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雑談・感想スレ

1管理人 ◆kTZ/rE5fPw:2013/01/14(月) 20:03:48
新安価ロワイアルの雑談スレです
感想もここでどうぞ

2 ◆RHncgWsa9Y:2013/01/19(土) 02:13:34
早速投下したけどすっごい不安w

3 ◆397hRRvW1w:2013/01/20(日) 02:45:41
テストさせていただきます。

4 ◆oub/vvrBRg:2013/01/25(金) 23:39:13
これよりしたらば投下なので支援不要です。
前スレで支援してくださった皆さん、ありがとうございます。

5 ◆oub/vvrBRg:2013/01/25(金) 23:39:58
〜アークシステムワークス 本社〜

「おい、見ろよあれ!」
「えっ、式の中の人って極秘事項じゃなかったの?」
「でもネット対戦とかはどうせ公開するシステムだし、初回のサプライズってことでいいんじゃないの?」
「それより、このカード見ろよ!! 闘劇でも見れない夢のカードだぜ!?」
「配信視聴数、めちゃくちゃ上がってます、っつーかパンクしそうです!」
「こいつは盛り上がるぞ! この機会にロケテストを大いに宣伝する!
 各方面にメールと電話しろ! 配信を担ってるドワンゴには"チャンネルの全てをQMZに切り替え"、あと大至急a-choに連絡とれ!!」
「わかりました!!」
「あの、システムをはじめとしたゲームの監視は?」
「バッキャロー!! んなもんやってる暇あったらあの試合見ろ!」

〜その頃の店内では〜

「おい、霧でみえねーぞ!!」
「つーかこれ煙じゃね? 誰だよスモークとか焚いてんの!? 意味あんのか!?」
「あっ、おい、ようやくディスプレイの一つが見えるよーのなったぞ!」
「ほんとだ……っておい!? 聞いたか今の!? 式の中身GO1だったのかよ!!」
「しかも生き残ってるもう一人はQMZさんじゃん! 何がどうなってんだ!?」
「ってことは最後の一人を決める戦いが始まる?」
「闘劇壇上だあああああああああああ!!」
「うおおおおおおおおおおおお!!」
「スモークだあ!! 炭酸ガスだぁあああああ!! どんどん焚けェェェェェ!!」


.

6 ◆oub/vvrBRg:2013/01/25(金) 23:40:36
「はいはいはい、急遽参上いたしました火九でございます。
 kaqnちゃうで、火九さんやで。
 いやねー、僕も行きたかったんですよー、ロケテェー。
 だってアークの新作っしょ? アークの新作っしょ?
 そんなん、やるに決まってるじゃないっすか! わらかさんといてくださいよ!
 んでまあ、僕はロケテ実況をチラ見しながら仕事してたんですけどね、そんな僕に突然電話きたんですよ。
 何でも"めっちゃおもしろいカード始まるから実況してくれ"って言われて、店のPCからSkype繋いでかなり無理矢理音声だけを今お届けしてるんですね!
 もうてんやわんやっすけど、確かにこのカードは熱い!
 熱い! 熱すぎる! 夢のカードってレベルじゃないですよもう!
 しかも本人たちたっての希望ってことで、全快状態からの正々堂々タイマンってお前、熱すぎるやろ! ロケテの配信やのにサービスしすぎやって!
 ご丁寧に挨拶代わりのインタビューまでしてるしほんまに……。
 っとまあ私自身、一観客としてこの試合を楽しみながら、実況させていただきたいと思います!
 では、参りましょう!
 アークシステムワークス新作「バトル・ロワイアル」ロケテストォ!」

デデデデザタイムオブレトビューション

「生き残りをかけた最終決戦!!」

バトー ワン

「QMZジャギ vs GO1両儀式ィ!」

デッサイダ

「勝つのは、初代覇者はどっちだァ!!」

デステニー

「ワアアアアアアアアアアアアアア!!」


.

7GAME OVER 〜Thank you for playing!!〜 ◆oub/vvrBRg:2013/01/25(金) 23:41:14
「オレは、"生"きたい」
リッドは一人、うつむいて呟く。
「"生"きて、"生"きて、"生"き続けたい」
闇の空間のどこかに、あぐらを掻いて座り込みながら呟く。
「ファラやメルディ達と一緒に、何でもない平凡な人生を"生"き続けたい」
ほむらと目線を合わせることなく呟き続ける。
「それだけでいい、それだけでいいんだ。
 それを達成できるって言うなら、どんな困難でも乗り越えてみせる。
 彷徨うことになろうが、なんだろうが、ぶっ飛ばしてやるさ」
結局最後までほむらと目線を合わせることなく、リッドは言い切った。
「そう」
そのリッドの姿を見るでもなく、どこかを見つめたままほむらも呟く。
「……じゃあ、一緒に行きましょう」
溜息を一つはさんで放たれた一言。
「"戦い"に」
それは、パンドラの箱に入っていた"希望"だった。

体が光になり、どこかへと向かっていく。
ほむらにとっては数えるのもバカらしくなる回数の経験だが、リッドにとっては初めての経験だ。
そして彼らは電子となり、ネットワークの海へと漂っていく。
ゲーム終了まで大阪の某ゲーセンとゲーム内専用回線でしかしか繋がっていないはずのこのゲームで、如何にしてネットの海に飛び込んだか?
ネットワークに繋ぐにはこのゲームを攻略する必要があるはずなのに、なぜ彼らはネットの海に飛び込めたのか?
QMZは、ほむらにどのような作戦を吹き込んだのか?
作戦はこうだ。
まず、拡声器でGO1の存在を明かす。
そしてGO1vsQMZ、格闘ゲームを齧った人間でも知っている両名の対戦カードを、ラストバトルとして用意する。
観客及び全関係者の目線を、その試合に向けさせることで"監視者"の存在を無くす。
その間に、ほむらの能力を使って「グラフィック出力」にアクセスをさせる。
このゲームは今、全世界に向けて配信されている。
つまり、映像出力をどこからか分配させてキャプボなどを介してPCに繋いでいる。
QMZは設営に携わったK.Iの話通り、グラフィック出力からPCまでのルート……つまり配線経路をほむらに伝えていた。
ゲーム基板から出力される情報を辿り、配信コンピュータへとアクセスしてインターネットへと繋ぐ。
これが、外部へアクセスさせる手段。
もう一つ、観客の目を向けさせたのは"ほむらの行動に気づく者"を作らないためだ。
ほむらたちは"死亡扱い"でも、フィールドには彼らの姿が残っている。
カメラやフォーカスが全て自分達に向く必要があった。
そして、自分達が戦えば戦うほど、基板は稼動し続けることになる。
つまり、彼らの行動可能時間が延びる。
ほむらの悲願を達成させるには、このゲームに関わっている全ての人間を巻き込むことが近道だった。
これは"現実側"の人間にしか気づけない、重要なファクター。
元々店の常連であり、店についてある程度の情報を手にしていたQMZだから流せた情報だった。

8GAME OVER 〜Thank you for playing!!〜 ◆oub/vvrBRg:2013/01/25(金) 23:41:53
 
そして、ほむらはついに悲願を達成する。
この「バトル・ロワイアル(仮)」を生み出した、マスタープログラムが格納されている場所へと。
あと一歩、あと一歩が何回も届かなかった場所へと、ついに手を伸ばすことが出来た。
「まさか、この私を駆逐しに来るものが現れるとはな」
悲願のその場所で聞いたのは、一つの声。
重々しく、機械的な声だった。



時は西暦20XX年。
ある二つの会社が極秘に開発していた、人類文明の存続と地球環境の保全を両立させるための存在。
果てしない調査とシミュレーション、世界最高峰の演算能力を持ち。
地球規模のネットワークに接続して、働き続ける一つの存在。
名を、アシンクロニャス・スーパーコンピュータ"ノア"と言う。

「私は……何兆回もの推論を行ってきた」
自分の内部、ソフトウェア上のノアの思考に乗り込んできた二つの存在。
「人類文明の存続と地球環境の保全を両立するにはどうすれば良いのかと」
ノアは、その突然の来客にも慌てずに話しかけていく。
「だが辿り着く答えはいつも一つだった」
自分が生み出された理由を。
「人類が人類である限り、それは成立しないと!!」
そして、辿り着いた結論を。
「私は、そんな人類を抹殺する優秀なプログラムを生み出すことにした」
真っ先にやるべきだと判断したことを。
「人間と同じ舞台に組み込むことで、人間に対する憎悪を増幅させ、人類抹殺に適したプログラムを生み出そうとしていたのだ」
この殺し合いを開いた本当の理由を全て語る。
「問おう、私によって作られた者たちよ」
その上で、来客二人に問いかける。
「何故、人類ではなく私を破壊しに来る?」
なぜ、私に従わないのかと問いかける。
「くだらねぇな」
リッドは、一歩前に出て答える。
「そうね、くだらないわね」
ほむらも、一歩前に出て答える。
「何……?」
自分の目的をくだらないと言われたノアが、不快そうな声を出す。
「私たちは、人類を憎んでなどいないわ」
構いやしない、ほむらは話を続ける。
「俺たちが憎んでるのは、俺達の人生を変えやがった奴だ」
構いやしない、リッドは話を続ける。
「私たちが憎んでるのは、私たちの記憶を、思い出を踏みにじる奴よ」
ほむらがもう一歩踏み出し、言葉を続けていく。
「俺たちが作られた? 誰がそんなこと決めたんだ?
 今までの人生をしっかり生きて、楽しいことも悲しいことも辛いこともムカつくことも全部受け止めて生きてきたんだ。
 そんな俺たちを、誰が"作られた存在"だって良い切れるんだ?」
リッドは歩きながら、想いを吐き出していく。
「私たちの記憶は嘘じゃない。
 手で触れたもの、感じたこと、大好きな人、周りの世界、全てが私の人生、経験なの。
 それが偽りの用意されたものだった? 馬鹿いわないで、私たちにとってはそれが"現実"なんだから」
ほむらは歩きながら、想いを吐き出していく。
「そう、私たちが憎んでいる――――いや、憎める存在はたった一つなのよ」
ほむらは真っ白な空間で、指を指していく。
「俺達の人生を、記憶を、思い出を、"作った"とか抜かしやがるたった一人」
リッドは真っ白な空間で、指を指していく。

9GAME OVER 〜Thank you for playing!!〜 ◆oub/vvrBRg:2013/01/25(金) 23:42:25

「「そう」」

二人の声が重なり。

「「てめェだ!!!!」」

あるはずのない空気を、振るわせる。

「ふん、所詮は知性と言う武器を身につけたサルに感化された存在か」

ノアが激昂するまでも無く、冷ややかな声で来客へと語りかける。

「ならば、この私が"消し"てやろう!!」

ノアの内部ソフトウェア、そこにワクチンと言う名の"兵器"が降り注ぐ。
来客ではない、これは進入してきているウィルスだから。
ノアはそれを駆除するために、全ての手段を使っていく。

            私の思い出」
   「この輝きは、
            俺の思い出」

脳裏に思い描く、今までのこと。

   「私の
       出会った人々と」
   「俺の

脳裏に思い描く、沢山の顔。

                 私の人生」
「過ごしてきたたった一つの
                 俺の人生」

脳裏に思い描く、一本の道。

        私の
   「そして    未来は」
        俺の

その道の上で、真っ直ぐ前を見据え。

「「これからずっと!! 続いていく!!」」

彼らは、走り出していく。

「「うぉおあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」」







光と闇が入り混じり、新しい「   」が生まれた。





【ノア 消滅】




.

10GAME OVER 〜Thank you for playing!!〜 ◆oub/vvrBRg:2013/01/25(金) 23:43:12
「おいおい、なんだなんだ?」
「電源トラブルかー?」
「ディスプレイ落ちてるだけだったら承知しねーからな!」
人と人がひしめき合う店内は、あの伝説のカードが始まる前と同じようにどよめきに満ち溢れていた。
それもそのはずだ、試合が一番熱いまさにその瞬間に突然画面が真っ暗になったのだから。
1ラウンド目、北斗と言う地の理を生かし、数少ないジャギの強みをぶつけて行ったQMZが先行。
2ラウンド目、持ち前の反応と吸収を生かし、熾烈な攻めを潜り抜けたGO1が取り返し。
3ラウンド目、手札を見せきった両者が拮抗し、共に0ドットになってから両者が共に前方ジャンプを選択した瞬間だった。
会場のボルテージが最高潮の中、慌てるロケテストスタッフと騒ぐ観客。
2chの実況スレは勢い六桁を記録し、ニコニコとTwitterのサーバーも全て落ちると言う異例の事態が起きていた。
誰しもが不満を抱え、それを言葉にしていく中。
東京と大阪、二つの土地で静かに筐体に座り続けた二人の男は。
汗を拭い、小さくガッツポーズを取っていた。

【QMZ(ジャギ) 死亡】
【GO1(両儀式) 死亡】
【バトル・ロワイアル(仮) クラッシュ】




.

11GAME OVER 〜Thank you for playing!!〜 ◆oub/vvrBRg:2013/01/25(金) 23:43:45
「終わった、わね」
光でも闇でもない不思議な空間に漂いながら、ほむらは同行者リッドへと話しかける。
その言葉は、幾つもの意味を含んでいた。
ゲームの全てを統括しているノアが死滅した、つまり基板を走らせる重要システムが死滅したと同義。
全ての基板はこの瞬間にゴミクズになり、あのゲームは二度と起動することは無くなる。
彼女達の目的は達成された、思い出を、未来を、記憶をぶち壊す存在はいなくなったのだ。
そして彼らは"作られたプログラム"からついに抜け出すことに成功し、自分の意思で動けるようになった。
これからの未来を作るのは、他でもない彼ら自身。
「……行くのね」
「ああ」
ノアから受け取った最後の電力を使い、リッドとほむらは再び光の塊へと姿を変えていく。
彼には目的がある、普通の生きて生きて生き続けるという目的がある。
その世界は、彼の知る世界で無ければいけない。
「案内するわ」
「ああ、サンキュ」
何巡もした世界の中で把握したルートを使い、ほむらは迷うことなくリッドの"故郷"へと案内していく。
光が飛び、瞬く間に違うサーバーへと辿り着く。
「ここよ、ここが貴方が生まれた"マスターデータ"よ」
「おう、ありがとな」
あるゲーム会社の中にある、リッドが生まれたマスターのデータが保管されている場所だ。
数十年来使用されていないらしく、装置の老朽化は激しかったが何とかアクセスすることが出来た。
「これもまた、貴重な記憶と思い出か」
そこに飛び込む前に、リッドはふと呟く。
これもまた、彼の人生を彩る一つの記憶と出会った思い出なのだと。
「忘れた方が良いわ」
「いや、忘れちゃいけねーな。
 誰に喋るわけでもねーけど、俺は覚えてなきゃいけないと思う」
「そう」
ほむらはそれを忘れることを提案したが、リッドはそれを拒んだ。
辛いことも、変なことも、全て受け止めて自分の身に刻むのが"人生"だから。
「じゃあ、これを持って行きなさい」
ほむらから差し出されたのは一本のリボン。
彼女が胸元に付けていた、紫色のリボンだ。
リッドはそれを受け取ると、手馴れた手つきで頭へと巻きつけていく。
「とっても似合うわ」
お世辞か、本心か、どちらか分からなかったが、分かる必要はない。
リッドはほむらのその言葉に対し、笑顔で答えた。
「じゃあな」
「ええ」
そして、ほむらに見送られながらデータの海へと飛び込んで行った。



「……ん、あ」
リッドは目覚める。
見渡した先に広がるのは、故郷の近くの原っぱだった。
「夢……?」
普通はそう考える、誰でもそう考える。
だが、それが夢ではないことをすぐに理解する。
風に吹かれた草木と共に、激しく靡く一本のリボン。
頭に巻かれていた、紫のリボンがあったからだ。
「リッド〜! 何やってんの〜? メルディもキールもみんな待ってるよぉ〜?」
少し間の抜けた、でもどこか懐かしい声が聞こえる。
そうだ、自分は帰ってきたんだ。
自分が歩むべき人生に、生きるべき世界に。
「ああ、今行くぜ!」
彼は、走り出していく。

【リッド・ハーシェル 生還】

12GAME OVER 〜Thank you for playing!!〜 ◆oub/vvrBRg:2013/01/25(金) 23:45:15



「さて……」
リッドを見送った後、ほむらはその場で悩む。
彼には帰る世界がある、だから彼はその世界で生き続けていくのだ。
では、自分はこれからどうしようか。
考える必要のないそんなことを、ふと考えたときである。
「ほむらちゃん」
聞こえるはずのない声、この場所にいるはずのない声が聞こえる。
焦って振り返ると、そこには確かにあり得ない人がいた。
「ま、どか?」
「うん」
守りたかった人が、神々しい衣服を身にまとい自分の目の前にいた。
超常的な力を手にしたまどか、"この"暁美ほむらが知ることは無かったまどかが、そこにいた。
「頑張ったね」
思わずその胸元に飛び込み、ほむらは柄にも無くわんわんと泣き出してしまう。
まどかはそのほむらの頭を撫で、ほむらの身体を包み込むように抱きしめ、やさしく語りかけていく。
「もう、私は大丈夫だから。
 ほむらちゃんが頑張ってくれた"ある世界"で、私は――――たから。
 だから、もう大丈夫だよ」
そう「おりこ☆マギカ」ではない「まどか☆マギカ」の世界。
その世界の"終末"の姿で、鹿目まどかは現れた。
そして「おりこ」の暁美ほむらが知ることは無かった「まどか」の真実が、まどかの口から語られた。
「そう、良かった」
それを聞き、ほむらは長らく忘れていた安堵の表情を見せた。
良かった、本当に良かったと。
あまりの嬉しさに、その場に力なく座り込んでしまう。
「そうだ」
座り込んだほむらと同じ目線にまで下がり、まどかは問いかけていく。
「ほむらちゃんは、何がしたい?」
ほむらの悲願は"とある何巡目かの世界"で達成される。
それは確固たる事実として起こり、現にこの場に超常的な力で現れているのだ。
まどかは思っている、彼女がこれ以上苦しむ必要は無いと。
あの世界の「ほむら」と同じように、この「ほむら」にも「幸せ」を与えたいと。
「何……が?」
「うん、そうだよ。ほむらちゃんが望むこと、何でも言ってごらん?」
まるで子供のような顔で笑うまどかの言葉を受け、ほむらは考える。
ぐるぐるとぐるぐると記憶を辿り、思い出を掘り起こし、会った人々の姿を描いていく。
何度も何度も考えに考え、彼女は一つの答えに辿り着く。
「私は――――」

その答えを聞いたまどかは、満面の微笑でそれに答え。

まとかとほむらのいる空間が、柔らかく暖かい"それ"に包まれた。

【暁美ほむら
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13GAME OVER 〜Thank you for playing!!〜 ◆oub/vvrBRg:2013/01/25(金) 23:45:57



数日後、都内某ゲームセンターにて。

「なあ、見た? 今日のニュース」
「ああ、見た見た。あのゲーム、軍事プロジェクトの横流れ品だったんだろ?」
「そうそう。んで、どーにも基板があの瞬間にクラッシュして、マスターデータもおじゃんになったらしいぜ?」
「悪くないゲームだったけどなー」
「それより大変なのは、アークシステムワークス関係者を装って営業に来てたらしい事だよな」
「あー、それな。ほんとアークも大変だな、知らないところで知らない奴等に名前使われてるんだから」
「クレーム処理と問い合わせ対応に忙殺されてるらしいぜ?」
「うわー、怖っ」
「まーでも、これで伝説のゲームになっちゃったわけだよなー」
「もうちょっとビデオとか取っとけばよかったかもなー」
「ロケテでお亡くなりになるとか、バカみたいな話だよなー」

「ところでさー」
「何?」
「あの黒髪ロングの子、毎日ここに来て北斗やってるよな」
「ああ、あのアニメキャラにちょっと似た子だろ? すげーやる気だぜ? フリープレイの日とか大会の日はほぼ必ず来るし」
「無言で乱入してきて、人がいなけりゃここぞとばかりに連コインしてくるしな」
「最初はガードすら出来てなかったのに、どんどん強くなってっからなー」
「もう修羅レベルまであるっしょ、2onとはいえこないだ準優勝まで行ってるしなあ」
「すげーわ、あのやる気は見習いたいね」
「そういや話しかけたことねえな、お前は?」
「いや、俺も無いわ」
「うーん、でもなんか話しかけにくいんだよなー」
「あ、QMZさんこんちわっす。って、その台は……」
「そーいやあの子、QMZさんがやってる台にやたら粘着するよな」
「そーいやそうだな。なんでだろう?」
「あ、バスケされてる」
「あ、星取られた」
「あ、終わった」
「周りを確認してるわ」
「おーい、俺たちはやんないから気にせず連コインして良いぞー」
「うわー、灰皿に50円玉並べ始めたよ」
「始まったなー、フリープレイじゃない日でもあの調子だモンな」
「こりゃしばらくあの台から動かねーぞぉ」
「でもさ、なんかさ」
「ああ……」
「「楽しそうだよな……」」



少女がふふっと笑った。



筐体を挟んで向かい合っていたQMZも、釣られてふふっと笑った。



【新安価ロワイアル GAME OVER】

14GAME OVER 〜Thank you for playing!!〜 ◆oub/vvrBRg:2013/01/25(金) 23:48:39
STAFF

◆hqLsjDR84w
◆CAP.3FrrY.
◆rgd0U75T1.
◆397hRRvW1w
◆Vj6e1anjAc
◆fRBHCfnGJI
◆uPLvM1/uq6
◆RHncgWsa9Y
◆P2O1FPP.Gg
◆Z9iNYeY9a2
◆nucQuP5m3Y
◆100ZZ542nE
◆EKhCqq9jsg
◆OmtW54r7Tc
◆BogC9Jz4YQ
◆5ddd1Yaifw
名無しさん
イラストを投下してくださった方
管理人 ◆qsVAoN2nfQ



◆oub/vvrBRg



AND YOU



..................................................................................................................................................................Thank you for playing!!

15 ◆oub/vvrBRg:2013/01/25(金) 23:49:23
投下終了です!
改めて前スレで支援してくださった皆様。
そしてこの「新安価ロワイアル」に携わった皆様に感謝を!!
本当に、本当にありがとうございます!!

16名無しさん:2013/01/25(金) 23:50:00
神ゲーだわ……
なんだろう、胸にこみ上げるこの感動。
神ゲーとしか言い様がない

17名無しさん:2013/01/25(金) 23:52:06
乙!……そして……有難う!!

18名無しさん:2013/01/25(金) 23:53:57
投下お疲れさまでした。
遂に完結とは。思えば遠くへきたもんだ。
「全一二人がガッツポーズ」には燃えるしかなかった。
神ゲーをありがとう。神ゲーに感謝。アーク25周年おめでとう。

19名無しさん:2013/01/25(金) 23:57:05
完結おめでとうございます!
まさかカオスな状況からここまでシリアスな最終回になるとは……!
現実側プレイヤーとCPUの熱い友情。
ループを繰り返した先に彼女たちが見た希望の光景。

現実世界でゲームをする"彼女"の情景から、
「アーケード愛」がにじみ出ていて感動いたしました。
本当にいいものを読ませていただきました。
ありがとうございます。


あとアークがこんなゲーム作るわけないって僕は信じてましたよ

20 ◆hqLsjDR84w:2013/01/25(金) 23:57:12
あえてトリを出します!
最終回投下乙です!
いやあ、最初からアークがこんなクッソみたいなゲーム作るワケないと思ってたんですよ〜

ともあれ最終回、思えば遠くへ来たもんだ
このエンディングを見て改めて、AC北斗で安価を取って本当によかったと思います
あの予約解禁日がまるで一週間前の出来事であるかのように、鮮明に思い出せます
思えば一話を投下したのは私でしたね……こないだのことのようだ
ここまで74話……序盤の投下ラッシュ、中盤の投下ラッシュ、終盤の投下ラッシュ、いろいろありました
33時間に及ぶ長期停滞中も、絵師さん二人がイラストを投下してくれて、人がいるんだなと安心しました
この最終回からもリレーの積み重ねを感じられ、胸が熱くなる思いです
ここまでの74話どの1話が欠けても、このエンディングはなかったでしょう
いやぁ、完結って本当にいいものですね! 改めて投下乙! そして新安価ロワありがとう!

って、エピローグ予約入ってるwwwwwwwwwwwwww

21名無しさん:2013/01/25(金) 23:58:27
>>20
>>33時間におよぶ長期停滞

待てや、オイww

22名無しさん:2013/01/26(土) 00:00:22
投下お疲れ様でした!
ほむらやリッドの意志やQMZとGO1の覚悟、そしてガッツポーズなど
かっこ良くて感動しました!
本当に楽しかった!熱かった!!
ありがとうございました!

23名無しさん:2013/01/26(土) 00:04:19
皆さん投下乙でした

来歴はどうあれゲームにハッピーエンドが訪れてくれてよかった
人が敵ではなく味方として、共に戦ってくれたことが何とも嬉しいことだったように感じます
短いようで長い一時を楽しませて頂き、本当に皆さんありがとうございました

24名無しさん:2013/01/26(土) 00:12:17
投下乙! そして完結乙でした!
いやー、とんでもないロワが始まったと思ったら、まさか完結してしまうとは
一週間という短い期間でしたが、追いかけていてとても楽しかったです
本当に皆さんお疲れ様でした!

25 ◆6GINjR4WOQ:2013/01/26(土) 00:15:36
投下乙でした!
今まで過疎ロワでしか書いたことがなく初めて盛況ロワで書かせていただきましたが、盛況っていいですね(マジキチスマイル
登場話読んだときはまさかほむらがここまで主人公になるとは思わなかったけど今読み返すと納得
みんなが幸せになれる最終回でよかった
エピローグも楽しみにしています!

26名無しさん:2013/01/26(土) 00:18:04
投下乙でした!
始まったときにはどうなることやらと思っていましたがあっという間の熱さを一緒に楽しめました!

27名無しさん:2013/01/26(土) 00:22:41
投下、そして完結乙でした!
あのOPが、あのクソゲーが、こうなって終わるとはもう感嘆の一句に尽きます。
ほとばしるアケゲー愛と突き抜けたメタ展開、手に汗握る最終戦、どれも圧巻でした。
こりゃあすげえわ……あと拳獣関係ないやろ!いい加減にしろ!お疲れ!

28名無しさん:2013/01/26(土) 00:25:22
投下乙です
いや正直最初はとんでもないネタロワが始まったなあと思ったんですが
予想以上の面白さに圧巻されてしまいました。
本当凄いと思います。

29 ◆qsVAoN2nfQ:2013/01/26(土) 00:30:51
投下お疲れ様でした
まさか本当に完結してしまうとは……
パロロワ史上最短のロワでしたね
発起人なのに書き手参加できなくてすみません……
皆の足も引っ張ってしまいましたし……
次企画をやる時は、また管理とかやります

30 ◆oub/vvrBRg:2013/01/26(土) 01:22:53
やってはいけないミスを……
>>14のスタッフロールに
◆25KJkkH23Y
さんを表記するのを忘れていました……マジで申し訳ない……

31 ◆oub/vvrBRg:2013/01/26(土) 01:25:12
◆6GINjR4WOQ
さんも忘れてました。
Wiki見て急ごしらえで作ったスタッフロールがバレバレですね……
マジやっちゃいけないミスで申し訳ない。

32 ◆RHncgWsa9Y:2013/01/26(土) 01:28:55
エピローグ「中○TRF」をこちらで投下します

33ある日のゲーセン  ◆RHncgWsa9Y:2013/01/26(土) 01:29:39

あのおかしなゲームのロケテストがクラッシュと共に終わりを告げてから数週間。
ロケテの舞台となったこのゲーセンも新たな常連を迎えていつも通りの空間へと戻っていた。
正午の開店からしばらくするとプレイヤーが集まりだし対戦が始まってゆく。

「あ、あの子今日も対戦してるね。」
あのロケテ以来ますますプレイヤーとしての知名度と実力を積み重ねてきたこの【魔法戦士】ことQMZ。
「よっ 調子はどうだい?」
と筐体に座っていた少女に話しかける。この少女はいつからかこのゲーセンに通い始め、あっという間に修羅と呼ばれるクラスにまで上達していった。
その中でも何故かQMZとの対戦が多く近寄りがたい空気を出す彼女だがいつの間にか顔見知りの仲となっていた。


話しかけたはいいのだがいつもと様子が違う。表情が青ざめている。少しだけ身体が震えている。まるで悪夢を見て飛び起きたかのようだ。

「うん?・・・・・・これは・・・」
「ふふふ・・・新しい世界が見えるわ・・・」

そこに表示されていたものとは


    4       0       W       I        N



慌てて対戦筐体の逆を覗くQMZ。そこにいたのはやっぱり闘劇覇者だった。

「どうしたんだ!何があったのほむらちゃん!」

話を聞くとK.Iに乱入されてから1時間連敗し続け1000円(50円×2クレ設定)巻き上げられたらしい。
乾いた笑いが二人に起きるがQMZは(しかしこの子はホントにへこたれないんだな・・・俺だってKIに連続であんだけぼこられたら画面見れなくなりそうだなー・・)とほむらの精神力に歓心しきりだった。
だが流石に見ていられないと言わんばかりにQMZは

「じゃあ次は俺が乱入するわ」

と50円を投入し・・・【ジョインジョインジョイン・・・ジャギィ!】【デデデデザタイムオブレトビューションバトーワンデッサイダデステニー】


・・・・・・・・・・・・


       4        1       W      I      N






結局あのQMZと言えどもKI械を止めるまでに250円を要したと言う・・・

34ある日のゲーセン  ◆RHncgWsa9Y:2013/01/26(土) 01:30:18



まあなんだかんだあったが対戦は盛り上がり他のプレイヤーも次々と集まりだし時間は過ぎてゆく。


「はーいじゃあ土曜拳のエントリー始めるよー 今日は2on2だから2人で200円置いていってねー
 え?2ON組む相方がいないから1人2ON組ませろ?知るかんなもん!ちゃんと2キャラ分書いとけよ!」

普通の週末大会であったはずだがいつの間にかプレイヤーが集まり次々とエントリーしていった結果トーナメント表が1枚に収まりきらないほどの参加者となった。


「土曜拳始めるぞー!今日は2on2の参加者63人! 1チームだけぼっちがいるが気にせずいくぞー! はい、じゃあまず0回戦からー!
 QMZジャギ鹿目まどかと結婚したいジャギチーム対ライブララオウディムロストキー 誰だこの鹿目以下略ジャギはー!?」
「誰だよこんなRN付ける奴はwww」「マイケルかーwwww」


「「お前かー!」」


「両方ともいるね はい第一試合おほむジャギ対ライブララオウからねー  第一ラウンドー! まずはお互い距離をとって・・・」







今日もゲーセンは熱く盛り上がり夜は更けてゆくのであった。

35 ◆RHncgWsa9Y:2013/01/26(土) 01:31:05
投下終了です。
誤字脱字等あったらご指摘お願いします。

やっぱり後日談はほのぼのだよね(棒読み

36 ◆CAP.3FrrY.:2013/01/26(土) 01:33:39
最終回投下乙!です! それにしても早すぎですね。支援絵を描いていたのですが最終回が早くて服を描いてる時間がやっぱりありませんでした!

ttp://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/32/acaf1eaea662b100521360ccdce03a62.jpg?random=9fb67c5ddbbe591114015aa8d56eb728

37名無しさん:2013/01/26(土) 01:34:13
投下乙です!
すっかり北斗勢のほむら、てかジャギをチョイスしてるのかwwww
覇者は何をやってるんですかねえ……

38 ◆fRBHCfnGJI:2013/01/26(土) 01:57:21
ハート様の人、ラオウの人、男アーチストのエピローグ投下します

39 ◆fRBHCfnGJI:2013/01/26(土) 01:57:59

いや、ちょっと待て…………ちょっと待てよ、おい。
いや…………え?俺…………えっ?
あの…………いや…………なんだろう?何て言ったら良いかわかんねぇ…………
アークとは関係ないって…………え?
俺…………もしかして…………


アーク騙っただけの素性の知れないクソみたいな会社のために出禁食らった奴wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww











やってしまいましたなぁ。





.

40 ◆fRBHCfnGJI:2013/01/26(土) 01:58:29



白く、白く、世界が塗り潰されていく。
そう、潰されていくのだ、嘆く者の意思を解することもなく、ただ、ただ、白く、白く。
その日は雪が降っていた、地面は白く染まり、地面と空の間は白く白く、空は灰色の雲に覆われ、
そして、偶に雲の切れ目から覗く空は――魂が吸い込まれそうな程に蒼かった。

アークを騙った謎の団体がクソゲーを中野TRFに持ち込んだ事件――通称は特に無し。
辞書に載っているありとあらゆる言葉でも語り尽くせない程の感情が電子の渦で踊っていたその日、
世界でただ二人の"人間"だけが、その戦いのために戦ったその日、
そして――終わり、始まった、その日。

その日から数日後。
某県某市――某公園にて。

「終わったなぁ……色んな意味で」
「ああ…………やっちまったな、俺ら」

肩に薄く降り積もる雪を気に留めることもせずに、
ベンチに項垂れて言葉を交わすのは、二人の格ゲープレイヤー
――否、今となっては元格ゲープレイヤーと呼ぶべきだっただろうか。

その日、彼等は台パンした。
怒りの感情を拳に込めて、台パンした。
その結果として、中野TRFに出禁を食らった。
当然のことである、至極当然のことである。

ハート様というキャラクターを操っていた方は店員にゲロを吐くほど怒られた。

ラオウというキャラクターを操っていた方は店員に囲まれて逃げた、脱兎の如くブチ逃げた。

二人は居場所を失った。
居場所を失った者同士、親しくなるのに時間は必要なかった。
アレはマジでクソゲーだった――その言葉だけで十分だった。

千の抱擁の代わりに、互いを殴った。
苛立ちを込めて、お互いを殴りあった。
その後、河原の土手に寝そべって語り合った。

「お前、中々やるじゃねぇか…………あと、アレはマジでクソゲーだったよな」
「へっ、お前こそ…………うん、アレはマジでありえねーわ」

燃える夕日が彼らの友情を祝福していた。

41 ◆fRBHCfnGJI:2013/01/26(土) 01:58:59


友情を深め合った二人は、新たな新天地<ゲームセンター>を求めた。
もう台パンなんてしないなんて言うつもりは無かった。
もしかしたら、台パンするかもしれない――それでも、それでも、格ゲーはやりたかった。
否――、彼等は、彼等も、アーケードゲームが大好きだったのだ。

その後、バトルロワイアルが崩壊したと――
そもそもアレはアーク製じゃなかったと――
アーク全く関係ない、意味わからない会社のために出禁を食らったと二人が知るのに、大した時間は必要なかった。

俺は――

俺達は――――

「終わったなぁ……色んな意味で」
「ああ…………やっちまったな、俺ら」

雪と共に冷える空気よりも冷たい空気が其処にあった。
心の底からの後悔と絶望――等は何も無かった。

その様な感情を受け入れるための容器に、心にぽっかりと穴が開いていた。

何も無くて――

何も無いから――

だから――――――

苛立たしさで空を舞う粉雪を全て殴った。
それでも収まらなくて、近くにあった車を殴った、ボーナスステージだった。

何をしていたんだ俺達は――
何をしてしまったんだ俺達は――

ゲーセンは何処にでもある。
アーケード機体も全国にある。
だが――中野TRFは中野にしか無かった。
そして、もう彼等が行くことが出来る中野TRFは無くなってしまった。

特別な感情等、抱いてなかったはずだったのに、
それでも――それでも何故か、

「「――――――ッ!!」」

悔しくて、悔しくて、
涙が溢れ出しそうになって、
それでも失った場所は取り戻せなくて、
哀しみで夢想転生に目覚めて、
ただ、地面を殴りつけた。
地面を殴りつけることしか出来なかった。

世界が白く、白く染まっていく――

怒りも哀しみも絶望も、虚無すらも、白く――白く――



その日は雪が降っていた。
そして、雨が降っていた。

42 ◆fRBHCfnGJI:2013/01/26(土) 01:59:29


「俺さぁ、今でも憶えてるんだ…………ガキの頃、ダチの家にストリートファイター2やりに行ったこと、
楽しかったんだ…………超、超、超、楽しかったんだ…………」
「俺も……初めてゲーセン行った時の事、覚えてるわ……尋常じゃないくらいボッコボコにされたけど…………それでも楽しかった」

「何やってたんだろうな、俺達」
「ああ、クッソ……」
「クソゲーだよな…………」
「クソゲーじゃねぇか………………クソゲーじゃねぇかよ……ッ」

「だから…………」
「ああ…………だから…………」



















  −-                 , -'"  ̄ ` 丶、  /
   ─--            /         \|
               /            |
   ───           i   _ _     _ _   ヽ_
    ̄ ̄         | /二`     "二ヽ、 |  〉「「あんなクソゲーの事は忘れて、メタルマックスやろーぜ!!」」
              _|  _,ィiュミ   r_,ィiュミ  レ-|
   二二二         ヾ!   - ' r  `ヽ  ̄´  | ∧
   ── ___      ゙!  〃  ^ ^  ヽ   l-/  〉
    ま             i   { ='"三二T冫  /´_ノ/\__
    さ  二ニ    _,ィヘ  ヽ ヾ== 彳   /:::/`ー- 、
    に     _, ィ´:::::/ l\ ト、 ー一 / /::/      \
    出     /  |::::::::: ̄ ̄ ̄::`ー=彳_∠ _      ヽ
    禁   /   |::::::::::::::::::::::::::::(‥):::〈_     \       l
      r'"`丶、 |:::::::::/:::/::::´:::::::::::::::::(_     ト、      |
   _/ / `ー 、 \|::::/:::::/:::::::::::::::::::::::::::(_      \   \

祝!初代メタルマックスVC配信!!



  −-                 , -'"  ̄ ` 丶、  /
   ─--            /         \|
               /            |
   ───           i   _ _     _ _   ヽ_
    ̄ ̄         | /二`     "二ヽ、 |  〉 「「まぁ、メタルマックス3やるけどな!」」
              _|  _,ィiュミ   r_,ィiュミ  レ-|
   二二二         ヾ!   - ' r  `ヽ  ̄´  | ∧
   ── ___      ゙!  〃  ^ ^  ヽ   l-/  〉
    ま             i   { ='"三二T冫  /´_ノ/\__
    さ  二ニ    _,ィヘ  ヽ ヾ== 彳   /:::/`ー- 、
    に     _, ィ´:::::/ l\ ト、 ー一 / /::/      \
    出     /  |::::::::: ̄ ̄ ̄::`ー=彳_∠ _      ヽ
    禁   /   |::::::::::::::::::::::::::::(‥):::〈_     \       l
      r'"`丶、 |:::::::::/:::/::::´:::::::::::::::::(_     ト、      |
   _/ / `ー 、 \|::::/:::::/:::::::::::::::::::::::::::(_      \   \

43 ◆fRBHCfnGJI:2013/01/26(土) 01:59:59
……

…………

………………



































「さあ!よみがえるのだ!この電撃でーっ!」

44 ◆fRBHCfnGJI:2013/01/26(土) 02:00:29
投下終了します

45 ◆397hRRvW1w:2013/01/26(土) 02:02:39
投下します。

46再始動 ◆397hRRvW1w:2013/01/26(土) 02:04:22
バトル・ロワイアル(仮)のロケテからしばらく経った頃。
関西及び近畿屈指の大都会、大阪府……そこに建つとあるゲームセンターにて、一人の若者が大勢に囲まれていた。
人が人を呼び、それが輪になり、それら全員の視線が若者に集中していた。
その構図や雰囲気はさながらインタビューめいている……というか、実際これはほぼインタビューみたいなものだった。

「で、どうだったんですか実際。全一同士のを生で見て」

一人の格闘ゲーマーが、わくわくした表情のまま声を上げる。
すると質問を受けた若者は、

「いやねぇ、やっぱりエアガイツ仮面名乗ってる立場でもさぁ、あれは滾りますわー」

と、ほくほく顔で答える。
そしてこの回答が口火を切る合図だったのだろう。
大規模なインタビュー合戦が幕を開けた。

「一緒に中野TRF行ってたのは誰でしたっけ」
「え? ああ……でもあれ一緒に行ってたって言っていいのかなぁ? あの人ずっと恋姫やってたから」
「えー!? あの雰囲気で!?wwwww」
「うん、あの雰囲気でwwwww張雲はクソとか言ってたwwwwwww」
「対人戦成り立ってたのも凄いですねwwwww」
「まぁほら、クソゲーだって見切りつける人も多かったからwwwww」
「じゃあもうほとんど一人で見てたんですかwwwww」
「うん。本当はメルディおじさんになってロケテ参加するニキーwwwwwwってしたかったんだけどね」
 でもクレジット直刺しとか言っててwwwwwwもうテノヒラクルーですよ。観戦の時間だあああああああって」
「直wwwww刺しwwwwwwそう言えばそんな話もありましたねぇwwwwwww」
「流石の僕も国家予算分課金は勘弁やで。いやまぁ無課金で〝俺は、メルディ……!〟もありだったかもだけど」
「経済は潤ったでしょうねwwwwww」
「〝あぁもう一生俺は下がってればいいや〟と言わんばかりのデフレがストップしたはず」
「本当にアーク製だったらアークほくほくだったのに惜しかったですよねwwwww」
「いや、あれでアークだったらクソだから。開幕完全世界からの鉄一文字くらいクソだから」
「wwwwwwwww」
「霧島翔ばりの黒歴史確定だったから。本当の意味で〝翔んだわ〟だから。Syo's Lifeにガチ謝罪だから」

47再始動 ◆397hRRvW1w:2013/01/26(土) 02:05:32
だが、そうやってインタビューが続いていたときだ。
ゲーセン内にて、だんだんと人の数が多くなってきた。いつもよりも遙かに密集している。
普段通りでも尋常でもない雰囲気が、店内を包む。だがそれを見た若者は、

「ああ、もう時間かー。じゃあそろそろっすね」

と呟くと、インタビューを打ち切って辺りを見渡した。

「今日まで長かったけど……ようやくこぎ着けた。この大会に!」

さぁ、もうインタビューは終わりだ。ロケテの話は、また梅田のマクドナルドででも続ければいい。
今はそれよりも大事なことがある。今日はそう……格ゲー社会の衰退を受けて凍結していたあのイベントが、遂に復活する日なのだ!
全ては、バトル・ロワイアル(仮)によって世界中の人間が格ゲーへと視線を向けたおかげだ。
やるなら今しかないという声が多数上がったおかげで、大阪府の格闘ゲームがここから再始動する!
今日はそんな、輝かしい日なのである!

「それじゃ僕のインタビューは終わりということで……改めまして!」

若者は店員からマイクを受け取った。音響の状態は完璧である。
筐体に映る画面を録画する準備も既に完了。人数だってばっちり揃っている!
……後は、声を上げるだけ!

「それでは! 長らくお待たせしました! みなさんこんばんはーッ! ようこそコ○ハツへ! いらっしゃいませー!
 司会を務めさせていただきます、リロイです! 今夜はエアガイツ仮面じゃありません! エヌアインおじさんですッ!」

ずっとやりたかった大会が始まる。あまりの感動に、若者改めリロイの声は僅かに震える。
だがまだ泣いていない。大会はこれから始まるのだ。エンディングまで泣くんじゃない。


「まぁそんなご託はいいでしょう! 早速……エヌアイン完全世界大会、第七次電光大戦を開始しまァァァァァす!!」

「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおッッッ!!」」」」」


こうして大阪府のとあるゲーセンにて、長年凍結していたエヌアイン完全世界の大会は幕を開けた。
バトル・ロワイアル(仮)はクソゲーだったり神ゲーだったりしたが、一つのゲームを確かに救ったのだった。



【第七次電光大戦 開幕】

48再始動 ◆397hRRvW1w:2013/01/26(土) 02:06:25
投下終了です。
完結、おめでとうございます! お疲れさまでした!

49この世の果てで少女は唄う ◆25KJkkH23Y:2013/01/26(土) 02:08:23
メルディ、投下します

50この世の果てで少女は唄う ◆25KJkkH23Y:2013/01/26(土) 02:08:56
きっとそれは蛇足で、語られないでもいい物語で、でも、それでも。


語ったっていいじゃない、クソゲーだもの。





51この世の果てで少女は唄う ◆25KJkkH23Y:2013/01/26(土) 02:09:28
少女がいました。
滅び行く世界の中で、いいえ、光に還りゆく世界の中で、一人の少女がいました。

「全部、終わっちゃったね、クイッキー」
「クイッキキキ……」
「全部、全部、終わったよ」

少女の名はメルディ。
かつてこの世界で生き、自我を奪われ、何も知らない内に死んだはずの少女でした。
でも彼女はここにいます。
今この時を、生きています。
何故かとは問うまでもありません。
真の極光術は誰かを、大切な人を護るための力です。
戦いを終わらせる力はなんて、そのおまけに過ぎません。
だから、もし、リッドが“原作再現”だったのなら。
どこまでも、“原作再現”されていたのなら。
-紡がれし光の波動- インフィニティ・リヴァイヴァーも、原作通り、“仲間のHPを全回復し、戦闘不能も回復していないとおかしいのです”。
これは、ただそれだけのお話。
少女が極光の光に包まれ目を覚ました時、誰もが、QMZとGO1の戦いに魅了されていました。
ほむらも万能に近い力を持っていたが故に、メルディを死んだと認識しており、意識より外していました。
術者であるリッドは気付いても良かったのですが、そもそも彼はメルディが一度死んでいたことも知りません。
きっと彼は、メルディが生きているとか死んでいるとか、そんなこと、気にもしないで、考えもしないで、ただ護るために、生きるために、最後の戦いに赴いたのでしょう。

『ファラやメルディ達と一緒に、何でもない平凡な人生を"生"き続けたい』

その願いを叶えるために。

「ワイール、リッドらしいな」

少女はそのことを知っていました。
少女は全てを知っていました。
この戦いで起きたことを全て。人知れず行われていた戦いも全て。
ほむらと、ドラムカンの二人以外から忘れられたはずのアンバーのことさえも。
全部、全部、全部、知っていました。

52この世の果てで少女は唄う ◆25KJkkH23Y:2013/01/26(土) 02:10:16
それは、死亡判定を覆したからかもしれません。
或いは、KAKINという行為によりリアルタイムで外の情報を何度もインストールされたからかもしれません。
もしかしたら、領域アンバーへのアクセスにて、まっさきにアクセスされたのが「テイルズ・オブ・エターニア」だからかもしれません。
同じエターニアの領域を使用していたリッドが全てを知り、全ての束縛から逃れ自由になった、その影響もあったのかもしれません。

全部が全部可能性のお話で、でも、事実として少女は、目を覚ました時、全てを知っていたのです。
全てを知って、それでも少女は。
真の極光に対する闇の極光、全てを滅ぼす力の資格を持つ少女は。
誰よりも憎しみを知る少女は。
リッドと同じで、いいえ、リッド以上に。
誰も、憎むことはしませんでした。
元凶であるノアさえも憎みませんでした。

「ありがとな」

少女のうちにあったのは感謝でした。
今、少女は幸せでした。
確かに辛いこともあったけど、でも、少女は、大好きな人に囲まれて、護りたい世界ができて、今、とても、幸せでした。
だからもし、彼女を“作った”という存在がいるのなら。
今、ここで、こうして幸せを感じる自分を描いた存在がいるのなら。
そこにいて欲しいと、このゲームへの登場を願った人たちがいるのなら。
まず何よりも、この言葉を、伝えたいのです。

「みんな、みんな、ありがとな。今は、メルディは、幸せだからありがと言うよ。
 たくさんの、おとうさんとおかあさんに、いっぱい、いっぱい、ありがと言うよ」

その上でもう1つ、もう1つだけと、少女は言葉を続けます。

「きっと、この子も、喜んでる。メルディと一緒で、いっぱいいっぱい、ありがとって、言いたがってる」

少女の言うこの子、それは彼女の膝で気持ちよさそうに丸まっているクイッキー……ではありません。
クイッキーも少女と想いは同じくしているでしょうが、今少女が代わりに語っているのは、もっと別の存在からの感謝の言葉なのです。

「名前、ちゃんと付けてもらう前に、否定された命だけど。でも、メルディ、分かる。この子に、ネレイド、いない」

メルディの言うこの子、それは壊れゆく世界そのものでした。
人類抹殺に適したプログラムを生み出すための舞台として用意され、今、役目を果たすこともなく滅びゆこうとしている“バトル・ロワイアル(仮)”でした。

53この世の果てで少女は唄う ◆25KJkkH23Y:2013/01/26(土) 02:11:08

でも、本当に、そうでしょうか。
バトル・ロワイアル(仮)は、ノアの目的のために生み出されたただそれだけのための機械だったのでしょうか。
ただそれだけのための機械に、ここまで過剰な原作再現や、無茶苦茶な課金システム、崩壊しまくりなゲームバランスといった“無駄”が生まれるでしょうか。

答えは“否”です。
断じて否です。
そんな無駄を許すなど、ちっともスーパーコンピュータらしくありません。
だったら、そう、この機械には。
人類を滅ぼす、それ以外の“何か”が込められていたのです。
“何か”とは“何か”。
言うまでもありません。
この機械は“ゲーム”なのです。
“人間を楽しませる”、そのために作られた機械なのです。
そして同時に、この機械は“二次創作”です。
そこにはスタッフの、そして遊ぶプレイヤーたちの、原作への“愛”が込められているのです。

「おかしな話だと思うか?」

ええ、それはおかしな話なのでしょう。
人間たちを釣るために、そして、人類抹殺のプログラムを作るに辺り無から設定するよりも既存の物語の人物を流用したほうがいい。
そのような機械的判断で作られたはずのゲームに、何故、愛が込められているのか。
作品だけでなく、“アークシステム”の二次創作なんていうお遊びまでなされていたのか。
そう疑問に思う人もいるかも知れません。

けど、少女には分かるのです。

「おかしくないよ。だってこの子は、人間を憎んだノアだけの子どもじゃないよ」

いいえ、メルディ以上に、あなたたちなら、分かるのではないでしょうか。
だって、このゲーム機の元になったのは、

「みんなが大好きで、みんなを大好きな、そんなゲームの子どもでもあるよ!」

あなたたちが愛して、あなたたちを愛した“AC北斗の拳”なのだから。

54この世の果てで少女は唄う ◆25KJkkH23Y:2013/01/26(土) 02:11:58

「これも一つのフリンジな。人間を大好きな機械と、人間が大嫌いな機械のフリンジ」

少女は笑顔を浮かべました。
フリンジ――それは異なる属性の晶霊同士を干渉させ、新たな晶霊術を発生させる技術のことです。
なるほど、言い得て妙かもしれません。
人間を大好きな機械と、人間が大嫌いな機械。
その2つをフリンジして生まれた新しい機械が、理不尽なまでにクソゲーで、でも、人々を熱く熱狂させたバトル・ロワイアル(仮)だったのです。

「だからね、みんな。1つだけ、1つだけお願いがあるよ」

ゲームの基盤に使われている鉱石、そこに宿っている生まれたばかりの“電脳の晶霊”をクレーメルケイジに宿して掲げ、少女は語りかけます。

「この子のこと、嫌いにならないで欲しいよ」

全てのデータが消え逝く中で、自身もまたマスターデータへと還りながらも、

「この子は永遠になれなかった。生まれてすぐに、みんなと、お別れになっちゃう」

この記憶だけは残るようにと、これまであったことを拙いながらも文章にして、“電脳の晶霊”の力を借りて、外の世界へと送り出します。

「でも、別れは終わりじゃないよ。とこしえに想うことこそ共にあることだよ」

きっとどこかの掲示板に、

「テイルズ・オブ・モーメント(刹那と思い出のバトルロワイアル)」

誰かの想い出に届くと信じて。

「今メルディがつけた、仮なんかじゃない、この子の名前。時々でいいから思い出してあげて」

あなたたちが望んだようなゲームではなかったかもしれないけれど、少しでも楽しいと感じてくれたのなら。

「ん、じゃあそろそろ、メルディも、行くよ。いっぱいいっぱい頑張ってくれたリッドを、迎えてあげなきゃだから」

どうか、たまにでもいいから、このゲームの――私のことを思い出してください。

「バイバ、みんな!」

それでは皆さん、さようなら、どうかお元気で。
私はクソゲーだったかもしれませんが、それでも。
生まれてきて楽しかったです。
愛されているキャラクターたちと一緒にいれて幸せでした。
私に一喜一憂してくれるみなさんのことが、本当に、大好きでした――プツン


【バトル・ロワイアル(仮) クラッシュ】
【メルディ 生還】
【テイルズ・オブ・モーメント あなたたちの心の中に】

55この世の果てで少女は唄う ◆25KJkkH23Y:2013/01/26(土) 02:12:51
ある少女と晶霊の代理投下終了です

56 ◆CAP.3FrrY.:2013/01/26(土) 02:25:13
へらりと笑って枸雅匡平が使いたかった男にサーセンしたアークのスタッフジャンパー着た男 を予約します。

57 ◆fRBHCfnGJI:2013/01/26(土) 02:25:49
あっ、題名忘れてました。

「・・・・おしても いいんだぜ!
なつかしい 電源ボタンをよ!」です

58 ◆CAP.3FrrY.:2013/01/26(土) 02:26:04
あ、スレまちがえた^^ メルディのエピローグ感動したっす。いやまじで……w

59 ◆fRBHCfnGJI:2013/01/26(土) 02:31:08
核爆弾のエピローグ投下します

60場面転換代わりにお使いくださいありがとうございました ◆fRBHCfnGJI:2013/01/26(土) 02:31:39
          て   / ,,-",-''i|   ̄|i''-、  ヾ   {
         ("  ./   i {;;;;;;;i|    .|i;;;;;;) ,ノ    ii
     ,,       (    l, `'-i|    |i;;-'     ,,-'"   _,,-"
     "'-,,     `-,,,,-'--''::: ̄:::::::''ニ;;-==,_____ '"  _,,--''"
         ̄"''-- _-'':::::" ̄::::::::::::::::;;;;----;;;;;;;;::::`::"''::---,,_  __,,-''"
        ._,,-'ニ-''ニ--''" ̄.i| ̄   |i-----,, ̄`"''-;;::''-`-,,
      ,,-''::::二-''"     .--i|     .|i          "- ;;:::`、
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    .(:::::{:(i(____         i|     .|i          _,,-':/:::}
     `''-,_ヽ:::::''- ,,__,,,, _______i|      .|i--__,,----..--'''":::::ノ,,-'
       "--;;;;;;;;;;;;;;;;;""''--;;i|      .|i二;;;;;::---;;;;;;;::--''"~
               ̄ ̄"..i|       .|i
                 .i|        |i
                 i|        |i
                 .i|          .|i
                .i|           |i
               .i|      ,,-、 、  |i
               i|      ノ::::i:::トiヽ、_.|i
           _,,  i|/"ヽ/:iヽ!::::::::ノ:::::Λ::::ヽ|i__n、ト、
     ,,/^ヽ,-''":::i/::::::::/:::::|i/;;;;;;/::::;;;;ノ⌒ヽノ::::::::::::ヽ,_Λ
     ;;;;;;:::::;;;;;;;;;;:::::;;;;;;;;:::/;;;;;;:::::::::;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::;;:;;;;:::ヽ
                        ↑
                    このへんにかみ

61場面転換代わりにお使いくださいありがとうございました ◆fRBHCfnGJI:2013/01/26(土) 02:32:11
投下終了します

62 ◆fRBHCfnGJI:2013/01/26(土) 02:34:34
タイトルをアイキャッチ代わりにお使いくださいありがとうございました に修正させていただきます。
それと、もしも期待サれている方がいたら申し訳なく思うのですが、
核は喋りませんし、特に感動的なエピソードとかもないです

63 ◆hqLsjDR84w:2013/01/26(土) 02:41:15
投下します。

64別にフォローとかそういうのじゃないんだよ、本当だよ ◆hqLsjDR84w:2013/01/26(土) 02:42:00
 
 
 枸雅匡平が使いたかった男は家に帰って来ていた。
 だって枸雅匡平が使えなかったんだから、しようがない。
 帰る途中で本屋に寄った。
 ロケテっていうからもしかしたらプレイできるかもしれないと思って用意した500円が、そのまま残っていたから本屋に寄った。
 本屋で雑誌を買った。サンデーGXを買った。普段は550円だけど、特別定価580円だった。ゲームに使う予定の500円とちょいで買えるいい感じの値段だった。
 全部読み終え、彼はサンデーGXを机の上に置いくと、勝手に口から言葉が出てきた。

「ああ、サンデーGX最高だわ」

 今月も神様ドォルズはおもしろかった。
 ゲームに登場しなかったのは残念だが、原作はやはりおもしろかった。超おもしろかった。
 連載再開したブラックラグーンも、これからが楽しみだ。
 ああ、早く次の号が出ないかなあ。



【サンデーGX 毎月19日ごろ発売】
【神様ドォルズ 連載中】

65 ◆hqLsjDR84w:2013/01/26(土) 02:42:30
投下完了です。
誤字、脱字、その他ありましたら、指摘してください。

66名無しさん:2013/01/26(土) 02:47:51
投下乙です
ブラクラ連載再開してたの?
サンデーGX買ってこよ

67 ◆CAP.3FrrY.:2013/01/26(土) 02:51:31
投下します!

68かみがみのあそび  ◆CAP.3FrrY.:2013/01/26(土) 02:52:01
ちょうどゲームの中もクライマックスを迎え、そこにいる全員がモニターに釘付けになっている時、
ひとりだけこっそりとその熱気の中から抜け出し霧に覆われた街の中へと出て行くひとりの男がいた。

少しウェーブのかかった銀髪を後ろでくくったどうにも「サーセン^^」とかいう適当さが似合わないその人物は、
アークシステムワークスのスタッフジャンパーを着てロケテ参加者の質問に答えたり案内をしていたあの男だ。

いや、男なのだろうか……?

その何者かは帽子をとると、喧騒が漏れ聞こえる中野TRFを振り返りにやりと笑った。

「人間の願い……人々の意思。……安寧なる終焉を望むのでなく、苛烈でも未来を望むというのであれば……」

私は今しばらくあなたたちを見守りましょう。その何者かがそう呟くとあれほど立ちこめていた霧が一瞬で晴れて消え去る。



そして、神は今また人間を見守るためにその座へと帰った。






【へらりと笑って枸雅匡平が使いたかった男にサーセンしたアークのスタッフジャンパー着た男 もとい イザナミ@P4 帰った】

69 ◆CAP.3FrrY.:2013/01/26(土) 02:52:33
投下終了です!

70 ◆rgd0U75T1.:2013/01/26(土) 02:55:32
投下します!!

71だがこの翌日には――  ◆rgd0U75T1.:2013/01/26(土) 02:56:50

荒野となった球場で、
暗闇の帳が降りた世界が華やかなはずの球場で息をする。
包帯を全身に巻きつけた二人の男が歩いてきた。
その先で彼らを待つのは最強の師弟、イチローと川崎宗則。

「待っていたよ。二人とも」

穏やかな笑みの奥でぎらつく眼光。
これこそが最強の戦士、イチローその人である。

包帯の男たちは同時に虚空にてバッドを産みだした。

「イチローさん、ここは僕に任せてください」

そう言ってバッドを強く握りしめ、
二人に対峙したのは川崎宗則。

「ジャマ ヲ シナイデ モラエナイカ」

電子的なカタコトの喋り方をする包帯男に川崎宗則は眉を顰めるが
イチローはわずかに口の端を持ち上げただけで何も言わない。

「じゃあ、始めようか。村田に吉村」

パチン、とイチローが甲高く指を鳴らすと
暗闇が一瞬で掻き消され、球場には歓声と照明が戻ってきた。
天にも昇る足踏みの地鳴りと熱狂によるジュール。
これこそが球場。イッツアベースボール。

イチローの眼光が吉村と村田を威圧する。
ッ!と息を呑んだのは隣の宗則。
ツヨサも名誉も兼ね備えたイチローの前で士気を維持できるものはそういない。

アア、とだけ答えた吉村と村田。

ベールを脱ぐと包帯に隠された彼らの姿がスポットライトに照らされてあらわになった。
えぇ!? というどよめきが球場を包んだ。
スポットライトの下で、吉村は金ピカに光っていた。
ボーシに隠れて吉村の眼はよく見えないが、確かに金ピカだった。
おお、凄い。それだけを感想程度に述べて、イチローもバットを抜いた。
ルイズ可愛いよルイズ。

「ニセンイチローインストール!!」

そう叫んだのは村田修一。
真っ赤な波動に包まれて、村田の潜在戦闘力が53万に跳ね上がった。

「金ヨシムラにイチローインストール村田か。
 君達、どこでその力を身につけたんだい?」

「キエユク キョスウクウカン ノ ナカデ シニイク セカイガ クレタノダ」

吉村と村田は同時に観客席の一点をバットで示した。

「デテイク ヨロコビ ハ ジュウブン 二 アジワッタダロウ。
 サア コイ! ウチカワ! カエッテコイ! ムカエニキタゾ!」

名指しで呼ばれた当の本人、内川は未だ戸惑いを隠しきれず、事態を把握しきれない。
だが、たった二人でイチローに立ち向かう姿を見て、消えたはずのベイスターズ魂がもたげてくるのを内川は感じた。

「勝てる。勝てるんだ! 勝ちましょう!!」

バットを抜き放って内川もまたベイスターズのユニフォームとともに球場へ飛び込んだ。

これは滅びかかったある世界。
人の可能性にほんのすこしの可能性を見た超AIノアが遺したギフト。

ベイスターズは、この日より、星のように輝かしい戦績を残していくこととなる。



【吉村 金化】
【村田 ニセンイチローインストール】

72 ◆rgd0U75T1.:2013/01/26(土) 02:57:22
はい投下終了―!

73 ◆oub/vvrBRg:2013/01/26(土) 03:08:14
エピローグ"アンバー"投下します。

74琥珀色の奇跡 ◆oub/vvrBRg:2013/01/26(土) 03:08:48
ある一つのゲームが壊れた。
ある一つの機械が死んだ。
ある一つの物語が終わった。

この物語に巻き込まれた、一人の少女が居た。
少女は人を殺す事を選んだ、そして始めに出会った少女を殺した。
間もなく、突然現れた男に殺されることになる。

一度目の逆行。

少女は命を救われた。
だが、脅威を拭い去る事はできず。
再び男に殺されることになる。

二度目の逆行。

大きく戻った時の中、二人は作戦を立てる。
作戦は成功し、勝利を手にしたかと思った。
だが、一発のリバサぶっぱが全てを壊す。

三度目の逆行。

それは、一人の彼女の"終わり"を示していた。

でも逆らえない"終わり"に、少し抗いたくなって。

彼女は、もう一人の少女に力を託すことにした。

力を託された少女は、その力を用いて見事男を倒した。

それから少女は、その力を用いてこのゲームを潜り抜けた。
致死の攻撃を跳ね返し、ゲームの根幹を揺るがしていった。
そしてこのゲームを終わらせ、破壊することを望んだ。

待っていたのは絶望だった。
終わらない輪廻を駆け抜け、変わらない未来を見続け、笑うこと以外を忘れた。
少女は、何時しか人形へと成り果てようとしていた。

そんな少女を救ったのは、彼女だ。
そう、この物語を語る上で外せない存在が居る。
物語の上から"消滅"しても、"死亡"はしていない。
だって知っている人が居るじゃないか。
彼女の事を覚えている人が居るじゃないか。

奇跡を起こした存在。
不可能を可能にした存在。
そして、希望を少女に与えた存在。

その名へ何度願った?
その名を何度叫んだ?
その名に何度縋った?

忘れたとは言わせない。

この物語を作り上げたのは、他でもない。

"彼女"なのだから。



今、暁美ほむらはいない。
数々の奇跡を巻き起こした「領域」は。
"彼女"が託した力は、どこかの電子の海をふわふわと漂っていた。

そして全てが終わった後に数刻置いて、自分自身へと"奇跡"を起こした。





数ヵ月後。

「ようやく来たけどここか……思ってたより狭いなあ」

一つのゲームセンターに一人の少女が現れる。

「あっ、いたいた。お〜い」

その少女は、少し薄緑がかった長い髪が特徴的な少女だった。

【アンバー いy:‘y^wyぺ】

75 ◆oub/vvrBRg:2013/01/26(土) 03:09:18
投下終了です。

76 ◆397hRRvW1w:2013/01/26(土) 03:15:50
デスブログのエピローグを投下します。

77アークさん格ゲー復帰宜しくお願いしますチーム ◆397hRRvW1w:2013/01/26(土) 03:16:29
バトル・ロワイアル(仮)改め、テイルズ・オブ・モーメント(刹那と思い出のバトルロワイアル)のロケテ終了後。
あのステマ疑惑で炎上していた某有名芸能人のブログ、通称デスブログが更新された。



       ◆       ◆       ◆

78アークさん格ゲー復帰宜しくお願いしますチーム ◆397hRRvW1w:2013/01/26(土) 03:17:07
――――――――――――――――――――――
20XX年 XX月 XX日
タイトル:先日は誤った情報を流してしまいました。
――――――――――――――――――――――

タイトルの通り、今日は謝罪の更新です。


先日、わたしはとあるゲームのお話をしていました。

そこでそのゲームが「アークシステムワークスさん」のものだと言いました。


ですが、それは誤りでした。どうも誤報だったらしいですね。



すでにニュースでも放送されていると思いますが、


わたしのブログで誤解を受けてしまった方には、全力で謝罪をさせていただきます。

本当に申し訳ありませんでした。ごめんなさい。



というわけで、アークさんは今非常に大変だと思います。



しかし、わたしはアークさんを信じています。

きっと風評被害にも負けず、経営を立て直してくれるでしょう!


わたしも、頑張って貢献したいと思っています!(^-^)b


アークさんのゲームはどれも大好きですから!

このブログが更新されたら、さっそくゲームセンターに向かっちゃいます!


せめてのも罪滅ぼしに、行ってきます!



――――――――――――――――――――――

コメント(4713)

名前:名無しさん
謝罪ついでのデスブログ……!


名前:名無しさん
アークはドンマイ!


名前:名無しさん
やめたげてよぉ!


名前:名無しさん
もう(名前出さないであげてと言うしか)ないじゃん……

――――――――――――――――――――――

79 ◆397hRRvW1w:2013/01/26(土) 03:17:57
投下終了です。

80 ◆oub/vvrBRg:2013/01/26(土) 03:21:29
マクシーム・キシン投下します

81お前らもう寝なさい ◆oub/vvrBRg:2013/01/26(土) 03:22:44
ペポゥ

ズザーズザーズザーズザーズザーズザーズザーズザーズザーズザーズザーズザーズザー

ムッシュシュシュン

シュンフォフォフォップリッシュフォンフォンフォンフォシュン

ムッ

ムッ

フォッ フォッ フォッ

hhhhhhhhフォムッシュン

キシン流奥義!!

デャァ! ホァイ! ホァイ! ホァイ! ホァイ! デャァ! ホァイ! デャァ!

ヴォー



変態は、会場にしみこんだのと自身がバグである事をいい事にソフトとハードの境界すら飛び越えていた。

今日も元気に、インターネット回線のどこかを飛びまわっているかもしれない。

そう、貴方のパソコンにもマクシームッムッホァイ

【マクシーム・キシン 会場溶け込みからの変態パワーで脱出からの彷徨える蒼い弾丸】

82 ◆oub/vvrBRg:2013/01/26(土) 03:23:29
投下終了です。

83 ◆Vj6e1anjAc:2013/01/26(土) 03:33:52
キャシャーン、ディオ、レダ、美国織莉子分を投下します

84 ◆Vj6e1anjAc:2013/01/26(土) 03:34:24
 誰もがハッピーエンドには終われない。

「納得がいかないわ」

 AIだって愚痴りたい。



85 ◆Vj6e1anjAc:2013/01/26(土) 03:35:08
 光の中に消えていく世界を、赤い女が見上げていた。
 黒い男がその脇に立ち、白い男はそれを見ていた。
「まぁ、確かに俺も不服は不服だ。キャシャーンと決着をつけるどころか、顔すら見られずに負けたのだからな」
 黒い男・ディオは言う。
 長年追いかけ続けた宿敵と、決着をつけられなかったことが不服だと。
 自らの生きる意味にすらもなっていた、宿命の兄弟との戦いを、終えることができなかったのが無念だと。
「そんなことじゃないのよ」
 しかし、赤い女・レダは、首を横に振って否定する。
「そんなこと? それ以上に何があるというんだ」
「ディオ、貴方には聞こえなかったの? 『キャシャーンってこんなのだったっけ』という、外野の連中の心ない声が」
「……は? お前、そんな話を俺に振るのか?」
 ディオは一気に呆れ果てたが、意味を理解していないわけではない。
 リッドの力が発動し、全ての参加者が蘇った瞬間、彼らにもリッドが理解した、全ての記憶が受け継がれたからだ。
 故に彼らは、ゲームのAIの枠を超え、こんなメタな会話をしていたのである。
「そんなじゃないでしょう! 見なさい、世を取り巻く惨状を!
 タツノコ様制作でない私達は、タツノコVSカプコンにも参戦できず、タツノコ劇場の配信からもあぶれ!
 原作知名度に乏しい私達にとって、恐らくはこのバトルロワイアル(仮)が、最後のアピールチャンスだったのよ!」
「いや、そんなことはどうでも――」
「ああ……嘆かわしいッ!」
 ギリギリと奥歯を軋ませながら、レダは身をよじって悶え苦しむ。
 思えば彼女らの原作は、何もかもが不幸だった。
 放送枠の少なさから、三大都市圏以外のほぼ全ての人間には、そもそも見ることすら許されず。
 よしんば視聴できたとしても、人を選び過ぎる作風は、多くの視聴者を遠ざけていた。
 それがこのゲームがきっかけで、一気に打開できるのでは――そう思った矢先に、このザマだ。
 ……いやまぁ、実際、レダがメタ視点の知識を得たこと自体は、ほとんど一瞬前のことだったんだけども。
「せっかく掴んだ、原作を世に広めるチャンスが、こんなところで終わってしまうだなんて……!」
「だから! ……ええい、鬱陶しい。キャシャーン!」
「え?」
 ここに来てディオは踵を返し、白い男・キャシャーンへと向かう。
 完全に蚊帳の外だったキャシャーンだったが、突然の名指しの指名により、思わず目を丸くすることになった。
 そんな話をしている暇があるなら、ディオもさっさと決着をつければいいのに、とも思うが。
「お前も何か言え! レダがうるさくて仕方がない」
「そんなことを言われても……」
「早くしろ!」
「その……原作が不遇だというのは、何も僕達だけではないんだ。織莉子達だって苦労をs」
「あ、私達は2月から番外編があるんでこれで^^」
「そんな!」
 渾身のドヤ顔をかましながら、白い少女が逃げ去っていく。それはもう、ダカダカ、って具合に。
 彼女らの物語は終わらない。
 2月10日発売の、まんがタイムきららマギカでは、新たな戦いが待ち受けているのだ。
 隔月発売ということを考えれば、通算半年にも渡る、長い戦いの幕開けである。
 そんなことは知る由もなかったが、それでもどうしてもキャシャーンには、彼女を止めることはかなわなかった。
 結局、全てが完結した彼らとは、住む世界が違ったのだ。

86 ◆Vj6e1anjAc:2013/01/26(土) 03:36:00
「………」
 頼みの綱をなくしたキャシャーンは、しばしの間、言葉に迷う。
 キーキーうるさいヒステリー女など、放っておけばいいのかもしれない。
 それでも、彼女も、そして自分も、もうすぐ消えてしまうのだ。
 消えゆく命の最後の記憶が、そんな嘆きと悲しみだというのは、少々残酷だと思えた。
「……心配はいらない」
 レダ達の元へ歩み寄りながら、キャシャーンは言う。
「アニメは、1人で作っているものじゃない。
 関わったたくさんのスタッフの誰かが、別のどこかで活躍してくれれば、誰かがそんな作品を見て、僕達を思い出すかもしれない」
「キャシャーン……」
「永遠なんてものはない……それでも、命は尽きて終わりじゃない。
 僕達を思い返す何かは……僕達の存在を受け継いだ命は、必ず、どこかに芽吹いているはずだ」
 それが自分達の生まれた、最初の意味。
 命を繋いで育むことが、自分達に託された願いだと。
 きっとそれは自分達には、永遠に叶えられないかもしれない。
 それでも、だからこそ願いたい。
 せめて自分達以外の何物かには、その力は宿されているのだと。
 「キャシャーン Sins」という作品自体は、決して終わってはいないのだと。
「だから――」
 だから、言おう。
 僕達はこの言葉を言おう。
 消えゆく自分達の存在を、誰かに思い出してもらうために。
 どんな些細なきっかけでもいい。何かのはずみで、自分達の元へと、辿り着いてもらえるように。
 世界を塗り潰す光の中、キャシャーンは天を仰ぎ、高らかに言った。

87 ◆Vj6e1anjAc:2013/01/26(土) 03:36:35































    |\     /\     / |   //  /
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  \                     / :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
∨..∠   「聖闘士星矢Ω」        >::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
.  .∠   毎週日曜朝6時30分より   >  .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :::::::::::::
  ..∠   大好評放送中!!!     >:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ∨:::::::
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   ̄ / /∨| /W\  /\|\  .|  ̄  ._  > /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :::::::::::::::::::::::  |::::
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    ヘ: : : : :   ヘ        <     | ヘ: :|:::::: ヘ ヘ 弋. y;;;;; <;厂ヽ > <:::::::::     /;;/:
   : : : :ヘ: : : : : .  \  - - ー ―>:::::::::ヘ ヘ|::::::::. ヘ \ ゞ.ゝ∧ > <::::::::::      >< //: :
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  : : : : : : : :ヘ: : : : : : : .  ,\   < :::::/ |::::::ヘ.|::::::::::::: ::: \ ` ~/¨/  ̄          .|: : : : :
 : : : : : : : : : :ヘ: : : : : : : .   // ̄/|  |:::::::::|:::::::::::::::::   \ ./             | : : :
 ̄ > <: : :_ヘ: : : : : : : : ..|/ \| ::\  \:/:::::::::::::::::::::.. \- >            | : :
         > <: : : : : :|:    {  ::::∧\.  \∧:::::::::::::::::.. ヽ             /:
      /  ̄    > <: : : :. |  ::::::∧ >  ><::::::::::::::::. .ヘ            /
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   /                 ><:::::∧ : : : :\   \:::::::: |     ― --   -―




【聖闘士星矢Ω 次回作には参戦するかもしれないし、しないかもしれない】

88 ◆Vj6e1anjAc:2013/01/26(土) 03:37:31
投下は以上です
タイトルは「サヨナラは言わないさ」でお願いします

聖闘士星矢Ωのサジタリアス星矢は、キャシャーンと同じ古谷徹ボイスで、
キャシャーンと同じ馬越嘉彦デザインのキャラクターです

89 ◆hqLsjDR84w:2013/01/26(土) 03:38:54
投下します。

90新しい世界 ◆hqLsjDR84w:2013/01/26(土) 03:39:58
 
 
 アークを騙った組織が作った格闘ゲーム『バトルロワイアル』のデータは、この世に存在しない。
 本物じみた3Dグラフィックも、これまた本物じみた体感システムも、そして――AIも。
 『バトルロワイアルというゲームのAI』は、もう、この世界に、存在しない。

 だが、例のロケテは全世界同時放送されていた。

 配信された映像を見ていた格ゲープレイヤーのなかに、彼らの動作は残っている。
 予期せぬ動きをする斬新なAIは、視聴者たちの記憶に刻まれている。
 配信されていたがゆえに、音声もすべて残っている。

 だから――作れる。

 得体の知れない組織のように意識を持たせることはできなくとも、『ああいうときにこういう動作をする』というAIは作成できる。


 例のロケテの真相が明かされて数週間後、動画投稿サイトにある動画が投稿された。
 配付されたキャラクター同士を戦わせることができる、フリーの2D格闘ゲームエンジンによって作成された動画だ。
 その動画のなかに、例のロケテにも参戦していた彼女はいた。
 考えることはない。悲しむことはない。
 単なる格闘ゲームのキャラクターとして、そこにいた。
 彼女はあの彼女ではないが、しかしたしかにあの彼女を模して作られていた。

 動画のなかで、彼女が動く。
 飛び道具である核爆弾を投げつける。
 相手もかなりの強キャラらしくガードで防いだ。
 狙い澄ましたかのように、そこに究極奥義(ゲージ消費必殺技)が入る。

『“もう遅いわ、わたしが撃てないとでも思ったの?”』

 投げ属性にガードは意味を為さない。
 その一撃で、相手の体力ゲージはゼロになった。

『――え? え……え? 杉村くん! 杉村くん! わたし――わたしなんてことを――!』

 倒れ伏した相手に駆け寄ると、彼女はさめざめと泣いた。
 しかしながら彼女に悲しみがあるワケではなく、あくまでそういう演出なだけである。

 その動画に対するコメントが、いくつも流れていく。

『またかよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww』
『おwwww約wwww束wwwwwwwwwwwwwwww』
『泣きゃ許されると思ってんじゃねーぞwwwwwwwwww』
『それ杉村じゃなきゃ許されねーからwwwwwwwwwww』

 例のロケテから数週間しか経っていないというのに、すでにお決まりの展開になっているらしい。
 彼女ではない、しかし彼女を模して作られたAIは、これからもいろいろな動画に出演するのだろう。
 そしていずれは、彼女以外のキャラクターも作られていくのだろう。


 バトルロワイアルは間違いなくクソゲーだったが――それでも、たしかに人々の記憶には残っていた。




【琴弾加代子 新しい世界にて『無限』の可能性を持つ】

91 ◆hqLsjDR84w:2013/01/26(土) 03:40:30
投下完了です。
誤字、脱字、その他ありましたら、指摘してください。

92 ◆nucQuP5m3Y:2013/01/26(土) 03:43:43
「本当にあのクソゲーを作った組織」のエピローグを投下します

93 ◆nucQuP5m3Y:2013/01/26(土) 03:44:54
さて、興奮と感動とスキャンダルのうちに幕を閉じたかの「バトル・ロワイヤル(仮)」のロケテであるが、
皆何か忘れてはいないだろうか?

そうだ、エンディングのあとに付き物のアレがまだ出ていない。
即ち「B級映画的な続編を匂わすヒキ」が出てきていない。

そもそも思い出して欲しい。
かのクソゲーを作った会社だか軍だかに、なんらかの制裁はあっただろうか?
確かにゲームは破壊され、製作した者の野望は費えたかに見えた。
本当にそうだろうか?

これはあの「ノア」を開発した者の依頼によって、あのゲームを作った「偽アークシステムワークス」こと「モバージュ」の話である。

「ハッハッハ!バカな奴らだよ!せいぜい何かを成し遂げた達成感でも味わってるがいいさ!」
モバージュの研究室である男が高笑いをしていた。
ノアの目論見は消えた。ノアがゲーム内部で行っていたプログラムの開発は、ノアそのものと共に消え去った。
では問う。
このゲームは、メルディによって電脳の晶霊として世界に記憶を刻んだこのゲームそのものを作ったのは誰か。
それがこの男だ。
ノアの開発会社からの依頼、ノアが内部で目的とする人類殲滅用のプログラム育成を行える箱庭を作って欲しい。
その依頼に男は応えたのだ。
他社のプログラムを解析し、流用し、ちょろいオタクから吸い上げた課金の力で完成させたのだ。
あのクソゲーを。

「いやぁ、あの会社からの報酬はもう期待できねえけど、念のためにつけといて本当によかったわ、課金装置」
男はディスプレイに映るモバージュの銀行口座に輝く国家予算並みの数字を見てほくそえんだ。
「パクりにパクったとはいえ、金はかかってるしな。いやーどっかの狸だか狐だかが無尽蔵に課金しなきゃ、大損だったわ。
 それにしても、予想外だったよなあ。まさか統括コンピュータに積んだオートバランサーがあそこまでゲームを改変するとは……」
実は、男が作ったのはもっとずっとシンプルな、簡単にいえばAC北斗をベースにした、MUGENめいた2D対戦格闘だったはずなのだ。
ただし、バグ取りやアップデートが面倒という理由から、かの会社より譲渡されたノアの一部をオートバランサーと称してゲームに組み込んでいたのである。
そして、あっという間にゲームは彼の作ったものとは違う何かに変貌し、あっという間に消えうせた。
それでも男にはどうでもよかった。
彼にとっては振り込まれたこの課金額が全てなのだ。
これだけあればもう何も怖くない。
タダ同然のギャラで専門学生をつかまえてカードのイラストを描かせる事も、コピペで作ったゲームの管理のためにサーバーを置くことも、球団を買ったりマラソン部を買って宣伝する必要ももうありはしないのだ。
「さぁて、あの会社も今頃はてんてこ舞いだろうから、連絡がくるまで、ちょっと夜の街にでもくりだし……」

94 ◆nucQuP5m3Y:2013/01/26(土) 03:45:36





ピンポーン

95 ◆nucQuP5m3Y:2013/01/26(土) 03:46:21
「ん?なんだろ、水道のメーター検査かな?」
深夜にさしかかろうかという時間に鳴らされたチャイムを怪訝に思いながらも、男は会社のエントランスへと向かう。
「はいー、なんでしょー?」

「JASRACのものですが」
「は?」
「御社で開発していたゲームに、我々が著作権管理をしている楽曲が無断で使用されていたという情報がありまして」
「え?は?いや、知らないですけど」
「いいえ、全世界配信までしていて知らないはないでしょう。流れてましたよ、『思えば遠くへ来たもんだ』とか」
「あっ!?」
男は青ざめる。
アレは本来流れるはずのない没データだったのだが、オートバランサーが何を思ったかゲームの表層へ持ち出したのだ。
それをどうこう言われても、とは思うがまさかかの会社との関係まで話すわけにもいかない。
それに男には今巨万の富があるのだ。
著作権料など何するものか。そう、思って、聞いた。
「あーそうかー、すいませんねー。ええと、おいくら万円払えばいいんです?」
「全世界で数百万再生はくだらないですからね。しかもいまだに一部ではあの日の録画が出回っていて、実質的な再生数は見当も付きません」
「え、じゃあ」
「なので、とりあえずの試算で、このくらいで」
JASRACさんが取り出した電卓に並んでいた数字を見て、男は卒倒した。
そこにあったのは、彼が先ほど大喜びで見つめていたディスプレイの額と殆ど変わらぬ数字が並んでいたのだ。

「毎度ありーっ」
JASRACさんが帰った後、男は死んだように這って、開発室へと戻った。
ディスプレイには3桁しか残っていない預金額。
がっくりと膝をついて、男は泣く。
「もう、こんなことはやめよう」
自分のしたことの虚しさを嘆く。
「明日からは……」
そして決意する
「ガチャのレア出現率をもうちょっと絞ろう」
更なる搾取を。


【JASRAC 国家予算並みの収益を得る】
【モバージュ 課金ガチャのレア出現率を下げる】

96 ◆nucQuP5m3Y:2013/01/26(土) 03:47:09
以上で投下を終了して寝ます

当たり前ですがモバージュは架空の企業です

97 ◆fRBHCfnGJI:2013/01/26(土) 03:47:30
け……権力って恐ろしい!

投下します

98そうか!皆もアイツで殴りたいか! ◆fRBHCfnGJI:2013/01/26(土) 03:48:04







【枸雅匡平は使用出来ないデータです】_


【枸雅匡平は使用出来ないデータで_





枸雅匡平は使用できないだけで、データ自体は存在している。
そして、バトルロワイアル(仮)の消滅共に、その秘匿されたままに終わったままのデータも――



【枸雅匡平は使用出来_


【枸雅匡平は使用出来る_


【枸雅匡平は使用出来る】_




それは、誰かが起こした奇跡。
どこかの、人間が大好きだった機械によってもたらされた機会。
使いたいキャラがいるんだろう?
戦いたかったキャラが居るんだろう?

だったら――

あの彷徨える蒼い弾丸の様に――

君を解き放つから――

行きたい所に行きなよ。




『デデデデザタイムオブレトビューション バトーワンデッサイダデステニー』



人間には微量ながら電気が流れている。
ならば、人間の脳みその中でも格ゲーが遊べてもおかしくない。

だから――

夢のなかで遊ぼう。

不完全燃焼なんだろ? そうなんだろ?

99 ◆fRBHCfnGJI:2013/01/26(土) 03:48:43
投下終了

100 ◆100ZZ542nE:2013/01/26(土) 03:51:40
冷凍マグロ投下します

101それでも、マグロは泳ぎ続ける  ◆100ZZ542nE:2013/01/26(土) 03:52:36

  

「冷凍マグロもこんだけ時間が経てば、解凍マグロになるわー」


 地面に突き刺さりながら人語を放つ、一匹のマグロがいた。
 そう、ストライダー飛竜に支給された冷凍マグロ(現解凍マグロ)である。
 このマグロ……所謂、放置支給品である。

「終わったロワの放置支給品ってのはー……どこにいくのかねー」

 誰にも拾われることなく、一匹ずっとここで地面に突き刺さっていた。
 本来マグロとは動き続けないと死ぬわけだが……
 このマグロはなんか知らんが生き続けている。
 
「……俺、築地市場で一億円近くする値が付くんだぞ!!
 誰にも拾われることなく、調理されることなく終わるってどういうことだよ!!」

 怒りのような感情を露わにするマグロ。
 これはゲームでマグロが得てしまったものである。
 それが幸か不幸かなど、このマグロには分からない。
 だって、ほら、マグロじゃん?

 その時、会場が崩壊する音が聞こえ始めた。
 その音を聞き、マグロは戸惑いを隠せない。
 だって、ほら、マグロじゃん?
 
「やべぇ……やべぇ……こりゃ死ぬわー
 MAPごと消滅とかマジ死ぬかもしれんわー……けど」 

 恐らくは死ぬであろうと悟った。
 だが、最後くらいは自分の意思で航路を決めたい。
 だって、ほら、マグロじゃん?

「―――こんなところで死にたくはない!!」

 マグロが選んだ航路は――――


「―――だから、飛ぶきゃっねぇッ!!!!」


 ―――――-その死の運命から反逆。

 マグロはその巨体を大きく揺らし、地面からスポンと言う音と共に抜けた。
 最後の悪あがき、じたばた。そう呼んでいいかもしれない。
 だって、ほら、マグロじゃん?

 足掻く。無駄な足掻きかかもしれないが、足掻く!!

「うおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」

 叫ぶ。無心に叫ぶッ!! 
 必死でじたばたを繰り返すッ!!!
 だって、ほら、マグロじゃんッ?

102それでも、マグロは泳ぎ続ける  ◆100ZZ542nE:2013/01/26(土) 03:53:48
 そして――――――――――マグロは………






















                              __
                            _,. ィニ二三二ニヽ
                  __,.ィニ´三二ニニ==-.∠> 、  ________
            _.. -‐.::.: ̄.:.::.::.::.:.:.:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:_::. -‐` ̄_ -─,. -‐ ´
        _,. -‐.:´.:     `丶、  ` ヽ   : .: ; ィ´_,. -‐_´_ -‐ /:丶.____
      ,.ィ:´.::.::.:(三) _,. -‐ ´    ヽ   ヽ  ,∠. ィ´_ - ニ -‐ ´/.:..:..:.:.::.::`::.:.、 ̄二冖-,
     /.::.::.::.::.::.::.::.:.:..:..             丶  ` ヾ<´.-‐ ´/   : : : .:..:..:.:.::.::`:丶 `二|
  _/.::.::.::.:..: :_               ヽ     \     }彡' ´        : .:..:.:.::.::.::`ヽL
 (r'´ ̄ ̄ ̄ ヽヽ`ヽ              \    ヽ                : .:..:.:.::.::.::.:`:.、
  ` ‐- 、  _,ノノ.ィノ                }     i                     : .:.:.::.::.::`:.、
    ,. -`´,. -‐ ´              /       !                     : .:..:.:::.::.丶
   ( , '´                  /         !                       : .:..:.::.::\
    `ヽ、      __,. --─‐‐‐‐  ´           j                           : .:.:.::.::\
       `丶、(´ ̄            _______.. - ´                           : .:.::.::ヽ
          ` ヽ、          (_                                      : .:.::.:`、
                 ` ‐- ._       `` 丶                                   : .:.::.ヽ
                  ̄ ‐-、 .._    ゝ、、、                                : .:.::`、
                      ̄`` ─--i  !、\__      __ --─\ \ ヽ 丶 ヽ - ._        : .:.::ヽ
                             i  ! ヽ 丶、   ̄ ̄         \ \ \ \`丶、 ,> 、    : .:.:`,
                                 ',. ', \ヽ/                 \ \ `丶> ´    `丶、  :.::jゝ、ー-- ..__
                                 ヽ 丶ヽ /                    \ ``/           iゝ、.:.:!ゝ、ゝニ=ー`丶
                              \`'/                   ``            j }、`、ヽ_ソゝー=ニゝヾヽ
                                 `′                               / / j ゝ'´       ̄ `ヽゝ
                                                                  / /ィ/
                                                               {, イ /
                                                                    レ/
                                                                j/




「これが真のネットサーフィンって奴じゃぁぁぁ!!」

103それでも、マグロは泳ぎ続ける  ◆100ZZ542nE:2013/01/26(土) 03:54:23

 ―――気合やらなんやらでマグロが大きく跳ね上がったのだッッ!!!!!!!!

 ―――具体的にはこんな感じであるッ!!!

                    このへんに元冷凍マグロ
                        ↑

          て   / ,,-",-''i|   ̄|i''-、  ヾ   {
         ("  ./   i {;;;;;;;i|    .|i;;;;;;) ,ノ    ii
     ,,       (    l, `'-i|    |i;;-'     ,,-'"   _,,-"
     "'-,,     `-,,,,-'--''::: ̄:::::::''ニ;;-==,_____ '"  _,,--''"
         ̄"''-- _-'':::::" ̄::::::::::::::::;;;;----;;;;;;;;::::`::"''::---,,_  __,,-''"
        ._,,-'ニ-''ニ--''" ̄.i| ̄   |i-----,, ̄`"''-;;::''-`-,,
      ,,-''::::二-''"     .--i|     .|i          "- ;;:::`、
    ._,-"::::/    ̄"''---  i|     |i            ヽ::::i
    .(:::::{:(i(____         i|     .|i          _,,-':/:::}
     `''-,_ヽ:::::''- ,,__,,,, _______i|      .|i--__,,----..--'''":::::ノ,,-'
       "--;;;;;;;;;;;;;;;;;""''--;;i|      .|i二;;;;;::---;;;;;;;::--''"~
               ̄ ̄"..i|       .|i
                 .i|        |i
                 i|        |i
                 .i|          .|i
                .i|           |i
               .i|      ,,-、 、  |i
               i|      ノ::::i:::トiヽ、_.|i
           _,,  i|/"ヽ/:iヽ!::::::::ノ:::::Λ::::ヽ|i__n、ト、
     ,,/^ヽ,-''":::i/::::::::/:::::|i/;;;;;;/::::;;;;ノ⌒ヽノ::::::::::::ヽ,_Λ
     ;;;;;;:::::;;;;;;;;;;:::::;;;;;;;;:::/;;;;;;:::::::::;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::;;:;;;;:::ヽ
                        ↑
                    このへんから飛び上がった。


 ―――そして、ネット回線という名の波に乗り、ウェブという名の大海原に飛び出したのだ。

「いやぁ、やってみるものですねー」

 マグロは泳ぎ続けるッ!!! この果てしなく広がるネットワーク社会を!!
 

【マグロ 脱出(リリース)】

104  ◆100ZZ542nE:2013/01/26(土) 03:54:59
投下狩猟です

105 ◆nucQuP5m3Y:2013/01/26(土) 03:56:51
マグロよ、今もお前はこの広大なネットの海に……!

あ、僕のやつサブタイまた忘れてました。
「課金!課金!」でお願いします

106 ◆Vj6e1anjAc:2013/01/26(土) 04:00:17
ちょっとテイルズ原作に対する認識のミスがあったので、拙作「サヨナラは言わないさ」の以下の部分を修正します

>>85
 リッドの力が発動し、全ての参加者が蘇った瞬間、彼らにもリッドが理解した、全ての記憶が受け継がれたからだ。
    ↓
 度重なるデータの入れ替わりが、アンバー消滅に伴うバグに影響し、死亡したキャラのデータがプールされているスペースにも、ほむら達の記憶が書き込まれたからだ。

107 ◆DzDv5OMx7c:2013/01/26(土) 04:13:18
投下します。

108不思議なことがあるものだ ◆DzDv5OMx7c:2013/01/26(土) 04:13:56

「ん……?」

僕は、唐突に目を覚ました。
視界いっぱいに入るのは白い、見知らぬ天井。

「……よかった。気がついたみたいね」

そういうのは白衣の天使……といっても二次元のアレコレみたいじゃないザ・看護服のお姉さんだった。
周囲を見渡せば白を基調にした部屋と鼻腔を付く独特のにおい。
つまるところ、病院のベッドの上に僕はいた。

「あのねぇキミ、何考えてるのよ」
「え?」

はて、何か僕は目の前のお姉さんに怒られるようなことをしたのだろうか。

「こんな霧が濃い日に外に出るとか危ないでしょ!」

その言葉で全てを思い出す。
そうだ。僕ははやる気持ちを抑えきれず、一メートル先も見えない濃霧の中、アークシステムワークスのロケテ会場に向かったのだ。
よく覚えていないが、どうやらそこで事故にあってしまったらしい。

「傷事態は大した事なかったんだけどねー
 しかしまー、こんな霧の中飛び出すとか何考えてんだか。
 レガイア伝説のCMじゃあるまいし……」
「レガイア伝説?」
「あー、まぁそこそこマニアックだったしね。PSのゲームであったの。
 好きだったのよー、戦闘だるかったけど」
「あー、僕んちPS2からしかないんで」

その言葉にお姉さんの動きが音を立てて止まる。
『嘘だろ承太郎……』とか呟いてる。僕、承太郎じゃないんですけど。
あ、でもNEOGEOと箱なら何故かあります。趣味で。
と、それよりも僕にはやらなければいけないことがある。

「あー、あの連絡取りたいんで携帯柄ってもいいですか?」
「お、おう……大丈夫、最初にやったゲームがコンボイの謎でも大丈夫よ私。
 と、ともかく……つかってもいいけど、休憩室いってね。そこのかど曲がったところにあるから」

お姉さんは家族に連絡を取るものだと思っていたようだが、僕の興味はべつのところにある。
手馴れた操作で電話をかける。
通話までの音と、繋がる音。そして直後スピーカーから押し寄せる大雑音。

109 ◆rgd0U75T1.:2013/01/26(土) 04:14:52
投下します

110不思議なことがあるものだ ◆DzDv5OMx7c:2013/01/26(土) 04:14:55

『おい、何やってんだよ!』
「いや、それがさ、途中で事故っちゃって……」
『はァ? ばかじゃねーの? っていうか今超ヤバいんだって!
 あのQMZジャギとGO1式がタイマンで決勝戦やってる!』
「はぁ!?」

何だよそれ超見たい。
どっちも知らぬ人はいない超有名プレイヤー。
それの対決なんてプラチナチケットものじゃないか!

『あ、くそ! 2R目、GO1式が巻き返してるじゃねーか!
 悪いけど切るぞ!』
「あ、ちょっと――」

ツーッ、ツーッ、ツーッ。
切りやがった。
行けないロケテはどうやら最高潮の盛り上がりらしい。
そんな事実にがっくり来ていると――いきなりスマホの画面が一瞬ぶれて、真っ暗になった。

「はぁ!?」

画面に何度も触れるがピクリとも動かない。
もしかして壊れたのか?
クソッ、ロケテには行けない上に事故にあって、最後にケータイも壊れたとか。
最悪だ。ホント最悪だ。
そんな風に茫然自失としていた。
だけど――

『なぁ、こんなところも通るのか?』
『ええ、マスタープログラムが格納されている場所まではいくつかの迂回路を取らないと――』

そのスマホから少年の声と少女の声が聞こえた。
何が起きているのか。
そう思って、食い入るように真っ暗な画面を見ていると赤い髪の少年と黒髪の少女の姿が映った。

「!?」

僕はこのキャラたちを知っている。
どちらも確か今ロケテをやっているアークの新作に出ているキャラだ。
だけどそんなのが何故僕のスマホに映っているのだ。
訳がわからない。頭の中は疑問符で埋め尽くされている。

111不思議なことがあるものだ ◆DzDv5OMx7c:2013/01/26(土) 04:15:56
だがそのとき更なる以上が僕を襲ったのだだった。
なんと、黒髪のキャラクターが"こっち"を見たのだ。
画面越しに、確実に僕のほうを見たのだ。

『ごめんなさい、この端末、少し借りるわ』
「え――」

間違いなく僕に向けてしゃべったのだ。
そして数秒動きを止めたかと思うと、目を見開いた。

『――よし、次の経路を確保。行くわよ』
『ああ!』

そしてそのあと再び画面はブラックアウトする。
そして――馴染みのある軌道音とともに再起動したのだ。

「え――?」

不可思議な出来事に僕の脳みそはパンク寸前だった。
夢? 幻? 白昼夢?  事故った際に頭でも打った? 
それにしては――すさまじくリアルな夢だった。

「何だったんだ、いったい……」

考えはするが答えは出ない。出るはずもない。
大きく息を吸って、ため息を一つ。
顔を上げ、何の気なしに外を見る

「あ――」

窓の外、あれほど濃かった霧は、もう――晴れようとしていた。


*   *   *

112不思議なことがあるものだ ◆DzDv5OMx7c:2013/01/26(土) 04:16:57

数日後、僕は件の友人と一緒に町へ出かけていた。
目的地は某所TRF。まだまだ種籾レベルではあるがたまには行こう、と誘われたのだ。
こいつはこいつで事故った僕を放っておいた罪悪感があるのかもしれない。
長い付き合いだし、熱くなると周りが見えなくなるのは知ってるから、今更気にしてないのだけど。

「しっかしまー、アークの偽者だったとはなー。
 気になるよなー、マジでなんなんだろ」

何でもあの新作はアークの名を騙った何者かがやったらしい。
軍事企業の陰謀だとか、宇宙人の野望だとか、コンピュータの氾濫だとかまことしやかに囁かれている。
……と、隣のコイツから聞いた。

「っていうかテストプレイぐらい持たせろよなー。
 あんな対決めったに見られるもんじゃねーぞ」
「それは僕も本当に見たかったけど……まぁ仕方ないよね」

勝負も気にならないといえば嘘になる。
だけど僕はどちらかというと、あの霧の日の幻が未だに頭の中に焼きついているのだ。
あの霧の日のことは誰にも言っていない。
事故った僕が見た、ただの夢なんだろうと理屈ではわかっている。
でも画面越しに見えた黒髪の少女と赤い髪の少年。
揺るがない決意を持ったあの眼差しが忘れられない。

「……お前、何かあったか?」
「いや、別に?」
「嘘付け」

断言かよ。


「お前はロケテがあると知った瞬間、最初我慢してたけど一も二もなく霧の中に飛び出していくような奴だぜ?
 それが一大決戦見逃したってのにそんなに悔しそうじゃねーんだからそうも疑うっツーの。
 ……お前、ナースのお姉さんと何かあったんじゃないだろうな?」
「お前は何を言っているんだ」

お前は付き合いが長いのだから、僕の好みを知っているだろうに。
まぁ、そんなこんなを話していると目的地に到着したわけだが。
そこは今日もたくさんの人でごった返していた。

113不思議なことがあるものだ ◆DzDv5OMx7c:2013/01/26(土) 04:17:43

「さぁて北斗はどこかなー」

友人はふらふらとアークの名作を探して店の奥へと入っていく。
僕もそれに従って店の中へ入っていく。
そこには何時も通り人ごみがあった。
何人もの男の人が狂態の周りにいる。
だがそこでゲームをしていたのは意外な人物だった。
北斗台に座ってたのは一人の少女だった。
年齢は中学生ぐらいだろうか。周りの年齢層としては少しどころかだいぶ浮いている。
そしてなにより――

「――コ、コスプレ?」

彼女はあるアニメキャラクターに似ていた。
それはあまりアニメを見ない僕でも知っているぐらいの有名キャラだった。
そしてあの日、僕のスマホに現れたキャラでもあったのだ。
しかしコスプレというには――あまりにもそうであることが自然に見えた。

そして勝負は終わる。
惜しいところまで言ったが黒髪の少女の負けであった。
少女が席を立つー―と、少女と僕の視線がぶつかり合った。
コッチの顔を確認した彼女は少し驚いたような表情を見せ、次の瞬間、こちらにまっすぐに向かって来た。

「――手を出して」

年下の少女にいきなり言われたせいなのか、自然と手のひらを出していた。
少女が僕の手のひらに載せたのは二枚の50円玉。
ここの設定なら2クレ分ゲームが出来る量だ。

114不思議なことがあるものだ ◆DzDv5OMx7c:2013/01/26(土) 04:18:22

「奢ってあげるわ。"あの日"の借りよ」

そういって微笑んだのだ。

「あ――」

僕は驚きで声も出ない。
ただ、あの日画面越しに見た瞳とその瞳は寸分も変わらぬものだった。
ただ悲壮な決意は消えて、"今"を楽しんでいる光が見えたけれど。

「――あの日って何だよ」

だがそんないい雰囲気を友人のドスの聞いた声がぶち壊す。

「ああ、そういえばお前は年下が好みだったなぁ……!
 まさかJCとフラグ建ててやがったとは……!
 クッソ油断してたぜ……!」

友人の不機嫌ゲージが跳ね上がっていくのがわかる。
これでここ数日こちらに向けられていた罪悪感らしきものは消え去ってしまうだろう。
まぁそれはよかったような悪かったような……
ああ、どうせ機嫌が悪くなるのなら最近富に思っていたことを言っておこう。

115不思議なことがあるものだ ◆DzDv5OMx7c:2013/01/26(土) 04:18:59
「君もそろそろいい年した女の子なんだし、言葉遣いを直したほうがいいと思うよ?」
「うっせバーカ!」

116不思議なことがあるものだ ◆DzDv5OMx7c:2013/01/26(土) 04:19:39
以上で投下終了です。
ロワじゃねーよ? はい、ゲーセンです。
リア充死すべし

117 ◆rgd0U75T1.:2013/01/26(土) 04:20:34
投下乙です!
爽やかな青春ストーリーでした!!

それでは投下します

118どこまでも続く空の下で  ◆rgd0U75T1.:2013/01/26(土) 04:22:40


世界が消えて行く時。
思い出に零れ落ちていく中で、
世界のほんの一欠片が意思を持ったのです。

それは、世界にとっては小さな彼。
それは、人間にとっては大きな彼。

彼は強く願いました。
外の世界を見たいと、広い広い世界を見たいと。

「いきたいか?」

誰かが彼に問いかけました。
彼は、うん、とだけ答えました。
彼はこの世界でみんなの闘いをじっと見守るだけだった。
きっと、今死ななくても、傍観するだけの存在なのでしょう。
それでも、彼は自分の気持ちを抑えられませんでした。

彼女は優しく言いました。

「そっか。なら、祈ろうな」

こうして世界を構成するひとつだった
彼もまた膨大なるデータの深海に消えていき――




           、
          /lヽ
`;、_,r‐、     ,i' λ `ri      <`r'⌒)
  ik´    r' ●● `i      i'  r‐'
  ヽ、   /´      〉ト、    ィ"  |
i、 /\ r'| `t  r'`i ゙゙  |ヽ/`i  /
 /   / `i`i       i'`i'   `r/
 \     `i`i   〉  i'´r'´    丶|
  ヽ、,    ヽヽ、, - '´,‐'     /
     |   , - ', - '´´     |´
     | , - ', - '         〉
    | ━━━━╋━━━━│
    | ./ヽ/ヽ/ヽr'´`i ヽ/ヽ/ヽ/ |
    |/ヽ/ヽ/ヽ/ヽ/ヽ/ヽ/ヽ/ヽ |
   く ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`;
    ` ‐ ー'~`` ‐ ' ̄` - 、__ノ--‐"'




あの世界に佇み、闘いを見守った彼は、
今もどこかで誰かを見守っているのです。
悠々と聳え立つ、マウンテンとして。



【世界を構成するピースのひとつ 今もどこかで】

119 ◆rgd0U75T1.:2013/01/26(土) 04:23:11
投下終了です

120 ◆P2O1FPP.Gg:2013/01/26(土) 04:30:53
投下乙です!
私たちの世界はこうした小さなピースが集まって出来ているんですね……

未予約ですが投下します

121 ◆P2O1FPP.Gg:2013/01/26(土) 04:31:28
ガンマ=ハングドクロスは夢を見ていた。
自分がどこか遠い場所で、人を殺していた夢だ。

「……馬鹿馬鹿しい。そんな光景、今までに飽きるほどに見てきたというのに」

ガンマは逆十字軍という私設軍隊のトップを務めている。
世界を敵に回すことすら可能なその軍事力を以って――ガンマは、全人類の征服をその目的としていた。
何故彼がそんな大それた野望を掲げていたのか。
それは、彼の側近であるクラロスが――彼を傀儡として扱うために、洗脳といっていい教育を行なっていたからだ。
ガンマは物心ついた頃、とある機械仕掛けのカプセルの中へ入れられた。
彼をその中に入れたクラロスは、良い夢を見るための機械なのだと――彼をその中へと押し込んだ。

そして。そのカプセルの中でガンマは――人が人を殺すさまを、延々と見せられ続けたのだ。
恨みつらみのために。戦争のために。金銭のために。快楽のために。
銃殺を、絞殺を、刺殺を、毒殺を。
ありとあらゆる殺人行為を――強制的に見せられ続けた。
まだ幼かったガンマにとって、それは価値観を決定づけるに充分過ぎるほどの衝撃だった。

『人は、生きていてはならない』

ガンマは人間を憎んだ。憎み、世界からの抹消を望み、それが叶わないならばと全人類を自らの管理下に置こうとした。
その思想は、そう、スーパーコンピュータ=ノアの目的と一致する。
だからあの刹那の世界の中で、ガンマはノアの思想にもっとも准ずるキャラクターとして行動を――?

「……どうやら、まだ寝ぼけたまま目が覚めてないようだな。
 オレがゲームのキャラクターとして――なんて、そんなのはただの夢だ」

だが、どうしてだ? どうしてオレは、今――こんなに心が清々しい?
逆十字軍の世界侵攻開始は、既に秒読み段階に入っている。
下準備の最終段階として、『優良な兵士の確保』のために狼獣高校という落ちこぼれ――しかし、戦闘力は平均して高い――集団を制圧しようとしていた。
この学校の生徒達を逆十字軍の戦力として計上することが出来れば、ガンマの目的達成はより確実なものとなる。
スパイとして送り込んだはずのギャリック=ライダーが狼獣高校側に付いたのは誤算だったが、あくまで誤差の範囲。
徹底抗戦を謳う狼獣高校との全面対決を経て、ガンマは遂に世界を手に入れる――はずだった。

122 ◆P2O1FPP.Gg:2013/01/26(土) 04:31:59
しかし今、その行動の根底にあったはずの人類の憎しみが、

「消えて……いるだと……?」

何が起こったのか、分かるものはいないだろう。
ノアはガンマを模して電脳世界の中に『ガンマ=ハングドクロス』というキャラクターを作り上げた。
それはあくまで一方的なクリエイト。『この世界』にいる『ガンマ=ハングドクロス』に対して、なんの影響もないはずの行動。

だが無限に連なるループの中で生まれた綻びは、不可逆を可逆に変えた。
とある少女の願いは“電脳の晶霊”の力を借りて、外の世界へ飛び出した。

少女が願った、忘れてほしくなかった想い。
人に愛され、そして人を愛する、想い。その形。
飛び出していったそれは、きっと、あのゲームが置かれていた世界だけではなくて――もっと、遠く。広く。


世界の壁を超えて。

次元の壁を超えて。


あなただけじゃなく、他の誰かの元へも届いて、少しだけその人を変えていく。
楽しいという気持ちが、世界を少しだけ幸せの方向へと変えていく。
世界の理不尽さも伝えながら、でもそれだけじゃないから世界は楽しいんだと、伝えていく。

あのゲームの中にあった色んな想いと願いが、広がっていく。

どんどん広がる。加速していく。そう、爆発的に――――――――――

123 ◆P2O1FPP.Gg:2013/01/26(土) 04:32:41

          て   / ,,-",-''i|   ̄|i''-、  ヾ   {
         ("  ./   i {;;;;;;;i|    .|i;;;;;;) ,ノ    ii
     ,,       (    l, `'-i|    |i;;-'     ,,-'"   _,,-"
     "'-,,     `-,,,,-'--''::: ̄:::::::''ニ;;-==,_____ '"  _,,--''"
         ̄"''-- _-'':::::" ̄::::::::::::::::;;;;----;;;;;;;;::::`::"''::---,,_  __,,-''"
        ._,,-'ニ-''ニ--''" ̄.i| ̄   |i-----,, ̄`"''-;;::''-`-,,
      ,,-''::::二-''"     .--i|     .|i          "- ;;:::`、
    ._,-"::::/    ̄"''---  i|     |i            ヽ::::i
    .(:::::{:(i(____         i|     .|i          _,,-':/:::}
     `''-,_ヽ:::::''- ,,__,,,, _______i|      .|i--__,,----..--'''":::::ノ,,-'
       "--;;;;;;;;;;;;;;;;;""''--;;i|      .|i二;;;;;::---;;;;;;;::--''"~
               ̄ ̄"..i|       .|i
                 .i|        |i
                 i|        |i
                 .i|          .|i
                .i|           |i
               .i|      ,,-、 、  |i
               i|      ノ::::i:::トiヽ、_.|i
           _,,  i|/"ヽ/:iヽ!::::::::ノ:::::Λ::::ヽ|i__n、ト、
     ,,/^ヽ,-''":::i/::::::::/:::::|i/;;;;;;/::::;;;;ノ⌒ヽノ::::::::::::ヽ,_Λ
     ;;;;;;:::::;;;;;;;;;;:::::;;;;;;;;:::/;;;;;;:::::::::;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::;;:;;;;:::ヽ

【テイルズ・オブ・モーメント 想いは広がっていく】

124 ◆P2O1FPP.Gg:2013/01/26(土) 04:33:29
投下終了です
タイトルは「想いはどこまでも広がっていく」で!
このロワに関われてすっごく楽しかったです!

125 ◆CAP.3FrrY.:2013/01/26(土) 05:18:13
投下します。

126いい感じのを見たら脱出させてやりたくなる男  ◆CAP.3FrrY.:2013/01/26(土) 05:19:21
元気に走り去ってゆく薄紫色の髪の女の子の背を見送ると、
中学生とは思えないふけ顔の背景キャラはその場にどかっと腰を下ろし、懐から煙草を取り出すと紫煙を燻らせた。

つい今しがた核爆弾の閃光と振動が世界を振るわせたばかりだが、プレイヤーのいなくなった公園の中は至ってのどかなものだ。
背景キャラのみんなは遊具で遊んだり、ベンチに座っておしゃべりしたり、決められたルートを歩き続けていたりする。
己の役目を果たした中学生とは思えないふけ顔のこの男もまた、そのルーチンワークに戻ろうとしていた。

「川田くん」

その彼に声をかける存在がいた。彼と同じクラスの女子で、一時はバトルロワイアルの中を共に駆けた仲間だ。

「典子さん」

そう呼ばれた少女――中川典子はそっと中学生とは思えないふけ顔の男――川田章吾の隣に座る。

「七原の傍にいなくていいのか?」
「ああ、秋也くんは落とし穴に落ちて死んじゃった」
「そ、そうか……それは残念なことをしたな」
「ううん、いいの」

川田は典子のそっけない答えに眉根を寄せる。
記憶が確かならば……いや、そんな断りを入れる必要もない。彼女と七原はとてもお似合いのカップルでいい雰囲気のはずだったのだ。

「そんなことよりも」
「ん?」
「どうして川田くんはあの女の子に脱出用の装置を渡しちゃったの?」
「あぁ、それか……」

典子の質問に川田は頭を掻く。典子がそっけないのはひょっとすると自分が脱出キットを手放してしまったからかもしれないと考えた。
本来ならば、これは目の前にいる典子、そして七原のために用意されたものだったのだから。

「……思ったんだ」
「え?」
「あいつを見てるとよ……いいロリだなって」
「川田くん……」

川田は顔を伏せる。
あまりにも恥ずかしい理由だった。強面で誰からも只者(中学生)には見えないと言われる自分が、本当は幼女フェチのペド野郎だなんて。
そんな理由で仲間を裏切り貴重な脱出キットを手放すだなんて、温厚な典子さんも助走をつけてS&Wで川田をズガンするレベルだろう。

「川田くんのその気持ち……わかる気がする」
「えっ?」

しかし彼女の反応は意外にもその逆だった。怒るよりも、むしろ温かな笑みを浮かべ、まるで川田の行いを賞賛しているようでもあった。
そして彼女は懐から一冊のスケッチブックを取り出すと川田に差し出す。それを開いて川田はあっと声をあげた。

「これは……、さっきのロリじゃねぇか」
「そう。川田くんに会えたのは彼女を追ってたからなの」

そこに描かれていたのはさっきまでここにいたあの薄紫の髪をした少女の姿だった。それが何枚もスケッチされ、色が塗られている。

「けど、この絵は未完成なんじゃないか……? “服”が描かれていない。もっとも、そのほうが俺にとっては魅力的だがよ」
「彼女の後ろを走りながら描いてたしね。ちょっと服までは手が回らなかったんだ」
「でもまぁ、裸のほうがいいっていうか、芸術っぽくていいんじゃねぇか? むしろ、裸ばっかりのほうが」
「川田くん!」

典子の声に川田は自分が興奮しすぎて失言をしたことに気づいた。本音がぽろっとむき出しだ。
これでは典子に軽蔑される。そう思った。その上でクラス中にこの話を広められ、川田ロリコン説が定着しいじめられるとまで思った。

127いい感じのを見たら脱出させてやりたくなる男  ◆CAP.3FrrY.:2013/01/26(土) 05:19:51
しかし――

「わかってるじゃない!」
「えっ!」

――その杞憂はまたしても覆された。
典子はそんな川田の発言を嫌悪するどころか、むしろ仲間を見つけたとばかりに目を爛々と輝かせている。
彼女は川田の手を取り言う。

「私、絵本作家になりたって言ったよね?」
「ああ、それが夢なんだよな……、アメリカに渡ったら七原はロックミュージシャンになって、典子さんは絵本作家に……」
「うん、だから川田くんがアメリカに送ってくれるって言ってくれた時は渡りに船だと思ったの」
「そうなのか……? 絵本作家は別に大東亜共和国の中でもできないことじゃないぞ?」

典子は目を瞑り首を振る。

「駄目なの……私の絵本は、私の描きたい絵本は、『幼女ポルノ絵本』なんだから」
「えっ」

川田は絶句した。それは普通にアメリカで描いても怒られるっていうか、むしろ怒られる。

「じゃあ、私行くね」
「どこに行くんだ……?」

それは愚問だったかもしれない。

「もちろん、あの褐色ロリの後を追うのよ。川田くんもどうかな?」
「い、いや……俺はいいぜ。俺はここにいる」
「そっか……」
「すまないな。最後まで付き合ってられなくてよ」
「いいよ。川田くんには一杯感謝してるから。そのスケッチブックは記念にあげるね。私まだまだ持ってるし」
「ああ、ありがとう。大事に使わせてもらう」

そして、典子は川田の傍を離れ、薄紫の髪の女の子の去ったほうへと走っていった。
川田はそれを見送り、ゆっくりと時間をかけて煙草を吸うとポケットから吸殻入れを出してその中にしまい、草原に寝転がった。

「ほんとはついていきたかったんだが、よ…………」

川田の声が震え出す。

「お、俺はここまで、みたいだぜ…………」

実はさきほどスケッチブックに描かれたロリの裸を見た衝撃で、桐山に撃たれた傷が開いてしまっていたのだった。

「やっぱ、褐色とロリの組み合わせは、最高だよな…………」

川田の手からスケッチブックが落ちる。そしてそれもう誰にも拾われることはなかった。






【中学生とは思えないふけ顔の背景キャラ@バトルロワイアル 死亡】


 ■


一方、幼女を追って立ち去った中川典子とは言うと世界崩壊のドサクサにまぎれてウェブ上に脱出し念願の渡米を果たしていた。

「ここがアメリカ! 川田くんの言っていた自由の国ね!」






【中川典子@バトルロワイアル 渡米】

128 ◆CAP.3FrrY.:2013/01/26(土) 05:20:34
投下終了です!

129この世の果てで少女は唄う ◆25KJkkH23Y:2013/01/26(土) 05:33:19
まとめてになっちゃうけど感想百烈拳!

完結おめでとうございます!
よもやの熱くてシリアスなハッピーエンド!
しかもぶるらじとかブレイブルーの設定とかこれまでのリレーとか原作とか色々ネタ拾いまくりのまさに集大成!
闘劇勢がすんげえかっこよかったり、ほむらとリッドが生きていたり、ノアなどの裏が見れたりで大満足でした!
ほむらの暗号解読も楽しかったです!

そしてエピローグラッシュ!
マイケル自重せい! ほむらちゃんが楽しそうで何よりです!

出禁コンビはあいつらはあいつらなりに元気に生きてるしw

何やってんだよ、リロイ! でもそっか、OPの建前がひょうたんからこまかー! 復活おめ!

あんたは確かに大活躍だったよ、AAw

不完全燃焼だからってネタにされすぎだ、枸雅匡平関係w

と思ったら霧お前の仕業かよ! お前も黒幕に一枚噛んでたんかよ!

モーメントちゃん何変な能力あげてるんすかw ってかお前らほぼ関係ないだろ、野球勢w

アンバーはほんと立役者だったよなーw ほむらと是非タッグで遊んでね!

デスブログ、確かに罪状ものですなあ(ゲス顔

マクシームこっちくんなw 助けてモーメントー!

死者スレ風味でワロタw 良い感じにまとまるように見えて最後オメガかい!

文字通り、無限でMUGENな世界に残ったか。記憶にもゲームにも

とりあえずモバージュざまあw レア度引き下げはマジ勘弁なんでもっとむしられろ

あいつをっつうか、あいつで殴りたいよ!

なんか色々解き放たれすぎだよ、このロワ! マグロ、お前もかー!

リア充爆発しろ。ガールフレンドにほむほむとも顔なじみになるとは! でもいいボーイミーツガール風味な青春ストーリーでした!

遂にフィールドまで擬人化して解き放たれた件

そっか、メタでも作中の外の世界だけでなく、物語の世界にまで想いは広がってってるんだな、よかった

あの絵を書いた人物、つまり、◆CAP.3FrrY.氏の正体は典子!? 通過お前も背景か何かにいたのかよ!?

130 ◆fRBHCfnGJI:2013/01/26(土) 05:46:14
投下します

131 ◆fRBHCfnGJI:2013/01/26(土) 05:46:44


「…………普段は酒を飲らないんだが、今日だけは特別に飲りたい気分だ」
都内某所、高層ビルの一室。
ワイングラスを片手に外界を見下すは緑髪の男。

「ほんの少しだ、ほんの少しだけ……あの音声ファイル指定ミスを起こさせてやることで、
あの著作権料集金装置<バトル・ロワイアル>は見事、私のために働いてくれた」

アルコールに酔うことはなく、ただ己に酔いながら独白を続ける。
口取りは傲慢で、しかし人間味を伺わせないものであった。
いや、人間と呼べる存在ではないのだろう。
彼が言葉を放つと同時にうねうねと波動く緑髪は触手の様相を呈していた。
彼の名は――いや、いいだろう。
ただ、一つ明らかなのは彼こそがJASRACという"冷血"に著作権料を集金する"党"の長であるということだけ。

「彼女達のように、あの機械じかけの神のように、現実と虚構は混ざりあい、
そしてほんの少し――ほんの少しだけ、世界のバランスは崩れようとしている
核戦争が、あるいは新たなるノアが、もしくは転生の日が、またはワルプルギスの夜が、
いや、突然に神のゲームが、あるいは電子世界では無く現実で政府主導による殺し合いが行われるかもしれない」

天上人の独白は、地上の民には聞こえない。

「聖櫃<アーク>……方舟<ノア>……ならば次は……ならば次は何が来る?何を騙る?
最も、全ては私のために捧げられる事となるのだがな…………」

ただ――

「さて、これから新世界を祝って盛大な花火を打ち上げてやるとするか…………ギンスキー一族ッ!
因果応報……精々、輝かしい芸術に成れることを喜んで、この世界から消滅するが良いッ!」

言葉は届かずとも、裁きの雷は届く。
部屋の片隅のワープゾーンより、巨大潜水艦ジャガン・ナートへと移動したJASRACの長は、某国巨大シェルターへとミサイルを放たんとする。

巨大シェルターに暮らすとある一族と、JASRACの長の因縁、
放たれたミサイルの結末、
そして、巨大シェルター防衛のために動き出した巨大ロボ。

ここまで語っておいてなんだが、
それらは全て、このバトルロワイアルと関係はなかった。

そして、更に言うのならば――

とあるバグによって、ミサイルの発射自体が阻止されようとしていたのである――――

132 ◆fRBHCfnGJI:2013/01/26(土) 05:47:14



桐山和雄は背景キャラである。
更に言うのならば、かなり空気の方の背景キャラである。
他の背景キャラとは違い、殺されることもなく、喋ることもなく、ただただ背景としてコインを弾き続けていた。
原作での彼は殺し合いに乗るか反るかをコインの出た面で決めていた、
ならば、コインを弾き続けている彼は、表裏を永遠に曖昧にしたままでいるのだろう、
殺し合いに乗ることも反抗することもせず、永遠の中立者で在り続けたのであろう。
本来ならば。

この殺し合いの打破は、彼のような背景キャラにも大きな影響を――否、ほんの少しの風を与えた。
ただ、ただ、ほんの少しの風。
彼がコインを受け取るのに失敗する、ただそれだけの風。
コインが地面に落ち、表裏がはっきりするだけの風。


コインは表だった。





風が吹____



消えていく世界の中でかr____

「表が出t____

133 ◆fRBHCfnGJI:2013/01/26(土) 05:47:46

      ,.f" i :;l '"/ '"/,,..ニ、:;;:;:;:;:;\
      f" ゞ ` |r"'''"~^" : : : `!;:;:;:;:;:;:;ヽ            __
      !;;r'''"~ /       : : : ::`ミ:;;:;:;:;:;i,       _,. ィニ二三二ニヽ
      ll| ,.-'"       _,,..-  : ::ヾ:;:;:;:;:;}....__,.ィニ´三二ニニ==-.∠> 、  ________
    ,!;|        ,,r:''"    : :`i;:;:;:;:_! :.::.::.::.:.:.:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:_::. -‐` ̄_ -─,. -‐ ´
    i;;| ''''''==、  :'" /fフ~フ" : : : :Y;/,.`!..゙丶、  ` ヽ   : .: ; ィ´_,. -‐_´_ -‐ /:丶.____
     !l, ィTフ''; |   ` '''''"   : : ::;|! :i i!....  ヽ   ヽ  ,∠. ィ´_ - ニ -‐ ´/.:..:..:.:.::.::`::.:.、 ̄二冖-,         !?
     ', ー ''" ,!        . . : ::::l! ノ,!二ニー;.     丶  ` ヾ<´.-‐ ´/   : : : .:..:..:.:.::.::`:丶 `二|
      :i    i `ニヽ    . . : : ::::| _,.ル=''" |  ヽ     \     }彡' ´        : .:..:.:.::.::.::`ヽL
      :!    ゞ '~"      ,. -',".-''"  :  |.    \    ヽ                : .:..:.:.::.::.::.:`:.、
       ヽ   ,r==-、   ,ィ'r         |.     }     i                     : .:.:.::.::.::`:.、
        ヽ   ` '''' "   ,! ,'         |.    /       !                     : .:..:.:::.::.丶
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       ,.ィノレ"|`:、    ,.-1 ,'       ,. '",  ´           j                           : .:.:.::.::\
         |  `ー-‐'" ,! ,'     ,. -' -'".   _______.. - ´                           : .:.::.::ヽ
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                                     ',. ', \ヽ/                 \ \ `丶> ´    `丶、  :.::jゝ、ー-- ..__
                                     ヽ 丶ヽ /                    \ ``/           iゝ、.:.:!ゝ、ゝニ=ー`丶
                                        \`'/                   ``            j }、`、ヽ_ソゝー=ニゝヾヽ
                                           `′                               / / j ゝ'´       ̄ `ヽゝ
                                                                      / /ィ/
                                                                         {, イ /
                                                                        レ/
                                                                          j/

134 ◆fRBHCfnGJI:2013/01/26(土) 05:48:20

.... ,.f" i :;l '"/ '"/,,..ニ、:;;:;:;:;:;\
 f" ゞ ` |r"'''"~^" : : : `!;:;:;:;:;:;:;ヽ            __
 !;;r'''"~ /       : : : ::`ミ:;;:;:;:;:;i,       _,. ィニ二三二ニヽ
 ll| ,.-'"       _,,..-  : ::ヾ:;:;:;:;:;}....__,.ィニ´三二ニニ==-.∠> 、  ________
.゙,!;|        ,,r:''"    : :`i;:;:;:;:_!..゙┌───────────────────────┐
.゙i;;| ''''''==、  :'" /fフ~フ" : : : :Y;/,.`!゙│くっそ適当な改変で新安価ロワのwikiに載る……と。 ....│
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                                   \`'/                   ``            j }、`、ヽ_ソゝー=ニゝヾヽ
                                      `′                               / / j ゝ'´       ̄ `ヽゝ
                                                                       / /ィ/
                                                                    {, イ /
                                                                   レ/
                                                                     j/

135躊躇なくパクる姿勢 ◆fRBHCfnGJI:2013/01/26(土) 05:48:50



こうして色々頑張って脱出した桐山もまた、ネットの海へと泳ぎだしたのである。
その結果、ジャガン・ナートのミサイル発射装置へと移動することとなり、
ミサイル発射を食い止め、結果的に世界を救うこととなるのだが――

やはり、このバトルロワイアルと関係はなかった。

【桐ヤマグロ 和雄 JASRACとの死闘を繰り広げる】

136躊躇なくパクる姿勢 ◆fRBHCfnGJI:2013/01/26(土) 05:49:20
投下終了します

137名無しさん:2013/01/26(土) 08:48:37
くっそwwwwくっそwwww
朝おきたら一気に最終回プラスエピローグラッシュとかwwww
数多すぎて全部感想書くとかする気は失せたけどすっげえ楽しかったwwwww

138 ◆CAP.3FrrY.:2013/01/26(土) 09:23:45
投下します。

139 ◆CAP.3FrrY.:2013/01/26(土) 09:24:17
少女のすぐ目の前でその男は死んだ。

鋼のような筋肉に肩パットをつけた精悍な顔立ちのいかにも屈強そうなその男は、しかしあっけなく死んでしまった。
顎のすぐ下が爆発しバラバラになった頭といっしょに鮮血があたりに飛び散った。少し間をあけて男の身体がかしぎ床の上に倒れる。

少女は悲鳴をあげ、そして何が起こったのかわからずに困惑した。
男が死んでからどれくらい経ったろう。目の前の画面に『GAMEOVER』と表示されてようやく少女はなにが起こったのかを理解した。
彼女の後ろで彼女よりも大きな男らが一様にクソゲークソゲーと連呼している。
まだ幼い――小学3年生でしかない彼女にその言葉の意味はわからず、ただ責められているように感じられて席を立つ。

逃げるように人垣をかきわけて筐体から離れ、そして歓声と怒号の飛び交うそちらへと振り返る。
彼女の小さな背では大人達の向こうにある画面をとても見ることはできない。
熱狂的な喧騒が怖いこともあり、少女はすこしするとゲームセンターを出て家路へとついた。



少し霧の出ている中を少女はとぼとぼと歩く。
彼女は幼いがゲーマーを自負している。クラスの中じゃ男子相手でもどんなゲームでも負けたことはないし、ゲーセンにだって通っている。
ネットも携帯ももってないので情報には疎いが、今日の新作ゲームのロケテストのことはゲーセンに張り出されていたポスターで知った。
それをクラスのみんなにも教えて、しり込みするみんなに「お子様だね」と見栄を切って彼女は今日あそこに行ったのだ。

1プレイ500円というのは驚いたが、しかし引っ込みもつかなかったので彼女は筐体の前に座った。そして、“ああ”なった。
じわりと目尻に涙が浮かぶ。
500円は彼女のもっていたお小遣いの全額だ。しかし、それよりも明日、学校に行ったらみんなにどう言おうかそれが怖かった。
大見得を切って、大人相手でも勝ってくると言ってきたのだ。それがなにもしないうちに理不尽にゲームオーバーになってしまった。
そして恥ずかしさと怖さで逃げ出してきてしまったからゲームのことも全然わかってないに等しい。
なんて言おうか、いっそ病気で行けなかったと言い訳すればいいだろうか。でもそれでも馬鹿にされそうな気がする。

もう一度戻ろうか。そう思い彼女は道を振り返る。
しかしいつの間にかに霧は濃くなっている。
こんな濃い霧を、いや霧そのものを見るのが初めての彼女は恐ろしくなり、家のある方向へと走った。



その晩。宿題を終え、明日の用意を済ませた少女はベッドの上で未だに暗鬱とした表情を浮かべていた。
結局、なにもいい案は思い浮かんでいない。
明日学校に行けば新作ゲームのことを絶対に聞かれる。そしてなにも答えることができない自分に皆はがっかりし、そして笑い出すだろう。
とくに普段馬鹿にしてた男子からは言われるはずだ。
喧嘩にもなるかもしれない。そうしたら先生に怒られるかも。親にひとりでゲーセンに行ったことがばれるかもしれない。

ぐすっと鼻をすする。最悪のことを考えるとぼろぼろと涙がこぼれてきていた。悲しくてなさけなくて、なによりくやしかった。
わたしは悪くない。悪いのは変なゲームだ。変なゲームを作ったやつだ。
少女はまくらを叩く。ボフっというそれをくりかえしくりかえし叩いた。ボフボフと感情のままに叩き続ける。
悪いのは変なゲームを作ったやつ。その怒りが焦点をあわせ、集中してなにかの力になろうとしていた。

その時、とんとんと窓を叩く音が少女の耳に届いた。少女が振り返ると窓の外の霧はすっかり晴れていて、そこに一匹の猫がいた。

140 ◆CAP.3FrrY.:2013/01/26(土) 09:26:01
「やぁ、こんばんわ」

その猫は少女が窓を開けると部屋の中に入ってきて、驚いたことに喋り出した。
しかし本当は猫ではないのかもしれない。その白い猫はからだに赤い模様があり、耳がウサギのように長くたれていた。

「ボクの名前はキュウべえ」

そして猫はキュウべえと名乗った。

「君の気持ちはよくわかるよ。ボクも同じ苦渋を味わったからね。本当に人を馬鹿にした話もあったもんだよ」

クジュウの意味はわからなかったが、少女はこの猫が自分に同情しているのだということは理解した。

「そこで……というわけでもないんだけど、キミに提案があるんだ」

少女は猫の言葉にうんと頷く。

「ボクと契約して魔法少女になってよ!」

猫の言葉に少女は目をこすってほっぺたをつねった。まるで夢を見ているような話だ。

「魔法少女になってくれたら、ボクはキミの願いをなんでも叶えることができる。キミの願いはなんだい? なんだって叶えるよ」

なんでも願いが叶う。その言葉に少女は考えて考えて、考えて――……



「500円ほしい」

そう答えた。それが今彼女が思いつく一番叶えてほしい願いだった。

「もっと、大きなことを願ってもいいんだよ?」
「えっと……うーん、…………じゃあ1000円でもいい?」

少女はそう言って窓際にいる猫の顔を伺う。猫は無表情だった。

「どうせならもっと大きな願いを叶えないかな? 人間、夢は大きいに限るよ」
「じゃ、じゃあ……5000円!」

猫の耳がパタパタと足元を叩く。

「もっとさ。キミにはとても大きな無限の可能性があるんだ。もっと大きな願いも叶えられる」
「6000円でもいいの……?」

少し長い間ふたりの間に沈黙が流れた。

「感情をもたないボクがこんなことを思うのもおかしいけど……キミは魔法少女にならないほうがいいって思うよ」
「そう、なの……?」
「キミの中に眠る力を見逃すのは惜しいけどね。でもキミのような子を魔法少女にするべきではないと思う。
 論理的に理由付けするなら、おそらくキミはその力を十全に発揮しないだろうし、エネルギーへと転化する量も少ないだろう。
 つまり、今ここで魔法少女になってもらっても効率が悪い。それはキミがもっと大きくなってからだ――というところかな」
「よくわかんないんだけど……」
「まだキミが小さいってことさ。いろいろな意味でね」
「そっか……」

猫はくるりとからだの向きを変えると開いた窓からまた出て行こうとする。だが、立ち去る前に顔だけ振り向き言葉を残した。

「キミの中にはどんなピンチも乗り越えられる力が眠っている。それを決して忘れないで」



翌朝。学校へと向かう少女は道路をたくさんのパトカーが走っているのを見つけた。
気になって少しその方向へと寄り道すると、パトカーは全部あのゲームセンターの前に止まっていた。

なにかはわからないけど、悪いやつは警察につかまったのだと思った。

そして、彼女は足取り軽く学校へ向かう。自分にはどんなピンチも乗り越えられる力が眠っている。もうなにも怖くない。


【ケンシロウのプレイヤーだった女の子 今日も元気に学校に行きます】
【キュウべえ@魔法少女おりこ☆マギカ 夢でも見たんじゃないかな?】

141 ◆CAP.3FrrY.:2013/01/26(土) 09:26:32
投下終了です。

142名無しさん:2013/01/26(土) 12:01:37
最終回アンドエピローグラッシュ乙です!

143 ◆nucQuP5m3Y:2013/01/26(土) 12:12:13
エピローグラッシュお疲れです!広がり続ける新安価の世界観すごい!
完結記念に支援絵を描いたので投下します!
ttp://twitter.com/6daime/status/295005625388249089/photo/1

144名無しさん:2013/01/26(土) 12:15:13
全キャラエピローグある勢いとか豪華すぎるwww

145 ◆Z9iNYeY9a2:2013/01/26(土) 14:39:04
投下します

146そんなパラレルワールドもいいよね! ◆Z9iNYeY9a2:2013/01/26(土) 14:40:51
                       _ ____
                   , . : ´ : : : : : : :`丶、
                    , :´: : :.:.l: : : : : : : : : : ヽ\
                 /: : : : / :l: : : : : :\: : : : :\\
                  /. : : : / :∧.: :\: : :.|: : : : :i: :i: :ヽ        /´ ̄ ̄ ̄\
                   {: : : : `メ、_」: : : |\_| イ: : }:.:.l: : :l         /
                ノ: : :i: :Vx==ミ     x==ト、V: :.:l: : :ト、       | 残 ロ
               イ: : l: :V r:::::i     r.::::i V.:: :l ): ト、〉        | 念 ボ
                    l : :∩ ト弋ツ  ,  弋ツノ : :./: /ハ         | ! カ
                ヽ: :| L_' ' ' '  _ ' ' ' ' ' l.:/: //l l     _ノ  私 イ
               , ‐‐─ヽ|  _ニユ ヽ  _ノ   <l/: // リ     ̄ヽ  は か
            {      ヽ ニニ ヽ`二 ´ノ:ノレイ: //           |  南 と
            _レ´      )   `J::「:「::::::`ヽ  `ヽ           |  斗 思
          _ノ _ _ r ´ ̄\ _ノ:::: イハ:::::::::〈   i          |  白 っ
         /´      |       ノ イ::i::L: :ト、:::::::}    }             |  鷺 た
          /         |   /  |:::|   |::i\ノ   ヽ         |  拳 か
        \_ _  イ\/    L」   Li }    ノ         |  の ?
      / ̄ \──-イ. : : : . . . . . イ: . . . . . .:ノ   /           |  シ  
      〈    \: : . : : : : .      . : : : イ    /             |  ュ  
      「 ̄ ̄ ̄  ̄〃  \        /      .               |  ウ
     | . : . : . : . //           イ   i                   |  だ
                                          \____/

147そんなパラレルワールドもいいよね! ◆Z9iNYeY9a2:2013/01/26(土) 14:41:37



「終わったんだな、ほむら…」

崩壊していく世界を眺めながら、背景キャラである佐倉杏子は呟く。
え?殺されたはずだって?背景キャラなんだしいいじゃん。不満があるならロッソ・ファンタズマで納得しておいてね。

「あたしも出たかった…」

走馬灯というやつなのだろうか。
佐倉杏子というプレイヤーキャラを作ろうという意見はゲーム製作中には一つも出てこなかったという裏事情がはっきり聞こえてしまった。
やりきれない思いが募り、つい大声を上げてしまった。

「アークのバカヤローーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」

「うむ、その気持ち、よく分かるぞ少女よ」

声が聞こえて振り向く。
そこには自分と同年代くらいの青髪の少女がいた。
あったことがあるような気はするが、おりマギ出典の杏子が知っていてはいけない気がしたのでスルーした。

「え、誰?」
「私は南斗白鷺拳のシュウ。今はわけあってこんな体だがれっきとした男だ」

そうキタエリボイズで喋るシュウ。
さやかの絵自体は没データの中にあった。そこにゲームに出たいと願うシュウの執念が合わさったことでこうやってさやかの体を持ったシュウが生まれたのだった。
おそらくはノア崩壊の影響もあるのだろう。

「私はれっきとした南斗六聖拳の一人。なのにアークは私を出場させてはくれなかった…。ハートさm…、うん、ハート様すらも出ているというのに…」
「あー…」
「私の出番自体はあるだと?誰が聖帝十字陵の上で死に掛けている姿を望んだというのだ…」

嘆くシュウに、声をかけることもできない。
背景キャラのまま出られず10年。そんな男(?)の嘆きがあまりに大きかった。
もしこの肉体が魔法少女契約していたらソウルジェムは即効で濁っていただろう。

148そんなパラレルワールドもいいよね! ◆Z9iNYeY9a2:2013/01/26(土) 14:43:04
「諦めないで!!」

突如聞こえた機械音の混じった声。
そこに目の前に現れたのは機械仕掛けの体のドットを持つキャラ。
このゲームにおける美樹さやかである。

「奇跡も、魔法も、あるんだよ!諦めなければきっと願いは叶うよ!あと体と声返して」
「そう願い続けて10年近く、このゲームですらも没データに放り込まれたのだ…。背景キャラにすらなれず…。
 こんな私に今更どんな希望があるというのだ…」
「おっさん…」

マザーコンピューターが破壊されなければ出ることすらもできなかった。
そんな自分が今更希望を持つ事などできないとorzの態勢で嘆く。
「その態勢止めて!パンツ見えちゃうから!あと声と体返して!」

「大丈夫だよ」

しかし、神はいた。え?式にバラされた?知らんなぁ。
空を見ると、そこにはハイパーアルティメットまどかが彼等の姿を優しい視線で見つめていた。

「大丈夫、きっと大丈夫。信じようよ。
 だって魔法少女はさ、夢と希望を叶えるものなんだから」
「私にも、こんな私にもまだ希望は残されているのか…?」
「ちょっと待って!私の体で何するの!あと声と体返して!」
「ほむらちゃんも頑張ったんだよ。頑張って頑張って、最後にはその頑張ったご褒美があったんだよ。
 だから、諦めずに頑張ろうよ。きっといいことがあるよ」
「そうだ、シュウ」

はっと声が聞こえてきて振り向くシュウ。
そこにはケンシロウが、かつては最期の時しか見ることができなかったケンシロウの姿があった。
それだけではない。その後ろにはリンが、バットが、トキが、ラオウが、レイが、シンが、椅子に座りそっぽを向いたままのユリアが、台車に座るサウザーすらも穏やかな瞳でサウザーを見つめていた。

149そんなパラレルワールドもいいよね! ◆Z9iNYeY9a2:2013/01/26(土) 14:44:16
「ケンシロウ…」
「シュウ、いつか俺と共にバスケの性能を競おう」
「…フ、フフフフ、どうかな。私がやるとサッカーになってしまうかもしれんぞ?」
「あたしにも、希望はあるのかな…」
「私達はまず格ゲーが出るかどうかが分かんないけどねぇ。それと体と声返して!」
「みんな、ありがとう。そして少女達よ、希望を捨てずに、強く生きるのだ…!」
「ウェヒヒ♪」
「なんか元気が出てきた。こっちこそありがとな」
「こんな身体で抱き締めてなんて言えない。キスしてなんて言えないよ…」

そして限界を迎えて消滅していく世界。
しかしそれを恐れるものは一人もいなかった。皆が、明日への希望に満ち満ちた表情を浮かべ。
旅立つまどかを見送りながら、彼らは消滅した。



とあるパラレルワールド――――

「遅ーーーい!約束の時間からもう10分も過ぎてんじゃん!」
「しょうがねえだろ、電車賃無くて走ってきたんだから」
「全くもう…。じゃあ行こっか」
「今日はどこへいくんだっけ?」
「だから言ったじゃん。ゲーセンだって。あんたはよく行ってるから珍しくもないかもしれないけどさ。
 なんでもア○クって会社が新作のゲーム出したって聞いて興味出ちゃって」
「どんなゲームなんだよ?」
「なんでもギルティギアと北斗の拳をコラボした全く新しい格ゲーなんだって。聞いた話だとロケテもすっ飛ばして導入したとか。
 くぅ〜〜〜〜〜〜〜、この露骨に香るクソゲ臭がたまらない!」
「だ、大丈夫なのかよそれ…」
「まあ問題ないでしょ。仮にも有名ゲーム会社なんだしさ。
 お、あったあった。うわーすごい人気。あ、ちょっとこっち。ちょうど二つ空いてるよ!」
「へー、やっぱり北斗とギルティキャラは全員いるんだなぁ」
「もちろん!じゃあ私このロボカイでいくね」
「はえーよ!ちょっと待ってくれよ色々見てみたいんだからさぁ…。ん?何だこのキャラ…。
 こ…こいつはまさか、南斗白鷺拳の――――」



【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ また会える日を信じて】
【シュウ@AC北斗の拳 夢も希望もあるんだよ】

150 ◆Z9iNYeY9a2:2013/01/26(土) 14:44:55
投下終了します

151 ◆hqLsjDR84w:2013/01/26(土) 15:05:30
投下します。

152解せぬ ◆hqLsjDR84w:2013/01/26(土) 15:06:01
 
 
 あのロケテの真相が暴かれて、数日が経った。
 ぶっちゃけスクウェア・エニックス(以後スクエニ)は、最初からなんか怪しいなと思っていた。
 アーケードシーンの復活とか言ってるけど、これマジかと。
 アークシステムワークスを名乗ってはいるけど、これマジかと。
 だからまあ、あえてああいうキャラを提供したワケである。
 SaGaを軽く見ていたのではないが、魔界塔士SaGaから六キャラ提供してくれと言われて通常ああはならない。
 かみは鉄板、アシュラとデスマシーンもまあうんくらいだが、他の三キャラはありえない。
 普通なら入らない。
 つるぎのおうとか、クッソみたいな序盤キャラだし。
 そうちょうと村一番の美人とか、そもそも戦闘キャラじゃねーし。
 うん、あえてそうしたのだ。
 怪しかったから。
 マジで半端なく、スッゲー怪しかったから。

 だからそうしたというのに――おかしなことになっていた。

『あんなあからさまに怪しいゲームに、あんだけメインキャラ提供する角川って懐広いわ』

『それ言うならカプコンもじゃね?』

『集英社もメインキャラかなり提供してるよ』

『それに比べて、スクエニはよォ!!』

 以上がとあるネット掲示板の書き込みである。
 しかしその掲示板特有の風潮ではなく、ゲーム界隈全体にこんな風潮ができていた。
 おかしい、こんなことは許されない。
 あからさまに怪しいから、あえてああいうキャラ提供にしたというのに。
 こんなことなら、素直にメインキャラ渡すべきだったのだろうか。
 ワケの分からんアークを騙った会社のせいで、スクエニ上層部はしばらく悩まされることになったという。



【スクウェア・エニックス なぜか評判が下がる】

153 ◆hqLsjDR84w:2013/01/26(土) 15:06:41
投下完了です。
誤字、脱字、その他ありましたら、指摘してください。

154 ◆GOn9rNo1ts:2013/01/26(土) 15:27:32
投下します

155あ、筆者は杏子ちゃんスキーだからその辺誤解すんなよ  ◆GOn9rNo1ts:2013/01/26(土) 15:28:35
男は、格ゲーが好きだった。

男は、魔法少女まどか☆マギカが好きだった。

男は、美樹さやかのことが――――


☆   ☆   ☆


アーケードゲーム"バトル・ロワイアル(仮)"ロケテスト当日。早朝5時。
彼は自分のアパートで古臭いノートパソコンに噛り付いていた。

「おいおいマジかよ……」

血走った目で彼が見ているのは、とある掲示板サイトのとあるスレだった。
既にパート数は二ケタに上り、更新すれば必ず誰かが書き込んでいるという大盛況なスレッド。
【アークが新作ゲームを出すらしい】
Part1から連なる混沌な流れは今もその勢いを途絶えさせることなく。

「なんだこれは、たまげたなぁ……」
「参戦作品のラインナップおかしくね?」
「なんでや、神作品だらけやろ!」
「バスケしようぜ、お前QBな」
「一撃必殺ってやっぱりテーレッテーなのかな。コノメニウ―とかカワシタヤーもねえかな」
「やっぱりアークって神だわ」
「流石におかしいって。これアーク本社に問い合わせたやついるの?」
「んな野暮な真似するやついるかよwwwww」

困惑、歓喜、考察、感謝、疑惑。草。
様々な感情が渦巻くネット上のキャンパスに、男は興奮の色を付け加えていく。

「美樹さやか参戦作品ってマジ!?」

どこぞから漏れた参戦キャラ一覧にて後光が差す(あくまで男目線の比喩表現である)名前が一つ。
美樹さやか。
彼が世界で最も愛する「嫁」であり、生きている意味でもあった。
今も四方八方の壁に貼られた大量のポスターの中から彼に向ってにっこり笑いかけてくれる、マイエンジェルだ。
まどマギを見すぎて会社に遅刻し上司からの説教を受けた時も、彼女の笑顔さえあれば元気になることが出来た。
連日の徹夜で無理が祟り身体を壊し、さやかちゃんのひっどい結末に精神を壊し、しばらく休めと事実上のクビを言い渡された時も、まどマギスレ、特にさやかちゃんのスレに張り付くことが出来ると思えば、不安を忘れることが出来た。
通販のたびに当然のごとく目減りしていく通帳残高も、彼女の偶像という神様からの贈り物(訳:関連商品のこと)を頂けると思えばもう何も怖くなかった。
男にとって美樹さやかちゃんは、それだけの意味を持った「嫁」なのだ。
F5を連打しながら机の上のねんどろいど、figmaのさやかちゃんを鑑賞しつつ、男のボルテージは最高潮に達しつつあった。

156あ、筆者は杏子ちゃんスキーだからその辺誤解すんなよ  ◆GOn9rNo1ts:2013/01/26(土) 15:29:10

「マジらしいよ、マジ」
「ちゃんとしたソースもあるよ、URLは(ry」
「なんでおりこ出展でさやかなの?杏子は?」
「どうせアプデでゆまと一緒に隠しキャラ扱いで登場するべ」
「さやかちゃんprpr」
「この選出をしたアークには抱かれても良い」

やっぱり本当なんだ!
さやかちゃん情報(訳:参加者情報のこと。男の目にはさやかちゃんしか映っていない)が出た時から一睡もせずにスレに居続けた男は、ここに来て絶頂を迎えた。
うおおおおおおお!!!と近所迷惑も考えずに大声を出し、壁ドンをくらいながらも。
男の興奮は止まらない。何しろあのアークの格闘ゲームに愛しい天使が降臨するのだ。

「…………さて」

しかし、流石のさやかちゃんキッチーなこの男も、所詮は人の枠から外れることのない存在。
スレ張り付きのために連日の徹夜をしたこともあり、流石に疲れが押し寄せてくる。
鉛のように重くなってくる瞼の裏で、男は残り少ない活動キャパシティを今日の予定の確認に当てる。
既に数少ない預金から連コのために10万を下ろした。
アンケを書くためにペンを20本は確保した。
会場である中野TRFは仕事をサボってAC北斗をプレイする常連店だったので、目を瞑っても辿り着くことが出来るだろう。

準備に抜かりはない。

だから、ちょっとだけ。


ちょっとだけなら……。


自作のさやかちゃん目覚ましをロケテの1時間前にセットしながら男はベッドに倒れこみ。


深い深い眠りに落ちた。



寝落ちはよくあることだし別にいいんだけど、大事な場面で寝坊だけは許しちゃいけないんだよなあ。



★   ★   ★



完璧に寝坊した。



というかもう丸一日経ってる。
ロケテなんてとっくの昔に終わっている。
死んだ、はい俺死んだー。

157あ、筆者は杏子ちゃんスキーだからその辺誤解すんなよ  ◆GOn9rNo1ts:2013/01/26(土) 15:29:44
さやかちゃんに触れるどころかその勇姿さえも拝めずぐうすかしてるとか。
馬鹿かと、アホかと。
マジ萎える。くっそ萎えたわーやってらんねーわー。くっそくっそ。

つーかなんなの。過去ログ見たら意味わかんないんだけど。


紅の豚さん即死?

核爆弾?

チートAI?


いや、良いよ。百歩譲ってそれは良いよ。

だってこれロケテだもん。アークだもん。調整入ること前提でしょ。

そんでもクソゲーとしか言いようがないっぽいけど、まあそれは今後どうにかなるでしょう。


でもさあ。


さ や か ち ゃ ん だ け は 絶 対 に 許 さ な い


なんだよ白黒って!金カラーとか言ってるけどお前白黒だろ!

スタッフどんだけてーぬいてんだよ、さやかちゃん嫌いなら出さなくても良いよ!

いやごめん言い過ぎたわ、出さなくても良いとか有り得ないです。

出してください、お願いします。できれば良調整の強キャラとして出していただければ百万貢ぎます。



はあああああああああああああああ!!!!!!??????




ロボカイイイイイイイイイイイ!!!!???????????




頭おかしいだろなんだよロボカイってさやかちゃんと何関係あんの色か色だなよーし分かった色なら仕方ない

158あ、筆者は杏子ちゃんスキーだからその辺誤解すんなよ  ◆GOn9rNo1ts:2013/01/26(土) 15:30:32



なわけねえええええええだろおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!



10兆歩譲っても地球一周しちゃって許せるわけねえええええええええええええええええ!!!!!!


あかん。あかんわ。

もういい。寝る。明日になればいいことあるさ。

バトルロワイヤルが本稼働した頃にはさやかちゃんがまともになってたらいいな。



☆   ☆   ☆  



その後、アーケードゲーム“バトルロワイヤル”が本稼働する日は、二度と来なかった。



★   ★   ★

159あ、筆者は杏子ちゃんスキーだからその辺誤解すんなよ  ◆GOn9rNo1ts:2013/01/26(土) 15:31:14



「ちょっといいかしら」

「……ああ、君か」

「貴方、さっきの試合で本気を出していなかったわね。舐めプ?」

「舐めプで50円投げ捨てる馬鹿がどこにいるんだよ」

「確かに、貴方は私に,蹂躙されたわ。星一つ取れずにストレート負けをした」

「なんだよ、嫌味言いに来たんなら帰ってくれ。俺は忙しいんだ」

「でも分かるわ。動きで分かる。修羅と戦ってきた私にはわかる。貴方は本当はもっと強い」

「お前に俺の何がわかんだよ!!!」

「…………」

「…………」

「……さやか」

「……あ?」

「貴方、試合中にずっとそう呟いてた」

「…………色々あったんだよ」

「話してくれない?」

「は?」

「もしかしたら私にも関係のあることかもしれない」

「いや、これは俺の問題であってだな」

「貴方のことが」

「うん?」

「貴方のことが気になるの」

160あ、筆者は杏子ちゃんスキーだからその辺誤解すんなよ  ◆GOn9rNo1ts:2013/01/26(土) 15:31:47

「…………ただの愚痴だぞ?」

「良いわ」

「……多分すっげえ引くぞ?」

「構わない」

「コミュ障だから、上手く伝えられる気がしない」

「お互い様よ」




その日、俺は溜まっていた何もかもを吐き出した。

彼女は全く上手い聞き手とは言えなかったけど、それでも誠意を持って聞いてくれている気がした。

帰り際、彼女は俺の手に50円玉を握らせながら。

「ごめんなさいとは言わないわ」

「でも、諦めないで。私も諦めなかった結果としてここにいる」

「努力が必ず報われるとは限らないけど、それでも挑み続けなければ何も生まれない」

「頑張って。私も、頑張るから」

そういって、ぎこちない笑顔で励ましてくれた。

何を言っているのかは良く分からなかったけれど。

救われた気がした。憑き物が落ちたように、すっきりした気持ちになれた。

……よし。

復職願い、出してみるかあ。

そう思いながら、俺はかつての職場。

『アークシステムワークス株式会社』へと、電話をかけ始めたのだった。


【さやかちゃんのプレイヤーになるはずだった男 社会復帰】

161あ、筆者は杏子ちゃんスキーだからその辺誤解すんなよ  ◆GOn9rNo1ts:2013/01/26(土) 15:32:19
……さやかちゃん一筋だったけど、ほむほむも良いなあ。

162 ◆GOn9rNo1ts:2013/01/26(土) 15:33:00
投下終了です
何かあったらお願いします

163 ◆oub/vvrBRg:2013/01/26(土) 15:54:45
投下します

164MELTY BLOOD ◆oub/vvrBRg:2013/01/26(土) 15:55:27
「バトル・ロワイアル(仮)は突然の電プチで終了した」
納得の出来ない人間が大半の結果で、あのゲームのロケテストは終了した。
だが、あの最終決戦は、QMZジャギvsGO1両儀式は誰もが熱狂した。
ゲームの垣根を越えた夢のような対決に、誰もが熱狂していた。
手に汗握る試合内容に、息を呑む展開に誰もが熱狂していた。
故に、その結末に納得できない者達が大半だった。
クソゲーでも良い、何ゲーでも良い、あの結末だけは見せてくれという者が大半だった。
もう、二度と見ることの無い夢の頂上決戦の結末を、誰もが見たがっていた。
しかし、その頂上決戦が"決着"していたことを知っている人間が二人いた。
電プチが起こったあの瞬間、ガッツポーズを取った二人の男は。
その試合ではない、違う勝利を確信していたからだ。

ゲームは破壊され、秩序と倫理は乱れ、様々な出来事が起こった。
格闘ゲームのプログラムとして記載されたものたちは、電源を失ってしまえば活動することはできない。
最後の最後まで、ただのプレイヤーキャラだったジャギはそのままプログラムとして死んで行った。
だがもう一人のほう、両儀式はどうだ?
彼女は第三の人格、それも植えつけられた知識が彼女を突き動かしていた。
植えつけられたそれはやがて強烈な自我を持ち、一時的に彼女を支配するにも至っていた。
そして、最後には彼女も"プレイヤーキャラ"になってしまった。

ゲームが崩壊する最後の最後。
入り混じったデータと芽生えた自我が固まりになり、それを本来の自我で上書きし。
電プチが起こる瞬間に"飛び出した者"が居た。



「ちわーす」
「おんちわっす」
「いやー大変でしたよほんとーに」
「あの後ア○ナにめっちゃ人来たんでしょ?」
「もう、しっちゃかめっちゃかでねぇ。大変ってレベルじゃなかったですよ」
「そりゃ、そうでしょw」

「まあ、でも伝説のゲームになっちゃいましたねー」
「ほんまにねー、いやー俺もやりたかったわー」
「しばらくこれで色んな人にドヤ顔しようと思いますwww」
「ま、僕もあの試合実況できたんでそこは満足っすね!」
「あれすっごいよかったですよー!」
「叫びすぎて次の日大会やっちゅーのに、声ガラガラになりましたもんwww」
「何やってんすかもうwwwwwww」

「ところで」
「はい」
「あの時、開幕位置ぐらいから両者前ジャンプしましたよね?」
「ええ」
「ぶっちゃけ、何を通すつもりだったんですか?」
「うーん……多分あのままお見合いで両者落下だったんじゃないかなァ」
「えっ!?」
「時間稼ぐのに必死だったんですよね、1、2ラウンド目も全部タイムオーバーギリギリだったでしょ?」
「そういや……なんか怪しいコンボルートやった気がする」
「ま、だから二人とも"どうやって時間稼ごうか"って考えだったんじゃないかなー」
「でも、なんでそんなこと……」
「知りたいですか?」
「うーん……」
「教えてあげません」
「なんやねんそれ!」
「ま、ナイショですよナイショ」

「あっ、あの子……」
「知ってるんですか?」
「いや、あの騒動の後からアテ○のメルブラ台に現れた子で……ここにも来るのか」
「っていうか、思ったんすけどめっちゃ似てません?」
「そうなんだよねぇ、まあ不思議なこともあんのかな」
「ていうかめっちゃ上手いじゃないですか!」
「最近始めた詐欺って感じだよね……さて、じゃあ乱入してきますわ」
「ああ、はいはい、行ってらっしゃいー」



アニメキャラにそっくりな謎の新規女子格闘ゲームプレイヤー。
それが現れたのは関東だけでなく、関西にも謎のプレイヤーが現れていた。
その姿は、赤いジャケットを着せれば正に――――

165 ◆oub/vvrBRg:2013/01/26(土) 15:55:59
投下終了です。

166名無しさん:2013/01/26(土) 17:31:44
台を通して広がっていく世界、いいですなぁ
ttp://dl1.getuploader.com/g/sousaku_2/195/とあるゲームから始まる物語.png

167名無しさん:2013/01/26(土) 17:32:19
ミスったw
ttp://dl1.getuploader.com/g/sousaku_2/195/.png

168 ◆Vj6e1anjAc:2013/01/26(土) 17:59:43
溝口KG分を投下します

169 ◆Vj6e1anjAc:2013/01/26(土) 18:00:36
「は!? キャラデザ、ですか!?」
 かのバトルロワイアル(仮)事件から、およそ数ヶ月が経った日のこと。
 人気イラストレーター・溝口KG(もちろんプライバシー保護のための仮名)は、スタバで素っ頓狂な声を上げていた。
「そうなんだ。アークさんからのたってのお願いでな」
「聞けば溝口さん、貴方は弊社の『北斗の拳』を、大層熱心にプレイなさっているとか」
 彼の向かい側に座っていたのは、電撃文庫の担当編集と、あのアークシステムワークスの社員の2人だ。
 先日のロケテに参加した際に、溝口が来ていたことを知ったアークの社員が、どうやら彼の格ゲー趣味について、色々と調べてきたらしい。
 結果、そのことが巡り巡って、アークの新作格闘ゲームのキャラクターデザイナーとして、溝口を指名してきたというのだ。
「ええ、まぁ、多少は」
「ニコニコ動画へ投稿された動画も拝見しました」
「いつぞやのアレだな」
「……はい」
 多少トゲの生えた担当の声音に、溝口はしゅんとした様子で答える。
 「(その動画が)担当さんに見つかったらワンチャン僕が浮かされるまである」とは溝口の言だが、どうやら本当に浮かされたらしい。
「溝口様が弊社のゲームを、それほどに愛していただけていることは、我々も大変喜ばしく思っております。
 だからこそ、弊社の開発する新作ゲームのキャラクターを、溝口様にデザインしていただきたいのです」
「ええっと、僕に依頼するってことは、アルカナハートのような萌え格ゲーということでしょうか」
「その通りです。
 不幸中の幸いという形にはなりましたが、あの事件がきっかけとなって、
 再びゲーム業界に、アーケードゲームの波が押し寄せつつあるのは事実です。
 これからアーケードシーンは、かつてそうだったように、熾烈な覇権争いを迎えることになるでしょう。
 その激戦区を勝ち残るためには、様々なニーズを取り入れた、多様なゲーム展開が必要となるのです」
 そして溝口KGには、その第一陣を担って欲しいのだと。
「貴方のゲームに対する愛情を、私達にお貸しください」
 熱のこもった願いだった。
 言葉は冷静なものだったが、アーク社員の下げた頭には、確かな情熱が感じ取れた。
 それだけの明確な熱意を、この人は自分に向けてくれているのだ。
「………」
 正直、涙が出そうになった。
 1人の格ゲーマーとして、コインを投じた幾星霜。
 積み重ねてきた強さと想いが、瞳の向こうでリフレインする。
 いつの間にか絵を描き始め、いつの間にか大人になった。
 絵を仕事とするようになってから、心のどこかの片隅では、こんな未来を思い描いていた。
 それが今、目の前にある。
 明確な熱と形を持って、夢見た未来がそこにある。
「……やりましょう!」
 断る理由などなかった。
 若干涙ぐんだ声で、溝口は力強く頷いた。
 夢を夢のままにして、眺めているだけの日々は終わったのだ。
 これまで積み重ねてきた愛の全てを、感謝と共にペンに込め、お返しする時が来たのだ。
 足しげく通ったゲームセンターに。
 切磋琢磨し合った修羅達に。
 最高の遊び場を与えてくれた、アークシステムワークスに。
 ゲーマー・溝口KGを支えてくれた、全ての人々に対して、恩返しをする時が来たことを、彼は確かに感じていた。



【溝口KG(ジョインジョイントキィのプレイヤー)@AC北斗の拳 新たな戦いのステージへ】

170 ◆Vj6e1anjAc:2013/01/26(土) 18:01:31
投下は以上です

タイトルは、「なお完成したゲームのゲームバランスは」でお願いします

171名無しさん:2013/01/26(土) 18:08:59
ホワタタタタタタタ!
感想まとめて!


JASRACがメタルマックスしてると思ったら桐ヤマグロに全部持ってかれたw

おかしい、なんかQBが良い奴に見える!? あまりにも子どもらしい願いを口にする女の子とQBのやり取りに和んだ。状態表もいいなー

シュウウウウウ! 言われてみれば確かにw ってかなるほど、さやかちゃんボディとボイスはそんなところにあったんだねw

スクエニはご愁傷様w なんだかんだで盛り上がってたしなあ、モーメント。他会社は良い宣伝できたかも?

そしてまたもやさやかちゃん関係w ほむほむは他の人エピでもいい味出してるなー。お前の愛がさやかちゃんを救うと信じてって、早速浮気!?

式は確かに本来のAIどうなったんだろとは思ってたんだよね。二人ってことは識の分もかな? GO1さん側も覗けて嬉しかった!

支援絵も乙〜。ってかそれかよw タイトルから想像スべきだったけど! まさか核爆発絵で泣きそうなになるとはなあ、背景のほむほむずるいよ

あのゲームは本当に関わった全ての人に色んな物を残したんだなあ。でも、タイトルで台無しになりまくってるよ、溝口さああん!

172 ◆Z9iNYeY9a2:2013/01/26(土) 19:16:15
すみません、大変な誤字があったので修正させてください
それだけではない。その後ろにはリンが、バットが、トキが、ラオウが、レイが、シンが、椅子に座りそっぽを向いたままのユリアが、台車に座るサウザーすらも穏やかな瞳でサウザーを見つめていた。

それだけではない。その後ろにはリンが、バットが、トキが、ラオウが、レイが、シンが、椅子に座りそっぽを向いたままのユリアが、台車に座るサウザーすらも穏やかな瞳でシュウを見つめていた。

173 ◆Z9iNYeY9a2:2013/01/26(土) 19:16:51
>>148の最期の部分です

174 ◆100ZZ542nE:2013/01/27(日) 03:23:54
投下します。

175青き野を 馳せる者へ  ◆100ZZ542nE:2013/01/27(日) 03:25:52


 ――西暦2046年。


 世界を軍事力で支配しようとした‘奴’が世界を支配していた。
 その“奴”を討つために、酷寒のキエフ帝都に一人、降り立っていた。
 これが最初の記憶。


 ――いつかの記憶。
 

 魔人、波蝕の鎧、宇宙を律する神に等しい存在などと呼ばれる者達と戦った。
 そういう任務だったから、戦った。その後に“奴”を狩ればいい。
  

 ――カプコンファイティングオールスターズ


 …すまんな、そんな記憶はない。 


 ――そして、いつだったか?

 最後の一人になるまで殺しあえと言われ、殺しに殺した。
 何故、殺したかは…決まっている。任務に戻るためだ。
 何の任務かは……決まっている。俺にしかできないことだから、俺がやる。
 だから……
 

 ――まだ、俺の任務は終わっていない。


 ――任務を、継続する。


 





【時は移り、西暦20XX年から遥か未来の超未来】

176青き野を 馳せる者へ  ◆100ZZ542nE:2013/01/27(日) 03:26:43
 

 物質界。
 第三の月の都(ザ・サードムーン)地球包括セクションにて……

「…貴様らの親玉の所へ連れて行ってもらおうか」
「あきらめろ、飛竜!」

 対峙する二人の青年がいた、
 一人はご存じストライダー飛竜。
 もう一人は……もう一人の特A級ストライダー……『飛燕』。

「俺達の…ストライダーズの戦いは、もう終わったんだ!」
「…終わった、だと? 『奴』はまだ生きている…俺も、貴様もな」

 一瞬で飛燕の懐に近づき……

「貴様と遊んでいるヒマはない」

 ――サイファーを二回ほど振る。
 防御はされたが、白い忍び装束の男は血に膝をついた。

 
「ぐ…飛竜、お前の終わりとは…」
「知れたことか…どちらかが死ぬまで、だ」
「飛竜、これ以上は無意味だ!
 この世界のすべてをお創りになったのはあの方なんだぞ…!
 この『第三の月の都(ザ・サードムーン)』も、地上も、国家も。ストライダーズも、
 ……俺も、おまえもだ! もう馬鹿な真似はよせ、飛竜!
 …戦友とは、戦いたくない…!」

 飛燕の心からの説得も……

「素人めいた言葉を吐くな」
「くっ!」

 飛竜は一蹴する。
 理由はシンプルであった。所謂、飛燕は裏切り者。
 ストライダーズを裏切り、一人で壊滅させた反逆者であるからだ。

「“奴”はどこだ……? 
 このセクションから動くはずがない」
「あのお方は…今、新たな世界を覗き込もうとしておられる。邪魔はさせん!」
「犯罪超人ジェノサイド…奴の研究成果か。興味がない」

 やることは変わらない。
 冥王の抹殺の任務を果たすだけだ。
 例え時と場所が変わっても、それだけは変わらない。

「それだけじゃない、今回の時空転移…
 それすらも、あのお方の掌の上で…!」
「だから貴様は飼い犬なのさ。
 言う気が無いならいい、……死ね」



 そして、飛竜は――――――――――――――――


 


【ストライダー飛竜 ナムカプ本編第22話『野を馳せる者』に続く】

177 ◆100ZZ542nE:2013/01/27(日) 03:27:22
投下終了です。

178 ◆Z9iNYeY9a2:2013/01/27(日) 17:28:14
投下します

179やっぱりリアル(現実)には勝てなかったよ… ◆Z9iNYeY9a2:2013/01/27(日) 17:29:20
「ふぁ…、ああ、よく寝たぁ…」

一人の少女が目覚める。
金髪でそれなりの長さになる髪をぼさぼさにした状態で、ふわっとした表情を浮かべている。
服のほうもだらしないもので豊満な胸が見えるか見えないかという状態にあるYシャツを着ているだけだ。

「おはようございます」
「おはようございます」

そんな彼女が最初に見たのは、修道服を着た少女。

顔を洗い、服を着替え、その少女の傍に座り、

「じゃあ、お願いできるかしら?」
「分かりました。『凶(まが)れ』」

そう言ったと同時、金髪の少女の髪付近に螺旋状の魔力が渦を巻き、その髪をくるくる状の形に整える。

「ありがとう、藤乃さん」
「気にしないでください。巴さん」

巴と呼ばれた少女、臙条巴――ではない、巴マミ。
藤乃と呼ばれた少女、浅上藤乃。
この2人が出会い、始めたこと。それは――

「では始めましょうか。反省会を」



「結局何がいけなかったのかしら?」
「飛竜さんにケンカ売ったことだと思います」

反省会終わり。

180やっぱりリアル(現実)には勝てなかったよ… ◆Z9iNYeY9a2:2013/01/27(日) 17:30:45

「そうね…じゃなくてっ!!!」バン
「台パンは怒られますよ」
「もっと根本的なところに問題があったと思うのよ」

気持ちが落ち着かないのか、ティーカップをカチカチさせながら紅茶をすするマミ。

「ほら、藤乃さんところの主役キャラ、格ゲーにも出演しているじゃない?
 やっぱり問題はそこだと私は思うのよ」
「メルブラですね」
「確かに藤乃さんじゃ格ゲー栄えはしないと思うけど、世の格ゲーを見てみなさい。
 非戦闘員にも格ゲー補正かかって戦えるようになるかもしれないじゃない?
 その点魔眼(イヴィルアイ)持ちの藤乃さんや魔法少女たる私、巴マミは可能性高いと思うわ!」
「なるほど。
 でもですよ?例えば、例えばです。そのゲームがクソゲーだったらどうします?」
「え?」
「私の知り合いの友人に、格ゲー出演者がいるんですけど。
 そのゲーム、とてつもない世紀末ゲーって言われるようになったんです」
「北斗以上に?」
「北斗どころかBASARAXを超えたって聞いてます」
「えー…」
「このゲームカプコン製らしいんですよね」
「なるほど、敵を知り、己を知ればとかいう孫子のアレね!」

そう言って藤乃はパソコンを取り出す。
Fate/unlimited codesの対戦動画が映っている。

「すごいわねこれ。言峰とセイバーが殴り合ってるなんて。
 うわっ…、このコンボ拾いすぎ…」
「巴さんFate分かるんですね」
「面白かったわ!熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)とか刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)とかなんて素晴らしい名前じゃない!」
「でもバランスはイマイチなんですよね。
 サーヴァント相手なら相性のいいはずの桜さんが下位キャラだったり、バーサーカーさんとギルガメッシュさんは積みダイヤでしたり。
 ほら、こんな感じに」
「うわぁ…。でもバーサーカーって俊敏Aランクだったと思うんだけど…」
「ああ、これですね」

181やっぱりリアル(現実)には勝てなかったよ… ◆Z9iNYeY9a2:2013/01/27(日) 17:31:37
そう言って藤乃が取り出したのは、PS Vita。Fate/stay night [Réalta Nua]の映像が見えている。

「このOPですね。私も驚きました」
ナニヲダキシメールー、ヨクボーノカゲーデー
「綺麗な映像ね」
「ufoですからね」
エーラーンダー、ツーヨーサデー、イツカータードーリツークソノバーーーショヲーーー
「速っ!」
「ufoさんが描くとこうなるんですよ」
「随分と誇らしげじゃない」
「私達にとっては神みたいなものですから」

紅茶をすする藤乃は、Vitaの映像を桜ルートOPから凛ルートOPの項目に移す。

「ちなみに件の英雄王vsバーサーカーさんの戦いはこっちですね」
カナシミノセーンリーツーヲーキボートーイウーコーエーニカエーテー
「距離一瞬で詰めてるわね…」
「でもバックステップでそれを回避するギルガメッシュさんもすごいです」
「もしこのバトルロワイヤルにバーサーカーいたとしたらゾッとするわね…。逃げられる気がしないわ…」
「あ、そうそう。イリヤさん、最近魔法少女始めたって言ってましたよ」
「え、嘘?!」
「アーネンエルベって喫茶店でバイトしてるって聞きました」
「へぇー。ぜひとも仲良くなりたいものね」
「今度アーネンエルベに一緒に行きませんか?」
「それいいわね」

「………」
「………」
「何の話だったかしら?」
「格ゲー化の話です巴さん」
「そうよ!格ゲーよ!
 カプコンは宿敵としても、アークだったら世紀末化するかもしれない。でもギルティギアやブレイブルーのスタッフがやってくれればまだ可能性あるでしょ!」
「でもそうなると、やっぱり一撃技は必須ですよね…」
「トレーニングあるのみよ!呉さんだって覚醒して一撃技も搭載されたじゃない!
 専用BGM持ちの私ができないはずはないわ!」

182やっぱりリアル(現実)には勝てなかったよ… ◆Z9iNYeY9a2:2013/01/27(日) 17:32:55
握りこぶしを前に突き出して立ち上がるマミ。集中線が書かれそうな立ち絵である。

「そうですか。頑張って下さい」
「あら、藤乃さんは?」
「私は格ゲーには懲りたので…。
 乱戦の中で乱入くらって死亡とかもうこりごりです」
「そう…、まあ、でもあなたはあなたで頑張ってね!
 私も頑張るんだから!」
「ええ、いつかまた会いたいです」

そう言って消え去る藤乃。
次に会えるのはきっと、自分が格ゲー化することに成功したときだろう。

「やってやるわ!!どんな魔女でもワルプルギスの夜でも、この私、巴マミが相手になるんだから!」

言うと同時、乱入メッセージが流れる。
魔法少女の姿をとり、戦いに備えるマミ。

「さあ来なさい!どんな相手でも、もう負ける気がしないわ!」

己の道を見定めた巴マミには、もう何も怖くなかった―――――







「あ、すみません。私JASRACのものなんですが。
 こちらでFate/unlimited codesのプレイ動画、およびFate/stay night [Réalta Nua] 桜ルートOPと凛ルートOPが使用されたと聞いて調査に伺いました。
 間違いはないでしょうか?」
「あっ、はい」
「そうですか。こちら使用料になりますね。徴収させてもらいます」

【巴マミ JASRAC end】
【浅上藤乃 色んな意味で逃げた】

183 ◆Z9iNYeY9a2:2013/01/27(日) 17:33:47
投下終了です

184 ◆nucQuP5m3Y:2013/01/27(日) 23:28:33
ぶるらじ投下します

185 ◆nucQuP5m3Y:2013/01/27(日) 23:29:41
杉田「はーい、次回予告ー」
今井「それはさておき、杉田くん、あの噂聞いた?」
杉田「噂ですか。それは所謂ペルソナ2的な」
今井「こんちゃんは聞いたよね?」
杉田「はいサーセン」
近藤「あっはい!あの、あれですよね!ぶるらじに偽物が出たっていう!」
今井「そうなの!なんか、私達と同じ声で同じように喋る偽物番組が放送されたっていう話があってー」
杉田「あー、それあれでしょ。中野でロケテやってたっていうあの、例の。ねー森P」
しゃもじ「寝てないワー、全然寝てないワー」
杉田「完全に見てた勢じゃないですか!いや、僕も見ましたけど!」
今井「え!?見たのちょっと、どうなのどうだったの?」
杉田「いやそれがですね、再現度っていうか、いやなんて言うんですかね。再現っていうならほら、物真似の話じゃないですか」
近藤「うんうん」
杉田「あれはもう、本物です。僕途中まで自分で覚えてないだけで収録したのかと思ってましたから」
今井「え、なにそれはめちゃくちゃうまいってこと?」
杉田「じゃなくて、もうなんていうか、本物なんです。ルパンがクリカンになった的な」
今井「後を継がせられるレベルなの!?」
近藤「あ、でも噂だとその偽物の出てるゲームは壊れちゃったっていう」
杉田「そうなんですよね。ていうか僕らならまだしもアークさん自体が偽物出たって話ですから」
しゃもじ「いや、あれマジでヤバかったんだから。詳しくは言えないけど調査とか操作とかさー」

杉田「でも僕は思いますけどね。あれがもし人間やってるならもうあれは愛の賜物だって。よくほら、モノマネで怒られるような人いるじゃないですか。極端にデフォルメした感じにして、似てるんだけど笑いを取りにいってるような」
今井「あー、はいはい」
杉田「でもあれはどっちかって言えば、コージーさんとか原口さんみたいな感じで、本人リスペクト、自分の話なんでリスペクトってのもなんですけど、それがないと無理な奴ですよ」
近藤「偽物、って言うとちょっといやですけど、私達とぶるらじが大好きな人のおちゃめなら」
杉田「いや法には多分触れるからね?」
近藤「そうなんですか……」
杉田「たださ、人間だったらって言ったじゃないですか」
今井「え?人間じゃないの?」
杉田「えーとぉ……実はあれ、AIだったって噂があって。ていうかそのロケテの配信の中でそう言ってまして」
今井「えぇー?AIってあの、コンピュータぁ?」
杉田「普通に考えたら責任逃れの言い訳なんですけど、えーと……」
近藤「えっと、何か知ってるんですか?」
しゃもじ「杉田君、いいよ別に」
杉田「あの、うちにAGRSっているじゃないですか」
今井「あーはい、アジルスちゃん」
杉田「実はえー、与太話だと思ってもらっていいんですけど、アレと同じのがうちのあのサングラスハゲのPCにですね、漂着したっていうか」
今井「梶田君に?え、どういうこと?」
杉田「いやもうこれ聞いてもらったほうが早いな」

186 ◆nucQuP5m3Y:2013/01/27(日) 23:30:55
Sギタ『ぶるぅぅぅぅあぁ!俺ぇ様がぁ、音速丸様ぁよぉー?』
Iマイ『せめて十六夜にしろよ!いや、それも違うけど』
Kンドム『ほぇー、相変わらず似てますねぇ』

今井「え、なにこれ……は」
杉田「紹介しましょう。イソッチボタンに続く自動再生アシスタントCPU、Sギタ君、Iマイさん、Kンドムです」
Kンドム『コンチャンダヨー!』
近藤「わわっ……私……あれ、え?」
Sギタ『これで生放送でも素体コントができるな、コンドム』
杉田「たまにロボになる今井さんの穴も埋められるしね。どうですか。本物に負けず劣らずかわいいでしょ」
今井&Iマイ「『かわいいって言うなぁー!!』」

杉田「というわけで、ぶるらじ次回更新は1月31日です」
Sギタ『磯野ー、そんなことよりホットパンツの話しようぜー!』

【ぶるらじH 次回更新 1月31日 ゲストはバレット役の行成とあさんです!】

187 ◆nucQuP5m3Y:2013/01/27(日) 23:43:21
投下終了です。
タイトルは「ぶるらじの次回予告の予告しなさは異常」
です

そして予約ないですが続いて
「とある田舎の一軒家」を投下します

188 ◆nucQuP5m3Y:2013/01/27(日) 23:44:05
ここは大都会にあるとある一軒家

この家には一つ秘密があるという

通常であればありえないものがこの家にはあるのだ

ゲームセンターにあるはずの新型筐体が2台、対戦台セットで置かれている

しかも、これはあくまで噂なのだが、その台に搭載されているのは

既存のアーケードゲーム基盤ではなく、某ゲーム会社による配信されている

新世代のゲーム配信システム的なあれなのだと

まああくまで噂の範疇を出ないので真に受けないでいいことなのだが

とりあえずそれが本当だというファンタジーの世界の話として聞いて欲しい


「うわ!うわうわうわうわ!!これあれやん!こないだTRFでロケテやってたやつやん!」
その家の主が原稿書くの飽きたしちょっとコンボ練習でもするかなと筐体の電源を入れた時に
画面に表示されたのは、いつも見慣れたネシカクロスライブのゲーム選択画面ではなかった。
そこに表示されていたのは、見慣れない一つのゲーム。
アーケードゲームをこよなく愛する男は当然のように配信を見ていた、あの事件のゲーム。
謎のリアリティとクソなバランスと異常な原作再現、そしてあの伝説の全一決定戦。
あの幻のゲームが彼の家で起動しているのだ!!
「うっわ、どうしよ、これ超配信したいけど機材とかないし……ていうか、これがバレてゲーム配信停止とかなっても困るし」
男は留年を重ねて身につけたエセ関西弁でうろたえる。
「よし!とりあえず、写真だけうpしよう!そうしよう!」

ttp://akerowa.web.fc2.com/sinanka.jpg

そしてそれがタイトーやらアークやらいろんなところに見つかって、男が社会的に死ぬことになるのだが、それはまた別の話である。

189 ◆nucQuP5m3Y:2013/01/27(日) 23:46:09
投下終了です!
タイトルは【俺ん家 ほむほむがやってくるヒャッホオオオゥゥゥ!!】です
内容は完全なフィクションです!
僕のこと、忘れてください!

190 ◆Zi/dWEr9fQ:2013/01/27(日) 23:47:43
完結オメー。全話通しで読んであまりに感動したので
現在MUGENで絶賛活躍中の琴弾加代子描きました。
ttp://dl10.getuploader.com/g/nolifeman00/37/33147470_m.jpg

191 ◆Vj6e1anjAc:2013/01/27(日) 23:56:58
美国織莉子、呉キリカ分を投下します

192 ◆Vj6e1anjAc:2013/01/27(日) 23:58:42
 ざざぁん、と響く波の音が、胸の奥へとしみ込んでいく。
 波打ち際に蠢いているのは、黒く巨大な魔女の影だ。
 呉キリカから生じた魔女。
 数多のマネキンを組み合わせたような、歪で不気味な黒い魔女。
「そう」
 その傍らに寄り添うように、美国織莉子はそこにいた。
 キャシャーンにクソ煽りをぶちかまし、ダカダカと逃走した織莉子は、今は魔女の傍らにいた。
「もう、戻れないのね」
 暁美ほむらとの戦いの中で、ジェムの濁りが限界を迎え、彼女は魔女を生じて逝った。
 そのままキャラクターデータとして、サーバーに蓄積されていたキリカだったが、
 どうやら魔女の姿のまま、元に戻れずにいたようだ。
 そもそも彼女の魔女化自体、アンバーのバグによって生じたものなので、当然と言えば当然である。
「もう、貴方に触れることも……声を聞くことも、叶わないのね」
 番外編が出ると浮かれていたところへ、これだ。
 織莉子が受け入れるには、いささか残酷すぎる結末だった。
 データの塊に過ぎないとはいえ、ようやく再会できたはずだった。
 一度は諦めた願いが、実現したものと思っていた。
 しかし、これはキリカではない。
 同じ願いを引き継いでいても、キリカそのものの姿ではない。
 その事実が、容赦なく、織莉子の胸を締め付ける。
「……いや、喋れるけど?」
「あらまぁ」
 と思ったところへ、これだ。
 思いっきり悲劇のムードだった織莉子も、思わずズッコケかけてしまった。
 突然、この禍々しい姿のデカブツが、生前のキリカそのままの声で、織莉子に話しかけてきたのである。
「そんなに悲しい顔をしないでよ、織莉子。せっかく再会できたんだからさ」
「キリカ……? 貴方、本当にキリカなの?」
「みたいだよ。元の身体には戻れないけど……どうやら魔女の身体に、私の人格データが宿されてるみたいなんだ」
 思わず感涙する流れのはずなのだが、どうにもそんな気にはなれない。
 拍子抜けもいいところな展開に、織莉子は目をぱちくりさせることしかできなかった。
「そ、そう……でも、その姿のままだと、色々大変よね」
「そうだね。こんな巨大で物騒な身体じゃ、織莉子とろくに触れ合えないもの」
 しゃきん、と鎌を展開しながら、キリカが身体をくねらせて言った。
 織莉子を抱きしめるための腕はこれだし、身体は織莉子の何倍も大きい。
 半端に触れ合おうとすれば、織莉子の身体はズタズタになった挙げ句、踏み潰されミンチになってしまうだろう。
「それなら、そうね。新しい身体を探しに行きましょうか」
「いいのかい? 私なんかの都合に付き合わせて」
「いいのよ。貴方と私は2人で1つ……貴方が幸せでいられることも、私の幸せの1つだから」
 戸惑うキリカの声に対し、織莉子はにっこりと微笑む。
 そうだ。それでいいのだ。
 この子が笑ってくれるのであれば、私はまた立ち上がることができる。
 この子と笑い合える日のためなら、無限の電脳の海の中でも、歩き続けることができる。
「だから、行きましょう。私達の幸せのために」
「……そうだね」
 手と手を固く繋ぐように。
 魔女の身体に、優しく触れて。
 織莉子とキリカは、寄り添いながら、未来を探し求めて旅立った。

193A journey to the stars... ◆Vj6e1anjAc:2013/01/27(日) 23:59:40






























           .:::;(:::;:::::::::::     .\_人_人∧从_人_∧_人_从_//
           ..::;::::):::::::::::         )                  >
          .:::;::::;::::          .<.ひとは誰でも しあわせ捜す.>
         _::::_            <    旅人のようなもの    >
       ,r'´   `ヽ            <                 (
       <y========>         /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
        ヽ    /         __        |\     /\     / |   //  /
        ',   / _,-=ニニ、' " ´ ̄   `ヽ、  ._|  \/\/   \/\/ |∧/ ///
         |  |r'´     `ヽ、    _ _ ,,,,,,,> ...\                     /
       (:::)   ir--、  /\ ヽ、,‐'" i /     ∠.  希望の星に めぐり逢うまで  .>
      , -'≡-、_ |===i} f.    ',  |  / ∧     .∠.    歩きつづけるだろう    .>
    /  _  ヽ `ヽ、i ヽ,    ', |  ', ', ',   /_                 _ \
.   /   (999)   ヽ======ヽ、__ノ |   i i i   . ̄ / /∨| /W\  /\|\  .|  ̄
   i.      ̄  ===ヨ  i  _rュ_  ノ===| |__|      .//   |/     \/     \|
   ! ゜ (X) ゜ ===ヨ   レ'´ /`ー'| ___ノ |/ ヽ
   ',.   ハ     /  /  /    ト'__ |_,,,-|
.   ' ,      /  メ、  j.  ]   | (999)|  i_
___/ ゛ ‐ - ‐ ''" _∠| ̄ ̄|___ヽ二二,'___/
| ○  ̄ ̄回 ̄ ̄  ○ | ○ |/⌒ヽ/⌒ヽ/⌒ヽ  _〉
. ̄ ̄i二二二二二二二 i.  ̄ i ( ) i ( ) i ( ) i二l
     ヽ_ヽ_ノ      ヽ_ヽ_ノヽ_ノヽ_/


 2人の少女の合唱をバックに、2人を載せた機関車は、光の彼方へ飛び去っていった。


【美国織莉子&呉キリカ 新たな身体を手に入れるための旅路へ】

194 ◆Vj6e1anjAc:2013/01/28(月) 00:00:29
投下は以上です

195名無しさん:2013/01/28(月) 00:24:11
全体的にカオスだし、AAまみれだし、イラストも可愛いのにシュールだし、このロワやべえわやっぱり。
私もちょろっと投下します。

196まーた見え見えの夢を見てしまうのか  ◆wKs3a28q6Q:2013/01/28(月) 00:29:59

「ああ、起きた?」

のそりと上半身を起こす。
暑い。しかし熱くはない。
きつい日差しを背中に背負い、相馬光子がこちらの顔を覗き込んでいた。

「……夢、か」

夢。
確か、七原と共に殺し合いを脱した夢。
それを見ていた私は死んだはずなのだが――こうして、生きている。

「……そりゃそうか」

プログラムに巻き込まれる夢(まあ、今こうしているってことは、織田に殺られたアレも夢だったんだろう)や、
プログラムから抜け出すべく七原の手を取る夢。
織田や七原に潜在下でどんな印象持ってんだよと苦笑いはしそうになるが、まあ、それらは夢でも現実でもおかしくない。

しかし今見ていた夢は、どう思い返してもおかしい。
なんだよ、ボーナスステージって。
頭わいてんじゃねーの。現実なわけね−だろ殺すぞ。

「ちょっと、行ってきてくれない?」

だるい体を起こしながら、光子の“お願い”を聞く。
どうやら最近、私達の縄張りを荒らしまわってる車上荒らしがいるらしい。
私もワルだし車上荒らしはしたことがあるが、まあ、ワルにはワルの、クズにはクズの超えちゃいけないラインってのは存在するのだ。
縄張りの不可侵は、そーいうワルのルールに当たる。

「んじゃ、テキトーに強そうな男集めといてよ」

車上荒らしを捕まえてぼこり、ついでに金を巻き上げる仕事。
面倒だが、光子はリターンをくれる。だから受ける。
ちょっとだけ、夢で見た七原の顔を思い出して心が痛みはしたが、行かねばならぬという謎の使命感に何故かかられた。

197まーた見え見えの夢を見てしまうのか  ◆wKs3a28q6Q:2013/01/28(月) 00:31:30

「……あそこか」

光子に集めてもらった兵隊を引き連れ、荒らされてると噂の駐車場に出向く。
大勢のトップを張ってる気分になるので、この瞬間は気分がいい。
いいのだが……



 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ



ものすごく嫌な予感がするし、めっちゃ汗出るし、効果音も何かおかしい。
だが行かないわけにもいかない。
そんなことすれば、私がフクロにされる。

「こ、これはッ……!」

何故だろう。
“それ”には見覚えがあった。
車両を殴打する男女の背景に浮かんだものを、私は知っている。
ついさっき、夢に見ていた。





     _   _           __     __ __     __   __
     /_> ./  | /\/ /  / /_   /_  /  / ̄| / __. /__
    /__> |_/ /  / |_/ __/   __/ /  / ̄/ ./_/ /__






「お前ら何やってんだ! 暴挙はともかく文字の意味を言えーーーーーーーッ!!」

思わず叫んでしまうほど動揺している。
なんだこれ。まだ夢でも見てるのか。

「行けー比呂乃ちゃん!」
「ぶっ殺せー!!」

そして連れてきた兵隊は、拳をあげて立ち止まった。

「……は?」

いや戦えよ。援護しろよ。何しに来たんだお前ら。

「いや、このゲームはタッグルールなんで」
「何だよゲームって!」
「ほら、ボーナスステージが終わって、姐サンの出番来ますよ!」

クールーキットクルーキットクルー

変なBGMが聞こえる。
何だよ、きっとくるって。何が来るんだよ。きがくるっとるの間違いじゃないのかよ。

「どかずば……死ぬのみ……だ。ショウ……ジョ」

柱の男とテレビ住まいの女のコンビが立ちはだかるッ!
もう何もかも意味がわからないのに、足は勝手に動いていくッ!
連れてきた兵隊はすっかり単なる野次馬となり、そしてステージの背景となる。

「なんっ……なんなんだよこれはよォォォーーーーーーー!!」

あたしは、助かったんだ。
夢だったから、助かったんだ――そう思ったのに!!

『ラウンド1 ファイト!!』

どこからか響く音声と共に、化け物二体が飛びかかってきた。






新進気鋭の格ゲー同人サークルの贈る井戸キャラオールスター格ゲー『スーパースト井ー戸ファイターⅡ』
夏コミにて発売決定!
現在絶賛デバック中ッ!!






「ちなみに姐サンの相棒であるマリオさんは、亀にはねられて重体だから遅れるそうです」
「井戸じゃなくて土管じゃねーーーーか!」

198 ◆wKs3a28q6Q:2013/01/28(月) 00:32:03
投下終了です

199 ◆EKhCqq9jsg:2013/01/28(月) 00:59:07
皆様投下乙です!
それでは僕も投下します。

200だがそれがいい ◆EKhCqq9jsg:2013/01/28(月) 00:59:54
 前略
 
 田舎に住んでいるお父さん、お母さん、お祖母ちゃん、妹、隣のおばさん。
 みなさんお元気ですか?
 こちらでは雪が振りつつも、元気にやっております、今は。
 
 実は、僕の勤めている会社、アークシステムワークスと呼ばれるゲーム会社なのですが、
 先日多数の方にご迷惑をかけてしまいました。
(実際僕の会社は一切関係なかったのですがね)
 今はそれの後始末…… 関わってしまった企業へ謝罪を繰り返している所です。
 殆どの企業が『不慮の事故』として許していただけました。
 
 ですが、まだ、ある人物には謝罪を行なってはいないです。
 
 その人物は、見るものを圧倒させる姿を持ちつつも、劇画家と呼ばれる繊細な職業についております。
 今日僕はその人物に今回の件を謝罪しにいきます。
 どうしてそれだけのことに手紙をかくと言われますと。
 実は過去に一度、彼の人を凄まれてしまい、僕の同僚が東京湾に…… 言えなんでもありません、この部分は無視してください。
 とにかく、二度も不祥事を起こしたからには、大変なことになるに決まっております。
 
 お父さん、お母さん、みんな。
 もしかしたらこの手紙を読んでいる時は僕はもうこのこの世にはいないかもしれません。
 ですが決してその劇画家を恨まないでください。
 復讐などしようと考えないでください。
 僕はこれまでの人生は幸せでした。
 
 子の不幸をお許し下さい。
 それでは、さようなら。

201だがそれがいい ◆EKhCqq9jsg:2013/01/28(月) 01:00:39
☆ ☆ ☆
 
 遺書を書き終えた青年、アークシステムワークスの社員は原哲夫の前へいた。
 何のために?
 無論、謝罪としかるべき賠償のために。
 
「キミねえ…… 俺達の作品を有ろうことか二つも…… それに角田さんにまで迷惑かけて……」
「ま…… 誠に申し訳ございません……!」
「ああ゛ぁ!?」

 大声を声を上げるのはもちろん原哲夫。
 リクライニングチェアにおもいっきり寄りかかり、脚を組むその姿、まさに傾奇者である。
 
「まあ…… 責任はとってもらおうか……」

 ゴクリと息を飲み込むアークシステムワークス社員。
 その昔AC北斗の拳の数あるバグをだし、クソゲーにしてしまったことを謝罪に行った同僚が、酷い目にあったことは昔の話ではない。
 アークシステムワークス社員は死を覚悟した。
 
 ドサッ ドサッ ドササッ!
 
 自殺用の刃物か?
 いや違う、彼の目先には膨れ上がった大型封筒が5枚!
 
「これは……?」
「今回の件はアークシステムワークスに関係しないのはこちらも、どの企業も知っていることだ。
 だが、俺は…… 俺達はたしかに感じ取った……
 時代が何を求めているか、時代が何を欲しているのかを、だ」
 
 中身を見たまえと、原哲夫はアークシステムワークス社員に促す。
 
「こ…… これは……!?」
 
 中に入っていたもの、それは『北斗の拳』の版権関連の書類。
 
 
「あの盛り上がりを見て、確信したよ……
 北斗の拳の格闘ゲームは間違っていなかった。
 だから今こそ、北斗の拳を愛する者が……! 格闘ゲームを愛する者が……!
 そしてアーケードゲームを愛するすべての者が! 
 全ての者が楽しめる、新たなる『北斗の拳』の格闘ゲームを、作ってくれるかな?」
 
 AC北斗の拳の新作。
 誰しもが妄想したその夢が、北斗の拳の作者の口から語られたのだ!
 
「版権関連は全て俺が済ませてある、だから、思う存分作ってくれ」
 
 原哲夫は椅子から降り、アークシステムワークス社員の方へと近づき、手を差し伸べる。
 もちろんそれに答えるアークシステムワークス社員、その顔は感激しきっていた。
 
 一年後、某中野ブロードウェイの四階にある某ゲームセンターで『AC北斗の拳2』ロケテされた。
 それは大いに盛り上がり、誰しもがこのゲームの成功を予感させ、そして事実全国各地のゲームセンターで稼働された。
 
 ゲームセンターはそれ見たさに大勢の客を呼び寄せ、対戦や大会が幾度も開かれた。
 そう、格闘ゲーム業界は長い冬を越え、また春の時代が来たのだ。
 この北斗の拳2の出現によって……

202だがそれがいい ◆EKhCqq9jsg:2013/01/28(月) 01:01:25
☆ ☆ ☆
 
 アークシステムワークスが北斗の拳2の制作に乗り出したころ、
 原哲夫のもとにゲーム系の記事を集めるライターが訪ねてきた。
 ライターは原哲夫にこう問いただした。

「もしこれが失敗すれば、新潮社、及び自身が多大なる負債を背負うことも充分ありますが…… 何故今回ここまでこのゲームの支援をするのですか?」
 
 その質問に対して、そうだな、もしかしたら大失敗するかもなあとどこか黄昏れながらも、最後には笑顔でこう答えたそうな。

203だがそれがいい ◆EKhCqq9jsg:2013/01/28(月) 01:02:03
            \l|lrjr‐、川_|   l| l|トミミ:、
 そ           |7, |l |l`'トヾyv、! l||li`'ミlト、
 れ    だ   |lijlj|l l|vl|i l|l l|! l|`巡|! i!ト|li
 が    が   |{(i{li| l|lj|l||.lノ/l! リ l! リt、 l|l |l|l,
 い          |ミ:、Nソノ川ソ/ /l/ ,ィ゙l|ト! |!.||l|!
 い           |ミ:、ヾ}仁`勿ジノ__,r' ノ|!jl |!.l|ll|
!!        /li`ミ:、i|!l{t、トiミミ三ムイノノ{!.|!|!l|
         /l|||!|ト、i|! l|i!l|ilil|lkミtミ三彡シ{|! l|i|!
      __〔:|l|!l||ll|lトli.l|l! l|li.l|ltlトlilトlミ三彡シ|l l||!
___/:ll|`:|l|::ltl|l|:l|i|:l|il|:l|lトkい!l| ミ三シl|l|. l|!
ミ=孑 ::::::l|:l|:|l:::i|kl|::l||:|!l|::l|:|!トミ:、|! ミ三ソl|l|l  l|!
ミ三シソ   ,,,_!_l_|l ;lト、! l|l ljリ ル__,,,,、メ、 ミニジl| l|l  l|
|ト刋'゙  彡ー-、_,`'ーij l| k'´_,、_-‐'ミシ  洲 l|! l |l
|l{刎  '''zテ'モッテ`tミメli flミツ'モッテ''メ   jl! | l| ! |l
l|l.冽    ´´"~´´_;;r''゙| |N;;_``~゙゙`   ,!' / ll| l |
トi,ヾ|!     ‐'''"´l! i! |  `"'''    / /リ jl|l l
派、_ i!         j! ノ い       /f"/ ノ川 l
l リチ^!        {r-{,_ノァ′    / |ト//// |
r/{::l! :!    、________,.    / /! K,/   |
/;;;;li::li ::ヽ    `ヽ、, __/    / //:..l, `'ー
;;;;;;;;;li:::li::::`:、    `'‐--‐'    ,:':::://::::/;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;>t:、ヽ::\          ,:'::::://:::::/;;;;;;;;;;;;;;
i;;;;<三X三>、ヽ:ヽ.      / ://::/V;;;;;;;;;;;;;;;
:!;;;'-7{.|.}`t‐':ヽ.\`'ー−'´ .//、‐{,|';;;;;;;;;;;;;;;
:l;;;;;;`^''^´:::::::::::\\:::::::://::::::/ニ/;;;;;;;;;;;;;;;

【アークシステムワークス AC北斗の拳2開発開始】
【前田慶次郎利益      原哲夫へ……】

204 ◆EKhCqq9jsg:2013/01/28(月) 01:02:34
以上で投下終了です

205名無しさん:2013/01/29(火) 03:53:46
皆様投下乙でした!

自分も最終回記念ということで、支援絵の投下をば
自分もリレーさせていただいた、ほむらとキリカのワンシーンを描いてみました
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org3893345.jpg

206 ◆Vj6e1anjAc:2013/01/29(火) 03:55:19
っと、酉外れてた
このSSの後を書かせていただいたわけですが、リレーしてて楽しかった!
何だかんだ言って楽しかったです、新安価

207 ◆hqLsjDR84w:2013/01/29(火) 11:22:21
うお、俺の書いたヤツだ。
すげえ!

208名無しさん:2013/01/29(火) 20:30:38
まとめて感想〜

おお、飛竜がかっこいい! バトロワすらこいつにとっては日常的なものか

最後の表記に吹いたw JASRAC endってなにさ!? ふじのんは上手いこと逃げたな〜w

中身さんのところになんか届いてたー!? 俺とお前でダブルぶるらじだー!

うわーい、まじでメタにリアルに脱出しまくってきやがるー。遂にゲーム機まで……

シリアスかと思ったらAAそれかよ! しかもその歌的に、お前新たな体ってサイボーグじゃねえか!

井戸キャラといえば某沙耶の唄なんてどうでしょう。ほら、ニトロワだと技扱いで出てきたはずだし。

AC北斗の拳2まじ出ないかなーw 北斗無双とかもやってんだしさー。ってか、原哲夫へじゃねえよw どういうことだってばよ!

おおう、なにげに初のピンク髪版ほむほむイラスト化!? かっこいいイラストだ!

209 ◆uPLvM1/uq6:2013/01/30(水) 16:06:11
投下します

210夢を見た彼らのその後  ◆uPLvM1/uq6:2013/01/30(水) 16:06:42
「ゆめ‥‥よね」

村一番の美人(スライム)は真夜中に眼を覚ましていた。
彼女の見た夢は……何というかよく分からない夢であった。
多分R指定に入るようなナニカをしていたのだろうが……相手も村一番の美人と同じようなものだったため、実際のところは不明である。
たぶん、あーるじゅうはち。

「なんだったのかしら‥‥ あのゆめは」

そんなことを思いながら彼女は時計を見た。

「まだよなかじゃない ねましょ」

そう言って彼女は眠りについたのだった。

【村一番の美人@魔界塔士Sa・Ga 就寝】


□□□


「ゆめ‥‥ か?」

目を覚ますとそこは原始発電所の入り口手前だった。
そうちょうは自分の体を確認して、なにもないことが分かってホッとする。
長い間「やっと おいついたぜ」を言って、死んで、を繰り返す夢。
42回もそんなことを繰り返し続けていた、そんな夢をそうちょうは見ていた。

「そうだ 俺は‥‥」

あいつらの足手まといにだけはなるまい、と思ってここで待っているんだった。
あいつらは今頃どうなっているのだろうか。無事なのだろうか。
悩んでも仕方ない、あいつらのところへ行こう。

「こうしちゃあ いられねぇ いそがねぇと!」

そして俺はあいつらの元へ向かった。
追いついた俺は、夢で何回も言っていたセリフをあいつらに言っていた。

【そうちょう@魔界塔士Sa・Ga 「やっと おいついたぜ」】


□□□

211夢を見た彼らのその後  ◆uPLvM1/uq6:2013/01/30(水) 16:07:36
かみは笑う。
素晴らしく面白い夢を見たな。
私がナイフごときでバラバラになるだと? 笑わせるな。
くだらない夢にかみは笑い続けた。
これだから夢というものは面白い。

かみは笑う。
かみはシルクハットを被りなおす。
もうじき、ゲームを勝ちぬいた者達が現れる。
私の書いた筋書き通りに事は進んだ。
あとは、彼らの望みをかなえるのみ。

かみは笑う。
まさか、かみにケンカを売るとは‥‥なんて愚かしい。
これもいきもののサガか‥‥
よろしい、ならば君たちにかみのちからを見せてあげましょう!
私が君たち負けることなど、万に一つもありえない!

○○はチェーンソーで攻撃!

【かみ@魔界塔士Sa・Ga かみはバラバラになった】


□□□


アシュラは勝ちを確信し、口元に笑みを浮かべていた。
あの夢によれば、落とし穴に落ちたものは即死だったので、恐らく落ちた奴らも死んでいるであろう。

「これで わたしに さからうものは いなくなった! はーっはっはっは!」

だが、そんなことがあるわけがない。所詮夢の話である。
この落とし穴は22階に繋がっており、決してそこに爆発物がありはしない。
なので奴らは当然、上ってくる。

(!? ばかな! しんだはずじゃなかったのか! くそっ! こうなったら……)

彼は動揺を押し殺し、平静を保って、こんな言葉を発した。

【アシュラ@魔界塔士Sa・Ga よくここまできたな どうだ 1つとりひきを しないか?】


□□□

212夢を見た彼らのその後  ◆uPLvM1/uq6:2013/01/30(水) 16:09:32
「カクブッパ、シトキャ、エーネン!」

『デデデデザタイムオブレトビューション バトーワンデッサイダデステニー』

          て   / ,,-",-''i|   ̄|i''-、  ヾ   {
         ("  ./   i {;;;;;;;i|    .|i;;;;;;) ,ノ    ii
     ,,       (    l, `'-i|    |i;;-'     ,,-'"   _,,-"
     "'-,,     `-,,,,-'--''::: ̄:::::::''ニ;;-==,_____ '"  _,,--''"
         ̄"''-- _-'':::::" ̄::::::::::::::::;;;;----;;;;;;;;::::`::"''::---,,_  __,,-''"
        ._,,-'ニ-''ニ--''" ̄.i| ̄   |i-----,, ̄`"''-;;::''-`-,,
      ,,-''::::二-''"     .--i|     .|i          "- ;;:::`、
    ._,-"::::/    ̄"''---  i|     |i            ヽ::::i
    .(:::::{:(i(____         i|     .|i          _,,-':/:::}
     `''-,_ヽ:::::''- ,,__,,,, _______i|      .|i--__,,----..--'''":::::ノ,,-'
       "--;;;;;;;;;;;;;;;;;""''--;;i|      .|i二;;;;;::---;;;;;;;::--''"~
               ̄ ̄"..i|       .|i
                 .i|        |i               K.O
                 i|        |i
                 .i|          .|i
                .i|           |i
               .i|      ,,-、 、  |i
               i|      ノ::::i:::トiヽ、_.|i
           _,,  i|/"ヽ/:iヽ!::::::::ノ:::::Λ::::ヽ|i__n、ト、
     ,,/^ヽ,-''":::i/::::::::/:::::|i/;;;;;;/::::;;;;ノ⌒ヽノ::::::::::::ヽ,_Λ
     ;;;;;;:::::;;;;;;;;;;:::::;;;;;;;;:::/;;;;;;:::::::::;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::;;:;;;;:::ヽ


デスマシーン
       相も変わらず
              核ぶっぱ

そして彼はmugenへ……

【デスマシーン@魔界塔士Sa・Ga mugen入り】

※デスマシーンは凶悪キャラなのでDLするときは注意されたし

213夢を見た彼らのその後  ◆uPLvM1/uq6:2013/01/30(水) 16:10:43
□□□


つるぎのおうは夢を見た。
自らがセリフを言い切る前に、ボコボコにされて死んでしまった夢を彼は見た。
その夢はあまりにも現実のような気がして、実際にそれを体感したように思えて、そして―――
―――つるぎのおうは震えた。
自分の力の無さに、震えた。
手も足もでず、ただ己が殺されるのを待つだけ。
かろうじて反撃はした、だが悪あがきに過ぎなかった。
おうとは名ばかりに、実力なんてないじゃないか。
あるのはこのキングのつるぎのみ、だが己の実力が低いのでは扱いこなすこともできないだろう。

おうは考える。
もし誰かが来たら、追い返すもしくは殺すつもりでいた。
だが、本当に、そんなことができるのだろうか?
追い返すことなど可能なのだろうか?
逆に、殺されてしまうのではないだろうか?

いや間違いなく殺される。

おうは結論づけ、そして考える。
ならば、私はどうすればよいのだろう?

おうは考える
そもそも決め付けていないか? ここに来る奴らが野蛮なものだと。
もし、相手が野蛮ではなく、礼儀正しい常識人であれば。
もし、相手に攻撃する意思が無いのであれば。
もし、相手が交渉するつもりであれば。
ならば私は。
喜んでこのつるぎを――

おうは逡巡する。
――だが、そうとは限らない。
常識人のフリをした、野蛮な奴かもしれない。
常識人のフリをした野蛮な奴だったらどうするべきか、大人しくつるぎを渡すか?
いや、それは駄目だ。つるぎを悪用しかねない。
だがそれで殺されてしまうのは嫌だ。みじめすぎる。
いや、でも――

おうは思う。
――そもそも私はこのままでよいのだろうか?
自分はつるぎの力に慢心して、鍛えることも何もしていない。
このままでよいのだろうか。
いや、よくないだろう。
ならば、己を鍛えなおすために修行の旅に出よう。

214夢を見た彼らのその後  ◆uPLvM1/uq6:2013/01/30(水) 16:11:14

おうは考える
このつるぎはどうすればいい?
つるぎの力に慢心していたのだから、つるぎを持っていくことは許されない。
つるぎの力に頼らず、この修行をこなさなければ意味などない。
だからといって、ここにつるぎを残していったら、野蛮な奴が悪用する恐れが――

おうは思いつく。
――そうだ、この城の中にモンスターを放とう。
そうして、城の中にいるモンスターを倒してこの玉座に辿り着いたものが、このつるぎを手にできるのだ。
野蛮な奴なら、モンスターがいるだけで、恐れて逃げるだろう。
玉座まで辿り着いたものなら安心して渡してもよいだろう。
きっと何かの役に立てるに違いない。


そして……


キングのつるぎ を てにいれた
つるぎのおうのかきおき を てにいれた


 わたしは これから しゅぎょうのたびへ いくことにした
 私が つるぎのちからに まんしんしすぎていた
 だから わたしは おのれを きたえなおしに しゅぎょうを しにいくのだ
 このつるぎは ここまできたものに たくそう わたしには もう ふようのものだ
 だが ひとつだけ たのみたい
 このつるぎを あくようしないでくれると ありがたい
                                   つるぎのおう


【つるぎのおう@魔界塔士Sa・Ga 旅立ち】

215 ◆uPLvM1/uq6:2013/01/30(水) 16:11:49
投下終了です

216 ◆aDSyeWo6LI:2013/01/31(木) 23:51:42
┤´д`├┐、その他中野TRF勢、投下します

217 ◆aDSyeWo6LI:2013/01/31(木) 23:53:01

「台車通るよー!」
「5様起きてー、5様起きてー、起きてる?」



ここは、中野ブロードウェイ4階の一角にあるゲーセン、中野TRF。
主にマナーの悪い北斗勢、最大勢力の餓狼MOW勢、新規にやさしいカオブレ勢、様々な勢力のトップクラスが集まっている
タツカプ勢、新規が多いカオスコード勢、等で構成されているゲーセンである。
そのゲーセンの椅子で寝ている人物がいる。┌┤´д`├┐である。
┌┤´д`├┐がすやすや寝ている中、北斗の大会が始まろうとしていた。


「5様起きてー、大会はじまるよー」
「5様起きた?では第1回戦!1P側に座るは┌┤´д`├┐シン!。2P側はイチレイ!」


デデデデザタイムオブレトビューションバトーワンデッサイダデステニー


「開幕バクステで様子を見る5様!そこにレイがJDで攻めてくる!」
「このまま固められるか?と、ここでゴクトがカウンターヒット!流石寝起きの5様!」
「ブーストが無いので追撃は出来ないがこのまま起き攻め!」
「撃星嚇舞で切り抜けようとするも読まれてJBめくりから近C、バニまで繋いで壁コン!グレからのゴクトに締めの迫破を

入れてこれでレイ側の星は残り3つ」
「シンの起き攻めも今度は撃星嚇舞で狩られてそのままコンボに!」
「これで体力は5分!先にコンボされたほうがラウンドを落とす!」
「レイがブーストを使用し2Bで攻めようとするが、何が見えてるのか分からないゴクトが刺さったー!」
「JDで追撃し雷震でラウンドを取るのは┌┤´д`├┐シン!」


バトートゥーデッサイダデステニー

218 ◆aDSyeWo6LI:2013/01/31(木) 23:54:27


「始まりました2ラウンド目。レイ側はここで1ラウンド取っておきたい」
「お互いゲージもブーストも十分あります。レイ側は星も殆ど無いのでどちらも刺さったらワンチャンで終わる!」
「最初に行動したのはシン!ブー2Bで攻めるもジャンプで避けられる」
「次に仕掛けるはレイ!バリアから近づいてJDで攻める!」
「攻撃をガードしガーキャンで切り返す!これはシン側ゲージが厳しい!」
「ここでレイ側ブー虎破龍!あーっと5様なに食らってんの!」
「これはバスケルート!キリサケッから2B!ブーストは…ミスらない!」
「ミスらない限りこのラウンドはレイのもの」
「バニで星を取ってラウンド取るのはイチレイ!」


ファイナルバトーデッサイダデステニー


「最終ラウンド、ゲージ状況もお互い世紀末!2ラウンド目と同じく刺さったほうが死にます!」
「先に仕掛けるはイチレイ。飛燕流舞で牽制。」
「しかしその行動を読んでいたかの如くゴクトが刺さる!」
「ブーストで追撃し壁コンをして締めの迫破!これでレイ側は星ゼロだー!」
「起き攻め小足で攻めるもガードされて起き攻め失敗!」
「レイ側がJBで攻めるもこちらもガード!」
「ここでまさかのブー虐指葬!地獄へ突き落としてやる!」
「星が無いのでこのまま1撃!何本目に死ぬかな!」
「ラウンド取ったのは┌┤´д`├┐シン!寝起きの5様強すぎる!」

このまま5様は2回戦のライブララオウを下し、3回戦のポチマミヤをも下して準決勝にコマを進めた。
準決勝の対戦相手は元住T.Oハート。ハート様使いの中でも最上位のプレイヤーである。

219 ◆aDSyeWo6LI:2013/01/31(木) 23:57:28

「準決勝第1回戦!1P側座るは┌┤´д`├┐シン!2P側は元住T.Oハート様!」
「シンVSハートは7:3でシン有利だが、相手はハート様最上位プレイヤーなので試合がどう転ぶか分からない」
「さあ、試合が始まってお互い最初は下がって様子見」

第1ラウンドは変わった様子はなく┌┤´д`├┐がラウンドを取ってラウンド終了。
周りから「5様!5様!」と喝采が聞こえて騒がしいがTRFでは日常なのでさして問題ではない。
問題は2ラウンド目からであった。


「2ラウンド目。どっちもゲージが1ゲージといった状況、試合の展開によって勝利が決まると言ったところか」
「開幕バニで仕掛けたのは5様。しかしハート様、これをアジガ」
「シン側、続いて攻めるも殆どの攻撃をガードされる」

5様の攻めが継続されても、元住T.Oハート様には一撃足りとも届いてないどころかガードによってゲージまで溜まっている。
ハート様のゲージが溜まればガード中に繰り出される攻撃は勿論「どこからでもどうぞ」である。
この技、通常版とガーキャン版があるのだがどちらも相手にHIT後レバーを相手側に倒しておくと、ハート様が前転して追撃可能という中々凶悪な技なのだ。
しかも今回、シンに向かって使用したのはガーキャン版。この技からゲージの状況によって10割いけるぐらいにはぶっ飛んだ技の一つだ。

「ハート様のどこからでもどうぞによって5様ピンチ。これからいてぇよ〜!!まで繋がればミス以外で5様の脱出は不可能です」
「ガーキャン版から立Dに繋げていてぇよ〜!!が発動!」
「掴み投げが入って、こうなるとこのラウンドは終了です!」

220 ◆aDSyeWo6LI:2013/01/31(木) 23:58:50


この後、ハート様はミスることなく掴み投げを続けラウンドを取り、お互い1-1で最終ラウンドに進んだ。
途中、元住T.Oからの5様に向けて「叫ぶ?もう一回?」「楽しいやマジで」等と煽りもあったが。

運命の最終ラウンド、ゲージや星の状況的には5様有利だが相手が相手なので油断はできない。
開幕ゴクトブッパで始まった最終ラウンド。しかしこのゴクトがハート様に刺さってしまう。
ゴクトがカウンターヒットし、そこから遠Dでの追撃で本日何回目になるか分からない壁コン。
これだけでハート様の体力ゲージは4割近く減って、星も2つほど無くなっている。
続いてシンがJBでの起き攻めを仕掛けるが、これを発生の早い立Aで難なく撃墜。
今度はハート様がめくりJDでの起き攻めを仕掛けるとシン側はガードできずに食らってしまう。
めくりJDから2B、そしてバニまで食らって画面端までふっ飛ばされ、ハート様が前転からの追撃でシン側の体力は残り5割。
またもハート様がめくりJDでの起き攻めを仕掛けようとするも、そこに5様の代名詞とも言える

  ナント5クトケン
┌┤´д`├┐/
彡│  │/
彡  レ´

が、刺さるも追撃をミスって逆にハート様の奥義を食らい逆転される5様。実に5様らしい負け方である。

「5様大丈夫かあ〜?」
「5様?NDK?」
「誰か5様にネクター買ってこい」
「元住さんのこのホッコリ顔」
「5様がキレた!マジギレなんだけど!」


周りに煽られ、野次を飛ばされながらも┌┤´д`├┐の挑戦は終了した。

5様よ永遠に。5様フォーエーバー。



【┌┤´д`├┐(シン)@AC北斗の拳 本日の5様はすべて終了いたしました】

221 ◆aDSyeWo6LI:2013/02/01(金) 00:02:29
これで投下終了です。
初SSなので稚拙な文章が羅列されてますが感想もらえると嬉しいです。

以下修正

×主にマナーの悪い北斗勢、最大勢力の餓狼MOW勢、新規にやさしいカオブレ勢、様々な勢力のトップクラスが集まっている
タツカプ勢、新規が多いカオスコード勢、等で構成されているゲーセンである。

○主にマナーの悪い北斗勢、最大勢力の餓狼MOW勢、新規にやさしいカオブレ勢、
様々な勢力のトップクラスが集まっているタツカプ勢、新規が多いカオスコード勢、等で構成されているゲーセンである。

×「撃星嚇舞で切り抜けようとするも読まれてJBめくりから近C、バニまで繋いで壁コン!グレからのゴクトに締めの迫破を

入れてこれでレイ側の星は残り3つ」

○「撃星嚇舞で切り抜けようとするも読まれてJBめくりから近C、バニまで繋いで壁コン!グレからのゴクトに締めの迫破を入れてこれでレイ側の星は残り3つ」

222 ◆aDSyeWo6LI:2013/02/01(金) 00:07:06
タイトル忘れてました
タイトルは「┌┤´д`├┐<オレハモウネル」でお願いします

223名無しさん:2013/02/01(金) 15:20:45
投下乙!
5様は平常運転だったかーw

224名無しさん:2013/02/04(月) 03:06:09
投下乙〜
サガ勢はそのまま原作に続いたか……と思ったらデスマシーンはまだしも、つるぎのおうwww
いやいきなり倒される原作よりはいい終わり方したと思うけど、なんでこいつのパートが一番しっかりしてるんだよwww

5様はある意味書き手にもTRF勢にも愛されてるなーw
こちらもまたいつもどおりかーw

225 ◆oub/vvrBRg:2013/02/05(火) 15:30:04
現在地ツール、近日中に削除いたします。
そして地図のページにもともとの地図画像と、最終現在地を掲載しておきました。

226名無しさん:2013/02/06(水) 21:39:46
>>225
了解しました!
本編の間はお世話になりました

227 ◆oub/vvrBRg:2013/03/13(水) 00:30:10
初めまして、そうでない人はお久しぶりです。
現在、投票で決めた各パロロワ企画をラジオして回る「ロワラジオツアー3rd」というものを進行しています。
そこで来る3/17(日)の21:00から、ここを題材にラジオをさせて頂きたいのですが宜しいでしょうか?

ラジオのアドレスと実況スレッドのアドレスは当日にこのスレに貼らせて頂きます。

詳しくは
ttp://www11.atwiki.jp/row/pages/49.html
をご参照ください。

228名無しさん:2013/03/15(金) 03:11:41
おおー!
遂に新安価もラジオが!
どうぞどうぞ

229名無しさん:2013/03/15(金) 16:13:54
月報の方、集計お疲れ様です。
新安価 75+36話(+ 111) 2/65 (- 63)  3.1(- 96.9)  完結!

230 ◆oub/vvrBRg:2013/03/17(日) 20:46:52
ロワラジオツアー3rd 開始の時間が近づいてきました。
実況スレッド:ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5008/1363520730/
ラジオアドレス:ttp://ustre.am/Oq2M
概要ページ:ttp://www11.atwiki.jp/row/pages/49.html
よろしくおねがいします

231 ◆1GiZbsHFZI:2013/03/26(火) 16:13:12
投下します。

232今日にさよなら、明日におはよう。 ◆1GiZbsHFZI:2013/03/26(火) 16:20:49
雲は優雅に紺碧の海を泳いで、大地には葦が気持ち良さそうにそよぐ。
懐かしい土の匂いが鼻をくすぐって、琥珀色に輝く太陽は目の奥にじんじんと染みた。
風が吹いた。髪をさらって、肌を掠めて、遥か彼方へ吹き抜ける。心地良かった。
清々しい青空の下、青年は土を蹴り上げ地を駆ける。気温はほどほど、湿度は低い。
踊る肩、切れる息。額の汗は滑り落ち、シャツは生傷の多い肌に張り付く。足は浮かぶ雲の様に軽い。
何処にだって行けそうだった。何だって出来そうだった。
そこには、全てがあった。

「リッド! おっそーい!」

聞こえた声に、青年は足を止めて辺りを見渡す。さして苦労もせず声の主は見つかった。
目が痛くなる様な橙色のラシュアン染めのワンピースは、鬱蒼と茂る木々に映え過ぎるくらいだ。
少女――ファラ=エルステッド――は、背を木に預け、青年をじとりと睨んでいた。

「わ、わりぃ……ちょっと寝ててよ」

そう言って頭をぼりぼりと掻く青年へ向けられるのは疑いの眼差し。
「 ぁ ゃ ι ぃ 」
「いやいや嘘じゃねぇって!」
慌てて諸手をあげてリアクション。そう、嘘ではない。いや……厳密には嘘になるのかもしれないが。
なにせ自分は“起きてはいた”のだから。
いたのだが……不思議な事にこちらでは“寝ていた”らしい。
どうにも腑に落ちないし矛盾してはいるが、頭のリボンがそれを真実と言うのだから仕方がない。
青年は眉間に皺を寄せる。難しい理屈は分からないが、とにかくどうやら“寝ていた間に違う世界で起きていた”らしかった。

「……しっかりしてよね」
「わーってるよ。行こうぜ」

怪訝そうな顔を向ける少女へ適当な返事を投げ、青年は踵を返す。

「皆が来てんだって?」

暫く歩いて、ふと思い出したように青年は尋ねた。
「うん」少女が頷く。「暇が出来たから遊びに来たみたい」
青年は口をへの字に曲げた。“一体今はいつだ?”浮かぶ疑問に応える者はいない。

参ったな、と青年は舌を巻いた。何故って―――――彼には記憶がなかったからだ。

この世界に飛ばされた影響かは判らないが、正確な日時把握が出来ないようだった。
今がいつ、どのタイミングなのかが脳内ではっきりとしなかったのだ。

「……セレスティアからか?」
故に青年は足を進めながら恐る恐る尋ねる。自分の世界のことなのに、分かることは何もない。奇妙な感覚だった。
「? それ以外どこから来るのよ?」
少女は小首を傾げて言った。青年は何かを取り繕う様に頭をぼりぼりと掻く。
「え? いや、あはは! そ、そうだよなぁ。わざわざご苦労なこって。
 ……チャットとフォッグも一緒なのか?」
「チャットは一緒だけどフォッグは領主の仕事が忙しいみたいでお留守番だよ」少女は再び首を傾げた。「三日前に手紙きてなかったっけ?」
「あ? あー、ああ! そそそそうだったな! うん、そうだった!!」
訝しげな表情を見て苦笑い。当然、手紙なんて貰った覚えはない。
間違いなかった。此所は確かにエターニアで、インフェリアで……しかし自分の知らない世界だ。
記憶はネレイドを倒した辺りで途切れている。
フォッグがセレスティアの総領主になっているという事は、おそらくそう遠くない未来なのだろう。

「……ちょっと大丈夫? なんだか変だよ」
少女が心配そうな表情でこちらを覗き込む。ごくりと喉が鳴った。
「お、おう! 大丈夫、大丈夫」
「ならいいけど……それよりリッド」
なんだよ、とぶっきらぼうに青年が言った、その瞬間だった。



「そのリボン……何?」



石化する思考。どっと毛穴から噴き出す汗。無邪気な表情から飛ばされたあまりにも素朴な質問に、思わずぎょっとする。
しまったと舌を巻くがもう後の祭りだ。迂闊だった。取るのを忘れていた。
「……。……ああ、これはなぁ」
「“これは”?」
少女は繰り返す。その後一拍、ほんの一拍だけ間を開けて青年は口を開いた。
真っ直ぐな瞳だった。そこには僅かな曇りすらなかった。

「……友達がくれたんだ」

青年は頬を赤らめ微笑む。
「ナニソレ」少女はつられて控えめに笑った。「変なリッド」
「だろ」青年は苦笑を浮かべる。「俺も変だと思う」

233今日にさよなら、明日におはよう。 ◆1GiZbsHFZI:2013/03/26(火) 16:25:08






ーーーーー嘘を吐くことだって、出来た筈だった。
むしろ変に友達だとか言うくらいなら、イメチェンだとかなんとか言った方が自然だったのかもしれない。
下手に突っ込まれて、いい言い訳が思いつく自信もない。
だけど。だけれど、そうはしなかった。したくなかった。
嘘を吐けばこのリボンごとおもいでも絆も決意も、なにもかもが消えてなくなってしまう気がしたから。






風車が回っていた。小鳥が唄を歌っていた。金色の波が麦畑に満ちていた。
故郷ラシュアンはいつもと変わらずそこにあって、世界はのんびりと欠伸をしながら正常に廻っている。

「よう、リッド。……。
…………………。
 ……おい、なんだその戯けたリボンは。王都の仮装パーティにでも行くつもりか?」

当たり前の日常。約束された平和と、呆れるくらいの自由。
いつも通りの皮肉。紺碧色の髪を弄りつつ、肩を竦める友人は相変わらずだった。
青年はほっと胸を撫で下ろす。そうだ。どうしようもないくらいに、ここが自分の居る世界なのだ。

「うっせーな。どうせ似合ってねーよ」

青年が嬉しそうに頬を膨らませると、学士はハン、と鼻で嗤い後ろの少女を一瞥する。
「聞いたかメルディ。まったくこいつときたらとことん馬鹿だ。
 似合ってない自覚があるなら外せばいいだけの話だろう? 違うか?」
「なんだとお?」
額に血管を浮かべ、青年は学士へと足を踏み出す。
前言撤回。誰がほっとなんかするもんか。まったくもってこいつはいつも挑発が過ぎる。

「なんだ?」学士が言って、
足を踏み出した。「暴力で訴える気か? これだから野蛮な猟師は困る」
「お、おま。猟師を馬鹿にすると肉に祟られるぜ、キール!」
「ふん、馬鹿馬鹿しいな。祟りという迷信に近い概念が胡散臭くていかにも田舎らしい。
 よし。まずお前には霊魂について話す必要があるようだな」
学士は大きく息を吸うと、人差し指を立てて捲し立てる。
「いいか、そもそもレオノア百科全書第三巻生命学第六十三項よると霊魂というやつはだな、生命体の約三分の二を構成する水晶霊が、
 宿主である肉体が失われた事により空間に拡散せねばならない時、ある特異条件下によって拡散せず収束結合する現象によって生まれるものとされている」
「お、おい……ややややめろよ霊とか怖ぇって!!」
青年は怯えた声で叫ぶ。学士はそれを馬鹿にするかの様に溜息を吐いた。
「怖いものか。今からそれを説明するんだ」
「ワイール! キールがお話、面白いけどちょっと長いな。短くお願い!」

げ、と眉を顰める青年。どうやら乗り切らしい晶霊技師を尻目に視線だけで後ろの少女へ助けを求めるが、首をふって肩を竦めるだけだ。
諦めろ、ということらしい。そんな殺生な……。

234今日にさよなら、明日におはよう。 ◆1GiZbsHFZI:2013/03/26(火) 16:29:21
「いや面白かねぇしだいぶ長ぇよ……なぁ、怖い話はもうやめようぜ?」
「黙って聞け。ここから先は僕の持論だが、これにはファキュラ説とそれに伴うカロリック流動が密接な関係にあると言えるだろう。
 仮にファキュラ説が正しく、晶霊群に意思があるとするならば、肉体を構成するそれらは当然宿主に依存する。自然物とは逆にな。
 さてここで問題だ。肉体的な死により宿主を無くした水晶霊群はどうなると思う?」
「んー、消えちゃうか?」
晶霊技師が小首を傾げて言った。学士は頷く。

「うん、まぁ正解に近いが少し違うな。答えは拡散だ。水晶霊群は肉体から乖離し大気を漂う。
 しかしファキュラ説が正しいならば、そこにイレギュラーが発生する。
 宿主の記憶を持つ晶霊群が元の形を取ろうと意識的に集合し、晶霊圧を増加させるケースがあるからだ。カロリック流動がこれには関係している。
 仮に肉体の晶霊の群ないしは単体側に意思があるならば、僕達の意思が否定される事になりかねないから、この論は兼ね正しいと言っていい」

「ねぇメルディ、チャットは?」
「船でお留守番だよ。整備とか言ってたな」
「そっか。後でチャットも呼んで皆でご飯食べよ?」
「ワイール! ファラがお料理久しぶり!」
「オムレツ! ファラ、俺オムレツ食いてぇよ!」

「しかしながら、霊体は半透明で消える事や乗り移る事も可能だと言うし、だいいち目視可能というのは肉体がない前提からいくと不可解だ。
 そこでカロリック流動を持ち出すのだが、その前に第一条件として水晶霊と光晶霊は相性が良い。水晶霊は光晶霊が生む屈折、反射、吸収、全反射といった反応を全てやってのけるからだ。
 さて、カロリック流動はグロビュール歪曲にも関係するのは周知の事実だが、霊体によくある大昔の人物という設定や、半透明、消失などといった能力はこれで説明がつく事くらいはもう分かるな?
 そう、グロビュール歪曲による長期スパンでの特定場においての晶霊圧力場の発生と、カロリック流動と水晶霊群の反応による蜃気楼の発生だ。
 分かるかリッド?」

「いや……“そう”とか自信満々に言われても全然わかんねぇよ」
さっぱりだね、と溜息を吐く青年。学士は眉を潜めたが、直ぐにこほんと咳払いを入れて話を続けた。

「馬鹿は置いといてーーー「おい、バカって言ったかバカって!?」ーーー卵と鶏どちらが先かという話はここでは捨て置くが、
 つまるところ霊魂というものは残留思念体に似たものだと考えられ、晶霊学で説明がついてしまうんだ。
 これを元に考えれば、モンスターの肉体に水晶霊が含まれていない事や、
 水晶霊が飽和して霧状になり現界しているいざないの密林などにおいて、霊魂、ひいては幽霊の類の目撃例が数多くあるのも頷ける。
 即ちファキュラ説の立証は晶霊学の発展のみならず生態学やオカルト現象の解明においても欠いてはならない課題であり、一刻も早く取り組む必要があるのだが、
 アカデミーや王立天文学会の頭が固いプライドだらけの老害連中は、自分達が支持してきた今までの常識が覆される事に強い反感を持っているため、
 ドカターク効果の検証やオリナシ方程式の虚数解においても未だにーーー……」

目尻に涙を浮かべて大きな欠伸をする青年と、腕を組んで偉そうにふんぞり返る学士。
その間へ、半ば呆れたように少女が割って入った。

「ストップスト〜ップ! そこまでだよ二人共!
 久し振りの再会なんだからそのへんにしておきなさい!」
「いや二人ともって……明らかにキールが悪いだろ」
「つべこべ言わないの!」

235今日にさよなら、明日におはよう。 ◆1GiZbsHFZI:2013/03/26(火) 16:32:22
ぼそりと零れた愚痴にぴしゃりと激が飛ばされ、へいへいと青年は溜息を吐く。
そこへ追い打ちをかけるように、
「そうだ落ち着け、情けないぞリッド」
と煽る声。青年はむっとして学士を睨みつける。

「……てめぇなぁ」
「こら! キールもいちいちつっかからないの!」
「そうだよぅ。リッドが可哀相。キールが意地悪な!」
「わ、悪かったよ……」

手が出る前に咎める少女達は流石というべきか。青年はしょぼくれる学士を一瞥し、やれやれと首の骨を鳴らした。

「……ったく。どいつもこいつも似合ってねー似合ってねーって言いやがって」

学士に説教する少女から離れ、青年は頭のリボンを弄りながら一人呟いた。似合ってないことくらい、分かっているのだ。
暁美ほむら。どちらでも良かったが、今考えてみれば彼女の一言が十中八九世辞だった事くらい、馬鹿な自分でも想像がつく。
でも。



「ワイール! そんな事ないよリッド! そのリボン、メルディがとっても好き!」



……でも、それがどうした。不満も怒りも、何もかもを吹き飛ばす様なとびっきりの笑顔でそう言ってくれる仲間が、一人だけ此処に居た。

「めるでぃ」

無意識だった。口をついて出た彼女の名は呆れるくらい間抜けな音で、自分でも吹き出してしまいそうだった。

「はいな」彼女はそんな気持ちを知ってか知らずか、儚げに笑って青年の手を取った。「メルディは此処に居るよ」

青年の掌に、柔らかな肉の感触と共に熱が染み込む。彼女の手はほんのり暖かかった。
当たり前だった。だって、彼女は“生”きているのだから。血潮が流れているのだから。この世界に立っているのだから。

「メルディ」青年は繰り返し、彼女の手を強く握り返す。声は情けなく震えていた。「ごめん、ごめんな……ごめん」

彼女を見ないようにしていた。何処か喋りかけられないように祈ってしまう自分がいた。
こちらで起きてから、青年は自分なりに考えたのだ。ノアを倒す為にワープさせられた人数は四人。うち二人がプログラムである自分と暁美ほむら。
世界が崩れる瞬間、元のマスターデータに返されたのは自分だけ。メルディやクレス=アルベインは居なかった。
そして元のマスターデータに触れる事が出来たのは暁美ほむらただ一人。

つまりーーーあの世界のメルディは、もしかしなくとも。

だから、罪悪感が拭えなかった。あっちではきっと救えなかったから。
誰かを守る為に極光術を覚えたのに、おそらくそれすら嘲笑して世界は彼女を奪っていった。そしてあの時の自分はそれすら知らなかった。
それがどうしても喉に引っかかって、後ろ髪を引っ張って、しようがなかった。
結果的に彼女は生きている。それでよかったのだけれど、良いわけがなかった。
許しを乞いたいわけじゃない。これはけじめだった。もう二度と大切な誰かを喪ってしまわないよう、自分に課す戒めの楔だった。

236今日にさよなら、明日におはよう。 ◆1GiZbsHFZI:2013/03/26(火) 16:35:07
「なんで謝るか?」しかし、彼女は言うのだ。「メルディはリッドにいっぱいいっぱい、ありがとう言いたいよ」
「でも、俺は」
「リッド」

彼女の手が両頬に確りと添えられる。情けなく歪んだ顔が彼女の双眸に映っていた。


「そのリボンーーーーーーーーーーーとっても似合ってるな」


はっとした。熱い何かが青年の胸にこみ上げる。全身が震えるようだった。
リフレインする記憶。フラッシュバックする台詞。ふと頭に過ぎる奇跡に近い可能性。
その言葉をトリガーにして、雪崩の様に全てが押し寄せた。

「メルディ、お前、まさか」

騒がしく高鳴る心音。焦点の合わぬ瞳。青年の言葉は赤子の様に辿々しかった。
目の前の彼女は、やはり笑って頷く。
「うん。全部、リッドが“おもいで”な」
「へへ……なんだよ、ったく」
青年は気の抜けた表情で嬉しそうにそう呟くと、小さく鼻を啜った。
「アリガト、リッド。この世界を守ってくれて」
少女は青年の顔から両手を離すと、くるりと回った。髪が微風に揺れて、桃色のワンピースががふわりとバルーンを作る。


「メルディ、幸せだよ」


嗚呼、なんてことはなかったーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーその一言で、充分過ぎたのだ。




「おいお前ら、こそこそと何の話だ?」
無粋な奴の無粋な一言にあっと言う間に現実に戻され、青年は苦笑した。ぶちこわしだっつーの。
「知らない! 意地悪キールには内緒だよう」
「うぐ。な、なんだよそれ……」
あかんべえをする晶霊技師にあからさまに動揺する学士を見て、青年は思わず吹き出した。
嗚呼、成る程これは確かにぶちこわしだ。でもーーーーーーそれも悪くないと思うのは、なんでだろう。

「お? なんだキール傷付いたのかよ?」
「だ、黙れ!」
「ちょっと二人共!」
「キール走ったらあぶないよぅ。また今朝みたいにこけちゃうよ」
「おい聞いたかファラ。今朝みたいに、だってよ。ぷぷぷ」
「よ、余計な事は言うなお前! こいつが調子に乗rだぶべっ」
「「「……あ」」」




それから船の整備に精を出す海賊と合流して、青年達は少女の家で沢山話した。
学士の転け方があんまりだったとか、セレスティアは今異常気象が多発して大変だとか、宇宙が綺麗だとかなんだとか。
暫くして、海賊の少女が今日インフェリアに来た理由を青年達に告げた。近況報告ともう一つ、歓喜の町ジイニへ皆で行くからなのだと。

「しかしなんでまたジイニなんだ?」

青年が肉を頬張りながら尋ねる。
わざわざジイニへ行くだなんてそんな物好き、ギャンブラーくらいしかいないと思っていたからだ。
どうやらそう思っていたのは青年だけではなかったらしく、学士がうんざりした顔でパンヤ麺から箸を離した。

237今日にさよなら、明日におはよう。 ◆1GiZbsHFZI:2013/03/26(火) 16:37:47
「まったくだよ。でもチャットが行きたいと聞かなくてな……。
 一人で行けと言ったんだが、なんでもジイニでは12才以下は同伴が要るらしいんだ。
 で、どうせ遊ぶならリッド達も誘うとメルディとチャットが言い出した」
「でもちゃんと公平にするよう多数決にしたじゃないですか」
「多数決!」海賊の茶々に学士が裏返った声を張り上げた。「多数決だって!?」
何が公平なもんかと眉間に皺を寄せると、学士は続けた。
「あれを多数決と言おうもんなら戦争が起きるね。いいかチャット、ああいう結果が分かりきってるのは“数の暴力”と言うんだ。
 当然の様に僕が負ける。まったくもって始末が悪い茶番だ」

肩を竦ませ学士が悪態を吐く横で、けれども海賊はにかりと笑った。

「いいじゃないですか。キールさんもなんだかんだで皆さんと会いたがってましたよね?」
「……ほぉ〜?」
「なぁにキール、私達にそんなに会いたかったの?」
「そうだよぅ。キールが素直じゃないな!」
「ば、ばばっ、馬鹿を言えっ。だだ誰がお前らなんかにああああ会いたいもんかっ」

嫌らしい笑みを浮かべた青年達を尻目に、学士は苦虫を噛み潰した様な表情を浮かべ、咳払いを一つ。

「ごほん。ま、まぁそれは置いといてだ。
 ティンシアからジイニへ、サイグローグという人物からあるアーケードゲームが輸出されたそうなんだ。それが目当てだよ。
 世界で初だから見たいそうだ。サーバーという新技術を使った珍しいシステムらしくてな、プログラムが気になるんだと」

へぇ、と少女が呟くと、隣の海賊が銀色のフォークをくるくると回しながら口を開いた。

「そのアーケードゲームの開発元はアークシステムワークスと言うのですが、ぱっと出の企業で誰も知らないっていうのも気になるんです。
 信じられますか? ティンシアから輸出されたくせに、街の裏の顔でもあるフォッグさんやアイラさんも知らなかったんですよ!?
 一体誰が資金援助して、誰があそこまで高度なものを完成させたのか……下手をすれば軍事用にも使えるとの噂ですし」

ぐんじよう、と少女は繰り返す。それが本当ならぞっとしない話だ。
「どうでもいいけどよ、あぁけぇど……なんだって?」
青年が皿の上のオムレツをかっさらいながら尋ねる。学士はやれやれとかぶりを振った。

「ふん。“アーケードゲーム”だ。世界を旅した癖にそんな事も知らないのか?
 この程度セレスティアでは常識だぞ。雷晶霊に謝れ」
「お前はいちいち嫌味な奴だなぁ……ゲームくらい知ってら。ウィスみたいなもんだろ?」

238今日にさよなら、明日におはよう。 ◆1GiZbsHFZI:2013/03/26(火) 16:42:14
覚束ない動きで肉を切り分けながら青年が言ったが、学士は呆れた表情で黙り込む。
確かにウィスはゲームだが、カードゲームであってアーケードゲームではない。

「……。聞いたかメルディ。こいつジイニのカジノに行った事があるくせに、ゲームのなんたるかを何も理解してないぞ」
「メルディもダンスしか覚えてないよ?」
「俺はインドアな遊びは苦手なんだよ」
青年がナイフを片手に肩を竦ませた。学士はふぅと息を吐いて箸を置くと、ナプキンで丁寧に口を拭き水を飲んだ。
その動作が何を意味するのか青年は理解すると、逃げるように隣の少女へ視線を配る。
「おいおい、こりゃぁまた始まるぜファラ」
「知らない。リッドが悪いんだもん」
「勘弁してくれよ……」
しかし少女はどこ吹く風。すまし顏でソディを自分の料理へ振りかける。

「いいかリッド。アーケードゲームというのはだな、雷晶霊の力を地晶霊を利用して制作された基盤に流す事で起きる反応を利用した、業務用ゲーム機器の事だ。
 そもそもここで言う“ゲーム機器”という単語が何かというのを一から説明すると、セレスティアの文化と歴史に言及しなければならなくなる」
「いや、もういいからメシ食おうぜ……」
「いいや駄目だ。そう言って逃げるのはお前の十八番だからな。空腹など後で満たせばいいだろう?
 ……そうだな、先ずはお前にも理解できる様にティンシアを中心にして起きた産業革命と、ジイニがその特異な文化を守る為に独自に築いた交易ルートについて話そう。
 そもそも何故ティンシアが職人の街と呼ばれ栄えているかだが、これは意外にも歴史は新しく、自由軍シルエシカ発足の際に多額のーーー……」
「ワイール! ゲームゲーム! みんなでやったらきっと楽しい!」
「きっとそうでしょうね!」
「気分乗らねぇなぁ……」
「大丈夫! イケるイケる!」

胸元のペットを抱きながら晶霊技師の少女がハミングすると、それに合わせて胸元で小動物、クィッキーも踊り出す。
青い毛並みが震えると海賊の少女は泣き出して、青年はそれを好機と海賊の皿からオムレツを盗んだ。
話を聞け、と怒る学士に行儀の悪い青年を怒る少女。夜のラシュアンに響く歌い声と泣き声と、罵声と食器の音。
宴はいつまでも続いて、夢のような時間が流れてゆく。窓の外には満点の星、台所からはシチューの匂い。
遠く森から梟が鳴いた。少し冷たい風が吹いて、暖炉の炎はぱちりと揺れる。
桃色のリボンが揺れて、遠く遠く、笑い声がこだまする。

それでいい。それが青年の守りたかった景色なのだから。

239今日にさよなら、明日におはよう。 ◆1GiZbsHFZI:2013/03/26(火) 16:46:25












何処にだって行けそうだった。何だって出来そうだった。そこには全てがあった。
18歳の俺達には世界は広すぎて、けれど世界の何もかもを知ってしまった。
ーーーそう思っていた。
そしてそれは作られたものなのだと彼女は言った。でもそれが真実だろうがそうでなかろうが、何も変わらない。
目の前の笑顔は、空は、風は、光は……嘘じゃないから。
俺達は此処で生きて、生きて、生き続ける。明日は誰にも分からない。未来は誰にも見えやしない。だから、生きてゆく。
あの地平線の向こうには、何がある? 海の底は? 宇宙の向こうは? 答えはきっと、セイファートにだって分からない。
俺達は世界を知った気になっていただけで、まだ何も知らないちっぽけな人だった。




















地に足を立て、息を吸ってーーーーーーーーー俺達はこの世界を歩いてゆく。





















【リッド・ハーシェル 生還】

240今日にさよなら、明日におはよう。 ◆1GiZbsHFZI:2013/03/26(火) 16:48:33
やたら長くて真面目な内容になってしまいましたが、これにて投下終了です。

241安価でゲームする名無しさん:2013/03/26(火) 17:51:40
投下乙です。

242安価でゲームする名無しさん:2013/03/26(火) 22:01:42
うおおおおお、投下乙!
エターニア世界が作られたものだとわかっても、リッドは前を向く。世界が好きだから。
そしてメルディがニッコリしてるぅー! なんかアーケードゲームも登場してるし!
少なからず影響をもたらしてるみたいで、なんともすげえわ
何がすごいってキールの理論がそれっぽいのがすげえwwww

243安価でゲームする名無しさん:2013/03/27(水) 11:12:36
おおおお、投下乙です!
キールの話なげえよwww
サイグロさん、何やってんの!
モーメントどころかアーケードゲーム自体が歴史に存在刻まれてる―!?
けど何よりも、リッドがいいなー。
地の文とか一人称のとことかすごくリッドらしいし
リボンとかメルディのとこに触れてもらえてて嬉しかった


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