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Schwarzer Kater 6 *SA

1:2015/04/23(木) 09:10:53 ID:???
「Schwarzer Kater 5」の続きです。
SAオンリーほぼ初期メンバーのみ。
そしてリアルよりパラレルが多くAさん猫可愛がりなお話達。

とうとう6になりました。
流石に更新頻度が落ちてきましたが、あの頃の6人の雰囲気が残ったお話をまったり続けていきたいと思います。
今スレもどうかよろしくお願いします☆彡

492:2015/09/11(金) 16:24:10 ID:???


布団に入った篤志の隣りへ腰を下ろす。

「俊ちゃんは?」
「そのうちな」
「眠く、ないの?」
「あーまあ」

いつもならまだまだ起きとる時間じゃし。

「ごめんね、俺一人で平気だから、あっち行っててもいいよ」
「気にすんなって。あっち酒くせーし」

俺も飲ませてくれるならええけど、どうせまだ早いって飲ませてくれんから。

「んー」
「入るよ」

うとうとする篤志を布団の上からぽんぽんと叩いとると、廊下から意外な声が聞こえてきた。

「まっちゃん?」

…の声じゃったよな?
こっちには来とらんはずやのに、なんでじゃ?」

「ちょっとだけ、様子見に来たの。寝てる?」
「あー、うとうとしとる」
「んー?」

ぼんやりと目を開けたあっし。

「ごめんね。起こしちゃった?」
「まっちゃ?」
「うん。ちょっとだけ会いに来ちゃった。起こしてごめん」
「ううん。会えて…嬉しい」

にこっと笑う篤志にまっちゃんも優しい顔しとる。

「良かった。後でまきも覗きに来ると思うけど寝てていいからね」
「ん」

まっちゃんの手に撫でられて気持ちええんか、篤志はまた目を閉じた。

「寝たかな?」
「みたいじゃな」

すやすやと穏やかな寝息。

「俊ちゃんもそろそろ寝な」
「ん」

まっちゃんに言われて篤志の横に敷いてある布団にごそごそともぐりこむ。

「お休み」
「んーお休み」

なんか、眠くなってきた…な。

493:2015/09/11(金) 16:25:26 ID:???


まっちゃんがこっそり篤志の様子見に行ってくるなんていうから「ずるい!」と叫んだら、後から顔出せばって言われた。
だから、まっちゃんが戻ってから少ししてこっそりと水の国を訪れる。

普通なら何日かかかるんだけど、そこはほら、力を使ってひとっとび?
良い子はマネしちゃいけません。
だってそんなことしたら不法侵入で捕まっちゃうからさ。
戦争だって起こりかねない。
でも今回は特別。
ちゃーんとひろさんに許可とってるしね(実際は王の許可が要るはずだけど…)


「くす…可愛いなぁ」

俊ちゃんの気配を頼りにそっと入った部屋の中、隣り合った布団で向き合うように寝てる俊ちゃんと篤志。
起きてるとしっかりして見える二人もこうしてみるとまだまだ子供だよね。

あー…頭撫でたいなぁ。
起きるかな?
起きるよね?

「んー?」

考えてたら篤志が寝ぼけた声を上げた。
やっぱり、人の気配には敏感なんだね。

「あっちゃん」
「まきさんだ…」
「うん」

起きたならいいか、と篤志の頭に手を伸ばしてなでなでする。

「……っけほ」
「大丈夫?お水飲もうか」
「ん…けほっ、こほ」

撫でていた手を額にすべらせて熱がないことを確認した。
出てる咳も軽そうだし、大丈夫かな。

「…あっし?」
「うわ」

びっくりしたびっくりした!
俊ちゃん、起きたの?
え、今のあっちゃんの咳で起きたの?

「まきさん?」
「そう、まきさん。俊ちゃんが起きるなんてびっくりだよ。はい篤志、水」
「ん」

いつもなら起こしてもなかなか起きない俊ちゃんなのにねぇ。

494:2015/09/11(金) 16:26:13 ID:???


起き上がった篤志の背中を軽く支えて水を渡してやりながら感心する。
こくこくと飲み干す篤志を見て俊ちゃんが飛び起きた。

「あっし、どうした?」
「え…あ、喉かわいただけ」
「ほうか。わりぃ」
「ううん」
「ぷはっ」

俊ちゃんの剣幕にびっくりしながら目を丸くして答えるあっちゃん。
その答えを聞いて安心する俊ちゃんに思わず吹き出す。

あの、俊ちゃんがねぇ?

「ああん?」
「こら、俊ちゃん仮にも火の国の王でしょう。柄が悪いよ」
「いてっ」

笑った俺を睨みつける俊ちゃんをぺしっと叩いた(俺も大概王扱いしてないけど)
そんなやり取りを見ていた篤志が笑った瞬間にまた少し咳をする。

「ふふ。けほっこんこん」
「あっし」
「ん、大丈夫」
「もうちょっとお水飲もうか」
「うん」
「…おさまったかな?」

水を注ぎなおして飲ませると、落ち着いたみたいだね。

「もう平気」
「しんどくねえ?」
「うん」
「ほんまか?」
「ん」

ちょ、なにこのやりとり。
俊ちゃんってばどうしたの?!
またまたびっくりだよ。
本当に篤志のこと気に入ったんだね。

495:2015/09/11(金) 16:26:45 ID:???


「ほら、2人ともまだ夜中だから寝な」
「うん」
「あー…ん」
「………」

ごそごそともぐりこんだ2人だけど、目を閉じる気配はない。
あっちゃんは…もしかしてちょっと怖いのかな?

「あっし」
「俊ちゃん?」
「こっち」
「う?」
「ほれ」

えーっと、俺ここにいてもいいのかな?
てか俊ちゃん、俺がいること忘れてない?

篤志を自分の布団へとひきよせ、ぎゅっと抱きしめた俊ちゃんに俺は内心うおーと叫ぶ。

「俊ちゃんは寝にくく、ない?」
「平気じゃ。寝ろ」
「うん」

素直に目を閉じてすぐにうとうとし始めた篤志。
俊ちゃんは安心したように少しだけ笑って視線を上に向け…かちんと固まった。
今目があってようやく俺の存在を思い出したでしょ。

むふふふー。

「っ」

怒りたくても起これないよね?
だってあっちゃん起きちゃうからさ。

むすっとしてる俊ちゃんも可愛いなぁ。と王に対して不敬なことを考えながら(いつものことだけど)しばらく1人でニヤニヤしていた。
そしてしばらくして篤志がぐっすり眠ったのを確認してから静かに話しかける。

「かーわい」
「まきさん」
「ごめんごめん。でも良かった。あっちゃん安心したみたいだし。俊ちゃん後は頼むね」
「ん」

俊ちゃんの頭をひと撫でして…俺は火の国に戻る為に部屋を出た。

ちょ、今何時?!
早く帰らないとまっちゃんに怒られるっ!

496:2015/09/11(金) 16:28:44 ID:???

Feuerwerk >>490-495

仲良しになった両国王達。
でもこの後しばらくすんたん出番なしだったり…します。


朝からまつ兄ちゃんのぶろぐを読んで泣きそうになりました(ノд-。)
いよいよ…はじまりますね。
昔の歌も唄うかな?
唄ってほしいけど…パパやすんたん抜きは嫌だと思ったり。
なんだろう、すごい複雑な心境です(・ω・`)
参戦されるお姉様方、兄ちゃんズの姿をしっかり見てきてください。
まつ兄ちゃん、まき兄、うさちゃん、あちゅ…そしてめんばーみんなが幸せな時間を過ごせますように。
お姉様方にとっても楽しくて幸せならいぶになりますように( -人-)

まつ兄ちゃん旗/揚げ公演決定おめでとうございます。
すごくかっこよくて旗/揚げの文章を読んでじーんとしました。
どうかどうかこちらも大成功しますように☆彡



すっかり晴れ渡った空の下にいる書き手。
想像もつかない大雨の情報がとびかっていますが…お姉様方皆様ご無事でしょうか?
心配する以外に何も出来なくて情けない書き手ですが、大変な思いをされている方々が1人でも早く安心できるようになることを願っています。

497:2015/09/14(月) 15:01:55 ID:???

緋さま、こんにちは〜
水と火の国の王様たち ほんの数回逢っただけで一緒におねんねしちゃう仲に(*^_^*)
やっぱり子供でもすんたんとあちゅはピッタリくっついてないとですよね!
早く大人になってイチャイチャしないかな〜←(--〆)コラコラッ!

さて、ちゅあーも始まりいよいよ兄ちゃんズとのお別れのカウントダウンが・・・
らいぶはとても楽しそうですがレポによるとあちゅが泣いていたとかいないとか。
すんたんにお電話して寂しさが増しちゃったんでしょうかね(T_T)
近くにいても会えないうえに兄ちゃんズとのらいぶはこれが最後って
あちゅjちゃなくても泣きたくなっちゃいますよね←
あちゅ最後までがんぱるんだよ! すんたん頼むよ!

そのらいぶ。
もるちゅのお歌でげとだんしゅするそうですが早く見たーーーい!
12月まで待てなーーーーーーーいっ!
きっとあちゅは すんたんをげとげとしたくて一所懸命ダンシングしてるはず☆彡
♪はそんな二人のイチャイチャをげとげとするためにダンシングがんぱります!←動機が不純w

からの〜w
緋さますんたんれいでぃお ありとましたー♪
なんだかんだ公開のろけ好きですよね〜すんたん(^m^)
今日のやほちけにゃま放送でも爆弾発言期待しときます!

はい、まとまらなくなってきたのでこの辺でw
まらまら安定しないお天気が続いていますので緋さま、皆さまご注意を!

498:2015/09/15(火) 16:10:20 ID:???

>>497
♪様〜こんにちは。
うちのすんたんとあちゅはどこでもいつでもくっついてます←
時々どうしようもない悲恋を書いてみようかと思ったりもするんですが…妄想してるうちに勝手にくっついちゃうので難しいです(笑)

ちゅあーはじまりましたね。
なんだかお別れが一歩一歩近づくのがわかって…寂しくて(特に初日)いつもなら漁りまくる←れぽを見るのが怖くて、でも気になって…
とぐるぐるした気持ちで落ち着かないまま過ごしました。
すんたんに電話したのはやっぱり兄ちゃんズとの最後のつあーが始まるからですかね。
すんたん明るく言ってましたけど、本当はあちゅが泣きながら電話してきたとか?
ぱぱの最後にすんたんが来た(かもしれない)ように、兄ちゃんズの最後も見届けて、そして頑張ったあちゅを抱きしめてあげて欲しいと思います。

げとだんすとかあちゅかわゆすぎて…ぐふふ←複雑とか言ってたのはどこへ(笑)
♪様、あちゅのげとげとだんしゅwまだまだ先ですが楽しんできてくださいね☆
その前に(後?)に泣ける選曲とかもあるらしいので、感情の起伏の激しいらいぶになりそうですけど…。

からの〜♪らじお。
あからさまに2人の部分抜粋って…お姉様方以外も見てるだろうつべでいいのかしらん?と思いつつ
あまりの惚気っぷりに切り取って公開してしまいました←
残念ながら今回のらいぶとーくでの惚気はなかったですが、じどりぼーへの食いつきがあちゅを思い出しながらのことだと勝手に決めつけ
やっぱり惚気てるだろ。と思っておきます( *´艸`)
ついでに去年のお惚気を再公開。
リピ放送があるかもしれないので今年のとーくはちょっと様子を見て、じどりぼー部分だけでもあぷするか考え中です☆

♪様も、お天気にそれから朝晩涼しくなってきたので体調管理に、お気をつけ下さいね。
いつもいつもお付き合いくださりありとまーす!

499:2015/09/15(火) 16:11:05 ID:???

双子ちゃんシリーズ


「お前らそろそろ行くぞ」
「えーよ」
「えー」

声をかけると揃って返って来た双子達の声。
けれどそれはそれぞれ反対の意味を示していた。

「夜ご飯遅くなっちゃうよ?」
「はら、へった」
「うー」

目線を合わせて聞くまっちゃんとそれから腹を押さえる俊に言われて、篤志が涙目になりながら目の前の2冊の本を睨む。
さっきからずっとどっちを買うか悩んでる篤志。
どっちも欲しいならどっちも買ってやりたいけど…あんまり甘やかすわけにもいかねえし、買うのは1つだけって約束で来たからな。
篤志は最近絵本がお気に入りで保育園でも良く見ているらしい。

しかし…約束とは言え、両方欲しいとは言わずに必死で悩んでるあたりが偉い。
ちなみに俊はおもちゃの方がいいらしく先にバイクのおもちゃを購入済みだ。

「あちゅし」
「しゅんたん」
「おれこっちがええ」
「こっち?」
「ん。うちかえっていっしょにみよ?」
「っうん!」

俊が少し厚めの方の本を指した。
途端に篤志がキラキラした目で俊を見て頷く。

普段篤志に一緒に見ようと言われても興味なさそうなくせに。

「ならこれでいいか?」
「ん」

こくこく頷く篤志から本を受け取りレジへと持っていく。
パタパタとついてきた篤志は嬉しそうな笑顔でそわそわしながらレジが終わるのを待っていた。

「ほら」
「ひろしゃ、あーとっ。えと、おねーさんも、あーとでした」

ぺこりと頭を下げる篤志にレジのお姉さんもくすくすと笑いながら「ありがとうございます」と答える。
そして、さて帰るか…と思った瞬間、ごとんと鈍い音がした。

「あう」

ちょっと厚めの本のせいか片手で持っていたせいか、買った本を床に落としたらしい。

500:2015/09/15(火) 16:12:12 ID:???


「篤志、持とうか?」

拾ったまっちゃんが篤志に言うとふるふると首を振って本を受け取り「じょぶっ、もちゅ!」と声をあげた。
ちなみに、篤志も俊も片手にはさっきまっちゃんが買ってくれた棒付きの飴を握っている。

本当に大丈夫か?

「よし、じゃあ行こう」
「あいっ」
「ん」

いい返事を聞いてさて行こうかと歩き出して数歩。

ごとん。

「あ……おちょしたー」

おい。

再度落とした本。
そして篤志はなぜかのんびり落としたと言いながら、ただじっと落ちた本を見てるだけだ。

何となくその仕草が可愛くて、俺とまっちゃんは思わず笑った。
ついでにレジのお姉さんも笑ってたぞ。

「あちゅし、ん」
「あーと」
「持てる?」
「もてるー」

ごとん。

……篤志。

「本か飴かどっちかにした方がいいよ」

流石のまっちゃんも苦笑しながら篤志に手を差し出した。

「やっ」

ふるふると首を振る篤志。
このままだと本屋を出るだけでかなり時間がかかりそうだ。
その上、買ったばかりの本もぼろぼろになる。

さてどうするか…。

501:2015/09/15(火) 16:13:27 ID:???


「あちゅし」
「しゅんたん?」
「こっちはもっちゃる」
「う?」
「こうやって」
「ん」

抱っこしてしまうかと考えた時に俊が篤志の手から飴をとり自分の飴と一緒に持った。
色が違うから間違うことはねえし…篤志も両手で本が持てる。

俊、やるな。

「しゅんたん、あーと」
「ん」

満面の笑みを浮かべて俊に礼を言うと、両手で本を抱えてぽてぽてと歩き出す篤志。
俊もその横をぽてぽてと歩く。
普段手を繋いでることが多いからこうやって歩く双子は珍しいんだが…俊に引っ張られない分篤志の歩くスピードがゆっくりだな。

「…篤志、階段は危ないから抱っこしようか?」
「んーん、おりりゅ」

ぶんぶんと首を振った篤志にちょっと迷ったようなまっちゃん。
自分でやるって言うなら出来るだけ自分でやらしてやりてえけど…本を持ってるから普段より危なっかしくてしかたない。

「ゆっくり降りろよ」
「あい」
「あちゅし」
「じょぶっ」

心配そうな俊にも元気に答えて、篤志はよいしょと階段を一歩一歩下りていった。
転がり落ちるのが心配だからとりあえず篤志の前でいつでも受け止められるようにはしてたけど、見てるのが怖すぎて…精神的に疲れた。




「しゅんたん、えほんー」
「あー…ん」

家に帰ってすぐ本を読みたがる篤志に我慢をさせてまず晩飯を食った。
読み出すと結構長い時間夢中になるから、先に風呂も入らせてほかほかになった2人。
篤志が嬉しそうに俊を呼ぶと、俊がしぶしぶ絵本の前に座る。
俊だって新しいおもちゃで遊びたいだろうに……篤志との約束だからかもしれねえけど、ちゃんと守るところが偉い。

「ひろさん?」
「ひろしゃ?」

思わず俊の頭をわしゃわしゃと撫でると、双子達が不思議そうに見あげてきた。
まだすらすらと読めるわけじゃねえし…読んでやるか。

「ほら、読んでやるからこっちこい」
「わーい」
「ん」

ぱっと笑顔になる篤志に、俊もそれなりに楽しそうに立ち上がる。
ソファに座って双子達をそれぞれ足の上に座らせ、目の前に広げた絵本。
ゆっくりと読んでやると、篤志も俊も熱心に絵を見つめ、話の内容ににハラハラしたり笑ったりして楽しそうにしていた。

こいつらが来てから絵本なんて読み始めたけど、意外と奥が深くて大人でも面白かったりするんだよな。
まあ一度じゃ飽き足らず3度も4度も繰り返し読ませられるのは勘弁して欲しいけど。


こうやって何度か落としたせいで角が少しつぶれているその絵本は篤志も俊も大のお気に入りになって…
毎日のように読まれて(読まされて…か?)いる。
きっと大きくなった篤志と俊が懐かしそうに2人ソファに座って本を開きながら思いで話をしたりする日が来るんだろう。

502:2015/09/15(火) 16:16:04 ID:???

お返事 >>498
双子ちゃんシリーズ >>499-501

長編はちょっとお休みして久しぶりの双子ちゃん。
先日こんな子供を見かけてあまりの可愛さにあちゅで妄想していた私←怪しすぎるw
すごく大事そうに嬉しそうに持ってたのに、落としても動じないとこが笑えると言うか、可愛すぎました。


昨日の大/汗王子wすごく面白かったです♪
最初は真面目な話っぷりだったのに、じどりぼー見つけてからはもう夢中(笑)
子供みたいに目がキラキラして、ああこれはもうじどりぼーで決定だなと思いました。
しかし…だんじょぐんとうといい、じどりぼーといい…すんたんらしいというか、それって四字熟語なのか?w
ばきばきに折ったらしいじどりぼー(多分嘘)今度からあちゅの☆付きのを使うんですよねきっと←
あちゅはあのすんたんを見て最初はかっこよさにぽーっとなり、最後は子供みたいな笑顔でぽーっとしたことでしょう。
ものすごく楽しすぎる1時間13分でした。


あ、去年のらいぶとーく…保存していたのにハードが壊れた時に失ってしまってて改めてショック…。
でもラッキーなことにあちゅとーく部分だけはつべに残してあったので無事だったのです♪
期間限定であぷしてずっと非公開にしてましたが、らいぶとーく楽しかった記念←?に去年のあちゅ部分を再公開。
埋もれてしまっているのでもう一度見たい方は「2014 0910 L1ve ta1k」で探してみてください☆

503名無しさん:2015/09/17(木) 01:21:20 ID:???
緋様
あちゅとーく聴かせて頂きました♪
聴けなかった最近のらじおも・・・うれPです
ありがとうございます

じどりぼーへの反応ホントすごかったですよね(笑)
私としては前半より後半の俊ちゃんがそれでこそ!って感じでwww
来年の四字熟語(?)は何になるんだろ〜(笑)

504:2015/09/17(木) 14:08:00 ID:???

>>503
あのあちゅとーく、可愛いですよね♪
もう楽しそうな顔がなんとも言えず見返すたびにニマニマします。
そしてらじお…上手く録れたものだけですが喜んでもらえれば嬉しいです\(^o^)/

じどりぼー。
モニタ覗いて笑いながら「あーおもしれ」って言った時すでに目をつけてましたよねw
ほんとあのすんたんがすんたん!て感じです←
来年もやってくれるといいなぁ。
その頃すんたんは何がマイブームになってることやらw

505:2015/09/17(木) 14:09:30 ID:???

Feuerwerk


「ひろさん!」

篤志君?

廊下を歩いていたら聞こえてきた大きな声。
篤志君の声だ。
でも…普段なら聞かない篤志君のその声にちょっとびっくりして気になった。
俺も含んだ守人みんなが騒がしいのはよくあるけど、普段大人しい篤志君が声を荒げることなんて…初めてだよ。

篤志君が王になって、水の国と火の国とも友好な関係を築いて…平和な日々。
はっきり言えば平和なのは城の中だけであってまだまだいろいろと国の中ではあるんだけど、それは少しずつ改善していくしかないものだ。
なーんて偉そうなこと言ってみたけど、これは全部ひろさんから聞かされたことなんだよね。

「ひろさん、どうしたんですか?」

足を向けた部屋に入る。
そこに篤志君の姿はなかった。

「…篤志が城の外に出たいって言ってな」
「あー」

苦笑したひろさんの言葉に何があったか理解する。
この間も外を見てみたいって言ってたなぁ。

「ちょっと前から外の様子を気にしてましたしね」
「気になるのはわかる。けどな…」
「ですね。まだまだ安全とは言いがたいですし…。先代側もいないとは限らないから」
「篤志としては自分の目で国を確認したいらしい」

篤志君はまだまだ無邪気に遊びまわっていてもおかしくない歳なのに…。

「いい王ですよね」
「ああ。ただ万が一もあるし篤志の体力もまだ…な」

ひろさんが心配するのも当然か。
今篤志君に何かあったらこの国は崩壊してしまうし。
…ひろさんが気にしてるのは国よりも篤志君自身のことだろうけど。

「なるべく情報を集めておきますね」
「頼む、けんち」
「はい」

なおきあたりに探りに行ってもらうか…いやあきらの方がいいかな?

手が空いていてその上で城下に溶け込める人選を考えながら部屋を出る。
うーん、みんな目立つから難しいな。

506:2015/09/17(木) 14:11:20 ID:???


「篤志君?」

何でそんなとこにいるの?

念の為にと一日数回守人が自ら巡回して確認する城内警備中に篤志君を見かけて首をかしげる。

「あきら」
「なにやってんの。危ないから降りてきてよ」

篤志君は大きな城の門の上にいて、遠くを眺めていた。

「大丈夫だよ。ここからの眺めすごくいいんだよ」

それだけの為に登ってるわけじゃないよね?
だって眺めだけなら城からの方がよく見えるはず。

「篤志君、何が見えるの?」

何を思ってるの?

地面を蹴って俺も篤志君の隣りへと登った。

「…」
「篤志君?」

俺を見てにこりと微笑んだ篤志君。
なんだろう、と思った瞬間力を感じた。

「あきら、ごめん」
「篤志君!」

ふわりと水に包まれた瞬間篤志君の姿は綺麗さっぱり門の上から消えていた。

ちょ、待って待って?!
篤志君、いきなりどこに飛んだんだよ!
ヤバイひろさんに殺されるっ。
てか、篤志君に何かあったら嫌だ!

「あきらさん?」
「っ、しょうきち!ひろさんに篤志君が城を出たって伝えといて。俺は篤志君を追うから!」
「えっ?!」

ちょうどいいところに(多分散歩中)来たしょうきちにそれだけを叫んで俺も力を使って飛ぶ。
正確な場所はわからないから、取り合えず勘で!

あ…しょうきちに匂い追わせた方が早かったかも。

507:2015/09/17(木) 14:13:04 ID:???


わがままだってわかってる。
俺に何かあったら大変だからってみんなが心配してくれてるのも、わかってる。
でもどうしても。
どうしても自分の目で確認したかったんだ。

俺が守るべき国の状態を。
偉そうには言えないけど、俺が出来ることは何かを探すために。

うっかり見つかってしまったあきらを置き去りに俺が降りたのは森の中。
ここは城と町の間に広がる森。
誰かに見られることもないし、城は見えるから城を目安に歩けば迷子になる心配もないよね。
町には俺を知ってる人はいないだろうから、そんなに心配することもない……はず。

本当はちょっとだけ、不安だけど。
だって俺は…1人で城を出たことがないから。
小さい頃ひろさんに連れられて馬で散歩したことはある。
でもそれはあそこに閉じ込められる前のほんの数回だけ。
賑やかだったことぐらいしか…記憶に残ってることはない。

「大丈夫………っ!」

ぐっと手を握って一歩前へ…と思ったらぐいっと腕を引かれた。

誰?!

「篤志君っ」
「あ、あきら?」
「みんな心配するよ」

見つかっちゃった。
何でこんなすぐわかったんだろう?
少しでも町を見てみたかったんだけど…ダメかな。

「見逃して、くれないよね?」
「……あーーーもう!」
「っ」

思わず俯いて呟いたら、あきらが突然叫んでびっくりした。
何?

「いいよ。ひろさんには後で一緒に怒られよ?ただし危ないと思ったらすぐ城に戻るからね?それから俺の言うことは絶対に聞くこと」

いいの?
本当に?

「ありがとうあきら!」

嬉しくなってぱっと顔を上げてあきらにお礼を言ったら、なぜか苦笑された。

508:2015/09/17(木) 14:15:09 ID:???

お返事 >>504
Feuerwerk >>505-507

あちゅの家出でした←違う
次回はあちゅとあきら、城下を行くw
ちょろっと重要な人が出てくるんですが名前を誰にするか迷ってます…。
すぐに出番なくなるしなーうーん、新めんばーの性格も喋り方も理解できてないけど(それはいつも)使おうかなぁ。


すんたんありゅばむすごく良いです♪
でも忙しくてなかなかリピできず(笑)…らじおも必死でおってますw
この間ゆーすとを録画してたらいきなりぷつっとパソさんが落ちて慌てました……(゚Д゚;)
無事立ち上がりましたがなぜか一部だけ保存されてて後はダメとか…すんたんが可愛い仕草をいっぱいしていたのでがっくり←
そろそろ本体も危ないのかぁ……。
なるべくいろんなとこに分散して保存しとこ。

からの〜
まつ兄ちゃんの組の方のいんすた。
組長って書いてて思わずすんたんを思い浮かべましたo(^▽^)o
そして衝撃的な兄ちゃんの絵(笑)
プラスちょっと前にさらしてくれた兄ちゃんの素敵な体←
まつ兄ちゃんかっこえー♪とほれぼれw

509:2015/09/17(木) 16:18:43 ID:???
追記
つべでじどりぼー3日間限定公開してます。

510:2015/09/17(木) 23:28:42 ID:???

度々出没失礼します(笑)

すんたんにっき見てやっぱり歌に専念するんだねーと思ったらエライ報告がΣ(゚Д゚)
どういう経緯だか気になりますが…良かったねすんたん。
あちゅもきっとおめでとうって言ってくれるよ←あれ、おめでとうはおかしい?
ただあの方のじむしょって…れーべるは作ってたけどじむしょってあるんだろうか(´-ω-`)
無知なのでよくわかりませんが、とにかくすんたんがこれからも思うように唄い続けられることを願ってます☆彡

511名無しさん:2015/09/20(日) 05:28:32 ID:???
緋 様
じどりぼう動画早速見せていただきました、ありがとうございます
PC画面で単語を見つけたときのあの目の輝きっぷりが(笑)

日記は本当にびっくりしましたよね
あちゅは知ってたのかな?気になります〜w

512:2015/09/24(木) 16:03:13 ID:???

>>511
じどりぼー動画、あぷして良かったです♪
すんたんの目、キラッキラしてましたよねw
あのすんたん好きだなぁ。
あちゅもにまにまして見てたことでしょう←

にっき。本当にびっくりしました。
今でもいろいろ複雑ですが…あちゅはきっと知ってたんじゃないでしょうか。
ちょっと前に2人で会ってますしね。
あちゅが節目節目にすんたんに相談するように、すんたんもあちゅに相談してたらいいなと思います。
たまにはあちゅに甘えるすんたんも……かわええ←妄想したらしい(笑)

513:2015/09/24(木) 16:04:26 ID:???

超短編


その日、俺は篤志の家にいた。
お互い忙しい合間を縫っての逢瀬で…抱き合ったり呑んだりする時間はねえけど、近況を話してキスするぐらいの時間はある。
たまにはこういうのもいいかと、篤志のいれたコーヒーで一息ついていると突然思い出したように篤志が箱を出してきた。

「俊ちゃん、はいこれあげる」
「あ?」
「開けてみて」

それは可愛らしいイラストの赤い箱。

「開けてみろって…めんぷろか?」
「うん」
「これって確か…」

ちょっと前にめんぷろじどりぼーにしたと嬉しそうに電話で報告された覚えがあるで。
わざわざめんぷろまでチェックする気はねえから、見るのは初めてやけど。

「俊ちゃんのじどりぼー、バチバチに折っちゃったんでしょ?」
「いや、ありゃその場の勢いで言うただけで、本当に折ってはねえけど」
「そうなの?」
「まあな」

折ったろかとは思うたのは事実じゃけど…実際にはな。

「そっかぁ。でもいいや。とりあえずあげるから使って」

そんなにしょっちゅう使うもんでもねえし、1つあれば十分じゃけど…と思いながらとりあえず赤い箱を開けてみる。
がさりと取り出したそれに、しばし固まってからあっしを見た。

「おい」
「何?」

睨むようなわしの視線をものともせず首をかしげとるあっし。

「お前は…これをわしに使えと?」
「うん!」

そこ、満面の笑みで頷くな!

「あほかっ」
「えー、ダメ?」
「こんな赤い星なんかついとるじどりぼー、使えるかよ。唯でさえ女子かって言われて腹立つっちゅうに」
「いいじゃん」
「しかもこれ一発でお前のやってわかるじゃろ」

そしたらまたいろんなとこからいろんな反応が来てめんどくせーんじゃ。
特にまきさんとか、たかひろとか…まっちゃんとか、まきさんとか…まきさんとか……我ながら何回まきさん入れるんじゃと思うが間違いじゃねえし。

514:2015/09/24(木) 16:06:27 ID:???


「別にわかってもいいじゃん」
「あほ」
「むー」

拗ねたように頬を膨らませるあっしに思わず脱力する。
普段自分のことをおっさんおっさん言うくせに、なんじゃその仕草は。
無意識にそんなかわええ仕草するから、後輩とか関係者とかその他もろもろが寄ってくるんじゃろうが!

くそ……仕方ねえな。

「とりあえず、ほれ」
「え?」
「使えばえーんじゃろ、使えば」

取り出したスマホをあっしのじどりぼーにセットして見せる。

「撮るの?!」
「おう」
「やった」

さっきまで膨れっ面やったのが、満面の笑みに変わって手を叩いて喜ぶあっし。
惚れた弱みっつうか……心底お前には勝てんと思うわ。

「ほれ、ええか?」
「うん!」

いくらじどりぼーとはいえ、ある程度くっつかんと上手く撮れんから、ぴったり顔をくっつけ手元でぱしゃりと写真を撮った。

「ふへ…」
「顔緩みまくりじゃろ」
「だってさ。あ!俺のでも撮ろう!んで、さっきの送ってね」
「あー、わかった」

嬉しそうなあっしがいそいそと取り出した携帯に変えてもう一枚。
今度はシャッター切る瞬間にあっしの顎を捕まえてキスをかましてやった。

「ちょっ、俊ちゃん?!」
「お、バッチリ撮れとる」
「うわ、俺びっくりしてるし。ちょー恥ずかしー」
「なら、今度はちゃんと撮るか」
「え…」
「ほれ」
「んぅ」

もう一度顔を引き寄せ、あっしの唇を舐めてから唇を合わせ、じっくり味わうように深くキスをしながらもシャッターを連打する。
そして確認した携帯には…目を閉じてとろんとした顔でキスを受けるあっしとそんなあっしにがっつくわしが何枚も何枚も撮られていた。

画面見ずに撮ったのに完璧な配置の写真……我ながら器用じゃな。

515:2015/09/24(木) 16:08:34 ID:???

お返事 >>512
超短編 >>513-514

あちゅのじどりぼーはこんな感じで2人きりの時だけ使われてるんですね←勝手に決め付けw

久しぶりの更新な上に短くてすみません。
なにやら忙しくてバタバタしたお休みでした………(o_ _)o パタリ
でびゅー記念日には何か書きたいけど間に合うかなー。


すんたんらじお終わっちゃうのが哀しいです。
またいつかやって欲しいなぁ。
そして仕事では晴れ男すんたんですが、休みは雨男っぽいw
らいぶ前のお休みを楽しく過ごせてるといいなと思います。

からの〜音楽駅。
あちゅが歌うのになぜか見る勇気がなくて録画…そしていまだ見れてません←
ひたひたと終わりの時間が近づいてるのが怖くて、いっしょーと別物になってしまったぐるーぷが怖くて…。
そんなの今更なのに…自分でも不思議です。

いっしょーの映像、事務所が変わったら今後もっと使うのが難しくなるのかな?
一緒に歌うことも難しくなるのかな?
いつか…いつ/かきっと…2人並んで歌う姿が見れますように。

516名無しさん:2015/09/25(金) 15:54:34 ID:???
緋様
おひさしぶりの姉san号です
あちゅの自撮り棒でいちゃつくすんあちゅ可愛い…
san号あちゅのめんぷろが自撮り棒と聞いた時はもっとゲスな妄想してました←

緋様はあちゅの音楽駅ご覧になってないんですね…
今回の音楽駅は余り兄ちゃんズの勇退については触れてなくて新メンさん紹介的な感じで
どちらかと言うと昔の映像の兄ちゃんズや坊主あちゅが映った時がなんとも懐かしくて、もう少ししたら松兄ちゃんが先頭じゃ無いチュウトレに成るのかとか考えるとそれはもう(´;ω;)

個人的にはマキガイ兄ちゃんがあちゅへセクハラが出来なくなっちゃうのも寂しい←
とにかく寂しいしやだ〜
せめてもう一年くらい伸ばして欲しい…
ラストツアーなのに回数少ないしチケット取れなくて中々参戦出来ないし後何回とか数えてしまう

あ、遅れましたが緋様のつべの方も楽しませて頂いてます
すんたんも色々あるみたいですね
姉san号センチメンタルな秋になりそうです

517:2015/09/27(日) 00:02:01 ID:???

>>516
san号姉様こんばんは〜☆
じどりぼーでいちゃつく2人。
………もっとゲスな妄想…うきゃー(///ω///)♪
そ、そのうち書いてもいいですかね?
あーんなことやこーんなことしてる最中に、つ、使います?←

音楽駅、やっと見ました。
昔の映像を見て楽しそうなあちゅ。
いきなり7人にされたのはちょっとむっとしましたがいつものことなのでいいとして…まつ兄ちゃん先頭じゃないちゅーとれ……。
寂しすぎるというか見てられないかもです(ノд-。)

そしてまき兄ちゃんのセクハラw
最近あまり見る機会がないですが、今以上に一緒にいるのを見ることがなくなるんですよね。
せめて兄ちゃん達のいんすたやら何やらであちゅと一緒にいるよーって報告があることを祈ります。
ツアーもそうですが、テレビで見る機会もきっとあと少しなんだろうなぁ。
年末とか出まくってあちゅと兄ちゃんズを目に焼き付ける(ついでに映像に焼き付ける)機会があれば嬉しいです…。

来年、あちゅもすんたんもそれからお姉様方も…笑っていられるといいな〜。
あー…やっぱり変化するのって苦手なようです←年のせいか

518:2015/09/27(日) 00:03:07 ID:???

短編


「もしもーし」
「なんじゃ」
「あのね、今度の27日空いてる?」
「あ?」
「しばらく仕事休みだって聞いたからさ、逢いてーなと思って」
「……お前、またなんかあったんか?」
「何で逢いたいって言ったら何かあったことになるんだよ」
「いやお前から逢いたいって急に言い出すときはなんかあることが多いけぇ…」
「そーかもしれねえけど、いつもいつもそういうわけじゃねえもん。俊ちゃんの顔見たいなって思ったんだよ」
「ほー」
「……ダメならいいよ」
「いや、ダメじゃねーけど」

電話越しに聞こえる声が楽しそうなものから不機嫌なものに変わる。
俺の前では感情を隠すことがない篤志の機嫌はすげーわかりやすい。

今回はほんまになんかあったわけじゃねーらしいな。

それにひとまず安心して、それから逢いたいって言葉に思わずにやける。
えー加減なげー付き合いなのにいまだこいつの言葉で一喜一憂する自分が不思議で仕方ねえ。

「あ、もしかして海外にでも行く予定だった?釣りとか」

少しの沈黙の後、急に耳に入ってきた篤志の声はもうすでに不機嫌さの欠片もない。
立ち直りがはえーっつうか、コロコロ機嫌が変わるあたり女みてー。
女よりも仕事に対する理解とか男心の機微とかがわかってもらえるあたりすげーラクでええんよな。
こんなこと口に出したら、いろんな人に怒られそうじゃけど。

「おーい俊ちゃーん、もしもーし」

頭の中でいろいろ考えとったら向こうから不思議そうな篤志の声がした。

「海外に釣りに行く予定はあるが…その日ならこっちに戻っとるから大丈夫じゃ」
「ほんと?」
「ああ」

ほんまはもう少し先まで滞在しようかと思っとったが…まあええやろ。

「やった。じゃあ逢えるね。えっと、俺がそっち行く方がいい?」
「お前忙しくねえんか?」
「うーん、次の日の夕方に仕事入ってるけどそれまでなら大丈夫」
「あほか。そんなら俺がそっち行く方がええやろ」
「ん、ありがと」
「おう」
「………ありがとね、俊ちゃん」
「あっし?」
「楽しみにしてる!」
「ん」

最後の間はなんじゃったんやろうか。
そんな改めて礼を言うほどのことでもねえし…。
やっぱりなんかまた考えすぎとるんじゃねえかな。
大丈夫か、あいつ…。



ちょっとばかりあっしのことが気にかかりながらも翌日から俺は予定通り海外へと飛んだ。

519:2015/09/27(日) 00:04:40 ID:???

9月27日。

俺達はいつものバーで待ち合わせて軽く飲んだ。
今日が何の日かってことは2人ともわかっとったと思うが…特に何も言わずに釣った魚の話や、仕事の話しに興じた。

で、ゆっくり呑もうってことで早めにバーを出てあっしの家で話しをしとったんじゃけど……なんじゃ、この状況は。

「俊ちゃ…ん」
「ちょ、あっし」
「黙ってて」
「っておい」
「うるさい」
「ん」

突然腕を引っ張って寝室に連れ込まれた俺はベッドに押し倒されあっしに脱がされとる最中じゃ。
止めようとしてもこっちの言うことを全然聞かずに手を動かし挙句にキスを降らせてくるあっしに…好きにさせることにした。

……突っ込まれそうになったら、本気で抵抗するけどな。

「俊ちゃ…」
「っ」

しばらくぶりに触れ合う肌に体はすぐ熱くなる。
キスをしてシャツをはだけさせ、俺のパンツの前を寛げるあっしはどことなく必死さが漂っとる気がした。

「んぅ」
「ぁ…」

ぬるりと温かい湿った感触に思わず腰が浮く。
舌で舐めあげられ銜えられて…思わずシーツをきつく握った。
すっかり見慣れた伸びた髪に手をやると銜えたままちらりと俺を見上げる。
その視線はさっきよりも扇情的で…ごくりと唾を飲んだ。

「んぅ、んっ、ん」
「くっ…あっし、離せ…」

うっかりイかされそうになって触れていた髪を軽く引く。
口の中でイクのもええけど…やっぱりお前の中がええ。

「…ん…」
「あっし?……おい」
「んー」

素直に口を離したあっしに少しほっとしたら、今度は自分のパンツを脱ぎ捨てシャツ一枚の姿でのそりと俺の腰をまたぐ。

「……ぅ」
「あほ」

びんびんに勃起した俺の上に腰を下ろしかけたあっしが唇を噛み締めた。
辛そうな顔に思わず手を伸ばして腰を支える。

520:2015/09/27(日) 00:06:04 ID:???

「俊ちゃ…」
「お前…いくら慣れとっても無理じゃろ。それにしばらくしてねえし傷つく」
「でも…早くほしーもん」
「ばかたれ」

何でそんな泣きそうな顔で言うんじゃ。
…早く繋がりてーのは俺も一緒やけど。

「あっし」
「わっ」

腰を支えていた手を離して腕を掴みぐいっと引き寄せる。
倒れてくるあっしを支え直して、唇を触れ合わせた。
歯列を割って口内に舌を忍び込ませる。
溶けるような気持ちよさと温かさ。
あっしが夢中になるのを感じながら左手をぐっと伸ばしていつもの場所からローションを取り出した。

「っあ」

掌で暖めとる時間も惜しんでそのままあっしにぶっかける。
いきなりの感触と冷たさにびくりと体を揺らしたが、気にせずそのまま擦り付けるように後ろに指を這わせた。

「ふっ、…んっ」

片手は離れそうになるあっしの後頭部を押さえつけ、もう片手は普段受け入れる場所じゃねえそこをしっかり解す。
くちゅくちゅと上も下も音を立てながらあっしの体が熱くなり、ゆらゆらと揺れだした。
頭を抑えていた手を離すとあっしが顔を離す。

「ふあっ、しゅ、ちゃ…そこ」
「ここ気持ちえーとこじゃろ?」
「ん…気持ちい…あっ」

濡れた唇からいつもより高い声。
女じゃねえのに女よりエロいと思うのは……心底惚れとるからじゃろうか。

背中を丸めたり伸ばしたり、そろえた三本の指を動かすたびにあっしの体も動き中も蠢いて声を漏らす。
そろそろ…ええかな。

「あっし、もうええよ」
「…んあっ…え?」
「お前がするんじゃろ?」
「あ…うん」

ちゅぽんと抜けた指にとろんとしたまま不思議そうにみるあっしに、にやりと笑いながら言ってやった。
頬を染めながら、頷くあっし。
ゆっくりと体を起こし、俺の腹に片手をついて、もう片方の手を自分の後ろに伸ばす。
そこを広げるようにしてゆっくりと腰をおろすあっしを見とるだけで発射しちまいそうじゃ。

521:2015/09/27(日) 00:13:01 ID:???

「は…っん」

切っ先がずぷりと温かくてきつい場所に入り込んだ途端、あっしがくんと顎を上げた。
思わずまたごくりと唾を飲み込む俺。
普段からエロいと思う首から顎にかけての線がさらけ出され、
滑らかで綺麗に筋肉のついた胸も、美術品みてーに整った腹筋も、その中にぽつりとあるへそも…
さらにその下にある屹立した男の象徴も…全部が全部…バカみてーにエロかった。

「はふ…」

全部を納めて仰け反っていたあっしがゆっくりと息を吐く。
あっしの中がいつもよりきつく締め付けとる気がする。
目があったあっしの表情は苦しそうには見えんかったけど念のため聞いた。

「痛くねーか?」
「ん」

こくんと頷くあっしに安心すると同時に少し腰を揺らしてみる。

「あっ」

鼻に抜けた声にもっともっと突きあげたくなったが、今日は…あっしが襲ってきたんじゃし?

「ほれ動け」
「ん」

素直にこくんと頷くあっしは子供みてーじゃけど、俺の腹に両手をついてゆっくり腰を上げるあっしの顔は壮絶な色気を漂わせる。
これもギャップ萌え…か?

「…ア…ぅ」

くちゅっと音をたてて抜けるギリギリまで体を持ち上げたあっしはそのままゆっくりずずっと俺を奥深くまで飲み込む。
また顎を上げるあっしの首に手を伸ばし指を這わせた。
びくりと揺れる体と熱い吐息。
そのまま指をゆっくりと首すじから下へ下へと下ろしていくと、あっしの表情がぞくぞくと感じてる様子がわかって何度目かの唾を飲み込んだ。

昔は我慢なんてせんでただ自分の欲望のままがつがつとあっしの体をむさぼっとったな。
こいつが泣いて啼いて…その顔に煽られながら自分の気持ちよさを優先させとった。
けど…今は。

「あっし」
「んふっ、俊ちゃ…あっ」

あっしが動くのに合わせてゆっくり腰を付き上げてやると蕩けた表情と潤んだ目が俺を見る。

絶対、昔より今の方がエロい顔しとる。
気持ち良さそうな顔しとる。
まあ昔もすげーエロかったけど。

そんなことを考えながら今度はさっきよりも奥へと腰を付き上げた。

「は、あぁっ」

ビクビクする体を引っ張って腕の中に抱える。
イってはねえけど、荒い息を吐くあっしの背中に手を回し、それから目の前にある顎を舐めあげ、また頭を抱えてキスをした。

「しゅ、ちゃん…俊ちゃん、俊ちゃん……はぁ」
「あっし」

キスの合間に何度も呼ばれる名前。
昔から変わらず必死になって呼ぶその声を聞くといつもドキドキして愛しくて愛しくて仕方がなくなる。
歌ってるときはこいつに負けてなるもんかと心のどこかでライバル視しとるのに。
仕事で嫌な事があってもあっしも頑張っとるから俺も巻けとれん、と自分を奮い立たせるのに。

今は…包み込んで包まれて…ただただこいつを愛しく思う。

「俊ちゃん…んぅ…愛してる」
「ん…俺も、お前を愛しとる」
「愛してるよ」
「ずっとな」

額を合わせて見つめあい、普通じゃとてもじゃねえけど恥ずかしくて言えんようなことを何度も何度も言い合って…またキスをした。

522:2015/09/27(日) 00:14:53 ID:???

自分から仕掛けたえっちはちょっと恥ずかしかったけど、いつもと違った深い快楽があって…いつもよりも1つになれた気がする。

ゆっくりとでも激しく愛し合って、シャワーを浴びて綺麗になった体でまたベッドに潜り込む。
何も身につけないまま俊ちゃんに擦り寄ると肌が触れて気持ちよくて安心する。
このまま眠ってしまいたい。
でも…俊ちゃんに、言いたいことがあるんだ。

「ねえ俊ちゃん」
「ん?」

どうしても今日俊ちゃんと逢いたかった。
どうしても今日俊ちゃんに言いたいと思った。

なかなか言えない感謝の気持ちを今日この日に。

「今までさ、いろいろあったけど…辛いことも苦しいこともたくさんあったけど、俺は俊ちゃんに逢えてよかったと思ってる」
「あっし?」
「道が離れて苦しくて苦しくて仕方がなくても…逢いたい時に逢えなくても…世間に認められない関係でも…
それでも俺は俊ちゃんと逢えて少しの間でも一緒に歌えて…良かったと思ってる」

もう歌えないんじゃないかと思ったこともある。
自分には才能がないんじゃないかと悩んだこともある。
隣りに俊ちゃんがいないのが寂しくて辛くて…泣き明かした夜もたくさんある。
でも…。

「あの頃俊ちゃんと一緒に歌ったことは俺の中でちゃんと実になって残ってて…大事な大事な力になってる」

前へ進むための力。
自分を信じる力。

「あっし…」
「俊ちゃん、出逢ってくれてありがとう。俺を引っ張ってくれてありがとう。一緒にいてくれてありがとう。
一度は離れたのに……また俺を選んでくれてありがとう。愛してくれて、愛させてくれて……ありがとう」
「ばか、たれ…」

言いたいことを言い切ったら、俊ちゃんがポタポタと涙をこぼしてた。
唇を噛んで、視線を彷徨わせて…。

「俊ちゃん。俺は俊ちゃんにいつも助けてもらって、いつも背中を押してもらってる。合体の時だってひろさんが辞める時だって
まきさんやまっちゃん、うっさんがいなくなるって決まった時だって…いつも。
それなのに、俺は俊ちゃんの為に何も出来なくて、ごめんね。前の時も、今回だって…俺は悩んでる俊ちゃんに何もしてあげられない」

昔は悩んでる俊ちゃんに気がついてても自分のことで手一杯だった。
そして今も、俺は昔と変わらず自分のことばかりで…。
俊ちゃんを助けてあげられない。

523:2015/09/27(日) 00:15:52 ID:???

「んなこと、ねえよ」
「俊ちゃん」
「お前はちゃんと聞いてくれたじゃろ?俺が自分で決めんと後悔するってようわかっとるから…
俺のしたいようにすればいいって、いつでも俺は俊ちゃんの味方だよって、言うてくれたやろ?
お前の言葉もお前の存在も全部、全部、俺の力になっとるよ」
「俊、ちゃん…」

涙を拭いて俺を真っ直ぐ見て言ってくれた言葉に、今度は俺が我慢できずに涙をぽたぽたと…こぼした。

「俺の周りもお前の周りも、いろいろ変わっていくけど……お前と俺との関係だけはこれからも絶対変わらん」
「うん…うん」
「やから、大丈夫じゃ」

ぐしゃぐしゃっと俺の頭を撫でた俊ちゃんの手。
俊ちゃんが大丈夫って言ってくれたら大丈夫だって思える。
何が変わっても俊ちゃんがいれば大丈夫って信じれる。
変わらない物なんてないかもしれないけど…変わらないことはきっと…ある。

「ありがと。これからもずっと俺は俊ちゃんの味方だから!あ、でも…らじおで俊ちゃんの声が聞けなくなるのは寂しいな」
「…お前、聞いとったんかいな」
「うん。ちゃんと全部とってあるよ!」
「………」
「俺とこうやって話す時とはちょっと違う俊ちゃんでさ、俺には話してくれない仕事のこととか考え方とか聞けるもん」
「…たいしたことじゃねえからお前に話さんのやろ」
「ん、わかってるよ。俺だって全部俊ちゃんに話してるわけじゃねーし」
「ほうか」
「でもさ、質問に答えてるの聞いてそんな風に考えてるんだと思ったり、俊ちゃんらしいって思ったり…すげー楽しい」
「あほ」
「ひどっ」
「まあ気持ちはわかるけどな」
「?」
「お前の酔っ払ったらじお聞くと同じこと思うわ」
「聞いてくれてんの?!」
「たまには」
「ってことは、俊ちゃんもば入ってるんだ」

意外って言うか、俊ちゃんがもば見てるの想像したらなんか面白いかも。

「…誰にも言うなよ?特にまきさん」
「えー」
「絶対楽しそうにメールしてくっから」
「ありそー」
「ひろさんもまきさんもまっちゃんもうっさんも……それからお前も。みんなが頑張っとるから負けたくねえと思う。
同じ土俵で頑張りたいわけじゃねえけど」
「うん、わかってる」

俊ちゃんは俊ちゃんのやりたい道を。
俺達は俺達の道を。
頑張って歩いていこうね。

たまには…これでいいのかって迷うこともあるけど…さ。

524:2015/09/27(日) 00:16:52 ID:???

「で?」
「?」
「デビューした日やからいろいろ考えたんか?んで、積極的やったんか?」
「へ?」

突然変わった話に何の事かわからずに首をかしげた。

「さっき」
「あっ///」

ニヤニヤしながらつうっと指を胸に滑らせた俊ちゃんに思わず血が昇って赤くなるのが自分でもわかる。

「すげー可愛かったからええけど」
「可愛くねーしっ!」

俺男だしっ。

「今までで一番エロかった」
「エ、エロくねーしっ」
「お前、昔よりエロ度があがっとるじゃろ」
「そんなもん昔からねえよ!」
「いやある」
「ねえもん」
「まあ昔は昔でちょっとしたことで真っ赤になって可愛えかったけどな。灯り消せとかBGMかけろとか…」
「煩いな!///」

何を言い出すのかと思ったら!
た、確かに昔は明るいのが恥ずかしくて消してって頼んだよ(消してくれなかったけど)
妙に生々しい自分から出る音が嫌で音楽かけてって言ったよ(即座に却下されたけど)

「ちょっとしたことで赤くなるのは今でもか」
「っそれは俊ちゃんもだろ。それに今も昔も俊ちゃんは意地悪だよね!」
「おー。好きな子は苛めるもんじゃ」
「…それってガキってことじゃん」
「うるせー」
「まあそんな俊ちゃんが俺は好きなんだけどさ」

さっきまでのしんみりとした雰囲気から一転、いつもみたいなやり取りになってるけど、これが俺達だからこれでいいよね。
ってか、うん、これがいいんだよ。

素直に好きだなって思った気持ちを告げたら俊ちゃんが何だかがっくりと肩を落とした。

何だよ?

525:2015/09/27(日) 00:17:43 ID:???


「…そういうとこ、つくづくお前には勝てんと思う」
「?」
「好きだとか愛してるとか…ヤっとる最中じゃなくてもいつでもお前は素直に口にするよな」
「だって好きだもん。愛してるもん」
「……はいはい」
「なにそのどうでもよさそうな返事っ」
「あっし」

適当な返事にぷんすか怒ってたら、俊ちゃんが真っ直ぐ俺を見て名前を呼んだ。
ドキッと跳ねる心臓。

「好きじゃ」
「っ///」

ちゅっと軽い口付けと低い声。

「これからはしょっちゅう言うちゃろうか?あっし…愛してる」
「えっ、い、いやいや…ええっと」

低い声でかっこよく言われて慌てる俺。
って言うか、そんな声でしょっちゅう言われたら俺の心臓持たないから!

「あっし」
「ちょ、もう、いいから!わざと言ってるでしょ!」
「そんなことねえよ。ちゃんと好きじゃって言葉にして伝えんとな。あっし、好きじゃ」
「っ///俊ちゃんのいじめっ子!」
「ぶっははは!」

多分今俺はこれ以上ないぐらい赤くなってる、と思う。
好きだって愛してるって言われるのは嬉しいけど…ほんと心臓に悪いからほどほどにしてほしい。
しかも俺が俊ちゃんの声に弱いってことよく知ってるからわざと無駄にいい声使ってるしっ。

楽しそうな俊ちゃんから逃れる為に布団に潜り込む。

「あっし、出て来い。ほれ」
「やだっ」
「あっし」
「…わっ…んぅ」

最近良く鍛え上げられてる俊ちゃんの腕の力に負けて、かぶっていた布団がはがされた。
気がついたらすっげー白くて、すげー鍛えられてる俊ちゃんの体が目の前にあって…
めっちゃくちゃ目じりの下がったデレデレの顔した俊ちゃんにキスされました。


14年前の今日。
俺達は未来を夢見ながらみんなで笑い合ってた。
不安もあったけどただ前を向いて走ってた。
もう一度やり直せたとしても…みんなきっと今と同じ道を選んでると思う。
だから…苦しくても辛くても出逢えたことを感謝して、これからも前を向いて歩いて行きたい。


俊ちゃん。
ありがとう。
これからもよろしくね。

526:2015/09/27(日) 00:19:56 ID:???

お返事 >>517
短編 >>518-525

みんなと一緒のお話も書きたかったのですが、すんあちゅがするりと出てきたのでこちらで。
勢いで書くとあちゅがいつも同じようなセリフを吐いてるような……ま、いいか(^-^;
そのうち兄ちゃんズとわちゃわちゃしてる短編も書きたいです。
えりょももう少し単純にエロく←書きたい……相変わらず苦手ですが(笑)

昨日たまたま聞いていたらじおですんたんのまほーのことばが流れました。
そして間に1曲はさんであちゅのめるろーず♪
今更な選曲が不思議ですが思いもかけずほっこり〜(〃∇〃)


デビューからまるっと14年。
大好きないっしょーよりそれぞれの道を歩き出してからの時間の方がずっと長いんですよね。
でも…書き手の中では大きな大きな割合を占めています。
あの頃があったから、今でもすんたんとあちゅが大好きで、兄ちゃんズが大好きで。
きっとこの先も私にとっていっしょーは特別であり続けるんだと思います。
デビュー日おめでとう。
そして…ありがとう。

527:2015/09/27(日) 19:59:52 ID:???

超短編


14回目のグループの誕生日。
みんながおめでとうを言ってくれるのは嬉しいけど…なんでか素直に喜べない。

今が不満な訳じゃない。
たかひろだっていっぱいいっぱい苦労して辛い思いして頑張ってくれてて、感謝の気持ちしかない。

でも…でも。
いつも使われる過去の映像に彼の姿はない。
14年前、確かにいたはずの俊ちゃん。
俊ちゃんがいなかったら俺達はデビュー出来てなかったかもしれないんだ。
俺は今こうやって歌い続けてなかったかもしれない…。

ねえお願いだから忘れないで。
俊ちゃんのことを。
戻ってほしい訳じゃなくて…俊ちゃんがいたことをただ覚えてて。
俊ちゃんの存在をなかったことにしないで。
ひろさんとまっちゃんとまきさんとうっさん、それから俊ちゃん。
他のメンバーも大事な仲間だけど、俺にとってはこのメンバーこそがEX1LEで…家族だから。
だから…俊ちゃんが望まなくても、俊ちゃんがいたことだけは忘れないでほしい。
道を違えてどれだけ経ったとしても、俊ちゃんは大事な大事な仲間なんだ。

グラスを掲げ後ろにいるメンバーの賑やかな声を聞きながらひとりカウンターで思い出に浸る。
バカな感傷だってわかってるけど今日だけは許してほしい。


「篤志」
「まっちゃん?」

多分近づきにくい雰囲気を出してるはずの俺に後ろからかけられた声。
振り替えるとぺこんとえくぼを見せたまっちゃんの姿があった。

「篤志、隣いい?」
「うん、いいよ」

それからまきさん?

「約束したテキーラ呑もうよ」

うっさんまで…。

「俺もいいか?」
「ひろ、さん」

みんなでカウンターへ並んで座る。
うっさんがテキーラを注いでみんなでEX1LEの誕生日を乾杯した。
ぐっと煽ったら喉の奥が熱くなる。

あの頃と変わらないみんなの笑顔。

「なんかデビュー当時を思い出すね」
「ほんと、ついこの間のことみたいだな」
「どうせなら俊ちゃん呼んじゃおう」
「え」

うっさんが楽しそうに言った言葉に思わず固まる。
後ろにはたくさんの仲間や後輩たち。
何人かならともかくこんないかにもL D/Hの飲み会に俊ちゃんを呼ぶなんて無理でしょ?

「東京にいるかなー?」
「山口だったら遠いよね」
「それでも呼んじゃえば?」
「いや無理だから。着く頃には朝だよ」
「苦労して着いたら誰もいないって言う…ね(笑)」

楽しそうにまっちゃん達が話してる。
俺はどうしたらいいかわからないまま。

「篤志、俊ちゃんに電話してみて」
「ひろさん…いいの?」
「俊ちゃんが山口にいるか、仕事ならダメけどな」

いや、そういうことじゃなくて…
ここに俊ちゃん呼んでもいいの?ってことで…

「篤志、かけてみなよ」
「……うん」

まっちゃんに言われて俺はなぜだか緊張しながら携帯を操作した。

528:2015/09/27(日) 20:00:31 ID:???

「ちょっと俺のけーたい!」
「ぎゃはははっそれでそれで?」
「まき、俺にも代わってよ」
「オッケー。じゃあ俊ちゃん、まっちゃんに代わるから」
「あ、もしもし俊ちゃん?久しぶりー」

結論から言うと、俊ちゃんはここに来ることは出来なかった。
てか居場所も東京どころか山口でさえなかった。
なんか外国旅行中だって。
買い物か釣りか…それはいいんだけど、みんな久しぶりの俊ちゃんと話せる機会が嬉しいのかさっきからずっと俺の携帯はたらい回しで手元に戻ってこない。
かすかに携帯から大好きな俊ちゃんのでっかい笑い声や突っ込みが聞こえてきてる。

もういつになったら返してくれるの!

「俺だって俊ちゃんと話したい!!」
「ぶはっ」
「ごめんごめん、篤志」

思わず叫んだらみんなが爆笑した。
なんでだよ?!

「俊ちゃん、またゆっくり呑もうな。ほら、篤志」

ひろさんが笑いながら携帯に話しかけそのまま俺に渡してくれる。

「もしもし俊ちゃん?」

電話越しの俊ちゃんは楽しそうに笑いながら、みんな相変わらずじゃなーって。

「そうだよ相変わらずなんだから。だから、俊ちゃん」

ぎゅっと携帯を握りしめ、震えそうな声を必死で押さえた。

俊ちゃん…。

「またみんなで一緒に呑もうよ」

頑張って絞り出した言葉に「ああ」って耳元に響く俊ちゃんの声。

お互い忙しいからなかなか難しいかもしれない。
でも、ひろさんがいるからきっと近いうちにこの約束は果たされるはず。
きっと。

そしてまたするりと俺の手中から抜かれた携帯は、みんなの間を次々とまわっていつまでもいつまでも返ってこなかった。

529:2015/09/27(日) 20:02:06 ID:???

超短編 >>527-528

本日2回目の更新。
お月見話をと思っていたのになぜか突然寂しくなって書きなぐってしまいました。
月はどこへ(笑)


来年の今日…おめでとうと言う頃にはデビュー時のめんばーで現役?なのはあちゅだけなんですよね…。
これからは人に対してじゃなくて、EXI1LEという器におめでとうって言うってことで…なんか違和感。
パパ達は名前を残したいんだからそれでいいのかもしれないけど…私は時がたつにつれて寂しさが増します(´;ω;`)

なーんて月を見てぐだくだと考えたら泣けてきて…。
吐き出したらちょっと落ち着きました←
自己満足な短編失礼しました_(._.)_

530名無しさん:2015/09/28(月) 00:55:29 ID:???
2号です。
なんだか、色々と気持ちが追いつかなくて、すっかりご無沙汰しておりますm(_ _)m
グループのお誕生日は、本当におめでたいことだと思います。
だけど…どこもかしこも7人からの写真しかないo(TヘTo) クゥ
6人に戻ってほしいとか、6人が良かったとか、そういうんじゃないんですけど。
“し/ゅん/ちゃんの存在をなかったことにしないで”で涙腺決壊です(T ^ T)
6人で始まって、王子が頑張ってくれて、今がある。
おめでたいハズのお誕生日も、なんだか淋しい気持ちで過ごしていましたが、私の気持ちを代弁してくださったかのような短編で救われました。
同じ想いの方がいるとわかって、ささくれだっていた気持ちが少し和らぎました。
ありがとうございました。

しかし今年でコレだから、来年は…...(lll-ω-)チーン

531:2015/09/30(水) 17:11:17 ID:???

数日振りですがお姉様皆様お元気でしょうか?
ペロッと吐き出して落ち着いたとはいえ、2号姉様同様寂しい気持ちでいたこの数日。
すんたんらじおも終わってしまいさらに寂しさが増して何だか何もやる気が起きません(ノ_-。)
あちゅも相変わらず行方不明だし←
と言うことで、少しお休みをいただこうかな…というご報告とお返事に出没しました。
とはいえぼちぼちとあちゅとすんたんを苛めるお話を書いてみたりしてますので(笑)意外とすぐ更新してそうではありますが(>ω<)
他にもねこまたすんあちゅや、黒ちびもふもふを堪能する話や、有名人すんたんと田舎あちゅ(前にもあったぞこの設定w)などなど
書きたいものはあるので、まったりいこうと思います。
来月にはまき兄ちゃんの誕生日もあるしっ…えーっと一応長編も…←
なんだかんだで結構走り続けて書いてきたんですがいい加減ネタ切れというか…ネタかぶりすぎ(笑)
すっごい恥ずかしい部分もたくさんあるんですが、以前の自分の話を読み返しながら反省しつつ頑張りたいと思います。

とかいってこの寂しさの山を越えればすぐSAでむふふと脳内妄想しはじめて、今までとあんまり変わらないんだろうなぁ←いつものこと


以下お返事です。


>>530
2号姉様こんにちは(^-^)/
お返事が遅くなってしまってすみません…。
更新がままならずとにかくお返事だけはしたいとやってまいりました。

超短編についてはあぷするのを迷ってましたが、少しでも2号姉様のお気持ちに触れられたのなら良かったなぁと安心しております。
寂しかったりもやもやしたり、なんか妙に悔しかったり←?
いろんな気持ちで過ごしてますが、私も2号姉様が同じことを想ってくださってて嬉しいです。
今を否定したいんじゃなくて(疑問に思うことは多々ありますが)
あちゅとすんたん、そして兄ちゃんズが必死で走りぬけたことを忘れないでいて欲しいと思います。
頑張り続けてるのは今のめんばーかもしれません、でもでも、あの6人じゃなかったらぐるーぷの礎は作れなかったはず。
だから…なかったことにはしてほしくないです←あちゅに代弁させました
来年のお誕生日は……今はあんまり考えないようにしとこ(´-ω-`)

すんたん、あちゅ。
ここらで一発元気になるツーショでも披露してくれ〜←切実にw

532:2015/10/14(水) 16:18:47 ID:???


黒猫 大人ver



「あっしー?」きょろきょろ

「にゃー」猫姿 窓辺で丸まって日向ぼっこ中

「お、おった。…気持ちよさそうじゃなぁ」

「ん、きもちいーよぉ」うとうと

「すげーほこほこ」ふわふわじゃしあったけーし なでなで

「みー」ぐるぐる

「…せっかくやからクッションでも置くか」床に直接よりあっしも気持ちええじゃろ

「にゃ?」なんか言ったー?

「買いもん行くで」ひょいと抱っこ

「俊ちゃん?」きょとん

「クッションか暖かい敷物買う」すたすたと着替えに

「別に床でも平気だよ?」

「なんかあった方が気持ちええやろ」

「そーだけど」わざわざ買わなくても……でもお出かけは嬉しい

「ほれ、お前も着替えろ」ぽいとベッドへ

「にゃ」すとん

「ホームセンターでええかな。それともインテリアショップがええか…」

「俊ちゃーん、用意できたよ」人間使用着替え済み

「おう。帽子、こっちのが似合う」自分の帽子被せてやって

「にゃ、ありがと」

「帽子も買っちゃるわ」

「自分で買えるよ?」バーのお給料あるもん

「ええから」手掴んでひっぱる

「ん」えへへー

533:2015/10/14(水) 16:19:22 ID:???



「これ気持ち良さそう」ふわふわ敷物

「暖かそうでええな」

「んーでもリビングには合わないかも」

「ほうか?」

「あ、こっちのクッショ……」ふにっ

「あっし?」どした?固まって

「しゅ、俊ちゃん。これすっげー気持ちいい」ふにふに

「どれ……おお…」ふにふに

「すっごいもちもちしてる」ふにふに

「おもしれー。しっとりつうか、確かにもちもちじゃな」ふにふに

「……俊ちゃん俺これがいい」きゅっと抱きしめ

「んじゃそれにすっか」かわええ…

「いい?」きゅう

「ええよ」もう一個色違いを

「?」

「どうせなら二つあってもええじゃろ。一個は窓辺で一個はソファにでも置こうや。車の中でもええな…」

「…俊ちゃんも欲しくなったんでしょ?」気持ちいいから

「それもある」掴んだクッションふにふに

「あっ、じゃあ俺が俊ちゃんの買う!」

「あん?」

「こっちは俊ちゃんが買ってくれるんだから、そっちは俺が買うー」にこにこ

「それじゃ買ってやる意味がねえじゃろ」

「いいじゃん。俺だって俊ちゃんに何か買いたいもん」ぷくぅ

「ふは…わかったわかった。色はそれでええんか?」

「うん」ぎゅう




お互いのクッション買って、帽子は自分で買うと言い張ったから結局選ぶのだけは俊ちゃんが…
それから家に戻ってご飯食べて、クッション持って窓辺でごろごろ


「はー気持ちいい」クッションぎゅう

「結局床に転がっとるし」猫の時に使う為に買ってきたクッションやのに…やっぱり敷物も買うべきか?

「だって、きもち…いー」うとうと

「ぷ…。毛布、毛布」ソファに置いてあるブランケットを取ってそっと

「みー」無意識に手を伸ばして俊ちゃんの指をきゅっ

「…かわええ」リラックスしとるからか、いつの間にか耳出とるし…

「んにゃ」もふもふの耳ごと頭を撫でられてごろごろ

「かわえぇ…。すげーかわえー」でっかくなっても人間の姿でも相変わらずかわええなぁ

「しゅ…ちゃ」幸せそうにニマニマしながらお休み中

「どっこいしょ」自分の分のクッションと共に気持ち良さそうなあつしの横へごろん

「みゃ」すりすり

「あーあったけぇ」ほかほかやし、えー匂いするし…幸せや……



夕方まで気持ちよくお昼寝した二人
その後、お休みの日は二人で昼寝するのが定番になったとか

534:2015/10/14(水) 16:20:43 ID:???

黒猫 大人ver >>532-533

ほっこり黒猫でリハビリ中←
黒ちびにするつもりが妄想してるうちに、おっきいあちゅとすんたんが一緒に転がってる姿が脳内に浮かんだので大人verになりました。
いろいろ反省してるはずなのにいつも通りのお話で変化も進化もしてないっていう(笑)

535名無しさん:2015/10/15(木) 05:00:52 ID:???
お久しぶりの2号です♪
のんびりほこほこな2人をありがとうございます。
あのですね、個人的には緋さまに反省とか必要ないのでは?と思いますが…
私、緋さまのすんあちゅ大好きです。
時々リアルな2人が残念な時があるので←、緋さまの2人に助けられておりますw

先日のお見舞いあちゅ、ご覧になりました?
お2人に挟まれてなんだかかわゆすあちゅでしたね(*^m^*)

536:2015/10/19(月) 11:37:20 ID:???

>>535
2号姉様こんにちは〜♪
反省など必要ないといっていただきありがとうございます!
リアルなあれやこれやが脳裏をよぎってついついお話が止まっていますが…そろそろ現実拒否←してラブラブな2人を書いて浸ろうかなと思っています。
まき兄はぴばもはろうぃんも控えてるし頑張ろう!……と自分の首を絞めてみるw

お見舞いあちゅ見ましたよ〜
お二方に挟まれて小さく見えるあちゅw
どうかあちゅが哀しい思いをしませんようにと何となく願ってしまいました。

ちょっと話は変わりますがすんたん階段駆け上がりのいんすた、2号姉さまはご覧になりましたか?
幸い私は消される前に見ることができました。
すんたんの息遣いと駆け上がる風景にうわー大変そうだなぁと思う傍ら、私もエロいと思いました(笑)
必死で頑張ってるのはよくわかってるのですが…すんたんごめんm(._.)m
だってついついあちゅの上で頑張ってるすんたんを思い浮かべちゃったんだもの←

そんなすんたんよくよくあいふぉんには縁がないんですかねw
あちゅが「また壊したの?もったいない」ってぷんぷんしてそうです。

…うん、やっぱりすんあちゅ大好きだ←突然
これからもまったりとどうかよろしくお願いします☆

537:2015/10/19(月) 11:38:02 ID:???


黒猫 ちびver 


「貰いもんじゃけど使ってみるか」

「にゃ?」なーに?

「じどりぼーっつってな」携帯装着中

「?」手元覗きこんで耳ぴこぴこ

「誰かに撮ってもらわんでもあっしと一緒に写真が撮れるんじゃ」これでええかな?

「にゃー」そーなんだ

「これで、ここを伸ばして…」

「……にゃ」興味津々 真ん丸い目でじー

「おし、あっし」片手でひょいとだっこ

「みっ」

「あっち見て」

「……にゃ」えい

「ちょ、こりゃ」

「にゃう」操作しようとする手元をていてい

「あっしー」揺れるー

「にゃにゃっ」ぺしぺし

「やめぇっちゅうに」ちょっと引き離して

「むー」手が届かなくなってぱたぱた

「後で貸したるから」

「にゃー」

「おし、いくでー」

「みゃっ!」

「あっ」


かしゃりとシャッターが切られる瞬間にあちゅの猫パンチ
ぶれぶれの画像のできあがり

538:2015/10/19(月) 11:40:40 ID:???


「あっしー」

「ご、ごめんにゃさい」耳倒してちろりとすんたん見あげ

「まあええか」可愛さに負けた

「にゃ〜」ご機嫌とりに俊ちゃんの顎をざりざり

「……」かしゃり

「みゃ?」音がした方見てきょとん

「…」もう一枚

「にゃ」

「撮れたか?」確認

「うにゃ?」何が?

「お、ええ感じ」

「あ、俊ちゃんといっしょー」に映ってるー

「綺麗に撮れたな。おし日記に載せるか」うきうき

「にゃー」喉かわいたー 下ろされたからミルク飲みにとことこ

「じどりぼーに興味津々のあつし…っと」携帯操作

「…俊ちゃーん」キッチンから

「写真はこっちで…」聞こえてない

「俊ちゃーん!」

「ん?」呼んだか?

「ミルクないーっ」変化してぱたぱた

「あ?なかったか?」

「ないもん!」

「買い忘れとったか…」しまった

「ミルクー!」ぷんすか

「買いに行くからこれ終わるまで待て」

「やっ!すぐ飲みたいのっ!」じたばた

「……あっし」珍しいな

「うにゃっ」ほっぺ膨らませて 耳と尻尾の毛ぶわり

「ふは…わかったすぐ買いに行こうな」なでなで

「にゃ」ぷしゅう

「ほれ、帽子」

「みゃ。ミルクーミルクー」るんるん♪

「ぷっ」もう機嫌なおっとる

539:2015/10/19(月) 11:41:20 ID:???


お返事 >>535
黒猫 ちびver >>536-537


終わりがグダグダ……。
小さなおててでぺしぺしするあちゅとほっぺ膨らませて拗ねるあちゅが書きたかっただけです(笑)

日向であちゅとお昼寝したい…と思いつつすんあちゅ中編をまったり作成中。
今回は最後まで書いてからあぷしようと思います←途中で失速するのを防ぐためw

540:2015/10/21(水) 23:04:56 ID:???

短編



「持ってきたアルバムかけていい?」
「いいぞー」
「やった」


「最近はまってるんだよねー。トクさんの声すっごく低くて渋くていい声だと思わない?」
「…まあ」
「フリューゲルホ/ルンもかっこいいし歌も上手だし…ジャズかっこよく唄えるのって憧れるなぁ」
「……そうやな」
「俺は声質が違うから同じようには出来ないけど、かっこいいなー。あー、この歌とか最高」
「…………」
「あれ、俊ちゃん?」
「……」
「どしたの?眠い?」

興奮したような篤志の声とそれから機嫌の悪そうな俊ちゃんの返事が後ろから聞こえてくる。
詰め込まれた移動車の中、俊ちゃんが切れないといいなぁとかなんとかこっそり願いながら俺達は後ろの会話を黙って聞いていた。

口挟むとかえってめんどくさくなるからねー。

「俊ちゃんってば聞いてる?」
「聞いとるわ。カッコよくてよかったな。つうか、わしも低い声やって言われるけど…渋くていい声じゃなくて悪かったな」
「そんなことねーよっ!俊ちゃんの声すっげーいい声だよっ!」
「そ、そうか?」

拗ねたらしい俊ちゃんの言葉に篤志が喰い気味に返事をした。
その勢いと速さにびっくりした俊ちゃんの声が面白い。
笑いたくなるのを堪えていたら、横のまっちゃんの肩も震えてるのに気がつく。

「……」
「……」

思わずアイコンタクト。
しばらく黙ったまま聞いていようってことで意見は一致。
俺達の前に座ってるひろさんとうっさんも多分同じ意見なんだろう。
何も言わないけど後ろに神経が向いてるのがなんとなくわかった。

「そうだよ。俊ちゃんは低くていい声が出るし、ファルセットとか艶があるし……俺なんてあんまり低い声出ないから羨ましいなぁ」
「そのかわりお前には綺麗な高音があるじゃろ」
「そうだけど…」
「わしはお前の声好きじゃけどな」
「ほんと?」
「………ああ」

あ、俊ちゃん自分で言っといて照れたな。

「じゃあいいや。あ、俺が世界で一番好きな声は俊ちゃんの声だからね!」
「お、おう。サンキュー」
「へへ…。よく考えたら、いやよく考えなくてもだけど俊ちゃんと一緒に唄ってるなんて贅沢だなぁ。
でもさでもさ!声質は違っても歌では俊ちゃんに負けねーから!」
「こっちこそ。技術はお前にはまだまだ敵わんけど、ハートは負けんからな」

楽しそうに負けず嫌いを発揮して言い合ってるけど…もうそろそろ突っ込んでいいかな?

541:2015/10/21(水) 23:07:30 ID:???

「あのさ」
「何?」
「この2人これで付き合ってないとか嘘だよね?」

とりあえず隣りにいたまっちゃんに聞いてみる。

「あー」

まっちゃんが苦笑した。

「明らかにおかしいよね」
「まあね」
「どう聞いてもヤキモチ妬いてるとしか聞こえないし、お互いに好きとか言ってるし…惚気てるとしか思えなーい」
「……そこはほら、篤志と俊ちゃんだから」
「理由になってないけど、何となく納得できるのは何でだ…」

まっちゃんの言葉にひろさんが唸った。

「ちょ、何言ってんの!」
「何って、いちゃいちゃしすぎでしょって話?」
「ちげーし!」
「違わないと思うけど」
「うっさんまで!」
「どう聞いてもラブラブだったよね」
「あー…確かに」
「そ、そんなことねーもん」
「……」

ちょっぴり動揺した感じの篤志の声に後ろを振り返ったら、真っ赤な顔してそっぽ向く俊ちゃんと同じく真っ赤な顔して喚き散らす篤志がいた。
てか……さ、手…繋いでるじゃん。
本当に付き合ってないの?
いや、単に自覚がないだけか。
これは時間の問題だな。

ニヤニヤしながら前を向いたら、まっちゃんと目があった。

「あ、気がついた?」
「バッチリ見た」
「何を」
「仲良しの証拠?」
「?」

不思議そうなひろさんとうっさんに、2人を真似してまっちゃんの手を握ってみた。

「あー」
「そういうこと」
「もう、ご馳走様でしたってか、ひろさんお疲れっす」
「はあ…今でもいろいろ大変なのにこの先どうなるんだか」
「仕方ないですよね。篤志と俊ちゃんだから」
「まあな」
「俺達が何?」
「なんでもねー」
「?」

もう一度振り返ると不思議そうな篤志に…俊ちゃんの何となく不敵な笑顔。
あ、俊ちゃんは自覚ありか。
ホント、付き合うのも時間の問題だわ。

しばらくしたらまた楽しそうに他愛もない話をする2人。

俺的には2人が笑ってて、幸せなら…それでいいかな。
苦労するのはひろさんだろうし。



なーんて思ってた俺が、どこでもいつでもイチャイチャする2人のフォローに苦労することになるなんて予想もしていませんでした。

「そこの2人っ楽屋でチューしない!」

あーもう!
幸せそうなのはいいけどもうちょっと人目を気にしてよ〜。

542:2015/10/21(水) 23:10:39 ID:???

短編 >>540-541

先日とくさんのらいぶ中継をゆーすとで見ました。
いい声だなぁと思ってたらふと浮かんだお話。
最初は2人だけでドライブのつもりだったのになぜかみんなが出てきて移動車での話にw
らぶらぶなんだけど付き合ってないはず(笑)の2人です。


土曜日はすんたん神戸、あちゅ大阪。
近くにいるのに逢えないねーぱてぃーんでしょうか?
もしくは終わった俊ちゃんが大阪まで逢いにいくとかw
考えるだけでもニヤけます←
すんたんもあちゅもメンバーもスタッフさんもそして参戦する皆様も…全ての人が幸せな時間を過ごせますように♪


からの〜すんたんいんすたのたまごちゃん………。
人より短い命なのはわかっていますが少しでも長く少しでも穏やかに生きられますように(´;ω;`)

すんたんサイト、リニューアルしたら組に入らないと動画とかバースデーメールとかないのかな…
日記もなくなっちゃうのかな…(>_<)

543:2015/10/22(木) 23:24:51 ID:???
まつにーちゃんのいんすたのべび/ね写真が素敵。
3人ともいい顔してて泣ける…(T^T)
そしてタグは可愛い(笑)

なんてどーしても誰かに言いたくて来ちゃいました←
さてまきにいはぴば書こ。

544名無しさん:2015/10/23(金) 00:03:47 ID:???
うんうん泣ける(ToT)
余りにも穏やかな天気と3人の笑顔が自然で穏やかでとってもステキ過ぎます
きっと何年経っても3人集まればきっと同じ笑顔になるんだろうな…
あちゅやすんたん、そしてヒロぱぱと会った時も同じ笑顔で笑ってて欲しいと願うセンチメンタル姉san号でした

どうか緋様と緋様のお話のすんあちゅそして兄ちゃんズが何時までも同じ様に笑っていられますように…
べびねの兄ちゃんズの様な時間をこちらでこちらの姉ちゃんズと緋様と重ねられらたら幸せです

あ、まきにぃのはぴばのお話も楽しみにお待ちしてます
最新のむーびーのまきにぃとあちゅの動画が可愛過ぎてたまりません
しっかり悶絶するあちゅを確認するまきにぃグッジョブです(^^)d

545名無しさん:2015/10/26(月) 14:13:16 ID:???
緋さまー♪

お誕生日ー♪(σ≧▽≦)σ
おめでとうごじゃいますー♪
グ--------ルグルグルー/////・・・クルクルパタリ・・・・ハァハァ・・・

1号、やっとお万度参りを終わらせて帰ってきました!←いつの話やねん・・・

546名無しさん:2015/10/26(月) 19:19:58 ID:???
はっぴーバースディ緋様♪
はっぴバースディ、デァ緋様♪
はっぴバースディトゥユー♪

おめでとうございます!!(*^▽^)/★*☆♪
今年もあちゅとはほど遠い歌声でお届けします

今年はすんたんとあちゅと18人の仲間達からハピバメール来ましたか?
あ?そう言えばマキ兄ちゃんの誕生日で登録したんでしたっけ?
じゃあ、明日もお祝いせねば〜
グルクル〜のグルクル〜♪って1号姉様!!
ご無事でしたか〜!!
今日はめでたい〜♪
san号でした〜♪

547:2015/10/27(火) 00:02:00 ID:???

>>544 >>546
san号姉様こんばんは〜。
そう!そうなんですっ。
あの綺麗な青空と3人の雰囲気に嬉しいやらじーんとするやらもう大変で←
らいぶ覗いてみる画像もちょこちょこ兄ちゃん達を見つけてはなんか切ないような嬉しいような。
このらいぶ中に一枚でいいからあちゅと兄ちゃん達4人の姿を見たいなと思います。
兄ちゃんズとパパそしてあちゅにすんたん…きっときっといつまでも会った時には同じ笑顔ですよね、絶対に。

まきにぃはぴばなお話。
一応、祝ってるはず?w
とりあえずここでのまきにぃの変態さんと不遇は一生治りません←言い切った
いつまでもあちゅとすんたんに振り回されながら、大事なとこでは2人を見守り導くまきにいでいて欲しいと思います。

そして残念ながらもばのむーびぃ今解約中で(こら)
でも最近かわゆいあちゅ動画が多いらしいので11月になったらもう一度入って片っ端から見まくりますよ!
悶絶するあちゅ、悶絶する…( *´艸`)ぐふ←いろいろ妄想中

からの〜
ありとますーーーー・゜・(つД`)・゜・
もうおめでとうなんて言ってくださるのお姉さま方だけです←寂しいやつw
あちゅと愉快な仲間達からのお祝いは…おメンテナンス…だそうで。
その間の人は諦めろと?!
新しくなってかなり経つけどまだ済んでないのか?!
まあ18?人分がぴろぴろ来るのもね…いやでもあちゅのだけは寄越せ!
あ、ついでに兄ちゃん達のも。
なんてもば見ながら呟いたり(笑)
すんたんからは簡潔なお祝いめーるがちゃんと届きましたよw
前みたいに花束もったすんたん画像も一緒にほしいな〜
と我儘なことも思う緋でした。

san号姉様いつもありとます。
これからもへたれな書き手ですがよろしくお願いしますm(__)m←唐突


>>545
ぅわーーーーーん。・°°・(>_<)・°°・。ぅおーーーーーーん
1号姉様、最近すっかり更新トロくさくなった緋のたんじょーびなんて覚えててくださりありとますっ!!!
深夜回ってすんたんにおめでとさんとめーるをもらっただけのさびしーたんぞーびだったので、いろんなものが溢れ出してしまいました(笑)
ちなみに19?18?人からのはぴばメールはただいまおメンテナンスで届きませんでした…。
ちくしょーあちゅのだけでも寄越せ〜(#`皿´)

からの〜。
1号姉様お万度参りお疲れ様でした。
ってあれ?1号姉様……いつから行ってましたっけ?(笑)

548:2015/10/27(火) 00:03:28 ID:???

短編


「ちょっと早いけど…」
「まきさん誕生日おめでとー」
「ありがと〜」

相変わらずのレモンさわーの入ったグラスをみんなで持ち上げる。
みんなって言っても今日集まってるのは珍しく一章からのメンバーだけ。
後輩たちも含めたパーティーは当日にするらしいから、大阪でのらいぶが終わった今日は久しぶりに昔のメンバーだけで飲もうって。

くしゃっと笑って御礼を言うまきさんもそれからおめでとうって言う俺達も昔と違って歳を取ったし、おっさんになったけど…
でもやっぱり笑顔は変わらなくてみんなでいる時の雰囲気も変わらなくて嬉しい。
楽しくて楽しくてついお酒も進むしテンションだってあがるよね。

「もうまきさんも40だよっ。40!」
「ねー自分でもびっくり」
「俺今でもまきさんが朝の顔とかやってるの不思議」
「えーしっかり朝の顔でしょ?爽やかでー」
「いやいやまきはやっぱり夜だろ」
「下ネタ的な?」
「はっきり言えば変態」
「うっわひど!」

主役のまきさんはみんなに弄られながらも超笑顔。

てか、ひろさん…。
朝の顔の仕事にまきさん押したのひろさんじゃねーの?

何年も経ってるのに昔から変わらないみんなとバカ話して笑って呑むのはすごく楽しい。
でも俺はちょっとだけ…緊張してた。

嫌がられないことはわかってる。
きっと喜んでくれる。
大丈夫。
それに俺よりも俺からの電話を待ってる彼の方が緊張してるはずだから。

「まきさん、あのさ…」
「篤志、どしたの?」
「まきさんに誕生日おめでとうって言いたい人が来てるんだけど…呼んでもいい?」
「ん?誰?」
「内緒」
「えー…いいけど誰だろ?わざわざここに来るってことは後輩とかじゃないだろうし…」

お酒の入ったコップを持ったまきさんは首をかしげて考え込む。
そこに名前が出てこないのは寂しいけど仕方ないことだよね。
もうずっと直接お祝いなんて言えてない人だから。

待っている彼にらいんで入ってもいいよと連絡をして、きっとこの後驚くだろうマキさんを見逃さないように見つめた。

549:2015/10/27(火) 00:05:01 ID:???

「まきさん」
「っ!」

俺の大好きな低い声がまきさんを呼ぶ。
部屋へ入ってきたのはちょっとだけ照れたような、不安なようなそんな顔した…俊ちゃん。
もちろん事前にひろさん達に許可はとってあるから、知らなかったのはまきさんだけ。

「たんじょーびおめでとさん」
「え、え…俊ちゃん!?なんで」

目を丸くさせて驚くまきさんにドッキリ成功だとみんなでにやにやする。

「ちょ、どうしたのってか、久しぶり…てか、なんで俊ちゃんがここに?ぅえええ?」
「ぶっははは」

ぷちパニックのまきさんちょっとおもしろい。
その様子が俊ちゃんのツボにはまったらしく、なんか笑ったまま説明できそうにないから俺が変わりに教えてあげよう。

「俊ちゃんも昨日神/戸でライブでさ、会いたいねって話してて…。まきさん誕生日もうすぐだし一章めんばーでお祝いするのもいいかなって」
「うんうん」
「泣いとるし」

いっぱい頷きながら涙目になってるまきさんに笑いをおさめた俊ちゃんが苦笑する。

「いや、びっくりしたし。嬉しかったし!」
「まきさん、相変わらずじゃな」
「俊ちゃんだって」
「そーか?あ、これ誕生日プレゼント」
「ありがとー。なんだろ…………ってこら!」

え…ちょっと俊ちゃん。それが誕生日プレゼントってどうなの…。

俊ちゃんが渡した紙袋からまきさんが取り出したのは…ゴム(主に夜使うためのやつね)だった。
慌てて袋に戻すまきさんに俊ちゃんがにやりと笑って口を開く。

「まだまだ現役じゃろ?それとももう引退か?枯れるのはえーな」
「ばりばり現役です!」

いや…そういう問題じゃないと思うな。

「ていうかさ、これは俺より篤志にあげた方がいいんじゃない?」
「いらないし!」
「おう、いらんな。俺が持っとるから」
「ちょっ俊ちゃん!?」
「あ、そっか」

俊ちゃん余計なこと言わなくていいからっ。
まきさんも納得しないで…。
てか、俺と俊ちゃんの関係がバレてるのはわかってるけど、そんなあからさまな会話されると恥ずかしすぎる。

550:2015/10/27(火) 00:06:18 ID:???

「篤志首まで真っ赤」
「ぷ」
「煩い」
「最近ちょっと白くなってるからわかりやすいね」
「また焼く!」
「焼かんでええから」
「やだ」
「黒いのはもうめんでぃーにまかせとけばええやろ」
「…俊ちゃん、なにげにめんでぃー好きだよね」

らいぶの時によく名前出してるもん。
なんか…ムカつく。

「篤志やきもちだ」
「違うっ」

楽しそうに言うまきさんに怒ってたら後ろからわしゃっと頭を撫でられた。

「まあお前はどっちでもかわえーからええけど」
「っ!」

さらりと言われた言葉にさっきよりもさらに顔が熱くなる。
2人の時ならともかくみんなもいるのに!

「篤志、恥ずかしがってるけど今更だからね」
「?」
「昔からところ構わずいちゃいちゃしてたからな」
「そんなことしてないですっ」
「してたよ」
「してねーよっ」
「してましたー」
「………」

ひろさんに言われて反論したらうっさんにもまっちゃんにもしてたって言われた…。
そんないちゃいちゃなんてしてた覚えないし!

「そんなことより、俊ちゃんも来たし改めて乾杯するか」
「いーですね」

なんかあっさり流された……。
いちゃいちゃなんてしてねーのに。

「ほら、篤志も」
「……」
「あっし、ほれ」
「ん」

1人ぶちぶちと言ってたらまっちゃんに促されて、俊ちゃんにコップを渡される。
素直に受け取って顔を上げるとみんなの笑顔が見えた。

「じゃあ改めてまき誕生日おめでとう。乾杯」
「かんぱーい」

誰一人欠けてないあの頃のみんな。
からかわれてたことなんて忘れて俺も笑顔になって、まきさんの誕生日を祝った。

551:2015/10/27(火) 00:07:17 ID:???

篤志から「近くに居るなら逢いたいね」と連絡があったのは先日のこと。
前の時は逢えんかったが、今回は少し余裕があるからそっちに行くと伝えて大阪まで足を伸ばした。

その日はまきさんの誕生日の数日前で、あの頃のメンバーだけで祝うんだと篤志から聞いた時、俺はまず遠慮した。
ちょっと前にまっちゃん達と会って呑んだりもしたが、それでもやっぱり顔を出しにくいのは確かで…。

毎年のように祝ってるやろう中に今更俺がでかい顔して入っていくのも…な。

そう思っていた俺をあっしは絶対喜んでくれるからと無理矢理引っ張って隣の部屋に待機させて。

中に入るまでめちゃくちゃ緊張したわ。
入ってしまえば昔と変わらん雰囲気に、心底安心したんじゃけどな。



「俊ちゃん、事務所やめるんだって?」
「まあ一応」
「大変だけど頑張れよ」
「っげほ!…あざーす」

ひろさん力つえーし。

ばしっと背中を叩かれ思わず咳き込みながら、それでも気にかけてもらっていたことに嬉しくなる。
勝手ばかりしていた俺を見放さずにいろいろ面倒を見てくれたこと
あの頃全部が全部素直に認めるなんて出来んかったけど…今は感謝の気持ちしかねえ。

「俊ちゃーん」
「まきさん」
「はいはい、呑んで呑んで」

楽しそうにのしかかってきたまきさんに言われ注がれた酒を一気に煽る。
すぐさま横から手が伸びてきてまたいっぱいになるグラス。

「まっちゃん」
「この間ぶり」
「ん」
「俊ちゃん、それ呑んだらこっちも呑んでみて、うまいから」
「おー」

うっさんが手にしとるのは…多分テキーラじゃろうな…。

注がれる酒を呑みながら懐かしい話で盛り上がる。
今なら言える話も結構あって、しばらくぶりでも全然違和感なく一緒に話せた。
やっぱり…家族みてーなもんじゃからかな。

552:2015/10/27(火) 00:08:16 ID:???

ひろさんやまっちゃん、うっさんに篤志。
気兼ねない昔からのめんばーに誕生日を祝ってもらって嬉しい。
とか思ってたら…さらに嬉しい人が来てくれた。

久しぶりに会う俊ちゃんは昔より穏やかな顔でそれでも相変わらずやんちゃってか、誕生日プレゼントにあれを持ってくるようなとこは相変わらずで。
みんなしてテンション高く昔の話なんかで盛り上がる。

「………」

まあ約一名後ろでだんだんとぶすっくれてきてるのがいるけど(笑)

「篤志」

まっちゃんもそんな篤志に気がついたらしい。
さっきまで俊ちゃんを囲んで話してる俺達を幸せそうなにこにこ笑顔で見てたんだけどねー。
俊ちゃん取られて悔しくなったかな?

「俊ちゃん、まきとばっかり話してるから篤志が拗ねてるよ」
「すっ、拗ねてねーもん」
「拗ねてるじゃん」

うっさんの言葉に篤志が必死で反論してるけど、確実に拗ねてるでしょ。

「いい歳してそんな子供みたいなことするわけねーじゃん」
「ふーん。なら今日は久しぶりじゃし、まきさんとずっと積もる話でもするかの」
「やだっ」
「ぶっ」

篤志の「やだ」の速さに思わずみんなが吹き出す。
いい歳してって言ったその口でやだって!
相変わらず篤志はかわいいねぇ。

「みんな…意地わりぃ」
「篤志が素直に、俊ちゃんが相手してくれなくて寂しいのって言えばいいんだよ」
「……」
「俊ちゃん俊ちゃん、素直じゃない篤志は放っておいて俺とじっくり呑もうか」
「そうじゃな」
「っ!」

がーん!て感じの篤志の顔。
最近はいつも比較的大人で冷静な顔の篤志だったけど、やっぱり篤志は篤志だね。
素直で騙されやすくて…そして。

「俊ちゃん、かんぱーい」
「ん、乾杯」

篤志に見せつけるように俊ちゃんの肩に手を回して軽くグラスをあわせた。

553:2015/10/27(火) 00:09:55 ID:???

必要以上に俊ちゃんにくっついてみせると後ろからだかだかっと篤志が歩いてくる足音がする。

「しゅ、俊ちゃんは俺の!」

声と共にぐいっと俊ちゃんの体が引っ張られて、肩に回していた手が落ちた。

ほんと昔も今も俊ちゃん大好きだよね、篤志。

「ちょ、こりゃこける」
「……」

慌てる俊ちゃんを気にもせずにぐいぐい引っ張っていく篤志。

「ふはっやっぱり子供じゃねーか」
「うるさい」
「まあ…俺もたいして変わらんか」
「?」
「ほれ」
「っ!」

俊ちゃんが篤志に手を差し伸べる。
拗ねてた顔がぱあっと笑顔になってきゅっとその手を握る篤志。

「何呑む」
「えとえと、焼酎」
「ん」

「あーあ。久しぶりに俊ちゃんとじっくり話そうと思ってたのに取られちゃった」

まあ、こうなるだろうとは思ってたけど。

「当たり前だな」
「相変わらずラブラブだね」
「あんな篤志を見ると安心するけどな」
「そうですね」
「普段は大人な篤志だから」
「外面だけはね」

ちょっと離れた場所に並んで座り楽しそうな顔で何か話してる2人。
残っためんばーで笑いながらそんな2人を見守った。

「俊ちゃんも篤志も今日は俺の誕生日を祝ってくれるんじゃないのー?」
「まき、諦めな」
「そうそう。2人揃ったらいつもあんなもんでしょ」
「まあね」

今日の主役は俺!と思わないでもないけど…
久しぶりに俊ちゃんと話せたし、篤志のくるくる変わる可愛い表情も見れたし、相変わらず仲のいい2人を見て安心したし
すごくいい誕生日だよね。
…って、誕生日はまだちょっと先だけど。

「ほら、まきおめでとーってことでぐいっと」
「え?」
「呑め呑め」
「ちょ…」
「はいぐーっと」
「んぐ……ぷは」
「おーいい呑みっぷり」
「もういっぱい行こうか」
「うっさん?!」
「はいはい呑んでー。まき誕生日おめでとー」

ちょっと!いくらなんでもテキーラをそんな一気に呑んだら………ってもう!

楽しそうに笑うみんなとそれから「まきさんすげー」とかなんとか感心してくれてる篤志の声と「ぶはははっ」って遠慮なく笑う俊ちゃんの声。
俺のその日の記憶はそこでぷっつりと……切れた。


え…誕生日なのに、苛められてるっぽくない?俺。by2oo4篤志M/Cより?………って、うぷ、気持ち悪…。

554:2015/10/27(火) 00:11:59 ID:???

お返事 >>547
短編 >>548-553

まきにーちゃんお誕生日おめでとうございます♪
爽やかでかっこよくて笑顔が可愛くて…なまき兄も好きですが、私の中のまき兄は幾つになっても変態さん←
べび/ねといる時の楽しそうな顔やあちゅに向ける優しい顔、俊ちゃんと笑い合ってたいたずらっぽい笑顔。
全部これからも持ち続けて欲しいです。
そしてこの先のまき兄が公私共に幸せに溢れていますように☆


すんたん、めんでぃ好きね〜。
あちゅもめんでぃ好きだし、話のネタになってそうw
そしてあちゅからは愛が溢れ、すんたんは愛に溢れた手紙を貰う。
ちょっとした言葉のリンクだけでほっこりする書き手です←単純


たまごの動画見てると泣けてきます…。
すんたんはもっともっといろんな思いを抱えてるんだろうなぁ。
どうかどうか最期にはすんたんが傍にいてあげられますように…。

555名無しさん:2015/10/27(火) 17:46:57 ID:???
や〜だなぁ〜みなさん。ほら、お万度参りてさ、
ハーフあちゅすんが瀕死の状態の時に
姉様たちみんなでヒロパパの後を追ってさ・・・・・
パパはほんの30分くらいで終わって帰っちゃってさ、
ほかの姉様たちも早々に終わらせて帰っちゃったけど
1号はさぁ・・・リアル俊ちゃんがあまりに心配かけたりするから
いっとき深い海に沈んでたりして・・・・あ あれ???
ハーフあちゅすん終わってる????あれーーーーーー???

あっハッピーエンドだーーーーよかったーーー(。>_<。) えーん
ハーフあちゅすん物語は、どう転んでも悲しいお話になってしまう気がしていたのです。
二人の持っている能力、あまりにも切なすぎる・・・
ああそれなのに・・さすがでございます緋様!1号感動しました!
ハーフあちゅすんを幸せにしてくれてありがとうございます!
しかしハーフあちゅすんの松にいやん・・ヒロパパの涙を見たのは過去に一度だけとな??
その過去に一度だけのヒロパパの涙・・・気になる・・・
パパーーー!何があったんや〜〜〜????
じゃ、その辺はすっぴ〜んおふで♪(^-^)v

はっ!!!緋様にプレッシャーになるようなムチャブリを!
すみませんすみませんすみません!!!!

からの〜♪
おんなのこあちゅ♪(夢オチ)フフフフフ・・・・
白ちび俊vsりある俊…変な友情で結ばれる二人(一人と一匹)フフフフ・・
大きくなったあちゅとし・・・母と同じ道を行くのかい?フフフフ
さまそはにゃび黒ちびあちゅ♪俊ちゃんよかったね。花火ができてよかったね♪
「いけるんだにゃっ」って言うあちゅがかわゆくて悶絶//
ふたごあちゅすん・・・去年のはろいんはありすとどらきらだったね♪
今年はどうするのかな〜??・・・って はっ!!!!またしてもムチャブリ!

緋様〜もっと休んでいいよぉ〜
有給使って休んでいいんだよぉ〜〜〜
1号も有給使いたい〜〜〜←

あ!新しいお話も!水火の世界なのですね〜♪
出会ってすぐにあっしと呼び、ふたり仲良くおねんね♪・・・ぅん!大好物!
ふたりはすぐにいちゃこらするとして〜・・・・
気になる!火の国次代のタカボーと水の国守人のしょーきちんの恋!←
身分違いの恋ですね♪←オイオイ

久しぶりすぎてテンションあがっております1号です。
寒くなってきましたので皆様ご自愛くださいませ。←イキナリ締めるやつww

PS・・・たまごくん。あなたがどんなに俊ちゃんに愛されているか、きれいな毛並をみるとわかります!
 逆に、俊ちゃんも、どれだけあなたに愛され癒されてきたか・・・
 どうか少しでも元気に穏やかに、少しでも長く、俊ちゃんの息子でいてくださいね。

556名無しさん:2015/10/27(火) 19:03:49 ID:???
緋さまーーーっ‼︎遅くなりましたが、はっぴーばーすでーでこざいますぅ〜ヽ(*⌒▽⌒*)ノ

お祝いのお花を買いに行こうとしたら、背後から“どこ、いくんでしゅか〜”と可愛らしい声が…
しかーし、姿無し(・_・?)ハテ
(・・*)(*・・)キョロキョロしてたら、足元にケリ入りましたーっ
“ここじゃ、ボケ”
す、す、すんたん?
あなたは双子すんたんですかーっ
ちっちゃくて、見えませんでしたーっ←コラッ
と、そのとなりには双子あちゅーーーーー!)!¥@:!.(&@5;$<£{#*•$<|}#
絶賛錯乱中の2号に怯えるあちゅ←当たり前
“あちゅにちかづくにゃっ!”とチビすんにぺしぺしケリを入れられ続けるシアワセ者2号←

……緋さまおたんぞーびにシアワセな夢を見た2号ですw
ありがとうございます!
ありがとうございます!
ありがとうございまーーーす!
大事なことなので、さんかい言いますw

緋さまのこの1年も、シアワセになること間違いなしでございまぁ〜す☆サ•エさん風ww

557:2015/10/27(火) 22:05:11 ID:???
緋さま!
遅くなりましたが おたんぞーびおめでとまーす٩(^ᴗ^)۶

ただ今べっこべこに凹んでいる最中なので気の利いた事言えませんが
この一年も緋さまに沢山の幸せとSA萌えが降り注ぎますように☆彡

558:2015/10/29(木) 17:13:40 ID:???

>>555
1号姉様……お万度参りってそんなに前でしたかっ(笑)
そして深い海に沈んでる間にいろいろと話が出来てたんですね…と言うか、書き手自身が忘れかけてる話がちらほらと←
よ、読み返さないとなんのことだかさっぱりですヾ(・ω・`;)ノ

そしてはろうぃんなお話……。
うふふ←
そうでした、去年はかわゆい2人のお話がありました。
かわゆい………って、今年のはかわゆさの欠片もないかもっ!?
最初は可愛い2人のはずだったんです。
そう最初は。
なのになぜかまかり間違ってあんなことに…。
どうやら最近大人しかったのでいろいろ溜まっていたようで←
とりあえずはろうぃんほぼ関係ないすんあちゅになりそうですが、当日には何とか間に合わせたいと思うのでまたお寄り下さい。

あ、新しい長編もまたゆっくり進めますねー。
すっぴーんおふもいろいろ考えると楽しそうでw

1号姉様も上司様も←お体にお気をつけてお過ごしください〜。


>>556
2号姉様、ありとます〜〜〜〜。・゚・(ノД`)・゚・。

可愛い双子達がw
ぺしぺし蹴りを入れるちびすんたんを妄想したら可愛すぎた……(o_ _)ノ彡☆

幸せな夢を見て幸せな2号姉様w
2号様が幸せだとそれだけで私もなんか幸せかもと思える単純思考。
ふふふー幸せってステキですね←

そんな幸せを保証していただいたので、うん、きっとこの1年幸せ〜に笑って過ごせる気がします。
とりあえずサ○エさん風にまず爆笑www
笑うことって大事。


>>557
♪様っ。
お祝いの言葉をいただき、ありとまーーーす(T^T)。

ぺっこぺこに凹んでいる時なのに訪問くださり…それだけで緋は幸せです。
♪様にこの幸せを少しでも返せるといいのですが(>_<)
何の力にもなれませんがSA萌えをこれからもぼちぼちと吐き出していきますので、少しでも♪様の心が安らぎますように☆彡

♪様はご覧になったことがあると思いますが…番最初の踊る地球のおまけ←をつべにあぷしました。
良かったらすんたんはいませんが可愛いあちゅ(うさちゃんにちゅーw)と酔っ払いの楽しそうな兄ちゃんズをどうぞ♪

559:2015/10/29(木) 17:14:22 ID:???

黒猫 ちびver 超短編


変化出来はじめの頃のちびあちゅ


「自分で出来るか?」

「にゃっ、できる」耳ぴん 尻尾もぴん

「ほうか、ならちょっと向こう行ってくるからな」なでなで

「みゃう」こくん



「にゃ?」もたもた

「みゃー」じたばた

「にゃっにゃーにゃー」ふりふり

「あっし?」どした?

「にゃー」服が頭と耳につっかえて脱げない

「手伝っちゃろうか?」ぷ…かわええ

「……じっ、自分でがんばるもん!」服の中からもごもご

「ほうか」


頭が抜けない服を俊ちゃんが見守る前で一生懸命脱ごうとするあちゅ

じたばた
じたばた
じたばた
じたば…
じた……


「うにゃ…」疲れた〜

「あっし、うりゃ」すぽん

「みゃっ」ぷは…

「出来んのなら手伝ってやるのに」ぐしゃぐしゃになった髪と耳をなでつけ

「……だって」しょんぼり

「最初から何でもできるわけじゃねえやろ?少しずつ練習すればええんじゃ。それに…」

「み?」

「どうしても脱げんならいったん猫になってそれからまた変化すればええんじゃねえか?」

「にゃ………」あ… 思いつかなかった

「ぷっ」固まっとる固まっとる

560:2015/10/29(木) 17:15:17 ID:???


「……」ぽんと猫に

「あっし?」何で今更猫?

「んにゃーーーっ」ダッシュ

「おい」


慌てずにあちゅの後を追ってベッドがある部屋へ


「あっしー」隅においてあった猫バッグ

「……に」お気に入りタオルにもぐりこんで

「隠れても尻だけ見えとるけどな」尻尾も

「にゃっ」がーん

「ぷはっ、ほらあっし」そっとひきよせ

「みゃー」不満そうに

「そのうち何でもできるようになるわ」なでなで

「に…」なるかなぁ?

「なるなる」前足の脇に手を入れてびろん

「みゃー」

「…」額にちゅ

「にゃっ!」猫パンチ

「ははっ…」かわえぇ

「みー」むす

「さて、飯にするか」

「っ!うっにゃーん」ごっはーん

「……くす」現金なヤツ

561:2015/10/29(木) 17:16:07 ID:???

お返事 >>558
黒猫 ちびver 超短編 >>559-560

思わぬ方向へ向かってるはろうぃんを書きながらふと思いついた黒ちび。
服がつっかえてジタバタするちびあちゅw
ふわふわでぬくぬくな背中をなでてほっこりしたいな〜。


突然ですがひろぱぱに物申す←?
ぱぱとまきにぃに挟まれたかわゆいあちゅが見れたのはすごく嬉しいです。
でも!いろいろ問題はあるのかもしれないけど、あそこにすんたんがいないのは寂しすぎるよ〜(T-T)


ご報告
つべに1stの踊る地球の打ち上げあぷしました。
ちゅーするあちゅに噛み付くあちゅw
久しぶりに見たら和んだので良かったらご覧下さい♪
(期間限定ではないですがいきなり消える可能性ありです)

562名無しさん:2015/10/30(金) 00:59:28 ID:???
踊るちきゅうの打ち上げ、2号は初見でしたっヽ(*^ω^*)ノありがとうございました☆
無邪気なあちゅ、かわゆーい(≧▽≦)

チビあちゅもイスの上でおもちゃマイクで熱唱してたらいいよw
で、すんたんは動画撮りまくりww

563:2015/10/31(土) 07:32:41 ID:???

>>562
2号姉様おはようございます☆
踊る地球は初見でしたかー。
楽しんでいただけたようであぷして良かったです♪
ほんとあのあちゅ、無邪気で可愛いですよね(о´∀`о)
すんたんと居ると今でもあんなあちゅなのかしら?

おもちゃマイクで熱唱するちびあちゅw
動画撮りまくりのすんたんの横でぱぱやまきにぃも撮影してそうです。
前から横から後ろから(笑)
そのうち書いてるかも←

564:2015/10/31(土) 07:33:50 ID:???

短編


悪いけどもう少し待っててくれ。

別の仕事をしていたひろさんからそんな連絡が入ったのはついさっきのことじゃ。
先に楽屋に入っていたわしとあっしは適当にギターやら将棋やらで時間つぶし。

少し奥まったここはほとんど人も通らんし多少の防音はされとるから唄ってもギター弾いても気にならんからええな。
とか思っとったんじゃが、まさか違う方向で人気がないのを感謝するはめになるとは思わんかった………。


「ん…」
「ぅ…っあっし…」

壁に背を預けて座ったわしの腹辺りにあるあっしの頭。
ちょっと前に嬉しそうにお揃いだねとか何とか言いながら坊主にした頭が緩やかに上下する。
最近忙しくてすっかり溜まっとったらしく、あっちゅう間に吐き出しそうなのを歯を食いしばることで耐えた。

あっさりイクのは流石に悔しいからな。

喉を鳴らして舐めあげるあっしとあまりの気持ちよさから少しでも気をそらすためにこうなった経緯を思い浮かべる。

それは…ついさっきのこと。



「俊ちゃーん」
「どした?」

1人で将棋を弄んでいたあっしが壁際で足を投げ出しギターを抱えていたわしの前までにじにじと寄ってきた。

「あのさ、Tr1ck 0r Tre/at」
「は?」
「だから…Tr1ck 0r Tr/eat!」

無駄に発音のいいそれに漸くはろうぃんの言葉だと思い出す。

つうか、はろうぃんって今日じゃったんか。
名前は聞いたことがあってもそんなに気にしてなかったな。

「菓子じゃったか?そんなもん持ってねーわ」
「えー…じゃあさ」
「…ん?」

さっきまで子供みてーに無邪気な笑顔を見せていたあっしが一変、どことなく妖しげな顔を見せた。
思わず何をされるんかとびくついた自分にちょっといらっとしながらあっしを見とると、その細い指先が伸びてくる。

「ちょ、あっし?!」
「うるさい」
「うるさいじゃのうて、いきなり何しよんじゃ!」
「イタズラ?」
「そういうことじゃのうて、ここ楽屋じゃろうが」
「いいの。どーせひろさん達来るまで誰もこないだろうし」
「そうかもしれんがって、おい…っ」
「んー…ぅ」

あっしの指がベルトを外す。
そのまま躊躇なく前を寛げ、ソレを取り出した。

そして…今に至る。

565:2015/10/31(土) 07:34:58 ID:???

数ヶ月ほど前から付き合い始めたわしらは紆余曲折?がありながらもとりあえず体を繋げ、時間があれば抱き合う仲じゃから…別に初めてではねえ。
けどいつもはわしの家かあっしの家で、当然こんないつ人が入ってくるような場所でするなんて
考えたこともなかった(まるっきりないって言えば嘘になるが…)

「…っ俊ちゃ…」
「してほしーんか?」
「ん」

完勃ちしたソレから漸く口を離して見あげたあっしの視線は完全にエロモード。
わしもここまでされたらもう止められん。

「なら脱げ」
「……ん」

あっしは顔を真っ赤に染めるが、止まらんのはお互い様らしい。
つうか、そんなにしたかったんか?

ゆっくりと下だけを脱ぎすてるとぴんと勃起したあっしのモノが姿を見せる。
恥ずかしそうに視線をそらすあっしに煽られながらごそごそと鞄を漁り目的のものを取り出すと手を伸ばした。

「…ぁ」
「流石にローションは持ってねえし、これでええじゃろ」

蓋をあけ指にたっぷりとすくったのはワセリン。
膝立ちにさせてぬるっと後ろに塗りつけると小さく声が上がる。

「あ…っ…んぅ」
「しばらくしてねえけど…すんなり入るな。自分で弄っとったか?」
「……っは」

きつさはあるけどすんなり入った指。
あっしに聞くと頬を染めてまたしても視線をそらした。

自分でヌクのに後ろを使うとか…お前…。

考えただけでエロい光景に、今度見せてもらおうと思いながら指を増やし早急に解していく。
流石に、いつ誰がはいってくるかわからんここで時間かけるわけにはいかんからな。

「あんっ…んひ…や…俊ちゃ……ぅ」

焦らす気もなく前立腺を刺激する。
肩に手を置いて腰を揺らすのがまた…エロい。

「俊、ちゃ…っ」
「もう大丈夫か?」
「うん…」

いつもよりはきついがだいぶほぐれたのを確認して指を抜くと、近づいたあっしがわしの足をまたいだ。
ゆっくりと腰が下ろされ、ぬちっと熱くきついものに包まれる。

やべ…気持ちよすぎやろ。

566:2015/10/31(土) 07:36:04 ID:???


「………っ!」
「ちょ、待って待って」

プルプルと小刻みに震えた後伸ばされた手を慌ててひき止める。

「あいつら〜!」
「ひろさん、落ち着いて」
「落ち着けるかっ」
「いやでも、今あけたらすごい光景見ちゃうから。じゃなくて、篤志が恥ずかしくて泣いちゃうから」
「そのすごい光景…ちょっと見たい」
「まき……」

あ、つい正直な感想がぽろっと。

呆れた顔で俺を見るまっちゃん。
とりあえず笑ってごまかしといて、今はひろさんを止めないとね。

「あいつらしばらく引き離す!」
「あー…」
「俊とも話しつける」
「いやでもほら、今回は篤志が襲ったみたい、なんだけど?」
「……」

少し遅れると連絡を入れたけど予想より早くついた俺達は楽屋の扉を開けようとした。
そのときに耳に飛び込んできたのが…俊ちゃんの焦った声だったんだよね。

「俊、ちゃ…っ」
「もう大丈夫か?」
「うん…」

「あぁっ…はっ…んっん…しゅ、ちゃ」
「中、あちぃ」
「しゅ、ちゃ、すげ…でかい…」
「きついか?」
「…きもち、い」
「あほ」
「ひゃぁっ、あんあん、あっ」

……あっちゃんの声超エロい。
てか、これって襲い受けってやつ?……ぐふ。

「まき、顔キモいよ」
「えー。だってあっちゃんが襲い受けなんて、エロくない?」
「いや別に…てか、そんな言葉どこで覚えるの」

また呆れた顔された。
いや今はそれよりあっちゃんのエロい喘ぎ声をしっかり聞いとかなければっ。
これで今夜のおかずが……。

「って、痛いっす…ひろさん」

ギリギリと耳を引っ張られたら…あっちゃんのエロい声を聞いてる余裕がないっ。

567:2015/10/31(土) 07:37:24 ID:???

「あっあ…あん」
「っ、あっし」
「ひゃっ、あ、いぃっ…気持ちい…んぅ」

「篤志…ノリノリだね」
「声蕩けてるもんねー」
「あっちゃんのエロい声」
「………」

うっさんが飄々と言うとまっちゃんが苦笑。
そして俺は漸くひろさんが離してくれた耳を撫でながら、室内から漏れるエロい声をしっかりと脳内に焼き付ける。

あ、ひろさん、しゃがみこんじゃった。

「あっあ…ああっ、俊ちゃ、も…」
「ん、ちょい待て。流石に中出しはやべーじゃろ」
「ひあっ……っん」

少しの間声が聞こえなくなったのは多分……つけてるからじゃないかな?
確かにここで中出しなんてしたらあとが大変だもんねぇ。

そんなあっちゃん……見てみたいけど。

「俊ちゃ……はやくぅ」
「わかっとるっつうの。……ほれ」
「あああっ!」
「ちょ、あっし。声でけぇっ!」
「んぅ、んむ…んん」

ああ、欲しがるあっちゃんエロっ。
そして俊ちゃんいきなり奥まで突っ込んだに違いない。
そりゃでかい声も出るよね。
てか、声だけで俺の脳内再生バッチリー……くふ。

「んぅっん」
「ふっ」

あっちゃんの口をふさいだのかキスしてるのか、声が聞こえにくくなったから、ドアに耳をつける。
チラリと見えたまっちゃんの視線が冷たかったけど、気にしなーい。

「あっん…んんーーーーーっ」
「くぅっ」

床が僅かに軋む音と、忙しない吐息とそれからふさいでても漏れる喘ぎ声。
直接見たい気持ちはあるけど、これはこれで最高。

そしてそれがラストスパートだったのか、床の軋む音がなくなり楽屋の中が静かになった。
ごくんと唾を飲み込みながら耳を離すと、ギリギリとこぶしを握り締めたひろさんがいて…怯えたようにうっさんが後ずさる。

「終わった?」
「多分。でももうちょっとしてから入った方がいいよね」
「だね」

俺は気配を探る為にもう一度扉に耳をつけた。
断じて、情事後のあっちゃんの声が聞きたかったわけじゃないよっ。

568:2015/10/31(土) 07:38:19 ID:???

「あっん…んんーーーーーっ」
「くぅっ」

声を殺すために深く口づけたまま腰を付きあげ2人して溜まったもんを吐き出した。
びくびくと体を震わせ、中をうねらせイクあっしの体をきつく抱いて何度か腰を揺らす。
最後の最後まで全てを吐き出して唇を離すと、あっしが荒い息を付きながらクタリともたれかかってきた。

「あっし、大丈夫か?」
「…ん」

人の気配と時間を気にしながらの短時間での行為は背徳感でお互いかなり興奮を煽られた。
けど、冷静になるといろいろまずいことに気がつく。

「そろそろひろさん達来てもおかしくねえぞ」
「あ…そっか」
「抜くで」
「ん…んぅっ」

出しきって小さくなったモノを抜き出すと、またあっしの体が震える。

…仕事終わったらもう一回してーな。

そんなことを考えながら手を伸ばしてティッシュの箱をひきよせた。

「つけたとはいえ、ぐちゃぐちゃじゃな。ほれ」
「うん」
「あ…換気換気。あっし、お前は服着なおして休んどれ」
「んー」

余韻でほわんとした表情のあっしを見ながらわしも服を調え窓を全開にする。
使ったティッシュやらワセリンやらゴムの袋やら(勿論使ったゴムもな)を纏めてその辺のビニール袋にいれて鞄へつっこむ。
ペットボトルの水をぐいっと煽ってあっしにも飲ませていたら、がちゃりと扉が開いた。

びくぅっ。

その音に大げさなぐらい2人してびくつく。
そしてその後に見えたひろさんの鬼のような形相に固まった。

「お前ら〜〜〜〜〜」
「ひっ…ひろ、さん?」

ひろさん達いつ来たんじゃ?
もしかして……バ、バレとる?!

血の気が引くとはこのことか。
さあっと青ざめたのが自分でもわかった。

「そこに正座しろっ正座!」
「はっはい」
「ん」

言われるままに急いで正座する。
あっしはゆるゆると動いて正座をし、ぽやんとひろさんを見あげた。

「いやん、あっちゃんお肌つやつやでしかもなんかいろっぽい表情〜」
「まき、今余計なこと言っちゃダメ」
「あー了解」

コソコソとそんな声が聞こえてきて、ひろさんだけじゃなくまきさん達にもバレとることがわかった。

「俊、篤志。ここをどこだと思ってるんだ!」

わしらの前に仁王立ちしたひろさんががみがみと雷を落とす。
今回ばかりは(いつもか?)わしらが全部悪いのはわかっとるから、素直にその言葉を受けた。
苦笑するまっちゃんや、ニヤニヤこっちをみるまきさん、我関せずで荷物置いて雑誌をめくっているうっさんを視界に入れながら。

569:2015/10/31(土) 07:39:34 ID:???


なんていうか、2人がそういう関係だってのは知ってたけど…実際に目に(耳に?)するとちょっとびっくりするよね。
説教するひろさんの前で神妙に座る俊ちゃんとぼんやり聞き流している篤志。

誘ったのは篤志だったはずなんだけど、今怒られてるのは主に俊ちゃんの方。
なんかすごい理不尽な気がしないでもないけど、こればっかりは仕方ない。
何かあった時に傷つく割合は篤志の方が大きいから。
ひろさんが無意識に依怙贔屓してる部分もあるだろうけどね。

「俊ちゃんご苦労さん」
「おー。反省はしとるけど……怒られ方がなんかこう納得いかん」
「まあ、相手が篤志だし」
「ひろさんあっちゃんのこと可愛がってるしね」
「…ええ思いさせてもらったから、えーけどな」
「だろうね」

漸くひろさんから解放された2人。
流石に怒鳴り続けて疲れたのかお茶を買いに行くと言うひろさんを見送ってから俺達は俊ちゃんの前に座った。

恋なんて周りが見えなくなるもんだし、いろいろ世間的には問題あるだろうけど数ヶ月前から付き合いだした2人は、今が一番盛り上がる時だろう。
我慢できない気持ちもわからなくはない。
でもこれだけはちゃんと覚えておいて貰わないとね。

「今後は気を付けなよ」
「まっちゃん」
「俺達だったから良かったけど他の人に聞かれたり見られたら大変でしょ。わかってるだろうけど」
「そうじゃな」
「てかさ、ヤッてる最中のあっちゃん見られたら確実に襲われるよ」
「?」
「ほら」

まきが指差した先にはまだどことなく色気のある表情で俊ちゃんにしどけなくもたれかかっている篤志。
俺達と視線があってもその表情は変わらず、ただ俊ちゃんにすり寄ってゆっくりと目を閉じた。

「あー……。もう2度とせんから」
「そうしな」
「すまんかった」
「今回はあっちゃんに襲われたほうだしねぇ」
「…まあな。つうか、いつから居ったんじゃ」
「ええっと、多分入れる直前、から?」
「-----っ!」

まきの言葉に声を失った俊ちゃんの顔はこれ以上ないぐらい真っ赤。

「頼むから、忘れてくれっ」
「えー、せっかくあっちゃんのエロい声が…」
「まきさん!」

篤志がもたれて眠ってるから身動きできない俊ちゃんはまきにさんざんからかわれて…。
多分これに懲りて絶対にバレるようなとこですることはないだろうなと思った。


思ったんだけど…なぜかこの後俺はちょくちょくそんな場面に出くわしたりする(事務所のトイレとか空き部屋とか)
と、とりあえず、他の人やまきじゃなくて良かった、と思っとこう。

570:2015/10/31(土) 07:42:43 ID:???

お返事 >>563
短編 >>564-569

Tr1ck 0r Tr/eatなはろうぃん…にほとんど関係ないエロ話←
おかしいなぁ…。
神様達の話でほのぼのしようとか考えてたのになぜかイタズラしかけるあちゅ→玄関先ですんたんを襲うあちゅ→襲い受けあちゅ?
→どうせならもっと人がいるところがいい→兄ちゃんズにならバレてもいいか→楽/屋エロに発展(笑)

いろいろモヤモヤしたり凹んだりな感じをエロあちゅで消化…したようなしてないようなw


すんたんにゃごやは、はろうぃん仕様とかあるのかしらん?
気が早いですがでーぶいでーになるのが楽しみです。
そしてでーぶいでーと言えば…またどきゅめんとを出すんですねー。
今度も受注生産かな?

571:2015/11/03(火) 13:34:35 ID:???

Feuerwerk


「わー」

きょろきょろと辺りを見回しながらあるく篤志君の手をしっかりと握りなおす。
黙って出てきた上に篤志君に何かあったらひろさんに殺されるっ。

「あきら?」

思わず手に力が入った俺を篤志君が不思議そうに見あげた。

「なんでもないよ。それより欲しいものとかある?」
「ううん、大丈夫」
「そう?」
「うん。あ、これひろさんに似合いそう」
「あー確かに」
「こっちはーしょうきち好きそう」
「そーだねぇ」

あんまり大したものは買えないけどはじめての城下だし篤志君が欲しいなら買ってあげるのに…人のことばっかりなんだから。
篤志君らしいけどさ。

「あきら、これ何?」
「これはねー」

それでも城で見たことがないいろんな物を見ては何かと聞いて来る篤志君が楽しそうにしてたから、まあいいかな。
たまに答えられないものがあったりしたけど…今度はもうちょっと勉強してこよう。
いやそれよりけんち連れてくればいいんだ。
そしたら勉強する必要ないし。

そんなことを考えながら大通りをぶらぶらすると次第に店がなくなっていく。
あーそろそろまずいかも。

「篤志君、今日はここまでね。結構歩いたし、疲れたっしょ?」
「…ん」

篤志君はちょっと躊躇した後小さく頷いた。
本当に見たいのはきっとこの先なんだろうな。
でもこの先は治安が悪いし、篤志君1人なら守れるとは思うけど何かあったら……ひろさんに殺されるっ(二度目)

572:2015/11/03(火) 13:35:37 ID:???

「「あ」」

あきらにここまでと言われ踵を返そうとした瞬間、俺とあきらは2人揃ってちょっと間抜けな声を上げる。
俺達の視線の先には俺と多分同じぐらいの少年。
俺はぎゅっとあきらの手を握り締めた。

「篤志君」

あきらの声が上から降ってきてぽんぽんと空いてる方の手が肩を叩く。

「あきら」
「大丈夫」
「ん」

そして俺達はその少年……店主の見ていない隙に果物を持って走っていった……を追いかけた。


「こーら、少年」
「っ!」

追いかける際に俺をひょいと抱き上げて走り出したあきらだけど、あっという間に少年に追いついて声をかける。
気がついてなかったその子はびくっと体を震わせて振り向いた。

「そんなことしちゃダメだろ?」
「うるせーよっ。食いもんに困ってねえ金持ちに言われたくねえ」
「…っ」

確かに、俺は食べる物だって住む場所だって着る服だって…困ってない。
でもこの子は困ってるんだ。
わかっていたけど…この国にも食べ物や住むとこやそんなものに困ってる人はいる。

俺の力が、足りないせい?
どうすればいいの?

「篤志君」
「…あきら」

あきらは考え込んだ俺を降ろして頭を撫でてから少年を見た。

「確かに俺達は困ってないね。でもだからっていつまでも人のもの盗んで暮らしていくわけにもいかないでしょ。そんな事続けたらいつか痛い目にあう」

あきらが子供に言い聞かせてる…………いつもは怒られる側なのに。

「じゃあどうしろってんだよ!」

俺がびっくりしてる間に少年は顔を赤く染めて怒鳴った。

「んー、だよね。どうしよっか。そうだ!とりあえず一時的な足しにしかならないだろうけど……ちょっと話聞かせてくれたらこれあげる」
「は?!………話だけか?」
「もちろん」

あきらが懐から出したのはお金。
すごくたくさんじゃないけど…それなりの金額のはず。
……俺ももうちょっとこの国で暮らす人たちのこと勉強しなきゃ…。

ちょっと警戒してるその子はあきらと俺を交互に見る。
どうしたらいいかわからなかったから、とりあえずちょっとだけ、笑って見せた。

た、多分笑えてる……ハズ。

「んーと、ちょっと待っててね。篤志君も、大丈夫?」
「大丈夫」
「動いちゃダメだよ?」
「うん」

俺が頷いたのを確認したあきらはあっという間に近くの店にとびこんでいった。
なんだろう?と思ってたらすぐに出てきて俺と少年の前にそれを差し出す。

「はいどうぞ」
「これ…」
「篤志君も、一緒に食べよ」
「ん」

紙につつまれていたのは3本の団子。
俺達はその団子を手に近くの河原の石に座った。

ここを選んだのは多分…見晴らしがいいこの場所なら何かあってもすぐ対処できるからだと思う。

573:2015/11/03(火) 13:36:35 ID:???

「食べな」
「ん」

わ…すっごい勢いで食べてる。

「名前は?」
「俺?…りゅーじ」
「りゅーじね、俺はあきら、こっちは篤志君だよ、よろしくね」
「わかった。……篤志って新しい王様と同じ名前だな」

もしかして、お、俺が王だってばれた?

りゅーじの言葉にどきっとした。
でもその表情はさっきまでと変わってないから大丈夫、だと思う。

「そうだね。ねぇ、りゅーじから見た王様ってどう?」

チラッと見あげたあきらは全然顔色も変えずにそのまま口を開いた。
その質問に俺はまた一人どきどきする。

「今の王様は見たことねえから知らねえ。けど、どいつも一緒だろ?俺らにとっては」
「?」
「戦争さえ起こさなきゃ関係ないね」
「そう、なの?」

誰でも一緒なの?

「ああ?まあな。王様が変わったからって食いもんが降ってくるわけでもねえし。戦が始まれば困るけど……あー、その点から言えば今の王様の方がいいのか。
なんか火の国とも仲良くやってるって聞いたから」
「よく、知ってるね」

確かに仲良くはしてもらってる。
でもそれは城の中だけで、国同士の関係はまだまだこれからだ。

「詳しくないと、いろいろうまくやってけないから」
「そっか。ああ、それよりさ…まだ前の王の味方がいるって聞いたけどほんと?」
「うーん、あんま大きな声では言えねえんだけど…」

前の王の、味方?

あきらとりゅーじの話は戸惑う俺を置いてどんどん進んでいく。

574:2015/11/03(火) 13:37:22 ID:???

「お前ら悪い奴じゃなさそうだし…いいか。多分、あいつら近々何かしでかすつもりだ」
「え?」
「火の国と水の国の境で力のある守人崩れっぽいのが集まってるってよ」
「そうなの?」

守人崩れ。
ひろさんに聞いたことがある。
前の王への反乱の時に何人か、逃げた守人がいるって…。
他にも守人ほどではなくても力が使える人がいるって…。
もしかして。

「火の国と水の国。今襲うとしたら水の国だろうな」
「りゅーじ、頭いいね」
「すぐわかるだろ?火の国の王様は幼くても周りがしっかりしててここのところ平和だ。
でも水の国は最近代わったばかりでその上前の戦で国も人も弱ってるから。それに新しい王様の力も…わかんねえし」
「うん」

確かにその通りだ。
俺は……何も出来てない。
この国を守らなくちゃいけないのに。
まだ何も。

「これ以上…戦なんか起こすわけにはいかないよね」
「え?」

思わず声に出してたみたいで、りゅーじが不思議そうな顔で俺を見た。

「なんでもない。ありがとうりゅーじ」
「お、おう。けど…篤志って変なヤツだな。いいとこの坊ちゃんか?」
「まあ、そんなとこ。世間知らずだから勉強中なんだ」

いろんなことを。
王として少しでも何かできるように。

「いろいろありがとう、りゅーじ。はい、約束のお金」
「…団子貰ったし、楽しかったからいいよ」

あきらが差し出したお金。
それを見て少し考えた後、りゅーじはいらないと断った。

食べものに困ってるって言ってたのに。
盗みだってしてたのに……りゅーじは真っ直ぐだった。

「あきら」
「うん。りゅーじ、これはちゃんとした報酬だから、貰っておきな。でも他の人には喋んない方がいい」
「……わかった。ありがと」
「じゃあそろそろ戻るわ。篤志君を心配して鬼のような形相で待ってる人がいるから………。俺、生きていられるかな」
「あきら…」
「な、なんかよくわかんねーけど、無事を祈っとく」
「ありがとー」
「じゃあ…」
「おう」

りゅーじは身軽に立ち上がるとそのまま俺達の前から走り去った。
もう……会えない、かな。
俺が王だって知ったら……怒るかな。

575:2015/11/03(火) 13:38:20 ID:???

篤志君も同じぐらいの歳の子と話せて楽しそうだったし、なかなか貴重な情報聞けたし…とりあえずこれでひろさん赦してくれないかなぁ?
なんて思いながら篤志君の手を引いて大通りを城へ向かって歩き出す。

篤志君はずっと黙ったまま。
疲れたかな?
大丈夫かな?
熱とか出したら………ひろさんに殺されるっ。

それに俺自身も、篤志君が熱出したら心配だし。

「篤志君疲れた?抱っこしようか?」
「いいっ。あのさ……あきら」
「何?」
「りゅーじ、俺が王だって知ったら、もう普通に話してくれないかな?」

ああ、そっか。
守人以外で初めて知り合った子だもんね。
うーん、ほとんどの人は態度が変わると思う。
それは仕方ないことだけど…でもりゅーじなら。

「最初はびっくりするだろうけど、りゅーじなら大丈夫っしょ」
「そっかな」
「そうそう」

そんな会話をしながら俺達は大通りを抜け林に入った……んだけど…。

「篤志君、嫌な予感と言うか気配と言うか…あの」
「あ……」

篤志君が俺の腕にしがみつく。
俺は歩いてた足を止め、ってかむしろ一歩後ろに下がって体をぶるりと震わせた。

「篤志、あきら」
「あはは……た、ただいま、ひろさん」
「篤志」

ひくーい声に、なんとか声を絞り出した俺を華麗にスルーするひろさん。

いやぁぁぁ!
「なにやってんだ!」とか怒鳴られる方がまだマシでしょ、これー!

「…ひろさん。黙って出て行ったことはごめんなさい。心配かけました。でも…外へ行ったことは謝らないから」

俺にしがみついていた手を離して篤志君はひろさんを見上げしっかりと言い切った。
篤志君、かっこいー。
でも…顔色悪くない?

「あきら、何かあったのか?」
「いろいろ報告があります。でもとりあえず戻りましょう。篤志君結構疲れてるはずですから」
「……」

ひろさんの怒りの表情が心配に変わる。
篤志君はさっきまでと違って今は少しだけ俯いていて背中が丸い。

急に疲れたの自覚した?

「篤志君、大丈夫?」
「顔色悪いな。ほら」
「ひろ、さん」

ひろさんは篤志君の体を軽々と抱き上げる。
篤志君も安心したようにぎゅっと抱きついた。

安心したかな?
力を抜いた篤志君に俺もずっと張り巡らしていた警戒を少しだけ緩める。

怪我をしてないのは見ればわかるだろうけど、精神的に傷つく可能性だってたくさんあるからね。
今までいっぱい傷ついてきた篤志君だから、俺もひろさんもそれから他の守人達もみんなもう2度と心も体も傷つかないでほしいって思ってる。
篤志君が王である限り…それは難しいとわかっているけど。

「篤志、寝てていいぞ」
「ん…ひろさ、あり…あと」

疲れからかこくりと頭を揺らす篤志君。
ヒロさんがぽんぽんと背中を叩くと篤志君は舌足らずに答えて、ひろさんの肩に頭を擦り付け、首に手をまわして目を閉じた。

篤志君かわいい〜。

てか、ひろさん…守人じゃなくてめちゃめちゃ父親の顔してますね。

576:2015/11/03(火) 13:40:07 ID:???

Feuerwerk >>571-575

お久しぶりの長編。
ちょっぴり重要人物(今後はほぼ関係なし)のお名前は後輩君にさせていただきました。
名前だけで性格喋り方等は全然関係ないのでスルーしてください←


さいきんうさちゃんらぶ(笑)
兄ちゃん達の写真とか、かっこよかったり可愛かったりでにまにましてます♪

本文よりタグの方が長いすんたんいんすたw
今日のらいぶも楽しい時間になりますように\(^o^)/
丸まってるうーた/まど/んが愛しい…。

577:2015/11/07(土) 14:51:07 ID:???

Feuerwerk


「お帰りなさい。篤志君大丈夫ですか?」
「ああ、寝てるだけだ。疲れたんだろう」
「なら良かった」

念のため待機させていたけんちがほっとしたような顔を見せる。
俺の肩に頬をつけてぐっすり眠る篤志は穏やかな寝息を立てていた。

「話があるから篤志の部屋の隣りにみんな集めてくれ」
「わかりました」

まだあきらの報告は聞いてないが、何となく想像はつく。
最近国境付近の人の動きが気になっていたからな。

篤志の部屋につくとすでに用意されていた布団。
そっと寝させても起きる気配はなく、その頭を撫でて隣の部屋へと移った。




「それ本当なの?」
「篤志君がいたから確認はしてない。でも俺も篤志君もりゅーじの言葉は信じられると思った。
それにちょっと前まで町で見かけてたガラの悪い奴らがいなくなってたし」
「そうか…。確認とって出来るだけ早いうちに片付けた方がいいな」
「そうですね。事態が大きくなる前に。けど…火の国の者もいる可能性があると、ちょっとまずいような」
「確認が取れ次第火の国にも連絡取った方がいいだろう。火の力を持つやつがかなりいると長引く可能性もある」
「俺、偵察に行ってきます」
「無理するなよ。危ないと思ったらすぐ引け」
「了解です」

あきらからの報告を聞いて、早めに対応した方がいいと守人全員の意見が一致した(けんちの膝の上で首をかしげているしょうきちは例外だ)。
長く続いた戦、それから俺達の前王への反乱。
水の国でこれ以上の争いは国も民も疲弊するだけで何もいいことはない。
…本当に前王の守人がいるのなら、なおさら素早い対処が必要だろう。

なるべく怪我人を出さないようにしないとな。
篤志が…傷つくから。

578:2015/11/07(土) 14:52:10 ID:???


俺が城下に行ってから1週間。
あの時のりゅーじから聞いた情報をみんなが詳しく調べた結果、かなりの規模での反乱が企てられていた…らしい。

向こうの準備が整う前に、なるべく早い段階で計画を潰してしまうため…俺達は先手を取って鎮圧に乗り出すことになった。
俺を城に残して。

「だから、篤志はダメだ」
「やだ!」

苦虫を噛み潰したみたいなひろさんに食って掛かる俺。

「篤志」
「危険だってわかってる。多分人を傷つけなくちゃいけないことも…。でもここで守られてばかりじゃ誰も守れないじゃん!
それに俺が王だって…これが新しい王の力だって見せとかないと今後同じことが起こらないとも限らないでしょ?」
「……」

必死で訴えるとひろさんの顔がさらに怖くなる。
ひろさんが俺のことを心配してくれてるのはよくわかってる。
俺だって…人を傷つけるのは怖いし、みんなが傷つくのを見るのも…怖い。
でも王としてやらなくちゃいけないことだから。
みんなを守る為に。
少しでも水の国を平和にそして幸せにする為に。

「ひろさん、俺何を言われても行くよ。みんなに俺が王だとお披露目するのにも絶好の機会だし」
「はあ……わかった。絶対に、絶対に!無理はするなよ?」
「うん」
「守人がついてるんだから、篤志が力使う必要はないんだからな?」
「うん」
「俺は篤志の力を疑ってるわけじゃねえんだ。お前ならきっとみんなにも認められる。怪我だってすることもなく鎮圧できるだろう」
「ん」
「けどな…」
「ひろさん。心配してくれてありがとう」

ひろさんの手がぐしゃぐしゃっと俺の頭を撫でた。

大丈夫。ひろさんもそれから守人のみんなも一緒だから。
……しょうきちはまだ留守番だろうけどね。

579:2015/11/07(土) 14:53:10 ID:???


幸いなことに人里から離れた場所にコソコソと隠れていた反乱者達。
王と守人達が出陣したことはすぐに知れ渡ったせいか、不意をつかれたわりには抵抗も激しく乱戦となりかけた。
だが…こっちの守人はみな歴代一と言われるほど力が強いものぞろいだ。
そして何より、篤志の圧倒的な力がある。

火の国からもてつやが一団を率いて合流してくれていたが、力を借りるほどではなくただ戦いを見届けるのみに留まっていた。


「篤志君あまり前に出すぎないでよ」
「わかってる」

俺の横に立つ篤志の向こうから、けんちの咎める声が聞こえる。
全軍のほぼ先頭に立つ篤志はけんちと俺に挟まれその力を奮い(使わせる気はなかったんだが、篤志に押し切られた)
その視線の先の敵の真っ只中にはすでにけいじとあきらが舞うように、空気を切り裂くように、反乱者達を攪乱していた。
ちなみになおきは留守番のしょうきちと一緒に城の警護だ。(しょうきちの見張りとも言うな)

「なんかあきらもけいじ君も、生き生きしてる…」
「あー最近暴れてないからね」
「一応手加減は出来てるみたいだし、好きにさせとけ」
「う、うん」

言葉を交わしながらも篤志は反乱軍の中でも力を持つ者を選んでほとんど傷をつけないままに水の力で次々と拘束していく。
力のない者はあきらとけいじが。
そして俺とけんちは何もすることがなくただ見ているだけだ。

反乱者たちの鎮圧と捕縛はあっという間に終わりを告げた。
俺達との圧倒的な力の差に抵抗する気が失せたんだろう。

「これで全員だと思います」
「うん」

篤志の目の前に連れてこられた、拘束された男達。
篤志はほんの少し眉を潜め口を開いた。

「何が不満でこんなことを企んだの?」
「…前の王にはいろいろ世話になった。まあお互い様だったがいろいろ儲けさせてもらったんだよ。
正義を振りかざす王の時には儲からない商売もあるってことだ」
「正義を振りかざしてるつもりはないけど…真面目に暮らしている人達を守るのが王の役目だと思う。
自分達の利益の為だけに反乱を起こすなんて赦せない。それ相応の処罰がくだされると……思え」

篤志は少し視線をさげた後、男達を真っ直ぐに見てきっぱりと告げると踵を返す。
俺はあきら達に後を任せ篤志を追った。

580:2015/11/07(土) 14:54:27 ID:???


「篤志」
「…」
「大丈夫か?」
「うん」
「この後は…やめとくか?」

篤志は俺をちらっと見上げて小さな手を伸ばしてくる。
握ったその手は少し冷たくて、篤志の緊張が伝わってきた。

「やる。一番いい機会だってわかってるから」
「篤志」

この鎮圧に篤志が出ると決まった後、守人と篤志とで相談した。
今まで人前に出なかった篤志のお披露目を兼ねて…堂々と城下を通り城へ戻ることを。

もちろん俺は反対した。
まだ篤志の体調も精神も不安定で、たくさんの人の目に触れるのは怖いだろう。
力を使い人を傷つけ、さらに人目にさらされることは…篤志にとって苦痛でしかないはずだ。
だがいい機会なのも確か。
幽閉されていたこと、篤志がまだ幼いこと、力が不安定だと言われていたこと…そんな話が新しくなった王への不安に繋がっている。
だからこそ、早めに篤志の姿を見せることに意味はあった。

用意しておいた馬に篤志を乗せその左右を俺とあきらが固める。
一番前にはけいじ、そして後ろにはけんち。

捕まえた男達はすでに篤志の力で城へと送りつけたため、王である篤志と守人だけの凱旋だ。

城下の人々は篤志の幼さに驚くと同時にその堂々とした態度に期待をにじませた表情を見せている。
声をかけられると篤志は軽く笑みを見せ危なげなく馬を歩かせた。


俺は篤志の守人でよかった。
助けるのが遅くなったことは今でも後悔しているが…あの時前王に反旗を翻し、篤志を助けたことは後悔していない。
この先何があっても…篤志は絶対に守り抜く。

みんなに笑顔を見せる篤志を見ながら改めて自分に誓った。
その直後…篤志の表情が軽く強張ったのに気づく。

篤志の視線をたどると……驚いた顔をした1人の少年がそこにいた。

581:2015/11/07(土) 14:56:08 ID:???

Feuerwerk >>577-580

うーん…すんたんが出てこないとあまり楽しくない←書いた本人が言うなw
でももう少し続きます。
そしてその後のエピソードにもすんたんいなーい…。
一番書きたいのはもっともっと後なので、とにかく辿り着くまで頑張ろう。


いんすたの楽しそうなお兄ちゃん達。
3人の絆にはあちゅでも入れないことはよくわかっているのに、あの場にあちゅもいて欲しいと思ってしまいます。
今のあちゅはあの会社の中で…べび/ねみたいに気が許せて分かり合える仲間がいるのかな…。
なんだか年末に近づくにつれ寂しさが増大中(ノд-。)

あちゅ。
年末にすんたんと恒例のでーとしていろんな話をして笑って泣いて、土砂崩れな笑顔のつーしょでも見せてください←

そしてすんたん今日も最高ならいぶでありますように☆
隠しかめらは汗だ/くな35歳のお/っさんを見たいあちゅの仕業かと思われます←w
すんたんおめめきらきら(笑)

582:2015/11/11(水) 08:08:44 ID:???


双子ちゃんシリーズ


「篤志君、俊君お迎えよー」
「あい!」
「まっちゃーん」
「な、なに?」

相変わらず元気な双子を迎えに行ったら、すごい勢いで突進してきた。
最近は友達と遊ぶのが楽しいのか迎えに来てもなかなか帰れなかったりするのに。

「まっちゃ、まっちゃん」
「どうしたの?」

後ろに倒れそうになるのを何とか堪えてぎゅむっと足にしがみついた双子達の頭を撫でる。

「あにょね、あにょねっ」
「きょーかいもんいく?」
「買い物?」
「んっ」

キラッキラの目をして聞いてくるけど…。

「今日は行かないよ」
「「えーーーー!」」

何?
2人揃って不満そうに。
何か欲しい物でもあった?

「まっちゃ、おみしぇ」
「かいもん!」
「何か欲しいの?」
「「ぽっ きー!」」
「は?ぽ っきー?」
「あい!」
「おん!」
「なんでぽっき ー……?」

思わず首をかしげる。
おやつとして食べたことはあるはずだけど、特別大好きってわけでもないよね?

「やって、きょーはぽ っきーのひじゃろ?」
「ああ」

そういうことか。
そういえば今日は11/11だっけ。

ちなみにもやし、豚まん、きりたんぽ、麺に鮭にピーナッツ、まつ毛、靴下、下駄にライター、折り紙、宝石などなどいろんな記念日でもある。
最近はい/い買い/物の日とかもあったかな。

っと思考が脱線した。

583:2015/11/11(水) 08:09:39 ID:???


「これから買い物行ってもぽっき ーすぐには食べられないよ?」
「「ええー」」

ぷくりと頬を膨らませた足元の双子達。
漸くしがみついてた俺の足を離した2人の前にしゃがみこんだ。

「夜ご飯食べれなくなっちゃうでしょ。今日のおやつはもう食べてるし」
「ぽっきぃ……」
「ちゃんとくうから!」
「そう言いながらこの間残したの誰?」

今までにも何度かお迎えの帰りにお菓子を買って食べちゃって(主にまきが迎えの時)ご飯残してるんだよね。
やっぱりそれはよくないでしょ。

「くえる!」
「きょーはじょぶ!」
「ダメ」
「「やぁだっ、ぽっ きーーー!」」

ジタバタする双子達を見て他の子のお迎えに来たお母さん達がくすくすと笑ってる。
みんな同じ経験あるんだろうね。
世の中のお母さんは(お父さんもいるだろうけど)大変だ。

「まっちゃぁん」
「ふぇ…」
「あー、じゃあさ」

涙目で甘えるような俊ちゃんの声と泣き出しかけた篤志に……負けた…負けました。

「買ってもいいけど、食べるのはご飯が済んでから」
「っ!」
「今日だけだよ?それからちゃんと全部食べられたらって約束ね」
「「んっ!」」

あっという間に笑顔になってこくこく頷く双子に思わず苦笑。
さて、そうと決まったら早めに買い物行って早めのご飯にしないと寝るのも遅くなっちゃう。

「じゃあ帰るよ。鞄は?」
「あっ」
「かばーん」

パタパタと走っていく双子達を見送ってると、どうやら他の家の子達も同じような会話をしていた。

あれ?これって俺達のせい、だよね。
なんか…申し訳ない。

584:2015/11/11(水) 08:10:40 ID:???


「他のお菓子は買わないよ」
「あいっ」
「走らない」
「っ!」

手を繋いでた篤志からいい返事を貰いながら、店に入ったとたんに駆け出しかけた俊ちゃんに声をかける。
ぴたりと止まった俊ちゃんがそわそわとお菓子売り場と俺を見ているのが可愛い。

「篤志も一緒に行ってきな。俺はついでに牛乳買ってくから」
「にゅうにゅっ!」
「あちゅし、ぽっき ーいくで」
「ん」

一瞬牛乳に気をひかれた篤志。
俊ちゃんがぽ っきーのことを言うと思い出したのかてこてこ歩き出す。
篤志の手をとった俊ちゃんがお菓子売り場へと歩き出したのを確認してから俺は急いで牛乳を取りにいった。

大丈夫だと思うけど…最近はお店の中でもいろいろ油断できないからね。

「あったー?」
「あっちゃ!」
「ぽっ きー」
「1つにしな」
「……」
「シールついてないやつでしょ?」
「ん」

いつもはえ/ぐれんじゃーのシール付き(いつの時代もあるよね、これ)を買うから1人1個にするけど、今日2人が持っていたのは赤い箱のやつ。
これはシール付きのよりたくさん入ってるから2人で1箱で十分。

「ほら帰るよー」
「あいっ」

他にもあれが欲しいこれが欲しいって言い出す前にさっさとレジを済ませて双子を車に乗せる。
いい機会だから夜ご飯は双子の苦手なものも入れようっと。



「残したらぽっ きー食べれないよ?」
「……うぅ」
「しゅんたん」
「あちゅし」
「交換はダメ」
「……ぅえ」
「…ぅむ」

この日の晩御飯、きっぱりと言った俺に双子達は涙目で嫌いなモノを口に入れて必死で飲み込んだ。
えらいえらい。

「あっちゃん俊ちゃん、かっわい〜」

横でまきがカメラ片手に悶えてるのはいつものことだからほっとこ。

585:2015/11/11(水) 08:11:33 ID:???


あむあむとご飯をかき込むあっちゃんと俊ちゃんが今日も可愛すぎてお腹いっぱい。
今日に限って嫌いなものも頑張ってるのはどうやらご飯の後にぽっき ーを食べるから、らしい。
そういえばそんな日あったね。
ポッキーと言われたら俺なんてポッキーゲームぐらいしか思いつかないけど………。

………むふっ……いーこと思いついた!


「いたらきます」
「ましゅっ」

嬉しそうに袋を開けて(出来なくてひろ兄に開けてもらってたけど)取り出したぽ っきー。
ぽりぽりと食べる姿がリス?
もう可愛いんだからっ。

どうせならもっと可愛くしたいよね。
ってことでさっき思いついた案を実行。

「あっちゃん、俊ちゃん」
「?」
「まきしゃ?」
「あのね……」

こそこそこそ。

「まき?」

後ろからひろ兄の怪訝そうな声が聞こえてくるけど、聞こえなーい。

「…ほどほどにしときなよ」

呆れたようなまっちゃんの声も知らなーい。

「あっちゃん、俊ちゃん、はいどーぞ」
「うっと」
「こうでええ?」
「そうそう」
「ぶはっ」

後ろからうっさんの吹きだした声が聞こえた。

ごとりと持っていたマグカップを机に落としたのは多分ひろ兄。
中身は空になってたのか、机にも床にも被害はなし。

「ちょ…それは違うんじゃないかなー」

と呟くまっちゃん。
俺は緩む口元を押さえきれず、だらしない顔でカメラを構えた。

「んーむ」
「あむ」

ぽきぽき。
もぐもぐ。

1本のぽっ きーの両端をぷくぷくほっぺの双子達が加えてぽりぽりと。
欲張りあっちゃんは一杯食べようと必死ではぐはぐ。
俊ちゃんはちょっと照れてる?

「………っ」

いーやー!
かわゆすぎる。
提案した俺、さすが!!

最後の最後まで必死なあっちゃんに押されつつ俊ちゃんも結局最後までぽっき ーから口を離さず…
当然のように双子はポッキーゲーム最大の見所(?)なちゅーに。
触れ合ったって言うよりむしろあっちゃんが俊ちゃんの口まで食べちゃう勢いだったりしたけど。

586:2015/11/11(水) 08:12:16 ID:???


あーあ。

ふるふると拳を奮わせつつも頬を緩めるひろ兄がすごい怪しい。
まきの下種な←策略にさっくりはまった純粋な双子達はまたポッキーをくわえて無邪気に食べ始めてる。

楽しそうだし小さい子のキスは性的なものを感じさせなくてむしろ可愛いし…まあいいかな。
大きくなってもこのままじゃ困るけど。

「あ…篤志、俊」

ようやくひろ兄復活?
と思ったら、またポッキー食べ終えてちゅーしてる2人に撃沈。
もう素直に可愛いと思っておけばいいんじゃない?

そのうちぽっ きーなくてもキスしてそうな勢いだけど…。

「篤志、俊ちゃん。食べ過ぎたらダメだよ」
「んぅー」
「んっ」

夜に食べる習慣はつけない方がいいしね。
もぐもぐしながらの返事に笑っちゃった。

「あと、まきもいい加減にしときなよ」

一応こっちも注意しとかないとね。
涎たらしながらカメラの連写は怖すぎるから。
ある意味ホラーだから。
てか、まき…このままで結婚できるんだろうか。 
その変態具合を何とかしてもらわないと、そのうち篤志と俊ちゃんのストーカーになりそうな…。
いやいや、そんなことはないよね、てか信じたい。
一応半分だけど血が繋がってる身としては……さ。

「篤志ー俊ちゃんー、俺もぽ っきーもらっていい?」
「やっ」
「だめ」

あ、手を伸ばしかけてたうっさんが双子にダメだしくらって撃沈した。

「しゅんたん、ちゅぎもー」
「ん」

ぱくりとくわえキラキラした目で俊ちゃんを見る篤志。
俊ちゃんはいつもよりニヤけた顔で頷いてまた2人でぽりぽり…ちゅ。が続くこの光景。

なんだろう…こう可愛くてほっこりする光景なのに、なんか惚気られてるってか当てられてる?って感じ。

587:2015/11/11(水) 08:13:17 ID:???


「この子達このまま成長したら将来どうなるんだろう…」

そのうち殴り合いの喧嘩して口聞かなくなったりするのかな?
………ぜんっぜん想像つかないけど。

「あっちゃんが俊ちゃんのお嫁さんじゃなーい?前に言ってたし」

あ、まき漸くこっちの世界に帰ってきたんだ。

「篤志は誰にもやらん」
「でも俊ちゃんにあげたら篤志ずっと家にいることになるよね」
「…………」
「ひろ兄、そこで悩まない。根本的におかしいから」
「そ、そうだな」

…大丈夫かな、この家。

「ぷは…」
「おわったー」
「もーない?」
「ねえよ」
「えー」
「今度またおやつに買おうね」
「あい!」
「あちゅし」
「?」
「ん」
「あ………」

気に入ったのかなんなのか…俊ちゃんぽっ きーないのに篤志とちゅーはどうかと思うよ?



ちなみにこの後、つけたテレビでぽっき ーのCMを見た2人がそれを真似して踊っていました。
一生懸命な姿となぜかお尻が一緒に振られてるのがものすごーく可愛くはあるんだけど…それ、いつ覚えたの?
え?保育園で流行ってる?
……おそるべしぽっ きー…?

588:2015/11/11(水) 08:14:10 ID:???

双子ちゃんシリーズ >>582-587

ちびっこのちゅーは可愛いですよねw
このまま日常的にちゅーする双子達になればいいよ(〃艸〃)


海にいるあちゅの背中にすんたんがちゅーを落とすシーンを思い浮かべてニマニマ←
すんたん、今日も楽しく幸せならいぶになりますように☆

589名無しさん:2015/11/19(木) 08:08:10 ID:???
ぽっ き ー双子ちゃん、ありがとーございまーす ☆
ちゅーが日常茶飯事で、さすがの兄ちゃん達も何の疑いも持たなくなった頃、いとこ?こーはい?のバカでかい直きあたりが衝撃受けてたらいーよ\(^o^)/
↑けーじだと、普通に受け入れちゃいそうだしw、ちっちゃい直ちゃんだと一緒にキャイキャイしそうだからww

さてさて。
にゃごやすりーでいず、参戦して参りました♪
ぐるーぷでのあちゅに、勝手に色々考えてしまっていた2号ですが、今回のライブで吹っ切れました\(^o^)/
兄ちゃん達との姿を見ると、確かに淋しい気持ちもムクムクと湧き上がってきましたが、あんなコトしてるあちゅや、こんなことするんだあちゅ…とあちゅが楽しんでる姿を見るのは単純にこちらも楽しかったです♪

最後の方で…(以下、大した話じゃないですけど、ライブの内容に触れます。)

あちゅが上着を脱ぐんですが、左手首だけ外さずに上着をブンブン振り回すんですよ。
それがもー!“にゅげないのー!もー!にゃんで、にゅげないのー!”て暴れてるみたいで、めっちゃかわいかったです。
周りは、裸祭りにキャー‼︎という悲鳴でしたが、私だけ違うもの出しちゃいそうでしたww
そしてまた腰がほっそい!そして、薄い!
そこらの女子より細い腰に、ありがとうございます(^人^)ごちそうさまです(^人^)とお礼言った不気味2号でしたw

590:2015/11/19(木) 16:37:42 ID:???

>>589
2号姉様こんにちは。
ちゅーする双子に衝撃を受けるにゃおき(笑)
すっごい真面目に悩みそうですね←
ちっちゃいなおちゃんが一緒にきゃいきゃいしてるのも…なんかかわええ…w

そしてそして2号様にゃごや参戦されてたんですねー♪
あちゅの楽しそうな姿。
寂しい気持ちでいっぱいの私も楽しそうなあちゅと聞いてなんだか嬉しくなりました。
ありとまーす☆
そのうえ!
なんですか、そのかわゆいあちゅはっ。
にゃんで、にゅげないのー!なあちゅにニヤニヤw
めっちゃかわえーかわえー←
脳内ではしっかりネコ耳と尻尾つきあちゅがぶんぶんしてます♪
あちゅの細くて薄い腰…あーもう想像しただけで最近鈍っていたすんあちゅ妄想が脳内でくるくると←怖い
すんたんにがっしと掴まれたら更に華奢なのが強調されそうですね。

ふふふーお腹いっぱい。
ご馳走様でした(^人^)
2号姉様ステキで萌えなれぽ、ありがとうございました!

591:2015/11/19(木) 16:39:12 ID:???

Feuerwerk


甘いとはわかってるけどなるべく傷つけないように抵抗する相手を捕まえた。
横にいて見守ってくれてるひろさんとけんちの視線が心配そうで、大丈夫なのにと思いながらも心配してくれるのが嬉しい。

結局後で大丈夫じゃなかったって思い知るんだけど…。


そして戦いが終わってから城への帰り道。
俺はひろさんと相談して街を歩くことに決めていた。
まだまだ頼りないとわかってるけどそれでも…俺が水の国の王だから。
少しでもみんなに信用してもらえるように。

驚いている目、不安そうに見る目、冷たい目、たくさん向けられたいろんな視線に怖くなる。
でも俯かずに顔を上げてしっかりと歩いた。

「王様」
「篤志様」

城に近づくに連れて少しずつ声が聞こえはじめる。
名前を呼んでくれるのが嬉しい。
ほんの少しだけど笑顔にもなれた。
ちゃんと笑えてるかどうか自分ではわからないけど。

そして…城の手前で集まった人たちの中の1人と目が合った。

りゅーじだ。

思わず手をぎゅっと握る。
俺が王だって知ったんだよ、ね。
すごい驚いた顔してる。
ドキドキしながら少しの間俺達は目を合わせてた。
それは…りゅーじがふいっと視線をはずし、背中を向けて走り出したことで終わる。

……やっぱり、隠してたこと怒ったかな。
それとも王になんて近づきたくないかな。

ぎゅっと心臓が掴まれたみたいに縮こまった。

「篤志」
「…っ」

そんな俺の背中に大きな手が添えられる。

ひろさん…。
大丈夫。
俺には守人のみんながいる。
それに頼りなくても水の国の王なんだから、きちんとしなくちゃ。


顔を上げ真っ直ぐ前をむいて…そして、俺達は無事に城へと戻っていった。




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