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中学生バトルロワイアル part6

372――ただひとつの答えがなくとも、分け合おう。 ◆j1I31zelYA:2014/09/23(火) 22:56:35 ID:rGsWCH4k0
「お前ら……少しは、付いて行く方のことも考えろっ!!」

拳銃を片手に、機関銃を背負って山を下りながら、七原は悪態を大声にした。
すっかり汗だくになっている。
ぜぇはぁと喘ぎながら、走っている。
七原はこれでも一応、『必要ならば介入してもいい』と双方から了解までもらっているはずなのだが――この二人、かなり、知ったこっちゃないように動いている。
元から速さを強みにしている二人だけに、山の中を追尾するとなると、もう、追うだけでも必死だった。

「とっとと倒れた方が楽だぜ!苦しまずに済むんだからなァ!」
「そう言う貴方こそ、現在進行形で苦しんでるくせに!」

切原は礫を地面から掴み上げて補給しながら、手を休めないために右手の燐火円礫刀を使って手近な木を倒す。
幹を切断された木は、とどめとばかりに蹴りを食らって白井黒子へと直線的に倒れ、しかし黒子は瞬間移動でその姿を消失させた。
礫を携えて返り討ちの姿勢を取る切原だったが、黒子は幾つかの木々を間にはさんで、枝の重なりに隠された樹上へとその姿を垣間見せる。
ちっと切原は舌打ちして、射線を確保するためにまた走る。
黒子が止まっている間に、切原は止まれない。
立ち位置を一秒以上も固定すれば、瞬間移動(テレポート)による遠隔攻撃を受けるからだ。

(――それでも、白井が戦いの場を移したことは正解だったな)

その判断については、七原も認める。
切原赤也は障害物を叩き壊して進むことはできても、あるいは障害物を回避して進むことはできても――障害物をすり抜けることはできない。
彼我の射線を森の木々が邪魔していれば、回り込むかなぎ倒して進むしかない。どうしても動きが限定される。
白井黒子は、瞬間移動能力者(テレポーター)は、違う。
進行方向に壁があろうと木々があろうと関係ない。移動コースも、出現場所も、選び放題になる。
さらに言えば、森の中には木の葉がある。小枝がある。瞬間移動(テレポート)の素材が、たくさんある。
研究所の中庭のような、何もない平地ではない。遮蔽物だらけの地形を、移動しながらの戦いとなれば――黒子の取れる手数が、圧倒的に増える。
研究所では一方的に攻撃されるばかりだった戦いが、膠着するまで肉薄している。
そしてその奮戦に、切原は舌打ちをした。

「ウゼェんだよ!! んなこと言っておきながら、避けてばっかりじゃねぇか! いつまで続くと思ってんだ!」
「それはもちろん、貴方を止めるまで、ですの!」


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