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変身ロワイアルその6
88
:
ありがとう、マミさん(後編)
◆gry038wOvE
:2014/08/08(金) 21:49:14 ID:o1PzPQC60
孤門が訊くと、マミは頷きました。
彼女自身が、自分の体を結界の中に引き寄せたのです。
「……私の体は、少なくとも魔女になるまでは誰かに魔力の供給を受けて鮮度を保っていたみたいです」
「それはきっと、主催側がやったんだろうと思う。……理由はわからないけど」
これにも理由がありましたが、これは今の彼らの知るところではありません。
ただ、一つヒントを差し上げるのなら、それは彼女たちと同じ魔法少女の仕業なのでした。
「いずれにしろ、そのまま魔女としての私を倒してしまえば結局、私の体は力を保てなくなります。肉体と精神の結合が上手くいかないかもしれません」
「だから、その為に、美希ちゃんがある手段を使ったんだ」
マミは、その言葉を聞いて、すぐにそれを取り出しました。
それは、ソウルジェムではなく、見覚えのある黄色い携帯電話でした。
この携帯電話は、ある人物の持ち物でした。
そして、ただの携帯電話ではなく、ある特殊な妖精が同化した携帯電話なのです。
キルン──山吹祈里のパートーナーの妖精でした。
「この妖精──えっと、キルンの力を媒介にして、彼女の体を維持できるかもしれないって言っていた」
東せつながかつて、ラビリンスの人間としての時を止めて蘇ったのも、アカルンの力によるものでした。
ダークプリキュアが消滅間際、新たな体を保てたのもプリキュアの力です。
そして、今はマミを救うべく、キルンがマミに力を供給しているのです。
「ブッキーが遺してくれたこの力が……」
「それは実は、殺し合いに乗った一人の女の子が持っていた時期がある物なんだ。それを取り戻してくれた人が、目の前にいるよ」
「……」
孤門が見たのは、杏子でした。
「杏子ちゃん……」
「礼ならいらないぜ。せつなに言いな。せつながいなけりゃ、そいつを取り戻そうなんて考えなかっただろうさ」
杏子は、ちょっと照れているのでしょうか。そう答えました。
どうやら、プリキュアたちの力が巡り巡って、こうしてラブの前にいる少女の命を救ったみたいなのです。
偶然なのか、必然なのかはわかりませんが、ラブにはそれが嬉しい事に思えました。
彼女たちが生きてきた事は、決して無駄な事などではなかったのです。
「桃園さん、佐倉さん。お久しぶりね。……ありがとう、二人とも。それに、そちらの二人も」
美希や孤門の活躍なしには、きっと彼女はこうして再び生きる事はできなかったでしょう。ソウルジェムが力を使い果たしたとしても、まだこうして再び生きる事が叶うなど、マミも思わなかったに違いありません。
実際、ラブもまだ半分は今起きている現実が信じられませんでした。
実際にこうなる前は、きっとこうなるだろうと信じていたのに、今こうして現実にありえなかったであろう事が起こると途端に真実味が感じられなくなってしまうから、人間の感覚は不思議なものです。
「……マミさん。もう一度確認します。本当に、嘘じゃないんですよね?」
「ええ。孤門さんが言ってくれた通りよ」
「また一緒に、いられるんですね!?」
マミはそんな彼女に優しく頷きました。
それに落涙しそうになったラブですが、何とかそれは堪えました。
「やったー!! マミさーん!!」
ラブは、即座にマミに抱き着くのでした。マミの顔がやたらと巨大な胸にぶつかり、一瞬跳ねて押し出されそうになった後、また密着しました。
嬉しそうに抱き着き、出かけていた涙を隠すのでした。紅茶の香りがラブの鼻孔をつきました。
そんな彼女の後頭部を、やれやれと見つめながら、マミは杏子の方に目をやりました。
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