巨人軍に葬られた男～湯口敏彦物語～ - 1453809883

1： ◆eZty3vRhsw：2016/01/26(火) 21:04:43 ID:JJoE98nY0: ・織田淳太郎『巨人軍に葬られた男たち』を原作とした物語です
・>>1の考察、妄想が混じっていますが、ご容赦ください

前スレ
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12973/1444452198/

まとめ
嗚呼！やる夫道様
ttp://gokumonan.blog87.fc2.com/blog-entry-7161.html
2： ◆eZty3vRhsw：2016/01/26(火) 21:06:04 ID:JJoE98nY0: 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 :::::::::::::::::::::::::::::::／!:::::/　|::::/　　　ﾞl::::::::| ヽ:::::::::::::ﾄ､::::|ヽ、::::::::::
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　　　　　　　　　　　　　巨人軍に葬られた男～湯口敏彦物語～　　　　　　　　　　　　第5話「壊れた心」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　１月３０日（土）　23:00から投下予定

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3： ◆eZty3vRhsw：2016/01/26(火) 21:07:32 ID:JJoE98nY0: 引っ越しさせて頂きました。
さっそく上記の日程で投下予定です。
よろしくお願いします。
4：どこかの名無しさん：2016/01/26(火) 21:54:07 ID:KavNxUGo0: 立て乙
こっちの板なら例の暇な人も迂闊に手を出せまい
5：どこかの名無しさん：2016/01/26(火) 22:40:05 ID:tvrt6CbA0: 立て乙です
見落とさずに発見できた。これからも期待してます
6：どこかの名無しさん：2016/01/26(火) 22:47:33 ID:xbBOqyXE0: 立て乙
見つけられて良かった。期待して待ってます
7：どこかの名無しさん：2016/01/26(火) 22:59:51 ID:dFxFSbtw0: 立て乙です。うれしいです
あまりにヒドイ妨害で前スレが埋められたんで
呆れて再開する気にならないんじゃないかと心配してました
8：どこかの名無しさん：2016/01/26(火) 23:35:25 ID:Yrnnv.Vg0: 立てすれ乙

この調子でどんどんやる夫板Ⅱから移転してくるんでしょう
9：どこかの名無しさん：2016/01/27(水) 10:25:34 ID:iHwPrIvc0: もつ
10：どこかの名無しさん：2016/01/27(水) 20:11:41 ID:ha1ayMeY0: おお、復活してた！
乙です
11：どこかの名無しさん：2016/01/27(水) 20:33:38 ID:BuVQTFdU0: 復活ｷﾀ━(ﾟ∀ﾟ)━!
12：どこかの名無しさん：2016/01/27(水) 20:51:13 ID:5Gh0ZIKA0: 待ってました！続きが楽しみです。
13：どこかの名無しさん：2016/01/28(木) 01:06:04 ID:9cxQx1aQ0: 待ってました
投下が今から楽しみだ
14：どこかの名無しさん：2016/01/29(金) 21:04:55 ID:dw9TWogk0: 待ってました！
15： ◆eZty3vRhsw：2016/01/30(土) 23:00:27 ID:GQcsOzQY0: 時間になりましたので投下を開始します。
16： ◆eZty3vRhsw：2016/01/30(土) 23:00:44 ID:GQcsOzQY0: 　　　　　 :::::::::::::::::::::::::::::::／!:::::/　|::::/　　　ﾞl::::::::| ヽ:::::::::::::ﾄ､::::|ヽ、::::::::::
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　巨人軍に葬られた男～湯口敏彦物語～

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　第5話『壊れた心』

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17： ◆eZty3vRhsw：2016/01/30(土) 23:01:02 ID:GQcsOzQY0: 失意のファン感謝デーがあった夜、二軍投手コーチの中村稔は
二軍の若手選手たちを自宅に招待した。

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　　　∠二二二二二二二二二}　　　　　　　 ├┬───┬┤ 　　｜　　　　　｜　　爻爻爻爻
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　　　　||　 ||　 |,, 　　　｜　// ｜　// │　,;i､｜｜三冂三｜｜　　｜ //　｜　// ｜　爻爻爻爻爻
┌ｒ‐ｒ‐|| ,";;;`,,";;;`,　　　　|　/　　.|　/　　.|　彡ﾐﾐ.|..｜┨凵三｜｜ ┌─┼─┬┴┬─┼─千┴干┴千‐
├| n　|| ;;n!!;;ﾐ;;!!n;ﾐ　 n ＠@n@＠ n. 　 |.n彡ミﾐ;..｜┨＝三｜｜ ├─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼‐
├| ||==､@,c3,==||====||====||====||====||ｌ |!i..｜｜三三三｜｜ ├‐⊆⊇‐┼─┼─┼─┼─┼─┼‐
├| ||==ｌ三三!∴∵：==||==ﾞw%ﾐ%;==||====||..匸!｜｜三三三｜｜ ├─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼‐
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彼らに対する一年間の慰労が目的だった。
18： ◆eZty3vRhsw：2016/01/30(土) 23:01:22 ID:GQcsOzQY0: 　 /　　／　 ..::/.::/　.:::::: /.::::::/.:::::!::::::..!.. l　　::ヽ｀ヽ
　i　　/　　 .::::::!::/l ..:::／/.:::／!:::::/l::::::::l:::::l:::....l　 !
　! 　 ! l　.:::::::/l/__l／　/／　ｌ:::/　!::::/!:::::!:::::::!::!:l
　ｌ　/l/l .::::::/ ＿＿｀ヽ、　　ｌ/ 　 l::/ l:::/l:::::::!::!::!
　 V くｌ .:::/　￣"'ヾﾐ　ヽ　　　 _ｊ/　-―ｌ　/.∧l
　　∨ｰ!::/　　　　　　　　　／ -=ﾐ　.／l/.:/
　　j/iヽl/ 　　　　　　　 /　　　　 /./　j/　皆、今年はご苦労さんだったな
.　　　ｌ::∧　　　　　　　 {　　　　./.:/
.　 __/V ::ヽ　　　　　　　　／　　　 /.:/　　　　来年も頼んだぞ
／i/　 ! ::::::ヽ　　　　　　　／ j/
.三l　:: ｌ　:::::::.ヽ、　` __‐-　 .／
.三 !.:::::.ヽ、:::::::::ヽ、　　　／
三ﾆｌ:::::::::::::＼::::::::::::::ｰ匕＼

　　　　　　中村　稔

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「「「はいっ！！！」」」

　　　　　　　,,＜'T￣|￣|￣,j｀7ヽ,､　　　　　　　　　　　 _ｘ-‐‐‐v‐‐‐‐ｚ_　　　　　　　　　　　　ﾄ､ | ＼　 {| ￣｢}厂l　　ｊﾘﾉﾉﾉ{
　　　　　　/＼ヽ.,-r‐､　 |/ﾉ￣|/ /|　　　　　　　　　ノィ　　　　　　　　 Xヽ　　　　　　　　　　 |＼ｌ　　＼l{ 　 | |ｌ l|　 /レ‐'ｆ |
　　　　　　ﾄ､＿〈l ヽ,,　　　1ﾉ-'-7ﾉ|　　　　　　　　／　　　　　,　　　　＼　　　　　　　　 |＼l　i　　＼　l |l ﾘ　/'" 　 |,|
　　　　　　ﾄ-ｷ t三ｦ　　 /ノ⌒´|:/　　　　　　　　 ∠イ　＜l ／＼ l> 　ヽ.ﾆゝ　　　　　　　　 |＼l　|　　　＼{ﾘｊ／ -､　　l,!
　　　　　　　ﾃ}　y'⌒　　　r'⌒'　.ト､　　　　　　　　　　 / ｲ|/＼.ヽ、 _／／）ヽ!　ヽ　　　　　　　　　　　 |＼l　|　　　　　 ´ /　　ｌ　ｌ j{_
　　　　　　 r‐|　　　9　 __　 9　　|1 |　　　　　　　 /ｲ .| 〈￣｡`ﾐl l〃｡￣》 .|　.ﾄ|　　　　　　　　「ヽN{ （　　　　　　　　　＿_ｊ｢ｉ}
　　　　　　 {｀t|　....:::::::´　ヽ:::::::::::|_ノ　　　　　　　　　　 |,=|　｀￣´"|.|ヽﾞ￣´）.|=､!　　　　　　　　 |｢ヽＶ　＞‐ｚ_､　　 l　,ｨヒ_,　ｊﾘ
　　　　　　　ヽﾖ､　　 rﾆﾆﾆ､　　/ヽ､　　　　　　　　 ||（|　　　 /!ヽ┘　 .| |.）||　　　　　　　　　 │{_〉　　ｨ' ｆうﾞヽ-ｒ'＾ｨｆｩﾉ　l/
　　　　　　　　/ ＼　ゝ＝ｦ　／::ヾ､|　　　　　　　　　　 |=ﾍ.　rｪェエエェｪｧﾉ/=''|　　　　　　　　　　入__)ヽ　"￣￣／ｉ_ | ´￣　 /
　　　　　　　 /:::::::､｀ヽ､二_／:::::::::::|ﾉ_　r､/7_ V　　　　 l|　.ﾄ､＼＿_＿／//| 　 |　　　　／＼/ヽ彡'// |│ 　　〈　（__ｊﾉ　　 /
　　　　　　ノ､:::::::::::＼_ﾛ:::||C::::::::::::::/ |/ / //　　　　　ﾉ|　.| l＼　 <７　/,ｲ |　 N＿__ ／　／　 |/⌒》　ｌ l 　 r‐ ､＿____,ノ⌒} ＿
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　l |　　|::::::::::::彡|::::::::::::::::::::::o::／::::ﾑ .ハ　 /　 _,-‐'/　 .|　| .|　　　ヽ'　／ .ﾉ >'´_,. ＼ ./ハ._,.- ＿ﾉＶi　ｌ　ヽ. 　｀二ﾆﾆ二´ /　|
　ヽヽ .{:::::::::::::彡|::::::::::::::::::::／::::ﾝ､::::ゝ＿／|　　　 /　　./∧!.! 　　　／　 r'´￣ヽ　　　ヽ.　| /　　　 |　 l　　＼　　　 {　　（_,ノ{
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　　　　　　　　　　島野　修　　　　　　　　　　　　　　　　　　　庄司　智久　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　大北　俊博

集まったのは湯口の他、1968年のドラフト1位・島野修ら13人ほど。
19： ◆eZty3vRhsw：2016/01/30(土) 23:01:47 ID:GQcsOzQY0: 　　　　　 .::|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　│
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　　　　　　　　　　　　　　　 j/|:::::/　 '⌒_　　　_⌒ヽ i::|::::}　　皆、好きに飲んで食ってくれ
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ::{　 -―　　　 ―-　}::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　（ |::i　　''' 　 l　　'''　　i:::| }{　　遠慮はするなよ
　　　　　　　　　　　　　　　　｀l:::i.　　　　l|　　　　　i:::j/｀
　　　　　　　　　　　　　　　　　 |∧　　　　　　　　 /ﾊ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　 `ー' 　 ,ｲ/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i ＼＿_ ／ i
　　　　　　　　　　　　　　　　 __　_,ノｊ　　　　　`　､
　　　　　　　　　　＿＿.ィi ｛　　＼　　ヽ　　/ 　 .／　｀ノ―ｰ- 、
　　　　　　　　　〃￣￣厂ヾV{: : : ヽ　__　　　／: : ´／　/　　　　:.
　　　　　　　　 {{ 　_ｘ‐く_　 }｝ :.、: : : : : : : : : : : :: :／　／　　 /　　 }
　　　　　　　　　ｒ‐〈V´￣￣￣｀V〉､ヽ: : : : : : : : : ::／　／　　　 ,′　　|
　　　　　　　　　ヽ/oﾟ¨/oﾟ¨/oﾟ¨∧ 〉(⌒(⌒(⌒ヽ(⌒)'⌒) 　　　　　　〉
　　　　　ｒ―――v―――ｖ――ｖ{｢￣￣￣￣￣￣￣￣jY ＿　.ヽ.ノﾊ
　　　　ｒ┴‐──┴‐──┴‐─┴`ー─────┬一'''　ヽ.. Y　　 i
　　　　 ` ー―r‐r‐r――ｧ―‐┬──────r─┴─一　′ｊ.　　 |
　　　　　　｀￢ー　く｀ヽ.　 |　　　　　　　　 ` ﾆニﾆ　　__　 .〈　　リ
　　　　　　　　　　 { 　　ヽ }　ﾉ　　　　　　　　　　　　｀ヽ　　.　∨
20： ◆eZty3vRhsw：2016/01/30(土) 23:02:11 ID:GQcsOzQY0: _,.へ､-､ヽこ Vヽ_
三ヽ／　ヽ }/／└ーｧ
ﾌ `{_ (⌒Vi|/／⌒ Tュi、
-=‐'_'い{〉´｀くｱ　ノlV ハ
／,.へ! ｿ　i　/^ー＜__ノﾉ-1
二、　　　　＼ =､‐､ヽ（ﾆ二}
⌒ヽ　　　　　　　ヽ} ﾄー-={
､(　)l　　　　,.-=､　　トﾆ= /
　｀´ ,.､　　'(　)　}　　｣こ‐ﾉ　　な、中村さん・・・
　　'　 }　 ´｀`''′ /ｰソ′
　　　　　　　　U　/-く　　　　　あの・・・
　　^‐　　　　　 /7＾i/
　　　　ゞ　　 /_ノノ
　　　　　　／ｰ'´
､＿_,..　イ´
/=＝＝ｒーｖ─r- ､
//:::::::ノ {つﾉ-─--､ヽ

　　　　　　　 !.:ハ:ヽ:.:ハ!｀― ､ , 　､　, ´￣｀　ｌ:イ:. ｌ
　　　　　　　　ﾉ'　ｉ,､:.:.ｉ　弋赱メ　　　弋赱メ　ｌ:.人:.!　ああ、分かっているさ
　　　　　　　　　　 ! ヽ:.!　　　　　　　　　　　 !:.:Ⅳ
　　　　　　　　ゝ.从　　　　　ｉ:.　　　U　 ':./　　　・・・湯口だろ？
　　　　　　　　　　　　ｉ:.:ﾊ.　　　　　､!:　　　　 /:./
　　　　　　　　　　　　!ハ:.:..　　 ,　―　っ　　 'Ⅳ
　　　　　　　　　　　　ヾ＼　　￣　　／ｉ､
　　　　　　　　　　　　　,.ィ　ヽ　､　　／　ﾉ丶
　　　　　　　　　　　／ /　　冫､.　　´　,.〈.　　 ',｀:..､
21： ◆eZty3vRhsw：2016/01/30(土) 23:02:32 ID:GQcsOzQY0: その中で、湯口の様子だけが普通ではなかった。

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　　　　　　〈 ′∧∨:/||l//|!:.:∠__!::/ /l′ V/　!.:.:.:.:. }:.ﾘ　|:ﾘ}: : !: : }ｉ:ﾊﾘ
　　　　　　　　 ∨ i　ﾉ V!　|ﾘ　|/　_,.ﾑ'=≧x=ｰ{.:.:.:.:.:.:.:.: _ﾚ'_,.＞''ﾚlﾘ: :/|l' ｿ
　　　　　　　　 Vｰxヽ,ﾘ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: / }ノ
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　　　　　　/:.: .:l　 V: : : : : : : : : : :.＼　　　　　ー‐　　／＼　　　￣ヽ
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表情は淀み、視線は虚ろだった。
22： ◆eZty3vRhsw：2016/01/30(土) 23:02:54 ID:GQcsOzQY0: :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',:.:.:.:.:.:.:',:.:.:.:',:.:.:.:.l:.:.:.:.',:.:.:l
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:.:.:.:.:.:.:.:',:.:l　l:.:.:l　　　　　　｀ヾ　　　　　ｉ　　　 l
:.:.:.:.:.:.:.:.:',:!　l:.:.l　　　__,-...‐,‐､　　　　　 ',　　　l　　　　　　　　（「湯口の様子がおかしい」とは聞かされていたが・・・
:.:.:.:.:.:.:.:.:l'　　l:.l　　'´　{::ﾟ:::','　　　　　　　 ',　　.l
',:',:.:.:.:.:.:.:l　　.l'　　　　　　　　　　　　　　　.',　.,'｀: .､　　　　　　　たった数時間で、人間がここまで
..',.',:.:.:.:.:.:l　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .',.': : : : :｀: :.､　　　　急変してしまうものなのか？）
､ ',.',:.:.:.:.:.l　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ノ: : : : : : : : ｀:､
,｀ヽ_,:.:.:.:.:l　　　　　　　　　　　　　　　　 ,-',': : : : : : : : : : : :,',
.',:.l , ',:.:.:.:l　　　　u　　　　　　　　　　　,': : : : : : : : : : : : ,':.ｉ
　':!.', .',:.:.:l'.,　　　　　　　　　　　　　, -'ｉ ,': : : : : : : : : : : : :ｉ: :.l
　　 .ｉ　',:.:l　' ,　　　　　　　　　　_'´__, .',': : : : : : : : : : : : :.,': : l
　　　l　 ',:l　　｀ .､　　　　　　　　　　　,': : : : : : : : : : : : :,': : : :ヽ
23： ◆eZty3vRhsw：2016/01/30(土) 23:03:14 ID:GQcsOzQY0: その湯口を同僚がさかんに励ましていた。

　　　　　　　　 r≦二二二二ｱﾊ
　　　　　　　　 | 　.///// /／三}
　　　　　　　　 |　///// //三三}
　　　　　　　　 ∨/ ／∨／三三}　　　敏彦、すまねえ
　　　　　　　　　|／　 :{／三三:}　　　　俺たちが遅くまで飲ませたせいで・・・
　　　　　　　　　|＿_u_ {ﾆ>=ミ三}
　　　　　　　〉ﾓﾃﾗ ∨ flﾘ}三ﾐ＼　　まさか登板があるなんて思わなくてよ
　　　　　　　　 /__　 u ／ f_ノ＼　　ヽ
　　　　　　　　 {__　 { U ト{ﾌ　} } } } }
　　　　　　　　U └ ｀　／　　 }ﾉﾘﾘ}ﾉ
　　　　　　　　　u　ーく　　, ≦二二≧x
　　　　　　　　 u u　 }／ﾆ／￣￣￣｀＼
　　　　　　　　　　　_／ﾆ／　　　　　　＼
　　　　　　　　　／ﾆ／　　　　　　　　　　 ‘，
　　　　　　　／/ﾆﾆ /　　　{　　　　　　　　　 }
　　　　　　/　 {ﾆニ/　　　人　　　　 }　　ﾉ＼
　　　　 {　_/≧　L.......　イ＼　　　 ,ﾉ　　　　　‘，
　　　　／　人ニニニニニニニ}≧ー　　　　　 }
　　　 /　　　　 }ニニニニニニ人　　　　　　イ＼

　　　　　 ‐､――-､,,.. -――‐;:‐
　　　　　　　＞　　　　　　　　　￣＜
　　　　 -=ﾆ　　　　　　　　　　　｀ゝ
　　　　 ∠´　　,.ｨ　ﾊ　　　　　　　　 `、
　　　　　/ 　　/　| ./　ヽ　ﾄ､　　　　　 |
　　　　 lイ　/''-ﾆ|/､　r‐＼lﾆ＼!　__　　|　　　あの乱調は俺たちの責任です……！
　　　　 'l.ｲ| ＝=｡､i　'"==｡=＝ l. l"ｌ| 　 |
　　　　　 |l| `ー'/　 u　ｰ‐''"　| |"ｌ|　｜　　湯口さんの本来の実力なら、
　　　　　 l || U/　　　　　ｌj　 |.|ソl　　|　　あんなことには絶対……！
　　　　　　 ! `|/_,.　- ヽ　v' 　　l!-'′ 　 |
　　　　　,l　ヽヽﾆﾆﾆ二) 　／|　　 |＼. |
　　 _,,..　‐'''"~/lヽ　≡　　／　|　　 |　　|~"''
　　　　| |　　/　| 　＼　／　ｕ　ﾚ! 　|　　 |
　　　 | |　/ 　ﾚw､　 l´　　　　 |　 l　　 |