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変身ロワイアルその6
280
:
崩壊─ゲームオーバー─(3)
◆gry038wOvE
:2014/12/31(水) 17:59:35 ID:ezDSmj8g0
石堀光彦は、誰にも顔を向けられなかった。
誰かに語るべき事は、彼にはない。
他の全員がくだらない話をしている間中、石堀は俯いて、堪えきれない達成感に浸っていたのだ。
(待ち続けた甲斐があったようだ……)
あの西条凪が死亡し、十年以上の歳月をかけた計画は幕を閉じたはずだった。
しかし、彼のもとに代理として降りかかった新たな計画は、石堀の心を擽る。
光は、別のルートをたどって、ある者の元へと回った。
それでいい。
ウルトラマンの光を奪うのが目的であったが、今はもはやウルトラマンだけではない。プリキュア、シャンゼリオン……あらゆる戦士の持つ光の力を実感している。ならば、凪よりむしろ、彼らの方が役に立つ。
中でも、とりわけ蒼乃美希である。ウルトラマンであり、プリキュアにも覚醒した彼女の光は他とは一線を画す物があるだろう。
彼女には、“奪われるだけの資質”がある。それを認めよう。
「──────遂に来たか」
石堀が、突如、そう口にした。
その時、ほぼ全員が会話を同時にやめていたので、彼の言葉だけが虚空に放たれた。
その一言だけならば、一日半をかけて殺し合いの主催者の元へとやって来た対主催陣営の一人としての、自然にこぼれてしまう徒労の漏洩だったかもしれない。
しかし、言葉と同時に浮かんだ邪悪な笑みを、暁は、ラブは、孤門は、──ここにいるあらゆる参加者は見逃さなかった。
その意味がわからず──怪しいと思いつつも、結局それがどういう事なのか理解する術はなく──、ただ立ちすくむ。警戒心よりも前に、一体彼が何をしているのかという疑問が浮かぶ。答えが出ない限り、次の行動に移る事ができる者はいなかった。
「遂に……遂にだ!」
石堀にとっての一日半。
何も感慨深い事はない。それは、ドウコク以上に無感情で無機質に日々が過ぎただけであった。何万年と生きてきたダークザギという怪物にとって、一日半など大した物ではない。
強いて言えば、彼の「予知」では測れない出来事が起こったというだけである。
「石堀、さん……?」
さて、……ここまで来たら、やる事は一つ。
孤門が心配そうに声をかけても、今の石堀の耳には通らなかった。
通っていたかもしれないが、その名前の人物として返す物は何もない。
「変……身」
石堀は、口元を更に大きく歪ませると、アクセルドライバーを腹部に装着した。
石堀の腹の周りを一周するアクセルドライバーのコネクションベルトリング。それが、アクセルドライバーをベルトとして己の身体と一体化させる。
もはや、彼にとってはこの仮面ライダーアクセルの力も最後の出番である。
ダークザギの力が蘇ればこんな人間の技術の産物は必要ない。
「お前……!」
全員が、石堀の突然の行動が、何を示しているのかわからずに硬直する。
これから戦闘準備に入ろうとしていた全員が、動きを止めた。
戦いの前の微かな平穏を打ち砕いて、──全く別の戦いが始まる予感がしたのだ。
ドウコクでさえ、動きはしなかった。
その時────
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