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オリロワアース

151天才と馬鹿はなんちゃらかんちゃら。 ◆/MTtOoYAfo:2015/05/18(月) 02:55:10 ID:MnKKOztk0

H-1の『映画館前』と書かれた無人駅のプラットフォーム。
そこに、一人の少女が立っていた。
黒を基調としたメイド服に白色のフリルにエプロンから、ひと目でメイド服だと分かる。シルク製からか素材は柔らかく、少し動くだけでも服の流動が繊細に読み取れるほどで、彼女がそこらのメイド喫茶で働くアルバイターではない、本物のメイドだと誰が見ても分かった。
茶髪のショートヘアは前髪も毛先も全て綺麗に揃えられており、赤のヒールに真っ白な手袋。真っ白な雪のような肌にぱっちりとした碧眼。さらにその行動一挙一挙から彼女の育ちの良さがうかがえる。
しかし顔立ち全体やその背丈を考えると、まだ幼さを感じさせる。

彼女、サラ・エドワーズはいわずと知れたメイドである。そして同時に、彼女は『探偵』でもある。
かといって彼女が自分から『探偵』と名乗るような痛いことをしているわけではなく、成り行きでそう呼ばれるようになったのだ。

ある冬の日のことである。
主人の屋敷で誕生日パーティーが行なわれた。
その日の夜、招待されていた主人の旧友が死体となって発見されたのだ。

死体は首を絞められたことによる絞殺。彼が宿泊していた部屋の唯一の窓は大きく開けられていた。
さらに被害者の持ち合わせていた金品がすべて盗まれていたこともあり調査が進められた結果、死因は調査に当たったレイ・ジョーンズ警部らの判断による『強盗殺人』となった。

そんな中、サラにはひとつの疑問が浮かんでいた。被害者の一人息子の表情や言葉が、とても親が殺されたとは思えないように思えたからだ。
サラは息子と接する中でその疑問を解消するために様々なことを聞いてみることにした。そしてそれを主人の息子の子守の間に考えをまとめ、ある日ほかのメイド仲間たちとのトランプゲーム中に冗談混じりで喋ってみた。

すると、である。
ほかのメイド仲間たちも、息子のことについては疑問に感じていたというのだ。
やがてサラは仕事の中で息子のことを仕事の中でメイドやさらには主人の協力もあって調べていくようになった。

警部であるレイ・ジョーンズとはたびたび衝突しながらも、日本からの観光客だというクロダとニシザキという人々の力を借りながら、サラは真相にたどり着くのであった。

…というのがベストセラーシリーズの第一巻『メイドは見た!~あるじ様、殺人事件でございます。~サラ・エドワーズの事件簿』の大まかな内容である。
大型ネットワークショッピングサイト「konozama」参照。

「困ってしまいました。まだあるじ様のご夕食を作っていた最中だったのに…」

サラは顎に手を当てて不安そうに考える。
彼女は幼い頃から主人に仕えていた。主人の準備をすることが自分の生活のルーティンのひとつとなっていた。
ICレコーダーの、「アカネ」と名乗る機械音声から告げられた殺し合いをさせられるという事実。
真っ先に彼女は自分の主人が巻き込まれていないか心配になり、与えられたディパックの中にあった『参加者候補リスト』と書いてあった名簿を見たがそこには『主人の名前』はなかった。
よかった、と一息つくとともに彼女は不思議な経験をしていた。

この名簿の中には『自分の主人』は居ないというのは分かるのだが『自分の主人の名前』が何なのかどうも思い出せないのだ。
これは大失態である。主人に失礼であるしあの小うるさいメイド長にバレればどうなることか。

「…あるじ様に帰ったら真っ先に謝らないといけませんね…」


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