したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

仮面ライダーオーズバトルロワイアル Part4

1名無しさん:2015/01/10(土) 19:56:27 ID:lo8EFRkE0
当企画は、仮面ライダーオーズを主軸としたパロロワ企画です。
企画の性質上、版権キャラの死亡描写や流血描写、各種ネタバレなども見られます。
閲覧する場合は上記の点に注意し、自己責任でお願い致します。

書き手は常に募集しております。
やる気さえあれば何方でもご自由に参加出来ますので、興味のある方は是非予約スレまで。

したらば
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/15005/

まとめwiki
ttp://www18.atwiki.jp/ooorowa/

333交わした約束と残した思いと目覚めた心(前編) ◆z9JH9su20Q:2016/08/21(日) 18:10:57 ID:UHAKG6eE0

 しかし……それはただ、発動するだけのコストの話。
 いざ攻撃に転用できる状態――即ち召喚の完了まで、体感に基づき推測すれば、千秒近い時間を要求されていたのだ。

 仮面ライダー達は二人がかりで戦線を支えているが、方や未熟、方や疲労困憊となれば、今のアポロガイストを相手に戦力が足りているとは言い難い。
 数の差で粘れば勝ちの目もあるかもしれない。しかしこのままでは奴を倒しきる前に、エターナルとクウガのメダルは底を突くだろう。遠からず、少なくとも十五分は保たずに。
 そうなればアポロガイストに抗し得る戦力など残されておらず、“二次元の刃”による攻撃が可能となる前にネウロ自身も殺害されて終わってしまう。

「……手が足りん」
 精彩を欠いて、あるいは未熟ゆえに攻撃を捌かれ、焔に押されて後退する二人の姿を目にしたネウロは、苦々しくそう吐き出した。
 勝ち筋は見えている。だがそこに到るまでの道を崩され、間に合わない。今のままでは勝機はない。
 何か、もう一手。その欠損を埋めるだけの何かを見出さなければ……

「おい」

 そんな思考を遮る声が届くまで、ネウロは彼の接近に気づくことができなかった。
 魔力の枯渇と身体的ダメージによる精神消耗と、”二次元の刃”の召喚に意識を割いていた間に――身を隠していたはずのアンクが再び、その姿を現していた。
 アンクはその険しい視線をネウロの右手に向けたまま、口を開く。

「今呼び出してるそいつが、コアを砕ける能力か」
「……気づいていたのか」
 微かな驚嘆を胸に覚えながら、ネウロは婉曲な肯定を返した。
 そしてそれ以上の――喜悦にもよく似た、ある意味先程さやかに感じた物にも近しい感情に満たされていくのを自覚しながら、アンクの姿を睨めつける。

「それは単にコアを砕くだけじゃなく……奴を倒すのに使えるのか?」
「ああ。完成すれば魔界王にも防げない……あのアホ一匹に使うには豪勢に過ぎるが、確実に無力化できるだろうな」
「……なら、何でさっさと叩き込まねえ。何が足りないんだ」
「間合いもそうだが……これは呼び出すのに時間が掛かる兵器なのだ。完了までまだ500秒近くは必要だろう」

 ネウロの返答に、仮面ライダーの健闘も限界が近いことを見取っていたアンクは、苛立ちを隠そうともせず舌打ちした。

「使えねぇじゃねぇか」
「我が輩もここまでとは思っていなかったぞ。時間を短縮できるにしても、余力が残らんのでは時間稼ぎもできん」
「……何?」

 ――喰いついた、とネウロは微かに頬を緩めた。

「どうやらこの刃、召喚を始めるコスト自体は15枚で済むらしいのだが……追加で我が輩の持つメダルを強制的に吸い上げて、その分召喚に要する時間を圧縮できるらしい。おかげで召喚しながら奴を抑える目論見が崩れた」

 制限がもう少し緩ければ、この体調(コンディション)でも召喚に要する時間はもう少し短かったかもしれない。
 あるいは発動まで魔力(メダル)をプールしておけるのなら、まだ多少は動けるネウロもさやか達に加勢することで単純に的を増やし、戦線を維持できる時間を引き伸ばす手筈だった。
 そしてそもそも発動ができないなら、手元に残った魔力で別の手段を模索するのみ。
 そんな考えだったが、しかし実際には、どれも叶わなかった。召喚に要する時間は予想以上で、発動を終えてではなく先にコストを要求された。それもどんな悪徳か、ネウロに有無を言わさず根刮ぎメダルを持って行かれたのだ。
 切札中の切札であるからと、ここまで試し打ちもせず、制限を確認していなかったことが土壇場で響いてしまった。

 だが……それを補う手段があることを、ネウロは知っている。

「それで? 貴様もまさか、ただ世間話に来たわけではあるまい」

 そう――非常食とも見込んでいた、アンクという存在を。

334交わした約束と残した思いと目覚めた心(前編) ◆z9JH9su20Q:2016/08/21(日) 18:12:14 ID:UHAKG6eE0

 今、彼を殺してメダルを奪う余力すらネウロには残っていない。しかしアポロガイストを撃退しなければ先がないのは、おそらくは他の誰よりアンク自身だ。
 この危機的状況において協力を拒まれることはないと、ネウロは踏んでいたのだ。
 但し。

「……何枚だ」
「さあ。先程は十枚ほどの追加で一割は短縮できたが、この先も同じ比率とは限らん。そもそもが我が輩が干からびるほど燃費の悪い兵器であることを考えれば妥当なところなのだろうが……さてアンクよ、今は何枚余裕がある?」

 そう――そもそもアンクが提供できる限界値に達していれば、話は変わって来てしまう。
 未だに体を維持できているのなら、枯渇しているということはないはずだ。
 だがそこに余裕が無いのであれば。アンクに延命のために血肉を削る覚悟はあれど、それで死んでしまうような愚は犯すまい。

「……貴様のコア、アポロガイストに奪われているのだろう? あの虫頭ではない貴様は、どこまで保つ?」
「……さあなァ。少なくとも、今すぐ撃てるほど貸してやれそうにはない」

 案の定のアンクの返答に、しかしネウロも引くことはできない。
 限界があるなら、限界まで絞り取る――それがネウロの考え方であり、やり方であり、そしてこの場における唯一の活路である以上、譲歩することなどあり得ない。
 そんな風にネウロの意志が固まる横で、再びアンクが口を開いた。

「……だが、そいつを完成させるまで、おまえは使い物にならないんだったな?」
 溜息と共に漏れた言葉には、諦念――というよりはそれを装った何か別の感情が潜んでいる気もしたが、あいにくネウロはその手の機微には疎かった。

「あいつらだけじゃ手が足りないんなら、出し惜しみしたって俺まで死ぬだけだ」
 もう少し難儀するかと思ったが、意外にもあっさりと、アンクも覚悟を決めたようだ。
 いや、そもそもネウロに声をかけてきた時点で、アンクとてこの展開は予想していたのだろう。ならば覚悟など、とっくの昔に決まっていたに違いない。
 奥の手を見透かされていたことといい、ネウロはこの人外への評価を改める必要があると認識した。
 微かに愉悦の滲んだ笑みを漏らしていることを自覚しながら、ネウロはアンクに告げた。

「どの程度短縮できるのかはわからんが、使い物にならない者を徒に増やしても仕方あるまい。献上は意識の消える寸前で止めても許してやろう」
「てめぇ、状況が状況だからってなァ……後で覚えてろ」

 ネウロの物言いに顔を顰めながらも、怪人が魔人へとその異形の腕を差し出した、次の瞬間のことだった。

「――っ、さやかァッ!」

 アンクの切迫した叫びに振り返ったネウロが――アポロガイストの前で生身を晒すさやかの姿を、その目に収めたのは。






      ○○○      ○○○      ○○○      ○○○      ○○○       ○○○






 拳の打ち込みを潜り抜けられ、逆袈裟の反撃に姿勢を崩す。
 横合いから突撃していたエターナルをついでに牽制する翼の一振りで、重心の安定を欠いていたクウガはその身を宙に舞わせていた。

「……クソッ!」
 ダメージは軽い。それによるメダルの放出すらない程度でしかない。
 なのにこうも踏み止まれない身体の鈍さに、クウガに変身したままユウスケは臍を噛んだ。
 奴に操られていた間は、経験したことのないほどの力が身体に満ちていたというのに――今はそれを引き出すことができない。
 この身に植え付けられた力――笑顔を奪ってしまったそれを、笑顔を守るためには揮えない。

335交わした約束と残した思いと目覚めた心(前編) ◆z9JH9su20Q:2016/08/21(日) 18:13:14 ID:UHAKG6eE0

 苦い思いを噛み潰しながら、ユウスケはその足で走り出す。ナイフによる一撃をまたも楯に阻まれ、その隙に連撃を受けて防戦一方となったエターナルの元に駆けつけると、体当たりでアポロガイストを引き剥がそうとする。
 ……だが、ここに至っても、まるで神経や筋組織に異物が潜り込んでいるかのように、思うような力が出せない。

「ぬるいわ!」
 そうして手間取っている間に、アポロガイストの振り下ろした剣の柄で強かに背中を打たれ、更に崩れた先を膝で迎え撃たれる。
「ユウスケっ!」
 蹴り上げられたまま転がっているところを、守るべき少女の変身したエターナルに受け止められる不甲斐なさに、クウガは再び拳を握り締める。

「言っただろう。地の石に抗った反動と、矛盾した命令でアマダムの混乱した今の貴様では、私に勝つことなど不可能! 大人しく死を受け入れるのだ!」
「――っ、誰が!」
 反発して立ち上がるが、鈍った反動ではアポロガイストが構えた銃口から逃れきれず、放たれた炎弾に呑まれて再び後方へと身を運ばれる。

 地に叩きつけられるまで追撃がなかったのは、その間にエターナルがアポロガイストに突貫し、クウガの隙を庇ったからだ。

 だが、またしてもコンバットナイフによる攻撃は日輪の楯に食い止められ、その影から突き出された刃が肩口を掠める勢いのままにエターナルは後退する。
 後は繰り返しのように、広がった翼がエターナルを打ち据えるだけ――かと思われたが、アポロガイストは舌打ちを残し、その翼を停滞させた。

 ――同じ攻防の繰り返しの中で、しかしさやかは消耗より早く学習していたのだ。
 クウガが不調である分まで補おうとする気持ちと、残されたメダル量への焦燥が、彼女の攻め気を高め過ぎていることは、ユウスケにも見て取れていた。
 しかし初めての変身、慣れない武器で防御より攻撃を優先して勝てるほど、アポロガイストは甘くない。
 だから、彼女はかつて我武者羅なだけの攻めを諌められたことを思い出し――敢えて踏み込みを浅くして、反撃に備えたのだ。
 ここまでのパターン通りに、その追撃として翼が振り抜かれれば、更なる反撃としてそれを切って捨てられるように。

 しかし相手もさるもので、アポロガイストは寸前にそれに気づき、逆に距離を取られてしまった。
 再び火炎の嵐に見舞われるエターナルの元に駆け出そうとして、しかしクウガは一度冷静に立ち返る。

 居ても立ってもいられないのはさやかも同じだ。ユウスケよりも、目の前で大道克己を喪った彼女の方が、心に受けた傷も大きいはずだ。
 なのに、自分が耐えられないからと、我武者羅に飛び込むばかりで一体どうする。
 本当にそれしか手段がないなら仕方ない。だが、ひたすらに突撃を繰り返すしか本当に打てる手段はないのか、もう一度よく考えろ。
 克己の繋いだ希望を――さやかの奮戦を、無駄にするな。

「――――!」
 そうして突破口を見つけるべく、思考を巡らせたユウスケの脳裏に一つの賭けが閃いたのは……アポロガイストの強烈な一撃によってエターナルのメダルが枯渇し、美樹さやかがその生身を晒す寸前のことであった。






      ○○○      ○○○      ○○○      ○○○      ○○○       ○○○






 薙いで、打って、撃つ。
 爆炎を孕んだ剣閃を繰り出して、アポロガイストはエターナルを間合いの外に弾き出す。

「ぐぅ……っ!?」
「甘いと言ったはずだ小娘。貴様が仮面ライダーの力を得たところで、中身が貴様のような未熟者では意味など無いのだ!」

 確かにエターナルエッジによる攻撃は速さと回転数に加え、ハイパー化したアポロガイストの躯さえ貫くに充分な威力を兼ねた脅威そのものだ。
 だが間合いは短い。距離を詰めさせなければどうということはなく、左右の翼にアポロフルーレ、ガイストカッターと近中距離を制圧する攻撃手段を豊富に揃えた今のアポロガイストからすれば、それは実に容易いことなのだ。
 距離を詰めなければ何もできないのは、空いた手足の三本も同じこと。先程は防御ごと跳ね上げられたが、エターナルの打撃と言えど来るのがわかっていれば充分持ち堪えられる。
 そしてマントの防御だけに頼って距離を詰めようというのなら、攻撃しても無駄なのがわかっているのだから付き合うことなどせず、牽制でメダルを削りながら距離を取れば良い。
 文字通り足元を掬いに来ていたクウガも今は密着しておらず、視界の隅で常に動きを把握できている。
 邪魔が入ることもなくなった以上、アポロガイストにエターナルが攻撃を届かせることは叶わず、一方的に攻撃を受けるだけとなるのも当然の帰結だった。

336交わした約束と残した思いと目覚めた心(前編) ◆z9JH9su20Q:2016/08/21(日) 18:14:39 ID:UHAKG6eE0

 しかし、アポロガイストの繰り出す怒涛の攻めは、なおもエターナルを仕留めるには及んでいなかった。
 変身者である美樹さやかの、ゾンビ故の再生力は疾うに把握している。何度攻撃を浴びせたところでその動きに陰りは見られず、その持久力は間違いなく厄介であるとアポロガイストも認めていた。

 ――だが、それだけではないのだ。要因は。

 アポロガイストの一撃を、エターナルはローブで捌く。
 そう、捌く。
 正面から万全の防御として受け止めるのではなく、最低限の接触でメダル消費を抑えながら、攻防の転換のラグを最低限に抑えることができるように。
 それでも彼女の刃は未だアポロガイストに届くことはないが、徐々に、しかし着実に、その喉笛までの距離を縮めつつあった。

 ――最早美樹さやかのそれは、殺し合いが始まった直後の交戦時のように、自らの弱点を晒すような素人丸出しの戦い方とは違う。
 挙動に緩急をつけ、時には反撃のための誘いの隙を見せるなど……ほんの数分前と比べてみても、格段に戦士として成長しているのだ。
 変身直後の、感情に振り回された初撃はともかく。既に彼女を本気でド素人と罵ることはできまいと、アポロガイストも内心では認めていた。

 素人ではなくとも、未だ歴戦の精鋭とはとても言えないだろう。だがこの短時間で成長していく彼女のセンスを軽視することは決してできない。

 こちらがこれだけの好条件を揃えていても、変身者があの大道克己のままならば、おそらくエターナルはアポロガイストの呼吸を読んで喉笛を狙うこともできていただろう。
 もちろん経験の不足している今の美樹さやかに、繊細な洞察力があってこその大胆さを要求される技術を発揮することはできないが――この少女は、その大道克己の指南を受けた後継者なのだ。

 持久戦に持ち込めば、不死身のゾンビだろうと先にメダルが尽きるのは仮面ライダー達の方だ。
 だが逆を言えば、持久戦ではメダルが切れるまでこちらも彼らを仕留めることはできない……その短いはずの猶予で、エターナルが真の意味で復活することをアポロガイストは恐れていた。

「気味の悪いゾンビぶりだが、いつまで続くか見ものなのだ!」
 だからこそ。そんな焦りはおくびにも出さないまま、敢えて舌先に載せる言葉は実際の認識とは真逆のものを選んでいた。
 全てはさやかの油断を招き、焦燥を煽り、感情に惑わされた末に生まれる、勝負を決める隙を作らせるために。
 今この瞬間は安全であっても、成長の余地を与え窮鼠が猫を噛みかねない長期戦に持ち込むのではなく、急所の宝石を早々と打ち砕いてその芽を詰むために。

「……だったら!」
 そんな狙いを秘めながらも、表面的に続けるのは延々と距離を保つような消耗戦。それにエターナルも痺れを切らしたのか、ローブを前面に展開して再びの突貫を開始する。
 当然、それまでの繰り返しのように距離を稼ぎながらアポロガイストは飛び道具による牽制を重ねる。しかしエターナルはメダルの消費を惜しまず、更なる勢いで突っ込んで来る。
 追い詰められた彼女が勝負に出たのだと気づいたアポロガイストはそこで迎撃をやめ、更に距離を稼ぐことに専念する――のではなく、敢えて狙いに乗ることにした。
 エターナル=さやかにとってのみならず。これこそがアポロガイストの待ち望んだ、千載一遇のチャンスと見なして。

「喰らうが良いのだ!」
 数瞬の溜めの後、繰り出したのは特大の火炎弾。
 爆炎による破壊そのものは掲げられたローブに阻まれるも狙い通り、それ自体が死角となってエターナルの視野を塞ぐ――アポロガイストの姿を隠すのに、充分なほどに。
「――終わりだっ!」
 口端を歪めながら、アポロガイストは即座に身を運ぶ。こちらの攻撃を尽く無為化する絶対防御の暗幕、その背面へと。
 これまでの動き通り、距離を取られるものと予想しただろうエターナルの意表を突き、明確な隙となった瞬間を狙うためにローブの裏側に回り込んだアポロガイストは愛刀を構え――そして瞠目した。

「いないっ!?」
《――UNICORN!!――》

 明かさた暗幕の裏の空白に驚愕の声を漏らしたのと、上空からその電子音が降りて来たのは全くの同時。
 辛うじて視線だけを間に合わせれば、そこにはローブを脱ぎ捨てたエターナルが、拳を番え降って来ていた。
 アポロガイストにもどうしようもない、絶対防御のローブこそエターナルの切札――その認識を逆手に取られた。
 悪の大幹部との読み合いを制し、手玉に取ることができるほど彼女は既に成長していたのだと悟った時には、既に遅かった。

337交わした約束と残した思いと目覚めた心(前編) ◆z9JH9su20Q:2016/08/21(日) 18:15:43 ID:UHAKG6eE0

 勝負を終わらせるつもりで構えていたアポロガイストの隙を突き、最早防御の間に合わないところにまで翠の閃光と化した拳が肉薄していたのだから。

「やぁあああああああああああっ!!」
《――MAXIMUM DRIVE!!――》
「おぐぅっ!?」
 エターナルの繰り出した一撃は、咄嗟に身を捻るぐらいしかできなかったアポロガイストの横面を思い切り捉えた。
 首が取れるかと錯覚する一撃。兜が拉げ、左側の飾りが折れ、そして身体が宙を舞うで、しかしアポロガイストもただでは転ばない。
「舐めるなっ!」
 防御が間に合わないと悟った時点で、アポロガイストは既に反撃に意識を割いていた。結果として照準できたマグナムショットは、ローブを手放し、攻撃後の微かな隙を突いてエターナルを確かに捉えた。
 起死回生の博打に精魂を一度絞り尽くしていたエターナルは、焔を纏った着弾にもんどりを打って倒れ、そしてその白い装甲を消失させた。
 
「……小娘なりによく頑張ったと褒めてやりたいところだが、これで終わりなのだ!」

 今の攻防で、遂にメダルが枯渇したのだろう。あるいはそれ故の捨身だったのか。
 駆け引きに敗北しようとも、どんな形であれ生き残った者こそが勝利者――ベルトに触れることなく生身を晒した美樹さやかを目にした己にそう言い聞かせながら、アポロガイストは再びマグナムショットの銃口を向ける。

「――さやかァッ!」
 銃爪を引く一瞬前、アンクの絶叫が耳に入り、アポロガイストは微かに視線だけをそちらに向ける。
 見ればアンクが、またガイアメモリらしき長方形の物体と――気配でわかる、奴に残されていた最後のコアメダルを、さやか目掛けて投擲したのが確認できた。

(哀れな奴なのだ)
 いや、それとも幸運なのだろうか。
 コアの放出によって瞬く間に失われていくアンクの気配、結果として崩れて行く躯の様子を目にしながら――そこまでして救おうとした相手が吹き飛ぶのは、最早避けようがないことなのだと、アポロガイストは嘲笑とともに銃爪を引ききった。
 勝負は決まった。コアメダルの到達より、ハイパーマグナムショットの弾丸がさやかを砕く方が早い。それを見届けることすらできず、自らの感情を宿したコアメダルを間抜けにも死体の前に転がし、そのままアポロガイストの糧となる愚か者の無念を想像するのに浸ろうとして――

 突然、目の前が金色の闇で染まった。

「――っ!?」
「おぉりゃあっ!」
 忽然と現れたそいつは、凶弾と少女の間に割り込ませた己の肉体を楯として――しかし被弾した事実がなかったかのように。停滞することなく思い切り、アポロガイストの横っ面を殴りつけに来た。
 ガイストカッターの移動が間に合わなかったアポロガイストは、咄嗟に左の翼を即席の楯として構えた。勢いを削いでくれることを期待したそれはしかし、薄紙のように破られてアポロガイストの側頭部に拳の着弾を許す。
 残されていた兜飾りの片割れが砕け散るのを、音より早く伝わった衝撃で理解しながら。吹き飛んだアポロガイストは、穴の空いた翼の弾みを利用して何とか、それ以上の無様を晒さずに起き上がった。

「ば、馬鹿な……」
 未だ震れる頭を起こして、アポロガイストは視界に収まった敵手の姿に――先程の一撃で伝えられた力の程への驚愕を、辿々しくも口から漏らす。
「何故、貴様が既に回復を……!?」
「……おまえが教えてくれたおかげだ、アポロガイスト」
 早過ぎる、と毒突くアポロガイストに対峙して、それは――突如として本来の力を取り戻したライジングアルティメットクウガは、静かに滾る調子でそう答えた。

「俺の身体は石に逆らって消耗して、アマダムも二つの指令に混乱して……そこから元に戻るまで満足に戦えない。
 だから思ったんだ。だったら、俺が地の石を使えば良いってな――!」

 構える凄まじき超戦士から伝わる圧力に、アポロガイストは思わず身動ぎする。
 この迫力、そして先程の一撃、奴の言葉はハッタリではない――!

 成程、地の石からの指令と小野寺ユウスケの意志の乖離がアマダムの混乱の元ならば、それを統一すれば解消されるというのは道理だ。
 だが、しかし――使えば良いと言った割には、どこにも地の石を身につけている様子はない。そもそもあれは、憎っくきアンクの放った凶弾で破壊され――

338交わした約束と残した思いと目覚めた心(前編) ◆z9JH9su20Q:2016/08/21(日) 18:17:40 ID:UHAKG6eE0

 そこでアポロガイストの脳裏を、一つの仮説が閃いた。

「貴様――まさか、地の石を取り込んだのかっ!?」

 究極の闇から零れ落ちたのゲブロンの破片を取り込んだグロンギや、二つのキングストーンを揃えた創世王のように。
 あれらの霊石が持つ、他の霊石と同調する能力を持って――地の石の残骸を、アマダムが取り込んだとすれば。
 二つの石が等しく小野寺ユウスケの物となれば、反発していたはずの霊石の力まで合一して取り込むことで、肉体の負担さえも緩和される。

 しかし……口は災いの元だったと悔やむとともに、本当にそれだけでライジングアルティメットに大ショッカーが埋め込んでいたセーフティが突破されたのだろうかと、微かな疑問がアポロガイストの脳裏を掠める。
 筋は通っている。しかしそれだけで、果たして消耗に回復が追いつくのだろうか。
 あるいは他にも、何か。地の石以外にも、彼奴のアマダムに影響を与えた何かがあるのではないかと。

 先程までの闇色とは異なり、金色に輝くアマダムの様子に気づいたアポロガイストはそんなことを考えたものの、それ以上悠長に構えては居られなかった。

「行くぞ!」
「く――っ!?」
 微かな思考の彷徨から帰還する前に、クウガは肉薄を開始していた。
 距離を詰めさせまいとするマグナムショットの一撃。しかしそれが、この凄まじき超戦士に通じないことは先刻証明されている――!
 当然のように、灼熱の弾丸を無造作に叩き落としたクウガは足を止めることなく懐に潜り込む。発砲の反動でやや跳ね上がっていた銃身を容易く掴み上げられ、アポロガイストは手首ごと持って行かれるかという悪寒を覚え、しかしすぐにそれを杞憂と悟った。
 何故なら代わりに、金属が爆ぜる不快な音が響いていたことに喫驚するハメとなったのだから。

「き、貴様――っ!」
 愛銃を奪い取るよりも早く、掴んだ勢いのまま軽々と握り潰された畏怖に声を震わせるアポロガイストは、続く一撃を咄嗟にガイストカッターで受け止め、切れなかった。楯を構えることは間に合っても打撃の威力に押され、そのまま胸と顔面にガイストカッターを減り込ませてしまっていたからだ。

 目の奥で散る火花が視界を封じて、一瞬の暗転。後頭部と脚部に感じる鈍い感覚は、それぞれを一度ずつ打っていた証左だろう。
 勢いのまま後方に一回転して、偶然にも元通り立ち上がった状態に戻れていたアポロガイストは、痺れが残る左腕を持ち上げるのが間に合わないのを直感的に理解して、空いた右手にアポロフルーレを握り込んだ。
 ――握り込んだ時には、やはりクウガは眼前に出現していた。

「っ!」
 焔を纏わせた刺突は、易々とエルボースパイクに払われる。そのまま流れるような手刀に右手を襲われ、アポロガイストは愛刀を取り零す。
 無手になったことを度外視しても、ここまで距離が詰まれば、後は速さと回転数に優れる徒手空拳の独壇場。そしてその土俵において、今のクウガに敵う者など――っ!

 咄嗟に後退しようとした足を、上からの激烈な踏みつけで大地に縫い付けられ。逃げ場を失くしたことを悟ったアポロガイストの背を氷塊が滑り落ち、その肩に。

 脇に、顎に。
 腹に、胸に。
 鼻っ面に。

 一息吐く間もなく突き刺さる猛烈なラッシュが、一撃ごとにアポロガイストの鎧を凹ませ、亀裂を走らせ、砕け散らせる。

 六発目で一度クウガの攻勢が途切れたのは、一つ一つがマキシマムドライブに相当する打撃の威力に踏みつけの拘束が耐え切れず、クウガ自らアポロガイストを追撃の届く距離から打ち出してしまったためだ。
 だがそれでは終わらないということを、アポロガイストはよく知っている。

「はぁああああああああ……っ!」

 残り僅かだったメダルを、アポロガイストに放出させることで逆に回復したクウガは、その拳に烈火を灯す。
 それはアポロガイストが圧倒された近接戦でも持ち堪えていたあの大道克己や、ネウロが召喚した魔界生物すら葬った必殺の一撃。
 ライジングアルティメットナックル。

「うおぉりゃぁああああああああああっ!」
 爆発的な踏み込みで距離を詰めたクウガの拳の一撃に、何とか迎撃に間に合わせたガイストカッターが、四散する。
 ライジングアルティメットナックルを前に、握っていた左腕ごと太陽を模した楯は砕け、散り散りとなって闇に葬られる。爆ぜるように腕の取れた勢いのままアポロガイストは後方に飛ばされていたが、しかしそれは僥倖だった。

339交わした約束と残した思いと目覚めた心(前編) ◆z9JH9su20Q:2016/08/21(日) 18:18:20 ID:UHAKG6eE0

「……メダルを切らしおったな、馬鹿めがっ!」
 罅割れた仮面の下の表情は、未だ余裕がなく凍結したまま固まっていても。本来ならばこの体そのものを砕かれていた一撃が届く前に、生身を晒してしまった小野寺ユウスケを狙って、アポロガイストは火球を飛ばす。

《――ETERNAL!!――》

 しかし逆転のための一撃は、夜闇を切り裂いて現れた、蒼白い光に遮られる。
 それを為したのが何者であるかなど、最早考えるまでもない。
 アンクから与えられたコアメダルを使って再変身した美樹さやか――仮面ライダーエターナル。
 先程己がクウガに救われたように。今度はエターナルが、メダルを得たことでその真価を取り戻したあの絶対防御のマントで以て、グリードの放つ猛火を完全に防ぎきっていた。

「小娘……っ!」
「――これで、終わりだ!」

 目前の勝利を阻まれる――その再演を歯噛みするアポロガイストに、今度は仮面ライダーが勝利宣言を叩きつけた。

《――ETERNAL!! MAXIMUM DRIVE!!――》

 マキシマムドライブ――名前の通り最大出力に達したガイアメモリのエネルギーが、エターナルの全身へと伝播されて行く。
 そしてエターナルが一度に発動できるマキシマムは、一本だけではない。

《――JOKER!! MAXIMUM DRIVE!!――》
 アンクが投げ渡していた新たなガイアメモリもまた、エターナルの手でその真の力を起動する。
 全身に拡散していたエターナルの蒼白いエネルギーが、ジョーカーの放つ紫電によって導かれ、エターナルの足元へと帯雷して行く。

「だぁああああああああああああああっ!!」

 討つべき悪を目指し、吹き荒れる雷嵐を従えて、エターナルが宙に跳ぶ。高々と、力強く。
 それはまるで、左翔太郎と大道克己――同じく風都の希望たる仮面ライダーでありながら、在りし日に相容れることは遂になかった二人の力が今ここに合わさったかのような、ツインマキシマムのライダーキック。
 悪を駆逐するそれを名付けるならば、そう――死神の鎮魂歌(ジョーカーレクイエム)。

「りゃあああああああああああああああああああっ!!」

 黒白の螺旋を描く両足は、アポロガイストが迎撃に放った火球を易々と貫き、二枚を重ね最後の守りとした両翼さえも突き破る!

「ぐぬぁっ!?」

 そうして到達した両足は、アポロガイストの胸郭を踏み砕き――そこから膨大な稲妻を体内に流し込んだ。
 全身の内で莫大な電圧が荒れ狂い、灼き尽くす。圧倒的な力の炸裂に耐え切れず、アポロガイストは弾かれたように吹き飛ばされた。

「お……おのれエターナルッ!」

 立ち上がった瞬間、膝が折れる。致命傷を受け崩れ行く肉体は、限界を迎えたことを告げていた。
 だが、そのまま敗北を受け入れることをアポロガイストの矜持は認めなかった。

「……これで勝ったと思うな。私は必ず、宇宙で最も迷惑な存在として蘇ってやる……っ!」
「だったらまた倒してやる。克己の祈りを受け継いだあたしや、あたしの次の他の誰かが、そのたびに!」
 崩壊までの、わずかな猶予を振り絞って吐き出されたアポロガイストの捨て台詞を、即座にエターナルは切って捨てた。

「あんたの思い通りになる時なんか、もう二度とやって来ない――永遠に!」
 先代となる男を喪った事実を受け止めた上で、それを二度と繰り返させないと、決意を表明したエターナル=さやかは、その左手の親指を下に突き出した。
「だからあんたは、せいぜい……地獄を楽しんできな」

 別れの言葉を告げられた次の刹那――ハイパーアポロガイストの肉体は遂に限界を迎え、爆散した。

340交わした約束と残した思いと目覚めた心(後編) ◆z9JH9su20Q:2016/08/21(日) 18:19:44 ID:UHAKG6eE0





 ――――その瞬間、アポロガイストは己の身に起きた全てを悟り、歓喜した。

(――ならばその永遠、今この場で断ち切ってくれるのだ、美樹さやか!)
「な――っ!?」

 ハイパーアポロガイストの肉体が爆発したと同時、飛び出したコアメダルは明らかに爆風に煽られたのとは異なる機動を見せた。
 それもそのはずだった。今となってはそのクジャクのコアメダルこそが、悪の大幹部アポロガイストの意識を宿した、本体と呼ぶべきものだったのだから。
 明らかに死したはずの男の声を聞き、流石に動揺を隠せないでいるエターナル目掛けて、クジャクコアと化したアポロガイストは飛翔する。

(貴様の肉体を奪い、直ちに復活してくれる!)
 アポロガイストは、自らの肉体が滅び、コアメダルのみとなったことにより、グリードとしての性質を理解した。
 グリードの肉体は欲望の塊であるオーメダルで構成される。
 しかし自分がハイパーアポロガイストへと変じてみせたように、人間の身体もまた、メダルの代用品として機能する欲望の塊なのだと。
 そしてグリードの身体はコアが抜ければそれを形作る結合力を失い、ただのメダルの集まりへと解けてしまうが――アンクのコアメダルが全て抜けた後も、あの体は残っていたことを爆発の直前、確認していた。

 故に肉体が破壊されながらも残された自意識は、即ちその意味すること――グリードは人間の肉体を奪い、活動できる事実を知った。
 消滅することのないコアメダルに意識を宿し、何度でも肉体を新たにできる――自らがあれほど恐れた死の支配を、完全に克服した巨悪となったのだと!

(やはり私は――貴様らにとって大迷惑な存在なのだっ!)



「――まったくだな。だからここでご退場願おう」



 その声と共に、アポロガイストの意識に『線』が走った。

(あっ――?)

 満ちていた活力が漏れ出して行くような感覚に襲われたアポロガイスト=クジャクコアは、それまでの勢いを失い停滞する。
 その全体に、無数の境界線を走らせながら。

(バカな……コアメダルは、破壊不可能のはず……っ!?」
「生憎だが、ただ斬ったという結果のみを造り出すこの剣の前では、そんな事実に何の意味もない」

 静かに嘲弄するような、嗜虐心に富んだ声――その主の正体を悟り、アポロガイストは切り裂かれた意識だけで絶叫する。

(キ……サマ……脳噛、ネウロォオオオオオオオオッ!)
「魔帝7ツ兵器(どうぐ)、“二次元の刃(イビルメタル)”――貴様如きが拝謁できた栄誉を、その脳髄に刻むのだな」

 傍らに立つ魔人の宣告と同時、彼の揮った無敵の刃に囚われ不自然に停止していたコアメダルが、線に添って分断されて行く。

「おっと。刻むべき脳髄ももうなかったな」
(まさか……私が、死……)
「違うぞアポロガイスト。貴様が迎えるのは死ではない」

 そうして用を成さぬただの破片、それ以前の単なる『欲望』の残滓へと完全に溶けてしまう直前。消滅までの刹那に残された猶予に、アポロガイストは愉悦に満ちた魔人の声を聞いた。

「おまえはもう、コアメダルというただの『物』。死ぬのではなく、消えるだけだ……その意識ごと、永遠にな」
(な、お……いっ)

 残忍な宣告に何かを言い返そうとしたところで、彼の声は途切れた。

 それ以上、意味のある言葉すら残せずに――バトルロワイアル参加者にとって大いに迷惑な存在であり続けた大ショッッカー大幹部・アポロガイストの意志を宿したコアメダルは、完全に消滅したのだった。





【アポロガイスト@仮面ライダーディケイド 消滅】







「――よく働いたな、サヤカ」

 アポロガイストの最期の抵抗――コアメダルの襲来を砕いたネウロが顔だけをこちらに向けて、そう口を開いていた。

「犠牲は伴ってしまったが……一先ずは、我らの勝利だ」

 ――終わった。

 自らに言い聞かせるようなネウロの声を聞いて、そう思った途端。さやかはエターナルの変身を解くと同時に、その場に腰を落としていた。
 誰よりボロボロで、体の表面から皮膚の破片を零し続けて、今にも倒れてしまいそうなネウロが立ったままだというのに、思わず倒れ込んでしまっていたのだ。

「あたしはあいつを……殺した、んだね」

 そうして、最初に口から零れたのは――敵を討った喜びではなく、生き残った安堵でもなく。
 最期の瞬間、敵の残した悲鳴で直視した、そんな事実の再認だった。

341交わした約束と残した思いと目覚めた心(後編) ◆z9JH9su20Q:2016/08/21(日) 18:21:01 ID:UHAKG6eE0

「……気にすることはない。奴にトドメを刺したのは我が輩だ」

 それが事実とはいえ、この状況下においてはいっそ間抜けですらあるようなさやかの呟きに、しかし意外にもネウロは真摯な様子で応えた。

「そして我が輩、実は極力『殺人』は避けている。どんな人間であれ、生きてさえいればまた『謎』を作るかもしれんからな」

 ネウロは足元に転がる、かつてハイパーアポロガイストの肉体を構成していたメダルを拾い上げ、それを指先で弄びながら続ける。

「だが奴は既にグリード……本性はただのメダルだった。大道克己とは違う、本当にただの『物』でしかない害悪だった。だから排除したに過ぎん」
「それは……そうだけどさ」

 時折間抜けな姿を見せることはあっても、自らを悪と謳い我欲に生きるアポロガイストは徹頭徹尾、もしかすれば、魔女以上に邪悪だった。
 奴は自分達を殺そうとして来て、事実克己の命を奪った。そのことについて憎しみも恨みもあり、それを忘れる必要だってどこにも在りはしない。
 改心させることなど不可能だった。ここで殺してでも止めなければ、この先もっと大勢の犠牲者が出ていたことも疑いようはない。

 ――それでも、人の形をした、意思疎通の可能な相手に対し、一線を越えたことは初めてだったのだ。

 間違ったことをしたつもりはない。だとしても、正しいと信じることを押し通すために暴力に訴え、時には相手の生命を絶たねばならないということ。
 それが、存外、堪えるものなのだということを――さやかは漸く、実感していた。
 かつて、佐倉杏子との戦いを殺し合いなどとまどかに語っていたが、あの時はきっとこんな痛みなど、わかってはいなかっただろう。

「ヤコもそうだったが……難儀だな、ニンゲンという種族は」

 今度はアポロガイストの遺した首輪を回収しながら、やれやれとネウロが嘆息した。

「しかし、そこまで似た姿形をした物を壊すのが気に病むというのなら……まぁ、まず我々の余裕ができてからの話だが」
「――うん、考えておく」

 ネウロが言わんとすることを察して、先んじてさやかは首を斜めに振った。
 ――悪人だろうと、その命が喪われることは悲しいことだと今は思う。
 だけど、それがこの先、魔法少女として、仮面ライダーとして、正義の味方として戦っていく上で足枷となる、単なる甘さではないのかと……そんな不安が、なおもさやかに躊躇を覚えさせていた。
 しかし、それでも――佐倉杏子に向ける感情が、確かに、心変わりし始めている己を、今はさやかも自覚していた。

「そうか。なら構わんが……あの男を継ぐというのなら、貴様には立ち止まる時間とやらはないはずだぞ、サヤカよ」

 それだけを言い残し、今度はユウスケの方に進むネウロの傷だらけの背中を目の当たりにして。
 自分が喪ったものを、彼もまた奪われながら――なおも歩み続けようとしていることを理解して、さやかは迷いを払うように首を振り、立ち上がった。

「……わかってるよ」

 まどかも、仁美も。克己も、ガタックゼクターだって。
 色んな人が、色んなものを自分にくれた。
 だからこの胸の痛みさえも、保証して貰えた人間の証として受け止めて。
 それを全部受け取って、自分は前に進まなければ。
 いつかそれを受け継ぐ誰かのために、未来を描いてみたいから。






      ○○○      ○○○      ○○○      ○○○      ○○○       ○○○






「……ということだから、教会にも今、殺し合いを止めようとしている人達が集まってる」

 暫しの後。
 ネウロに命じられた、アポロガイストの残していったオーメダルの回収を終えたユウスケは、その最中から続けていたこれまでの経緯を、簡単ながらにさやかに語り終えていた。

「セイバーちゃ……さんも、千冬さんも、グリードにも負けないような強い人達だ。よっぽどのことがない限り、無事だと思う」

 そのよっぽどのことを、さやか達の身に降りかからせた張本人が己であることを自覚しながら、ユウスケは力強く断言した。
 誇り高き仮面ライダーであった、大道克己の命を奪った罪――自分自身がそれを許せなくとも、気に病むような素振りだけは、せめてさやかの前では晒すまいと心に決めながら。

342交わした約束と残した思いと目覚めた心(後編) ◆z9JH9su20Q:2016/08/21(日) 18:21:45 ID:UHAKG6eE0

「えっと……『全て遠き理想郷(アヴァロン)』だっけ。衛宮切嗣って人が治療に使ってるの」

 ユウスケに散らばったメダルを集めろ、と命じたネウロ自身は、今この場には居ない。
 コアメダルを一枚渡したところで、確認することがあるから引き続きメダルを回収しながら暫く待っていろと言い残し、早々に南東の方へと向かってしまったのだ。
 何をしているか気になるが、さておき。結果今は、気絶したアンクを除けばさやかと一対一。故に簡潔に留めた内容だったが、その中からもさやかは必要な情報を取捨選択し、必死に思考を束ねていた。

「どんな傷でも治せる伝説のアイテム……それがあれば」
「ああ、もし今のアンクが大変な状態だとしても、元に戻せるかもしれない」

 言い終えると共に、ユウスケは腰掛けた自分達の間に横たわったアンクに視線を向ける。
 さやかを助けるために、その身を削った――キバの世界に生きる多くのファインガイア同様、人間と共に生きる怪人に。

 彼に対しても、操られる以前からユウスケは酷いことをしてしまった。目覚めれば居心地の悪さが増してしまうだろうが、逃げるわけにはいかない。
 しかし、さやかの窮地に託したメダルが、彼の持つ最後のコアメダルだったようで……彼らにとっての生命そのものであるメダルを一度全て吐き出したアンクの意識は、今も戻ることがなかった。

 色が抜けるのとは逆に、金から黒に染まっているのだが――髪の色が変わるほど衰弱しているのは只事ではないと、グリードをよく知らないユウスケにも予想できた。
 グリードの血肉がオーメダルだというのなら、一度バラバラにされた物を戻されたところで果たして治癒できるのかは定かではないが、そこは怪人の生命力を信じるしかない。

 本当なら手持ちのメダルを全て彼に渡したいところだが、この状況では彼の護衛も含め、戦闘用にメダルを確保しておく必要がどうしてもあった。
 改めて忌々しい制限だと、ユウスケは臍を噛む。

「あっ、いや……それはそうなんだけど……そうじゃなくて」

 しかし、何故かさやかは言い淀み、視線を泳がせた。
 アンクを心配していない、というわけではないだろうし、そう思われたいわけでもないはずだ。
 理由を推察する前に、さやかは一つ小さく咳払いする。

「とにかく。ネウロが戻ったらあたし達もそっちにお邪魔しても良いかな、ユウスケ。ネウロが何考えているかわかんないけど、元々行く宛もなかったし」

 何かを露骨にはぐらかされたのを感じながらも、それが自分との距離を置きたい故でなかったことに、回答することに安心を伴ってユウスケは頷いた。

「ああ、こちらこそ。きっと皆歓迎してくれるよ」

 今は、互いに表面を取り繕ったままでも。
 同じ思いを残された、同じ結末を願う者同士なら、きっと手を取り合えると信じて。







      ○○○      ○○○      ○○○      ○○○      ○○○       ○○○






「そろそろ手を離してくれないかな」
「おや、何故だ? これまでの疲れを思えば、自分で歩かずに済むなど快適だろうに」

 己が五指で掴み、ぶらぶらと振り回していた白い塊が発した抗議の声に、ネウロは嗜虐心も隠さずすっとぼけた。

「爪が食い込んで痛いじゃないか」
「また、勝手に逃げられても困るのでな。まぁ暫くは我が輩の奉仕をありがたく受け取っておけ」
「こういうのは奉仕じゃなくて、虐待と言うんじゃないかな」

 E-4で回収した、自らの支給品だったインキュベーターと懐かしい調子の会話を交わしながら、ネウロは気分良く夜道を歩いていた。
 もちろん、インキューベーターと仲良く散歩することが目的ではなく、ウヴァを追う手掛かりであるこの異星獣を確保することが当初の予定だった。
 しかしもう一つ、確認すべき――否、確認できる事柄が増えたために、ネウロは少しだけ、さやか達への直線から逸れたルートを進んでいた。

343交わした約束と残した思いと目覚めた心(後編) ◆z9JH9su20Q:2016/08/21(日) 18:23:21 ID:UHAKG6eE0

「ところでインキュベーターよ」
「何だい?」
「ウヴァはディケイドとやらに倒された際、全身がメダルと化してバラバラになったのか?」

 更に別件として。先程目にしたアポロガイストの最期を思い返しながら、ネウロはインキュベーターに問いかける。

「そうだけど、それがどうかしたのかい?」
「こちらのことだ」

 そのように返答しながら、ネウロはもう一人のグリード――“全てのメダルを吐き出しながら”人型の肉体を形成したままの個体を思い返す。

「なるほど。だからウヴァの情報を売ったわけか」

 それが意味するところを、ネウロとの交渉材料にする際、即理解を促すことができるように。
 手に持ったキュゥべえにも聞こえないほど小さな声で呟いた後、ネウロは目当ての物を見つけていた。
 左手でインキュベーターを捕らえたまま。空いた右手で必要な操作を行い、目当ての画面を呼び出す。

「ふむ。やはりルールブックに記載がなかったとおり、認証する首輪はその状態を問わないようだな」

 呟くネウロの右手に握られていたのは、アポロガイストが身に着けていた首輪。
 彼の全身がメダルに解けた際に脱着できたそれをネウロは回収し、ATMと認証させていたのだ。
 先程口に出して確認したとおり、ルール上では首輪は参加者が装着しているかどうか、生存しているかどうかをATMとの認証条件に含んでいなかった。

「貯金はない、か……まぁ計画性のなさそうな男だったからな」

 まずはアポロガイストの残高を確認してみたが、残念ながら回収できるメダルはなかった。
 とはいえ、口に出したとおり想定の範囲内であり、本命はそれではない。

 ネウロがここに立ち寄った真の目的は、殺害数ランキングの閲覧にあった。
 アンクがさやかにコアメダルを託し、結果として結合力を失い吐き出されたセルメダルを回収できたおかげで「二次元の刃」で自律行動していたアポロガイストのコアを仕留めることができたネウロだが、肉体を破壊したわけではなく、メダルを砕いただけの己が殺害数ランキングの閲覧権を取得できたのかは確証が持てなかった。

 しかし、確実に大道克己を殺害したと言える実績を持つアポロガイストならば、その権利を確実に取得していると予想できた。
 故に、この首輪を使うことで――魔法少女であるさやかの精神的負荷をある程度コントロールできる状態になるよう、先んじてこれまでの犠牲者と加害者の関係を把握できるとネウロは踏んでいたのだ。
 そして、その読みは見事的中し――ネウロは無事に、バトルロワイアル中の殺害記録というこの上ない情報に辿り着くことができていた。

 画面を開いたネウロは、早速飛び込んできた名前から優先度の高い情報をピックアップして行く。

「――門矢士、というのはウヴァを倒した男だったな?」
「そうだね。どうかしたのかい?」

 ATMの画面を覗き込めない位置で宙吊りにされたインキュベーターの問いを黙殺し、ネウロは思考を巡らせる。

 アンクが――おそらくは人格を含め、戦力としてアテにできると言っていた伊達明は、門矢士が殺め。
 さやかの友人の内、鹿目まどかがカオスという参加者に葬られていた。

 更に半日前に、志筑仁美はシックス率いる「新しい血族」の一人――葛西善二郎の手にかかり、
 そして、ネウロが救えなかったノブナガは、やはりあのウヴァによって命を奪われていた。

「……」

 この内、ネウロにとって重要なのは、グリードであるウヴァを倒し、メズールをも屠った門矢士――タイミングを鑑みれば、ある重大な可能性が見えてくる人物のことだ。
 即ち、前回の放送までの間にグリードを倒した唯一の参加者――その間に砕かれたコアメダルを破壊した、張本人である疑いの強い参加者。

 勿論、砕かれたのがウヴァかメズールが有していたコアメダルとは限らない。先程アポロガイストのコアメダルをネウロが破壊したように、他の参加者が手にしていたメダルが破壊された可能性も考慮できる。
 しかし、主催者が複数形で呼称した、コアメダルを破壊できる者達……その放送の後まで確証がなかったネウロ自身と、オーズこと火野映司以外にも存在する場合、真っ先に候補に挙げられる名であることは間違いないだろう。

 コアメダルを破壊しないかぎりは、グリードは何度でも蘇る――そのしぶとさは先程、後天的なグリードであるアポロガイストが(頼んでもないのに)存分に見せつけてくれた。
 しかしネウロがコアメダルを破壊するのは、あまりに燃費が悪すぎる。「二次元の刃」はおそらく、その時ネウロが保有する全魔力(メダル)を強制的に吸い上げて召喚に要する時間を削るという制限をされているのだから、一撃ごとにガス欠になってしまうのだ。

344交わした約束と残した思いと目覚めた心(後編) ◆z9JH9su20Q:2016/08/21(日) 18:24:31 ID:UHAKG6eE0

 故に、可能であればグリードへのトドメはネウロ自身が身を削るより、他に存在するコアの破壊者達に委せる方が好ましいと、ネウロは考えていたのだ。

 だがそこで問題となるのは、アンクの言が正しければ、確実にコアを破壊できる存在だという火野映司は殺し合いに乗っているということであり。
 もう一人のコアの破壊者として有力な候補である門矢士もまた、伊達明を殺している事実を、どう受け止めるべきかということだろう。

 得られた情報から考察を進めながら、画面をスクロールしていったネウロは――その表情を一瞬にも満たない刹那、硬直させた。
 そしてそれを緩やかに歪め、嗜虐的に嗤う。

「おやおや。さてこれは……」

 弄ぶように思案する、ネウロの視線の先にあるのは――ランキングに記載された、『アンク』の名前と。
 彼のスコアとして並んだ、左翔太郎とアストレア――火野映司の手によるものだと、アンクが語っていた犠牲者二人の名前だった。






      ○○○      ○○○      ○○○      ○○○      ○○○       ○○○






「……起きないね、アンク」

 ネウロの帰りを待つ間。ユウスケとのある程度の情報交換が終わってしまえば、気まずさから互いの口数が減ってしまったことに耐えかねたさやかは、何度目かになるアンクの話題に挙げていた。

「このままじゃ、教会は遠いよね……」
「……確かに、背負ってだと遠いかな」

 現在地からすれば、直線距離で20km弱。禁止エリアは迂回することを考えれば、一般的な歩行速度では次の放送まで掛かってしまう。
 そこに、意識がないアンクを背負っての移動という条件が加われば、教会組との合流は夜が明けてからになりかねない。
 無論、会場中に設置されたライドベンダーを使えば、そんな問題も即解決する……のだが。

「……四人乗り、は無理があるか」

 ユウスケに提案に、さやかは無言のまま頷く。
 かと言ってアンクは気絶中であり、さやかは仮面ライダーを継いだと宣いながらも、単車の免許は取得していない。
 単に無免許運転なだけなら、今の状況なら逮捕されるということもないだろうが……いきない二人乗りで、となれば事故が怖い。
 かと言ってネウロに運転して貰うというのは………………………………何だか怖い。

 まともに運転できるのがユウスケだけ、という状況が意外にも厄介である事実に、さやかは重い溜息を零した。

 ――そして、ふと。どうしても脳裏を過ぎった想いに釣られ、少しだけ深度を増した思考へと沈み込む。

(……やっぱりあたし、いろんなことを克己に頼りきってたんだ)

 移動手段一つ考えても、彼のことを思い出してしまう。
 ……考えてみれば、ユウスケとの二人乗りを無意識に思考から外していたのも、きっとそのせいなのだろう。頭ではわかっていても、心の深いところがまだ受け入れられていないのだ。

 たったこれだけのことで、二度と埋められない喪失を、再認識してしまう。
 終わってみれば、わずか半日――たったそれだけを共に在っただけの、仲間。
 それでも彼はきっと、さやかの人生の中でも大きなモノをくれた人だったのだろう。

 その彼は、もう、自分達の記憶の中にしか居はしない。
 それはとても悲しいことで、寂しいことで。
 けれど、大切なことでもあるのだと、今のさやかには自然と理解できていた。

(……大丈夫だよ、エターナル。あたしはあの約束、絶対に忘れないから)

 時の経過に削られて、いつかは風化してしまうかもしれない大切な記憶(メモリ)を、さやかは強く握りしめる。
 例えその外観が損なわれたところで。託された物を、決して取り零すことがないように――足掻いてみせる。

 とりあえず。いつか距離は詰めるとして、ユウスケにはアンクを任せ。不安が一杯でも、ネウロに運転を頼み込んでみようかと……そんなことを考えていた、最中。
 足元の方でもぞもぞと、何かが動く気配があった。

「あっ、アンク。目、覚めた?」

 さやかの問いかけに、黒髪のままのアンクは小さく首を振って立ち上がる。
 それから己を見たアンクの顔に、さやかは少しばかり目を丸くした。
 全く同じ顔なのに――まるで別人かと疑うほど、印象がガラリと変わっていたのだ。
 ただ、髪の色が変わっただけではなく。全く同じ輪郭でありながら、随分柔和な顔立ちへと。

「……はじめまして、二人とも」

 アンクはその顔のまま、さやか達の知らない口調で喋る。
 そうして彼は、少し困ったのか、はたまた照れたようにして、はにかみながら。

345交わした約束と残した思いと目覚めた心(後編) ◆z9JH9su20Q:2016/08/21(日) 18:26:01 ID:UHAKG6eE0

「俺は……泉、信吾です」

 さやか達の知らぬ名を、その口から名乗り上げていた。






【二日目 深夜】
【F-3(北東端) 市街地】



【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
【所属】青
【状態】健康、決意、杏子への複雑な感情、Xへの強い怒り
【首輪】30枚:0枚
【コア】シャチ(放送まで使用不可)、ワニ(放送まで使用不可)
【装備】ソウルジェム(さやか)@魔法少女まどか☆マギカ、NEVERのレザージャケット@仮面ライダーW、T2エターナルメモリ+ロストドライバー+T2ユニコーンメモリ+T2ジョーカーメモリ@仮面ライダーW
【道具】基本支給品、克己のハーモニカ@仮面ライダーW、ライダーベルト(ガタック)の残骸@仮面ライダーディケイド、克己のデイパック{基本支給品、NEVERのレザージャケット×?-3@仮面ライダーW、カンドロイド数種@仮面ライダーOOO}
【思考・状況】
 基本:克己の祈りを引き継ぎ、正義の魔法少女として悪を倒す。
  0.泉、信吾……?
  1.ネウロが戻ったら、情報交換をしながら教会を目指したい。
  2.アンク達と一緒に悪を倒し、殺し合いを止める。
  3.佐倉杏子のことは……
  4.克己やガタックゼクターが教えてくれた正義を忘れない。
  5.T2ガイアメモリは不用意に人の手に渡してはならない。
  6.マミさんと共に戦いたい。
  7.少なくとも、暁美ほむらとは戦わなければならない。
【備考】
※参戦時期はキュゥべえから魔法少女のからくりを聞いた直後です。
※ソウルジェムがこの場で濁るのか、また濁っている際はどの程度濁っているのかは不明です。
※回復にはソウルジェムの穢れの代わりにメダルを消費します。
※NEVER、グリード、ネウロ関係に関する知識を得ました。
※アンク、ネウロが魔女について知っている事は知りません。
※佐倉杏子の、アンクから伝え聞いたこの場での活躍と、自身の見た佐倉杏子の差異に困惑しています。
※エターナルの制限については、第81話の「Kの戦い/閉ざされる理想郷」に続く四連作を参照。
※T2エターナルメモリがさやかにとっての『運命のガイアメモリ』となりました。メモリ使用の副作用はありませんが、他のT2ガイアメモリでの変身が困難となりました。
※T2ユニコーンメモリはエターナルメモリにさやかの『運命のガイアメモリ』の座を譲りましたが、ユニコーンにとっても適合率が最も高い人物は引き続きさやかのままです。


【アンク(泉信吾)@仮面ライダーOOO】
【所属】赤・代理リーダー
【状態】ダメージ(大)、疲労(大)、覚悟(アンク)、仮面ライダーへの嫌悪感(アンク)、『王』への恐怖と憎悪(アンク)、さやかと克己のやり取りへの非常に強い興味 (アンク)、気絶中(アンク)、覚醒(泉信吾)
【首輪】20枚:0枚
【コア】タカ(感情A・放送まで使用不能)、クジャク(放送まで使用不能)、コンドル(放送まで使用不能)、パンダ(放送まで使用不能)
【装備】シュラウドマグナム+ボムメモリ@仮面ライダーW
【道具】基本支給品×5(その中からパン二つなし)、ケータッチ@仮面ライダーディケイド、大量の缶詰@現実、不明支給品1〜2
【思考・状況】
 基本:???
  0.???
【備考】
※本編第45話、他のグリード達にメダルを与えた直後からの参戦
※翔太郎とアストレアを殺害したのを映司と勘違いしています。
※参加者毎に参戦時期の差異が生じることに気づきました。
※ネウロにコアメダルを破壊することができる能力があると推察、警戒しています。
※『王』と真木の結託に何かしら裏があり、それが主催陣営の弱点になるかもしれないと予想しています。
※「泉信吾の肉体」とコアメダルの融合が一度解除されました。またタカ(感情A)のコアメダルから色が失われたせいか、泉信吾の意識が回復し主人格となりました。アンクの意識がどのような条件で回復するのかについては後続の書き手さんにお任せします。

346交わした約束と残した思いと目覚めた心(後編) ◆z9JH9su20Q:2016/08/21(日) 18:32:31 ID:UHAKG6eE0
【小野寺ユウスケ@仮面ライダーディケイド】
【所属】無所属(元・赤陣営)
【状態】疲労(大)、精神疲労(大)、克己を殺めてしまった罪悪感、さやかへの負い目
【首輪】30枚:0枚
【コア】クワガタ(次回放送まで使用不能)、カンガルー(次回放送まで使用不能)
【装備】龍騎のカードデッキ@仮面ライダーディケイド
【道具】なし
【思考・状況】
基本:みんなの笑顔を守るために、真木を倒す。
 1.ネウロが戻ったら、B-4に戻って千冬、切嗣達と合流する。
 2.井坂、士、織斑一夏の偽物を警戒。 士とは戦いたくないが、最悪の場合は戦って止めるしかない。
 3.千冬さんは、どこか姐さんと似ている……?
 4.大道克己の変わり様が気になる。
【備考】
※九つの世界を巡った後からの参戦です。
※ライジングフォームに覚醒しました。変身可能時間は約30秒です。
 しかし千冬から聞かされたのみで、ユウスケ自身には覚醒した自覚がありません。
※ライジングアルティメットクウガへの変身が可能になりました。
 但し地の石の破片を取り込んだことや、他に何らかの影響があるためか、ライジングアルティメットに変身した際のアマダムの色が黒ではなく金になっています。
 通常のライジングアルティメットとのその他の具体的な変化については後続の書き手さんにお任せします。



【脳噛ネウロ@魔人探偵脳噛ネウロ】
【所属】黄
【状態】ダメージ(大)、疲労(大)、ボロボロの服
【首輪】55枚:0枚
【コア】コンドル:1(放送まで使用不可) 、タカ(十枚目・放送まで使用不能)
【装備】魔界777ツ能力@魔人探偵脳噛ネウロ、魔帝7ツ兵器@魔人探偵脳噛ネウロ
【道具】基本支給品一式×2、弥子のデイパック(桂木弥子の携帯電話+あかねちゃん@魔人探偵脳噛ネウロ、ソウルジェム(杏子)※黒ずみ進行度(中)@魔法少女まどか☆マギカ、 衛宮切嗣の試薬@Fate/Zero)赤い箱(佐倉杏子) 、キュゥべえ@魔法少女まどか☆マギカ、首輪(アポロガイスト)
【思考・状況】
基本:己の欲望を満たす
 1.???
 2.怪盗Xに今度会った時はお望み通り“お仕置き”をしてやる。
 3.火野映司及び門矢士の動向に注目し、利用価値を見極める。
 4.佐倉杏子を復活させられる人材とメダルを準備したい。
 5.ラウラ・ボーデヴィッヒを探し出し、ウヴァに操られていないかを確認する。ウヴァが生きている場合は丁重にもてなした(※意訳)後コアを砕く。
【備考】
※DR戦後からの参戦。制限に関しては第84話の「絞【ちっそく】」を参照。次回消費の二日目2時時点での維持コストはセルメダル7枚です。
※魔界777ツ能力、魔帝7ツ兵器は他人に支給されたもの以外は使用できます。しかし、魔界777ツ能力は一つにつき一度しか使用できません。
 現在「妖謡・魔」「激痛の翼」「透け透けの鎧」「醜い姿見」「禁断の退屈」「花と悪夢」「無気力な幻灯機」「惰性の超特急5」「射手の弛緩」「卑焼け線照射器」を使用しました。
※ノブナガ、キュゥべえ、アンク、克己、さやかと情報交換をしました。魔法少女の真実を知っています。
※杏子のソウルジェムについては第131話の「悩【にんげん】」を参照。
※体の維持が少しずつ困難になってきています。メダルの枚数の為なのか、最早メダル関係無しに限界なのか、弥子の命の炎ではネウロの体にパワー不足が生じているのかは不明です。
※コンドルメダルはアンクだけでなくここにいる全員に秘匿中です。
※参加者毎に参戦時期の差異が生じることに気づきました。アンクから聞いた情報によっては、ノブナガと映司にはそれ以上のものが発生していると気付いているかもしれません。
※『王』と真木の結託に何かしら裏があり、それが主催陣営の弱点になるかもしれないと予想しています。
※アポロガイストの首輪を使い、キルスコアランキングを閲覧しました。
※門矢士がコアメダルを破壊できる可能性を考慮しています。
※キュゥべえを嬲ることで少しメダルを獲得しています。

※「二次元の刃」の制限について:発動コストは通常の必殺技のレートに収まりますが、効果を発揮するまでに要する召喚時間として1000秒が設けられています。
 また、発動時にネウロが所持する全てのセルメダルを自動的に消費して、効果発動までの時間を短縮することができます。
 但しシグマ算でコストが設定されており、具体的な目安としては、10枚で100秒、次の100秒は追加20枚(合計30枚で200秒)、次の100秒は更に追加30枚(合計60枚で300秒)ずつ短縮できる模様です。

347交わした約束と残した思いと目覚めた心(後編) ◆z9JH9su20Q:2016/08/21(日) 18:34:05 ID:UHAKG6eE0



【全体備考】
※「二次元の刃」により、クジャク(感情:アポロガイスト)が破壊され消滅しました。
※キルスコアランキングでは、作中の名簿同様アンクとアンク=ロストの表記に区別がありません。
※アポロガイストが自律行動するための肉体を破壊したのは美樹さやかであるため、キルスコアは彼女の物として計上されていますが、少なくともネウロが閲覧した時点ではまだ第二回放送までの情報しかランキングには反映されていません。

348 ◆z9JH9su20Q:2016/08/21(日) 18:35:20 ID:UHAKG6eE0
以上で投下を完了します。
仮投下を通してはありますが、何かご指摘がございましたら気軽にご指導頂ければ幸いです。
よろしくお願いします。

349名無しさん:2016/08/21(日) 18:50:24 ID:q86Df91gO
投下乙です

アンクの感情コアがお兄ちゃんの体から離れても死亡認定されないってことは、アンクの生死はお兄ちゃんの体が死んだかどうかで判断するのかな
首輪してるのはお兄ちゃんだし

350 ◆z9JH9su20Q:2016/08/21(日) 21:44:19 ID:UHAKG6eE0
ご感想ありがとうございます。
本投下後に申し訳ありませんが、全体備考欄に以下の事項を記載し忘れていたので、wiki収録時に追加させて頂きますことをここにご報告します。

>※アンクが一度泉信吾の体内から全てのコアメダルを放出したため、深夜の時間帯に赤陣営が一時的に消滅しました。現在のリーダー代行は泉信吾です。

大変失礼いたしましたが、ご了承くださいますようお願いいたします。

351名無しさん:2017/10/09(月) 23:19:51 ID:P7YHwu4A0
オーズ&アンクオリキャスで復活記念


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板