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梓「唯先輩、好きです。付き合ってください!」

1 : いえーい!名無しだよん! :2025/02/09(日) 02:10:41 9YEgUD2k0
唯「あずにゃん、ごめん」

梓「先輩…」

唯「あずにゃんのことは好きだし、大事に思ってるよ。後輩として!でも私その…男の人が、好きなんだよね」

梓「…そう、ですか」

唯「本当にごめんね」

梓「いえ、いいんです。先輩は悪くありません。悪いのは同性に惹かれた私ですから…」

唯「ち、違うよ!あずにゃんは悪くないよ!今はたよーせーの時代だもん!それでその、私これからも、あずにゃんと仲の良い先輩後輩でいたいな…」

梓「…はい、これからも、よろしくお願いします」

唯「えへへ…あずにゃん、一緒に帰ろう」

梓「はい!」


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2 : いえーい!名無しだよん! :2025/02/09(日) 02:11:48 9YEgUD2k0
翌日

梓「こんにちはー」ガチャ

律「おーす梓」

唯「あずにゃん、待ってたよー…」タタタ…ピタ

梓「先輩?」

唯「えーと、あずにゃんの好きなバナナケーキがあるよ。早く食べようよ」クルリ

梓「あ、はい!いただきます」

優しい唯先輩は、その後も何事もなかったかのように、それまで通りに親しげに振舞ってくれた。

それまで通り…ただ一つのことを除いては。


3 : いえーい!名無しだよん! :2025/02/09(日) 02:13:02 9YEgUD2k0

澪「そういえば唯、最近梓に抱きついてないけどどうしたんだ?」

唯「え」

律「そうだぞー。あんなにあずにゃん分補給とか言ってたじゃないか」

紬「私そんな二人を見るのが好きだったのに…」

唯「や、やだな〜私だってもう大人だよ。あずにゃん、いつもやめてくださいって言って嫌がってるじゃん。私もあずにゃんの気持ちをそんちょーしてあげようと思うんだ!」フンス

梓「そ、そうなんですね。ありがとうございます」

律「そうだったのかぁ。偉いぞ唯〜」

紬「むー」

澪「でもあれ、口では嫌がりながらも梓もまんざらじゃなさそうだったけどな」

梓「そんなことないですよ。唯先輩がようやく大人になってくれて私もありがたいです」

唯「えぇ、あずにゃんひどーい」

あはははは…

梓(やっぱり、距離を置かれてるのかな…)

梓(当然だよね。唯先輩は、私の気持ちを知っちゃったんだもん。今までみたいに抱きつきたくないよね…)


4 : いえーい!名無しだよん! :2025/02/09(日) 02:16:56 9YEgUD2k0
憂「お姉ちゃん、話があるの」

唯「何、憂」

憂「梓ちゃんに、最近抱きつかなくなったって本当?」

唯「…」

憂「梓ちゃんに相談されたの。距離を置かれてるのかなって」

唯「そ、それには理由が」

憂「わかってる。梓ちゃんに告白されたんでしょ」

唯「知ってたんだ…」

憂「よく梓ちゃんの恋愛相談に乗ってたからね」

唯「そっか…」

憂「…やっぱり、異性愛者のお姉ちゃんには、同性から好意を向けられるのは抵抗があるの?」

唯「ち、違うよ。私は別に、あずにゃんと距離を置きたいとか考えてないよ。むしろ、できればこれまで通り仲良くしたいと思ってる」

唯「私が抱きつかなくなったのはね、あずにゃんのためだよ」

唯「もし私だったら、大好きなのに振られた人に抱きしめられるなんて、辛くて耐えられないと思うから…」

憂「お姉ちゃん…」

唯「それに、私が頻繁に抱きついてたせいで、あずにゃんは私を好きになって、告白して、辛い思いをしたのかもしれないし…」


5 : いえーい!名無しだよん! :2025/02/09(日) 02:19:56 9YEgUD2k0

憂「…というわけだって」

梓「そっか…教えてくれてありがとう憂。確かに唯先輩の言う通りだよ」

梓「絶対に恋が叶わない唯先輩に抱きつかれるのは、やっぱり辛いもん」

梓「優しい唯先輩は私のためを思ってくれてる。それでも私、ワガママだから辛いんだ。唯先輩に抱きつかれると、私とても安心してたから」

梓「唯先輩との関係が、軽音部での居心地が変わっちゃったことが、辛いんだよ…。バカだよね。これくらい、覚悟してたのにね」

唯「辛いのは私だけじゃない。唯先輩も辛い目に遭わせてしまってる」

梓「もうけいおん部、やめちゃおうかな…」

憂「梓ちゃん…」ギュッ

梓「憂…」


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6 : いえーい!名無しだよん! :2025/02/09(日) 02:21:40 9YEgUD2k0
憂「ねえ梓ちゃん、私じゃダメかな?」

梓「え」

憂「私もけいおん部に入って、梓ちゃんを毎日抱きしめてあげる。お姉ちゃんの代わりとしては、力不足かもしれないけど、代わりにしてくれたら嬉しいな」

憂「だから、けいおん部やめないでよ。私、けいおん部のみんなの演奏、大好きなんだよ。それに梓ちゃんがやめたら、もっとお姉ちゃんが悲しむよ」

梓「憂…いいの?唯先輩の代わりになっても」

梓「私、唯先輩のこと好きだったんだよ。憂のことを、唯先輩の代わりとして好きになっちゃうかもしれないよ」

憂「いいよ。私、ずっとお姉ちゃんの代わりになりたかったの」

憂「だって私、梓ちゃんのこと、好きだったから」

梓「えっ」

憂「だからお姉ちゃんがずっと羨ましかった。だけど私はお姉ちゃんのことも大好きだから、好きな人同士がくっついてくれるならいいなと思って、梓ちゃんのことを応援してたの」

梓「憂…そうだったんだ。気づかなくてごめんね」

憂「梓ちゃんはこんな、お姉ちゃんじゃないのに下心を持った私に抱きつかれたくない?」

梓「そんなことない!嬉しいよ!だから、憂にもけいおん部に入ってほしいな…」

憂「ありがとう、あずにゃん♪」

梓「」ドキッ

梓「もー、憂!」


7 : いえーい!名無しだよん! :2025/02/09(日) 02:22:49 9YEgUD2k0

それから憂もけいおん部に入ってくれて、私に毎日抱きついてくれました。

憂「ふふ、あーずさちゃん♪」ギュッ

梓「もー、憂ったら…」

梓(さすが姉妹、抱きつかれる感触も似てるな…)

唯「二人とも仲良しだねぇ」

紬「尊い光景が帰ってきたわぁ」

澪「憂ちゃんて、本当唯にそっくりだな」

律「しっかりしたところと、ギターの腕が完璧なところ以外はな」

唯「むー、りっちゃんひどい」


8 : いえーい!名無しだよん! :2025/02/09(日) 02:23:36 9YEgUD2k0

最初は、唯先輩と憂の同じところ、違うところを数えてはかえって辛くなったりしました。
だけど、憂のおかげで段々居心地の悪さや辛さが薄れてきて…。

純「もー、憂までけいおん部に入っちゃうなんて!おかげで憂と梓がこれまで以上にいちゃいちゃしてるし!」

梓「え、そう?」

憂「別にこれまで通りのつもりだけど」

純「そう言いながら距離が近い!そこ!」

そして何度も抱きつかれて、いや、抱き合っているうち、
段々と憂のことを、唯先輩の代わりとしてではなく、憂自身として好きになっていきました。

思えば、自分の気持ちを押し殺してでもずっと私を支えてくれて、相談に乗ってくれた憂。
しっかり者で頼れる、だけど意外と甘えん坊の憂。
だらしない唯先輩が好きだったけど、本当は憂が理想の…。


9 : いえーい!名無しだよん! :2025/02/09(日) 02:25:17 9YEgUD2k0
そして先輩方が卒業する3月、私は憂に告白しました。
唯先輩の代わりではなく憂自身を好きになった、付き合ってほしいと。
憂は泣きながら、何度も「これからよろしくね」と言いました。

憂と私が交際を始めたことを、私達は真っ先に唯先輩に言いました。

唯先輩は誰よりも喜んでくれて、真剣な目で私に
「あずにゃん、憂のことをよろしくね」
と言いました。
唯先輩はこれからN女子大に行くので、憂と一緒にはいられません。だからこそ、私に憂を任せたいのでしょう。

梓「はい!憂のことは、きっと幸せにします」

唯「うんうん。私のこと、お姉ちゃんって呼んでもいいんだよ〜あずにゃん」

梓「それは結構です」

憂と唯先輩は二人で過ごす最後の夜、こんな話をしたそうです。


唯「憂、ありがとうね。私が振って傷つけてしまったあずにゃんを支えてくれて」

唯「憂のおかげで私、安心したよ」

憂「そんな…私、梓ちゃんの傷心につけ込んだ形なんだよ。これでいいのかな…」

唯「もう、憂は真面目すぎー。いいじゃん、みんなが幸せになったんだから」

憂「うん…そうだよね」

憂「お姉ちゃん…向こうに行っても元気でね」

唯「うん!憂達に先を越されちゃったけど、私も大学に入ったら彼氏作るんだ〜」

憂「でもお姉ちゃん、女子大だよ?」

唯「た、他校の子との合コンとかあるもん!きっと」


10 : いえーい!名無しだよん! :2025/02/09(日) 02:26:36 9YEgUD2k0
先輩達の卒業後、純もけいおん部に入ってくれました。

純「あーもう、私をハブって二人が恋人になるなんて…そこ、いちゃついてないで練習!」

唯先輩のことは今でも大好き。
今の幸せをくれた、私の永遠の憧れの人。
最近、晶って人と仲良いみたいだけど、もしかして彼氏かな?
唯先輩に彼氏ができたら、憂と二人で思いっきり祝福しよう。
憂は気が気じゃないみたいだけど、きっと大丈夫。
だって、唯先輩の選んだ人なら、私達のこともきっと理解してくれるはずだから。



終わり


11 : いえーい!名無しだよん! :2025/02/09(日) 02:38:29 9YEgUD2k0
>>5
>唯「辛いのは私だけじゃない。唯先輩も辛い目に遭わせてしまってる」



>梓「辛いのは私だけじゃない。唯先輩も悩ませてしまってる」

に変えてください。
ミスった…


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