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バーチャルリアリティバトルロワイアル Log.04

21GoGo☆プチグソレース ◆k7RtnnRnf2:2019/07/26(金) 09:04:26 ID:F6mOT4aU0
 ジローさんは言われるまま、マンドラゴルァをオブジェクト化するが、その手は震えていた。やはり、プチグソみたいな謎の生物を前にして、進化すると言われても……対応に困るはずだ。
 だけど。

「じゃ、じゃあ……これを、あげればいいんだな?」
「ブヒー!」
「うわっ!」

 豚のような鳴き声と共に、マンドラゴルァが消滅し、データの欠片がプチグソへと吸収されていく。すると、プチグソの体からおびただしい量の煙と眩い輝きが放たれてしまい、俺たちは反射的に目を閉じてしまった。


     †


 キリトたちに煽られるような形で、俺はマンドラゴルァをプチグソに与えてしまった。怪しい名前と見た目のせいで敬遠し、また説明でも『プチグソ用のエサ』としか書かれていなかったので、今まで持て余していた。だけど、まさかこんな所で役立つとは思わなかった。

「ガキーン!」

 その証拠に、俺たちの前に立っているプチグソは大きく姿を変えている。

「新しい我が主が現れたでガキーン! 心より感謝するでガキーン!」

 奇妙な語尾と共にプチグソは叫んだ。
 その巨体は鉄仮面と重厚なアーマーで包んでいるため、外敵からの攻撃を守ろうとしているのだろう。勇ましい装備だが、外見と口調のせいでいまいち締まらない。
 そして、プチグソの傍らには『クソアイアン』という単語が表示されている。きっと、このプチグソの名前かもしれないけど、もっとマシなネーミングはなかったのか?
 もしかしたら、この名前を好む人もいるかもしれない。でも、俺の良心に反するので、彼のことはアイアンと呼ぶことにする。

「我が主よ、これからお供するでガキーン!」
「お、おう……よろしくな、アイアン」
「助けが必要になった時は、いつでもこれで呼んでほしいガキーン! どこにいようとも、主の元に駆けつけるガキーン!」

 その叫びと共に、俺の手元に一本の笛が現れる。『プチグソの笛』と書かれたアイテムだ。
 そして、アイアンは消えてしまう。……よくわからないけど、これで俺もプチグソレースに参加できるはずだ。
 みんなの力になると誓ったからには、アイアンと共に戦う必要がある。こんな俺でも、できることがあるはずだから。

「ユイ、黒雪……どうしたんだ?」

 俺が決意を固めていると、キリトはうろたえていた。
 何故か、キリトのことを黒雪姫とユイちゃんが冷ややかな目で見つめていた。

「キリト。もしかして、自分がプチグソに乗りたくないから、ジローさんに押し付けたのか……?」
「パパ、ひどいです」
「うっ……」

 二人から詰め寄られて、キリトは明らかに動揺していた。
 天罰だろう。今回ばかりは、俺もキリトに助け舟を出したりしない。

『ケケケ。オレたちをからかったから、罰が当たったんだな』

 『オレ』がキリトを嘲笑っているけど、ちょっとだけ同意したのは内緒だ。
 

 体力が 2下がった
 信用度が 1下がった
 『プチグソの笛』を手に入れた!


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