[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
中学生バトルロワイアル part6
252
:
夕闇に沈み、斜陽に燃ゆ
◆sRnD4f8YDA
:2014/05/31(土) 10:47:07 ID:fqwDJV1s0
幻影から逃げる様に瞳を閉じて、崩れ落ちる様に両の膝を折る。耳を両手で塞いで、身体をくの字に曲げた。
網膜の内側で何かがばちりと弾けて、ちりちりと虹色のフィラメントが散る。
幾何学模様のストロボが何度か瞼の裏側に焚かれて、やがてそれはどろりと蕩けて小さな少女の形になった。
恨む様な視線をこちらに向け、小豆色と白の制服姿を血で濡らしの、そこにただ立っている。
氷の様に冷たく尖った眼光は心を抉る様だった。
「見るな」震える唇は、か細い声でそう紡ぐ。「見るなッ……!」
頼むよーーーそんな目で、こっちを、見ないでくれ。
腹から絞り出して、祈る様に、呟く。少し前までは、自分を諭し、止めるだけの幻だったのに。
それがどうしてこんなにも、心が痛い。
「嫌だね。そうやって逃げているうちは、一生見てやる」少女は嗤いながらそう吐き捨てると、霞に紛れて消えていった。
意味もなく、ただ時間だけが徒らに過ぎていった。
薄く目を開き、苔だらけの木の幹に背を預け、膝を抱えて座り込む。
虚ろな双眸は、色も光も映さない。闇の中に浮かぶその二対の鈍い金色はどこまでもくすんで、
合わない焦点はただ齧り付く様に空に浮かぶ虚像を見つめていた。
がちがちと鳴る歯、泥と汗が混じった臭い、荒い息遣い、中空を回る亡霊、何かを責めたてるような風の囁き。
目を開いても、閉じても、膝を追っても耳を塞いでも。
まるでお前に逃げ場などないのだと嘲笑う様に、それらは少年を取り囲んで鎖で縛り、腕を掴んで鉄塊を括り付け足を沼に沈めた。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板