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【DQ3】やる夫達は幸せを掴み取りたいようです 41【ドラクエ3】

1： ◆HD5ItXoLGM：2017/04/05(水) 00:10:08 ID:NZ7bntdU0
・SFC版ドラゴンクエストⅢ;をベースにしておりますが、かなりの設定を改変、または付け足しております。

・展開の都合上、性表現や暴力描写が少しある場合がございます。

・R-18的描写がたまにあるかも知れません。未成年の方は、残念ながら閲覧をご遠慮願います。

・厨ニ病がたまに全開です。

・リアルの都合上、更新速度は遅くなってます。ご容赦下さい。

・投下間隔も基本遅めです(セリフをAAに貼って行く投下パターンが多い為)

・原作に忠実では無い箇所も御座いますが、ご容赦下さい。

・深夜投下が多いです、ごゆるりとお読みになって下さい。



その他にも、様々な至らぬ点があると思いますが、どうかご了承下さい。

それでは、よろしくお願い致します
643： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/02(月) 01:44:00 ID:gz7T/6To0



　　　 ┌─────────────────────────┐
　　　 │とにかくともかく。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
　　　 │ノエルは、カナタ達と食事を共にする事を選びました。　　　....│
　　　 └─────────────────────────┘

　　　　　　┌─────────────────────────────┐
　　　　　　│普通の人からすれば、あまりにも当たり前過ぎる事でしたが、　　　 　 .│
　　　　　　│ノエルからすれば、それは本当に、本当に、大きな一歩でした。　　　....│
　　　　　　└─────────────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　　　　.::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /:::::::/ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　/::::::::::::::::::::::::/! :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　 ／:::::::::::::::::::::::::/ |:::∧ :::::::::::::::::::::::::::::::: ﾄ::::::::::::__::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　 　 ／::::::;ｨ:::::::::::::::::::/⌒!::i　!::::::::::::::::;ｲ::ﾄ::::::::::| ＼／／}::::::::::::::::::::'
.　　　　　　 　 　 　 ￣￣ |::::::::::::::ﾊ/　　V ｀|::::::::::::::/ |::l‐八::::ト 〈／ ／ ::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　 　 　 　 ::::::::::::::|　,ィ ﾆヽ　＼:::::::/　ﾚ　　 ∨　 〈,イ::::::_:::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　､:::::::::::| ヾ んﾍ '　　|::::/　　_　-=x､　　　l／ィ |:::::／
　　　　　　　　　　　　　／.:∧::::::: ヽ　ﾏィｿ　　 ﾚ' 　　´ んﾄﾊ ｀〉　ノ r'. ! l : ト､
　　　　　　　　　　　 ／:.:/(＿_:::::::､:::＼ ¨　　　　　　　　ヒえﾉ '　　　　　ﾉ＼i,ヽ＼　　　　 「……ホントッ！？ ありがとね、ノエルちゃん！」
.　　　　　　　 　 　 /.:./////_入::::::',⌒　　　　,　　　　　 ｀¨´　　　＿／:＼///∧:.:､
　　　　　　　　　　/:.://///´:.:.:.:l:::::::〉　　　　　　　　　　　　　　 ///|:.:.:.:.:.:.､///∧.:.
　　　　　　　　　　//////:.:.:.:.:.:.:l::::::|/＼　　(｀ ＝ ァ　　 　　／ ///:.:.:.:.:.:.:.:∨//∧.:.
　　　　　　　　　 |/////:.:.:.:.:.:.:.:.:ｌ:::::ﾄ､//＼　｀ ─'　　　　＜/////:.:.:.:.::.:.:.:.:.:∨//,i:.:|
　　　　　　　　　 |////l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:::::|.:∨//,,＼＿ .,　__´　} /////:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨//l:.l
.　　　　　　 　 　 ﾄ///,| :.:.:.:.:.:.:.:.:l:::::|:.:.∨///|:.:.:.:r‐‐､:.:7.:∨///:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.l///'
.　　　　　　 　 　 |.:＼/|:.:.:.:.:.:.:.:.: | :::|:.:.:.:＼／:.:.:.弋__ノ/:.:.:.:∨/:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:|／

644： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/02(月) 01:44:13 ID:gz7T/6To0



　　　　　　　　　　　　 _,　-‐‐-
　　　　 　 　 　 . 　 ´〃　　　　　　｀　 ､
　　　　　　 ／　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　／　　　　 ‐-　　　　　　　　　　　 ヽ
.　　 　 /　／　　 　 　 　 ｀ヽ　　　　　　　　　ヽ
　　　 /　/　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　 　 　 ﾊ
　　　,　　 　 　 |　　　　､　　　　　　　　　　　 　 |
　 　 i　　　 　 ｜　　　 | ＼　　}　　　　 　 　 　 ｊ
　 　 |　　 　 　 |　　　　|'´ 八jハ　　　　　　　　,
　　　l　　 　 |､_ﾄ .＿_,从ｨ笊ラﾊ{　 　 　 　 　 /
　　　',　 ＼Ｎｧ=ミ、　　 ﾉ Vソ　|　 /　　　　〃
　　　 　 　 ⌒ Vソ　　 　 　 　 ｜ '　 　 　 /(
　　　　ヽ　　}ﾊ　　　､　　 　 　 ﾉｲ　　　　∧　　　 「……べつ、に……問題は、ない……
　　 　 　 ＼　 }ﾄ､　　　_　　　　　|　　　 ,　　　　　　はずと、思った……から……」
　　　　　 　 ＼　个ト .　 　 　 .ｲ | 　 　 {
　　　　　 　 　 i 　l |　N≧ 爪 　 |　 ∧ハ
　　　　　 　 　 l∧　　|＿__ ノ}　 ハ '　　　＼
　　　　　　 　 ﾉ　ﾊ　｜　 　 , 　 　 }　　　　　＼
　　　　　　 　 ／　lハ|　　　　　 　＿__　　 　 　 ヽ


　　　　 ┌────────────────────┐
　　　　 │何故ノエルが、堅く固まった殻の中から、　　　　 │
　　　　 │ほんの少しでも外を覗く気になったのか。　　　　.│
　　　　 └────────────────────┘


　　 ┌─────────────────────┐
　　 │敢えて空想の翼を広げて語るとするならば、　　 　 │
　　 │それは彼女も心の底のまた底では、自分に　　　　.│
　　 │殻の外の世界を見せてくれる何かを　　　　　　　......│
　　 │待ち望んでいたからでしょう。　　　　　　　　　　　 　 │
　　 └─────────────────────┘


.

645： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/02(月) 01:49:44 ID:gz7T/6To0


　　　　　　　┏──────────────┓
　　　　　　　│　　　　 _,,...,_　　　　　　　　　　　　.....│
　　　　　　　│　　/_~,,..::: ~"'ヽ　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　│　(,,"ヾ　 ii　/^',)　　　　　　　　　 　 .│
　　　　　　　│　 　 :i　　　 i"　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　│　　　 |(,,ﾟДﾟ)　　　ｷﾉｰｺ!!　　　　　 .│
　　　　　　　│　　　 |（ﾉ　　|っ　　　　　　　　　　　..│
　　　　　　　│　　　 | 　　　|　　　　　　　　　　　　 .│
　　　　　　　│　　　 ヽ ＿ノ　　　　　　　　　　　 　 │
　　　　　　　│　　　 　U"U　　　　　　　　　　　　.....│
　　　　　　　┗──────────────┛




　　　　　　　　　　　　 　 　 -. :´ : : : : : : : : : : : : ＞.、
　　　　　　　　　　　　　 ´:.::.::,.::´::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::｀:...、
　　　　　　　　　　　／::.::.::／:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::＼::.::.::.::.::.::＼
　　　　　　　　　　 ´:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::ヽ::.::.::.::.::.::.ヽ
　　　　　　　　　 /::.::.::.::/::.::.::/.::.::/ .::.::.::.::.::.::.::.::.::.::i::.::.::.::.::.::.::.::.
　　　　　　　　 ノ/.::.::.::,′: :/.::.::/ :.::.::.::.::.::i :| :.::.::.::|:.::.::.::.::.::.::.:: i
　　　　　　-=彡' ::.::.::.::| .:: /:_∠_ヽ:.::.::.::.::/.::| :.::.::.::|::.::.::i::.::.::.::.::.|
　　　　　　　　 |::.::.::.::.::| ::/ ﾚ'　　｀丶 :.::/ :.::|-: ､:.::|::.::.::|::.::.::.::.: |
　　　　　　　　 | :.::.::.::∧:{　　　､　　 |.::/ﾊ:.::ハ|:.:ヽﾊ＿iｲ〉.::.::.::.|
　　　　　　　　 |.::.::.::.::i　〉＝＝ﾐ､ 　 ﾚ'　 ∨　ﾊ ::/ 〈-‐::〉:/:.:: /
　　　　　　 　 八:.::.::.::|　´　　 　 　 　 　 ｧ==ﾐ､∨　〈_／:/:.:: /
　　　 　 　 　 　 ∨::.::ト⊂⊃　 　 ,　　　　　 　 ヽ　　/‐く:.:: ｲ
　　 　 　 　 　 　 | :: ::|　　　　　　　　 　 ⊂⊃　　 ／ハ |:ハ}　　　 「これ、私が昨日山からとってきたキノコなの！」
　　 　 　 　 　 　 | :.::人　 　 　 、 　 ,-，　　　　　 .ノ　,.ｲ′
　　 　 　 　 　 　 |::.::.::/ヽ　　 　 　 ￣´　　 　 ,.ﾍ-┬:ハ{　　　　　　「ほらほら、ノエルちゃんも食べていいよ〜♪」
　　 　 　 , -――|:.::.::i//::＼　　　　　　 　 イ/:::::::::iＫ
　　　　 / :::::::::::::::|::::i::|〈::::::::::＞┬―　 ´　／ ::::::::::l|:::＼
.　　　 / :::::_...-―| ハ{:::::::::::::ヽ 　 　 　 ／::::::::::::::::∧:,.ヘ丶
　 　 ∧￣　　 　 ﾚ':::::ﾚ'＝ヘ::i 　 　 ／､:::::ｲﾉ::::: /　ヽヽ'::::::＼





　　　　　 ／　 　 　 /　　　　　　＼
　　　　　　　　　　 /　　　　 ヽ 　 　ヽ　っ
　　　 /　　/　　　 |　　 /　　 ﾊ　　　 '、　っ
　　　　　　,′　　　/　 /∨　 j∧　　 ハ
　　　{　　｛　　　　｛/l/⌒| 　 厂Lj V
　　　∨　　　　　　代)::ｱ ￣ ｲ):ｱ ﾘ　 l |
　　　　｝　八. 　 八|　､､､　　　　　/　八|
　　　 ﾉヘ::::::..　　 |＼　　　　'　　,′,′
　　　　　　ヽハ.　 |、 　 　 ‐　　ﾉ　/　　　　「……ありが、とう……」
　　　　　　,ｲ::::｝　:|: ＞　,_ 　＜|:: ﾘ
　　　　　　 厂V{　ﾄ､ 　 ｛　ﾉY＾|::人　　　　 「ボク、キノコは……嫌いじゃ、ない……」
　 　 　 　 ／⌒　 ∨　￣￣　人_|/＿＞
　　　 ／(＞┬-､　`ー─=彡　　〉｀ヽ
　　 /⌒＼／　　＼　 　 　 　 ／　 }ハ



　　　　　 ┌────────────────────────┐
　　　　　 │しかし、天才と呼ぶべき明晰な頭脳の持ち主である　　　　│
　　　　　 │ノエルにも、よく分かっていなかった事がありました。　　　 │
　　　　　 └────────────────────────┘

　　　 ┌──────────────────────┐
　　　 │それは、例えどんなに、固い殻だったとしても。　　 　 │
　　　 └──────────────────────┘


　　　　　 ┌────────────────┐
　　　　　 │一度ひびが入ってしまえば、　　　　 　 .│
　　　　　 │崩れ破れやすくなるということを。　　　.│
　　　　　 └────────────────┘


.

646： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/02(月) 01:51:14 ID:gz7T/6To0
2時ぐらいになったので、今日はこの辺りで中断です
お待たせしまってすみませんでした
今週は、金土のどっちかでやる予定です
それではまたまた〜

咳で途中、ちょっと呼吸苦しかったです…(-_-;)

647：どこかの名無しさん：2018/07/02(月) 20:52:37 ID:y2ZICB8I0
乙おっつ

648：どこかの名無しさん：2018/07/02(月) 22:03:28 ID:v6kmJ8Lo0
乙ですー！

649：どこかの名無しさん：2018/07/04(水) 20:47:21 ID:Bsuc4wLc0
乙。elonaのノエルも元ネタの一つかな？

650： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/08(日) 03:20:10 ID:EGmA9I460
4時ぐらいになったら、ちょっと続きやります

651： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/08(日) 04:02:31 ID:EGmA9I460

　　　　　　　＿＿＿
　　　　　／　　 ヽ､_ ＼
　　　 ／（● ） （● ）　＼　　　　 「ほっ……一時はどーなる事かと思ったけど、
　　／:::⌒（__人__）⌒:::::　＼　　　 でも本当によかったお！」
　　| 　ｌ^l^lｎー'´　　　　　　 |
　　＼ヽ 　 L　　　　　　　 ／　　　「……じ、実は……前からノエルちゃんとは一度、
　　　　 ゝ 　ﾉ　　　　　　　　　　　 一緒に話したり、ご飯食べたりしてみたかったんだお……♪」
　　　／ 　 /





　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　 　 　 /　　　/　　　　　　　.:/　　　 　 　 ＼　　 ヽ
.　　 　 　 /　　　/　　　　　　　.:/::/　　　　　　　 ヽ
　　　　　,′　　　　　　　　　　　　　　　｝　　　 　 jﾊ　　ハ
　　　　　　 　 :/　　　　　　　　　　/　　　 　 　 　 ｉ |　　　:i
　 　 　 ｛　/ :;′　 　 　 　 /　　 /　　/}　 　 /　/| |　 |　 |
　　　　　V　.:{: 　　　 　 　 i　　 /　　/ﾒ　　 /|: /⌒|　 |　 |
　　　　　八 .::.　　　　　 　 |　イｉ|: ／/＿__/i_j厶:/厶イ　│
　　　　　{:ハ::ﾊ　　　 　 　 |/斗七=ﾐ　　　　 ﾋﾂﾉ/ .:i:ﾉ　 ﾘ
.　　　　　　　':∧:::｛　　　!八ヽ弋)ｿ　　　　 　 　 　 ::|: |: /
.　　　　 　 　 j:ハ :::.　　 |丶:＼　　 　 　 　 '　　 '　 :|/|/　　　　「……ボクなんか、と……？」
　　　　　　　/⌒ﾍ　|)、　 　::l⌒　　　　 _　　　 厶ｲ::|
.　　　／⌒ﾌ　　　ヽ|ハ:.　　::ﾄ　　　 　 ´　　 イ　　!::|　　　　　 「……どうして？」
　　 /　 ´￣￣￣＼!　 :. 　 ::|　＞　 _..､＜　|::i::　:八|
.　 /　　 ／::::￣｀丶＼∧　　|`ー┴'⌒｝　ヽ|::i::　l
　/　 ／＼::::::::::::::::::＼ヽﾍ　│　　　　人　　)人:│

652： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/08(日) 04:09:31 ID:EGmA9I460

　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼　　　　「いや、だってさぁ……あのロクに動かなかった
　　　|　 　 （ ●）（ー）　　　 オンボロな戦車共を、普通……いや、普通以上に
　　　|　 　 　 （__人__）　　　 動かせる様にするなんて、マジ半端ねぇ腕だろ？」
.　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　「ノエルちゃんみたいなまだ若い子が、
　　／ 　 　 .／　＿ノ　　　　一体どこで、どうやってあんな凄腕技術
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │　　　身につけたとか……やっぱ気になるし知りたくてな」
　　＼　 "　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /





　　　　　　: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/: : :/: : : : : : : : : : : : : : : :i ヽ: : : : : :
　　　 　 : : : : :/ : : : : : : : : : : : : : : : /: : :/ : : : : |: : : : : : : : : : : :i : i: : : : : : :
　　　　 : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : /: : :/ : : : : : : : : : : : : : : : : : i : i : : : : : : :
　　　　l: : : : ′: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |: : : : : : : : : : / !　!: : : : : !: :
　　　　| : : : |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ｉ..: : : : : : : /:/　|: :|: : : : : |: :
.　　 　 !: : : :|:.: : : : : : : : : : : : : : :l : : : : : / : : : /|:.: : : : : : /:/ 　:|: :|: : : : : |: :!
　　　　 |: : : :. : : : : : : : : : : : : : : :|: : : :__/: : : :/-|: : : : : :./'7￣ 了 |: : : ;.ィ: :.|
　　　　 |:./: : ', : : : : : : : : : : : : : :.i: : /:./: : : ;.'　/: : : : : /|/　 　 |/ | イ : : : : !
　　　　 |ハ::::::::. : : : : : : : : : : : : : ｉイ//＿／　 ￣￣￣　,xrや㍉　/.: i:.: : : : :
　　　　 |　 ヽ::::::.: : : : : : : : : : : : : i. ≪¨て::うヽ　　　　　　 いﾉ '　.: : : !: :|: : ,′
.　 　 　 　　　＼::.: : : : : : : : : : : : :ｉ.　　 乂_り 　 　 　 　 　 ¨´　.: : : : i: :.|: :,′
.　　　 　 　 　 　 ', .: : : : : : : : : : : :.＼　　　　　　　　　　　　 　 ; : : : :.i: /|:/
.　　　　　　 　 ＿ ', : : :|:.:: : : : : : : |　 丶　　　　　　　　'　　 　 {: : : : :|/ .|'　　　 「……別に、大した事は、してない……」
　　　　　　／:. :. :. ', : : !' : : : : : : : |　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 八 : : : l
.　　　 ＿/:. :. :. :. :. ', : :! ', : : : : : : |　　　　　 　 　 ,..　 　 　 .ｲ:.: : : : :.!　　　　　 「ここに来る前に……ちょっと勉強したり、
　　／:. /:. :. ＿＿:.: ' : |:. ', : : : : : :|`　.　　　　　　 　 　 イ:::::::::: : : i : |　　　　　 色々いじったりしてた、だけだから……」
.　/ :. :. :. :. :. :. :. :. : : ', | :. ', : : : : :.:丶　`　　　　 　 ／　 l:::::::::: : : :|', |
. /:. :. :._,､ -――‐--...',|.:.:. ', : : : : |:. :.＼＿{__ ｀¨´ヽ: ＼ !::::::::: : : :! '

653： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/08(日) 04:13:23 ID:EGmA9I460

　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　　　　　　　|　　　 （ ●）（●）
.　　　　　　　　　　　　　|　u.　　　（__人__）　　　　　　　　　　　「……はぁっ！？ 嘘だろっ！？
　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　　 .だってぶっちゃけた話、前にいた整備兵の、
.　　　　　　　　　　　　　 |　　　 .　　　　}　　　　　　　, ´　　　　整備一筋30年のじーさんよりよっぽど仕上がりよかったぞ！？」
.　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　 　 }　　　　　　(
　　　　　　　　　　　 　 　_ヽ　　　　　ノ｀ヽ､_　　　　 ）　　　　　「いくらなんでもそりゃありえねーよ、絶対嘘だろ……」
　 　 　 　 　 　 　 　 _/｜＼ `　､,__ ､小　L　￣ ヽ （
　　　　　 　 　 　 _, ハ　 ＼　｀ ァ､　/ﾍ,レ―‐‐､__i__,）
　 　 　 　 ,　-‐ ´　　 ,ゝ 　 ＼/ _ 又／　 　 ,ヽ＼丁





　　　　　　　　　　　　 _,　-‐‐-
　　　　 　 　 　 . 　 ´〃　　　　　　｀　 ､
　　　　　　 ／　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　／　　　　 ‐-　　　　　　　　　　　 ヽ
.　　 　 /　／　　 　 　 　 ｀ヽ　　　　　　　　　ヽ
　　　 /　/　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　 　 　 ﾊ
　　　,　　 　 　 |　　　　､　　　　　　　　　　　 　 |
　 　 i　　　 　 ｜　　　 | ＼　　}　　　　 　 　 　 ｊ
　 　 |　　 　 　 |　　　　|'´ 八jハ　　　　　　　　,
　　　l　　 　 |､_ﾄ .＿_,从ｨ笊ラﾊ{　 　 　 　 　 /
　　　',　 ＼Ｎｧ=ミ、　　 ﾉ Vソ　|　 /　　　　〃
　　　 　 　 ⌒ Vソ　　 　 　 　 ｜ '　 　 　 /(
　　　　ヽ　　}ﾊ　　　､　　 　 　 ﾉｲ　　　　∧　　　　「……ゴメン」
　　 　 　 ＼　 }ﾄ､　　　_　　　　　|　　　 ,
　　　　　 　 ＼　个ト .　 　 　 .ｲ | 　 　 {　　　　　　「でも、本当なん……だ……」
　　　　　 　 　 i 　l |　N≧ 爪 　 |　 ∧ハ
　　　　　 　 　 l∧　　|＿__ ノ}　 ハ '　　　＼
　　　　　　 　 ﾉ　ﾊ　｜　 　 , 　 　 }　　　　　＼
　　　　　　 　 ／　lハ|　　　　　 　＿__　　 　 　 ヽ

　　　　┌────────────────────────┐
　　　　│ノエルの言葉通り、彼女の言ったことは本当でした。　　　..│
　　　　│ノエルは、嘘をついたり、自分を飾ったり出来る程、　　 　 │
　　　　│世渡り的な意味で、器用な子ではないのですから。　　　　.│
　　　　└────────────────────────┘

.

654： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/08(日) 04:18:52 ID:EGmA9I460



　　　　　　　 ┌───────────────────────────┐
　　　　　　　 │もっとも、兵士たちが疑念を覚えるのも仕方はないでしょう。　　.....│
　　　　　　　 └───────────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　 /[二iﾆﾆi＿＿ ＿i≦三三=｢|_ ＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　＿＿＿＿＿ /7￣| 　 /　　　＼　　＼≦｣三ﾆi_ ＿＿＿ ＿＿＿＼_ ＿＿＿ ＿＿＿
　　　　　　　　/ 　 　 　 　 　 /　　 |　/　　　　　 ＼　　｀<＿＿（　　　　（＿＿＿_(::)_(＿＿＿(＿＿＿(:)
　 　 　 　 　 /＿＿＿＿＿_/＿＿i|/＿＿＿＿_ -咼[[Oi､､￢＼￣￣￣　　　 ＼≦_/[O]＼
　　　　　　　 ﾒ､ﾞ~ﾞ~ﾞ~ﾞ~ﾞ~ﾞ~ﾞ~ﾞ~ﾞ~ﾞ~ﾞ~ﾞ~ﾞ~ﾞ~ﾞ~ﾞ~ﾞ~ﾞ~¨＼､＿＿_＼]iiiｺ_>｢[}　　　　_[[i､＼＿⊥＿＼__
　　　　　　　i戈iiiiiil!::]]| ､／]]:::/]]:＝≧---､:/^ ]] i!圭圭圭i｢ ￣￣￣￣￣￣￣￣ ￣7圭圭i!￣
　　　　　　　 ヾ:γ｀Ｙ´｀Ｙ´｀Ｙ´｀Ｙ´｀Ｙ'´ヾヾ:l 0 :７圭圭圭７:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≦7圭圭i!
　　　　　　　　ヾ|!:0 |i:0 l|i:0 l|i:0 l|i:0 l|i:0 ｉ|::|::ゞ７亙亙亙７─────────'､:７亙亙/
　　　　　　　 　 ヾ_,人__人__人__人__人__ﾉ,ﾉ:≦亙亙亙７::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≦亙亙≠
　　　　　　 　 　 　 ~ﾞ~ﾞ~ﾞ~ﾞ~ﾞ~ﾞ~ﾞ~ﾞ~ﾞ~ﾞ~ﾞ~ﾞ~ﾞ~ﾞ~”ﾞﾞﾞﾞﾞ~ﾞﾞﾞ" ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~”ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ~ﾞ

　　　　┌───────────────────────────────┐
　　　　│彼女の整備兵としての腕は、老兵ながらそれなりの　　　　　　　　　　　　　....│
　　　　│知識と経験は持っていた前任者をとっくに上回り、　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　│熟練のそれとほぼ同等の技術と知識を身につけていたのですから。　　　....│
　　　　└───────────────────────────────┘


　　　　　　 ┌───────────────────────┐
　　　　　　 │普通の人間からすれば「大した事」を、　　　　　　　　 　 .│
　　　　　　 │平然とした顔(に見える顔)で「大した事ない」　　　　　　....│
　　　　　　 │と言ってのける彼女を奇妙だと思ってしまうのは、　　......│
　　　　　　 │仕方のない事なのです。残念な、ことに。　　　　　　　　...│
　　　　　　 └───────────────────────┘

.

655： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/08(日) 04:24:59 ID:EGmA9I460


///////|　　　　 　 　 　 　 　 　　 　ヽ　　　　 ヽ
///////|　　　　　　　　　　　　　　　　 Ｙ　　　 　 .
///////|　　　　　　　　　　　　　 ｉ
///////| 　 　 　 ′　　 　 　 　 ｉ}　　　 　 　 Y　　i
///////|　　　　/　　　　　 　 　 ﾘ　　　}　　　 ｉ　　|
///////|　　/ 〃　　　　　　 　 /　　　　 　 　 |　　}
///////|　イ_/ {＿　　 　 　 ｲ/ 　 　 /　　　　|　 /
///////| 　 　 　 　 ￣_ 二 」〈　　 //　　　 　i| ./
///////| 　 　 　 　 〃(ｒ:::::ﾉﾘ＾≫ｲ/　　　　　ｌ}/
///////|　　　　　　　 ｀ ー ´　 　 ′　/　　　ﾘ
///////|　　　　　　　　　 　 　 ／　　/　　/ /
///////|　　　 　 　 　 　 　 ／　　　/　　/ /
///////|　　　　　　　 　 ＜ ＿　. イ　　/イ　　　 「……本当、だけど……
///////|ヽ　　　　　　 　　 ｉ　 　 　 　 ﾊ {　　　　　でも、信じなくても……」
///////| 　 　 　 　 　 　 イ |　　　　　 {
///////|＿　　　 -‐　　／: :|　　　　/ハ　　　　　 「……別に、いい……や……」
///////|　　 　 　 　 ／: : : :ｉ　　　 /＼
///////|＿＿_ 　 ／: : : : : :ｉ　 　 /: : : 〉_
///////|: : : : : : : : : : : : : : :.　　 /: : ／: : :＼
///////|: : : : : : : : : : : : : :.ﾉ　 }/: : : : : : : : : : :.
///////|: : : : : : : : : : : : :ー:イ/: : : : : : : : : : : : 〉


　　　 ┌──────────────┐
　　　 │ノエルは、慣れていました。　　 　 │
　　　 └──────────────┘

　　　　　　┌────────────────────────────┐
　　　　　　│人から誤解される事にも、つまらない奴だと思われる事にも、　　 　 │
　　　　　　│彼女にとっては些細な事がきっかけで嫉妬され、　　　　　　　　　　.....│
　　　　　　│時には憎まれる事にも、常に好奇と嫌悪の視線の中、　　　　　　　　│
　　　　　　│孤立と孤高と孤独の狭間にいる事にも。　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　└────────────────────────────┘


　　　┌─────────────────┐
　　　│悲しいことに、慣れきっていました。　　　 │
　　　└─────────────────┘


.

656： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/08(日) 04:31:35 ID:EGmA9I460


　　　　　 ┌─────────────────────────┐
　　　　　 │けれど、ノエルが自分の殻に閉じこもろうとしたその時。　 　 │
　　　　　 └─────────────────────────┘


　　　　　　　　┌────────────────────┐
　　　　　　　　│いともあっさり、簡単に、あけすけに。　　　　　......│
　　　　　　　　│やや図々しく、だけども明るくほがらかに。　　　 .│
　　　　　　　　└────────────────────┘

　　　　　　　　┌───────────────────┐
　　　　　　　　│彼女の心の壁という名の殻を飛び越え、　　　.│
　　　　　　　　│こじ開けてしまうような少女がいました。　　 　 │
　　　　　　　　└───────────────────┘



　　　　　　 　 　 　 ／.::.::.::.::.::.::.::/.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::ヽ
　　　 　 　 　 　 ／.::.::.::.::.::.::.::.:::ハ.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:::.
.　　　　　　　 ／ .::.::.::.::.::.::.::.::.:/　 i.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:::i
　　　　　＿イ＿_ .::.::.::.::.::ﾊ.:::/ 　 ﾊ.::.::.::.::.:::|.::.::.::.::,.::.::.::.::.::.::.::.::.:|
　　　　　　　 　 | .::.::.::.::.::.| ∨⌒｀小.::.::.::.::.ﾘ.::.::.:::/ヽ.::.::.::.::.::.::.::.:!
　　　　　　　 　 | .::.::.::.::.::.|　　　　 ハ.::.::.:::/ﾊ.::.::/⌒ヽ.::.::.::.::.::.:::j　　　 「……んも〜、そんなことどうだって良いじゃないですか〜」
　　　　　　　 　 | .::.::.::.::.::.| ＿＿_　　ヽ.:::/　 レ' 　 　 ∨.::.::.::.:,ｲ
　　　　 　 　 　 ∨.::.::.::.::::ト￣￣｀ヾ　 ∨　 ＿＿　 　 }.::.::.::.:/iﾘ　　　 「せっかくノエルちゃんと一緒にご飯食べれるんだから、
　　　　　　　　　人.::.::.::.::.:N "　 "　　　　　 ￣￣｀ヾ /⌒}:,< ノ、　　　そんな話は後でしましょうよ〜」
　　　　　　　 ／_ノ|.::.::.::.:∧　　　　 　 '　　 "　　 "　 ∨人∧ヽ::＼
　　　　 　 ／ ::::／|.::.::.::.::.人　　　 ､　　 　 　 　 　 ｧ､イ/∧ ゝﾉ::::: ＼
.　　　 　 /::::::／　 !.::.::.::.::.::.::.ﾄ､　　　　　´　 　 　 ｲ::／::/　 ＼:::::::::::::::＼
　　　　 /:::／　　　ﾍ.::.::.::.::.:／::＞.、　　　　　 ＜´ﾚ':::::/　　 　 ＼::::::::::::::)
　　　　 ∨　　　　　 ∨.::／:::::::::＼ ≧‐≦　／::::::::::::::/　　　 　 　 ￣￣ヽ
　　　　　{　　　　　　 |.::.:i､:::::::::::／――‐＜::::::::[]::::::/　　　 ./ 　 　 　 　 }　　　　┌───────────┐
　　　　　ヽ　 　 　 　 ! : :| ヽ::::/　　 ○ /　 ヽ:::::::::::/　　　 ./　　　 　 　 /　　　　│そう、カナタでした。　　　　.│
　　　　 　 〉　　 　 　 |.::.:|　 ∨　　　　 { 　 　 ＼:::/　　　 ./　　　 　 　 /　　　　 .└───────────┘
.　　　　　 {　＼ 　 　 ﾍ ::!　 　 　 　 　 |　　　　 ∨　　　 /　　　　　　 〈
　 　 　 　 |　　 ＼　　 ∨　　　　　　　 |　 　 　 　 　 　 / 　 　 　 　 　 }

657： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/08(日) 04:37:38 ID:EGmA9I460

　　　　　　 （⊃￣￣＼
　　　　　（⊃　　 _ノ　　＼
　　　　（⊃　　 （ ●）（●）　　　　　「おいおいカナタちゃん……
　　　　　|　　　　 （__人__）　　　　　 別にどうだって良い事はないだろ」
　　　　　|　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　　 　 　 |　U　　　　 　 } ＼　　　　「むしろ俺はだな、実際にあれに乗る
　　　　 ／ヽ　　　　　　 }　　＼　　　戦車乗りとして、知っておかなきゃ――」
　　　／ 　　ヽ､＿＿__ノ　　 　 ）
　 ／　　　　　　　　.　 　|　＿／





　　　　　　　　 ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　 .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,
　　　 　 　 /.: .: :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
.　　 　 　 /.: .: :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:∧:.:.:.:.:.:.: :|:.:.:.:.:.:.:.:|:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　 　 / . : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/|/　 ',:.:.}:.: : :ﾄ､:.:.:.:.:. |:∧:.:.:.:.:.:.:.:|
.　　 　 /| .: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:∠⊥　　∨:.:.:.:.:|　＼:.:.:.|{_人:.:.:.:.:.:.:|
　　　 〃{.:.:/.:.:.:.|.: .:.:/|/ 　 |　｀　 |:.:.:∧| ´⌒＼ﾄ(_ノ}:.:.:.:.:.:.|
　　　｛.　∨.: :.:八.:.:.:　 ≫=ミ.　　 |: /　ﾉ ≠ミ 　 ﾉ!:.:|:.:.:.:.:. |
　 　 　 　 :.:.:.:.:.:.:.丶{〃 _,ｿﾊ 　　 |/　　　_,ｿﾊ｀Y　しヘ :.:.:八
　　　　　 |.:∧:.:.:.:. : :＼弋'ツ　　　　　　 弋'ツ　　　　　}:./
　　 　 　 j/　 ;.:.:.:.:.: ト　ゝ　　　　　　　　　　 　 　 ノ　人|
　　　　　　　　}:.:.:.:.:.:|　　""　　　　'　　 　 ""　 厶イ:.:.:/
　　　　　　　　|:.:.:.:.:.:|∧　　　　 ､　　_　　　　　/.:.:/|:.:/　　　　　「まぁまぁ、それはおいおいと分かることだと思いますよ〜
　　　　　　　　|:.:.:.:.:.:|　l丶　 　 　 　 　 　 　 .ｲ.:.:/ .ﾚ′　　　　 仲良くなって、いっぱいおしゃべりすればねっ！」
　　　　　　　　|:.:.:.:.:.:|　|/ ,＞　　　　　　　イ＾ヽ/
　　　　　　　　|:.:.:.:.:｜　/　　|　＞--＜　| |　　',＿_,xヘ　　　　 「……ねっ、ノエルちゃん？」
　　　　　　　　|／⌒ヽ./ 　{ノ　　　 　 　 乂　 （　(⌒＼ ヽ
　　　／´￣　/ 　 ／⌒)　 ＼　　　　 ／　　　(⌒＼　　　 ∨‐-
. 　 /{　　 　 ,'　／ 　／⌒).　 ＞-　/⌒丶 (⌒＼　 ヽ　　　}　　　｀ヽ
　　{　､　　　{　　　　　 ／⌒) 　 　 ｛　 　 　 ＼　　　　　　ノ　　　　 jﾊ

658： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/08(日) 04:40:14 ID:EGmA9I460




　　　 　 　 　 　 /　　 /　　　　　　　　　　　　　　　 :.
　　　　　　　 　 ' 　　/ 　 　/　 　　　　　　　　　　　ハ
　　　　　　 　　ｉ　 　' 　 　/l 　 　 l 　 ﾄ.　　　　　　 l　｝
　　　　　　　 　l　　 　ﾊ-/‐l , 　　|、 」_!　 ,　　　　 | /
　　　　　　 　 八 　∨ ｊノ　.|ﾊ. 　 | ヽﾊlヽ/　　　　//　　　　「……うっ、うん……」
　　　　　　　　　 ヽ ハ ヾﾋテ'　＼|｀ﾋテ>ﾊ　　　 /, |
　　　　　　　　　　 |　 ゝ　:::::　 　 　 :::::　厶ｲ　 /∧|　　　　 「多分……そうだと、思う……」
　　　　　　　　　　 | 　∧　　　 ′　　　u. _, l　 '/
　　　　 　 　 　 　 И　　ト.　　 c 　 　 .イ/: l　/
　　　　 　 　 　 , -‐ﾍ. 　|l　｀≧=-＜__|_厶　 ∧　　　　　 (……『仲良く』とか、訳の分からない事を言ってるけど……)
　　　　　　　 ／＞ ､　ヽ|｀丶､　　　　/　/　∧厶ヽ
　　　　　　 /⌒′　 ＼　 　 　 ー=≠＼^ ｲく/　＼>､　　 (今はこの子に合わせておいた方が、
. 　　　　　/　　 　 　 　 丶 、　　　 　 ／ヽ 　}　 　 }∧　　ちょっとはマシ……なのか、な……？)
　　　　　 {　＼　　　　 　 　 |｀ ーｒ‐ ´ 　 | ＼!　　 /　}


　　　　 ┌──────────────────────┐
　　　　 │カナタからいきなり無自覚に渡された助け船に、　　　│
　　　　 │ノエルは思わず乗りこんでしまいました。　　　　　　......│
　　　　 └──────────────────────┘


　　┌──────────────────┐
　　│それが、助け船である事も知らずに。　　......│
　　└──────────────────┘


.

659： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/08(日) 04:45:53 ID:EGmA9I460


　　　　 ┌──────────────────┐
　　　　 │結局、ノエルに向けられた、　　　　　　　　.....│
　　　　 │疑惑に近いもやもやな疑問の雲は、　　　　.│
　　　　 │いつの間にやらうやむやとなり。　　　　　　 .│
　　　　 └──────────────────┘



.　　　　 　 /.:::::::::/.::::::/.:::/|::::::::::::::::::::::::::ハ::::::::|:::::::::::::::ヽ
　　　　　 /.:::::::::/.::::::::|::::_,ノ::::::::;:::::::::::::.ヽ._|::::::::|:::::|::::::::::::::.
　　　　／.:::::::::/.:::::::/ !:/　ﾄ､:::::{:::::::::::/　　|::::::::|匸〕:::::::::::::::.
　　　..::::::::::::::/::::::::/　ｊｘ＝ミ ヽ::::::::::/ ,x＝|::∧ｊ 匸〕::::::::::::::::
　　厶イ i:::::::::::::::/　〃 んﾊ　ハ:::::/　 ん.ﾊ ｀Y　 }::::::::::::::::::::i
　´ 　 　 |::::::::::::::|　八 弋:ツ 　　Ｖ　　弋:ツ　ﾉ　ｲ:::::::::/:::::::::l
　　　　 八:::::::::::::.　　　 ｰ　　　　,　　　　ｰ 　 　 /⌒Ｖ:::::::∧|
　　　　　　ヽ:::::人',　　:.:.:.　　　　　　　 　:.:.:. 　　 くう }:::::/
　　　　　　　}::::::::个　　　　　ﾉ､__　　　　　　　　　ノ .ｲ::/
　　 　 　 　 .:::::::::::|八　　　　　 　 ｀¨´　 　 　 .ｨしく::::|/
　　　　　　 ｉ::::::::::::l::::::＼　　　　 　 　 　 　 ／:::::ﾉハ::|　　　　「あっ、そうそう！ 私、みんなで食べようと思って、
　　　　　　 |::::::::::::|ヽﾊ::::::>.、　 　 　 　 .イ=孑彡 　 :ｊ　　　　 昨日山でキノコや山菜を採ってきたんですよ〜」
　　　　　　 |::::::::::::|　　∨ﾆﾆi 　 ｰ　　 　 |ﾆﾆ}八
　　　　　　 |::::::::::::| 　 /ﾆﾆ{ﾊ　　　　　　 乂７ﾆﾆ＼
　　　　　　 |::::::::::::|___,'ニニⅥ　 　 　 　 　 /ﾆﾆﾆﾆ}ｉｰｒ‐ 、
　　 ／⌒ヽＬ、::::::|::::;ニニﾆﾊ　　　　　　∠ﾆﾆﾆﾆﾆ}l乂ｰ=へ、
　 /　／⌒ヽﾉ ::::::|:::i{ﾆﾆ〃ﾆﾊ.＿＿_∠⌒ヽﾆﾆﾆﾆﾘ::::::｀ ＜ﾆ＼
. /　　　　'⌒Ｙ:::::::|:::l{ﾆ〃／::::::::::::::::::|:::::｀ヽﾆVﾆﾆ/:::::::::::::::::::＞､＼





　　　　 ＿＿＿_
　　　／　　　　　＼
　 ／　　─　 　 ─＼　　　　「……えっ？ またかお……」
／ 　　‐=・=‐　‐=・= ＼
|　u　　 　 （__人__）　 　 |　　 「オメーはいつも、キノコばっか採ってくるけどよ……」
＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ,／


　　　　　　┌───────────────────────┐
　　　　　　│なし崩し的に、兵士たちにとってはいつも通りの。　　 　 │
　　　　　　│ノエルにとっては初めての、他の誰かと共に、　　　　　　│
　　　　　　│楽しく語らいながらの食事が、はじまりました。　　　　　 .│
　　　　　　└───────────────────────┘

.

660： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/08(日) 04:47:48 ID:EGmA9I460

　　　　　　　/:.:／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
.　　　　　　/:.:/.:.:.:./.:.:j.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ.:.:._:.:.:.:.:.
　　　　　　.:.:/.:.:.:./／∧.:.:.:|＾ヽ.:.:l∨ 〉:.:ｌ.:.ｌ
　　　　　 ｌ.:.:l.:.:..:〃　ｕ　Ｖ:.|　 |:.:.| ∨:.:.:l.:.:|
　　　　　 |.:.:l:.:.:.l┼‐一　}ﾊ| ｰjﾉﾉ‐ Vヽｌ.:.ハ
　　　 　 人:.:.:.:.:{　≡≡　 ﾉ ≡≡ 　/＾|//　　 「も〜、その顔はなんなんですか〜」
　　　 ／　 ∨.:.:ト　,.,.　　,　　　,.,.　　__ﾉ/
　　　　　　　|.:.:.圦　　 　, !、　　ｕ ﾉ八:l　　　　「今度はちゃんと、変な毒があるやつや、
　　　　　　　|.:.:.:|　＼　　ｰ'　　 ／/ 　 |　　　　見た目はおいしそうだけど食べたら
　　　　　　　|.:.:.:|　 ∧トr--: イﾊ:.:j＼　　　　　 毒があるって聞いてるのは、ちゃんと取りのぞいてますから〜」
　　　　　　　|:i.:.:|　/:::{:::}　　　　 ∨::::.ヽ__
　　　　　 　 jﾊ.:.|７l:::::.Ｖ　　　　 /::::.::/::｝Ｏ丶
　　　　　 ／ ∧:!:|:l:::::∧_＿__／::::.::/::/⌒＼ ＼
　　　　 厶イ: : j| |:l:::／: : : : |＼::::./::/: : : : : ＼入
.　　　 /: : : : : : : j／: : : :Ｏ:｜: :ヾ／: : : : : : : : : : ヽ





　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　..:::::::::::::::::::::::::::::::::_:::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　 ..::::::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::::::::::＼::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..::::::::::::　:::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
　　　　　　　　　　　　　　|　　 　 :::::::::::::　::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /:: |　i
　　　　　　　　　　　　　　|　　　 :::::::::::::　:::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::::::::/ ::: |　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　::::::::/　::::::::::::::::::::|/: ／|::::::::j::::::::::::::::: /:|::::: |　|
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 :::::/　 .::::::::::::::::::::|: /ノ|　::/|::::::::::::/:/　|:::::ｉ|　j
　　　　　　　　　　　　　　　∨:｝　:/　..:::::::::::::::::::::::爪＾ｱ尓ミ Ｌ:::::::/l/＼ﾚ::::ﾘ /
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ∨:::/　.::::::::::::::::::::::::::|　 弋(ソ　　　　 y≦ｧ从/i/
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 厶:∧　 :::::::::::::::::::::::::|　　　　　　　　　ﾋ(ﾝ,:'::/ /
　　　　　　　　　　　　　　　　 j人::ヽ　 :::::::::::::::::::::|　　　 　 　 　 、　 .::::/ /
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _｝:::',　 :::::::::::::::::::|　u 　　　　 　 　 /:::/ /
　　　　　　　　　 　 　 　 　 __厂V__:∧　::::::::::::::i:::|　　　　　　　　 ..::::/ /
　　　　　　　　　　　 　 ／　/　　 : : : :Vﾍ ::::::::::i:::|、　　　 ´' .イ:::::::／　　　　　 「……？ どういう……こと？」
　　　　　　　　　　　　/　ｰ┴　　_: : : : : : ＼::::::i:::|/＞: :-＜｝::::::/|/
　　　　　　　　　　　ノ　　　　　　　｀: :ー-: : :＼i:::|＼_人/⌒|::::∧|
　　　　　　　　　 〃　　 　 　 　 : : : : : : : : :＼: ヽ|: : : : : ）: :j／: :｝

661： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/08(日) 04:50:06 ID:EGmA9I460

　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　|　　 　（ ⌒）（⌒）
　 　 　 　 　 |　　 　　（__人__）　　 「いや、それがなぁ……カナタのヤツ、
　　　　　　　 |　　 U　 ｀ ⌒´ﾉ　　 近くの山で色んなモンを採ってくるのは
　 　 　 　 　 ,|　　 　　　　　 }　　　良いんだけどよ……」
　　　　 　 ／ ヽ　　　　　　 }
　　　　　く 　く ヽ　　　　 ノ　　　　「これがまた何故か、結構な確率で、
　　　　 　 ＼　`' 　　　 く　　　　　毒のあるヤツを採ってくるんだよなぁ……
　　　　　　　 ヽ、　 　 　 |　　　　　しかも悪気なく……」
　 　 　 　 　 　 | 　 　 　 |





　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　　 　 　　＼　　　　「まっ、たいがいは見た目からして明らかにヤベーから、
／ 　　　　　　　　　　＼　　　食べて悶絶してチーン……なんて事はないんだけどよ」
|　 　　　＼　　 ,＿　　 |
/　　ｕ　 ∩ノ ⊃―）／　　　「でも、数ヶ月前に中央から赴任して来た
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |　　　　 エリート士官さんにまで毒キノコ食べさせようとした、
.＼　"　　／＿＿|　 |　　　　って聞いた時は、さすがに肝を冷やしたお」
　　＼ ／＿＿＿ ／

662： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/08(日) 04:53:01 ID:EGmA9I460

　　 　 　 　 　 　 　 　 　 -‐…‐-
　　　　　　　　　.　. :´: : : : : : : : : : : ｀丶、
　　　　　　　／　　. : : : :/　 . : : : : : : : : :＼　　て_
.　　　　 　 /　　　: : : :/ｌ|　 : : : : : :ヽ: ∧: : :.　　 そ
　　　　　 /　　 : : : : / 八: :　: :|｀ヽ: :〈 /〉 : : :.
　　　　　,　　 : : : : ｲ　 　 ｀ヽ: :|　　}ヽ∨: : : : i
　　　　ノ　　: : : :/｀卞､ヽ　　∨匕ハ　 } : : :V:!
　　　⌒了　: : : :{ イ≡ﾐﾄ､　　才≡ミj　ﾙ‐､: : {
　　　 　 乂 : :人{ ゞ==彡　　　ゞ==彡′ rう} ∧
　　　　 　 /　: :∧　　　　 　 '　　　 　 / ノ :|　　　　　「んも〜、ノエルちゃんの前で
.　　　 　 /　: :/乂'.　　　r=== ､ 　u　/´|｀ヽ|　　　　　変なこと言わないで下さいよ〜」
　　　　 /　: :/ 　)人　　 |lliiiiiiiill|　　 .ｲ l丿
　　　　 . : : :{　　l｀Ｙ::＞―‐ｖ―＜_ﾉＹ´!　　　　　　　「あの時はね、ちょ〜っと、
　　　　| : : : L、_l　l/　 二Ｙ^Y二　∨ /＿_　　　　　　ちゃんとしたのとそうじゃないのを
.　　 　 〉､∧{ﾆﾆｊ　}　　,-‐､Ｖ_,‐-､ 　 {ﾆﾆﾆ＼　　　　.見間違えただけなんですから！」
　　　　/ﾆヽ.::::::/　 　 /:::::::(__):::::::ﾊ 　 V::ヽﾆﾆ＼
　　　 广｢.::::::::::!　　　 ＼:::::::::::::::／　　 '.:::::::ー＜!
　　　｛::::{::::::::::::|　　　　 ⌒ヽ〃⌒ 　 　 !::::::::::::::/|
　　　 ､:::::::::＿/ 　　´/￣￣｢:::￣} ｀　　|::::::::::::/:::
　　　 ∧ /::::/ 　 　 /＼:::::(__)::::/l 　 　 |＼:::::::::/




　　　　 　 　 　 　 ／. : :: : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ' ,
　　　　　　　　　 /: : : :: : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ‘，
.　　　　　　　　 /: : : : : .: : : /: : : : : : : : l : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.∧
　　　　　　　　/: : : : : : : : :.,' : : : : : : : : l : : : : : : : : :' , : : : : : : : : : :∧
　　　 　 　 　 { : / : : : : : : i . .: : : : : : : i : : : : : : : : : :.ヽ: : : : : : : : : :∧
　　　　　 　 　 V : : : : : : : : : : : : : : : : :lヽ: : : : : : : : : : {＼: : : : :八: : /
　　　　　　　　　〉 : : : : : : : : : : : : : /|.:.l　',.: : : : : : : : : ｉ!　|.: : : /　}: /　　　　　 「そ、それにですね！」
　　　　 　 　 　 j八: : : : : : : : : : : :/-| :ト､|: : : : : : : : : :ﾘ_.｣.: : :,ﾍ　rﾍ､
　　　　　　　　 　　 〉: : :/.: : : : :.〃　jノ　 ｌ: :l: : : : :/!:./´　j : / 　/ 　 )〉　　　　「ちゃんとゴメンなさいもしましたし、
　 　　 　 　 _＿　 /: :／.: : : : : : l{ ,ｨfﾃﾐ､　Ⅵ: : : / j/,ｨfﾃﾐ,ｲ 　/　　´　　　　　.士官さんはとても優しい人ですから、
　　 　 　.ィ(　　ﾉ/／ヽ: : : : : : : i〈(　r'ｲﾊ　　|: : /' 　 rｲﾊ　}〉 〃/＞x､　　　　 .まったく怒ってなかったですよ！」
.　 　 ／////////..ノ　V : : : : :.L.._弋'ツ　　j／ 　　弋ツ　' ///////∧
　　 /////¨￣￣.:.:.:.:.:.:|: : : : :.Ｙ⌒ヽ　　　　　　　　　　　　 /￣￣￣V/∧　　　「……だから、問題はないはずです……多分……」
.　 /////.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| : : : :.∧　　　'""　　　　,　　　''"　.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V//!
　 {////.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| : : : :{∧＼　u　 　､__　_, 　 　　, ｲ .:.:.:.:.:.:.:.:.:　r==ｲ
　 ｒ==┘ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| : : : |/∧　｀　.　　　　 　 _.. イi//.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:　/
　 |　:..:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:‘．: : i//∧　　　｀　ｰr＜//////.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:. 　'

663： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/08(日) 04:58:46 ID:EGmA9I460


　　　　　 　 　 　 ＿＿__
　　　　 　　 　 ／_ノ 　ヽ＼
　　　　 　 　／ （ ●）　（●）、
　　　　　 ／::::::::⌒（__人__）⌒＼　　　　 「ったく……士官さんにはマジで感謝しとけお？」
　　　　　 |　　 　　　|r┬-|　　　 |
　　　　　 ＼ 　 　 　 `ー'´　　／　　　　 「んじゃ、さっそく、今日採ってきたってヤツを
　　⊂⌒ヽ　〉　　　 　　　 ＜´/⌒つ　　 見てみようかお――」
　　　 ＼　ヽ　 /　　 　 　 　 ヽ　/
　　　　　＼_,,ノ　　　　　　|､＿ノ





　　　　　　 ┌───────────────────────┐
　　　　　　 │　　　　 _,,,……,,__　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
　　　　　　 │　　／_~　,,…:::＿::;; ~”‘ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
　　　　　　 │　(,, ‘”ヾヽ　 i|i　//^”ヽ,,)　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
　　　　　　 │　 　^ :’⌒i　　　　i⌒”　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .│
　　　　　　 │　　　　　 |（　´∀｀）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
　　　　　　 │　　　　　 |（ﾉ　　 |つ　　 「……ｳｯｽ!! ｱﾝﾄﾞ ﾖｰｯｽ!!」　　　　.│
　　　　　　 │　　　　　 | 　　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
　　　　　　 │　　　　　⊂ ＿ ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
　　　　　　 │　　　　　　　””U　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....│
　　　　　　 └───────────────────────┘


.

664： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/08(日) 05:00:12 ID:EGmA9I460

　　　　 ＿＿＿_
　　　／　　　　　＼　　　　　　「……これ、また毒ありなんじゃねーのかお？」
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　‐=・=‐　‐=・= ＼　　　 「しかも、ただ痺れたり笑い転げたりする
|　u　　 　 （__人__）　 　 |　　　だけじゃなくて、もっと強力な何か的な……」
＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ,／





　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　　　　　　　|　　　 （ ●）（●）　　　　　　　　　　 「いや、そもそもこれは山で採れて良いものなのか……？」
.　　　　　　　　　　　　　|　u.　　　（__人__）
　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　　　　　　　　　　 「植物以外の得体の知れない何かな気がして
.　　　　　　　　　　　　　 |　　　 .　　　　}　　　　　　　, ´　　　ならないだろ、生存本能的に考えて……」
.　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　 　 }　　　　　　(
　　　　　　　　　　　 　 　_ヽ　　　　　ノ｀ヽ､_　　　　 ）
　 　 　 　 　 　 　 　 _/｜＼ `　､,__ ､小　L　￣ ヽ （
　　　　　 　 　 　 _, ハ　 ＼　｀ ァ､　/ﾍ,レ―‐‐､__i__,）
　 　 　 　 ,　-‐ ´　　 ,ゝ 　 ＼/ _ 又／　 　 ,ヽ＼丁

665： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/08(日) 05:04:34 ID:EGmA9I460

　　　　　　　　　　　　　／::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::＼
　　　　　　　　　　　　.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:＼::＼::.::＼
　　　　　　　　　 　 /::.::.::.::.::.::.::.::/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.ヽﾍ_ヽ
　　　　 　 　 　 　 ,′::.::.::.::.::.::.::.::.::.::/::.: ::.::.::.::.::.::.::.: |.::.::}.::.::∨｀ﾊ
　　　　　　　　　　 ::.::.::.::.::.::.::.::.::|.::.::.|.::.:｛ :.::.::.::.::.::.::. |.::.::|.::.::.::∨: |
　　　　　　　　 　 |::.::/.::.::.::.::.::.::.|ｉ::.:∧:.::|＼:.::.::.::.::.::∧::∧.::.::.ハ: |
　　　　　　　　 　 |::. |::.::.::.::.::.::.: |i.::.ﾄ､';.::|　 ヽ.::.::.::./斗≦ｘ::./:.::j: |
　　　　　　　　 　 |::. |::.::.::.::.::.::.: |iヽ| x≧ミ=-ﾊ:.::./　ｨうﾊ ⅣﾞY::.人
　　　　　　　　　　:.::.j::.::.::.::.::.::.::八 〃_ﾉﾊ　 　 ∨　 弋:リ　{＾ |〈
　　　　 　 　 　 　 ∨ ::.::.::.::.::.::.:.::.:.　弋:リ　　　　　　　´　 　 八|
　　　　　　　　　　　}::.::.::.::ｲ::.::.:＼:.:ヽ　´　　　　　 ,　 　 　 iｲ　ﾉ
　　　　　　　 　 　 厶ｨ:.::.::.|::::.::.:|:_＼_:＼　　　　　 　 　 　 从　　　 「んも〜、今度は大丈夫ですって〜
　　　　　　　　　　 　 j:/＼i.::.::.::|::个 　 　 　 　 (　’　 　 ｲ::. |　　　 ちゃんと、図鑑見てとってきましたよ〜」
　　　　　　　　　　 　 　 　 |:.::.:: i/7 　　丶、 　 　 　 ／|　＼|
　　　　　　　　 　 （ﾞ＼　　 | :.::. | 八　　 　 ｀　ｧr-＜ ::.:|　　　　　　 「……ねぇ、ノエルちゃん？
　　　　　　　　　　　ヽ ヽー|::.::.::|　　＼＿　　/ ﾉ {＼＼|　　　　　　 これ、食べられるヤツだよねぇ？」
.　　 　 　 　 　 ∠//∧. ∨|::.::. | _　　　　＞んﾍ　|　 ト　..__
　　　　　　　　/ 　 ＼∧　',|::.::._l/ ）　　 /￣￣∧,|　 |　 |//ﾊ
　 　 　 　 　 /　　　　ヽﾊ.　}／ ﾞ∨＼_,/ 　 Ｏ7　 |　 |　 |//|





　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　＼　　　　　　＼
　　　　　　　　　　 　 ／ /　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　＼
　　　　　　 　 　 　 , 　　　　　 /　　　　 　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　/　/　　 　 /　　　　　　∧　　　　 i　　　　　　 ﾊ
　　　 　 　 　 　 /　/　　 　 /　　 　 　 　 l　',　　　　 　 　 　 　 　 i
　 　 　 　 　 　 　 /　 　 　 i| ,ｲ　　 　 ,ｲ｜ 斗 ト
　 　 　 　 　 　 '　i　　　 ,ｲム| |　　　｜凵　　V　＼　　　　　　　　 l
　　 　 　 　 　 ,　 |　　　「'ﾘ ＿ Ｗ＿_」　 　 　 　 　 ＼!
　　　　　　　　　　| ﾄ　　|　 ,-==､　　　　　　,≠＝x　　| 　 　 　 |　 |
　　　　　　　　| 　 ﾘ　＼| 〃 :О　　　　　　´　О:　ゝ./　　　 　 |
　　　　　　　　|∧　 　 　 　 -=-　　　　　　　 -=- '　/　　　　　 | /
　　　　　　　　ﾘ :|　　　ヽ　　 　 　 　 ､　　　　　　　/ 　 　 　 　 N
　　　　　　　　　 |　　　　',　　　　 　 　 　 　 　 　 / イ 　 　 　 /|　　　　　 「……えっ、ボク……？」
　　　　　 　 　 　 ､　　　 ﾄ　　　　　 　 　 　 　 　 ´ /　　 　 ／V
　　　　　　　　　 　　　　 | ヽ　　　　　 ‐-､　　　　　|　　 　/´　　　　　　　 「……えっと、その、これは……」
　　　　　　　 　 　 i 　 　 ! 　 ＼ 　 　 ￣　 　 　 ／l　 　 / ヽ
　　　　　　　 　 　 | 　 ｀↓ﾍ /　｀　 ､　　　_　＜.　 |　　/　　 〉
　　　　　　　 　 　 | .ﾊ　｜　{ 　 ､　ハ｀　　　　,　- |　 ハ＿∧
　　　　　　　　　　 ﾚ　l　 !　 l＼　＼＿＿,　７´　　 |／_/　　 ￣ヽ


　　　 ┌─────────────────────┐
　　　 │……ノエルがもうちょっとばかり、　　　　　　　　　......│
　　　 │気の利いた少女だったならば。　　　　　　　　　　　 .│
　　　 │少しは、フォローめいた言葉をかけたり、　　　　 　 │
　　　 │あるいは、優しい嘘をつけたかもしれません。　　....│
　　　 └─────────────────────┘


.

666： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/08(日) 05:07:21 ID:EGmA9I460


　　　　┌────────────────────────┐
　　　　│しかし、もちろんノエルは、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　│そんな器用なことができる子ではありませんでした。　　　 .│
　　　　└────────────────────────┘



　　　　　　　　　　　　　／　　　　　 /　　　　 /　/　 ＼　　　　　　　　:::::::ヽ
　　　 　 　 　 　 　 　 /　/　　　　 /|　　　　　　∧　　　ヽ　　　　　 　 :::::::::::
　　　　　　　　　　　 /　/　　　　 / :|　　　　　 /::::|　　　　';　　　 　 　 :::::::::::|
　　　 　 　 　 　 　 /　/　　　 　 　 :|　　　　 i/ :::::|　　　　:|　　 　 丶　 :::::::::|
　 　 　 　 　 　 　 ,′　　　:i 　 　 /:|　　 　 │:::::::|　　　　:|　　　　　 ヽ::::::::::|
　　　　　　　　　　ｉ　 :|　　 :|　　 /::::|　　 　 │ 　 |　　　　:|　　　　　　　::::::::|
　　　　　　　　　　|　 :|　　 :| ｉ　│　| i　　　i |　　 | |＼　　|　　　　　 　 ::::::::|
　　　　　　　　　　|　/|　　/| ｉ　│　| i　　　i |　＿| | 　＼│　　　　　　:::::::::|　　　 「……この科の植物は、基本的に毒があるよ」
　　　　　　　　　　| ::八ｉ　|八|　 {ｰ-|八＿__N´ __ | 厂 ｀ﾌｲ　　　 　 　 :::::::::|
　　　　　　　　　　| i:　　ｰﾍ　≫=zミ_ 　 　 　 ´x==ァ≪. /　　　　　　 :::,'| ::|　　　 「軽度のものじゃなくて、最悪、
　　　　　　　　　　|ハ::.　　 ｉ:. ヽち:::ﾉ`　　　　　 ち:::ﾉ '"/　/　　　　 .:::/ |::/　　　　死に至るかもしれない、猛毒が、ある……」
　　　　　　　　　　|　　::. 　 iハ　　　　 　 　 　 　 　 　 /　/　　　　　::::i　j/
　　　　　　　　　 　 　 ヽ:: 　 i::::.　　　　 ,　　　　　　　/　ｲ　　　　　八｛　　　　　　 「……だから、ゴメン。
　　　　　　　　　　　　　 ∨　i::人　　　　　　　 　 　 /／│　　　　（　 ＼　　　　　　これは、食べられない……よ」
　　　　　　　　　　　　　　|::　ｉ::　:丶、　　 ‐-　 　 　 ／　|　　 　 厶-- ､
　　　　　　　　　　　　　　| i　　　::::j:::＞　、　　　 イ:::::／|　　　/⌒ヽ::::.::＼
　　　　　　　　　　　　　　ﾚ|　　　:::∨ ＼::::厂::::::::: _／　│　　ハ＼/　:.::.::.:｀⌒＼
　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　::/|　　　￣￣￣´ 　 　 | 　 /::.::.::.:ヽ　　　.::.::.::.::.:）
　　　　　　　　 　 　 　 　_人|　　::|八　　　　　 　_＿＿ノ|　i/　　　::.::}￣ﾉ⌒＞＜
　　　　　　　　　　　　／｛　八　 ::|　　ー─=ﾆ二　 　 　 |　|　　　..::.ノ'´⌒＼////＼


　　　 ┌─────────────────────────┐
　　　 │あっさりと、しかし少し悲しそうにノエルは、　　　　　　　　　 　 │
　　　 │カナタのお節介な優しさを否定する真実を告げました。　　　 │
　　　 └─────────────────────────┘


.

667： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/08(日) 05:10:13 ID:EGmA9I460


　　 　 　 　 　 　 　 　 　 -‐…‐-
　　　　　　　　　.　. :´: : : : : : : : : : : ｀丶、
　　　　　　　／　　. : : : :/　 . : : : : : : : : :＼　　て_
.　　　　 　 /　　　: : : :/ｌ|　 : : : : : :ヽ: ∧: : :.　　 そ
　　　　　 /　　 : : : : / 八: :　: :|｀ヽ: :〈 /〉 : : :.
　　　　　,　　 : : : : ｲ　 　 ｀ヽ: :|　　}ヽ∨: : : : i
　　　　ノ　　: : : :/｀卞､ヽ　　∨匕ハ　 } : : :V:!
　　　⌒了　: : : :{ イ≡ﾐﾄ､　　才≡ミj　ﾙ‐､: : {
　　　 　 乂 : :人{ ゞ==彡　　　ゞ==彡′ rう} ∧
　　　　 　 /　: :∧　　　　 　 '　　　 　 / ノ :|
.　　　 　 /　: :/乂'.　　　r=== ､ 　u　/´|｀ヽ|
　　　　 /　: :/ 　)人　　 |lliiiiiiiill|　　 .ｲ l丿　　　　　 「……なんですとっ！？」
　　　　 . : : :{　　l｀Ｙ::＞―‐ｖ―＜_ﾉＹ´!
　　　　| : : : L、_l　l/　 二Ｙ^Y二　∨ /＿_　　　　　「ガーン……そんなぁ、
.　　 　 〉､∧{ﾆﾆｊ　}　　,-‐､Ｖ_,‐-､ 　 {ﾆﾆﾆ＼　　　 またやっちゃったのぉ……」
　　　　/ﾆヽ.::::::/　 　 /:::::::(__):::::::ﾊ 　 V::ヽﾆﾆ＼
　　　 广｢.::::::::::!　　　 ＼:::::::::::::::／　　 '.:::::::ー＜!
　　　｛::::{::::::::::::|　　　　 ⌒ヽ〃⌒ 　 　 !::::::::::::::/|
　　　 ､:::::::::＿/ 　　´/￣￣｢:::￣} ｀　　|::::::::::::/:::
　　　 ∧ /::::/ 　 　 /＼:::::(__)::::/l 　 　 |＼:::::::::/

　　　┌─────────────────────┐
　　　│カナタは、ひとしきり大げさに驚き、落胆して。　 　 .│
　　　└─────────────────────┘

.

668： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/08(日) 05:15:21 ID:EGmA9I460


　　　　　　　　　　　　　　　　.::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /:::::::/ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
　　　　　　　　　　　　　　/::::::::::::::::::::::::/! :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　 ／:::::::::::::::::::::::::/ |:::∧ :::::::::::::::::::::::::::::::: ﾄ::::::::::::__::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　 　 ／::::::;ｨ:::::::::::::::::::/⌒!::i　!::::::::::::::::;ｲ::ﾄ::::::::::| ＼／／}::::::::::::::::::::'
.　　　　　　 　 　 　 ￣￣ |::::::::::::::ﾊ/　　V ｀|::::::::::::::/ |::l‐八::::ト 〈／ ／ ::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　 　 　 　 ::::::::::::::|　,ィ ﾆヽ　＼:::::::/　ﾚ　　 ∨　 〈,イ::::::_:::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　､:::::::::::| ヾ んﾍ '　　|::::/　　_　-=x､　　　l／ィ |:::::／
　　　　　　　　　　　　　／.:∧::::::: ヽ　ﾏィｿ　　 ﾚ' 　　´ んﾄﾊ ｀〉　ノ r'. ! l : ト､
　　　　　　　　　　　 ／:.:/(＿_:::::::､:::＼ ¨　　　　　　　　ヒえﾉ '　　　　　ﾉ＼i,ヽ＼　　　　 「……まっ、いっか〜！
.　　　　　　　 　 　 /.:./////_入::::::',⌒　　　　,　　　　　 ｀¨´　　　＿／:＼///∧:.:､　　　 食べる前でよかったよ〜」
　　　　　　　　　　/:.://///´:.:.:.:l:::::::〉　　　　　　　　　　　　　　 ///|:.:.:.:.:.:.､///∧.:.
　　　　　　　　　　//////:.:.:.:.:.:.:l::::::|/＼　　(｀ ＝ ァ　　 　　／ ///:.:.:.:.:.:.:.:∨//∧.:.　　 「教えてくれてありがとね、ノエルちゃん！」
　　　　　　　　　 |/////:.:.:.:.:.:.:.:.:ｌ:::::ﾄ､//＼　｀ ─'　　　　＜/////:.:.:.:.::.:.:.:.:.:∨//,i:.:|
　　　　　　　　　 |////l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:::::|.:∨//,,＼＿ .,　__´　} /////:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨//l:.l
.　　　　　　 　 　 ﾄ///,| :.:.:.:.:.:.:.:.:l:::::|:.:.∨///|:.:.:.:r‐‐､:.:7.:∨///:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.:.l///'
.　　　　　　 　 　 |.:＼/|:.:.:.:.:.:.:.:.: | :::|:.:.:.:＼／:.:.:.弋__ノ/:.:.:.:∨/:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:|／
.　　　　　　 　 　 |:.:.::.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.l :::|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.::.:.:／/
　　 　 　 　 　 　 l:.:.:.:.:.:.:.:.:＼ .:.:.:.l::::|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.／:.:./


　　　　　┌────────────────────────┐
　　　　　│またすぐに元気になり、ノエルにお礼を言いました。　　　　│
　　　　　└────────────────────────┘

　　　 ┌─────────────────────────────┐
　　　 │カナタは本当に、あっさり、さっぱりと、しっかり元気になりました。　　　│
　　　 └─────────────────────────────┘


.

669： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/08(日) 05:20:47 ID:EGmA9I460


　　　 　 　 　 　 /　　 /　　　　　　　　　　　　　　　 :.
　　　　　　　 　 ' 　　/ 　 　/　 　　　　　　　　　　　ハ
　　　　　　 　　ｉ　 　' 　 　/l 　 　 l 　 ﾄ.　　　　　　 l　｝　っ
　　　　　　　 　l　　 　ﾊ-/‐l , 　　|、 」_!　 ,　　　　 | /　　っ
　　　　　　 　 八 　∨ ｊノ　.|ﾊ. 　 | ヽﾊlヽ/　　　　//
　　　　　　　　　 ヽ ハ ヾﾋテ'　＼|｀ﾋテ>ﾊ　　　 /, |
　　　　　　　　　　 |　 ゝ　:::::　 　 　 :::::　厶ｲ　 /∧|
　　　　　　　　　　 | 　∧ //　　′　　 // _ l　 '/　　　 「……いや、ボクは、
　　　　 　 　 　 　 И　　ト.　　 c 　 　 .イ/: l　/　　　　 知ってる事、言っただけだから……」
　　　　 　 　 　 , -‐ﾍ. 　|l　｀≧=-＜__|_厶　 ∧
　　　　　　　 ／＞ ､　ヽ|｀丶､　　　　/　/　∧厶ヽ
　　　　　　 /⌒′　 ＼　 　 　 ー=≠＼^ ｲく/　＼>､
. 　　　　　/　　 　 　 　 丶 、　　　 　 ／ヽ 　}　 　 }∧
　　　　　 {　＼　　　　 　 　 |｀ ーｒ‐ ´ 　 | ＼!　　 /　}


　　　　　　┌──────────────────────────┐
　　　　　　│カナタのような、良い意味で感情豊かな少女と、　　　　　　　　....│
　　　　　　│こうやって話す事は、ノエルにとっては初めての経験で。　　　....│
　　　　　　└──────────────────────────┘

　　　　　　　　 ┌───────────────┐
　　　　　　　　 │思わずとまどってしまうような、　　　 │
　　　　　　　　 │でもちょっとだけ楽しいような。　　　..│
　　　　　　　　 └───────────────┘


　　 ┌───────────────────┐
　　 │なんとも言葉にし難い心の動きは、　　　　　　 │
　　 │ノエルを静かに、だけども確かに、　　　　　 　 │
　　 │あたたかな気持ちに、させたのでした。　　 　 .│
　　 └───────────────────┘

.

670： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/08(日) 05:22:59 ID:EGmA9I460
　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　 　 （ ●）（ー）
　　　|　 　 　 （__人__）　　　　「あっ、そうそう、そう言えばさぁ、
.　　　|　　　　　　　　ﾉ　　　　前から気になってたんだけどよ……」
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃
　　／ 　 　 .／　＿ノ　　　　 「ノエルちゃんって、いつも俺らが帰った
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │　　　 後も残ってるみたいだけど、一体何やってんの？」
　　＼　 "　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /





///////|　　　　 　 　 　 　 　 　　 　ヽ　　　　 ヽ　　　　,.　----　、
///////|　　　　　　　　　　　　　　　　 Ｙ　　　 　 .　　く　 ,. --- ､ ＼
///////|　　　　　　　　　　　　　 ｉ　　　　　　　　　　　　｀´　　　　＼ ＼
///////| 　 　 　 ′　　 　 　 　 ｉ}　　　 　 　 Y　　i　　　　　　　　　 }　 }
///////|　　　　/　　　　　 　 　 ﾘ　　　}　　　 ｉ　　|　　　　 /｀ ー‐ '　 ﾉ
///////|　　/ 〃　　　　　　 　 /　　　　 　 　 |　　}　　　　く__/｀¨¨¨¨´
///////|　イ_/ {＿　　 　 　 ｲ/ 　 　 /　　　　|　 /　　　 i⌒ヽ
///////| 　 　 　 　 ￣_ 二 」〈　　 //　　　 　i| ./　　　　 ー '
///////| 　 　 　 　 〃(ｒ:::::ﾉﾘ＾≫ｲ/　　　　　ｌ}/
///////|　　　　　　　 ｀ ー ´　 　 ′　/　　　ﾘ
///////|　　　　　　　　　 　 　 ／　　/　　/ /
///////|　　　 　 　 　 　 　 ／　　　/　　/ /
///////|　　　　　　　 　 ＜ ＿　. イ　　/イ
///////|ヽ　　　　　　 　　 ｉ　 　 　 　 ﾊ {　　　　 「……ボクが、やってる事？」
///////| 　 　 　 　 　 　 イ |　　　　　 {
///////|＿　　　 -‐　　／: :|　　　　/ハ　　　　　「……機械いじり、とか……？」
///////|　　 　 　 　 ／: : : :ｉ　　　 /＼
///////|＿＿_ 　 ／: : : : : :ｉ　 　 /: : : 〉_
///////|: : : : : : : : : : : : : : :.　　 /: : ／: : :＼
///////|: : : : : : : : : : : : : :.ﾉ　 }/: : : : : : : : : : :.
///////|: : : : : : : : : : : : :ー:イ/: : : : : : : : : : : : 〉

671： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/08(日) 05:27:53 ID:EGmA9I460

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌ - ミ
　　　　　　　　　　　　　（_＿／｢￣＼ : : :＼￣＼
　　　　　　　　　　　　　 ｀ｱ.: : :| : : : : ヽ: : : :＼: : ＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 ／.: .: : :| : : : : : :',: : : : :|: : : : :
　　　　　　　　　　　／:／.: : :|.:|＼: : |: .:|＼: : :|.:∧: : ∨
　　　　　　 　 　 　 ￣}: : i: .:人|⌒＼|: .:|　´＼|〈/ 〉:.:.:|
　　　　　　 　 　 　 　 |: : |: .:| 〃冗　＼j　 冗ヽ.∨ .:{.:|
　　　　　　 　 　 　 　 |: : |: ∧{　Vｿ　　 　 Vｿ　jハ:.:乂_　　　　 「へぇ〜そうなんだぁ」
　　　　　　 　 　 　 　 |: : |人_j　.:.:.:.　　'　　.:.:.:. Ｌノ〈￣
　　　　　　　　　　 　 ﾉ: : |.: .:人 　　r‐　 ｧ 　 . :|:.:厂＼　　　　　「ノエルちゃんってもしかして、
　 　 　 　 　 　 　 ／: :／|／|:.:个:　　　 　 イ |.:|/　　　　　　　　おメカさんをいじいじするのが
　　　 　 　 　 　 /: :／ 　 　 j／|／｀Tﾆ 　 人乂　　　　　　　　 好きなタイプだったりするのかな？」
　　　　　　　　　∨　　 ／＼--〈///厂∨///〉-こ)-- ミ
　　　　　 　 　 　 ＞‐く　　 ⌒＞―-ミ　∨// ￣￣￣＼＼
　　　　　　　　／////∧　／　　　　　 　 ∨　 　 ／　　 ∨
　　　 　 　 　 |￣＼///,∨　　　　　　　　 　 　 , '　|厂＼ |





　　　　　　　　　　　　 _,　-‐‐-
　　　　 　 　 　 . 　 ´〃　　　　　　｀　 ､
　　　　　　 ／　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　／　　　　 ‐-　　　　　　　　　　　 ヽ
.　　 　 /　／　　 　 　 　 ｀ヽ　　　　　　　　　ヽ
　　　 /　/　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　 　 　 ﾊ
　　　,　　 　 　 |　　　　､　　　　　　　　　　　 　 |
　 　 i　　　 　 ｜　　　 | ＼　　}　　　　 　 　 　 ｊ
　 　 |　　 　 　 |　　　　|'´ 八jハ　　　　　　　　,
　　　l　　 　 |､_ﾄ .＿_,从ｨ笊ラﾊ{　 　 　 　 　 /　　 「……いや、特に、そういう訳では、無い……」
　　　',　 ＼Ｎｧ=ミ、　　 ﾉ Vソ　|　 /　　　　〃
　　　 　 　 ⌒ Vソ　　 　 　 　 ｜ '　 　 　 /(　　　　「……た、ただ、ここは、古いものが多いから……
　　　　ヽ　　}ﾊ　　　､　　 　 　 ﾉｲ　　　　∧　　　　　ボクが、ちゃんとしてあげないと、って……」
　　 　 　 ＼　 }ﾄ､　　　_　　　　　|　　　 ,
　　　　　 　 ＼　个ト .　 　 　 .ｲ | 　 　 {　　　　　　 「……それが、今のボクの……
　　　　　 　 　 i 　l |　N≧ 爪 　 |　 ∧ハ　　　　　　お、お仕事だから……」
　　　　　 　 　 l∧　　|＿__ ノ}　 ハ '　　　＼
　　　　　　 　 ﾉ　ﾊ　｜　 　 , 　 　 }　　　　　＼
　　　　　　 　 ／　lハ|　　　　　 　＿__　　 　 　 ヽ


　　　　┌─────────────────────────┐
　　　　│こうしてカナタの問いかけに答えているあいだも、　　　　　　...│
　　　　│ノエルは、なぜだかとても心配な気持ちになりました。　　　　.│
　　　　└─────────────────────────┘


　　 ┌──────────────────────────────┐
　　 │自分の話すことなんか聞いて、はたして楽しいのか、とか。　　　　　　　　 │
　　 │自分の話そうとしていることが、ちゃんと伝わっているのか、とか。　　 　 .│
　　 └──────────────────────────────┘



　　　　　 ┌─────────────────────┐
　　　　　 │色んなことを考えてしまって、　　　　　　　　　　　　....│
　　　　　 │思わず言葉をつまらせてしまったりしました。　　......│
　　　　　 └─────────────────────┘

.
672： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/08(日) 05:35:41 ID:EGmA9I460



　　　 　 　 　 　 ／: : : : :/ :／ :/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
.　 　 　 　 　 ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:／.:.: /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.
　　　　　　／ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ／|.:./.:.:.ヽ.:.:.:.:.:. ∧.:.:.:.:ﾄ､＿:.:.:.:.:.:.:.:.:'
　　　　 ∠.::.::イ::.:::.:.::.::.{.::.::/⌒!::{::.::.::.::.::.: |ヽ⌒jヽ::.:〈＿_〉 :.::.::.::.::|
.　　　 　 　 　 |::.:::.:.::.::.:::.::/　　|:ハ::.::.::.::.::i|　j::/|.::.::.|〈＿_〉:.::.::.::::::|
.　　　　　　 　 i .:::.:.::.::.:lＶ　x≠ミ、＼::.::.::ﾘ　ｘ≠ミlﾉ 　}::.::.::.::::::::::::
　　 　 　 　 　 '::.::.:{.::.:::ｉ:|:〃んiﾊ.　　 '::.::/　 んiﾊ　》　/ﾚ'ヽ::.:::::::ﾉ
　　　　　　　　 ヽ:八:: ::.:|:ヾ弋.:リ　 　 ∨　 弋.:リ, ″　 ノ＾ﾊ .:::,:!
　　　　　　　　　 ∨:＼八　　｀´　　 　,　 　 　 ｀´　　　 ）∨ﾉ::./ﾘ
　　　　　　　　　　|.:.::.::.∧ゝ　"　　　　　　　　"　　　　　　/l／　　　　　「……そっかぁ！」
　　　　　　　　　　|.:.::.::.ｉ小.　 　 　 r::ﾆﾆ=┐ 　 　 　 厶イ:::|
.　　　　　 　 　 　 |.:.::.: ｉ::|人　　 　 ∨:::::_ノ　　　　 ｲ::.:::人::|　　　　　　「ノエルちゃんって……
　 　 　 　 　 　 　 l.:.::.: ｉ::|　|:丶、　　　　　 　　 イ::.ﾉ:∨ 　 ｀　　　　　　とってもとっても真面目さんなんだねっ！」
　　　　 　 　 　 　 ｉ.:.::.::ｉ::|　|ﾊ∧:＞,　..__...　'´　厶lｲ⌒＼
　　　　　　　　　　 i.:.::. ｉ::|　　　// ハ　　　　　 ／/////∧　　　　　　 .「エラい、すっごくエラいよっ♪」
　　　 　 　 　 　 　 l.:.::.::::|　　/⌒Vノ} 　 r=≪///////／∧
　　　　　　　　　 　 ｌ.:.::.:::|⌒7///〈＿__/ﾊ//ﾊVく>/／／（￣)＞　_
　　　　　　　　　　 -|.:.:.:::|^７/／　　　｀⌒入/ﾊV//／＼////////＞ 、
　　　　　　　　　/／|.:.:.:::|〈／　　(⌒)　／ 　∨ﾊＶ/　　　＼/////////＼
　　 　 　 　 　 // 　|.:.:.:::|　　　　　　　　　　　∨／　　　　　＼/////////,ヽ

　　┌────────────────────┐
　　│しかしカナタは、イヤな顔ひとつ浮かべず、　　.....│
　　│満面の笑みでノエルを褒めちぎりました。　　　　.│
　　└────────────────────┘

673： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/08(日) 05:35:54 ID:EGmA9I460


　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　..:::::::::::::::::::::::::::::::::_:::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　 ..::::::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::::::::::＼::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..::::::::::::　:::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
　　　　　　　　　　　　　　|　　 　 :::::::::::::　::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /:: |　i
　　　　　　　　　　　　　　|　　　 :::::::::::::　:::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::::::::/ ::: |　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　::::::::/　::::::::::::::::::::|/: ／|::::::::j::::::::::::::::: /:|::::: |　|
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 :::::/　 .::::::::::::::::::::|: /ノ|　::/|::::::::::::/:/　|:::::ｉ|　j
　　　　　　　　　　　　　　　∨:｝　:/　..:::::::::::::::::::::::爪＾ｱ尓ミ Ｌ:::::::/l/＼ﾚ::::ﾘ /
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ∨:::/　.::::::::::::::::::::::::::|　 弋(ソ　　　　 y≦ｧ从/i/
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 厶:∧　 :::::::::::::::::::::::::|　　　　　　　　　ﾋ(ﾝ,:'::/ /
　　　　　　　　　　　　　　　　 j人::ヽ　 :::::::::::::::::::::|　　　 　 　 　 、　 .::::/ /
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _｝:::',　 :::::::::::::::::::|　u 　　　　 　 　 /:::/ /
　　　　　　　　　 　 　 　 　 __厂V__:∧　::::::::::::::i:::|　　　　　　　　 ..::::/ /　　　 「……えっ……？」
　　　　　　　　　　　 　 ／　/　　 : : : :Vﾍ ::::::::::i:::|、　　　 ´' .イ:::::::／
　　　　　　　　　　　　/　ｰ┴　　_: : : : : : ＼::::::i:::|/＞: :-＜｝::::::/|/　　　　　　「どういう……こと……？」
　　　　　　　　　　　ノ　　　　　　　｀: :ー-: : :＼i:::|＼_人/⌒|::::∧|
　　　　　　　　　 〃　　 　 　 　 : : : : : : : : :＼: ヽ|: : : : : ）: :j／: :｝


　　　　　 ┌─────────────────┐
　　　　　 │ノエルは、今日だけでもう何回目に　　　 .│
　　　　　 │なるか分からないぐらい、　　　　　　　　　.│
　　　　　 │またまたカナタに驚かされました。　　　　.│
　　　　　 └─────────────────┘


　　　┌────────────────┐
　　　│しかし、ノエルを驚かせたのは、　　　　│
　　　│カナタだけではありませんでした。　 　 │
　　　└────────────────┘

.

674： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/08(日) 05:40:20 ID:EGmA9I460

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ⌒）（⌒）　　　　「いや〜、若くて、頭がべらぼうに良くて、
.　|　　　　 （__人__）　　　　 その上努力家なんて、凄すぎにも程があるだろ！」
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　　「こんなエリートならぬエリー子を、
.　 ヽ　　　　　 　 }　　　　　 ウチみたいなボンクラ中隊に配属するとか、
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　　中央の連中は一体何考えてんだよ……」
　　　/　　　 く
　　　|　　　　 ＼
　 　 |　　　　|ヽ、二⌒)


　　　 ┌───────────────────────┐
　　　 │ノエルが、今まで当たり前の様にやってきた事が。　 　 .│
　　　 │天才であるが故に、当たり前だとされてきて、　　　　 　 .│
　　　 │誰からも褒められもしなかった事が。　　　　　　　　　 　 .│
　　　 └───────────────────────┘




　　　　　　　　　　　　 　 ∩＿
　　　　　　　　　　　　　　〈〈〈　ヽ
　　　　　　＿＿＿_　　　〈⊃　　}　　　 「うん、自分もそう思うお！」
　　　　 ／⌒　　⌒＼　　 |　　 |
　　　／（ ●） 　（●）＼　 !　　 !　　　 「別にこっちが頼んでる訳でもねーのに、
　 ／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼|　　 l　　　 自分からやっててくれるなんて、
　 |　　　　　|r┬-| 　 　 　 | 　／　　　 前にいたサボりまくりの整備のじーさんとは大違いだお！」
　 ＼ 　 　　｀ ー'´ 　 　 ／／
　　/　＿＿　 　　　　　　/　　　　　　　「いや〜、ノエルちゃんが来てくれて、
　　(＿＿＿）　　　　　　/　　　　　　　 この隊はホントに大助かりだお！」

　　　　　　　┌───────────────────┐
　　　　　　　│ここでは、純粋な好意にもとづいた、　　　　　 .│
　　　　　　　│感謝と賞賛をもらえるものだったのです。　 　 │
　　　　　　　└───────────────────┘

.

675： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/08(日) 05:44:09 ID:EGmA9I460



　　　　　 ┌─────────────────┐
　　　　　 │ノエルは、初めての経験に驚いて、　　　..│
　　　　　 │どこかはずかしくて、こそばゆくて。　　　 .│
　　　　　 └─────────────────┘

　　　┌───────────────────────┐
　　　│でも、その妙な感情が、なぜかイヤではなくて。　　　 　 .│
　　　│なのに、その気持ちをうまく表すことができなくて。　　　..│
　　　└───────────────────────┘


　　　　　　　　┌───────────────┐
　　　　　　　　│こんな気持ちは、はじめてで。　　　...│
　　　　　　　　└───────────────┘



　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　 　 ＼　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ　　　　 　 ＼
　　　　　　　　　 　 /　　　　　/　　　　　　　　　　 }　 　 　 　 　 ヽ
　 　 　 　 　 　 　 / /　　　　::　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　ヽ
　　　　　　　　　 / /　　　　.:::|
　　　　 　 　 　 ,′　　　|　::/:| 　 　 | /　│l　　　 |　　　　　　　｝
　　　　 　 　 　 　 |　 　 |　 |: |ｉ:: 　 │-‐=l∧　 　 |　　　　　　　　　　｝
　　　　　　　　 |　 |八_|八　|｀|ﾊ＿:Ｎ　＿　　＼{∨　　　　　　　j:::　 ﾘ
　　　　　　　　 |　 　 iﾊ ｘ气ミ　　　　　ィ弍≧x　/　　/　 　 　 /::::../
　　　　　　　　 |　　　::::. 　 Vｿ　　　　　　V)ソ'"/ 　 /　 　 　 /:::::./
　　　　　　　　 |　:|　 i::::　　　　　　　　　 　 　 /　　　　　　　/:::::./
　　　　　　　　 ヽ∧　ｉ:::i　　　'　　 　 　///　 /　／　　　　 /:::::ｲ
　　　　　　　　　　　＼八　　　　　　　 　 u. /／|　　　　　.:::::八{
　　 　 　 　 　 　 　 　|　 ヽ 　 ‘ ヽ　　　　 ´　　|　　　　/∧｛　　　　　　　「……あ、ありがと、う……」
　　 　 　 　 　 　 　 　|　 　 ＼　　　　　 　 イ　 |　　　://
　　 　 　 　 　 　 　 　| ∧　　个:::--r　´　　　　|　　.:/|:|＼
　　 　 　 　 　 　 　 　l/ ハ 　 |厶-ハ＿,／⌒Yﾚ|　::| jﾉ　 ｝
　　　　　　　　　　　　　 　 j_／ 　 ⌒／〈　　/ |　|　∧　　〈
　　　　　　　　　　　　　　〈　　　　　/　 人_ノ,,人 ∨ 　＼.　＼
.　　　　　　 　 　 　 　 ＿人　 ＿_,/　　　ﾉ￣　／⌒⌒＼〉　　＼
　　　　　　　　　　　／　ー‐'´ 　 /　　／　＿/＿_＿_＿_ ＼　　ﾉ
　　　　 　 　 　 　 〈　　　　 　 ／{__／　／:::::::::::::::::::::::::::::::￣＼｛
　　　　　　　　 　 　 >　　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼

　　　 ┌───────────────────────┐
　　　 │ノエルは、顔をまっかっかにしながら、　　　　　　　　　......│
　　　 │うつむいてることしか、できなかったのでした――　　　　│
　　　 └───────────────────────┘



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…
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676： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/08(日) 05:45:07 ID:EGmA9I460
キリの良い所まではいったかもなので、今回この辺りで！
来週末は、用事あるので、やれたらやるって感じですが、
再来週末はやれると思うのでまたこんな感じでやります

ではでは(^oヘ)

677： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/08(日) 05:52:29 ID:EGmA9I460
埋めネタでどこまでやれるかなーとは思いますが、
長編だと中々出来なかった百合ぽいネタと、
意識してストレート投げてる短中編ぐらいな話にはなります
多分、7年ぶりぐらいのネタな感じ

マイペースにはなりますが、今やってるのと並行して、
ゆるく続けられたな〜って考えてます

678：どこかの名無しさん：2018/07/08(日) 13:11:50 ID:oRTsELZQ0
乙

679：どこかの名無しさん：2018/07/09(月) 11:52:57 ID:dECaAy4I0
おつっした

680：どこかの名無しさん：2018/07/09(月) 21:51:40 ID:J4pEp3As0
乙です

681：どこかの名無しさん：2018/07/30(月) 04:33:06 ID:TcRkX0P60
久しぶりに来たら完結してた
お疲れ様です
正直、キョンとロレンスは結構な序盤からはよ氏ねってずっと思えるくらいの吐き気を催す邪悪レベルのキャラだったわ…
双方とも生存ぽいのにびびった
途中まではハレンチ大戦争ばりのジェノサイドエンドになるかと思ってたわｗ

682： ◆HD5ItXoLGM：2018/07/31(火) 07:44:20 ID:UxYpBSpA0
>>681
読んで頂きありがとうございます(^oヘ)
話のオチは一応初期には考えていたのですが、
そういう意見も多かったので、変えようかどうかはちょっと迷った事もありましたw

後、多分今週のどっかで、埋めネタの続きやるので、よろしくです

683： ◆HD5ItXoLGM：2018/08/06(月) 01:28:00 ID:GnFJsgLY0
やたらと昼寝というか夕寝してました(-_-;)
2:30ぐらいからやりたいけど、眠気がきそうだったら、
翌日に順延でよろしくです

684： ◆HD5ItXoLGM：2018/08/06(月) 03:05:11 ID:GnFJsgLY0
ちょっとボーッとしちゃってました
とりま、明日というか今日の22:30〜ぐらいで(^oヘ)
早くやれそうだったら帰ってから書き込みます

せっかくの日曜なのに、疲れからか、
不幸にも夕寝に追突しちゃったのは痛かったです、ごめんね

685：どこかの名無しさん：2018/08/07(火) 01:46:18 ID:AqJfXliM0
イッチの都合のいい時間でいいから待ってるでぇ

686： ◆HD5ItXoLGM：2018/08/07(火) 04:21:58 ID:uhFh2sdY0
ご飯食べて本読んでたら完全に寝落ちしてた…
寝落ち癖が完全に再発してるので、また病院行ってみるとして、
今日の夜に順延でよろしくお願いします、ごめんね

687： ◆HD5ItXoLGM：2018/08/12(日) 07:18:34 ID:UWmq34WY0
結局あの後、地味に体調崩してたので、夏バテとクーラー冷えのどっちか
だったのかなーって感じです
ちょっと時間ギリですが、8;30〜40ぐらいまでやります
途中で終わる時はスマホから書き込むかもです

688： ◆HD5ItXoLGM：2018/08/12(日) 07:21:05 ID:UWmq34WY0
,.:,; ' ''..　.,;.'..:⌒`;,: .　　..;;.,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｀ ､　　'
　,,.;. ; :.,　　　.. .''... .. '　　 ..;,):.,,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　‐―　 ○ －　‐
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　.:: ..'...:⌒`　　: .: ..,,;.,
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀　.　:. .;;,　　.:;. 　 .　　.　 .: 　　　.　..::
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　　　　　　 ┌─────────────────────────┐
　　　　　　 │――それからそれから、「あっ！」という間の一ヶ月後。　　　.│
　　　　　　 └─────────────────────────┘




.

689： ◆HD5ItXoLGM：2018/08/12(日) 07:23:50 ID:UWmq34WY0




　　　 ┌────────────────────┐
　　　 │同盟国との国境近くにある僻地の基地は、　　　.│
　　　 │相も変わらず平和な平穏が続いていて。　　　......│
　　　 └────────────────────┘



　　　　　　　　　 ┌─────────────────────┐
　　　　　　　　　 │最前線の基地や、戦場では、　　　　　　　　　　　　 .│
　　　　　　　　　 │たくさんもの命が、呆気なく散っているなんて、　 　 │
　　　　　　　　　 │とても思えないほどの、のどかな日々でした。　　.....│
　　　　　　　　　 └─────────────────────┘




　　　　　　　　　　　.. .. . ...　.::::..　.　.　.::　:　:..　.　...　:::　:::..　... ..
.. . ...　...　..::. .. .　..　.　..　.:::::　::　:.　...　.:::::
　:...　.　.::::　..　. .

　　　　　　　　　　.. .. . ...　.::::..　.　.　.::　:　:..
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　...　:::　:::..　... .. .. . ...
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...　..::. .. .　..　.　..　.:::
　　　　　　　　　　　　　　　　::　::　:.　...　.:::::　:...　.
　　　　　　　　　　　　　　.::::
　　　　　　　　　　..　. .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,-‐''"´'':､,,　　　　　　　　　　　 　 　 ,,_,__
_,,.--ｰ''''''"ﾞﾞ￣ﾞﾞ"'''''―--.,,,,,,-‐'゛.:'"ﾞ:.:ﾞ,:;、,"'.:.:　　_,,.;:-－''"´｀ﾞ''ｰ､／ヽヾ＼
::;.:".:;.:'"ﾞ:.:ﾞ,:;、,"';,_,,.-ｰ'''"ﾞﾞ:,:;.,:;.:::;.:".:;.:'"ﾞ:.:ﾞ,:;、,:ﾞ',`:;,':,:;.,:;.:::;.:".:;.:'"ﾞ:.:ﾞ,~ﾞ"'ｰ-:;、,"'.:
":;;;:　: ;: ;: ;:　　; ::;　: ;:; :; :　 :: :; ":;;;:　:;: ;: ;:　　; ::;　: ;:; :; :　 :: :; ":;;;:　: ;: ;: ;:　　; ::;　: ;:; :
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:::....::::::........　.　.::::::... .... ..::::::::::::::::....::::::........　.　.::::::... .... ..::::::::::::::::....::::::........　.　.::::::... ....::::::::::
.. .. . ...　.::::..　.　.　.::　:　:..　.　...　:::　:::..　... .. .. . ...　...　..::. .. .　..　.　..　.:::::　::　:.　...　.:::::　:...

690： ◆HD5ItXoLGM：2018/08/12(日) 07:27:48 ID:UWmq34WY0



　　　　　　┌───────────────────┐
　　　　　　│ノエルもまた、ゆるやかな時間の中で、　　　....│
　　　　　　│のんびりとした日々を送っていました、　　　......│
　　　　　　└───────────────────┘




　　 　〃!　　　　　　 　　　　　/ 　 |__　　　　　　　　|
　　　 i　|_|」 _　 　 　 |　　　 ,厶-‐（　｀ ｰ-=ﾆ､　 　｜
　　　 |´「八{　　　　| |　,　´〃￣￣｀ヽ‐- ､ 　 ＼　 |
　　八| ,.ニ ミト ､ハ| j '-‐'　-‐＝　 　 ＼　＼, -‐ ､|　　　　　　「……えっと、三号戦車の整備は、終わったから……」
　　|　く(´ん心ヾ　　 .′　ｘｆ云心ミメ、　 ヽ / 　 _　＼
　　|　　 弋::ツ　　　 l　 　 ん:::::）:}　 )::> 　}/ 　/ 　 ｀　ヽ　　　 「次は……この前、倉庫の奥で見つけた、
　 八　　　　 　 　 　 '.　　弋)つツ　'"　　,' }　/　　, -､ 　ヽ　　 突撃銃をちょっといじってみるかな……」
　 　 ＼　　　　　 　 　 .　 　 ｀ﾟ゛　 　 　 /　しｊ 　 /´￣　, 　＼
　　 ト　＼　　　　　 ′ ＼　　　　　　 .ｲ　／ しノ　 ,-‐く　 　 |
　　 ﾄ､　　　　　 　 　 　 　 ＞‐-= =-‐　´　　　｜_ﾉ＼　　 　├- 、　　　　┌──────────────────────┐
　　 |　＼　　　　　(::::)　　（＿＿__ . ＿　　　　　´　　　　　 　 |ﾆニ＼　　　│ゆったりと、自分だけのペースで、　　　　　　　　　　　 │
　　 |　　 l丶.　　　　　　　　 　 .イ /　　 ｀ヽ　　　　　　　　　　|ﾆニ二＼　 │嫌いじゃない作業に集中できる、そんな日常を。　　　│
　　 ∨ハ| 　 丶　　　 　 　 ＜〃/　　　　 /｀¨广＾ヽ､ 　　　　|ﾆニニ二ヽ └──────────────────────┘
　　　 ヽ.｜　　　 ｀ ｰ=≦　　|/ / 　 　 /l/`ヽ/ﾆﾆﾆﾆ}｀　　　├ニニニ二}

691： ◆HD5ItXoLGM：2018/08/12(日) 07:34:11 ID:UWmq34WY0



　　　　　 ┌──────────────────────┐
　　　　　 │…もっとも、いつもゆるやかに、　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　 │のんびりとしているわけにはいきませんでした。　　　..│
　　　　　 └──────────────────────┘

　　　　　　　　　　　┌───────────────┐
　　　　　　　　　　　│なぜなら、ノエルの周りには、　　　....│
　　　　　　　　　　　└───────────────┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ｲ　　　　　,ｲ　　　　　,ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ム―７　 /ム―７　 /ム―７
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .//ニ７/.　.//ニ７/.　.//ニ７/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /'￣７/ 　 /'￣７/ 　 /'￣７/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 //　 　 　 .//　 　 　 .//　,ｲ,ｲ ,ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.／＼　　　　　　　 /'　　　　　/'　　　 　 ./' 　 ﾚﾚ //
　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　 　 ＼　　　　　 ＼　　　　　／ 　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ　　　　 　 ＼　　　 ＼／ ／>
　　　　　　　　　 　 /　　　　　/　　　　　　　　　　 }　 　 　 　 　 ヽ　　　　 <／
　 　 　 　 　 　 　 / /　　　　::　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　ヽ　　　┌─┐
　　　　　　　　　 / /　　　　.:::|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└─┘
　　　　 　 　 　 ,′　　　|　::/:| 　 　 | /　│l　　　 |　　　　　　　｝
　　　　 　 　 　 　 |　 　 |　 |: |ｉ:: 　 │-‐=l∧　 　 |　　　　　　　　　　｝
　　　　　　　　 |　 |八_|八　|｀|ﾊ＿:Ｎ　＿　　＼{∨　　　　　　　j:::　 ﾘ
　　　　　　　　 |　 　 iﾊ ｘ气ミ　　　　　ィ弍≧x　/　　/　 　 　 /::::../
　　　　　　　　 |　　　::::. 　 Vｿ　　　　　　V)ソ'"/ 　 /　 　 　 /:::::./
　　　　　　　　 |　:|　 i::::　　　　　　　　　 　 　 /　　　　　　　/:::::./
　　　　　　　　 ヽ∧　ｉ:::i　　　'　　 　 　 　 　 /　／　　　　 /:::::ｲ
　　　　　　　　　　　＼八　　　　　　　 　 　 /／|　　　　　.:::::八{
　　 　 　 　 　 　 　 　|　 ヽ 　 ‘ ヽ　　　　 ´　　|　　　　/∧｛
　　 　 　 　 　 　 　 　|　 　 ＼　　　　　 　 イ　 |　　　://
　　 　 　 　 　 　 　 　| ∧　　个:::--r　´　　　　|　　.:/|:|＼
　　 　 　 　 　 　 　 　l/ ハ 　 |厶-ハ＿,／⌒Yﾚ|　::| jﾉ　 ｝
　　　　　　　　　　　　　 　 j_／ 　 ⌒／〈　　/ |　|　∧　　〈
　　　　　　　　　　　　　　〈　　　　　/　 人_ノ,,人 ∨ 　＼.　＼
.　　　　　　 　 　 　 　 ＿人　 ＿_,/　　　ﾉ￣　／⌒⌒＼〉　　＼
　　　　　　　　　　　／　ー‐'´ 　 /　　／　＿/＿_＿_＿_ ＼　　ﾉ
　　　　 　 　 　 　 〈　　　　 　 ／{__／　／:::::::::::::::::::::::::::::::￣＼｛
　　　　　　　　 　 　 >　　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
692： ◆HD5ItXoLGM：2018/08/12(日) 07:39:35 ID:UWmq34WY0


　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌─────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　 │たとえば、彼女のような、　　　...│
　　　　　　　　　　　　　　　　 └─────────────┘



　　　　　　　　/: : : : : : : : :/: : }: : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : : : ＼
　 　 　 　 　 /: : : : : : : :.〃.: ::ﾊ:..:/: : : : : : : : : : : : ヽ: :.:|: : : : : : :.',
　 　 　 　 ／: : : : : :. :.|: {{: : :.|　V: }:.:. : :.ヽ: : : : : :.:.:.:|／＼: : : : : ::.
.　　 　 ／:./: : : : : :.:.:.:| :|从: :!　 V:. : : : :.:.ﾄ､: : : : :. :.ﾄ､ ／ヽ: : : :.:.i
. 　 _／. イ: : : : : : :. :.:.| ﾑ斗┼‐.､＼:. :.:. :.|　X´￣｀y'　＼ノ: : :.}: :.|
　　￣ 　 |: : : : : : _/¨ ﾚ' 　 V　　　　ヽ:.:.:/　　 ＼:./　 　 i!: : :./:.:.:.|
　　 　 　 |: : : :,．//＾y{　 ,ｨｆ７ミx　 　 l: / 　 ,ｨ7ﾃミx　　　レv′: :.|
　　 　 　 |: ／／/　 ﾊj 〃 ん心　　　j/　　　ん心　}:〉 　 　 l:. : l: |
　　 　 　 i/／／ /Y:.:.{　｀　Vしｿ　　　　　　　Vしｿ　′ {＾i　.: : /j/
　 　 　 _／／ ／ .ﾉ＼ﾄ　 　 ¨´　　　　　 　 　 ¨´　 　 r'　' /: /
　　　 r' ／,．´ .／}: :.:.|ﾍj　　　　 　 　 ' 　 　 　 　 　 ,′／／
　 　 /　／　　/　/: : :.|:∧　 　 　 ､　_　＿,　　　 　 ∧¨　/　　　　　 「――ノエルちゃん、お疲れさま〜」
. 　 /　´　　 ./.／　|.:.:.|:.:∧　　　　　　　　　　　 　 /:.∧: {
　 /　　　　 /./ 　　|:.:.:lV: : :>　　　　　　　　　　 イ:.:/　 ｀ ＼　　　　 「今日もお仕事、はかどってる〜？」
. / 　 　 　 l　l　　　|:.:.:| V＾ヽ: :.}＞ 　 　 　 ＜Y /ｊ∧
/　　　　　 | / ＿__,|:.:.:|/三ﾆ Vl　 　 ｀¨´　 　 j∧三》x
}　　　　　 ﾉ¨´Y⌒Y: : |三三 《　 　 　 　 　 　 ﾄ､i三ﾆ|ﾄ､　
　　　　／′三＝ﾍ!: : |三三ﾆ＼　　　 　 　 　 ｙ'三ﾆ:|ﾄ､ Y⌒ヽ__
　 　 　 /´￣￣￣ |:. :.|三三三ﾆﾍ　　 　 　 ／＼∧:::||　＼ーくニﾆ=ｘ
. 　 　 / 　 　 　 　 |:. :.ﾄ､三三 //⌒ー─‐┴ ､　 Vﾆy　 　 ｀ー─､三 ＼





　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　´　　　　｀￣｀丶、
　　　　　　　　　　　　 ／　　　　 _　　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　_　　　　　 ｀＼　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　 /　/　　　　　　　　 ヽ　　　　　　'、
　　 　 　 　 　 　 /　/　 　 ｛ 　 |＼　　　　　　　ヽ　 i
　　　　　　　　　 ′　 　 　,'|　　|　 ヽ＼│　　　 :|　 |
　 　 　 　 　 　 /　　 　 | / |l　 i|　七ト-│　}　　:|　,′
　　　　　　　　/ｲ　　|　 N-八__ﾘ　 '弋氿|　/　　 i /
　　　　　　　　　| l 　|ﾊ_|{代心　　　　'''　|　　 　 八
　　　　　　　　　|八　　 i＼｀´　　,　　　　ﾚ|　　:/⌒　　　「……現状維持、ってところ……かな……？」
　　　　　　　　　∨ ' 、　　 ヽ　　　､-，　　|　　厂＾＞
.　　　　 　 　 　 　 　 ヽ　　 个ト　　..__　イ|　 ∧_/
　　　　　　　　 　 　 　 }　 　 |'Ｖ⌒ハ　 ／|　ん'　>‐ ､
　　　　　　　　 　 　 　 |人　 |人　　┴〈　 ∨ﾑイ　　　ヽ
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∧│　　　　_人　|::::::::|　　　　 '.
　　　　　　　　　　　　　 /　Vﾄ､　　　　／∨ ::::::|　　　　　'.
　　　　　　　　　　　 　 ,′　 |::::`rー''´　 /::::::::::| ヽ　　　　',


　　　　┌────────────────────┐
　　　　│とってもお節介で、だけども　　　　　　　　　　　......│
　　　　│なんだかんだ言って明るくて、　　　　　　　　　 　 .│
　　　　│良くも悪くも優しい人たちがいるからです。　　　...│
　　　　└────────────────────┘


.

693： ◆HD5ItXoLGM：2018/08/12(日) 07:44:39 ID:UWmq34WY0

　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／::.::.::.::.::／::.::.::.::.::.::/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　::.::.::.::.::.::〃::.::.::.::.::.::.::.|::.::.::.::.::.::.::.::.::.:＼:.::.:＼
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /::.::.::.::.::.::.:{ｉ :.::.::.::.::.: /:.:|::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:ヽ::.:__ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　,′::./::.::.::.::.:: ::.::.::.::.::. ｉ::.::|::.::.::.::.::.::.::.::.::|::.::.::.:∨/〉ﾊ
　　　　　　　　　　　　　　　::.::.:/:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::./|::.∧::.::.::.::.::.::.:ｉ.::.|::.::.::.::.| /::::.::.
　　　　　　　　 　 　 　 　 ｛::.:/: ::.::.::.::.::.::.::. |::.: /_:|:.:!_ノ::.. ::.::.::.::.|::人|::.::.::几::.::.::｝
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ∨::.:.::.::.::.::.::.:i::./|.::/￣∨´　∨::.::.::.::j/　 |::.:ｰﾄ│}}::/
　　　　　　　　　 　 　 　 ／::.::.::／::.::.::.::|/´∨　＿,　 　 |/| ::.::./　 _,|_/iﾉ　|.::./
　　　　　　 　 　 　 　 ∠::.:;.:ィ´ｉ::.::.::.::.::i::|　　〃 ⌒ﾞヾ　　 |.::.:/　ィ⌒ヾ　 /:; ′
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 {::八ﾘ::.::.::.::.::i::|　 ｛{.　ん.ﾊ　 　 |／ 　 んﾊ }} /ｲ　　　　 「げ、げんじょー……ひじ？」
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヽ∨ :.::.::.::.::::.::..　 　 弋.::ｿ　　　　　　弋.:ｿ　　 j
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /:: ｲ::.::.::.::.::.i::.＼　 ､､､　　 　 　 　 　 ､､､ ﾑｲ　　　　　「……ねぇノエルちゃん、
　　　　　　　　　　　　　　　/／│::.::.::.::. |_ ⌒u 　　　　　　　′　　　　j::.ﾘ　　　　　 ゴメンなさいなんだけどね、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　::.::.::.::.::i:|人　　　　　　　 　 )　　 rー-'∨　　　　　 ちょ〜〜っと……言ってる意味が――」
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ',::.::.::.::i:ﾄく ＼　　　　　　　′　　`ｧ‐-、＼
　　　　　　　　　　　　　　-‐=≠ﾆﾍ::.::.::.ﾘ//＼　丶､　　　　 　 . イ┬‐-ヽ　ヽ
　　　　　　　　　　　／////（＿_）∧::.::.:|/////≫┐｀:ｧz-＜// j|_/￣´　　　）





　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　 　 ＼　　　　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ　　　　 　 ＼
　　　　　　　　　 　 /　　　　　/　　　　　　　　　　 }　 　 　 　 　 ヽ
　 　 　 　 　 　 　 / /　　　　::　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　ヽ
　　　　　　　　　 / /　　　　.:::|
　　　　 　 　 　 ,′　　　|　::/:| 　 　 | /　│l　　　 |　　　　　　　｝
　　　　 　 　 　 　 |　 　 |　 |: |ｉ:: 　 │-‐=l∧　 　 |　　　　　　　　　　｝
　　　　　　　　 |　 |八_|八　|｀|ﾊ＿:Ｎ　＿　　＼{∨　　　　　　　j:::　 ﾘ
　　　　　　　　 |　 　 iﾊ ｘ气ミ　　　　　ィ弍≧x　/　　/　 　 　 /::::../
　　　　　　　　 |　　　::::. 　 Vｿ　　　　　　V)ソ'"/ 　 /　 　 　 /:::::./
　　　　　　　　 |　:|　 i::::　　　　　　　　　 　 　 /　　　　　　　/:::::./
　　　　　　　　 ヽ∧　ｉ:::i　　　'　　 　 　 　 　 /　／　　　　 /:::::ｲ
　　　　　　　　　　　＼八　　　　　　　 　 　 /／|　　　　　.:::::八{
　　 　 　 　 　 　 　 　|　 ヽ 　 ‘ ヽ　　　　 ´　　|　　　　/∧｛
　　 　 　 　 　 　 　 　|　 　 ＼　　　　　 　 イ　 |　　　://　　　　　「……現状維持、つまり、普通……いつも通りってこと」
　　 　 　 　 　 　 　 　| ∧　　个:::--r　´　　　　|　　.:/|:|＼
　　 　 　 　 　 　 　 　l/ ハ 　 |厶-ハ＿,／⌒Yﾚ|　::| jﾉ　 ｝
　　　　　　　　　　　　　 　 j_／ 　 ⌒／〈　　/ |　|　∧　　〈


　　　　　　 ┌───────────────────────┐
　　　　　　 │何回かの接触の後、どうやらカナタという少女は、　　　 │
　　　　　　 │頭があまりよろしくない部類に属している……　　　　　....│
　　　　　　 │かもしれないと、ノエルは判断しました。　　　　　　　　......│
　　　　　　 └───────────────────────┘


　　　┌───────────────────┐
　　　│こうやって、彼女でも理解できるであろう　　　..│
　　　│言い回しに言い換えることも、　　　　　　　　......│
　　　│今ではもう、たやすいことです。　　　　　　　　...│
　　　└───────────────────┘


.

694： ◆HD5ItXoLGM：2018/08/12(日) 07:49:00 ID:UWmq34WY0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　-──
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　　　/::/:::／{:::::::::::::::ﾊﾍ:ヽ
　　　　　　　 　 　 　 　 /::::::i:/⌒{::::::/|:::ﾒ ∨:::i
　　　　　　　 　 　 　 ／:::::::::Yr心＼:| r心Y :::::|
　　　　 　 　 　 　 ∠:::イ :::::ｉ| じｿ　　 じｿﾙ､j :|
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヽ:::::|ｉ　''　　　　 ''　_人|　　　 「……そっかー、普通かぁ〜」
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 |::小、　V::::ﾌ　 /:|
　　　　　 　 　 　 　 　 　 |:::Ⅳ:＞r--r＜Ⅳ　　　　　 「うんっ、今日もバッチリ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 |:::|xく//>=く///>、　　　　　がんばってね、ノエルちゃん！」
　　　　　 　 　 　 　 　 ／lﾍ|'　∨　　| ∨＼_>､
　　　　　　　　　　　　ハ　　　　｢ ￣￣|　　　 ﾊ
　　　　　　　　　　　 ｛.　＼　,ィ⌒)　(⌒ﾄ､　 /│
　　　　　　　　　　　　i　　r'//| ri　　 `!'|/＼' 〔|





　　　　　　　　　　　　　／　 　 　 /　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　　 ヽ 　 　ヽ
　　　　　　　　　　　/　　/　　　 |　　 /　　 ﾊ　　　 '、
　　　　 　 　 　 　 　 　 ,′　　　/　 /∨　 j∧　　 ハ
　　　　　　　　　　 {　　｛　　　　｛/l/⌒| 　 厂Lj V
.　　　　 　 　 　 　 ∨　　　　　　代)::ｱ ￣ ｲ):ｱ ﾘ　 l |
　　　　　 　 　 　 　 ｝　八. 　 八|　､､､　　　　　/　八|
　　　　　　　　　　　ﾉヘ::::::..　　 |＼　　　　'　　,′,′
　　　　　　　　　　　　　 ヽハ.　 |、 　 　 ‐　　ﾉ　/　　　　 「……別に、いつも通りだから」
　　　　　　　　　 　 　 　 ｲ::::｝　:|: ＞　,_ 　＜|:: ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　厂V{　ﾄ､ 　 ｛　ﾉY＾|::人　　　　　「ボクはただ、やるべき事をやってるだけ……」
　　　　　　 　 　 　 　 ／⌒　 ∨　￣￣　人_|/＿＞
　　　　　　　　　　 ／(＞┬-､　`ー─=彡　　〉｀ヽ
　　　　　　　　　 /⌒＼／　　＼　 　 　 　 ／　 }ハ


　　　 ┌───────────────────────┐
　　　 │能力に見合った結果を出すのは、当たり前。　　　　　　 │
　　　 │そんな世界で、ノエルはずっと過ごしてきました。　　　　.│
　　　 └───────────────────────┘

　 ┌─────────────────────┐
　 │だから、あくまでも彼女にとっては、　　　　　　　　.....│
　 │当たり前のことをしているだけで、　　　　　　　　 　 .│
　 │素直に、本心から、褒められたりするなんて、　 　 .│
　 │とうぜん、慣れていません。　　　　　　　　　　　　　　│
　 └─────────────────────┘


　　　　　　　┌────────────────────┐
　　　　　　　│思わず、少しだけ……本当に、少しだけ、　　　　│
　　　　　　　│ノエルは、照れてしまいました。　　　　　　　　　　.│
　　　　　　　└────────────────────┘


.

695： ◆HD5ItXoLGM：2018/08/12(日) 07:52:53 ID:UWmq34WY0


　　　　┌──────────────────┐
　　　　│ノエルのほのかな心の、　　　　　　　　　　　 │
　　　　│ささやかな動きを知ってか知らずか。　　 　 │
　　　　└──────────────────┘

　　　　　　┌──────────────────────────┐
　　　　　　│カナタはニコニコと笑いながら、ノエルに話かけ続けます。　　　│
　　　　　　└──────────────────────────┘



　　　　　　　　 ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　　　 .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,
　　　 　 　 /.: .: :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
.　　 　 　 /.: .: :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:∧:.:.:.:.:.:.: :|:.:.:.:.:.:.:.:|:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　 　 / . : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/|/　 ',:.:.}:.: : :ﾄ､:.:.:.:.:. |:∧:.:.:.:.:.:.:.:|
.　　 　 /| .: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:∠⊥　　∨:.:.:.:.:|　＼:.:.:.|{_人:.:.:.:.:.:.:|
　　　 〃{.:.:/.:.:.:.|.: .:.:/|/ 　 |　｀　 |:.:.:∧| ´⌒＼ﾄ(_ノ}:.:.:.:.:.:.|
　　　｛.　∨.: :.:八.:.:.:　 ≫=ミ.　　 |: /　ﾉ ≠ミ 　 ﾉ!:.:|:.:.:.:.:. |
　 　 　 　 :.:.:.:.:.:.:.丶{〃 _,ｿﾊ 　　 |/　　　_,ｿﾊ｀Y　しヘ :.:.:八
　　　　　 |.:∧:.:.:.:. : :＼弋'ツ　　　　　　 弋'ツ　　　　　}:./
　　 　 　 j/　 ;.:.:.:.:.: ト　ゝ　　　　　　　　　　 　 　 ノ　人|　　　　「あっ、そうそう！ 今日はね、
　　　　　　　　}:.:.:.:.:.:|　　""　　　　'　　 　 ""　 厶イ:.:.:/　　　　 .近くに住んでる子どもたちが、
　　　　　　　　|:.:.:.:.:.:|∧　　　　 ､　　_　　　　　/.:.:/|:.:/　　　　　 基地に遊びにきてるの！」
　　　　　　　　|:.:.:.:.:.:|　l丶　 　 　 　 　 　 　 .ｲ.:.:/ .ﾚ′
　　　　　　　　|:.:.:.:.:.:|　|/ ,＞　　　　　　　イ＾ヽ/　　　　　　　　　「よかったら、ノエルちゃんも一緒に遊ばないっ？」
　　　　　　　　|:.:.:.:.:｜　/　　|　＞--＜　| |　　',＿_,xヘ
　　　　　　　　|／⌒ヽ./ 　{ノ　　　 　 　 乂　 （　(⌒＼ ヽ
　　　／´￣　/ 　 ／⌒)　 ＼　　　　 ／　　　(⌒＼　　　 ∨‐-
. 　 /{　　 　 ,'　／ 　／⌒).　 ＞-　/⌒丶 (⌒＼　 ヽ　　　}　　　｀ヽ
　　{　､　　　{　　　　　 ／⌒) 　 　 ｛　 　 　 ＼　　　　　　ノ　　　　 jﾊ





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///////|　　　　　　　 ｀ ー ´　 　 ′　/　　　ﾘ
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///////|　　　　　　　 U ＜ ＿　. イ　　/イ　　　　 「……えっ？」
///////|ヽ　　　　　　 　　 ｉ　 　 　 　 ﾊ {
///////| 　 　 　 　 　 　 イ |　　　　　 {　　　　　　 「今……仕事中、だけど……」
///////|＿　　　 -‐　　／: :|　　　　/ハ
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696： ◆HD5ItXoLGM：2018/08/12(日) 07:58:43 ID:UWmq34WY0



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　　　　　　　　　 　 ／::::::;ｨ:::::::::::::::::::/⌒!::i　!::::::::::::::::;ｲ::ﾄ::::::::::| ＼／／}::::::::::::::::::::'
.　　　　　　 　 　 　 ￣￣ |::::::::::::::ﾊ/　　V ｀|::::::::::::::/ |::l‐八::::ト 〈／ ／ ::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　 　 　 　 ::::::::::::::|　,ィ ﾆヽ　＼:::::::/　ﾚ　　 ∨　 〈,イ::::::_:::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　､:::::::::::| ヾ んﾍ '　　|::::/　　_　-=x､　　　l／ィ |:::::／
　　　　　　　　　　　　　／.:∧::::::: ヽ　ﾏィｿ　　 ﾚ' 　　´ んﾄﾊ ｀〉　ノ r'. ! l : ト､　　　　　「ほら、ノエルちゃんもいこっ！ ねっ♪」
　　　　　　　　　　　 ／:.:/(＿_:::::::､:::＼ ¨　　　　　　　　ヒえﾉ '　　　　　ﾉ＼i,ヽ＼
.　　　　　　　 　 　 /.:./////_入::::::',⌒　　　　,　　　　　 ｀¨´　　　＿／:＼///∧:.:､
　　　　　　　　　　/:.://///´:.:.:.:l:::::::〉　　　　　　　　　　　　　　 ///|:.:.:.:.:.:.､///∧.:.
　　　　　　　　　　//////:.:.:.:.:.:.:l::::::|/＼　　(｀ ＝ ァ　　 　　／ ///:.:.:.:.:.:.:.:∨//∧.:.
　　　　　　　　　 |/////:.:.:.:.:.:.:.:.:ｌ:::::ﾄ､//＼　｀ ─'　　　　＜/////:.:.:.:.::.:.:.:.:.:∨//,i:.:|
　　　　　　　　　 |////l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:::::|.:∨//,,＼＿ .,　__´　} /////:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨//l:.l

　　　　　　　　　┌──────────────────┐
　　　　　　　　　│ノエルの当たり前な疑問なんて、　　　　　　..│
　　　　　　　　　│気にするようなカナタではありません。　　　.│
　　　　　　　　　└──────────────────┘


.

697： ◆HD5ItXoLGM：2018/08/12(日) 07:58:55 ID:UWmq34WY0



　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　＼　　　　　　＼
　　　　　　　　　　 　 ／ /　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　＼
　　　　　　 　 　 　 , 　　　　　 /　　　　 　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　/　/　　 　 /　　　　　　∧　　　　 i　　　　　　 ﾊ
　　　 　 　 　 　 /　/　　 　 /　　 　 　 　 l　',　　　　 　 　 　 　 　 i
　 　 　 　 　 　 　 /　 　 　 i| ,ｲ　　 　 ,ｲ｜ 斗 ト
　 　 　 　 　 　 '　i　　　 ,ｲム| |　　　｜凵　　V　＼　　　　　　　　 l
　　 　 　 　 　 ,　 |　　　「'ﾘ ＿ Ｗ＿_」　 　 　 　 　 ＼!
　　　　　　　　　　| ﾄ　　|　 ,-==､　　　　　　,≠＝x　　| 　 　 　 |　 |
　　　　　　　　| 　 ﾘ　＼| 〃 :О　　　　　　´　О:　ゝ./　　　 　 |
　　　　　　　　|∧　 　 　 　 -=-　　　　　　　 -=- '　/　　　　　 | /
　　　　　　　　ﾘ :|　　　ヽ　　 　 　 　 ､　　　　　　　/ 　 　 　 　 N　　　 「……へっ？
　　　　　　　　　 |　　　　',　　　　 　 　 　 　 　 　 / イ 　 　 　 /|　　　　ちょ、ちょっと……まっ、て……」
　　　　　 　 　 　 ､　　　 ﾄ　　　　　 　 　 　 　 　 ´ /　　 　 ／V
　　　　　　　　　 　　　　 | ヽ　　　　　 ‐-､　　　U　|　　 　/´
　　　　　　　 　 　 i 　 　 ! 　 ＼ 　 　 ￣　 　 　 ／l　 　 / ヽ
　　　　　　　 　 　 | 　 ｀↓ﾍ /　｀　 ､　　　_　＜.　 |　　/　　 〉
　　　　　　　 　 　 | .ﾊ　｜　{ 　 ､　ハ｀　　　　,　- |　 ハ＿∧


　　　　　 ┌───────────────────────────┐
　　　　　 │ノエルのきわめて弱気な抗議と、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　 │比較的真面目な主張は、あっさりと悪気なく聞き流されて。　　　....│
　　　　　 └───────────────────────────┘


　　　　　　　 ┌──────────────────────────┐
　　　　　　　 │あれよあれよと言う間に、ノエルはカナタに手を引かれ、　　　　│
　　　　　　　 │基地の応接間兼作戦会議室兼全体会議室兼　　　　　　　　 　 .│
　　　　　　　 │第二食堂兼集会所兼音楽室休憩所という、　　　　　　　　　　　..│
　　　　　　　 │もはや元が何の用途のためにあったのか、　　　　　　　　　　　..│
　　　　　　　 │よく分からない広間へと連れていかれてしまいました。　　　　.....│
　　　　　　　 └──────────────────────────┘



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　……　… ────────────── …　……
　　　　 …　　─　──　─── ──────────────── ───　──　　─…
・　　━　　━━　━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━　━━　　━　　・

698： ◆HD5ItXoLGM：2018/08/12(日) 08:06:53 ID:UWmq34WY0



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●


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　　　　　　　　　|
　　　　　　　　　|　　　　 ＿＿＿　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　|　　　　||＿||＿||　　　　　 ||＿||＿||
　　　　　　　　　|　　　　||＿||＿||　　　　　 ||＿||＿||
　 　 ／|　　　　.|　　　　 ￣￣￣　　　　　　￣￣￣
　 ／　 |　　　　.|
／ 　 　|　　　　.|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿＿
|　　　　|　　　　.|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＿＿,.:;／||
|　　　　|　　　　.|　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿　 　 ＿＿　 ||　 ＿＿||＿||
|　　　　|　　　　.|;:,.　　　　　　　　　　　　　　 ／-/-／| ／-/-／| .||／＿＿||／||
|==l　　.|　　　　.|;:;:,,.＿＿,.::;.,＿＿＿,,;;;:.,＿_〈＝llニ〈=〈≡ll二〈_=|_||＿＿＿||　 ||＿
|　　　　|　　　／　　　　　　　　　　　　　　　〈三||＝〈/〈ニ||=-〈／..||　 　 　 ||
|　　　　|　 ／
|＿＿.,:;|／
|　　　／
|　 ／
|／





　　　　　　　　　　　 　 　 -. :´ : : : : : : : : : : : : ＞.、
　　　　　　　　　　　　　 ´:.::.::,.::´::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::｀:...、
　　　　　　　　　　　／::.::.::／:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::＼::.::.::.::.::.::＼
　　　　　　　　　　 ´:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::ヽ::.::.::.::.::.::.ヽ
　　　　　　　　　 /::.::.::.::/::.::.::/.::.::/ .::.::.::.::.::.::.::.::.::.::i::.::.::.::.::.::.::.::.
　　　　　　　　 ノ/.::.::.::,′: :/.::.::/ :.::.::.::.::.::i :| :.::.::.::|:.::.::.::.::.::.::.:: i
　　　　　　-=彡' ::.::.::.::| .:: /:_∠_ヽ:.::.::.::.::/.::| :.::.::.::|::.::.::i::.::.::.::.::.|
　　　　　　　　 |::.::.::.::.::| ::/ ﾚ'　　｀丶 :.::/ :.::|-: ､:.::|::.::.::|::.::.::.::.: |
　　　　　　　　 | :.::.::.::∧:{　　　､　　 |.::/ﾊ:.::ハ|:.:ヽﾊ＿iｲ〉.::.::.::.|
　　　　　　　　 |.::.::.::.::i　〉＝＝ﾐ､ 　 ﾚ'　 ∨　ﾊ ::/ 〈-‐::〉:/:.:: /
　　　　　　 　 八:.::.::.::|　´　　 　 　 　 　 ｧ==ﾐ､∨　〈_／:/:.:: /
　　　 　 　 　 　 ∨::.::ト⊂⊃　 　 ,　　　　　 　 ヽ　　/‐く:.:: ｲ　　 「――じゃじゃ〜ん♪」
　　 　 　 　 　 　 | :: ::|　　　　　　　　 　 ⊂⊃　　 ／ハ |:ハ}
　　 　 　 　 　 　 | :.::人　 　 　 、 　 ,-，　　　　　 .ノ　,.ｲ′　　　 「今日はなんとっ！ あのノエルちゃんを
　　 　 　 　 　 　 |::.::.::/ヽ　　 　 　 ￣´　　 　 ,.ﾍ-┬:ハ{　　　　　 連れて来ちゃいました〜！」
　　 　 　 , -――|:.::.::i//::＼　　　　　　 　 イ/:::::::::iＫ
　　　　 / :::::::::::::::|::::i::|〈::::::::::＞┬―　 ´　／ ::::::::::l|:::＼
.　　　 / :::::_...-―| ハ{:::::::::::::ヽ 　 　 　 ／::::::::::::::::∧:,.ヘ丶
　 　 ∧￣　　 　 ﾚ':::::ﾚ'＝ヘ::i 　 　 ／､:::::ｲﾉ::::: /　ヽヽ'::::::＼

699： ◆HD5ItXoLGM：2018/08/12(日) 08:09:24 ID:UWmq34WY0
///////|　　　　 　 　 　 　 　 　　 　ヽ　　　　 ヽ
///////|　　　　　　　　　　　　　　　　 Ｙ　　　 　 .
///////|　　　　　　　　　　　　　 ｉ
///////| 　 　 　 ′　　 　 　 　 ｉ}　　　 　 　 Y　　i
///////|　　　　/　　　　　 　 　 ﾘ　　　}　　　 ｉ　　|
///////|　　/ 〃　　　　　　 　 /　　　　 　 　 |　　}
///////|　イ_/ {＿　　 　 　 ｲ/ 　 　 /　　　　|　 /
///////| 　 　 　 　 ￣_ ＼ 」〈　　 //　　　 　i| ./
///////| 　u　 　 　 〃(ｒ:::::ﾉﾘ＾≫ｲ/　　　　　ｌ}/
///////|　　　　　　　 ｀ ー ´　 　 ′　/　　　ﾘ
///////|　　　　　　　　　 　 　 ／　　/　　/ /
///////|　　　 　 　 　 U 　 ／　　　/　　/ /
///////|　　　　　　　 　 ＜ ＿　. イ　　/イ
///////|⊃　　　　　　　 　 ｉ　 　 　 　 ﾊ {
///////| 　 　 　 　 　 　 イ |　　　　　 {　　　　　 「……あ、『あの』……？」
///////|＿　　　 -‐　　／: :|　　　　/ハ
///////|　　 　 　 　 ／: : : :ｉ　　　 /＼
///////|＿＿_ 　 ／: : : : : :ｉ　 　 /: : : 〉_
///////|: : : : : : : : : : : : : : :.　　 /: : ／: : :＼
///////|: : : : : : : : : : : : : :.ﾉ　 }/: : : : : : : : : : :.
///////|: : : : : : : : : : : : :ー:イ/: : : : : : : : : : : : 〉



　　　　　 ┌─────────────────────┐
　　　　　 │いきなり不慣れな場に連れて来られた上に、　　......│
　　　　　 │妙な代名詞まで勝手につけられたノエルは、　　　 .│
　　　　　 │ただただ、あせるばかりで。　　　　　　　　　　　　　 .│
　　　　　 └─────────────────────┘

　　 ┌─────────────────────┐
　　 │ただでさえ低い平熱が、　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　 │更に一℃ぐらいは下がってしまいそうでした。　　　 │
　　 └─────────────────────┘


.

700： ◆HD5ItXoLGM：2018/08/12(日) 08:12:47 ID:UWmq34WY0

　　　　　　　　　　　　／
　　 ／￣￣＼　　　 .―
　／　　 ⌒　　＼　　 ＼
　|　　　 （ ⌒）（⌒）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　　「おっ、ノエルちゃんじゃないか」
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　「珍しいな、ノエルちゃんもサボリかい？」
　　　/　　　 く
　　　|　　　　 ＼
　 　 |　　　　|ヽ、二⌒)


　　　┌──────────────────────────┐
　　　│部屋の中に恐る恐る足を踏み入れたノエルに気づいた、　　......│
　　　│中にいた兵士達は、ごく自然に、当たり前のように、　　　　　......│
　　　│お気軽に、次々と声をかけてきました。　　　　　　　　　　　　　.....│
　　　└──────────────────────────┘




　 　　　　＿＿＿_　　　　　　　　 「おいおい、こりゃ別にサボリじゃねーお
　　　　／_ノ 　 ヽ_＼　　　　　　　ノエルちゃんも、『周辺地域交流会』
　　 ／（ ●）　（ ●）＼　　　　　 へ参加しにきたんだお？」
　／ ::::::⌒（__人__）⌒:::::＼
　|　　　　　　 ￣　　　　　 |　　　 「まっ、ちょっとした休憩みたいなモンだから、
　＼ 　 　 　 　　 　　　 ／　　　　ノエルちゃんも気楽にしてくといいお♪」

701： ◆HD5ItXoLGM：2018/08/12(日) 08:17:58 ID:UWmq34WY0


　　　　　　　　　　　　-‐ｧ=ー-ミ
　　　　 　 　 　 ／　 　〈 　 　 　 ＼
　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　ヽ
　 　 　 　 　 /　　/.　　 |　　　　 i 　∧
.　　　　　 　 |　　 |｜ |/|　　|i|　 |　　 |
.　　　　　 　 ｌ　　 |人_|‐L.」_j七ﾉ|　　 l
　 　 　 　 　∧　　、‐tｯ　 　 tｯ‐|　 |/
　　　　　　　　ﾍ ＼〉::::..... , ...:::::..i|　 |
　　　　　 　 　 ハ　|、u　 __　　ﾉ|　 |　　　　　「……周辺、地域……交流会？」
　　　　　　　　　 |　|_〕ト　_ . イj/| |/
　　　　　 　 　 ノ}ヽ|￣＼___,ノ⌒|ﾉ⌒＞
　　　 　 ,x＜二＼　　　　 　 　 〈　7´二>､
.　　 　 /　　　　　 ＼＿＿　　／∨　　　｜
　　　　|　　 ',　　　 　 　 ＼／　　　　 /　 |
　　　　|　 　 ∨　　　 　 　 |　　　 　 /　　l|
　　　　|　　　 [￣￣]　　　 |　 [￣￣]　｢う|




　　　　　　　┌──────────────┐
　　　　　　　│ノエルは首をかしげました。　　　 .│
　　　　　　　└──────────────┘

　　　　　　　　　　 ┌───────────────────┐
　　　　　　　　　　 │彼らが語る言葉を分割し、単語で意味を　　　.│
　　　　　　　　　　 │判断していけば、ノエルにだって　　　　　　　　.│
　　　　　　　　　　 │なんとなくのニュアンスは理解できます。　　　 │
　　　　　　　　　　 └───────────────────┘


　　　┌────────────────────────┐
　　　│しかし、彼らが一体、どのような理由で、　　　　　　　　　　...│
　　　│どのような意図をもって、交流会などと　　　　　　　　　　　...│
　　　│言い出したのかについては、頭のいい　　　　　　　　　　　...│
　　　│ノエルにも、すぐにさっすることはできませんでした。　　　 .│
　　　└────────────────────────┘


　　　　　 ┌─────────────────────────┐
　　　　　 │少なくとも、この基地へ来る前に読んだ、　　　　　　　　　　　...│
　　　　　 │基地に関する一連の資料では、　　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　 │そういった行事や催事が定期的に行われているとは、　　　...│
　　　　　 │どこにも記載されていなかったからです。　　　　　　　　　　　 .│
　　　　　 └─────────────────────────┘


.

702： ◆HD5ItXoLGM：2018/08/12(日) 08:25:11 ID:UWmq34WY0

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┌ - ミ
　　　　　　　　　　　　　（_＿／｢￣＼ : : :＼￣＼
　　　　　　　　　　　　　 ｀ｱ.: : :| : : : : ヽ: : : :＼: : ＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 ／.: .: : :| : : : : : :',: : : : :|: : : : :
　　　　　　　　　　　／:／.: : :|.:|＼: : |: .:|＼: : :|.:∧: : ∨
　　　　　　 　 　 　 ￣}: : i: .:人|⌒＼|: .:|　´＼|〈/ 〉:.:.:|
　　　　　　 　 　 　 　 |: : |: .:| 〃冗　＼j　 冗ヽ.∨ .:{.:|
　　　　　　 　 　 　 　 |: : |: ∧{　Vｿ　　 　 Vｿ　jハ:.:乂_
　　　　　　 　 　 　 　 |: : |人_j　.:.:.:.　　'　　.:.:.:. Ｌノ〈￣　　　　「私たちはね、月に二回か三回ぐらい、
　　　　　　　　　　 　 ﾉ: : |.: .:人 　　r‐　 ｧ 　 . :|:.:厂＼　　　　 こうやって近くに住んでいる人たちを集めて、
　 　 　 　 　 　 　 ／: :／|／|:.:个:　　　 　 イ |.:|/　　　　　　　 みんなとお話したり、バーベキューをやったり、
　　　 　 　 　 　 /: :／ 　 　 j／|／｀Tﾆ 　 人乂　　　　　　　　一緒に山菜を取りにいったりしてるの」
　　　　　　　　　∨　　 ／＼--〈///厂∨///〉-こ)-- ミ
　　　　　 　 　 　 ＞‐く　　 ⌒＞―-ミ　∨// ￣￣￣＼＼　　「こうやって、みんなと仲良くするのって……
　　　　　　　　／////∧　／　　　　　 　 ∨　 　 ／　　 ∨　　.とっても素敵なことだと、思うんだよ！」
　　　 　 　 　 |￣＼///,∨　　　　　　　　 　 　 , '　|厂＼ |
　　　　　　　　　　　∨//{　　　　　　{　ノ　　　/　　|i　　ｉ|ﾉ
　　　　　 　 /　　　　∨ 人 　 ＼ 　 ∨　　　　　 　 ＼__ﾘ
.　 　 　 　 /　　　　　 ∨　 ｀¨ﾌ⌒ﾒ、 ∨　　 /⌒　　 　 |





　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　／ 　 ⌒　　 ＼　　　　　 「そうそう、これも軍隊の仕事の一環なんだぜ？」
　　　　　　（ へ）（ へ）　　｜
　　　　　　.（__人__）　 　 　 |　　　　　 「ただでさえ俺達は、銃を持ってる仕事柄、
　　　　　　　ｌ｀ ⌒´　　　　.｜　　　　　フツーの人達からは怖がられがちだからなぁ」
　　　　　　　{　 　 　 　 　 .｜
　　　　　　　{　　　　　 　＿ |　　　　　「周辺住民と円滑な関係を築いとかないと、
　　　　　　（ヽ、ヽ　　　/ 　）|　　　　　 色々と不都合があるんだよ」
　　　　　　 |　｀`ー―‐'|　..ヽ|
　　　　　　 ゝ　ノ　　 　ヽ　 ノ
　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

703： ◆HD5ItXoLGM：2018/08/12(日) 08:28:52 ID:UWmq34WY0


　　　 　 　 　 　 /　　 /　　　　　　　　　　　　　　　 :.
　　　　　　　 　 ' 　　/ 　 　/　 　　　　　　　　　　　ハ
　　　　　　 　　ｉ　 　' 　 　/l 　 　 l 　 ﾄ.　　　　　　 l　｝
　　　　　　　 　l　　 　ﾊ-/‐l , 　　|、 」_!　 ,　　　　 | /
　　　　　　 　 八 　∨ ｊノ　.|ﾊ. 　 | ヽﾊlヽ/　　　　//
　　　　　　　　　 ヽ ハ ヾﾋテ'　＼|｀ﾋテ>ﾊ　　　 /, |
　　　　　　　　　　 |　 ゝ　:::::　 　 　 :::::　厶ｲ　 /∧|
　　　　　　　　　　 | 　∧　　　 ′　　　u. _, l　 '/
　　　　 　 　 　 　 И　　ト.　　 c 　 　 .イ/: l　/　　　　「そ、そうなんだ……」
　　　　 　 　 　 , -‐ﾍ. 　|l　｀≧=-＜__|_厶　 ∧
　　　　　　　 ／＞ ､　ヽ|｀丶､　　　　/　/　∧厶ヽ
　　　　　　 /⌒′　 ＼　 　 　 ー=≠＼^ ｲく/　＼>､
. 　　　　　/　　 　 　 　 丶 、　　　 　 ／ヽ 　}　 　 }∧
　　　　　 {　＼　　　　 　 　 |｀ ーｒ‐ ´ 　 | ＼!　　 /　}




　　　　 ┌───────────────────────┐
　　　　 │ノエルの基地に関する既知の中に、この様な　　　　　.....│
　　　　 │イベントを定期的に行っているという情報は無く。　　　....│
　　　　 └───────────────────────┘


　　┌─────────────────────────┐
　　│ノエルが蓄積した軍隊に関するデータの中にも、　　　　　 　 .│
　　│住民と交流をした方が良い、しなければならないという　　　...│
　　│概念はあまり見あたりませんでしたが、　　　　　　　　　　　　 .│
　　│自分が持っているような机上の知識ではない、　　　　　　　　.│
　　│「実際の」内情を知っている彼らの言うことです。　　　　　　.....│
　　└─────────────────────────┘



　　　　　　 ┌────────────────────┐
　　　　　　 │おそらく、そちらの方が正しいのだろうと、　　　....│
　　　　　　 │ノエルは思いました。　　　　　　　　　　　　　　　.....│
　　　　　　 └────────────────────┘


.

704： ◆HD5ItXoLGM：2018/08/12(日) 08:33:33 ID:UWmq34WY0


　　　　　　　 　　´￣　;ヽ
　　　　　　　　//＼. l i　 |
　　　　　　 　 | L!　‐| |)　|
　　　　　　　　| !ヽ。,.| |ﾉ )
　 　,　　_　 　-l-.「＿|/|/
　 　 ゝ　 ､ ∧､　　　　! ＼
　　　　│ i .∧､　　　／　 |
　　　　∧∧|　木‐' " |/　|
　　　　|//./　」 」 　 |/ ./|
　　　　|/ ＼ |　|　　/　/ |
　　　 /　／|＞ ─ |　/　|


　　　 ┌────────────────────────┐
　　　 │ノエルが改めて部屋の中を見渡してみると、　　　　　　　.....│
　　　 │たしかに、明らかに軍属ではなさそうな　　　　　　　　　　　..│
　　　 │年輩の人たちや、小さな子どもたちが、　　　　　　　　　 　 .│
　　　 │既知の基地の人たちと、楽しそうに会話していたり、　　......│
　　　 │お茶を飲みながら菓子をつまんでいたり。　　　　　　　　　 .│
　　　 └────────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　 .:::::::::ｧ―――‐‐- 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／,　-‐'ﾌ´　 　　 ,　-‐ｧく
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/／　 ／　　　　　/-‐ ´.:.:.:.ヽ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　　　　　 　 　 　 ｌ:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:',
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / ,∠ニﾆヽ　　　　　|―ｚノヽ.:.:.:.:.:.',
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｌ'´.:.:.:.:.:, z‐ｧヾｰ‐‐ '´　ｰ-　　V:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |.:.:.:.:.:./　　, -‐='　　 ヾ=‐- ､　V.:.:.:!
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾉ|.:.:.:.::ﾘ 　 ´ ,　､　　　　 , ､ 　 ｀ |.:.:/
　　　　　　　　　　　　　　 　　V^ヽ|　　r'ﾓﾃ 　　　/　ﾓﾃｭ 　 ﾚ'^l
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 rr|　　　　､ _ __, ′　:　ヽ　 ノ　　　 L _
　　　　　　　 　 　 　 ＿　∠l｣ﾊ　　 ヽ　　　　　　　､　　　　,ノ　∧　 ｀ヽ､
　　　　　　　　　 ／　　　 ヽ ﾉ　ヽ_ﾊ　 ',　　／　、_ﾉ｀ヽ 　/ ﾊ_ﾉ　|　　 　 ヽ､
.　　　 　 　 　 ,ｨ′　　　 　 l|　　 　 l 　 　/　 、,　, , 　 ',　　|　 　 |　 　 　 　 ヽ
　　　　 　 　 / {　　　　　　 l|　　　　ヽ　i ｌ　　￣こ￣　 l　ﾚ′　　|　 　 　 　 　 ＼
.　　 　 　 　 |　 ',　　 　 　 ,ハ 　 　 　 ｀ヽＬ　 　,.、　　 ｣´

705： ◆HD5ItXoLGM：2018/08/12(日) 08:34:27 ID:UWmq34WY0
　／::::::::;　＜ ￣ 　 　 　 ∨:::::::::::::::::l
/:::::::::／ -――　、　　　　∨:::::::::::::::!
ー　´/ 　 　 f⌒ヽ}　　　　　V::／｀ヽ!
　　　　　 　 戈,シ 　 　 　 　 / 　 /　',
　　　｀ ー―‐　´　,　 　 　 　 　 ∧
　　｀ミ　 _　 　 _ ノ　　 　 　 　 /　　　:}
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 〈 　 　 /
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　 ﾉ　　 /
　　　　　　　　　　　　 　 /　　　　 /
　　　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　 /
＼　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /
　 ｀ ー- 　 - 、　　　　　　 ト-ｲ
　　　　　 　 　 i　　　　　 l　!
――――クﾍ |　 } 　 　 ｌ　|
￣ ￣ ￣ 　 / |　,'　　 　l　:|＞- ､
　　　　　 　/ 　 /　 　 　!　:!:///∧
　　　 　 ／　　/　　　　 　 :|:////∧
=-‐　 ´ 　 　 　 　 　 　ﾉ 　∨////∧
　　　　　　　　　　　 ／　　　∨/////＼



　　　　 ┌──────────────────────────┐
　　　　 │あるいは、何故か兵隊さんと子どもたちが一緒になって、　　　..│
　　　　 │紙で作った飛行機のようなものを、　　　　　　　　　　　　　　　　...│
　　　　 │作っては飛ばしていたり、していました。　　　　　　　　　　　　 　 │
　　　　 └──────────────────────────┘



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　 '"´　　　　　　　　　　｀⌒丶、
　　　　　　　　　_＿_　　／　..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::.... 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　 ＼　 ´...:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..
　　　　　　　　　 ／ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::..　　　　ヽ
　 　 　 　 　 　 /::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::＼:::＼:::::::::::::::::::... 　 　 ',
.　　　 　 　 　 /:/:::::::::::::::::::::::｛:::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::.
　　　　　 　　/ｲ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::ﾊ::::::::::::ヽ::::　　　｝
　　　　　　　　 ｉ:::::::/:::::::::::|:::::∧:::::::::｛ ::-=＼ :::ト＼|::::::::::::: i::::|　　八
　　　　　　　　 |:::::::l :::::::::::|:::::Ｌ_ヽ:::::::|＼|　_ｘ≧ミ　|::::::::::::: ﾄV 　　、 フ
　　　　　　　　 '::: ﾉ{::::::八:|＼|'⌒ ＼:| 　 〃　ﾄ:::沁Ｙ:::::::::::::jい 　　厂
　 　 　 　 　 　 ∨八:::::::::::.　ｘ=ミ　　　　 　　弋(ソ│::: /∨｀ ｝　ノ
　　　　 　 　 　 　 　 ヽヽ::＼{ハ::iﾊ　　　.　.　　ｰ 　ﾘ／　ﾉ　ノ::/⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　 ｝人_:::＞ Vｿ .　　　.　.　///　　　,ｰ〃⌒ヽ__人
　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨// .　'　　　,､　　　　　/∨ﾍ､＿ﾉ::::..　＼
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 人　　　　マ　ノ　　　　　　 ',⌒＼{::::::::::...　 ヽ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 /::::::::..._　　　　　　　 ／　　　∨> 八::::{:::::::..＼｝
　　　　　　　　　　　　　　 　｛/{:::::::/:;≧y　､_.　イ　　　　 ／　　〈＼

706： ◆HD5ItXoLGM：2018/08/12(日) 08:36:41 ID:UWmq34WY0



　　　┌────────────────────────┐
　　　│ノエルは、一見するまでもなくのどかな光景に、　　　　　......│
　　　│若干の不思議な疑問を抱かざるをえませんでした。　　 　 │
　　　└────────────────────────┘

　　　　　　　┌────────────┐
　　　　　　　│ですが、それ以上に。　　　　.│
　　　　　　　└────────────┘



　　　 　 　 　 　 /　　 /　　　　　　　　　　　　　　　 :.
　　　　　　　 　 ' 　　/ 　 　/　 　　　　　　　　　　　ハ
　　　　　　 　　ｉ　 　' 　 　/l 　 　 l 　 ﾄ.　　　　　　 l　｝
　　　　　　　 　l　　 　ﾊ-/‐l , 　　|、 」_!　 ,　　　　 | /
　　　　　　 　 八 　∨ ｊノ　.|ﾊ. 　 | ヽﾊlヽ/　　　　//
　　　　　　　　　 ヽ ハ ヾﾋテ'　＼|｀ﾋテ>ﾊ　　　 /, |
　　　　　　　　　　 |　 ゝ　:::::　 　 　 :::::　厶ｲ　 /∧|
　　　　　　　　　　 | 　∧　　　 ′　　　　 ._, l　 '/　　　　(……楽しそう、だなぁ)
　　　　 　 　 　 　 И　　ト.　　`　´　 　.イ/: l　/
　　　　 　 　 　 , -‐ﾍ. 　|l　｀≧=-＜__|_厶　 ∧　　　　　(……ボクなんかには、似合いそうにないけどね……)
　　　　　　　 ／＞ ､　ヽ|｀丶､　　　　/　/　∧厶ヽ
　　　　　　 /⌒′　 ＼　 　 　 ー=≠＼^ ｲく/　＼>､
. 　　　　　/　　 　 　 　 丶 、　　　 　 ／ヽ 　}　 　 }∧
　　　　　 {　＼　　　　 　 　 |｀ ーｒ‐ ´ 　 | ＼!　　 /　}



　　　　┌─────────────────────────┐
　　　　│素直な興味と、あこがれと。　　　　　　　　　　　　　　　　　　......│
　　　　│決して自分には得られないだろうという、　　　　　　　　　　　　│
　　　　│染み着いてしまったあきらめの感情とが折り混ざった、　　　 │
　　　　│複雑な重い思いが、ノエルの白く透明な心を、　　　　　　　　 .│
　　　　│さまざまな色で濁らせていました。　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　└─────────────────────────┘


.

707： ◆HD5ItXoLGM：2018/08/12(日) 08:37:48 ID:UWmq34WY0
ちょっと時間ギリですが、キリも良い？のでこの辺りで〜
色々バタバタしてますが、何とか時間作って、
1hぐらいでさっさっとやって行きたいですね

ではでは

708：どこかの名無しさん：2018/08/12(日) 09:59:07 ID:BHrDJyvo0
乙です！

709：どこかの名無しさん：2018/08/16(木) 22:18:19 ID:Xd.HxBtU0
乙です！！

まだまだ暑い日が続きそうなので
体調に気を付けてくださいね。
次回の投下も楽しみにしてます。

710： ◆HD5ItXoLGM：2018/11/05(月) 07:18:21 ID:JKF0GBMk00
ちょっと私事で引っ越しやら生活スタイルがガラッと変わったので、
しばらくやる夫から離れてたんですが、久々に進めようかと思ったら、
どこまでやってたか、軽く忘れているという(・・;)
まあ、ぼちぼちやってく予定なので、気長によろしくです。

711：どこかの名無しさん：2018/11/07(水) 22:39:38 ID:0YfoDdCc00
わーい
待ってまーす

712：どこかの名無しさん：2018/12/14(金) 05:24:52 ID:pr1o0zCI00
待ってます

713：どこかの名無しさん：2019/01/14(月) 17:50:29 ID:.mzzp.u200
あけましておめでとうございます

714： ◆HD5ItXoLGM：2019/01/18(金) 03:14:43 ID:mVdgxmo200
あけおめです(^oヘ)

年末年始に色々あってやれなかったので、
今月の週末でぼちぼち再開する予定です
なかなか投下可能な時間と体力が揃う事が無くてきっつーですが、
なるべくやってみますね

715：どこかの名無しさん：2019/01/18(金) 18:58:19 ID:4oRuG7CM00
おおっ！
まだ寒い季節ですが全裸で待機させていただきます

716： ◆HD5ItXoLGM：2019/01/28(月) 02:25:25 ID:f1ncJBYo00
やる事やって部屋戻ったらこんな時間に…
週末予定だったけど、とりま明日か明後日で、すみません

717：どこかの名無しさん：2019/01/28(月) 03:05:17 ID:Ozlng98g00
承知しました！
とりあえず本日は服を着させていただきます。

718： ◆HD5ItXoLGM：2019/01/30(水) 02:08:07 ID:WOP/25og00
やる事やっと終わった(；・∀・)多分3時ぐらいまで
中途になりそうなので、明日か明後日もやろうかなーと
大体半年ぶりの投下ですが、今更ながらあややビュアーってのを
導入してやってみるけども、色々手間取ったらごめんね

719： ◆HD5ItXoLGM：2019/01/30(水) 02:12:00 ID:WOP/25og00

　　　　　　　 ＿＿＿＿
　　　　　γ::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
　　　　／::::::::人::人:::人::::::::ヽ　　　　　「あはは！ なに寝言をほざいてるんだい？」
　　 γ::::::::::／_ノ　　ヽ､＼::::::::ヽ
　　（:::::::::／（ ●） 　（●）＼:::::::）　　　「何が地域交流だよ、アンタらはただ
　　＼:／　　　（__人__） 　 　＼ﾉ　　　 サボりたいだけじゃないか！」
　　　 |　　　　　 (　 (　　　　　 |
　　　 ＼ 　　 　 `ー´　　 　 ／


　　 ┌─────────────────────┐
　　 │内心落ち込むノエルをよそに、年輩の女性が　　　.│
　　 │ニヤニヤした笑みを浮かべながら、　　　　　　　　　│
　　 │兵士に乱暴な言葉を投げつけました。　　　　　　　..│
　　 └─────────────────────┘


　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　／ 　 ⌒　　 ＼
　　　　　　（ へ）（ へ）　　｜
　　　　　　.（__人__）　 　 　 |　　　「はぁ？ サボリの口実だって？
　　　　　　　ｌ｀ ⌒´　　　　.｜　　　ハハッ、バカも休み休み言うんだな……オバサン♪」
　　　　　　　{　 　 　 　 　 .｜
　　　　　　　{　　　　　 　＿ |
　　　　　　（ヽ、ヽ　　　/ 　）|
　　　　　　 |　｀`ー―‐'|　..ヽ|
　　　　　　 ゝ　ノ　　 　ヽ　 ノ


　　　　 ┌────────────────────┐
　　　　 │兵士もまた、なぜだか妙に楽しそうに、　　　　　 .│
　　　　 │あまりよろしくない言玉を投げ返しました。　　 　 │
　　　　 └────────────────────┘

　　┌────────────────────────┐
　　│息の合っているような、やっぱり合っていないような、　　　.│
　　│なんとも微妙に絶妙なタイミングで。　　　　　　　　　　　　.....│
　　└────────────────────────┘


.

720： ◆HD5ItXoLGM：2019/01/30(水) 02:17:57 ID:WOP/25og00


　　　　 ┌──────────────────────────┐
　　　　 │そこまで広くもない応接間兼作戦会議室兼全体会議室兼　　.....│
　　　　 │第二食堂兼集会所兼音楽室休憩所を行き交う、　　　　　　　　..│
　　　　 │他愛も無い悪言の応酬は。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .│
　　　　 └──────────────────────────┘



　／::::::::;　＜ ￣ 　 　 　 ∨:::::::::::::::::l
/:::::::::／ -――　、　　　　∨:::::::::::::::!
ー　´/ 　 　 f⌒ヽ}　　　　　V::／｀ヽ!
　　　　　 　 戈,シ 　 　 　 　 / 　 /　',
　　　｀ ー―‐　´　,　 　 　 　 　 ∧
　　｀ミ　 _　 　 _ ノ　　 　 　 　 /　　　:}
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 〈 　 　 /
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　 ﾉ　　 /
　　　　　　　　　　　　 　 /　　　　 /
　　　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　 /　　　 「ヘヘヘッ……ほ〜んと、ここのボンクラ兵士共は、
＼　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　 ロクでもねぇ連中揃いだからなぁ」
　 ｀ ー- 　 - 、　　　　　　 ト-ｲ
　　　　　 　 　 i　　　　　 l　!　　　　　　「兵士のクセに、ロクに訓練はしねーし、
――――クﾍ |　 } 　 　 ｌ　|　　　　　　　いっつも茶を飲んでるか、パブで酒飲んでは騒いでるし、
￣ ￣ ￣ 　 / |　,'　　 　l　:|＞- ､　　　 .その上基地に住民を平気で招きやがるしよぉ」
　　　　　 　/ 　 /　 　 　!　:!:///∧
　　　 　 ／　　/　　　　 　 :|:////∧　　「いやぁもう、本当にありえねーよなぁ〜」
=-‐　 ´ 　 　 　 　 　 　ﾉ 　∨////∧



　　　　　┌───────────────────────────┐
　　　　　│ノエルが陰で、裏で、時には表でぶつけられてきたものと、　　 　 .│
　　　　　│表面の形だけは似ていて。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
　　　　　│でもその中身は、まるで違っていて。　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
　　　　　└───────────────────────────┘



　　　　　 　 　 　 ＿＿__
　　　　 　　 　 ／_ノ 　ヽ＼
　　　　 　 　／ （ ●）　（●）、　　　　　「ケッ、しけた酒とそれなりのつまみと、
　　　　　 ／::::::::⌒（__人__）⌒＼　　　　 後はしなびたババアウェイトレスしかいねー
　　　　　 |　　 　　　|r┬-|　　　 |　　　　安酒場にも金落としてやってんだから、感謝してほしーぐらいだお」
　　　　　 ＼ 　 　 　 `ー'´　　／
　　⊂⌒ヽ　〉　　　 　　　 ＜´/⌒つ　　「ってか、んなありえねー連中のトコにノコノコと来ちゃあ、
　　　 ＼　ヽ　 /　　 　 　 　 ヽ　/　　　　適当にダベって帰ってくヤツラってのは、一体どんなボンクラなんだおー？」
　　　　　＼_,,ノ　　　　　　|､＿ノ

　　　 ┌────────────────────┐
　　　 │少なくとも、ノエルにはそう思えてしまって。　　　..│
　　　 └────────────────────┘

.

721： ◆HD5ItXoLGM：2019/01/30(水) 02:23:14 ID:WOP/25og00



　　　 　 　 　 　 /　　 /　　　　　　　　　　　　　　　 :.
　　　　　　　 　 ' 　　/ 　 　/　 　　　　　　　　　　　ハ
　　　　　　 　　ｉ　 　' 　 　/l 　 　 l 　 ﾄ.　　　　　　 l　｝
　　　　　　　 　l　　 　ﾊ-/‐l , 　　|、 」_!　 ,　　　　 | /
　　　　　　 　 八 　∨ ｊノ　.|ﾊ. 　 | ヽﾊlヽ/　　　　//
　　　　　　　　　 ヽ ハ ヾﾋテ'　＼|｀ﾋテ>ﾊ　　　 /, |
　　　　　　　　　　 |　 ゝ　:::::　 　 　 :::::　厶ｲ　 /∧|　　　 (……不思議だな、こういうの)
　　　　　　　　　　 | 　∧　　　 ′　　　　 ._, l　 '/
　　　　 　 　 　 　 И　　ト.　　`　´　 　.イ/: l　/　　　　　 (今まで、こういう人達が、
　　　　 　 　 　 , -‐ﾍ. 　|l　｀≧=-＜__|_厶　 ∧　　　　　　本当にいるなんて……
　　　　　　　 ／＞ ､　ヽ|｀丶､　　　　/　/　∧厶ヽ　　　　 ボク、知らなかった……)
　　　　　　 /⌒′　 ＼　 　 　 ー=≠＼^ ｲく/　＼>､
. 　　　　　/　　 　 　 　 丶 、　　　 　 ／ヽ 　}　 　 }∧
　　　　　 {　＼　　　　 　 　 |｀ ーｒ‐ ´ 　 | ＼!　　 /　}



　　　　┌──────────────────────────┐
　　　　│今まで出会ったことのないような、　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　│良く言えば珍しい、悪く言えばダメダメな大人の人たちを、　　....│
　　　　│ノエルが少し興味深そうに観察していると、　　　　　　　　　　　　│
　　　　└──────────────────────────┘


.

722： ◆HD5ItXoLGM：2019/01/30(水) 02:25:18 ID:WOP/25og00



　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌───────────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　│ふいに、肩を指で突かれた、ような気がしました。　　　...│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　└───────────────────────┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／＼
　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　 　 ＼　　　　　 ＼　　　　　　／ 　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ　　　　 　 ＼　　　　 ＼／ ／>
　　　　　　　　　 　 /　　　　　/　　　　　　　　　　 }　 　 　 　 　 ヽ　　　　　 <／
　 　 　 　 　 　 　 / /　　　　::　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　ヽ　　　　┌─┐
　　　　　　　　　 / /　　　　.:::|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└─┘
　　　　 　 　 　 ,′　　　|　::/:| 　 　 | /　│l　　　 |　　　　　　　｝
　　　　 　 　 　 　 |　 　 |　 |: |ｉ:: 　 │-‐=l∧　 　 |　　　　　　　　　　｝
　　　　　　　　 |　 |八_|八　|｀|ﾊ＿:Ｎ　＿　　＼{∨　　　　　　　j:::　 ﾘ　　　　　　f´￣￣｀ヽ
　　　　　　　　 |　 　 iﾊ ｘ气ミ　　　　　ィ弍≧x　/　　/　 　 　 /::::../　　　　　　 .|　チョン .＞
　　　　　　　　 |　　　::::. 　 Vｿ　　　　　　V)ソ'"/ 　 /　 　 　 /:::::./　　　　　　　 廴＿＿ ノ
　　　　　　　　 |　:|　 i::::　　　　　　　　　 　 　 /　　　　　　　/:::::./
　　　　　　　　 ヽ∧　ｉ:::i　　　'　　 　 　 　 　 /　／　　　　 /:::::ｲ
　　　　　　　　　　　＼八　　　　　　　 　 　 /／|　　　　　.:::::八{　　　　　　　　　　　　 f´￣￣｀ヽ
　　 　 　 　 　 　 　 　|　 ヽ 　 ‘ ヽ　　　　 ´　　|　　　　/∧｛　　　　　　　　　　　　　　|　チョン .＞
　　 　 　 　 　 　 　 　|　 　 ＼　　　　　 　 イ　 |　　　://　　　　　　　　　　　　　　　　 廴＿＿ ノ
　　 　 　 　 　 　 　 　| ∧　　个:::--r　´　　　　|　　.:/|:|＼
　　 　 　 　 　 　 　 　l/ ハ 　 |厶-ハ＿,／⌒Yﾚ|　::| jﾉ　 ｝
　　　　　　　　　　　　　 　 j_／ 　 ⌒／〈　　/ |　|　∧　　〈
　　　　　　　　　　　　　　〈　　　　　/　 人_ノ,,人 ∨ 　＼.　＼
.　　　　　　 　 　 　 　 ＿人　 ＿_,/　　　ﾉ￣　／⌒⌒＼〉　　＼
　　　　　　　　　　　／　ー‐'´ 　 /　　／　＿/＿_＿_＿_ ＼　　ﾉ
　　　　 　 　 　 　 〈　　　　 　 ／{__／　／:::::::::::::::::::::::::::::::￣＼｛
　　　　　　　　 　 　 >　　 　 　 　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼

723： ◆HD5ItXoLGM：2019/01/30(水) 02:26:46 ID:WOP/25og00



　　　　　　┌──────────────────┐
　　　　　　│振り返ってみると、ちょうど、　　　　　　　　　.│
　　　　　　│ノエルのちっちゃな(失礼)胸ぐらいに、　　.....│
　　　　　　│ちいさな子どもの、頭がひとつ。　　　　　　....│
　　　　　　└──────────────────┘



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿ー ､　}V　 _
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｀ー--≧ 　 V　ﾚ´{
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 _,フ'　　　　　　　 　　__｀ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　_..　-´――ヘヘ 　 -､　　　＼｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　´　　　　　　　　 　 ＼　 }　 　 　｀フ
　　　　　　　　　　 ／　／　/　　　　　　　　　＼|　　 　 ｀ヽ
　　　　　　　　　／　 /　／⌒ ／　　｛　　　　　 ヽ{ヽ.　＼ヾ
　　　　　　　 ／/　　{／___|／｛　　 ｲ⌒ヽ　　　　 i　　ﾉ　ヽ._
　　　　　　　　/　　 / '~⌒`　　＼/ |八　　　'　　 |　 　{´￣
　　　　 　 　 /　　 ⊂⊃　 .　　 　 -=ミ ∨ /　　　| ,ｲ 人
　 　 　 　 　 ′ /Y　　　　　　　　　　　ヾ∨　　　│/.ﾉ'
　　 　 　 　 |／ |人　　 /`ー┐　　 ⊂⊃′　 　 ﾘ从
　　　　　　　　　　　 >､　､_:::::ﾉ　　　　　/　 　 ｲ /
　　　　　　　　　　　 　 ＞　,...＿＿＿_/　 ∠ノ|/
　　　　　　　　　　　 ／:::::／　＼:::::::::厶イ　　　　　　　「……おねえちゃん、だーれ？」
　　　　　　　　 　 ／::::::/ ￣￣￣＼::::彡ﾍ
　 　 　 　 　 　 ／:::::::/　　　　 　 　 | :::::::::ヽ
　　　　　　　　く:::::: /　　　　　　　　 ∨:::::::::ハ
　　　　　　　　　 ∨　　　　　　　　　 ヽ、:::::::::::＼


　　　┌────────────────┐
　　　│くりっとした丸い目が印象的な、　　　　.│
　　　│かわいらしい女の子でした。　　　　　　.│
　　　└────────────────┘


.

724： ◆HD5ItXoLGM：2019/01/30(水) 02:32:38 ID:WOP/25og00
///////|　　　　 　 　 　 　 　 　　 　ヽ　　　　 ヽ
///////|　　　　　　　　　　　　　　　　 Ｙ　　　 　 .
///////|　　　　　　　　　　　　　 ｉ
///////| 　 　 　 ′　　 　 　 　 ｉ}　　　 　 　 Y　　i
///////|　　　　/　　　　　 　 　 ﾘ　　　}　　　 ｉ　　|
///////|　　/ 〃　　　　　　 　 /　　　　 　 　 |　　}
///////|　イ_/ {＿　　 　 　 ｲ/ 　 　 /　　　　|　 /
///////| 　 　 　 　 ￣_ 二 」〈　　 //　　　 　i| ./
///////| 　 　 　 　 〃(ｒ:::::ﾉﾘ＾≫ｲ/　　　　　ｌ}/
///////|　　　　　　　 ｀ ー ´　 　 ′　/　　　ﾘ
///////|　　　　　　　　　 　 　 ／　　/　　/ /
///////|　　　 　 　 　 　 　 ／　　　/　　/ /
///////|　　　　　　　 　 ＜ ＿　. イ　　/イ
///////|ヽ　　　　　　 U　ｉ　 　 　 　 ﾊ {
///////| 　 　 　 　 　 　 イ |　　　　　 {　　　　　 「……ボク、の事……？」
///////|＿　　　 -‐　　／: :|　　　　/ハ
///////|　　 　 　 　 ／: : : :ｉ　　　 /＼
///////|＿＿_ 　 ／: : : : : :ｉ　 　 /: : : 〉_
///////|: : : : : : : : : : : : : : :.　　 /: : ／: : :＼
///////|: : : : : : : : : : : : : :.ﾉ　 }/: : : : : : : : : : :.
///////|: : : : : : : : : : : : :ー:イ/: : : : : : : : : : : : 〉


　　　 ┌──────────────────────┐
　　　 │この見知らぬ少女が、本当に自分のことを……　　.....│
　　　 │自分のことなんかを示して、声をかけたのか、　　　.....│
　　　 │ノエルは自信なさげに、問いかけました。　　　　　　.....│
　　　 └──────────────────────┘




　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ≦＞　＜≧
　　　　　　　　　　　　　　　　_　≦ ＝∨== ≧、
　　　　　　　　　　　　　 ／:.:.　:.:.　:.:.　:.:.　:.:. :.:. ヽ、
　　　　　　　　　　　　/ :.:.　:.:.　:.:.　:.:.　 :.:.　:.:.　:.:. :.ヽ
　　　　　　　　　　　/:.:.　:.:.　:.:.　:.:.　:.:.　 :.:.　:.:.　:.:. . ミx_
　　　　　　　　　　　:.:.　:.:.　:.:/ l:.:.　:.:.　:./ :.:.　:.:.　:.:. :.:
　　　　　　　　　　 l/l :.:. --/ーl ´l:.:. :.:./ヽ:./＿:.:. :.:.l:.: ﾄ
　　　　　　　　　　　 l:.　:.:./ |／|ヘlﾍ:.: l　|/ﾍ/ ﾘ :.: :l :.:l
　　　　　　　　　　　 ﾊ:.:/ヽ≡≡　　丶|　ミ≡ /:.: / :人
　　　　　　　　　　　 从ミ=-::::::::　　　　　:::::::: /:.:/:.:/:.:{
　　　　　　　　　　　　　ハ　　　　ゝ＿ｧ　　／イ:.:/ :.:从　　　「うん、そーだよ！」
　　　　　　　　　　　　 /ヘl＞ 、　　　　　　, /:.:イ :.: :.:ﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　/ 三三三三三7ﾍ从　∨∧　　　「おねえちゃん、初めてみる人だ！」
　　　　　　　　　　　　　　　三三三三三三ﾘ;＼
　　　　　　　　　　　　　　　|;;;;;y- ｭ-y-、;;;ヽ ;;;;;;＼
　　　　　　　　　　　　　　　l;;;;;;l　 ﾖ:::ﾄ　ﾘ;;;;;l＼ ;;;;; ＼
　　　　　　　　　　　　　　　.l／;=-l:::::ゝ,ｲ;;;/　 ＼ ;;;;;; ＼
　　　　　　　　　　　　　　　 l;;;;;;;;;;;l::::l;;;;;;;;l;l　　　　￣￣
　　　　　　　　　　　　　　　 l;;;;;;;;/::::::ヽ;;;;;;;l




　　　　┌────────────────┐
　　　　│少女は、あっさりと、元気に、　　　　　...│
　　　　│しかしはっきりと、肯定しました。　　　...│
　　　　└────────────────┘



　　　　　　　┌────────────────────────────┐
　　　　　　　│見慣れた兵士たちの中に、一人だけ見覚えのない人がいる。　　　 .│
　　　　　　　│しかも歳が近そうで、他の人ともなんか違う。　　　　　　　　　　　　　...│
　　　　　　　└────────────────────────────┘


　　　　　　┌────────────────────┐
　　　　　　│好奇心旺盛な少女が、興味しんしんで　　　　　....│
　　　　　　│声をかけるには、じゅうぶんな理由でした。　　.....│
　　　　　　└────────────────────┘


.

725： ◆HD5ItXoLGM：2019/01/30(水) 02:38:32 ID:WOP/25og00


　　　　　　　　　　　　　　　　／ﾍ ≧ヘ　|} ／ ＼
　　　　　　　　　　　　　　,, ''"´　ミ　　　　　ミ　ヽ ＼
　　　　　　　　　　　　 イ　 ／　　￣　￣-≧ﾍ 　ヽ ミ
　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾍ ﾄ
　　　　　　　　　／　　　　/　/　　　　　　　　　　　　 ﾍ
　　　　　　　　/　／　　,斗ー-　/　　　　l　 l　ﾍ　　　ﾊ
　　　　　　　　 //　　　/　/　　/　　　　 l ーl-k　　　　 l
　　　　　　　l / /　/　/／|/ヽ/|　　　　/l　/l　　ヽ　　　l
　　　　　　　l/　l　　　/,ィf斤夊|/l　　/　|/- ヽ　 l　　　ﾘ
　　　　　　　　　l l　l /　 込ツ　　|　/ ィ示気 ﾘヽl　　 人
　　　　　　　　　ﾊ|ﾍl＼　::::::::　　 レ 　 乂iソ /　/　　/
　　　　　　　　　　ﾉ／ミ=-　　　、　　　 :::::::::/／　 ／
　　　　　　　　　　/ /ﾊﾍ　　　　　　　　　 _／イ/イ
　　　　　　　　 　ﾉ/ハ从/ヽ　 ､　__　　 .イ/　/ l　　　　　　 「ねぇお姉ちゃん！」
　　　　　　　 　／ 三三三 ヽ`＿ -=≦/::≧　{　ﾊ
　　　　　　　　l　三三二二二三三二/二二＼ハ从　　　　 「お姉ちゃんの名前、なんてゆーの？」
　　　　　　　　| 三三三三三二二二三三三三＼
　　　　　　　　l　三三三二二二三三三 _ 三 l三ﾍ
　　　　　　　　l　三三三三三三三 ／ /　|ュ-l--,ﾘ
　　　　　　　　l三三三三三三三ﾆ.l　　　 ヽ￣V;;/
　　　　　　　　l 二二---　ヽ ／　ｲ-- 　 　 |二l;;;}
　　　　　　　　ヽ／ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾍ::::|;;;;;;;;;;;;;;;;＼ﾉ_　|;;;7
　　　　　　　　　ﾏ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾍ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;>　 /;;/
　　　　　　　　　 ﾍ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/`-ｲ;;;;/
　　　　　　　　　　 ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;7;;;;;;/;/



　　　　　 ┌───────────────────────┐
　　　　　 │少女はノエルの目下から、彼女に問いかけます。　　　...│
　　　　　 └───────────────────────┘

　　　　　　　 ┌──────────────────────┐
　　　　　　　 │ノエルを見つめるその目には、嘘や悪意など、　　　　│
　　　　　　　 │欠片も見いだせそうにありませんでした。　　　　　　　.│
　　　　　　　 └──────────────────────┘


.

726： ◆HD5ItXoLGM：2019/01/30(水) 02:44:15 ID:WOP/25og00
///////|　　　　 　 　 　 　 　 　　 　ヽ　　　　 ヽ
///////|　　　　　　　　　　　　　　　　 Ｙ　　　 　 .
///////|　　　　　　　　　　　　　 ｉ
///////| 　 　 　 ′　　 　 　 　 ｉ}　　　 　 　 Y　　i
///////|　　　　/　　　　　 　 　 ﾘ　　　}　　　 ｉ　　|
///////|　　/ 〃　　　　　　 　 /　　　　 　 　 |　　}
///////|　イ_/ {＿　　 　 　 ｲ/ 　 　 /　　　　|　 /
///////| 　 　 　 　 ￣_ ＼ 」〈　　 //　　　 　i| ./
///////| 　 　 　 　 〃(ｒ:::::ﾉﾘ＾≫ｲ/　　　　　ｌ}/
///////|　　　　　　　 ｀ ー ´　 　 ′　/　　　ﾘ
///////|　　　　　　　　　 　 　 ／　　/　　/ /
///////|　　　 　 　 　 U 　 ／　　　/　　/ /
///////|　　　　　　　 　 ＜ ＿　. イ　　/イ
///////|⊃　　　　　　　 　 ｉ　 　 　 　 ﾊ {
///////| 　 　 　 　 　 　 イ |　　　　　 {　　　　　 「な、名前……」
///////|＿　　　 -‐　　／: :|　　　　/ハ
///////|　　 　 　 　 ／: : : :ｉ　　　 /＼　　　　　　「……えっと、その……ボク、は……」
///////|＿＿_ 　 ／: : : : : :ｉ　 　 /: : : 〉_
///////|: : : : : : : : : : : : : : :.　　 /: : ／: : :＼
///////|: : : : : : : : : : : : : :.ﾉ　 }/: : : : : : : : : : :.
///////|: : : : : : : : : : : : :ー:イ/: : : : : : : : : : : : 〉




　　　　┌──────────────────────────┐
　　　　│それでもノエルは、迷います。迷ってしまいます。　　　　　　　......│
　　　　│少女を疑っているわけでも、疑いたいわけでもないのに。　　　..│
　　　　└──────────────────────────┘


　　　　　　 ┌──────────────────────┐
　　　　　　 │けれどもノエルは、迷ってしまうのです。　　　　　　 　 .│
　　　　　　 │たかだが聞かれた名前を答えるだけの、　　　　　　　.│
　　　　　　 │とても、とっても、本当に、簡単なことでさえも。　　 　 .│
　　　　　　 └──────────────────────┘


.

727： ◆HD5ItXoLGM：2019/01/30(水) 02:53:53 ID:WOP/25og00



　　　　　　┌────────────────┐
　　　　　　│けれども、少女はノエルのどこか　　　..│
　　　　　　│怯えた様子に気がつくこともなく、　　　.│
　　　　　　└────────────────┘




　　　　　　　　　　　　　　ィミ∨=--　≧、
　　　　　　　　　　　　　ｲ彡　:.:.　:.:.　:.:.　:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　/　:.:.　:.:.　:.:. :／:.:.　:.:.:ミ
　　　　　　　　　　　 /:.:.　:.:.　l:.:.　:.|＼l＼,ﾚ:.:. ﾊ
　　　　　　　　　　　　:.:.　:.:. :,イヘ:.:l　彳=-l:.:l:.:ﾘ
　　　　　　　　　　　 l:.　:.:.:／_,ｭｧ ﾍl　　:::::::l/l:.:.ﾄ
　　　　　　　　　　　 ﾊ:.:. :.从´/:::::: ,ィ ´ﾍ　 /ﾍﾘ
　　　　　　　　　　　　ヽ :.:. :.ミ=-　 ヽ、_ｿ ,ｲ∧　　　　「んー……まーいーや！」
　　　　　　　　　　　　　 `ト=- ﾄ= 　,,　イ三三ﾍ
　　　　　　　　　　　　　 ｲﾍ/:.:.:ﾊ/三三三三三ミ　　　「ねぇお姉ちゃん、私といっしょに――あそぼっ♪」
　　　　　　　　　　　　　/ 从 ハ/三//ﾍ;;<　ﾘ;;;;;l
　　　　　　　　　　　　　　　　　/;;; l;;;;;;>、l::l;;;;;;ヽｿ
　　　　　　　　　　　　　　　　/;;;;; /l/;;;;;;;;l::l;;;;;;;;/:l
　　　　　　　　　　　　　　　/ ;;;; / .ﾉヽ;;;/::::ヽイ:::;


　　　 ┌─────────────────┐
　　　 │ノエルがなかなか進めない一歩を、　　.....│
　　　 │あっさりと踏み出したのでした。　　　　 　 │
　　　 └─────────────────┘


.

728： ◆HD5ItXoLGM：2019/01/30(水) 03:02:07 ID:WOP/25og00
　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／／　　　　　　　　　l　　　　ﾍ
　　　　　　　　/　　　　　　　　／／　　　　　　　　　　 l　　　　　ﾍ
　　　　　　　 /ｲ　　　　　　　/ /　　　__/　　　　　　　l　　　　　l　ﾍ
　　　　　　　/ l　　　　　　　/ _,, -''"´ / `　l　　　　　l　　　　　 l　ﾍ
　　　　　　　　j　　　　　　 / /　　　　 l　　 l　　　 　 l　　　　　　l　 ﾍ
　　　　　　 　 l　　　　　　/ /　ﾊ　　/ l　　/　　　　 /　　　` kx　l　　ﾍ
　　　　　　　　l l　　　　　l/　/　 l　/　l　 /　　　　/l　　　　 /　　lヘ　 ﾍ
　　　　　　　　ﾘ l　　　　 l／　　ソ　　l　/l　　　 /　l　/l　　/　　　l　　　 ﾍ
　　　　　　　　　 l　　／ l 彡三三ミﾐ l/　l　　 /　　l /　l　/ヽ　　 l　　　　ﾍ
　　　　　　　　　 iﾍ　　　l　　　　　　　　　l 　 /　　 ｿ　　l/- 、ヽ　l　　　　/
　　　　　　　／　　 ヽ　 l　　:::::::::　　　　 /ノ　　　　ｲ三x　　　　ヽl　　　/　　　　 「それじゃあ今日は、なにをしてあそぼっか？」
　　　　　／　三三　 ヽ　　　　　　　 ,　　　　　　　　　　`气x　 l　 l　／　／
　　　　l　三三三 =k.[l　　　　　　　　　　　　　　　　:::::::::::　 ミ /　／　イ　　　　　「えっとね、私はね〜」
　　　ﾉ　三三三.l　y　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　 l　　　 ／从
　　　l　三三三 l　l　 y ^ヽ　　　　 l ` ‐　、　　　　　　　／　　　　l ノ ／三三
　　　＼三三三 l ﾉ　/　 ／.　　　　 ヽ --'　　　　　 ／　イ_,,. -''"/／三三三
　　　　　＼三三l　 i　 /　　、＼　　　　　　　　　　___ 　-= y- 、三三三三三
　　　　　　/＼三＼　　　　'　-　＼　　__　 y-￣Y　　`　　/　　/三三三三三
　　　　 　 j:::::::::::　三ヽ　　　　　　　ﾉ /　　l_/　　l　　/ 　/　 /三三三三三三
　　　　　 l:::::::::::::::: 三 l ﾍ　 =-　　/三　　　 '　　’　　!　　 ／三三三三三三
　　　　　l::::::::::::::::::::::::ﾉ:::::::ヽ　　　ｲ}:::/　　　　　　　　　 ／三_,,. -‐''"´　　　 ヾ


　　　　┌───────────────────┐
　　　　│少女は、ノエルの「……う、うん」という、　　 　 │
　　　　│消極的な承諾すらも取らずに、　　　　　　　 　 │
　　　　│自分の希望をまくしたててきました。　　　　　　│
　　　　└───────────────────┘


.

729： ◆HD5ItXoLGM：2019/01/30(水) 03:04:12 ID:WOP/25og00



　　　 　 　 　 　 /　　 /　　　　　　　　　　　　　　　 :.
　　　　　　　 　 ' 　　/ 　 　/　 　　　　　　　　　　　ハ
　　　　　　 　　ｉ　 　' 　 　/l 　 　 l 　 ﾄ.　　　　　　 l　｝　っ
　　　　　　　 　l　　 　ﾊ-/‐l , 　　|、 」_!　 ,　　　　 | /　　　っ
　　　　　　 　 八 　∨ ｊノ　.|ﾊ. 　 | ヽﾊlヽ/　　　　//
　　　　　　　　　 ヽ ハ ヾﾋテ'　＼|｀ﾋテ>ﾊ　　　 /, |
　　　　　　　　　　 |　 ゝ　:::::　 　 　 :::::　厶ｲ　 /∧|
　　　　　　　　　　 | 　∧　　　 ′　　u.　 _, l　 '/　　　　　 「えっ、いや、その……」
　　　　 　 　 　 　 И　　ト.u　 c 　 　 .イ/: l　/
　　　　 　 　 　 , -‐ﾍ. 　|l　｀≧=-＜__|_厶　 ∧　　　　　　「……ちょっと、待って……ね？」
　　　　　　　 ／＞ ､　ヽ|｀丶､　　　　/　/　∧厶ヽ
　　　　　　 /⌒′　 ＼　 　 　 ー=≠＼^ ｲく/　＼>､
. 　　　　　/　　 　 　 　 丶 、　　　 　 ／ヽ 　}　 　 }∧
　　　　　 {　＼　　　　 　 　 |｀ ーｒ‐ ´ 　 | ＼!　　 /　}


　　　　┌────────────────────────┐
　　　　│慣れない状況にとまどいながらも、　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　│空回りし始めている頭をなんとか落ち着かせようと、　　......│
　　　　│一歩を踏み出すまでの猶予をもらおうとしましたが、　　　 .│
　　　　└────────────────────────┘


.

730： ◆HD5ItXoLGM：2019/01/30(水) 03:14:12 ID:WOP/25og00



　　　　 ┌───────────────────┐
　　　　 │よくもわるくも、子どもな少女に、　　　　　　 　 .│
　　　　 │ノエルの重い思いが伝わるはずもなく。　　　　│
　　　　 └───────────────────┘



　　　　　　　　　　 　 　 　 ／ ／　　　 /=ミ､ヽ_／/厶　　　 　 ｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　 　 /_／　 　 　 厶≦二二ミく.:｀ヽ.　　　　､_　 ',
　　　　　　　　　 　 ､__／　／ 　 ,　 ￢…'"´　｀`丶､ヽ､.:', 　　､　',｀ヽ}
　　　　　　　　 　 　 ｀￣/　　／　　 　 　 　 　 　 　 ヽ.ﾍ:}　ﾉ 　ヽ}
　　　　　　　　　　　　　/, '　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ソ.ィ.:. .　 ヽ.
　　　　　　 　 　 　 　 / /　 |　.'⌒| .∧ 　 　 ! '⌒ヽ　　Vﾊ.:. .:.　 ..＼　　　　「あっ、そうだ！ 今日はお絵かきをしよっか！」
　　　　　　　　 　 　 　 /|　 .|　./　|/　 ＼ 　 !＼{　　 　 Vﾊ.:.:.:.:. ..:ﾄ^`
　 　 　 　 　 　 　 　 |/ :|　: j∨　　　　 　 ＼| 　 ＼|　　 :}/}.:.:.:.!:.:.:}　　　　　「ねぇお姉ちゃん、クレヨンもってる？
　　　　　　　　　　　　　 |: : ハ `ー'"　　　　`ｰ=彳│　　 ﾊ7.:.:.ﾊ:.厶　　　　 もってないなら貸してあげるよっ！」
　　　　　　　　　　　　　 | :/＾ﾘ　　　　'　　　　xxx　 |　　/./.:.:./　}
　　　　　　　　　　　　　 |/::::人　　　 ､　__　　　　　 |　 V.:i:.:.:,′　　　　　　 「あーでもでも、今日は私、お空さんをかきたいから、
　　　　　　　　　　　　 　 ゝ、::::::＞　._　　　　 _　　ィ| ././.:l:.:.{　　　　　　　　 あお色と白はつかっちゃダメだよっ！
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∨::ﾉ::::::E二ﾆﾆﾆ7:::::::::::|/_|:.:八:.!　　　　　　　　 でも栗はいーっぱいあまってるから、
　　　　　　　　　　　 　 　 　 .У　　　　　 　 　 ヾ:::::::::::::::＞ー-､　　　　　　　おねーちゃんは黒、好きなだけつかっていいよっ！」
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 〃　 　　 У　　　　　 {::::::::::::::::::::::::`┐
　　　　　　　　　　　　　　　{{: : : .　　｛　　 　 　 　 ､＿＿_...__ﾉﾆﾉフ
　　　　　　　　　　　　 　 　 ゝ: : : : : 人: : : : : : : . ハ　　　　 ￣
　　　　　　　　　　　　　　　　{: : : : : : : : : : : : : : 　　ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　 /＼　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ）





　　　 　 　 　 　 /　　 /　　　　　　　　　　　　　　　 :.
　　　　　　　 　 ' 　　/ 　 　/　 　　　　　　　　　　　ハ
　　　　　　 　　ｉ　 　' 　 　/l 　 　 l 　 ﾄ.　　　　　　 l　｝
　　　　　　　 　l　　 　ﾊ-/‐l , 　　|、 」_!　 ,　　　　 | /
　　　　　　 　 八 　∨ ｊノ　.|ﾊ. 　 | ヽﾊlヽ/　　　　//
　　　　　　　　　 ヽ ハ ヾﾋテ'　＼|｀ﾋテっﾊ　　　 /, |
　　　　　　　　　　 |　 ゝ　:::::　 　 　 :::::　厶ｲ　 /∧|
　　　　　　　　　　 | 　∧　　　 ′　　u　 _, l　 '/　　　　　　　 「……だから、ちょっと……待って……ね？」
　　　　 　 　 　 　 И　　ト.u.　へ　 　 .イ/: l　/
　　　　 　 　 　 , -‐ﾍ. 　|l　｀≧=-＜__|_厶　 ∧
　　　　　　　 ／＞ ､　ヽ|｀丶､　　　　/　/　∧厶ヽ
　　　　　　 /⌒′　 ＼　 　 　 ー=≠＼^ ｲく/　＼>､
. 　　　　　/　　 　 　 　 丶 、　　　 　 ／ヽ 　}　 　 }∧
　　　　　 {　＼　　　　 　 　 |｀ ーｒ‐ ´ 　 | ＼!　　 /　}


　　　　　　┌─────────────────────┐
　　　　　　│次々と言葉と好奇心の花を咲かせる少女に、　　....│
　　　　　　│ノエルはすっかりたじたじで。　　　　　　　　　　　　....│
　　　　　　└─────────────────────┘

　　　┌─────────────────────────┐
　　　│少女が、ワリと自分勝手な要求を言っていることにも、　　　...│
　　　│ほとんど気がつかないぐらいでした。　　　　　　　　　　　　　.....│
　　　└─────────────────────────┘


.

731： ◆HD5ItXoLGM：2019/01/30(水) 03:15:24 ID:WOP/25og00
3時過ぎたから、今夜はこの辺で〜短かったけども(；・∀・)
なるべくはよ、部屋戻って投下出来る様にしたいですね
ではではまた〜

732：どこかの名無しさん：2019/01/30(水) 03:21:57 ID:hsRJnPmw00
更新乙でした！ノエルｗｗｗ
やっと服が着れる

733： ◆HD5ItXoLGM：2019/02/06(水) 02:31:44 ID:hp10B1xQ00
明日ぐらいやります、
今日予定だったけど、思ったより部屋戻るの遅くなったという
3時ぐらいまでコマ貼っときます(；・∀・)

734： ◆HD5ItXoLGM：2019/02/07(木) 02:39:57 ID:YKRf1iWs00
1hぐらいやります

735： ◆HD5ItXoLGM：2019/02/07(木) 02:40:17 ID:YKRf1iWs00

　　　　┌─────────────────────┐
　　　　│助けを求めようと、思わず兵士達や、ノエルを　　　│
　　　　│ここに連れてきた張本人の方に向いて、　　　　　　.│
　　　　│助けを求めようとしましたが、　　　　　　　　　　　 　 │
　　　　└─────────────────────┘



　　 ／￣￣＼
　／　　 ⌒　　＼
　|　　　 （ ⌒）（⌒）
.　|　　　　 （__人__）
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }　　　「おっ、ノエルちゃんもう仲良くなってるじゃないか」
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　「さすが若い子同士は違うよな〜」
　　　/　　　 く
　　　|　　　　 ＼
　 　 |　　　　|ヽ、二⌒)




.　　 　 　 /.:::::::::::::::::::::::/.::::::::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::.:.:. ハ
　　　 　 /.:::::::::::::::::::::::/.:::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::.:.:.ハ
.　　 　 /::::::::::::::::::::::::::{::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::__:::::::::::::::::::.:. l
　　　 /.:::::::::::::::::l::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::|＼:/ ∧:::::::::::::::::.:.|
　　／イ:::::::::::::::::l::::ﾉ八:::::::::::::::ハハ :::::|　〈 / /::::::::::::::::::::.|
　　 　 |::::::::::::::::/lｰ|-‐ '＼::::::::|　 ＼l:::::|　　∨::::::::::::::::::::::.|
　　 　 |／)::::::::i 八|　　 　 ヽ:::|　 　 ｀ト|　 　 }::::::::::::::::::::::.;　　　「もうっ、いくらノエルちゃんだからって、
.　 　 /　/:／ﾉ｣　ミ≡　ヽ　ハ| ‐　　　　　 ノﾚ'⌒ヽ:::::::::/　　　 あの子ほどちっちゃくは無いですよ〜」
　　　|　〈/ /´人 ､ 、　　　　　　 ≡=彡　　　 ｆ⌒　}::::::ｲ　
　　　|　/　| 〈::::::＼　　　'　　　　､ 、　 　 　 ｒ' 　 ノ:::∧|　　　　「でもきっと、ノエルちゃんがとっても良い子だってのが、
　　　〈 {　　　＼ト--‐　　　　 　 　 　 　 　 ,､_ イ::::::〈　　　　　　あの子にも伝わったんですよ〜♪」
.　　 　＼　　　　＼　　 　ヽ　つ　　　　　 /::::::::八トミヽ
　　　　　|＼　　　　＼ 、　　　 　 　 　 .イ:厶イ|　 ヽ
　　　　　|.:.:::＼　　　　Y＼＿ 　 .　イ　人/ﾆﾆ{
　　　　 x≦三/　　　 /ﾆニ|　　　 　 　 |/ﾆﾆﾆヽー,.― ､＿__
　　　／ﾆﾆニ{　　　 /〈￣ノ　　　 　 ｘ<ニニﾆﾆ/〉乂__彡三三＼
　 ／ﾆﾆﾆﾆニ＼　.∧/ー――┬<⌒ヽ＼ニﾆ//: : : : ￣｀ヽ三三ヽ



　　　　　　┌───────────────────┐
　　　　　　│などとほざ――おっしゃっており、　　　　　　　..│
　　　　　　│ノエルを助ける気なんてなさそうでした。　　　 .│
　　　　　　└───────────────────┘

　　　　　　　　　　 ┌───────────────────┐
　　　　　　　　　　 │もっとも、なにから助けよう、あるいは　　　 　 .│
　　　　　　　　　　 │どうしたら助けたということになるのか、　　　　│
　　　　　　　　　　 │という話ではあるのですが。　　　　　　　　　　...│
　　　　　　　　　　 └───────────────────┘

.

736： ◆HD5ItXoLGM：2019/02/07(木) 02:45:49 ID:YKRf1iWs00


　　　┌─────────┐
　　　│結局、ノエルは、　　　│
　　　└─────────┘


　　　　　　　　　　　　　　ィミ∨=--　≧、
　　　　　　　　　　　　　ｲ彡　:.:.　:.:.　:.:.　:.:ヽ
　　　　　　　　　　　　/　:.:.　:.:.　:.:. :／:.:.　:.:.:ミ
　　　　　　　　　　　 /:.:.　:.:.　l:.:.　:.|＼l＼,ﾚ:.:. ﾊ
　　　　　　　　　　　　:.:.　:.:. :,イヘ:.:l　彳=-l:.:l:.:ﾘ
　　　　　　　　　　　 l:.　:.:.:／_,ｭｧ ﾍl　　:::::::l/l:.:.ﾄ　　　 「ねぇ、お姉ちゃん！」
　　　　　　　　　　　 ﾊ:.:. :.从´/:::::: ,ィ ´ﾍ　 /ﾍﾘ
　　　　　　　　　　　　ヽ :.:. :.ミ=-　 ヽ、_ｿ ,ｲ∧　　　　 「私は今日もお空をいっぱいかくけど、
　　　　　　　　　　　　　 `ト=- ﾄ= 　,,　イ三三ﾍ　　　　お姉ちゃんはなにをかきたいの？」
　　　　　　　　　　　　　 ｲﾍ/:.:.:ﾊ/三三三三三ミ
　　　　　　　　　　　　　/ 从 ハ/三//ﾍ;;<　ﾘ;;;;;l　　　 「あっ、そうそう、絵をかいたらすぐに私に見せてね！
　　　　　　　　　　　　　　　　　/;;; l;;;;;;>、l::l;;;;;;ヽｿ　　　 お姉ちゃんの絵、見てみたいな〜」
　　　　　　　　　　　　　　　　/;;;;; /l/;;;;;;;;l::l;;;;;;;;/:l
　　　　　　　　　　　　　　　/ ;;;; / .ﾉヽ;;;/::::ヽイ:::;


　　　　　 ┌──────────────────┐
　　　　　 │見知らぬ少女と二人で絵を描くという、　　　│
　　　　　 │ノエルにとっては、かなりの難局に　　　　　..│
　　　　　 │置かれるはめになってしまいました。　　　....│
　　　　　 └──────────────────┘



　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　＼　　　　　　＼
　　　　　　　　　　 　 ／ /　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　＼
　　　　　　 　 　 　 , 　　　　　 /　　　　 　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　　　　/　/　　 　 /　　　　　　∧　　　　 i　　　　　　 ﾊ
　　　 　 　 　 　 /　/　　 　 /　　 　 　 　 l　',　　　　 　 　 　 　 　 i
　 　 　 　 　 　 　 /　 　 　 i| ,ｲ　　 　 ,ｲ｜ 斗 ト
　 　 　 　 　 　 '　i　　　 ,ｲム| |　　　｜凵　　V　＼　　　　　　　　 l
　　 　 　 　 　 ,　 |　　　「'ﾘ ＿ Ｗ＿_」　 　 　 　 　 ＼!
　　　　　　　　　　| ﾄ　　|　 ,-==､　　　　　　,≠＝xiiji　| 　 　 　 |　 |
　　　　　　　　| 　 ﾘ　＼| 〃 :О　　　　　　´　О:　ゝ./　　　 　 |　　　　　「……ああ、うん……」
　　　　　　　　|∧　 　 　 　 -=-　　　　　　　 -=- '　/　　　　　 | /
　　　　　　　　ﾘ :|　　　ヽ　　 　 　 　 ､　　　　　　　/ 　 　 　 　 N　　　　 「するでしょ、って言われても……
　　　　　　　　　 |　　　　',　　　　 　 　 　 　 　 　 / イ 　 　 　 /|　　　　　特に、描きたいものとか、何も無いんだけど……」
　　　　　 　 　 　 ､　　　 ﾄ　u.　　　 　 　 　 　 　 ´ /　　 　 ／V
　　　　　　　　　 　　　　 | ヽ　　　　　 ‐-､　　　u.　|　　 　/´
　　　　　　　 　 　 i 　 　 ! 　 ＼ 　 　 ￣　 　 　 ／l　 　 / ヽ　　　　　　　「……とりあえず、よろ、しく……」
　　　　　　　 　 　 | 　 ｀↓ﾍ /　｀　 ､　　　_　＜.　 |　　/　　 〉
　　　　　　　 　 　 | .ﾊ　｜　{ 　 ､　ハ｀　　　　,　- |　 ハ＿∧
　　　　　　　　　　 ﾚ　l　 !　 l＼　＼＿＿,　７´　　 |／_/　　 ￣ヽ


　　　　　　 ┌──────────────────────┐
　　　　　　 │その場から、そっと立ち去るタイミングすら、　　　　　..│
　　　　　　 │するりと逃してしまったノエルは、　　　　　　　　　　　　.│
　　　　　　 │きわめて消極的な覚悟を抱きながら、　　　　　　　　....│
　　　　　　 │少女の遊びにつきあってあげることにしました。　　　 │
　　　　　　 └──────────────────────┘


.

737： ◆HD5ItXoLGM：2019/02/07(木) 02:55:05 ID:YKRf1iWs00


　　　　　　　　　　　　　　 |＼_ ￣ﾄ､ｰ―-､
　　　　　　　　 ＿＿＿＿_＞　＼| Ｌ＿＿_|
　　　　　　　　 ＞＿＿＿__　　　　__＿　＜
　　　　　　　　l／　 　 　 　 ヽ　／ 　　 ＼!ゝ
　　　　　　 ／　　　 　 ／ﾐヽ Vr勿＼　　 ＼ヾ
　　　　　／／　　＞-―┴┴-　∠.:＼lVVV＼＼
　　　 ∠／　／　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　ゝ　》
　　　 /:/: ./　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　}: | ﾉ
　　　/　//　　 　 /　__/　　 {　　:ir―　､　 　 ∧|
.　　　　 / 　 /　 '／ ./'｀ ィ.ハ　 :|＼. 　 |　　　ハ
　 　 　 ′, /　　|　 ./_|/　|′ ､　|, __＼.:i.　　　　 .
　　 　 i　/}′.　:|　/＿___､　　 ヽ|_´_＿_ﾄ:.　　　　 i
　　 　 |/　'!　:..:∧《ん;;;ｎ|　　　　 |:. ;;;ｎ|》 V 　 ﾊ｜　　　　「はい、これっ！ クレヨンねっ！」
　　　　　/ |　 :ハ　乂__ソ　　　　 乂__ソ'　ﾊ.　 |:ﾊﾄ､
　　　 ／.:　ヽ i人i　 ///　 　 '　 　 ///　 iﾉi.　.i　　　　　　「ちょっぴりチビっちゃってるけど、
　 　 　 　 　 ｲ{.:.人　　　　（` 　 ´） 　 　 人:|:..:|　　　　　　 大事につかってね！」
　　　　 　 　 トイ＞＞　.　 　ー　　 .　＜_厂}i/
　　 r‐yｧァ＝ ´:::::::: { {{ 　 i￣￣/　 ﾉﾉ}::::::::｀¨¨:::::TTY ﾌ
　　 `{ { {:::::::::::::::::::::: `iﾐ ､　､　 / ／.イ:::::::::::::::::::::::::} } |´





　　　 　 　 　 　 /　　 /　　　　　　　　　　　　　　　 :.
　　　　　　　 　 ' 　　/ 　 　/　 　　　　　　　　　　　ハ
　　　　　　 　　ｉ　 　' 　 　/l 　 　 l 　 ﾄ.　　　　　　 l　｝
　　　　　　　 　l　　 　ﾊ-/‐l , 　　|、 」_!　 ,　　　　 | /
　　　　　　 　 八 　∨ ｊノ　.|ﾊ. 　 | ヽﾊlヽ/　　　　//
　　　　　　　　　 ヽ ハ ヾﾋテ'　＼|｀ﾋテ>ﾊ　　　 /, |
　　　　　　　　　　 |　 ゝ　u.::　 　 　 :::::　厶ｲ　 /∧|　　　 「……う、うん……分かった……」
　　　　　　　　　　 | 　∧　　　 ′　　u　 _, l　 '/
　　　　 　 　 　 　 И　　ト.　　 〜　 　 .イ/: l　/
　　　　 　 　 　 , -‐ﾍ. 　|l　｀≧=-＜__|_厶　 ∧
　　　　　　　 ／＞ ､　ヽ|｀丶､　　　　/　/　∧厶ヽ　　 (……どうして……どうして、こんな事に……？)
　　　　　　 /⌒′　 ＼　 　 　 ー=≠＼^ ｲく/　＼>､
. 　　　　　/　　 　 　 　 丶 、　　　 　 ／ヽ 　}　 　 }∧
　　　　　 {　＼　　　　 　 　 |｀ ーｒ‐ ´ 　 | ＼!　　 /　}



　　　　┌─────────────────────┐
　　　　│気分はメツレツ破れかぶれ。　　　　　　　　　　　　　│
　　　　│もはや、もうどうにでもなれという心境で、　　　　　...│
　　　　│ノエルは近くの席に座り、少女から、　　　　　　　　 .│
　　　　│偏った色のクレヨンを何本か借り受けました。　　....│
　　　　└─────────────────────┘


.

738： ◆HD5ItXoLGM：2019/02/07(木) 03:05:36 ID:YKRf1iWs00

　　　　　　　┌─────────────────────────┐
　　　　　　　│少女から借りた、というか貸されたクレヨンを　　　　　　　　　..│
　　　　　　　│握りしめたまま(手に色がついてしまうのに)、　　　　　　　　　..│
　　　　　　　│ノエルは、他の人たち……特に、ここに連れてきた　　　　 　 │
　　　　　　　│張本人、まさしく原因、あるいは現況の元凶である　　　　 　 .│
　　　　　　　│ところのカナタの様子をうかがってみることにしました。　　　..│
　　　　　　　└─────────────────────────┘



　　γ:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
γ:::::::::人::::人::人::::人::::::::ヽ
（:::::::::／　─　 　 ─　＼:::::::）
＼:／ 　（⌒）　　（⌒） 　＼ﾉ　　 「ねぇアンタ、このお茶はどんな感じだい？」
　|　　　 　（__人__）　　 　　|
　＼　　　　｀ ⌒´　 　 　／　　　 「今朝摘んだばかりのお茶葉で淹れてみたんだけどさっ」
　／　　　　　 　 　 　 ／
　＼　　　　　　　(_＿ノ




　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／.:./.:.:.:.:.:.:.:.八.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:'.
.　　 　 　 　 　 　 　 ＿ノ.:.:.:./.:.:.:.:.:ｲ.:/　|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. i／〉:.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　　　　　　　　 　 ⌒了.:.{.:.:.:./_｣.:.L　|.:|.:.:.:.:.:.:.:}.:.:.:.:.:.:|／〉.:.:.:.:.:.:.:.:.}
　　　　　　　　　　　　 　 {.:.:.| .:./´ ヽ{　｀|∧.:.:.:.:.:.ﾊ.:.:.:.:.:.}∨.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ;.:.:.:.:.｛　 ＿　　{　 ､.:.:.:/ ﾊ.:.:ﾊﾉ　}}.:.:.:.:/.:.:.:. |
.　　　　　　　 　 　 　 　 人.:.:.:.:.乂x＝ﾐx　　 }.:./二｣ノ　　ﾉ厶=x.:.:.:.:}.:|
　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽ／ﾉ⌒, ,　 　 　 |/´￣ヾ 　 　 ｨ⌒)}.:.:.ハl
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ｛　{{　　　 　 ,　　 　 , , ,　　　 ノ ／|／　 }　　　 「む〜〜……んーっ！ よしっ、グッドだねっ！」
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |　ヾ､　　　)､　　　　　　 　 .ｨrく.:（.:{
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 {　 　 ＼　 　 ￣　　　 　 .ｲ.:}ハﾉ ヽ　　　　　　 「オバちゃんの淹れてくれるお茶は、
　　　　　　　　　　　 　 　 　 |＼　　　丶　　 　 　 ＜)⌒ハ　　　　　　　　　　いっつも美味しいよっ！」
　　　　　　　　　　　　　　＿」.:.:.|）　　　　〕ｰ　　　　/ 〉' 　 ＼＿
　　　　　　　　　　　 ／　　　）.:/　　　 .イ）　 　 　 ／　　 　 人(⌒＞､
.　　　　 　 　 　 　 /　￣￣7⌒｝　　 /八　　　 ∧　 ∧ 　 /　 ＼　 　 ＼
.　　 　 　 　 　 　 ｛　 　 ／　　 ＼_ //　　ー=ｲ　 ＼∨　/　　 　 ＼　 　 ＼



　　　　　┌────────────────────┐
　　　　　│……よくも悪くも、ノエルのことなんて、　　　　　....│
　　　　　│まるで気にしていないかのように、　　　　　　　　..│
　　　　　│住民の人たちと楽しそうに、　　　　　　　　　　　　.│
　　　　　│本当に楽しそうに、話していました。　　　　　　......│
　　　　　│他の兵士たちも、住民も、大体、同じ感じ。　　.....│
　　　　　└────────────────────┘


.

739： ◆HD5ItXoLGM：2019/02/07(木) 03:12:05 ID:YKRf1iWs00



　　　　　　　　　　　　-‐ｧ=ー-ミ
　　　　 　 　 　 ／　 　〈 　 　 　 ＼
　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　ヽ
　 　 　 　 　 /　　/.　　 |　　　　 i 　∧
.　　　　　 　 |　　 |｜ |/|　　|i|　 |　　 |
.　　　　　 　 ｌ　　 |人_|‐L.」_j七ﾉ|　　 l
　 　 　 　 　∧　　、‐tｯ　 　 tｯ‐|　 |/　　　　　 (……ボクも、他の人と同じ様に、
　　　　　　　　ﾍ ＼〉::::..... , ...:::::..i|　 |　　　　　　 好きな様に、やればいいのかな？)
　　　　　 　 　 ハ　|、 　 __　　 ﾉ|　 |
　　　　　　　　　 |　|_〕ト　_ . イj/| |/　　　　　　 (どうせ、誰も止めないだろうし……
　　　　　 　 　 ノ}ヽ|￣＼___,ノ⌒|ﾉ⌒＞　　　　 逃げた所で、怒られる事も、無いだろうし……)
　　　 　 ,x＜二＼　　　　 　 　 〈　7´二>､
.　　 　 /　　　　　 ＼＿＿　　／∨　　　｜
　　　　|　　 ',　　　 　 　 ＼／　　　　 /　 |
　　　　|　 　 ∨　　　 　 　 |　　　 　 /　　l|
　　　　|　　　 [￣￣]　　　 |　 [￣￣]　｢　|


　　　　　┌───────────────────┐
　　　　　│こんなことは、ノエルにとって初めてで。　　　　│
　　　　　└───────────────────┘

.

740： ◆HD5ItXoLGM：2019/02/07(木) 03:15:02 ID:YKRf1iWs00



.　　　　 　 / : : : : /:.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼: : : : :＼
　　　　　 / : : : : /:.: : : : : : : : : : : : : : :./: : :/: : : : : : : : : : : : : :＼: : : : :ヽ
　　　　　　: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/: : :/: : : : : : : : : : : : : : : :i ヽ: : : : : :
　　　 　 : : : : :/ : : : : : : : : : : : : : : : /: : :/ : : : : |: : : : : : : : : : : :i : i: : : : : : :
　　　　 : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : /: : :/ : : : : : : : : : : : : : : : : : i : i : : : : : : :
　　　　l: : : : ′: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |: : : : : : : : : : / !　!: : : : : !: :
　　　　| : : : |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ｉ..: : : : : : : /:/　|: :|: : : : : |: :
.　　 　 !: : : :|:.: : : : : : : : : : : : : : :l : : : : : / : : : /|:.: : : : : : /:/ 　:|: :|: : : : : |: :!
　　　　 |: : : :. : : : : : : : : : : : : : : :|: : : :__/: : : :/-|: : : : : :./'7￣ 了 |: : : ;.ィ: :.|
　　　　 |:./: : ', : : : : : : : : : : : : : :.i: : /:./: : : ;.'　/: : : : : /|/　 　 |/ | イ : : : : !
　　　　 |ハ::::::::. : : : : : : : : : : : : : ｉイ//＿／　 ￣￣￣　,xrや㍉　/.: i:.: : : : :
　　　　 |　 ヽ::::::.: : : : : : : : : : : : : i. ≪¨て::うヽ　　　　　　 いﾉ '　.: : : !: :|: : ,′　　 (……でも、絵を描くなんて、本当に久しぶりだ……)
.　 　 　 　　　＼::.: : : : : : : : : : : : :ｉ.　　 乂_り 　 　 　 　 　 ¨´　.: : : : i: :.|: :,′
.　　　 　 　 　 　 ', .: : : : : : : : : : : :.＼　　　　　　　　　　　　 　 ; : : : :.i: /|:/　　　　　(……たまには、やってみても、良いのかも……)
.　　　　　　 　 ＿ ', : : :|:.:: : : : : : : |　 丶　　　　　　　　'　　 　 {: : : : :|/ .|'
　　　　　　／:. :. :. ', : : !' : : : : : : : |　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 八 : : : l
.　　　 ＿/:. :. :. :. :. ', : :! ', : : : : : : |　　　　　 　 　 ,..　 　 　 .ｲ:.: : : : :.!　　　　　　　 (……うん、ちょっとだけ……楽しみ、かな……？)
　　／:. /:. :. ＿＿:.: ' : |:. ', : : : : : :|`　.　　　　　　 　 　 イ:::::::::: : : i : |
.　/ :. :. :. :. :. :. :. :. : : ', | :. ', : : : : :.:丶　`　　　　 　 ／　 l:::::::::: : : :|', |
. /:. :. :._,､ -――‐--...',|.:.:. ', : : : : |:. :.＼＿{__ ｀¨´ヽ: ＼ !::::::::: : : :! ':|
/:. :.／＼///////＼:::::::｀`: ', : : : :! :. :. :. :. :. :. :. :. : }ヽ:.:ヽ::/|:: : : :!



　　　　　 ┌───────────────────────────┐
　　　　　 │けれども、こういう風に思うのも、ノエルにとっては初めてで。　　　│
　　　　　 └───────────────────────────┘


　　　　　　　 ┌────────────────────┐
　　　　　　　 │少しずつ、少しずつ、ノエルの周りも、　　　　　　 │
　　　　　　　 │ノエル自身も変わり始めていることに、　　　　　...│
　　　　　　　 │彼女はまだ、気がついていませんでした。　　　　│
　　　　　　　 └────────────────────┘


.

741： ◆HD5ItXoLGM：2019/02/07(木) 03:17:25 ID:YKRf1iWs00



　　　　 　 　 　 　　 　 　 　 　 ●


　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ●


　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ●


　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ●


.

742： ◆HD5ItXoLGM：2019/02/07(木) 03:18:02 ID:YKRf1iWs00



　　　　┌──────────────────────────┐
　　　　│こうして、ノエルは時折首をひねりつつも、　　　　　　　　　　　......│
　　　　│少女といっしょに、白い海に色達(やや少ないですが)を、　　 　 │
　　　　│走らせてみました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.│
　　　　└──────────────────────────┘



　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　　　..:::::::::::::::::::::::::::::::::_:::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　 ..::::::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::::::::::＼::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 /　　　　..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::.
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..::::::::::::　:::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
　　　　　　　　　　　　　　|　　 　 :::::::::::::　::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /:: |　i
　　　　　　　　　　　　　　|　　　 :::::::::::::　:::::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::::::::/ ::: |　|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　::::::::/　::::::::::::::::::::|/: ／|::::::::j::::::::::::::::: /:|::::: |　|
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 :::::/　 .::::::::::::::::::::|: /ノ|　::/|::::::::::::/:/　|:::::ｉ|　j
　　　　　　　　　　　　　　　∨:｝　:/　..:::::::::::::::::::::::爪＾ｱ尓ミ Ｌ:::::::/l/へﾚ::::ﾘ /
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ∨:::/　.::::::::::::::::::::::::::|　 弋(ソ　　　　 y≦ｧ从/i/
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 厶:∧　 :::::::::::::::::::::::::|　　　　　　　　　ﾋ(ﾝ,:'::/ /
　　　　　　　　　　　　　　　　 j人::ヽ　 :::::::::::::::::::::|　　　 　 　 　 、　 .::::/ /
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 _｝:::',　 :::::::::::::::::::|　　　　　　 　 　 /:::/ /
　　　　　　　　　 　 　 　 　 __厂V__:∧　::::::::::::::i:::|　　　　　　　　 ..::::/ /
　　　　　　　　　　　 　 ／　/　　 : : : :Vﾍ ::::::::::i:::|、　　　 ´' .イ:::::::／　　　　　　「かき、かき、かき……」
　　　　　　　　　　　　/　ｰ┴　　_: : : : : : ＼::::::i:::|/＞: :-＜｝::::::/|/
　　　　　　　　　　　ノ　　　　　　　｀: :ー-: : :＼i:::|＼_人/⌒|::::∧|
　　　　　　　　　 〃　　 　 　 　 : : : : : : : : :＼: ヽ|: : : : : ）: :j／: :｝
　　　　　　　　 r┴─―＜　　. : : : : : : : : : : : 丶、: ＿八: : : : : :j
　　　　　　　　厶＿＿__／｀⌒丶、_: : : : : : : : : : : : : : : : :＼ : : ,′
　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　 　 ｀⌒丶、: : : : /￣￣＼/ヽ∧　　　　　　　　　　　　 _
. 　 　 　 　 /　　　　 　 ＼　　　　　　　　　　ー‐/　　 　 　 ＼}　|　　　 　 　 　 　 　 ／/
　　　　 　 ,′　　　　　　　ヽ　　　　　　　　| 　 /　　　　　　　　￣/`ー────'7´　/
　　　　　 ｛　　　　　　　　　　　 　 ＿＿＿｣._ /　　　　　　　　　 /　　　　　　　　/ 　 /
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