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世界に光が生まれる話。

1名無しさん:2022/11/18(金) 08:06:24
今や忘れ去られたあの日、大地は怒り、人類に大いなる罰を与えた。
世界の光の源を地中深く引きずり込み、世界は暗黒につつまれる。
風は止み、海は荒れ、地軸も自然も生き物たちも、狂い、変わり果てた。
人々は怯えながらも、寄り添いあって村を作り、身を守っている。
絶望と不安の中を生きる人々の間に、救世主伝説が語り継がれていった。
選ばれし若者の魂が必ず、失われた光に啓示を受けるであろうと……
暗黒に染まりし地上は深い悲しみに支配されて、早くも千年が過ぎた。
魔王たる存在が現れ、この光をなくした世界の征服に乗り出したのである。
亜人たちの国は城を焼かれ、住民は離散し逃げなければならなかった。
ドワーフの夫と種を超えた愛を結んだフィンというエルフの少女もまた、
身重の体で魔物の執拗な追っ手から逃げ続けていた……

「ハァッ、ハァッ……」
エルフのしなやかな肢体に不釣り合いなほどに大きく迫り出すお腹を抱え、
荒い息遣いでフィンは木の幹にもたれかかるようにして座り込むと、天を見上げた。
ひたすら逃げて森の奥へ奥へと入り込んだせいか、周りには誰もいない。
茂った木の葉の間から月の光が漏れていて、ここなら魔物も寄って来ないだろう。

さてフィンはどうする?
【安全な場所みたいだ、少し休む】
【休む場合ではない、逃げ続ける】



==
※ゲームブック感覚で次の内容を大まかに指定するのはどうだろう、との試み。
※リレーしてくれる方は最後に次のに繋げる選択肢を二択でつけてください。
※フィンの出産が終わった時点で〆る予定。

2名無しさん:2022/11/21(月) 09:54:28
>【安全な場所みたいだ、少し休む】

「よしよし、いい子だからママを休ませてね」
優しくお腹に声をかけて我が子の胎動をなだめながら、フィンはそっと目を閉じた。
あの人……自ら囮になって逃がしてくれた夫は、無事魔物から逃げ延びたのだろうか。
夫の無事を信じたい気持ちと裏腹に、フィンの心の中には不安ばかりが募っていく。
これでは効果的に休めないと胎児が思ったのか、お腹の中からフィンは蹴られた。
「痛たたた……」
思わず声が出てしまうも、これはおそらく我が子なりの励ましだと理解するフィン。
腕っぷしが強いドワーフですし、この子のパパだもの、あの人ならきっと大丈夫だ。
前向きに思ってフィンはゆっくりと呼吸を整え、再び胎動を落ち着かせようとした。

……草むらの向こうから物音がする……
【きっと、あの人が来たね。居場所を知らせよう】
【まさか、もう追手が来た?いったん息を潜めよう】

3名無しさん:2022/11/21(月) 21:28:09
>【きっと、あの人が来たね。居場所を知らせよう】

(ギムリンが来たのかしら…?でも、魔物かもしれないし…)

夫が来たのだろうか、と思いながら魔物の可能性を捨てきれないフィンは少しだけ悩んで小さく呟いた。

「大地に潜む光の精霊よ、我が手に集いて光となせ。『灯火(ランプライト)』」

魔物は基本的に視覚ではなく聴覚と魔力を探知して人類や亜人を探知するクセを持っている。
下位魔法でも特に魔力消費が少ない『灯火(ランプライト)』を詠唱し発動させた。
さらに、その光を利用し夫から教えてもらったドワーフ式の信号で『ここにいる』と送った。

(これなら魔物にも気付かれないし、ギムリンなら気付いてくれるはず…)

そう考えながら信号を送り続けるフィン。
その光に導かれるように草むらの物音が近づいてくる。

「フィン!」
「あなた!」

小さく叫ぶ夫のギムリン。夫に会えて嬉しかったのか、すぐに抱きしめるフィン。
夫を抱きしめて窮屈になったのか、お腹の中で少し動きを激しくした赤ちゃんをなだめるようにフィンは抱いていた腕を離しお腹を撫で始めた。

夫に会えて安心したフィンは、少しの間であるが身体を休めることが出来た。
そして、夫に今悩んでいることを口にした。

【このまま逃げ続けて、少しは安全そうな街や国でこの子を産もうかな】
【それとも…この森の中で安全そうな場所を見つけて、産んでから逃げたほうがいいかな】

4名無しさん:2022/11/22(火) 09:13:58
>【このまま逃げ続けて、少しは安全そうな街や国でこの子を産もうかな】

と、鬱蒼とした緑に遮られて僅かしか見えない空を見上げてフィンは提案した。
隠れ里で暮らすエルフは排他的だけど、魔物が跋扈する今はそこより安全な場所はない。
非常時だからと言って匿ってくれる保証はないけれど、お腹の赤ちゃんのためでも……。
「うぅ!?」
話題に出たからか、話す途中でフィンのお腹の赤ちゃんは急にドクンッと強く脈打った。
胎動にしては割と痛みを伴っていたため、疼くお腹を抱えてフィンはギムリンの胸板に寄せる。
「フィン!……うぉ?」
フィンを抱きしめようとするギムリンは気づいた。彼女のお腹はカチカチに強張っている。
エルフの隠れ里とやらに着く前に、無理をしているフィンの体が持たないかもしれない。
それでもギムリンはフィンの選択を尊重し、安全そうなこの場所からフィンを連れて逃げた。

二人は一晩中、フィンが示した方角へ向かって、森の中を進んだ。
【エルフの隠れ里の入り口に到着する】
【もうすぐ里のところで魔物と遭遇する】

5名無しさん:2022/11/22(火) 15:37:21
>【エルフの隠れ里の入り口に到着する】

フィンとギムリンは周囲に気をつけながら進み、
お腹を気にする様子を見せたときはギムリンがフィンを姫抱きにして腕で抱えながら歩みを進め、
森を抜けてすぐにエルフの隠れ里に到着した。

『待て』

入り口らしき場所に2人が進むと、門番のように並ぶ2人のエルフがほぼ同時に口を開き槍を構えた。
いかにもエルフといった美形の男性と、美形ながらもエルフらしからぬ傷だらけで隻眼の女性。

「見かけない顔だな」

訝しげに見ながら男のエルフが続けて言葉を話す。

「私たち魔物から逃げてきたんです」
「俺はこの里に入れなくても構いません!せめて、妻だけは…」
「嫌よあなた!離れるくらいなら…」
「2人とも落ち着きなさい」

フィンとギムリンがヒートアップしそうなところを女性のエルフが静止した。

「なぁアレク。この2人、里に入れてやらないか」
「しかし…部外者を易々と入れる訳には」
「とはいえ彼女は孕んでるじゃないか。同じ女性として、母親として思うところはある」
「…わかった、長老に話を伺いに行く。ラキシスは2人と周りの様子を見ていてくれ」

アレクと呼ばれた男がそう話し、ラキシスと呼んだ女を入り口に待機させたまま持ち場を離れた。
フィンとギムリンはただじっとその場所に留まる。
僅かな時間だとは思うが、2人にとっては永遠にも感じていた。
じきにアレクが戻り口を開く。

「長老のお言葉だ。『その者、この里に災いをもたらす可能性を感じる』」

断られたか、と落胆して里から離れようかと考えた2人に、アレクは続ける。

「『しかしながら、その者は光なき世界に大いなる光をもたらす可能性も秘めている』…まぁ要するに、お前らを歓迎するって事らしい」

そうアレクは結論付けた。

「よし、なら私が案内しよう。アレクは交代で見張りを続けてくれ」

ラキシスがそう話し、フィンとギムリンを里の中に入れた。


粗末ながら空き家を借りることが出来たフィンとギムリン。
ベッドやテーブルなどもあり、フィンは近くの椅子に腰掛けた後ギムリンに話しかけた。

【逃げ続けて疲れているけれど、先ずは長老にお礼を言いに行きましょう】
【ようやく安心できる場所に着いたから…少しでも早く身体を休めたいわ。長老にお礼もしたいけど後にしようかしら】

6名無しさん:2022/11/23(水) 10:06:04
>【ようやく安心できる場所に着いたから…少しでも早く身体を休めたいわ。長老にお礼もしたいけど後にしようかしら】

フィンの話によると、森でギムリンと再会した辺りからずっとお腹の調子が良くないらしい。
どんな感じでよくないのか、とギムリンが心配そうに聞いたら、フィンは彼にこう答えた。
「よく分からないわ。まだ産まれる時期じゃないはずなのに……」
じわじわと疼くお腹を押さえる指先から、どくん、どくんと脈打つような感触が伝わってくる。
それは中にいる赤ちゃんが発している合図なのか、フィン自身も分からない、だそうだ。

とはいえ、方向性は少々違うがエルフもドワーフも礼儀を重んじる種族だ。
異種な上に長老へのお礼を後回すのもよくないと考えるギムリンは、一人で行くと決断。
フィンをベッドに休ませた後、彼は自分一人で長老のところへ行こうと空き家から出た。

空き家に一人残されたフィンは
【ギムリンが帰ってくるまで、軽く家の中の掃除でもしよう】
【お腹の調子よくないし、このままベッドでひと眠りしよう】

7名無しさん:2022/11/24(木) 00:35:58
>【お腹の調子が良くないから、このままベッドで一眠りしよう】

じわじわとした違和感があるお腹。
長い間魔物から逃げ続けた疲労感。
フィンは、今はあまり動かない方がいいと考えた。
そして、ゆっくりとした足取りでベッドに向かい横になった。
少しほこりっぽいような、それからカビの匂いがするようなマットレスと布団。
しかしながら、気を張り詰めて休めない状態だったフィンはそれでも満足だった。
横になってすぐ、瞼が重くなり始める。そしてすぐに寝息を立て始めた。

それからどれくらい経っただろう。

玄関からコンコン、とノックする音が聞こえフィンは目が覚めた。

「んぅー…よく寝れた…赤ちゃんも今のところは落ち着いたかな」

お腹の違和感はほとんど無くなり、体力も回復することが出来た。

「やっぱり…身体に無理させてたのかも」

独り言を呟くフィンの耳に、再びノックの音が入ってきた。

「あ、すぐ行きます」

ドアを開けそこに居たのは

【長老様の方から「こちらからおぬしらの家に伺う」と提案されたようでギムリンと2人でならんでいた」
【見張りの当番が変わったらしくアレクとラキシスが様子を見に来ていた】

8名無しさん:2022/11/25(金) 09:16:22
>【長老様の方から「こちらからおぬしらの家に伺う」と提案されたようでギムリンと2人でならんでいた】

そこにいたのは愛する夫ギムリンと、常に若さを保っているエルフにしては老人の姿をしている男性。
きっとこの老人はこの隠れ里の長老なのでしょう、と思ったフィンは伝統の作法でキチンとした一礼をした。
「なんとまぶしい胎児じゃ……ワシの判断は間違っておらぬようだ」
フィンの妊婦腹を品定めするように眺め回して老人は、服の中から小豆色の小瓶を取り出す。
「出産に耐えられなかった時はこれを飲むとよい。産みの苦しみから解放できるだろう」
長老によれば、フィンの胎内にいる混血児からかつてない力強さと危険性を感じた、とのことらしい。
もしそれは里に害をもたらすものだとすれば、生まれる前にでなければ、手の打ちようがないだろう。
その決断は、母体であるフィンに委ねた。

小豆色の小瓶を長老から頂いたフィンはどう考える?
【この子はただの赤ちゃんよ、と楽観視する】
【里に危害をもたらさないよう、と気を付ける】


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