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唯「臭撃!」
-
下校中!
律「はー今週も終わったー! やっすみだー!」
紬「わ〜♪」
澪「今日はしっかり練習できたな!」
梓「はい! すごく良かったですね!」
唯「私は疲れたよ〜……」ファ~
——唯「……んん?」
澪「ほんとは今日みたいな練習を毎日できればいいんだけどな」ハハハ
唯「澪ちゃん」
澪「ん?」
唯「背中にカメムシが張り付いてるよ」
澪「!?」カメムシ「www」
梓「いっ」律「へ?」紬「え、どこどこ?」
澪「ぃいやああああ!!! 梓ああああ!! とってえええええ!!!」ジタバタ
梓「ええっ!? チョッ……チョットワタシには荷が重すぎるトイウカナントイウカ……っり、律先輩お願いします!!!」
律「おーしどこだどこだぁ? ……髪の毛で見えねーし」
唯「そこそこ。あ、首の方行った」
澪「ふうおおおおおおお!!!??」カメムシ「ww」
紬「あ、いたいたっ!」
律「そっこかぁー!」
澪「ああああああああ!!!」ジタバタ
律「だー! 落ち着けって! 取れねー!」
カメムシ「wwww」ヨジヨジ…
梓「あああっ! え、襟の中にぃぃ!」
澪「〜〜〜〜〜ッ!!!!」
"
"
-
——唯「ほりゃあ!」ビシィ
カメムシ「ww」ブーンw
澪「…………?」ハァハァ
梓「あ、逃げていきましたね」
唯「ふむ、もう大丈夫だよ澪ちゃん」
澪「あ、ああ……ありがとう」ホッ
紬「唯ちゃんすごい♪ 澪ちゃんを助けた!」
唯「ホントは捕まえようと思ったんだけどね〜」
律「ったく澪は相変わらずだな…… ってクサっ!? 澪クサッ!!!」
澪「!?」
梓(確かにクサい……)ウギギ
紬「な、なあに? このにおい……」
唯「カメムシってクサいんだよ〜」 澪「クサァイ!」ワーン
紬「そうなの……? 今日学校で同じのを見つけた時はなんともなかったんだけど……」
律「カメムシはなー、危ない目にあうとクサいニオイを出して身を守ろうとするんだよ」
紬「へえ〜……!」
律「だからほんとは今みたいに手でハジくなんてご法度なんだぞー?」
唯「暴れる澪ちゃんが悪いんだもん」ムン
澪「だ、だって……」
紬「捕まえ方があるの?」
律「そ! 捕まえる時は花を扱うように優しく優し〜く手の中にエスコートしてだな?」
紬「ふんふん……!」
梓「それはそれでちょっと……」アハハ
律「まあ別に噛んでくるわけじゃないし、こっちから手を出さなきゃ怖いことないよ」
紬「すごい、りっちゃんは昆虫博士ね!」
律「へへー、伊達に澪を驚かしてないからなー♪」
澪「小学生の頃よくやられたよ……」
梓(想像しやすい……)
紬「いいなあ、楽しそう♪」
律「なんか懐かしいなー。バッタとかぁー、ミミズとかさっ!」
澪「言うな! まったく……あんなのも今のも、二度とごめんだっ」
きゃいきゃい
唯「…………」ポケー
唯「……」
唯「……あ」
ーーカメムシ「www」
唯「またいた……」
………♪
-
平沢家
唯「ただいま〜」がちゃ
ーー憂「お姉ちゃあぁん!!!」ズドドドド
唯「う"ぇ!? なになに!? どうしたの!?」
憂「か、かめむし……」
唯「へ?」
憂「カメムシがいるの……」
唯「あ〜……。よしよし、分かったよ」
憂「一匹じゃないの、たくさんいるの……」ウルウル
唯「え〜……」
………!
……!
…!
ガラガラっ
唯「ほれ、森へお帰り」ぽいぽいっ
カメムシ「ww」ブーン
カメムシ「w」ブゥーン
カメムシ「www」ブブブ
カメムシ「ww」ブーーン
カメムシ「wwww」ブゥン
憂「ありがとうお姉ちゃん……」
唯「どうしてこんなことになっちゃったの?」
憂「お掃除してて……窓開けといたら……」
唯「そっかぁ。大丈夫? もう平気?」
憂「うん、ごめんね。あとは洗濯物取り入れるだけだから大丈夫。お姉ちゃんは着替えてきてね!」
唯「うんっ」トタトタ
ーー憂「ファアアっ!?」
唯「ん? どしたの〜?」
憂「お、お姉ちゃあん……干してた服にカメムシが〜……」
唯「……やれやれだね」
-
…………♪
………♪
#○○ 臭撃!
………♪
…………♪
休み明け! 朝の学校!
唯「あずにゃん見て見て! 亀の上にカメムシだよ!」
ウサギカメ像「」カメムシ「wwwww」
梓「うわ〜……」
律「うさぎとかめと、カメムシかぁ……」
澪「ひうぅうぅううう……」
紬「なんだかちょっとかわいいかも♪」
唯「写真撮っとこ」パシャー
紬「あ、そうだ、りっちゃんが言ってた捕り方、やってみようかな?」ソロリソロリ
澪梓「!?」
律「おっほおマジで!?www」
唯「チャレンジャーだねムギちゃん!」
澪「ム、ムギよせ! 危ないぞ!」
紬「フンス……」ジリジリ
カメムシ「www」
紬「………」ソォ~ッ
カメムシ「……」ピクッ
紬「あっ……」ビクッ
カメムシ「www」
紬「うぅん……」
唯「手強いね……!」
澪「ムギっっ……! 悪いこと言わないからやめとけって!」
梓「わ、私も、やめた方がいいかと……」
紬「そお……?」
律「ムギにはまだ難しい相手かもなー。なんせ失敗したら臭いぞー? ニオイもなかなか取れないし」
紬「ん〜……」
唯「練習したらいいよ! ニオイついても大丈夫なようにして!」
律「おぉー! やたらいるから相手には困らないしなー!」
澪「そういう問題か!?」
梓「……というか、最近カメムシ多くないですか?」
紬「うん。駅の方にもたくさんいたわ……隅に集まって、塊になってた。あれはちょっと……」
唯「ね〜、憂も怖がっちゃって」
律「……確かに気持ちの良いもんじゃないよなぁ、でもどうってことないって」
澪「律は頭がおかしいんだ!」
律「言い過ぎだろ…」オイ
唯「あずにゃんはどう?」
梓「ど、どうって……カメムシなんて好きじゃないです、くさいしキライです」
-
カメムシ「www」ブゥゥーーーン
唯「ふお!? 飛んだ!」
澪「ひい!」シャガミッ
ーー梓「にゃあああああ!?」カメムシ「wwww」ブゥゥン
律「はははwww嫌いなんて言うからだぞーww」
梓「た、助けてくださーい!」ぶんぶん
カメムシ「www」ブゥーーン…
唯「あ、向こう飛んでった」
梓「はぁ、はぁ……」
澪「うううぅ………」ブルブル
澪「…………?」
澪「い、いなくなった……?」ヒョコ
唯「うん。飛んでったよー」
カメムシ「w」 澪「はあ……良かっ
律「うはっ!? 澪足元!!」
紬「澪ちゃんそこにもっ!」
澪「んえええっ!?」ビクッ
ーーメリッ
律「はっ?」梓「ひぃ?」紬「ふん?」澪「へっ?」唯「ほぇ?」
澪「え…………」チラ
カメムシ「」クチャ…
律紬唯梓「!!!!」
澪「ーーーーーッッッッッ!!!!」
澪「イッッッッ ヤアアアアアアアーーーーッ!!!!!」
………!
……!
…!
"
"
-
教室!
さわ子「それじゃあ、出席をとるわね」
さわ子「……あら? 秋山さん? どうしてスリッパなの? 内履きは?」
澪「あ、え、えっと……」
律「澪の靴は地雷を踏んだためお亡くなりになりましたー」
唯「悲しい事件でした〜……」オロロ~ン
さわ子「はあ……?」
ーーブーーーーーーーー〜〜〜〜〜ッ……
さわ子「……?」キョロキョロ
カメムシ「ww」ブーーーーーーーーーン
さわ子「?」カメムシ「www」ピトッ
ーー「あっ! 先生カメムシついてる!」「カメムシっ!」
さわ子「えっ!?」カメムシ「ww」
ーー「キャー!www」「マタカメムシー!?」「メッチャイルヨネー」「ネー」 ミオ「ギャアアアア!!!」「イヤー!」
さわ子「こンのッ……
さわ子「ハッ!!!」(プライベートならソッコーで始末するところだけど、ここはみんなの前っ…………!)
さわ子「……い、いやぁ〜〜〜ん! 誰かとってとってぇ〜〜〜!」キャイーン
カメムシ「wwwww」
紬「あ……!!!」
ーーギャーギャー ドタドタバッタン
唯和「「…………」」
和「あれはクサギカメムシね」
唯「おお、和ちゃん詳しい!」
和「家によく入ってくるの。今年はやけに多いわ」
さわ子「いっやぁ〜〜〜ん!!!」カメムシ「www」
紬「あ、あのっ先生っ! 私が取りますっ!」ガタッ
さわ子「おねがぁぁい♪」
カメムシ「www」ブーーーン
さわ子「アラッ」
紬「あ…………」
ーー「ドッカイッター」「ヨカッター」ザワザワ
さわ子「……オホン、い、いなくなったのなら良かったわ。ありがとうね琴吹さん」
紬「はい……」シュン
澪「ムギ……?」
律「よっぽど捕りたいんだな……」ハハ…
………♪
……♪
…♪
-
放課後! けいおん部!
紬「ハイリッチャンっ、ハーブティーデ~ス ッ」
律「……」ズズ…
律「……ンン〜〜〜〜♪ このおハーブと濃厚なカメムシ臭がマッチして、まさに絶品ですわ〜♪」
律「ーーってアホくああああああああ!!!!!」ガチャッ
唯「くさいよ〜」
梓「昨日窓閉メ忘レタノ誰デスカモウ……」
律「くっそぉおっほぉぉ……まさかカメムシの侵入を許してしまうとはぁあ……」
唯「びっくりしたよ〜」
紬「ね〜……」
唯紬(カメムシ見つけた時の澪ちゃんのリアクションが……)
律「部室で安心しきった矢先だったしな……」
澪「ミエナイニオワナイミエナイニオワナイミエナイニオワナイミエナイニオワナイ……」ブツブツ
梓(澪先輩が新たな逃避形態に……)
律「み〜お〜!!! 戻ってこーい!!!!」
澪「い〜やあああ!」
唯紬梓「…………」
唯「でも、ほんとにあれで全部だったのかなあ」
梓「もういないと思いますけど……」
唯「でもでも、1匹は棚の中のティーセットにひっ付いてたんだよ?」
梓「まあ、そうですが…………」
紬「ゴメンナサイ……。私が捕まえるの失敗しちゃったから……」
唯「大丈夫だよムギちゃん、次こそはだよ」
梓(そのフォローはちょっと違うような……)
紬「えと、ティーパックがニオイでダメになっちゃってたので、今日はケーキだけです……」
律「いいっていいって! アタシ水道水ー!ww」ゴクゴクw
唯「侘しいね〜りっちゃん」
澪「なんでそんなに落ちついていられるんだお前らは!」
ーーカメムシ「www」ブーン
律紬唯梓「!!!!!」
澪「え?」 カメムシ「www」ブーン
梓「澪先輩っ!」 律「澪危ねえっ!」
ーー紬「きゃおらッ!」バチィン
カメムシ「」
律唯梓「あっ」
紬「…………」
紬「…………」ダラダラ
紬「…………ごっ……ごめんなさいっ……!!!」
カメムシ「」プゥ~ン
梓「クサッ!?」
律「くくっせー!」
紬「ごめんなさいごめんなさい……!!! 咄嗟に手が出ちゃって……」
澪「い、いや……助かったよムギ、ありがとう」
紬「澪ちゃん……」
唯「ほぉだね! ムビたんにあでぃだどぅだで!」フガフガ
律「お前だけ鼻栓してんじゃねーっ!」
-
………♪
……♪
…♪ 数日後!
……♪
………♪
部室
ガチャッ!
律「サッ!……サッサッ!」サッサッ
唯「さささっ!」ササッ
律「唯、敵影は?」
唯「どこにもいないよ、オールクリアだよりっちゃん!」
律「ようやく辿り着いたか……安住の地、軽音部……」
澪「なにやってんだ」
紬「カメムシ、凄いから……」
唯「そうそう! 今も私達を見てるかもしれないよ!」
澪「うっ……」
梓「戸締りはしっかりしてますから、入ってこれませんよ。窓もほら、ちゃんと閉め……」グッグッ
梓「ひゃあああっ!!!!」
律澪紬唯「!?!?!?!?」
律「どうしたっ!?」
梓「あっ……ま……窓の外っ……かべ、壁にぃっ…………」ガタガタ
律澪紬唯「…………?」ソロ~ッ
外壁「」カメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシ
澪「UHYYYYYYYYYYYY!?!?!?」ドタドタドタァァン
律「なんじゃこりゃあああああああ!!!!!」
紬「……っ!!!」パクパク
唯「ほえぇ……」
律「あ、梓っ! もう一回窓のチェックだ!」
梓「はいっ!!!」ピュー
律「唯っ! 部屋を調べるぞ! ムギはティーセットを! カメムシがいないか徹底的にだ!」
唯紬「はいッ!!!」ババッ
律「澪っ……」
澪「」チーン
律「澪オオオオオオオオ!!!」
-
………!
……!
…!
律「ふー、とーりあえず部室内は大丈夫だったなー」
紬「澪ちゃん大丈夫?」
澪「うん……もう窓のそば行けないけど」
梓「ていうか澪先輩、まだスリッパだったんですか……」
澪「3回洗ったからな。今干してるとこ」
ーーガチャ
和「あ、いたいた」
唯「あ、和ちゃ〜ん♪」
律「おー和!」
紬「無事だったのね!」
梓(無事とは……?)
唯「あっそうだ和ちゃん見て見て! ほら、亀の上にカメムシ! なんかかわいいでしょ〜? 朝撮ったんだよ!」
和「そうなんだ。それより、手を貸してほしいのよ」
………
………
………
紬「死骸の片付けと……駆除?」
律「それって生徒会……ってか生徒の仕事かよ!?」
和「学校の掃除は生徒がするでしょ? その延長……ま、ゴミ拾いみたいなもんよ」
梓「ゴ、ゴミ拾い……」
唯「ひどいよ和ちゃん! カメムシだって生きてるんだよ!? 生き物なんだよ!?」
和「あー……そうね。ごめん」
梓(和先輩、疲れてらっしゃる……)
律「和、他の子達は? 応援頼んでないの?」
和「みんなとっくに逃げ帰ったわ」
和「ていうか、こんな時に呑気に部活してるの、あんた達だけよ」
律澪紬唯梓「…………」
-
律「よし! 和には世話になってるもんな! やるか!」
唯「うむ!」
紬「ええ!」
澪「!?!?」
梓「……やりましょう」
澪「梓まで!?」
和「助かるわ」
澪「うう……」
唯「大丈夫だよ澪ちゃん。ちょちょーっと外に逃すだけだから」
律「……待て唯、恐ろしいことに気付いてしまった」
唯「ほえ?」
律「いくらアタシ達が部室の戸締りをしたって……」
律「この広い校内、カメムシが入ってくる隙は、絶対にある……」
唯「あ……」
梓「じゃあ……」
紬「もう学校の中はカメムシでいっぱい……ってこと?」
和「そういうことよ」
澪「」サーッ
澪「い、嫌だ嫌だ嫌だ! 私はここから出ないぞ!」
唯「澪ちゃん……」
澪「やだやだ! あんなところに行くくらいならここで死んだ方がマシだぁ!」クルッ
律「お、おい澪ぉっ」 梓「あっ!!!」 唯「!!」
ーー紬「澪ちゃんそこを動かないでっ!!!!!」
澪「っ!?」ビクッ
紬「じっとしててね!?」
澪「〜〜〜〜っ」(ま、まさか……) カメムシ「wwww」
梓「律先輩っ……」
律「梓、ここはムギに任せよう」
梓「は……はい……」
紬「むっ…………」ソロォー
カメムシ「……」
紬「…………」カメムシ「……」
紬「できた……!」パァァー
律「やったなムギ!」
梓「すごいです!」パチパチ
紬「ぁぁでも、ここからどうしよう……」オロオロ
唯「ムギちゃんカモン!」
紬「あ……は、はい唯ちゃんパス!」ソーッ
唯「ほいほい。おいでおいで〜」カメムシ「ww」
律「どーすんだよソレ」
唯「ほぇ……」
唯「……トンちゃん、食べるかなあ」
梓「トンちゃんにそんなもの食べさせないでください!!!」キシャーッ
唯「じょ、冗談だよぅ」
紬「でも、さっきは間違いなくいなかったはずなのに……」
和「カメムシってかなり狭い隙間からも入ってこれるからね。この学校の年季の入った木の扉は、抜けてくる可能性があるわ」
澪「!!!」
和「まあとにかく、澪は無理せずここにいて。賛同者は一緒に来てくれる?」
律紬唯梓「はい!」
澪「……」プルプル
澪「……わ、私も行くよぉ〜〜〜!」ウェーン
-
………♪
……♪
…♪校内廊下
唯「もっしもっしカメムシ カメムシよ〜 せかいのうちにおまえほど ニオイがキツイ ものはない〜♪」ヒョイッ
唯「どうしてそんなにクサイーのか〜♪」ヒョイヒョイッ
梓「なんですかァその歌……」
紬「すごい数……」
律「逃がしても逃がしてもキリがねー!」ポイポイッ
澪「ひっ!」 カメムシ「w」
カメムシ「ww」 澪「ひいいいっ!!?」 カメムシ「w」
カメムシ「www」 カメムシ「w」
澪「ウワッ!ウワッ!ウワッ!? ふおおおおっ!?」
カメムシ「ww」
カメムシ「www」カメムシ「w」 カメムシ「ww」カメムシ「w」
カメムシ「w」澪「あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!!」カメムシ「ww」
カメムシ「wwww」カメムシ「ww」カメムシ「w」
澪「」
和「予想以上ね……」
紬「和ちゃん……私達じゃ、ちょっと手に負えないかも……」
和「…………」
和「……考えがあるわ。ちょっと待ってて」
-
………
………数十分後
………校庭前
唯「和ちゃんまだかなぁ」
律「もうもたねーぞ、澪が」
澪「ううーっ……」
ーードドドドドドド
唯「?」
ーー和「お待たせ。上の説得に手間取っちゃって」ドルルルン ドルルルン
律「の、和!? なんだよこれ!?」
澪「バ、バイクぅ……!?」
梓「和先輩バイクの免許持ってるんですか!?」
和「ええ」
唯「ええ〜!?」
紬「す、すごいすごいっ! 和ちゃんかっこいい!!」キャー
和「ま、バイクは桜校のだけどね。いざというときに生徒会長の私が使えるようになってるの」
律「しかもこのくっついてんの、サイドカーってやつだろ?」
唯「とんでもないね和ちゃん……」
和「今からこれでホームセンターに行くわ。そこで殺虫剤を買ってくる」
律「なるほど、殺虫剤で一気に滅殺するわけか……」
和「そうよ。大量に買うから人手がいる。同乗者二人と、学校に残る三人に分かれてもらえるかしら」
紬「あ! はい! 私乗りたいですっ!」フンス
唯「私も私もー!」
律「それでいいか?」
梓「は、はい……」
澪「うん……」
和「決まりね。じゃた唯は後部座席に。ムギはサイドカーに乗ってくれる?」
唯「うへへ〜♪」 紬「わあ〜♪」
律澪梓「…………」
和「じゃあ行ってくるけど、今この間にも学校中にカメムシが入り込んでると思う。律達はできるだけカメムシを追っ払って」
律「……よ、よし!」
和「無理はしないで、部室を最優先にした方がいいわ」
和「私もやられたから分かるけど、アレのニオイが部室中に染み付くようなことになったらどうなるか……」
律「この前やられた時でさえ、取れるのに結構かかったもんな……」
紬「紅茶も取り替えなきゃいけなかったし……」
澪「私の靴も……」
和「ええ。当分の間ニオイや死骸に悩まされるだろうし、ひょっとしたら大掛かりな掃除まで必要になるかもしれない」
和「最悪、あんた達ティータイムの存続にも関わってくる」
梓「!!!」
律「責任重大だぁぁっ……!」
和「みんな、任せたわよ」
律「……よ、よし! 和も気をつけてな!」
澪「ひいい……」
梓「…………」
和「さ、行くわよ。二人とも掴まって」ドルルルルン
唯「ほい!」ギュ 紬「はい!」がしっ
ーーバオオオオオーーン!!!
ーー唯「りっちゃーん! 澪ちゃーん! あずにゃーん! ご武運をー!!!」
ーー紬「頑張ってねー!」
律澪梓「…………」
-
…♪
……♪
ーーバオオオオオーーン!!!
唯「うほーっ早い早あい!」
紬「街のあちこちにカメムシの塊ができてるっ……!」
和「道路の隅にもあるわね……。気を付けていかないと………」バオオオオーーン
……♪
………♪
〜〜律澪梓side〜〜
梓「ほうき、ちりとり、手袋にゴミ袋、準備はいいですか?」
澪「だ、だめかも……」ブルブル
律「澪! しっかりしろって! これは軽音部としての戦いでもあるんだぞ!」
梓「そうですよ澪先輩! 今頑張ることが、軽音部の未来に繋がるんです!」
澪「でも……でもぉ……」
律「とにかくやるぞ! いいか! けいおん部を死守する!!!」
澪「死守……?」 梓「死守……!」
律「死守ッ!!!」ドン!
梓(カメムシなんかに……私達けいおん部を……大好きな放課後ティータイムを、壊させやしないっ!!!)
…………!
………!
……!
〜〜和紬唯side〜〜
ーーワーワー ガヤガヤ…
紬「ホームセンターには着いたけど……」
唯「ほええ……すごい人だかりだね……」
和「……律、トラブル発生よ。同じことを考えてる人達がいた、それも大勢ね……」
律『あ〜……そーだよなぁ……。なんとかなりそう? こっちも思ったよりヤバくてさ……』
和「なんとか……するしかないわ。ただ、予定より時間がかかると思うから、そのつもりでお願い」
律『わかった……。頼むぜー』
和「ええ」ピッ
和「……唯、ムギ、殺虫剤を手に入れるわよ、売り切れる前に」
唯紬「「イエッサー!」」
紬「じゃあ唯ちゃん! 行けるところまで行くねっ!」フンス!
唯「ほい!」
紬「キャオラァァァァァ!!!」グアアアアッ
和「ムギの後ろにつけばかなり割り込めるわね」
和「でも大丈夫? 流石に一番奥まではいけないと思うけど」
唯「だいジョーブ! 人混み抜けるの得意だもん! クラス表見る時もうまく行ったんだよ!!」
和「気を付けてね、唯」
紬「むぎゅ……ゆ、唯ちゃん! あとはお願いしますっ!」
唯「合点!!! いってきまーす!」
ーー唯「のぼがぢゃんヘイパース!!!」ぽーい
和「っと……! 商品を投げるんじゃないわよ……。でもま、とりあえず一つ目ね」
-
…!
……!
………!
〜〜律澪梓side〜〜
澪「オエエエエ!! オエエエエ!!」オエエエ!!
梓「キエアアアアァ!!!」ビシビシビシィ
カメムシ「」 カメムシ「」 カメムシ「」
澪「!」
梓「けいおん部は…………私が守るっ……!」ぷ〜ん
澪「梓……!」
律「うわクサッ!?!? 梓クサッ!!!!」
カメムシ「wwww」ブーン
カメムシ「www」ブーン
梓「ふんっ! がっ!!!」ビシビシッ
カメムシ「」 カメムシ「」
梓「集中すれば、自分の間合いに入ったカメムシなら落とせます! 澪先輩ファイトです!!!」
澪「う、うううっ」
梓「たあああっ!」ビシビシっ
カメムシ「」 カメムシ「」
カメムシ「ww」ピトッ 梓「ぐううっ!!!」カメムシ「www」 カメムシ「ww」ピトッピトッ
梓「があああああ!!!!!!」ザンッザンッ
カメムシ「」カメムシ「」カメムシ「」
梓「うっおおおお〜〜〜〜っ!!!!」
〜〜和唯紬side〜〜
和「よいしょっと……」ずっしり
唯「大奮発ですな!」
紬「たくさん買ったね〜」
和「予算的にもこれが限界ね……。オッケ、ありがとうふたりとも、すぐ学校に戻るわよ!」
唯紬「「はいっ!」」
ーー和唯紬「あっ!!!」
カメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシ
カメムシカメムシ 和のバイク カメムシカメムシカメムシ
カメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシカメムシ
和「行きは良い良いってところかしら……」
唯「……帰りも良い良いだよ、和ちゃんっ」 紬「うん! 私達の力を合わせれば!」
和「ふ……そうね」
和「じゃ、この殺虫剤の効果を早速試してみようかしら」スチャ
唯紬「「はい!」」スチャ
和唯紬「うおおおおおおおーっ!!!」
-
〜〜桜高side〜〜
梓「シャアアアアアアアッ!!!!」ズバズバズバッ
カメムシ「」カメムシ「」カメムシ「」カメムシ「」
澪(梓があんなに頑張ってるんだ……。軽音部のために……。わ、私も……!)
澪「〜〜〜〜っ!」
澪「 う わ ア ア ア ア ア ア アーーーッ!!!」ブンブンブンブン
カメムシ「」カメムシ「」カメムシ「」カメムシ「」カメムシ「」カメムシ「」
律「いいぞ澪!」
澪「くうううーっ!!!」ぶんぶん
澪「わっ!?」コケッ
澪「い、痛……」
カメムシ「www」 カメムシ「ww」 カメムシ「wwww」ブーン
澪「ひいいいいーっ!?」
ーー律「ふんっ! はっ!!!」バシバシバシッ
カメムシ「」カメムシ「」カメムシ「」
澪「り、律ぅ!」パァァ
律「まったく! いつまでもスリッパ履いてるからだよっ! ほーら立てっ」
澪「うんっ!」
…♪
……♪
………♪
ーーバオオオオオーーン
和「さあ! もうすぐ学校よ!」
唯「ほい!」
紬「の、和ちゃんっ!!」
紬「轢いちゃったカメムシがタイヤのところに詰まって……!!!」
和「えっ!? す、スリップする……!!!」ギュルギュルッ
唯「ひいーっ!?」
和(まずい! 急ブレーキを掛けたらなおさらバランスが崩れる!! ゆっくりスピードを落とそうにも、他の車と激突する!! 間に合わない!! もう学校は目の前なのに……!!!)
和(そうだ、こうなったら……やるしかないわ!!)
和「ふんっ!!!」ギュアアッ
唯「ふぇ!? 和ちゃん!? そっち歩道だよ!?!?」
和「歩道を突っ切って校庭に出る! 幸い歩行者はいないわ! これしかないっ!」
唯「〜〜〜の、和ちゃんを信じる!」
和「掴まって!!!」
ーーガグンッ!!!
和唯紬「ッ!!!!」
ーーバオオオーーン
紬「や、やった! 校庭に出たわ!!」
和「くっ……ブレーキがきかないっ……!」
和「ムギ! 飛ぶわよ! 唯!」がしっ
唯「ほえ!?」
紬「あ、え、えいっ!!!」ぴょんっ
和「はっ!!!」バッ 唯「ぎーっ!?」
ーードオオオーーーン!!!
唯「あいたたーっ! ……おお! バイクがサッカーゴールにシュートだね!」
和「はぁ……はぁ……なんとかなったわね」
紬「た、楽しかったわぁ……」うっとり
-
律「おーい!」
澪「和ぁ! 唯! ムギーっ!」タタッ
唯「りっちゃん澪ちゃん!」
律「みんな! ダイジョブ!?」
和「大丈夫よ」唯「なんとか〜」紬「無事でした!」
和「そっちも大丈夫だった?」
律「ああ、なんとかな。部室だけは……」
和「澪、苦手なのによく頑張ったわね」
澪「いや……頑張ったのは梓だよ」
律「そうだな……。梓のやつ……最後の最後まで……」
唯「えっ……」紬「うそ……」和「……!」
唯「あずにゃんっ!!」ダッ
ーーーけいおん部部室入り口前ーーー
梓「」
唯「…………!」
和「梓ちゃん……!?」
紬「そんな……」
律「アタシ達が言っても、決してドアの前から離れなかったんだ……」
澪「もう、立つこともできずに……」
唯「…………」
梓「センパイ……」
唯「!」
梓「私……守りましたよ……けいおん部…………」
唯「あずにゃん!」ぎゅっ
梓「ダメですよ唯先輩……私、クサイですよ……?」
唯「頑張ったねぇあずにゃん……よしよし……」
梓「ユイセンパイ……」
唯「ゆっくり休んでね……」ナデナデ
梓「フ……——
梓「」ガクッ
唯「………っ!!!」
澪「梓ぁっ……!!!」
紬「梓ちゃんっ……」ウルウル
和「…………」クッ
律「ほんとうに、勇敢な後輩だった……アタシ達で、手厚く葬ってやろう……」
-
………♪
……♪
…♪
ーー軽音部に入ることができて幸福でした。
どうか笑顔を忘れないでください。先輩方が泣いていると、私も悲しくてたまらなくなる。
後ろめたいなんて思わないで、私という後輩がいたことを覚えていてくれるだけでいいんです。
叶うことなら、生きてそばにいたかった。でも、それ以上に守りたかった、けいおん部を。
自分のことが不幸だとは思いません。自分にできる精一杯をやれたから。
それはみなさんのおかげです。胸を張って生きてください。私の大事な大事な、最高の仲間達よ。
…♪
……♪
………♪
律「あったなーそんなことも」
唯「あれはあれで、楽しかったよね〜」
紬「うん♪ あんなこと、滅多にないもんね」
澪「はは……あれのおかげで、カメムシだけは慣れちゃったよ」
梓「ですねww」
きゃいきゃい
唯「あっ!」
唯「……澪ちゃん」
澪「ん?」
唯「背中にカメムシが張り付いてるよ!」
澪「ぎゃあああああああああああ!!!!」
おわり!
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