[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
中学生バトルロワイアル part6
217
:
7th Direction 〜わたしたちの■■■部〜
◆j1I31zelYA
:2014/05/14(水) 23:20:34 ID:xbfq8oaU0
それなのに。
とどめとなる一撃は、なかなか振ってこなかった。
不思議がって、そろそろと瞼を持ち上げる。
仰向けになった視界には、夕日を逆光にした悪魔がいた。
輪郭は陽の陰りですこしぼやけているけれど、それでもその顔ぐらいは判別できる。
表情には歯ぎしりがあり、眼光には充血があり。
眉には、苦悶があった。
ぼんやりした思考をどうにか回して、どうしてだろうと考える。
そして、もしかして自分の体の上に、覆いかぶさるように『旗』があるせいかもと閃いた。
これを取り返すために追ってきたなら取り上げればいいし、
これを見ることが気いらないなら奪って引き裂けばいいのに、
苦悶する相手がどちらも選んでいないからだ。
喉は枯れているけれど、声はまだ出る。
だから結衣は、自分を殺す相手に向かって質問していた。
「これ……取り返して、どうするの?」
逆ギレでとどめを刺されるかなと思ったけれど、相手は答えてくれた。
捨て台詞のように。
「――捨てるさ」
苦々しげな声。
不自然に吊り上がった口元。
デジャヴがあった。
誰かと重なる表情。どこかで触れた感情。
そもそもこいつはなんで怒ったんだろうとか、どうして殺そうとしてるんだろうとか。
とりとめない疑問が湧き上がって、そう言えば『やり直すために七原を殺そうとしている』とか正義日記に書かれていたっけと思い出す。
そして、理解した。
(なんだ…………同じか)
つまり、放送後の船見結衣が選ぼうとして選べなかったことを、こいつは選んだ。
竜宮レナがいなければ歩いていた道を、こいつは歩いてきたらしい。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板