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睦月vs真冬スレ

1名無しさん:2017/01/27(金) 22:19:42
睦月「……」テクテク

霜月「あっ……む、むむむむ睦月くんだ!」
霜月「こ、声かけちゃおっかな、あ、でも……」
霜月「断られたら、ああ……うーん……」

真冬「あのー、叶睦月さん、でしたよね?」
睦月「え?」
真冬「……こんにちは」ペコリ
睦月「あ、ああ、こんにちは……えっと君は、確か秋穂さんの」
真冬「妹の真冬です」
睦月「真冬さん……何か俺に用事?」
真冬「はい。あの……いまお時間よろしいでしょうか?」
睦月「え? あ、うん、いいけど……」
真冬「よかった……。ありがとうございます」
睦月「三門からわざわざ月伊に?」
真冬「はい、どうしてもお会いしたかったものですから」
睦月「そ、そうなんだ」
睦月(俺なんかしちゃったかな……こわい)

霜月「えっあれっなんで真冬くんが……」
霜月「睦月君と……えっえっあれっ」


真冬(……霜月様はこの人にご執心ですし今も話しかけようとしていましたし)
真冬(機先を制し霜月様との接触を断ちます)
真冬(こんな人に霜月様は渡せない)
睦月(なんかすごいじっと見てる……なんかやったかな俺)

2名無しさん:2017/01/29(日) 03:31:24
真冬「単刀直入に言いますが……」
睦月「うん?」
真冬「れ……霜月さ……ん、をどう思いますか?」
睦月「どう思う、と言うと?」
真冬「……質問の意図くらい読めませんか?」
睦月「読めなくはないけどね。意図を説明しようともしない人に答えると思うのかって事なんだけど」
真冬「………」
真冬「不躾でしたね。スミマセン」
睦月「イエイエ」
睦月(謝ってないなその顔!)
真冬(何故私がこの人に頭を……)
真冬「何と言いますか……霜月さんを凄く大切に思っている人が居まして……その方が貴方の存在を危ぶんでいるわけです」
睦月「……何か思ったより込み入った話?」
真冬「そうでもないです。叶さんが近寄らないでいただければそれで済みますから」
睦月「それはないね」
真冬「……何故?」
睦月「俺は人の繋がりってものを大切に思ってるし、誰かに危ぶまれる程怪しげな存在でもない……というのが半分で」
真冬「もう半分は?」
睦月「直接顔を合わせもしないで年端も行かない女の子に絶縁を言い渡すよう遣わせるような奴の言う通りにする義理はない」
真冬「……なるほど?」
真冬(めんどくさい人)
睦月「それで……真冬さんは何で俺を嫌ってるのかな?」
真冬(……)
真冬「……はい?」
睦月「顔とか言動から……うん」
真冬「ソンナコトナイデスヨ?」
睦月「眉間の皺を何とかしてから笑ってよ……」
真冬「……立ち話もなんですしどこか入りません?」
真冬(玲奈様にそろそろ会話を拾われそう)
睦月「いいけど……」

3名無しさん:2017/01/29(日) 04:05:09
店員「いらっしゃいませお席ご案内しまーす」
真冬「あ、その席いいですか?」
店員「? どうぞ」
真冬「陽が良く入ってきて好きなんですよ、この席」
睦月「へえ。よく来るの?」
真冬「ええたまに。入口に近いですけど然程お客さんも入ってきませんし……あ、叶さんどうぞ上座へ」
睦月「……そう?」
真冬「目上の方ですから、モチロン」
真冬(この席の上座なら常に視界に入口が映る)
真冬(相当目敏いみたいですし、玲奈様が入ってくればこの人は気付く……早々入店は出来ないはず。入ってきたら声聞き取れちゃいますけど……)
真冬「……さて、叶さん」
睦月「うん」
真冬「先程の話ですが……」
睦月「……うん?」
真冬「ええとですね……」
真冬(……どうしましょう)
真冬(この人穏和そうに見えて案外我が強い)
真冬(直球で行くより搦手で……)
真冬「実は霜月さんの為でもあるんです」
睦月「え?」
真冬「先ほど叶さんは自分は危ぶまれるような人物じゃない、と仰っていましたが……むしろ問題なのは霜月さんの方なんです」
睦月「……とりあえず聞くけど」
真冬「叶さんは『霜月』についてどの程度ご存じですか?」
睦月「どの程度って……大きな家としか……」
真冬「それくらいの情報しかありませんよね?」
睦月「……まあ」
真冬「霜月さんから『霜月』の話を聞いたことは?」
睦月「…………いや」
真冬「家族構成はご存じですか?」
睦月「知らない」
真冬「今度聞いてみたらいいと思いますよ。……きっと何も答えてくれませんしそれ以降、多分霜月さんの方から接触を絶ってくると思いますが」
睦月「!?」
真冬「私が言えるのはこれだけです」
睦月「……どういうこと?」
真冬「これだけ、と言いましたが……まあいいです、もう少しだけ……霜月というのは特別な家系なんです」
真冬「だから他所の勝手な介入を拒む節があって、叶さんはそれに今巻き込まれかけているような状態です」
真冬「もし叶さんの身に何かあったら……」
真冬「……霜月さんは悲しみます」
睦月(……あ)
真冬「だから、離れて欲しい」
真冬「本当にこれだけです」
睦月「……なるほど」
真冬「わかっていただけましたか……?」
真冬(少し行き過ぎた気もしますが結果オーライ?)
睦月「……今の話が本当かどうかまでは判断できない」
真冬「……」
睦月「俺を霜月さんから遠ざけたい誰かがいる……これは本当なんだと思う。だから真冬さんが今ここに居る」
睦月「そして何か事情がある……これも多分本当で」
睦月「……それから……」
真冬「それから……?」
睦月「真冬さんが霜月さんを心配してるのも本当だった」
真冬「え、えっ? そこですか?」
睦月「うん。むしろ俺はそこが知りたかったから。霜月さんのことを思っての発言なら聞く気になるし……俺のことが嫌いな理由もわかる気がするからね」
真冬「……は、はあ……」
真冬(……なんか……怖い人ですね……)
睦月「となると後やることと言えば……」
真冬「え?」
睦月「……霜月さん家行くか」
真冬「はあ!?」
睦月「えっ?」
真冬「だ、だっ、だめですよ! 話聞いてました!?」
睦月「真面目に聞いたよ。それでさっき言ってたことはわかったけど、唯一本当か判断できないのは霜月さん家が特殊? なのかどうかだけだよ」
睦月「だから今からそれをハッキリさせに行く」
真冬(ま、まずい……それはっ)
真冬「まあまあ、ほらっ、座ってください叶さん! もっとほら、真冬とお茶しましょう! もうお別れなんて寂しいですよ!」
睦月「ええ……でも真冬さんって俺のこと嫌いでしょ?」
真冬「ぐっ……え、え? そんなことないですよ!?」
霜月(真冬くんが睦月くんにしがみついてる!?)
真冬(まずい、まずい、まずい、まずい!)
霜月(うう……もう我慢の限界だ……入ろう!)
睦月「いやだって霜月さんのこと教えに来てくれただけで俺個人のことは嫌ってるような感じが……」
真冬「それは叶さんの勘違いです!! だ、だって……」
霜月(いざ!)ガランガラン
店員「いらっしゃいませー」
真冬「真冬は叶さんのことだーいすきですから!」
霜月「えっ」
睦月「えっ」
真冬「……えっ……」
店員「一名様ですか? ……あの?」

4名無しさん:2017/01/29(日) 04:29:05
霜月「そ、そうだったのか……」
真冬「わー! ち、違いますよ玲奈様っ」
睦月(玲奈様!?)
真冬「そ、そんなわけないじゃないですか嘘ですよ嘘!」
睦月「えっ嘘なの?」
真冬「当たり前でしょう! 何考えてるんですか!?」
睦月「何だよ……あ、それなら霜月さんに聞きたい事が」
真冬「あー! あー! もう! 何で私が叶さんのこと好きだって言ってるのに玲奈様と話すんですか!?」
睦月「ええ!? 嘘って言ったじゃん!!!」
真冬「嘘じゃないです!! 大好きです!!! ちょっと恥ずかしくって素直になれなかったんです!!!」
睦月(な、なんか最初から変な表情してたのもそれ!?)
真冬「叶さん大好きです!!!」
玲奈「う、うう……その……」
玲奈「……す、すまない……少し風にあたってくる……」
ガランガラン
真冬「…………ふー……」
睦月「……えーっと……」
真冬「……」
睦月「俺のこと好きなの?」
真冬「だいっきらいですよ!!! 死ねばいいのに!!!!」
睦月「はあー!? なんなの!?」
真冬「何思い上がっちゃってるんですか!? そんなことあるわけないじゃないですか!!!」
睦月「じゃあ何なんだよさっきの!! わざとらしく胸まで押し付けてきてたくせに!!!」
真冬「そんなとこ集中してたんですか気持ち悪い!! あーむっつりすけべってやだやだ!!」
睦月「む、むっつりぃ!?」
真冬「むっつりじゃないですか!!」
睦月「誰がむっつりなんだよ!!」
真冬「あなたですよあ、な、た!!」
睦月「ふ、ふざけんな!」
真冬「もう金輪際あなたなんかに近づきませんからね!!」
睦月「望むところだよ!!!」
真冬「ばーか!!」
睦月「そっちがばーか!!!!」
店員(こ、子供の喧嘩だ……)

5名無しさん:2017/01/29(日) 04:41:31
睦月「……で……」
真冬「……」ピタッ
睦月「何なんだよ!!!!」
真冬「うるさいんですけど」
睦月「金輪際近付くなよ!!」
真冬「えーっと……だからあ……」

霜月『真冬くんも睦月くんを好きなら仕方ない……』
真冬『で、ですからそれは……』
霜月『睦月くんと真冬くんが二人一緒の時はなるべく私は二人に近寄らないようにするよ』
真冬『えっ?』
霜月『……私も諦めるつもりはない! だが……真冬くんのことも応援したい気持ちはある……だから』
真冬『え、えーっとつまり……?』
真冬『私が一緒に居る限り玲奈様は叶さんに……?』
霜月『ああ。近付かない』

真冬「だから……」
睦月「何だよ!?」
真冬「……スキダカラデスヨ」
睦月「嘘つけや!! わかるんだよ俺は!!」
真冬「ホントデス ワタシハアナタガ ダイスキデス」
睦月「字余り!!! あと棒読みやめろ!!!」
真冬「あーうるっさい!! そうですよだいっきらいですよ!!! だいっきらいだけど好きってことでいいでしょもう!!!」
睦月「よくないよ! 帰れよ!!」
真冬「帰りません今日も日が暮れるまで傍に居ます」
睦月「だからなんでだよ!!!」
真冬「スキダカラデスヨ?」
睦月「それやめろや!!」
真冬「むっつりすけべでナルシストで何でもわかった気でいる叶さんって滑稽で素敵ですよね」
睦月「そういう真冬は胸も態度も大きくて素敵だよ」
真冬「ウフフ」
睦月「ハハハ」
真冬「……殺す!!!!」
睦月「やんのかオラァー!!!」

6名無しさん:2017/01/29(日) 14:19:10
【斑鳩家】

真冬「ただいま帰りましたー」ガラッ
千夏「およ。遅かったねふー」
真冬「ええ……ちょっと余計な仕事をしょい込んでしまったと言いますか何と言うか」
春佳「今夜はお赤飯よ〜」ニコニコ
真冬「え? またですか春佳お姉さま……昨日も一昨日もですよね……何かいいことでも?」
春佳「自分のお胸に聞いてごらんなさい。うふふ」ニコニコ
真冬「???」
千夏「ククク……まあみんな揃ってるしとっとと行こうよふー」
真冬「え。私のこと待ってたんですか?」
千夏「当然。――みんなでね」
真冬「???」


織「よう帰ったか」
早冬音「おかえり真冬」
真冬「あ、うん、ただいま早冬音ちゃん。……みんなニコニコしてどうしたの?」
秋穂「妹の幸せを喜んでいるんだよ」
真冬「は、はぁ……? 秋穂お姉さまはまた頭でもぶつけました?」
秋穂「失礼な妹だな相変わらず……。だがまあ今日の主役は君だからな」
真冬「……?」
春佳「全員そろったかしら?」
千夏「ヒナがまだ」
ヒナ「っ、ちょ、お待たせしました……っ」
真冬「ヒナちゃん。何運んでるの?」
ヒナ「石見電器店から……テレビを購入しまして……それで」
織「おう、ご苦労さん。手伝うぜ」
ヒナ「あ、ありがとうございます……はふぅ」
早冬音「配線は私がやるわ」
春佳「ふふふ、たまにはお行儀悪くてもいいわよねえ」
千夏「まあテレビ見ながら食べる晩飯も悪くないんじゃない」
秋穂「セットは終わったか、織、早冬音」
織「バッチリだ」
早冬音「こっちもオッケーよ」
千夏「んじゃ……このビデオカメラを、と」ガチャガチャ
真冬「千夏お姉さま、いったい何を?」
千夏「はいそんじゃスイッチオン!」


真冬『真冬は叶さんのことだーいすきですから!』


真冬「!?」
織「ぷっ……くくっ」
秋穂「情熱的な告白だな……くく」
真冬「ちょ、えっ。なんで!? なんで!?」
千夏「霜月ばっか気にしてっから斑鳩への対処がおろそかになんのさ」
早冬音「敵は身内よねー」
春佳「それじゃあ真冬ちゃんの空回りをおかずにいただきましょうか〜」ニコニコ
一同「いただきまーす」

真冬「ちょ、まっ! 止めて! 止めてよ!? ヒナちゃん!」
ヒナ「春佳様からのご命令ですので……」ササッ
真冬「友達を売った!」
ヒナ「私は真冬様のご学友である以前に、斑鳩家の使用人ですので……」


真冬『嘘じゃないです!! 大好きです!!! ちょっと恥ずかしくって素直になれなかったんです!!!』


真冬「あああああああああああ!」
秋穂「それで? いつ叶君を私たちに紹介してくれるんだ?」
真冬「う、うるっ、五月蠅いんですよ秋穂お姉さまの癖に!」
秋穂「ふふふ」
織「睦月かー。相手としちゃ悪くはねえがまた競争率高そうなとこに突っ込んだなお前」
千夏「ちなみにこれは出会い編。デート編もあるよ」
真冬「デートじゃありません!!!!」

7名無しさん:2017/01/29(日) 15:11:42
岩堀「いやー最近体の調子が良くてな」
睦月「ほうそりゃなんでですのん」
岩堀「今流行りの水素水飲んでるからな!」
睦月「あれなー、話題になってんなー」
妃「あんなもの効果があるわけありませんわ」
岩堀「えっ!?」
睦月「あ、そうなの? 俺も何か聞いたことある」
岩堀「そんなわけねーだろ、水素だぜ。普通の水に水素が入ってんだからすげえだろ。何か体にいいはずだ」
妃「何ですのその水素に寄せる絶対の信頼は……」
岩堀「いやだってよお……あれ?」
妃「何ですの?」
睦月「……」
岩堀「すげえ美少女が校門に立ってる!!」
睦月「……」
妃「……あまり見かけない顔ですわね」

真冬「あ、来た来た。叶さーん! 帰りますよー!」

岩堀「何だまた睦月か」
妃「むうう……」
睦月「それで今日さあ、買い物行く時寄りたい店あるんだけど」
岩堀「おい!? めっちゃ呼ばれてるだろ!?」
妃「む、睦月? どうしましたの?」
睦月「新しい靴欲しくてさあ」
岩堀「おい聞こえてるか!? 大丈夫か!?」
真冬「叶さん!」
睦月「でも今財布事情がさあ」
真冬「」ピキッ
真冬「せいっ(小声)」
睦月「いってぇ!!!」
岩堀「何!? 何だよ今度は!」
睦月「打ったろテメー!」
真冬「え? え? なんのことですかあ?」
睦月「この野郎……」
妃(む、睦月が女性に対してこんな態度を……)
睦月「何だよ今日は、帰れ帰れ。しっしっ」
真冬「何って……ただ会いに来たらいけませんか?」
睦月「帰れよ!」
岩堀「ろくでもない男だなお前! こうしてわざわざお前のこと待っててくれたような女の子に!?」
妃「そ、そうですわよ睦月……おかしいですわ」
睦月「え? いやだからこいつは……」
真冬「ぐすんぐすん」
睦月「嘘泣きやめろ!!! 大体俺は今日岩堀と妃と買い物に行くんだからお前と付き合ってる時間は──」
岩堀「いやいいだろ、別に今度で」
妃「……え、ええ。どうせクラスメイトで毎日一緒に帰れる三人ですもの……その子を優先してあげなさいな」
真冬「えっ……で、でも、ご予定があるのなら……」
岩堀「いいっていいって」
妃「ええ、勿論ですわ」
真冬「す、すみません……私……どうしても会いたくって……ご迷惑も考えずに……」
妃「あっ、ああっ、泣かないで……このハンカチを……」
真冬「ううっ……」

睦月「騙されるな!!!!!」

岩堀「何だよ睦月!! お前おかしいぞ!」
妃「そうですわ! 女の子を泣かせるなんて睦月らしくありませんことよ!」
睦月「いや、だっ……こいつ……」
真冬「……」ベー
睦月「」ブチッ
睦月「あっそうだ……そうな……俺も用あったわ……」
真冬「そうでしたよねえ叶さん?」
睦月(本気で泣かしてやるこいつ……)
真冬(ふう……三人で買い物に玲奈様が介入しても自然……危ないところでしたね……)

8名無しさん:2017/01/30(月) 10:11:18
真冬「あっちょっと近寄らないでくれます?」
睦月「お前さっき自分から寄ってきただろうが」
真冬「だったら叶さんが逆に距離を取るくらいのことして下さいよ」
睦月「はぁ!? もうほんとなんなんだよお前は」
真冬「あ」
睦月「ん?」
真冬「まふゆはぁ……むつきせんぱいだーいすき♡」ダキッ
睦月「うわぁ」
真冬「いいつつ腕に当たる感触を楽しんでるあたり強かムッツリクソ野郎ですよね叶さん」
睦月「真冬は罪深いがその胸に罪はないからな」
真冬「ふふ…正直なところもだーいすき♡」
真冬(……覗かれてるとやり辛いなあ)


妃「覗きなんて趣味が悪いのではなくて?」
岩堀「いいつつ結構ノリノリだったじゃねえか」
妃「ええっと…それはその…」
霜月「くっ…やるな真冬くん…」
妃「ところであの……霜月さん……」
霜月「私のことは気にしないで欲しい……」
岩堀「いやすげえ気になるけど!?」
霜月「路傍の石と思って」
妃「は、はぁ……しかしあの子……真冬さんだったかしら」
岩堀「すげえ美少女だよな……恨みでひとが殺せたら」
妃「あなたもなんだかんだで死ぬでしょうけどね」
岩堀「なんでだよ」
妃(後輩には結構人気があるようですし……っとそれはともかく)
妃「睦月が女の子にあんな態度を取るとは思いませんでしたわ」
霜月「……君たちも気安いが、真冬くんはまた違う方向性で気安いんだろうね……」
岩堀「冷静なコメントだ」


真冬「むつきせーんぱい」
睦月「あ? なんだよ」
真冬「対応が御浦先輩じみてて真冬こわーい」
睦月「お前に対しては聡介リスペクトの塩対応でいいってわかったからな」
真冬「ふーんそーですか。まあいいんですけどぉ、先輩はぁ、師走先輩と私のどっちの方が大きくて柔らかいと思いますぅ?」
睦月「!?」
真冬「あっ、動揺した。ちょっとだけ動きが硬くなっちゃってかーわいい♡」
睦月「あのな…」
真冬「で? 距離取らないんです?」
睦月「お前がっちり関節極めててよく言うよな」
真冬「逃げれるくせにー」
睦月「ふん……」
真冬「ほーんとなんだかんだですけべな」

秋穂「ふふふ」カメラ

真冬「……」
睦月「姉に気づかないとはね」
真冬「ちょっ、まっ、離れてくれません!?」
睦月「いやあ無理だなあ真冬に愛されてるしなー俺なー」
真冬「逆に極めてきやがった! 女の子になんてこと!」
睦月「逃げれるだろうが」
真冬「ぐっ……!」

9名無しさん:2017/01/30(月) 10:53:05
真冬「くっ、一瞬で逃げられた……もう!」
睦月「あーもう……結局何なんだよ」
真冬「何がです!?」
睦月「この……だから腕を絡める意味」
真冬「まふゆはぁ……」
睦月「それはもういい」
真冬「結構好きなくせに」
睦月「まあ……じゃなくて。何だ……ストーカーか何か?」
真冬「はい? 何ですかその自意識過剰な……」
睦月「ん?」
真冬「え?」
睦月「いやそうじゃなくてお前が」
真冬「私が? 何です?」
睦月「ストーカーか何かに付きまとわれてるとか?」
真冬「……ええ?」
睦月「それでこういうことして撃退する肚か?」
真冬「……あ、ああそういう……」
睦月「それならそうと言えば協力しなくはない」
真冬「やだ……素敵……何だかんだ言って優しいんだ……みたいな反応期待してます? 落としに来ました?」
睦月「落とす相手は選ぶわ!」
真冬「うわーその気になれば落とせると思ってるんですね」
睦月「そういう意味でもない!」
真冬「うーん……そうですね……当たらずとも遠からずと言ったところですか……」
睦月「大丈夫なのかそれ?」
真冬「危険性はないですよ。それならさすがにむっつりすけべな叶さんと言えど巻き込むのは憚られますから」
睦月「まあそれならいいか……」
真冬「ですから……あっ、真冬は睦月せんぱいだーいすき☆」
睦月「それやる時合図しろや!!!」
真冬「急に来るので……」ムニムニ
睦月「……」
真冬「……やらしい顔してますけど」
睦月「し、してないからな!」
真冬「……なんか、思ったよりちょろそうですよね睦月先輩」
睦月「心配しなくてもお前には絶対落ちねえ」
真冬「そっくりお返しします」

10名無しさん:2017/01/30(月) 12:28:00
真冬「あーもう疲れた。放課後になったらダッシュで高校まで叶さんを迎えに来るのマジでつらいです」
睦月「誰も頼んでねえんだけど」
真冬「でもこうして一緒に帰ってるじゃないですか役得とか思ってるんでしょ汚らわしい」
睦月「勝手に擦り寄ってきて勝手言いやがるなほんと」
真冬「はぁ……なんか泥沼に足突っ込んでる気がするなぁ」
睦月「だいたいお前の目的は何なんだよ」
真冬「睦月先輩のそばにいることでーす♡」
睦月「……」
真冬「視線が冷ややかですね……。JCに向ける瞳じゃないですよそれ」
睦月「だって明らかに裏があるし……」
真冬「まあ乙女には秘密がいっぱいっていうか……あっ睦月先輩こんなところでダメですよぅ♡」ダキッ
睦月「!?」

聡介「うわぁ」
棗「うわぁ」

睦月「待って!? ねえ待って棗さんはともかく聡介にそんな目で見られたくない!」
棗「どう思いますか聡介くん」
聡介「妃に聞いてはいたが実際目にするとショックだ」
棗「叶くんが中学生に手を出してるなんて……」
真冬「睦月先輩と私はもうラブラブ♡ビッグバンですから!」
睦月「やめろ外堀を埋めるな!」
真冬「埋めたくて埋めてるわけじゃねーですよ!」
睦月「ええ!?」
真冬「あっやだ見られる方が興奮するなんて先輩ったら♡」グギッ
睦月「ちょっと待って変な音した! 変な音した!」
棗「仲が良いのは良いことですね……」
聡介「うん……」
睦月「ああっ、ちょ、待って二人とも! 離せ真冬ぅ!」
真冬「無理ですダメですいかせませんー!」
真冬(三門の人たちにも刷り込んでおけばなおいいか?)

11名無しさん:2017/01/31(火) 17:37:14
睦月「……聡介に後でフォローしないと……」
真冬「美少女中学生と二人で歩いていて何をフォローする必要があるのか真冬わかんなぁい」
睦月「性格の捻れ曲がった美少女中学生だった場合は問題なんだよ!!」
真冬「いま美少女言いましたよね」
睦月「言ってねえ!」
真冬「いや言ってましたけど? 自分のつい先刻の発言も思い出せない程でしたか睦月せんぱい?」
睦月「おうむ返ししただけで俺の意思ではない」
真冬「でも真冬美少女ですよね?」
睦月「……腹へったなあ」
真冬「ちょっと!」
睦月「何か食べるかなー」
真冬「真冬月伊のお店ってあんまり知らないから楽しみー☆」
睦月「自分で払えよ」
真冬「え〜天下の叶睦月が年下の女の子にお金出させるんですかぁ?」
睦月「この世の誰に奢ってもお前には奢らん」
真冬「まあいいですけど、いくらあったかな今日……えっと」
真冬「うん、大丈夫かな」ゴッソリ
睦月「お前が奢れよ!!」
真冬「はぁ!?」
睦月「慰謝料だよ慰謝料!!」
真冬「チンピラみたいなこと言ってる!!」
睦月「というか中学生がそんな金額持ち歩くなや!」
真冬「大丈夫ですよぉ、暴漢は睦月先輩が追い払ってくれますもん、あはっ☆」
睦月「お前を餌にして逃げるくらいはする」
真冬「女の子ですよ、女の子」
睦月「俺の中でお前は女の子ではない、斑鳩真冬というカテゴリーだ」
真冬「特別な存在的な?」
睦月「ある意味ではな!!」
真冬「守るべき存在的な?」
睦月「どれだけぞんざいに扱ってもよい」
真冬「そんなこと言って真冬が居なくなってから後悔しても知りませんよ?」
睦月「……それをむしろ望んで」
真冬「あ。一瞬言葉に詰まりましたね?」
睦月「詰まってないだろ!!」
真冬「真冬は睦月先輩だぁいすき☆」
睦月「だからそれは嘘だろ!!」

12名無しさん:2017/02/03(金) 00:39:17
岩堀「おっしゃー!! 帰るぞー!」
睦月「岩堀」
岩堀「おう、ラーメン?」
睦月「いやその……今日はだな」
岩堀「あー真冬ちゃんか?」
睦月「ちが……わないな、そのことだ」
岩堀「なんだ?」
睦月「俺は今日裏門からひっそり帰る」
岩堀「あん? なんでだよ?」
睦月「たまには俺だって一人で過ごしたいんだ!」
岩堀「……つったってなぁ」
睦月「いいだろ別に! なんで毎日! 真冬と帰って! 真冬と過ごして! 真冬真冬真冬! アホか!」
岩堀「お、おう……落ち着け落ち着け」
睦月「おかしいだろ!!」
岩堀「まあ……たまには一人でって時もあるか」
睦月「岩堀!」
岩堀「いいけど今日だけだぜ、基本的には女の子をそんな避けるような真似するのはバチが当たるかんな!」
岩堀「会ったら今日は早々に帰ったって言っとく」
睦月「サンキュー……」

睦月「……よし、いない」
ヒナ「いたっ……った、あいたた……」
睦月「ん……どしたの?」
ヒナ「えっ? あ、いえ……捻っちゃって」
睦月「捻挫かな……ああ、無理に動かない方がいいね」
睦月(……脚見られれば早いけど)
睦月(女の子だしなあ……)
睦月「家近い? 背負おうか?」
ヒナ「で、でもそんな……あの」
睦月「勿論無理にとは言わないけど……辛くない?」
ヒナ「それは……でも……えっと……あの……ですね……」
ヒナ「ううん……うーーーーん……」
睦月(すげえ悩んでる……)
真冬「むっつっきっせーんぱい!」
睦月「!?」
ヒナ(やっと来た……)
睦月「なんでこんなとこ来てるんだよお前!普段正門から張り付いて動かないのに!」
真冬「ふっふっふ」
ヒナ「あ、急に治りました」
睦月「!」
ヒナ「では私はこれでっ!」
真冬「さっ帰りますよせーんぱい」
睦月「おい……まさか……あれ……」
真冬「ええかっこつけしいの先輩なら引っ掛かると思いましたけど……こうまでうまくいくとは」
睦月「人の善意を! お前はよお!」
真冬「善意〜? 下心、では?」
睦月「純粋な善意だよ! 人間不振にする気か!?」
真冬「真冬だけは睦月先輩を裏切りませんよ☆」
睦月「裏が表みたいな人間だからな……」
真冬「内を見せないよりはいいでしょう?」
睦月「そうか……そうか?」
真冬「そーですよ。さあて帰りましょう」
睦月「帰れよ、送るぞ」
真冬「おぶってくれるならいいですよ」
睦月「なんでだよ!」
真冬「ねんざしました、あはっ☆」
睦月「今歩いてるだろうが」
真冬「家に帰らされると思ったらねんざしそうで」
睦月「心と足首が連動してんのかお前……」
真冬「いいんですよ? おぶってくれるなら帰ったって……ふふ……ただし、こう……わかりますね?」
睦月「あーはいはい、諦めるよ重そうだし」
真冬「そうなんですよ重くってー……よくご存じですよね先輩は?」
睦月「言い方! 誤解を招くんだよ!」

13名無しさん:2017/02/03(金) 01:48:38
真冬「逆に聞きますが私の何がご不満なんです?」
睦月「はあ?」
真冬「訳もわからないままに自分になついてくれる巨乳美JC☆夢のような存在でしょう?」
睦月「訳もわからないままに毎日張り付いてくる何かを企んでいるであろうJCじゃん」
真冬「似たようなものです」
睦月「ちがうよぜんぜんちがうよ」
真冬「真冬のこと嫌いですか?」
睦月「……お前は俺のこと嫌いか?」
真冬「質問に質問で返しますか」
睦月「答えてくれたら答えてやるよ」
真冬「別に嫌いとまでは」
睦月「ほらみ……え?」
真冬「嫌いとまでは言いません」
睦月「……お、おう……そう」
真冬「睦月せんぱいは?」
睦月「嫌いとまでは」
真冬「ええ? とっくに好きになってますよね?」
睦月「なんでだよ! お前が嫌いから嫌いとまではになるまでの間になんで俺はお前を好きになっちゃうんだよ!」
真冬「だって真冬そういうのわかっちゃうんです☆」
睦月「わかっちゃってねえよ何も」
真冬「ふーん……まあ睦月先輩にどう思われていようが真冬には特に関係はありませんが……」
睦月「何で聞いたの? ねえ?」
真冬「進捗率の確認です」
睦月「進捗って何の進捗だよ……」
真冬「こちらの話ですよふふふ☆」
睦月「あーもういいや……ところでさあ」
真冬「はい?」
睦月「俺今日道場行きたいんだけど」
真冬「道場? 何のです?」
睦月「マジかよお前!?」
真冬「へっ?」
睦月「……いや、いいよ……どうせ付いてくるだろ」
真冬「もち☆ろんです☆」
睦月「来ればわかるし……見てても面白くはないと思うけど」
真冬「……あ、道場ってひょっとして破廉恥な?」
睦月「どんな道場だよ!?」
睦月(しかしそうか……知らんのか……)
睦月「ほれ行くぞ、飲み物でも買ってくかー」
真冬「あ、ごちそうさまでーす」
睦月「……飲み物だけだぞ」
真冬「はいはい真冬は謹み深いので我慢してあげますよ」
睦月「せがむ時点で謹み深くはねえ!」

14名無しさん:2017/02/03(金) 13:25:22
真冬(……ずーっと振り上げて振り下ろして)
真冬(また振り上げて振り下ろして……)
真冬(楽しいんですかね? 楽しそうではないですね)
真冬(この状況だと玲奈様入ってこれそうだなあ……)
真冬(……あれなんだろ?)
真冬「……へえー」
睦月「……ん……」
真冬「ご両親ですか? この写真」
睦月「……ああ、まあな……水……」
真冬「はい」
睦月「ああ、ありがと……ふう」
真冬「へえー、渋めのお父様ですね」
睦月「中身はそうでもないな……」
真冬「あは☆むっつりすけべは遺伝ですか?」
睦月「親父はオープンもオープンだ」
真冬「あらあらそれはそれは……それでこの写真って」
睦月「あー……まあ、いいだろ」
真冬「色々一緒に飾られてますね、ここ」
睦月「……そだな」
真冬「……あれ? 優勝……へえ……」
睦月「……あー、真冬……」
真冬「睦月先輩って大会で優勝するような人だったんですね」
睦月「…………」

真冬「きゃー真冬ますます惚れ直しちゃいました☆睦月先輩ったらスッテキィ☆」

睦月「……ふっ」
睦月「ははは」
真冬「? な、なんです? 笑うとこじゃな」
睦月「嘘くさいんだよお前はよー、絶対なーんも興味ないだろ、はは」
真冬「!? そんな汗ばんだ手で女の子の頭をわしわしするのはどうなんです!? もう……あーべたべた」
睦月「言ったろ、お前は俺の中で女の子でなく斑鳩真冬というカテゴリーだ」
真冬「ああもう……あ、シャワー室あるんですね」
睦月「え? ……あ、あるけど……」
真冬「反応露骨過ぎて期待が漏れでてますよ」
睦月「何だよ期待って何のだよ!」
真冬「わー必死な早口。それじゃあ髪がべたべたして仕方がないのでお借りしますね、タオルくらいありますよね?」
睦月「ある……って人の話聞けよ!」
真冬「女の子でなく斑鳩真冬がシャワーを浴びるくらいでそーんなに動揺しますか? 斑鳩真冬をどのような目で見ているんです?」
睦月「ぐっ」
真冬「そりゃー真冬だってぇ、男の人と二人っきりだと危ないかなあって思いますけどでも睦月先輩は真冬のこと女の子として見てないんですよね? 女の子として見てない真冬がシャワー浴びてドキ☆ドキするってことは真冬個人をどのように見てらっしゃるんですか? あはっ☆」
睦月「……好きにしろ!!」
真冬「あ、因みに真冬の方はOKですよ☆」
睦月「言ったなテメー! 覚えとけよ!」
真冬「お、頑張りますねえ。では」バタン
睦月(適当に啖呵を切ってしまった!)
真冬(睦月先輩はまーた適当に啖呵切りましたね……既成事実を作ろう! とまではこちらとしても考えてないからいいんですけど)

15名無しさん:2017/02/08(水) 00:44:00
真冬「……ふうっ」キュ
真冬「さあて……お手並み拝見……」

真冬「お借りしました〜」ガララッ
睦月「おう」
真冬「……ふふふ」
睦月「なんだよ……」
真冬「頑張ってる頑張ってる」
睦月「むかつくこいつ!!」
真冬「えー睦月先輩ってあれですかあ? 噂では大層モテモテらしいのに女体に免疫ないんですかあ?」
睦月「なくねーわ! 動揺してねーわ!」
真冬「うんうんそうですねえ……女の子って胸への視線に敏感なのってよく言いますよね?」
睦月「知らん!」
真冬「その逆も然り……なんですよ?」
睦月「え、逆……? 何だそれ……」
真冬「つーまーりー、あからさまに胸を強調してあげてる状況で、一生懸命胸に目線を向けないようにして顔だけ見続ける健気な男の人の目線も丸わかりー! ってことです、あはっ☆」
睦月「うぐっ」
真冬「ふふ、平常時は真冬の胸に対して平然を装えてもこういう湯上がりとかのシチュエーションではどうしても意識しちゃいます? 睦月先輩?」
睦月「してない……してないです」
真冬「どうせバレバレならいっそ見てしまえばいいと思いませんか? 因みにこのYシャツの下はあ、なーんにも着てなかったり……」
睦月「……」
真冬「するかもしれませんよっ、はい見たー!」
睦月「着てるじゃん!!!」
真冬「かーもーしーれーなーいー、わかります? 可能性の示唆! 早合点したのは睦月先輩ですし真冬は何も悪くなくて睦月先輩はスケベ!!!」
睦月「横暴だ隠謀だ騙し討ちだ!」
真冬「おっと! あーほらほら汗臭い汗臭い」
睦月「何!?」
真冬「睦月先輩もシャワーでも浴びたらどうです?」
睦月「え……いや、いいよ」
真冬「私が嫌なんです」
睦月「帰ればいいだろ!」
真冬「湯上がりに外出なんてしたら風邪引いちゃいますよ?」
睦月「ひけ! いくらでも!」
真冬「あーひどおい……あっ、看病したいとか?」
睦月「薬に見せ掛けて毒を盛るくらいするぞ」
真冬「淫らな気持ちになっちゃうやつです?」
睦月「縛り付けた上でな!」
真冬「うわ、そういう性癖カミングアウトやめてください普通に引きますっていうかセクハラですしサイテーですよ」
睦月「どの口が言うのほんとに」
真冬「さっさとシャワーしてください」
睦月「だから何で……」
真冬「もう! こっちがシャワー浴びてそっちにも入ってって言ってるんじゃないですか! 意味なんか……普通……女の子に言わせます……?」
睦月「何でだよ」
真冬「チッ! 動じるところですよ今のは」
睦月「いくら俺でもパターンくらいは読めるわ! まあとにかく入りゃいいんだろ入りゃあ」
真冬「ふーん、次の搦め手を考えますかね」
睦月「お前は何で俺を陥れようとすんの?」
真冬「こっちにも事情ってもんがあるんですよ」
睦月「真冬の事情……まあ……金か」
真冬「睦月先輩の真冬への評価はよおくわかりました」
睦月「うん、こんな感じだからね」
真冬「あんまり挑発するとシャワー中に乱入しますよ☆」
睦月「それはマジでやめて入るから」
真冬「はいはいいってらっしゃいませ」

16名無しさん:2017/02/08(水) 03:23:46
睦月「はぁ……」
真冬「きゃっ☆湯上がりの睦月先輩素敵ぃ……」
睦月「アリガトウ」
真冬「はい。……うん、いい匂い」
睦月「近い……近い、こら!」
真冬「むぐっ! 女の子の顔をわしっとしないでくれます?」
睦月「おーまーえーはー」
真冬「わかりましたよはいはい!」
睦月「もうこうなったら鍛練はここまでだな」
真冬「いいですよもう何時間もやったでしょ」
睦月「まあそうなんだけど……退屈だったか?」
真冬「そりゃもう」
睦月「はっはっは。……ところでいつまで続けんだこれ?」
真冬「いつまで続ける? とは……はて」
睦月「はて、じゃなくてだな」
真冬「とりあえず明日は来ませんよ」
睦月「え!? そうなのか!?」
真冬「はい。久しぶりの休日でも満喫してください」
睦月「そりゃいいけど……何でだ?」
真冬「大事な用事があるんです」
真冬(交流会)
睦月「ほーん……因みに明後日は?」
真冬「明後日? ……さあ……来るかもしれないし来ないかもしれませんし……ひょっとするともう二度と来ないかも……」
睦月「おい? 何だそれ?」
真冬「明日人と会う約束があって、その人の態度というか……言葉というか……そういうもの次第ではそうなるので」
睦月「何だよ……どういう話かわからん」
真冬「あはっ☆真冬に会えなくなっちゃうと思うと気が気じゃないですか?」
睦月「……真冬による」
真冬「はい?」
睦月「真冬がもういいって言うならそれでいいけど……って感じだな」
真冬「いまいち要領を得ませんが」
睦月「真冬が会いたくないと思ってるならそれで俺も構わないが、真冬が俺に会いたいと思う部分があるなら俺は意地でも会いに行く」
真冬「……」ぽかん
睦月「というか相手次第ってのは何だ? 何か変な奴に巻き込まれてるとかそういうことなら言えよ、危ないことになる前に言え!」
真冬「いや……いやいやいや」
睦月「何だよ……」
真冬「……えーと……はい、いや……」
睦月「……あれ?」
真冬「ふふっ、ふふふふふ」
睦月「ナンデスカアナタハ」
真冬「す、すっごい真面目に考えて……あはっ、あはは」
睦月「……」
真冬「いやー、はい……なるほどー……これがなんというか、うん、モテ男の要素ですか? 睦月先輩のそれ初めて見ましたけど……あはっ☆」
睦月「真冬」
真冬「そんなんじゃないですから、ご安心を……ふふ、あーおかしい……うん、むしろ逆です、真冬にとって大切な人に会うんですよ明日」
睦月「殴るぞ お前」
真冬「えー睦月先輩が勝手にその気になったんじゃないですかぁ、真冬もう一回言ってほしいなぁ、イジデモアイニイク……って」
睦月「言わねえ、二度と言わねえ」
真冬「えー聞きたいなぁ……」むぎゅ
睦月「全裸で願え、考えてやらんでもない」
真冬「あー怒ってる、大人げなぁい」
睦月「うるさい、最後になる可能性があるなら揉んでやろうかくらいの気概だぞこっちは」
真冬「いいですよぉ? ほらほら」
睦月「言ったなバカめ!!」
真冬「っ……」
睦月「……ほう……これはこれは」
真冬「本気でキレてるということですか?」
睦月「日々の恨みを考えればこれくらいはいいかなってな……」
真冬「駄目です、はい、しゅーりょー」
睦月「いいって言ったろ!!!!!」
真冬「本気で触るなんて思わないですもん!!!」
睦月「揉むって言ったろ!!」
真冬「へたれのむっつりすけべの睦月先輩がそんなことするなんて思わな……いやでもこれはある種既成事実として……ブツブツ」
睦月「なんのこっちゃ……まあとにかく明日は来ないのな」
真冬「そこは確実ですのでご安心を」
睦月「ちょっと怒ってない?」
真冬「いいえ? 別に気にしてませんよ?」
睦月(……ちょっと怒ってるな……)

17名無しさん:2017/02/16(木) 14:27:02
紅葉「あはは、そうなの?」
氷室「うん、それで……」
紅葉「……あれ? 何だろ、翡翠……?」
紅葉(翡翠がこんなお昼に連絡してくるなんて珍しい)
翡翠『この間転入してきた三人組が揃って欠席している』
紅葉「……ん?」
紅葉(何の報告……あ、そういえば三人の中に……)

紅葉「……睦月先輩」
睦月「ん? ああ紅葉、どした?」
紅葉「いやその、用って程ではないんですが……よければ、今日、一緒に帰りませんか?」
睦月(……真冬今日は来ないって言ってたな……紅葉知ってるのか? いや知ってるわけないし偶々か)
睦月「勿論いいよ」
紅葉「本当ですか? ……じゃ、じゃあまた放課後来ますね」
睦月「うん」

岩堀「……健気だなあ」
睦月「俺?」
岩堀「お前じゃねえよ紅葉ちゃん! 多分真冬ちゃんのこと気にしてるんだろうさ……」
睦月「……かな」
岩堀「そうじゃなきゃわざわざクラスにまで乗り込んでこないだろ」
睦月「……だよな……」
岩堀「お前の気配りが足りない」
睦月「待てコラお前真冬に対しても冷たくするなとか真面目に考えろとか言うじゃねえか」
岩堀「そりゃそうだろ真冬ちゃん可哀相じゃん?」
睦月「どうしろと……」
岩堀「自分を良く思ってくれる女の子全員に悲しい思いをさせるな、それがモテ男の使命なんだよわかったか?」
睦月「モテ男ではない」
岩堀「いい思いばかりってわけにはいかねえなぁ?」
睦月「嫌なやつだなおい!」
岩堀「うるせえ! モテ男の使命だろ! やれ!」
睦月「まあモテ男どうこうはともかくとして……紅葉と帰るのも何か久しぶりだな」
岩堀「部活あるしな」
妃「睦月、今日一緒に帰……」
睦月「なんだよ!? 情報漏洩してんの!?」
妃「い、いや、花子が勝手に……そ、それにこの間の埋め合わせがまだですわ!」
睦月「明日な! 明日!!」
妃「何ですの何ですの! 扱いが雑じゃありませんこと!?」
睦月「いや妃は結構よく帰ってるし……っていうか何も予定なきゃ大体俺岩堀妃で帰るじゃん……」
妃「それにしたって酷いですわ!」
岩堀「ひでー睦月ひでー」
睦月「いや詰んでるじゃんこれえ」
妃「慰謝料は購買のフルーツサンドでいいですわよ」
岩堀「俺は焼きそばパン!」
睦月「妃はともかくお前なんだよ!?」

18名無しさん:2017/02/22(水) 02:19:33
紅葉「……さてと……」
氷室「どうしたのくーちゃん?」
紅葉「涼ちゃん……今日……暑いよね」
氷室「え? ……いや、別に暑くは」
紅葉「あ、暑いと思う……」プツッ
氷室「!?」
紅葉「スカートも何か……うん」シュルッ
氷室「……う、うん、暑いね!」
氷室(あの露出を一切遮断するくーちゃんがボタンを開け、スカートを短くするだなんて……追い詰められているのね……)
紅葉「あ、暑いから仕方ないよね?」
氷室「暑いよ……」
氷室(くーちゃんが)
紅葉「うう、でも睦月先輩はこういうの嫌いなんじゃ……」
氷室「ど、どうかな! 試してみる価値はあるんじゃない?」
紅葉「それに……恥ずかしいし……」
氷室「くーちゃん……」
紅葉「でもやる……やるよ、私……」
氷室「ええっと何だっけ……あの、真冬さん?」
紅葉「関係ないから!! それとは関係ないから!!」
氷室「あ、ああ、そうなの?」
紅葉「単に暑かっただけなの!」
氷室「そ、そうだよね……」
紅葉「……でも途中まで一緒に来て……」
氷室「任せて、私も上手くやる」
紅葉「涼ちゃん……」

紅葉「……」
氷室(でもボタンは一個外しただけだし)
氷室(スカートも平均よりは長いくらいだし)
氷室(そんなに気張ることは……ううん、あの露出嫌いのくーちゃんの精一杯だもんね……それに叶さんはその意志を汲んでくれるはず)
睦月「ああ、来た来た」
氷室「どうも叶さん……ご無沙汰しています」
睦月「氷室さん、確かに何か久しぶりだね」
氷室「ええ、少し部活が忙しくなってきていますから……吉良先輩も寂しがっていましたよ」
睦月「大袈裟だなあいつ……」
氷室「では、私はこれで。少し部室に用がありますので」
睦月「あ、うん……またね」
紅葉「むむむ睦月しぇんぱい! 帰りましょう!」
睦月「あ、うん……どうした」
紅葉「べっ、別に何でもないです!」
睦月「そう? ……いやおかしいけど」
紅葉「大丈夫です、大丈夫……」
睦月「……?」
睦月(何か変だな……顔も妙に赤いし)
紅葉「い、いやあ、今日暑いですねえ」
睦月「いや暑くはないけど……」
睦月(……あ、ボタン? 開けてるの珍しいな)
睦月(……特にボタンが外れた様子はない……のと、この様子からすると意図的にやってるのか?)
睦月(それほど恥ずかしい思いをしながら何でそんなことしてるか……って言うと……つまり……)
睦月「紅葉……」
紅葉「ひゃい!?」
睦月「……いや、風邪引くなよ」
紅葉「風邪!? 大丈夫ですけど……」
睦月「そうか……ならいいんだけど」
睦月(何というかこう……いじらしい……)
紅葉(睦月先輩無反応だし! 恥ずかしいし! 上手く喋れないし! ああやっぱりやらなきゃよかった!)

19名無しさん:2017/04/09(日) 19:21:25
睦月「あれ……早冬音ちゃん? 部屋の前でどうしたの」
早冬音「睦月さん……それは多分私の台詞ですよ」
睦月「え?」
早冬音「いや……まあ、もうお二人がそういう関係なのは斑鳩も百も承知ですからいいんですけど」
早冬音「一応真冬のバカはあれでも高校生ですから節度あるお付き合いをお願いしますね」
睦月「それは問題ないよ。俺はちゃんと自制してる」
早冬音「それはよかった。でも真冬が自制してないってことですよねそれ」
睦月「そこは……真冬の名誉のためにも伏せておくけど」
早冬音「……まあいいか。とりあえず今日は真冬に用があって来たんですけど」
睦月「うん」
早冬音「あの子、部屋の鍵変えました? 私の合鍵じゃ入れなくて」クルクル
睦月「インターホン押さなかったの?」
早冬音「本家から言付けを受けた極秘任務でして」
睦月「相変わらず斑鳩も大変そうだね」
早冬音「ええ、まったく。で、悪いんですけど開けてもらえます?」
睦月「わかった……」
早冬音「……叶睦月、合鍵を所持。鍵の変更にも一枚噛んでいる様子あり、と」カキカキ
睦月「あの」
早冬音「お気になさらずに」
睦月「……少し怖くなってきたな」ガチャッ
早冬音「……さて何が出るか」


真冬「あっ、睦月さんおかえりなさい!」
真冬「どうします、ご飯にしますか? それともお風呂? やっぱり私?」
睦月「裸エプロン」
早冬音「裸エプロン」
真冬「って! 早冬音ちゃん!? なんで!?」
早冬音「それはこっちの台詞。なんで裸エプロンよ」
真冬「だって睦月先輩がねー好きなんだよねこういうの。私も嫌いじゃないし」
早冬音「うーん……まあ二人の関係性を考慮すればギリギリ情状酌量の余地はあるか」
睦月「なんか怖いこと言ってる」
真冬「ですねー。あ、お風呂入りますか睦月せんぱぁい? というか入りましょ?」
睦月「何もしてないのに追い込まれていくスタイル」
早冬音「…………」

20名無しさん:2017/04/09(日) 19:43:54
早冬音「で」
真冬「で?」
早冬音「ぶっちゃけどこまでヤったんですか睦月さん」
真冬「聞きたい?」
早冬音「あんたにゃ聞いてないのよ色ボケ乳袋」
真冬「色ぼけ!? 乳袋!?」
睦月「否定はできない」
真冬「なんで!? してくださいよ!? 可愛い可愛い彼女が悪しざまに罵られてるんですけど!」
睦月「色ぼけなのは事実では……」
真冬「うーわ、うーわ! なんだかんだで喜んで誘いに乗っちゃうくせに! こういうときだけ常識人ぶって!」
真冬「ほんとそーゆーとこ睦月さんってほんとあれ! 他人の前だと真面目くさった振りする!」
睦月「いや真面目だよ!? 超真面目に今この場を乗り切ろうとしてるじゃん!」
睦月「でも真冬がわざわざ墓穴を掘りに行くから!」
真冬「いいんですよ見せつけてあげればいいんです!」
早冬音「ぶち殺すぞ」
睦月「……わかった落ち着こう」
真冬「えー? もっといちゃいちゃしてるところ見せて早冬音ちゃんの冷静な思考を奪っちゃえばいいんじゃないですかぁ?」
早冬音「…………」
睦月「早冬音ちゃんの目を見ろ目を! あれは確実に俺たちを殺せる目だ!」
真冬「嫉妬の炎に燃えてる」
早冬音「……こいつ……こいつ本当に……」
早冬音「……ええい、もういいわ。で? どこまでヤったんだ叶」
睦月「なんかついに叶になった」
早冬音「喚くなむっつりクソ大学生」
睦月「はい。……お察しの通り何度か肌を重ねております」
早冬音「何度か、なんて生ぬるい表現で足りるのか? え? 叶?」
睦月「…………十数回です」
早冬音「真冬は何歳だ言ってみろ叶」
睦月「……17歳です」
早冬音「で? 17歳と、十数回もイタしたと。そういうわけか叶」
真冬「まあ私が8割誘ってるけどね」
早冬音「つまり2割は叶が誘ってると」
睦月「男としての意地といいますか……」
早冬音「……二人の関係を思えばまあ、いいけど」
早冬音「で。実際スパンはどうなんだ叶」
睦月「そこまで赤裸々に暴かれるの!?」

21名無しさん:2017/04/11(火) 20:41:12
睦月「……」
ガチャガチャ キィ…
真冬「おはようございまーす」
睦月「ん……」
真冬「朝ですよー睦月さあんほらほら」
睦月「いや……俺今日三限から……」
真冬「起きてくださーい」
睦月「いや……昼まで寝てても」
真冬「だめですだめだめ」ぐいぐい
睦月「うう」
真冬「もう……じゃあ真冬も入っちゃいますよ」
睦月「ええ……?」
真冬「ふふ、ほら……寝てる場合じゃなくしてもいいんですからね……? ふー……」
睦月「耳に息吹き掛けるのやめて」
真冬「うわ、布団の中あったかい……んん」
睦月「真冬、ちょっとおい……」
真冬「なんですかあ? おねむなんですよねー?」
睦月「……」
真冬「その気になっちゃいました? あは☆」
睦月「……って」
真冬「やーん睦月先輩ったら強引ー」
睦月「制服じゃん!」
真冬「今日は着替えてきました」
睦月「制服に皺つけるわけにもいかないし……」
真冬「えー、でもそそられません? ほらほら」
睦月「可愛いけどさ」
真冬「え?」
睦月「可愛いけど……」
真冬「なんですって?」
睦月「聞こえてんだろ!!!」
真冬「えっへへへへ」
睦月「ただでさえ噂がたってるのに汚したりしたら真冬の身が危ういし、あと俺の命も危ういし」
真冬「命懸けで真冬を奪ってください」
睦月「いやもう奪うつもりではいるけどそれとこれとは」
真冬「じゃあ帰ってきたらにします?」
睦月「え?」
真冬「因みに懇意にしているクリーニング店に夜出せば朝までにどんな白い汚れも皺も消して秘密裏に新品状態にしてくれますよ」
睦月「白いとかいうなや!」
真冬「はいはいじゃあ朝御飯にしますよ、パンとご飯どちらに?」
睦月「今日はパン……かな」
真冬「かしこまりました」
睦月「……毎朝どっちでも準備するの面倒じゃないか? 米なんか事前に炊いてたら無駄になりそうで申し訳ないんだが」
真冬「睦月先輩の申し訳なさより私のご奉仕の喜びの方が上回ってるから問題ないです」
睦月「しかし」
真冬「あっ、それなら今夜も食べにきてくださいね」
睦月「俺としては助かるけど……」
真冬「勿論色んな意味でですよ☆」
睦月「極力我慢するようにしてんだぞお前!」
真冬「なあにを我慢する必要があるんですかあ、お付き合いしている若いみそらの二人が肌を重ね合いお互いを求め合うことは自然も自然ですよ」
睦月「せーけーんーてーいー」
真冬「我慢できないくせに」
睦月「……うん」
真冬「そういう可愛い反応はやめてください犯しますよ」
睦月「女子高生の台詞じゃねえから!」

睦月「いただきます」
真冬「はいどうぞ」
睦月「……」
真冬「?」
睦月「真冬はいつも俺が食べはじめてから食べるよな……」
真冬「そうでしたっけ?」
睦月「いや、今もそうだし」
真冬「……あー……そういえばそうかも」
睦月「なんで?」
真冬「んん……? 自分の作ったものを食べてもらうのを見るのが好きなんですかね? 無意識ですけど」
睦月「なるほど……」
真冬「はい」
睦月「美味いよ」
真冬「ふふ。いただきます」
睦月「しかしなんか……不思議な感じだな……」
真冬「はい?」
睦月「真冬と付き合うって二年前の俺は想像だにしてなかった」
真冬「そおですかあ?」
睦月「ええ? じゃあしてた?」
真冬「私はしてませんけど、睦月さんはしてたんじゃないです?」
睦月「どういうことだよ」
真冬「私の身体をあんな風にしたりこんな風にしたりする想像」
睦月「しとらんわ」
真冬「……というのは冗談としても」
真冬「本当に? 欠片も? 無かったんですか?」
睦月「……や……まあ……ゼロとは」
真冬「あ、そうなんですねえ。私はゼロでしたけど」
睦月「おおい」
真冬「ゼロからここまで持っていかれるとは流石の私も思ってもみませんでしたけどね、あは☆」
睦月「いや俺もゼロだったね、うん」
真冬「は?」
睦月「ああ?」
真冬「そんなこと言って真冬にベタ惚れですよね?」
睦月「真冬はもう俺がいないとだめだからな」
真冬「へえ……そろそろどっちが先に惚れたかの決着つけます?」
睦月「真冬だってことで決着ついたろ」
真冬「ついてません!」
睦月「つけた!!」
真冬「だったら睦月さんあの時──!!」
睦月「それを言ったら真冬はあの時──!!」

22名無しさん:2017/04/25(火) 02:43:27
真冬「はぁ……」
睦月「なんだそのため息は」
真冬「いや今日は来たくなかったなあって」
睦月「何で来てんだよ、あと来たい日があるのか」
真冬「いつも来たくはないんですけどね……」
睦月「だから何で来てんだよ!!」
真冬「乙女の秘密をそんな聞き方します?」
睦月「乙女て」
真冬「乙女も乙女ですよ。繊細なんです」
睦月「ふふふ」
真冬「ご不満で?」
睦月「いやあ全然」
真冬「大体睦月さんは私を……っと」
睦月「おい!」
真冬「……あ、どうも」
睦月「気を付けろよ……何を階段から飛び降りる勢いで躓いてんの」
真冬「いやあ真冬って身体のバランスが悪いじゃないですかあ……こことか?」
睦月「わかったわかった」
真冬「抱き止める時に真冬の身体の感触を味わえて役得ですね☆」
睦月「お前……」
真冬「冗談ですよ」
睦月「ひやっとするからやめろよな」
真冬「何でしょうね……浮き足だってるんですかね?」
睦月「うん?」
真冬「睦月先輩に会えるから……それにさっき抱き止めてもらったたくましい腕に真冬はドキ☆ドキもので」
睦月「ああうんそうねはいはい」
真冬「チッ、冷たくないですか」
睦月「もうそれに反応するのしんどい」
真冬「でも抱き止めてはくれるんですね」
睦月「当たり前だろ」
真冬「ふふふ」
睦月「なんだよ!」
真冬「モテ男アピールごちそうさまです」
睦月「めんどくっせ!」
真冬「あーかっこいいかっこいい」
睦月「うっぜ!」
真冬「でも叶さんとして真冬は女の子ではないんですよねー」
睦月「斑鳩真冬カテゴリだな」
真冬「抱き止めてくれるんですね」
睦月「……いや、流石にそこまで邪険にしてない」
真冬「そうなんですねー、ふふふ」
睦月「何だよ惚れるのは勘弁しろよ」
真冬「安心していいですよ、ただ……」
睦月「ただ?」
真冬「私は抱き止めませんけどね」
睦月「おい」

23名無しさん:2017/05/18(木) 21:04:35
真冬「……」
睦月「……うーん」
真冬「……すぅすぅ……」
睦月「めっちゃムラムラする」
睦月「……どうしたものかな」
真冬「……」
睦月「なんでこういう時に限ってこいつは誘惑しても来ないし早寝だし熟睡なんだよ!」
睦月「いや誘われて受ける前提なのはおかしいけどな! 感覚麻痺してるけどな俺!」
睦月「まあそれはいい……よくないけど……」
睦月「……ううん……」サワサワ
真冬「ん……んぅ……?」
睦月「可愛い」
睦月「……待て、これ以上は危険だ」
睦月「えーっと……いやでも、しかし……」


真冬『へぇー、睦月さんってこういうのが好きなんですね☆』
睦月『おおう……どこでそれを』
真冬『巧妙な隠し方が如何にも睦月さんのそれって感じで、普通の人なら見つけられなそうですけど』
真冬『真冬くらい睦月さんを理解してると逆にそういうのわかっちゃう、あは☆』
睦月『心が苦しい』
睦月(でも真冬ってこういうので怒るイメージないしな……いじりネタにはされそうだけど)
真冬『ま……後学の為にお借りしておきます、と言いたいところですが』ベキッ
睦月『折っ……!?』
真冬『……他にあります?』
睦月『実家出るときに処分したのでありません』
真冬『……そうですか☆じゃあご飯にしましょう』
睦月『お、おう』


睦月「……なんか意外に怒ってたんだよなあ……」
睦月「ああいうので怒るとなるとネットで漁るというのも同じことになりそうだ」
睦月「嫌がることはしたくないし……」
睦月「……襲うわけにはいかないし……」
睦月「寝てるのをいいことに好き勝手するというのも……」
睦月「……」
真冬「……」
睦月「寝たふりとかしてないか? 真冬」
真冬「……」
睦月「しててくれると嬉しいんだが」
真冬「…………」
睦月「いや寝てるわこれ……」

24名無しさん:2017/05/19(金) 01:54:44
睦月「寝るか……寝る努力をするか」
睦月「よし! 何も気にせず寝る!」
睦月「……」
真冬「……」
睦月「……」
真冬「……ん」ぎゅ
睦月(あーーーー)
真冬「……すぅ……すぅ」
睦月(死ぬ死ぬ死ぬ)
睦月(あーかわいいなーーーー死ぬなーーーー)
真冬「……」
睦月「……」
睦月「もういいか」ぐい
真冬「……」

早冬音『今後の対応次第では通報してやるからな叶』

睦月「はー!」パッ
睦月「……いや……冗談だろあんな……」
睦月「そもそもそんなのバレようが」
睦月「……いやでも流石に起きるだろ」
睦月「起きた場合真冬がこう、嬉しげに昨夜睦月さんが真冬の寝込みを襲ってきてぇ☆的なことを言う」
睦月「詰む」
睦月「……というかそういうことじゃないから」
睦月「そもそも襲ったら駄目だから!」
睦月「俺はやれる……我慢できる……」
睦月「スマホでも弄るか……あ」
睦月「そう言えば真冬の画像が沢山ある」
睦月「……」
睦月「真冬の……画像が……」
睦月「勝った!」テッテレー

25名無しさん:2017/05/31(水) 00:49:06
真冬「あれ? 睦月さん、これ……」
睦月「んん? どした?」
真冬「冷蔵庫にお酒入ってますけど……」
睦月「ああうん、父さんがくれた」
真冬「忠臣さんがぁ?」
睦月「一刻も早く息子と飲みたいからさっさと鍛えろってさ」
真冬「へー。……睦月さん弱そう」
睦月「なんでだよ!」
真冬「睦月さんってきっちりしてるようで隙が多いからいつもいつも真冬は心配なんですよ!」
睦月「隙多くはないだろ……剣道やってるし」
真冬「は? じゃあ女性相手に暴力振るえますか?」
睦月「いやそれは無理だけど!?」
真冬「意味ないじゃないですか!!!」
睦月「わかんねえ! 真冬を守れるって話じゃねえの!?」
真冬「ちっがいますよ!! 真冬は睦月さんに守られ……いや守って欲しいですけど!?」
睦月「何のキレだよ!」
真冬「そうじゃなくて、だから、女の人に迫られたり……」
睦月「ああん?」
真冬「酔った睦月さんはろくに抵抗も出来ずにですね……」
睦月「ああなんだほだされるって言うのかと思った」
真冬「……そこは信用してます」
睦月「怒るとこだったぞ」
真冬「信用してますってば!」
睦月「ちょっと言い繕ったろ!」
真冬「だって睦月さんおっぱいに弱いし!!」
睦月「ばっ、だっ、弱くねえよ!」
真冬「ほんとですか」むに
睦月「真冬のには弱いだけで……」
真冬「……それはいいとして」ぱっ
睦月「なんだよ……」
真冬「それで強いんですか弱いんですか」
睦月「いや実は飲んだことない」
真冬「えっ」
睦月「いや二十歳になったのこの間だし……」
真冬「忠臣さんに飲まされなかったんですか?」
睦月「いやお前いただろあの日」
真冬「ええ、まあ」
睦月「飲んでなかったろ」
真冬「そういえば……何ででしょう」
睦月「わからん、あの父親のことは」
真冬「とにかく案ずるより産むが如しということで……飲みましょう☆わー沢山ある真冬はどれにしましょう」
睦月「いやいやいやいや」
真冬「へ?」
睦月「みーせーいーねーんー!」
真冬「真面目ですか?」
睦月「真面目とかじゃないから、法律で決まってるから」
真冬「未成年淫行って知ってます?」
睦月「はい……」
真冬(多分罰せられる関係ではないですけど)
真冬「じゃあ飲みましょ☆」
睦月「どんどん俺の世間体が危うく」
真冬「睦月さんの初めてにお供するのは二回目ですね☆」
睦月「うるせえ!」

26名無しさん:2017/05/31(水) 02:08:34
睦月「カクテル」
真冬「あ、これにします?」
睦月「カクテルとチューハイの差って何?」
真冬「混ぜ合わせる種類らしいですよ」
睦月「へえ……度数5%」
真冬「普通ですね」
睦月「とりあえずこれにしようか」
真冬「じゃあ真冬もそれにします」
睦月「どういうことだよ!」
真冬「最初の記念に同じのにしましょ? ね?」
睦月(かわいい)
睦月「わかったよ仕方ないな」
真冬「今かわいいって思いましたね?」
睦月「何でだよ!」
真冬「ふふ、隠してもわかるんですよ真冬には……」
睦月「はいはいとにかくこれな」
真冬「はーい、じゃあ乾杯」
睦月「ん」

睦月「ううん……なるほど」
真冬「結構飲みましたけど、どうです?」
睦月「なんというか全部独特な味だ」
真冬「缶のお酒はアルコール感強いですよねー」
睦月「お前普段から飲んでんな」
真冬「自分から進んでは飲まないですけど、ちょっと色々事情が……」
睦月「んん?」
真冬「こっちの話です」
睦月「あんまり良くないから止めろよな」
真冬「もう、またそんなこと」
睦月「いつ母親になるかわからんぞ」
真冬「へっ?」
睦月「というかもう……卒業してからだから、ひのふの……一年経たない内にどうなるかわからないし」
真冬「どうなるかって……どう?」
睦月「恋人のままでいるつもりないぞ、俺は」
真冬「…………ええ?」
睦月「わかってるのかその辺……覚悟しておけ」
真冬「ちょ、ちょちょ睦月さん? 酔ってます?」
睦月「酔ってるように見えるか?」
真冬「見えませんけど発言が……流石の真冬もその台詞には動揺するんですけど……」
睦月「真冬以外は考えられない」
真冬「……あ、あの」
睦月「そういうところまで来てるんだ、わかるな」
真冬「……」
睦月「つまり」
真冬「ま、待ってください」
睦月「何だ」
真冬「その……酔った流れのままは止めましょう」
睦月「む……?」
真冬「嬉しいですけど……やっぱり普段の睦月さんから言われたいですし」
睦月「そうか……そうか?」
真冬「はい。凄く嬉しいですけど、聞かなかったことにしてあげます」
睦月「そうかー……うむ」
真冬「ただし愛を囁くのは存分にどうぞ☆」
睦月「よし」

27名無しさん:2017/06/07(水) 02:44:48
真冬「……」
睦月「ん……」
真冬「流石にドキドキものです」
睦月「そうか……」
真冬「真冬をそんな風に想ってくれてるんですね」
睦月「普段から言ってないか?」
真冬「言ってませんよ、あんまり」
睦月「……そうだったかな」
真冬「んー……でも普段から、真冬のことを想ってくれてるのは伝わってきますけどね☆」
睦月「それならいい……」
真冬「言葉にされると何というか……ふふ」
睦月「……ねむい」
真冬「寝ちゃいますか?」
睦月「そうしようかな……真冬も」
真冬「勿論ご一緒します」
睦月「うん……」
真冬「お酒そこまで強くないんですね」
睦月「そうか……?」
真冬「……や、比較対象がおかしいのかもしれませんが」
睦月「……」
真冬「いやはや、楽しみ……」
睦月「?」
真冬「俗に言う記憶が残るタイプと忘れちゃうタイプ、睦月さんはどっちなのかなー、と……」
睦月「……」
真冬「残ってくれると嬉しいですけど」
睦月「そうか……うん」
真冬「忘れていてもそれはそれで」
睦月「……どちらにせよ、だな……」
真冬「はい?」
睦月「……若干、酒の力に任せて……」
睦月「言いたかったことを言ってるだけだ」
真冬「……」
睦月「だから、真冬は覚えておけ」
真冬「……忘れませんよ、あんな事言われたら」
睦月「……それでいい」
真冬「ん」
睦月「……」
真冬「……おやすみなさい」
睦月「おやすみ」

28名無しさん:2017/06/07(水) 02:55:48
真冬「おはようございます☆」
睦月「……おはよう」
真冬「睦月さん真冬のことどう思ってます?」
睦月「あ? 喧しい彼女だと思ってるよ」
真冬「あは☆嘘ばっかり☆」
睦月「何だよ!」
真冬「ほ、ん、と、はぁ、真冬のこと好きで好きで好きで仕方ないんですよねえ?」
睦月「何言ってるのこの子……こわ」
真冬「ふふふふ、こっちでしたかそうでしたか」
睦月「何だよこっちとかそっちとか」
真冬「これはこれで!」
睦月「いいから離れろ一回」
真冬「やーん、片時も離れたくなんかないくせにぃ☆」
睦月「よく真顔でそんなこと言えるな!」
真冬「わー、特大ブーメランをまた……」
睦月「え?」
真冬「ふふふ、真冬は忘れませんよ。一言一句」
睦月「……えーっと……昨日は……?」
真冬「一緒にお酒飲みましたよね?」
睦月「うん」
真冬「睦月さんが酔っちゃってですね」
睦月「……うん……あのさ」
真冬「はい?」
睦月「……避妊したよね?」
真冬「ぶふっ」
睦月「なんだその笑い」
真冬「どうでしたかねえ?」
睦月「ちょっ……おい……」
真冬「ふふふふふ☆」

29名無しさん:2017/06/23(金) 15:32:21
睦月「犬猫特集!」
真冬「わーかわいい」
睦月「いいよね犬猫、かわいい」
真冬「いいですねぇ、癒されますし」
睦月「子犬の可愛さは暴力的だな」
真冬「でも成犬は成犬で表情豊かでいいですよね☆」
睦月「それもあるなあ確かに」
真冬「……時に睦月さんは犬猫どちらがよりお好みで?」
睦月「んー? いやあどっちも好きだしね」
真冬「存じてます☆その上で好みがあればです」
睦月「えー、そうだな……猫かなあ」
真冬「猫ですね☆承知しました☆」
睦月「承知ってなにが……」
真冬「次のコスの話ですよ」
睦月「あ、ああそっちに繋がるのか」
真冬「勿論睦月さんにしか見せませんのでご安心を☆」
睦月「……うん。また作るの?」
真冬「ええ」
睦月「あれ作るの大変そうだよなあ」
真冬「作るのも楽しみの内ですから」
睦月「いやでも……汚すのに抵抗有るよ」
真冬「ふふふ☆まあ此の分写真にとってもらいますから」
睦月「最近無駄にカメラに詳しくなってしまった」
真冬「……念を押すまでもないことをあえて言っておきますが、睦月さんも真冬以外のコス撮るのは駄目ですよ」
睦月「いや撮る機会ないし……撮らないし」
真冬「ならいいですけど」
睦月「あ、猫に切り替わった」
真冬「やーん可愛い」
睦月「猫可愛いよ猫……いいよね……」
真冬「ですねー」
睦月「いや本当に可愛いよね耳がいい」
真冬「……」
睦月「あと可愛いのがこの尻尾の」
真冬「でも真冬の方が可愛いですよね☆」
睦月「ハハハ」
真冬「……」
睦月「このマンチカンって種が最近人気らしくて」
真冬「睦月さん」
睦月「え?」
真冬「でも真冬の方が可愛いですよね」
睦月「えっ……う、うん。そりゃそうだよ」
真冬「ですよね☆」
睦月「当たり前のことを聞くな真冬はーハハハ」
真冬「ふふ、つい何となく☆あっ噂のマンチカン」
睦月(一瞬真顔でいらっしゃった)

30名無しさん:2017/06/24(土) 20:39:16
岩堀「おーす」
睦月「きたか」
真冬「岩堀先輩ちっす☆」
岩堀「真冬ちゃんちっす☆」
睦月「まあ座れ」
岩堀「おう。いやでも良いのん? 二人の愛の巣にお邪魔しちゃって良いのん俺? 邪魔じゃない?」
真冬「まあ……少し……」
岩堀「酷い……もう帰る……」
睦月「いやいや待てよ岩堀」
岩堀「むつきん……」
睦月「帰る前にそのハンバーガーは置いていけ」
岩堀「ろくでもねえカップルだよお前らは!!!」
真冬「あはっ☆冗談ですよ」ガサガサ
睦月「そうそう冗談冗談」ゴソゴソ
岩堀「ハンバーガーの袋漁りながら言うのやめろや!! 傷付いてるから!! ちゃんと顔見て嘘だって言って!!!」
睦月「真冬はチーズがいいだろ」
真冬「わーい」
岩堀「死にたくなってきた」
睦月「……まあこれくらいにするか」
真冬「そうですね」
岩堀「なんだよ……」
睦月「いや我々も本来は今日色々と予定がね?」
真冬「岩堀先輩がどうしてもというから先伸ばしです」
岩堀「それは申し訳ない……だからこのハンバーガーだ」
睦月「許してやろう」
真冬「たまにはこういうジャンクなのもいいですね☆」
岩堀「それで折り入っての相談というのがだな」
睦月「はい」
岩堀「はい睦月くん」
睦月「金の無心」
岩堀「ハンバーガー買ってきたのに……?」
真冬「はい」
岩堀「はい真冬ちゃん」
真冬「薄毛抜け毛、円形脱毛症」
岩堀「ハゲてねえよ!! 染めてるけどケアしてるよ!!」
睦月「はい」
岩堀「まだ大喜利続くのこれ?」
睦月「未だに声変わりがこない」
岩堀「とっくに来てるわ!!」
真冬「親知らずがそのままで不安だ」
岩堀「不安だけど相談しねえよ!」
睦月「いいから早く本題に入れ」
真冬「結局何なんです?」
岩堀「何なのこいつら……というのもまあ……ええと」
睦月「なに……?」
岩堀「気になる子がいるというか」
睦月「真冬に手を出すと殺す」
岩堀「お前真冬ちゃんにのめり込みすぎなのでは?」
真冬「バカップルですみません☆」
睦月「一応言っただけだよ一応な」
岩堀「冗談とは言わないのな……」

31名無しさん:2017/07/03(月) 03:13:52
秋穂「やあ」
睦月「あーおはよう」
秋穂「おはよう……と言っても一時だが?」
睦月「この講義が初だから昼まで寝てたなあ」
秋穂「身体にはよくないな」
睦月「そうかな……そうだね。秋穂さんは?」
秋穂「私は特に高校から生活リズムに変化はないね」
睦月「それは凄いな……俺は高校生の時みたいにはいかない」
秋穂「未来の家族として健康面には気を使ってもらわないと」
睦月「ハハハ」
秋穂「はは。……真冬は元気かい?」
睦月「うん。毎日元気」
秋穂「何よりだ」
睦月「こっちが世話になりっぱなしだけどね」
秋穂「そうかい? 意外だね」
睦月「いやあ何か……自分でも言うけど尽くすタイプ? らしい」
秋穂「ああ……そういうところはあるかな」
睦月「食事は作りたがるし、朝は起こしにくるし、身の回りの事までやってくれるし……むしろ俺がダメになりそう」
秋穂「自分がいないとダメ、というのが真冬の理想の可能性はあるから嵌められてるのでは?」
睦月「あー……」
秋穂「ふふ、心当たりが?」
睦月「そうじゃないけど……今更言われても遅いかな」
秋穂「……君も変わったね」
睦月「素直になっただけかな」
秋穂「うん。いいとは思う」
睦月「そう?」
秋穂「少なくとも真冬ははっきり言葉にしてくれれば喜ぶ子だとは思うよ」
睦月「……なるほど、それならいいね」
秋穂「うん……ところで」
睦月「うん?」
秋穂「随分と人が少なくないか?」
睦月「……そう言われると……」

秋穂「休講とはね」
睦月「寝れば良かった寝れば良かった」
秋穂「んー……次の講義は?」
睦月「ある」
秋穂「同じく。……お茶でもしようか」
睦月「一時間ちょい潰さないといけないし賛成」
秋穂「折角だし色々と話を聞かせてもらおうか」
睦月「あっあっ……粗が出ない範囲で」
秋穂「何か後ろめたいことでも?」
睦月「たくさん」
秋穂「沢山か……」

32名無しさん:2017/07/05(水) 04:11:05
睦月「さて何を頼もう」
秋穂「……そうだね」
睦月「暑くなってきたしアイスコーヒーにしようかな……真冬──じゃ、ないねうん。ごめん」
秋穂「君、相当毒されてないか?」
睦月「いやなんか……秋穂さんはやっぱり纏う空気というか雰囲気が真冬に近い部分があるよね姉妹だし」
秋穂「適当に言い繕っている感じが酷い……」
睦月「まあ半分はそうだけど半分は本心だよ」
秋穂「そうか……」
睦月「だからちょっと落ち着く」
秋穂「……ふむ、なるほど?」
睦月「あっ、でも俺に惚れるのは無しの方向で」
秋穂「……毒されているというか、真冬に似てきたな」
睦月「失礼な」
秋穂「それはそれとして……馴初めでも聞こうかな」
睦月「馴初め?」
秋穂「こう言っては難だけど二人が結び付いた経緯を知らないからね……というか、正直に言えば予想だにしていなかった」
睦月「俺もそうだけど」
秋穂「やはり?」
睦月「うん。経緯ねえ、結ばれるべくして結び付いた……って訳ではないと思うけど……お互い何だか惚れてた」
秋穂「理由付け出来るものではないと」
睦月「そんなところかなあ……でも今考えると真冬の嫌いなところってないから、そういう意味では惚れない方が不自然かもね」
秋穂「……真冬もそうなのだろうか」
睦月「……それをそうだろうと言えるまでの自信はないな」
秋穂「ははは、流石にそうか」
睦月「でも真冬に聞けば『そうですよ』って言ってくれるとは思うよ」
秋穂「うん、そろそろお腹一杯になってきた」
睦月「惚気てすんません」
秋穂「……いや、正直に言えば嬉しい」
睦月「へ?」
秋穂「妹の幸せを祈るのは姉の常だよ」
睦月「……実際斑鳩さんとこで俺はどうなの?」
秋穂「……斑鳩で、というと?」
睦月「いや実際大きい家だからちょっと考えたりもする」
秋穂「本人の気持ちが大切だからね、特に積極的に口を出したりはしないだろう……面白がる人はいるけど」
睦月「ああうんあの人ね」
秋穂「そう。……ただ、斑鳩の中でどんな人物か見極めよう……という動きがあることも事実と言えば事実だね」
睦月「えっ何それ」
秋穂「そんな大袈裟なことでもないさ。ただ興味本位というか、真冬を心配しているというか……」
睦月「心配かあ……意味合いによるなあ」
秋穂「……それは何かコメントをした方が?」
睦月「いや聞かなかったことに」
秋穂「そうする。……ただ私は叶君を応援してるよ」
睦月「あ、本当に?」
秋穂「勿論。私自身も君を悪く思ってはいないし──先刻も言った通り、姉は妹の幸せを祈るものだからね」
睦月「おお……信頼されていると?」
秋穂「それが半分、真冬は君といることを幸せだと思うだろうというのが半分」
睦月「……期待に沿えるよう努力します」
秋穂「ははは」

33名無しさん:2017/07/07(金) 02:13:07
真冬「へえ、秋穂姉様がそんなことを」
睦月「うん。……ちょっと髪かかってる」
真冬「あ、ここ……はい、どうです?」
睦月「うんいい感じ」
真冬「……秋穂姉様は何だかんだ家族思いですからね」
睦月「やっぱりそう?」
真冬「そう考える度に何だか少し悔しいですけどね!」
睦月「なにが!?」
真冬「己の未熟さを知らしめられてる気持ちと言いますか! ……そして何か大学でちゃっかり睦月さんと二人で居るところとか!!」
睦月「前者も後者もよくわからんぞ!!」
真冬「いや少なくとも後者はわかるでしょうが!! 秋穂姉様の匂いぷんぷんさせて帰ってきちゃって!! もう!!」
睦月「匂いって……」
真冬「秋穂姉様の匂いですもん!! 真冬のよく知った女性の匂いが睦月さんからしてくるなんて……」
睦月「いやか?」
真冬「いやですよ!!」
睦月「だよな……うん」
真冬「でもやめろって言えないじゃないですか!」
睦月「やめられたら生きていけないからな!」
真冬「だからもう……いやなんです!」
睦月「しかし俺も秋穂さんとは仲良くしていきたいんだけどな……そもそも絶対あの人俺に惚れたりしないじゃん何かもうわかる」
真冬「そういう問題では?」
睦月「ないよな……わかる」
真冬「感情の問題ですから……と、こういったことを考える度に秋穂姉様の大人ぶりというか、そういう面がわかるようになってきて何だかもやもや」
睦月「他人を大人だなあと思えるのも大人だと思うよ」
真冬「んん……」
睦月「とりあえず笑わないと映えないぞ」
真冬「……はあい」
睦月「後で慰めてやるから」
真冬「たくさん?」
睦月「たくさん」
真冬「あは☆じゃあやっちゃいますか☆」
睦月「切り換え早いなおい。……ふーむ」
真冬「どうしました?」
睦月「カメラ買おうかなあ……いいやつ」
真冬「沼ですよ、あれ」
睦月「どうせ真冬撮るなら綺麗に可愛く撮ってやりたいし……スマホでいつでも見られるのもいいけどさ」
真冬「最近のスマホカメラも高性能ですから」
睦月「そうなんだけどさあ」
真冬「あれー、コス撮影気に入っちゃいました?」
睦月「いや真冬なら何でもいい」
真冬「……はい!? これ作るのにどれだけ睦月さんといられる時間を浪費して睦月さんに喜んでもらえるかなあって作ったかわかってます!?」
睦月(地雷踏んだ!)

34名無しさん:2017/11/07(火) 03:56:36
睦月「たけえー……」
真冬「だから言ったじゃないですかー」
睦月「なんでこんな高いのこれ?」
真冬「やっぱりスマホカメラの普及ですよ、下手なカメラ買うならスマホカメラの方が高性能なわけで」
睦月「ふんふん」
真冬「となると質を向上させる為に質良し値段高しになるか……スマホ持ってない層に向けて質悪し値段低しに二極化するわけです」
睦月「んー世知辛い」
真冬「……無理しなくていいですよ?」
睦月「いや真冬の為っていうか俺が……」
真冬「肉眼で拝めるのにぃ」
睦月「真冬だって写真撮られるの好きだろ?」
真冬「睦月さんに撮られるのは特に、癖になりそうな感じで怖いくらいです☆」
睦月「誰に見せるわけでもないけど、二人で眺めていけるものを形に残しておくのもいいよなって……」
真冬「それがコスプレ写真ってのが私たちらしいですけどね、あは☆」
睦月「……言われてみればなんかいかがわしい?」
真冬「ノンノン、素敵だと思いまーす」
睦月「そうか……ならいいか。んー貯金……」
真冬「そんな切羽詰まってます? 睦月さん普段からあんまりお金使わないじゃないですか」
睦月「そりゃまあ……貯めとかないと」
真冬「……なんで?」
睦月「……なんでも」
真冬「そうですかなんでもですか☆」
睦月「なんでも!!」
真冬「あ、これなんかどうです?」
睦月「軽く六桁かよ……」
真冬「即日購入ってわけには……ですね」
睦月「うん、さすがに……」
真冬「まあでも、いくらでも時間はありますから……落ち着いて、余裕が出来てからでもいいんですよ?」
睦月「……よーく考えるよ」
真冬「じゃあ今日は見るだけ見て、温かいものでも買って帰りましょう☆」
睦月「そうするか」

35名無しさん:2017/12/10(日) 04:37:23
真冬「はぁい☆」
睦月「今日もきたか」
真冬「お呼びとあらば即参上、貴方の恋人斑鳩真冬です☆」
睦月「声に出して呼んではないけど」
真冬「私達くらいになると心の声でも通じちゃうので」
睦月「なら仕方ない」
真冬「えへへー、でも今日はこっち来ません?」
睦月「こっち? 真冬の部屋か?」
真冬「そうです、いいものありますよ」
睦月「いいもの……コス?」
真冬「まあまあ見てのお楽しみということで」
睦月「わかったわかった」

睦月「こたつかー」
真冬「どうですー? 冬っぽいですよね」
睦月「実家の時は親しんだもんだけど……」
真冬「一人暮らしだとしないですよね」
睦月「一人暮らしだとかえって他の暖房よりは経済的だとは思う、けど中々手は出ないからなあ」
真冬「ささ、どうぞどうぞ」
睦月「……うん。いいな……」
真冬「それでは真冬も失礼して」
睦月「……えっ膝!?」
真冬「えー? ここ定位置ですよ」
睦月「そうだけどこたつでこれは不恰好では」
真冬「じゃあこたつしまいます?」
睦月「この部屋に来た意味は!?」
真冬「いいじゃないですかもう……あ、それともあれですかあ? こたつの中で……っていう定番のアレ、やりたかったりします?」
睦月「なにその定番、知らない」
真冬「あれ!? 男子の憧れなはずでは……」
睦月「聞いたことない……」
真冬(……睦月さんってあんまりオタ趣味ないし、実はリアル志向だとあんりないシチュ……?)
真冬「まあともかく、真冬は離れません」
睦月「うーん暑い……」
真冬「寒いよりいいじゃないですか」
睦月「まあね……しっかし真冬の部屋はこう、いい匂いする」
真冬「えっ?」
睦月「真冬の匂いが」
真冬「しますかね?」
睦月「するよ」
真冬「落ち着きます?」
睦月「未だにドキドキする」
真冬「ふふふ」
睦月「笑いごとじゃないぞ」
真冬「睦月さんの匂いもありますよ」
睦月「あ、やっぱりある? どう?」
真冬「んー……私はもう落ち着きますかね」
睦月「負けた気分だ何か」
真冬「いいじゃないですか、その内一緒になるんですから」
睦月「…………」
真冬「そんなに暑いですか? あは☆」
睦月「真冬も若干顔赤いかんな!!」
真冬「暑いだけですー」
睦月「じゃあ俺もそれ」
真冬「はいはい、わかりました。みかん食べます?」
睦月「うん」
真冬「剥いたら半分真冬にくださいね」
睦月「楽する気満々だよこの子」

36名無しさん:2017/12/29(金) 14:27:33
睦月「お金がありません」
真冬「え?」
睦月「……お金が」
真冬「カメラ買うからじゃないですか?」
睦月「うっ……」
真冬「だから無理しないでって言ったじゃないですかー」
睦月「でもあのカメラ良かったし……」
真冬「……真冬も嬉しいですけど、でもあれは」
睦月「それはそれだ!! 後悔はしてないし!」
真冬「もう」
睦月「とりあえず暖房代がかさむので止めよう」
真冬「真冬の部屋の方くればいいじゃないですかー、大体ご飯代だってわざわざ睦月さんがお金出すから」
睦月「当たり前だろそんなん! 飯まで作ってもらってお金出してもらうなんてことしてたまるか!」
真冬「真冬が好きでやってるのに……」
睦月「バイト増やすかなあ」
真冬「そもそも、最近は真冬も殆どこっちで生活してますしその分のお金だってかかってるんですよ。睦月さんの気持ちは嬉しいですけど負担になるのは嫌です」
睦月「いやそれは……」
真冬「それに二人の時間が減るのはちょっと」
睦月「そうだけど……いや、ごめん。でもここは俺になんとかさせてくれないか」
真冬「んんん……斑鳩のこと気にしてます?」
睦月「そうじゃないけど、常識で考えて真冬は高校生だよ。二人で生活するにしたって俺が何とかするのが当たり前なはずだ」
真冬「女子高生と半同棲するうえでの当たり前ってなんですか?」
睦月「仰る通りだけどさあ!」
真冬「もう……じゃあ今まで通りの生活ってことですね?」
睦月「ちょっと節約したりバイト増やしたりはするけど」
真冬「……真冬も我慢します、どっちも」
睦月「まず暖房を消そう」
真冬「ブランケットでも持ってきますよ、それくらいはいいですよね?」
睦月「助かる」

37名無しさん:2017/12/30(土) 13:26:21
睦月「このブランケット……」
真冬「なんですか?」
睦月「めっちゃ真冬の香りがする」
真冬「……あはっ☆ 睦月さんってば変態っぽいですよ☆」
睦月「ああいやいい匂いがするってことで」
真冬「それはそうでしょうなんたってこの斑鳩真冬ちゃんがあったまるためにいつも使ってるブランケットですもんね〜」
睦月「つまり自分はいい匂いがして当然の美少女であると」
真冬「行き過ぎた謙遜は罪ですからね。でも実際可愛いでしょう?」ダキッ
睦月「めっちゃ可愛いです」
真冬「あはっ……暖房がなくてもこうしてれば暖かいですよね」
睦月「確かに……」
真冬「はぁ……睦月さぁん……」モゾモゾ
睦月「真冬!? ちょっと手が変なところに伸びてませんか!?」
真冬「睦月さんの香り嗅いでたらそういう気分になりました。睦月さんが悪いです」
睦月「いや自分からひっついてきてそれはどうなんだ!?」
真冬「いいんですよぉ。っていうか運動したらあったまりますよね。そうだそうだ真冬ってばてーんさい!」
睦月「色欲に支配されてやがる……」
真冬「でも嫌じゃないでしょう? ノリノリでしょう?」
睦月「据え膳食わぬは男の恥……っていうもんな」
真冬「きゃーっ☆」

38名無しさん:2018/10/03(水) 05:49:50
睦月「ここか写真サークル」
睦月「今更っちゃ今更だけどカメラも買ったことだし……一人で撮るよりはやっぱり同志は欲しい」
睦月「得られる知識もあるだろうし見学だけでも」

ヒメ「やーんヒメこんな格好恥ずかしい〜」
ブチ「う、うん、これはちょっと……」
クラ「いや構わねえだろ、やましい気持ちはねえ」
オタ「最高でござるよヒメ〜!!」

睦月「わあ……真冬が言ってたまんまだ……」
オタ「むっ!?なにやつ!?」
睦月「えーっと……入部希……いや、見学です」
クラ「露骨に下げてきやがったなオイ」
ヒメ「え〜見学ぅ? ……って、あれ?」
ブチ「ど、どうかしたのヒメ?」
ヒメ「お兄さん……もしかして叶睦月さん?」
ブチ「え? 叶……?」
ヒメ「誰だそりゃ」
オタ(カノウムツキ……!?)
ヒメ「ヒメも詳しくないけど……剣道のつよいひと?」
睦月「あ、まあ……そうかな。剣道のつよいひとです……」
ブチ「ご、ごめん……詳しくなくて」
クラ「そんな奴が何故こんなところに」
睦月「カメラ始めたもんで……初心者だから、やっぱりまずい?」
オタ「撮りたいスピリットがあれば初心者もベテランもありはしませんぞ」
睦月「あ、それはどうも……」
ヒメ「……んー……あ、あー。ヒメなんか喉渇いちゃったなぁ……」
ブチ「僕買ってくるよ」
クラ「ちっ、うるせえ女だな……」
オタ「ではここは拙者が……」
睦月「……めっちゃ息のあった三人だね」
ヒメ「これで二人きり、と……。うん、叶くんさあ」
睦月「あ、はい。何でしょう」
ヒメ「タメ語でいーよ、同い年でしょ」
睦月「いやこっちは年齢わかんないから……」
ヒメ「あ、そっか……。んー、それでさぁ、言いにくいんだけど」
睦月「え?」
ヒメ「入部はちょっとやめてほしいかなって」
睦月「ええー……? 何かしたっけ?」
ヒメ「してないけど。叶くんはほら、あれじゃん?」
睦月「あれって?」
ヒメ「イケてるサイドの人間じゃん。困るんだよね」
睦月「言ってる意味がわかんないけど!?」

39名無しさん:2018/10/03(水) 06:07:59
ヒメ「このサークルはね、ダメなサークルなの」
睦月「はあ……」
ヒメ「ダメな男たちと、そのダメな男たちにちやほやされて喜んでる見た目は超最高なんだけどいい感じに性格と性癖の拗れちゃったそれはそれでいいそんなギャップが寧ろ萌えるそんな女の子が過ごしているサークルなの」
睦月「自己擁護すげえな!」
ヒメ「それでいいバランスとして成り立ってるの! そんなところに叶くんみたいな脚光を浴びる男の子が入ってきたらどうなると思う!?」
睦月「いや、わからん……」
ヒメ「私は何か勘違いしてるアホ女に成り下がって! あの三人は君に対するジェラシーから気分を害して! このサークルのすべての循環が破壊されるの!」
睦月「一人称ヒメじゃないの?」
ヒメ「この歳で一人称自分の名前なわけないでしょ!!」
睦月「あっ、はい……」
ヒメ「というわけだから入部はやめてほしいな」
睦月「いやでもカメラのこと知りたいし……」
ヒメ「私のパンツとか胸しか撮ってないから!!」
睦月「……うーん、それはそれで趣旨からズレてない」
ヒメ「えっ……? 何、私のそれ目当てなの?」
睦月「いや違う! 何というか、えー……いいや。ぶっちゃけ彼女にそういう趣味があって、それを上手く撮れるようになりたい」
ヒメ「……ほぉ、このヒメを踏み台にするつもりと」
睦月「いや撮らないよ」
ヒメ「ええ?」
睦月「俺は彼女以外の女性の写真は撮らない」
ヒメ「……叶くん実は結構こじらせてる系?」
睦月「彼女の希望でもあるんだけど、まあ……そうかも」
ヒメ「撮りたくないわけではないの?」
睦月「どうかな。ただ、彼女の写真を俺以外の男が撮るのは許せないかな……」
ヒメ「……闇が深ぇ〜……」
睦月「え、そ、そう!?」
ヒメ「……まあ私も……人のことあんま言えないけどさ」
睦月「闇が深いの?」
ヒメ「んー……あの三人以外に撮られるのは、やっぱり、ちょっと違うっていうか」
ヒメ「ゾクゾクしないんだよね」
睦月「ゾクゾク」
ヒメ「そ。私が撮られたいのって結局そのゾクゾクが全部だから……あの三人の誰が一番ゾクゾクするかなーって、いま見定めてるところってワケ」
睦月「彼氏候補?」
ヒメ「ううん、旦那さん候補」
睦月「闇が深ぇ〜」
ヒメ「深くない!! 誰かのお嫁さんになろうとは思ってるけどまだ悩んでるってだけだから!! それで出来るだけ……あいつらにもギスギスしないでほしいし」
睦月「……たしかに俺、邪魔だなそうなると」
ヒメ「……ただまぁ、いいよ。何となくだけど、あの三人とも仲良くやれそうだし……結婚式とか? 叶くんいたらさー、周りがびっくりするじゃない? 箔がつきそう」
睦月「びっくりするくらい嫌な理由だな」
ヒメ「あはは! まあいいじゃん、よろしくね」
睦月「まだ入るか決めてないんだけど」
ヒメ「上げて落とすなや。私バカみたいだろ」

40名無しさん:2018/10/09(火) 06:00:46
ブチ「というわけで、改めて挨拶するね」
睦月「あ、ども」
ブチ「僕はブチ……一応部長だけどあんまり気にしないでね」
睦月「部長だからブチか……わかりやすいね」
ブチ「あ、あはは、そんな変わらないよ。肩書きだけだしね……一番の雑魚敵にブチ模様が付いたみたいなものさ」
睦月「ぶちね……なるほど」
クラ「俺はクラだ。由来は……まあどうでもいい。わかんねえことあったら聞け」
睦月「助かる。技術面でお世話になるよ」
オタ「我オタク故に我あり……オタでござる」
睦月「ドラマのオタクみたいだ……」
ブチ「あっはは……オタはね、わざとそうしてるんだよ」
睦月「なんでまたそんな」
オタ「変に羞恥心を持ってしまえば、己が行動の抑制に繋がってしまいますからなぁ……振りとて恥知らずを装えば、即ち恥知らず也……というわけですぞ」
睦月「わかるようなわからんような……でも、そうだな。彼女の趣味のこととかで、わからないこと聞けるかな……」
ブチ「あっ……か、彼女いるんだ」
クラ「へぇ……そうなのか」
オタ「有名な話でござるぞ」
睦月(……露骨に安心した雰囲気出たないま)
ヒメ(ちょっと、余計なこと言わないでよ?)
睦月(はいはい。……まあだからあえて言ったわけだし)
ヒメ(うわー、なんか手慣れた感じがやらしー)
睦月(気ィ遣ってんの!俺なりに!)
クラ「有名ってなんだよ?」
オタ「そもそもあの叶睦月を知らないってマジでござるか?」
ブチ「ご、ごめん……」
クラ「知らねえよ。……剣道だったか?」
ヒメ「わー、すごいね〜。ネットで検索すると沢山出てくる〜」
オタ「新聞にもテレビにもたまに載ってますぞ」
ブチ「……テレビはアニメしか……」
クラ「新聞なんか読まねえよ、いまどき」
オタ「いけませんなぁ、アンテナはありとあらゆるところに張り巡らせておかねば時代の流れに置いていかれますぞ」
睦月「意外に意識高いな!」
オタ「ふふん。……ま、拙者が睦月殿を知っているのは別口でござるが」
睦月「え?」
オタ「今は深くは語りますまい。しからば!今日は睦月殿の歓迎会ですな!」
クラ「おう、飲み行くか?」
ヒメ「オタくん家〜?居酒屋さん?」
ブチ「睦月くんはどっちがいいかな?」
睦月「え、そうだな……」
睦月「……居酒屋かな?」
オタ「心得た!金曜日だけに予約しておきますかな」
ブチ「パソコンで見ようか。どこにする?」
クラ「そうだな、こっちの……ああその下の店がさ」

ヒメ「店選びは任せるとして……ねえ叶くん」
睦月「うん?」
ヒメ「何で居酒屋がいいの?なんか間があったよね」
睦月「……結構変なとこでするどいタイプ?」
ヒメ「ふっふっふー、侮るなよ女子の感覚を」
睦月「まあ、何だ……誰かの家だと、もし泊まり込みとかになったら彼女がいい気しないかなって。それだけ」
ヒメ「あー……。なに?案外一途系?」
睦月「案外ってなんだ」
オタ「睦月殿!食のお好みは!?」
睦月「おっ、見せて見せて。俺も混ざるよ店選び」
ブチ「こことか、飲み放題付きで……揚げ物おいしいんだ」
クラ「いやー焼き鳥だろ。ここの塩はたまらんぞ」
オタ「海産に強い店というのもオツですぞ!」
睦月「どれもいいなこれ……あ、ここは?」
クラ「そこはだなぁ、悪くはないんだが……」
ブチ「……で……なんだよね……」
オタ「ふほほ!」

ヒメ「何か早くも馴染んでるしー」
ヒメ「……イイ感じじゃん?」

41名無しさん:2018/10/09(火) 10:33:33
真冬「……」
真冬「……」
真冬「……」
秋穂「ああ、いた」

秋穂「……やあ真冬。待たせたね」
真冬「あ、秋穂お姉さま。……来てくれるとは思いませんでした」

真冬『あっお姉さま☆ 明日暇ですか?』
秋穂『特に用事はないよ』
真冬『ですよね。お姉さまは恋人いないですもんね? 私はいますけど! あはっ☆」
秋穂『要件を言いたまえ、愚妹』
真冬『はぁい。ひさびさに女子会しません?』
秋穂『……考えておく』ガチャッ
真冬『あ、ちょっ、場所は!?』

真冬「場所も聞かずに切ったから来ないものだと」
秋穂「どこにいるかの検討はつくからな」
真冬「あとめっちゃバカにしたのに来てくれるんですね」
秋穂「自覚があるなら直せ」
真冬「あはっ☆」
秋穂「ま、小憎たらしいが可愛い妹が電話越しで妙に沈んでいる様子なんだ。気にならない姉はいないよ」
真冬「……えっ? 真冬そんなに沈んでました?」
秋穂「君は分かりやすいからな」
真冬「……ええー……真冬結構本心隠すの得意だと思ってますけど」
秋穂「他人が見ればそうかもしれないな。だが姉にはわかる」
真冬「…………」
秋穂「軽薄……いや、小悪魔ぶっているとでもいうか」
真冬「言い方!」
秋穂「不安を隠すために君はよく仮面を被るね」
真冬「……」
真冬「……時折」
秋穂「うん?」
真冬「秋穂お姉さまの大人の部分を見せつけられて悔しくなります」
秋穂「姉が妹より大人でなくてどうする?」
真冬「そういう余裕も……今までなかったのに。私だけ置いていかれてるみたい」
秋穂「失恋が私を大人にしたのさ」
真冬「そうやって自分を客観視できるところとか、私の中の秋穂お姉さま像が崩れちゃう……」
秋穂「ははは」
真冬「……でも、お姉さまがそう言ってくださるなら甘えてしまいますね」
秋穂「妹のわがままを聞くのも姉の務めだ。存分に言いなさい」
真冬「……お姉さま、睦月さんと大学同じですよね」
秋穂「ああ。なんなら講義も同じだが」
真冬「嫉妬で狂いそう」
秋穂「愉快な人だよ。私が少し揶揄うと一に真冬二に真冬だ」
真冬「えっもう睦月さんったら……じゃなくて何してんですか秋穂お姉さま!!」
秋穂「未来の義弟を揶揄うくらい義姉に許された権利だろう? かつての千夏姉様の気持ちもわかる」
真冬「……お姉さまほんと食えない人になりましたね」
秋穂「ありがとう。それで?」
真冬「あ、ああはい……それで睦月さんが、最近他の女の匂いを漂わせてまして……」
秋穂「へえ」
真冬「カメラサークルに入ったってのは聞きましたし、私しか撮らないとは言ってくれてるんですけれど、それでもやっぱり気になっちゃって」
秋穂「彼を監視しろと?」
真冬「有り体に言えば」
秋穂「ふむ……まあいいだろう。何かサークルには入ろうかと思っていたところだしね」
真冬「本当ですか!?」
秋穂「だが真冬。叶くんからその女性だけでなく私の匂いも漂ってくるかもしれないがそれはいいのかい?」
真冬「えっ……あー……うぅ……よ、良くはないけど……でも、信頼できる人はお姉さまだけだし……」
秋穂「フフフ……」

42名無しさん:2018/10/12(金) 04:22:20
睦月「ただいまー、っと……」
睦月「真冬いないのか、向こうの部屋か? 珍しい」
睦月「……もう寝てるかな。微妙な時間だ」

睦月「真冬ー……起きてたか」
真冬「あ、お帰りなさい。早くないです?」
睦月「出来れば真冬が寝る前に帰りたかったからな」
真冬「と、仰いますと……」
睦月「不安な気持ちのまま寝かせたら寝覚めが悪い」
真冬「……んふふ」
睦月「うん?」
真冬「楽しかったですか?」
睦月「そうだな、気のいい連中だったよ」
真冬「それは何よりです、お食事は……済ませましたよねこの時間なら」
睦月「うん……。なんだどうした?」
真冬「……思ったより不安でした」
睦月「そうか、ごめん」
真冬「睦月さんが謝ることではないですよ、何でしょうね……思ったより自分が弱いというか、臆病というか……そんなことに気付いて、複雑な気持ちです」
睦月「俺はとっくに知ってるけどな」
真冬「あはは……」
睦月「はは……」
睦月(本当に思ったより沈んでるな!!!)
睦月「とりあえず不安じゃなくなるまで寝かさんぞ」
真冬「ええ? 真冬今日はそういう気分じゃないんですけど……」
睦月「そういう意味じゃないから」
真冬「あは☆」
睦月「若干無理してるな……」
真冬「バレます?」
睦月「ん。まあ、するしないはともかくこっち来な」
真冬「はー……真冬は弱くなったでしょうか」
睦月「昔は強かったのか?」
真冬「と、思いますけどねぇ……」
睦月「昔の真冬をあんまり知らないから、何とも」
真冬「まぁ、昔の真冬より今の真冬を見て欲しいです」
睦月「弱くなったのに?」
真冬「そうですよ。……睦月さんのせいで……睦月さんのおかげで? 弱くなったんですから、真冬は」
睦月「……そうだなぁ……」
真冬「なんです?」
睦月「睦月さんの為に、が、いいなぁ……俺は」
真冬「……ふふふ」
睦月「うん? 笑うとこ?」
真冬「そういうとこ、好きです」
睦月「それは良かった」
真冬「不安な気持ちは、大分無くなっちゃいました……でも、それはそれとしてですねぇ、根掘り葉掘り聞かせてもらいますからね! どんな人がいてどんなことしてきたのか!」
睦月「おーおー聞かせてやる聞かせてやる」
真冬「詳しくはベッドで聞きますね☆」
睦月「途中で寝ない?」
真冬「寝そうになったら襲ってください☆」
睦月「わかったわかった、はいはい」
真冬「……」
睦月「何? ベッド行くんだろ?」
真冬「真冬、移動はお姫様抱っこがいいですねぇ」
睦月「……今日はまあ、やむなし」
真冬「あは☆」

43名無しさん:2018/11/09(金) 19:00:35
真冬「……ん?」
真冬「水無月さんから電話とは珍しい……」
真冬「はい、叶……あっ間違えました☆斑鳩真冬です」
水無月「絶好調ね真冬ちゃん」
真冬「幸せですみません」
水無月「ええ、幸せなところ悪いのだけど睦月くんをお借りしていいかしら?」
真冬「えっ……何ですか、バイトの人手が足りないとか」
水無月「いいえ、個人的に」
真冬「……」
水無月「真冬ちゃん?」
真冬「あ、ああ……。えーっと……急ですね」
水無月「何か予定があるなら今日とは言わないけれど」
真冬「いや、別に予定はないんですけど……」
水無月「そう? なら今日でいいかしら」
真冬「まだいいなんて言ってないですよ。話題を一度日程にずらすことで前段階を無意識に承諾させる心理学の初歩にこの斑鳩真冬をハメようってのは甘いです」
水無月「ふふ、そんなつもりじゃないのだけど」
真冬「どうだか……」
水無月「自信がないの?」
真冬「はあ……?」
水無月「取られそうで不安なのかしら?」
真冬「喧嘩売ってます?☆」
水無月「何も言わずにモーションかけるよりは宣戦布告しておいた方がいいかと思っただけよ? 気遣いから来るものだから、気を悪くしないで」
真冬「……ん、ん〜……何ですか好戦的ですね」
水無月「色々考えていたら現状に思ったより不満があったみたいなの」
真冬「はあ」
水無月「というわけで、この水無月奏……」
水無月「イカせてもらうわ」
真冬「……一日だけなんですか?」
水無月「私と彼次第ね」
真冬「じゃあ一日だけってことですねー」
水無月「ふふふ」
真冬「あは☆」
水無月「それで? どうなのかしら?」
真冬「いいですよ、好きにしてください」
水無月「ありがとう、いいのね?」
真冬「二言はありません」
水無月「じゃあ遠慮なく……またね。真冬ちゃん」
真冬「はいどーもー」

水無月「……ふう」
涼子「みなっち!?」
水無月「五月蝿いわよ涼子」
涼子「いや何今の電話!? 急に重い場面に立ち会わせないでほしいな!」
水無月「涼子……私もこの数年で大人になったつもりよ」
涼子「う、うん……元から大分大人っぽかったけど」
水無月「無二の親友である貴女には話すけれど……」
水無月「私は思ったより嫉妬深くて捻じ曲がった女なのよ」
涼子「……別段意外ではないかな……痛い痛い痛い!」
水無月「当然貴女にも協力してもらうから」
涼子「なんでえ!? 女と女の戦いに巻き込まれたくない!」
水無月「親友でしょ?」
涼子「だけどさぁ〜……」


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