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アニメキャラ・バトルロワイアル4th part4

114Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ:2017/09/30(土) 20:31:24 ID:wNw./RFs0
■  



「──じょ、承太郎さん!」
「なんだ、天々座」

森の中、木々を蹴って飛び続ける承太郎に対し、いきなり連れ去られたに等しい理世は只管に混乱していた。
そのまま吹き飛んでいく景色に気を取られそうになるが、辛うじて理性を取り戻した彼女は承太郎に呼びかける。

「逃げる、って、アイツはまだ──!」

そう、承太郎は流子を完全に、何ら制約をすることもダメージを与えることもなく放置したまま離脱したのだ。
これまで見てきた彼のスタンスとはあまりにかけ離れた行動。流子をそのまま放置すれば、被害が出続ける事は予想出来る。
それに、彼女は智乃の仇でもある。願わくば相応の報いを受けさせたい、という気持ちも全くなくなった訳ではない。

「安心しな」

しかし、そんな理世の言葉を奪うように、承太郎が呟く。
その言葉に込められたのは、確かな力強さ。
聞くものすらも立ち上がらせるような勇気を底に秘めた、ジョースター家の男の言葉。

「ヤツを放っておく気はさらさら無え。キッチリと、俺とスタープラチナでブチのめさせてもらうぜ」

──ジョセフ・ジョースターに曰く、戦闘から逃げたことはあっても、戦闘そのものを放棄したことは一度も無い。
それと同じく、承太郎もまた、纏流子との戦いそのものを放棄してなどいない。
彼の胸に宿った正義の光は、彼女を見逃すなどということを許すつもりはさらさらないのだ。

「じゃあ、何で……」

しかし、それでは今の行動はどういう事なのか。
事実として、今二人はこうして流子に背を向け、森を駆けているのだ。
どういうつもりなのか──そんな視線を察し、承太郎は一言、簡潔に答える。

「お前を巻き込む訳にはいかねえ」

その言葉で、理世はう、と言葉に詰まった。
あくまで一般人の範疇を出ない彼女が、先の戦闘に於いても承太郎にとって足枷となっていたのは、庇われる側だった理世自身が良く理解していた。

「どうせヤツは俺を追ってくる。だが、ヤツの狙いは思い切り虚仮にしてやった俺に移っているはずだ」

承太郎の判断からするに、流子はやはり感情に任せることが少なくないタイプだと踏んだ。
理性的な部分も決してないというわけではなかろうが、少なくとも、あのような巫山戯た真似をした相手をわざわざ見逃すほどに寛大な心を持っているようには見えなかった。
だからこそ、理世の近くに寄るまでの時間をあそこまで掛けたのだ。彼女が「ハメられた」という事に気付いた時、よりその精神を刺激できるように。
そうでなくとも、今逃げているのと同じ方法を用いれば、承太郎はあの近辺まですぐに舞い戻れるのだが。
そして、それをする理由は明らか。

「それなら、お前を逃した上で、俺も周囲を気にせずヤツをブン殴れる」

理世に対する不意打ちや、戦闘の余波を考慮して戦う──そこまでのことを手負いの身でやるには、あの纏流子が持つ個人戦力は規格外に過ぎる。
針目縫との戦闘において、衛宮切嗣に気を払いつつ戦ったのとは訳が違う。バッドコンディションに加えて森の中という立ち回りづらいフィールド、何より不穏な行動にさえ気を配れば良い「見張る」と全ての条件を考慮して立ち回る必要がある「守る」には天地の差があるのだから。

「……承太郎、さん」

そんな承太郎の真意を知り、理世は言葉に詰まる。
自分なんてどうだっていいのにという思い、足手まといになっているという罪悪感、そして承太郎のことを少しでも疑った自分への嫌悪。
それらを一先ずは飲み込むと同時に、承太郎から言葉が飛んできた。

「──もう少しで下ろす。一旦城に戻れ。ヤツを倒したら俺もあそこに戻る」

115Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ:2017/09/30(土) 20:34:01 ID:wNw./RFs0
 






──と、そこで。

「──ところが、そういうワケにもいかないんだよなあ?」

響く筈のない声が、『前方から』聞こえた。
な、と両者が呆気に取られると同時に、正面から伸びるのは二本の白い槍。
神衣純潔の肩部が変形したそれを前に、一瞬二人の思考は完全に停止した。

「──オラァ!」

それでも、承太郎は無理矢理意識を引き戻してスタンドの拳を振るう。
迫ってきた二本のそれを理世を抱えていない方の手で弾くと、そのまま進行方向の障害となる木や枝を殴り飛ばす。
地に足を着けてブレーキをかけ、立ち止まろうとして──そこで、初めて承太郎は気付く。

「──よお、死ね」

その場所、ちょうど両脇にゲートのように生えた木の間に立っている、先程まで戦っていた化物に。
何故彼女が先回り出来たか──それは、彼女が持つ遠見の水晶玉によるもの。
細かい作業が苦手故に一度は使用を諦めたが、反対に単純な操作なら十分に利用できるということ。
流子自身が飛び上がって目立つ位置に陣取り、山頂の城と見比べて方角を確認。その後ズームアウトし、二人が動いている方向を察知する──程度の使用なら、どうにか彼女にも使用出来た。
彼女が振り上げている刃が、無慈悲にも止まることの出来ない彼等へと降り注ぎ──

「──スタープラチナッ!!」

それでも、空条承太郎は最適解を導き出した。
止まることなく、反対に地を蹴って加速。懐に潜り込むことで刃を回避し、拳を以て流子が阻む道を押し通る。
その行動は、確かに彼がその場で採れる選択肢の中では最適解であっただろう。
事実、流子の刃が届くことはなく、反対に承太郎の拳は流子に突き刺さらんとしていた。

「──残念だったなぁ」

しかし。
その拳が収まる先は、纏流子の掌の中。
軌道がわかりきっている攻撃に対する正確な防御──しかもそれを行うのが生命繊維の化物ともなれば、如何にスタープラチナの速度を以てしても貫くことは出来ず。

「死ね」

今度こそ、翻った刃が二人まとめて刺し貫かんと閃いた。
それを間一髪で逸らし、乱暴ながらも逃す為にと理世を放り投げ。
次の瞬間、承太郎の眼前には左ストレートが迫っており──それを最後に、彼の意識は途切れた。







「──口程にも無かったなぁ、オイ」

左手をぷらぷらと振りながら、流子はつまらなさそうにそう吐き棄てた。
視界の先には、吹き飛んでピクリとも動かない承太郎の姿。
純潔を纏った流子の膂力で殴られたのだから、人間の顔面などとうに挽肉になっているのが普通なのだが──彼の頭部は依然として残っており、脳漿を撒き散らしてもいないようだった。
その理由は、何より殴った流子がよく知っていた。
こちらが顔面を殴り飛ばそうとした直前に、スタープラチナを頭部に纏わせ反対に頭突きをお見舞いしてきたのだ。
スタンドの力に後押しされた頭部は、その頭蓋に致命的な損傷を与えることなく拳の衝撃をも和らげた、という訳だ。
──尤も、殺しきれなかった余波が引き起こした脳震盪かそれに近い症状は彼の意識は吹き飛ばすに足るものだったようで。
先程まで彼女と渡り合っていた男は、無防備な姿を晒して気絶していた。
こうなってしまえば、最早殺すことなど造作もない。
溜息を一つ吐いて、再び縛斬を握り直し──

116Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ:2017/09/30(土) 20:35:47 ID:wNw./RFs0
 
「……やめ、ろ」

と、そこで。
余りにも頼りなく、か細い声が、流子の耳に届いた。
それと同時に、立ち塞がるように現れたのは──紫の髪の、少女だった。
先程承太郎に守られていた、如何にも何も出来ない一般人ですと書いてあるかのような外見の少女。

「あァ?何だテメェ、テメェから先に殺されてえのか?」

鐵の切っ先を突きつけながら、嘲るように言葉を放つ。
下らない義憤とやらでここまでやるというのは大したタマだが、しかしこうして目の前に死を提示してやってもそれが保つものか。
惨めに引き下がって後で殺すか、さもなくば両断してやろうか──そう思いながら、ゆっくりと歩み寄っていく。

「……そうだ。殺すなら、先に私を殺せ」

それでも尚、理世が退くことはなかった。
ほぼ無駄な行為だろうと理解しているだろうに、無様な立ち姿を続けていた。
その哀れにすら見える様に、

「その胆力だけは認めてやるよ。わざわざゴミが出しゃばりやがって、何で死に急ぐかねえ」

──それは、問いかけですら無かった。
答えなど求めていない、ただ独りごちることと何ら変わらない言葉。
けれど、それに確かに、天々座理世は反応して。

「──私は、人を殺したから」

ぽつり。
唐突に零れ出たそんな言葉に、流子は不意に立ち止まる。
歩みを止めた彼女とは反対に、堰を切ったように、理世の口からは言葉が漏れ出す。

「私は、人を殺したんだ。謝らなきゃいけなかった人を」

先の承太郎とのやり取りの時のように、ゆっくりながらも詰まるところ無しに。
ただ滔々と、目の前の化け物に向けて、理世は言葉を吐き出してゆく。
兎にも角にも、言わずにはいられない、とばかりに。
承太郎に話した時と何も変わらないかのように、止まることなく。

「だったら、罰を受けなきゃいけない。こうやって殺されることで、それで罪が償えるなら……それなら、安いものだから」

──だから、そうして語ることに夢中の理世は気付かない。
纏流子が纏う気配の変化も、その感情の変化も。
何もかもに気付かぬまま、延々と、理世は己の罪を告白し。

「──償わなきゃ、いけないんだ。遊月を殺した私は、裁かれなきゃ──」

そう、言いかけたところで、理世の言葉は止まる。
否、止まらざるを得なくなった。
彼女の首根っこを、流子がつかんで持ち上げたから。

「──何を、ほざいてやがる」

締め上げられ、文字通り息が詰まる感覚。
辛うじて呼吸こそ出来るが、ただ掴んでいるだけの流子の右手から伝わるありのままの力が、逃げられないと彼女に告げていて。
そして、何より、理世はその瞬間、真正面からその時の流子の表情を直視してしまって。

「テメェの勝手で殺したからなんだってんだ。それが私やアイツに関係あんのか、えぇ?」

そして、その瞬間、理世は──初めて、明確に恐怖した。
纏流子の、その表情に。
嘲りでも、怒りでもない、彼女が未だ見たことも無いその表情に。
──『■■』の、表情に。
その表情が真に意味するところを、理世は理解できていなかった。
ただ、分かることは──きっと、自分が、彼女の何よりの地雷の、その一端を踏んでしまったこと。
そして、このままいけば取り返しのつかないことになるような、そんな予感。

けれど、彼女に為す術などなくて。
纏流子がその言葉を発するのを止めることなど、出来なかった。

117Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ:2017/09/30(土) 20:37:03 ID:wNw./RFs0
 


「テメーはただ、許してほしいだけだろうがよ」



──時間が、止まった気がした。
ざわめく木々の葉の音も、ただ頬を撫でる風も、何一つ彼女の脳に届くことはなかった。

「……ちが、う」

ほぼ、何も考えずに出てきた言葉だった。
気付けば、自然とそんな否定が口から零れ落ちていた。
──無論、それは致し方ないことでもあっただろう。
だって彼女は、所詮ただの一般人、高校生の少女に過ぎないというのに。
人を殺して、その罪を背負う、なんてことが、そう簡単にできるわけがないのだから。
それも、自分の寄る辺を全て失っているような状態でなら、尚更。
天々座理世が、誰かに許してもらう、あるいは殺されることで、「楽になりたい」と思うのは、やはり仕方ないというべきことでもあったのだろう。
そして──例えば、「遊月の知り合いの誰か」の存在、とりわけ彼の弟──いわば彼女にとっての智乃に対しての想像を避けるのも、またしかり。
だが、そんな深層心理、卑怯とも言える本性を理性的に認められるかは、別の話で。

「違う、違う違う違う!!私は、そんな事を思ってなんか──」

いない、と言おうとしたところで、首を持つ位置が乱暴に持ち上がる。
ぐ、という呻き声を漏らした彼女のその位置からは、いつの間にか俯いていた流子の表情は見えない。
だが、その陰に隠れた表情に、恐らくは先程から変わっていない表情に、先程以上にどうしようもなく恐怖を感じる。
──いや、恐怖ではない。
それは、きっと。
どうしようもなく人間らしい、悔やむかのような表情を。
まるで自分が、遊月を殺した時のような表情を。
そこに見出すのが、嫌だったから。

「……あぁ、そうだろうなあ」

尚も俯いたまま、静かに流子が呟く。
それが既に理世に向けられたものではないと、彼女は気付かない。
けれど、それでもその言葉は理世を抉る。

「認められねえよなあ──認めたくねえよなあ」

纏流子の発言が、これまでただの人殺しで、歩み寄る必要もない、許せないと思っていた人間の言葉が。
自分と同じようなことを思っている、などとは、思いたくはなかった。
どれだけ堕ちたとしても、それでも尚、好んで人を殺すような彼女たちに会って死ぬことなど嫌だと思っていたのに。
それと自分が、同じ穴の狢だったなんて、信じたくはなかった。

「──良いよなあ、そうやってテメェは、優しい優しい誰かさんに助けてもらえてよォ」

──その言葉だけは、明確に理世に向けられたもので。
彼女が、そんなことを叫ぶのかと言えば。
それは、そう思えたらどんなに楽かと、そんな羨望を叫んでいるようなものだったのかもしれなくて。
そう思えて、そして実際にそうやって彼女を迎えてくれる──どんなことがあってもきっと迎えてくれるだろう人間が。
彼女にとっての讃美歌を歌ってくれるような人間が理世にはまだいることに、どうしようもなく嫉妬していたのかもしれない。
しかしそんな、何処か透けて見える嫉妬の情こそが、理世の心を突き刺す槍となってもいた。
その感情こそが、まさに今、自分が憐れまれるべきではない「ただの人殺し」としての証明を突きつけているものだったから。
だから、そのまま背後の樹木に叩きつけられ、首元を締め付ける力がどんどん強くなっても、最早抵抗するだけの力は残っていなくて。
段々朦朧となっていく世界の中で、理世はただ譫言のように繰り返していた、

──違う。

──私は、そんな人間じゃ、ないんだ。

──だから、誰か──私を、間違って、ないって──

118Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ:2017/09/30(土) 20:37:59 ID:wNw./RFs0
 



「──随分とお喋りなのは、治ってはいないようだな」



──銃声が、澱んだ空気を切り裂いて走る。
顔面を狙ったそれを、流子は空いていた左手で弾き飛ばす。
尚も断続的に放たれる弾丸に対し、流子は理世を盾にしようとするが──その一瞬を突いて、飛び出してきた男が思いきり地面を蹴る。
一気に肉薄し、すれ違い様に理世を持つ右腕に弾丸を撃ち込む。
咄嗟に理世を手放し腕を引く流子、放り出された理世を拾うのは、乱入者──風見雄二の右腕。

「…よぉ。わざわざ来やがったか」
「あれだけ喚いていれば、近くに来れば来ないやつはいないさ」

縛斬を再び抜刀して雄二へと向き直る流子に対し、雄二は姿勢を立て直しつつ油断なく周囲に気を配る。
少し離れたが、流子よりは近い位置に承太郎がいるのを確認すると、再び立ち上がって銃を突きつけ直す。

「随分と癇癪を起こしていたようだが、何か気に入らないことでもあったか?」
「うっるせぇんだよ…テメエには関係ねえ」

その声に籠る怒気は、先程とは比べ物にならない程のもの。
理世に向けていた感情を薪にして、猛々しく燃え上がるがごとき怒りの炎を滾らせた獣が、雄二へと狙いを定めていた。

「理世」

そんな彼女を冷静に観察しながら、雄二は理世に対して言葉を飛ばす。
へたりこんでいたままの彼女が、それでものろのろと顔をあげて反応したのを見て、僅かに安心したかのような表情を浮かべる。
だが、その焦燥しきった表情は、やはり安心できるようなものではなく。

「承太郎を連れて、ここから逃げろ」

故に、彼女にはそう命ずる。
それは、二人の安全のためにも、そして理世の精神を僅かに安定させるために必要なこと。
何事か必要なことをして、僅かでも気を紛らせるという処方──状況も加味すれば、今できることは、これしかない。
理世が何をして、どう思ったのか聞いている猶予など、今は無いのだから。

「……待って、風見、さん」

──それでも。
そんな憔悴しきった声をした少女を、そのまま放り出すことは出来ず。
何を言うべきか、一瞬迷い──そこで、ふと思い出した事があった。
奇しくも状況の似たこんな山の中で、自分の姉が周防天音を助けた時の言葉。
天音を身を挺して逃した時に言ったという、その言葉。
あの天才の「姉」の言葉を借りて、言葉を伝えることにした。

「──大丈夫だ。お前はまだ、生きるために人を殺すしかない鬼なんかじゃない。お前はまだ、人として生きることができる。
だから逃げろ、そして──生き延びろ」

微笑みながらそう言い残して、後はただ「行け!」と叫ぶ。
その声で弾かれたように顔を上げた理世が、承太郎を担いだまま歩き出す。
承太郎の重みに苦戦しながら、それでも何とか逃げるだけの速度を確保していることわ確認し──そこで、空気を割く刃の音。

「させっかよ──テメーら全員、ここで殺──」

流子がその全てを言い終わる前に、もう一度銃声が鳴響く。
反対に突撃し、クロスカウンターの要領で放った銃弾が、流子の頭部左二センチの場所を飛んでいく。
そのまますぐさま流子の背後へと取り付き、頭部に向けて弾丸を発射しながら身体を捻る。
先と同じような体術で、ある程度は凌ぐ──その基本戦法は、場所が変わろうと同じだった。
しかし、仕掛ける直後に唸りを上げて飛んできた裏拳を避け、更に回転を活かしてそのまま殴りかかってくるという連撃を間一髪で避けた時、雄二も悟る。
先と同じではない──より感情を剥き出しにして、「とにかく殺す」という殺意のままに暴れている獣と化している。
動きを読みやすいのが救いだが、速度と荒々しさは数割増しているような気さえする。

「さっきも言ったが、やたらとお喋りだな。おかげで二人を逃がせた」

煽るような言葉を投げるが、流子の様子が変わる事はない。
言動や態度から滲み出る殺意から察するに、既に彼女の感情は相当に振り切れているのだろう。
彼女に近しいものでもなければ、これ以上の刺激を与える事は難しいだろう──それほどまでに、彼女は今暴走している。
そこまでの地雷を、理世が踏んだ、ということか。
ともあれ、ここからが正念場。
改めて剣の矛先を此方に向ける流子に対し、雄二も右手の銃の状態と残弾を確認する。

「変わんねえよ、とっととテメーをブッ殺して彼奴らも殺すだけだ」
「やってみろ」

その言葉を最後に──真夜中の戦場を、二者が駈け出した。

119Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ:2017/09/30(土) 20:40:38 ID:wNw./RFs0

【Gー4(中心部)/真夜中】

【纏流子@キルラキル】
[状態]:全身にダメージ(中)、左肩・左太ももに銃創(糸束で処置済み)、疲労(中)、精神的疲労(極大)、
    数本骨折、大激怒、説明しきれない感情(恐怖心?)、理世に対する嫉妬
[服装]:神衣純潔@キルラキル(僅かな綻びあり)
[装備]:縛斬・蛟竜@キルラキル
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(19/20)、青カード(17/20)
    黒カード:番傘@銀魂、生命繊維の糸束(一割消費)@キルラキル、遠見の水晶球@Fate/Zero、
         花京院典明の不明支給品0〜1枚(確認済み) 、ジャンヌの不明支給品1枚(確認済み、武器とは取れない)
[思考・行動]
基本方針:全員殺して優勝する。最後には繭も殺す
   0:雄二を殺す。承太郎と理世も追って殺す。
   1:次に出会った時、皐月と鮮血は必ず殺す。
   2:神威を一時的な協力者として利用する……が、今は会いたくない。
   3:消える奴(ヴァニラ)は手の出しようがないので一旦放置。だが、次に会ったら絶対殺す。
   4:針目縫は殺す。    
   5:純潔の綻びを修繕したい。
   6:マコの事を忘れたい。

[備考]
※少なくとも、鮮血を着用した皐月と決闘する前からの参戦です。
※DIOおよび各スタンド使いに関する最低限の情報を入手しました。
※満艦飾マコと自分に関する記憶が完全に戻りました。
※針目縫に対する嫌悪感と敵対心が戻りました。羅暁への忠誠心はまだ残っています。
※第三放送を聞いていません。
※肉体のダメージは前の話よりは良くなっています。
※現在自動車爆弾はネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲にへ向かって移動しています。
 そのまま行けば一定時間後に標的の砲台は爆破されます。誘爆し爆発範囲が広がる可能性があります。


【風見雄二@グリザイアの果実シリーズ】
[状態]:ダメージ(中、処置済み)疲労(小)右肩に切り傷(処置済み)、全身に切り傷 (処置済み)
[服装]:美浜学園の制服
[装備]: トンプソン・コンテンダーと弾丸各種(残りの弾丸の種類と数は後続の書き手に任せます)@Fate/zero 、ベレッタM92@現実(残弾0)
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(7/10)、青カード(7/10)
   黒カード:マグロマンのぬいぐるみ@グリザイアの果実シリーズ、腕輪発見機@現実
   歩狩汗@銀魂×2、旧式の携帯電話(ゲームセンターで入手、通話機能のみ)
   小さな木杭3本、小さな鉄杭3本、タオル2枚、包帯代わりの布2枚、包丁一本(低品質)
[思考・行動]
基本方針:ゲームからの脱出
   0:理世と承太郎が逃げる時間を稼ぐ。
   1:纏流子を始めとする危険人物への対策を考える。

[備考]
※アニメ版グリザイアの果実終了後からの参戦。
※折原臨也、衛宮切嗣、蟇郡苛、空条承太郎、紅林遊月、言峰綺礼と情報交換しました。
※キャスターの声がヒース・オスロに、繭の声が天々座理世に似ていると感じました。
※参加者の時間軸がずれている可能性を認識しました。
※『越谷小毬殺人事件の真犯人はDIOである』という臨也の推理(大嘘)を聞きました。必要に応じて他の参加者にも伝える可能性があります。
※言峰から魔術についてのおおまかな概要を聞きました
※纏流子の純潔の胸元に隙間があるなどの異変に気づいています。

[雄二の考察まとめ]
※繭には、分の殺し合いを隠蔽する技術を提供した、協力者がいる。
※殺し合いを隠蔽する装置が、この島のどこかにある。それを破壊すれば外部と連絡が取れる。
※第三放送を聞いていません。
※城近くの山小屋から武器になりそうなものを入手しました(鉛筆サイズの即席の木杭3本、即席の鉄杭3本、包丁一本(低品質))
※自動車爆弾が北西へ向かうのを目撃しました。爆弾とは気づいていません。

120Girls Murder License ◆NiwQmtZOLQ:2017/09/30(土) 20:43:36 ID:wNw./RFs0
 




表情を動かす余裕すらも、もう残っていなかった。
自分がどれだけ醜いか、少し考えただけでも本当に嫌になるのに、それでも歩みを止めるわけにはいかないという呪いだけが自分を縛っている。
千夜に会えばきっと蔑まれ、他の人間にも人殺しと呼ばれるだろうという悲観的な未来以外に、この先の見通しなんてもう一つも見えなくて。
今はただ、背負っている承太郎の命が、歩みを止めるなと彼女を詰る。
すぐに死に至るような傷こそ追っていないが、気絶から目覚めるまではまだ時間がかかる。それまでに襲われるようなことがあれば、二人ともどうしようもない。
雄二に逃がしてもらっておいて、このまま倒れるということは嫌だ──そんな気持ちが、今は唯一の原動力だった。
一歩一歩、己の体が前に進んでいる感覚だけを頼りにして。
吐き出した息は、じっとりと身体に纏わり付いて離れない。
今の自分の酷すぎるであろう表情も、誰にも見られたくなかった。

「……わた、しは」

もう、吐き出すものは何一つなくて。
最早余計なものとなった思考をそれでも巡らす度に、どうあっても取り除けない己の愚かさに辟易するしかなく。
自分の中に残された醜さと約束が、何よりもずっしりと体を重くする重りとなって。
今はもう、苦痛でしかない行軍をただ進んでいくしかなくて。
足取りは、ただ只管に重かった。

──理世は、未だに知る事は無い。
紅林遊月の死に対し、衝撃を受けるであろう存在の内の一人はは、すぐそこにいるという事に。
承太郎が理世と出会ったとき、咄嗟にカードに戻しておいたルリグ『花代』。
未だ真実を知らぬ彼女との相対の時が、何を生むのか、それもまた──




【G-4/アナティ城周辺/真夜中】

【空条承太郎@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
[状態]:気絶、ダメージ(大)、疲労(大?、ある程度回復した可能性あり)、精神的疲労(小)、胸に刀傷(中、処置済)、全身に小さな切り傷、
    左腕・左肩に裂傷(処置済み)、貧血(大)、強い決意、焦り(小) 、神代の酒による酔い(小)。
[服装]:普段通り
[装備]:なし
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(37/38)、青カード(35/37)
黒カード:約束された勝利の剣@Fate/Zero、不明支給品0〜1(言峰の分、確認済み)、スパウザー@銀魂、
         キュプリオトの剣@Fate/zero 、不明支給品1枚(ことりの分、確認済み)、神代の酒@Fate/zero (3分の1消費)、レッドアンビジョン(花代のカードデッキ)@selector WIXOSS
    現地調達品:雄二のメモ、噛み煙草、各種雑貨(ショッピングモールで調達)
[思考・行動]
基本方針:脱出狙い。DIOも倒す。
   0:……………
   1:理世に対し何らかの処置をとりたい。
   2:白カードに閉じ込められた魂の解放方法を探る。
   3:花代から情報を聞き出す。
[備考]
※少なくともホル・ホースの名前を知った後から参戦。
※折原臨也、一条蛍、香風智乃、衛宮切嗣、天々座理世、風見雄二、言峰綺礼と情報交換しました(蟇郡苛とはまだ詳しい情報交換をしていません)
※龍(バハムート)を繭のスタンドかもしれないと考えています。
※風見雄二から、歴史上の「ジル・ド・レェ」についての知識を得ました。
※参加者の時間軸がずれている可能性を認識しました。
※越谷小鞠を殺害した人物と、ゲームセンター付近を破壊した人物は別人であるという仮説を立てました。また、少なくともDIOは真犯人でないと確信しました。
※第三放送を聞いていませんが、脱落者と禁止エリアは確認しています。
※神代の酒3分の1を摂取しました。その効果から体力が回復をしている可能性があります。詳細は後の書き手にお任せします。


【天々座理世@ご注文はうさぎですか?】
[状態]:疲労(大)、精神的疲労(極大)、無力感(大)、自分自身に対する疑心と絶望
[服装]:メイド服・暴徒鎮圧用「アサルト」@グリザイアの果実シリーズ
[装備]:なし
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(9/10)、青カード(9/10)
    黒カード:キャリコM950(残弾半分以下)@Fate/Zero
    白カード:香風智乃
[思考・行動]
基本方針:?
   1:今は、ただ、逃げる。
[備考]
※参戦時期は10羽以前。
※折原臨也、衛宮切嗣、蟇郡苛、空条承太郎、一条蛍、香風智乃、紅林遊月、言峰綺礼と情報交換しました。
※参加者の時間軸がずれている可能性を認識しました。
※『越谷小毬殺人事件の真犯人はDIOである』という臨也の推理(大嘘)を聞きました。必要に応じて他の参加者にも伝える可能性があります。
※第三放送を聞いていません。ラビットハウス周辺が禁止エリアになったことは知りました

121 ◆NiwQmtZOLQ:2017/09/30(土) 20:45:24 ID:wNw./RFs0
本投下を終了します。理世と承太郎の位置を前話から変え忘れていた為に修正してあります。

122名無しさん:2017/10/02(月) 07:18:18 ID:GTVlaIi.0
さよなら雄二、君のことは忘れない

123名無しさん:2017/10/02(月) 13:35:22 ID:xm8U8tKg0
投下乙くらい付けろよバカが

124名無しさん:2017/10/02(月) 14:12:44 ID:7UaCQH9.0
お前の方が馬鹿だおー

125名無しさん:2018/01/08(月) 13:39:56 ID:y7VjkiWs0
ガチで停滞してて草

126名無しさん:2018/01/12(金) 10:14:03 ID:a6NCK6wY0
>>125
エースが海外転勤になっちゃったし、しゃーないですよ

127名無しさん:2018/01/12(金) 10:32:53 ID:armr8wSs0
知らんよ。
転勤する前から停滞してたろ目を覚ませ

128名無しさん:2018/01/12(金) 13:19:59 ID:ynWzIIJY0
>>126
お前がageたせいで投下来たと勘違いしたじゃねーか
紛らわしいことすんな

129名無しさん:2020/04/26(日) 01:48:28 ID:SUaNwgmg0
おいおい3年だぞ

130名無しさん:2020/04/26(日) 21:11:23 ID:K6CGQx7s0
わざわざageるとか構ってちゃんのガキかな?
お呼びじゃないからさっさと消えて、どうぞ

131名無しさん:2020/09/03(木) 02:00:56 ID:yZJ3WVWQ0
はーやーくー


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