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オールジャンルバトルロワイアル6

39 ◆.pKwLKR4oQ:2013/06/03(月) 00:32:04 ID:NwhmK8/60

(くそっ……! くそっ……!)

リュウタロスはイラついていた。
それはもちろん知らぬ間に殺し合いに巻き込まれた事に対してだったり、敵対する連合の軍人と行動を共にした事だったり。
他にも同行者がウザかったり、自分の名前に違和感を覚えたり、と色々ある。
だが今リュウタロスが一番イラついているのは目の前にある電話の向こうにいるであろう社長に対してだった。
この殺し合いに巻き込まれた原因が社長なのは明白な事実。
その社長が何のつもりか電話で質疑応答してやると言っているのだ。
リュウタロスにはその行為がまるで殺し合いに巻き込まれた参加者を嘲笑うかのように思えて仕方なかった。

「ちくしょう、どいつもこいつも馬鹿にしやがって!!!」

その怒りをぶつけるかのごとく勢いよく受話器を取り上げて、社長に電話を繋げようとしたところでふと疑問が浮かんだ。

(おい、そういえば社長の電話番号なんて知らないぞ!? くそっ、もしかしてさっきの石板に――)
『やあ、君が初めての電話の使用者だ。さて、君からの質問や要求は何かな?』

だがそんな疑問は受話器の向こうから聞こえてきた社長の鷹揚とした声で吹き飛んだ。
何が『やあ』だ! 何が『何かな?』だ!
意味が分からないまま殺し合いに巻き込まれて、意味が分からないまま電話で社長とこうして電話をしている。
もう意味が分からなすぎてリュウタロスは激情に動かされるままに第一声を上げた。

「いい加減にしろ! だいたいお前の言う事が本当かどうか疑わしいね。適当なこと言って誤魔化すんじゃないだろうな?」
『それは違う。この電話の内容に関しては全て真実だ。内容によっては返答不可だが、そこは安心してほしい』
「はあ? 俺たちに殺し合いをさせておいて何が安心だ、こ『という事で、君の相手は終わりだ』……へ?」
『今私は君の【適当な事を言って誤魔化すんじゃないだろうな?】という質問に対して【真実を話して誤魔化すつもりはない】と回答した。
 よって君との電話タイムはこれで終了だ。後ろの参加者と交代だ』

リュウタロスは目の前の通話が終了した受話器を見つめて唖然としていた。
激情に身を任せて勢いのまま情報を聞き出す貴重な機会を失った事に遅ればせながら気付いたからだ。
あんな啖呵を切って先陣を切って来たのにこの様だ。
こんな結果で皆はどう思うだろう、特にあの澄ました顔の連合の奴は……。
社長の淡々とした受け答えを反芻しながらリュウタロスは心の中で叫んでいた。

(こんな事で……こんな事で俺は!!!)

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