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作品投下スレ

91すれ違い ◆LvAk1Ki9I.:2018/01/23(火) 21:29:53 ID:sROjq4tQ

「もう一つの質問の答えだが……ぼくらはあの後地上に出て、ディオ――きみが撃ったあの男と決着をつけた……
 教会が崩れたのは戦闘の影響……そして戦いの後、ぼくだけが川に流されてようやく戻ってきたところだ……
 気絶していたため放送も聞き逃してしまったし、ほかの皆がどうなったかはわからない……」
「………………」

返答が終わっても彼らの距離は変わらず、また向けられた指先にも動きはない。
どちらもまるで相手の次なる発言を待ち続けているかのような、長い沈黙が訪れる。
数分はそんな状態が続いただろうか……先に口を開いたのは、ジョニィだった。

「……放送を聞き逃したといっていたが、よければ教えようか?」
「いいのかい? ぜひともお願いする」
「……ジョニィ」

こちらは疑いまでは持っていないのか、狙われたままとは思えない口調でジョナサンが答える。
一方ルーシーは咎めるようにジョニィの方を見るが、彼は向き直りもせずに続けた。

「彼が答えた質問はふたつ、ぼくはひとつ……それくらいはいいだろう?
 ……それにひょっとしたら、彼は知らないのかもしれない」
「…………わかったわ」
「……?」

その様子を見てジョナサンは訝しむ。
ジョニィのみならず初対面のルーシーまで――どころか、むしろ彼女の方が――自分を警戒していることを。
そして『知らない』とは何のことか……と考えるうちにジョニィの口から第三放送の内容が告げられる。
ジョナサンにとっては悪夢……いや、夢ならどんなに良かっただろうかとさえ思える悲報が。

「そんな……ツェペリさん……それにF・F、花京院、仗助まで……
 いったいあの後何が起こったというんだ……それにほかの皆はどこへ……?」

同じ情報でも、聞く者が変われば当然反応も異なる。
スティーブン・スティールの死もジョナサンには優先度が低く、そこに対する反応はさほどでもなかったが……
話が先へ進むにつれ、ジョナサンの表情は驚愕に困惑、そして悲嘆に染まっていく。
加えて、教会近辺には仲間たちの姿が一人も見当たらなかったという事実もそれに追い打ちをかけていた。

「死者を悼むのも、仲間を心配するのも結構……だが、あんたが今やるべきことはそうじゃあないだろう?」
「……すまない、その通りだ」

さすがに見かねたのかジョニィは未だ指先を向けたままながらも彼に言葉をかけ……
ジョナサンもその不屈の精神力で顔を上げ、あらためて二人へと向き直った。

「きみらは、これからどこへ行くんだい? ……よければぼくも一緒に」
「それは――――――」

顔を見合わせた後、二人は同時に言った。


                              「「教えられない(わ)」」


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