヽ
／ .:.:.:.:.:.:/.:.:.: /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::::ヽ 言い換えれば欧州人は、当時から中国人の資質に、余りにも
/.:.:/:.:.:.:.: / .:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::ヽ
/.:.:/.:.:.:.:. / .:.:.:/│:l :.:.:.:.＼.:.:.: ヽ::::::::::::::ヽ 冷めた値踏みをしている……日本と欧州の差異は、じつに
ｌ.:.:/.:.: /.:.,' .:.:.:/.:.:l.: | ＼.:.:.: 丶.:.:.:.::ヽ::::::::::i
| .:|.:.:.:.| .:ｌ.: __/.:.:ハ | ヽ_＼＿_＼.:.::::::ヽ､:::; 「中国文化へのリスペクト」の有無にこそあったと痛感する
| .:|.:.:.:.|.:イ.:./.:.:/.:ハ! ＼-＼.:.:.:.ヽ.:.:.:.:.ヽi
.l .:|.:.:.:ﾊ.:.jｨ仔ﾃ女 ヽ ｧ7仔i心､_.:ヾ.:.:.:.｀ヽ
.l .:|: :ﾉﾍ小ﾍ::::::j| ｌﾍ::::::j|│.:lﾍ＼:::::､.:.＼
.| .:! ﾉ ハ{ r'仁j r'仁リ│.:|.:.!.:.:ﾊ |＼.: ヽ
ノ ｲ.:.: /てﾍ. , ./!.:.j´j.:/｝}:| | ヽ.:}
/.: /.: /しゝ、 ,- -､ ／./.:/.:／|ノ人! j/
/.: /.: /.:./.:.:..:＞ ￣ イ_l.:./.:/|´.:.: |.:. ｌ.: |
/.:.,.':. / j:/.:.:.:./ l_,ﾊ` ‐- ＜｜_,,Ｖ.:厶l.:.:.:. |.:. ｌ. |
/／.:／ /.:.:.:./／/ｌ ヽ ／＼_, '7/＿ヽ.:.: !.:. ｌ.: |
,'' /: :;,ｒ‐‐〃´￣ゝ' r‐-..,,ｖ,r‐‐ｧ | l_＿//￣｀ヽ!: ヽ
／.:／/ i i .＞ｲ从＜´. ｀￣// / ヽ.ヽ
／::::::,' i .i i く__, ｲ.|.ﾄ､__> // , ＼.ヽ
／:::::::::;i l. i i / /|.|.| | i i 'i.:.:.:＼
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ヘレニズム（古典古代）とヘブライズム（キリスト教）を基礎とするヨーロッパ文明に属する人々は、中国に対しても
当初から日本人が抱くような、ある種の感傷をともなう先入観が無かった。この意識の差は、決定的だった―――
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ちなみにイタリア人著述家ヴィットリオ・ヴォルピの「巡察師ヴァリニャーノと日本」によれば、カブラルは……
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_,,r‐-‐－-､_＿
／ －‐--
／:. :.｀:‐-､__＿＿＿
/:.:.: :.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽ ｀ヽ
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_,-‐－'´..:.:.:.:.:.:.:.｀‐-､_l:.:.:.:. .:.:.:.:.:... ヽ ヽ
_＿__,-－'´ ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.: ,-‐－-､_ :.:.:.:.:.:. ヽ ヽ
.,イ￣´´ ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.: ／;,;,;,;,;,;,;,;,;,;｀－‐--､_＿_ヽ ヽ
／ｉ:ｉ:l ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ .／;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,__,-－'´三三=ゝ
.lｉ:ｉ:ｉ:ｉl ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.: ./;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;__,-－'´三三‐'´
lｉ:ｉ:ｉ:ｉl ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ.. /;,;,;,;,;,;,;,;,;,__,-－'´三三‐－'´
.lｉ:ｉ:ｉ:ｉl ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._＿ヾ´_＿,-－'´三三-'´
lｉ:ｉ:ｉ:ｉl ..:._,-‐－'´￣=_/￣ヽ､三三-'´
.lｉ:ｉ:ｉ:ｉl ＿,-‐'´￣三三三三,-'´___,-'´
lｉ:ｉ:ｉ:ｉl _,-‐'´三三三三三三-‐'´￣ "´
.lｉ:ｉ:ｉ:ｉl _,-‐'´三三三三三-‐'´￣
lｉ:ｉ:ｉ:ｉl _,-‐'´三三三三-‐'´￣
.lｉ:ｉ:ｉ:ｉl _,-‐'´三三三三-‐'´
lｉ:ｉ:l/三三三三-‐'´
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＿
／:..: : : : : `::、
/: : : /: : : : : : へ
,': : : :l: : : : :j: /: ﾊ:',
l; l: : :l: : : : ,',ｨ':/ : :l 「 カ ブ ラ ル こ そ は 、 予 言 者 だ っ た 」 と い う
l:,:l: : :l: : : /ハ:{,)ﾄ:ﾘ
l: l: : .l:.: : : : : l: l:l ,′
l: :!: :,:l: : : : : :.l l:l
l::,': : l;!: : : : : :lL;!
,.ｧ: : : :l.:l:: : : : : :, ヽ、
,イ/: : : : l: l: : : : : : ', ＼
,' l': : : : :l: :.l: : : : : : ﾊ ／ l
l ,/: : : : :,': : l: : : : : :',:.:'/ l
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／ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀.:.:.、
. （ ｰ ´ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
. 〉 .:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ー=ｧ （ けっきょく、交易が有るから異教徒の日本人も迫害を手控えている……
. / .:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i.:.:.:.:.:.:.:.／
′ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./|.:.:.:.:.:.:.:.ﾄ だが日本の中央政権が、キリスト教を愛することは望めそうもない―――
ｉ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i.:.:.:.:.:.:.:/ﾚﾞ |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
| . :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:./トﾐ、 |.:.:.:.:.:.:.:.｢￣
. 丿.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.Ｎ ん冫|.:.:.:.:./ ﾘ 多くの日本人は、固唾をのんで支配層の最終判決を見守っているのだ ）
⌒i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./|.:.:.:.ｉ ､ﾋﾝ }.:.:.ィﾙ'
ﾉ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{.:/ ｣.:.:.:.| ﾞﾞﾞ 7.:./
⌒i .:.:.:.:.:.:.:.:∧'⌒``卞、 - ｲﾙ'
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/从.:.:.:.:.:.ﾄ.| ／ ＼＼-=ﾐ
//厶 .:.:.:/ﾚ | } ｝ ＼
′ Vﾚ ､ ／ ィ ￣￣￣｀ ､ j〉
// ′λ ＞───┬r＜ ＿＿＿ 斗 ´ i＼ j/
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// / //∧ |::｝ ／ ／ | ＼
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「（異教徒の日本人が、貿易の権益ほしさで布教を黙認する）この態度は、日本人を完全なオポチュニストだと
みなしたフランシスコ・カブラルも認めていた」（『巡察師ヴァリニャーノと日本』282p）
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人
＜ ＞
＜ 敵は中華に在り！ ひっきょう日本人の中国文化への崇拝熱が冷め ＞
＜ ＞
＜ やらぬ限り、われらヨーロッパ人に日本での居場所など無いのだ！..... ＞
＜ ＞
YYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY
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l:. :. :. :. / ｜:. : ∥ ＿ ﾚ≦ ミ ､ ∨.: .:｜.: .: !
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|:. :. :.:l 1┃!:. :∥ 八 ┃ ﾉ 彡ﾞ |:. :. :.|.: .: .: |
|:. :. :∧、ｰ｜:∥ ￣ `｀ ｜.: .: ｌ.: .: .: |
l:. :. :. ∧ ￣!:∥ ､ u . : : :/.: .: .: :|
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l:. :. :. :. :. 丶 ＼::::::::::::::::::ノ ／ '.:.:/.: .: .: .: . |
ﾉ.: .: .: .: .: .: .: ≧ ￣ ≦ /.::///,＿.: .:. l
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「カブラル、この予言者は、行く末、日本人は西洋の道を捨て、元の道、つまり彼らの文化の
源泉である中国に戻るだろうと考えていた」―――（『巡察師ヴァリニャーノと日本』282p）
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――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ひょっとしたら我々は、もうすこし注意深くカブラルの言動を精査すべきなのかもしれない……
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＿Lニニニﾐミ－
／ ／´ ＿_＿ _ .ヽ ヽ
.／ ／ ∧ .r ｒ.‐ ─ｒ＝＝=ミ ヽ l
／ ∧ .| .| | .|///////＼_ヽ＿
/ ∧..| .| | .|/////////｝.|///}
/ ＞―───┬┐| | .|/////////| .|///}
| -‐::::::::::::::::::::::::.::::.L ;| | l L////////ﾉ .|///}
∧ ＞:::´:::::::::::::::＞ ￣ }￣|￣ヽ ヽ／ ￣￣￣￣ ./|///}
.∧ ＞:::::::::::::::_ -‐イ´ . . {＿∠＿＿ーニニニニ彡─ ヽ//|
. ﾚ´:::::::::∠ -ー .´| ──、ニニミ─==― ﾌ- ﾉ
｛::::／ イ|::::::::::::::::::::|三三三ミヽヽ:::::::::::::ヽ ヽヽ
｛ イ r.:::::| ≦::::|二 ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／ ヽ
＼ ,イ::::::::::::iｙ´ .::::::::::::::::::::::| 〃__ﾉ }￣ ヽ__ l::::|＼:::::::::::::::::::::::::厂
.Y::::::::::::::::::i .::::::::::::::::::::::| {{､__,ノ }! :::::| ﾑ :::::::::::::::::::|
|::::::::::::::::::∨ ...::::::::::::::::::::::| ＼ |:::l ｨ）|::::::::::::::::::::|
|::::::::::::::::::::::又.::::::::::::::::::::::| ミ=ー一 |::: {J|::::::::::::::::::::'
i::／|:::::::::::::::::::.::::::::::::::::::::::'. |/ ヽ彡:::::::::::::::::′
/ ..|::::,::::::::::::::::/ ヽハ::::∧::丶 ｎ ｲ:::::::::::ト ヽ
.ﾚ ＼:::::∠─── ヽ::∧ ｲ ∨:::::::l
ｒ ┴── 、 /ヽ _‐ ＿／ ∨ﾊ/
|: :: : : :: : : 丶/ L.川
/: : : : : : : : : : : , ＼ ﾊ＼
r: : :￣￣＼- ＜∨: : : ｀／: : ＼
./: : : : : : : : : : : : : : .∨.／: : : : ╋ ヽ
／ : : :｀＼: : : : : : : : : : ／: : : : : : : : ゝ: :ヽ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
欧州の宣教師には神仏儒、ひいては中華文明の威光の如きは、まったく霊験の効力が無く……
あまつさえ彼らは生身の“日本”と“中国”を比較して、後者にこそ、むしろ不利な判定をくだしていた
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿＿
「~｜ † ｜
! .ﾉﾘﾉ）ﾘ）〉
ﾉ!ﾘ!ﾟ ヮﾟﾉｌ! ＜ 資質で比較すれば、日本人こそが布教対象の本命。キリスト教文明の優等生たりえます
(.ﾘ⊂i十iつ
く/_|j〉 中国人は……インド人よりは見込みあるけど、武威で平定して教化することも視野に入れてます
し'ﾉ
r‐rｧＺ´~"ヾ
rﾍi !〃朱 ヽ} 華夷秩序において日本や西欧のたぐいは“禽獣に毛が生えた代物”にすぎぬのだわ
7ｂ!ﾘﾉﾉﾘ）)》
/ﾉﾍ.!}!ﾟ -ﾟﾉ|ヽ とっとと朝貢して天子の徳に帰順するのが、本来あるべき宇宙の秩序なのだわ
(（ く_ﾋ|卯i7ヾﾄ､
rｸ ／爿'＾ jｽ ｿ〉
r'フﾞｰ-rァｧ-‐′r'〉
..................................................................................................................................................
_＿ _
. : : ´: : : : : : : : : : : .
／: : : : : : : : : : : : : : : : :＼
/: ／: : : : : : : ﾊ: : : :丶: : : : : .,
/:/: : : : : : l: : /l{ ヽ.: :{: :.＼: : : :′
/:/／/: :j :/l: / { ＼l＼: :＼: : :' だがカブラルは、中国文化も「日本人にマウント取れる」ライバル
j:ﾊ: :/: :__;/斗f'′ 丶ｰ_､｣_l_: : :'ト |
{ 厶': : : :灯f心. イ汀心 ﾊ: :|i :|＼ だと、認識していた。相手が日本であれ中国であれ浸透をめざす
_乂i:l: : : : ｝ V)ツ V)ツ/ 八|i :| ）
八:/: :八 .:.:.:.: ' .:.:.:.:./f'′ｊﾉ: | 適応主義よりその点、より自覚的な策を立て得たかも知れない？
_／ /: :/; :个 . 丶 ,.イ.:l: : : : : :|
_厶イ: : : |: :rく≧-≦ﾟ┐! :|: : : : : :.
/: /: : :rl:|爪 f{ f{ 爪l:|､:_: : : : .
. /: 厶-‐八l ＞'宍'＜⌒^l:|＼ ｀ヽ: :.
/: :f{ / | く／:介:＼ > l:| } /}: |
/ : /| ＼' :| ／ﾚ lﾚﾍ :{ ; / ；.:|
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
むろんそれが「成功するか？」と問われれば、回答は「限りなくノーに近いクエスチョン」となる。しかし―――
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ィ７///////////////＿_／＿＿__
／/////////////////////＼'/////
//////////////////////／ ∨／
///////////////////l}／ ｀ヽ Λ
/////////////////／ Ｎ }／}/∧
/////|/////////／ jノVﾊ///l'∧
/////|ｌ//////／ ／ | ｨk //| /|
ｰ==ニニ二二 ィ////lｨｆ劣｢ }//|∨
/////∨//////,l////|/ |廴ｆ ﾊ/|
//////∨/////,l///i | ﾐｰ=彡 }/{
///////∨//// ∨/{/ , /ｲ
////////∨//// ∨{ ｨ//{ ＿__
///////// ＼////N c'つ |/| / ￣ヽ
//////＼////＼/ |ｰ‐ｆ〔 ∨ | l{
////////＼///////,＞|￣ |＿ __ノl{
//////////|￣￣￣ ／＼ |》《| l{
/,|////|//ﾄ､{ / ＼ (人) l{ ＿__
/,|////|//| ＼ i / } ,∠￣ﾊ ﾘ /￣￣ヽ
Ｖ|////|人| ＼{ ＼|_ ....:::::::::}__jﾉ_／ | ＿ノl{
∨ / j ＼ ＼ ＼__〉 ....:::::::::::::::／ |兀｢￣ l{
l ∨ ∧＼ ｢＼:::::::::::::／ _|》《| {
| | ／ ∧ ヽ ∧ }＿／ (人_） l{
{ | ／ l ∨ ∧ | ノ￣ヽ ﾘ
_ﾉ＼ | ∨ ∧＼＿ __,,.....:::￣l::::::}__／
ﾊ }ﾄ､ 人 ∨ ∧ ＼＿＿_＿＿,,..........::::::::::::::::::::::::::::}／
∨'， {＿／＼_∨ ∧／￣ }} ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::;. ´
∨ ／}＼￣￣￣￣ {{ |::::::::::::::::::::::::; ´
∨ ／ │ } }}＿|::;. -一 ´
∨＿_______／ / ￣ {{ /´
| | , '"´ }} |
＼ ＼ {{ |
. ＼ }} |
＿＿ {{ |
￣￣ ¨¨¨¨ ー――――┴┘
.
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社会実験よろしく、急進的な改革とイベントを盛りこみまくった多才なるヴァリニャーノや―――
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＿_
, -―＝＝≦ 三｀ヽ
,≦三三三三三三三三 }
／三三三三 ∨ / ヽﾆ !
/三三三三三三! { ∨
ﾆ三三三三三>‐ ┃
|三三三三三 { ｒ‐ 、
|三三三三三∧ ﾉ
三三三三ﾆ＞ ￣ヽ
ヽ三r､三＞ }
/ /
r＝=‐- ＿ /
}:::::::::::::::::::::::::::::＞ 、 イ
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/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ､
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/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
, ─ .
／ ヽ,
/V^ヽ 二′
| }/⌒ｉ 二ﾆ|
d | 二二|
| ＿＞=二=＜
,.､-=二二二二二二二=-_
. -=二二二二二二二二二二二-_
／ 二二二二二二二二二二二二二-_
/ 二二二二二二二二二二二二二二-_
/ 二二二二二二二二二二二二二二二-_
. / 二二l二二二二二二二二二二二二二ﾆ-_
/ ニ二l二二二二二二二二二二二二二ニﾆ-_ _ ヒ"´!
. / 二二l二二二二二二二二二二二二二二ﾆﾆ-_ ヽ ｀ヽ__/ ヽ
/ 二二l二二二二二二二二二二二二二二二二-_ } i
. / ニ二ｌ二二二二二二二二二二二二二二二二二ﾚ'⌒ヽ |
/ 二二ｌ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ -=二二ｌニニ|／ニﾑ /
. / 二二ｌ ￣ ｌ二二ニニニ〉／
.′ 二ﾆ/＿＿＿＿＿＿＿＿＿ |二二二ﾆﾆ/´
ｉ 二ﾆ{二二二二二二二二二二二二=─ ＿|ニニニニ/
| 二ニV二二二二二二二二二二ニニニニニﾆ|二二ﾆ／
|. 二ﾆﾆ|二二二二二二二二二二二二二ニニﾆ|=‐ ´
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布教の天稟こそカブラルより上ながら、任地ぼれゆえに日本人との距離を保ちがたかったオルガンティーノよりも―――
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身内に敵を作りやすくとも宗教活動からの逸脱には厳格に臨み、東洋文化に属する日本人への突き放した視点を終始
保ち続けていた原則主義者カブラルの冷徹さこそが、教会の延命にもう少しだけ、寄与できたかも知れない……？
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|
| 適応主義者と
| 群れるくらいなら
| ぼっちでいいし！
○､＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿_ o
_＿／ ｀ヽ
＼ ＼
{ /ﾚ仏 ＞
/, 廻ﾘ 〈
V介 -∠ ＼
j/⌒}}__}i |￣
rう､ fmf八. 几
〈ブ >|｢｢|_ｈ∨ｈ_|
レく ||｣｣ U╋U |
ﾄ､ノｰ┴ｬｰ─┘
L|＿__/|_〉
| | } }ﾊ
. / j ｲ !∧
,′i | │i∧
/ │ | │ ∧
. 〈ｰ-/..,,,,_j__,,.!-‐''´〉
｀¨⌒T::ＴT::T⌒¨
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|: ﾘ |:::ﾘ
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∩| | .| ( ./ / ♪ ∩/ ||￣￣|| ♪ ∩∧__,∧
ヽ|＿＿___|＿＿| ￣￣TT￣ 7_ . ヽ|......||＿＿|| 7 ヽ（ ＾ω＾ ）7
/｀ヽJ†. ,‐┘ /｀ヽJ￣†. ,‐┘ /｀ヽJ †. ,‐┘ /｀ヽJ †. ,‐┘
´｀ヽ､_ ノ ´｀ヽ､_ ノ .´｀ヽ､_ ノ ´｀ヽ､_ ノ
｀) ） ♪ ｀) ） ♪ ｀) ） ♪ ｀) ） ♪
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,. : : ´: : : : : : ｀: .､
／: : : : : : : : : : : : : : ＼
＿ /: : : : _ノ ／: : / : : : : : : ヽ
(⌒7´.:二￣-,イ: :ﾅメ､,ｲ./! : : : : ﾊ
／イ.:/-､:／r,≠ﾐ､／// l_ﾄ､: : : : :'. ……というわけで前後編にわたったカブラル編、
/ /l ｲ /l':::::ｄ 》／ リ｀ﾘ.i: : : :l
/./i .ゝ !{ ゞﾆﾂ ,ｨf示/ｲ : : : ｌ これにて一件落着。まああくまでも＞１のヒネた
// ∧/ ヽ|! ' ' ' , 〈::ﾟｿ// : : ∧j
//_/ノ＞ ⌒ヽ ､__ , ,´,/: : : :/ 主観による再構成であることはお忘れなく
, ´￣ ／ !_ _ イ : : : /
/＿ ／ ,.イ : : ￣: : : :l: : ／
／￣｀ラ ／ | : : : : : : : : ! / それではまた次回！
／ ／ , < l : : : : : : : : l/
_..ｘ-───‐-- ､
,ィ＞'´￣￣￣￣￣｀ヾ:､
,ｨ／ __ノ ｝
（ (_ , -‐ ￣｀ ＜≧ィ'′
＞' / ｝｀丶
,∠.._／ |' / /, ,ｲ ､ ､ヽ
/7⌒)｝ |/l＿／/// | ｝ ｝ ﾊ
. // 〈( f´{∠ ｀Vノ ,ﾉイ ,' l ﾊ.
′ /:}| l |'斥云ﾐ 个v′ ｝}ﾘ
{ ,' || | | :辷ｿ 左ﾐ、 /,/
. '. | | || | | にﾉ/ /:〈
V' | ∨| l|ハ_ r- ､′ ,厶ｲ |ﾊ ……にしても予想を超える長尺になって、＞１本人が焦ってるよね
. ∧ | |!〔 ﾄ､卞、 ｌ ノ ,ノ }| }:|ﾍ}
/ ハﾄ､{| |＞{、ヾ､＞ , ｒ＜:}ル'/ｲ |弌:､ 何気に「宣教師たちの裏事情・暴露編」みたいな構成になってるしｗ
// ,r＜| | ＼ __,Ｚ]〕ヽ.ﾘ__ ﾚ′ ｉ |
／'´ { L| 《￣匸￣汀≧=ミ､ | |.
ヽ ｀ヽ｀＝==彳||ヾ㍉__)｝ l j､
. ＼ ＼ ｜!! ＼ヾ:､＼ //
＼ ヽ. | || }} }] Ⅳ
{＼ ＼!.|| d} |[ / ｊ
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次回はもうちょっと簡潔かつ短くまとめたいと思ってます。むろん確約できませんが。ともあれ―――
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_ zﾆ二二二二ﾆﾆ=- _
ﾄ､＿＿＿ zﾆＺ///////////////// ≧､
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＼/////////////////////////////＼ ヽ
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´￣￣￣|/l{{//////Ｔ７¨¨j/ |///|/j廴 V厂 }////|////＼
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{ / | } |＼／| / | ∧／＼｣ |/// j}. ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|＼
人 } l／ | / l / ＼ |／ 二二二). [|[|| To Be Continued....! >
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以上になります。お付き合いいただき、ありがとうございました
さて。ご存知の通り、世界遺産に潜伏キリシタンの関連遺産が登録決定となりました
ttps://www.christianpress.jp/world-cultural-heritage/
＞国連教育科学文化機関（ユネスコ）の諮問機関、国際記念物遺跡会議（イコモス）が「記載が適当」とユネスコに勧告した
以前、安倍首相によって「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」が軍艦島その他「産業革命遺産」と差し替えられた経緯
があってか、日本政府本体が熱心に働きかけた結果ではなく、むしろユネスコ関係者サイドが、尻込みする日本政府の
背中を押したという印象すらあります（ただし報道量自体が少ないため、＞１の憶測であることは申し添えておきます）
あんのじょうネット掲示板の世論も全体的にモヤモヤしている感じで、露骨に反発する声も珍しくない。安倍首相の祝辞も
「黒歴史」に正面から触れるのは避けており、気乗りしない物言いといっていい。やはり禁教史は、「神国の鬼門」ですね
とはいえ、＞１が思いますに―――この曖昧な態度が目に見える弊害にならないのは、あくまでも敗戦にともなうトラウマ
と後悔が日米同盟と9条の「ハッピーセット」を定着させ、もって軍事・外交上の独自活動に、強い自制がかかるお陰です
安倍首相のように「戦後レジームからの脱却」にきわめて意欲的な、しかも国家神道に好意的な日本会議系の政治家が
両者の関連性に無定見ないし無頓着であることは、明治の元勲の轍を踏むに等しい禍根を、後日に残すかもしれません？
ともあれ作劇の都合上、キリシタンを「主役age」せざるを得ないものの……それが主目的でない点は、弁解しておきたい
あくまでも「日本と欧米キリスト教文明圏のあいだに潜在する対立軸を、自覚すべき」と、言いたいだけであります
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他の宗派は、聖職者の婚姻を認めているのに、いつまでも原則に拘泥して、性虐待で破綻しそうなカトリックだからなあ
霊的救済だの、近代への可能性など何をいわんや
現代になっても聖職者さえ、獣欲を全く制御できていない
今更、世界遺産の登録とか、斜陽のカトリックが、苦し紛れに日本で布教のチャンス作りしたいだけじゃない
再征服活動の延長にあった海外布教で、実際に他所を征服して、同門のプロテスタントを含む他宗教を迫害したカトリックが、自分たちだけ被害者面するのもなあ
我々には、彼らの侵略的行為や性虐待も、立場を慮って尊重しろと？
キリスト教会文化なので、16世紀の汚点を穿り返されて教皇が公式謝罪したことと共に
欧米からすれば触れないまま忘れて欲しいところと考えるべきで、安倍首相がしたと
すればそういう配慮だろう。
17世紀に宗教寓話を聞いて真に受けた浮かれポンチと同じ対立点を今の欧米人が
果たしてとり得るのだろうか
逆に、安倍首相周辺が嫌いな連中が問題化しようと躍起になってるんだろうな
ボヤにもなってないのが、現実だがw
「日本人はキリシタンに酷いことをした。謝罪しろ賠償しろ」と文字通りの子供だましをする
手段の一つとして使いたいだけだと思う
中身も、独断と推測だらけ
作者さんの見解だと、カトリックを嫌って迫害してたのは日本だけらしい
それこそ、現在進行形で世界中で嫌われていて、過去にはどこも実行行使して規制しないといけなかったカルト宗教なのにな
非ヨーロッパでキリスト教化された現地人主体の立憲国家ハワイ王国についても語ってほしい
種の下に平等なんだから姉妹で差別しちゃいかんだろう
うわああ・・・
そんな原理原則を固守して、もっと罪深い破戒を罪のない子供たちに行う
作者さんの言うように、カトリックの原則主義はたいへん成功してますね 棒
当時のカトリックの布教先といったら南米とかの非近代化国家だけでしょ
＞どちらかというと天然痘（人間の行動を不当に束縛する伝統的思想）の予防接種としての種痘の様なものと考えるのが早いかも。
日本では、天然痘撲滅成功を受けて1976年以降、種痘が行われていないそうです。
でも逆にそれ以前の時代にこれを受けないという選択肢はありませんでした。
そういう事だと思うんです。
＞・フランス革命期には「保守思想の父」といわれるエドモンド・バークの政敵プリーストリーがその牧師だった事で有名。
・マンチェスターの上流階層の間でも19世紀に広まる。産業革命への適応を容易にし、社会的成功を収める確率を引き上げる効能があったからという。
・統計学を駆使して（医療分野を含む）軍の兵站管理や都市計画の技法を刷新し
「ミス軍務省」なる物騒な二つ名まで獲得したナイチンゲールもまたユニテリアンに分類される。
世界が変わるのに必要とされる事？
ttp://ochimusha01.hatenablog.com/entry/2016/06/13/074858
＞大日本帝国時代のインテリは、
思想の左右に関わらず江戸幕藩体制下における士族の思考様式の延長線上で「農民も労働者も我ら政治的エリートとの善導に盲従するのが当然」と考える一方で
内部党争に勝利する事を最優先課題と考えていた。
＞実際に戦後日本を変貌させたのは
（セクト争いに勝利さえすれば大衆は勝手に自分達についてくるものと考えていた）彼らではありませんでした（別に思想の左右を問わない）。
それを成し遂げたのは良くも悪くもある意味、太平洋戦争に勝利して日本を占領下に置いたGHQだったとされています。
彼らは当時の日本の全体像を俯瞰して
「大日本帝國のグランドデザインの間違いは、江戸時代以前の伝統まで遡る
"その正しさを誰からも決して疑われる事のない高学歴エリート達が愚民を導く"
基本イメージそのものにある」
と考え、
そして教育制度そのものに不可逆的な形でメスを入れていったのです。
発想が根本から違ったのですね。
＞◎そしていよいよ1970年代に入ると
高度成長の恩恵がやっと実感される様になった昭和30年代（1955年〜1965年）に生を受け、
小学校時代に「エンターテイメント文化の世代交代」を経験し、
マスプロ化された中学、高校、大学に通いつつ
1970年代後半には第一世代アニメファンやジュネ派といった最初期サブカル層を輩出する
真の意味での戦後世代（現在の四十代）が登場してくるのである。
＞＊現代人の感覚からすると、まだまだ前時代のレトリックを引き摺ってたりするのが興味深かったりする。「趣味こそ僕らの世代の主義」だって？
＞いうなれば教育改革によって
「大衆はセクト争いに勝利したエリートに勝手についてくる」という前提そのものが、根幹から破壊されてしまった訳です。
こうしてやっと私達が知る現代日本が姿を現したという次第。
「赤いチョッキ伝説」と日本の学生運動の盛衰
ttp://ochimusha01.hatenablog.com/entry/2016/06/20/164755
はえー（ＡＡ略
ttp://www.afpbb.com/articles/-/3189444
日本のプロテスタント教会の性犯罪も国際的にさらし者にして欲しいものだな
子供を騙し脅す宗教的マウンティングの手法として何が使われてるのか
白日の下に晒して警戒を促すべきだろう
世界史的に、日本の江戸時代のサムライほどアッサリと地位や権力を手放した支配階層もおらんのでは
そもそも、GHQの戦後日本を近代化させたのは俺たちとか額面に受けたおバカさんたちが、他の地域で失敗ばかり繰り返して泥沼化してんじゃないの
サムライたちは、キリスト教圏でもできていない普通選挙とか明治大正で実現できてるけど
予防接種を例えるなら、成功例と失敗例をきちんとカウントしないとアメリカみたく患者を身内ごとバタバタ殺すはめになりますなあ
なっちゃったんだ御免な
ができるからということもあるので些か微妙なところもある
アメリカが一から民主化に成功させた
だから、我々には世界を民主化できるとか同じような事を言ってたなあ
独裁政権やら狂信宗教を排除して、西洋の近代思想を注入すれば万事解決とか
そういう短絡的な思考は、当時からアメリカ内外でも批判があった
わずか数年前でも、地域の歴史や文化を顧みず、日本での民主化を過大評価して正当化した愚行とアメリカ国防長官から皮肉られたけど
チンパンジー程度の知能の持ち主は、また何度も同じ過ちを繰り返すんだろうなあ
そして、大勢の人間が愚行に振り回されて死んでいく
明治なんて、一揆と反対運動が庶民レベルまで激化してた
そもそも、一度も強力な中央政権が誕生せずに政権だの権力だのが絶対性を帯びなかったのが日本の歴史
民衆どころか王侯貴族の反抗も一切許さず、破門を盾に絶対支配体制を築いてたのはカトリック教会組織だろう
だから、性的虐待事件が世界規模で起きていても、地域ごと支配して沈黙させる事が、つい最近までできてたんだろうに
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...-= ニ ≧.. ィ: : : : : : : : : ｀: : ､-、
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. {ﾊ::::::::::::::::::Ⅳ::::::〈 {｝ !:::ﾄ l:.} ｰ', ﾋj 〉l : :ﾘ: :/!: :
V::::ノ::::: /|:::::从 冫! .v:. v: :/);ﾊ｜: 投下されたでござる。なお100レス越えた模様
｢!ﾒﾐﾉ彡ﾘ´｜::::l ,:'ﾊ ヽｰ- ノ ﾚ ´爻 ! :
イ::メ¨`ヾぇ= ､､:::ト- :,′ ｀¨ヽ 〃/ヽ、
:::::} ⌒ヾ､ ﾘ′ イ/}.}、 〃////, 「こっちを作らず？ 大丈夫ですか？」
::::ﾊ ／ ‘, ////}.} 〃/////,
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{;′. :, /!////,}.}.〃//////// 年末から本気出すそうでござる！
｀:: .. _ : :,_ .//{////,}.〃/////////
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:: :: :: :: ::',{ l: ／::乃､/,'〈/f~爻~ヽ//////////
:: :: :: ハ::.}. ／::／:: :: 〉/,'}/ 艾 . ヽ////////,
.:: :: ::iヽ:Y:!. ／:: :: :: :: :: /ヽ／ .///｀ ､ ｀マ77777,
＞─--:: ::´:: :: :: :: :: ::./ ‘， //////,'ヽ ｀ マ//,
:: :: :: :: :: ::, :: :: :: :/ :: / }'////////,'ヽ. ヽ/
_;; :: ::-:: '":: :: :／:: ::/ ////////////ﾍ、__
＿
〝 ヽ
i Ll(从ﾉ)）) と、いうわけで。生存報告を兼ねて、ご案内しときます。タイトルは「ころにーぐらし！」
| |l ﾟ ヮﾟﾉ|
ﾉ , '´ y｀ヽ ご覧の通り るろ剣キャラで固めましたが、私（高荷恵）はＡＡ在庫の都合で登場しません
ー|__|_恵|_.|
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ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/15956/1509195227/230-n
日本にとっては一度社会に根付いたキリスト教勢力の駆逐に成功した経験(禁教令)が
アンチキリスト教国家としての胎動(神国日本)になって近代国家(尊王攘夷)建設の原動力になったりして
なんて妄想しましたw
キリスト教勢力というと今ではアメリカの福音派がメジャー？
婚姻認めない限り、どこかで子供たちが犠牲にされるのは自明の理。
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┃｜ その２：ペトロ岐部の約束 ＜一 立志編＞ . ｜┃
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主要参考文献 ： 銃と十字架（遠藤周作 著）
キリシタン時代の日本人司祭（H.チーリスク 著 / 高祖敏明 監修）
ペトロ岐部カスイ（五野井隆史 著）
ペトロ岐部（松永伍一 著）
天皇とキリシタン禁制（村井早苗 著）
キリシタン時代の文化と諸相（高瀬弘一郎 著）
キリシタン時代対外関係の研究・新訂増補版（高瀬弘一郎 著）
中央公論社 日本の歴史14 鎖国（岩生成一 著）
隠れユダヤ教徒と隠れキリシタン（小岸昭 著）
沢庵 徳川家光に慕われた名僧（船岡誠 著）
世界と西欧（トインビー 著 / 吉田健一 訳）
その他（前回以前の重複文献含む）および、
日本語版・英語版ウィキペディア含む
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推奨OP：地上の星 / 中島みゆき
ttps://www.youtube.com/watch?v=v2SlpjCz7uE
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1579年7月。初来日（有馬領の口之津）したイエズス会巡察使ヴァリニャーノの、肝いりによって―――
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＿＿_, - ､
/＿＿＿＿＿）
| / / ヽ ヽ
|_| ┃ ┃ ||
,（/ ⊂⊃ ヽ)-､ ピアチェーレ、ジャポン！
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（＿＿_ﾉ ヽ､＿＿）
アレッサンドロ・ヴァリニャーノ（1539－1606）
（演者：野比のび助 ＠ドラえもん）
4
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有馬晴信の城下（北有馬の日之江城下）に神学校が建てられたのは、翌80年のこと・・・
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＜有馬セミナリオ＞
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|￣￣￣￣￣￣￣/////| ┌‐┬‐┐ ┌‐┬‐┐ ||─┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┘|＿| | 下丕丕丕ト ＿_＿_＿_＿_ |
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初代校長は、77年に来日したベルショール・モウラ神父。スペインのカラバカ生れ。開校後10年、同職に在った
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|:::::::::::::::::::::::|::::::::::::| ＿＿_ ＼:::::::::::::八レ１:::::| ちなみに我が有馬神学校の第一期生２２人のうちの
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|:::::::::::::::::::::::|::::::::::::| ｌ/l ｌ/ｌ l :::::::l ４人こそが、かの高名な天正少年使節団なんだよー
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|:::::::::::::::::::::::|::::::::::::| 、 ､ﾉ ､ﾉ ﾉ :l:::::|
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∧:::::::::::::::: ∧::::|:::ﾉ ＞ ＿_ ...:::::::::::::::::|:::/
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ベルショール・モウラ校長（演者：里崎希心<きーちゃん> ＠私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!）
※遠藤周作「銃と十字架」ではメルキオール・デ・モーラだが、本稿では前回のカブラル回の表記に準じる
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
モウラは口之津の異教徒が、半ば公然と人身売買に手を染めていることに激怒する正義漢だったという
ちなみに口之津は、後年も「からゆきさん」が取引される一大拠点となっている
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
／ . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .｀ヽ
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/ . : : / . : : : : : : : : | : : : : : : : : : : : : : :￣￣｀ヽ
.′. : : : : : : : : : : : : ∧:.:∧.: .:.|:. :. : : : : : : :i: : : : :.
. : : : :| : : : : : : : : : | j/ jﾊ: :}＿:. :. : : : : :|: : : : :i 奴隷貿易、だめ絶対！
ｉ . : : : ∧: :{ : : : : : ﾊ},x=＝ミ、ハ＿＞ : : : :|: : : : :|
| : : : : | 'x=ﾐ: : : : :|:′r'⌒ヽ ヾ, ｉ: : : : : : : .:|: : : : :| 未改宗者よ、悔い改めなさい
| : : : : |〃〃ﾐ､.:.:.ﾊj:::{ {::{:::::}:} ﾘ | : : : : : : : |: : : : i|
| : : : /代 {:{::}} ヽ{:::::::: 乂ｰク :::::::| : : : : : : : |: : : : i|
: : ://ﾊ::::乂ｸ ::::::::::::::::_,. ー ￣| : : : : : : : ' : : : :ｉ|
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V///ハ::::::. ヽ | . : : : .:/. : : : : : : .＼__
V////ﾄ､:::::::::こつ ｲ . .:/ :/. : : : : : . ＼／
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Ｖ| ..:.:.:／￣╋ ｀ヽ / . :/ ＼:. :. :. : : : : .／
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/ ノノノノハヽ シラ〜
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} | r} ` / -' | |`i ／ ,ﾍr^､ | ,! -‐- ､
{ 'ｧ' `ー'/,_ ）!／ﾘノ二二jﾉ / ＿i
,-ｿ ､ ノ＿ i／/ - r { |＿_∠＿_,へ ／￣￣ヽ
/#＼ ､ `='ノ iﾆij ,ﾆﾞ | | r､/＿＿,|￣/ ノノﾉij
＼＃i＼ ￣,ﾉ`i ヽ ､ ノi' {_ （__ﾊ_ ! | _ノ^i'_ﾌ'i,!
＼i＃|＼==|/`|＼＼`ｰ ､ヽ | i ` ,.-ｉ{ }､|- 'i |
＼|ヽ ｝ ﾉ i ＼ | 〉ノ`ｰヽ ,<j 二ﾉ /ｿ ヽ.､, ﾉ だって漁業以外、産業がない土地柄なんだもん
Ｏ|/ |l/ i ﾉ´| _ノ＼＼ "{ヽ /＼ ヽ､|
| ﾘ / | i/ ヽ_|＼ノヽ ＼_|ヽ 異国坊主はでしゃばるなよなー
|０` | | |＼ ､ `| | | | ヽ
| | | | ＼ ﾘ | | ri | |
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
それはさておき。モウラは前布教長カブラルや準管区長コエリョとおなじ九州派閥（詳しくは前回
を参照）の人物で、バテレン追放令の折りには、コエリョとおなじ武力抵抗派に与していた
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＜1589年2月11日・高来協議会＞
,;r''"~￣￣^'ヽ
/ ╋ ;ヽ
l ＿＿,,,,,,,,,,,,,＿,;;;;i
,l l''|~/ －､ －､lﾐ;l
ﾞl;| |─| ・|・ |;i |
ﾞl;| | ` － o－|;i | 武装抵抗も辞さないのが、よく訓練されたバテレンだ！
,r＼ヽ __＿っc=/
,／ ヽヽ､__ ─､- ノヽ
/ ﾞヽ ￣､::::: ﾞl,
|;/"⌒ヽ, ＼ ヽ: _l＿ ri ri
l l ヽr‐─ヽ＿|_⊂////;`ゞ--―─-r| | / |
ﾞlﾞl, l,|｀ﾞﾞﾞ''―ll＿__l,,l,|,iﾉ二二二二│｀""""""""""""|二;;二二;;二二二i≡二三三l
| ヽ ヽ _|＿ ＿ "l￣￣￣￣￣￣ |二;;二二;;二='''''''''''￣ﾉ
/"ヽ 'j＿／ヽヽ,￣ ,,,/"''''''''''''⊃r‐l'二二二T￣￣￣ ［iﾞ''''''''''''''''"ﾞﾞﾞ￣`"
／ ヽ ー──''''''""(;;) ｀ﾞ,j" | | |
コエリョ準管区長
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／...........................................................＼
.........................................................................ヽ
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...................................................................................ｌ
.................................|＼l＼................. ﾉヽ...../|....|
ｌ......................... |＼ｌ＿_ ＼／|／ ＿ v |....|
|......................... |／ | |｀ ´ | | ＼ |....|
|.............／|.......| ｌ_ｌ ｌ_l ｌ....| ほんと極東の布教事情は地獄だぜフゥハハーハァー
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|.............＼|.......| ......|
|.............. . |.......| 丶 ﾌ ノ.......|
|.............. . |.......l＞ .....|.........|
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……が、後ろ盾コエリョの死によりヴァリニャーノ説得を断念。あえなく降服……
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,'.:..:.:.:.;;;;;;rrrr､:.:.:ヽ
l::;ｨ'´;;;;' ｀ヽ｡-､ヽ.::! モウラ校長―――もう一回いってみろ……
{ﾐﾚ'"´. ,.. ¨¨｀,ｨ;;彡.
{ﾐ!. i i::i l.:::! l:l .l:! l;;彡 セミナリオの生徒をほったらかしにして、戦争ごっこのつもりか？
iﾄ､i i:::iﾉ:::l/::l/::!ﾉ:::|
ヽ入 ｀VⅥ /l /l
ﾄ､ `1 ﾐヽﾆﾆ彡'´ L､､､,,_ _./ ﾚ' ..!
ﾄ､. ! Vl ,..ィ´.:j! ',::,,,,,/ ,::′ ,' `ヽ`ヽ`Y´.:./l ｀`ヽ
| ヽ| 〃／.:.:.:.j!...',;,,/ ,::′,,,,,........ﾘ ﾉ.:::l / .l.:.:.:.:.／ﾄ､
,.ィ´ヽ ﾉ／ / ;;;'''ﾞﾞﾞﾞ｀,.''''ﾞﾞﾞ´ {: :i i!.::! ゝ ' ／.ィ´ `ヽ
ﾄ､/ ﾄ､, ´/ ./:::'' .人 ..:;;╋ .人 .:i: :.! i!:::!.:.;.ィ彡'´ ;; .ﾞ､
l ﾊ V.:.:.i / ,:: ｀Y´.;;;′ ｀Y´ .!,..ィ"´`ヽ〃;;;:;:;:;:;:;;:;ﾞﾞﾞ´: .
l/.::',.:./.:.:.:j. /''"´ ....;;;;; 人 (,,､､`Y.. ):::V´ : : :
ヴァリニャーノ闇落ちver.
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:::::::::::::::::::::::::::ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}:::i
::::::::::::::ﾚ{::::::::| ﾟ｡:::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::} アッハイ
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::::::::::::::| ＼{ --㍉＼::::::::::::::::/リ､.ｲ
::::::::::::::| ／ .ﾊ } ＼:::::::ｲヽ }::| 軽率でしたすいません。教育者としての本分に専念します！
::::::::::::::| / |ｉ| ーlil ｝ |ｉ:|
::::::::::::::ｌ ゝ リ ﾘ /|ｉ:|
::ﾟ｡::::::::::. ι {::|ｉ:|
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::::::::／ ╋ゝ＼ｰｭ::::::::::::::::::::::::::/
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ﾓ ｳ ﾗ
とはいえ。初代校長の危惧は、決して杞憂ではなかった。パトロンである有馬晴信の支援は続いたにせよ。非公認の
存在となった有馬セミナリオは秘密結社のような性格を帯びるようになり、人目を避けての活動を余儀なくされ―――
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┃ |::: ´ 7 :: :::::::::
┃ | / / Y ::::::::: よし。この辺りなら、ひとまず公儀の詮議を避けられるか……
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┃ |二ア ..::::::::::::::::::
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┃ | ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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┃ |╋+----+--+----}:::::::::::::.
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八良尾山中に潜伏したり海べりの加津佐に移転したり。ついには長崎の岬（現県庁付近）に
引っ越したりと、切支丹迫害の歴史を反映し、目まぐるしい流転の運命に落ちてしまうのである
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿＿＿＿＿＿＿__.＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_,
./"￣ ,..-‐:,''"~|i| /::::::::::::::::::::::::＼ |
/ ／ ':, |l| /::／''￣^~ ''ゞ､ ﾍ さっさと引っ越しは河原！ |
,.-,'............................く,,,,,,,,,,,,,,,,,,;,ノl| |:/ ,--､ _;-､ ﾐ:::! | ＜ 次はどこかなっと…
,＿/´＿＿＿＿＿＿_,´＿＿＿_ヽﾉ| |:i ,ro､ ｨo,､ |:| 河原引越しセンター |
,| i ._/@二ヽ . Ｏf￣~i.r――:i.|i‐i |;.| l:{ ~ ﾉ ､~ ri |
[;;] ! （・∀・ ） |[;;] |.| ,!|l .l |;.| ﾞl:. ヽ `ﾟ_ﾟ ヽ ｿ |
ヽ| っ⌒'と ） l[;;]_! !-‐'''"~ |~~ ! | ,r''ﾄ､ 〈+++）' / ＴＥＬ：０１２０－ＸＸ－ＸＸＸＸ |
i￣:￣￣￣￣ :￣i_| i'''"~ﾌ =.|＿|;.| ヽ＼ `ﾆ ' / |
|､_.:lニ=(-)=ニl:._∠l ''''=~ __'､__i;.| ＼ ` - ー '/ |
,!==iニ====ニi===l|i-―,:''"ニ二|_|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_|
|‐-.,ニニニニ,.-‐y!l＿//⌒ヽ;;;;i――――――――――――――‐i,//⌒ヽ;///⌒ヽ.ヽi――――‐! |
!￣= [二] =￣~ !二|｣i （$）i ;;;|:ニニニニニニニニニニニニニニニl;|iii （$）.iii:iii （$）.i;;;;|lニニニニﾆ,/
￣￣ゞ;三ノ￣￣￣￣ゞ＿,ノ￣ ￣￣￣￣￣￣ゞゞ;三ノ ゞゞ;三ノ ￣ゞゞ,＿ノ ゞゞ＿ノ￣ ￣￣￣￣~
＼＼ ビ ＼＼ ＼ ＼＼＼ ＼＼ ＼ ＼
＼＼ ＼＼ ュ ウ ＼＼ ＼ ＼＼
＼＼ ＼＼ ＼＼ ＼ ウ ＼＼＼ ＼＼
＼＼＼ ＼＼ ＼∧╋∧ ウ ＼＼ ＼
＼＼ ＼＼ （｀Д ´ ∧∧ ゥ＼ ＼＼ ＜ ここかよ？
＼ ＼ （ (ﾟДﾟ ) ＼＼ ＼＼ゥ＼＼
＼ ＼＼ ＼｜ ｜ | ヽ ＼＼ ゥ
＼＼ ＼ ＼＼ （＿（＿UU( ）〜′ ＼＼ ＼＼
＼ ＼＼ ＼ |￣￣| ￣￣＼ ＼＼ ＼＼
＼ ＼ ＼ / Ｙ ＼ ∨ | ￣￣￣￣ヽヽ
＼＼ ＼＼ | | | ＼ ヽ
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そんな有馬セミナリオのドアを今回の主人公が叩いたのは、天下分け目の関ケ原（1600年）の年、陰暦6月のこと……
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| | | |i |丶::丶､ | |
| | | _|i_ | |丶､｀ヽ､.:| ＿＿
,,_|,_,|＿＿__γ´￣ 丶＿| {__｝ | | |｀丶 `|| | _､‐''゛
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￣￣￣/ / /ﾆﾆﾆ∨ | |＿| | | || | l| | ｉ¨¨￣| | ｜
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――――――――――――――――
その名は、ペトロ岐部カスイ……
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＿
-｢￣ | 今期入学生の諸君！
| ｜ |
｜｜ ＋| これより剃髪する。しかるのち制服（青い道服に青か黒のマント）を支給するので、着替えるように！
.L ‐--‐'ヽ
｜l ﾘV _`
|cl | ´ヮ ﾉ／
.l ﾚ l |
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{. |:.:.:.|:.:.:.:.i:| V:::::::ﾘ ＼:.:| r '::::::::| 》|/:.:.:./:.:.:j:.:.:.ﾘ よろしくです！
. ',:.:.:.'､:.:.从 xxx ヽ V:::::::ｿ /:.:.:./:.:. /:.:.:/
ヽ:.| ` r､:ヽ xxxx /:.:／|:.:.:/l:.:./
ヽ. | ｀` j! ／／ノ/:. /. |:/
＼. ／ '´/_／ィ/ ′
＼ ｀ 一 ,.ィ´:.／〃
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／! ｀ ´ '､
╋
ペトロ岐部カスイ（1587－1639）
イエズス会の日本人司祭
（演者：前原圭一 ＠ひぐらしのなく頃に）
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国東半島の北部一帯で漁業・海賊をなりわいとする水軍衆の地侍の子であり……
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――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
記録上 日本人として初めて、インド・ペルシア・パレスティナを単独踏破。聖都エルサレムの地を踏み―――
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_ _＞''"＿‐二‐ ‐ ‐ ‐ _二 :.￣ ‥ｰ- ＿
" "" ~ ~ _､‐''゛ _-二三ﾆ─ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ Ξﾆ ‥．:.、 : . . . ￣~ " '' … ｰ -
＿二＞''~ ＿-二三二─ ‐ ‐ ｰ . : ´ 二- ．． :.、
,＞'ﾞ _ -二三三ﾆ─ ‐ ‐ : . . , : ´ Ξ ‐￣ ’∵；． . . . . . .
_ -二三二─ ‐: : : : : . . . . . . ..ノ´. : . : -二- - . : ´ .:′ __ . . : : :
三二- - : : : : : : : : : : : :´ : : -三- - - .: . : ＼＞_ _ . : :
=- : : : : : : : : : : : _ノ´⌒: : : : γ三㍉' ´ .: ,:′ : : ｀:.``"'' : . . .
: : : : : : : : : : :_ノ´⌒: : : :γ三;; '"^^~´ ノ . :′ .: .: ; : ＜Ξミメ、
: : : : : : _ノ´⌒: : : _ノ'´: : ｀ ' ''′′, . : ' ´ . :´ ...: ,: .:′.:'.. ｀``丶 ｀:､
: :_ノ´⌒: : : : : :ノ'´: : : : : : γ三ヽ. . . . : ' ´ , : ' ´ : .:′: :. ＼ ｀:､
⌒: : : : : : :_ノ'´: : : : : :, : ⌒ ｰ=彡 ' ´ ,ノ´ , :´ ノ .: : :、 :, ＼ 丶
: : : : : : :_ノ γ三つ'´ :;::;: , . : ´ , . : ´ ´ . : ´ ..: .: :. :, :､
: :_ノ=-⌒ ｀ ' ''′ , . : ´ . : ´ ノ ,.:'´ . : ´ . . . . .:. ｀:. :, :.、
⌒: : : : :ﾉ三ｼ___.: .: ノ´ . : ´ . : ´,.:'´ . : .: . . : : : . . :. :. :.
,: : _ノ´=- (:::-三V _ノ'´ , : ´ ,.:'´ . : ´ .: . . . : : : : : . . . . :, :. ｀:.
_ノ'´=- ':ﾆ..＞.:.:´.ノ'´ , : ´ ,.:'´ . : ´ .: . : : : : : : : : : : . . . . . . .′. . . .:. ;
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1620年ローマへ到達。司祭に叙階され帰国するという、文字通り前人未到の偉業をなし遂げた男である
末路こそ対照的ながら……玄奘三蔵のキリシタンver.という観が、無くもない
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ともあれ。まずはそこに至る前史からはじめよう……
ペトロの父ロマノと母マリアも、当然ながら熱心なキリシタン。かれのセミナリオ入学は、一家の悲願だったに違いない
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
__ -―,へ
／⌒ ⌒ヽ -― -
-ミ、 ヽ ＼x- -ﾐ／:::::::::::::::::::::::＼
（ r‐ } ｉx-‐==r‐ } i:} }つ ） （ r‐ }:::::::/::::: i:::::::::::::::>=-
. ‐ｧ ﾉ { {乂} _ノ }ﾘヽ ﾊr‐' ｰｧ ├::x{:::::::├‐x}:::::; つ ）
. / ∧人x≡ミ 弍/j/ﾊ / /{:::::i{_::::::_|:::::ﾉ:::::| r‐'
/ //∧,(＼ ,.._ ' }//}i＼. / /::}〃⌒ , ⌒ヾi::::} | 「「入学おめでとう、
〈 ム//∧ミ=（ ￣） 八/ij > 〈 厶人 Y￣ } |::::ｌ } ＼
＼ _ﾉ＼//＞‐ ―' イ )/／ ＼__ﾉ} ＞ ｰ=イ^{::::{／:i }::〉 我が家の誉れ！」」
/ }/ } V ム{x{ ＼ ／ ／ ＼ 〉⌒╋⌒〈 >::ヽ:::{__ノ:/
／/ ⌒ヽ} ノ / /╋ ＼i/⌒ /i 〃／::::::i >‐'/ﾊｰr<{:::::::＼＼ｰ'
. ／ Y ⌒}/ |o|V⌒ ヽ{ {::{ ＿{::{::::}:::::::} //⌒{{⌒||{ヽ:::::::::＼＼
／ __ ノ /__joL{―ｧ ＼ ヾ::::::::辷彡:::<.// {{ || 〉::＼:::::::::::::::ヽ
/ ｉ: /＼ o /＿__, ＼ ./:::/ /::;::://＼＿ _》_,_jjｲ＼::::＼:::::::::::::::
i/{ i {ｉ , i: //＼ /: :＼{: : : / ヽ ＼ /:::/ {:{/:::{////＼/////＼/〉::::::ヽ:::::::::::::}i
{ { ヽ | 乂_{: :i{: : :⌒ヽ /: : : : : : : ＼ i ）, {:::f 乂 <///////ヽ//////>⌒ヽ{￣｀ヽﾘ
乂__ ＼ { ⌒ }/: : : : : : ;へ: : ｧ‐<⌒ } }‐=彡' 乂__ ＼//////////// /
＼ ⌒ヽ〈⌒´ Y {__乂ノ }￣ }^^}￣}￢´
＼ } j / ﾉ { {
ロマノ岐部（生没年不詳） マリア岐部（旧姓はマリア波多。生没年不詳）
（演者：羽入 ＠ひぐらしのなく頃に） （演者：古手梨香 ＠ひぐらしのなく頃に）
, ' ´￣｀丶
| rWWwﾉ ここまで言われたら負けられない
ﾚﾘ ﾟ ヮﾟﾉﾘ
/ ｿヽ†ｲつ'' 俺の本気、見せてやるぜぇー
しﾚ-ェ !
! _ ||_ |
し ヽJ
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ちなみにペトロの兄弟のジョアン岐部も、ペトロと共にセミナリオの門をくぐっている。かれは神父にはならなかった
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, -:.'':.¨:.'':‐-､
, ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ー ､
, ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
_... '.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ:.:.ﾍ:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ
フ:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.i' ` ' `i:.:.ﾄ､:.:.:.:.:.:ﾍ:.:.:ﾊ
/:.:i:.:.:.:.:i:.:.:.ﾄ､:.:l l:.:/ '.:.:.l:.:.:.:.i:.:.:.i
. i:.:,l:.:.:l:.:.ヽ斗ｷ:.l l:/―-'､l:.:.:.:.:l:.:.:.l
l:.i l:.:l:.:.:.:.ﾄ､l __ヽ __ /:.:.:.::l:.:./ おそらくは迫害による教会組織の縮小も相まって……司祭の道には
l '.:.l:､:.:l '´ ` ´ ｀/／:.:.l:.:/
ヽl:.ヽ､＼ ' ,/ｲ:.:.:.:.l:/ 進まず、同宿（司祭補助。俗人なので妻帯可）として活動していました
'.:.:.:.:ﾄ､. ヽ ﾌ , l:.:.:.:/'
'.:.:.:l:.:.丶､ ｀´ ,, ィ:.::l:.:./
'.:.:' ヽト､:l`ｰ l/ﾍ/
`' i ヽ ､.. __ ... .... _
, -,‐' ／ / `ヽ
, - '/ i ｰ､ ,- '', ' / '.
/ .' ヽ､`ｰ _- '',, - '' i i
.' i ` f_ ）'' l l
i l/ ╋ '. ヽ l
.l / ll ll ﾍ '. l
l i ll ll ヽi l
ジョアン岐部 五左衛門（生没年不詳）
（演者：知恵留美子 ＠ひぐらしのなく頃に）
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
教会を会社に例えれば「現地採用のアルバイト社員。ただし有資格者」とでも言えば、中らずと雖も遠からずであろう
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――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ジョアンとペトロのどちらが兄でどちらが弟かは、記録に残っていないものの―――
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, - － - - 、
／ :´ :: :: :: :: :: :: :: ::｀ﾆヽ、
/:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :ヽ、
l:: ::/:/:: :: :: :: :::r､,rヽ:: :: :: ::＼:i
|:: /::|::|::|:: ::|:: :l￣￣l:: l::l:: :ヽ:: i
. |:: :|:::|::|::_tﾆｔ|__| |::ﾊ::l::l:::l:: l ペトロという名がキリストの最初の弟子にして初代教皇の名であることから、
. ﾉ|:: |::ヽ:ﾄ:r7勹ヽ rﾃ「｀ｲ:l:: ||::|
l:::|:: ::ヾ ヒソ 辷ﾉ /ｲ::/ ﾚ 五野井隆史・遠藤周作の両氏は、私ジョアンの方を弟とみていますね
|::|:: :: ヽ´´_ ｀ ´´/: メ
ﾘヽ:: ::| ￣ ／ヽ:: :|
ヾ::| ゝ - イ ヾ:| チーリスク神父はより慎重に「不明」とし、私が兄である可能性にも含みを
ﾉリ ` フーｆﾞ ヽ
_, -<´.ヽー イ丿 ヽ ヽ 持たせていますが……
. / ヽ. . .￣￣○. . . . ..ヽ、ヽ
l l. . . . . . . ..╋. . . . . .ヽ.ヽ
. l i .l.. . . . . . . |. .＼. . . . ..|. ヽ
. l l、l: . . . . . . : . : . : . : . :l. ヽ
l | ヽ: . : . : . : . : l: . : . : . l ヽ
. l l ＼: . : . : . : .:i: . : . : . :l_ ヽ
l | l: . : . : . : .:l: . . . : . ::l;｀;;;;;-;ゝ ､____
. l / /: . : . : . : .i:. . :.: . . . ヽ;;;;;;;;;;;;＼;;;;;|
| l ./: . : . l: . : . l. . .: . . . . ヽ;;;;;;;;;;;;;;;＼|
. l l /: . : . :i: . : . .i. . : . . . . .: ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;|
l l /: . : . :l: . : . ..l: . :: . . . . . ::ヽ;;;;;;;;;;;;;;|
. l l /: . : . :i: . : . . i.: . : . . . . . . :ヽ;;;;;;;;;;;;|
l l/: . : . : l: . : . . l: . . :. . . . . .: ::ヽ;;;;;;;;;;|
l ./: . : . : .i: . : . . : : . .: . . . . . : .::ヽ--.┘
l /: . : . : . : . : . . : : . . . . . . . . : : :|
. -‐.:.:.:.:.:.:‐-ミ__
／⌒ヽ:.:.:.:.: ⌒＼:.:.ヽ
. ／ .:.:. /.:.:.:.:.:.:.ｉ:ｉ:.:.:i: :＼.:.
/ .:.:.:.:|:ｉ| :.:.:.:.: /|:|:.:/: : i: ｉ |
. /ィ i:∨|八.:.:.:.:/lﾉﾉｲ|:.:.: |､| |
. l: |: | ● ＼/ ●从: :/l// むろん断定はできないが、＞１は「ペトロが兄」説を支持するとのこと
. |/Ⅵ⊃ ､_,､_, ⊂⊃ｲ,ﾉ/
/⌒＼. ﾍ、 ゝ._） ｲ/l/
. ＼ ﾞ,ｰ ＞,､ __, イ∠
＼/ .＞l___/く ヽ
. 〈. ｉ ＼╋／ ｉ ‘，
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ここで先に、ペトロ岐部の家族の運命について書いておこう―――
父ロマノ岐部は豊後国浦部地方の領主一族の連枝で1584年、一族150人と共に受洗。熱心な伝道師として活動
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
┼╋┼╋┼╋┼ _ -─…‐- _ ╋┼╋┼╋
╋┼╋┼╋ * ´￣ ミx.._ ┼╋┼
┼╋┼╋ + ／ , ,/´ ｀ヽ __}__ ┼╋
╋┼╋ x / / 〃 ＼:::＼ ┼
┼╋ + // / / / ｉｌ l l l li l ﾊ:::::::＼ ╋
╋ // / / /ﾊ. .ｌｉ ｉｌ l l l l l li ｌ. l i|:::::::::::| +
〃 〃i i ｉ ｉ _ｌｌ ｉｌ l l L/ _ｌ liﾊ. l i|:::::::::::| * 息子のセミナリオ入学時は、恐らく牢人。でも信徒の
|ｉ ｉi i{_.斗ﾋセ刋 ｉｌ l ｌ//jノjﾉ｀}i. ｉｉ l i|:::::::::::| x
|ｉ ｉｌ ｌｉ ｉｉﾉ斥i气、il l/j/ 芹そ㍉ |i j/::::::::::/ + 指導者として信頼も篤く、入学を許可されました♪
|ｉ ｉｌ ｌｉ ｉ|ｲ ｉ::i::ｑ ヽi/ |::!::ｑ }｝ |i ∧::::::::/ *
八. iｌ ｌｉ lﾊ._乂zﾉ ヒＺﾉノi|ｉ |/l L／| *｡ ╋
+ l人 辷 ミ_Xx 、 xxX 厶ｲ ｉl ｌi ｌi人 X ┼
x ￣¨ﾃ千､ 、__, イi{.li ｉl ｌi ｌi＼＼ x
+ /// ｌi＞､ ´ ,. '´ |人i ｉl ｌi ｌi i|＼＼ +
╋ X /// / _,/匸Ｔ¨´ ／／＼!._ｌi ｌi i|＼＼＼ *
┼╋ * /// / .ﾚ'^|::| ﾉ ／／ ／￣￣＼ヽ ＼} ﾉ
╋┼╋ + /// / /| |::ト､ ／／ ／ ∠. ＼ ＼ +
┼╋┼ x ｉiｌ i l./| | |::| ／／ ／ ／ ∨ヽく x
╋┼╋‐ *x |iｌ i / | | |::|／／ ／ / |ｉ i|ｉ ｀ヽ. *
┼╋ xX |iｌ iｉ |__/. | |:::／ ／ ｀Y´＿ ∧ |ｉ li il i +
╋ +x |iｌ i f７′.| l/ ／ f´￣ ＼/l i |ｉ li il |
X 从ﾊ|│ ╋,/ / |こ..,,_ ＼ i |ｉ li il |
+ |│ / / ..,,_ 厂|=ニ./＼__／ i |ｉ li il |
* |人,.: : :|: : |: . . . _,.ﾆ=-/￣ -=ミr┤} iｌリﾉ| li il |. ╋
x / /ｉ,-=|: : |_ﾆ=-'´_ }..,,_ ／_,ノ_彡'^ | 川ﾉ ┼
/_ノ |ﾆ7'{⌒Yiニﾆ...,,_ /´ ／／i^Y´ jﾉ ┼╋
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ただし彼については1589年9月以降のイエズス会の報告に出ないため、没年を含めて以後の動向は不明である
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＿ _
, ´ ｀´ ｀ヽ
/ .,.′ ' ' :.
,′_,./ ., ; ; ､i、
i／::::l ! ___i,, i､ |::＼
/::::::::::| :|,､l!_j´i ./｀ﾘi !､:::::i
|::::::::::人 ,衍:oﾟl! | /ｲ心り| i＼!
V´ !戈代泛ﾘ ´ 弋;ﾘ!ノﾘ!
_ / /.八 ＞｡ﾟ r== , ﾟﾉ,人! 史料が無いのが悪いんや
ヽ ._ノ.ノ./_.人|＼` r=r.-r'入 ´
／ /..:/( ＼.＼ ＼! ╋,､ ＼
r==人 ノ :( .∧__.人__.)___)_ﾉ :.!、
|＼!.:´:.人::.ii.八 ／ rm / :l .＼
| l￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣!
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| | お 払 い 箱 |
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. '::::´:￣｀⌒ヽ､
.／／ : : : : : : : ヾ.::::＼
/: /: ; : { : :i: :i: :ヾ: :ヽ::ヽヽ
＼|_jノ!＿l_j {＿lヽｌ_jr/|::i:i
｜| ● ●￣|::|::|::|:| でも1617〜18年時点の私が独身だったことから、
｜l⊃ ､_,､_, ⊂⊃j::.|::|:|
/⌒ヽ_|::|ﾍ ゝ._） |:::|/⌒i! それ以前に物故していたのは確かなのです
＼ .|::|:::l＞,､ __, イｊ, ./ /.|
ヽ/ |::|:::| || レＱ_丿||/＼ﾑ::|
＼;|::.| || ╋ .|| /l::.|
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1618年10月20日付マカオ編纂の「イエズス会日本年報」では、ロマノの妻子の消息についてのみ触れている
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,. -――- ､
,. :'´,.-::,.-::::::::::::::::::::` ､
.／／〃::/::/:,:::/::,::::::::::＼::ヽ
/:::/::/:,':::,'::::i:::l:::|:::i::::::!:i::::i:::ヽ::! 息子のジョアンとともに筑前から筑後へ、
.〃:/::/:::|::::i!:::i!:::!::!:::ﾄ､::|::|::::|:::::|::i
ヽ!:!:::i!::::ﾋ土_」Lゝ,.土ミ､:j::::!::_」::| そして最終的に切支丹最後の砦となった
｀T^T:ﾚ1{::h! ´hf:::rYTT「::|::::!
|:|::|::| ゞ-' `ー' 1|::|:|::::!:::! 長崎に移住したのです
|:|::|::乂" ､._ ",.ｨ:|::|::|::::!:::!
!:|::|:::|::|:＞r-.､_＜┐:!::|:::|:::|::::!
/::!/!:├ｧ'X´╋ ｀7 !:::/:ト､!::|:Vﾄ､
/:::!:从::Vく // Y /::/∠-‐!::!::ヽ ヽ
|::/// ﾄ､! ｀| | ^´/／ j !:::!::::| ||
!:|:|くヽ ||::| .j j. l´:! ! _V||::| i|
!:!|::::「「!|_:ﾚ'| | |:::| Ｆ-〒T::!|::|/
!::|:::::!:| 〕_j┴'―.Fj.―'､ ,':::!/ j/
ヽﾄ､:冫/7::7:::T::T::Tヽ::::V:::/ /
/::/:/::::!:::::|::::|::::|::::!::'.:V
/::/::,':::::!::::::!:::::!::::!:::::!::'.:ﾍ
/::/:::,'::::::!::::::!:::::!:::::!::::::!:::'.:::'.
,::::,:::::,:::::::|:::::::|:::::|:::::|::::::|:::::'.:::'.
,':::,'::::::!::::::|:::::::|::::::|:::::!::::::!::::::'.:::'.
／: : : : : : : : : :_ : : : : : : : : ヽ
ｰ='／: : : : : i: : ﾄ､/ i: : : /: : : : : :ﾊ
/: : : : : i: : il: :l l: :,ﾊ: : : : : : : :i
. i: :l: : : : :l: l斗┤ ├/-､i l: : : : : :l
..l: ,ｲ : : : lヽl,=ｷl l/＝､l:l: : : : : /
. l/ l: :ﾄ: : l<ﾄ._,} ﾄ､_} l>: : i: :/ ちなみに私は1617年時点で妻帯ずみ―――
ヽl ＼ﾍ ｰ' i `ｰ'/ ／/ /
l: : :i､` ､‐ｧ 'イ: / / 妻の名は、ルフィナであることが判明しています
ヽ: :l ` ､ ｀ , ィ/:/ /
ヽVヽi､i ー ' .l／/'
` l i '
／ ヽ、
, 丶´ ` ､ _ｰ- ､ __-＞ ､
／ ヽ r‐三-r ､-っ. l`ヽ
i ヽ ｀ ¨`ｰ' ´ ヽ! i
l ヽi. ╋l ＼l
l y ll ll ヽ
l l / ll ll }
l .l/ i /
――――――――――――――――――――――――――
というわけで彼らは、最終的に長崎に落ち着いたのだが……
――――――――――――――――――――――――――
／／: : : : : : .:./: : .:./:.V:ﾍ:. : : : : : : : : :＼
. /:／: : : : : : .:.:.:i: : .:.:/⌒⌒l:. : : /: : : : : : : :ヽ
/〃: : : : : : : :.:./l:. :.:./ l:. : ﾊ:.: : : : : : : : : i
. l/ i: : : : : : .l :.:.ﾑゝ-..l _l..../ i:.: : l: : : : : : :l
l: : :.l: : :.:.:l:.´l,,=ヽ:.l /∠_` ﾄ:.:/: : : : : : :.l 母上、ルフィナ。教会の御用で筑前・筑後に行ってくる
､: :.:i: : :.:.:lx'l 0｀iヾ 'o¨ヽヽl:./:.: : : : : :./
. ヽ :.ﾄ､:.:.:.:l` ﾋ_ｿ ト-,:} ﾑ/:. : : .:.: .:/
＼､ヽ､ﾍ ' `ー' /: : .:.:.:.:.:./ 上司エウジェニオ司祭が療養中なので、同地のキリシタンの
`/: .:i` ＿ ／_... - ':.:/
i: .:.:.ヽ、 ー' ー7:.:.:.:.:／/ 慰問役代行を仰せつかった……
l: :.:.:.//ヽ、 _.. /:.:.:.:./,ｲ/
l: :.:〃' ` r '' ,':.:.:.／ '
V ' l i.:., ｲ
__, - ､／i l/ ＞ｰ ､.. -､
, -‐‐r'' i ¨ ╋, -‐ .／ ／￣ ¨丶、
-――- 、_
, ´ ＼_
／ ＼ ｀＼
/ ／´, , / ＼.: .:::}::. ヽ
/ .:: / .:/ .:! .:l i＿ .:::l:: . l
! .:/ :{ :{, -‐‐{- ´l__ ｀ .:|, -‐┘ お勤めご苦労様なのです
! {＿_! ｨ´!, -‐=ゞ―‐ ｲZ´!!{´|
! .:::!.:｀‐|//´{::て {ｒ１ﾘl::.| 宗門の仲間によろしくなのです
| .:::! .:{ヽゝゞ_ｿ ,｀" ﾙ|
| .:::| :|, ,, _ , "ｲ:..!
| .::::! :!ト . _ イ::.l:. !
l .:::::! ::! | ￣!ﾌ:´.:::|::. |::.|
l .::::::l .::::!｀＼、_,l丶.:::::!::: !::.|
! .::::::::l .::::!、 }｀╋!/´}ヽl::. l:: l
――――――――――――――――――――――――――――――
あるときジョアンは同宿の任務で、筑前と筑後を訪問することになった
――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
で―――仕事を済ませたジョアンが長崎に帰ってくると、かれを捕縛する役人がやってきた
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／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
ー-／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
/ :.:.:.:.:.:./:.ﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
/ :.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:i´`´i:.:.:.:ﾊ:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|i:.:| |:.:./ i:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:|
!:.|:.:.:.:.:.:.:i:.:|ヽ/ `lX＝=/-i:.:.:.:.:.:..|::::::ﾉ
.|:.|:.:.:i:.:.:.:i:.彡q '"7T6ヾ:.:.ﾉ:.:.!::::/ なぜ福岡城主（黒田長政）様の配下が、
.ヽi :.:.|:.:.:.ヾ弋!i. 弌iﾂﾉ:.ノ:.:.:ﾉ::/
ヾヽ:.i＼:＼'''´ , ﾉノ:::::::::ﾒ/ 長崎に来るのです？
＼i |:.ヾ _ ｲ::::::::/ﾘ
|:.::＼、 ｀ ／::::://
|:::::::::/ヽ､_,,-'' |::::/ﾂ
. |::::|i/ | |/i
i:/ / ＼ ,,,,,,,,,,＿
ノ _,, - '' ／ ヽ
,, -ーニ,,,,ーニ''' / ヽ
/ / ””（,_,）””－ / .i
i y´ /i／／ | | |
|／ 〃i ﾍ |i |
/ 〃i|╋ ヽ | |
i 〃.|| l. |
､-‐- 、 ,..--:::‐-／､ゝ二 ｀ .
,r':::::::::::::::ﾞｉ<:´:::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ ..
l:::::::::::::::::::}l}:::::::::::::::::::∧::!::::::＼＼:ﾞｉ
|:::::::::::::::::ﾍ{::::!:!:|:,r'∨ 三ﾞｉｉ!､ﾞｉ::::}}:::ｉ
|::::::::::::／ ﾄ:::从 ○三三○VｌｌV'/ . お前が筑前で、ご禁制の邪宗門の活動をしていた
|:::::::::| (,::⊂⊃ ､_,､_, ⊂从,r'匸
|:::::::::| ｉi::l:ﾘ i__i ﾍ::| ことはバレてるの。嫁と一緒に、とっととお縄につくの！
|::::::::| ﾞｉlﾞｉiィ（￣￣￣彡
l:::::::| ,r' イﾝ､ '――― 彡
|:::::::| /,ミ_:::j::┤|ﾞｉ ﾍ |::l´
キリシタン弾圧係のお役人モブ
（演者：高町なのは ＠魔法少女リリカルなのは）
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というわけでジョアンは妻ルフィナと共に逮捕され、筑前に護送された。その後の消息は不明。恐らく殉教であろう
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/.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:/.:.:.:.:.,'.:.:./.:.:.:.:/.:.:.:.:.:ﾊ/ ',.:.:.:.:.:.:ﾊ.:.:.:.:.:∧
. l.:.:.:.:.:.:.:ﾊ.:.:.,'.:.:.:.:.:,'.:.:/.:.:.:./,.:' / / ',.:.:.:.:.:.:`､.:.:.:.:.:.',
|.:.:.:.:.:.:ハ.:.:|.:.:.:.:.:.l.:.:.:.,'.:.:/ ,'.:.:/ ﾊ ',.:.:.:.:.:.:.:.:',.:.:.:i.:.l
|.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:|.:.:.:.:.:|.:.:.:i.:.:i ./.:.:/ ﾊ .', l.:.:.:.:.:.:.:|.:.:l.:.:|
|.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:|.:.:.:.:__|.:＿! ,'_i_＿/____,,l ｰ､__,＿＿いl .l.:.:.:.:l.:.:|.:.:l
',.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:|.:.:´.:.:| ,,,＿__l_/_, l ｀=_＿_ ｌ {丶.|.:.:.|:.:.l
',.:.:.:.:r､|.:.:.:.:|.:.:／ ｨテ:::::Ojﾐ､ l イテ::::Oﾊﾍ─‐‐ l.:.:|
`､/ .|.:.:.:.:＼l〈 _弋辷ソ 弋V__'ソ.ﾉゝ|.:.:.:.:|￣
{ i |.:.:.:.:.:.:| ￣￣ ｀ ー‐''´ |.:.:.:.:l では、お義母さま
ﾍ ヽ|.:.:.:.:i.:.:.:| l.:.:.:.:.l
ﾍ |.:.:.:.:l.:.:.:| l l.:.:.:.:.:l
|.:.:.:.:l.:.:.:| ,! ./.:.:.:.:.:l お独りにしてしまうのは心苦しい
/.|.:.:.:.:l.:.:.:| ＿ _ ./|:.:.:.:.:.:l
し|.:.:.:.:l.:.:.:ﾄ､ `ｰ_‐' ｲ .|:.:.:.:.:.:l 事ながら、全ては主のご意志
/.:.:.:.:l.:.:.:.:l.:.:.:|. ＼ .／ .l.:.:.:.:.:.l
./.:.:.:.:/l.:.:.:.:l.:.:.:l へ_ .／ |.:.:.:.:.:.l
__ /.:.:-‐ |..:.:.:.:l.:.:l ｀＞ ､ ___ ,.イ､ |::.:.:.:.:.l お達者で……
__,,-‐' ´.:.:.:ヽ |.:.:.:.:l.:.:l / 丶＜`､.|:.:.:.:.:.:l
,,_--''".:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ .|.:.:.:.:l.:.:l / ＼.|:.:.:.:.:.:l─‐-､
／-- 、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::ﾍ |.:.:.:.l.:.:.l / l:.:.:.:.:.:|.:`､ ヽ、
.／ ＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ |.:.:.:l.:.:.:| / l.:.:.:.:.:.:l.:.:.:.i ヽ
＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ |.:.:.:l.:.:.:| ╋ .l:..:.:.:.:.:l.:.:.:.:|. `､
ルフィナ岐部（生没年不詳）
ジョアン岐部の妻
（演者：梨花の母 ＠ひぐらしのなく頃に）
.,..-‐-､
.,':.:,:,:,:,:,:',
,.':.:.', ,':.,' 大丈夫ですよルフィナ
,..':.:.,',',! !､,'
,.':.:.:.,'.,.|___.,'', お前たち夫婦とは、パライソでまた会えるです
,.':.:.:.:.:ｉ.ｉ....†,'..ｉ.ｉ
,.':.:.:.:.:.:.:ｉｉ......,'....ｉｉ
,':.:.:.:.:.:.:.,' ',...,'.......ｉ
―――――――――――――――――――――――――――――――
残るマリアの最期も不明であるが、宣教師ジョアン・ロドリゲスが書いた
1619年2月20日付マカオ発書簡で、後日の様子が手短に語られている
―――――――――――――――――――――――――――――――
__ .__
/♯＼ ／♯ﾞ､
|♯ ,. -――‐- ._ ♯|
レ'´ _,,-‐――‐-､,_｀ヽ
/ ,､' " ﾞヽ ヽ
.. / / ⌒ ⌒ ヽ ﾍ
,' / ,ﾞ‐‐" ,ﾞ‐‐" ﾞ, ',
! l | ⌒ | | ⌒ | l |
l l. ｀‐‐' Ο ｀‐‐' ! l
. ', ',. ､＿_, / /
VV / /
＼ヽ＿＿_＿＿＿＿＿/／
,└‐‐---/⌒ヽ----┘、
／ / ﾋ╋ﾌ ヽ ＼
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
,,,,,..─--.,,,、
／ ＼
/ ＼
/ 丿ﾉ_＿ ＿丿）＿ ___|
| | / __ __ヽ| ￣￣
＿| | =/ | =./ | | ＿＿＿
（::::::| _ | | ⌒| |⌒| | ＿＿ ドラミことジョアン・ロドリゲス・ツヅ（通事）だと思った？
ヽ::::（ | | ￣ ゝ￣ | |
/:::::/| |、 ┌─, ﾉ | | ざんねん、ジランのほうでしたー
＼:/ └.┘＼.,_ ￣_..／-┘ ￣￣
、-─「└-｀￣|─--_-、
,（ ｀─---′ )ヽ丿
| （ ╋ ） |′
│ | / /
'、 ＼ ／ ／
＼ ＼__／ ／ ＼
／｀-(., __ ノ ＼
／ ＼
(_／⌒＼.__.／⌒＼.,__.__.ノ
（ /| ／
｀---′ ｀---′
ジョアン・ロドリゲス・ジラン（1559-1629）
イエズス会日本準管区長付秘書。有名なロドリゲス（演者：ドラミ）と同姓同名なことでも有名
（演者：トモダチロボット ＠ドラえもん）
.:::::::::::/ :::::/ |: : : |.: :.:.|:.:..:| l:|: :/ ハ: | :| : |: : : : : :.|::::.: : : :l
:::::::::: !::::::/ !:|: : : |.: :.:.|:.:..:| l:|: :|: | |│:!:.│: : : : : |:::::: : : :|
:::::::::::l:::::;小!:|: : : |.: :.:.|:.:..:| l:|: :|: | |│:!:.│: : : : : |⌒ヽ.: :|
:::::::::::|::: l│|:|: : : |.: :.:.|: :ｌ:| i:|: :|_jl ⊥L:|_:_|_:i_: : : :.|/＾い: :|
::::::: |:|:::ｌ|│|:|: : : |: : :ｌ|: :|:|'´| 丁 l:丁|:.川:|_:l : : : :.|∨ }: :l
::::::: |:|::｣|⊥|:L:_:_l|: : :ｌ|: :|:| |: :|ﾆj斗≦云冬ﾞ: : : :.|ﾉ / :│
::::::: |:|::!｢丁l:｢:-: i|: : :||:_:|｣ ｉ:_:|癶込ｚj:｣丁:ｌ : : : :.| / : :│ 天にまします われらの父よ……
::::::: |:|ﾆj斗≦云冬 | :| : ｌ : :.|ノ: : : │
::::::: l:癶込弌≠'′ ::! | :! : | : :.|:::::.:. : :| めでたし聖寵満ち満てるマリア……
::::::: |:l ´ｌ| ::l |│:│ : |:::::.:. : :|
::::::: l ! ｌ| ::| | |: : | : :.|:::::.:. : :|
::::::: | `､ｌ| ` | |: : | : :.|:::::.:. : :|
::::::: |:lｰ:ｌ|＼ __ . -‐' | |: : | : :.|:::::.:. : :|
::::::: |:l::::|:!::::::丶、 | |: : | : :.|:::::::.: :│
::::::: |:! ::l:|::::::::::::::｀i ｲ| |: : | : :.|::::::: : : |
::::::: |::::::l:|:::::::::::::::::| 丶、 ／ ｌ:.:|: : | : :.|:::::::::. : |
::::::: |::::::l:| :::::::::::::: | ｀ -‐'´ | :|: : | : :.|::::::::::::.:.|
::::::: |::::::l:| :::::::::::: ｉ:| | :|: : | : :.l::::::::::::.. |
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○
ο
o
__,,,_
／￣ ￣ ヽ
/ . ヽ
.| ＿））──'' )＿.|
（;| . | ' , 、 ,. ヽ| | 『ジョアンの母マリアは非常に徳が高く信心の篤い婦人であるが（中略）ジョアン以外に
ヽ;;|（| | |┬| |┬|.| |
｀ .| | ｀' ,｀'u.| | . . 頼りにする者とてない。そして、自分は捕えられなくても息子をデウスに献じる事を望み
|__|ヽ、 ￢ ﾉ_|
.:. . (''ヽ,┬ .′. ...: . ロザリオを一千遍唱える誓いをたて、短時間で実際になしとげた』―――
... （ ｀｀.i i ｀.ヽ. .: .: ..
.. : ..＼ | | . :. i .. : .:.
.. .. |.＼.ノ╋/ |
―――――――――――――――――――――――――――――――――
いずれにせよ―――本稿主人公が、司祭叙階の野心を胸に秘めてマカオに
渡航して以降、かれとかれの家族が再会することはなかったのである……
―――――――――――――――――――――――――――――――――
＿＿ｒ ―
／;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,＼
/;,;,;,;,;;,／;,;,;,;,;,;,; ヽ;,「
|;,;,;,;,;,/;,;,;|;,ﾄ;,;,;,;,;,;,;l;,|
|;,;,;,;,;,|;,;,;,;V-lﾊ;,K;,ﾊ|
';,;,;,;,;,|;,;,|;,{てﾂ ヽﾚ
＼,;,;,ヽトゝ __, ﾉ 司祭として人生を主に捧げる道に、専念するのみさ
ヽﾊﾉ ｒ－'＿
＿ ｒ‐ム-―┐ ヽ
ｒvノ 〉 ＿ ┬ ー－／
巛 Υ=┐ ╋／
|三三Υ|||ﾐ ＼
l三三ﾐ|||||||| | )
l三三ﾐ|||||||| |/ ハ
l三三ﾐ|||||||| / | |
l三三ﾐ|||||||| ｰ┬―┬ｧ |
|三三||||||||＼ | | ＼
|三三|||||||l / | ヽ 〉
￣￣ ｀´｀´ ＼ｰヽ ＼イへ
/;三 ＼ ＼三ﾊ
〈三三三 ｰ 〉三ﾍ
V 三三三三三三 l
〉三三三三三三 |
/ 三三三三三三/
/ 三三三三三三/
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ペトロ岐部の、セミナリオにおける生活や成績は不明。とはいえ、ラテン語は得意だったと思われる
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
.....:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ヽ__
. ／⌒:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.⌒＼:.:.:.:.｀ヽ
,.:.:.:.:.:.: /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:,
. / .:.:.:.:.:.:{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}i:::.:.:.:.:.:.:.＼:.:.:.:,
/ィ:.:.:.:{:.:.ﾊ:}ｉ:.:.:.:.:.:.:ハ:.:.:.:.:.:.:.:.: l.:.:.:.:
. l:.:.{:.:∨ j八:.:.:.: /,斗ｬ:}ｉ:.:.}:ﾄ､j.:.:.:.;
. |:.:ﾊ:.:.{fてﾊ.＼/ ｆて刈:.:ﾊl‐､:.: /
. |/ ヽj Vｿ Vこｿ!/ }:/
. ､ _ __, r┐ ´{
｀ . __ く:./}/
. . ∧ ﾑ」ヽ_／ ＼
/ ７__╋ ヽ
. l | / l
_,,,..､､ `｀ ＼
＿＿＿,,,,,,,......､､､､､ --‐‐… '' ~ ､‐゛ ＼
`､"''〜 .,,_ ,.､n㎜｡ ､‐゛ - .,,_ ＼
`､ ´"''〜 .,,_ "~⌒~ ､‐゛丶｀ ´"''〜 .,,_
`､ ~"''〜 _,,.. ､丶｀ ´"''〜 .,,_
`､ ＿,,,,....､､ -‐ '''" ､丶｀ ´"''〜
￣ ､丶｀ ／ _,,.､､… ''"ﾞ
､丶｀ ／ _ -=- -=::::::::,::ﾞ
､丶｀ ､‐゛ _ -=- -=:::::::::::::::,:ﾞ
＜ ､‐゛ _ -=ﾆ=- -=::::::::::::::::::_,ィﾞ
うぅo｡. ､‐゛ _ -=ﾆ=- -=ﾆ::::::;;;;;;;;;;;;;::::_､ヽ｀
うぅo｡. j}k ､ ゛ _ -=ﾆ=- -=ﾆ:::::::;;;;;;;;;;;;;:::::_,,.,,､::`
うぅo｡. 火り,ノﾆ=- -=ﾆ:::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;､`
うぅo｡. _,,..､､ -‐＝''"......:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミﾒ:;;::､:''"~
_,,..､､ -‐ '''"~ _,,..､､ -‐ミﾒ,:::::::::::ﾐﾒ、:::::::;;::､､…''"~
＿,,...､､ -‐ '''"~ _,,..､､ -‐ '''"~ }i川メ､) `｀
⌒"''-'"''…='''"~ ﾘ
＿＿
「~｜ † ｜
! .ﾉﾘﾉ）ﾘ）〉
ﾉ!ﾘ!ﾟ ヮﾟﾉｌ! ＜ これは教科書に載せたい名文章。普及させねば（使命感）
(.ﾘ⊂i十iつ
く/_|j〉
し'ﾉ
――――――――――――――――――――――――――――――――
後年、彼の書簡（1630年6月12日付）を読んだイエズス会のマニラ学院長
フアン・ロペスがその名文ぶりに感嘆し、スペイン語に重訳したほどである
――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ともあれセミナリオ卒業と同時に、ペトロ岐部はイエズス会に入る誓願をたてる―――
それからマカオに追放されるまで司祭をめざしつつ、日本のいずこかで同宿として活動していたのは間違いない
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
十
|
,.!
/ iヽ
∠___i__ヽ
|iiiiiii|iiiii|
|iiiiiii|iiiii|
, -―――一 ''''iー一,大
／ ,／三＼
∠＿＿＿＿＿＿＿,,／三三三,＼
|三|[]|三|[:]|三|[::]|三|三,／＼,三|
--――''''''"^''|三三三三三三三三|三i|[]|[]!三|ー-――wwvv,,,,,__
"'i､ｰ- ,,＿ ,,~~~''''''~~~~~~~''''~~~'' ' ´ `''''''"~~ ~~
r- .. ＿
＞: : : : : : :` ､
∠: : :./: : : : : : :ヽ
l:.／l: :ハ: ヽ: : :.i
r-‐､ ／ ●l/-‐l: :.l: : : l
｛ C ） { r-､_ ●く: : :./ 「おそらく秋月（現在の福岡県内）のレジデンシア（教区支部・住院）に
| 〈 >､ヽ ノ ＿)／
l `く ＞'" ヽ:.／ 派遣された可能性が高い」というのが、五野井先生の推測だ
ヽ ＿ ╋ i 〉
／ 〉__／＼
＿__./::‐- ..._ / 〉 ﾉ この推測が正しければ弟ジョアンとおなじく、イタリア人エウジェニオ司祭の
/:::::::::::::::::::::::::::::T ￣ ／
|::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ....＿/ 部下として勤務していたことになる……
l:::::::::::l￣|::::::::::l
〉::::::::l l::::::::::|
. l:::::::::::::l !::::::::::!
` ‐ '" l:::::::::::l
. l::::::::::::l
r':::::::::::::::l
ヽ-----'
――――――――――――――――――――――――――――――
だが。かれの生きた時代こそは、キリシタン迫害の開始〜全盛期……
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／ .}. i´: : : : i. Y.´ / ./ .i 日本はもとこれ神国なり―――
,. -=___,,...ィ: : : ∧:: :::: : ',. ,' ./,. .i
.＞ク-≧-.,_: : : : : : :∧: : : : i / 、 ./'´i ｀ヽ、
} '7´"'y :∨ i '-.,_ ヽ=.,_/ ./: : ｀'X. : / i 伴天連の徒党、邪法にあらずして何ぞや！
'= -i. ヽ_: :}∨,=、 V i: :弋-.,, __ _i／,': : : : : : 7 .,'
ﾄ .,_ ヽ: : ,-',´:｀'i .-∨＼: :ヽiミ- ='7: : :／:／ ./
｀' =-.{.〉.ﾄ,ヽ_ﾆヽ ∨: ヽ,i : ｀ﾄ-:' _,,.ィ_,.'´ ／´i
i ',_i｀´ ∨ ∨: i :´￣ :_,,.. X _,≠::, i:λ´￣￣ ｀"'=-.,_
. ,-.,_ ヽ-´ ＼ ｀t- ''"´ ヽt 'i:: : : : : :ヽ,∨: : : : : : : : : : :ヽ
｀ -,.ヽ,_ 入=- .,_ _,.彡=ﾄ,:: : : : : : : ',ヽ: : : : : : : : : : :
＼ .ヽ, ',=- .｀,,_7三 =- - '"〉,:: : : : : , ,.ﾄ≦,_ ヽ,:: : : :
＼ .ヽ, _,,./i: : :...i :｀=--- 三彡_＞.,_: : / / ヽ,i:: : : : :
ヽ_,.-='"´: : : : : : : :i: : : : ／; : : }, ヾ: {.,_ ヽ_v-'"
／￣｀:=-: : : : : : : v = :;_ : : : : : : : :＼. ＼,....ヽ、 /´_,√
∠= ィ´: : : : : : :_ : : : :V: : : : ∥:: : : : :i: : : ∨-'"_/ ヽ=..,,ヽ i :r:i: ヽ
/: : :/ : : : : : : ／: : :_.- ='' =- .、 : : : : Y: : : : ｀,.'´- = - '彡＞-.,_ ィ
i : :_,.i . . . :-彡 .イ´｀' - .,_: : : : : i : i : : : ヽ : : ',:ヽ .=- ' "´
金地院崇伝（演者：クウラ ＠DRAGON BALL）
きたか…!!
( ﾟдﾟ) ｶﾞﾀｯ
/ ヾ
＿_L| /￣￣￣/＿
＼/ /
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1613年。家康の肝いりで金地院崇伝が、禁教趣意書を起草―――
将軍秀忠の朱印と「日本国中諸人この旨を存すべし」という家康の添書きつきで、全国に通達される
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教会も、手をこまねいていたわけではない。南蛮人の貿易商らと協議し、ポルトガル船は商品売却を拒否する
はたして京阪地方の生糸相場は暴騰したという
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r;ニニﾆﾆﾆﾆヽ
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|:::::::::::| |::::::::::::Π::::::::||
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｜ | |ィｹﾘﾉ |ト｝!l|
｜ _| ﾚｧ予 伝yﾘ| ,..、 ／
| fr| 《｛_丿 Lｊﾊ∥ _,ノ/｀ｉl ／
| ゞ| |､'' r-ｧ ,ツ ｲイ´ ﾊ ｉl 神と和解せよ！ それまで交易関係はSHUT OUT！！
｜ | | ,ﾌ 云'I｢|｛ {::::{ V ﾘ ＼
｜| Ｎ ｛｀ヽｰ弋ｲﾉ｀衣√｀ヾノ ＼
从 |、 ﾊ Ｙ:::::ﾍ＼,ｲ乍｝
｀ヽVﾘ'| !:::::::Y´ア´
,| |::::::::｢´
/ﾋﾆﾘ::::/`､
ん｛,,,,'〉v,､,､ゝ
┝━┿┥
／╋＼
| ^o^ | ＜ 交渉に応じてくれるまでは、いともたやすく行われるえげつない禁輸です
＼＿／
＿| |＿
| |
／￣＼ ／￣＼
| | | | ＜ やめてください 流通が死んでしまいます
＼＿／ ＼＿／
＿| |＿ ＿| |＿
| | | |
∧
なんとなく 商人の命にかかわる
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だが神国の大公儀は、こんな条件闘争に応ずる相手ではなかった
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,へ } | 广ヽ / / ,イ rイ 广万フ之ﾌ六ﾆ亡~~~~ﾞﾞ~~アﾞﾞﾞ|ｻ
ﾍ. ＼ | |. } lﾉ / / └」 `'ﾆｭ冫ﾉノ!火,イ／ ﾍ. _lｌﾑ´
Ｖ ヽ| | l 丿 / _,,.=-‐'^>ｌ彡彡ｸソｉ彡',／ |,:-__ｨl
V jｌ | j ﾞ /´ _,,..-‐ﾆ''ﾍい丿/｢,ィ'／ﾞヽ,. -‐''''''"''"ﾞ勺ｌ
ｌ ﾘ l / ,r'" ｨｩ广1+ｉﾆイメ'"／ ／ ﾞ'l
| __ﾄ'´ /┌ンﾆン彡-/六丿 / / 聞 ど さ. ﾞl
| ﾉ丈_－上! 上ﾉ彡彡彡巛/ /彡ｲ,' く. ん あ |
j ノ ,「下'lク//介ﾋ/ﾝ彡斗彡 /辷ｰ i. 耳 な 願. |
廴ﾉ/ンｨｿｲヾ１‐个!彡彡彡彡彳ﾉ彡彡,l も 願 い. |
广ﾉ^ゝ'个./''彳 ,,''宀//彡「:ﾆ丿ｌ彡彡, l た い を |
/ノ´ 〜ｒン1''`:－.－: ヾ-父小!ｌ彡彡彡 | ず で 言 ｊ
彡ﾞﾆ:ぃ‐ｰﾉﾍ ''' ＼:ﾕﾆ,,ヽ.－下介 |彡彡彡ｌ. 潰. も え l
ｌ「 _-ユ/,, ,っ‐"ン彡―''ｩ/ _^リ勺│彡彡彡l す j
,彡Ｔ ／ 〕'./'゛‐-/／ ﾞヽ'「 /亡!│彡彡彡'l. だ ,ｨｌ父lｻ
ヽ,_ﾑﾉ___.ノ× 冫丿 _│ﾞ 上d ﾉ⌒ー三圭ゝ け _,.ｨ彡ﾍ〔lｻ
廴〉 ヾヽ冫'－｀│ 彳ﾍ | | ヽ､ ＿＿ ,ｨニ┘ﾝJ１/彳
广.. ' －：-：万| _ | | | ＿,,.. -‐ 下~~./丿ﾆ/ﾉﾝ万
广 ‐ヾヽ_. ン彡ｌﾝリ .ィ / j_,. -ｰ宀''''つ「--_－-./-六/〜彡ンﾝ'下
广..,,゛''.',,-‐'_ノ六ﾆlシ _,_ノ' ｨ/ ﾉ"-c-:ﾝン´,,_/_/.￣工ﾆ''''''〔之〈彳へ,,ﾉﾘ
,-‐个-‐ﾞぃ___ﾆ_ｧｻｰ┌／ .ｨ;´ |夕ﾌ/ ./ニ上/丿_ﾆ./-1./彡_├-j斗-彡'" 彡
,广 ‐;' -:..ﾞ "＿_二ﾞ''‐ﾆ7 ,,ｨ 彳lンノゝ/丿ノ-っ' －1./ニＴﾍ‐メﾆﾆｰ'"ゝ 上
い l! 丿-彡;ﾆｉフコ'ｯ,,_＾ｰ-ｨ 丈ｨｿ'ﾆノ'ｼ'-^ン宀│ﾅ〔ﾆ上//イクｌ_ ＾ゝ,, !ﾘ
ゝ.. ン'ｌﾆ -辷!,,├リ ﾞﾞ''l心ｪﾆ工二-t彡彡‐'"│__:丿‐ｌ彳〔ｭﾆ‐'´ `＼ ￤ ニｰ|彳
辷ｮ爪ﾞﾞｰ∨ ./彡工-''斗彡'"´＼ 」‐ぃ::ﾕ广ﾞﾞ´－+､ －宀-....____,,..r'"
ﾍﾊﾞっ'´ .ﾉ 斗彡lﾝ介´ ヽ丿1」|ﾉ／￣ゝ_, ＾`ｰ--.,__,.=-< ´ ヽ、＿
广 ,_ｨ 彡l/ン ゝ_ ''/'''''''くシヽl _._ |‐ '' "´ ￣ 廴 ""''
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徳川幕府（演者：神龍 ＠DRAGON BALL）
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交易サボタージュが、新たに入港するポルトガル船には徹底していないとの報を受けて強気になった事もあり。イエズス
会管区長カルヴァーリョが送ったポルトガル人使節が贈り物を携えて陳情しても、駿府の家康は取り付く島もなかった
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かくして1614年11月7〜8（慶長19年10月6〜7）日。切支丹大名の高山ジュスト右近を筆頭に、長崎に集められていた
指導層が追放される。５隻のジャンクに宣教師23名、修道士29名、同宿53名が分乗。マカオとマニラに分けて送られた
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. | / ｀`丶. | ヽ
. ⊥ / | `ヽ､ | ＼ ﾟ。
丁 ''＝=ｧ ＿ ｀| ＼'.
│ / ￣7＝=.o｡⊥¨''≡ｷ
. | / ′ ｀丁＿＿j
ﾞ ┿━/━━━/━━━=┿ _,,」 ※マニラに「イエズス会２３名、フランシスコ会４名、ドミニコ会２名、アウグスチノ
| / / ＿＿＿|‐''"´__」
┷宀冖T卞｢￣￣ﾉ | | |''"~ 「| 会２名が送られた」と記録あり。残る７４名以下が、マカオ行きと推測される
⊥ﾆﾆﾆﾆﾆ⊥__|_|_|＿ノハ∧
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: : : : : : : : :｀`｀`~｀^`^`^｀｀＾⌒: : : :
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,.ｨ':´ : : : : : : : : : :｀丶 ミ
／/:／／l: : ﾊ: ､: : : : : : :ヽ ,.--/⌒l まだです、たかがメインカメラをうんたらかんたら……
／⌒`／丶､ ／ /:/:／ .| : :| jﾉ ＼: : l : : : ',.／:::::ノ!:::::|
∠:::::::::／:::::,@:::}, ' !:/:/-― ヽ: l ―-.＼| : : |: '､:::::｀-'::::::j
/:::::::￣｀丶::X:::／{ l/Vz=＝ ヽ| ＝==ｭ |: : :ﾊ: :ヽ::::::::::／ 未だイエズス会２７名、フランシスコ会６名、ドミニコ会
{:::::::::::::::::::丿／ ヽ ／｛"" ""/: :/ツ: : :＼／ .､
`丶､＿_／ `-''"ゝ､ ｒー､ ,./ ／::::ゝ､: : : ` ､＿）:) ７名、アウグスチノ会１名の有志が日本に潜伏中です
￣￣￣￣´='ィ_,,-''´ `ー---ー''
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ペトロ岐部も「このときマカオ行のジャンクに乗せられていた」というのが、多くの類書における通説である
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/＾7 ＿＿
,' / / ＼ ＼ , -―‐一ｧ
| /／ﾍ ＞=-､＼ ＿＿ ／＿＿_／
| / ／ フ＞'´ ｀ヽ/／⌒ヽ
| ／ / ｲ ／ ､ハ) 、 ヽﾍ
L ｣ ∠V/ / // { ヽ＼ Vl'､ ＼ ﾍ
ヽ ヽ / { { {{ ﾄk从|＼j斗l ',!ﾊ＼j ', キリキリ歩けキリシタンども
ヽ ヽ / V ｌｌﾊY ○ ○ j ∨ i
. ヽ ヽ/ / ヽ从小⊂⊃ ⊂⊃/l∨∨ l 二度とそのツラを神州に見せるんじゃないの！
ヽ ヽ / |.lゝ,l￣￣l_イ／ ∨ l
i⌒＼＿`＜⌒卞ヽ|＿＿| ),、 ∨ l
＼ w {{／ヾ ⅦＩ／_,/ﾞ￣｀ヽ. ∨ !
..... ......:.:.:.:.:.:.:.:.:..､
...:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｰ ､
. ／ .:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.:.:.:.:.,
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. 〃:.:.:.ﾊ.:.:.:.:.:.:.: ﾄ､| ＼:.:.:| :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :
ｌ:.:.:.:.:ヽ.:ヽ.:.:.:. ィf芍 ヽj:.:.:.:.:ﾄ､} .:.:.:. ; I'll be back…
:.{､:.:.:.: {ヽ＼ヽゞﾟ' l.:.:.:ﾊ:l 〉.:.:.:.:,
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ちなみにこのマカオ行きジャンクには、後のペトロ岐部の歩みに深く関わる仲間たちも同乗している
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. , , :/ l ﾑ:V:ﾊ∠.} -―‐ﾍ ￣￣/
{ {. :, i|. l `´ V.ﾉ : ﾊ , 、 _ . ‐―＜
'. .'. :i ､ ＿ｊl＿_l_,. ／乂| ./: ､ i / .、 Yﾑ ￣ }￣｀ヽ
､ ヽi . . ヽ |ヽ l ィさヽ! /: . iヽ.l ,{―-ﾊ } -ﾄ､ / . i
ヽ :i : . : 、ヽｚi＝ﾐi ｆｔｿノｨ: : : : l `八= ﾒ l: /,.≠､ｲ: . ｌ i （小西）いつ終わるか分からない身の上なら、
__ i :i : : . :＼ ＼ ___'_ ∠:ィ:i: : ハ〃ｆ.ゝi l/ ｆ不ｿ: : : . iヽi
ヽ＼i :ヽﾄ､: : : : :､￣ { .ｿ ／ ／l: /: . ゝ ゝﾀ 、ｆｔLlイ: :i: / 今を悔いなく生きようよ、岐部先輩……
ヽ ヽ : :_:ヽ: : : :i＞ ｀¨. イi: :八: l/: : ＼i .__ ∠ィ K
ヽ ヽ∠..＼:､: ﾄl､ 「ｭ 从/ _ﾍﾄ､: : : .ヽ､ ∠ : ､: . ヽ
{ -‐‐}¨‐V､ ＞ｔく ﾊ､__∠. ＼ ＼: ､ ヽ ￣{ｿ ＼i＼: . ! ＜ （ミノ）世界のどこだろうとこの仲間達が
. . ﾍ ￣.} ゝV//ｆ╋ﾄV} 〈‐_ ｀ V {へﾄ､:i‐､／ ／／｀ﾞヽl
{ ﾊ ﾚi､ ヽソ ゝ__l .|O｀ﾍ ﾚl lｌ ╋ｿ ／／ }｀ いれば、退屈しないねぇ！
l:: } }'ﾊ ヽ ｜ヽ丶 ヽi＼ ＼ll: | / ／／-‐ /|
ﾉ:: ' l ﾊ . ﾊ | ﾊ ヽ ヽ. >､ ＼彡' ゝ―‐-､ .ｲ: |
ゝ _/ l |::}.:::/ ', |, ﾊ ', ', { ヽ ` ＜二二ヽ. ヽ: :ゝ
/二./ lヽ|/::/ i | ﾊ ｊ } /＼ ｀ ヽ V: __」
ミゲル・ミノエス（1597－1628） マンショ小西（1600－1644）
美濃国出身。のちに司祭 小西行長の外孫。のちに司祭
（演者：園崎魅音 （演者：竜宮レナ
＠ひぐらしのなく頃に） ＠ひぐらしのなく頃に）
/ , : : : : : : :.i: : :,ｲ: .:.:. : : : : : :.l:.: : : : l: : i: l
./ /: : : : : : : :l: : :i l:.:.:i:.:. : : ､:. : lヽ:.: :l l: : :l :l
i :/i: : .: : : : : :l:-:廴i_ハ:.:.:.:ハ;斗-+- l:' : : :.ﾘ
l/ l : .:.:. :ヽ: : :lﾑl--l､` V:./ ´l:ﾑ--i､/ .:.: : / ああ。俺たちのグループは、年齢もアバターの性別も
. l .:./:.:.:. ＼ﾍ` ト::ｲ` V '/ト::ｲ l7:.:.:.:. :.{
l:.ﾊ:.:.:＼:.ヽﾍ￣´ i ｀￣ /／>.:.:,､l , -‐ ― ､ バラバラだけど出典は同じ！ 最高の信徒仲間だ！
' V:l:.:.ﾄヾｰ` ､＿＿_ イ- ':ﾊ/／ .／
ﾊ:ﾄ:l ヽ:.＼ ／/l:./ / ,, ''
ヽﾄ:.ヽ、 ／lﾍ' , - ' f
/´「 .i ` ー ' .i ／ / ﾉ γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
／ i l ／´ { l __ | （ミノ＆小西） ちょｗ メタネタ禁止ｗ |
,/ l／ / ‘ , .lヽ､ ヽ ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__,乂
／./ , ﾍ ヽ ╋ -'-､__ -－ ' .i `､＼
, - '' / ／ / .／ _ ／ ／ l ヽ i 〉
/ ' ´ / ／´ ,ｨ ／ﾍ. ヽ l ./
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岐部とおなじくローマをめざした後輩のミゲル・ミノエス（日本名は不明）と、マンショ小西である
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蛇足だが有馬セミナリオ初代校長のモウラ神父もこれとは別の船で、マニラに追放されたことを付記しておこう
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ｌ:::::::::::::::::::::::|::::::::::::ｌ＼::::::| ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::､::::::::::::l 有馬の現校長ジェロニモ・ロドリゲスもマカオ追放が決定し、
|:::::::::::::::::::::::|::::::::::::| ヽ::ｌ u.＼l＼::::::::::::::::::::|l |::::::::::::|
|:::::::::::::::::::::::|::::::::::::| ＿＿_ ＼:::::::::::::八レ１:::::| 二代目校長ラモンは四年前、長崎で他界している
|:::::::::::::::::::::::|::::::::::::| ／ _ ` ＼::／―ヽ |::::::|
|:::::::::::::::::::::::|::::::::::::| ｌ/l ::::::::::::::::::::::ｌ/ｌ l :::::::l あげくセミナリオの後援者である有馬晴信様は、刑死……
|:::::::::::::::::::::::|::::::::::::|｜ |/| :::::::::::::::::::: |/| | :::::::!
|:::::::::::::::::::::::|::::::::::::| 、 ､ﾉ ::::::::::::::::: ､ﾉ ﾉ :l:::::|
|:::::::::::::::::::::::|::::::::::::| u. .:|:::::| そして日本の神学校や教会は破壊された―――おお神よ！
ｌ:::::::::::::::::::::::|::::::::::::| u. ' u. .::|:::::|
,:::::::::::::::::::: ｌ::::::::::::| ＿＿_ /.::|:::::|
∧::::::::::::::::::::::::::::::: !＼ u. （::::::::::::::） .:::::::|:::::|
'∧:::::::::::::::::∧:::::::|::: ｌ ￣ ／.:::::::::|:::::l
∧:::::::::::::::: ∧::::|:::ﾉ ＞ ＿_ ...:::::::::::::::::|:::/
l::::::::::::::::::::∧::ｌ´ l､::::::::::::::::::::::::::::::ﾚ
╋
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然るに―――ジャンクを密かに追跡してきた信徒の小舟をめざし、闇夜の海に飛びこんだ司祭が３名いた
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――‐
´..........................................ヽ
/.....................................................∨
................................∧.....................∨
......../................... / |...................... ∨
l....../..................../ l.../ｌ..........ﾊ.......
|.../.................∧| ＼ ﾚ |/|.../ ! ....l
ｌ/..... ⌒１../―- ｌ/ -|......|
.. /.....八 ( :|..l l:::::::j ｀ ＿_ ｌ...ノ
.......{......ヽ:ｌ..| ￣ {:::ﾉﾉ｀ 私は乗らない、追放船には・・・
{......八.........リ , /l
. ＼.......ヽ....ﾉ＼ _ ....| 乗せられても、抵抗してみせる
￣{三il＼ ＿_ ..イ {...|
＿_／l......ヽ ＼＿∧ ｌ......|､ V
／------|.........ｌ＿/三V╋､..ﾉ-＼
有馬セミナリオ校長ジェロニモ・ロドリゲス
（演者：田村ゆり ＠私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!）
・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━
どっぽーーーーーん！
ｃ'⌒`ヾ` , '⌒ ＾っ
oﾟｃ .| l|l |l.| l|l ll っ っ, '⌒ ＾っ
(( <o.ｃ ヾ|l || |l.| l|l l／っ っ
((_＼W从从从从W从W ./ っ
￣＾⌒＾⌒^^ ^＾⌒＾⌒^^＾⌒^^W从从从从W^^⌒^＾＾⌒^^＾⌒__^＾⌒＾⌒^ ￣
〜〜〜〜〜〜〜〜 〜〜〜ヾ ﾟ。 o。 ソ〜〜〜〜〜〜〜〜〜 〜〜
〜〜〜〜 〜〜〜〜 〜〜〜〜〜〜〜 〜〜〜〜
〜〜 〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜 〜〜 〜〜〜〜
╋_
/*‘ )⊃
（ （￣
＼＼
∧ ∧ ∧ ∧＼＼
（ ｀∀´） （ ‘∀‘） ＼＼ ＜ よし！ 手筈どおり、バテレン様をお救いするんだ！
＼＼＼□（ O┬O （ O┬O ） )
〜〜 | ──┘￣￣￣￣￣＼／／〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 .......::::::::....
.......::::::::....
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かくして有馬セミナリオ元校長ジェロニモ・ロドリゲスとアントニオ村山が、ぶじ引きあげられて再入国に成功する
なお村山は長崎代官・村山等安の子であり、キリシタンである父親が、かれらの再回収を画策していたのである
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―――‐
／.: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: .ヽ
.: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::.
/.: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::.
.: :: :: :: :: :: :: :: ∧::: ::: :: :: :: :: :: : : :.
l:: :: :: :: :: :: :: ::/ ､:: :: :: :: :: :: :: :: ::.
|:: :: :: :: :: ::/ｌ/￣ ＼|＼:::l ､::.:: :: ::i ふう、ありがとう。助かった―――
|:: :: :: :: :: :ｌ ＿_ `＿＼: : :|
|:: :: :: :: :: :| ´ l ::::::i｀ ´l::::::ｉ｀l:: ::l あ、たしか他にも、飛びこんだ司祭がいるはずだが？
l:: :: ｉ´ l:: ::| ､::::ﾉ ､:::ﾉ .:: :/
〉:: :ゝ j:: ::ｌ , /.::/
|:: :: l}:: :: ::::. _ /.:.:.l
l:: ､::ヽ:: :: ::l丶 ´ ノ ..: :: :ﾉ
＼:＼::r ‐ﾉ l ≧ _ イ､:: :/
￣ l:: :ヽ〃＿ ｌ､ l´.:l
|:: :: l l} ﾉ v !::::|
＿／ｌ:: :: | /∧_ ∧ ﾉ l :::l､
／ ､:: :j＼/ ､---- 1 l ､:ﾉ ￣＼
〃 ヽ ＼ ｀ ＼ 〉-╋/ ﾉ l ヽ
∧＿∧
（´∀｀；,）
⊂(╋_ つ へ？ マジすか
（ （ ＼＼
（＿） （＿）
・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━
───────────────────────
三 三 三 ∧ ∧ まだだ、まだ終わらんよ 三
─ ─ ─ 从（ ｀Д´)∩从 もう一回、日本に戻る！─
二 二 二 从〜〜 〜 二 二 二 二
ﾊﾞｼｬﾊﾞｼｬ ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
＿＿＿∧ ∧＿＿＿ ＜ こっちにまだ一人いた！
|＼ （ ） ∧ ∧ ＞──────────
| ＼ | ヽ （ ）＜ アカン、もう間に合わない……
从 ＼（＿＿〜 | ヽ ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
从 ＼ （＿＿〜
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だが運悪く１人の司祭が、そのまま溺死してしまった
とはいえその後も「回収」は続き、９人の司祭が再入国を果たす
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船上に残ったペトロ岐部が、母校の元校長らの「快挙」をどんな思いで見送っていたかは想像するほかない
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.....-‐…‐-
. ＿／:.:.＿_＿_:.:.:.:.:.:.: ｀. : . .
／.:.:.:.:.:／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ｀ : .
,.:. ／⌒´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀ .:.:.:.:.＼
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/ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.〈⌒ヽ
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾟ｡ .:.:. ﾟ｡ ロドリゲス元校長にはかれの道が、自分には自分の道がある……
: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. i :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾟ｡ .:.:. ﾟ
: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. | :.:.:.:.:.:.:.:.:.: i:.:ヽ:.:.:.:.:.:.＼}: : iヽ} いまは、マカオでの司祭叙階をめざすのみ―――
:.:.:.:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:| :.:.:.:.:.:.:.:.:.: | :.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾄ､:. :.| .:.:.:.:.:.:.:.:. ;ﾊ :.:|:.:.:| :.:.: ｉﾄ､:.:|
:ｉ| :.:.:.:.:_」__＼|.ﾟ｡:.:.:.:.:.:.:/斗 ∧:丁: : :ﾘ. Ⅵ それまでがんばって踏みとどまっていてください！
八:.:.:.:.:. | ､_____,,ﾟ｡ :.:. / .」厶」/ｉ:.:.:.厶ｲ
＼ :.: i ^¨¨´ ＼/ ﾞ¨¨¨^ |: ; ′ .
＼乂_ ﾉ'":| ｀ .
. ´ ｀T⌒ i: ／ : :| ．. _
´ .|: :`ト｡ ー 一 .イ .′.:.:| ＼
. : |: : :. ｀ -- ´ ./ : : : :| . . . . . . ／⌒ヽ
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/∧） ￣￣ " |....ｌ ノ......ノﾉ
、 ＿ ノ￣＼.........ｌ...} つ
＼ _ ノ／ ｌ......ﾉノ_
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. 〉、/ ｌ{ | ∨/, -_ ・
ｌ ｌ......| l{ | V/ ／ /
| l.....ﾉ l{ l ∨/ / }
l ´ /∧ ∨/ / ∥
| //∧ Ｖ// / /∥ ←なお2年後の1616年12月、長崎で逮捕され結局マカオに追放された
l ╋∧ v// ∥
_.,., --''."￣゛゛゛- ､
, -'´ ﾞー- 、
,,／／／／ ／,／／ ﾞヽ
,イ //／／/ /ｿｿ// ｨ／ ﾞ|,,,,．.,、 ﾉﾞ､
ｲﾉ从/,/ / ｲ//ﾘ// //゛゛゛'ヾ.,liｉ ﾄヽｙ'从ﾞ、
!ﾊ从! l! i! i! il i li il! / ﾘ l l 从ヾil lk i
iハi l! il! lilﾊl＞k从 ｲ， _,,..ｨﾁ 从i li il! ll!ﾘ
ﾞﾐ il!从（（ ::: )ﾊl <( ::: ） Yｲ l / i! il ﾘ
,,,彡爪ﾊ ﾐ -'" _____ `"-ｲノ /ﾘ////ﾘ
／／//从从ﾐ [ ￣ｶ 彡ノﾉ/ｲ///
./／///////ﾊ从ヽ､`ー-'_,,彡彳/ﾘ///ﾘ
: ' //ｲ iﾊﾘ´ﾘ ___゛77' "／／///ｿﾘ
lﾘ lｿﾘ _∠派､ / /／/ｨ"/从
ﾊﾉ ﾘ ,/ ヽﾄﾐ､__lミｲ // /ｿ<￣ﾄ, ┏ __上_ / 、、
/_____ l,ゝ<゛<ｲﾉﾊﾉ ﾘ ゛i l l. ┃口 | 七 ' ７二 ヽヽ/ | | | .|＼
/,.==､>" ゝ /" /-- ､ ﾉ/ l ﾉヽ||/ / ､＿ .／ 。 。 。 ┃ |／
k"ｧ-y".: ╋.ｌ /ｧ==ミヽ / / l ￣￣ ┛
lｲ 〔ﾐ::" ,,ﾉ |(/⌒ヾ､ﾐV" ト-"
| ヾﾐ彡"／/ ! / !
i Ｙ゛"-.y" /i/ i_/
! ﾄ-t-y" /彡"ﾉ/
l .| l./ / ヽヾ､
| l l/ ｲ ﾞ', ', ',,､
! ! ﾚ' / i ', ', ',',
l l"/ /､ ! ', ', .',',
l iノ ｲ ﾞi ! ', ', ',',
/ .／ ! ｌ i ', ', ',',
i i |､ l ! ',. ', ',',
ヽ. ｷ '丿! i ',. ', ',',
| lﾞﾍ､__＞-t" '! i ',. ', ',',
/ : :／.: .: .: .: : : : :/.: : : : : : : :
厶イ : : / : : : : : : /.:. .:.|: : : : : :
|: : /{:. :. : : : :∧:.:.:. |:.:.|: : : :
|: /八:. : : : :/ | ﾟ｡ : |:.:.|: : : :
|/ .＼ : / l l | ﾟ:.∧:.| :/: :
|ll∨.l l l l ﾉ' '.|/: : : へ？
,ﾉ u. /: : : :
／ u/: : ／|
{ へ、u. 厶イ :|
｀¨´ ‘, .ﾉ
‘, ＿,,.
‘, ／ ｀
/
∠/
╋/
――――――――――――――――――
さて。先ほど「通説」と述べたが―――
――――――――――――――――――
／ : : : : : : : : : : : ｀
／: : : : : : : : : : : : : : : : :＼
' : : : : : : : : : : ://Vﾊ: : : : : : ヽ
/: ／: : : :ｉ: :{: : ::/⌒''"´}: : : : : : : . あ、気にしないで。ただのお約束だから……
/:/: : : : : : |:八:.: :| | : : : : : : i
l/:i: ｉ : : ＜{⌒ ＼{ ￣｀}ヽ: : /: : |
. / |::{: : : :/仍ﾊ ヽ 仍ﾊヽ}|::/; : : | 実は先輩のマカオ渡航時期については五野井先生が、私たち
|:八: :人 Vﾂ Vﾂ ﾉ }//: : ::|
|: : :i＼{_ ; ／}/}）: : | とは「別の時期だった」という異説を唱えているのかな、かな？
|: : :|:|八 、 , ／イ: : : }
|/: :|:|: : :＼ ／:}:i: :|: : : ;
人: :l |/⌒^＾}＞ー ´{从N: :|: : /
. ＼{ __,| {_ }ﾉ|: /
ｘ＜ ＼ { ∨＼ }/
へ } `圦
{ ＼ ＼／⌒＼/ ﾉ ‘，
| ＞ﾆ=- ＼╋∨ ／ / ，
| 丶 ⌒＞二ﾆ=＜} 〈 }
. -‐.:.:.:.:.:.:‐-ミ__
／⌒ヽ:.:.:.:.: ⌒＼:.:.ヽ
. ／ .:.:. /.:.:.:.:.:.:.ｉ:ｉ:.:.:i: :＼.:.
/ .:.:.:.:|:ｉ| :.:.:.:.: /|:|:.:/:U:i: ｉ |
. /ィ i:∨|八.:.:.:.:/lﾉﾉｲ|:.:.: |､| |
. l: |: | 三 ＼/ 三从: :/l// あービビった（汗）
. |/Ⅵ⊃ ､_,､_, ⊂⊃ｲ,ﾉ/
/⌒＼. ﾍ、 ゝ._） ｲ/l/ ―――って、ちょい待ち。「乗ってなかった」、だと・・・？
. ＼ ﾞ,ｰ ＞,､ __, イ∠
＼/ .＞l___/く ヽ
. 〈. ｉ ＼╋／ ｉ ‘，
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ちなみに……レオン・パジェス「日本切支丹宗門史」下巻152pが、ペトロ・カスイのマニラ追放を「1614年」
と明記しているため、「11月の追放船に乗っていた」と見なすのが「正史」であることも、また確かである
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
-=≠ー─ -- ､
／:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
|:.:./／,ｨ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
. ,. -─────∨/メ､|:.:.:/:.:.:/:.:.:./.:.:.:.i
| ﾚ'ﾚ'V ∨|:.:./＿厶.:.:.:.:| ―――だよな。乗船していた、はずだよな
| ‐-､─── ﾚ'rtz Ｖ ﾚ7:.:.:./:.:./
ヽ. ＼ | ノ モｿ !:.:./:.:./
＼ /⌒ヽ、 | 、 ﾚ勾:/ だってこの追放船にはジェロニモ校長はもとより、
. ＼ / ｀ｰ＼ _,. イﾚ′
/ /丁｀7,二 -‐'´} 俺の恩師であるディアス司祭（ラテン語）や
〈 厶〈／/ | ／＼
＼ } 7Y´ | ／ ＼ リベイロ司祭（ラテン語・音楽）も乗ってたし……
∨ / ﾉ ﾚ' ヽ
| ╋ / i
| ,ﾊj | |
,′ / | ヽ
,′./ | ／
,′/ | ／ |
｜/ └‐rｰ ´ |
// | | |
// ,′| |
// ,! '´ |
. 〈_! ,. '´ ／
|＼ __,. '´ ,. ´
Ｖﾆﾆと.二´ ,. ｨ'´
|:::::::::と二 ﾉ-‐ '´::::::|
|::::::::::と二 -‐':::::::::::::::::::::|
|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
.′ .:.: / .:.:.:./ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. / .:.:.:.:./ .:.:.:.:.:.:.:.:.: ‘,:.:.:.:.:.:.:.‘,:.:.:. ‘,.:.:.:.‘，
. i :.:.:.:.:/ .:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.; .:.:. / .:.:.:.:./ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ‘,:.:.:.:.:.:.:.‘,:.:.:. ‘,:.:.:. ‘,
i| .:.:.:/ .:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:. / .:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.‘:. ‘.:.:.:.:.:.:.:.‘,:.:.:. ‘,:.:.:. ‘,
ｉ| :.:.:′ : / :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ′.:.:′:.:.:.:.′ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.‘:.:.:.: ‘ヽ.:. ‘
ｉ|:.:.:i:.:.:.:.:′.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.′: : ｉ :.:.:.:.:ｉ|:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.: ｉ.:.:.:.:.:ｉ ‘;.:.:.i
ｉ|:.:.:|:.:.:.:ｉ:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:i :.:.:/ | :.:.:.:.:ｉ|:.:.:.:.:.:.:| .:.:.:.:.:.:. ;.:.:/ｉ.:.:.:.:.:.:.:.:.:|i:.:.:.:.:| ‘:.:.|
ｉ|:.:.:| : /|:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:| .:/ 八:.:.:.:.八 :.:.:.:.:.| .:.:.:.:.:.:/}:/´|.:.:.:.:.:.:.:.:.:|i:.:.:.:.:|: Ⅴ
八:. | / i|:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:|:/ー‐-＼:{＿＼:.:.:.|:.:.:.:.:.:/ｨ刈》|:.:.:.:.:.:.:.:.:八 :.: ;
Ⅵ′ｉ|:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:|′ ｨ斤ﾃ笊=ミ:､＼| .: ／ﾋこﾂ'│:.:.:.:.:.:./ }: /
. ‘:.i: 八:.:. ﾄ､:.:.:.:.:.:八. ヾ .戈辷夕 }／ ¨¨´ /:.:.:／.:/ .ﾉｲ
. 从:.:.:.:＼{ ＼.:.:.:.:.:.:､ ｀¨¨¨´ 厶イ .:.:/ なにより一期生で元少年使節のマルチノ原司祭
. ＼八{iゝ-ﾍ＼ﾄ､:. ＼ :} ,丶|.:.:/
. / |:ｉ| :.│ヽ ｀¨⌒ ｲ :l / やロマノ西、５年先輩のトマス辻からお前ら後輩
ィ |八:.:.| ＼ rｰ‐--- ｱ ／: : ノ' ‘,
／ | ヽ{ ｀ . ー─ ´ ／ ､.: :: ‘, に至るまで、“有馬マフィア”のめぼしい面子が
. ／ ∧ ‘. ｀ . ／.: .: : ＼ i
. ‘, ､ ｧ‐ ´|'. ∧ :| 追放された……なぜ俺だけ「仲間はずれ」に？
‘, . / :ｉ ｉ /.: :ｉ |i
‘, `ｰ ､ { .'.::| ./.: : :| |i
. ‘, f⌒ i ╋ / : :! /.: : : :| .八
‘, | │ /.: ::│./ ＼: :i / ‘,
| ./ l | lゝ | ､_ｌ_,../-''"" '' / | ＼
l ./ ! l l l__ゞ+‐ ' ﾉ,.ｲ-=ミﾐヾ/l | ｜ ……その辺の事情は推測の域を出ないけど、
!/ ! .l l ''"l,r=ﾐ､ ／ ' ｐ!:::`yﾐ＞l l | ｜
' l ハ ! ,<'i:ｐiﾞi ｌl;:i_;j |,, / / | | ひとまず網を逃れて長崎に潜伏していたらしい
l / ヽ ｌゝｌ! |!::ｌｊ ---¨,, / ／ .l ｜ |
i !i ヽ ヽ＼ｰ゛ , ／,.ィ' l ｌ. |
l ! ', ヽ ＼ ／'" ｌ ｌ／ | でも司祭への願望が強い先輩は、結局1615年
l l ゛､ ｀ｰ!｀ -- ﾉ l ./ |
ゝ'､ ゛､ l ヽ､ ! ﾚi ｜ 1月以降……たぶん3月の朱印船で、マカオに
゛､ lゝ ｀i ・ .._ ,.ィ "____」 / l |
｀Y l ╋.烋''" l / | 向かったと推察される
. . -‐…‐-
__ .．: ´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ｀ : .
／ : :｀¨´ .:.:.:.:.:.:.:⌒＼ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ＼
,.:.:.:. /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ヽ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
. /.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.}i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.‘， :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ヽ
/ .:.: .′ .:.: ｉ:.:}i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.: ‘，.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
.′: : ｉ:.:.:.:.:.:.:|:.:}i.:.:ｉ| .:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:. ‘ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. i
. ｉ:ｉ| :.:. |.: :i:|:|: |:.:}i.:.:ｉ|:.:.:ｉ:.:.:.:|:.:.:＼:.:.:.ｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| で、俺の出立に「タイムラグが生じた」という五野井説は、
. |:ｉ| :.:. |.: :i:|:|/|:,ハ.:ｉ|:.:.:|:.:.:.:|: | .:.:|＼|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
. |八:.:. |: :从|／＿|八.: |:.:.:/: :!∧|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: / どんな根拠に基づいているんだ？
. ＼ﾄ､:.:. | ^爿 》 Ⅵ.:/i:.:.:|´(ｉ|ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
＼| 以 .i:l/ :|: /〉⌒｝} :.:.:.:.: / .:. /:/
. ' ノｲ |/ >‐',:′.:.:.:./ .:. /:/
〈 r‐〈:.:.:.:.:.:. ｉ:.:. /i/
ﾞi __ . Ⅵi:.:.:. |:.:/
`'く⌒` ／ :}八:.:. Ⅳ
} _ │ ＼|ｰ=､
`ｰ ´ ‘， | ´ ＼
_,,. ´‘, ´ . く
/l _,,. ´ ／ ＼
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/: :_| ｉ ヽ ／ ヽ
╋
,. : : ――: : : . _
／: : : : : : : : : : : : ｀ヽ､_
,. :´: : : : : ,: -:／⌒: : : : : : :｀ヽ
／: : : :,: : :／:／: : : : : : : : : :_: : : :'.
/: : : : :/: : /: :/: : : : : :/}_: : : : : :V: : ヽ
.': : : : :/: : : |: |: : : :/: :/-''ﾊ: : : : : |: : : ､＼
|:|: : : :l: :|: : |: {: : : {: : { |: : |: : :|: : : : ヽｰ
|:|: : : : : :V: |､:|:|: : |: : | }: /: : /: : :V : }
{:{: : : : l: :|, -从{--|＼} -/:ｲ､: /: : : : |: :, 岐部先輩―――先輩はローマに到着したとき、この時点より後の
V、: : :{: |,ｨﾁ斧＼〉 ,ｨtｫ､ /:/: : : : ,: :/
'.:＼ : VI Vzｿ ﾋ 刈 V: : /: :/:ｨ 時期まで日本に滞在していたと、推測できる「証言」をしているんだよ
}: : ＼:_＼ :.:.: , :.:.:. ムイ／: :ﾊ
ﾘ､:|:l: : : : ヽ _ 人: ´: : /: :|
＼: : |: : :l::... イ |: : }: : : : : |
＼|: : :| ｀´{ ＼|: : : : : |
／´从: :} 乂＞ -- ､ ⌒＼: |
／⌒＼＼V＼- ､ r- }:::::::| |::|ヽ }:/
, ＼＼:::＼, -- |::::::/// ∨
{ ∨ ＼＼::::＼ |:::/// } {
| ,: {｀ ＜＿╋/// ﾊ |
| | 乂＿＿__[ﾆ]' イ V/〉
┌───────────────────────────┐
│ 1620－22年、「聖遺物に関するペトロ・カスイの証言」より.. ..│
└───────────────────────────┘
､l||||ｌ,
ﾐOO彡
ミOO彡
ミOO彡
ミOO彡
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|| ﾉ!
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||ﾉ |
,. ィ⌒ヽ,
,. ::''":: :: :',:: :: ::＼
／:: :: :: :: :: :: ',:: :: :: ::ヽ
/ ,. -:: :: :: :: :: :: :',:: :: :: :: ﾄ､
∨:: :: ,..:-:: :: :: :: ::',r─--､::〉
/‐ ''":: :::／￣ヽ::〈ヽ＿__ﾉ::ﾄ､
ﾚ_:: :: :: 〈＿＿ノ:: ::〉:: :: :,:ィﾊ∧
/⌒:: :::rｰ- ::__:ィ７￣A4ﾊ ﾘ:: ヽ
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○
ο
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. . -─-. .
. : ´: : : : : : : : : ヽ-─-. . .
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :｀. : .
／／: : :／ : : : : : : : : : : : : : : ‘，.: : : : : : .
/ィ".: :/:/.: .: .: :/: : : : : : : : : : : : :‘,: : : : : :. :.＼
|: : /:/.: .: :/:/／ｉ : : : : : : : : : : : ‘, : : : : : : : :.}
|: /i/.: .: :/:// |: : : : : : : : : : : : :‘: : : : : : : : ヽ
|/ :|: : : /://-─|.: :/ : : : : : : : : : : ｉ.: .: : : : : : : :i
'. : /://斧㍉|.:/ : : : : : : : /: : : |.: .: : : : : : : :| 「高麗ミゲルが蒔いた穀物の穂が、かれの殉教後
Ⅵ/ ﾝ .ノｲ.:/.: : : : : :/: :/ : |.: .: : : : : : : :|
. ､ ,|/.: : : : : :/: :/|.: .:|: : : : : : : : :/ 一晩で１クビト（約30センチ）も伸び、キリシタンも
i /.: .: .:／／|: /｝|: :/ : : : : : : : /
ヽ-- /_彡イ／ノ,ﾉｲ.:'.:|:/ : : : : : : : / 未信者も、この聖遺物を崇めて保存している……
| . --イ.: : :ﾉ′.: .: .: .:／
／ |.: : : : : : : : :／
. `ー─┐ ´ |/|: : : ／／
'. ＿,,⊥／
'. . ´ |
_,,. -‐''" ＿＿|
/| ｉ┐ .／ ヽ
／ :| |│ .／ ‘，
. ╋┌‐┴' ＼ ／ ‘，
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
後年。ローマ滞在中のペトロ岐部は、1614年11月22日に肥前・口ノ津で24人のキリシタンが殉教した
件ならびにそのとき起きた奇跡について「当時は日本に居て、それを見た」と、証言したのだ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ､、__ ノ
イ.:.:.:.:ﾊ:.:.:iヽ:.:＼:.:.:.:.:;〃.:.:.:.:.:.:,,､≦､、
/:.:.:ノ＿ヾ＼＼__ヽ､:l::::l:.:.:.:.:／:::ﾉ:.:＜_ ノ *
ﾘ从ﾍィびヽ びゝ !:::l!_,:へ:／.:.:.:.:.:彡 ,ィ〃 わが蒔いた種がすくすく伸びる・・・信仰が
｡ ﾟ ﾉ小 ﾉ、 Уﾉ-､:く:.:.:.:.:.:彡′ ノ::〃
ﾍ! ＿__ く:.;,;,¨´:.:ﾊ＜ノ .．く::｀ヽﾉ 見つかれば処される、死の国なのに
+ ､ ｀ｰ" ｲ ﾞ:,.:.:.:.,"::ﾍ:::::Ｙ｀ヽ::ﾉ_::ノ . . : : +
＼__ .イ____,i⊃｝ｊ⊃:::}っ}´￣ . . : ﾟ
* 「::::i::::::::::::::::::j⊃ハ⊃ﾑ_⊥....................
。 ___.........j:::::|::::::::::::::::ﾉ_ノ:::'ｰ::′::::::::::::::::::::: + ::
｀ ､、 __＿＿＿＿ .....:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::ﾉ⌒し ´￣｀ヽ::::/::::: * :::::::::::::::::::::::::::::::
｀ヽ ｀/::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::: /⌒7 _....._ γ⌒ヽ Y:i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ノ {::::::::::::::*:::::::::!:::::::+:::::::::::::/ノ::::{ {:::::::ﾉ /::::::::ノ ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
- ―￢"ﾍ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,′:::::::〉 く::::::::ｰ ´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 。:::::::+:::::
ヽ、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::{:: + ::〈ノ╋ヽ_〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
￣￣ ｀ー――--ﾍ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/´￣￣￣￣￣￣￣
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∨:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,.:′
* : : . . ｝:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｛ . . . : :*
ﾟ : : . . . ｛三三|￣￣|三三三ﾆ｝ . . : : ﾟ
i::::::::::::￣￣:::::::::::::::::::::ヽ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
高麗ミゲル（1614年11月下旬に殉教 ・ 享年48）
1593年、文禄の役のおり捕われて日本に連行された朝鮮人
長崎のイエズス会で受洗。共に連行された姉妹を身請けするため働いていたが、
聖母マリアの幻影から殉教を告げられ、死の三日前に季節外れの小麦を蒔く
（演者：ナウシカ ＠スタジオジブリ）
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
この岐部の証言が事実なら、なるほど彼が11月上旬時点で追放されると矛盾する（当時マカオまでは片道20日前後）
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
, -─- 、
／ ｀ヽ、.
/. ヾ、
ﾉ:::.. :::::::::::: ヽ
／ :::... , . l ﾉ
. {:::: ,ノ.ﾉ）ﾉヽノﾉ/ ちなみに私の「麦の奇跡」については、ドミニコ会のハシント・オルファネール神父や
. | ::: i^Y~ 'i７ l 'i7/.l
`ヽ;; ヽ. ゝ ﾉ.,ﾉ. イエズス会のペドロ・モレホン神父も報告しており、ペトロ岐部の証言の信ぴょう性は
" 'j丶. ー‐／'"
_,,, .-（.~"''￢.‐' ;)ｰ- ､_ 裏付けがとれています
,-"＼,.`-ｰ､' ｰ┴ ' _,,._ ｀^ヽ
j ヽ (/ ,_-) j╋.ﾚ' ,- .｀,) ,. ':;ヽ
./ ,r/ ,.ノiヽ ＼;;;l.r'.l~i^i^il:" ＼
/. ＼/l.| | l.r､ ＼} |│| l.};; ＼
::/ ｀l''.''.".,,>＼ ヽ".''.'ｿ＼ ヽ
,/':::::::::::::::::::ヽ、ヽ:'" ヽ.,,,,.. ）
,/'ヽ:::::::::::::::::::::::ﾍ. ｀、 /~"'' .;;./
. -‐.:.:.:.:.:.:‐-ミ__
／⌒ヽ:.:.:.:.: ⌒＼:.:.ヽ
. ／ .:.:. /.:.:.:.:.:.:.ｉ:ｉ:.:.:i: :＼.:.
/ .:.:.:.:|:ｉ| :.:.:.:.: /|:|:.:/: : i: ｉ | ハシント・オルファネール（1578〜1622）といえば、2016/10/18投下回で
. /ィ i:∨|八.:.:.:.:/lﾉﾉｲ|:.:.: |､| |
. l: |: | ● ＼/ ●从: :/l// 紹介されていた「福者仲間」―――するとやはり、俺は日本に居たのか？
. |/Ⅵ⊃ ､_,､_, ⊂⊃ｲ,ﾉ/
ﾍ、 ｲ/l/
. /⌒ｌ,､ __, イ∠
/ /＞l___/く ヽ
. i ｉ: ＼╋／ ｉ ‘，
・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━
fi
ﾓﾓｦ
n !!
ヽ、 ||. ;||.
!ヽ;||; ; !!;
| ||ヽ、 ,’.|| ;
| || ﾞヽ...||. ;.
ヽ、 ｌ || ｀!| ;.
i ﾞヽ、ｌ !ｌ ', l.!ヽ;.
!. ﾞヽ. !ｌ l.| ヽ
l .|.!、 ', .|.| ヽ 船は出て行き ペトロは居残る
! !.! ヽ. !.|,;:才ヾ.
l !.| ,ヽ;| |''‐- ..ﾑ ほんに貴方は、モブのようｗ
! . ,..| !,彳 ,r! |;ｫ ﾑ,
l ,.",ィ| |'' ‐''-=ii'ﾞ.ｨi／,ｲ;;:.
ﾚ／ fﾞ幵ｼ ,.彳ll ‐' /.:.::
,,,;;;ヾﾞ'' ー - ｫ彳 ，'’／:;::::,,
:;; ::'';:.::... ヾ、.fj ;; j,， '’,／,,::,,..::;;;:
.:.:::;:;:; :;:;::.. '''.: ヾｌｌﾏ.Z〟 '" :.:.::;;::;;;;:.
.,::;;:::;;;::.:.:.:.'' '' .: !!' ..:.:. .,, :;;::;;;;;::::
;;;;;;:::;,,::.:.:.:.. .: :. : . .: ,,..:.:.::.::;;.;;;;;;::.'
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だが良くも悪くも最初の追放船こそが、切支丹の歴史を語る上でのエポック・メイキングには違いないだけに……
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今回の主役ペトロ岐部が“選ばれし追放者”の枠外だった、という説が「作劇上の盛り上がり」に欠けるのは、否めない
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. -‐.:.:.:.:.:.:‐-ミ__
／⌒ヽ:.:.:.:.: ⌒＼:.:.ヽ
. ／ .:.:. /.:.:.:.:.:.:.ｉ:ｉ:.:.:i: :＼.:.
/ .:.:.:.:|:ｉ| :.:.:.:.: /|:|:.:/: : i: ｉ |
. /ィ i:∨|八.:.:.:.:/lﾉﾉｲ|:.:.: |､| | こんなの無難に「正史」採用で進めてくれても、ええんやで？(´・ω・｀)
. l: |: l ノ ＼/ ＼从: :/l//
. |/Ⅵ ● ●厶ィ_ﾉ/
ﾍ⊃ ､_,､_, ⊂⊃:/l/
. /⌒ｌ,､ __, イ∠
/ /＞l___/く ヽ
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: : : : : : /: : :〃 : : : : : : : !: : | | : }: : : :! !: : : :/ｉ: :}: : : : i: : : : : |＼: ∧
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.: : : : :.! : : : ! : : ,: : : : : : :ｉ斗‐二ヽ ∨{ /:.ｲfじﾐx､ /: : :/: : |ｉ: : :| !: : |
V: : : : ∨: : | : : !: : : : : : :! ｨf圷(_ヾ, ﾍ! /／爪;;刈,》: : :.,': : : | !.: :ｉ |: : !
.∨: : : : ∨: |: : :|、: : : : : |《 爪;;刈 } ´ 乂少 /: ／ : : : | |: : i !: /
. Ⅳ: : : : :∨|: : :| ∨: : :Ⅵ ｀ 乂z少 ィ／ : : : : : ,' .!: :,' i/
} : : : : : :｀:! : :! ､! : ヽ: :＼ !〉 !: : :! : / .|:/
|: : : : : : :从: :ﾄ､ !: : : :｀,ー｀ｰ 、 _,, , ´: : :| / ,ﾙ でも岐部先輩。先輩はマカオ渡航前に、我が身も
| : : : : : : :∧:i: :从 : : :∧ ‐ ／: : : : :ﾙ'
! : : : : : : :i: :ヾ: :i.:∨: : : :, 丶 _ ／{: : : : : ;' 危ない中で殉教者たちの見届け役となり、その
.ｉ: : : : : : : :! : : : :|: :i∨: : :ｉ ≧ ＜ |: : : : /
.|: : : : : : : :|: : : : !:/ 从: :} i ､ |: : : / 情報をローマに届けて彼らの想いに報いたんだ
.}: : : : : : : :} : : : '/ ヽ |＞s｡_ {/∧ .|: : /
.!: : : : : : : :! :_／ ＼ ｀! .f へ/∧ '､‐-.}: / -- ､
i: : , ｨ ‐= ￣、 ＼ /ﾍ//╋} ,∧ !/ ＼ ＼ ペトロ岐部の人となりを考えるには、有用な逸話さ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
おいおい語ることになるがペトロ岐部、ローマ行を遂げた後ですら（むろん相応の知名度はあったにせよ）イエズス会の
人事で主役級だったことは無く、微妙にモブ扱い。殉教の壮絶さで初めて注目が集まり、大逆転した御仁だったりする
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
l:::::::,-､:l l ＼ ＼
l , l`'''´ .l lヽ l ヽ ヽ
l .i l l l ヽ l. l` ',
l `, l _,l-''l￣ i l ll l
ﾊ l .ヽ l l /,--､i l :::: l.l l そういえば先輩。聖遺物の「現物」まで、わざわざ
. l. ヽ,--'''￣￣'､ l//:し'/i ./ :::::::: l ll
. l l ヽ l ヽ `､ /l:::::::::l i/ ::/::::: l ローマに運んだんだよね？
::. .. l ヽ ,,,,--､`''' l::::::/ / ::/::::::: /
lヽ. ::::.. ﾊ ,-''' `''' / :::／::::::: /
l l::...::::::::::...ヽ ヽ ／,イ::::::::::::: ｲ マティアスもパライソで、さぞ喜んでいるだろうよ―――
.l l::::::::::::::lヽ:.＼ ＿_,, -─l ''''´ ｲ::::::::::::: /:l
.l l::, -､.l l `-`. ヾ:／￣`'/ ／ .l::::::::::::/:::::l
..l-' _,,-､` lヽ､,,__ `──'' ／､::::::l:::::::::/::::::::l
（ ''' ヽ/::::l l: :`''' ---t'''´ ＼l:::::/::::::::::::l
ﾊ ￣￣`/::::::l./l: : : ╋ l ヽ l::/::::::::::::::l
. .―v': : : : : : : : : -- .
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
/: : : /: : : : : : : : : : : : : : : : :.i: : : :∧
. /:/: :/:i: l:ｉ: :l: l : : : : l: : |: : l: : |: : : iｉ :i
/:/: :/: :i: l:l:l:.l: l|: : :l: :l: : |: : l: : |: : : l| :|
〃:i: : l: : :l: l:l:l:.i: l|: : :i: :i: : ｉ: : i: : |: : : i| :|
| i: i: : l: : :l: i从ﾊ:i|: :/i:/i: /ｉ: /i: /i⌒刈:ﾘ ……マティアス七郎兵衛は俺の古くからの知己でもあり、
ｉ l: i: : l: : :i/ｨ芹刈:/ ﾉ' j/ ﾉ' j// /:/
. 八i: : |: : Κ Vヅ' / ,､_./:/ 同宿時代の俺が担当した教区（秋月）で、指導的な信徒だった人物
＼ﾄ､: i:∧ ′ /: : :/
丶:込、 -― /i:/i/
` ／ | かれの信仰と奇跡は、何としてもローマに伝えたかった―――
｀ト-"r―┴―┐
┌――┤ ｜ ∧
iﾊ ノ ハ / ｀ ー‐ _
/ _} / / i / ｀
／}___i |/^ｰ__i ／ / ∧
／ i l:.:.:.:.:.:.i / / ∧
∧ i |:.:.:.:.:.ﾘ / / '.
/ i i l:.:.:.:./ { / ',
ｉ ｜ i |.:.:./ i { / ∧
| | i |╋ i i / /
【 1620－22年、ローマのジェズ教会（当時、イエズス会の総本山）にて 】
￣ ‐- ､ / γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
/ ） / | この“ 至福なるマティアスの指 ”を、敬愛する .|
/-─ / | |
/ /. | ヌニョ・マスカレニャス神父に託します… |
/ ,' 乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
￣￣￣＞ ト
＞ | ＞． ※ヌニョ・マスカレニャスはイエズス会総長補
＞ . | ＞． ＿＿＿
＞ ⊥-─-､＿＿＿ ヽ
＞ ．＜ ＿＿）＿＿､＿二ヽ
￣ ヽ |
─- ＿ ヽ |
─- ＿ ヽ |
─- ＿ ヽ |
＼ ヽ＿＿＿___.|
-=＝ ヽ_ ﾐ ）
', ヽ ＼ ＞￣
ｌ-‐'￣￣ ￣￣
|
|
・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━
/ ヽ ./ !
l ｀, l l ＿＿ _
!、 ヽ l .l , ‐,ニ-_=.Z´ ｀丶、
.ヽ ヽ ｀, .l ／／¨`´ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
＼ ヽ ', i /:./:.:.:.:.:.:.:.:.;.:.:.:.:.:.ﾄ、:.:.:.:＼ヽ
＼ ヽ_、 V:.:./:.:.:.:.:.l:.:.:.ll:.:.:.:.:.:,+-l:.:.:.:.:.:iヽl
＼ `ヽ `丶、:.:.:.:ﾄ,,,-ヽﾄ、ﾄlz=ﾄ:.i､:. |l わたしの指を旅の伴侶としてくれて、
/ ` ､ ＿ }:.ヽ:´ヽr＝ ヽ'､ lﾉ:.ヽl:}
（ ヽﾆ / ト､:.＼_＼_ -- ﾍ ｲ:.ﾊ:.ﾉ サンキューですのペトロ岐部！
.l＼ _ﾉ-' _,,ノ 丶ミ三 i、 l ノl/ V
!＿` '/ヽ,,／ヽ、 ヽ=-､ヽ- i
¨´ ` - ＿ `iヽヾ､= ､
{ ヽ- 'ﾉ l＼_l/¨ヽ
ﾍ、 ¨¨ ﾉ`╋〈`i. ヽ
マティアス七郎兵衛（生年不詳・1614年3月殉教）
（演者：北条沙都子 ＠ひぐらしのなく頃に）
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「1614年度イエズス会日本年報」によると、マティアスは上秋月のキリシタンの中心人物だったという
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
__＿＿___＿___ ／:.∠´￣
｀ ‐- ｀ ヽ . . : -‐…‐-: Y: :／: : :｀二ﾆ=‐-
__二ﾆ=-. __ヾ／: : : : : : : : : : : : : : : :´: :｀＞x._
／: : : : ;_;_;_; :【ｲ : : : : : : : : : : : : : : : : :≧x: : _: : :ヽ
. /:／´￣ ／´7ミﾒ:／: /: : : : : l : : : : : : : : : ＼‐- ; ::＼
ｲ;' __ ／ .／!;乂/: : /: : : : ﾉ､:l: :l: |: |: : : : : : :∧ ＼: :.〉
{:i/⌒ヽ / .／ ⅰ:./: ｀/≧-／／/-}ﾉlノl､〉:ヽﾍ : : :'， )'
{ :,!/ 八fz /:ｨf斧斥 ' ﾁ笊个: : ﾊ:.|､: : } ご禁制は遊びじゃないんだよ？
l __ ﾍ (､{: ;代zﾂ 弋ｼ八: / }:! l: :ﾊ
､｀ ヽ ﾅ: :ヽ ＿,' 从,' ﾉ' }/
＼､__ ´ ＼__ ／´⌒ヾ､ (__ノ ｲﾉ!:|_ 国法に従うふりしていても、宗旨が邪宗のままなら
,-‐＼ ノ＼＼ ヽ ヘ __ ＜ )f|ﾉ¨＼
/:::::::::::::|｀¨´:::::::::＼＼ ヽ ｌ ゝ､rx｀ヽ| /》 生かしておく意味、ないじゃない
Y´ヽ::::::::;;;:|!::::::::::::::::::::ｌ} '. !ｌ /､__≧z､し´::ヽ〉
. ∧:::::::V´ ｀l:::::::::::::::::::ﾘ:! } |! / ￣{:::::::U:::::/-､
〈:::ヽ／ ヽ ヽ_'⌒ヽ:/:::| }! ! / ヾノ＼＼::::::>
Y´＼ ｀＞'´ /::::7 ljー'| o{:::::::::> ｀´､＼
ゝ､__＞´ ゝ-‐ ´¨¨/ / |ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|`´＼ ／／
｀､ / / ￣{￣￣￣ ＼＼ヽ' 〉
／ ／, " ヾ-ｔ- 、
./ /／ , ＼
/ ｨ/ ! ヽ
/ / ! /! ./ i ヽ
/ ! ! / "|ヽ,./| ! Y
! | ! ! ﾚ、 ! ∧ ! / .! i !
! | λ ゝ ! ゛＝-' ! /|-.ｘ / | !
! |∧ﾍ |ゝ .! " , !/ !/ / ヽ !
.!ヽ ヾ,ゝ ! ＼ , ' `ー,/ / ∧ ! せっかくですが教会の勝利のためには、
! ! 、 ! ヽヽ| !゛'' , ! ／ ,i / |!
! ヽ|ﾍ /|,. Y 、 ゛''" ﾝｯ ,γ' | / / あらゆる努力を惜しまないですの
,r _ 'ﾚ/ 丶、 , , ',〆y / /
y' ''＜、 /゛'' 〆 /
,＿ ''"= ミ 、 ヽ、 |'x'" ／ デウスは見ててくださいますの
/゛ . . . .゛. .ト 、 ﾐ 、 ヽ./ , '"
!!. . . . . . . . . . . ヾ 、ヽ ./ y' ゝ、 マティアスはこんなにも強くなったんですわよ
! .!. . . . . . . . . . . . ヽ ゛ﾝ /'" ｨ".'ト.、
.! ﾍ . . . . . . . . . . . . ﾝ y '"╋ . . . ヽ
―――――――――――――――――――――――――
かれは役人の執拗な棄教命令に決して従おうとしなかった
―――――――――――――――――――――――――
／.:.::.:.:.:.:.:.:.,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:...ヽ:.:.:.ヽ:.:.:.ヽ
／,ｲ.:.:.:.:/.:.:./.:,!:.:.:.::.ヽ,:.:.:.:.ﾞ.:.:.: !::.:.:.V:.:.:.i
/.:.:.:.:,:.!:.:.:.i:.:.!ヽ､:.:.:.:l.:ﾊ:...l:,!:.:j:.:.:.:.:i:.:.:.:.i あ、そう―――じゃあ、お夕飯前のことで悪いんだけど……
/i:.:.l:.:.:l:.:.:.!ゞ､:.､:.:.､._ｲ_:У.:!^l｀､:.:.:l:.:.:.:.i!
〈 ﾍ::iﾊ:.l:.ゞ､弋ﾞ;.:.:.:.:.ゞ-ﾞ 1:.iメヽ､:.:.ﾘ.:.:.:.| いますぐ首をはねるの。町はずれの刑場に引っ立てるの！
ヽ ﾞ{ヾ:. ﾄ､ ' ._＿_ 人:;!: :i:::::.ヽ､:.:.:.i
i| ＞ ー‐'彳ノ |: :|:::::::::::.ヽ､i
／.:::::::::::j: :V癶ﾍ/.: :|:::::::::::::::..ヽ､
ヽ ,. ´ .．ｒ≦´:::::::::::::::::::::≧．.､ ｀ヽ /
い 気 処 ', ／ ∠ -‐ ￣￣￣ ¨ ＜::.:..､ ヽ / 時 こ ま
; / ／ ＼:::ヽ Ｙ
な 配 刑 i .'／ ヽ:::', ! 間 の っ
ｌ .ｲ ' ,ｲ ヽ:i ,
い り . す .ｌ / / ' i ｌ ﾊ / ｌ ﾊ! ﾍ. に 大 た
!.' / / ! ハ ! ! ′!斗 ! ,ｨ ! ', ヽ
証 が る i,ｲ ,' ｌ‐-!.ムﾄ ｌ/ィﾃ示ｚ､ｌ ,ｲ ! ｌ 小, ﾄ.＼. 事 く
. ! ! /! ｌ ',ｨf仡圷ﾍ / j仍::心》/ ﾚｌ ﾊ ∧ｌ ! ', !ヽ. ．
拠 な . な .ｌ ｌ/ ｌ ﾊ ｋ以ｒ:ﾘ ∨ 乂rzソ ﾑｲ ｌ/'）ﾊ / ,/ ＼.な ：
! ∨ ﾒ ,小 ｀¨´ , ﾉ_,.ィ ! ｌ/ }/￣￣￣
で っ ん / 厶ｨ ハ. ｒ イ.ｌ / ! /
＞ レﾍ ヽ 'ｰ イ ｒ‐, ｌ'
す て て /´ , ｒ‐､ ＼!＞ .,＿, ｒ＜ . イ i
／ (二７ ≦､-r,.'^'ぅ, ,ハ !ｒ ､升 .ス-．._
わ ／ { ヽニﾆ ﾌ厶イﾍ ! ﾊ ／ イ {
,. ´ ふ 人 }／ / ∠ヽﾍ,／ ／ ﾍｌ
！.／ ヽ. ,.'ー ! ,.ｲ ｀╋ .′ '.
ー‐…''´ ふ / ; Y´ / ! ,
ヽ ′ i ! { ｌ i
i ,.ｲ ’ r,.';^⌒^~｀';ぅ,ヽ ｌ
', ／ ! '. !｀` ｰ‐ ‐ ''彳 !
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
かくして1614年3月15日。マティアスは夕食前に逮捕され、上秋月の奉行所にて死刑宣告。ただちに斬首される……
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
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π_ノ心､_ノ(,炸||( ,,.,⌒ ・っ ∴ ･ ;,,ｨ炒⌒;. c=≠二,ｨ炸圭圭(;''
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τ｀Ⅷ:圭圭圭圭(_ノ廴 τミx｡、∴＿_ ノ廴_,ｨ炸廴ｨ
)}圭圭圭圭圭そ `⌒'・ __,ｨ圭掛x、∵ ,ｨ炸圭少⌒'・
_,ｨ炸圭圭才寸圭廴｡x:≦少"´⌒''''⌒¨∵¨´ ⌒¨¨∵：･
⌒`寸ﾄ､∴｀寸ﾐ､ ∵：･
`寸そ：¨'`沁っ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
刑場近くに埋葬された彼の遺体は、その夜のうちに首も胴も岐部ら信徒たちの手で掘り出され、運び出された―――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
｜ あなたの殉教はたしかに見届けた―――さあ行こう、マティアス。長崎の教会へ……. |
乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
_. ---- .､
_ ＜: : : : : : : : : :＼
／. : : : : : : : : : : : :＼: :ヽ
∠: : : : i: : : : : : : : : : : : :l: :⊥ -── - ､
. / _＿ !＞: : : i: : !: : : :／´ ＼
/7. : : : : :|: : :i: : :ﾊ: :|､: :|/ ﾍ
l: : : : :i: : :ﾄ､: |､: j |:ィ二/丶､ ＼ '.
|イ: :i: :'.: :Lム! V j,ィf::/｀ ー- ニ＝- } !
ﾍ: |､: :V《 じ ゞl i | i | l !
ヽ ＼トﾍ ､ |/l i 廾 M i |i | |
ゝ､ ‐ _ノ! | V､_|／｀TⅥ /ﾊ从Ｖ
＞ヘ V V ､_ `＝|/'⌒ヽ′
{ { j7￣￣.7 j＼
/!ﾍ. '. /´_ノﾉ .// /ヽノ }
｢|: ヽ '.ニ ィ´ {/ /／、 {
l |: ヽ V ! / ﾊ ヽ ヽ
'.＼{ '. V , ' / ヽ. ＼ ＼
'. i }╋'､ ／ ／ `¨{ ＼ ＼ ヽ
'. | ゝ-'/ ／ /_＞ニ､ ヽ '.
'. ∟__'､ / |＿_ - ＿ﾑ＿＿j / |
ヽ ｀Τ¨ゝ-'─ '"´/ /' / :l
`７´}::::::::::::::::::::::ﾊ ヽ./ ./ .ﾉ
/ !:::::::::::::::::::::::ﾊ '.､ / .／
/ {二「＿_」二二'. j ＼' ´
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
死後20日を経てなお「マティアスの遺体からは鮮血が流れていた」と、岐部はのちに証言している
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
4月上旬ごろ、マティアスの遺体は長崎の「諸聖人の教会」に到着・・・
翌年3月か4月にはマカオに運ばれ、聖パウロ学院教会の地下に安置されたと記録される
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
, ・ ¨ `ヽ
, ・ ' , -､ -､_〉
／ ／ `’
/ ／
／ /
,...--..､ / /
,/:.:.:.:.:.-:.ヽ､ハ、 ヽ＼ マティアスよ、君の思いを伝えたい。指を一本、もらっていくぞ！
<:.:.:.:.:.､_ヾヽ=ヽ `ー '’ `＞
/i:.:.:.:.:ゝ`､-､ i ／／ ヽ
l/|＼`i┴＋'ヾ、╋-/./ ゝ 一緒にローマに行こう！
` / ／￣－､iヽ、- ’_＼
/ / ,, ∠ノ ￣ - lヽ
,-、 / / ｒ t '' ¨ ' `・ , i
〉 ＼ /’ .ノ -l ヽ ､ , ヽ
< 丶 > i ﾊ ヽ ヽ _, --－ー―・ i
ヽ /＼＼ l / ﾍ ヾ` ' ヽ ヽ
ヽ i ＼丶ノ ./ l ｌ ｌ ＿ヽ
ヾ ､<,r / l ｌ ` t ¨ `・ ､ _
¨・<_> l＿l ー -- ､ _ i ` ¨ ¨ `i
| i ￣ `丶､ l
・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━
/ ／::::::::::::,r'´ ／ ＼ ＼
/ /:::::::::::／ ／ ＼
, ,':::::::::::/ / l ｌ ヽ
{ {:::::::::/ / ｌ ｌ ｌ ヽ ｌ
| |::::::/ / / ｌ } ｌ ｌ ｌ ', |
, !:::,' ／ / j / ! ﾊ l ｌ / , ! ｌ l !
ｉ/ ∨ / 7‐-,ﾄL,_j / ｌ i ｌ /| / ! / ,' ｌ｜
/ / ,/ / ／ | L､{,－-ﾄﾊ ｝ ! /斗/~ } / / ∧|
' / ／ | { / ＿＿_ .ﾘ ∨ /／-‐_ｭｧ..,'/ , '| / 八
{ ,! ｉ /{ f.｜ {≡テ三彡ミﾐ | ｲ=行/〃 / ／ ,' / / ｀ヽ
i/ l ｉ / ヽ ｰ| ヽ.ゞ､辷タ,,. }/ 辷ン . ／ ／ ｌ /／ '
', ﾘ / ｀ ┤ ,ヾ ヽヽWNヽヽ _ｗヾ∠ ィ !'／
∧ /|ﾊ |ｌ { ＼} , / / / ! 岐部は欧州行を決意したとき、私の指をその伴侶
＼{ ヽ/ |!＼! ヽ. （￣ フ ノ /! }
/:. :.ｌ ｀ヽ．., _ ,.. ´}/| ／ ｉ/ としましたの。彼と私の間に、深い個人的紐帯が
厂i: : : :ヽ､ ∧｀ ｰ '´: : :}｀ヽ´/／
／: : :ヽ: : : : :｀ヽ､ }: : :/: : : :{ } {' あったことの証左ですわね―――
／: : : : : : ＼: : : : : : ｀ヽ ╋/: : : : :.ｌ /
――――――――――――――――――――――――――――――――――
と、言うわけで……主人公の出国前から、何気に足踏みしてしまったが―――
――――――――――――――――――――――――――――――――――
, - ´￣｀ ｰ- ､
／.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.＼.:.＼
/:,ｲ/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ.:.:ヽ
ﾚ'.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:l
死 ぬ 時 ゃ 、 み ん な 一 緒 だ ぜ ？l:l ＿＿_
／, -──- 、 `l/l.:.:l.:.:ト､ .:.:.: N,イ´.:.:.:.:.N , -'´: : : : : :｀ ｰ ､
/ .レ'´￣￣｀ ヽ ⅥV, 式､Ⅳ , -‐l.:./.:く／／: : /: : : : ヽ: :ヽ
// l l l l_Lﾑ l Ⅳ、￣ ﾚｲく:.／: : : /: /: :l: : :l､: : :l､
. ﾚ' | !l「Tｰ l∨ , -､l l l ヽ ､ , / | У:/十/: : l_: :l: :l:.l: l: : |/ヽ
!| .l V,ｲ勺 ! 弋リ| V ＼`=＝'／ l〈_l: :l_, ､l＿/l ｀l: :l: l: l: : :レ' ＼
V ヽ_lゞ-' , ,,ﾚ､ l _∧｀ - '´ ,ｲ l: `l" , ‐-､: :/: l: l: : l -' ＼
/ Ⅳl l､"" l⌒l /ﾚ'V く ヽ╋し-'::ｌ /: : :ｌ ト､ ""/: /_: : : : :／ /
ヽ .V ヽ､`-' , ｲV, - 7ヽ ＼ ヽ::::::::::::l/: : : :.ヽ ` ´ フ: : : : :／ ／
/:＼ ヽ !￣ 厂 //l: : ＼ ＼ ヽ:::::::/: ll: : :／ ‐ 7´/: : : ／ ,イ＼
r-/: . : .＼ ＼╋ l l l l: . : . : ヽ ＼l:::::l: : |ヽ: | †.r／: : ／ ／＼ l: : :＼- ､
l: . : . : .:/ヽ＼ ＼`l ///: ',: . : 誰 も 一 人 で な ん か 死 な せ な い の で す
∧: . : . :.l: . :.＼＼ ＼//: . :.l: . : .:∧ V.|: / /: l く: : :／ .|: : : :／ ￣ヽ: : : : :ヽ ヽ
／ >-'´ ヽ: . : .:ゝ┤ ＼: :/-＜´ ヽ l ﾚ' /: :.l Υ l｀'厂､ ,ｲ: : : : : : l !
.〈 く ﾄ: . : . : .l l | ､､ l 〉.l У 〉 l l L__| // l ｌ: ｌ TT ´ l: : : : : : : !
ヽ ふ 、 不 謹 慎 な 話 で す わ ね ぇ ！.l Y: :l l//l /l./ .l: l ヽl l: : : : : : :l
＼ ヽ l: . : ./ Ll l l l l／ .У / // l: ;Ul l././(/ l: l ／＼／__: :l＼_/
＼ ヽ_／ 私 は そ ん な 物 騒 な の 御 免 で す わ よ ！ - ∨: :.: :.:｀ - ､V
n_l／: . : . : . : .ヽ /: . : . : ＼ ./ 入 ／: :.: :｀ ─‐ ´:.: :.: :.: :.: :.: :.｀ ‐- ､
／: . : . : . : . : . : . ∨: . : . : . : . ＼ /:::::ヽ ／: :.: :.: :.: :.: :.: :.: :.: :.: :.: :.: :.: :.: :.: :.:/
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遅くとも1615年3月の船便で、ペトロ岐部はマカオに向った筈である
なおこの推論の是非はどうあれ最初の追放船以降も、マカオに亡命してくるキリシタンが続いていたことは確かだ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
i二二|
ｒ＿＿ｨ | |
|| ___ || ＿ - ￣:::::::::::￣`丶､.... _⊥
. ／＼ ＿[]^＼_＼| `' ＜｢丁丁丁丁丁|丁|T=一[凵
_TTTT__ [] 弌i|¨||￣|||:|ｱ.［］┌ｰ┴┴┴┴l￣:|┴ﾞ┼‐┴-⊥_ |
ｧｒｒｒｒｒｒ┘| =|ＴＴＴ]|=||＿|||:|ＴＴ| |＿∩＿∩＿|___,|＿__|＿＿＿|］トミZZZ癶__
ｚｚｚｚｚｚｚｚｚｲ:|‐|∨|＿|＿＿＿ =|====i|＿ .|:|==|[ |_|[|「｣「｣「｣「」| |_|_|_|_||TTTTT￣＿＼ /＼─-- ､､...,,,＿ _ -─
ＴＴＴ|TTTTT |‐|∧|￣|__|,______＼|匚］ .|:| |:|ｉ|├〜|:|〜||､_|￣∩￣ ∩￣￣|￣丁￣￣￣￣￣ |イﾆ辷Ｔ´ : : : : : :｀`'ｼ'": : : :
二二二仝二二二仝二｜┌┐ | 鬥 |:| /鬥┘ ∧ ||￣￣￣［］￣￣￣ }＼丁丁i｢|丁丁丁丁/|TTー┬ ｨｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚ
┴┴┴芫┴┴┴芫┴┤└┘ | 只只兀兀兀只只仝仝ｚi{￣￣￣￣￣￣￣ {ヽ `'弌|｣|⊥┴┘''" ,ハ `ｰ┴'ﾉ^~^~^~^~^~^~^~^~^~^~
竺竺竺竺竺竺竺Ⅲエ罕苹=┐_|TTTTTTTTTT｢｢｢｢｢｢｢｢｢｢圦￣￣￣￣￣￣￣', ＼ ＿ -==彡'‐┴ ￣ : : : : : : : : : : :
｢｢｢｢｢｢｢｢｢｢]]]]]ＬＬﾆ弉=-─‐┛冖''' ¨¨””￣＿二ﾆ=-─ '' ＼＿＿＿＿＿＿_＼＿二ﾆ=- ￣: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
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かれら亡命同宿たちを収容したのは、街の丘にある聖パウロ（サンパウロ・大三巴）教会に隣接する学院だった……
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: . ￣￣Λ＿Λ──＿＿＿＿＿＿:. :.:. :.:. :.:. :.:. :.:. :.:.i￣￣i:. :.:. :.:. :.:. :.:. :.:. :.:. :. . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
:::::::::: /:彡ミ゛ヽ;）ー､::::::::: Λ＿Λ. . ￣￣￣￣─‐. ⊂ニニ⊃ ＿＿＿＿＿＿:. :.:. :.:. :.:. :.: Λ＿Λ:.: :.: :. :. :.
::::::.../ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i:::::....（-д-::: ）ー､::::::....... ( ﾟдﾟ )ー､ Λ＿Λ:: .. .￣￣￣─（-д-::: ）ー､::..
::. . / :::/;;: ╋ヽ ヽ ::ｌ::: . /i ;:╋ :::i:::.::::::..... . /i ;: ╋ ::. i /:彡ミ゛ヽ;）ー､:::::::... . /i ;:╋ :::i::..
: . （_,ノ⌒＼;; ヽ､_ノ:l: . (:: ;;＿＿/ :::./ |:::::...... (:: ;;＿＿/ :::./::/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i::::.... . (:: ;;＿＿/ :::./ |:: .
i⌒＼）i⌒＼ /:: .. / ＿＿__/ :|:::::::::.... . . / ＿＿__/::/ :::/;;: ╋ヽ ヽ ::ｌ:::::...... / ＿＿__/ :|::..
| :::| ::;;_| :::| ::;;ﾉ: . i⌒i_ﾉ :i⌒＼ /::::::...... . i⌒i_ﾉ :i⌒＼（_,ノ⌒＼;; ヽ､_ノ:l::::... i⌒i_ﾉ :i⌒＼ /::..
| :::| | :::|:::: .... | :::| ::;;_| :::| ::;;ﾉ::::::::::... .. | :::| ::;;_| :::| ::;;ﾉ i⌒＼）i⌒＼ /:::::::.... | :::| ::;;_| :::| ::;;ﾉ::::...
（___/ （___/::..... | :::| | :::|:::::..... . | :::| | :::|:: . | :::| ::;;_| :::| ::;;ﾉ::::::.... . | :::| | :::|:::: ::...
（___/ （___/:::.... .. .. . （___/ （___/:: : | :::| | :::|:::::::.... . （___/ （___/:::.... ..
（___/ （___/:::.....
r'ﾆﾆニ二二二ﾆﾆﾆ､ヽ
| | .＠ | |
ｒー┤| |├､
| | | Π | | |
l l l lﾆ コ .| | |
| l l |_| | | |
l＿＿l_l＿＿＿＿＿＿|_|__| っ とはいえ……
| / ,ｲ,へ 丶､ ﾍ
| ,' / /／ ＼| ＼ ﾄ､ ヽ ', つ
!j./l / ` ヽﾄ､ヽ } 受け入れは最大３５人をみこんでいたのに、明らかにキャパオーバー
. | | .!/.! ○ ○ l l |ヽ,' ⊃
l | | .l/////////////! | !.| イエズス会の持ち家の幾つかを徴発して、間に合わせねば―――
.| ! | ﾄ､ ,-ｰ￢ .ｨ| .| l
| l ! l l` r --.' ＜j ,' | |
| .l ', l |ｬ-ミ≡彳ｧﾄｲ ,'! !
.| | ヽ| | l r´ ）/ハy / | ',
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ｺﾚｼﾞｵ
因みに聖パウロの学院は1594年、ヴァリニャーノが日本人むけに設立したものである。日本人が上長に不服従で分派
活動しやすい欠点を認めた彼は、学生を日本の環境から切り離し、西欧人の生活環境で教育することを考えたのだ
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''';;';';;'';;;,.,
''';;';'';';''';;'';;;,.,
;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
vymyvwymyvymyvy、
ヽ(ﾟдﾟ)vヽ(ﾟдﾟ)yヽ(ﾟдﾟ)v(ﾟдﾟ)っ
⊂( ﾟдﾟ ) と( ﾟдﾟ ) 〃ﾐ ( ﾟдﾟ )っ ( ﾟдﾟ )つ
ゝηﾐ ( ﾟдﾟ )っ ﾐ） ⊂( ﾟдﾟ ) .(彡η ｒ
しu(彡η ｒ⊂( ﾟдﾟ ) .ゝ.η.ミ） i_ﾉ┘
. i_ﾉ┘ ヽ ηミ）しu
（⌒） .|
三`Ｊ
・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━
}{
＿}{＿ っ っ
￣}{￣ っ っ
}{
,r‐‐z
/ :、
/ ／＼ :、 ｳ ﾁ
/ .|:::::::::::| :、 ＜ た、確かに学院はマンショ伊東やジュリアン中浦、ルイス
/ |:::::::::::| :、
¨| |:::::::::::| |¨ にあばら等の日本人司祭を生んだ日本の学生の登竜門
| `¨¨¨ |
| | ですが……一斉亡命は想定外だし、入学とは別だし（汗
| |
| |
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿| |＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
;;;i;∧ ;;;|;;;;;;i;;;;;; i;;;;;i;;;;;;i;;;;;;i;;;;;;i;;;;;;i;;;;;;;;;;;i;;;;;;i;;;;;;i;;;;| |;;;|;;;;;;i;;;;;; i;;;;;i;;;;;;i;;;;;;i;;;;;;i;;;;;;i;;;;;;;;;;
;;;i;;;;∧ |;;;;;;i;;;;;; i;;;;;i;;;;;;i;;;;;;i;;;;;;i;;;;;;i;;;;;;;;;;;i;;;;;;i;;;;;;i;;;;| ／＼_ |;;;|;;;;;;i;;;;;; i;;;;;i;;;;;;i;;;;;;i;;;;;;i;;;;;;i;;;;;;;;;;
;;;i;;;; |∧;;;;;;i;;;;;; i;;;;;i;;;;;;i;;;;;;i;;;;;;i;;;;;;i;;;;;;;;;;;i;;;;;;i;;;;;;i;;;;| ／.:.:.:.:.:.＼...|;;;|;;;;;;i;;;;;; i;;;;;i;;;;;;i;;;;;;i;;;;;;i;;;;;;i;;;;;;;;;;
;;;i;;;; |;;;∧;;;i;;;;;; i;;;;;i;;;;;;i;;;;;;i;;;;;;i;;;;;;i;;;;;;;;;;;i;;;;;;i;;;;;;i;;;;|ﾆ}...................{ﾆ|;;;|;;;;;;i;;;;;; i;;;;;i;;;;;;i;;;;;;i;;;;;;i;;;;;;i;;;;;;;;;;
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣| | | |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
__. .. i } __ __ __ | | | | __ __ __
| | |.} i } i_i_l i_i_l i_i_l | | | | i_i_l i_i_l i_i_l
= i } i_i_l i_i_l i_i_l | | | | i_i_l i_i_l i_i_l
. | |:::::::.:.:.:.:.:.!､;;,丿..........|. |
. ！ |:::::.:.:.:.:.:.:┌￢.............| |
. ,,:┤ l::::::.:┌ー┘ └┐......ｌ |
. ｨ'.:.:.:.:! |:::::::.└ー┐ ┌┘.....| !
!::::::::::! !::::::::.:.:.:.:.:.:| ｌ............l ! ・・・まあ、とりあえず皆さんが学ぶ場は用意しましょう
. |:::::::::::ｌ .|::::::::.:.:.:.:.:.:|.__」............! ｌ
!:::::::::::ｌ |::::::＿;;;;;;;;;;;;;;;＿::::::|.:.:|
!;::::;;;;;;> ※ｱﾒ､_ .//ﾉ/,ｸ7ｧ┤ （ でも口にはしにくいけど『招かれざる客』なんですよね、
Y´| ; |. |〃、_,,ﾆ''〃//､／ﾊ: !'
. ｌ:.l .::'λ !"`＝''" ゞ='',{:.l マカオのイエズス会にとっては。やりくりも大変だし―――）
l:.| ,:〃.!:.ﾞ､""" ，"" ,!;.|
!:.ｌ; /'ゝ!､:ヽ ,.. .ノ!ｌ:.l
. l:.:|〃!|:.ｌゞヾ＞=┬-;＜´|:. !|:.l
. |:.:!/ｌ｛ {::.:..｀ヾ;､.__ﾞｰπi､:.!;'|:.!.|
!;:!l::!::ｌ!ﾊ;::::. ヽﾞ､￣´_ヾｌ |,'ﾉlﾘ|
ﾘｨ'l|:::|l:!::{ﾞ､:::. ヽ!::.ヽ ヽ＼'.:,|: !
ハ! lﾊi|:l::ヽヽ::.:. ﾞ､::.┘└ﾉ:ﾉ:丿
イ / | ! : : : : : : : : : : : /: : : : : :
1 .: l :l ! . : : : : : /: : : :./: : : : : : :
/. : : .l : ! ! : : : : : /!: : : :/ヽ: : : : : /
| : : : : : : :A--l､ : : : :/ l : : / l : : : /:
. | : /: . : /＿ ! ｀ : :ヽ/ヽ、 / l: : :.ハ （保護してもらった手前、贅沢を言える身で
! : ﾊ: : : . :{.{!ﾄ心､ '. : / l／` ＝＝!: / !
'. :l ' : : : . :!.弋り ヽヽ : / ノ ＿＿＿.∨ ないのは承知しているが……
'. l. ヽ: : . ! ! ｀￣´ .∨ ´厂￣l!｀｀ヽ、 /
'. | ヽ : ﾄ､! ゝ､__ﾉ ."/:
. ヽ、 ヽ:! ﾄ､ / ￣￣ /: : 俺たちはただの居候の亡命者じゃない。
ヽ ヽ ヽ ／イ´
. ∧ ´ 修学して、故国の信徒に尽くす覚悟がある
__{. ｀ヽ 、 ,
／´ ﾉ ! ヽ ｀丶 , '
______ '´ { ! !丶、 , ' / 我々を教育する熱意が無さすぎる……）
. _ -‐ ' "´￣ j '. |ﾉ ￣ /
／´ ! ヽ! /
/ ! ヽ ╋ !
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イエズス会では学院内にも亡命者むけのセミナリオを新設、かれらの学業にも対応した。すでに卒業生だった岐部も、
聴講はしていたと思われる―――だが両者の「熱意の温度差」は、じわじわと緊張関係を高めていった……
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受け入れ態勢の不備も、さることながら―――それにもましてマカオの
イエズス会を当惑させたのは、中国人とポルトガル人の反日感情だった
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二二二二l ∧∧ さっさと帰れ！ さっさと帰れ！ しばくぞ！
| | ／明 ＼ ∧葡∧
| | （｀ハ´ ）つ─◎ （´U _｀# ）つ─◎
| | /´￣し'￣し' ＼ /// /´￣し'￣し' ＼ ///
￣￣| ､_人_ / 彡 ◎ ￣ | ､_人_ / 彡 ◎￣￣￣
| _） ◎彡| | ﾊﾞﾝ | _） ◎彡.| |. ﾍﾟｽ
| ´｀Ｙ´ | |ﾊﾞﾝ | ＃｀Ｙ´ | |. ﾍﾟｽ
t＿＿＿＿__t,,ﾉ t＿＿＿＿_＃tﾉ.
・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━
＿＿＿＿__________ | | | .／|...| ｜ l／ !
,r'i | |／ .| |...|｡｡＿｡｡ l
／o | | .／l |／ . |0| 八 |o ／
.／o0.,r'ｉ | | ! |o| 仙 |0／
.／0o.／ . | | |／ ／l |o| 飯 |0
＿＿.／o0.／／l | | .／l. | |0| 店_|o
o｡o｡.|0o／ l ! .| | | .l |,r'
｡o｡o.|／.／| .l／ . | |. . | .l／
￣￣| l l | | |／ ∧_,∧ ∧_,,∧
| |／ . | | ／ (# ) ( #) ＜ 朝廷のお達しアル。倭寇は国外追放のコト
| |＿＿|／ r´￣ハ . r´ ハ
| ／| | ∪＝i∪ ∧_,∧∪＝i∪
| ／ | | 丿八ゝ∩;｀д´∩八 ゝ
| . | . . |,r' と´) ／｀⌒ くと´) し'
| . | ／ (⌒)--(⌒)
| . |／ ／￣｀／ ￣
| ／ ／ ／
＿＿|／ ズザザザ-
∧_,∧
∩;｀д´∩
／｀⌒／
(⌒)--(⌒)
.／￣｀..／￣
／ ／
ズザザザ-
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おりしも前年（1613年）、倭寇に手を焼く明の皇帝が広東の官憲に命じ、ポルトガル政庁をして現地の日本人90人を
追放させるよう措置した直後だったのである。切支丹とはいえ無許可の日本人が現れたことは、中国人を不安にした
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ポルトガル人のほうも、当時は有馬晴信がポルトガル船を焼き討ちしたマードレ・デ・デウス号事件
（1610年1月6日）の記憶が、なまなましかったこともあり。反日感情がくすぶっていた
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＜1610年＞
ヽ ! / ／ ／
＼ ヽ | / ／
..＼ ／
..三三三三三三三三三三三三
三三.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 三三
.＼三三: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 三三
..三三 : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 三三
三 : : : : : : : : : : :三三三三三三: : : : : : : : : : 三三
: : : : : : : : : : : 三三......................三三: : : : : : : : : :三
: : : : : : : : : :三三 ..／￣￣￣ヽ....三三: : : : : : : : :ﾄﾞｯｶｰﾝ
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| /;;;;/;;;i;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;/ i.i ヽ;;;;;;;;;;iヽ;;;;;;;;;;ﾄ;;;;;;;i;;;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;;i
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丶------ｧ;;;;;A''''ｰト､'''i .!~ .ヽ;;;;;;! ヽ;;;;;;i. レｰ''''';;;;;;ト;;;;;;;;i
∠;;;;;;/ i;;;;/＿^ヘ､,,,_ ヽ;;! .ヽ;;∠~ヽi__ヽ;;;;;;i ヽ;;;;;i
／i;;;;/ 〉/~ ￣￣￣`i.|ヽ_|_|ｰ''~ ￣~~! ~ヽ;;;;i ヽ;;;i
. /〉､.!;/''ｰ| '' |￣￣| |ヽ!. ヽ!
んっ？ . /.i/ )V | .| | /| V
. /. 〈.ヽ 丶＿ ＿,,,.ノ 丶､..＿＿,...ノ/;!
. / ＼ `' i. ￣￣ ,, !;;;;!
バカなっ！？ /;;;;;;;＞-.i ___ ′______,,, .!;;;;!
i,, r'''~ ヽ. / ~^''''''''''''^~~~~ ;;;;;;i /;;;;;i
|. ヽ,. / ;;;;i. .人;;;;;;i
撃沈されただと？！. | ヽ:::Ｙ ;;;i,.イ .|丶
| ヽ::i ;;i .i ト､
.! ヽ:ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿_/ .i ﾉ:::＼
. !ヽ ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::/ .! i /:::::::::＼
.!ヽ ヽ ./ ! i ./:::::::::::/:::i
!＼------ ヽ-､､､ /, -'''! _,,,,,--- /:::::::!::/i::::::|
ポルトガル人モブ （水原暦 ＠あずまんが大王）
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無用の衝突をおそれたイエズス会は、同宿たちに外出の制限を通達する
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_,,,......,,,
,,,''" ﾞ''丶
i;;:::::＿::::_:::_ :::＿ヽ
!:::::ノ ノ ー l 諸般の事情を鑑み―――
r､| ｲﾟj` 'lﾟj`l
､_: ｀ ' ｀ ﾉ 滞在する聖パウロ学院から、みだりに外出することを禁ずる……
ヽ､ ー- ／
`i -'イ_
⌒/＼／ /￣⌒ヽ
l.／╋/ ヽ
／ ＼
/ ヽ ,. ｨ ─ ､
l l ／ ｀ヽ
| ＿ --ｰｰ＝＝=| / ,. ､ ヽ
/==ｰ'二 -ｰ────-ヽ /'二二ヽ<二 ｀ﾐ -､ !
'-r'ﾞ ＿,|.:.:|__ _,. |} !| <／＝ﾐ.:.:.:.:.ｨﾞﾆヽ､ ヾﾐ=|
|z'.:.:._,. -- ﾐf={ﾆ|l__l/〈 {.:.lﾞ };.:.:/{ ヾ.:.7ヾ ・・・暑苦しい。息が詰まりそうだ
ﾒ二 ----／ Lf-<'< .! ヾ:i___ ノ_.:.:.ヾ､ ノ.:./^!
ﾉ~~ﾞヾ ,.ノﾞ￣ 7＼､| | ヽ.:/:´.:.｀ヽ.:.:｀~.:.:.:/ノﾉ
/.:.:.:.:.:.:.:＼ ／.:.:.:.:.:.:.:.:＼ ヾ| ,.ヾ､.:.:.:ノﾉ.:.:.:.:.／ﾑ´|
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:Y.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i´＼ r' Vﾞ´.:./´__, ｨ'彡'´ ｀ﾄ、
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:／＼ f＿､ >=ヾ} ／ 彡ｰ'= ､
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|/ ヽ, ,. ｲ.:.:/ ヽ|.:.:ﾚ' ,. -─ '´_ﾑｰ ﾆ ﾒ､
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| l ／ /.:.:./ ヽ.:ヽ＿ ,. ｨ彡-ｫ' ﾞ´.:| ヽ
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| | l /.:.:./ ｀ゝ --ｰ '´ !.:.:.:.:.! ／ヽ
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:| } ノ ,'.:.:./ ╋| ヽ.:.:.:.| /
.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| | { |.:.:ｌ .! ヽ.:.:.:.|'
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夏の暑気と湿気がきつい土地でのこの措置が、日本人亡命者の気を滅入らせたであろうことは想像に難くない
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それでも1616年4月3日の復活祭には、岐部ら同宿全員が白法衣をまとって聖体行列に参加。熱意をアピールしていた
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￣ | |￣復活祭ワッショイ！.￣! ! ￣
＼＼ │ | 復活祭ワッショイ！ │ | ／／
＼＼ │ | 復活祭ワッショイ！ | | ／／
. + | ∧╋_∧ ∧╋_∧ ∧╋∧ | +
|（ ´∀｀∩（´∀｀∩）（ ´∀｀） O
+ （( O ( ノ（つ 丿（つ | | )） +
| ヽ （ ノ （ ヽノ ） ） ）│
|__|（＿）し' し（＿） （＿）＿）_.|
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-=＝ﾆ´￣￣￣ ｀ヽ､
r ´／ ／ ヽ~ヽ
／/／/ / / ／/ .ｲ ﾍ ﾍ
{/ /// イ /| /l /ﾘ| .|.ﾍ | 日本人神学生たちの熱意を、無にさせてなるものか！
| /// X,リ ﾚ／＿ ﾍﾚリ ﾉ
ﾘﾚﾚﾍf rﾐ /._zrﾗ f^} r―､＿
| ￣ノ ﾚ / ／ ¨ヽ
ﾍ ｀ ＿ ﾉ と´ヽ_', ﾍ
, ―‐ヽ ｀ .／ ト、 ｌ ､＿ノ ',....ノ }
r´ ／ ｀>､＿／ } ヽ ヽ （ ﾍ
ﾍ ／ ／{ / } ー ､ ﾞー-┐ |
<´ ／ ｀ ー╋―‐/ l ／｀ヽ | |
/￣ .／ l | / ヽ ｢ヽ |、
ディオゴ結城（1574 -1636）
（演者：赤江衛 ＠ひぐらしのなく頃に）
………………………………………………━||：
『日本のセミナリオは迫害の嵐のため、ほとんど壊滅しました
∧╋∧ 特別の慈愛により、残りわずかな神学生の修学をご援助いただきたい
（´д｀ ）
＿|￣￣||＿）＿ 神学生たちの勉学への意欲は信じられないほど強く、ローマに行くことを企てる者さえ居ます
／旦|――||/／ ／|
|￣￣￣￣￣|￣| . | しかしそれは現実的ではないので、マカオで哲学と神学の課程を開講して頂きたい―――』
|＿＿＿＿＿|三|／
（1615年8月2日付イエズス会総長宛て結城書簡）
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1615年7月にマニラで叙階された日本人司祭ディオゴ結城は、同宿たちの境遇について上記のように嘆願している
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この書面から、マカオに来てわりと日の浅い時期から岐部をはじめとする
複数の有志が、ローマに行く算段を議論していたことが分かるが―――
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'; - '／: : : :/: : : : :.:.l: : ＼:.:／:.:.:.:.ﾍ:/:.:.:.:_ -＼／: :l＼:.:.:.: : : : : l:＼: : : ＼
/: : : : :./: : :.` ､, 'l: : :.:.;＼￣¨` - - ''¨ ／ヽ:.: :l ,, >、''.: : : :l: : ヽヽ: :
../: : : : .:./: : :.:.／ `l丶/、 ＼ ／ ,, ゝ:l'' `,､:.:.: : :l: : : ヽヽ:
/: : :.:.:.:.:.l: : :.:/ ﾄ、 ヽ/ `丶､＼| l |.／,, '' _ ,V --y-┴､、: : l: : : : i
: : .:.:.:,/:.:l: : /: :.l ヽ `/ ﾍ.'' ／/ / L､: :l:.:.: : : l いつまでもこんな、気候も住んでる奴らも
:.:.:／/:.: :l: :l: :.:.:l 丶､ ／ ＼ / l V:.:.:.:.: : :ﾄ、
／ i:.:.:.: ヽ|.:.:/ ￣￣ ´ `┤ ┛┗ ! l:.:.､:.:.: :l: : 最悪な街でくすぶってられっか！
l:.:.: : : :.:/ l ┓┏ l:.:l:ヽ:. :l: :
l:.:.:.: :.:.:.ﾍ ヽ ／:.:.l:..ヽ:.l: :
l:.:.:.:.:.:/´＼ __ ... ､-－―－－,－,-ヽ _..､-:':.: :.:.:.l:.:.:.V: :
l:, ' ￣ ` ゝエ..i＿...-`-―――‐'--'--l ト､:ﾍ:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.: :/
／ ､ l´ ＞ ､ ｰ' 丶 ,, -.l l i:.:i:.:.:.:/:.:.:.:.: : /
/ ､ ヽ lヽ´ /`ｰi-=＝＝=::'l／ l l ヽ:.l:.:./:.:.:.:.:. :ｲ
i 、 ヽ 〉' ﾉ ./ l:::::::::::::::::::/ l l , -ヽ/:.:.:.:、:.:. l
l ヽ ／- ' / `ー ╋ ' .l .l ' ヽ:.:.:lヽ:.: ヽ
. .―v': : : : : : : : : -- .
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
/: : : /: : : : : : : : : : : : : : : : :.i: : : :∧
. /:/: :/:i: l:ｉ: :l: l : : : : l: : |: : l: : |: : : iｉ :i
/:/: :/: :i: l:l:l:.l: l|: : :l: :l: : |: : l: : |: : : l| :|
〃:i: : l: : :l: l:l:l:.i: l|: : :i: :i: : ｉ: : i: : |: : : i| :| ああ。マカオのイエズス会は、俺たちを露骨にお荷物扱い
| i: i: : l: : :l: i从ﾊ:i|: :/i:/i: /ｉ: /i: /i⌒刈:ﾘ
ｉ l: i: : l: : :i/ｨ芹刈:/ ﾉ' j/ ﾉ' j// /:/
. 八i: : |: : Κ Vヅ' / ,､_./:/ 教育課程も、有馬にくらべりゃおざなりだ……
＼ﾄ､: i:∧ ′ /: : :/
丶:込、 -― /i:/i/
` ／ |
｀ト-"r―┴―┐
┌――┤ ｜ ∧
iﾊ ノ ハ / ｀ ー‐ _
/ _} / / i / ｀
／}___i |/^╋_i ／ / ∧
／ i l:.:.:.:.:.:.i / / ∧
∧ i |:.:.:.:.:.ﾘ / / '.
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縷々述べてきたような「マカオの状況の悪さ」が彼らの洋行への決意を強めたのも、間違いないことである―――
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とは、いうものの・・・
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i!: : : : : : : : :i! ヽ Vill ::::..ヽ/////////////////////＼
i!: : :`┌┐: ｉ! .} V! ::::..∨/////////////////////
i! : : : ｜｜:i! ./ |il ::::.∨///////////////////
. i!┌―┘└―――┐ |ill ::..∨///////////-― ´
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厂: : : : :ト ミ| ￣￣ [] []┌┐ V// ト､: : : : : :>fハ
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斥三三三三.＼＿_:||＿_/ ／ ／三三〃
`＜三三三三三三} {三三／
｀¨¨´ ゝく二フ′ ｀¨¨´
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洋行留学という“アイディア”を提供し、その実践に必要となる予備知識を教示して後押しした人物なくしては・・・
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そういう希望や計画が発生すること自体、そもそも無かったはずである―――
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γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
｜ 皆さん、なんだかお困りのようですねえ――― |
乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
, -── - ､
, - '´.:.:.:.:.:.:.:ヘ.:ヽ.:.ヽ 〃／
／.:.:.:.:.:.:.:.:_,､.:.:.:.:.ヽ.:.:.:.:.ヽ､ ⌒
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:レ-ヽ:ヽ.:..:.ヽ.:.:.:.ヽ
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l.:.:.l.:.:.:l.:.l.:.:.:l.:ヽ´ , ┴､.:.l.:.:.ﾄ､.:.:.:.l
|.:.:l.:.:.:l.:.:レ‐ヽlヽ´辺小.:.l.:.:ﾚ'.:.:l:/ えっ？
l.:.:l.:.:.:l.:.ヽl ,‐、 ´//:l.:.:|.:.:./＿
ヽヽ.:ヽ.:ヽヽ少 , , ､//ﾉ-´l./: : : :
ヽ＼ゝ-＼ヽ､ _`-'／_: : /: : : : :
ll.:.:.＼ゝ/／＼ヾ､: : : : : : :
| l､.:.:.:.:.:/ ヽl ヽ: : : : :
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l ＼ l ', ／／∠＿＿
＿＿, ､ _ /∠__ ,二二二二
, -‐ '´: . : . : . : . :｀ - ､ 「￣ 〈 ＿_＿＿了
´: .／: . : . : . : . :＼: .ヽ: :＼ |＿＿[-_,＝ニ二|
: ./: ./: .//: . :l: ヽ: .ヽ: .ヽ: . :＼ ヽ[___, --─ '￣￣
:/: ./: .//: . : . l⊥ヽ: .l: . :l: . : .:l＼ ∧
l: . :l: . l: . : .l: . l , ┼､l: . ll: .l: .:lヽ ∠_ ヽ＿, -─
|: . :l: , l-─l:/:.l ヽl|l: .l:.l: ll: .| ! ＼ﾉ: |: : l : :
l: .,イ:l:l: . : l/// 付ヽl//:/ |/ , -': : :l: : | : :
:l: . l: ﾚ七刃 抖l l/l/ ､ , - ': : : ／l: : | : :
: >: .ヽ仏_引 、""l: . ＼＼ , - ': : : :._／: /: : l : :
: |ヽ: . :＼´"" /､: . : ヽ ＼ , - '_: : : ／￣: : : : l: : :l: : :
､:｀-ヽ: . : ｀ - 、 ' ／: . :lヽ: . l─ -- ､＿__＼: : ＼|＼: : : : :／: : : l : :
:.＼ -＼: . : . ヾ＼´￣ヽ弋´∨ヽ、 ￣ l｀ -L: :＼_／: : : ／l: :
: ＼＼_./＼l＼l＼ lミ 、ヽ: :ヽ ヽ二｀ヽ 、 L＿/: ｀×￣￣/／: : :
: . : ＼/ヾ //l::::ヌ╋: : :.ヽ ＼ ｀ヽ､:｀ヽ､_＼＿／: ＿｀×: :＼＿
＼_／: :.＼ヾ ///＼:::::ヽヽ: : : ＼ ヽ- ､｀ヽ､ ､｀ヽ､ ｀´ ｀ -ヽ'´ l
l: : : : : : ｀ -‐ 'ヽ ＼::::ヽヽ:o: : ＼ ＼｀ヽ ＼ ＼:＼ ! l
. /￣￣ヽ: : : : : : : :l ヽ::::::ヽヽ: : : : ', / ＼＼＼ ＼:＼ l
/ l: : : : : : : :ヽ ヽ:::::::ヽ:o: : / .,イ＼＼＼＼＼ ＼:＼
ヽ: : : : : : : :.＼ ヽ:::::::＼/ ´ l: .l ＼＼ヽヽ:ヽ ヽ:.ヽ
ヽ､: : : : : : : : ＼ ヽ::::::::::ヽ l: l ＼ l: . : l ヽ: ヽ
/ y y ／ / Y
./ ! ! / ｲ / ! !
! .! ! ./ / ,! / ! ! !
! ! ! / ／ / ﾊ ! ! !
| | ! / , ／ / ./ ! ! | .! | マカオなのに顔見知りだらけで、私も気になってね…
| | .!/ _ ,, ∠, / .／ ﾍ.|! .! .! |
| | .| ' "〆 ゛ /／ ' '' ト 、!.! ! ! ! 良かったら、お話を聞かせて貰えないかしら？
| | .| ,／=＝＝t、 ／ ,ｨｪ,,_ .! ! ! / .!
! .! <.K ﾚ:.,ii,.:ﾘ ／ ´て ﾐc㍉、',! / .!
! ! !゜‐ゝ‐ ′ ゝ ',ﾂ ／ ! / ! 私はイエズス会員ではないけれど、聖職のはしくれ
| ! ! ゜ / / !
| λ .!. | / ./ ! 何か役に立つアドバイスが、出来るかも知れない
| ! ! ,! /〆 | !
| ! ! !、 t――ｯ / ! | !
| ! ! ! ' 、 , " ! ! !
| ! .! ! ゛ ,, , " ! ∧!
! ,! ! ! 、 '' -ヒ、 ! ! |!
! ! .! ! ゛ト ,, .| Ｙ / ! | |
.! ,! ! ! .∧ ∧ ! .! | !
/ ／ ヽ ! /.!╋ !／ヽ ! ! !
トマス荒木（？－1646）
のちに荒木了伯と称す
（演者：鷹野三四 ＠ひぐらしのなく頃に）
_,,,,,---―--,,、
_,-ｰ-'"゛ i､、｀''i､
,／ 、 ::::::::‘'i､::::‘i､
／ / :::::lﾞ::::::::::::::::::ヽ、:::::ヽ
丿 _. │ ::::::::.|i､::::::、::::::::::ヽ:::::::::|
l` ,j″ .| ::::::::::::lﾞ ﾞi,_,ﾄ、:::::::::::|::::::::｀l
. lﾞ/〕 、 |,. :::::||,r=三]i,|,ﾞl,|::::::::::`l:::::::`|
. ″| ,!:::::l ｿ|ヽ、l' ﾞll"(ii;｡广ﾞ |:::::::::::|::|::::l そ、そういう貴方は―――もしかして
l ｣:::::｀l,. 《ﾟiiﾄ. ‘ '''''" |::::::::::|:::|::/
`i､|ヽ::ｉｹゝ.ﾞ'" ∪ .,レ''i､lﾞ::::り
｀＼｀!,,ﾞl,!,ﾞl、< .ノ ､ﾚ｀,ｬl
`'ﾞl､ヽ つ .,rﾞ.[ ,lﾞ`
｀ヽ、 ,,,,,,,,}l―'i
｀'二ｺ、 |ヽ l
l'"｀ .| | .ﾞl .,／`ｰ--､,,
lﾞ ﾞl、y/,,,-" .ﾞl／ `'-,
,|-j" ﾄ‐'| 丿 ヽ
_／ ﾞl, .| .） 丿 ヽ
,/｀ .ヽレﾞ , /｀ .ﾞl
,lﾞ `╋ | │ |
γ´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣.∧
l 日本人の、教区司祭（※）？ （__;）
ヽ、＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿,ノ
イ::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
イ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::::::_ -―- ､::::::::::::::::i
く:::::::::::::イ￣ / ./ ｀丶::::::ﾉ
.〉- ' / ／. ｲ { V T´ うふふ、まあね♪ トマス荒木と呼んでちょうだい
| |ナァ'´〃ー!- V .|
| i {ｲえi } =えﾐ.V / .|
Ⅵ .| _' ￣´/ ｈ i | 実はローマで司祭に叙階され、故国の日本に赴任すべく
| |.､ ヽ ァ / }ﾉ ヾ､
∧ i. ＼ r ､-ｲ ム_ ＼ 召命をうけ、ここマカオにたどり着いた者よ（ﾄﾞﾔｧ）
／ 。 r =::￣i /)ｲ ./::::::::〉 ＼ ＼
／ .ムﾑ__ﾘ:╋_'.. ＜>:ヽ/ ＼ ＼
／ . - 二::':￣ｲイ:::::￣｀丶::::ヽ_. ＼＼
／ ムr＝=ミ､::::/ｲ:i::::::＼::::::::::｀¨¨｀ヽ ＼ ＼
／ r＜:::::::i:::::::::7ﾊ/{:/:::ヽ:::::::::＼::::::::::::::::::＼ {＼＼
／／'⌒ヽ二}:::::::::{{:::|. VV::::＼:::::::::::ー〜::_::::￣＼ ＼＼!
./イ 八:::::::::::::ヽ::::::ヾ:::ヽヽ:ミ=':::ヾ､:::::::::::::::::::::｀ヽ::::::＼ ヽ ＼
./ | /i＞-r::'::::￣:::::}/ /::::::〈::::::i::}:｀ー----r＜:＼::::::::ー .L_
/ .| ./ .| |;イ:::::::::::::: / {:::::--!::::|::|__／:::::ー≠、V:::::::::::::::::::::::＼
.{ .| / .| |:::|::::::::::::::::| |::::::::人_:::::::|::::::::::::::＿ユ/::::::::::::::::::::::::::::::＼
.| .|' ／! .|:/＼:::::::::::|入{::::::::::::＼ト､}::/:／::.二ﾋ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
|／:::::::ﾏ!:::::::::}::::::::::::::人＼::::::::::ヽヽｰﾍ／ ＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
／:＼:::::::::ヾ::::::::|::::::￣:::::::::〉::〉:::::::://:＼|:} ー ､::::::::::::＞ ￣｀丶ヽ
／::::::::::::::::::::::/＼:::|:::::::::::::::／_人::::::/∧::::::|ﾊ ヽ ＼ﾍヽ_ｰ､::/ ｀⌒＼
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
┃
┃（※）『教区司祭 (Wikipedia）』
┃
┃カトリックの聖職者で、司教の管理下で活動する司祭の総称。または、在俗司祭ともいう。
┃
┃修道会の司祭と違い、修道会総長（会長）の人事的、行政的管轄には入らず、修道誓願も立てない為、
┃
┃人事権や行政権は、司教の管轄下にある。
┃
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
なおこのトマス荒木という司祭、1615年1月3日付けのイエズス会総長宛て書簡で、「マカオで、幼いころから
の師である神父や修道士、そして追放された親戚縁者にもぐうぜん出会った」と、報告している……
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
''';;';';;'';;;,.,
''';;';'';';''';;'';;;,., 追放・・つ・・・
;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
rっ vymyvwymyvymyvy、 追放されてます
｜| ｍVvvMvyvｍVvvｍvyvｍVvv、
| ﾊ,,ﾊ .ﾊ,,ﾊ (ﾟ ﾟ)ﾊ,,ﾊ (ﾟ ﾟ) ／ﾊ(ﾟ ﾟ) ﾊ,,ﾊ 追放されてます
（ ﾟωﾟ ） （ ﾟωﾟ ),,ﾊ( ﾟωﾟ)／,,ﾊ ﾟωﾟ) ( ﾟω)-っ 追放されてます
ﾊ,,ﾊ | _二二二つ ωﾟ ）（＼ （ ﾟωﾟ ）二⊃ ﾊ,,ﾊ 追放されてます
((⊂二（ ﾟωﾟ ）二ノ /（ ﾟωﾟ ） ⊂二＼＼_／ﾊ,,ﾊ二二（ ﾟωﾟ）二⊃))
ヽ | (´ .＿ノ ヽ ﾊ,,ﾊ つ ＼（ ﾟωﾟ） | /
ソ ） ＼＼⊂二二二（ ﾟωﾟ ）二二二⊃ ⊂＿) （ ヽノ
（ < ＼ レ’＼＼ ヽ / i ） ノ ﾉ>ノ
＼|＼| レ （⌒） | /ノ￣ レﾚ
ヽ | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |／
三
三 マカオが追放された日本人だらけ！ しかも旧知である宗門たちの顔も多い―――これはどういうことなの？！
三
／| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |ヽ
／ : ::／ u. ./ : ::/ ／／ 三´
／ : ::／ u. | : ::/／／ 〃
／ : ::／ | : ::／／/ / ＿
／￣￣¨'''==z＿ : ::／ u. / :,,イ／ / / ／´ヽ: : ＼
／ _,--ー''ニニ＿,,≠ｪ､ u. /＿,,,､､-ｰﾞ::/ /〃 | ∧＿/::::､: : ヽ
／/ /￣' ' ' ' '／ ￣＼＼ / : ::/ u. | {::/ {::::::::}: : : }
./ / : ::／ .＼＼ | : ::／ 彡＿ |:|: : :ヾ-': : ::/
/ / : ::／ _,､-､ }ヽ / : :::／ : : : : : ヾ〃〃=====＜＿
| | : ::／ ､{＿}r､:ヽ ,/: : : / .. ::／ : : : : : : : : :
K .Ｘ´ {:::{:::::::}:::レ／: : : : . / : ::/
ﾘミ ＼ !i｀ニ,,ﾞ,,-´ : : : : : : / : ::/
ミ､､_,-='''￣: : : : : : : : : / .: ::/
｀ﾞﾞﾞﾞﾞ : : : : : : : : : : : : : :/ : ::／
_,,.. -=ニ二三三ニ=‐- ...,_
,.z=ﾆ三三三三三三三三三三二=ｭ.、
γ二三三三三三三三三三三三三三二=ｭ､
∨圭.三三三三三三三三三圭圭圭圭圭圭ｋ、
∨圭㌢／ ｀ﾞ ' ‐=二圭圭圭圭圭k.、
ヾ/ ./ ,. ´ ,! '. ｀ﾞヾﾆ圭圭圭圭ｋ,
/ ,'／ ,ｨ / ヽ ! |.ヾニ圭圭圭;!
/ ,ｨ,....,_ィ/'´ _ヽ、-‐ .! !. ∨圭圭./
,' / lィ´ ヽ ＼、 ' ,' ∨ﾆ‐'
,' ./ l.ｨ芹ﾐ､ ,ｨて斧ﾐ、,' ,' !'´
/, ' l 弌ﾂ 匁zﾂ,' ./ .!
, 'ｲ i / / .i ・・・とまあ、マカオで帰国船を待つべく
／ .l 丶 / / !
／ ,. ∧ ー― ' ./ / l 聖パウロ学院に滞在していた所へ、追放
,. '´ ,. '´ ｨiヽ、 ,.イ / l
,. ´ ,. ´ .///∧＞‐r _ ´ ./ / .i ! された日本人が大挙してやって来ちゃっ
_ ..... _ ,. ´ ,. イ /////.!::;: - ､::｀:7 / / .! .i
´ ¨ ＞´ ,.. '´ .! ゝ-!i!//r‐｢l:/ /::::/ / ! .! '. たわけで。こっちも、ビックリしている所
. ,.'´ ,..＜.,＿__, ゝ-イ刈//i:::::::i!、_./::::/ /!,.ィk、 !. '.
/γ .,.ｲ‐ー-_,..イrﾆ三=‐,..ﾆ‐'' ¨´::/:::;!:::/ .// . . . .｀.ヽ、! ヽ '.
!./ / / ,.ィ;;´;;;;_;: -'' ´;:ィ_´_::::::::::::::╋::::/:y′ //. . . ,.ィ´. ノ .!彡 '. だ・か・ら……
＿＿＿! .i / /;;;;;;;;;;;ﾉ!,.ィｰ､-ﾐ､イ:::＞､／::::::/// .//. . ／. ,.ィ´ヽ. ',｀ヽ. i
;;;;;;;;;;;;;八 l. iﾆi;;;;;;;;;;;´｀;;;;;;;;;;∧::::＜::::::::::::::::::/// ./i! ｀>ﾆ´_;;;;;;｀;,,、 ';;;;;;i !
／´￣￣｀｀ヽ ` 、
/^ヽ'´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:ヽ.:.:.ヽ_
/::::::::::::..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:ﾊ
/::::::::::::::::::..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾉ ヽ 「おたがい、情報交換が必要」ってことですよね？
ﾉ:::::::::::::::::::::::::{!.:.:.:.:.:.:}､.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ
i!::::::::::::::::::::::::::::{.:.:.:.:.:.:.! ヽ:.:ト.:.:.:.:.:.:i:! __ 望むところです！
|:::::j!:::::::::::::::::{!::i!:.:.:ハ:| ／ ｀} }!.:.:.:.:.:}! { {
{:::::!{::::::::::::::::::Ｅ｝ミ{! ﾘ ／⌒ ｊ._::::::::ﾘ /´￣￣'ヽ
i!::ﾉ ヽ:::::::::::::::{ !ヒ} __ ´ 〉:::! Ｙ´ i!
ヽ ヽ::ﾄ､::ト:ゝ { ,／ ! !::!:j! {'￣｀ }
ヽ ｀ヽ.ヽヽ ヽ___ノ Yrゥ （￣｀ /
i,＞－, ´ ／ ヽ ﾍ､ ト、
____.∧ {ヘ / ｒ.i ',ﾉヽ
/､::_:_:_∧ } ヽ / .i!::| ∨ }
/ ノ} !__╋.ィ/ {! :::! ヽ
ノ: : : { : !:.:.:.:.:/: . {! :! ﾊ
. , ･ ': : : : : .ヽ i:.:.:./.:ﾉ: : {! i! j!
. {: : : !: : : : : : :ヾ／ ´: : : : : : . ｀ ヾ ､ /
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トマス荒木―――彼はある意味で本稿の、もう一人の主人公である
マカオには、同宿が追放される3か月前の1614年8月7日に到着。翌15年7月にマカオを出港、8月に長崎に赴いている
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
／_, -──- ､ それにしても―――
／｀- ､.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
／｀ｰ ､.:.:.:＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼ ローマに留学して司祭叙階された日本人なんて、初めてじゃないか？
/.:ヽ.:.:.:.:｀-､.:.:＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l｀
. /.:.:l.:.ヽ.:.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:＼.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l
,'.:.:.: ヽ.:.:ヽ.:.:／ヽ＼.:.:＼-､.:.:.:.:.:l , -─
l:∧.l.:.ヽ.:.ヽ/, 何 ヽ.:lヽ＼l.:.:.:.|! ／ , - ' ￣
l l.:l.:.:.ヽ_.:＼ ´ l! ヽ.:.l!_, -─ .l|, ＿ ／ ＿_
l l.:lヽ.:.:∠ ／. : . : . : . : .ヽ: .＼ /_／＜￣＼
!| ._ ＼ヽ_ ／ ／／: . : . : . : . : . : ヽ: .＼|: . : .＿:｀ - ､｀
. ヽヽ ＼ _ ／∨／／／///l|∧: . : . :ヽ: . ヽ＜: . : .＼: .ヽ
ヽヽ ／// ////////l l l l|: . : . : :l . : . l: ヽ: . : . :ヽ:
ヽヽ , -、/ ////十ﾄ､┴-- l: . : . : .:l: . : :|ヽ: . : . : . : .
∧ ヽ / / ! ///// _⊥ /┼-､: . :.l: . :,′l: . : . : . : .
/l ∨ / | !|: |:|:|:|l 圧ｌ ┬ ､ l: . :.l: . / /: . : . : . : . ものすごい秀才ってことですよね
r' /╋ !Ⅵ:|:|:ヽ‐ ′, _旧ｿ/: . ﾄ､/ /: . : . : . : . :
{ lヽ Ⅶハ r‐-､ ｀´/: .:/ ／: . : . : . : . : : 私ら同宿には、ほんとまぶしい存在ですよ！
＼ ,′l Ⅵ＼ ヽノ _.///／: . : . : . :／／ l/
ヽ l l r-‐ 'フ ‐- '´＿/: . : . : . : .／／ .／
ヽ V .＿| /: :/レvヽ /／/: . ／｀-、／
', ∨￣ ／l /: :/ |::::/ ／７: .:/ l
', ∧／: . l. / : :ｌ |::::l l l: ./ |
', ／／: .／「 l: :／ .╋ヽｌ ∨─- ､ |
i ＼
_入,.-'ー─---､ ／
/ / ｒ ､｀ヽ､,イ
i ! /- ,.-ｧ_ノ´! ﾍ ｀ヽ } ｉ
! ! ﾚ≦匕´ ｀弋弋‐ ｉ ｉ.
|! ヽf弋fゞ こ仍ラ｀ﾌ | ふふ……私を褒めても、なにも出ないわよ？
|!ｉ (|""丶 """ ／ / i
|!ｉ |ヽ ｰ‐' /ﾉ// |
ヽ| !| |｀ヽ､ _,. ｨ´ｉ ! ! ｉ まあ、たしかにローマで学ぶ機会を得た日本人は、記録に残る限り
| ｉ ヽ } 「￣￣o|コ`ゝ ｉ
|八 ﾄ,.-'"￣￣￣ゝ＼_ | 私で２人目・・・レアなケースであることは、否定しないけど
ﾉ,.-'"´ o冫ｒ'｀ヽ､
/ 冫´ ╋「￣￣|/ }
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│ │
│ と、いうわけで─── │
│ │
│ ここでしばし脱線し、この謎に満ちた日本人司祭・トマス荒木の前半生について、ご紹介しておこう . │
│ │
└────────────────────────────────────────────┘
／ ／ ｀ヽ
／ ﾍ
./ ﾍ
.:/ ..:/ ,:' /ヽ ﾍ
,' .::/ ./ ./ ﾏ ',
! ..::/ /! ./ ﾏ .!
.:::/ / ,'/ ,x----ﾏ .| |_ .|
..:::/ / i' ..::: : :ﾏ .! | ヽ . !
i .::/ . ／: : ! .,ィて乏弌 .| .! | . |
ﾏ:| .:!::. ／: :: :: : 廴乏ﾘ| | .| ./ .!
::ﾏ!.:.|ｲ: :: :: :: :: : リ /ｲ .|
::|:i!:::|: :: :: :: :: : | ,' .|
::|弋:|: :: :: :: :. .,' / .!
::|:.:.i＼: :: :: :､＿＿＿_, ﾉ / |
::|:!::!:.:.:＼: : ｀ー- ´ ィ ./ .|
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＜主要参考文献＞
「キリシタン時代対外関係の研究」第十二章 転び伴天連トマス・アラキ （高瀬弘一郎著 岩波書店）
「キリシタンの世紀」 第四章 キリシタン教会の布教政策（１） （高瀬弘一郎著 岩波書店）
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
荒木の出自は、謎。ただし荒木姓は肥前のキリシタンに多いという。1608年時点で彼の母モニカが志岐在住である旨
準管区長パシオの荒木宛て書簡にあり、志岐出身の模様。だが有馬セミナリオには入っておらず、直接渡欧している
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
／ ｀ヽ
/ ',
/ / ,、 、
/ / ／ ! ! Quare, mi Deus, tu reliquisti me
. / / / ／ / ∧ l | }
| / / ／ / / !:. |: | | ./ﾞ｀〉ｰ- ､
| |: /ｰ フﾞ｀ /／ ｰト- |､ :| | ,' / / ￣ ｰ-- ､
| |: / ィ夭示 ／ ﾁ示ミヾ;.:.:| | / ./ / ＼
| | メ ゞ- ' ゞ-'ﾞ ｀ﾄ ': ｌ ｌ / / /
| ∨ i !:.:. ! ! / / /
| .:.:|ヽ |.:.: ｌ ! / / ／ 〉
ｌ .:.:|.:.:.＼ ｀ _フ ／ｌ.:.: | | / / < ／〉
〉 .:.:.|.:.:.:.:.:.ヽ , イ.:.:.:.|.:.: | ﾚ / ／／
∧ .:.:|.:.:.:.:.:.:._个ｰ '´ ト､.:.:.:!.:.: ! / / 〆__〉
/ ', .:.|.:.:.:.:.:/ ｀ヽ rｰ' {.:.:.:|.:.: ｌ / / (二ノ
/ ｌ .:.:|.:.:.:./ / ｢ !ﾍ ヽ;.|.:.:. // / ∧
. / ! ｌ :.| ／ヽ | ｜| ', /,'.:.. ハﾞ｀ゝ､ / .!
/_ -─从 .:! ＼/ | .! ヽ／/.: / /ソヾ´｀}｀ ｰ- ,_ / |
ィ´￣ ヽ|＼ ╋! /／ ／/ | ! ￣￣ !
＿＿
,,,─:ﾞ : : : : :＼
/ : : : :／＾＼: : ヽ
|: : : ／一 -＼;| ともあれ、かれの学力は折り紙付き―――イエズス会の司祭からは冷遇されているが、
|:__:/ <（ﾟ) <(ﾟ)|
（t ' ゝ | ぜひ欧州に留学させたい！ （かの“鹿児島のベルナルド”の再来かもしれない？）
＾ヽ、 ヽ_フ 丿
__i`__-__┐´ ∩/＾ヽ
/＾ ＼; ;∧;/＾ヽ | ｀ヽ ﾉ ※鹿児島のベルナルド……生年不詳。日本人初の欧州留学生。ローマ教皇と対面
| i ╋ | ＼／＼／ その信仰心はイエズス会初代総長ロヨラを感銘させるも1557年3月、ローマで病没
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
恐らくはスペインの宣教師に才能を見出され1602年にフィリピン、翌03年にメキシコとスペイン領経由で、欧州に渡航
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
‐- ,.､‐-､､,.‐‐-|. ヽ !|:ヽ. !. ﾞ!!、､､､､..i..､､ _,､-‐-､,_ .|ﾛ ﾛ_､-‐''‐-､･ ･!.!森森∧ .／二二二＼
l''"･･ /.| ﾛ ﾛ | ヽ|:!: ヽ l :||:ﾍ. ﾛ. .l! 〃ｌ"ﾛ"ﾛ"l'l l''"""''l''l.･ ･ !''! 森森森!-----..| 田／二＼--‐､
林木森---|''" | |:|:..: ヽ.! |:!: ﾍ :ll ..ｌ .ﾛ ﾛ |.l''"l''l [].| |.･ !''""''! ,' | | ﾛ ﾛ ﾛ | .i
|!ﾛｉ.| | !ﾞ､:. ヽ l:|.: ﾍ: !! l''"""l''!.n.|.l･･|_|_n.| | n.|㌍〟', ｀ヽ______ .
-‐''"''‐-､,_ 林...! | !::ﾍ :ﾞl:| : ﾞ|| ,､-‐-､,_ !''""''!
,､､__________...! :|::! : :ﾍ : |:|､: !|､ |.ﾛ ﾛ ﾛ.|'|‐-､,_･.･|
､''"___＼,,,,,,,,,,,,, i ＿_,,,,|::|: : :. ﾍ : | !ﾍ. |:!ﾍ |.ﾛ ﾛ ﾛ.|.| ﾛ ﾛ!! ,､-‐-､,_ ____
┌┐ | |.''"~~,' ;l : |::|~~"''‐ﾍ !.| ﾍ. |:|: ﾍ , |ﾛ ﾛﾛ ﾛ!∧∧
..|__| .| [] [] [],,_ ,' ,' !: |::|: : : : ! ! : ﾍ !:!: ﾍ､''"_｀｀ヽ |"∩.|￣!"""""".| ┌┐ ┌┐
| _.,,.ｨ介丈''''ー--､ !: : :. : |::| .: ﾍ.!:!-:ｧﾑ""!'''''''''|‐‐‐‐‐‐､ .!γ⌒ヽ .| /~'７;; |/~''7 /~'７;; |/~''7
‐‐‐‐‐‐| _ｎ二n.!nニｎ二ｎ廿iヽ=､ニ.''|::|7'':ｰ-ヾ| /,! ﾞ | [][].￣￣￣￣! ! ! | | （ （￣| （ （ （￣| （
| 〕ニニニニ|二,,_'''ー~~-ﾞ''ﾞ-ﾞ'' 'ｰtT,,.ｪL斤;ﾘﾞーーーーー| | | | |､___｀t-'ーｲゝ-i ､___｀t-'ーｲゝ-i
__________|_ λ~~~~~""λ'''''ー-￣~~""" '''''''｀｀''_'',."~ﾘ ,,,,,,,,､‐--"''''''''''""""""""""""ヽ]￣二二二７ ヽ]￣二二二７
___.ﾞゞ弌ﾇ.~~"ﾘ~~~~~"""""""~~~￣ ,/
￣￣￣,,,,,,,､､､.ﾞl7∧ ;';;‐ -＝== = ‐ ''' _,,,.. -'''"
~~~~~~~ .V ∧.V,,,.." '''-‐ ''' "~
/ / / / ／ ', ヽ l l l ﾊ
,' / / ／/ .／ ', ヽ、ヽ!.! l ﾊ
,' l / / ／ / / ー -- ...ヽ___ヽ､l l l !
!.l. l./ ,ム- ! / =ニ__-_ヽ ￣l`ト .l l
. l l !'／/ .ニミl ./ '´ﾄイ::::ﾊヽ、ll.l ! l フィリピン総督、メキシコ副王の紹介状まで頂けて、
l l l /ｨひ::ト}l' ゝ`='ノ ' `lﾄl l !
l l .l l ./〈弋`=ｿ ::::::::::::::::::::: ll l l l ついに欧州の聖都ローマの名門校に留学―――
l｜ l. Vﾍ ::::::::::: / :::::::::::::::::::: ll l l l
l｜ l ', l ::::::::::: ヽ ll ll l
l｜ l l l ＿＿_ /l ll l 日本の僻地の子が、ただ「学問に見こみがある」という
l .l l l ', ﾔ´: : : :／ ,' l l.l ,'
l l l l lヽ、 ￣ ,' l l l ,' だけでかくも優遇されるなんて……夢なら覚めないで！
. l l l l .l l ヽ、 ! .l l.1 /
l l l l l l ', ＼ _ .. イ´ ! ! ! ,ｲ
! .l l l ll l ', `ー､'' ¨ ! . l l .l / .l l
l l l l .l l ! ヽ ', l l l ! ハ. l l
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
とまれ、秀才だったことは疑う余地が無い。ローマのセミナリオで６年以上学び、イエズス会の枢機卿から寵愛された
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
. : . : : .
. : : . : : : : .
. : : : : . : : : : : :
: . : : : : : : : : : : : :
: : : :＿: :─: : _: : : . : :
: : : : : : : : ｀ . _. :
: : : :＿:＿, : : . . 丶 . : 司祭叙階おめでとう、トマス荒木―――
: : : :⌒: ￣㌃マ .. . :、 :
. : : : 、 |(厂)ｰ､ ＿___ : :
. . : : ｀ ^jし′ ィ⌒7⌒ : : ともに聖務日祷を唱えてきた者として、
. . . : : jしメ ／ : :
. : . . : . : : あなたには期待していますよ……
. : . . : . : : :
. : . . : . ＿__ ´ . : : :
. : . . : . ＼⌒ ｧ . : : :
. : . . : ､ . : : : :
. . . 人__ _. : : : :
. . . ／ ⌒'〜､_ ｀i＜⌒ヽ、 : : : :
. . ／＼ ⌒>┐|＿ /＾l[＼ : : :
. .＿＿, く ＼ _／ Γ[＿/ | ＞─!､__ :
. ／￣￣ ＼ ＾、 ♪ ┃ φ j ⌒マ:
. ／ _ r‐ ＼ ＼/┗┓ ╋ ┃ | : :>:.
ロベルト・ベラルミーノ枢機卿（1542－1621）
カトリック改革者にして聖人。彼の著『論争』は、米独などの新教諸国に大打撃を与えた。これを越える著作は未だ無い
（演者：加藤明日香 ＠私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!）
, -―-- ､
／ ＼
/〃 ,ｨ ,ィ ﾊ
＿ l l ,≠/／‐-l l ', 枢機卿猊下にうけた恩は終生忘れませんわ！
ヽ ＞ ､ ./ｲｨ＝´ ＝ﾐ`/ / l ＿__
＼/ `／ .{::::┌ ┐::::::/ / .l ／l ／ かならずご期待に沿ってごらんにいれます
＼/ ／ヽ ! ﾉ .／ , ｲ i , !／ j´
/ /､ ヽ､.／ ／L_レ ''´ ／
. l / /＼ // ,イ__/ ／<´
. l/ !,ｲ l Y i╋ ー!ｲo ／ ヽ､
l /! l ￣lｲ l´ヽ. ヽl￣
l,/ .ゝlヾ＝=lｲ lヽ! ＼ N
／｀/ l ! l ﾘ
! ／、 l ! !
′ l `ー-.l_!＿_, ｨ′
l:.:.:.:.v:.:.:.:.:.:.:./
';.:.:.:|:.:.:.:.:.:./
';.:.:|:.:.:.:.:.,'
';.:|:.:.:.:.,'
';|:.:.:.:i
|:.:.:.:!
|:.:.:.l
|:.:.:l
|__:l
. し′
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かれが故国・日本に赴任すべくローマを発ったのは1611年6月のことである。司祭叙階はおそらくその直前であろう
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/ / ／ ,, '' / ,ｲ ﾊ
. / / ／ ,, '' / ／ ! l ﾊ
i l l/ .≠＝≠=- / .／ l l l l
. l l ! / _.∠二、 ／／ ｀ヽ､', l l l
. ! l .l／ﾌつ:ﾊ ／／ r‐-､ ヽ、 l ! l
l ! l. l ゞ＝'ノ ／'' ´ ﾌ｀>､ヽ ', !./ !
l ', l l ::::::::::::::: i 弋´ﾊ}`i .}// l （二十六人の大殉教は、私が出国する前に起きた
l ', .l__ ﾄ､ l ` ' /ィ′ !
ll. ,' V´ ＼ l ヽ / ::::::::::: / ! ! ―――でも関ケ原で豊家の威光は地に堕ち、情勢
l! / / ／｀ヽ l ', ＿__ / l. ,'
l/ / / ､ _ヽ ', ｀ｰ- ｀＞ /__ l ,' はモラトリアム。聖教の捲土重来の機はあるはず）
〃,ｲ { ′ .／ ｀ヽ. ! ／/ }」 - ､. ,'
// / ', ／ , -‐､ﾄ ! , ィ ´ 〃r ´, -､ Ｖ
.// / ∧ ' ! l`ヽ､ , ィ / / / | l／ __ ヽ. ',
`ヽ.// ! / ', く´ソ`lｰ ､ ｀ ´ /／ / /// l ／ ヽ ',｜
`ヽl / .∧ Y | ! ╋_ ..' `ヽ./ 〃/ヽ{ r ‐- ､ ` .l
| ＿_
_,. ┴ ￣ {
_,､ ' ｀ ＼
| __,.. -─-ミ辷
_､‐''゛| _,丶＂ |:|_ -‐ ｀￣ {
Ｔ`｀ ﾉイ_,.ﾆ=- ＂
| ／´ｉ'"´ ＿＿＿_＼__
} ／_ -| _ -‐'Ｔ「￣ .|＼ぅ⌒Ｔ^ ＿人人人人人人人人人人人人人人人人人人＿
＿厶イ | ／ ＼ｕｒぅ'ﾟ|｀'|| ＼ | ＞ いいえ、この私が変えてみせる！ ＜
|´| ,,.. -|／_ｕｒぅ'ﾟ⌒ :| |:| ＼ ￣Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ￣
. | | ／__,ｕｒｆ´ __ -‐| |｜ 丶､
｜ jｒぅﾟ⌒ | ,､-=ﾆ”＿＼,| |: | ｀丶､
＼| :| ,，‐| ／/ __,,ｕｒぅ㌍T | | ｀丶､
. |＼| ／＼/厶ｒぅ㌍''”￣ | : |: | ｀丶､
| .|∠,ｕｒぅ㌍''｢ | : | | ＿＿＿＿,...ﾆ=-__／
. | ￣|:. |: | : | ＼ ／￣ ＼ ‐／
|: |: |: |: :| ＼_／ ＼ ,_-／
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（＿二二 ￣７,イ人 ,ィ ﾄ､
/／（_ノし' ,ィ ﾄ､ （ :し' しイ
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| 'ー―'´ / ￣7 |￣ ／,ｲ :! ＞ｨr―' l7l7rｧ
∠,. -―― ' ／,ｲ | ＜／ﾉノ ＜_ノ:|」 /'´
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ギャアアアアッッ！！！！ ,イ r―'r' ／'´ ）ﾉ
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|! ,人ﾄ､ ｀⌒)f´: : : ヒィィ
ﾄＪ人 ＾ﾞ^^' : : : :ﾄ､: : ＿ﾉしｲ: : ⌒)!
＾＾"'''" 人ィ | : : ::ノ::::| .∧_∧ノ: : :ﾚ' ﾉ
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ｸﾞﾎﾞｱ,,, ､,.,,,,.,,,..λ∧ ｹﾞﾌ ・ ´Д｀；） i †. i’)) (；ﾟДﾟ).,,,.,,.,,つつ
＜@;;, (ﾒ_;;｡#)@;;';;@）（@∴U(ﾞｐ;`;,)ξ;,と@;, (､0;'｡#)っ@）~ と´#;;ﾒつ#!i;-ﾞ)っ
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,ィ≧ : : : : ／: :／: ;／: ／: : : : :/: : /:/ i|:ﾘ: : : : :|: : : ‘，
／／: : : : : :/ ::〃: ／彡/:／: :／/: ／l/ .／ i|∧: : : : l: : :. :.| ・・・と言うわけで、今の日本はキリシタンの地獄
／: :x.≦二/ : /:／〃 .､∠:≧ｰ./／ ｰ≦＿_/ |/: : : |＼: |:|
./／／ .//|/-个.､_， ￣ 〃 ＿￣＿彡: :/|ﾘ ヾ∧ です。公儀の締め付けは、厳しくなるばかり
/ .／ |/ i| |: :{∧ ' ≧三三彡/ / ∧:|
ヾ| ヾ＼ ｒ‐≠ミ、 ／:／|/ / ﾘ
,.へ |＞ /／／ヽヽ, .イ彡" | / 転んだ者や殉教者、私らのような追放者が
//＼.`―-=ﾆ、.| ./ ／ヽ〈_.| ,ｒ――ミ､＿_ノヽ
ﾉ￣￣ ≧＝―ミﾉ ./ ´￣ヽj |／ | 日を追って増えていく―――
まあぶっちゃけ、いま日本人司祭が帰国すれば高確率で殉教するはずです
￣￣￣￣￣￣￣￣∨￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
ﾊ:ｿ
,. ｧ' ￣二＞､ /:/ ,. -＜二::￣｀ヽ､
,. '´／::／.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ /:/ ,. '´, -: . : :∧:｀ヽ､:::＼ ／￣｀丶､
/.:.:.:./::／:／.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.＼＿ // ／ ／:／: ,､: . : ヽ: ヽ:ヽ:::::ﾄ.: . : . : . : ヽ
,′.:ヒｿ.:.:/.:.:.:.:.::/.:.:.:.:,ｨ.:.:.:.:.く´ r '/ /:,イ: ./: . :/-i . : . : . : ヽ:ヒｿ:ヽ: . : . : . : '.
!.:.:.,厂!.:.:.i.:.:.:.:.i/i.:.:.:.:/V!.:.:.i.:.:'. └＝┐ i/ /: ./: . /! l: .i . : i: . :.ﾘ: X: . i . : . : . : . i
レ'─ ､＼i: -┼-VV !/!/: : :i /-ヽ !: ﾊ/Vト､厶┼-､l: , -=ﾆﾆ､/ . : . : . : . !
〈:::::::::::::〉:::〉:ｌ.ｨ'行 ,､ヽ/.:.:.:,ｨ| 厶─ゝ i: i . i |仂 ィ寸 /:::/´￣ヽl . : . : . : . l
ヽ＿_/:::/､ヽﾋシ {ｿ 厶:／ ﾘ |::::「!| VヽVｌ｀, ﾋシﾊ::〈::::::::::::::〉 . : . : . : ,′
｀ー<´.:.:.＼! r ､' 厶ｲ !:￣:! ヽヽヽﾌ 厶:＼.二＞'ｌ . : . : . : ,′ だからこそ私らは敢えて司祭と
「三＼.:.:.:.:ト- ｀ィ´.:.:.:.:! |:::::::| ∨｀ー＜ ヽ: /ヽ. |: . : . : . ,′
／, -､＼｀Vﾘ !ヽ ∨ヽ/ ヽ- ' /7ﾆY ∨／- ､ |: . : . : .,′ して帰国し、運命の許す限りは
. / / ＼＼-| l ! / /,ｲ | ／/: :／￣ヽ: . : .,′
. ／ / ∧_.V l_/ / , - 、 ／〃╋ _／: / } . : .i 生き延びて、救霊に携わる……
-､ く ﾊ ./ ヽ: !:╋ 「三｀! /〉 i_ﾋ-z'ヘ / ﾊ ./ i/／ｌo : / ,′ . |
/∧ ∨ﾄ.｀ー ' 7 ｀iヽ├-､__L, -‐// ─ﾑﾄ-く）＿>「!/ ,ﾊ､ / ! : / /i . : . l
//∧! /ヽ二彡′ i :〉'-､＿__彡// - ､ く_Lﾊ_」__/.L! ( i { | くヽ､ i: |: . : . ! これに勝る天職は無いと信じてます
>-rイ爪/ } / ＼ト､| |
| | +二..ﾐ/ｲ=＝≦=ト .|
| | |"_r｡ハ _r｡z_.”| .|
. V.! |、￣ } ￣￣ .| i | え、ええ……
ﾊ ﾏ ､. ,､_,､ ｲ! .i !
／::∧ |:::::> 二¨. イ .|/ /｀丶
./:::/::::ﾊ |::::ゝ._r- ､ . ｲ /::::::::::ヽ
/:::/::::/::ﾊ!:::::イ|╋.}rく:/イ:::::::::::::::::.
/::/::::/:::::::::X / .>イ ﾏ ./ヽ:::::::::::::::::::.
７:::/::::::::イ ./ 〈 V ﾉ:::::::::::::::::::.
/::/::::::::/::::７ ｀´ ヽｲ:::::::::::::::::::::ﾊ
./７::::::::::ﾊ:::::::¨７ミ､＿. ィﾍ::::::::::::::::::::::::::ﾊ
.{:::::::::/i::::::::::〈 |:::::| .i::::::::::::,､:::/::::::::.
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
期せずしてマカオで多くの追放者に接し、かれらの殉難を聴取したであろう荒木の胸中は、知る由もないが―――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
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聖都ローマでは枢機卿に厚遇された俊英の自分も、帰国すれば恃むべき縁者や仲間は殉教か追放済み―――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
/ l .:.:.:/ .:./ ヽヽ ヽ:.. :.:l ::::::::::::::::::l:::::::::::::::::
. i i. l l .:.:.:.:〃 .:./ _ ,,, -- ゝ‐ゝ―''''''''T'''''' ::::::::::::::::::l::::::::::::::::
l .l l l .:.:.:.:./ヘ､≠=-‐'' ´￣ ＼::＼＼::::l ::::::::::::::::::l:::::::::::::::
l l l l:. .:.:.:.:.:/;;/ .:.:/ 彡二ニ＝=ヽ-丶ヽl ::::::::::::::::::l::::::::::::::
l l l l:.: .:.:.:.:.:./;;;;/ .:/ ／ P､:::::::）ゝミl＞- ､ _ :: ::::::::::::::::::l::::::::::::::
l l l l:.:. .:.:.:.:.／;;;;;;i :/ ,､＿ 丈二'シ’ ' ｿ ::: :::::::::::::::::l:::::::::::::
l li l l:.:. .:.:.:.:.／;;;;;;;;;i:/ ` '''''￣ l :::: :::::::::::::::::::l:::::::::::::
. l .l l l l:.:..:.:.:.:／;;;;;;;;;;〃 l :::::: :::::::::::::::::l::::::::::::::
l. l l ヽ l:.:.:.:.:/;;;;;;;;; / l ::::::: ::::::::::::::::::l::::::::::::::
. ヽ l l ヾ:.:.:./ ;; | l ::::::::::::::::::::::::::ll::::::::::::::
ヽヽヽ ∨ ｀ ﾉ l ::::::::::::::::::::::::::ﾊ:::::::::::::
ヽヽヽ ヽ ヽ l :::::::::::::::::::::::::/:ﾍ:::::::::::
ヾ ､ ＼ ヽ , ､ l ::::::::::::::::/::::::/::::ﾍ::::::::::
＼ ヽ| :.:.ヽ =二二 シ l ::::::::::::::::/:::::::/::::::::ﾍ:::::::
l :.:.:.:.丶 l ::::::::::::::::/:::::::/::::::::::::ﾍ::::::::
l :.:.:.:.:.:.:.:.` 、 ,／ l ::::::::::::::::/:::::::/::::::::::::::::ﾍ::::::
l :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`丶、 , ' l :::::::::::::::::/::::::∧::::::::::::::::::ﾍ:::::
l :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:` - ' ´ヽ. l :::::::::::::::::/::::::/ ヽ:::::::::::::::::::ヽ:
l :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ l :::::::::::::::::ｲ::::::/ ＼::::::::::::::::::
l :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:ゝ l :::::::::::::::/ l:::::/ ＼:::::::::::::
l :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ ヽ:.:.:.:.ヽ:.:.:.:╋ ∨ ::::::::::::::/ l:::/ ＼::::::::
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渡欧という困難を冒してまで獲得したカトリック司祭の肩書は、ただの死亡フラグ……
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日欧の価値観のギャップを、皮膚感覚の戦慄をともないつつ実感したであろうことは、想像に難くないのである
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ヽ::_::::::::::_:::: -‐ '' ¨ ￣ ',
/ ￣ / ／ , ﾊ ヽ. ! ',
,' ,' / ,ｲ / ', `i !
. ll i ./ / ／/ / ヽ. l l l
lll !/ / ／ / / u. ヽ､! ! l
lll !.7￣ﾆ≠-､ //_ -__――_-l l l .l
lll l l i ''又辷ｧ 〃 ´'¨弋辷ァl l l. l
lll ! l ! ./ ￣ / `ー－1 .l ! l （ 私が導いた者たちは どうなっている？ まさか、彼らも？）
lll l !ｌ ハ l l l l l
lｌl l l/ l ', ! ｌ l. ｌ ,'
lｌl .l l l l_ヽ、 ` ､＿__ l l l ,'
ll ! l l／ ｀`ヽ 、 ￣ , ｲ .l ! .∧
. ll l ,, -''´ , ￣ l l l lヽ､ ／ .l l .l ,':::::ヽ、
_.! -''´ /-‐ ｨl l l l｀l ｀T´`ー:1 ! ! ,'::::::::::::
￣:/ ノ ''´し'ﾉﾉ /):::/O｀ヽ ::l l l ,'::::::::::::::
:::::{ _,, - '' :::::｀Y::::::╋ : : :}:::l l ! ,'::::::::::::::::
＿＿__
,. -一'´-- ､ ｀＞ｘ.
／ ＼__
/ ./ ,. - ＼
/ / / / ／ ＼＿
| | | /〃 / ｀ﾏ´
| | | i: // ! / .厶 ! |! |
'. ﾍ｜ i_厶|斗-|: /|/ ｜ ! |! |
Ｖ ヽ、 :ﾄxfぅｵヽﾊ/ --/、 :! /j/ あの、パードレ荒木・・・
}｜ ｉ ＼ 代ｔ夕 ,ﾁ坏ｲ / /
ﾉ人 i |｀ヾ {ｔﾀ/ノ ｲ.／ 何を考えこんでおられるのです？ 妙に怖い顔だけど
_≧､ | ﾊ ､_ ' / ￣´ﾊ
／´￣｀{ く Vﾊ l |､＿ . イ | :| | |
ｆ ＼＼ |从|i }`ｰ-､ ∨| :| | |
| ＼ /丶二二ノ ｜ } ﾉｲ/ｲ/
ﾊ { ╋ ∨ /
,. .-－―－-.､_
, . :'´: : : : : : : : : : : : :`: .、
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
／: : : : : : : : : : : i: : : 、: : : : : : : :ヽ
. /: : : : :/: : : : : /l: :l:l: : :ヽ: : : :､: : : :.ﾊ
i: : /: :/: : : : : / l: :ﾊ:l.: : :ﾊ: : : ﾊ: : : : :i
. l: : i: :./: : : : :/ i: / ヽヽ: : ﾊ: : :ﾊ: : : : :l っ ⊃
. l: : l: :i: : : : / _ // -==-､...: :i: : : :i: : : : l っ
l: : l :l: :,-,/'¨ 〃 -___ヽ_i,:l: : : :l: : : :l|
＼ 〉:l:'､;l-‐- ´ ´ `l: : : : :.l: : : :l 何でもないわ。祖国の状況を知るにつけ、為すべきことは多い―――
//ﾍﾍﾄ l: : : : : l: : : :l
//: : ヽlﾍ ' __, l: :l: : : :ﾊ: : : l でも「神は乗り越えられない試練は与えない」ことに、思いを致していただけ
i: i: : : : : :/丶､ , .ィ: l: : : /: i: : : l
l: l: : : : : :l: : :!i:`:>-i ': ; :l: l: : : /: ﾍ: : : l
l l: : : : : :lﾍ ; ＞' /iﾍ´ l: l: : :/､:_: ﾍ: : :l
l l､: :l: : :.l'´//i | / .l l.ﾍ l l: : / ﾉ／／ ＞ ､
. l l 〉 l: : :l l lﾍ ' ｰﾉ+ ` 'lll: :/, '/ / / i
ヽlﾍ l､: :l=ゝl､l_ i .l .i´,ll / .i / / l
l` lﾍ〉､l /7`‐ニ╋ﾆlr, ,＝ l l / .l
l V i i / l l¨l l l / l
- - y- - -＜￣ .＼
／ . , ＼ .ヽ
／／" _ ヽ .i
イ ./ / / ./ｲｲ i: i ……これから一足先に日本に赴任して、司祭として
/ //./ ｲ /_ i ,ｲ / i: i
./ / i: .i /jニ、/./ﾌ-ｨ i : i: ./ 奉仕されるのですよね。うらやましい限りです！
i ,/i i: i./i<うil゛/ "うiry : : /:./
i/ i .ｲ:ﾘ:/i,,ゞ" . ,,krﾉ:／:/: /
.ｿi: :y ..ヽ.. i ﾌ イ"/: ｲ: ./ ―――まあ、それに引き換え私らは・・・って想いもありますけど
i:/ ./.:ヽ ／ :ｲ: : : /
ﾘ＿／: ノ/／-: i: :.／
＿ ー￣￣ｨー": : i-:-:-:-:T: ヽ-
／ ": : : : : : :./ / y . .i / ＼
.／: : : : : : : : : :./ .／ .i=j_ｲ .ヽ
／: : : : : :.- : : :／ / 「=ﾌki .i
i : :/: :／: : : : く i ,、 ╋: .ii iﾘﾙ/ .＼
i: /:/ ￣￣" ".ゝ .＼: : : : : : : : : : ﾄr-: i /
i:i./ ./ ゛:x- -i : : : : : : : : : :.i : i ／
i:ik . / .／ i .: : : : : : :ﾄｲﾉ- - く ヽ
＼＼ . .／ .／ .／ﾊ : :/,＼ ＼ ＼
: : : ＞＜: -: : _/: ／: : : : : ｀:丶:､{、 , ＞ ､
{／: : ／７:＞＜_`:_ ､: : : : : : : : : / ／ ／／ ＼､_＿＿__ 確かにな……「司祭になりたい」とは言っても、
: : : :/. ィ: ／j_:_:＼: : :｀: : 、: : : :.′ .′ /'´ . : :_＞'" ＼ヽ ､
: : :/: : :|':／ ､_＼ヽ. : : : :＼: : l ! . : ／ -- ､ _}_} 丶 マカオのこの現状では、どうすれば良いのやら
: :/: : : :/ ,ィ }i ﾑ､ヽヽ : : : : ＼ｊ f' ＼: : / 丶、＼
:/: : : : :{/ﾊ {刈/ ^ ﾄ､ヽ＼:_ - '′ | i. : ＼7′ ` ＼
′: : : : ﾄ､ヽ＼＿__.ｲ|ヽ`v 、 ﾍ :ﾄ､: : .′ _ - 二. -＼
｀丶､: l: :ヽヽ ＼__ﾉﾘ7` ､＼ ヾ ｀７＼ ／ ／ --〈_､ ヽ
ヽ!'⌒＼＞_＞´ ×ヽV⌒ヽ {｀ - ＞､ ／ ／ ｆ二 -, ＜j__j
{ __ ＼､ . : : ﾊゝ_厶、 ､ ヽ .′/ .／′／ r＝＝'-┐
ヽ ＼ ヽ ＼_＝} ＼ ヽ. / / /: / /／ヘ. ｀¨´ ／¨ﾟﾟ＞.
＼ ＼ `､ ＜、 ＼ ＼ l /ゝ' /／／ ／ ヽ-- ､_ハ ／:
＼ ヽ ヽ ／:.:.＼ ｀ ､ ゝ! |:._ヽ{/ く_／ , ヘ ゝ＜_ノ ｝ ／ . :
ヽ ＼ヽ/:.:.:.:./:.:.:.:ヽ 丶、 ¨¨´ ＼ , ― ､＼ . : : : / ／ . : : : :
ヽ V:.:.:.:.:.:＼:.:.:.:.`､ ＼ j { ＼ . : : : :ノ、 ／ . : : : : :
＼／}:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.ヽ ｀￣￣￣{＿ﾊ .ヽ: ∠ ＞ ′ . : . : : : :
`ﾍ´＼:.:.:.:.:.`､ ､:.:.:ヽ | ﾄ. . : : :＼.＞' . : . : : : : : : :
ゝ-ヘ:.:.:.:.ヽ ＼:.:.＼ l {､＼: : : : : ＞′ . : . : : : : : : : : : :
＼:.:.:＼ ヽ:.:.＼ l l ＼ヽ／ . : . : . : : : : : : : : : : : :
ヽ:.:.:.:.､ ＼:.:.＼ { j ／ . : . : . : : : : : : : : : : : : : : : : :
＼:.:.:ヽ ＼:.:.＼ 乂 '′ : . : . : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
＼:.:.＼ ＼:.:.＼ ／ . : . : . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
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／ ＼
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.:.:.:.:.:./ l | / ／ / / | l | | |.:.|.:.:.:.
.:.:.:.:.:.! ! ! ,' ／ / / ヽ＼ .! | |.:.|.:.:.:
.:.:.:.:.:ｌ ｌ l / _,／-ｰ / /ｰ─-弋＼ | | |.:.|.:.:.:
.:.:.:.:.| ｌ !,.lｨ'ﾞ/ __,. - / / -- ､,__ ヽ | ! !.:.:!.:.:.
.:.:.:.:l l | ／二ｪ=ｰ､ /／ ｨ＝=ミ､ ＼! ｌ .l.:.:|.:.:. なら一つ、提案があるんだけど―――
.:.:.:.:| | |ﾒ<ｲ r:'::ﾉ:iﾉ/ ､f:Y::ﾊ ｀>| | | !.:.|.:.:
.:.:.:.:| i ! ! ｀￣´ , ￣´ | | ! |.:.:|.:.:
.:.:.:.:| | ', ﾄ, ! | | ! |.:.:.|.:. 有志の同宿はここを去り、インドか欧州におもむいて
.:.:.:.:| | ', ﾄ、 l l l ｲ.:.:.|.:.
.:.:.:.:| |ヽ i ゞヽ ｰ──,.ｧ ,ｲ l ! |.:.:.:!.:. 私と同じコースを選ぶのも、「あり」かもね・・・
.:.:.:.:| | | ', | ＼ ／/ l / |.:.:.:|.:.
.:.:.:.:', l l ヽ ヽ ヽ、 ／! ! / / |.:.:.:.!.:
.:.:.:.:.ﾊ',| ', ', !ヽ､ ,_,. ｨ '´ | | ! / |.:.:.:.|.:
.:.:.:/.:.:ヾ ヽ ヽ r=ﾆ! ﾙ、l // !.:.:.:|.:
,. : :: : : : /¨｀ヽ: :／｀ヽ: : : : : : : ヽ
/ ;.´ : : :./ : / ,ﾍ : ;彳} : ,: : : ヾ: : : ヽ
ｲ /.: : : : :{: : .{:/ミ∨彡.i.: .!: :.!: : ', : : : :.
_..イ: :/ : : : : , i!: : :i! j!:/ : :!ヾ : : : : : : .
￣〃 /.:.: : ,': :j!:ﾄ; :.:..! ＿_/ｲ.;ｲﾉ､:ﾘ : : : : : : :
/ i! : : : : :!: :i!;竓ﾋ､:{ ´ /_≦_i!`:}': : :! : : : j!: え？
.iﾒ.l: : ! : : :!:／ﾑィ､ヽﾐx ´て::::らｿ: : :i: :i!: :ﾘ′
!ﾄl: : i: : : j!: :{!〈{::心 ｀ 辷_ﾉ/: : ﾉ; j': /i!
'.: i!: : : iﾄ:.｀ ヾ__J ､ ,厶イ: : /〃ﾘ
':!ﾄ : ､ !､: ,:ヽ _ ， ,ｲ ﾘ: :/￣￣i￣￣ ｀ヽ----､
ヽ丶ﾒﾊハﾒ:ゝ ． _ ／/::/ノi!､ l ｀ヾ l
ヾ }: : : : :ｲ^j/ ｀τ___/:ノ′ ､ l }::.. l
ノ'j!: : ｲ^' {′ ,ゝ7l{､ ￣｀ゝ､__ ヽi! :::.. ...::::::/ }
′/ﾄ､:ﾊ //^ヾﾍヽ .}｀ヽゝ_::::::::::::::::/...:::ﾉ
ﾒ､ﾘ ハ ヽ ././ ╋ 丶 { .> ｰ‐｀ 、;;::::．イ/〉
ｊ 〈 i i!| ヽ j/ .::}::∧- ''’ ＼
/.:.／/ .:.:.:.:. / .: ｉ|:.| :.:.:.:.:.:.:.:. |:.:.:| ,.斗‐‘，:.:.:|:.:.:.:.:.:. |:.:| l＼:.:.:.: | .: |.:.:.:.:.:.:.:.:
. /.:,:' | :.:.:.:.: .ﾞ.:.:.: ｉ|:.|:.:.:.:.:.:.:.: i |:.:/'",.≠=ミ‘, :.:|:.:.:.:.:. /: :| |⌒ヽ : | .: |.:.:.:.:.:.:.:.:
. l / :|:.:.:.:.:. | :.:.: 八:＼:.:.:.:.:.:.|:Ⅳxく,ﾉ心 / ∨|:.:.:.:.:/.:.:.ｉ| |ﾊ, ',:.| .: |.:.:.:.:.:.:.:.:
. |′ ,:.:.:.:.∧ :.:.:ｌ:.:.＼{＼:.:.:.Ｎ: Vzグ ′ |.:.:.:,:' |: :八|__} ∧|＼|.:.:.:.:.:.:.:.: 留学、ですか―――？
. ‘,:.:.:.l '. :. | : .:.:.:.沁＼| |／ |:/ /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /
‘,:.:.| ＼| .:.:. ‘,:.'.} ﾉ' r┬' .:.:.:.:.:.:.:.:.:. ｉ|.:,′
‘,:.| ＼:. :.|∨ , │.:.／.:.:.:.:.:.: 八{
‘.l: ＼|〈 / ﾉイ :/ .:.: / /
｀ , -─ . ′ ∨.:.:. /} ′
‘:， ／ ‘,.: /
‘:， ´ V
,. ､ ‘,
｀¨´ ', ‘,
-─…‐-ミー─- ,,_ ‘,
／ ＼,＼///｀777777777ヽ
／ Ｖ/＼｀７777777777∧
／ ∨/∧///////////∧
| i _. -: | | . : : : / / . :/ |: i: : i : : : : : :|: : : : :
|. ィ : :! ! : : : /7' . :７￣￣ ┤|: : | : : : : : :|: : : :
| ﾊ : : '. l : : : j/ : ／＞､ :l: ﾄ､ | :| : : : : : :!: : : :
| | | : : '. | : : / :／,≧＝ ､__ :l: :!: : ! :| : : : : : :|: : : : 驚くことはないわ。拝見する限り―――
| | l. : : ﾍ V: /／ 7_r`＝ｌ: :|!: l : ! : : : : : : !: : : :
l, ! ﾍ : : : :＼: :/ ｀ ーゝ≠'"ﾍ: :ｌ､| . : | : : : : : : j!: : : :
l,| ﾍ : : : : : 〉' '. : ! : : | : : : : : :'l: : : : : 貴方たちの信仰・学力・生活態度、すべて
| ヽ. : : :／ ∨| : : | : : : : : :': |: : : : :
ト ／ V : : l . : : : : : ': :!: : : : : 南蛮人の神学生に、ひけをとらない……
i ｀＼ i . : :l . : : : : : ' : |: : : : :
l : :ヽ i : : :! . : : : : : ': : :|: : : : :
| : : : i､ ′ . : : .' . : : : : :,': : : |: : : : :
| : : : : ｀ゝ-- ､__ , ,′ . : : :.′ : : : : : /: : : : !: : : :
| : : : : : ヽ ￣￣ / . : : :/: . : : : : : /: : : : : |: : : :
/ ./ / / ヽ ヽ ヽ
/ .i ./ ／| i l ヽ ヽ ヽ
/ / .i / .／ l .ﾊ |. ヽ i. i
i / l./ .／ l / ! | l l |
. l i |! .／ l. / l |i l l |
| | ||. ／ / / ｌ |i＿ | ｌ |
| | |! ,,,-ナ''''''- / / ''￣ｌ lヽ ｀`| l |
| | | | ''' / -ー-､ / / "￣ヾ'''- .| | l
. l | | |. /,,o-''jTヽ /./ "`６ヾ-､ | .| | なのに日本人であるがゆえに進学・叙階で、ひいては
l | | .| ＜弋-;;ソ // 弌ﾆ乂 ＞ | .|
l .| l| |/ ` .〃 ヾ､|. | | | 教会人事で下位に甘んじるしかない現状を、私は深く
. l | !|. l ヽ ／ l | | | |
. l| | ﾄ､ヽ. ! l |. |.l 憂えているの。これを変えずして日本教会の未来はない
| .| |. ヾ､ ＿＿＿ | ! |!
. |. | ヽ ヽ､,,,,,／ ノl / l
l. | 丶 ／! .l / |
/l | `i ､ ,, ´ l .l | / .| |
. i l l .r､ーl ｀'' - " .lｺ l / |i |
| l l / `-!､,, _ ,, - ''' .l l/ |i |
. | l l. ／ /ヽ-/ i l / l .i |
| l ヽ Ｋ / l╋..l ｌ .l /､,,,,,, l ｌ |
: : : : : { : : : : : : : : : : : :i : : : : :ｲ : / }: : : ヽ: : : 丶丶
: : : : : :',: : : : : : : : : : : :l : : : / i :/ !: : : : }: : : : : ヽｰ-
: : : : : : :, : : : : : : : : : : ｌ : : /メ,ｲ j : : : /: : : : , : ﾊ
: : : : : : : , : : : : : : : : : :l: : /,.z=≧xｨl : :.:/: : : : :ハ : l
: : :/: : : :.丶: : : : : : : : :l: /.Ｖ´ん′/ ／: : ｨ: :/ }/
: : i : : : : : : :ヽ: : : : : : :.ゞ f / /ィ: イ／j:./ ・・・仰ることは誰よりも深く、私たちが実感しています
: : l: : : : : : : : : :丶: : : :ヽ ヾ′ 〃彡 ／
: : ﾄ: : : : : : : : : : : : ヽ _:_丶 弋ﾊ
: : : :ヽ :ヽ : : : : : : : : :ヽ ￣ ノ: l でも日本のお上が真の教えを禁制としている現状では、日本人の
｀ヾ : :.､: 丶: : : : : : : : ﾊ －,.イ: !: :!
－── - ._ヾ,.: : : : : : : i ,r´ : : : j!: l 我々にはイエズス会の南蛮人上長しか、頼れる相手もなく……
｀ヽ｀ヽ:.: : : ｌ- ′: :l: :/l /
{ ヽ: ﾊ!丶: : :j!:/ /
￣｀ヽ／´ ｀ …-､ ﾘ ヾ;/'/ かれらが我らを認めない限り、留学のつてを得る当てはない
〈 r－､ -ミ=´ ｀╋
,/ ／ ヽ ヽ
/ ./ ／ | ヽ ヽ
// ./ / l ヽ i
. i / /./ ／i .ｌ i l
| i i / ／ / /l ｌ |
. | | l/ ／ / / |.| | |
| | / ー- ､／ / ./ l l .| l あのね。あなた方はマカオの教会という末端の組織に、
ｌ .! i _ ／_`ヽ /./ l .|i i | |i
. i |l .| ヽ戈ゥ,ミ ./／ '''ーl､|.i. | ! .|l 生活のみならず思考まで縛られているのよ
i l.l l / ー―'／ '`ヽ i iヾ､ .| .| | l
. li .i |/ﾊ ／ i ´弋ｚ､ヽ＼.| | |l i
| i ﾊ ./ ＼ﾆヾヽl l l l ｌ
ヽ ﾊ. ヾ| ` / | |
>i ＼ ､ | / .| |
/´ | ＼ ` ー-- | ./ | |
/ | i |.＼ ,, - | /ヽ .| .|
. i .| .| | //|` -､'' l / ヽヽ、 i i
l | | |// | i´|＿,,,,-l / / ヽ､ヽ i i
| | | |l .i .| ／!/ ｌ / / ＞-､ i i
| l li | .| |.／i i | l | /／ ／ ` ､ i i
| .|| i | i|/ i╋i | l .| /´ ／
＿＿＿＿
_x＜´ ＞x.
／ ＼
/ / ヽ
.' / / ,. ィ ∧ ヽ '.
| l :/ ／ } / V '. | 要は、「当たって砕けろ」ってこと―――
| | { ＼ ' /／ _∧ l |
| | レ' ≧‐ /' ‐≦ | ! :|
| | | {r'} ﾋﾊ ∨ | 欧州では、日本の信徒が示している信仰の勇気は、
| | | {り い} | |
| | |.⊂ つ r―‐ﾍ ⊂ つ | | 想像以上に評価されているわ。紹介状など無くても思い
/∧ L_ | | } |
// r ´ ._>､ | l ィ | 切って飛びこめばいい。必ず意気に感じてくれるはず！
// ￣｀Y ,ﾍ {_＿_ﾉ-＜. | :/＿＿
/ | ﾄ } ∧ ∧∨:! /
.' ∧ } ＼ /ヽｲ lヽ/ .> | /
l ｲ | .' ￣/| :L ｣ {r ７／
|/ l ! / /l ! /Z ｺ ＿＿＿
}小 / / .| ! ╋ l L| /
| / | | l /
'. / // l .'
ヽ. / // | {
＞ ' // } !
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荒木と岐部の具体的な邂逅を、証する史料は無い。だが荒木がマカオの同宿に、南蛮人神父を見限り渡欧留学するよう
勧誘した事は、当時の日本準管区長フランシスコ・パシオの1618年3月5日付け日本発総長宛て書簡に明記されている
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
l / ／ / ./ ﾍ ヽ l |
| / ／ ./ / ﾍ ヽ | |
| / ,,,-ー=＝≠=ー / ,/,=＝＝＝＝=ー-､,,,, | |
|/ ,, -''' ／ ー-､ / ./ ,,-ｰ .ﾍ ヽ `''ｰ .| .|
〃 ／ ./ .／ ／ ﾍ ヽ | |
| ／,,,,,,,,,,,,――-､ / .／ -z――-,,,,,,,,ﾍ ヽ | .|
| ,,,,,,-≠キ:::::::::l￣i￣ ` ./ ／ "￣「`弋::::::::::ﾂ=-ヾ | |
|＜-''''ハ""`ー''ヽノ,,,,, / ／ 弋, `ー''' ソヾ`'''=､,,,,| |
|. `/-､ `'''''''''''' ´ ./／ ヽ `''' `'''''''''''´ ヽ､-""|` .|
|. / ￣￣ .／ i ￣￣ ヽヽｿ |
.| ./ | ヾ| |
|/ i| i |
ヽ ﾄ、 .|| i |
.ﾊ iヽ /| i |
ﾍ i ヽ `! | |
. ﾍ i＼ヽ ／l |
. ﾍ l `'ヽ ＿＿＿_ ＿＿＿,,, ／-i |
ﾍ i ＼ ／´ .i |
. ﾍ i. ＼ ／ ./ .!
ﾍ. i l＼ ／ / /
ﾍ i | ＼ ／ ./ / /
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曰く「日本人は尊大かつ傲慢なので、日本から欧州人司祭を追放して日本人教区司祭を導入することが危惧されている
マカオでは、ローマで叙階されたトマス荒木の説得に動揺した同宿がインドへ、さらに1，2名が欧州に行った。不適切だ」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
しかも彼はマカオの日本人にたいし、さらに不穏な話も吹聴していたという―――
即ち1620年3月20日付長崎発、マテオ・デ・コーロス神父の総長宛書簡によれば……
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
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:::::::::::::::::/:::::::::::::l:.:ﾄ、:.:.ヽ:.:.l: : : : : : : :|:.:.:..: : :| :.:. | あと一つ、大事なこと……
:::::::::::::::/::::::::::::::::!:.l::i:.:.:.:.:`ｙ: : : : : l: : l|: :.:.: |:
:::::::::::::/::::::::::::::::::ヽ|::l:.:.:.ノ: |: :.: :l:|: :.:.:. |:.
:::::::::::/:::::::::::::::::::::::::`| ＼ |:. :.:.: :l:.l:. :.:.:.:. |:.: たとえ同じ神を信仰していようと、南蛮人の
､:::::::/:::::::::::::::::::::::::::::| !r--‐ l:.: :.:.:. :/:ﾍ:.: :.:.:.:.:. ｌ:.:.:.
、/:::::::::::::::::::::::::::::::| :.ゝ. |:.: :.:.:.: ﾊ:.:.ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:. l:.:.:. 思惑には気を付けることね―――
ｖ:::::::::::::::::::::::::::::::::| i :.:.:.| l:.:. :.:.:.:. ハ:.:.:ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.: l:.:.:.:.
ﾑ-－--- ､:::::::::::| l :.:.:.:` - ーl:.:.: :.:.:.:.:. / .ﾍ:.:.:.ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:. l:.:.:.:.:.
` -| | :.:.:.:.:.:.:| ﾍ:.:|:.:.:.:.:.:.:.: / >、:.:ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ﾍ:.:.:.:.:.:.
.| l :.:.:.:.:.:.:| ﾍ|:.:.:.:.:.:.: /'' ￣ ＼:.:＼:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヘ:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.ヽヽ:.ヽ
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.!:､:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:ヽヽ:l
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:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.! ヽ:.l_ .!:.:.:.:!:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:l
:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.l',:.:.:.:.:.:!､:.:.:.:.:.:.:.:.:.l .,.ヽ!-‐.!､_:l:.:.:.:.:.l:.:l,:.:.:.:.l
:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.l ｀.､:.:.:.:.!｀､:.:.:.:.:._,l' .,'"｡｀, !:,:l､:.:.:.:.l:.:l .!:.:.:l えっ？
:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.l ｀ ､:.:.!_｀､:.:.:.:.:l ヽ- ' .,.!:!.l:.:.:.ｲ:.:l .!:.:l
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!-:.l=二=＝'´､ ｀､:.:.:l.ヽ-‐‐‐' l:.:/ l:.:l .!,'
ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.l,'.,:l .。', , .｀､:! // !:' '
:.:.ヽ:.､:.:.:.:< .'｀‐-'.／ ｀!､ /'ｉ
､:.ｉ.:ヽ.ヽ､:.:＼‐'"´ .ヽ /
ヽ:.ｉ .ヽ.:ヽ‐-､＼ ' , /
｀､｀.ヽ.:.:!ヽ_ ,-‐'´ . /__,--‐‐'´,､ヽ
｀ ､.｀ ､ヽ:.ヽ _ /´ l .ヽ
｀ヽ.', ｀ ‐-: ､. . ___／: ', l ヽ‐-----――― ､
., -､',: : : : : : : : ',､ ､ .l＿＿＿ヽ .＼
l .',: : : : : : : : ', ｀‐ヽ .ヽ ＼
/:/.: : :／.: : : : : :-=ﾆ"¨＞,. -‐ｧ′ / ｉ
/:/.:.:／: :,. ＜:／´.::::::／／.::::::::::/ ./.:/ :! |｜
/:/: :/.:.／.:::::::/｀:ー='/／八 ..:::/ .ｲ /:| :ｉ｜|
,' /:|:〃/⌒>､::::::::::: /' ＼/／.::j/ ::| :ｉ｜|
|/ |:i{:.{ {i::::＼:::: / ／＼ .:/ :::| :ｉ｜|
| /|八l::::､弋;;;;ノ^ ｀廴＿| :ｉ｜| 王都マドリードに滞在したおり、
, | : :|::::::`ー _ / ::| :ｉ｜|
／ . :∧:::::::::. ⌒iドミ ::', ｉ｜| 知ったことなのだけど……
／ ／. :, ': :∧:::::::....:/ ､ 弋:::::::｀ｱ ﾌ::Ⅵ |｜
／ . : / : :,: :∧:::::::〈 ｀ニ´ ::|｜|
. ／ ／/. : / : :/.: :{ ∧::::ト ノ|小| 托鉢修道会士がスペイン国王に、日本征服
／ ／, '/／ / : :/／´￣ :::`ー‐一 ､_ .. イ :!
／ ／／ / / {: :,:′ ゝ ＿＿ ........-‐ ,ハ| | を企てるよう働きかけていたわ―――
. ／ ／／／/ ! ∨ _＿＿_／ ハ::::::::::::::::: ／ l| |
／ ／／／. :/ j _,厶=イ⌒' ／ ＿__j＿_ -‐ ｢＼|
. ／ ／／／/.: :/ ,ｘ＜ ´￣ ／ } ,ﾉ ヽ
. ／ ／イ , '. :/. :, ＜// /^ー ／/ ．≪
／ .乂. :/:／ // r‐く /^ー=彡, ．≪´
／ }// /,' └ ／ ．≪´
|.:{ {｛ ╋ ．≪´
|∧ 人 ,x≪´
| ヽ ＼ ､ /
| / | ! ! !! λ ! ﾍ }
|/ ! ! .|!‐= ミト!、 ! ! l !_ ﾑ--ﾍ― !
!. ! ﾍ .!ﾍ Lﾑﾐヾﾐ|ｭ!ｨ. ﾉ ゝﾑﾆ|ィ≦ﾆﾐ,,! !
! ! ﾍ kｨ'ﾍ|γ c ヽ ﾍ lγγ c `ﾄ,/
. ! ﾍ ヽ |.ヾ .乂_リ ﾍ !. 弋_ ﾘ 〃 それは・・・本当ですか？
. ﾍ !ゝ ＼ ゝz -'" u. ＼ ! ` ト ィ/
ﾍ ! ＼ !. u. / ／
ﾍ .|ゝ ＼ ﾍ. , ／,,ィ"!
＼! ＼ ﾄ ﾄ ﾍ u. l ''" /_／
. ヽ|ヽ ' !＼ ＿＿__ し ／ ｨ
! ﾊ ＼ て~ ￣￣ ~Ｙ ／ ／!/
! ＼ ヽ、 ￣￣￣￣ ／ ／
,ヽ| 丶、 ィ .| /.、
／ | ゛ -- '" |' !
／ ./| | ﾉ ＼
／ ／ ｀ヽ
／ ﾍ
./ ﾍ
.:/ ..:/ ,:' /ヽ ﾍ
,' .::/ ./ ./ ﾏ ',
! ..::/ /! ./ ﾏ .! ちなみにこの動きに抵抗していたのは、
.:::/ / ,'/ ,x----ﾏ .| |_ .|
..:::/ / i' ..::: : :ﾏ .! | ヽ . ! 貴方たちが属するイエズス会なのだけれど―――
i .::/ . ／: : ! .,ィて乏弌 .| .! | . |
ﾏ:| .:!::. ／: :: :: : 廴乏ﾘ| | .| ./ .!
::ﾏ!.:.|ｲ: :: :: :: :: : リ /ｲ .| あたしに言わせれば、しょせん“獲物の奪い合い”
::|:i!:::|: :: :: :: :: : | ,' .|
::|弋:|: :: :: :: :. .,' / .! スペイン人もポルトガル人も、同じ穴のむじな……
::|:.:.i＼: :: :: :､＿＿＿_, ﾉ / |
::|:!::!:.:.:＼: : ｀ー- ´ ィ ./ .|
::|:.:.i:.:.:.:.:.|＼ ｀´ ／ ./ / | .!
::|:.:.:!:.:.:.: | ｀:.､＿_.,ィ.´ ./ .,ｲ | .|
:.!:.:.:!:.:.:.: | ./ ./.:| .! .!
:.|:.:.:!:.:.:.:..ト､ ,/ ./ｰ､! | .|
:.|:.:.:!:.:.:.:.:|: ..＼ , ｨ/ ./: : : | .!､ .!
:.|:.:.:|:.:.:.:/: : . . ｀╋´ ./ .:./: : : : | .!: ｀ー=..､
::|:.:.:|:.:.∧:. / ∨ .:./: : : : : | .|: : : : : : : :｀ヽ、
:.|:.:/: /: :.＼ ./| ./ ..:／!: : : : : :| ./: : : : : : : : : : :.｀ヽ
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／:／: : : : : : , --: ｀: :＜_＼ ヽ
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/' ' : 〃: : : :/: : /: /: : : : /:,ｨ、: :.＼ '.
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{' | : : : |: ,: |: { : : : /:/ } : |: : : ＼ ﾉ
{ : : : |: ト､|:∧ : /|/ /: :/: :|: : : :｀: : :T ´
∧ : : {イ雫ﾐｰV:{ ､＿_,./斗}: :/ : : : : ' : /
∧八:八 Vソ ＼ イ雫ﾐ､ /: ｲ: : : : :/: /
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,: : : : |:圦 ' ¨ ´ ／: : : :イ:イ
{: : : : |: :个 ´ ヽ -=r=≦ : : : /
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i: : : : .:.:. : :.､: : : :.:Ｋ :.l ヽl' ／ ￣ ｀丶 〉: : : : : : : .:. : : ちょｗ それ、禁教を正当化する公儀の言い分を、
. l: : : : :.:.:. :.:ヽ: : : :.i ヽ:l,二 /: : : : : : .:.:.:.: .:.
､: : :.:.:i:.:. :.:.:＼: : ﾍ／ヽ. ` u /: : .: : : .:.:.:.:.:.:.:./ 認めちゃう「証言」でしょ。我々が言い出すのは拙いっす
､: : :.:ﾄ、:.:.:.:.:.:＼: ﾍ < /: .:.:.: : : .:.:.:.:/.:.:/
､: :.:.l ､:.:.:.:.:.:.:.:`iヾ､ , _-‐ ''' -ﾌ ／ , ィ:. .:.:.:.:.:.:/:.:.:/:,
､:.:.l ､:.:.:.:.:.:.:.:.､ `ー‐ '' ´ ／ ' i:.:.:.:.:.:.:.:./i:.:./´ 純粋に軍事的な点では、有りえない話だし―――
､:i. 丶:.:.:.:.:.:.:.:＼ ´ i:.:.:.:.:.:.:.:/'.l:./
ヾ、 ヽ:.:.:.:.:.:.i:.:.l ヽ l:.:.:.:.:.:./ / _,, -
ヽ:.:.:.:.:l､:.l `丶 __ ,, - '' l:.:.:.:.:./ r '', - ''
ヽ:.:.:.l_､l .i l:.:.:.:/へノ f
, ヘ:.:ﾋ.」ﾆヽ _..l , - ',´l:.:./ ´f ノ
／ﾉ <ヽl `ー／ ｰ',´- ' l:/ / }
_, - ~￣ / 考 そ い |
, '"~ / 坊 え れ ち l
,~ ,' / や ら く い i
／ ／ i / れ ら ち l
/ ／ ｜ / な い う i
/ ／ ﾉ i ｜ い 自 る l
／ ／ i,ヽ 丶 の 分 さ i
/ ／/ / Il ヽ、ヽ で い l
/ / / 人i==-ゝヽ わ l
/ / / ｒ~`il _,,.,/ハ ね /
/ i / /{ l! / ¶/// ＼ ： /
l / /ﾐヾ- l-`-///i / ` 、＿＿＿ / |
l / ノ;;;;;一ノ;;;;;;/ / l /i ! || ｜
｜ / ／__,.::／:::::::/ / i / | | ｜ |
｜ / ／I￣~ / / .i,! | / / |
｜/ ／;;;; レ _ / / ﾘ i / / ｜
／／;;;;;;;;;;ヽ、' / / .ll / / iイ |
iヽ:::::::::::::::::::: / /＿＼ ll // / i ｜
｜ ヽ::::::::::_r-==//~三ヲ` ||// /T | ｜
/// ヽ:::::::::::}-/r-⊆._ /// ／ i | |
／/ / ヽ::::::::`// _ ノ /// ／ | l |
| / ／ヽ::://::￣ //／ ／/ l | |
| ／ //::::::::::::::／/ ／ / | l |
// ヽ::::／／ ／ / | | |
―――――――――――――――――――――――――――――
・・・というやり取りになったかどうかまでは、知るよしもないが……
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あたかも日本に入国してからのかれ自身の行動を、予感させるが如き？ 言動をしていたのである―――
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;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| !;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,lｨｬ≦至至至≧z, .!;;;;;;‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;l|;;;;;;;;;;;;l.|;;;;;;|,!;;;;;;;;;;;;;;!.lﾞ;;;;!!;;;;;;;;;
!;;;|};;;;;;;;;ｹ;;;;;;;;;;;;;;;;;.! .!;;;;;;;;;;;;;;;ｨ幺圭圭圭圭圭圭> l;;;;;;;;;;;.;;;;;;;;;|!;;;;,!;;;;;;;;;;;;|.|;;;;;;;;;;;;';.;;;;;;;;!l;;;;;;|!;;,l|;;;;;
;;;;;|.!;;;;;;|l;;;;;;;;;;;;;;;;i､! |;;;;;r‐/圭㌢" ,. 、ヽ. ｀Y .!;;;;;;;;;;||;;;;;;;;ll;;;;;li;;;;;∥;.!,!;;;;;;;;;;;;i!|;;;;;; ﾈ;;;;;;"/.|;;;;
;;;;;｝l;;;;/.|;;;;;;;;;;;;;;;|i.! .!;;;;;l/圭㌢.／／ .!ﾄ、ヽ! ﾊ...|;;;;;;;;;;| !;;;;;;lﾞ|;;;.!|;;;;lﾞ|;;;;!.!;;;;;;;;;;;.! |;;;;;;;";;;;;;;lﾞ .l;;;;;;
;;;;;.!.l;;;lﾞ |;;;;;;;;;;;;;/.|;.ｌ .|;;;;/圭/ i././.! .! 八ﾆ !.ﾄ ﾊ l;;;;;;;;;;| !;;;;;;lﾞ|;;;.!|;;;;lﾞ|;;;;!.!;;;;;;;;;;;.! |;;;;;;;";;;;;;;lﾞ .l;;;;;;i
;;;;;/.l;;,! .|;;;;;/l,;;;{ .!;;.! l;〈圭/.i!仆!iﾑﾉj/i..i i ∧ .入.. ｌ;;;;;lﾞ!;l '".|;;;;;[|!;;l |;;;;;;;;;;;;.! .l;;;;|L;;;l|;;;;'ヘ;;;/
;;;/ l;;l .:!;;r;{ .!;;.! |_;lﾞ|;;;;;l.Y.ﾊ;∥.辷.ィ f赱ｱｉ ! i . !ヽ＼ };|.!;! l;;;;;;;|:ゞ .!;;;;;;､;;;;｝ l;;;|.|;;;;.!.!;;;;;;;;;;;l
;;;/ l;;l .:!;;r;{ .!;;.! |_;lﾞ|;;;;l !i:}i.!.ハ ' ! .i }ﾙﾐｮゝ＼ !;;;,;;;;| .|;;;;/ .!;;".!;;.! !;;;;.! ｌ;;;;;;;;;l
;;;! |";| |;;;;;;.! |;;;;! .|;;;;;l ｉ! i/ヽ. ー' ∧ ;ｨｬ≦二≧ ､ヽ .!;;;lﾞ''" .|;;;｝ !;;! !;;;! |;;;;;｝/.i|;;;;|
;;;.! l;;;;l.!;;;;;;;! |;;;| .ﾄ;;;;; // ｨ个,.=.彡・A ﾏニニニニ≧ｭ､.i;;;! l;;;;| l;;.!.!;;,! .!;;;;|lﾞ/l;;;;,
;;;;.! !;;;||;;;;;;;| ,!;;l l;;;;;;;｝.／./∠ﾆ/:r''ﾒ::::::/ﾆA ﾏニニニニニニ＞之_ .!;;;lﾞ .!;;|｀゛ .l;;;;;;/ .!;;;;!
;;;､| l;;;〔;;;;;;;! |;;,! |;; ／／ノﾆﾆ/::弋╋::〈ﾆ卩.＼＼ニニニﾆ ／:::::::::::::::ゝ､ i;;;| !;;;;;| l;;;;,!
;;;;ﾞ;| !;;;;;;;;;;;! .!;;l. ／／ .仁┼二二二二二┼ｺﾆ.＼＼ﾆﾆ ∠::_:::_::::_:::::::::／fーｰ､ .l;;;;;;l !;;;｝
､;;;;;| :!;;;;;;;;;;;l .|;;l／／ ／ ,´://＼::::::／//〈 〈＼ニﾆ＼ マ三三三三ﾏﾍ¨ﾍ( .､＼_＿ ,，
l;;;;;/ ｌ;;;;;;;;;;|／.／ ／ , 圦/////.Y./////.〉 〉}厂三ﾆ.＼.＼ 三三三.ﾏ≧､ ＼ .V＼＼‐'
.ﾞ‐' l;;;;／／/...／／// . ゞ、__ ノゞ．_..∠,イ/i 三三三.≧.､ゝ三三三ﾏニ≧.､＼l ` !
/／ / ./ / /..|ニﾆ| {.//////// ////.ｉ.三三三三三三三三三.ﾏニニﾆ≧.、
.. ﾒ / /i ./ / /|.ニ }::|//////∥/////.|.三三三三三三三三三ﾆﾞ＼ニニﾆﾆ＼
. j ｲ.../..| .v //}ﾆ./::::|//////.| .{.////∧ 三三三三三三三三三三..＼ニニニ ＼
i! .i | ! .| .//.,ｹ┴-.j//////.ﾑﾉ/////∧三三三三三三三三三三三 ＼ニニﾆﾆ＼
i! .| i! /{ .|//.//Ⅰ /////////////// ∧三三三三三三三三三三ニﾆ..＼ニニﾆﾆ＼
!ﾏ .ｭ..y./ﾄ/ ..//Ⅱ. //////..ﾍ/////////∧三三三三三三三三三三三三ﾆiニニニﾆﾆi
＼＼i..y | |//Ⅲ /ヽ///∥//＼//// ／ Y三三三.三三三三三三三三三|ニニニﾆﾆ|
.ゝ/i! { . ! 〈/ .i///＼∥/////＼／////|三三三三三三三三三三ｬー‐┤二ニニﾆ.|
/ 八 ﾏ∨,≧ｰW..|.///////////////////.ｉ 三三三三三三三三三∧ |ニニニﾆﾆ|
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不可解なことは他にもある。以下は荒木が帰国の途に就いている途上、在日宣教師が欧州に宛てた書簡だが・・・
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＜幼少時の荒木＞
,. '´ ￣￣｀ヽ､
／ ,. - ＼
/ ／ ヽ
. / ∠-─￢'￣{ i i i
i i￣｀ -┼-､ | |
|/ |斤ﾊ ＼ / ｜
|/ |└ ', 下ﾊ V /,i /
|/,ﾊ ､ └ ' / // | |
| | ヽ ｀ー / / | | |
| | | |`ー┬ーイ ,.ｉ | | |
ﾚﾍ | | ／￣＼ﾚ'｜ | | |
＼/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| | | | |
╋/:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.| | | | |
/⌒ヽﾑイ:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:. l:.| | | | |
!＿_,ｲ_.ノ:.:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:V ,| | |
〈 ヽ:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:. |:.:.V | レ'
/∧ i:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:. |:.:. ∨V
. // ヽ |:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:. l:.:.:.:.:.: |
// ! |:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.|
{/ / |:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:. |
!ヽ_ / !:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:. |
V´ / ｜:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:|
/ l:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.::＼
＼_＿__|:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.:＼＿r-､j
/:::::::::厶-一':＼:.:.:.:.:.:.:.:./{三｝
. , ::::::::::::::::::::::::::::::::＼＿_人_つ
|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
○
ο
o
＿
| ＼ ＿＿＿＿＿ ＿_
| ´ ≧´ } 「…彼は身分低い生まれで、母親は自分の労働で自らを養っていた
| u. /
/ u. 〈 またこのピエトロ・アントニオ（荒木）は、能力に問題でもあったのか？
r――― ､ ＿＿＿
ｌ | ｌ―‐| l u. l 当方のセミナリオの入学・卒業履歴が、無い・・・
| L ＿＿_ 丿 ､ 丿 |
_ _ ￣￣
∧ u. ､＿_ﾉ::ﾉ / ゆえに我々は、かれの帰国を恐れている――― 」（傍線は引用者）
〉 ￣ ´ / ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
/ ∨
. / ╋ ∨ （1613年10月4日付け京都発、イエズス会総長補宛てチェルソ書簡）
チェルソ・コンファロニエリ
イタリア人司祭。教育担当
（演者：谷川イッコ ＠私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!）
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
要領を得ない書簡ながら・・・どうやら荒木はこのチェルソ神父ないし、その他の西欧人司祭ら
と悶着を起こしており、日本のセミナリオでの学業を断念。それがローマ留学に繋がったらしい
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|:::::::::::::::::| |::::::::::::::::::::::::::::::::/ /::::::::::::::::::::::::::::::/ /
|:::::::::::::::::| |::::::::::::::::::::::::::::::/＿ /:::::::::::::::::::::::::::::/ /
|:::::::::::::::::l＿__|＿＿＿＿＿＿＿￣￣:::::::::::::::::::::::::::::/ /
＼ .|ゝ‐＜´/::./ .::.::.::.::＼／ | .::.::.:￣￣/ー--＿_::::::/ /
＼ 〃 ／ ＿ ヽ:/::.::.::.::.::.:／＼ |::.::.::.::.::.:: /::.::.:: |::.::.::｀丶､/::.::
{{ / ／ __ ヽ ',.::／::.／ `ｰ |::.::.::.::.:: / |::.::.:/|＿::.::.::.::.:l::.::
. ── | ! /r ） } |ｲ斤テ左≡ｫz /::.::.::.::／ 斗七 !::.::.::.::.::.::.|::.:: アントニオ（荒木）君。諸般の事情により、
. ∧ ヽヽ _／ /::! ﾚﾍ :::::::::/ /::.::. ／ j / | .::.::.::.::.:: |::.::
. , -―ﾍ `ー /.::.| rｰ'ﾟ:::::::/ /::.:／ テ左≠=ヵ::.::.::.::.::. |::.:: 君には司祭教育は授けられないことになった・・・！
_／ { /.::.::.| ゞ辷ｚﾝ /／ う｡::::::7 /ｲ .::. |::.::.::.|::.::
_／ ヽ ｲ ::.::. | /ﾍ:::::::/ |.::.::.:|::.::.:∧::.
〃 V ヽ ヽ.::.: | ヾ辷:ﾝ ／:l::.::./!::.:/.
l { ∨ }__.::.|＼ ＜! /::.ｌ::|::./│/
ヽ ヽ { ￣￣￣｀ヽ _ ｲ::.: ｌ::|:/ j/
、 ＼ ＼ } ） ／￣￣￣l7::.:|::.::.j::l′ /
/ ,' / ／ ／ l .l、 ', ',
,' i / , ' ／ l ! ヽ ! i
! .l/ /_.... -==≠＝=‐-' ,' / ', ! l
. l ｌ /´ ／---= / / `ヽ、i ! l
. l ｌ' , ,z´=＝ミ､ / / zﾐ､｀ﾄ ! l
l ! l !／〃/::::ﾊ__j / / ｲ::{ ヾ.l l. l
l ｌ ! 〈! !´l::::::l l /／ .!ｨ:ﾄｲl〉,ﾘ !
l ｌ ｌ 弋`ｰ'.ノ_ ´ !U ,' 〃 .l
l lヾ､ ｀￣ ´ `ｰ' l' l
l l ` 〉 ｌ l
', ! ＿ ,' l そんな……納得できません、理不尽です
', ', l ´￣ / ,'
', ', l ´ ／ ,'
i. ', ! , イ l i
ヽ lヽ ', l ! ...._ ／ ! ,l l !
＼! ヽN/＼ l､ ﾄ､ ,ﾊl / ,￣￣ ,ｨ /ﾊ /! /ﾘ
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なおこの後の荒木の履歴を見るに。彼の学力へのチェルソの評価は、根拠なき中傷といっていいだろう
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そしてチェルソの書簡からは明らかに、「放逐した敵が箔をつけて帰国する」ことへの、動揺が窺えるのだ―――
いずれにせよ荒木には、カトリック信仰をめざしつつもそのスタート地点から西洋人と隔意があったことが、窺える
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
＿
| ＼ ＿＿＿＿＿ ＿_
| ´ ≧´ }
| u. /
/ u. 〈 “枢機卿の寵愛を受けた”って、どんだけ厚遇され
r――― ､ ＿＿＿
ｌ | ｌ―‐| l u. l てんだよ。排斥した俺の顔、丸つぶれじゃん…
| L ＿＿_ 丿 ､ 丿|i|i|i|i| |
_ _ ￣￣
∧ u. ､＿_ﾉ::ﾉ /
〉 ￣ ´ /
/ ∨
. / ╋ ∨
・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━・・・━
/ ,' ,' l l ｌ ', ',
. / , - 7 / ', ', l ', l
. ,' ,' l ,' , ' ´ .,' / ', ', l i l
, .i l i , '´ / /＿＿__',_ ヽ .l l l
i l l l,, -－''´￣ /./ ヽ ヾ- ､ l l l
. l l l ｌ ／＿＿_ /./ ―-- ､ ヽヾ、 l l ｌ （フッ、私を冷遇してきた駐日の南蛮人
.l .l l / ´ ＿___` .// ,ｒ===- ､ ヽヾ､l l ｌ
.l l ｌ ./ , -'' o＝､ヾ 〃 '´ ６ﾆヽ` ､ヽｿ l ｌ 司祭ども。首を洗って待ってなさい・・・
.l l y'＜､ l弋メ i,, ／ 弌トメﾉ ＞.l .l ｌ
ｌ ', l. ,' `'''￣／ l ￣ ` l l l
l , l ｌ il .l l l ローマで期待の星として愛され、貴兄ら以上
l l , l ﾄ、 l| l l l
.l ﾄ、 .l l ヽ l ,' ,' に中枢との人脈を持つ日本人の教区司祭
.l l ', ' l l､ヽ ＿＿＿＿＿ , l ,' ﾊ
', l. ', ', l ヽ` ヽ ` ー----－' ／i ,' i が日本の教会の在り方を、正す日が来た）
..', l. , .ﾊ l ', ヽ、 ／ l ,' l
', ｌ i l ', l , ` 、 イ l , l
', l l l ', ｌ ヽ `i ､ , '´ .i ｌ ./ ｌ
',ｌ l .l ', ｌ ヽ l ` ､ ＿ , '´ .l ｌ / l
',il l. ', l ヽ ｒ――l l――l / l
╋
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――― ―
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――――― ― ― - - -
| |
／.二二二| |二二二＼
＼＼／／ ＼＼ ／／
＼＼ ／／
／／ ＼＼
／／
| | と、言いたい所だったけれど……
| |
| | 出鼻をくじかれたかも、知れないわね？
二二二
| |
| |
／ : ::／ ./ : ::/ ／／ 三´
／ : ::／ | : ::/／／ 〃
／ : ::／ u. | : ::／／/ / ＿
／￣￣¨'''==z＿ : ::／ / :,,イ／ / / ／´ヽ: : ＼
／ _,--ー''ニニ＿,,≠ｪ､ /＿,,,､､-ｰﾞ::/ /〃 | ∧＿/::::､: : ヽ
／/ /￣' ' ' ' '／ ￣＼＼ u. / : ::/ u. | {::/ {::::::::}: : : }
./ / : ::／ .＼＼ | : ::／ 彡＿ |:|: : :ヾ-': : ::/
/ / : ::／ _,､-､ }ヽ / : :::／ u. : : : : : ヾ〃〃=====＜＿
| | : ::／ ､{＿}r､:ヽ ,/: : : / .. ::／ : : : : : : : : :
K .Ｘ´ {:::{:::::::}:::レ／: : : : . / : ::/
ﾘミ ＼ !i｀ニ,,ﾞ,,-´ : : : : : : / : ::/
ミ､､_,-='''￣: : : : : : : : : / .: ::/
｀ﾞﾞﾞﾞﾞ : : : : : : : : : : : : : :/ : ::／
γ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
｜ ・・・あのー、トマス荒木師？ |
乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
いずれにせよ。かれの不可解な言動にかんする考察は、後に譲るとして―――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
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今回は荒木が同宿に「ローマに行き教区司祭をめざせ」というアドバイスを残し、長崎に向った時点で区切りとしたい
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＜ 船が出るぞー！
/ .: /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..
/ .: /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : | :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
.ﾞ.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : ｉ| :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: | :.:.:ｌ.:.:.:.:.:.:､:.:..
. ｌ:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |: :ｉ|: : :ｉ| .:.:.:.:.:.:/.:.| :.:.:| .:| : .:.:.＼} あ・・・どうやら日本むけの便船が出港です。乗船してください
. |:.:.:.|: /.:.:.: : |: :_|_:八:ノｉ|:.:.:.:ヽ/|_:,ﾊ .: | .:|:.:.:|.:.:|
. |:.:.:.|/|:. :|: .:.|´/|/ _V八:.:.:.:/_｣/ |｀/ : |.:.:.|.:.:|
. |i:.:.:|/|:. :|: .:.|/ ｘ==ミ }／ r=ミﾉｲ .:./.:.:,ﾊ :| 留学に関するご助言、肝に銘じます。あと南蛮人の心持はともかく
八{',:. |:. :|: .:.| 〈 :|: /|: / |/
‘,:.＼|、:.:. u. } |//|/ 彼らもデウスに、誓いを立てた者。協力せずして今の日本では……
. ‘,:.:＼＼{ ＿＿＿,、 /´
‘,:.: |｀¨＼ ､ ﾉ ｲ:|
. ∨|∧:. |: : . ｀¨二¨´ ／:八j
∧｣ : : ｀ : . ___／|∠,__
. ＿＿ /. : ｀７ｌ: : : : : : : :|: . │|
. ─一'＾〈 /: |: : : : : : |: : │|
＼ ‘:, /. : |: : : : |、 |:‘:，
＼ ∨. : ｀￣| ╋ | ｝ 〈＼_＼ー───- ､
l l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:/:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:/::l:.:.:.:.:.:.:.l:.l:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:l:.
l l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:./:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／:.:.:.:./::::l:.:.:.:.:.:.:.l:.l:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:l:. ・・・ええ、勿論。教勢挽回は、彼らとも一致する目的
l .l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:/:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／/:.:.:.／::::::::l:.:.:.:.:.:.l:ｉl:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:l:.
l .l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l':.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.／::::/:.:／::::::::::::::':.:.:.:.:.:l:l.l:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.l:,.'｀l:
l .l:.:.:.:ｉ:.:.:.:.:.:.:l:.:/:.:.:.:.:.::,:.:.'´:::::::/／::::::::::::::::::::::':.:.:.:.l:l l:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.l, '´.l: それと迫害に怖気づいて言い訳したように聞こえた
l .l:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.l/:.:.:.:／:::::::::::::::/' :::::::::::::::::::::':.:.:ll .l:.:.l:.:.:.:.:.:.:.l-､,',l:
l .l:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:l:.:.:, ' ::::::::::: ., :::::::::::::::':.ll .l:.:.l:.:.:.:.:.:.:.l.ll.,'.,'l: なら、それは完全に心外だから。念のため―――
l l:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:l:.,:': : : : :./ .ll l:.:l:.:.:.:.:.:.:.l.,ll',':.:l:
l l:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:l,''.,: : : : ./ ll l:.:.l:.:.:.:.:.:.:l''ll:.:.:.l:
.l l:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:l:.l.:'.,: : : ヽ ll l:.:.l:.:.:.:.:.:.l:.:.ll:.:.:l:.
l,-l:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:l:.l:.l: ' ,: : ｀ ― -- .ll l:.:.l:.:.:.:.:.:.l:.:.:ll:.:.l:.
,-‐'´l: :l:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.l:l:.l: : :.' ,: : : ,ll l:.:.l:.:.:.:.:.:.l:.:.:.ll:.:l:.:
: : : : :l: l:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.l:l:l: : : l. .' ,: : : , ..': :.ll .l:.:.:l:.:.:.:.:.:l,:.:.:.ll:.:l:.:
: : : : : l: l:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.l:ll: : : :l. . . .' ,: : , ..': : : : : : :ll .l:.:.l:.:.:.:.:.:l.',:.:.:ll:.l:.:
【1615年7月】
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,. ' ´￣￣ ｀ヽ
／ ,. -― `- ､
/ ／ ヽ
/ ヽ＿＿＿／ ハ
/ /／ ￣￣ ／ / i i ∧ （それにしても、主のご意志が分からない―――
/ 7T＞ ､ ／ ／,小 ! | | |
/ j,ｨ行ﾐx＿_／-jN | ヽ V ! | |
,' // .| ┴v´u. ,.斗＝ﾄ､ / ! ! | 艱難辛苦のすえ司祭になったのに、故国にはもはや使命を
i | | i ! u. r' _j「 ヾx_/ /! | !
| | |.八 |i|i|i.｀`-个 / |: !: / 果たす場が残っているかどうかも、分からないなんて……）
| ﾄ.| |∧ ｀こ u. ／ / | |∧
| N ! ∧ _∠ -=≦ i | || '
冫:| |:人`ー=≦／:.:.:.:.:.:.:.:.:| ! ! |! :
!:.∧ V:.// 〉'´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ /| ﾄ、 | '.
|:.:.:.ﾊ Y〈_／:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:./ /:.:| | ヽ ! ヽ､
ｎ
| |
i! | |
|| ,ﾞ| | ＋
|| ll / | | ┼
|| || ./ | | ｏA
|| || / .| | _ 口｢i|┐
||i｀`''"||ｰ-- __/___,,,,| |ﾍ ┬┬┐ _,､,､,､＿＿／: :`丶､,､,､_ﾊ_ -ｒ|￣|√|ﾆ。
ﾛ;';';';'ｒ口;';'/￣￣＼;';';'| | }＿＿/二二廴ノ_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:く｀¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨ｱ二二{￣
￣ 7￣￣7￣|¨¨¨ﾞ|￣￣￣丈￣￣￣￣/ ≧=‐-----=≦──‐≧=‐
¨¨¨＾¨¨¨´≧=‐‐=≦三三三三二ﾆﾆ二´ : . : : : : : : : : : : :
:. . . . . 二二二 二二 二二二二 . . : : : : : :- : : : : :_ :
: : . . . .-. . . . . ﾆ. : : : -: : : : : . . . . _. . . : : : : : : : :-: : : :
-: : : : _: : : . . .ﾆ : : : : : : : __: : : : ‐-: : : : : …ー- _: : : -─…: : . .
:.... .... ..:.... .... ..... .... .. .:.... .... .. ..... .... .. ..... ............. .. . ........ ......
:.... . ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ .... .... .. .:.... .... ..... .... .. .
... ..:（ ）ゝ （ ）ゝ（ ）ゝ（ ）ゝ ..........おめでとうトマス荒木司祭。あなたにデウスの祝福あらんことを
.... i⌒ / i⌒ / i⌒ / i⌒ / .. ..... ................... .. . ...
.. 三 | 三 | 三 | 三 | ... ............. ........... . .....
... ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ............. ............. .. ........ ...
三三 三三 三三 三三
三三 三三 三三 三三
＼人_人,_从人_人_人,_从,人／
） つ づ く っ ！ （
／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ
＿_ ヽ ､
＿､ｰ-‐"´ ｀` ‐ゞ `ﾄ､
, -‐｀ ' └-､_, _
_フ ,、、く ヽ. ｀ 、
_ﾌ , , ,ｨ ハ. } i ｉ ヽ_ .．-‐- ､
´7 , ∠ ィ／ jノ !'ﾊﾉ ! :冫
ﾉ / ／. ‐_‐ ,. ‐ 7′ ′ 〉
､彡' r‐v1 '{ﾟ_j｀ { ー' |} {:. }
＞‐ . . . .: .: .: .: l rヽ! . 〉 | 〉:_,... ヽ__ ,´
｀Ｚ..__,. .. .: .: .: .:cゝ_;..、 ､ __ ! 7.: ，
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[|[|| To Be Continued....! >
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お付き合いいただき、ありがとうございました
だいぶ間が開いてしまいましたが、岐部回については完成しておりますのでなるべく早く、全投下します（予定では全9回）
＿
'´:::::::::::ヽ
ｌ ｉ〃∧弋f
| (ｌ|ﾟ ヮﾟﾉl 今回、我々にはぜんぜん出番がなかった。なぜだ！
| r |ｉ準i|っ
/:|::l::|:i
｀i7i7´
⊂⊃
,.ィ ￣｀ヽ-､ 作者の主観的意見を述べる余地が少ない、伝記だからじゃない？
,fﾚi !ﾙﾊﾄレい
/'ﾍ从!^ヮ^ﾉﾘﾞﾒ、 ヒネリを利かせる余地もないけどサクサク進むし、読者的には読みやすかったかもね！
∥ （m9ﾖ:l） ∥
・・・終盤のパートで、こいつらを登場させようと思っています―――
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/15956/1644733951/