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【R-18】雇われサマナーキル夫

1 ◆x0SRSoJXe.:2017/10/22(日) 01:33:33 ID:H96YQWOo0
【真・女神転生デビルサマナー】雇われサマナーキル夫

                     真 ・ 女 神   生
          ャ-、    、               転
    __    .ヾゝ`'゙ ャ、,ィ ',\   ,-ァ         ∧   .∧
    ヽニニつ iヽ    > ヽヽノ  ( {  _|ヘ---┘゙-─‐┘゙─ヘ              |`i
ャー────‐.} ゙l_,ィ彡'゙⌒''゙    } .|   ¨弋弋 ̄{ l ̄ ̄.] .i二二 --─'"`L____ノ .i___
.`´ ̄ ̄フ厂¨¨`i ィ'´     ',\  | .|    > > ヽ」   └i .j──一' ̄`! 「 ̄¨¨''┐ r-、_ノ'´   _, -―--、
     } }   | |、_     .,j } | │  //    _, - ',ノ __,ィヘ_,,-'''´ノ     {  )   -==ニ二_, --、_ノ
  , -‐'゙ノ    ` ‐ 二 - _/,ィ j 「  ',__//    ,-‐' , -'"   ̄ヽ ヤ´    __//
  `''"´         ¨ ー ' .レ゙ .`ヽ'"⌒'゛     `'"´       `ヽ)   ヾニ_r‐'′

       /\       /\       /\       /\       /\
      < 悪 >     < 魔 >     < 召 >     < 喚 >     < 師 >
       \/       \/       \/       \/       \/



●この作品は株式会社ATLUSによって平成七年十二月二十五日に発売された、『真・女神転生デビルサマナー』の二次創作作品です

●原作との相違点も多く、作者の知識の至らない点は自己解釈によって補われています。あらかじめご了承ください

●この作品はフィクションであり、実在する人物・地名・団体とは一切関係ありません

759 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/03(金) 23:33:45 ID:9VK52rQk0

             _____
             `ヽ____~"'''‐-..
          _,..-'''"    `ヽ ̄l´`ヽ `ヽ、
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         ̄ ̄/  ,、         .\ \  \ .\  ,'l
          /  .l/ |    ,ィ      .\ ヽ___.lヽ  .ヽ'..|
       /,イ __...人  ./`|       .`、   `、   .|
      .l/ ./    `、 /  |   l     `、   l   ノ、
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       ./ __        .| ../  |      l   .|      ,>
      / '  ̄`ヽ      | ./ ....| .∧   .|  /       .|        疲れた……
       /           |/    |/~ヽ、   | ./        |
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      l              __ ,、 ー- ノヽ.|ヽ, .     .|
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  ___  |/l/l/ヽ       |    `丶、  ̄`ヽ、l   .ノ
  ヽ     ̄ ̄ ̄~.|      .|      /  /ヽ,_ヽ__/
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       >、 .|/    /  ./                   \   \


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家に帰り、風呂に入って砂やら泥を落とす。
最近はいつもこんな調子だった。
学校に行き、異界を歩く。学校がない日も異界を歩く。

こうした地道な活動が、人的被害を少しでも減らせているのなら。
それが史門にとっての一つの生き甲斐となりつつあった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

760 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/03(金) 23:34:04 ID:9VK52rQk0

        __,.斗-ミ二、γ: ー<////////7ァ、
     rァ'7////// .:´: :ム: :f: 、: : ヽーミ///////〉
      V//////.: :/: : : : : :ヽ: : : :\:\ ////
       ∨//, .: : 〃: : ; : :i : :ヽ: : : : : : ヽ:.ヽ'//
      ∨/.: : /.: : 〃: : : : : : ヽ:ヽ: : : : ヽミレ: `:. 、
         /.: : :': : : : : i: : : : : : : :!: :ヽ: : :、: :.マヽ: : :丶
        .:/.: : : . . .:i:.i|:i: : : : :ハ_|:_i_:.!o。i: : : :.\_、: :、:\
    _ノ'.: :イ: : i.: : +ハ+!:l: : : :イ_レ!:ノレ|: : ト:._\<._\: : :.ヽ
    /イ:/.: i: :|: : :ト,斗ミ、:.:{:! ィfテミ|: : ハ: : マ、 ̄、 ヽ: : : :.
      /.: iイノイ:、: ー《てj1 ヾヽ 辷ソメ:'イ: ト、: :.、//∧  '.: : : '.
     ,': : :/´゙/,!:i: ヽ:ゝ`”゜ 、   " /イ: l: :|∧: : :ゝ/∧ ‘: : : :'.
  r 、: : : ' //ノィ:イ:.:ト"" マ フ  . 1レi:!: :!//>ァ´ /∧ }: : : :.'.         はぁーい、お邪魔しまーす☆
    、\' く/////|:..:|:i/i> _  イ | |:c: V///////  !:/: : : i
   i:..:ヽ r- 、 ̄>|:゚:.!ム __ノ|    ヽ. }: : : } 〜ー '   レ: : : : }
   |: :くヽ` r Υ゚ ; : :{ ヽ._ '   ノ   ,: : : :;ー ミ      /.: : : : :|
   |: ,くヽ)ノ ヽ {: :ト:ゝ   `  ' ̄ ノイ: :ノ   ゚i   /.: : : : : ;゜
   |: ト、ソー、  } ヽ:ヽ:\_ ,    `ー=' ゜  /   !  /.: : : : : :.′
   l: : \__ , イ ,.ゝ′ ̄      ,。   ヽ,′  ! /.: : : : : :/
   ヽ: : ;′ "/,:゜____ ___ _ヽ,、∠ ィ=-、__ {    ,: : : : : : : :./
     У  ,:゚'´ /ー―=`く.斗<  \__}  /: : : : : : : /
    /   { _,/      ヽ}{     -=ニj=-}  ′>: ゜:/
    ,′   K゙ ( ,:、     ハ   -=!  ; ′´  ̄
    !    } ヘ        ノ  丶.    ノ ィ{ {
   '    ノ,′ `r-… "i --- ミ≧≦く=j ‘.
    ヽ  /   Ⅴ  ´ !   -=彡'´∨〔ー ‘,
     ` ′     |/   ;         ∧ ゙ヽ  }
           |     ,′,     〃 '.  ヽ !

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引き戸が急に開け放たれ、風が入ってくる。
叔父さんかと思い、振り返ると、そこにはバスタオルを体に巻いただけの
ウカノミタマがそこにいた。無論、その下は全裸であろう。

一瞬、状況が理解できず、史門は固まった。
それから体の熱という熱が上昇し、飛び上がりそうになる。

「なななっ、なんで入ってきてるんだよっ!」

「はて、なぜと申されましても。私、ただお背中を流しに参っただけでありますれば」

「いいよ、出てってってば!」
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761 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/03(金) 23:34:33 ID:9VK52rQk0

                    /レィ   .トト、
                  /  /    ! 、\
                 /   /    {   ', ',
                   メ/    {      }  i
               メ i  _ .}-― 、 ノ  ム i
                _メ {/   `   <  ./ メ}
               ィレ         \/  メ .ィ
            __.彡′  /           , メ,/ レィ
            ア     {          V  V´ /
          < __ イ /jハ-  } _ハ     ∨ } /
                |  ィfミヽ /!/` }ハ     | ,  レ
                  ,  | ヒj ∨ ィf=ミ、|   }  i/  /
             -=彡 {::::.: ,    Vッイ  /\{  /             まあまあ、そう言わず。
               / 从       .:.:::∠.イ |し彡'
                 }\` -   イ|  .!                 一緒に入りましょう?
             {   |  ≧≦   { ,  .|
              乂ト、 .{,. -- '    乂  .!                 ほら、浴槽の大きさもジャスト・ラァブサイズですし。
               , -n/      ./イ  /
              / ' ノ           }/ Y       ___  __
           .ィi´  r ' {    i   } ,   }    > ´       <
          r' .リ!  i   ,    /   ノ {  //{/             `ヽ
          { { i!  ! /   /   ,   / /                      ',
           ,; } .i!  y   ./   / .ィ/                      i!
           リ :{ゝi .′  /   / //         ィ=-  ー-ミ    ト{
           ,;   .ハ    /     //               /   ヽト、{
         ,;   i ヽ.. ノ   ./ / {                 ′
         ,;  :  ,      ′.,ー}              /
         }!   i!      {  { ノ              /
         ;,    }        ,,ィィ′  ィィ レィ
         ,; ,;  ,      {   \         レレ/

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とりあえず、背中を流されてはこちらの理性が持ちそうにないため、
混浴だけで勘弁してもらった。

しかし、日頃ウカノミタマを見ていて、美人だなとは思っていたが、
こうまじまじと正面から見ていると、まさしく天女のごとき美貌だった。
白魚のような四肢、大きな目に整った顔立ち、形がよく大きな乳房。

「そんなに見つめられると、さしもの私も照れますねえ。
もしや、女性の裸をご覧になるのは初めてで?」

無論である。

「まあ、そういうことならこの無粋なタオルを取ることもやぶさかでは
ないのですが、私、節度を弁えている良妻狐です故?
そういうことはきちんとした関係を持ってからにしようと思う次第ですとも」
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762 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/03(金) 23:34:43 ID:9VK52rQk0


        |ニニニニニ爻      爻爻ノニニニ/   /Λ |.
        |ニニニニニ爻      ノ>‐=ミニィ(     // .爻
  |ニ=‐- ..,,_Lニニニニ爻    >''´      ̄ ̄ \__,少  爻
  |ニニニニニニニニニ/ 爻>''´      //     / \   爻
  |ニニニニニ/ニ=‐''´ /       _//¦  /i   ', 爻
ー ∨ニニ/ニ⌒'┬= /    /   / /'トl   / .|   ゚,.爻
.:..:..∨/ニニニニニニl /  /  /| / ! |    /__   乂ニ\
.: .: .: \ニニニニニニニ/ ィ //   ィL__j / ||i   /7⌒  |i\ニニ〉
 ̄¨¨ア \ニニニニニ/ |// ィ! |⌒ぅ=ァ jノ ! /Λ/;   |i二\/
. /  /\ニニニ/  ノ 八|       ノィiL__ イ ||iニニ「
´   /  ノ⌒ア ___彡   |\ (      ノ^7 | 八|iニノ
  /  /  /⌒.i |    |    ヽ .,__,, 八 lΛ-!厂
.   //  /.:. .:. .:.i |    |\      ィ'゚   ↓ ∨
   /. . {八.{. :>==圦.     |   `ト _ <:::|¦  八ⅱ
イ /.:. .: .: .:/     \  |  | |::::::]I==||/  |i
.:|/ .:..:..:./           }  人   乂ァ'´  |人    |i _
. : . . /          ___,ノ彡へ\         )イ  |i  ̄ ニ- _
>''´        . . .      ) )         | |i ̄      ̄ ニ- _
  ____    _彡 : : : : : . ⌒¨´         \ |i _  --      ̄ ニ- _
 ̄      ̄ ‐-=ニ[ : : : : .         ‐-      ̄¨''  _--           ̄ ニ- _
              ̄ ‐-=ニ[          `        寸_____
                         ‘''            丶   ',---
______ ,,..    -‐=宀冖冖宀=‐-       `'く       ',   ;-二-
/: /: /: /: /: /: /: : .       ̄ ニ- _⊂ _)       ; __-二-     ___
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ウカノミタマはいたく自分を気に入っているようだが、何が彼女をそこまで
させるのだろうか。史門は疑問をまっすぐぶつけてみた。

「最初に申し上げた通り、祠で一目見えた時から、貴方様の魂の美しさに
心惹かれてお家まで駆けつけたのです。神というのは律儀なものでして、
願いには答える、恩には恩を、罰当たりには罰を、という存在なのですよ。
どうぞご自分の行いを誇りくださいませ、ご主人様。貴方様の行いは
伊邪那岐大神に御覧じられても恥じないものでございます」

自分の行動が正しいかどうか。
そんなものは神様くらいにしか分からない、と喜留夫は言っていた。
神様がそう言うのなら、少しは安心していいのかもしれない。
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763 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/03(金) 23:34:55 ID:9VK52rQk0

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764 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/03(金) 23:35:38 ID:9VK52rQk0

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  .l:.:.:.:.:./r、 ヽ:.:.:/ V !      /     /  ヾ. ,':.:.:.ヽ:.:.:.:.:.i
  l:.:.:.:.:ノ ,ヒ ヽ V       ―-- '       ,'0  l ,':.:.:,ヘ:i:.:ハ:.:.l
 .l:.:.:.:〈 ( `(      _   ```       !   ,',':.:.:/:.:.:l/ ヽ:|       今日の仕事は討伐だ。
 l∧:.:.:.ヽ、`ー  ,, - '' ¨: : |             〉` '.ハ:.∧:.:/
   ∨_:. -`ー '': : : : : : : : :l            ```! V |/          ガルム、いける?
  , ィ´: : : : : :_.. -‐ ''' ¨ ̄l        , -、      .ノ
. f: : :_ ィ: : : :l         ./          ̄     /
. l/  l: : : :l        i          ,  '
 !    l: : : l         l    、...__..、-
 ゝ   ';.:.:.:',      l      /  `ー―――‐‐―ァ
ノ, --‐二:.:.:__ヽ     l       /           /





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               r ァ¨¨::::::弋Uリ }:/ ‘,
               {::::::::::::::__::::`¨´::::\  }  ト 、
                    \,ィ7´-ト、}:::::::::::::__> i!  }  \       マカセテオケ、サマナー。
                 (___}>''::::::::::::::::> {   i
                 「\::::::::::::::::::::::{  {__ノ     }      カイリキランシン、イキケンコウダ。
                }/  }:::::::::::::::::::::}   V     ,
             r.f^Y^く   }/∨::::::∧!  .}     /
             ∧:r 、:::::'´}     V:::/     }__  /
              ` <::::::{_/人   V/}/   !
                ̄辷}”“f―‐彡八   }.、
                        /\/   `く:::::::\
                    {:::::::i       {::::::::::)
                   `ー'       ー‐''

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仕事の依頼はネット経由であるため、依頼人と顔を突き合わすこともない。
死体を写真に収めて送信すれば、指定された口座に金が振り込まれる。
依頼人も、まさか依頼を受けた相手が小学生のサマナーだとは思いもしまい。

今回の依頼は、政府からだった。
夜闇に紛れて近隣住民を喰らう悪魔がいるらしく、それらの処理をしてほしいそうだ。
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765 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/03(金) 23:35:58 ID:9VK52rQk0

                /|
              ./ /!          ,. ‐ァ
           ., '  /  |       ./ /´|
           /   ,'  .ト、    r/  /  |
      r─- 、 rト、 | _,. -──-< /   /
      |:::::\Σ ,.>'´        `'< ア─ァ
      ヽ;::::::::`ア    /          ヽ;::::/
       '、:::/  /  ./ /__ /        ∨
       r‐‐´:7  ,'   |/ ´|/|  /| ハ__/ l |
      |::::::::/ | l  ./ r==、|/ .|/ |/`ノ  ':、
     /.〉/ /  |  /| "     , ==t/  ノ、>           では、参りましょうか、ご主人様?
   /  /: ̄/  // |    _    "/'| イ:::::\
    | .;':::::::/_,,.イ |  |ト,、 l  `ソ  / ト、\:::、_}、
    | レ'"/´ ././|  |/| \    _,.イ|  | ノ ̄:∧ \
    '、  /|   |/ .八 ヽL,rト`て´ァL_/ ,ハ\/ ',  }
     \|ヽ    ,. -‐\__,>(o/ ∠ イ  ̄`ヽ、 .|  /<´ ̄ ̄`' 、
          /  l      ´          \/ヽ,  `ヽ    ヽ,
      _r-/  /‐-、 / ___      T、   ./|:::::::|7ヽ  }       ',
     「、/\_,.rヘ、:::::::Y´:::::::::::::::`>- 、 / ヽ/./:::::/  ∧/      }
   /\\::∨、 ヽ ̄>''"´ ̄ ̄ ̄ヽ_/ r '" /:::/  ./::::}、     /

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いつものように天真爛漫な笑みを浮かべるウカノミタマと、
小さな体に闘争心を漲らせるガルムを連れ、夜の九時に家を出る。

叔父夫婦には申し訳ないが、ウカノミタマの暗示で少々眠ってもらった。

今日は月すら出ておらず、空は墨をぶちまけたかのような黒に染まっていた。
装備を確認し、指定された悪魔が目撃された場所へと移動する。
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766 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/03(金) 23:36:21 ID:9VK52rQk0

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     .///////∧ ///////\}:::::::::::::::レ'////\\∧
     レ//////// /////////////}///////////\ V}
     i/( )//// //////○///ヽ/_//__//////////V/       チッ、バレたか!
     ト、./////}///o////V三三三レ'//( )//////
       〉  ̄ ////ハ////O///////////o//r‐;////
      }` ̄//////ノ//////r‐ 、////__//0//:////
     /////////_////////レ三三三//////////
      レ///// / }//////////////L ∧/////〈
    ///////   ∧/////r‐、///__/// i//////i
    ///////   /::::V////L三三三],'〈   }/////リ
   .レ/////   ∧:::::::\/////////∧/   i/////{
   .,'/////   ///\:::::::::>二二二]::: ∧   |/////|
  /////∧ //////>-//-≡/ ̄/ ∧. }/////;
 .〈//////∧;/////////二二二  ̄////\',/////i
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      ',//////r二二二二ヽ.////////////////\
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【幽鬼ヴェータラ Lv57】

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悪魔は人間に化けていた。
黒いロングコートに帽子を目深く被っていたが、エネミーソナーだけは
ごまかせない。

デビルアナライズを見て、史門は臓腑を冷水に浸したような感覚に襲われた。
相手とのレベルの差はおよそ三十五。二倍以上はある。

勝てるか? いや、無理だろう。けれど、ここで自分が逃げれば、
この悪魔は後々人を喰らう。誰かが、自分のように大切な者を失う
悲しみを背負うこととなる。それだけは、看過できなかった。
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767 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/03(金) 23:37:00 ID:9VK52rQk0

                ____ヾ-、
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            i:://::::::::::::/ニ、|::::/〃 //',::::/i::::::::::::::i          …………。
          〃 i::::::::::::,' .i.  9ヾ   -t''9´i/ヽ:::::;;;::::::i
           ノ:::::::i.=ハ ヽ--- '    ヽ-- '_/ ア/ヾi,
           /:::::i:\__',     , 、   ', __>、__
            ̄7/',:::ヘヽ   , -- 、 ヽ    7: : 7
            , --ヘi---> .      .ノ   .-': : :-.、
          `' <,      ヘ>- イ_,/     ヘ: : :ヘ
             \     ::|   .|        ',: : :.',-'" ̄ ̄ 7___
               \  /-'y-'".i         ヘ: : :ヘ    _  ヘ
                -) /-、    ',         ヘ: : :ヘ /: : :ヽ、 .\
             ,.イ,ノ./       ヘ       , --': -、: : : : : :ノ    >、_
               7   /        ヘ    , イ: : :/: : : : ----':、__
            i   /             ',   /: : : : ≠: ',: : : : : : : : :7--、ヘ





        }   |//////////////∧    |////// Y/
        ∧__ノ////////////////`ー-'/////i //
     ___i///////////////二二二ヽ///´ i//// V/
    ////∧//r―ュ//i ̄ ̄i /_   〉l― Y´//////
   .//∧ Vi  |__ii}//|____レ二二二レ';  |/// ̄/
   ////∧ V/////////////////////  ̄/// ̄/
 ._//////∧ V/////r≦≧ュ.//////////// \/{
./////////∧ V´ ̄´      ̄ ̄ >--=//// ∧         ガキが一丁前に銃なんざ構えやがって……
.//////////∧ \ r―― 、      〈 (・ノ 〉 ///// 〉
////\////// \ \     ヽ ___  ///////Y          今日はてめえを晩飯にしてやらあ!
/////∧/////// \_≧ュ.__   __ノ_ r≦ / 〉
//////∧////////////////// Y_____///∧
//////\/////////二二]////////__////////\
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ヴェータラが飛びかかってくる。
後ろに飛び退いてそれを躱し、ガルムとウカノミタマに指示を出す。
「ガルムは距離をとりつつ炎で攻撃! ウカノミタマは支援!」

「委細承知!」

ウカノミタマの札が舞い、体が羽のように軽くなるのを感じる。
更に、ヴェータラの動きが先程よりだいぶ鈍らされていた。

「くそ、体が、重い……」

ウカノミタマの呪詛によるものだ。
そこを畳みかけるようにして、ガルムの炎の吐息がヴェータラを覆う。
屍鬼、幽鬼の類は総じて炎と払魔の攻撃に弱い。喜留夫に習ったことだ。
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768 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/03(金) 23:37:16 ID:9VK52rQk0

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          V/ / { V  ̄ V´ Vー レ、/} / \   \ 
        /r‐{  ヽ \/ ̄ハ__l/  ; /l∧ \   /
          |    \ \ ̄ 二二 /リ/ l∧   ヽ/
         _____     ヽ 二二二 />/ /ハ ',
       //― / }      }____   /  レ l }  i   r―― 、
       ヽ> / イ     i___ >  / /} }  }  / /⌒ヽ ヽ
          \\ .r≦ ______/ / } }  }  ヽ \ \}
               >´\__/______ / `ヽ }  } // ̄
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     /二二 \:::::::::::::::::::::::::\:: /:: / /::::::::: l  l\ \
    /  ヽ //ヽ:::::::::::::::::::::::::::\ ./ /::::::::::: l} l}: : ヽ  \
  /    /:::::O::::∧:::::::::::::::::::::::::::::::〈 〈:::::::::r≦  l ̄ ̄/   >、
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./ /     V∧::::::::::::∧ :::::::::::: l_ノ::::l  ll\ /  /  /   /  / \

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炎でコートが焼き払われ、本来の姿が街灯の下に晒される。
そこには包帯まみれの灰色の肌をした幽鬼がいた。

効いてはいる。史門はそう確信し、銃弾をヴェータラの脛に撃ち込む。
更に動きが鈍り、ヴェータラは地に膝を突いた。
修験僧が清め、払魔の呪文を刻んだ銃弾だ。
弾丸としての威力は低くとも、悪魔への効果は絶大だった。

史門は自分に落ち着くよう言い聞かせ、ひたすら遅延戦闘を繰り返した。
ウカノミタマがヴェータラを弱体化させ、自分が足止めし、ガルムが少しずつ
ダメージを蓄積させていく。誰か一人でも欠ければ、一瞬のうちに食い殺される。
一瞬一瞬の動作が、生死を分ける。
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769 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/03(金) 23:37:52 ID:9VK52rQk0

            :,:           :(::)
            /⌒''⌒) :,,゜      '         ,,,,,,,
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         。            '  、       ;: 。
                               `'''`~''・    ' `
     f''`⌒(     ,,,,               !:(',,,,、              ::,,,,,、...
     ,!,,,、(     /::τ             ノ:::::::::::::::::)          。  !::::::::::`! 、
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       ゜     (/      ⌒・ .   ・、;::::::::::::;;.;`` ''
     ,,、..   //   ノ'          //'''`'`'` `       ..,,.. _,,,.、 ・         ,, ...:・..
  π /;::::::::(,.,.(;;;::::(   ,,.,  ・っ                    ;,;;( ):::::;.    c::── '`'''::::::::::;''
   ):::::::::::::::::::::::::::/  '''''`   `        '`                     ⌒ ` !.:::τ'' ``
 τ !::::::::::::::::::::::::::::)/,,,,, γ               :'`'``:!
   (::::::::::::::::::::::::::::冫 `'`'    、,:'::::::`:::,,,,        !:::::ノ         ・
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そうした戦闘が何十分、何時間続いただろうか。
命のやり取りというのは時間の感覚を麻痺させる。

ヴェータラの体がぐらつき、地に伏した。

死んだふりかもしれない。史門はエネミーソナーを確認する。
息はまだあるようだった。

「げほっ……ここまでか……メシア教め……」

「メシア教?」

恐る恐る近づき、悪魔の言葉に耳を傾ける。
なぜここでメシア教の名前が出るのか。

「お前、メシア教の人間じゃねえのか……頼む、助けてくれ……
俺たちは捕まえられて、実験台にされて……逃げ出してきたはいいものの、
一人じゃ獲物を狩れない奴らが大勢いる……そいつらを、俺が守らねえと……
頼む……見逃してくれ……」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

770 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/03(金) 23:38:32 ID:9VK52rQk0

      ,イ , イ     , イ ,イ         ヽ、     }  ヽ、
     ,イ ∧   , イ , イ ,、      ,、    ,  ̄ ゙̄ヽ    ヽ
    .,イ   / ゙ニニ - '"   / !     ,' .',   !',      ゙,ヽ、 ゙,
   /   ,' ,イ        / !     ,'  ',   ! ',   ,   !  ヾ
   /   !'        ,イ  !    /   ', ., t- ',   !    !
  ./           ,イ    !   , /     ,イ !  ',  !   !
 イ ,,        / / 、   .! /,'/     /, ', !、 ', , - 、  !        ……それで、人を食うんだろ?
 ,イ i!   /    / /ー,->、/ / /  ゙ーイ!・i .', ! ゙,  〉イヽ i  !
   i!   ,' i   ,' /イ.    !・!/!     i ゙"   i! / 、/ /、 !        「食って何が悪い……そうしなきゃ生きられねえんだ。
   ,'   ,イ ,!  ./!' !     ゙ .!          " ,' イ ,イ、ヽ!ヽ
   .,' ./,' ,イ.! ,',.   ゙      ,      ゙ ー '''  i, イ  ヽ、 ヽ 、      なら、そうするしかねえじゃねえか」
  /イ /イ  i .,' ゙、    ー‐ ''".    i}        ! ./ ヽ、  ヽ、  > 、
  ,イ,,,!   ゙ヽ、 ー ',                 , イ ,    ゙ヽ、  ゙ヽ、    ゙',
 "       /゙ ー-'、        ,ー---_-,    , イ  ./      ヾ,ヽ、 ゙'、   !
          ,'     ゙ヽ、    "  ̄ ̄  , イ /  /         ゙ヽ,ヽ '、  !
        ,'       ヾ> 、  _ イ./ /    /           ヾ、',  !
        i        i ヽ、     i ./   "             〉' ゙ゞヽ
        i        ,!  ヽ、   , -! !  ,              ,イー, i

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何も言い返せなかった。
飢え死にか、人を喰らうか。
自分がこの悪魔の立場であったなら、後者を選んだだろう。
自分だって死にたくはない。この悪魔だって同じはずだ。

「史門様」

ウカノミタマが肩に手を置いてくる。

「誰かが生きるというのは、誰かが代わりに死ぬということでございます。
誰かが生きるために誰かを喰らう。誰かを殺す。それが命の本質です。
命というものは、等しく悪なのです」

ウカノミタマが切なげに言う。
命を育む神が口にした言葉に、史門の引き金にかけた指を止めた。

「止めはしません。ただ、どうかお忘れなきよう」
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771 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/03(金) 23:39:08 ID:9VK52rQk0

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: : ヽ.:ヽ{ ' ヽ |.:.:.:/ __{_ /イ::::::::::::::::::::/.:.:.:.:./::::/./:::::::::::::::::::::ハ.:.:.:.:/\.:.:|_      お前がやったことは、お前にとって生きるために
: : : : ̄≧ー┴≠:': : /::::::::::::::::::::::::::/.:.:.:/:::::::/イ:::::::::::::::::::::::ム∧.:./: : :ヽ;|: :
|: : : : : : : : : : : : : : : イ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/.:./;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ : : ∨: : : : : : : :      必要だったってことはよく分かった。
| : : : : : : : : : : : : : : : |       j/                }: : : : : : : : : : /:
ヽ: : : : : : : : : : : : : : /            >          /: : : : : : : : /: : :       ……でも、見逃すことはできない。
: : \: : : : : : : : : : :,小、                      /: /: : : : : : /: : : : :
  : : ヽ: : : : : : : : / : : : \       ,ィ=――ァ   ., イ: : /: : : : : /: : : : : :
  : : :  : : : : : :/ : : : : : : :>.、   ´ ̄ ̄´,  < : : : : / : : : /: : : : : : :
   : :   : : : {: : : : : : : : : : : : ≧ 、  , ィ: : : : : : ヽ: :/: : :/: : : : : : : :





         ,ィ  , - ―――― - 、
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       !:.:':.:..,:.--――-:.、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:ヽ
       l:.:.:..ム― - ..:.:.:.`ヽ:.、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
      ,-/´`,>- ¨ ̄ ̄ニニミ 、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、
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   ,イ:/:/    ! ___ ヽ、      } ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
   .ハ:.l,イ   ノ/:.:.:.:.:.`ー ミ..ー--- イ   ';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
   !::ヘl ヘ...ィ彡':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ̄ ̄ ̄`ヽ、.i`ヽ、____:.:>
   l:.:.:ヽ、, '´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾ、ヽ、:.:.:.:ヽ、
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   .!:.:.:.:.:.:.:lヽ:.:l ヽ:.:.:.:.:.:ヽ`ー- z'ゝ-、 ヽ、:Y/ヽl:.:.:| `ヾ、
   .l:.:.:.:.:.:.:.! ,ゝト 、ヽ:.:.ヘー-`, /0   !  `l イ /:.:.:',             お前の命、俺がもらう。
   l:.∧:.:.:.l l   0`ヾ 、ヘ`=イ     ノ   ノ-'/:.:.:ト-`-
   レ′ヾ:.ヽヽ、  ノ  ``  ー-- '     ,-彡、ト:ヽ
     __..>i`  ̄  ,           ノ'' / l  `
     ヽ.  ハ    く_       ヽー--'´,ィ !  ム
     / \  ゝ、   、__ __  ヽー- ' ! l ,イ ヽ
     i   `、イ l `丶、  ‐  , ィハ   l/ヽ \ ハ
     l   l  ', .l: : ,、: ヽ`ー ' / : : \ ノ    \\\
     ヽ  l  V_:ノ `ーヽ  _j - z - '         \\\
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それでも、史門の答えは変わらなかった。
復讐を遂げられなかったあの時とは違う。

あの時、自分は恐れたのだ。誰かの幸せを奪うことを。
だが、今はそれすらも飲み込んでみせる。

それで、悲しみが少しでも減るのなら。

史門は祈るようにして、頭に向けて引き金を引いた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

772 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/03(金) 23:39:21 ID:9VK52rQk0

                     }v、
          i 、         iレi `ヽ   . --,
          .i| ヽ.      | .{  ∨´: : : : :|
        N|   ', _    | V レ'ィv: : : : |
        } j   ',: : : >-|  ∨  メ: : : ハ
         }ハ   乂. ´ ̄|  ∨  メ :_:_:_:',___
        メ ヘ  /    j    Vメ^ ` マ: : : : : : : : :/ヽ
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     {: : : : : :i  __ /,   / 斗 i-ヽ} 、  ∨ 从.イ 、  \
     .ヽイー |   / |`ヽ./  |/.ィf=ァ!  .ハ{/    ヽ  \
      ./  ハ  |ィf=ミ/、   イJん/  / |     ∧   ヽ         ご主人様……
     /  / ∧ ハヾ vサ   弋ソ  イ   乂     ∧    ',
     ,   ,   ハ {  ヘ  '     /ィ>-、   `ヽ     ',     '
     i   {  ./ _,ィ 1 >-r-´、イィ/   i    }- <. i    }
     {   ∨ .ィ´} }/ノ/ /ノ| /ヽ/__  |ヽ.  ト、!    ヽ!    ,
     ゝト、. ∨ィVノ_/  てレレイ=ミ、二ミ 、}/  }    .}   /
       }/__> ´ . ////'|/∧///\ニニ\ /   ./  ∧
       / "´  . ´ V////|//∧///=ミ /    ∠_ イ  '
     /{    . ´  , --∨//j//////{: : :`ヾ            ',
    /{ マ.、 / ,.イ.イ>.}/////////イ: : :/           i
    {: :、 ヾz{///: : ////////: : : /            !
    八: :\ ///: : : /:乂///イ:/: : : :〉                 ,
    /> :.y'/ /: : : : : :',: : : : : :/: : : : : :i           .ィ /|/
   乂: : : : : :}(_≧=-=≦ヘ: : : : : : : :/: : jイ!ノ{  /{  / レ  /
     ー‐ ァ:ヘ//////r--ヽ: : : :/---イ/i! レ  |/     /
      /: : :}ヘVi⌒V: : : : :`¨ : /// ヽ/}         .イ
     /: : : : /: : Vム: : : : : : : : : :.〉/{: : : ノ{≧= --   -=≦





             _____
             `ヽ____~"'''‐-..
          _,..-'''"    `ヽ ̄l´`ヽ `ヽ、
      _,..-'''" /        \.\  \  \
         ̄ ̄/  ,、         .\ \  \ .\  ,'l
          /  .l/ |    ,ィ      .\ ヽ___.lヽ  .ヽ'..|
       /,イ __...人  ./`|       .`、   `、   .|
      .l/ ./    `、 /  |   l     `、   l   ノ、
         /      .ヽ'  .|  .人l     `、  . |    .\
       ./ __        .| ../  |      l   .|      ,>        大丈夫だよ、おたまさん。
      / '  ̄`ヽ      | ./ ....| .∧   .|  /       .|
       /           |/    |/~ヽ、   | ./        |         俺は平気さ。
       l                  j´-`、 .|/         .|
      l              __ ,、 ー- ノヽ.|ヽ, .     .|
      `ヽ、     ____ /  `ヽー‐'´   /-、     .|
        .|`ヽ、        /~"'''‐..`ヽ、_    .|    lヽ|
  ___  |/l/l/ヽ       |    `丶、  ̄`ヽ、l   .ノ
  ヽ     ̄ ̄ ̄~.|      .|      /  /ヽ,_ヽ__/
   `、        |      .|       /_,..-'''"‐‐、   ヽ
    `、      /.|     .|  ./ /       \  \
      `、    /...|     ./  .//           .\  \
      `、   l .|    /  ./              \   \
       >、 .|/    /  ./                   \   \

773 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/03(金) 23:42:09 ID:9VK52rQk0

                ____ヾ-、
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          〃 i::::::::::::,' .i.  9ヾ   -t''9´i/ヽ:::::;;;::::::i
           ノ:::::::i.=ハ ヽ--- '    ヽ-- '_/ ア/ヾi,
           /:::::i:\__',     , 、   ', __>、__
            ̄7/',:::ヘヽ   , -- 、 ヽ    7: : 7
            , --ヘi---> .      .ノ   .-': : :-.、
          `' <,      ヘ>- イ_,/     ヘ: : :ヘ
             \     ::|   .|        ',: : :.',-'" ̄ ̄ 7___
               \  /-'y-'".i         ヘ: : :ヘ    _  ヘ
                -) /-、    ',         ヘ: : :ヘ /: : :ヽ、 .\
             ,.イ,ノ./       ヘ       , --': -、: : : : : :ノ    >、_
               7   /        ヘ    , イ: : :/: : : : ----':、__
            i   /             ',   /: : : : ≠: ',: : : : : : : : :7--、ヘ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
守るための戦いですらも、血が流れる。
誰かの生活を失わないために、誰かの生活を奪う。
奪われないために、奪う。

それが罪だというのなら、この身に背負ってみせる。
既に、兄貴分の死を背負っているのだ。少しくらい荷物が増えた程度で、
へこたれてなるものか。

「……俺は戦うよ、喜留夫さん。誰かが奪わなくていいように、俺が奪う。
背負ってみせるさ。あんたがくれたこの力に誓って」

そう、史門は静かに誓った。
夜の空には月が出ていた。その言葉を聞き届けるかのように、佇んでいた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

774 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/03(金) 23:42:23 ID:9VK52rQk0

                   }   }   V             /  / /
            rf:====|   |   ∨           /      /
           .{:i{:i:i:i:i:i:ii:iトミミト、}    ∨=-.._,..-- 、_/     /  ,___
            ∨,:i:i:i:i:i:i:ゝ   }     マ ̄ ヾー<:i/    / .イ_ム:i:i:i:i:i:ミ
                ∨,:i:-=     }> ´ ̄ ̄ `   ー '- 、   /´  /:i:i:i:i:/:i:}
              ∨,:i:_>   /              \ /   ⌒ノ:/:i:i:|
             〈:i:i:-=彡 /        /            ∨    ミ:i:i:i:i:i:i/
         __  ハ:i:i:i:i彡''                i      V    ミ:i:i:i:i/
        /: : : : : : :.{:i:i:i:i:i:i/  /       !        }      V  ミ:i:i:i:Y
         {: : : : : : :.人:i:i:i:/  /      ,:|      ハ        ∨メ:i:i:i:i:i:{<
       .У: : : : : : : : /  /   _ / |     / }     i  ∨:i:i:i:i:i:i:|: : : .<
       ./: : : : : : : : : :⌒:/    ∠`ヽ !   / / -|-   |    V:i:i:i:i:i/:.、: : : : Y
      〈: : : : : : :./: : :∠_ ィ vff .沁ミx  /!/´._ =ミ、    !    V:iイ: : : \: : :}
        \: : :/: : : : : : / 八 ヘ vソ  }/  ィv リ ゞハ.  ト  |\{: : : : : : :.ハ: /
       / Y: : : : : : :/ィ   \ \       ゞ''  ./ .\{: :\{: : : : \: : /
       /   人: : : :/⌒ j/{  从「        -=彡イ ! \: : : : : : : : :ハ:ノ
         /ヽ:/       ∨   \  `   ´  ィ |   |  \: : : : : :/ 、  \
    /    .ハ/       > -‐\  ヽ.> -- (\.、__|   |_    ー=彡  \  ヽ
   .'    八 ∨  r==ミ./     \ ∧=/  \ヽィ}   , `ヽ    \   \ \
  / r 、 ./ ./ヘ ∨「{ マニ.′       }ハ }/ 弋 ー -`- \ /         / ヽ   ヽ
 ./ .ゝ \/r-ヘ V ∨ニ{    y   / } /==彡≧=- '''''  \     }    /   ',
   / /「/_ノーy  ` <\  / 、_/ /   rfニ''-―      \   !  /     ',     ',
.′   /./_ゝ 二二   \ ,     ̄     ` ̄ ̄ ゝ、     Yニニニ=- _   }    }
{  {  {    `ゝ __ ィ/        .:         `ー   i__---</   }
{  |  |      _', _/_「≧x     ノ  _ -=ニi__}_ i    |ハ_  >
     ',   ,,.ィニニニi マニニニニニミx  .′ィニニニニ=---=.、/.|    ノ∧、: :\   /    /
 ',  ',  V./ニニニニニ} _}__ `'<ニヽ{/ニ> ''´ ___7/|  /ニニ}/}: : :ノ  /    /
 .ヘ   /ニニニニニニィ八: : : : : `: : .、\// ,.ィfニニニニニ7,/|  /ニニ./: ム: :} /    /
   ヽ./ニニニニニ/ニニ}ゝ。: : : : : : :>イ__./ニィ : : : : ://ニ! 'ニニ/: : : :V     /
   /ニニニニニニ/ニニニリ: : :≧= =≦ニニニニ≧=---=≦ニ{ニニ|/ニニ/: : : : :.∨   /
   /ニニニニニニ{ニニニ/: : : : :}: : {ミ==-r ⌒Yニニ=- =彡 .{ニニ/ニニ/: : : : : : : ∨/
  ./ニニニニニニニ|ニニ/: : : : : , : : マ==-人 ノ-- ==≦. イ.〉ニ{ニニ{: : : : {: : : : :∨
  {ニニニニニニニニ!ニニ{: : : : ::/: : : /寸/ニニニ\ニニニニニ/ニニ|ニニ!: : : :.{: : : : : :}
                                                       〜また次回〜

775名無し-Red-市民-2:2018/08/04(土) 00:50:51 ID:SUKO/P3.0
乙でした。
主役のキル夫より、王道な主役してるw

776名無し-Red-市民-2:2018/08/04(土) 00:54:35 ID:SFlzKIWA0
乙です。
小学生でもなければこの攻勢から童貞を護ることは出来まい……
中学生になったら?そりゃあ、まぁ、うん、そうね……

777名無し-Red-市民-2:2018/08/04(土) 01:52:16 ID:iLOaG5W60
おつおつ

778名無し-Red-市民-2:2018/08/04(土) 10:17:17 ID:pJ9S9N9c0

ウカノミタマがいたとはいえよく勝った
しかし交渉下手かぁw

779 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/05(日) 21:20:00 ID:mKRHQHEw0
どうしよ。十五話くらいで終わるつもりだったんだけど、十五話行っちゃったね。

あと頭の中のアイデアが十話分くらいストックがある。

予定と違って多分三十話目くらいまで行きそうなんだけど、みんな付き合ってくれるかい?

780名無し-Red-市民-2:2018/08/05(日) 21:29:37 ID:pdWuVn260
もちろんさあ

781名無し-Red-市民-2:2018/08/05(日) 22:20:24 ID:5Xo8AEn.0
もっと続けてもいいのよ

782名無し-Red-市民-2:2018/08/05(日) 23:04:48 ID:ee.gxxKw0
いいですとも!

783名無し-Red-市民-2:2018/08/15(水) 15:59:14 ID:3AVN.xeU0
ズットツキアウヨー( ´-ω-)つ①①①①

784 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/19(日) 17:33:20 ID:KxrOaFRc0
ハロー、書き上がったよ。

翌日の午後九時から投下しようと思う。十日間だらだら書き溜めてたせいか100KB越えだ。

785名無し-Red-市民-2:2018/08/19(日) 23:31:52 ID:gL4m5NfI0
わーお!?

786名無し-Red-市民-2:2018/08/20(月) 20:03:48 ID:Z0.2H/Y20
楽しみすぎて火照っちまったから全裸待機

787 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:12:14 ID:/D3vOM520

    /||ミ
   / ::::||
 /:::::::::::||____
 |:::::::::::::::||      ||
 |:::::::::::::::||      ||
 |:::::::::::::::||  、 - ‐‐ -,
 |:::::::::::::::|,´: : : : : : : : :
 |:::::::::::::::|゙i : : : :○ ○゙i         ハロー。
 |:::::::::::::::|}: : : : : : : _ _ _l
 |:::::::::::::::||: : : :-=´_ _,´
 |:::::::::::::::||___ : : :丿
 |::::::::::::::(_____ノ´||
 |::::::::::::::(_ノ / . . . ||
 |:::::::::::::::||/    ||
 |:::::::::::::::||      ||
 \:::::::::::|| ̄ ̄ ̄ ̄
   \ ::::||
    \||

788 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:22:03 ID:/D3vOM520

        、 - ‐‐ -,
       ,´: : : : : : : : :
      ゙i : : : :○ ○゙i
       }: : : : : : : _ _ _|        最近喜留夫が強くなってきたね。時に>>1は、チートするなら命くらいは
       |: : : :-=´_ _,´
      y' : : : : :_: : : : :i         代償として然るべきって考え方なんだけど、どうかな?
     / : : : : : : :┌─┐
     i : : : 丶: :ヽ{ .茶 }ヽ        あまりに理不尽な強さを手に入れるようであれば、喜留夫には地獄を見てもらおう。
     r : : : : :ヽ、__)一(_丿
     ヽ、___ : : : :ヽ : :ヽ         それはそうと、初めてこうか。
     と_ : : : : : : ノ : :ノ
       ̄ ̄ ̄  ̄

789 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:24:26 ID:/D3vOM520

┌──────────────────────┐
│                                │
│    第十六話『たとえ全てが敵になろうとも』     .│
│                                │
└──────────────────────┘

790 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:25:02 ID:/D3vOM520

: : : : : : : : : : : : : : : : : : :-‐― .< : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 丶
: : : : : : : : : : : >:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:..:.:.:.\ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
: : : : : : : : : :/.:.:.:.:.:.:>__:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : '
: : : : : : : : : :}:_:.:.:.:.:i{f   .ハ.:.:.:.:ィ==ミ:.:.:ハ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :}
: : : : : : : : : :}゙ メ i:.八_ _乂.:/ {{  j{:.:.:.' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ,
: : : : : : : : : j! {.:.从    7/ i|ゞ=イ }:.:.:{ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /       おお、ようやく我が合体を利用する気になったのだな。
: : : : : : : : :八j.:.::{ r   ((` "   ノ.:.:.′: : : : : : : : : : : : : : : :> ´
`  ー-=ァ:.:.:.:.:.:.ハ  ーぇ===vハ 7.:./ . : : : : : : _   -‐  ´
.    /ハ:.:.:.:.:.{ヘ   ゞー-- イ .'/.:fー‐  "
       从:.:.八∧   `  ̄´ ,:゙.::::|
   ,. : ´:抃::{.   \     .イハi从
.  /. : : : ハ八    >-=≦.ノ_
/ ̄: : : : : ::} }\      ハ: :\
: : : : : : : : : / . |   `ー-ミ .}  \: :\
: : : : : : : : : } | o .才⌒ヾオアメ }: : : \
: : : : : : : : :∧ ゝ< \:i:i:i:i:i:ハ {\: : : :.\


╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
久々に業魔殿を訪れ、ヴィクトルに会うと狂喜された。

「まあな」

「……おや、本気か? いや、それならそれでよいのだが。
さあ、素材を出せ」


地下に案内され、悪魔合体のための機械の前に立つ。

COMPを操作し、メイヴと同じ十年来の仲魔であるファフニールを召喚した。
地下空間に地鳴りが起こるが、建物自体はびくともしない。
流石はヴィクトルの工房といったところか。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

791名無し-Red-市民-2:2018/08/20(月) 21:25:40 ID:rXD5DUP60
お、お手柔らかに…

792 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:30:51 ID:/D3vOM520
思うに、この世に都合の良いものなんて何一つないんだよ。

ズルしてラクして世界最強ってのが流行ってるが、実際にやろうとすれば多大な努力と犠牲を払わねばならない。

何だって等価交換なんだ。命くらい払ってもらわないと、特別な力なんぞやれないね。

793 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:33:42 ID:/D3vOM520


            f≪_       _.厶斗==ミfp  ̄ハ_
   _ . . .-‐:=:=:}ー--===≦三___斗<二二ニニ   { : : : ̄ :_:二ニ≡
 ̄. : : : : : : ::厶_ __         __乂f====彡ニ二三三三三三
__: : : : : : : : : : : ̄三三二二三 ̄ : : : : : : : :-===≡ニ三三
三二ニ==-‐ : : : : : : : : : : :______________三三二ニ==-
三三二二ニニ====--‐―    マ.:.:.:.:.:.ィ"    Y.:.:.:.f⌒v:| ̄
         /.:.:.i i.:.:.:i{     :}i:.:.:.: i{       }i.:.:.::}fハ }:! 
           イ.:i. ∧从 八     八f.:.:八     八.:.:.:'リ ィ.:!           さあ、合体を始めよう!
.         乂ハ.:.:.i.{.:.:{ .ゞ=< ハ.:.:.:ハ =彡!i.:.:..:}/.:.::|
         )) }.: 从.:ハ        j|.:.从    从.:.:.{ハ八           新たな悪魔の誕生だ!
          八.:.:.:.:从     .∧:乂    イ.:.:..:..{∧{
         / :}/ハハ  fr.     ゛   .ィ 7j从!.:.リ :\ー .
    _>. :´ : : : : 乂∧  ゞVrー_‐‐fVア  /八((: : : \ `: : .
ニ二三/ : : : : : {   ∧  ヽ ̄_ ̄__,   .イ(  ∨ : : : .\: : `ー-
三二_イニ=- : : : : ハ.   \        /    .′: : : : :.\: : : :
二ニ/=-_ : : : : : :.∧    `ヽ    . "    ./ : : : : : : ∨: : :

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ファフニールが巨大なカプセルへと入っていく。
もう一体の悪魔、邪鬼ラクシャーサが入ったカプセルと、
ファフニールのカプセルが鳴動し、その体が分解されていく。

そして中央のカプセルに、新たな悪魔の体が構成されていった。
緑色の閃光と共に、雷鳴が轟く。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

794 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:34:30 ID:/D3vOM520

                                 /  ̄|
                                   //   |
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                                |   / ̄ 、 |
     ∧              ,イ           |   / /  \{ ̄ - _
     | | :.           / |   | ̄\ __ \ \'__  |         ― 、
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     | | ∧_  ィ、 __|-- ¨,イ // _,.ノ:.:.:.-/ /' ̄ ̄\  | i! |        /\}
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   \ l: : __{  /__!:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|--|、\,/ /:.:.:.:.:.、:.:.:.:.:.:.,:.:.∨ :.  \////|//|   |
    \: {  \_|:.:.:.:.:{:.:.:._,.....----|  | \{ /---‐ ´∨:.:r、:,:.:.:∨ ',  `T¨T¨´l|   |

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
現れたのは、予定されていた悪魔とは違う姿をしていた。
ファフニールを思わせる機械の装甲に覆われた巨躯は、人とも悪魔とも
つかない姿だった。

「お、ヴィクトル。これは?」

「ふふ、この前の合体事故から得たデータを使った新技術だ。
長い年月により霊格に刻み付けられた記憶を紐づけし……」

「馬鹿にも分かるように言ってくれ」

「ファフニールの人格と力を八割ほど残した悪魔を作成した。
いわば純粋な強化、霊格の格上げ、人為的な変異だ」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

795 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:34:54 ID:/D3vOM520


                      ト
                      | ヽ
                      |  :.
                      |  :.
                  |、      ,:.|  ∧         ,.イ
         \:..、    {:.:.:.、   /:.:|  ':i∧        ,' |
          \:.\_ ∧:.:.:.\ ̄`Y'  |:i:i:| ∧    /  |
           、ト、:.:../  \_>、{  |:i:i:| /:.:.:.、  |   |
     ト      | \'   /   _,.-\ |:i:i:|_,.--、}!  |   |
     { \-== 、|   \   /  〈.  \__|ヽ  `Y^l  |
.      ∨∧--、:.:.、  / ̄ ̄\   \ ∨| |.   }--r '
      -=∨∧:.:.:.:.:./ ̄`ヽ     、    ∨ | |∨_ノ:.:./
   、____∨ ` T {    }、     \   ∨ | ト、}:.:.:.:/
     \:.:.:、\_,.--r、__ノ \ {:::、   、___ノ } |\/_         __
     _\:.:.:.:.:.:.:._| |  ,.- 、(rソ:、     / 〈、   |        / ∧  //       ……我は龍神ヴリトラ。
   ,......::.:.:.:. ̄ ̄:.:.:.:| `¨´/ヽ ` ̄ `¨ 、__/_  〉} / ̄ヽ     / /  Y´ ̄
   {/ ̄ ̄ ̄>、_,/|   /|:::::∧  r 、 「¨:::::::::::}/| //////|      '      ! ___        この力、汝がために振るおう。
__,〈  \     /// ≧='/j\::::::. | :::::::::::::::::::: |::|'|/////イ、   /      /
    |l    \  {--イ|/// |:::::>::Ⅵ:::\::::::::::::乂////:.:.:.:.://\/     ,             我が主、加賀喜留夫よ。
    |       〉 |/:.:.:. ∨//|\ ::::::::::::::::: `¨¨¨´|////:.:.:.:.://///∧   /
    |     / /∧:.:.:.:.:∨/|//\:::::::::::::::::::::::::::////:.:.:.:.:./////// 〉 ,:'
   /从 ̄_,/\∧:.:.:.:.:∨|////\:::::::::::::::::::////:.:.:.:.:.////////|
  ,':\:.\\|  \',:.:.:.:. Ⅵ///// `77777////:.:.:.:.:./////////{       _
  ∧:.:.:\:.\|_    ',:.:.:.:.:.∨、/////////////:.:.:.:.:.//>  ̄ _}_乂____/  \
\_\:.:.:\:.| \__〉,:.:.:.:.:ヽ \_////////:.:.:/´  _/ \/{: : : : :|
   }: :\:.:.:.:|       \:.:.:.:}   \_,..ィ≦{:./|_,.ィ⌒Y    }\ー: : :\
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イ: : : : : : : : : : :∨マi:i:iム    ̄ ̄ |     \o| /i:i:i:i/    ∧ / |: : : : :`ヽ: : : : :
【龍神ヴリトラ Lv57】

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
ヴリトラが渇いた金属音を鳴らしながら、喜留夫に傅く。
雄々しい竜の戦士は、まっすぐに喜留夫を見つめていた。

「ああ、これからもよろしくな」

かなり大きな手を握る。
背の丈は二メートルくらいだろうか。これくらいなら事務所にも入れられる。
食器を増やさねばならないな、と喜留夫は考えた。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

796 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:35:18 ID:/D3vOM520
〜TIPS〜
                   ∧
                   | :.
                   |_{
          ,.. --- ――| r-|、
       ∧ `7       | ,i:i:} ヽ ∧
       { !__/_      |〈:i/ r}_} ;
       乂_ ) ●   {__/●乂__ノ
       <_{   ,.-、  、__,. r、 |    /〉
    〈 \  /|/::|/:::::::\{:::::::::}/::}/  / '/
    \ 〉'{:.イ|:::::乂_____ノ|,.- ' ⌒ヽ
     / ⌒ヽ\:.:.ヽ:::::::::::::::::/:.:/{      }
      {   ___} \}二二二{/ 、____ノ
     /__/{: : : :}|  | |   |{Y} | |  }: : : |、_\
    <| ̄|: : : ノ:、 マム  j   ,'/ _/|: : : | ̄|>

【名前】
ヴリトラ
【種族】
龍神
【レベル】
57
【属性】
Light-Chaos
【相性】
電撃反射 破魔・呪殺無効
【能力】
力-A 魔-C 体-A 速-A 運-E
【スキル】
地獄の業火 ショックウェーブ 空間殺法 アイアンクロウ チャージ 雄叫び デスカウンター
【備考】
喜留夫の仲魔。
喜留夫にファフニールが打診する形で悪魔合体を行ったところ生まれた悪魔。
ファフニールの鋼鉄の体を受け継いだ竜人の姿をしており、身の丈は二メートルはくだらない。
ヨシツネにも劣らない高速戦闘と大火力の魔法攻撃を得意とする。
ヨシツネと共に前衛を担当する。

797 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:35:38 ID:/D3vOM520

         ///////////>.:.:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
.        ///////////.イ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
..    /////////////.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.>=ミ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:
   //////////////.:.:.:.:.r=ミ{.:.:.:{{えrォリハ:.:.fハ:.:.:.:.:.:.:.:.
  .イ//////////////.:.:.:..:.{{: : :从:.:.ゝ--イ 八.:{ri{.:.:.:.:.:.:.:.:
 ///////////////.′:.:.:.:从ー〈 乂:乂    }:ハ/.:.:.:.:.:.:.:.:       で、対価だが。
.////////////////i..:.:.:.:.:.:..∧  ヾソ       从!.:.:.:.:.:.:.:.:.:
乂//////////////,|.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ r r== ー ヽ 从.:.:.:.:.:.:.:.:.:       「おい、料金は取らないのが業魔殿の合体だろうが」
  ` ー‐ --------ノi:.:.:.:.:.:.:.fくハ   ̄ ´   イ  }ハ.:.:.:.:.:.:.
            从∧(乂  .∧     イ  /.i:{乂ハ:.       まあな。材料を提供してもらっている以上、私への報酬は
                   ィ//,ゝ _.ィ"> ´/.i: イニニ`ヽ:
                /,//// ノ<f⌒ヾ./イ ./ニニニニ-\      実験そのものだ。つまり、お前には実験に参加してもらう。
               /.//// }ニニ〉rく  .:/ニニニ=-<ニ
           ,   ´./////  ノニ_イ   .::/ニニニニニニニ.`ヽ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
その後、喜留夫は拘束されて怪しげなカプセルに入れられていた。

「待て! 待ちやがれ! これ明らかに人体実験だろうが!
俺はデビルマンになる気はねえぞ!」

「落ち着け。私がしたいのは合体だけではない。これは特定の基点間の
瞬間移動、転送の実験だ。原理は……まあ、説明しても分かるまい。
とにかく、これからお前を東京にある私の予備の工房に転送する。
いいな?」

「いいわけあるか!」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

798 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:35:50 ID:/D3vOM520

                        ____
                  /      \
                      /           \
               / (●) (●)  u \       やめろー! ジョッカー!
                | (トェェェェェェェェイ)    |
                    \ \ェェェェェ/    /       ぶっとばすぞォー!?
                  ≧=‐- -‐==≦久
                   V´-──=ニニニ三}
               >i⌒ヽ─=7⌒ヽニニハ
                /,'∧  マニニ=〉   }=ニニ\
                /'´/,' 乂__}ニニ弋_ノ=-‐くヾ\ヽ、


╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
カプセルが震えだす。
周りに雷光が走り、喜留夫の体を光が包んだ。

こんな、こんな変てこな死に方をしてたまるものか。
何とか脱出しようとするが、ぐるぐる巻きのロープは外れない。

「畜生ーーー!! 末代まで呪ってやるーーーー!」

喜留夫は叫びながら、光の粉へと化した。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

799 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:36:04 ID:/D3vOM520

       /                       \
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    \   ./                \   /
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800 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:36:15 ID:/D3vOM520

                         ┌──────┐
                         │::::::::::::::::::::::::::::::::│
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                                   □

                               ・

801 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:36:29 ID:/D3vOM520

                      {ll}rf(⌒}lk
        ____         {l} ヾl) ,ノシ′
      /u     \        .lj   lj´
     /     u  \      O   O
   / U (@)|l|l|(@)   \
   |    ───── u |
   \ u            /
    /            ヽ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
喜留夫は狼狽し、とりあえず仲魔たちを全員召喚した。
三人集まれば文殊の知恵ともいうではないか。
とにかく、こういう時は相談だ。

召喚された仲魔たちも怪訝そうな目で町を眺めた後で、顔を突き合わせた。

「三津井市って電柱に書かれているわね」

「うむ、この町並みには見覚えがある」

「ねえねえ、悪魔の気配がするよ」

「あれだ、ゴーストタウンってやつ?」

「あっち側に大勢の人の気配、あと至る所に悪魔の巣があるね。
というか、ここ異界と人間界の壁が壊れてるよ。魔界との壁に大穴が
空いて、悪魔が入り放題になってるって感じ」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

802 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:38:37 ID:/D3vOM520

       ____
     /     \
   /         \
  /  u.  (ー) (ー)\      とりあえず、人のいるところに向かうか。
  |    (トェェェェェェェェイ) |
  \   \ェェェェェ/ /
  /           |

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
パイモンの案内の下、人の気配がある場所を目指すことになった。

しかし、この場所はなんなのだろうか。
三津井市であることは確かなようだが、それにしてはおかしい。
どこもかしこも廃墟同然だ。窓ガラスは割れ、建物にはひびが入り、
あちらこちらに焼け跡がある。

それに人がほとんどいない。通行人など皆無だ。

「別次元の三津井市、もしくは平行世界の三津井市かも?」

「どういうことだ、そりゃ」

パイモンが空気をかき回すかのように指をくるくると回す。

「今過去視で調べたけど、どうも昔大きな爆弾が落ちたみたい。核ってやつ?
僕らの歴史では日本に核が落ちたのは別の場所で、もっと昔でしょ?
でもこの大惨事は最近起こったみたい。三年前くらいかな。
だから、僕らの世界の三津井市ではありえないことなんだ。
分かりやすく言うと、核が落っこちてきた歴史に吹っ飛ばされてきたってこと。
もしかしたら、核の影響で魔界と人間界の壁に大穴が開いたのかもね。
大勢の悪魔がこぞって人間を襲ってる光景も見えたよ」

「なるほど、分からん」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

803 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:39:57 ID:/D3vOM520

                         _                _
      ト                イ _/\ii}__             /  \--、
      | 、               /l|´_     \l}            ∨   ∧ \
      | \     r―--{ ̄l| |_  ̄ ̄\_>         |\_ ∨   ∧  |
      |-、 ∧    ,.'-  ̄ 7:.| |:.:.イ__ ___|{    _   __}/ |   ∨  __}  |
      {:i:i:i:、 |  / ,.---{  ̄_乂―== }  | ̄ | Y: : : : `´: :/  ∨   ∨ {i:i\ {
      乂:i:ノ |≦_/ __  _/\:.:.:.:ー:.:ァ\l   |  |: : : : : }: : \  \  ∨、i:i:i:} 、
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         \`7777/\:i:i:イ  | ∨/l!  ∨: : : : : : ://\¨\  \
            / / / /--- ´   |  |--|  /|: : : : : : / ̄ \ \ \_\_
         / / / /       乂,.|--、イ  |: : : : : / / /  、 〉--、 ̄   \

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話をしているうちに、悪魔の群れが喜留夫達の前に躍り出た。
話し声を聞きつけたか、匂いを嗅ぎつけたか。

「肉! 肉がきたぞ!」

邪鬼ウェンディゴの群れだった。数は十六といったところか。
白い巨体にぎらついた赤黒い目という威圧的な風貌だったが、
今の喜留夫達の敵ではない。

「セラフ、ヨシツネ、ヴリトラは前に出て押さえつけろ!
後は俺と一緒に後方で援護! パイモンは支援しつつ後ろを警戒しろ!
囲まれるようならセラフを回す!」

セラフとヴリトラが空に舞い上がり、ウェンディゴの群れへと突貫する。
漆黒の翼が薙ぎ払い、銀色の爪が粉砕する。

恐怖で動きを止めたところにヨシツネが突っ込み、魔力の足場を利用した
高速移動をしながら一体、また一体と首を刎ねていく。

散り散りに逃げようとするところに銃撃をお見舞いし、足の腱を撃ち抜く。
倒れ伏したウェンディゴに、メイヴの電撃が落ち、蒸発させた。

次々と倒されていくウェンディゴを尻目に、群れのリーダーらしき
一際体格の大きいウェンディゴが喜留夫に建物の陰から飛びかかってきた。

指示出しをしている者に狙いを定めてきたようだ。

「いい度胸してんじゃねえかオラァ!」

振り下ろされた鉤爪を避け、地面にぶつかったところに頭にサッカーボールキックを見舞う。
さらに腕を掴み、鳩尾に膝蹴りを入れ、右手で短刀を抜き二度、三度と振りかぶり、
乱暴に突き刺し、抉る。
よろめいた隙に顔面にしこたま拳を叩き込み、倒れ伏したウェンディゴを踏みつけ、
銃を突きつけて引き金を引いた。破裂音と共に血飛沫が地面に広がる。

「うわあ、えっぐい」

「戦い方がチンピラそのものよね、相変わらず」

「うっせえ」

小言交じりに殲滅を終え、喜留夫達は探索を再開した。
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804 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:41:13 ID:/D3vOM520

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人の気配があるという場所に辿り着くと、そこには地下鉄にも似た
鉄とコンクリートの入り口があった。

「僕たち引っ込んでよっか。僕らが出てると、喜留夫も悪魔に間違えられちゃう」

「余計なお世話だ」

しかし、パイモンの言うことももっともだ。
これだけ飢えた悪魔が闊歩する世界だ、悪魔への恐怖や敵意も並々ならぬ
ものだろう。

ここは悪魔たちをCOMPに帰還させておくのが得策と見た。
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805 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:41:30 ID:/D3vOM520

    /::://:::! /-=、 ,// u / _,,.-ゝ. 「ヽ l    ! , l
   /::_;イ-‐=レ'==ミ"   '∠-==ヽl=ヽlヽ  レ'レV
 /::::::::..、   o   ,≡:::::::〈、  o   ,  :|│ リ '
 ::::::::::::::::: ` ー--‐ '´三 :::::::::ヽ`::ー-‐:'.´   |│ l
 :::::::::::::::    ニニ  ::::::::::::::ヽ::::::::: U  |│ !       だっ、誰だっ!
 :::::::::::::::U  ̄ ̄   U::::::::::::::::ヽ::: u   |│ .l
 ::::::::::::::::   U    r‐:::::::::::::::::::::ヽ.    Lノ  |

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入り口の中には見張り番がいたらしく、怯えた声が聞こえてきた。
見れば、のぞき穴が扉に空いており、そこから銃口が覗いている。

喜留夫は両手を上げ、降伏のポーズをした。

「あー、俺は加賀喜留夫。悪魔が化けた人間じゃねえよ。
エネミーソナーあるか? それで判別できるはずだ」

「どれどれ」

見張り番はやけに素直な反応を返してきた。
こんな見張り番でいいのか、と喜留夫は心配になる。

「……確かに人間だな。しかもその武器……デビルバスターか。
制服を着てないところから見てフリーのデビルバスターだな。よし、入れ」
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806 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:41:46 ID:/D3vOM520

      /.:.:.:.::::::::::::::::::::::::.:::.:.:.\
     /,.:::::.:.:::∧::ト:::::::::::::::::::::.:.ヽ
     ´ /.:..:;イ::/: l::!ハ:∧:::::::::::::::::|
      /::イく`く   ,斗匕xヘ:::::::::::::|
.       ´/|==`ei i!===e==:::|:rx::::::|
.       |`ーァ':::: `ー ' u:|:|n|:::::l       ふう、ひやひやさせんなよな、ったく……。
       !/.::::__, u   .:::::|:|り::::::l
       └'に二..つ .::::,.:イ: :::::::::::l
         ',  ━  .:::/.:/::::::::::::::::l
.        ∧  .:::/ .:/:::::::::/\:::l
.         /.:.::ヽ.:ィ゙_,, ィ/:::::::// >l
.      イ.:.::::xf='´  /::::// /::`
      /.::://| _,.=7:// /::::::::
【人間 伊藤開司 Lv10】

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「俺はここの見張り番を任されてる、A中隊の伊藤開司だ。
どうせあんたも、他のシェルターで何か厄介事起こして追い出された口だろ?
ま、面倒事はここでは起こさないでくれよ」

伊藤開司と名乗った男は勝手に納得しつつ、喜留夫を門の中へ通した。

中にはエレベーターがあった。
ちょうど上ってきたエレベーターから人が出てきた。
見ればアサルトライフルや手榴弾などで武装している。
無線機も装備していた。ちょっとした兵隊だ。

「おう、開司。交代の時間だぞ」

「ああ、頼む。俺は新顔にシェルターの案内をしてくるぜ」

「新顔……ああ、そこの人相が悪い奴か。他のシェルターから追い出されたか?
まあ、どこも食い扶持に困っているからな……ようこそ、第五シェルターへ。
こんな時代だ、助け合っていこう」
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807 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:42:06 ID:/D3vOM520

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                                   □

                               ・

808 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:42:36 ID:/D3vOM520


    /  / /\/ /\\\
    |///| /\l| |l/  \|\
        |=== |  ==== ||⌒|
        |ゝ ゚// ゝ ゚ ノ  ||.6|
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         ( __っ   / u  ||_ノ\
        |―――――   ||   |\
       /ヽ  二     /|  /ヽ \
   /|二二 / ヽ       /  | /  |二二二\
 /  |    /  ヽ    /    | /   |
    |  ./   ||ヽ /      |/|  |
    | /   ||  \       || |   |
      / / ||   \__/ ||/\  |
     //               \|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
エレベーターの降りる時間は長かった。
時間つぶしがてら、喜留夫は開司から情報を引き出すことにした。

「なあ、過去の資料を見れる資料室とかないか?」

「あるだろうけど、そこそこの権限がねえと行けねえよ。
つか、何が知りたいんだ?」

「歴史、かな」

そこで開司は呆れた顔をして、喜留夫を肘で小突いた。

「馬鹿だな、歴史もクソもあるかよ。何年か前にトールマンとかいう野郎が
核をぶち落として、日本はこの有様だ。町中廃墟、悪魔まで溢れかえって、
今じゃ世界中がこんな感じだ。生き残った俺らはしがないシェルター暮らしって
わけよ。以上、終わり」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

809 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:46:04 ID:/D3vOM520

..      ____
     /     \
.  . /  (●)  (●)
  /  (トェェェェェェェェイ)\      SFだ……。
  |    \ェェェェェ/  |
.  \           /
.   ノ          \
 /´             ヽ

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エレベーターが到着し、扉が開け放たれる。
無菌室らしき部屋に通され、防護服姿の何者かに軽く身体検査をされた後で、
ようやく居住区へと通される。

居住区は、青と白の二色だけの広大な地下空間になっていた。
四角い豆腐のような家が立ち並び、奥には他に比べ大きな建物があった。

「ここが居住区だ。奥の建物は第五シェルターのデビルバスター統括所だ。
あそこに詰所やら何やらもある。右に行けば商業区、左に行けば工業区だ。
まずは統括所に行くことだな。あそこは役所も兼ねてて、戸籍登録やら
何やらができる。家の手配や食事の配給も受けられるようになるはずだ」

「はずだ、ってなんだよ」

「審査がある。昔はなかったんだが、最近では仕方なくな」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

810 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:46:44 ID:/D3vOM520

             -―-
          /      \
         / (●) (●)
       |    トェェェェェイ   |
       \    ∩ノつ   /
     .  /   γ ノ  \
       { ヽ_/  }   _  }
        ヽ__/、 ̄  /
        ヽ       ̄ 「
          |   |   |
          |   |   |
        (__ハ__)

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
統括所に向かい、白い作業服姿の男を二人引きつれた役人らしい
ダークスーツの男の審査を受けた。

「あなたは相当な実力の持ち主のようですが、もしや元テンプルナイトですか?」

「ん、まあ、そんなところだ」

テンプルナイトという聞き慣れない単語が出てきたが、とりあえずそういうことに
しておいた。

「メシア教本部での快適な暮らしを捨て去ってでもこの第五シェルターへ
来てくれたこと、感謝いたします。よければ正式にここのデビルバスターに
なりませんか?」

「いや、遠慮しておく。組織に所属するような柄じゃなくってよ、それで抜けてきたんだ。
でも、ここが悪魔に襲われるようなことがあれば、俺も戦う。
今はそれで勘弁してくれねえか」

滅相もありません、とスーツの男が頭を下げる。
どうやら、この世界では喜留夫程度の力でも、実力者として扱われるようだ。
いや、元の世界でもそこそこはやれる方だったが、葛葉雷堂やウルフウッド、
閻魔哀に比べれば猟犬と狼程の差があった。

先程の開司という男も、街の入り口を守るという重要な役の割には弱かった。
人間が力をつけることができないような状況が作られているのかもしれない。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

811 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:47:10 ID:/D3vOM520

    //: : : /: : : :/,: : : : : : : : ,: : : /: : : : : : : : : : ::``ー-,‐
   //: : : :/: : : :/ /: : : : : : : /__/: : : : : : : : : : : : : <
 ∠-/: : : :/ : : : / /:/: :、-‐= ̄__ ノ: :|: : : | : : : : : : : : ヽ
   /|: : : /: /: :/ /| |: : : :了 ̄ // /}: 人: : :| : : : : 、: : \|
  //|: ://|: :/|/ {|: : : :/ |: :/ / ///| : |\{: : : : : `丶、\
  l| |: |: :{ |/冫==|: : /___|/-/ノ≠ニ弌: :`: : : :|_: : : : l`ーヽ
    ヽ{| ||: : |{ 仁ヽ|: /  ̄`__..-=≠ヽ.  |: : : : : / |: : : /
     `ヽ\ ',└┴lヾ    ´_{‐-'::::} ミ |: : : :ノ } l: : /
        `、|  /       ̄`¨ ̄ /: :/ /:/
         `、ヽ.         /-‐'´∠´: : /
          ヽ `_          ノ / /レ
           \ `二‐ 、    , '   '/ノ}
            \    _ -    ィ戈 彳
   ___ -‐== ̄r≧≦二_-─=彡冖 : : ト、
  / :/: : : : : : : : : : |: : : : : : :| | ̄∧: : : : : : :l: : ヽ
. /: : /: : : : : : : : : : : : :V: : : : : :| |.,-ヘ/‐、: : : /: : : :`丶
/: : /: : : : : : : : : : : : :/ V : : : : | /⌒)乢⌒:/: : : : : : : : : \
|: :/: : : : : : : : : : : : : { {: :V: : : : | |: : :{山}'´: : : : : : : : : : : : : : \
|: :|: : : : : : : : : : : : : :// ‐- -//-‐´)(: : : : : : : : : : : : : : : : : : \
ヽ |: : : : |\ : : : : : //: : : : : : l l: : : : :于: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
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【人間 枢木朱雀 Lv24】
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市民IDの登録と当分の住居の手配を済ませてもらい、統括所を出ようとすると、
一人の男に出くわした。

細身の青年だったが、武装は立派なもので、剣と大口径拳銃を腰から下げていた。

「……新入隊員かい?」

「いや、ただの客さ。あんたは?」

「僕は枢木朱雀。A中隊の隊長を務めている。
見たところ、君も戦う力はあるようだが、デビルバスターではないのかい?」

「フリーなんだ。組織に属せるほど律儀な性格じゃなくてな。
雇われの方が気楽でいい」

「そうか。属する場所は違えど、悪魔を討ち人々を守るという使命は同じだ。
共に頑張ろう」

どうにも堅苦しい青年で、喜留夫は好きになれなかった。
軽く手を振り、統括所を後にする。

まずは用意してもらった寝床へ赴くとしよう。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

812 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:47:57 ID:/D3vOM520

       ____
     /     \
   /         \
  /     (ー) (ー)\     ……静かだ。
  |    (トェェェェェェェェイ) |
  \   \ェェェェェ/ /
  /           |

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手配された住居は、他と同じ四角いキューブ型の家だった。
内装も白一色と殺風景で、設備もトイレに台所と風呂、間取りは居間と寝室のみだった。

何もないフローリングの床に尻をつけ、無意識にCOMPを起動しようとして、やめた。

生体マグネタイトを感知する警報機の類があってもおかしくない。
大体のCOMPには生体マグネタイトを感知するセンサーが搭載されているのだが、
そのセンサー部分に似た部品のある警報機のようなものが、天井の火災報知器の
横に設置されていた。

メイヴやパイモンたちの声が聞けないのは、想像以上に寂しかった。
自分の生活がどれほど仲魔たちによって彩られていたかを痛感させられる。
彼らと過ごす時間は、既に喜留夫にとって人生の一部に他ならなかった。

仲魔のいない自分など、そこらの野良犬と大差はない。
飢えて彷徨い、野垂れ死ぬだけだ。

あまり長居はしたくないな、と物思いに耽りながら、喜留夫は堅いベッドの上に
体を横たえた。
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813 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:48:14 ID:/D3vOM520

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                                   □

                               ・

814 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:48:34 ID:/D3vOM520

         ____
       /     \
.    /       \       「なんだよ、大災害前の金じゃないか。マッカないのかい?」
.  / /) ノ '  ヽ、 \
  | / .イ '(ー) (ー) u.|     マッカ……確か昨日の悪魔が幾らか落としていたな。
.   /,'才.ミ)トェェェェェェェイ)/
.   | ≧シ'ヽェェェェェ/ \     
 /\ ヽ          ヽ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
シェルターでの生活は難航した。
まず第一に、食い扶持がない。流石にどの世界でも働かざるもの食うべからず
の摂理は同じであるようで、生活には魔界の貨幣、通称マッカが必要だった。

配給の食事は一日一食、味気ないゼリーやらミキサー食やらが配給所で配られていた。
つまり飢えはしないが腹は満たされない。

十分な食事や生活雑貨を手に入れたければ、商業区で統括所お抱えの
店や個人経営の店で買い揃えねばならなかった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

815 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:48:50 ID:/D3vOM520

       ‐、――-、,,.. -――‐;:‐
       >           ̄<
     -=ニ                 `ゝ
     ∠´   ,.ィ  ハ          `、
     /   / | ./ ヽ  ト、       |
     lイ /''-ニ|/、 r‐\lニ\! __   |       そうか……家族も友達も全員悪魔にやられたか。
       'l.イ| ==。、i '"==。== l. l"l|   |
         |l| `ー'/  u ー‐''" | |"l|  |      ま、俺でよければある程度の力は貸すぜ。
         l || U/       lj  |.|ソl   |
        ! `|/_,. - ヽ v'    l!-'′   |      金は貸せねえがな。俺が借りたいぐらいだ。
        ,l  ヽ ヽニニニ二)  /|   |\. |
    _,,.. ‐'''"~/lヽ  ≡  /  |   |  |~"''
    | |  / |  \  / u レ!  |   |
     | | /   レw、  l´      |  l    |


╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
伊藤開司とはちょっとした知り合いになり、物々交換だったり情報交換
だったりをするようになった。

喜留夫は自分の家族や友達が悪魔に殺された次第を話すと、
伊藤開司は黙って話を聞いた後で、肩を叩いてきた。

一人でも信用できる人間がいるというのは大きい。
伊藤開司は自堕落な一面があるものの、裏表はなかった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

816 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:49:14 ID:/D3vOM520

          /. : : /. /. :`ァ一:r一!:{: : : : : : ヽ
         / . : : :/: : :/. : : :/. : : : }: : ト、\: : : : : }
          { /. : !: : /. : : :/. / . :/./. :}: : トl: : : : : l、
         〉: l: : :l:ト、ト、 : : l L: イ:/7イハ: l: : : i : : トl、
        ーイ: {: : :トl ,>ミ、: :トl ノィ=ァくヽ」: !: : : }: : :}
         {: :ト、 : V {㍉ハ!  ´{rfk」} }/}: : :ハ : /           気にしないでくれ、これもデビルバスターとしての務めだ。
          ヽトlゝ、ト、少' }  ″`¨¨¨´ ノ-イ /:ノ
            ノハ   '、        /.イ: {
              '、  ,_       / }: :l: L、
                 \  ‐`      ∠.ノ:斗 イ
               rfハ、_ . -‐r 二 rk¬ ´ l
               ト} } lーrー┤i rfYト!   /
               k| | } |  | |、__」 レ ァ  {、
               }イ !イ、l  | |\h f'´  / ` ー-  、_
    , -‐─一 、、ー‐‐ ´ } }.」 7゙¨¨} }  l l   /
   { /ノヘ、   V     ノ |  {   { {  | |

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枢木朱雀も何かと自分を気にかけてくれた。
弾薬などの物資を分けてくれたり、危険な悪魔の出没地域を教えてくれたり
した。

「君のような力のある人間が人々のために戦ってくれている。
それだけで、君を助けるには十分な理由だ」

自分より一回り若いくせに、殊勝な面もあるものだと喜留夫は感心した。
三週間も経つ頃には、軽い雑談を交わすくらいの仲にはなった。
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817 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:49:53 ID:/D3vOM520

         ____
        /     \
       /         \
     /     (●) (●)\         これくれ。
      |    (トェェェェェェェェイ) |
      \   \ェェェェェ/ /          「1000マッカね」
     /       __|___
    |   l..   /lディスエイクl         ぶちのめされてえか。
    ヽ  丶-.,/  |__      _|
    /`ー、_ノ / ̄ ̄ ̄ ̄/         払っても250マッカが精々だ。

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最初に手に入れたマッカが底を突いたので、許可を貰ってシェルターから出て、
周囲を探索し金目の物を探し回った。

無論、人を襲う話の通じない悪魔は殲滅した。
話しの通じる相手には交渉を試み、金品を分けたり分けてもらったり、
情報を交換したりした。

遭遇して情報交換した悪魔が喜留夫にこう告げた。

「悪魔使いのあんたに良いこと教えといてやるよ。
シェルターにも特色がある。トウキョウのシェルターの奴らは生き残るためには
手段を選ばないって奴も多くてな、悪魔使いもちょこちょこいる。
だが、ここのシェルターはダメだ。悪魔への恨みが強くて、悪魔使いへの
迫害も激しいんだ。あんた、第五シェルターで暮らしてるんだってな?
あそこも同じだ。悪魔使いだってバレた途端、目の色変えて殺しに来るぞ」

「なんでそんなに悪魔への敵意が強いんだ?」

「ここいら一帯は魔王モロクの縄張りなんだ。
そいつが三つのシェルターの人間を食い散らかしてな、
生き残りからは相当恨まれてるらしい。
トウキョウとかと比べて、ここいらの人間は弱っちいからな。
他の地区のシェルターより被害が大きいみたいなんだよ」
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818 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:50:21 ID:/D3vOM520

!   |l | |,.>',ニ_ヽム'~l!'´|i!| !/,/ // /,ハl  /  |    ノ  | ''
|   ハ ヽ/ | Vrォゝl!ヽi| 'l!|/‐/-/ 、//! , / !  | / /   |/
|   | |!∨ ハ ゞしjイ! ヾリ!//'_/_//, \/ /!/ / !/ / /   l
|    ハ| { lヘゝ二ノ      〃,. ‐/メノ\ , ,イ/ / /     !
|   / ハ ゝニ、、           ヽ弋テノj|ノイ / ' / / /    !
| |  ! / . ヘ `冖''             ー   レ'  / / / /    l       悪魔と人間……ね。
| |  ! /  ハ      _          イ/  / / / //    |
-人 |! γフ\    `      // /  /|/ / /     |       私からすれば、そう違いはないのだけれど。
  \ノヽ!ヽ 「ヽ!\       __ イ! /    .イ / /  ,イ|     |
  ノ L___ `ーj V ノ ̄ノ、j ̄!._ ノ レ'   / | ノ´| / |     |
  V´ 〆 , イ / `ーγ" / , '  ,. イ|γ´  _|   |       |

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メイヴが呟き、それに皆が頷く。喜留夫も同意見だった

「人間にも悪魔にも、心がある。悲しみもすれば怒りもする。
優しい奴もいれば残酷な奴もいる。人間と同じだ。なのに、どうしてこうも
壁ができちまうんだろうな」

「力の差、じゃないかしら。私たち悪魔は、人間に対して絶対的な力があるでしょう?
結局人間も、人間だけの力では悪魔に対抗できないから、悪魔の力を借りる
デビルサマナーという概念が生まれたわけだし。
他の悪魔に害意があろうとなかろうと、一部の悪魔が暴虐の限りを尽くすことで、
悪魔全体が憎まれる。ごく自然な流れだわ」

一部の行為によって全体が憎悪の対象となる。
これもまた、人間社会でも見られる現象だと喜留夫は思った。、

悪いことをして、割を食うのはいつだって本人ではなく周囲の者たちだ。
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819 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:50:52 ID:/D3vOM520

        /.::.::.::.::.::7,斗‐.::ァ .:7.:://{::{::.::.::.::「:.「::.::.:ト、: :.:.}:.:.:i i::. ヽ:.ヽ:}
        {.::.::.::.::.:/ {::/.::.:/ .::/.:/{lァ≠㍉::.::.{::.l: ::.:::!: : :!::l:. :.} :}::}.: ::.ト、j、___ノ
        l::.::.::.,::/ l::.!::./ .:./.〃′,rff㍉ヽ、ト、}、::.::|: .::.}::} ,イ.::,:イ: :. :.V¨¨¨´
        {::.::.//  {::l::.!: ./V   {{ィfトイV㍉、, }::.::}::.://厶}ノ.::}::.::}::.「´
       メァイ/    Vヘト、{    、__゙f竺シ_,  '_ノ_:./.:厶广/.::.::/.::/.::/
      /{ {/.:{ __   ヽ. ヽ.      ̄ ̄`   ノイL} ゙V.::.::.イ::.//
.    /   Vハ/  }  / \ ヽ            マf」 /.:/{::V´
.  _/     ,イ弋/、 {   } }     _      V7〉'  ヽ}、           君はあの時の……
´ /      弋. く ヽ. \!   { {、  /ーー`、_、_ / ,/
 {          ヽ ヽ. 丶、 ヽ. \{     l:::/ .イ/   ___            頼む! 手を貸してくれ!
        ト、 __ _ヽ ヽ.  丶、 ヽ. \   }/ /゙{ {⌒`´      `ヽ
        | }_} }ム ヽ. ヽ   丶、ヽ \´/   | |         i  ト、
        └; 〈 レ′ 〉 〉    >ー }    」 |        ,′ } ト、
        /,イ_ \ //   /  { /   //        /    | | }、
       _ィ/    //   /     i/   //            ヽヽ
  _        / ヘ ー くイノ     / //                  \
/ _`丶、     { {    〈´      ///           , -‐‐、     ,
/ `丶、丶    vハ      }     / /  , -‐───‐‐- /`ヽ ヽ _/ /
l      ヽ ヽ  ノ }    {    { ヘ  / /´ ̄ ̄ ̄ ̄`7く    ` ー‐ ´

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仲魔たちをCOMPに帰還させ、シェルターへの帰路に着く。

シェルターの入り口が見えてくるあたりで、喜留夫は騒動に気が付いた。
銃声と悲鳴、獣の雄叫び。聞き覚えのある死の音は、十年前の惨劇を彷彿とさせた。

走ってゲートまで向かうと、ゲートの前で隊列を組んだデビルバスターたちが
迫りくる魑魅魍魎に向かって一斉射撃を行っていた。

枢木朱雀が手を振ってくる。

「一体何があったんだ!」

叫ぶと、一部の悪魔たちが喜留夫の方を振り返る。
一体一体は力も知恵もない幽鬼邪鬼ばかりだったが、数は百以上はくだらなかった。

「隊員が後をつけられていたようなんだ! 他シェルターから応援がくるまで
持ちこたえる! 加勢してくれ!」

無論だ。喜留夫は懐から手榴弾を取り出し、ピンを抜いて悪魔の群れへと投げ込んだ。
手榴弾が炸裂し、爆音とともに群れに穴が開き、肉片が飛び散った。

「来い、雑魚共! 相手してやらあ!」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

820 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:51:14 ID:/D3vOM520

  iヽ
  i)::ヽ
  i)::ヽ
   r⌒ヽ、    / ̄ ̄ ̄ ̄\
   \  \ /         \
    ヽ   /   ( ● )三( ●)ヽ
     ヽ |   (トェェェェェェェェェェェイ)
      ヽ,\   \ェェェェェェ/ /
        )           ,-'
       /          i、 \
      ヽ   ⌒ヽ   / ヽ  ヽ
      /      ) ノ   \_ノ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
自分の腰ほどの背丈の幽鬼ガキを蹴り飛ばし、飛びかかってくる幽鬼ヤカーに
刃を合わせる形で突き刺し、そのまま放り投げる。

銃を片手で構え、狙いもつけずに出鱈目に引き金を引く。
それでも当たるほど、悪魔の数は多かった。
地面を埋め尽くさん限りの悪魔たちは、薙ぎ倒される仲間たちを尻目に
喜留夫へと突進してきた。

流石に捌き切れず、腕や足に噛り付かれる。
痛みに呻きながら、銃を突き付けて至近距離で発砲する。

「喜留夫っ!」

隊列の中にいつか見た顔があった。伊藤開司だ。
アサルトライフルをこちらに向け、固まっている。狙いをつけあぐねているようだ。

「俺のことは気にすんな!」

叫び、足に噛みつこうとしてきたガキの頭蓋を踏み砕いた。
嫌な感触が足元から伝わってくる。
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821 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:54:39 ID:/D3vOM520

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:::         ..:::/   ,..::'::::,..: {     | /   |-〈イ    ,:::.    ::...、 }///∧|               \::::::..       .:::ヽ
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       ..:::::::/    |:::.    :|!     |' ,イ T: : : :}     ,ィ7,.-ハ    |  {、 ∨∧                ヽ::.      ::::
      ..::::::::/      {:::...   |:    ∧ | |:/:,: : :.ヽ、__/イ/::l::::}!_  {:::--ム  ∨∧                 、::.
     ...::::::/        ,::::.  '    ::∧ ∧:{: : : : : Y_/>- ´   \: : : :}\∧,.イ}                    }:::.
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「くそ、一人じゃここいらが限界か!」

デビルバスターたちの隊列も崩されつつある。
悲鳴が聞こえる。目の前で人が死のうとしている。

最早隠している場合ではない。人命が目の前で失われようとしているのだ。
デビルサマナーであることが露見しようと、そちらの事実の方が喜留夫には
重かった。

COMPを抜き、撃鉄を下ろす。
展開されたキーボードを素早く叩き、セラフとヴリトラを召喚した。

「やれっ、ヴリトラ! セラフ!」

喜留夫は自分とデビルバスター部隊の方へ魔反鏡と呼ばれる魔具を投げつけ、
叩き割った。散った欠片が宙に浮くと同時に結界の要石となり、
魔力を弾く盾となるのだ。

ヴリトラとセラフが小さな太陽のような炎を生み出し、空中から地面へと叩き付けた。
周囲が龍神と天使の炎に包まれ、魑魅魍魎が灰燼と化していく。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

822 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:55:05 ID:/D3vOM520

           _、─-v-─;z_
          >:::::`::::::::::::::::: :::::\
        /:::::::::..  .:::::::.. ..::::::::::ヽ
      イ:::::::::::::::::::::::;、::::::::::::::::::::::l
.       l::::::::::::::;:イ::/v:ヘ::lヽ、:::::::::|
.        |:::::::/|/ニ|/ュ ┌リ_ニヘl::::::::|
       j::r=i|==。=,, _=。==|r=、:|            あ、悪魔使い……
       |::|ヒ'|| ` ー":|.|:`ー ' ||J:|::|
.      |:::ヾ;l| u  r:|」:、 u :|レ'::::|
.     ノ::::::::::\ (二ニニ二) ,イ:::::::::::ヽ、
   _,∠:-‐ァi:::::::!\ == ./ |:::::::ハ''ー-ゝ、._
-‐'''": : : : :/,/|::::::| ::::\_/  |::::::ハ ヽ: : : : : :``'''‐
: : : : : : : :/,/,/|::::::|  :::::    ,|:::j¨二二二¨l: : : : : : :
: : : ; -:、ム--‐ヘ|:N\.____/j;ル| |:::::::::::::::| |:_;、_: : : :
: /.rh \: : : : : :|},',',',',',',',',',',{|: :| |:::::::::::::::| | +++`l: :
´、-t( )ァ-; > : : : |} ',',',',',',',',',',{l: :| とニ二二, ゙̄ヽ、! :
:\`゙lし´/: : : : : |},',',',',',',',',',', {| :|‘r──- .、`  \
: : :.`:‐:'´: : : : : : :.|} ',',',',',',',',',',',{|:.L.`⊂二¨_丶    ヽ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「大丈夫、喜留夫!?」

セラフが喜留夫の近くに着地し、手を握ってきた。
自分の体を見下ろす。あちこちが齧られ、服が破れ、肉が見えていた。
確かに、凄まじく痛い。

「ああ、大丈夫だ。それより……」

喜留夫は周囲を見回した。
あたりには、焼き尽くされ灰となった悪魔たちと、喜留夫達に銃を向ける
デビルバスターたちの姿があった。
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823 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:56:05 ID:/D3vOM520

: : : : : : : : i: : : : : :¦: : : : : i: : |: : : : : :,小: : : : : i: : : : : : : : : |:
: : : : : : : : |: : : : : :|: : : : : }: : }: : : : :/: ト: ヽ、: : |: : : : : : : : : ト、
: : : : : : : : |: : : : : :|: : : : ,' : /| : : : /: : |:iヽ: :ヽ !: : : : : : : :i:|
トi: :i: : : : : |ヽ : : : : | : : : /: :/ !: : :/l: : :从: :\: :\ : : : : : |:|
l |:|: : : :| l: : : : :| : : /|: 厶斗: /^1 :,イ: : ヽ : \: :`ー=≠≠ミ、
l |:|: : : :| |: : : :/!: :/`}/ _|:/_|:/|: : /:`: : :`:ーァ‐:rく: :「`
l |:|: : : : :}斗: : 厶孑=≠fi勹r1¬ル' ,: : /: : : : : : :/ : / }: :}
N: :|: : : : :/^7: :イ{ ,{{ ::::: }}` ̄}}  / /: :/: : : : : : ,:': : / /: /
7: :!: : : / /: / ゝく `¨¨´ _ノ′,/ /: :/ : : : : /|: : / //      ……残念だ。
i: : j: : :/ // ` ̄ ̄ ̄ 三三彡' /. :/. : : :/  j/ /´
|: / : / /´                /./. : ィ1}r┐/
|イ: :/                /ィ : : / ////iノ′
//                   厶ィ   ///辷}
´                  /  /// /
                   /  /// /

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「ただいまの時刻を持って、A級市民、加賀喜留夫の住民権を剥奪する。
第五シェルター悪魔対策法第十三条二項により、これより排除に当たる」

枢木朱雀の冷ややかな声が、静寂に包まれた戦場に響き渡る。

「待て! 隠してて悪かった! でも俺は……」

「そうだよ、喜留夫はみんなを守ろうとしたんだよ! それなのに、
なんで傷つけようとするの!?」

庇うようにして前に出たのは、セラフだった。
続いてヴリトラも喜留夫の前に立った。

「我も同意見だな。人の子よ、我がサマナーは貴様らのために剣を取った。
その事実を無視して引き金を引くほど、愚かではあるまい」

「黙れ、悪魔め! 何万という命を奪っておいて、偉そうな口を効くんじゃない!」

周囲のデビルバスターの憎悪が爆発したような罵声が沸き上がる。

「俺は母を殺されたんだ! 悪魔ってだけで同罪だ!」

「悪魔使いめ! 悪魔の手先になり下がったお前に、人間の気持ちが分かるもんか!」

伊藤開司も同じように、目に涙を溜めながら銃口をこちらに向けていた。
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824 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:56:24 ID:/D3vOM520

     /_______〃―――, ‐、                  ノし/
    ./    r ――― /,    . ∧ i_________     }  て__ ,        \ ,,_人、ノヽ
   /      .| / / / ./ {      i , 《             i j  _ノ  √ ̄            )ヽ    (
   |     | / / / /  ゝ    ∨ l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ¨ (⌒ヾ            - <       >
__r ―――――‐ 、{   `ー――` '                                  )     て
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∧ ヽ      j  r-z        _                     |  / ,  /^⌒`Y´^\
________ゝ_ゝ _ ,ィ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄|ー ‐| |-、                \__ノし// 、
::::::::::::i:::::ハ.ー―l<〈___r =r ―――r―――‐ァ,イ_            .__)   (_ ',
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::::::::::::l::::::∧二/ゝ二二, - ー 、-、_ 二二二二二二二ソ ̄              /⌒|「⌒\
::::::::::∧::::::∧. ̄ ̄ / ー 、-、ヽ| |  /::::::r'  ヽソ     _
::::::::::::∧:::::::::ヽ /.    ー-ヽ〉≦三三三〈二二〉三三≧=ノl〉_                 {
ー ≦二二二二二ヽ___r ー―――――――、, イ _ノ _/ !ハ           \    |l|w/L ,r_/
´________| r===|________i_{ ̄ ̄ ̄/ |r'i             \\{w└ ¨ ´ /
=====}   .|二二二二|   ___r ――― 、>――― 、〃二ヽ           \´     彡x
=====}___  ̄ ̄ ̄ ̄   /  .|´ ̄ ̄ ̄/        ∧三三_二二二二]     >  ; ’  ∠─
二二二二二二二|〇⊂ニニニ⊃|__|____{ー―――‐〈 l´ ̄__,、          /      }|
 ̄ ̄ ̄ヽ ̄ > ー ―― ― -- 、 ̄| |二r 、〃ヽ`ヽ, - 、__.∨≦二二r'リ}      /´ヾ,  r、r‐|^`
― ―,-、i} 〃        _ ノ ._ _ノ .| |::::::ヽ_ヽ __ヽ_ノヽ_,イ=={三| ̄           //  }´
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::::::::::::l l             ,イ:::::::::` <:::::::::, ィ:::::::::{-'    }:::::|::::|::ハ

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「撃て!」

枢木朱雀が号令を下す。
それと同時に、デビルバスターたちが一斉に喜留夫に向かって発砲した。

「やめて、やめてよっ!」

セラフが手から炎の渦を呼び出し、飛んでくる弾丸を焼き払う。
それでも突き抜けてくる弾丸を、ヴリトラが爪を振るって弾き落とした。

やがて、銃撃が無意味だと悟ったのか、デビルバスターたちは引き金から
手を放した。

「……今すぐその召喚機を手放せ」

「断る」
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825 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:56:48 ID:/D3vOM520

    / //   /      / / /  //     \  \__ __彡'/
  、__」_ノ´    /   /_/ / /  /  {      、ヽ.   ヽ.一'′
    i'´   、_/_/__ //」{_/  /  /_/  ハ 、     い、\_ _jハ
    {   i { `7¬ァイ_/ゝ 二二彡'7.イ   ヽ\   i i `丁丁!
   ゝ/乂_/__/⌒v´ /     /{≧{     ト、 、_ ! !   i  } }
  、_く/_/ー个 _} ヘ  {    i /r=≠ミヘ    } ゙ァ一} }  ! ! ,′
   { `7 /i   { \ \ヽ   トl    r爿ト、 .ノ イ/ //   /' 〃
   >‐{/¬…‐ヘ. ____ ヽト、! i{  し'^ 〉、/_」i二ィ7 / /
   }_,r─………‐- _ `ヽ、`  `ー‐ ´/´≧十ノ 〃 {/ /
   /  、__   _rュ_    ヽ   }            {_// 八{'´           繰り返す。その召喚機を手放せ。
.  /   \_ー' Qー─ァ' /  /           ', ⌒´  `
 /         〕//'⌒´ /  /              _ 〉                このシェルターの人間全員を敵に回してでも、
          ///    /  ,ヘ     _____ _∠_
.         {7/   /  /  \  ´ ──ァ'´`ヽ. 〕                悪魔の側に付く気か?
        ´   厂  /`ヽ、 \    /  //
       \   {  〔_   〉、 厂`ー ´  /∠..  -‐………‐ 、        さあ、早く!
     \ \  \_  〕 /_/ \   _//             ',
       ヽ  ヽ  } ∧ {_」    V´_/              }
          ヽ  \」_{ \ \   { ん'7二 ー=ニ二      ,」
          `ー'´    ヽ ヽ L __/             / |





        ____
      /     \
     /         \
   /    (●) (●) \      嫌だね。たとえお前らが、何百何千の人間が俺に銃を向けたとしても、
   |   (トェェェェェェェェイ)  |
    \  \ェェェェェ/ /      俺はデビルサマナーだ。
.    ノ    / )ヽ   く
   (  \ /__ノi ) , )        俺がCOMPを手放す時は、この心臓が止まる時だ。
.   \  ゙ / ヽ ヽ/ /
     \_/    \_ノ

826 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:57:01 ID:/D3vOM520

             ___
            /     \
            /(● )  (● )\       三週間とはいえ世話になった。
           /  (トェェェェェェェェイ) \
         |    \ェェェェェ/    |      じゃあな。
.          \               /
     と⌒ヽ  `>        〈´
      ヽ  V´          ヽ
        ヽ   /              、

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
喜留夫はセラフとヴリトラを連れて背を向け、廃墟街へと歩き出した。
その背中を撃つ者は、誰もいなかった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

827 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:57:15 ID:/D3vOM520

                         ┌──────┐
                         │::::::::::::::::::::::::::::::::│
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                         │::::::::::::::::::::::::::::::::│
                         │::::::::::::::::::::::::::::::::│
                         └──────┘

                           ┌───┐
                           │::::::::::::::::│
                           │::::::::::::::::│
                           └───┘

                             ┌─┐
                             │ :: │
                             └─┘

                               ┌┐
                               └┘

                                   □

                               ・

828 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:57:32 ID:/D3vOM520

                      . . : '''""´ ̄ ̄ ~"'' : 、
                   . . : : : : : : __ : : : : : : : : : \_
.                /: : : : : : /\  ̄\: : : \: :. :./:ヘi:i)、__
                /: : /⌒: : : : : : ⌒\  \: : : \/:i:i:i:|∨:i:i:i:i:i}
.            //: : /: /: : : : : : : : : : : \  \: : : \i:i:|: ∨:i:i<
        /:i:/: : : : /: : : : : : : : : : : : : : \  \: : : \: : \:i:i:\
       /:i:i:i/: : :.|.:/: : : : : : : \: : : \: : : \  \: ⌒\: : \:i:i:\
       `¨⌒ア: : : :.|: : : : : : : : : : :..\: : : \/:.\⌒\: : : :. :.|:`、 ̄
       //: : : :..:|: : |: : |:\:. :. :. :.| \ / - 、 : : : : : : : : :ト |: 丶
      /:i:i:|:. :. :. :..|: : |: : :   \: : :.| ィ(   ノ|:. :. :. \: : :|: :|: : :`、
     /⌒\|:. :. :. :..|: : : :ー――-\ |     ̄  .|: : : : |: : \|: : : : : :`、          かっこつけて出てきたまではよかったんだけどね!
           |: /.:. :...|: : |:. :.|(   )         @|/|: : 八: : : : :.Λ|\ `、
           |/ .| : :|\|\ト、           |: |: / : : : : : :/:ハ  \:、_
          |   | : :|: : : : : :Λ @   - '’   /ハ:|/ : : : :/ :/|Λ|"´ ̄/
.            | : :|: : : : : : : ≧- . . _   イ___ノ| : : :| :/|:/: |    //
.         __|/レ: : :|: |: : Λ| \(ニニ〕_,斗>  |: : /|/ :|′:|    ⌒>
          ⌒/ |: : : |: |: / \  「二二二>厂|: /: : : : :/   、 <´"''   、
          <   |Λ: |/|/  ┌ <ニニニニ<|:..:.|/ : : : イ  \_\⌒`  / 丶
          / >  |: 厂   ノ ノ   `¨´   /|: : : .{:. :/  ト-\     /  |
.         〈    ̄ノ |/     く         |:..:|: /⌒:〉    |      /   |
          \  ̄⌒\   <\__,、ィi八: : : : :./^\\|           |__
          \   ア    (////////{: :\:/∨   \ ___,、彡          /!
           「^  \イ⌒ヽ| ///////Λ : : |: : : |__ /   ̄         Λ|
         __ノ_,.     \/ ///////// |~^'ヽ: : : : :K               \
            }         /ニ\////////|_: : :\_/: :\--、    ___         \
          /      /ニニ//>、////////{__: : : : }: : |--、 /:i:i:i:i:i\      \
        /        /{ニニニ{//ニニニニニニニニ{: : : 二=- r-- /i:i:/⌒^           \


╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
その後、喜留夫は当てもなく廃墟街を歩いていた。
周りには召喚した仲魔たちがいる。

寝床はともかく、食糧と水がどうにもなりそうになかった。

「異界化の影響で放射能が生体マグネタイトで相殺されてるから、
野生動物の一つでもいれば獲って食べれるけれど、そんなのが生き残れる
状況でもないもんねー」

能天気の化身のようなパイモンの冷静な分析を聞いていると頭が痛くなる。
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829 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:58:15 ID:/D3vOM520

         ____
        /ノ   ヽ、_\
      /( ○)}liil{(○)\
     /u (トェェェェェェェェイ)  \
     |   ヽ!!il|!|!l|!!ii|i/. u |
     \u  ヽェェェェェ/   /
     /            ヽ

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仕方なく、喜留夫はパイモンに頼んで別のシェルターの所在を探らせることにした。
こんな状況で十年も放置された街に、食糧や水が残されているとは思えない。
しばらく歩くと、第五シェルターの入り口と似通った建造物が見えてきた。

仲魔たちを帰還させ、武器をしまって近づくと、おもむろに銃口が覗き穴から出てきて
喜留夫の足元に発砲してきた。

「それ以上近づくな! 悪魔使い!」

攻撃的な声が覗き穴から聞こえてくる。
どうやら、シェルター間での情報共有が成されているようだ。

「待て! 待ってくれ! 二万マッカでどうだ! 食糧と水を分けてくれ!」

「むっ……」

喜留夫は咄嗟に、賄賂を袖の下に通すことを思いついた。
幸い、これまで悪魔退治に励んできたおかげで、マッカはそこそこ貯まっていた。

後生大事に持っておいたところで、このままでは野垂れ死にだ。
それくらいなら、命を繋ぐために使った方がいい。

「……少し待て」

覗き穴の向こうの男はそう言うと、その場から立ち去ってしまったようだった。
扉越しから伝わってきていた気配が消えてしまった。

駄目か、とうなだれながらも、僅かばかりの期待を籠めて、小一時間ほど待って
みると、扉が開け放たれてダンボールが置かれた。

「三万でやろう」

「二万だ。あと、中身を検めてからな」

「それはできない相談だ。疑うなら交渉は破談だな」

「わかったよ、ほら、持ってけ、二万だ」

マッカの詰められた袋を男に投げ渡し、ダンボールを引き寄せる。軽かった。

「おい! スカスカじゃねえか!」
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830 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:58:51 ID:/D3vOM520

 、   _, .} ,メ    l   ',::   ヽ::::.   ',:  ヽ
   ̄,´/F>`ミi_ i  i    ';::   ' ;:   ';::  ',
  ,⌒Yiー<⌒ハL  i     '::;    ',、   ';::  }
  ,イ冖!/てヾVYjヽ_, l、 ,  ',斗七  '.,ヽ 人,,リ
 从r'弋心ノ',イj从i   l....ヽ/ '; :::\  l ::/イ
.<  ゝ._`フノノハ、 .i  l::::''ゞ从_i⊥、;\j .i
  弋 _、.>√勿/ヽi. ハ   V{ィrャミ <  丶_
  )) /´  `.i`...'.,::、 '、 ハ  `.辻,ィ'}      ̄|         どの世界でもこういうのは変わらないわね。
    l    :::   ::',::\ iヽ   |下乙     /
    l    ::     ;;; ::ヽ| ゞ         /
    ,'  ..::    ,:'::, :::|           (
    ,'   ::    .::  ::: ::|`(  Y ヽ、     /
   ,'  .::  .:: .::..  ::: :| ,ゝ‐イ .ノゝ___,,ノ
  ,'  .:::  ..::: .:::  ::: :::!" `丶、s ̄`)
  ,' .:::/  ::: .::    :: ::/   l  .l ヽ ̄)
 ,' ::; '  .:: :::    ノ,/ ヽ、 ヽ / /、ゝ
.  / ..::: :::   // `丶、`  '彡,廴`;;;;;
  ..,,,_::,,__.:,,,,::://‐-、__   `丶 .ヽ /∧/|
 Y        ̄ -  ,,,, ` ‐ - 、 .Y..∧/|
               `ヽ     ヽ|∧//|

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流石の喜留夫も我慢ならず、強硬策に出ることにした。
メイヴを召喚し、男に差し向ける。

「な、なんだ! やめろ!」

怯える男に対し、メイヴはにこりと微笑みかけた。
途端、男の表情が蕩け、なんともだらしのないものとなる。

精神に干渉する魔法だ。

「食糧と水、分けてくださる? できる限り多く用意して。
あと、あるなら携帯トイレなどもあるといいかしら」

男はやけに元気よく頷き、シェルターの中へと潜っていった。

数分後、男はダンボールを二箱持ってきた。
中身を検めると、缶詰などの保存食と水のペットボトル、携帯トイレ、簡易シャワー、
毛布などが入っていた。

「上出来だ、メイヴ」

「ま、男を骨抜きにするのに私ほど適した悪魔はいないわよ。
あなたの前でやるのは、気分はあまりよくないけどね?」
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831 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 21:59:28 ID:/D3vOM520

                   . -―…:::::…‐- .
                 /:i:_:ニ=--=ニ:i:i:i:i:i:i:i:i\       />
             /:/         丶:i:i:i:i:i:i:丶   </
              // , -‐''¨ ̄ ⌒ア丶,Vi:i:i:i:i:i:i:i:.,     ____
        ,rf、     /厶′.:-┤  '^⌒\ Vi:i:i:i:i:i:i:i::,   l____|
     rv   V{  V {/{∨l  /ィ/}/ト、}l:i:i:i:i:i:i:i:i:|   ┌‐┐
      ヽ, / }   |  ヘ x=ミx/ x==ミイ i|:i:i:i:i:i:i:i:i:|     ̄             もーえろーもーえろよー炎よもーえーろー!
      X  \ヘ|l\ { fハ   f/ハ 》 i|:i:i:i:i:i:i:i:i:{   <\
      i| i|\il Ⅵ{ トミ, vリ ,   Vソ |: i|:i:i:i:i:i:i:i:i:i丶   \ >           「あまり強くしすぎないようにな」
      i| i|  il\}ハl\\  r:::…ァ /| ∧:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\
      i| i|  il {:i:i:i:i:i:i:ヘ  ≧=- xく 厶′Vi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:\______
     _i| i|  il Ⅵ:i:i:>i^\ト{`'く⌒7゚/ /ヘ:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i}
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              `⌒^¨¨^⌒ーく,_,__>:x厂

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その日の夜、喜留夫は屋根が一部残っている廃墟を見つけ、そこで
夜を明かすことにした。

床も吹き飛び土が露出していたため、そこで焚火をすることにした。
気温もあまり高くはない。暖を取らねばとてもではないがやってられなかった。

セラフが自前の火炎魔法で炎を熾し、缶詰を温めてくれた。
自分の力がこういった力で役立つことが嬉しかったらしく、セラフは
とても上機嫌だった。お礼と共に頭を撫で、ありがたく缶詰を頂いた。

街の灯りが消えたことによって、夜の空には都会に似つかわしくない星が
輝いていた。藍色のカーテンに散りばめられた灯りのようでもある。
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832 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 22:02:42 ID:/D3vOM520

                ))
    ))   _, - ― - 、 ((_r≦ヽ,r==ユ
―ュ((r ≦       ── {f以}〉)     {
、<込y="         二 ̄ `ベ((_) 、    ∧
ト}乙ー'=         ト、     ヽ丶   リ
|=ニ彡           ヽ    } |    ハ
|      ハ ヾ  、 ヘ :、 ヘ   / ハ.  ,′i
| il| l| | l i l| i l| |li ヽハ|  / j  /  ハ
l  l| l| | | l ))i l i| |li   l } / ハ {     }
l丶l| ! | |, =彳|! l| リ  ノリ,, ハ / ト ヽ  ,'ヘ
ト、ヾ,__fヾ__! ! lx幺斗匕 / /  i! } ヾ /! }           なんだか、疲れてしまったわね。
lコ /メーこミ、,ヾ 才{r f弐リ / /  / /  //  (
l ∨l_fi,く(ン、リ7 ^ゝ` -イ / /   { /  / ′  、          悪魔使い悪魔使いって罵られて、
! ∨`>一'_'ノ        } /r―tュ、 ' |     i
ト、 l「く{ ̄´ ′     / j    / l  !ヽ   ハ          追い出されて……人間にあんな目で見られたの、
|| ' } j{L_   ``   ィ /   ハ   j  l  、 ′ヽ
||  { ,' ̄==≧^ヽ<{  リ  `ト、i  {  r 、 j l   、        正直初めてよ。
||  l_j_  、-K   }  |  {   \ `ー―'′ }'  i i |
∧.入`Y代  \ (  l  |    ≧      /   l| l ハ
l/ヘ レ' K入___{⌒T´|  iハ   l′ )___  ノ  ハ ヽ 丶
ト、人_  l //==ノし!  lユ_j  i!\ ̄ l  i  i }  l
||   /  |//》=={ γ|  | l_   ノ   \ i!  !  l ノ  /
||       | トー"|  ハ  ∨ `ゝ´_  _ノ ! / ' /  l l
F∨ヘ  il   ./   ハ  ∨  τ ̄l   |    、   ji|
| l  ヘ、 l|  j    ム入 ∨ }   !   l  / ' / l l|
| 八  入|ト、/   ィ'   才 ∨J   i   l| !  l/  l l!

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皆が帰還した後で、メイヴがしなだれかかってくる。
ふわりと髪が頬を撫で、甘い香りが漂ってきた。

残った床に敷いた毛布の上で、寄り添う。
喜留夫は胸の内に暖かいものが広がるのを感じた。
たとえ食事が味気なくとも、その日の宿が廃墟でも、何人から罵られても、
この温もりさえあれば、喜留夫はそれでいいと思った。

「それでも、俺はデビルサマナーだ。
万人に拒まれても、俺はこの生き方を変えるつもりはない」

「人間より、私たちを選ぶのね」

「そうだ。そうすると決めた。そうやって生きていくと、決めたんだ」
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833 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 22:03:20 ID:/D3vOM520

          ,ィ''´_二----`' - 、__
      /, イ_, _, - '´     ```'‐、_
     /7'´// ,   / i|   |     `ヽ、
    // ./7/ / / / l     `、   ,__rfミヽ
    {i'.l // /../ / ./.i |      ゝ、 ト{ ,r‐i 、
     Vr-i ./ / イノ/ ll l  i i  i i  < f 、ニノ_
     {薔!i′/ //i'li il  //  / .i    \\彡ン
      __ーi Ⅳ / ノc!l、 l/ /∥ / /      i .l i
    i'     i'.i' 汐 / イ.ノ ノ /     / /i ! !
    }    ゝ`ー- ナイノ./ .ノ / / i'  l l ! l
     'i、       /イ -彡イ /イ l  l  l l ヽ
    i ′    _,,イ'´_ ィ/  /イ i l  .l  i l l、
   r、!     { i // /イ/l  l l  l  !l ヽヽ 、_
   `i i`ー- 、_ ヾ {./  ィ   l l   l l  l  ヾi  \\ヽ、
     ! 'i i'´ l:::::ノlヽ ヽ< |    ll   l  !  ゝ、  \   \
    | i>_.、_  / i、`i |l    ll   l,     ゝ、__ \   \
    l -'´__r_'f´i i-} l !l    l   lii    、 、 `-i、`-、
     i  ___ノ,.!にニイ lヽ   l    illi    ヽ, i   i ヽ \

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メイヴが首に腕を回し、唇を寄せてきた。
抱き寄せ、唇を重ねる。

「今は何もかも忘れたいの」

そう言って、メイヴは喜留夫に体重を預けてきた。
そのまま、毛布の上にメイヴを抱きかかえたまま倒れ込む。

するとメイヴは起き上がり、服を脱ぎ始めた。
ドレスがはらりと落ち、白い肢体が露わになる。

「私が上でいいの?」

メイヴがおずおずと聞いてくる。
喜留夫は頷いた。この堅い床の上で喜留夫がメイヴに圧し掛かるのは酷だ。
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834 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 22:03:34 ID:/D3vOM520

//    !     ! i '. i   i!  i!i! ハ  i i i   '.  '.i iハ. i '.
/ i     l    i! l l| il :i l|  :l|;i i i | |l| i i   il !|l ハ
l l|     |  i i! l l|i li | l|  l|i|i| |i| |l| l |  li i|||
l |   i | }} ! |!i | i ||  | i| l|:i l|l|l| |l| |l| | |  l| l| ||
l |    | |ノ|l!i | l |:!  | | |:!l l|l|l| |l| |l| | |i|  l| lリ|
l |  ィl |l| l |:l | l |:l   l| | l| :l|l|l| |l| |l| | |i|  l| l{ 爪
l |r' イll :リ||  l|il | l | l   l| | l| :l|l|l| |l| |l| | |i|  l|八|ヘ
l || { l| 小.   li | l | l   l| | l| :l|l|l| |l| |l| | |i|  八 ハ ヾヽ
l小廴j:!/ { ハー- 、 ! !:| l   l| | l| :l|l|i士Tリ!‐!-| |i リ  /! ':ハ
 !|>l |-――ァ } |l|!  | | l| iリl|:| !l:/ |iリ! |i l/  / !  } i!
.イ /l |   ´ ̄`ヽ | | i リ | l|:/ j|」」/ j/|l l /  / 小. リi l|
|V ノ7ーz--.、 !  il| | ;/i/! / ̄ l|」竓弐! i/  / / i }/ j リ
. V∨:{/´く  ヽ}  j/ l '/j/ j/ィf笊芯刋 jl/ ハ/ / 爪 .//:i
 ∨ i:ト、{ 匂 } リ . 〉 j/     ヾ辷少′  从イ .イ{ /.:'/ |
  从 | ゝー'イ-‐一 7            :′ イ}八{// i {
`7 抓<ーャ     ノ        /////  ハ :' 〃 .イ.小.| 乂
、;   i| ヽ‐ ´ー-、/     ,           ハ / :′'/{  ト、
、!   lト--  .,_  {     `       ij  /// /{// { i|ヘハ ヽ
'.{   リ '.  _} } `    , -‐ 、     u   イ ' { /.// 八リハ. i
∥ 7、 i (r‐'′    ■□■□   イ_.厶-‐-:i ミ  ヽ. ヘ!
∥ { > .       i: ■□■□ ア´      !:!_ _`ヽハ  !、
爪 |  } > .   (.:)■□■:-、 ` ー ''´ア {:{   ̄ `Y{ハ
|!| iリー1 (_)  >一<__) /  }■□r''´  乂_ー-ミ― .、}
. } l |  八 |  {.ノ⌒)  ( ) /  /´ }■` ーマ´ `>、.ハ_  }
. | l.| :′.ヽj__Y  (   ノ :{Y   {  ム:'´}■□■と.__Ⅵ ¨Y
. ! !| {    ) !   ー‐´.:八!   :i  {  :'□■□■□ヽj′/
.ノ i| 八 `'Y  八    .ノ  ':  {  l  { .■□■□■□''{

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メイヴは喜留夫のパンツのチャックを下ろし、硬くなった男根を露出させると、
おもむろに舐め始めた。

最初はそっと舌を全体に走らせるようにして、次第に咥えるようになった。
柔らかい舌と唇の感触と口内の体温に包まれ、喜留夫は自分の内の
獣のような欲望が昂るのを感じた。

メイヴが口を放す。
今度は喜留夫に跨り、亀頭を膣の入り口へと擦り合わせてきた。
ゆっくりと慣らすようにして、少しずつ侵入させていく。

「んっ……ふうっ……」

メイヴの腹の中に全体が納まると、メイヴは手を地面に着き、上下に動き始めた。
粘質な水音と、肉に肉が打ち付けられる淫猥な音が部屋に響く。
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835 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 22:03:46 ID:/D3vOM520

.      /    \  ヽ  }: ! ∨   ヽ
..   ./   {ヽ  }  ノ :ノレ  ∨
   ,:<ハ : i {{: : ヽ{レ゛/: /
  /ニニi シ゛////イ  /   ハ.   ハ
  ニニニ \ __     :j /  / ハ |  ハ
  ニニニニニ `: :)  _:{: /ィi〔   : ハ.:|   ハ
  ニニニノ人 :uヽ> ゛  ̄ ̄ `ヽ  ハj   ハ
  ニニニニニ./         \ハ  〈: ハ
  ニニニニ> ´            `'<  ヽ
  ニニ.> ´       ._          ヽハ:ハ
  > ´   J  ,z≦}  `ヽ           ∨}::ハ
        イニニ!               } { } }ノ }
     _,.ィニニニニ!               ,: ∨イ
  ,.:≦ニニニニニニ\           / / ノ ノ
 ニニニ`ヽニ.ハニニ∧.      ..-=≦ -=≦〔、                           i
 ニニニニニ\ ヘニニ∧                 \           i             .|
 ニニニニニニ',ニニニ∧..{               \           |           |
 ニニニニニニ ',ニニニ∧.',                   `'' <..___ 从  j!        |
 ニニニニニニニ}ニニニニ ',                __/ニアニア__ `<ア-、_       !
 ニニニニニニ≧ 、ニニニニヘ              ノニ/ニ/ニ/イニア   \ゝ_ヽ_
 ニニニニニニニニ\ニニニニヽ             {ニニニニニムーァ    ヽ ゝ く   i
 ',ニニニニニニニニニヽニニニニ\          ノニニニニニ r ´     .',   `ヽ .!
 ハニニニニニニニニニ ',ニニニニ≧=- "´  ../ニニニニニ/         .i      ',|
  ’ニニニニニニニニニ.',ニニ>≦..,,_,..ィ≦ニニニニ>''"´             }       ',
    ヽニニニニニニニニ.><ニニニニニニニニニ./             .!
     \ニニニニニニニニニニニニニニニニニ/                    }
      `''<ニニニニニニニニニニニニニニ/      J          /      ハ
        }.> 、ニニニニニニニニニニニ/           i        /      /
      > ´     \ニニニニニニニニ> ´               |     /     i   ′ i
    /          `''<ニニニニ> ´                  | __..ィ        | ./  .|
   /       ,. z≦ニニニ≧:. 、         __,,.. -==t:'' : } |:|≧=ー-- |´    .|
  /       /ニニニニニニニニ≧=z-= ニ二 __ ニニニニ|: : :.| |:|ニニニ≧=,.z≦二二
        /ニニニニニニニニニニニニニニニニ≧、 ニニ}: : : し !ニニ><ニニニニニ

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「はぁっ……喜留夫……あ、ああっ」

やがてメイヴも熱が入ってきたのか、上下ではなく、まるで男性の抽送のように
腰を振りだした。恥骨と恥骨が合わさり、男根が奥で擦れる。
メイヴの膣内は平坦なものではなく、ざらつきにも似た突起がちらほらあった。
それで亀頭を擦り上げられる度、腰が浮かぶような感覚に襲われた。

メイヴの膣肉が収縮し、絞り上げてくる。
喜留夫は辛抱貯まらず、尻を掴むと下から腰を打ち付けた。

「あっ、あっ、ん、やっ」

メイヴの息が荒くなってきた。
首に腕を回し、しがみついてくる。
絶頂が近いと、メイヴはこうして抱き着いてくる癖があった。

数秒とせずに、喜留夫は射精した。
ほとんど暴発に近いものだった。

「んっ……」

メイヴの体がぶちまけられた精液に反応し、痙攣する。
白い肌には玉のような汗が浮かび上がっていた。

何度か震えると、ぐったりとメイヴは脱力した。
しばらくそのまま、喜留夫はメイヴを抱きすくめた。
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836 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 22:04:10 ID:/D3vOM520

                                ,. '´                      ,. < /
                           ,. ´                   ,. <    /
                  _,. -―--, '´                    ,. <      /
          _, -‐‐--‐ ''´ _,.. ''´                 , <         /
      ,. -‐ ''´   . i     /´/                 /\、       /
      {       リ  //′                 ノ  ヽヽ.    /
     ゝ、._   _.. --‐ァ' /     /´            /     i     /
         ̄    { /       '    ,            /       ,. イ
            ,. ´    ,.../     ′        /       /
      _   r ´  _ ,.< /  _      _     /         /
    {´   `ヽ. i  f---、ヽ / 〃ー、ヾ|  f‐‐‐.ヽ   / 、.     /
      ',`ー、  ヽ.',  |    ! レ  ii   } !  |   ! |   !   `   /
     {、._j   `!  ト、...ノ/   八..__ノ ,'  ,'ゝ- ' |   ',    /
     ヘ    ∧ /   |  /     /   {     i.   iヾ、 ノ
      \    ムi    |  !     i   }.    |   i _ノ
          `¨¨´ ','、    !   ヽ    !   iハ    |   !´
              ー`‐--r‐ . ト、...__|    ! `ー‐''´| ,..、,'
                    |  i /    i,⌒. !      {i  !
                ー'′    |  i'       ゙ー'
                          ` ´

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その後、二人で毛布にくるまり、手を繋ぎながら横になった。

喜留夫は今、幸せだった。
どれだけ絶望的な状況に置かれても、メイヴさえ失わなければ、
この心は決して折れることはないだろう。

「ねえ、喜留夫」

「なんだ?」

「たとえ全ての人があなたを嫌ったとしても、あなたは私のヒーローよ」

それでいい。喜留夫はそう思った。
全ての人のために戦うなどまっぴらごめんだ。
自分は誰か一人のためだけに戦えることができれば、それでいい。

億を守り万人に認められる英雄ではなく、
たった一人のためだけの存在でありたい。

自分が他の全ての人間に劣っていたとしても、これだけは決して負けない。

奪うことのできないもの。愚かで浅はかで切ない人間の本性の中に生まれた、
かけがえのないもの。それが今、自分の胸の内にある。
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837 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 22:04:45 ID:/D3vOM520

                         ┌──────┐
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                             └─┘

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                               └┘

                                   □

                               ・

838 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 22:04:57 ID:/D3vOM520

   |  {    |     ハ   '  乂込りイ、`ヽ
   |   '  |  ミ、 i   |ハ ゞ=彡ノ/z i
   |   ヽ .!   ハ:}|i: ! {  '  i  ゞ=ソ i:!
.i   |   ハ:{.  r=彡|{|ノi  |. | ヽ  八
:|   ! >ー从_}{ i ! |.川 i{ `ヽ |   !  ハ 、  ゙
   |{ / ーヽメ 八ハ!{ !ノj_z_j   |  .'{  ヽ
ハ  人ハr=ミ ハ ハ   ノ从 7Zマ.く_ ' | {八          喜留夫、起きて!
  / }込八irくイ_ノ ノ    i.i゙;;;}j ' ハk , ! i  ヽ
 { :{ゞ=ミ_ノ/    ,  ゞー" / ノ/  |i ゝ
.八 ∧   '' j:i ''     ノ   "″,イ./{  八 `ー
.  ヽ∧   八{_ノ、_       ./rーミ八   `ー -
   \ヽ.      ̄ ´  イハ  }vー 、`ー -
 `ヽ  \>     . ィ´,⌒´     ノ `ヽ
ハ  \  ヽハ≧=彡} `ヽ      `ヽ ハ
  丶.  \   }、 { /           ノ   }
   \   ヽ ノ iト、∨           \  '

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
メイヴに揺り起こされ、目を開ける。
枕元に置いてあったCOMPが起動し、展開していた。
画面には憎きヴィクトルの顔が映っている。

「おぉーのぉーれぇー」

画面に鉄拳を叩き込むのはなんとか堪え、ヴィクトルの顔を見る。

「すまないな、実験は失敗だ。どうも別次元の三津井市に迷い込んだ
ようだな。既にお前を呼び戻す準備は整っている。指定するポイントまで
移動してくれれば、こっちの世界線に帰ってこられるぞ」

ヴィクトルが持ってきたのは朗報だった。飛び起き、ガッツポーズをとる。

帰れる。あの街へ、あの家へ。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

839 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 22:05:20 ID:/D3vOM520

       ___
     /      \
    /(● ) (● ) \      ……それ、夜でいいか?
  / (トェェェェェェェェイ)   \
  |  l^l^lnェェェェ/     |    「なぜだ?」
  \ヽ   L        /
     ゝ  ノ             やり残したことがあってな。
   /   /

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
堅い床で寝たからか、体のあちこちが軋む。
それでも、贅沢は言っていられない。

装備を確認し、メイヴを連れて廃墟を出る。

「復讐にでも行くの?」

「いんや。ここらへんでシェルターを襲ってる魔王モロクってやつがいるだろ。
そいつを倒しに行く」

「本気? あなたにあんなことをした奴らのために、血を流すっていうの?」

「俺はデビルサマナーだ。人を守らにゃならん」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

840 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 22:05:48 ID:/D3vOM520

     ____
   /     \
  /         \
/     (●) (●)\     人に褒められる必要はねえんだ。
|    (トェェェェェェェェイ) |
.〉     ∩ノ ⊃  /      俺が戦うことで誰かが助かる。それでいいじゃねえか。
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
自分だって人間だ。
罵られれば傷つく。褒められれば調子に乗る。優しくされれば簡単に騙される。
シェルターのデビルバスター部隊の自分を見る目は今でも忘れていない。

けれど、人間であると同時にデビルサマナーなのだ。

力を持つ者には様々なものが生じる。
責任、代償、義務。
自分はそのどれからも逃げるつもりはなかった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

841 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 22:06:23 ID:/D3vOM520

       ____
      /      \
     /         \
   /  (ー) (ー) /^ヽ
  |  (トェェェェェェ( /   〉|
  \  \ェェェェェ 〈 / ⌒^ヽ
―――――――― \ _ _ _ )

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
「あんたもつくづく損な男だよな、旦那」

ヨシツネが呆れた顔で呟く。

自分はそれでいいと思っている。
万人に認められる英雄ではなく、自分はただのデビルサマナーでいい。

それが、加賀喜留夫が選んだ生き方だった。
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

842 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/20(月) 22:09:05 ID:/D3vOM520

                 ∧             _ __,ィ
                |∧         「¨|_,イ-'|  |:.:/__
                | ∧     ,..:'| |/ { !  ':.:.、:.:.:.:.>
                {-、 '-、   /  | |' |/ /、:.:.:.\∧
              \| r-、,:'    | |__ノ-∧:.:.:、://',、   / ̄¨7/〉
                ∨{:::」 ,ィオ | |-- ∧:.}:.:.:.| /   :.:、 {\/{ /
                `乂_/_|_/{|_,」_| ̄}リ:.|从:! ! /|\∨__| |  ∨
                   ∨{ ∨|__」 ̄`ヽ、 ¨∨_∧ \  \-、 \
                   `Ⅳ         ∨}::::∨  \ ∧   \ ̄ \/∧
                   _/|        ノ/、:::/     ∨∧  | | ∧ ∨ \
                  _/ィ{/、  , -―-イ {:|=|::!      ∨∧ // =∧ |/  |∧ イ
                 / |/:./\\/  __」=ノ::|__   }=={// ∨、∧l|-、  ! / |
                   ∨ ,!`¨/ |l|\_/: l: : :|、::_二∨\  ∨',{l!\_,∨\l!::: ! | / /}
                 ∨!_/ //∧:_:_/: ://   /|:∨∧_} | |/ ̄≧ -、\:| |\//
                    \__///    /´/ ̄ ̄|l |イ∨∧--- '{_/!__|-、l |、 \、
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                                              〜また次回〜

843名無し-Red-市民-2:2018/08/20(月) 23:05:45 ID:J/ZULENQ0
乙でした

844名無し-Red-市民-2:2018/08/20(月) 23:13:27 ID:lSVvUOcY0

ヴリトラカッコヨス

845名無し-Red-市民-2:2018/08/21(火) 00:03:34 ID:keBRT.LE0
乙でしたっ

846名無し-Red-市民-2:2018/08/21(火) 00:05:04 ID:keBRT.LE0
しかし、先行きが本当に暗い世界線だなぁ。無事戻れると良いんだけど…

847名無し-Red-市民-2:2018/08/21(火) 08:49:02 ID:APWqNzZI0
おつおつ

848名無し-Red-市民-2:2018/08/21(火) 09:02:20 ID:TgO7rqQw0


849名無し-Red-市民-2:2018/08/21(火) 14:27:49 ID:YdvhCBQU0
おっつ
しかし、意外と>>1は平等主義者だな
恩恵にしろ苦難にしろそこに等価の反作用があるほど
公平に世の中できてないと個人的には思うわ

850 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/21(火) 18:37:10 ID:wy9lNvvc0
ないの!? エロの感想はないの!? >>1が血反吐吐いて書いたエロシーンだよ!?

851名無し-Red-市民-2:2018/08/21(火) 20:06:39 ID:APWqNzZI0
>>831
セラフにえろえろ言わせすぎやろ……こんなん通報モノですよ!

852 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/21(火) 20:55:21 ID:wy9lNvvc0
>>851
観点が不浄すぎィ!?

853 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/22(水) 08:04:55 ID:IW9goHJc0
仕事前に一言。

完結後にメインヒロインのAAが急激に増えたりするとさ……悔しいよね。なんか追加で書きたくなっちゃう。

でも蛇足になりそうで怖い今日この頃。仕事行ってきます。

あ、>>1のエロシーンで抜いた人は遠慮なく申し出てね! 励みになるから!

854 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/24(金) 23:07:44 ID:vjtPg9JM0
前作を見ていた人たちにお知らせだ。

メインヒロインのAAが増えたから悔しくて衝動的にエピローグを書いたんだが、どうしようか?

蛇足だと言うのであれば、封印しよう。見たい人がいれば、どうしようか、グループチャットができるソフトかなんかで内々に投下しようと思う。

どうだろうか?

855名無し-Red-市民-2:2018/08/25(土) 22:15:09 ID:atu3cCcs0
どこでも教えてくんろ。見たい見に行くかならずだヒャホーイ
その日まで( ´-ω-)つ①①①①

856 ◆x0SRSoJXe.:2018/08/25(土) 22:46:19 ID:2hCW0k5Q0
じゃあディスコードにしようか。

ttps://discord.gg/4MH7Khまでカモーン

857名無し-Red-市民-2:2018/08/27(月) 01:02:27 ID:kbkmo5C20
ディスコードとかいうのはやってないからなぁ

858名無し-Red-市民-2:2018/08/27(月) 18:36:12 ID:3XPsXlzk0
わからぬながらもディスコードなるものの画面に到着したが
丸太の上で寝てるキャラをずっと見続けています
それからどうすればいいんや・・・
夜、ここらの時間帯からそろそろ回線重くなるのでまたねー


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