梓「何度言わせるんですか」
唯「だから何回言われても無理だってば」
唯「意味がわからないよ」
梓「ここにちゃんと入れ方が書いてあるじゃないですか」
唯「使い方の話じゃなくて」
梓「何がわからないって言うんですか」
梓「熱が下がらなくて可愛い後輩が苦しんでいるというのに」
唯「それは大変そうだなって思うけど」
梓「じゃあ……」
唯「いや、だから普通の風邪薬をね」
梓「風邪薬アレルギーなんですよ」
唯「病院行ってきなよ」
梓「唯先輩がおんぶして連れて行ってくれるっていうんですか？」
唯「救急車呼びなよ」
梓「風邪ごときで救急車なんか呼べるわけないじゃないですか！」
梓「世の中には本当に救急車を必要としている重症患者がたくさんいるんですよ」
唯「頭の中身は重症みたいだから大丈夫だよ」
"
梓「大丈夫じゃないから唯先輩におねだりしてるんじゃないですか」
唯「おねだりとか言わないでよ」
梓「熱が何度出てると思ってるんですか」
唯「それはわかるけど、私に座薬を入れさせるのはおかしいでしょ」
梓「何がおかしいっていうんですか」
梓「小生意気な後輩が弱ってる姿がそんなに面白いんですか！？」
唯「まず体勢がおかしいよね」
唯「なんでＭ字開脚で待ち構えてるの」
梓「挿入れてるところが見えないじゃないですか」
唯「見えるなら自分でやればいいのに」
梓「私が自分でしてるところを見たいっていうんですか！？」
梓「望むところですよ！！」
唯「望まないで」
唯「服脱がないで！！」
唯「仮に入れてあげるとしても普通は四つん這いだよね」
梓「こうですか？」
唯「仮の話をしてるんだよ」
梓「そういえば、下ネタ苦手な振りしてるくせにＭ字開脚とかいう言葉は知ってるんですね」
唯「………」
梓「ちょっ、待ってください！わかりました、言われた通りの体位にしますから！」
唯「リクエストしたわけじゃないからね？」
梓「こんなこと頼めるの、唯先輩しかいないんですよ」
唯「いや、まず親御さんとか病院とか……」
梓「年頃の乙女が人前でそんな恥ずかしい真似できるわけないじゃないですか」
唯「その格好で言われても……」
梓「なにもタダでしてくれと言ってるわけじゃないんですよ」
梓「唯先輩が風邪ひいた時は私が座薬入れてあげますから」
唯「結構です」
梓「じゃあこういうのはどうですか？」
梓「まず唯先輩に口移しで風邪をうつすじゃないですか」
唯「ちょっと待って」
梓「唯先輩に熱が出てきたら私が座薬を」
唯「待て！！」
梓「いや、風邪って人にうつすと治るっていうから……」
唯「頭がおかしいのを直してよ」
梓「熱が出てるんですからおかしくもなりますよ」
唯「開き直られても……」
梓「これはそういうプレイじゃなくて純粋な医療行為なんです」
唯「医療行為なら病院行ってきなよ……」
梓「じゃあスキンシップです」
唯「座薬をスキンシップ扱いは無理があるよね」
梓「ちゃんとスキンつけますから」
唯「つけられても」
梓「スキンつけたら座薬の意味がないですもんね」
梓「私にとっては意味のある行為ですけど」
唯「………」
梓「だからそういうプレイじゃないんですって」
梓「病人を放置して帰ろうとしないでください」
"
唯「この家、普通の風邪薬とかないの？」
梓「買い置きがなくて……」
唯「むしろ何で座薬だけあったの」
梓「何かの時に使えると思って」
梓「まさかこんな形で役に立つとは」
唯「……お母さんとかはいつごろ帰ってくるの？」
梓「今日は両親とも遠くの親戚の所に行ってて帰らないんです」
唯「風邪薬、私が買ってこようか？」
梓「持ち合わせがなくて……」
唯「じゃあ一回家に戻って、それから買ってくるよ」
梓「私をこんな所にひとりぼっちにしていくんですか？」
唯「自分の部屋だよね？」
梓「唯先輩が目を離した途端、症状が悪化してしまうかも」
唯「大げさすぎるよ」
唯「頭はどんどん悪化してるみたいだけど」
梓「私が亡くなってから後悔しても遅いんですよ」
梓「あのとき意地を張らずに座薬を入れてあげてれば……って」
唯「意地を張って嫌がってるわけじゃないんだけどね」
唯「いいかげん服着てもらっていい？」
梓「女子高生の下着姿なんてそうそう見れるものじゃないですよ？」
唯「間に合ってます」
梓「女子高生ですもんね」
唯「いいからほら、熱あるんでしょ」
梓「そういう突っ込みじゃなくて、座薬を突っ込んで欲しいって言ってるんですよ」
唯「わかったから無闇に服を脱がないで」
梓「恥を忍んで頼んでるのになんなんですか」
唯「いや、せめて恥ずかしがってよ」
唯「なんで座薬いれられる側が積極的なの」
梓「そりゃ恥ずかしいですよ」
梓「はずにゃんですよ」
唯「本格的に熱が出てきたの？」
梓「人が熱を出して苦しんでる時に四の五の言わないでください」
梓「この非常時にいやらしい事ばっか考えないでください」
唯「どの口が言うの……」
梓「どの口！？ 下の口って言わせたいんですか！？」
唯「言わなくていいから」
梓「下の口ですよ！！」
唯「わかっ…わかったから下着脱がないで」
唯「上の口も足も閉じて」
梓「イヤなのはわかりますけどお願いします」
唯「絶対わかってないよね？」
梓「ダメ元でお願いします」
唯「だからダメだってば」
梓「じゃあウソでいいですから」
唯「どういうこと？」
梓「ウソでいいから一言いいよと言ってください」
唯「やだよ」
梓「私だって恥ずかしいし、正直イヤなんですよ？」
唯「なんでそんな平気でウソつけるの？」
梓「いや、私だって唯先輩の立場だったら嫌がると思いますよ」
梓「後輩が熱出して座薬入れてくれなんて頼まれたら、私だって意味わかんないですもん」
唯「でしょ？」
梓「でも可愛い後輩に顔を赤らめて頼まれたら仕方ないなって思っちゃうかも……」
唯「可愛い後輩ならね」
梓「じゃあ……」
唯「可愛い後輩じゃなくなってるんだもん」
梓「えっ、後輩じゃなくて恋人だと……？」
唯「違うところが違う」
梓「あの時の約束はウソだったんですか！？」
唯「それだけ大声だせるなら大丈夫だよ」
梓「ゴホゴホ」
唯「あからさますぎる」
梓「前に唯先輩が風邪ひいた時、私本当に心配してたんですよ」
梓「唯先輩なしでライブなんてできないって……辞退したほうがマシだとさえ思って……」
唯「私も今の立場を辞退したいよ」
梓「唯先輩、あの時なんでもするって言ったじゃないですか」
唯「ライブ頑張るみたいなことしか言ってないよ」
梓「埋め合わせしとけとか言われてたじゃないですか」
唯「だから病み上がりに走り回ってライブ頑張ったよ」
梓「なんでも言うこと聞くって言ったじゃないですか！耳元で囁いたじゃないですか！」
唯「それ憂じゃないの？」
梓「胸の大きさが全然ちがいましたもん」
唯「………」
梓「待ってください！！話を聞いてください！！」
梓「私には座薬を突っ込んででも風邪を治さくちゃいけない理由があるんです」
唯「だからバカなことばっか言ってないで安静にしててよ」
梓「もうすぐ学園祭じゃないですか」
梓「先輩たちとライブできる、最後の機会じゃないですか」
唯「………」
梓「唯先輩にとってはバカみたいなことかも知れないですけど」
梓「先輩たちと一緒にいられる時間を、一日だって無駄にしたくないんです」
唯「あずにゃん」
梓「はい、私もずっと前から好きでした」
唯「そういう話じゃないから、ちゃんと聞いて」
梓「はい」
唯「卒業は終わりじゃないんだよ」
梓「………」
唯「毎日ってわけにはいかないかも知れないけど、
私たちが卒業したって、会おうと思えばいつだって会えるでしょ？」
唯「ライブだって、やろうと思えばいつだってできるし」
唯「これからもずっと放課後ティータイムの仲間なんだから」
梓「唯先輩……」
唯「今日だってこんな形で会えたんだし、無駄な一日にはならなかったよね」
梓「……はい」
唯「だから今日はもう帰っていい？」
梓「えっ」
梓「マジで言ってるんですか」
唯「私はいつだって一生懸命だよ」
梓「だから後輩の看病を一生懸命してあげてくださいよ」
唯「でも私まで風邪ひいちゃったら本末転倒だし」
梓「バカは風邪ひかないって言うじゃないですか」
梓「あっ、風邪ひいてましたねそう言えば」
唯「………」
梓「その前の年も酷いガラガラ声で歌ってたんでしたっけ」
唯「だから今年っていうか最後くらいは万全の体調でライブやりたいの」
梓「私とライブとどっちが大事なんですか！？」
唯「私が言いたいよ」
梓「私は唯先輩のほうが大事ですけどね」
唯「じゃあ風邪うつらないうちに帰っていい？」
梓「いや、ライブだって大事ですよ」
唯「じゃあ風邪うつらないうちに帰っていい？」
梓「あれっ？」
梓「唯先輩がどうしてもイヤだと言うなら、憂にでも頼んでみます」
唯「憂まで巻き込まないでよ」
梓「頼み込んだらしてくれそうじゃないですか」
唯「都合のいい女みたいに……」
梓「どうします？実の妹にこんな汚れ仕事を押し付けようって言うんですか？」
唯「汚れ仕事の自覚はあるんだね」
梓「ちゃんと洗ってますから汚れてないですけどね」
唯「そうですか」
梓「ああ、このまま熱が下がらなかったら私はきっと……」
唯「大げさだってば」
梓「唯先輩はここでも私を置き去りにして行ってしまうんですね」
唯「えっ……うん」
梓「いいんです、帰っていただいて」
梓「私の汚らしい雑菌が唯先輩にうつってしまうといけないですから」
梓「両親もしばらく帰らないし、このまま衰弱死するかも知れないですけど」
唯「………」
梓「最後の学園祭、私も一緒に演奏したかったなぁ……」
唯「わかったよ、もう！」
唯「……じゃあ力抜いて」
梓「ちょろい」
唯「何か言った？」
梓「初めてなので優しくしてください」
唯「軽い気持ちでお見舞いに来るんじゃなかった」
梓「初体験なんてそんなもんですよ」
唯「上の口は閉じてていいよ」
梓「ちょっ、ちょっと待ってください、心の準備が」
唯「私も準備期間を与えてもらえなかったんだけど」
唯「ていうか早く済ませたいんだけど」
梓「違うんですよ」
梓「最近知ったんですけど、座薬って肛門じゃなくて膣に挿入れても効果があるそうなんです」
唯「絶対イヤだからね？」
梓「ここまできたらどっちでも一緒じゃないですか」
唯「普通お尻でしょ」
梓「唯先輩はお尻のほうが好みかも知れないですけど」
唯「どっちもイヤなんだけどね！？」
梓「お尻の入り口から投与する薬にどうして解熱作用があるのか知ってます？」
唯「本来は出口だけどね」
梓「普通、そんな所に異物を挿入れたら身体が熱くなってしまうものじゃないですか」
唯「自分を普通の基準にしないで」
梓「要は体温で溶けて直接体内に吸収されれば効果があるんですよ」
唯「そうですか」
梓「唯先輩」
唯「イヤです」
梓「先っぽだけでいいですから」
唯「セリフの状況が逆でしょ」
梓「そういう状況があったんですか……？」
唯「逆っていうか！！ もう何もかもおかしいよ！！」
梓「唯先輩、おちついて」
梓「膣だけに」
唯「うるさいよ！！」
唯「……はい、終わり！」 ﾍﾟﾁﾝ
梓「お尻が……お尻に……」
唯「あとは妙な事しないで安静にしてて」
唯「ていうか早く服着て」
梓「はい……」
唯「後でなにか栄養つきそうなもの持ってきてあげるから」
梓「初めてをあんな強引にされるなんて……」
唯「ぜんぜん力抜いてくれないからでしょ！？」
梓「あの、もう一つだけお願いがあるんですけど……」
唯「……ええ？」
梓「ちょっと恥ずかしいんですけど」
唯「今さら恥ずかしがられても」
梓「実は最近お通じの調子が悪くて、浣腸も……」
唯「やらないよ！？」
紬「……という夢を見たの」
律「バカかお前」
澪「あれ、唯は？」
紬「梓ちゃんの風邪がうつったみたいだから早退するって」
律「えっ？」
おわれ
こういうしょうもない話ばかり思いつくんすよ
（ムギが）
ちゃんとした話も楽しみに待ってます
乙です