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中学生バトルロワイアル part6
415
:
ぼくらのメジャースプーン
◆j1I31zelYA
:2014/11/30(日) 16:54:21 ID:nKJI5gdQ0
越前は強くて鈍いから、受け入れると決めてからは、『天野たちの方こそが正気を失って何かしでかす可能性』を見ていないようだったけれど。
だからこそ綾波が、気をつけておかなければいけない。
ここにいる者に情を移しているような天野の真意は、どこにあるのか。
「遠山が死んだ時は、正直思ったよ。
また僕のせいで、できたばかりの友達が死んだんだなって」
似ているところを、もうひとつ見つけた。
はじめから友達を作ろうとしなければ、我妻由乃だけで満足していれば。
前のサバイバルゲームでの友人たちや、この世界での遠山金太郎を死なせることもなかったのだろうか、と。
そんな風に悔やんでいたとすれば、綾波にはその気持ちがわかる。
「遠山がまだ生きてた時も、思ってたんだ。謝っても許されないことをしてきたんだなって。
みんなは僕のことを思ってくれたのに、僕は由乃のことしか見ていなくて、
最後には皆を殺したんだから……皆からしたら、堪らないだろうなって。
それなのに、皆は僕のことを許すんだ。友達だって言うんだ。
絶交にしてくれた方がマシなのに、僕を一人にしないんだ」
天野は壁にもたれて、天井の方を見ていた。
越前に『許せるのか』と迫ったときのような、笑みの仮面はもうなかった。
「でも、僕はさっき『思い出せてよかった』と思った。
辛いことばっかりなのに、それでも思い出したかった。
その気持ちは、本当だと思うから」
とてもさっぱりとした、顔をしていた。
「だから、ひとつだけ決めた。
これからぼくの『願い』で誰かが犠牲になるとしても、それは昔みたいに
『じゃあ他にどうすればよかったの』って言い訳しながらじゃない。
責任は責任として、それでも譲れないものがあるから押し通しに行くんだ。
だから、みんなのことも友達だって思ってる。
お前なんかにそう呼ぶ資格はないって言われても、訂正してやらない」
直後に顔をしかめて、「あ、別にコシマエとはまだ友達になったわけじゃないから」と付け加えた。
この人はもう吹っ切ったのだと、そう伝わった。
己はどうなのだろうか、と省みる。
出会ってよかったのか、出会わなければよかったのか。
ただひとつ言えるとしたら、かつての神崎麗美のように、『自分を置いて死んだあの人が悪い』で終わらせるのは、悲しいということだった。
だから、飲み込むのが怖くても、知っていかなければならない。
彼が死んでしまったことと、彼を殺した少年について。
だから、『今後ともよろしく』を続けることにした。
碇シンジが『綾波レイには生きていてほしい』と願っていたとしたら。
彼を守りたかったのなら、その意思も守るべきなのだろう。
守ろうとしたのは、命令されたからではなく、自分で決めたことなのだから。
ただ。
それでも。
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