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新西尾維新バトルロワイアルpart6
4
:
Let Loose(Red Loser)
◆ARe2lZhvho
:2013/06/13(木) 23:51:48 ID:uvaupV5I0
結果得られた『非日常』は刹那的なものですぐに『日常』に戻り、『異常』に昇華することはなかった。
だから再び異常を望み、ついにこぐ姉を殺して獲た特大の『非日常』も一ヶ月足らずでまた元通り。
いつまで経っても、どんな手段を用いても囲われた世界から脱することはできなかった。
このバトルロワイアルだって、最初こそ戸惑ったけど実際に12時間以上を過ごしてしまえば異常も異常ではなくなる。
ああ、だからか。
端的に言えば油断していたのか、僕は。
最初こそ警戒していたのに、打ち解けてしまって。
隣にいることを許容してあまつさえ会話もしてしまって。
これは報いなのだろうか。
今までやり過ごしてきたことへの。
それとも罰なのだろうか。
これまで見過ごしてきたことへの。
もしかしたら救いなのかもしれない。
ただ、そうだとしたら随分と優しい救いなんだなと思う。
やっと、やっとだ。
本当は何が欲しいかほんの少しだけわかった気がする。
でも、気付くのが遅すぎた。
きっと早く気付いていたとしてもどうしようもなかったのかもしれないけれど。
やがて痛覚が認識を拒否する程の痛みに抱かれて僕の意識は薄れていく。
今まで出会った人の顔が浮かんでは消え、最後に浮かんだのはこぐ姉の笑顔だった。
――こぐ姉、これより不肖の弟が会いにいきますよ。
【串中弔士@世界シリーズ 死亡】
1
竹取山を抜けると、そこは平原だった。
狐さんの持つ首輪探知機はエリアの境界線も表示してくれるようになっていたので、僕達が無事に禁止エリアを抜けられたことを確認できた。
……なんであのときも活用しなかったのだろうと思ったけど、時間まで5分しかなかったからそれどころではなかったし。
ポルシェが爆発したし。
山火事も発生したし。
「……ちっ、もたもたしているうちに見失ったか」
狐さんが探知機の画面を見ながら舌打ちする。
どうやら、下山している間に会おうと思ってた人達が探知機の範囲より外に行ってしまったようだ。
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