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新西尾維新バトルロワイアルpart6

228球磨川禊の人間関係――黒神めだかとの関係  ◆xR8DbSLW.w:2013/11/29(金) 16:10:35 ID:ceqeL1pI0

コンクリートが崩れ、塵灰に包まれた向こうで声がする。
塵灰が晴れていくうちに、彼女の姿が鮮明になって行く。
僕の投げつけた螺子を受け止めていた。――そしてその顔は何処までも晴れやかな笑顔だった。


「……なんで奇襲をされたのに笑ってるのさ」
「いや、殺し合い中に――それも皆が死んでいっている中で不謹慎だとは思ってたんだが、
 しかしもう駄目だ。破顔せずにはいられない」

そして彼女は、僕の螺子を粉々に打ち砕き、
高らかに叫ぶ。




「こうしてまた貴様と戦える日を私は待っていた!!
 だからこそ、このような場でも戦いたいという私の性根共々、貴様の性根ももう一度叩いてやる!!」




いや。
さっきまでも笑っていたけれどね。
そう思いつつも、僕もまた、応える。


「江迎ちゃんはともかく、善吉ちゃんや高貴ちゃんが死んだというのに笑えるだなんて本当に変な子だ」


――そういうきみも、僕は嫌いだ。
僕は右手に螺子を持つ。
これまでのそれとは違う、マイナスの螺子。
安心院さんに返してもらった、過負荷。


「だから遠慮なく使わせてもらうぜ。僕の禁断(はじまり)の過負荷。――――『却本作り(ブックメーカー)』!!」




  ■  ■  ■



乱打戦だった。
僕はめだかちゃんに攻撃すると、めだかちゃんは仕返しとばかりに僕を殴る。
それを繰り返す。
泥臭い攻撃の応酬だった。

僕にこんな体力あっただろうか。
不思議だ。
ちょっと走れば疲れてしまうような体力なのに。
誰がそうさせているのだろうか。
めだかちゃんか。
或いはめだかちゃんと向きあいたいという僕自身か。
どちらであれ、僕らのドラクエみたいな単純な攻撃の繰り返しも、終わりを迎えそうだ。
僕の限界が近いからか。
多分、そうだ。
僕は既に限界なんて言うものを越している。
なのに彼女は、笑っている。
嬉しそうに。
幸せそうに。

僕は――今どんな表情を浮かべているのだろう。
分からないけれど、笑っているのかもしれない。
何に対してなのかも、分からないけれど。


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