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ニコニコ動画バトルロワイアルγsm3

1名無しさん:2013/04/07(日) 12:38:07 ID:6NYUY/JY0
春です。



本日はニコニコ動画バトルロワイアルに 御アクセス頂き、 ありがとうございます。



ここはニコニコ動画の人気キャラを用いてバトルロワイヤルをするというリレー小説のスレッドです。
大変申し訳ありませんが、 この企画はフィクションであり実在の団体・人物等とはまったく関係ありません。
ルールさえ守っていただければ誰でも参加可能です。



またの御アクセスをお待ちしております。

wiki ttp://www34.atwiki.jp/niconico3nd/
前スレ ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/14759/1336579927/
したらば ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/15395/

252 ◆FbzPVNOXDo:2013/08/10(土) 05:13:30 ID:34TwDdNo0
投下終了です

253名無しさん:2013/08/10(土) 05:56:10 ID:zv1ePa9g0
ここに来て投下祭りになってうれしいばかり

254名無しさん:2013/08/10(土) 10:06:40 ID:Bce7x//Io
これはルカがデレる(確信)

255名無しさん:2013/08/10(土) 10:18:30 ID:e2de2H0I0
投下乙です
これだからホモは怖い(震え)

256名無しさん:2013/08/10(土) 15:52:02 ID:Vp2I0uzE0
投下乙です

ちょ、おまwwwww

257 ◆k5V1srvipM:2013/08/11(日) 08:44:52 ID:vdb865M20
ケイネス、ちびアサシン、青鬼を予約します

258名無しさん:2013/08/11(日) 10:44:16 ID:cMHMIguI0
俺は今、恐ろしい想像をしてしまっている…
◆k5V1srvipM氏はもしかして複鳥使って自己リレーしてた人?
その人とのSSと比べていくつか共通点があるから…
それが俺の勘違いで別人なら良いんだが、無関係だと証明出来る手段って無いかな?

259名無しさん:2013/08/11(日) 11:51:03 ID:vlenC0wI0
議論スレあたりで提案しようと思ってたけど先に言われてしまった
過去に問題起こした人も書き手ができてしまう今のシステムのまま続けてもらうのはまずい
無関係だと証明できるのはしたらば管理人さんだけだろうから、管理人さんにお願いして見てもらうしかないか?
◆k5V1srvipM氏が潔白なら申し訳ないけれど

260名無しさん:2013/08/11(日) 18:43:41 ID:03qxUOKUo
さすがに文章が似てるってのはこじつけなんじゃないかな…あんまり疑うのもなぁ…

261名無しさん:2013/08/11(日) 18:46:30 ID:v3Tg4Ruc0
でも支給品のチョイスやタイトル名もあの人に似てるし

262名無しさん:2013/08/12(月) 01:00:06 ID:qkvPaybU0
共通点その1、東方好き
例 にとり無双の為にアルセーヌをあっけなく殺す 過去のSSもアルセーヌの設定もろくに把握してなかった模様
複鳥の人はレミリアを殺したゴンさんをあっけなく殺そうとした。支給品枠で東方キャラを出そうとした等

共通点その2、遊戯王好き
例 遊戯王のカードを支給品として出している
複鳥の人も遊戯王のカードを何度も支給品で出している。しかも別人を装って
複数の書き手が出しているように見せかけてSSを通そうとしていた

共通点その3、SSの書き方
例 描写がすごくあっさりと終わっている 投下のテンポが速い でも修正要求の対応はすごく遅い
複鳥の人も内容の短いSSを短期間で大量に投下している。それだけ速筆なのに修正要求の対応は遅い
遅いだけではなく要求を無視してwikiに乗せる行為もやらかした

ちょっと共通点多いな ◆k5V1srvipM氏としても疑いは晴らしたいだろうし
ちゃんと解決するまで投下は後回しにした方がいいんじゃないかな

263名無しさん:2013/08/12(月) 01:24:48 ID:GopIE/Lo0
問題起こした人もこっそりと再参加できる環境をそのままにしておくことが一番まずい

264名無しさん:2013/08/12(月) 14:35:57 ID:N0J5RXz20
予約はしたらばのみってことでいいんじゃない?
◆k5V1srvipM氏は管理人に連絡して規制解除してもらえばいいと思うけど

265 ◆k5V1srvipM:2013/08/12(月) 17:14:13 ID:.PJcqI3c0
ご迷惑をおかけして申し訳ありません
今別端末でしたらばに書き込めるのでこれから予約はそちらで行います

266名無しさん:2013/08/12(月) 17:21:35 ID:aUXc/B2Q0
別端末なんか使わないで管理人さんに規制解いて貰いなよ
それともわざわざ別端末使わなきゃならない理由でもあんの?
だって巻き込まれ規制なんでしょ?
調べて貰えばすぐに身の潔白は証明出来るじゃん

267名無しさん:2013/08/12(月) 18:01:33 ID:pFdvknqc0
カズマみたいな首輪解除って他のロワでの前例はあったっけ?

268名無しさん:2013/08/12(月) 22:09:46 ID:3PexDbeU0
今回は良いとしても、ほむほむまで解除しちゃえたら流石にまずいと思う

269名無しさん:2013/08/12(月) 22:25:32 ID:Wz0LwKRg0
もこみちがオリーブで首輪外した時点で……

270名無しさん:2013/08/12(月) 23:19:23 ID:mt4yrxoo0
今亡き戦隊ロワでリオが首輪爆発と同時に幻獣王になって無事ってのがあったね

271名無しさん:2013/08/12(月) 23:29:32 ID:aWd3Q/rE0
アサシンも青鬼も首輪ないし、外しやすすぎて逆に裏がありそうな気がしてくる

272名無しさん:2013/08/13(火) 04:28:00 ID:cbZbABrU0
そういえばマミさんが銃になってたけど首輪はどうなってたんだろう
やっぱり銃身に巻き付けられてたのか

273名無しさん:2013/08/14(水) 15:27:10 ID:rtDqqc/M0
外れてるだろ流石に

274名無しさん:2013/08/14(水) 19:23:13 ID:2IoFCnBk0
さすがに名無しの意見は参考程度だな
同じ書き手から物言い付いたら改めて審議だろうけど名無しの言い分は無効だろう

275 ◆FbzPVNOXDo:2013/08/15(木) 03:28:51 ID:Hrbrfklw0
投下します

276幕間 ◆FbzPVNOXDo:2013/08/15(木) 03:29:31 ID:Hrbrfklw0



『先ずは死亡者の発表からだな。

 ジャック・アトラス……』


何だ? 何を言っているんだ。
鬼柳に続いて、お前まで……。
そうか、鬼柳と同じく上手く奴等を誤魔化せたんだな。
それか勝治みたいに、何故か名前を呼ばれたんだろう?
なあ? そうだろう? ジャック……。




「とうとう、残るチームサティスファクションのメンバーは、俺とクロウだけになってしまったぞ……」

生きていて欲しい。でも、それは殆ど有り得ない事だ。
分かってはいる。分かってはいるのに。
そう言えば、先の放送で勝治もまた呼ばれていた。心配だ、恐らくあいつは生きていると思うが……。
……こんな事をしている場合じゃないな。今は権兵衛の言っていた早苗、海東を探すのが先だ。
泣くのは、その後で良い。

止めていた、デルタイーグルのハンドルに手を掛け、アクセルを踏む。
エンジン音が鳴ったのを確認し、機体の調子を確かめる。

権兵衛達と別れてから数分、放送で足止めを食ったがそれでもまだ早苗達は、そう遠くには行っていない筈。

「なん、だ……?」

自然と頬を暖かい物が伝った。
涙だ、俺は今泣いているのか?
駄目だ、視界がかすんで……でも現実なのか?
嘘だろ……いや当然の事なのかも知れないな。
なんたってあいつは、俺達のチームサティスファクションのリーダー)



鬼柳京介なんだからな。


俺は馬鹿だ。一時でも、奴が本気で死んだだなんて思うなんて。
あいつが死ぬものか、一回死んでもまた蘇ったような男だ。
まったく、こんな顔見られては笑われてしまうな。
腕の裾で涙を拭うが、どうにも止まりそうに無い。
あまりこんなみっともない姿、見せたくは無かったがしょうがないか。
今は、あいつが生きていた事を喜ぼう。

277幕間 ◆FbzPVNOXDo:2013/08/15(木) 03:30:04 ID:Hrbrfklw0

「鬼柳、生きてたんだな」

言ってやりたい事は沢山あったのに、意外と口っていうものは多くを言わせてくれないらしい。
まあいいさ。俺は、まだこいつと話せるんだ。まだこいつは生きてるんだ。
何でも良い。俺はもう一回、鬼柳と話せるのが嬉しいんだ。
だから、だから鬼柳。


「え?」


――早く、何か言ってくれよ。

何で、お前はそんな顔してるんだ。
頼む、何か言ってくれ鬼柳。


「もう止めなよ。蟹頭の兄ちゃん。
 薄々、分かってんだろ? そいつはあんたの知り合いじゃない」
「麗華……」
「悪いけど、さやか。あんたの事説明するから」

さやか……?
何、言ってるんだ。こいつは、どう見ても鬼柳だ。
鬼柳京介だろ。

「こいつ学校でさ……」

止めろ、やめろ、ヤメロ。
喋るな、もう喋るな。
嘘だ、嘘だ、嘘だ。
だってこいつは……俺の仲間は……。


「そういう訳、悪いけどここに居るのは美樹さやか。
 鬼柳京介って人とは別人」

死んだのか……あいつが?

「ごめんなさい……」
「良い……お前が悪いわけじゃない」
「で、でも……体はこの通りありますし、もしかしたら」
「おい、さやか」
「だから、その……」
「少し、黙っててくれ」

分かっていた事じゃないか。
鬼柳は死んだんだ。
俺は、ただ何も出来ずにあいつを死なせてしまった。
何て無力なんだ。
俺は友一人禄に守れない、俺は弱い、俺は……


――ゆ、う

何だ。

――う、せい

この声は。

――遊、s

違う、声だけじゃない。これは鼓動?

――遊星!


右腕に浮かぶのは消えた筈の赤き龍の痣、輝く赤い龍の頭(ドラゴンヘッド)の閃光。
同時に流れてくるのは熱き鼓動。

(共鳴している? 何処だ? この鼓動は何処から)

「え、え? 私のバックなんで赤く光ってんの?」
「それをこっちへ渡すんだ!」
「ちょっ」

麗華から無理やりバックを引ったくり中身を漁ると、あった。
忘れるわけが無い。今は亡きジャックの魂。

「レッド・デーモンズ・ドラゴン……」

お前なのかジャック。
こんな俺と、戦ってくれるのか。レッド・デーモンズ・ドラゴン。
輝いていた痣は再び消え、共鳴していたレッド・デーモンズ・ドラゴンはその脈動を止めた。

278幕間 ◆FbzPVNOXDo:2013/08/15(木) 03:30:36 ID:Hrbrfklw0

(呆けてた俺に渇を入れてくれたのか? ジャック……)

「大丈夫ですか?」

心配そうにさやかが俺の顔を覗き込んでくる。

「大丈夫だ、それよりこのカード……」
「ああ、欲しかったらやるよ。別に無くても困らないしな。
 ただそのカードは、一度使っちまってるから一日使えないから」

どうやら、この場ではDMカードは決闘盤無しでも実体化するらしい。
もっとも制限が課せられ、レッド・デーモンズ・ドラゴンは一度使うと24時間使用不可になるようだが。

「色々、世話になった。
 俺はもう行くが、もし早苗、海東という人物に出会ったら……」

麗華とさやかに俺は早苗達の特徴を教え、もし出会ったのなら海東に気をつけろという皆を伝えた。
そして、二人も水を欲しがるという、謎の危険人物の情報を教えてくれた。

「遊星さんも、気をつけてください。特に透明の敵には」
「分かってる」
「あっそうだ。これ、鬼柳さんの服に入っていたハーモニカ……」

さやかの手から差し出されたのは、紛れも無い鬼柳のハーモニカだ。
俺はそれを受け取った。
多分、さやかが持っていても苦しいだけだろうし、これは俺が持っていた方が良い。

「俺はもう行く。
 お前達も気を付けてな」

そう言い、俺は再びデルタイーグルに跨りアクセルを踏んだ。



【F-2/一日目・日中】

【不動遊星@遊戯王5D's】
[状態]:疲労(小)、主催者達に怒り
[装備]:デルタイーグル@遊戯王5D's(操縦中)
[道具]:基本支給品、サイバーZ一号のベルト@真夏の夜の淫夢関連、レッド・デーモンズ・ドラゴン@遊戯王5D's(二日目午前まで使用不可)
ライダーズカード一式@仮面ライダーディケイド、沈黙の騎士ギャラティン@カードファイト!! ヴァンガード
大量の玩具@現実、玩具を弄る為の工具@現実、武器になりそうな物@現実(包丁や鋸など)、鬼柳のハーモニカ@遊戯王5D's
[思考・状況]基本思考:殺し合いの打破
1:少年のもとへ向かう。
2:海東純一を警戒。
3:ありがとウサギを止める。
4:先ずは首輪を解除する。
5:自分のカード達や仲間を探す。
6:田所に対する怒り、警戒。勝治を攻撃した誰かにも注意。
7:許せ、少年
※勝治が今までしてきたことを聞きました。ただし、アルセーヌを覗き見してたことは聞いてません。
 また、田所(野獣先輩)が勝治に一服盛ったと思っています。
 また、ケンが生きてると言う勝治の説に疑心的です。
※勝治の首輪には不具合が起きていると推測しています。
※主催側に何か不都合な事が起きていると推測しています。
※権兵衛からリュウセイと少年(ムラクモ)の現状、危険人物の話を聞きました
※麗華達と情報交換しました。

【東豪寺麗華@MMDDFF】
[状態]:健康
[装備]:エクスカリバー@Fate/Zero
[道具]:基本支給品、DMカードセット(デモンズ・チェーン@遊戯王5D's)
[思考・状況]
1:生き残って主催者をブチ殺す。
2:幽香の奴、死んだのか。
3:水色髪の男(さやか)はほっとけない。
4:レア様とはいずれ決着をつけるつもりだったけど……。
※制限はほとんどされてません。
※遊星と情報交換しました。

【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:鬼柳京介の肉体。
[装備]:さやかのソウルジェム(濁り:大)@魔法少女まどか☆マギカ
[道具]:基本支給品、「スピード・ウォリアー」のカード(4時間使用不可)@遊戯王OCG、
    「くず鉄のかかし」のカード(4時間使用不可)@遊戯王OCG、「???」のカード@遊戯王OCG、不明支給品0〜1
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗らない。
 1:謎の戦車を警戒。
※ショウさんの話を聞く直前からの参戦。
※肉体は鬼柳京介のものになっています。
※第一放送を聞き逃しました。
※遊星と情報交換しました。

279 ◆FbzPVNOXDo:2013/08/15(木) 03:31:09 ID:Hrbrfklw0
投下終了です

280名無しさん:2013/08/15(木) 20:49:12 ID:5RdObaxU0
乙です
でもなんか遊星のキャラに違和感を感じるなあ
止めろ(中略)俺の仲間は……みたいな台詞回しとかあまりいわないと思うな

281 ◆FbzPVNOXDo:2013/08/15(木) 21:48:06 ID:Hrbrfklw0
ありがとうございます
指摘されてみればそうですね
修正してきます

282名無しさん:2013/08/16(金) 00:54:18 ID:sGoUeYQY0
投下&修正乙です

283名無しさん:2013/08/16(金) 07:06:16 ID:5H/3taso0
投下おつおつ
たしかに違和感というか遊星が豆腐メンタルすぎる気がするな
身近な仲間だったアンチノミーが死んだ時もここまで心折れるってことは無かったし

284 ◆FbzPVNOXDo:2013/08/16(金) 17:53:46 ID:SfRyLeUY0
修正版投下します

285幕間 修正版 ◆FbzPVNOXDo:2013/08/16(金) 17:55:24 ID:SfRyLeUY0



『先ずは死亡者の発表からだな。

 ジャック・アトラス……』


友であり、ライバルであった誇り高きキング。ジャック・アトラス。
第二回放送で告げられたのは、彼の死だった。



「とうとう、残るチームサティスファクションのメンバーは、俺とクロウだけになってしまったぞ……」


未だに実感が沸かない。
あの男がそう簡単に死ぬはずが無いと、心の何処かで思っているのかもしれない。

「ジャック……」

結局、鬼柳とジャック。二人の最期すら、看取ってやれなかった。
そう言えば、先の放送で勝治もまた呼ばれていた。――恐らく勝治は生きていると思うが……。
……こんな事をしている場合じゃない。今は権兵衛の言っていた早苗、海東を探すのが先だ。
涙を流すのは、その後で良い。

(すまない二人共……)

止めていた、デルタイーグルのハンドルに手を掛け、アクセルを踏む。
エンジン音が鳴ったのを確認し、機体の調子を確かめる。

権兵衛達と別れてから数分、放送で足止めを食ったがそれでもまだ早苗達は、そう遠くには行っていない筈。

「なん、だ……?」

銀色の長髪に、黒のロングコート。
遊星と同じように顔に刻まれたマーカー。
その容姿は、あまりもあの男と良く似ていた。


「鬼柳……?」



まさか、生きていたというのか?
だが、一回死んでもまた蘇ったような男だ。
ここでもまた、似たような事があったとしてもおかしくは無い。
そう思うと一時でも、鬼柳が本気で死んだだなんて思っていた事が馬鹿らしくなる。

「……鬼柳、生きてたんだな」

言ってやりたい事は沢山あったのに、意外と口というものは多くを言わせてくれないらしい。
まあ今は、鬼柳が生きていた事を喜ぼう。そう思った。

286幕間 修正版 ◆FbzPVNOXDo:2013/08/16(金) 17:56:01 ID:SfRyLeUY0




「え?」


だから、鬼柳の挙動不審な対応には出鼻を挫かれた。

「どうしたんだ? お前らしくない。それよりも、放送で呼ばれてたが何があったんだ?」
「あ、その……」

おかしい。
殺し合いの場とはいえ、旧友同士が再会したというのに、この妙に余所余所しい反応は何だ?

「蟹頭の兄ちゃん。
 その、さ。……そいつはあんたの知り合いじゃない」

鬼柳の連れだろうか。
横に居た少女が、遊星と鬼柳の会話に割り込んでくる。

「麗華……」
「悪いけど、さやか。あんたの事説明するから」

さやか……?
遊星の背筋に嫌な悪寒が走る。

「こいつ学校でさ……」



麗華という少女の語った内容は、衝撃的なものだった。
その悲惨さは、話だけで聞けば何処ぞのスプラッタB級ホラー映画のような、陳腐ささえ感じられる。

「そういう訳、悪いけどここに居るのは美樹さやか。
 鬼柳京介って人とは別人」

鬼柳を殺した、謎の化け物。
そのまま身体を文字通り、バラバラに解体された少女、美樹さやか。
何が起きたのか、さやかの意識が死んだ筈の鬼柳へと移ってしまうという、イレギュラーな事態。

「ごめんなさい……」

鬼柳の体で、さやかは遊星に頭を下げる。

「良い……お前が悪いわけじゃない」
「で、でも……」
「おい、さやか」

何もさやかに悪いことなど無い。
遊星も麗華も分かっている事なのに、さやかは謝り続ける。

「頭を上げてくれ、さやか」
「遊星さん……」
「確かにあいつは、鬼柳は死んだ。でも、それでも多分あいつは、さやかを助けられて満足したと思うんだ」

最初に出会った時の反応から、さやかは遊星が鬼柳の親友だという事は薄々気付いていた。
だからこそ、恨まれてもおかしくない。いや恨まれて当然とすら思っていた。

「なのに、殺した本人はともかく、俺がさやかを恨むなんてお門違いだ」
「でも私が居なければ、私と会ってなかったら、こんな事にはならなかったかもしれない……」
「そればかりは、分からない。過去は変えられない、後ろを振り返ってばかりじゃ何も出来ない。
 さやか、もしお前が本当にあいつの死に責任を抱いているというのなら、他にやる事があるんじゃないのか?」

「え」と驚くさやかに遊星は一瞬笑みを浮かべる。

「こんな殺し合いをぶち壊して、鬼柳の分まで満足する」
「満、足……?」
「そうだ、満足するんだ。
 鬼柳は俺達が、こんな場所で呆けてる事なんか望んじゃいない」

勇気付けられる。絶望に包まれたさやかに中に、一筋の光明が差し込んでくる。
でも、所詮は遊星が自分の為に言ってくれた――本当に鬼柳(彼)は自分の事を許してくれたのか?

「なんで、そんな事が分かるんですか!? 本当は私の事を恨んでるかもしれないじゃないですか!!!」

遊星の優しさが辛くて、それでいて自分は許されてはいけないんだと思って。
さやかは叫んだ。

「分かるさ。
 ――俺の俺達、チームサティスファクションのリーダーが、そんな事を思う筈が無い」

何も言い返せなかった。
遊星は優しさから、さやかを励まそうとしているんじゃない。
本当にそう思っていて、友を最期まで信じているからこそ、言っているのだと。

「良いの、かな。……私なんかが満足しちゃって」
「構わない。むしろ、するんだ。
 それに主催側の技術なら、さやかの体を元に戻す事も出来るかもしれない。
 奴らの技術をぶん取って、満足してやろう!」

287幕間 修正版 ◆FbzPVNOXDo:2013/08/16(金) 17:58:15 ID:SfRyLeUY0



(満足って一体……?)

麗華は内心、満足って何なんだ? と思いつつも、さやかが落ち着いた事にほっとする。

(まったく、私もセンチになったな。……って何だ?)
 
――ゆ、う

鼓動?

――う、せい

なんだろうか。
麗華のバッグで、何やらもぞもぞしている物があるようだが

――遊、s

違う、鼓動とだけじゃなく声も聞こえる。

――遊星!


遊星の右腕に浮かぶ消えた筈の赤き龍の痣、輝く赤い龍の頭(ドラゴンヘッド)の閃光。
同時に流れてくるのは熱き王者の鼓動。

(共鳴している? 何処だ? この鼓動は何処から)

「え、え? 私のバックなんで赤く光ってんの?」

同時に麗華のバックも輝き始める。
まさか中にまだ確認していない、変なアイテムでも入っているのだろうか。

「それをこっちへ渡すんだ!」
「ちょっ」

遊星は麗華から無理やりバックを引ったくり、中身を漁ると、あった。
忘れるわけが無い。今は亡きジャックの魂。

「レッド・デーモンズ・ドラゴン。……お前なのか、ジャック?」

輝いていた痣は再び消え共鳴していた、レッド・デーモンズ・ドラゴンはその脈動を止めた。

「大丈夫ですか?」

心配そうにさやかが遊星の顔を覗き込んでくる。

「大丈夫だ、それよりこのカード……」
「ああ、なんか良くわかんないけど、欲しかったらやるよ。別に無くても困らないしな。
 ただそのカードは、一度使っちまってるから一日使えないから」

どうやら、この場ではDMカードは決闘盤無しでも実体化するらしい。
レッド・デーモンズ・ドラゴンも一度使用した為、24時間使用不可になっているようだ。

「そうか、ありがとう。世話になった。
 俺はもう行くが、もし早苗、海東という人物に出会ったら……」

麗華とさやかに俺は早苗達の特徴を教え、もし出会ったのなら海東に気をつけろという皆を伝えた。
そして、二人も水を欲しがるという、謎の危険人物の情報を遊星に教えてくれた。

「遊星さんも、気をつけてください。特に透明の敵には」
「分かってる」
「あっそうだ。これ、鬼柳さんの服に入っていたハーモニカ……」

さやかの手から差し出されたのは、紛れも無い鬼柳のハーモニカだ。

「鬼柳の……ありがとう、さやか」

一瞬、悲しそうな顔を浮かべて遊星はそれを受け取った。

「くれぐれも、お前達も気を付けてな」

そう言い、遊星は再びデルタイーグルに跨りアクセルを踏んだ。

288幕間 修正版 ◆FbzPVNOXDo:2013/08/16(金) 17:58:47 ID:SfRyLeUY0



【F-2/一日目・日中】

【不動遊星@遊戯王5D's】
[状態]:疲労(小)、主催者達に怒り
[装備]:デルタイーグル@遊戯王5D's(操縦中)
[道具]:基本支給品、サイバーZ一号のベルト@真夏の夜の淫夢関連、レッド・デーモンズ・ドラゴン@遊戯王5D's(二日目午前まで使用不可)
ライダーズカード一式@仮面ライダーディケイド、沈黙の騎士ギャラティン@カードファイト!! ヴァンガード
大量の玩具@現実、玩具を弄る為の工具@現実、武器になりそうな物@現実(包丁や鋸など)、鬼柳のハーモニカ@遊戯王5D's
[思考・状況]基本思考:殺し合いの打破
1:少年のもとへ向かう。
2:海東純一を警戒。
3:ありがとウサギを止める。
4:先ずは首輪を解除する。
5:自分のカード達や仲間を探す。
6:勝治を攻撃した誰かに警戒。
7:許せ、少年
※勝治が今までしてきたことを聞きました。ただし、アルセーヌを覗き見してたことは聞いてません。
 また、田所(野獣先輩)が勝治に一服盛ったと思っています。
 また、ケンが生きてると言う勝治の説に疑心的です。
※勝治の首輪には不具合が起きていると推測しています。
※主催側に何か不都合な事が起きていると推測しています。
※権兵衛からリュウセイと少年(ムラクモ)の現状、危険人物の話を聞きました
※麗華達と情報交換しました。

【東豪寺麗華@MMDDFF】
[状態]:健康
[装備]:エクスカリバー@Fate/Zero
[道具]:基本支給品、DMカードセット(デモンズ・チェーン@遊戯王5D's)
[思考・状況]
1:生き残って主催者をブチ殺す。
2:幽香の奴、死んだのか。
3:水色髪の男(さやか)はほっとけない。
4:レア様とはいずれ決着をつけるつもりだったけど……。
※制限はほとんどされてません。
※遊星と情報交換しました。

【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:鬼柳京介の肉体。
[装備]:さやかのソウルジェム(濁り:大)@魔法少女まどか☆マギカ
[道具]:基本支給品、「スピード・ウォリアー」のカード(4時間使用不可)@遊戯王OCG、
    「くず鉄のかかし」のカード(4時間使用不可)@遊戯王OCG、「???」のカード@遊戯王OCG、不明支給品0〜1
[思考・状況]
基本:殺し合いをぶち壊して鬼柳の分まで満足する。
 1:謎の戦車を警戒。
※ショウさんの話を聞く直前からの参戦。
※肉体は鬼柳京介のものになっています。
※第一放送を聞き逃しました。
※遊星と情報交換しました。

289 ◆FbzPVNOXDo:2013/08/16(金) 17:59:19 ID:SfRyLeUY0
投下終了です

290名無しさん:2013/08/17(土) 07:21:03 ID:5FeuMG2U0
問題点も解決されてるし乙なんだけど仮投下スレでやらないの?

291名無しさん:2013/08/17(土) 08:50:40 ID:cUcJSCNg0
乙どす

292名無しさん:2013/08/17(土) 09:23:09 ID:OFTPfmzs0
別に本スレでもいいだろ
修正乙です

293名無しさん:2013/08/19(月) 05:55:22 ID:L0k6WTOM0
wiki落ちた?

294名無しさん:2013/08/19(月) 06:15:50 ID:.bagBZOA0
え、落ちてないけど

295名無しさん:2013/09/22(日) 11:45:17 ID:4QzUrm/kO
そぉい!

296名無しさん:2013/09/22(日) 13:47:08 ID:1/bL9vUU0
あら西野くん、まだ早いですよ

297 ◆FbzPVNOXDo:2013/10/26(土) 03:31:54 ID:Sm092yKc0
久々に投下します

298最悪の脚本(マッドスプリクト) ◆FbzPVNOXDo:2013/10/26(土) 03:33:11 ID:Sm092yKc0
「中々良いペースで減ってるじゃねえか」

第二回放送を聞きジャギは笑みを浮かべる。
どうやら、自分以外にも積極的に殺し合いをしている者は少なくはないらしい。
殺し合いに反対する参加者に下手に徒党を組まれるよりは遥かにましだ。

「さて、どうするか」

疲労が取れたのを確認し、ジャギは前方の獲物を確認する。
数は六人、男二人、女四人。
その内一人は上半身だけ、死体だろうか。
車種までは分からないが、車に乗ってこちらに向かってきている。

(流石にあの人数は面倒だな)

連中がこちらに気付き、車を停車させる。
中から金髪の少女と軍服を着た男が降りてきた。
常人だけならともかく、この二人は相当な使い手。まず一度に相手するのは得策ではない。

「私達は殺し合いには乗っていません」
「うむ、出来れば争いは避けたいが」

相手側に殺意は無い。少なくとも今は。
ならば、今回はそれに乗っかるのも手か。

「ああ、俺も争う気はねえな」

勿論嘘だ。
獲物を欺き隙を見せたところを一気に狩る。
それが彼の立てた作戦、単純極まりないが厄介な事この上ない。

「どうやら敵意は無いらしいな」
「そうですわね。響さん――」

警戒を解き、二人組みは車の中の仲間に呼びかけ始めた。
どうやらファーストコンタクトは悪くないらしい。
正直、あからさまな世紀末フッションにヘルメットと見れば誰でも怪しむものだが、生憎とこの二人が色々ずれてたのも要因だろう。

299最悪の脚本(マッドスプリクト) ◆FbzPVNOXDo:2013/10/26(土) 03:33:44 ID:Sm092yKc0



その後、自己紹介から始まり今までの情報の交換、危険人物など平穏なコミュニケーションが行われた。
無論ジャギは今までに自分が戦ったリュウセイ、研を危険人物だと教えるなど嘘も混じっているが。

(青色の巨人、か。覚えておくか、いずれ殺してやるがな)

「二人組みの子供か……信じがたいが」
「ああ、俺もそれで騙された。くれぐれも気をつけろよ」

情報の入手も上手くいった。
完全に気を許しているわけでも無いが、それでも隙は徐々に見せ始めている。
何時殺すか、あるいはこのまま誤った情報を流し他の参加者と潰し合わせるのも悪くは無い。

「あァ?」

だからだろう。

「どうし――」

アカツキの背後。
生い茂る木々、茶と緑の自然しかない空間に現われた青色の異物。
その巨体を歩み寄せ、口を開きニタリと笑う“ソレ”。
かつて感じた。そして今尚、アカツキの心を蝕む存在。

「くっ……」

何時から居たのか。如何にしてこの近距離まで気配を消したのか。
浮かぶ疑問は尽きず、そして思考する間もなく身体は回避運動を行う。
だが、驚愕はその回避運動を僅かながら遅らせた。
時間にして一秒も無かったかもしれない。しかし、この場面に置いてこれは致命的過ぎる。

――間に合わない。
闇に包まれ覆われる視界。生暖く気色の悪い吐息。
感じる全てが不快で、そして恐怖で満たされていく。

血が、舞う。

頭を失った体は力を無くし、重力に従い崩れ落ちる。
残ったのは首から上が無い無残な死体。

「雛、子……?」

頭部を噛み千切られた際に地へと落ちた雛子の金髪だけだった。

あの一瞬、雛子はアカツキを跳ね飛ばし青鬼に喰われた。
まるで悪い夢のようだ。
淡々と起こっては過ぎていった事態に理解が追いつかない。

「アカツキさん!」


鬼子の叱咤。
アカツキの意識は再び覚醒し事態を無理やり認識させた。

300最悪の脚本(マッドスプリクト) ◆FbzPVNOXDo:2013/10/26(土) 03:34:16 ID:Sm092yKc0

「ここは私が何とかしてみせます……ですから早く逃げて!」
「待て、お前一人では……」
「私の命は既に一度、ある人の犠牲により救われました……。今度は私が……」

止めたかった。
戦力的に考えてもアカツキがここに留まるべきなのは明白だ。

(何故、震えが止まらないんだ……!)

怖い。
どうしようもなくあの存在が恐ろしい。
戦意どころか無謀な戦いに臨む仲間を止める事すらできない程に。

「ひ、ひな……なんで、雛子……? 雛子雛子雛子!?」
「ちっ」

虚ろな目で雛子だったものへ近づこうとする響をアカツキは無理やり抱き寄せ担ぎ上げた。
肩の上で暴れる響を制し、上半身だけのプラシドを拾い上げる。

「逃げるぞ!!」

全速力で駆け出した。




「ハァ……ハァ……ここまでくれば大丈夫か?」

半ば放心状態の響を下ろし自身も腰を下ろす。
無我夢中で走った。ここに来たなかで全速力かもしれない。

「鬼子……」

あの場で誰かが残るのは間違った選択じゃなかった。
だが問題は誰が残るかだ。
考えなくても分かる。
鬼子よりも、適任者が居た。
アカツキならば、青鬼と対峙しても生還できる可能性は高い。

「くっ……自分は……」

未だに体が震えている。
止まらない。

「おいアカツキ……ルカは何処だ?」
「何?」

ルカ……。
居ない。何処に?

プラシドの呼びかけでアカツキは更なる異常に気付いた。
ジャギと会ってから、口数は多くはなかったが確かに先までは居たはず。

「不味い、連れ戻さなければ危険だ」

逸れたとすれば、青鬼に遭遇した場所からここまで逃げてきた道中になる。
一先ず来た道を戻り、ルカを捜索を行うべきか。

「!? かわせアカツキ!!」

プラシドの叱咤と同時に五体の一部の感触が消えた。
激痛と溢れ出す流血。

301最悪の脚本(マッドスプリクト) ◆FbzPVNOXDo:2013/10/26(土) 03:34:48 ID:Sm092yKc0

「ぁあ……」

小さく呻き声を上げ、だがそれでも戦闘の体勢に切り替え襲撃者に視線を移すのは、流石アカツキといったところか。

「ちっ一撃で殺してやろうと思ったんだがな」

血の付いた刃物を振るい血を払うジャギ。

「何の、つもりだ……?」
「見て分からないかよ。乗ってるんだよ、このケンシロウは殺し合いにな!
 数が多くて厄介だと思ったが、いい具合に分かれてくれてラッキーだぜ」

間髪入れず横薙ぎに刃物が迫り、アカツキがいなそうとしたところで止まる。

フェイント。
本命はアカツキの右脇腹を狙った回し蹴り。
右腕を失った事によりガードも出来ず、そのまま衝撃を受け地面を無様に転がる。
即座に残った左腕で立ち上がり体勢を整えようとするも、眼前にはジャギの膝蹴りが迫り顔面にめり込み背中から倒れ付す。
 
「大した事はねえな。少しは骨のある奴だと思ったんだがな」

状況はこちらが押されている。
とすればせめて仲間だけでも逃がすべきだ。

「に、逃げろ……響! プラシドを連れて逃げろ!!」
「む、無理だ……」

雛子へ闘争を促すが彼女は聞き入れてくれない。

「怖いんだ……。雛子も鬼子も居なくなってアカツキまで……」

震える手で銃。
ディエンドライバーを構え響はジャギへと構える。

「止めろ、お前の勝てる相手じゃない!」
「それを貸せ響! 下半身は無いがお前よりは上手く使える筈だ!!」

死への恐怖から正常な判断が出来ないというのもあるだろう。
だが――その目には強い意志が感じられた。
決して、それは正しい行動とはいえない勇気ではなく無謀なこと。
だとしても、今この瞬間響きの眼には強い意思、恐怖へと抗う勇気があった。

302最悪の脚本(マッドスプリクト) ◆FbzPVNOXDo:2013/10/26(土) 03:35:21 ID:Sm092yKc0

(自分は……一体何をしていたんだ……?)

銃を強く握り決して手放そうとしない響を見てアカツキは自然と笑いが込み上げてきた。
まるで、今までの自分が馬鹿らしくなってくる。

――あの青色の巨人に会ってから自分は何をしていた?
――何を震えていたのだろう。
――あんな少女ですら、戦いを決意している最中自分は……なんと無様な事か。

「止めろ、響」

静かに、そして先までとは違う意思と決意に満ちたその声は、初めて響の耳に届いた。

「自分は帝国軍人。このような賊に負けなどしない」

何も恐れる必要など無い。
あの巨人もヘルメットの男も、全て倒すだけだ。
恐怖などで止まるわけにはいかない。自分にはまだすべき事がある。為さねばならない事もある。
救わなければならない仲間がいる。

「行け響。自分はこんなところで止まるつもりは無い」

強者に平伏す豚は再び戦士としての覚醒を果たす。
その背中は無言の圧力と安堵感が伝わってくる。

「言うじゃねえか、面白ェ」

ジャギはヘルメットの下で静かに、笑う。
それは嬉しさ。
本人すら気付き得ない場所で漢として求めているのかもしれない。
戦うに値する強者に。
ジャギは気付かない。この場に来てから徐々に変わりつつある何かに。

「響は――行ったか」

プラシドを連れこの場を去った響を確認し、アカツキは残った左拳を握り込む。
長くは戦えそうに無い。不意を突かれ片腕を失ったツケがここで回ってきた。
出血は多い。意識を保てるのはあと僅かか。

303最悪の脚本(マッドスプリクト) ◆FbzPVNOXDo:2013/10/26(土) 03:35:53 ID:Sm092yKc0

「一撃で決めさせて貰うぞ」

故に取った行動は一撃必殺。
初撃で勝負を決め、腕の手当てをし意識を繋ぎとめ響を追う。
アカツキが立てたのはシンプルな予定。

「電光機関――開放……!」

全ての電気エネルギーを左拳に込める。
傷が痛むが気にする暇は無い。
並々ならぬ膨大な力にジャギも一歩後ずさる。

「まだ、そんなもんを隠してやがったか……」

対するジャギは腰を僅かに引き手を携える。
闘気を全身に纏わせアカツキを睨む。
誇り高き帝国軍人に対し、最大の敬意を払うために。
以前のジャギであれば思いもしなかった行動に。

「歯を……」
「南斗――」

アカツキが駆け出し、ジャギは僅かにバックステップをし助走を付ける。

「食いしばれ!!」
「邪狼撃!!」

拳と貫手。電撃と闘気。
両者の奥義が交差し交わり。

静寂が支配する。

ジャギの貫手に使った右腕の皮膚が裂け鮮血が散る。

「すまない……響」

胸部に赤黒い穴を空けアカツキは倒れた。

「クソがっ……」

力なく垂れた右腕を纏っていたジャケットで巻きつけ止血する。
応急処置もいいところだ。何処か落ち着ける場所で治療に専念する必要があるか。
アカツキのディバックを拾い上げ自分のディバックへ放り込むとジャギはその場を後にした。
その顔は、だが何処か満ちているようにも見えた。

304最悪の脚本(マッドスプリクト) ◆FbzPVNOXDo:2013/10/26(土) 03:36:26 ID:Sm092yKc0


【C-05 /1日目・日中】


【ジャギ@北斗の拳】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、全身に爆発によるダメージ×2、QMZの力の目覚め、原因不明の苛立ち、右腕に裂け傷(止血済み)
[装備]:魔法戦士の衣装一式@QMZ
[道具]:基本支給品一式、音の出るフリスピー@ミツバチ(遊助)、アカツキのディバック
    日本酒一升、刃物×2(全て違う種類、そこそこ大きい)
[思考・状況]
基本思考:ケンシロウの名を騙ってゲームに乗る
0:ケンシロウも気になるが、コソコソ見てた奴(譲治)も気になる。
1:参加者を探し、殺す。
2:銃火器がほしい。ガトリングとか。
3:襲撃者(にとり)は確実に殺す。
4:自分をコケにした女と犬(早苗と権兵衛)は許さない。
5:研、リュウセイ(名前を知らない)は次会ったら殺す。
6:奇跡の部屋にある新鮮な血に疑問。
7:右腕の治療と青鬼を警戒。

305最悪の脚本(マッドスプリクト) ◆FbzPVNOXDo:2013/10/26(土) 03:36:59 ID:Sm092yKc0









「アカツキ……」
「心配するな響、奴は強い。恐らくこの俺をも凌ぐやも知れないほどにな」

プラシドを連れジャギから逃げ延びた響。
アカツキの事も気になるが、プラシドの言った事をアカツキの言葉を信じて、待つしか今は出来ない。
辺りを見渡し、ここが何処か確認する。
あの青色の巨人と鉢合わせは勘弁だ。

「響、あの車……」

何かを見つけたのか、小脇に抱えられたプラシドが指差す。
その先には見覚えがある車が一台あった。
ホンダのオデッセイだ。自分達が散々乗り回して来た車、忘れるわけが無い。

「何でこんなところに……」
「ルカか鬼子が乗って、ここまで来たのかもしれないな」

そっとドアノブに手を掛ける。

……揺れている。僅かにだが車体が振動している事に響は気づいた。

ガチャっとドアを開ける。

「!?」

ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ

「ルカ……?」

車内に居たのは紛れも無く巡音ルカその人だった。
違いがあるとすれば、少なくとも逸れる以前はまだ生気があったのに比べ
今は顔面蒼白、体は絶えず震えを繰り返し異常なほどに見開いた眼でこちらを見てくる。

306最悪の脚本(マッドスプリクト) ◆FbzPVNOXDo:2013/10/26(土) 03:37:31 ID:Sm092yKc0

「何だ? 何があった!」

ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ

まるで話にならない。これではマナーモードだ。

「!? お、鬼子!!」

その時、木々の向こうから見覚えのある着物姿が見えてきた。
特徴的な和服、長い黒髪に鬼の角。
間違いない、日本鬼子。

「ぶ、無事だったんだな……」

鬼子の安否を確認し、ほっと一息着いた。
プラシドを助手席に置き、自分は外に出て鬼子を見つめる。
雛子以外は誰も死んでいなかった。
良かった。本当に良かったと心の中で何度も呟き続ける。
気付けば安堵からか、涙まで出始めていた。

「……」

それを心配してか鬼子が響へ近寄ってくる。
響は涙を拭い笑顔を作ると。

「大丈夫、大丈夫だぞ……」

そうだ泣いてる暇なんか無い。
鬼子が生きていたんだ。なのに鬼子をここで心配させてどうする。
アカツキだって生きてる。今は泣くような事は無いのだから……。

「ルカ! 貴様何をしている!!!」

車のエンジン音。最早止まることなど考えていない異常な加速。
ただその場から離れる為だけの運転に響は呆然とする。

「え?」

ニヤリと笑う。
黒い髪に鬼の角を生やした


















「助、け――」







ブルーベリー色の巨人は。








【アカツキ@アカツキ電光戦記】死亡
【四条雛子@MUGEN】死亡
【日本鬼子@日本鬼子ぷろじぇくと】死亡
【我那覇響@アイドルマスター(アニメ)】死亡

307最悪の脚本(マッドスプリクト) ◆FbzPVNOXDo:2013/10/26(土) 03:38:03 ID:Sm092yKc0



【D-05 /1日目・日中】


【プラシド@遊戯王5D's】
[状態]:上半身のみ、希望の番人化
[装備]:アノニムの二丁拳銃 弾数(5/6、6/6)(一丁のみ腰に差している)@アカツキ電光戦記
[道具]:基本支給品一式、インヴェルズ・ギラファ@遊戯王、 希望王セット@遊☆戯☆王ZEXAL、RUM−リミテッド・バリアンズ・フォース@遊☆戯☆王ZEXAL
[思考・状況]
基本行動方針:絶望の未来を変える
0:ルカ……? 響は?
1:気に食わないが戦力になりそうな不動遊星を探す。
2:愛用のDホイールと剣が欲しい。
3:不動遊星との決着は保留。
4:下半身♂を直したい。
5:宙……。
※シンクロの代わりとなるエクシーズに注目しています。
※歴史を改変しシンクロ時代の今をエクシーズの時代に変えようと思っています。
※ルカ達の話の食い違いについては一応思考中・・
※RUMと希望王セットのカードは一度使うと6時間使用できません。
※NO.の精神汚染は本ロワでは無効です。

【巡音ルカ@VOCALOID】
[状態]:健康、ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ
[装備]:大口径拳銃@魔法少女まどか☆マギカ
[道具]:基本支給品一式、プラシドの下半身@遊戯王5D's、モンスターボール(バッフロン)
    もしかしてオラオラですかーッ!?@未来ガジェット研究所、ふなっしー@現実
[思考・状況]
基本思考:歌い続けるために生きる
1:???


【C-05 /1日目・日中】

【青鬼@青鬼】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]なし
[思考・状況]
基本思考:???
1:???


【D-04 /1日目・日中】

【青鬼B@青鬼】
[状態]健康、日本鬼子の肉体
[装備]なし
[道具]なし
[思考・状況]
基本思考:???
1:???

※雛子、響も青鬼化するかは不明です。

308 ◆FbzPVNOXDo:2013/10/26(土) 03:38:36 ID:Sm092yKc0
投下終了です

309名無しさん:2013/10/26(土) 11:02:30 ID:7/nghS4MO
投下乙ですー。

310名無しさん:2013/10/26(土) 11:14:18 ID:NJu//Iu.0
投下乙です

もう全部青鬼一人でいいんじゃないかなと思い始めてきた

311名無しさん:2013/10/26(土) 12:32:59 ID:k9JWqVMY0
投下乙

だけど青鬼は食った人物から新しい青鬼を生み出すって感じで、食った相手を見た目そのまま青鬼にするわけじゃなかったはず
日中だしすぐ近くに行くまで気づかないってことはないと思う

312名無しさん:2013/10/26(土) 15:12:15 ID:0.Xm1r.I0
投下乙です

青鬼がこのまま行動を続けていったら…
他の参加者に打つ手はあるのか期待

313名無しさん:2013/10/26(土) 15:52:53 ID:fQ..PP/c0
投下乙です
鬼子たんが青鬼子になってしまった…

314名無しさん:2013/10/26(土) 19:19:39 ID:TICwt9dg0
最後の青鬼子のシーン、ヤバ過ぎる……! おっそろしいマーダーだぜ……
ルカがトラウマ作って凄惨な状況に。これもう(何をしでかすか)わかんねぇな
そして命懸けでQMZに立ち向かうアカツキさんの勇姿、実にかっこ良かった!
投下お疲れ様です! 今回も大変面白かったです〜

315 ◆FbzPVNOXDo:2013/10/26(土) 20:16:44 ID:Sm092yKc0
イカ娘投下します

316イカ娘、侵略やめるってよ ◆FbzPVNOXDo:2013/10/26(土) 20:17:19 ID:Sm092yKc0
第二回放送。
歩む足を止め、イカ娘は耳を傾けた。

「またこんなに死んだでゲソか?」

16名だか17なのか定かでは無いが、ともかく死亡者は減ることは無く殺し合いは進行し続けている。
その事実に奥歯を噛みながら、イカ娘は静かに闘志を燃やす。

イカ娘はこの放送で呼ばれた参加者の殆どを知らない。
強いて言えば、あかりと少ない時間を共にした程度だ。

だが、それでも一ついえる事がある。
何故彼ら、彼女らは死ななければならなかったのだろうか。
もしかしたら、何か凶悪犯罪を犯した者や、本当に救い様の無い悪人も居たのかもしれない。
けれども全員が全員、死んでいい筈など無い。

最早、侵略も願いを叶えられなかった飴の老人の約束も関係ない。

イカ娘は自らの信念に従いこの殺し合いを止め、主催を打倒する事を決意した。

難しい事は分かっている。
でも諦めることだけはしない。
絶対に連中の思い通りにだけはならないし、させない。

「まずはあかりの仇を打つでゲソ。それから仲間を探して首輪も外すでゲソ」

明確なプランは立てていない。
正直、そこまで頭が良いとは言えないからだ。
しかし諦めない限り敗北は無い。

強き決意と瞳に宿る反逆の炎はイカ娘を突き動かす。
その先にあるは勝利か敗北か。



【F-08 /一日目・午前】


【イカ娘@侵略!イカ娘(イカ娘の侵略実績のご紹介)】
【状態】】疲労(小)、深い悲しみ、強い決意
【装備】いつもの服(少し破けてる。あかりの血で汚れている。)
【道具】ヴェルタースオリジナル×1
【思考・状況】
基本:殺し合いを止め、主催を妥当する
1:あかりの仇を討って、仲間も集める

317 ◆FbzPVNOXDo:2013/10/26(土) 20:18:04 ID:Sm092yKc0
投下終了です

あとイカ娘の状態表は下記のでお願いします

【イカ娘@侵略!イカ娘(イカ娘の侵略実績のご紹介)】
【状態】】疲労(小)、深い悲しみ、強い決意
【装備】いつもの服(少し破けてる。あかりの血で汚れている。)
【道具】ヴェルタースオリジナル×1
【思考・状況】
基本:殺し合いを止め、主催を打倒する

318名無しさん:2013/10/26(土) 20:55:10 ID:TICwt9dg0
投下お疲れ様です
イカちゃん頑張れぇぇぇぇ!!
闘士を燃やすんだああぁぁぁ!!

319 ◆FbzPVNOXDo:2013/10/26(土) 21:50:41 ID:Sm092yKc0
>>316
追加修正で
【F-08 /一日目・日中】に

320名無しさん:2013/10/26(土) 21:52:11 ID:NJu//Iu.0
投下乙です。

これって午前じゃなくて日中ですよね?

321名無しさん:2013/10/26(土) 23:25:07 ID:0.Xm1r.I0
投下乙です

イカちゃんは頑張って欲しいが…
敵討ちとかヤバいフラグにもなるからなあ

322名無しさん:2013/10/27(日) 09:23:45 ID:0Ebmm1ms0
>>311
バージョン6.23の青鬼では、生前の姿に擬態化した青鬼も出てる
会話も出来るから、ある程度知能を持ってるっぽい

323 ◆FbzPVNOXDo:2013/10/29(火) 02:00:53 ID:vz/r6Jqs0
投下します

324そうだ船に行こう ◆FbzPVNOXDo:2013/10/29(火) 02:01:33 ID:vz/r6Jqs0
ザクッザクッ。

無機質に甲高くも鈍い音が響く。
柄にも無くケイネスはシャベルを振り上げ土を掬うと、それを横の穴へと放る。
徐々に土によって埋もれていくジャックの遺体。
幸いにもジャックの遺体に異常は無かった。
その事へ安堵しつつも疑問も沸いた。

(奴の繁殖方法はてっきりゾンビのようなものだと思ったが……しかしジャックの遺体に異常は無い。
 何か条件があるのか?)

ジャックの遺体を確認した後、こんなところ内を探索したが。そこにはケイネスが使ったクローンは無かった。
誰かが持ち去った可能性もあるが、あの巨人へと変貌しこの場を去ったというのも否定できない。

(一先ずジャックのクローンには魔除けの魔術を施しておいた。
 あの巨人になる事はないだろう)

再びジャックの埋葬を終えると、ケイネスは袖で汗を拭き近くに大木を背に腰を落とす。

(どうする? ランサーとも会えずじまい。
 首輪の解除の方法もまったく手がかりが無い。
 あの巨人の事もまったく分からない。 
 ……八方塞だな)

そこへ定時放送を伝えるサイレンが鳴り、死者の発表が始まる。
放送で呼ばれた名前を聞き、名簿に線を引いていく。
その過程で、やはり幾つか気になる名前が挙がってきた

(ジャック……。それにタドコロという者も逝ってしまったのか……。
 無いとは思うが、ランサーが早まらなければ良いのだが。
 そして松岡勝治、一体何者だ? 何故こんなにも放送で呼ばれる?)

同姓同名にしては名簿には名前が一つしか載っていない。
毎度毎度放送の度に呼ばれる、この少年は一体何者だというのか。
疑問は尽きない。

(これだけ呼ばれたという事は、もしかしたら不死身なのか? 例えば吸血鬼……真祖という可能性もあるな。
 ……今生きていると仮定して会ってみる価値はあるか? となればやはり人と遭遇しやすい場所……市街地、いや――)

ケイネスは地図を広げ指で地名を追いある地点で止めた。

(豪華客船……。勘の良いものなら、船が脱出に繋がると考えるものも少ない無い筈。
 ましてや禁止エリアになったのなら、その前に探索をしようと思うのもおかしくない。
 うむ、絶対的に人が集まるとは限らないが、それでもある程度の数は見込めるかもしれん。
 幸い位置的にも車で行けない訳でも無いしな)

地図を仕舞い君島の車に乗り込む。
ケイネスはこんなところを後にした。


【G-6/1日目・日中】

【ケイネス・エルメロイ・アーチボルト@Fate/Zero】
[状態]:疲労(中) 魔力消費(極小) 令呪残り二画
[装備]:メタルまゆしぃ@Fate/Zero(ケイネスの礼装をCv.花澤香菜にしてみた)、 ヒラリマント@ドラえもん、君島の車@スクライド
[道具]:基本支給品×4(食料×1)、アカツキのディバック、ジャックのデイバック
   ブック・オブ・ジエンド@BLEACH、グリーフシード@魔法少女まどか☆マギカ 
   ハリボテエレジー(破損状態、濡れてる)@JAPAN WORLD CUP
   乖離剣・エア@Fate/stay night
[思考・状況]
基本行動方針:主催者の打倒。
1:松岡勝治と会う、その為にエスポワールに向かう。
2:不動遊星、鬼柳京介を捜索。
3:ランサーの魔力は誰が・・・?
4:ギルガメッシュ、アサシン、ラミエル、グレーテルを警戒。
5:化け物(青鬼)を警戒。
6:このゲームは聖杯戦争と関連している・・・?



※ハリボテエレジーはデイバッグの中で修復するかもしれません。
※令呪を使ったとき発動するかどうかは他の書き手さんに任せます。
※この首輪、または会場の所為で魔力の消費が著しくなっていると考えています。
※青鬼は何らかの方法で増殖すると考えています。
※ジャックの遺体に異変はありませんでした。
※勝治を生きていると仮定しました。真祖という可能性も考慮しています。

325そうだ船に行こう ◆FbzPVNOXDo:2013/10/29(火) 02:02:06 ID:vz/r6Jqs0
投下終了です

326名無しさん:2013/10/29(火) 02:43:59 ID:./HMzKmI0
投下乙です
勝治真祖説はともかく不死身ってのは当たらずも遠からずだなw

327名無しさん:2013/10/29(火) 20:25:51 ID:X8lAiYPM0
乙です
豪華客船・・・まだ手付かずの場所かな?
誰が近くにいたかは覚えてないが

328名無しさん:2013/10/29(火) 22:43:34 ID:NCUNf9K60
投下乙です

そっちに行くのかあ…

329 ◆FbzPVNOXDo:2013/11/01(金) 04:05:37 ID:oyQ24oho0
投下いきます

330小さな狼煙――人恋し妖怪―― ◆FbzPVNOXDo:2013/11/01(金) 04:11:25 ID:oyQ24oho0
「良いぞ……もっと殺し合え」

16人だか17人だか分からないが、いいペースで死んでいる。
この様子なら、一日で参加者の大半は死ぬんじゃないか。
しかし現実は非常とでも言うか、こう喜んでばかりも居られない。

「本当なのかベネット?」
『ああ、情報が漏れた』

かなり面倒な事になった。
誰か知らないけど、本部の情報を勝手に盗み見た奴が居るらしい。
今のところ、主催連中を全員調べているらしいが……。

「まっアイツしかいないだろうけどね」

さて処刑に向かうとしよう。
反乱者は生かしておかない。この宴は始まったばかりなんだ。
無粋な真似をして水を差すのは忍びないからね。

331小さな狼煙――人恋し妖怪―― ◆FbzPVNOXDo:2013/11/01(金) 04:11:58 ID:oyQ24oho0
「また僕の名前が……嫌がらせかな」
「さあ、だとしたら随分と性格の悪い主催も居たものですね!」
「こんな殺し合いを開く時点で、性格も何も無いと思いますけどね」

権兵衛の背で勝治とシャーロックは、先程の放送について各々思った事を話し合う。
まず最初に話題になったのは知り合いの死についてだが、少なくともこの場に居る三人の知り合いの名は呼ばれなかった。
その事に安堵するも、やはり最期に呼ばれた勝治の名前については如何に権兵衛の頭脳を以ってしても、真意を見切ることは出来なかった。

「参加者の混乱を招く為でしょうか? いやそれにしても……」
「他にもっとやりようはありますよね。何で僕なんだ?」
「分かりませんね〜」

呑気に会話を続ける三人を余所に辺りは随分と悲惨な状態になっていた。
倒壊したMOCO'Sキッチンスタジオ。抉れた地面、薙ぎ倒された木々。
瓦礫が散乱し、嫌でもこの辺りで大規模な戦闘があった事が分かる。

「……リュウセイ君、無事ですよね」

シャロは先程までの元気が嘘のように静かな声で呟く。
やはり、この惨状を見て気が滅入っているのかもしれない。

「大丈夫だよ。リュウセイ君は強い。
 なんたって最強のボーグバトラーだからね」
「そう、ですよね。御免なさい、私……」

励ます勝治だが、その当人も顔こそ笑ってはいるが内心は違う。
不安だらけの筈だ。
こんな時に、気の効いた台詞の一つも言えない自分に権兵衛は嫌気がさす。
それを振り払うように、ただ自分は走るだけだ。何もかもが手遅れになる前に。

332小さな狼煙――人恋し妖怪―― ◆FbzPVNOXDo:2013/11/01(金) 04:12:30 ID:oyQ24oho0

「やあ、譲治だよ」

男の声をしたドレスに身を包んだ女だった。
瞬間移動でもしたかのように、突然現われたその女に二人と一匹は警戒する。

「実はルシフェルという参加者を探していてね」

女はただ淡々と探し人を聞き。二人と一匹は聞き慣れぬ名に首を傾げる。

「知りませんよ」
「そっか、じゃあ――」

男声の女が質問しそれに勝治が答えた直後、飛んできたのはナイフ。
突如現われた銀色の物体。
先端をこちらに向け、風を切り突き進んでくる。
文字通り突然だ。遠くから狙いを着けて投擲したのではなく“突然”男声の女と共に現われた。
三つのナイフが二人と一匹の脳天目掛け飛んでくる。
二人と一匹は、そのナイフの動きがとてもゆっくりと見えるのに、体が反応しない。
これが俗に言う走馬灯とでも言うのだろうと、何処か他人事にように思える。

「やれやれだな」

ふと視界が元に戻ったと思えばナイフは消え、男声の女が謎の爆発に巻き込まれ二人と一匹の前には黒い服を着た男が立っていた。

「あ、貴方は?」
「権兵衛だな? 悪いが自己紹介をしてる暇は無い。
 さっさと逃げてくれないか?」

怪訝そうな顔をする権兵衛。
だが、この男が自分達を助けてくれたのだろう。
一先ずは信用しても、問題は無いと判断した。

「ちっ、クマでも大した時間稼ぎにはならないか」

爆煙の中からカブトボーグを持ったクマが吹っ飛ばされてきた。
更に今度はあの男声の女がゆっくりと姿を現す。

「何の真似だ? 自分からのこのこ出てくるなんて」
「別に。ただ彼らを泳がせた方が面白いと感じたのでね」
「ハッ。知ってるぞ? お前だろ。首輪の情報を漏らしたのは」

譲治がスイッチのような物を持ち。
同時にルシフェルが指を鳴らし自らにかせた首輪を外す。
瞬間、何処からか爆音が聞こえた。

「首輪を……面倒な」
「どうせ爆破に来るだろうと思ってね」

譲治は舌打ちし数本のナイフを手に取る。

「なら、直接殺してやるよォ。ルシフェル!!!」







―――

333小さな狼煙――人恋し妖怪―― ◆FbzPVNOXDo:2013/11/01(金) 04:13:02 ID:oyQ24oho0


譲治がルシフェルに気を取られている内に権兵衛達はヨコハマ埠頭近くにまで来ていた。
辺りに人の気配は無く、ここならば多少は安全だろうと権兵衛は急かす足を止めた。
暫くの休憩の後勝治が口を開いた。

「な、何だったんでしょうか。さっきの?」
「恐らくは仲間割れでしょうね」
「仲間割れって……どうして?」
「さあ理由までは……」

あの二人の対話を見る限り、仲間割れである事は間違いない。
彼らの内部事情までは把握していないが、何かあったということか。

「うーん。あのルシフェルって人が主催者なら、何で私達を助けてくれたんでしょうか……」
「僕達が殺される事で、何か都合の悪いことがあったとか……」
「分かりませんねー」

権兵衛は立ち上がりシャロへと近づいてきた。

「どうしたんですか?」
「シャーロックさん……良いですか? これからは勝治君と二人でリュウセイ君を探してください」
「え?」
「私はあの男声の女の方へ戻ります」
「そんな、馬鹿な! 自殺行為だ!」

勝治が声を荒げ叫ぶ。
当然だ。あの男声の女はただの人間じゃない。
権兵衛一人では死にに行くようなものだ。

「ですがまたとない好機であるのも事実です。
 そう、連中から主催側の情報を上手く聞き出す、ね」

今まで禄に有益な情報の入らなかった彼らにとっては主催側との接触はまたとないチャンスだ。
権兵衛の言いたいことも分かる。

「なら尚更僕らが……」

けれどもそれはとてつもない危険を孕んでいる事も事実。
権兵衛一匹に行かせる訳にはいかない。

「……勝治くん、シャーロックさん。貴方には貴方方にしか出来ない事がある。
 そして今、私は私にしか出来無い事を見つけただけです」

それでも優しげに権兵衛は笑う。

「シャーロックさん。誇ってください、貴方はあの名探偵シャーロックホームズの孫だ。
 必ず全ての謎は解けるはずです」
「権兵衛さん……」
「勝治くん、後は頼みます」
「ま、待って……」

会話を一方的に切り駆け出す権兵衛に、二人はただ見送る事しか出来なかった。

334小さな狼煙――人恋し妖怪―― ◆FbzPVNOXDo:2013/11/01(金) 04:13:34 ID:oyQ24oho0








「ふっ……流石に、魔女とクマの二人を相手取るのは無茶だったか……」

胸に飽いた赤黒い穴、クマに開けられたものだ。
そこから血が抜けていく。
手懐けたと思っていたが、やはり所詮は畜生か。餌で簡単に譲治に寝返ってしまった。

(まあ、いい……。目的は達した)

主催者として殺し合いの進行を進める上で、首輪や殺し合いに関する情報を掻き集め、殺し合いからの脱出を志す信頼にたる人物に渡す。
何人もの参加者を見て、厳選し、そして見つけた。本来ならば時期を見てイーノックに渡したかったが、まあいいとしよう。
やっと終わりだ。ここから先は彼らの仕事。自分はもう眠りの時間だ。

『馬鹿な奴だ。適当に命令に従っておけば命は助かったものを』

どうやら、まだルシフェルに着けてある通信機は生きているらしい。
それをいい事にベネットが野次を飛ばしてきた。

「そう、だな……。だが一つ大事な事を忘れていないか?」
『何?』
「私は大天使だ。君達人間に縛られる道理は無い。……そうだろ?」
『そうかい』

身体が冷たくなる感触。なるほどこれが死か。
今まで何年、何百年、何万年と生きてきたが初めてだ。

「……中々悪くない」

死んだら私は天国に行くのか……あまり前と変わらないような気もするな。
まあいい。イーノック、もうすぐお前と同じ場所に行けそう、だ……。

335小さな狼煙――人恋し妖怪―― ◆FbzPVNOXDo:2013/11/01(金) 04:14:07 ID:oyQ24oho0







驚いた。
私のディバックに違和感を感じたので中身を確認してみたら、見覚えの無いUSBメモリーがあったのだから。
どんな手品を使ったのかは分からないが。恐らくは、あの黒い服の男がやったのだろう。
彼が何の為に私にこれを渡したのかは分からない。
ただ殺し合いの破綻を願っている者というのは薄々だが分かった。

(すみません。シャーロックさん)

推測だが敢えて殺されることにより、あのルシフェルという男は自分自身をフェイクとして使ったのではないだろうか。
首輪の情報を盗み出したとなると主催から追っ手がくる。それに殺され情報を回収したと見せ掛け参加者へと流す。
その参加者の役として私が選ばれたのだろう。

(多分……貴方を悲しませることになるでしょう)

だが、ルシフェルの考えには一つ誤算があった。
いや慢心ともいえる。
彼が人では無い、圧倒的上位の存在だというのは一目見て分かった。
故にだ。ルシフェルは自らの力を過信し、あの男声の女を侮っていた。

「ふん、ルシフェルめ。無駄な小細工を……!」
「グオオ」

ルシフェルが思う以上に男声の女は優秀だった。
だからルシフェルの真意に気付き、胴長のクマを連れ私を追ってきた。
けれどこれではっきりした。
私に渡されたこのメモリーは何か殺し合いの破綻に繋がるものだと。

だからこそルシフェルが自身をフェイクとして扱ったように。

今度は私が囮になる。

「さて、持ってるんだろう? あれを」
「何の事でしょう?」

男声の女は笑う。
「お前など何時でも殺せる」と言わんばかりに。

「話の意図が読めませんよ」
「……消えて貰うよ。本当ならこんな事はしたくないんだけどね。――やれクマ」

336小さな狼煙――人恋し妖怪―― ◆FbzPVNOXDo:2013/11/01(金) 04:14:40 ID:oyQ24oho0

――来た。
胴長のクマがカブトムシを模した玩具を投擲する。
あれは多分、リュウセイ君に見せてもらったのと同じカブトボーグだ。
確かにあれは変則的な動きをする。

「グォ!?」

ただし、それはあくまでチャージンをし地に車輪を着けてからの話。
その前の、僅かな滞空時間ならば直線的で単調な動きになる。
かわすのは難しい事ではない!

「何やってる! 早くこいつを――」

無駄なのかもしれない。
首輪の情報を流したのも、実はデマで我々の混乱が目的という可能性だってある。
仮に本当にルシフェルが裏切り者だとしても、主催者の圧倒的な力の前には屈してしまうかもしれない。

「や、やめ――」

私が取り出したのはバックから取り出し口に咥えているのは地球破壊爆弾。
名は物騒だが、威力は精々1エリアの半分を消し飛ばすのが精一杯らしい。
それで十分。既にピンは抜いた。後はただ待つだけ。
女の顔が歪み、やめろと問いかけるがもう遅い。もう私にすらこれは止められない。

――我侭ですね。シャーロックさん。
全て貴方に押し付ける形になってしまって。

――早苗さん。貴方にも涙を流させてしまうのでしょうね
謝っても許されることではないでのしょうが。謝らせて下さい。

――リュウセイくん、勝治くん
彼女達を守ってあげて下さい。貴方達は強い。


「ああ、もうそろそろか」


皆さん、後は頼みます。



「ふざけるなああああああああああこんなところでええええええええええええ!!!!」


消える前の蝋燭の様に大声を張り上げる譲治。
だがもう遅い。既に決着は着いた。
視界が真っ白に染まるなか……

「――戦人……」

一瞬だけ、あの男の姿を見た気がした。

337小さな狼煙――人恋し妖怪―― ◆FbzPVNOXDo:2013/11/01(金) 04:15:12 ID:oyQ24oho0




E-3を眩い閃光が包み込む。
その場にあった全ての者は無へと帰る。
本部により、その様子を確認したベネットは爆破の影響で首輪の情報を記録したUSBメモリも消し飛んだと判断した。
事前の誰かに渡したという可能性もあるが。
少なくともあの“馬鹿”な探偵ごっこの雌ガキと貧弱小僧に渡すなんててことは有り得ないと考え、捜査は一旦打ち切りになった。

ルシフェルの過信と侮りが権兵衛がを死なせたのだとしたら。
今度はベネットの過信と侮りが彼らの首を絞めることになるのかもしれない。

ほんの僅かな一瞬。権兵衛は器用に口を使いこっそりとシャーロックのバックへある物を入れておいた。
小さな探偵のバックの奥底、静かに光るUSBメモリに気付く者はまだ居ない。









【ルシフェル@エルシャダイ】 死亡
【クマ@よもやま四方山】死亡
【権兵衛@幻想入り】 死亡
【右代宮譲治@うみねこのなく頃に】死亡

E-3の半分が消し飛びました。
権兵衛、譲治の遺体及び持ち物は一切残っていません。

338小さな狼煙――人恋し妖怪―― ◆FbzPVNOXDo:2013/11/01(金) 04:16:13 ID:oyQ24oho0


【D-2/一日目・日中】


【シャーロック・シェリンフォード@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:疲労(小)
[装備]: なし。
[道具]:基本支給品、手鏡@現実、USBメモリー@ニコロワγ(本人未確認)、ランダムアイテム0〜1
[思考・状況]
基本:探偵として主催者を捕まえ殺し合いを終わらす。
1:リュウセイを追う。
2:リュウセイに勝治を会わせる
3:居るなら他のミルキィホームズや知り合いを探す。
4:権兵衛さん……
※遊星の首輪と放送に関する考察を聞きました
※主催側はメモリーにが気付いていません。

【松岡勝治@人造昆虫カブトボーグ V×V】
[状態]:疲労(中)、頭部に打撲の跡、足に豆が出来た、ちょっと眠い
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、GOと10万円@真夏の夜の淫夢
サイバーZ二号のベルト@真夏の夜の淫夢関連
[思考・状況]
基本:殺し合いを止める。
1:リュウセイを追う
2:マミさん、リュウセイ、ケンが心配
3:田所(野獣先輩)を警戒
4:ケンは絶対生きてる
5:少年への軽い罪悪感
6:権兵衛さん……
※遊星に今までしてきたことを話しました。ただし、アルセーヌを覗き見してたことは言ってません。
※田所(野獣先輩)が一服盛ったと思いこんでいます。
※放送には、嘘があると思っています。
※遊星と権兵衛の情報交換を聞いています。


【地球破壊爆弾@ドラえもん】
ドラえもんに出てきた数ある道具の中でもトップクラスのキチガイ兵器。
文字通り地球を消し飛ばせるが本ロワでは制限してある。

339 ◆FbzPVNOXDo:2013/11/01(金) 04:16:46 ID:oyQ24oho0
投下終了です

340名無しさん:2013/11/01(金) 14:34:26 ID:HQ/MhTfwO
投下乙です

341名無しさん:2013/11/01(金) 17:27:41 ID:XDL4lQVo0
投下お疲れ様です
ふおおぉぉ、二人のジョーカーが!!
権兵衛いい活躍だったぜ……。
そして脱出ルートへの道しるべが見えてきました、どうなるか楽しみです

342 ◆FbzPVNOXDo:2013/11/02(土) 02:35:43 ID:UC4o03W.0
投下します

343きょうのわんこ ◆FbzPVNOXDo:2013/11/02(土) 02:36:27 ID:UC4o03W.0
「ちぃ、雑種風情がぁ」

どうもこんにちわ。グレーテルです。
何だかんだで、第二回放送まで生き残れた幸運を喜ぶ今日この頃ですが、ぶっちゃけ同時に不幸を呪ってもいます。
うん。さっきからこのギルガメッシュめっちゃ機嫌が悪い。
このヒトラーさん、通称閣下が近くの民家から拝借してきた適当な道具を使って手当てをしてるけど、この怒りっぷりだと下手すれば閣下まで殺しちゃいそう。
まあ腕を斬られて怒らない人は居ないだろうけど、それでもやっぱり怖い。

「よしっと。かなり大まかな応急処置だが破傷風などの心配はこれでないだろう。まあ後でちゃんとした場所で治療するべきだろうが。
 斬られた腕もちゃんと保存しとけば、くっつかんことも無いかもしれん」

閣下は治療を終えると、氷を詰めた透明な袋に腕を挟んだモノをギルガメッシュのバックへと入れた。
その後、あまり期待はするなと付け加えたのを見るにやっぱり腕が戻ることは無いのかも。
少しギルガメッシュが可哀相に思えてきた。

「……」

あっやばい。睨んでる。下手な同情とかしたらマジで殺される。

「褒めて使わす。ヒトラー」
「うむ、こちらも大事な情報源を消したくは無いのでな」
「良かろう。褒美として貴様の欲しい情報をくれてやる」

凄い。
あのギルガメッシュ相手に対等に話し合いに持ち込める辺り、やっぱり閣下は只者じゃ無いんだろうと思う。

「では単刀直入に聞くが、お前は第四次聖杯戦争においてアーチャーのサーヴァントとして現界し
 その十年後に行われた第五次聖杯戦争にも、八番目のサーヴァントして介入したあの英雄王ギルガメッシュという事で合ってるか?」
「そうだ。……何故、そこまで詳しく知っている? 魔術師か」
「……あくまで推測になるがな」

そこから閣下言ったことは驚きの連続だった。
先ずこの殺し合いに呼ばれる前、閣下は2012年ふゆあにめなる娯楽のさいしゅうわというものをチェックしていたらしい。
正直聞いた事も無い娯楽だけど、多分閣下やギルガメッシュは私なんかよりも高い地位の人達だから、そういう人達が見るものなんだろう。

344きょうのわんこ ◆FbzPVNOXDo:2013/11/02(土) 02:36:59 ID:UC4o03W.0

「そうだ。そこは以前の邂逅でも聞いた。
 あの時は妙な巨人の邪魔が入ったせいで話が中途半端に終わったが、そこで我は並行世界が関わっていると確信を持った」
「だろうな。お前の現界した2000年代に日本と、ワシの住む1940年代のドイツでは実に60年近くの差がある」
「更に言えば、その時代にアニメなど無い。確か二次世界大戦辺りだろう? アメリカのデ○ズニーならともかく、貴様の言っていたのは明らかな日本産のアニメ。
 時代誤差にも程がある」
「普通に考えれば、ワシをただの気狂いの類にしか感じんだろうな」
「我も最初はその線で考えていたが、アカツキの言っていた事もある。
 こう立て続けに気狂いに会うものかと疑問になってな。無論、その手の連中だけを集めた殺し合いという可能性もあったが。
 魔術的な観点で考えた方が辻褄は合う」

何この人たち?
意味不明なんだけど。

「ヒトラーよ。我を知ったのはアニメか?」
「正確にはゲームだな。つい最近第四次聖杯戦争の話がアニメ化され、春にその二期がやる予定だった」
「ほう。つまり貴様の世界では我の世界がゲーム、アニメを媒介として映し出されているということか?」
「そうなるな。逆にお前さんの世界では、ワシの時代にアニメなどは無かったという事だな」
「フン、前置きはここまでで良いだろう?」
「ああ。確認したい事も出来たし、やはり並行世界から参加者を集めたという仮説がより強固な物になったからな。
 ……ギルガメッシュ。この場に知り合いの魔術師は居るか?」

さっきから訳の分からない単語が飛び交ってついていけない。
これもう、私が地の文やらない方が良いんじゃないかな。

「妙だな。我の世界の事を知っているのなら、他の魔術師程度知らぬ筈があるまい」
「思い出したのは、お前だけだったんだ。それと聖杯戦争についても大まかな事だけ」
「なるほど。記憶に制限があるということか。
 確かに、その知識は厄介だからな」
「だが魔術師はこの場の脱出からは、必要になるかもしれないと思う。
 それに彼らならワシの記憶のロックも解けるかもしれん」

よく分からないけど閣下は記憶喪失みたいなもので。
それをしたのが主催者って事かな。

「……衛宮士郎、ケイネス・エルメロイアーチボルト」
「衛宮士郎は死んでるな。ならばケイネスとやらか」
「第四次聖杯戦争において、ランサーのマスターだった男だ。我も直接関わっていたわけではない。
 だが優秀ではあるのは確かだ。我の知っているケイネスならば」
「一度、死んでいるのか?」
「そうだ。セイバーのマスターに殺害された。もっとも主催側が死者蘇生の法を用いて、この場に召喚した可能性もある。
 探して損は無いだろう」
「分かった。北のドームに向かうついでがてら、そのケイネスとやらを探そう」
「待て。北の方角には人の気配は皆無だった。向かうならば市街地が良かろう」

確かにあまりあっちは人が居そうでも無かったしね。

「……貴様、敵に回せば面倒だが。有用に使えれば、中々にその知識も便利だろう。
 精々我の為に動くがいい」
「少なくとも、お前が殺し合いに反対している内は味方ではあるつもりだ」
「ならば暫く我の元に居るといい。これから起こる事でお前の意見も聞きたくなるかもしれぬからな」

なんやかんやでケイネスという人を探す事になったらしい。
そして流れて気に閣下も私達と一緒に来るようだ。
私としては、ギルガメッシュと二人っきりはきつかったから良いけど。

(それにしても私、まったくしゃべってないな)

345きょうのわんこ ◆FbzPVNOXDo:2013/11/02(土) 02:37:32 ID:UC4o03W.0



【D-09 森林/一日目・午後】


【グレーテル@よもやま四方山】
【状態】軽度の火傷、打撲、疲労(小)、血塗れ
【装備】ボロ服
【道具】ディーノの基本支給品一式、ポッチャマ@ポケモン
    浜口優かも×3@学校で配られたDVDがひどい件、剣(石)@Minecraft、アサシンの首輪
【思考・状況】
基本:出来れば死にたくない
1:ギルガメッシュに着いていく
2:愉悦…
3:自分のデイバックを回収する
※モンスターボール(ポッチャマ)が壊れたため、引っ込めることができません
※ギルガメッシュと情報交換をしました
※会場からの脱出は諦めました


【ギルガメッシュ@Fate/stay night】
[状態]:打撲 、右腕欠損(治療済み)、疲労(小)、怒り
[装備]:王の財宝@Fate/stay night(空)、天の鎖@Fate/stay night、 必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)@Fate/Zero
[道具]:基本支給品一式、作業台@Minecraft、ギルガメッシュの右腕、ランダム品(0〜1)
[思考・状況]
基本行動方針:気の向くままに行動する。
1:主催者を殺し王の財宝を取り戻す。
2:ポッチャマに興味。グレーテルはポッチャマのおまけ。
3:男(木原)は今度遭ったら殺す。
4:ヒトラーと共に市街地へ。ケイネスを探す。
※自身にかけられている身体能力の制限に気が付きました。
※殺し合いの参加者が別の世界から呼ばれていると考えています。
※アカツキ電光戦記と総統閣下シリーズ、よもやま四方山の世界を知りました。
※ギルガメッシュがこの先どこへ向かうかは次の書き手さんにお任せします。
※放送と戦闘が被りました。しかし案外聞いている可能性もあります


【総統閣下@総統閣下シリーズ】
[状態]:疲労(大)、左肩負傷
[装備]:出刃包丁@現実、キー・オブ・ザ・グッド・テイスト@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品一式、大量のマンガと本、カイジの地下王国豪遊セット(ポテチ、チーちく、肉じゃが、ビール×4)@逆境無頼カイジ 破戒録編
[思考・状況]
基本行動方針:生きて祖国に帰り可能であるのなら二次元に行く。打倒主催。
0:他の参加者を求め、北のドーム球場へ向かう。
1:情報収集。首輪の解析
2:主催者どもは必ず倒すが、具体的な作戦及び行動方針はこれから考える。
3:クリーパーを失うのは惜しかった…
4:メイトリックスと譲治を警戒……?
5:青鬼とレーザー、およびそれを発射した「何か」を警戒。
6:ギルガメッシュと共に市街地へ。ケイネスを探す。
[備考]
※出典はあくまで総統閣下シリーズ、現実や最後の十二日間での真面目な独裁者ではありません
※サブカル知識も豊富ですが、なんらかの制限がかけられている可能性があります
※ギルガメッシュ他、数人の参加者について情報を得ました。
※アカツキ電光戦記の世界を知りました。
※別の世界から呼ばれた事がほぼ確信に変わっています
※総統閣下のノートには今まで見聞きした事のまとめや考察が数ページにわたって書いてあります。
※クリーパーの説明書を読みました。
※総統閣下の持ち出した本やマンガの詳細は次の方にお任せします。ただしDVDやBDは持ち出していません。
※過去に読んだ「HUNTER×HUNTER」を思い出しました

346 ◆FbzPVNOXDo:2013/11/02(土) 02:38:04 ID:UC4o03W.0
投下終了です

347名無しさん:2013/11/02(土) 14:18:13 ID:NxlPZqR60
投下乙です。

総統閣下のオタ知識は脱出の肝となるか?
そしてグレーテルカワイソス

348 ◆FbzPVNOXDo:2013/11/02(土) 17:55:41 ID:UC4o03W.0
投下します

349世紀末吸血主 ◆FbzPVNOXDo:2013/11/02(土) 17:56:18 ID:UC4o03W.0
「くそっ面倒な事になってきやがった!」

あの黒服の男とクマから逃げる為にゲギド街を離れたロックオン。
だが彼は未だに第二の隠れ家を見つけられずに居た。
気付けば、第二放送まで迎えてしまう有様。
流石のロックオンにも焦りが見え始める。

(“民家”や“建物”だけなら幾らかあったが、少なくとも身を隠すには向いてはいなかった。
 ……あの古本屋のように“娯楽”や“調理場”があるのが理想だが、早々あるものじゃないか。
 となると、孤城して殺し合いをやり過ごすって方針は変えるべきかな)

むしろ今までが順調過ぎたのかもしれない。
あの男達の襲来まで気付かなかったが、本来あそこまで参加者に出会わなかった事自体が奇跡だった。
どこぞのボッチだって、最近は人と遭遇したのだからロックオンなら尚更だ。

(参加者との遭遇を避けるのは止めて、むしろ殺し合いに否定的な参加者と行動を共にする。
 ある意味こいつが一番現実的で理想か。フランクの件もあるんであまり他人とは関わりたくは無かったんだが)

一先ず何時でも戦闘を行えるよう銃を構え辺りを警戒しつつ歩く。
殺し合いに積極的な参加者が、待ち伏せや何らかの罠を張ってる可能性もある。
バトルフェーダーも使ってしまった以上、警戒をするに越した事は無い。

(ん? 人か。 随分とふらついてるが)

そうしてから数分後。一人の男を見つけた。
体格は優に190cmは超えており、青い衣類を纏っている。
更にただデカイだけではなく、がっしりとしたその肉体は見るだけで人を圧倒させる程だ。

(あんまし関わりたくは無いが。まあ銃があるこっちの方が有利だろう)

この判断は間違いでは無かった。
あの男は素手で武器を持っている様子も無かった。それにあの体つきを見るに格闘家の類ともみえる。
近距離ならば戦闘では不利になるが、逆に遠距離ならばこちらが有利。
つまりある程度距離を以って接すれば、例え殺し合いに積極的な者でも恐れるに足らない。
無論、最初にあった男声の女のような妙な技を使う可能性もあるが。
その時はその時、リスクなしで成果は早々得られるものではない。

350世紀末吸血主 ◆FbzPVNOXDo:2013/11/02(土) 17:56:57 ID:UC4o03W.0

「よお。お互い災難だな」

先ずは軽く親友にでも話しかけるような感じで話しかける。
少し馴れ馴れしいかとも思ったが、あまり暗く警戒心むき出しよりかは良いだろう。

「水」
「? 何だ水だって?」
「“水”!!」
「――!」

十分に距離は取ったはずだった。
ロックオンもプロだ。狙いを外すことはあっても間合いを見誤るようなことはしない。
ただ、それ以上に男の踏み込みが強く速過ぎた。ロックオンですら反応が遅れるほどに。
気付けば、手を伸ばせば届くほどの距離に接近を許してしまった。

「この――」

混乱に陥り、正常な思考が出来なくても無理もないこの状況で、銃を構え、狙って、打つ。
この三つの動作を僅か1秒足らずで成し得たロックオンは良くやったと言える。
だが対する男は手刀でロックオンの胸を貫くという一つの動作。

「ぐ、ぁァ」

一瞬で勝敗は決した。
ロックオンは心臓を貫かれ、血を撒き散らしながら地面へと崩れ落ちた。
ケンシロウは絶命していくロックオンなど脇目もくれず、バックを引っ手繰ると水を取り出して口に流し込んだ。

「やっとまともな水だ……」

このところ碌な水が全く飲めなかった。
誰かが毒を放り込んだのか、川の水は触れれば痛くて飲めたモノではなかったし。かなり前にあった二人組はうろ覚えだが逃げられた。
海水を飲むというのも考えたが、不味いので却下。
さらに一時期記憶も曖昧だったりと災難続きだ。
幸い赤い海が元の青い海に戻ってから、また記憶は安定してきたが。

「もう、無いのか……」

どうすれば良い。
このままでは干からびて大変な事になる。
もうこの際何か水分なら何でも……。

「……仕方ない」

この時、ケンシロウの脳裏に恐るべき思考が走る。
絶え間なく流れ続ける赤い液体。
地を赤く染めていくそれは血液。

「飲んでみるか」

とうとうケンシロウは我慢の限界ゆえその狂気に身を任せた。
ロックオンの死体を抱き上げ、胸に開けた穴に口を付けズズズッと啜っていく。

(こ、これは……)

美味しかった。
水の次ぐらいに。

「……水、血でもいい」

ロックオンの血を吸い尽くしたケンシロウはまた新たな水と血を探し始めた。

これもう(何処向かってるのか)わかんねえな。



【ロックオン・ストラトス(ライル・ディランディ)@武力介入できないCBシリーズ】 死亡

351世紀末吸血主 ◆FbzPVNOXDo:2013/11/02(土) 17:57:30 ID:UC4o03W.0



【D-04/1日目・午後】

【ケンシロウ@北斗の拳(真・世紀末死あたぁ伝説 )】
[状態]:ダメージ小(水により回復)、片腕回復、屍人化停止…
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式(水無し)、不明支給品×3
[思考・状況]
基本:水か血が欲しい(優先は水)
1:水か血を飲む。出会った参加者からどちらか分けてもらう。
2:湧水があるなら確保しておきたい。
3:ラオウを追い、今度こそ確実に倒す。
4:士(名前は知らない)はいいやつだ。
5:水を汚した奴(譲治)を探し殺す。
※堕辰子が帰った影響か屍人化は停止し思考力も戻ってきています。


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