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アニメキャラ・バトルロワイアル4th part4

30 ◆NiwQmtZOLQ:2017/04/16(日) 16:59:59 ID:GEnvyBk.0

「……じゃあ、それでいいわね?」
『ああ。細かい場所集合は……やはり、音乃木坂学園かその周辺の施設、となるだろうな』
「分かったわ。そう伝えておく」
『頼んだ。皐月殿たちには私たちから連絡をしてみる』

これで、方針も決まった。
わずかな時間ではあるが、得たものは大きい。
今後の方針だけではない。様々な情報、そして何より信頼できる人間の生存。
恐らくは、今後の戦いにおいてもとても重要なものになるはずだ。

「……あ、それと」

最後に、と。
夏凜がもうひとつ、言葉を付け加える。

「温泉街に、絵里さんと同じ制服の死体があるかもしれない、て言ってたから……もし、余裕があれば」

映画館の北側が禁止エリアで封じられた今、分校に向かうには山の中を突っ切るか南側の道路を伝っていくのが最良。
そのうちの後者のルートならば、確かに足を伸ばせない場所ではない。

『……わかった。ルートにもよるが、考慮しておこう。
それでは、そちらの幸運を祈る。……それと、こちらからも一つ』

深呼吸のような音が一つ聞こえたかと思うと、電話越しにも感じ取れる、深い─────言いようのない複雑な感情が込められた言葉が耳に届いた。

『絵里殿に、伝えておいてくれ。最後まで銀時の隣にいてくれたこと、感謝する、と』
「……ええ、わかったわ」

その会話を最後に、通話は途切れた。



映画館の中、端末を握ったまま立ち尽くす人影が一つ。
絢瀬絵里からの通話を終えた桂小太郎は、何かを思案するように顎に手を当てていた。
深く考え込んでいた彼だったが、同行者が此方に戻ってくる音で顔を上げる。

「落ち着いたか、コロナ殿」
「はい、なんとか………すいません、安心しちゃって」

コロナから桂に電話が代わった後、コロナもまた再会の感動で泣き腫らしていた。
途中までは桂が落ち着くようにと手を握っていたが、途中からは自分で手水場に向かい、顔を洗うなどして幾らか落ち着きを取り戻していた。

「絵里殿もコロナ殿も、平和な世に生きる身だ。こんな場所で、安心できるような事があるのなら泣く事は何も恥ずべきではない」

その言葉に、先程のラビットハウスでの一件を思い出したのか、コロナの顔が少し赤くなる。
慌ててそれを隠すように、彼女は話題を探すかのように目を泳がせ─────そして、はたと話題が思いついたように口を開いた。

「でも、夏凜さんと合流できてたみたいなのは朗報ですね」

そう言いながら、コロナが取り出したのは一枚の黒カード。
ラビットハウスに残っていた、勇者部五箇条のポスター。くしゃくしゃになってはいるものの、極力修復がされ、眺めるには問題ない程度の状態で残っていた。

「勝手にとってきちゃいましたけど……夏凜さんにあげれば、喜んでくれるでしょうか」

これを渡すべきは、今となっては恐らくは唯一生き残った勇者部のメンバーである夏凜のみだろう。
複製の可能性も大きいが、それでも思い出の品ではある筈だ。本人の手元にあった方が良い、というより彼女が持つべきものだろう、とコロナは思う。
だが、それに対して桂は渋い顔を向ける。

「……いや。それは、止めておいた方が良いかもしれん」
「え?」

想像もしていなかった言葉に、コロナは疑問符を浮かべる。
そう思うコロナの言葉も尤もなのだが─────しかし、桂の脳裏にはどうしても、先程の一つの声がちらついて仕方がなかった。

(取り越し苦労である事を、祈りたいのだがな─────)

友奈と風の事を切り出した時の、夏凜の声。
友が死んだにしては、あまりにも平坦過ぎる声。
どこか壊れてしまったかのようなその声を思いだし─────しかし、今彼に何ができるというわけでもないのもまた事実。
首を振って余計な思考ごと振り払い、再び端末を取り出す。


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