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仮投下スレ

248双大将再会 ◆gry038wOvE:2014/03/31(月) 14:37:05 ID:Abv.3SKM0
 血祭ドウコクの目の前には、巨大な嘆きのエネルギーの集合体が光っていた。
 位置はF−5(衛府之五)の山頂。不穏な光を見つけてやって来てみれば、そこにあったのは巨大な不可思議である。人々の嘆きや恐怖が集合し、それが集合する場所。
 青い光を発し、その中央に、どこかで見たような真っ赤な光を発するその施設。
 その名は、忘却の海レーテ──。

「こいつぁ一体……」

 然るドウコクでさえ、先ほどまでなかったはずのその物体に、不穏な気配を感じずにはいらなれなかった。このレーテには、人々がビーストを恐怖する負の記憶が封印されている。
 そんな場所だが、ドウコクがそんな物を知る由もない。
 ただ、その膨大な嘆きの力だけは彼も感じていた。

「……わからねえが、ただのデカブツってわけじゃなさそうだな」

 ともかく、他の参加者に比べれば、彼は動じない部類だっただろう。
 嘆き──そこから感じるマイナスエネルギーに不安を感じる事はなかった。
 血祭ドウコクの場合は、突如としてこれが現れた理由に不穏な気配を感じずにはおれなかった。
 これが今後、この殺し合いでどういう意味を持つのだろう。その疑問に答える者は何もない。

『──ドウコク殿』

 ふと聞こえたのは、ドウコクを呼ぶ声だ。
 血祭ドウコクを呼ぶ、何者か。──ドウコクは、瞬時に後方のその人物に向けて剣を振るった。
 何故、こんな行動に出たのか。
 それは簡単だ。相手は利用価値とは程遠く、また、ドウコクの知る人物──参加者外の存在であると、認識できたからだ。

「久しぶりだな……マンプク。いつぞやにテメエがくたばって以来じゃねえか」

 脂目マンプク。かつて、夏の陣にてシンケンジャーに敗北し、死亡したはずのクサレ外道衆の大将である。ドウコクが三途の川から掬いだしてやってみれば、ドウコクを家臣などと扱う傲慢さだ。
 まあ、ドウコクはそこを咎めるつもりはないし、何故彼がここにいるのかなど今更疑問に思う理由もない。
 彼が主催側からの使者である事は明白だ。
 昇竜抜山刀は、マンプクの喉元で止まっていたが、マンプクが動じる様子はなかった。

『ご挨拶ですな、ドウコク殿。拙者は目的を果たしに参上仕った次第。今ここに現れている私の体そのものは幻影でござる』

 そう言って、マンプクはドウコクの刃に指を通した。
 どこから、血を撒き散らすわけでもなく、指がちぎれるわけでもなく、まるで刀か指かのどちらかが存在しないようにすり抜けていった。
 なるほど、今ここでマンプクに余計な力を使う必要はなさそうだ。要件だけ話すべきだと思い、ドウコクは刀を下げる。

「で、テメエの目的ってのは何だ? この殺し合い、それにこのデカブツの話も聞きてえな……」
『手短に』

 そう、前置きしたうえで、マンプクは語る。

『……拙者はドウコク殿に、この殺し合いにおける縛りの解除──即ち、貴殿の死後、二の目が発動する事と、近々筋殻アクマロの二の目が解放される旨を申しに参ったのでござる』
「……何?」

 アクマロの二の目は、この殺し合いで発動していない。
 それらしい様子もなかったので、てっきりアクマロはこの殺し合いの会場では二の目になる事もできずに死亡したと思っていたが、どうやら何らかの縛りがかけられてアクマロが二の目を解放できずにいたのみだという話だ。

『言葉通りでござる。これは全て、アクマロ殿自身は知らない話。もしまみえる事があったら、アクマロ殿にはドウコク殿の口から説明していただきたい』
「フン……。まあいい。だが、とっととテメエも俺のもう一つの質問に答えろ」

 この殺し合いは何なのか、その問いにはマンプクはまだ答えていない。
 ドウコクに関心があるのは、アクマロがどうという話ではないのだ。あんな奴の話はもうどうでもいい。


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