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平成仮面ライダーバトルロワイアルスレ5

34覚醒 ◆JOKER/0r3g:2020/01/08(水) 16:02:02 ID:6aG2OzYo0

「はああああぁぁぁぁぁ!!!」

遂に、フォトンブレイカーの一撃がアークの元へ到達する。
無論アークとて愚かではない。その直撃の寸前に腕を交差させ、身を焼き切らんとする大剣を拒む。
刹那、拮抗した両者の動きはまんじりともせず停滞する。

バーニアを燃やし剣を切り抜かんとするファイズを相手に、アークはその超常を逸した怪力で以て一歩も退かず応じていた。
つまり言うなればそれは、究極の力比べだった。
『555の世界』最強のライダーと最強のオルフェノク、その意地と威信をかけた、文字通り頂上決戦。

互いに咆哮を上げ、全身全霊で以てこれで終わらせると意気込んだこの局面を制したのは、しかしやはりというべきか、より体力を残していたアークだった。
その腕の筋を高出力のフォトンブラッドで焼かれながら、しかしそれでもなお種を統べる王としての威厳で以てフォトンブレイカーを撥ね除けて見せたのである。
ファイズブラスターをも手放し、バーニアの制御も出来なくなったファイズが、無防備に地面に打ち付けられる

辛うじて未だブラスターフォームの変身は解除されていないが、それでももう今のように俊敏な動きでアークを追い詰めることが出来るだけの体力は、彼には残されていなかった。
倒れ伏すファイズとは違い未だ二の足で立ち続けるアークが、その掌を翳す。
今またあの光弾を放たれれば、もうファイズに避ける術は残されていない。

これで万事休すか、と彼が諦めその瞳を閉じかけた、しかしその瞬間。
聞き覚えのある電子音声が、彼の耳に届いた。

――EXCEED CHARGE

突如アークの身体が、黄色いエネルギーネットに拘束される。
当然光弾の発射さえも取りやめてそれから脱しようと藻掻くアークにしかし、終焉の時は近づいていた。

「イイイヤアアアァァァァ!!!」

ファイズの後ろから駆け抜け、一発の弾丸と化して迫るカイザの声に、ファイズは聞き覚えがあった。
というより、最早聞き間違えるはずがないのだ、この場に残る女性は、もう間宮麗奈一人しか残されていないのだから。
光条と化し、アークを貫かんと迫るカイザを思わず拳を握って応援するファイズ。

だが、敵もまたその程度の攻撃で倒れるほど甘くはない。
ブレイガンから放たれたワイヤーネットを物ともせず引きちぎって、アークは今まさにその身体に突貫しようとしたカイザをその豪腕で振り払った。
まるで風に揺られる紙切れのように容易く宙へ投げ出されたカイザは、受け身も取れず地面に直撃する。

辛うじて変身は保っているが、しかしそれすら精一杯と言った様子の彼女を見て、ファイズの身体は考えるよりも早くアークの動きを止めるため動いていた。

――FAIZ BLASTER DISCHARGE

背中のマルチユニットを変形させ、その両肩にブラッディキャノンと呼ばれる二門のエネルギー砲を携えたファイズは、そのままアークに目がけ圧縮エネルギー弾を乱射する。
大凡フォンブラスターの300倍とも言われるその威力を前に、さしものアークすら怯むが、しかしそれも一瞬の話だ。
すぐにその弾丸の雨を物ともせずに立ち尽くし、自身の頑強さを周囲に誇示する。

いよいよ以てブラッディキャノンを全身に浴びながらゆっくりと歩き始めたアークに対し、ファイズの手札も尽きたかに思われたその瞬間、しかし王の進行は突如停止する。
どういうことかと光弾を止め見やったファイズの目に映ったものは、アークを後ろから羽交い締めに拘束するカイザの姿だった。
もう彼女にはエクシードチャージを使用するだけの体力も残されていなかったのだろう。

それでもなお自分たちの勝利を掴むために、最後の力を振り絞って再び立ち上がって見せたのだ。

「間宮さん!?」

ファイズの叫んだ困惑に、アークを押さえるカイザがゆっくりと頷く。
言葉もなく、しかしその仮面の下にある麗奈の表情すら読み取れるような万感の意を込めたそれを見て、ファイズにはもう動揺するだけの時間も残されていなかった。


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