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俺「ストライクウィッチーズと洒落込もうか」
748
:
名無しさん
:2017/02/26(日) 21:59:35 ID:zmCSQdik0
どうぞどうぞ、待ってるよ
749
:
彼方より、もう一度
:2017/02/27(月) 01:13:17 ID:dHC0sQBk0
もう設定の整合性とか何とかぶん投げて、思うままに書いたことを初投下させてもらいます。
芳佳ちゃんは可愛い。後宮藤博士はイケメン。生きてないのかなぁ
750
:
彼方より、もう一度
:2017/02/27(月) 01:16:52 ID:dHC0sQBk0
それが部屋に現れた時、予感がした。
これは、向こう側への扉なのだと。
歪む空間を前に、その予感を得た時、俺は、ありったけの準備をした。
持てるだけの、科学技術や『魔法』技術に関する資料と文献。莫大な量のデータを取り込んだハードディスク、SDカード、その他の記録媒体。
それを閲覧する為のスマートフォンやパソコンと、バッテリーを充電するための手回し式の充電器。
以前には伝えられなかったことを伝える為に。
あの人に、もっと色々な事を伝える為に。
そして、遂には為し得なかった、あの娘との約束を果たすために。
あらゆるものを詰め込んで、ギチギチになったリュックや鞄を背負う。
その重みは、そのまま、向こう側に残してきた心残りの重みでもあった。
次に、何時戻れるかは分からない。そもそも、戻れるかすらも怪しい。
遺書を書く心持ちで、家族に向けた書き置きを残し、
鍵を閉め、電源ガス栓水道の元栓に至るまで、全てのインフラを根から止め、
使えないとは分かっているが、財布などの貴重品を念の為に持つ。
これで、後始末は成った。
もう、此方側に残した心配事はない。
荷物を引きずるように走り出し、そして、俺は其処へ向かって、意を決して飛び込んだ。
751
:
彼方より、もう一度
:2017/02/27(月) 01:20:17 ID:dHC0sQBk0
……それから、通り過ぎていった場所には、微かに見覚えがあった。
異空間。
向こう側と、現実を繋ぐ場所。
一度目に此処を通った時は、パニックのままに通り過ぎただけだった。
二度目には、悲しさと辛さで泣きじゃくり、とても風景を見る余裕は無かった。
だから、この空間をまともに見るのは、これが始めてになる。
うねる様な動きを見せる其処は、透明だった。厳密には、そして理論的には、色がついているのだろう。
そうでなければ、人間が視認することは出来ない。しかし、それを視認することが難しいほどに、一面は澄み渡っていた。
飛び込んだ勢いのまま、ふわふわと前へと進む。何もない異空間を、どこまでもまっすぐ、まっすぐ。
それから暫くして、光が見えた。
出口だ。異空間から抜け出す為の、出口。
速度は変わらぬままに、其処へと引き寄せられる。
きっと、出口の向こうにあるのは、
あの場所だ。あの時、あの人と出会った、あの森だ。
あそこに、もう一度行けるのだ。
近づく。光は、どんどんと大きくなる。
それはやがて、視界を覆い尽くし、目が眩みそうになるほど強くなる。
思わず、目を瞑ったその瞬間、光は極限まで強まり、身体はその中へと投げ出された。
752
:
彼方より、もう一度
:2017/02/27(月) 01:25:32 ID:dHC0sQBk0
そして、立っていた。
嘗て見た、木漏れ日の差す草の絨毯。広がる森からは、木の葉の囁く声が聞こえる。
こんな場所が、『日本』にはないことは、散々に調べ尽くして確認している。
何よりも、強く感覚に訴えてくる既視感。此処は間違いなく、あの森だった。
ただ、あの時とは、違うことが一つ。
俺の前に居たのは、あの人ではなかった。
短く切り揃えた、黒の髪。くりくりとした、茶色の瞳。花束を持った小さなその手は、微かに、震えていた。
忘れられようものか。
あの人と共に俺がこの国を離れて、それから、一度も再会することなく別れてしまった、あの娘だった。
彼女は、花束をぽとりと取り落とし、そして、信じられない、といった響きを隠すことなく、震える言葉を紡いだ。
「おじ、さん?」
「はいはい、おじさんですよ」
そういえば、あの頃もこんな風に話をしたっけな、と、前に来た時のことを思い出す。
おじさんという呼ばれ方も懐かしく、あの頃は、背丈も自分の半分ほどしか無かったこの娘が、
今や、青年の年頃かと思わしきほどの成長を見せていることには、不思議な感動があった。
しかし、それを、再会の言葉にしようと思うと、些か気恥ずかしいものがある。
だから、取り敢えず、これだけは言おうと腹を決めていたことだけは伝えることにした。
「遅うなったけど、約束通り帰ってきたよ」
753
:
彼方より、もう一度
:2017/02/27(月) 01:30:07 ID:dHC0sQBk0
途端、この娘は、宮藤芳佳は、普段は全く無縁だった涙を目に一杯溜めながら、俺の元へ飛び込んでくる。
以前の小さかった頃のそれとは全く違う、成長を感じる重みを受け止めてやれば、わんわんと泣きじゃくっている。
それだけ、俺が帰ってきたことを喜んでくれている、ということになろうか。
不覚にも、眦が熱くなる。
一時の逗留者に過ぎなかった俺を、これだけ歓迎してくれるとは、思っても見なかった。
或いは、約束のことなど、忘れられているのではないか、とも。
それだけに、感じ入るところは、一入のものでもあった。
ぽろぽろと、涙で服を濡らしながら抱きついてくる芳佳ちゃんの背を軽く叩き、自分の声の震えを努めて抑えながら、
笑みを作って……実際に作れているかは、少々怪しかった。何しろ、今まさに涙が流れそうな心持ちでもあったから……語りかける。
「久し振り。ただいま、芳佳ちゃん」
服の袖で目元を拭い、そして、にっこりと笑って返してきたその笑顔は、
記憶の中に残る、幼い頃の芳佳ちゃんのそれと、何ら変わるものではなかった。
「……お、かえりなさい。おじさん」
754
:
彼方より、もう一度
:2017/02/27(月) 01:34:28 ID:dHC0sQBk0
これは、二回目の物語だ。
世人の聞けば、嘲けりを以て一笑に付されるであろう、不思議な物語。
向こう側と、俺がそう呼ぶパラレルワールドで起こった、人々との再会と、それに纏わる諸々に関する物語だ。
755
:
彼方より、もう一度
:2017/02/27(月) 01:38:26 ID:dHC0sQBk0
以上プロローグです。
また近いうち続きを書きます。
意味が分からないところはその内分かるように書いていきたいです
756
:
名無しさん
:2017/03/01(水) 01:11:28 ID:VjaWqMIo0
乙乙
757
:
名無しさん
:2017/03/02(木) 20:39:38 ID:gL2a2tCo0
おっつー
758
:
名無しさん
:2017/03/04(土) 19:16:09 ID:7fsRiM3U0
おつ
759
:
短編『これから』
:2017/03/16(木) 09:40:05 ID:uBNHz4S20
俺「俺が代わりに死ぬー!」
森に墜落し負傷した管野直枝を地上型ネウロイの集中砲火から庇うため、身を呈して彼女の前へ躍り出た。
当然俺は魔法を使えるわけもなく、というかさっきまで鉄橋の上から自殺しようと川へ身を投げたはずなのに気付けばブレパンの世界にいて、彼女の危機が迫っている状況に遭遇したのだった。
管野「お、おいっ…お前!」
俺「まじでなおちゃん大好き過ぎる本当に愛してるバンザーイ!!」
咄嗟に動いて、自分の死を有意義にしようとした。
不細工で、ちゃんとした仕事も恋愛もこなせず今迄中途半端な人生を辿ってきた終止符としては贅沢なぐらいだ。と、にっこり笑って俺は迫り来る攻撃を受け止めようとする。
俺「…ぐぶぉあっ!!」
しかし衝撃は後ろから飛んできた。彼女の拳だった。
管野「バカかテメー!オレはシールドぐらい張れる!」
そういって傷だらけの身体でシールドを急展開し、俺と自分を守る管野。
760
:
短編『これから』
:2017/03/16(木) 09:45:58 ID:uBNHz4S20
俺「え、ちょっと…」
管野「誰だか知らねぇが、すっこんでろ!」
俺「あ、で、でも…」
管野「邪魔なんだよ…!」
ズカーンと俺の脳天を貫く言葉。それが今の「邪魔なんだよ」だった。過去のトラウマが沸沸とよみがえる。
せっかく会えた彼女にもこんなこと言われるのか、悲壮感で泣きそうになり唇が震える。
だが、どうせ死ぬんだ。なら最後に!
俺「…っぷりぶおおおおおお!!」
汚ったない声を上げてネウロイに突っ込んだ。
一番近い1体に、振り上げた拳をおもいっきり当てる勢いで非常にカッコ悪く駆けていく。
761
:
短編『これから』
:2017/03/16(木) 09:49:52 ID:uBNHz4S20
俺「ちゅるぎいいいいいいい!!」
彼女のように、この拳で打ち砕いてやる。たとえ出来損ないでも、死ぬ前に。
俺「いっしぇえええええええんんん!!!」
ペコォン。
と、金属に生身の手がぶつかった音がし、ただそれだけだった。
そして鉄を殴ったような感触で俺の手は多分骨折し、ネウロイの瘴気により黒くボロボロに。
俺「いたああああああいっ…!!」
その場にいるネウロイは全員「は?」のような空気に。俺に対し彼らでもそんな反応を…
管野「今だ!」
そのネウロイの隙をついて、管野は落ちていた機関銃を拾い上げ連射し、次々を撃墜していった。
俺「うわああああっ…」
銃の音に怯えて蹲る俺。
762
:
短編『これから』
:2017/03/16(木) 09:53:16 ID:uBNHz4S20
管野は最後の1体を蹴散らす前に弾切れになった為、銃を投げ捨てる。
管野「ったく」
そしてシールドを圧縮していき、超硬化した拳でネウロイへ突っ込んでいく。
管野「こうやんだよ!」
そのネウロイのビームを弾く真っ直ぐな拳は、俺の鬱屈とは真逆で、光り輝く美しい力強さだった。
管野「剣、一閃!!」
--
管野「やめろ、抱きつくな気持ち悪い!」
俺「…だって…だってええええ」
管野「ああっ!クソっ!」
俺は膝をついて彼女の腰に泣きながら抱きつく。自分の醜さで自棄になっていた。
763
:
短編『これから』
:2017/03/16(木) 09:56:51 ID:uBNHz4S20
管野「…ところで、お前は誰なんだよ」
俺「知らない…勝手にここに来た」
管野「なんだそれ、バカか」
俺「でも、なおちゃんが好き…」
管野「……」
彼女は俺を引き剥がして、突き飛ばした。
俺は水溜りに尻餅をつく。
管野「本当にバカで気持ち悪いな、おめぇは」
俺「くうぅ…」
管野「オレを好きになるんだったら、ちったぁ強くなることだな」
俺「…え?」
管野「そしたら考えてやるよ」
俺「…………あ」
水溜りの筈なのに、身体がずぶずぶと沈んでいく。
764
:
短編『これから』
:2017/03/16(木) 10:00:00 ID:uBNHz4S20
俺「や、いやだ」
管野「?」
俺「まって、やだ、ここにいたい」
元の世界に戻ってしまうのだと分かった。
俺「俺はここにいたい、ここで強くなりたい、いやだぁっ!」
--
抵抗しても無駄で、水溜りに沈みきって意識が遠のいていった。
しかし足掻けば、まだあちらの世界に残れる気がする。
その中で、
「バーカ、どこでだって強くなれんだろ」
という声が聞こえたような気がした。
その声で、俺は元の世界に戻る覚悟を決めた。
川の岸で目が覚めて、ずぶ濡れ身体を起き上がらせると握り拳が水でキラキラと光っていた。
765
:
短編『これから』
:2017/03/16(木) 10:04:49 ID:uBNHz4S20
--
そして5年後、強くなった俺は管野に会いにいく為、また自殺を試みたが、本当にそのまま自殺してしまいそうなので、バカらしくてやめた。
強くなったら、俺は気付けばブレパンから離れていたらしい。
あの時もし、強さより彼女を欲していたら…
俺「ふ〜」
1日の疲れを癒す風呂に入りながらそんなことを考える。
俺「そろそろ寝るか」
そう言って栓を抜く。すると渦巻く排水口に足が吸いつき、身体ごと回転しながら吸い込まれていった。
あまりの出来事に整理がつかないまま、俺は熱湯の中を泳いだ。
しばらくすると光が見える。
その光を目指して泳ぎ、頭をあげると、唇が柔らかい小さな割れ目に当たった。
管野「うぇっ!?///」
これから、これからなんだ。
終了
766
:
名無しさん
:2017/03/17(金) 00:49:08 ID:3cWATjQg0
最後の「割れ目」で多分作者の意図とは異なる想像をした。
俺の心は汚れてる。
ともあれ乙乙。
読みやすくて良かったよ
767
:
名無しさん
:2017/03/17(金) 03:37:34 ID:uB/L3gqI0
おつおつ
768
:
名無しさん
:2017/04/16(日) 06:10:34 ID:94GWF/R.0
ほあぁ…まだスレ残ってたんすねぇ
たまにwikiの方覗いてたけど動き無いからてっきり消えたもんだと
769
:
名無しさん
:2017/04/17(月) 01:54:04 ID:2neEuiPk0
ときどき短編が投下されるからブックマークから外せない
770
:
短編『作俺』上
:2017/05/03(水) 15:48:06 ID:hBxbThhY0
俺「全く書けない」
脳の中を隅々まで潜り抜けても何一つ出てくるものはない。本当の本当に今度こそ空っぽだ。
口が開きっぱなしのまま座った半開きの目でディスプレイを見つめ、手足の筋肉は重力に従うまま脱力している。霊魂というものがこの世に存在するのであれば、まさにそれが抜けた状態が今の自分だろう。このまま動かず自分は死んでいくのだろうか。まるで売れない安っぽい服を着たマネキンにもなったようだ。
そういった安っぽい想像はいくらでもできるのに、目の前のシナリオプロットは一文字も進まない。〆切、二時間前。これを期限内に提出できなければ今後の仕事が真っ白になり、代わりに真っ黒な不安が到来する。大変おぞましい。
俺「……全く書けない」
また同じことを言ってしまった。周りには誰もいないのに、そんな弱音を何度も吐く自分が誰かに監視されているようで、恥ずかしさもあって恐る恐る背後を気にして振り返る。当然誰もいない。埃をかぶった透明な観賞用ケースの中に飾られているフィギュアの笑顔が自分を馬鹿にしているように感じた。いつもは応援してくれているはずなのに。
771
:
短編『作俺』上
:2017/05/03(水) 15:51:14 ID:hBxbThhY0
俺「……だって書けないんだもん」
そう空に呟いて、パソコンの画面と再度にらめっこ。
俺「………そうだ、過去にSSでボツしたやつを引っ張って参考にすれば」
--
「男の俺」
ストライクウィッチーズの女は強い。
でも現実の世界では、男の方が正直強いのかもしれない。
暗黙として男が幅を利かせているかもしれない。
そんな差別的なことを前までは考えてなかったけど、この仕事を始めてから不思議と感じるようになった。
772
:
短編『作俺』上
:2017/05/03(水) 15:54:17 ID:hBxbThhY0
店長が彼女達を雇う面接で最後に「映像の方も紹介できるから」と推し、その反応で合否を決める方法は、金を搾り取れる人かどうかを見極めていた質問だったと気付いたし、そういえば過去に父が「女はな、実は全員バカ。男が賢い」と母に内緒で話をしてきたことも思い出した。
自分はそんな風に思いたくはないが、心の底では女に対してそういう意識があるのかもしれない。
俺は男だから。
全然弱いけど。
本当は弱いから差別してしまう。
とにかく男よ、とりあえず優しくあれ。
第1話「彼女は女」
「生きてますか?」
小鳥のさえずりと、知らない女の子の声が聞こえてくる。次第に目が覚め、朝陽で明るくなった周囲を眺めると、そこは海岸の側で、草木が潮風で靡いていた。
773
:
短編『作俺』上
:2017/05/03(水) 15:58:25 ID:hBxbThhY0
俺「え…海?」
まさか、海まで来ちゃったか。
繁った草の上に身体は寝転んでいて、起き上がろうとすると鈍い痛みが頭に響いた。
俺「いだっ…!」
「大丈夫ですか?」
飲み過ぎた。確実に二日酔い。おまけに帰る駅を乗り過ごして海の方まで来ちゃってたんだ。ベロベロのまま電車に乗ったのはいいけど、それからの記憶が無い。
海ってことは横浜とか江ノ島の方か。
俺「あの、すいません…ここってどこですか?」
「ここは佐世保ですけど…」
俺「…さ?」
佐世保。佐世保って、長崎、佐世保バーガーの佐世保?九州?
俺「佐世保…?」
「はい、そうですけど」
俺「そんな冗談…」
酔っ払って東京から長崎まで来たなんてあり得ない。無意識のままフェリーか飛行機だぞ、アホか。
774
:
短編『作俺』上
:2017/05/03(水) 16:03:07 ID:hBxbThhY0
「立てますか?」
俺「あ、ありがとう…」
ふらつく身体を支えてくれた彼女に感謝し、まだ覚めきってない意識をしっかりさせようと顔を手で揉む。
顔を揉んでいると、頭痛だけでなく頬の痛みにも気が付いた。
昨日殴られた頬が寒気を伴うほど腫れている。
「こ、これどうしたんですか!?」
俺「え?ああ」
「すごい紫ですよ…!」
俺「えぇ…そうなんだ…」
自分でも笑うしかない。
俺「…殴られて。あ、女の子に」
「へ?」
俺「告白して…ふられちゃった」
「ええっ!?」
いきなり見ず知らずの子に何を打ち明けてるんだろうと自嘲しながら、それでも吹っ切れて話し続けてしまう。
俺「働いてたとこで出会ったんだけど、割と…そういうとこではかなり明るい方で、アニメとかが好きの子で。何度か飲みに誘われたり、一緒に映画とかアニメとか観たりしたんだけど…俺が勘違いしちゃってたのか、あっちが仕事的に…気を使っちゃったのか分かんないけど、店の外で告白したら殴られちゃった、グーで」
775
:
短編『作俺』上
:2017/05/03(水) 16:06:51 ID:hBxbThhY0
「と…とにかく大変だったんですね…」
俺「うん…ひかりさんっつってね」
「……」
俺「ま、源氏名なんだけど、本名教えてくれなくて」
「ひかり?」
俺「うん」
「わっ、私もひかりって名前です」
俺「…は?」
この声、そうだ聞いたことがある。
確か休憩室でひかりさんに見せてもらって、俺も目覚めてしまった、あのアニメ。
ひかり「私は扶桑皇国佐世保航空予備学生、雁淵ひかりです!」
今日はコスプレDAYなのか。
俺「俺は俺って名前です」
ひかり「俺さんっていうんですね!えっと俺さんは…なにをしてる方?」
俺「ピンサロのボーイです」
ひかり「…え?」
776
:
短編『作俺』上
:2017/05/03(水) 16:10:42 ID:hBxbThhY0
俺「お金が無くて、ピンサロで、ボーイのバイトしてます」
ひかり「ピン…サロ?」
俺はまだ眠りから覚めてないようだ。
--
俺「うーん……これを元に風俗で働いていたボーイが異次元に行った話を……」
いや、こういった変化球ものは大抵後からクレームが来るかもしれない。キャラにそういった風俗的な背景を絡めるのはあまり良くない気がする。先方からも明るめと言われているし。
俺「ならもっと、バカバカしく元気が出るものを…」
--
777
:
短編『作俺』上
:2017/05/03(水) 16:13:59 ID:hBxbThhY0
「ラル隊長、ママになってください」
ラル「お前は何をいっている」
俺「いやだから、ママになってもらいたいなって」
ラル「そのママとは一体何のことだ」
俺「赤ちゃんの世話をしたり、おっぱいをあげたり、することです」
ラル「一応聞くが、誰のママだ」
俺「俺のママです」
ラル「……消えろ」
俺「まま、ママァーーーーーッ!!!」ガバッ
ダァン
俺「うう…」ピクピク
ラル「訓練弾だ…そんなところで仰向けになってないで早く出ていけ。ん?」
俺「」ボッキーン
778
:
短編『作俺』上
:2017/05/03(水) 16:17:06 ID:hBxbThhY0
ラル「……これは」
ボッキーン
ラル「…///」
--
俺「いやダメだろ…これ的なの出したら先方に殺されるわ…」
このままだと同人誌的な展開が予想でき、見慣れた大衆は鼻をほじりながら馬鹿にするだろう。
俺「どうすりゃいいんだ」
引き出しを開け、禁煙していたタバコに手を伸ばす。完全に無意識な行動だった。
俺「あ…」
しかし自分は今こんな切羽詰まった状態なんだと封を切り、しっかりタバコの箱を掴み、別の引き出しからライターも取り出して、溜息をつきながらベランダに出た。
779
:
短編『作俺』上
:2017/05/03(水) 16:20:37 ID:hBxbThhY0
俺「もうダメだ」
外はありきたりといえるような満天の星空。
タバコに火をつけようとするも、なかなかライターが着火しない。久々に繰り返す親指の擦れに焦燥感がつのる。自分の「あー…あー!」という声が大きくなっていった。
俺「もおおおお!」
あまりの着かなさにベランダの床にライターを叩きつけた。自分は思い切り投げたはずなのに、コンクリにぶつかる音が意外に小さく余計ストレスを溜める。
壊れていない頑丈なライターを見つめていると、ていうか外はもう夜だったっけと、今更感じた。
そして外の景色を見て、そんなものでは安らがない自分の心とでもいえるような部分が冷めていく。
そんな時に、大きな風が吹いた。
780
:
短編『作俺』上
:2017/05/03(水) 16:24:36 ID:6yjpPXYs0
俺「…は?」
その安らがない空のはずなのに、あるものが俺の目を捉えた。
幻覚なのか、分からない。
ただ咄嗟に手に持ったタバコを捨て、ベランダから玄関へ駆け出し、靴のかかとを踏んでアパートの外へと繰り出した。
不慣れな運動で苦しくなる呼吸と興奮で高鳴る心臓を同期させながら、耳に聞こえるレシプロの音を頼りにその方向を探した。
ただの飛行機だろう。そんな疑問を吹き飛ばした理由は、
俺「絶対、俺に笑った…!!」
ここにいるはずのない筈の人物が俺に空から笑いかけたからだった。
ありえないのは当然だ。だけど確かなんだ。
ここから見える二つのレシプロと、人の影をした低空飛行をするその光を信じて、見慣れた町並みを過ぎ去っていく。
靴も脱ぎ捨てて。
幻覚でもなんでもいい。
今まで完結できなかった物語の続きが、目の前にある気がした。
つづく
781
:
名無しさん
:2017/05/04(木) 03:28:53 ID:LE3YiuqQ0
おつ
782
:
名無しさん
:2017/05/06(土) 00:32:54 ID:GJOvRrRk0
ボツ原稿にはかつての夢とロマンが眠っている
乙乙
783
:
名無しさん
:2017/07/08(土) 18:23:28 ID:FolBcXEE0
久しぶりに来たけどまだ続いていることに感謝だな〜
784
:
名無しさん
:2018/02/23(金) 08:20:17 ID:ebWAkYZ20
久々に来たけど、まだ残ってんだ、良かった
785
:
名無しさん
:2018/07/08(日) 18:29:04 ID:7AMgccFA0
ttp://w-witch.jp/
501再び
786
:
名無しさん
:2018/07/08(日) 23:41:44 ID:A94./bK20
新たな作戦が動き出したようだ私もここに戻ってきた
787
:
名無しさん
:2018/09/04(火) 19:27:04 ID:bP1Vrti60
まだ残ってたのにびっくりだよ
懐かしいなあ
788
:
名無しさん
:2018/12/13(木) 22:21:04 ID:U2P6FncM0
まだ、俺の青春のフィラデルフィアが残っていたとは・・・
789
:
名無しさん
:2020/09/12(土) 03:59:57 ID:6eD/mbDc0
まだあったのか…
790
:
名無しさん
:2022/03/21(月) 22:47:15 ID:hst0aUow0
この掲示板には2000年代の頃の空気が少しだけど感じられていいね。
数年前に3期が放映されたのにあまり書き込みがないということは
すっかり忘れ去られたか。
ネット上にこういう創作物を書いて後で黒歴史だののたまう連中は
死ぬほど見かけるけど、二次創作は何だかんだ言って楽しいから
こういう意見は寂しい。
俺もいつかこの掲示板に一本は投稿したいけどその時まで残ってるかな。
その時掲示板が無くなってたらハーメルンか自分のサイトにでもあげるかな。
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