したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

オールジャンルバトルロワイアル6

23Red_or_Black? ◆YOtBuxuP4U:2013/05/13(月) 19:41:50 ID:xi2922160
 

「簡単に言うと……赤か黒かを当てるだけ。とっても簡単なゲームですよね!」

 ただし簡単なゲームにこそ「闇」がひそんでいるものですけどね。
 と、なんだか意味深な言葉を呟いて、ダイヤのエースはなぜか複雑な表情をした。
 いま二人は入口の脇にあった休憩所(といっても、テーブル一つとベンチ二つがあるだけだが)に向かい合って、
 “レッド・オア・ブラック”の準備をしているところである。
 とはいえ、
 裏向きに置かれたトランプの一番上にあるのが赤か黒かを延々と当て続けるだけのゲーム。
 準備も何もない、ただシャッフルするだけだ。
 いちおうイカサマのないように開始前には二人とも気のすむまでトランプをシャッフルすることとする。

「……赤か黒か、ねぇ」

 目の前では「マスターに先攻はお譲りします!」といって後攻になったダイヤのエースが、
 鼻歌まじりにオーソドックスなシャッフルをしている。
 重ねたカードから右手で半分とって、数枚を上から左手へ、順番を入れ替えて。
 リズミカルに両手を動かして数枚を上から左手へ、繰り返し移し、無くなったらまた半分取って繰り返す。
 金髪美女が楽しそうにトランプをシャッフルをする妙な光景を見ながらああああは複雑な顔をする。

「色当てるだけって……ギャンブルって言うか、運ゲーじゃないのこれ」
「ふふ、どうでしょうね? ん、わたしはもういいです。マスター、したいならシャッフルどうぞ」

 ダイヤのエースはああああにトランプを渡す。
 ああああは受け取ると、同じようにシャッフルしながらその時間を思考に費やすことにした。
 このゲーム。使うトランプはジョーカーを抜いた52枚。
 「赤」のカード(ハートとダイヤ)と「黒」のカード(クローバーとスペード)は当然半分ずつ、26枚ずつ入っている。
 だから、裏向きに置かれた山札の一番上が「赤」である確率も「黒」である確率も、もちろん半分ずつだ。
 ならば必然的に正解率も、だいたい半分だろう。
 ……やっぱり、ギャンブル的なかけひきなど存在しないように思える。
 だがダイヤのエースはこのゲームをギャンブルだと言った。……何故?

「うーん分からない」
「え? 私の下着の色がですか?」
「君はそもそも履いてないだろ!」
「えへへ。でも着るなら赤ですね。ダイヤだけに」

 ほう、まあでも赤でも黒でもなかなかセクシーだよな。
 とああああは思った。

 思ってる場合じゃない。

「ところで、まだシャッフル足りないですか? 早く始めましょうよー」
「……いやもーちょい考えさせて」

 にこやかな顔でああああを急かす彼女に若干の恐怖を感じ、ああああはさらに思考を練る。
 しょくぎょう:ギャンブラーなわけでもないからうまくはいえないが、
 勇者の勘からしてこのゲームには“罠”が仕組まれている気がする。

 だからああああはイメージする。
 モンスターとの戦いに備えそうするように、テーブルの上にシャッフル済のトランプの束を。

 まずは1枚目。
 山札のカードは赤26枚:黒26枚。
 その状態で引くカードは、赤の可能性も黒の可能性も50%ずつだ。これは間違いない。
 ではそこで引いたカードが仮に赤だったとしよう。
 すると山札に残るのは、赤25枚:黒26枚。
 2枚目に引くカードが黒の可能性はほんの1%程度だが上昇する。
 さらに次も赤なら、赤24枚:黒26枚。
 3枚目に黒を引く可能性は52%になり、赤の可能性は48%……。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板