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禁断の果実を、かじりながら。

1赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/04/29(月) 22:04:33 ID:EYd3.WX.
いくら愛し合っていても、赤い糸が存在するわけではない。
もし赤い糸があったとしても、どちらかが切らなければいけない。
必ずしも、良い運命に導かれるとは限らないんだ。

男と男の愛が許される世界で。
いったい、どれだけの人が傷つくのだろう…


ーーーーーーーーーーーー
どうも、赤哀です!
二つ目のスレ立てちゃいました!
スレタイがおかしい所には触れないでください(笑)
こっちは禁断の愛系で、初めての短編に挑戦したいと思います。
コメリクの方は、混雑しだいコメリク用のスレを立てます。その時にはご報告しますが、今のところはこのスレでにお書きください。
よろしくお願いします!!

2赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/04/29(月) 23:25:43 ID:EYd3.WX.
コメ専用にしよう思ってますが、まずは書かせて頂きます。


【快感の果実】

風「ごめん。もう、この関係は耐えられない。」
健「っっっっ!!!…ふぅ、まぁっ」

健人が俺の腰にぎゅっと抱きついた。
俺達……いや、俺は、最近深刻な状況に悩んでる。
それは、SexyZoneという俺達が所属しているジャニーズ事務所のグループの、俺と健人が『セフレ』だということ。
ラブホに行くこともなく、たまに俺の家でヤるというだけでバレる手口は何もないが、芸能界という普通とは一つ違った世界にたっているのだから、それなりの覚悟は必要だ。
その覚悟をきめて始めた『体だけの関係』。
最初はファンに手を出さないための軽い性欲止めのつもりだったが、体を重ねたとたん、その凄い快感に身がとろけた。
この上にないSEXの相性は、『ファンの子の身代わり』という目的をも脱ぎ捨て、気付けば違うどこかにたどりついていた。

3赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/04/29(月) 23:46:07 ID:EYd3.WX.
※風磨は健人のことを、二人きりの時、あるいは心の中では中島ではなく健人と呼んでいます※


止まることのなく加速していく性欲は、勉強から仕事、頭の中までじわじわと勢力を広めていった。
俺の中でも性欲の右に出るものはなく、無意識に性欲が他のものを奪っていたのだ。
そんなある日、俺は健人の中にローターをいれ手首を束縛し、一日中部屋で解禁した。

健「ふぅうっ……ぃっいひゃぁ……も、もぉおらめぇぇっ…ひっぅぅ……!」

目を潤わせながら体を痙攣させ、『これ以上感じられません』退散する姿が、どうも俺のツボを誘ったらしい。
もどかしげに俺を見る目が、微かに揺れる腰が、唾液を流すエロい口が……
本当に健人を性的な目でしか見れなくなったのは、これからだ。


健「なんっで……!何で止めなきゃいけないのっ…!?」

今ここにいる健人も、俺という名の性欲にどっぷりと浸かっていたらしい。
必死に俺の腕をつかんで揺すり、大きいくりくりな目をあちらこちらへ泳がしている。

風「ごめんな、本当にごめんな。」

これだけしか言えず、ただただ健人の頭を撫でた。

4赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/04/30(火) 00:03:21 ID:EYd3.WX.
すみません、間違いました!!
×『これ以上感じられません』退散する姿
○『これ以上感じられません』と退散する姿



健「絶対バレないからさ、仕事に集中するからさっ…!やめ…っんなよ……離れないでよ…!」

健人は、もう中毒していたのかもしれない。『恋愛依存症』ではなく、『SEX依存症』になっている。
そりゃ、俺だってずっとヤっていたい。こんな相性に巡り会えたんだから、手放すのはすごく心残しい。
でも、俺が、もう限界なんだ。
性欲という塊に食い尽くされそうで、健人以外しか愛せなくなりそうで。この世の全てを、愛せなくなってきている。

風「…ごめん。バレるバレないとか仕事に集中するとかそういう問題の前に………」

『壊れそう』
この一言を口に出来ず、違う言葉を口にいた。

風「取り合えず、俺達はアイドルだから、ファンの人たちはもちろん、世界中のあらゆるものを愛さなければいけないんだよ。だから、もう、健人だけは見てられない…」

5赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/04/30(火) 00:29:17 ID:EYd3.WX.
健人がハッとした顔になり、俺の胸から離れていった。体がスカスカする。肩に濡れを感じる。家のドアを閉める音まで聞こえた。

全て終わった、とソファーに寝そべった。
また明日、撮影で会うのに。知っていた夜の健人が離れていき、寂しくなった。
『俺が手放した』のに、凄く悲しい。

もし、少しだけ相性が悪かったら。
もし、ジャニーズjrだったら。
もし、受験生じゃなかったら。
もし、最初の目的が違ったら。

『もし、』が止まらなくて涙が溢れる。健人の液で作った染みの上に、俺の涙の湖が出来ていった。

プルルルル…プルルルルル………

突然鳴った電話の音で気分を切り替え、受話器を取った。

6赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/04/30(火) 00:37:51 ID:EYd3.WX.
風「もしもし、風磨です。あ、……はい。……はい、バラさないんですよね?……はい。分かりました。……え?ちゃんと別れましたよ……。はい、バッサリと。……本当ですよ。はい。……それで…………






中島はソロデビューできるんですよね…?




ありがとうございます。さようなら…」


ガチャンと、重々しい受話器をおろした。
健人に、活躍してほしくて。
性欲じゃない何かを求めてほしくて。
実は、俺達の関係を離すのと、中島のソロデビューを契約してたんだ。

脱力した足を動かし、のろのろとパソコンの前に座った。
すぐに起動させて、俺は女のエロ画像を探した。

ーーENDーー

7赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/04/30(火) 20:26:58 ID:EYd3.WX.
とりあえず書いてみましたが……
超短編ですね(笑)
話のまとまってなさにビックリ!!

はは………

話を一文にすると、セフレの関係の風磨と健人が、セフレの関係を終える話です。
強調したかったのは、自分が性欲に食われそうな恐怖を持ちながら、それでも健人のことを考えて契約をした風磨の健人想いなところですw。
風磨は自分が壊れることも恐れていたけど、それより健人が性欲に溺れていく方が怖かったといった感じですかね…。

最後の一文は、風磨が健人じゃない誰かで性欲を萎えさせようとしている所を表しています(笑)
解説しましたが、分かりにくいですね…
これから頑張りますっ!!

8赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/04/30(火) 23:01:21 ID:EYd3.WX.
くらもっちゃん(郁)と、聡(聡)です。
※少しキャラを濃くしています。

【悔しみの果実】

僕のお腹から『お腹がすいた』と、悲鳴がしそうな気がした。

ぐうううう…
聡「あ…」

怪獣が鳴くような音に、二人での撮影のため隣にいた聡くんが僕のお腹をチラ見した。

聡「お前今、お腹なっただろ!」

聡くんのその一言で、わっと笑いが広がるスタジオ。

郁「もー、仕方ないじゃん!お昼食べてないんだもん。」

わざと膨れっ面になり、聡くんと顔を合わせた。すると、何故か笑いが込み上げてきて。
二人同時に、吹き出した。

郁「あははははは!!」
聡「アハハハハハ!!」

それからも、それからも、撮影中は笑いが止まらなくて。

売り出された雑誌での僕達二人のページは、肩を組んで笑い崩れているものだった。裏話には、僕がお腹を鳴らしたことまでちゃんと載っていて…
恥ずかしかったけど、嬉しかった。

9赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/04/30(火) 23:13:57 ID:EYd3.WX.
また今度も、こんな撮影したいなって。大好きな聡くんと、楽しい時間を過ごしたいなぁって。

そう、僕達は、付き合ってもいるが、シンメでもあるのだ。
勝利くんが「シークレット…」って囁く曲のやつも、位置は左右対象。『ウィズユー』って曲は、なんと二人で歌うパートまでもらえた。
BIシャドーの健人くんと風磨くんに、勝利くん、聡くんと、僕。5人で歌うウィズユーは、ジャパニーズハイのメンバーで歌うものとはどこか違くて、『ユニット』みたいで嬉しかった。
だけど……あの撮影を最後に、僕は聡くんと会うことがなかった。


僕はいつものように、聡くんに電話した。

郁「今日は無理なの?」
聡『ごめん、無理なんだ。また今度!』

今日もそう言って返された。
無理って何?
僕のこと飽きたの?
新しく買ってもらったスマホを強くにぎって、下唇をかんだ。

もうこっちも無理だよ。我慢できないよ。聡くん、聡くん、会いたいよ。
好きだよ。好きだよ。大好き…
この涙は、まだ悲しみの一味だった。

10赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/04/30(火) 23:24:57 ID:EYd3.WX.

郁「失礼しまーす……」

事務所のA部屋に呼び出しされ、僕はゆっくりと扉を開けた。
そこには、脇山くんや、神宮寺くんなどの、僕よりいつも一歩後ろにいるジュニアのメンバーがいた。

神「おっ!郁!!お前も呼ばれたのかーっ」
郁「え、ちょ、やめへくらはいよ!」

かけよってきて、僕のほっぺをぷにぷにする神宮寺くん。
『何で君達なの?』なんて聞けずに、笑顔を作って神宮寺くんの手をはがした。
そしてそのまま椅子に座ろうとすると、スタッフさんが入ってきた。

ス「移動しまーす!」
「「「「あ、はーーい!!」」」」

ジュニアが元気な返事をして、部屋を出た。
僕は何かも分からずに、ちょっとした期待をしてスタッフさんについていった。
でも、僕が見たのは、

健人くん、風磨くん、勝利くん、マリウスと共に


青い王子様衣装を来ている聡くんだった。

11赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/04/30(火) 23:35:13 ID:EYd3.WX.
健「あっ、来た来た!」
風「ちょっとそこに集まって!」

私服の僕らは、風磨くん達の誘導により、王子様衣装の5人の前に向かい合わせになって立たされた。

健「なんと、俺達5人…
SexyZoneとしてデビューすることになりましたっ!」
風「イエーイ!!」

パチパチと、笑顔で拍手をする5人と、唖然とした顔をした後に、目を大きく見開いて喜びの表情を浮かべる皆。


状況が、つかめなかった。
いつも隣にいた4人が、豪華な衣装を来ている。
僕の居場所に、マリウスが立っている。
僕を支えてくれた皆が、僕には1つも目をくれなかった。

ただ一人幼い僕の不安をぬぐってくれた健人くんも。
優しくてお兄さんみたいだった風磨くんも。
真ん中にいて、アドバイスしてくれた勝利くんも。
いつも右か左にいて、双子のようだった聡くんも。

皆、あきらかに違うところに立っていた。

12赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/04/30(火) 23:45:49 ID:EYd3.WX.
それがどうしても祝えなくて、僕はスタジオから抜け出した。

でも、僕を止めるスタッフさんもメンバーもいなくて、僕はいらないのかな?なんて思った。
スタジオから出たとたん、涙が溢れて。
どんどん、どんどん溢れて。
トイレにこもって、大声をあげて泣いた。
新しいハンカチが、雨に濡れたようにびしょびしょになるくらいに泣いた。

僕じゃだめなの?
聡くんの隣にはもういれないの?
もう5人で肩を組めないの?
頭を撫でてくれないの?
一緒に写真はとれないの?
僕はどうなっちゃうの?

悔しかった。
信じられなくて、信じたくなくて。
夢だと言ってほしかった。
SexyZoneというグループを、めちゃくちゃにしてやりたくなった。


ぐううううう…
あの時のように、お腹がなった。
なのに、誰も笑ってくれなくて。
僕の隣には聡くんはいなくて。

ただお腹が空いたと、冷静に理解することしか出来なかった。

13赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/04/30(火) 23:55:18 ID:EYd3.WX.
郁「もっ、もう…っもど、ろぉ…っ…」

涙をぬぐいながらトイレの個室を出ると、なんと目の前に、ずっとずっと求めていた聡くんがいた。

郁「!!!!!!」
聡「ちょっと来て。」

ショックと驚きで声が出せない僕を、聡くんはSexyZoneがいる『SexyZone楽屋』に連れていった。
無言でドアを開けて、僕を中に押し入れる。
椅子に座る4人が、僕を真剣な眼差しで見た。

健「聡、ありがとう。郁、ここに座って?」
郁「はい……」

聡くんと健人くんの間という、真ん中の椅子に僕は腰かけた。
シーンとした空気が怖くて、途中で抜け出したことが怒られるんじゃないかと思って、身を固めておいた。

14赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/05/02(木) 00:18:59 ID:EYd3.WX.
でも、想像とは全く違くて。

郁「健、人くん…!?」

気付けば、健人くんが僕をふわりと包んでいた。
優しく、壊さないように。健人くんより何回りも小さな僕の肩周りに、健人くんの腕の指輪ができた。

郁「ちょっ、止めてくださいょ……っ」

そう言いながら健人くんの腕を掴むも、以外と腕に力を入れていてびくともしない。
健人くんが優しくしないと壊れるほど、でも力をこめないと指輪が外れやすいほど、『そんなに自分はやわなのか』と惨めすぎて悲しくなる。
でも、5人にはデビューを喜んでもらいたいから、涙をこらえるために歯を食い縛った。

マ「ねえ。僕、くらもっちゃんがいた場所、ちゃんと受け継ぐから。くらもっちゃんは、僕の居場所を受け継いで?」
郁「……嫌だよ、そんなの。」
マ「えっ?」

ハッキリという僕に、マリウスは顔を歪める。

15赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/05/02(木) 00:28:27 ID:EYd3.WX.
郁「もうハッキリ言うけどさ!僕、今すっっごいマリウスを恨んでるよ!!居場所と仲間をとられたから!そりゃ、マリウスに悪気がないのは分かってるよ。でも、悔しくて、自分が惨めで、誰かをめちゃくちゃにしたい気分なんだよ!」

言い放ったその言葉にショックがるマリウスの顔を、僕は酷い眼差しで見つめたまま妙な空気が流れた。
もう、全てが終われば良い。
聡くんも、何もかも、手になんてつかめない……

健「……くっ……ぅう…」

耳元に健人くんのすすり声が聞こえたのは、この時だった。

風「中島!?」

シーンとしてただけあって音に敏感になっていたその耳は、小さなすすり声でさえしっかりキャッチしていた。

健「郁、勘違いすんなよ。辛いのは、お前だけじゃねぇんだよ……」

健人くんは僕を抱き締めながら、肩を震わせ芯のある声で語った。

16赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/05/02(木) 00:38:31 ID:EYd3.WX.
健「みんな、居場所と仲間を失ってるんだよ!
俺と風磨は、BIから離れたし。
勝利は、大親友の岸と離れたし。
聡は、お前と離れたし。
マリウスは、全く知らない俺らの中に入れられたし。
確かに、自分だけおいていかれてデビューされるのは悲しいかもしれないけど、俺はBIでデビューしたかったよ。まだ、経験の浅い勝利達にはデビューという厳しい世界を与えたくなかったよ。
笑ってるけど、辛いんだよ……」

右からも左からも、泣き声が聞こえた。
風磨くんも、勝利くんも、聡くんも、マリウスも……
皆々泣いていた。

今思えば、そうなんだ。
デビューは、軽い物じゃない。
仲間とデビューをするのは、ほとんどの人が夢を見ていると思う。
叶えられなかったのは、きっと僕だけじゃない。ここにいる皆も、デビューしている皆も、
叶えられた人なんて、いないかもしれないと…。

17赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/05/07(火) 18:37:02 ID:EYd3.WX.




今こうして、僕はここに立っている。
でも、聡くんとは話もしてなくて…
僕達の仲は、自然消滅しちゃったいみたい。
でも、良いんだ。聡くんは、マリウスと幸せになってるから。

もう、何があっても泣かないと決めたから。

俺は仕方なく、赤い糸を切ったよ。
だから、『赤い糸は存在しなかった』なんて言わないで。
あの頃は、ちゃんと見えてたから。
僕達の、小指と小指に………

ーーENDーー

18赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/05/10(金) 00:44:42 ID:EYd3.WX.
今回の話も、ぐだぐだなまま終了。
短編は苦手ですね、はい。
次回は、私の命くらい大切な松松コンビにしようと思います!!

あらすじは、
松田と松倉は大親友。だが、なんと『松田』の転校が決まった。二人は少しの時間をねらって、がけの上の野原に集まる。二人とも、告白を決意して……

という話です。
明日、書けるかなぁ……
とりあえず今、テスト勉強真っ最中なので、遅くなると思います。

19赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/05/13(月) 22:52:54 ID:EYd3.WX.
【野原の果実】

僕たちは、不安になったりするとここに集まっていた。
がけの上の、広い広い野原。
鮮やかな緑と新鮮な風が通り、孤独さえもおだやかになっていくような、静かなところだった。

海『いつものところで、ごご1じにしゅうごうな!』

松倉くんが、バカな僕のために数字と平仮名で送ってくれたメール。
このくらい読めるよ!と思いつつ、その気遣いに感謝した。
でも、心で察していたんだ。

松倉くんは、僕に別れを言いたいのだろうと……

山の中で、ぽつんとあった僕の家と松倉くんの家。
中学校と小学校で学校は違ったものの、朝は一緒に通学してた。
メール交換して、電話して、ここに集まって………。仲良くなるのに、時間はかかっていなかった。
いや、僕は、恋におちていた。

20赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/05/13(月) 23:12:46 ID:EYd3.WX.
好きなんだ。すごく。
僕の想いは、穏やかな愛とやすらぎの恋の1対1の割合で出来ていた。
なのに……

元「いつまでも、続いていくと、そんな気がしてた。風か吹いて、散るように。はらはらと、散るように。この風が連れ去っていく。舞って、舞って、僕のサクラ…」
海「元太、何言ってんの!」
元「うわっ!!松倉くん!?」

体育座りしてその壮大な景色を眺め呟く僕の肩に、乗るように抱いてきた松倉くん。

海「遅れてごめん!!」
元「だ、大丈夫だよ!ほら、座って?」

僕の隣をポンポンと叩くと、遠慮がちに腰をおろし僕と同じ所を眺めた。
目線は同じ。この、壮大な緑の町へ。

海「……突然呼び出して、悪かった」

ぽつりと、罪悪感がまざったような声が風になびいた。

元「別に良いよ。多分、ここにくるの最後だから。」

最後、という言葉を自分で口にしながらも、胸にしみて目頭が熱くなる。

21赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/05/14(火) 00:32:51 ID:EYd3.WX.
海「ちょっとだったけど、元太といれて楽しかった。」
元「うん。」
海「ここ、一番好きだった。」
元「うん。」
海「同じ中学、通えると思った。」
元「……うん。」

“オナジチュウガク、カヨエルトオモッタ”
これ以上言わないでと、耳をふさぎたくなる。
僕の右隣にはランドセル、左隣には学ラン姿の松倉くん。僕も、右隣のランドセルを捨て、松倉くんの着ている学ランを着れると思っていた。

小6の春、幼児施設から『養子』としてここに来た僕は、おじさんとおばさん、そして近所の松倉くんに育てられた。温かくて、優しくて、皆といるだけで僕まで優しくてなっていった。
でも、この前、僕の本当の両親が見つかった。金持ちで、僕の妹に当たる女の子がいるらしい。
もちろん、本物となればあっちに戻らなければいけないし、お別れ、ということ。

学ランが着たかった。
あっちの学校はブレザーだとかいう問題じゃない。
『松倉くんと同じ』ということに、価値があったのに。

22赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/05/17(金) 21:37:50 ID:EYd3.WX.
好きだよ。好きだよ。好きだよ。
好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き。
おかしくなりそうなくらい、好き。
好きという文字が、僕の世界を埋め尽くしそうなくらいに。

いつものドキドキが、今は悲しさで見え隠れしている。
変な、感じ。
心臓が高鳴っているのに、涙が出そう。まるで性的快感の渦に引き込まれたような変な感覚。
ゆるやかな風が痛い。
涙で潤ってるはずの目が乾燥して痛い。
心の底が、痛い。
どうしたらいいの?

初めての感情にもどかしい気持ちを抱いていると、上から何かが降ってきた。
雨じゃない、あられじゃない、雪なんてもっとない。
僕を包み込む、僕の求めていたもの…

手にとってみると、それは
『学ラン』だった。

元「松倉くん…!」
海「ふふっ」

目を大きく見開き、感動とも言える表情をした僕に、松倉くんは幸せそうに微笑んだ。

23赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/05/23(木) 20:27:45 ID:EYd3.WX.
海「それ、学ランを売っているおじさんに頼んで元太の分も作っておいたんだ。上だけしかないんだけどね。あ、そうだ。着てみてよ!」

そう言われて、Tシャツの上から学ランを羽織る。
松倉くんと同じ色。同じ形。同じ肌触り…。『お揃い』って感じで心が弾む。

元「どう?似合ってるかな?」
海「すっげえ似合ってるよ!これが制服じゃないなんてもったいないなぁ!絶対女子にモテたのに!!」
元「えへへっ」

嬉しくなって、嬉しくなって。
僕は松倉くんに抱きついた。

元「ほんっっっっっっとうにありがとう!!大好きだよ!」
海「っ!………俺も。」

体を少し離し、お互いに見つめ合う。
二人は無意識に、目を閉じていた。

24赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/05/23(木) 20:36:34 ID:EYd3.WX.
重ね合った唇と唇。
いつの間にか暮れていた日が、野原に僕達の重なるシルエットを造りだしていた。

さよならは別れの時。
正直、すごく悲しい言葉。
ハッキリ言うとね、
僕達これから会えないと思う。
だけど、会える気がしたんだ。
赤い糸を、どちらかがきらない限りは。




1・2・3!
可愛い君とイェイイェイ
遊びに行こうよチュッチュー
オバカになってもう一回
可愛い君とイエーイ、イエーイ



あっちに行ってから。
松倉くんから来るラインを、メールを、電話を、手紙を、僕はいつまでも続けたいと思った。

ーーENDーー

25赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/05/29(水) 23:37:01 ID:EYd3.WX.
次は、風磨メインでやります!
少し長くなるかもです!!

26赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/05/31(金) 22:26:46 ID:EYd3.WX.
※「」の前にする名前表示を無くします。

【左の果実】
マリウスは、果実のように甘かった。
果実のようにはじけていた。
いるだけで心が癒されて、俺という存在が神がかっていくような感覚に包まれる。

「風磨くん、これあげる!」
「え…」

左の手のひらにのせられた、少し大きめのクローバー。でも、普通のクローバーではなくて、葉が四つある幸福のクローバーだった。

「風磨くんが幸せになれるプレゼント。僕とお揃いなの!」

顔に似合わない大きな右手で、俺のより少し小さめのクローバーをひらひらさせる。すごく幸せそうな笑みを浮かべて。

「ありがとう、マリウス。」

絶対、俺も幸せな顔をしている。マリウスといて幸せにならないことなんて、ありえないから。

27赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/05/31(金) 22:37:50 ID:EYd3.WX.
「…ん」

マリウスの右手が、俺の左手を掴んだ。指を絡めて、いわゆる恋人繋ぎになる。

「そろそろいくか」
「そうだね。いこっか!」

左にはマリウス。
左手にはマリウスの手。
左ポッケにはクローバー。
左、左、左………。

『左』という言葉をこんなにも幸せに感じたのは初めてだった。左ききに生まれた時点から、左に恵まれていたのだと思う。

俺の左はマリウスで出来ている。

こう言っても、おかしくないんじゃないだろうか。俺は、左のマリウスに狂っていたのかもしれない。いや、離れられなくなったのだ。
服を着るように、夜寝るように、習慣となって左にいる。
その習慣も今日で終わるのかなと、左手に力をこめた。

28赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/05/31(金) 22:55:40 ID:EYd3.WX.
次の日。俺は、この地を去った。
簡単にいうと、引っ越しをした。
この狭い狭い世界を抜け出し、ただっ広い都会に行った。

……というのも、理由がある。
それは、二年前のこと。
俺とマリウスで、東京へ旅に行った。ほんの軽い気持ちで行った旅だったが、その旅で運命を変えることになった。
俺は、山のような名刺をお土産として持って帰ってきたのだ。
最初は歩くたびに名刺を貰うものだから、何が何だか分からなかった。しかも、俺ばかり名刺が来る。
でも、旅を終えてその名刺を読み返して気づいた。芸能界へのお誘いの紙きれだってことを。
悩みに悩んだ俺は、マリウスに相談した。すると、マリウスは『一枚でも使わないと紙が可哀想』だと言った。もちろんマリウスの考えに背きもせず、その中で一番目のついた名刺の所に翌日電車で行ってみた。
すると、何てことだろう。
マリウスレベルの美しさを持った男が、踊って歌って輝いていた。
その瞬間、この場に一目惚れしたんだ。
俺は毎日のようにそこに通った。すると、気持ちの良いくらい輝けた。
気づけば、俺の耳にはデビューを告げられていたのだ。

29赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/06/03(月) 22:05:35 ID:EYd3.WX.
「you達、今日からデビューだよ」

皆、ぽかんとしていた。
なにせいつもの口調で、いとも簡単に口にするのだから。そりゃ、言ってる側の方にしたら言い慣れているのかもしれない。でも、俺達は、初めてサングラス越しに目を見て、デビューと告げられたのだ。

「ほっ本当ですか!?」

北斗が、ドンと机に手を置いた。すると、あの人はこくんと頷く。その意味がどれだけすごいことか。感じたことのない達成感と解放感につつまれ、4人でそのキラキラした目を合わせて一晩中そわそわしていた。
デビュー曲はなんだろうか…
やっぱりララリラなんだろうか…
衣装は新しく作られるのか…
イメージカラーはこのままなのか…
語り語って語り明かし、それでも語りたらず、俺達は仕事場への移動中までも語り続けた。

そして、仕事を終えて田舎の故郷に帰る時、頭の中にぽんと浮かんだ。
『上京』の文字が。
そこで初めて、俺は頭を抱えた。

30赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/06/07(金) 23:12:51 ID:EYd3.WX.
俺の左は、どうなってしまうのか……

左を失えば、左右が分からなくなる。
箸の持ち方さえも、忘れてしまいそうになる。
北斗は、「上京する」と家事の練習をしている。
俺は、俺は………

上京しなければ、俺への格差が決まったようなものだ。
それだけは嫌だ。
絶対に嫌だ。
でも、左を失うことも、嫌だ。

悩みに悩み、ノート一冊分真っ黒になるまで考えを書き込んだ。
そうして、決めたのだ。



上京する。

家族にも話し、当然メンバーにも話した。
でも…、左にだけは。
マリウスだけには、話せなかった。

『マリウス』と『仕事』なら、迷わず前者を選ぶのが俺。
でもそんな俺が、『マリウス』と『格差』で後者を選んだことを知ったら、きっとマリウスは悲しむだろう…

伝えなかったことを、正解だと信じていた。
でも、それは人生最大の、大ハズレのくじ引きだったのだ。

31ココナッツ:2013/06/11(火) 18:25:34 ID:n7rBy5Dk
赤哀さん、こんにちは!!来ちゃいましたww
コメ書かないほうがいいんですかね?ダメだったら言ってください。
続き待ってます!!

32赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/06/12(水) 23:24:56 ID:EYd3.WX.
>>ココナッツさん。
おおおお!
来てくださって嬉しいです!!!!
コメ書いても大丈夫ですよ!Yes♪
続きは、明日らへんに書きますね。

33ココナッツ:2013/06/13(木) 17:36:51 ID:x59LSgk6
は〜い、頑張ってください!

34赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/06/14(金) 23:08:38 ID:EYd3.WX.
ガタガタ、ガタガタ……

大荷物をまとめて、電車に乗る。
寂しくその故郷を眺め、改めて緑が多いなと思う。
俺は、今マリウスに軽い手紙を書いている。やっぱり、上京してからは教えた方がいいかな、と。

『マリウスへ。
俺、実は今東京にいます!
なんと、上京しました!
え?悲しい?そう言うなよ〜(笑)
住所も書いとくし、たまに遊びに行くから。
CD買えよ!あ、映んないテレビは某動画サイトでぐぐれよ!
イケメンジャニーズな菊池風磨様より』

書きながら、俺はにやにやしていた。
でも、少し心配だった。
いつものふざけテンションで大丈夫なんだろうか。飽きられるかも…。
それでも俺は手紙を握りしめ、東京についた途端、すぐにそれを送った。
この手紙を、マリウスが見たらどう言うだろう……。
小さなため息をついて、俺はマンションに向かった。

35赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/06/17(月) 17:43:24 ID:EYd3.WX.
〜赤哀から大切なお知らせ〜
予告です!!
この風磨が終わったら、勝利の激裏かきます!
初めての激裏なので、多目に見てくださいね。

36赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/06/17(月) 17:51:30 ID:EYd3.WX.
マンションで、ここは俺の部屋。
このうえない解放感で、透き通ったような気分で風を受けていた。
そして、荷物を整理していると。

ヴー、ヴー……

バイヴ音に設定しておいた俺の携帯がなって、スマホを出した。
メールが届いていた。
宛先は、『マリウス葉』
急に胸がドキドキして、泣きたくなった。スマホを胸にあて、目を瞑り深呼吸をする。息を吸って………はいて……
決心をつけて、目は瞑ったままスマホを胸から離した。
ただの世間話かもしれない。でも、悲しいメールかもしれない。
俺はゆっくりと、目を開いた。

ーーーーーーーーーーーーー
題・引っ越します。
ーーーーーーーーーーーーー

37赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/06/17(月) 18:01:27 ID:EYd3.WX.
自分の目を疑った。
絶対、俺の目、どうかしてる。
見間違えだ!
そう思って目を何度もこするも、同じ文章しか見えない。
ただ、涙がにじむだけで……

ーーーーーーーーーーーーー
風魔くんには秘密にしてたんだけど、ぼくドイツに戻るの。
でも、年に一回戻るから安心してね。
いつも、右には風魔くんがいました。
この右は、一生忘れません。
また、会えるから。待っててね!
ーーーーーーーーーーーーーー

「改行しろよ!」とも、「いい加減俺の漢字覚えろよ!」とも言えない。
きっと、もう会えない。
俺の左は、マリウスの右は、
消滅してしまったんだ。

涙が止まらなくて、全身が痙攣する。俺は震える手でマリウスにメールを送った。
何て書いたかは覚えてない。
でもそれは、あきらかに酷い言葉遣いを使った、残酷な文章だった。

そして、俺は、またショックを受ける。

38赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/06/17(月) 18:18:39 ID:EYd3.WX.
送信ボタンを押したとたん、俺の左ポケットから音楽が聞こえた。
嘘だろ……!そういえば、さっきから左ポッケに違和感を感じてた。
胸騒ぎがして、焦りながら左ポッケをまさぐった。中にあったのは2つ。
マリウスからの小さな手紙と、
マリウスのスマホ。

『風まくん、ぼくのスマホを、ぼくだと思って使ってね!ドイツに行ったら手紙で住所とか送るね!それまで、我慢して待っててね!』

ねえ、マリウス。無理だよ。
俺は待てない。待てないんだ…
マリウスの丸く可愛い手書きの文字に、俺の涙がポタポタと落ちた。
これ以上、何も手放したくない、悲しみたくない。秘密なんて作らない……
手紙を、俺の涙が当たらないところにさけた。

完全に消えてしまった、左。
どこかで存在しているということが、余計にもどかしく切なくなる。

時を戻して。
何でもするから、時を戻して。
マリウスに、伝えさせて。
時を戻してよ…
時を戻してよ……
時を、もど…して……



気がつけば、俺は心配するメンバーに囲まれながら、病院にいた。

39ココナッツ:2013/06/17(月) 22:11:42 ID:tu1dpl5M
激裏ですかー。なんか

40ココナッツ:2013/06/17(月) 22:14:11 ID:tu1dpl5M
↑何かおかしくなりました。

激裏ですかー。何か聞いたただけで興奮してきましたww
勝利くん攻め何ですかねー、受け何ですかねー。楽しみに待ってます!
続きも頑張ってください!!

41赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/06/19(水) 17:39:31 ID:EYd3.WX.
>>ココナッツさん。
勝利は受けです!
でも、まだ攻めが決まってないんですよね…
今回はただのエロになると思うので、題名に果実って言葉はつかないです!

42赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/06/19(水) 18:03:17 ID:EYd3.WX.
「風磨…」

最初に声をかけてきたのは中島。ほっとしたように息をはき、北斗と高地も続けて息をはいた。
俺が今ここにいるってことは…さっきのは夢?
もしかして俺は電車の事故に合った?
いや、怪我はないし…
もしかして、電車で倒れた?
ああ、きっとそれだ。そうだそうだ。

なんて思って信じてたけど、北斗がもっている2つのスマホを見たとたん、やっぱり現実だったんだって知らされた。
とたんに体が重くなって、何であんなことをしてしまったのだろうと後悔ばかりが頭に浮かぶ。
何で、何で、何で…

「風磨、どうした?」

高地が目を見開いて俺を見て、やっと気づいた。

「しかた、ねぇだろ……」

そう言いながら上半身を起こして目をこする。止まれ止まれ!と思うのに、涙はいっこうに溢れだす。俺の中にある水分が、からんからんになる気がした。

43赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/06/19(水) 18:19:15 ID:EYd3.WX.
「風磨、何があったの?」

そう眉を寄せる中島の腕をつかんで、俺は「マリウス…」と呟いた。
中島がハッとした表情で、北斗の持っているスマホを見る。中島は、マリウスを知っていた。というか、メル友だった。しかし、1ヶ月前に繋がりを切ったと言っていた。きっと、ちょうどマリウスの引っ越しが決まったころだろう。
左の名を口にして、あの笑顔をまた思い出して、余計に涙が止まらなくなった。声をあげて泣く俺を、中島は優しい目で見つめてくれた。中島の大きな手が、俺の頭を撫でる。

「マリウス、言えなかったんだな…」

その言葉に、また後悔が重なった。
マリウスだって、きっと、今ごろ…

想像しても浮かばない、ドイツにいるマリウス。マリウスはいつまでも、手紙を待っているのだろうか。
そう思ったら、もっともっと、もっと、もっと。自分が情けなくなった。

44ココナッツ:2013/06/19(水) 21:51:21 ID:KRfjT3VI
おお!勝利くん、受けですか!
あのですねー、私ですねー、勝利くんの受け、だぁぁぁいすき何ですよ!もう、ありがとうございます!!
頑張ってくださいね!

45しほり:2013/06/21(金) 00:55:44 ID:9ykWx9gk
面白いです^ ^

続き、待ってます!

46風海人:2013/06/21(金) 18:36:59 ID:sTFDruFc
赤哀へ、
ひさーここって感想をコメントしてもいいのかなぁ?
いいなら今度からするねぇ!駄目なら違うところで感想のコメントするねぇ!
まぁとりあえず・・今書いてる小説の続き待ってるよw

47あやね:2013/06/25(火) 16:36:59 ID:m4OKDJOQ
やっぱり、赤哀の小説おもろいわ〜!

48赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/06/30(日) 12:35:28 ID:EYd3.WX.
>>ココナッツさん。
7月から勝利受け始めるつもりです!!
只今構成組んでます!
長くなりそうですね……(´⊂`)
短編なのに(笑)

>>しほりさん。
初めまして!!面白いと言っていただけて光栄です(^∀^*)
亀更新ですが、よろしくです!!!

>>風海人。
感想OKだよ!!!
コメもOK!!!!!
コメを実現するのは遅いけどね…
今の小説はあと1レスくらいで終わるよ!
でもその1レスが書き込めない…
テスト期間なんでw

>>あやね。
うおーーー!お久☆
面白いって言ってくれると本当に嬉しい♪
これからも読んでねー(><)/

49赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/06/30(日) 13:22:43 ID:EYd3.WX.
あれから3年。
俺は休みの日を狙い、生まれ故郷に戻った。意図はないけど、なんとなくまたあの土地を眺めたくなったからだった。

「おい!親父ー!母ちゃんーー!いるかー!!」

鍵が閉まってたから、連続でチャイムを押しながら叫ぶ。すると、足音が聞こえて……
親父が出てきた。

「あ、ひさしぶ…」
「おいお前!マリウスに上京するってこと言わなかったのか!!」
「………は?」

3年目の再開での一言がこれかよ、と思った。
けど、何で親父がこのことを知ってるんだ?言わなかったってこと…

「マリウス、昨日ここに来たんだぞ!それで、お前のことを伝えたら東京に行くって…」

なに、それ……
入れ違いって、こと……?

膝からガックリと崩れ落ちそうだった。
どこまでこの世はずれているんだ。
でも、でも、でも……
もしかして、会えるかもしれない…

「すまん、俺、また来るから。今日は東京に戻るよ。」

それだけ言って、また電車に乗った。

50赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/06/30(日) 13:35:20 ID:EYd3.WX.
東京についたとき。もう日は暮れかかっていた。
こんがりとしたオレンジの空が、ビルのてっぺんより高いところで絵の具を広げている。
マリウスも、この空の下にいる…

俺は走りまくった。
首をひねりにひねって隅から隅まで見渡した。

「どこにいるんだよ!」

もどかしくてもどかしくて、仕方ない。雨かと思えば、俺の涙だった。
足が痛み、ビル風が薄着の俺を震えさせる。もう動かないくらいに痛んだ足を悔いながら、それでも走り続けた。


そして、やっと。
時刻、11時37分。
ベージュのジャケットにカラーパンツをはいた、背の高いスレンダーな男の人の後ろ姿。髪色に歩き方、服の着こなし方までマリウスそのものだった。
そして、決定的証拠が、右手に持たれた、俺が上京してすぐにマリウスに当てた手紙。

興奮以上の何かが芽生えた。全ての痛みがすっとぶ。俺は足を弾ませ、左肩を掴んだ。

ーーENDーー

51風海人:2013/06/30(日) 13:56:03 ID:sTFDruFc
赤哀へ、
あいかわずいい小説だねぇ
次もまってるよw
期待するねぇ

52ココナッツ:2013/07/01(月) 18:26:39 ID:iIRjIimM
終わりましたね!さ最後の終わり方がハンパなく神ってましたww
次の勝利くん受けの小説も待ってます!!テスト頑張ってくださいね!

53赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/07/05(金) 22:31:40 ID:EYd3.WX.
>>風海人。
毎度毎度とありがとう!!
期待してくれるのは凄く嬉しいけど、あんまりハードルあげないでね(´△`)
裏には自信がないものでしてねぇ…

>>ココナッツさん。
終わり方を褒めてくださり、嬉しいです♪
想像とは違う展開になったんですけど…
良かったです(○^∀^○)
勝利受け頑張りますね!って……
まだ攻めの人考えてないです!!
Σ(・O・)/

54風海人:2013/07/06(土) 13:54:24 ID:sTFDruFc
赤哀へ、
それは大丈夫からさぁ
ハードルはあまり高くしないよ!
つか、低くするからさぁ(笑い)w
だから大丈夫よw

55ココナッツ:2013/07/11(木) 20:12:17 ID:ugewkqnk
楽しみに待ってます♪勝利くん受け頑張って下さい!!

56赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/07/15(月) 23:03:20 ID:EYd3.WX.
>>皆さんへ。
本っっ当に本当にすみません!!!!!
勝利受け書こうと思ったのですが、男の人の生態もよく知りませんし、どうすれば良いか分からなくて書けません。書くって言っときながら本当にごめんなさい。
どうしても思いつかなくて、女の人の受けなら思い浮かぶんですけど、男の人になると本当にどうしても思い浮かばなくて…
違う話を書くことにします。
違う話は思いつき次第投稿しますので、それまで待っていてください。
本当にごめんなさい。

57赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/07/16(火) 00:11:25 ID:EYd3.WX.
投稿します。メインは勝利です。出てくるキャラの年齢が違います。サマヌを見て思いついた作品です。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
【夏の果実】
冬の海じゃ、春の海じゃ秋の海じゃ。同じ海でも、ビクともしなかったのに。俺は、夏の海になるといつも思い出す。
君のことを。
Tシャツのまま溺れた子供を助けようと海にもぐった君は、子供の身代わりになった。そのまま、海から出てくることはなく。
泳げる君が溺れるなんて、思ってなかった。
地に流れてくる子供と君。あと少し、というところで君は顔を歪ませた。
泳げない俺は目を点にしながら自力で泳ぐ子供を救い、自分の無力さに涙した。
君はきっと右足をつっていたんだ。「最近、右足つりやすいんだよね」なんていう君の一言を笑って返したのが、その時になって妬ましくなる。
何もできず、助けられず、辛そうな君をただ見つめながら、泣き、泣き、泣いた。
そして、姿が見えなくなった時。俺は無意識にその子供を抱きしめた。今ごろ沈んでる君を思い浮かべて、震えが止まらなかった。
あの季節も、あの約束も、全て全て終わった。

それから夏の海は、変わった。

58赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/07/16(火) 00:31:13 ID:EYd3.WX.
そして時は過ぎ。俺は高3、子供は小6になった。
その子供は溺れたショックで記憶がなくなり身元が分からなかった。だから、俺の家で育ててるんだけど…見事な生意気に育った。内弁慶で他人には大人しいのが幸いだけど。
でも、根はいい子だって分かってる。命を救った君には深い感謝があって、毎日お参りしては真剣な顔をする。
その顔を見るたび、君が助けたのがこの子で良かった思う。
そして、助けた日の後日分かったことだけど、名前は“倉本郁”というらしい。
洗濯時に気づいた名前のフダ。郁の着ていたTシャツに書かれた名前が、ぼやけながらもその名前を示していた。

…ということで。
俺は夏になってはうつ病になる、そういうよう現象が起きるようになった。
しかし、今年の夏。郁がぽつんと呟いた。

「今年の夏って、何かある気がする。」

スイカで顔をでろでろにして、うつ状態の俺の顔を除きこむ。

「きっとなんかあるよ」

そう言って俺の分のスイカまでバクバクと食べ始めた。食べる気なかったからいいけど。
でも、そうして夏はおきたんだ。

59ココナッツ:2013/07/16(火) 19:40:14 ID:rSWv8JlY
赤哀さんへ
全然大丈夫ですよ!ていうか小説思い出すだけで凄いですから!

違う話でも勝利くんがメインで
とても嬉しいです!

頑張って下さい!!

60ココナッツ:2013/07/18(木) 19:09:35 ID:W2cnGVC2
すいません!間違えました!

↑思い出すじゃなくて、思い付くです。
何かすいません!

赤哀さん、小説頑張って下さい!

61赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/07/22(月) 23:04:49 ID:EYd3.WX.
>>ココナッツさん。
ありがとうごさいます!!!!
本当にすみません。
それでも、喜んでもらえて光栄です!
頑張りますね!!
ーーーーーーーーーーーーーーーー

じりじりと、体を舐めまわすようにねっとりとした暑さ。夏って、こんなんじゃなかった。もっと、輝いて、海と太陽が宝石のようで…。涼しいような、暑いような、キラキラしたものだったのに。いや、変わったのは俺なんだ。

「ねぇっ!いつまでじとじとしてんの!!いい加減外出れば?」
「うっさいなぁ…」
「そうやって寝転がってるから泳げもしないんだってば……っもう!!!」

その瞬間、視界がぐるっとまわった。

「ちょっ…郁何してんの」
「わ、勝利くんほっそい!ガリガリ!」
「あの、おろして」
「えーやだ」

何でここまで腕力があるんだ。郁は俺を軽々と持ち上げ、お姫様抱っこをした。おろせと言うのにおろさないし、結局おろされたのは家の外だった。

「僕のサンダル貸すよ」

足に無理矢理サンダルを被せられる。いやいや言うものの、怪我だけはしたくないから仕方なくはいた。

62赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/07/22(月) 23:16:17 ID:EYd3.WX.
「じゃあ、コレ買ってきて」
「は?」

渡されたのは一枚のメモ。『チョコアイス…3』とだけ書いてあった。

「そこの海の家でアイス売ってるでしょ。買ってきてよ」
「…だれが食べるの」
「僕が」

黙って紙をながめていると、郁が俺を押し立たせた。

「はいっお金。じゃ、いってら!」

そう言って背中を押される。ズボンの左ポッケに小銭の違和感を感じる。
俺はけだるさをひきずって、一刻も速く寝るために軽走りした。


「20円のお釣りです」

渡された小銭を、また左ポッケにつめる。アイスは意外とでかくて、重かった。
郁は、俺をどうしたいんだ?
そんなことを考えながら、歩く。

静かだな…って思った瞬間、全てがゆっくりになって、木々のゆする音や波の音、カモメのなく音や歩く音、崖の上から見下ろした透明な海。全部、愛せる気が、一瞬だけした。
何かを取り戻したような、ドキドキが、一瞬だけ胸に灯った。

とたん、俺の右隣に誰かがいた。
さっきまでいたっけ?
そう思いながら、顔をのぞくと、
それは
『君』
だった。

63赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/07/25(木) 21:57:07 ID:EYd3.WX.
今管理人さんからの新ルールが出たので、少し書き込みをストップします。

64赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/07/29(月) 00:14:19 ID:EYd3.WX.
この話を書き終わったら、名前の件でどうすればいいのか悩んでいます。
誰かアドバイスください!!

65ココナッツ:2013/07/29(月) 09:57:53 ID:6n9Bk/3Q
名前の件って何ですか??

66あやちん:2013/07/30(火) 16:45:22 ID:m4OKDJOQ
お久☆
旧あやねでーす。
名前変えてみちゃった♪

セクストの方終わっちゃうんや〜
寂しいけど、此方でも応援してるから。

また、遊びに来るわ。

67赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/07/30(火) 21:30:54 ID:EYd3.WX.
>>ココナッツさん。
2次制作と分からないように、例えば『さとうたろう』であれば『さとうた/ろう』というように、名前を変えるということなんですが……
どうすればいいか分からないんです。

>>あやちん。
うぉっ!!あやねだぁ!!!
お久だね★
名前変えたんだ!!
うん、セクストの方は終わっちゃった…
でも応援してくれるとか嬉しいっ!!
また遊びに来てね♪

68赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/07/30(火) 21:41:51 ID:EYd3.WX.
※この話を書き終えてから、名前の件を考えようと思います。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
嘘だろ……?
アイスの入っている袋をぎゅっと握りしめ、もう一度その顔を見つめた。
そっくりさん、なんてことはないだろう。
ちょっと前歯が出てるところとか、ホクロの位置とか、髪色まで。いくらそっくりさんでもそこまでは似せられないだろう。
俺は半信半疑で、肩に手を近づけた。
その途端、手に氷水が当たったような、冷たい感覚がした。
もしかして、幽霊…?

君は少し顔を動かして、ゆっくりと俺の目を見た。

「やっぱり……俺のこと見えるんだ」

あ、夢…みたい…
目からぼろぼろと涙が流れて、声にならない感情が胸をよぎった。
これは何だ。幻か、真か。
それとも、幽霊…

「ふふっ、びっくりした?」

君が綺麗な指で俺の涙を拭おうとしたら、また目のあたりが冷たくなった。

「あ、ごめん。俺、幽霊なんだ」

そう言って笑う君は、『中島健人』自身だった。

69あやちん:2013/08/02(金) 08:14:46 ID:m4OKDJOQ
遊びにきたよ。

今日から3日間、部活off♪
まぢ、天国!!!
でも.....宿題が。
 
赤哀の小説、あたし大好きやから、
1つでも書き続けてくれて嬉しいで。  
じゃあ。

70no name:2013/08/22(木) 13:52:00 ID:EYd3.WX.
>>あやちん。
遅くなってごめんね!ちょっと家の都合で色々あって……。今から少しだけ続き書くよ!もう夏休み終わっちゃうね…。なのに宿題たくさん残ってる(笑)


ーーーーーーーーーーーーーーーー
「も、何それっ……分かんないよ…っ」

止まらない涙に動揺したように、君はあわただしく微笑んだ。

「本当にごめんね?あの、一ヶ月だけこの姿でいれるの。」
「そ…なの?」
「うん。それでさ、今から連れてってよ、家」
「え?」
「あの子に、会いたいんだ。」
「…分かった」

誰に会いたいか、それはすぐ分かった。何をしたいかも、すぐ分かった。でも、ここに来た目的だけは分からない。
一ヶ月間。
これが本当ならば。一生のうちのこの短い短い時間を、どうやって過ごせばいいのかな…

71赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/08/22(木) 13:53:48 ID:EYd3.WX.
>>70は私です。

72ココナッツ:2013/08/25(日) 21:56:21 ID:iDlzm/ng
赤哀さんっ、お久しぶりですっ**
待ってましたっ(*^ω^*)

これからも頑張って下さいっ☆

73赤哀 ◆3zNBOPkseQ:2013/09/17(火) 22:28:33 ID:EYd3.WX.
>>皆さんへ

最近忙しくなって、このスレを見れることが減ってきました。
なので、この掲示板をやめることにします。
『少年愛@シェルター(改)』というところで、名前を変えていつかまた書きます。
見つけてくださると嬉しいです。
今ツイッターをしていて、アカウント名が
【g e n sh o _○○○○○】です。
空白をなくして、○のところに愛哀を英語の小文字を入れてください。
しばらくこのスレを見ますので、挨拶等ありましたらうけつけします。
今までありがとうございました!
あなたが見つけてくださる日まで。

74ココナッツ:2013/09/27(金) 18:12:54 ID:mLzB31AA
赤哀さんへ

やめちゃうんですか。゚(゚´Д`゚)゚。
でも、赤哀さんが決めたコトですもんねっ!

赤哀さんの小説、いつも楽しく読まさせて頂きましたっ。
こちらこそ今まで、楽しい小説をありがとうございました(o^∀^o)

また会えることを楽しみにしています。
少年愛シェルターで探しまくるんでっ!!

ホントに今までありがとうございましたっ。゚(゚´Д`゚)゚。
赤哀さんのことは忘れませんっ(*≧∀≦*)


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