■掲示板に戻る■ ■過去ログ 倉庫一覧■
梓「ふーぞく!」
-
梓「一日中家に引きこもってパソコンは楽しいなあ」ピコピコピコ
梓「あ、なんかある!」
梓「え?なになに?風俗行ったら人生変わった話?へーそういうのあるんだ」
梓「あれれ調べてみるとそういうのっていっぱいあるんだね。ふーん、今まで物事に臆病だったけど風俗に行ったらそれ以来前向きになった……ふうん、なになに、仕事のできない後輩を風俗に連れて行ったら見違えるようになった」
梓「へー?あ、そうなんだ、変わるもんなんだなあ、知らなかったよ」
梓「じゃあちょっと行ってみようかな、人生を変えに」
"
"
-
風俗の店!
梓「なんか怖い雰囲気だなあ、怖いものが出てきそう」
梓「町がまず怖いもんねー、わかんないけど、深夜とか怖そう」
人「いらっしゃいませー」
梓「あ、どうも」
人「どの子を指名いたしますか」
梓「あ、えと、猫耳似合う子を指名したいんですけど……」
人「当店ではそういうサービスはやってないんですよ、申し訳ないです」
梓「そうですか、じゃあなんでもいいです、ごめんなさい」
人「じゃあフリーということでよろしいでしょうか?」」
梓「あ、はい、そのフリー?で」
人「かしこまりました。こちらで少々お待ちください」
梓「あ、はい」
-
梓「わ、怖い、怖いなー。もう喋り方が怖いもんなー。丁寧なところが逆に」
梓「はーまだかなぁ……なんか寒いなぁ」プルプル
ガタッ
梓「わっ怖い……なんだ別のお客さんか」
梓「緊張するなぁ……怖い」
梓「……」
梓「……」
梓「だめだ、逃げよう!」
ガチャンバタバタバタバタ
梓「はあはあ……ここまで来れば流石に平気だよね」
梓「ふぅ、怖かったぁ……でもこれで人生変わったのかな?」
梓「あ、変わった気がするぞ!」フンス
梓「やったぁ!人生変わったじゃん!」グッ
-
唯「あー、あずにゃんだー!こんなとこで会うなんて奇遇だねっ」ギュー
梓「わ、やめてくださいよ。っていうか、唯先輩、風俗で働いてるんですか?」
唯「いや、風俗では働いてないよ」
梓「そうですか……」
唯「それよりあずにゃんは今日はどうしたの?」
梓「ああ、いや。わたしさっき風俗に行ってきて……」
唯「風俗?」
梓「ええ、ちょうど人生が変わっちゃったところなんですよ!」
唯「へーそれはずいぶんいい体験だったみたいだね」
梓「はい」
唯「え、もっと聞いていい?」
梓「はい!もちろんですよ。根ほり葉ほり聞いてください」
唯「じゃあさ、いきなり聞いちゃうけど本番とかしたの?」
梓「本番はしないですね」
唯「本番なしのお店だったんだ」
梓「いや、ありのお店ですよ」
唯「ありだけど、しなかったんだ?」
梓「はい」
唯「はじめてだと緊張しちゃいそうだもんねえ」
梓「ええ、すっごく緊張しましたよ。もうぜんぜん別世界でしたもん」
唯「おお、そうなんだー」
梓「はい、なんか人生変わったって感じです!」
唯「あはは、あ、そうだ。あずにゃんこの後ひま? よかったら一緒にご飯でも食べない?」
梓「うーん、暇ですけど。人生変わったばっかりだからなあ、どうしよ」
唯「だめ?」
梓「んー、うーん……ま、いいですよ。人生変わったばかりのわたしでよければですけど」
唯「いいよいいよ。なんか食べたいものとかある?」
梓「なんでもいいですよ……と、今までのわたしなら言っていたところですが……人生が変わったのでお寿司が食べたいです!」
唯「お寿司かあ、回るやつでいい?」
梓「はい」
唯「じゃあちょっとスマホで調べるね」
梓「あ!あそこにデニーズありますよ」
唯「でもデニーズって寿司屋じゃなくない?」
梓「でもまあいいじゃないですか、あそこにあるんだし」
唯「ま、あずにゃんがいいならいいけどさ」
からんからんからん
-
梓「ね!唯先輩はなに食べます!わたしは和風ハンバーグセットのダブルにします!」
唯「だぶる?あ、ふたつ頼むってことなんだ……ハンバーグセットにダブルってはじめて聞いたな……」
梓「どうでもいいですよ!そんなの!唯先輩は!なに頼むんですか!」
唯「なんか楽しそうだね!あずにゃん」
梓「だって、人生変わってはじめての食事なんですから!楽しいですよ!ハッピーです!これは幸せって意味ですけどね!」
唯「そっか、わたしはイカスミパスタにしようかなー」
梓「あ、それベストチョイスです!」
唯「じゃあなんであずにゃんは違うの頼んだのさ……」
"
"
-
唯「でもさあ、あずにゃんがなんていうのかな、そんなに……その……たまって?たの?」
梓「いや、そうじゃないです。インタネットに風俗に行くと人生が変わるっていう話があったので、行ってみようと思ったんです」
唯「そんなに人生を変えたかったの?」
梓「はい、とっても」
唯「なんかやなことがあったんだ? あんまりそんなに風には見えなかったけど」
梓「いや、やなことはなにもなかったです」
唯「じゃあ、なんで、人生を変えたかったの?」
梓「それは」
唯「それは」
梓「人生を変えたかったからです」
-
唯「だから、なんで!」
梓「だから、人生を変えるために……」
唯「だからそれがなんでかって!」
梓「え?」
唯「だからね人生を変えたいって思うってことはその前の人生が嫌で新しくしたい!っておもうわけだよね?」
唯「なんで前の人生が嫌だったのかなあって思ってさ」
梓「別に前の人生は嫌ではなかったですよ。でも人生変えられるっていうから試しに変えてみようって思って」
唯「じゃああずにゃんは人生を変えるためだけに人生を変えたの?」
梓「そうですよ、わたし人生変えるの好きなんですよねー。けっこう昔から人生よく変えてて」
唯「えーなにそれ?」
梓「いやだから趣味みたいなものですよねー、気分転換によく変えるんですよ。ふられたあととか」
唯「髪の色みたいに?」
梓「唯先輩はなんかおすすめの人生とか知りませんか?」
唯「いや、わたしは一応生まれつきのでずっとやってるからなあ」
梓「あ、そうですか。でもその人生はすごく唯先輩に似合ってると思いますよ、あと髪色も」
唯「えへへ、そうかなぁ」
梓「そうですよ!」
唯「ありがと」
-
唯「あずにゃん、最近は何してる?」
梓「最近はずっと家に引きこもってゲームかパソコンですね」
唯「金髪なのに?」
梓「髪の色は関係ないじゃないですか」
唯「褐色なのに?」
梓「それは体質ですよ」
唯「金髪褐色なのに、一日中家に引きこもってゲームしてるんだ?」
梓「最近はfalloutが出たんで新しいの。あのゲームやって人生が変わったとか言う人、すごく多くないですか?」
唯「わたしゲームとかはあんまりわかんないんだよねー」
唯「あ、でも、ぷよぷよはできるよ!」
梓「一番かわいいやつじゃないですか、それは。ぷよぷよだけのやつは」
唯「えへへ、そうかな」
梓「そうですよ、ほんとあざといですね」
唯「わ、わざとじゃないもん!」
梓「その怒り方があざとい」
梓「あざといの連鎖だ」
梓「フィーバー」
唯「うるさい」
-
唯「髪の色と言えばさ、やっぱ金髪にしたのも人生変えたいと思ったからなの?」
梓「そうですよ!」
唯「変わった?」
梓「人からかわいいって言われるようになりましたね、あ、でもそれは昔からか、どうでしたっけ?」
唯「えーどうだろー?わたしは正直黒いほうが似合ってると思うけど、まあでもそれはそれでかわいいかも!」
梓「別に唯先輩の意見は聞いてないですけど」
唯「むむむ……」
-
唯「でもあずにゃん大学に入ってから変わったよねー、大学デビュー?っていうのとは違うかもしれないけど」
梓「そうですか?」
唯「そうだよ!金髪にしたのもそうだし、服装とかふんいきとかも」
梓「どうなりました!」
唯「なんか近寄り難い感じ」
梓「そうですか」
-
唯「みんな言ってるよ、軽音サークルの人たちとか。あいつやばいやつなんじゃないのって」
梓「そうなんです?」
唯「そうだよ!すっごいわたし言われるんだよ!あの子どうしたのとか昔からあーいう感じなのとかなんか怖いとか」
梓「なんで唯先輩に言うんですか?」
唯「そりゃたぶんほらわたしとあずにゃんがなんかこう、近いと思われてるんじゃない?」
梓「家が?」
唯「家は近いけども!っていうか同じアパートにしようって言ったのわたしだけど!」
梓「お金ほしさにですよね」
唯「そうだけど!でもちがうじゃん……」
唯「だってほら、友達と住むと安くなるっていうのやってたから……それは巡り巡ってお金ほしさだけどー……でもちがうじゃん!」
梓「いや、よくわかんないですけど」
唯「お金じゃない大切なもの欲しさにだよ!」
梓「なんですか、それは」
唯「それは、だから……ふたりで過ごす時間っていうか」
梓「…………へぇ」
唯「や、やっぱうそ!うそだから!欲しいのお金!」
-
唯「っていうかそれより、あずにゃんの話だよ!」
唯「あずにゃん変な服とか着てくるよね」
梓「そうでしたっけ?」
唯「なんだっけ?I♡JAZZみたいな」
梓「あ、I♡Jazz喫茶Tシャツですか?」
唯「そう。なんで喫茶なんだよー」
梓「いいじゃないですか、お洒落ですよ」
唯「あとはなんかすっごい子どもの落書きみたいなのが描いてあるやつのトレーナー、あの、ほら、太陽に顔が描いてあって手と足が出てる」
梓「アラマブラ君トレーナーですか」
唯「あれそういう名前なんだ」
梓「そうですよ」
唯「あんなのなんで着てんのさ!」
梓「宗教上の理由で」
唯「意味わかんないし!」
-
唯「なんかみんなすごいダサいって言って笑ってて、わたしまで恥ずかしかったんだよ!」
梓「なんで唯先輩が恥ずかしいんですか」
唯「え、なんかない?そういうの。あるじゃん、あずにゃんにはない?」
梓「あのあれですよね、自分の大好きなお店とかがネットで叩かれてたりするとなんか自分のことじゃないのに悲しくなっちゃうみたいな」
唯「そうそうそれだよー」
梓「わたしは唯先輩のフェイバリットスポットかっ! 」バシン
唯「いったぁ……なんで叩いたのさ」
梓「わたしは唯先輩のフェイバリットスポットじゃないのに唯先輩が勝手にフェイバリットスポットにしたから……」
唯「それはたとえじゃん!あとフェイバリットスポットかどうかはわたしが決めることだし」
梓「じゃあわたしは唯先輩のフェイバリットスポットなんですか?」
唯「え?」
梓「わたしが唯先輩のフェイバリットスポットかどうかは唯先輩が決めるなら、どうなんですか、わたしは唯先輩のフェイバリットなんですか、ちがいますか」
唯「え、わかんない、えっとね……」
唯「うーん……」
唯「ふぇ……フェイバリットスポット…………ア、リトル?」
梓「語順!」
-
唯「あとHTTシャツとかもふつーに着てくるよね、あずにゃん」
唯「ちょー言われるもん、あの子、あのちっちゃい子、今日も放課後ティータイムのTシャツ着てたよーって。あの子HTTのこと大好きじゃんって!すごい恥ずかしい!」
梓「いいじゃないですか、ほんとに大好きなんですから。あと着心地がいいし」
梓「ていうかなんでいちいち唯先輩に言うんですか、そいつらは。唯先輩の舎弟なんですか」
唯「舎弟じゃないよ、あずにゃんの行動が目に余るから忠告してくれてるんだよ」
梓「そんなこと言えばわたしよく宣伝してますけどね、放課後ティータイムのこと。学食で隣に座った子とかにライブのチケットあげたり、あと講義で発言した後とかにあ、CDが出てるんで買ってください、って言ってますよ」
唯「やめてよー!そんなの!恥ずかしいよ!」
梓「でももう毎回言ってるから言わないと教授にキミ今日はバンドの宣伝はいいのかい?っていじられて逆に目立っちゃいますよ」
唯「もー、ばか!」
-
唯「はぁーあ……あずにゃんほんとに変わったよね。高校のときはあんなかわいい後輩だったのに」
梓「っていうかむしろ高校のときが特別だったんですよ。わたし子どものことからずっと人生変わりまくってますから」
唯「変わってるっていうか変えてるんでしょ?」
梓「そう、そうです。でも高校時代の3年ずっと変わらなかったっていうのは長かったなあ、それだけ先輩たちとの出会いが衝撃的だったんでしょうけど」
唯「ま、そう言ってくれるのは嬉しいけど」
梓「まああの時が一番大きいですね、一番人生変わったかな。中学生のときわたしぜんぜんあんなじゃなかったですもん」
唯「えーどういう感じだったの?」
梓「いっつも自分の席に座って友だちどころかちょっとお話する相手さえいなくて休み時間とかはずっと一人で本読んでて、いわゆる眼鏡とかかけてて周りのみんなからも……」
唯「いじめられてたの?」
梓「いや、普段喋ったりはしないけどよくよく見るとすごくかわいいって評判でしたね」
唯「なんだよー」
梓「え、いじめられてた方がよかったですか?」
唯「うん……そ、そんなことはない、ないけどさ!」
-
梓「でもって小学生の頃は子役やってましたからね」
唯「え、テレビとか出てたの?」
梓「あずみんって知りませんか?」
唯「ああ、え?あ!聞いたことある!あるよ!」
梓「後にですけど、あの人がいまの取材とかも来たんですよ」
唯「ほんとに!?」
梓「ええ、お蔵入りになっちゃったみたいなんですけどね」
梓「画が取れなかったんですよね」
唯「なんか業界用語っぽい!」
梓「えへへ」
-
唯「でもなんで芸能界引退しちゃったの?」
梓「ちょっとしたことがあって……」
唯「え、なに?聞いてもいいこと?」
梓「別にいいですけど、人生が変わるにしてほんとにちっぽけな出来事ですよ」
唯「なにがあったの?」
梓「見ちゃったんですよ」
唯「芸能界の闇を?」
梓「あはは、そんなんじゃないですよ。ただ両親が喧嘩してるのを見ちゃったんです」
唯「喧嘩?」
梓「はい、なんかわたしの今後の売り出し方みたいなことで言い争ってたんですけもそれ見てなんかやになっちゃって」
梓「わたしのことで二人が喧嘩するならもう子役なんかやめちゃおうって思ったんです」
唯「へーいい話だ」
梓「いい話なんかじゃないですよ」
梓「もしかしたらあのまま芸能界にいたほうが将来有名になってお金とかいっぱい稼げてふたりを楽にできたのかもしれないですし」
梓「結局のところわたしは自分のせいで親が争うっていうところ見るのが嫌だっただけで、一番簡単な方法でそこから逃げ出したってだけのことですよね、良くも悪くも」
唯「わたしはあずにゃんのそういうとこ好き」
梓「わたしはわたしの顔が好きですね!」
唯「やっぱあずにゃんって根は優しいんだね」
梓「わたくしきれいな花でございますから毒があるけど根はいい子です」
唯「あとはそういうところだよねー」
梓「えへへ」
-
唯「でもそれで人と関わるのが嫌になって本の世界にはまって文学少女になったと」
梓「いや、ちがいますよ」
梓「そのあとは男を殴るようになりました」
唯「え?」
梓「ほら、よく小学生時代にいるじゃないですか、なんか男勝りで、男の子を平気で殴ったりする女の子、あれです」
唯「ああ、いるかも」
梓「あれがわたしです」
唯「ああ、そういう元気な子に変わったんだ今度は」
梓「そうですよ、毎日、男殴るためだけに小学校に行ってました」
唯「え、そういうことなの?」
梓「生きがいでした」
唯「そ、それだけってこと?」
梓「ええ、もうそれだけですよ」
梓「まあときどきはキックも交えましたけど」
唯「それは知らないけど」
唯「でもそれってちがくない?あずにゃんの場合手段と目的が逆になってるよーな」
梓「いや、あの手の女子はみんな男を殴るために男殴ってるんですよ」
唯「絶対違うよ」
梓「なんでわかるんですか、あ!唯先輩も男殴ったことあるんですか!?」
唯「ないけど!」
梓「もったいないですね、男殴れるのなんて小学校のときくらいですよ」
唯「まぁ、たしかに……いや、殴りたくなんかないし!」
-
唯「ま、ま、いーや……で、今回は、その人生の転機にはなにがあったの?」
梓「一冊の本ですね」
唯「本?」
梓「ええ、当時の担任から本をもらったんです」
梓「お前は勉強もせず男ばっかり殴って、これを読んでみろ、人生が変わるぞと言われました」
唯「あ!それで中学では文学少女になったと」
梓「いや、そのあとはヤンキーになりました」
唯「なんでさ!」
梓「やっぱ、時期的に荒れちゃうんですねー、思春期だし」
唯「そうじゃなくて、本は!」
梓「本?」
唯「本もらって読んで人生変わったんでしょ? どんな本?」
梓「いや、正直内容はまったく覚えてませんね。ただ、分厚い本なんですよ、こんなもんですねたぶん、唯先輩じゃ一生かかっても読み切れないような。それを寝ころんでこうやって頭の上に掲げて読んでたんですよね。そしたら腕に筋肉がついちゃって、なんか強くなった気がしたから、いつもガンつけてきた近所のコギャルを思い切り睨み返したら喧嘩になってなんかいつの間にか相手ぼこぼこにしちゃって、数日後そいつが仲間を5人くらい引き連れて復讐にきたからそいつらを倒したら、やべえやつがいるって噂が広がりはじめて、なんかわかんないけど毎日いろんなやつが喧嘩ふっかけてくるようになって、あとは雪だるま式にですね」
唯「あー……本格なんだ……」
梓「どういうんだと思ってたんですか」
唯「なんか、えーと……学校帰りにマックに寄ってそのまま深夜までいるとか」
梓「え?」
唯「あと、学校に香水をつけてくる」
唯「あ、あと普段着なのに学校のジャージの下を履いてる」
唯「しかも裾のきゅっとしたところが切ってあるし……なんなんだろあれ」
唯「なんかゲーセンとかも好き」
唯「すぐ肩パンしようとか言う」
唯「頭が悪い」
梓「ビビリですか!」
唯「ビビリだよ!」
唯「行ったコンビニの前で何者かが座ってると逃げるもん」
梓「でも唯先輩よく怖い人にも物怖じせず話したりするじゃないですか」
梓「ほらあのライブハウスとか、軽音サークルのあの人とか」
唯「それはなんだかんで今安全圏にいるなっていうのがわかってるもん!線引きがあるの。安全を確認してる!みんなもいるしね……」
唯「わたし安全だとわかれば怖い人でも知らない人でもすごいぐいぐい話しかけられる!」
唯「でも野生は無理、何するかわかんないし」
-
梓「わたしは野生だったんですよ」
唯「えぇ……そうなんだ……」
梓「典型的ですね」
唯「うへえ」
梓「あれとか着てましたよ、こうなんか丈がすごい長いコートみたいな」
唯「あーなんか背中に漢字が書いてあるやつか」
梓「天下統一でした」
唯「戦国時代だよう……」
梓「あとこう開いたとこの内側にも書いてあるんですよね、わたしは夜露死苦でしたけど」
唯「あーテレビで見たことある」
梓「さて問題です。左側にはなんと書いてあったでしょう?」
唯「えーなに、なんだろ」
梓「ちっちっちっちっ」
唯「わかんない……ていうかわかりたくないっていうか」
梓「ちっちっちっ……はい、時間です」
唯「えーじゃあもう……喧嘩上等で!」
梓「はい、ぶっぶー。正解は毎日祝日でしたー」
唯「みんなの夢だ!」
-
唯「じゃああずにゃんほんとの不良だったんだね」
梓「そうですね、地元でも有名な札付きの悪です」
唯「それ一番怖いやつじゃん!わたしの一番嫌いなやつ!」
梓「鉄球の女とか言われて恐れられてましたよ」
唯「あ、それあれでしょ。なんか鉄の棒の先に鎖がついててその先に鉄球がついてるやつでしょ!それ振り回してたんだ!」
梓「それはよくわかんないですけど……」
唯「なんでさ!」
梓「あとグループみたいなのもやってましたよ」
唯「レディースとかいうやつ?」
梓「ああ、そうですそうです」
唯「それでみんなでマックの二階の窓側の席を占領してたんだ!」
梓「それはもうなんか逆にかわいいですよ」
唯「かわいくないよ!こっちは死活問題なのに!」
梓「マックの二階に行かなきゃよかったじゃないですか」
唯「Wi-Fiあったし……」
梓「そんなWi-Fiで毎日なにしてたんですか!」
唯「猫の動画見てた」
梓「ま、不良たちより唯先輩のほうがかわいいですよね」
唯「当然だよ」
-
梓「とにかくわたしはマックの二階でうるさくしたことはないですよ、そういうことはしない不良でした」
唯「じゃあ許す」
梓「ありがとうございます」
梓「あ、てかぁ、料理ぜんぜん来なくないすか?ちょー腹立つんですけどぉ」
唯「え、なに?急に」
梓「来んのやば遅いッスよねー、先輩」
唯「なんかヤンキーっぽい喋り方だけど……そういう感じはあるけど」
梓「まじむかつきですよ。むかつき」
唯「むかつきなんだ……」
梓「あの店員、ぶっとばしていいですか?」
唯「だめだめだめだめだよっ!別にあの店員ひとりのせいではないと思うしね!」
梓「いやいや、うちはぁ、いいんスけど」
梓「でも、うち、唯先輩のことディスるやつ、許せないんですよねぇー」
梓「先輩のこと、まじリスペクトしてるんで」
唯「わたしは別にいいから、ね?」
梓「まじ、ちょと、やっちゃいますか?」
唯「だめ、だめだよぉ」
梓「まじワンパンですから、ワンパン」
唯「そうなんだ、ワンパンなんだね」
梓「これ以上遅いと俺もう我慢できないッスよ。かちこんじゃいます、兄貴」
唯「それもうちがくない? ジャンルが」
梓「そうですね」
-
梓「あ、きましたよ」
唯「ほんとだ!」
梓「おいしそうですね!唯先輩の!」
梓「一口いいですか!」
唯「いいけど……」
梓「わーい!」
唯「でもさ、あずにゃんがそういう不良だったなんて、なんかちょっとショックだな」
梓「自殺しますか?」
唯「自殺はしない!しないけど!」
梓「ま、若い頃はやんちゃでしたから」
唯「あ、そういう感じうるさいなあ」
梓「やんちゃんでした」
唯「台湾人だね」
-
梓「少年院にも入りましたよ」
唯「うそ、何やったの?」
梓「器物破損ですね」
唯「え、何壊したの? 先生の車とか? お礼参りみたいな……」
梓「いや、そんなたいしたものじゃなくてカメラを壊しただけですよ」
唯「カメラ?」
梓「カメラって言うのは、ほら四角い箱みたいなボディに、レンズっていう…………」
唯「カメラは知ってるよ!」
梓「あ、そうですか……携帯世代だから知らないかなと思って」
唯「わたし一応あずにゃんより上の世代だよ!」
梓「ま、ほんとに一応ですけどね」
梓「形ばかり」
梓「建前的に」
梓「たった一年先に生まれたというだけにしては異常なほどの権力を与えられる日本特有の悪習ゆえに」
唯「やめて!わたしちゃんと先輩だもん!」
梓「でも先輩って年上らしいことなにひとつしてないですよね」
梓「あ、もういいや。先輩にっていうか唯に敬語使うのやめるね。ばかばかしいし」
唯「やだ!なんかやだ!」
梓「でも敬する言語と書いて敬語なわけだし尊敬しない人には敬語使えないじゃん?」
唯「じゃあ!じゃあ、今から尊敬できる先輩的なことするから!見ててね」
梓「なにするわけ?」
唯「お小遣いあげる、千円」
梓「尊敬してございますよ、先輩です!」
唯「うん、敬語の使い方おかしいけど」
-
梓「お金いいんですか?」
唯「最近っていうか、けっこう前からバイトしてるからね」
梓「風俗で働いてるんですか?」
唯「いや、風俗では働いてないけど……ていうかあずにゃんはわたしに風俗で働いて欲しいわけ!?」
梓「えー、いやあ、そんなことはないっていうか……うーん、そうなのかな?」
唯「あー、あれでしょ!わたしがそういうところで働きそーとか、思ってるんでしょー」
梓「それはまったく思ってないです」
唯「ほんとー?わたしこれでもけっこう真面目なんだよ!二十歳になるまでお酒飲まなかったくらいだし!」
梓「ああ、それで軽音サークルの飲み会とかでなんかいつもひとりぼっちなんですか」
唯「ひとりぼっちじゃなくない?ないよね?ないよ」
梓「でもなんか浮いてるなあって思っていました」
唯「思わないで!それにあずにゃんに言われたくないし!ていうかそうやって思ってるなら話しかけてくれてもよかったじゃん!」
梓「小さい頃からみんなの中心だった唯先輩が、大学に入って急にはしゃぎだしたようなタイプの人たちを見下して悦に浸ってるところを邪魔したら悪いなと思って……」
唯「そういう頭のいい人の目線でわたしを分析しないで!しかも的外れだしね、結局ね」
梓「そうかなぁ、唯先輩ってナチュラルに人を見下しそうだからなあ」
唯「見、下さ、ない!」
梓「たぶん、いままでずっと唯先輩と同じ高い地位に住まわせて頂かせたわたしも今日で見下されるゾーンに入っちゃったんだろうな、過去が過去だから」
唯「そんなことない!」
梓「あーあ一夜にして城を追われてしまった。スラム街で男殴って金を稼ぐ生活に逆戻りですよ」
唯「どんな仕事なのそれは」
梓「風俗ですよ」
唯「ああ、そういう」
-
梓「ていうか、そうじゃなくて、唯先輩が風俗で働いてくれたら、わたしの人生も変われるようなそんな気がするんですよ!」
唯「なんであずにゃんの人生が変わるのさ!変わるのはわたしの人生だよ!」
梓「まあ、よくわかんないですけど」
唯「じゃあさあ、もしも、もしもだよ?わたしが風俗で働いてたらどうする?」
梓「そうしたら……」
梓「そしたら決まってるじゃないですか」
唯「そしたら?」
梓「あ、この先輩ぜんぜんリスペクトできないなってなりますね」
唯「ほらー!なんだよ!」
梓「あと飲み会ではぶりますね」
唯「はぶられてないし!」
梓「あと見下します」
唯「見下してもないもん!」
梓「なんでちょっと泣いてるんですか」
唯「あずにゃんがいじめるから……」
梓「ふふふっ」
唯「なんで笑ったのさ」
梓「いや、ふふ、ほんとーに泣いてるんだなあと思って」
唯「うるさいなもー」
-
梓「それでなんでしたっけ?なんの話でしたっけ?」
唯「あずにゃんが、悪いから、悪いあずにゃんが少年院に行ったって……」
梓「あー、ごめんなさいごめんなさい。元気だしてください。大丈夫、冗談ですよ」
梓「そう少年院の話ですよね。カメラを壊したんですよ」
唯「あーかっこいーかっこいー」
梓「だって、聞いてくださいよ!そいつがですよ、そのカメラの持ち主がずっとわたしのこと撮って来るんですよ、ずっとですよ? 着いてきてカメラで撮ってそれって盗撮ですよね!」
梓「しかもなんと家の中にまで入ってくるんですよ、で、ほら、わたしそのとき、ああいう感じでしたから、もうまじでぶちぎれて、てめ、何撮ってんだよっ!ってカメラをこう、がぁん!ってやったらぶっこわれちゃったんですよねー」
唯「へーすごいすごい。すごいからぱちぱち賞をあげます。ぱちぱちぱちぱち」パチパチパチパチ
梓「それでですよ、それで、そしたら、それ!なんと!テレビの撮影だったんですよ!」
唯「ふーん……」
唯「武勇伝だねすごいなー」
唯「……ん?」
唯「あ」
唯「あーーーっ、それってもしかして!あの人はいまの取材!?」
梓「そうです!そうです!」
唯「それもうなんかすごくない!?なんかすごいっ!!」
梓「そうですよ!」
唯「ていうか、画が取れないって言ってたけど本当の意味で取れなかったんだね!」
梓「そうです」
唯「あずにゃんは、ばっかだねえー」
梓「そうです、わたしはばかですよ。それで少年院ですからね」
-
梓「それで、その少年院でまた人生変わるようなことがあったんですよ」
唯「あ、そういう話よくあるよね」
梓「そこの看守みたいな人が言ってくれた一言がきっかけなんですけど」
唯「おーなんて言われたの?」
梓「俺はお前のことを人間として見てない、って」
唯「あーそれは変わるかもね、人生」
梓「雌豚だって言われましたよ」
唯「戦争映画とかである感じだね」
梓「まあ、でも、それで人生また変わったんですよね」
唯「更生しておとなしくするようになったんだ?」
梓「いや、鬱で引きこもりになりましたね」
唯「落差だなあ」
-
梓「うら若き乙女時代にあんなこと言われれば誰だって鬱のひとつやふたつもらいますよ」
唯「ま、そうかもしれないけどさ。その前が前だからなあ……」
梓「心が弱いからこそ外面を武装するんです」
唯「心が弱いならどうしたってそんなことはできないなあっていうのがわたしのなかには一応ある」
梓「とにかくその時期はずっと家の自分の部屋に引きこもってたんですよね、ご飯とか部屋で食べて、外に出るのはトイレくらいなもので」
唯「へえ」
梓「リストカットとかいっぱいしてましたね」
梓「ほら、よく見るとまだ傷がちょっと残ってるんですよ」
唯「わ、痛そ」
梓「あとその血を金魚にあげたりもしてましたね」
唯「え、なに、金魚?」
梓「うち実家で金魚飼ってるんですけど、金魚の水槽に血を垂らすと、血は玉みたいになってゆらゆら沈んでいくんですよね。そうすると、それに金魚がよってきてぱくぱく食べちゃうから、わぁー金魚がわたしの血食べてるー!って写メとか撮ってたんですよね」
唯「なんかちょっと楽しそうにしてるじゃん!」
梓「鬱の人はほんの少しだって楽しんじゃいけないっていうんですか!」バンッ
唯「あ、いや、そういうことじゃなくて……」
唯「うん、ごめん、ごめんね!そうだよねそれが辛いなかでの数少ない救いだったんだもんね」
梓「ま、いまでも実家に帰るとそれはやりますけど」
唯「えぇ……」
梓「あ!今は手首を切ったりしませんよっ!代わりに唾はいてます」
唯「それもそれでやばいと思う」
-
梓「あとご飯が食べられなかったんです。せっかく食べても戻しちゃったりして」
唯「ああ、拒食症っていうやつかな?」
梓「それでもうね、痩せちゃったんですよ」
唯「そうなんだ」
梓「もう腕とかこんなですよ」
唯「え、それじゃあ今と同じくらいじゃない?」
梓「いや、だから、痩せて今になったんですよね」
唯「ということはあずにゃん前は太ってたの?」
梓「そうですよ、言ってなかったですっけ?」
唯「うん」
梓「もうぶくぶくですよ。たぶん、今のわたし2・5人分くらいじゃないですか?」
唯「そんなに!?」
梓「すごかったですもん。背も低いせいで豆タンクとか言われてましたもんね、小学生の頃とか。そのたびにむかついて殴り返しましたけど」
唯「ああ、ねえ。え?でも子役やってたんじゃないの?」
梓「そうですよ、デブの子役ですよ。そういうキャラクターで人気を博したというか」
唯「ああ、たしかに言われてみればそうだったかも!」
梓「まあだから今考えれば言いたくなる気持ちも分かりますね。人間じゃないって」
唯「あー!体型のことなんだ。心とかじゃなくて」
梓「あたりまえじゃないですか、少年院には人殺しとかいるんですよ。わたしなんかかわいいもんですよ」
唯「比べればそうかもしれないけど!」
梓「あ、顔のことじゃないですよ?」
唯「わかってるよぉ……」
梓「ま、でも反省してますよ。唯先輩がそう言って欲しそうな顔をしてるので言いますけど」
唯「それは言ってほしくなかったなあ」
-
唯「そういえば、考えるとそんな太った身体で、ヤンキーやってたんだ?」
梓「ま、でも、マンガとかの女不良三人衆みたいなのって、だいたいかわいいリーダーと目が細くて背の高いやつがいて、あとデブがいるじゃないですか」
唯「あずにゃんはかわいいリーダーの人かとてっきり思ってた」
梓「あー、ちがう、デブの人だったんですねー。かわいいけどデブの人でした」
唯「そっか!だから鉄球の女って言われてたんだね!こう、ボール、丸いから!」
梓「いや、それはパチンコですよ。当時いっぱいやってたので」
唯「なんだよー」
-
梓「まあそれが今くらいまで痩せるほど心を病んじゃったんですよ」
唯「人にはおすすめできないダイエット法だね」
梓「ですね。それくらい精神を病んでたから、とうとう自殺することにしちゃったんですね」
唯「ほんとに!?」
梓「はい、首吊りをしようと思って、縄跳びで。ドアノブでできるんですよ、あれくらいの高さがあれば十分なんです」
唯「なんか恐ろしい」
梓「で、もう完璧に準備をして家に親がいないときを見計らって死のうとしたそのとき!」
唯「なにかあったんだね!今生きてるわけだしね!」
梓「そのとき、ちょうどチャイムが鳴ったんですよ」
梓「親いなかったんでとりあえず出たんですよ。引きこもってるときのわたしだったらそんなこと出来なかったですけど、ほら、もうどうでもいいと思ってるから」
唯「うん」
梓「そしたら、それが運命の出会いだったんですね」
唯「また人生変わったんだ?」
梓「ええ、変わりましたよ。全知全能の神アラマブラのことを知ってわたしの人生は一変したのです。今までは道を踏み外し悪徳を重ね、終いには神がわたしに授けてくれたたったひとつのかけがえのない命を自ら捨ててしまおうとしていたのです。ええ、あの頃のわたしは知りませんでした。それが108の地獄のなかでも最も罪の重いものが堕ちる地獄、無間地獄へとつながる行為だと言うことを。だけどアラマブラとその信仰に出会い、わたしは変わりました。それ以来わたしは人生に対して向き合うことが出来るようになり再び学校に通うことが出来るようになりましたしお金もなんか増えたしもとからかわいいのがさらにすごいかわいくなっちゃったしで、もー幸せで、あー別に勧誘とかじゃないですけど、なんていうかこの幸せを唯先輩にもおすそわけしたいっていうか、ぜひ今日の夜みんなが集まるんで……」
-
唯「ご、ごめん……」
梓「うち、まじでアラマブラ神のことリスペクトしてんで、あんま言うと、さすがの唯先輩でも、ゆるさないですよ」
唯「あずにゃんが一番ばかにしてるよーな……」
梓「あ?」
唯「いや、いや、冗談だよ、冗談」
梓「ディスってんすか?」
唯「ディスってないです」
梓「アラマブラ神、ディスってんですか?」
唯「いや、ディスっては、ないです」
梓「アラマブラ神のこと、ディスってますよね?」
唯「で、でぃすっては、ふふ、ない、ないです」
梓「まだディスってんすか?」
唯「もうディスってないです」
梓「じゃあ前はディスってたんですか?」
唯「ふふ……ないないディスってない、ふふふ」
梓「ほら、ディスってるじゃないですかー」
-
唯「あずにゃん途中から笑わそうとしたじゃん、絶対」
梓「まあ、いいですよ。信仰は自由ですからね」
唯「そうだよ、みんな信じたいものを信じればいいんだからね」
梓「あ、でも、せっかくなんでパンフだけでももらってくださいよ」
唯「えぇー」
梓「はい、これみんなあげますから」ドッサリ
唯「うわぁ……ま、まあ、わかったよ、もらっとく。でも信じるかどうかはわかんないけどね!」
梓「それはいいですよ。あ、ついでにこれもあげます、アラマブラ教典です。4部作ですよ、絵もあるし」
唯「あ、うん、ありがと」
梓「ちょっと待ってください、あと他にもあったんですけど」ゴソゴソ
唯「も、もういいかな……ありがと」
梓「もー、そんなこと言って欲しいくせに!もってけどろぼー!」
唯「うへえ」
梓「これはシャーペンですね。あと、下敷き。クリアファイルは種類いっぱいあるからみんなもらってください、これに関してはいくらあってもありすぎってことはないですからね。えーと、あと、CD出してるんでそれもあげます、三曲目わたしコーラス入ってるんで探してみてくださいね」
唯「へー手広くやってるんだねー」
梓「なんかお金はいっぱいあるらしいですね、信者はあんまりいないのに。あ!腕時計とかあったんだー、すっかり忘れてたなあ。え、じゃあ?あ、あったあった、これ、スマートフォンですよ、こういうのもあるんですねー」
唯「なんか高価そうなものなんだけど、ほんとにいいの?」
梓「いいですよいいです、どーせ汚い金で作ったものなんですから」
唯「あずにゃんが言っちゃうんだ」
梓「もうせっかくだからこれもあげちゃおうかなあ」
唯「それはなに?」
梓「マンションの鍵ですね、都内の一等地にあるんで、好きなときに勝手に住んでいいですよ」
唯「怖くて住めないよ!」
梓「あと、そうだ!アラマブラ君トレーナーもあげますよ」
唯「それ、ほんとの宗教上の理由で着てたんだ……まあなにはともあれペアルックだし、もらっとこかな?」
梓「あとあとあと、このスマートフォンの持ち運べる充電器もあげます」
唯「それはもう関係ないただのあずにゃんのやつじゃない?」
梓「あ、これもいいですよ」
唯「お金?」
梓「バックの底に落ちてた小銭と、あとなんかどうしてか知らないけどポケットに入ってた1000円札です」
唯「わたしがあげたやつじゃん!それ!」
梓「これはなんだったかな? まったくわかんないや。何だろ、これ? なんか怖いなぁ……」
梓「ま、いいか、あげます」
唯「えぇ……」
梓「あ!これ忘れてた!これ一番あげます!」
唯「なにこれ?」
梓「わたしが毎日つけてる秘密日記です」
唯「え、いいの……じゃ、もらっちゃうよー? よーしちょっと見ちゃおーかなぁ……あずにゃんが止めないと見ちゃうよー? あずにゃんの大事な恥ずかしい秘密がわたしにばれちゃうよ、好きな人とか……んー……えいやっ!……あれ?白紙? ここも白紙だ……」
梓「昨日はじめたばっかですからね」
唯「なんだよー!」
-
梓「あとティッシュもつけますよ」
唯「あ、これ、女の子だけもらえるポケットティッシュだ」
梓「わたし、これ集めてるんですよね。あ、ほらここに電話番号書いてるんで、電話すると風俗で働ける仕組みになってるんですよ」
唯「働かないけどね」
梓「ま、それは、もう、わたしからは強制とかはもうぜんぜんできないから……」
-
梓「でもそれからは学校にも行くようになりましたよ」
唯「ま、そういうふうに人生がいい方向に変わるなら宗教だって悪くはないかもね!」
梓「いや、悪くはないっていうか、もともと悪い面はなにもないですけどね」
唯「まあ、あずにゃんにとってはそうなのかもしれないけどさあ」
梓「それでもクラスではいつもひとりぼっちでした」
唯「ふうん」
梓「あんなバカどもとはいっさい会話する気になりませんでしたからね。アラマブラ神のことを信じようともしない野蛮人とは」
唯「ああ、そう……」
梓「あ、野蛮人だ」
唯「うるさいなあ」
梓「それでずっと教室でひとりでアラマブラ教典を読んでたんですよ」
唯「あーそれでだったんだね!文学少女なのかと思ってた!」
梓「唯先輩、さっきからすごい文学少女って言いますけど、文学少女が好きなんですか」
唯「うん」
梓「どのへんがですか?」
唯「なんか影があるとこかなあ」
梓「影ならわたしにもありますよ、ほら」
唯「きつねだ!」
梓「わんわん」
唯「あ、犬なんだ」
梓「ほら」
唯「ちょうちょ!」
梓「ほら」
唯「東京タワー?」
梓「ほら」
唯「なにそれ?」
梓「ティラノサウルスです」
唯「ま、あずにゃんのこともけっこう好きかな」
梓「やったあ」
-
>>33
唯「え、待って、待ってよ。出会いって、えーと、宗教との出会い?」
梓「そうですよ」
唯「それってさ、あれだよね、よくぴんぽーんで来る、なんかパンフとか持ってくる、ちょっと怪しい……」
梓「怪しくないですよっ!」
唯「ご、ごめん……」
梓「うち、まじでアラマブラ神のことリスペクトしてんで、あんま言うと、さすがの唯先輩でも、ゆるさないすよ」
唯「あずにゃんが一番ばかにしてるよーな……」
梓「あ?」
唯「いや、いや、冗談だよ、冗談」
梓「ディスってんすか?」
唯「ディスってないです」
梓「アラマブラ神、ディスってんですか?」
唯「いや、ディスっては、ないです」
梓「アラマブラ神のこと、ディスってますよね?」
唯「で、でぃすっては、ふふ、ない、ないです」
梓「まだディスってんすか?」
唯「もうディスってないです」
梓「じゃあ前はディスってたんですか?」
唯「ふふ……ないないディスってない、ふふふ」
梓「ほら、ディスってるじゃないですかー」
-
梓「ま、そんな感じですね」
唯「たしかに人生変わりまくりだねー、波乱万丈だ」
梓「ええ、まあ」
梓「じゃ、そろそろ帰りましょうか」
唯「そうだね」
唯「あ、そうだ!今日はわたしが奢ってあげるよ、年上だからね!」
梓「まだ気にしてるんですか」
唯「してないっ!」
梓「あざす、先輩まじリスペクトっす」
唯「やっぱ奢んない」
梓「うそです!先輩のこと尊敬してませんよ!」
唯「逆になってる!」
唯「ある意味逆じゃないけど……」
-
梓「はーなんか今日はいっぱいお話したから疲れちゃいました」
唯「そうだねー。そういえばあずにゃんなんか事後だもんね、風俗帰りだったんだもんねえ」
唯「そりゃ疲れるよ」
梓「そうですねー」
唯「なんかごめんね」
梓「なにがです?」
唯「いやさ、疲れてるとこ急に連れ出しちゃって」
梓「別にいいですけど」
-
梓「あ、そういえば唯先輩バイトしてるって言ってましたけどなんのバイトなんですか?」
唯「猫カフェだよ」
梓「へー猫好きなんですか」
唯「猫も好きなんだけど、えーとね、あのねえ、わたしが好きなのは……そのぉ…………ぁ…にゃん」
梓「鳴き声が好きなんですか?」
唯「そう!そうだよ!鳴き声が!にゃんにゃん!」
梓「あー、ねえ」
唯「じゃなくて!えーとね……ほら!わたしが好きなのは、あず」
梓「あ、待ってください!」
唯「え?なになに?」
梓「じゃあですよ、じゃあ、ワンワン鳴く猫とニャンニャン鳴く犬だったら、どっちが好きですか?」
唯「えーと、ワンワン鳴く猫?」
梓「えぇー……じゃあ結局ただ猫が好きなだけじゃないですかー」
唯「そうだけど!」
-
梓「先輩ってうそつきなんですか?」
唯「うそつきじゃないけど!」
梓「嘘つきだからこそ嘘つきじゃないと嘘をつく、もう完璧じゃないですか。完全なる嘘つきじゃないですか」
唯「そうだよわたしは嘘つきだよ」
梓「そうですね」
唯「じゃあ嘘言うけどわたしあずにゃんのこと好き!」
梓「わーまじですか!えーどうしよどうしよ、それって愛してるってことでしょー、あーもー、え?あーだってだってそれって唯先輩はわたしのこと好きってことで、わたしも唯先輩のこと好きだからってことはもうそしたらもーなんかこう、やるっていうか…………あ、そっか!嘘か!嘘なんだ!はー騙されたーっ!ほんと嘘つくのうまいなー、唯先輩は」
唯「ほんとは嘘じゃないもん!ほんとにあずにゃんのこと好き!」
梓「でもそれも嘘だしなあ」
唯「じゃあ、嘘!嘘なんだよ!」
梓「へーやっぱ嘘なのかー」
唯「殺す!」
梓「いった……」
唯「ご、ごめん、つい」
梓「なかなかいいパンチ持ってますね……ふたりで天下取れますよ」
唯「天下って何の天下さ!」
梓「天下、何の天下…………」
梓「あ」
梓「……天下一品」
唯「え?」
梓「いや、なんでもないです」
唯「えー、そこのラーメン屋見て言ったんじゃない?」
梓「ち、ちがいますよ!もー唯先輩はばかみたいなこと言うなあ、ばかだからしょうがないけど」
唯「じゃあ何の天下なのさ!」
梓「隣町の激戦区で日夜行われている抗争の天下ですよ……もとは家同士の抗争らしいですけど、家系の……今はもういろんな勢力っていうか味が入り交じってるみたいですね……そこに唯先輩とわたしで介入して、それで最後には敵の王将をぶっ潰して……」
唯「やっぱラーメンじゃん!」
-
梓「でも、じゃあ、唯先輩ってわたしのこと好きなんですか?」
唯「そう」
梓「いつからです?」
唯「そ、その……会ったときから……はじめてみたときなんかわかんないけどドキドキして、それで……」
梓「一目惚れですか」
唯「そう……一目惚れ」
梓「ということは」
唯「うん」
梓「唯先輩って面食いなんですか」
唯「ちがうよ!」
唯「むむ」
唯「……そ、そうなのかも」
-
梓「あ!っていうことははじめて会った中二の夏からずっとわたしのことを好き続けてたことですよね」
唯「まあ、そうなるよね」
梓「軽音部でわたしと過ごした2年間、ずっとわたしのことを好きだという気持ちを隠し続けてたわけですよね」
梓「その間告白とかされてないしそうですよね」
唯「隠してたよ、言えないもん!」
梓「唯先輩ってやっぱばかなんだなあ」
唯「へ?」
梓「だって、もったいなくないですか?」
唯「もったいない……?」
梓「いやあ、それはもったいないなあ。もったいない、かわいそう」
唯「どういうこと?」
梓「軽音部ってすごく楽しかったですよね?」
唯「うん、楽しかった」
梓「わたし人生いろいろ変わりましたけど未だに軽音部が一番楽しかったって思いますし」
梓「でも唯先輩はそのちょー楽しい軽音部の時間なのに別のこと考えてるんですよ?」
唯「別のことっていうか……」
梓「いや、そうじゃないですかー」
梓「だってたとえば」
梓「みんなで仲良く楽しく帰ってるときもわたしと二人で帰れたらいいのにとか思ってちょっと寂しくなってるわけじゃないですか」
唯「でも……」
-
梓「でもじゃないですよ。いいですか、たとえば軽音部で過ごす時間の楽しさを100としましょう、これはすごくおもしろいテレビ番組が13の基準です」
梓「その100楽しい軽音部の時間にわたしと唯先輩以外の先輩たちは100%全力を出して取り組んでるんです」
梓「そりゃそうですよ、だって楽しいもん。100%でいきますよ」
梓「だから100楽しいんですよ、100楽しい軽音部の時間に100%だから100ですよ、わかりますね?」
唯「うん」
梓「でも唯先輩は100%じゃないです。雑念があるから」
梓「わたしのことが好きだという雑念」
梓「だから60%ですよ、あとの40%はわたしです。わたしにちゅーしたいとかそういうので40%です」
梓「結局、唯先輩は軽音部の時間を60しか楽しんでないわけです。わたしたちは100だから差し引き40の損です、かける2年間です。ああもったいない」
唯「数字の上ではそうだけど!」
-
梓「あ!思い出した!」
唯「な、なに?」
梓「最後の文化祭のとき唯先輩すごいギター下手くそでしたよね」
唯「え、ま、ちょっとね」
梓「あれも雑念のせいだったんですね!」
梓「隣でギター弾いてるわたしの姿に見惚れてたりこれでもうあずにゃんともお別れなんだと感傷に浸ったたり文化祭のテンションの勢いでこのまま告白しちゃうおうかなあとか悩んでたから下手くそだったんだ!」
唯「ちがうよ!それは病み上がりだったからだし!」
梓「いや、わたしは実力だと思いますけど」
唯「うるさいな、そうだよ」
-
梓「あとあれだ!」
唯「今度は何?」
梓「卒業式のあと先輩たちわたしに曲をプレゼントしてくれたじゃないですか」
唯「ああ、天使にふれたよ、ね!」
梓「で、あのあとわたし泣いちゃったじゃないですか」
唯「ああ、そうだねー。あのときのあずにゃん子供みたいでかわいかったよね」
梓「いやそれはただ唯先輩がわたしのこと好きだからバイアスかかってるだけだと思いますけど」
梓「実際はけっこう醜かったですよ」
唯「そこはいつもどおりにわたしかわいいです!でいいじゃん……」
梓「だからあのときわたしを励ますためになんかこうみんなで円陣みたいなの組んだじゃないですか」
唯「なんか冷静に言葉にするとちょっと恥ずかしいけどね」
梓「あの時も唯先輩は100%出してませんでしたよ」
唯「出してたよ!」
梓「律先輩がわたしたちは離れ離れになってもずっとひとつだからなって言ったときも」
梓「本当はわたしがひとつになりたいのはあずにゃんなんだけどね、って冷めた目で見てたんでしょ!」
唯「そんなことない!」
-
梓「あーあ、もったいないですね。すごい楽しかったんですよ、軽音部って」
唯「知ってる!わたしもいたし!」
梓「なんでそんなもったいないことしたんですか」
梓「とっとと告白しちゃえばよかったのに」
唯「できるわけないじゃん!そんなこと!」
梓「なんでですか?」
唯「なんでってそりゃあ……」
唯「なんでだろ?」
唯「……とにかく!できるわけないの!なかったんだよ!わたしには!」
梓「そういう人生を送ってきたからですか?」
唯「そう!わたしはずっとそういう人生でやってきたの!大事な気持ちを心の奥にしまっちゃうの!」
梓「そうですか」
梓「その人生は唯先輩にとてもよく似合ってると思うので、その気持ちはそのまま心の奥にしまっておいてくださいね」
唯「なんでさ!」
-
梓「確認しますけど今もわたしのこと好きなんですか?」
唯「あたりまえじゃん!」
梓「でもつまり今日話した過去のわたしはお世辞にも唯先輩が好きな感じではないですよ」
唯「たしかにそれはすっごく驚いたし、ショックだった!正直!」
唯「でもね、それ以上にびっくりしたのがね、わたしこんなにあずにゃんと一緒にいたのにあずにゃんのことなんも知らなかったなあって」
唯「わたしあずにゃんのこと大好きだったはずなのになにも知ろうとしなかったんだなあって」
梓「面食いだからですよね、顔がよければそれでいいという」
唯「うるさい!そうだよ!でもこれからはちがうもん!」
唯「だからわたしね」
唯「もっと知りたいな、あずにゃんのこと」
-
梓「じゃあ、俺たちで調べてみましょうぜ、兄貴。あいつきな臭えから掘ればもっといろいろでてくるっすよ」
唯「だからもうそれはちがうじゃん!ジャンルが!」
梓「任侠ものですもんね」
唯「そうだよ」
-
唯「とにかく!どんなあずにゃんでもあずにゃんはあずにゃんで、あずにゃんはいつでもわたしの大好きなあずにゃんだよ!」
梓「唯先輩のそういうとこ、まじ、リスペクトすね」
唯「そういうあずにゃんだってわたしの大好きなあずにゃん……かも!」
梓「弱くなってるじゃないですかー」
唯「冗談だよ!冗談!」
梓「でもわたしほんとに先輩のことリスペクトしてるんですよ」
唯「その言い方がどうもなあ」
梓「だから先輩には不幸になって欲しくないんです」
唯「あずにゃんがつき合ってくれたらわたし幸せだよ」
梓「はぁー。でも、ほら、わたしまた人生変えたくなって、他の人とつき合いたいとか思って、そのせいで浮気とか別れたりしたら唯先輩不幸じゃないですかつらいじゃないですか」
唯「まあ、そうだね」
梓「自殺しますか?」
唯「自殺はしない!しないけど」
梓「だから、唯先輩とはつきあえないです」
唯「そっかぁ」
梓「そうですよ」
-
唯「でも人生が変わらないようにあずにゃんががんばればいいんじゃないかな」
唯「もちろんね、全部じゃなくてちょっとだけ、わたしとの部分だけ!」
梓「ふむ……」
梓「……むむむ」
梓「うーん……」
唯「ほら!ギターだよ」
梓「ギター?」
唯「あずにゃんはいっぱい人生が変わってきたけどギターはずっとやってたでしょ?」
梓「なんでわかるんですか? 話にギターは出てきませんでしたよね」
唯「それくらいは流石にわたしでもわかるよ!」
唯「だってあずにゃんギター大好きじゃん、すごい詳しくて、それに上手だし 」
唯「あれはずっとやってないとそうはならないよ」
唯「音でわかるもん。あれは子どもの頃からずっとギター弾いてた人の音だ」
-
梓「そういえば、幼い頃からギターしてるって入部した頃に先輩たちに言いましたよね」
唯「そ、そうだったかも……」
梓「音でわかるんですか?」
唯「ごめん」
梓「子どもの頃からずっとギター弾いてた人の音ってどういう音なんですか?」
唯「だからごめんって言ってるじゃん!」
梓「唯先輩絶対音感あるんですから教えくださいよ、ドレミファソラシドで言えばどれなんですか!子どもの頃からずっとギター弾いてた人の音って!」
唯「黙って!」
-
唯「だけどずっとギターやってたのはほんとだよね?」
梓「ま、そですね」
唯「だから、わたし、あずにゃんにとってのギターになれればいいなって思うんだよ」
梓「でも唯先輩弦ないし……」
唯「たとえ!たとえの話だよ!」
梓「うーん……」
唯「お願い!あずにゃんが人生変えたいって思わないようにわたしがんばるから!」
梓「よしっ、じゃあ付き合いましょう」
唯「ほんとに?」
梓「はい、せっかくだから結婚しちゃいましょう!」
唯「結婚ははやくない?」
梓「結婚ははやいですか?」
唯「ううん!結婚ははやくない!」
梓「ま、結婚はできないですけどね。法律があるから」
-
唯「じゃあさ、せっかく付き合ったんだからこれからどこか行かない?」
唯「今日は疲れてる?」
梓「いや、いいですよ」
唯「わーい!あずにゃん大好き!」
梓「デートですね」
唯「え、あ、そっかデートになるんだ!デートになるんだよね?」
梓「デートになるっていうか、言い方はまあ唯先輩がお好きに選んでもらっていいんですけど」
唯「じゃあデートにします!わたしはデートを選択します!」
梓「あ、そですか」
唯「デートだよ、あずにゃん!今わたしたちデートしてるんだよ、デート、なんかちょっと恥ずかしいね、えへへ」
唯「あ、じゃあこれ初デートなんだね、初デート!ね?あずにゃん初デートだよ!わたしとあずにゃんの初デートだ!えへへへ」
梓「唯先輩すごい嬉しそうですけど、なんかいいことあったんですか?」
唯「あずにゃんは鶏かっ!鳥頭かー!」
梓「やっぱ付き合うのやめましょうか」
唯「ごめん!もう絶対言わない!」
梓「こけこっこー」
唯「あずにゃんは鶏かっ!」
梓「よし、やめましょうか!」
唯「あずにゃんが言わせたんじゃん!」
-
唯「ねえねえ、あずにゃんはさ、どっか行きたいとこある?デートに行きたいとこ!」
梓「パチンコ屋とか?」
唯「えー」
梓「じゃあうちでぷよぷよやります?」
唯「言ってそんなに強くないからやだ!」
梓「じゃああれですかね、今日集会の日なんで、教会いきます?」
唯「なんかこわい!」
梓「唯先輩はなんかしたいこととか行きたいとかとかないんですか?」
唯「わたしはね、すごいいーっぱいあるよ!いまここで全部言ってみていい?」
梓「その前にわたしが言いたいことひとつあるので言っていいですか?」
唯「なになに?」
梓「うち、ツレとかぜってぇ幸せにすんで、そこんとこまじよろしくおねがいします」
唯「なにそれ!あぁもうーー!」
唯「ばぁか!ばかばかばか!」
唯「でもあずにゃんのこと好き!」ダキー
梓「わ、きゃっ!や、やめ、やめてくださいっ!」
唯「風俗行ってスキンシップできるよう変わったんじゃないのかー」
梓「でも唯先輩だけは無理なんですよぉ……」
唯「じゃあわたしがへーきになるようにあずにゃんの人生を変えてやるっ!」ギュー
梓「無理です!唯先輩にはわたしの人生は絶対変えられないですよ!」
唯「なにをー絶対変えてやるもん!」
梓「わっ、あ、やめてくださいー!」
おわり
-
見てくれてありがとうございました。
-
ゆるい百合漫才すき
よかった
-
ちょこちょこと笑わせてくれる
いいテンポだ
-
ノリと伏線回収がすごい、面白かった
"
"
■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■