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アニメキャラ・バトルロワイアル4th part4

33 ◆NiwQmtZOLQ:2017/04/16(日) 17:05:16 ID:GEnvyBk.0



─────しかし。



「風と戦ってる間に友奈が来て、その後すぐに二人は外に出て……で、何かいざこざがあった後、少し遅れて追いかけてたけど、その時はもう二人とも死んでたらしいわ」


─────その言葉の内容に、問題があったわけではない。
絵里もセルティも放送を聞いていたのだから、その二人の死は知っている。
だから、それを聞いたことで、彼女たちは夏凜を

問題は。
セルティと絵里が、夏凜の言葉を止めようとした二人が、そのまま固まってしまったほどの、違和感は。
その、友達が死んだという、ショッキングな内容を語っているはずの夏凜が。
この言葉で、最もダメージを受けているはずの夏凜が。
「何一つ口調を変えることなく」、「その前後の内容と同じように」、まるで─────まるで、「他人事のように」。
無感情ですらない、平坦な口調で、あっさりとそれを告げたこと。

「……その後、もっと見て回れる範囲を広くしようっていうことで、二人ずつ二組に分かれて行動することになったらしいわ。今桂さんたちは映画館で、鬼龍院さんたちは分校か城のあたりにいるんじゃないか、って」

そこまで言い終えて、夏凜はようやく他の二人が、自分を変なものでも見るかのような視線に気づく。

「……私、何か変なこと言った?」

自然な言葉。
先程のものとはうって代わって、本来込められるべき感情をきちんと込められている言葉。
不自然な態度を取る自分たちに、当然のように疑問を抱き、此方へとかけた言葉。
そこに違和感は無く、裏表も無く、単純明快な疑問のみがそこにある。

「何か、って………」

だからこそ、わからないと絵里は思う。
三好夏凜が先程告げた、他人事のように死を告げた言葉が、どうしても異質で奇妙なものであるように思えて。
友奈と風の事を告げた時の、あの言葉が─────おかしいとしか、思えない。

「……どうしたのよ、絢瀬さん」

そして、同時に。
絵里の中で、激しい感情が徐々に起こりつつあるのを、彼女自身が感じていた。
彼女自身でも理解しきれていない感情が、表層に浮き出てくるのを感じる。
夏凜が絵里へと声をかけたのも、きっとそれが態度に現れているから。

「………どうして」

そして。
その感情が、導くままに。
それを問わなければ、彼女の中の何かが壊れてしまいそうな焦燥感が導くままに。
ぽつり、と。
綾瀬絵里は、それを口にする。

「どうして、あなたはそんなに……友達が死んだのに、平気な顔でいられるの?」



「─────そんなこと」



帰ってきたのは。
やはり、他人事のように。
興味のない世間話を交わすように、彼女は気迫な感情のみを込めた言葉を紡ぎ続ける。
そこに情動はなく、さりとて感情の触れ幅を意識して消しているでもなく。
本当に、ただ、淡々と。
どうでもいいことを、述べるように。

「─────そんなこと、今はどうだって良いじゃない」

言い放たれた、そんな言葉。
そして、それは更に、絵里の激情に火を灯す。

「─────どうだって良くなんて、ないじゃない」

語気が強くなるのを、自分自身でも感じる。
目も自然と睨み付けるように鋭くなり、拳を握る力が強くなる。

「でも今は、そんなことを言っている場合じゃないでしょ?」

けれど。
それでもやはり、夏凜の声は変わらない。

「私たちは、悲しむより、進まなきゃ」

そして、その表情を僅かに引き締めて。
己を縛り付けるかのように、顔をひきつらせて。


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