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発掘野球ものスレ

1名無しさん:2016/11/05(土) 22:39:20
【桐島エンジェルハーツ】
年間100敗という不名誉記録を打ち立ててしまった弱小球団。
万年Bクラスながら宝崎を始めとする数人の選手の人気によって観客動員数だけはリーグ屈指。

・橘伊月(22)
主人公格。ポジションは二塁手。
桐島からドラフト1位指名を受けた大学生。
大学リーグでは無冠ながらも打撃と守備にと大いに活躍したため、即戦力を期待されて指名された。
ハーツ一番人気のアイドル選手宝崎恋歌は高校でのチームメイトかつ元カノである。

・宝崎恋歌(22)
ヒロイン格。ポジションは投手(中継ぎ)
4年前に女性選手として甲子園に出場しかけ、一躍時の人となった。
そこに目をつけたハーツに客寄せパンダとしてドラフトで指名されプロ入り。
誰もが彼女の失敗を予想したが、女性らしい細やかなピッチングで中継ぎとしてそれなりの成績を残す。
決してエース級ではないがチームにはなくてはならない存在。
伊月と付き合っていた時期があり、未だに引きずっている節がある。

・駒田俊明(18)
ロリコン。ポジションは外野と投手。
春のセンバツに出場し、夏は県大会で一葉高校と熾烈な戦いを繰り広げた成美高校出身の男。
フロントが何を考えているのかは不明だが、ドラフト5位指名を受け入団。

2名無しさん:2016/11/06(日) 20:08:59
・湊田鶴(27)
ポジションは左翼手又は一塁手。
恋歌と共にハーツの観客動員数リーグトップの理由として君臨する女性選手。
長身痩躯ながらも巧みなバットコントロールで単打の山を築く単打の鬼。
そんなプレースタイルながらも性格は豪快の一言に尽き、加えて酒乱。
ガハハと笑い婚期の話をされたらブチ切れるようなどこにでもいる女の人。
古めかしい自分の名はあまり好きじゃないとかかんとか。

3名無しさん:2016/11/06(日) 20:39:33
・フレッド=メイティ(30)
助っ人外国人。ポジションは三塁手。
いわゆるクソオタでありハーツのベンチには彼が今季一押しのアニメキャラのポスターがいつもかかっている。8
アニメを字幕なしで理解するため日本語の勉強は完璧であり通訳いらず。
当たれば超でかいが外す時は超扇風機。ロマンの塊。
声優が始球式に来た試合でテンション上がりすぎて3打数3本塁打を打ったのは伝説。

4名無しさん:2016/11/06(日) 20:48:26
【大錦ナーリーキンズ】
金はある!!勝ち星はない!!それが大錦ナーリーキンズ!!!
トレードが下手なのか?育成が下手なのか?もしや呪われているのか?
優れた環境と金に物を言わせたトレーナー陣がいながらにして何故か勝てない万年Bクラス球団
選手からもナーリーキンズにいくと芽が出ないと敬遠されがち

・三岸セイ(22) 投手
主人公。コミュニケーションが不得手。暗い。
敵からも味方からも「やりにくい投手」として知られる。
ピッチングの組み立ての正確さと多彩な球種、不意に見せる勝負強さが噛み合い表面上の成績は悪くない。
しかし連携が苦手なこともあり守備面は劣悪でバッティングもお粗末。急時代的な「ピッチングだけの投手」である。
また、彼自信も開き直りを見せている側面がある。
チーム内でもやや浮いているが、そこはバッテリー間で何とか和を保とうと苦心している(主に胡桃が)

・胡桃百(22) 捕手
ヒロイン。くるみもも。気が強い。
セイをただ一人的確にリード出来るとして不動のバッテリーとなっている。
本人が望む望まないとは別として、不動のバッテリーとなっている。
セイが何とかチームに溶け込めるよう世話を焼くが、当人が胡桃がいればいいの姿勢なので度々激昂する。
チームプレー、チームの和を重んじる胡桃からするとセイの態度には不満が残るようだ。
「ねちっこくていやらしくて、その癖自分が勝負したい場面では絶対に譲らない。最高にやりにくい相方」だとセイを断ずるが、ナーリーキンズを復活させるキーとなるのは彼だと睨んでいる。

5名無しさん:2016/11/06(日) 21:10:45
胡桃「ああっ! また一人で食事摂ってる!!」
セイ「……うるさいな……」
胡桃「うるさいじゃないでしょうが……チームメイトとこういうところで交流とリなさいっていつも……!」
セイ「いいよ、そんなもの。こっちはこっちでやるよ……」
胡桃「座るわよ!」
セイ「好きにしたら」
胡桃「大体ねえ……アンタはねえ……いつもいつも……」
セイ(また始まった……)
セイ「僕の仕事はピッチングだよ。だから……僕は胡桃だけ見ていればいい」
胡桃「ふん、ふん……なるほどね……馬鹿じゃないの? 野球やってるんですけど? チームスポーツなんですけど?」
セイ「僕にとってはそうじゃない」
胡桃「馬鹿じゃないの……本当に馬鹿じゃないの!? 恋愛じゃないんだから君さえ居ればそれでいいってもんじゃないの!!!」
セイ「れ、恋愛って……そんなことは……言ってないよ」
胡桃「わかってるわよそんなこたあ! プロなんだからプロ意識持てって話なの! プレーだけがプロの仕事じゃないの!!」
セイ「……」
胡桃「ついでに言えばチーム内恋愛とかもそれはそれでプロ意識低いと思うわよ私はね!」
セイ「うぐっ……ど、どうでもいいよ、それは……」
胡桃「本当にまあそれはどうでもいいけど……とにかくチームの輪に少しは溶け込む努力をしなさいってことなの」
セイ「嫌だ」
胡桃「」ピキッ
セイ「というか必要ない」
胡桃「」プツッ
セイ「無意味だ」
胡桃「アンタもう殺すわよ!!!!!」
セイ「プロ意識のない発言だ……」

6名無しさん:2016/11/06(日) 21:18:01
湊「今日の相手は大錦だ! 潰すぞ!」
フレッド「ミナトは相変わらず口だけは強打者デース」
湊「誰がアヘ単じゃゴラァ!」
フレッド「鬼の形相!! そんなだから婚期を逃すん」
湊「アぁ??」
フレッド「ひっ…」

橘「またやってる…」
恋歌「まあ仲は良いんですよねあの二人」
恋歌「脳筋同士相性がいいんでしょうか?」
橘「お前先輩相手に何てことを…」
恋歌「あら? 橘さん……わたしも先輩なのですけれど?」
橘「……失礼、宝崎さん」
恋歌「……」
橘「……?」
恋歌(昔は恋歌って……)
橘「宝崎さん?」
恋歌「いいえ、別になんでもないですよ」

7名無しさん:2016/11/06(日) 21:53:57
・迫水司郎(29)
ハーツのエース。負け運エースとしても知られる。
リーグでも有数の実力を持つ本格派ながら何故か彼の登板時に限って打線の援護が少ないことが多く白星に恵まれない。
それでも入団時からしっかりと先発の仕事をこなし、今季ついにFA権を取得。今年のストーブリーグの目玉とされる。
寡黙な背中で語るタイプ。湊は彼の前だとめっちゃ乙女になる。

・景山晋二(27)
ハーツの正捕手。入団一年目からスタメンマスクを被っている割に陰が薄いと評判。地味だが堅実なキャッチングが持ち味で捕逸は例年ゼロ。打撃はパッとしない。
割と推しが弱くお人好しで、湊とフレッドの暴走の被害者になることが多い。

・千藤翔(25)
ハーツのショート。
俊足を活かした広い守備範囲が持ち味。ただしそれが悪く作用してエラーも相応にある。
軟派で恋歌にもたびたびアプローチをかけているがいつも袖にされている。なおそんな彼でも湊はノーセンキューらしい。
橘とは恋歌を巡るライバルともいえるがたぶん勝負になってない。

8名無しさん:2016/11/06(日) 22:25:52
・犬里綺更(19)
ポジションは中堅。
前年度ハーツがアイドル枠として指名した女性選手。
犬里、恋歌、湊でハーツ三羽ガラス。
恋歌が猫、湊が虎なら綺更は名前通り犬タイプ。
湊の忠実なる舎弟(舎妹?)であり、ハーツの忠犬。
年上の橘にもすぐ懐き恋歌からの警戒度が上がることに。
千藤にも劣らずの超俊足で広い守備範囲を持つが、彼と同じく広すぎる守備範囲が仇となりエラーもそれなり。
湊の舎弟だけあって脳筋気味であり、意見が対立したらすぐにかけっこで白黒つけようとする。
打撃はからきしだが足で稼ぐタイプ。

・久門龍之介(34)
ポジションは左翼手。
アイドル路線をひた走るハーツには数少ないベテラン。
かつては首位打者のタイトルを獲得したこともある名選手であり、その力は多少衰えたがミート力はまだまだ現役。
しかし足回りの怪我に泣かされ守備に不安が残る。
千藤と犬里によるレフトのカバーリングに助けられ、打力で恩返しを狙う。
聖域と揶揄されがちだが彼がいないと打線が全く怖くなくなるのがハーツの弱点。

9名無しさん:2016/11/06(日) 22:43:59
・向坂雄馬(25)
元高校生ナンバーワン投手。
高校時代は甲子園にも出場したエースだったが、肩を壊しDL入りしたことから他球団は指名回避。
社会人に進みながらリハビリを続け、今年外野手としてハーツがドラフト二位指名した。
アイドル張りの甘いマスクを持つことからまたハーツのアイドル趣味が出たと言われており、今年の新人に対するハーツの女性ファン人気を伊月と二分する。
打撃力が壊滅的なハーツ打線の中にあって新人ながらも伊月同様期待値は高い。

10名無しさん:2016/11/06(日) 22:59:38
恋歌「……橘さん、もしよければキャッチb」

犬里「橘さん!! キャッチボールしませんかー!?」
橘「うお、犬里さん?」
犬里「さん付けはいらないっすよ! プロ入りはウチのが早くても橘さんは先輩っすから!」
橘「そ、そうか」
犬里「なんなら綺更って名前でもいっすよ! バッチコイっす!!」
橘「わかったよ。じゃあ綺更って呼ばせてもらう」

恋歌「!!!」

犬里「いっすね! これでより連携が深まるってもんっす!」
橘「そんなものかな」
犬里「ウチらはセンターライン! 守備の要っすからね!!」
橘「なるほど…なのかどうなのか…」

恋歌(あ…あの…あの、泥棒わんこ……!)
千藤「あれー? もしかして恋歌ちゃん今空いてる感じ?」
千藤「ねえねえどう? オレとキャッチボール」
恋歌「しません」
千藤「ですよねー……綺更っちは橘とやってるし……」
湊「……」フフン
千藤「……まああの人はねえな」
湊「んだとコラァ! 翔てめえ! この湊様が付き合ってやろうってんだとっとと来い!」
千藤「うげえ…田鶴っちは」
湊「その名前で呼ぶなゴラァ!!」
フレッド「オーゥ……あれは正しくニホンゴ喋るゴリラデース……」
景山「お、おい、フレッド、湊に殺されるぞ…」
湊「聞こえてんぞクソオタ!」
フレッド「ダレがクソオタだよ行き遅れがYO!」
湊「ハァァぁ!? 行き遅れじゃないし!! まだまだだし!!」

橘「相変わらず賑やかなチームだね」
犬里「それがウチのいいとこっす!!」

恋歌「ぐぬぬ……」
向坂「ああよかった宝崎くん、もし空いてたらキャッチボールを……うん?」
恋歌「ええ、いいですよキャッチボール……橘さんに見せつけてあげましょう…ふふ、ふふふ」
向坂「ああ…僕って当て馬…?」

11名無しさん:2016/11/06(日) 23:16:11
桐島エンジェルハーツ ベストオーダー

1番 遊 千藤 右左
2番 中 犬里 右両
3番 二 橘 右両
4番 左 久門 右右
5番 三 フレッド 右右
6番 一 湊 左左
7番 右 向坂 左左
8番 捕 景山 右右
9番 投手

12名無しさん:2016/11/06(日) 23:28:42
【桐島エンジェルハーツ】
親会社は製薬会社の桐島製薬。エナジードリンクのメタトロンEが有名。
万年Bクラスの弱小球団ながらグッズ展開やアイドル級選手を集めることによる集客効果によって例年黒字を叩き出している。
選手の補強ポイントは1にルックス2に能力とまことしやかに囁かれており、事実湊田鶴、宝崎恋歌、犬里綺更ら女性選手三羽ガラスのアイドル的プロデュースや迫水ら主力選手の写真集発売など多方面に手を伸ばしている。
リーグ優勝は捨てているように見受けられがちではあるが、なんやかんや橘伊月や向坂雄馬らを指名したことは評価されている。(彼らのルックスが際立っていたという面も多分にあるが)
全体的に打線が貧弱であり、チーム打率及びチーム打点はリーグ最下位。打線強化が急務。
一方機動力はリーグでも上位であり、塁に出れさえすれば小技で掻き乱す戦法を得意とする。
千藤が出て犬里が送り橘、久門で返す、または久門が出て湊が進め向坂で返すというのが鉄板パターンか。
フレッドはギャンブルに近いが当たれば超でかい。
先発陣は迫水がリーグ有数の能力を持つが他はそれなり。恋歌も中継ぎとして及第点の成績は残している。
高校時代は恋歌とバッテリーを組んでいた伊月を捕手に引っ張り出す計画が進行しつつあるとかないとか。

13名無しさん:2016/11/06(日) 23:56:52
湊「ガハハ! 今日は大勝! じゃんじゃん飲めー!」
橘「酒豪というかもはや酒乱の域だなあれは……」
犬里「橘さん! お酒注ぐっすよ!」
橘「ああ、ありがとう……」
犬里「ウチも早く飲みたいっすねー。そしたら姐さんと盛り上がれるのに」
恋歌「綺更はお酒を飲まなくても十分湊さんと波長が合ってると思いますよ」
犬里「え? そっすか?」
恋歌「ええ」
橘「宝崎さん、いつの間に隣に?」
恋歌「……悪いですか?」
橘「いや、驚いただけだ」
恋歌「……そうですか」

千藤「なあおいおかしくね?」
向坂「何がですか?」
千藤「恋歌ちゃんも綺更っちも橘橘って、オレは? ねえオレはどうなんだよ向坂ァ!」
向坂「いやどうって言われても……」
フレッド「フッ……千藤、女心は水物デース」
景山「なんだそりゃ……」
フレッド「だけど! 二次元はオマエを裏切らない!」
フレッド「だからカモン! こっちの世界へ!」
千藤「やだ! 絶対ヤダ!!」

湊「飲め飲め飲むぞー! 久門さんもほらほら!」
久門「いやあ…私はお構いなく…」
湊「うーん、そうですか? じゃあ不肖湊田鶴、これより一気を…」
迫水「……湊、そこらへんにしておけ。体に障る」
湊「へっ……あっ、はい……」
迫水「……」
湊「あ……ぅ」

橘「え…なにあれ」
恋歌「見たままですよ」
犬里「なんで姐さん黙っちったんすかね??」
橘「いやそれは……いや、ううん」
恋歌「存外乙女ですよ、あの人」

14名無しさん:2016/11/07(月) 07:24:58
・宮篠御塚(24)
ライバル兼ヒロイン格。投手。ハーツとは別チーム。
大学リーグではほぼ敵なしだった投手四冠エース。
伊月とはリーグ在籍期間の被りが短いものの、彼女の球を芯で捉えた初めての存在として強く記憶している。
伊月もまた彼女との通算成績は全敗のためかなり強く意識しており、プロ入り前の楽しみを彼女との対戦と語ったほど。なお恋歌は不機嫌になった。
アイドル性は抜群のため当然ハーツは彼女を一位指名したが競合の末抽選に敗れた経緯がある。

15名無しさん:2016/11/07(月) 07:37:57
【試合前】

宮篠「失礼しまーす」
千藤「おおっ! 御塚ちゃん! 試合前にベンチに来てくれるってことはあれ? ついにオレと食事に」
宮篠「いえ、それはまたの機会に」
湊「あしらわれてやがる」
千藤「うっせーっすよ!」
湊「で? どうした宮篠。うちに何か用か?」
宮篠「伊月くんはいるかな?」
千藤「また橘かよチクショー!」
宮篠「また橘……?」
湊「なんでもねえ。橘ならそこらへんで……ああ、恋歌と話してるな、あそこだ」
宮篠「あ、本当だ。ありがとう田鶴ちゃん」
湊「名前で呼ぶんじゃねえ!」

恋歌「今日の先発は宮篠御塚……球威はないけれど正確無比なコントロールは脅威ですね」
橘「ああ…知ってるよ」
恋歌「知ってるんですか?」
橘「あの人は俺がプロ入りした理由のひとつだからな」
恋歌「……へえ、そうですか」
橘「なんで声低くなったの?」
恋歌「別に……」

宮篠「伊月くん!」

橘「御塚さん!?」
恋歌(御塚さん…って、伊月を名前で!!!)
宮篠「や、久しぶりだね」
橘「そうですね……二年ぶりくらいですか」
宮篠「君との対戦、すごーく楽しみにしてたよ」
橘「俺もです。昔の俺とは違うこと、見せてあげますよ」
宮篠「言うねえ。でもプロでより成長した私は強いよ〜?」
橘「なおのこと楽しみですよ」
宮篠「ふふふ、そっか。じゃあ、楽しみにしてるよ! じゃあね!」
橘「ええ!」
恋歌「…………」
橘「……相変わらず爽やかな人だな、ってどうしたんだ宝崎さん」
恋歌「別に何でもありませんよ……」
橘「???」
恋歌(私がそばにいない間にどんだけ女引っ掛けてるんですか!)

16名無しさん:2016/11/07(月) 09:50:44
恋歌「……」
胡桃「相変わらず不機嫌そうね」
恋歌「相変わらずってなんですか」
胡桃「いつもファンに見せるあの嘘くさい笑顔はどうしたのよ?」
恋歌「嘘くさいって…失礼ですね胡桃さん」
胡桃「まあなんでもいいけど……あ、店員さん、生ひとつね」
恋歌「お酒飲むんですか? プロ意識低いんじゃないですか?」
胡桃「いいのよ! 酒は百薬の長なの!」
恋歌「まあいいですけど……」
胡桃「で?」
恋歌「……で、とは?」
胡桃「オフに呼び出したんだからなんかあるんでしょう、話が」
恋歌「まぁ……そうですね……」
胡桃「同期で女性選手同士、仲間のよしみよ。この胡桃百にどーんとまかせておきなさい!」
恋歌「……これはチームメイトの話なんですけど」
胡桃「うん」
恋歌「その人、チームの中に好きな人がいるらしくて」
胡桃「喝!!」
恋歌「!?」
胡桃「プロ意識が低いわ!!」
恋歌「……」
胡桃「野球は私たちの生業なんだから。職場に恋愛感情を持ち込んだら拗れるじゃない」
恋歌「でも好きな人にいいところを見せたくていつも以上のピッチングができることもありますよ」
胡桃「……恋歌あんたチームメイトの話じゃなかったの?」
恋歌「!!!」
胡桃「ふーん、へえー、ほー、なるほどねえ」
恋歌「あ、いや、これは……」
胡桃「相手は、さしあたり橘ね」
恋歌「!!!」
胡桃「わかりやす……」
恋歌「……知っての通り、彼、結構アレでしょう?」
胡桃「顔はいいわね。宮篠さんともいい雰囲気だしそっちの犬里ちゃんとも仲がよさげ。女性ファンも多いみたいね」
胡桃「ライバル多いんじゃないの? まあチーム内恋愛はどうでもいいけど……」
恋歌「…でも、橘さんは……ううん、伊月は……その、元カレなんですけど……」
胡桃「えっ」
恋歌「私がプロ入りするから別れて……それで……伊月もプロに入って迎えに来てって……」
胡桃「言ったの?」
恋歌「言ってない……」
胡桃「彼女としての意識が低いわ!!」

17名無しさん:2016/11/07(月) 13:31:09
・宝崎恋歌
高校時代は橘伊月とバッテリーを組んでおり、彼と交際していた。
一目惚れの感が強く、恋歌から伊月に迫り晴れて恋人になったが、自身がプロ入りするため別れ話を切り出した。
「プロで待っていますから」と述べた彼女としては「プロ入りして迎えに来てね」といったニュアンスでいたのだが、超がつくほど鈍感な伊月としては一人の勝負人として、「これからは恋人でなくライバルだ」といった意味で捉えられている。
かなりめんどくさい性格をしており、伊月が自身とのバッテリーを解消した後、誰の球も受けていないことに微かな安心感を覚えるのと同時に、捕手というポジションにはなんの未練もないかのように活躍する姿に複雑な思いを抱いている。つまり自分だけの捕手でいてほしい。
彼女の部屋には伊月の記事が書かれた新聞記事や雑誌のスクラップが大事に保管されている。ちょうめんどくさい。
自分から告白して振った手前もう一度告白する勇気がなく、伊月から来てくれないかなと密かに願う。
また、飲み会や練習時など、伊月の隣をちゃっかり確保していることが多いためチームのみんなにはバレかけている。

18名無しさん:2016/11/07(月) 22:22:53
・橘伊月
高校時代のポジションは捕手。大学に進学後は二塁を主に守り、プロでも二塁を担当。
捕手時代は宝崎恋歌とバッテリーを組み、県大会ベスト8にまで駒を進めた。大学で覚醒しハーツの補強ポイントと見事に合致し一位指名。
高校時代は恋歌と交際していたが、彼女のプロ入りを境に交際解消。「プロで待っていますから」という恋歌の発言を「もう恋人じゃない、プロではライバル同士だからよろしくな!」と解釈した。
しかし恋歌との破局(?)は多少とて心境になんらかの影響を与えたのか、大学時代に恋人がいたことはない。
が、大学リーグで2学年上のエース、宮篠御塚とのライバル関係はちゃっかり育んでいる。
プロ入り後は開幕一軍帯同を果たし初戦から3番打者という大役を任される。

交際時は恋歌を名前で呼んでいたが、プロ入り後は先輩として宝崎さんと呼ぶ。
鈍感で時折毒を吐くが概ね穏やかな性格である。

19名無しさん:2016/11/07(月) 22:43:29
湊「しゃ、しゃこみずしゃん!!」
迫水「……、……? 俺か?」
湊「は、はいっ!」

千藤「オイオイオイ、あれ本当に大丈夫か?」
向坂「どうだろうね。キャプテンがあんなに緊張するなんて」
綺更「なんで姐さんはあんなカミカミなんすか?」
恋歌「色々あるんですよ……気持ちはよくわかります」
伊月「へえ、そうなんだ」
恋歌「…………」ゴスッ
伊月「なんで殴る……」
千藤「いちゃつくんじゃねえよ橘ァ!」
恋歌「い、いちゃつくだなんて……」
伊月「そんなのじゃないですよ」
恋歌「…………」ゴスッ
向坂「女心がわかっていないなあ橘くんは」
景山「いや……ていうかお前ら何してんだよ」
フレッド「まな板ゴリラがカマトトぶってるのを観察デース」
千藤「フレッドお前マジ殺されるぞ」
フレッド「オマエラがチクらなきゃ万事ノープロブレム!」
恋歌「キャプテンがついに迫水さんをデートに誘うというので」
向坂「全員で応援って感じです」
久門「私も若い頃は初々しかったなあ……」
景山「久門さん34ってまだ若いんじゃ……」
綺更「ってか、姐さんはデートのお誘いするつもりだったんすか!? 気づかなかったっす!」
千藤「ほんと脳筋だな〜綺更っちは」
綺更「デート……ウチ、デートしたことないっす。橘さんはあるっすか?」
伊月「ああ、あるよ」
恋歌(ふふんそうでしょうそうでしょうとも)
綺更「じゃあ今度ウチのこと連れてってほしいっす!」
恋歌「はぁぁぁ!?」
伊月「宝崎さん?」
恋歌「……なんでもありません」
向坂「ははは……」

湊「で、でっでっ、で……」
迫水「で?」
湊「で……あ、ぅ、あ……」
迫水「……」
湊「ああああああああ! バッセン! バッセン行きましょう! かっ飛ばしましょう!!!!」
迫水「……? 構わないが」

千藤「おいおい……」
恋歌「ヘタレですね……」
向坂「うん……まあ宝崎くんには言われたくないだろうね」
恋歌「!?」

20名無しさん:2016/11/08(火) 23:38:13
【王ヶ峰ティターンズ】
球界の盟主。大正義。常勝を規定された球団。
ハーツやナーリーキンズと同リーグで、現時点で3年連続リーグ優勝を達成している。
補強を惜しまぬ親会社のバックアップと高レベルな所属選手たちが見事に噛み合いまさに黄金時代を迎えている。
ハーツにとってもナーリーキンズにとってもラスボス的存在になるであろう。
代表的な選手はキャプテンで4番サードの御園直哉。
そのほか、宮篠御塚も同チームで先発ローテーションの一角を担っている。

・御園直哉(27くらい)
詳しくはまおめんに任せるが所謂前作主人公。最大の壁。
高校時代のマネージャーと結ばれたらしい。

・宮篠御塚(24)
ティターンズの先発ローテの一角を担う未来のエース候補。
球威はあまりないが、正確無比なコントロールとリリースポイントが非常に見辛いフォーム、打者のリズムを崩す投球のテンポ等を駆使して優秀な成績を残している。

21名無しさん:2016/11/09(水) 12:45:19
・烏丸栄一(27くらい)
投手。ティターンズと首位争いを繰り広げるチームの所属。
マックス156km/hの直球に、鋭く落ちるスライダー、打者の手元でブレるスプリット、タイミングを崩すカーブに魔球ナックルすら使いこなす球界のエース。
御園直哉とは高校時代からのライバルであり、プロ入り後も熾烈な争いを繰り広げている。
噂では高校時代の後輩でもあった直哉の妹と交際しているようだが、兄の直哉をまだ完全には納得させられていないようだ。

22名無しさん:2016/11/09(水) 17:24:34
・渋沢拓杜

投手。輝かしい記録や超人的な成績こそないものの「ここ数年ナーリーキンズを支えてきた男」とされる存在。
ピッチング・バッティング・フィールディング全てにおいて平均よりやや上レベルに達している。
縁の下から時には中心からチームを支えてきたその姿に監督・コーチ陣やチームメイト、ファンからの信頼も厚い。
しかし目立った活躍があるというわけではなく堅実な成績と結果を積み重ねてきた存在であるため度々話題になるわけではない。
また「キンズの核は渋沢だけどな」というあまりにも通ぶったコメントがSNS上で拡散され「○○の○○は渋沢だけどな」というお決まりの定型がキンズファンの中で密かに流行している。
「胡桃の正体は渋沢だけどな」「明日の一面は渋沢だけどな」「御園の奥さんは渋沢だけどな」

23名無しさん:2016/11/09(水) 22:23:48
・千藤翔(25)
ハーツの核弾頭。
ノリが軽く女の子が大好きないわゆるチャラ男。
伊月と向坂が入団するまではイケメン枠だったが今は芸人枠に片足突っ込んでいる。
可愛い子と見るや声をかける軟派な性格だが必ずどっかしらで邪魔が入る三枚目さが憎めないと評判。
また、空気を読んで自分からスベりに行くなどそのコミュ力の高さを駆使してハーツのムードを高レベルに保つ仕掛け人でもある。
伊月に対し腐れイケメンだの橘の野郎だのブー垂れてはいるが、ともにセンターラインを守る戦友として大いに信頼している。
ハーツ球団職員の美人な姉と妹がおり、彼女らを狙う選手もいるとかいないとか。

・犬里綺更(19)
ハーツの核弾頭パートツー。
いつでも元気なスポ根美少女。眩しい笑顔と八重歯がチャームポイント。ハーツの妹キャラ。
前年度にハーツからドラフト3位指名を受け、まずは客寄せとして起用されるがそのチャンスを活かして見事に活躍を果たし、晴れてレギュラーに。
センターを守っていたベテランがFAで別球団へ移ったため、機動力のある綺更は重宝されている。
名は体を表すと言わんばかりの犬っぷりで伊月に速攻で懐き、恋歌をやきもきさせる。無自覚に一目惚れした節もある。
千藤はセンターラインを守る戦友であり、比較的行動をともにする機会が多い。また、湊を姐さんと呼んで慕う。
恋歌のことも恋歌先輩と呼び、尊敬の眼差しで見つめるため、恋歌本人はすごくやり辛い時があるらしい。

24名無しさん:2016/11/10(木) 23:25:08
【士道ラウンドナイツ】
王ヶ峰ティターンズ最大のライバルとされる球団。
ティターンズ対ナイツの対戦カードは伝統の一戦とされ人気を誇る。特にナイツ烏丸対ティターンズ御園の対決は高校時代から続くライバル関係ということでファンの楽しみのひとつである。
リーグ1位の座をほぼ毎年のようにティターンズと争うが、ここ最近は負けが込んでいる。
繋ぎを重視し着実に点を重ねるチームカラーを持つ。
宮篠、伊月はこの球団のファン。(だった)

25名無しさん:2016/11/11(金) 11:03:46
・柴十三雄(34)
然程目立った活躍もなくプロ野球人生の幕を降ろしかけているベテラン。
生涯一度も優勝チーム在籍経験無しと本人は語る(実際には一度だけある)。
お取り寄せ食品マニアであり、それをツマミにちびちびと一人飲みすることが趣味であったが、ある日それがキンズ内に露呈。
それ以来柴宛の荷物が寮に届く度、誰ともなしに情報が拡散し皆が酒とツマミを持って部屋に押し掛ける。
その度柴は「俺は一人飲みが好きだって言ってんだろ!」と息巻くが、最近は予め多目に取り寄せているようだ。
忘れかけていた勝ちを貪欲に追い求める執念をセイに呼び起こされ、彼の中に眠っていた夢が再び息を吹き返す。

26名無しさん:2016/11/11(金) 15:30:35
・キリちゃん(年齢は乙女のヒミツ)
ハーツの親会社桐島製薬会長であり、ハーツのオーナー。
本名桐島巌。キリちゃんと呼ばないと怒る。
年齢不詳の筋骨隆々としたオネエ様であり、その肉体美は現役アスリートの選手たちに引けを取らない。
「可愛いは正義、そして強ければなお正義」がハーツの信条であるが、それは彼女の薫陶による。
女性選手へのサポート体制は盤石だが、男性選手へも負けず劣らずの好待遇を忘れない。
ハーツの隆盛は女の子あってこそという強い信念を元に、有望な女性選手獲得への努力を惜しまない。

27名無しさん:2016/11/12(土) 01:27:04
恋歌「由々しき事態です」
胡桃「ねえ恋歌。いくら月曜は確実にオフだからってこう毎度毎度呼ばれたらたまったもんじゃないのよ」
恋歌「由々しき事態なんですよ」
胡桃「……」
恋歌「お話、聞いてもらえますよね……」
胡桃「わーったわよ……」

恋歌「最近橘さんが」

胡桃「はい撤収」
恋歌「なんで! ねえなんでですか!?」
胡桃「ってかあんたいつもその話ばっかじゃない。早く告んなさいよそれで終わりじゃない」
恋歌「で、でもでも……私が振ったわけで……」
胡桃「うん」
恋歌「今さら言い出しづらいっていうか……」
胡桃「いや言い出しづらいとかじゃなくて言いなさいよ」
恋歌「だって……断られたら私たぶん心が死ぬ……」
胡桃「えぇ……」
恋歌「どうにか橘さんから告白してくれませんかね」
胡桃「意識低……」
恋歌「……と、思ってアピールすること数度」
胡桃「アピール?」
恋歌「こう、ベンチで隣に座ったり……」
胡桃「ええっと……確か付き合ってた頃あんたから振ったのよね?」
恋歌「そうですよ……でも結果として振る形になったわけで……私は今でも……」
胡桃「んなの聞かんでもわかってるわよ……問題は橘から見りゃ自分を振った相手がべったりくっついてきてるってことでしょ。軽くホラーよねそれ」
恋歌「えっ」
胡桃「えっ、じゃないわよ……」
恋歌「女の子が距離を詰めてきたら男の子は普通……」
胡桃「二人の関係がフラットだったらそう思ってもおかしくないかもね。でもあんた達一度交際した仲なのにそりゃあ無理でしょ……」
恋歌「そんな!!」
胡桃「なんでこんな駆け引き下手なんだろあんた……」

28名無しさん:2016/11/13(日) 11:47:44
恋歌「……」
湊「なんだ恋歌おまえ不機嫌そうだな」
恋歌「わかりますか」
湊「四年も同じ釜の飯食ってんだから当たり前だろ。で? 話してみろよ」
恋歌「……あそこ」
湊「あぁ? なんだ橘と綺更がどうかしたか」
恋歌「どうかしたかじゃあないですよ…どうかしてるんですよ…!」
湊「いきなりテンション上げてくんなよこえーよ」
恋歌「綺更は…綺更はすっごくいい子で可愛い後輩だったんですよ…」
湊「なんで過去形?」
恋歌「……橘さんと仲いいですよね、綺更」
湊「あー? あー、まあ結構なついてるわな」
恋歌「なんでですかね? あんなに優柔不断で鈍感ではっきりしなくてでも優しいし決めるところは決めるしカッコいいだけの橘さんのどこに」
湊「お前は私に惚気を聞かせたいだけか?」
恋歌「うぅ…とにかく、とにかく綺更は橘さんに距離が近いと思うんです……!」
湊「いいじゃねーか。ありゃ妹扱いだぜどっちかってーと」
恋歌「そうですかねえ……」
湊「心配ならとっとと告白すりゃいいじゃねーか」
恋歌「出来たら苦労しません」
湊「ヘタレだなぁオイ」
恋歌「あーそう言って……キャプテンには言われたくないですよ……」
湊「あぁ? 私の何がヘタレっつーんだよ?」
恋歌「これです」

迫水『湊、悪いがバットを貸してもらえるか』
湊『はっ、はいっ! 私のでよろしければっ!!』
迫水『……? 緊張しすぎじゃないか? 力を抜いたほうがいい』ポンッ
湊『!!!!!!』カァァ

恋歌「題して、乙女湊の軌跡〜第32回〜」
湊「恋歌! てめえ! 何撮って!!!!」
恋歌「別に私が撮ったわけではありませんよ…撮影スタッフは千藤さんです」
湊「よーしあいつ殺すわついでに景山も殺す」
景山「なんで!?」

29名無しさん:2016/11/13(日) 18:51:06
・二神准(20)
今年3年目の高卒遊撃手。
正遊撃手の千藤の影に隠れてはいるが今後が期待される有望な若手。実力は1.5軍あたり。
恋歌の1世代下の選手にあたり、伊月が入団するまでは普通に優しかった恋歌に惚れていた。
そのため恋歌が想いを寄せる伊月への敵愾心は強く、彼をライバル視してやまない。
伊月のことを恋歌を弄ぶ大悪党だと断じ恋歌を巡っての徹底抗戦の構えを見せるが、いささか周りが見えていない感もある。
ポジションがポジションのためいずれは伊月とコンビを組む可能性があるが果たしてどう転ぶやら、である。

ちなみに恋のライバルは伊月だが、野球人としては年下ながらすでにレギュラーの座を掴み取った綺更、同ポジションの千藤をライバル視する。

30名無しさん:2016/11/13(日) 19:15:29
恋歌「……」
二神「恋歌さん!!」
恋歌「二神くん……?」
二神「どうしたんすかそんな落ち込んで」
恋歌「うん、ちょっと……橘さんが捕まらなくて」
二神「橘……? なんで恋歌さんがあの人を?」
恋歌「……二神くんは私の高校時代を知ってます?」
二神「ええもちろん! 隣の県だったけど噂は耳にはいってましたし! 美少女エース現るって!!」
恋歌「それは言い過ぎですね」
二神「ぜんっぜんそんなことないですから! 厳然たる事実です!!」
恋歌「ふふ、ありがとう。……それで、高校時代、橘さんは私とバッテリーを組んでいたんです」
二神「!!!???」
恋歌「成長した私のボール、受けてもらえないかなって……え? あの、二神くん?」
二神「そ、そんな……あの人はキャッチャーだったんすか?」
恋歌「うん、そう。でもやめてしまった……」
恋歌「なんでなの、伊月……」ボソッ
二神「じゃ、じゃあ俺が受けますよ! 恋歌さんの球!」
恋歌「えっ? ……ありがとう、励ましてくれるんですね。でも大丈夫」
二神「そ、そうですか……」
恋歌「それじゃ、私は行きますね。またね二神くん」
二神「は、はいっ!」

綺更「あれ二神先輩じゃないっすか。どうしたっすか!」
二神「い、犬里……」
綺更「あれなんか元気なさそうっすね! 元気出すために肉食いに行かないっすか!?」
二神「肉ゥ?」
綺更「二神パイセンのおごりで!!!」
千藤「おっなになに二神奢ってくれんの!? やるう!」
湊「男だな二神。翔よりよっぽど男らしいぞ! 惚れてやってもいいぞ!」
二神「うわなんだこの人たち!?」
綺更「千藤先輩! キャプテン! いいところに!」
二神「ぜんっぜんよくねえよ!!」

31名無しさん:2016/11/13(日) 22:50:37
綺更「そういえば千藤先輩っていつも女の子に声かけてるっすけど」
千藤「いやいや綺更っち…いつもっていうほどじゃないっしょ?」
湊「いやいつもだろ」
恋歌「いつもかと」
橘「いつもですね」
千藤「うっせーぞ橘ァ!」
綺更「千藤先輩恋人いないんすか?」
向坂「ど直球だね犬里くん……」
千藤「な、なかなか重いストレートぶっこんでくるじゃあないの…綺更っち」
綺更「チャラいわりに意外とっすね!」
千藤「ごふぁっ」
景山「ああ! 千藤がダメージ受けて沈んだ!」
湊「何やってんだか翔のやつ……」
綺更「みんな恋人いるんすか? ウチ気になるっす!」
恋歌「……私はいません」
橘「……俺はいないよ」
恋歌「……」
橘「……」
湊「くっ、ふふ、あいつらハモってやがる」
景山「俺はいるよ」
久門「私も既婚ですね。もうそろそろ10年かあ……」
綺更「やっぱ二人とも大人っす!」
湊「おいおいこの湊のお姉さまも大人だぜ」
綺更「でもキャプテンは……」
迫水「ああ、ここにいたのか湊」
湊「!!!!!」
恋歌「相変わらず乙女回路前回ですね」
迫水「すまないが手伝って欲しいことが」
湊「は、はいzつ! がんばりゅます!!!」
迫水「そ、そうか……」

32名無しさん:2016/11/14(月) 17:44:26
御園「……」
渋沢「おい御園この肉焼けてるぞ」
渚「よっ、さすが焼肉奉行」
渋沢「朝倉もほら」
渚「あはは、なんか久々に朝倉って呼ばれた気がする。ありがと渋沢くん」
渋沢「ああそうか、とっくに御園だもんな……」
御園「……」
宮篠「……あの、キャプテン」
御園「なんだ」
宮篠「もう今更なんですけど……私場違いじゃないでしょうか」
渋沢「そんなことないさ。な、朝倉」
渚「みーそーのー」
渋沢「ああそうか……いやそこはどうでもいいだろ」
渚「まあいいけど。それで御塚ちゃん、どうかしたの? 緊張してる?」
宮篠「緊張しないわけがないといいますか……キャプテンにキンズの渋沢先輩に渚先輩まで……」
御園「マウンドとは違うな」
宮篠「違いますよ! だって先輩たちは母校のヒーローっていうか……野球部では伝説の存在なんですよ!?」
渋沢「宮篠も同じプロ選手なんだけどな……」
宮篠「同じ高校球児だったからこそわかる凄みっていうか……もちろんプロとしても尊敬してますけど母校の偉大な先達として……」
渚「ふーむ、じゃあつまり御塚ちゃんは私たちと焼肉なんか食べにきたくなかったんだ……悲しいなぁ」
宮篠「えええ!? い、いやっ、そういうわけじゃなくて!」
渋沢「おいあんまりいじめるなよ朝倉」
渚「みーそーのー」
渋沢「……あんまり後輩をいじめるなよ御園」
御園「……呼んだか」
渋沢「いつも無口なのに途端にボケやがる……」
宮篠「緊張するなあもう……」

33名無しさん:2016/11/14(月) 23:20:24
ピンポーン
御園「……客か?」
渚「あー直哉くーん、悪いんだけど出てくれるー?」
御園(渚は洗濯中か……)
御園「わかった」
渚「ありがとー」

御園「……どちら様でしょうか」ガチャ
奈緒子「こんにちは、兄さん」
御園「……奈緒子? 珍しいな。遊びに来たのか?」
奈緒子「うん。兄さんとお義姉さんに会うのも久しぶりでしょう?」
御園「そうだな……ところで、なんでお前がそこにいる?」
烏丸「やあ、昨日ぶりだね御園くん」
御園「奈緒子、お前」
奈緒子「烏丸先輩は私の恋人ですから」
御園「……」
烏丸「ははは……」
渚「あーごめんね奈緒子ちゃん玄関先に立たせちゃって」パタパタ
奈緒子「お義姉さん」
烏丸「やあ朝く……いや、御園さん」
渚「こんにちは、烏丸くん。……ほら直哉くんいつまで突っ立ってるの。早く上がってもらって」
御園「奈緒子は歓迎するが烏丸は」
渚「二人が付き合いだして10年も経つのに今更何言ってるの。ほら、とっとと動く!」
御園「…………」
渚「はあ……ごめんね二人とも。こういう時の直哉くんって頑固でさ」
奈緒子「ふふ、よく知ってます」
烏丸「でもそこが御園くんのいいところだよね」
渚「うんうん」
御園「……俺はランニングに出てくる」
渚「だーめ」
御園「……」
奈緒子「お義姉さんにかかれば兄さんも形無しね」
烏丸「抜き身の刀みたいだった御園くんが……変わるものだね」

渚「わかってると思うけど、きょう二人は結婚を認めてもらいにきてるんだからね!」ボソッ
御園「なんだと……」ボソッ
渚「ちゃんとお話、聞いてあげなきゃダメだよ!」ボソッ

34名無しさん:2016/11/15(火) 04:26:07
渋沢「三岸」
セイ「……」
渋沢「三岸ー」
セイ「……あれ。……ども」
渋沢「自主トレか」
セイ「まあそんなとこです……渋沢さんは?」
渋沢「ん? まあ……そんなとこかな、とにかく切り上げて飯にいこう」
渋沢(元々二時間経ったら止めにくるつもりだったけど)
セイ「……いや、僕はもう少し」
渋沢「三岸は熱心なのはいいがオーバーワークは駄目だな。故障したら元も子もないぞ」
セイ「早々故障なんてしませんよ、まだ若いし」
渋沢「駄目だ。……してからじゃあ遅いんだ、そういうものは……そこらの人間よりは分かってるつもりだぞ」
セイ「……わかりました。腹も減りましたし」
渋沢「そうだろ、腹が空いたらやめとくことだ。というか食堂閉まるぞ」
セイ「普段はコンビニとかのものが多いんですけど」
渋沢「あるものは使ってけ? ……っていうかキンズに居て何故……」
セイ「部屋で食べるの好きなんですよ」

渋沢「ギリギリ?」
鯛子「ギリギリもギリギリ、帰りが遅くなったら亭主にどなられっちまうわ」
渋沢「はは、そんなこと言っていつも遅くまでいるじゃない」
鯛子「選手を空きっ腹で居させてのうのうと帰るわけにもいかないでしょうに……ったくもう」カンカン
渋沢「あれ、ノリさんは?」
鯛子「ああ、倒れて運ばれたってのよお、知らない?」
渋沢「えっ……」
鯛子「ああ〜大丈夫大丈夫、死にゃあしないわよお、おばちゃんってのは頑丈なの! 厄介でしょお」
鯛子「それにノリさんったら病院食にケチつけてねえ、アタシが作ってやるって大騒ぎしたらしいわよ」
鯛子「……おや、セイきゅんは珍しいねえ」
セイ「はあ……どうも」
セイ(きゅん……)
渋沢「おお、今日も美味そう」
鯛子「毎日美味いに決まってんでしょ! 自慢じゃないけどねえ、あたしたちならどこの球団の台所でもどこの球団より美味しいものが出来るんだよ!」
セイ「……あの」
鯛子「んん!? どしたの!? おばちゃん美人ですねって!?」
セイ「いや違います……渋沢さんのより明らかに僕の多くないですか」
渋沢「明らかに多いな……何だあタイさん、三岸みたいのタイプ?」
鯛子「何言ってんの! ちっこいでしょうセイきゅん! だあめよもっと食べないと!!」
セイ「いや栄養バランスとか……」
鯛子「人は一人一人体形も体質も違うんだからみ〜んな同じ量でバランスがとれるわけないんだよ!!」
セイ「う……何か説得力があるような……ないような」
渋沢(餌付けだなこれ……)

35名無しさん:2016/11/15(火) 04:45:38
鯛子「それにどうだい? 最近登板も多くなってきてねえ!」
渋沢「俺もヒヤヒヤですよ、下が育つのは嬉しいけど怖いもんですね」
セイ「……いや、僕はまだまだですよ」
渋沢(三岸はどうも否定から入るな……)
鯛子「そうかい? どう? そろそろファンなんてついてねえ、黄色い声援を浴びる頃じゃないかい?」
セイ「いや、僕はそういうファンがついたことなんて……」
セイ「……なく……はない?」
渋沢「お?」
鯛子「おやあ?」
セイ「……と言っても一人ですよ、一人……それもかなり昔……」
渋沢「昔といえる程にはいないだろ?」
セイ「ううん……三年前ですよ。初完封した日」
渋沢「そりゃあなんというか……一生モノの日だな。俺もまだ覚えてるよ」
セイ「そう、球場の外で……震えながら『ファンです』とだけ言って……逃げられちゃいましたけど」
鯛子「やだよおお〜〜青春よお〜〜死んじゃうわあ〜おばちゃんそんなの聞いたら死んじゃう〜」
渋沢「それだけ? 何か話さなかったのか?」
セイ「ええ、まあ……僕も色々高揚してたし、感極まったのは覚えてますけど」
セイ「だからやっぱり、あの日は忘れられないんですよ」
鯛子「いいじゃあないのお……それからは? 会ってないの?」
セイ「そうですね、ぱったり」
渋沢「ま、どっかで元気にしてるといいけどな。出来ればキンズ……いや三岸のか? ファンのままで」
セイ「はは……そうですね」
鯛子「あぁら大丈夫よお、運命ってのは、結びつくべきとこで結びつくようにできてんだから!」
渋沢「ああタイさんと旦那さんみたいに?」
鯛子「いやそれは神様のエラーだわ。大トンネルもいいとこ」
セイ(らしくもなく語ってしまった……ペースに乗せられて……)
鯛子「ああそうそう……そういえばねえ、ノリさんが倒れて新しい子が入って……あれ?」
鯛子「なにしてんのおそんなとこでしゃがみこんでえ!」
鯛子「なに? だめ? なにがだめなの!! ちゃんと挨拶しないとねえ、縁が結びつかないの!」
渋沢(なに?)
セイ(さあ……)

若菜「……っ」
セイ「……え……?」
若菜「あ、あ、……あーっと……私、あの……」
セイ「……あの日の……」

渋沢「なに?」
鯛子「なになに?」

36名無しさん:2016/11/15(火) 05:13:08
セイ「……」もぐもぐ
若菜「……」
渋沢(なにこれ……)
鯛子「粗茶ですが」スッ
渋沢「いや見合いじゃないですって」
鯛子「……はあ〜……しかしねえ……大したもんねえ……」
セイ「……」
鯛子「運命ってやつはねえ……」
若菜「ぬ、沼田さん……」ゆさゆさ
鯛子「タイさんって呼びなあ!!!」
若菜「た、タイさん……」ゆさゆさ
渋沢(ああもう雰囲気……)
セイ「……」もぐもぐ
渋沢(すげえ勢いで食ってる……まさか食い終ったら逃げるつもりじゃ……)
渋沢(ここで食い終る→三岸が帰る→多分今後食堂は避ける)
渋沢「タイさん、三岸がこんなんじゃ米が足りねえって顔してる」
セイ「!?」
鯛子「あらそう? やっぱり? しょうがないねえ」
渋沢(これでタイさんは離れるし拘束時間は増える……三岸は腹の許容量的に諦めるだろう)
渋沢(あと邪魔な要素と言うと……)
渋沢「ああ、手伝いますよ、俺ももうちょい欲しいし。じゃあ三岸、悪いけどちょっと外すぞ」
セイ「し、渋沢さ……」
鯛子「ん? ……あっ、汁物もいるかねえ!?」
渋沢「ああ、いりますねえ!!」

セイ「……」
若菜「……」
セイ「……」
若菜「み……三岸選手……」
セイ「は、はい」
若菜「初完封おめでとうございます」
セイ「……え?」
若菜「ほ、本当は……こう言いたかったんです、あの日……。……あと、この……三年間」
セイ「フ、ファンですっていうのは……」
若菜「えっ!? い、いやっ……それも本当ですよ! でも、そんな私の個人的なことより……伝えたい言葉でしたから」
セイ「……そ、そうか……。うん……ありがとう、でいいのかな……。僕の方は、しっかりとした答えまで考えてはいなかった」
若菜「……あはは……」
セイ「……キンズに居たんだ……」
若菜「い、いえ、つい最近です。調理師免許とってからでしたし……」
セイ「へえ……何でキンズに?」
若菜「えっ!? 何で……何でって……!?」
セイ「え?」
若菜「あ、あああ……その……ファンですから私!! キンズファンですから!」
セイ「そうかあキンズファンだからかあ……」

渋沢(ええ……だからかあじゃないだろ……)
渋沢(ちょっともう……御園と朝倉で無駄に俺の方がひやひやしてたのが終わったと思ったら……)
渋沢(三岸、お前もか……! お前もなのか……!)

37名無しさん:2016/11/15(火) 07:47:27
宮篠「やっ」
伊月「御塚さん」
宮篠「……今日のヒーローだね、おめでとう伊月くん。綺麗なセンター返しだったよ」
伊月「見ていたんですか?」
宮篠「今日は休養日だからね」
伊月「そうですか……わざわざありがとうございます」
宮篠「あはは、そんな畏まらないでよ。私が好きで見にきてるだけだから」
伊月「光栄です。御塚さんに認められてる……ってのは自信になりますから」
宮篠「そう? そう言われると照れちゃうな……」
伊月「……大学時代も相当な実力だったけれど、こっちに来てより一層実力をつけている……」
伊月「ましてあのティターンズのローテに食い込んでいるんだから、尊敬しない理由がないくらいですよ」
宮篠「……ありがとう。そう言われると、私も俄然燃えてくる」
宮篠「今の私があるのは伊月くんのお陰だからね」
伊月「俺の?」
宮篠「君とのライバル関係が私をより強くしてくれた、ってこと」
伊月「ライバルだなんてそんな烏滸がましい……御塚さんの方が俺より数段上にいますよ」
宮篠「そんなことないよ。伊月くんは自分を卑下しすぎ」
伊月「そうですか……?」
宮篠「入団1年目でハーツの3番打者を任されてるんだから。自信持って」
伊月「自信……」
宮篠「自分にプライドを持ってほしいな、私としては」
伊月「プライド……」
宮篠「まあ、言われなくとも持ってはいると思うけど」
宮篠「強烈なプライド意識がしのぎを削り合って、勝者と敗者を生むからこそ、勝負事ってのはすごく燃えるし、すごく楽しい……じゃない?」
伊月「ええ」
宮篠「当然私にもプライドがあるよ。王者ティターンズの先発としてローテの一角を守っていることってさ」
伊月「……」
宮篠「君も君だけの強いプライドを見つけて……そして私にぶつけてきて」
宮篠「私はね、伊月くん。もっともっと、君と燃え上がりたい。魂まで焦がすような勝負をしたいんだ」
宮篠「私の球を初めて真芯で捉えた人だもの。君を完全に捻じ伏せるのは私の野球人生至上の命題だよ」
伊月「御塚さん……」
宮篠「あはは、ちょっと言い方がきつかったかな。でも、それだけ私、君には負けたくないんだ」
宮篠「ううん……違うかな、君にカッコ悪いところは見せたくないってのもあるかもね」
宮篠「ま、結局は勝負が好きなんだけどね。勝つか負けるか……心の芯から燃え上がるような戦いはたまらないね」
伊月「……なんだか意外でした。御塚さんって熱血なんですね」
宮篠「そりゃあそうだよ。そうじゃなきゃ、こんな世界に飛び込んできたりしないもの」
伊月「確かに……」
宮篠「さってと……言いたいことは言ったし、こんなところかな。改めて言うけど、今日のヒーローおめでとう。……カッコよかったよ」
伊月「あ、ありがとうございます……」
宮篠「あ。照れてるな? 初い奴めー」
伊月「そういう御塚さんも顔赤いですよ」
宮篠「え、ええっ、そうかなあ……?」
伊月「……」ポリポリ
宮篠「……へへ」


恋歌「…………」
湊「……おい誰か後で恋歌のフォローしとけ」
千藤「いや無理っしょ……っつーか橘テメェ御塚ちゃんにまで手ぇ出しとんのか!」

38名無しさん:2016/11/15(火) 13:58:27
宮篠「こんにちは、宝崎さん」
恋歌「っっっ」
宮篠「……あ、あれ、私怖がられてる?」
湊「んー、つーか警戒されてるってとこか」
宮篠「警戒? あー、まあ敵チームの投手だしね」
湊「ばっか。それだけじゃあねえよ」
宮篠「へ?」
恋歌「キャプテン!!!!」
湊「おー、おーおー耳元で叫ぶなよ。鼓膜破れるわ」
宮篠「敵チームの投手だから警戒してるだけじゃあないってこと、かな」
恋歌「べっ、別にそういうんじゃありません……けど」
宮篠「なんだろ……私が警戒される理由……」
湊「揃いも揃って鈍いな宮篠! ガハハ!」
宮篠「揃いも揃って?」
恋歌「だからキャプテン!!!」
湊「まあまあ、そう熱くなんなよ恋歌。……ってか宮篠、オメェマジでわかんねえの?」
宮篠「うん、ぜんぜん」
湊「……じゃあよおそうだなァ、お前らの共通点ってなによ?」
宮篠「投手」
湊「……それはそうだがな。なんかこう、あるだろ。共通の友人的な」
恋歌「キャプテン!!!!!!」
湊「うるせーな……」
宮篠「共通の友人? ……田鶴ちゃん?」
湊「名前呼ぶんじゃねえ!」
宮篠「ぜんぜんわからないよ。降参、宝崎さん」
恋歌「お、お気になさらず……」
宮篠「……でも私、あなたと仲良くなりたいな」
恋歌「うっ……」
湊「ガハハハ! 清純派は違うねえ!」
湊「ってえわけで答え合わせといくかァ宮篠」
宮篠「うん」
湊「正解は橘のヤローだよ」
宮篠「橘って……伊月くん?」
湊「やっこさんをお前に掻っ攫われねえか心配なんだよ恋歌のやつ」
恋歌「キャプテン!!! もう迫水さん呼びますからね!!!」
湊「あ、あの人は関係ないだろ! ってかお前もいい加減腹くくらねえとマジで掻っ攫われんぞ」
宮篠「え、いやごめん、待って、宝崎さんは……伊月くんが……えっと、それで……私が、伊月くんを……」
宮篠「えっ、ええっ……そ、そんなこと……」カァァ
湊「え。おいお前もか」

39名無しさん:2016/11/15(火) 17:50:27
・小井中陽大(25)
俺様ショート。我が強いようでプレーは繊細。そもそも大きいのは口だけだったりする。
案の定内面は性格が悪いと言う訳でもないが、プロならばハングリー精神が必要だと考えているようだ。
女性と接するのが苦手なので「球界に女は不要だ!」と主張することもあるが、試合中はそんなことを気にしてはいない。
主張が強いだけあって腕前もそこそこ、キンズに不足していた長打力を担う存在でもある為、彼の一発は大きく雰囲気と流れを左右する。


・榛葉刳扠(25)
はしばくるせさん。技巧派セカンド。
低めの球にめっぽう強い。選球眼が非常に良い。ねちっこいバッティングを信条とし、緩く入ってきた球は決して見逃さない男。
モデルオーラのあるイケメンだが彼自身はあまり女性に興味が無い。四六時中小井中と時間を共にしている変わり者。
コミュケーションが不得手というわけではないが、普段はあまり自分から主張しにいくタイプではない。

40名無しさん:2016/11/15(火) 23:47:08
千藤「だ、大ニュース大ニュース!」
綺更「なんすか千藤先輩。奢りっすか?」
千藤「いやちげーし。ってか綺更っちスキあらば奢ってもらおうとすんなー」
綺更「後輩の特権っす!」
二神「お前! それで俺にたかりまくるのどうにかしろよ!」
久門「でもなんだかんだで面倒見てあげるんだね……偉いなあ二神くん……」
景山「ファイトだ二神……」
二神「俺のことわかってくれるのはお二人だけです……!」
湊「なんかわけわからんトリオができとる」
向坂「わけわからんって……」
伊月「それで千藤さん。何がどう大ニュースなんですか?」
千藤「お、おうそうだった……あの迫水さんがさ」
湊「!」
千藤「さっき女の人と連れ立って街に消えてったんだよ!」
みんな『な、なんだってー!?』
フレッド「ワッツハプン!? サコミズって言ったら一に筋トレ二に投げ込みの練習マニアのハズデース!」
景山「その景山さんに女の影だなんて……」
恋歌「にわかには信じがたいですね」
千藤「いや、だから言ったべ? 大ニュースって」
綺更「でも迫水さんカッコいいし、フツーなんじゃないすか??」
向坂「……確か迫水さんは29歳。世の女性は放っておかないと思うな」
伊月「同感だな……」
久門「とはいえ今までそんなそぶりは見せてませんからねぇ……」
二神「衝撃は大きいですね」
恋歌「というかここにひとり衝撃から抜け出せてない人がいますが」
湊「」
千藤「湊キャプテン、固まってら」
綺更「よほどショックだったんすね……」
景山「珍しいこともあるもんだ」
伊月「無理もない……」
湊「っ、お、おい翔! ついてこい!!!」
恋歌「あ。復活した」
湊「追いかけるぞ! お、追いかけて真意を……!」
千藤「いや真意も何も彼女でしょ」
湊「」
向坂「千藤、追い打ちかけてどうするんだい……」
千藤「たまにはこういうキャプテンを見るのも悪くねえな」
フレッド「後で殺されそうデース…」
伊月「間違いないですね」

41名無しさん:2016/11/16(水) 11:05:14
湊「女子会」
胡桃「え?」
湊「女子会やんぞ」
胡桃「……ごめんちょっと待ってください。タイム」
湊「よかろう」

胡桃「ちょっと恋歌あの人なんか悪いもん食べた?」
恋歌「いえ。いつもと同じように肉を二人前くらいです」
宮篠「っていうかいつもなんだそれ……」
胡桃「女子会なんて言葉、湊さんからは一番かけ離れた言葉じゃない?」
恋歌「聞かれたら潰されますよ……」

湊「聞こえてんぞ胡桃ィ!」
胡桃「ひいぃ……」
宮篠「ま、まあまあお田鶴ちゃん……」
湊「お田鶴言うな!!」
宮篠「じゃあたっちゃん?」
湊「……うーむ。まあいいだろう」
宮篠「なんで急に女子会を?」
湊「悪いか?」
宮篠「悪くないけど」
湊「だったら気にするな。な!」

宮篠「……どういうことなのか知ってる、宝崎さん?」
恋歌「……実は先日ハーツで一番女子力高いのは誰だ選手権を実施しまして」
宮篠「へえ、楽しそう!」
胡桃「何やってんのよ……練習しなさいよ」
恋歌「ハーツの選手である以上そういう路線からは逃れられないんですよ……プロですから」
胡桃「ふむ、まあいいわ」
恋歌「まあぶっちぎりでキャプテンが最下位だったわけで……」
宮篠「そのリベンジに燃えてるってこと?」
恋歌「おそらくは」
胡桃「巻き込まれるこっちはたまったもんじゃないわね……」
宮篠「間違いなくお酒入るよね……」
胡桃「もはや確定事項だわ」
宮篠「……ところでハーツで一番女子力高かったのって、やっぱり宝崎さん?」
胡桃「いやそれはないわ」
恋歌「失礼ですね……まあ私じゃありませんけど」
胡桃「じゃあ綺更?」
恋歌「いえ、二神くんです」
宮篠「男の子も混じってたんだ……」

42名無しさん:2016/11/18(金) 10:57:50
宮篠「ふぅ……」
宮篠(2死2塁……バッターは伊月くん、か)
伊月「…………」
宮篠(思いの外早く来たね……対決の時が)
伊月(勝負の時だ……。負けっぱなしではいられない)
宮篠(……ふふ、いいね、伊月くん。マウンドでその目に射抜かれると……昂ぶっちゃうよ)
伊月(御塚さんの一番の武器はコントロール……四隅に散らされて目が追いつかないうちに打ち取られるのが常)
宮篠(さて……1球目はどうしようかな。伊月くんだったらどうしてくれるかな?)
伊月(右には抜かせたくないはず……)

宮篠「まずはコレっ!」シュッ
伊月(アウトコースへの直球、ボールコース……)
宮篠(……だと思うでしょ? でもね!)
伊月(……ッ、手元で内に入ってくる!)
球審「ストライク!」
伊月「…………やられた」
宮篠(伊月くんが来る時のために磨いたスライダー……お披露目できて嬉しいよ!)

湊「あんな球、宮篠持ってたっけか?」
景山「いいや、これが初投球だろうな」
迫水「コントロールもキレも一級品だな……」
恋歌「伊月のためだけに……投げたんですね……」ボソッ
湊「お? なんか言ったか恋歌よ」
恋歌「いいえ……なんでもありません」

千藤「橘ー! 絶対俺を返せよー!」
湊「三振したら潰す!」
向坂「バッターを脅さないでくださいよキャプテン」

宮篠(あいも変わらず愉快な人達が集まってるね、ハーツには)

43名無しさん:2016/11/18(金) 20:55:07
胡桃(ツーツーかあ……)シュッ
セイ「……」パシッ
胡桃(出来ればこういうカウントになる前に切りたかったわね、倉真選手は)
胡桃(一発があるわけではないけど打率は高いしツーベース製造機なんて言われてるし)
胡桃(……歩かせようかしら、こういう時は私も監督の意見が欲しいんだけど期待できないし……)
胡桃(セイが納得するわけないものね)
胡桃(ここに投げたいんでしょ)パ パ
セイ「……」コク
胡桃(そうよね)

胡桃「……っ」パンッ
胡桃(い……いいとこ……これは手が出ない)
球審「ボール」
胡桃「!?」
セイ「……」
胡桃(はあ!? 今のが!? どう見ても入ってる……っていうかさっきから内に寄ったり外に寄ったりし過ぎよこの球審!!)
胡桃(今のをボールにされてフルカウントってそんな……)
セイ「ふう」ザッザッ
セイ(……ボールか)
セイ(終わった球に未練残しても仕方ない)
セイ(次に自分が投げる一球の事だけ考えればいい)
胡桃(……)
セイ(……)
胡桃(心配ないわね、アンタの場合)
セイ(決め球で)
胡桃(カーブでしょ……カーブが決め球ってのも最近では珍しいけど)
胡桃(不思議と何より安心できる)

胡桃「はー危ない危ない」ガチャガチャ
セイ「ふー……」
胡桃「あの球審……」
セイ「ん? なに?」
胡桃「…………」
胡桃「ん……いや……ナイスピッチ」
セイ「おう」
胡桃(嬉しそうな顔してまあ……水指すことないわね)

44名無しさん:2016/11/18(金) 21:23:08
倉真「うーん……やられたか」
田滝「だっさー」
倉間「そう言うなよ田滝、素直に相手の力を賞賛する方が健全だ」
田滝「三振ないのが自慢なんじゃないの?」
倉真「自慢はしてない。売りにはなってるのか?」
田滝「知らない。でもイメージはそうだよね」
倉真「それはどうも」
田滝「あんなカーブ読めるでしょ、三岸と胡桃だよ。あのカウントで投げるのそれしかないじゃん」
倉真「そうだろうな」
田滝「そうだろうなじゃないよ、読み違えておいて」
倉真「読み違えたと言ったか?」
田滝「は?」
倉真「俺の事を信頼してくれるのはいいが、読めたからって打てるってもんじゃない」
田滝「意味わかんない、読めたら打てるでしょ」

田滝「……」
倉真「……」
田滝「……」ぽすっ
倉真「だっs」
田滝「私が悪かったです……」
倉真「はい」
田滝「思ったよりちょっとだけ凄かった。ちょっとだけ」
倉真「ボール1.5個分は空いてたぞあのスイング」
田滝「カーブしかないと思ってたのに……」
倉真「カーブなら打たれないって思ってるからキメ時にバレてても投げてくるんだろうな」
田滝「……」
倉真「逆に言えばこっちから追い込まないとあんまり放ってくれないっぽいな、あれ」
田滝「そっか……じゃあ早い段階から振ってこ」
倉真「そうだなー……胡桃の配球って特徴あるな」
田滝「特徴っていうか単調っていうかわかりやすい。キンズの監督配球には触れないって話だし」
倉真「うーん、付け込める点は多そうで何よりだけど」
田滝「そんなに出てくるわけじゃないし、三岸と胡桃」
倉真「となると今日やっておかないとあのカーブと当たれるまで空くよなあ」
田滝「そういう暑苦しいのやめない? 意味ないし」
倉真「それよりベンチでくっつくのは暑苦しいしやめないか?」
田滝「やめない」

45名無しさん:2016/11/19(土) 17:06:03
・士道刀麻(28)
ポジションは捕手。
士道ラウンドナイツの正捕手にしてオーナーの長男。
身内人事と揶揄されたこともあったが実力でねじ伏せた。
走攻守全てを高いレベルに纏め、ナイツ打線を引っ張る頼れるキャッチャー。オールスターの常連。
妙に時代がかった喋りをし、結構なとっつき辛さがある。
同じくナイツの投手、士道小刀祢は妹。
ハーツのエース迫水やティターンズ御園らとはタイプ的に似ているので無言だが分かり合う空間が作られるとかなんとか。

・士道小刀祢(25)
ポジションは投手。
ラウンドナイツのセットアッパー。
右打者の首元から鋭く深く切り込み落ちるパワーカーブが得意球。通称介錯カーブ。
士道刀麻は実の兄であり、小刀祢も同じくオーナーの娘である。
兄同様時代がかった喋りをするので二人合わせてサムライ兄妹と呼ばれる。

46名無しさん:2016/11/19(土) 17:27:23
小刀祢「兄上」
刀麻「……外では我々は兄妹の以前に、ひとりの選手だと言ったはずだが」
小刀祢「!」
小刀祢「……失礼、士道選手」
刀麻「うむ。して、何用か」
小刀祢「はっ。ウェイティングサークルへ向かわれると思いましたので、我らが魂をお持ちしました」

田滝(いつものことだけど我らが魂って木刀……)
倉真(まあ、慣れっこじゃないか)

刀麻「……感謝する」
小刀祢「ご武運を!」

***

景山「相変わらずやり取りが時代劇みたいですね、士道さん」
刀麻「……感想など述べる暇があるならば、私を抑える策を練ったほうが良いのではないか、景山」
景山「仰る通りですね……」
恋歌(バッターは士道刀麻……ラウンドナイツで最も怖い選手……)
景山(……ここは歩かせるか……)

刀麻「いざ、尋常に勝負」グッ

恋歌(…………)
景山(宝崎?)
恋歌(……チームのためにはここで彼を歩かせるべきでしょう)
恋歌(ですが……私だって曲がりなりにも投手です。どんな打者にも背を向けたくない気持ちはある)
恋歌(だから景山さん……勝負をさせてもらいます)
景山(ま、スタンドにぶっ込まれても1点だ。うちのクリーンナップが取り返してくれるだろうよ……)
恋歌(それに……)チラッ
伊月「……」コクッ
恋歌(ーー彼が見ている前で、無様を晒す私ではない!)

47名無しさん:2016/11/20(日) 13:23:16
・千藤美羽(27)
ハーツ球団職員。球団主催イベントのMCもこなす。
ハーツ正遊撃手の千藤翔の実姉であり、彼にとっては全く頭の上がらない存在。
酒飲みでノリがよく、同い年の湊キャプテンとは大親友の間柄。恋歌や綺更など年下の選手たちにとってもお姉さんとして慕われる役回りである。
妹の由羽共々美人姉妹と知られ、ハーツ内外にファンは数多い。
弱点は全く料理ができないことと全然彼氏ができないこと。

・千藤由羽(22)
今年度からハーツの球団職員として採用された新人。
千藤翔の実妹であり、美羽は姉。
真面目で心優しい可憐な乙女だが気が小さく押しに弱い。また、無自覚に男性の心をくすぐり勘違いさせること多数。主な被害者は二神くん。
姉共々美人姉妹と名高いが本人は兄以外の男性と接するのは不得手。

48名無しさん:2016/11/20(日) 16:31:05
美羽「はーいそれじゃ首位ティターンズとの三連戦、三タテ回避おめでとう記念会を開始しまーす」
綺更「いえーいっす!」
美羽「まあ実言うと結局負け越しだけどね!」
湊「なぁに、負けは負けだが点をもぎ取って負けたんだ。完封されるいつもの負け方よりよっぽど良いじゃあねえか」
伊月「……」
伊月(結局御塚さんを打ち崩すことはできなかった……まだまだ精進が足りないな)
フレッド「次にティターンズと当たるのは2週間後……フフフ血が滾るデース!」
久門「気合いを入れるのはいいけどフレッドくん、君はもう少し三振を減らそうね」
フレッド「オーゥ……クモンに言われたら何も言えないデース……」
湊「お前はもう少し球みろ球ァ」
フレッド「見てるじゃネーカ!」
湊「見てねーから日に2三振すんだろーがよ」
フレッド「そういうテメーは外野の頭くらい越してみせろヨナ!」
湊「ああ!? 私みたいに華麗だろが内野と外野の間のポテンヒット!」
千藤「いや自分で華麗とかないっすわーキャプテンないっすわー」
湊「おい美羽テメーの弟だろ教育しっかりしろよな!」
美羽「うん、いいわよぶん殴っちゃお!」
千藤「何言ってんだよ姉貴!」
湊「よっしゃあお墨付きィ! 教育したるぞガハハハハ!」

向坂「それでは乾杯」
景山「おう」
由羽「か、乾杯です……」
景山「由羽ちゃんはどうだい、もううちの雰囲気には慣れたかい?」
由羽「は、はいっ、みなさんとてもよくしてくれて……荷物運んでたらいつも手伝ってくださいますし……」
二神「下心満載っすねー……」
恋歌「あれ? でも二神くんも前に由羽さんの手伝いを……」
二神「あ、いや、あれは違うんですよ!」
由羽「あ……そ、そうですよね、私なんかのお手伝いを……」
二神「あ、いやそうじゃなくて!」
向坂「うーむ恐るべし由羽くん、といったところか」

伊月「……」
迫水「ひとりか橘」
伊月「迫水さん……」
迫水「騒がしいのは苦手か?」
伊月「いえ、そういうわけでは。ただ、三連戦のことを考えていて」
迫水「……ティターンズの層の厚さは流石、と言わざるを得なかったな」
伊月「ええ……。打撃は御園選手に神依選手、投げては御塚……宮篠選手」
迫水「それだけじゃない……王者であることに驕らず、常にチーム内でその爪と牙を研ぎあっている……」
伊月「ああいうチームこそが……ペナントレースを制する王者の姿……なのかと感じます」
迫水「……フッ、そうだな」
伊月「……」
迫水「ティターンズに比べればハーツの雰囲気はぬるま湯も良いところなのだろうな」
伊月「……あまり認めたくはありませんが」
迫水「事実だろう。……だが、逆にそれが我々の強み、我々の色だ」
迫水「向こうが互いの爪を研ぎ合っているというのなら、俺たちは全員でひとつの牙を研いでいる」
迫水「巨神の喉元に食らいつく渾身の牙をな……」
伊月「迫水さん……」
迫水「闘志は消すなよ、橘。まだまだチャンスはある」
伊月「ええ、もちろんです!」
迫水「いい返事だ」

49名無しさん:2016/11/20(日) 22:25:48
伊月「宝崎さん」
恋歌「はい。何でしょう橘さん」
伊月「……いま、時間いいかな」
恋歌「ええ、構いません」
伊月「ありがとう。それじゃこっちに来てくれ恋歌」
恋歌「!!!」
伊月「……どうした?」
恋歌「い、いま……いえ、な、なんでもありませんよ」
伊月「そうか……」
恋歌(きゅ、急になんだというのですか……伊月……)ドキドキ

伊月「ここならいいか」
恋歌「球場の空き部屋……?」
伊月「……ふう」
恋歌「どうしたんですか、橘さん」
伊月「恋歌」ドンッ
恋歌「えっ」
恋歌(か、壁ドン……)
伊月「俺はやっぱり君を忘れられない。よければもう一度俺と」
恋歌「伊月……それって……!」
伊月「ああ……改めて俺から告白するよ恋歌。好きだ」
恋歌「うん! 私も! 私もだよ伊月!!!」
伊月「恋歌」ギュッ
恋歌「いつきぃ……!」

***

恋歌「……うぅん、いつき……だめですよそんなとこr」
ジリリリリ
恋歌「んぁ…………」パチリ
恋歌「あれ? いつき……」
恋歌「…………」
恋歌「……ゆめ」
恋歌「……夢ですか……そうですか……」
恋歌「…………」


恋歌「なんであんな直前で目がさめるんですか!」
恋歌「あともうちょっとであともうちょっとだったのに!!!!!」
恋歌「ああああ! やだやだもっと見たかったー!」

50名無しさん:2016/11/24(木) 20:53:14
田滝「げ」
胡桃(捕れる!)
セイ(胡桃は捕りにいくなこれ……)
胡桃(これは流される……とにかく飛びつく!)

小井中「おいおい前見えてんのかあいつ」
榛葉「衝突する」

胡桃(フェンスがあるから大丈夫!)
セイ(大丈夫じゃない!)
胡桃「のわっ……きゃ、っと……おぉ!!」ゴワラガシャン
胡桃「……」スッ
田滝「……うわ、捕るかー……あれ」
セイ「はー……心臓に悪い」
田滝「無茶するねお宅の相方、さーチェンジチェンジっと」
セイ「出来ればやめてほしいけどね」
田滝「はは。うーんどうも今日はいいとこ無いな……」
セイ(何回ヒット級の玉を一人で潰してると思ってんだ……バッティングも悪くないからずるいな)

田滝「捕られた」
倉真「目の前で見た。胡桃は潰れそうで怖いな……ああいうプレイが多くて敵ながら心臓に悪い」
田滝「潰れそうなプレーを潰れないままやり続けられたら厄介っていういい事例だよね」
倉真「さて守るぞ」
田滝「今度は私を抜けるような球が来るかな」

51名無しさん:2016/11/25(金) 19:22:32
渚「ねー直哉くん」
御園「んー……」
渚「この神依さんってどんな人?」
御園「どんな人……」
御園「自信家……というのも違うな。裏打ちされた実力はある」
渚「ふんふん」
御園「不遜だの傲慢だの言われがちだが俺はそうは思わない」
渚「それはまあ……そうだよねー……」
御園「なんだ、さっきからその思わせ振りな……」
渚「似てるもん。昔の直哉くんに」
御園「……ええ?」
渚「何から何までこんな感じだよ」
御園「俺はもう少し聞く耳があったんじゃないか?」
渚「あはは」
御園「いや、あははじゃない」
渚「あははだよもう、記憶にない?」
御園「ない」
渚「ほんとに?」
御園「……少しは」
渚「ほらあ」
御園「こんな風だったか?」
渚「こんな風でしたー」
御園「そうか……」
渚「じゃあこの神依さんも不器用なだけで良い人なんだ」
御園「さあな」
渚「拗ねないでよ直哉くん、褒めてるんだから」
御園「褒められてない」
渚「昔の直哉くんがこんな風に膝に乗せてくれるとは思えないけどなあ」
御園「それは……性格の問題か?」
渚「関係の問題かな? ふふ、まあそれはいいけど」
渚「周りの人は大変だなーって話かな」
御園「……悪かったな」
渚「私は昔の直哉くんも今の直哉くんも好きだけど、世の中そういう人ばっかりじゃないからなあ。ちゃんとコミュニケーションとってあげないとね」
御園「……」ぐにぐに
渚「なんでほっぺつまむのー」
御園「何となくやりこめられた気がしたからだ」

52名無しさん:2017/11/26(日) 22:40:48
・美水瞳(28)
ハーツの守護神。ロン毛が眩しいナルシスト。
劇場型のピッチャーであり彼が登板してもハーツファンの心はまったく休まらない。
芝居掛かった口ぶりやら動きが目立ちファンからはネタ選手として親しまれている。
試合前に女性陣と美しさで張り合うパフォーマンスは彼の十八番。

53名無しさん:2018/09/23(日) 15:00:43
【白金カッパーズ】
エンジェルハーツやナーリーキンズに肩を並べる弱小球団。
親会社は鉄道会社のため金はあるのだが投打が噛み合わず育成は下手と良いところがないのがキンズに類似している。
マスコットは赤銅色の河童。
今シーズンよりオーナーが親会社の社長でもある才媛【白金琥珀】に変わり、様々な改革を断行していくことになる。
手始めに同リーグの王ヶ峰ティターンズに所属していた創業者一族の内野手【白金晶一】を獲得し、選手兼任監督に任命。
リーグ優勝を目指し他の球団としのぎを削っていくことになる。

【白金晶一】
白金財閥の創業家である白金家の跡取り息子。
いずれは巨大財閥の一つである白金を継ぐはずだったが「夢を追いたい」の言葉を残して出奔。
白金家の跡継ぎは晶一の従姉妹にあたる琥珀が継いだ。
実家を出奔後、紆余曲折の果てに宣言通り王ヶ峰ティターンズへの入団を果たすが、同ポジションの御園直哉の台頭により徐々に出番を減らし、控えに甘んじていた。
マルチツールプレイヤーではあるのだが、御園が更にその上を行く選手のため、他チームならばレギュラー確実とも言われる。

今シーズンよりオーナーが琥珀に変わったカッパーズに金銭トレードで移籍。しかもそのオーナーの肝いりにより20代ながら選手兼任監督を任されることになる。
実家出奔時の経緯から琥珀には全く逆らえない。

【白金琥珀】
白金財閥の現総帥。晶一の3歳下の従姉妹。
今シーズンよりカッパーズのオーナーも兼任することとなり、その手腕を振るうことになる。
かつては白金家の一員ではあるものの普通の女子高生だったが、晶一の出奔に巻き込まれ白金を継ぐものとしての教育を無理くり叩き込まれる羽目になった。
そのため晶一は琥珀への罪悪感から頭が上がらない。
それをいいことに晶一相手にはかなりやりたい放題だが、仕方ないね。
昔の口癖は「お兄ちゃんと結婚する」だった。
それがバレそうになると死ぬほど取り乱す。

54名無しさん:2018/10/12(金) 10:01:40
桐嶋エンジェルハーツ 出場選手登録 rev1

【投手】
18 迫水司郎
19 美水瞳
22 宝崎恋歌

【野手】
1 千藤翔
2 橘伊月
3 湊田鶴
6 久門龍太郎
7 犬里綺更
27 景山晋二
28 二神准
51 向坂雄馬
99 フレッド=メイティ

55名無しさん:2018/10/12(金) 10:40:06
・フレデリカ=メイティ(24)
助っ人外国人。ポジションは投手。
フレッドとは違いわりとツンツン気味な先発ローテの一角。
球威はあまりないが多彩な変化球で三振を取る軟投派タイプ。

・園城寺楓(23)
守備要員。捕手以外ならどこでも守れる。
ハーツで一番守備が安定している野手で、どこでも守れる。そのため守備に不安の残る久門や綺更の守備固めとして起用されることが多い。
ただし打撃は綺更レベルであり、綺更ほどの足もない。
寡黙な仕事人タイプでありあまり感情を表にしないが、高校時代の先輩である向坂の前でだけは少しだけ表情が変わるとか変わらないとか。

56名無しさん:2019/07/16(火) 02:17:06
胡桃「……あれ」
渋沢「おう。ここいいか?」
胡桃「おつかれさまです。珍しいですね私のとこにくるの」
渋沢「……ま、こっちの相方が『アレ』だからな」
胡桃「まあ近寄らないのが無難だとは思います」
渋沢「今日はちょっと気になってな」
胡桃「セイのことですか?」
渋沢「ああ、三岸のこともある。……胡桃のこともあるな」
胡桃「私ですか?」
渋沢「うーん、ロッカールーム前でアレはな」
胡桃「……わかってるんですけど……」
渋沢「けど?」
胡桃「腹! 立ったので!!」
渋沢「それでえらい食ってんのか……」
胡桃「いいんですよ! 体重増やすに越したことないんですし!」
渋沢「まあまあ……。直球勝負の気持ちもわかるけど」
胡桃「カーーーーブでいいんですよ!!」
渋沢「うん……でも、そこじゃないんだろ?」
胡桃「……」
胡桃「そう、ですけど……だって」
渋沢「うん?」
胡桃「私だって自分のリード能力がイマイチだってのはわかってますし……セイが首振る投手なことだってわかってます」
胡桃「だから首振った振らない、それで打たれた抑えた」
胡桃「それは問題じゃなくて……あいつが」
渋沢「三岸が?」
胡桃「一人で負けた気になってるってのが、ムカつく」
渋沢「ハハハ、そんなとこだろうな……いいと思うよ、俺は」
胡桃「怒鳴ったことは、すみません……反省します」
渋沢「いやいやいいよ。若い内から枯れちまうより上等だとすら思う」
胡桃「……」
渋沢「俺は多分三岸のことは胡桃より理解してないだろう」
胡桃「……そんなことは。私もセイのこと、未だによくわかりませんから」
渋沢「ただ投手の目線から言えば……勿論自分が負けて悔しいってのもあるんだろうが」
渋沢「みんなと勝ちたかったって、そういう気持ちも必ずある」
胡桃「……あのセイにも?」
渋沢「う〜ん……多分な!」
胡桃「……」
渋沢「しかし胡桃は案外先輩に気を遣うタイプなのか?」
胡桃「ええっ? それは別に……普通かと」
渋沢「そうでもない奴が傍に居た時期が長くてなあ……。ま、俺はこれでおいとまするかな。周囲の視線が痛いし」
胡桃「周囲の視線? なにがですか?」
渋沢「あ、そこの自覚はないのね……」

57名無しさん:2019/07/23(火) 21:30:01
渚「あ、いたいた。久しぶりー」
「あっ御園直哉の嫁だ」
「誰かと思えば御園直哉の嫁だった」
渚「やめてよそういうの……あ、生(小)お願いします」
「いやー久しぶりにお会いしますけどねえ」
「御園直哉さんのお嫁さんにお会いするのは初めてなので」
渚「わかったわかった……私が御園直哉の妻でございます」
「ヒュー」
「羨ましいなあ……」
渚「羨ましいねえ……。まあ実際、不満は一切ないかな」
「不満も何も私は彼氏すらいないし、ねえ?」
「あ、私先週できた」
「はあ!?」
渚「えっ何そうなの? あっ生こっちで……とりあえず乾杯」
「ういー」
「れーっす」

渚「まあ……気苦労はあるけど……」
「知りたい知りたーい」
「御園くんのこと知りたーい」
渚「うーん……直哉くんはねえ……」
「どうせ渚のことだからロクに惚気てないんでしょ?」
「ひさびさにあった友人にくらいぶっちゃけちゃいなよ」
「そうそう、ちょっとその話が週刊誌に載るだけだよ」
「私はSNSでバズるだけだよ」
渚「ロクでもない友人だなあ!」
「おーおー、ちょっと酔ってきてますなあ」
「酒弱いよね渚」
渚「まあー……うん……しあわせ」
「……御園くんってさあ、夜はどうなの?」
渚「ぶっ」
「えーそういうの聞く?」
「気にならないの!?」
「気になるけどさあ……で、どうなの?」
渚「いや聞いてるじゃん」
「何かあんまり性欲なさそー」
「ああ見えて甘えん坊だったりしたら可愛くない?」
「あっそれいいね」
渚「……いや……直哉くんは〜……うん」
「うん?」
「なに?」
渚「…………すごい」
「……」
「……」
「何となく察したわ」
「大丈夫?身体壊されてない?」
渚「言わせといて親身になるのやめてよ……」
「すごいのかあ……」
「……いや罪悪感あるから考えるの良しな?」
「考えてないよ、家に着くまでは考えてないよ」
渚「家に着いてもやめてよ!?」
「るせーな、現実に抱かれてる奴にはわからねえんだよ」
「世界で一番幸福度が高い女である自覚を持てよ」
渚「生々しい話やめようよ〜……」

58名無しさん:2020/07/13(月) 22:41:56
【草野球編】

・城崎秋人(27)
高三の春にセンバツ出場を果たし、その夏には今や日本の四番と名高いティターンズの中核選手御園直哉を擁する一葉高校との激戦を繰り広げた成美高校の初代キャプテンとして高校野球ファンの間ではちょっとだけ名の知れた男。
その経歴が活きて大学卒業後は中小出版社の零細スポーツ雑誌編集担当としてそれなりに充実した日々を過ごしていた。

ある日訪れた河川敷で試合中の草野球チームを目にするが、そこでかつての相方、一条叶と再会する。
高校卒業後に叶と交際を開始するが、一年後に叶が一条家を出奔したため自然消滅した。

・一条叶(27)
成美高校時代は城崎とバッテリーを組み、旋風のようにその三年間を駆け抜けていった速球派投手。
旧家に生まれ、夭折した兄に代わり男のように育てられてきたが、色々あって家を飛び出し自分らしく生きることを決めた。
かつては城崎と交際していたが、大学一年の冬ごろに積もりに積もった生家への不信感が爆発して衝動的に出奔、恋人の城崎に相談なく海外留学してしまった。
交際関係は自然消滅しているものの城崎のことは心に引っ掛かりがあるらしく、彼がライターとなっている雑誌は全て家に保管してある。

59名無しさん:2020/08/08(土) 12:36:13
桐島エンジェルハーツ ベストオーダー

1番 遊 千藤 右左
弾道3 ミートE パワーC 走力A 肩力B 守備D 捕球E
走塁B 盗塁B 積極打法 積極盗塁 積極守備 三振 かく乱 ムラっ気

2番 中 犬里 右両
弾道1 ミートF パワーE 走力S 肩力D 守備B 捕球E
走塁B 盗塁B 送球E 三振 積極守備 バント○ 内野安打○

3番 二 橘 右両
弾道3 ミートC パワーC 走力C 肩力C 守備B 捕球B
チャンスC 送球B 慎重打法 選球眼 守備職人 対エース○

4番 左 久門 右右
弾道4 ミートS パワーB 走力E 肩力F 守備E 捕球E
走塁F 送球F 併殺 選球眼 アベレージヒッター 粘り打ち

5番 三 フレッド 右右
弾道4 ミートE パワーA 走力F 肩力C 守備E 捕球C
チャンスB 併殺 三振 パワーヒッター プルヒッター

6番 一 湊 左左
弾道2 ミートA パワーE 走力D 肩力D 守備C 捕球S
チャンスB 選球眼 ラインドライブ 守備職人 短気

7番 右 向坂 左左
弾道3 ミートB パワーC 走力B 肩力D 守備C 捕球D
チャンスE 送球B ケガF 選球眼 カット打ち 広角打法

8番 捕 景山 右右
弾道2 ミートE パワーE 走力D 肩力C 守備B 捕球A
キャッチャーC 守備職人 ムード○

9番 投手


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