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変身ロワイアルその6
100
:
私のすてきなバイオリニスト(前編)
◆gry038wOvE
:2014/08/08(金) 21:55:02 ID:o1PzPQC60
「もう、お前たちが帰りたい元の世界なんて物は────」
「魔女の手下だッ!!!!!!」
零が声をあげ、それで男爵が振り向きました。
それでようやく気が付いたようです。更に男爵の言葉はヴァイオリンの音にかき消されてしまいました。
手下が現れる瞬間に、零の声が響いたお陰で男爵はすぐにそれを回避しました。
「……ッ!!」
男爵は、バックステップでつぼみたちのところへと戻りました。帽子がずれたのでそれを直しながら、零に言います。
「……魔戒騎士! 話は終わりだ! この空間ではいくらでも鎧を召喚できるから心おきなく使いたまえ!」
「あ!? 何か言ったか!?」
聞こえていないようですが、零はお構いなく空中に二つの円を描きました。
既に彼はガルムから情報を得ています。まずはお構いなしに鎧を召喚する事にしました。
やれやれ、と思いながらも、男爵は自分なりの戦闘態勢を取りました。
「よし、俺たちも行くぞ!」
「はい!」
良牙がロストドライバーとエターナルメモリを、つぼみがココロパフュームを構えました。すぐに彼らが掛け声とともに変身します。
「変身!!」
「プリキュア・オープンマイハート!!」
良牙の体がエターナルメモリの力によって、真っ白な意匠に包まれます。
更にその両腕に青く燃える炎がボワッと現れ、拳と同一化されました。
背中に真っ黒なエターナルローブが現れた時、彼は仮面ライダーエターナルとなりました。
つぼみは、花の力により、白と薄桃色の可愛らしい衣装を召喚しました。
桜の花びらのようなスカートで足の上で咲き乱れ、彼女の周囲をスカートから生まれたような花吹雪が舞い散りました。
髪はいっそう輝くピンク色に代わり、頭の後ろで両側の髪がクルクルと絡み合って一体になると、そのままポニーテールの髪型に変身しました。
「大地に咲く、一輪の花! キュアブロッサム!」
「地獄に迷った、一本の牙! 仮面ライダーエターナル!」
「ぶきっ!」
二人がポォズを決め、並び立ちました。
そして、デイパックから子豚が顔と手(前足?)だけを出しました。
「……って、良牙さん。あの後、ちゃんと決め台詞考えてたんですね」
そういえば、以前、何か良牙が名乗る時に迷っていたのを思い出しました。
どうやら、今までずっとそれを考えていたようなのです。
「そんな事はどうでもいい! さっさと全員叩くぞ!」
目の前では、銀牙騎士ゼロが双剣を振るって敵を斬り裂き、サラマンダー男爵は器用に敵の攻撃をよけながら、上手い事彼らの腹や顔を蹴ったり杖で突き刺したりしていました。
少なくとも、男爵にはやる気があるというわけではないにしろ、協力の意思はある程度あるようです。
とにかく、キュアブロッサムと仮面ライダーエターナルもそこでKlarissaの大群を倒す事にしました。
「はあああああああっ!!」
キュアブロッサムが、拳を真っ直ぐ突き出してKlarissaの顔を吹き飛ばしました。
本当に人形のように脆いのです。一瞬で砕け散った彼らは、すぐに形をなくして消えてしまいます。
体重も軽く、まるで中身の入っていない木くずの塊を殴っているような手ごたえでした。
「おりゃあっ」
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