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俺「ストライクウィッチーズと洒落込もうか」
1
:
名無しさん
:2013/04/07(日) 02:07:57 ID:qhlpEsaY
ストパンの世界に俺を入れてイチャイチャしようずwwwwwwwwww っていうスレ
∧
/ |
〃 .|
.// | ___ _,. イ
/ | / _ __ / /
( |. /; ; ; ; ; ; ; ;.;.;>、/ / /
ヽ.! /; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; < ̄ ̄
/ V; ; ; ; ; i; ; ; ; ;.;.丶; ; ; ;ヽ
.///; ; ;./; ;/|; ; ; ; ; ;.;.;l; ; ; ; ;.i
|/; ;./ ; ;/; ;/ .l .ト、; ; ; ;.;ト; ; ; ;.;\ _,
ノ ; ; |; ;ノイ/⌒l | | ; ;7⌒| ; ; ! ̄
/!|; ;A ; ; l∧|⌒リ ! ; ;/ ノヘ!. ; ;l
|.!/{ ト、 ト弋シア ノ/弋シア; ;ノ
|.!; ;ヾ; ;\ ,.,.,. ,.,., !イヽ
l; ; ;.| ; ; ト、 rt.、_’ ノ ノ ; ;}
/; ;l ヽ、; ;\>` ー´.ィ /イ /
./; ;/; ; ; ;>ーヽー穴t;. | '´
/; ;/ ; ;/ヽ、 \ /《ム,\⌒≧
/イ; ;/ミ>/!L_>< {ミh,,入_}
//⌒ヽ< ノノ マミhV フト、
./ l \ >= _`マ》Y<>、
/ヘ∧ \V/ / > ⌒\ ヽ
ノ .人 Yヽ / ,)、 /
妄想を垂れ流すのもよし、初SSに挑戦してみるのもよし
そこのお前も書いてみないか?
ミラーwiki ttp://www48.atwiki.jp/vip_sw/
保管庫 ttp://www52.atwiki.jp/oreqsw/
ブログ形式保管庫 ttp://mtssstr.blog.fc2.com/
避難所 ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/14336/
まとめWiki運営スレッド5
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/14336/1350988509/
雑談スレ オ67ミン C
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/14336/1361541718/
前スレ
俺「ストライクウィッチーズ、ブレイクナウ」
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/14336/1352033747/
588
:
名無しさん
:2014/12/31(水) 03:03:21 ID:hHDSVqLE0
お・し・り
589
:
名無しさん
:2014/12/31(水) 04:03:52 ID:UbNsrIS.0
古い意味で壁ドン
590
:
名無しさん
:2015/01/20(火) 00:38:48 ID:CX4ZTp3Y0
来てよかった
591
:
名無しさん
:2015/02/15(日) 01:02:26 ID:U47mMdKk0
バレンタインSS投下するゾ
尚,30分クオリティの妄想オナニー脳死SSだからクオリティはお察しの模様
592
:
名無しさん
:2015/02/15(日) 01:03:36 ID:077lyFEI0
阻止すりゃいいのか
593
:
名無しさん
:2015/02/15(日) 01:05:29 ID:U47mMdKk0
俺「なあ」
エーリカ「んー?」
俺「チョコくれ」
エーリカ「ほい」
板チョコが視界の下から飛び出す
コタツの向かい側から投げられた板チョコは,俺の頭の横に角から着地した
俺「食い物を投げるな」
エーリカ「はいはいすいませんねーだ」
明らかに不機嫌な声
原因は解っている
朝の事だ
エーリカが起きるなり「デートをしても良いんだよ? まあ,私はしなくても良いんだけどね。俺が今年も一人で過ごすってのは可哀想だし」
と,行ったので俺はそれに「じゃあ,家でゴロゴロしてようぜ。俺寒いの嫌だ」
と,返してしまったのだ
594
:
>>592 阻止するだけのクオリティじゃない
:2015/02/15(日) 01:09:43 ID:U47mMdKk0
別に,寒いのなんて厚着すればどうにでもなる
ただ……
こんな時期に変な事言うのも雰囲気に中てられたみたいで嫌だし,なによりそれじゃエーリカにも失礼な気がする
仕方が無い。機嫌取りみたいで嫌――否,実際機嫌取りだが,とっておきを出そう
コタツから這い出て,キッチンの食器棚の奥から透明のビニール袋に入ったチョコを取り出す
俺「なあ,エーリカ」
エーリカ「何さ」
俺「チョコ。やる」
ふてくされてコタツで寝ているエーリカの腹の上にチョコを置く
エーリカ「受け取り拒否。もうちょっと雰囲気を考えて」
流石にこれはカチンと来る
じゃあ,どうすれば良いのか。ベッタベタなのをご所望とあらばやってやる。口だけなら
俺「はあ。そうですかい……じゃあ,どうだい? 夜景の見えるレストランでディナーでも」
595
:
名無しさん
:2015/02/15(日) 01:13:25 ID:U47mMdKk0
エーリカ「ホントに?」
俺「え」
久しぶりにこんな目をキラキラさせたエーリカ。いや,人を見た気がする
しかし,こんな日にそんな場所で食事ができるのだろうか
俺「どこか……店が空いてたらね?」
エーリカ「うん」
少し痛い出費だがまあ,たまには良いだろう。それに,こんな可愛い子が楽しみにしているんだ。普通は頑張って出すものだ
俺「その……なんだ。すまんな」
エーリカ「まあ,しょうがないよ。それよか,ごはんできた?」
結局,どこも予約でいっぱいだった
当たり前と言えば当たり前。残念だが仕方無い
それでも,一度期待させた以上,申し訳ないと思う
596
:
名無しさん
:2015/02/15(日) 01:16:46 ID:U47mMdKk0
俺「なあ」
エーリカ「んー?」
俺「悪かったな」
エーリカ「良いんだって。まあ,そう言う事を経験したいってのも有るけど……それでも,今日じゃなきゃダメって訳じゃ無いし。それに,私俺の作る御飯大好きなんだよ!?」
俺「すまんなあ……」
これだ
この子はいつもこうやって俺の失敗を許してくれる
多分,俺がこの子に惚れたのはそう言うのも有るのだろう
そして,気付いた時には遅かった
俺は,この雰囲気に中てられた
俺「なあ……エーリカ」
エーリカ「んー?」
御飯を租借しながら小首をかしげる。悶えるのを堪えながら,言う
俺「その……好きだ。恋人になってくれ」
多分,この状況で彼女は断れない。そんな状況でこんな事を言うのは嫌だった。それでも,行ってしまった言葉は今更口には戻せない
597
:
チョコですか?
:2015/02/15(日) 01:19:49 ID:U47mMdKk0
エーリカ「は?」
エーリカは箸を止め,立ち上がるとキッチンに行き,手を水で洗ってきた
怒ったときにすると落ち着くと俺が教えた事だが,何故今なのだろうか
それとも,この状況で言った事に彼女も怒っているのだろうか
まずい事をした。と,おびえていると,俺の向かいに座りなおしたエーリカが口を開く
エーリカ「私達付き合ってなかったの?」
俺「え?」
598
:
貰ったと思います?
:2015/02/15(日) 01:23:21 ID:U47mMdKk0
エーリカ「え? じゃなくて。じゃあ,今まで手を出さなかったのって……」
俺「うん。付き合ってない内から手を出すのは論外かなー。って」
エーリカ「じゃあ,今まで私がくっついてた時は『めんどいなー』とか,『付き合ってもないのにこいつは……』とか思ってたの?」
俺「まさか! 嬉しかったよ! ずっとエーリカのこと好きだったし」
エーリカ「じゃあ,何で今まで『付き合って』とか『好きだ』とか言わなかったの?」
まずい。かなり怒ってる
ここまで怒ったエーリカは見たことが無い
ここは……
謝りつつ,反論する!
俺「それは……俺がヘタレだからで……でも! エーリカだって『付き合って』とか言った事無いじゃん!」
エーリカ「それは……」
急にエーリカがうつむく
しまった。ここは素直に謝るべきだった
599
:
悲しいんでこの話はやめますね
:2015/02/15(日) 01:28:21 ID:U47mMdKk0
俺の悪い癖だ。人の荒をさがしてそこを責める
エーリカ「私だって……私だって夜景の見えるレストランでディナーしながら指輪渡されたりとかそう言うベタベタで使い古されて真っ黒に手垢の付いた様なシチュエーション経験した
いんだもん! バカぁ!」
俺「ご……ごめん」
エーリカ「ん。私もちょっと感情的になった。ごめん」
そう言うと立ち上がり,玄関の方へ歩いて行く
俺「どこ行くんだよ」
エーリカ「外走ってくる」
俺「なんで」
すると,エーリカは振り返らず。しかし,後ろからでも解るほど耳を赤くし,こう言った
エーリカ「夜にお腹出てたら恥ずかしいでしょ。ばか」
「お腹でてても可愛いよ」
そう言うと本気で殴られかねないので,俺はただ
俺「早く帰ってこいよ」
そう言うしか無かったのだ
600
:
でも,来年こそは……
:2015/02/15(日) 01:32:24 ID:U47mMdKk0
俺は徹夜が苦手だ
元々睡眠時間を多く取る体質に加え,エーリカとの昼寝が生活リズムを崩す要因となるので出来なくなる
俺「エーリカ。今日は夜まで起きてるのか」
ベッドに腰かけ,全裸でチョコを食べるエーリカに尋ねる
受け取り拒否とか言っていたが。結局受け取ってくれるのか
エーリカ「そだね。今から寝たら夜寝れないし。だから,これ。ちょっと遅いけどバレンタイン」
寝室に置いた小さい冷蔵庫を開け,雄牛がデザインされた缶を取り出し,ゆるく此方に投げる
俺「甘い物じゃないのか」
エーリカ「甘い物は夜にいっぱいくったでしょ」
俺「ああ,それもそうだな」
キンキンに冷えた缶が,俺の胸の上にそっと落ちる
素肌に触れたその冷たさと彼女の想いの熱さに,俺は朝っぱらから叫び声を上げる事になった
601
:
名無しさん
:2015/02/15(日) 01:35:30 ID:U47mMdKk0
お・し・り
602
:
名無しさん
:2015/02/15(日) 18:17:59 ID:gWRl2dS.0
また君かぁ……乙乙
603
:
名無しさん
:2015/02/17(火) 09:45:51 ID:cOXo0O7k0
おっとSS来てるじゃない
乙乙
604
:
芸人な俺
:2015/04/09(木) 17:07:59 ID:MhlNlcRo0
皆さんお久しぶりです。
芸人な俺です。
今夜か今投下しようと思っております。今まで書いてなくてスンマセン。
605
:
芸人な俺
:2015/04/09(木) 17:19:22 ID:MhlNlcRo0
兵1「おーい俺中尉ー!そこにある工具取ってくれませんかー!!?」
俺「あ、はーい」
兵2「おい、相方!!!まだ道具きてないんだけど!!!」
相方「あ、すいません!!!今取りに行きます!!」
606
:
名無しさん
:2015/04/09(木) 22:26:49 ID:KCiwy.WM0
止まった?
607
:
芸人な俺
:2015/04/09(木) 22:58:03 ID:S.LwoKy20
俺は芸人だ
とあるお笑い賞レース番組を見て芸人を夢見て後輩を誘ったが未だ売れず。
事務所に帰る途中にトラックが目の前に来て死んだかと思ったら
いきなり1945年にタイムスリップした。
とはいってもここでは日本という国はなくて代わりに扶桑と呼ばれている。
俗にいうパラレルワールドってやつに飛ばされたのかもしれない。
今俺たちが働いてるこの場所もロマーニャという元いたところでは聞いたことのない国だし・・・
608
:
芸人な俺(すいません色々とやることがあって5時間間がありました)
:2015/04/09(木) 23:07:25 ID:S.LwoKy20
相方「なあ兄貴ぃ・・・」
俺「なんだ・・・?」
相方「兄貴だけずりぃよ・・・なんで俺だけばしばししごかれて、兄貴には何も言われないんだよ・・・」
俺「しょうがねぇだろ・・・俺は中尉でお前は少尉なんだ階級が違うんだからしょうがないだろ」
相方「でもよぉ〜・・・」
兵B「おい、相方ぁ!!なにサボってんだあ!!!!」
相方「ひぃ!!」
俺「おい、相方呼ばれてんぞ。サッサ行った。」
相方「兄貴ぃ〜」
609
:
芸人な俺
:2015/04/10(金) 00:12:46 ID:P/P4lTeU0
俺「はぁ〜・・・」
一応ここに来て2日は経った。
ここでは・・・いやこの世界の時代はやはり戦時中だ。でも戦ってる相手が人間じゃない
俺「ネウロイねぇ・・・」
人外と戦ってると聞いたとき、最初はドッキリと思っていたが、事務所が事務所でありこんな大きいセットを作るのは不可能だと俺はすぐ思った
しかも武器は足に何かを履くようなもので・・・俺たちはその整備兵だった。
610
:
芸人な俺
:2015/04/10(金) 00:36:32 ID:P/P4lTeU0
俺「一体どうなってんだよ・・・この世界は・・・?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜3日後、夜〜〜〜〜〜〜
俺「ふぅ〜・・・」
相方「なぁ兄貴・・・」
俺「ん?」
相方「ここ脱走しよ・・・」
俺「あぁ?」
相方「いろいろ我慢してきたけど・・・重い物何個も運ばされて・・・仕事が遅いとかで蹴り飛ばされて・・・女の子と会話できると思ったらまったくなくて・・・もう嫌だよ・・・」
俺「相方・・・お前な・・・」
相方「兄貴ぃ・・・」
俺「はぁ〜・・・」
611
:
芸人な俺
:2015/04/10(金) 01:04:05 ID:P/P4lTeU0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
俺「ほら・・・こっちだ・・・」
相方「待ってよ兄貴〜」
俺「お前脱走したいって言ってたのになんで遅いんだよ」
相方「兄貴が早すぎるからだよ〜」
俺「そんなんだからお前は上の人に何度も怒られんだよ。大体お前はいつも・・・」
相方(またはじまった〜兄貴の長い説教・・・)
相方「なぁ兄貴・・・はやくここから・・・・・・・・・・」
俺「だから俺たちはいつもオーディションでってお前聞いて「兄貴見てよ!!!」
俺「あぁ?」
相方「すげぇ星空だ〜!!!」
俺「・・・・・・」
その星空は未来とは違ったきれいな星空だった。俺が見た中でもたぶん一番だ。
俺「・・・綺麗だな」
相方「だろ!!兄貴!!!」
612
:
芸人な俺
:2015/04/10(金) 01:19:15 ID:P/P4lTeU0
♪〜〜〜〜〜♪〜〜〜〜〜〜〜〜
俺相方「「???」」
相方「兄貴、何か歌聞こえない?」
俺「こっちからだ・・・」
♪〜〜〜〜〜♪〜〜〜〜〜〜
相方「一体だれが歌ってるんだろう?」
俺「おい、相方もう少し後ろに・・・」
相方「だって見えないかr・・・」
♪〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪〜〜〜〜〜〜〜〜
相方「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
613
:
芸人な俺
:2015/04/10(金) 01:22:20 ID:P/P4lTeU0
俺「・・・相方?」
相方「・・・・・・・・・・・・・・」
俺「おい・・・相方?」
相方「・・・・・・・・・・」
俺「おーーーーーーーーーい相方ーーーーーーー」
相方「ヴェ!!?え?あ?うわっ!!」
バターーーーーン!!!!
???「!!?」ビクッ
相方「え!?あ、いや・・・その・・・」
???「あの・・・」
俺「おい、相方・・・お前・・・」
614
:
芸人な俺
:2015/04/10(金) 01:27:33 ID:P/P4lTeU0
相方「ごめんなさーーーーーーーーーーーーーーーーーい!!!」
ズダダダダダダダ!
俺「おい、相方!!!ちょっと待てって!!!」
タッタッタッタッタッタ
???「あの・・・そこ・・・段差が・・・」
バタバタバタバタバタバタ
俺相方「「ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」」
イッテーーーーー
オマエチャントマエミロヨーーーーーーー
ダッテアニキガーーーーーーーー
???「・・・・・・・・・・」
???「・・・・・・・・フフッ」
-----------------------------------------
------------------------------------
-------------------
------芸人な俺------------------
------------------------------------
---------------------------
615
:
芸人な俺
:2015/04/10(金) 01:31:02 ID:P/P4lTeU0
以上です
今日中に終わるかと思ったら1時まで続きました。
本当にすみません。
616
:
名無しさん
:2015/04/10(金) 09:33:09 ID:LRJkqMQY0
久しぶりやな
乙
617
:
名無しさん
:2015/04/13(月) 03:05:53 ID:E27j6bK.0
最後なにがあったんだw
618
:
名無しさん
:2015/04/19(日) 02:35:09 ID:pxHHh2FU0
2,3年ぶりに来てみればまだ投下続いてるのね
お里に戻ってきた感すごくて安心した
619
:
芸人な俺
:2015/07/31(金) 01:35:13 ID:qOebAEAc0
深夜ですが投下させてもらいます
620
:
芸人な俺
:2015/07/31(金) 02:04:53 ID:qOebAEAc0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
相方「もういいよ!!!」
俺相方「「どうも、ありがとうございました!!」」
上の人たち(((((・・・・・・・・・・・・)))))
俺相方((・・・・・))
上の人「・・・君たちさぁ・・・芸歴何年?」
俺「・・・え?・・・あ、俺達芸歴7年目です」
上の人「どっちも?」
俺「はい」
上の人「テレビに出たことは?」
俺「全国ではないですが地方で2回ほど・・・」
上の人「・・・」
相方「あの・・・」
上の人「厳しいこと言うけど・・・3年後君たちがこの状態だったらね・・・解散した方がいいよ」
俺「・・・え?」
621
:
芸人な俺
:2015/07/31(金) 02:08:17 ID:qOebAEAc0
上の人「ネタが古いし・・・なんかテンポ悪いっていうか・・・君たちさぁ・・・コンビ合ってないんじゃない?」
相方(・・・ッ!!!!)
俺(よせッ!!相方!!)
上の人「まあ芸歴が2ケタじゃないだけマシだね」
上の人「まだ伸び代がありそうなんだけどなぁ・・・芸歴10年以上で売れない人たちってゴロゴロいるから」
俺「はぁ・・・」
上の人「まぁでも三年後・・・こんな感じだったらコンビで話し合った方がいいよ。割と」
上の人「以上です」
俺相方「「・・・ありがとうございました」」
622
:
芸人な俺
:2015/07/31(金) 02:31:56 ID:qOebAEAc0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
俺相方((・・・・・・・・・・・・))トボトボ
芸人「ははははは・・・でさぁ〜」スタスタ
ガンッ
相方「イテッ!!」
俺「相方ッ!!」
俺「オイッ!!!」
芸人「それでさぁ〜あいつ肝心のネタを忘れてさぁ〜」スタスタ
俺「・・・」
相方「・・・兄貴ぃ・・・」
俺「・・・飯食いに行こう!」
相方「・・・え?」
俺「腹いっぱいになりゃいいネタ思い出すかもしんねぇだろ?あの芸人をビビらすような・・・」
相方「・・・」
俺「ほら!いくぞ!!」
相方「・・・うん!」
623
:
芸人な俺
:2015/07/31(金) 02:44:23 ID:qOebAEAc0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
パチッ
俺「・・・」
俺「夢か・・・」
チラッ
相方「グガーーーーーーーー」
俺「・・・フッ」
624
:
芸人な俺
:2015/07/31(金) 03:33:33 ID:qOebAEAc0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
テクテク
相方「聞いてよ〜兄貴ぃ〜こないだ道具持ってきたのにさぁ・・・お前遅すぎだぁっつって頭殴られてさぁ〜」
俺「あたりまえだ。お前作業の時すっげぇ目立ってんだよ」
相方「え?目立ってる?」
俺「目立ちすぎだよ。なんだよペンチ持って来いって言ったのにベンチ持ってきやがって・・・」
相方「あの後本気でぶん殴られたからな・・・」
俺「お前ネタなのかマジなのかわかんないときあるよな・・・」
相方「いや俺もさ・・・」
625
:
芸人な俺
:2015/07/31(金) 06:13:13 ID:qOebAEAc0
???「ソレデナーサーニャ・・・」
サーニャ「・・・フフ、エイラハ・・・」
相方「ちょちょちょ兄貴・・・」
俺「お、おい相方」
スタスタスタスタスタスタスタ・・・
626
:
芸人な俺
:2015/07/31(金) 07:55:06 ID:qOebAEAc0
相方「・・・行った?」
俺「・・・ああ、行ったよ」
相方「はぁ〜」
俺「おい、相方」
相方「よ〜し!!今日も一日ガンバッゾ!!」
俺「は?」
相方「それじゃ兄貴今日はこれで!!!」
ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ・・・
俺「・・・」
627
:
芸人な俺
:2015/07/31(金) 08:10:35 ID:qOebAEAc0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
相方「♪〜♪〜」
チラッ
シーン
相方「あら、誰もいない・・・」
相方「はぁ〜・・・」
俺相方「「あ〜あサーニャちゃんまた来てないのか・・・」」
相方「おわぁっ!!!」
俺「まったくお前は・・・」
相方「脅かさないでよ兄貴ぃ・・・」
俺「別に脅かしてもないけどな・・・」
俺「それで・・・お前惚れてんのか・・・サーニャちゃんに」
相方「べっべつにほれほれほれほれてねぇし!!」
俺「お前嘘つくの下手くそだなぁ〜・・・」
628
:
芸人な俺
:2015/07/31(金) 08:17:06 ID:qOebAEAc0
相方「・・・いつから俺「最初からだよ」
相方「えぇ〜・・・」
俺「気付かないと思ってんのか俺が。てかほかの整備兵もうすうす気づいてるから」
相方「・・・・・」
俺「大体お前はなサーニャちゃんの近くに来るといつもおどおどしてんだよ!!お前オタクか!!」
相方「し、しかたないだろ・・・俺んとこ男子校だったし・・・」
俺「嘘つけお前中卒だろうが・・・」
相方「中学は私立でしたー!」
俺「中学は俺と一緒の公立の共学だろうが・・・」
相方「・・・・・」
俺「なんで平気で嘘つくんだよ」
相方「だって兄貴に反論したくて・・・」
俺「反論するんだったらちゃんとしたの用意して来いよ・・・ウソの情報もってきたら倍返しされるわ」
629
:
芸人な俺
:2015/07/31(金) 08:46:19 ID:qOebAEAc0
相方「・・・・・」
俺「お前も男だろ?だったら決めるとこまで決めてしまえ」
相方「いや、でもあにき・・・」
俺「相方少尉よ、逝ってらっしゃい」ビシッ
相方「ちょっと兄貴!!なんで特攻隊みたいな感じでいかなきゃいけないんだよ!!」
俺「だってここ戦場だし・・・」
相方「いや・・・まあ確かに戦場だけどもさぁ・・・」
630
:
芸人な俺
:2015/07/31(金) 08:56:24 ID:qOebAEAc0
俺「・・・フフッ」
相方「なんだよ兄貴」
俺「いやな・・・お前と会話をしてるとなんだかコンビ組んだ時の頃思い出してな」
俺「あのころの俺たちはタウンダウンさんのようなビッグになる!とか大口叩いてさ・・・何でもできるって思ってたんだけどなぁ・・・」
相方「なんだよ兄貴らしくないなぁ・・・昔話語るなんて兄貴じゃない!後ろを見ずにもっと前へ進むのが兄貴のモットーでしょ!」
俺「フフッそれもそうだな・・・」
631
:
芸人な俺
:2015/07/31(金) 09:03:22 ID:qOebAEAc0
相方「なぁ兄貴・・・」
俺「ん?」
相方「星がきれいだね…」
俺「・・・そうだな」
相方「・・・なあ兄貴」
俺相方「「ここで漫才しよう!!」」
俺 フフン
相方「・・・兄貴ィ・・・」
俺「お前の考えてること丸わかりなんだよ。それに俺もこの場所がちょうどいい舞台だと思ってんだ。」
相方「星綺麗だしな・・・」
俺「ここに来てから漫才の練習してないからな・・・よーし!今からここを俺たちのホームグラウンドとする!!漫才の練習する時は必ずここでやるぞ!!」
相方「うん!!」
俺「よ〜しそれじゃまずはだな・・・」
632
:
芸人な俺
:2015/07/31(金) 09:14:53 ID:qOebAEAc0
-----------------------------------------
--------------------------------------
サーニャ「・・・」ブーン
サーニャ「今日も異常なしかな・・・」
・・・・・ナン・・・・・オトウサ・・・・・・ダレダ・・・・・
サーニャ「・・・?」
サーニャ「ハンガー前に声が聞こえる・・・誰だろう・・・?」
イヤーヤッパサ・・・チチオヤニアイサツスルノッテコワクナイデスカ
エーソウ・・・カー
だからさ僕ここで練習したいなと思うわけですよだからお前お父さん役やって
わかった
おとうさん、娘さんを僕にください
お前に娘はやらん
ガラガラガラなぜですか父さん!!
まだ部屋に入ってなかったのかよ!!
633
:
芸人な俺
:2015/07/31(金) 09:19:13 ID:qOebAEAc0
サーニャ「・・・・・・・・・・・・」
サーニャ「・・・・・・・・・・・・・・・プッ」
おとうさん!!おとうさんをおとうさんでおとうさんしてください!!
もうわけわかんないよ!!
サーニャ「・・・・・・・クックックックック」
もういいわ
どうもありがとうございましたー!!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーー芸人な俺ーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー
634
:
芸人な俺
:2015/07/31(金) 09:23:14 ID:qOebAEAc0
以上で投下を終わります・・・
朝まで続いちゃった・・・ごみんね★
・・・いや本当にごめんなさい・・・
635
:
名無しさん
:2015/07/31(金) 23:16:16 ID:Y3mkY0mw0
乙乙
636
:
名無しさん
:2015/08/12(水) 12:51:54 ID:FwMWiC2c0
復興してくり
637
:
名無しさん
:2015/08/15(土) 02:00:20 ID:pkA0YMSQ0
投下するで。あんま書き貯め無いから完結まで時間かかるかも
638
:
鋼な俺
:2015/08/15(土) 02:04:07 ID:pkA0YMSQ0
まだ16の私にとっては随分昔の話だ。でも,わたしはそれを昨日の様に覚えているし。「その日」は,私と同じ国の生まれなら,誰だって鮮明に思い出せる。いや,焼きついているだろう
確か,弾切れだったか,ストライカーの不調だったか。ああ,そんな事はどうでも良いんだけどね。とにかく,何かの問題が有って後ろに下がろうとした時だった
手持ちのレーション――リベリオンの片手で食えて腹が膨れやすいってだけが取り得のアレね――を,僚機におしつけて,Uターンしたんだよね
ネウロイに背を向けて大丈夫かって?
囲まれてるんだから。前か後ろか右か左かなんて,些細な事だよ
で,背を向けて,一度下を見たんだよね。そしたら,居たの
誰って,一々書く必要も無いでしょう。その人に関しての事書いてんだから
彼は。私と,ネウロイと,空との向こう側に有る何かを睨み付ける様にして,立っていた
彼が何を睨んでいたのか。それは,知らないし知ろうとも思わない
ただ,あの鋼の空が彼の祖の風景になるなら。彼が見た鋼の空に0ですらなく。ほんのちょっと,気付かない程中途半端にしかわたしが映っていないなら。いつか,彼の祖が色硝子の様な青い空に上書きされる時。あいつが,嫌でもわたしを意識しちゃうよう。わたしもド真ん中に映りこんでやろうと思うのだ
PS.完成した物は送らないでください。彼に見られたら死ぬほど恥ずかしいので
639
:
鋼な俺
:2015/08/15(土) 02:08:50 ID:pkA0YMSQ0
俺「大尉。久しぶりだな。腹が減ったので,この基地に今有る物で,一番旨い物が食いたいのだが」
バルクホルン「少佐。お久しぶりです。その前にミーナ中佐の所へ」
俺「変わらんな」
バルクホルン「貴方は随分変わった」
俺が501の基地に到着した時,最初に出迎えたのはバルクホルン大尉だった
俺とバルクホルンはあの撤退戦で一言二言交わした程度だが,お互いに覚えていた事に,彼は軽く驚いた
俺「覚えていたんだな」
案内すると先導する彼女の背中に声を掛けると,予想しなかった回答が還って来た
バルクホルン「正確にはミーナ中佐が覚えていた形ですね。少佐に関する書類に目を通していた時,ミーナ中佐が」
俺「ふうん」
ミーナ中佐も彼と撤退戦で顔を合わせたが。正直,俺はミーナ中佐が苦手だった
ジョークが通じない上,何でも上手くこなすつまらない人間
それが俺の――少なくとも,今まで――抱いている感情だった
640
:
鋼な俺
:2015/08/15(土) 02:14:37 ID:pkA0YMSQ0
バルクホルン「どうぞ」
目的地に到着し,バルクホルンが戸を開ける
中に入ると,インクの匂いとコーヒーの匂いが混ざった匂いが俺の鼻の中にこびり付く
俺「俺少佐です。本日付で此方に配属されました……どうぞ,よろしく」
ミーナ「よろしく……少佐……早速で悪いのだけれど……」
ミーナ中佐の言葉を遮る様に書類の山が崩れる
その横では,フソーのサムライみたいな女が,書類の山を前に頭を抱えていた
ヴィジャ板やらタロットやらも積まれていて,観ている分には面白い
俺「大尉。コーヒーを持ってきてくれ」
バルクホルン「……はい」
それは,観ていられない。と言う意味でもあるのだが
書類を撃墜数に数えられたら,彼女はカールスラントでトップ3には入れるウィッチだ
その夜,ミーナ中佐の手伝いをしながらそんな事を考えた
641
:
鋼な俺
:2015/08/15(土) 02:18:27 ID:pkA0YMSQ0
俺「今ので最後ですかね……?」
ミーナ「ええ。有難うございます。お陰で随分早く終わりました」
冷めたコーヒーを一息に飲んで席を立つ
Mr.コックリとは何者なのだろうか
時計は24時を少し過ぎた所を指している
俺「シャワー。男性職員用のを使えば?」
サカモト「ああ,明日までに俺少佐も使える様にしておくから。今日は男性職員用の物を使ってくれ」
俺「有難う」
俺が部屋を出ると,ドア越しに室内の硬かった雰囲気が柔らかくなるのを感じた
流石に,いきなり男性を迎え入れるのは難しいらしい
男性職員舎に向かう途中,整理した書類を思い出す
先ず,半分は俺絡みの書類だった
カールスラント空軍からの物が多かったが,最高司令部からの物も少なくなかった
残りの半分近くはブリタニアからの物
642
:
鋼な俺
:2015/08/15(土) 02:26:05 ID:pkA0YMSQ0
補給絡みが大半で,数枚はこの付近の海域への海軍の展開を3ヶ月以内に強化すると言う内容だ
今までのブリタニア本国艦隊に加え
巡洋戦艦2隻,巡洋艦3隻,駆逐艦27隻
それに加え新型と思われる空母3隻
から成る艦隊を追加するらしい
新型空母の内の1隻はブリタニア海軍からの仕様の変更要請で今改修作業中のユニコーンだ
あの書類の日付が2日前なのを考えると,改修作業がもうすぐ終わるらしい
ここに来る前に口頭で伝えられた命令を思い出す
これ自体は「あちら」も気付いているだろう
問題はアタリなら事は更に厄介になる事だった
俺「っと……ここか」
「男性職員舎」とだけ書かれた札の掛かったドアを見つけ,手にかける
俺「……? ああ……引くのか」
643
:
鋼な俺
:2015/08/15(土) 02:30:01 ID:pkA0YMSQ0
俺が引くタイプのドアと気付いた瞬間,向こう側から勢い良くドアが開かれる
不幸にも俺にぶつかったドアはそこで動きを止め,ドアを開けた向こう側の人間も,またドアとぶつかる事となる
俺「クソ。悪いな。大丈夫か」
半分程度開かれたドアを開いて向こうを確認すると,大柄な男が小柄な男を抱えて倒れていた
それだけでも異様だが,更にそれを異様な光景にしているのは,二人の衣服を濡らす赤い液体だった
状況からして小柄な男が怪我でもしたのだろう
俺「大丈夫かよ……」
大男「悪い……こいつが怪我してな……医務室まで手を貸してくれないか?」
大男が座ったまま此方を見上げ,そんなことを口にした
正直,この状況で俺がどう手伝うかも解らないし,出来れば目立ちたくなかった
しかし,このまま見捨てるのも気が引ける……
まあ,多少目立っても変わらないか――そんな言葉が,口から漏れた
俺「ここで治そう。どんな怪我だ?」
大男「ノコで脚を切った。随分深くて骨も見えてるが……お前,医者なのか?」
俺「医者より早いぞ。確か此処に……」
644
:
鋼な俺
:2015/08/15(土) 02:35:21 ID:pkA0YMSQ0
大男「コイン? なんで……」
俺「まあ」
俺が遮る様に言い放つと,大男はそれっきりだまってしまった
俺「ノコってこんな切れるのな」
脚を包むタオルを取ってそんな事を口にする
この様子じゃかなり痛そうだ
フソーのショーユってのがこれに入ったらどれだけ痛いだろうか
考えるのも痛いのでやめるが,失神してるのは運が良い
大男「お,おい!」
俺「はいはい」
大男にせかされ,処置を始める
と言っても,右手で金属片を握り,左手を傷口に添えるだけだが
俺「はい」
645
:
鋼な俺
:2015/08/15(土) 02:38:34 ID:pkA0YMSQ0
右手の鉄がすっと軽くなり,傷口がふさがる
俺「終わりだ。まあ,流れた血が元に戻る訳でも無いし,軍医さんに診てもらうと良い」
大男「あ,有難うございます」
大男は頭を下げると,小柄なのを担いで医務室に走って行く
名前位,聞いておけば良かったかもしれないと呟き,俺は男性職員舎のドアを押す
俺「…………」
今回はこれにて
646
:
名無しさん
:2015/08/21(金) 07:54:35 ID:1SSZwX0E0
乙
治癒魔法とは地味なところで来たな
647
:
鋼な俺
:2015/09/11(金) 03:09:55 ID:LpmSyaQg0
首の太い血管を,切れ味の良いナイフで断ち切る
かなり深く切れたらしい
血は噴水の様に噴出し,床のタイルの隙間に血が通う
嘘の血管を床に張り巡らせ,自分の一部とする事で,この部屋は工房になる
工房はそれ自体が廃れた魔術だ
作れる人間は自分を除くと数人しか居ない
アンナとか言う老婆と,時計塔の名前が長い魔術師。有名なのはそれ位か
時代が我々を見放したか。我々が時代を見放したか。そんな事に興味は無かった
あの,鋼の空を破る為に
首に手をやると,傷はもう塞がっていた
648
:
鋼な俺
:2015/09/11(金) 03:13:12 ID:LpmSyaQg0
此処は暑い
スオムスで数年戦った人間からすれば,この国は何処に居ようと暖炉の前に居る様な錯覚を覚える
太陽が昇っていない事から,五時は周っていないだろう。ベッドの下に置いてある鞄から代えのシャツを引っ張ると,さっさと部屋を出る
基地内の地図を頭に広げ,外への最短経路を探る
恐らくハンガーが一番近い
ハンガーに爪先を向け,歩き出す。今日はフソー式の風呂に入れるだろうか
俺「Wir fliegen durch silberne Weiten……
Selig dem Himmel gesellt……」
「オイ」
俺「はい?」
唐突に背後から声を掛けられる
ああ,この声は聞き覚えが有る
649
:
鋼な俺
:2015/09/11(金) 03:16:14 ID:LpmSyaQg0
エイラ「こっち来たのか」
俺「まあね」
そっか。と言ったきり,黙って俺の後ろに付いてくる
エイラとは,スオムスで暫く一緒に戦っていたのだ
俺「珍しいな。早起きなんて。今から走るんだが。一緒にどうだ?」
エイラ「ん」
俺「どうだ? 元気か? 姉さんな。お前のこと心配して――」
エイラ「首」
俺「……」
エイラ「治ってないぞ」
エイラが指した部分に手をやると,確かに切った跡が残っていた
650
:
鋼な俺
:2015/09/11(金) 03:19:21 ID:LpmSyaQg0
俺「あー……面倒だな……」
エイラはよく知っているが,他人からみたら過去に誰かに切り付けられた様にも見えるのだ
こればかりは直ぐには治せない
気を取り直して格納庫を通り抜け,靴紐を締めなおす
天気は快晴。出来るだけ薄着にしたのは正解だった
地を蹴り,走り出す
最初はこれが嫌でたまらなかったが,慣れてしまえばそう苦でもない
スオムスに比べたら少々暑いが,身体を壊すほどでもない
ここは,きっと良い場所だ
651
:
鋼な俺
:2015/09/11(金) 03:23:00 ID:LpmSyaQg0
サカモト「おい」
どれくらい走っていただろうか。後ろからサカモト少佐が話しかけてくるまで無心で走り続けていた
足音が二人分しか聴こえないので,エイラはへばったのだろう
俺「ああ,少佐。どうしましたか?」
俺が立ち止まると。走り続けろ。と少佐が手で指示する
サカモト「いや,何処にもお前を見なかったからな。起きた時に外で走っているのを観たから,一応確かめに来たら……な」
少佐が俺の後ろに付いて走る
俺「すいません。ご迷惑お掛けしましたか」
サカモト「いいや。構わないが……ずっと走っていたのか?」
俺「まあ,その程度しか出来ませんから」
サカモト「……朝食も食べていないだろう。あと一週したら行くぞ」
652
:
鋼な俺
:2015/09/11(金) 03:28:57 ID:LpmSyaQg0
小さい扶桑人「あっ。カールスラントの人!」
サカモトに連れられて食堂に入ると,小さい扶桑人が駆け寄って来た
俺「な,なんだよ」
小さい扶桑人「あ,すいません。あの,私宮藤って言います。えっと……坂本少佐とミーナ中佐からお話は伺っています。朝ごはん出来ているので,食べてください」
俺「あ,ああ。俺少佐だ。よろしくな」
ミヤフジ「はい!」
ミヤフジはそう言ってキッチンに引き返すと,忙しなく皿に料理を盛って行く
カウンター越しに食事を受け取る
にぎやかな食卓から適当に席を探すと,カールスラントのジャケットが目に入った
皿の物は平らげられて,一人で黙って雑誌を読んでいる
行儀は良くないが,隣に座りたくない程ではない
座って良いか? と聴くと,どうぞ。とだけ返される
朝食は扶桑の料理――所謂,和風。と言う物だった
653
:
鋼な俺
:2015/09/11(金) 03:32:04 ID:LpmSyaQg0
ライスに魚に卵。あと,サラダとネバつく豆。この豆は単品だとどうも苦手だが,ミヤフジが教えてくれた様に,まぜてライスと一緒に食うと旨かった
綺麗に平らげ,お茶を飲んでも。まだ,隣のカールスラントのジャケットは雑誌を読んでいた
俺「なあ」
カールスラントのジャケット「ん?」
俺「久しぶりじゃあないか。いや,それとも始めましてが正しいかな?」
ハルトマン「好きな方で良いよ。お互い,知らないって訳じゃ無いでしょ?」
俺「まあな」
ハルトマン「で,スオムスから来たの?」
ハルトマンが持っていた雑誌の一節を指差す
『スオムスにて奮戦する「カールスラント撤退遅れ部隊」唯一のウィッチ俺大尉インタビュー』
ハルトマン「ここでは大尉らしいけど」
俺「まあな」
ハルトマン「それに陸戦ウィッチらしいし」
俺「上司に言われてやってるんだ。それより,ハルトマンは200超えたんだろ?」
ハルトマン「まあね」
654
:
鋼な俺
:2015/09/11(金) 03:35:30 ID:LpmSyaQg0
君が聞いた様な事はもう起きないよ。と得意げに胸を張る
君が聞いた様な事とは,初出撃の話だろうか
だとしたら胸を張れる事でも無い気がするが
俺「いや,うん。まあ,頼もしいな。出来れば俺が仕上がるまで頑張って欲しい物だ」
ハルトマン「出来上がる?」
俺「ああ。俺はまだ――」
そこまで言った所で,慌しくドアが開け放たれる
バルクホルン「ハルトマンが居ないんだ! 誰か知らないか!?」
ハルトマン「え? ここに居るけど?」
ハルトマンがひらひらと手を振ると,バルクホルンがその場にへたりこむ
どうやら,かなり急いで探していたらしい
俺「お早う,バルクホルン。どうしたよ?」
バルクホルン「い,いえ。すこし,用事を思い出しただけで。少佐は,お気になさらず」
そう言って言葉を濁すと,軽く苦笑いする
こう言う時は,追求しない方が良い
655
:
鋼な俺
:2015/09/11(金) 03:39:07 ID:LpmSyaQg0
ハルトマン「あー。そりゃ,いつもは昼近くまで寝てるからね。どこでも寝てないって探してたんでしょ」
他人事みたいに言うと,顔を雑誌の方に戻す
どうやら,バルクホルンは,その事実を隠す為に言葉を濁したらしい
俺にはどうだって良いが,彼女はそれが大切な事だったらしく,怒りを顕わにした
まあ,彼女にも色々有るのだろう
バルクホルン「ハルトマン貴様……」
俺「な,なあ。そんな怒ってどうしたよ……別に仕事さえやれば昼まで寝てても問題なかろう?」
バルクホルン「それだけなら! 百歩譲って! 良いとしても!」
良いのか
バルクホルン「部屋は汚いわだらしないわで! 挙句の果てには少佐にまで……」
知られちゃならん程か
其処まで言われると気になる
656
:
鋼な俺
:2015/09/11(金) 03:42:14 ID:LpmSyaQg0
俺「なあ,だらしないとかはどうにもできんとして,部屋の片付け位は手伝うぞ? 無論,無理にとは言わんが……」
ハルトマン「良いの?」
俺「ああ。部屋の片付くらい俺とハルトマンでやればすぐだろ?」
ハルトマン「…………」
バルクホルン「…………えっと」
ハルトマン「……そうだね! じゃあ,お願いしても良いかな?」
今の不穏さしか無い沈黙をねじ伏せ,ハルトマンがにこりと笑う
俺「あの,汚いってどの位?」
ハルトマン「そこそこ?」
657
:
鋼な俺
:2015/09/11(金) 03:45:38 ID:LpmSyaQg0
既にバルクホルンはうつむいて黙りきっている
にぎやかだった食卓も,事のなりゆきを見守る様に,静寂に包まれていた
これはすぐには終わらない気がする……!
俺「ハルトマン」
ハルトマン「んい?」
俺「すぐに始めるぞ」
この時点で,今の俺には不安しか無かった
658
:
鋼な俺
:2015/09/11(金) 03:51:43 ID:LpmSyaQg0
少佐は,フラウの部屋に入るなり顔色一つ変えずに片付けを始めた
普通驚いたりするものなのだが。と思いつつ,私も参加する
そう言えば,何故フラウは少佐の申し出を受け入れたのだろうか
ハルトマン「知り合いなんだ。昔ウーシュが遊んでもらってて」
俺「まあ,知り合いと言っても顔を知ってる程度だけど」
口に出ていたのか,フラウが私の疑問に答える
まあ,少佐はカールスラント人だから何かの縁で知り合うのも不思議ではないのかもしれない
しかし,あのウルスラが少佐と遊んでもらっていたと言うのは少し以外だった
バルクホルン「少佐はどこでウルスラと知り合ったんですか?」
俺「本屋。ブリタニア語教えて欲しいっていわれてな」
ハルトマン「そうそう。それで教える方もお人よしだけどね」
ああ,そうか。それなら納得できる
確かに,俺少佐はブリタニア人らしい顔立ちをしていた
659
:
鋼な俺
:2015/09/11(金) 03:54:52 ID:LpmSyaQg0
今回は以上で
660
:
名無しさん
:2015/09/12(土) 20:34:28 ID:A8Ah7DAQ0
乙乙
661
:
名無しさん
:2015/12/26(土) 18:37:22 ID:CqmkQtuw0
荒らされて以来久しぶりに来たけど最近は落ち着いたみたい?
来年はブレイブウィッチーズ楽しみですね
662
:
鋼な俺
:2016/01/13(水) 02:28:51 ID:UhXOn5zA0
おひさしぶりです。時間が開いて申し訳ありません。投下します
663
:
鋼な俺
:2016/01/13(水) 02:31:54 ID:UhXOn5zA0
眼下には海。それより少し手前に6つ。人間の戦闘機にも似た怪異が編隊を組んで進んでいた
背後からは太陽が昇りつつある
俺「敵機6視認! 10……から12m位の戦闘機にも似た形だ! 速度は400! 高度は5000! 南東から基地の方角に向かっている。いつもの定期便だろう。迎撃する。よろしいな?」
ミーナ『ええ,お願いします。取りこぼしても此方から十分に迎撃可能な範囲ですので無理はしない様お願いします』
俺「了解。そう言う事だ,シャーリー,ルッキーニ。燃料的にも十分余裕は有るが,俺は泳げん。手早く片付けよう。シャーリー。戦闘の指揮は予定通り君が執ってくれ」
シャーリー『了解』
出撃前に打ち合わせで,戦闘時の指揮権をイェーガーに渡すと言った時はシャーリーに猛反対された。だが,戦闘直前にもなると,流石に腹を決めたらしい
ルッキーニ『泳げないの? じゃあ,あれやらされるかな?』
俺「あれ?」
ルッキーニ『知らないの? ストライカーの模型履かされて海に入れってやつ』
そんな拷問めいた事をさせられるなんて知らなかった
俺「……ガランドめ……聴いてないぞそんなの」
シャーリー『まあまあ。みんなやってるしさ。じゃあ,さっきの打ち合わせの通りに』
664
:
鋼な俺
:2016/01/13(水) 02:35:00 ID:UhXOn5zA0
シャーリー軽く手を振り敵の編隊目掛けて降下する。それに少し遅れてルッキーニが降下を始める
ああ言う形をしたネウロイは一般的に前方への攻撃力が高いとされる為,それに習い初撃は反撃の危険の少ない一番後方に加える
後方上面から降下して一撃,直ぐに上昇,離脱した所に二人目がもう一撃
退屈ではあるが,確実かつこの数の差をひっくり返せる戦術として最も有効な物だった
BARの曳光弾が最後部のネウロイに突き刺さり,装甲を穴だらけにする
続いてルッキーニが止めを刺す
敵の編隊が散開し,追撃しようと上昇する。意外と反応が早かったが,どの敵もそもそもの速度が足りず,射程に収められない様だ
あれなら援護は必要無さそうだ
俺「シャーリー,ルッキーニ。お見事! 敵の反応が少々早いが,あれなら想定範囲内だろう!」
シャーリー『なら良かった。じゃあ予定通り,私が上空待機する』
俺「頼む。ルッキーニ!」
ルッキーニ『了解!』
665
:
鋼な俺
:2016/01/13(水) 02:38:14 ID:UhXOn5zA0
どうやら敵はロッテとケッテに分かれてカバーしあう積もりらしい。だが,どうしても数の多いケッテは動きが鈍く,数の少ないロッテは捕らえられた時の危険が少ない。ここはケッテで一番後ろに着いている機を狙うのが良いだろう
俺「ルッキーニ。ケッテの最後尾。通り抜ける前に上昇。良いな? 行くぞ!」
返事も聞かずに降下を始める
基本的には敵はまっすぐ進んでいるので距離600辺りから射撃ができる筈だ
同高度での格闘戦では照準からからはみ出るまで近付けと言うが,今の様な一撃離脱でそれをやると射撃時間が極端に短くなってしまう
MG151/20を構え直し,目標を照準内に収める
距離はあと1000もない
少し銃身をずらし,目標の未来位置に合わせる
真後ろから降下したお陰で,偏差はそこまで難しくない
距離は更に近付き,700を切る
息を大きく吸い,引き金を引く
目標が直前に軽く回避行動を取るが,もう遅い
5発に一発の割合で入っている緑の曳光弾が目標に吸い込まれ,装甲を削る
すぐに敵は照準いっぱいまで近付く
666
:
鋼な俺
:2016/01/13(水) 02:41:35 ID:UhXOn5zA0
射撃を切り上げ,敵の真上を通らない様斜め上に向かい上昇を開始すると,前方に少し距離を置き,ロッテを組んだ敵が向かってくるのが見える。しかし,それもシャーリーが危険と判断すれば攻撃を加えるので,あまり脅威にはならないだろう
後ろを振り向くと先ほど攻撃した目標が白い破片となって散って行くのが見える
撃破したルッキーニはロッテを組んだ敵に捕捉されかけていたが,上空からシャーリーがバラ撒いた弾にビビってすぐに追撃を諦めた様だ
シャーリー『ナイスキル』
俺「よし。このまま行けば……!」
667
:
鋼な俺
:2016/01/13(水) 02:45:01 ID:UhXOn5zA0
「作戦終了との事です! ネット用意! ラック準備急げ!」
内線を取った整備士がそう声を張り上げるとのんびりしていた整備士は慌しく動き出し,忙しそうにしていた整備士はもっと忙しそうに動き回る
滑走路から格納庫に入って少しの所にネットが張られる
俺はウィッチになってからの殆どの時間を広いアフリカで過ごしていたらしい。なので,501の様な基地での着陸は少々慣れないとの事で,整備士にオーバーラン防止用ネットを頼んだらしい
トゥルーデ「少佐がアフリカに居たなんてな。その前はスオムスに居たらしいし。流石はガランド少将のお気に入りと言う事か」
手に持っていたコーラをトゥルーデが後ろから取り上げ,口を付ける
エーリカ「撤退戦の頃はそんな風に考えられなかったって?」
トゥルーデ「ああ。で,どうだった?」
エーリカ「スオムスの後一週間の空白期間が有って空軍の非ウィッチ航空隊に1ヶ月。その後アフリカに転属して1週間。そして501に着任。あと,元々彼は陸軍の人間だったのに,原隊は空軍管轄の部隊とされている。これ以上はここで調べても解らないと思う。ウルスラに頼む?」
トゥルーデ「いや,良い。本来関係の無い事だ。放って置くのが安全だろう」
そう言って私の横に中身の詰まったコーラの瓶を置く
668
:
鋼な俺
:2016/01/13(水) 02:48:05 ID:UhXOn5zA0
エーリカ「んあ……んッ! でも,少し気になるんだよね。何があって空軍の原隊になっているか。とか,そもそもガランド少将がどうやって彼と知り合ったかとか」
トゥルーデ「歯で開けるなよ……まあ,確かにそうだが。知ってどうする?」
エーリカ「ああ,興味が有るだけだよ」
トゥルーデ「珍しいな。お前が」
エーリカ「そりゃね。だってウルスラを振ったんだよ?」
トゥルーデ「はぁ!?」
669
:
名無しさん
:2016/01/23(土) 02:23:40 ID:PD6re2B60
しえん
670
:
名無しさん
:2016/01/25(月) 22:28:58 ID:6Xw7UFbo0
とりあえず乙でいいのかな
676
:
名無しさん
:2016/06/22(水) 05:24:14 ID:DBNn8d3A0
(新年)初投下です
夜の帳が引き上げられ、東の空がうっすらと白みがかる頃。
全身を凍り付ける空気が蔓延するウィッチ用宿舎の通路を、女が一人歩いていた。
割り当てられた自室を出てから、一分もかからない距離を歩く智子は白い頬を赤らめ、とある一室の前で立ち止まった。
そわそわと身体を動かす様から彼女の頬に差し込む赤みが、寒さによるものだけではないことが伺える。
黒真珠を思わせる双眸は潤んだ光を帯び、その奥底に宿る光は嬉々とした色を孕んでいた。
熱の篭った吐息を零し、智子は古ぼけた扉に伸ばした手を、不意に胸元へと引き戻す。
そうしてまた、躊躇いながら扉に手を伸ばしては、胸元に戻すといった動作を何度も繰り返す。
視線の先に立つのは、廊下と目の前の部屋とを隔てる古めかしい扉。
その先で、今もまだ寝息を立てている部屋の主は、昨日再会を果たした彼。
昨夜は同じ布団で寝ることを断られたため、消灯時刻が近づいたことを理由に部屋から追い出されたが、今日は違う。
時間が許す限り――それこそ一日中彼の傍にいることも、話をすることも出来る。
そのことが嬉しくて、嬉しくて。
逸る気持ちを抑え切れず、早朝から足を運んだ智子であったが、この後の行動を決めあぐねていた。
677
:
名無しさん
:2016/06/22(水) 05:28:35 ID:DBNn8d3A0
どんな言葉をかけながら、彼を起こせばいいのだろうか。
どんな笑顔を浮かべると、寝起きの彼には魅力的に映るだろうか。
頭の中に浮かび上がるのは、寝ている彼を起こす自分の姿。
あの日彼を喪った後も、妄想のなかで幾度も繰り返してきた、愛しい男性を起こす場面。
しかしいざ実際にその場面に直面してみると、あれやこれやと考えが浮かび、上手くまとまらない。
それでも悩んでいては何も変わらない。智子は思考を切り替える。
成長した彼の無防備な寝顔はどう変わっているのか。寝起きの癖は変わらないままなのか。相変わらず寒さに弱いのか。
七年以上経った彼の寝顔や、寝起きの姿を早く見たいという気持ちを原動力に。
意を決し、冷気によって冷やされた扉を数回ノックする。
返事はない。物音も、聞こえない。
智子「俺? もう起きてる?」
今度はノックの回数を増やし、声もかけてみる。やはり返事はない。
起床時刻前なのだから寝ていて当然かと思いつつ、智子は恐る恐るドアノブを握り、回してみる。
鍵はかかっていない。
部屋の主を起こさぬよう、音を立てずにドアを開けて室内へと足を踏み入れる。
無用心だと思うよりも先に、弾む気持ちが彼女を突き動かしていた。
678
:
名無しさん
:2016/06/22(水) 05:31:55 ID:DBNn8d3A0
智子「……は、入るわよぉ?」
暗闇に慣れていくに連れて、徐々に部屋の全体図が明瞭となる。
薄暗い部屋のなか、ベッドの上では部屋の主を寒さから守るかのように、幾重にも折り重なった布団が鎮座していた。
それらに守られ、徐に身体を上下させながら寝息を立てる想い人の影を捉えた途端、智子の頬に差し込む赤みがその色を濃くしていった。
寝ている彼を起こさないよう、後ろ手にドアを閉め、足音殺してベッドに近づく。
一歩進む毎に、胸の高鳴りが激しいものへと変わっていく様を感じながら。
智子「俺? もうすぐ起床時間よ?」
これでは寝顔が見られないではないかと不満を零しつつ、自分に背を向ける部屋の主に柔らかな声音で語りかける。
当然の如く返事は無い。
自身の声に反応して時折、布団に包まれた体躯が布擦れの音を立てて動くだけだ。
智子「ねぇ、俺?」
もう一度呼びかける。今度は布団の上に手を添えて、軽く揺すってみる。
布団越しに彼の身体に触れた瞬間、不意に昨日の記憶が――逞しい成人男性の体躯に成長した彼に抱き留められた記憶が浮かび上がった。
温かく硬い胸板と腕に抱き留められた感触までもが肌の上に蘇り、頬に帯びた熱が際限なく高まっていく。
679
:
名無しさん
:2016/06/22(水) 05:34:59 ID:DBNn8d3A0
智子「はぁ……」
形の良い桃色の唇から、熱が篭った吐息が零れ落ちる。
願わくは、またあの頃のように彼の胸元に顔を埋めて眠りに就きたい。
彼の腕に包まれ、その温もりを感じながら、まどろんでいたい。
いいや、出来るものなら彼に覆い被さる布団になりたい。
包まれるだけでなく、今度は自分が彼を包みこんで、癒してあげたい。
こんな布切れよりも、自分の身体のほうが彼を温められるはずだ。
いっそのこと布団を引き剥がして抱きついてみようかと、思考が徐々に危険な領域に足を踏み入れた矢先のこと。
「……ん」
智子「……ぁ」
布が擦れる音を立てて、部屋の主が寝返りを打った。
露となったのは、久方ぶりに目にする想い人の寝顔だった。
もう二度と、目にすることが出来ないと思っていた愛しい男の寝顔だった。
その安らかな寝顔から、改めて彼が生きている現実を実感した智子は、目元に込み上げてきた雫を拭い顔を近づける。
これくらい近くから見つめてもいいわよねと、返す相手のいない言葉を零しながら。
680
:
名無しさん
:2016/06/22(水) 05:38:09 ID:DBNn8d3A0
智子「……おれ」
温もりが感じられる距離まで、顔を近づける。すぐ目の前まで、それこそ唇同士が触れ合う寸前の距離にまで。
寝息が頬をくすぐる。その温もりが智子の全身を、芯から温めていく。
このまま時間が止まれば、いつまでも彼の傍にいられるのに。
叶わぬ願いを抱く智子の目の前で、寝顔を晒す男の瞼が不意に強張った。
ベッドの上で横たわる彼の長躯が、布団の山が、微かに震えた。
智子「……あら?」
その寝顔から離れた智子の目に映ったものは、布団からはみ出した彼の下半身だった。
おそらくは寝返りを打った際に、掛け布団を蹴飛ばしてしまったのだろう。
智子「(身体を壊さないうちに、戻したほうがいいわよね)」
視界の隅で何かが蠢いたのは、皺になった掛け布団を掴んだときのことだ。
形の良い眉を顰め、視線を移す。“それ”を捉えた瞬間、智子の全身が硬直した。
視線の先に佇む彼の下半身――その、ある一点。
ちょうど股座に当たる部分が、異様なまでに盛り上がっているではないか。
あたかもテントを張るが如く、棒状の物体が布地を押し上げる光景を前に、智子の白い喉が音を立てた。
681
:
名無しさん
:2016/06/22(水) 05:41:33 ID:DBNn8d3A0
智子「あ、わ……わ」
隆起の正体が想い人の盛り上がった男性器だと理解した瞬間、智子は自身の頬がそれまでとは比にならぬほどの灼熱を帯びる様を感じた。
智子「(あ、あああああ、あれよね!? 朝に起こる、生理現象のようなものよね!?)」
初めて目にする、朝勃ちという男性特有の生理現象。
恋慕の念を寄せる相手の逸物は、布地の下からでも形状が分かるほどに雄々しく反り立っていた。
再び智子の喉が、静かに音を立てた。
自然と呼吸が、荒いものへと変わっていく。
視界から外そうにも、目線を逸らすことが出来ない。
それどころか、手が自然と、彼のモノへと伸び始める。
智子「はぁっ……はぁっ……はーっ」
頭のなかに靄のようなものが広がり、それが冷静さと理性を覆い尽くす。
智子の脳裏を駆け巡り、支配していたのは女としての衝動。
妄想のなかで何度も自身の純潔を散らした彼の雄。それが、いま目の前にある。
――どれくらい硬いのだろう。
――どれくらい熱いのだろう。
――触りたい。
――見たい。
――欲しい。
682
:
衝撃波
:2016/06/22(水) 05:46:56 ID:DBNn8d3A0
肥大する衝動に比例して、激しさを増す心臓の高鳴り。
一秒が永遠にも感じられるなか、遂に智子の白い指先が、それへと触れた。
指の先端に伝わる熱と硬さを感じた瞬間、智子は頭を槌で殴られたかのように、脳が揺れる感覚を抱いた。
布越しだというのに、こんなにも熱いのか。こんなにも硬いものなのか。
もはやこれ以上、正常な思考を働かせることができなかった。
そのまま残る細指を、牡竿に這わせようと動かす寸前、我に返り瞼を閉じて彼の逸物を下半身ごと布団で覆い隠す。
智子「わ、わたし……何てことを……」
薄桜色の唇から漏れ出す声音に満ちていたのは、怯えの感情。
自身に潜む雌が、自分でも気がつかぬ内に膨れ上がっていた。
もしも理性が戻ることなく、あのまま指を這わせていたらどうなるのだろう。
もしもそれで彼が目を覚ましたら、どうなっていただろう。
きっと、寝込みを襲った女と軽蔑されるに違いない。
また会えただけでも、充分に幸せだったというのに。
いつの間にか、次の欲求が――彼だけの女(もの)になりたいという願いが生まれていることに。
その欲求すら抑え込めない、自身の弱さに智子は唇を噛んだ。
智子「ごめんなさい……」
自分だけが独り、抜け駆けをしていることをかつての仲間たちに向かって。
そして、勝手に部屋に入り込んだことを目の前で寝息を立てる彼に向かって。
小さく謝罪の言葉を漏らした智子は、自身の黒髪をかき上げて、静かに男の寝顔に顔を寄せる。
せめて彼が目を覚ますまで、間近で見つめていたい。
あわや再び唇同士が触れ合う寸前の距離まで近づいた瞬間、想い人が唐突に瞼を開けた。
683
:
衝撃波
:2016/06/22(水) 05:50:09 ID:DBNn8d3A0
普段なら目を覚ましてから、思考が働くまでに数分の時間を要する。
けれども、今回ばかりは状況が異なっていた。
瞼を開けた先の視界を占めるのは、見慣れた天井ではなく、息が止まるほどの美貌。
西欧人のそれとはまた異なる柔肌は、雪のように白く。
目にしただけで手触りの良さを期待させる黒の長髪は、漆を思わせるほどの艶を帯びている。
黒真珠を覆い隠す瞼から伸びる睫は、どこか羞恥に耐えるかのように、小刻みに震えていた。
そして、あと少しで自身のそれに触れる距離まで肉薄していたのは、形良い桜色の唇だった。
自身の視界を独占する美貌の主が、昨日に再会を果たした穴拭智子だと気がついた瞬間、俺は息を呑んだ。
俺「(な、何だ!? なんで智子が俺の部屋に!?)」
何故、智子が自分の部屋に入り込んでいるのだろうか。
何故、智子の唇が自身のそれに近づいているのか。
次々と疑問が脳裏を駆け巡るも、それらは眼前に迫る美貌によって、すぐさま掻き消されてしまう。
静止の声をかけようにも、僅かでも身体を動かせば彼女の唇を奪いかねない。
だというのに、智子になら唇を奪われても構わないと思ってしまっているのは。
彼女の黒髪から発せられる仄かに甘い薫香にばかり意識を向けてしまっているのは、男としての悲しい性なのか。
かといって、このような形で大切な妹分の――智子の初めてを奪うわけにもいくまい。
何とか首だけでも動かして彼女の唇が、自身のそれに触れないよう体勢を変える。
その際に生じた微かな布擦れの音に気がついたのか、智子が瞼を開いた。
お互いの瞳を見つめ合う時間が続き、
684
:
衝撃波
:2016/06/22(水) 05:54:41 ID:DBNn8d3A0
智子「え? あ、あ……わ……」
俺「よ、よぉ。おはよう……智子」
再会してから、初めて間近で見る彼女の面差しが次第に赤みを増していった。
段々と黒い瞳には透明な雫が滲み出てきた。
そして、感情の高まりを抑え切れなくなったのか。
言葉にならない叫び声が、室内に響き渡った。
智子「ち、違うのよ!? ここここ、これはぁ! ちょっと貴方の髪の毛に埃がついてたから、取ろうと思ってたたたた、だけなのよ!?」
整った美貌を高潮させ、涙まで浮かべて、機銃掃射もかくやの勢いで言い訳を並べ立てる妹分の姿に俺は口元を綻ばせた。
随分と昔にも、こんな風に似たような言い訳を聞かされたことがあったな――と胸裏で独りごちながら。
どれだけ見目麗しく成長しても、あの頃と変わらぬ智子が目の前にいる。
自分が、自分だけが知っている智子が、そこにいる。
そのことに、愛おしさと懐かしさが混じる感慨を抱いた俺は、自然と彼女の頬に手を添えていた。
智子「あっ……」
頬を触れられ、ほんの一瞬だけ身体を強張らせたものの、すぐさま力を抜いて瞼を閉じる。
その手の温もりに、優しさに身を委ねるかのように。
安らぎに満ちた表情が、智子を彩った。
685
:
衝撃波
:2016/06/22(水) 05:57:53 ID:DBNn8d3A0
俺「俺のこと、起こしに来てくれたんだよな?」
智子「……うん」
瞼を閉じたままの智子が小さく頷いてみせると俺は静かに破顔した。
手の平を満たす倫子の頬の柔らかさを感じながら。
俺「そっかそっか。ありがとうな、智子」
智子「その、迷惑……だった?」
俺「まさか。俺が寒さに弱いの知っているだろう?」
だから気にするなと笑い飛ばすも、彼女に笑みが戻ることはなかった。
おそらく昨晩、寝床を共にしたいという願いを拒否されたことが智子のなかで尾を引いているのだろう。
俺としては大人の女へと成長した妹分を襲わぬための防衛手段だったのだが、自身を兄貴分として慕う智子は、甘えたかったのかもしれない。
再会するまで智子のなかで自分は死んだ人間だったのだ。
そんな自分とまた巡り会えたことを考えると、些か大人気ない対応だったか。
俺「(もう少し構ってやれば良かったか)」
放っておけば朝食まで昨夜のことを引き摺るかもしれない。
俺は考えを巡らせる。
時間にして一分にも満たない短い間黙考を続け、素直に思いの丈を吐露することを決めた。
686
:
衝撃波
:2016/06/22(水) 06:00:57 ID:DBNn8d3A0
俺「あー……智子?」
智子「……なに?」
俺「その、だな。別にお前と一緒にいるのが、嫌なわけじゃないんだぞ? 俺だって……お前にまた会えて嬉しいんだ」
段々と声音が尻すぼみになっていく。
それはきっと、これから紡ぐ台詞が自分でも気障なものだと自覚しているからだろう。
次第に頬が、耳が熱くなっていく様を実感しながら、俺は尚も言葉を続ける。
俺「……ただ、な。お前が綺麗に成長し過ぎて……傍にいると何というか、凄く落ち着かないだけなんだよ」
告げられた台詞に智子は目を丸くした。
小さく口を開け放ち、こちらを見つめる美貌。
思わず心臓が跳ね上がる感覚を抱くも、俺はすぐさま口を開く。
俺「黒髪も……その、陸軍にいた頃と違って艶があるし」
智子「え……あ。そう、かしら?」
言われて、肩から流れる自身の黒髪に手を遣る智子。
形の良い唇は心なしか綻んでみえた。
俺「肌も、あの頃と同じように……いや。あの頃以上にきめ細かくて」
智子「……あ、あぅ」
俺「体つきだって……その、なんだ。ちゃんと大人のそれになってるからさ」
一瞬だけ、彼女の陸軍服を下から押し上げる二つの膨らみに視線を注ぎ、すぐさま逸らす。
687
:
衝撃波
:2016/06/22(水) 06:04:43 ID:DBNn8d3A0
智子「そ、それって!!」
弾け飛んだ言葉に続いて智子が身を乗り出した。
俺「う、うん?」
智子「私のことをその、女として……見ているって、ことで……いい、のよね?」
自身のシャツを両の手の指でぎゅっと握り締めながら、真っ直ぐに自分を見つめてくる智子の言葉に俺は首肯した。
途端に智子の頬に朱色が戻る。形の良い唇が更に綻んでいく。
俺「……ぁ」
思わず、声が漏れた。
自分でも、それが声なのだと遅れて気がつくほどの小さな声だった。
智子「そう……なの。っふふ……そう、なんだ」
花が咲いたような笑み――という言葉は、きっと今の智子が浮かべる笑顔を差しているのだろう。
嬉しさと、喜びに満ち溢れた微笑みを前に俺は思う。
この笑顔を、いつまでも見つめていたい。
いつまでも、愛でていたい。
智子「朝からごめんなさい。先に行って待っているから……早く、来てね?」
想い人が自身の笑みに魅了されていることに気づかぬまま、智子は寝台から下りる。
そうするや否や身を翻し、小走りで部屋を出て行った。
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