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なんでもありなスレ
207
:
◆c.g94qO9.A
:2012/09/21(金) 04:26:13 ID:bP8tUBDQ
すみません、抜けがありました。
>>203
、
>>204
の間にこれを挟んでください。
「……DIO、さま」
か細い、掠れた声。誰かに聞かれたらと思うと恥ずかしさすら込み上げそうな、そんな情けない声だった。
それがわかってしまっているから、そうだと知っているから、胸が苦しくなった。
よろめきかけた身体を支える様、壁に手をつき、しばらくの間じっとする。
呼吸が整うまでの僅かな時間、熱くもないのに額に汗が浮かんだ。誤魔化すように、学生服の袖で乱暴にぬぐった。
軍人風情の男たちが所持していた支給品の一つ。まさに今、私の右手にぶら下がっている一枚の紙切れ。
それは驚くべきものだった。私は目を疑い、鼻で笑い、破り捨てようとして……そして出来なかった。
第一回放送と銘打たれた男の言葉。同時刻、自分の元へと届けられた一枚の名簿。
それを加味すれば、その一枚の紙切れは紛れもない事実だとしか思えなかったから。
どれだけ必死で否定しようとしても、それは残酷に私に現実を突きつけていたから。
『ジョースター家とそのルーツ』
古くは1800年代まで遡り、そして一番下まで目をやれば、それは今よりおよそ20年後の2011年。
7世代にわたってのジョースター一族の家系図が、そこには記されていた。
そしてそれはどうしようもなく事実で、紛れもなく正しくて、実際に存在している家系図だった。
少なくとも、自分にはそう思えた。
納得のいく話だ。
何故最初に会った見知らぬ男は私のことを知っていたのか。何故自分との間に認識差があったのか。
何故首輪を吹き飛ばされ、死んだはずの空条承太郎が僕の知る彼よりもふけて見えたのか。何故死んだはずの彼の名前が名簿に示されているのか。
わかったのはそこまでだ。でも、そこまでわかれば残りは必要ない。考えなくていいことは考えなければいい。
だが自分は厄介な性格で、その余計な事まで考え、理解し、推測してしまう人間だった。
おそらく ――― DIOさまは負ける。他でもない、空条承太郎の手によって、彼は殺される。
そうして空条承太郎は娘をもうけ、家庭を築き、暮らしていく。その証拠がこの家系図に記されている『空条徐倫』の存在だ。
私が始末するはずだった空条承太郎は始末されなかった。すくなくともこの家系図が存在する未来では、私はどうやらしくじった。
空条承太郎が生きていて、なおかつDIOさまも生きておられる。その可能性は低い。
あのお方は一度やると言ったら最後までやりきるだろう。彼には凄味がある。やると言ったらとことんやり尽くす人だ。
そしてそれは空条承太郎も一緒だ。やつも売られたケンカを途中で放り投げるような人間ではない。決着をつけるまで、ヤツは戦うことをやめないだろう。
「そしてDIOさまは……――― 負ける」
口にした直後、そうしたことを後悔した。手にした紙に皺が走るほど強く握り締め、唇を噛みしめた。
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