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中学生バトルロワイアル part6

37中学生日記 〜遠回りする雛〜 ◆j1I31zelYA:2013/12/05(木) 23:07:15 ID:plMkkY2g0

「殴られるよりは、見ていて辛くないと思ったからね。
僕も一緒に走りたかったところだけれど、ちょっと血を流し過ぎたし」
「そうじゃなくて、天野さんが別れようって言い出しても止めなかったこと。
アンタのその怪我じゃ、人手は欲しかったはずだし」

秋瀬は残っている方の手を使って、越前から手渡されたスポーツ飲料にしきりと口をつける。
血量を失った分を、少しでも補おうというつもりらしい。
車を持って来たりと精力的に動いていたけれど、明かりのついた部屋にいれば、顔色がだいぶ悪いと分かった。

「確かに、彼のやり方はとても不器用なものだった。
我妻さんのことで雪輝君を信用できない人はいるだろうけど、それならそれで誠意を見せるべきだったね。
少なくとも、『いざとなったら対主催よりも由乃を優先するけど受け入れるのか』なんて聞くのは悪手でしかない」
「だったら」
「でも、雪輝君に釘を刺されたんだよ。『遠山の友達には全部をぶちまけてみたい』って。どう転んだとしても」
「…………」
「さすがに、あの時の君の答えしだいでは割って入るつもりだったけどね」

どう答えていいものか分からない風に、越前はふいと顔をそらした。
そんな彼らのいる前を、雪輝が恨めしそうな顔で見やりながら通過しようとする。
綾波はすかさず、用意していた清涼飲料水入りの紙コップを手渡した。
給水を怠らせるのだけはまずいと、越前に言われている。
……何も知らない第三者が見れば、この四人はいったい何をしているのかと困惑するだろうが。

「弁護しておくなら、彼があんな言い方をしたのは、君たちへの負い目があったからだよ。
我妻さんが『雪輝日記』を持っている限り、雪輝君と一緒に行動するだけで危険が伴うからね」

なるほど、と綾波は頷く。
つまり、敢えて不穏当な言い方をして、見捨てることを示唆したらしい。
もっともな話で、『一緒にいるだけで、常に殺人鬼に命を狙われる。しかも居場所や動向がばれている』というハンディキャップは大きすぎる。
脱出派がひとまとまりに集合したりすれば、奇襲されて一網打尽にされるのが見えている。
かといって、あのまま気まずく別れてしまっても、秋瀬としてはまずかったはずだ。
越前が言ったように怪我のこともあるし、仲間を作ろうとしなければ、逆に『泳がせておく意味がない』と判断されて、すぐに襲撃されるかもしれない。
秋瀬が『グラウンド100周』を容認したのも、あのタイミングでの喧嘩別れはマズイという兼ね合いからだろう。

「それより。先輩達に会ったって話……聞きたいんスけど」


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