■掲示板に戻る■ ■過去ログ 倉庫一覧■
梓「唯先輩、好きです。付き合ってください!」
-
唯「あずにゃん、ごめん」
梓「先輩…」
唯「あずにゃんのことは好きだし、大事に思ってるよ。後輩として!でも私その…男の人が、好きなんだよね」
梓「…そう、ですか」
唯「本当にごめんね」
梓「いえ、いいんです。先輩は悪くありません。悪いのは同性に惹かれた私ですから…」
唯「ち、違うよ!あずにゃんは悪くないよ!今はたよーせーの時代だもん!それでその、私これからも、あずにゃんと仲の良い先輩後輩でいたいな…」
梓「…はい、これからも、よろしくお願いします」
唯「えへへ…あずにゃん、一緒に帰ろう」
梓「はい!」
"
"
-
翌日
梓「こんにちはー」ガチャ
律「おーす梓」
唯「あずにゃん、待ってたよー…」タタタ…ピタ
梓「先輩?」
唯「えーと、あずにゃんの好きなバナナケーキがあるよ。早く食べようよ」クルリ
梓「あ、はい!いただきます」
優しい唯先輩は、その後も何事もなかったかのように、それまで通りに親しげに振舞ってくれた。
それまで通り…ただ一つのことを除いては。
-
澪「そういえば唯、最近梓に抱きついてないけどどうしたんだ?」
唯「え」
律「そうだぞー。あんなにあずにゃん分補給とか言ってたじゃないか」
紬「私そんな二人を見るのが好きだったのに…」
唯「や、やだな〜私だってもう大人だよ。あずにゃん、いつもやめてくださいって言って嫌がってるじゃん。私もあずにゃんの気持ちをそんちょーしてあげようと思うんだ!」フンス
梓「そ、そうなんですね。ありがとうございます」
律「そうだったのかぁ。偉いぞ唯〜」
紬「むー」
澪「でもあれ、口では嫌がりながらも梓もまんざらじゃなさそうだったけどな」
梓「そんなことないですよ。唯先輩がようやく大人になってくれて私もありがたいです」
唯「えぇ、あずにゃんひどーい」
あはははは…
梓(やっぱり、距離を置かれてるのかな…)
梓(当然だよね。唯先輩は、私の気持ちを知っちゃったんだもん。今までみたいに抱きつきたくないよね…)
-
憂「お姉ちゃん、話があるの」
唯「何、憂」
憂「梓ちゃんに、最近抱きつかなくなったって本当?」
唯「…」
憂「梓ちゃんに相談されたの。距離を置かれてるのかなって」
唯「そ、それには理由が」
憂「わかってる。梓ちゃんに告白されたんでしょ」
唯「知ってたんだ…」
憂「よく梓ちゃんの恋愛相談に乗ってたからね」
唯「そっか…」
憂「…やっぱり、異性愛者のお姉ちゃんには、同性から好意を向けられるのは抵抗があるの?」
唯「ち、違うよ。私は別に、あずにゃんと距離を置きたいとか考えてないよ。むしろ、できればこれまで通り仲良くしたいと思ってる」
唯「私が抱きつかなくなったのはね、あずにゃんのためだよ」
唯「もし私だったら、大好きなのに振られた人に抱きしめられるなんて、辛くて耐えられないと思うから…」
憂「お姉ちゃん…」
唯「それに、私が頻繁に抱きついてたせいで、あずにゃんは私を好きになって、告白して、辛い思いをしたのかもしれないし…」
-
憂「…というわけだって」
梓「そっか…教えてくれてありがとう憂。確かに唯先輩の言う通りだよ」
梓「絶対に恋が叶わない唯先輩に抱きつかれるのは、やっぱり辛いもん」
梓「優しい唯先輩は私のためを思ってくれてる。それでも私、ワガママだから辛いんだ。唯先輩に抱きつかれると、私とても安心してたから」
梓「唯先輩との関係が、軽音部での居心地が変わっちゃったことが、辛いんだよ…。バカだよね。これくらい、覚悟してたのにね」
唯「辛いのは私だけじゃない。唯先輩も辛い目に遭わせてしまってる」
梓「もうけいおん部、やめちゃおうかな…」
憂「梓ちゃん…」ギュッ
梓「憂…」
"
"
-
憂「ねえ梓ちゃん、私じゃダメかな?」
梓「え」
憂「私もけいおん部に入って、梓ちゃんを毎日抱きしめてあげる。お姉ちゃんの代わりとしては、力不足かもしれないけど、代わりにしてくれたら嬉しいな」
憂「だから、けいおん部やめないでよ。私、けいおん部のみんなの演奏、大好きなんだよ。それに梓ちゃんがやめたら、もっとお姉ちゃんが悲しむよ」
梓「憂…いいの?唯先輩の代わりになっても」
梓「私、唯先輩のこと好きだったんだよ。憂のことを、唯先輩の代わりとして好きになっちゃうかもしれないよ」
憂「いいよ。私、ずっとお姉ちゃんの代わりになりたかったの」
憂「だって私、梓ちゃんのこと、好きだったから」
梓「えっ」
憂「だからお姉ちゃんがずっと羨ましかった。だけど私はお姉ちゃんのことも大好きだから、好きな人同士がくっついてくれるならいいなと思って、梓ちゃんのことを応援してたの」
梓「憂…そうだったんだ。気づかなくてごめんね」
憂「梓ちゃんはこんな、お姉ちゃんじゃないのに下心を持った私に抱きつかれたくない?」
梓「そんなことない!嬉しいよ!だから、憂にもけいおん部に入ってほしいな…」
憂「ありがとう、あずにゃん♪」
梓「」ドキッ
梓「もー、憂!」
-
それから憂もけいおん部に入ってくれて、私に毎日抱きついてくれました。
憂「ふふ、あーずさちゃん♪」ギュッ
梓「もー、憂ったら…」
梓(さすが姉妹、抱きつかれる感触も似てるな…)
唯「二人とも仲良しだねぇ」
紬「尊い光景が帰ってきたわぁ」
澪「憂ちゃんて、本当唯にそっくりだな」
律「しっかりしたところと、ギターの腕が完璧なところ以外はな」
唯「むー、りっちゃんひどい」
-
最初は、唯先輩と憂の同じところ、違うところを数えてはかえって辛くなったりしました。
だけど、憂のおかげで段々居心地の悪さや辛さが薄れてきて…。
純「もー、憂までけいおん部に入っちゃうなんて!おかげで憂と梓がこれまで以上にいちゃいちゃしてるし!」
梓「え、そう?」
憂「別にこれまで通りのつもりだけど」
純「そう言いながら距離が近い!そこ!」
そして何度も抱きつかれて、いや、抱き合っているうち、
段々と憂のことを、唯先輩の代わりとしてではなく、憂自身として好きになっていきました。
思えば、自分の気持ちを押し殺してでもずっと私を支えてくれて、相談に乗ってくれた憂。
しっかり者で頼れる、だけど意外と甘えん坊の憂。
だらしない唯先輩が好きだったけど、本当は憂が理想の…。
-
そして先輩方が卒業する3月、私は憂に告白しました。
唯先輩の代わりではなく憂自身を好きになった、付き合ってほしいと。
憂は泣きながら、何度も「これからよろしくね」と言いました。
憂と私が交際を始めたことを、私達は真っ先に唯先輩に言いました。
唯先輩は誰よりも喜んでくれて、真剣な目で私に
「あずにゃん、憂のことをよろしくね」
と言いました。
唯先輩はこれからN女子大に行くので、憂と一緒にはいられません。だからこそ、私に憂を任せたいのでしょう。
梓「はい!憂のことは、きっと幸せにします」
唯「うんうん。私のこと、お姉ちゃんって呼んでもいいんだよ〜あずにゃん」
梓「それは結構です」
憂と唯先輩は二人で過ごす最後の夜、こんな話をしたそうです。
唯「憂、ありがとうね。私が振って傷つけてしまったあずにゃんを支えてくれて」
唯「憂のおかげで私、安心したよ」
憂「そんな…私、梓ちゃんの傷心につけ込んだ形なんだよ。これでいいのかな…」
唯「もう、憂は真面目すぎー。いいじゃん、みんなが幸せになったんだから」
憂「うん…そうだよね」
憂「お姉ちゃん…向こうに行っても元気でね」
唯「うん!憂達に先を越されちゃったけど、私も大学に入ったら彼氏作るんだ〜」
憂「でもお姉ちゃん、女子大だよ?」
唯「た、他校の子との合コンとかあるもん!きっと」
-
先輩達の卒業後、純もけいおん部に入ってくれました。
純「あーもう、私をハブって二人が恋人になるなんて…そこ、いちゃついてないで練習!」
唯先輩のことは今でも大好き。
今の幸せをくれた、私の永遠の憧れの人。
最近、晶って人と仲良いみたいだけど、もしかして彼氏かな?
唯先輩に彼氏ができたら、憂と二人で思いっきり祝福しよう。
憂は気が気じゃないみたいだけど、きっと大丈夫。
だって、唯先輩の選んだ人なら、私達のこともきっと理解してくれるはずだから。
終わり
-
>>5
>唯「辛いのは私だけじゃない。唯先輩も辛い目に遭わせてしまってる」
を
>梓「辛いのは私だけじゃない。唯先輩も悩ませてしまってる」
に変えてください。
ミスった…
"
"
■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■